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2006-02-03 第164回国会 参議院 財政金融委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年二月三日(金曜日)    午前九時開会     ─────────────    委員氏名     委員長         山本 孝史君     理 事         田村耕太郎君     理 事         櫻井  充君     理 事         峰崎 直樹君                 泉  信也君                 岩井 國臣君                 片山虎之助君                 田浦  直君                 田中 直紀君                 鶴保 庸介君                 中川 雅治君                 野上浩太郎君                 溝手 顕正君                 若林 正俊君                 池口 修次君                 尾立 源幸君                 大久保 勉君                 大塚 耕平君                 富岡由紀夫君                 平野 達男君                 広田  一君                 荒木 清寛君                 山口那津男君                 大門実紀史君                 糸数 慶子君     ─────────────    委員長異動  一月二十五日山本孝史委員長辞任につき、そ  の補欠として池口修次君を議院において委員長  に選任した。     ─────────────    委員異動  二月二日     辞任         補欠選任      山本 孝史君     前川 清成君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         池口 修次君     理 事                 岩井 國臣君                 田村耕太郎君                 中川 雅治君                 櫻井  充君                 峰崎 直樹君     委 員                 泉  信也君                 田浦  直君                 田中 直紀君                 鶴保 庸介君                 野上浩太郎君                 溝手 顕正君                 若林 正俊君                 尾立 源幸君                 大久保 勉君                 大塚 耕平君                 富岡由紀夫君                 平野 達男君                 広田  一君                 前川 清成君                 荒木 清寛君                 山口那津男君                 大門実紀史君                 糸数 慶子君    国務大臣        財務大臣     谷垣 禎一君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        与謝野 馨君    副大臣        内閣府副大臣   櫻田 義孝君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        後藤田正純君    事務局側        常任委員会専門        員        藤澤  進君    政府参考人        金融庁総務企画        局長       三國谷勝範君        金融庁証券取引        等監視委員会事        務局長      長尾 和彦君        法務省刑事局長  大林  宏君    参考人        株式会社東京証        券取引所代表取        締役社長会長  西室 泰三君        日本銀行理事   武藤 英二君     ─────────────   本日の会議に付した案件理事補欠選任の件 ○国政調査に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査  (証券市場をめぐる諸問題に関する件)  (派遣委員の報告)     ─────────────
  2. 池口修次

    委員長池口修次君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  議事に先立ちまして、一言ごあいさつ申し上げます。  去る一月二十五日の本会議におきまして、財政金融委員長選任されました池口修次でございます。  本委員会財政金融全般にわたる極めて広範な所管事項を取り扱う重要な委員会であり、その委員長を承りまして、重責を痛感しておる次第でございます。  本委員会の運営につきましては、委員皆様方の格別の御指導、御協力をいただきまして、公正かつ円滑に図ってまいりたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)     ─────────────
  3. 池口修次

    委員長池口修次君) 委員異動について御報告いたします。  昨日までに、柏村武昭君、金田勝年君、段本幸男君、中島啓雄君、舛添要一君、山下英利君、山本孝史君及び西田実仁君が委員辞任され、その補欠として泉信也君、岩井國臣君、田浦直君、田中直紀君、鶴保庸介君、中川雅治君、前川清成君及び荒木清寛君が選任されました。     ─────────────
  4. 池口修次

    委員長池口修次君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 池口修次

    委員長池口修次君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事岩井國臣君及び中川雅治君を指名いたします。     ─────────────
  6. 池口修次

    委員長池口修次君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、財政及び金融等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 池口修次

    委員長池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 池口修次

    委員長池口修次君) この際、与謝野内閣特命担当大臣櫻田内閣府副大臣及び後藤田内閣大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。与謝野内閣特命担当大臣
  9. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 金融担当大臣をやっております与謝野馨でございます。委員長を始め皆様方の御指導、御鞭撻をいただきながら、金融行政誤りなきを期してまいりたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
  10. 池口修次

  11. 櫻田義孝

    ○副大臣櫻田義孝君) このたび、内閣府の副大臣を拝命いたしました櫻田義孝でございます。金融関係担当をさせていただくことになりました。与謝野大臣を補佐して全力を尽くしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  12. 池口修次

  13. 後藤田正純

    大臣政務官後藤田正純君) 大臣政務官後藤田でございます。委員長を始め、理事また委員各位皆様の御指導をよろしくお願い申し上げます。
  14. 池口修次

    委員長池口修次君) 以上で発言は終了いたしました。     ─────────────
  15. 池口修次

    委員長池口修次君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 池口修次

    委員長池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  17. 池口修次

    委員長池口修次君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会参考人として株式会社東京証券取引所代表取締役社長会長西室泰三君及び日本銀行理事武藤英二君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 池口修次

    委員長池口修次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  19. 池口修次

    委員長池口修次君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、証券市場をめぐる諸問題に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  20. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。  実は前特別国会では質問立ちませんでしたので、やや半年ぶりということで久しぶりの質問なので何か緊張しておりますが、今日はまた西室社長大変お忙しいところを御出席ありがとうございました。また後で質問させていただきたいと思います。  そこで、今日は主として、やっぱりライブドア問題が大変大きな問題になっていることは間違いありません。それを中心にしながら、やはりこれまでの金融行政在り方あるいは資本市場在り方について率直に問題提起をさせていただきたいし、また、これまでの金融庁の政策の問題点といったことをきちんと究明していきたいというふうに考えております。  そこで、まず法務省にお聞きしたいと思いますが、今回のライブドアというものに対して三名、堀江社長以下三名が逮捕されました。その逮捕の理由、これは一体何だったんでしょうか。
  21. 大林宏

