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2006-03-22 第164回国会 参議院 内閣委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年三月二十二日(水曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月十六日     辞任         補欠選任      浜四津敏子君     白浜 一良君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         工藤堅太郎君     理 事                 西銘順志郎君                 山内 俊夫君                 芝  博一君                 柳澤 光美君     委 員                 秋元  司君                 佐藤 泰三君                 竹山  裕君                 中曽根弘文君                 山谷えり子君                 喜納 昌吉君                 黒岩 宇洋君                 藤原 正司君                 松井 孝治君                 風間  昶君                 白浜 一良君                 近藤 正道君                 木俣 佳丈君    国務大臣        国務大臣        (内閣官房長官) 安倍 晋三君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣特命担        当大臣(防災)        )        沓掛 哲男君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策))    与謝野 馨君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣科学技        術政策食品安        全))      松田 岩夫君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣少子化        ・男女共同参画        ))       猪口 邦子君        国務大臣     中馬 弘毅君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        平井たくや君        防衛庁長官政務        官        愛知 治郎君        総務大臣政務官  上川 陽子君        文部科学大臣政        務官       有村 治子君        国土交通大臣政        務官       後藤 茂之君         ─────        会計検査院長   大塚 宗春君         ─────    事務局側        事務総長     川村 良典君        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君    衆議院事務局側        事務総長     駒崎 義弘君    裁判官弾劾裁判所事務局側        事務局長     阿部 隆洋君    裁判官訴追委員会事務局側        事務局長     白井  始君    国立国会図書館側        館長       黒澤 隆雄君    政府参考人        内閣官房皇室典        範改正準備室長  柴田 雅人君        内閣官房内閣審        議官       山浦 耕志君        内閣官房内閣審        議官       井上 源三君        内閣官房内閣参        事官       坪井  裕君        内閣官房内閣審        議官       伊佐敷眞一君        内閣官房内閣情        報調査室内閣衛        星情報センター        次長       上原美都男君        内閣大臣官房        遺棄化学兵器処        理担当室長    高松  明君        内閣大臣官房        審議官      香川 弘明君        内閣府政策統括        官        榊  正剛君        内閣府政策統括        官        林  幹雄君        内閣府男女共同        参画局長     名取はにわ君        原子力安全委員        会事務局長    片山正一郎君        日本学術会議事        務局次長     福井 武弘君        宮内庁次長    風岡 典之君        防衛施設庁建設        部長       山内 正和君        法務大臣官房審        議官       三浦  守君        財務省主計局次        長        鈴木 正規君        文部科学大臣官        房審議官     中田  徹君        厚生労働大臣官        房審議官     白石 順一君        厚生労働大臣官        房審議官     宮島 俊彦君        社会保険庁次長  小林 和弘君        社会保険庁社会        保険業務センタ        ー所長      皆川 尚史君    説明員        会計検査院事務        総局次長     石野 秀世君        会計検査院事務        総局第二局長   千坂 正志君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○平成十八年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付)、平成十八年度特別会計予算内閣提出  、衆議院送付)、平成十八年度政府関係機関予  算(内閣提出衆議院送付)について  (皇室費国会所管会計検査院所管内閣所  管(人事院を除く)及び内閣府所管内閣本府  (沖縄関係経費を除く)、国際平和協力本部、  日本学術会議宮内庁警察庁))     ─────────────
  2. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十六日、浜四津敏子君が委員を辞任され、その補欠として白浜一良君が選任されました。     ─────────────
  3. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) この際、御報告いたします。  去る十六日、予算委員会から、本日一日間、平成十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費国会所管会計検査院所管人事院を除く内閣所管及び内閣府所管のうち沖縄関係経費を除く内閣本府、国際平和協力本部日本学術会議宮内庁警察庁について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。     ─────────────
  4. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本件審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房皇室典範改正準備室長柴田雅人君外二十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) この際、国会所管及び会計検査院所管予算説明を聴取いたします。  まず、国会所管のうち衆議院関係予算説明を求めます。駒崎衆議院事務総長
  7. 駒崎義弘

    衆議院事務総長駒崎義弘君) 平成十八年度の衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。  平成十八年度の国会所管衆議院関係歳出予算要求額は六百五十三億五千百万円余でございまして、これを前年度予算額と比較いたしますと十二億九千万円余の減額となっております。  その概要を御説明申し上げますと、第一は、国会運営に必要な経費でございまして、六百二十九億三千五百万円余を計上いたしております。この経費は、議員関係の諸経費職員人件費並びに事務局及び法制局事務を処理するために必要な経費でございます。  増加した主なものは、議員会館出入車両等警備業務委託費情報統括責任者補佐官等業務委託費会議録作成方法調査委託費及び国会審議テレビ中継装置等整備費でございます。一方、減少した主なものは、議員歳費議員秘書手当職員人件費及び憲法調査会最終報告書作成等経費でございます。  なお、新議員会館整備民間資金等活用事業として実施するために必要な業務支援委託費を引き続き計上いたしております。  第二は、本院の施設整備に必要な経費でございまして、二十四億八百万円余を計上いたしております。この主なものは、国会審議テレビ中継施設整備費本館委員長室硝子屋根整備費分館環境整備費及び分館太陽光発電施設整備費でございます。  第三は、国会予備金に必要な経費でございまして、七百万円を計上いたしております。  また、改革推進公共投資事業償還金産業投資特別会計へ繰入れに必要な経費につきましては、平成十七年度をもって繰入れが終了しますので、計上いたしておりません。  以上、簡単ではございますが、衆議院関係歳出予算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  8. 工藤堅太郎

  9. 川村良典

    事務総長川村良典君) 平成十八年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。  平成十八年度国会所管参議院関係歳出予算額は四百六億八千八百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと二億一千百万円余の減額となっております。これは、主に、改革推進公共投資事業償還金減額参議院施設費減額によるものであります。  次に、その概要を御説明申し上げます。  第一は、国会運営に必要な経費でありまして、三百八十四億七千二百万円余を計上いたしております。この経費は、議員関係の諸経費職員人件費並びに事務局及び法制局所掌事務を処理するために必要な経費であります。  第二は、参議院施設整備に必要な経費でありまして、二十二億一千百万円余を計上いたしております。これは、新議員会館整備清水谷議員宿舎整備本館自家発電施設改修テレビ中継施設機器整備及び本館その他庁舎等整備に必要な経費であります。  第三は、国会予備金に必要な経費でありまして、前年度同額の五百万円を計上いたしております。  以上、平成十八年度参議院関係歳出予算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  10. 工藤堅太郎

  11. 黒澤隆雄

    国立国会図書館長黒澤隆雄君) 平成十八年度国立国会図書館関係歳出予算について御説明申し上げます。  平成十八年度国立国会図書館関係歳出予算要求額は二百三十一億六千六百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと七億七千五百万円余の減額となっております。  次に、その概要を御説明申し上げます。  第一は、管理運営に必要な経費、すなわち、人件費及び事務費等であります。その総額は二百二億四千九百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと三億六百万円余の減額となっております。これは、主としてデジタル・アーカイブのシステム開発に必要な経費減額によるものであります。  第二は、科学技術関係資料収集整備に必要な経費でありまして、十億一千二百万円余を計上いたしております。これを前年度予算額と比較いたしますと四千二百万円余の増額となっております。これは、科学技術分野電子ジャーナル等単価増に対応するための経費増額によるものであります。  第三は、施設整備に必要な経費でありまして、十九億四百万円余を計上いたしております。これを前年度予算額と比較いたしますと五千八百万円余の減額となっております。  以上、平成十八年度国立国会図書館関係歳出予算について御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  12. 工藤堅太郎

  13. 阿部隆洋

    裁判官弾劾裁判所参事阿部隆洋君) 平成十八年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。  平成十八年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係歳出予算要求額は一億一千七百七十七万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと二十二万円余の減額となっております。  この要求額は、裁判官弾劾裁判所における裁判長職務雑費委員旅費及び事務局職員給与に関する経費、その他の事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官弾劾裁判に直接必要な旅費及び庁費であります。  以上、簡単でありますが、裁判官弾劾裁判所関係歳出予算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  14. 工藤堅太郎

  15. 白井始

    裁判官訴追委員会参事白井始君) 平成十八年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。  平成十八年度国会所管裁判官訴追委員会関係歳出予算要求額は一億三千六百五十二万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと四十四万円余の増額となっております。  この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長職務雑費及び事務局職員給与に関する経費並びに訴追事案審査に要する旅費その他の事務費であります。  以上、簡単でありますが、裁判官訴追委員会関係歳出予算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  16. 工藤堅太郎

  17. 大塚宗春

    会計検査院長大塚宗春君) 平成十八年度会計検査院所管歳出予算について御説明いたします。  会計検査院平成十八年度予定経費要求額は二百三億四十四万円余でありまして、これを前年度当初予算額二百四億百三十八万円余に比較いたしますと一億九十四万円の減額となっています。これは、日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づく会計検査業務に必要な経費であります。  この要求額の主な内容について御説明申し上げますと、人件費として百四十億二千万円余、中央合同庁舎第七号館の整備に伴う仮庁舎経費として三十二億四千二百万円余、その他の経費として三十億三千七百万円余を計上いたしました。  以上の経費には、会計検査機能充実強化するため、次のような経費を計上しております。  第一に、国会からの検査要請への対応と行財政改革の動向に適切かつ機動的に対応した検査を遂行するための検査要員増員等経費として一億六千六百万円余を計上いたしております。  第二に、情報通信技術を活用した検査及び海外検査等充実を図るための検査活動充実強化経費として二十三億一千二百万円余を計上いたしております。  第三に、検査活動に資する研究及び検査能力向上のための研修充実を図るための研究研修経費として二億六千二百万円余を計上いたしております。  以上、簡単でありますが、会計検査院平成十八年度予定経費要求額概要の御説明を終わります。  よろしく御審議のほどお願いいたします。
  18. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 以上で予算説明聴取は終わりました。  説明者は退席いただいて結構です。御苦労さま。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  19. 秋元司

    秋元司君 自由民主党の秋元司でございます。  またまた質問の機会をいただきました。どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。  さて、今日は一時間程度というふうに聞いておりますから、盛りだくさん今日は質問項目を盛り込みましたので、早速本題に入らせていただきたいと思います。  先般、この委員会でも視察をさせていただきました。その中身としては、先日の質問でも指摘させていただきました、特区における新しい認可業務ということになった大学院、東京LEC大学リーガルマインド視察でありました。もう一つ皇居又は宮内庁視察も行わさせていただいたところでありまして、私にとっては初めての経験になりましたので非常に勉強になるところが多々ありました。その際には本当にお世話になりまして、ありがとうございました。  その中で私が非常に感じましたのは、改めてでありますけれども、この宮殿とか宮殿付近の庭、もうそこには本当日本文化というものがぎっしり詰まっていらっしゃるんだなという印象でありました。また同時に、こういったものはしっかり我々としても守っていかなきゃならないなという気持ちにさせていただいたところであります。  そういった中で、毎年、国会でも宮内庁そして皇居予算というものはしっかり取らさせていただいているわけでありますけれども、例年のこの予算状況を見ていますと、人員又は予算額余り変動がないのがこの宮内庁又は皇居予算であるなと思うわけでありますが、今回珍しく人員削減と、そして予算の減ということを予算要求の中でされていらっしゃるんですけれども、今回この理由についてちょっと御説明いただけますでしょうか。
  20. 風岡典之

    政府参考人風岡典之君) 十八年度のまず予算についてでございますけれども宮内庁関係では皇室費とそれから組織宮内庁という部分がありますけれども、全体としては前年度に比べまして〇・九%減と、こうなっております。政府全体としてのシーリングが二%というようになっている中で、宮内庁につきましては業務内容等を考慮して、業務の支障のないように予算がセットされているというように考えております。  それからもう一つ人員についてでございますけれども、これは、政府におきましては昨年の十月に今後の定員管理につきまして、平成十七年度から二十一年度までの五年間定員の一〇%以上を合理化するということを閣議決定し、この中で、宮内庁につきましても平成十八年度からの計画期間中の合理化目標として五十九名が定められたところであります。大変厳しい数字にはなっております。政府全体としての合理化目標が従来と比べると大幅に上昇した中で私どもの五十九名という数字も定められたものであります。ただ、まあ宮内庁業務内容についてもそれなりに考慮されてこういった数字になっているというふうに思っております。  私どもとしましては、十八年度はその初年度の定員削減のほかに、これは業務が一部終了したものがございます。具体的には、高松宮妃殿下が薨去されましたこととか、あるいは紀宮殿下が御結婚されたというようなことで、その関係での職員の減少もあります。全体としては十五名の削減ということになっております。  私どもとしては、人員合理化に当たりましては、宮内庁として責任を持って行わなければならないというところは除きまして、それ以外の部分民間委託業務合理化と、こういうような形で取り組んでいきたいと、このように思っております。
  21. 秋元司

    秋元司君 本当に宮内庁のそういった努力大変敬意を表したいと思います。  その中で、先日の視察で拝見させてもらったこの宮殿前の庭ですね、あれはすごい技術だなということも感じましたし、また、馬車も拝見させていただいて、そのための馬の飼育ということも考えさせていただきました。そういった面については非常に技術的分野世界ではあると思うんですが、そういった分野も一部民間委託されると聞いておりますけれども問題点はないんでしょうか。
  22. 風岡典之

    政府参考人風岡典之君) 宮内庁政府の一機関ということでありますから、政府全体の方針に従いまして事務の効率的な執行という努力はしていかなければならないと思っております。  ただ、業務合理化に当たりましては、先ほども申し上げましたように、事務内容というものを十分精査をしまして、宮内庁として自ら実施をしなければならない部分というのは当然人員配置について考慮してきておりますし、また新規の定員配置につきましても宮内庁の実情というものを十分説明をして、その確保に努めていきたいと思っております。  ただいま先生が御指摘になられました二点だと思いますけれども一つ宮殿庭等維持管理部分、これと、それから年間三十件前後でございますけれども、外国の大使信任状奉呈に当たって馬車列を利用しておりますけれども、この運行につきましては私どもとしても極めて重要なことだというように認識をしておりまして、これまでも、これらの業務に関しましては宮内庁が自ら行うということを基本にしてまいりました。  具体的には、馬車運行とか馬の飼育、それから調教という部門を行うところがありますほか、宮殿の敷地内の庭園の維持管理を行うセクション、この部分につきましてはこれまで相当長期にわたりまして人員削減を行わなくて人員維持をしてきております。ただ、そういう全体の中で民間委託できる部分も若干はございますので、そういうものに限って民間委託というのを行っているところでありまして、今後とも基本的にはそのような方針で取り組んでいきたいと、このように思っております。
  23. 秋元司

    秋元司君 ありがとうございました。  いずれにしましても、この予算削減した中で、せっかくこの積み上げてきた文化というものがなくなってしまうのはやっぱり意味がないと思うわけでありまして、先ほど今御答弁の中にもあった、この馬車道、私はまだやっている行事見たことないんですけれども、聞くところによりますと、東京駅から皇居まで馬車に乗ってこう、何といいますか、大使信任状を持っていくという行事が年間三十四回ですか、行われているって聞きました。見たことないのが大変残念なんですけれども、やっぱりああいうものが日本にあるということでありまして、日本文化というものを世界に知らせる意味でも非常に大きな本当に役割を持っていると思いますので、是非とも宮内庁の皆さんにおいては日本文化維持という面で引き続き頑張っていただきたい、そのようにお願いを申し上げるところであります。  宮内庁質問終わりましたので、もしお時間があれば退席されても結構でございます。  続きまして、会計検査院について何点かお伺いさせていただきたいと思います。  先ほど会計検査院の方から今年度の予算についての言及があったところでありますが、もう昨年も今年もあれ出ますけれども会計検査在り方ということが議論されている中でありまして、昨年はこの会計監査院の権限が非常に強化されたところであります。同時に、この在り方のする議論の中で、この発生会計主義というものを概念をどうするかなんということも一部言われている中で、今まで企業会計ということを専門にされてきた大塚院長さんが、今年の一月二十七日ですかね、御就任されましたのは。改めて抱負と今後の会計検査院在り方についてお伺いをしたいと思います。
  24. 大塚宗春

    会計検査院長大塚宗春君) 貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございます。  会計検査院には、内閣から独立した憲法上の機関として、国の収入支出決算検査を行うほか、法律に定める会計検査を行い、これを常時実施することにより会計経理を監督し、その適正を期し、かつ是正を図るとともに、検査の結果により、国の収入支出決算を確認し、検査報告を作成して、内閣を通じて国会に報告するという使命が課されております。  去る一月二十七日付けをもちまして会計検査院長を拝命いたしましたからには、会計検査院がこうした重大な職責を十分に全うできるよう、検査官会議を構成する他の二人の検査官とも協力して全力を尽くしてまいりたいと考えております。  そして、会計検査院検査の方向といたしましては、正確性や合規性の観点からの検査を十分に行い、その際には、近年、一部の府省等において不正不当な事態が相次いだことも踏まえまして、特に基本的な会計経理について重点的に検査を行うこととし、また契約の競争性、透明性にも十分留意して検査を行っていくとともに、近年の厳しい経済・財政状況にもかんがみまして、経済性、効率性及び有効性の観点からの検査も重視してまいりたいと考えております。  私、個人的なことになりますが、今から三年ほど前、約三十年間勤めました大学を退職いたしまして会計検査院に参りました。その経験を十分踏まえまして会計検査院検査充実に役立っていきたいと、このように考えております。  今後とも御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
  25. 秋元司

    秋元司君 非常に大塚院長には期待するところが大でありまして、何といいましても企業会計専門にやっていらっしゃったという観点から、今後、国におけるこの解決の在り方、総合的な観点から御指導いただきたいなと、そのように思うわけであります。  その中で、この会計検査院というのは言ってみれば二組織があると、私の解釈でありますけれども。執行体制の中でも、技術業務をする方と、そしてまたそれを監督する機能と、こういう体制でありまして、この検査官会議というのは、これは比較的に監督をする機能だと思うんですが、それが今は三名というお話でありますけれども、その構成された三名の中で今回はいわゆるプロパー出身の方がいらっしゃらないということであるようですけれども、それについての不安とか問題点とか何か感じることがあれば。もしないのであればないと言っていただいても結構でございますが。
  26. 大塚宗春

    会計検査院長大塚宗春君) 会計検査院検査官につきましては、国会の同意を得て内閣がこれを任命しているものであります。私といたしましては、二人の検査官とともに検査官会議における公平かつ均衡の取れた意思決定に貢献し、国の財政監督機関としての職責を担ってまいりたいと、このように考えております。  よろしくお願いいたします。
  27. 秋元司

    秋元司君 続きまして、今、予算説明書にありましたとおり、この検査官体制の強化ということについて触れられていらっしゃると思うんですが、改めてこの目的と今の、現在の状況について御説明いただけますでしょうか。簡単で結構です。
  28. 石野秀世

    説明員(石野秀世君) 平成十八年度予算におけまする会計検査院検査体制の充実強化につきましては、厳しい財政状況の中、国会からの検査要請への対応、それから行財政改革の動向に適切かつ機動的に対応した検査を遂行するため、検査要員の増員及び機構の充実強化を図ったところでございます。これによりまして、国会法百五条に基づく国会からの検査要請に対応した検査、基本的な会計経理に係る不正不当な事態の頻発に対応した検査、さらには各府省、法人等にまたがる横断的検査、さらに法人の財務分析や既往の検査報告事項のフォローアップ検査など、増大する検査の需要に対応してまいりたいと考えております。
  29. 秋元司

    秋元司君 続きまして、先ほどの予算説明書にありました検査活動充実の強化、重点項目の中に、情報通信技術を活用した検査と、そして海外検査充実とありますけれども、これ具体的な内容をお教えいただけますか。
  30. 石野秀世

    説明員(石野秀世君) 情報通信技術を活用した検査につきましては、一つは電子データ化された証拠書類等を受け入れるための電子証拠書類等管理システムの開発等の経費、それから決算確認業務の効率化、高度化のための決算確認システムの運用等の経費、さらに大型案件、横断的案件に伴う検査業務を支援する経費、こういった経費会計検査情報システム経費として計上しているところでございます。  それから、海外検査の点についてでございますが、これは検査の一層の充実強化が要請されておりますODA、それから政府機関の海外活動事業等に対しまして事業の実施状況の調査等を行うための経費として海外検査等外国旅費を計上しているものでございます。
  31. 秋元司

    秋元司君 いずれにしましても、参議院では決算重視ということを目標に掲げさしていただきまして、この予算委員会審議が始まる冒頭に決算委員会を開かしていただいたということであります。また、ODAにつきましても、参議院は特別委員会を発足して、その効果的なODA活用ということにも今は力を入れているところでございますので、是非また参議院との連係プレーをもって明朗会計な収支、公正であり透明性のある、また効率的な会計検査ということを目指していただきたい、そのようにお願い申し上げるところであります。  続きまして、ちょっと次は会計検査院が過去に行ってきた調査活動の一環としての現状を含めた認識についてお伺いしたいと思うんですが、平成の九年から十二年までのこの四年間に実地調査された内容でありますけれども、人材派遣業にかかわる社会保険料の徴収不足額ということで約四年間で五十六億円ぐらい指摘されました。まあこれは業界の問題でもあると思うんですけれども、この指摘によりまして業界もそれなりの努力をして、平成十四年には業界として総合型健保組合をつくって派遣労働者における被保険者対策ということで対応してきたわけでありますけれども、実はまだまだ業界の方の話を聞きますと不十分だという声がありまして、現実的には大手、中小企業も合わせて五〇%、事業所数で考えると五〇%ぐらいがまだ未納だという話もあります。そしてまた、大手に至っても、会社によってそれぞれだと思うんですけれども、達成率は八割だという声もありまして、中には、まあ公にしていいかどうか分かりませんけれども、保険料の未徴収分を価格競争の一環で営業目的の道具としている、そういった企業も多々あるというふうに聞いていまして、これは本当に業界が自己努力をしていかなくちゃならない問題であると思うんですけれども、やっぱりこの派遣を受け入れる企業も、社会保険の不適用業者との契約は一切結ばないとか、そういった徹底した指導又はこの実態の調査というのが私は必要であると思うんですけれども会計検査院は後から聞きますが、今日は厚生労働省にお越しいただいていますけれども、この現在の認識と、こういうことがもしあるとしたら今後の対応、この点についてお伺いしたいと思います。
  32. 小林和弘

    政府参考人(小林和弘君) 平成九年から今御指摘のように十二年の間、四年間掛けまして会計検査院の実地調査で、人材派遣業につきましての社会保険適用漏れの御指摘をちょうだいいたしました。その後、この御指摘を受けまして、通知あるいは事業計画におきまして指導の徹底を図ってまいっております。  この結果、平成十六年の九月時点におきまして厚生年金保険に加入しております労働者派遣業の事業所数約五千三百事業所、加入者数につきましては約五十三万八千人というふうになっております。これは、その一年前の平成十五年九月時点と比較して、事業所数では三七%増、加入者数につきましては四七%増というふうにかなりな伸びを示しておるところでございます。  委員御指摘のように、今後、こういう状況の中でどのように更に適正化に取り組むかという御指摘でございます。  こういうような事業所数あるいは加入者数の伸びというところからごらんいただきますように、かなりその適用漏れについての適正化の努力はさせていただいているところであります。重点的に調査を行う事業所の一つといたしましてこの労働者派遣業を選定をしておりまして、社会保険に加入する労働者派遣業における事業所数、被保険者数、こういうような指導の徹底をある程度背景として伸びを見せているんではないかと。  今後の点につきましては、引き続き重点的な事業所調査を実施をさせていただきますとともに、労働者派遣業の指導監督を行っております都道府県の労働局、こちらの方との連携もより図らせていただきまして、一層の適正化に努めさせていただきたいと考えております。
  33. 秋元司

