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2006-06-06 第164回国会 参議院 財政金融委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年六月六日(火曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員異動  六月五日     辞任         補欠選任      主濱  了君     大久保 勉君      前川 清成君     家西  悟君      山下 栄一君     荒木 清寛君  六月六日     辞任         補欠選任      峰崎 直樹君     藤末 健三君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         池口 修次君     理 事                 岩井 國臣君                 田村耕太郎君                 中川 雅治君                 櫻井  充君                 峰崎 直樹君     委 員                 泉  信也君                 片山虎之助君                 田浦  直君                 田中 直紀君                 鶴保 庸介君                 野上浩太郎君                 溝手 顕正君                 若林 正俊君                 家西  悟君                 尾立 源幸君                 大久保 勉君                 大塚 耕平君                 富岡由紀夫君                 平野 達男君                 広田  一君                 藤末 健三君                 荒木 清寛君                 山口那津男君                 大門実紀史君                 糸数 慶子君    国務大臣        財務大臣     谷垣 禎一君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        与謝野 馨君    副大臣        内閣府副大臣   櫻田 義孝君        財務大臣    赤羽 一嘉君        農林水産大臣  三浦 一水君        経済産業大臣  松 あきら君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        後藤田正純君        文部科学大臣政        務官       有村 治子君    事務局側        常任委員会専門        員        藤澤  進君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官        兼産業再生機構        担当室長     広瀬 哲樹君        防衛施設庁施設        部長       渡部  厚君        金融庁総務企画        局長       三國谷勝範君        金融庁監督局長  佐藤 隆文君        法務大臣官房審        議官       深山 卓也君        外務省北米局長  河相 周夫君        財務省理財局次        長        日野 康臣君        財務省国際局長  井戸 清人君        文部科学大臣官        房審議官     徳永  保君        農林水産大臣官        房審議官     佐久間 隆君        経済産業大臣官        房商務流通審議        官        迎  陽一君    参考人        株式会社三井住        友銀行頭取   平澤 正英君        日本銀行理事   白川 方明君     ─────────────   本日の会議に付した案件財政及び金融等に関する調査  (三井住友銀行に関する件) ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○証券取引法等の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴  う関係法律整備等に関する法律案内閣提出  、衆議院送付) ○金融商品取引監視委員会設置法案櫻井充君外  五名発議)     ─────────────
  2. 池口修次

    委員長池口修次君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、主濱了君、前川清成君及び山下栄一君が委員辞任され、その補欠として家西悟君、大久保勉君及び荒木清寛君が選任されました。     ─────────────
  3. 池口修次

    委員長池口修次君) 財政及び金融等に関する調査のうち、三井住友銀行に関する件を議題といたします。  本日は、参考人として株式会社三井住友銀行頭取平澤正英君に御出席をいただいております。  平澤参考人におかれましては、本日は御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。  まず、私から平澤参考人にお伺いいたします。  三井住友銀行は、融資先企業に対しデリバティブの一種である金利スワップの購入を強要したとして、昨年十二月、公正取引委員会から排除勧告を出されました。また、金融庁から本年四月に、同商品新規販売の半年間停止等業務改善命令が出されました。独占禁止法が禁ずる優越的地位濫用を理由に、銀行がこうした処分を受けるのは今回が初めてと承知しております。  去る二日、こうした処分を受けて業務改善計画を出されたわけですが、参考人は、こうした営業活動法令遵守をおろそかにし、利益偏重に走ったとされたことについて、どのような背景体質があって起きたのか、また、今回の処分を教訓として、今後、銀行体質あるいは営業活動をどのように改めていくのか、お聞かせください。  あわせて、今回の過度な営業行為は、融資を受ける企業、とりわけ中小企業方々、また預金者等に対して、三井住友銀行への信頼、信用を相当程度失墜させたと思われますが、今後、信頼回復に向け、こうした利用者方々に伝えたいこと、あるいは決意があればお述べください。
  4. 平澤正英

    参考人平澤正英君) 三井住友銀行平澤でございます。頭取の奥が国際会議出席のため、本日は、私の方からお答えさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。  御承知のとおり、弊行は、四月の二十七日、金利スワップ販売態勢等に関しまして、金融庁から銀行法第二十六条に基づく行政処分を受け、これに基づき、先週末、金融庁業務改善計画を提出したところでございます。  このような事態に至りましたことは誠に遺憾であり、問題となった取引の相手方となったお客様に対しまして深くおわび申し上げますとともに、弊行を御利用いただいているお客様を始め、関係者皆様に御迷惑、御心配をお掛けしておりますことを併せておわび申し上げます。  弊行では、今般の事態を真摯に受け止め、深く反省し、再発防止信頼回復に向け、全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。  それでは、御質問のございました今回の事態背景原因、そして今後の業務改善策につきまして、説明させていただきます。  まず、今回の事態が発生した原因でありますが、金利スワップ販売態勢に関しまして、問題の発生した営業店だけでなく、例えば、収益目標の設定の在り方あるいは本部統轄部署による営業店指導在り方あるいは研修在り方等々、本部にも問題点が認められております。今回の事態は、これらの問題点が重なり合って発生したものと考えられますが、総括して申し上げれば、収益目標を掲げこれを推進する一方、それに見合った業務管理牽制機能が十分ではなかったということであります。換言いたしますと、業務運営というものとコンプライアンス中心とした管理というものが両輪となっていかなければいけないところでありますが、そのバランスが崩れてしまったことが今回の大きな原因と認識しております。  また、お客様の声が経営に十分に伝わらなかった等、モニタリング面での問題もございましたが、今回の背景にはお客様本位という意識徹底が十分でなかった面があるものと認識しております。このような問題点を踏まえまして、業務推進面管理面など、全般にわたる業務改善計画を策定しております。  その概要につきましては、お手元に弊行プレスリリースをお配りしておりますが、そのポイントを四点、説明さしていただきます。  まず一点目は、お客様本位営業姿勢及び法令等遵守態勢整備に向けた経営姿勢明確化であります。  今回の事態の重さにかんがみますと、私ども経営陣が真摯な反省に立脚した上で率先垂範して再発防止に取り組んでいかなければならないと認識しております。この点、既に、昨年来、各種会議での徹底組織面での対応を講じるなど、手を打ってまいりましたが、今後におきましても、経営として再発防止に向けた取組に積極的にコミットしてまいります。  具体的には、まず、新たな組織として業務管理委員会を設置し、外部有識者社外取締役中心に、弊行法令等遵守、そしてCS品質管理等に関する諸施策やその進捗状況実効性などを第三者的視点からチェックしてまいります。  また、お客様の声を積極的に業務改善につなげるため、全経営会議役員メンバーとするCS品質向上委員会を毎月開催し、業務全般品質向上を図ってまいります。  さらに、モニタリングに対する経営のコミットメントを高めまして、経営として業務の実情をタイムリーに把握して業務全般適切性を確保してまいります。  二点目は、業務面見直しでありますが、弊行業務活動コンプライアンスに留意しつつ、お客様本位に根差したものといたします。  具体的には、業績評価要領等について、業務運営管理バランスを重視いたしまして、収益中期的店作り拠点運営、この三つをバランス良く評価する方法に改定する等の対策を講じてまいります。  三点目は、商品サービス等見直し。  四点目は、管理面見直し。これは、業務に見合った管理機能牽制機能を確保するため、コンプライアンスモニタリング監査等についてその機能方法見直してまいります。  以上が業務改善計画ポイントであります。  さらに、今回の問題の原因となった役職員責任の所在を明確化した上、関係者処分を実施いたしました。既に退任している役員四名につきましても、要請をいたしまして相当額自主返上につきましていずれも応諾を得ております。  最後に、金利スワップに関しまして、各種指摘をいただいておりますお客様に対しましては、個別に誠意を持って真摯に対応させていただきます。補償に際しましては、可能な範囲で、できる限り幅広い対応を心掛け、早期に皆様の御理解を得てまいりたいと考えております。  冒頭でも申し上げましたが、私どもといたしましては、今回の問題を真摯に反省の上、お客様、株主、国民の皆様からの信頼を一日も早く回復すべく、役職員一同、心を一つにして、誠心誠意業務改善計画を着実に実行してまいる所存でありますので、何とぞ御理解賜りたくお願い申し上げます。  以上でございます。
  5. 池口修次

    委員長池口修次君) 私からの質問は以上でございます。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫と申します。参考人質問させていただきます。  前回、先週ですか、西川頭取にもお越しいただきまして、いろいろと原因等々について伺いました。そして、今も原因についていろいろとお話しいただきましたけれども、ちょっとその中で確認しておきたい点がございます。  特に西川頭取は、原因の大きな要因一つとしてモニタリングが足りなかったと、不十分であったということを強調されていらっしゃったんですが、このモニタリングというのは具体的にはどういったことをされていらっしゃったんでしょうか。
  7. 平澤正英

    参考人平澤正英君) お答えを申し上げます。  苦情モニタリングでございます。これは、事案の実態把握が不十分だったので、その苦情が適切に処理できなかったという反省お話が出たものと思っております。苦情分析、それから苦情を踏まえた各部の改善指導が不十分であったと、さらに、苦情経営に生かすということの認識が不十分で、苦情を処理するという部分に目が行ってしまったというところが今回の反省点であり、今回の改善計画でもそれを織り込んだ対応にいたしております。  以上でございます。
  8. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 西川頭取参考人質疑の中で、ちょっと気になったことがあったんですけれども、それは、今回の事態は誠に遺憾だということを何回も繰り返されていらっしゃったんですが、この遺憾という意味はどういう意味なんでしょうか。
  9. 平澤正英

    参考人平澤正英君) 御本人がどういう意味でおっしゃったのか、私としては定かなところは分かりませんが、お立場が当時の経営のトップと、経営全般を監督する立場にあったわけでございまして、結果としてこういう事態が起きたことについての御本人反省気持ちだというふうに理解しております。
  10. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 遺憾という意味、私の受取方、私だけの受取方かもしれないんですけれども、どっちかというと、自分には余り責任がなくて、そういったことが起きてしまったのは知らないよと、非常に残念な結果になってしまったということ、何というんですか、傍観者的な私は印象を非常に受けたんですけれども。  要するに、今回の問題のところは、経営者として直接的なところを私は知らなかったし直接的な責任はないんじゃないかみたいなニュアンスを受けたんですけれども、そういう受け止め方でよろしいんですか。
  11. 平澤正英

    参考人平澤正英君) これも御本人に聞いてみないと、私が申し上げることではございませんが、繰り返しになりますが、お立場、いわゆる銀行頭取という立場でございます。いろんな組織の上に立って経営全般を見るということでございますので、こういう事態についての、結果については重いものをお感じになっているというふうに私は理解いたします。
  12. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 そういう責任感じて、西川頭取はそういうふうに、だろうという御推測でしょうけれども平澤頭取がやはり責任者の、経営者の一人として、今回の件についてそういう同じような感じですか。要するに私が受けた印象は、行員営業目的達成のためにちょっと頑張り過ぎてしまってそういった法令違反してしまったというようなことをおっしゃっていたんですけれども平澤参考人もやはり同じような思いでいらっしゃるんでしょうか。
  13. 平澤正英

    参考人平澤正英君) お答え申し上げます。  今回の事態で、原因がどういうところにあったかということで調査委員会を設けました。その調査結果の中にも記載したわけでありますが、いろんな部門において態勢面でやや不十分であったという面が幾つか出ております。繰り返しになりますけど、業務計画の立て方、業務の進め方、あるいはコンプライアンス在り方研修監査、そういうのも含めて全体の業務推進とその管理をする、両輪と先ほど申し上げましたが、このバランスが崩れたと。これは私の立場といたしましてもこのバランスを取るのが一つ責任者の務めでもございますので、そこに若干たりとも不十分なところがあり、その現場が熱心な余りというところは、そういう仕組みでもって起こらないようにするのが本来のあるべき姿だと思っております。  そういう意味で、責任についての反省という意味では十分感じるところを持っております。
  14. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 前回参考人質疑と今日伺った中でちょっと特に印象に残っているのは、今も業務運営コンプライアンス管理再発防止両輪としてバランスを取っていかないといけないというお話でしたけれども前回質問のときに峰崎委員から、平成十二年のときの公正取引委員会に対して報告した中にもいろんなこういった問題が起きないように、関係規定整備、教育・研修の実施、ハンドブック配布等施策を通じて役職員へ周知徹底する、自律的な法令遵守機能が働くよう尽力するという旨の報告を出したということを西川頭取お話しいただいて、今回も同じようなことを再発防止の中で御説明いただいたんですけれども、私は、こういった態勢だけで組織、ガバナンス、そういった、何というんですか機能だけつくって、それが本当にこういった問題が再発をしないようにできるのかどうか、非常に疑問に思っているんですね。  そういった態勢、形だけつくってこれが再発防止できるのであれば、もう既にいろんなところが対策を打っているはずですからこういったことは起きないはずだと私は思うんですけれども、こういった点についてどうお考えですか。
  15. 平澤正英

    参考人平澤正英君) おっしゃるとおりでございます。  今お話あった平成十二年、十三年、マニュアルを作り、組織をつくり、委員会をつくりという手だてを講じてまいりました。今回、にもかかわらずこういう事態が起きたわけでございまして、そういう意味では、調査委員会一つ指摘、大きい指摘でございましたが、お客様第一主義、これは私ども残念ながら経営理念にはっきり書いてあることでございますが、お客様第一主義と、お客様本位という気持ち意識、これがあれば、これを徹底していればこのような事態は起きていなかったかという反省をしております。  そういう意味で、仕組みだけでは駄目だと、やはり意識をしっかり植え付けていかないとこういう事態は出てきてしまうというのが今回の大きな反省点であり、再発防止にそういうのを織り込むつもりでございます。
  16. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 本当にそうだと思うんですね。体制だけじゃ私は防げないというふうに思っています。  あと、特に西川頭取の中で気になったのが、思ったんですけれども訴訟に負けなければよいという考えだけで処理していたということをおっしゃっておりました。要するに、法令範囲内だけであれば、それさえ遵守していれば何やってもいいんだと。まあ言ってみればホリエモンとか村上さんみたいな、法律さえ、まあ違反しちゃいましたけれども、あれがもし違反じゃなければ、何というんですか、何やってもいいんだと、倫理観とか社会性とかモラルとか、そういったものを全く無視してもいいんだというようなニュアンスに受け止められたんですけれども、その点はどういうふうに今後の再発防止の中で考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
  17. 平澤正英

    参考人平澤正英君) お答え申し上げます。  コンプライアンスという言葉は法令遵守というふうにも訳されておりますが、これは法律に限らないという意識で今回のコンプライアンス態勢も組み直さなければいけないと。俗に言われますところの社会通念、常識、良識、こういうものを含めた広い意味でのコンプライアンスというものを植え付けていくのが大事かと思います。  そういう意味では、法律訴訟だけという対応はしてないつもりではありますが、過去そういう個別対応にやや重きが置かれたのかなという部分もございまして、自行がそういう広い意味でのコンプライアンス態勢を確立していくつもりでおります。
  18. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今回この法令違反をされた、内部調査をされたという六十八件ですか、懸念されるものも含めてありますけれども、そういった、何というんですか、案件にかかわった直接の行員に対して、平澤参考人はどうしてそういうふうにやったんだということを直接お伺いされておりますか。
  19. 平澤正英

    参考人平澤正英君) 私は調査委員会メンバーでございましたが、下に部会というのがございまして、具体的な行員従業員とのやり取りはその部会のスタッフがやっておりまして、直接的には私はやり取りをしておりません。ただ、レポートは全部目を通しております。
  20. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 その法令違反を犯した、この排除勧告を受けた原因となった行為を行った行員のヒアリングをその委員会がされたということなんですけれども、一番どこに原因があったというふうに調査した結果受け止めていらっしゃいますでしょうか。その行員がどういう気持ちでそういうことを行ってしまったのか、その辺の分析はどういうふうになっていらっしゃるんでしょうか。
  21. 平澤正英

    参考人平澤正英君) まあ企業でございますので、それぞれ目標を持って毎期毎期走ると、毎期毎期仕事に取り組むということでございます。したがいまして、仕事として何とか目標を達成しようという熱心さの余りという部分もあったかと思います。そういう意味で、今回の件でございますが、いろんな手だてが十分に講じられず結果としてこういうことになったという意味では、従業員を必ずしも責められないという部分はあるというふうに私は理解しておりますし、今回も処分の対象としてはむしろ拠点責任者、あるいは経営陣、それぞれ組織を担当する者の責任として処分を実施したわけでございまして、その辺は彼らの気持ちというのは、むしろ上の方に今回の場合は責任があったというふうに理解しております。
  22. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 要は、目標を達成するために頑張り過ぎてやってしまったというのが要因一つとしてあるということですよね。要するに、本部がそういったことを厳しく要求し過ぎたということが原因というふうに考えてよろしいんですか、今の御答弁は。
  23. 平澤正英

    参考人平澤正英君) 先ほど申しましたように、そういった業務推進と、もう一つコンプライアンスあるいはお客様第一主義というものの両輪が必要だということを申し上げたかったわけであります。  したがって、このコンプライアンス手だてに十分でなかったという意味で申し上げて、本来的にはその業務推進コンプライアンスお客様第一主義と、これが同じ重みを持って仕事に取り組ませると。そういう仕事への取組方のさせ方が十分できてなかったかなという反省を我々はしているわけでございまして、御理解いただきたいと思います。
  24. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 内部調査された六十八社で得たデリバティブ収益というのはお幾らぐらいなんでしょうか。全体の収益に対する比率としては大体どのぐらいなのか、教えていただければと思います。
  25. 平澤正英

    参考人平澤正英君) お答え申し上げます。  優越的地位濫用として調査の結果出てきた十七社、これで二億円弱、さらに濫用懸念で五十一社指摘をいたしましたが、この五十一社で七億弱と、合計いたしますと九億円という数字でございます。
  26. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 いただいた資料の中で、平成十三年度、十四年度、十五年度、十六年度で、デリバティブ金利系デリバティブ収益、かなり収益上げております。合計するとこれ、どのぐらいなんでしょう、三千億円近くありますよね。その中で九億円ぐらいがそういった法令違反若しくはそれの懸念のある案件で得た収益ということでございますけれども。これ、金額が大きい、少ない、これはいろいろ見方があると思いますけれども、そのわずか、わずかと言ってはあれですけれども、九億円を稼ぐためにこういった法令違反することになってしまった、そういうふうにやってしまった行員、私は、その行員に対してどういう指導をしていくのかということが一番の課題だと思うんですね。組織をつくって、コンプライアンスをただ規定集読んで覚えろと言ったって、それで本当にそういった行員がもう、何というんですか、今後発生しないかというか事件を起こすようなことがないかというと、非常にこの間の、前回のときもそういう報告されておりますので、今回もまた見るとそんなに変わってない報告だと思いますので、そこが本当にどうやって担保できるのかというのが非常にちょっと心配なんですね。  何か管理態勢とか、委員会をつくったりとか、モニタリングをしたりとか、そういう形式的なところだけを押さえているようで、心の問題というか内面のところがどうも十分に対策として取り入れられてないような気がするんですけども、その点をじっくりちょっと考えていただきたいと思います。  どうですか、今の話を受けて。
  27. 平澤正英

    参考人平澤正英君) おっしゃるとおりだと思います。どうやって定着化していくかと。そういう意味で、お客様第一主義という経営理念、これを都度都度経営からのメッセージとし、あるいは現場の共通認識とし、意識付けをしていくかと。これは繰り返し繰り返しやらざるを得ませんし、今モニタリングも、そういう意味で、モニタリングしても駄目だという御意見もおありかもしれませんが、根付いているかどうかというのを経営としても常時確認しながら仕事に取り組んでいくと、そういう地道な努力になりますが、そういう意識付けをこれからもやっていきたいと思っております。
  28. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ちょっと伺っていても、具体的な対策というか、そのやり方というか姿勢というか、それはよく何回も御説明いただいているんですけれども、具体的な中身がどうも見えてこないんですね。  これは私の経験から踏まえてちょっとポイントだけお話しさせていただきますと、私もずっと銀行デリバティブ、ずっと収益を追い求めてやっておりました。期末になるとアップフロントで収益入るものですから、最後の収益調整の面で一番これが大きな、収益確保の面では大きなところなんですね。これは別にもう否定することはない事実でございますから、必要なんですけども。ただ、そこで一番ポイントとなるのは、今言ったような形式、CSモニタリング、何とか監査委員会やったって、最後はその行員がどうしてそこでやめるかやるかという判断がどういうところで付くかだと思うんですね。  私は、一番ポイントは、その行員目標を一杯与えられているけれども、本当にできない理由をちゃんと聞いてくれる寛大さが行内の風土として、体質として私は必要だと思っています。例えば、担当者ができなかったら、その課長におまえ何でできないんだって言われたときに、これこれこういう理由で自分のマーケット、持っている取引先からじゃ、もうこれ以上無理ですというのを課長に報告して、課長はちゃんとそれをしっかりと受け止めて、支店長なり営業部長に報告して、できない理由がこういうことですと、できない理由をちゃんとしっかり聞く体質が僕は持てればこういったことは起きないんじゃないかと私は思っております。  いろんなシステム、組織をつくるのも必要かもしれませんけれども、それより企業の、会社の風土として、そういったできない理由を寛大な気持ちで聞いてあげることが必要だと思うんです。営業店でできなければ、本部の人が分かったと、こういうマーケットだったらもうこれ以上できないんだねと、既にもう一杯やっているし、もう飽和状態だと、これ以上やったらいろいろお客さんに無理を掛けるからできないんだということを一件一件ちゃんとじっくり聞く。言い訳を聞くわけですから時間掛かりますけれども、それを聞いて評価制度にも、支店、営業店の評価もそうだし、個人の評価もそうだし、そういったことが必要だと思います。  もっと言うと、金融庁にもそれを、言い訳を銀行として言って、こういうことで不良債権処理に必要な収益を上げられませんでしたと。これは金融庁に後で言おうと思っていますけれども、それをちゃんと情状酌量して聞いてくれる寛大さが私は必要じゃないかなと思います。  ちょっとこれは私の私見ですけれども、そういった点で是非、行員は悪くないと私は基本的には思っていますので、その行員余りしわ寄せをさせないような対策を練っていただきたいなというのが注文でございます。  あと、それと最後に、ちょっと時間がなくなりましたのでお伺いしたいんですけれども西川頭取にも要請すると、責任を取ってもらって報酬の何割かを返してくれということを要請するということでお話しいただきましたけれども、今退職慰労金というのは留保しているというふうに新聞には出ていたんですけれども、この退職慰労金を押さえちゃえば一番手っ取り早いんじゃないですか、もう放棄してもらうと。役員報酬を何割かを返すように要請して、お願いですから返してくださいというようなまどろっこしいやり方じゃなくて、慰労金はもう払わないんだというふうにもう決議してもらえばよろしいんじゃないかと思いますが、この考えについてどう受け止めていらっしゃいますか。
  29. 平澤正英

    参考人平澤正英君) お答え申し上げます。  先般、業務改善計画を提出する際、処分も公表いたしました。それぞれ現役の役員あるいは今申しました退任役員四名でございますが、当時の月額報酬五〇%、六か月分ということで返還を御要請いたしました。  私どもとしては、退任した四名、当時の会長岡田、頭取西川、それから法人部門担当の副頭取二名でございますが、現役も含めて本件に関しての責任の取り方、けじめというものは、私どもは今回の処分をもって受け止めさせていただいたというふうに理解しております。
  30. 池口修次

    委員長池口修次君) 富岡君、時間が来ておりますので、おまとめください。
  31. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 時間ですので最後まとめさせていただきますと、責任の取り方でいろいろあるんですけれども、公的資金が入っている間は留保するということですけれども、公的資金が返したらまた退職金をもらってもいいんだというのであれば、本来のけじめという観点からすると責任を取ったことにならないと私は思っているんですね。公的資金終わったらまた後でもらいますよといったことで、要するに、そういったまやかしの責任の取り方じゃなくて、本質的な責任の取り方を期待しまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  32. 山口那津男

    山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。自民党、公明党、与党会派を代表して、御質問をさせていただきたいと思います。  先ほど来指摘されておりますコンプライアンス、これが企業活動の前提であることは当然でありますが、銀行責任は単に法令違反しなければよいということにとどまるものではありません。本来、銀行は、経済活動に必要な資金を円滑に供給するという大きな使命を担う存在であります。また、我が国企業の大半は中小企業であり、中小企業の健全な発展は我が国にとって重要な課題であるわけです。銀行には中小企業金融の担い手としての役割も期待されているところであります。これに加えて、バブル経済崩壊後の厳しい状況の中で公的資金による資本増強制度が措置されたのも、銀行がそうした機能を十分に果たすことが不可欠との認識が国民各層にあったためであることと思います。  こうしたことから、銀行は、言わば二重三重の意味で国民から、自らの業務を適切に遂行する重い責任を負託されていると言わざるを得ません。今回の事態に関する社会的関心が高いのも正にこうした理由によるものと認識いたしております。そうした視点から何点か御質問をさしていただきたいと思います。  先日、西川参考人の御発言にも出ておりましたが、この貴行の経営理念として、顧客の信頼を確保する、また、株主、市場の信頼を確保する、行員相互の信頼をもって士気を高めると、こういう趣旨のことをお述べになっておられました。この金利スワップ商品については、他行でも扱われておりながら、貴行に対してのみ行政処分がなされたということは、この本来の経営理念を大きく損なったものと思われます。  その中でも、とりわけ顧客の信頼という意味で、その顧客の中小企業、この皆さんが被害者ともいうべき方々でありまして、この中小企業の視点に立った業務見直しというのは不可欠な課題と思われます。他方、間接金融から直接金融へのシフト等、中小企業金融在り方自体にも大きな変化が起こりつつあるところでもあります。  そうした中で、三井住友銀行として、中小企業取引についてどのようにお考えになり、また今後、その在り方、体制等についてどのように見直すのか、この信頼回復にどう努めるかという視点でお答えをいただきたいと思います。
  33. 平澤正英

    参考人平澤正英君) お答え申し上げます。  中小企業取引でございますが、この分野におきましては、当行では非常に大事な分野だと、大げさに言えば、大げさじゃありませんが、社会的責務の一つというふうな認識の下、これまでも熱心に取り組んできたつもりでおります。特に、資産や担保がなく、第三者保証人の徴求も困難な中小企業向けの商品の開発に努めまして、とりわけ売上げが十億円未満のお客様を主たる対象とした、これ商品名でございますが、ビジネスセレクトローン、これを開発いたしまして、昨年九月末までの累計でありますが、約三兆四千億円の取組を行う等、多くの中小企業経営者皆様から御支持をいただいているものと理解しております。  ただ、このように中小企業お客様のニーズにおこたえすべく力を尽くしてきた中で今回の問題が起こったわけでございまして、あってはならないことという意味で、正に弊行といたしましては事態を深刻に受け止めております。  再発防止は先ほど申し上げたとおりでございますが、そういった再発防止に全力を尽くしながら、従来以上に中堅中小企業お客様への多様なニーズにおこたえし、一貫したサポートを提供したいと。新しい組織もつくりました。そういう意味で強化していきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  34. 山口那津男

    山口那津男君 金融庁が去る四月二十七日に発出した業務改善命令の中で、今回の事態要因として、経営管理態勢、内部管理態勢及び法令遵守態勢などにつき、取引等の適切性の確保の観点から問題が認められるという点を指摘しております。また、先日の西川参考人のお答えの中でも、特にそのコンプライアンス遵守の体制を取ってきたにもかかわらず、整備したにもかかわらず問題が発生してしまった要因として、モニタリングが形式的になり不十分であったと、また、苦情に対して法的に対応できればよいという考え方で処理してしまったと、また、金利スワップ商品の内容を本当に理解できるお客様を相手に問題を起こさないよう配慮する徹底した現場に対する指導をしてこなかったと、こういった点を挙げられていたわけであります。  そのような指摘を踏まえた上で、今後、貴行としてコンプライアンスについてどのように考え、また、モニタリング等を含めて、その実効性を高めるためどのようなことをやっていこうとしているか、そのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  35. 平澤正英

