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2006-05-17 第164回国会 参議院 行政改革に関する特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年五月十七日(水曜日)    午後零時三十分開会     ─────────────    委員異動  五月十二日     辞任         補欠選任     北川イッセイ君     加治屋義人君  五月十五日     辞任         補欠選任      大門実紀史君     紙  智子君  五月十六日     辞任         補欠選任      浅尾慶一郎君     尾立 源幸君      神本美恵子君     水岡 俊一君      広田  一君     櫻井  充君      紙  智子君     吉川 春子君  五月十七日     辞任         補欠選任      加藤 敏幸君     小林 正夫君      若林 秀樹君     岩本  司君      近藤 正道君     又市 征治君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         尾辻 秀久君     理 事                 佐藤 昭郎君                 藤野 公孝君                 保坂 三蔵君                 小川 敏夫君                 大塚 耕平君                 直嶋 正行君                 風間  昶君     委 員                 秋元  司君                 加治屋義人君                 川口 順子君                 小池 正勝君                 関口 昌一君                 田浦  直君                 中川 雅治君                 二之湯 智君                 野村 哲郎君                 南野知惠子君                 岩本  司君                 尾立 源幸君                 加藤 敏幸君                 小林 正夫君                 櫻井  充君                 主濱  了君                 内藤 正光君                 水岡 俊一君                 柳澤 光美君                 若林 秀樹君                 澤  雄二君                 浜田 昌良君                 山下 栄一君                 吉川 春子君                 又市 征治君                 荒井 広幸君    国務大臣        総務大臣     竹中 平蔵君        財務大臣     谷垣 禎一君        文部科学大臣   小坂 憲次君        厚生労働大臣   川崎 二郎君        農林水産大臣   中川 昭一君        経済産業大臣   二階 俊博君        国務大臣        (内閣官房長官) 安倍 晋三君        国務大臣     中馬 弘毅君    副大臣        内閣府副大臣   山口 泰明君        財務大臣    赤羽 一嘉君        経済産業大臣  松 あきら君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        山谷えり子君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官        兼行政改革推進        事務局特殊法人        等改革推進室長  大藤 俊行君        内閣官房内閣審        議官        兼行政改革推進        事務局公務員制        度等改革推進室        長        上田 紘士君        内閣官房内閣審        議官        兼行政改革推進        事務局公益法人        制度改革推進室        長        中藤  泉君        内閣規制改革        ・民間開放推進        室長       田中 孝文君        内閣府市場化テ        スト推進室長   河  幹夫君        総務大臣官房長  森   清君        総務大臣官房総        括審議官     荒木 慶司君        総務省人事・恩        給局長      戸谷 好秀君        総務省行政管理        局長       藤井 昭夫君        総務省自治行政        局長       高部 正男君        財務省主計局次        長        松元  崇君        文部科学省初等        中等教育局長   銭谷 眞美君        厚生労働大臣官        房総括審議官   恒川 謙司君        厚生労働省医政        局長       松谷有希雄君        厚生労働省労働        基準局長     青木  豊君        厚生労働省職業        安定局長     鈴木 直和君        厚生労働省職業        能力開発局長   上村 隆史君        林野庁長官    川村秀三郎君        水産庁長官    小林 芳雄君        経済産業大臣官        房審議官     西川 泰藏君    説明員        会計検査院事務        総局第五局長   増田 峯明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○簡素で効率的な政府を実現するための行政改革  の推進に関する法律案内閣提出衆議院送付  ) ○一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○公益社団法人及び公益財団法人認定等に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及  び公益社団法人及び公益財団法人認定等に関  する法律施行に伴う関係法律整備等に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○競争導入による公共サービス改革に関する  法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 尾辻秀久

    委員長尾辻秀久君) ただいまから行政改革に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、北川イッセイ君、大門実紀史君、神本美恵子君、浅尾慶一郎君及び広田一君が委員辞任され、その補欠として加治屋義人君、水岡俊一君、尾立源幸君、櫻井充君及び吉川春子君が選任されました。  また、本日、近藤正道君が委員辞任され、その補欠として又市征治君が選任されました。     ─────────────
  3. 尾辻秀久

    委員長尾辻秀久君) 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革推進に関する法律案一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案公益社団法人及び公益財団法人認定等に関する法律案一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人認定等に関する法律施行に伴う関係法律整備等に関する法律案及び競争導入による公共サービス改革に関する法律案、以上五案を一括して議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 櫻井充

    櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。  経産大臣の御都合もあるということだったので、最初にエコステーションのことについて御質問させていただきたいと思います。  エコステーションそのもの自体事業内容は私は極めて大事なことだと思っておりまして、環境に優しい天然ガスの車をどんどん進めていきましょうという方針はこれは問題ないんだろうと、そう思います。なおかつ、そのことの事業に対して協力的にやっていこうというスタンドがどんどん増えてきているということも、これはすばらしいことだと思うんですが、ある意識を持ったスタンドの方から、これは、大臣は役所の方からどういうような説明を受けているのか分かりませんが、様々な問題点指摘をいただきました。ですから、今日は、事業内容としてはすばらしいと思っているんですが、そこの問題点の幾つかを今日は提示さしていただきたいと思っています。  資料の配付をしていただいたでしょうか。その中の見積明細書というのがございます。その見積明細書の中の五番のところにディスペンサーというのがありますが、今日は分かりやすい例をまずお話しさしていただきます。そのディスペンサーの中の充てん監理パソコンというのがありまして、これが実際、三百五十万で見積もられております。ところが、その三百五十万で見積もられているものが本当にそれだけの価値があるのかどうかはっきり言って分からない、そういうもの。むしろ、はっきり申し上げれば、一九九〇年代のパソコンでして、こんな古いものになぜ三百五十万の値段が付くのか分かりません。二部の資料になりましたが、お手元の資料の写真でパソコンが写っているかと思いますけれども、これが三百五十万すると言われているパソコンでございまして、業者の方々に査定をしていただくとせいぜい七十万ぐらいじゃないかとか、つまり過剰な見積りがこういう形でなされていると。  それだけではございませんで、人件費のところに関して言ってもちょっとおかしいと。その他のところの十六番になりますが、その基礎工事費というところの、工事費人件費という形で計上されている分がありますが、この御時世に、これは本当に三万円支払われていればいいわけですけど、一応三万円で計上されていて、なおかつ九人も来てなかったんじゃないかという指摘がありました。その九人の方が二日間来ていて、十八人でこれだけの予算が計上されているとか、それから、最後のところになりますが、⑨として共通仮設費というのがあります。ごちゃごちゃしていますが、実はここのところにいろいろメモがありまして、この仮設そのもの自体が造られていなかったと。これは現場で確認している方がいらっしゃるわけであって、こういう架空請求見積りをしてきていると、そういう実態がございます。  ですから、事業内容としてはいいわけですが、この補助金を悪用しているということがあるわけです。まず、この点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  5. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) ただいま大変詳細にわたる御質問をちょうだいしたわけでありますが、その古いパソコン値段がどうで、適切であったかどうかということは、私が承知しているわけではありません。したがって、後日、資料でもってお答えをしたいと思います。
  6. 櫻井充

    櫻井充君 ありがとうございます。きちんとこれは調査していただきたいと思います。  ここは、ステーションを造るのに以前は九千万円の補助金を出していたわけです。ところが、八千万円に減額されております。しかし、八千万円にされても、本当にそこまで必要なのかどうかということが分からない。じゃ、なぜこういう形でその過剰な見積りをしなきゃいけないのかについては、また後で御説明したいと思います。  その上で、会計検査院に来ていただいているので、会計検査院にお伺いしたいんですが、この財団法人エコステーションに関して、会計検査院として調査されたことがおありなのかどうか、その点について質問させていただきたいと思います。
  7. 増田峯明

    説明員増田峯明君) お答えを申し上げます。  御指摘エコステーション推進協会に対しましては、平成十二年度から十四年度にかけまして経済産業省等からエネルギー使用合理化設備等導入促進対策費補助金の交付を受けました新エネルギー産業技術総合開発機構、NEDOであるわけですが、この協会に対しまして低公害自動車普及基盤整備事業費補助金を交付しておりますことから、この補助金を対象に平成十六年に検査を実施しております。
  8. 櫻井充

    櫻井充君 その実施した結果、何か問題点は見付かったのでしょうか。
  9. 増田峯明

    説明員増田峯明君) お答えを申し上げます。  私ども、補助金につきましては、従来からその補助金が適正に支出されているか、あるいは有効に活用されているかという観点から検査をしているわけでございますが、その平成十六年における検査におきましては、検査の結果、検査報告に掲記をいたしまして国会に御報告するような事項はございませんでした。
  10. 櫻井充

    櫻井充君 きちんとチェックされているんでしょうか。これはそのスタンド関係者方々意識を持ってやはりおかしいと。なおかつ、こういう古い型のパソコン導入されていますから、故障した際にその部品交換ができないんですね。部品交換で新品のものができないんでいわゆる中古品が来るわけですが、その中古品がなかなか見付からないから修理ができないとか、設備としてもというか事業運営していく上でもすごく困っているという、そういう実態がございます。  それだけではなくて、そのリスクを回避するために、そこのステーションは、実はもうちょっと天然ガス事業を広げていきたいと思って二つ目工事をお願いしたと。そこの充てん監理をしていくシステム二つに分けてやりたいんだという話をしたんですが、そのことが聞き入れられずに、しかもべらぼうな値段の今度はパソコンを入れられていると。そういう実態があるわけであって、是非このことについてきちんと調査していただきたいと思いますし、これは恐らく全国各地で同じようなことが行われているだろうと、そのように想像されます。  その理由についてこれからお話ししたいと思いますが、まずお願いは、会計検査院そして経済産業省、このことについて、全国のこういったエコステーション全体に関してきちんとした調査をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
  11. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 全国の数あるエコステーションすべてに調査することが適当であるかどうか、現状を把握した上で、我々は一定の調査の上、それを委員に御報告をしたいと、このように思っております。
  12. 櫻井充

    櫻井充君 是非調査していただきたいと思います。  その根拠になっているのがもう一つございます。先ほどのそのパソコンのありました資料の二枚目を見ていただきたいと思いますが、これがその財団法人エコステーション推進協会収支計算書総括表でございます。  これを見ていただくと分かりますが、収入の部の補助金等収入が幾らかといいますと、三十七億三千三百五十九万二千五百八十七円ということになります。支出の部を見ていただきたいんですが、事業費として計上されているのが収入の部と全く同じでございます。つまり、収入を得たものを全部使い切るという、こういう財団法人公益法人によく見られる典型的な例でございますが、こういう形で事業費として全部計上されております。  その事業費というのは一体何かといいますと、二枚めくっていただきまして、例えば燃料供給設備補助事業とか、そういったものに全部充当されていくということになるわけです。  そうすると、ここのエコステーション推進協会運営していく人件費等が出ないことになります。そのために、ここに一般会計の部分に会費収入というのがありますが、この会費収入七千八百六十万円でしょうか、これがエコステーション推進したいと言っている、その事業に参加させられている人たちから賛助会員として会費が徴収されていると、そういうことでございます。そのお金があるから、一枚めくっていただきまして、一般会計のところで、一般会計のところの支出の部の大きな項目の管理費のところの人件費ということで、人件費が捻出されるというシステムになっております。  つまり、国の補助金で入っているものが恐らく人件費に使えないでしょうから、そのために、この財団運営していくためにはどうしてもほかから収入が必要なんだろう、そういうために結果的には賛助会員を募らなければいけないという、そういうシステムになっているんだろうと思います。  実は、資料のもう一つ賛助会員規則という資料をお配りしているかと思いますが、その賛助会員規則の旧というのがございまして、その五条のところに、(4)に、「エコステーション会員A 当初三カ年十口以上 四年目以降一口以上」というふうになっておりまして、なぜ当初三か年が十口なのか。一口五万円でして、五十万円、会員会費支払えとなっております。  これは、エコステーションを造りますと三年間二百万円弱の補助金が入ることになっています。運転資金として私はこれは必要なことなんだろうと思うんですが、その三年間補助金を受けた人たちは、受けた企業は、当初の三か年間は十口以上払ってくれと、つまりはキックバックしろということだったわけです。  これを衆議院で、我が党の小川議員がおかしいじゃないかということを指摘いたしましたところ、新しいシステムになりまして、新しいシステムでは、その団体やその企業会員が十口以上、若しくはB会員が二口以上、個人会員が一口以上という形には変わりました。  いずれにしても、その賛助会員になって会費支払わなければいけないと。これは任意だと言っています。しかし、任意だといっても、今のエコステーション運営を見る限りにおいて、管理費そのもの自体はこういった収入が、ほかの収入がなければ経営、運営されていかないわけですから、ですから、どこからかこういう形で、こういう形で収入を得るしかないということです。もう一つは、任意だと言いながら、補助金を交付される側からすると、そこのところに逆らうことができないというこれは実態があります。  つまり、こういう形で、こういう形でないと集められない、集めなければ経営できないという、そういうシステムそのもの自体にも私は問題があるんじゃないのかなとそう思っていますが、二階大臣、いかがでございましょうか。
  13. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) これまで、財団法人エコステーション推進協会は、エコステーション運営補助金を受給している事業者とそれ以外の事業者区別して賛助会員を徴集しておったようであります。他方、賛助会費支払は、いずれも賛助会員規則に規定されているとおり、あくまでも協会事業に賛同する者の自発的な協力によるものだとされております。しかしながら、私は、経済産業省としては、こうした賛助会費区別が、いやしくも不適正な補助金執行が行われているのではないかという誤解を招くようなことがあってはならないと考えております。このため、この区別を廃止するように協会を指導し、協会はこれを受けて、本年三月十六日の理事会において既に賛助会員規則を改正したところであります。  経済産業省としては、今後とも、協会運営及び補助金執行につきましては適切に管理、監督し、いやしくも財団法人エコステーションなどという名前を付けておるわけでありますから、一般の国民の皆さんや関係者から疑念を抱かせるような行為はあってはならない、厳正に対応していきたいと思っております。
  14. 櫻井充