    秋元司君 この問題は社会保険庁だけの問題じゃないかもしれないんでありますね。ただ、今日は直接人材派遣会社を担当するセクションの方をお呼びしてないからなんですが。  やっぱり先ほども申し上げましたとおり、契約するときに、派遣を受ける企業とその派遣業者の契約のときにしっかりこの価格の中に社会保険料と、そして実際その派遣をするためのコスト、こういったものをしっかり契約書に明記して契約を行う。これをしっかり義務化させればこの問題はおのずと解決されるんじゃないかなと私は思う次第でありまして、一部では、何といいますか、先ほど申し上げたように、この社会保険料未徴収部分、これは逆に言うと派遣をする、派遣で社員として行く人とその出す企業とが社会保険料は折半になっていますから、お互いが話合いをすれば、お互い余り無駄なコストを掛けたくないねと言えばあうんの呼吸でなあなあでいってしまうという制度でもあると思いますから、そういったことが隠れみのとなってその価格競争の分野に反映されるなんということはあり得ない話でありまして、一部ではこれはある意味中小企業対策なんですよなんという声も飛んでいることも耳にするんですけれども、もはやもう社会保険料だとか年金、こういったことで、何といいますか、中小企業対策と考える、そういった案は私はナンセンスだという気がいたしますので、もしこの制度に、特に人材派遣業に関することで社会保険料云々という話が問題になるのであれば、やっぱりこの保険制度そのものを私は変えていかなくちゃいけない問題であると思いますから、そういうことをかんがみまして、総合的に今、実際この派遣労働者というのは企業が企業の合理化を含める中でどうしてもこっちの派遣労働者を増やしていくという方向性にあるわけでありまして、特にここ数年の景気が悪い、そういった状況においてこの派遣労働者が非常に増えてきたという現状がありますから、是非総合的な分野でこの件を検討していただいて、まず制度としてある以上はしっかり指導していただく、そう思いたいわけでありますが、このことも含めて、会計検査院、何か御提言があれば、どうぞ。
  34. 千坂正志

    説明員(千坂正志君) お答え申し上げます。  会計検査院では、健康保険及び厚生年金保険の保険料の徴収の適否について毎年度重点を置いて検査を実施しているところであります。  派遣業の事業主については、特に平成九年から十二年次において重点的に検査した結果、事業主が被保険者資格取得届の提出を適正に行っていなかったなどのため、保険料が徴収不足となっている事態を平成八年度決算検査報告から平成十一年度決算検査報告まで掲記しているところでございます。また、その後も必要に応じ派遣業の事業主について検査し、保険料が徴収不足となっている事態を決算検査報告に掲記しているところでございます。  ただいま御指摘のありました事態につきましては、私どもとしても十分参考にさせていただき、検査に取り組んでまいりたいと思っております。
  35. 秋元司

    秋元司君 頑張っていただきたいと思います。  次に、テーマを移らさせていただきたいと思います。次は、日本学術会議について何点か質問をさせていただきたいと思います。  この学術会議は、科学者の代表でつくる、そこに私は非常に意味があると思っております。そういった中で、緊急課題に機動的に対応できないと批判される、存在自体が何かあるかないか分からない、そんなことが昨今言われていたわけでありますけれども、そういった議論をされる中で、昨年でありましょうか、総務省から内閣府に移管された現実があるかと思います。  改めてお伺いしたいと思いますが、移管された理由と、そして今回改めてこの日本学術会議を再編されたということが報道されておりますけれども、この何といいますか目的と、今後も含めてちょっとお伺いしたいと思います。
  36. 福井武弘

    政府参考人(福井武弘君) お答えいたします。  まず、内閣府に移管された理由でございますが、政府全体としての科学技術政策に関する総合調整を担っております内閣府に総合科学技会議とともに私ども日本学術会議が移管されることによりまして、両者の連携の強化体制が確立され、我が国科学技術の推進に寄与することが期待されるということが主な理由でございます。  具体的には、日本学術会議は、ボトムアップ的に広く科学者の意見を集約し、総合的、俯瞰的な観点から政府に対して政策提言を行う役割を持ってございます。総合科学技会議は、科学技術政策の司令塔として、トップダウン的に政策形成を行うことを役割としてございまして、こうした役割分担により両会議が言わば車の両輪として我が国の科学技術をより一層効果的に推進していく所存でございます。  今般の改革によりまして、私ども日本学術会議は、我が国の科学者コミュニティーの代表機関としてより効果的な役割を果たしていけるように昨年の十月に改革を行ったところでございますが、改革の内容につきましては、一つは、会員制度について、個別の学協会の利害にとらわれない政策提言を柔軟に行うことができるよう会員の選考方式を、従来までの登録学術研究団体を基礎とした推薦方式から、日本学術会議自らが会員の候補者を選考する方式に変更することとしてございます。また、会員の構成の硬直化を避けるために、今回新たに七十歳の定年制を導入したところでございます。  また、第二の組織の改革といたしましては、専門分野にとらわれず、俯瞰的、学際的な立場から柔軟に機動的に政策提言を行うことを可能とするために、従来の七区分の部制を人文科学、生命科学、理工学、この大ぐくりの三部制に改組するとともに、会員と連携して日本学術会議審議等の業務を担う新たに連携会員の新設を行ったところでございます。  今回の改革を踏まえまして、今後、私どもの三つの大きな役割であります、政府に対する政策提言機能、それから国内外の科学者のネットワークの構築、それから科学の役割についての世論啓発、この三点について、国際的な活動を強化しつつ積極的な役割を果たしてまいりたいと思っておる所存でございます。
  37. 秋元司

    秋元司君 いずれにしましても、この日本学術会議が単なる学者の皆さんの名誉職的なものであっては何の私は意味もないと思いますので、今回再編の中で、何といいますか、定年制を設けた、七十歳ですね、非常に私、意味があると思いますし、任期が六年で改選が三年ごとですから、何かどこかと一緒でございまして、何か参議院のような、同じ形なのかなということも改めて思わせていただきましたけれども、本当に様々な議論が集約できて、そしてある意味政権が替わっても持続的にこの科学政策というものを示して社会に役立てる、そういったことを目標に引き続き私は頑張っていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  続きまして、今、政府統計の議論がされておりまして、統計制度の改革ということが今内閣府でも議論されております。この学術会議においてもこの統計制度の改革にいろいろと提言をされていらっしゃると思うんですが、この中身、簡単で結構でございますからお願いできますか。
  38. 福井武弘

    政府参考人(福井武弘君) 政府統計の学術会議での検討状況でございますが、近年、我が国の政府統計が時代の要請に十分対応できていないというようなことが言われておりまして、私ども日本学術会議といたしましても、政府統計の重要性にかんがみまして、政府統計の作成・公開方策に関する委員会を設置いたしまして、俯瞰的な立場から政府統計の在り方について鋭意検討をいたしておりまして、具体的には、政府統計の作成機能の強化方策、あるいは電子化した調査票、これミクロデータと言っておりますけれども、そういった政府情報の、統計情報の公開方策について鋭意検討をしているところでございます。
  39. 秋元司

    秋元司君 この政府統計調査というのは、普通の一般の研究者とか又は民間団体には組織できない国民全体の強制力を持った公権力の行使の一環として全国統一的に実施されるものであると思いますから、そういった得たデータ、これはしっかり私も有効活用されるべきだと思います。  ただ、一点心配なのは、それによって、個人情報保護という観点から、取った情報がいたずらに利用されたり個人情報が流出してしまうということは問題でありましょうから、この辺についても今、総務省と内閣府の中で議論中であると伺っておりますので、是非そういった中におきまして、この両組織が矛盾することがない、いい結果になってくれることを望んでいますし、それに対して是非学術会議も積極的に提言していただきたいと思います。何か提言のまとめが二十三日に発表されるんですか。まあ、まだまとまっていない案だから今日は聞きませんけれども、是非引き続きいろんな形で提案をしていただきたい、そのようにお願いをさしていただくところであります。  あと、会計検査院と学術会議には一応質問終わりましたので、もしお時間があれば退席して結構でございます。  続きまして、IT政策についてお伺いをしたいと思います。  今日は専門である平井政務官にお越しいただいておりますので、私よりかお詳しいと思いますので余り質問するのは大変恐縮でございますが、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  IT政策の推進というのは、国民の利便性の向上と、そして企業や行政の効率化等に大いに資するものでありまして、今後更に一層強力に推進していく必要性があると思いますが、今後どのように取り組むか、そしてまたどのように提言をされていくか、この点についてお伺いしたいと思います。
  40. 平井たくや

    大臣政務官平井たくや君) どうも質問ありがとうございます。  e―Japan戦略とかe―Japan重点計画、またアクションプラン等々の中で、短期的目標、中長期的な目標を定めて一生懸命やってきました。具体的な成果を上げたものもあれば、まだこれから頑張っていかなきゃいけないものもあるんですが、一番よく言われている成果というのは、官民挙げた取組の結果、世界で最も低廉で速いインターネットの実現ということです、これはブロードバンドということになるんですが。これはあくまでも環境の一つであって、多くの方々が今関心を持たれているのはこのe―Japanの中でも私自身は電子政府だと思うんです。  この電子政府という言葉は独り歩きしてしまうと誤解をされるおそれがあるんですが、電子政府とは、高度なIT装備を実現した政府ではなくて、効率的で透明性の高い行政組織をIT導入によって実現した政府だと。このことをこれから徹底していかなければならないし、国民の側から見るとその利便性の向上というようなところは分かりやすい成果になるんだと思います。  いろんな形でいろんな政策を今やっておりますけれども、やはり業務イコールシステムの時代になってしまった以上、国の方の行政改革の中において、やっぱりフロントオフィスだけじゃなくて国のバックオフィスの見直しというものは非常に重要になってくると思います。その意味において、そのことを進めていき、行く行くは電子自治体の実現、これも国がしっかりと基本指針を示すことによって正しい方向に進んでいくんではないかなと、そのようにも考えている次第であります。  今オンライン利用率の問題がいろいろ言われています。これは医療のレセプトのオンライン化というのもその一つの具体的な例でありますが、いずれ、今、原則紙でやられている手続が五〇%以上電子化で実現される日が来ます。これは我々急いで今進めているんですが、つまり、原則紙から原則電子に替わる日が来るわけです。そのときに本当にある意味で国民の利便性は大いに向上するというふうに考えています。  ITを使った構造改革力というのが新しい今度のIT新改革戦略、今後五年間の中の指針の中に書き込まれていますが、つまりこのITというのは、時間と距離とか情報の流通ということを考えてみると、蒸気機関の発明以上の社会的なインパクトがあるということがだんだん分かってきたんです。ですから、ある意味では社会学的にもまだ検証されていない部分も出てきている。それは個人情報であったりプライバシーの問題も当然その中に含まれます。そういうものを乗り越えていって更に生産性の高い社会をつくっていくということが、次の世代にとっても新しく付加価値の高い産業を興すビジネスチャンスにもなると考えます。少子高齢化、労働人口が減ってくる中において、このITの利活用というのは我が国にとってこれはもう非常に重要な政策になると思いますので、委員の御協力を心からお願いを申し上げたいと思います。
  41. 秋元司

    秋元司君 しっかりとした御答弁、ありがとうございました。  今、政務官のおっしゃった内容に尽きるわけでありますけれども、ちょっと具体的な例を挙げて何点か質問をさしていただきたいと思うんです。  特に、今お話に言及されましたレセプトの電子化についてでありますけど、これはもうただ単に紙を電子化したということだけに私はとどまってはいけないと思っておりまして、それに対するメリットとしてトータル的にコストの削減、そういったことにも私は力点を置いていかなくちゃならないと、そのように思っております。  その中で、今このレセプトがいわゆる医療機関から保険者に行く過程として、支払基金を今まで経由をしまして、それで、それに対する支払基金に一定の手数料を払って、最終的に医療機関と保険者の間の関係があったわけでありますけれども、今度は、今回はこの電子レセプト化にとりまして、直接請求ができると、そして支払もできるという制度に厚生労働省も今制度を移管していくところでありますが、医科レセプトについては問題なく、今申し上げたように、直接の取引がなされたところでありますけれども、調剤レセプト、これにつきましては一応直接その審査支払契約をできるようになっているんですけれども、残念ながら医療機関の同意を要するというふうな附帯条項みたいなのが付いていらっしゃるみたいなんですが、その理由と、業界からもいろいろと、また規制改革会議からもいろいろと提言がなされているようでありますけれども、今後の方向性についてお伺いをしたいと思います。
  42. 宮島俊彦

    政府参考人(宮島俊彦君) 調剤レセプトの直接請求についての御質問ですが、平成十七年十二月の閣議決定において、保険者と薬局との間の調剤レセプトの審査・支払については、保険者が、処方せんを発行した医療機関の同意を経ることなく行えることとするということで、これについて十八年度早期に検討、結論を得、その後速やかに措置するというふうにされております。  この調剤レセプトの直接請求については、実際に取組を進める保険者と保険薬局の要望も具体的なものがあります。ただ、その際、審査手数料の在り方をどうするかといったような問題もありますので、その点も含めまして実現に向けた検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
  43. 秋元司

    秋元司君 今、審査手数料の話がございましたけれども、実態、お話を伺ってみますと、調剤レセプトの九五%がほとんど無審査状態であるという何かデータもあるみたいでありまして、そうなりますと、じゃ何のための医療機関の同意なのか、何のためにこの支払基金を通さなくちゃいけないのかという問題にもなって、何も支払基金を、言葉は悪いですけど、もうけさすためにこの制度があるわけじゃないわけでありましてね。  今後、このレセプトの電子化に併せて医療改革というものを進めていくならば、私は、今支払基金一千億ぐらい年間入っていらっしゃるという話も聞いていますけれども、ここをコスト削減図れば、トータル的に私は、医療機関とそして同時に保険者である健保組合をそれぞれが独立、今までも独立しているわけでありますけれども、今まではすべて支払基金に対して議論、支払基金があるからこそ余り健保組合は何もしなくてもいいという存在だったと思うんですけど、これからは支払基金じゃなく、むしろこの健保組合をどう育成するか、こういう観点に私は議論を移していくべきじゃないかなと思っておりますので、今厚生労働省の方でもしっかりこの件を議論していただいている最中だと思いますから、是非引き続き努力していただきたいと思います。  と同時に、私からの提案でありますけれども、今後、まあ今後というか、過去においてはこの支払基金が果たしてきた役割というのは私は重要な要素ではあると思います。ただ、今後は、やっぱり保険者と医療機関が場合によっちゃ紛争をしたときの、まあ何といいますか仲裁機関、ADRというんですかね、今はやりの言葉で言うと。そういった機能として私はいくのも一つの道じゃないかなと思うわけでありますけれども。事前通告していませんが、その辺、何かコメントがあればお伺いしたいと思います。
  44. 宮島俊彦

    政府参考人(宮島俊彦君) ちょっと言葉が足らなかったかもしれませんが、手数料の問題というのは、確かに調剤レセプトの手数料、今支払基金に入っているということですが、保険者が直接審査、レセプトの直接審査を行えば、それは手数料を審査支払機関に払わなくてもいいということには当然なります。ただ、その際に、調剤レセプトというのは、調剤というのは、医療機関が発行する処方、医師の処方せんに基づいて行うものですから、医科のレセプトと突合するということを当然保険者が行って、疑義が生じた場合にそれではどうしようかということになるので、それを支払基金の方で、やはり第三者的なところで審査してもらわなければならないと。そうすると、そこの手数料をどうすればいいんだというような意味での問題もあるということで申し上げたところでございます。  今、レセプトのオンライン化の話がございまして、私どもは今、今年の四月に省令の改正を行おうと思っております。この省令の改正では、十八年度より医療機関からのレセプトの提出方法としてオンラインも可能とすると。それから、平成二十年度以降平成二十三年までの間に、病院、診療所、薬局の区分、規模、電算処理の導入状況を踏まえ、順次オンラインによる請求に限定していくということで、五か年計画でほぼ一〇〇%のオンライン化を図ろうということを考えております。  私ども、これから医療費が増大していく中で、保険者の機能を発揮していくということは非常に大事なことでございまして、こういったオンラインの取組、あるいはこの審査支払の取り組む保険者が主体となって進めていくという体制整備に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  45. 秋元司

    秋元司君 是非努力していただきたいと思います。  最後に、平井政務官にもう一度お伺いしたいと思うんですが、私は前々から申し上げているんですけれども、このIT、あえて内閣府にIT担当室が設けられた意味というのは、ただ単にIT化を推進するだけじゃなくて、そのメリットというのを十分生かせるところまで提案していく私は必要性があると思っているんです。  同時に、セキュリティー。この面についても、それぞれ各役所がいろいろと働き掛けをしていくということもあると思うんですけれども、このITにおける私はセキュリティーの問題としてあるのは、やっぱり人為的ミスというのが一番大きくて、正に人為的ミスによって情報漏えいというものが行われているという私は実態が多いんじゃないかと思います。そういった人為的ミスというものを極力防止していくという、それをやっぱりIT推進担当として私は進めていっていただきたいなと思います。  具体的に言うと、昨年も申し上げましたけれども、IDとパスワードをぺたっとパソコンに張り付けたまま置いていくとか、そういったことをIT化が進めば進むほどみんなで気を付けてなくしていかないとという、そういった、何といいますか、思想を会社の中でも広めていく私は必要性を感じておりますので、そういった教育活動も是非IT担当室としてやっていただきたいと思いますし、もう一つは、IT化が進めば進むほど、やっぱり私はメーカーとの問題があると思うんですね。  それで、それぞれ日本の場合は各役所が、何といいますか、縦割りでありますから、各役所ごとにおける標準化、また互換性の問題ということも私は同時に指摘される点もありますし、今回のレセプトについてもやっぱりこの問題を指摘している方もいらっしゃいますんで、そういった観点から、IT担当という、もう省庁を横断してIT推進というのを今後どういった形に位置付けるかということで、非常に私はこのIT推進担当室として頑張っていただきたいと思いますから、この点についてちょっと御見解をお伺いしたいと思います。
  46. 平井たくや

    大臣政務官平井たくや君) 先生がおっしゃっているようなことについて、我々も常に意識をしてやっています。ITというのはあくまでも手段で、どのような社会をつくっていくかということが非常に重要だと思います。  セキュリティーに関して言えば、やっぱりこれは幾らハードに投資しても無理です。新しいパソコンを全部買い替えたからといって、情報漏えいがなくなるというわけではありません。つまり、そこでどのような業務システムを取っていくか、ITリテラシーをどのようにして職員の皆様方に浸透さしていくか。まあ、あくまでも道具ですから、これを使う人間のやはり問題というのは非常に大きいと思います。そういう状況の中で、そうは言ってもこの情報技術を使わなければ世の中の進歩がないということですから、セキュリティーの問題、個人情報保護の問題、そして新しい技術を取り込んでいくという戦略的な問題、このバランスを取りながら進めていかなきゃいけないと思います。  また、政府においては、官房長官、そしてIT担当大臣を中心に政府全体のIT政策の最適化、もう部分的なものを見ることも重要ですが、全体としてどのような社会を目指していくのかという思想を持ちながら今後IT政策を進めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
  47. 秋元司

    秋元司君 是非頑張っていただきたいと思います。  続きまして、テーマを移りたいと思います。  この内閣委員会は非常に関係する担当大臣が多くて、もう質問するときにもいつも頭を悩ませるわけでありますけれども、政策的にはたくさんあるんですけど、事予算となりますと余りないんですよね、各役所に振り分けてしまっている現状があって。まあ、今日は予算委員会の委嘱を受けての委嘱審査でありますから、少し予算の関連でちょっと突っ込んだ形で話をさしていただきたいと思うんですけれども。  インテリジェンス機能強化というタイトルの中で、今、情報収集衛星に対して非常に今回も予算要求額が出ておるわけでありますが、私も常日ごろからこのインテリジェンス強化については、持論として、しっかり我が国としても考えていくべき問題であるということを問題提起をさしていただいております。特に、外交とかテロ対策、そして国内の治安、こういったものを行う上でこの機能強化というのは欠かせないものでありまして、これはもう引き続き努力をしていかなくちゃならないところでありますが、今回、昨年もそうでありますけれども、この情報収集衛星、非常に大きな予算の額の提案がなされておりますけれども、現在の状況についてどういうふうになっていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
  48. 上原美都男

    政府参考人上原美都男君) お答えをいたします。  まず、この情報収集衛星の導入目的でございますけれども平成十年の八月に北朝鮮によりますミサイル発射を契機といたしまして、我が国が人工衛星を活用した情報収集能力を持つことの重要性が認識をされまして、平成十年十二月に情報収集衛星の導入が閣議決定をされました。平成十五年三月にその一号機が打ち上げられたところでございます。  このような経緯によりまして、情報収集衛星は、外交防衛等の安全保障及び大規模災害等への対応等の危機管理のために必要な情報を収集するということを主な目的としているところでございます。  現在の利用状況でございますが、平成十六年四月より関係省庁からの情報要求を受け付けまして定常運用時期に入っておるところでございます。これまでのところ、二つの衛星と三百人余りの職員のフル稼働を必要とするような情報要求数が寄せられておりまして、現在この衛星を最大限活用いたしまして必要箇所の撮像を行っているというところでございます。また、情勢に応じまして、緊急に撮像すべきものにつきましても臨機応変に緊急撮像を実施しているところでございます。  私どもといたしましては、この情報収集衛星を効率的かつ効果的に運用させていただきまして、今後とも我が国の安全保障及び危機管理に必要な情報の収集に努めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。
  49. 秋元司

    秋元司君 是非ロケットの打ち上げ失敗がないように頑張っていただきたいなと、そのように思っている次第であります。  以上の観点から、いずれにしましても、このインテリジェンス機能の強化、これは国として積極的に進めていただきたいと思うわけでありますが、内調の方で、内調という、今我が国においても内調制度を強化するといった意味で、いろいろと関係各位の皆さんの御努力には大変敬意を表するわけでありますけれども、やっぱり情報というのは握った人間が私は支配する傾向があると思っておりまして、特に日本の場合はそれぞれ縦割り行政の中で情報管理と情報収集をやっているという傾向があるんで、是非、私は引き続き内調における機能の充実と強化、これについて頑張っていただきたいと思います。  内調が、ある程度、ある意味、情報を早めに察知しまして、それを官邸主導でいろんな問題に対処していく、これが私は一番理想な形だと思っておりますけれども、先ほどから申していますとおり、総合的にこういった機能の強化、これについてちょっと官房長官の見解をお伺いしたいと思います。
  50. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になられましたように、厳しい国際情勢下の中で的確な政策判断をする、あるいは政策を立案をしていくためには情報の収集と分析が不可欠であると、このように考えております。また、この情報の分析を行うに当たりましても、しっかりと情報をしかるべく箇所に集めて、後、それを分析をすると、そして的確に報告するべきところにちゃんと報告をするということがこれもとっても大切であると、このように思っております。  我が国におきましては、内閣の下に関係省庁が相互に緊密な連携を保ちつつ、国内外において情報の収集を行い、重要なものについては内閣情報官の下に集約され、総合的な評価、分析を行う体制が整っているところであります。  また、ただいま委員質問されました情報収集衛星については、外交防衛等の安全保障及び大規模災害への対応等の危機管理のために必要な情報収集に当たり、有効利用に努めているところであります。来年度中に所期の目的である四基体制が確立され一層効果的に運用されるよう政府一体となって取り組んでまいりたいと、こう考えております。  しかしながら、もちろん情報の収集・分析体制に完全ということはないわけでありまして、米国においても不断の改革努力を行っている、組織の見直し等を行っているわけでありまして、政府としても、国民の安全確保という観点から引き続き内閣全体の情報収集・分析機能の充実強化について不断に検討をしていきたいと、こう考えております。
  51. 秋元司

