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2006-06-01 第164回国会 参議院 内閣委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年六月一日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員異動  五月三十日     辞任         補欠選任      今泉  昭君     喜納 昌吉君  五月三十一日     辞任         補欠選任      喜納 昌吉君     藤本 祐司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         工藤堅太郎君     理 事                 西銘順志郎君                 山内 俊夫君                 芝  博一君                 柳澤 光美君     委 員                 秋元  司君                 佐藤 泰三君                 鈴木 政二君                 竹山  裕君                 中曽根弘文君                 山谷えり子君                 黒岩 宇洋君                 藤本 祐司君                 藤原 正司君                 松井 孝治君                 風間  昶君                 白浜 一良君                 近藤 正道君                 木俣 佳丈君    衆議院議員        内閣委員長    佐藤 剛男君        内閣委員長代理  山本  拓君        内閣委員長代理  泉  健太君        内閣委員長代理  糸川 正晃君    国務大臣        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    沓掛 哲男君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       小林  温君    政府参考人        内閣国民生活        局長       田口 義明君        警察庁生活安全        局長       竹花  豊君        経済産業大臣官        房審議官     西川 泰藏君        経済産業省商務        情報政策局消費        経済部長     谷 みどり君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○探偵業業務適正化に関する法律案衆議院  提出)     ─────────────
  2. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る三十日、今泉昭君が委員辞任され、その補欠として喜納昌吉君が選任されました。  また、昨日、喜納昌吉君が委員辞任され、その補欠として藤本祐司君が選任されました。     ─────────────
  3. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  探偵業業務適正化に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣国民生活局長田口義明君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  5. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 探偵業業務適正化に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 松井孝治

    松井孝治君 おはようございます。民主党・新緑風会の松井孝治でございます。  今日は、衆議院から提案者の方々においでをいただきまして、ありがとうございます。  まず最初に、提案者にお伺いをさせていただきたいと思うんですが、そもそもこの探偵業法提出経緯といいましょうか背景といいましょうか、もう提案理由説明は伺っておりますので簡潔で結構でございますから、端的に、どういう経緯あるいは背景を基にこの法案提出されたのか、その点御答弁いただきたいと思います。
  7. 山本拓

    衆議院議員山本拓君) この法案で言う探偵業というのは、いわゆる調査業者のうち、他人依頼を受けて特定の人の所在調査行動調査を行うことを業として……
  8. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 山本拓君に申し上げます。  御起立の上、御発言を願います。
  9. 山本拓

    衆議院議員山本拓君) どうも失礼しました。まず、おわび申し上げます。生まれて初めて緊張いたしておるところでございます。  御案内のとおり、探偵業という概念は、広く国民の間で需要があるわけでございますが、昨今非常に、消費者センター、また事件を見ていましても、探偵業者を名のる事案が大変多くございます。いわゆる他人から依頼を受けて調査する中で、逆にそれをネタにして恐喝をしたりという、その実態暴力団の温床になっているというのも実態でございます。  そういう中で、警察等に問い合わせしても、実態がないものですから、ちまたには広告が、大きい広告が打たれてれば打たれてるほどその資金源暴力団の方から提供されているという事案もございまして、今回につきましては、普通の業者が近年非常に増えていく中で、料金等に関するトラブル調査対象者の秘密を利用した恐喝等犯罪の数が急増しているところでございますので、取りあえずは現状把握という意味から、当初、登録とか許可とかいう議論もあったんですが、現状把握という意味から、業を行う者は届出制という形でさせていただいて、警備業法のときの運用で使わしていただいたような欠格事由暴力団とかそういうものを明確にクリアした上で、あくまでも消費者保護立場で、届出している業者に安心して相談に行ける枠組みをつくろうとするものであります。
  10. 松井孝治

    松井孝治君 ありがとうございます。  これは内閣府の国民生活局に伺いたいわけでありますが、今いろんな消費者を巻き込んだトラブルあるいは犯罪、そういったことの指摘がありました。警察庁生活安全局長さんにもおいでいただいていますんで、続いて御答弁いただきたいんですが。  まず、消費者トラブルの中で探偵業絡みトラブルがどれぐらいあるのか、それは全体の件数からいうとどれぐらいの割合なのか。それから、検挙事案ですね、この探偵業といいましょうか調査業、それがどれぐらいあって、これが全体の検挙事案との関係でどれぐらいの比率なのか。あるいは、例えばよく言われるのはやみ金なんかの犯罪が最近非常に多い、そう言われるわけですね。あるいは架空口座架空取引についての犯罪行為も多いと言われているわけですが、取りあえず、例えばやみ金との比較においてどれぐらいのトラブルが起こっているのか。消費者相談という点、そして実際の検挙事案の数という面で探偵業絡みのものがどれぐらいあるのかということを、それぞれ簡潔に御答弁いただきたいと思います。
  11. 田口義明

    政府参考人田口義明君) お答え申し上げます。  国民生活センターにおきましては、各地の消費生活センターを結ぶPIO—NETシステム運営苦情相談情報を収集しております。このPIO—NETシステムで収集されました平成十七年度の苦情相談件数は約百二十七万件でございますが、このうち興信所に関する苦情相談件数は約千六百件、苦情相談全体の約〇・一%となっております。
  12. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 調査業等に係る犯罪検挙人員について申し上げますと、平成十六年は百八十人、平成十七年は六十三人となっております。  やみ金との比較ということでございますけれども平成十七年中にいわゆるやみ金に係る検挙人員数は七百六人でございました。
  13. 松井孝治

    松井孝治君 私がこの法案について若干疑義を持っておりますのは、この法律について何ゆえに業法的な規制が必要なのか。ほかの消費者トラブルであるとか、あるいはいろんな商行為をめぐる検挙件数との関係においてこの法律を、この業務探偵業というんでしょうか調査業というんでしょうか、そこについてこういう立法をするというバランスですね、そこが適切かどうかという点において今の質問を伺っておるわけであります。  ちなみに、今日、経済産業省にもお見えいただいていますが、国民生活センターが出されている消費生活年報というものを見ますと、興信所というんでしょうか、それについてのトラブルよりもはるかに、例えば明らかに経済産業省所管のものでいうと布団類とか教養娯楽教材、例えば英会話教材とか、こういうものの方が明らかに消費者相談件数多いんですね。これについては、例えばこれは議員立法で御提案をされていますけど、経済産業省、こういうものはほっておいていいんですか、法案作らなくていいんですか。
  14. 谷みどり

    政府参考人谷みどり君) 経済産業省におきましては、御指摘のような布団類販売その他の訪問販売あるいは電話勧誘などの消費者トラブルにつきまして、特定商取引法に基づく行政処分などを行っております。例えば、昨年、深刻な社会問題となりました住宅リフォームども業務停止命令を発しております。  こういったものにつきまして、引き続き、消費者トラブル実態を踏まえ適切な対応をしてまいりたいと考えております。
  15. 松井孝治

    松井孝治君 そのままいてください。  経済産業省にお伺いしますが、それは商行為の、例えば訪問販売という、あるいは通信販売である、あるいは電話勧誘である、その商行為に着目して規制を行っておられる、消費者保護の対策を打っておられる。それは分かりました。  今回の法案は、その事業届出あるいは登録、そういうことをしているわけですね。何でその布団とか英会話事業規制しないんですか。
  16. 谷みどり

