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2006-03-23 第164回国会 参議院 政府開発援助等に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年三月二十三日(木曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員異動  三月八日     辞任         補欠選任      大久保 勉君     富岡由紀夫君  三月二十二日     辞任         補欠選任      尾立 源幸君     主濱  了君      富岡由紀夫君     芝  博一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山崎 正昭君     理 事                 阿部 正俊君                 小泉 昭男君                 加藤 敏幸君                 松井 孝治君                 谷合 正明君     委 員                 柏村 武昭君                 岸  信夫君                 坂本由紀子君                 田村耕太郎君                 武見 敬三君                 山内 俊夫君                 山本 一太君                 犬塚 直史君                 黒岩 宇洋君                 芝  博一君                 主濱  了君                 津田弥太郎君                 白  眞勲君                 藤末 健三君                 荒木 清寛君                 高野 博師君                 大門実紀史君                 近藤 正道君                 亀井 郁夫君    国務大臣        外務大臣     麻生 太郎君    副大臣        外務大臣    金田 勝年君        財務大臣    竹本 直一君        経済産業大臣  松 あきら君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君        常任委員会専門        員        桐山 正敏君    政府参考人        外務大臣官房審        議官       遠藤 善久君        外務大臣官房国        際社会協力部長  神余 隆博君        外務省経済協力        局長       佐藤 重和君        財務省国際局長  井戸 清人君    説明員        会計検査院事務        総局第一局長   諸澤 治郎君    参考人        独立行政法人国        際協力機構理事  小島 誠二君        財団法人日本国        際協力システム        理事長      佐々木高久君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成十八年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付)、平成十八年度特別会計予算内閣提出  、衆議院送付)、平成十八年度政府関係機関予  算(内閣提出衆議院送付)について  (政府開発援助関係経費)     ─────────────
  2. 山崎正昭

    委員長山崎正昭君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る八日、大久保勉君が委員辞任され、その補欠として富岡由紀夫君が選任されました。  また、昨二十二日、富岡由紀夫君及び尾立源幸君が委員辞任され、その補欠として芝博一君及び主濱了君が選任されました。     ─────────────
  3. 山崎正昭

    委員長山崎正昭君) この際、御報告いたします。  去る十六日、予算委員会から、本日午前の半日間、平成十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。     ─────────────
  4. 山崎正昭

    委員長山崎正昭君) 政府参考人出席要求に関する件及び参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本件審査のため、本日の委員会政府参考人として、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官遠藤善久君外三名の出席を求め、その説明を聴取することとし、また、参考人として独立行政法人国際協力機構理事小島誠二君及び財団法人日本国際協力システム理事長佐々木高久君の出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山崎正昭

    委員長山崎正昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 山崎正昭

    委員長山崎正昭君) この際、政府開発援助関係経費について麻生外務大臣から説明を聴取いたします。麻生外務大臣
  7. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 冒頭に、去る三月の八日の日に開かれました当委員会において、予算委員会と重なっておりましたので出席をいたしかねましたけれども、今回、このような形でODAに関します、政府開発援助に関します特別委員会を参議院でつくっていただきまして、誠にありがとうございました。大変今後の参考になりますし、私ども大いにここらにおける、こういったところにおける議論というものを聞かしていただくのは、大変私どもとして有り難く思っておるところであります。  それでは、平成十八年度政府開発援助に係ります予算案について概要説明をさせていただきます。  平成十八年度一般会計予算において、政府開発援助に係る予算は、対前年度比三・四%減の七千五百九十七億二千八百万円を計上いたしております。なお、平成十七年度補正予算による追加額三百四十五億円を合わせてみた場合、政府ODA予算につきましては、ほぼ前年並みの水準を維持できたと考えております。  現在、国際社会は飢餓や貧困、自然災害テロなど様々な困難な問題に直面をいたしております。国際社会では、二〇一五年までに具体的な成果を挙げることができることを目指すミレニアム開発目標共有されております。我が国ODA目的も、国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資することであります。  このような趣旨から、我が国としても、国際社会の責任ある一員としてミレニアム開発目標に寄与するため、ODAの対国民総所得、GNI比〇・七%目標の達成に向けて引き続き努力をしていきたいと考えております。  昨年のサミットでは、五年間百億ドルの事業量の積み増しを目指すことを総理から明らかにされたところでもあります。このため、一般会計予算を核とするODA事業量戦略的拡充を図るとともに、厳しい財政状況の中にあって、より質の高いODA実施するために、一層の重点化効率化チェック機能強化を図るなど、改革へ向けた取組が必要であります。  今般お諮りをいたしております予算案は、このような基本的な考え方に立つものであります。  まず、無償資金協力につきましては、多様化する国際社会のニーズに対応し、ODAをより戦略的に活用していくとの観点から、テロ対策等治安無償、防災・災害復興支援無償及びコミュニティ開発支援無償という三つの新しいスキームを導入し、これらに必要な予算を計上をいたしております。  次に、技術協力につきましては、外務省所管事業文部科学省所管留学生交流等事業を始め、十三の府省庁予算を計上いたしております。これらの事業実施に当たりましては、関係府省庁の間での情報共有連携を通じ、一層の効率化を図っていくことといたしております。特に、国際協力機構実施する事業につきましては、サブサハラアフリカ支援や、また平和構築支援経済連携推進のための協力などの強化のための予算を計上いたしております。  次に、円借款につきましては、今後本格化していくイラク復興支援ども念頭に置きながら、所要財政融資資金等を計上しているほか、一般会計におきましても国際協力銀行に対する出資金及び交付金を計上いたしております。  次に、国際機関への分担金拠出金につきましては、国際社会の諸課題への対応アジアアフリカ協力などにも配慮し、対象機関プログラム重点化効率化を図りながら、所要の金額を計上いたしております。  さらに、これらに加えて、より効果的かつ効率的なODA実施のため、無償資金協力事後評価NGOとの協力強化など、ODA改革を着実に行うための経費を計上いたしております。  以上が平成十八年度政府開発援助にかかわる予算案概要であります。  よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
  8. 山崎正昭

    委員長山崎正昭君) 以上で説明の聴取は終わりました。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 ODA見直しが行われまして、これから総理の下に、総理官房長官経済産業大臣外務大臣財務大臣、この少数の閣僚による海外経済協力会議というのが設置されるというお話を聞きました。また、外務省の方も組織を改編されて、経済協力局国際社会協力部というのを廃止して、今度は国際協力局というのをつくられると。そしてまた、国際協力企画立案本部というのができると報道で聞いています。  一杯いろんなところができるわけですけれども海外経済協力会議国際協力企画立案本部総理の下にできるやつと外務省の中にできるやつありますね。どっちが司令塔なんですか。
  10. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 田村先生御存じのように、海外経済協力に関する検討会というのがつくられておりましたけれども、そこにおける報告書において書かれておりますのは、総理主導の下、内閣としての司令塔的な機能強化し、海外経済協力をより戦略的、効果的に実施するため、総理官房長官外務大臣財務大臣経済産業大臣常設メンバーとする海外経済協力会議、これまだ仮称でございますけれども、を設置することが提言をされております。その一方で、実務の現状、外交政策等との関係を考慮し、外務省関係省庁との連携を深めつつ、引き続きODAに関する調整中核に当たることとされております。  こうした流れを受けまして、外務省が担いますODA政策企画立案機能というものを強化するために、外務大臣の下に国際協力企画立案本部を設置することといたしております。  すなわち、先ほど提言の受けました海外経済協力会議というものが海外協力に関します司令塔ということになろうと思いますが、その総理の下で、大局的な見地に立って日本としての大戦略というのを検討することになるんだと思いますが、これに基づきまして、他の関係省庁というのは、これ十三省庁にまたがっておるところもありますんで、外務省ODAに関する調整というものの中核役割を果たすことになりますんで、いわゆる国際協力企画立案というものは外務省ということになろうと存じますんで、戦略的にはこうだと。  しかし、具体的に対案を立案していくということになりますと、いろいろ他省庁との連絡調整も要ることになりますんで、外務省が担いますいわゆるODA政策というものに関しての企画立案部分というのは非常に大きい部分でありますんで、その企画立案部門を、先ほど申し上げましたいわゆる国際協力企画本部ということで立案するということになる、そういう具合に二つ、大局的なところと企画立案ということになるんだと存じます。
  11. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 外務省の中にできるやつが、言い方悪いですけど、大臣経営者もされていましたから、まあ下請みたいな、大戦略グランドデザインをかく中で戦略とか戦術をかいていくようなところになるんじゃないかという御説明なんですけど、もう一つ外務省の中にODA総合戦略会議というのが維持されることになりましたね。  こんなに一杯できると、この関係、どうなっているのかという話なんですけど、屋上屋になるんじゃないかという危機感を私持っているんですけど、もしそのODA総合戦略会議というのを廃止しないのであれば、私はこれも総理官房長官の直属の会議としてはどうかと思うんですけど、大臣、いかがですか。
  12. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今言われましたのは、まあ簡単には企画立案本部は何をするのかということになるんでしょうか。  先ほど申し上げましたように、ここは、例えば今アジアに対してはどうとか、日本におけるODA対外比率というのはいろいろありますけれどもアジアというのにかなり偏っていると思いますけれども、その部分をこういったまま継続するとかどうとか、いろいろな話が大局的な見地から出てくるんだと思いますけれども、私どもとしては、個々の対外経済協力というところでいわゆる考えていかなきゃいかぬところだと思いますが、ODA総合戦略本部というものは、これはODA透明性を高めないといかぬというところが一つと、それからODA調整官庁、多省庁ありますので、調整官庁として外務省機能を図るということを目的として、これはたしか平成十四年の六月に立ち上げられております。  これは、ODA戦略会議というのは、御存じのように、外務大臣を長として、開発のプロとかNGOとか経済界とかジャーナリスト等々十七名で構成されておりまして、これまで二十五回開催をされておりますけれどもODA大綱策定、改定を平成十五年に、それから新しいODA中期政策策定平成十七年に、また国別援助計画見直し策定等々いろいろこれまでもやってきておられます。  今度、この海外経済協力に関する検討会、さっきの総理諮問会議みたいな形でできた検討会におきましても、この部門においては、外務大臣の下に設置されておるODA戦略会議は更に充実させるなどして政府外意見海外経済協力に適切に反映させることが望ましいと提言を私ども受けております。すなわち、役人とか政治家以外のいろんな意見を入れろというお話でもあります。  また、自民党の報告書というのをちょうだいしましたけれども海外計画在り方につきましても、ODAにかかわる企画立案については外務省は引き続き政府全体を通じる調整中核としての機能を果たすことが適当であり、そのためにODA戦略性向上のためのODA総合戦略会議を抜本的に強化すべきであるという提言を私どももちょうだいをいたしておりますので、これを受けましていわゆるODA政府全体の調整中核を担うということは、これは外務大臣の下に置いて、いわゆる政府からの大戦略で出てきます海外経済協力会議により国民の声を反映できるような形できちんとして企画立案やら調整やらをさせていただいた上できちんと対応していくというのがあれであって、屋上屋を重ねるというようなところではなくて、きちんと整理をされていきやすくなるだろうなと、いろいろばらばらしておりましたものをきちんと整理していきやすくなるだろうなと思っております。
  13. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 麻生大臣経営者もされていたわけですけど、会社に例えると、じゃ海外経済協力会議というのはどういう役割なのか。で、外務省の中にできる国際協力企画立案本部というのは何なのか、ODA総合戦略会議というのは何なのか、役割分担、ちょっと今どうかなと思ったんですけど、簡単に言うとどう役割分担されているんですか。
  14. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 会社で適当なところからいくと、少なくとも代表取締役会議とか重役会議とか、そして多分担当の部署の会議、そしてJICAというようなところが実施いたします営業とか、そういった形になっていくんだと思いますけれども、一番上のところは多分代表取締役会議で、総理のところの部門は多分そういった形で理解をさしていただいて、あとは担当常務会とかいう形になっていくんじゃないか、まあちょっと、会社とちょっとなかなか一緒にはなりませんけど、大体そんな感じかなと。今急な御質問ですけど、大体そんな感じ理解をしておいていただいてそう違ってないんじゃないかなという感じがいたします。
  15. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 じゃ、次の問題に行きますけど、その海外、ちょっといろんな名前があって混乱するのでちょっと読ませていただきますけど、海外経済協力会議というのは、この役割のことなんですけど、今度JICAが統合して新しい独立行政法人ができるということになっていますね。円借款技術協力無償が、技術協力の六割ぐらいが一緒にされるんですかね。しかしながら、その円借款部門は、その独立行政法人自体外務省所管なんですけど、その円借款部門については経済産業省外務省財務省の三者共管であると。技術協力分野に限っては十三省庁がまたばらばらにやるという状態が残っていくと。その海外経済協力会議というのが、その縦割りになっている部分の弊害を少なくするための役割を補完する形で担うということだろうと思うんですけど、実際のスタッフは財務省外務省が中心だと聞きます。  こういう体制で本当に客観的なODA評価ができるんでしょうか。私は第三者機関チェックが必要だと思うんですけど、大臣、いかがですか。
  16. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今まず、技術協力に関して言わせていただくと、十二省庁にまたがるんだと思っておりますが、その規模を見ますと、これは留学生交流を一番の基盤としております文部科学省予算が三百八十三億円程度ございますので、日本ODA一般会計に占める比率からいきますと約五%、四・九%ぐらいだと思っております。そういった意味では、まず絶対量は、その一番大きな文部省でもそれぐらいの大きさだという点が一点であります。  続いて、JICA事業というのは開発途上国に対する発展とか復興への寄与を目的としておりますが、他の省庁、各府省庁事業というのは、それぞれ自分で所管しておられます政策というものを実現していくためにいわゆる必要な国際協力としての対応をしておられますので、そういった意味では、それぞれの専門性というものを生かしていかれることになるんだと思いますので、私どものように発展途上国にかなり偏っているというんではないというのが一番違うところだと思いますんで、それぞれ専門性を生かしていかれるところだと思いますので、そんなに理にかなっていないということなのではないかと思っております。  ただ、今言われましたように、ODAに関すると、効率性というのを考えないかぬというところで、そういった意味では連携をきちんとしておかないといかぬということで、これは、今回の中で各省庁実施するものに関しましては、関係省庁十二省庁のいわゆる資料若しくはやろうとしている事業というものについては共有させてもらおうと、全部開けろと。で、各省庁みんな共有でそれみんな持ち回ってやりゃ、これやっているならこれはこっちに、これちょっとだけここへ足せばいいなとか、そういった話ができると思いますんで、すべての関係府省庁情報共有ということをさせていただこうと思っております。また、事後評価とか政策評価というのは一層やっていかなきゃいかぬところだと思っております。  もう一点、第三者機関によるチェックの話というお話がありました。これはすごく重要です。ODA評価というのはこれ大変大事なところで、今、学識経験者NGO等の外部の有識者を含めましてODA評価有識者会議というのを設置をいたしております。これで第三者評価を行っておるんですが、国際基準に基づいて行うようにやってくださいよと。これは、日本だけ特殊な事情というものもあるでしょうけども、基本的にはそういったことで、少なくとも政策とかプログラムとかプロジェクトなどというものに関しましては、このたびの海外経済協力に関する検討会におきましてもいろいろ指摘をいただいているところでもあり、自らの策定する基本戦略実行状況を適切に把握し評価することが必要として、今諮問を受けた海外経済協力に関する検討会からもそういった御指摘をいただいておりますんで、今言われましたように、この点に関しましては、第三者機関ということを言われましたけど、チェックをしていくというのは物すごく大事なことだと思っております。
  17. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 今大臣情報共有はしっかりするというお話をされたんですが、技術協力、六割は新独立行政法人でやると、四割は十二省庁、十三じゃなくて十二省庁にまたがったままの形で残すということなんで、私はできる限り一元化した方がいいと思うんですね。  まず隗より始めよで、外務省が監督するJICA以外の技術協力分野ですね、具体的には国際交流基金、こういうものを私は統合していったらいいんじゃないかと思うんですけど、まず外務省からそういうことがやるつもりがあるのか、できないとしたらなぜできないのか、大臣にお伺いしたいと思います。
  18. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) 田村委員指摘の、外務省の中から技術協力実施一元化の手始めとして、まあJICA以外の技術協力といいますと、具体的には国際交流基金といったようなものを統合してはどうかと、こういう御指摘であります。  国際交流基金は、我が国に対する諸外国の理解を深めて国際相互理解を増進すると。先進国も含めましたすべての国、地域対象とした日本文化紹介事業といったものを広く実施しているわけであります。一方、JICAは、開発途上地域経済社会発展復興に寄与するために、技術協力を通じまして人づくり国づくりを支援するという機関でありまして、両組織目的事業の性格、対象といったものは、あるいは求められる職員の資質といったものが大きく異なるという状況がございます。したがいまして、私どもは統合は適当ではないと、このように考えているわけであります。  また、国際的に見ました場合にも、経済協力を行う機関文化交流を行う機関というものは別の組織になっているというふうに承知しております。
  19. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 理由は分かったんですけど、全く別スキームである無償技術協力まで新独立行政法人一元化する、統合するわけですから、なぜできないのかなという疑問も残るわけですけど、次の質問に移ります。  技術協力一元化ができないとしたら、次善の策として、今、これ財務省にお伺いしたいんですけど、総合科学技術会議というのがありますね。そこが行っているように、技術協力予算司令塔に置いて、横ぐしを通す形で優先順位の仕分というのを行っていけばいいと思うんですけど、財務大臣、どうですか。
  20. 竹本直一