    参考人平澤正英君) モニタリングにつきましては強化をいたしたいということを申し上げましたが、具体的に申し上げます。  苦情につきましては、これまで個別処理するだけではなく、専門の部署に苦情を集約し、商品ごと、営業店ごとに精緻な分析を実施し、関係部署を改善指導してまいります。それから、お客様アンケート等を通じまして、お客様の声を収集し、商品見直しに活用してまいります。さらに、本部営業店の日々の活動や実績をモニタリングいたします。その営業実態を把握するために、お客様モニター制度を導入するなど、新たな仕組み考えてまいります。さらに、これらの状況を経営あてへ報告させ、経営レベルで業務実態把握に努め、必要な改善策を経営の方から指示を出すと。  そういう意味で、難しい作業ではありますが、全行的にこのモニタリングの中身を実効性を上げるべく取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  36. 山口那津男

    山口那津男君 本来、貸手の立場中小企業に対しては優越的地位を持っていらっしゃるわけでありますから、中小企業の側からすれば、物を言いたくてもなかなか言えないと。モニタリング制度を整えて、どうぞ何でもおっしゃってくださいと、こう言っても、またその言ったことがいろんな形で跳ね返ってくるということまで心配してしまう、そういう傾向があろうかと思います。  そうした意味で、お客様本意で徹底して、それぞれの支店、細部に至るまで、また行員一人一人に至るまで、この今おっしゃられた実効性を確保する指導方針というものを徹底して実行していただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
  37. 大門実紀史

    大門実紀史君 コンプライアンスとかモニタリングの話が続いているんですけれども、はっきり申し上げて、三井住友問題、私いろいろ取り上げてきたんですけれども、もうそういう話は聞き飽きたといいますか、二〇〇〇年の十二月にさくら銀行と住友銀行が合併する際に、公正取引委員会から、今回のような事態を起こす可能性があるよ、おたくはという指摘を受けていたにもかかわらず、そのときにもコンプライアンスをきちっとやりますという合併に伴う大誓約をされて、にもかかわらずその翌年から今回の金利スワップの押し付けをすぐ始めたというところがあるんでね、私はそういう、またコンプライアンスやります、モニタリングやりますということで、ああそうですかというわけにはいかない前歴があると指摘したいと思います。  その上で、大事なことは、まず今の被害者の救済を、三井住友がいろいろ言われることが本当ならば、真剣に取り組む気持ちがあるのかということが問われていると思いますけれども、社内調査をやられましたですよね。  それで、いろいろ中身はありますけど、二百四十九件ですか、問題があるということを社内調査でやられました。ただ、これは全体が、金利スワップ販売されているのが、一万八千百六十二社のうち二千二百社が、調査票を返してもらった方、あるいはその前からいろいろ話があった方、合わせて二千二百社。そのうちの二百四十九だけ、外部の方も入れて見てみると、優越的地位濫用に当たる、あるいは懸念されるというふうに認定された、プラス説明義務等々ほかの心配があるのが百八十一件と。つまり、全体は一万八千百六十二社あるんですよね。そのうちの二千二百の中を調べたら二百四十九ということで、私は、直接被害者の方、あるいは金利スワップを買った方々、我が党でヒアリングをしましたけれども、もっともっとたくさんの方が不満に思っていらっしゃる、うちもそうだというふうに思っていらっしゃる。  それと、今回「お客さまへの対応」のところで、そういう法的に濫用とかが、優越的地位濫用とかがあるものについては解約の費用を負担するとか対応するというふうになっていますけれども、ここで「お客さまへの対応」とおっしゃっているのは、社内調査で明らかになったわずか実際には十七社とか五十一社とか、この辺のレベルの方のことだけをおっしゃっているんですか。それとも、再度調査をされて、もっともっと全体を調査されてはっきりしたものに対してもこういう対応をされるということなのか。その辺はいかがなんでしょうか。
  38. 平澤正英

    参考人平澤正英君) お答え申し上げます。  お手元にお配りしたプレスリリースの最後に、お客様対応ということで記載させていただきましたが、これは調査委員会調査結果を踏まえたものでございまして、先生おっしゃるところの十七社、それから五十一社、これは優越的地位濫用あるいは濫用懸念があると。それ以外に百八十一社、これも御承知のように法的に問題があるかもしれないというものを幅広に挙げたわけでございまして、それも含めた二百四十九社についての対応をここにお示しさせていただいたと。  ただ、調査期間以前のもの、あるいはその調査期間で御納得いけない部分については、また詳しくお話を聞いた上で対応してまいるということでございますので、これであとはもう一切ございませんというつもりはありません。新たな事実が出てくれば、それはそれで再度調査の上、誠意を持って対応したいというのが私どもの姿勢でございます。
  39. 大門実紀史

    大門実紀史君 私は去年、まだ金融庁処分が下りる前、公取が入っている段階でこの委員会質問をして取り上げたんですけれども、皆さんが十二月に出されたお客様に対する手紙ですね、その中には、今回の勧告内容、公取の勧告内容は金利スワップに関して解約とか損害賠償を命じるものではございませんがと、わざわざお客さんにそういうことを言った手紙をこうやって出されているわけですね。いろいろお客さんの声を聞きますと、もう最初からこんなこと書かれると、もう出す気もしないと、こういうアンケートをですね、そういう声もあるわけです。  つまり、私申し上げたいのは、その一万八千百六十二社の中には、実際に優越的地位濫用だと思っている方、あるいはもう押し付けられたと思っている方、法的に認定されるかどうかはもう後の話ですけれども、そんな方一杯いらっしゃると、まだ。ですから、真摯に被害者救済をやられるおつもりでしたら、再度きちっとしたこういう調査を、こんな変な文言を入れないで、もう一度再々調査ぐらいやらないと、本当の被害者はまだまだ黙らされているというか黙ったままでいるというふうに思います。そういう再調査をきちっとされるお考えはございませんか。
  40. 平澤正英

    参考人平澤正英君) 新たにお申出があれば、それは十分お話を聞いて再調査をするつもりでございます。今申しましたように、今回で扉を閉めますよという調査方法はいたしておりません。  新たな事実が出てくる可能性というのは双方あるわけでございますので、これはお話合いの上、事実をお示しいただきながら何とか適切にいい形で着地させていきたいと思っております。
  41. 大門実紀史

    大門実紀史君 自ら、何かあれば答えますじゃなくて、一万八千社あるわけですから、もう一度調査を検討してもらいたいと申し上げておきます。  もう一つ申し上げたいのは、いろいろ言われましたけど、今直近の法人営業部長の人たちが、私どももいろいろ話を聞くルートがございますので、法人営業部長さんたちが、今の段階ですよ、今いろんなことをおっしゃいましたけれども、どんなふうな話をしているかというと、要するに、今回、やり方の要領が悪かったんだと、もうちょっと経営に余裕がある企業で、もっともっと親密な、つまりまあ絶対断れないような、経営に余裕があって断れないようなところを選んでやっていくしかないということを、現場の部長クラスはそんな話をしています、皆さん、三井住友のですね。  つまり、そもそも、先ほども指摘がありましたけれども、ノルマをどうしてもこなすためには、どうしても売らなきゃいけないんだと、法人営業部はそうなっているわけですね。で、売る相手はもう、余り苦しいところに売ると今回みたいな苦情が来るからと、余裕のあるところに売っていこうと、これだけしか何の変化もなくて、現場では、コンプライアンスとか何かの問題ではなくて、過度なノルマですね、手数料稼ぎの、そういうところがやっぱり押し付けられているから、こういう法人営業部長さんたちも今のそういうふうな精神レベルにあるということでございますので、売り方の問題とかノルマの問題、これを再検討をきちっとしてもらいたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  42. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 無所属の糸数です。  お伺いいたします。  貴行は、二〇〇一年から二〇〇四年にかけて、立場が弱い中小企業に対し、その融資の条件であるかのように示唆して、金利スワップを強制的に販売していました。優越的地位濫用に当たるとして、昨年十二月に公取委が排除勧告を出しました。金融庁は、今年四月に一部業務停止命令をした上で、今月二日までに業務改善計画を提出するように求めていたその件について、先ほど平澤参考人から実際に業務改善計画について御説明をいただきましたが、そこで改めてお伺いいたしますが、実際に不公正取引が行われた現場部門はどのようなところでしたでしょうか。
  43. 平澤正英

    参考人平澤正英君) お答えを申し上げます。  今回、金利スワップの販売に関しまして優越的地位濫用が問題になったのが法人部門における法人営業部というところでございます。これは、個人の業務を担当しています支店と呼び方を変えております。この法人営業部は、主に中堅中小企業取引取引窓口ということで、現在約二百拠点、これが全国に散らばっているという構成でございます。  以上でございます。
  44. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 副頭取は実際にそうした現場を直接に視察したことがどの程度おありでしょうか。
  45. 平澤正英

    参考人平澤正英君) お答えいたします。  私自身は、今営業を担当しておりませんが、管理、人事を担当しているということで、随時各拠点は時間を取って話を聞くようにいたしております。また、お客様とお会いする機会もございまして、併せてそのときに営業拠点を往訪し話を聞くということは、これは私に限らず、業務・営業担当の役員はもっと頻繁に拠点に行っているわけでございますが、管理部門の人間もなるべく現場に出ようということで、極力現場とのコミュニケーションを取るように努めております。
  46. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 通常その現場からの情報の上がり方はどのような形で、どの程度の頻度でおありでしょうか。
  47. 平澤正英

    参考人平澤正英君) お答え申し上げます。  今申しましたように、各経営会議役員頭取も含めまして、各地区を手分けして担当している役員を含め、都度都度現場、フロントから情報を入手するように心掛けております。私も、先ほど申しましたように、できるだけ現場に足を運び、話を聞くように努めてまいっております。  以上でございます。
  48. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 トップとしての情報把握が、現場におけるコンプライアンス確保の観点から十分なものであったかどうかお伺いいたします。
  49. 平澤正英

    参考人平澤正英君) 今回の件を踏まえ、現場、特に従業員の声が十分経営に届いていたのかという意味では、真摯に反省するところがあるかと思います。こういう反省に立ちまして、今回は各経営会議メンバー、改めて手分けをして全法人営業部を回りました。現状の問題、それから今後の銀行のありようについて、今この場で申し上げさせていただいたような内容を含めて、現場の若い人も含めて直接お話ししようということで、十数名の経営会議メンバーが全国に散らばってお話をさせていただきました。
  50. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 六月二日に金融庁に提出されました業務改善計画についてですが、実際に再発防止に向けて、販売実績に偏りがちだった営業への評価基準を改めて、顧客からの苦情が多過ぎないかなど法令遵守を重視するというふうにおっしゃっていらっしゃいます。法令違反がないことを、それから現場や本部で点検する仕組みを強化する施策に着手をされ、外部有識者を招いて新設する業務管理委員会でその改善をしていくということを先ほどおっしゃられたわけですが、実際に今挙げられたこと、本当に実効性のあるものとして是非とも活用していただくということを強く要望いたしまして、終わりたいと思います。  以上です。
  51. 池口修次

    委員長池口修次君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  平澤参考人におかれましては、本日は貴重な御意見をいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしましてお礼を申し上げます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  52. 池口修次

    委員長池口修次君) 速記を起こしてください。     ─────────────
  53. 池口修次

    委員長池口修次君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  証券取引法等の一部を改正する法律案証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案及び金融商品取引監視委員会設置法案の三案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 池口修次

    委員長池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  55. 池口修次

    委員長池口修次君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  三案の審査のため、本日の委員会参考人として日本銀行理事白川方明君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 池口修次

    委員長池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  57. 池口修次

    委員長池口修次君) 証券取引法等の一部を改正する法律案証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案及び金融商品取引監視委員会設置法案、以上三案を一括して議題といたします。  三案のうち証券取引法等の一部を改正する法律案の修正について尾立源幸君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。尾立源幸君。
  58. 尾立源幸

    ○尾立源幸君 私は、民主党・新緑風会の櫻井充君、日本共産党の大門実紀史君及び各派に属しない議員糸数慶子君に尾立源幸の以上四名を代表して、証券取引法等の一部を改正する法律案に対する修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございます。  これよりその趣旨について申し上げます。  現行法において、いわゆる不招請勧誘の禁止が規定されておりますのは金融先物取引法だけであり、商品先物取引においては、平成十六年の商品取引所法の改正によりいわゆる再勧誘禁止等は規定されたものの、不招請勧誘の禁止は盛り込まれておりません。  十六年の改正後も、なお商品先物をめぐるトラブル、被害は後を絶たず、委託者保護の強化が急務であります。私たちは、複雑な商品先物の仕組みを熟知しない多くの国民、とりわけ高齢の方々が電話、訪問による突然の勧誘を契機に被害に遭っているという現実を前にして、今こそ商品先物取引についての不招請勧誘を禁止することが必至であると考えております。  しかしながら、今回の政府案では、投資性のある商品について投資者の横断的な保護を図ると言いながらも、金融庁所管の金融商品には不招請勧誘の禁止を盛り込みながら、農林水産省及び経済産業省所管の商品先物取引については金融商品取引法の対象とはせず、かつ、商品取引所法の改正としても不招請勧誘の禁止を盛り込んでおりません。こういった所管省庁によって規制が異なるのは、縦割り行政の弊害の典型であり、政府の主張する投資性のある商品について横断的な投資者保護とはほど遠いものと言わざるを得ません。  委員会において、不招請勧誘を禁止せずとも商品先物取引の委託者保護は万全かという我々の疑問に対して、政府からは、投資者の被害防止の観点よりも事業者側の営業の自由を重視したおよそ納得のできない答弁が繰り返され、一向にその重い腰を上げようとしません。こうした状況において、私たちは、多くの善良な国民を含む投資者保護の立場から、やむにやまれずここに修正案を提出する次第であります。  修正案の内容を申し上げますと、証券取引法等改正案中、商品取引所法に係る部分商品取引員による不招請勧誘を禁止する規定を設ける改正を追加するものであります。  この趣旨及び内容は、与野党を問わずその必要性が再三指摘されたところであり、何とぞ会派を超えた委員各位の御賛同をいただきますよう心からお願い申し上げます。
  59. 池口修次

    委員長池口修次君) これより三案及び尾立君外三名提出の修正案について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  60. 山口那津男

    山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。  本委員会質疑をやってまいりましたけれども、与党、野党問わず、商品先物取引在り方について質問が集中してまいりました。私は、この機会に、今後の在り方について自民党の国会対策委員会の方でも相当な御心配をされまして、いろいろな御指導もいただいたところであります、そのことに対して深く感謝を申し上げたいと思います。その意味で、与党を代表して、質問を何点かさせていただきたいと思います。  まず、この商品先物取引をめぐるトラブルの実情というのが様々指摘されました。トラブルというのは、苦情相談の件数に現れたり、あるいは訴訟などに現れたり、あるいは資産形成犯という犯罪摘発にも現れてきておりますが、こうした表面的に現れてきたものだけを見ても継続的に高い水準で推移をしていると、増減はあったにしても高い水準で推移しているという批判は免れないところであります。また、これに関連をして、横領事件あるいは殺人事件なども、これもまた続けてずっと起きているという不幸な事態もあるわけであります。  さらに、先日の参考人質疑でも明らかになりましたが、年間この商品取引市場におきまして十一万人の取引をされる方々がいらっしゃって、そのうち七万人が出たり入ったりしていると。継続的に取引をしているという方は三万人から四万人にすぎない。つまり六割に及ぶ人、六割を超える人たちが、この出たり入ったりを繰り返していると、こういう実態がはっきりしたわけであります。  また、弁護士会のまとめたこの日本商品先物取引協会のデータを基にした分析によりますと、苦情対象となった商品取引員の七割がその対象になっているというところからすると、一部の業者というのではなくて、大多数の業者に対し苦情が申し立てられている実態も浮かび上がるというわけであります。  こうしたトラブルの実情を考えたときに、私たちは、この商品先物取引に対して不招請勧誘の禁止という措置をとるべきだと、こう考えているわけでありますけれども、しかし、その主たる所管省庁であります農林水産省あるいは経済産業省、今日は副大臣にもお越しいただきましたので、この本法でどのような措置を実際にとっているか、またその実効性を確保するためにコンプライアンスを確保するための運用の在り方について今後どういうことをお考えになっていらっしゃるか、まずそれを御答弁いただきたいと思います。農水副大臣からお願いしたいと思います。
  61. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 商品先物取引につきましては、昨年五月施行の改正商品取引所法において、再勧誘の禁止等の勧誘規則等の強化を図ったところでございます。また、今回の法案におきましては、広告規制、虚偽告知の禁止、委託者への説明義務の拡充等の措置を講ずることとしております。また、これらの措置を実効あるものにするため、無通告検査や、抜き打ちでありますが、厳正な処分の実施を行ってまいります。また、苦情被害実態の詳細な分析とその検査・監督への反映等のほか、すべての商品取引員を対象とした法令遵守状況の一斉点検を実施したいと考えております。
  62. 山口那津男

    山口那津男君 農業品については、農産品については今のような農水省の対応だということになります。では、工業品について、経済産業省、同様でありましょうか。
  63. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) お答え申し上げます。  ほぼ私どももただいまの農水省の御答弁と同様でございますが、具体的には、広告規制の新設、虚偽報告の禁止の導入、そしてまた、説明義務につきましても適合性原則を踏まえてその実効化が図られることとなります。  こうした利用者保護の措置の充実に加えて、引き続き、経済産業省といたしましては、商品取引員、これは七割以上に苦情が、七割以上の人が苦情だということで寄せられているということは大変なことでございます、この商品取引員に対する検査・監督など商品取引法の厳格な執行に更に取り組んでまいります。  具体的には、更なる厳正な立入検査及び厳格な処分の実施、これに努めるとともに、苦情の詳細な分析、これを行いまして、検査・監督への適切な反映を行ってまいります。さらに、今後その一層のコンプライアンスの確保を目的といたしまして、商品取引に対しまして法令遵守一斉点検を私どもも行うことといたしております。  これらを通じまして、その実効性コンプライアンスの確保の徹底を図ってまいる所存でございます。
  64. 山口那津男

    山口那津男君 そうした対応措置をとられることには期待をしたいと思いますけれども、しかしこの実態、先ほど指摘しましたように、七万人が一年間に入ってきて、そして、この間の発言によれば、損をした結果、七万人が退出していくということであります。継続している人は三万人、四万人にすぎない。しかも、苦情の対象は商品取引員の七割に及ぶと。こういう実情からすると、もはやこれは構造的なその不招請勧誘に頼った構造ということを言わざるを得ないわけであります。再勧誘の禁止の措置をとったといっても、損をして七万人の人がやめていくわけでありますから、これは再勧誘の禁止を取っても全くこれは有効な対策にはならないと思うわけであります。  ですから、今、副大臣からそれぞれお述べいただいた対応措置、期待はいたしますけれども、果たしてこれでトラブルが激減するかどうかについては私は懐疑的であります。しかしながら、そうした商品先物取引における今後の在り方、せっかく御努力いただけるということでありますから頑張っていただきたいと思いますけれども、この数年内にそうしたトラブルが激減する、こういう結果が出なければ、これはもう不招請勧誘を禁止せざるを得ないと私は思います。それに対する考えをまず、じゃ経済産業大臣の方からお伺いしたいと思います。
  65. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 今回の本委員会における先生方の皆様の御指摘、大変厳しい御指摘があったと思いますけれども、やはりこれは、私は謙虚に、そして誠実に受け止めなければいけないというふうに思っております。  商品先物取引は、いわゆるリスクの高い、私は、ものでございます。こうしたものを踏まえまして、一般の委託者と申しますか、投資家の皆様方にやはりこのトラブルが続発するようなことがあってはならない、そういうふうに思っております。ですから、一般委託者とのトラブルが解消するように、委託者保護に全力を尽くしてまいる所存でございます。しかし、こうした法執行の結果によっても、今後、仮にトラブルが減らないという事態になった場合は、不招請勧誘の禁止を商品取引法に導入することについて必ず検討いたします。
  66. 山口那津男

    山口那津男君 同じく、農水副大臣にトラブルが減るという結果ではなくて、もう激減して解消すると、こういう結果が出なければ私は駄目だと思うんですね。是非、農水副大臣の御決意を伺いたいと思います。
  67. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 商品先物取引につきましては、経産省からも御指摘ありましたように、リスクの高い取引であることを踏まえまして、委託者とのトラブルが解消されますよう、検査、処分の厳正な実施等を通じまして、委託者保護にまずは全力を尽くしてまいる所存であります。  さらに、御指摘のように、トラブルが解消をしていかない場合をどうとらえるかということでございますが、不招請勧誘の禁止の導入について、本省といたしましても検討していく必要があると考えております。
  68. 山口那津男

    山口那津男君 この不招請勧誘の禁止をめぐる様々な論議を与謝野大臣、お聞きになられていらっしゃって、これは金融商品全般に通ずる課題にも関係をしていると思われます。そうした論議をお聞きになられて、その所感をお聞かせいただきたいと思います。
  69. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 両省に検査・監督をしっかりやっていただいて、トラブルが減ることを期待をしております。トラブルが減らないのであれば不招請勧誘の禁止ということも当然検討の視野に入れなければならないというのは多分、両副大臣の答弁の御趣旨だったと思いますが、それについては私も賛成でございます。
  70. 山口那津男