    政府参考人大林宏君) お答え申し上げます。  株式会社ライブドア堀江貴文代表取締役外三名の逮捕事実の要旨は、被疑者四名は共謀の上、株式会社ライブドアマーケティング株式売買のため及び同社の株価の高値形成を図る目的をもって、平成十六年十月二十五日、東京証券取引所が提供する適時開示情報閲覧サービスであるTDネットにより、株式会社ライブドアマーケティング平成十六年十二月一日を期日とする株式交換により株式会社マネーライフ社完全子会社とする旨を公表するに際し、当時会社の間に資本関係及び人的関係該当事項はないなどと虚偽の事実を公表し、さらに、真実はライブドアマーケティング平成十六年度第三・四半期において経常損失及び当期損失が発生していたのに、架空売上げを計上する方法により経常利益及び当期利益が生じたかのように装って、同年十一月十二日、TDネットによりその旨、虚偽の事実を公表し、もって有価証券売買その他の取引のため及び有価証券の相場の変動を図る目的をもって偽計を用いるとともに、風説流布したという証券取引法第百五十八条違反の事実であると承知しております。
  22. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 この証券取引法百五十八条で逮捕し、起訴されていると、今現在収監されて取調べ中と、こういうことですね。  そこで、金融市場を、特に証券取引法を監督されている与謝野大臣にお聞きしたいんですが、このライブドア、この堀江社長以下逮捕についてどのようにとらえておられるんでしょうか。
  23. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 証券取引法というのは、一つはやはり大変難しい法律のように見えますけれども、一つはやはり株の価格形成が公正に行われるということ、それから投資家が正しい知識を持って、その上で自己の責任売買に参加すると、この二つが証券取引法の私は精神だと思っております。  個別具体的には、ただいま刑事局長お話し、御説明されたように、偽計風説流布と、こういうことでございますが、これはいずれも証券取引法の重大な規定でございまして、これによって善良な投資家判断を惑わせたということ、また価格形成が正しいものでなくなったということは、仮に証明されるとすれば、当然それは公判が請求され裁判所判断を仰がなければならないことである、また、金融庁としては証取法運用については常に厳正な気持ちで行政を行っていかなければならないと考えておりますし、また、監視委員会監視委員会が持っている権限を最大限に活用していただかなければならないと思っております。
  24. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 それでは、昨年、実はこのライブドアがニッポン放送の株式をめぐって激しいTOBになったわけでありますが、そのときにも実は大変議論になりまして、あのToSTNeT取引と言われているものについては、当時の伊藤金融担当大臣は、問題はあるけれども違法とは言えないと。そしてその後で、そのToSTNeT取引の問題についての問題が起きたんで、それについて証券取引法改正をされたと。絶えず問題が起きたから、起きて、違法ではないけれども問題があると、だからそれについては改正していきましょうと。多分、今度も同じ道たどるんだろうと思うんです。  あの伊藤大臣発言というのは、これは大臣、正しかったんでしょうか。その点どうお考えになっていますか。
  25. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 私は、その当時、自民党の政調会長をしておりまして、この取引があった後、金融庁担当者に対してよく説明を求めました。  で、そのときの私の一般的な感想は、時間外取引というのは認められていると。ここで売り方と買い方がぶつかって株の取引が成立する、これは制度として当然あるし、それ自体は合法だろうと。しかし、仮に、売り方と買い方が何日の何時何分にこれだけの株数を売りに出して、これだけの値段を付けて売りに出すということが事前に決まっている取引だとすれば、それはTOBの規則に違反した私は行為ではないかというふうに、こう一般的な私は印象を持っておりました。  それで、やはりこういうものは許してはいけないなと思っておりまして、党内でも徐々に法律改正をしなければならないということで法律改正に至ったわけですが、その後、東京地裁東京高裁が判決を出した中で、言わばこれは直接違法ではないという御判断を示しましたので、それはそれで裁判所判断として素直に受け入れる必要があると、そのように思ったわけでございます。
  26. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 実はですね、今日議論してみたいと思っているのは、日本のその法体系といいますか、大転換をしてきているんじゃないかなと。つまり、会社法自体が何でもありのいわゆる改正がずんずん行われて、いよいよその会社法も今年施行されていくわけですね。  これは大臣アメリカ型になっていっているんでしょうか、それとも大陸型になっていっているのか。どっちの方だというふうに思われますか。端的に答えてください。
  27. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 私、商法学者ではないんで、どっち型かということは分かりませんけれども、先般の会社法というのは片仮名で書かれた商法を何とか時代に追い付くものにしようと、そういう試みであったと思っております。
  28. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 実はですね、僕はやっぱりこの間の、特にバブルの終わった後、実は我々からすると今の、恐らく与謝野先生与謝野大臣お話を聞いていると、どうもやはり従来の大陸法型の罪刑法定主義と、こういうものに裏打ちされたような考え方に基づいてずっと発言されているようにしか思えないんです。  なぜこんなことを言っているかというと、昨年のあのToSTNeT取引については、いやあれは東京取引市場が、市場が開設していて、これは市場取引とは言えないというのは、それは本来のToSTNeT、1と2ありますけれども、それは機能はそうだろうと思うんです。  しかし、そのToSTNeT取引は、TOBをするときにこれを使っていいかどうかということには重大な疑義があります。  そうすると、そのときに、今おっしゃられたように、相対で事前に確実にはっきりした事実が分かるまでは実はこれは違法とは言えないというふうに言ったんです。そのとき、証券取引法第百五十七条というのがあるんです。この第百五十七条は、疑わしいものも実はこれは取り締まることができると書いてあるんです。この証券取引法第百五十七条を使って、本来使ってはならない、本来あってはならないような取引、例えばこれだけじゃありませんよ、ToSTNeTだけじゃありません。最近では下方転換付MSCBというやつもありますよね。様々なやり方が、これはおかしいんじゃないのかと思われるものがどんどん出ているわけですよ。  インターネットの中で、いわゆる買ったり売ったりするときに隠し玉だとかいろんな、私も余りやったことありませんから分かりませんけれども、そういう、これは問題じゃないか、これは市場をゆがめているんじゃないかということで、法の精神が予定していないことがどんどん行われてきたのがこのいわゆる一、二年。ライブドア問題が起きて、それは象徴的に出ているけれども、それが今日の問題じゃないんですか。そうすれば、この百五十七条を使ってなぜ取り締まることができないんでしょうか。その点について言ってください。  ちょっと、大臣でいいです。大臣質問しています。
  29. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 個別の問題について詳しく内容を申し上げるわけにいかないのが誠に申し訳ないんですが、一般論として申し上げますと、監視委員会証券取引法第百五十七条の不公正取引について犯則調査権限は持っております。仮に法令違反に該当する事実があると疑われる場合は、必要に応じて調査を行う。その結果、悪質な法令違反行為が認められれば、当然のこととして厳正に対処するものと承知をしております。
  30. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 これは個別の案件じゃないですよ。百五十七条という、このいわゆる包括的な取締りができる規制があるんです。アメリカSECは、いや、アメリカSECのこれは翻訳だと言われているんです。これについて、過去、最高裁はどういう判例しているか、調べてまいりました。これ百五十七条については判例一つだけありました。百五十七条を使って、この取引については、いわゆるこの百五十七条で取り締まった事例があります。一件ございます。  ところが、一九九一年、今日、資料に、実はお手元の資料の一ページを見てみてください。衆議院の証券及び金融問題に関する特別委員会というのが平成三年八月二十八日に開かれております。これは、例のあの証券不祥事があったときであります。バブル崩壊して証券不祥事があったあのときでございますね。そのときに、松野さんという当時の証券局長が、これ、証取法五十八条というのは今で言う百五十七条の包括規定です。それ、下に資料として百五十七条を書いてあります。  これは、損失補てん問題について、これは直ちに五十八条に該当するというふうに解釈するのが難しいわけでございます、五十八条につきましては過去に判例が一件あっただけでございまして、これは最高裁です。それ以外に適用例がないというようなことがございます。これは、ちょっと下に書いてありますが、五十八条が事実上今死文化しているような状況にあるわけでございますので、その点、私ども十分問題意識を持っている、こういうふうに言ったわけです。  そうしたら、いや、もう死文化していると、こんなもの使えないんだと。その下、見てください。橋本国務大臣、当時の大蔵大臣は、私から聞いて耳障りな言葉があった、死文化しているという言葉がございましたけれども、これは非常に適切を欠く言葉でありまして、今まで活用されてこなかったということを言いたかったんだろうと思いますけれども、現にある法律条文死文化という言葉は私は適切でない。  それを受けて、今度は参議院に舞台が移ってまいります。次のページです。  懐かしい名前が出てくるんですが、安恒良一さんという方が、社会党ですが、質問をされまして、それに対して松野さん、死文化しているんじゃないかというふうに言った人がこう答えているんです。傍線引いたところでございますと、我々として、今後、この五十八条を市場透明性公正性を高めていくというために積極的に活用するという方向を考えたいわけでございます。  大臣、あのバブル崩壊の後の証券不祥事のときです。ここまで、よし、もう包括的な第百五十七条を使って疑わしいものを罰していかなきゃいけないね、この考え方で実はいこうということを九一年の段階でおっしゃって、その後、バブル崩壊金融不安で一貫して実は力を入れてきたのが、御存じのように銀行の信用不安、いや、もちろん保険会社もそうだった。つぶれて、随分あると。いつの間にかこの証券行政の中のこれから大転換を、これ私、百五十七条、包括規定を適用したら大転換になると思うんです。また、大転換しなきゃいけない時期に来ていると思っています。  その点について、こういう過去の大臣並びに証券局長発言があった中で、これからの第百五十七条の運用に当たって、金融庁としてはこれをしっかりと受け止めて取り組んでいくということについてどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思っています。
  31. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 証券取引法違反の事案について、刑事責任をどう追及できるかという問題でもあるわけでございますが、これは偽計風説流布仮装売買、もろもろの類型があって、これについては、まあ言わば構成要件はある程度しっかりしたものになっております。しかし、この法律の難しさというのは、インチキはいけないよという包括的な規定をどう適用するかという話は、実はもう非常に難しいものが実はあることはお分かりいただけると思うんです。  で、一つは、取引とか手口が非常に複雑になっているということが一つあります。それから、立法当時は全く予想もできなかったような不正行為が行われているということがあります。私としては先生の御意見に近いわけでございまして、やはりこの百五十七条が、もう少しこの新しい手口、新しい不正行為に包括的に適用されるべきだし、適用できるのではないかと。先生の御質問の御趣旨がそういうことであれば、私は先生の御意見と全く一緒でございます。
  32. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 今のお話は、この百五十七条の包括規定は、百五十八条もそうですけれども、これはこれからの金融証券行政の中で、それを基本に据えながら取り組んでいきたいという決意だというふうに私受け止めてよろしゅうございますね。改めて確認しますよ。
  33. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) そういう趣旨で申し上げましたが、個別の罰則規定を掛けるためには当然構成要件その他きちんともう考えなきゃいけないという部分もあるわけでございますが、行政処分の対象としては、この包括規定というのは相当効果を発することはできると思っております。
  34. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 ちょっとやっぱり私ずれていると思うんです。ずれてる。何かというと、証券市場アメリカのように原則株主資本主義という形で全面的に今やりたい放題やっているわけです。自由にしてきたわけです。一円の株式会社だっていいですよと言っている。かつては、株式会社というのは、資本充実原則で一株当たり五万円の条件ありますよと。これ取っ払っちゃいました。なぜ取っ払ったのか。いろいろ条件ありますが、私は時限的にベンチャービジネスを立ち上げるんだったらその領域だけに適用するものに限らなきゃいけないのに、それらを全部一般化してどんどんどんどん来ているんですよ、これ、今日まで。  そうすると、私最初、罪刑法定主義と言いましたけれども、どうもその考え方が残っているんですよ。つまり、包括規定はあるけれども、具体的にどんな事例でなければならないのかということについて、それを、それが上がればそれについては取り締まりましょうと、こういうことでしょう。そうじゃないんじゃないかと言っているんですよ。市場で今、何億回、何億人の方々が、いや、現実には何百万人かもしれない。何億回という、あるいは世界の方々市場で連日のように取引しているわけですよ。そうですね。そのときに次々と新しい問題が上がってくるんですよ。つまり、すき間をねらって、違法ではないすれすれのところをねらいながら実はどんどん出てくるんですよ。そのときに私は、法の精神というもの、つまりこれは何のために置かれている制度なのかということを逸脱するようなものが出たときには、その現場で直ちにやらない限り、実は次々と同じようなものが起きて、あれがやるんならおれもやろう、これがやるんならおれもやろうということになっているんです。  その意味では、大陸型の事前に、もう危ないから、ある程度規制を掛けた上で、そして問題が起きたらこれやれよというふうに、そう言うんなら今の罪刑法定主義よく分かるんですよ。だから、今までも、日本株式市場というのは、本格的にこの株式市場を使って日本の経済を発展させてきたと私は言えないと思いますよ。今、西室社長おられますけれども、かつて株式会社で上場するというのは何のためにあったか。それはもうプライド、一部上場メーカーです。  本当に資本市場を有効に使ってきたかというと、使ってきてない。使い始めたのは、金融の自由化、ビッグバンが始まって、今ようやく始まってきたんですね。そのときに、自由化という路線をどんどん進んでいったんなら、アメリカがそうでありますが、アメリカはそれに対してそのルールは相当厳しいですよと。百五十七条、包括規定を使って、そして直ちにその問題があればちょっとそこで現場で直ちに済む、そういうのがアメリカSECが果たしている役割じゃないですか。そういうふうに金融行政が変わらないと、同じような問題が次から次へと起きるというのは当たり前なんじゃないでしょうかね。  与謝野大臣、百五十七条をこれからも使いたい。私の言っている意味は、百五十七条を使うという、使わなければならなくなったという、今我が日本のいわゆる資本市場がそういう方向にかじを切ったわけでしょう、新しい会社法も出るわけですから。そのときに、実はそれには相当厳しいアメリカSEC並みのルールが、取締りのルールや規則や様々な手段が必要になりますよ。それも含めて実は変えていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っているんですよ。  そこで、今の私の見解と大臣がおっしゃっている日本SECというのはこれからどうしたらいいのかというときに、いや、監視委員会の人数を増やせばいい、こうおっしゃっているんですよ。私は違うんじゃないかと思うんですよ。そこのところが、今日は是非、ああ、これは金融行政、大転換をしていかなきゃいけないなと。そして、日本版のSECというふうに我々も打ってもう何度も出してまいりましたけれども、そういうものに変えない限り、第二、第三、第四、次々とこのライブ問題を始めとする問題が起きてくるんじゃないかというふうに思いますので、この点についても大臣の見解、認識をお伺いしたいと思います。
  35. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 一つの組織が育つためには、実は大変長い時間が必要だろうと思っております。例えば、アメリカSECは、やはり一九二九年のウォール街の大暴落の後、何年も掛けてつくった組織で、日本とは比べ物にならないほどの長い歴史を持っております。日本証券監視委員会は、その前身は平成四、五年に起きました一連の不祥事に基づいてできたもので、まだ十数年の歴史しか持っていない。  それで、権限の問題をアメリカSEC日本SECを比べてみますと、私の印象は、日本SEC、まあ証券監視委員会アメリカSECが持っていない権限を持っているということははっきり分かりますし、特に検査庁とは言いませんけれども、相当の権限を持った組織であるというふうに私は判断をしております。  そこで、証券監視委員会ができましたときには、見張っている方と監督している方、プレーヤー、アンパイアを別にしろとか、まあいろんな議論が実はあって、そういう意味では証券監視委員会というのは、委員長は私のところには就任のときとか年始とか、そういうときしか来られませんくらい実は独立性を持った委員会でございまして、ここには相当の権限もありますし、十数年の歴史の中でいろいろなノウハウも少しずつではございますけれども蓄積をしてきたと。これを、組織を別にするということ、これは実は私が所属しております自民党の党内にもいろんな意見があることは承知をしております。  したがいまして、現段階でそういうことを議論することが正しいのか、あるいはこの事件が落ち着いたところで議論をすることが正しいのかと思いますと、やはり真っ最中に議論をするよりは全体の構図が分かった後に冷静な雰囲気の中で議論をしていただきたいなと、実はそのように思っております。
  36. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 今日、時間それほどありませんので、後でライブドアと、もう一つベル24問題の日興コーディアルの問題も触れたいんで、この市場論のところは早く終わりたいなと思っているんですけれども、どうしてもここはやっぱり重要な点なんで、今、日本版、いや、私たちは日本SEC法案出しているんですけれども、私たちは、証券等監視取引委員会が持っている直接的な権能の中にアメリカSECよりもより強いものを持っている可能性があるかもしれない。そこのテクニカルな、いわゆる告発だとかそういったものについての優位性があるとおっしゃっているけれども、私たちは、今先ほど来何度も言っているように、市場の流れ、市場というものを絶えず監視をして、そして市場の動きの中で、正にライブドアがやっていること、あるいはどこがやっていること、インターネットで起きていること、その現場でこれはおかしいということを直ちにとらえて、そしてそのことについての問題を、公正取引委員会が持っている審判・審決機能、こういったものを果たして持っているんでしょうか。告発するときに、問題があるからというときには、やっぱり大臣にお伺いやって、それから行くわけですね。(発言する者あり)いやいや、まあその後で申し上げます。私が言いたいのは、独立性という点からして、私は金融庁の中に証券等監視取引委員会というものを今のような形態で置いていると利益相反が起こるんじゃないかというふうに思うんですよ。利益相反、どんな利益相反かと。  例えば、この間、銀行行政を、主として銀行の検査・監督、私は金融庁はいわゆるそこにかなりウエートを掛けてきたと。そうすると私たちは、恐らく与謝野大臣にこういうことはありましたかと言っても言わないと思うんですが、PKOというのがあります、プライス・キーピング・オペレーション、株価維持装置、指定単使ってやっていたんじゃないかとよく言われています。常識化している、ああいう問題が起きてくるという。そうすると、これは正に株価操縦をやっているもんですわ。これからJRの株、NTTの株、それからもしかしたら民営化会社の株、これは売らなきゃいかぬかもしれない。そうすると、財政当局なり、そういうところとの間のまた株式市場に対するいろんな問題が出てくる。あるいは政治家が、有名な政治家がもしかしたらインサイダー取引をやっているかもしれない。  まあ今日ちょっと新聞見ると、私どもの鳩山代表の発言に対していろんなことで抗議が来ているようですけれども、それはそれであれなんですが、そうしたときに、上に金融担当大臣が置かれたような金融庁の下に置かれていてそういう問題が果たしてクリアできるんだろうか。独立性の担保というのは私は第一番目に必要なことだと。  それからもう一つは、市場性の取引市場の毎日生起している出来事の中で、問題の監視をきちっとやっていかなきゃいけない。そういうことがちゃんとできるような仕組みに、我が今、金融監視取引委員会できているんだろうかね。アメリカSECのような権限を持っているんだろうか。  二点目の問題は、そういう点からしても、実はその場で違法性を判断して直ちにやっていかなきゃいけないし、場合によっては取り締まっていくための多様なその取引手段も持っているんですよ。おとり捜査だ、司法取引だ、ディスカバリーだ、クラスアクションだ、盗聴だ。そういうことまでして、実は資本市場、どういうふうに今起きてきているのか、これは問題じゃないか。  例えば、おとり捜査なんかだって、あのヒルズ族という、ライブドアが入っていた大きなタワーがありますよね、あそこで何か会合が持たれていると。恐らくアメリカだったら、おとり捜査じゃないですけれども、一人そういうところに知り合いの人に頼んで入ってそこで捜査するかもしれない。それぐらいのことまでやる。それをやらなければアメリカ資本市場はもたない。アメリカ資本市場がもたない、駄目になれば、恐慌が起きたり戦争が起きたりするという、そんな激しいところまで行くわけですから、今、日本株式市場の監視、取引に当たっても、それぐらいの権限を持ったSECをつくらなければ、私は、今先ほどおっしゃったような、いや、こういう権限はありますよ、いや、この問題が一段落したらやりますよという、そんな問題じゃないんじゃないかな、こういうふうに私は考えているんですが、大臣、今の、何点か私お話ししましたけれども、どのようにお考えですか。
  37. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 例えばこのライブドア事件を振り返ってみますと、証券監視委員会証券取引を監視している委員会ですから、このライブドア関係のことも実は平成十五年ごろからきちんと資料を集めて、すべてのことが法にかなって行われているかどうかということは確認しながら進んできたと。しかし、中身については私も知りませんし、監視委員長も私に報告もしてくれません。  というのは、一月末になりまして監視委員長が珍しく私の部屋に来られまして、世間では何か監視委員会が何もやっていないんではないか、権限がないんではないかというふうに報道されていて、これ自体監視委員会の職員の士気に著しく悪い影響を与えますと。私も、それは大変残念なことですと。そこで、個別事件の内容に立ち入らないで幾つかのことだけ教えてくださいと。  一つは、ライブドア家宅捜索のときに、家宅捜索自体監視委員会が参加しましたかと言いましたら、特別調査課には百人の職員がいますけれども、ほとんど出払ってしまいました。第二には、急に見張るようになったんですか、昔から見張っていたんですかと言いましたら、監視委員会は監視が職務なんで、大体平成十五年ごろから全部の事案について合法的に集められる資料は集めてやってまいりましたと。それでは、今回の家宅捜索に至った事件についてはいつごろからどういうふうに始めたんですかと言いましたら、具体的な日付等は申し上げられないですが、昨年の秋ごろ事件の端緒があって、東京地検とよく相談の上、正に合同して協力体制を持ちながらやってきたと。そのことだけはよく分かってくださいというのが高橋委員長お話であったわけでございます。  そこで、先ほども申し上げましたように、一つの組織がきちんと育つためにはやはり時間も掛かりますし、ノウハウの蓄積も必要ですし、それから人材の育成も必要でありますし、それから専門的な知識を持った方を短時間ではなくて相当の期間そこにいていただく必要がある、そういう問題は私はあると思っております。
  38. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 一つ一つのやっていると、要するに大臣お話聞いていると、まあこの問題もずっと取引は見ていたよと、それは大臣とは情報のファイアウオール作っていたよと。いや、そうかもしれません。問題はそういうことじゃないんですよ。ライブドア取引も見ているだろうし、その市場の中で起きてきているこれはと思うことをずっと絶えず、絶えず監視し、直ちに問題があるんじゃないかと思ったときにそれを指摘していかなきゃいけないんじゃないですか。そして、ルールを作っていかなきゃいけないんです、直ちに。そうでなければ、今の社会というのは法を犯さなければ、法を犯さなければお金もうけのために何をやってもいいじゃないかと。この考え方って私、そう間違っていないと思っているんですよ。いや、彼を擁護しているんじゃないですよ。だって、お金もうけをきちっとするというのが会社の使命ですから。  そうすると、法を犯さなければというところのところで、この法を犯さなければが、実は法の精神というものから見ると著しく逸脱しているようなことがどんどん起き始めてきているときに、あ、これ立会い外取引、こんな、あるいは一万分の、分割している、これもおかしいんじゃないか、あるいはMSCBを使っているのおかしいんじゃないか、見せ玉をやっているのおかしいんじゃないか。次々起きているんでしょう。次々起きていておかしいんじゃないかと、市場取引を混乱させているんじゃないか、ほかの一般株主が迷惑を被っているんじゃないのか。そのことに対して即応性はどうなんですか、そのルールメーキングは本当に直ちにできているんですかと。アメリカはそれをやっているんじゃないんですか。そして、その直ちに処分するためには、先ほど言ったような司法取引を始めとする様々な取締りの手段を持っているんですよ。そういう体制に変えなければ百五十七条の包括規定を生かす道にはならないし、それをきちんと体制しなければ、第二、第三のライブドア問題というのは必ずまた起きると思うんですよ。そのことを主張しているんですよ。  ですから、いやいや、ですから、量的に増やさなきゃいかぬ、能力ある人を増やす、大いに結構ですよ。やらなきゃいけないです、経験も積まなきゃいけないし、そういう方法をやっぱり考えなきゃいけないと。これを急がれるのは、会社法の施行がもう実は起きてきているからですよね、そこまで来ているわけですよ。もう現にこの間の改正でずぶずぶの、いわゆる何でもありの世界になってきているわけですよ。何でもありの世界のところにきちんとしたルールがなかったら、でたらめなことがはびこっていく、第二、第三の証券不祥事というのが起きてくるように思うんですよ。  そこで、私は、今恐らく手を挙げられたんであれなんですが、一つ具体的な事例を申します。私、与謝野大臣にこれだけはちょっと聞いておかなきゃいけない。今日、西室東証社長に来ていただきました。黄金株を原則として上場基準で禁止すると、こういう考えでございましたけれども、これはどうして黄金株を上場企業には禁止するということを考えられたんでしょうか。
  39. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 初めて発言をさせていただく機会を得ましたので、峰崎先生の御質問に対してお答えをする前に、東京証券取引所社長といたしまして一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。  昨日、予算委員会でも申しましたけれども、東京証券取引所、十一月一日、そして十二月の八日、続けて大変にいまだかつて見たことのないような事故を起こしまして、それによって多大の御迷惑をお掛けいたしました。  本来、東京証券取引所の責務は、社会の金融経済の基幹インフラの一つを受け持っているということ、それを安定的に信頼されるように運営するということでございますので、その点について非常に大きな問題を起こしましたこと、心からおわびを申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、今の峰崎先生の御質問、そもそも黄金株と言われるものをどうして禁止の方向に持っていくという考えがあるかということでございますが、これは、原則的に会社は株主の全体の意向に反するようなことを経営陣あるいは特定の株主がやるというのは良くないことであるということをはっきりさせるためというふうに私どもは考えております。  以上でございます。
  40. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 ということは、株主の公平性の原則といいますか、株主は原則的に公平でなきゃいかぬと。一般株主と特定のそういう拒否権付きの黄金株を持っている人とかですね、あるいは株主のときの権限が二倍になっているようなもの、そういう株は駄目だということですね。  そこで、この議論があった十一月の二十二日に、与謝野大臣はこういうふうに記者団にお答えになっているんです、今の問題について。東証というのはすべての株が取引されるという場所であって、会社法で認められている幾つかの種類の株を持っている会社だけを上場させないという話は会社法で認められていることを東証の上場基準で否定すると、こういうことは多分理屈の問題としてはあり得ないだろうと、こうおっしゃっているんですよね、いろいろおっしゃっていますからこのとおりであるかどうか分かりませんが。会社法証券取引法、まあそれに基づくいろんな東証の上場基準と、どういう関係で理解されていたんですか。
  41. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 会社法の中ではいわゆる種類株というのが認められたわけでして、その中では企業の買収に対する企業防衛という観点からの種類株も当然入っているわけでございます。黄金株を一律に禁止するということは、やはり法律全体として会社法で認められている株を持っているところが上場できないというのはやっぱりおかしいんだろうというふうに私は基本的に思いました。  しかしですね、しかしそれは、例えば既に上場している会社が急に黄金株を導入したり、これはもう既存の株主の利益を損なうわけですから、そんなことがあっていいはずはない。しかし、新に上場する会社が何らかの理由でそういう種類株を持っている場合、これを一律禁止するということは多分おかしいんだろうと思います。  一方では、そういう拒否権付きの特定の株主がいるということによって他の投資家利益が損なわれるということもまたあってはならないと思います。そういう観点も必要ですし、またもう一つは、海外で行われている株式に関する慣行、こういうものも参考にしなければならないということで、今東証で原案を作って、パブリックコメントに付しておりますから、そういう意見を総合して東証の方でこれに関する取扱いについての原則というものを決めていかれると、そのように思っておりますが、法律論として申し上げれば、今言ったようなことを実は私はその記者会見のときに考えていたわけでございます。
  42. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 私は、与謝野大臣、是非考え方聞いてみたいのは、要するに会社法で認められているんだから、それは証取法証取法の下でルール化されている東証の基準にですね、それは入っていくのは当たり前だという認識があったとしたら、私はこれは全く間違えていると思うんですよ。  公開株式会社というのと、それから民法上の株式会社、例えばベンチャー企業そうですね、非上場の。あるいは非上場の、非公開の株式上場してない会社あります。こういうところのやり取りというのはその中の人たちの株主のやり取りで、民法上の貸借対照でいいんですよ。公開株式会社として登場してくれば、これは要するに今の株主も重要ですよ、株主の平等というのは。将来の株主がたくさんいるんですよ。世界にいるかもしれません。そういうところのいわゆるルールを決めているのが証券取引法であり、その下で東京証券取引所が様々なルールを持たされて、更に私的ルール作られているんですよ、かなりもう公的な分野に近いと思いますけれども。ここは画然と分けて、実は公開株式会社においてベンチャー企業には認められていたような黄金株だとか種類株だとかというものも、株主平等の原則の立場からすればこれは認められないという私は東京証券取引所考え方の方が正しいんじゃないかと思うんですよ。TOBが掛かったときにそのポイズンピルをどうするかというのは、それは正にオークションの世界に入ってくるわけですね、TOBを掛けたときの、オークションですから。それは、そのときにどういう対応をするかというのは様々な、毒薬も許されるということでポイズンピルになっているわけです。──ちょっと待ってください、待ってください。  その意味で私は、そういう意味で、この発言を聞いたときに、与謝野大臣の頭の中には今の株主と、要するに民法的な株主の世界だけがあって、今その会社法改正されて、公開株式市場というものを、いわゆる資本市場をダイナミックに展開をしていかなきゃいけない日本株式会社というものは余り想定されてない。そのときにおけるルールというのは、在り方というのはどうあるべきなのか。それが、さっきから言っている日本SECをつくっておかないと、金融庁のいわゆる監督行政、業者行政、護送船団とは言いませんよ、だんだん直ってきていると思うけども、しかし、それにしてもそういう行政とは異質の世界じゃないですかということなんですよ。その点についてどう思われますか。
  43. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 私の記者会見のフルテキストをお届けしたいと思いますが、そのときには、既に上場しているところが黄金株などを突然発行して他の株主の権利を害するということは全く考えられないと、それは申し上げております。  ただ、黄金株を持った新しい会社が上場をする、それから黄金株を持っているということが既に公知の事実になっているという場合には、それを一律禁止するというのはやり過ぎなんではないかということを申し上げたんで、無条件で私はそういうことを申し上げたんではなくて、むしろ狭い解釈で、会社法で認められているもののうち、他の株主の権利を害さない範囲での上場というのはやっぱり理論的な可能性としては残しておく必要があるということを強調したわけでございます。
  44. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 それは読んでおります。その点は私もフルで読んでおりますが、そのときに許される、今、たしか日本石油開発ですか、通産省が拒否権持っているやつが上場されているとか言ってますし、恐らくジャスダックとかほかの市場で許すというようなことがあるのかもしれませんが、いずれにせよ、私が言いたかったのは、最初の法律のとらえ方です。つまり、公開をされるというときには持っていなければいけないその原則みたいなものが株主平等の原則であり、原則的には、そういうものが侵されるようなものがあっちゃいけないんじゃないかなと思うんです。  そこで、東京証券取引所にまた、今度は社長に聞くんですが、親子上場というのがありますよね。そうすると、今、最近持ち株会社がはやっていますけども、事業会社であれ、親会社が絶えず支配権を持っている株と、いわゆる子会社が上場して、子会社の株主というのは支配権が持てない株式というふうに二つ、これは二種類存在してしまうことになるんで、これは問題だと思いませんか。その点、東京証券取引所はどのようにお考えになっていますか。この黄金株の問題と非常によく似てるんですよ。
  45. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 今の御質問に直接お答えを申し上げたいと思います。  今、子会社上場についての見解ということでございますけれども、子会社上場については、私どもといたしましては、子会社を上場するに当たっては、子会社の方に十分な独立性が認められるかどうかということ、そして親会社との関係についてはっきりとその関係を明示する、公開する責務を負わせるということをやっております。同時にこれは、子会社だけではなくて親会社に対しても同様の責務を持ってもらうということで、公開義務を持っていただいております。  子会社上場というのが必要な場合というのは結構ございまして、一つの大きな企業グループの中で、あるいは企業の中で親子関係の会社がある。そうすると、子会社の上場ができない場合には企業全体の価値だけで株価形成がされるんでございますけれども、子会社を独立して上場させると、独立性を持たせて、ということによって、特定の部分、その子会社が受け持っている部分についての評価が市場で別に評価していただける、そういうことが可能になるわけです。ですから、全体の会社の経営の中で、特にこれだけは別会社として、のように上場もし、市場の評価を得たい、そういうふうな考え方、それをやはり自由度を持つべきであろうということでこれを認めさせていただいているということでございまして、十分な情報の開示、それは私どもとしては常に注意をしております。
  46. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 社長、親子上場を世界でこんなに認めている国ないですよ。  で、もし、これは実は持ち株会社の問題とも絡んでくるんですけれども、日本でも持ち株会社がどんどんはやっている。企業結合法制という意味で、親会社、持ち株会社は自由に権限は持つけれども、実は責任を負わない領域があるんですよ。それでいいとこ取りをずっとやっているんですよ、企業結合の法制がない中で。これは問題提起でずっと何度もしていますので、金融担当大臣、今日は、本来これは法務大臣かもしれませんが、やはりそこの改革を、親子上場の問題もそうですけれども、きちんとやらないと、もうとにかく今もう持ち株会社だらけで、どのぐらい持ち株会社ができているんだろうかと。しかも、持ち株会社の上にまた持ち株会社をつくった銀行があるんじゃないですか。あれは一体どこでどんなガバナンスが利いているのかさっぱり分からない。それを全部銀行行政の中で認めてきていますよね、いやそれは結構なことじゃないかと。じゃ、それに伴う企業結合法制みたいなものがちゃんと責任が伴っているのかなと。大きくしたことがいいか悪いかの議論はまた別にして、またこれも金融コングロマリットの議論、当然出てくると思いますので、議論はしたいと思いますが、私は、そういう問題にメスを一つずつ入れていかないと、日本資本市場って一体どうなっているんだと、会社のいいとこ取りで、そしてきちんとしたその規制というものが全然利いてないじゃないかと。こういう世界がまだまだ私は、今日は指摘しておりませんけれども、たくさん残っているんじゃないのかなというふうに思えてならないんです。  いずれにせよ、ライブドア問題から発展して、もうあと私の質問時間、五分程度に残ってしまったんですけれども、西室社長、何かありますか。
  47. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 今の諸外国にはないという御指摘でございましたけれども、極めてなお……
  48. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 いやいや、珍しい。
  49. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 珍しいことは事実でございますが、ニューヨークの証券取引所でも結構数がございまして、具体的に例を一つ挙げさせていただけば、NTTとNTTドコモはニューヨークにもそれぞれ独立して上場を許されております。
  50. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 非常に珍しいということなんでありまして、その恐らく上場のときの条件というのが必ず付いていると思いますが、そのことは今日はちょっとあれで、もう残りが五、六分しかなくなってしまいまして、肝心のこのライブドアとそれから日興コーディアルのベル24のところにほとんど入れないままに入ってしまいました。  そこで、今日は、問題はライブドアでございましたけども、今度はベルシステム24を使った問題について、粉飾疑惑が起きているんじゃないかということで、資料を何点か用意をさせていただきました。  ちょっとこれは問題提起だけで終わってしまうかもしれませんが、後日また必ず議論させていただきたいというふうに思いますが、お手元に一番最後に七ページに、資料を配った、ライブドアのMアンドAの構造図というのを書いてまいりました。これは、今回のライブドアがいわゆる刑事事件になったところのいきさつを書いたものでございます。これは詳しくもう時間ありませんので申し上げられません。  実は、ベル24の買収問題というのが新聞あるいは最近では雑誌などもにぎわしているわけでありますが、このベル24が、日興コーディアルがどのようなやり方をしていったのかということについては、六ページにこのベル24買収の経緯を小さい字ですが書いておきました。何が問題だったのか。もう一言でしか時間がありませんので言いようがないわけでありますけれども、五ページの東京新聞のところが一番分かりやすいんじゃないかと思いますが、日興コーディアルグループという持ち株会社が下に投資会社を持っておりまして、日興プリンシパル・インベストメンツ、NPIというところがあり、その下に一〇〇%の出資のこれはSPC、NPIホールディングスという、そのSPCがベルシステム24を買収し子会社化していったと、こういう経過であります。  で、複雑なやり取りがあるんですが、この一〇〇%出資したSPCの会社は、実は連結の対象に含めないということで、利益だけはその代わりこの日興コーディアルグループ全体にそれを付けていく、こういうやり方を取ったわけです。まあ詳しい中身は、今日は時間がもうなくなってきたのでやめますが、非常にライブドアのMアンドAの構造図と似ているんですが、ライブドアの場合は投資事業組合というのをつくったんです。このお手元に、一番最後、七ページですね。そして、これそこに、下に数字書いていますが、投資事業組合にライブドアが出資していた。これは何の違法もないんじゃないか。事業として企業買収をするというのは、下に三つ書いていますけれども、これも当たり前じゃないか。あるいは、そのグループ会社ライブドアとの間で株式交換を行うのは商法上認められている。そして、ライブドアあるいはそのグループ会社株式分割を行うのは、商法上、何の支障も実は今のところはない。投資事業組合が投資有価証券を場外売却して利益を得るのも、これは本来の事業目的だ。得た利益で出資者であるライブドアに配当して資金還流すると、こういう構造だったんだと言われているんです。この中には、一つ一つ取引に問題があるということで今逮捕されているわけですね。取調べを受けているわけであります。  問題は、何が言いたいかというと、日興コーディアル証券の方は一〇〇%子会社のSPCがやったわけですよ。そうすると、こういういわゆる投資組合とかあるいはSPCをどのように連結上扱うかというのは、実質支配権基準というのがあって、その実質支配権基準というのはだれが実際上支配しているかによって決まる。ライブドアの件で言えば、この投資事業組合がだれが実際上権限を持っていたか。お金は圧倒的にライブドアが出していたことは間違いないと思うんです。しかし、そこを運営していたのがだれかで決まるんです。それが実は自殺された方だった、自殺というか、沖縄で亡くなられた方だったんではないかと言われているわけです。これがキーマンだったわけです。  今度のこっちの方は、日興コーディアルグループの方は、このホールディングスは一〇〇%SPCで持っているわけです。この会社は投資目的でならいいですよと。正に投資目的というのは御存じのようにベンチャーですよ。しかし、一〇〇%ベンチャーで出資するということはあり得ないし、一〇〇%出資しているんだったらこれ実質支配基準に該当するんですよ。ところが、これは実質該当基準に該当しないというふうに社長さんも答えているんだそうですよ。会計監査もそれで通っているんですよ。  私は、また資料をその前見ていただきたいんですが、このライブドアと日興コーディアルグループによる、ライブドアと対比してみたんですよ。日興SPC、ベル24は、組織形態は株式会社、単独出資一〇〇%、資金依存も一〇〇%、意思決定は日興。ライブドアは投資事業組合で、これは組合という組織形態で、複数出資、多分持分割合は九九%以下、ライブドアが重度、資金もかなり大きく依存している、ファンドの運営者が意思決定をした。同じような、今日、粉飾とか偽計とかということについては時間ないんで触れませんが、同じようなことをやっているというより、私は日興コーディアルのやった方の方が悪質じゃないかと思っているんですよ。  これについて、実は今日は、刑事局長、このことについて答弁しろと言いませんが、金融担当大臣で結構です、こっちの方が悪質じゃないですか。どう思われます。
  51. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 予断を持って判断を申し上げられませんが、勉強はしてみますし、仮に問題があるとすれば、法令の適用の対象となるかどうかはきちんと検討するつもりでございます。
  52. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 是非検討してもらいたいんですよ。  それで、いや、今日はそっちの方に本当は時間割きたかったんですけれども、またいつかやらしていただきますけれども、まあ同僚議員もやってくれると思うんですが、この仕組みをずっと見て、私、後ろにベルシステムが、24がどういうふうに買収されていったかという経過が書いていますからごらんになっていただいていると思うんですが、これは全部周知の事実なんですよ。新聞やいろんなもう雑誌なんかでも書かれているんですよ。  で、今検討するということですから、調査をされ、検討されますね。そして、それは私どもに報告をしていただけますか。あるいは、委員会等の場で明らかにしていただけますか。
  53. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 会社の名誉にかかわることでございますし、相手方の名誉を不当に傷付けないような方法で事実関係を調べたいと思っております。
  54. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 調べていただきたいと、調査をしていただきたいと思います。  で、監査もしておりますから、監査委員も調べてください。中央青山というその監査委員なんです。そして、ライブドアは港陽ですけれども、ライブドアマーケティングという会社の監査も、これまた中央青山なんです。  で、私はもう何度も、これ中央青山はもう、カネボウも出ましたね、ダイエーも出てきた。このいわゆる管理監督は金融庁がやっておられるんですよね。ここら辺もしっかりやってもらわないといかぬと思っているんですよ。それも調査をし、報告をいただきたいんですが。  私は国会に、今日はこれだけの、五、六分程度の質疑で皆さん方がああそれは問題だなというふうに思われないかもしれませんが、私は、委員長にお願いをして、是非この日興コーディアルの社長、有村さん、これはいろんなところでもうしゃべっておられますから、我々はこのベル24については間違ったことをやっていないとおっしゃっています。だから、この国会の場に来ていただいて、参考人として来ていただけないかな。それから、監査をされた方もおられますから、この監査基準に、きちんと本当に監査されていたかどうかという意味で、私は中央青山の奥山理事長にこの場に来ていただいて、私、数字を持っていますから、それで一つ一つ付き合わせしていきたいなと。  お二人の参考人の招致をお願いを申し上げて、私の質問を終わらしていただきたいと思います。
  55. 大久保勉