    政府参考人谷みどり君) 特定商取引法でございますけれども、これは特定商取引を公正にし、購入者等の利益を保護する、そして商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にしまして、国民経済……
  17. 松井孝治

    松井孝治君 それは分かっています。
  18. 谷みどり

    政府参考人谷みどり君) はい。ということでございます。
  19. 松井孝治

    松井孝治君 いや、そうじゃない。
  20. 谷みどり

    政府参考人谷みどり君) 私どもといたしましては、業者が非常に悪質な行為を行った場合、その情報を様々なところから一刻も早く入手し、業務停止命令を掛けるという形で悪質な行為を取り締まっていくことを、限られた人員ではございますけれども行政、だんだん増やしてきておりまして、その人員でとにかく悪質な行為を一刻も早く止めるということに全力を注いでいるところでございます。
  21. 松井孝治

    松井孝治君 提案者にお伺いしたいと思いますが、今のような商行為に着目して消費者保護を図るという法制が現実に例えば経済産業省においてはあるわけでありますが、今回そういう商行為に着目して消費者保護規制を行うという法体系を取らずに、いわゆる事業法体系を取って事業者届出、本来、登録とか許可とかいうところまで考えてもいいんだけれども、まずは実態把握届出というふうにおっしゃいましたが、何で今の経済産業省のような法制を取らなかったのか。その点御説明いただけますか。
  22. 山本拓

    衆議院議員山本拓君) 経済産業省のことはよく分かりませんが、我々として、取りあえず実態が、それぞれのその探偵業という概念の前に調査業という仕事が広く定着をいたしております、名簿を調べるとか。そういう中で、特にトラブルが多い現状でいきますと、個人のというんですかね、個人情報保護という形の中で、すべてコンピューターとかパソコンとかじゃなしに、特定依頼を受ける、じゃ具体的にどういう人に依頼をする、そこの受皿で商売をやっている人が実態が分からないと。その中にやくざも含まれるし、いろんな人も含まれると。  だから、そこをまず、第一歩を明らかにしようということでございますので、普通の経済産業省所管している業務のように売り買いとか特定商品をどうかという話ではなしに、その人が頼まれる仕事というのはいろんな、結婚の問題もあるし、未然調査もあるだろうし、浮気調査もあるでしょうし、いろんなもの、それが業の内容が非常に多様、多岐にわたっておりますので、そっちを中心法律を立案するということは極めて難しかったものですから、取りあえず、いわゆる人を中心とした、探偵業法というのはあくまでも、我々参考にさせていただいたのは、警備業法の方で欠格事由というものを、暴力団その他の排除という観点のことを重点に立案させていただいたものでございます。
  23. 松井孝治

    松井孝治君 今、調査業という話もあったんですね。私は、警察庁事業所管されるというのは、事業所管という概念警察庁の場合警察法等でどこまであるのか分かりませんが、ちょっとその事業所管というよりはいろんな行為規制をされるというのが警察庁のお立場かなというふうに思っておるわけですが。  調査業という話が出ましたが、経産省の方、政府参考人おいでいただいていますが、例えばマーケティングリサーチ、これ調査業ですね。マーケティングリサーチとかコンサルティング、いろんな企業の経済状況調査、こういったものは私の理解では経済産業省所管されている。そういう所管と今回の調査業、正に元々社団法人も、調査業協会という名前が付いているような社団法人でありますが、調査業であれば事業としてそれは経済産業省所管しているんじゃないですか。で、その事業適正化発達改善というのは経済産業省所掌事務じゃないんですか。経済産業省はそれについて責任を放棄しているんでしょうか。まず政府参考人の方から御答弁いただきたいと思います。
  24. 西川泰藏

    政府参考人西川泰藏君) お答え申し上げます。  経済産業省所掌にかかわる御質問でございますが、経済産業省商行為として行われております探偵業を含む、あるいは調査業、これは経済産業省設置法規定に基づきまして、探偵業につきましては、その発達及び改善に関することは経済産業省所掌事項に含まれるものというふうに考えております。これは、具体的な条文といたしましては、委員案内のとおり、経済産業省設置法の第四条三十一号の規定、この中に商鉱工業発達及び改善に関すること、これは経産省の所掌というふうに規定されてございまして、そういった規定が本件に関しては該当するというふうに考えているところでございます。
  25. 松井孝治

    松井孝治君 小林政務官もお忙しい中おいでいただいていますが、これは議員立法ですし、私、提案者に我が同僚議員も入っていますし、提案の御趣旨はよく分かるんです。ただ、他方で、さっきの例えば英会話教材でもそうですし、その英会話教材物販業であったりサービス業であったり、布団販売もそうですね、そういうサービス業所管している。その事業発達改善を図る、あるいはその事業に係る消費者保護を図るというのは経済産業省仕事だということで、別法体系もあって消費者保護の施策を取っておられる。今回の話は議員立法ですから、実際その暴力団にかかわるものとかいろんな犯罪事案件数として非常に多いかどうかは、閣法として出てきて規制を掛けるというほど多いかどうかは別として、やっぱりトラブルがあるのは事実ですね。非常にいろんなチラシもまかれている、これはどうかなと私も思います。  ですから、議員立法提案者趣旨は分かるんですが、今日は政府のお立場政務官にも御出席いただいていますが、経済産業省は今明確に探偵業も、あるいは調査業というのでしょうかね、興信所のようなサービス経済産業省所掌に係るものであると、そういう事業であると。その発達改善自分たち責任でもあるんだという御答弁があったわけですが、この法体系の中で経済産業省はどういうふうな役割を果たしていかれるのか。この法体系でいいのか。あるいは別途、経済産業省業務の中でこういう調査業に対してもこういう指導をしていくとか、あるいはこれまでこういうことをしてこられたとか、そこら辺を、政治家として余り細かいことではなくて、この議員立法についての考え方も含めて、あるいは経済産業省を代表して今日は政務官として御出席いただいていますので、御見解を小林政務官の方からいただきたいと思います。
  26. 小林温

    大臣政務官小林温君) ありがとうございます。  提案者からも御説明がありましたように、本来、元々のこの議員立法のきっかけの部分がその探偵業、人の部分に着目をしていただいて、届出義務を課していただいたということだというふうに理解をさせていただいております。そして、一方で、先ほど来御答弁申し上げているように、その探偵業産業としての所管は我が省にあるというふうに考えておりますし、その健全な発展や問題が起きた際の改善については責任を有しているというふうに思います。  ですから、今後は、例えば消費者トラブルの防止、あるいは産業自体を健全な産業として更に発展をさせていくという意味において、是非所管官庁所管主務大臣とも緊密に連携を取らせていただきながらこの法案中身については進めさせていただきたいというふうに思いますし、更に前向きに取り組む必要があるということであれば、またそれは取組をさせていただきたいというふうに考えております。
  27. 松井孝治

