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国務大臣(
麻生太郎君)
ODAの場合、先生、これいろいろ言い方があるんだと思うんですけれ
ども、みんな、ヨーロッパは
アフリカに、
日本の場合は主に
アジアに、アメリカの場合は主に中南米に金と
技術と人等々をみんな送って同じようなことをやったんだと思うんですね、時期こそ違え。しかし、
アジアは成功した。何で
アフリカと中南米はうまくいかなかったんだろうかという考え方に立ったときに、私は、
アジアの
国々の文化が違ったとかいろんな表現があるとは思いますが、やったことはほとんど同じです。
特に
日本の場合は、一九八五年のプラザ合意以降、二百四十円が百二十円に跳ね上がった円の力を背景に、あの当時は円高不況とかいう
意味不明な
言葉が続いていましたけれ
ども、自分の国の通貨が高くなってつぶれる国なんかどこにあるかと思っていましたけれ
ども、とにかくその金バックにして
アジアにみんな人件費等々を考えて出ていったんだと思いますが、結果として、出ていった工場が軒並みとは言いませんけれ
ども、多くのが成功した背景は、やっぱりそこには
日本人の働く姿があったからだと、私はそう思っています。
先ほど谷合先生が
アフリカに住んでおられたと言われましたけれ
ども、私も
アフリカに、西
アフリカ、シエラレオネというまだ大使館も領事館もないような、今でもありませんけれ
ども、あの危なっかしいところに二年ほどおりましたし、ブラジルにも一年少々住んでいたんですが、いまだかつて、そこで現場で働いている人というのを見たことが私ありません。しかし、
アジアの場合は、明らかにそこに
日本人が働いているという、いわゆる勤労という精神というのは間違いなく
日本の
ODAと
一緒にくっ付いて出ていっている。ある
意味、最も大きな私は
日本のソフトパワーに数え上げられるべきものなんだと、私はそう思っています。
インドに行かれると、もう今はインドの多分地下鉄が一番いい例だと思いますけれ
ども、地下鉄は、これは
日本のおかげでできたというのがもう、だれが造ったか分からないように小さく何か端っこの方に書いてあるなんというんじゃない、もう真ん真ん中にどでかく絵がかいてあって、全部
日本のおかげですということが書いてあるんですが。同時に、これができるまでの間、徹底しておれたちは働くということの
意義を
日本人の
技術者に教えてもらったと。とにかく期日前にできたこれだけ大きなプロジェクトはインドにいまだかつて一個もないんだと。とにかく覚えた
日本語はたった一つ、納期という
言葉だそうですけれ
ども、納期、納期というのは、きっと多分いった土木屋のおじさんたちも納期の説明英語でできるほど能力、英語がうまかったとは思いませんけれ
ども、とにかく徹底して、とにかくもう何か納期と、もうとにかく時間と納期しか言わないんですって。とにかくもう追い立てられて、結果としてこれだけ大きなプロジェクトを予定より早くできた。かつ、でき上がった地下鉄は今ほとんど十分以内の遅れで全部オペレーションができているというのは、もうインドに交通機関はこれしかないというんでえらく言う。そういったようなものが間違いなく顔の見えるものとして向こうから
援助が感謝される。
また、カンボジアいらしたら、お札の裏側見ていただいたら
日本橋という橋が見えますけれ
ども、いわゆるカンボジアのお札の裏側にその橋が刷り込まれているんですけれ
ども。
いろんな
意味で、
日本のそういったものが出ているんだと思いますが、これが回り回って、先ほど
黒岩先生のところで御
指摘にありましたように、これは国内向けは
理解がされているかといえば、それはなかなか、インドの話だって、私、一月一日か二日か行かされた、あれ行かなきゃ多分知らなかったと思いますし、インドで地下鉄に乗ることもなかったでしょうし、そういった
意味では、我々はそういったことを
経験させてもらったから申し上げられるんで、こういったものはやっぱり
日本でもそういったのがちゃんと分かってもらうように、回り回ってやっぱり
日本向けの顔の見える
部分も何とかせいというのは、私も全く同感であります。
ちゃんと回り回って
日本に、こっちに返ってくるんだというところは、東南
アジアに旅行に行ったり何かに行けば分かってもらえるところですけれ
ども、なかなかそういう機会もありませんので、それは今ホームページがあるじゃないかとおっしゃいますけれ
ども、これはちゃかちゃかできられる方というのは失礼ですけれ
ども自民党の中の半分以上はいませんから、そんな人は。御年配の方はおできになる方はほとんどありませんから、もう若い人だけ。そういった方々は、おおっとかみんな言われますけれ
ども、とてもじゃありません、私より上の方でそんなことをやっておられる方はほとんど存じ上げませんので。そういった
意味ではなかなかホームページって、それちゃんとプリントアウトしてお渡しするか何かしないとなかなかだと思いますので、ちょっと正直この国内向けの
効果につきましては、ちょっといろいろほかの手段を使って、広報活動というのかな、そういったものを努めていって、回り回って
日本のためになっておるという話をきちんとしていくようにする
努力をしていかねばならぬと思っております。
長くしゃべりましたけれ
ども、済みません、肝心なところです。