    大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉です。  本日は、西室東証会長、御出席ありがとうございます。まず、東証の関連に関しまして御質問をさしてもらいます。  東証では、昨年、上場廃止基準を一部改正し、代表取締役による宣誓制度を導入したと聞いております。その理由と達成しようとしている目的は何か、お尋ね申し上げます。
  56. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 上場基準を昨年の一月に改正をいたしまして、それで代表取締役による宣誓書制度を導入いたしました。  この理由は、もう正に一昨年辺りからの西武鉄道から始まる、経営者そのものが会社の経営内容についての開示ということについて本当に責任を持っているのかという疑問がわき出ているという状況に対処するべきという判断したわけでございまして、必ず、会社から提出する場合には経営者自身が、それが正しいということをしっかりと見た上でやっているんだということを宣誓してほしいということを目的としたことでございます。つまり、会社経営者の注意をしっかりと促すということでもありますし、その会社からの開示内容についての責任を取るということをお願いしているわけでございます。
  57. 大久保勉

    大久保勉君 こちらに、株券上場廃止基準というのを取ってまいりました。で、内容を見てみまして、私の解釈としまして、宣誓事項について重大な違反を行った場合には、改善報告書徴求を、対象とせず、ここが重要なんですが、直ちに、直ちに上場契約違反等にかかわる上場廃止基準の対象になる、このことは正しいのでしょうか。また、重大な違反というのは、証券市場全体に対する投資家の信頼を大きく損なうような不適切な開示ということでよろしいのでしょうか。この二点に関して質問いたします。
  58. 西室泰三

    参考人西室泰三君) ただいま御指摘の件でございますけれども、東京証券取引所に今ございますのは、改善命令というのがございます。会社からの開示に対して、東京証券取引所としてこれは不適切ではないかというふうに判断をいたした場合には改善命令を出さしていただきますし、そして改善報告書というのをいただきます。その改善報告書の内容が守られていないということが五年間に三回、ちょっと甘いのかもしれませんけれども、起こった場合にはこれを適用するというのが現状でのはっきりとした規定でございますが、なかなかこれは時間が掛かります。  したがいまして、私どもといたしましては、いろいろなケースが考えられますけれども、宣誓書の重大な違反、そういうものを、これは三回もその改善報告書に違反したというのに匹敵するぐらいの重さ、そういうものを想定をいたしております。現在までのところ、まだ適用をしたことはございませんけれども、伝家の宝刀の一つとして持っていたいというふうに思っております。
  59. 大久保勉

    大久保勉君 端的に言ったら、宣誓違反だったら直ちに上場廃止ですね。もう一度確認します。
  60. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 先ほど申し上げましたとおり、宣誓違反の程度、重要性によります。そして、先ほど申し上げましたように改善報告書というのをいただいて、それが守られないということが三回続いたらという、相当ルーズかもしれませんけれども、現状ではそのくらいの催促をしても駄目ということでございます。
  61. 大久保勉

    大久保勉君 皆様資料を配りましたが、資料二というのを見てもらいますでしょうか。  これ真ん中の方で、これはある大手監査法人の意見です。ホームページに付いておりました。別の大手監査法人もほぼ同様の内容の意見書を書いています。ですから、いわゆる一般資本市場で認められている解釈でありますし、このことに対してイエスであるというのを期待しておりましたが、非常にあいまいな回答であったと思います。  私が質問したのといいますのは、この下線部分です。このことを東証さんに確認しました。実際ここでは、監査法人の解釈であったら重大な違反の場合は直ちに上場廃止と。重大な違反というのは、東証市場全体に対する投資家の信頼を大きく損なう。例えば、ライブドア問題に関しましては東証が止まったわけですよね。相場が相当動きましたが、これが、これこそが正に投資家の信頼を大きく損なうような事件であると常識的には認められます。  そこで、一つ資料がありまして、資料一を見てもらいたいと思います。こちらでございます。(資料提示)  こちらは適時開示に係る宣誓書、これは堀江貴文代表取締役社長兼最高経営責任者が自筆で署名しております。いわゆる宣誓書です。これ、記録に残すために、申し訳ありませんが、西室会長の方で「株式会社」から「ここに宣誓します。」という文言を読んでください。お願いします。
  62. 西室泰三

    参考人西室泰三君) この資料一の堀江さんのサインしてある文書をお読みすればよろしゅうございますか。  「株式会社ライブドアは、投資者への適時適切な会社情報の開示が健全な証券市場の根幹をなすものであることを十分に認識するとともに、常に投資者の視点に立った迅速、正確かつ公平な会社情報の開示を適切に行えるよう添付書類に記載した社内体制の充実に努めるなど、投資者への会社情報の適時適切な提供について真摯な姿勢で臨むことを、ここに宣誓します。」でございます。
  63. 大久保勉

    大久保勉君 ここに宣誓書がありますし、いわゆる明らかにこれは粉飾決算若しくは架空売上げを計上しておりますから、宣誓違反ですよね。このことによりまして、相場を大きく変動させ、投資家の信頼を損なっています。  このことに関して、宣誓制度を導入した背景又は重要性、このことから即刻適切な判断が必要だと私は考えております。そうしませんと、まだライブドア株が売買されておりまして、このことがスペキュレーションの対象とか、不適切な情報を投資家に与えるということになります。このことは東証の罪だと私は考えております。  で、一つだけ、もう一つ資料を申し上げますと、一月二十四日に西室社長が会見されております。これは日経新聞を読み上げておりますが、東証は虚偽記載など上場廃止の基準を明示している。ライブドアがこれに抵触すれば上場廃止にせざるを得ない。この後です。ただ、上場廃止は投資家に迷惑を掛ける話なので、厳格に適用する必要がある。私もそう思いますが、でも東証自身は宣誓書違反ということを分かっていますから、この情報を即座に発表しない限り間違った情報を投資家に与えるということでしょう。このことに対して西室会長の御意見を伺います。
  64. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 適時適切な情報開示というのは私ども常に求めておりまして、実はライブドアの一斉捜査が始まって以来、ライブドアに対しまして文書をもって、この条件について、四項目ございましたけれども、今手元にございませんが、こういう条件について情報開示をしてほしいということをなお申し入れました。直接私どもの取締役の一人が行きまして、堀江にも会いまして、それでそれを申し入れました。  必ず適時開示をしますという返答がございまして、一部の開示もなされました。私どもは、それでは不足であるから、更に開示を求めるという手続を続けまして、それで、その上でまた回答が参りました。回答そのものは残念ながら必ずしも満足ではない。さらにまた求めるのと同時に、情報開示銘柄ということにまず指定をいたしました。つまり、情報開示が不適切である企業ですよということを一般に公開したわけです、まず。  それから、その上で、今度はまた、更にそれ以外の情報の開示もございましたけれども、一般に言われているような状況及びはっきりとした逮捕ということになりましたものですから、そこにおきまして、現在は銘柄として特定銘柄の指定をいたしております。  そういう状況で、これから先、これを廃止銘柄と、取引廃止銘柄というところまで持っていくかどうかにつきましては、はっきりとした私どもとしてはエビデンスが公開情報、会社側の公開情報以外にもそういうものがはっきりとあるのであればやらざるを得ないとは思っておりますけれども、非常に多くの株主に対して影響のある問題でございますので、本件につきましてはしっかりとした判断を慎重にやりたいというふうに思っております。
  65. 大久保勉

    大久保勉君 よく分かりました。説明では、つまり宣誓があってもなくても同じことをされたということですよね。  もし堀江氏がこの宣誓書を提出していなくても、こちらの上場廃止基準では同じようなことを足りているはずですから、恐らくこの宣誓制度自身はどうだと、制度自身が問題じゃないかと私思います。  つまり、この宣誓書を出すことによってだれが一番被害を受けるか。一般投資家です。ですから、社長は宣誓書を軽い気持ちで出して、宣誓違反であっても一般の開示違反と同じでありますから効力がないわけです。で、もし上場廃止をした場合に一般投資家は非常に困ってしまう。こういう制度そのものが問題じゃないかということを是非とも御指摘したいと思います。
  66. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 御指摘の点につきましては、私ども更に検討はさせていただきますけれども、この宣誓書があったからこそ、私どもの会社の社員、取締役も含めてのチームが行ったときに直接堀江氏にも逮捕の数時間前まで数回にわたって会うことができた。それだけの力を宣誓書というものが持ったということは、私どもは改めて御認識いただきたいと思います。  ただし、それについて私どもプレス公開は一切いたしておりません。その状況を御説明申し上げるのは本日が初めてでございます。
  67. 大久保勉

    大久保勉君 構造的な問題があるということを指摘したいです。  ライブドアに関しては二十二万人の投資家がいます。ですから、東証としましても、上場を廃止しようとしても社会的な問題が大き過ぎるという判断もあるんじゃないかと私は感じております。これは私の判断です。ですから、そもそも宣誓違反を東証だけにやらせたと、このことが問題じゃないかと、私は是非とも金融庁に指摘したいと思います。  実は、この宣誓書の話が出てまいりましたのは、西武鉄道事件そしてカネボウといろんな粉飾決算が出てきました。アメリカではエンロン事件の後、サーベンス・オークスリー法で、この法律の中で宣誓義務を課しております。ですから、私の方は、前の伊藤前大臣に対しまして、証取法の中でこういった宣誓制度を設けた方がいいんじゃないのという話をしましたところ、いや、東証の方でこういった制度がスタートするということで説明を受けました。そのことに対して、じゃ、不正なことをする経営者を罰する趣旨なのに、実際は一般投資家が一番被害を受けると、構造上の問題じゃないかということを何度も指摘したんです。  このことに対して、現在の金融庁判断はいかがでしょうか。与謝野大臣にお尋ねします。
  68. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 財務情報の適正性を確保するためには、開示企業におけるガバナンスが有効に機能することが重要と考えております。このため金融庁としては、これまでも、平成十六年三月期決算から有価証券報告書においてコーポレートガバナンスの状況の開示を義務付けるとともに、会社代表者による有価証券報告書の記載内容の適正性に関する確認書の提出を任意の制度として導入する等の取組を進めてまいったところでございます。また、昨年一月から企業会計審議会において、財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者の評価及び公認会計士による監査の枠組みについて専門的見地から検討を進めてきたところでございます。  こうした検討を踏まえまして、金融庁としては、今国会において提出する予定の証券取引法等の一部を改正する法律案において、上場会社に対して、第一に財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者の評価と公認会計士による監査を義務付けるとともに、第二に経営者が有価証券報告書に記載された内容の適正性について確認することを義務付ける、この制度を併せて導入する方向で今検討を進めているところでございます。
  69. 大久保勉

    大久保勉君 大臣の力強いリーダーシップを期待しております。この点に関しては、是非とも前向きにお願いします。  では、続きましては東証の売買停止問題に関して質問します。  東証は、昨年の十一月及び今年の一月に全銘柄の停止をいたしました。また、昨年の十二月にはみずほ証券の単純な誤発注を未然に防ぐことができませんでした。よく金融は経済の血液と言われております。じゃ、東証は、その例えでありましたら、東証は資本市場の心臓です。心臓が一回ならず二回も止まったんです。この重要性に関してどのような認識か、このことを与謝野金融担当大臣にお聞きします。
  70. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 私の友人は私に対して、東証は三連敗じゃないかということを言った人がおります。東京証券取引所の重要性については、また論ずるまでもなく、日本経済にとってもまた日本経済に関心を持っておられる世界じゅうの方々にとっても大変重要なインフラであって、どんなことがあっても本来は止まってはいけないシステムを持っていなければならないと思っております。  この一連の過程で、私は、今日お見えの西室会長に対しては、やはり東証の日本の経済における重要性にかんがみ、また国際的な影響にもかんがみ、また日本投資家、世界の投資家、この人たちをきちんと守るという意味からも是非惜しみなくシステムに対してはお金を投じていただきたいということもお願いいたしましたし、またコンピューターシステムに関しては素人だけの集まりではとても対応できないんで、高度の専門的な知識を持った方も来ていただいたらいかがでしょうかと、こういうことをお願いしているところでございます。
  71. 大久保勉

    大久保勉君 システムの話が出ましたので、ただ東証のシステムに関しまして聞きますと、最大許容量が平均取引量の二倍のまま放置していたということをお聞きしました。これは経営がそれを放置したということです。ちなみに、ニューヨーク・ストック・エクスチェンジでは五倍の容量がありますし、ナスダックでは一日の処理能力は四億件です。東証が五百万に対しまして、約百倍近くの差があるという状況です。これを放置していたというのは経営者の判断であったと私は考えております。  また、今回のライブドア事件でパンクしました決済システム、この耐用年度が実は二〇〇四年度末であるという報告があります。このことは事実でしょうか。  以上、西室会長に御質問いたします。
  72. 西室泰三

