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2006-02-24 第164回国会 参議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年二月二十四日(金曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  一月三十日     辞任         補欠選任      仁比 聡平君     井上 哲士君  二月七日     辞任         補欠選任      井上 哲士君     仁比 聡平君  二月二十三日     辞任         補欠選任      野村 哲郎君     水落 敏栄君      仁比 聡平君     井上 哲士君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山本 香苗君     理 事                 岩井 國臣君                 西島 英利君                 岩本  司君                 藤原 正司君     委 員                 岩永 浩美君                 小池 正勝君                 小泉 昭男君                 田村 公平君                 中川 義雄君                 松村 祥史君                 水落 敏栄君                 大久保 勉君                 島田智哉子君                 那谷屋正義君                 松下 新平君                 水岡 俊一君                 浜田 昌良君                 井上 哲士君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        沓掛 哲男君    副大臣        内閣府副大臣   嘉数 知賢君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        平井たくや君    事務局側        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        内閣府政策統括        官        榊  正剛君        総務大臣官房審        議官       岡本  保君        総務大臣官房審        議官       岡崎 浩巳君        総務省総合通信        基盤局電波部長  桜井  俊君        消防庁長官    板倉 敏和君        財務大臣官房審        議官       加藤 治彦君        国税庁課税部長  竹田 正樹君        厚生労働大臣官        房総括審議官   金子 順一君        資源エネルギー        庁資源燃料部        長        近藤 賢二君        中小企業庁事業        環境部長     小川 秀樹君        国土交通大臣官        房審議官     大西 珠枝君        国土交通大臣官        房審議官     和泉 洋人君        国土交通大臣官        房審議官     桝野 龍二君        国土交通省河川        局砂防部長    亀江 幸二君        国土交通省道路        局次長      増田 優一君        国土交通省航空        局次長      本田  勝君        気象庁長官    長坂 昂一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)  (大雪による被害状況及びその対応に関する件  )     ─────────────
  2. 山本香苗

    委員長山本香苗君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨二十三日、野村哲郎君及び仁比聡平君が委員辞任され、その補欠として水落敏栄君及び井上哲士君がそれぞれ選任されました。     ─────────────
  3. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官榊正剛君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 災害対策樹立に関する調査議題といたします。  去る六日に行いました大雪による被害状況等実情調査につきまして派遣委員報告を聴取いたします。岩井國臣君。
  6. 岩井國臣

    岩井國臣君 去る六日、石川県及び福井県において、大雪による被害状況等実情調査してまいりました。  まず冒頭に当たり、今冬の大雪被害により尊い命を犠牲にされた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、御遺族に対し謹んで哀悼の意を表するものであります。  今回の委員派遣参加委員は、山本委員長西島理事岩本理事藤原理事浜田委員井上委員委員外議員として参加されました岡田議員松村議員山崎議員、そして私、理事岩井の十名であります。  現地調査概要を御報告いたします。  まず、小松空港において杉本石川県副知事から今冬の大雪による被害状況説明及び要望を伺った後、同副知事に対し、見舞金を手交いたしました。  石川県内では死者五名、重軽傷者二十四名のほか、住家被害十一棟、道路不通八か所の被害が発生し、農業被害は約六千万円に達したとのことでありました。  また、生活産業面でも大きな影響が生じており、これら被害を抑制するため、増嵩する一方の除雪費に対する財政措置拡充高齢者等援護者への支援強化克雪型住宅普及に対する助成措置拡充等について配慮を願いたいとの要望がございました。  次いで、白山市の左礫町において、倒壊家屋現場視察するとともに、大雪に苦しむ周辺住民方々を交えての意見交換が行われ、特に、事故発生の絶えない高齢者等屋根雪下ろしへの対応策強化通院者に欠かせない交通手段確保災害時における通信手段確保について切なる要望がございました。  次いで、白山市白峰町において克雪型住宅視察いたしました。同町は白山市の屋根融雪装置への補助対象区域となっていますが、設置及び維持費が高額なため、普及率は低水準にとどまっており、普及・促進に向けての財政措置強化を求める要望が示されました。  福井県に移動し、勝山市の北谷町において、最大積雪深が三メートルを超える深雪地域現場視察を行うとともに、意見交換を行いました。高齢者世帯屋根雪下ろし作業の困窮、雪害による送電網切断に伴う停電、自動車交通普及に伴う道路除雪作業量の増大、排雪スペースの不足など様々な問題が指摘され、これらを解消するためには行政協力が不可欠との意見が示されました。  次いで、勝山市ふれあい交流館において、福井県及び勝山市から雪害状況説明及び要望を伺うとともに、西川県知事に対し見舞金を手交いたしました。  福井県からは雪害状況について、十四名の方々が亡くなられたほか、重軽傷者百五十四名、住家被害百五十二棟、県の除雪費が十六億五千万円に達しているとの説明があった後、今後本格化する降雪期に向けて道路除雪費に対する補助雪崩対策強化気象予報精度の向上について要望がなされました。  また、勝山市からは、道路除雪費が既に四億三千万円にも達していることから、市道除雪経費への特別交付金増額等について要望がなされました。  その後、勝山市内雪害現場視察いたしましたが、繊維業が廃業した空き工場が雪の重みで倒壊したものであり、不況が雪害を更に深刻なものとしている実情を目の当たりにいたしました。  次いで、大野市に赴き、同市の雪害状況説明等を伺うとともに、空き家、空き工場等屋根雪下ろしに対する行政支援など、従来の雪害対策にない対応策必要性に加え、道路除雪費等への特別交付税早期交付について要望がございました。  大野市役所における概要説明の後、同市内倒壊倉庫、真名川排雪場農業パイプハウス被害現場等を車中より視察いたしました。  以上が調査概要であります。  今冬の豪雪の特徴は、昭和三十八年や五十六年の大雪に比して、早い時期に大量の降雪があったことに加え、高齢化山間部過疎化、市街地の空洞化の進展により住民同士協力連携を軸とする従来の自立的取組に限界が生じ、そのことが雪害を拡大させる結果となりました。  今後は、想定しにくい気象状況に加え、高齢化過疎化が急速に進展する状況に即して、大雪への新たな対応策を再構築することが肝要となっていると強く認識した次第であります。  翻ってみるに、雪害防止早期復旧に向けて様々なニーズに対応するため、先人の知恵と経験を踏まえつつ、我が国雪害対策が形成されて半世紀近くが経過しております。  しかし、農林業の衰退を契機に各地で進む高齢化過疎化若年層の流出による雪害を始めとするあらゆる地域の事象に対する対応能力低下現象からは、地域社会の機能の維持管理という面において、今や憂慮すべき事態に直面する地域も少なくないものと認識されております。  こうした状況の下では、雪害対策に全力を傾注し、十全の成果を上げようにも、その対応過程で支障を来すケースが散見されるなど、今回訪問した地域はその典型的な事例ではなかったかと思う次第であります。  かかる事態を念頭に置き、雪害対策を含めて多くの課題解決の方策を展望するとき、国土保全地域活力維持など包括的な役割を担うのにふさわしい基盤能力を有し自立できる地域を形成することこそが、我が国行政全般にかかわる大きな共通課題であると痛感したところであります。  最後に、今回の調査に当たり、復旧作業等で御多忙な中を各方面にわたり御配慮、御尽力いただいた関係各位に厚くお礼申し上げますとともに、被災地の一刻も早い復旧・復興をお祈り申し上げまして、派遣報告を終わります。
  7. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 以上をもちまして派遣委員報告は終了いたしました。     ─────────────
  8. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 大雪による被害状況及びその対応に関する件を議題とし、政府から報告を聴取いたします。沓掛防災担当大臣
  9. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) この冬の大雪による被害状況につきまして御報告いたします。  まず、今回の大雪により不幸にして亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者方々に心よりお見舞い申し上げる次第であります。  この冬は、十二月上旬以降、北極からの寒気が数回にわたって南下したため日本各地低温となり、日本海側地域暴風を伴った大雪に見舞われ、記録的な積雪となりました。秋田県、新潟県、福井県を始め全国の二十三地点で、年間の最深積雪の記録を更新しております。  これらの大雪によって、雪下ろし中の転落屋根からの落雪などで、全国で百三十六名の死者が発生しております。これは、昭和三十八年豪雪死者行方不明者二百三十一名、昭和五十六年豪雪死者行方不明者百五十二名に次ぎ、戦後三番目の大雪被害となっております。  また、負傷者は二千四十三名、全壊家屋十五棟となっております。一方、雪崩につきましては、八十五件発生しており、そのうち、二十六件が住家周辺で発生した集落雪崩であります。  政府においては、総理指示の下、昨年以来、鋭意対策に取り組んできているところであります。  昨年十二月二十八日には、寒波・雪害対策を取りまとめ、また、一月七日には、私自身新潟県の津南町、十日町市、長岡市の大雪による被災状況等視察に行き、同月十日、十八日、二月九日には、大雪に関する災害対策関係省庁連絡会議を開催し、被害状況や各省庁対応状況について情報共有を図るとともに、各省庁連携して対応に当たっております。  今回の大雪では、記録的な積雪により除雪等が間に合わず、住宅倒壊のおそれが高まっているため、住宅除雪等に対する支援ができるよう、災害救助法の活用について都道府県に周知を図り、新潟県、長野県が災害救助法適用しております。今後とも、災害救助法による救助の実施が適切かつ円滑に行われるよう、被害を受けている都道府県からの相談に応じ万全を期してまいります。  また、長野県、新潟県、秋田県、北海道、群馬県、福島県の六道県の知事からの要請に基づき、自衛隊高齢者世帯孤立予想世帯公共施設等除排雪緊急車両通行確保のための除排雪などを実施しております。自衛隊においては、災害派遣要請に備えて地方公共団体との連絡を密にするなどし、即応できる体制を整えております。  さらに、高齢者等災害時要援護者宅状況消防機関福祉関係機関との連携による巡回等により把握し、必要に応じ消防団自主防災組織等協力し、除雪作業を行うことなどについて、地方公共団体に徹底をしております。  特別交付税措置につきましては、豪雪により多大な被害を受けた八十五市町村に対して、三月に交付すべき特別交付税の一部約七十九億円を二月九日に繰り上げて交付しております。  また、道路除排雪費につきましては、道府県管理道路について、一月十三日に二十六道府県・政令市を対象事業費約百六十九億円を緊急配分するとともに、市町村道について、二月三日に百九十七市町村対象事業費約五十五億円を緊急措置しております。  なお、豪雪対策について、従来の対策の再点検と、特に高齢者安全安心対策等を始め今後充実・強化すべき分野を重点的に検討するため、豪雪地帯における安全安心地域づくりに関する懇談会国土交通省に設置し現在検討を行っております。  このように、種々の対策を講じて、国民生活の安全と産業の円滑な活動のため万全を期しております。  今後は、気温が高くなることが見込まれ、雪崩落雪融雪災害に注意が必要となるため、引き続き政府一丸となって対応してまいります。  以上、報告させていただきます。  ありがとうございました。
  10. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 以上で政府からの報告聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  11. 水落敏栄

