運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2006-05-23 第164回国会 参議院 文教科学委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年五月二十三日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月九日     辞任         補欠選任      谷合 正明君     山下 栄一君  五月十日     辞任         補欠選任      鈴木  寛君     藤本 祐司君      富岡由紀夫君     神本美恵子君  五月十一日     辞任         補欠選任      藤本 祐司君     鈴木  寛君  五月二十二日     辞任         補欠選任      後藤 博子君     野村 哲郎君      中川 義雄君     三浦 一水君      山崎 正昭君     岸  信夫君  五月二十三日     辞任         補欠選任      岸  信夫君     山崎 正昭君      野村 哲郎君     後藤 博子君      三浦 一水君     加治屋義人君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中島 啓雄君     理 事                 大仁田 厚君                 北岡 秀二君                 佐藤 泰介君                 鈴木  寛君     委 員                 有村 治子君                 荻原 健司君                 加治屋義人君                 河合 常則君                 岸  信夫君                 小泉 顕雄君                 後藤 博子君                 野村 哲郎君                 山崎 正昭君                 林 久美子君                 広中和歌子君                 水岡 俊一君                 浮島とも子君                 山下 栄一君                 井上 哲士君    国務大臣        文部科学大臣   小坂 憲次君    副大臣        文部科学大臣  馳   浩君        厚生労働大臣  中野  清君    大臣政務官        文部科学大臣政        務官       有村 治子君    事務局側        常任委員会専門        員        山口 俊史君    政府参考人        文部科学省生涯        学習政策局長   田中壮一郎君        文部科学省初等        中等教育局長   銭谷 眞美君        文部科学省高等        教育局私学部長  金森 越哉君        文部科学省スポ        ーツ・青少年局        長        素川 富司君        厚生労働大臣官        房審議官     白石 順一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○就学前の子どもに関する教育保育等総合的  な提供推進に関する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○政府参考人出席要求に関する件     ─────────────
  2. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) ただいまから文教科学委員会開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日までに、谷合正明君、富岡由紀夫君、後藤博子君、中川義雄君及び山崎正昭君が委員辞任され、その補欠として山下栄一君、神本美恵子君、野村哲郎君、岸信夫君及び加治屋義人君が選任されました。     ─────────────
  3. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事鈴木寛君を指名いたします。     ─────────────
  5. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 就学前の子どもに関する教育保育等総合的提供推進に関する法律案議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。小坂文部科学大臣
  6. 小坂憲次

    国務大臣小坂憲次君) このたび、政府から提出いたしました就学前の子どもに関する教育保育等総合的提供推進に関する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  我が国における急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化に伴い、保護者就労有無等にかかわらず、小学校就学前の子供教育及び保育に関する多様な需要に適切、柔軟に対応できる新たな枠組みが求められているところであります。  この法律案は、こうした状況にかんがみ、地域において子供が健やかに育成される環境が整備されるよう、認定こども園に係る制度を設け、幼稚園及び保育所等における小学校就学前の子供に対する教育及び保育並びに保護者に対する子育て支援総合的提供推進するための措置を講ずるものであります。  次に、この法律案内容概要について御説明申し上げます。  第一に、幼稚園又は保育所等のうち、就学前の子供に対する教育及び保育を一体的に提供するとともに地域における子育て支援事業を実施するものは、都道府県知事から認定こども園としての認定を受けることができることとし、その認定基準については、文部科学大臣厚生労働大臣が協議して定める基準を参酌して都道府県が定めることとするものであります。  第二に、認定こども園に関する特例として、幼稚園保育所とが一体的に設置される認定こども園については、その幼稚園及び保育所設置者学校法人又は社会福祉法人のいずれである場合にも、児童福祉法及び私立学校振興助成法に基づく助成を受けることができるよう、これらの法律特例規定するとともに、認定こども園である保育所については、その設置者保護者との直接契約による利用とし、入所する子供保育料の決定を保育所設置者が行うことができるよう、児童福祉法特例規定する等の措置を講ずるものであります。  以上がこの法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
  7. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  暫時休憩いたします。    午前十時四分休憩      ─────・─────    午後零時九分開会
  8. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  この際、委員異動について御報告いたします。  本日、野村哲郎君が委員辞任され、その補欠として後藤博子君が選任されました。     ─────────────
  9. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  就学前の子どもに関する教育保育等総合的提供推進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省生涯学習政策局長田中壮一郎君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  11. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 休憩前に引き続き、就学前の子どもに関する教育保育等総合的提供推進に関する法律案議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  12. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 どうも何かこう訳の分からない時間が過ぎてしまいまして、ようやく質問をさせていただけるということでありますが、何か時間も非常に限られておるということで、随分たくさんの事項を事前に通告をしておるわけでありますけれども、かいつまんで今最もお聞きをしたいところだけお聞きをさせていただこうかなと思うわけであります。  私、前回の特別支援教育審議の冒頭に、非常に小さな子供たちの命が奪われる悲しい事件が相次いでいるということを紹介をしながら、大臣リーダーシップを存分に発揮をしていただいて子供たちの安全、安心というものを確保するために云々の話をしたわけでありますが、また最近になりまして本当に痛ましい事件が相次ぎました。秋田藤里町ですか、米山豪憲君が本当に無残な形で発見をされたと。その前にも非常に不審な事件があったということを聞きまして、本当に小さい子供たちが凶悪な事件に巻き込まれる犯罪というのが後を絶たないわけであります。  また改めてここで御質問をしたいと思うわけでありますけれども、こういう本当に子供たち状況が危機的な中にあって、今日も保護者の方へのインタビューがテレビで紹介をされておりましたけれども、親御さんが、どういう対応を取ろうとしていらっしゃいますかという記者の問い掛けに対して、全くもうどうしていいのか分かりませんというのが共通した答えであったようであります。もう現地では御父兄はそういう心理的なパニック状態に、状況に陥っていらっしゃるんだなということをそのインタビューを通じて感じたわけでありますけれども、改めて、幼児期における安心、安全の教育ということについて、大臣の御所見というものをここでお伺いをしたいと思います。
  13. 小坂憲次