    参考人西室泰三君) まず、御指摘のとおり、ニューヨーク証券取引所あるいはナスダックと比べて現在の東証そのものの持っているキャパシティーが日本における市場の大きさに対して不適切であったということにつきましては、東証自体の経営判断の間違いであったということを改めて認め、そしてまたおわびを申し上げたいと思います。  残念ながらコンピューターの増設あるいは切替えというのには多大の時間を要し、そしてまた経費も要するものでございますから、私ども、今必死になって差し当たっての容量の拡大確保、そしてまた信頼性の向上についてやっておりますけれども、どうしても時間が掛かります。それと同時に、次世代システムの導入ということもこの次の課題としてパラレルに検討を開始したところでございます。そのために、二月一日から最高情報責任者、CIOの任命もいたしまして、早速稼働を始めているということでございます。  特定して御質問のございました約定システムでございますけれども、多分御指摘は、二〇〇四年の末で十年たっているということで、十年が耐用年数だというふうにお考えの上でいろいろな報道がなされているということに関してでございますが、コンピューターそのものの耐用年数というものは十年という規定はございません。ただ、通常の場合、通常取引の場合に十年で保証期間が切れるということが間々ございます。そこで耐用年数という言葉が使われ、そしてまた保証期間が切れればそこで必要な部品そのものはそこから先は供給責任がなくなると、こういうことに相なります。東証のシステムに関しましては、十年を過ぎてはおりますけれども、メーカーの保証も、そしてまた必要な部品、備品につきましても供給を続けるという約束をしっかりと取り付けて、それで運用をしておりますので、耐用年数が過ぎたものを使っているという状況にはなっていないと思います。  それからもう一つ、これを切り替える、十年たっているから当然のことながら切り替えなきゃいけないという御指摘でございますが、明らかに私どもも同様の問題点を認識しておりまして、それで既に二〇〇三年に新しいシステムへの切替えという作業を開始をいたしました。  約定システム、今月の二十八日まで御指摘の十年以上の老兵をむち打ってやっていたわけですが、三十日から新しいシステムが無事導入終わりました。これは最新鋭のシステムでございますが、私どもの残念だと思っている点は、この新しいシステムの稼働が私どもの希望ではもっとずっと早かったんですけれども、なかなか本格稼働まで行かなかったという問題もございまして、それで先月の一月の三十日からの稼働になったということでございます。  差し当たってのキャパシティーそのものは、無理をして前のシステムで確保した五百万件デイリーというところで、同様のキャパシティーを持っております。
  73. 大久保勉

    大久保勉君 非常に率直な御意見、本当に感謝しております。まあ、率直に経営判断にミスがあったと。じゃ、どうしてそういうことが起こったかというのは非常に興味があります。  よく、東証の上場問題というのがございました。よく言われておりましたのは、二〇〇六年の三月に上場するためにいろんなことを検討していると。上場するために、株価を上げるためにはやはり収益を上げないといけないと。じゃ、収益を落とすような設備投資は後回しにするというのがよく言われておりまして、もしかしたらこういった上場問題が、いわゆる耐用年度が切れたとは言いませんが、古いコンピューターシステムをそのまま使い続けたということに、こういう経営判断につながっていったんじゃないかと思いますが、そのことに関してもし御意見がございましたら、西室会長
  74. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 二〇〇六年の三月までに上場したいということを鮮明にしていたということは、御指摘のとおり、事実でございます。それを可能にするように何らかの粉飾あるいは無理をしたんじゃないかという御指摘でございますが、意識的にそれを良くするための無理をしたというふうには、私は経営を監視する立場で会長をそれまでやっておりましたので、その立場から見ても意図的なものはなかったと思います。  具体的に申し上げれば、今御指摘ございました決済システムでございますが、これの更新というのは、本当は稼働開始は昨年夏になるはずだと。稼働開始をすると料金支払になるわけですから、そういうことについても決して急いだり、なおそれを先へ延ばすというふうなことは一切考えておりませんでした。  ただし、先ほども申し上げておわびを申し上げましたように、今回起こったような急激な取引の増加ということについて対応できるだけの問題意識がなかったと。つまり、情勢の変化に対しての感度が鈍いと。実は新しく採用いたしましたCIOが昨日の記者会見でいみじくも言ったとおり、私も同感をいたしております。
  75. 大久保勉

    大久保勉君 東証の問題だけではなくて、東証がストップすることによって金融システムに多大な影響が与えると思うんですね。ですから、東証を管理するような体制が必要であったと私は考えております。  これは、金融庁の検査であったり、若しくは何らかの金融システムの観点から検査をすると。その点、日本銀行金融システムに関しまして非常に専門性もございます。特に、システム管理に関しましては非常に優れたものがあります。  日本銀行は東証に対して日銀考査というのは実行できるんでしょうか。若しくは、将来はこういったことを実行する予定はあるのでしょうか。質問します。
  76. 武藤英二

    参考人武藤英二君) お答え申し上げます。  日本銀行日本銀行法第四十四条によりまして、金融機関等との間で考査契約を締結して考査を実施しております。この金融機関等は、日本銀行法第三十七条及び同施行令第十条において定義されております。  東証はこの金融機関等には該当しませんため、日本銀行の考査の対象とはなっておりません。ただし、東証におけるその取引の清算・決済機関であります日本証券クリアリング機構、これは日本銀行取引先でございます。この日本証券クリアリング機構との間では考査に準じた内容の調査契約を締結しております。
  77. 大久保勉

    大久保勉君 先ほど与謝野大臣が率直に、東証自身は非常に重要であると、日本経済若しくは資本市場にとって重要であると。  でしたら、何らかの形でシステム問題がもう発生しました。じゃ、今後起こさないためには、日銀に日銀考査をお願いするとか、若しくはそういったことも必要じゃないかと思いますが、金融庁として先ほど日本銀行説明に対してどういうことを、どういう感想、若しくはどういうふうにしたいという決意がございましたら、質問します。
  78. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) まず、システムの問題を確かなものにするためには、東証自らが相当高いシステムに対する知識と経験を持たなければならないということが第一だろうと思っております。  考査の話は今、日銀の方から御答弁がありましたが、証券取引法においては証券取引所の検査・監督等に関する規定が置かれておりまして、これに基づきまして金融庁東京証券取引所に対する監督を行うとともに、必要に応じて証券取引監視委員会が検査を行っている、まあ、そういう仕組みになっているということを是非御理解いただきたいと思います。
  79. 大久保勉

    大久保勉君 じゃ、次の問題としまして、システムをバージョンアップすると、そのためには多大なお金が必要だと思います。実際、今東証で使っておりますのがいわゆるメーンフレームを中心にしたシステムで、いわゆる旧世代と言われているものです。障害を起こしにくく、また処理スピードが速く、また非常時の補完体制に優れたものといいますのがオープン型のシステムと言われております。そのためには、新聞報道等によりましたら、約五百億の資金が必要でしょうと。さらには、いわゆる東証のバランスシートを見ますと、資本金が約八百億円程度です。さらに、みずほの誤発注事件で四百億の損失が出ております。この一部が東証に対して損害賠償という形で来るでしょうと。  例えばその半分、二百億損害賠償請求が来た場合に、本当に東証自身はシステムを増強するだけの力があるのかと。もちろん、銀行からお金を借りることができます。ただ、その場合に、上場自身が、将来の上場は非常に難しくなっていくんじゃないかと思います。また、じゃ上場したいということでシステム投資に対して余り力を入れないということでしたら、日本経済を担保に取りますから、もう一度心臓停止が起こるというリスクがあります。これはもう東証だけの問題じゃないと思います。  で、私は、提案ですが、もうこういった状況でしたら、国が資本を投入すると。もう銀行と同じですね。つまり、銀行も預金が引き出しに応じれなかったからデフォルト、公的管理です。東証は売りたい人、買いたい人がいたのにその機能を停止しておりますが。ですから、これはデフォルトですから、公的管理で資本を注入してガバナンス自身を変えていく、このことが必要じゃないかと私は思っています。特に、システムが古いと。古いのはシステムだけじゃないと私は思っております。組織、カルチャー、こういったものを一掃しないといけません。  私は、西室会長を非常に評価しています。非常に孤軍奮闘されておりますが、一人の力では非常に無理だと思います。やはりもういっそのこと、公的管理にしまして資本を投入して抜本的に変えていく、このことが日本資本市場の競争力を高めることじゃないかと考えております。  別の委員会で別の委員が指摘しておりますが、トーキョー・ストック・エクスチェンジ、TSE、これをトーキョー・ストップ・エクスチェンジとか、これはもう非常に恥ずかしいですね。また、知り合いたちはトーキョー・スチューピッド・エクスチェンジということで、非常に、余り賢くない取引所ということ、こういうことは国辱だと思っております。  もう国が入りまして、何とかシステム及び組織を変えていく必要があると思いますが、与謝野大臣、御意見を聞きたく思います。
  80. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 先生御指摘のように、東証も相当の覚悟を持ってやはり信頼回復のための投資をしなければならないと。これはまあシステムに対する投資もそうですし、また人材に対する投資もそうであると私は思っております。ただ、国が直接行って管理しろという仮に御意見であるとすれば、まだその段階には至ってはいないんではないかなと思います。  ただ、外部の意見をきちんと言わないと東証の改革が進まないということも考えられるわけでございまして、これは注文を付けたり苦情を言うということよりも、西室会長を始め、東証の心ある方々が東証をきちんとしたものにしようという、そういう今努力をされておりますので、そういうものに対して一般的な、社会的な意見はこうであるということを申し上げて、言わば東証改革の応援団をつくらなければならないと思っておりまして、今日、午前中発表いたしましたが、有識者にお集まりいただきまして、どこをどう改革していくのか、これについては来週早々、月曜日から第一回の会合をやりまして、東証をより良いものにするためのきちんとした皆さんの御意見を集約したいと思っております。
  81. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 先ほど御指摘ございましたように、イギリスのフィナンシャル・タイムズでは、大見出しで、トーキョー・ストップ・エクスチェンジと言われ、巷間ではスチューピッドとおっしゃる方もいらっしゃる。そしてまた金融担当大臣からは、取引ができない取引所は取引所ではないという、そういう御批評もございました。誠に恥ずかしいことでございますし、私どもはこれに全面的な責任があると思っています。これを直すことが東証そのものの責務だというふうに思っております。幸いにして、私自身もコンピューター及びそのサービスを営業品目の一つとしている会社の出身でございますので、コンピューターにつきましてはある程度の知識はございますが、それでは足りないんで、CIOを新しく入れ、そしてまたそれの周りでしっかりとそれを手伝う人も入れるということもやっております。  ちょっと御説明をさしていただきたいのは、財務の御心配でございます。東証は、バブル期から比べますと人員も約三分の一にしました。そして、必死の経営努力をやって、一応健全な経営ができるというところまでたどり着いておりますので、今の活況の下では明らかに大幅な黒字経営ができるという見通しが立っております。その基礎の上に立って考えれば、五百億の投資、これは三年間ということでございますので、この三年間の五百億の投資というのは、私どもが何とか工面をしながらでも、やれる範囲で、更にそれよりも多い金額であるとしても、それについてはカバーができるという確信を持っております。  資金の調達方法は、キャッシュフローだけでいえば、コンピューターはリースができます。そういうこともございますけれども、それに社債の発行も可能でございましょうし、そして銀行からの借入というのももちろんございます。私どもの能力の及ぶ限り、そして惜しみなく、五百億では足りなければもっと多い金額でもそれを調達し、そして前向きにやっていくという覚悟でございます。同時に、人員も完全に底をついているというふうに思っておりますので、人員につきましても、必要な人員は惜しみなく採用するということも考えたいと思っております。  なお、みずほ証券さんとの間のことについての御指摘がございましたが、本日現在、いまだにみずほ証券さんからは私どもに対しての賠償請求等の話は一切いただいておりません。  御承知のとおり、みずほ証券さんの数日前に発表されました三月期の決算発表では四百七億の損失を認識するという御発表があったようでございますが、それ以降、私どもの方には何の御請求もちょうだいしていないという状況でございます。  どうもありがとうございます。
  82. 大久保勉

    大久保勉君 西室会長の本当に誠実で、また力強い改革に対して評価いたします。是非とも東証を変えてください。これは東証のためだけではなくて、日本資本市場のために是非とも必要なことです。  最後に、東証の監理官が、いわゆる地方財務局、財務省の管轄している地方財務局に配置されております。東証監理官がちゃんと機能をしていたら東証のこういった問題をもう少し抑止したんじゃないかと、こういった意見もございます。  そこで、財務省に質問します。どうして財務省が東証監理官というポストを持っているのか。実は地方の財務省組織は財金分離がなされておりません。やはり資本市場は非常に複雑化しておりますから、専門性を実現するために財金分離をすべきじゃないかと私は考えております。  今、財金分離をしていないことがいろんな問題を引き起こしているということじゃないかと思いますが、この点に対しまして谷垣大臣の御所見を承りたく思います。
  83. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 今、大久保委員がおっしゃった、地方においては財金分離がなされていないんじゃないかと、そこに問題があるんじゃないかというのは大久保委員のかねてからの問題意識で、何度か御議論もさせていただいた記憶がございます。そのときの答弁と重なるかもしれませんが、こういう形になっておりますのは、今おっしゃった東証の監督官ですね、監理官ですね、こういったものが財務局の下にある体制になっている。これは、新たな地方支分部局を設けることが一つは行革の理念に照らしてどうかという問題。それからもう一つは、実務的な問題として、仮にその金融庁の地方支分部局を設けていくということになりますと、極めて小さい組織になって、人員の、職員の養成確保等の面でも弾力性が乏しくなるのではないかと。こういうようなことがございまして、既存の財務局を活用してやろうということになっているわけでございます。  他方、財務局による金融機関等の検査・監督については、金融庁にその指揮監督権限があるということを法定しております。財務省設置法でございますが、十三条二項にその旨を法定しまして、中央、地方を通じて金融庁が一元的に検査・監督の責任を負うということを明確にしているという体制になっておりまして、私はこういう体制でうまく機能をしているんではないかと、こういうふうに考えているところでございます。
  84. 大久保勉

    大久保勉君 うまく機能しているということでありますが、実際東証の監理官は今回何をされたんですか。もし、ここは通告しておりませんが、もし大臣の御意見がありましたら、聞きたく思います。
  85. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) ここは私どもの指揮監督系列に入っているわけではございませんので、私から御答弁するのは適切ではないと思います。
  86. 大久保勉

    大久保勉君 非常にこういった組織が複雑ということ自身が、その制度そのものがいろんな問題を解決できない、若しくは不正とかいろんな、不正を防げないと、こういった問題があると私は考えております。  実は、この問題に関しましては、証券監視委員会にも同様の問題がありますので、次に監視委員会質問に参ります。  監視委員会に関しましては、例えば米国のSECに比べまして十分の一の陣容だということが指摘されまして、つまり人数が少ないんだと、量的な問題だという指摘が多いです。ただ、私は、必要なのは量よりも質、質こそが重要であるということを今回質問したいと思います。  今日、前の質問与謝野大臣は、監視委員会には独立性、権限があるということでございました。また、認識としては、時間を掛けながらちゃんとやっていると、特に専門性、独立性が重要であると、私もそう思います。相当の期間、専門家にいてもらうような体制になっていると、私もそういうふうにすべきだと思っております。  じゃ、現実はどうかと、この点に質問いたします。  まず、独立性の観点に関しまして、監視委員会の人事権はだれにありますか。このことに関して大臣にお尋ねします。
  87. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 監視委員会金融庁設置法第六条に基づき設置されておりまして、この事務局の職員に対する人事権は国家公務員法第五十五条の規定により、金融庁の長である金融庁長官が有しておりますが、実際の人事作業に当たっては、金融庁の人事担当者監視委員会の人事担当者が十分に連絡調整をしているものと承知をしております。  御承知のように、監視委員会委員長及び委員については、衆参の同意を得て内閣総理大臣が任命することとされておりまして、また、さらには独立してその職権を行うこととされております。また、事務局長はその委員長の命を受けて局務を掌理することとされておりまして、このように委員長及び委員並びに事務局職員は金融庁から独立した業務を行うこととされております。
  88. 大久保勉

    大久保勉君 でも、簡潔に言いましたら金融庁の長官が人事権を持っているんですね。
  89. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) そのとおりでございます。
  90. 大久保勉

    大久保勉君 私はそこが問題だと思います。最終的な権限金融庁の長官にありましたら、どうして独立してるんですか。やはり、監視委員会に人事権を移すことが第一歩だと思います。是非、大臣の決断を期待したいと思います。  続きまして、質の問題に関しまして、じゃ、どの程度専門家が育っているのか。やはり証券業務、資本市場業務は極めて複雑な業務なんです。まあ五年、十年選手は普通で、長い人は三十年、四十年やっていると。そういう人がいろんなことを考えながら取引をしておりますから、取り締まる方も相当の経験は必要なはずなんです。  じゃ、配りました資料のこれは三の一というのを見てもらいたいと思います。  これは、監視委員会の職員の経験年数、まあ厳密に言いましたらその職場に何年いたかということであります。非常に厳密に書かれております。平均経験年数が二年五か月になっております。七年超に関しましては一〇%もいないというのが現状なんであります。大臣の方は相当の期間いてもらう必要があると、専門家に相当の期間いてもらう必要があるということで御指摘でありますが、こういった実態にないんです。また、監視委員会に関しては人事権がございませんから、ほかの省庁、例えば地方財務局、国税、税関、検察からの出向の方が多いと聞いています。約二年間のローテーションで来ているという実態が、平均年数二年五か月という実態であります。ですから、大臣のおっしゃっている理想像と現実は相当違っているということが実態なんです。ここは是非とも早急に改善すべきじゃないかと思っております。  じゃ、また、どの程度の仕事をしているか。いろんな指摘もございますが、一つの指標としましては、建議ということを申し上げますと、これは資料の三の二、監視委員会内閣総理大臣に対して建議することができます。これは建議です。ですから、いろんな捜査をする過程において新しい制度、法令をつくった方がいいということが出てきます。つまり、フィードバック機能ですから極めて重要な機能なんです。これが活用されているのか。  監視委員会は一九九二年にできておりますから、十四年経過しております。十四年で十件です。一年に一件もないんです。で、平成十七年は三件ということで、増えているように見えますが、詳しいことを見ましたら、これは実は二件だと私は考えてます。見せ玉というのに対して、投資家に対する建議及び証券会社に対する建議ですから、これは一つ考えますから、これは二件という換算もできます。極めて少ないというのが実態であります。こういった質の面を認識することがまず第一歩だと思います。  この点に対しまして、与謝野大臣の御意見若しくは御所見を是非とも聞きたいと思います。
  91. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 最初の点は、先生の御指摘は非常に急所をついておりまして、私どもとしては専門性の高い方、例えば弁護士、公認会計士等の方が相当期間この監視委員会の中にいていただいて、自らその実務経験というものを積んでいただくと同時に、後輩等の指導に当たっていただくということは大変重要なことだと思っておりますが、公務員の規則によって五年しかいることができないという問題点があります。それから、官を退職した方で専門性の高い知識を持っている方、この方を雇用することもまた年金制度等の関係で難しくなっている。しかし、我々は知識の蓄積、経験の蓄積というものが必要でございますから、先生の御発言趣旨に従っていろいろ努力をしてみたいと思っております。  それから、建議の数が少ないではないかということでございますが、十四年で十件というのはちょっと少ないではないかということでございますが、建議されたことにつきましてはきちんと金融庁の方もフォローをしておりますし、それぞれ極めて建設的な実務の中から出てきた大変重要な建議でございまして、建議の件数で物事を判断するということもありますけれども、建議された内容についても先生には是非御評価をいただければと思っております。
  92. 大久保勉

    大久保勉君 監視委員会に関しまして質を良くする、これは金融市場にとって極めて重要なことですから、全員が一致して具体策を考えるべきだと思っております。質を良くするために、やはり私は人事権を委員会に移す、また建議しやすくなるような環境も必要だと思います。現在は、委員会自身は、八条委員会ということもございまして、言わば金融庁の下部機関に近いような形になっております。それをより独立させると。例えば三条委員会にするとか、こういった制度改革こそが建議数を増やし、また専門家を育成し、さらに長期的にこの業務にコミットする人が増える、また働きやすいと、こういうことだと私は考えております。  私ども民主党の方も、是非日本SECをつくりまして、独立性を強化することが必要だと思っておりますし、是非、大臣の方もこのことを理解してもらいまして、与党、野党一緒に日本の競争力を高めていく、資本市場の競争力を高めていく、このことに是非コミットしてもらいたいと思います。もし何か御意見がございましたら。
  93. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) もう少し落ち着いた状況で議論をさせていただきたいと思っておりますし、私としては、現在の体制で十分な独立性も証券監視委員会には確保されておりますし、検査を行い、また処分を行う、これが分かれているということも重要な要素ではないかと思っておりまして、むしろ監視委員会ができましたときには、実はそういう思想でできたということも思い出していかなければならないことの一つだと思っております。
  94. 大久保勉