    秋元司君 是非引き続きの御努力をよろしくお願いしたいと思います。  残りがわずかでございますので、テーマを移らさしていただきたいと思います。  次、中国におけます遺棄化学兵器廃棄処理事業についてでありますが、この事業はもうさきの大戦での負の遺産をなくすという意味で私は大変重要な事業であると思っております。この事業の体制と進捗状況についてお伺いをしたいと思います。
  52. 高松明

    政府参考人(高松明君) お答え申し上げます。  我が国は、化学兵器禁止条約に基づきまして中国に存在しております旧軍により遺棄されました化学兵器を廃棄する義務を負っているところでございます。  遺棄化学兵器の大部分は吉林省のハルバ嶺に埋設されておりますが、その他中国各地でも種々見付かっておりまして、これを私どもは発掘回収していると、こういう状況でございます。ハルバ嶺以外の中国各地における発掘回収につきましては、内閣府といたしまして、平成十二年九月に黒龍江省の北安市において初の発掘回収事業を実施して以来、平成十七年度までに計十回の発掘回収事業を実施してきております。また、最大の埋設地と考えられております吉林省の敦化市ハルバ嶺においては、これを発掘回収し、さらに、最終的に処理をするための事業を現在進めております。  環境や安全に十分な配慮をしつつ、世界に類例のない規模でこれを土中から発掘し回収し、それから最終処理をするということでございますので、非常に中国側とも協議しつつ、慎重にその実施の体制を今検討しているところでございます。  いずれにいたしましても、我が国としては、化学兵器禁止条約上の義務を誠実に履行していくという方針の下、中国政府の協力を得つつ、この事業の一日も早い完了に向けまして最大限の努力を行っていきたいと考えております。
  53. 秋元司

    秋元司君 この事業につきましては予算も非常にたっぷり用意させていただいておりますし、また、この廃棄の期限というのが、私も調べましたら、一九九七年に条約を結んで、最終的には十年間内にこれを完了しなきゃならないというふうになっていると聞いていますから、二〇〇七年ですよね、までに完了。あともし場合によっちゃ十五年まで延びてもいいなんということもあるみたいでありますけれども。いずれにしましても、これが処理が遅れると、また、こう言っちゃなんですけれども、中国の方から何を言ってこられるか分からないということもありますから、是非迅速な対応をお願いしたいと思います。  いずれにしましても、日本は今日まで過去の大戦の負の遺産というのを清算するために、今回の事業を含め、過去いろいろ行ってきているように私は思うんですけれども、でも相変わらず中国からの日本バッシングというのは後を絶たないわけでありまして、もう本当に頭を痛めている点が多々あります。  ですからこそ、私は、今回の事業の件というのは、何といいますか、この負の遺産というものをなくすという意味で目に見える形の事業であると思いますので、是非これ、中国国内向けにも日本のこの努力というものをPRする、そういった私は体制をしくべきじゃないのかなという思いもありますし、そういったことによって今後日中関係の信頼の回復のチャンスがこれにも私はあるんじゃないかなと思っておりますので、この事業をそういった意味として位置付けて積極的に頑張るという観点から、中国との関係ということにつきまして、官房長官の見解をお伺いしたいと思います。
  54. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 中国における遺棄化学兵器処理事業につきましては、ただいま委員が御指摘になられましたように、過去の負の遺産である遺棄化学兵器を化学兵器禁止条約の規定に従い着実に処理することにより日中間の信頼醸成に寄与する重要な事業と、こう考えております。  この事業につきましては、日本は正に誠意を持って対応してきているわけであります。と同時に、もちろん国民の税金を使うわけでありますから、中身についてはきっちりと精査をしていくことはもちろんでございます。  我が国としては、同条約上の義務を誠実に履行していくとの方針の下、安全と環境に最大限の配慮を払いながら、一日も早く事業を完了するため、中国政府の協力を得つつ、政府一体となって引き続き取り組んでいく考えであります。
  55. 秋元司

    秋元司君 ありがとうございました。  とにかく日本側はいつも努力しているわけでありますけれども、残念ながらこのことが本当に中国国民に対して理解されているのかというのがいつも問題にされる点でありますので、是非、今回の事業は本当の戦争、過去の大戦ということに対する目に見える形の事業でありますから、日本はしっかりそのことに対応しているんだよということを中国国民にも分かる、まあ向こうはメディア規制があるからなかなか難しいと思うんですけれども、分かる形をどうやって知らしめるかという観点から是非そこにも重点を置いてこの事業を進めていただきたいと思いますので、再度の要求でございますが、官房長官、いかがですか。
  56. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) この遺棄化学兵器の廃棄について言えば、日本は本当にこれは誠意を持って政治決断をして、この廃棄についてはこの条約にのっとって日本側は廃棄をしていくということを決定をしたわけでございます。  例えば、理屈をこねる人がいるとすれば、そもそもこれは終戦においてソ連軍であるとか、に引き渡したものであると、こういう主張をしていくと水掛け論になっていく可能性もあったわけでありますが、我が国はもうあえてこれは日本側の責任として廃棄をしていくということを決定をしたわけでございます。そういう意味におきましては、この日本側の誠意というものを中国の国民の皆様にも知っていただくという努力はしていかなければいけないと、こう考えております。
  57. 秋元司

    秋元司君 ありがとうございました。  以上で終わります。
  58. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時十一分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  59. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十八年度総予算の委嘱審査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  60. 松井孝治

    ○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。  大勢の大臣にお集まりをいただきまして、また関係の政務官にもおいでいただきまして、ありがとうございます。  内閣委員会予算の委嘱審査でございますんで、私の方からまず最初に予算関係の御質問を、若干事務的なことになろうと思いますが、させていただきたいと思います。  一点目でございますが、まず参議院の事務局に、事務総長にもお見えいただいておりますんで、この内閣委員会の委嘱審査関係質問をさせていただきたいと思います。  参議院、これ衆議院も参議院も同じでありますが、立法府の、まあ政と官の関係といいましょうか、役割というのは非常にますます高くなってきていると思うんですが、事務総長、まず参議院の基本的な十八年度の予算要求についての考え方、例えば議員立法なんというのが、私もいろいろ法制局の方々にお世話になったりしておりますが、あるいは調査室の調査部局の方々にもお世話になっておりますが、ここ数年増えていると思うんですね。  そういう、例えば参議院における立法機能の高まり、内閣委員会でございますけれども、例えば決算の機能を非常に重視するということで、いろんな意味での参議院のスタッフ、事務局機能の強化というのが求められていると思うんですが、これについて、こういう情勢を踏まえて、参議院の事務局として今回の十八年度の予算要求、どういう姿勢で臨まれて、どういう数字政府案の取りまとめの中で得ておられるのか、簡潔に御答弁いただきたいと思います。
  61. 川村良典

    事務総長川村良典君) 立法機能の強化につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、参議院といたしましても、先生方の活動を補佐する機関として十分その機能を達成できるように今回の十八年度予算要求にも臨んだところでございます。  特に、法制局等につきましても、近年、ちょっと手元に議員立法の件数ございませんけれども、議員立法の拡充というのは大変大きな課題になっているところでございまして、そういう面でも支援に支障がないように体制を取っているところでございます。  また、実は定員等につきましても大変厳しい状況でございますけれども、議員スタッフの必要な部分につきましては、できるだけこれを確保しようという方針で臨んでいるところでございます。  また、先生方の特に今御指摘ございましたODA調査等につきましても、その拡充等を図っているところでございますし、また施設面につきましては、新議員会館整備あるいは清水谷の議員宿舎始め、そういう機能の拡充についても十分意を用いて要求に臨んだところでございます。
  62. 松井孝治

    ○松井孝治君 議員立法の件数も、お聞きはしませんけれども、事前には通告をしてございますんで、それは本来お手元に置いておいていただくべき事柄だと思います。まあ、時間の関係で御質問しませんけれども。  それで、例えば参議院の調査室ですね、これが定員平成十三年度が二百五十四、十七年度現在で、今年度ですね、二百五十八という調査室部局の定員があるんですが、実員がこれまだ二百三なんですね。平成十三年度が二百二なんですね。この定員と実員の乖離、これはどういうことなのか。現実に調査スタッフの皆さんは忙しくしておられるにもかかわらず、ここがいつまでたっても定員を実員が大幅に下回る状況が全然改善されていないわけですね。別にほかの部局をどうこう言うわけではありませんが、全体の定員と実員管理からいえば、どこか別の部局が食っていて、ここの調査部局の定員割れの状態が続いている。それで、参議院の立法補佐機能の強化といっても、やや空々しく聞こえるわけですが、これについてどういうお考えですか。
  63. 川村良典

    事務総長川村良典君) 定員と実員の関係につきましては、ただいま先生が御指摘になったとおりでございます。  実は、国会といたしましても、数次にわたる内閣の、政府定員削減計画に協力してきているところでございまして、一定数の削減をしているわけでございますが、これにつきましては原則として維持管理部門を中心に削減をしてきているわけでございまして、それに代わるものとして調査員等の増員要求はしてきているわけでございますが、ただ、なかなか職員間、大変国会事務局は多様な職種がございまして、それに応じた職員が張り付いているということでございますので、どんな職員でも調査室に異動させて調査の業務に従事をさせるということがなかなか難しい状況にあるわけでございます。そういう状況ではございますけれども、できるだけ維持管理部門を減少いたしまして調査員を増やそうという努力はしてきているところでございますけれども、なお依然としてその乖離が残っているという状況でございます。
  64. 松井孝治

    ○松井孝治君 いや、どういう努力をしておられるかということですよね。外部の専門家というのは、それはもうたくさんいらっしゃいますよ。現実に、まあ参議院は衆議院ほどじゃないですが、霞が関の出向が十人以上いらっしゃいますね、十数人いらっしゃいますね。そういう方以外で中途で専門的な知識がある人を採る努力をどれだけされていますか。  具体的にその出向人事、官庁からの出向人事以外で参議院の事務局、特に調査室系統の事務局、中途採用がどれぐらいあるか。この五年間数字を教えてください。
  65. 川村良典

    事務総長川村良典君) 行政庁からの出向者を除きまして純然たる外部からの中途採用者というものは、私の記憶している限りではおりません。
  66. 松井孝治

    ○松井孝治君 これ、定員を割れているわけですよ。定員割れていて、やっぱり立法補佐機能を強化しようという議論があるにもかかわらず、外部から採る努力をしておられない。募集はされているんですか。募集してたくさん、募集された結果、適任者がいないということで採られていないんでしょうか。
  67. 川村良典

    事務総長川村良典君) 募集等の措置はとっておりません。
  68. 松井孝治

    ○松井孝治君 これやっぱり事務総長、今までの慣行で基本的に生え抜きの職員を採ってこられているということだと思うんですが、やっぱり他省庁から採るぐらいであれば、これ国会事務職員事務スタッフのことですから、官房長官や行革担当大臣もなかなか御発言しにくいと思いますけれども、やっぱりこの皆さん、ここ並んでおられる方々は立法府の議員でもあるわけですから、こういうことで本当に立法府の調査機能というものは高まっていくのかどうか。中馬大臣、今聞いておられて、個別に通告していませんが、どう思われますか。
  69. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 松井委員が御指摘になることは十分私たちも、やっぱり院としても配慮しなきゃいけない問題だと思います。しかし、数よりもやはり質の問題もございます。また、それぞれの政党がもう少し立法機能的なものも私は持つべきだと思っていますから、必ずしも参議院事務局を増やせばいいと、そういった単純にそれだけの問題ではないかと私は思います。
  70. 松井孝治

    ○松井孝治君 中馬さん、今おかしいですよ。だって、定員を査定しているんでしょう、定員を。定員が割れているんですよ。そうしたら、そんなに数は必要ない、質が高ければいい。まあ質が高いかどうかといういろんな議論があろうと思いますよ。だけれども定員割れているんなら、それは行政改革の観点で、定員も割れていて量が要らないと言うんなら、定員削減すべきじゃないですか。
  71. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) ですから、今回もこれから法案を審議していただくわけでございますが、そうした立法府であろうと、あるいはまたそれ以外の第三者的な機関であろうと、これは我が政府の方から命令するべき立場ではありませんけれども、こういうことでひとつ御協力願いたいという形で要請をいたしております。
  72. 松井孝治

    ○松井孝治君 官房長官に伺いたいと思うんですが、私はやっぱり、これは中央省庁でもそうだと思います、行政府でも。この立法府はなおのことそうだと思いますが、どんどん外部登用をきちんと増やして本当に優秀な人を採る努力をするべきだと。今おっしゃるように、それはどういう部局であっても聖域にしてここだけは定員を削らないということがあってはいけないと思いますが、しかし明らかにこういう機能を高めていかなければいけないという、例えば立法府の調査機能、これについて、定員をこれ大体五十人、五十人以上割り込んでいるんですよ。  要するに、二百五十八の定員のところ二百三人しか採れていない、しかも一切それに対して公募をするとかいうことをされていない。こういう在り方で本当にいいのか。逆に言うと私は、この参議院の事務局について政府が一律の五%の削減基準を掛けるというのは、これは幾ら何でもいかがなもんかと思っておりますが、その点も含めて、もう少し立法補佐機能というものを高めていかなければいけない。  そのときに、中馬大臣おっしゃったように、別に数字を増やせばいいということではない。だけど、より幅広い民間の各分野専門家、今日も後で御質問しますけど、例えばITについて、本当に内閣の部局でも、あるいは内閣以外の会計検査院あるいは参議院の事務局でも、本当にそういう専門部局を持って対応できる能力がある人がいるかというと、なかなかそれはいないですよ。だって、そのために生え抜きで採って、それでその能力を養成できるような、なかなかそういう分野じゃないですね。やっぱり外部の人を中途採用でも、場合によっては任期付採用でも採ってこなければいけないと思うんですが、こういう参議院の立法補佐機能について人材登用をもっと外部から進めるべきだという点について、これは個別に通告していませんから、官房長官の個人的見解でも結構ですから御答弁いただきたいと思います。
  73. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になられました定員に対してずっと定員を割っているではないかという問題については、確かにその定員を十分に充足できなかったということについては、なぜそうなっていたかということについてのしっかりとした分析も必要であろうし、また、内部登用だけではなくて外部登用ということも、これを勘案してこの機能を強化すべきではないかということについても、これは我々も参考にするべき御意見だと、このように思っております。  他方、今この行革推進法との関連において一律例えば国家公務員は五%削減、地方公務員の四・六%の削減というものを当てはめるのはどうかという御指摘でございますが、この御指摘につきましては、これは今までの純減実績を考慮し、高い目標ではありますが、実現すべき純減目標として設定はしております。純減目標の対象とする国家公務員の総数は参議院事務局会計検査院ども含んだ職員数となっておりますが、これは、今回の総人件費改革が公的部門全体で取り組んでいくことが必要な課題であることにかんがみ、国家公務員総数に対する純減目標を示すこととしたわけでありまして、この算定に当たり公的部門の一つとして含めていると、こういうことでございます。  参議院事務局など国会職員会計検査院については、三権分立の各機関の独立性の観点から、その取組についてはこれからの機関の主体的な判断にゆだねるべきであると、このように考えております。この観点から法案では具体的に規定しないこととしておりまして、一方、政府としては、各機関の特質にも留意しつつ行政機関に準じた取組を行うよう要請しているところでありまして、それぞれの機関において適切な御判断がなされるものと、このように期待をしております。
  74. 松井孝治

    ○松井孝治君 後段の部分は後でちょっと行革推進法絡みでまとめて伺いたいと思いますんで、また議論は後回しにしたいと思いますが。  参議院事務局に関して言いますと、もう一点御質問がございまして、大体今年度の、平成十八年度の数字も大体施設整備関係が二十億程度ありますね。それで、十七年度まだ終わってませんから、平成十六年度のいろんな工事の実施計画概要、もう計画というかこれは終わっている話ですが、数字をいただきました。平成十六年度も大体二十億ぐらいのいろんな施設整備を行われているわけでありますが、このうちの随意契約の比率教えてください。
  75. 川村良典

    事務総長川村良典君) しばらくお時間を。
  76. 松井孝治

    ○松井孝治君 その数字はレクのときにいただいていますんで、少しまとめて事務総長事務方からメモを渡していただければいいと思うんですが。  私の理解では、圧倒的な金額は随意契約であると理解しております。それで、財務省にも今日はおいでをいただいておりますが、随意契約の、どういう場合に随意契約が認められるのか、会計法あるいは予決令上認められる随意契約の基準というのはどのようなものでしょうか。財務省、よろしくお願いします。
  77. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) お答え申し上げます。  会計法上、原則は一般競争入札でございますけれども、随意契約によることができる場合といたしまして、契約の性質又は目的が競争を許さない場合、それから緊急の必要により競争に付すことができない場合、競争に付すことが不利と認められる場合、また契約に係る予定価格が少額である場合などにつきまして随意契約によることができるということが定められております。
  78. 松井孝治

    ○松井孝治君 事務総長数字分かりましたですか。
  79. 川村良典

    事務総長川村良典君) 平成十六年度でございますが、二百五十万円以上の工事の契約件数が全体で十九件のうち、随意契約件数が十一件、指名競争入札件数が八件でございます。
  80. 松井孝治

    ○松井孝治君 金額でいうとどの程度ですか。
  81. 川村良典

    事務総長川村良典君) どうも集計ができていないようでございます。申し訳ございません。
  82. 松井孝治

    ○松井孝治君 十三件中十一件が……
  83. 川村良典

    事務総長川村良典君) 十九でございます。
  84. 松井孝治

    ○松井孝治君 十九件中……
  85. 川村良典

    事務総長川村良典君) 十一件が随意契約でございます。
  86. 松井孝治

    ○松井孝治君 十一件が随意契約。
  87. 川村良典

    事務総長川村良典君) はい。
  88. 松井孝治

    ○松井孝治君 私がいただいた表から見ると、やっぱり随意契約が圧倒的に多いと思います。  それで、これは後で、国土交通省や防衛施設庁からも政務官がお見えでございますんで、後でこれまとめて議論をしたいと思いますが、例えば、この参議院の事務局の公共調達の中でいうと、比較的大きな数字のものとしてテレビ中継ですね、参議院のテレビ中継施設とか、あるいはこの参議院の別館の何か外装とか建具とか窓枠とか、そういうものの改修、こういうものも全部随意契約なんですね。要するに、一般競争の条件に満ちていないという判断をしておられるわけであります。それ以外の何らかの競争入札が行われているものも基本的にすべて指名競争なんですね。  これは、さっき財務省の方にも御出席いただきましたが、基本はやっぱり一般競争入札で、それで、一定の条件があるものについては指名競争入札が許されて、そして、非常に困難であるとか緊急性を要するものが随意契約が認められているということなわけですが、私は非常にこれは問題があるんじゃないか。そういう、十七年度の今までのところの経過を拝見をしますと、随分随意契約を減らされて指名競争入札が増えていますが、それでも指名競争入札、一般競争入札までは行っていない。なおかつ、指名競争入札、私が今いただいている数字でいうと九五%以上のものが軒並み並んでいるような状態であって、これはやはり落札率も非常に高い。  こういうことで、立法府自身が、ある意味ではずっとここ数年来、調達あるいは随意契約の問題、そして官製談合の問題が議論されているときに、私はこれは極めて、金額的には他省庁のものに比べて、全体が二十億ですから、ここをぎりぎり議論をしようとは思いませんけれども、やはりまず参議院の事務局におかれても、そこら辺の対応を、入札の透明性を高めるという対応をしっかりしていただきたいということを取りあえず今日は申し上げて、そして、別の省庁の問題に移りたいと思いますが、事務総長、何かもし反論があれば。
  89. 川村良典

    事務総長川村良典君) 契約手続の方法につきましては、従来、国の一般競争入札の対象工事が予定価格が七億三千万ということにされていたわけでございまして、参議院はそういう高額の工事が少なかったということもございまして、どうしても工事の契約方式として指名競争入札あるいは随意契約が多くなっているという状況でございます。  また、事務局といたしましては、国会の特殊性として、図面等の流出あるいは施工時のセキュリティーの観点から、限られた期間内で確実な工事を行わなければならないという制約から、工事実績あるいは業者の信頼性などを勘案して指名競争入札あるいは随意契約とさせていただいているということでございます。  また、落札率に関する御指摘に関しましては、公的な資料に基づく単価の採用と実勢を反映した見積もり査定を行って適正な予定価格を算出しているというふうに考えているところでございます。  ただ、契約の透明性、競争を高めるため、更に一層努力が必要だということは御指摘のとおりでございまして、事務局内には入札契約手続運営委員会を設置し業者選定を行うとともに、工事契約の方針など契約に関する基準等も策定しているところでございます。  先生からも御指摘ございましたが、十七年度は、従来随意契約に付していたものも指名競争入札にできるだけ変えると同時に業者の数も増やすなど、競争性を高める改善を行っているところでございまして、今後につきましても、一層手続の適正化と透明性の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  90. 松井孝治

    ○松井孝治君 是非そうしてください。皆さんおっしゃるんですよ、何かセキュリティーだとか非常に特殊なものであるとかおっしゃるんだけど、現実にはそんなものどこがあるんだというような話が多いわけですよ。セキュリティーと言い出したら、じゃ、官公庁はみんなセキュリティーがありますよ。  そのときに、セキュリティーがあるからといって全部随意契約にしていたら、一体この国の公共調達はどうなるのかと思いますんで、その点はちょっとまたほかの事例も取り上げながら中馬大臣や官房長官にも御所見を伺っていきたいと思います。  次に会計検査院。これも今日の内閣委員会の委嘱審査一つとして予算あるいは人員、これについては、特にここ数年、会計検査院については僕らも非常に、特に参議院はいろんな仕事をお願いをしておりまして、昨年は前代未聞のたくさんの国会法百五条に基づく調査要求をしたり、そしてもちろん決算の、早期に決算案を上げていただくということで無理なお願いをしているわけであります。しかし、特にこの参議院は、院を挙げてこの決算審査充実するということで、会計検査院には随分御迷惑をお掛けしていると思うんです。  そういう状況の中で、これは特に参議院の改革協議会で各党派が参加して決算重視、そして会計検査院法を改正して、参議院の議員立法で改正をして強化をしようという中で、会計検査院は十八年度の予算要求人員予算においてどのような充実を図ろうとしておられるのか、簡潔にお答えいただけますか。
  91. 大塚宗春