    国務大臣小坂憲次君) 委員から秋田藤里町の例もお話がございましたけれども、まず初めに、五月十七日に秋田藤里町で事件が起こり、幼い命が奪われることになってしまいました。命を奪われたお子さんの御冥福をお祈りするとともに、その無念な思い思い、また残された御家族の皆さんのお気持ちを推察するに、もう何と申し上げてよいやら、絶対にあってはならないこのような事件のために御家族が本当に悲しみの底に打ちひしがれていらっしゃる状況を思えば、何としてもこういうような事件をなくするようにしなきゃいけないと思いますとともに、御遺族に対しても心からお悔やみを申し上げたいと思うわけでございます。  子供を対象とした犯罪というものが起こらないにはどのようにしたらいいか、また、子供たちが巻き込まれないようにはどのようにしたらいいかということを考えますと、一つは、様々な機会を通じて子供たち自身が、危険予測能力危機回避能力を身に付けさせるということも重要なことではないかと思います。また同時に、地域全体で子供を守っていく、地域の安全をみんなが監視の目を持って防犯の力を付けていくということ、犯罪者が行動しにくい環境づくりをするという、地域防犯力を強化することもこれまた必要なことだと思うわけでございます。  この子供危険予測能力危機回避能力を身に付けさせるために、文部科学省といたしましては、幼児も含めた実践的な対処方法を身に付けさせるための防犯教室等推進について、通知の発出や実践事例集作成配付により指導を行っているところでございます。また、幼稚園でも、警察とも連携しながら、人形劇腹話術等を使いながら、子供発達段階に配慮をしながらの理解しやすい安全教育に取り組んでいる例なども見られるわけでございます。  文部科学省としては、今後とも子供たち犯罪に巻き込まれることのないように、より実践的な安全教育推進を目指して取り組んでまいりたいと存じますし、また地域皆様にこういう機会を通じてともに考えていただいて、安全な環境づくりのためにできることを私どもも考えさせていただき、地域皆様にお願いをして共々環境整備に努力をしたいと、このように考えております。
  14. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 ありがとうございました。  本当に危機的な深刻な状況がなかなか改善をされないということを事件が起きるたびにつくづく感じるわけであります。御指摘のように、子供たちへの指導ということも大切でしょうし、やはり地域がしっかりした取組を進めていくということも大切なわけでありまして、大臣のすばらしいリーダーシップ発揮を心から御期待を申し上げておきたいというふうに思います。  次に、本題とはちょっとまたそれてしまうかもしれない、お許しをいただきたいわけでありますが、私は寺の住職という肩書を持っておる人間でありまして、御寺院方とのお付き合いが比較的多いわけでありますけれども、御承知のとおり、寺院境内地幼稚園を設置されたり、あるいは保育所を設置されたりしている事例が非常に多いわけであります。これから、そういう中からも認定こども園ということで、どういうんでしょうか、形態が変わっていくところもあるのかなと思ったりするわけでありますが。  そもそも振り返ってみますと、そういう保育園とか幼稚園が設立された背景には、例えば地方における農繁期において子供たちをどういうふうに保育をしていくのかということ、そういう地域要請があって、寺院の広い境内地を開放して農繁期子供というものを預かるというようなことがあったようにも聞いているわけであります。そういうようなものが発展をして保育所になり、あるいは幼稚園になっていったということがあるわけであります。言わば、地域のニーズにこたえて、善意でそういうことを始められた。あるいはまた、児童の、子供たち急増期にどうしても公の施設では間に合わないということで、民間の方で保育所とか幼稚園を設立をしてほしいという依頼、要請があって、そういう社会的な要請に基づきながら、例えば寺院であるとか神社といったものがそういう施設をつくっていったということがあるわけであります。  いずれにしても、社会要請であるとかあるいは善意が出発となってそういう施設をつくったということになるわけでありますけれども、これがいったん学校法人あるいは社会福祉法人ということで法人格を取ってしまった場合に、今、少子化ということの波をもろに受けまして、近い将来に廃園を考えなければならないという幼稚園あるいは保育所があるわけであります。ところが、廃園をしてしまうと、元々は善意提供をした校地といいましょうか、といったものが本来元に、元々属しておった法人には戻っていかないというようなことがあって、大変苦慮をしていらっしゃる。善意で始めたにもかかわらず、何か土地が戻ってこないというようなことで、どうも複雑な思いをしていらっしゃる方々のお話をあちこちで聞くわけであります。  こういうような状況がどうして起こるのか、理由を御説明をいただきたいというふうに思います。また、何とかこういうものが改善することができるかどうかということについても御所見をお伺いをしたいと思います。
  15. 金森越哉

    政府参考人金森越哉君) お答えを申し上げます。  学校法人が解散した場合における残余財産帰属についてでございますけれども私立学校法におきましては、それぞれの学校法人寄附行為の定めるところにより、他の学校法人など教育事業を行うもののうちから帰属先を選定するようにしなければならないと規定をいたしております。また、寄附行為に定めがない場合には、これを国庫に帰属させ、私立学校教育への助成のために充てるものと規定をいたしております。  残余財産について私立学校法がこのような取扱いをしておりますのは、学校法人財産学校教育事業のために永続的に使用されるようにするためでございまして、私立学校につきましては、こうした前提の下に広く保護者や卒業生などから寄附金を受け入れたり、また国や地方公共団体からも財政上、税制上の支援が行われているところでございます。  御指摘のような学校法人化に際して寄附された財産につきましても、例えば固定資産税が免税になるなど、税制上の優遇措置を受けたり、また私学助成による支援を受けたりしながら維持されてきたものでございますことから、学校法人が解散した場合にも当該財産が引き続き教育事業に供されることとなるよう、他の学校法人などに引き継ぐこととなっているものでございます。
  16. 白石順一

    政府参考人白石順一君) 今、文部科学省の方から御説明ありましたことは学校法人についてでございますが、社会福祉法人につきましても同じ考え方でございまして、結果も同じでございます。  社会福祉法人財産、本来、社会福祉事業を実施するためのものでございまして、せっかくいただいた寄附あるいは国、地方公共団体等助成によって形成されてまいったものであることから、社会福祉法人が解散した場合でも同様に公的な性格を有する財産として引き続き社会福祉事業の用に供されるべきという考え方で、全く学校法人と同様のやり方をしておるところでございます。
  17. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 それぞれ双方からお答えいただきました。  そういうことになっておるということも私も承知はしておるわけでありますが、もう少し弾力的な運用というのか、社会福祉法人学校法人宗教法人とか、いずれも一応公益法人という性格を持っておるわけでありますので、もう少し弾力的な考え方をしていただけないのかなという私は希望を持っておるわけでありますけれども、これからも折に触れてこのことについてはお尋ねをしたり、また要望もしていきたいというふうに思います。  さて、子供というのは成長していく過程で、例えば一歳になったときにはやっぱり一歳児として経験をしなければならないこと、これを十分に経験をして、そして二歳になったら二歳に相当経験をさせる、三歳になれば三歳の相当経験をさせると、そういう発達段階に応じた経験というものを十分にさせることが人格形成に非常に重要であるんだという話を私は聞いたことがあります。  ところが、最近は非常に早期教育というものへの志向が強い保護者が多くて、本来、例えば三歳なら三歳でやっておかなければならないことを十分に体験をさせずに、例えば五歳のことをいきなりやらしてみたりとか七歳のことをいきなりやらしてみたりとか、そういうような傾向が強いように思う。そういう発達段階に応じた経験というものが人格形成に大切だとすれば、そういうやっぱり早期教育というものは人格形成に余り良い影響を与えないのではないのかと、こういうふうに想像ができるわけであります。  話は変わりますけれども小学校英語教育の導入についてもいろいろ議論がありまして、余り賛成をされない先生方からは、むしろ日本語がきちっとすることが先じゃないかというような話があるわけで、私はその話は非常に説得力のあるお話かなと思っておるわけでありますけれども、やはり本来きちっと段階に応じてやっておかなければならないことに手を抜いてしまうとどうも人格的にはゆがみが生じてしまう、そんな気がすると、そういうお話を私はよく聞くわけでありますけれども、まずこういう指摘というのは本当なのかどうか、御所見がありましたらお伺いをしたいと思います。
  18. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) まず、幼児期発達ということでございますけれども乳幼児期段階では大人への依存度が高く、保護者など特定の大人とのかかわり子供への発達の上で重要であるということが言われているわけでございます。また、更に成長してくると、幼児同士かかわりを基本といたしまして、幼児の自発的な活動としての遊びや様々な体験活動を行うことが幼児の心身の発達を助長する上で重要であると、こういうことは教育関係者のこれまでの実践を通じて一般的に認識をされているところでございます。  お話のございましたいわゆる早期教育についてでございますけれども、これにつきましては、もちろんうまくいった事例もあるわけでございますけれども、例えば国立教育政策研究所平成十年から十二年にかけての早期教育の実態に関する調査研究報告によりますと、早期からの教育母子関係を不安定なものにするとともに、早期から幼児に過度の期待やストレスを与えることによりまして身体的、精神的発達に悪影響が出たり、落ち着きがない、友達になじめない、制止を聞かない、乱暴をするといったような事例報告もなされているところでございます。ただ、これは事例報告でございまして、一般的に早期教育についてはそれぞれ事例によって異なっているというのが私ども認識でございます。
  19. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 部分的ではあっても懸念される面もあるというようなお話であるわけでありますけれども、そういう早期教育というものについてのやはり志向というのは、先ほども言いましたけれども、非常に保護者の側には強いものがあるのではないのかなというふうに思うわけでありますが。  認定こども園というのは子育て支援という機能を持たなければならないということもあるわけでありまして、そういう早期教育への志向というものに対してやっぱり、歯止めをという言い方は言い過ぎなのかもしれませんけれども、適切な助言が与えられるような、そういうような効果というものを発揮できるのかどうか。さらには、認定こども園というものの制度化によって、今の問題だけじゃなしに、幼児期における教育でありますとか保育とかいったことについてどれほど大きな効果というものが期待されるのか、簡単に御説明いただきたいと思います。
  20. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) まず、私の方から御説明させていただきますが、認定こども園における教育保育内容につきまして、総合施設モデル事業評価委員会最終まとめというものがございますけれども、その中で「受験などを目的とした単なる知識の早期獲得や、特別な技能の早期獲得のみを目指すような、いわゆる早期教育となることのないように配慮する必要がある。」という提言をいただいております。この提言を踏まえまして、体験を積み重ねるなど、幼児期に真に必要な教育保育が軽視されることのないようにしてまいりたいというふうに考えております。  また、先ほど申し上げましたけれども国立教育政策研究所研究の中でも、一般的に子育ての不安とか育児不安という感情を持つ親が早期教育を受け入れるケースが多いのではないかといったような指摘もなされているところでございます。  今回創設をされますこの認定こども園では、家庭地域教育力を高める観点から子育て支援認定こども園の必須の機能としたところでございまして、子育て支援事業として親子の交流の場の提供子育て相談事業等を行うわけでございますが、こういう事業を通じまして子育て不安の解消を図り、ひいては早期教育を余りに求め過ぎるといったような傾向の是正にもつながるのではないかと期待をしているところでございます。
  21. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 認定こども園という制度化することによって期待される教育保育効果について四点ほど申し上げたいと思います。  一つは、保護者就労有無にかかわらずに子供施設を移ることなく一貫して教育保育を受けることができる。二点目として、認定こども園において保育に欠ける子供も欠けない子供も受け入れることにより子供の健やかな育ちにとって大切な集団活動や異年齢交流機会が確保される。三点目として、既存の幼稚園認定こども園として活用することにより待機児童解消が図られる。四点目として、地域子育て機能の充実を図ることができると。  とりわけ、児童虐待という観点から見ましても、ゼロ歳から二歳児が非常に死亡事例が多いわけですよね。そうすると、保護者お母さん、働いていない、家庭にいるそういう御家庭において児童虐待事例も多く見られるわけでありますから、今回の認定こども園において子育て支援機能というものを必須の機能にしておりますから、いろんな事業を通じてそういったお母さん方に、保護者に対する支援をすることができる。これは効果として期待されるところです。
  22. 小泉顕雄