    水落敏栄君 私は、自由民主党の水落敏栄でございます。  私は、比例区の選出でございますけれども、出身新潟県の十日町市でございます。この十日町市、隣の津南町は日本一の豪雪地帯、こう言われております。したがいまして、本日は、昨年十二月半ばから降り続けました、六十年ぶりとも言われております豪雪に伴う国の対応等についてお伺いをしたいと存じます。  質問に先立ちまして、今冬の豪雪により不幸にも亡くなられた方々、そして被害を受けられた方々に心から弔意とお見舞いを申し上げたいと存じます。  皆さん承知のように、川端康成小説雪国」に、国境の長いトンネルを抜けると雪国であった、こうした文章がございます。正にこのとおりでございまして、新幹線に乗って谷川岳の下を通る清水トンネルまでは晴天であっても、トンネルを抜けると曇天で雪が降っておりまして、積雪は二メートルを超えていると、こうした現状がありまして、正に別世界の雪国があるわけであります。雪が降らない地方での雪に対するイメージは、まあ一般的には清らかとかあるいは清潔だとかあるいは白銀の世界と、こうしたことが思い浮かばれるわけでありますけれども、一方、雪が毎年降る降雪のある地方は、屋根雪下ろし除雪排雪、こうしたことではうんざりした思いと大変な苦労がありまして、一月から四月までの四か月間はひたすら堪え忍ぶ生活であるわけであります。  また、新潟県は、これまた御承知のように、一昨年七月の豪雨に対する災害水害、十月の中越大震災、そして昨年の大雪と、正にトリプルパンチを食らったわけでありまして、こうしたことで県民の皆さん大変な思いをしたわけでありますけれども、ようやく中越地震災害を乗り越えまして新たな出発を期したところに今冬の豪雪があったわけであります。先ほど沓掛大臣から御報告いただきまして、被害状況等委員各位がお分かりいただいたと思います。  そこで、大きな災害となりました今冬の災害に対して、雪害に対して、政府としてはどのような御認識を持っておられるのか、沓掛大臣にお伺いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
  12. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) この冬の大雪によりまして、本当にたくさんの方がお亡くなりになられました。心から御冥福をお祈りするとともに、今なお困難な生活を余儀なくされている方々に心からお見舞い申し上げたいと思います。  この冬は、十二月上旬以降、北極から寒気が数回にわたって南下したため日本各地低温となり、日本海側地域暴風を伴った大雪に見舞われ、記録的な積雪になったわけでございます。このため、雪下ろし中の転落屋根からの落雪などで現在までに百三十六名の方が亡くなっておられ、これは戦後三番目の大きな死者が出た、そういう雪の被害でもあるわけでございます。  さて、この今、水落委員には十日町生まれ出身でもありますが、私は石川県でございますので、この雪については本当に子供のころから共有したいろいろな思いがたくさんございます。まあ何といっても、雪対策というときは、現地へ行っていただかないと物は分かりません。東京で幾ら考えても雪の害というのは分かりません。今、水落委員がおっしゃられたように、雪国で、トンネルを越えたら雪だったというような、これ、川端康成小説、著書がございますけれども、本当にあれはあのとおりででして、私もこのとき、ともかく雪が降って被害がある以上、一番先に現地へ行くべきだということで、一月七日の朝、この新潟の方へ向かいました。八時二十四分の新幹線に乗るつもりで行ったんですが、もう朝から汽車が立ちませんのでプラットホームに人があふれておりました。乗れるか乗れないか分からないけど、戦時中のことを思い出して、みんなで乗ろうということで強引に乗り込んで、そして行きました。そして湯沢を見せていただき、津南町を見せていただき、それから今、水落先生十日町へ行き、そしてそれから長岡山古志村の方々がここで仮住宅で、仮設住宅に住んでおられますので、そこへもということでいろいろ参りました。  その際、水落委員にはお迎えいただきまして途中ずっと御案内、またいろいろな御説明をいただいたわけでございますが、雪の降る中、何となく私自身は昔に戻ったようで、雪が降ってしんしんとしてくると何となく元気が出るんで、張り切って私は現地をずっと見せていただきました。  しかし、本当にこれは大変なことなんです。雪の本当に重さというものを肌で感じるのはやっぱり雪国の人でないと感じられないというふうに思います。私も国会議員になってから豪雪地帯対策委員やったりいろいろして、こういうものを雪のときに備えるべきだということで随分、岩井さんなんかとも一緒に、櫻井さんとかみんなでもうやってきたんですけどね、なかなかやっぱりどうしても経済優先、そして人口の多いところが優先という、そういうことがやむを得ないことではあるんですけれども、どうしても後れ後れでなってきているというふうにも思います。  とはいえ、最近はようやくいろいろな面で交通ネットも整備していただいたり、いろんなことはできつつあるんですけれども、やっぱりこういう雪になったときに、雪が降ったとき一番先に困るのは足です。行き場所がありません。そしてライフラインです、いろいろなものが来なくなります。そしてそれと同時に、あわせて、今度は屋根に雪がどんどん降りますから、これを下ろさないと家がつぶれたりいろいろしますから、そこで雪下ろしを始めるんですが、今私も、この間新潟ずっと行って見て、かつてのような雪下ろしに対するその措置というのが余り十分とられていないんですね。  昔は、私らのときは、屋根がありますと、必ず下の方に桟が付いていて、そして必ず雪が三十センチぐらい上を取っても残るようになっているんです。そうすると滑り落ちないんですよね。今そんなのほとんどないんで、雪を落とすとそのまますとすとすとんと落ちていくから非常に、いわゆる屋根雪下ろしの方が下まで落ちて、そして亡くなるケースが多いんですが、昔の人はそういうことをよく心得ていたので、あんまり格好は良くないんですけど、家の必ず屋根の下のところには木で桟を入れて、そして雪が全部滑り落ちない、除雪、雪を下ろすときも必ず下に二、三十センチ残る、滑り落ちない、そういう対策というのがございました。  しかし、今近代化していろいろのそれに代わるべきものもできつつあるわけですけれども、そういう対策をこれからもしっかりやっていかなければならないなというふうに思っておりますが、今回の対策については、総理自ら陣頭指揮されまして、一月六日の夜私が呼ばれて、すぐあした行けという指示もございました。そのとき総理が言われたのは、自衛隊をすぐ出すようにしろということ、それから、いわゆる災害救助法適用、これもしっかりとやってほしいということでございましたので、その二つのことを中心にしながらいろいろ現地でもお話しさせていただきました。自衛隊はすぐ入ってくれましたし、災害救助の法の適用などについても速やかな対応をしてくださいました。それから、雪の問題、除雪、いわゆる道路交通確保をするための都道府県道市町村道へのその優先、こういう地帯に対する優先補助もやっていただきましたし、自治省、旧自治省、今の総務省からは、特別交付税もいまだかつてなく三月のものを前倒しして、先日それを出していただきました。  そういう点で、私は今回のいろいろな雪害等については、政府としてもできる限りのことをやってきたというふうに思っています。しかし、なかなか、現地へ行ってみると、それがそこまで浸透していないということも長岡山古志村の皆さん方と対談したときも強く感じました。やっぱり日ごろからそういうものへのもっと準備をよくし、で、そういうものに対して私は三つのことが大切だと思っています。何といっても人の命を助けてくれるのはまず自分なんですね、自助なんですよ。そして、その次は家族、町内会皆さんという方々、そしてそういうコミュニティー、そういう方々支援、そして、それに対して政府、国、それから地方公共団体という公的機関が、この三つが一体となってやっていくことが非常に大切だというふうに思っています。  水落さんには大変いろいろお世話になりましてありがとうございました。御指示のとおり一生懸命やっているつもりですが、また更に御指導いただきたいと思います。
  13. 水落敏栄

    水落敏栄君 ありがとうございました。  大臣の本当に雪害に対する思い、それからお考えお聞きいたしまして、安心をいたしております。どうか、地震による災害あるいは豪雨による水害等と同様に、豪雪による災害ということでこれからの雪害対策政府としても十分気を配っていただきたい、このように存じます。  御報告のように、大変な被害が出ておるわけでありますけれども、除雪排雪など具体的にどのように政府として対応してこられたのか、委員各位にも是非知っていただきたい、こう思っておりますので、時間は制限がございますので、どうかひとつ簡単に、簡単にというのは失礼でありますけれども、対応について御説明いただきたいと思います。
  14. 榊正剛

    政府参考人榊正剛君) 今冬の大雪におきましては、雪下ろし中の転落屋根からの落雪などで全国で百三十六名の死者ということになっております。このうち六十五歳以上の高齢者の方が八十六名ということで約三分の二を占めているということが、これが特徴でございます。  今冬の大雪につきましては、こういうことで、記録的な積雪によりまして除雪等が間に合わないと、で、住宅倒壊のおそれが高まるということでございましたので、災害救助法適用いたしまして、新潟県、長野県で高齢者方々住宅除雪雪下ろしということに対する支援を行っているところでございます。また、長野新潟秋田、北海道、群馬、福島といった六道県知事からの要請に基づきまして自衛隊を派遣いたしまして、これも、実は高齢者世帯への住宅についての自衛隊除雪作業というのは昨年度初めて青森でやったところでございまして、今年度もこういう形で実施をさせていただいたということでございます。さらに、地方公共団体が行います高齢者世帯等の雪下ろし支援に要する経費につきまして特別交付税措置をしていただく予定ということになっておるところでございます。  今後とも、こういった高齢者方々被害拡大防止というために、災害救助法による支援なり自衛隊の迅速な派遣、特別交付税措置など種々の対策を講じてまいりたいということで、引き続き政府一丸となって対応してまいる所存でございます。
  15. 水落敏栄

    水落敏栄君 ありがとうございました。  政府は、お話のように、一月六日には、四メートルを超える積雪津南町を始め十日町市など災害救助法適用していただきました。そして、お話のように、一月七日には、沓掛防災大臣に激しく雪の降る中を豪雪十日町市、そして津南町、さらには長岡へと御視察をいただきました。私もその折に災害に対する支援について大臣にお願いを申し上げましたけれども、大臣自らが現地視察されたことが現地方々にとってどれほど勇気付けられたか計り知れない、こう思っております。大臣に厚く御礼を申し上げたいと思います。  そして、御報告のように、自衛隊皆さんにも出動いただきまして、独り暮らしの家庭の雪下ろしなどをお願いして、本当に助かったのであります。  また、昨年も十九年ぶりの豪雪でありましたけれども、昨年も含めて通常は十二月二十日過ぎから雪が降って正月を迎えて、正月過ぎから本格的な降雪となるんでありますけれども、今冬は十二月十日ごろから本格的な降雪で、二十五、六日の間に四メートル以上の雪が積もってしまいました。屋根雪下ろしを、その家が、屋根の二階までに達して家の中は真っ暗になっておりますし、道路除雪によって五メートルぐらいの壁ができて、バスの道路標識とかあるいは交通標識なんかが見えない、こんな状況であります。このような状況でありますので、除雪排雪に大変な費用が掛かっています。  こういう、県及び市町村除排雪に多額の費用を要しておりまして、総務省はこうしたことに対して三月分に交付する特別交付税を二月九日に繰り上げて交付をしておりますけれども、とてもとても足りるわけではありません。  私の出身地の十日町を例に取りますと、除雪費用は、平成十五年が六億一千三百万円、昨年は十九年ぶりの豪雪でありましたので十五年度の倍の十三億一千四百万円、十七年度、本年度ですけれども、二月二十日現在、何と十八億一千万円を支出しておりまして、このまま推移いたしますと二十三億円を要する、こうした計算が、試算がなされております。したがいまして、市の財政は火の車でありまして、いずれの市町村も同様だと思っています。  したがいまして、こうした豪雪災害に対しまして、政府特別交付税を増額配分する等、温かい施策を講じる必要があると思いますけれども、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
  16. 岡本保

    政府参考人(岡本保君) お答えをいたします。  先ほど来お話ございますように、今冬の豪雪にかんがみまして、総務省といたしましては三月に交付すべき特別交付税の一部を豪雪対策としては初めて繰上げ交付をさせていただきました。  三月分の特別交付税につきましては現在算定作業中でございますが、今御指摘のような今冬の豪雪のいろいろな趣旨にかんがみまして、今各地方団体で懸命な除排雪対策等お取り組みになっておりますので、その事情を、例年の調査の時期よりも広く長く取りまして、現在いろんなお話も全部詳しくお伺いをしております。そういうことを踏まえまして、当該団体の除排雪対策でありますとか財政面に支障が生じないように特別交付税の算定を行って、三月中下旬の特別交付税の交付に万全を期したいというふうに考えております。
  17. 水落敏栄

    水落敏栄君 ありがとうございました。  市町村にとりましては、除雪排雪でお金を使い果たしておりまして、特別交付税の割増し配分がもう命の綱だと、こう思っているわけであります。是非とも特段の御配慮をお願い申し上げたいと存じます。  次に、道路除雪費用についてであります。  政府は、道府県管理道路に対しまして百六十九億円、市町村道に対して五十五億円を除雪費のために措置されてきたところでありますけれども、これもまだとても足りておりません。そして、二月一杯も雪が降りますし、三月に入っても雪が降るわけでありますから、これからも除雪はしなくちゃならない。したがいまして、これら県道、市道の除雪費、今後については別途の財源から経費を捻出することも含めてこれは十分に検討していく必要があると思いますけれども、国土交通省の所見を伺いたいと思います。
  18. 増田優一

    政府参考人(増田優一君) 道府県及び市町村除雪費のお尋ねにつきましてお答え申し上げます。  先ほど来御報告ありますように、この冬は十二月から記録的な豪雪になっておりまして、道路行政といたしましても、このような状況を踏まえまして寒波・雪害対策をしっかりと実施していくことが極めて重要な行政課題と認識しておりまして、中でも道路除雪につきましてはライフラインの確保のためにも非常に重要であると認識しております。  御指摘ありましたように、道府県管理道路、これは道府県道路補助国道でございますが、これは一月十三日に、それまでの降雪状況等を踏まえまして、二十六道府県・政令市を対象に、事業費約百六十九億円、国費で約百十三億円を緊急配分させていただいたわけでございます。  また、市町村道除雪費につきましては、一部前倒しをいたしまして、二月三日に、一月十日までの降雪状況等を踏まえまして、除雪費の不足が特に著しい市町村でありますとか豪雪による被害が著しい市町村対象にいたしまして、二十二道府県の百九十七市町村に、事業費約五十五億円、国費約二十八億円を緊急措置をさしていただいたわけでございます。  現在、その後の降雪状況等につきまして再調査を行っているところでございまして、この調査結果を踏まえまして更に必要な支援措置を講ずる考えでございまして、いずれにいたしましても、各地方公共団体除雪作業に支障を来すことがないように、所要予算の確保も含めまして、関係省庁とも調整を図りながらしっかりとこれから対応していきたいというふうに考えております。
  19. 水落敏栄