    ○副大臣竹本直一君) 田村委員がおっしゃるように、総合科学技術会議ではSABC方式というのを取っておりまして、各分野科学技術者トップエリートメンバーでありますが、こういった人たちにどれを最優先予算配分するのがいいかということを、SABC、Sはスーパーです、分類していただいております。で、それに従って予算配分しております。  これは科学技術の世界でございますので非常にうまくいくわけでございますが、ODA、特に技術協力に関しても同じようなことはというのは一つの大変貴重な意見だと思うんですけれども、ただ、やっぱりODAというのは相手国の問題もありますし、これからどの国とどのような外交展開を図っていくのがいいかという外交上の配慮も当然必要でございます。したがいまして、一概に科学技術の面だけで判断するようなわけにはいかないところがありますが、確かにそういった客観的な評価を与えるという意味では一つの方策だと思いまして、そういった方法を一つの片目に見ながら、より適切な予算の執行の在り方ということを検討していきたいと思っております。
  21. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 今度は、国別援助計画の意義についてお伺いします。  外務大臣、中国に対する円借款供与の方針を決める重要な局面に来ていると思うんですけど、対中の国別援助計画であります対中経済協力計画、これ平成十三年十月に更新されてから四年以上ほったらかしになっているわけですね、更新されてないわけです。国別援助計画がこれから円借款の方針を決めるときに役に立たないとしたら、生かされないとしたら、これ国別援助計画というものの意義も問われると思うんですけど、対中経済協力計画、これ、いつどういうふうに更新される予定があるのか。また、国別援助計画の意義ですね、これを見る限りちょっといかがなものかなと思うんですけど、その辺りどうですか。
  22. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、田村先生御指摘のありましたように、日本では平成十三年十月、対中国経済協力計画というのを策定をいたしております。この計画において政府は、それまでの沿海、いわゆる海岸部中心のいわゆるインフラ整備は行わず、新たに中国ODAの重点分野を環境保全、また地球的規模の問題、また相互理解の増進等々の分野、約六分野に絞り込んでおります。以来、日本としては対中国ODAというものに関しましてはこの六分野に限定し、援助額も年々減少させて今日まで来ております。また、円借款につきましては二〇〇八年の北京オリンピックまでに新規供与は終了するということで、今、日中間の共通のこれは認識に基づいて、その細部について今、中国側と事務的な協議を進めているというのが今現状であります。  こうした状況の下で、策定以降四年以上が経過しておるではないかということで、この間の経済状況というのは随分変わっておりますし、日中間を取り巻く諸般の事情というのも随分変化をしてきておりますんで、この計画は現状にはそぐわないのではないかということで、この計画を改定する必要があるのではないか等々の御意見はいろいろ多方面から私どもも聞いておるのも事実です。  したがいまして、この計画の在り方を含めまして、今後対中国ODAの大方針というものにつきましては、新しく設置されます、海外経済協力会議という名前になるんだそうですけれども、においてしっかりと議論をしていかねばならぬところだと思っておりますんで、今御指摘の点につきましては、私ども今後一番検討せねばならぬ、最初に来る一番大きな問題だろうなと思っております。
  23. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 次に、新しくできます独立行政法人、統合新JICA効率化目標なんですけど、効率化の観点からこういう一元化をやるということなんですが、具体的な効率化目標をちゃんと設定しているのかお伺いしたいと思うんですね。  円借款無償技術協力、例えばこれによってJICAの今の人員をどれぐらい減らすのか、コストをどれぐらい減らすのか、外務省無償化の人間がどれぐらい減るのか、JBICの円借款部門も含めてどういうふうに人材、コスト、効率化目標を掲げられているのか、もしありましたらお知らせいただきたいと思います。
  24. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) 委員指摘の点につきましては、ODAの各手法をJICAにおいて実施するに当たりまして、同時に合理化の効果、正に御指摘されるようにその効果を発現していく点というのは非常に重要であると、このように考えております。  そして、具体的な合理化の内容につきましては、これら手法間、ODAの各手法間の連携強化等を通じた援助効果の向上というものがまず期待されるわけですけれども、それに加え、JICA円借款無償資金協力実施業務を行うための十分な体制を整備する観点というものも十分に考慮しながら、今後、JICA組織改編に関します詳細な設計作業において検討していくという考えであります。したがいまして、御指摘の点については、JICA組織改編に関するその詳細な設計作業を踏まえまして今後検討していくというふうな考え方でおります。
  25. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 今後検討されるということなんですが、検討で結果が出次第、この委員会で是非御披露いただきたいと思います。  次に、援助理念に関してちょっと外務大臣にお伺いしたいんですけど、私、大臣がこの一月十九日、今年の、日本記者クラブにおいて講演されたこの講演要旨を入手しまして、非常に、何というんですかね、すばらしいスピーチをされていると私は個人的に思ったんですね。というのは、援助理念が本当に明確に語られている。これ、私もODA委員会にかかわっていますし、ODAの調査派遣に十二月に行ったばかりですんで、非常に関心を持ってODAに関する報道や会議には出ているつもりなんですけど、こういう話を初めて聞きました。  どういうことかというと、ODAの理念、政府開発援助というのは、これタイトルが「情けは他人のためならず」と、これ正にそのとおりだと思うんですけど、日本のソフトパワーの輸出なんだと。日本の勤労文化というソフトパワーを世界に輸出することによって政策連合をつくっていくんだということが、大臣のアフリカでの御経験とか、御趣味である漫画がお好きな話とかをちりばめられて、非常に面白おかしく分かりやすく伝えられている。  これ非常に役立っていまして、私も実は先週末に地元の国政報告会でこの話を使わせていただいたんですね。なぜかというと、大臣の御地元もそうかもしれませんけど、私の地元はかなり公共事業依存体質の経済構造になっていまして、外国に金ばらまくなら地元に引っ張ってこいやという声が大きいんですけど、これどうやって説明しようかなというのをいつも迷ってたんです。そのときにこの話を読ませていただきまして、あっ、こういう説明の仕方があるのか、もちろん大臣の名前出しましたんで、パクっていないですけど、非常に説得力があって、鳥取県の人たちにもすとんと落ちたように感じました。  また、インドに私も、大臣も行かれたと思うんですけど、実際、ODAの成果の評価に行ったわけですけど、デリーメトロも見ましたし、ウエストベンガルのコルカタというところで病院建設の現場を見たんですね。そのときにやっぱり同じようなことを言ってたんですね。隣にインド政府の計画でインド人によって造られている病院がありまして、その隣で日本の援助で日本の技術者が行って造られている病院があったんですけど、やっぱり進捗状況が全く違うわけです。同じようなことを言ってたんですね、インド人が。日本の現場監督というのは率先して掃除をしていると。カースト制のインドでは全く考えられないと。そして、こんなに我々インド人でも暑くてぼうっとするような気候の中で、もう納期をしっかり守ると。工期をしっかり守ると。考えられないと。敬意を払うと。やっぱり高度成長というのはこういう勤労文化があってできたんだなというようなことを本当におっしゃってたんですね。ですから、私もこの話がすとんと落ちたわけです。  しかし、最初に言いましたとおり、この話、私、初めて、実は阿部筆頭の方からいい話があるから講演要旨取り寄せてみたらという話を聞きまして、初めて見たんですけど、こんなすばらしい援助理念の話、外務省政府のどこまで伝わっているんですか。どういうふうに浸透される努力をしているんですか。大臣、お聞かせください。
  26. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 何となくこの委員会に来るとぼろかすに言われるもんだと思って来てますんで、今のように田村委員のように言われると、ちょっと正直、今言葉がないんですが、デリーメトロを見られたという話だったんで、私もこの一月の三日の日にこのデリーメトロに乗りました。  公団総裁みたいな技術屋の方がいらっしゃるんですけれども、その方に、乗っていったら、入口のところにまずもうどでかい看板で日本とのODAでできたんですって書いてあって、下に降りていったら改札口のところにまた円グラフが書いてあって、何ですか、七五%はこれ全部日本のお金、ほかの国の金はこれだけよというようなことも書いてあって、これ、だれが見たって、ほかの国じゃだれが造ったか分からぬようなことにしている国もありますから、ここはもう丸々分かるように造ってある。  そして、総裁と地下鉄に乗って、いや、本当にこれだけ宣伝をしていただきましてありがとうございましたと言ったら、いや、このデリーメトロのすばらしさはこれだけじゃないんだ、我々はこれをベストアンバサダーと呼んでいるんだと言うから、どういう意味ですって聞きましたら、自分は何とか大学、MITとか何とか出て技術屋なんだけど、このプロジェクトに最初から参加をしたと。一番最初の日に日本の技術屋のが来て、第一回の打合せがあるんで、八時だというんで八時に行ったら、全員作業服に、着て並んでいたのは日本人。我々は背広を着ていったら、八時というのは集合時間じゃない、作業開始時間だと。それに今ごろ、八時に来て何だといって満座の前でもう面罵されたと。分かったと思って、次の日、七時四十五分に行ったらほとんどみんないたと。これはまずいと思って七時半に行ったら、そうしたら、いや、みんな着替えていたと。  以後、でき上がるまでの何年間かの間、とにかく納期、先ほど言われたように納期、納期、納期って、一日、二日いいじゃないかと言ったら、駄目だと。絶対に納期を守らせるということを徹底してやられて、結果として我々は習ったことは二つ。  一つは、金というものの後ろ側には働くとい文化が一緒にくっ付いて、ODAというものはそういうものだと。金だけじゃないと。後ろに勤労という文化が付いているんだということを習った。二つ目は、この納期というのにやたらやかましいのがとにかく信じられないほどだったけれども、結果としてインドでこれだけ大きなプロジェクトを期日前三か月半かな、何か前にできたなどということはいまだかつて過去に例がないと。そういった意味で、働くというのをこのニューデリーの真っただ中で我々は習った、これは最も大きい、いわゆる文化の移入みたいなもので、我々はこれをベストアンバサダーと呼んでいるのはその理由だと言われたんですが。  私どもはやっぱり、日本人というのはやっぱり働くというのは美徳なんだと思うんですね。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教というのは旧約聖書を基にしていますんで、あれはアダムに対して神が与えた罰が労働ですから、労働は罰なんですよ。日本はその点は労働は罰ではなくて、高天原を眺むれば神々は野に出て働いていたんですから。いや、そういう具合に書いてあるんだから、古事記に。だから、したがって、これは神々がやるんだからこれは罰なわけありませんから、そういった発想からいきますと、これはとても、椿大社の宮司に聞いていただければよくお分かりだと思いますけれども、そういった働く方々の典型があなたの後ろに座っておられるんだと、私どもはそう思っております。  やっぱり労働というのは美徳であるという習慣、労働は善という、こういった我々の持っている道徳観というのは、このODAをやっていくに当たって日本がリーダーシップを取る非常に大きな哲学になり得ると私自身はそう思って、あの種の講演をさせていただいたというのが背景です。
  27. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 是非その理念を広めていただきたいと思います。  松大臣、時間がなくて済みませんでした。以上で終わります。
  28. 白眞勲