    小泉顕雄君 ありがとうございました。  やはり、地域ぐるみ子供をしっかり支え育てていくという子育て支援という機能、本当に正に現代的な課題なわけでありまして、そういうものにしっかりこたえていけるということでこういう認定こども園制度ができるということは、私は大いに歓迎されるべきでありますし、目指されておるその趣旨というものがしっかりと浸透して、本当に望ましい施設ができることを心から御期待をしたいと思います。  もう残された時間も余りありません。制度設計のお話でありますとか、あるいは自治体とのかかわりの問題でありますとか免許の問題でありますとか、いろいろお聞きをしたいこともたくさんあったわけでありますけれども、すべて割愛をさしていただきまして、この認定こども園制度ということにつきましては、文科省並びに厚労省が非常に緊密な連携を取っていただきながらここまで来たわけであります。両省において担当の課長さんも交流をされて、本当に協調した取組をしてきていただいたということで、今日までのお取組につきましては大変私も高く評価をしているわけでありますけれども、今後一層、やはり両省が特に緊密な連携をされながらこの制度の円滑な実施ということに結び付けていただかなければならないわけであります。  そこで、この両省の連携ということにつきまして、最後に大臣の御決意をお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  23. 小坂憲次

    国務大臣小坂憲次君) 今回の認定こども園制度につきましては、ただいま御指摘のように、文部科学省厚生労働省がしっかり連携をしていくということでスタートをさせていただくわけでございます。多様化する就学前の子供教育及び保育のニーズに適切かつ柔軟に対応できるように、新たな枠組みとしてこのような制度を設けさせていただくことにつきまして、文部科学省厚生労働省が連携協力して教育行政と福祉行政、そして総合的な展開を図っていくことが必要だと思っております。  具体的には、両省は協力して幼保連携推進室を設け一体的な事務処理体制を取るなどの措置を行って、両省で緊密、連携協力を図りつつ制度の適切円滑な施行に努めてまいりたいと存じます。
  24. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 済みません、もう三十五分しかありませんので、所要時間が四分しかないものですから、端的に、大臣、ちょっと聞きたいんですけれども、今、やっぱり子供事件がたくさん勃発していますし、それで民間で、先ほど小泉先生が言われたように、民間の力でやっぱり子供たちを守るという意識がどんどん高まっているわけです。そんな中で、この……(発言する者あり)
  25. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 理事会で承認得ていないから駄目。
  26. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 ああ承認。ちょっとだけ見てください、これ、ちょっとだけ。理事会の承認得ていないんですけれども、申し訳ございません、時間がなかったので。昨日の夜中に手に入って。これ、光るんですね、大臣、こうやって光るんですね。(発言する者あり)申し訳ありません。ありがとうございます。  ちょっと子供の、いや、民間の中でも一生懸命こうやって子供のために何かを作ろうじゃないか、子供を守ろうじゃないかということを真剣に考えていらっしゃる方がおられます。それに対して大臣は前向きに民間の意見を取り入れるつもりがあるでしょうか。
  27. 小坂憲次

    国務大臣小坂憲次君) 子供の安全を守るためにいろいろな知恵を出して皆さんが協力していくことが必要だと考えております。夜間や雨の日に自動車やバイクから視認されやすい努力をするということも子供たちを守ることにつながってまいると存じます。  外国で私も生活いたしましたけれども、反射のベルトをたすきと帯のようにして、ベルトのようにして装着をしなければ自転車に乗ってはいけないというような地域もありました。いろいろなそういった自己防衛の努力というものも必要でありますし、いろんなアイデアを出して、子供たちが安全に通学をできるような、そういう環境整備に、また、警察もそういった意味ではドライバーからの視認性を高める反射材の活用等を積極的に進めているという事実もあると、このように認識をいたしております。
  28. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 大臣、是非積極的に民間の知恵も取り入れながら、今後子供の安全に対して考えていってほしいと思っております。よろしくお願いします。  それから、ちょっと端的に、御質問という形じゃなく読み上げさせていただきますけど、この法案は就学前の子供たちの健やかな育ちのために新たに認定こども園の設置制度を設けようとするものですが、これまでに就学の前の教育保育については文科省、厚生労働省が協力して幼稚園保育所の連携を進めてきたことは知っております。それで、まず、これまでの幼稚園保育所の連携について、両省の取組について文科省にお伺いしたいと思いますが、まあこれは一応考えておいてもらいたいんですけど、今後。  それと、やっぱり幼保の一元化を求める声は従来からあったと思います。そして、中でも文科省、厚生労働省が幼稚園保育所をそれぞれ所管の中で、縦割りの行政の弊害を指摘されてきたと思います。本法律案では幼保の一元化まで踏み込まなかった理由についてちょっと御説明をお願いしたいんですけど。  それから……
  29. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 時間が経過していますから簡潔にお願いします。
  30. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 はい、分かりました。  認定こども園の設置に向けて、これまでと同様の批判を受けることは、いろんな批判を受けることがないような対応が必要であると考えるが、どのように認識されているか。  それからまた、最後に食育なんですけど、大臣が食育基本法を提出されたと聞いております。それに対して、食育の関心が高まっている中、乳幼児子供子供を預ける保護者にとって質の良い給食や、これは子供のやっぱり育成に物すごい重要なことだと思います。これについて是非、端的に時間内で答えていただきたい。よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  31. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 銭谷局長、簡潔にお願いします。
  32. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 幼稚園保育所の連携につきましては、これまでも教育保育内容の整合性の確保など、あるいは幼稚園保育所の連携事業の実施など、連携強化を進めてきたところでございます。  また、今回幼保の一元化ということにはなっていないわけでございますけれども、これにつきましては、認定こども園教育保育及び子育て支援総合的提供する機能、こういうものを認定をする仕組みということにしたことによるものでございます。  それから、縦割り行政の弊害等につきましては、先ほど大臣から御答弁もいただきましたが、文部科学省厚生労働省で幼保連携室を設けるなど、緊密な連携の下にその実施に当たることとしているところでございます。
  33. 小坂憲次