    水落敏栄君 ありがとうございます。  新潟県を始めとして、山形県とか秋田県、石川県等々、豪雪に苦しむ現地方々にとって道路確保は絶対必要でありまして、どうかよろしくお願いを申し上げたい。正に道路が足でございますから、その辺を踏まえましてライフラインの確保をお願い申し上げたいと思います。  次に、参考までに申し上げますけれども、今冬の豪雪で、津南町や十日町市の方々は、平均いたしますと八回から九回屋根雪下ろしをしております。これ、通常の倍であります。三人一組で、平均的な家屋の雪を下ろして、その下ろした雪を除雪する、この作業に一日を要します。日当は、地域住民の方々ですと一万五千円程度、他県の方々、いわゆる出稼ぎといいますか、専門の方々は一万八千円くらいであります。そういたしますと、地域住民の方々雪下ろしを頼んでも、一回一人一万五千円で、三人でありますから四万五千円必要なわけであります。したがいまして、八回今まで雪下ろしをしておりますから、二か月間で三十六万円、一か月十八万円を余分な支出をしているわけであります。おかげさまで援護世帯は補助が出ておりますけれども、一般の方々は一か月で十八万円も余計にお金が出ていくわけでありますからもう大変で、ぎりぎりの生活をしている方はまた銀行からあるいは農協から借金をして支払っていると、こうした状況がございます。  そこでお伺いしますけれども、一般住民の方々に対する除雪費用の補助はできないのかと、こう思います。もしできないとすれば、先ほどの質問にも関係しますけれども、特別交付税を増額して市町村に交付をして、市町村からは雪下ろし等の費用として、私は仮称と言いますけれども、見舞金みたいなものを一般家庭に交付する、このような施策が取れないかどうか、お伺いをしたいと思います。
  20. 岡本保

    政府参考人(岡本保君) お答えをいたします。  今先生御指摘のように、各地方団体におきましては、住民の生命や財産を守るという観点から、高齢者を始めとしまして雪下ろしなどの日常生活上の援助が必要な方々対象にいたしまして支援を行われております。私どもの調査では、二月の初め時点で約二百二十団体ほどがそういう支援を行われていると承知をしております。  先ほど内閣府の方からもお答えがございましたが、そういうような状況、それから今冬の豪雪にもかんがみまして、地方団体が行われております、こういう高齢者世帯を始めとします雪下ろし支援が必要な経費につきましても現在調査をいたしておりますので、それを踏まえまして、道路などの除排雪経費と同様に特別交付税措置を講じるということで三月の算定を現在しているところでございます。
  21. 水落敏栄

    水落敏栄君 一般住宅に対する申し上げた見舞金等はお触れになっておられませんので多分無理なんだろうと、このように思いますが、その分増加、その特別交付税の割増し配分ということで、二百二十団体から要望があるそうですから、是非ともそうした措置をとっていただきたいな、こんなふうに思います。  次に、灯油の安定供給の確保と価格の安定について資源エネルギー庁にお伺いいたします。  日常生活の必需品であります灯油については、豪雪に伴って価格が大幅に上昇しているんです。新潟県内の灯油の価格の動向ですけれども、寒くなる前の十月、これは十八リットル当たり千二百三十六円でございました。これが、三か月後の今年の一月には千四百七十四円と、三か月の間に二百三十八円も上昇しているわけであります。また、道路除雪がはかどらない、へき地には雪なだれ等で道路が閉鎖されて灯油の届くのが遅くなって家にある灯油がなくなってしまう、いろりで暖を取ったり、いろりがない家は一日こたつに入っている、こんな現実がございます。  申し上げましたように、冬の生活を送る住民にとって日常なくてはならないのが灯油であります。この価格の安定と安定供給の確保について資源エネルギー庁はどのような施策を講じているのか、お伺いしたいと思います。
  22. 近藤賢二

    政府参考人(近藤賢二君) お答えを申し上げます。  今先生御指摘のとおり、灯油は冬場の暖房用の燃料でございます。国民生活に欠かせない必需品でございまして、私どももその安定供給が非常に重要な問題であると、かように認識をしているところでございます。  今年の冬の厳しい寒さのために、豪雪地を始めといたしまして需要が大変旺盛でございました。しかしながら、私どもは十分に必要な在庫を今確保しておるところでございまして、現時点でも二百六十三万キロリットル、前年に比べますと二十七万キロリットルほど多い量、一昨年に比べますと五十万キロリッター以上多い量の在庫を今確保しているところでございます。  また、価格につきましても、今御指摘のとおりでございますが、世界的な原油価格の高騰、それからヨーロッパを含めて、日本だけではなくてヨーロッパも今年非常に寒うございます。そういう寒波による需要の増加ということで世界的にも価格が上がっておるわけでございますが、全国的に灯油の値段に例を取りますと、今御指摘のとおり、この一年間でリッター当たり二十三円ほど上がっております。これ十八リッター缶で申し上げますと、昨年の今ごろが千円ちょっとだったんですけれども、今千四百円、千四百二十七円ということでございますので、相当高くなっておるわけでございます。  私どもといたしましては、こういう厳しい寒さ、そして大雪に見舞われている地域方々への灯油の供給に関連いたしまして、今年の一月に石油の元売各社から灯油の在庫状況、生産計画、購入計画といったものについてヒアリングを実施をいたしまして、石油製品の安定供給の確保要請するとともに、いやしくも便乗値上げといったことが絶対にないように要請を行ったところでございます。これを更に徹底するために二月にも同様にヒアリングと要請を行ったところでございます。  また、冬場を迎える前に、例年、十月ごろでございますが、北海道とか東北とか灯油の大変な需要地におきまして、需給、価格動向について、消費者、元売、販売、行政といった者が一堂に会して灯油懇談会というのを開催しております。今年はこの灯油懇談会を、秋口に加えまして、この二月にもやろうということで、今日まず新潟を皮切りに、来週になりますが、二十七日に仙台、二十八日に札幌といったところで灯油懇談会を開催をいたしまして消費者の不安の払拭に努めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。  今後とも、灯油の価格安定、在庫動向について注視をしながら、安定供給に支障を来すことのないように万全を期してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
  23. 水落敏栄

    水落敏栄君 次に、これも灯油に関係があることでありますけれども、豪雪地帯では克雪住宅必要性を痛感しておりまして、委員派遣報告にもございましたように、新しく住宅を建設する場合は、急勾配の屋根にいたしまして自然に雪が滑り落ちるように工夫して雪下ろしをしなくて済むようにしております。一方、かねてからの住宅を使用している住民の方々には、灯油を燃やして不凍液を温めて、これを屋根がわらやトタン屋根の下に回して屋根を温めて積もった雪を解かしていると、克雪住宅であります。  このような設備をするのに約三百万円程度費用が掛かるんでありますけれども、現地方々に聞きましたら、この設備に要する費用、三百万円のうち一〇%ぐらいが補助されると、こう聞いております。しかし、克雪住宅普及促進を図るためには、いま少し助成措置拡充が必要ではないか、このように思いますけれども、政府はいかがお考えでしょうか、お伺いします。
  24. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) お答えします。  先生御指摘のとおり、屋根融雪装置を設置するなどの克雪住宅の整備の推進は、多雪地域において、冬期の居住環境の総合的な向上、あるいは先ほど来先生御指摘の雪下ろしの負担と危険の軽減を図るために大変重要な課題でございます。  今年度、地域における様々な課題に対応する住宅政策を総合的に進めるための地域住宅交付金制度を創設したところでございます。住宅の克雪化に対する支援につきましてもこの地域住宅交付金制度を活用することが可能でございますので、今後、この制度を活用しまして、公共団体と連携しまして克雪住宅の整備について積極的に取り組んでまいりたいと、こう考えております。
  25. 水落敏栄

    水落敏栄君 是非、お話のように前向きにその御検討をいただきたい、このように思います。  なお、こうした設備ができましても、問題は灯油代であります。調べてみましたら、この豪雪で、この克雪住宅の融雪のための費用が約、油代が十六万から十八万円一か月に掛かると、こういう現実がございます。雪下ろしの費用も大変ですけれども、雪下ろしをしないで済む克雪住宅の灯油代が十八万円も掛かるのは誠に気の毒であります。なお、灯油の代わりに電気を使用している克雪住宅もございます。  したがいまして、克雪住宅のランニングコストに掛かる灯油代や電気代の軽減を図るために所得税や住民税の控除ができないかと、こう思っておりますが、財務省のお考えをお聞きしたいと思います。
  26. 加藤治彦

    政府参考人(加藤治彦君) 税制の制度におきましては、雑損控除という制度がございます。これは、災害とか犯罪の被害に遭われた方がその年の所得税の負担能力を低くするということで、必要によってはその分の減額を認めていく制度でございます。特に、ですから実際には、実際に被害に遭うということが原則です。  特に資産の保全ということにつきましては、資産をお持ちの方が基本的には自己責任でやっていただくということが必要だと思っておりますが、ただ、雪の場合は、これ本当に先ほどからいろいろお話がございますように、実際に雪下ろしをしないと必ず家が倒壊するという非常に差し迫ったおそれがございますので、これにつきましては特別に、実際に被害が発生する以前の段階で雪下ろしの費用についてはもう雑損控除の対象にさせていただいております。  ただ、このもう一つ手前の、今先生のお話のような克雪住宅のランニングコスト、維持、ランニングコストとなりますと、これはまた一般的ないろいろな災害被害とか犯罪防止の装置とか、いろいろある一般的な資産保全ということになりますので、なかなか今の段階でそこまで所得税の制度で、特に所得税の制度は所得のある方のみが対象になるものですから、なかなかそこは難しいなというふうに考えております。
  27. 水落敏栄

    水落敏栄君 誠に残念であります。  今年に限らず、こうした豪雪が来年もまた、二年後にも三年後にもあるかもしれません。是非とも温かい施策を講じていただきたいと思います。  雪の降らない県では考えられないことなんですけれども、これだけの多額な支出がある、一軒の家で月に十八万円程度の支出があるということを御認識いただきたいと、こう思います。  住民税のことも言いましたけれども、財務省と答弁同じだと思いますので、総務省の答弁はもう結構であります。  私、次に、これから暖かくなっていくわけですが、それに伴う雪なだれ対策とか融雪洪水に対する質問をしたかったんですが、時間が迫っておりますので、これをちょっと一つ飛ばしまして、豪雪による観光事業への影響についてお伺いしたい、こう思っています。  まず、冬の観光客は何といってもスキー客であります。しかし、余りにも雪が多い。豪雪だ、道路が閉鎖している、こうしたマスメディアの報道が過激でありまして、一番稼ぎどきの年末年始のスキー客が主要スキーエリア全体で五%近く昨年を下回っています。また、正月を過ぎてもスキー客を中心に新潟県への来訪を控える動きが広がっておりまして、風評により宿泊施設への新規予約件数が昨年を下回っていると、こうした現状がございます。あの津南町では余りの報道で観光客が皆無になってしまって、もう報道はしてくれるなと、こういった要望もあります。  県では、豪雪に対する緊急誘客対策として、首都圏での観光キャンペーンや観光協会のホームページで正確な観光情報の提供に取り組んで誘客促進を図ることとしております。国としてもこうした風評被害の払拭に向けたメッセージの発信をしていただきたい、こう思いますし、そして私は、具体的には、国土交通大臣新潟に赴いていただきまして、実際にスキー場へ行ってスキーで滑ってもらう、そして温泉に入っていただいて、新潟県は豪雪だと言われているけれども何ら問題はない、雪の中の観光はすばらしい、こんなメッセージも発信していただきたいと、このように思っておりますけれども、まあお答えできるかどうか分かりませんが、どうか国土交通省、どのようにお考えか、この風評被害も含めて、ちょっとお答えいただきたいと思います。
  28. 大西珠枝

    政府参考人(大西珠枝君) お答えいたします。  この冬の大雪によりまして、交通機関の遮断や雪崩の危険等によりまして、そういったことについての宿泊施設のキャンセルが一部地域で発生していることにつきましては、私どもも承知しているところでございます。  また、先生御指摘のとおり、豪雪被害に関するマスコミ報道等の影響によりまして、交通機関の遮断や雪崩の危険がないところにまでスキー客が減少したり宿泊のキャンセルが発生するという、いわゆる風評被害の出ているということは望ましいことではないと考えているところでございます。  こういった風評被害を防止するためには、まず旅行をされる方々に対しまして現地の正確な情報を提供することが重要であると考えておりまして、国土交通省といたしましては、まず豪雪の影響を受けている地方公共団体に対しまして、観光地の積雪情報、アクセス情報、スキー場、宿泊施設等の営業状況等について、インターネット等を活用して最新かつ正確な情報を発信していただくようお願いいたしているところでございます。さらに、各地の正確な情報提供につきまして、地方公共団体から旅行会社に説明する機会も設ける等の支援をしているところでございます。  今後とも、豪雪による風評被害が拡大することのないよう、関係事業者、旅行業界の協力を得ながら、適切な対策を図ってまいりたいと存じます。
  29. 水落敏栄