    山口那津男君 今それぞれ御答弁いただいた今後の見通しを是非、我々は検証してまいりたいと思います。また、全国の関係する方々が注目をされていらっしゃると思います。是非とも実効ある対応をお願いしたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
  71. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎ですが、前回に引き続きまして、豊和銀行の問題に入りたいところなんですが、まず冒頭、実は昨日、村上世彰氏がインサイダー取引の事実を認めて逮捕されると、こういう状況に立ち至ったわけですが、この点についての金融担当大臣、昨日もテレビで様々なことをお話しなさっていましたけれども、どのように考えておられるのか、まずお聞きしたいと思います。
  72. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 市場に参加する方は証券取引法を遵守して市場に参加をしていただかなければならないというのは、もう言うまでもないことであると思っております。  今年になりましてから風説の流布あるいは有価証券報告書の虚偽記載、今回はインサイダーと、証券取引法が考えております違反が次々と明るみに出ましたということは大変残念なことであったと思いますが、証券監視委員会も、また司法当局もこの法律の運用を厳正にやっておりますので、それぞれの法律に違背した方々に対しては法と証拠に基づいて、それぞれ法令に基づいた措置をとっているわけでございます。  大変残念なことが次々に起きるというふうに思っておりますけれども、やはり法は冷厳に適用すると、これが司法当局の考え方であり、また、証券監視委員会もまた同じ思想に立って法を運用しております。
  73. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 ちょっとインサイダー取引に絡んで、質問通告をちょっとしておりませんでしたが、今年、たしか日本経済新聞社の広告を出すところの分野の人がインサイダー取引の疑惑、まあ会社側も認めているようでございますが、その意味で、この問題についてもいつか是非、新聞業界というのは私はどうも戦前の護送船団方式、戦前の、第二次世界大戦の時代の遺物をずっと抱え込んで来ているような気がしてなりませんので、またこれは別の機会に議論したいと思いますが、是非、証券等監視取引委員会も、インサイダー取引天国じゃないかというふうに日本で言われています。私は、先日は、粉飾決算が横行しているんじゃないか、インサイダー取引が横行しているんじゃないのか、その意味でこういったことに対して実は民主党が提案しています日本版FSA、こういったやはり独立した監視機能を強化をしないと、しかも様々な権限を持たないと、今の金融庁の下に置かれていたんでは私は非常に不十分じゃないかというふうに思えてなりません。  これはもう何度もやり取りしておりますので答弁は必要ございませんので、是非そのことについてもきちんとやっていただきたいな、与謝野大臣になられて次々に新しい金融不祥事、これがきちんと摘発をされていると、そのことに期待をしつつ、我々も頑張っていきたいなと思っております。  そこで、先日、実は私は西川善文さんとおっしゃるんでしょうか、前頭取に来ていただいて質問いたしました。そのとき、業務改善命令が出る前だったんでありますが、この業務改善命令金融庁に出されました。この改善命令をどのように評価をされているのか、金融担当大臣、御意見をお伺いしたいと思います。
  74. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 金融庁より三井住友銀行に対しまして、四月二十七日、業務の一部停止を含む業務改善命令を発出いたしました。六月二日、同行より業務改善計画書の提出がございました。その概要は既に公表されておりますけれども、その計画には、第一が役職員責任の所在の明確化を図る観点から現役役員の報酬カット、退任役員への報酬返上の要請といった措置、第二には金利スワップ購入者へ真摯な対応を図る観点から、現場による早急な謝罪とともに、本部から丁寧な説明、顧客に金銭的負担を掛けない解約といった対応、第三には、経営管理態勢、内部管理態勢法令等遵守態勢を抜本的に改革していく観点から、人事評価制度の見直し外部有識者委員長とする業務管理委員会の設置といった方策が盛り込まれているわけでございます。  金融庁としては、今後こうした改善策の実施状況をきちんとフォローアップしてまいります。そして、計画が同行によってきちんと遂行されるよう、同行の取組状況をきちんと確認してまいるつもりでございます。
  75. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 私、西川さんのお話と、今朝、午前中副頭取の方のお話を聞いていて、これは三井住友銀行は再び同じことを起こすんじゃないかなというちょっと思いをしたんです。  なぜそうかといいますと、実は、二〇〇〇年でしょうか、さくら銀行と住友銀行が合併する前に公正取引委員会から、優越的地位が問題があるから、あんたたちそれはちゃんと守れるのかと、いや守りますと言って約束をして実はスタートをしたわけですよ。そして、実はそれが守れなかった。つまり、一度約束をして指摘を受けたことがどうして破られたんだろうかということの本格的な私は調査研究というのは、あのいわゆる報告書を受け、今回のいわゆる今日お聞きしたことを受けても十分に私は解明できてないように思うんですよ。つまり、なぜそういうことが起きたのかという徹底した総括といいますか、反省が十分できていないように思えたんです。  ただ、これは、じゃどこが問題なんだというところは分かりませんが、私はどうもこの間の金融行政で、持ち株会社をつくっていく、合併していく、どんどんどんどん大きくなっていきました。なぜそんなに大きくなっていったのかという背景に、不良債権があるがゆえに、合併してその不良債権問題を一年先送りにするというような、どうもそういう形で今度は大きくなっていったと。しかし、銀行同士が合併するとなると、これはそれぞれの銀行体質とか組織的な風土が違ってきて、いろんな問題を起こす要素というのはたくさん残っていると思うんです。その意味で、こういう合併合併が相次いだ銀行には、私は是非金融庁としても相当厳しい目でこれからも当たっていただかなきゃいけないなというふうに思っていますし、是非、監視といいますか、きちんと対応していただきたいなということをお願いとして申し上げておきたい。  そこで実は、先日の金曜日の日に西川頭取に対して、私は実はある情報がありましたので、西川頭取が、二〇〇三年というふうに私言ったんですが、二〇〇二年の誤りだったんですが、西川頭取がいわゆるアメリカのゴールドマン・サックスのポールソンさん、この方は今度財務長官になられましたけれども、この方から実は依頼を受けて、竹中金融担当大臣と面談をされるという仲介の労を取られた。それで、実際には三名じゃなくて四名、ポールソンさんと同じようにCOOの方で、現在たしかニューヨーク証券取引所の委員長か何かなさっていらっしゃる方だそうですが、この四名の方が、二〇〇二年の十二月にほかの者を一切入れないまま実は会談をされているという事実がございました。  実は、ゴールドマン・サックスと三井住友銀行との関係というのはかねてからいろいろうわさされた仲でございますが、そのことは、ゴールドマン・サックスと三井住友がそういう提携関係にあるとか連係プレーが良かったと、このことについては何もないんですが、そこに金融担当大臣が同席をされていると。そこはだれも実はお付きの人も入らないで論議をされたと。西川頭取は、そこでは一般的な話しかしませんでしたというふうにはおっしゃっていますが、これはだれもその四人以外は証明する者がないわけでありますが、こういう形で、実は今インサイダー取引というお話がございましたが、正にこのインサイダーの方々がそういう形で会われることに対して、金融担当大臣としてはどのように考えておられますか。
  76. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 平成十五年の三月七日の記者会見において竹中大臣から、西川氏及びポールソン氏との面会について、事実としては表敬ということでお目に掛かったことはございます、個別銀行の国有化云々について私が言及したということももちろんありませんし、あろうはずもありません、接待供応を受けて大臣規範違反だと、そのような事実は全くないと発言をされております。  このように、御指摘の面談については当事者は表敬あるいは一般的な意見交換目的であるとしておりまして、そのような面談を金融担当大臣が行うことについて特段の問題があるとは私は認識をしておりません。
  77. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 私は問題があったんじゃないかなというふうに認識しているんですが、どうしてそう言うかといいますと、小泉総理大臣はめったにそういう個別の金融機関、証券会社の長とは会われませんよね。唯一例外がゴールドマン・サックスのポールソンさんと会われているんです。そういうことを考えると、どうもこのプロセスにはやや疑義があるなという、そういう感じが否めないと思うわけです。  そういう意味で、今大臣がおっしゃられましたので、私はそれ以上その点は追及しません。しかし、我々はやはりそういうところはきちんと襟を正さなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。  さて、もう一点お聞きします。  実は、これは金融担当大臣も、西川頭取が全銀協の会長時代に、いわゆる郵政の民営化のプロセスに対して、国が関与している間にどんどんどんどん大きくなっていく、そのことについては困る、こういうことを実はよくおっしゃっていた。これは全銀協の方針でもありました。  そこで私は、そういうふうにあなたは、全銀協の会長時代、三井住友銀行頭取時代おっしゃっていたのに、最近ではどんどん商品を開発したり、いろいろ国が関与している間にどんどん広げようとしていらっしゃるんじゃないですか、そのことについてどう思うんですかという質問をいたしました。  それに対する答えは、いろいろおっしゃっていますが、要するに日本郵政は法律に基づいてやっているんですよということは言いながらも、現在の郵便貯金の業務あるいは保険の業務については非常に偏った業務をやっておりますので、多くの国民の皆さんにサービスをしていくという点におきましても弱い面がございますから、できるだけ早く新しい業務をやれるように努力してまいりたい、こういうふうに考えております、こういうふうに答弁されたんですよ。  これは私の質問に対する速記録のまだ未定稿の原稿ですが、私はこの話を聞いて、時間がないんで、しかしそれはおかしいんじゃないんですかということを追及したかったわけでありますが、それ以上に、こういう過去おっしゃっていたことが現在変質されつつあるんじゃないかというふうに私は思っているんですが、大臣はどのようにそのやり取りを聞いて思われたでしょうか。
  78. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 私、あの当時、自民党の政調会長をしておりましたので、西川全銀協の会長は、一回以上はこの件について自民党本部を訪れられました。  これはやはり、細かいことは覚えておりませんけれども、要するに民営化されると民業圧迫になるということを強く主張されておられまして、西川さんが頭取から向こうの社長になると、やっぱり民業圧迫になっているという西川さんが言ったことは正しかったのかなと冗談のように思うくらいなんですが、やはりあの当時全銀協の会長として主張されていたわけですから、その主張の範囲内で行動していただきたいと。それは当然のことだろうと私は思っておりますし、民営化された郵便銀行が整然とやはり金融システムの中に入っていく必要があるわけですから、いきなり国の力をバックにとか、今までの余力をもって金融システム全体をかき回すというようなことはしていただきたくないと、やはりあの当時言われたことを拳々服膺して会社の経営に当たっていただきたいと、私はそう思っております。
  79. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 私どももそう思っておりますし、また我々はむしろ規模を、でか過ぎるから、むしろ縮小しながら最終的には民営化した方がいいぞと、こういう説を出してましたんで、もう今の担当大臣の、与謝野大臣の発言は全くそのとおりだというふうに思っていますので、これ、政府の方からもきちんとしたやはり規制といいますか、監視というものをやっぱり強めていただきたいなというふうに思います。  そこで、これまた監査法人の問題になるんですが、中央青山監査法人の行政処分が打ち出されたわけですが、その中で、業務停止処分の対象に入っていない監査対象として独立行政法人などが入ってくるわけであります。なぜこの対象にならなかったのか、率直に教えていただきたいと思います。
  80. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) お答え申し上げます。  今回の中央青山監査法人に対します処分につきましては、カネボウにつきましての証券取引違反が問われた監査に関するものであり、監査報告書に適正意見を付しました行為は会社法上の法益も侵害するものであります。このため、今般の処分におきましては、基本的に問題のあった監査と同様の監査、すなわち証券取引法並びに会社法及びこれに準ずるものに基づきます企業財務内容に関する監査業務を停止することとしたものでございます。  独立行政法人、国立大学法人等につきましては、会社法等に基づきます監査とは法的な位置付けが異なるところがあり、今回の業務停止の対象とはしていないところでございます。
  81. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 大臣局長から今お話ありました。独立行政法人には国の財政が入っているんですよね、税金なんですよ。民間の会社法に準拠して監査をしてそこに不祥事があったと。じゃ、独立行政法人に国の税金が入っている、その税金が入っているところについては、まああれは会社法でやったんだから独立行政法人にはこれは適用しないよというのは、どうも国民の側から見ると、納税者の立場から見ると何かおかしいんじゃないのかと。やっぱりそういう不祥事を起こすような監査法人に、いわゆる我々の大切な税金が納められているところに、いやここは会社法が適用されてないからいいですよと、これはないんじゃないかと思うんですがね。大臣、どう思われます。
  82. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 先生の御主張もよく理解できるわけですが、独立行政法人等については、その財務諸表について主務大臣の承認を必要とするなど、いわゆる民間の会社とは異なる取扱いがなされておりまして、したがいまして今回の業務停止の対象とはしていないところでございます。  いずれにしましても、今般の処分を受け、これらの事業体において会計監査人を変更するかどうかは事業体ごとに適切に判断をされると考えております。
  83. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 大臣、税金を投入しているところはもっと厳しく対応するというのが私は当然じゃないかなというふうに思うんですがね。お隣の有村政務官は今こう首をうなずいておられましたんで、多分、そうじゃないかなと思っていらっしゃるのかもしれません。  そこで、文部省にちょっと聞きます。文部省、どなたかお見えになってますかね。あっ、有村さんですね、そうです、ごめんなさい、政務官でした。  文部省として、文部科学省か、高い公益性を持つ独立行政法人の監査で、不正会計に関与し信用が失墜した中央青山監査法人を引き続き会計監査人として選任するということについては、先ほどうなずいていらっしゃいましたけども、どのように考えていらっしゃいますか。
  84. 有村治子

    大臣政務官(有村治子君) 文部科学省よりお答え申し上げます。  先ほど三國谷局長が答弁をされましたように、今回、金融庁が中央青山監査法人に対して下された処分は独立行政法人への監査業務を対象とはいたしておりません。このような観点から、今回の処分は、現在行われている独立行政法人の平成十七年度予算に関する監査業務には影響しないと考えており、引き続き当該監査法人を独立行政法人の会計監査人としております。  ただ、独立行政法人の会計監査人は主務大臣が選任することとされておりまして、文部科学省所管独立行政法人の平成十八年度の会計監査人を選任するに当たりましては、独立行政法人の業務に対する知見や監査市場の動向、実績などを総合的に勘案して、個別法人ごとにしっかり判断させていただきたいと考えております。
  85. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 しっかりその判断をする際に、是非こういうことがあったことに対してきちんと対応していただきたいと思うんですが、文部科学省所管の独立行政法人である特に大学ですね、これは毎年、会計監査の法人の入札をやっていらっしゃるんですか。
  86. 有村治子

    大臣政務官(有村治子君) 済みません、もう一度お願いします。
  87. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 会計検査の選ぶときに、文部省所管のいわゆる独立行政法人に、いわゆる会計監査人は一回会計監査をすると五年間ずっと続くというんじゃなくて、毎年、会計監査法人を変えていらっしゃるというふうに聞いているんですが、それは事実ですか。
  88. 有村治子

    大臣政務官(有村治子君) 私が完全な答弁ができなければ補足をさせていただきますが、私が承知している限り、変更されている実績もございます。五年間という認識はいたしておりません。
  89. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 そうなんですよ。かなり頻繁に変えて、毎年のように変えているんじゃないでしょうか。  それで、実は逆に弊害が起きているんではないかということが指摘をされるんです。何かといいますと、非常にこれは過当競争に入って、例えばこれ朝日新聞の平成十八年一月十四日付けの三面に載った記事でございますが、例えば山口大学だったでしょうか、このいわゆる報酬が百二十万とかですね、非常に少ない金額で、一番高いのが大阪大学だったでしょうか、これが二千万円ちょっとですけども。これ民間の監査法人と比べたときに、監査時間として非常に短い時間しか監査をせざるを得ないような、つまり赤字、出血覚悟でやっているようなところが、毎年入札になっているもんですから、非常に今度は逆に監査のレベル、質、これに問題が出ているんじゃないかというふうに指摘を受けているんですけど、これはどういうふうに思われますか。
  90. 有村治子

    大臣政務官(有村治子君) 確認でございますが、国立大学法人の会計監査人は、各国立大学法人の推薦を受けて文部科学大臣が選任する仕組みとなっております。その際、各国立大学法人は業務方法書を定めるように、監査法人となることを希望する者についてはその旨の申込みをさせることにより競争に付することとしております。  具体的には、各国立大学法人が仕様書を策定し、監査法人となることを希望する者は、その仕様を満たしているかどうか、また監査計画、監査見積額、監査実績等について総合評価をし、費用対効果が高いことを確認し、公平性、透明性を確保しつつ、最も適当な監査法人を推薦することとなっております。  この中で、監査報酬については、各監査法人から提案を受けた額によっているところでございまして、各監査法人からの提案に即した監査が行われていることにより、必要な監査の質が確保されているものと考えております。  先ほど委員がおっしゃっていただいた額なんですが、私どもが理解している平成十八年度会計監査人については、全国の平均、全国立大学法人の平均が九百三十万円、最高額は東京大学の二千三百五十万円、最低額はちょっと委員のおっしゃった額と私どもが把握している額と大学名が違います。  文部科学省としては、こうした手続が適正に実施されることによって監査の質が確保されるよう各国立大学法人に引き続き促しているところでございまして、今後とも適切な監査が行われることを期待しております。
  91. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 有村政務官、これは是非文部省としても、本当にこれ、各独立行政法人に対する監査が本当に適切に行われているかどうか。これだけの金額、もう恐らく、私、尾立さんが公認会計士ですから多分、今聞いたのは新しいデータだと思います。一番低いのは高岡短期大学というところですかね、富山大学、百三十一万円というような数字が出ていますが、多分、会計監査人の報酬というのは結構高いですよ、時間当たり賃金。この方々が何人も入って、そして何時間もやるとなると、そんな金額では恐らくできないんじゃないかなと思うぐらい競争が激しくなっているんじゃないかと思います。  その意味で、不祥事が起きない前にきちっとこういった点について、どういう入札の方法があるべきなのか、さらに、一回入札して、毎年、翌年変えていくというような、そういうやり方というものが本当に今のいわゆる監査法人の実態に合っているのか。私は、何年かたったら監査法人全体変えるのは私は賛成の方なんですが、しかし、毎年のように変えていくというのはちょっとやはり問題があるんじゃないかなということも含めて、私の問題指摘をして、この点について終わりたいと思います。  ありがとうございました。  そこで、豊和銀行に移っていきたいわけであります。  お手元の資料をごらんになっていただきたいと思うんでありますが、実は豊和銀行が十七年度の決算というもの、十七年三月期の決算というものが行われたわけであります。実はその前に、私、繰延税金資産というものをちょっと調べてみたら、お手元の六ページにございますけれども、十七年三月期に監査済みの決算の数字が実は間違いでしたということで、十七年三月期の訂正報告書が、八月二十九日でしょうか出されておりました。何が間違えていたのかなと思ったら、一番上の貸倒引当金限度超過六千九百三十四というのが、けたが間違えておりまして六千三百九十四と、九十三と三十九の間違いだったということで。  率直に大臣、公認会計士が有価証券報告書に何度も何度もチェックしながらこんな誤りが起きるというのは一体、私自身は初めてこういうのを見たんですけれども、率直にその誤りの数字を、まあ後で訂正報告書出したことは間違いないんですが、何でこんなふうになっちゃったんだろうかということについて、何か御意見ございますですか。
  92. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 決算の数字につきまして、そのような誤りが発生いたしましたことにつきましては誠に遺憾に存じます。広く投資家の目に触れるものでもございますので、重々慎重なチェックをした上で公表されるということが本来の姿でございます。  今回のケースは、単純な言わば数字の書き誤り、転記ミスといったことでございましたけれども、こういったことも含めまして慎重な対応が必要であるというふうに思います。
  93. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 実は前回、十七年の決算を進めるに当たって、終わったときに、アニュアルレポートの中で、次期は多分九十億円ぐらいの要するに不良債権処理が行われますということを予測しているというお話をいたしました。  そのやり取りを、また実は議事録でずっと読んでみたわけでありますが、これは、私は不良債権がこの期間中に九十億は出る見込みですよということを言っている。これは、不良債権、つまり損失に関して私は発生主義の原則を適用するとすれば、この時点で九十億をなぜ計上しなかったんですかということを聞いたわけです。それに対して、今監督局長は何とおっしゃったかというと、いや、いずれにせよ、これはこれからどうなるかという分からない見通しを言っただけなんだと。  そのとき、利益に対しては、見通しを言うときはこれは恐らく実現したときにやればいいという、つまり予想される利益は取り込まないけれども、予想される損失はこれは取り込むというのが会計の原則だと言っているんですけど、この点、監督局長、この間の発言、どうも利益と損失との考えが非常にごっちゃになっているような答弁なんですが、どう思われますか。
  94. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 先日は、突然のお尋ねでございましたので、とっさに記憶に基づいて御答弁させていただいた部分がございまして、表現が必ずしも厳密でなかった部分があったかもしれません。  今御指摘の点でございますけれども、個別の金融機関の決算の見通しに関するコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論で申し上げますと、発生主義についてでございますが、企業会計原則第二、損益計算書原則の発生主義の原則という項目がございます。ここにおきまして、「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。」と、こういうふうにされております。  このため、当期の決算におきましては、当期において発生した費用、損失を計上する必要があって、一般に翌期の見通しに記載されるような、すなわち、当期中にはいまだ確たるものとして発生しておらず、翌期において初めてその発生が想定される費用、損失につきましては、当期の費用、損失として計上することはできないものというふうに承知をいたしております。先日の答弁も、こういった記憶をよすがにお答えをさせていただいたということでございます。  そこで、貸倒引当金あるいは与信コストにつきましては、これは、特に引当金でございますけれども、そもそも将来発生する費用、損失に備えるものであると、こういった性格を有していること、このこととの関係でございますが、ある決算期におきまして不良債権の残高が認識された場合、その部分について資産分類を行い、分類ごとの予想損失率を用いて貸倒引当金を算出し、これを当期の決算に計上すると、これは当然必要な作業でございます。銀行の決算において一般的にそのような決算処理がなされているというふうに理解をいたしております。他方、それを超えたものにつきましては、確度が乏しいといったこともあって翌期の見通し等で言及されるということが一般的であろうかと思います。  あくまで一般論でございますけれども、例えば、翌期におきまして何らかの不良債権に対する対応、例えばオフバランス化を計画しているとか、あるいは債務者企業の具体的な再建策の実施を計画していると、こういったケースがあり得るわけでございますけれども、そういった計画を有している場合であっても、それが実現をして翌期において具体的にその発生が見込まれた場合に決算に計上されるというのが原則であろうと思います。計画を有しているという段階におきましては、まだその実現には不確実性が残っておりまして、必ず発生するということはまだ言えないわけでございます。また、その金額を合理的に見積もるということも困難であるわけでございまして、当期の費用、損失として計上することは不適切であるというふうに承知をいたしております。
  95. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 長い答弁だから何をおっしゃっていたのかよく分からない。それと同時に、前回私、質問要旨にちゃんとこのアニュアルレポートの中の記事まで入れて、これは一体どう考えたらいいんですかということを聞いていますよ。突然の質問ではないですよ、これは。これだけのまた資料も全部前回も渡していますよ。それなのに、何か突然出たから言い方が不十分だった。そうじゃないんですよ。損失と利益とのいわゆる、どの時点で認識するかということについての原則は何ですかと。  しかも、いわゆる、今局長おっしゃられた会計原則の資料を見ている。私も持っていますよ、今それ。企業会計原則及び同注解というところで私も調べたんですが、第二、損益計算書原則の中で今発生主義の原則のところ読まれました。読まれましたけれども、その後続いている「ただし、」というところは読んでないんだよ。「未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。」と。これは、これから議論しようとするときの、実は繰延税金資産の評価の問題なんですよ。  私は、まあ資料見てください、八ページ目を見て、資料十五、「豊和銀行平成十八年三月期 修正自己資本」と。十七年三月期の実績は結果的にどうなったのかというと、いわゆる損失の認定というものは、結果的には十八年三月、今期のいわゆる十八年三月期の決算の中で最終的には修正したんだけれども、そこに、資本金の部をずっと見ていただくと二百十億のいわゆる資本の部があったわけです。  ところが、前回お話ししたように、十八年三月期の損失は、結果的にはもうその時点で損失を九十というふうに見ていたのが実は百七十──待ってください、これけたが違うかな、百七十九億ですからちょっとゼロが、けたが違うので一つ取っていただきたいんですが、百七十九億という十八年三月期の損失なんです。これは決算短信で出てきています。そして、その後で、繰延税金資産というのは幾らその時点で計上していたかというと七十三億です。それから、退職金の給付の債務も、実はこれを分割してゴーイングコンサーンのようにやっているがゆえに、本来ならばこれ清算企業、すなわち債務超過の企業であった場合には、これ一気にやらなければいけない項目だと仮定すれば十三億九千九百万。そういうふうに計算していくと、正味債務超過額は五十五億九千八百万、こういうふうになるわけです。この間は、十八年三月期の数字についてはこの間お話を申し上げました。  こういうふうに考えると、繰延税金資産を入れなければ実は債務超過であるというような、そういうときに果たして繰延税金資産を入れていいものなんでしょうか。この点について、これはかねてりそな銀行のときにも何年それを認識するかということで大問題になったことなんですが、私は、どうもこのいわゆる繰延税金資産の扱いは、繰延税金資産を入れる前にもう既に債務超過であった場合には、これはゴーイングコンサーンとしては見られないし、そのときに繰延税金資産を入れるというのはちょっと合点がいかないし、これはおかしいんじゃないのかなというふうに思うんですが、この点はいかがでございましょうか。
  96. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 個別の金融機関における個別の会計処理に関する事柄でございますので、当局としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、繰延税金資産、決算におきます繰延税金資産の処理につきましては、金融機関の決算はそもそも自己責任原則の下で会計基準等にのっとった会計処理を金融機関自身が行い、これを会計監査人による監査を経た上で確定するということでございまして、五月二十五日に公表されました豊和銀行の十八年三月期の決算につきましても、税効果の部分を含めまして、こうした正当な手続に基づいたものであるというふうに承知をいたしております。  この税効果の部分を差し引いて一切認めないといった試算をお示しいただいたわけでございますけれども、仮定に基づくものでございまして、当局からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
  97. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 私は、このデータというのは、この間もお話ししたように、豊和銀行が憎くてとか、豊和銀行をつぶしたいからそういうことを言っているんじゃなくて、こういう形での、一般論として、今、櫻井理事がおっしゃったように、一般論として考えたときにこういうことは許されるんですかということを聞いているんですよ。  それで、あなたは、いわゆる今回の、会計原則の中で、企業会計原則のまず一般原則というのがあるんですよ。先ほどあなたは損益計算書の原則を読み上げたんだけど、この中に、七つ項目あるうちの中で六番目に保守主義の原則というのがある。企業財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合は、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならないと。こういうことから考えても、債務超過になりました、そうしたらその企業の、銀行の繰延税金資産は基本的にはもうこれはゴーイングコンサーンとして認められないんだからと、こういうふうに考えていくのが私は保守主義の原則として当たり前じゃないかなと思っているんです。  ちょっともう私の質問時間がぎりぎり終わりそうなので、今の問題点を後でまたお聞きしたいと思いますが、是非その点について、これは、そうですね、ちょっと今の点についてもう一回、私が今申し上げた点について是非答弁をお願いしましょう。
  98. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 十八年三月期の豊和銀行の決算につきましては、四月二十八日に豊和銀行自身が業績予想修正という形で発表いたしておりますけれども、これは資産超過でございまして、債務超過ではございません。  また、繰延税金資産の計上につきましては、独立した立場の外部監査人が、いわゆる実務指針の六十六号、繰延税金資産に関する実務指針に沿って適切に判断したということであると存じております。
  99. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 このさっきの繰延税金資産の回収可能性に関する監査委員会の取扱い、監査委員会報告第六十六号によると、債務超過会社についての繰延税金資産は計上できない、こうなっていませんか。
  100. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 私の理解では、いわゆる六十六号実務指針の第五号というのがございますけれども、これは課税上の概念だろうとは思いますけれども、債務超過といったケースの場合に、それが短期間に回復が見込まれないという場合には繰延税金資産の回収可能性がないものと判断されるというふうになっておるというふうに思います。
  101. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 今の点は、今日ちょっと時間ありませんから、引き続き、ちょっと私、今十分今の局長の答弁で納得しておりません、引き続きやりたいと思いますが、時間が余りないものだから、ちょっと後でまたあれしてください。  それで、私が何でこれずっとやっているかというのはこの間お話ししました。どうも監査法人がもうこれら全部お墨付きを与えているわけです。  そうすると、監査法人は、十七年の三月期の時点でアニュアルレポートを出して、もう九十億円の不良債権が出ることは予想されますということをその時点で言っちゃっているんです。そうすると、その時点で九十億円と言ったけど、実際開いてみたら百七十九億だったんですよ。百七十九億もその時点で実際は不良債権があったということなんですよね。  私は、そういう意味で、まあ十八年三月期のやつはまた別途、この間もお話ししたように、二十二億円の益出しをやったから辛うじて、資本金は五十億まで下がっているけれども、何かその分で六億か何ぼの債務超過でないというふうにおっしゃっているんだろうと思います。この点についてはまた別途やりたいんですが、ちょっと先に進みたいんです。  なぜかというと、どうもこの債務超過の臭いねということについて、恐らく、まだこれは恐らくいろんなやり取りが必要なんだろうと思うんですが、西日本シティ銀行というのがこれに三十億のお金を、実は資本を出してくれるというんですよ。西日本シティ銀行ってどんな銀行かなと思って前回調べなかったんで調べたら、近年、もう不祥事が連続しているというんですよ。毎年毎年、着服着服。合併する前には福岡シティ銀行と西日本銀行かな、合併する前はもう毎年ですよ。  この四年間に毎年一回ずつ不祥事があって金融庁から業務改善命令を受けているのは、これは事実かどうか、明確に答えてください。
  102. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 事実関係でございますが、西日本シティ銀行平成十六年十月一日に旧西日本銀行と旧福岡シティ銀行が合併して発足したわけですが、合併前の旧西日本銀行に対しましては、着服、流用等が長期にわたり継続している不祥事件が発生したということを受けて、平成十六年の八月、銀行法二十六条に基づく業務改善命令を発出いたしました。  しかしながら、その後、合併後の西日本シティ銀行において預金を着服、流用するという不祥事件が再び発生いたしまして、十六年八月の業務改善計画取組がいまだ不十分であり、依然として内部管理態勢については重大な問題があるということが認められましたので、平成十七年の十二月、改めて二度目の業務改善命令を発出したところでございます。  現在、同行からは、法令等遵守態勢を確立し、健全な業務運営の確保に向けた内部管理態勢の充実強化のための経営改善計画が提出されておりまして、今後、同行において業務改善計画を着実に実施し、再発防止に万全を期すよう、金融庁として厳正にフォローアップしてまいりたいと思っております。
  103. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 監督局長ね、正確に言ってくださいよ。平成十五年八月、不祥事件、業務改善命令が出されています。平成十六年八月、同じく不祥事件、業務改善命令平成十七年十二月、不祥事件、業務改善命令。今年の一月、平成十八年一月、不祥事の業務改善命令。四回連続して言っているのに、今おっしゃっているのは二回しか言わないじゃないですか。  ところで、もう一回聞きます。今度は、西日本シティ銀行は、これは税金をどのぐらい投入されているんですか。
  104. 池口修次

    委員長池口修次君) 佐藤局長、正確に答弁してください。
  105. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 先ほど、ちょっと触れませんでしたのは旧福岡シティ銀行部分でございましたけれども、旧福岡シティ銀行に対しまして平成十五年の八月に不祥事で業務改善命令を発出をいたしております。  それから、いわゆる公的資金についてでございますけれども、西日本シティ銀行に対する公的資金につきましては、平成十四年の一月に合併前の旧福岡シティ銀行に対しまして早期健全化法に基づき七百億円が注入され、現在残高も七百億円、額面でございますけれども、となっております。
  106. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 監督局長、もう一回答弁の機会を与えたんだけれども。これじゃないですか、要するに合併前の西日本銀行と福岡シティ銀行、このときにそれぞれ一回ずつやったんでしょう、平成十五年八月、それから平成十六年の八月、これ合併前。それから、合併後に平成十七年の十二月、これ不祥事件。そして、今年の一月にもやったじゃないですか、これは何も指摘してないんですよ。それ、事実関係ぐらい正確に指摘してもらわにゃ困る。後でまた訂正してくださいよ。もし、間違っているかどうか、聞いてください。  それで、時間もったいない、まあ答弁。
  107. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 恐れ入ります。  業務改善命令という意味では、最初の御答弁では十五年八月、福岡シティ銀行に対する部分を抜かしておりました。失礼いたしました。  したがいまして、合わせまして旧福岡シティ、旧西日本、それから合併後の西日本、合わせまして三回の業務改善命令を発出いたしております。
  108. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 事実関係ですけれども、この十八年一月に不祥事件起きていませんか、業務改善命令出していませんか。監督局長でしょう。
  109. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 十八年一月にも不祥事件が発生いたしましたことを西日本シティ銀行が公表いたしております。  ただ、本件につきましては、銀行による公表ということで、これは業務改善命令という回数としてまだカウントするに至っていないということでございます。(発言する者あり)
  110. 池口修次