    国務大臣小坂憲次君) ただいまの局長の答弁に加えまして、食育の問題につきましては、食育というのは、従来、知育、徳育、体育と、この形で教育というのは進めてまいりましたけれども、昨今、食物の安全性というのが一つは問題になってまいりました。それから、食習慣の乱れが子供の発育に大きな影響を及ぼすということにもなっておりますし、また、食習慣というものと地域の文化との密接な結び付きというものも昨今いろいろな意味で指摘をされております。  こういったものを全体的にかんがみるに、食育という運動を通じて子供たちに正しい食生活、そして栄養のバランスに対する配慮、また地域の農業や地域の農業とのかかわり合いにおける地域文化の在り方、こういったものを学んでいただき、また地域の皆さんにも同様の理解をしていただいて、学校、家庭地域、それぞれの場でこの食育を推進していただくことによって、これまで指摘されたような各般の問題に対応するような力を地域も学校もそして家庭も身に付けていただきたい、そんな思いでこの食育運動の提案をさせていただきました。  皆さんのお力によりまして徐々に今浸透しつつあると、このように認識をいたしております。学校現場における子供たちの発育を考えた給食の提供等、そういった意味での努力も更に進めてまいりたいと存じます。
  34. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 ありがとうございました。
  35. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十五分まで休憩いたします。    午後零時三十八分休憩      ─────・─────    午後一時三十六分開会
  36. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  この際、委員異動について御報告いたします。  本日、岸信夫君が委員辞任され、その補欠として山崎正昭君が選任されました。     ─────────────
  37. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 休憩前に引き続き、就学前の子どもに関する教育保育等総合的提供推進に関する法律案議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  38. 浮島とも子

    浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。よろしくお願いいたします。  本日は、就学前の子どもに関する教育保育等総合的提供推進に関する法律案について質問をさせていただきます。  近年、少子化が進み、また家庭地域の在り方が急速に変化していく中で、子供たちが健やかに育っていくためには何が必要なのか、これまで以上の関心が寄せられております。私も日ごろ、自分の劇団の活動を通してですけれども子供たちと触れ合う機会がありますけれども、そのたびに、次世代を担うこの子供たちが夢と希望を持って未来を切り開いていくためには何を私たちが今しなければいけないか、私たち大人が今するべきことを先延ばしにせずに、今しっかりと実現させていかなければならないという責任感、そして使命感に駆り立てられる思いで一杯でございます。  そんな観点から、先日公明党がまとめました「少子社会トータルプラン チャイルドファースト社会の構築を目指して」におきましても、子供たちの視点に立った、子育てを中心に据えた社会システムの構築を提起しているところでございます。子供たちの健やかな育ちのためには、まず保護者安心して子供の成長を楽しみながら子育てに当たることができる環境づくりが欠かせないと考えております。  本法律案により制定される認定こども園制度もこうした環境づくりに資するものと考えておりますけれども、近年の子育て環境についてどのような問題意識を持ち、それをこの制度によってどのように解決をされようとされているのか、文部科学大臣、そして厚生労働大臣に御認識をお伺いいたしたいと思います。
  39. 小坂憲次

    国務大臣小坂憲次君) 委員が御指摘のように、近年の急激な少子化、また家庭地域を取り巻く環境の変化、すなわち核家族化や、あるいは御近所と余り付き合いをしないとか、近所に子供たちがいなくなってしまったという、こういう環境の変化によりまして、就学前の子供教育保育に関するニーズが、要求が非常に多様化しておりまして、そういった要求に対応するために今回の認定こども園制度というものを提案さしていただくわけでございます。  保護者が働いていれば通常は保育所に預けていただくことになるわけですけれども、働くのをやめますと今度は幼稚園に変えなければいけない。そしてまた、保護者就労有無によって利用施設が限定されてくるということによって、就労形態が多様化する中でこの対応ができなくなってきたという状況一つあるわけでございます。  したがって、少子化の進行によりまして、子供の兄弟や数が減少する中で、子供の健やかな成長にとって大切な集団活動や異年齢の、異なる年齢の交流機会が不足してきたということもまた指摘されるところでございます。特に、地方におきましては、保育所幼稚園別々では子供の集団が小規模化する傾向が出てきております。  このようなことから、また一方では、都市部を中心に二万人から三万人の保育待機児童が存在するとも言われておりまして、幼稚園の利用児童はこの十年間で十万人減少しているという傾向もございます。このような観点から、既存施設の有効活用による待機児童解消が求められているわけでございます。核家族化の進行や地域子育て力の低下を背景に、幼稚園にも保育所にも通わず、家庭でゼロから二歳の子供を育てている、そういうお母さんたちの支援というものも大きく不足している状況にあります。  このようなことで、今回の認定こども園制度化によりまして、保護者就労を中断あるいは再開しても子供施設を替わることなく一貫して教育保育を受けることが可能となりますし、また、認定こども園において保育に欠ける子供も欠けない子供も受け入れることによって、子供の健やかな成長にとって大切な集団活動や異なる年齢交流機会が確保されるということになってまいります。  既存の幼稚園認定こども園として活用することにより待機児童解消も図れるということになるわけでございますので、認定こども園制度においては子育て支援が必須の機能とされておりまして、在宅の子育て家庭への支援を含む地域子育て機能も充実をすることになり、こういったメリットもあるわけでございまして、こういった点をしっかりと周知をして制度の普及を図ってまいりたいと考えております。
  40. 中野清

    ○副大臣(中野清君) ただいま文部大臣の方から近年の子育て環境についての問題意識について四つの点を御答弁いただきましたけど、それについては同じような考えで持っております。  厚生労働省といたしましては、今般のこの認定こども園制度化によりまして、まず保護者就労を中断あるいは再開いたしましても子供施設を替わることなく一貫した教育保育を受けられることが可能となるようなシステムにしたいと考えておりますし、また子供の健やかな育ちにとりまして大切な集団活動、例えば遊戯だとかグループ活動とか、そういうことができるような、また異年齢交流機会が確保される、そういうふうなことを目指しております。また、三点目といたしましては、既存の幼稚園認定こども園として活用することによりまして今待機児童の六〇%を占めておりますところの一、二歳児の問題を始めとした待機児童解消を図られるという点が三点目として考えられると思いますし、また、四点目といたしまして、在宅の子育て家庭への支援を含むところの地域子育て支援を充実すると。言い換えますと、若いお母さんたちが育児に対する不安だとかストレスというようなものをこういうことによって解消できると、そういうような効果が得られるということを考えておるわけでございます。  文部科学大臣ということで今表現を申し上げませんでしたので、それは察していただきますことを、委員長、よろしくお願いしたいと思います。
  41. 浮島とも子