    松井孝治君 私がなぜこういうことを言っているかというと、所管というのがよく分からないところがあるんですよ。例えば、ボウリング場というのは経済産業省所管されています。でも、同じような遊技であってもパチンコは、経済産業省にお伺いするとあれは警察庁ですとおっしゃるんですね。今のマーケットリサーチとかそういうものは経産省として実態も把握していますが、探偵になると分からないんです。  ただ、今の御答弁で分かったことは、それは経産省としては産業所管はしておられると、だからその限りにおいては責任があるということですから、私は、事業所管をすべて、はっきり言って、経済産業省は今までお付き合いがなかった、あるいはちょっとこういう事業者とお付き合いするすべもないというからこれは引く、だから警察庁がいきなり乗り出してくる。それがいいのか。それは、どういう産業であっても、所管して責任を負っておられるのなら、それは警察のお立場でのもちろんその適正化というのが必要な部分もあるでしょうし、事業所管をされていると政務官が明言されたわけですから、それはよく連携して事業改善というものを、やっぱりすべてが、まあ正直言って公安委員会指導しなければいけない点もあると思うんですが、何でも公安委員会がいきなり事業について入ってくるというのがいいのかどうかということについては、私は若干それもどうかなというふうに考えているところがございます。  ですから、そこの点は是非経済産業省におかれても、これはちょっとやばいから一歩退くとかいうことではなくて、どういう産業であっても、もしそれ、産業としての所管官庁としての責任を有されるなら、しっかりと警察庁連携を取っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  警察庁お見えでございますので、これ、世間でうがった見方というのがあるんですね。今警察庁社団法人日本調査業協会といういわゆる興信所業界団体所管されていますね。これも元々、ほかの役所が引き受け手がなくて、別の役所のあっせんによって警察庁が見られるようになったというような話も私実は仄聞しております。仄聞しておりますが、この団体、もう時間も限りがありますので自分で申し上げますが、恐らく全国興信所のカバレッジでいうと一割もカバーしていないぐらいの団体ですね。要するに、全国で何千という興信所があるというふうに言われているわけですが、この調査業協会は六百余りの会員数しか持っていない、そういう団体なわけですね。  それから、この調査業協会には、もちろん報酬とかは得られていないというふうに私は伺っておりますが、警察組織警察庁ということではないですが、警察組織出身の方が役員でいらっしゃるということも事実だというふうには伺っております。だから、ひとつ好奇心でもって見られると、全国興信所組織化を図ると、そこを団体として法律根拠を持って組織化を図って、場合によっては天下り先にしようじゃないかというようなうがった見方もあるかもしれないんですね。  ですから、先ほどの所管関係ですと、警察庁がそこに、所管に手を伸ばして何とか組織化しようというふうな批判がないように、私は、正直言ってこれはほかの業界団体と性格がちょっと違うと思いますから、必ずしも今申し上げたような懸念に当たるものではないと私個人は思っていますが、局長せっかくおいでいただいていますんで、この調査業協会であったり興信所の今後の指導に当たっての、警察庁が別に天下り先にしようとしているわけでもないというようなことについて確認的な御答弁をいただきたいと思います。
  28. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) お答え申し上げます。  調査業に関する今回の法律案警察庁において所管をするということにつきましては、警察法二条の規定警察責務規定がございまして、「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。」という規定がございます。今回の法律案中身は、この警察責務に相応するものが含まれておりますので、私ども所管をするということになるのであろうというふうに思います。  今、こうした調査業協会に対して全国的な組織をつくってというふうにおっしゃいましたですけれども、私ども承知しておりますところでは、この調査業にかかわる組織というのは、全国的なものは、まだ、幾つかありますけれども、その組織率は非常に低いものでございますが、私ども、今回の法律ができまして私ども所管になりまして、この業の適正な運営を図るということを実現するためには、個々の業者に対して、すべての業者に個々的に指導することは難しいわけでございますので、そうした業者の適正な運営を促す上でも、こうした団体がしっかりとしたコンプライアンスの精神を持って対応することが重要であろうかというふうに考えているところでございます。  なお、そこに警察OBを送り込んでというお話でございますけれども現状におきましては、今、日本調査業協会には警察OBが五名行っておりますが、これは警察庁OBではございませんで都道府県の警察OBでございますけれども、いずれも無報酬で行っているところでございまして、今うがった見方とおっしゃられましたですけれども、そのような実態には現状ではないと思いますし、私ども議員指摘のような懸念が生じないように対処してまいりたいと考えております。
  29. 松井孝治

    松井孝治君 局長、もう一点今の御答弁に関連して伺いたいんですが、警察がこの探偵業所管する根拠として警察法規定を言われました。もしその規定根拠業所管をされるんなら、例えばサラリーマン金融あるいはやみ金と言われている業者、これは警察庁所管しなきゃいかぬじゃないですか。
  30. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) この業の規制につきましては既に他の省庁において所管をしている法律がございます。この法律の施行に当たって、警察はこれに、運用に協力するという形で政府全体として対処をしているということでございます。
  31. 松井孝治

    松井孝治君 もう一回伺いますが、先ほど政務官は、この調査業は、あるいは政府参考人もおっしゃいましたが、経済産業省において所管すると、設置法根拠を示して、条文も示されました。それとやみ金とがどう違うんですか。
  32. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) やみ金の、まあやみ金といいますのもいろいろ定義ございますけれども消費者金融金融にかかわる規制というのは貸金業に関する規制によりまして、その貸金業の健全な運営等法律の目的に従って規制が現に行われているところでございます。その中に貸金業の適正な運用、例えば取立てに当たって様々な行為規制をされておりますけれども、そうした規制に基づいて罰則が定められており、その罰則を適用するについては、警察の職務でございますので、そういう点で警察はこの貸金業規制法に関して協力して行っているということでございます。
  33. 松井孝治

    松井孝治君 要は、貸金業はきちんと法規制があって、それを協力体制として事業所管である金融庁があって、そこに協力体制ができていると。ところが、この調査業あるいは探偵業については、経済産業省設置法上の権限は有していたかもしれませんが、事実上の規制関係、あるいは実態把握指導監督体制にあったかというと、なかったからそこの部分警察警察法規定に基づいて乗り出してやらざるを得ないというふうに私は理解しましたが、大体大枠においてはそういう理解でよろしいですか。
  34. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) その法律趣旨からして、あるいは規制中身からいたしまして、全体として警察において所管することが妥当なものではないかと私は感じております。  ただ、これは私ども提案をしている法律ではございませんので、立法者の、提案者の御意図があろうかと思いますけれども、私どもとしてこの法律を見させていただいて、この内容であれば警察において所管するのが相当ではないかというふうに考えております。
  35. 松井孝治

    松井孝治君 はい、結構です。  それから、元々の御答弁の中の後段部分、要するに天下り等々について、いやしくも、まあいろんなうわさを流されないように、今の、私も調査業協会実態を伺いましたが、いわゆる天下りではないという話も伺いました、事前に御説明もいただきましたが、そういう指弾を受けることがないように厳正に運営していただきたいと、そのことは御要望申し上げておきたいと思います。  それで、具体的に条文規制内容について伺いたいと思っておりますが、例えば六条に「個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。」という規定があるんですね。「人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。」という規定がございます。  そして、この規定、私は、これ常識的にはプログラム規定だったと思うんです。警備業法にも同じような規定がありますが、これはプログラム規定であるということを警察庁には確認させていただいています。  法文の十四条、十五条辺りに、指示とか営業の停止命令あるいは営業廃止命令というところまで規定がございます。事前に伺いましたら、この十五条の営業停止とか営業廃止の処分というものは、六条の「人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。」、この義務違反でも最終的には十四条、十五条の処分が行えるというふうに法制局から私は伺いました。  これは、提案者、そういう理解でよろしいですか。
  36. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) 今お話がありましたとおりでして、この六条は訓示規定ということのどちらなのかという話があるわけですが、この六条はいわゆる訓示規定というものではなくて、六条に違反をした場合も第十四条及び十五条にそれぞれ規定する法律に違反した場合というものに該当するということになります。
  37. 松井孝治