    ○白眞勲君 民主党・新緑風会の白眞勲でございます。  ODA改革、そのためには実際に今実施している様々なODAというものを見つつ検証していく必要があるんではないか、そういうふうに感じまして今日は質問させていただきたいというふうに思っております。  特に、スマトラ沖の大地震、津波に関する日本政府が行った緊急支援について御質問いたします。  私は、この件につきましては以前から何度も外交防衛委員会にて質問させていただき、また質問主意書でも政府の見解を伺っておりますが、当委員会が発足いたしましたので、この委員会にても外交防衛委員会と併せて質問させていただきたいと思っております。  まず、外務省にお尋ねいたしますが、昨年の十月十三日の私の質問に際し、佐藤局長が、この支援については緊急といえば緊急ですけれども、当面の復興ですねというふうにおっしゃっているわけなんですが、この百四十六億円のインドネシアに対する緊急支援の額というものは、実は当面の復興であったわけで、つまり中長期的な支援だったというふうに言っていいわけですね。
  29. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) このインドネシアの津波被害に対する支援ということで、我が国は、災害が起こりましてから非常に速やかにこの百四十六億円の支援というものをインドネシアに対して供与をするということを行ったわけでございます。これは当然ながら、このような大災害に対してできるだけ速やかに、インドネシア側のその災害、被害に対するニーズにできるだけ速やかにこたえるということで、緊急な対応、緊急な災害無償ということで、ノンプロジェクト方式でこれを供与するということを行ったということでございます。そういう意味では、私どもとしては、その緊急性、いわゆる緊急支援というふうにとらえております。  他方で、実際のその運用の過程で、インドネシア側の要望、これを踏まえながら実際は実施をしていくということでございまして、通常の緊急災害で行われますような医薬品であるとかいろいろな物資の、その当座の支給といったものに充てられるということ、それがこの百四十六億円も一部はそういうふうに使われていますが、そうでないインドネシア側としてはかなり施設物、例えば孤児院を修復するとか道路を修復するとか、そういうことを是非この百四十六億円でやってほしいということでインドネシア側からも要望がございまして、その要望にこたえて、そうしたいわゆる施設物の復旧復興ということにもこの支援の中身をこれまで充ててきている、また現在も実施されているということでございます。
  30. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、実際にこのインドネシア政府との一月十七日付けに締結された交換公文を読んでみたところ、どこにも緊急ということ、つまりエマージェンシーという言葉が入っていないということからしても緊急でも何でもないというふうにも判断できるわけで、今もお話あったように、ほとんどがそういう中長期的なものであるということであるわけですよね。もう一度お答えいただきたいと思います。
  31. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 今、白先生御指摘のインドネシア側との言わば合意の文書ということでございますが、これは一般にノンプロジェクト無償というものを供与するときの言わば文書のフォーマットにのっとっているものでございます。  他方で、私申し上げたように、今回の支援の決定に際しては、これは緊急災害に対する支援ということで支援を行ってきているということでございまして、そのためにインドネシア側のニーズに応じて是非これをすぐやってほしい、あるいはこういう施設物をやってほしいということで、それに対してできるだけ速やかに対応をしてきているというものでございます。
  32. 白眞勲

    ○白眞勲君 ところで、一月の二十一日に参議院と衆議院でこのスマトラ沖の地震の災害に対します決議が満場一致で採決されているんですけれども、この文章を読みますと、既に実施している緊急支援に加え、国際社会との協調の下、社会基盤への深刻な打撃を受けた被災国の中長期的な復旧復興につながる支援に全力を傾注するというふうになっているわけでして、今の御答弁ですと、結局その一月十七日、つまりこの決議の前には中長期的にわたる支援というものについてインドネシア側ともう話が付いていたということにならないのかと。何のために我々国会はこの動議を出したのかさっぱり分からなくなると。まあちょっと言葉はきついかもしれません、結局、国会決議、国会軽視にならないのかというふうにも言えるんじゃないんでしょうか。その辺についてどうお考えでしょうか。
  33. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 繰り返しになりますが、私どもとしてこれはインドネシア側のその時点での最も切実なニーズというものにこたえて対応をしてきているということでございまして、今お話のございました国会でのその決議というものについても、これは十分当然ながらそうした御指示を踏まえて私どもとしてはこの援助を実施をしているということでございます。
  34. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、私が申し上げているのは、一月十七日にはもう交換公文締結しているんですよ。今おっしゃいましたのは、佐藤局長さんおっしゃったのは、一月二十一日に踏まえてというのは変な話でして、その前にもうこの交換公文が締結されているということからして、だったら最初から、こういう交換公文で中長期的な視野にわたってもうきちんと話は付いていますよというというのを国会に報告する必要もあったんではないんだろうかと、何のために決議出したのか分かんないじゃないかということなんですね。もう一回その辺について御説明いただきたいと思います。
  35. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 御指摘のように、交換公文そのもの、インドネシア側との公式の合意ということにつきましては、一月十七日ですか、その時点で私どもインドネシア側とやっているわけでございます。そして、これはその時点で正に災害に対する緊急の対応ということで、これはできるだけもう私どもとしては全力を挙げて非常に早いタイミングでインドネシア側とそういう合意を行ったと。  そして、その合意の中身というものについては、これはいろいろな可能性があるので、いろいろなリスト、可能性のあるこういう物資、物資とか、あるいは施設の建設も含めまして、いろいろな今回の災害のニーズに対応する形、物資の供与からいろいろなものをリストアップをいたしまして、そうしたその合意の中身の中から、インドネシア側と、具体的中身についてはその時々のニーズに応じてインドネシア側と協議をしながら中身を決定をしていくという段取りを踏んできていると、こういうことでございます。
  36. 白眞勲

    ○白眞勲君 ですから、申し上げているのは、内容的に見ても中長期的な視野に基づいてやっているんじゃないかということを私は申し上げているわけですよ。実際に、その実行されているものについても、去年一年間にほとんど実行されているものというのはないじゃないですか。お金もほとんど半分ぐらいはまだ払われてないような状況になっているということからしても、中長期的な視野に立ったものが、もう実際に一月の十七日の時点で、つまり二十一日の国会決議の前にはもう行われていたということからして、国会決議との整合性はどうなんですかという質問をもう一回しているんですよ。ちょっとその辺についてもう一回、国会決議との整合性についてお答えください。
  37. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 全体としてこのインドネシアの支援に対しては、今百四十六億円のうち実際に契約済みのものは八十億円以上ということでございまして、支払済みのものは約二十六億円ということで、全体の実施というものは今鋭意進めているということでございます。  そういう意味で、できるだけ緊急性を持って対応をしてきているということでございますが、当然ながらこれはいろいろな施設物というものは、当然ながらこれからの中期的なインドネシアの復興にも当然資するものであるということでございます。
  38. 白眞勲

    ○白眞勲君 国会決議との整合性について質問しているんですよ、私は。その辺についての答えになっていないんじゃないでしょうか。もう一度お答えください。
  39. 山崎正昭

    委員長山崎正昭君) 佐藤経済協力局長、明解に答弁願います。
  40. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 先ほども少し申し上げましたが、具体的なその支援内容というものにつきましては、EN、交換公文の中でいろいろな可能性を記述をして、その上で具体的なその支援内容、どういう物資を供与するか、あるいはどういう施設を建設をするかということについては、私どもと、具体的には大使館と、それからインドネシア政府というものがコミッティーをつくりまして協議をしながら具体的に順次決めてきているということでございまして、そういう意味では、その国会決議を踏まえてそうした支援内容というものを決定をしてきているということを申し上げることができると思います。
  41. 白眞勲