    委員長池口修次君) 速記止めてください。    〔速記中止〕
  111. 池口修次

    委員長池口修次君) 速記を起こしてください。
  112. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 直近の十八年一月に公表されました不祥事でございますけれども、これは平成十七年十二月に西日本シティ銀行に対して打ちました業務改善命令と、この中でそのための業務改善といったことを命令をいたしておりまして、当該事件の発生原因も踏まえた業務改善計画が提出されているというところでございます。
  113. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 そうすると、ちょっと事実関係、水掛け論になりますから、私ももう一回調べてまいりたいと思います。十七年十二月がそのまま十八年一月になっているのか。同じ着服事件が二つあったというふうに聞いておりまして、私も別にその確証を今持っているわけじゃありませんから、もう一回調べたいと思います。  そこで金融担当大臣に、七百億円のいわゆる公的資金が導入されている銀行である西日本シティ銀行が三十億円資本提携をするんですよね。そうすると、公的資金を七百億円入れている銀行が、本来それは西日本シティ銀行がしっかりしろよと、頑張れよということで七百億円出しているのであり、それをまず返してから、それからいわゆる豊和銀行に対する資本提携をすると、これが当然何か国民の心理からすると当然だと思うんですが、何か聞くところによれば今年度中に三百五十億は国に返すとおっしゃっているんですけれども、どうもそういう意味で資本提携をする相手としてはふさわしくないんじゃないですか、どうなんですか。
  114. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 西日本も出資するときに相当いろんなことを考えたんだろうと私は思っております。  それは、ただ地域の銀行を救済するという意味ではありませんで、むしろ西日本のやはり商圏の拡大とか、あるいは経営に資するという、そういうプラスの部分に着目をして三十億の出資をしてくださったものと我々は考えておりますし、また、それは西日本の経営判断の問題でありまして、公的資金が入っているかどうかということとは実は直接は関係ないのではないかと私は思っております。
  115. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 どうも歯切れの良くない答弁ですね。  ところで、ここの頭取はどこの出身でございますか、西日本シティ銀行頭取
  116. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 現在の頭取、新藤氏は旧大蔵省の出身であると承知をいたしております。
  117. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 この間、不招請勧誘の問題でこの委員会物すごく成果を上げたと私は思います。そのときにも天下り問題というのが実に見事に絡んでおりました。  どうもこのようなことを、私自身さっき不祥事がずっとコンプライアンスの面でどうなっているんだろうと思いましたけれども、よく銀行の実態が分かりませんからそれ以上言えませんが。この頭取をなさっている方が大蔵省出身だと、今でいえば金融庁なのか財務省なのか。やはりそういう中でこういうものが起きてきているということを、私はやっぱり、どうも銀行が、あるいは今でいえば金融庁銀行行政に対して、昔の護送船団行政の下で会計監査人となあなあの関係になって、まあここは二十二億ちょっと金融検査の結果出たから、二十二億の利益の出る住宅ローン債権を証券化しなさいと。かろうじてそれで伸びて、そしてまあ三十億西日本シティ銀行から援助するよと、こういうことでかろうじて今成り立っているわけですよ。  私は、これを見たときに、これは日本の金融行政の一番やはり問題を象徴的に表しているんじゃないかというふうに思ってこれは質問させていただいたんです。  そこで、この豊和銀行は現時点において不良債権比率一二%を超えます。そこで、最後のページ見てください。一番最後の資料は、これは金融庁が作った資料です。この中で非常に気になったのは、協同組織金融機関、信用金庫、信用組合というのがございます。豊和銀行は第二地銀でした。その中でその他というのがございますが、このその他というのは農林系、漁業系と理解してよろしいでしょうか、金融庁にお伺いします。
  118. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) いわゆる農林系のほかに、労働金庫、それから労働金庫の連合会、もう少し正確に申し上げますと、農林系は農林中央金庫、それと信用農業協同組合連合会、それとさらには商工組合中央金庫、合わせて六十二と、こういうことでございます。
  119. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 そうすると、このその他の中には何か玉石混淆のような気がしますね。私、労働金庫というのは不良債権比率が〇・〇一ぐらいということで極めて優秀だという。それで、これ三・八七なんですよね、不良債権比率が。もう都市銀行並みにぴっかぴかになっているわけですよ。本当にそうかなと。信金、信組を見てください。信用組合というのは一一・九八です。  そうしたら、漁協あるいは農協、これ、検査、監査をやっているのはどこでしょうか。これは三浦一水さんに、副大臣にお聞きしたらいいんでしょうか。
  120. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 今御説明がございました信連、農林中央金庫がその他に含まれておりますが、それらの検査につきましては、農協法及び農林中央金庫法に基づきまして金融庁及び農林水産省が行っております。
  121. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 これは、毎年共管しているんですか、それとも隔年度交代でやっているんでしょうか。これはどんな検査をやっていらっしゃるんですか。
  122. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 毎年行っております。
  123. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 共同で。
  124. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) はい。
  125. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 今日はこれ以上突っ込みませんが。  どうも、私は前回お話ししましたように、このいわゆる大手銀行の不良債権問題はどうやら峠を越したのかなと思う、ように思う。しかし、どうも第二地銀、地銀、あるいは信金、信組、さらに協同組合系の金融機関の不良債権というのは、まだまだこれ相当問題が残ってるんじゃないかというふうに思えてなりません。こういうところがきちんとしないと、地域の経済というものの発展は私はないと思っております。  大臣は、前回質問に対して、地域の経済が発展しないから地域の金融機関もきちんとしないんだとおっしゃいました。それはお互いに相互関係があるんだろうと思います。  だけど、やっぱり本当に、私はむしろ中小企業に対してはある程度いろんな配慮をしなきゃいけないと思っている方ですが、余りにもこれがぐずぐずぐずぐず、不良債権を処理したけどもまた引き続き残っている、またそれがオーバーになっていくという、こんなやり方がずっと続くと、私は率直に言って地域経済ってなかなか緩くないんじゃないかと。  そういう意味で、竹中大臣はもう胸を張ってこれで不良債権は終わった、ペイオフが終わったときにもう地域は大丈夫だと、地域金融機関は大丈夫だとおっしゃいましたけども、私はまだまだこれは道半ばじゃないかなと。  是非、そういう意味も含めて、最後に御感想を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
  126. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 全体、各金融機関の決算を見ますと、大手行はもう相当良くなっていることは確かですけれども、やはり地域経済を担う地域の金融機関はそれぞれまだまだ御苦労が多いと私思います。  それは、過去を背負ってきたいろいろな問題もさることながら、やはり地方における経済というのはまだまだ良くなっていないという側面もあって、やはり地域の金融機関の健全性、また地域経済もこれから更に良くならなければならないと、こういう経済と金融システムが両輪、両方同時に良くなるということを目指して我々やっていかなければならないと思っております。
  127. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 ありがとうございました。終わります。
  128. 池口修次

    委員長池口修次君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。    午後零時十三分休憩      ─────・─────    午後一時二十分開会
  129. 池口修次

    委員長池口修次君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  この際、委員異動について御報告いたします。  本日、峰崎直樹君が委員辞任され、その補欠として藤末健三君が選任されました。     ─────────────
  130. 池口修次

    委員長池口修次君) 休憩前に引き続き、証券取引法等の一部を改正する法律案証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案及び金融商品取引監視委員会設置法案の三案並びに尾立君外三名提出の修正案について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  131. 櫻井充

    櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。  今回の委員会は、私は本当に意義深い委員会だったと、そう思っております。与党の先生方の御協力、理事の先生方の御協力もあって、大きな問題点を浮き彫りにできたんじゃないのかなと、そう思っております。そういう意味で、本当に与党の先生方、そして池口委員長始め委員の皆さんに御礼を申し上げたいと、そう思います。  残念ながら、今国会で不招請勧誘、商品先物の不招請勧誘に関して、まあまだ分かりません、これから採決がありますので、何とも言えないところですから結論は申し上げませんが、ただ、やはりそういった問題があるんだということを委員の皆さんに認識していただいたことと、それから随分、農水省、経済産業省と抵抗しておりましたが、そこの中で大分前向きな答弁がいただけたということは、副大臣からいただけたことは、やはり参議院の存在価値というものを示したという点でも私は大きな意義があったのではないのかなと、そう思っております。  その中で、ただし、もう少し掘り下げて質問したい点がございます。それは何かというと、今日、山口委員からの質問に対して、これから監督をきちんとしていきますとか、それから委託者保護を図っていきますとか、様々な御答弁がございましたが、しかし問題になるのは役所の権限が果たしてそこまで及ぶのかどうかということなんだろうと思います。  つまり、行政改革法の中で、例えば経済産業省なら経済産業省の任務というのが与えられている、農水省は農水省で任務を与えられております。その設置法を読みますと、その任務というのが、経済産業省の設置法、それから農水省の設置法、各々任務が三条に規定されておりますが、ここの中では、例えば経済産業省の場合には、経済の発展、産業の発展、そういったものに関してやっていかなければいけない、農水省の場合には農林漁業の発展に関して寄与していかなきゃいけないという任務規定はありますが、しかしその中で委託者の保護という項目はございません。  一方で、金融庁設置法を見てみますと、その任務、全部読ませていただきますが、「金融庁は、我が国の金融機能の安定を確保し、預金者、保険契約者、有価証券の投資者その他これらに準ずる者の保護を図るとともに、金融の円滑を図ることを任務とする。」ということで、きちんとした形で投資者の保護というものをうたっております。  つまり、この設置法から見ると、金融庁には明らかに投資者の保護という責務を負っているわけですが、この任務規定を見る限りにおいて、農林水産省やそれから経済産業省にそれだけの権限があるとはちょっと私には思えません。  そして、もう一点申し上げれば、所掌事務の中にもそういった委託者の保護という文言がないということから考えてくると、我々は衆議院の中で検査・監督権限を金融庁と共管にすべきではないか、それから我々は、今回、参議院の方では我が党から金融商品の、ちょっと済みません、正確名称忘れて、金融商品取引監視委員会設置法案を提出させていただきましたが、そういう意味から考えても、監督権限というものを農水省や経済産業省単独でやるということは私はこの法から照らしてみてもおかしいのではないのかなと、そう感じますが、その点について両副大臣から御答弁をいただきたいと思います。
  132. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 農水省から先に答えさせていただきます。  商品先物取引につきましては、農産物等の売買におけます公正な価格形成や価格変動リスクの回避などの機能を果たす重要な産業インフラでありますが、このような取引に参加する委託者につきまして、不当な勧誘や不公正な取引によって発生するおそれのある損害から保護するための規定が商品取引所法に設けられているところでございます。  また、農林水産省設置法第四条第八号におきまして、商品市場、すなわち商品取引所におけます取引の監督に関する事務を所掌することとされており、農林水産省としましては今後とも商品先物取引を行う委託者の保護に努めてまいる所存であります。
  133. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 経済産業省設置法第三条では、当省の任務といたしまして、「経済産業省は、民間の経済活力の向上及び対外経済関係の円滑な発展を中心とする経済及び産業の発展並びに鉱物資源及びエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保を図ることを任務とする。」、こういうふうに定めております。この任務を遂行するために、第四条に六十四号もの所掌事務が定められておりまして、その中には、第四十五号「一般消費者の利益の保護」や、第四十三号「商品市場における取引及び商品投資の監督に関する事務」も含まれております。  第三条の任務を達成するためには、これら定められた所掌事務を広く実施をしているところでありまして、またこれら所掌事務を的確に遂行することによって当省の任務が達成されるものと認識をいたしております。
  134. 櫻井充

    櫻井充君 今、松副大臣から四十五号の点に関して、「所掌事務に係る一般消費者の利益」と書いてあります。この「一般消費者」というのは、いわゆる例えば家電製品を買っているような消費者に当たるのであって、これは商品先物などのいわゆる委託者を指しているものではないんじゃないでしょうか。
  135. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) それも入るというふうに認識をいたしております。投資者も入るというふうに認識をいたしております。
  136. 櫻井充

    櫻井充君 それはどういう観点から、どの文言がどの文章に掛かっていくからこれがそのように読み込めるんでしょうか。つまり、いや、これは役所の方で結構ですが、つまり、ここは大事なことなんであって、拡大解釈は幾らでもできるんですね。  もう一つ、我が党が、衆議院の皆さんが実は商品先物取引所に行った際に、結局は、そこのトップの方々が各省のOBの方々が占められていて、とても役所の方で頭が上がるような状況ではなかったと。つまり、天下りの方がいらっしゃって、そういう方々で本当に監督できるのかと、そういう思いで帰ってこられております。つまり、そういう中でこの文言そのもの自体を拡大解釈することそのものが私は問題ではないのかなと、そう考えております。  先ほど三國谷局長の方から挙手がございましたが、何か御意見がございましたら──三國谷さんじゃないですか、済みません、間違いました。ごめんなさい。
  137. 迎陽一

    政府参考人(迎陽一君) お答え申し上げます。  まず、当省の所掌事務の中に、先ほど副大臣からも申し上げましたように、四十三号で商品市場における取引に関することというふうな規定がございます。それから、さらに四十五号でございますけれども、一般消費者というふうな表現を使っておりますけれども、消費者というふうなことになりますと、実際に物を買う人とか使う人とか、こういう意味になるわけですけれども、さらにこれに一般というふうな言葉を付けて一般消費者と言う場合には、これはいわゆる素人の人というふうなものを指すような場合に通常、法令用語として一般消費者というふうな用語を使っておるわけです。  いずれにいたしましても、四十三号及び四十五号を踏まえまして、私ども従来から商品取引所法というのを施行しておるわけでございまして、これは御存じのように、この規定の中には、「商品市場における取引等の委託者の保護に資することを目的とする。」というふうな目的が入っておりまして、この法律にのっとって私ども、いわゆる商品取引の場合委託者と呼んでおりますけれども、こうした方たちの保護に万全を期しておると、今後も期していきたいということでございます。
  138. 櫻井充

    櫻井充君 かなり苦しい答弁だと思うんですが、要するに何を申し上げたいのかというと、商品先物そのもの自体で損失を被っている、そのいわゆる今御答弁ございましたが、素人の方が八割ぐらいいらっしゃるということはこの委員会の中ではっきりしておるわけでございます。その方々に対して今後どうしていくのかということで、我々は、望まない人たちに対して勧誘することそのもの自体をやめなければこういう被害者が減らないんじゃないかという観点で話をさしていただいています。  そこの中で両省の答弁は、これから監督行政をきちんとやっていくから大丈夫なんだと、そういうふうに御答弁されているわけであって、なおかつそこで投資家ではなくて委託者の保護が図られるんだということになっているわけです。しかし、大事なことは、そういったものがまず所掌事務の中にきちんと書かれていなければ、その体制はでき上がっていないということです。ですから、本当にその体制ができ上がっているのかどうかということだと思っています。  今の解釈の中で、それでは、素人の方々の、この言葉を読み替えると、素人の方々の利益の保護に関することということになるんだろうと思いますが、だとすると、この商品先物に参加した素人の方々の八割が損益を出していらっしゃると。となってくると、ここの中の所掌事務をきちんとした形で遂行していないことになるんじゃないですか。
  139. 迎陽一

    政府参考人(迎陽一君) 何割の方が損をしているか得をしているかというのは、正確な数字はございませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、私どもといたしましても、任務としてその民間経済活力の向上という私ども任務を負っておるわけでございます。  それのためには、今回の商品取引市場が健全に発展していくためには、当然委託者の保護というのが、これは図られるというふうなことが正に商品取引市場の健全な発展につながるわけでございますし、さらに、私どもの任務とする民間経済活力の向上が達成をされるという認識でおりますので、したがいまして、正に委託者が実際に行われる場合にも十分そのリスクを認識をし、自らの意思の判断をしてきちっと参加をしていただくというふうなことでなければならないわけでございまして、それを実現するために検査・監督等きちっとやっていくということでございます。
  140. 櫻井充

    櫻井充君 この委員会でどなたが質問されていたのかちょっと忘れましたが、役所の方からの資料で、八割の方が損を出しているという、そういうふうに質問されていましたよ。そうでなければ、今、首かしげられていますが、どうして、そうするとその時点で保護が図れる図れないということの判断ができるんですか。  じゃ、お伺いしますが、何をもってそれでは委託者の保護ということの概念になるんでしょうか。教えてください。
  141. 迎陽一

    政府参考人(迎陽一君) これは、商品取引というもの自体は、実際に損をするか得をするかというのは、これはその結果の問題でございまして、正に損得について私どもが何か得をするようにとか、そういうことができるわけではございません。  ここの場でも再三御答弁申し上げておりますように、実際に取引をされた方に大変苦情なんかが多いというふうなことがあるわけでございまして、それが十六年の法改正と私ども検査・監督を強化してきた結果として従来七千件ぐらいあったものが四千件ぐらいに減っているということでございまして、更にこれを、こうしたものをドラスチックに減らすといいますか、解消をしていくというのが私どもの務めであると、こういうふうに考えております。
  142. 櫻井充

    櫻井充君 利益に対して、もうけた、もうけないというところでないということはそれでは分かりました。  それでは、保護の定義を教えていただけますか。端的に教えてください。もう時間だらだらと、大変申し訳ないけど、保護の定義、商品取引所法の一条にありますが、「委託者の保護」と書いてあります。この保護の定義を教えてください。
  143. 迎陽一

    政府参考人(迎陽一君) 正に今申し上げましたように、実際に取引をされた方が苦情等が出るというふうなことがないようにするというふうなことだと思っております。さらにそれは、やはり情報の非対称性といいますか、十分な情報、理解がないがゆえに、実際にだまされたというふうな認識を持って不満、苦情が出るというふうなことがないような状況を実現していくことだと思っております。
  144. 櫻井充

    櫻井充君 その答弁は恐らく通用しないと思いますよ。後で文書で結構ですから、きちんとしたものをまず出していただきたい。  それから、もう一つ。今、苦情の件数を減らすんだという、お話しになりました。じゃ、目標とする件数は何件程度ですか。そして、その苦情の件数が、先ほどから、委託者の保護に当たるんだということであったとすれば、どのぐらいを目標とされて、どのぐらいの数字であれば保護されるとお考えですか。
  145. 迎陽一

    政府参考人(迎陽一君) 件数の目標というのをここに何か持ち合わせておるわけではございませんけれども、実際、その苦情の中身もいろいろあろうかと思います。大ざっぱに件数というふうなことを申し上げましたけれども、これはその一つのメルクマールの数字だとは思いますけれども、その内容等も我々精査いたしまして、これは、正に本当にその事業者が悪いというふうなものは、もう限りなくゼロに近づけていくというふうなことであろうと思っております。
  146. 櫻井充

    櫻井充君 メルクマールとか目標がとおっしゃいますが、自分で、委託者保護は何ですかと聞いたら苦情件数だと言ったんじゃないですか。そう自分で答弁されておいて苦情件数に対しての目標値がないなんて、これはおかしいですよ。  今後、これから修正案後の採決があった後に、これはまた附帯決議をお願いしなきゃいけませんが、そのときに、要するに実行してみたけど、どのぐらいまで減ったのか、減らないのか。要するに、今まで八千件あった、七千件あったものが四千件に減りましたといってそれは胸張られていますが、口座開設者の三十人に一人が苦情を訴えているんですよ。三十人に一人ですからね。この数字は極めて重い。証券は、それ掛ける六十分の一ですから、その六十分の一ですよ、その数字の。つまり、千八百人に一人です。  投資家の方々は、自ら進んで行った場合には余り苦情を訴えておりません。弁護士さんたちからお伺いすると、勧誘を受けて、やりたくないけど仕方なくやっている人たちがそうやって苦情を訴えているわけですから。もう一点、この委員会の中での審議を通じて出てきていることなんですから、一体どのぐらいだったら、そのおっしゃっているような委託者保護だというふうに役所としてはお考えなんですか。
  147. 迎陽一

    政府参考人(迎陽一君) ただいま申し上げましたように、中身にもよりますけれども、これを正に先生御指摘のように、四千件というのは決して、減らすことはできましたけれども、これでいいというふうな数字ではございません。これを大幅に減らし、限りなくゼロに近づけるということだと思っております。
  148. 櫻井充

    櫻井充君 それでは、そのようなことがきちんとできるような体制をつくっていただきたいと、それが本当に投資家の方々、委託者の方々の保護に資することなんだろうなと、そう思います。  ただ、今の御答弁の中で、四千件に対して決して少ないとは思わないというような御答弁がございましたが、先日までは、八千件が四千件に減って、努力している、努力していると。つまり、これだけ減ったんだというようなことを成果のようにおっしゃっていますが、そのこと、そのもの自体が不十分だからこそ、我々はそういう勧誘をすべきでないんじゃないかということを申し上げているんです。  もう一点、委託者と書いてありますが、この委託者の中には投資家が含まれるんでしょうか。
  149. 迎陽一

    政府参考人(迎陽一君) 含まれると考えております。  それで、これは商品取引所法で委託者の保護というふうに規定をしておりまして、これ、金融商品取引法では投資者の保護というふうに規定しておられるわけでございますけれども、これは、商品取引の場合は、取引を委託される方の中に、投資のために取引を委託するのではなくて、これはリスクヘッジのために取引を委託されるというふうな方もおられるわけでございまして、投資者も含め、そういった方も含めた用語として委託者というふうな用語を使っておりまして、その方たちの保護を図っていくということを目的にしておるわけでございます。
  150. 櫻井充

    櫻井充君 そのとおりだと思います。要するに、価格の安定のために業者の方々がまさしく商品先物で購入されるということは、これは必要なものだと思います。一方で、もう一つは、今問題になっているのは、我々が問題にしているのはその投資家の方、投資者の方であって、その保護がどういう形で図られるのかということなんだろうと思います。  そこで、金融庁にお尋ねしますが、今回の金融商品の中で、投資者保護の概念から不招請勧誘の原則禁止を盛り込みましたが、なぜそのようなことを盛り込んだのか、再度御説明いただけますでしょうか。
  151. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) お答え申し上げます。  今回の金融商品取引法案におきましては、投資者保護の観点からの規制を整備すると、そういったことで、不招請勧誘の禁止の一般的な枠組みを整備しました上で、その対象範囲といたしましては、昨年度の金融審議会報告、ここで適合性原則の遵守をおよそ期待できないような場合と、こういったことを対象とすると、こういう考え方が示されているわけでございます。  私どもといたしましては、こういったことを受けまして、政令におきまして、契約の内容その他の事情を勘案いたしまして、投資者の保護を図ることが特に必要なものと定めることとしているところでございます。これまでも御答弁さしていただきましたけれども、その際には、レバレッジなどの商品性の問題、それから執拗な勧誘や利用者の被害の発生という実態、こういった点を考慮いたしまして、私どもといたしましては、現段階で店頭金融先物取引、いわゆる外国為替証拠金取引、これを定めることが適当であると考えているところでございます。
  152. 櫻井充

    櫻井充君 今の御答弁に対して、農水省、経済産業省、どのようにお考えでしょうか。つまり、金融庁としては今のような考え方に立って不招請勧誘を禁止しなければいけない、原則禁止なんだと。そして、この商品取引所法ですか、この一条の中の「委託者」というのには投資家も含まれるということを今御答弁いただきました。その上で、我々は少なくともこの投資家に当たる分に関して言ったら、不招請勧誘というものは原則禁止しなきゃいけないんじゃないだろうか、私はそう考えます。ましてや、今金融庁も同様な意見でございましたが、この点に関して、農水省、経済産業省の御意見を求めたいと思います。
  153. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 商品先物取引につきましては、リスクの高い取引であることを踏まえまして、委託者とのトラブルが解消されますよう、検査、処分の厳正な実施等を通じて委託者保護に全力を尽くしてまいる所存でございます。  さらに、今後トラブルが解消していかない場合には、不招請勧誘の禁止の導入について検討をすることが必要であると考えております。
  154. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 再三、先生から御指摘をいただきましたように、やはり私は、これは個人的見解でございますけれども、厳しくすることが望ましいのではないかと、個人的見解でございますけれども、思っております。  その中で、今回この現行法制度でしっかりとやっていくところでございますが、今農水副大臣からもお答えになりましたように、それでもなおかつ、こうした商品先物取引というのはいわゆるリスクが高いものでございまして、こうしたトラブルが解消しないようであれば、やはり不招請勧誘の禁止というものは検討していかなければいけないというふうに思っております。
  155. 櫻井充

    櫻井充君 金融庁そのもの自体が、要するに情報の非対称性であるとか、そういった問題があるから、もうここのところはきちんとしなきゃいけないですねという話になっているわけでしょう。金融商品そのもの自体よりも実は商品先物の方がリスクが高いわけであって、それからもう一つは、商品先物そのもの自体、これはもう繰り返しになりますから避けますが、商品先物そのものの市場の在り方が問題じゃないんですか。つまり、そこに投資家が向かわないようなシステムになっていることこそが本来の問題点だと私は思います。  世界でそういうその市場がないところもないわけであって、どこの国にもありますし、そしてそこの中で活発なその売り買いがなされている中で、日本は結局は参入してはやめ、参入してはやめというような市場になっているということそのものが問題なんですよ、実際は。つまり、そこのそのもの自体をどういう形で変えていこうとするのかと。今のような、今の業者の利益を優先するようなやり方では、とてもじゃないけれど、市場は活性化しないんじゃないだろうかと。  今の御答弁は、僕は全く、そのこれまでの役所の方の答弁を聞いていると、全く逆で、その人たちが参入しないからその市場がきちんとした形で形成されないと言っていますが、そうではなくて、まともな市場だったらこれはみんな参加していくんですよ。まともな市場でないから参加してこないということをまず念頭に置かれるべきではないのかなと、そう思います。  ですから、併せてお願いしたいことは、市場そのものの在り方の抜本的な改革が必要だと思っているんですが、両副大臣、いかがでございましょう。
  156. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 委託者の保護に全力を尽くすということがまず第一かというふうに思いますが、市場の在り方そのものについて、それが因果関係が深いという御議論かと思っております。その点は十分受け止めをしてまいりたいというふうに思います。
  157. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 個人的見解でありますけれども、市場の在り方というものそのもの自体を考える必要があると思っております。
  158. 櫻井充

    櫻井充君 ありがとうございます。  是非、ここを改善しないと、幾らやっても無理だと思いますよ。  ちょっと余談ですが、うちのかみさんなんかは競馬が好きで、随分競馬やっているんですね。趣味だそうでして、毎週金、土、日は喜びながらやりますが、国庫に相当な私は納税しているんじゃないかと。年間三十万か四十万かよく分かりませんが、夫婦別会計なものですから、相当な損益を出していると思いますが、それでも本人は喜んでやっております。  つまり、自ら進んで、自分たちがそこの中で楽しみたいと思う目的でやれば、投機であれギャンブルであれ、それはそこに対してだれも文句言わないわけですよ。ところが、そうではなくて、そういうことを自分がやりたくないのに強制的にやらされてみて大損したということになるから問題なんであって、再度お願いですが、そこのところはきちんとしていただければ有り難いなと、そう思います。  さて、もう一つ、今回の証券取引法の改正の中で大きな目玉になるであろうと思うのは投資事業組合のことなんだろうと、そう思っています。その投資事業組合そのもの自体の悪用を本当に防げるのかどうかということで、まず一つ、その外国、例えばケイマンのようなところにその投資事業組合を設置した場合に、何らかの規制は今回掛けられるんでしょうか。
  159. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) お答え申し上げます。  今回の法案におきましては、利用者保護ルール、こういった観点から、外国のファンドにつきましても包括的な定義規定、これは定義規定の第二条第二項第六号というところで設けているところでございます。したがいまして、外国ファンドの持分に係る販売勧誘、それから投資運用につきまして、これも業者としての登録又は届出の対象業務とすることとしているところでございます。したがいまして、外国において創設されたパートナーシップ等の投資事業組合でありましても、日本国内の居住者から出資を募る場合には国内の投資事業組合と同様の業規制に服することとなるものでございます。  また、大量保有報告書制度あるいは公開買い付け規制やインサイダー取引規制など、市場の公正性、透明性を確保するための規制につきましても、我が国市場に投資する国内外のものについて広く適用することとされているところでございます。
  160. 櫻井充