    会計検査院長大塚宗春君) 財政状況が非常に厳しい中で会計検査院検査機能を強化するということのために、まず国会からの検査要請への対応と行財政改革の動向に適切かつ機動的に対応した検査を遂行するための検査要員の増員と機構の充実強化を図るための経費検査活動の一層の充実強化を図るため情報通信技術を活用した検査及びODA等の海外検査充実等のための経費研究研修体制の充実強化を図るため検査活動に資する研究及び検査能力向上のための研修充実等のための経費などを十八年度予算において重点的に計上しているところであります。  また、一方におきまして、委員御指摘のとおり、平成十七年六月、参議院から九件の検査要請がなされ、今後とも検査要請が活発すると予想されることや、同年十月、本院の機能の強化及び活用を図るために会計検査院法が改正され、検査対象の拡大と国会等への随時報告が規定されたことから、本院の検査活動充実がより一層求められていること、会計検査は国等の無駄な支出を省き、税や保険料徴収の増大効果を図るなど健全な財政運営に寄与するものであること、各年度の決算に対する国会の議決においても本院の検査機能の充実強化を言及しているところであります。  以上のことから、会計検査院といたしましては、本院の検査活動が円滑かつ厳正に行われ、その機能が十分発揮できるよう、今後とも予算の重点的計上に努めるとともに、検査体制の充実強化を図ってまいりたいと、このように考えております。
  92. 松井孝治

    ○松井孝治君 定員はどれだけ増えるんですか。それから予算は、いろいろおっしゃいましたけれども、結局増えるんですか、減るんですか。
  93. 大塚宗春

    会計検査院長大塚宗春君) 定員につきましては、一名の純減でございます。それから、経費につきましては、総額で約一億円の減少でございます。  以上です。
  94. 松井孝治

    ○松井孝治君 私、別に会計検査院の機能を増やすから予算は自動的に増えるとか、定員も自動的に増えなければいけないというようなことを言うつもりはないんですけれども、しかし、少なくともここ数年間見ていて、会計検査院の正規のいろんな不当事項等の摘発件数は明らかに増えているわけですね。そして、先ほども私申し上げたように、国会からのいろんな要請事項、今までの検査院の検査対象を昨年の法律で、会計検査院法の一部を改正する法律で飛躍的に拡大したわけですよ。そうしたときに、本当にこれ、それは財務省からいろいろ圧力はあるのかもしれませんけど、やっぱりもう少し、院長、せっかくプロパー以外から任用された院長でいらっしゃいますから、リーダーシップを発揮して、ここは大幅に定員拡充するべきじゃないか。  要するに、会計検査院というのは税金の無駄遣いを正に各省とは独立の立場で暴いていく機関ですよね。そこを霞が関が査定していて、そこに人員どんどん付けようなんてことにはならぬわけですよ、普通に考えて。しかし、やっぱりそれは政治的判断で、法律改正をして会計検査院の機能を強化しよう、そのときにやっぱり人員も、こういうときに、千載一遇のチャンスなのに、どうして人員増の要求をされなかったのか。あるいは、正直に言っていただいていいんですよ、人員増を要求したけれども霞が関がやっぱりブロックしたと、都合の悪いこと言われたくないからブロックしたということならそういうことでおっしゃっていただいてもいいんですが、そもそもどういう要求をされてこういう査定になったんですか。
  95. 大塚宗春

    会計検査院長大塚宗春君) まず、基本的な考え方といたしまして、まず予算を重点的に、言ってみれば効率的に使いたいということをまず今回は基本的な考え方としたわけです。  それから、二年ほど前に、決算報告の早期提出ということに伴いまして四十名の人員の増を認めていただきました。その定員増を十分今活用しております。非常に大変苦しいんですけど、中で、今まで検査に携わっていない者についてもこれをまた再教育する等いたしまして、言ってみれば中の今ある人員を十分活用して、厳しい財政状況の中ですから、会計検査院としてはまず効率的な検査というものを範をもって示したいと、こんなふうに考えているわけです。
  96. 松井孝治

    ○松井孝治君 範をもって示されるのは大いに結構だと思います。そうあるべきだともちろん思いますけれども、でも現実に、今日は去年の決算を一緒にやらせていただいた理事もいらっしゃいますけれども、現実には、例えば百五条調査を我々、去年九件でしたかね、掛けさせていただく、要するに、国会法に基づいて会計検査院にこの事項は調べてくださいというお願いをするようなことをしたわけですね。そのときに会計検査院事務当局からは、いや先生、決算の早期処理でもうひいひい言っていて、これ以上、こんな九件も言われたら、私たちの人員はとてもじゃないけど足りませんから、この九件のうち何件かは、そんな早くと言われてもしようがないから再来年ぐらいまで待ってくださいのような、そういう交渉が現実にあったんですよ。そういうことを院長、当時の検査官として報告受けておられますか。
  97. 大塚宗春

    会計検査院長大塚宗春君) 当然そういう報告は受けておりますが、やはり会計検査院としては国会との関係を重視したいということもありまして、できるだけ期待にこたえたいということで、九件のうち二件だけを昨年、昨年時の報告でさせていただいて、残りの七件につきましては一年ずらさせていただいたと、こういう経緯でございます。
  98. 松井孝治

    ○松井孝治君 いや、そのことを責めているわけじゃないんですよ。そのことは我々も了解して納得しているんですよ。  ただ、そうじゃなくて、現実に調査員の方々も検査官の方々も、もういろんなものを抱えながら必死になってやっておられて、やっぱり人員的に、そんなにたくさん参議院で決算委員会が元気のいい決算委員長の下で調査要求をされてもなかなか対応できないと、マンパワーが足りませんと。で、我々それは理解しているんですよ。じゃ、マンパワーが足りなければ、これはやっぱり税金の無駄遣いの摘発のために使うマンパワーですから、官房長官ね、こういうものはやっぱり、会計検査院にも五%削減の希望が伝わっているわけですよ。これは内閣の一部じゃないですよね。独立の機関ですよ、憲法上明記された独立の機関ですよ。こういうところにはむしろ各省庁でそういう意味では定員をあぶり出して、そこの定員を付け替えて、むしろ勝手知ったるところのおかしなところを暴けと言って定員を付け替えたって私はいいぐらいだと思いますよ。  官房長官ね、やっぱりこういうところは柔軟に、まあ一律キャップ掛けるのもいいですけれども会計検査院のようなところを重視するという方針国会でも出されているわけですから、そこは少し政治的に判断をしていただいて、一律いいですよ、五%の目標を掛けていただいてもいい、その効率化の上で、しかしやっぱり無駄なところは再配分しようじゃないか、それぐらいの政治的な決断はございませんか。
  99. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 政府としては、取りあえずこの法案によって五%、四%ということで純減の目標を立てまして、公的部門あるいはまた準公的な部門に対してそういう目標を掲げたわけでありますが、しかし今、松井委員が御指摘になられましたように、会計検査院がこれから担う役割の大きさということについては、もちろん会計検査院で十分にそれは考えておられるということでございます。  そういうことを勘案した上で、それぞれ結果について御判断されるんだろうと。どういう削減にしていくのか、あるいは人員についてはこう考えているという御判断を適切にされるだろうと、このように思っております。  繰り返しになりますが、我々も三権分立の観点から、また会計検査院の独立性ということを十分に留意した上で、具体的にはここをこういうふうにどれぐらい削れという指示はしていないと、こういうことでございます。
  100. 松井孝治

    ○松井孝治君 院長、もう結構でございます。  とにかく、余り暗黙の圧力に負けないで、しっかり主張をしていただいて、むしろ各省の定員を食って、その分できれば外部からいろんな分野専門家を私は検査官として登用していただく。  霞が関からのいろんな出向の方もおられますね、会計検査院にもね。それはそれで、内部の事情を分かっていて一生懸命やっておられるという話も聞きますけれども、でもやっぱりどちらかというと外部の人材、特に会計、税務などを詳しく分かっておられる方々がもっともっと私は活躍する余地のある分野だと思いますんで、是非積極的にむしろ人員拡充、要求をしていただきたいと思いますし、これはまた検討課題なんですが、諸外国の中では、こういう会計検査院のような内閣とは利益相反にある部局の定員とか人員査定、予算査定を別の形で、今のように内閣の意思の下で財務省が査定するということではないやり方を取っている国もあるんです。ですから、そういうちょっと第三者委員会的なところが会計検査院予算査定をするような、そんな方策も私は検討していただきたいと思います。  これはまあ提案として官房長官や中馬行革担当大臣に受け止めていただければ結構です。ございますか。
  101. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 会計検査、監査、行政監察等も私は非常に大事なことだと思うんですね。しかし、一般論でいいますけれども、どの部署がどうだということでなくて、やはりお役人がお役人を監査しても駄目じゃないかといった議論もまた別にあるわけでございますから、外部の方々をもちろんこうして受け入れてやっていただくことは大賛成でございますし、今後はそうした民間と官との人事交流も十分にやるべしということを今回の行革法案の中にもちゃんと提示をいたしております。  と同時に、やはりもう少し外部委託といったことまでも含めて、人員を増やすということだけではなくて、そうしたことも私は今後の課題だと、このように思っております。
  102. 松井孝治

    ○松井孝治君 是非そういう方向を取っていただきたいと思いますね。市場化テストというのを中馬大臣の下でやられているわけですが、どこに本当に市場化テストが必要だというのはいろいろ議論があるんですね。実施部門だけじゃないかもしれない。査定部門にも市場化テストがあってもいいんじゃないかという議論もあるわけですから、そこは、ある意味では民間の、何というんでしょうかね、検査官というか調査官の方々を任用するということも含めて、是非弾力的にやっていただきたいと思います。  こればっかりやっていると時間がなくなりますんで、もう検査院長結構ですよ。よろしくお願いします。  防衛施設庁の問題に移らせていただきたいと思います。  これ、三月二十日の月曜日の夕刊、読売新聞、防衛施設庁、これ今日配っていませんが、何せもう通告をした後の新聞記事でございますんで。「防衛施設庁 早期勧奨退職を中止」、読売新聞夕刊の一面トップですね。「出先課長ら約三十人」、「天下り批判に対応」。  これ、安倍官房長官は衆議院予算委員会で、たしかこれは我が党の前原代表が小泉総理に質問をさせていただいたときもその場にいらっしゃいましたからある程度御存じだと思うんですが、この防衛施設庁及び防衛庁からの防衛施設技術協会というところの天下りというのは、これはもう聞いていてびっくりするような天下りなんですね。防衛施設技術協会というのは大体百人ぐらいの団体なんですが、そこに六年間で百人以上の方々が防衛庁及び防衛施設庁から天下りをされているわけです。なぜかといったらローリングしているわけですね。そこで二年とか三年とか在籍して、その後その防衛施設庁が発注する公共事業を受注する企業に行かれている。しかも、その防衛施設技術協会というのは、防衛施設庁が発注する公共事業の監督を行うのが防衛施設技術協会なんですよ。監督権限を行う、公共事業の発注管理を行うところに、これは今の法制度上許されている天下りをして、それで二年とか三年いらっしゃって、そうすると法律上の禁止が切れる時期に、その正に発注している企業に対してたくさん天下りをしておられる。  で、現実に逮捕された事案でいうと、そこの実際の発注元である防衛庁の建設部長あるいは審議官あるいはそこの建設部長の下の筆頭課長の御経験者の方々が現実に逮捕されていて、そこは全部天下りに応じた発注が行われていたというふうに言われているわけです。  それで、愛知政務官においでいただいておりますが、政務官、この二十日の夕刊の読売新聞の一面トップ、この早期勧奨退職、この早期勧奨退職が全部の根源にあって、肩たたきといってある程度の年代になったら、まだ定年まであるのにもかかわらずそういう外郭団体に天下りをして、その方々が更に業者に天下りをするという構造ですね。  私、いろいろレクの、この一月余り断続的にいろんな若手の担当のこういう建設技官と言われている方々からもレクでいろいろお話伺いました。彼らももう真っ暗な顔をしているわけですよ。こういうことを続けたくないし、これで先輩の面倒を見るのも、今までそうやってやってきたんだけれども、だけれども、もう実際はこういうことを自分たちもやりたくないというのがありありと分かるわけです。だけれども、その立場になったらやらざるを得ない。だって、自分たちの大先輩やいろんな地方組織でお世話になっている方々の肩たたきがあって、それを何とか押し込んでいかないと人事が回っていかない。そういうふうな声が、はっきりおっしゃらなくても内々伝わってくるわけですよ。  で、政務官、この新聞記事、これは事実ですか。要するに、早期勧奨退職をもう今年度は中止する。そうすると、当然、人事に全部影響があるし、この記事によれば、内定をしていた方々の採用の取りやめということまで生じてくる。それはそうですよね、定員管理があるわけですから、辞めていかれる予定で、その補充で新規の採用を考えていた部分はストップせざるを得ない。そうすると、本当にその、学生さんなのか何だか分かりませんけれども、その新規採用の対象の方々の人生狂うわけですね。狂うようなことをずっと構造的にしていたわけですが、この記事が事実であるかどうか、それから今私が申し上げたような防衛施設庁から防衛施設技術協会、そしてそこから先の業者への天下りについてどういうふうに考えられるか、あわせて御答弁いただきたいと思います。
  103. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) お答えを申し上げます。  まず、二十日、三月二十日の新聞報道についてでございますが、そのような報道があったことは承知をしております。  これに関してですが、全部事実かというお話でございましたけれども、ただいま検討会、抜本的対策等検討会におきまして方向性を議論をしている途中でございます。  ただ、先日、その節目として、二月二十四日に公表したその基本的方向性ということで、建設系技官については早期に事務官等の退職年齢まで引上げをする、また事務官等全般について可能な限り定年まで勤務させるよう適切な措置を講じるという方向性は出しておりますが、まだ検討の段階でございますので、確定してすべてこのようにしていくということではなく、あくまでも検討ということで考えております。委員御指摘のとおり、様々な問題、新規採用等を含めて様々な問題ございますので、現在検討しているということで御理解いただきたいと思います。
  104. 松井孝治

    ○松井孝治君 そうすると、検討はしてるけれども今年度の早期勧奨退職は、もうこれ、今日何日ですか、三月二十二日ですよ、年度末だったら、もうあと一週間で年度末を迎えるわけですね、その方々の就職あっせんはもうしないのかするのか。それから、内定されてますよ、さすがに、この時期。その内定者への連絡はどうなってるんですか。今のところは内定者には内定取りやめとかいうような連絡はされてないということですか。それから、三月末で、年度末で退職される予定の方々に対して、いやいや、まだいていいよということをおっしゃってるんですか、おっしゃってないんですか。
  105. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) この点におきまして当庁では、例年十月一日、昨年になりますけれども、人事意向調査を実施、これは例年のことでありますけれども、それ以後、勧奨という形で退職を求めるという形は取っておりませんが、実際のところ、自己都合ということで当人が判断をされて退職予定の方はいると考えておりますが、その点についてもはっきりとした数字は今ちょっとお答えできないところでございます。
  106. 松井孝治

    ○松井孝治君 私、単純なこと聞いてるんですよ。要するに、防衛施設庁として、あるいは防衛庁としてなのかもしれませんが、そういう、あなたは、本来十月一日現在かどうか知りませんよ、ある時点でもうお辞めになるという普通予定、内示がなされていて、そういう方々がいらっしゃるんだと思うんですよ。その方々に、いやいや、内示をしてたけど、まだあとしばらくいていただいていいんですよという連絡をされているのかいないのか。それから、四月一日で採ろうとしておられた方々に、いや内定をしていたけれども取りやめになるかもしれないという連絡をされてないのかされているのか、どっちですかと聞いてるんです。
  107. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) その点については私も確認、委員の御指摘の通告がございましたので確認しているところではございますが、現実のところ、退職、勧奨、その問い合わせ、昨年の十一月からあるんですが、意向調査という形でやっておるんですが、打診という形で問い合わせをしているということはなかなかはっきりと申し上げるのは難しいかというふうに思います。
  108. 松井孝治

    ○松井孝治君 済みません、ここであんまり時間を取る予定ではなかったんですが、それは、打診ということはしているんですか。内定者とかあるいは退職予定者に打診はされてるんですか、されてないということですか。
  109. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) 勧奨退職ということで打診はしておりません。
  110. 松井孝治

    ○松井孝治君 しておりま……
  111. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) せん。
  112. 松井孝治

    ○松井孝治君 せん。  しておりませんということは、勧奨退職の取りやめという打診をしてないということですね。
  113. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) 退職を勧奨するということをしていないということでございます。
  114. 松井孝治

    ○松井孝治君 えっ、してるんでしょう、去年の十月時点で。これ個人の退職金にかかわる話なんですよ。これ自己都合か勧奨退職かによって、退職手当法には明らかに規定があって、勧奨退職だったら上積みがあるんですよ。勧奨しておきながら自己都合だったら、その方々の退職金減っちゃうんですよ。それを分かっておっしゃってますよね。だから、今回辞める方々は、じゃ、いいですよ、後で全部分かることですよ、防衛施設庁あるいは防衛庁も含めて、勧奨退職の人はいないということですか。
  115. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) 今年度に関して、後で記録として残しておるんですが、いないということで御理解いただければ結構だと思います。
  116. 松井孝治

    ○松井孝治君 これは本筋の話じゃないんですけど、肩たたきをされた方は本当に気の毒だと思いますよ。もし肩たたきの事実があって、それが勧奨退職じゃないということになったら退職金の金額も変わりますしね。それだったら、逆に言うと、私は自己都合だったら辞めませんという方が私はどうぞ出てこられたらいいと思いますね。それぐらいの話だと思います。  いずれにしても、やっぱりこの早期勧奨退職、だれも別に好き好んで辞めたいという人は、まあ中にはいらっしゃるかもしれませんけど、それから早期勧奨退職制度を利用した形で辞めるという方もいらっしゃるかもしれないけれども、基本的には、私が聞いている限り、一部の省庁を除いては早期勧奨退職を物すごく希望しておられる方々というのは少ないと思います。一部の省庁はそういう方がいらっしゃいますよ。むしろ、外郭団体に早く出て、何度も退職金もらえて、いい待遇を受けられて、給与も下がらないという方もいらっしゃるかもしれませんが、多くの場合、特に例えば防衛施設庁で現実に働いている方々はそんなふうに思っておられませんよ。ですから、いや、これは早期勧奨退職をしたわけじゃありませんと言って、事実上、自己都合の形で辞めさせられるという方は本当にお気の毒だと思いますから、これは後で、あとしばらくすれば検証できる話だし、そこは是非、こういう審議の記録というのはいろんな方が見ておられますから、是非明らかにしていただきたいと思います。  それで、三月三日に、政務官、OB企業、この数年間にOBが在籍している企業に発注をしているのがどれだけあるのかということを、これは防衛施設庁が明らかにされています。一人でも、この三年間ぐらいかな、OBを受け入れている企業にどれだけの発注をしましたかということを三月三日に防衛施設庁が公表しておられます。百五十五社のリストがあって、その百五十五社にどれだけの請負を出しておられるのかという件数と金額が明らかにされているわけです。これは御存じだと思います。  私、その百五十五社、官房長官も聞いておいていただきたいんですけど、百五十五社に、発注金額がそれぞれリストアップされているんですね。これをその各社ごとに何人の天下りの方がいらっしゃるんですかと。世間では、その天下りの受入れ人数を勘案して事業発注が行われていると、で、官製談合が生じているというふうに言われているわけです。それで、聞きました。防衛庁、防衛施設庁に聞きました。三月三日に、役所の判断で百五十五社、これだけの金額を発注していますとおっしゃっている。それは、何らかの形でこの何年間に天下りを受け入れている企業については発表しているわけです。ところが、それについて、じゃ百五十五社について何人天下りがいらっしゃるのかということを私伺いました。そしたら、それはお答えできませんとおっしゃるんですよ。何でお答えできないんですかと聞きましたら、紙で答えが来たんですが、これは捜査情報の公開に当たるから、その各社ごとの天下り人数は明らかにできませんとおっしゃる。  私は、別に捜査情報を公開してくれなんということを言ってないんですよ。ただ、防衛施設庁が、防衛庁及び防衛施設庁からの天下りをしている会社にどれだけの発注をしていますか、件数と金額を百五十五社全部について出されたものですから、じゃそこについて何人天下りをしておられるんですかということを聞きたい。これは別に防衛施設庁の、あるいは防衛庁の人事管理の範囲内で調査をしてお答えいただきたいと、もう大分前に、この週末とかじゃないです、もう更に一週間ぐらい前にお尋ねしているんです。国政調査権の一環としてお尋ねしているんです。それに対して、いや、これは検察関係の情報ですから、捜査資料ですから答えられないという話があった。  法務省、お見えいただいてますよね。法務省に御質問したいと思うんですが、法務省は防衛施設庁、防衛庁の特定企業に対する天下りについて、防衛庁あるいは防衛施設庁に対してそれを回答するなというふうに要請された事実はございますか。
  117. 三浦守

    政府参考人(三浦守君) 御指摘のような事実につきましては、それがあったものとは承知しておりません。
  118. 松井孝治

    ○松井孝治君 そうすると、こういう話はあんまりぎりぎり詰めても担当者かわいそうですから詰めませんけど、今法務省は明確に内閣委員会の席上で、そういうことを、情報を出すなと言ったことはないとおっしゃっているわけです。なぜ出ないんですか。
  119. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) まず、御指摘いただいた、防衛庁OBが在職する、公表いたしました百五十五社についてOBの在職者数、これはトータルでございますけれども、十四年度からの延べ人数で約二百三十名でございます。  この内訳についてでございますが、個人にかかわることでございますので、個人にかかわるということが一点。また、先ほど御指摘ありましたけれども、これは捜査当局と相談の上、防衛庁の判断として今現在のところ公表するのを差し控えたいというふうに考えておりまして、また、ということでございます。
  120. 松井孝治

    ○松井孝治君 まず第一点目。総数なんて聞いてません。今疑惑が掛かっているのは、各社の天下りの受入れ人数に比例して、それを勘案して事業発注しているんじゃないかという疑惑じゃないですか。それをトータルで二百何十人、それも多いと思うけど、思いますけれども、そういうことを聞いてるわけじゃないです。  二点目は、今法務省がこの委員会で明確にそういう、出すななんてことは言ってませんというふうに答弁があったじゃないですか。その答弁と明らかに食い違っているじゃないですか。  こんなだったら委員長質問できませんよ、続行は。取りあえずお答えは聞いてから。
  121. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) ただいまお答えしたとおりに、これは捜査当局と相談の上、防衛庁として判断をいたしまして、また、今後ですけれども、現在は捜査にかかわるということもございますけれども、いずれ調査委員会、これは多角的にこの事件について様々な調査をしておるんですが、調査委員会の報告書において結果は御報告したいというふうに考えております。
  122. 松井孝治

    ○松井孝治君 いや、法務省はそんなもの出すなと言っていないと明確に答弁されたじゃないですか。  法務省、私の聞き間違いでしょうか。もう一度、今の政務官の答弁と食い違っていますけれども
  123. 三浦守

    政府参考人(三浦守君) 先ほどお尋ねがございましたとおり、百五十五社についての在職者数の資料提供に関しまして、法務省の方から資料を提供しないようにというふうに申し上げた事実ということにつきましては、そういうものがあったとは承知しておりません。
  124. 松井孝治