    浮島とも子君 御丁寧な御答弁ありがとうございました。  今御答弁の中にもあったんですけれども教育保育子育てに関するニーズに対して、より積極的にこたえていこうというのがこの認定こども園制度化の趣旨であると考えております。  こうした観点から、この制度は、多様な施設類型を認めて、地域にある既存の施設認定こども園として活用しつつ、幅広い保護者のニーズにこたえようとするものと認識をしております。保護者の働き方が多様化し、また子育て家庭を取り巻く環境地域により様々なものとなっている中で、こうした柔軟な制度設計は非常に重要でございます。  また同時に、保護者子供たちの視点に立ち、認定こども園として必要なサービスの質は施設類型を問わずにしっかりと確保していく必要があると考えております。こうした認定こども園の質の確保、こういった観点制度設計にどのように反映されるのか、お伺いをいたしたいと思います。
  42. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) いかなる類型であっても質がしっかりと確保されなければこういう制度設計をした意味はない、こういうふうに考えております。  一点目は、この法案によって教育保育の基本的な機能の質を確保するということを規定いたします。二点目は、厚生労働大臣文部科学大臣で質の確保の観点からの指針を定めて、各都道府県認定基準が定められるということになるということ。三点目として、その認定基準は条例で制定していただきますから、条例の審議というのは議会の事項でございますから、議会において質の確保の観点から十分な審議がなされる。  こういった制度によって質の確保が、質のやっぱり向上という観点からも確保されるというふうに考えております。
  43. 浮島とも子

    浮島とも子君 ありがとうございます。  本当にどんな類型であっても質の確保というのはとても重要だと思いますので、しっかりとした質の確保をお願いしたいと申し上げたいと思います。  本法律案に基づき認定を受けた施設は、認定こども園の名称を付与されて、その表示義務を負うことになります。利用者側から見れば、この認定こども園の看板を掲げる施設に対しては、教育保育が一体的に提供される施設であるという信頼を持つことになると考えております。こうした総合的なサービス提供就学前の子供を抱える家庭が正に望んできているものであり、利用者の関心がかなり高いものと思われております。  そこで、改めて確認をさせていただきたいと思いますが、認定こども園期待される教育保育の一体提供とは具体的にはどのようなことなのでしょうか、お願いいたします。
  44. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 認定こども園という制度においては、いかなる類型であっても、三歳から五歳の子供に対する保育機能が整備されていること、三歳から五歳の子供に対する教育機能が充実されていること、ゼロ歳から五歳の子供に対する子育て支援体制が整備されることが具体的な内容であります。
  45. 浮島とも子

    浮島とも子君 ありがとうございます。  是非ともこの双方を有する施設となるように制度の方もしっかりと設計をしていっていただきたい、そう考えております。  また、認定こども園においては、多様なサービスの提供一つとして、子育て支援事業提供が必須の機能とされております。地域における子育て支援は年々充実されておりますけれども教育保育の実施機関である幼稚園保育所における子育て支援事業の実施については施設によりかなりの幅があり、保護者からは事業実施の充実を望む声が多いとのことも伺っております。  認定こども園制度に基づく子育て支援事業の一体的な提供はより利用者のニーズにこたえるものとなると期待されますが、認定こども園において提供される子育て支援については具体的にはどういった事業を想定されるのでしょうか、お伺いいたします。
  46. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 認定こども園における子育て支援事業につきましては、法律案の第二条六項に規定をいたしてございます。  四点ほどございまして、一つが、子育てに関する保護者からの相談に応じまして必要な情報の提供、助言を行う事業、二つ目が、親の病気など家庭において養育をすることが一時的に困難になった子供に対する保育を行う事業、三点目が、子育てに関する援助を希望する親と子育て支援を行う民間の団体や個人との仲介などを行う事業、四点目が、子育て支援を行う民間の団体や個人に対しまして必要な情報の提供と助言を行う事業でございまして、文部科学省厚生労働省の共同省令で定めるものといたしております。  具体的には、この規定を踏まえまして、保護者に対する教育保育相談事業、親子のつどいの広場事業、一時保育事業地域子育て支援に関する情報提供紹介事業地域子育てサークル等の育成支援事業といったような事業を省令で規定することになると考えております。  認定こども園におきましては、こうした事業の中から、地域における子育て環境に照らしまして必要と認められる事業を実施をしていただくということになると思っております。
  47. 浮島とも子

    浮島とも子君 ありがとうございます。  認定こども園で行われる子育て支援事業については、今の御答弁によりますと、子育ての相談や親子のつどいの広場の提供などが行われるということでございましたけれども地域における子育て支援が必要とされている背景には、主に都市部で、子育ての知識や経験の乏しいお母様方が育児で悩み、孤立をしてしまうということがございます。このような背景から、厚生労働省は、つどいの広場の事業推進地域子育て支援センター事業などを通して対応をしてこられていると伺っております。そして、今回、認定こども園の必須の機能として地域における子育て支援を定めたことは高く評価させていただきたいと思います。  我が党でも、地域における子育て支援が求められることから、各小学校区に一つ子育て支援センターを整備していくことを提案しております。そのために、この認定こども園だけではなく、既存の幼稚園保育園にも子育て支援センターとしての機能を積極的に付与し、ファミリー・サポート・センターや地域のNPO等と連携をして地域子育て支援の充実を図るべきと考えますが、文部科学大臣厚生労働大臣の御見解をお伺いいたします。
  48. 小坂憲次

    国務大臣小坂憲次君) 子供の健やかな育ちを支える基盤となる家庭における教育社会全体で支えるために、幼稚園保育所などの施設、ファミリー・サポート・センターや地域のNPO等がその機能を活用して保護者子育て相談、そして支援を行っていくことが必要と考えております。保育所につきましては厚生労働省の方からお答えをいただくといたしまして、文部科学省においても未就園児の親子登園や子育て相談など、幼稚園における子育て支援機能の強化に取り組んでいるところでございまして、幼稚園における子育て支援の充実のためには、幼稚園が拠点となって地域子育てボランティア、子育て支援NPO等と連携するなど、様々な地域の人材、社会資源を生かしていくことが重要と考えております。  このような観点も踏まえて、幼稚園における子育て支援の充実に一層取り組んでまいりたいと存じます。
  49. 中野清

    ○副大臣(中野清君) 委員が御指摘のとおり、近年、核家族化の進行とか近隣関係の希薄化、そういうことによりまして家庭地域子育ての力といいますか、そういうものが低下していると、これは現状だと思います。そういう中で、地域においてすべての子育て家庭支援する取組を強化することが必要であろうと、そういう意味でのセンターの役割も当然だと思っております。  このため、厚生労働省といたしましては、幼稚園の方は今文部科学大臣が御答弁をいただきましたが、保育所におきましても積極的にすべての子育て家庭支援するように、例えば次世代育成対策交付金等を活用いたしまして積極的に支援をしたいと思っておるわけでございます。また、この際、今御指摘のとおり、いわゆる例えばファミリー・サポート・センターの活用等によりまして地域子育てボランティアやNPOなどとの連携を図りまして、様々な主体が参加できる地域ぐるみ子育て支援が広がるように促進をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
  50. 浮島とも子

    浮島とも子君 ありがとうございます。  是非とも全力で取り組んでいただけますようお願い申し上げます。  この認定こども園制度ができると、就学前の児童保育園、幼稚園認定こども園という三つの制度が並立することとなります。この認定こども園は、その具体的な認定基準都道府県が条例で定めることから分かるとおり、地域の実情、地域のニーズに合わせて対応していく制度でございます。その趣旨から考えると、全国二万二千余りの保育所がすべて認定こども園になることも、また、全国一万四千近くある幼稚園がすべて認定こども園になることもないと思われます。そこで、現実的には認定こども園とならない既存の保育所幼稚園を拡充していくことは依然として必要であります。  公明党は、かねてより待機児童ゼロ作戦を推進してまいりました。その成果は着実には上がっておりますけれども、なかなか待機児童は減っていかない。この十年で保育所児童が四十万人近く増えております。待機児童ゼロ作戦によりこの増大する需要に対応し続けるのが現状かと思いますけれども、今後も増大していくと思われる保育の需要を満たしていくためには、待機児童ゼロ作戦を更にテンポを上げ、継続して行っていくことが必要であると考えております。  多様化している子供へのニーズ、そして依然として高い保育ニーズに対応していくためには、認定こども園の拡大を推進しつつ、同時に待機児童ゼロ作戦、保育所の計画的な定員拡大を引き続き行っていくべきと考えますけれども文部科学大臣厚生労働大臣の御見解をお伺いいたします。
  51. 小坂憲次