    水落敏栄君 終わります。時間が一分少々延長したことをおわび申し上げます。
  30. 岩本司

    岩本司君 おはようございます。民主党・新緑風会の岩本司でございます。  国民の皆様に分かりやすい質問をさせていただきますので、分かりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。  まず、今回の大雪によりまして不幸にしてお亡くなりになられました方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災者方々に心よりお見舞いをここで申し述べさせていただきます。  まず、大雪による災害に係る被災中小企業者対策について、中小企業庁にお伺いいたします。  まず、大雪による被害で、新潟県と長野県での災害救助法、この適用を踏まえて、被災中小企業者対策としまして、特別相談窓口の設置、また災害復旧貸付けの適用、既往債務の返済条件緩和、また小規模企業共済災害時貸付け、この適用措置を講じられていらっしゃるわけでありますけれども、特に、先ほどもお話ございましたが、新潟県では、大雨の後に大震災そして今回の大雪災害と、災害続きであるわけでありますけれども、その点を踏まえて対応がしっかりできているのか、御説明いただきたいと思います。毎回その都度その都度に対応しているのか、それともタイムラグを縮めて一回で対応したとか、いろいろあると思うんですけれども。  また、新潟長野以外の災害地域、特に北陸、東北地方において中小企業対策どうなっているのか。また、大雪地震その他の災害にも適用が可能なのか。私の地元福岡でも昨年福岡西方沖地震が起きましたけれども、そういうほかの災害にも適用が可能なのか、お願いします。
  31. 小川秀樹

    政府参考人(小川秀樹君) 御説明申し上げます。  御指摘の今般の大雪被害につきましては、災害救助法適用されました新潟県、長野県を対象といたしまして、御指摘ありましたとおり政府系中小企業金融機関の各支店、信用保証協会、商工会議所あるいは商工会連合会に特別相談窓口を設置いたしますとともに、政府系中小企業金融機関におきまして、一般貸付けとは別枠で運転資金等を貸し付ける災害復旧貸付けを実施しております。また、政府系金融機関、信用保証協会におきましては、既往債務の返済の猶予、貸出し手続の迅速化、また、担保の徴求の弾力化等につきまして、被災された中小企業の方々実情に応じて対応を行うよう指示も出しておるところでございます。さらに、中小企業基盤機構におきまして、小規模企業共済契約者に対して即日で低利融資を行う災害時即日貸付けも適用する。そういった措置を一月十日付けで実施したところでございます。  二月十七日までの時点でございますけれども、二百四十件の御相談を受けまして、国民生活金融公庫、信用保証協会などにおける融資、保証につきまして、これまでのところ六十四件、五億七千七百万の承諾と、そういう状況になってございます。  こういった災害時の対応でございますけれども、言うまでもなく、地震、大雨などのその他の災害にも対応を実施しておるところでございます。  新潟県につきましては、平成十六年七月の新潟・福島豪雨、あるいは十月の中越地震と大きな災害に見舞われたところでございまして、この両災害対応して政府系の金融機関、保証協会の合計で三千六百件、五百三十億円を超える融資を行うなど最大限の努力をしてきているところでございますけれども、こういう大災害に続いての今般の大雪でございますので、特に遺漏なきよう万全を尽くしておるところでございます。  また、御質問ございました新潟県、長野県以外で大雪に見舞われた地域の中小企業の方々につきましても、各県の商工会連合会あるいは各地の主要な商工会議所におきまして、経営安定相談窓口、そこで懇切に相談に応じますとともに、政府系中小企業金融機関、保証協会におきまして、それぞれの中小企業の方々の御相談に対応し、個々の事情に応じまして現行貸付け、保証制度の中できめ細かく柔軟に対応することといたしております。
  32. 岩本司

    岩本司君 次質問しようとしたことをまとめてお答えいただいて困るわけですが、ここ数年の災害でどのぐらいの融資実績があるのか、また、この総額及び最大貸付額、それと最小貸付額、これをお答えいただきたいと思います。
  33. 小川秀樹

    政府参考人(小川秀樹君) 先ほど述べました新潟県の災害に対する対応を含めましてでございますけれども、中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、商工組合中央金庫の政府系中小企業金融三機関による災害復旧貸付け全体の実績でございますが、平成十六年度が三千九百六十二件、六百八十二億になってございます。十七年度は、これまでの時点の合計でございますけれども、約千四百二十件、約三百二十六億ということになってございます。  最大貸付額、最小貸付額でございますけれども、新潟県関係の災害復旧貸付けの案件について申し上げますと、最大の貸付額が約十二億円、最小の貸付額は三十万円ということになってございます。
  34. 岩本司

    岩本司君 通告しておりませんけれども、環境部長さん、答えられる範囲で結構ですが、その貸し付けするときに企業の経営者同士で、こっちには何億でうちは五百万なのとか、そういう問題とかはどう処理されているんですか。
  35. 小川秀樹

    政府参考人(小川秀樹君) もとより、各機関におきまして個別の中小企業の方が、それぞれの事情、その事業の状況被害状況、それぞれ抱えておられる問題を持って御相談に来られるわけで、その各企業によりましてもちろん融資希望額も異なるわけでございますし、それぞれの事情も異なるわけでございます。そういう中で、いろんな御相談をして、やはりその被害復旧し事業を再生するということが一番重要なので、そういう見通しの下に、どういうところまで御融資するのが適当かというのを個別に御判断すると、そういうような運用になっておるわけでございます。
  36. 岩本司

    岩本司君 問題点とかございませんですか、そういう過去の事例で。こういう問題があったとか。
  37. 小川秀樹

    政府参考人(小川秀樹君) もちろん個別には、すべて御希望どおり対応したいということなわけでございますけれども、やはり何よりその個々の中小企業の方がその後事業を再開をされてきちんと再開の道がたどれるということが大切でございますので、そういうような中でいろいろ御相談をして、中には、何といいますか、その事業の再開の見通しがちょっと難しいというようなことを御理解いただくような場面もございますけれども、いずれにせよ、各機関、その災害時の窓口対応としては、最大限、返済の猶予でありますとか担保徴求の弾力化も含めて、きめ細かく柔軟に最善の方策を尽くすべく努力をしておるところでございます。
  38. 岩本司

    岩本司君 その返済はどうですか。ちゃんと返済されてますですか。最後です、この問題。
  39. 小川秀樹

    政府参考人(小川秀樹君) これはちょっと個別に申し上げるのは難しいところがございますけれども、やはり政府系金融機関全体といたしましては、ある程度このセーフティーネットということで民間金融機関よりは返済のその見通しを非常に厳重にという、まあとことんまで厳重にということではなくて、やっぱりその災害時に応じて中小企業のためにということがございますので、それは中には事故の案件もあるということになってくるわけでございます。
  40. 岩本司

    岩本司君 ありがとうございます。  次に、沓掛防災担当大臣にお伺いします。  今年は、本年度は、年末より大雪に見舞われまして、死者も多数出した状況にあります。また、豪雨による被害が頻発しておりますけれども、何か事故や事件が起こる前に日ごろから地域コミュニティーで助け合うことが重要であると考えます。今回、石川県、福井県に現地調査視察に行かしていただいたときも、集落で高齢化が進んで日ごろから助け合って生活をされている方々でも、こういうような災害のときには、例えば御子息の方がいらっしゃるかなと思ってたら隣町に出稼ぎに行ってて、大雪のときに戻って助けられるかと思ったら、その現地では、息子さんが出稼ぎに行ってるところでも大雪で、その御自分の対応に追われてなかなか、雪下ろしもそうですけれども、難しい状況なんですけれども、この対策は何かされているのかですね。総務省が発表されております都道府県における平成十七年度防災力自己評価結果、これを踏まえてお答えいただきたいと思います。
  41. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) ただいまいろいろ御指摘がございましたが、昨年総務省が取りまとめました地方公共団体防災力の自己評価結果を見てみますと、全国的には対応能力は向上しているものの、住民との、まあ地方公共団体ととのことですが、情報共有について、近年の災害を教訓とした進展は見られるものの、地域消防団などに対する取組に更なる向上が必要だ、望まれるというような結果が出ております。このため、政府では、消防団などの地域防災活動を推進するとともに、また各個人や地域コミュニティーにおいて日ごろから自らの生命、財産や地域の暮らしを守る取組を推進することとしております。  具体的にどうかということですが、私はやはりこの災害というのは、一つはハード面で日ごろからしっかりしていること、そしてまたいざというときにはその迅速な対応ができるようなシステムができていること、この二つが非常に大事だと思います。なかなかハード面では、先ほど克雪住宅のお話もございましたけれども、いろいろな中で少しずつ進んでいるという状況です。  しかし、このソフト面は非常に迅速に対応できるわけですし、このソフトという場合も三つに私は分けられる。一つは、何といっても自分自身がどういうふうにして安全を確保していくか、雪の際に、またそのほかいろいろな災害がございますが、していくという、まず自分で助け、自分を助ける自助ということが大切です。そして、しかし自分だけでは、雪の中に埋まった場合は、これは動けません。本当に雪の中というのは軟らかいと思ったら大間違いで、上から落ちてきた雪というのは強力なものですから、それは中へ入ったら動けませんから、これはだれかに助けてもらう。いわゆる隣近所、親戚、隣近所、このいわゆる共助ということが非常に大切で、命というのは大体ここまでなんですね。私は災害対策ずっとやってきたんですけれど、人間の命って大体一日なんですよ。ですから、一日、特に、例えば家がつぶれた場合で足なんかがぐっと挟まれると、大体八時間で死んでしまうんですよ。毒素が回るんですね。だから、何でそんな足が木に挟まれたら八時間で死ぬのかというと、やっぱり医学的には毒素が回るということなんですから、やっぱりその命という面でいえば、何といっても自助、そして共助、いわゆる助け合う、それが町内会であったりコミュニティーであるわけです。  私自身もそういうことをいろいろやってきていますし、今同時に私、今この立場と国家公安委員長という立場があるんで、防犯ボランティアづくりを今強力にやっているんですけれども、それ両方頭に置いているんですけど、やはりそのコミュニティーというのは、今つくっている防犯ボランティアだけですと、去年三千ぐらいだったのが、今一万四千になりました。しかし、そこへ行って私もずっと一緒に活動してみるんですけど、やっぱりなかなか、皆さんかなりの高齢者なんですね。普通勤めている人はなかなかそのボランティアで普通の日常生活の中でやれませんから。  そういういろいろあるんで、やっぱり見ていて、いざ災害で、土砂災害あるいは雪災害で、やっぱり一番活動してくれているのは消防の方ですね。消防の方々は、半分は、この辺は先生の方がお詳しいんですけど、半分はお仕事であり、半分はそういういろいろなものもあるんでしょうか、この方々の若い、そして非常なエネルギー、こういうものを是非そういう中に生かせていけないか、組織的に含んでいけないか。常時ということじゃなくて、いざ雪のときにするとか、あるいは防犯なんかもそういうふうなとか、何かその消防団の力というのは私も強力だというふうに思っています。私自身は今金沢にいるんですけれども、金沢も四つの消防団に分かれて、一番活動的にぱっとやるのは消防団ですから、そういう力をもっと何か有効に活用する、そういうことも非常に大事だなと思っています。  先生、今具体的にどんなことをやっているかというので、二つほどちょっと申し上げますと、一つは地域コミュニティーにおける防災まちづくりの活動を促進するために、今内閣府におきまして「みんなで防災」というそういうホームページを用いたり、先進事例や役に立つ情報を提供したり、全国でのいわゆる防災災害に強いまちづくり、そういう関係者の交流の場を提供させていただいております。それから、やはりこの防災の一番総元締である中央防災会議におきまして、いわゆる災害被害を軽減する国民運動の推進に関する専門調査会を設けまして、ここは各界各層の代表の方々に参加いただいて、今その取りまとめを行っております。  やはり自助、そして共助、そしてもう一つ大きくは自衛隊とかそういう方々に出て公的な立場でやっていただくんですが、何といっても人の命は共助なんですよ。そこが非常に大事なんで、そこをひとつ是非、また先生の消防団でのそういうお知恵などもいただきながら、何といっても、私いろいろ現場へ行ってみると、今この国というのは有り難い国で、災害が起きて二日、三日たつと、もう慰問品が一杯来るんですよ。すごい来ます。ですから、本当に命さえあれば、もうこの国ではいろいろ次また活動できるんで、そういう点で自助、共助、ここをまず大事、それからもちろん自衛隊やその他大きな公的な力、これがなきゃ存立しませんけれども、そういう点でまたしっかりやっていきたいというふうに思っています。
  42. 岩本司