    ○松井孝治君 委員長、ちょっと理事の皆さんにお願いしたいんですが、明らかに政務官は捜査当局と相談の上出したものだから勝手に出せないとおっしゃって、法務省はそういうものの提出を拒んだ事実は全くないとおっしゃっているんですから、これ、委嘱審査ですけれども、こんな状況だったら私は審議続けられません。
  125. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 愛知政務官が挙手をしておりますので、答弁後に判断をさしていただきます。
  126. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) 御指摘の今回のその在職者数についてなんですけれども、その前に公表しました、この百五十五社について公表したんですが、この公表した数字の根拠となります資料でございますけれども、これは同庁建設部に存在した近年の退職職員の就職先を記した資料に基づき特定したものであるのでありますけれども、この資料は少なくとも建設部の関与により退職職員が在籍した会社を特定する上で十分な資料であると判断しておるところでありますけれども、現実のところ、先ほどの二百三十名、約二百三十名に関しましては、一件一件精査をして調査をしたわけではございません。ある資料に基づいてということでございます。その正確な数字に関しましては捜査当局との、その捜査の関連でありますので、我々としては改めて調査をしているという事実はございません。その点で正確な数字ということはまだ現段階では我々として公表するのを差し控えさせていただきたいということでございます。
  127. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  128. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 速記を起こしてください。
  129. 松井孝治

    ○松井孝治君 今の政務官の答弁でも私、納得できないんですね。  そもそも、今のお話だと二百三十人とか、あるいは百五十五社、公表されている百五十五社の数字についても非常に未確定なものだと、建設部にあった数字だから未確定なものだというふうにも聞こえましたし、それから全然納得できないのは、百五十五社、安倍官房長官ね、百五十五社リストがあるわけですよ、これは。若干どこまでの、一〇〇%の精度かどうか分からないけれども、少なくとも防衛施設庁の建設部が持っていたデータで確認したものは百五十五社、天下りが一人以上いますというのは発表されているわけですよ。その総数は二百三十人だということが分かっているわけですよ。それをお答えになられたわけです、今日。  にもかかわらず、じゃ、この企業別に最低一人はいるわけですね、それは三人なのか五人なのか分かりませんけれども、企業によっては複数いらっしゃるということでしょう。その人数だけ私は出してくださいと。データはあるわけじゃないですか。データなければ百五十五社は出ないし、二百三十人も出ないじゃないですか。データがあるから各社別に、名前なんか公表してくれなんて言ってないですよ。だから、その個人のプライバシーもあるでしょう。だから、それを各社ごとに言ってください。積み上げた数字があるんでしょう。今回も積み上げた数字があるから二百三十人てお答えになられたんでしょう。それはどうして出せないのかが納得できない。  そして、先ほどの答弁の食い違いについて明確な御説明をいただいてません。法務省はそんなことを出すなと言った事実はないと明確に否定をしておられる。これはもう場合によっては別の委員会で法務大臣とそれから防衛庁長官でどっちが正しいのかというのを決着付けていただかなければいけないような話であります。その点はひょっとしたら今日は責任持ってお答えできないのかもしれませんが、少なくとも二百三十人という数字があって、百五十五社という数字を御自身で出されておられて、それについて何で個別に、各社ごとにここは一人、ここは二人、ここは三人というふうに出せないのか全く理解ができない。御答弁をお願いします。
  130. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) 先ほど二百三十名というお話をさせていただきましたが、約二百三十名というふうにお答え申し上げました。  といいますのも、百五十五社の中から一度再就職をして、その後にその中でまた再就職をされている方もいる。つまり、延べ人数でございますので、現実の人数というわけではなくて、在職したことがあるという数でございます。また、現在のところ今手元にある資料、我々が持っている、保有しておる資料の段階であるのと、今現在の段階がまた違ってきているかもしれないということでございます。その点についてしっかりと個別具体的な調査ということを控えさせていただいておるということでございます。
  131. 松井孝治

    ○松井孝治君 いや、私はレクのときにも申し上げたんですが、ひょっとしたら数字について、それは退職後の管理というのは一〇〇%の精度でしていないかもしれない。それは、本人が何も届け出ずにどこかの会社に就職するということは、それは可能性としてはなくはない。だから別に約でもいいですよと。それから、ひょっとしたら二百三十名といったって、重複カウントの方がいらっしゃるかもしれない、非常勤の方もいるかもしれないから。だからそれは、数字の個別の積み上げと総数の二百三十名が合わなくてもいいですよ。そういうことも全部レクのときに言っているんですよ。にもかかわらず、出せない。これは私、納得できないですよ。  委員長、もう一度答弁をお願いします。
  132. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) この点について調査委員会においてしっかりと調査をして、また捜査状況も踏まえて捜査をした上で報告させていただきたいというふうに考えております。
  133. 松井孝治

    ○松井孝治君 その調査委員会をつくろうとつくるまいといいんですよ、それは。国会に対して説明責任を果たしてほしいということなんです。調査委員会があるとかないとかいうのは、それは内部の事情の問題であって、でもその調査委員会にかけたか、かけないか知らないけど、百五十五社あるいは今おっしゃった約二百三十人というような数字を出されているわけじゃないですか、国会で。あるいはマスコミに公表されているわけじゃないですか、百五十五社というのは。その数字について具体的に言えないというのは全く無責任なんじゃないですか。逆に、更に検討して出したいとおっしゃるのなら、いつまでに出されるんですか。
  134. 愛知治郎

    ○長官政務官(愛知治郎君) 調査委員会のこの報告書に関してでありますけれども、これは捜査状況がございますので、最終報告はその状況を踏まえた上で公表したいというふうに考えております。
  135. 松井孝治

    ○松井孝治君 私は個別の捜査の問題について立ち入ろうなんて気持ちは全くありませんよ。そうじゃなくて、これ、あれですか、捜査状況を踏まえながら百五十五社というのは三月三日に出されたんですか。法務省、これはこの三月三日に発表されるときには事前に法務省のお伺いがあって、捜査状況を勘案して、両省が合意をしてこの百五十五社って出されたんですか。私の理解では、防衛庁、防衛施設庁が御自身の行政庁としての判断で出されたんだと思いますが、法務省、御相談を受けて、それで了解されて出されたんですか。
  136. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) だれか早く手を挙げてください。
  137. 松井孝治

    ○松井孝治君 委員長委員長、時間がないんです。
  138. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 松井君。
  139. 松井孝治

    ○松井孝治君 官房長官、ずっとやり取り聞いておられたと思うんです。別にこれ、官房長官にいきなり聞くべき話かどうかは分かりませんけれども、今の状況を見て、明らかに、捜査当局と相談しながらとか、捜査状況を踏まえて、出す出さない。そうじゃなくて、防衛庁、防衛施設庁の天下りをどういうふうに把握して、どれを、どういうふうにそれを公開するのか、あるいは国会に対して答えるのか。  私は、個人のプライバシーなんかを侵害するつもりは全くありません。個人名を発表してくれと言っていない。百五十五社に二百三十人およその方々が天下りをされている。その百五十五社のリストまで全部、企業名まで出されています。そして契約金額まで出されています。それについて、二百三十人とおっしゃるのなら、内訳を出していただきたいということを申し上げているわけですが、先ほど来、聞いておられるような答弁の繰り返しであります。時間も限られています。  官房長官、やっぱりこれ内閣として、法務省とそして防衛庁の見解の相違にもかかわる問題であります。どのようにとらえられて、きちんとその調査を命ぜられるのか命ぜられないのか、御見解をお尋ねしたいと思います。
  140. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) ただいま、まず主に二点あるとして、まずこの百五十五社に対してこの約二百三十名の方々がそれぞれ何人天下っているかというその資料について、この出せるか出せないかという問題点と、それと防衛庁と法務省の、これは出すことについて捜査上問題があるので出せないというのと、それはそういう指示はしていないという、この食い違いでございますが、この後段の食い違いは、これ、もしかしたら若干の行き違いというか、もしかしたら同じ事実だけれども、ちょっとこの個別のものは出せないけれども、法務省からこの資料、例えばこういうことは出してもらっては困るということですね。それを防衛庁がどういう受け止め方をしたかという違いもあるかもしれませんので、これはこの後、法務省と防衛庁で実際はどういうことであったかということについては後ほどこの委員会の方に統一の考え方として出させていただきたいと、このように思います。  その上で、その上で、先ほどの人数の問題につきましては、実はまあ今の段階で正確な人数が防衛庁の方では分からないと、こう言っておりますが、これについて公表できるかどうか、私も今すぐにここで申し上げられないんですが、正確な人数を言わないと、今具体的に個別の社の名前を挙げていくと実態と違うという結果になってまたそれは問題という理解かもしれませんので、これはあくまで私の場合推測にすぎませんので、この辺はちょっと整理させていただきたいというふうに思います。
  141. 松井孝治

    ○松井孝治君 前者の点、御答弁のあった、要するに防衛庁あるいは防衛施設庁と法務省の見解の食い違いについて、これは早急に官房長官の責任できちんと出させるように御指導いただけますね。まず、その点。──いや、官房長官にお尋ねしているんですから。
  142. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 今の相違点については、整理をいたしまして御報告をさせていただきたいと思います。
  143. 松井孝治

    ○松井孝治君 分かりました。その点はもう官房長官の、内閣のかなめの官房長官の御判断ですから、それに従います。  それと、具体的な数字ですね。これはやっぱり今回の国会がどういう国会かというのは、アジェンダ設定は小泉内閣でされて、官房長官が補佐役を務める小泉内閣で行革国会とおっしゃっているんでしょう。後半国会の焦点は行革だとおっしゃっているわけですよ。その行革で一番問われているのは、私は、今この天下りと官製談合が問われている。そこについて検察が入って今事案は解明中です。そこの捜査、僕は粛々とやっていただくべきだし、それは立法府といえども、行政府といえども変な形で介入すべきではないと思うけれども、現実に防衛庁が百五十五社に天下りがあって、それに個別の企業名まで挙げて、幾ら発注をしたということまで明らかにされているんですよ。  そのときにその数字が、いやいやひょっとしたら間違っているかもしれない、個別の企業に言うと、ひょっとしたら、いや、うち一名なんということが発表されてしまうと、その会社の人から、いや、うちは三名だよというふうにクレームが来て、この調査は何だったんだということが明らかになってしまうかもしれないから出せない、そんなふうに今の官房長官の御答弁は聞こえてしまうわけですよ。  じゃ、それも含めて、それはそうですよ、役所が全部個々人の就職先を、ある一定期限が過ぎたものについては把握できる仕組みになっていないんだから。役所は自分たちの情報でこの百五十五社、約二百三十人という情報を集めました、個々に言うと私たちの二百三十名の積算基準はこういう数字ですと。しかし、ひょっとしたらそれは数字は間違っているかもしれない、それはあらかじめ御了解いただきたいというふうにおっしゃっていただければいいと思っているんですよ。  それによって、しっかりここの企業に何人の方が行かれているのかということが明らかになって、個人名を明らかにするなんてことを求めていないわけですよ。それがきちんと社会から評価されて、いや、もっといたよ、いや、そんな人はもういなかったよということが、明らかにしていくしかないじゃないですか。それは行政庁の責任としてしっかりやるべきだと思いますが、官房長官、官房長官、私が今申し上げたことについての見解をお述べください。
  144. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 今の委員の御指摘を踏まえて、防衛庁にもう一度しっかりと、この百五十五社について、現在どうだということについて再び確認をさせたいと、このように思います。
  145. 松井孝治

    ○松井孝治君 今の官房長官の御答弁において、私は責任持って内閣においてこの問題を処理していただくことをお願いをしておきたいと思います。  それで、政務官、結構です、時間がないので、ほかの大臣にもおいでいただいたり政務官にもおいでいただいていますので。  それで、もうほとんど時間がなくなってしまったんで、ほかにも聞きたいことが幾つかあったんですが。  やっぱり読売新聞、これは三月十九日の日曜日に、これも一面トップですね。最近やっぱり行革国会ということでしょうか、マスコミの報道が非常にこの問題についてやっぱり大きな関心を持って報道しておられることが分かります。読売新聞、三月十九日、日曜日の一面トップは、「全業務入札せず契約」「国交省天下り八法人」「専門性なし百十六億」という、こういう一面の記事が躍っております。そして、その関連記事が出ていて、これも大きな記事です。「おいしい特命」ということで、国交省が天下り八法人に対して、さっき財務省からも御答弁いただきましたが、基本的には、やっぱり発注する相手が公益法人であろうとなかろうと公共発注でありますから、会計法や予決令の基準にのっとって発注していただかなければいけないわけでありますが、例えばコピー、新聞記事のスクラップ、あるいは清掃、賄い、こういった業務について、これたくさんの方々が天下りをされている法人、公益法人に国土交通省が事業発注を随意契約でしていたと。これ、ほとんど言い逃れができないと思うんですが、基本的な事実関係は大体このとおりであると私は事務的には確認していますけれども、政務官、お待たせをいたしました、この問題についてどう今考えておられるのか、御答弁いただきたいと思います。
  146. 後藤茂之

    大臣政務官(後藤茂之君) 今委員から御指摘のありました八法人でございますが、弘済会等の公益法人、これは中立性、公平性を確保しつつ土木技術や関連法令等専門的な知識を要すると、そういう分野の仕事につきまして工事の監督や施設管理の補助等を行っている公益法人でございます。  地方整備局におきましては、今業務のスリム化、効率化を進めている中で、限られた職員によりまして業務を進めていくために、補助的業務については外部委託を活用するということにしておりまして、この外部委託を行うに当たりましては、その専門知識や豊富な経験が必要だとか、あるいは中立性、公平性が求められるとか、あるいは個人情報、入札関係情報等の秘密の保持を図られる必要があると、そういうことから建設弘済会等に随意契約で業務委託してきているところでございます。先ほど御指摘のありました特命随契ということでございます。  その中で、ここで報道されましたように、新聞の整理、清掃、寮の管理等につきましても随意契約により建設弘済会に発注していたことは事実でございます。既に、しかしその中で、一部民間事業者への発注に移行しているものもございますし、さらに民間事業者ができる業務については民間事業者に委託すると、そういう観点から建設弘済会の委託について今点検、見直しを行うようにということで今各地方整備局に指示をして作業中でございます。  ちょっと長くなりますが、特に調査検討業務、それから行政事務補助業務、厚生福祉業務、今御指摘のあった業務等は行政事務あるいは厚生福祉の業務に当たるわけでございますが、こうしたものにつきましては、公平性、秘密の保持性の必要性が特に高いと認められるものを除きまして、原則として民間事業者に委託する方向で現在検討を進めているというところでございます。
  147. 松井孝治

    ○松井孝治君 後藤政務官は財政当局にも御在籍だったわけで、よく会計法の規定とかお分かりだと思うんです。簡単なことを政府参考人ではなく政務官に御答弁いただくわけですから、簡単なことをお尋ねしたいと思うんです。  やっぱりこの八法人、これ見てみますと、これ各整備局ごとに建設協会と言ったり建設弘済会と言ったりする団体が設立されていて、それで役員のうちのOB数というのが大体、東北で十三人のうちOB数が十二人、関東で十三人のうち十二人、北陸で十六人のうち十四人、中部で十六人のうち十四人、近畿で十三人のうち十二人、中国で十人中九人、四国で十二人中十一人、九州で十三人中十二人、役員のほとんどがOBなんです。  そこに、今非常に何か機密性が高い業務というふうにおっしゃいましたが、ひょっとしたらそういうこともあるのかもしれませんよ。あるのかもしれませんが、少なくともこの読売新聞が報道するような業務も発注されていた、随意契約で。  これは会計法上、過去のことですよ、過去のことですけれども会計法上の問題、あるいはそういう天下りの、非常に高率の天下り。しかも、役員だけじゃないんですよ。職員でもそれぞれ、北から七十三名、関東が百二十九名、北陸が五十名、中部で八十六名、近畿で九十九名、中国で六十六名、四国で三十四名、九州で三十九名。これだけの数の職員の方々の天下りもある。要するに、理事などの役員はほとんど天下り、職員も何十人単位、ところによっては百何十人も天下りが行っているような団体に、それは確かに公共事業の発注で、それは高度の専門性が必要な部分で天下りされている方もいらっしゃるでしょう、だけれども、このほとんどの、このしかも事業予算の九割以上は各団体とも国からの委託でこの団体は賄われているわけですよ。  こういうことが、政務官、正しいことだと思われますか、適切なことだと思われますか。簡単なことですよ。やっぱりちょっとおかしいんじゃないか、見直していくべきだという御答弁なのか、いやいやそれは基本は適正なんですということなのか、率直な御感想をいただきたいと思います。
  148. 後藤茂之

    大臣政務官(後藤茂之君) 今申し上げたとおりで、事業の内容等によりまして見直すべき点は見直すべきだということで、随契対象と、そうしたものについては見直しをしていくということでございます。  それぞれの機関につきましては今御指摘のあったとおりでありますけれども、国の仕事の一部につきまして、公益法人であるそういう機関に秘密の厳守だとかあるいは専門性だとか、そうした点で仕事をしてもらう必要がある点については必要があろうかと思いますけれども、民にできることは民にという考え方で見直しすべきことについては見直しをすべきだというふうに考えております。
  149. 松井孝治

    ○松井孝治君 是非見直していただきたいと思うんです。  表情をうかがっていますと、やっぱり問題だけど問題とはなかなか言えない、そういう雰囲気が漂ってまいりますけれども、これは政務官、政務官は両方のお立場よく分かっておられるわけです。政務官が主計局の法規課にいらっしゃったかどうかは知らないけれども会計法上明らかに今の規定と私は乖離があると思いますよ。ここはしっかり正していただきたいと思います。  それで、上川政務官にもお見えいただいておりますが、このOBの天下りについては閣議決定があって、官房長官、三分の一までなんですよ。私、この資料を役所からいただいて、役員全体十三名、うちOB数十二名、こう書いてある、さっき申し上げた数字です、繰り返しませんけど。そういう数字いただいているんです。  公益法人の監督基準というのが閣議決定されていまして、そこでは三分の一以下ということになっているんですよ、OBは。ところが、何でこういうものが認められるのか総務省に聞きましたら、これは全部その監督基準違反に当たらないということなんですね。要するに、OBの基準が、結局のところざるのような基準になっているんです。要するに、課長以上、課長補佐とかであればこのOBに当たらない。ところが、現実には課長補佐以下の方々が仕切っているような仕事が多いわけですね。現実にOBで、職員なんかで何十名、百名とかいうような天下りをされている方々は、その課長に満たない方の方がむしろウエートは高いかもしれない、本省で言うところのですね。  しかし、そういうものは、この公益法人の指導監督基準の本来の三分の一以下にするというのが閣議決定がされている。ところが、その閣議決定の後で、天下りの定義、要するに官僚出身者であるかどうかの定義を、実はもうちょっと下のレベルで、事務方のレベルで、それはこういう基準を満たしているものが官僚だというところをすごく厳しくしている。厳しくしているというのは、実際には甘くしているということですね。一定の条件を整えた人たちだけが官僚だという解釈を取っているんです。だから、事実上、こうやって堂々と十二人中十一人が役員で天下りですと、官僚OBですという資料が出てきていても、片方で閣議決定で三分の一以下でなければいけないという閣議決定をしていても、現実には全部オーケーになってしまっているんです。  これは政務官、政務官の時代にそういう連絡会議の申合せが行われたわけじゃないと思いますよ。でも、どう考えても、閣議決定をした意思とこの天下りの現実の各省の連絡会議の申合せ事項というのは明らかに反していると思われませんか。今後これを見直すおつもりはありませんか。たしか、予算委員会で竹中大臣は、今後見直すべきだというような趣旨の御答弁をされたようにも私は解釈されましたけれども、政務官の御答弁いただきたいと思います。
  150. 上川陽子

    大臣政務官(上川陽子君) ただいま御質問いただきました公益法人の指導監督基準及び運用指針ということでございますが、監督基準の方は、先ほど御指摘いただきましたとおり、理事現在数の三分の一以下にするという三分の一ルールということでございますし、また運用指針につきましては、申合せによりまして所管する官庁の出身者の定義という形で基準が設けられております。  御承知のとおり、御指摘いただきましたとおり、本省課長相当職以上の経験者また退職後十年未満の間に当該法人の理事に就任した者等の要件を満たす者ということでございまして、今回のこの監督基準の趣旨ということでございますけれども……
  151. 松井孝治

    ○松井孝治君 もうそれは結構です。方針について見直していくべきかどうかだけ。
  152. 上川陽子

    大臣政務官(上川陽子君) 方針に、はい。  それで、一応基準を設けないと、適切にその要件、運営できないわけでございますので、今の基準につきましては一定の合理性はあるというふうに考えております。  しかし、実態的に考えて、この趣旨にのっとって所管官庁と一体となって活動をし、実質的な行政機関として機能しているような実態というものがあるとするならば、それは問題でございますので、そうした実態が生じないようにするというのが監督官庁であります各省庁の役割であるというふうに思っております。したがって、指導監督基準の趣旨にのっとって、今後とも各所管官庁において適切に指導監督していただくべきものと基本的には考えております。  その上で、今、再職規制とか天下りの問題について、早期退職慣行というのがございまして、竹中大臣の方からも御答弁させていただいているとおりでございますので、政府としても総合的に検討するということでございますので、総務省といたしましてはその方向に沿いまして協力していきたいというふうに思っております。
  153. 松井孝治

    ○松井孝治君 総務省、協力とかいうことではなくて、また各省庁が尊重するということじゃないんです。  私が申し上げたいのは、閣議決定はあるんです、それは三分の一以下というのが、以下だったか未満だったか忘れましたけれども。それを、その下の運用指針というのが事務方で決めていて、これは閣議ではなくて事務方が、三分の一以下といったときの天下りの定義を下のレベルで決めていて、それが非常に緩い基準なものですから、現実には堂々と役員十二人中十一名官僚OBと、こう書かれた資料が出てきているようなものが、閣議決定で三分の一以下にしなきゃいかぬという規定があるにもかかわらず、全部オーケーになっているんですよ。  それで、各省庁がその閣議決定を踏まえてといったって、その指針を連絡会議で、各省庁連絡会議で作っているんだから、各省庁からいうと、その指針でオーケーになっているんですから、その指針を見直さなければだれもそんなもの、うちは閣議決定の趣旨をよく勘案して、指針上オーケーなんですけれども天下りは控えますなんて、そんな役所いないですよ。  官房長官あるいは中馬大臣、さっきからちょっと御答弁をお願いしてないんで。やっぱりこれは、総務省というのは取りまとめなんですね、この件の。だから、余り大きな権限が実は公益法人についてないんですよ。ここは、やっぱり内閣全体で少し政治的な意思を働かせないと変わりませんよ。どう思われますか。
  154. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 松井委員は行革の推進会議事務局でもいらっしゃいまして、私よりも実務的には詳しいかと思いますが、今回、そうしたいろいろな問題も含めて、今の官僚制度の在り方、そして行政を大きく変えなきゃいけないというのが今回の行政改革推進法なんです。  閣議決定を、かなり外部の方々の御意見もちょうだいしてあのような形の合意を得たわけでございまして、このことを踏まえれば、今後の課題としては、こういったものが、その法律を通し、またそれを遵守していただくことによって大幅に改善されていくかと思います。  今までの制度が、それができない形になっておりました。一律で上がっていって、だれかが局長、次官になられたらあとは辞めなければいけないとか、こうした早期退職勧告のような制度がありました。こういったことまでも含めて、これを大幅に発想を変えた形で今回は行政を変えていこうといたしております。  ですから、官民がどうぞ自由に人事交流をしてもらったらいいじゃないか、あるいは天下り自身は私は決して悪いことだと思っておりません。むしろ、こうして公務員試験を通って優秀な方々が、それぞれの次の第二の職場で大いに活躍してもらうことは、それは私は大いに結構だと思います。人材を日本の国として活用する上においても私は必要なことだと思っておりますが、しかし、ほとんどの方々は、私は、非常に倫理観を持って公僕として働いていただいている公務員だと私は認識いたしております。  しかし、ごく一部の方々が、そういう形の中で、親元から出向した、天下ったといいましょうか、親元からいろいろの仕事を発注してもらったり、あるいはまたそこで入札情報を漏らすこと、これはもう犯罪ですよ。漏らすからこそ、そして談合ができるわけですから、こういったことをもっともっと私は厳しく法務省もやるべきだと思っていますし、そういうことをちゃんとやるならば、これはやはり世間的にも非常に批判を浴びることでございましょうし、御近所からもちょっと恥をかくわけですから、こういったことが行われても、分限免職という制度がありながら、これがほとんど実行されていなかったといったようなこともあります。これをもう少し厳密にやっていただくことによって、もちろん、先ほど言いましたような、人材がどんどんと民間にも行って、また新しい職場で新しい活動もしてもらう。  しかし、一方で、官の情報をあえて民に下ろすとか、そうしたことは、犯罪的なことはもう少し厳しく取り締まっていただくと同時に、そうした公務員の倫理観を忘れてそのようなことに走る方は、私は、はっきり言って分限免職で辞めさしてもらいたい、このような形に今度していこうとしているわけですから、今までのことのこの制度に対しましてのいろんな御批判は私は十分に甘受すべきだと思っていますし、そしてそれを改めるのが今回の行政改革法だと、このように認識いたしております。
  155. 松井孝治