    国務大臣小坂憲次君) 委員が御指摘のとおり、地域子育てニーズというのは多様化をいたしているわけでございまして、今回の認定こども園は、幼児期の多様化する教育保育のそういった要請に対して、地域の実情に応じた対応が可能となるように利用者のための新たな選択肢を提供しようとするものでありまして、認定こども園制度地域の実情に応じて活用されるものであり、また認定の申請を行うかどうか、各施設の判断によるところでございます。  制度の趣旨をしっかりと周知をしまして、地域の実情に応じた就学前の子供に対する多様な教育保育のサービスの充実が図られるように制度の活用促進に努めてまいりたいと考えております。  保育園につきましては、厚生労働大臣の方からお願いいたしたいと思います。
  52. 中野清

    ○副大臣(中野清君) 認定こども園の数の増大、この問題につきましては今、小坂文部科学大臣の御答弁があったとおりでございまして、同感でございます。  今、保育所の定員の拡大につきましては、待機児童数は二年連続でもって減少をしておりますが、依然として都市部を中心にして今二万三千人という多くの存在をしているところであります。引き続きまして、子ども子育て応援プランに基づきまして、待機児童が例えば五十人以上の都市を中心にいたしまして、この平成十七年から十九年の三年間、これにわたって重点的に保育所の整備を図り、計画的な定員の拡大を図ってまいりたい、そういう決意でございますし、また、現在それを進行中でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
  53. 浮島とも子

    浮島とも子君 ありがとうございます。  是非とも、制度活用の促進、そして計画的な定員の拡大をよろしくお願い申し上げます。  この認定こども園制度化された背景には、親が働いていれば保育所、働いていなければ幼稚園といった形で利用施設が限定されることがあります。このような制度では、専業主婦の方に潜在的にある保育ニーズを満たすことはできません。  我が党の少子社会トータルプランでは、児童福祉法保育に欠ける子という規定を見直し、どのような家庭子供であっても保育所を利用できる制度にしていくべきと提案をしております。この規定を見直すには様々な課題もあるかとは思いますが、子供たちが生まれいでる環境を整備していくという観点から検討を進めていくべきであり、議論を通じて課題を克服していくことができると考えております。  この児童福祉法保育に欠ける子の規定の見直しについて、厚生労働大臣の御見解をお伺いいたします。
  54. 中野清

    ○副大臣(中野清君) 認定こども園は、就労形態の多様化に対応いたしまして、例えば就労を中断して保育に欠けないこととなりましても継続して利用が可能な施設として創設したものでございます。これは委員も御承知のとおりと思います。  今御提案のように、どのような家庭子供であっても保育所の利用において同等に取り扱うことにつきましては、まず第一に、保育の優先度の高い子供の利用が確保されない可能性があるということ、それから、現在幼稚園保育所を利用していない幼児が約三百六十万を超えておりまして、その利用に対する多額の財政負担が求められることなどから、引き続きこの問題については検討をすべき課題であると考えております。  しかし、今委員が御懸念の例えば専業主婦の世帯、そういう方にとりましての子育ての負担感、そういうものはむしろそういう専業主婦の世帯の方が大きいんじゃないかと、そういう指摘もされておりまして、一般の保育の場の提供、一般の保育所におきまして、子育てに関する相談や親子が集う場の提供とか一時保育など、専業主婦世帯に対する地域子育て支援の充実を図っていく、これも大事なことでありますので、是非やらしていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
  55. 浮島とも子

    浮島とも子君 ありがとうございます。  子供の本当に将来のためですので、どのような家庭子供であっても保育所が利用できるよう、是非とも前向きに御検討をよろしくお願いいたしたいと思います。  最後に、認定こども園制度化により、保護者の働き方に左右されない教育保育提供が実現することとなりますけれども、またゼロ歳から就学前までの一貫した育ちを見守る仕組みが整備されることとなります。  それでは、こうした乳幼児期の後の子供の育ち、すなわち小学校との連携についてはいかがでしょうか。特別支援教育という観点からも先日少しお伺いをさせていただきましたけれども、この認定こども園のみならず幼稚園保育所を含め、小学校との連携をどのように進めていかれるのか、お考えをお伺いしたいと思います。
  56. 有村治子

    大臣政務官有村治子君) 全国三十五か所で実施されました総合施設モデル事業についての評価委員会最終まとめにおきまして、認定こども園における教育保育内容については次のような総括をなされました。  子供発達や学びの連続性を確保する観点から、小学校教育への円滑な接続に向けた教育保育内容の工夫を図り、連携、接続を通じた質の向上を図る必要があるとの御指摘でございます。  今、浮島先生から重要な点を御提案いただいたと思いますけれども、やはり認定こども園を終えた子供たちは当然小学校へ入学することになるため、小学校教育との連携については体験や遊びを通じて学ぶことになっている幼児期教育と、そして教科等の学習を中心とする小学校教育との円滑な接続が必要になってまいります。  具体的には、教育保育内容を工夫するほか、地域小学校との交流活動小学校教員との合同研修などを促して、園児、児童交流、職員同士の交流などが有効であると考えております。  そして、浮島先生が御指摘のように、例えば特別支援教育など、文部科学省と連携を取ってきた教育委員会と主に厚生労働省と関係の深い福祉部局とが現場に近いところで連携を取りながらこのような取組を促して、認定こども園のみならず幼稚園保育所を通じた小学校との連携がより一層進められるよう努めてまいりたいと考えております。  以上です。
  57. 白石順一

    政府参考人白石順一君) ただいま有村文部科学大臣政務官から御答弁ありましたように、円滑な小学校教育との接続の必要性、これは保育所においても変わることはございません。文部科学省共々、教育委員会小学校との積極的な情報の共有、相互理解ということにつきましては、厚生労働省としても努めてまいりたいと思います。
  58. 浮島とも子

    浮島とも子君 ありがとうございました。  是非しっかりとした連携を図って全力で取り組んでいただけるようお願いし、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  59. 山下栄一

    山下栄一君 今の浮島議員の質問とも関連するんですけれども子育て支援事業でございますが、元々、自分の子供は自分で育てるという、こういう考え方がちょっと弱くなっているのではないかなということを感じております。そういう意味じゃ家庭教育力、この家庭教育力を安定させるといいますか、これがないと支援のことを一生懸命考えてもちょっとこれは考え方が本末転倒ではないかなと。  ただ、じゃ、若い御夫婦が自分の子供を育てることができるような環境整備の面ではどうかと。特に、お近くに御両親とか身内の方がいらっしゃらない場合は特にそうだと思いますし、そういう意味でワークライフバランスという考え方が今盛んに強調されているというふうに思うんです。  後継者を育てる、次世代を育成するということが人間社会のやっぱり最優先課題であるという価値観の共有が、これは別に法律で決めてもなかなかできませんけれども、そういうことがやっぱり非常に大事な、そのためには産業構造とか、いろんな働き方を工夫するとか、特に経営者の方々の意識改革も必要だと思いますし、国民的な議論も必要だというふうに思います。そういう意味で、教育基本法の提案という背景にあるのかなというふうに思うんですけど。  そういうことの前提の上で子育て支援事業の話なんですけれども、今まで、先ほどの御答弁でございましたように、文科省、厚労省、それぞれ予算の事業として取り組んでこられたと思うんですね、予算措置というか。ところが、今回は、認定こども園の場合、それを法律、法定化すると、こういうことになっていくわけですけど、そういうふうになっていった背景をまず教えていただきたいと思います。
  60. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 認定こども園におきましては、ただいま先生からお話がございましたように、家庭地域教育力子育て力を高める観点から子育て支援を必須の機能としておりまして、子育て支援機能支援事業はすべての認定こども園で実施をされるということになります。  その背景といたしましては、やはり近年におきます子育てというものを考えました場合に、家庭における保育、それから地域における保育、そして幼稚園保育所における保育と、この三つの場面で子供たち子育ての対象として育てられていくわけでございますけれども、その家庭における保育につきまして、地域あるいは幼稚園保育所幼児教育保育施設が、やはりこれを近年の社会状況の変化等に対応して十分に支援をしていく、そういう体制が必要ではないかと。  このことは、総合施設のモデル事業の評価委員会最終まとめ等におきましてもそのような指摘をされているところでございまして、そういった点を踏まえまして、今回の法案におきましては、認定こども園においては子育て支援事業についてこれを必須の機能というふうに位置付けたところでございます。
  61. 山下栄一