    岩本司君 大臣、机上の空論にならないようによろしくお願いいたします。今年これだけの死者を出しているわけですから、来年また雪が降って同じようなことになると、これはもう大変な問題でございますんで、来年は、大雪が降っても死者を出さないという覚悟で是非とも取り組んでいただきたいというふうに思います。  次に、消防団の役割についてお伺いいたします。  私も現役の団員でございますけれども、地方においては、過疎化もそうでございますけれども、少子高齢化問題、また都市部においてもサラリーマン化ですね。それと、以前は商店主、事業主の方々が団員によく入っていらっしゃったんですけれども、最近では、景気もやっぱり地方は余り良くないんですね。お店を経営されている方でも以前は、何というんですか、社員さんにお店番をしてもらっていて、火事のときは、で、自分が現場に駆け付けることできたんですけれども、景気が悪くて経営者自らがお店番をしなきゃいけなくて出れないような、そういう状況もあるんですね。  過去と比較して火災件数は減ってはいますけれども、地震ですとか大雪、また豪雨、いろんな災害が続出している中で、先ほど申し上げましたけれども、消防団員の減少化は深刻な本当問題でございます。  先般、消防庁は機能別消防団、この設置を提言していらっしゃいます。各自治体に対しまして地区事情に応じた条例見直しを求めているようでありますけれども、まず、全国消防団員の方々に分かりやすく、この機能別消防団とは何か簡潔に御説明いただきたいんですけど。それと、設置状況と効果をお伺いします。  また、サラリーマン団員が消防団活動をやりやすく行えるように、勤務する企業や事業所へどのような環境整備を図っていくのか。天災は私は国が補償すると思っておりますんで、是非とも御答弁をお願いします。
  43. 板倉敏和

    政府参考人(板倉敏和君) 今お話がございましたとおり、消防団地域防災の中核的な組織ということでございまして、大規模な自然災害が多く発生をしている中でますますその役割に期待は高まっております。  しかしながら、おっしゃいますとおり、消防団員の確保が大事でございますけれども、年々減少傾向はまだ歯止めが掛かっていないということでございます。私どももいろいろ施策は講じておりますけれども、その歯止めを掛ける、団員を増やしていく有効な方策が正直言いますと今のところまだ見付かっていないというのが実態でございます。  そういうような中で、今委員が御指摘ございました機能別消防団というのを新しい試みとして市町村に今お勧めをしているところでございます。  これは何かと申しますと、これまでは、消防団員といいますと、火事があっても災害があっても何があっても真っ先に出動をしていって、火を消す、災害から人命救助するという、そういう全面的な活動をしておりましたけれども、例えば、そういう肉体的な活動に限らず、地域の人たちを安全なところに誘導をする、そういうことをある意味では専門にやる消防団員ですとか、人命救助のやり方を皆さんに教えていくようなそういう消防団員ですとか、そういう特別のことだけをするそういう消防団、そういうのがあってもいいのではないかと。その方がより消防団に入るハードルが低くなるんではないかというようなことで、機能別団員ないしは機能別の分団というようなものを推進を図っているというところでございます。  例えば、愛媛県の松山市におきましては、郵便局職員が機能別団員ということで分団を構成をするというようなことをやっていただいておりますし、福岡県の立花町では女性だけの分団をつくっていらっしゃいます。また、ほかのところでは、いったん消防団を退団をされて、ある程度お年になったということで退団をされたんだと思うんですが、退団をされたそういうOBの経験のある方を再度団員として任命をしてその範囲内でできることをやっていただくというようなこともやっております。そういうのが機能別の消防団員でございます。  さらに、サラリーマン団員が増えてきておりまして、このサラリーマン団員は通常は仕事で会社なり事業所に行っておりますので、なかなか昼間対応できないとか休みが取りにくいとか、いろいろそういう問題がございますので、私どももこの点につきましては昨年の八月以来、そういう、どうやったらこのサラリーマン団員をもっと活動をやりやすくできるだろうかということで検討会を設けておりまして、これはいずれ今年度中にその報告が出ることになっております。そういうことを含めて今後対応を図ってまいりたいと考えております。  さらに、消防団員の能力を高めるべきではないか、そのために、資質といいますか、処遇もちゃんと面倒を見るべきだということでございます。  能力向上につきましては、一般的には消防大学校ですとか都道府県の消防学校、そういうところで研修等を通じまして消防団員の資質向上を一生懸命図っているところでございますし、私ども消防庁といたしましても、インターネット上でe—カレッジというのを開いております。これを開いていただくといろいろと防災のことが勉強できるというようなコースもつくっておりますので、そういうものも活用していただきたいと思っております。  また、処遇の問題につきましては、地方財政上の措置で相当の処遇を図っておりますが、残念ながら、市町村におけるその実態はまだそこまで平均的には行っていないということがございますので、私どもとしては市町村に対して、その処遇はしっかりしていただきたいということを再三申し上げてお願いをしてきているということでございます。  公務災害補償につきましては、しっかりした制度がございますので、これを適切に運用をしていくというふうに考えております。  以上でございます。
  44. 岩本司

    岩本司君 長官、消火という話がありましたけれども、消防団員はまずは人命救助なんですね。消火はその後から付いてくるものであって、ベテランの年数が長い方々から、現地に駆け付けたらもう火の中に突っ込んでいくわけですよ。消火しに行くんじゃなくて、人命救助をしに行くのであって、先ほど分担して交通整理などする消防団員、そういうのをつくるとおっしゃいましたけれども、交通整理は警察がやるんですよ、現場では。警察は火の中にも突っ込みませんし、その後どういう、何というんですか、ガスの元栓から火が出たとか、そういう現場検証と交通整理するのが警察の仕事ですから、それは僕は警察の仕事でいいと思うんです。  団員も、ベテランになれば火の中へ入っていきますけど、まだ訓練が浅い方々は自然と現場で交通整理やりますんでね、それはもう消防団に任せていただいて、それよりも、どうやって増やすかというところにもう少し知恵を集中するべきじゃないかなと思います。  私も先輩の団員から聞いた話なんですけれども、火の中に、現場にまだ消防署が来る前ですから、火の中に突っ込んでいって、まだ生きているかなと。で、人を人命救助で外に出す寸前で沸騰して内臓が破裂して、目の前で内臓が破裂したりとか、そういう場合もあるわけですね。一週間、二週間も食事を取れないような状況ですからね。そういう人命救助を我々は中心にやっているということ。何か消火みたいな、火消しみたいなそういうイメージでちょっととらえられている方が多いものですから、その点をちょっと申し上げておきます。  それと、平成十七年度の消防白書によりますと、十六年度中、公務で亡くなられた方々、団員の方々、十三名いらっしゃいます。毎年十名前後の方々が犠牲になっていらっしゃいますけれども、危険な状況にいつも立たされているわけでございますが、もちろんボランティアでさせていただいているんですけれども、人員の減少傾向もあるんですが、その報酬と出動手当、この改善はもう是非とも、もちろんボランティアではありますけれども、やっぱり御家族もあるわけですから、改善をしていただきたいと。また、公務災害補償についても手厚くなされるべきであると思いますけれども、この点をお聞かせいただきたいのと、昨年一月に、消防団員の活動環境の整備に関する調査検討会、ここが報告しました「消防団員の活動環境整備の在り方」によりますと、団員の報酬の在り方について、先ほども申し上げましたけれども、検討をされているそうですけれども、ここも併せて、地方自治体任せではなくて、ここも併せてちょっと御説明、御所見をお伺いしたいと思います。
  45. 板倉敏和

    政府参考人(板倉敏和君) 消防団の団員の処遇の問題でございますが、これはいわゆる非常勤の地方公務員という位置付けがなされておりまして、これどういう処遇をするかというのは基本的にはそれぞれの市町村でお決めになることでございます。  とはいうものの、やはり全国的な一つの標準的なものは必要だろうというふうなこともございますし、計算もしなきゃいけませんので、地方交付税法上、その単価というのを一応計算をしております。私どもは、年々それを何とか引き上げてもらうようにということで努力をしてまいりましたけれども、かなりの額にはなっております。ただし、これはあくまでもボランティアという前提でございますので、かなりのといいましても非常に安いのは安いんでございます。  そういうことで、少なくともその地方財政で措置をしている程度の額には何とかしていただきたいということで、市町村の方に私どもの方から処遇をきちっとしてもらいたいということを申し上げてきております。それ以上のなかなか対応が取れないというのが残念なところではございますけれども、この点については引き続き私どもも努力をしてまいりたいと思います。  それと、公務災害につきましては、これはいわゆる非常勤の地方公務員ということで立派な公務員でございますので、いわゆる公務員に適用になる公務災害と同じものが適用になります。特に、これは消防団員であるという、そういうボランティア的なものであるということもございますので、公務災害ということになりますと、例えばほかにも賞じゅつ金ですとかそういういろんな手当がありましてかなり充実をされていると、こういう実態でございます。  ただ、今の報酬等の問題につきましては、先ほど申しました機能別団員というのは全部をやらない団員ということでございますので、そういうことについてある程度その差を設けるとかそういうことはあってもしかるべきじゃないかということで、いろいろとそういう検討も進めているということでございます。
  46. 岩本司

    岩本司君 分かりました。  ただ、団員の数を増やすためにやっぱり御家族の御理解が必要なんですよ。いやそんな、仕事もあって、大変で、危険を冒してって、やっぱり御家族の反対がある場合もあるので、しっかりとした補償もあればそういう警察の連携もあれば、そういうアピールも、報酬もこのぐらい、ボランティアではありますけれども、ささやかですがこのぐらいの報酬はありますというようなこともしっかり宣伝をしていただきたいというふうに思います。  次に、これもちょっと急いで質問しますけれども、アメリカではボランティア救助隊でありますSAR、サーチ・アンド・レスキューがあるわけでございますけれども、SARは消防団よりも更に専門色が少し強い組織なんですね。また、アメリカの警察システムでは、郡警、カウンティーシェリフが一番地域住民に密着した存在でありまして、このシェリフには任意で保安官助手を招集する権限があるんですね。この権限によって招集された複数の保安官助手がチームを組んで人命救助などで活躍する、こういうシステムが確立されているわけでありますけれども、この点に関してちょっと御所見をお伺いしたいと思います。簡潔にお願いします。
  47. 板倉敏和

    政府参考人(板倉敏和君) アメリカにつきましては、日本とはまた違うシステムでございまして、国土も広いということで、相当そういうボランティア的な消防も非常に活発であるというようなことを聞いております。  これは日本で申しますと、日本の場合には常備化率が非常に高いということでありまして、いわゆる救助関係は基本的には常備の消防が担うということで、その充実を年々図ってきて相当高いレベルに至っているというのが実態ではないかというふうに思っております。  それに対して、消防団も当然ながら、場合によっては主体的に、場合によっては補完的にそういうのを助けて救助活動をしていただくという、いただいているというのが実態であるというふうに認識をしておりますので、ここら辺りは今後は、消防団といわゆる常備消防のそういう役割分担なんかも踏まえながら、しっかり間違いなくやっていけるようなそういう体制づくりといいましょうか、これを進めていかなきゃいけないというふうに思っております。
  48. 岩本司

    岩本司君 次に、国交省にお伺いします。  JR羽越線の事故のような突風対策として風速計を増設することとなっておりますけれども、この費用負担を民間会社のみに拠出させるのはこれいかがかなと思うんですけれども、国が補助なり援助することで安全を担保できるのではないかと思うんですが、お答えいただきたいと思います。
  49. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) お答えいたします。  鉄道事業というのは、路盤からレールから車両、それから電気施設、そういうような運行管理を含めまして鉄道事業者がトータルに管理をすると、システムで動いているものでございまして、そういう意味では安全対策も含めまして事業者が対策を行う、風速計についても事業者が設置をするというのが基本、第一義だと考えております。  一方、国土交通省といたしまして、経営基盤の強くない鉄道事業者の皆様が設備を近代化をして効率化を図るとか、より安全を保つとか、そういうことにつきましては近代化補助という制度を持っておりまして、財政上また税制上の支援を行ってきておるところでございます。先生御指摘の風速計につきましてもこの近代化補助の枠の中で対応してきておりまして、今までも幾つかの実績がございます。さらに、特に経営の厳しい事業者の方につきましては、補助率をかさ上げをいたしまして、より迅速に進めるというような手も取っておるところでございます。  いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、今後とも鉄道事業者の行います安全投資につきましては必要に応じ適切に対処してまいりたいと考えております。
  50. 岩本司