    櫻井充君 御決意のほどは分かりました。しかし、そこの中で本当に現実的に可能なのかどうかということです。つまり、会費収入が約八千万円ぐらいあるわけですね。つまり、それを企業に負担させているということは、企業は何らかの形で利益を上げなければいけないということです。その利益を上げるためにああいう形で架空請求書、過剰な見積りを出さなければいけないという、この悪循環を断たなければ何も変わらないんじゃないのかなと、そう思います。  ですから、システムとすれば、本当にその財団法人が必要であれば補助金在り方そのものをちゃんと変えてもらわないと、根幹から変えて、例えばそこの人件費なら人件費のところに充当できるような形にしないとこれは全く変わらないんじゃないのかなと、私はそう思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  15. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 賛助会員支払はあくまでも自発的なことでやっておるということでありますが、協会には常勤の退職公務員一名が在籍しておることは事実でありますが、国からの補助金を還流させる仕組みによって退職公務員人件費を捻出しているとの指摘は、これはそういうことではありません。したがいまして、協会は本年三月に経済産業省の指導のとおり、エコステーション運営補助金を受給した事業者とそれ以外の事業者賛助会員区別を既に廃止をいたしております。  当省といたしましては、今後とも、協会運営及び補助金執行につきましては、ただいま委員から御指摘をされましたようなことが二度と起こらないように厳重に注意をしてまいりたいと思いますし、制度を改めなければならない点があれば改めるし、協会運営できなければどうして運営するかということなどをよく検討したいと思っております。
  16. 櫻井充

    櫻井充君 是非検討していただきたいと思います。  もう一点補足させていただきますと、任意任意というお話ですが、ガス提供事業者が、ガス提供事業者からも実はこのスタンド方々は、スタンドの方は圧力を掛けられております。つまり、どういうことなのかというと、このエコステーション営業休止のお知らせということが利用者にこういう形で提出されているんです。送られているんですよ。実際は営業停止ではありません。なおかつ、その間ここを使ってくださいと、ほかのところのステーションまでちゃんと挙げて、こういう形でやられているんですね。そして、申し訳なかったということを一応はここで謝罪の文書もあるんですね。  つまり、任意任意とおっしゃいますが、結果的には、補助金を受けるなり、そういう委託事業をしている人たちの立場からいうと極めて弱い、その人たちが声を上げるとこういうことまでされてしまう、その実態をきちんと把握した上で対処していただかないといけないと思っています。  それから、この方がエコステーションの方におかしいじゃないかといって質問状も送られているんですが、その内容を見てみると、例えば今回、一人の方が天下りをされているということでしたが、この方があるテレビ放送で、テレビ放送で、要するに、補助金のことについておかしいじゃないかということを質問されたら、工事で造る過程において消えていくものがたくさんあるので後で見ても分からないとか、それから、チェックする技術的な素養がなくチェックが難しいと、そういうことをおっしゃっている方がここの理事を務められているわけですよ。こういうことで本当に税金の無駄遣いを防げるのかというと、かなり難しいんじゃないだろうか。  ですから、こういう実態があるということを、何回も申し上げますが、このことをきちんとした上でやっていただきたい。もう一度だけ御決意をお願いしたいと思います。
  17. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 我々は今、省エネルギーの問題を始め日本の置かれているエネルギー事情と同時に、国際的な原油の高騰等を受けて、どうしてこの状況を乗り越えていくかということを懸命にやっておる最中にこうした問題、御指摘をいただいて、私としては誠に残念に思っております。  このことに対して必ずきちっとした形で対応いたしますし、不都合な者がおれば処分をすることも含めてきちっと対応していきますので、また後ほど書面で回答を申し上げます。
  18. 櫻井充

    櫻井充君 どうもありがとうございました。是非、期待しておりますのでよろしくお願いしたい、そう思います。
  19. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 先ほどいろんなデータで御質問をお示しいただいてよく理解するところでありますが、我々もこれに対して調査をしていく上においては、的を得た調査をしていくために、もしよろしければ、守秘義務といいますか、これだけは守ってもらいたいというのは守りますから、どうぞ御提出をいただければ参考にさせていただいて、ともに問題点の解決に努力したいと思っております。
  20. 櫻井充

    櫻井充君 ありがとうございます。関係者方々と協議をさせていただいた上で必要な資料を用意させていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  後、大臣衆議院委員会がおありだそうですから、どうぞ。どうもありがとうございました。  それでは、別のことについて質問をさせていただきたいと思います。  今回の改正を見てみると、例えば予算を減額します、つまり行政コストを削減します、人員を削減します、そういうことそのもの自体が示されてはいますが、本当にきちんとした行政サービスが提供できるのか、いかに効率的に提供できるのか、その辺のところが明確になっていないんじゃないだろうか。つまり、今のような財団法人が残っている限りにおいては、幾ら一般会計の部分で財政を縮小しようが、それから国家公務員、中央省庁の役人の数を減らそうが、こういうものがある限りにおいては私は何も変わらないんじゃないかと。むしろ悪くなるんじゃないだろうか。  たまたまテレビ番組で、塩川元財務大臣が何とおっしゃっていたかというと、母屋は本当にみんなで何とか切り詰めて生活をしようとしているのに離れはすき焼きを食ってのうのうとしているんだと。その離れのことを特別会計を指しておられましたが、今回の改正で国民の皆さんに対して一体どういうサービスが提供できるようになるのか、どういう形でその行政の運営が変わってくるのか、その点についてまず御説明いただきたいと思います。  提案者です、提案大臣。そりゃそうですよ。
  21. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 今回の改革は、もう御存じのとおり、今まで国がかなり関与した形で日本の国の近代国家までこうして持ってきております。しかし、もうその時代が少し過ぎ去ったという認識の下で、極力官の関与を少ないものにして、そして民間なりそうした主体の方に移していく、これが今回の大きな改革でございます。  その観点からいきますと、これを分けていく場合にどういう仕事が本当に官が責任持ってやらなければいけないのか、あるいは、これは責任を持つにしても民間に実施主体を移せるんではないか、こういったことの仕分が必要でございます。そういうことからこの法律体系ができているわけでございますが、このために行政改革推進法案に規定する諸改革では、国及び地方の事務、業務の、事業の必要性の有無を見直すということをまずやることにいたしております。そして、実施する必要があるとされるものでも、実施主体として民間や地方が行うことが可能かどうかを検討いたしまして、無駄も、これはもちろんその際にもう必要がなくなったものは廃止すればいいわけでございますから、無駄を徹底的に省きつつ、実施すべき事務事業は最も効率的な実施可能な主体にゆだねることといたしております。  この主体というのは、先ほど言いましたように、官であったりあるいは民であったり、それも独立行政法人ないしは公益法人、あるいはまたNPO、いろんな対象可能なものがございます。こうしたことをどこにゆだねたらいいかといったことも今回の法律にそれぞれひとつ具体的に決めさせていただいております。  例えば、総人件費改革では行政減量・効率化有識者会議の知見も活用して事務事業の見直しを進めておりますが、単に議員の削減や行政コストの削減にとどまらずに、行政ニーズ等の変化を踏まえいかに効率的に行政サービスを提供していくかにつきまして検討していただいておりまして、政府としましても積極的にこの見直しを進めてまいりたいと考えております。
  22. 櫻井充

    櫻井充君 その言葉は何回も聞いております。つまり、その後どういう形で実践されるかなんだろうと思うんですね。そこの中で考えていかなければいけないのは、じゃどういう人がその中央省庁の役人になるにふさわしいか、そういうことの議論がもう一つ必要なんじゃないのかなと、そう思っています。例えば、文官に関しても、本当に最初から大卒の方が入ってこられることがいいのかどうか分かりませんが、少なくとも私が八年間の国会議員のその議員生活の中で感じているのは、技官の在り方を変えていただかないとなかなかそのきちんとした現場に合ったような政策ができてこないんじゃないだろうかと。  私の専門の医療の分野でいきますと、卒業して国家試験に合格した方々が技官として入られる、若しくは研修制度が終わった程度で入られると。その方々は、現場の医療をよく理解しているかというと決してそうではありません。そういう方々が技官として、今一生懸命頑張っておられる方には大変申し訳ないけれども、しかしそういう現場のことが分からないからなかなかきちんとした政策が作ってこれないんじゃないだろうか。そういう意味において、例えば中途採用をもっともっと多く受け入れるような形にするとか、特に今勤務医の人たちが、燃え尽き症候群といいますか、もうやるせなくなっているわけですね。  ですが、彼らが、じゃ制度を変えてほしいとか何かになった場合にどうするかというと、今議員になるしかないと。議員になれなければ開業医になってしまうということで、勤務医がどんどんどんどん減るわけですね。そういうその……(発言する者あり)いや、実態ですから。ですが、そういうようなことを変えていくためにはどうするかというと、その勤務医の現場の声がちゃんと反映できるようなシステムをつくってくることが大事であって、その点でいうと、もう少し採用の仕方そのものも変えてこなきゃいけないんじゃないかと思いますが、大臣としていかがでございましょう。  これ全体の話で、まだ歯科の話じゃないですから。
  23. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 全体の話は中馬さんから、私の方から個別の話を。  厚生労働省においては、医療、保健、福祉、社会保険、雇用対策など、国民生活を支える幅広い分野を政策を実施するために、様々な専門分野の技術系の職員、事務系との職員が連携を図りながらやっております。人数で申し上げると、医師が二百三十名、歯科医師が二十名でございます。このうち臨床体験がない者は百名、すなわち百五十名、両局長、総括審議官を始め、大体五年から十年ぐらいの現場経験があるということでございます。  医師資格等を有する技術系職員については、臨床経験を有する者など様々な経験や経歴を有する人材の採用を行っております。日常業務を通じ医療関係者からの情報収集や意見交換を行っております。また、大学病院等から臨床経験を有する者を受け入れる、このようなことをさせていただいております。そういった意味では、経験のない百名もできるだけ経験を積ませるように努力してまいりたいと思います。
  24. 櫻井充

    櫻井充君 今回の診療報酬改正の中で余りにひど過ぎる改正がありますので、それをちょっと御紹介したいと思いますが、歯科の方の改正が行われまして、患者さんにきちんと説明したかどうか、これ全部文書で書けと言われているんですね。そのために、歯科医師の方は患者さんの診療時間を削って文書を書いていると。点数を下げられるのはこの御時世だからまあ甘んじて受けるけれど、医療の質を下げるようなこういう措置は困るんだと。つまり、これは歯科医師の苦労だけではなくて、患者さんにとっても決していい改正ではないと。  私も勤務医の時代に、入院すると大体退院するまで書類を十枚ぐらい書かなきゃいけなかった。そういう時間がもうかなり取られてしまうので、患者さんと向き合って説明する時間が減ってくるわけであって、そういう、何というんでしょうか、現場を分かっていない人がさも頭だけで考えれば、説明したことを文書で書くのは当然じゃないかと、そういうような発想で文書を書けというふうに言われてきているわけです。  まず、今回の改正の目的をお伺いしたいんですが、歯科医師に対して説明事項に関して文書で書けという、そういう制度導入した理由は一体どこにあるんでしょうか。
  25. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 今回の歯科診療報酬改定においては、患者への情報提供を推進する観点から、病状、治療計画、指導内容等について患者に説明を行うとともに、これを文書により患者に情報提供することを指導管理料等の算定要件といたしました。  これは、歯科診療における患者満足度にかかわる調査の中で、説明用紙を受領している方が受領していない場合より非常に分かりやすかったとする回答が多かった。つまり、日本歯科学会が平成十七年二月に行った歯科診療における患者満足度調査において、初診時の説明が非常に分かりやすかったと回答した者の割合は、説明文書を受領している人で四四・五%、受領していない人で二六・四%であったということに基づいて決まったものと承知いたしております。  これは、診療報酬レセプトの問題また明細書の問題、いろいろ議論がございます。しかし、国民に対する情報提供をしっかりやっていくということで今回義務化しなかったわけですね、診療の明細書につきましては。実は、厚労委では強制にするべきだと、こういう御意見はありました。しかしながら、歯科医という働いている実態からいいますと、一人でお医者様、看護師さんが一人か若しくは医師の奥様が事務を手伝っていると。そんなようなところですべて義務付けると、もちろん、がんセンターとか様々な我々の国の機関、県の機関、そういうものは実行していきたいけれども、小さなところまですべて強制をするのはどうだという中で、これについては強制ではなくて請求があればということでやらしていただいております。  そういった意味では、事務手数料の問題とお客様の満足度の問題、これが兼ね合いになってくるんだろうと。そういう意味では、保険医療機関の事務負担というものをしっかり把握しながらやっていかなければならないなという認識をいたしております。
  26. 櫻井充