    ○白眞勲君 何か余り説明になっていないような説明じゃないかなと私は思うんですけれども。  じゃ、ちょっと財務省にお聞きしたいと思うんですけれども、インドネシア政府側からODAに関していろいろ頼んできているんだと思うんですね、最近もそうだと思うんです。そのうち、例えば二〇〇五年の四月にJBICの金利を、それまでの一・三%を一・五%に上げるとの通告をインドネシア政府側にしたというんだそうですけれども、こういう大災害、未曾有の大災害が起きているにもかかわらず、その年の四月、その三月の二十八日にはもう一回大地震が起きているんですね、インドネシアで。それにもかかわらず、四月にまたJBICの金利を上げるということというのは、ちょっとこれおかしいんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、いかがでございますか。
  42. 竹本直一

    ○副大臣竹本直一君) 円借款の供与につきましては、世界の各レベルの国を下から、LDC、貧困国、低所得国、中所得国、中進国、このように分けており、先生よく御存じのとおりでございますけれども、この当該インドネシアの場合は低所得国に該当するわけでございまして、この低所得国の供与条件は基準が一般条件で一・五と、このようになっております。  インドネシアの場合は償還期間が三十年、うち据置期間が十年、そして金利が先生おっしゃったように一・五と、こういうことにしておりまして、確かにおっしゃるように、直前に大災害等起こっておりますので気の毒ではないかという感情もあるかと思いますが、世界全体の国の発展のレベルを見まして、こういうふうにしておるわけでございます。
  43. 白眞勲

    ○白眞勲君 財務大臣、そうおっしゃいますけれども、私も今議論したように、一月二十一日には国会決議がなされて、その舌の根も乾かないうちに金利を上げようと。ちょっと私、どうしても合点がいかないんですね。このようにアジアの友人がひどい目に遭っているときに、お互いさまじゃないかと、もう少し配慮してもよろしいんじゃないのかなと。全部の要求を受け入れる必要はないかもしれないけれども、やっぱりそういったところについて、ちょっと言い方は悪いかもしれませんけど、傷口に塩を塗るような行為をアジアの友人として行っていいものかと。それ、どのように、ちょっと麻生外務大臣、どうお考えですか。
  44. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) なかなか立場立場が違いますので言いにくいところでしょうけれども、タイミングとしては余り適切なタイミング、どうせ上げるにしても適切なタイミングじゃないんじゃないかなという感じはしますけど。
  45. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうだと思うんですね。小泉総理はこの一月の六日、平成十七年ですけども、ASEAN主催緊急首脳会議においてもこう言っているんですよ。被災国からの要請があれば、関係各国とともに公的債務の支払を一定期間猶予すべく、これら各国にも働き掛けていきますとスピーチされているんですね。つまり、ほかの国には働き掛けますよと言っていて、自分のところは金利を上げましょうと。これ、ちょっとおかしいんじゃないかなと思うんですね。  これはやっぱり副大臣、もうちょっと何かこの辺考えて、考慮するぐらいのことを御答弁されてもいいんじゃないでしょうか。
  46. 竹本直一

    ○副大臣竹本直一君) 実は、インドネシアは一人当たりGNIが徐々に上昇しておりまして、今年度から所得金額が、先ほど申し上げました説明に従って言うんですけど、貧困国から低所得国に一ランク上がっております。これによって、一般条件金利がこれまでは一・三%であったんですけど、今度の低所得国になりますと一・五%が基準金利になります。  そこで、昨年からインドネシア側が適用を当面留保してほしいという要請がございました。これに対して、我が国政府、大使館側から、要望に応じることは困難な旨をたびたび説明した結果、既にインドネシア側は了解していると承知をいたしております。
  47. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 金利の問題については、ただいま財務大臣より御答弁あったとおりでございますが、インドネシア側に対するその配慮ということでございますが、先ほど白先生の方から、その公的債務の支払の猶予というお話がございましたが、インドネシア側に対しましては、その津波災害というものを受けまして、昨年その一年間、いわゆる公的債務の支払、いわゆるモラトリアムと称しておりますが、債務の支払の猶予というものを特別に配慮をして行っております。
  48. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうはいっても、今、官僚の棒読みみたいなことを言わないで、政治家なんですから。今、麻生大臣もちょっとタイミングが悪いんじゃないのとおっしゃったばっかりじゃないですか。それでその今度は副大臣が、いやいや、やっぱりこれこれしかじかで、低、貧、何ですか、低所得国ですか、何かそういうことだからって自動的に上がるんです、これって、エレベーターじゃないんだし、やっぱりそこは政治家であるんですから、いや、これは考えようじゃないと。やっぱり、インドネシアってアジアの大切な友人なわけですよ。国会決議でも、中長期的な視野に基づいたという言葉が入っているんですから。もう一言ちょっとお願いしますよ。
  49. 竹本直一

    ○副大臣竹本直一君) 非常に役人答弁と言われても仕方ないところもあるかもしれませんが、要は、いろいろな災害ありましたんで、それに関しましてパリ・クラブの合意もありましたので二回の債務繰延べを行っておりますし、二〇〇四年十二月のスマトラ沖地震・津波災害による被害を踏まえまして、二〇〇五年度中に支払期限が到来する債務についても支払猶予を行っております。  ですから、いろいろな債務があるわけで、そういったところを猶予しておりますので、金利は一・五というのはきついけれども、企業は響くけれども、まあそこはひとつよろしくお願いしたいということを再三政府からお願いしまして、一応向こうから分かりましたという了解をいただいていると、このように理解しております。
  50. 白眞勲

    ○白眞勲君 それはやっぱり、私も民間にいたとき言われましたよ。銀行から金利を上げるぞと言われたら、嫌だ嫌だと言われたって、何だかんだと言われりゃ、それはしようがないですねと言うんです。それはしようがないですねと言われたから上げるのもういいんですという話じゃないでしょうと私は思うんですね。別にその金利をゼロにしろと言っている、向こうは、ただ、ただ、国民だって、〇・二%ねという、いいじゃないという感じになりますよ。もう一回お願いします。
  51. 竹本直一

    ○副大臣竹本直一君) 先生御承知のとおり、日本からのODA、毎年一兆円以上出ておるわけでございますが、一番の享受国は、一、二位を争うのは大体インドネシアなんですよね。  ですから、それを見ても分かるように、日本の国益を考えても、日本外交姿勢を考えても、アジア重視の中で特にインドネシアは大事だという認識がございます。したがいまして、単なる金利条件云々だけで良くなる、悪くなるという問題じゃなく、総合的にしっかりとした親密な関係で付き合いたいと考えている国でございますので、財政面におきましても十分配慮しながらこれから対応していきたいと、そのように思っております。
  52. 白眞勲

    ○白眞勲君 ありがとうございます。やっと配慮という言葉をいただいたということで、是非配慮を強力にしていただきたいというふうに御要望をしたいと思います。  続きまして、実際の支援の方法につきましてお伺いをしたいと思います。  先般、週刊誌に津波関連の支援のやり方についての記事が出て、それに対する反論文が外務省のホームページに載っておりますけれども、まず私自身確認しておきたいのは、今日、この国会の場でその記事の内容やその信憑性について質問するつもりではないということを前提でお聞きしたいと思うんですが、ただ、幾つかの点で私の認識と違う部分がありますので、その部分についてお聞きします。  四月の十二日、あるいはその前後に、インドネシアの当時、経済担当大臣であったアルウィ大臣とインドネシアの日本大使館渡邉公使は会っていないんですね。
  53. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 白先生の方から週刊誌における報道というお話がございました。  その報道の中で、四月の十二日に飯村大使に代わって渡邉公使がアルウィ大臣に面会したというような記載がございます。そうした事実はございません。
  54. 白眞勲

    ○白眞勲君 ということは、昨年の春ごろに会っていないということですね。
  55. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) これは渡邉公使、これは経済担当公使でございますので、アルウィ・シハブ担当大臣とこれは会っていないということはないと思います。
  56. 白眞勲

    ○白眞勲君 四月の十二日、あるいはその前後に、あるいは春ごろに会っている、あるいはその辺どうなんでしょうか。もう一回お願いします。
  57. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) これは私ども確認をいたしましたが、先ほどのような形で、その週刊誌の記事につきましてはこれは事実関係が食い違っているわけでございますが、飯村大使が会ったと、これは飯村大使が会っているときでございますが、その場に同行していっているという事実はあるということを承知しております。
  58. 白眞勲

    ○白眞勲君 それはいつですか。
  59. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) それは四月の十二日ということでございます。
  60. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、四月の十二日に飯村大使と渡邉公使が会ったということですね。
  61. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) そういう意味では物理的には会っているということでございますが、いわゆる、その飯村大使が当然ながらこれはアルウィ・シハブ大臣に会いに行ったというときにそこに同席をしたということでございます。
  62. 白眞勲

    ○白眞勲君 実は私、このホームページには、四月十二日にインドネシアのアルウィ大臣から渡邉公使に対して追加の要望を伝えたにもかかわらず、結局受け入れられなかったという指摘がありますが、事実関係はどうなっているのかということに対して、そのような事実は一切ありません、そもそも四月十二日に飯村大使に代わって渡邉公使がアルウィ大臣に面会したという事実もありませんというふうに書いてあって、これ見ると、ああ、渡邉公使は、一般国民からすれば、あら、四月十二日に会ってないんだなと、この事実自体がないんだなと思いまして、私は、この資料をちょっと入手したんですが、これはアルウィ大臣の側近が持っていたファイルからいただいた資料と言われているものなんですけれども、そこにはアルウィ大臣の四月十一日と十二日の予定が事細かに書いてあります。  これは、皆さんにお見せしてもいいと言われてはいるんですけれども、内容がまあ一国の大臣の予定表とも言われていますので、失礼があってはいけないので、ちょっとお見せすることは構いませんけれども、コピーなどは控えさせていただきます。  それによりますと、四月の十二日午後四時に飯村大使がアチェの援助で話に来ると書いてあるんです、これ。これ、四時に会ったんですか。
  63. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 恐縮でございますが、時間についてはちょっと、ただいまちょっと手元に資料がございません。
  64. 白眞勲

    ○白眞勲君 まあいずれにしましても、そうすると、このホームページで何か全否定をされているんですね、これ見ると。これ、おかしいんじゃないんですか。
  65. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) この記事につきましては、その飯村大使をそのアルウィ大臣が呼びましたと。すると、代わって渡邉公使が説明に来て、このアチェの支援の話をして、渡邉公使の方から、アチェのその支援については既に使途が決まっており変更はできないということが渡邉公使からそのアルウィ大臣に伝えられたという記事になっております。  そういう意味で、この記事の内容については全く事実関係と違ったものだと考えております。
  66. 白眞勲

    ○白眞勲君 でも、四月十二日に会っているわけですよね。で、実際に経済担当が渡邉公使である以上、飯村大使が行っても、説明としてはやはり渡邉公使が説明をしたと。つまり、その飯村大使に代わって説明をしたという部分においては、この記事を全否定するだけのものではないと思うんですけれども、いかがでございますか。
  67. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) ただいま申し上げましたが、このアチェの支援について、その渡邉公使の方からこの使途がどうであるとか、あるいはアルウィ大臣から具体的にこれをこうしてくれというような要請があって、それに対して公使の渡邉の方が何かを答えた、そういうやり取りというものはございません。
  68. 白眞勲

    ○白眞勲君 ただ、このホームページを見ますと、これ、ホームページというのは御存じのように、まあ私が言うこともないんですけれども、これは当然インドネシア側もみんな見ているんですね。  で、私の聞いている話ですと、おかしいじゃないかと、その四月の十二日に確かに渡邉公使が、そういうことで我々は依頼したのにかかわらず、こういった形のものを全否定されているというのはどういうことなんだというふうに不信感を持っているというふうにも話を聞いているんですよ。  ちょっとこれ、もう一回ちょっと明確な説明してくれませんか。こういうふうに書いたってことは、これはもう全部否定していることになりますよ。
  69. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 繰り返しになりますが、この公使の渡邉がその飯村大使に代わってアルウィ大臣に会ったということはないと、そういうことで否定を申し上げているわけです。また、更に付け加えますと、先ほど申し上げましたその具体的な支援について、そのアルウィ大臣とその渡邉がやり取りをしたということもないということでございます。
  70. 白眞勲