    松井孝治君 これ非常に大事なところで、この六条で書いていることって、もうちょっとかみ砕いて何かというふうにいいますと、例えばストーカー行為ですね、尾行する人たちがもう執拗に付きまとって、尾行される調査対象になってしまった方が非常に生活の平穏を害されてしまう。これは非常に難しい話でありまして、訓示規定としてこの手の規定が置かれるというのは分かるんですが、これに基づいて、要するに、探偵として届出をされている事務所の方が尾行された、何をもって生活の平穏を害されたのか、ストーカー的行為なのかという判断を公安庁が行わなければいけないというのが法律規定なんです。  これは、生活安全局長、警備業にいっても類似の規定がありますが、まず事実関係として、警備業の場合は、この類似の規定で具体的な行政処分の構成要件になるようなものなのか、あるいはプログラム規定なのか、まずその点について御答弁いただけますか。
  38. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 御指摘警備業法第十五条は、「警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」と規定をいたしておりまして、この条文が一つの根拠となりまして指示処分を行った例があると承知をいたしております。  その意味で、プログラム規定ではなくて具体的な処分の事由としてこの警備業法十五条違反が適用された事例があるということでございます。
  39. 松井孝治

    松井孝治君 私は昨日、警察庁の方から、これはプログラム規定で、この規定に基づいて具体的な行政処分を行い始めたら非常に構成要件の判断が難しくて恣意的になる可能性がある。だから、非常にここは慎重にしなければいけないところで難しいところなんですという御説明を伺っていたんですが、その説明は不正確な御説明だったということですね。
  40. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 議員指摘のとおり、この十五条の規定を適用するに当たっては、もちろん他の条文もそうでございますけれども、この条文に当たるかどうか慎重な検討が必要であるということでございます。  今申し上げました、この規定を一つの根拠としてと申し上げましたのも、こればかりではなくて、全体の行為の中の行為をとらえてこの規定にも反するものであるということを理由にして指示処分をしたものと承知をいたしております。
  41. 松井孝治

    松井孝治君 立法者の意思は確認できたわけですが、泉議員の御答弁で確認できたわけですが、やっぱり現実にこれ運用することになると、それは探偵業者の方がちょっとつけただけで、もうこれは平穏を害するから営業廃止だということを非常に恣意的に運用されてしまうと、これはちょっとやっぱり行き過ぎな部分もあると思うんで、よく全体のバランス、今おっしゃったように慎重に判断していただきたいと思いますし、国家公安委員長、今日はお忙しい中でずっと座っていただいてお聞きいただいているというのは、そこら辺を御留意いただいて、この法律が成立した暁にやはり慎重に運用しなければいけない点はあるんじゃないかという意味で、私は今、一連の確認の質問をさせていただいているわけであります。  もう一点確認をさせていただきたいと思います。  七条、九条に「違法な差別的取扱い」という表現があるんですね。これ、よく懸念されるのは、結婚とか就職でいろんな門地等についての調査が行われる、部落の問題であるとかあるいは出身地の問題についてそういう調査が行われるケースがありますけれども、こういうものというのは違法な差別的取扱いに当たるのかどうか。これは提案者の方から御答弁いただきたいと思います。
  42. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) 今おっしゃっていただいたような結婚にまつわる、あるいは就職にまつわるいろんな差別というものは現実に存在をするものがあると思うんですね。ただ、様々な調査においてどういった手段を取るかによっても、これは調査業務に当たる、探偵業務に当たる当たらないというところで分かれてきますので、すべてがこういった意味での違法な差別的取扱いに当たるかといえば、それは当たらないところもあるわけですけれども、ただ、基本的に特定の人間の行動や所在を実地の調査をもって突き止めるという行為が伴っている場合には、それはやはりこれは探偵業務に当たるわけですし、それが特にこういった形のいわゆる部落差別、差別的取扱いというものに当たるようなものについては、これは違法的な差別的取扱いに当たるというふうに考えております。
  43. 松井孝治

    松井孝治君 明快な御答弁ありがとうございました。  更に確認を続けたいと思いますが、この探偵業に、例えば企業の信用調査、こういったものは探偵業に含まれるのかどうか。例えば、その人間が経済的基礎が十分あるのかどうかとかいろいろ、例えば金融業者から頼まれてそういうことを調べるというようなこともあるかもしれません。これは対象になるんでしょうか。
  44. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) 今回の法律で言うところの探偵業の定義なわけですけれども、これは、いわゆる企業の信用調査ですとか経済関係調査ですね、あるいは人事関係調査を行う大手まで含まれるのかということについていえば、それは基本的には含まれないというふうに考えております。  今回規制をする探偵業探偵業務というのは、何度も繰り返しになるかもしれませんが、他人依頼を受けて特定人の所在又は行動についての情報、これを実地による、あるいは面接による尾行、聞き込み、張り込みというような実地による調査を行い、それを依頼者に報告をするという業務ですので、今おっしゃっていただいたような企業の信用調査等はこれは当たらないというふうに考えております。
  45. 松井孝治

    松井孝治君 同じ意味でありますが、要するに、探偵業とか興信所とかいう看板を掲げて一般の方々に営業活動を掛けて、それがいろんなトラブルの原因になる、ここを未然に防ぎたいということだと思うんですね。  そうすると、どこかの企業の上司がある企業の調査セクションに命じて、今の信用調査なんかもそういうことも多いと思うんですが、企業の内部で上司から言われて特定の調査を、ここの法律に書いてあるような外形的な要件を満たすからといって、それはいわゆる探偵業の看板を掲げてないようなもの、これは必ずしも対象にならないという理解でよろしいですね。もうなるかならないかだけで。
  46. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) はい。そのとおりでございます。
  47. 松井孝治

    松井孝治君 報道機関が適用除外になっています。報道機関の定義ですが、例えば、いわゆる新聞社、放送局なんかが対象になるのは当然だと思うんですが、書籍、雑誌などの出版社、あるいはインターネットとか携帯電話のウエブメディア、インターネットメディア、それから例えば個人のフリーランスのジャーナリスト、さらには、これは、ちょっとその報道というものと、どこまで入るのかということはありますが、コラムニストとかエッセイストとか、そういう著述業をされている方々の調査、あるいはいろんな表現行為をなさっている方々の取材行為、こういうようなものがどこまで対象になるのかならないのか、その辺りも御答弁で確認させていただきたいと思います。
  48. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) もちろん、この法律立法趣旨というものは報道の規制というものにあるわけではないということを御理解をいただいていると思いますけれども、例えば出版社、今回のこの法律の定義の中には含めなかったわけです。それは、出版社の中にも報道系の出版もあれば、いわゆる教科書ですとか絵本の出版社もあるわけでして、それは報道にやはり該当しないものもあるだろうということで、個人情報保護法のときの審議の状況にも照らしてこういった書きぶりをしたわけですけれども、一方で、表現活動というのは大変幅広く行われているものでありますし、その線引きは非常に難しいところもあります。  そういった意味では、私たちは、今御指摘のあった例えばフリーのジャーナリスト、あるいはウエブメディア、そしてまたエッセイ、コラムニストということについても、これは社会的な出来事を広く一般に知らせることを目的としているということであれば、どのような形であっても報道に該当すると言ってよいのではないかというふうに考えておりまして、したがって、そのようなものであれば記事等に限られることなく、事実に基づくものとして執筆されたコラム、エッセイ、小説であっても報道に当たるというふうに考えております。
  49. 松井孝治