    櫻井充君 御丁寧な御答弁ありがとうございました。特に後段の方は、実は私の知っている限りで言うと、歯科の診療所ですとコンピューターを入れたシステム化していないところがまだ三割ぐらいあると言われておりまして、そこにレセプトを求めることになると全部手書きになるんだそうでして、極めて大変な作業だと、そういうふうに僕は聞いております。  ですから、そういうことをやるとすると、また設備投資をしなければいけなくなってしまって、医療における設備投資というのはほかの分野から比べるとかなり割高になってきています。ですから、パソコンならパソコン導入するにしてもちょっと高い、ソフトそのもの自体が高いので、何というんでしょうか、医療費そのもの自体がどう圧縮するのかということを考えてくると、実はその設備投資の部分を圧縮するということが本当は一つの方法なんだと思うんですね。  医療用の洗面器になると一万円ぐらいするんですよ。普通の洗面器が今ちょっと幾らか分かりませんが、もう医療用となった瞬間からそのぐらい高くなってしまう。流しもめちゃめちゃ高くて、病院を建てる建設コストそのもの自体がすごく高いんですよね。ですから、そういうコストを削減していただかないと、医療機関そのもの、今民間が三割ぐらい赤字でしょうか、そこの部分の赤字というのを解消をなかなかできないんじゃないかなと、そう思っております。  その上で、確かに、我々は説明する際に言葉だけではなくて、例えば、僕は元々循環器で心臓をやっていましたから、今回どこの血管が詰まったのかとか、そういうのはちゃんと心臓のモデルを使って、そこのところのどの血管でどういう形になっています、それからその上で、今度はカテーテルの検査をやったそのシネアンギオを見ていただいた上で、ここの部分が狭くなっているんですという説明をしております。  ですが、それを一々文書で全部書くとなると、これはまた大変な作業なんですね。つまり、それから心臓の絵があって、その心臓の絵のここですという形のことは説明していますが、あとは言葉だけで分かるようなことまでやっているかというと、なかなかそこまで実際、やれている病院もあると思いますが、僕はなかなか忙しくてできなかったという、そういう実態もございます。患者さんからしてみても、最初はそういう方がいいだろうなと、それは説明書をもらった方がいいだろうと皆さん思われるかもしれないけれど、実際今度始まってみると、始まってみると自分たちの理想とは全然違っているということが分かってまいりました。  大臣、今、大体一日歯科医師が文書を何枚ぐらい書いていて、それでそれに費やしている時間がどのぐらいかということ、これは厚生労働省でお調べになりましたでしょうか。
  27. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 今我々が掌握していますのは、文書提供をこなすこの歯科診療行為のプロセス全体に要する時間、平均で四分から十分ぐらいという調査になっております。全体で一日何枚患者さんがあるかという話ですね。
  28. 櫻井充

    櫻井充君 一連の書類、書類を書く枚数です。
  29. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 枚数についてはちょっと分かりません。全体で四分から七分という調査結果になっております。
  30. 櫻井充

    櫻井充君 確かに、一枚だとそのぐらいなんです。  歯科の先生方から私のところにこれの制度を何とかしてくれという声がありましたので、連休前の二週間ぐらい掛けて全国的にアンケートを行いました。その結果、今日お手元に資料配らしていただきましたが、わずか二週間程度で千七百七十四件の歯科の先生方から御回答いただきました。ここに、これはうそでないということを示すために、そのファクスや、それからメールで送られてきたものを全部プリントアウトしたのを持ってまいりまして、ここに歯科医師の声が書いてありますので、厚生労働省で是非読んでいただければ有り難いと思って持ってまいりましたので、是非見ていただきたいと思います。  それを集計してみると、アンケートの総回答数が千七百七十四件でして、患者さんに一日文書を提供している平均の人数が十八人ぐらいということ、そして文書を書いている時間が平均すると九十四分だったと。一日の診療時間八時間だとすると、一時間半以上をこの文書の作成に充てているということです。これは私の地元の宮城県だけではない、全国でそうなんだということをお示しするために今回アンケートいただいた地域を全部羅列しております。こういう全国からいただいた中での集計をして見ると、こういう数字であったということです。もしこの集計が違っているかどうかということであれば、厚生労働省で是非大規模なまず調査を行っていただきたいと思います。  大臣、その上でお伺いしたいことは、一日の診療のうちに九十分以上もその文書を書くことがいい医療の提供につながっていくんでしょうか、患者さんの信頼にこたえていくことができるんでしょうか。患者さんの満足度、そういったものを満たすことが可能だとお考えでしょうか。
  31. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 先ほどレセプトの議論がございましたけれども、最終的には全部の機関にやってもらおうと。そうしないと、そういう意味では国全体のデータとしてならない。したがって、ある程度年数を掛けていくわけですけれども、その中でどういうその小さな診療所に対して私ども援助ができるか、そんなものも十分検討していかなきゃならぬなと思っていますけれども、最終的にはやっぱりオンライン化を進めるということは、すべてをやらないと意味がありませんので、その経過の中でいろんなことを私どもは努力していかなきゃならないということは認識いたしております。この問題も、そういう意味では文書提供の義務化をやめるべきだという声も実は出ていることも私も承知いたしております。  そこで、現在いろんな話合いを行われておりますけれども、例えばカルテ、診療録、診療報酬請求書、レセプト記載について、患者さんへの説明資料をそのまま転写することでいいと。その九十四分の時間の配分でございますけれども、これをわざわざ書いていただいて、また違うのを二つ三つ書いて記録として残さなきゃならぬと、それは一つの書式でいいですよというような通知を、すなわち患者への情報提供書の写しを記録、診療録に添付することで足りる旨を明確化した、これ四月二十四日で事務連絡をさしていただいております。  そんなことを、記載要領の簡素化は、言われましたように九十四分掛かっていると、まあ事実だとして、この問題をどうとらえてお互いに簡素化していくかと。一方で、患者への情報提供ということでは、先ほど少し根拠資料をお話し申し上げましたけれども、そんな切り口をさせていただいておりますけれども、いずれにせよいろんな御意見を賜っておりますので検証はしていきたいと、こう思っております。
  32. 櫻井充

    櫻井充君 簡素化というふうに今お話しになりましたが、しかし結果的には、これはだからもう一回ちゃんと調査し直していただいて結構ですけれども、私の調査では十八人の方に文書を書かなきゃいけないということなんですよ、大臣。先ほど一枚の文書に四分から十分程度ということであって、それを単純に掛け合わせてみればこのぐらいの数字になるかと思います。ですから、幾らファクスしようが、二枚紙の転写、複写用の紙に書こうが、実態としてはほとんど変わらないと、今のままではなかなか難しいということなんですね。  そしてもう一つ、「患者さんの声」というのがそこに、わきに載せてあります、その資料の方に、見ていただきたいと思いますが。患者さんの声として挙げられているのが八百三十九件でして、その中の五百十一件が、ごみだとか不要だとか、エコの時代にこんなものどうして文書配るんですかと言う方もいらっしゃって、お気の毒なのは、その診療室のごみ箱に捨てられているということもあるんですね。これ実態です、本当に。自分たちが書いた文書が、私は書いているからよく分かりますが、もしそれがごみ箱に捨てられているということになったら、書いている側の人間はたまらないですよ、これは。  そうやって、患者さんからしてみると待ち時間が長くなったと。つまり、今までであればその前の患者さんが出てこられればすぐお呼びするわけですけど、文書を書いておかなきゃいけないので、そのために待っていただかなきゃいけない。帰られる方にとっても不利益ですし、次の方が呼ばれる時間も短くなったと。そういう方が百五十六件。もっと診療時間に充ててほしいという方、それから、戸惑っている、驚く、こんなことするんですかと同情されているとか、随分あります。喜んでいる、必要だという人たちもいます、確かに。でも、わずか七・四%でしかないというのが今回の私の調査でございます。  つまり、これは歯科医師だけの問題ではなくて、患者さんにとってもこういう医療そのもの自体を望んでいないということなんですね。つまり、元々学会でやった時点では、それはアメリカのように一日十人程度しか診なくて済むような歯科医院であれば、そういうことをやることも可能だろうと思います。しかし、日本の医療費、医療単価は極めて低いために薄利多売でやっていかなければ経営が成り立たないような中で、それでこういう形のことをやられると、患者さんにとっての不利益が生じてくる。歯科医師の問題ではなくて、これは患者さんに対しての医療としては私は不適切だと、そう思っています。  大臣、改めていかがでございましょうか。
  33. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 委員がお配りになった資料を見させていただいて、「ゴミ・不要・興味なし」五百十一件、八百三十九件中だと。一方で、私どもが歯科医学会にお願いしたのが、説明文書受領した人四四・五%が非常に分かりやすかったと、こういう明らかに違うデータが出てきておりますので、検証してみたいと思います。
  34. 櫻井充

    櫻井充君 これは、じゃもう一度、済みません、しつこくて大変申し訳ないんですが、現場では本当に困っているんですよ。ですから、いつまで、そのことについて調査をしていただけるのかということ、そのことをまずはっきりさせていただきたいなと、そう思います。  それはなぜかというと、歯科医師だけではなくて、患者さんにとって困っているからです。僕は別に歯医者さんの苦労が増えても患者さんが喜んでくださるなら、それはそれでいいわけです。しかし、そうではないんですよ。つまり、始まるまでの間に文書があった方が分かりやすかったと。それは、文書があった方が分かりやすいですか、分かりにくいですかと単純に聞かれれば、それはあった方が分かりやすいですねというふうに答えるかもしれない。しかし、実際に現場に行ってみて、待ち時間も長くなって、治療時間が短くなって、その上で文書が必要ですかと言われたら、そういう問い掛けをしたら、文書まで要らないというふうに私は患者さん方はおっしゃるんじゃないか。  つまり、文書などということよりも、必要なことは、その場で分かりやすく説明してもらえれば、皆さん納得すればいいわけですよ。納得するための手だてとして文書を書けということであったとすれば、何も、分かりやすくちゃんとされているかどうかだけチェックするということになればいいんじゃないですか。  ですから、もう一度申し上げますが、現場では歯科医師も困っていますが、患者さんも多大な迷惑を被っている人たちがいらっしゃるということです。その上で早期に、もし見直していただけるんであれば、早期にやっていただかなきゃいけないんですが、いつごろまでを目途としてやっていただけますか。
  35. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) つい最近、私も歯科医師会の皆さん方とこの問題について少し話したばかりなんです。どうでしょうかといったときに、今申し上げたように、全体の簡素化の方向の中でというお話を実はさせていただきました。一方で、今、櫻井委員から全く違う方向の御質問が来た、また調査資料も違うと。  したがって、今この段階でいつまでに調べてきちっとしますということは、もう少しお時間をいただかなければ私からは正確なことを答えられないと。もう少しお時間をいただきたいと思います。
  36. 櫻井充

    櫻井充君 くどいんですけれども、もう一度だけ、もう一度ここは念を押しておきたいのは、今まで自分自身がいろんな形でアンケートを取りたいといってインターネット上で呼び掛けた際に、せいぜい来て二十、三十、まあ多くて五十ぐらいのときもありましたが、そんな程度だったんですね。  今回は二週間ぐらいの間で千七百件で、期限を区切らなかったら恐らくは五千ぐらいの単位まで増えていったろうと。もっと増えたかもしれません。その五月二日というデッドラインを設けたものですから、ある人たちは、自分のところでとどめてしまって、済みません、広げられませんでしたと、もうちょっと声を掛けたかったんですがと、そういう声でして。  現場で治療をきちんとやられている先生方と、大変申し訳ないんですが、現場でやらずにどちらかというと事務作業が今やもう多くなっている先生方もいらっしゃいますから、そういう点では認識が全く違うんじゃないのかなと、そう思います。例えば、勤務医とそれから開業医と立場が違ってくるように、現場で第一線で患者さんの診療に当たっている人と、それからそうでない人たちということになってくると認識が違ってくるんじゃないだろうかと、そう思っております。  ですから、是非現場で、第一線でやっている方々の声を聞いていただいた上で御判断いただきたいということをもう一度申し上げておきたいと思います。  それでは、次のことについて御質問させていただきますが、公的金融機関の今回整理ということになりました。この国の中小企業対策というのは一千七百億程度でして、結果的には公的金融機関というものが中小企業の対策としての一番だったんだろうと思うんですね。  改めてお伺いしたいのは、利用者側からしてみたら、これは中小企業にとって、まだ中小企業金融にとっては公的金融機関の役割というのは私はまだ終わっていないと思っているんですが、なぜこの時期にこういう形で改正をしなければいけないのか、御答弁いただきたいと思います。
  37. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 今回の金融制度改革で、中小企業、これの重要性、これは機能としてはちゃんと残すことにいたしております。  ともあれ、今回こうした改革に進みましたのも、先ほど申しました政府の関与がこれまでどうしても強かったことは事実でございますし、それも欧米先進国辺りからも若干指摘されております。現行の政策金融機関の貸付規模が他の先進国に比べて非常に大きい、金融資本市場をゆがめているとの議論があったことを踏まえたものでございます。  そして、昨年の財政諮問会議におきまして、全国銀行協会、全銀協からヒアリングも行いました。そして、不良債権の集中処理期間が終了して民間金融機関の機能が回復しつつあり、民間金融機関としましても中小企業向けの融資ができる体制は既に整備できてきたという旨の説明があったと承知をいたしております。  そういうことから、政府としましても、民間金融機関が政策金融機関の改革の趣旨を踏まえまして、中小企業向けの融資事業は積極的に取り組むことを期待した上での、民間の方にもそういうことをお願いをすることも含めて、今回の改革をいたしております。  なお、民間では対応が困難であると評価された今御指摘の中小企業、零細企業の資金調達を支援する機能は、新政策金融機関の方にしっかりと残すことにいたしております。  商工組合中央金庫、商工中金につきましても、これは所属団体、中小企業向けの金融機能を行う機関として、これは完全民営化することとしたことでございます。
  38. 櫻井充