    大久保勉君 では、続きまして金融行政一般に関して質問いたします。  政府自身は、貯蓄から投資という掛け声がございますが、本当に金融行政がそのようになっているのか、この点に対して確認します。例えば、投資ということは、証券業務、資本市場業務が重要ということで、当然ながら資本市場を監視する人が増えているということで、調べましたところ、平成十年の大蔵省証券局の陣容が八十七名でした。ところが、平成十七年は、同じような仕事をしております金融庁の総務企画局市場課、企業開示課、そして監督局証券課の合計人数は七十五名です。本来はもっと人を増やすべきところが増えていない。もちろんこの数字に関して必ずしも比較はできませんが、少なくとも貯蓄から投資にしようということで人数が倍増はしていないという事実があると思います。このことに関して是非、大臣の御所見を聞きたく思います。  済みません。副大臣で結構です、ここは。
  95. 櫻田義孝

    ○副大臣櫻田義孝君) 市場に関する制度の企画立案及び監督体制の強化については、市場公正性の確保や投資家の保護の観点から、従前よりその強化を着実に進めてきたところでございます。  近年では、一つ目に、平成十七年度に総務企画局市場課の所掌事務のうち企業開示に関する業務を分離して企業開示課を設置したほか、二つ目には、投資サービス保護法等の検討体制の整備、市場課や為替証拠金取引業者に対する監督体制の整備等図るなど体制整備を着実に実施してきたところでございます。  さらに、十八年度予算案におきましても、国の行政機関の定員を五年間で五%以上削減させるという行政改革の重要方針を踏まえた厳しい定員情勢の中、金融庁全体で市場行政体制の強化で四十人の増員を図ることとしているところでございます。  また、機構面でも、市場課及び企業開示課の体制を市場業務担当参事官及び開示業務担当参事官の設置等により強化しているところでございます。  今後とも市場の公平性の確保及び投資家保護が適切に図れるよう、市場に関する制度の企画立案及び監督体制の整備に一層努めていきたいと考えております。
  96. 大久保勉

    大久保勉君 是非リーダーシップを持って実現をお願いします。  最後になりますが、MアンドAに関する法令として、堀江社長が、非常に面白いといいますか、面白い指摘がございます。報道によりますと、証券法は不備がある、その抜け穴をついて利益を上げる、そのことで結果的に抜け穴が埋められる、だれかが行動しないと直らないと、こういうことをおっしゃっています。正に証券取引法が抜け穴だらけと、こういうことに対して、是非ともこういったことを言わせないために積極的に法令を整備していく必要があるんじゃないかと私は考えています。  また、一月二十四日、毎日新聞の記事によりますと、ある検察幹部は、価値の全然違う会社を交換するアンバランスが投資家を軽視した行為であると。偽計の核心の一つだと。つまり、株価交換比率で不正ができる、不正をする余地があるということなんです。例えばA社とB社、価値が一対一というところを一対三にして交換して利益をつくる、こういったことができるわけです。  じゃ、それを止めるためには、第三者の評価機関がこの交換比率は適切であるかということを宣言すると、こういう制度がございます。これは、具体的に御提案したいのは、独立した第三者による統合比率算定書、業界ではフェアネスオピニオンと言われております。つまり、フェアネスオピニオンを取得しないと合併ができませんと。もちろん、これは上場企業同士、若しくは上場企業と非上場同士、こういった制度を導入することが抜け穴を防ぐことじゃないかと私は考えております。  証取法改正してこういった制度を導入することを御提案したいと思いますが、このことに関しまして櫻田大臣に御答弁をお願いします。
  97. 櫻田義孝

    ○副大臣櫻田義孝君) 上場会社等が株式交換を通じて組織再編を行う際には、商法上の手続に加えて、証券取引所におけるタイムリーディスクロージャーや証券取引法上の開示制度を通じて契約の内容や相手会社の内容等についての情報の開示が義務付けられているところでございます。  とりわけ、証券取引所におけるタイムリーディスクロージャーにおきましては、株式交換比率の算定根拠についての開示が義務付けられており、上場会社が他の上場会社完全子会社とする場合におきましては、御指摘の第三者による算定書の取得を求めているものと承知しているところでございます。  上場会社等の組織再編の局面におきましても、会社法上のルールと相まって、株主、投資者に十分な情報が提供されることが重要である。このため、必要があらば一層の開示の充実を図っていきたいと考えておりますが、一方で企業の円滑な組織再編が阻害されないよう留意する必要があり、第三者による算定書の取得を一律に義務付けることについてはなお十分慎重に検討していくことが必要ではないかと考えております。
  98. 大久保勉

    大久保勉君 これで終わります。
  99. 荒木清寛

    荒木清寛君 それでは、私もライブドア問題を中心にお尋ねいたします。  まず、与謝野金融担当大臣にお尋ねいたしますが、今回のライブドア事件につきましては、構造改革の影の部分であるという側面はあろうかと思います。そこで、今回の事件を通しまして一連の規制緩和あるいは撤廃が行き過ぎだったんではないかという指摘も一部にありますが、この点は大臣としてどういう見解をお持ちですか。
  100. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) いつの世の中にも悪いことをする人は出てくるわけでございまして、あらかじめすべての犯罪に対して法律を用意するということは多分できないんだろうと思っております。  最近は証券取引あるいは株の取引手口等はもう非常に複雑になってきておりまして、実に想像も付かなかったようなことが起きております。これは、規制緩和ということは、やはり市場を活性化するとかあるいは資金調達を容易にするとか、プラスの面が非常にあったことは事実だろうと私は思いますし、そういう反面、法のすき間をついてくる人もまた出てきてしまったと。そういう面では非常に残念であると思っております。
  101. 荒木清寛

    荒木清寛君 私も事前規制から事後監督へと、この流れを戻してはいけないというふうに考えますので、したがって今回の事件でもその事後監督がきちんとできていたのかどうかという検証が必要だと思います。その上で、証券取引監視委員会在り方、あるいは日本SECが必要なのかどうかということについても議論をしなければいけないと思います。  そこで、監視委員会の事務局の方に一つお尋ねいたしますが、今回のライブドア事件の解明につきましては検察主導で進められたことから証券取引監視委員会の機能が十分に発揮できなかったのではないかという指摘があります。マスコミの論調はそのようになっていると思います。この点、こういう指摘について委員会としてはどう認識をしているのか。  特に一つだけお尋ねしたいのは、今回のこの犯則事件の端緒は東京地検がつかんだのか、それとも監視委員会の方でこの端緒をつかんだのか、その点だけ教えていただけますか。
  102. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) これは何回も申し上げたことで繰り返しになって申し訳ないんですが、監視委員会委員長と私の関係は極めて疎遠でございまして、私が就任したとき、あるいは年始のあいさつ等ぐらいしかお目に掛からない。監視委員会がやっている内容については一切報告も受けないし、また私も質問をしないと。こういう節度ある関係を保っておりますが、一月二十六日に高橋監視委員長はわざわざ私の部屋までお見えになりまして、何か証券監視委員会が全く今回働いてなかったみたいに世間で言われているので、その誤解だけは解いてほしいと、こういうことをおっしゃいました。  そこで私は、それでは、事件の内容については私は知りたくはないと思うけれども、どの程度の働きをしたのかということを説明するために幾つかのことを教えてくださいと。  一つは、先般の一月十六日の家宅捜索、監視委員会は参加されたんでしょうかと申しましたら、特別調査課は百人の人間がいるけれども、ほとんどの人が出払って家宅捜索を行ったと。具体的な数字はおっしゃっていませんでした。それから、当該案件についてちゃんとずっと長い間監視してきたのかと言いましたら、一枚の表を見してくださいました。私は中身は見ませんでしたが、相当の件数を監視していたと。監視の始まりは平成十五年であったということだけは私は教えていただきましたから、監視委員会は監視というその役目を果たしていたと私は考えております。  端緒につきましては、どちらが見付けたかということはお伺いできませんでしたし、地検も監視委員会もそのことについては恐らく明らかにしないと思いますけれども、いつごろから犯罪として切り取れるかということをお分かりになったんですかと言いましたら、昨年の秋ごろということだけは申し上げておきますと。切り取れるという判断が東京地検、監視委員会、両者合意した後は共同で、なお協力しながら案件の処理を行っていますと、こういうことですから、きちんとした監視の積み重ね、調査の積み重ねということをやってきたことは今回の事件解明に大いに役立っていると私は思っております。
  103. 荒木清寛

    荒木清寛君 ライブドアを捜索をするときに、そうであれば証券取引監視委員会というそういう腕章でも付けてやっておれば、もう少し報道ぶりも変わったのではないかと思うんですけれども。  そこで、それにしましても偽計取引は二〇〇四年の十月、風説流布は同年の十一月ですから、まあ二年たって一月にそういう意味での捜査、捜査といいますか強制捜査の着手になったわけですね。今の大臣お話でも、端緒をつかんだのは昨年の秋ころだということでありまして、やっぱりちょっといかにも時間が掛かり過ぎるんではないかと思うんですね。要するに、もっと早く摘発ができれば一般投資家の被害ももう少し軽微で済んだわけですし、そういう意味で、証券取引監視委員会まあ十分に頑張っておられるというふうに私は確信をいたしますが、やはり体制の不備といいますか不十分さは、このことだけ見てもやはり否めないというふうに私は思うんですが、そういう反省といいますか、分析の上に立って監視委員会の改革に取り組むべきではないですか。
  104. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 監視委員会は、私は、人数が少ない割には証券市場で行われる膨大な取引をよく見張っていると私は思っております。これは、日々行われる取引の中にも、やはりインサイダー取引等も過去あったわけでございまして、なぜこんな小さいインサイダー取引、例えば百何十万円もうかったインサイダー取引もちゃんと摘発しているということで、相当細かいところまで目が行っているということは、私はそう信頼をしております。  なぜもっと早い段階で事件にしなかったのかと、これはなかなか難しい御質問でございまして、何かあるな、あるなと思っても、やはり例えば強制捜査をするための疎明資料というものも必要ですし、他人の人権もあるわけですから、捜査、調査は慎重にやらざるを得ないと、この点も是非御理解をしていただきたいと思っております。
  105. 荒木清寛

    荒木清寛君 今日は東京証券取引所西室会長社長にもお越しいただいておりますので、この株式分割の点についてお尋ねをいたします。  官から民へということは、この秩序の維持ということにつきましても政府が全部やるということではなくて、民間もその相応の責任を果たすべきだということだと思うんです。それができないんだったら、もう結局国が全部規制をしろということに戻ってしまうわけです。そういう意味では、この証券取引につきましても、この市場の自己規律といいますか、自己統治がきちんとできるということが非常に大事だと思うんですね。  それで、今回の事件になった背景には、大幅な株式分割が適切に規制されることなく放任されたという点があるように思われます。本来、株価に影響を与えないはずの株式分割が株価に極めて大きな影響を与えるということが明らかになった時点で適切な措置を講ずるべきではなかったかと考えます。  現に、東京証券取引所におきましては、二〇〇三年の夏ごろこの問題点に気付いていたんではないかという指摘もあるんですね。要するに、この年の六月にエッジ、旧、今のライブドアですか、これが十分割を行い、九月にはインボイスという会社が二十一分割を行い、この辺でこういう大幅な、この時期にもう既に大幅な株式分割についての弊害といいますか問題点を認識していたという、まあそういう報道もあるわけですね。  しかし、実際にこの東証の方で自粛要請をされたのは去年の三月ですから、これがそういう問題点を専門家が、もう我々は後知恵でしか言えないわけですけど、しかし東証にはそういう専門家がいて気付いていたんではないか、もっと十分迅速な対応ができなかったのかということを思うわけでございますが、そういう意味での反省というのはございますか。
  106. 西室泰三

    参考人西室泰三君) まず、市場売買の監視について一言御説明させていただきます。  私どもには売買監視をする部門がございます。そして、そこで常にデイリーの、今起こっている売買がどういう状況かというのをコンピューターをにらんでばかりいるのが約十名以上、これがしっかりと監視をいたしておりまして、その中で異常な状態というのが、大体年間で、これは昨年度では一万四千以上ありました。それについて全部しっかりと、一体これはどういう背景があって、御注文はどこから出てどうつながったか、それを証券会社に聞き、そしてまた直接のところまでやると、調べるということをデイリーにやっております。その中で怪しげだというのを、これを証券取引監視委員会に私どもの方からアピールをさしていただくと、こういう仕組みで、デイリーのウオッチドッグは私どもがやらしていただくと。三百三十ぐらいが、一万四千の中から、これは怪しくはございませんでしょうかということで証券取引監視委員会の方にアピールさしていただいて、それでそれを証券取引監視委員会がしっかりと精査されて、それで年間七十数件、それは摘発をしっかりされていると、そういう仕組みになっております。  それで、その市場の監視そのものをやっているだけではなくて、実はこの前の十二月の八日の事件でございますけれども、みずほ証券さんのあの大量の誤発注が止められなかったと。止める権限がなかったというのが実は残念なところでございますんで、この売買監視の部門に今回は売買監理統括責任者というのを置くことにいたしました。売買監理統括責任者は、取引の異常を察知した場合、例えばみずほのケースのようなことですね、その場合にはそこで取引の中断をすることができるという権限を付与いたしました。この権限そのものは基本的には社長が持っている権限のはずなんですが、それを付与するという決心をいたしまして、それでその売買統括責任者、これが常時そこにいると、いない場合には第二、第三の代わりの責任者がいるということになります。そういう体制を取らせていただきました。それで、責任はもちろん私のところへ戻ってくるわけでございます、社長として。  それで、今の分割のお話でございますが、御指摘のとおり二〇〇三年に十分割、二十一分割、始まりました。一番大きいのはやっぱり百分割をやった当時オン・ザ・エッヂと言われていたライブドアでございます。それが起こりましたのが一月の初め。それで、東京証券取引所は一月の十六日に全部の証券会社に対して大幅な株式分割銘柄の売買注文受諾等における対応についてという文書を発行いたしました。この文書で何を言っているかというと、大幅な株式分割というのは市場取引をゆがめるし、しかもそのときの状況では一時的な株の高騰もあるから、それについては遠慮をしてほしいよというのを証券会社に申し上げるのと同時に、はっきりそれを文書で出しています。それから、ホームページでは、一般投資家に対して、こういう大幅な分割があった場合には市場における株価形成がゆがんでしまいます。これは、それは株式の発行の時期との、五十日ぐらい掛かる印刷の問題がございますので、そういうことがあるんで、異常な株価形成がなされるから、これは十分ウオッチをしていただきたいというのをホームページでも二〇〇四年の一月に出さしていただいております。残念ながらマスコミでも全く取り上げていただけなかった。そして、あたかもそれが正当化のごとく何回も、もう一回また百分割やっていますね、それ以外のところも分割をやるという状況が続いておりました。  そこで、二〇〇四年の三月、これは証券取引監視委員会とも御相談の上で、東証としては株式の大幅分割につきましては五分割以上の場合には遠慮をしてもらいたい、そして事前に必ず相談をもらいたいということを通知をいたしまして、それを公表さしていただいて、それ以来大幅な株式分割は起こっていないということでございます。  したがいまして、御指摘の件につきましては、東京証券取引所は、一応私どもとしてはできる限りのことをやらしていただいていたということでございます。ただし、これが起こってしまったことにつきましては、誠に残念だと申し上げる以外仕方がないと思います。
  107. 荒木清寛

    荒木清寛君 今の分割自粛の要請は、二〇〇五年の三月ですね。
  108. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 二〇〇五年の三月です。失礼しました。
  109. 荒木清寛

    荒木清寛君 私は、やはりそういう意味での市場のこの自主的な規制というのは極めて大事だと思うんですね。ただ、大臣にお尋ねしますが、今回の大幅な株式分割については法的規制も必要ではないかという声もありますが、この点はどうお考えですか。
  110. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 株式分割というのは、まあ株の流動性を高めるという観点から認められたということでございまして、それ自体は悪い制度ではなかったと私は思っております。  そこで、今の現状を見ますと、今、西室会長が御答弁になりましたように、東証からの五株以上の分割は自粛してほしいという要請を各上場会社にされ、それがきちんと守られておりますから、法によってそういうことをすることが適当なのかどうかというのは本当に、また必要なのかどうかというのはもう少し検討をさせていただきたいと思っております。  また、分割、百分割というのは、そのねらいは印刷が遅れて株券が少なくなってその間に株が上がるという、まあそのことをねらった分割でございますが、実際は権利が確定いたしますと、そのこと自体取引が成立するということもやっておりますから、分割による弊害というのは、分割数を自粛させる、あるいは印刷が間に合わなくともみなしで取引をさせるということで、全部とは言いませんが、おおむね除去されたんではないかと思っております。
  111. 荒木清寛

    荒木清寛君 次に、証取法の規制の強化についてお尋ねいたします。  先ほど来議論になっておりますが、この分野ではもう必ず法の抜け道をついてお金をもうけようという者が出てきますから、やはりこの包括規定を適切に運用することが必要であると思いますし、先ほど大臣も、今の証券取引法百五十七条を積極的に活用するという趣旨発言がありましたことは全面的に支持をいたします。  そこでもう一点、やはり罰則の強化ですね。例のアメリカのエンロンやワールドコムですか、あるいは六十代の経営者が懲役二十年だとか、そういうことになっているわけでありまして、非常に割の合わないということが明確になるわけです。  今回は、偽計取引にしましても風説流布にしましても、まあこの罪だけですと五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金でありまして、いかにもこれはもう軽過ぎることが明確でありまして、早急にこの罰則の見直し強化を提案をしていただきたいのですが、どうでしょうか。
  112. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 日本の刑罰というと、すぐ他の罪種との横並びとか刑の均衡とかという議論になります。今は五年ですけれども、これを十年にするということは、十年の刑というのはまあ伝統的な刑罰の年限としては自然犯に適用される年限でございまして、そういう意味では十年というのは長過ぎると。十年というのは自然犯に適用される刑期だというまあ伝統的な考え方が実は一方では存在していたわけでございますが、自由民主党の中の議論を聞いておりますと、やはり十年ぐらいにしてもいいんではないかと、そういう意見が非常に強い。また、自民党の中の小委員会、勉強している中での結論もやはり刑期は長くした方がいいということで、私どもとしては既に法務省と刑期を長くする場合はどのぐらいなのかということを含めまして検討をもう既に始めておりますから、どちらかといえば刑罰を重くする方向で今検討が進んでおります。これに対して内閣法制局がどう物を言うかとか、まあいろいろまだ考えなきゃいけないことありますが、今先生お話しになったように長くする方向で検討を始めたと、そういう段階でございます。
  113. 荒木清寛