    櫻井充君 今の御答弁の中で、たしか業となす者に関してはという御答弁だったんじゃないのかなと、そう思います。  そうすると、この総則の目的、第一条のところに、金融取引業を行う者に関しと書いてありますが、この業の定義を教えていただけますか。
  161. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 業の定義でございますけれども、これも今回の法案のここの二条の八項という定義規定があるわけでございますが、ここに各般の業が掲げられておりまして、次に掲げる行為のいずれかを業として行う場合、これが金融商品取引業に該当するということになっているわけでございます。  具体的には例えば有価証券の売買やデリバティブ取引、それからこれらの取引の代理、媒介、取次ぎ、あるいは取引取引の委託の代理、媒介、取次ぎ、あるいは有価証券の引受け、有価証券の募集、売出しの取扱い、さらには投資助言、投資運用、有価証券等の管理、こういった業のいずれかを行うことを業として規定しているところでございます。
  162. 櫻井充

    櫻井充君 それは業務の内容ですね。業の定義をお伺いしているんです。つまり、業というのはどういう人たちを指すのかということです。
  163. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 一般論としての業とは何かということだと思いますが、これにつきましては一般に、一つは反復継続性を持って、それからもう一つは対公衆性を持って行うもの、これが業とされているところでございます。
  164. 櫻井充

    櫻井充君 つまり、そういう反復継続をする、それから大衆を相手にする、そうでなければ、これは業には当たらないということでよろしいんでしょうか。
  165. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) そのような要件を満たさない場合、例えば個人が、私なりが一回の取引をするということ、これ自体は業ということではございません。
  166. 櫻井充

    櫻井充君 そうしますと、投資事業組合を一度つくりました、そしてそれはあるものに関してだけ投資をしました、そして解散しました。これは業者としてみなされるんでしょうか。
  167. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) まず、投資事業組合の方から考えますと、投資事業組合が全員の共同参加というか、そういった形で全員が共同で事業を行うような場合、これは今回の規制の対象ということで直接にはなりません。ただし、この方々がいろんなほかの人にも含めまして販売、勧誘を行う、あるいはそういったものを原資といたしまして、ほかの人の原資も交えて運用する場合、こういった場合には業となるわけでございます。これが仮に一回でありましても、これ自体が反復継続性等、基本的にそういった目的があるのであれば、将来においてそういったことを考えているのであれば、一回でも業ということになるかと思います。
  168. 櫻井充

    櫻井充君 将来考えていても、それを行うか行わないかという判断はその時点ではできないんじゃないでしょうか。ですから、そこのところが極めて大事なところで、一回ごとに解散してしまうと、実はもうここに抜け道ができ上がっている法律なんじゃないのかなと思いますが、その点に関していかがですか。
  169. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) これにつきましては、基本的には具体的な行為の実態ということによるかと思いますが、一般に、今申し上げましたことの繰り返しになりますが、仮に現象面としては一回ではあっても、これ自体が将来の反復継続性を有するものであれば業かと思います。また、その段階でかなり一般の投資家等を勧誘するようなことであれば、その場合には業としての色彩が相当強くなるものと思われます。
  170. 櫻井充

    櫻井充君 それ、答弁になってないんですが。  私が申し上げているのは、反復継続してなくて、しかも一般投資家を巻き込まないような場合だったら、これは業とならないんでしょうということでございます。その点について改めて確認しておきたいんですが、御答弁いただきたいと思います。
  171. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 反復継続性を持たなくて、かつそれが全く共同的に行うような場合ということであれば、業に該当しないケースが多くあると思います。
  172. 櫻井充

    櫻井充君 それはそうだと思うんですよ。そして、なぜかというと、局長、先ほど運用上でどうのというお話をされましたが、結局は処罰をできるというのは、きちんとした根拠法があって初めてその処罰の対象になってくるわけであって、そのルールそのもの自体があいまいなまま施行されてしまうと、そこの時点で裁量が働いてくる、これがいい場合もあれば悪い場合もあるんだろうなと、そう思っております。  その裁量行政の最たるが、ライブドアのときに、例えばあれはTOBのルールに違反していなかったのかもしれませんが、個別の案件に対してあの当時の金融担当大臣やそれから金融庁の長官がお墨付きを与えましたが、しかし、あれは法律があったからああいう形のお墨付きを与え、若しくは駄目であれば、そこで罰則ということになるんだろうと思うんです。  ですから、なぜこういうことを申し上げているのかというと、こういう抜け道をやっぱり使っている人たちが多大な利益を上げ続けているんじゃないだろうかという気がしてならないんですね。私は株も買ったことがないし、こういう業界にいた人間でもありませんから全く分かりません。全くの素人ですが、ここの委員会で何回か問題にしているカネボウの問題を見ていると、まさしくこういうことを利用すれば何の規制もなくまた不当な利益を上げられるのではないのかなと、そう感じているんです。  それは何かというと、トリニティというところが、最終的には産業再生機構から株を譲り受けて、そして今度はカネボウフーズそのもの自体を、ケイマン法で規制されているところのファンドが七つ、それから国内法が三つ、ここのところに株式譲渡をしていくわけですね。そこのケイマン法で規定されているところのメンバーが一体どういうメンバーになっているのかもはっきり分かっていないと。そこの中で下手するとトリニティなどに出資している人たちが入っているのかもしれないし、そこの部分が全く分かんないままになっていて、しかも安い株価で、これ、普通株として百円でこちらのケイマン法で規制されている投資事業組合には百円で売って、それから優先株になった場合には四十万でほかのところに売り渡しているというような、そういう状況になっているわけですよ。  こういうことがあり得るらしいんですが、あり得るらしいんですが、ただ、我々から見れば、なぜそれだけの差を付けて株式譲渡をしなきゃいけないんだろうかと。そして、そういうことをやっていること自体、そのもの自体が、もしケイマン法で規定されているようなところにそのメンバーが入っていたとすれば、その企業なり投資家のメンバーが入っていたとすれば、利益の相反なりなんなりに当たることがあるんじゃないだろうかと。その利益の相反があったことに関して、一般の株主はそれに何にも異議を申し立てることができないようなシステムが今現存しているわけですよ、こちらから見てみれば。  ですから、今回も、この法律、今のまんまでいうと幾らでもその抜け道をつくられてしまうんじゃないのかなという感じがしますが、いかがでございましょう。
  173. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 今回の法案におきましては、極力、例えばファンドにつきましても包括的な規制といたしまして、すき間をなくするような、そういったことを目的といたしまして提案さしていただいているものでございます。  これも一般論ということになりますけれども、今回、このファンドについての包括的な定義、それからファンドの自己募集、それからファンド形態による主として有価証券又はデリバティブ取引に対する運用、こういったものを業規制の対象とし登録又は届出を義務付ける。それから、繰り返しになりますけれども、大量保有報告書制度、公開買い付け規制、あるいは主要株主等による短期売買に係る規制、あるいはインサイダー取引規制、こういったことにつきましては基本的に適用されるような、そういった枠組みとしているものでございます。
  174. 櫻井充

    櫻井充君 大臣、これちょっとお伺いしたいんですけれども、要するに、これ、じゃ法律で本当にがちがちに規定できるかというと、恐らくできないんだろうと思っているんです。つまり、法律だけでなくて政省令でも何でもいいですが、そういったもので規定できるのかというと、恐らく規定はできないんだろうと、そう思います。ただし、一方で、そういう抜け道を使って利益を上げていく人たちも今後、規定できないんだとすれば問題になるんだろうと。  そこのところで、我々がどういう選択をするのかというのは極めて大事なことなんだと思うんですね。もうちょっと端的に申し上げれば、法律でがちがちに規制すれば経済は萎縮していく可能性があるでしょうと。しかし、ゆるゆるにした場合には今度はいろんな不正を行っていく人たちがいるんでしょうと。そういう中で、我々立法府の人間がどこに立脚して法整備を進めていったらいいと考えていくべきなのか。金融責任者としての与謝野大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  175. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 二つ私は考えておりまして、一つは、株であれその他の金融商品であれ、やはり価格形成というものが極めて公正に行われるということが多分第一点だろうと思います。これを分析していきますとまたいろんな要素から成り立っていると思いますけれども、やはり価格形成が極めて公正、透明に行われるということ。それから第二には、やはり投資家は最終的には自分の判断で自分の投資行動を決めるわけですけれども、その前提となる情報開示の公正性、真実性というものはやはり法律で担保していかなければならないことだろうと思います。  これは、情報の開示の範囲の問題、それから情報の正確性、真実性を担保するためのいろいろな制度、こういうものも分解していけばいろんな段階に分解することはできますけれども、やはり金融商品の価格形成が公平であること、それから投資家が自分の判断に頼って自分の行動を決めるため、そのバックグラウンドとなる情報の正確性、公正性というものが、この二つの要素からやはり市場というものは成り立っているんだろうと、私は個人的にはそのように思っております。
  176. 櫻井充

    櫻井充君 その点は全くごもっともだと思います。  もう一点、要するに投資方法というんでしょうか、投資していく方法、ここが一番大きな問題なんじゃないですか。つまり、ライブドアのときもそうでしたし、村上ファンドのときもそうですし、今申し上げましたカネボウをめぐる中でも、その投資家といわれる人たちの言わば不透明な動き、それから法律には逸脱していないかもしれないけれどモラルから外れたようなやり方をしてくる、若しくは、法の抜け穴がありますから、そういったものを使ってくるとか、これは法律の不備なんだろうと思いますが、その投資家そのものの行動がどうあるべきなのかということの議論がひとつ必要なんだろうと思っているんです。  ですから、先ほど申し上げたとおり、この点について法律できつく縛れば、その投資するべきお金は日本に投資されずに世界に流れていってしまうでしょうと、そうではなくて今度はゆるゆるだったらその人たちが悪用していってしまうでしょうと。つまり、その投資者というものをどのように、まあ言葉が悪いですが、取り扱っていくのか、そこのところが極めて大事、監督していくのかということがすごく大事なことになるんだろう、今回はこの点が実は証券取引法の改正の一つの目玉だったんではないのかなと、私はそう感じているんですね。  そして、そこの中で、もう一点申し上げれば、いわゆるブラックマネーであるとか、それから、要するに外国資本の中でもいわゆるただ単純に利益を上げてくるようなところとか、そういったところの金の流れそのものが流入することによって市場が形成され価格が上がっていくようなそういう市場ではなくて、本来は、もっと投資したくて、当たり前のように正面から切って投資できてくるような社会をつくってくることの方が本来の解決に当たっていくことなんだろうと思っているんですね。  もう一度そこの点について、つまり投資という立場、投資者という立場のルール作り、それからそこの監督というか、この間の本会議で土俵があって行司がいてということをお話し申し上げましたが、その審判する人たちの体制とか、そこら辺がどうあるべきだとお考えか、改めて御答弁いただきたいと思います。
  177. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) やはり考えなければならないのは、法制度の問題と、企業倫理と申しますか、投資家のモラルの問題と、両方多分あるんだろうと私は思っております。そういう意味では、日本の市場で、書いてはないけれどもみんなが守るルール、倫理というものがやはり育たなければならないと私は思っております。  それと、もう一つは、もう社会の風潮として、金が金を生むというのが大変あこがれるような、そういうことにあこがれるような風潮があるということは、それは決していいことではなくて、やはり日本の経済とか日本人が享受する富というのはそれぞれが額に汗をしてつくり出す価値であり富であると私は思っております。これが何よりも重んじられる社会でなければならないと私はいつも思っております。当然、金融市場というのはお金という資源が適正に配分されると、そのために必要な仕掛けであると思いますけれども、その仕掛けが日本経済を支えている唯一のものだというように考えるのは間違いであると思っております。  日本の市場経済、また金融市場もいろいろな経験をしながら、やっぱり市場としての倫理を確立しなければならない私は過程にあると、そのように考えております。
  178. 櫻井充

    櫻井充君 私は、与謝野大臣の意見にもう本当に大賛成です。  ただ、大臣、今御答弁された中でよく考えていただきたいのは、今大臣がおっしゃっていた問題点はすべて小泉政権ででき上がってきたものじゃないですか、多くが。  つまり、総理自ら法律を守らなくて、公約を守らなくてでしたっけ、あのとき、大したことはないと。それから、自衛隊が行ったところが非戦闘地域だとか、ああいうどうでもいいような答弁されれば、まあいいかと。この国のトップの人がルール違反を犯してもいいということを正当化されているんであれば、まあいいなと、そういうような風潮が生まれるのは私は至極当然なんじゃないのかなと、そう思いますし、それから昨年の衆議院選挙のときに、自民党は大勝いたしましたが、そこの中で、無所属の候補とはいいながら堀江氏を立てた。堀江氏をあれだけ武部幹事長もそれから竹中大臣も持ち上げて、時代の風雲児だと、彼のような人がすばらしい人なんだと、これは広島選挙区で何回も言っているわけですよ。  つまりは、金をもうけている人たちがというようなお話をされますが、彼が時代の風雲児で新しい風って竹中さんがおっしゃっていて、そういうことを聞いてみると、今の大臣の御答弁いただくと、私はここ数年間の金融行政そのもの自体が実は間違っていて、今のような風潮を生んでしまったんじゃないのかなと、そう感じておりますが、大臣としていかがお考えでしょうか。
  179. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 今のような質問を是非総理に直接聞いていただきたいと思います。  私は、私の信じるところを先生の御質問に対して披露させていただいたと、こういうことでございます。
  180. 櫻井充

    櫻井充君 ありがとうございます。総理に質問する機会があればそれは質問させていただきたいと思いますが、国会のルールが変わってから本当に総理の出席率が落ちましたから、我々なかなか質問できなくなりました。その国会のルールそのもの自体をちょっと変えていかなきゃいけないのかなとは思いますが。  私は、金融担当大臣として方向性をもう一点はお伺いしているんです。つまり、前回委員会でも申し上げましたが、ルールなきままにただ単純に規制緩和を進めていったからこういう大きな問題ができ上がってきたと。野っ原でけんかしているようなものですから、そういうことをやらせ続けて、自由、自由と言いながら、ある一部の人たちに対しては、私が見ている範囲ではですよ、ある一部の人たちは規制改革会議だとか何とかいう名前を付けて自分たちで勝手にルールを作って自分たちの利益の上がるような格好にしているわけですよ。  この間申し上げたかもしれませんが、例えばタクシーの規制緩和の中で、規制改革会議の議長のところはレンタカーやっているわけですから、タクシーの台数増えりゃもうかるに決まっているんですね。そこの中にタクシーメーターの社長もいるんですよ。そうすると、タクシーメーターもどんどん売れていくわけだから、その人たちにとってみりゃ規制緩和というのはいいわけですよ。だけど、規制緩和じゃないですよ、こんなの。自分たちの利益を上げるためにタクシーの台数を増やせばいいというだけです、これは。  そのために、じゃタクシーの運転手さんたちが一体どうなったでしょうか。給料は激減し、そして仙台市内で見ていると、本当に客引きのところでけんかもしている、それから何重にも駐車しているから道路をふさいでいると。今まで随分そういう問題があって、業界そのもので一生懸命規制は掛けていますが、実際のところ、それから運転手さんたちの労働時間の悪化によって事故が増えてきている、ヒヤリ・ハット症候群が出てきていると。  つまり、今までのやり方はある一部の人たちが、しかもその一部の人たちというのは、そのルール作りに参加している人たちにとってはいい社会であったかもしれないけれど、そうでない人たちにとっては大きな不利益を被るような、そういう社会だったんじゃないでしょうか。ですから、中央は元気になったかもしれないけれど、地方はいつまでたったって元気にならないというのは、これ地方の代表者が入っていないんだから、これ至極当然のことだと思うんですよ。  ですから、その意味で、もう少しフェアな形で金融行政をやっていただかないと私は地域の発展というのはないんじゃないかなと、そう思っているんですね。その点について大臣の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
  181. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 市場というのは別に万能ではないと私は思っておりまして、市場が自然に放置をしておきますといろいろな間違いも起きますし、失敗もするというふうに私は思っております。日本の経済、まあ日本の経済だけでなく、それぞれの国の経済の中でやっぱり需給調整というのが必要な部分も私はあると思っておりまして、全部市場の実勢に任せておけば予定調和的に正しいところに落ち着くんだという考え方は私は取らない、そのように思っております。
  182. 櫻井充

    櫻井充君 おっしゃるとおりだと思います。市場原理に任せた方がいいものとそうでないものと明らかにあると思っています。  私は元々内科の医者なので医療の分野で申し上げれば、市場原理にそぐわない僕は業界だと思っています。つまり、隣のお医者さんが三十人患者さん診たから、じゃ自分は五十人診なきゃいけないと、そういう競争なんかするわけではありませんで、我々は。社会的責任を持って臨んでいるだけのことですから、そういう中に市場原理云々ということそのもの自体が僕はそぐわないんだろうと思っているんです。ですから、ある種政府がきちんとしてやらなければいけないこと、あとは市場に任せること。でも、市場に任せるといっても、ルールをその国がきちんと作っていかなければ、それから審判員をきちんと置かなければいけないんだろうと思っているんですね。  その中で、ルールはルールで、今回、金融庁は、僕は、相当頑張られた、努力された、そこの点は評価したいと思います。ただ、一方で、今のままの監視体制で本当に大丈夫なんだろうか、今の人員で本当に大丈夫なんだろうか。これは、金融庁から独立する独立しないということ自体はまず別としても、今の人員の在り方ではとてもじゃないけれども監督できないんじゃないですか。事前チェック型から事後チェック型に移っていく社会の中で、ほとんど人数、まあそれは少し増えましたといっても微々たるものですよ、これは。ですから、例えばインサイダー取引ならインサイダー取引というのは、相当な情報網というか人がいて人海戦術取らないと、これ情報を得ることというのは恐らく無理なことなんじゃないのかなと、そう思うんですね。  そういう意味において、今の監督体制で本当に十分だとお考えですか。理想を言えば、一体どのぐらい人員が必要だとお考えですか。
  183. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 独立したものをつくるとかつくらないとかということはまだまだ議論は各党ともあると思いますけれども、今の人員で大丈夫かという問題、今の体制で大丈夫かと申し上げますと、まず歴史の長さからいいますと、これは時がたたないとどうにも解決しない。例えばアメリカのSECは、アメリカの大恐慌の後にもうスタートしておりますから、それだけ長い歴史を持った組織であるわけでございます。金融庁はその前の組織形態を含めて十数年、まだまだの組織だと思います。  それから、いい人材はたくさん集まっておりますし、金融庁にも集まっておりますし、証券監視委員会にも集まっておりますが、金融というものを扱うには専門性の高い方々に更に集まっていただかなければなりませんし、今は財務省の財務局に手伝いをしていただいておりますけれども、やはり金融庁、証券監視委員会の人材は質、量とも更に充実をいたしませんと、投資者を保護する、あるいは透明な金融行政を行うというためには、やはり不足しているところがまだまだあるというのが私の認識でございます。
  184. 櫻井充

    櫻井充君 ありがとうございます。本当にそのとおりだと思います。これは与党、野党関係なしにみんな同じ思いでいることであって、単純に行革法の中で人員を五%カットしますとか、そういうつまらないルールを作ることそのもの自体が僕はおかしいと、そう思うんですね。  ですから、それからもう一点、大臣、アメリカは確かに一九三〇年ぐらいのところからずっと経緯があるというお話でしたが、ただそれは、アメリカはアメリカで、相当な規制を掛けたものを長年掛けて規制緩和をしながら人手を増やしてきたという歴史があるわけです。ところが、我が国はわずかこの五年なり十年の間に、多分、恐らくアメリカが七十年ぐらい掛けてやったようなことを急激にやってしまったんだろう、だからそれに追い付かないんだというお話ですが、ですが、それを追い付かせないと様々な問題が起こるということはこれ至極当然のことであって、ルールを変えたんであれば、それに見合ったような組織・監督体制をつくるというのはこれは至極当然で、そのことをやらないということになってしまうと、これは立法府なのか行政府なのかが分かりませんが、そこのトータルの責任を問われるんではないのかなと、そう思います。その上で、ですから、我々もこれから応援してまいりますから、是非大臣頑張っていただきたいなと、そう思います。  あと、ちょっとカネボウの問題についてもう少し質問させていただきますが、カネボウの動きを見てくると、これは産業再生機構という特別なところに入ったからこういうことになってしまったのかもしれませんが、まず、産業再生機構にカネボウが入った時点では、いわゆる一般投資家の方々と、それから、あれはカネボウでしょうか、それともそこの持っている株式との比率を見てきてみると、大体五〇%、五〇%ぐらいであったと。ところが、その後でC種株ですか、C種株そのもの自体を発行して、結果的には、外に出たときには一体どうなっていたかというと、一般投資家の持ち分は三分の一以下になっていたと。その三分の一以下になった挙げ句に、今度は産業活力再生特別措置法が適用されるような条件を満たしてしまったので、一般株主の方々の権利というのが損なわれていっていると、私はそう思っているんですね。  つまり、産業再生機構に入ったのは一体何だったんだろうかと。この産業再生機構というのは、本来であれば企業の価値を高めて再生するはずだったのに、結局はそこのところの企業に対しての権利の関係のところだけを付け替える作業しかしてこなかったんじゃないのかなと、私はそう思っているんですが、この点について産業再生機構になるんでしょうか、御答弁いただけますか。
  185. 広瀬哲樹

    政府参考人(広瀬哲樹君) 産業再生機構でございますけれども、一般論で申し上げますと、産業再生機構法がございまして、産業再生機構が担当いたします事業に対する支援と申しますのは、基本的に金融債権を対象といたします。支援を受けます事業者と金融機関が連名で支援の申請をいたします。その中で必要な部分をリストラいたします。先生がおっしゃいましたように企業の価値を高めるのみならず、マーケットに、戻して自分の力で事業が持続できるようにしていくという基礎づくりをするのが産業再生機構の基本的な役割でございます。  その概要と申しますのが再生計画でございます。支援決定いたしますと、必ずこの概要を公表いたします。一般の投資家も閲覧できる形で、先生がさっきおっしゃいましたようなC種株を発行し、既存の一般株主の方々には、減資の対象となって株式の持分が変更されるということも明示されております。そういった事業の再生を、金融関係の権利義務の整理をいたしました上で、また、事業面におきましては各支援いたします事業の内容を精査いたしまして、どういう形でやることが企業価値を高めるかという調査、これデューデリジェンスと呼んでおりますけれども、そういうことをやります。  先生が先ほど御指摘ありましたカネボウにつきましては、その過程で債務超過というのが発覚いたしました。そういうこともやりながら、事業が民間の力で、民間の資金を得て、それで自立できるようになった時点で民間の投資家、スポンサーと呼んでおりますけれども、適切なスポンサーを選択して、その方々にゆだねていくという作業をやっております。
  186. 櫻井充

    櫻井充君 そうすると、きれいな形で出ていくことになりますよね。そうすると、基本的な話をお伺いしたいんですが、企業の価値という点でいえば高められて出ていくことになるんですね。
  187. 広瀬哲樹

    政府参考人(広瀬哲樹君) 先生がおっしゃる企業の価値がどの時点と比較して高くなるかということでございます。  企業の価値といいますのはやはりマーケットで決まるものでございまして、例えば債務超過が存在します場合には、まず一番初めに既存株主の権利というのはその時点でゼロというふうにお考えいただくのが一般的ではないかと思います。その時点から出発しますと、市場で価値を持つこと自体改善でございますけれども産業再生機構が目指しますのは、そういった企業が自立して、例えば出資を民間から仰げるだけではなくて、例えば銀行から融資を受けられるような状況、そういう厳しい審査を受けた上でも事業が実施できるような状況になっていくということ自体が企業価値を高めるというふうに考えております。
  188. 櫻井充

    櫻井充君 価格ゼロとおっしゃいますけど、産業再生機構の中に入ってC種株の新規発行したときの価格がたしか三百二十円だったと思います。ですから、これはゼロということないですね。それから、三百六十円でたしか上場廃止になったんだろうと思いますが、この三百六十円という値段は、これは市場で決めたものであって、千五百円程度であったものがいろんなことがあったからそこまで下がったわけですよね。ですから、ゼロではなくて、なおかつ、産業再生機構の中に入って売買されている時点でも、実は三百二十円だったということなので、基本的に言えば、それだけの価値はあるというふうに考えるのが普通ではないんですか。
  189. 広瀬哲樹

    政府参考人(広瀬哲樹君) 株の価格といいますのは、もう委員御高承のとおりでございますけれども、マーケットで決まるものだというふうに考えております。いろいろな期待が働きましたり、あるいは、産業再生機構が支援した場合に大幅な事業再生あるいは事業の改革が行われるといったような期待も働くものだと思います。  そういった意味からしますと、形式的に申しましたのは、先ほど申しましたように、企業の解散価値ということから考えますと、債務超過が数年にわたり生じている場合などはゼロではないかと一般的に思うのが普通でありましょうけれども委員が御指摘のような状況で、産業再生機構の産業再生機能期待というのが働いて価格が付いたのかもしれません。
  190. 櫻井充

    櫻井充君 済みません。これ三百二十円じゃなくて三百八十円かもしれません。ちょっと後でここを訂正させていただかなきゃいけなくなるかもしれませんが。  しかし、大事な点は、そういう価格が付いていて、それじゃ今度は、そのトリニティが株式譲渡を受けて産業再生機構から出た後でTOBを掛けるわけですが、そのときのTOBは百六十二円になっているんですね、百六十二円です。つまり、産業再生機構に入った時点で三百六十円、まあ三百八十円かそのぐらいの値段だったものが、出た後で今度は百六十二円でTOBを掛けて、皆さんがそれがおかしいんじゃないかと言っているわけですよ。これはマーケットで決めろと言われたって、これ上場廃止になっていますから、マーケットで決められない。そうすると、あと企業は勝手にやることができる、そういうことになっているわけじゃないですか。  こういうことで本当に、まずこの値段が適正なのかどうかということと、こういうことをやられた場合には、一般の株主の方々の発言力が弱くなっているわけで、こういうことをやられれば一般の投資家の方というのは守られなくなるんじゃないんですか。
  191. 広瀬哲樹

    政府参考人(広瀬哲樹君) お尋ねが三点あったかと思います。  第一点でございますけれども、TOBを掛けたときの値段ということでございます。  我々、産業再生機構法を担当しております部署からいたしますと、産業再生機構の支援と申しますのは、昨年の十二月十六日、処分先を決定しております。その後、実際の株式の売却というのは今年の一月三十一日だったと思います、実際に売却しておりまして、それ以降の取引につきましては、民民というんですか、民間同士の取引になりますので、コメントできないかと思います。  二番目のところでございます……
  192. 櫻井充

    櫻井充君 時間がないんで、コメントできないって言ったら、もう答弁しなくて結構。  じゃ、そういうことをやっているようなところに株式譲渡したことそのもの自体問題じゃないですか。つまり、産業再生機構の中に入ったから物すごく不透明になっているんですよ。  それから、再建計画は、これはカネボウ化粧品とカネボウ本体とで一体で再生するという計画を出していたんじゃないですか。そして、その上で了解を取っていたにもかかわらず、最終的には分離再生になっていませんか。  そして、もう一つ申し上げれば、そういうTOBを掛けて三百何がしで発行しておきながら、今度はTOBは百六十幾ら、そして、さらにケイマンで規制されているような訳の分からない投資事業組合に百円で株式譲渡をしている、こういうでたらめなことをやっているんじゃないかと、素人から見てそう判断している。そこの中で申し上げたいのは、産業再生機構が何でこういうところに営業譲渡しなきゃいけなかったか、株式譲渡しなきゃいけなかったのか、手を挙げていたところはほかにもあったはずです。あなた方は民民の取引だと言って逃げるけど、基をつくったのはあなた方じゃないんですか、違いますか。
  193. 広瀬哲樹