    岩本司君 また、今度は災害復旧補助について、鉄道への災害復旧補助についてお伺いします。  公共交通を担う民間鉄道会社は重要な地域のライフラインなんですけれども、災害復旧補助には鉄道軌道整備法の適用を受けなければならないと。これは過去三年間の鉄道事業の損益計算において損失を生じていると、これが条件になっているんですね。だから、もうかってたら駄目だということなんですけれども、道路や空港、港湾などのインフラと比較してもこれは問題があるんではないかと思うんですけれども、いかがでございますか。
  51. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) 先ほど申し上げましたように、鉄道事業者はトータルでシステムを運営しておりますものですから、災害復旧につきましても一義的には鉄道事業者の責任であるというふうに思っております。これが原則だと考えております。  しかしながら、被災規模が大きくて、事業者がその資力によっては早急にはこれを回復できないと、そういうことがある場合には、現在も鉄道防災事業費補助、先ほど申し上げた近代化補助などの補助制度をつくりまして対応してきております。  先生御指摘のように、過去三年間の赤字等々の補助要件ございますが、例えばその一回壊れたところを更に直すことによって、今は黒字だけど赤字になる事業者につきましてはこの補助対象にいたしておりますし、非常に大きな災害の場合、国民に非常に大きな御負担を掛ける場合、例えばかつては阪神大震災の場合には、この補助要件を柔軟に対応いたしまして、黒字の会社でも補助をした実績もございます。  いずれにいたしましても、何度も申し上げますが、自然災害等が起こりまして地域の皆様に非常に御不便を掛けるような場合には、被害の規模等に応じまして私どもも適切に対応してまいりたいと考えております。
  52. 岩本司

    岩本司君 そういう黒字の、まあ赤字で、いろいろ黒字赤字のお話をされましたけれども、これだけ死者災害で出ますと、例えばもう治山とか治水と併せて必要なこれは手当てを行うべきだと思うんですね。前もってそういう豪雨のときとかで線路が埋まったりとかしないようにやっとけば別にいいわけですから、対策を打っておけばですね。  それで、JRの多くは山間地域に敷設されているんですよ、もちろん民間鉄道会社もそうですけれども。そういう田舎の方はもう赤字なんですよね。そういうところでやっぱり事故とか起こりますから、例えばJRの三島社、九州、四国、北海道、こういうところはやっぱり治山や治水と併せて私は必要な手当てを行うべきと考えますけれども、いかがでございますか。  ちょっと簡潔にお願いします。二十秒ぐらいで。
  53. 桝野龍二

    政府参考人(桝野龍二君) 先生おっしゃるように、鉄道だけで議論をしていてもやっぱり問題がありますので、私どもは鉄道事業者に対しては関係自治体の方とよく相談するように、関係自治体の方につきましても鉄道事業者とよく相談していただくように、併せて連携をして治山治水に当たるようにということを指導しておりまして、今後もその方向で対応してまいりたいと思っております。
  54. 岩本司

    岩本司君 しっかりお願いします。今後も、私も一緒に取り組んでいきたいというふうに思っております。  最後に、国交省航空局にお伺いしますけれども、先般、全国的に記録的な大雪で成田空港で延べ一万三千人が空港内ロビーで夜を明かすというような、こういうことが起こったんですね。雪への備えがもう不十分でありまして、各航空会社では自社の飛行機の除雪機を増設する義務があるわけでございますけれども、増便の傾向に対応がこれ本当に追い付いているのかどうか。それと、航空各社の除雪作業にかかわるこのクルーの人員配置等、これ適切かどうか、お答えいただきたいと思います。
  55. 本田勝

    政府参考人(本田勝君) お答えいたします。  降雪時になるべくスムーズな運航を確保するというのは私どもの使命だと思っておりまして、そのためには空港管理者と同時に航空会社の対応も当然必要になってまいります。  先生御指摘の一月の成田空港での大混乱でございますけれども、成田空港には飛行機に付着する雪を解かすための機材が実は三十三台ございました。これは、例えば新千歳空港ですと十九台ということでありまして、それまで想定されてまいりました雪に対してはこれで対応できるだろうと正直考えておりまして、かつ事前にそのための十分なクルーも対応させておったわけですが、想定する以上の大雪になりまして、正直三十三台ではスムーズな融雪ができなかった、そのために次々到着する飛行機が止まる場所もないという形で連鎖反応的に大混乱を招きまして、大変御迷惑をお掛けいたしました。  その意味で、私ども直ちに融雪機の増設、これを具体的には取りあえず四機増設するための対応を図りたいと、こう考えております。
  56. 岩本司

    岩本司君 ありがとうございます。  終わります。
  57. 浜田昌良

    浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  まず、質問に入ります前に、今回の雪害でお亡くなりになった方々の御冥福をお祈りするとともに、今まだ不自由な生活を強いられておられる方々に対して心よりお見舞い申し上げます。  私も、二月六日に石川白山市、福井勝山市及び大野市委員会の派遣として現地調査に行ってまいりました。地元育ちの六十四歳の市の幹部の方から、今回の雪害の第一の特徴として、十二月にこれだけの雪が降るのは生まれて初めてだとのことでありました。過去五年間の平均最終降雪量を一月の上旬で既に上回ってしまったのであります。しかも、十二月は雪と雨の交互で雪が重くなり、雪かきが例年以上に大変だったとのことでした。  最初に、この異常とも言える気象について、気象庁にお伺いしたいと思います。  現地では、今年のような十二月からのどか雪は異例であるとの声を聞きますが、このような気象の変化は地球の温暖化との関連で何か関連があるのでしょうか。
  58. 長坂昂一

    政府参考人(長坂昂一君) お答え申し上げます。  お尋ねのございました今冬の記録的な大雪などの特異な気象現象と地球温暖化との関連でございますが、これまでの観測事実あるいはコンピューターシミュレーションによります気候の将来予測の中におきましては、温暖化が進むに伴いまして、雨に関しましてはその発生頻度、特に集中豪雨でございますが、発生頻度あるいはその激しさが増加することが明らかになってまいっております。一方、大雪に関しましては、現在までのところ、温暖化との直接的な影響に関しましては必ずしも明快になっていないところでございます。しかしながら、降雪現象は元来年々の変動が非常に大きい気象現象でございます。今後も、年によりましてはこの冬に匹敵する大雪が見込まれることから、今回の事例等も踏まえまして雪への備え、対応が大切と考えております。  また、一般的な傾向といたしまして、地球温暖化に伴い各種の極端な気象現象、こういったものが従前以上の頻度で発生すると見られているところでございます。気象庁におきましては、地球温暖化とこういった大雪を含めました特異な気象現象との関係についてより的確な把握が重要と認識し、関係の調査活動等を今後とも積極的に進めてまいる所存でございます。  以上でございます。
  59. 浜田昌良

    浜田昌良君 ただいまの御答弁で、明確な直接的な関係性ははっきりしないんですが、地球温暖化によって各種異常気象というのが頻発すると、そういう御答弁でございました。そういう意味では、今後もこういう十二月のどか雪もあり得るのかなということで、この経験を来年以降に生かすことが重要であると考えております。  そして、今回の雪害の第二の特徴は、お亡くなりになった百三十名を超える方々の三分の二以上が六十五歳以上の高齢者であると。また、その原因の四分の三が雪下ろし作業中の事故であるということでございます。  そこで、内閣府に質問したいと思います。  亡くなった方の、被害者の三分の二が六十五歳以上で、そのほとんどが除雪作業中のものでありますが、このような傾向は従来の大雪被害でもあったのでしょうか。
  60. 榊正剛

    政府参考人榊正剛君) 委員御指摘のように、現在まで百三十六名の方が亡くなっておられますが、六十五歳以上の高齢者の方が全体で約三分の二といいますか、六三・二%の八十六名、で、四分の三の七六・七%の六十六名の方が雪下ろしの方で亡くなっております。  実は豪雪と言われますと、昭和三十八年豪雪昭和五十二年、五十六年、五十九年豪雪ということなんでございますが、実はそのときのデータ、被害者の年齢の詳細なデータが実は最近二か年分しかございませんので、どのような傾向であったかというのは定かではございません。で、二年間ということでございますので、昨年の場合ですが、昨年八十八名の方が亡くなっておられます。やはり六十五歳以上の高齢者の方が全体で約三分の二の五十八名という方でございますし、やはり同じように七割の方の四十名が雪下ろしなどの除雪作業中に亡くなっているというふうなことになっております。  ただ、例えば昭和四十年前後でございますと、六十五歳以上の人口の比率は全国で見ても六・三%ぐらいと。平成十二年、今から五、六年前ですが、それで見ますと全国で一七・四%、豪雪地帯ではそれが二〇%ということでございますので、その五年後の現在ではこれが二十数%から二五%にはなっているだろうということで、死者の中で間違いなく高齢の方が多くなっておられるということは私ども推測をいたしているところでございます。
  61. 浜田昌良

    浜田昌良君 昔の大雪の際の数字はないとのことでありますが、昨年の数字だけでいえば、やはり八十八名亡くなっている中で高齢者の方が三分の二、そして七割が雪下ろしの作業中とのことでございました。  雪害地震などと異なりまして、ある程度予測可能な自然災害であるというところに特色があると思います。しかし、この状況では今までの経験による予測が十分に生かされているとは言えないのではないでしょうか。  そこで、このような被害を二度と繰り返さないためにも、大臣に質問します。高齢者や障害者世帯の除雪は、高齢者等が行わなくてもよいよう万全の対策を取ることが必要と考えますが、大臣の所見をお聞かせ願いたいと思います。
  62. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) 今、今年、去年の高齢者方々がたくさん死者の率を占めるということですが、私も雪国で育っていたんですが、昭和三十八年ごろですと、いわゆるみんな家族で住んでいましたから、おじいちゃん、おばあちゃん、おじいちゃんがあんまりそういう雪下ろしというよりも、その息子さんが雪下ろししているのを外で見ていると、何か事故があったら大変だとかね。そういうような役割を果たしておりました。これが核家族化が進んで、そして過疎化が進む、そういうことによってこういうのが非常に顕著になってきたんだというふうに思いますが、しかしそのことがこれからもまだ持続するということは、まあ特別なことがない限りそうですので、それへどう対応するかということですが、今回の大雪によって、今まででなかったというか、新しいことを随分この高齢者除排雪のために取り組みました。  まずその第一番目のものは、いわゆる新潟県や長野県で災害救助法適用して、雪下ろしのために災害救助法適用するというのはこれは初めてでなかったかなというふうに思います。なかなか災害救助法というのは、いわゆる緊急な、そういう害によって生命に危機が、重大な危機が及んで、それを救うということでございますので、屋根雪下ろしのことを災害救助法適用するにはいろいろなまた問題もございましたが、そういうものを乗り越えて適用させていただいた。そして、新潟県、長野県で、十数市町村でこのことにより除排雪高齢者の家の除排雪などをさせていただきました。  それから、そのもう一つの問題は、いわゆる自衛隊を派遣してのことでございますが、従来、自衛隊という場合は、いわゆる道路等の除排雪であって、個人の家の中に入って、その個人の家に対する屋根雪下ろしするとか云々ということは余りそういう対象になっておりませんでした。そういう中で、今までは家から出た、外へ出た雪ぐらいはいろいろ面倒を見ていたんですが、今回はそういうことではとても間に合わないし、まず自衛隊方々にも雪下ろしを手伝っていただくということで、この新しい道を長野県、新潟秋田、北海道、群馬、福島県の六道県で実施させていただいて、これは非常にスピーディーにやらせていただいたというふうに思っております。  災害救助法は二十年ぶりの適用だそうでございますから、またそういう特別な中で、ひとつ是非という異常な状態なので対応させていただき、こういうものをこれからずっと続けて持続できるように、制度的にいろいろもう進めていきたいというふうに思っています。  さらにまた、地方公共団体が行う高齢者世帯等の雪下ろし支援に対する経費についても特別交付税措置するということも、これも異例なことでやっていただきました。通常これは三月にするのに、もう既に出していただくなどという形でさせていただきました。  そういう形で、今回のこの問題は何とか乗り切ったわけですが、じゃこれからどう措置していくのか、今年の体験、経験を生かしてどうしていくのかということについてはこれからまたしっかりとみんなで勉強し、検討してまいりたい。そうすることによって、高齢者方々除雪支援し、国民生活の安全のため、今申し上げたような臨時異例的に適用していただいたこの仕組みをどうするか、これからまたしっかりみんなで勉強して、この対応に、高齢者等除雪等によって生命をなくするようなことのないようなしっかりした対応を取っていきたいというふうに思っております。
  63. 浜田昌良