    荒木清寛君 最後に、監査法人改革についてお尋ねいたします。  今回の摘発をされた案件でも、自社株を売却した利益が本来は貸借対照表の資本剰余金のところに計上されるべきが損益計算書の売上げに計上されてしまっていたと、こういうことが専門家である公認会計士がなぜ見抜けなかったのかというふうに思います。そういう意味では、この監査法人の監査が適切に行われるような改革は是非検討しなければいけないと思いますが、大臣、最後にお伺いします。
  114. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 監査をする人をまた監査しなきゃいけないというのは情けないことだろうと思いますけれども、実際は、監査法人がかかわった不正あるいは粉飾というものも実際は存在するわけでして、監査法人あるいは公認会計士、こういう方々が職務に忠実に行動していただけるように我々もきちんと見ていかなければなりませんし、法として足りないところがあればこれは整備していかなければならないと思っております。  ただ、一般的には、公認会計士の国家資格を持った監査人の方々は善良な方々の集団であるということを前提に物を考えたいものだなというふうに私は思っております。
  115. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 自由民主党の田村耕太郎です。  健全な資本市場の育成、そのために不可欠である投資家の保護、救済、この観点に絞って幾つか提言と質問をさせていただきます。  資本市場の大切さというのはここにいらっしゃる皆さんに申し上げるまでもないことでありまして、これからの日本の経済だけじゃなくて社会の命運が資本市場に懸かっていると言っても過言ではないと思います。その中で、この事件を契機に、株はギャンブルだとか、ITは全部怪しいとか、株価至上主義はおかしいとか、そういう議論が行われまして、非常に残念な思いがしております。やっぱりこういう議論を正確に押し返していくということも国会の大切な役割だと思っています。株価至上主義がおかしいんじゃなくて、神聖な株価をねじ曲げたことが許されないことだと思うんですね。IT企業でもやっぱり地道にしっかりと社会に価値をつくりながらつつましい生活をされている経営者の方だってたくさんいらっしゃると思います。株というのは、資本市場というのは皆さんの年金や貯金や保険と無関係ではありませんし、様々な形で経済に関連をしておりますんで、正確な議論で育成していくということが不可欠であると思います。  その中で幾つか思うことがあるんですけど、まず、この中でたくさん議論が出ましたけど、事後チェック事後チェックと言われていますけど、事後チェックも非常に有効だと思うんですね。今言われた罰則の強化も大変大切なことだと思うんです。ただ、やっぱり、事前チェックということもやはりこういう事件を契機に再び強化していかねばならないんじゃないかと私は思うわけです。  事後チェックというのは、やってばれればひどい目に遭うということですね、簡単に言えば。しかし、ライブドアの経営陣のように、やってもばれなければ、九九・九%はばれないんだよと思っていた方にはなかなか利かない。やれば必ず見付かるんだよという体制をつくることが金融庁さん、東証さんの大きな役割だと思っています。そういう意味で、とにかくチェックを頻繁にしていく、これを金融庁さんと東証さんで役割分担をしてしっかりやっていただきたい。そのために幾つか提言を申し上げたいと思っております。  今回の事件、よく抜け穴をついた抜け穴をついたと言われていますけど、私は、報道されていることが事実だとすれば、抜け穴じゃなくて正々堂々たるもう法律違反だと思うんですね。違法ではないんだと、違法、まあ何というんですかね、抜け穴をついたとか脱法的であるというんじゃなくて明確な違反行為だと思うんです、報道されていることが、どんどん出てきますけど、事実だとしたらですね。  そういうことで、幾つか観点があるんですけど、まず監視体制ですね。今朝からずっと議論になっています。この問題を過熱的に扱って、何というんですかね、過激な議論をすることはやっぱりクールダウンして冷静な議論が必要だという大臣の見解があったんですけど、そのとおりだと思うんですね。ただ、私たち、私もそうなんですけど、自民党の中で幾つかの委員会、企業会計小委員会ですとか企業統治委員会、この中でも日本SECの議論を行ってきたんですけど、ライブドアのずっと前から行っているわけですね。政調会長でいらっしゃったころから御存じだと思うんですけど。カネボウの事件もありました。コクドの事件もありました。その前からずっと怪しいと言われているんですね。  例えば、カネボウの事件なんか、あれ化粧品会社ですけど、決算まで化粧してあるということは、非常に有名なことが言われていたのが、昔からもうマーケットのプロは知っていたわけです。しかし、それがずっと放置されていたわけですね。ライブドアも非常にひどいケースですけど、もっとひどいと言われているケースがまだ放置されているわけですね。例えば、実名を挙げることはできませんけど、ある外資系証券会社による債券銘柄を通じての株価操作疑惑ですとか、もっと言えば、あるオンライン証券が、担保価値をゼロにする直前のタイミングでの外資系証券会社売買動向ですとか、非常に怪しい部分がまだまだあるわけですね。こういうものをやはり迅速に、昔から言われている議論として、ずっと続けている議論としてやっていかねばならない。そういうことで、結構私は冷静に日本SECのことをちょっと言わせていただきたいと思います。  独立性の議論が言われています。確かに今でも独立していると言えると思うんですね。検事でいらっしゃった方がまあ非常に情報を遮断してやられていると。  ただ、いろんな意味の独立があると思うんですね。やっぱり、証券市場のルールを設定されている部門と、業者監督をされている部門、そして市場取引だけを、市場取引の監視をされている部門、これが今二つが金融庁の中にあって、一つ監視委員会ということで分かれているわけですね。やはり一つは、その三つをやっぱりまとめていくという作業が有効ではないかと思われます。  また、イギリス型にするかアメリカ型にするかという議論があるんですけど、御案内のとおり、会社法、この前の国会で大幅にアメリカ型の会社法にかじを切ったと私は思うんです。あの議論に参加しました。で、証券取引法というのは、アメリカの三四年法、あれを日本なりにしっかり移して、投資家保護というのを一貫した思想として書かれたすばらしい法律だと思うんですね。やっぱりアメリカ法体系に、会社法、そして上場企業を取り締まる証券取引法、これも書かれているとしたら、やはり監視体制もアメリカ型がいいんじゃないかと一つ思うわけです。  そして、もう一つ、独立という意味は独立採算ということが考えられるわけです。  アメリカSECというのは結構、もう大臣も御案内のとおり、独立採算になっているわけですね。で、今矛盾すると言われている議論で、小さな政府をつくるというのにこんな焼け太りみたいなものを事件があったから認めていいのかという議論があるんですけど、例えばアメリカSEC、二〇〇四年で人件費その他経費で七億六千万ドル掛かっていますけど、手数料収入、証券登録手数料と証券取引手数料で十三億七千万ドル、大体経費の倍ぐらい収入でもうかっている。で、独立採算、こういうふうに手数料収入でやっていくということが可能になっていけば、日本もですね、大臣が言われていましたマーケットのプロを雇ってくる、出戻りを認める、こういうこともできるようになるわけです。今マーケットのプロを雇ってきたら、もう来年から住民税も払えないということになってしまいますね。  また、例えば、これ金融庁方々とも非公式な勉強会でも話していたんですけど、今やり手と言われている元中央省庁出身の投資顧問業をやられている方、ああいう方なんか引っ張ってきたらどうかとか、まあ本当のプロですね。一つ一つ取引を見ていくことも大切なんですけど、一連の取引の中でこの経済行為目的は何なのか、これを見抜くような、本当に自分でも近いことをやってきたというようなことがある方ですね、そういう方を雇うためにも、やっぱり役所から離れて独立採算でやれば公務員法の、まあいろんな年金問題も含めた、待遇問題も解決できますんで、もう独立させて、独立採算でやっていく。そして、もうルール設定、業者監督、市場取引監視、ここまでやっていく。そういう組織にしたらどうかと思うんですけど、その辺りいかがですか。
  116. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 実はもう大変難しい御質問で、何から何までお答えできるか分かりませんが、日本の憲法は「行政権は、内閣に属する。」と書いてありまして、政府が持っている行政権というのは実はすべて内閣に理論的には属しているわけです。それでは検察庁が持っている検察権というのはどうなのかといえば、これは全く内閣には関係ない、実際上は。理論的にはそういうことなんですが、実際は独立して職務を行っている。そういうことで、きちんとその独立性を担保されているわけです。  じゃ、その隣に法務省がいるじゃないかと、そこに同居しているというのは独立性を害しているのかというと、そんなことはなくて、やはり、例えば検察庁の例を取れば、法務省の外局でありますけれども、長い歴史の中で完全な独立性を維持しているという組織であると思います。また、法務省と検察庁の間では人事交流はありますけれども、それでもなおかつ独立性を有していると、そういうこともあるわけでございます。  で、今のお話ですと、まあほとんど民間に委託しろというお話に近い話で、権力行使を民間に委託するということは多分好ましいことではないんで、やはり国の機関として監視委員会は存在をしなければならない。  それからもう一つは、何か課徴金等で稼いだらどうかという話ですけれども、期末になってちょっと金が足りないから何か取締りをしようかなんということでは、まあ冗談半分ですけれども、そういうことでは困るんで、やっぱり監視委員会は淡々と法律とそれからいろいろな資料、証拠に基づいて行動していただくと、そういう極めて冷厳な独立性を持った組織としてやっていただくことがいいのだと私は思っております。
  117. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 まあいろんな法技術論的な問題もありますし、おっしゃる問題もあるとは思いますけれども、やはり証券市場資本市場を健全に育成する、そして投資家と一部のプロ、まあ今やっぱり仕手筋とか仕手銘柄なんか放置されているわけですね。  で、大きなポジションを持って一瞬にして株価操作に近いような取引ができるようなところと、まだこれから育成していかなきゃいけない個人投資家、力量の差、情報量の差、物すごいわけですね。そういう方々をとにかく保護する、守っていく、そういう思いを強く持っていただいて、そのためにどういう壁が乗り越えられるのか、どういう組織が必要なのか、それをしっかり、まあこれを機にさらにやる気になっておられるとは思うんですけれども、是非そういう観点から、独立性の議論も含めて、しっかりやっていただきたいと思います。  同じことが東証さんに言えまして、私、西室会長社長になられてから大分東証は変わったと思うんですね。前の方がいい悪いということではなくて、変わったというのは本当に事実です。ですから、本当に、さっき孤軍奮闘という話がありましたけれども、幹部よりもっと下の方にはなかなか一緒になってやっていこうという方が何名かいらっしゃるそうですから、是非一緒になって改革を進めていただきたいと思うんですけれども。  私、東証さんに、まあ西室会長はもう電機の大きな総合家電メーカーの出身でいらっしゃいますから顧客志向というのをしっかり持たれて経営もされてきたと思うんですけれども、一番足らなかったのは、だれがお客さんであるかという概念ですね。それが全くなかったと思うんですよ。だれがお客さんであるかということはもう論をまたないんでありまして、これは投資家であり、上場企業であり、上場企業予備軍であるわけですね。その人たちのために最善のサービスを提供する。そういう考えがあれば、ジェイコムの事件も今回の事件も起こらなかったと思うんですね。ですから、だれのためにあるのかということをしっかり考えていただきたいと思うんですよ。  で、そういう中で、さっき言いました事前チェックですね。僕は東証の役割というのは大きいと思うんです。だから、東証というのは何かといえば、もうデパートみたいなもんですよね。商品を仕入れてきて、市場として場所を開いてそれを売っているわけです。デパートとかスーパーは何しているかというと、必ず仕入れた物を検品しているわけです。一度仕入れたらもう知らないということじゃないわけですね。二千三百社今ありますよね、上場企業、二千三百数社ありますね。ちょっと例えは悪いですけれども、腐った物を売っていたわけですよ、幾つか。カネボウもそうです、コクドもそうです。今回のライブドアだってそうなわけですね。腐ったものを売っていたら、じゃそれ今度から仕入れませんというだけでは普通のデパートやスーパーじゃ許されないと思うんですね。やっぱり検品体制をチェックするとか、もっと言えばお金を払って返品するとか、メーカーでいえばリコールですとか、買戻しですね、そういうことをやられるのが筋だと思うわけですね。  ということで、私は東証さんには検品機能を更に強く持っていただきたいと思うんです。これ自民党の委員会でも何度も提案させていただきました。前の鶴島さんにも提案させていただきました。私は是非ローリング審査やっていただきたいと思うんです。これはアナウンス効果だけでも非常に大きいと思います。二千三百社を全部やる必要ないんです。毎年抜き打ちで十社やりますと、そしてその監査されている法人とは別の監査法人にやらせますと。これ余り金掛からないんですよ。例えば、もうベテランの、らつ腕の公認会計士一人雇ってくる、大体年俸一億ぐらいですね。で、若手のばりばりの人間、これ福利厚生含めて一人二千万ぐらいです、それを十人。合わせて三億円ぐらいなんです、年間。これぐらい私は余裕はあると思うんですよ。  そういう体制をつくって、私は、ローリングで検品をやられたら非常に引き締まって、やっても見付からなきゃいいだろうと、でもやったら必ず見付かるかもしれない、そう思わせるようにインセンティブも変えれると思うんですよ。是非これやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
  118. 西室泰三

    参考人西室泰三君) まず、東証を変えなければいけないということで私どもがいろいろやっていることにつきまして、非常に高い御評価をいただきまして大変ありがとうございます。  ただ、私一人がやっていることでは全くございません。私は、言わばきっかけづくりをやっているということでありまして、今、東証の経営陣もそして従業員も本気になって変えていこうと、そういうふうに動いております。是非ともそれをしっかり見守っていただきたいというふうに思います。  それで、先ほどの品質管理、検品制度の件でございますけれども、現在私どもがやっております品質管理は、まず上場に当たっての上場審査というのがございます。この上場審査、例えばライブドアをどうしてマザーズに入れたんだ、マザーズが甘過ぎるというふうなお話もございますけれども、現実問題としては、一部、二部、マザーズを含めて東証の上場審査というのは、残念ながら、時間も掛かるし厳し過ぎるという定評をいただいているということは、むしろ私どもは、時間の点ではもっと改善する余地はあるかもしれないけれども、この品質を下げるという意図を全く持たずにしっかりとやっていくことを続けさせていただきたいというふうに思っております。  それから、上場後の取引につきましては、取引売買審査、この部分におきまして、先ほども御説明いたしましたように、しっかりと人員を充て、責任も持たせ、権限も持たせて、そしてそれを管理していくということを続けております。まあ相場操縦的な動きについては即刻それをアピールする、処置をとるということもやらせていただいております。  それから、参加しておられる証券会社さん、取引参加者でございますけれども、そちらにつきましては、考査と称しまして、私どもの方から言わば監査を、直接それぞれの会社に出向いて、全社を毎年やるというわけではございませんけれども、年に十社以上を少なくともやらせていただいているという仕組みもございます。  抜けておりますのは、既に上場したところの経営内容及び経営方針、そういうものについてでございますが、私どもといたしましては、現状では上場審査の後で経営がどうなったかということについての審査は全く行っていないのは御指摘のとおりでございます。  これを果たしてやるべきかどうかにつきましては、これから先、今の有り難い御意見もなお参考にさせていただきながら、しっかりと証券業協会あるいは金融庁さん、証券取引監視委員会さん、いろいろ相談をさせていただきながら、結論を出させていただきたいというふうに思っております。  どうもいろいろありがとうございます。
  119. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 是非やっていただきたいと思うんですね。そのために、例えば時価総額に応じて各上場企業から積立金みたいなのを集めてもいいと思うんですよ。三億円、まあ何億円かはいろんな議論があると思いますけれども、効果は私は大きいと思います。是非やっていただきたいと思います。  もう一つですね、通常ではない取引に対して調査に入れるという話があったんですけれども、それもタイムリーにディスクローズしていただきたいと思うんですね。  例えば、済みません、ちょっとだけ。もういいでしょうか。  今回も百分割、ライブドアがした瞬間がありますよね。あの前後でもできたと思うんです。ジェイコムの問題でいえば、誤発注があった時点で取引停止すべきであったというのは、もう言うまでもありませんね、やはり投資家の保護ということを周知徹底、そして骨身にしみて行動されていましたら。これ、必要なことだと思うんですね。  そうすると、必ず起こる反論が、そんなことしたら株価に影響を与えちゃうじゃないですかという話があるわけです。株価に影響を与えたらそれこそ問題ですよと。しかし、私はそれよりも、ねじ曲がった疑いの強い株価を放置する方が私は損害が大きいと思うんですね。ねじ曲がった疑いがあって、後で疑いが晴れれば、私は株価は戻ると思うんです。ですから、ある意味、その疑わしい取引をしたところには時価総額が下がるというペナルティーもタイムリーに与えられるわけです。  ですから、通常ではない取引が行われた可能性が高いのでこれから調査に入りますということを全投資家に分かるような形で迅速に伝える、そういう体制を是非つくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  120. 池口修次

    委員長池口修次君) 櫻田内閣府副大臣──どちら。  西室参考人
  121. 西室泰三

    参考人西室泰三君) どうもありがとうございます。申し訳ございません。  誠に有り難い御意見をちょうだいしたと思っておりますけれども、非常に難しいことを要求されているなということが実感でございます。  私ども、先ほど申し上げましたように、上場監視をしているところでは、年間で一万四千ぐらいのものがこれは怪しくはないかと、それから、それをしっかりと調べながら、怪しいところはどうだというのをやります。これは取引そのものについて相場操縦その他があってはいけないということでやるわけですが、相当多分時間的にたたないと、調査の上で怪しいというのが本当に怪しいかどうかって分からないんですよね。そうなりますと、即時に怪しいよというフラッグを立てるということが後になって東証の責任に全部降りかぶってくるとすれば、フラッグは立てられない。  今、フラッグは個別の上場会社あるいは証券会社に対してしっかりと立てさせていただいております。公表はいたしません、本当に怪しくなるまで。そして、公表するのは私どもは原則的には証券取引監視委員会にやっていただくと。これは貫かざるを得ないと思います。  ただし、もう一つは、実は経営的に今までと違った状態が起こったのではないかということについての調査も、実は個別にはやらせていただいております。個別にやりましたそれぞれの会社に対してお願いをして、内容について開示をいつまでにしてくれ、早くしてくれということを相当程度やらせていただいておりますが、これは、私どもとしてはやはり表から堂々とということではなく、それぞれの会社の開示義務というものを私どもとしては課しているわけですから、開示義務に沿ってしっかりと開示をしてくれということをやらせていただいております。  現状では物足りないという部分もございますけれども、まあ未熟な状態での発表ということが相場に、あるいは市場に対して大きな影響を持つということを考えますと、極めて難しいところにその御指摘があったなというふうに思っております。よく勉強させていただきたいと思います。
  122. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 金融庁さんではありませんでした。東証に対してでしたので、失礼しました。  未熟な状態での発表が多大な影響を与える可能性があるということなんですけれども、もう既にその逆の問題が起きているんですよね。例えば、有名な話でしたら、株式分割で株価が急騰した時代がありましたよね。これからはそういうことはありにくいと思うんですけれども、よく需給が逼迫しているからだという議論がありましたけれども、あれ、完全に風説流布だったと思うんですね。株式分割祭りというのがもうブログや掲示板で回っていまして、もうとにかくまだ未熟な個人投資家方々株式分割の意義とか意味を知らない方々がもうあおられて買っていた。  今でもたくさん、何というんですかね、例えば先日はマザーズの方がある週刊誌の情報によりまして大変な乱高下をした事件がありました。ある特定の銘柄ですね。IT銘柄で、ここもやられるんじゃないかみたいな情報で、それと同じような仕事をされている全く関係のない、名前も出てない会社の株まで下がるというようなことまであったわけですね。東証さんがある意味不作為だと思うんですよ。そういう正確な情報を、訴えられたらどうするんだと。投資家の保護よりも自分たちの訴訟リスクの方を恐れてそういう情報を出されないから、だから私、投資家保護とか顧客志向がまだ足らないと思うわけですね。  それと、それはもう証券取引法の解釈によるわけですね。私は、日本証券取引法というのは、さっきの議論に出ていましたけれども、包括的で大変良くできていると思うんですね。百五十七条、百六十六条、不正行為とインサイダー、非常に包括的に書かれています。アメリカの三四年法もそうなんですけれども、もっと言えばルール10b5みたいな更に包括的なものを書けばやりやすくなるとは思うんですけれども、でも、私はタイムリーディスクロージャー、怪しい取引を迅速に公表することによって金融庁や東証が訴訟リスクを負う。で、負けるかもしれない。その可能性は私、低いと思うんですね。  そういう自分たちの身が危ないことも、それは会社として、会社のトップとして考えることは妥当だとは思うんですけれども、やはりお客さんあっての会社であるし、投資家あっての市場でありますから、それを恐れずに、訴えられてもいいんだと、変な株価は下げたって、投資家のためにやるんだと、そういう強い意識を持ってタイムリーにやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  123. 西室泰三