    櫻井充君 規模が大きいのは、確かにそれはそのとおりだろうと思いますが、それではなぜ、この改革を行うに当たって、融資目標がGDPで半減するとか、そういう形の数字が示されるんでしょうか。  つまり、官は民の補完であって、民でどれだけ融資ができるのかということ、そのことをきちんと踏まえた上で、それでは官が、例えば民間でやれない部分がこういう部分であるから、だからその部分に関しては官が補完していきましょうと。そして、その結果幾らになってくるのかというのは後で付いてくることであって、最初からその融資の枠を定めてくる、そのこと自体おかしくないですか。
  39. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) これは政策金融改革でございますが、資金の流れを官から民へ改革して経済全体の活性化につなげていこうとするものでございまして、現行政策金融機関の貸付残高対GDP比半減目標は、先ほど言いました、先進国と比べて非常に大きいわけでございますから、これの是正も含めた議論でこのことの結論が得たわけでございます。
  40. 櫻井充

    櫻井充君 じゃ、その半減になった根拠を教えていただけないですか。つまり、どういう分野において官が補完しなければいけなくて、そのためにそこに何兆円、ここに何兆円という、そういう積算した、そういうそのまず根拠を教えていただけないですか。
  41. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) これは、その根拠といいましょうか、一応の目標といいましょうか、これが半減ということをひとつ、当面の欧米に比べてこれ倍ぐらい多うございますから、そのことを相対的な形で半減ということにしておりますもので、その中小企業がどうだといったようなこととはちょっと話が違うと思いますが、先ほど申しましたように、中小企業に対する機能は新政策金融機関の方にしっかりとこれは機能を果たすように担保をさせていただいております。  そういうことでございますから、委員がおっしゃるような意味での不都合は私はないと、このように認識いたしております。
  42. 櫻井充

    櫻井充君 じゃ、要するに欧米と同じだから欧米と同じような額にしたいというだけの話ですか。つまり、日本の国内の事情は全く何も勘案せずにそういうことになるんでしょうか。  じゃ、例えば今税金が、この国は社会保障とそれから公共事業とどちらに多く使っているのかというと、結果的には社会保障よりも公共事業の方が多いという、そういう指摘もあるわけであって、道路予算だっていいと思うんですが、じゃ道路予算にしましょうか。道路予算だってほかの国々から比べれば相当多くの道路予算を使っているわけであって、世界の国々と比較したからどうだという、この国の実態を全然踏まえないで御答弁されるのは僕はおかしいと思いますよ。違いますか。
  43. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) ここで詳細なことまでも私の方も申し上げられませんが、諮問会議等でも相当日本の国の実情を踏まえて、そして中小企業の置かれた立場、また現在国際的な役割も果たし始めている中小企業まである中で、金融機能としてしっかりとこれが新しい形で、何といいましょうか、システム設計ができるという前提でこれが決められているわけでございます。
  44. 櫻井充

    櫻井充君 済みませんけれども、答弁になっていませんよ。つまり、それは財政諮問会議の中でどういう議論になって、そこにちゃんと積算された根拠があるのかどうか分かりません。多いから半分にするんだと、それで中小企業にちゃんと融資ができるんだと。どこに保証があるんですか。どうやって運営、経営できていくんですか。  なぜこういうことを申し上げているのかというと、大企業になるためには、まず零細企業から始まっていって、そして中小企業になって中堅企業になって大企業になるわけですよ。それはそうですよね、ソニーだってホンダだってそうなんですから。つまり、そういうことになっていって、中小企業をいつまで守るんだと小泉総理おっしゃるけれども、そういう観点じゃありませんよ。企業を育てていく上において、その中小企業が極めて大事だと、その国の根幹を成してくるものに対してちゃんと融資ができるのかどうかという、そこが最大の問題なんですね。  ですから、単純に、何回も申し上げますが、GDPで世界の国よりも多い。それは確かにそのとおりですが、それをただ単純に半減すればそれは済むものではないでしょうと。民間金融機関でどのぐらい貸出しができて、今の部分で公的金融機関が担っている分のどこまでは民間金融機関に担わせることができるから、だから公的金融機関の役割は半分でいいんだと、そういった議論がなされているんなら分かりますが、ただ単純に数字ありきというのはおかしなことではないですか、大臣
  45. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 先ほど申しましたように、この新政策金融機関の方に今までの中小企業のそうした金融の機能はしっかりと残すということにしているわけでございまして、先ほど委員がおっしゃったこととの意味とは全然矛盾しないんじゃないですか。
  46. 櫻井充

    櫻井充君 私が申し上げているのは、なぜGDPで半分の目標値を掲げているんですかとお伺いしているんですよ。つまり、どうしてそういう数字が出てくるんですかと。つまり、積み上げ根拠がなければそこのところは出てこないんじゃないですか。そういうことを申し上げているんです。
  47. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 重要方針でいろいろと議論されましたその抜粋をちょっと申し上げますけれども、こうした政策金融機関の各機能の分類といたしまして、現行政策金融の各機能は、政策金融から撤退するもの、これはそういう形での分類もいたしております。政策金融として必要であり残すもの、当面必要だが将来には撤退するとして分類する、こういったものの非常に仕分をした上でこの機能はこれから残すべき、また今まで果たしてきた重要で中小企業方々も必要とされていることは新政策金融機関の中にしっかりと残すことを明記いたしております。
  48. 櫻井充

    櫻井充君 それでは、その残すべきものが何で、残すべきものは、残すとかやめるべきもの、民間に移すべきものは何でと、そういう仕分をされたと。じゃ、その仕分をされた上でどの分野には何兆円、どの分野には何兆円、だからトータルとしてGDPで半分になるんだと、こういうふうに御説明いただけるんだったらよく分かるんですね。ですから、今そういうふうに大臣がおっしゃるんであれば、どの分野が残って、必要で、どの分野には、ですからその部分で、例えば開業資金なら開業資金で何兆円だとか、そういうことについてきちんと御答弁いただけますか。──いや、だって担当大臣じゃないですよ。担当大臣じゃないですよ。何で担当大臣じゃないのに。
  49. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 今、中馬大臣が御答弁されたとおりでございますが、今、櫻井委員のお尋ねの部分は、三年前に経済財政諮問会議で議論されたことと関連しておりますので、ちょっと質問通告見ていないんですが、当時のちょっと記憶で申し上げますと、中馬大臣答弁されましたように、日本の政府系金融機関融資の対GDP比というのが諸外国に比べてずば抜けて高かったと。一六%とかそういう、ちょっと定義にもよりますけれども高かったと。多くの国では四%とか一番、その次に高いドイツの二倍ぐらいあったと。これはやっぱり多過ぎるのではないか。  どこが多いのかというふうに比べますと、各国中小企業に対する政策の金融というのはやっぱりやっております。しかし、日本の場合、大企業に対しても政策金融機関がたくさん融資していると。そういうことを削って、中小企業に対してはしっかりとした融資機能は残さなければいけないだろうと。そういうことを重ね合わせた結果、中小企業に対する融資はきちっと残す、そして必要な機能は残す、その上でその大企業等とほかのところよりも突出して多い部分を削って半分ぐらい、当面半分ぐらいを目指すべきであろうというふうな、そういう方向、大きな方向を三年前の諮問会議で議論をしたと。それに基づいて、中馬大臣の下で基本方針、行革の重要方針等々が作成されたというふうに認識をしております。
  50. 櫻井充

    櫻井充君 あの当時、実はGDPの中で、三四%ぐらいだと思います。これ統計によって違うんですね。二番目がフランスの一四%ぐらいです。ですから、極めて突出して多い。ですが、そこの中の一番多いのは実は住宅ローンじゃなかったのかなと、そう思いますが。  ですから、今回は住宅ローンの分はもう全部外されていて残りの部分になってきていると。ですから、その大企業金融ということそのもの自体を果たして除いて、本当にただ単純に、じゃ中小企業の部分が残ると、半分になるのかどうかという、そこの議論なんじゃないのかなと、そう思っているんですね。  何でこんなにしつこく聞くのかというと、民間金融機関がやはり中小企業に十分貸し出せないと。これはもう竹中大臣御案内のことだと思いますけれども、いまだにまだその減り方の具合は抑えられてきているかもしれないけれども、まだまだ十分に融資されていない。特に、東京は違ってきているかもしれませんが、都市部は全然違います。これ、求人倍率であったとしても、東京や名古屋は今一・五倍ぐらいですが、青森や沖縄は〇・五であるというように、地域間格差というのは極めて強い、そういう状況にあります。地域の方がやはりその中小企業が雇用を担っているという部分があるとすれば、その中小企業そのもの自体の融資が抑えられることになって、その企業活動、経済活動が抑制されてくると、地域の全体の経済、全体としてまたまた冷え込んでしまうんだろうと、そう思っているわけですよ。  地元のその中小企業の社長さんたちと話をすると、開業をする際に、今融資をしてくれる自己資金以外で、ほかのところからの資金以外で融資をしてくれるところの八十数%が実は国金なんですよね、国民金融公庫です。ですから、そういう開業資金なら開業資金のところをちゃんと担保してくれるんだろうかと。  それから、その設備資金の、設備投資の部分なら設備投資のところはどうなっているんだろうかと。長期運転資金のところはどういうふうになっていくんだろうか。つまり、そういう資金全体がどのぐらいあって、中小公庫や商工中金や、それから国民生活金融公庫にどれだけあって、この部分の融資がどのぐらい残りますよというふうに言われれば、それはそれで納得はするわけですよ。  ところが、ただ単純にGDPの半分だと。そういうふうに半減されるときに、どこが削られてどこが削られないのかが分からないから、みんなで悩んでいるわけですよ。ですから、そういうただ単純な数値目標ではなくて、中小企業向け金融はどのぐらいにします、残りの部分はどうするんだと、そこら辺のところをはっきり出していただきたいなと、そう思っているんです。  済みません、あともう一つだけ、ごめんなさい。ちょっと別な話題で、今、定数の削減とかそういう話になってきていますが、本当にこれでやれるのかどうかと。つまり、事前チェック型から事後チェック型にしましょうという社会の中で、人員は絶対的に必要になってくるはずです。証券取引等監視委員会にしても、人員は足りないことは大臣御存じだと思いますし、それから私の専門分野である医療の分野でいうと、国立感染症予防研究所などは本当に少ない人数でやっていて、国益を担っていくという点でいったら、あそこの人員はもう十倍ぐらいにしていただかないといけないと思っています。  それから、医薬品の安全性であるとか、それから新薬の認可であるとか、そういった分野も人が少ない。こういう分野に関しても、単純に一律五%カットみたいな形でここは全部やらされるわけですよ、今後。そういうことでは本当の意味での行政改革にならないんじゃないだろうかと、そういうふうに思っています。  そして、もう一点申し上げれば、そういう事後チェック型になるのであれば、実はもっともっと人が必要なのであって、そういう人が必要なところをただ単純に言葉で明示するのではなくて、実際に、それこそGDPで何%、GDPの半減、GDPで半減するんだということであったとすれば、むしろそういう、どこが少なくて、どこが多くて、その少ない分野に関して言ったらどのぐらい人を増やすんだと、そのぐらい大胆なことを言っていただかないと本当の改革にならないんじゃないかなと思いますが、いかがですか。
  51. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 今、櫻井委員指摘のように、正に事前チェック型から、事前介入型から事後チェック型に政策の体系をシフトさせなければいけません。そして、こういう厳しい状況下でも国民の安全、安心に対してしっかりと行政のサービスを確保しなければいけません。その意味では、減らすべきところは減らすけれども増やすべきところは増やすという意味でめり張りが重要である、もう私たちも全くそこは大変重要だと思っております。  これだけ財政が厳しくて公的部門に対する批判も強い中で、五年間で五%以上の純減というのは、これは私はやはり実現しなければいけないと思っておりますけれども、これは決して一律に純減するのではなくて、国民のニーズ、今おっしゃったような点を踏まえて、真に必要な部門にはしっかりと定員を配したい、その査定をするのが私たちの重要な仕事だと思っております。  毎年度の定員査定において正にそういうことをやっているわけですが、今例として挙げられました証券取引等監視委員会、これは事後チェックの典型でありますから、実はここの人員、総人員を見ますと、過去五年で二・六倍にしております。全員で減らす中でここは二・六倍にしています。公正取引委員会も約三割の増加、純増を確保しています。  なかなか委員からごらんになって、ここももう少し必要ではないかという御意見等々あろうかと思いますが、我々としてもそのめり張りは絶対に付けると、そういう観点からしっかりと対応していきたいと思っております。
  52. 櫻井充