    山下栄一君 そういう考え方だとは思うんですけど、私は家庭教育力を回復するというか、これが一番大事だと。その上で、地域教育力地域教育力といいますか、地域がそれを応援すると。先ほどから大臣、副大臣おっしゃっていますように、地域ぐるみ子育てという考え方が非常に大事だなと、子供のためにみんなで応援しようという。  また、特に児童虐待の問題というのがもう本当に深刻な問題だというふうに思います。そこまで追い込まれておるのかということを考えましたときに、みんなで応援するという。また、若い御夫婦が、育児休業もそうですけど、そういうことができるような環境づくりは、これも大事だと思いますけど、また一面、特に都心においては、地域でみんなで応援していくという、そういう家庭教育力をカバーしていくんだという考え方地域の方々が立つことによって地域教育力がまた促進されていくというか、子供のためにはみんな応援しようじゃないかという、この安全の、子供を守っていこうという取組も、自主的な取組が行われておりますけど、そういうことになっていくというふうに思うんですね。  そういう意味で、保育所とか幼稚園のとらえ方も、地域子育てのセンターなんだと、そういう考え方は大事だというふうに思いますし、ほかに、別に保育所幼稚園に限らず、様々な民間団体の子育てサークル等の取組も私は共助の観点から大事だというふうに思いますけど、まあ公助、公助という考え方保育所幼稚園あるんでしょうけど。  そう考えましたら、別に、何で認定こども園だけですかと。先ほども浮島委員おっしゃいましたように、基本的には保育所幼稚園地域子育てセンターとして、そこに行けば入所の子供もいらっしゃるけれども、入園、一時的に御相談する、一時預かる、そういうことが今回法定化されているわけですけど、そういうことも専門性を持った保育士さん、そして幼稚園先生方がいろんなこのノウハウを教えてくれると、そこに行けば安心感があるという。そういう、特に専業主婦の方々も、専業主婦の働き方もいろんな働き方があるわけですから、専業主婦というふうにくくられていても一時的に働きに行かれる方もいらっしゃるわけですから、そういうとらえ方はこれからますます大事じゃないかなと。保育所幼稚園へ行けば、そこに行けば専門性を持った方々に相談してもらえる場所もあると。  そういうふうなことで、単に認定こども園の法定化だけでは、法定化がすべていいとは限らないかも分かりませんけど、保育所幼稚園も、そういう観点から、そこに行けば相談できる、そしてアドバイスも受けられる、安心できるというふうな、そういう役割を予算措置から一歩進めるというようなこともこれを契機に考えられるのではないかというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。
  62. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 今回の法律では、一般の幼稚園に対しての子育て支援事業を法定化はしておりませんし、想定しておりません。そもそも、幼稚園の設置をしてきた目的ということは教育機能の充実ということがございましたので、今回の法案に関しても一般の幼稚園での子育て支援事業は想定をしておりませんが、ただいま山下委員御主張いただいたことは非常に重要な観点だと思っております。  現状をちょっと申し上げさせていただきます。今現在でも幼稚園の半分に近い約五一%であります七千八十六園において、この幼稚園において未就園児教室の実施状況という現状がございます。  ひもといてみますと、平成七年からこれは幼稚園地域開放の推進という事業、また平成十一年度からは幼稚園子育て支援活動推進という形で、幼稚園における地域子育て支援機能の充実をしてきております。昨年度の平成十七年度と比べまして、対前年度比で二億六百万円増の五億四千万円の確保をして、幼稚園における子育て支援事業を展開してきているところであります。  今後とも、やっぱり地域によって違うと思うんですね。保育所ばっかりのところ、幼稚園ばっかりのところ、多分都市部においてはうまく混在しているところと、こういった地域事情もありますけれども幼稚園における地域子育て支援事業の充実は極めて重要であると思っております。  二〇〇三年に改正児童虐待防止法をしたときに一番大きな改正の論点が、これは今までは確たる証拠がなければ児童虐待については通報できなかったんです。ところが、あのときの改正では、虐待を受けたと思われる児童を発見した者は通報しなければならないという通報義務を掛けたんですね。極めてこれは大変な改正であったんですけれども、それだけ地域の見守り体制が必要ではないかと、児童は保護されるべき存在であるんだからみんなで見守りましょうという、こういう理念を立てたのがあの改正児童虐待防止法の論点なんですね。そういうことから考えれば、やはり幼稚園地域の中においての子育て機能を持っているんだという認識も今後付与していくことが重要であるというふうに考えております。
  63. 白石順一

    政府参考人白石順一君) 済みません、補足でございます。  子ども子育て応援プランにおきまして、今の地域子育て支援センター、平成二十一年度までに二万三千か所ある保育所も含めまして全国四千四百整備必要ということで、今大体三千台でございますが、現在におきましてはその九〇%程度は保育所地域子育て支援センターになっております。  今後も、認定こども園だけではなく、一般の保育所におきましてもこういう形での子育て支援事業の充実というものについて文部科学省同様図ってまいりたいと考えております。
  64. 山下栄一

    山下栄一君 地域子育て支援センターという言葉そのものは厚労省の言葉だと思うんです。まあ地域子育て拠点といいますか、そういうとらえ方で、先ほども申し上げましたように、校区に一つぐらいはそういう、そこに行けば安心できるというような場所としての、保育所幼稚園もそういう機能は、今後、私は法定化というふうなことも視野に入れた検討、今回の法律を契機に必要ではないかというふうに思います。  それと、児童相談所も、これは厚労省の施設でしょうけれども児童相談センターみたいなイメージがある言葉なんですけど、実際は様々な機能、非常に仕事がどんどん増えているような状況になっているわけですが、この児童虐待の、例えばですけど、児童虐待のことを好き好んでやるわけではなくて、特に実のお母さん、お父さんの場合がそうだと思うんですけど、そういう状況で相談する場所として児童相談所は県に一か所しかないと。近くの保育所に相談したいなと、また幼稚園に行って相談したいなと。専門性を持った、そこそこ専門の方がいらっしゃるというふうな機能もこれから、特に認定こども園は特にそうかも分かりません。というふうに考えましたときに、認定こども園の職員の方が児童虐待に対応できる、そこまですぐに専門性は無理かも分かりませんけれども、そういうふうなことも地域の人は期待して行くんじゃないのかなというふうに思います。そういう意味で、職員の研修なんかも、そういう観点からも認定こども園というのは期待がこれからできてくるんじゃないかと。  と同時に、もう一つ、障害児対応なんですけれども、これはそれぞれ保育所幼稚園、予算措置でも若干障害児対応できるような取組があるとは思うんです。  特に、私は、発達障害なんですけれども、これも若い御夫婦にとって、育てる過程の中で、何でうちの子供は言葉が遅いのかなというようなこととかから始まって、また発達障害かどうか分かりませんけれども、そういうことも含めて小さな子供の、相談先の認定こども園としてはそういう発達障害のことも分かっていると、職員の方が。というようなこともこれから、今度特に子育て支援事業ということが法定化されるんだったら、職員の方々が児童虐待についてアドバイスもできる、そして発達障害にかかわることも全く知らないわけではないと。こういう症状のある場合はあそこの専門的な発達障害支援センターに行ったらどうですかとかいうようなことぐらいは言えるような、そういう対応なんかも地域としては期待が、ニーズとして期待があるんじゃないかと、認定こども園に対するですね、というようなことを思うんですけれども、この点のお考えをお聞きしたいと思います。
  65. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 改正児童虐待防止法、それから発達障害者支援法の両案立案にかかわりました当事者という立場からも申し上げさせていただきたいと思います。  当然、現場で対応する幼稚園保育所の職員、教職員は、児童虐待発達障害者への対応の仕方、また、そういうお子さん方を発見しやすい現場におるわけですから、いち早い通報等についてのやはり責任があると、努力義務があるということをあの法律ではうたっておるわけでありまして、当然この認定こども園についても、同じように虐待の早期発見、早期対応、それから発達障害児の早期発見、早期対応の、やはり研修を通じて理解と対応が早期に求められるものと認識をしております。  こういった観点も、当然厚生労働省と連携を取りながら、認定こども園においても、そこで働く職員さん方が対応できるように、また地域子育て支援事業の中で相談体制に応じることができるように取り組んでまいりたいと考えております。
  66. 中野清