    浜田昌良君 大臣、ありがとうございました。  次に、具体論として質問したいと思います。  まず、先ほど同僚議員からも質問ございました屋根融雪装置支援についてでございます。各自治体でもその設置に補助をしておりますが、その拡充に対する要望が強いところであります。特に、独り暮らしの高齢者への補助金を割り増すなどの措置が必要との声も聞きました。  そこで、国土交通省に聞きますが、屋根融雪装置への支援に当たっては、今までどのような支援をしてき、また今後その措置をどう拡充していくのか、これについてお聞かせ願いたいと思います。
  64. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、融雪装置の設置などの克雪住宅の整備の推進は、多雪地域における冬期の居住環境の総合的向上、雪下ろしの負担と危険の軽減を図る上で極めて重要なテーマでございます。  このため、国としても従来、平成四年度に克雪住宅共同整備事業というものを創設しまして、豪雪地帯住宅連檐地区における集団克雪化を対象に、住宅克雪化の工事費に対する助成をしてきたところでございます。  一方、今年度、この事業を含めた住宅関連事業全般を対象地域住宅交付金制度、これを創設しまして、公共団体の裁量度を格段に高めることによって、地域住宅政策の推進を自主性と地域の創意工夫を生かしながら進めていくというようなことを決めたわけでございます。  これによりまして、従来は補助対象とならなかった個別の住宅の克雪化、こういったものにつきましてもこの地域住宅交付金を使いまして支援することが可能でございますので、今後、公共団体と連携しまして、しっかりとこの制度を活用し、住宅の克雪化について取り組んでまいりたいと、こう考えております。
  65. 浜田昌良

    浜田昌良君 更に拡充をお願いしたいと思います。  次に、災害救助法適用について質問したいと思います。  今般の雪害長野県及び新潟県では災害救助法適用がなされた地域があります。適用されれば、今までもお話ございましたように、除雪費として一世帯当たり十三万七千円支給されるとのことであります。しかし、今回現地調査に入った石川県及び福井県では適用になっていないのです。不思議だと思いまして地元の自治体関係者に聞いたところ、災害救助法の運用に関する要望が幾つかあったようでございます。  第一には、市町村合併による基準の実質的変化に対する対応についてであります。つまり、昨年の二月一日に一市二町五村が合併した白山市の場合、一部の村では生命、身体に危害を及ぼすおそれがあるものの、市全域にわたっていえばそのような状態にあると言えないわけであります。  そこで厚生労働省にお聞きしますが、災害救助法除雪適用に当たっては、平成の大合併でできた市等については、合併前の町村単位での雪害の実態があれば市単位の地域指定ができるよう弾力的に運用すべきと思いますが、この点についていかがでしょうか。
  66. 金子順一

    政府参考人(金子順一君) 災害救助法適用についてのお尋ねでございます。  災害救助法適用につきましては、仕組みといたしましては、災害によりまして市町村単位で見まして住家の、家の損壊、これが人口に応じて何戸以上生じた場合という、こういう基準で適用するというのが第一点ございます。これに加えまして、実はそういった基準とは別に、多数の住民の方々が生命、身体に危害を受けたり、あるいは又は受けるおそれが生じた場合と、こういうことも適用の基準として設けているところでございまして、今回の雪害対策につきましては、この後段の方の基準を適用させていただいているところでございます。この災害救助法適用は、今申し上げましたように、法律上市町村単位ということに相なっているわけでございます。  合併前の町村単位で適用できないかという、こういうお尋ねでございますけれども、今申し上げましたように、今回の適用はそういった「受けるおそれが生じた場合」ということで適用しておりますので、その市町村の全域ということではなくて、一部の地域にそういったことが生ずるおそれがある場合にもその市町村全体についてこれを適用するということが可能でございまして、こうしたことで現在運用をさせていただいているところでございまして、実質的に支障のないような対応になっているのではないかと私どもとしては考えているところでございます。  ただし、今申し上げましたように、こういった取扱いについて必ずしも十分行き渡っていなかったというところもございます。そういったことで一月十一日でございますが、この旨につきまして関係都道府県に文書を発出いたしまして周知をしたところでございます。議員御指摘のように、災害救助法を十分活用していただくように、その周知、運用につきまして都道府県ともよく相談しながら進めてまいりたいと思っております。
  67. 浜田昌良

    浜田昌良君 引き続き周知徹底をお願いしたいと思います。  第二の課題は、空き家、空き工場への適用であります。  今回の雪害被害は三Kのところを直撃していると言われています。いわゆる高齢化過疎化空洞化であります。例えば大野市は賃加工の織物工場が一時期は百三十社あったものが、今ではたったの五社ということです。その空き工場倒壊が近隣住宅への被害を呼ぶ形になっているのです。現在のところ近隣住民からの知らせがあったものは市役所の負担で除雪を行っているとのことでした。  そこで、再度厚生労働省に質問しますが、災害救助法除雪適用に当たって、空き家、空き工場等を第三者が行う場合も対象となるよう弾力的な運用をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
  68. 金子順一

    政府参考人(金子順一君) 住民の方がお住まいの住戸だけではなくて、空き家あるいは空き工場といった、こういったところの除雪ということについての災害救助法適用についてのお尋ねでございますが、災害救助法の原則から申し上げますれば、被災者が現に応急活動を要する場合ということでございますので、それぞれのお住まいの方の住戸ということが念頭にあるわけでございますが、ただ、空き家、空き工場除雪につきましても、その空き家が雪によって倒壊をしたり、あるいは隣接している住戸に被害を与えると、こういった可能性がある場合につきましては、住民の方々の生命又は身体に危害が生じるおそれがあるものとして、災害救助法による除雪対象に含めることは可能と考えているところでございます。  他方、災害救助法の実施主体の件でございますが、これは、災害救助法は、都道府県又はその委任を受けました市町村が実施の主体となってこれを行うと、場合によりましては、それらの実施主体が必要に応じまして事業者に委託をして除雪をする仕組みというふうになっていることでございます。  こうしたことで、災害救助法のこうした枠組みの中で、空き家、空き工場等除雪につきましてもこの災害救助法による除雪が可能になりますよう、可能な限り弾力的な運用をしてまいりたいと思っております。また、その旨につきましては関係都道府県に対しても改めて周知を行ったところでございます。関係自治体からの相談に適切に応じて、その活用の周知に図ってまいりたいと、このように考えております。
  69. 浜田昌良

    浜田昌良君 ありがとうございました。総じて、災害救助法の弾力的な運用とその運用の周知徹底をお願いしたいと思います。  次に、先ほども同僚議員から質問ございましたが、いわゆる特別交付税、また市町村道除雪費に関する質問に移りたいと思いますが、これについては現地で、現地調査入らせていただきましたところ、この費用がもう底をついたと、そういう声が大半でございます。  二月三日の関係閣僚会議で一次配分額が決定され、そこで特別交付税の前倒し、また市町村道除雪費の一次交付がなされたわけでありますが、これ地元からの感じからしますとまだ十分ではないと、こういうのが実感だと思います。これらの点については既にもう質問ございましたので改めて質問はいたしませんが、三月末の特別交付税の残りの配分に当たっては、十分にその状況をしんしゃくしていただくということをお願いしますとともに、市町村道につきましても、例えば勝山市では要望額は四億円でした。しかし、一次配分額は七千五百万円という状況でございますのでまだまだ足りないという状況でありますので、是非、予備費を使って追加交付をすると、そういうことをお願いしたいと思いますので、これは要望として、質問ではなくてお願いしたいと思います。  そして次に、現地調査に入りました白山市の左礫町は携帯電話が通じない地域であります。本年一月五日の災害発生時にも携帯電話が使えず救急救助活動にも支障が来したとのことでありまして、これは雪害だけに限りませんが、携帯電話の不感地域について総務省に質問します。  雪害を始め災害の救急救助を円滑に進めるため、村落があるところについては一〇〇%携帯電話を使えるようにすべきと考えますが、総務省対応方針はいかがでしょうか。
  70. 桜井俊

    政府参考人(桜井俊君) お答え申し上げます。  災害時に救急救助活動が円滑に行われるためには、通信の確保が大変重要だというふうに認識しております。このため、自治体におきましては消防救急無線あるいは防災無線など整備を進めているわけでございますけれども、委員御指摘のとおり、携帯電話は行政側あるいは利用者側双方が使える無線システムということで大変有効な手段であるというふうに認識をしているところでございます。  携帯電話のエリア整備に関してでございますけれども、平成三年度より、豪雪地帯を含みますいわゆる条件不利地域に対しまして、国の一般財源によります補助事業でございますところの移動通信用鉄塔施設整備事業を実施してきているところでございます。この事業の実施等を通じまして、携帯電話の現在の人口カバー率は、平成十六年度末時点でございますけれども、九九%強という実態になってきております。  さらに、未整備の地域について整備を促進するという観点から、今年度から、電波利用料財源、これは無線局の免許人から毎年いただいているものでございますけれども、この電波利用料財源を用いました補助事業を創設させていただいているところでございまして、これらを通じまして今後ともサービスエリアの拡大に積極的に対応してまいりたいというふうに思っているところでございます。
  71. 浜田昌良

    浜田昌良君 人口ベースで九九%がカバーされているというお話ですが、実際に雪害が起こっているところはいわゆる過疎化のところでございますので、引き続き御支援のほどをお願いしたいと思っております。  それで、今回の記録的な大雪の後は大規模な雪崩が心配でございます。既に現在までに八十五件、うち住宅周辺の集落雪崩が二十六件も起きています。総合科学技術会議では二千五百万円支出して緊急に雪崩予測を行うともありますが、これも併せまして内閣府に質問いたしますが、今回の記録的豪雪を受けて現時点で準備している雪崩予測や雪崩防止等の総合対策状況はいかがでしょうか。
  72. 榊正剛

    政府参考人榊正剛君) 委員御指摘のように、これまでに雪崩が八十五件発生いたしておりまして、秋田県仙北市田沢湖町の温泉施設で死者が一名出て負傷者が三十六名といったような被害状況になっております。  雪崩の関係でございますけれども、豪雪地帯特別措置法というのがございまして、そこで調査をいたしておりまして、その地域指定を受けたところで集落を襲う危険のある雪崩危険箇所というのが全国で約二千百か所というふうに聞いております。  このように雪崩が予見されるような地域につきましては、道府県市町村連携をいたしましてパトロールの実施、それから道路の点検及び雪庇処理作業等を行っているほか、雪崩家屋の倒壊によりまして住民の生命、身体に被害が及ぶおそれがある場合には遅滞なく避難の勧告、指示を行うということを政府として通知をいたしているところでございます。また、これらの雪崩危険箇所につきまして、危険度の高い箇所では、雪崩対策事業というものを活用いたしまして雪崩予防さく・防護さく工などの雪崩防止施設の整備を行っているところでございます。  さらに、平成十七年度の科学技術振興調査費による緊急研究開発等といたしまして、独立行政法人防災科学研究所が中心となりまして雪崩発生予測に関する研究を行おうということで一月三十一日に決めたところでございまして、その結果も今後の雪崩対策に生かすところといたしているところでございます。  なお、先ほど、雪崩の危険箇所、二千百と私申し上げたようですが、二万一千、正確に申し上げますと、二万五百一か所でございます。  今後とも、国、地方の関係機関と連携いたしまして雪崩対策に万全を期していきたいというふうに考えているところでございます。
  73. 浜田昌良

    浜田昌良君 それでは、もう時間もなくなりましたので、最後に大臣の決意をお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。  今後、積雪から雪崩の時期を迎えるに当たりまして、被害をこれ以上増やさないと、そういう大臣の決意をお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。
  74. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) 今後、積雪の多い地域では温度が上がるに従いまして雪崩の発生が懸念されることになります。  雪崩というのは、皆さん余り御存じないんでしょうけれども、すごいスピードなものなんです。表層雪崩と全層雪崩があるんですが、表層雪崩というのは、雪がある、その上に三十センチとか何十センチ雪が降ったらその分だけさあっと流れるんですけれども、その速度は大体新幹線並みです。百五十キロ、スピードにして百五十キロ。大体百から二百キロなんですけどね。それから、いわゆる全層雪崩で全部来るのは、いわゆる自動車、六十キロぐらいのスピードで来ますから、普通雪崩が来たら自分がどいたらいいやとかいうんでは間に合わないんです。  ですから、やっぱり事前にその雪崩のところ、今二万幾らという箇所がございました。そこに対しては確かに雪崩を防止するそういう施設を設置するのも一つですが、これまたなかなか大変でしてね。  それから、それだったらば先に雪崩を発出させてしまう、ある程度雪崩ができそうになったら爆破させてそれを先に落とすとか、いろんな方法があるんですが、私も爆破やってみたけど、鋭いそういうものは雪には効きません。雪というのは軟らかくソフトにふわっとするとみんなだあっと落ちてくるんですよ。私も消防車のあれで、雪庇なんかがざあっと出てくるから、雪庇切りに消防車でだあっとやっても穴が空くだけで全然落ちてこないんですよ。  やっぱりそういうふうないろいろなことが必要でございますので、そういうものをみんな生かしながら、まず雪庇を切ってなくする。そして、いわゆる雪崩の起きるところにはそういう対策を打ちたいけれども、まあ二万という数字はなかなか大変なんですけれども、そういうことをしながら、しかし今全部はできませんから、やっぱり雪崩の危険防止等についての、事前に、ここ危険防止があったらそういうことをちゃんと表示できる、そしてまたそういうことを事前に皆さん方がよく理解する。よく、ここ危険だからと言ったら、どうするんですかとなるんですが、危険だったらそこに止まらないでさっと行ってもらうことなんです。よく私も管理している道路管理者ですから言われました。ここ雪崩危険と書いてあるのを、そんなものあったってどうするのと言うから、そうじゃなくて、そんなもの見てもらわないでさっと行っていいんですというふうに指導してやってきました。  いろんなそういう経験などをみんなで寄せ集めながら、こういう不幸な事故が起きないように、しっかりとこれから、私自身もそういうことを長年やってきた人間なので、それを生かしてしっかり頑張っていきたいと思います。
  75. 浜田昌良