    政府参考人(広瀬哲樹君) 産業再生機構が支援を終了します場合に、それ以降の事業を行いますスポンサーを決定する基準がございます。基本的には経済合理性というのが基本でございます。加えまして、三点基準を設けております。事業価値の最大化ということで、企業財務的な条件を考えましたときの評価を最大にしてくれる、そういうスポンサーを選びたい。二番目に、機構保有債権の処分の蓋然性ということで、リファイナンスができるような機能を持つところと。三番目に、事業の持続的執行能力を有しているところ、こういう事業的条件だと思います。そういったところを総合的に判断いたします。  これは第三者でありますフィナンシャルアドバイザー等を用いまして公正中立的な形で入札をしておりまして、様々な企業が入札し、その中で最良のスポンサーを選ぶということを行っております。本件のカネボウグループの選定におきましても、以上のようなプロセスを経て選定されると聞いております。  また、先般、五月二日に公表されましたカネボウ・トリニティ・ホールディングスの名前で「新カネボウの発足について」ということで新しい事業体制が公表されております。その中でも三事業主体を中心といたします形で、カネボウの、本体と呼んでおりますが、カネボウ化粧品以外のところの事業が今後とも継続されていくというふうに聞いております。
  194. 櫻井充

    櫻井充君 時間がなくなりましたのでやめますが、選定されると聞いておりますって、選定したんでしょう、もう終わっているんじゃないですか、何がされると聞いておりますですか。  それから、事業の最大化というお話をされますが、その事業の最大化ということに視点が置かれ過ぎているから、いわゆる一般の投資家の保護という点にこれ欠けるんじゃないですか。そこら辺のところに私は大きな問題があるんじゃないのかなと、そう思っています。  いずれにしても、貯蓄から投資へというのがこの国の大きな方向なんだろうと思います。その中で、ルールがきちんとしていなかった、監督体制がきちんとしていなかったと、そのために多くの方々が被害に遭っているというのもこれ実態でございます。ですから、今回のことできちんとしたルールは担保されている部分はあると思いますが、また欠けている部分もあるし、監督体制でいうと、先ほど与謝野大臣からも御答弁ございましたが、決して十分ではないということです。  そういった体制をきちんと整備しないと、一般の投資家の方々に迷惑を掛けるだけではなくて、社会全体でいうと大きな損失になると、そういうふうに考えておりますので、現実問題いろんなことがあった場合には、附帯決議にも付けさせていただいておりますが、本当に早期にまたこういったものをきちんと見直すような、そういう場を設けさせていただければ有り難いと、そういうふうに思います。  質問を終わります。
  195. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。よろしくお願いします。  まず、これまで議論されてきたんですが、商品先物取引について、これまでの質疑を受けてちょっとお伺いしたいと思います。農林と通産、副大臣いらっしゃいますね。先にちょっと今までの議論を受けて質問させていただきたいと思います。  参考人にも来ていただいたり、いろいろ議論してきて、この問題についてはかなりこの委員会で浮き彫りにされたかというふうに思っております。その中でちょっと確認、最終確認じゃないですけれども確認したいことがありますので、質問させていただきます。  我々民主党と共産党と、そして無所属の糸数さんで共同提出させていただきました修正案を出させていただいておりますので、私どもはこれからいろんな苦情とか問題が抑えられなければ今後規制していくというんじゃなくて、もう今の時点で既にもう規制する段階にあるという認識で質問させていただきたいと思います。  日本商品先物取引協会の副会長が参考人でお見えいただいたときに、委託者が十一万人いますとこの業界の中には、それで新規に七万人、それと同じ同数の退出者も七万人いるということでございまして、もし不招請勧誘が禁止されるとこの業界全体が大打撃を受けるというお話をいただきました。  しかし、今大打撃を受けているのは一般の投資家というか一般の市民が大打撃を受けているわけでございます。業界の大打撃を優先するのか、それとも一般市民、一般投資家の大打撃を優先するのか、どちらが大切なのか、改めて通産そして農林両副大臣のお考えを伺いたいと思います。
  196. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) もちろん私は投資家の保護ということが非常に大事であるというふうに思っております。
  197. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 商品先物取引につきましては、リスクの高い取引であることを踏まえまして、委託者とのトラブルが解消されますよう、検査、処分の厳正な実施等を通じて委託者保護に全力を尽くしてまいる所存であります。  今後、更にトラブルが解消していかない場合には、不招請勧誘の禁止の導入について検討することが必要であると考えております。
  198. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 松副大臣は、今も消費者の方が大切だというお話だったんですけれども、じゃ、何で今すぐにこの不招請勧誘の禁止に着手されないのか、教えていただきたいと思います。
  199. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) まず、商品先物取引は、商品取引所法の平成十六年におけます勧誘に先立って商品先物取引の勧誘を受ける意思を確認することの義務付け、それから一度勧誘を断った者に対する勧誘を禁止するいわゆる再勧誘の禁止等を内容とした大改正、これは平成十六年の改正であります。ということは、昨年度から施行になっているわけでございますけれども、こうした改革が進行中であります。  これによりまして、いろいろ実際にどれほどの効果を及ぼしており、業界においてもネット取引等新たなビジネスモデルを模索するなど極めて大きな変化がある。ですから、これをもう少し見てまいりたいということであります。
  200. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今、再勧誘の禁止のお話がありましたので、これに関連して質問したいんですが、同じくその商品先物取引協会副会長のお話だと、外務員は、今度は委託者じゃなくて外務員ですね、外務員も約一万一千人いて、新規で年間で約五千人、辞める人も五千人いると、非常に出入りが激しいんじゃないかというふうに質問者が質問したところ、業界内でほかの会社に移っている人がもうかなりいるんじゃないかという御答弁でございました。  再勧誘禁止というのは、一つの会社にいて委託者に、お客さんのところに電話して不招請の勧誘をして断られたと、その中で、再勧誘するのは禁止だと思うんですけれども、会社を移って、その外務員が移って、同じお客さんに勧誘した場合は、これは再勧誘禁止の禁止事項に該当するんでしょうか。
  201. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 該当しないというふうに思っております。
  202. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 該当しないということは、そういうことが業界内で起きているんじゃないかと私は推測するんですが、それについては実態を把握していらっしゃいますでしょうか。
  203. 迎陽一

    政府参考人(迎陽一君) そういうふうな、外務員が移動して同じお客さんに勧誘をしたかどうかというふうな事例は私承知しておりませんけれども、ただ外務員というものにつきましても、今まで、先ほど副大臣申し上げましたように、平成十六年の法改正が昨年の五月から施行されて、大変今この世界、改革が進行中と申し上げましたけれども商品取引の勧誘を行っている外務員の数も相当数減っておりまして、そういう意味で業界の体質改善みたいなものは相当進みつつあるというふうに思っております。
  204. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 農林水産大臣にもお伺いしますけれども、この業界内で移って再勧誘しているという、そういった事案というか苦情というか、そういった状況については把握していらっしゃいますでしょうか。
  205. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 今後でありますけれども、無通告の検査や厳正な処分の実施、あるいは苦情、被害実態の詳細な分析、それからその検査・監督への反映など、すべての商品取引員を対象とした法令遵守状況の一斉点検を実施しながら考えてまいりたいというふうに思っております。
  206. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 何か一つ規制をすると、大体こういう業界の人たちはその規制の網をくぐって、引っ掛からないようにしてまた何かやろうというのが通常起こるケースでございますので、この会社を移ってでの再勧誘の実態を両省については是非早急に検討していただきたいと思います。ちょっとお約束いただける御答弁あればお願いしたいと思います。
  207. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 調査をしてまいるところでございます。
  208. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 同じように取り組んでまいりたいと思います。
  209. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ありがとうございます。  そして、いろいろと議論してきた中で、ちょっとポイントとして私が思ったのは、この商品先物取引市場というのは、やっぱり産業インフラとしてどうしても必要だということを再三御説明いただいております。確かに、実需的に将来のそういった先物予約をして商品価格、いろんなそういったものの、何というか、確定するということは必要なことかもしれませんけれども、そうじゃないところもかなりあるということをいろんな議論の中で私も確認させていただきました。  この産業インフラとして必要な部分まではなくせとは言わないんですけれども、やはりもし、何というんですか、不招請勧誘を禁止してしまうと、この必要な産業インフラの部分まで業界としてなくなってしまうのかというふうに、私はどうなのかということをちょっとお聞きしたいと思うんですね。  不招請勧誘を禁止すると産業インフラとしてこの業界が成り立たなくなってしまうのかどうか、その点を両省の副大臣にお伺いしたいと思います。
  210. 迎陽一

    政府参考人(迎陽一君) 商品取引といいますのは、今御指摘がございましたように、実際にその商品を原料としていろんなものを作られるとか、こういう方たちがその価格変動のリスクをヘッジするために必要な場であるわけでございまして、産業インフラとして極めて重要な場であるわけでございます。ただ、そこにおけるリスクヘッジの機能を果たすためには、いろいろな将来の予測、異なる予測をもっていろんな方が取引に参加をするということによって、適正な価格というのが形成をされて、ヘッジの場も提供されるわけでございます。  それで、その意味におきまして、通常その当業者以外のいろいろなまあ投資家といいますか、投資目的で取引に参加をされるという方たちもその取引の厚みを増すという意味で非常に重要な役割を果たされておるわけでございます。で、実際問題としてよくリスクを承知をして、きちっとその取引に参加をされるというふうな投資者が多いということがその望まれる姿であると、こういうふうに考えております。
  211. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 済みません、ちょっと何をお答えいただいたのかよく分かりません。不招請勧誘を禁止したら産業インフラとして本当に必要な部分までなくなってしまうのかどうか、この点、このことをちょっと明確にお答えいただきたいと思います。両副大臣にお答えをお願いしたいと思います。
  212. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 不招請勧誘そのものが商行為の中で、一定量と申しますか、あるということは全く否定はできないんだろうというふうに個人的には考えております。勧誘という行為自体は、まずビジネスであればあるんだろうというふうに考えております。しかし、これが非常に今の、これまでの議論のとおり、トラブルが解消ができないということでありますならば、先ほど来申し上げておりますように、不招請勧誘の禁止の導入についてきちっとした検討をしていく必要があるんだろうというふうに考えております。
  213. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 済みません、今、まだ、松副大臣に聞く前に、今のお答えですと全然私のお伺いしたことに対して答えていただいてないというふうに思うんですけれども、もう一度よく聞いてくださいね。不招請勧誘を禁止したら、商品先物取引の産業インフラとして必要な機能、それが本当に維持できなくなってしまうのかどうかということをお伺いしているんです。不招請勧誘を禁止したら本当に必要な部分までぐずぐずになってなくなってしまうのか、その点をお答えしていただきたいと思います。
  214. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 必ずしもそうではないというふうに思っております。
  215. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 それであれば、私は、先ほど、それで、しかも消費者、委託者の方が重要だと、その打撃を受ける方がもっともっと重要だという松副大臣の答弁でありますから、それであればなおさら、今すぐに不招請勧誘を禁止してもいいんじゃないかと私は思っております。  ましてやこの委員会の中で、衆議院そして参議院で議論されてきて、参議院の中でこれほどまで問題点が明確になって、これは本当に与野党ともにこの問題については同じもう合意に至っているというか意見を一致しているところでございますので、なぜ修正に応じてくれないのか、なぜ修正をしていただけないのか、私は非常に疑問でございます。これでは二院制の意味がないんじゃないかなと思っております。衆議院で通ったものは必ず、参議院でもう覆すことができない、修正することはできない、国会の機能として本当にこれでいいのかと私は思います。  たまたまですけれども、両副大臣、参議院の所属の議員でございますので……(発言する者あり)いやいや、法案の提出者としてやっぱり問題点も同じ、何というんですか、共有していただいておりますので、この点について、国会の在り方、国会議員の在り方としてどういうふうにお考えなのか、両副大臣にお尋ねをしたいと思います。
  216. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 再三申し上げておりますが、委託者の保護に全力を尽くすのは当然であります。今後さらに、トラブルが解消していかない場合には不招請勧誘の禁止の導入について検討をすることが必要であると考えております。
  217. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 現行の法制度でしっかりと対処をしていただきまして、そしてそれでもトラブルが減少しない場合は、先ほども何回も御答弁さしていただいておりますように、不招請勧誘の禁止というものを検討させていただきたいと思っております。
  218. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 なかなか、水掛け論になってしまうんですけれども、もう一度、さっきの不招請勧誘を禁止したとき、松副大臣はお答えいただきましたけれども、不招請勧誘を禁止したとき、産業インフラとして、この商品先物取引が産業インフラとして本当に必要な部分までなくなってしまうのかどうか、農林水産大臣にも同じ質問をもう一度改めてさしていただきたいと思います。
  219. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 松副大臣からも答弁がありましたように、必ずしもそうでないという認識をいたしております。
  220. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 両副大臣とも不招請勧誘を禁止しても産業インフラとして最低限必要な部分は維持されるということでございますので、この問題は、何というんですか、産業インフラとしていろいろ問題があるから不招請勧誘は禁止できないという今までの答弁はおかしな答弁だったということだと私は改めてここで確認をさせていただきたいと思います。  そして、ちょっと、できたら参議院議員としての答弁を、しっかりとした答弁をいただきたかったんですけども、そこまではちょっといただけなかったんで、やや残念な気持ちはしているんですが。  続きまして、天下りシステムについて、やはり同じく商品先物協会の副会長が御説明いただきました。そのときどういうふうに言っていたかと申しますと、業界の実態ですね、天下りの実態を申し上げれば、それなりの業界の方からそれぞれの監督官庁の方に相談をしながら、やはり当業界の実態にかんがみて、多分中立性の確保とかそういう物資に対する知識とか、そういうことを勘案してしかるべき人間を推薦したんだろうというふうに推測をいたしておりますと。飛ばしまして、私は、これどうかという打診を受けて、いろいろ考えましたと。こちらにも選択権があるから、考えた上で、やはり商品先物取引そのものは非常に重要なものだと思っておりましたので、非常に面白いんではないかと思って受けましたということで、副会長はおっしゃっています。  要は、実態的には、業界から監督官庁に要請があって、そして監督官庁が、相談があって、監督官庁がいろいろといろんな人を人選して、そしてその方に打診をして、受けていただいた場合はそのポストに就いていただくと。商品先物協会の副会長なりそういったポジションに就いていただくということを説明いただきました。  これを称して、一つのそういうシステムができ上がってワークしているものと承知しているという答弁をいただきました。  この天下りのシステムがワークしているということを明確に御説明いただいたわけですけども、こういうんで本当に、ワークしていて、こういうワークの仕方というのは本当にいいんですかね。私はちょっと素朴に疑問に、素朴な気持ちで、こういうワークの仕方というのはあり得るんだろうかというふうに思っているんですが、両副大臣のこれを受けてのお考えというか御感想をお聞かせいただきたいと思います。  両副大臣にお答えをお願いします。
  221. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) それに対しましては、お答えする立場にはないというふうに思っております。
  222. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 商品取引所につきまして農林水産省の出身者が役員として在職しているのは事実でありますが、これらの者はいずれも当該商品取引所の総会におきまして会員の総意に基づいて役員として選任されたものであります。  在職中の行政経験を通じて得た商品の生産、流通についての知見を有する者、あるいは中立的な立場の者が商品取引所の公正かつ適正な運営を確保する上で必要であると判断されて選任されたものと考えております。
  223. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 経産副大臣にお伺いしますけど、どうしてお答えする立場にないということなんですか。
  224. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 済みません、それは後でまた精査をしてお答え申し上げたいと思います。私、ちょっと、はっきり分かりませんので、後ほど御答弁申し上げたいと思います。  そういうふうに伺っておりませんでしたし、ちょっと今分かりませんので。
  225. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 いや、事前にお話ししたのは、これまでの議論を踏まえてこの商品先物取引の件についてお尋ねしますということで、昨日レクチャーに来られた方にもお話しさせていただきました。  このまさしく問題は、参考人を呼んでこの議論、この委員会の中で議論を深めるために参考人を呼んで、その中でいろいろ議論したことでございますから、それを議題にして議論するのは当然のことだと私は思っているんですね。  業界から監督官庁に相談があって、そしてその監督官庁が人選をして、本人に打診して、そしてその業界に入る、これが一つのシステムとしてしっかりとワークしているというふうにしっかりとお話しいただきました。これこそ天下りのシステムそのものの明確な御説明だったというふうに私は思うんですけれども、それについてどう思うかという質問ですので、事前通告どうのこうのという次元の話じゃないんじゃないかなと思うんですが。
  226. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 公務員の再就職につきましては、いわゆる天下り問題につきましては、やはりこれは国民の皆様の強い批判があることを真摯に受け止めまして、押し付け的なものは厳に慎むと、やはり慎重な対応が必要であるというふうに思っております。
  227. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 この天下りの問題については、実は私、今質問主意書を提出させていただいております。すべてについて天下りを出してくれということは言っておりません。今言ったように、まさしく今回のケースのように、官があっせんとか仲介によって就職させた場合、そういったケースを、知り得る情報を教えてくださいという観点でお尋ねしております。  これを私はただ単に質問主意書で情報として出してくれというんじゃなくて、情報公開法の精神に基づいて私は質問させていただいております。情報公開法の精神というのは、もう何人も文書の請求ができることになっております。ただし、個人情報に該当する場合は非公開とする部分がありますけれども、私はそれすべて一律に非公開とすることはできないんじゃないかというふうに思っております。その非公開とできない部分としては、公益上の理由による裁量的開示に関する規定があるからであります。私はこの情報公開法の精神に基づいて質問主意書を出させていただきました。  この質問主意書というのは、これを出させていただく、何というんですか、根拠となる法令は情報公開法とは別ですけれども、この精神は私は高く評価されるべきだというふうに考えております。というのは、何人も請求できると、そして公益上の理由による裁量的開示がそこで担保されているという観点で、私は、何人もというのは一般市民でありますけれども、我々国会議員、私もそうですけれども、一般市民の、国民の代表ですから、その代表である国会議員が行政の統治を行うと、行政を監視するという意味でこの天下りの問題を教えてほしいという情報を要求するのは、これは至極当然なことだというふうに思っております。  そういった意味で、是非、今の質問主意書を内閣に出させていただいておりますけれども、そういった観点から真摯に御対応、積極的に情報公開の対応をしていただきたいと思うんですが、松副大臣、まずそれについてのお考えをお示しいただきたいと思います。
  228. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 真摯に受け止めさせていただきまして、情報公開できるものはしていくというふうにしたいと思っております。
  229. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 農林副大臣はどうですか。
  230. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 提出をいただければ、法律に従いまして適切な処理をさせていただきたいと思います。
  231. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 その際、是非ちょっと御留意していただきたいのは、膨大な作業があるものについては作業上困難で提出できないというような回答がしばしば受けられるんですけれども、そういった理由で私が必要と感じるこういった問題を情報を出していただけないというのは非常に困ると思いますので、期限は少し延びても私はいいと思っておりますので、事務作業、そういった何というんですか、実務的な面だけで困難だという理由であるんであれば、それは出せないということは私は認めるわけにはいかないと思いますので、多少時間掛かってもいいですから、出していただけるかどうか、もう一度、再度、両副大臣にお答えお願いしたいと思います。
  232. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 所定の手続に従いまして努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  233. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 法律に従いまして適切な処理を心掛けてまいりたいと思います。
  234. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 済みません、法律に従って適切な処理というのだと、今までみたいに質問主意書が膨大な作業を要するために提出は困難ですという回答になってしまうんですね。そんなんで本当にいいのかと私は思っているんです。そういった意味で、そういうやり方じゃなくて、真摯に、ちゃんと出しますよと、そういう答弁を私はお願いしたいと思います。  松副大臣、もう一度お願いします。
  235. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 努力をしてまいりたいと思っております。
  236. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 主意書は提出をされておりませんので、いただきましてから法律に基づき適切な処理を心掛けてまいりたいと思います。
  237. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 なかなか日本語が通じないんで、済みません。是非、誠意ある回答をお願いしたいと思います。情報公開法の精神に基づいて、私は、一市民、一国民の代表として出しておりますので、公益上こういった大変な問題のあるものについては、個人情報という形で出せないというんじゃなくて、若しくは作業が大変だから出せないというんじゃなくて、是非前向きに御検討いただきたいと思います。  この点については、実は両省だけじゃなくて全省庁にお願いしておりますので、今の点について、与謝野大臣、御見解をお願いしたいと思います。
  238. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 情報公開法の第一条には何人もと書いてありますから、日本人はともかく、地球の裏側の方でも情報公開の請求はできるという法体系になっておりますから、それが公益に重大な影響あるとか、あるいは個人の名誉、個人の情報にかかわることでなければ、それは公開するのは当然であると思っております。
  239. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ありがとうございます。  谷垣財務大臣、同じ件についてお考えをお願いします。
  240. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 今ちょっと情報公開法の条文を与謝野大臣がお答えになって、なるほど、何人という主語で書いてあるのかと。なら、与謝野大臣のおっしゃるとおりだなと思います。
  241. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ありがとうございます。是非この主意書に誠意ある回答をお願いしたいというふうに思います。  それでは、今ちょっと商品先物取引について、もうかなりこれは議論、私はさせていただけたと思っております。  これで、先ほど言いましたように、私どもは、共産党さん、そして無所属の糸数さんと一緒に共同提案、修正案を出させていただいております。そこで、修正案を出された尾立委員に伺いたいと思います。  今回の金融商品取引法案に関するこれまでの当委員会における審議の過程の中で、被害の多発する商品先物取引に関しては、現行制度の致命的な欠陥として、不招請勧誘の禁止について早急に法的措置を講じなければならないという点で与野党の枠を超えた意見の一致が見られたところであります。与党の山口委員、中川委員からも、不招請勧誘の禁止が設けられていない現行商品先物取引問題点が鋭く指摘されてきたわけでございますが、今回の修正案の意義について提出者の御所見を伺いたいと思います。
  242. 尾立源幸

    ○尾立源幸君 富岡委員の御質問にお答えいたします。  当委員会における審議の過程におきましては、衆議院の議論の枠を超えて商品先物取引被害の根絶に向けた対策が必要であることが指摘されてまいりました。特に商品先物取引は、その商品性、レバレッジの高さ、こういったことから一般投資家が常に取引に通常参加することは大変不向きなリスクの高い商品である、そのため不招請勧誘の禁止規定というものを早急に盛り込む必要があることが明白になってきたと考えております。  また、委員会におきましては、当委員会所属の委員を含め、参考人として出席していただきました池尾慶応義塾大学教授、山崎弁護士からも、この商品先物取引については不招請勧誘を禁止すべきと強い意見が示されました。また、政府側からも、今お聞きのとおり、松経済産業大臣、また三浦農林水産大臣、さらには小斉平農林水産大臣政務官からも改正に向けた極めて前向きな発言をいただいております。  そういった意味で、本修正案は、こうした参議院の独自性を発揮した当委員会における議論の経過を踏まえ、商品先物取引における不招請勧誘の禁止に絞って、政府提出の証券取引法等改正案を修正しようとするものであります。  本修正案は、まさしく与野党の枠を超えて、全会一致で御賛同いただけるものと固く信じて提出させていただいた次第でございます。
  243. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ありがとうございます。  まさしく私もそう願っておりますので、是非委員の皆さんにも御理解を賜りたいというふうに思います。  あれ、与謝野大臣が──ああそうですか。じゃ、ちょっと軟らかい話で谷垣大臣に先にお伺いしたいんですが、まあこんな失礼な言い方しちゃうと怒られちゃうんですが、先日テレビで見ていましたら、谷垣大臣がテレビに出ていて、非常に分かりやすく国民に御説明いただいていたのがありました。女優の方と一緒に議論されていたやつです。  その中で、国と地方の借金について七百七十兆円というお話をいただきました。これはまあ財投債とか、短期証券、政府の短期のあれを外した長期の借入れだけのことをお話しいただいたと思うんですが、ああいうテレビで、国民の前で説明するときに、借金という話で説明いただきました。そのときに、長期の分だけで本当にいいのかなと私は疑問にちょっと思ったんですね。  そういう、七百七十というんであれば、そういうふうにちゃんとこの七百七十の定義を示して説明すればいいんですけれども、私は、借金と言った場合は、短期であろうが財投債であろうが、返さなくちゃいけないという意味では全くすべて同じだと思っております。借金の内訳として長期の債務もあれば財投債もあれば短期もあるということでございますから、借金と言ったときには、この間御答弁いただいたように、国と地方を合わせると千十八兆とか、そういう数字でお答えいただくのが私は正確な国民に対する説明の仕方じゃないかなと思っています。  短期であろうが長期であろうが財投債であろうが、利払いもしておりますし、国民の負担という意味では私は同じだというふうに思っていますので、説明するときにはそういった形でお願いしたいと思うんですが、それについてちょっと御意見をお伺いしたいと思います。
  244. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 私いつも説明が長いもんですから、説明は短くという御指摘をいつもいただいているわけです。  それで、国全体の借金といいますか、債務の総額をどういうふうに整理するかというのはいろんな方法があるんだろうと思います。今、委員がおっしゃいましたように、短期証券や財投見合いのものまで含めてやるやり方ももちろんあるんだろうと思いますが、私どもの観点は、財政運営の観点からいたしますと、要するに、償還とか利払いの財源を主として税でやらなければならないもの、税金によってお返ししなければならないもの、それを整理いたしまして、国、地方双方にわたって集計したものを国、地方の長期債務残高として公表しておりまして、それが平成十八年度末に七百七十五兆と見込まれているわけですね。私どもは、普通、国民に、そのほかに説明する場合に主としてこれを用いております。  それで、今委員がおっしゃいました、確かに財政融資資金特別会計国債とか政府短期証券含めた額、この前も委員会委員から御質問がありまして副大臣が御答弁したところによりますと、確かに千五十八兆という数字がございますが、それは見合いのものがある、それも含めて言うと、ちょっと、どれだけ純、まあ純と言うといけないんですが、どれだけ借金を背負っているかと、税にどれだけ負担が掛かってこなければならないのかというのを示しにくいと、こういう気持ちから先ほどのような説明をさせていただいているわけですが、いろんな統計とか数値のあれがございますので、できるだけそれは御説明する際に分かりやすい申し方をしなければならないと思います。
  245. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 私はどうしてそういうことをお尋ねしたかというと、さっき、見合いがある分については除いて今まで説明しているということなんですけれども、例えば政府短期証券、ちょっとこれから議論しますけれども、外為特会、為替介入の分のために発行した債券、借金、それを見合いというふうに入れて、今の説明の中では加えていただいているんですが、これは、見合いといっても、それを外為、ドルを売ってこの短期証券の返済に回すことができるんですか。  私は、その議論で前もさせていただきましたけれども、為替介入した分について、私は、いつ返せるのか、どういう状況になったら返せるのか、非常に私は疑問に思っているんですね。永遠に持ち続けなくちゃいけないのかと。いろんな、アメリカのドルの金利の問題もあるし、景気に対する問題もあるし、アメリカの財政赤字の問題もあるし、いろんな問題があって、私はこれはもうなかなか売るに売れない、引くに引けない状況になっているんじゃないかというふうに思っているんですけれども。  ですから、そういった意味で、見合いがあるからといってそれを簡単に国の借金の中から除くことができるのかどうか、私は非常に疑問なんですけれども、いかがでしょうか。
  246. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 外貨準備というものは、確かに外貨建て、外国証券、そういうふうになっておりますから、すぐに円で持っている債務に充てるというわけにはいかない面があることは事実でございますが、しかし、現実にそういうものがあって、そうしてこれは外貨、為替介入の原資でございます。できるだけ機動的に使えなきゃいけないということで持っているわけでございまして、それは当然、それを介入しますときには短期証券でもって外貨を買っていくということでやっているわけですから、双方は見合いの関係にあると私は思います。  ただ、確かに、委員がおっしゃるように、じゃすぐそれで動かせるかどうか分かりませんが、そのちょうど対応するものがこっち側にあるということは間違いないと思います。
  247. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ちょっとこの議論は、私ももっと勉強してちゃんとかみ合うようにやりたいと思いますが。  そこで、ちょっとお尋ねしたいんですけれども、先週のこの金融商品取引法の質疑の中で、与謝野大臣にこの関連でお尋ねしたときにお答えいただいた点についてちょっとお尋ねしたいと思います。  私は、日本の為替、ドル・円の為替についてお尋ねしたとき、経常収支が非常に大きくなってきていて、これは日本のドル・円を見た場合の、測る場合のファンダメンタルズとして非常に大きなものを占めるんじゃないかと。本来であれば、短期的には日米金利差で変わるかもしれないけれども、長期的にはこういったファンダメンタルズがやっぱり為替の動向に大きく影響してくるという与謝野大臣の説明でありました。  その中で、私は、それをゆがめるものとして、この為替の介入、この残高の大きさ、これが私は非常にドル・円の、自然なドル・円の為替水準をゆがめる私は要因としてあるんじゃないかという質問をした関連で、与謝野大臣からちょっといろいろと御説明いただきました。  その中で、与謝野大臣も個人的にお伺いしたいということだったんですけれども、ここ近年の二十兆、三十兆という介入をしたわけでございますけれども、この介入の特徴は非不胎化介入だったというふうに説明をいただきました。この非不胎化介入をしたときの責任者に是非この介入した理由について聞いてみたいというお話がありました。私も是非聞いてみたいと思いましたので、是非今日はその説明について御説明をお願いしたいというふうに思います。
  248. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 平成十五年から平成十六年の三月までだったと思いますが、三十数兆に上る介入、いわゆる大量介入と言われておりますが、やったことは事実でございます。  それで、その当時の責任者は塩川大臣と私でございまして、その介入した額を案分比例しますと、私の方が責任が重いわけでございます。  それで、不胎化、非不胎化というのはこれは日銀の金融政策とも関連がございますので、むしろ日銀から御答弁いただいた方がいいと思いますが、為替介入と日銀の、大量の為替介入と日銀の当時のいわゆる金融政策、当時は当然のことながら金融緩和の政策を取っていたわけでありますが、これはパッケージとして決められたものではございません。しかし、デフレ克服のために可能なあらゆる対応を行うという点では、日銀の取っておられた政策と私どもの為替介入とは整合的であったというふうに思っております。  そして、当時なぜ介入したのかということでございますが、当時をお考えいただければ、今日、デフレ、日本が克服したかどうかというのはいろいろ議論がございます。私はまだ、非常に改善してきたけれども、まだわずか残っているんじゃないかと思っておりますが、当時、平成十五年度におきましてはデフレの状況は現在よりも深刻でございました。それから、ちょっと当時の数値いろいろ等々は今、頭に入っておりませんが、日本の経済の状況もまだまだ今日と比べますと深刻な状況であったと思います。不良債権処理等も完結してないと。当時、アメリカの経済は非常に好調でございまして、それから日米の金利差というものも非常にあったというふうに私は思います。  そういう中で、あのときたしかドバイだったかと思いますがG7がございまして、そのときの、間々そういうことがあるんですが、為替についてG7で議論をいたしますと、その議論の趣旨に対して思惑というものがかなり出てまいりまして、本来意図していたのと違うマーケットの動きが出てくることがございます。当時、明らかに日本とアメリカとのそういう経済の状況に格差があったにもかかわらず一方的に円高になってくるというような状況、これはファンダメンタルズを反映したものではない、むしろ思惑的な動きがあるというふうに私どもは判断して、それに対する、何というんでしょうか、介入を行ったというのが当時の実情でございます。
  249. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 与謝野大臣、今の説明でよく分かりましたか。お願いします。
  250. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 通常、為替介入といいますと円を売ってドルを買うと。逆の場合も多分あるんだろうと思いますけど、あの場合は円を売ってドルを買うと。したがいまして、円を売りますから市場に円がじゃぶじゃぶになると。このまま放置しておくと流動性の供給のし過ぎですから、これを日銀が売りオペをやってその資金を回収してしまうと、これが不胎化ということですけれども。売りオペをやらないでそのまま放置しておけばどういうことになるかというと、やっぱりその円資金は市場に残るということになります。  したがいまして、今、谷垣大臣の御答弁は、日銀は金融緩和政策を続けている最中だったので、円売りドル買いをしたけれども、その円を吸収しなかったと、売りオペによって吸収しなかったと。これは、日銀の金融緩和政策と整合的なものであるためにはむしろ非不胎化の方が正しい選択であったんではないかというのが谷垣さんの答弁ではないかというふうに私は聞いておりました。
  251. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ちょっと事前に日銀さんにもお尋ねしたんですけれども、ちょっとニュアンスが違うんですよね。非不胎化介入を、このときは非不胎化介入をしたんじゃないと、非不胎化のあれじゃないということで説明いただいたんですけれども、私からだとよく説明できないので是非、今日は日銀の方にも来ていただいておりますので、ちょっと御説明をお願いしたいと思います。
  252. 白川方明