    ○副大臣(中野清君) 今、山下委員質問のとおり、また委員が常日ごろ福祉についての非常に御理解があると、そういう中での御答弁でございますが、認定こども園における相談といいましょうか、その問題につきましては、まず第一に、今問題になりました虐待の防止につきましてまず申し上げたいと思いますが、市町村の虐待防止に対するネットワークといいますか、そういうものがありますし、また先ほど来委員がおっしゃったような地域教育力とか連帯とかそういうものの中で、虐待の早期発見、早期対応につながる役割の一端を当然これは認定こども園が担うべきであるということは考えております。  ただ、児童相談所のような専門的なものはできませんけれども、しかしながら、そういう意味でできる限り頑張らせていただきたいと思っております。  それと、もう一点は、障害に関する相談でございますが、御承知のように、子供たちの問題につきましては市町村が実施する乳幼児健診の場を活用したいわゆる相談の場がございますが、それと一緒に障害の判定など障害の中の専門的な相談をする、いわゆる、県レベルとか市町村レベルでもございますけれども児童相談所が対応する体制が今あるということは御承知のとおりでございますが、この認定こども園における相談につきましても、いわゆるそういう専門的なものまではいかないかもしれませんけれども、やはり保育士が障害についても研修を受けることによりまして、また市町村や児童相談所と連携をしながら障害の早期発見、早期対応、これはやっぱり同じような役割だと思いますけれども、これもしっかりとやってまいりたいということを考えております。  おっしゃるとおり、家庭教育力とか家庭の力と一緒に地域の力というものも非常に大事でございますので、そういう点で、認定こども園地域の中で生きると、そういうことも大事だと思いますので、頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  67. 山下栄一

    山下栄一君 両副大臣、ありがとうございます。  次の質問でございますが、教育保育、この法律でも、教育及び保育とか、また教育保育といって連続で見付かったり、この辺のちょっとやっぱり言葉の整理をしっかりする必要があるのではないかと思っております。  幼稚園は、学校教育法上は保育を行うと、保育所保育を行うと。あれっという感じになるわけですけれども、この辺がちょっと余り整理されておらないのではないかというふうに思うんですけれども、今、教育基本法もそういう議論になっていくのかも分かりませんし、学校教育法の改正の中でそういう議論をされていくのか分かりませんが、この教育保育という言葉の整理をどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。
  68. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) まず、今回の認定こども園の法案におきましては、認定こども園については、保育所機能幼稚園機能の双方を有する施設となるように制度設計を行っているところから、教育保育という言葉を使い分けをしているわけでございます。  すなわち、保育所におきます保育に欠ける子に対して、保護者に代わって適切な環境を用意をし、健全な発達を図るこの保育所機能と、幼稚園における学級を単位として計画的に構成された環境を通じて心身の発達を助長する機能、いわゆる幼稚園機能、この二つを認定こども園は併せ持つわけでございますけれども、前者の保育所機能につきましては保育の用語を、後者の幼稚園機能については教育の用語を用いるということがこの法案における基本的な考え方でございます。  なお、学校教育法上は、先ほど先生の方からお話がございましたように、学校教育法の第七十七条では「幼稚園は、幼児保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする。」ということで、学校教育法上は幼稚園保育という表現を使っているわけでございます。ただ、これは、学校教育法上の幼稚園も学校ではございますけれども幼児期教育というものが、幼児期の心身の発達に応じた教育の中には一定の養護や世話が必要であること、あるいは幼稚園教育が、小学校以上のように教育内容を体系的に分類した教科を中心にして内容の習得を行わせるのとは異なりまして、幼児の基本的な生活経験に基づいた総合的指導を行うものでありますことから、幼稚園教育方法の独自性を表す用語として保育という言葉を学校教育法上は用いているということはございます。  なお、ほかの法律では、私立学校振興助成法などにつきましては、幼稚園についても教育という語を用いている法律もあるところでございます。
  69. 山下栄一

    山下栄一君 いずれにしても、分かりやすい状態にするためにも、法改正も視野に入れた検討が必要だと思います。  それで、保育所保育指針、幼稚園教育要領なんですけど、これ読んでみましたら、そんなに内容は変わらないんではないかなというふうに思います、教育要領を参考にして保育指針作っているのかも分かりませんが。だから、別に使い分けることも、役所が違うから使い分けなきゃいかぬのかも分かりませんけど。  まず、この保育指針、もう時間がなくなってしまいましたけど、保育指針、教育要領のそれぞれの法的根拠ですね、まずそれから聞きます。
  70. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) まず、幼稚園教育要領について申し上げますと、幼稚園教育要領は、学校教育法の規定に基づき、文部科学大臣が告示として定めたものでございます。
  71. 白石順一

    政府参考人白石順一君) 保育所保育指針につきましては、児童福祉法に定める児童福祉の理念に沿って定められたものでございますが、これは通知でございます。
  72. 山下栄一

    山下栄一君 法令上のそれぞれ根拠は違う。  私は、大事だと思いますのは、法令上の根拠も、これはちょっと、今日時間がありませんので別の機会にお聞きしたいと思っているんですけど、だれが決めるんですかと、教育内容保育内容をですね。これが大事ではないかなと思っております。  これは、政治主導、官僚、役所主導で決めるべきものではなく、やっぱり第三者的なところでしっかりよく専門性、また配慮しながら検討して、実質的にそれの内容が決まっていくと。法令上は、まあ形式上、文科省告示とかあり得るのかも分かりませんけど、内容を決める際は、やはり第三者機関といいますか、専門性、有識者等がそこで議論して詰めて内容を決めていくということが大事ではないかというふうに思っておるわけですけど、この点確認させていただきたいと思います。
  73. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) 幼稚園教育要領について申し上げますと、例えば現行の平成十年の幼稚園教育要領につきましては、その改訂に当たりましては、まず有識者、学識経験者で構成をされました教育課程審議会で審議をし、その答申で示されました内容に基づきまして、具体の改訂作業は、その答申を踏まえてさらに有識者、学識経験者で構成をされました幼稚園教育要領の改善に関する調査研究協力者会議、ここで検討を行いまして、最終的に文部科学大臣の告示となったというものでございます。
  74. 白石順一

    政府参考人白石順一君) 保育所保育指針につきましては、昭和四十年八月に策定されたものでございますが、その後の改訂も含めまして、中央児童福祉審議会の保育に関する特別の部会を設けまして、その中で検討し、その意見を踏まえて策定したと、あるいは改訂をしたという経緯でございます。
  75. 山下栄一

    山下栄一君 どうもありがとうございました。  済みません、質問を終わります、時間をちょっと超過しましたけど。
  76. 中島啓雄

    委員長中島啓雄君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時二十七分散会