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仁比聡平君
日本共産党の
仁比聡平でございます。
私、本
会議場で、この
法案に関しましての杉浦
法務大臣、そして
沓掛国家公安委員長の千葉景子議員に対する答弁を伺っておりまして、この未決拘禁の問題をどのような問題として
考えておられるのか、その問題とどのように向き合っておられるのかという点について、いささかのといいますか、強く疑問を持ったわけでございます。
そこで、
法案提出の経緯からまずお伺いをしたいと思うんですが、昨年の通常国会で、これは先輩議員の皆さんには当然のことかと思いますけれ
ども、
受刑者処遇法の
改正といいますか、
監獄法改正につながりました行刑改革
会議の
活動についての資料をお配りをいたしました。
これを見ていただきますように、全体会だけで都合十回。第一分科会、ここは
処遇の
在り方などですけれ
ども、八回。
透明性の確保などという第二分科会が九回。医療・
組織体制などのこの第三分科会が八回。全体会、分科会、単純に合わせますと三十五回の大変精力的な調査
検討あるいは
議論が行われています。この中では、アムネスティ・インターナショナル
日本だとか、あるいは元
受刑者、あるいは現職刑務官などからのヒアリングを行ったり、国内及び
外国の行刑
施設及び
司法省などを視察をしたり、
受刑者や刑務官を対象とするアンケートを実施をしながら
検討を行ったというふうに伺っています。
ですから、平成十五年の四月から十二月の大体八か月程度の
活動の中ですけれ
ども、その成果として出されました
提言を見ますと、
受刑者の人間性の尊重、刑務官の負担軽減、開かれた刑務所
運営という三つの改革
方向が示されて、ここが今日さんざっぱら出てまいります
日弁連も含めて高い
評価を受けて、昨年の通常国会での
改正ということになったんだと思うんですね。
ちょっと長く引用しましたけれ
ども、この行刑改革
会議の中でも、未決拘禁や死刑確定者の
処遇については我々の力の及ばなかったところだというふうにされました。ですから、政府も、未決と既決を明確に
分離して、未決、特にその中心問題である
代用監獄問題については今後の
課題とすると、
日弁連、
法務省、
警察庁、三者の協議を通じて協議をしていくということで、既決、
受刑者処遇法の部分を昨年
改正案として提案をされたんじゃないかと思うんです。
一方で、今回の法
改正に当たって開かれた
有識者会議を見ますと、四枚目からの資料ですけれ
ども、第一回が十二月の六日に開かれておりますが、ここは二時間半で三者からの、つまり
法務省、
警察庁、
日弁連、この三者からのレクチャーだけで終わっております。以降、全部で六回。これは取りまとめのための
会議も含んでいるわけですが、そこに書かせていただきましたような時間数、長いときで三時間半、短いときは一時間半、こういう
会議にとどまらざるを得ませんでした。
ですから、
有識者会議の
報告書を拝見をしましても、我々九人に与えられた時間は短かったと、こう書いてあるわけです。
活動の差は歴然としていると思うんです。
有識者会議も、
代用監獄の問題、
代用刑事施設の存廃の問題、ここについて問題の重たさを示しています、書いています。つまり、この問題が最も根元的なものであるという
認識を示しているんですが、その最も根元的な問題であるはずの
代用監獄問題について
議論がどう
対立をし、その一方が多数を占めた、占めなかったという表現はあるんですけれ
どもね。だけれ
ども、その
対立している
議論の中でどんな
国民的な
議論が行われて、
裁判員制度の導入の始めとして二十一世紀のこれからの
我が国の
刑事司法手続、これが大変革の
時代にある中で、この未決拘禁と
捜査の
在り方の問題をどうするのかということについての深まった
議論ないしは
提言というものには私は至っていないんじゃないかと思います。
だからこそ両
大臣の御答弁が、どこで問題に向き合おうとしておられるのかがよく分からないという答弁になっているのではないかと思うんですけれ
ども、今回の
法案の提案理由について、
大臣も前回の
委員会でこうお述べになりました。つまり
監獄法、旧
監獄法の
規定ですね、これについて、依然としてその内容は極めて不十分であるとおっしゃっているわけです。なので、私はまず極めて不十分であるとおっしゃっているこの中身についてお伺いをしたいと思います。
私は、立場の違いはあるかと思いますけれ
ども、重要な少なくとも三つの中心問題があると思います。
一つは、単に
未決拘禁者をどこに収容するのかという問題ではなくて、被拘禁者の権利にかかわる
人権問題である、すなわち憲法問題であるということが第一です。二つ目は、未決拘禁
制度や
捜査の
在り方と密接にかかわるという点で、
刑事手続における重要問題であるという点です。三つ目は、国連を始め国際
機関からの
改善あるいは廃止の勧告、これにこたえなければならないという点で、重大な国際問題でもあると。
憲法問題であり、重要な
刑事手続上の大問題であり、そして国際問題でもある、私はそのように思いますけれ
ども、
大臣はいかがですか。