    松井孝治君 明確な答弁ありがとうございました。  そうだと思うんですよね。例えば、そういう行為の中で、また行き過ぎた行為が現実にあるかもしれない。それは社会的にそれでいいのかどうかという議論はあるかもしれないけれども、今回のこの法案で対象にしているのは、やっぱり興信所とか探偵事務所ということで一般の消費者を巻き込んで、それがいろんな、ひどい場合は恐喝につながったり、あるいは料金のトラブルにつながったりいろんなことがあるので、そこを規制しようという考え方だと思うんで、私は今の泉議員答弁で非常に明快に整理できたと思います。  余計なことかもしれませんが、例えば学術調査とか、あるいは弁護士活動とか税理士活動とか弁理士とか公認会計士とか、こういう方々だっていろいろ調査をしなければいけませんね。こういうもののために行う調査というのも、当然今の趣旨からいうと、これはこの法案の対象でないというふうに理解できるわけですが、その理解でよろしいでしょうか。
  50. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) 一般に、例えば学術調査で、ふだん探偵がやっているような聞き込み、張り込み、時には、言葉には書いていませんが、盗撮や盗聴というものが学術調査で行われるというふうにはやはり考えにくいということもありますし、弁護士活動もそれは同様でありまして、やはり合法的な調査、資料の収集というものを行っておられるというふうに思っております。  そしてまた、この探偵業というのは、あくまで他人依頼を受けて、その実地の調査を正に自ら行い、それをそのまま報告をすると。報告をするということでいえば、弁護士なんというのは、その依頼人に報告をすることが目的ではなく、弁護活動に使うということのための情報収集等でもあるわけですし、学術調査についても、その調査をする人間が学術関係の方であれば、そのことを、調査結果を素材のままどこかに報告するということはこれは考えられないわけでして、何らかの加工をしてやはり学術資料として提出をするということであれば、それは他人依頼を受けて行うものではなく、調査としては個人で行っているものという判断になるかと思います。
  51. 松井孝治

    松井孝治君 この法案の附則には見直し条項もあるわけですが、三年後の検討というのが書いてございますが、いろんな人権擁護法案とか、あるいは個人情報保護についての議論の進捗とか、そういうことの進捗も含めて、この三年後の見直しというのは更なる法改正の検討も含めての見直しと考えてよろしいんでしょうか。
  52. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) これは御指摘のとおりでして、やはり、これは風営法も同様ですが、届出制というのは第一段階の状況でして、まずは業界の実態把握と。その中で、例えば、いろいろと指摘をされる暴力団関係ですとか、あるいは構成員が、所属をする従業員がどのような方々なのか、またどういう調査による被害が明らかになってくるのかということも踏まえて、この法改正に向けての見直し規定と考えております。
  53. 松井孝治

    松井孝治君 もう時間が参りましたので、最後に国家公安委員長に御質問したいと思いますが、今日はお忙しい中、ずっと今の質疑国家公安委員長にはお聞きをいただきました。やはりこの法案議員立法でもありますし、先ほどの、対象がどこまでの事業者を対象にしているのか、どこまでの行為を対象にしているのか、法文だけでは必ずしも分かりにくい部分もあったと思うんですね。ただ、立法意思が非常に先ほど来の質疑の中で明らかになったと思います。  委員長、この質疑を聞いていただいて、この法案法律として成立した暁に、公安庁が今の立法趣旨をよく踏まえてこの法律運用に当たっていただく、今の立法意思を尊重していただくということを最後に大臣に御確認をさせていただきたいと思います。
  54. 沓掛哲男

    国務大臣(沓掛哲男君) ただいま松井委員から、本当に私たちもこの中身を知る上において大変濃く知れた、深く理解できたというふうに思っています。  最初の所管の問題ですけれども、これは決して、警察庁が先ほどこの法律に基づいて公共の秩序等を守る云々だけでとはどうかとか、あるいは経済産業省の、いわゆる経済的な業に関係しては経済産業省がどうかとかいう、いろいろな御質問がございました。  私は、ほとんどの委員会は実は経済産業委員会におりました。したがって、商工委員長をやり、また政務次官も経済産業省でやらせていただいて、幾分幅広に取り過ぎるかなといういろんな意見もございましたんですが、決して、この法案は非常に私は運用上難しい問題がたくさん出てくる。いろいろプライバシーやその他の瀬戸際のぎりぎりの問題もいろいろ出てくるんで、その辺はこれからも経済産業省と、業の育成という点では大変経済産業省の持ち分でもありますので。しかし、この難しい問題を取り締まりながら、この業の発展をしていく上においてやっぱり、これはもちろん私の方で決めたというよりも提案者等の御意向もあってそのようにしたんですけれども、しっかり警察庁として連携を取りながらやっていきたいというふうに思っておりますし、今先生御指摘のありました、この中身の個々の問題について大変理解を深めることができました。これで、これからこの法案が成立した上においては、都道府県公安委員会その他関係の部署等にしっかりとこの内容を伝達しつつ、適正に法が運営されてこの業界が発展していくように努めていきたいというふうに考えております。
  55. 松井孝治

    松井孝治君 ありがとうございました。終わります。
  56. 白浜一良

    ○白浜一良君 公明党の白浜でございます。  提案者の皆さん、御苦労さまでございます。沓掛大臣も引き続いて御苦労さまでございます。  十五分しかございませんので、何点か確認をさせていただきたいと思います。  探偵業というのは業法としては法的裏付けがないと、しかし一方で、個人情報保護法ができまして大変個人のプライバシーとの仕事上のトラブル、問題、こういうこともございますし、また、ニーズがあるんでしょうけれども、そういう暴力団等の悪徳な業者も一方にいるということで、そういうことを踏まえて業法としてきちっと制定しようということは大変意義が深かったと思うんですけれども提案者の皆様に、まず本法のそういう全体的な意義を、どういう御趣旨でこの法を制定を考えられたか、まず伺いたいと思います。
  57. 山本拓

    衆議院議員山本拓君) 先ほど来から御質疑の中で答えさせていただいていますとおり、現状より一歩前進したいという、それと消費者保護、あくまでも消費者保護立場で、消費者がそういう必要を生じた場合に最低限安心して暴力団とかそういう欠格事由のある業者でない人を選別できるという形の枠組みを我々として考えたところでございまして、今回の、個人情報保護法にかわって、より個人情報が管理されていく中で、実態的に調査業探偵業の需要というのが増えていく中で、まずそういうトラブル警察庁であれ行政的に対応する場合に、実態が全く把握されていない状態を解消したいというところからスタートさせていただきまして、取りあえずはまず届出をさせるということで、そしてまた届出における欠格要件を明記して最低限のルールづくりを今提案させていただいたというのが現状でございます。  取りあえず一遍やらせていただいてみて、この枠組みで定着すればこれでいいと思いますし、もしそれで不十分とか、いろいろ行き過ぎとか、運用上不手際が仮に出てきた場合には三年後においてすべてにおいて見直しを議論させていただきたいという規定も設けさせていただいたものでございます。
  58. 白浜一良