    ○松井孝治君 総論としての答弁は結構なんですけども、私が伺いましたのは、この公益法人の指導監督基準に基づく方針というものを、きちんと天下り是正という意味で、有形無実にしているこの方針というものを、事務方が作った方針というのを、閣議決定の意向を踏まえたものに見直しをせよという指示を与えられるかどうかと、その一点について御質問したわけでありますが、この一点についてお答えできないから、答えられないから今のような総論の御答弁をされたんだとしたら甚だ遺憾なんですが、その一点についていかがですか。
  156. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) これは、それぞれの省庁がそれぞれ、今言いました三分の一とか、それにかかわらず、あるいはまた三年で五年と、五年間で三年でしたか、これを延ばしていくといったことも考え、それとは別な形で各省庁がかなり対応し始めていることだけは申し上げておきます。
  157. 松井孝治

    ○松井孝治君 官房長官、私が申し上げているのは、閣議決定の下で、各省の事務方が集まってその閣議決定の解釈をして有形無実にしているという、この方針を見直せという検討指示を与えられるかどうかということなんです。簡単なことなんですよ。今直ちに明日から変えろということを言っているわけじゃない。だけど、少なくともその閣議決定をないがしろにしている実態があるんじゃないかと。これをしっかり精査して、再検討しろという指示ぐらいは与えられませんか、官房長官。
  158. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になられましたように、三分の一以下にすると、公益法人については、という閣議決定のこの精神をないがしろにして、ないがしろにして、例えば課長以下、あれは課長未満でしたっけね、であったとしても、事実上それはそういう権限において、これは事実上そういう役割を担っていると。  いわゆるこの閣議決定の方針にこれは反する形になっているということであれば問題であると、このように思うわけでありますので、事実をよく私も一応精査してみたいと、このように思っております。
  159. 松井孝治

    ○松井孝治君 官房長官のような御答弁を私は中馬大臣にも政務官にも期待しておったんですが、是非、官房長官の御答弁ですから、そうやって精査をしていただいて、この方針の見直しまで含めて御検討をいただきたいと思います。  ちょっと予定していた時間を大幅に、ペースを、超過をしておりまして、松田大臣に、本来は食品安全担当大臣というのは何なのかと。これは食品安委員長じゃないんですから、食品安全担当大臣というのは内閣府の設置法上の権限があって、そして内閣の名の下に総合調整を行うのが食品安全担当大臣の職責なんですね。それは恐らく、松田大臣のことですから内閣府設置法や関係の条文もよく見ておられると思いますけれども、その点についてお伺いをしたかったわけです。  したがって、そのリスク管理機関とリスク評価機関。リスク評価機関はリスク管理機関に口出せない。それは、食品安委員長はそうですよ。しかしながら、食品安全担当の大臣内閣府設置法に明確な権限規定があって、事務所掌があって、最終的には勧告権まであって、勧告権で調わない場合は総理の指揮命令権まで規定してある、そういう職務であるということを御理解いただきたい、そのことを確認する答弁を期待しておったんですが、時間がなくなりました。お許しをいただきたいと思います。  それで官房長官、お話し中恐縮ですが、今日は皇室典範について一言お伺いをしたいと思っております。残り三分しかありませんが。  三月十日が内閣予算費関連の法案の国会提出の締切りということで、内閣官房長官の指揮の下で、各省はそれまでに法案を出しなさい、出すか出さないかどうかを決めなさいということを指示しておられます。三月十日を大幅に過ぎました。総理の施政方針演説においてはこの皇室典範の改正案を国会に提出するというふうに明言をされていて、そして官房長官の所信表明では御慶事にかんがみ国民各層の意見を聞いてというふうになっておりました。御慶事は誠におめでたいことですし、静かな環境の下でお子様の誕生を待ちたいというのは私も全く思いは同じでありますが、しかし、内閣として、この国会、もう折り返し点を間近に迎えて、皇室典範の改正案をこの国会で出されるおつもりがあるのかどうか、その点だけ端的にお答えいただきたいと思います。
  160. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 皇位の継承は国家の基本にかかわる事項でございまして、安定的な皇位の継承を維持することは我が国にとって極めて重要であると、このように認識をしております。  皇室典範の改正につきましては、このような認識に立って、また今委員が御指摘になられましたこのたびの慶事も踏まえ、慎重にかつ冷静に、国民各層に賛同が得られるよう取り組んでまいりたいと、このように考えております。今の段階で、この国会に出す出さないということを判断をしているわけではございません。
  161. 松井孝治

    ○松井孝治君 国民の各層の理解を得られるように取り組んでまいりたい、具体的に何をなさっているんですか。
  162. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 現在のところ、有識者会議の結論について、まず提出に際して、通常どの法案でもやることでありますが、与党において、また自民党において今議論を進めているところでありますが、それがまだ今のところ集約されるということにもなっていないというか、まだそれについて議論を始めたばかりでございまして、また国民各層というのは、これはなかなか難しいわけでありますが、各種の世論調査等々もあると、このように思っておりますが、そういうものをしっかりと慎重に見極めていきたいと、こう思っております。
  163. 松井孝治

    ○松井孝治君 この点についてはしっかりと、国民各層の議論というのを一つの集約する場が国会だと思います。しっかりと今後御説明をいただいて、どういう判断をしておられるのか、この有識者会議について随分、私も詳細に読ませていただきましたが、踏み込んだ記述が見られます。その点について官房長官の見解を本当は逐一何か所かお尋ねしたかったわけでありますが、ちょうど時間になってしまいましたので、これはまた別の機会において、この国会において議論を継続していかなければいけないんではないかということだけ申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
  164. 白浜一良

    白浜一良君 官房長官、松田大臣、本当に長時間御苦労さまでございます。  今日は若干時間いただいておりますので、何点か議論をしたいと思うわけでございます。  まず議論申し上げたいのは、我が国の宇宙政策について何点か議論を申し上げたいと思います。  私は昭和二十二年生まれでございまして、いわゆる団塊の世代でございます。小さなころ印象に残っていることがございまして、日本がペンシルロケットを打ち上げしたと。小さな、もうおもちゃみたいなものです。もう鮮烈に覚えています。と同時に、当時のソ連がスプートニクスを打ち上げた、人工衛星ですね。それからガガーリン少佐が有人飛行をやったと。鮮烈に覚えていますし、また後年、アメリカが月に着陸したということも大変衝撃的でございました。  我が国も、大変予算の少ない中、この宇宙開発を進めておりまして、特に現在はHⅡAロケットが一番最先端でございますが、従来は打ち上げが成功するかどうかというところだけが問題だったんですが、幸いなことに、今年、一月に八号機ですか、二月に九号機と連続して打ち上げた。これ簡単なようで難しいんですね。二基同時に製造する、整備すると。でないと、こんなに続けては打ち上げられないわけでございますが。お隣の中国はもう有人飛行しているという時代にこれでいいのかという所感はありますけれども、大変な中でそこまで担当者が頑張って宇宙開発を進めていると。八号、九号連続打ち上げが成功したと、こういう現実に対しまして、担当の大臣としてどのようにお考えでございましょうか。
  165. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) 今回、白浜委員御指摘のように、連続した打ち上げ成功、大変喜んでおります。    〔委員長退席、理事芝博一君着席〕  HⅡAロケットにつきましては、平成十六年九月に総合科学技会議で決定いたしました我が国における宇宙開発利用の基本戦略において、信頼性の確保を最重視し、確実な打ち上げを行う方針としておりましたので、今回の連続した打ち上げ成功は、その取組が着実に行われてきたものというふうに評価しております。  一か月間に三回の打ち上げ成功についても、正に先生おっしゃったとおりでありますが、我が国の宇宙開発技術が着実に実績を積み、進展しているものと評価していいと判断しております。  これからも引き続き確実な打ち上げが行われるよう、関係各位におかれては最善を尽くしていただくことを担当大臣としては強く期待をいたし、またそのために政府としてもいろいろな意味で応援をさせていただきたいと考えております。
  166. 白浜一良

    白浜一良君 ここまではいい話なんですが、これからなんです、問題は。  平成十六年九月に総合科学技会議、これは総理の下で行われたわけでございますが、そこで今後十年を見通した我が国における宇宙開発利用の基本戦略、これを取りまとめられたと、こうなっているわけでございます。その中でいろんな指摘がされているんですが、宇宙産業が将来我が国の基幹産業に発展することを目指すと明確にここでおっしゃっている。それから、宇宙開発における産業化は打ち上げの実証機会の増大を通じて市場の拡大を図ることが必要だと、こういう指摘もされている。ここが大変大事なことなんですね。  やっとHⅡAロケットが打ち上げ失敗しないところまで来たと。しかし、ここの基本戦略で言われているような、宇宙産業を基幹産業にする、そのためには実証機会の増大を通じて市場の拡大を図る、これが大事だと。こういう観点からいえば、今後の見通し、いかがなものかと、このように私は御指摘を申し上げたいんです。  予算がないので難しいのは難しいかも分かりませんが、平成十七年の予算でいきますと、HⅡAは三基ですよね、打ち上げが。それから十八年度がHⅡA、ああそうか、四基。十八年度、来月からでございますが、平成十八年度でHⅡAロケットは三基打ち上げ予定と、十九年度は二基だと。こういう今のところ計画しかないわけでございますが、これ、こういう計画で基本戦略で書かれているようなことが推進できるんですか。これちょっと担当の大臣としてお聞きしたいんですが。
  167. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) 正に産業として育てていくと、委員おっしゃっているように、これからの大きな課題だと存じます。  御案内のように、今おっしゃった十六年九月の我が国の宇宙開発利用の基本戦略におきまして、宇宙開発において産業化を推進するには、実証機会の増大を通じて市場の拡大を図ることが必要と、正に申しておるわけでございます。ロケット打ち上げに関しては、政府の人工衛星の打ち上げに国産ロケットを優先的に使用することを基本とするということを関係大臣に正にそういう意味で意見具申しておるところでございます。これを踏まえまして、政府部内におきまして、打ち上げ射場の整備充実及び打ち上げ時期、税制措置などロケット打ち上げビジネスの円滑化のための諸課題について、今正に鋭意検討を行い、その方向で充実をしていきたいと考えておるところでございますが、HⅡAロケットに関しましては、また平成十八年度には三基打ち上げる予定でございまして、必要な衛星を着実に打ち上げていく方針でございます。  そういう意味で、今後、現在もまた主に産業化という観点もございますので、経済産業省の産業構造審議会航空機宇宙産業分科会宇宙産業委員会におきましても、こういった面から大いに議論を今いただいているところでございます。こういった議論を踏まえまして、私としても委員御指摘の点を踏まえ、更に意を尽くしていきたいと、こう思っております。    〔理事芝博一君退席、委員長着席〕
  168. 白浜一良

    白浜一良君 なかなかお答えにくいことあるでしょうけど、経産省とも相談していただいたらいいですけどね。実際に、産業化する面でいいましたら、一番この宇宙開発の産業で売上高が多かったのは、これはいつかな、二〇〇〇年ですか、三千六百九十九億円。二〇〇五年は二千二百五十三億円、減っているんですね。だから、産業が発展していくどころか売上げ面でいうと落ちてきている。それはなぜかといいますと、で、特に大臣もう御存じと思いますけども、二〇〇七年度からは、全く民間で生産するんですね。そうすると、民間でやろう思うたら、その民需がきちっとあればいいですよ。でも、ない以上はやっぱり国がきちっとしたベースを作らなければ民間化するの危のうて、もうかるかどうか分からないようなものにそんな開発できるわけないじゃないですか。  だから、よく言われているんですが、アンカーテナント方式を取り入れるべきやったと。これよく言われているんです。これだけは国が責任持ってやりますよと。だから、それを計算のベースにして、いわゆるロケットを造る方は造る方で、人工衛星は人工衛星の方でそれ開発してくださいよと、こういうことが成り立つと思うんですけれども、これはどうですか、お考えは。
  169. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) その点も含めてさっきあるいは答弁もちょっと一部入っていたのかもしれませんけれども、いわゆる今おっしゃったアンカーテナント方式、簡単に言えば国による長期調達保証とでも言いますか、実質的な意味で。おっしゃるように、この官需によって需要を支えていく、取りあえず民需のみに頼っていくだけでは当面支え切れないといった面ありますので、国による正にアンカーテナント方式というものを大いに検討しろということを正に今、先ほど申しました宇宙開発事業の基本戦略の中でも述べておりまして、その点について、その一環として先ほど申しましたけれども、いろいろ環境整備を国としてもお手伝いすると同時に、正に本当にアンカーテナントということに国がなれないのかということでございますが、そういった意味では今日分かりましたと、気持ちの上では委員御指摘のように、国が相当こういった面についても具体的に計画をしていく、しかし、そのためにはまた、それ自身多額のといいますか、必要な資源も要ることでございます。そういったことを兼ね合わせながら、しかし、考え方としてはやはりアンカーテナント方式といったものについて検討を一層深めていく必要があるというふうに考えております。
  170. 白浜一良

    白浜一良君 今予算の検討中なんで、これ以上、別に追及するつもりはないんです。大事だということを私は申し上げているだけでございましてね。そういうアンカーテナント方式という面で大事だと、そうじゃないとなかなか産業が通用しないという面でいいますと、来年度が三基、再来年度が二基、おおよそそういうアンカーにはなりませんわね、ということをよく御理解をしていただいて、今後積極的に取り組んでいただきたいと。  さらに、悪いことに、これは私新聞で見たんですけれども、いわゆる準天頂衛星構想いうのありますね。これはアメリカと組んで、要するにGPSのこういう全地球的なシステムで日本も参加しようということ。日本も計画、本当は二〇〇八年度が予定だったんですが、一年遅れて二〇〇九年度からということなんですけれどもね。先日、新聞見ますと、もう民間、これ参加している民間企業が事業断念と、事業計画断念と、これ御存じですか、大臣
  171. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) 今御指摘の準天頂衛星プロジェクト、これ重要なプロジェクトでございまして、白浜委員御指摘の新聞記事、私も読みました。多少正確に申しますと、ちょっと舌足らずのところもございますけれども、いずれにいたしましても測位衛星システム、こういったものにつきましては当然のことながら国が中心になって進めていくべき役割でございます。  そこで、そういった点を最初に第一期として取り上げていくということで、当面この国がリスクの高い測位補完、補強などにかかわる研究、開発、実証を着実に推進するということにいたしておりますことに何ら変更はございません。  したがいまして、今週、恐らく、今週じゃないかな、月末までには閣議決定することになると存じますが、ごめんなさい、総合科学技会議で、明日、ごめんなさい、いろいろちょっと今混乱いたしまして、ちょっと訂正をいたします。基本計画を、第三期の科学技術基本計画を……(発言する者あり)私がやっていることですから私が一番よく存じておりますので御心配なく。
  172. 白浜一良

    白浜一良君 議事録に変に残っちゃいかぬから。
  173. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) これから延々と説明をしようと思うております。  おかげでその第三期の科学技術基本計画というものが今月末に閣議決定になるわけでございますが、それと一緒に今度は分野別推進戦略ということで、これから重点を置く戦略重点科学技術というものを今回は初めて決めさせていただきます。  これは本当に限られた数でございますけれども、そういった中に今言った準天頂衛星プロジェクト、準天頂衛星による高精度測位実験技術というものをしっかりと位置付けさせていただいて、国としてまず第一期、それを着実に進めていくということで頑張らさせていただくことに明日、あさって、明日か、ごめんなさい今日だ、一日一日が瞬く間に過ぎまして済みません、これは恐縮でした、国会の場でこんなことできませんが、今日のこれからの総合科学技会議政府として決めさせていただく段取りになっておりますことをあらかじめ御報告させていただきます。
  174. 白浜一良

    白浜一良君 大臣、一杯範囲広いんで、担当されているのが、余りお詳しくないのかもわかりませんが、まあいろいろ今力説していただいたんですが、当初は三基を上げる予定だったんですね。ところが、実際もう事業断念して既に一基だけと、それでいわゆる通信、放送、測位と、三つの項目でやるとなってたんですけれども、まあニーズのないところもあるから、測位で一基だけと、こういうふうになっている。縮小しているわけね。そのいわゆる何というかな、政府がベースを作って民間を育てなあかぬのに、民間の方が断念してまあ辛うじてそのいわゆる政府の方が最小限のこう体制を維持しているというような、これが現状なんですよ。そうすると……
  175. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) いいですか。
  176. 白浜一良

    白浜一良君 いいですよ、別に。
  177. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) 御案内のように、科学技術というのはもう日進月歩ですし、状況も正にいろいろ変わってまいります。例えば、通信衛星といった意味で、この民需の需要が当面いわゆる見込めてこないというようなことから、しかし今言ったように衛星測位システムとしてはこれはもう正に全く別の機能で、これも正に官がやる、国がやるべき大きな役割だということで、まずそこから始めさしていただくということにしたわけでございまして、何も全体像を捨てているわけでも何でもありません。それがちょっと新聞では何か、一基だけやって、一基っていうか、その測位だけやってあとは知らぬよなんというような印象に恐らく受け止められて、読まれる節があるのではないかと思いますけど、そういうつもりではございません。  ただ、国が今決めて、重点を置いてやるのは、正にこの三つある目的の中の、正に現実に最も必要であり、また国がやるべきところであるからということで、衛星測位システムから着手させていただくというふうに御理解いただけたらと思います。これから更に状況によって、民間の状況、いろいろこれからも相談をしてまいります。
  178. 白浜一良

    白浜一良君 そういう前向きになるように期待をしておきたいと思いますが。  それで、官房長官、せっかく来ていただいたんで、これ今ちょっと議論したんですけれども、なかなかやっぱり予算も必要なんで、大変なもう時代的に、財政再建しなきゃならないと、そういうことで、それは間違いないんですが、先ほど私が言いましたように、いわゆる基本戦略の中で基幹産業だと、宇宙産業は、ということ。それから市場の拡大を図ろうと、こういう明確に今方針を決めていらっしゃる。そういう意味で言うと、現状は大変厳しい。  で、私、科学技術担当大臣が松田大臣なんで、それはもうそれでいいわけでございますが、幅広いんですね、これ、宇宙政策というのは。だから、もう一度そのいわゆる、まあロケット技術の開発も当然でしょうし、それから、衛星の開発、それからそれを民需に使うことが大事でして、そのためのいわゆるこのサービス部門含めた一連のこういう全体のシステムというか、政策を作る必要があると。そういう意味では、私は、松田大臣だけでは大変だと、だから、基本的な宇宙政策の基本法を作るなり、もう組織の在り方含めて考え直すべきじゃないかというふうに私は考えているわけでございますが、官房長官、お考えございましたら、お述べいただきたいと思います。
  179. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 今委員から、大変ある意味、未来を見据えた構想をお伺いをしたわけでありまして、科学技術につきましては、特にこの宇宙開発につきましては、今、松田大臣から答弁さしていただいたとおりでありますが、いろいろな難しい課題も十分に我々も承知をしております。その中で、今与えられた状況の中でできる限りのことを進めていきたいと、このように思っているわけでございます。  我が国におきましては、総合科学技会議に宇宙開発利用専門調査会を設置をいたしているわけでありまして、宇宙開発利用に対する取組の基本等について調査、審議を行い、同会議の決定を経て、関係大臣に意見具申を行っているわけでありまして、同専門調査会は平成十六年九月に、我が国における宇宙開発利用の今後十年程度の方向性を我が国における宇宙開発利用の基本戦略として策定をしたところでございます。  また、総合科学技会議においては、第三期科学技術基本計画の策定に当たって、科学技術分野全体を見渡す中で、宇宙開発利用分野についても今後五年間に重点投資すべき戦略重点科学技術の検討を行ったところでございます。  これらの戦略に基づきまして、関係府省連携の下、宇宙開発利用の着実な推進を図り、その成果を上げることによって国民の期待にこたえていきたいと、このように考えております。
  180. 白浜一良

    白浜一良君 今官房長官おっしゃったように、宇宙開発利用専門調査会、これが総合科学技会議の中にある、一つのパートとしてあるのは間違いないんですけれどもね。この分野だけでは、宇宙政策というのは何が大事かいうと、技術開発も当然あるんですが、それから産業化をしなきゃならない、民需につなげなきゃならないということもございますし、それからもう一点、後で私が述べますけれども、極めて安全保障上の問題ともリンクするわけでございまして、この調査会だけでは機能しないだろう、もっと強化すべきだと、私はそのことを申しているわけでございまして、何か、どうぞ。
  181. 松田岩夫

    国務大臣(松田岩夫君) 今官房長官が御答弁になったことで尽きるかもしれませんけれども、ただ、総合科学技会議が今度第三期科学技術基本計画を策定させていただく過程で、総司令塔的機能を一層強化しろというのが今度の第三期の大きな柱でございまして、そのために、一つは、今申しましたように、いわゆる狭い意味科学技術だけではなくて、科学技術の成果が社会や国民に正にフル回転で還元されていくようにということで、一つは制度的な課題についても大いに取り上げろということで、実はその陣容が非常に拡大されておりまして、そういう意味で、科学技術の観点からではありますが、入口は、しかしそれを実現して、最後はイノベーションにつなげ、あるいは社会改革につなげていくというところまで見届けるような体制に持っていくというのが今の総合科学技会議が動こうとしておる姿でございますので、いましばらく御期待を持って御後援を賜りたいと思うんでありますが。
  182. 白浜一良

    白浜一良君 分かりました。期待してますわ。  それで、官房長官、もう一つ提案がございまして、いわゆる総合科学技会議、これは総理の下で構成メンバー決まっているんですが、テーマごとに、例えば防衛庁長官とか国家公安委員長なんかが、正規のメンバーじゃないけれども、テーマによって参加されていると、こう伺いましたけれども、先ほど私が言いましたように、これは、宇宙政策というのは極めて安全保障とリンクする問題なんで、この総合科学技会議の構成メンバーにそういう防衛庁長官とか国家公安委員長なんかも正規のメンバーできちっと参加されるようにもう少し機能を拡充された方がいいんじゃないかと、このように私は考えているわけでございますが、官房長官、御所見を伺いたいと思いますが。
  183. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 確かに、今委員が御指摘になられましたように、総合科学技会議内閣総理大臣を議長として官房長官、科学技術政策担当大臣、総務大臣、財務大臣、文科大臣、経産大臣と、こうなっているわけでありますが、これまでも必要に応じこれら以外の国務大臣に議案を限って随時参加をいただいております。御指摘になられましたように、安全保障や産業育成の観点から議論をする必要がある場合も多々あるわけでありまして、そういう際には関係大臣にも参加をしていただいているわけでございました。  それを、常時これを入れるべきではないかという御指摘でございますが、基本的には取りあえずこのコアのメンバーに限って会議を進めながら、必要の際に今まで例えば防衛庁長官も相当数、数回にわたって参加をしていただいておりますし、国家公安委員長にもお出ましをいただいたこともあるわけでございます。  これは、そういう意味におきまして、これからも、今委員が御指摘になられましたような安全保障ということもしっかりと留意しながら、会議を進めていく際に必要であれば随時臨席をしてもらうということに、参加をしてもらうということになると、このように思っております。
  184. 白浜一良