    櫻井充君 最後に、もう一度お願いしておきますが、結果的には国家公務員を幾ら減らそうが、こういう財団法人であるとか公益法人をつくって税金の無駄遣いをするシステムをまだ残しているとか、それから先ほど歯科医療のところで申し上げましたが、結果的に現場が分からないような人たちが政策をつくっていると、こういう体制を改めていただかない限り、国民の皆さんにきちんとしたサービスが提供できないんではないか。そういう意味でのきちんとした行政サービスが提供できるような体制をつくっていただくことを希望いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  53. 水岡俊一

    水岡俊一君 民主党・新緑風会の水岡俊一でございます。  初めに、市場化テスト法案を中心に、公共サービスを受ける国民の立場、そして働く者の立場に立って質問をさせていただきたいと思います。  まず、行革担当大臣にお願いをしたいんですが、OECDは、一九九〇年代の半ばに当時の加盟国二十九か国における規制改革の意義、方向性、手段・方法を調査分析をしております。そして、その結果を一九九七年に取りまとめて「OECD政策フォーカス」として出版をしているところであります。これについて加盟国はこの調査研究に基づいて規制改革に関する七つの政策提言に合意をしたと、こういうふうにされておりますが、これに対する政府の見解を是非お聞かせをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
  54. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 委員今御指摘いただきましたように、OECDでは規制改革に向けた七項目の政策提言を行っております。一九九七年、OECDの加盟国において規制改革推進の努力指標として合意されたものでございます。  我が国におきましては、一九九五年以降、政府規制改革推進の組織を置くこととともに、規制改革推進計画を策定しまして、継続して今日まで規制改革推進を図ってきたところでありまして、その改革の方向性につきましても、経済的規制の原則撤廃、それから競争政策の強化、現在やっております、国際的に開かれた経済社会の実現など、基本的にはOECDの七項目の政策提言の内容に合致したものとなっていると考えております。
  55. 水岡俊一

    水岡俊一君 私も改めてこれを読んで勉強してみたんですが、OECDは規制というものを経済的規制、そして社会的規制、そして官僚的形式主義と、こういう三つに分類をしている中で、経済的規制は撤廃をするんだと、こういう考え方を強く示しているわけですね。他方、社会的規制については引き続き規制を行う必要を指摘をし、環境、そして安全、健康などの分野で公共利益を守るという目標の達成のために市場原理を育て、活用していく手段を開発する必要性に言及をしていると、こういったことが大切なところではないかというふうに思っておりますが、市場化テスト法案を見ますと、第四条に、その中に「国の行政機関等の関与その他の規制を必要最小限のものとすることにより」と、こういうくだりがございます。経済的規制も社会的規制も区別なく最小限とすることを求めているのか、この辺りを大臣の見解をお聞かせをいただきたいと思います。
  56. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) この市場化テスト法案の第四条及び第五条におきまして、国や地方公共団体は、第三条の基本理念ですね、これにのっとりまして、規制を必要最小限のものとすることによって民間事業者の創意と工夫がその実施する公共サービスに適切に反映されるよう措置すると、このように求めております。この趣旨は第三条の基本理念に明記されているとおりでございまして、国民の皆様のために、また国民の皆様の立場に立って、限られた財源の中で質の高い公共サービスを実現していく観点から、民間の創意工夫が発揮できるよう、個々の規制についてその内容や必要性をしっかりと精査した上で必要かつ最小限のものにしていく、このことを求めております。  したがいまして、御懸念のように、個々の規制の内容や必要性について検討することなく単に一律に規制を緩和していくということを求めているものではございません。
  57. 水岡俊一

    水岡俊一君 そういった意味で、第三条の部分が衆議院の方で修正をされて文言が挿入をされております。公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立つという新しい文言が入っておりますが、このことについて大臣の見解を引き続きお願いしたいと思います。
  58. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 先ほどの衆議院における審議の結果、修正が付きました。これは、公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立って行うと、もう当然といえば当然でございますが、こういう旨を明記する修正が行われたわけでございます。  公共サービス改革法案が、本院での御審議の結果、このような修正を含めて可決されましたその暁には、修正の御趣旨を十分に踏まえまして、公共サービス改革基本方針や実施要領の決定など本法の実際の運用を行いまして、公共サービス利用者であり受け手である国民の皆様にとって何か質の悪くなってしまったというようなことがないように、安かろう悪かろうということにならないように、限られた財源の中ではございますが、質の高い公共サービスを提供されるように、このように国民各界各層の意見を適切に踏まえつつ、しっかりと対応していくことが重要であると、このように考えております。
  59. 水岡俊一

    水岡俊一君 ありがとうございました。  安かろう悪かろうは困る、そして質の高いものを求めていくんだと、こういうことはよく分かったわけでございますが、公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立つといったことはどういうことかと私もいろいろ考えてみたんですね。そういった中で、国民がこういった規制改革の主体になるべきだと、こういうふうに私は思うわけですね。  そういうことの中で、市場化テストの対象とするサービスを、どのようなサービスを選ぶのかとか、あるいはサービスの実施結果をどのように評価するとか、あるいは廃止の対象とするか否かを決めるとか、公共サービス改革の様々な過程に参画を求める、国民の参画を求めるということが私は非常に重要な視点ではないかというふうに思うわけですね。  若干事柄は違いますが、最近、電気用品安全法という法律が本格実施をされたということは皆さん御記憶のとおりだというふうに思います。しかし、これは二〇〇一年の四月に施行されたんですね。そして、猶予期間があって、本年の四月に本格実施と、こうなったわけですが、非常に大混乱ということで、皆さん非常にお困りになって、それの対応に追われたと、こういう実態があるわけですね。  そこには、国民に対する情報提供であるとか、あるいは国民の意見をいかに聞いていくかとか、そういった視点がやはり若干欠けていたんではないかと、こういうふうに思うわけですが、今のこの市場化テスト法案、国民がやっぱりサービスを享受する立場にあるという視点から見ると、この件について、大臣、何かお考えがあれば聞かしてほしいんですが。
  60. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 確かに一つ制度をつくりましても、それが国民に十分に周知徹底されないと混乱が起こることがございます。それですから、私どももこれの実際に運用する場合にはそういうことは心しなきゃいけないと考えておりますが、この制度設計といいましょうか、市場化テスト法案の中にはかなり細かく、民から声を聴いて、そしてそれを各省庁に諮り、また監理委員会の方々の議を経まして、そして最終的に閣議決定するということにまでしているわけでございまして、その都度、民間にも情報をオープンにもすることにいたしております。そういうことは運用に当たりましては気を付けてまいりたいと思います。
  61. 水岡俊一

    水岡俊一君 OECDはさらに、「開かれた政府・市民社会との対話の促進」という出版物を出して、こういったことについて詳しく言及をしているわけでありますが、そういった中で、やはり市民への情報提供、市民と政府の双方向の協議、市民の政策決定過程への積極的な参加の重要性ということを述べているわけです。  そういった意味では、この市場化テスト法案、法案の中にそういった観点は欠落をしているんではないかという、こういう批判もあるわけですが、今慎重に対処していかなきゃいけないという大臣の御答弁がありましたが、改めてこの市場化テスト法案の中にそういった観点を盛り込むというようなお考えはありませんでしょうか。
  62. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 今御説明しましたように、この法案の中にそういう一つシステムになっております。市場化テストの基本方針には、民間から広く募集した提案を踏まえて行うことにしておりますし、またそれを関係省庁間での協議や監理委員会での十分な審議を経まして閣議決定が行われる仕組み、これ第七条で決めております。そして、その監理委員会でございますが、これには幅広い分野から優れた識見を有する方々委員として就任いただければと、このように考えております。  また、この第三条、「基本理念」にのっとりまして、公共サービス利用者である国民の皆様の立場に立って官民競争入札等の対象業務が適切に選定されるように積極的かつ能動的に御審議いただく、ただ受け身だけではなく能動的にやっていただいて結構だと、開かれた形でやっていただくことにいたしております。  さらに、本法案の所要の手続は国民の皆様に対しましてしっかりと情報を開示しつつ進めていくことといたしております。  このような取組によりまして、この基本理念にのっとりまして、公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立って、国民のため、より良質かつ低廉な公共サービスを実現していくということでございまして、私としましてもその方向に向かって全力で取り組んでいきたいと、このように考えております。
  63. 水岡俊一

    水岡俊一君 大臣お答えの中に、やはり監理委員会の人選という問題も広く、幅広く求めていく中で意見を求めたいと、こういうお話もありました。それにとどまらず、市民との協議、あるいは市民、国民が参加をできる、そういった仕組みを具体的に是非とも考えていただきたい、こういうふうに強く要望をしたいと、こういうふうに思っております。  それでは次に、厚生労働省の方にちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。  二〇〇一年十月、ILOの分権化と民営化が自治体サービスに与える影響に関する合同会議というのを開催をいたしました。日本は出席をしたのでしょうか。また、出席をしたのであればどなたが出られたのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
  64. 恒川謙司

    政府参考人(恒川謙司君) 御指摘の会合については、日本政府から代表の出席があったと承知しております。具体的には、総務省の公務員課の課長補佐、そして総務省の公務員課の主査が出席をしております。
  65. 水岡俊一

    水岡俊一君 ありがとうございました。  この会議において「分権化と民営化が自治体サービスに与える影響についての結論」というものが出されて、今日、委員長のお許しをいただいて資料としてお配りをさしていただいたものでありますが、翌年の二〇〇二年三月のILO理事会で採択をされたと私は聞いておりますが、確認をさせてください。
  66. 恒川謙司

    政府参考人(恒川謙司君) 御指摘の結論は二〇〇二年の三月の第二百八十三回ILO理事会報告され、理事会は結論の内容を踏まえてILO事務局に対し、御指摘の結論を含む合同会議の議事録を各国の政労使、国際的な労使団体、関係の国際機関の伝達されるようにすること、二つ目は、結論に表明されているILOの役割について今後の活動の参考にすることを求めることを採択したところでございます。
  67. 水岡俊一

    水岡俊一君 そこまできちっとした形で理事会で確認をしたという内容であるわけですが、残念なことに、この採択をされた状態は英文であって、その英文を翻訳をしたものを日本国内で関係者のところに配付をするといったところまでされていなかったんではないかと、こういうふうに思うわけでありまして、そういったことの対処の仕方については私は非常に不満が残るところでありますが、これは過去の事実でございますので、今後の取組はきちっと対応していただきたいと、こういうふうに強く要望したいというふうに思っております。  そこで、総務大臣にお伺いをしたいと思うんですが、ちょっと質問に入る前に、私、昨日非常に困ったことがありましたので、ちょっと大臣の御意見をいただきたいというふうに思うんですが、実は、今厚生労働省の方にお伺いをしたこの二点のことについて、内容は分権化とか民営化とか、こういうことでありましたから、これは一括総務大臣お答えをいただきたいと、こういうふうに私は申し上げたんですよ、昨日の質問の打合せで。そうすると、非常に、このILO関係のことはそもそも、あるいは手続のことは元々というようなことで私どもにはと、こういうお話があって、じゃ厚生労働省の方でお答えをいただこうか、いやいやそちらの省が、いやいやそちらの省が、こういうお話で、実に私は二時間も待たされたんですよ。これが、今小泉総理あるいは竹中大臣が、あるいは関係閣僚が求められている簡素で効率的な政府なのかなと私は非常に悩みました。  縦割り行政であるとか、あるいはセクト主義であるとかお役所仕事だとか、こういう批判が国民からたくさん出ている中で、何か大変、通告しておりませんでしたが、御意見があれば伺いたいと思います。
  68. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 水岡委員指摘のようなことを私自身も経験をして、これはいかがなものかと思うことは正直言って多々ございます。  役所の所掌というのはその意味では非常に厳密に分かれておりまして、特に今回の場合、多分察するに、国際機関が絡んでおりますので、国際機関の窓口はここですと、そういう一本化の問題等々過去にいろいろあり、そういうことになったのだと思います。  しかし、所掌ですから、そこをはっきりさせなきゃいけないというのは事実だと思いますが、それのやり取りに二時間も掛けて委員に御迷惑を掛けたということであれば、これはやっぱり大変問題であると思います。そういうことがないように、ましてやこの行革推進法案ですから、ということがないように私の方から総務省内にもしっかりと伝えたいというふうに思います。  確かに、役所の所掌、ややこしゅうなっております。しっかり、しかしそこは効率的にやるように指示をしたいと思います。
  69. 水岡俊一

    水岡俊一君 大臣、ありがとうございます。  それでは大臣に、総務大臣にお伺いをしたいんですが、先ほどお配りをした文書は私どもの方が仮に和訳をしたものでありますので、必ずしも正確なものとは言えないかもしれませんが、大体中身としてはポイントを外していないというふうに思いますのでお読みをいただきたいと思いますが、この中身は大変重要なポイントを指摘をしているというふうに思うんであります。  そういった意味からすると、日本政府もこの会議に参画をしておりまして、理事会の出席、これは常任理事国である日本が出席をし合意をしてきたものでありますので、政府はこの結論文書を支持していると、こういう立場にあるんではないかというふうに思いますが、その辺りはどうでしょうか。
  70. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) お尋ねの文書、私も手元に持っておりますけれども、これは、この結論の文書については、形式的なことを申せば、法的な拘束力はないものでありますけれども、やはりしっかりと尊重すべきものであるというふうに思っております。理事会において今後の活動に参考にすること、それを求めるということでありますので、参考にして対処をしたいというふうに思います。
  71. 水岡俊一