    ○白浜一良君 今お話もございましたが、少し触れていらっしゃいましたが、法案の内容に関して何点か確認したいと思うんですが、届出制から始められたということでございますが、業者を厳格に選定しようと思いましたら、当然でございますが、許可制とか認可制ということになるわけでございますが、特段、今回届出制にされた意味というのはどういうところにございますか。
  59. 山本拓

    衆議院議員山本拓君) いずれにいたしましても、一般的に、届出そして登録許可とかいろんな一般的な段階があるわけでありますが、取りあえずはとにかく、いろいろ議論していく中で、警察に余り権限も与えることは好ましくないという意見もございましたし、また経済産業省の、どういうんですかね、各都道府県を受付にさせるべきだとかいろいろ議論がございました。  それで、我々としては、まず理想的には許可制というのが一番ある意味では消費者にとって安心してお示しできる枠組みなんでありますが、それをやろうといたしますまでに、もう少し国民のやはり、どういうんですかね、自己責任という観点も我々考えておりまして、逆の意味では、何でもかんでも一回とにかく最低限の届出制という枠組みの中でやらせていただいて、精一杯その届出制という枠組みの中で新しい探偵業法という形が問題なく定着するということをこいねがうというところでございます。
  60. 白浜一良

    ○白浜一良君 今話にございましたが、三年後の見直しもあるし、取りあえずは滑り出してということでございますが、そういう面ではこの三年間、どういう経緯になるのかと。これ大変大事でございまして、竹花局長、これ通告はしてございませんが、この法が施行されてからそういう業界がどういうふうな実態があるのかと、これきちっとやっぱり掌握されて立法府にも報告もしていただかなければなりません。そういうことに関する取組の姿勢をお聞かせいただきたいと思います。
  61. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 私どもは、本法案が成立いたしますと、従来警察としても十分な把握のできなかった探偵業に関する実態を把握する手掛かりが得られることになるというふうに感じておりまして、本法を立法者の意図を十分踏まえまして適正に運用することで、この法案の目的としているところを達成できるように努力をしてまいりたいと思っております。  ただ、この業界、私ども実態が今のところ余りつかめていないというのも実情でございまして、この法律の施行については相当の工夫なり努力なりが必要であろうというふうにも感じております。簡単にさっさとできるというふうには私どもも考えておりませんけれども、しかし本法案が成立しましたときには、その趣旨を生かすように最大限努力をしてまいりたいと考えております。
  62. 白浜一良

    ○白浜一良君 しっかり対応をお願いしたいと思います。    〔委員長退席、理事芝博一君着席〕  それから、この探偵業の定義の問題でございますが、この法文の二条の中に、報道機関の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものについては除外と、こういうふうになってございますが、ここで言ういわゆる報道機関というのは、当然いわゆる放送会社とか新聞社と、こういうのは非常に分かりやすいわけでございますが、大体どの程度の内容というか個別的にお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
  63. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) 先ほどの答弁でも少し触れましたが、一つは、報道機関といいますと、何らかの組織団体ということをイメージされるかもしれませんが、これには個人ということも含めて我々は考えております。そういった意味では、個人のジャーナリストあるいはエッセイスト、コラムニストというような方々も、そういったものを業とされている方々については、これは同じく報道機関だというふうに考えております。
  64. 白浜一良

    ○白浜一良君 それから、業務適正化と罰則についてでございますが、第六条に、探偵業務の実施の原則として、他の法令の遵守、個人の権利利益の侵害への配慮義務、こういうふうになっているわけでございますが、特段違反に対する罰則規定というのが設けられておりません。ここのところの説明をしていただきたいと思います。
  65. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) この法律においては、第六条の探偵業務の実施の原則に違反する行為については、犯罪の構成要件の明確性の要請を考慮し、直接罰することとはしていないということになっていますが、このことは、六条のこの探偵業務の実施の原則に違反する行為について何ら措置を講ずることなく放置をするというものではなくて、このような行為があった場合は、都道府県の公安委員会が、当該探偵業者に対し必要な措置をとるべきことを指示をする、これは十四条ですし、あるいは十五条ではその営業の一部又は全部の停止を命ずることができる、また十七条では刑事罰を科すこととしておりまして、そういったことで、この本法案については、第二条第一項に規定する探偵業務を行う営業を届け出ずに営む行為についても直接罰するというふうにしております。    〔理事芝博一君退席、委員長着席〕
  66. 白浜一良

    ○白浜一良君 法律上の説明説明でございますけれども、違反者に対しては厳格で適切な対応をしていかなきゃならないということだけを言っておきたいと思います。  それから、これも先ほど出ておりましたが、違法な差別的取扱いその他の違法な行為と、こういう法文上の規定が九条にされておりますが、これはどういう内容を想定されているのか、御説明いただきたいと思いますが。
  67. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) ここで言う違法というのは、例えば労働関係法規等においての明文の規定で禁止されているものというだけではなくて、民事上の不法行為その他、法的に違法と評価されるすべての差別的取扱いを意味するということになります。  例えばでいいますと、身元調査や経歴調査等についても、違法と評価される差別的取扱いのために行われる探偵業務、この場合にはこれはこの第九条に該当するということで、そのような探偵業務を行うことはできないということになります。
  68. 白浜一良

    ○白浜一良君 基本的人権という観点からもこれは大変大事なところでございますので、適切な運用をお願い申し上げたいと思います。  それから、十一条で従業員に対して必要な教育を行わなきゃならないと、こう書いてございますが、これはどのような内容を想定されているのか、どういう内容を考えていらっしゃるのか、説明していただきたいと思います。
  69. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) これは我々も、この立法が一番最初の立法になる、初めての探偵業法立法になるということからも、段階的に様子を見ながらということを考えておりますので、現在のところは、この教育内容について内閣府令ですとか国家公安委員会の規則で定めるということは考えておりません。  ただ、業界もやはり違法行為をすれば営業の廃止につながったり一時停止につながるということもあるわけですから、従業員に対してはちゃんと教育をしていただきたいという意味からの教育を考えておりまして、例えばそれは探偵業務の実施の原則ですとか、従事する者の義務に関する事項、契約書の関係とかですね、そういったものをちゃんと従業員に徹底をするという意味での教育であったり、あるいは個人情報の取扱いについて十分に配慮をするようにということの教育ということを考えておりまして、全体的に探偵業務がちゃんと違法行為がないように適正に運営されることを従業員に自主的に教育をしてくださいということを考えております。
  70. 白浜一良