    参考人(白川方明君) お答えいたします。  日本銀行は、量的緩和政策の枠組みの下で二〇〇三年、累次にわたりまして日本銀行当座預金の残高目標の引上げを行ってまいりました。これは金融市場の安定確保に万全を期しまして、景気回復を支援する効果をより確実なものとするという趣旨で行ったものであります。同じ二〇〇三年には、政府による大量の為替介入が行われております。  多少専門的な話になって恐縮でございますけれども金融市場では銀行券の受け払いや様々な財政資金の動きを反映しまして、日々膨大な資金が供給されたり、あるいは逆に吸収されたりしております。為替介入が行われた場合の資金の動きもこうした市場全体における資金の流れの一部を成しておりまして、区分的には財政資金の一部を構成するということになってまいります。  したがいまして、為替介入資金の部分だけを取りまして不胎化あるいは非不胎化といった特定化をすることは少し難しいのかなというふうに思いますけれども、日本銀行は当時、量的緩和政策の下で為替介入資金を含めまして市場全体の資金の流れを踏まえまして、潤沢な資金を供給を行ったということでございます。
  253. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ちょっといろいろあって分からなかったんですけど、非不胎化とか不胎化とか、日銀が余り調整できないということらしいんですね。昔は短期証券を日銀が引き受けていたんである程度コントロールできたらしいんですけど、今は市場で全部短期証券はさばいているんで、引き受けてもらっているんでできないという説明だったものですから、ちょっと私もその辺がよく分からなかったんでお尋ねしたんですけど、説明聞いたら余計なかなか難しくて分からなくなってきましたけど、まあそういうことだと思います。  まあ大体、何となく分かったんで、次に行きたいと思います。  それと、同じくそのときの質疑の中で、与謝野大臣から、外貨準備のことをお尋ねしたときに、外為特会だけの話に限定すれば恐らく百億ドルぐらいしかないんじゃないかと、外貨準備高の八千五百億ドルぐらいの中からするとわずかだという御説明あったんですけれども、この百億ドルというのはどこの数字を取ってお話しされたのか、ちょっと確認の意味を込めてお願いしたいと思います。
  254. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 多分、谷垣大臣に聞かれた方が的確、正確であると思いますけれどもというんで資料なしでお答えしたんで、若干数字とか説明が正確さを欠いていたんではないかと思っておりますけれども、百億ドルというのは外為特会の歳出部分のことを私は申し上げた数字でございます。
  255. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 外為特会の歳出というのはどこのところを指しているんですか。
  256. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 正確な数字を申し上げますと、外貨準備残高は八千六百二億ドル、これは十八年四月末でございます。外国為替資金特別会計の歳出歳入規模、これを予算で見ますと、平成十八年度予算では、歳入が三兆一千九百二十二億円、歳出が一兆五百六十三億円ということで、私はこの歳出の一兆五百六十三億円を念頭に百億ドルぐらいでしょうということを申し上げたわけでございまして、正確な数字は今申し上げた数字でございます。
  257. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 じゃ、ちょっと勘違いをされたということですね。私がお尋ねしたのは、外貨準備高の、国が介入してきてその積み上がった金額がどのぐらいかということをお尋ねしたんで、じゃ、それとはちょっと違うということですね。そういうこと、分かりました。
  258. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 済みません。
  259. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 分かりました。  それで、ちょっとせっかくなんで、今の議論なんですけれども、さっきちょっといらっしゃらないときに谷垣財務大臣にお伺いしたんですが、さっき言ったドル・円の為替相場を決定する上で、やっぱりファンダメンタルズというのが非常に重要だと思っているんですけれども、この経常収支というのは、日本の経常収支というのはファンダメンタルズの中でやっぱり重要な地位を占めると思うんですが、前の御答弁、お尋ねしたときには、それだけで決まるものじゃない。確かにそうだけれども、じゃファンダメンタルズとして一番大きなものは、比率として大きなウエートを占めるものはどういったものなのか、改めてちょっと谷垣財務大臣にお伺いしたいと思います、ドル・円の相場を決める上でのファンダメンタルズとして一番大きな要因を占めるものは。お伺いしたいと思います。
  260. 井戸清人

    政府参考人(井戸清人君) 御説明申し上げます。  為替政策に関して言及されます経済ファンダメンタルズといいますと、一般的には経済の基礎的なマクロ経済の諸条件の中で為替相場の変動をもたらし得る要因ということになるわけでございますが、同時に、為替市場におきまして経済ファンダメンタルズとして何に、つまりどの数字に焦点が当たるか、それがどのような影響を及ぼすかと申しますと、それはその時々の状況によってかなり変わり得るわけでございます。  また、為替相場は相対的なものでございますので、当然のことながら、複数の国あるいは地域の経済ファンダメンタルズが相互に、あるいは複合的に影響を及ぼし合うという性格があることを是非御理解いただければと存じます。
  261. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ちょっと時間がないんで、次の質問を是非ちょっと聞いてみたいと思ったんですけれども、やはり先日のテレビで谷垣大臣が消費税についてお話しいただいておりました。八%じゃ消費税足りなくて、一五%じゃちょっと高過ぎると、じゃ一〇%ぐらいかなというところで、そうかなみたいな顔をされていたんですけれども、その辺のところをちょっとお伺いしたいんですね。  これは、あと与謝野大臣が自民党の政務調査財政改革研究会の中間報告取りまとめされまして、その中で消費税率は一三%ぐらいがちょうどいいんじゃないかというこれは議論、調査報告書、記事見ますと出ているんですが、谷垣大臣が言った八%はちょっと足りなくて、一五%は高過ぎる。女優の方は一〇%ぐらいというふうな話だったんですけれども、こういうのを総合的に見ると一三%ぐらいがちょうどいいんじゃないかという、私は思ったんですけれども、この辺のニュアンスというのはどういうふうに考えたらいいのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
  262. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 私は担当者といいますか責任者でございますから、ああいうテレビでの議論のときの発言なかなか難しいんですね。割合簡単に、簡単にと言ってはいけませんけれど、一五%でどうだとおっしゃるんですけど、私しばしば絶句しちゃうわけです。  なぜ絶句するかと申しますと、結局、とかく物事は消費税に焦点が当たりますけれども、本当に消費税で換算するとこのぐらいということはあるいは言えるかもしれません。だけれども、消費税を入れるときいろんな御議論がございますよね。例えば軽減税率は入れるのか入れないのか、逆進性があるからもう少し別なので補うのはどうなのか。私、担当者で責任者でございますから、必ずそういう議論がぱあっと頭の中をよぎるんです。ですから、何%だと言われてもその辺りの前さばきができませんと、正直言ってなかなかお答えしにくいなと。  それからもう一つ、あえて申しますならば、やっぱりこの消費税、今地方消費税に充てられている分もあるわけですね。国と地方の考えを、この配分、配分と申しますか、どういうふうに考えていくかという問題ももう一つあるんだろうと思います。そこで、そういう前さばきをしながら、じゃどのぐらいかというと、ちょっとこのぐらいが適当だというふうにお答えするわけにはまだいかない段階だと私は思っております。
  263. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 先ほど言いました与謝野大臣が取りまとめいただいた財政改革研究会の中の中間報告で一三%ぐらいが望ましい数字だという報告内容になっているんですけれども、そのときの考えと今も変わりないか、ちょっと与謝野大臣のお考えをお伺いします。
  264. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 私は閣僚になりましてからは消費税を上げるという話もしたこともありませんし、ましてやパーセンテージに言及したことは一度もないわけでございます。そういう意味では、なるべく中立を保って今財政歳出歳入一体改革をやっております。  今、先生が言及されました自民党の中の報告書でございますけれども、それは二〇二五年、今から約二十年後の姿を実は言っておりまして、そのときに国費ベースで社会保障として投入しなければいけないのは四十三兆ぐらいだろうと。しかし、それをいろいろ倹約をして、七兆ぐらい倹約をして国費として使わなければならない社会保障費は三十六兆ぐらいになるはずだと。これを仮に全部消費税でやるという計算をすると何%になるのか、二〇二五年には消費税の実力は一%当たり三兆円ぐらいだろうと。であるから、この消費税を社会福祉目的税ということで国費としての社会保障費に全部充てるということを前提にして三十六兆を三兆で割るとちょうど一二%と、こういう計算を例示として挙げているわけでございます。  これはあくまでも二〇二五年のいろんな仮定計算の上に成り立っている数字でございますが、しかしその計算は日本の財政の深刻さの一端を表していると思っております。
  265. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 時間になりましたので終わりたいと思いますけど、ちょっと今の二〇一五年というふうに書いてあったんですけど、二五年ですか。
  266. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) はい。
  267. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 分かりました。ちょっとまた詳しく後で確認したいと思います。  どうもありがとうございました。
  268. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門でございます。  今回の法案の最後の質問ということでございますけれども、今日もありましたとおり、最大の焦点が商品先物取引における不招請勧誘の禁止でございましたけれども、私も今日は経済産業省、農水省に質問をしようと思いましたけれども、もうやめることにいたしました。もう堂々巡りの答弁ですし、余り詰めると悪い答弁が出てきたりしますんで、お聞きをいたしません。    〔委員長退席、理事櫻井充君着席〕  今回、与党も大変努力をされました。後で提案ありますけれども、附帯決議も、公明党の皆さん、自民党の皆さんが努力されていい内容になっているというふうに思いますし、先ほど副大臣の答弁でも、今後のトラブルが減らなければ不招請勧誘禁止、必ず検討するというふうな強い意思が示されたということで、参議院の一定の良識は示したというふうに思いますし、与党の皆さんの努力を多としたいというふうには思います。  ただ、今回の審議はインターネットで全国の弁護士さんたちあるいは被害者の団体の方々がずっと見ておられます。今日も見ておられたと思いますが、国会の私たちの努力とは別に、現場でそういう被害に取り組んでこられた弁護士さんとか全財産を失った方々にとっては、今日の議論も、まだ被害者が出てから、まだ全財産を失う人が出てから、国会はそれを待って動くのかと、そういうふうにとらえておられるんではないかと、国会とは何だろうというふうに思われている方が全国の人たちには実は多いんではないかというふうに思います。  七千人が四千人に減ったという話ありますが、七千人の痛みも四千人の痛みも同じくひとしくとらえるのが人間の心でありますし、国会の役割だというふうに思うところでございます。  実は、二年前の商品取引所法の改正のときに参議院で附帯決議が付けられております。これには、今後のトラブルの状況を踏まえて、禁止行為の類型やその実効性の確保について適時適切な見直しを行うことと、このときも不招請勧誘が議論になっておりますから、それを想定した附帯決議が、これは衆議院にはなかったんですけれども、参議院にだけ、参議院の附帯決議にだけ入っております。大変重要な部分でございます。  政府は国会の附帯決議に責任を持っているというのはもう明確なわけですから、本来なら二年前に、今日じゃなくて、今日、今後の様子を見て考えるじゃなくて、二年前に同じようなことが議論されて、同じことを附帯決議で入れているわけですから、今回きちっと最低限不招請勧誘は盛り込むべきであったと。私は、これはやっぱり行政のあるいは国会の不作為というふうに現場の皆さんは厳しくとらえておられるんではないかという点も指摘だけしておきたいというふうに思います。  何も悪いのは経済産業省と農水だけではございません。私から言わせると金融庁も五十歩百歩ではないかと思っておりまして、今回の法案全体、前進点はもちろんあります、いろいろ評価もさせていただいておりますけれども、ただ、もう数年遅れのペースだと、余りにもいろんなことが遅いし、まだまだ抜けていることが多いというふうに思います。  ずっとこの議論聞いていて、この委員会での議論を聞いて思ったんですけれども、なぜ日本は投資家保護について徹底ができないのかと、どうして後手後手で遅くなっているのかという点で、もちろん天下りの問題も指摘させてもらいましたし、政治献金の問題も指摘させていただきましたけれども、それだけではなくて、考え方ですね、日本の国の考え方そのものが私いろいろ問題点があるんじゃないかと思いました。  そういう点で、イギリスとの比較で基本的な考えをちょっとお聞きしておきたいと、最後ですので、思います。  例えば、金融商品の不招請勧誘の禁止。イギリスの場合は全体に網を掛けて安全なものを除外していくと、こういう施策が取られておりますが、日本は一応やると、しかし政令で一つ一つ指定していくというふうになっております。ここに根本的なすべてが表れていると私は思うわけですけれども政府参考人で結構ですけれども、なぜ日本はイギリスのような形が取れないんでしょうか。
  269. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) お答え申し上げます。  不招請勧誘の禁止につきましては、一方では、原則としてすべての商品に適用し、商品性に着目して適用除外規定を設けるべきとの意見があることは承知しているわけでございます。その場合には、例えば新たな金融商品・サービスにつきまして、顧客が自ら積極的に業者に働き掛けない場合には情報を得ることが困難となり、新たな金融商品・サービスへの自由なアクセスが制限されるおそれがございます。そのため、金融商品取引法案におきましては、投資者保護の観点から、規制を整備する中で、不招請勧誘の禁止の一般的な枠組みを整備しました上で、その対象範囲としては、昨年末の金融審議会報告で適合性原則の遵守をおよそ期待できないような場合とする旨の考え方が示されていることを踏まえまして、政令において、契約の内容その他の事情を勘案し、投資者の保護を図ることが特に必要なものを定めることとしているものでございます。
  270. 大門実紀史

    大門実紀史君 三國谷さん、もう答弁書を最後ですから読まないで、聞いたことを、やっぱりもういろいろもう読まなくても答えられるでしょう。長くなるんです。だから、すぱっと答えてもらいたいわけでございます。    〔理事櫻井充君退席、委員長着席〕  そうすると、何ですか、自由なアクセス、つまり営業の自由を阻害するということから、イギリス方式は取らないということでよろしいんでしょうか。
  271. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 私どもとしましては、一般的な枠組みを整備させていただいているわけでございます。  これにつきましては、レバレッジの問題でございますとか、そういった商品性、あるいは実態、こういったことを勘案いたしまして店頭金融先物取引、これを定めることが適当だと考えておりますが、今後仮に、利用者被害の実態等にかんがみまして、金融商品取引法案の不招請勧誘の禁止規定の対象に追加すべき金融商品・サービスが出てきました場合には、政令において機動的に対応してまいりたいと考えております。
  272. 大門実紀史

    大門実紀史君 それは次の質問の答えなんですよね。まず、だから、ちゃんと聞いてください、私の言っているのを。つまり、営業の自由を阻害するからだということで、それで、私が次にどういう基準で政令で指定するのかと聞いたらそれを答えられるはずだったんですけれども。  もう飛ばして言います。要するに、経済産業省、農水省との商品先物の議論と同じです、全く同じです。営業の自由を阻害すると。被害の実態を見てから、それで政令で指定していくと。何も変わらないですよ、金融庁考え方と。私はそれそのものが問われているということを申し上げたいわけです。  イギリスと日本と私は何が違うのかと思っていろいろ考えていたんですけれども、要するに、日本の方式、つまり後から、被害が出てから政令で指定していくとなると被害者が生まれます。政治的に問題になるわけですから、多数の被害者が生まれてから政令で不招請勧誘を禁止をすると。被害者がたくさん生まれるというのが日本方式の特徴ですね。イギリスは逆に、まず網を掛けてストップしますから、その中で安全なものだけ。だから、被害者が出ても最小限ですね。ここに大きな違いがございます。  基本にあるのは、日本の場合は、再三言われたとおり、営業の自由というか業者の利益をどうしても優先してしまうと。イギリスはやっぱりビッグバンのときに市場活性化しようと。ですから、イギリスの場合は、市場の活性化と投資家の保護というのは同等の価値で、同等の価値で最初からいろいろ進めてきた。日本は先に営業の利益、市場の活性化となっているわけですね。ここにすべての大きな問題の違いがあると思います。  それと、私はもう再三、経産省、農水省のお役人さんと話をしましたけれども、イギリスの役人とは違うなと思うのは、イギリスの方式というのは官僚にとっては勇気が要りますよ。まず全部網を掛けると。安全なものを官僚が、役人がこれは安全ですと、で、外すと、安全なものを指定するわけですね。これで被害が起きたら、これはもう行政の責任ということが物すごく強く問われます。したがって、非常に勇気が要るのがイギリスの官僚のやり方で、堂々とそこを判断しているわけですね。日本はそうじゃありませんで、問題が起きてから指定しますから、官僚の責任が問われません。問題が起きたら、危ないですと。だから、官僚は何も責任を取らないですね、まあ不作為の責任というのはあるわけですけれども。  そういうことが、商品先物も含めて、今回の議論のもう本当の核心問題じゃなかったかというふうに私は最後に感じているところでございますけれども、与謝野大臣、いかが所見をお持ちでしょうか。
  273. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 商品先物についてはこの委員会の議論は非常にポイントを突いた議論がたくさん出てまいりまして、最後には農水省も経済産業省もやはり不招請勧誘に関しては検討するということを言わば委員会でお約束をしたような形になっております。これは一歩も二歩も前進したんだろうと私は評価をしておりますし、また、我々もその経過をこれからきちんと見ていきたいと、そのように思っております。
  274. 大門実紀史

    大門実紀史君 私の問題意識を申し上げたということで、結構でございます。  残った時間、金融被害の最大の問題であります消費者金融、サラ金の問題を取り上げたいと思います。この問題でも行政が問われているという点でありますけれども。  一度、先月ですかね、この委員会でサラ金が扱っている消費者信用団体生命保険というものを取り上げさせていただきました。要するに、借り手がお金借りるときに、サラ金から借りるときに一緒に生命保険に入れられちゃうというやつでございますね。死亡した場合、死亡した場合は保険会社から下りる生命保険金でサラ金が返済をさせるということで、これについては与謝野大臣もそのときの答弁で、なぜ消費者金融が本来短期で少額なはずなのに生命保険まで掛ける必要があるのかと疑問を持つのは当然だというふうにおっしゃっていただいた、その問題でございますけれども、その後いろいろ調査をして、なぜサラ金がこんなものに全部入れちゃうのかと、借りる人を全部入れちゃうのかということがいろいろ実態が分かりましたんで、お話をしたいと思います。  資料をお配りいたしました。これは大手五社の消費者信用団体生命保険ですけれども、それぞれ、アコムなら明治安田とか、一緒に提携している主管幹事の保険会社、それぞれ並べてあります。右の方に書いてあるのは何かといいますと、これは金融庁で調べてもらった、ヒアリングして調べてもらった資料でございます。通常は遺族に確認するわけですけれども本人の死亡の内容をどういう場合遺族に確認しなければならないかというのが右の欄に書いてあります。それ確認してもらって、保険会社は保険金を払うということです。  例えばアコムの場合ですと、五十万円を超える借金若しくは一年以内の死亡の場合は遺族に確認をしてくださいということになっています。つまり、五十万円以下だと遺族の確認なしで保険会社とサラ金とのやり取りで払いますよと。あるいは、一年以内という意味は、これは自殺した場合は契約者が一年以上でなければ支払わないということがありますので、自殺かどうかということを含めると一年以内の場合は確認してほしいと。武富士の場合は全件遺族に確認するというふうに一応なっております。これはうそでございまして、後で資料を出しますが、全くのでたらめでございます。アイフルだと五十万円以上は確認しますとなっています。  これが、今こうなっているわけですけれども、この問題点は何かといいますと、遺族に確認しない、御本人はもう亡くなっているわけですね、遺族に確認しないで保険会社がサラ金に払うと。これ、利息制限法を超える過払いというのが今問題になっております。いろんな裁判で、大体サラ金側が払わされている、過払いを返却、返しているということですね。つまり、遺族に連絡しないでサラ金同士と保険会社でやっちゃいますと、言われたままの金額を保険会社が払うと。それが過払いになっているとすると、これは不当利息でございます、詐取になります。それが隠然とやられております。  過払いについてはもうことごとく、利息制限を超えるやつは過払いだということで今裁判で認められておりますからほとんど過払いなんですけれども、それがそのまま支払われて不正利得になっていると。もう一つは、この表はあくまでサラ金会社と保険会社の民民の約束でございます。つまり、こんなものは守られているかどうか、そのものも分からない。五十万円以上であったって百万円以上であったって、遺族に確認しない場合が実は幾つか報告をされております。  遺族に確認しないで、それじゃどうやって保険金を保険会社からもらうかといいますと、団体生命の約款には、通常でしたら医師の死亡診断書、死体検案書あるいは被保険者の死亡事実の記載のある住民票と、こういうものをそろえて保険会社に出してくださいとなっております。ただ、ただしというただし書がございまして、保険会社は今言ったような書類の一部の省略を認めることがありますというのが付いております。つまり、医師の死亡診断書とか死体検案書は遺族の方からもらうしかないわけでございますけれども、住民票だったらサラ金がそれぞれの市町村に直接もらうことができます。ですから、死亡診断書とか死体検案書を省略して住民票でもオーケーということにされているわけです。それが、遺族確認しなくていい場合、住民票だけでやっているという事例でございます。  今サラ金では、余り取立てを厳しくやると社会的批判を浴びるということで、この団体生命から回収するというのが非常に効率的な回収ということで、現場の営業マン、回収担当は、死んでいないかということで一生懸命今探して死亡事実を確認しているところであります。保険会社は保険会社で、払っちゃったって、全体の規模が非常にこれスケールメリットある保険ですから、払っても、別に確認なしでどんどん払ったって規模が大きくなればいいという考え方ですし、元々生命保険会社は、例えばアコムと明治安田、明治安田はアコムに出資をしております。日本生命もプロミスに出資をしています。つまり、お金のやり取り、出資してサラ金でかせいでもらうと、こういう関係にありますから、もう一蓮託生といいますか、ぐるで、なあなあで行われているわけでございます。  資料の二枚目をちょっとごらんいただきたいんですけれども、こんなものが許されるのかと思いますが、これは武富士の住民票の申請書でございます。これを郵送で市町村の役所に送って住民票を下さいとやるわけですね。申請理由の下の方に線を引いておきましたけれども、この申請する理由は生死の確認ですと、死亡している場合だけ交付していただいて結構ですと、死んでいる場合だけ住民票欲しいと、こういうふうになっております。  先ほど一枚目の資料で、金融庁がヒアリングを武富士にしていただいたら、武富士はAIGスター生命と一緒にやっているわけですけれども、全件遺族に確認していると金融庁には答えたそうでありますけれども、それなら死んだ人を教えてくれと役所に聞くわけがないわけですね、聞く必要もないわけでございます。  まず、この点確認したいんですが、武富士は金融庁にうその報告をしたんではないでしょうか。
  275. 池口修次

    委員長池口修次君) 答弁、どなたですか。  ちょっと速記止めてください。    〔速記中止〕
  276. 池口修次

    委員長池口修次君) 速記を起こしてください。
  277. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 今事実を確認しておりますんで、少しだけ時間をいただければお答えできると思います。
  278. 大門実紀史