    ○白眞勲君 何かこういう書き方されると、会うこと自体何か否定しているんですね、これ見るとね。渡邉公使が会っていないって書いてあるじゃないですか。  会ってるんだったら会ってるって書きながら、飯村大使とは一緒には行っているけれども、今言ったような御答弁をされたらどうだったんですか。何でこういう書き方したんですか、これ。
  71. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) この記事は、その飯村大使を中心に、まあいろいろ事実に反する記述が書かれているわけでございますが、そういう意味で、ここのところは飯村大使に代わって渡邉公使がと、まあ飯村大使がそこに行かずに渡邉公使がそこに行って、その支援の説明をしたという記事でございますので、その点については明らかに事実と食い違っているということでございます。
  72. 白眞勲

    ○白眞勲君 事実と食い違っているほどのものでも私はないと思うんですね。その飯村大使と渡邉公使は会いにいっているわけですよね。これは飯村大使に代わって渡邉公使が面会したという事実もありませんって書いてあるんですよ。やっぱり、これきちっと書くべきなんじゃなかったのかと私は思うんですけれども、それ誤解を招きませんかということなんです、私が言っているのは。  もう一回、御答弁願います。
  73. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 繰り返しになりますが、飯村大使に代わって渡邉公使がアルウィ大臣に会いにいったということは、これはないわけでございます。
  74. 白眞勲

    ○白眞勲君 その先に進めなくなるんですよ、私。  この四月の十二日に会った会わないで何か私もやっているのも何かどうなのかなというふうにも思われますけれども、これ非常に重要なんですね。会っているわけですね、だから結局は。会っているにもかかわらず、なぜホームページにはこういう書き方をしたんですかと。会うこと自体を何か否定するような書き方をしていると、何かやましいことでもしているんじゃないかと疑われるんですよ。ちゃんと直すべきことなんじゃないんですか。
  75. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 御指摘ではございますが、全く、やましいということでは全くございません。
  76. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、私は別にやましいと言っているわけじゃない。やましいと疑われてしまいますよというふうに申し上げているわけなんですよ。  私、別に佐藤局長さんをここで責めているわけじゃないんですね。これちょっと、何かちょっと今膨れた顔をしていたんで私申し上げるけれど、そうじゃないんですよ。佐藤さんはもう今日来るのも本当は嫌だなと思っていると思うんですよ。何度も私も佐藤さんとやっているから。で、こういうことについて恐らくインドネシア側に確認をして、で、向こうからは本当に会っていないのかとか会ったとかやっているわけですよ。何でおれここにいるんだみたいな感じだと思うんですけれども、でもきちっとここはしていかないといけないんじゃないかと私は思うわけなんですね。  じゃ、ちょっと聞きますけれども、今、何ですかね、ここでアルウィ大臣は渡邉公使に対して追加の要望を伝えたということも否定した、御発言が今ありましたけれども、そうでいいんですね。
  77. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) そのとおりでございます。
  78. 白眞勲

    ○白眞勲君 私、この前、アルウィ大臣とインドネシアでお会いしたときに、アルウィ大臣がこうおっしゃっているんですね。トレーニングセンターを造ってほしいと渡邉公使に伝えたって言っているんですよ。  そうすると、私が聞いた人はアルウィ大臣じゃなかったということですかね。その辺、もう一回ちょっと御答弁願います。
  79. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 今の白先生お話の内容については、私自身は承知をいたしておりませんが、実際にこういった記事が出たということで、私どもも当然ながら公使の渡邉の方にも、どういうやり取りがあった、どういう日にどういうことをしたんだということは当然確認をしているわけで、私どもとして渡邉の方から聞いている限りで、今のような追加の支援の話ということはアルウィ大臣から伺うということはなかったというふうに承知しております。
  80. 白眞勲

    ○白眞勲君 佐藤さんとしましては、多分この件についても相当向こうと、インドネシアにある日本大使館とやって、そういう話を伝聞として聞いているということでよろしゅうございますね。
  81. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 我が方大使館から確認をしているということでございます。
  82. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうすると、私のいわゆるアルウィ大臣と確認したのと全然食い違うんですね、これ。渡邉公使と会ったときにこういうやり取りがあったよということを私は聞いているわけでして、この辺、やっぱりきちっとしておかないといけないんじゃないかなというふうに思うんですよ。  で、ここでちょっと委員長にお願いしたいんですけれども、是非、これは佐藤局長さんこれ以上責めてもしようがないような感じがするわけで、ちゃんと、やっぱり日本国大使館の飯村さん、あるいはその担当者である渡邉公使を是非ここに呼んでいただいて、きちんとこの辺についての御説明を伺いたいということをお願いしたいと思うんですけれども
  83. 山崎正昭

    委員長山崎正昭君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議さしていただきます。
  84. 白眞勲

    ○白眞勲君 なぜここまで私がしつこく聞くのかというと、アルウィ大臣はトレーニングセンターを造ってほしいと渡邉公使に伝えたんですけれども、何かそれが立ち消えになっちゃったというふうにおっしゃっているんですよ。で、相手国大臣ですよ。その大臣に対して依頼があったら、当然のごとくその方に対して、まあできるできないは別にしても、何らかの報告する必要があったというものが私は礼儀だと思うんですね。例えば、それが何かの立ち話程度の話だとしても、外務省では小泉総理大臣と胡錦濤主席との会談も立ち話ということで報告を受けたことも私ありますから、やっぱりこれはちゃんと、きちんと対応を取るべきなんじゃないかなというふうに思いますけれども大臣、いかがでございますか、麻生大臣
  85. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 話が込み入ってくるとこっちに振られるんであれですけれども、基本的に、意見のそごがある、ましてや相手が閣僚となれば、しかるべき報告がきちんとすり合わせが行われていないというと、なかなかその後の話に影響してくると思いますので、そういったきちんとそごがない、間ができないような努力をしておかねばならぬところだと、私もそう思います。
  86. 白眞勲

    ○白眞勲君 正に大臣がおっしゃったように、やはり日本大使館とそれから外務省との意思の疎通、あるいは私がもしかしたら間違っているかもしれません、これは。それにしても、やっぱりきちっと確認する必要が私はあるんじゃないかなと、やっぱりこの辺は非常に重要な部分があるんじゃないかと思いますので、是非、委員長、よろしくお願い、あと自民党の皆さんもよろしくお願いします、理事の皆さんもよろしくお願いします。  それで、続きまして、日本国際協力システム、JICSの佐々木理事長さん、お伺いいたします。  JICSのどなたかが過去にバンダアチェ復興庁のクントロ長官とはお会いしていますでしょうか。
  87. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) お答えいたします。  昨年十二月にJICSの現地事務所の責任者とそれから担当職員、合計二名がアチェ・ニアス復興庁におきましてクントロ長官にお会いした経緯がございます。
  88. 白眞勲

    ○白眞勲君 ああ、そうですか。私はJICSのクントロ長官にお会いしましたところ、私とJICSとはコミュニケーションはないと言ったんですよ。これは話がちょっと違うんですけれども、もう一度御確認願います。
  89. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) お答えいたします。  この件につきましては、現地の事務所の責任者に確認いたしまして、十二月十四日にお会いしましたということでございます。  なお、通常業務、JICSの通常業務におきましては、主に担当の次官と常時接触しておるということでございます。
  90. 白眞勲

    ○白眞勲君 十二月十四日にどういう話をされたんでしょうか。
  91. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) 十二月十四日に道路案件の打合せ会がございまして、その席でお会いしたということでございます。
  92. 白眞勲

    ○白眞勲君 クントロ長官はですね、私と一月にお会いしたときに、もうJICSではなくて、我々はもうJICAとやりたいんだと、その件についてJICAにもお話ししたということなんですけれどもJICAさんは御存じでいらっしゃいますか。
  93. 小島誠二

    参考人小島誠二君) お答え申し上げます。  当然のことながら、JICAといたしましてもいろいろなレベルでクントロ長官と意見交換をする機会がございました。理事長も含めてお会いする機会がございましたけれども関係者に確認をいたしましたところ、クントロ長官から直接そのような御要請はなかったというふうな報告を受けております。
  94. 白眞勲

    ○白眞勲君 まあ、私は、この援助全体のスキームというものを見直す必要があるんじゃないかなと。いずれにしましても、クントロ長官は私に対してはJICSとはコミュニケーションはないと断言されて、JICAとばっかりコミュニケーションがあるんだって言っているんですね。ところが、実際この案件というのはJICSが主体としてやっていかなきゃいけない案件なんですよね。  ですから、そういった関係からすると、私は何かこれ、一般無償技術協力JICAがやって、ノンプロ無償はJICSが外務省とやっているということがちぐはぐになっているんではないのかなというふうにも思えるわけでして、相手から見ると一体だれが今回の相談相手なのということがさっぱり分からないということなんだと思うんですよ。  ちょっとこの辺ね、大臣、その窓口、やっぱり、今はまあちょうどそのODA改革ということもあるんですけど、その辺どうですか。また大臣に振るわけですけれども
  95. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) ただいま白先生の方から、インドネシア側として相談相手はどこなんだと、JICSなのかJICAなのかというお話がございましたが、私ども、インドネシア側とはその政府間で協議会というものを設けておりまして、これは頻繁に開催をしております。そして、その協議会におきましては、これは我々政府でございますが、具体的には大使館でございます。そこと、大使館と、それから向こうのその災害復興担当機関、バペナスであるとかバコルナスであるとかあるいはアチェの復興庁といったところと、これは正に頻繁に相談をしていると、こういうことでございまして、その点については問題ないと考えております。
  96. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 先ほどの話と基本的には同じなんだと思いますけど。  白先生、まあ現地にいて長くいると、向こうの担当者は同一人物、こちらの方は三年に一遍ぐらい担当者が、まあ役所の場合替わります。そこに行くと、かなりそこにずっといると、何となく波長が合ったり気心が知れたりするところと、何となく行きたいのは分からぬわけじゃないんですけれども、いずれにしても、向こうの話しやすい相手がこっち側の担当者とは必ずしも一致するとは限りませんから、そこのところはお互いさま、いやこれは担当が替わったんだと言っています。まあ三年や四年に一遍替わってきますので、そこをきちんと引き継いで後をやっていくという意味においては詰め、まあそこらの引継業務の詰めがきちんとしてないと今言われたような話がいろいろ出てくるんだと思いますので、今度一本化されるに当たりましてはそこらのところ、詰めはきちんと更にしていくように努力させたいと存じます。
  97. 白眞勲

    ○白眞勲君 確かに、私はJICSもJICAさんも別に責め立てているわけではないんですよね。ただ、例えば担当者さんだって、JICSの担当者さん、バンダアチェでお一人はたしかデング熱か何かにかかっちゃってひどい目に遭ってるわけですよ。やっぱりね、そういう一生懸命現場の人たちはやっているわけだから、それをやはりみんながね、やっぱり協力してそれを守り立ててやるような形でインドネシアの人たちに喜ばれるようなシステムという、そのスキームというものを作っていただきたいというふうに思うんですよね。  で、ちょっと一つ、一点気になったことがあるので聞きたいんですけれども、JICSさんに聞きたいんですが、放送局用家具、これ私も実物を見たんですけども、普通の事務用机ですね。この入札については前にも私国会で御質問申し上げたんですが、十一社に呼び掛けたんですが、何か調べてみたら一社だけが値札入れているんですね。値段入れたのは一社だけだと、そうですね。
  98. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) お答えいたします。  インドネシア政府と協議いたしまして、十一社に対してファクスで通知をいたしまして、そのうち三社が応札したということを確認しております。
  99. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、私は現地のJICSの長谷川所長に聞いたら、一社だけが値札を入れたというふうになっているんですけど、その辺どうなっているんでしょうか。
  100. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) お答えいたします。  その点を正確に申し上げますと、三社が応札して札を入れたけれども、そのうちの二社が資格を欠いていたということだそうでございます。
  101. 白眞勲