    ○白浜一良君 よう分かりますけど、どこかで決めないと、これはなかなか抽象的で、素通りしますね。まあ、それだけにしておきますわ。  それから、これは竹花局長に聞いた方がいいんですか、どうなんですか、こういう探偵業広告宣伝ですね、過度な宣伝もあり得ますね。そういう広告宣伝の在り方というのをどういうルールに基づいてすべきだとか、その辺のことは何か考えていらっしゃるのでしょうか。もし考えていらっしゃったらお聞かせいただきたいと思いますが。
  71. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 私ども探偵業に係る広告宣伝について様々な問題があるということについては承知をいたしておりますが、ただその詳細につきましては、先ほども申し上げましたように、必ずしも業界の実態把握も進んでおらないということもございまして、今後の検討課題として、これからこの法律を適用させていただいて実態把握を進める中で、どういう広告実態にあるのか、どこに問題があるのか、どうすればそれが防げるのかといったようなことについて検討させていただきたいと存じます。
  72. 白浜一良

    ○白浜一良君 本当に行き過ぎた広告宣伝もあるわけでございまして、これからということなので、しっかり検討していただきたいと思います。  最後に、公安委員長、お伺いしますが、探偵業ということで一つの業法制定が今回成るわけでございますが、これ必要やからそういう商売があるわけでございます、国民にとってですね。それで、健全なそういう探偵業を育成するためにも今回法律が制定されるわけでございますが、公安委員長としての業界のいわゆる適正化ということに関しまして御決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
  73. 沓掛哲男

    国務大臣(沓掛哲男君) 白浜委員から非常にこの法律に対し適切な質問等をいただいて、私も大変勉強になっておりますが、今回の法律案は、探偵業業務適正化し、調査依頼者及び調査対象者の権利利益を保護する上で有意義なものと考えております。法律の成立、施行によって、これまで困難であった探偵業者実態を把握することも可能となるものと期待しております。  私の、金沢のすぐ近くに探偵業者がいるので、昔からちゃんとそういうものは私、法律上もあったというふうに思っていたんですが、法律案が成立した場合には、都道府県警察を通じ探偵業者に対する指導監督を行うほか、違法業者等の積極的な取締りを推進するなど、探偵業業務適正化を図るため、法律を適正かつ効果的に運用するよう警察をしっかりと督励してまいりたいと考えております。
  74. 近藤正道

    ○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。  十分でありますので、確認的な意味を含めまして三点質問をさしていただきたいと思います。今ほど来の御議論でほぼ理解をしているつもりでございますが、かねて思っていたことでありますので、文字どおり確認の意味提案者質問をさしていただきたいと思いますが。  部落差別の話がこの間出ておりますが、部落差別の意図を持った諸調査は許されないと、そして部落差別の意図を持った調査活動を行った場合には行政処分の対象になると、処分事由になると、こういうふうに明確に理解をしてよろしいでしょうか。
  75. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) 探偵業者がこの探偵業務の中で行うということについては、それはそのとおりだというふうに認識をしております。  ただ、個人が契約や費用が発生しない状況で同様の行為を行う場合というのは、これは業や業務ではないというケースもあるというふうに思いますので、すべてをこの探偵業法規制をできるというものではありません。ただ、探偵業者が行った場合にはそれに当たると考えています。
  76. 近藤正道

    ○近藤正道君 これも先ほど来出てまいりましたけれども、第六条、探偵業務の実施の原則の中に、「人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないように」ということでございまして、このことに違反した、該当した場合には処分事由になると、先ほど来そういう話がございました。  しかし、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害する行為というのは極めて抽象的な領域でございまして、扱いについては慎重に扱わなければならないと、当然でございますが、このことについては、まあ政府側は帰られちゃったんでちょっと困っちゃったんですけれども、この後、具体的に例示をして分かりやすくそのポイントについて周知徹底をするということは考えておられますか。
  77. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) 具体例を挙げて周知徹底をするというところについては今決定はいたしておりませんが、やはり法律運用は厳格に行わなければなりませんし、そのほかの、今回の法律ですと、定義についても、報道との関係がございますし、また今御指摘ありました人権との関係もございますので、間違った運用がないように、そこは可能な限り調査業協会ですとかそういったところに周知徹底をしていきたいというふうに思っております。
  78. 近藤正道

    ○近藤正道君 是非、人の生活の平穏を害する行為、ここの場合、ここのポイントの概念、事細かにやることはできませんけれども中心的な概念についてはきちっとやっぱり分かるように、普通の人が分かるような言葉でしっかりと周知徹底が図られるように政府側とよく打合せをしていただければ大変有り難いというふうに思っています。  三番目でございますけれども、先ほど政府委員の方で、この法律を基にこれから探偵業界についていろいろ調査をすると。いろんな問題があったときには報告を求めたり立入りをやったりあるいは資料の提出を求めたりと、こういうことをやるということが第十三条に規定されておりますが、実はこの種の類似の法令ということになりますと、大阪府で部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例というのが唯一あるわけでございますが、この大阪府の条例によりますと、探偵業者に帳簿等の備付けを求めているんですよね、一定の期間帳簿を備えておけと。何かあったときにはこの帳簿を出せと、帳簿に基づいて諸調査あるいは立入り、報告あるいは事実調査をすることができると。  私は、この帳簿の備付けというのは非常にポイントだと思うんですが、大阪府ではあるのになぜ今回のこの法令の中にはこれを入れなかったのか、ここはちょっと不思議でならないし、これを入れた方がもっと徹底するんではないかというふうに思うんですが、なぜ入れなかったのかということが一つと、入れなくともこういうことは事実上何か可能なのかどうか。政府側にもちょっと聞こうかと思ったんですけど帰っちゃったんで、提出者にちょっとお聞きをしたいと、こういうふうに思います。
  79. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) 実際の立入りの手法等については我々提出側もすべて把握をできない部分もありますけれども、この探偵業というのは非常に特殊な業界でして、依頼者はやはり可能な限り自分依頼をした情報については破棄をしてほしい、あるいは徹底的に管理をしてほしい、これは必ず選ばれるというか、そういう意思を表明されるものだと思うんですね。  その意味で、帳簿の存在等がその依頼内容を確認できるようなものになってしまった場合に、これは探偵業の健全な発展ですとかあるいはプライバシーの問題という意味からもまだ問題も残されているんではないかというふうに考えておりまして、今回の立法においてはそこまで我々は踏み込まないというところでまずはさせていただいて、あとは実態をよく見て、今後三年間の中で見直しに向けて考えていきたいというふうに思っております。
  80. 近藤正道

    ○近藤正道君 十三条で資料の提出を求めることができると、こういうことになっておりますが、この資料の提出、この資料というのはどんなものを想定されていたのか。さっきも言いましたように、資料といえば正に依頼者と探偵業者との間の契約にかかわる資料がまず想定されるんですが、この肝心なものがないというのはおかしいなという気がするんですが、取りあえず今ほど来提案者が申し上げた経緯で入れなかったんだけれども、今後の法施行後の状況を見て、帳簿の備付けということもこれから検討の中に入るんだと、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
  81. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) まずは個人にかかわる、依頼者にかかわる、あるいはその調査内容にかかわるものというものは取り除かせていただきまして、従業員の名簿、あるいはその業者の会計にまつわる名簿ですとか、そういったものは可能な限り立入りをして調査をできるようにというふうに思っておりますし、勤務実態等々も含めてそれはなるべく記録を取っていただくような形を取って、これからその実態をしっかりと見定めていきたいというふうに思っておりますし、繰り返しになりますが、やはり一度まずこの法律を制定して、その後で探偵業者がどのようなそれぞれの帳簿の残し方をするのかというのもまた見詰めていかなければならないというふうに思っておりますので、まずはこういったことで考えております。
  82. 近藤正道