    大門実紀史君 担当の局長さん来ておられないですか。  申し上げたいのは、金融庁がヒアリングをしたことに答えてることとやっていることが全然違うわけですね。これが、一事がもう万事でございまして、この申請書は尼崎、名前言っちゃいけなかったんですけど、兵庫県の、もう言っちゃいましたけど、尼崎の市役所には大量に送られて、大量にこの申請書送られて出してくれというのが出ておりますし、ほかの市役所も、武富士だけではありません、サラ金のこういう、住民票の、死亡しているかどうかの確認の住民票が大量に送られてくるというのが今続いております。これは市町村レベルの役所に確認してもらえれば分かりますが、もう毎週、サラ金からこれがたくさん送られてくるということでございます。  武富士について言えば、明確に、明確に金融庁に答えた。遺族に全部確認したらこんな住民票取る必要何もないわけですけども、こういうことをやっているということで、これがいまだ消費者金融、サラ金の体質でございます。金融庁にも平気でうそをつくということであります。ほかに言えば、この金額も守られているかどうか。保険会社となあなあですから、仮にこの金額を超えてても住民票でやっちゃったりしている可能性が十分あります。  幾つかこちらにも資料が来ておりますんで、こういう約款違反のことをやっているし、金融庁報告にも違反していると。これはきちっと一度お調べになるべきではないかと思いますが、大臣で結構です、お願いいたします。
  279. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 一応、今までの武富士からのヒアリングでは、自分たちが確認して念のため住民票も取っているという説明でございますが、先生からの御指摘もありますので、もう一度調べをやります。
  280. 大門実紀史

    大門実紀史君 もう一つは、これは金融庁としての保険業界への指導になるんですかね。サラ金だけじゃなくて保険業界、特に大手サラ金、明治安田なんて本当にもう懲りてないんですよね、幾らでもこんなことやっているわけです。この保険会社に対する指導でいきますと、今年の一月二十七日に、これは例の明治安田の保険金不払が問題になって、保険協会が保険金の支払を適切に行うためのガイドラインというのを出しました。これは金融庁の監督指導の下に出されたんだと思います。  この中に、保険請求受付時における対応という項目がありまして、これは今の団体生命保険も準じるということになっております。これでいきますと、死亡日だけではなくって、疾病とか災害の発生原因、こういうものも確認しなさいと、保険会社がきちんと死亡内容を確認しなさいというふうなガイドラインが出ています。  こういう方向がきちんと出されたのは金融庁のこの間の努力を評価するものではございますけれども、この保険会社の方も、個人との保険ではいろいろ厳しくやっているようですが、この団体信用生命というのは、さっき言ったスケールメリットで、しかも自分たちが出資しているサラ金がやっていることだという点で非常に甘い対応になっている可能性があります。  保険会社の方もきちんと調査をしてほしいと思いますが、少なくとも私が申し上げた武富士のAIGスター、それとアコムでも同じ事例が報告されておりますので、明治安田、この二つについて点検して照会をしてほしいと、こういうことはきちっとされているかと思いますが、いかがでしょうか。
  281. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 当然、消費者金融のそれぞれの会社は法令またガイドラインに従って行動しなければならないわけでして、仮にガイドラインあるいは法令に照らして疑問がある問題につきましては、金融庁の方でもきちんと調査をしたいと思っております。
  282. 大門実紀史

    大門実紀史君 私申し上げたのは保険会社の方もそうお願いしたいということですが、その保険会社も含めてということでよろしいですか。
  283. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 当然、その裏打ちとしては保険会社の方からも話を聞かなければなりません。
  284. 大門実紀史

    大門実紀史君 きちっとした答弁をいただきましたんで、もう余り申し上げることはございません。  いろんな現場のひどい事例がどんどんどんどん今も起きております。与謝野大臣が言われたとおり、大銀行と消費者金融との共同だけではなくって、生命保険会社とサラ金とのこういうなれ合い、共同も進んでおりまして、大銀行、生命保険、そして消費者金融と、これはもう一体になっているという構図に今なってきているという点を是非御認識をしていただいて、またいろんな問題取り上げていきたいと思いますが、与謝野大臣、大変誠実な対応をしていただいておりますので、今後ともよろしくお願いしたいと申し上げて、ちょっと早いですけれども質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  285. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 最後の質問となりましたので、今までのこの議論を踏まえて確認的に御質問させていただきます。  今回の金融商品取引法に関する当委員会の議論の中では、被害の多発する商品先物取引の不招請勧誘の禁止について、極めて活発な議論が行われてきました。松経済産業大臣、小斉平農林水産大臣政務官などからも改正に前向きな発言がございましたが、改めて与謝野金融担当大臣に、商品先物取引の不招請勧誘の禁止、そして商品先物取引に関する被害の根絶に向けた決意をお伺いいたします。
  286. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) この委員会で、不招請勧誘につきましては非常に熱心な御議論がございまして、そういうものを反映して農水省、経産省からそれぞれ答弁がございました。  この答弁は、言ってみれば、当面は今ある法律で検査・監督をきちんとやってまいりますと、仮に苦情の件数等が減らない場合には不招請勧誘の禁止を含めて検討いたしますというのがお二人の答弁だったと思います。私もそれでいいし、金融庁としては、これからどういう展開になるかということをきちんと見てまいりたいと思っております。  また、伺いますと、与野党の間で附帯決議等についてもお話合いがなされているということを伺っております。そういう意味では、委員会でも適切な意思を表示をしていただければ、私どもとしてはそういう委員会の御意思にも沿ってきちんと行動していかなければならないと思っております。
  287. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、投資ファンドの規制の在り方については、包括的な規定の整備によりディスクロージャー規制や金融商品取引業者としての規制が設けられました。その一方で、今後も不正行為の隠れみのとなってしまうのではないかとの懸念も各委員から示されました。ファンド規制に関して、特に不正行為を排除するとの観点から今後どのように制度運用を心掛けていかれるか、金融庁の見解をお伺いいたします。
  288. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 御指摘のとおり、今回の法案におきましては、ファンドの新たな包括的な定義規定、大量保有報告制度についての見直し、あるいは公開買い付け規制についての見直し、自己募集についての登録又は届出、あるいは投資運用につきましての登録又は届出、主要株主等による短期売買等、様々な改正をしているわけでございます。これらの措置を通じまして、ファンド活動の公正性、透明性の確保に一層努めてまいりたいと考えておりますが、ファンドの活動に問題があれば報告聴取や立入検査等を機動的に行うことなどを通じまして、制度の厳正な運用に努めてまいりたいと考えております。
  289. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、今回の包括的、横断的な金融商品規制の整備により、その規制の実効性の確保が次の実質的な課題であります。  米国型SECか、あるいは英国型FSAか、制度の在り方自体についてはいろいろな議論もありますが、規制、そして監視機能の強化の必要性については皆さん一致しているというふうに思います。  証券取引市場、それから業界自主規制機関による取組も併せて、新たな金融商品取引法という枠組みの中で規制監視機能の強化にどのように取り組んでいかれるのか、金融担当大臣の御見解を伺います。
  290. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) 二つあると私は思っております。一つは、ルールを整備すること。今回、この委員会で御審議をいただいておりますこの法律によって、ルールの整備は、完全とは言いませんけれども、一歩も二歩も前進するんだろうと私は確信をしております。  また、もう一方では体制の問題がございまして、これはアメリカ型のSECがいいのかイギリス型がいいのかと、これはいろいろな議論がありますが、我々としては与えられた体制の中で全力を尽くしていくと、これが必要だろうと思っております。  ただ、先ほども委員の中から御激励がありましたけれども、やはり人数の面では、行革のあらしは吹いておりますけれども、やはり国民がこれから貯蓄から投資へと向かうわけですから、そういう国民の投資についてきちんとした行政を行い、投資をされる方が不測の損害や被害に遭わないようにしていく、そのための人員の充実ということも私どもにとっては喫緊の課題であると思っております。
  291. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 ここに来て村上ファンドについての強制捜査、そして逮捕の報道がありました。ライブドアの一件もそうですが、これまでの時代の寵児が転落していく、裏で不正な行為をしている、このような事件の一つ一つがまた我が国の市場に対する信頼性を失わせていく、そのように心配されてなりません。  今回の制度の整備の意義を疑うわけではもちろんございませんが、何か基本的な部分で我が国の市場制度に問題があるのではないか、必ずしも今回のような制度整備だけでは足りない、根本的な対処が必要なのではないかと思われてなりませんが、金融担当大臣の御所見をお伺いいたします。
  292. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) やはりこの問題は法制度の問題、また法制度を実現するためのいろいろな体制の問題もございますけれども、やはり一般的な社会の風潮、企業のモラル、こういうことも大変重要な要素だろうと思っております。お金がお金を生むんだということが最高の価値であるとは私は思っておりませんで、やはりそういう意味では国民の物の考え方が私は大変大事だと思っております。
  293. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 ありがとうございました。  次に、基地問題についてお伺いいたします。  嘉手納基地の騒音防止協定についてでありますが、米空軍嘉手納基地の騒音問題についてお伺いいたします。  御存じだと思いますが、嘉手納基地は四千メートルの滑走路二本も有する極東最大の米軍基地であります。この嘉手納基地には米空軍の戦闘機や攻撃機のほかに、海軍、海兵隊の戦闘機や輸送機、さらに航空自衛隊の戦闘機も訓練を行い、また、米本国からも訓練のためのあらゆる機種の戦闘機や偵察機、攻撃機が飛来しております。その騒音は、近接する嘉手納町を始めとして北谷町、それから沖縄市の住民の生活を苦しめて生活環境に重大な影響を与えております。  まずお伺いしたいのは、嘉手納基地の騒音防止協定について、守られているのか守られていないのか、お伺いします。明確にお答えをお願いいたします。
  294. 河相周夫

    政府参考人(河相周夫君) 今御指摘がございましたように、嘉手納基地の周辺にある市町村、嘉手納町、それから沖縄市、それから北谷町を始め、非常に住民の方々に御負担をお掛けしているということで、これは政府としても深刻に問題で、少しでも問題を解決をしたい、軽減をしたいという認識で臨んでおるところでございまして、平成八年三月の日米合同委員会で航空機騒音規制措置に関する合意を日米間でやっておるわけでございます。  この措置につきましては、もちろん住民の方々への負担をできるだけ小さくするという命題があり、片っ方で在日米軍が日米安保条約の目的を達成するために駐留をし、その運用上必要な活動があるという二つの要件の間でどういうような調整ができるかということを政府としても米側といろいろ話した上で、協議、交渉した上でつくっておるわけでございます。  基本的に、私どもとしては、この規制措置というものを米側が遵守しているというふうな認識をしているわけでございますけれども、いずれにせよ、少しでも周辺の住民の方々の負担が減るように今後とも米側といろいろ協議をする、話をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  295. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今、私、お伺いいたしましたのは、この騒音防止協定、守られているのか守られていないのかお答えいただきたいというふうに伺いました。もう一度お伺いします。
  296. 河相周夫

    政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。  個々の事例について、その一々を外務省としてすべて掌握しているわけではございませんけれども、基本的に外務省として明確な違反事例があったということではないというふうに認識しておるところでございます。
  297. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 ということは、守られているという認識でいらっしゃいますか。
  298. 河相周夫

    政府参考人(河相周夫君) 基本的な認識としてはそういう認識でございます。
  299. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今お答えいただきましたが、この騒音防止協定ですが、平成八年の三月の日米合同委員会において合意を見ておりまして、お答えのありましたように、正式には嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音措置に関する合同委員会合意というふうな名称でございますが、この騒音防止協定の柱となっているのは米軍機の深夜、早朝の飛行規制であります。付近住民の安眠を妨げる航空機の深夜、早朝の飛行を制限するものでありますが、時間帯は午後十時から翌朝の午前六時となっておりまして、防衛庁にお伺いいたしますが、この深夜、早朝の時間帯で航空機の離着陸やそれから上空飛行など、この間何回あったか、その件数をお答えをお願いいたします。  平成八年の三月以降、騒音防止協定の合意後のことをお伺いいたします。
  300. 渡部厚

    政府参考人(渡部厚君) お答えいたします。  嘉手納飛行場におきます米軍機の飛行回数につきましては、これは基本的には米軍の運用の詳細に関することでございまして、防衛施設庁として具体的には承知しておりません。なお、米軍から深夜・早朝離陸等として通報があったものにつきましては承知しているところであります。  また、防衛施設庁といたしましては、嘉手納飛行場周辺の騒音状況を把握するために同飛行場周辺に自動騒音測定装置といったものを設置しておりまして、同装置の測定結果によりまして騒音発生回数等の把握に努力しているところでございます。  いずれにしましても、嘉手納飛行場におきます航空機騒音規制措置につきましては、夜間、早朝等における米軍の飛行等の活動は米軍の運用上の所要のために必要なものに制限されており、同措置に沿った運用がなされていると認識しておりますが、運用上やむを得ず必要となるものであっても可能な限り周辺住民への影響が最小限となるように配慮されたい旨、申入れを行ってきているところでございます。  それで、具体的な数字ということでございますけれども、今申し上げました自動騒音測定装置を嘉手納飛行場周辺等に十四か所設置しておりまして、それによりまして騒音状況を把握しているところでございます。同飛行場の滑走路の両端付近に設置した測定装置、これは飛行場の施設の中ということになりますけれども、ここに二か所設置しておりまして、その測定結果によりますと、平成十七年度の実績として午後十時から翌朝六時までに一定以上の騒音が発生した回数ということで取ってみますと、一日当たりの平均で平成十七年度二十回程度ということでございます。
  301. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今お答えいただきましたけれども、実は深夜、早朝の飛行回数は掌握はしてないということでしょうか。騒音防止協定の中の深夜、早朝の飛行機を、飛行する状態をチェックするのはこの防止協定の中に入っているかと思うんですが、もう一度お答えいただきたいと思います。
  302. 渡部厚

    政府参考人(渡部厚君) ただいま申し上げましたように、自動測定装置というものを設置いたしまして、この装置が検知したものについて統計を取っているということでございます。  どういう飛行機が何回ぐらい飛行しているかということにつきましては、これは正に運用にかかわることでありますので承知していないということでございます。
  303. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 この飛行回数をチェックしないというのも大変おかしなことだと思います。この飛行回数をチェックできない訳をもう一度お伺いいたします。
  304. 渡部厚

    政府参考人(渡部厚君) 先ほど申し上げましたように、これは米軍の運用にかかわることでございますので、私どもとしては基本的に承知していないという立場でございます。
  305. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 先ほどお答えいただきましたのは騒音の測定についてでございましたけれど、嘉手納基地の広報局長の騒音防止協定を守っているという発言が実はございました。  この騒音問題を伺うには実は理由があるわけでして、沖縄市と嘉手納基地との間で騒音防止協定の遵守について大きな見解の違いがあるからです。  これは、地元紙が去る五月の十三日に沖縄市の東門美津子市長のインタビューの記事を掲載しておりまして、その中で東門市長は、嘉手納基地の負担軽減について、現状に触れた後で、この騒音防止協定で定める深夜、早朝の飛行禁止の条項さえ守られていないというふうに発言しておりますが、それに対して米空軍嘉手納基地のマイケル・ペオリ広報局長が、これは過去の、早朝離陸ですが、過去の数か月で守っていないのは一度だけで騒音防止協定は遵守しているという文書を沖縄市に送付したというふうにしておりますが、嘉手納基地のペオリ広報局長の騒音防止協定を遵守しているとする沖縄市側へのこの文書の送付について承知していらっしゃいますでしょうか。もし承知しているのであれば、この文書について防衛施設庁側の見解をお伺いいたします。
  306. 渡部厚

    政府参考人(渡部厚君) お答えいたします。  その嘉手納基地広報局長から沖縄市に対しまして提出されております文書につきましては、私どもの那覇防衛施設局に対しまして嘉手納基地の渉外部の方から参考として提供いただいておりますのでその内容については承知しておりますが、この文書がどのような意図で送付されたかということにつきましては承知しておりませんし、私どもはコメントする立場にはないと考えております。
  307. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今、文書が送付されているというのは御存じですが、その中身に関しましては、先ほども申し上げましたように、このたび沖縄市長として当選されました東門新市長がこのようなことをおっしゃったわけでして、それに関しましては、やはり地域での、正に生活している中での騒音に関する住民の立場を表明したものでございます。やはり、こういう騒音防止協定は遵守しているというふうに文書はアメリカ側からも送付されておりますが、実際の生活者レベルでの騒音の中身に関しましては、その地域に住んでいる人でなければ分からないような大変な騒音がある事実を市長は住民の代表として訴えたということでありまして、正に騒音防止協定、これを是非守っていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。  それから、今、嘉手納基地の使用協定についてでありますが、これは嘉手納宮城町長の方からも出ております。嘉手納基地の使用協定締結について、外務省の見解をお伺いいたします。
  308. 河相周夫

    政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。  嘉手納基地の使用協定について、嘉手納町長等から提案がなされているという事実関係は承知しておるわけでございます。その中の一つの大きい問題として、今正に御指摘がありました騒音の問題、航空機騒音の問題が中心的な課題としてあると思うんでございますけれども、先ほど防衛施設庁の方からも御説明申し上げましたとおり、この航空機騒音についての日米合同委員会の合意というものが、一つは周辺住民の方への負担をできるだけ小さくするという目的、そしてもう一つ同時に両立しなくちゃいけないものとして、米軍の運用上の必要性をどう満たしていくかと、この二つの課題があるわけでございまして、この航空機騒音の規制についての合同委員会の合意でも、二十二時から明朝六時までの間、それは運用上の所要のために必要なものに制限をするという合意になっておるわけでございます。その前提の中で、米軍は最小限のものに限定をして運用上に現に必要なものの飛行に限定をしているということで理解をしておるわけでございますけれども、周辺の住民の方からすればやはり騒音の問題の負担が大きいという現実があるというふうに思っているわけでございます。  この合意自身は、先ほど申し上げた二つの命題の中で日米間でいろいろ交渉した中で作っている、でき上がったものでございますので、なかなか現在新たな交渉をして新たなルールができるかということについては容易なことではないというふうには思っているわけでございますが、いずれにしましても、米軍の運用というのはある中で、できるだけ航空機騒音の被害を小さくどうやってとどめていくかということについては、米側ともよく話をしていきたいというのが基本的考え方でございます。
  309. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 この嘉手納基地の騒音軽減は、在日米軍の再編において訓練の移転による騒音の軽減は示されているものの、やはり航空機の離着陸回数や、それから騒音の数値など、具体的な内容が明らかにされておりません。嘉手納町では、騒音防止協定が守られていないことから、政府に対しても実際に離着陸回数や、それから深夜、早朝の飛行制限などを定めた嘉手納基地使用協定の締結を申し入れているわけであります。嘉手納町の基地使用協定の締結は、町民からすれば当然の要求だというふうに思います。  政府は、常に米軍側の意向に沿って、運用上の問題だとして住民の声をなかなか吸い上げていただけませんが、政府として、是非、その騒音防止協定が守られていないのであれば、住民の生活環境を守る上からも基地の使用協定の締結を考慮すべきだということを指摘いたしまして、質問を終わりたいと思います。  以上です。
  310. 池口修次

    委員長池口修次君) 他に御発言もないようですので、証券取引法等の一部を改正する法律案及び証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案及び尾立君外三名提出の修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  311. 大久保勉

    大久保勉君 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となりました民主党提出の金融商品取引監視委員会設置法案並びに尾立源幸君等提出の証券取引法等の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成、政府提出の二法案の原案に反対の立場から討論を行います。  昨日、村上ファンドの代表村上世彰容疑者がインサイダー取引容疑で逮捕されました。この件は、さきに起こったライブドア事件と相まって、証券市場の信頼を大きく傷付けました。さらに、これらの事件は、証券取引法の抜け穴や検査体制の不備をついたものであるという指摘があるように、積年の金融行政の不作為の罪を明らかにしました。  私ども民主党が提唱する金融商品取引監視委員会は、内閣府の外局、いわゆる三条委員会として、検査・監督、課徴金の納付命令、犯則事件の調査、告発など、自らの権限で行うことが可能です。現行の証券取引等監視委員会の人員を増強するのみならず、独立性並びに権限を強化することこそが公正、透明な証券市場を確立するために必要であります。そのためにも同法案の早期の成立が不可欠であると判断します。  次に、政府提出のいわゆる金融商品取引法案は、金融・資本市場を取り巻く環境の変化に対応し、投資者保護のための横断的な法整備を行い、利用者保護ルールの徹底利用者利便の向上などを図るとしております。これは、民主党がこれまで主張してきた考えに沿うものであります。しかし、横断の範囲、肝心の投資者保護の中身については不十分であり、賛成することはできません。  その最大の理由は、今最も被害の大きい商品先物取引について十分な対策が講じられてないことにあります。金融庁所管の金融商品には不招請勧誘の禁止を盛り込みながら、農林水産省、経済産業省所管の商品先物取引については金融商品取引法の対象とはせず、かつ商品取引所法の改正でも不招請勧誘の禁止を盛り込んでいません。  当委員会の審議において、公明党の松あきら経済産業大臣、自民党の三浦一水農林水産大臣からも、個人的な見解としながらも、不招請勧誘の禁止を含めて必要な対策について適切に検討したいという趣旨の前向きの答弁がありました。野党のみならず、政府・与党からもこのような意見が多数出たという事実を踏まえ、政府提出の法案の中に、商品取引所法に係る部分商品取引員による不招請勧誘を禁止する規定を設ける改正を追加するという趣旨の修正案は至極当然であります。  衆議院を通過した法案といえども問題があれば参議院で直ちに修正することは、参議院の良識として期待されている行為であるという私の意見を表明して、私の討論を終わります。
  312. 大門実紀史

    大門実紀史君 証券取引法等改正案及びその整備法案について、残念ながら反対、修正案に賛成の討論を行います。  本法案は、投資家保護のための規制強化など一定の前進面もありますが、金融被害の実態に照らせば余りにも後れた法案であり、重大な欠陥を持っています。何よりも、商品先物取引における不招請勧誘の禁止を見送った点です。商品先物取引は、一夜にして数百万、数千万円の多額の損害を被る極めてリスクの高い取引であり、被害の大半は電話、訪問による勧誘から生じています。  なぜ、こんな危険な取引にいまだ不招請勧誘の禁止が適用されないのか。審議でも明らかになったように、その背景には、損を引き受ける多数の個人投資家を必要とするようなゆがんだ市場構造と業界の暗い体質、それを是とし天下り先の確保しか頭にない農水省、経産省のお役人などの存在があります。素人を食い物にして成り立っているような業界に未来はありません。  商品先物業界の健全な発展のためにも、早急に不招請勧誘の禁止、投資家保護の徹底に踏み切るべきです。この点では、民主党、日本共産党、無所属の糸数慶子議員の共同提案による修正案について、参議院の良識を発揮して、与野党委員の言行一致した御決断を是非ともお願いいたします。  また、本法案では、規制の対象を元本割れのリスクのある金融商品に限定したため、保険や預金などが対象から外れています。保険や預金も次々新たな商品が開発され、苦情相談件数も急増しており、これらにも万全の投資家保護ルールが適用されるべきです。  さらに、本法案では、金融商品における不招請勧誘禁止も被害が出てから政令で定めていくという行政の不作為を前提とした仕組みになっています。本当に投資家保護を考えるなら、不招請勧誘の禁止を原則すべての金融商品に適用し、安全なものだけ解禁していくというイギリス型の仕組みに改めるべきです。  以上、反対の討論といたします。
  313. 池口修次

    委員長池口修次君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  初めに、証券取引法等の一部を改正する法律案について採決を行います。  まず、尾立君外三名提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  314. 池口修次

    委員長池口修次君) 少数と認めます。よって、尾立君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  315. 池口修次

    委員長池口修次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案につきまして採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  316. 池口修次

    委員長池口修次君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、櫻井君から発言を求められておりますので、これを許します。櫻井充君。
  317. 櫻井充

    櫻井充君 私は、ただいま可決されました証券取引法等の一部を改正する法律案及び証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各会派並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     証券取引法等の一部を改正する法律案及び証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。  一 幅広い金融商品に対する包括的・横断的な投資家保護法制の整備の観点から、今回の法改正を受け、今後、その実効性を確保し、市場監視機能の強化を図るため、早急に証券取引等監視委員会等の体制強化や自主規制機関との連携強化に取り組むこと。  一 証券取引等監視委員会をはじめとする市場監視体制の強化に当たっては、優秀な人材の確保及び職員の専門性の向上を図るとともに、真に必要な部門には適切に定員を配置する観点から、定員の確保、機構の充実に特段の努力を行うこと。  一 より包括的な金融サービス法制については、本改正による金融商品取引法の実施状況、各種金融商品・サービスの性格、中長期的な金融制度の在り方ども踏まえ、引き続き検討を進めるとともに、今後の監視体制の在り方についても横断化を踏まえた実効性の確保の観点から引き続き見直しを行うこと。  一 証券取引所については、その機能が国民の経済活動の共通インフラであることにかんがみ、システムの安全性・信頼性の確保に万全を期すこと。また、顧客・投資家が不測の損害を被ることのないよう、自主規制の徹底と上場審査の方法について配意すること。さらに、国際的な市場間競争における競争力の強化を図るとともに、健全な中小企業や次世代を担う新規産業に対して円滑な資金提供が行われるよう配慮すること。  一 商品先物取引、海外商品先物取引及び海外商品先物オプション取引については、取引の特徴やこれまでの被害の実態にかんがみ、実効性のある規制及び検査・監督を行うため、厳正な対応を可能とする体制を整備すること。  一 不招請勧誘禁止の対象となる商品取引については、店頭金融先物取引に加え、レバレッジが高いなどの商品性、執拗な勧誘や利用者の被害の発生という実態に照らし、利用者保護に支障を来すことのないよう、迅速かつ機動的な対応を行うこと。また、商品先物取引等については、改正後の商品取引所法の執行に鋭意努めることはもちろんのこと、委員会における指摘を誠実に受け止め、商品先物取引はレバレッジ効果を有するリスクの高い商品であることを踏まえ、一般委託者とのトラブルが解消するよう委託者保護に全力を尽くしていくこと。今後のトラブルが解消していかない場合には、不招請勧誘の禁止の導入について検討すること。  一 商品先物取引における損失補填禁止に関する事故確認制度等については、顧客・投資家の被害救済に支障を来すことのないよう、機動的、迅速な運用に配意すること。  一 課徴金制度については、機動的な執行に努めるとともに、現行制度の実施状況等を踏まえ、課徴金の水準の引上げも含め、制度全般在り方について、今後、実効的な抑止効果をもたらすよう検討を進めること。  一 我が国の金融行政組織在り方については、金融・資本市場における公正な取引の確保及び利用者保護の観点から、諸外国の様々な金融商品とその市場行政を含めた金融行政機構の状況等を参考に、検討を進めること。  一 監査法人制度等については、会計監査信頼を揺るがしかねない様々な問題が生じていることも踏まえ、その在り方を真剣に検討すること。  一 監査法人による厳正な監査を確保する観点から、監査法人における内部統制の強化や監査の品質管理の向上等に努めるとともに、監査法人の情報開示、監査法人の選任・報酬決定及び監査法人の責任在り方等について総合的に検討を行い、早急に必要な法整備を行うこと。  一 公開買付制度については、合併・買収等の態様の多様化を踏まえ、企業価値と株主利益の向上を目指した公正なルールの下での企業再編等を促進する観点から、規制の中立性に配慮しつつ、不断の見直しを行うこと。  一 金融・資本市場を取り巻く環境の変化に対応するため、金融に関する法規と実態が乖離した場合には、五年を待たず速やかに見直しを検討すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  318. 池口修次

    委員長池口修次君) ただいま櫻井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  319. 池口修次

    委員長池口修次君) 全会一致と認めます。よって、櫻井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、与謝野内閣特命担大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。与謝野内閣特命担大臣
  320. 与謝野馨

    国務大臣(与謝野馨君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
  321. 池口修次

    委員長池口修次君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  322. 池口修次

    委員長池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十八分散会