    ○白眞勲君 何かちょっとごまかさないでください。結果的に一社になっちゃったわけですよね。価格の審査としては一社しか残ってなかったということですよね。
  102. 佐々木高久

    参考人佐々木高久君) 三社が応札しまして、残った一社、二社が失格になりましたので、一社の価格を取ったということでございます。
  103. 白眞勲

    ○白眞勲君 それ変じゃないですか。一社しか入札しなければ、これまあ百万円弱じゃなかったかと思うけれども、私だったら一億円ぐらい出しますよ、これ。それだって入札を、これ、あれじゃない、決まっちゃうじゃないですか。  これ、会計検査院の方いらっしゃっていると思うんですけれども、その最終的に一社が札を入れた場合というのはどうなっているんでしょうか。ちょっと御解説願いたいと思います。
  104. 諸澤治郎

    説明員(諸澤治郎君) 具体的なその個別の事案については別といたしまして、一般論として申し上げることになりますけれども、入札制度と申しますのは、端的に申し上げますと、入札参加者にその申込みに係る金額を記入した札を投じさせて競争をさせて、そのうち国等に最も有利な札を投した者を契約の相手方としようとする制度でございます。そういう制度の中で、最終的な応札、落札者が決定されるものと考えております。
  105. 白眞勲

    ○白眞勲君 結局、複数社がなければこれは入札として成り立たないということを今会計検査院の方はおっしゃっているわけですよ。ということは、これやっぱり恣意的、だからホームページにも複数社間の価格競争と書いてある。複数社間の価格競争は結果的におかしい、なかったということが言えるわけですよ。これ極めておかしいんじゃないんでしょうか。  こういうこと、特に事務用の家具、私、見に行ったらね、本当に普通の家具ですよ。何でジャカルタでやるんだっていうのが私は不思議でしようがないんですよ。バンダアチェの市内で調達できる家具ですよ。わざわざ、飛行機で言えば二時間も掛かるような距離からそのような机を調達すること自体が、私は非常に極めて分かりにくいと言わざるを得ないというふうに思いますが、この件について、時間なくなっちゃいましたんで、また続けてこれからも、言うといけないのでお楽しみにということでやりたいというふうに思っております。  以上でございます。
  106. 谷合正明

    ○谷合正明君 公明党の谷合正明です。前回に引き続きまして質問をさせていただきます。  前回、大臣出席されておりませんでしたが、私、二〇〇三年十二月に起きたイランの大地震について、バムという都市があるんですけども、そこに仮設住宅を供与するという緊急無償資金協力が、そういう事業がございまして、その問題について取り上げました。  これは、二〇〇三年十二月に地震が起きて、約二年たった二〇〇五年、昨年の秋口にようやくこの仮設住宅約九百五十戸が完成したんだと。現在どうなっているかというと、イラン政府側がするところの、例えば電気であるとかそういった敷設ができていないので、結局住人はいないんだと。要は、二〇〇三年十二月に起きた大地震の緊急無償資金協力事業で、今もって仮設住宅は、物はあるけれどもそこに人は入っていないという状況で、そのことを指摘させていただきました。  外務省の方の話を聞きますと、まだやはりこのニーズはあるんだと、例えば、震災の孤児であるとか未亡人の方なんかがまだ入る余地があるということは言われていたんですが、私自身は、やはり二年半もしますと、そもそも所期の目的、ニーズというものは失っているし、タイミングを逸してしまった支援ではないかと、そのように思うわけであります。そこは、素直に反省すべきところは反省して、教訓をやはり導いて生かしていかなきゃいけないんじゃないかと、そのように考えているわけであります。  今回、私が思うに、例えば電気のないところに仮設住宅を建てたと、電気がないからまだ人が入れないんだと言うんですけれども、そもそも私自身が、例えばNGOで難民支援のプロジェクト、携わっておりましたけれども、難民キャンプをつくるときには、緊急でございますけれども、そのセットアップするときには必ずそこに水源があるかどうかを確かめて、いわゆる井戸を設置して水が出るということを確保してからいわゆるキャンプであるとかそういう医療事業というのがセッティングアップされるわけでありますけれども、そういったところの何というか配慮というか知恵がこのプロジェクトにはなかったんじゃないかと。  要は、外務省さんでありますと政策レベルの専門家でございますので、こういった個別のその現地のニーズであるとかいった、そのプロジェクトレベルの専門家の知見が今回の案件にはなかなか入ってこなかったんじゃないかと、私はそこら辺に要因があるんじゃないかと、そのように考えているわけであります。  今回は緊急無償資金協力でございまして、これは外務省実施するプロジェクトでございます。ただ、緊急性、人道性があるからこそ、私は例えばNGOだとかそういった援助のプロジェクトレベルの専門家を、やはり連携していく必要があるんじゃないかというふうに考えております。  これは、いろいろ、実施の段階でやるのか、あるいはモニタリングの段階で、評価の段階でやるのか、どういうふうな連携あるかというのは、それはまだまだ検討の余地があると思うんですけれども、いずれにしましても、こういったプロジェクトレベルの、例えばNGOなどとの連携強化というものは今後とも必要じゃないかと思うんですが、その辺り、どう考えられますか。
  107. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 極めて明確です。必要です。
  108. 谷合正明

    ○谷合正明君 ありがとうございます。  やはり、その企画立案、そして完成後のフォローアップまでの種々の段階で、やはり評価あるいはそのプロジェクトレベルの専門家を入れていくということが大事だと思っております。特に、まだこのイランの事業は中間報告が正式にはなされていないんじゃないかなと。私は、まだ中間報告を見ておりません。それで、やはりうまくいってないプロジェクトであるからこそやはりそういうものをしっかりすべきだと、そういうふうに思っております。  続きまして、ODA業務実施一元化について質問をさせていただきます。  海外経済協力に関する検討会報告書におきまして無償資金協力についてのコメントが、記述がございました。基本的に無償資金協力についてはJICA実施主体と位置付けると、で、必要な体制を整備すべきであると。しかしながら、効果的なタイミングで機動的に実施すべき援助は引き続き外務省が自ら実施というふうに書いてございます。  この効果的なタイミングで機動的に実施すべき援助というものが、解釈次第では現状と変わらないのではないかという指摘もございますが、外務省として、今回の一元化ということで、この辺りどのように考えていらっしゃるのか。
  109. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この件につきましては、無償資金協力については実施機関ができるものは実施機関に任せるというこの間の答申、答申というか諮問に対するお答えとしてというのをいただいておりますんで、その考え方に基づきまして、いわゆるJICA国際協力機構実施主体として位置付けておりまして、そのためには必要なJICA法の改正を行わねばならぬと思っております。  他方、無償資金協力というのは、御存じのようにこれは外交政策上極めて重要なものでもありますんで、戦略的に実施していく必要もあろうと思いますんで、こういったことを考えますと、いわゆる時期とか、まあ機動性とか緊急性とかいろいろな表現はあるんだと思いますけれども、柔軟性が求められるものにつきましてはもとよりですけれども、もう一点、これ危険地域というのがくっ付いてきますんで、例えばイラクでNGOといったって、イラクにいる方がおられぬわけですから、そういった意味につきましては実施機関にかかわることは困難というものもあろうと思いますんで、一概に一律というわけにはいかないと思いますけれども、適切な判断が必要だと思っておりまして、具体的な制度設計というのを今後どうやってやっていくかというのを目下詰めておる最中というふうに御理解いただければと存じます。
  110. 谷合正明

    ○谷合正明君 そうしますと、具体的に外務省が引き続き実施をするプロジェクト、無償資金協力というのはまだはっきり決まってないということですか。今、一般プロジェクト無償だとか水産無償とかノンプロジェクト無償、いろいろございますけれども、具体的にどういうふうに整理されようということでございますか。
  111. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) 先ほど大臣より答弁のございましたとおりでございますけれども、具体的にどういうものについてJICA実施をゆだねるか。これは基本的な考え方は、当然実施機関JICAにできるものはこれはもう基本的にJICAに移すというのが基本的な考え方でございますが、その下でなお、こういった報告書に盛り込まれておりますように、一部のものについて外務省が引き続き実施をすることが適当であるものというもの、これはあり得るであろうということでございまして、具体的に今お話ございましたような、どういうスキームJICAに基本的に実施をゆだねる、どういうものについては外務省というところを、これは言わばこれから具体的な詳細設計というものを詰めていくということでございますので、先ほどのその緊急性とか機動性ということにのっとって、この部分はやはりどうしても引き続き政府外務省として実施をしていく必要があるという、言わばそういう特別なグループというもの、対象というものがあれば、そこのところは引き続き外務省実施をするということでございまして、基本的にはJICA実施をゆだねるということでございます。
  112. 谷合正明

    ○谷合正明君 分かりました。  続きまして、評価について質問をさせていただきます。  この評価の重要性についてはもう久しく言われているわけでございます。特に、無償資金協力評価につきましては、一層なお一層強化するべきだということは言われているわけでございます。  そこで、確認でございますけれども外務省がこの実施まで引き継ぐところの無償資金協力というのはだれがこの評価の責任というものを持つんでしょうか。
  113. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) それは当然、外務省として評価の責任を持つということになると思います。
  114. 谷合正明

    ○谷合正明君 やはりそこですね。やはり先ほどの一番冒頭に質問をさせていただきましたイランのような緊急無償資金協力、こういった外務省実施していると、そこはJICSさんが調達代理機関として入っておりますけれども、なかなかこの評価を見ようにも国民が見る機会もないと。やはりそこはしっかりオープンに、できるところはしっかりしていただきたいということを要求させていただきます。  続きまして、国際協力の専門家のキャリア支援ということについて質問をさせていただきます。  我が国国際協力外交に資する専門家というのは、例えば外務省を始めとしまして、JICAさんですとかJBICさんの中にもたくさんおります。開発コンサルタント、民間でいいますとNGOでありますとか、あるいは国連機関にも我が国国際協力に携わる専門家というのはたくさんおります。  ただ、私がこれから今後重要となってくると思うのは、このそういう国際協力に携わる人たちのキャリア支援というものをどう考えていくのかということでございます。例えば、NGOを例に取りますと、これまで外務省さんの方でNGO向けのODA予算というのを大分充実していただきました。平成十八年度の予算だけでも、日本NGOが使える予算というのは大体百四十一億円あると。JICAにおきましても四十九億円ぐらいあると。JBICの場合はまだそういうNGOに提供するという資金はないようなんでありますが、このように資金は大分増えてきてはいるんですけれども。  ただ、実際問題、実際NGOに携わっている方の話を聞くとなかなか、二年、三年はできるんだけれども、四年、五年、長期間にわたってそこで生活を、生計を立てることが難しいんだということでございます。家族を養うというのは難しいと。実際、NGOにもいろいろピンからキリというんでしょうか、いろんなレベルございますけれども、フルタイムで働いたとしても年収がやはり三百万円行かないという状況もございます。もう海外の大学院で留学して立派な学歴とかを持っていても、なかなかそういう実情があると。二年、三年して、やはり国際協力の道から違う道に行かざるを得ないという現状があるんだと思います。国連スタッフに聞きましても、国連でJPOで二年、三年行っても、その後の就職先で困るんだという話を聞きました。  この辺りは、援助の進んでいる北欧と比べると日本の場合は、例えば青年海外協力隊あるいは国連、NGOなどの人が、二年、三年した後、次の段階のキャリアというものが我が国では不足しているんだという指摘があります。  この辺りについて、外交に資する人材をどうキープしていくか、この辺りの考えをお聞かせください。
  115. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは谷合先生、これはもう、この海外青年協力隊を最初に、これは当時の自由民主党竹下登青年局長のときにスタートしたプログラムなんですけれども、そのときに最初に問題になったのはこれだそうです。当時は終身雇用ですから、途中で会社二年抜けて帰ってきたら、おまえどこへ行くんだといってもうそれで終わっておるわけです。それで、ここがもう非常にこれがうまく進まなかったという大きな背景がありました。これはもう事実としてそういうもんなんですが。  今、再就職に関しましては、これは今御指摘の点含めましていろいろなものが、進路カウンセラーみたいなものが海外青年協力隊の中の、JICAの中にそういったものがつくられてみたり、帰国した者が再入学したい、大学に行ってみたいという人に関しましては推薦入学制度が開設するとか、また、今ウエブサイトなんという便利なものができておりますんで、こういった、国際機関の方で、こういった経験の人材を求めています、日本人とかいうようなものに関しましての情報等々を集めることにしておりますんで、JICAの運営費の交付金の中には今この金を計上しております。  また、国際関連機関、そういったものに就職したいという人もいらっしゃいますんで、そういった若手の日本人というのを支援して、いろんな国際機関日本人が、金だけ出すんじゃなくて人も出すと、そういったようなことはいいことだと思いますんで、職員の派遣制度というのを実施しておりますけれども平成十八年度の今回の予算案の中におきましては、そういったものに対して約十億五千万ぐらい計上しております。  こういった制度で、派遣して、三年なら三年終わって帰ってきて、また就職というところが、そこでまた引っ掛かるわけです。そういった意味では、国際機関に勤めて離職した言わば国際関係職員につきましては、再度、国際関係機関の別の機関へ勤務したいんですか、それとも日本にいたいんですかということは、そこに、現地へ行ったら、例えばスウェーデンならスウェーデンへ行ったら、その現地の在外公館ということを通じて言ってくださいと、そういったことに関しましては私どもとして御相談に応じるように、ネットにつなげば本省にもつながりますし、国内に行けばこういうのがある、今スウェーデンならこういうのがある、隣のノルウェーへ行ったらこんなものがあるというような情報はできる限り集めたいということで、情報機器の精度が飛躍的に向上したせいもあるんだと思いますけれども、昔に比べれば随分いろいろな支援ができるようになっておりますけれども、基本的には、途中入社、途中就職というのがなかなか難しい日本の企業土壌というものがなかなか話を簡単にはいかせていないというのが一番大きな背景だとは存じますけれども、昔に比べて、私どもが始めたこの海外青年協力隊を担当しました二十五年前に比べたら、もう格段の違いは感じておりますけれども、まだまだだと存じております。
  116. 谷合正明