    参考人西室泰三君) 力付けていただきまして、大変ありがとうございます。  先ほど申し上げました市場監視の統括責任者、これには今回は私はちゃんとした権限を付与しました、市場取引止めてもいいよと。このくらい大きなディシジョンをやはりせざるを得ないという、これは正に訴訟リスクもございます。しかし、その人に全権を委任して、最後の責任社長が取るよということで、そういうことを始めているというのをまず御認識いただきたいと思います。  分割について御指摘ございました。先ほど申し上げましたとおり、私どもは二〇〇四年の一月に分割について、証券会社に対してもホームページによって、投資家の皆さんに対しても分割、百分割が起こった直後、一番最初の百分割ですよ、その直後に、これはおかしいんだと、しっかり皆さんウオッチしてくださいというふうに申し上げました。ところが、マスコミさんを含め何もそれに反応してくださらなかった。これは世間が分割を容認したということです。それを私ども、それ以上のことができますでしょうか。商法改正はその前の年にありました。そこによって開放された、それにいちゃもん付けるのかと言われることを覚悟しながら東証はやったんです。その辺も御理解いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  124. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 時間がなくなってまいりましたんで、今度は救済の話。  これは、また大臣に是非これ提言させていただきたいことがあるんですけれども、虚偽記載による損害の推定規定というのが平成十六年の証券取引法改正で新設されましたね。これで構成要件というのが、その虚偽記載が公表された日の一年以内に有価証券を取得した者を対象に、損害額というのが公表日前の一か月の市場平均の株価から公表後の一か月市場平均の株価、これを引いたものを損害額と推定するという規定ができたんです。これ、すばらしい進歩だと思うんですけれども、投資家の救済として。  ただ、虚偽記載が公表された日というのが非常にあいまいになっているわけです。公表日がいつになるのか分からないわけですね。これは、その公表する義務を負った者、又はそれを所管する役所が、よく使われる表現ですけれども、多数の者に知り得る状態に置く措置がとられた。  じゃ、今回、正確に言うと、まだ虚偽記載が公表された日というのが来てないように思うわけです。しかし、その損害額というのは前後一か月の平均価格になりますから、もう既に株価は下がっちゃっているんです。そして、株主だってもう売ってしまった人もあるかもしれません。被害を受けながら株主が替わっていて、また被害を受けながらもう既に下がった株価を比較し合わねばならない。これは全く投資家の、被害を受けた投資家の救済にならないと思うんですけれども、この公表された日、虚偽記載が公表された日、これをしっかりと損害の救済のなるような形で明示できるようにしっかり対応していただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。
  125. 櫻田義孝

    ○副大臣櫻田義孝君) お答えさせていただきます。  一般に不法行為に基づく損害賠償請求につきましては、損害額や因果関係を原告側において立証することが必要でございます。一方、有価証券報告書の虚偽記載があったことにより発行会社責任を問うに当たっては、株価は様々な要因により変動するものであること等から、従前より虚偽記載と損害との因果関係や損害額の立証が困難な場合が多いとの問題が指摘されておるところでございます。こうしたことを踏まえ、投資家保護の実効性を確保する観点から、平成十六年の証券取引法改正により投資家の救済に便宜を図る規定が設けられたところでございます。  個別事案への規定の適用に関するコメントは差し控えたいと思いますが、あくまで一般論といたしまして挙げれば、御指摘の規定は、虚偽記載と因果関係のある損害の額は、虚偽記載の事実の公表前の価格と公表後の価格の差額を基本として推定することが合理的であるとの観点を踏まえ、虚偽記載を発行者自らが認め自主的に公表した場合や、監督当局による訂正命令があった場合等の典型的なケースを類型化して設けられたものであります。  あらゆる事態を想定して損害額の推定規定を設けることは立法技術的には困難と考えられますが、いずれにせよ、損害額の推定の基礎となる虚偽記載等の事実の公表がされた日の認定については、投資家保護の実効性を確保する意味から、損害額の推定規定が設けられた立法趣旨も踏まえ、個々のケースに応じて裁判所により適切に判断されるものと考えております。  以上でございます。
  126. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 ちょっとよく分からなかったんですけれども、結局裁判所が決めるということですか。  是非、今回のケース、これ、これから判例を積み重ねていったり、適当な法令、政令の改正があるとは思うんですけど、是非、投資家保護も含めて救済も大切ですんで、事が起こった後の、せっかくいい法律を作られたのに、適用の仕方によっては全く救済にならないという可能性が高いですから、是非前向きな対応をこれからも考えていただきたいと思います。  最初の話に戻るんですが、とにかく投資家を保護、救済するというのがもう金融庁さん、東証さんの大きな役割なんです。東証さんは特に株式会社になられました。ですから、もう本当にお客さんなわけですね。体を張って守っていただきたいと思うんですね。多少訴えられたっていいじゃないですか、判例を積み重ねればいいじゃないですか、もう。金融庁さんだって負けませんよ、今の証券取引法だったら。恐れずに、行政リスクを、訴訟リスクを恐れずに、投資家を体を張って守っていただきたいと思うんですよ。  タイムリーディスクロージャーもそうです。で、体制も考えていただきたいと思うんです。いろんなバリアを言ってちゃやっぱり、それは難しいという話も分かるんですけど、投資家のために体を張る覚悟で、SECの話も含めて、やっぱり監視体制しっかり考えていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  127. 池口修次

    委員長池口修次君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午後零時四分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  128. 池口修次

    委員長池口修次君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、証券市場をめぐる諸問題に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  129. 大門実紀史

    大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。  与謝野大臣とは既に昨日初質問という形になりましたけども、これから短い間かも分かりませんが、よろしくお願いしたいというふうに思います。  ライブドア問題で、もう午前中の田村耕太郎先生質問に尽きる気分でございますけども、幾つか付け加える面で質問したいと思いますが、まず最初に、そもそも論といいますか、このライブドア問題にも絡むんですけど、規制緩和に関する大臣のお考えを聞ければと思います。  私、規制緩和すべて反対という立場ではございません。必要な規制と、もうなくした方がいい規制があると思いますね。なくした方がいいというのは、やっぱり利権とか権益とか絡んで経済の活性化を阻害するようなものはやっぱり除去していくべきだし、ただ、すべてなくせばいいというものではなくて、あるいは新たに必要な規制もあると。それは、やっぱり投資家保護とか消費者保護とか、あるいは完全競争だとどうしても弱くなる立場だとか、そういう規制は必要だと、そういう立場でございます。  ただ、日本の場合は、規制緩和という言葉が一遍流行語みたいになると、もう猫もしゃくしもみんな規制緩和というふうなところが、この間やっぱり反省すべき点もあるんじゃないかと思っております。  例えば、あのタクシーの規制緩和なんというのが私はもう典型的な一番愚かな規制緩和ではなかったかと思います。需要と供給との経済のイロハも知らないで、供給側だけ過剰にしちゃって需要側は選択できないサービスまで供給過剰になると、ああいうふうに台車が増えて水揚げは下がるし、サービスも良くなっていないと、こんなことが生まれるわけですから、よく見て規制緩和というのはやっていくべきだと、そういうふうに思います。  監視委員会のことで、小さな政府論も私一言言いますと、今もう何でも小さな政府がと言えばいいみたいになっていますが、クリントンの二期目の就任演説のときに、もうもはや小さな政府というのは終わったんだと、そういう就任演説をアメリカのクリントンでさえしているんですね。その後、あの国民皆保険をつくろうというふうに、大きな政府といいますかね、そちらになっているわけですよね。これが今はもう何でもかんでも小さな政府と、もうこんなことを言っているのは今、日本ぐらいじゃないかと。世界ではこんな小さな政府論言っている国、今ありません。日本だけじゃないかと思うぐらいですけども、そういう流れで見るべきものも見ないと、私はいろいろ怖いことが起きるんじゃないかと思います。  そういう点で、金融の面の規制緩和ですけども、私はずっとここで五年間座っていろんなことを見てまいりましたけど、いろいろ新しい展開がございました、規制緩和の方向で。そのときに、今申し上げた立場でこういう投資家保護とか何かをやるべきだということを申し上げてきましたが、どうもそれが後手後手といいますか、後になってきているという流れがあると思います。  ですから、日本金融の規制緩和は、先ほどもありましたけど、アメリカの後追い型をやっているんですが、その必要な規制の方は抜いて、好きにやったらいいじゃないかという部分を先に先行してきているんではないかと思います。これは単に、私は議論、今まで何回も金融庁とも議論してきましたけども、単に後手に回ったんじゃなくて、わざわざ分かっていて、確信犯で規制してこなかったというふうに私は思います。  なぜかといいますと、やるべきことはもう分かっていたし、アメリカのエンロン、ワールドコムの後にアメリカがやったことなんかも予想できたわけですね。ところが、ほとんど何も、いろいろつくりましたけども、実効のあるものは少なかったという点では、そういうものも大きく問われていると思います。  つまり、日本は一千四百兆、今はそれより下がりましたけど、個人資産を証券市場に引き入れたいと。この大目標のために、最初からあのイギリスみたいに、八六年のイギリスのビッグバンの後みたいに、規制と規制緩和と両方やるなんということをやると呼び込めないんじゃないかと、入ってこないんじゃないかというふうなことを危惧して、それは後だということで、先に呼び込むことをやってきたというふうな流れになっているんではないかというふうに全体のこの金融行政の規制緩和を見ているところでございますけども。  与謝野大臣、なられたばかりでございますが、自民党の重要な政策ポストにもいらっしゃいましたから、全体の流れとしてどういうふうに感じておられますか。
  130. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 一般的に規制と言われるものは、大きく分けると社会的規制それから経済的規制と、こういうふうに分けて我々考えていたわけですが、社会的規制は弱い立場を含めていろんなことがあるんできちんと残しておこうと、それから経済的規制はどんどんどんどんなくしていこうという風潮が実はあったわけです。  その中で、先生が言われたタクシー、言わば需給調整という側面を全く国が関与しないでやろうと。私も今のタクシーの現状を見ると、先生と全く同じ考え方で、あれだけ雇用条件が悪くなるということはちょっとひど過ぎるなというふうに思っております。ただ、その規制で守られている既得権者だけを優遇するというのもやっぱり良くないとは思いますし、一定の競争というものを社会が持っているということが大事であるということも事実ですけれども、タクシーの例なんかは、あれだけ雇用環境が悪化するということは嘆かわしいことだろうと私は思っております。全くその点は同感でございます。  そこで、証券の規制でございますけれども、やっぱり原則は二つでして、例えば東京証券市場で行われる価格形成というものが公正であるということ、それから善良な投資家がきちんと保護されると、この私は二点に尽きると実は思っております。  そこで、やはり今回も個人投資家が、たくさんの方がライブドアで損を出しておられますけれども、一方では、やはり一日じゅうパソコンの前に張り付いてやっていることが貯蓄から投資という名前に値するのかどうかということも考えなければなりません。それから、株の取引自体は、得をすることもあるし損をすることもあるんで、自己責任原則はそこでは働くべきだと思います。  しかし、東証も我々も各上場会社もやっぱり必要であり、かつ正しい情報を常に開示、最大限開示するというのは制度上も、またそれぞれの企業の姿勢としても、言わば間接的な投資家保護ですけれども、それをきちんとやっていただかなきゃいけないし、ましてや、情報はきちんと開示したけれども元々粉飾決算があったなどということもまた投資家保護にはならないということで、やっぱり証取法は厳正に運用していく必要がある。これはもう日本の経済、それから国際的な投資家もたくさん日本に参入しているわけですから、そういう意味では証取法の現行規定をきちんと厳正に運用すると。  それから、いろんな体験を通じて分かったことについて、やはり証取法の中で、証取法自体を改善、改良していくという努力もこれから怠ってはならないと、そのように思っております。
  131. 大門実紀史

    大門実紀史君 ありがとうございます。  昨日、予算委員会でも少し触れましたけども、ライブドアの株は異常な特異性を持っておりまして、個人投資家があの急上昇も支えてきたと。つまり、急激な数が増えたわけですね。三年前に千五百人だったのが今二十二万人でしたからね。こんなのは異常なわけですね。それだけ引き込まれるいろんな要素があって、昨日は政治の責任も指摘さしていただきましたけれども、今日は仕組みの方で申し上げますと、やはり株式分割によって一株何百円で買えるようになっていったと。で、ネット取引というふうなところですね。あとは、非常にいわゆる素人の、アマチュアの、投資家と言っていいのかどうかというような方々までずっと入ってきたわけですね。  そういう点が指摘されて、大臣言われるとおり、片やデートレーダーといって、これはもう若い人がやってるみたいですけれども、一日じゅうパソコンの前に座ってチャートを見て、しかも買い越しを、持ち越しをしない。その日に買って、その日に売り抜けて、さやを稼いでいる人たちですね。そうかと思えば、本来入ってきてほしいと金融庁が願われたようなポジショントレーダーといいますかね、株を保有して値上がるのを楽しみに待つと。こういう人は片手間にやっているわけですね。仕事の合間にパソコン見てやっているわけですね。こういう人たちが一番今回大損をしたということはもう明らかだと思います。  そういう立場で、そういう人たちが今回のことで、もう嫌だと、もう危ないと思って引いていったら、金融行政考えているような一千四百兆の個人資産が入ってきてもらうというのは、もう市場の信頼を失ったということで見込めないわけですから、この健全性といいますか、市場の公平、公正さを取り戻さないと金融庁がお考えになっていることも実現しないんではないかという点で、大臣言われたように、善良な投資家保護という点で何が必要かという点を質問していきたいと思いますが、もう午前中かなり今日は的確な指摘がありましたんで、ダブらないように申し上げたいと思います。  一つは、証券監視等委員会ですけれども、私はこう思います。本来的な在り方でいくと、我が党も民主党さん言われたような、全く一緒ではありませんけれども、今のままでいいのかと、独立性の問題とかですね。これは前、この委員会でもそういう議論になったことあります。重複して申し上げませんが、そういうものはありますけれども、私は今の証券監視委員会も少ない人数でかなり頑張ってきたと思います。そういう中で、どうしてもっと早く告発できなかったのかと、地検と一緒にやったとかありますけれども、それを非常に当面の問題として思うわけでございます。  さっき言いましたように、個人投資家が急速に引き入れられたわけですね。もう少し早く、少しでも、三か月早ければ何万人という人がこういう被害に遭わなかったわけですね。だから、去年、まあ選挙ありましたけれども、去年の秋から実際に着手したということだったら、去年の、まあ選挙があってやりにくかったかどうか知りませんが、とにかく十月にでもやっていれば、今年の、経団連に入ったということでまた入ったわけですね、個人投資家が引き込まれたわけですね。そうすると、何万人かという人がそこで救われたはずだと、手を出さなくて済んだはずだと思うんですね。  そういう点でいくと、監視委員会そのものが今現在頑張っておられると思いますし、どうしてもうちょっと早くできなかったのかと。荒木先生も同じ問題意識持たれておりましたけれども、その辺の原因を大臣としてどういうふうに思われているか、また今後そういうことにならないようにするためには一番何が必要と思われているか、教えてもらえればと思います。
  132. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 監視委員会は、監視委員会の名のとおり、社会的に注目すべき取引、また監視委員会が少し見ないといけないと思うような取引というのは非常に厳しい目で見ております。この一連のことについても、実は詳しくは監視委員会の方から説明を受けてませんけれども、言外に、非常に詳しい調査をその都度やってこられたようでございます。  これは、いろいろな状況が分かっていても、犯罪として切り取れるかどうかという判断が必要なわけですし、犯罪として立証するための端緒も必要なわけでして、実は監視委員会はそういう、むしろ積極的にこれは証取法違反ではないかという目で実は見てくださっていたんだろうと思います。しかし、なかなか端緒は見付からなかったと、犯罪として切り取れる部分がなかなか発見できなかったという苦渋に満ちた時間を過ごしてこられたんだと私は思っております。  ただ、姿勢としては、監視委員会は監視が役割だということで、しっかりと見てきたということは高橋委員長が私に述べておられた言葉でございます。
  133. 大門実紀史

    大門実紀史君 やっぱりそうなると基本的な仕組みにもかかわるのかという気もいたしますけど。  ちょっと気になるのは、監視を始めたのが平成十五年の秋、着手したのが去年の九月ごろというお話でございますと、要するにあれですね、ライブドアが最初に百分割をしたころから監視を始めて、今年の秋といいますと、つまり選挙終わってから具体的に着手したと。こうなると、私は、民主党さんも、大久保さんも言われましたけれども、やっぱり独立性を保っておかないと、政治の流れに左右されるところが感じられるという気がいたします。選挙で、大体、委員長はあれですか、総理大臣が任命ですか、そういうところが、総理大臣が推しているような候補者を立てているときにこれ着手できるんだろうかと。様子見て落ちたら着手しようとか、何か政治判断が働いたりしかねないという面もありますんで、独立性の確保というのはこういう点からも必要ではないかという問題点といいますか、疑念だけ申し上げておきたいというふうに思います。  先ほどの個人投資家のネット取引の方の具体的なところで、何がこれから改善されるべきかという点で幾つか申し上げたいと思いますけれども、一つ株式分割です。  昨日、予算委員会では、大臣株式分割の在り方についてはこれから研究して改善すべきところは研究しなきゃとおっしゃっていましたけど、今日、朝ちょっと気になったんですけど、株券の問題が解消されていけばこういう問題は余り起こらないんじゃないかと。何か余り株式分割についてこれから改善していこうということがうかがえなかったんですが、その辺もう一度、どういうふうに考えておられますか。
  134. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 一応、印刷が間に合わない問題は解決できておりますし、また一応、五株以上に分割はしないでほしいという東証の要請は今のところ守られています、今のところ。したがいまして、こういうものをその要請ベースで残しておいていいのか、あるいは規則に格上げするのか、あるいは法律に書くのか、これはまあ少し研究しなければならないと思っておりまして、そういう意味では、来週月曜日から始まる有識者の皆様方にも御意見をこの点についてはお伺いいたしたいと思っております。  いずれにしても、分割というのはきちんとした目的を持って、不正でないきちんとした目的を持ってなされるべきことであって、分割によって株主の利益を害するということは絶対してはいけないということでありますし、それがもてはやされるということ自体が私はあってはならないことだと思っております。
  135. 大門実紀史

    大門実紀史君 株式分割の、若干そもそも論でございますけれども、この間話題になっているのは、株券ができ上がるまでの間に需要と供給だけで上がって、それをねらってとかありますが、そもそも株式分割、イギリスが株式分割を厳しくしているのは理由があります。そういう株券の出るまでの間高騰するからとか、そういうことではありません。本質論なんですね。つまり、株式分割は株主に、通常なら企業は増配をして株主にいろいろお返しするという形になりますが、株式分割という別の手法を使って、値上がりするであろう株を株式分割することによって、そのことによって株主に利益を与えると、こういうおそれがあるわけですね。そうすると、企業にとっては持ち出ししなくても、自己資金を持ち出さなくても株主に利益が与えられると、これが実はこの株主分割にはインプットされているといいますか、そういう性質を持っていることなわけですね。こういうことをいろんなところでやられては問題だということで、イギリスではそもそも厳しくなっていると、企業の本来の株主に対する利益の還元の仕方ではないということで厳しくなっているわけですね。  ですから、今話題になっているようなことだけを見るんじゃなくて、株式分割というのは本来何なのかと。それが違う目的でやられると変なことになってしまうし、仮に今回のことでなくても、もしも増配するよりも株式分割で株主さんに取りあえず手当てしておこうということが動機だとすると、その株は上げなければいけない株になってしまいますよね。上げることが先になってしまう株になってしまうんですね。そういうところに企業の変な行動を生む、この大本ができる可能性があるということを持った問題でございますので、そういう点をきちっと本質論を踏まえて研究をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  ちなみに、イギリスのことは調べておられますか。
  136. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 株式分割というのは、理論的に言えば、一株百円の株を二つに分割したら株価は五十円であるはずであって、株数が増えるという効果しかないはずでございまして、それがあたかももてはやされるというのはおかしい風潮だと思います。  ただ、株式分割をすることによって株数が増えることによって、例えば一つは流動性が高まるというような効果があるわけでして、やはり株式を分割する以上は正しい合理的な目的を持った株式分割でなければならないと思っておりまして、株式分割によって株主に利益を配分するなどということは邪道であって、株主に対する利益というものは配当を通じて行われるもの、無償増資で行われるもの、額面増資で行われるものというルートが正しい株主に対する利益還元であると私は思っております。
  137. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) イギリスの件でございますが、報道等でもそういったことが言われていることは承知をしております。  私ども、現在まで調べている範囲におきましては、イギリスの会社法におきまして、株式分割は株主総会の決議が必要であるという具合に聞いております。日本の場合には定款で、発行する株式の総数と、こう定められておりますが、その中で、取締役会の決議で行うことができるという日本会社と比較しての話ではないかと推測しているところでございます。なお、これは会社法の問題ではございます。  なお、私どもといたしまして今、FSAの上場当局等に、現在調べている範囲でございますが、完全に確認し尽くしているわけではございませんが、現段階では、具体的な状況次第ではあるが、一般論としては上場規則上は株式分割についての直接の規制は存在しないという回答を得ているわけでございますが、まだ完全に調べ尽くしているわけではございません。
  138. 大門実紀史