    水岡俊一君 その上で総務大臣にお聞きをしたいのは、公共サービス改革をやっていくんだという基本的な考え方の中でこの文書はいろんなことが書いてございますが、その中でも大切な点として、社会的対話であるとか、あるいはディーセントワーク、つまりは労働の尊厳といいましょうか、そういったことについて非常に重視をしなければいけないということが書いてございます。これから行政改革をやっていくという立場においては、このことについて大臣の見解をお聞きをしたいというふうに思います。
  72. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 改めましてこの文書で指摘されておりますことを読み返しますと、民営化など公共サービス改革にはやっぱり幾つかの重要なポイントがある、それをしっかり踏まえろということが指摘されているわけでございます。  まず、やはり適切な公共サービスを提供しろというそのサービスの重要性、それと労働条件の維持等々についてしっかり言及する。そして、社会的対話の仕組みに加えて、労働条件等を適切に確保するといったディーセントワーク、そういったところがポイントになっていると思います。  ちょっとこの文書を改めて読み返しまして私自身が思ったのは、手前みそになって大変恐縮でございますが、郵政民営化の議論をするに当たって五原則というのを作りました。その五原則の中に利便性の原則というのを入れましたけれども、これは正に公共サービスを適切に確保しろということだと思います。そして、資源活用の原則とか雇用配慮の原則というのは入れさせていただきましたけれども、ディーセントワークにつながるのだと思っております。  そういう方向で心掛けて我々もいるつもりでありますけれども、今回、この文書の御指摘をいただきましたので、こうしたことも参考に是非しながら、適切な公共サービス改革を行うべきであるというふうに思っております。
  73. 水岡俊一

    水岡俊一君 大臣お答えの中にも、雇用という問題、大事だと、こういうお話がありました。こういったことについてこの後少し質問を続けていきたいというふうに思いますが、委員長にお許しをいただければ、総務大臣の方に関する質問は終わりましたので、御退席いただいても結構でございますが。
  74. 尾辻秀久

    委員長尾辻秀久君) それでは、総務大臣、退席していただいて結構です。
  75. 水岡俊一

    水岡俊一君 それでは、中馬大臣にもお聞きをしたいと思いますが、同じ内容でありまして、中馬大臣には、市場化テスト法案を今論議をしているという観点において、この社会的対話の仕組み、そしてディーセントワークという、こういった点について視点が乏しいというふうに感じている中で、このILOが考えている水準あるいは方向性、そういったものについて、担当大臣としてお考えを聞かせていただきたいというふうに思います。
  76. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) ILOの、何といいましょうか、この決議でございますが、このディーセントワーク、安心して働ける仕事と言ったらいいのかと思いますが、こうしたことの実現にも十分に私どもも配慮していかなければいけないと、このように認識いたしております。  これは、市場化テストで公共サービスに従事する者が民にも移る可能性も出てくるわけでございますが、官であれ民であれ、その仕事に誇りを持っていることは極めて重要、これは公の、公共サービスでございますから、そういうことであると考えております。  本法案は、国民のため、公共サービスのコスト削減のみならず、質の維持向上を実現することを目的とするものでありまして、こうした観点から、公共サービスを実施することになった民間事業者は、業務に従事する職員に誇りを持ってしっかりと仕事をしてもらうよう責任を持って対応をしていただくことがこれは重要だと考えております。  このような考えの下で、本法案では、公共サービスを実施することとなった民間事業者は、基本理念にのっとりまして、業務の公共性を踏まえて適正かつ確実に業務を実施するとともに、公共サービスに対する国民の信頼を確保するように努めなければならないと、このように明記いたしております。責務規定といいましょうか、一つの規定が明記されているわけでございます。  他方で、公共サービスを公務員が実施する場合、その労働条件は国家公務員法等に基づいて決定されるものでございまして、また、公共サービスを民間事業者が実施する場合は、民間労働者の労働条件に関しては労働基準法等の関係法令に反しない限りにおいて労使当事者間で取決めされるべきものでございまして、民間に移った場合に政府がとやかく言うことはちょっと適切ではないかと考えております。  なお、本法案では、公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立って、国民のためより良質かつ低廉な公共サービスを実現するものでありまして、その際に国民への情報開示を図るとともに、その意見が適切に反映される法制度としているものと、このように認識をいたしております。
  77. 水岡俊一

    水岡俊一君 しっかりと認識をいただいているということでありますが、そういったことを法案の中でどういうふうに生かしていくかということは最終的に重要なポイントではないかというふうに思っております。  そこで、官民競争入札あるいは民間の競争入札、その目的は国民が享受するサービスの利益を最大化することと、こういうふうに考えるべきだというふうに思いますが、それは大臣も御同意をいただけることではないかというふうに思っております。  その上で私申し上げたいのは、五月の八日で当委員会で鈴木寛委員指摘をした点がございます。公共サービスに従事する一人一人の労働者の意欲、そして能力、そして人数の積によって公共サービスの質というのは決まってくるんだと、こういうふうな考え方を鈴木委員指摘をしたところでありますが、私は全くそのとおりだなというふうに思っているところであります。とすれば、今その人数が削減をされるという方向が明らかな中で、一人一人の労働者の意欲とか能力こそが決定的に公共サービスのバリューを決めていくポイントになると、こういうふうに思うんですが、これも大臣は御同意いただけるんではないかというふうに思いますが、はい。  さあそこで、この市場化テストの仕組みは、落札事業者に雇用される労働者という点で見ると、常に一定期間の雇い止めになる可能性、そういうリスクというのは非常に高いですよね。非常に不安定な立場で働くことになるわけです。このことは、ILOが示したディーセントワークという視点から見ると非常にほど遠いんではないかと私は考えるところです。高い意欲であるとか職業モラルを保ち能力を高める労働者というのは、大臣、一朝一夕にはできないと思うんです。そして、熟練者が価値を持たないそういった職業というのは恐らく皆無ではないかというふうに思うわけですね。とすれば、入札によって落札者が替わって、労働者が失業を繰り返して熟練が継承されないということになると、市場化テストという仕組みは公共サービスのバリューを下げる。結局、国民が享受をする公共サービス利益の最大化というテーマを阻むことになるんだということにならないか、そういう危惧を私は非常に強く持つんですね。  その点について、大臣、お考えがあればお聞かせをいただきたい。
  78. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 市場化テストで民間に移す場合に、これ若干マイナスイメージでイギリスの例を出される方がありましたけれども、初めに若干コストだけ、価格競争だけで選定した面があったやに聞いております。そういうことから、今回我々は、かなり質の向上、質を重視した形で業者を選定するとか、監理委員会でその方のしっかりとした意見を聞くとか、こういったことをやっております。そういうことから、本法案、今御心配の向きは極力防げるものだと思っています。  本法案は、国民のため、公共サービスのコストの削減のみならず、質の維持向上を実現することを目的といたしております。こうした観点から、公共サービスの質の維持向上を達成するために、民間事業者においては業務が確実かつ適正に実施されるよう責任を持って取り組んでもらうことが必要だと考えております。その際、その民間事業者の下で業務に従事する職員に誇りを持ってしっかりと仕事をしていただくことも重要であることは、御指摘のとおりでございます。したがいまして、民間競争入札等に参加する民間事業者において、この点につきましても責任を持って必要な対応に十分講じてもらうことが重要と、このように考えております。  先ほど言いましたように、相当厳密な審査といいましょうか、それに基づいて業者を選定するわけですから、一回で終わって次にぽっとやめてしまうような方が選ばれるケースは、私、非常にないんじゃないかと思います。したがいまして、何といいましょうかね、継続性がなくなるとか、すぐ失業するという不安が、そこに従事していただく方々にそう醸し出されることはないと私は確信をいたしております。
  79. 水岡俊一

    水岡俊一君 その辺り、私、まあお言葉ですが、非常にそれは不確かなことではないかなというふうに思っております。  この市場化テストという問題がこれから進んでいくと仮に仮定をいたしますと、例えば官の仕事が民へ移った、しかし、それからまた民の仕事をまた入札をして官に戻るという可能性もある。しかし、官から民に行って、民が民に替わるということだってこれからずっと考えられるわけですよね。そういった中で、今私が申し上げたような熟練であるとか、あるいは能力であるとか知識であるとか経験であるとか、そういったものを高めていった労働者をどういうふうにつなぎ止めていくかという問題は、これは大きな問題だというふうに思うんですね。そういったことをこの市場化テストの中ではきっちりと担保してないんではないかと私は危惧をしているわけです。  EUを見ますと、企業事業及び事業の一部の譲渡の際の労働者の権利に関する加盟国法の接近に関する指令というものがあると勉強いたしました。そして、イギリスも事業の流動化が即雇用不安とならないような法制度を整備しているというふうに聞きました。  日本においても、雇用契約を承継できる制度をこの市場化テスト法案と同時に発足をさせるという、そういった準備が必要なんではないかと私は感じるところでありますが、その点について大臣のお考えを聞いておきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  80. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 今のことについて法律で明記をしているということでもございませんが、意図は十分に入っているわけでございまして、運用につきまして十分にそのことも配慮して取り組んでまいりたいと思っております。
  81. 水岡俊一

    水岡俊一君 それでは、ちょっと一つ大臣にお聞きをしたいんですが、今私が説明したように、期限付の雇用というものが持つリスクというのはありますよね。これについて、サービスを受ける国民の立場に立ってみると、質が低下をするんではないかというその不安がありますが、この件について、つまり期限付の雇用ということについて大臣はどういうふうにお考えなのか。大丈夫だとおっしゃるんであれば、何か具体的にお考えがあるのか、ちょっともう一度お聞かせをいただきたいと思います。
  82. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 法律の中に明記されていることはないと私は思いましたのでちょっと確かめましたが、もちろんその法律にそのことまでは書いておりません。しかし、やはり熟練を持った方々が取り組んでいただく、そうしたことをまた持った事業者を選定するわけでございますから、そういうことは私は運用面においては極力ないようにしていきますし、またないと確信もいたしている次第でございます。
  83. 水岡俊一

    水岡俊一君 ということは、事業者を選定する入札制度の中にそういった雇用の問題をきちっとカバーをするという考え方を入れ込むと、こういうふうに理解してよろしいですか。
  84. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 今後の監理委員会等がお決めいただきますその基本計画といいましょうか基本方針等につきまして、そのことの意図は十分に取り組んでいきたいと思っております。
  85. 水岡俊一

    水岡俊一君 それでは、そのことについて確認をし、これから進めていただくということで承知してよろしいですね、はい。  それでは、去る十二日の委員会で中馬大臣がこういうことを御答弁をされております。官の潜在的な能力を生かし、努力して入札で官が選ばれるのは市場化テストの本来の姿だと、こういうような御答弁をされておりますが、これに関して、大臣のお言葉ですから、もちろん精神訓話ではありませんでしょうし、そのための具体的な方法、具体的な考えがあるんだというふうに思いますが、是非お示しをいただきたいと思います。お願いします。
  86. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) この市場化テスト法案は、官民競争入札の実施に当たりまして、官側も、対象公共サービスの質の維持向上あるいは経費の削減を図る観点から、自ら業務の改善を行うことを織り込んで入札参加できる制度と、このようになっております。  具体的には、業務の改善方法につきましては官民競争入札の対象となる公共サービスの中身によって異なるものと想定されますが、例えば、非常に有名でございますが、市場化テストでかなりの効果を上げていますアメリカのインディアナポリス市では、公用車、公用車両ですね、役所の車でございますが、これの管理業務を実施していた官の担当部局が自らその業務を見直しまして、部品などの在庫の圧縮や自主管理チームによる新しいマネジメント体制の構築などを行いまして、市場化テストの結果、落札することに成功した事例があるわけでございます。  こういったことが、たまたまの一つの事例ではございますが、こうして競争にさらされるといいましょうか、場合によっては民間の方がそうして手を挙げてくるぞということの、その緊張感から官の方もかなり真剣に私は合理化とかコスト削減に取り組んでいただけるもの、それも副次的な効果として私はこの市場化テスト法案の中にあると思います。
  87. 水岡俊一

    水岡俊一君 柳澤光美委員がその点について先日の委員会で、当委員会で質問をしておりまして、インディアナポリスの事例はそこの場でお話をいただいたことだというふうに思いますが、一つのそういった例を取り上げる中で、官が選ばれるというような仕組みを何か考えているのかと、例えば何年間の猶予を与えるとか、その間にそういった準備をするというのか、そういったことについては何か考えておられるのか、その点をひとつもう一度お願いします。
  88. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 今おっしゃいました柳澤委員の例でもございましたが、この問題提起もあったとおり、我が国におきましても対象業務によっては一定期間置いた後に官民競争入札を実施することといたしまして、その間に官は生産性や利便性の向上、コストの削減といった業務の改善に取り組みまして、民も入札に向けて知恵を絞るといった方法も公共サービス改革を進める上で検討に値するものと、このように考えております。
  89. 水岡俊一