    ○谷合正明君 大臣の御理解、本当に感謝申し上げます。  次に、国際機関の援助について質問なんですが、今日の大臣予算説明の中にも国際機関についてはしかるべき予算を計上していると書いてありますけれども、ただ、国際機関のこの援助の使われ方をどうチェックするのかというのがまだまだ甘いんじゃないかと私は思っております。二国間援助だけでなくて、こういった国際機関を通じた援助にも多額の税金が使われております。平成十八年度でも約九百億円が国際機関への出資、拠出で計上されております。これらの出資、拠出がどう使われているのかというところが、余り関心がないのか、見えてこないなと。  私自身は関心がございまして、昨年は十一月にアフリカのスーダンの方へ行きまして、スーダンの南部まで行きまして国際機関等が実施しているプロジェクトを見てまいりましたけれども国際機関におきましてもやはりこのチェック体制というのを我が国でやはりしかるべきものをしていくべきじゃないかと、あるいは国民にどう使われているかというのを説明責任を果たしていくべきじゃないかというふうに思っておりますが、この辺り、どう思われますか。
  117. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) おっしゃるとおり、衆議院で、分かりやすいかと思いますけれども予算は興味あるけれども決算は余り興味がない。会社へ行ったら逆ですよ。会社予算より決算ですよと、私はそう思いますね。決算が勝負でしょうがと私は思うんですけれども、やっと参議院では決算重視ということにこの数年なられておられますんで、ええことだと、私自身は基本的にそう思っています。  そういう意味では、経営者からこっちの世界に、実業から虚業と言うと問題起きるな、また。実業から正業、いや違うな、何か適当な言葉に。とにかくビジネスの世界から政治の世界に来た者から言わせると、この予算と決算の差だけがもう僕は正直一番驚いたものだったんですけれども、いずれにしても、どうやってやるかというのは一番大きな関心事で私もあります。  例えばこれも、国連の分担金というのはよく話題になりますけれども、こういった、例えばスーダンの例を引かれましたけれども、北と南ではあそこは全く違いますんで、南の方はキリスト教徒、北の方はイスラム教徒等々違いがあるんで、南の方に話が偏りがちというのはもう御存じのとおりですけれども。  そういったようなことになってくると、基本的には私どもは、国連分担金比率で、これに百億出すとなったら、それに日本比率はこれといって割り当ててきますんで、その内容については私どもは、たんびたんびプロジェクトが出ますんで、そのプロジェクトに人を入れているかというと、それは年度途中にいきなりこれに三人出せ、五人だせと言ったってとても出せるあれがありませんので、なかなかチェックが難しいという実態は確かにあります、人が中に入れていませんので。そういったところは私どもとしての組織上の問題点等はあるんだと思いますけれども。  少なくとも、国際機関等への拠出金出資金に関する報告書というようなものを作成して、いろんな形で外務省としてこういったのはきちんと作ってはおりますけれども、じゃ細目にわたっておまえどれぐらいきちんとできているのかというと、そこに人がおりませんので、残念ながら第三者ができたものをという以外にほかに方法がありませんので、そういった意味では、何らかの形でこういったものがきちんとされるようにシステム、制度として考えるというのは今後の課題として残っていようと思います。
  118. 谷合正明

    ○谷合正明君 終わります。
  119. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門でございます。  インドのODA調査踏まえて、具体的な問題で質問したいと思います。  草の根無償資金協力のことでNGOの方々から要望を聞いてまいりました。この草の根無償資金協力について簡単にちょっと説明をしてくれますか、外務省の方で。
  120. 佐藤重和

    政府参考人(佐藤重和君) この草の根無償資金、草の根・人間の安全保障無償資金協力と称しておりますが、これは、基本的にはその各国各国の直接政府ではなくて、NGOであるとかあるいは地方自治体であるとか、そういうことで正に草の根ベースで直接に支援をすると、そして比較的小規模なプロジェクトに対して支援をするということで行われてきております。  実際にはもうかなり多くの案件を大使館をベースにして手掛けておりまして、年間で一千件以上のプロジェクトというものを、この草の根無償資金、草の根・人間の安全保障無償資金協力ということで、正に細かいところに手が届く、そしていろいろな人たちの教育あるいは保健、そういった基礎的な生活の向上といったようなものを重点的に支援をしていくということで行ってきているものでございます。
  121. 大門実紀史

    大門実紀史君 ありがとうございます。  麻生大臣にお聞きしたいんですけれども、このODAの中でNGOが果たす役割というのは私大変大きなものがあるというふうに、中国でもインドでもアフリカでも見てまいりましたけど、大臣、どういうふうにお考えか、一言お聞かせいただきたいと思います。
  122. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、大門先生全くおっしゃるとおりで、日本人の豊かになったせいもあるんだと思いますけれどもNGOといったようなものに参加している方というのは、何となくほかに就職するところがないからとか、何かそういうイメージの、二十五年前はそんなイメージですよ。ところが、今はかなりイメージの違った、かなり見識があるというか経験があるというような人がこれに結構参加をされておられて、私どもから見ていてもなかなかの方が大勢おられるというのはこの十年間ぐらい特に顕著に感じるところでもありますし、そこにずっと、三年に替わるんじゃなくて、そこにずっといるという方もいらっしゃいますし、現地に完全に根が生えている方もいらっしゃいますので、私どもはこういった方々の知識、経験というのは大いに生かす、活用すべきものだと思っております。
  123. 大門実紀史

    大門実紀史君 ありがとうございます。  そういうNGOの方々からいろんな御意見を聞きまして、そのままこの委員会で取り上げて、大臣のお考えを聞きたいと思います。  今申し上げた草の根の無償資金協力というのは、保健医療とか基礎教育とか民生、環境分野というところで、病棟を建設するとか、機材とか、教室を造るとか、机やいすとか、貯水タンクとか、言ってみれば物に、物的なものにだけ支援いたしますよというふうになっております。ところが、教育にしろ、医療にしろ、農業にしろ、現地のNGOの方は、確かに機材をもらうのも有り難いと、教室直してもらうのも事務所を直してもらうのも有り難いと。ただ、今大事なのは、現地で特に大事なのは人を育成すると。現地の技術者を育てるとか、現地での、現地人の人たちの人材を育成すると、これがもう課題になっているというふうにおっしゃっていました。  ただ、この無償資金協力では物にだけというふうになって、なぜこうなったかちょっと分からないんですが、ODAというのは元々、形に残るものだけというような何か伝統があるみたいですけれども、私は、全部をそうしろとは言いませんけれども、こういうNGOの方々が現地でいろいろ技術協力をする、物も、機材はあると。しかし大事なのは、技術者を現地で育てることなわけですね。そういう点で、そういう面にも支援してほしいという要望はかなり強く出されました。  NGOの事務所の人件費等には出せないというのは、これは理屈としてよく分かるんですけれども、そういう、何といいますか、人材育成プロジェクトといいますか、そういう、大臣さっきおっしゃったようなソフトパワーが大事なわけですけれども、そういうプロジェクトに対して、人材育成プロジェクトとかそういうものに対して、それをきちっと審査をして、もちろん、有効だということがあれば、私は、箱物とか機材とか、物だけにこだわらず、今後、そういうものに、審査した上ですけれども無償協力していくということもこれからはあり得るんじゃないかというふうに思いますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  124. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) 委員指摘の、人材育成のためのプログラムにも使えるようになればよいという御指摘であります。  草の根・人間の安全保障無償資金協力ということについては、先ほど申し上げましたが、やはり草の根レベルでのニーズの高い案件を着実に実施していくということが非常に大事でありますから、草の根無償におきましては、青少年あるいは女性のための職業訓練とか感染症対策とかについての啓蒙活動を行う、そのためのプロジェクトへの支援というものも実施していくことが大切だと、こういうふうに思っております。  また、現場のニーズを踏まえて、草の根レベルの住民に裨益するようなプロジェクト、そしてそのための人材育成のプロジェクトというものについても支援の方向を考えていきたいと、こういうふうに思っております。
  125. 大門実紀史

    大門実紀史君 じゃ、今後そういうことも検討に入れてもらえるということで、大変な前進だと、現地の方々、喜ばれると思います。  そうすると、もう質問することがなくなってしまったわけですけれども、せっかくですから、私、ODA二つ、中国、インドへ行って、あとアフリカも行って、一つ感じていることがございますので、大臣のお考えをお聞きしたいと思いますが、今、そういう途上国でも貧富の差が広がっているんですね、グローバル化の中で大変な貧富の差が広がっています。昔と違って、グローバル化の中でむしろ国策として容認している部分もあります。どこの国とは言いませんけれども。  そういう場合、貧困の解消で日本ODAを出すというのは、前と違って、私は、その国の責任として貧富の差の縮小に努力してもらわないで、貧困を国は放置しておいて、日本がそこに貧困対策で協力するというのはちょっと違っているような気がしたりしているのをこの間見ているところです。もちろん、貧富の差の縮小に取り組んでいる国もありますけれども、そういう面で、貧困の解消にODAをという場合は、ちょっと政府間といいますか、そういうレベルでもきちっと貧富の差の縮小は取り組んでもらいたいということなしに援助だけでいいのかと思っているところがございますけれども、所見があればお伺いしたいと思います。
  126. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 大門先生と、共産党と初めて自民党が意見がびったし合ったなという感じが今したんですけれども、正直申し上げて、急激に経済を成長させたら必ず貧富とか地域間格差というのが起きるのは、日本で昭和三十年代、四十年代、みんな経験しましたので、それを救うために累進課税で動かしたり、都市で得た税を地方にして、均衡ある都市の発展というのは、みんなもう三十年前、四十年前に日本はみんな苦しんだ経験がありますので、私どもはそういった経験を是非買ってもらいたいと。先ほど田村先生がえらくお褒めいただいたあの中にもそれを書いたんですけれども、ここは日本アジアの中において圧倒的に実践的先駆者だったと思っておりますので、それらのところはどういう具合にすれば地域間格差が埋まるのかとか、貧富の格差が埋められるのかというところをやっていかなきゃいかぬというのが一点。  もう一つは、ODAはあれは施しと思っておられる方が多いですけれども、あれは施しと思うと、地域は何となく、もらうのがという話になりますので、やっぱり自分で稼ぐ手口を教えるという方が僕は、基本的に正しいんで、先ほどの人材のお話をされましたけれども、私はそういった意味で意欲を持った人を育てる。能力だけじゃなくて、意欲がないと駄目だと思いますので、意欲のある人を育てる、若しくは意欲を育てる。そういったようなことが非常に今後重要視される。特に、日本ODAというのはそういうものだというようなところが大事かなと私自身もそう思っております。
  127. 大門実紀史