    浜田昌良君 終わります。
  76. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  まず、今回の豪雪の、亡くなられた方へのお悔やみと被災者へのお見舞いを申し上げます。  私も二月六日の委員派遣に参加もし、その前にも、最も雪の多かった一月九日に党としての調査で同じ勝山市、大野市にも参りました。そのときに市の幹部の方が、豪雪対策に勇み足なしと、こういうことを言われたのが大変印象的に残っております。一瞬のちゅうちょが被害の拡大になると。ですから、現場皆さんがそういうちゅうちょなしに対策が打てるような支援が本当に今国に求められていると思います。日本共産党として災害救助法の積極的活用や自治体に対する特別交付税の増額、また県道や市町村道除雪費に対する早期補助金交付等を求めてまいりましたけれども、改めて強く求めたいと思います。  今日は時間も限られておりますので、融雪屋根除雪機の燃料費にかかわる税金の軽減の問題に絞ってお聞きをいたします。  まず、融雪屋根にかかわる灯油や電気代の問題です。  先ほどの質疑にもありましたけれども、屋根雪下ろしにかかわる費用については所得税の雑損控除の対象になっておりますけれども、この制度ができた経緯と趣旨についてまず説明してください。
  77. 竹田正樹

    政府参考人(竹田正樹君) お答え申し上げます。  雪下ろし費用に係る雑損控除の適用の経緯につきましては、さかのぼりますと三十年以上前のことになりますので、詳しくは実は私どもにとりましても明らかではない点は御理解いただきたいんでございますが、概略といたしましては、御指摘の雪下ろし費用につきましては、昭和四十八年の秋田県の豪雪の際に初めて個別に、非常な豪雪で雪を下ろさないと家屋が壊れてしまうというふうな状況を勘案して、初めてこの雑損控除の対象として取り扱ったわけでございます。  その後、昭和五十二年に至りまして、豪雪地帯におきます雪下ろし実情等を考慮して、こうした豪雪の場合における雪下ろし費用等が雑損控除の対象になるということを明確にいたしました通達を発遣いたしております。その後、昭和五十六年に至りましてこの雑損控除の制度が拡充され、災害関連支出に新たに五万円控除の制度が導入されたことに伴いまして所得税法施行令が改正、整備されまして、その下で雪下ろし費用が雑損控除の対象として適用されるということが明確になっているというわけでございます。
  78. 井上哲士

    井上哲士君 この制度ができた当時と比べますと、随分豪雪地帯は変わっております。過疎化高齢化が非常に進行している。例えば新潟県の松之山町の場合は、昭和五十六年当時、人口五千百八十二人で高齢者率は一七・七%です。去年の九月でいいますと、人口は二千九百三十五人、高齢者率四二・四%となっております。これはここだけじゃありませんから、今、今冬でもこの雪下ろしの人手がなかなか足りないということが各地で起きました。そういう下で先ほど来議論のありますような融雪住宅というものを国や自治体も支援して広めているという状況にあるわけです。  ところが、付けてみますと非常に燃料費が高く掛かると。私、聞きますと、ある津南町の高齢者世帯の場合に、補助制度も使いまして六百五十万掛けて融雪屋根設置したと。ところが、今年は灯油代も非常に上がっておりまして、十二月の十二日から二月九日までで二十七万一千四百五十五円掛かったということなんですね。ところが、先ほど答弁がありましたけれども、この融雪のための燃料費は雑損控除の対象にならないと。  人を雇って雪下ろしをするのも融雪屋根を使うのも、倒壊防止のために屋根の上から雪をなくすという点では全く同じ目的であると思うんですね。大体あの制度ができたころは融雪屋根なんていうのはなかったわけですから、非常に高齢化も進行しているという新しい社会的な状況にあって制度も変わってしかるべきだと思うんです。そういう点でも当然雑損控除の対象にすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  79. 竹田正樹

    政府参考人(竹田正樹君) 先生の御指摘は、融雪屋根の燃料費は業者に雪下ろしを委託する場合の費用と効果として同様のものである、したがって当該燃料費についても雪下ろし費用として雑損控除の適用を認めるべきであるというお考えであろうかと思います。  住宅屋根に大量の積雪があって、この雪下ろしを業者に委託する場合といいますのは、正にこれは雪下ろしをせずにほっておくと家屋が倒壊してしまうという、そういう切迫した状況が存在するわけでございまして、これが、先ほど申し上げました所得税法施行令二百六条一項三号に規定がございますが、正に被害が生ずるおそれがあると見込まれる場合における、その被害の発生を防止するために緊急に必要な措置を講ずるための支出と、これに当たるということで雑損控除の対象としておるわけでございます。  しかしながら、融雪屋根につきましては、融雪屋根を設置される方は、その燃料費も掛かるということを当初から御認識の上で、そういうランニングコストやあるいは設置そのものに掛かる費用と、それからそれに対します家屋の倒壊を予防できるという便益をあらかじめ勘案して、まあある意味御自身の資産保全のためにあらかじめ設置しておられると。(発言する者あり)そういう、そしてその融雪装置を稼働させることによって屋根に危険な積雪を生じるという切迫した事態は生じることはないと。  したがいまして、正に先生御指摘のように、家屋の倒壊を防止するということでは同じ効果ではないかということから、効果としては同様であるとしても、今申し上げましたような違いがございますので、これにつきましてはやむを得ない支出で正に被害が生ずるおそれがあると見込まれる場合における緊急な支出には当たらないと私ども解しているわけでございます。  そういう社会の変化とか、あるいは融雪屋根普及という見地から対応を行うべきであるとの御意見はもちろんあろうかと思いますけれども、それを私どもで税法の解釈、適用の変更でそれに対応するというのは、私どもも法令の限界があるという点については御理解いただきたいと思います。
  80. 井上哲士

    井上哲士君 へ理屈だという声が上がりましたけれども、今のは雪国では全く通用しない議論だと思うんですね。雪のままためて下ろすのか、ためないように解かすのかということなんです。ほっといたら倒壊の危険があるということでは全く一緒なわけですね。  しかも、克雪住宅には落雪方式と融雪方式があります。落雪方式で屋根から下ろした雪が横にたまった、これを人を使って除雪する場合は、これは雑損控除の対象になるわけですね。ですから、解かして落とすかそのまま落とすかの違いでこれが違うというのは非常に不合理な話でありまして、霞が関の暖房の利いた部屋で考えた机上の空論だと私思うんです。これは是非よく事情を見て正していただきたいと強く求めておきますし、私は雪国出身大臣にもその点を御尽力いただきたいと思うんです。  もう一つ不合理な問題で、除雪に使用した軽油に対する軽油引取税の免除について聞くんですが、現在は一定の業種、例えばゴルフ場の芝刈り機は免除対象になっていますけれども、この制度の理由と要件について簡潔にお願いいたします。
  81. 岡崎浩巳

    政府参考人岡崎浩巳君) お答え申し上げます。  軽油引取税の課税免除の対象につきましては、今の御指摘のようなものとか船舶の動力源とか、こういったものが規定されております。  これらの要件としましては、道路の使用に直接関連を有していないこと、それから脱税の防止が容易であること、あるいは免税手続に係る、特に課税庁側等の事務が負担が大変でないこと、というようなことを勘案して要件が定められているということでございます。
  82. 井上哲士

    井上哲士君 今、住宅の周辺とか農地で除雪機の使用は不可欠になっているんですね。この燃料費が非常に負担になっています。  津南町でユリハウスを経営している農家に聞きますと、ハウス周囲の除雪のために三十八馬力の除雪機を使っていますけれども、この二か月で軽油代が四万八千九百九円、これに加えて軽油引取税が二万四百十五円も掛かるわけですね。  ところが、この除雪機の場合は免除対象になっていないんです。なぜゴルフ場の芝刈り機が対象になって農家の除雪機は対象にならないんでしょうか。
  83. 岡崎浩巳

    政府参考人岡崎浩巳君) お尋ねのとおり、現在、住民の除雪用の機械の軽油はなっておりません。こうした機械の場合には、軽油の使用量が比較的少量の割に住民の側の申請の事務あるいは報告の事務、課税庁である都道府県側の申請受理あるいは使用実態調査等の事務が非常に、大変な事務が生じるというようなこともありまして、こういう個別の小さな機械ごとに課税免除措置対象とすることは困難であるというふうに考えております。
  84. 井上哲士

    井上哲士君 農家の場合も対象になってないんですね。そうですね。農家の問題を私今さっき言っているんです。  ここに除雪機のパンフがありますけれども、かなり大きい、三十八馬力というものでも、これは全部手押しで使うものなんですね。乗るんじゃないんです。ですから道路は通りません。しかも、豪雪があったときしかこれは使えませんから、軽油の使用実績は把握しやすいですし、さっき言われた脱税という、防止も非常に容易なわけでありますね。ですから、農家でも耕運機は課税免除なのに除雪機は課税免除にならないというのはどう考えてもおかしいと思うんですけれども、もう一度お願いします。
  85. 岡崎浩巳

    政府参考人岡崎浩巳君) 漁船とか農業用機械というものは現場では大変農協とか漁協の協力をいただきまして、実績の報告をいただいたり、あるいは申請についても非常に事務の簡便なやり方をさせていただいているということがありまして何とか可能になっているということの事情がございまして、個別のこういう除雪用機械とは若干事情は異なるということを御理解いただきたいと思います。
  86. 井上哲士

    井上哲士君 さっきのユリハウスの件も言いましたけれども、こういう雪国の農家の場合に、こういう除雪機なしに農業ができないんです。耕運機と全く同じ必要性があるわけですから、余りへ理屈を重ねずに、これはやっぱり是非この除雪機についても課税免除ということをやっていただきたいと思うんです。  今日二つの税金の問題について豪雪地帯にかかわって質問をしたんですが、いずれも高齢化とか過疎化という社会的条件の変化、それから除雪にかかわるいろんな機材や設備の発展に伴う新しい問題だと思うんですね。こういう社会変化の状況に応じて税制度とか運用が必要だと思います。これはやっぱり、国税庁も局も総務省も自ら減収になるようなことはなかなか言いませんから、政治の側がいろんな取組をすることが必要だと思います。私たちも自治体や各省にも働き掛けますけれども、雪国出身大臣として、これ是非積極的に取り組んでいただきたい、その所見を伺いたい。  同時に、こういう新しい社会的変化に応じた雪害対策をどう取り組んでいくのか、決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
  87. 沓掛哲男

    国務大臣沓掛哲男君) まず、後半の方からお答えさせていただきたいと思います。  我が国日本海側は世界でも有数な豪雪地帯であり、豪雪地帯我が国の重要な防災政策の一つであるというふうに認識いたしております。従来よりも、豪雪地帯対策特別措置法に基づきまして豪雪地帯対策基本計画を策定いたしまして、交通、通信の確保農林業等における対策生活環境施設等の整備等の各種対策を推進いたしております。また、高齢化過疎化対応するため、ハード、ソフト両面にわたる豪雪対策について、国土交通省に各分野の専門家や自治体の代表から成る懇談会を立ち上げ、豪雪対策に対する再点検も行っているところでございます。政府としては、今後とも関係省庁連携して雪による被害を軽減できるよう対策を講じてまいりたいと思っております。  今、新しい制度的なお話もございましたが、まだなかなか、この制度的なものには各省庁の御協力も必要です。政治家の皆様方の御指導も大切ですが、協力も必要です。今、そういう協力を得ながらいろんなことを今年新しくやらせていただいたので、皆様方から御指導いただいたことをしっかり頭に置きながら、これからどういうふうにやっていけるか、一生懸命前向きで頑張りますから、よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  88. 井上哲士

    井上哲士君 終わります。
  89. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時十七分散会