    水岡俊一君 ありがとうございます。  少し視点を変えまして、衆議院の行革特別委員会において政府は、当初の契約期間終了時に随意契約に移行するものではないことから一円入札というものは行われない、想定し難いという、こういう説明がございましたので、このことについて若干質問をしたいというふうに思います。  私は、入札をする民間事業者の立場に私が立つとすれば、当初の契約期間というのは非常に重要でありますから、もう採算度外視、一円でも十円でも構わない、そういった落札価格を提示をしてその期間、事業に携わるということは、非常に私は魅力のある内容だというふうに思っております。  この件について、随意契約をしないというそういうような根拠以外に、この一円入札が起こらないんだというそういう根拠をお持ちであれば、是非お答えをいただきたいと思います。
  90. 山口泰明

    ○副大臣(山口泰明君) お答えさしていただきます。  いわゆる一円入札については、ある事業者が初年度は極めて低い価格で落札をし、次年度以降の随意契約の中で全体として利益を確保するといった事例等があったことは承知をしているところでございます。  この法案に基づく官民競争入札においては、これ複数年にわたる契約が通常であります。落札者はこの期間全体を通じた金額で入札すること、そして当初の契約期間が終了した時点で競争入札から随意契約に移行するものではないと、いわゆる一円入札は想定し難いと考えております。
  91. 水岡俊一

    水岡俊一君 複数年にわたってと、こういうお話でありました。でも、それは体力の勝負じゃないでしょうか。体力があれば幾らでも、五年でも十年でもやろうと思えばやれるということの問題でありますから、そういった視点はもう少しきちっととらえ直してこれは生かしていくべきじゃないかというふうに思っております。  公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律というのが平成十二年に制定されております。公共工事の委託契約は建設業法が適用となって、原価に満たない額による発注を禁じているところであります。それからまた、地方自治体においては低入札価格調査制度、それから最低制限価格制度等があるわけですね。こういった制度があるということを今回の市場化テストにおいても活用するという、そういう考え方はなかったんでしょうか。
  92. 山口泰明

    ○副大臣(山口泰明君) 先ほども申し上げましたとおり、委員御懸念のようないわゆる一円入札は想定し難いわけでありますけれども、しかしながら、仮に一円入札が行われた場合にも、この公共サービスの質の確保に問題がないかを調べる低入札価格制度の活用によりまして、質の確保に問題があると認められた場合にはその者は落札をできないこととしております。また、したがいまして、不当に低い価格で落札されるということによってサービスの質の低下を防ぐという制度になっております。
  93. 水岡俊一

    水岡俊一君 私、ちょっと不勉強であれですけども、この市場化テスト法案の中にその低入札価格制度というものがきちっと盛り込まれているということだったんでしょうか。
  94. 山口泰明

    ○副大臣(山口泰明君) これは会計法第二十九条の六と地方自治法施行令第百六十七条の十の二等でございます。
  95. 水岡俊一

    水岡俊一君 この法律ではなくてほかの法律によって縛られていると、こういう理解でいいんですね。もういいです、いいです。  私は、そういった意味からすると、適正な契約を確保するために法令によって厳しく律していくということがどうしても必要じゃないかなというふうに観点を持っているわけですが、法案の第七条辺りに、その辺りを盛り込んでいくというふうにできないものかなと、こういう意見を持っていますが、いかがでしょうか。
  96. 山口泰明

    ○副大臣(山口泰明君) 先ほども申し上げましたとおり、公共サービスの質の確保に問題があると認められた場合にはその者は落札できないこととしており、この旨はこの法案でも十三条の一項等において一応明確化しております。  また、官民競争入札等の結果、民間事業者公共サービスを実施することとなった場合に、サービスの質の低下を招かないよう、本法案は、公共サービスの実施に当たり確保されるべき質を国や地方公共団体の責任においてまず明確化する制度となっており、このような公共サービスの質に関する要求水準を上回ることを条件とした上で、質と価格の両面で最も優れた落札者を決定する制度となっております。  また、落札した民間事業者は、本法案に基づき、契約に従って適正かつ確実に実施していただくこととされておりまして、さらには、これを担保するため、国や地方公共団体は報告徴収、立入検査等、様々な監督上の措置を講ずることとしているところでございます。
  97. 水岡俊一

    水岡俊一君 今の点については分かりました。しかしながら、そのルールというのはきちっと明確にすべきだという点で、またこれからも私もちょっと研究をしてみたいというふうに思っております。  それでは、小坂文部大臣、大変お待たせをいたしました。教育の問題で若干質問をさせていただきたいと、こういうふうに思います。  私も、行政改革、公務員総人件費改革が必要であるということは理解をしているところでありますが、一律的に公務員の効率化を求めればいいというわけではないというふうに思っております。特に学校の現場はそうではないかというふうに思っております。教職員の仕事、これは人を育て、はぐくむものでありまして、手間が掛かってまいります。時間も掛かる、大変な苦労があるわけですが、今回の行革推進法、教育現場に深刻な影響を与えるものだと、こういうふうにこれまで再三再四、私たちも意見も述べ、大臣からもお考えを聞いているところでありますが、改めてこの特別委員会でお考えを聞かせていただきたいと思います。
  98. 小坂憲次

    国務大臣(小坂憲次君) 教員の経験もお持ちの水岡委員の御質問でございますが、公立学校教育の充実のためには教員について必要な人数の確保とそれから質の充実が、その双方が必要であるというふうに認識をいたしておるわけでございます。  一方で、簡素で効率的な行政を実現し、総人件費抑制への道筋を確かなものとするために行政改革推進法案を現在御審議をいただいているところでもございます。この法案の実際の運用に際しまして、義務教育の実施に当たっての根幹である標準法対象の教職員数の純減につきましては、基本的には児童生徒の減少に伴う自然減によることといたしまして、教育条件を悪化させないように取り組む考えでございます。  私といたしましては、総人件費抑制に取り組む一方で、習熟度別少人数指導など、必要な定数を確保するというめり張りのある対応を考えておりまして、一律的な教職員の定数削減を行うことは考えておりません。具体的な教職員の純減につきましては、国が配置基準を定めた教職員の自然減に加えまして、給食調理員や用務員等を含めました教職員全体の削減を図ることによりまして、自然減を上回る純減を確保する所存でございます。
  99. 水岡俊一

    水岡俊一君 児童生徒の減少に見合う数を上回る数の純減という問題については、大変悩ましい問題であるというふうには私は思っております。  そういった中で、文科大臣が様々な工夫をしながらトータルとして人件費を削減していくんだと、こういうお考えを述べられたところでありますが、私は、今の給食調理員のお話であるとか学校の校務員さんのお話であるとかお聞きをしながら、言葉では分かっても、実際に数の上で金額をはじけば、果たしてそういったことが言えるのかどうか、実現できるかどうかということについては私は疑問が残るなというふうに思っておりますし、また学校の校務員あるいは給食調理員が削減されていい職だというふうに考えるのも私は間違いだというふうに思いますし、その辺りについては、大臣、お考えがありますか。
  100. 小坂憲次

    国務大臣(小坂憲次君) もとより給食調理員や学校用務員という皆さんも学校にとっては大変必要な、また従来から学校現場において大変重要な役割を生徒とのかかわりにおいても持ってきた、そういう方たちであります。  しかし、学校教育法の第二十八条第二項に定める、必要に応じて学校に置かれる職員にこれらの方々は該当しているところでございまして、これらの職員が行う校舎等の清掃や給食調理などの職務につきましては、学校の運営上重要であることは論をまちませんけれども、児童生徒に対する指導そのものではない業務につきましては民間企業への外部委託は可能であると、このように考えておるわけでございまして、このため、今回の総人件費改革を進めるに当たっては、これまでの各地方自治体で取り組まれてきた地方公務員数の削減の実績を踏まえて対応することとされているところでございまして、具体的には、教育条件を悪化させないように、この法案の実際の運用に際して、義務教育の実施に当たっての根幹である、先ほど申し上げた標準法対象の教職員数の純減については自然減によるところとしまして、その児童生徒の減少に伴う自然減によるところとしまして、これに加えてこの給食調理員や用務員等を含めた教職員全体の合理化といいますか、外部委託を含めたそういった合理化、削減を図ることにおいて自然減を上回る純減を確保する。  先ほど委員がおっしゃいましたように、大変悩ましい問題ではございますけれども、そういった二つの目標の中で私としてやりくりをして、そして悪化させないと、教育条件を悪化させないということを前提に努力をさせていただきたい、このように考えているところでございます。
  101. 水岡俊一

    水岡俊一君 この問題については論議をすれば非常に深い問題でありますので時間が掛かりますが、一つ申し上げておきたいなと思うのは、小坂大臣はかねがね学校給食の問題、非常に重要視をされてこられたし、栄養指導、給食指導ということの学校教育における重要性、そのことを指摘をされてきた大臣であると、私はそういうふうに理解をしているんですね。そういった中で、やはり学校給食をどういう給食にしていくのか、あるいは子供たちにどんな食事を与えることを目指していくのかと考えたときに、これはやっぱり自校給食をやりましょうと、こういうことが一方ありましたですよね。  それから、今の学校の問題を、教育の問題を単に学校だけで考えるんではなくて、あるいは文科省だけが考えるんではなくて、地域の方々と一緒に考えて、地域、家庭、学校、そういったところで共同して教育の発展をみんなで考えましょうと、こういったことでありますから、そういった観点から考えると、今の行革の中で人員を削減していくということが必ずしもマッチはしていないという、非常に難しい問題にぶち当たるわけですね。  そういったことをどのように解決をしていくのか、これは今すぐには出てこない答えではありますが、是非とも大臣のお力をいただきたい、私は教育現場を経験した人間の一人として強くお願いをしたいと、こういうふうに思うわけであります。  そこで、もう時間もありませんが、最後になろうかというふうに思いますが、先ほど中馬大臣にもお伺いをしまして、つまり、公共サービスの質とかバリューを決める要素は何か、これは、そこに携わる人の能力であるとか意欲であるとか、そして人数という問題がありますねというお話をさせていただきました、これは鈴木委員の引用でありますが。そういった観点からすると、人数を下げていくことになったときに私たちが求めなきゃいけないのは、意欲であるとか、あるいは能力を高めなきゃいけないという問題ですね。  そこで、一つ私は今日是非ともお伺いをしておきたいと思うのは、その能力を高めるという意味からすると、日本は教員、現職の教員がその能力を高めるために現職でありながら研修をしていくという、そういう制度というのは余り世界的なレベルからすると好ましい状況じゃない、もっとはっきり言えば、非常に最低なレベルだというふうに思っているわけですね。それは教育投資全般の中で語ることも必要かも分かりませんが、事、教職員の能力を高めるという観点において、日本はそういった教師教育というレベルにおいて低いんではないか、もっともっと資本を投下して、投資をして研修をする、そういう仕組みをつくるべきではないかというふうに思いますが、大臣、お考えはありますでしょうか。
  102. 小坂憲次

    国務大臣(小坂憲次君) 御経験を踏まえての御発言だと思いますけれども、初任者研修、十年目研修とあるわけでございます。  そういった中で、委員がおっしゃるように、質の向上を図るためには、教員それぞれが教員としての崇高な使命感を持っていただく中で自ら教員の質の向上のために研修を意欲的に行っていただくということ、そしてそのモラルを高く保つためには、やはり天然資源の恵まれない我が国において人材こそが正に資源なんだと、そういう考えに基づくとともに、教育は国の将来を左右する重要な課題であって、そういう意味からすれば、義務教育の現場における教員の待遇というものについても、やはり引き続き人確法の精神をしっかり体してそういうものを維持するように努めていくと、そういうことが相まって質の向上が図られていくと、このように考えておりまして、委員の御指摘のように、質の向上に向けて更なる制度的な充実も含めて努力をしてまいりたいと存じます。
  103. 水岡俊一

    水岡俊一君 五月の八日に鈴木委員大臣質問をさせていただいたときに、行革推進法の第五十五条あるいは五十六条によって見直しを考えていくんだと、こういう条項について質問をしております。それに大臣は、教育の質の向上が強く求められる中での教職員の職務と責任の特殊性に十分配慮をしていくんだと、こういうような見解を述べられました。そして、今の御答弁の中にも人確法にも触れて大臣の見解をお述べをいただいたので、そのことについて引き続き大臣が積極的にかかわっていただくということを強く要望をしたいと、こういうふうに思っております。  もう時間がなくなりましたので、最後に私述べておきたいのは、小坂大臣を含め中馬大臣にも谷垣大臣にもお願いをしたいと思うのは、フィンランドの教育ですね、フィンランドの教育というのをこう振り返って見たときに、一九九二年を見ますと日本以上に深刻な経済危機に陥って、失業率も十数%に上って二度と立ち直れないというひどい状態にフィンランドがなった。そのときにフィンランドは何をしたか。やはりこれは教育に投資をしたんでありますね。正に米百俵の精神だったというふうに私は思うわけです。  そして、今フィンランドでやっていることは、全国学力テストというのがありますが、これは平等化のためにやっているテスト。つまり、テストをやって点数がなかなか取れないところ、学力が低いところ、援助が必要なところにお金を出すためにテストをやっていると、こういう考え方がフィンランドの考え方なわけであります。  そういった意味では、教職員の給与の問題のみならず日本の教育の中で是非ともフィンランドに学ぶというその精神を改めて持ち直していただいて、教育の効率化を進めることのみに陥らないように是非ともお力をいただきたいということを最後に要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  104. 尾辻秀久