    大門実紀史君 もう時間が少なくなりましたので申し上げませんが、明確に日本と違う規制がございますので、その大本は、大本はさっき言ったようにカンパニーの在り方ですよね。企業の在り方そのものをきちっとしろというところから生まれていて、その安易な株主に利益をもたらすためのことをやらせないための区分け、区分、規制が行われているということですので、十分研究をしていただきたいと思います。  終わります。
  139. 糸数慶子

    糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。  私は、今回、証券市場をめぐる諸問題についてお伺いしたいと思います。  今回の事件で、ライブドアは、株式交換の際に投資事業組合を介在させるなど、いろいろな手法を活用しながら実態を隠して取引を行ったり、不正な利益を得ていたとされています。  そこで、まず、この投資事業組合については、法律では民法上の組合などと説明されておりますけれど、仕組みや実態がよく分かりません。経産省所轄には投資事業有限責任組合といったものもあるようですが、具体的にどのような違いがあるのか、分かりやすく御説明をお願いしたいと思います。
  140. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 個別の事案と離れまして、一般論で御説明させていただきたいと思います。  いわゆる投資事業組合という法制度はございませんけれども、それはいわゆる民法上の任意組合のことかと存じます。民法上の任意組合でございますと、これは複数の者が出資して共同の事業を営むことを約する、そのことによりまして効力が発生するものでございまして、当事者間の契約で成立し、登記が必要ない一方、事業から生じた損失につきまして組合員全員が事業に対しまして無限責任を負うと、こういうことかと思います。  一方、投資事業有限責任組合、これはまさしくそういう名前の法律に基づく組合でございまして、これは、各当事者が出資を行い、株式等の取得など、法律に限定列挙された投資事業のみを行う組合でございます。民法上の任意組合との違いは、一つは、登記が義務付けられていると、それから、出資の価額を限度として責任を負うことができる有限責任組合員を設けることができると、こういった点に違いがあるものと承知しております。
  141. 糸数慶子

    糸数慶子君 ありがとうございました。  今国会に提出予定の投資サービス法案ですね、これに関しまして、投資事業組合に対する規制が盛り込まれているというふうに聞いておりますけれど、その検討状況をお伺いしたいと思います。具体的にどのような規制がされる方向になっているのか、それから、今回のようなプライベートなファンドが上場株式を大量に取得したといった場合についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
  142. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 現在、私どもは、証券取引法の一部改正案を国会に提出するべく現在検討を進めているところでございます。  その中でいわゆる投資サービス法制というのがございますが、その中で、利用者保護ルールというものを確保します観点から、ファンドにつきましてはできるだけ包括的な定義規定を設けまして規制ということがファンド全般に拡大することを考えているわけでございますが、その上で、ファンドにつきましては、ファンドの自己募集、いわゆる直販といったものでございますが、こういったことにつきまして新たに業者としての登録対象業務とすること、それから、ファンドの形態によります有価証券に対する投資運用につきまして業者としての登録対象業務であることを明確化する、こういったことを検討を進めているところでございます。  二点目でございますが、大量に保有した場合はどうかというのは、現在の大量保有報告制度の問題でございます。大量保有報告制度と組合との関係から申し上げますと、これは上場株式の取得、これが五%超となった場合、あるいはそこから一%以上増減した場合には、その組合の業務執行組合員等が大量保有報告書を提出することになる、そういう制度でございます。また、この場合におきまして、その業務執行組合員等は組合として保有していることを開示する、こういった制度になっているところでございます。
  143. 糸数慶子

    糸数慶子君 次に、三点目に、ライブドアの隠ぺい体質について、これは今に始まったことではなくて、時間外取引を利用してニッポン放送株を取得した際も最初の取引を隠していきなり筆頭株主に躍り出たと、こういう公表されました。その際には、事後的に証券取引法改正して開示規制を掛けることとしたわけですが、そもそも開示されていない情報を利用して利益を得るところにインサイダー取引にも似た部分があります。  開示保護の、開示規制についてはどうしても開示する側の負担が強調されがちですが、投資者保護の観点から、その視点から考えますと、原則開示、そして、開示しない場合には不当な利益を推定するといったような厳しい姿勢が必要ではないかと考えますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  144. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 証取法上の開示制度は、有価証券の発行、流通市場において投資者が十分に投資判断を行うことができるよう、一つ有価証券の発行者の財務内容、事業内容等、第二には取引市場外における大量の買い付けの際の計画、三は株式の大量保有の状況などについての開示義務を設け、投資家保護を図ろうとする制度でございます。  仮に証券取引法上の開示書類に不提出や虚偽記載等があった場合には、提出義務者は刑事、民事等の責任を負うこととされております。金融庁としては、これまでも開示制度の充実を図ってきたところでございますけれども、今後とも必要に応じて制度面での整備に努めていくことが重要であると考えており、今国会に提出予定の金融商品取引法においても、四半期報告制度の導入、財務報告にかかわる内部統制の整備、公開買い付け制度、大量保有報告制度の見直しなどの措置を盛り込むことを予定しております。
  145. 糸数慶子

    糸数慶子君 次に四点目ですが、証券取引所の問題についてお伺いいたします。  今般、新たに金融担当大臣証券取引所の在り方に関する有識者懇談会を設置されることを決定されました。本日午前には、証券取引所の在り方に対する有識者懇談会の開催について記者発表がなされて、これ六日でしょうか、第一回会合が開かれるというふうに聞いております。  その内容を見ますと、検討するテーマといえば、システムの整備に係る信頼確保の方策、それから証券取引所のガバナンスの在り方、その他とありますが、さらに具体的にこの懇談会の設置の目的趣旨などについて大臣にお伺いしたいと思います。
  146. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 一つは、東証が気が付かないことを御指摘していかなければならないと思っております。それから一つは、やはり先ほどお見えになった西室さんが内部改革をしようとされるときにその応援をするということも一つ大事なことであろうと思っております。  で、まあすぐ取り上げられますのは、システムの問題がすぐ話題になりますが、それはまあ当然やらなければならないこと。それからもう一つは、内部のガバナンスがきちんといっているかどうかという問題があります。それから三つ目は、東証が持っている様々な規則がこれでいいのかという御指摘も、例えば誤発注の後、私のところにメールで何通も参りましたのは、例えば明らかな錯誤による発注というのはヨーロッパの市場ではさかのぼって取り消すことができるんだということを指摘される方がおられましたので、それぞれ今の取引所の規則、慣行、そういうものをやっぱりいろいろお話をして直すべきものは直していく必要があるのではないかと、そのように思っております。そのために、有識者の知見もまた経験者の知見も、是非全面的に活用できるような会議でありたいと思っております。
  147. 糸数慶子

    糸数慶子君 今、有識者懇談会についてなんですが、このメンバーは今決まっているのでしょうか。
  148. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) メンバーは、事務方がいろいろ有識者と御相談して次のように決まっております。  東大教授の神田秀樹先生日本経済研究センター客員研究員の香西泰さん、日本ガイシ株式会社の代表取締役会長柴田昌治さん、電通の最高顧問の成田豊さん、株式会社ドリームインキュベータの取締役社長堀紘一さん、企業年金連合会専務理事の矢野朝水さん、内閣官房情報セキュリティ補佐官・奈良先端科学技術大学院大学教授の山口英さん、それから西室泰三東証の社長会長、米田道生大阪証券取引所代表取締役社長、越田弘志日本証券業協会会長と、こういうことでございます。
  149. 糸数慶子

    糸数慶子君 大変そうそうたるメンバーで構成されているようですが、是非今回のこういう課題解決のために公正な立場に立って運営されることを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。  今回のシステムトラブルは、東証に比べてアメリカ取引所のシステムが優れている点が数多く指摘されていますが、アメリカではユニークな仕組みとして証券市場が全米証券市場システムという形で統合されていると聞いております。こうした全体システムの存在自体がシステム設計の違いにも現れているのかとも思いますが、そこでこうしたシステムの違いをどう評価されているのか、お伺いしたいと思います。
  150. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 歴史的に申し上げますと、日本が場立ちの制度からコンピューターのシステムに移るときに、多くの中小証券会社方々の御希望は、場立ちの制度と同じシステムをコンピューターの方に移してくれと、こういうことで、システム、ソフトとしてはかなり複雑なものが実は導入されたわけでございます。古い慣行は捨てたくない、それをコンピューター上で再現しろと、こういうことだったものですから、システムとしては非常に複雑になっているということがあります。そういうことでございまして、アメリカのシステムよりははるかに複雑になっているという難点が実はあります。ですから、今度新しいシステムにするときに、その古いシステムをどうするかという問題は多分議論の対象になると思います。  それから、そんなことを言ったってアメリカでは場立ちが残っているじゃないかと。これは、場立ちは残っておりますが、アメリカの場合は場立ち一人一人が自己売買部門を持っておりまして、言わば一人証券会社みたいな形になっておりまして、その場立ちを廃止するということはアメリカでは実はできなかったというふうに伺っております。
  151. 糸数慶子

    糸数慶子君 次に伺いますのは、証券市場監視機能の強化に関連してですが、証券取引監視委員会アメリカSECがよく比較されていますが、投資サービス法などではイギリスのFSAという自主規制機関の機能についてもよく紹介されています。そこで、その機関は自主規制機関でありながら金融犯罪の減少といったものも業務目的に取り入れていると聞いております。  そこで、そのFSAではどのような業務が、犯罪減少の観点からどのような業務を行っているのか、お伺いいたします。  あわせて、そのイギリスで今回のライブドアのような犯罪が起きた場合、FSAや警察、それから検察当局などがどのように連携して調査、そして捜査に当たっているのか、併せてお伺いしたいと思います。
  152. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) まず、二〇〇〇年に成立いたしました英国金融サービス市場法におきましては、その規制目的一つといたしまして金融犯罪の縮減を掲げていると承知しております。  イギリスのFSA、これは金融サービス機構でございますが、この年次報告書によりますと、FSAは金融犯罪の縮減という目的を達するために、マネーロンダリングや詐欺の防止に関し、例えば認可業者に対して金融犯罪へのリスク対策の向上を促すなど、様々な取組を行っているものと承知しております。  また、連携の問題でございますが、FSAは一定の要件の下、訴追権限を有しますが、調査の段階等においても他の捜査当局との連携に努めているものと承知しております。
  153. 糸数慶子

    糸数慶子君 イギリスとアメリカとでも大分証券市場監視機能の在り方は違うと聞いています。また、我が国でも投資家を保護するための投資サービス法が議論され、今回のライブドアに限らず金融犯罪などの不正行為を防止しようという観点からも議論を行うというふうになっておりますが、同じ市場の監視という言い方をしても必要とされる機能自体が異なっているように思われます。  ですから、ライブドアの事件が起きたことで規制強化という話題が出ておりますが、犯罪を防止するための権限というのを、投資家みんながその被害に遭わないようにするために適正なルールを確立していくという、そういうのは少し違うように思えるのですが、この点どう考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。罰則強化は簡単ではありますが、ルールの整備でもっとやることがあるのではないか。これ、投資サービス法の理念といったものになるかもしれませんが、金融担当大臣の御所見をお伺いして、終わります。
  154. 与謝野馨

    国務大臣与謝野馨君) 証取法は、株の取引の中でのいろんなこうかつな取引に関しては相当な規定の整備が私は行われていると思います。偽計風説流布仮装売買等々、先ほど御指摘があった百五十七条では、実は余り使われてないんですけれども、一般的な抑えが利いているわけでございます。  そこで、そういうもろもろの不正な取引形態をモグラの頭をたたいているようにたたくわけですけれども、私は実はほとんどのことはカバーできているはずだろうと思っておりますが、予想外のことも起きますので、それは今回の事件の中から教訓を得て、その中で一般抽象化できるものがありましたら、それは法改正に結び付けたらいいと思いますし、また東証の規則等の中でカバーしてもいいのではないかと思っております。  もちろん、先ほど御質問の中で、他党の方の御質問の中でありました中の一つは、やっぱり証取法、特に開示義務違反等々、実際に株を買う人たちの判断を誤らせるような犯罪というのはもう少し重くした方がいいんではないかと、こういう御指摘があったことは、我々も既に法務省と打合せを始めておりますので、まだまだ検討には時間が掛かりますけれども、一定の結論は得たいと思っております。
  155. 糸数慶子

    糸数慶子君 時間でございますので以上で終わりますけれど、やはり今のこういう状況を考えていきますと、一般の投資家に対するやはり保護という観点も併せて、今回の有識者懇談会の中でも、多くの国民に本当に安心して投資ができるよう、あらゆる面から是非とも御支援をいただきたいということをお願いいたしまして、終わりたいと思います。
  156. 池口修次

    委員長池口修次君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  大臣は御退席されて結構でございます。     ─────────────
  157. 池口修次

    委員長池口修次君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。峰崎直樹君。
  158. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 委員派遣の御報告をいたしたいと思います。  今回は、去る十一月十六、十七日の二日間、沖縄県に行ってまいりました。派遣委員は、山本委員長、田村理事櫻井理事、野上委員平野委員、富岡委員、山口委員、大門委員糸数委員及び私、峰崎の十名であります。  派遣地におきましては、まず沖縄総合事務局、沖縄地区税関、沖縄国税事務所、国税不服審判所沖縄事務所、日本銀行那覇支店から、それぞれ管内の概況説明を聴取いたしました。  次いで、沖縄振興開発金融公庫、同公庫の利用者である那覇商工会議所、沖縄県中小企業団体中央会との意見交換、地元金融機関の琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行、コザ信用金庫との意見交換を行うとともに、関係機関等の視察を行いました。  加えて、今回は稲嶺知事を訪問し、県内情勢等について意見交換をいたしました。  以下、調査の概要について申し上げます。  まず、沖縄県経済の概況について申し上げます。同県は、総面積、総人口、県内総生産がそれぞれ全国の約一%となっていることから、一%経済と言われております。  産業構造面では、全国に比べて第二次産業、中でも製造業の割合が極めて低い反面、観光産業を中心とする第三次産業の割合が高いことが特徴で、本土復帰以降変わらない傾向にあります。雇用情勢などでは全国と比べまして若年者層の失業者に占める割合が高く、所得格差も高い水準となっております。また、財政面では、県民総支出に占める財政支出の割合が全国平均の約一・八倍と高くなっているなど、財政依存型の経済構造となっております。  このため、沖縄総合事務局からは、地元の振興対策として、沖縄型の特定免税店の空港外への展開などによる観光・リゾート産業の振興、自由貿易地域への企業立地を促進するなど、沖縄の地理的優位性を生かした加工交易型産業の振興、名護市が指定を受けた金融特区制度等を活用した金融・情報通信産業の振興など、沖縄振興特別措置法を利用した様々な取組を、県や市町村などと連携を深めながら実施しているとの説明がございました。  なお、日本銀行那覇支店からも県内の金融経済情勢につきまして説明があり、業種別に見ますと、公共工事の減少等により建設関連では不振が続いているものの、観光が九・一一テロに伴う不振を脱して好調を維持、個人消費も堅調であることなどから、景気は全体として回復を続けているとのことでした。  次に、税関行政についてでありますが、沖縄地区税関は本土復帰の際に設置されたもので、離島が散在する広大な沖縄県全域を管轄しております。最近の税関業務では、麻薬などの社会悪物品の取締り、テロ行為の未然防止、知的財産侵害物品の水際取締りなど、適正な通関と手続の電子化など迅速な通関の両立が求められています。税関としては、厳しい定員事情の下で、IT化や民間の協力を得つつ、利便性の向上等を図っているとのことでした。  次に、税務行政についてであります。  沖縄国税事務所からは、管内では規模の大きな法人が少ないことなどにより、全国と比べて源泉所得税や法人税の税収が低いこと、しょうちゅうブームを背景に泡盛の県外出荷が増え、課税移出数量が近年倍増していることなどの説明がありました。なお、平成十六年度の徴収決定済額は約二千九百三十一億円と、前年比で若干のプラスとなっております。  また、国税不服審判所沖縄事務所からは、同審査請求事件の説明があり、平成十六事務年度の発生件数が四十件、このうち三十四件を処理し、二件が一部取消しとなっているとのことでした。  次に、金融についてであります。  県内に本店を有する金融機関が、地銀、第二地銀合わせて三行、信用金庫一庫、労働金庫一庫、農林漁業系統金融機関一団体であります。本土からは都市銀行二行が支店ないし貸出し業務のみを取り扱う事務所を開設しております。したがいまして、預金及び貸出金に占める地元金融機関のウエートが高いのが特徴であります。なお、平成十四年にコザ信用金庫と沖縄信用金庫が合併しております。  県内の金融機関では琉球銀行が十一年九月に公的資金の注入を受けておりますが、総じて地元機関はペイオフ解禁後も預金が順調に伸び、不良債権処理も加速するなどの金融の環境は好転しているとの説明が日銀支店からありました。  次に、沖縄県における政策金融について申し上げます。  県内唯一の政策金融機関である沖縄振興開発金融公庫からは、沖縄復帰以来、本土六公庫などが行っている産業開発資金、中小企業資金、住宅資金の貸付けなどの業務を一元的、総合的に担い、政府の沖縄振興策を金融面から支える機関として、これまで県内の経済振興や地域社会の発展に果たしてきた役割や実績などにつきまして説明がありました。  また、公庫利用者との意見交換におきましては、那覇商工会議所、沖縄県中小企業団体中央会側から、同公庫は民間金融との車の両輪であり、同公庫をこのままの形で残してほしい、地元民間金融機関の預貸率が高く資金が逼迫しており、しかも本土からの資金調達もできない、公庫が一番地元の事情を把握しているなどの発言がありました。  また、この問題に関し地元民間金融機関からは、沖縄振興計画を推進する上で同公庫の存続が必要であるとの前提に立ち、その役割を、政策的なもの、公益性の高いもの、民間の対応困難なハイリスクな案件に限定し、住宅や中小企業への融資は民間に任せるべきである、協調融資の際の担保の優先順位を同公庫より民間を上位にすべきであるなどの意見が述べられました。  さらに、稲嶺知事からも、この問題に関し、同公庫が果たしている金融セーフティーネットの役割を挙げるとともに、今後さらに、モノレールの延伸や駐留米軍用地の返還に係る跡地利用を始めとした大型プロジェクトへの対応など、同公庫の役割の重要性について指摘がありました。  次に、金融に関連した名護市の金融特区制度についてであります。  同特区は、国際情報通信・金融特区構想の一部門でありますが、金融業務等を営む企業を対象に税制その他の優遇措置を講じることにより、一大拠点として集積させ、雇用についても拡大を図ろうとする構想であります。このための企業誘致活動、インフラ整備、人材育成などの施策が進められており、昨年九月現在、同市において二十五社を誘致、雇用者数が四百五十九名に達しているとのことであります。  同市のマルチメディア館を視察した際、岸本市長からは、特区制度における税制上の優遇措置の適用条件が二十人以上の雇用であることと控除額が人件費の二〇%以内という制約があり、実際には適用が受けられていない、制度施行五年目に向け、適用条件を見直していただきたい旨の意見が述べられました。この点については、稲嶺知事からも同様の指摘がありましたが、ほか、同特区がタックスヘイブンなどを懸念する余り制約が多く、更に規制緩和をする必要があるとの意見が述べられました。  最後に、その他の視察先について簡単に紹介いたしますと、まず瑞泉酒造株式会社は、琉球王朝時代の焼酎職の流れをくみ、首里での創業百年余となる泡盛製造のしにせであります。最近では、瑞泉青龍が全国酒類コンクールの泡盛部門で一位を獲得したことでも知られております。  また、バイオ二十一株式会社は沖縄の素材を生かした基礎化粧品メーカーで、沖縄振興開発金融公庫初のベンチャー企業向け出資を受けた企業でございます。  このほか、普天間基地移設予定地、二〇〇〇年の沖縄サミット開催会場となりました万国津梁館を視察いたしました。  以上、概略を述べましたが、おかげさまで有意義な視察ができました。今回の派遣におきまして調査に御協力いただきました関係行政機関、団体、金融機関及び事業所の方々に対し、この席をかりまして厚く御礼を申し上げ、派遣報告を終わります。
  159. 池口修次

    委員長池口修次君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十二分散会