    白浜一良君 私は組織拡充した方がいいということを提案申し上げたんですけれども、今の段階ではそういう答弁しかできないと思いますので、よく検討をしていっていただきたいと思います。  次に、ちょっと官房長官来ていただいていますので、次のテーマで、来年度予算でいわゆるBCPがございますね、事業を計画していくような、そういう検討をしようということで。首都圏もどういう災害があるかも分からない。特に、直下型の地震ということも想定されていますし、これはどの部局でどういう形で進められるんですか、この検討というのは。
  185. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 首都直下地震につきましては、昨年九月の中央防災会議において対策のマスタープランとなる首都直下地震対策大綱を決定をいたしました。同大綱では、首都中枢機能の支障は、国内だけでなく、海外への被害の波及が想定されることから、我が国の国際的な信頼性を確保するためにも、首都中枢機能の継続性確保が枢要な対策の一つとされているところでございます。  この首都中枢機能の継続性確保のためには、中央省庁においてもBCP、ビジネス・コンティニュイティー・プラン、事業継続計画でありますが、の策定は、実行は極めて重要であると、このように認識をしております。これを受けまして、内閣府では、平成十八年度に関係省庁と緊密な連携の下、中央省庁がBCPを策定する際のガイドラインを検討する予定であります。政府全体として、中央省庁のBCPの策定、実行に向け積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
  186. 白浜一良

    白浜一良君 私が、ですから、官房長官に申し上げたいのは、各省庁の事業を災害があってもいわゆる継続できると、そういうことを考えるというのは当然なんですけれども、これは各省庁がばらばらに考えるんじゃなしに、これ政府全体としてどうするかということを私はマスタープランとして考えるべきだと、このように思うわけでございますが、これはどのようになっていますか。
  187. 榊正剛

    政府参考人(榊正剛君) 首都直下地震におけます大綱の中では、少なくとも三日間必ずどんな形でも首都中枢機能は生きているようにしようよねということを前提に、中央省庁版のBCPを作りたいというふうに思っておるところでございますが、基本的には各省各省が各省の所管している事業を継続させるということが重要でございますので、まず各省に作っていただくために共通の、各省庁共通のガイドラインを十八年度に作りたいというふうに考えておるところでございます。
  188. 白浜一良

    白浜一良君 いや、そういうアプローチも別に私は決して否定は官房長官しませんけれども、これ、その災害の程度がどの程度、まあ例えば直下型地震ということであれば、これはもう全く予測できないわけでして、立川に防災基地造っています。まあ補完するシステムがそれなりにきちっとそれできているのはもう問題ないわけです。それはでも災害対応であって、各省庁の仕事を維持するようなシステムでも何でもないわけでございます。  それで、私は今日申し上げたいのは、民間会社でもそうですよ。全国的に商売されているところ、まあ世界的にはもう当然そうでございますけれども、必ずバックアップシステムというのをつくっているんですね。東京は本社機能で世界の窓口でいろいろ事業されていても、もし何かの形でここがパンクしたら、それをバックアップするシステムというのは必ずつくっていらっしゃる、民間の会社でも。  だから、私は政府も、それは個々に省庁がどうするかということを考えるのも大事なんですが、全体としてこういう政府の代替機能というか、もし何かあった場合にそれをどうするかということはそれこそマスタープランじゃないかと。共通の、各省庁共通のことを今年いろいろ検討すると今審議官おっしゃったけれども、それはそれで私は大事だと思うんですが、もっと全体的なそういうバックアップシステムを、政府の、どうつくるかということが大事なんじゃないでしょうか。官房長官、どうでしょうか。
  189. 沓掛哲男

    国務大臣(沓掛哲男君) バックアップ機能については、今委員もおっしゃられましたように、緊急的なものとしては立川があるわけでございますけれども、もう少し広域的にしたらどうかということについては、今、国会の方でいろいろ議論していただいておるのでございまして、いわゆる国会等の移転という、国会等の等は首都機能も含めたという意味なんですが、国会等の移転に関する政党間両院協議会ということで、公明党の方にもお入りいただいているんですけれども、参議院十一名、衆議院十一名、二十二名で平成十五年三月から検討させていただいて、一昨年の暮れ、これはバックアップ機能をどうするかということで、今年度から予算的にも参議院、衆議院それぞれ事務局に、また一部調査をするということで、国交省にも一緒にやるということで、一緒というかお願いして、今年からそういうことを具体的に、今積極的にやっていこうということになっておりますので、私そこの、参議院の座長をこの間までやっていたので、ずっと、そういうことが一つ、私これからの大きな動きになると。そこに国土交通省の方々もオブザーバーとして来てくださっておりますので、国全体としてこの問題に取り組んでいくべきだというふうに思っています。  そういう中において、昨年の、今官房長官おっしゃいましたように、九月において、まあそれぞれいろいろな大事なこと、その一つとして、いわゆる各官庁ごとにおけるバックアップ機能をどうしていくかということをやれということで、大綱で決められておりまして、十八年度中に各省庁ごとに、いざというときにどうしても維持しなければならない組織は、機能は何なのか、またそのために必要な人員はどれだけなのか。そして、その中身として、いわゆる庁舎もつぶれた場合には、いわゆるデータとオフィスをどうするのか、そういうことを各省庁ごとに一応出していただいて、そして内閣府でそれを全体としてまとめることを十八年度中にやっていきたいということで、これから内閣府が中心になり、個々の具体的なことについて各省庁のいろいろな協力をいただきながら、十八年度中にはそういう形で各省庁ごとのいわゆるバックアップ機能を、そしてそれをまとめた形で内閣府では全体としてのものをまとめていこうという、そういう動きにしております。  前に、既に企業のいわゆるBCPを作ったわけですけど、非常にこれ、効率的にいろんな面でいろいろ企業はやっておられまして、昨年もそういう関係の企業の大会がございましたので、私出していただきましたけれども、企業も非常に新しい課題として、自分の企業がもしそういうことで大きな震災で駄目になった場合、やっぱり地域に与える影響、また自分の会社の打撃、そういうことを考えると、やっぱり日ごろから耐震性を増すとか、いざというときにどうするか、そういうことに非常に熱心に取り組み始めたというような状況だと思っておりますので、企業、そしてかつ各省庁ごとに国全体としてのそういう機能をしっかり強めていくことをやっていきたいというふうに思っております。
  190. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) ただいま沓掛大臣から御答弁申し上げましたが、首都直下型地震等の緊急事態においても、官邸を始め各省庁が速やかに事態に対処できるよう、必要な体制を整備をしているところでございます。また、各省庁においては、そうした場合にも必要な機能を確保できるよう、省庁の耐震性の確認、通信手段の確保等の必要な措置を講じているところであります。  さらに、首都直下型等大規模地震の発生時に、万が一官邸危機管理センターが使用できなくなった場合には、被災状況等を勘案して、中央合同庁舎第五号館、防衛庁中央指揮所又は立川広域防災基地を代替として使用することといたしております。  これらのことを踏まえまして、非常時における首都機能の代替については、政府一体としての機能の確保や首都圏における応急対策、復旧活動の緊要性などの観点から、慎重な検討が必要であると、こう考えております。
  191. 白浜一良

    白浜一良君 それが公式見解なんだと思いますが、私が申し上げるのは、災害なんかない方がいいんですが、要するに、まあそういう直下型の地震でどれだけ災害が実際あるのかという程度でこれは違うわけでございまして、だから民間の特に銀行なんかは、コンピューターは大体東京と大阪とか、まあ東と西で大体お互い、どっちがパンクしても保障できるように、こうなっていますよね。  で、私は大阪なんで、ちょっと地元のことを言うて申し訳ないんですが、そういう意味で、今日はちょっと主張だけさせておいていただきたいのは、関西のこれは福井、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、徳島、当然、京都、大阪、神戸、それぞれ首長、それから経済団体も全部入ってございますが、関西のそれぞれから、首都の機能の代替、バックアップエリアを位置付けてはどうかと、こういう政策要望がございまして、確かにインフラ的な面からいうと、バックアップする、それの力量は十分にある。典型的に言いますと、京都御所もちゃんと残っておりますから、そういう面で、今すぐそういうことに対してどうこう私は申し上げませんけれども、来年度一年掛けていろいろ検討される中で私はいろんなことを想定して対応を検討をしていただきたいということを官房長官に要望しておきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  192. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 代替については、機能の代替については先ほど答弁させていただいたとおりでありますが、今具体的に関西というお話をいただいたわけでありますが、先ほど答弁いたしましたように、慎重に検討をしていかなければいけないと、このように思っておりますが、いずれにいたしましても、そうしたこの緊急の際に国民生活に支障を来さないように全力を挙げて取り組んでいきたいと、こう思っております。
  193. 白浜一良

    白浜一良君 今日、原子力政策もちょっと議論する予定でございましたが、申し訳ございません、来ていただいたのに、ちょっと時間がなくなりまして、最後に一点だけ、国家公安委員長に質問をさせていただきたいと思います。  テロの未然防止対策にかかわる基本方針等に関するこの問題、これは平成十六年十二月にテロの未然防止に関する行動計画、これいろいろ策定されていたわけでございます。そこで、すぐできることからずっと項目を整理されて、もう実施できるものは既にもう当然実施されている。その中で、いわゆる今後検討を継続すべきテロの未然防止対策ということで三項目、これはもう挙げていらっしゃるわけでございます。  その中で、先ほど私が言いましたように、テロの未然防止対策にかかわる基本方針等に関する法制、これを速やかに結論を出すべきだと、このように、この平成十六年の十二月の段階でですか、指摘されているわけでございますが、これはその後の進捗状況はどのようになっているんでしょうか。
  194. 沓掛哲男

    国務大臣(沓掛哲男君) 委員いろいろずっと説明いただきましたが、私もさっと言わせていただきますと、平成十六年十二月に決定いたしましたテロの未然防止に関する行動計画に基づきまして、現在、テロの未然防止の重要性、関係機関や国民の責務等に関して規定すること等を目的としたテロの未然防止に関する法律案について政府において検討を行っているところでありますが、既に、今おっしゃられましたように、個別法で既に実施されているものもかなりございますし、今回の国会に提案されているものもかなりございますが、しかしながら、このテロ対策の要諦は未然防止にあり、その重要性に対する国民の認識、理解を深めてその対策の推進に資するため、テロの未然防止に関する国の基本的姿勢等を規定する基本法は必要というふうに考えております。  しかし、同法……
  195. 白浜一良

    白浜一良君 もう、もう時間がないんで……
  196. 沓掛哲男

    国務大臣(沓掛哲男君) 法律案に、同法律案については関係省庁が多岐にわたることから、政府が一体となって検討すべきものと思っております。警察としては、関係省庁の一つとしてこの検討に積極的に参画してまいりたいと考えております。
  197. 白浜一良

    白浜一良君 もうこれで終わります。  基本的な答弁していただいたんで、これ是非とももう公安委員長のいわゆる決意として、この来年度の通常国会には法務省とも調整して法案を出すぞと、このぐらいの決意をちょっと述べてくれませんか、最後に。
  198. 沓掛哲男

    国務大臣(沓掛哲男君) 今申し上げましたように、これは関係省庁が多岐にわたるものですから、私のところだけというわけにいきませんので、そういうところといろいろ調整しながら、政府が一体となって検討をしてまいりたいと思います。
  199. 白浜一良

    白浜一良君 じゃ、これで終わります。
  200. 近藤正道

    ○近藤正道君 社民党の近藤正道でございます。  今回の国会で格差のことが種々議論になりました。  初めの段階で、この国の格差拡大についての総理に対する質問で、総理は、実感としての格差拡大はあるのかも分からぬけれども、統計の上ではそういう有意な差はないと。結局、高齢者世帯が増えていることとか、あるいは世帯単位が非常に小さなものになっていると、そのことが要因であって、その要因を除外をすると、格差の拡大、有意なものではないと、こういうふうな答弁をされたというふうに私は理解しておるんですが、その後、いろんな方々がこれについて言及をされております。  そういう意味で、多少確認的な質問になる嫌いがございますけれども内閣のかなめである官房長官にお尋ねをしたいというふうに思っています。  今ほどの総理の御答弁に対して、データが古いとか、あるいは、確かに高齢者の問題は重要な問題であるけれども、しかし若者に非常に急ピッチで広がっております格差拡大、この現実を非常に軽視をしているんではないか。そして、世帯所得を対象としたものを総理は見ておられるようだけれども、所得格差の、個人の所得格差の拡大を余り重視されていないんではないかと、こういう議論がたくさんありました。  そして、数日前ですね、これは共同通信が中心でやっております日本世論調査会、これが今月の四日、五日のレベルで、所得格差がある、拡大していると思うかどうかという、そういう質問をいたしましたら、実に拡大しているというふうに答えた人が国民の八七%、世論調査の八七%がそういう答えを出してると。つまり、総理の答弁の後、いろんな批判があって、かつ世論調査でも拡大と答えた人が九割近くいると。  この現実の中で、改めて格差、所得格差は、そういう事実はないと、これは見掛けだというふうに御答弁になるのか。それとも、やっぱりしっかりと実態調査をやっぱりすべきなんではないかと私は思っておるんですけれども、この間の論議を踏まえて、官房長官から今の段階での御認識、受け止めをお聞かせいただきたいというふうに思います。
  201. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) この格差が広がっているか広がっていないか、これはどう受け止めているかにもよると思うわけではありますが、実際、その所得から見たいわゆる事実としては、総理が既に何回か答弁をしておりますように、年金などによる所得再配分の効果や高齢者世帯の増加等の影響を考慮いたしますと、統計データからは所得格差の拡大は確認をされていないわけであります。  一方、例えば朝日新聞の調査では七四%の人が所得の格差が広がっていると感じていると、あるいは東京新聞では八七%の人が所得格差を実感していると、こう答えているわけでありますが、一方、読売新聞では五一%の人が生活レベルを中の中と返答していて、中流意識に大きな変化はないということであります。また、国民生活に関する世論調査で見てみますと、やはり生活の程度に関して中流と考える割合は過去十年間ほとんど変化がないということでございます。  要するに、今正に我々は改革を進めている中にあって、規制を緩和して新しい可能性がたくさん生み出されているわけであって、その中で可能性を十分に活用してチャンスをつかんだ人たちが割ともてはやされている中において、それとのコントラストの中で格差を感じるという人が増えているのも事実かもしれませんし、またそれと同時に、いわゆる若者の中にニートあるいはフリーターという方たちが増えてきている中で、これは将来の格差拡大につながっていくという懸念があるのも事実でございます。そしてまた、地域また産業によって、それぞれ景気のいい、また今うまくいっている産業とそうでないというところにおいては、それを強く感じている人たちがいるのも当然事実であろうと、このように思います。また、地域によっては、過疎地となったところにおいては、大都会、大都市ばっかり栄えているではないかと、そんな印象を持つ人もいるかもしれません。  また、私の地元は主に山陰側でありまして、常にこう言われるわけでありますが、山陰、山陽、正にこれ光と影、もう名前がこう最初から地名になっているわけでありまして、私の地元の山陰側はいつも陰陽格差ということを常に問題にしているわけであって、しかしそういうところにはしっかりと政治が目配りをしていく、そういうところでも常に光を当てていくという姿勢が大切だろうと、私はこのように考えているわけでございまして、要は、我々が進めているこの改革というのは、フェアな競争を行う、公平公正な競争が行われる環境をつくって、その中でお互いが切磋琢磨して競争していくことによって活力が生まれて、その活力が経済を押し上げ、そして国の力を押し上げていく。しかし、もちろんその中で、時には病気になることもあるわけであります。そういったときにしっかりとした社会保障、セーフティーネット機能は維持していくということも当然大切だろうと。さらには、一回失敗した、またうまくいかなくてももう一度チャレンジできる、そういう社会をつくっていかなければいけないと、このように思っているわけでありまして、要は、この格差が国民的に許容できる範囲に収まっているか、あるいはこれはフェアな競争の結果であるというものであるかどうかということが、やはりこの格差の質が問題ではないかと、このように思っております。
  202. 近藤正道

    ○近藤正道君 格差がある意味で活力の源泉だと、こういう御指摘でございますが、それを全否定する気はありませんけれども、あるレベルを超えますと非常にやっぱり問題をはらむと。問題は今のレベルがどの程度なのかというところにあるんだろうと思うんです。    〔委員長退席、理事芝博一君着席〕  ただ、いずれにいたしましても、今の現状認識については評価が分かれるけれども、今後のことについてはやっぱりいろいろ問題があるよということは皆さんもほぼお認めのようでございますんで、この間の論議を踏まえて一度、いろいろ批判は批判としてきちっと受け止めて、直近のデータに基づいてしっかり国民が納得するような形で実態調査をされたらどうなんでしょうか。どうでしょう。
  203. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 当然私どもといたしましても、いわゆる国民的な認識としてこれは余りにも格差の大き過ぎる社会になっているという認識が生まれることは、社会不安に結び付いてくるわけでありますし、また国というそのものに対する信頼性が薄らいでいくことにもつながっていくわけでありますから、そこはしっかりと注意してよく見ていかなければいけないと、このように考えているわけでありまして、そういう意味におきましては、現実どうなっているかということについては常に我々注意深く見ていきたいと、このように思っております。  また、私は格差が活力を生むというふうには申し上げていないわけでありまして、私が申し上げているのは、つまり頑張った人が報われる社会をつくっていくことが活力につながっていくということを申し上げたいわけでありまして、あの人と比べて自分の方がこんな豊かになったということが、これが動機であってはいけないと、活力の動機であってはいけないというふうに思うわけでありまして、結果としてそういう負け組、勝ち組が出ることもあるけれども、それを決して固定させてはならないと、このように思っております。
  204. 近藤正道

    ○近藤正道君 格差の拡大がある程度固定をして、そして機会のやっぱり不平等を招く、そういう懸念を持っている人がたくさんやっぱり増えている。したがって、やっぱりしっかりとした実態調査を行って、政策がこれに対応していく、そういう必要があるんだというふうに申し上げているわけでございます。  与謝野大臣が来られましたんで次の質問に移りたいというふうに思いますが。  これは最近あちこちでも取り上げられておりますけれども、〇五年に内閣府の方で太田さんという方が「フリーターの増加と労働所得格差の拡大」という、そういう論文をしたためられております。これ、私も読ましていただきまして、大変私たちの実感にフィットしているものだというふうに思っています。この中でとりわけ、こういうふうに言っておられるところでありますが、特に若年層で労働所得格差の拡大テンポが速い、この若年層内における格差の拡大はフリーター化など非正規雇用の増大の影響が大きい、若年層の間での格差拡大は日本社会の将来の姿を先取りしたものである可能性もある、こういうふうに指摘をしておりまして、本当に私どもの実感に合致しているものでございます。  これは個人の立場で書かれたということでございますが、このことに正にそうだと言う方もたくさん識者でおられるわけでございまして、大臣としてこの指摘をどういうふうに受け止められているのか。私としては、これに基づく政策対応がやっぱりしっかり取られるべきなんだというふうに思っておりますが、所見をお尋ねしたいというふうに思います。
  205. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 若年層におけるフリーター等の増加は将来の格差拡大をもたらすおそれがあると思っております。議員御指摘の論文においても、男性個人間の労働所得格差について、非正規雇用者の増加の影響もあって、特に若年層でその拡大のテンポが速いと指摘されているところであります。そのため、正規雇用を望む若年のフリーター等に対する支援など、適切な対策を講じていくことが必要であります。フリーター等に対する支援策としては、フリーターの常用雇用化などを盛り込んだ若者の自立・挑戦のためのアクションプランに基づき諸施策を講じているところでございますが、今後とも、格差拡大の防止に向け、若年者を始めとした雇用対策に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
  206. 近藤正道

    ○近藤正道君 フリーターの中心層が二十代から三十代に徐々に移りつつあると。    〔理事芝博一君退席、委員長着席〕 この現象はいろんなところに悪影響をこれからもたらすわけでございまして、各県でもそれぞれ対応に苦慮しているところでございますが、もっとこういう今ほどの指摘を内閣府全体の受け止めとして、むしろきちっとオーソライズをして、そして施策にきちっと反映させていく、こういうことが私は大事だというふうに思っておるんですけれども、重ねてお尋ねします。
  207. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) このフリーターの増加等は、現在の格差ということもありますけれども、例えば無年金者をたくさん生んでしまうとか、その他こういう状態で長い時間がたちますと、言わば社会的な不安定層を生む可能性もあって、やはり政策の対象としてはこういう問題は本当に真剣にやらなければならないというのは委員御指摘の私はとおりだと思っております。  今後、直接の雇用の問題は厚生労働省がやっておりますけれども、厚労大臣ともよく御相談をしながら、この問題にも真剣に取り組んでまいりたいと考えております。
  208. 近藤正道

    ○近藤正道君 猪口大臣にお越しいただきましたんで二つほど質問をさせていただきたいというふうに思います。  今ほど格差拡大の一つとして女性、若者を中心とするパート化、フリーター化、非正規雇用化、この話がございましたけれども、パート労働者の増大が非常に顕著でございます。男性でも今四〇%を超えましたし、女性につきましては五割、五三%の台になっておりまして、とりわけ二十四歳未満が非常に顕著と、これが格差拡大を押し上げている一つの要因なわけでございますが、雇用機会均等法ではこのことをストレートには取り上げることができない。そこで、何とか大臣のところで均等待遇、この法制化の話はずっと以前から議論があるわけでございますが、是非大臣のところでここを奮闘いただけないだろうか。厚労大臣と協議をするとか、あるいは閣議の中でも積極的にここのところで声を上げていただきたい、こういうふうに期待するところ大でございますけれども、決意をひとつ伺いたいと、こういうふうに思います。
  209. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) それでは、近藤先生にお答え申し上げたいと思いますけれども、先生御指摘のとおり、このパート、アルバイトなどの非正規雇用、増加しております。特に女性のその割合が五二・四%というところでございます。そして、先生も示唆されていることだとは思いますけれども、その賃金格差ですね、これがまた我が国では大きいわけで、男性の一般労働者の給与を例えば一〇〇としますと、男性パートタイマーの方が五〇・六%ですね、そして女性の場合四五・二%ということで、それが男女間の所得格差にもつながっているということでございます。  このことに関しまして、私が就任しまして初期において行いました重要な仕事の一つ男女共同参画基本計画の改定という作業がございました。その中におきまして、パートタイム労働法に基づくパートタイム労働者に対する通常の労働者との均衡を考慮した処遇の改善等を盛り込んでございます。  先生御関心かと思いますので、その部分を短いですので読ませていただきますと、これはその新しい基本計画の第二部第三項のところにございまして、このような書きぶりでございます。また、パートタイム労働者の雇用管理の改善につきましては、今後とも必要な法的措置が着実に行われていくべきという前提の下に、パートタイム労働者に対する通常の労働者との均衡を考慮した処遇の改善等、多様な働き方の雇用の質の向上のための施策を推進するという表現を取っております。  これは政府一体として了解された内容でございますので、今後はパートタイム労働対策として求められる施策につきまして幅広い検討が行われ、また男女間の、特に私の観点からいたしますと賃金格差の解消の実現に向けまして、厚生労働省とも積極的に連携して取り組んでまいりたいと考えております。
  210. 近藤正道