    ○近藤正道君 終わります。
  83. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 最後の質問になりますが、無所属の木俣でございます。  提案者の方に二、三問させていただきたいと思いますけれども、まず初めに定義の関係でございますが、第二条でございますが、探偵業者業務を行うに当たって、調査対象者等のプライバシーを侵害することがあってはならないわけでございます。この点について、法案の定義には少し疑問がありますので、この辺を明確にしておきたいと思います。  第二条の一項に、例えば、面接による聞き込み、尾行、張り込みその他これらに類する方法により実地の調査を行うと、こういうふうにあるわけでございますが、ある意味で尾行、張り込みもまかり間違うと他の法令等で、先ほども同僚議員質問にもあったかもしれませんが、違法とされている行為を公認するということにもなりかねないと思います。  これらについてどのようにお考えになるか、お答えいただけますでしょうか。
  84. 糸川正晃

    衆議院議員(糸川正晃君) お答えさせていただきます。  探偵業者が法令を遵守すべきことは他の国民と変わりがないのでありまして、本法案では、個人のプライバシーを違法に侵害するような尾行や張り込み等を法律上認められた業務として許容するものではございません。このことはもとより当然のことでございますが、なお誤解を防止するために、本法案の第六条では、探偵業務の実施の原則といたしまして、探偵業者及び探偵業者業務に従事する者は、探偵業務を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意しなければならない旨を定めております。その趣旨を確認的に明示しておるところでございます。  したがって、この本法案が違法な尾行や張り込み等を法律上認められた業務として許容するとの、には当たらないということでございます。
  85. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 次に、欠格事由、第三条のところでございますけれども探偵業務の中で、先ほど来から、業界から暴力団を排除するということは当然不可欠であると考えてもちろんおるわけでございますが、第三条の欠格事由で、経営者が暴力団の場合にはもちろん欠格事由になるわけでございますが、従業者の中に暴力団がいる場合、この場合には欠格事由となるのかどうか、ちょっとお答えください。
  86. 泉健太

    衆議院議員(泉健太君) この暴力団の問題、我々も検討をするに当たって非常にやはり気になった点でありまして、一つは、自称探偵、自称調査業、自称興信所という方々も含めて、それを客観的に探偵とみなしてよいのかどうか分からない暴力団員がこういったものを名のっているケースもありますものですから、その人が、暴力団員が正に役員として、経営者として探偵業を営んでいる場合にはそれはできないということを明確にさせていただけるわけですが、例えば雇用関係、契約関係、その社内でのどういった形で探偵業が営まれているかということについては実態がまず分からないという状況でして、その意味では、従業員に対して、今、暴力団ということが判明をしても、それをもって欠格事由とはできないということにしております。  ただ、一方で、暴力団員ということが判明をしたり、あるいはやはりそこで不法行為が繰り返されているという状況であれば、これは立入りということも含めて様々な権限を発動することができますので、そういったことで当面は対応させていただいて、三年後の改正に向けてなるべく実情に合ったものに変えていきたいというふうに思っております。
  87. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 更に厳しい欠格要件を設けるべきではないかと考えております。  その他、ちょっと通告はしていないんですが、警察庁の方にも伺いたいと思っておりまして、局長もいらっしゃいますから。  警察の調べで、大体、調査員総数別調査業者数という表を私見ておりますと、平成十六年で五千二百八十総数がある中で、これ不明が三千三百七十四ということでございます。もちろん、これがあるからこそ今回の法律が生きるということだと思いますけれど、とにかく六割強、七割弱のところが不明であるというような業界というのはほとんど、恐らく日本にはないだろうというふうに思っております。それだけ非常にグレーなというかブラックなものだと思っておりまして、逆に言うと、法律を改正三年でということになりますけれども、この法施行後どのぐらいを目途に、この辺が洗いざらい、不明なところが不明じゃなくなるかというのを大体推測でお答えいただければと思うんですが。
  88. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 本法によりますと、施行後一か月以内に届出を出しなさいよというふうになされております。  そこで、基本的には、今この探偵業法規制の対象となります業界からは大方のものは分かるのではないかと。ただ、それが真実、届出どおりであるかどうかといったようなことについて、その後様々な調査を行っていくことにも相なりますが、非常に数が多いということもございまして、やはり相当の日時を考えておかなければならないというふうに思っております。  私ども、この調査業についてのこれから業務を実施する上での体制の問題ですとかといった問題もまた考えていかなければなりませんので、今の段階で先生に、これ一年あればとか半年でとか、そこら辺のところはちょっと今のところ何とも申し上げようがありませんが、ただ、できるだけ早めにそうした実態把握に努めてまいりたいと考えております。
  89. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 大変大事なところだと思いますので、再度国民立場から伺いたいんですが、それ一か月以内に届出をしなさいと、法の施行後ですね、というふうになっているわけでございます。その一か月を過ぎて無届けで業務を実行をしているということが分かった場合は、当然ながら、要するに業務の停止命令をするような形になるんでしょうか。
  90. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 御指摘のとおり、この本法律規定に従って厳正に対処するということでございます。
  91. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 終わります。
  92. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  探偵業業務適正化に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  93. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、柳澤光美君から発言を求められておりますので、これを許します。柳澤君。
  94. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 私は、ただいま可決されました探偵業業務適正化に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び各派に属しない議員木俣佳丈君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     探偵業業務適正化に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について万全を期すべきである。  一、本法が、個人の権利利益の保護に資することを目的としていることにかんがみ、契約時における依頼者への重要事項の説明等に係る規定の周知徹底、都道府県公安委員会による適切な監督などを通じて、調査の依頼者及び調査対象者の権利利益の保護が十分に図られるようにすること。  二、本法に基づく内閣府令、解釈基準等については、立法趣旨及びその制定過程を踏まえるとともに、探偵業者依頼者等を始めとした関係者に混乱が生じないよう、その内容を速やかに公表し、周知徹底を図ること。  三、出版社が報道の用に供する目的で依頼を行った探偵業務及び作家、著述家、フリージャーナリスト、インターネット・メディア等による取材活動等については、探偵業法の適用除外となることを周知するとともに、その出版活動、著述活動、芸術表現等に制約を加えることのないよう、言論、出版、報道等の表現の自由に十分配慮すること。  四、学術調査活動のように調査結果に何らかの分析評価を加えることが前提とされるものや、弁護士活動、税理士活動のように特定人の所在又は行動についての情報を収集することについて依頼を受けているとはいえないものについては、探偵業法の適用除外となることを周知するとともに、それら活動に制約を加えることのないよう十分配慮すること。  五、本法の施行に伴い、探偵業業務実態を把握し、定期的に公表するとともに、その実態把握の結果及び独立行政法人国民生活センター等に寄せられる苦情相談等を踏まえ、所要の見直しを行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  95. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) ただいま柳澤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  96. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 全会一致と認めます。よって、柳澤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、沓掛国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。沓掛国家公安委員会委員長
  97. 沓掛哲男

    国務大臣(沓掛哲男君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法案の実施に努めてまいる所存であります。
  98. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十三分散会