    大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。
  128. 近藤正道

    ○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。  予算の委嘱審査でございますので、最初に来年度予算の特徴についてお聞きしたいというふうに思います。  この特徴は、一般歳出、つまり無償援助部分、これを抑えながら、その代わり円借款とかあるいは棒引き、債務救済、こういうものを少し確保して、そして全体で帳じりを合わせていると、こういうところに特徴があるというふうに思っています。  無償資金援助、これは昨年度に比較してマイナス二・六%、こういう中身になっておりますが、しかし一方で、政府、小泉総理は昨年いろんな会議無償援助について頑張るという、そういう表明をされております。今後三年間でアフリカ向けのODA、倍増する、そしてその中心は贈与だと、こういうことを言っておられるわけでございます。そういう意味で、アフリカ諸国のこの無償援助に対する期待は非常に大きいものがあるというふうに思っています。  しかし、御案内のような大変厳しい財政状況でございまして、無償援助、伸ばそうといったってなかなか伸ばせない。こういう中で今回のやり方があったんだろうというふうに思いますが、基本的にこのアフリカ向けの無償援助についてどういうふうに外務大臣お考えなのか、お聞かせをいただきたい。
  129. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今御指摘のありましたように、昨年の四月のアジア・アフリカのいわゆる首脳会議において、小泉総理の方からミレニアムサミット、ミレニアム開発目標というのを、出てきて、それに対してODAの対GNI比〇・七%ということになったんで、これに頑張るということになっておりますけれども日本としては、なかなか財政事情からいってそんな簡単にはいきませんし、額は極めて大きいことになろうと思っております。  しかし、その中で、今後三年間におきましてアフリカ向けODAは二百、いや、二百というのは倍増しますということを表明をしておられますんで、私どもとしては、その後行われましたイギリスでのグレンイーグルズのサミットでもその点を中期的な目標として、五年間でODA事業量を倍増するというような、あっ、百億ドルだ、倍増じゃない、百億ドル、あっちが倍増で、こっちは百億ドル積み増すという話をしておられます。  そういった意味では、これ、この中には贈与というだけのみならず、例えば円借款の債務の救済、今言われました債務の救済やら、また、ほか、いろいろな手口、ODAの話がいろいろありますので、そういったものを全部まとめて取り組んでいかなければならぬと思っております。  ただ、御存じのように、一般会計で見ますと、この十八年度に関しましては対前年比マイナス三・四%ということになっておりまして、無償につきましてはマイナス四・七というマイナス、%が、そういうことになっておりますので、これはなかなか難しいというのが正直なところでもありますので、今言われましたように、いろんな意味でこれは、先ほども言いましたように削減の話やら返還の話や、いろんなものを全部入れてという話にならないととても、ただただ単純に倍増するとか百億ドル増しますなんといっても、そんな簡単にはいかないだろうと、率直にそう思っております。  ただ、いろんな意味で、今後、日本というのはどうしても日本の安全基準とかなんとかでやりますから、ここにそんなに立派なものは要らないんです、もっと学校というのは普通のものでいいんですというんで、ちょっとあなた、過剰設計じゃないかとか、姉歯のちょうど逆、姉歯の逆になっておると思っていただければよろしいんだと思いますけど。逆に立派過ぎるというようなもので、これだったらもう二つ建ててくれと。この金ができるんだったら、もう一校建ててくれた方がよっぽどいいという需要は、これはミンダナオやら何やらで私どもこういったものに関係したときによく聞かされた話でもありますんですが。こちらとしては、いや日本が建てた以上、少々の台風や地震じゃぶち壊れないものを造らにゃいかぬという、これまた技術屋さんのプライドがありますものですから、これ正直、現場に何回か足を運んだことありますけれども、結構難しいんで。  そういった意味で、私どもとしては、コストは削減するという目標はこれはきちんと決めようと。少々、数値目標をきちんと決めてやっていこうじゃないかということで、少なくとも、これまでに比べて、向こう数年間で三割ぐらいコストが下げられないはずがないということで、例えば使用する機材、使用する素材、機材、そういったものを含めて検討するべきなのではないかということは言っておりますけれども。いずれにしても多方面、今度非常に分かりやすい制度になりましたものですから、こういったものを大いに活用させていただいてやらせていただきたいと思っております。
  130. 近藤正道

    ○近藤正道君 大変厳しい財政状況でございますけれども総理ミレニアム開発目標についてきちっと物を申されておりますわけで、無償部分、つまり真水部分がやっぱりどうなるのかということが非常にポイントなんで、是非頑張っていただきたいというふうに思いますし、同時に、今言った、大臣がおっしゃったコミュニティー開発無償援助でしょうかね、このところでまあ三割ぐらい削減というようなお話がございましたけれども、是非その効果をしっかりと決算の中で反映できるようにしていただきたいというふうに思っています。  それと、よく聞く話でございますけれども、やっぱりこのODAの場合は相手国のやる気というのが非常にポイントだと。そのやる気を引き出す意味で、日本のやっぱり大使が、今現在自分のところの赴任地でどういうODAが行われているのか、その実態をよく分かっていて、そして時々やっぱり現場に行くと。そのことが非常に大事だと。そのことが現地のやる気を引き出すことにもなるんだけれども、しかしなかなか、大使の中には頑張る人もいるけれども、全く分かっていない、あるいはほとんど現場にも行っていない人がたまにいるというような話もよく聞くわけでございまして、是非そこのところはしっかりと、できるだけやっぱり現場に行って督励をする、そういうことをきちっと徹底していただきたいということと、もう一つは、現地の日本から行く人たち、やっぱり官庁から縦割りで二、三年で帰るわけで、専門の人をいかに育成するか、これがポイントだという話を私はNPOの人たちからよく聞くんですけれども、この辺の育成、支援というものについて、時間がもう最後でございますので、併せてお聞かせをいただきたい。
  131. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) ただいま近藤委員から御指摘ありました点は、誠にそのとおりであるというふうに思います。  被援助国の自助努力といいますか、オーナーシップを支援する上からも、また我が国の援助を効果的なあるいは効率的なものにする上でも、御指摘のように、大使はもちろんですけれども、大使も含めた在外公館職員、それから現地のODAのタスクフォースのメンバーが、やはり常日ごろから経協サイトの訪問や現地の関係者との率直な意見交換を重ねていくということは御指摘のとおりだと、こういうふうに思っておりますし、今後もその努力を続けていくように指導していきたいと、こういうふうに思います。  それから二つ目の、被援助国のニーズの把握に努めながら、やはり現地機能強化という意味からも人材の育成という、支援ということを言われました。あるいは外部からの援助専門家や地域専門家の活用といったようなものも含めまして、人的体制の整備というものは非常に重要だと、こういうふうに考えておりますので、この点についても十分に取り組んでいきたいと、こういうふうに考えております。
  132. 近藤正道

    ○近藤正道君 終わります。
  133. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 国民新党の亀井でございます。時間もございませんので、一、二点お尋ねしたいと思います。  最初にお尋ねしたいのは、総理の発言との、公約との関係ですけれども、昨年の七月のグレンイーグルス・サミットにおきまして、小泉総理は、今後五年間のODA事業量については、二〇〇四年度実績をベースとする額と比較して百億ドルの積み増しを目指すということを表明されたわけであります。そういう意味では、既に今年は二年目でございますけれども、二十一年までに百億ドル、約日本円で一兆二千億近い金でございますけれども、これを積み増す必要がございます。  ODA事業予算ODA事業量が一致しないことは分かりますけれども、深い関係がございますけれども、十八年度のODA予算を見ますと、一般予算では三・六%減、金額で二百六十五億円も減少しているわけでございますが、これでは小泉総理の公約は実現できぬのじゃないかなという思いをするわけですし、そういう意味では、小泉総理の発言を実現するためにはこれから毎年二千億以上積み増ししていかなきゃいかぬということになりますね。  そうすると、そういうことから、過去五年間のODA事業量の実績に加えて、二十一年までODA予算について公約達成のため、どんなお考えで対応されるのか、それについてお尋ねしたいと思います。
  134. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 亀井先生御指摘のとおり、平成十八年度、今御審議をいただいております予算の中のODA予算は、一般会計でいきますと七千五百九十七億円ということになっておりまして、今御指摘のありましたように、対前年度比マイナス三・四%ということになっております。  これは、もう全然話の方向と逆ではないかと、誠におっしゃるとおりだと存じますが、私どもとしては、平成十七年度の補正予算足しまして、十二か月じゃなくて十五か月と考えていただかなければいかぬところが少々ちょっとごまかしっぽいと言われりゃごまかしじゃないかと言われるところかもしれませんが、三百四十五億円、いわゆる補正予算が三百四十五億円ここに追加をされることにいたしておりますので、これでいきますと七千九百四十二億円といって、ほぼ零コンマ、ほとんど前年並みということになろうということで、一応それなりに維持ができたんだと、私どもはそう思っております。  ただ、ODA事業量というのは一般会計に限りませんで、いわゆる無償資金協力とか、そのほかJICA技術協力等々いろいろありますんで、円借の話とか債務というか、債権を放棄するとか、いろんな形で国際機関等々への出資やら、また拠出金というようなものを含めて構成をされておりますんで、私どもとしては、極めて財政厳しい状況の中ではありますけれども、いろいろ知恵を絞らしていただいて、少なくともこういったものは政府の公約としてなっておりますんで、私どもとしては、国際公約というものを実現していかないとちょっと具合の悪いことになると思いますんで、いろいろ知恵を出してこの実現に努力をしてまいりたいと考えております。
  135. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 もう一点だけお尋ねしますが、アジア中心の予算の問題についてですけれども平成十五年八月の閣議において、ODA事業アジア地域を中心に実施するということが決められたわけでございますけれども、その後の予算の動向をちょっと見ますと、そういう感じがしないわけでございます。そういう意味で、アジア中心になっている事実を十六年、十七年度のODA事業の実績や十八年度予算を基にちょっと具体的に大丈夫だよと、こうなっているんだよということが分かれば教えていただきたいと思います。
  136. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) 亀井委員指摘の点につきましては、まず平成十五年八月に閣議決定されましたODA大綱におきまして、日本の安全と繁栄に大きな影響を及ぼし得るアジアは重点地域であるということで記述があります。我が国ODA大綱に基づきまして、アジア地域を重点地域として援助を実施してきているわけであります。  具体的に申し上げますと、アジア地域に対するODA我が国ODAに占める割合、そういう数字でございますが、平成十六年度におきまして円借款、交換公文ベースで約七六%、そして無償資金協力、交換公文ベースで三〇%、約三〇%ですね。それから、技術協力JICA経費、実績ベースでございますが、約四七%となっております。  アジア地域はほかの地域と比べますと、円借款技術協力については第一番目の受取地域になっております。また、無償資金協力につきましては、イラクとかアフガニスタンに対する復興支援が実施されたことを受けまして中東地域が第一位ですが、第二位のアジア地域が受取地域と、こういうことになっているわけであります。  なお、平成十七年度のODAの実績につきましては現在集計中でありますけれどもアジアが全体として第一位の受取地域になる見込みであります。また、平成十八年度予算国別ではなくて形態別の計上となっておりますけれども、引き続きアジア地域を重点地域として援助を実施していくという考え方であります。
  137. 亀井郁夫

    ○亀井郁夫君 ありがとうございました。
  138. 山崎正昭

    委員長山崎正昭君) 以上をもちまして、平成十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 山崎正昭

    委員長山崎正昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時六分散会