    ○近藤正道君 その部分は私も読ませてもらっておりまして、それを受けた上で、大臣から更に具体的な一歩も二歩も踏み込んだ意欲といいましょうか、閣議等における積極的な働き掛けを期待したいと。そういう観点の何か披瀝でもありましたらお聞かせをいただきたいと、こういうことで申し上げたんですが、重ねてどうでしょう。
  211. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) この男女共同参画基本計画の改定は昨年末の閣議でなされたわけですね。私といたしましては、この基本計画の改定は非常に重要な仕事であると考えておりまして、これを着実に推進していく、そしてこの中には、この部分も含めて非常に広範な意欲的な内容が組み込まれていますので、それを着実に実施していくということによって多くのことが改善されると感じておりますが、近藤先生の今の御意見につきまして、私として、胸に受け止めて努力してまいりたいと思っております。
  212. 近藤正道

    ○近藤正道君 頑張っていただきたいというふうに思います。  男女の賃金格差の話と同時に、性別を問わずフリーター化あるいはニート、こういう問題が格差拡大の大きな要因としてこのところ本当に大きく取り上げられておるわけでございます。猪口大臣のところで青少年育成施策大綱、こういうものを持っておられまして、これは五年の計画だということであります。この施策を着実にやっていきたいと所信の表明がございました。そういうことになるんだろうというふうに思いますが、この施策大綱、五年計画のちょうど今は中間のところぐらいに来ているんだろうというふうに思いますが、このフリーターあるいはニート問題、なかなかはかばかしくいかない、率直に言って実効が上がっていかない、いっていないというふうに思っております。  様々なやっぱり社会問題も惹起することになりましょうし、大臣の所管でいえば少子化対策の問題とも非常に深くかかわっているわけでございますが、例えばイギリスのブレア首相、就任のときに教育を三回叫んで、そして言わば能力開発あるいは技能養成に大変力を入れたという話は有名でございますけれども、この施策大綱を読む限りでは、なかなかブレア首相が言うようなそういう技能開発、若者の技能開発に力を入れるというところがなかなかよく伝わってこないと。何とか前倒しでより積極的に実効が上がるような施策は取れないものだろうか。五年間ただ待つということではなくて、せっかく大臣、就任されたわけでございます。この間、所信で、これを着実に推進をするというふうに言った直後にこういう質問をするのは大変恐縮でございますけれども、前倒しであるいは見直すことも含めてより積極的に取り組んで、若者のフリーター・ニート対策、今やそれこそ三十代まで年齢が駆け上がっていくという、こういう状況の中で、正に焦眉の課題だというふうに思いますけれども、これを何とかできないだろうか。お聞きをしたいというふうに思います。
  213. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) 近藤先生おっしゃいますとおり、その大綱、五年ごとの見直しになっています。そして、政府としてより、更にきめ細かい対策が必要な場合にはプランを作ったりいたしますね。そのプランがございまして、実は若者自立・挑戦プランというものがございまして、これ三年ごとの見直しで、実は十八年度がその最終のところになりますので、認識としてやはりフリーター、ニートの問題、そしてそれに対応していかなければならないという課題の大きさということは政府においても非常に、今官房長官いらっしゃいますけれども、強く認識されていると思います。  それで、内閣官房の方でこのプランを更に強化しなければならない。そのためにアクションプランの改定ということをこの実は一月にやりました。それで、私もそこの会議に参加させていただいたんですけれども、その内容は、非常に政府として敏感にこの問題に対応しようという内容が私の観点からは含まれていると思います。  先生御存じだと思いますけれども、例えば十八年度には、フリーターの常用雇用化のプランの目標を十七年度の二十万人から二十五万人に引き上げなきゃいけない、それから若者の職業的自立の支援を行うための地域の若者サポートステーションを設置して、ニートと呼ばれる方々の対策を強化していこうという申合せがございます。  それから、教育のことをブレア首相おっしゃったと御指摘されましたけれども、もうその部分は大変重要でございまして、やはり若いうちから自分の職業観、イメージを抱けるようにということで、例えば中学生が五日間職場体験を行うようなキャリア・スタート・ウイークというのを全国展開、文科省の方でされるというふうに伺っております。  どの一つを取っても完全にこの問題に対応できるということではないかもしれませんけれども、様々なこのようなきめ細かい、かつ、問題に対して敏感に、時期的にもですね、対応する意欲というのはこういうところに見て取っていただければ有り難いと感じております。
  214. 近藤正道

    ○近藤正道君 終わります。     ─────────────
  215. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) この際、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  本日の委員会政府参考人として内閣官房内閣審議官井上源三君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  216. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  217. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 無所属の木俣でございます。最後の質問になるわけでございますが、いま少しお付き合いをいただきたいと思っております。  まず、官房長官が四十五分にお出になりますので、官房長官に伺いたいと思いますけれども、イラクへの自衛隊派兵のことでございます。  今、いろいろ新聞報道等々でも、もう本年中には終了し、撤退させるんだという話があったり、片方で米政府はサマーワ以外の地域に移動することが可能かの打診をしている、こういういろんな報道があるわけでございますが、私がかつて小泉総理にも質問をしたときに、一、二の大統領の間だけ駐留をするというよりも三、四の大統領の間、中東には米軍は駐屯するんだということをある国務長官経験者が言ったように、十年とかいうタームよりも二十年以上やはり駐屯をするんではないか、そのときに日本はどうするんだというお話をさしていただいたことがございます。  今回、ノーベル経済学賞のスティグリッツというコロンビア大学の教授がおりますが、彼もいろんな試算をこの間新聞に発表しておりまして、二〇一五年まで撤退が長期化する場合に負担額は一兆二千億ドルまで増大をするという試算をスティグリッツが発表しております。彼はもちろんリベラルな教授でございますので、批判的に述べているのは分かるわけでございますが、まずこの撤退についても、去る二十日の日に長官が記者会見で、新しいイラク政府をつくる最重要のプロセスに入っているので、自衛隊を撤収するかどうか、しないとか、そういうことを言うべきではないと、こういうふうに発言をされておりますけれども、再度伺いたいのは、一つは取りあえず自衛隊が撤退をするというようなことをお考えなのか、つまりは米軍の再依頼というか、改めて依頼があった場合には再度派遣する、それを前提にしながら一回、とにかく取りあえず帰すというようなことをお考えなのか、それでそのときには、いつごろお考えなのか、一点伺いたいと思います。
  218. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) もう委員御承知のように、昨年一年間政治プロセスが進んできたわけでありまして、十二月の十五日に国民議会選挙が行われたわけであります。つまり、国民議会選挙を行って、その前に憲法を作って、その憲法にのっとって国民議会選挙を行って、そして選出された議員によって政府をつくっていくという意味におきましては、民主的な政治プロセスということについてもう最終段階に入ってきているわけでありますが、ここはやはりある意味では一番難しい段階でありまして、なかなか今の段階では政府が樹立されていない、残念ながらそういう状況でございます。  この段階におきまして、今私ども日本として派遣をしている自衛隊が、サマワにおいて大きな復興の支援活動、貢献をしているわけでありまして、サマワの方々からも大きく大変歓迎されて、また期待もされていると、今後の活動についても期待をされているという中におきまして、今の段階で自衛隊の活動の終了についてあらかじめ決めるという状況ではないわけでありまして、政府として方針を決定はしていないわけであります。  では、今後の自衛隊の活動についてどういう条件が整えば我々は自衛隊のこの活動の終了について考えるのかということでございますが、これは従来から申し上げておりますように、イラクにおける政治プロセスの進展の状況、そして現地の治安に係る状況、この治安に係る状況というのは、現地の治安、そしてまた、この治安を現地の治安部隊がどれぐらい、それまで多国籍軍が担っていたものを彼らができるかどうかということもあると思います。  また、英国軍を始めとする多国籍軍の活動状況や構成の変化、こうした諸事情をよく見極めて現地の復興の進展状況を勘案して適切かつ主体的に判断をしたいと、こう考えております。  そこで、今委員が御質問になられました、いったん引いた後また要請があれば出ていくかと、こういう御質問でありますが、この問題のセットとしては私は理解できるわけでありますが、しかしまだ私どもこれはもう自衛隊の任務は完了したというふうには今の時点で考えていないわけでありまして、今撤収をするということを決めていないわけでありますので、その後の果たしてまたどうなるかということについてはお答えは控えさせていただきたいと、このように思います。
  219. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 もうどうぞ、どうぞ行ってください。また次回お願いを申し上げます。  あと今日はもう一つテーマでございますけれど、教育というか、特に食に当てた食育ということを御質問させていただきたいと思います。  まず、猪口大臣に食育基本計画、この三月の下旬にも食育推進基本計画、五か年の計画が策定をされるということでございます。この中に、計画素案でございますけれども、二〇一〇年までに朝食の欠食率を、小学生の朝食の欠食率をゼロ%にすると、現在四%という内閣府の試算があるわけでございますけれども、こういう目標を掲げているわけでございます。  で、これは非常にすばらしいことだと思うし、やはり早寝早起き朝御飯、テレビを二時間以内ぐらいにするとか、こういったやはり配慮、うちも四人子供を抱えながらやっているものですから、やはり朝食をしっかり食べさせるというのは基本中の基本だと思っておりますけれども、やむを得ない家庭もあるかもしれませんが、ゼロ%にする、ゼロにするという目標を掲げるわけですが、具体的にはどんなことを家庭に、何というんでしょうか、教育をしていく、特にお父さん、お母さんに教育を、またおじいさん、おばあさんにしていくとゼロ%になるというふうにお考えになりますか。
  220. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) 木俣先生にお答え申し上げます。  食育と申しましてもなかなか分かりにくいという方もいらっしゃいますので、そこで基本計画の中ではいろいろな目標、そして定量的な目標も含めまして提示しております。朝御飯を小学生にみんな食べさせようという子供の視点から、また食事を大事にしていくということは後々の生活習慣病を防ぐなど非常に重要な面も出てくるかと思いますので、子供を中心に、また朝御飯という非常に身近な目標も掲げてございます。  では、どうしたら朝御飯を欠食したまま学校に来る小学生がないようにみんなで朝御飯を大事にしていくことができるかということにつきましては、家庭をこういうふうに指導するというようなところまで書き込んではございませんが、まずは国民社会全体として朝食をきちっと取るということが重要ではないかと。特に、子供に取らせるという努力を大人社会の責任としてみんなで考えていこうと、こういう認識を示しているわけであります。それは、家庭が第一義的に責任があるでしょうけれども、いろいろな御家庭もあるかもしれません。まず認識を形成して国民運動とし、地域、学校、自治体、みんなで力を合わせて食育という大きな課題に取り組んでいくという、その流れをつくる中で、最も身近なところで朝起きて御飯をみんなでいただいて一日を元気にスタートするという生活習慣を認識していくということを考えております。  なお、この食育の基本計画をまとめるに当たりましては、各省連携を非常によくやっていただきまして、今日御一緒に答弁台にいらっしゃいます有村文科政務官あるいは内閣府で私のところで大臣政務官を務めてくださっています山谷政務官など、内閣府の中でも、そして各省とも非常に強いいい連携を組みながらまとめることができたと思っておりますので、是非決定されたところにおきましては、自治体、企業、地域、学校、そうですね、保育所などもそうかもしれませんね、あるいは各種団体ですね、生産者も消費者も皆で力を合わせてということをお願いしたいと思っております。
  221. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 とってもいい考え方だと思うんですね。なんですけれども、基本的、非常にまあ、朝御飯を国家を挙げて食べなさいというのも非常におもしろい、おもしろいというか、なかなかない国の方針だと思うんですが、ただそこまで来てしまっているというところが現実問題だというふうに理解しております。  高校三年生なんかでも三分の一ぐらいは食べてないと。今挙げられました、例えば三十代ぐらいの方なんかでも三〇%とか二〇%、これ統計の取り方がいろいろあるそうでございますが、食事を取っていないと。となると、なかなか社会全体で、子供が自発的に朝食を取る、小学生がということはこれはちょっとないと思いますので、非常にこれは具体的な何か作戦を練らないと。  もう少し言えば、先進諸国というより世界の国々でもこういった事例はないと思いますので、日本が、正にこういったことは非常に大事だよと、そしてこういうことをやればうまくいくよという意味では非常にいいモデルになるんではないかなと強く思っておりますので、でき得ればその辺り専門家の先生とも話し合いながらこの計画の中にもうちょっと具体的にその作戦を練り込んでいただくと、認識を持っていただく以上に何か作戦を練り込んでいただくようにお願いしたいんですけれど、どうでしょうか。大臣にちょっと。
  222. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) この基本計画は検討会という、専門家の先生方に集まっていただきまして、そして各省からも参加していただきまして、原案を作成してございまして、パブリックコメントに既に付しまして、その結果を得ています。それを更に盛り込んで修正をいたしまして、年度末の推進会議において決定いただきたいと思っております。  また、具体的な取組の詳細につきましては、こういう基本計画ができますと、例えば自治体におかれましてもそれぞれ御自身の取組のお考えを文書にされたりもするかとも思いますので、国としてどこまで書き込むか、そしてあとは各自治体の主体的な取組の余地というものを大事にしていくかということの議論もございましたので、その結果がこの原案となっております。国民的な運動として盛り上げていくということが重要ですので、例えば月間をつくり、また全国的な規模のイベントを行いと、そういうところにおきまして子供の視点から食育を考える。また、当面はまず朝御飯という分かりやすいテーマということを切り口に食について考える。  先生御存じのとおり、ほかの数値目標も有意義なものがたくさんございまして、例えば食育に関心を持っている国民の割合を、今のところ七〇%なんだけれども、これを九〇%にしようとか、あるいは学校給食におきまして、地場産物、地産地消というんですけれども、それを使っている割合が今二一%なんですが、これを、五か年計画でございますけれども、三〇%にしようと、こういうことから地元の農家の意欲もまた引き出すことができるであろうと考えたりもしております。  また、最近メタボリックシンドロームといいまして、いろいろな生活習慣に基づきます症状、これを認識している国民の割合というのは、今は数値も取ってないんですけれども、これを八割ぐらいにしていこうとか、あと食育の分野はボランティアの方々の積極的な働き掛けが効果があると思いますが、これも今のところ十分に数値が把握されていませんけれども、二〇%ぐらい増やしていこう、いろいろこういう目標値を掲げておりまして、それぞれにつきまして、では達成のための作戦は何かということにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、国と自治体とで、国が大きなその時代の課題を示し、そして自治体の積極的な取組、また好事例などお互いから学び合う、ボランティアの意見なども現場で聞きながら推進していただく。他方で、国は月間を定め、また全国的な規模のイベントなども提案していくということだと思っております。
  223. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 次に、小学校に、小学生に特に焦点を当てて伺いたいと思いますけれども、先ほど四%ぐらい欠食率があるということを申しましたが、地域によって偏りが相当あるんではないかなということをよく聞いております。例えば欠食率が三割に達しているようなと、こういう学校もあるというふうに聞いておりまして、せいぜい一食、まともな御飯は給食であるというような子供たちもかなりあるということを聞いたりもしているわけでございます。  政務官に、有村政務官に是非伺いたいのは、地域ごと、県ごと、まあ県ごとぐらいでしょうかね、データを是非取って集中的にやはり予算の配分というのか、その認識を持ってもらう運動を進めていただきたいと思いますが、今もし取っていればそのようにしていただきたいと思いますし、取っていなければ是非御検討いただきたいと思いますが、いかがですか。
  224. 有村治子

    大臣政務官(有村治子君) 生活習慣を通して子供を守るという施策に積極的な御理解をいただいている四人の父親でいらっしゃいます木俣先生、本当にありがとうございます。木俣先生のニュースレターで、川島隆太先生の脳科学と食育、朝食の関係も興味を持って、関心を持って拝読させていただきました。  ただいま御質問いただきました、猪口大臣がしっかりとおっしゃっていただきました件ですけれども、具体的に文部科学省では、早寝早起き朝御飯ということで、しっかりと子供たちの生活習慣を打ち立てていくということを十八年新規予算で打ち立てていきたいというふうに思っております。  先ほど御議論がありましたように、文部科学省が家庭のそこまで入るのかというのは、大手の有力な朝刊のトップ記事でもやゆされたところでございますが、それでも日本の子供たちが守れるのであれば、私たちは非難も甘んじて受けた上で子供たちを守っていく勇気を持った第一歩を踏み出していこうという決意でございます。  御質問がありました各都道府県ごとにどれくらい朝食欠食率やあるいは食育の取組が進んでいるのかということなんですけれども、これは比較的近いのが平成十二年、御承知のとおり、日本体育・学校健康センターが実施した児童生徒の食生活等実施調査によるもの、これに私たちもデータ基づいておりますけれども、これからは御指摘のとおり、なるだけ食育基本法に基づく食育推進基本計画において、児童生徒の欠食の状況あるいは各都道府県の食育の取組を具体的な数値として各都道府県で把握して、また公表することも考えていきたいというふうに思っております。
  225. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 次に、一人で食べる孤食のことでございます。  これもやはり基本計画の中にも載ってはいるわけでございますが、ある調査によれば、夕食を一人で食べる小学生が一〇・九%、一一%あると。まあ、もう少し多いのかなというような感じもするわけでありますが、これはもちろん仕方ない場合もあると思うんですね。一人の親御さんで仕事が遅い、こういった場合もあるかと思いますし、私自身もやはり地元のじゃ豊橋市にどのぐらい帰っているのかなということでいうと、そんなに威張れたものではないということでありますが、やはり朝食を抜くと同様に、やはり一人で食べる孤食を、これをどう除外していくかというか、何とかコミュニケーションを図りながら親と食べるかということがもう一歩進んだことで大事なことだと思います。  これまた、国が声を上げて孤食をするなと言うのもある意味でちょっと本当は違うのかもしれませんが、ただ、状況からすると、今政務官おっしゃられましたように、これ第一歩を踏み出さないと、これとんでもない実は状況が隠れておりますものですから、これに対して何か対応策、認識、何かあれば、大臣、じゃ。
  226. 猪口邦子

    国務大臣(猪口邦子君) 今先生御指摘のところは、例えば少子化の観点から見ましても、全般的に男性も含めた働き方の見直しをしていただき、仕事と子育て、両立できる社会をつくるということを主張しております。そして、この食育の推進の基本計画におきましても、男女共同参画を通じてこれを行うということを何度かにわたって言及しておるところでございますので、もし日本の社会の現状として、仕事時間が長時間に及び、結果として夕食は子供だけということになるような実態が多いということであれば、より幅広い観点から働き方の見直しをこの社会において推進しなければならないと考えております。
  227. 有村治子

    大臣政務官(有村治子君) 猪口大臣に続き、答弁させていただきます。  食育ってよく言ったもんだなと私自身強く思うんですが、「食」って人に良いって書くんですよね。その中で孤食、木俣委員がおっしゃっていただきました孤食。一人で食べる食事とともに、それから家族が全員そろっていたとしても別々のメニューを食べてしまうという、個々のメニューで食べる個食という概念も出てきております。やはり、栄養バランスの配慮を欠く食事に個食になるとなりがちと。それから、家族の間での心豊かな会話によっての精神的な充足、安定感を得る機会を失うということで、やはり孤食をなるたけ避けようという、その思いを共有していただくことが最初かと思います。  先ほど委員がおっしゃったように、やはり子供の問題で、朝食もそうですし、また孤食の問題もそうなんですが、未就学児、特に児童や幼児に関しては、そのお子さんの問題というよりは家庭の親御さん、保護者の問題であると私も認識しております。ですから、そういう意味では保護者のライフスタイル、状況によって子供の欠食やあるいは孤食ということを出ることのないようにしていこう。そのためにはやっぱりまず家庭教育だよ、そのためには基本的な生活習慣を打ち立てることであり、まずは食事を押さえていこうというメッセージを、より、文科省だけではなくて、国民運動に多くの人を巻き込んでいくというような作戦を立てていきたいと思っております。
  228. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 最後の質問になりますけれども、更に下がりまして、乳幼児の生活習慣と心身の発達の関係について厚生労働省に聞きたいと思うんですが、特に乳幼児の睡眠や食事を含む生活習慣。あるデータでは、この二十年間で夜十時以降に就寝する乳幼児の比率が四倍ぐらいになっていると。五、六歳で見ますと、二〇〇〇年四〇%、一九八〇年だと一〇%、こういう比率になっているわけでございます。  このような、やはりデータを厚生労働省が収集しながら分析をしていくということも非常に大事になってくるんではないかと、こういう指摘があるわけでございますけれど、生活習慣と心身の発達の関係、特に脳とか身体の発達との関連性、相関というか、こういったデータとかはお持ちなんでしょうか、厚生労働省。
  229. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) お答えいたします。  今御指摘いただいたような関係でございますが、直接的に乳幼児の生活習慣とその心身の発達についての科学的関係を総合的に示すようなデータというのは、実は承知しておらないわけでございます。  厚生労働省の関連する調査といたしましては、先ほど日本体育・学校健康センターのデータはありましたが、類似のものでございますが、昭和六十年から十年周期で乳幼児の栄養調査というものを行っておりまして、実は最初はそういう問題意識とは違いまして、いろいろ育児に関するようなことが中心だったんですが、平成七年の段階で起床、就寝の時刻等々も取るようになりました。  今委員の御指摘もありましたけれども、その調査によれば、一歳児の四〇・二%は夜の十時以降の睡眠であるというふうなデータがございます。十年目が実は昨年でございまして、昨年度に、こういうのに比べまして、今先生お話しになりましたが、朝食の習慣であるとか、そういうこともデータとして今集めるようにしております。  今後ともこういうデータを把握をいたしまして、いろんな研究に活用していただければというふうに思っております。
  230. 木俣佳丈

    ○木俣佳丈君 時間がございませんけれども、是非最後に、猪口大臣も統括する立場ということで、厚生省、文科省、こういったところにも、今のデータとか更に深めて取るように御指示をいただきたいと思いますし、更に言えば、やはり何というんでしょうかね、深夜化する一つの要因として、例えば店、コンビニとかスーパーが二十四時間やっているとか、やはりこれ、やっぱりセブンイレブン、いやいや具体的に言ってはいけませんが、やはり十一時ごろには終わるとか、大型スーパーであればやはり九時ごろ常識的に終わるとか、こういったこと。  それから、あとはテレビの深夜化ですね。個別化、テレビが個別化して深夜化していくということとか、又は小学生には、これも非常にどうかと言われるかもしれませんが、携帯電話を持たせないとか、こういった相当、ある種ちょっと問題になるようなことかもしれませんけれど、まで入っていかないとなかなか直らないんじゃないかなというようなことを付け加えて、質問を終わりたいと思います。
  231. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 以上をもちまして、平成十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費国会所管会計検査院所管人事院を除く内閣所管及び内閣府所管のうち沖縄関係経費を除く内閣本府、国際平和協力本部日本学術会議宮内庁警察庁についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  232. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時六分散会