    委員長尾辻秀久君) 午後四時に再開することとし、休憩いたします。    午後二時三十三分休憩      ─────・─────    午後四時開会
  105. 尾辻秀久

    委員長尾辻秀久君) ただいまから行政改革に関する特別委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、若林秀樹君及び加藤敏幸君が委員辞任され、その補欠として岩本司君及び小林正夫君が選任されました。     ─────────────
  106. 尾辻秀久

    委員長尾辻秀久君) 休憩前に引き続き、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革推進に関する法律案外四案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  107. 内藤正光

    ○内藤正光君 どうも、民主党の内藤と申します。休憩前に引き続きまして、一時間お時間をいただいておりますが、質問をさせていただきたいと思います。  本日は、私は、特に特別会計について具体的に質問をさせていただきたいと思います。  特別会計、具体的にということになりますので、各所管の大臣にお伺いすることになろうかと思います。本委員会の所管大臣であります中馬大臣には、直接、具体的な質問、まだ投げ掛ける予定になってはおりませんが、どうか御容赦をいただきたいというふうに申します。  さて、まず最初に取り上げたい特別会計は、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計についてお尋ねしたいと思います。これは所管は農水大臣であります。  その特別会計についていろいろお伺いする前に、まず財務大臣一つ、大変基本的なことでございますが、確認をさせていただきたいことがございます。  改めて言うまでもないことなんですが、財政法には幾つかの重要な予算原則が規定をされております。具体的には、単年度主義の原則ですとか、あるいは会計年度独立の原則、こういった予算にとって大原則が書き込まれている、規定されている。その中の一つに、忘れてはならないのが総計予算主義の原則ではないかなというふうに思っております。  そこで、大変基本的な質問で恐縮ではございますが、改めてその総計予算主義の原則というものの意味するところ、そして何でそんな原則があるのか、その目指すところ、目的は何なのか、分かりやすく説明をしていただけますでしょうか。
  108. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 内藤委員がおっしゃいました総計予算主義というのは、財政法十四条に規定がございまして、この十四条には、「歳入歳出は、すべて、これを予算に編入しなければならない。」、こういうふうに規定されております。  そこで、これが総計予算主義を定めたものだというふうに考えられているわけでありますが、総計予算主義と申しますのは、国のすべての収入は国庫に歳入として収納し、そして国のすべての経費は歳出予算から支出しなければならない、こういうことだというふうに言われているわけでございます。つまり、ある収入を得るのに要した経費の額をその収入の額から控除した残高を歳入に計上して、又は、ある支出に伴って生じた収入の額をその支出額から控除した残高を歳出に計上してはならないということを帰結するわけでございます。  それで、これはなぜこういうことを決めているかということになりますと、予算を通じて国会の財政監督、それから行政部内における会計検査や監査の便宜を図る、そしてさらに予算執行上の責任を明らかにするということから、こういう総計予算主義を取って全体の金の流れを明らかにせよと、こういう趣旨だというふうに私は理解をしているところでございます。  ただ、具体的にいかなるものを歳入である、あるいは歳出であると見ていくかということは、これは法律上又は事実上いろんな規定があるわけでございまして、法律上、若干そこにいろいろな細かな実務上の取扱いというものがあると思います。法律支出とされたものを予算書に示していくということ、何が法律上の支出かというのはいろいろ法律上特殊な、特別な規定がある場合がございますので、それを挙げていくということは、この財政法十四条の趣旨から見て必ずしも反するものではない、こういうことだろうと思います。
  109. 内藤正光

    ○内藤正光君 よく分かりました。  一つの部局に対する金の出入り、たとえそれが互いに相殺でき得るものであったとしても、その差額だけを予算書あるいは決算書に計上することはあってはならない。それをやってしまうと金の出入りが不明確になってしまう。ですから、すべての金の出入りは歳入又は歳出としてちゃんと予算書あるいは決算書に計上すべきだと、これが総計予算主義であるということも分かりましたし、また、その目的はやはり金の出入りがしっかりと分かるように、これが大きな目的であるということも分かりました。  そこで、また一つ確認をさせていただきたいんですが、国の会計には一般会計とそしてまた今議論している特別会計とがございますが、確かに特別会計には一部の例外が認められているとはいうものの、この総計予算主義を始め単年度主義の原則ですとか会計年度独立の原則というのは正に予算原則であるわけですから、一般あるいは特別に関係なくすべての会計に適用されるべき規定だという理解でよろしいですね。
  110. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるとおりです。もちろん、今委員もおっしゃいましたように、特別会計によってはその辺の弾力性というものが認められているものがございますので、あくまでそういうことはございますけれども、原則は財政法に書かれております単年度主義とか、あるいはいろいろな今おっしゃったようなもの、皆、大原則と申しますか、適用されるべきものでございます。
  111. 内藤正光

    ○内藤正光君 はい、分かりました。  そこで、次に農水大臣に幾つかお尋ねしたいんですが、具体的に特別会計の中の漁業共済保険勘定についてお尋ねしたいんですが、私の今手元に予算書ですとか決算書があるんですが、ちょっと不思議でならないところがあるんですね。なぜかというと、保険金支払として毎年数十億円も拠出されていながら、例えば平成十六年度決算では何と二十八億円も保険金支払金として支出されているんですが、その歳入はと見ますと、予算書では毎回一にゼロが四つしか並んでない、単位は円なんですよね。つまり、どう考えても一万円としか読めないんです、予算書では。歳入は一万円しかないんです。決算書ベースになるとこれが是正されますから、幾らになるのか。ゼロ円になっちゃうんです。つまり、この共済保険勘定は毎年保険料収入がゼロなんです。ところが一方で、保険金支払金としては毎年数十億円出ているんです。  こんな保険があるのかなと不思議に思ったりもするんですが、これはどういうことなのか、説明をしていただけますでしょうか。
  112. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) お答え申し上げます。  今、内藤委員指摘の、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計の決算上の保険料収入がゼロ円となっている理由でございますけれども、これは、漁業者それから漁業共済組合、それから全国漁業共済組合連合会、そしてこの特別会計と、こういう四者の間で保険が構成されているわけであります。  本来ですと、漁業者から共済組合、そして全国共済組合連合会、そして保険料として国の特別会計に納める金額が、これが平成十六年度で二十四億六千八百万ございます。他方、国の特別会計から漁業者に対して掛金補助というのが七十億六千二百万円ありますから、本来ですと保険料収入が二十四億六千八百万立たなければいけないわけでありますが、財政法、会計法の特例に基づきまして、事務の効率化という観点から、この保険料収入と掛金補助の差額分、つまり四十五億九千五百万円の差額分を全国漁業共済組合連合会の方に出して、そしてそれでもってもう保険料の方のお金の出入りを一本にしてしまおうと。差額でもって政府が共済連合会の方に出して、それでもって収入の方、保険料の扱いについてはそれでもって、差額でもって終わらすということでございます。これは、財政法あるいは会計法の特例措置に基づいたものでありまして、これは財務省にもお認めいただいた上で事務の効率化という観点からこういうことにさせていただいているところでございます。
  113. 内藤正光

    ○内藤正光君 そういった事務の効率化というのは理解できるわけなんですが、冒頭、財務大臣ともやり取りしたように、やはり金の出入りを明確にするために、互いに相殺し得る関係にあったとしても歳入と歳出はそれぞれ別個にちゃんと明記しなさいよというのが総計予算主義であったんではないかなと思うんですね。そういったところを、無視するというのは言い過ぎかもしれませんが、そういった原則があるにもかかわらず、そういった予算計上の仕方をしているということは何らかの法的担保が必要だと思うんですが、その法律がどういうものなのか、またその具体的な中身を教えていただけますでしょうか。
  114. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 今財務大臣と内藤委員とのやり取りにありましたように、予算総計主義というのが原則でございますが、この漁業共済保険勘定におきましては、漁業災害補償法、根拠法でございますが、これの百九十六条二項でございますけれども、組合に交付すべき金額は、当該組合に交付するものに代えて云々かんぬん、当該組合が連合会に支払うべき再共済掛金の一部に充てるため、連合会に交付し、又は連合会が支払うべき保険料の全部若しくは一部に充てて、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計の保険料収入に計上することができると、この条文を援用いたしまして、事務の効率化という観点から、実際に入ってくるべきお金とそれから補助すべきお金との差額を相殺いたしまして、結果的に掛金分の方が多いわけでございますので、その差額分を出しているということをこの特別勘定の勘定として記しているわけでございますので、収入がゼロ円になっているということでございます。
  115. 内藤正光

    ○内藤正光君 農水大臣がおっしゃっていただいたように、根拠法はやはり漁業災害補償法の百九十六条だと思います。平たく言えば、まず、上下関係はないにしても、この共済契約者があって、そしてその上に組合があって、そして再共済ということで連合会があると。本来は、共済契約者に補助金を渡すべきところを、どうせ保険料として払うんだからその上の組織に払ってしまえ、そして第二項で、さらに続いて、どうせ再保険として全国の組合は連合会に払うんだから連合会に払ってしまえと、そうすれば保険料と補助金の行ったり来たりがなくなるということですね。  私は、この事務の効率化のためにということでこの百九十六条は認めることは認めるにしても、私は、問題はそれをそのまま予算書並びに決算書でもそのまま反映してしまっていいのか私は大いに疑問に感じざるを得ないんです。この百九十六条というのは、あくまで事務の効率化のために事務を簡素化してもいいですよという法律じゃないでしょうか。それをそのまま、先ほど大原則をいろいろ財務大臣から御説明いただいたわけなんですが、それをそのまま予算書に反映してしまう。そうすると、本当にゼロ円の保険料で毎年数十億円の保険金支払がある。本当分かりにくいですよね。  そこで、ちょっとまず財務大臣からお尋ねしたいんですが、私はこの総計予算主義の原則にも反する、こういった本勘定における予算計上の在り方、私は大いに問題があると思っておりますが、財務大臣のお考えを、財務大臣の立場としてお答えいただけますか。
  116. 松元崇

    政府参考人(松元崇君) お答えいたします。  漁業共済補償法及び漁業損害等補償法に基づきます補助金及び負担金の支払の仕方についての予算書上の取扱いということでございますが、それぞれ補助金あるいは負担金ということではございますが、補助金、負担金をどのようにそれぞれの相手方に支払うかということでございます。  その根拠条文といたしましては、ただいま農水大臣の方から御説明がありました、漁業災害補償法でいいますと第百九十六条の第二項、漁業損害補償法で申しますと第百四十条の第二項ということで、それぞれ共済組合又は漁業保険組合の交付に代えまして保険料等との差額をそれぞれの中央団体に交付することができるということが法律上明記されているわけでございます。  国の予算措置は、この法律上の規定に基づきまして保険料等との差額につきまして中央団体に対する交付金として措置するものでございまして、予算書等におきましても予算措置の内容に沿った記載を行っているものでございまして、法律にのっとった適切な取扱いであると考えております。
  117. 内藤正光

    ○内藤正光君 御説明、長い時間掛けていただいたんですが、先ほどやり取りしたことを単に繰り返しただけですよね。  私が聞いているのは、事務の効率化のためにこの百九十六条があって、事務の効率化、結局行ってこいですから、非効率なことはやる必要はないだろう、ここは認めているんですよ。ただ、これはあくまで事務の効率化を目指した条文であって、これをそのまま予算書あるいは決算書に計上していいとはどこにも書いてないんですよ。私は、そのことを聞いているんです。総計予算主義の原則に照らし合わせて、それをそのままゼロ円の保険料で数十億円の保険金支払という訳の分からない金の出入りがそこに出てきちゃうんですよ、予算書、決算書を見ると。これをそのまま認めてしまっていいんですかということを私は確認しているんです。
  118. 松元崇

    政府参考人(松元崇君) お答えいたします。  総計予算主義でございますが、先ほど財務大臣の方から御説明いたしましたとおり、予算を通じます国会の財政監督及び行政部内における会計検査や監査の便宜を図ると、そういった観点から予算執行上の責任を明らかにする、こういうことで設けられているわけでございます。  そういった観点から申しますと、漁業共済あるいは漁業災害補償それぞれにつきまして、それぞれ補助金あるいは交付金という形で国から幾らそういった中央団体に交付するかということが明らかになっているわけでございまして、国会の財政監督あるいは行政部内における会計検査や監査という観点から、特段の問題はないものと考えております。  いずれにいたしましても、具体的にいかなるものを歳入歳出と見るかということにつきましては、法律上又は事実上の取扱いによって相違を生ずるということでございますので、そういった中でこういった措置が規定されているものと考えております。
  119. 内藤正光

    ○内藤正光君 幾ら聞いても納得できる答弁じゃないですね、ただ単に現状をそのまま説明しているだけなんで。  そこで、ちょっと農水大臣にお尋ねしたいんですが、今特別会計見直しをこの委員会を通じてやろうとしている。特別会計見直しのやっぱり基本は、一般会計と区分されていてよく分からない、だから、財務大臣がよくおっしゃるように、一覧性を高めるというのもあるんですが、やはり金の流れをしっかりと分かりやすく書き直すというのも見直しの大きな争点なんですよ。そういったときに、こういう百九十六条があるからそれをそのまま書いて何も問題ないというのは、私はちょっとおかしいんじゃないかなと。元々改革する気がないというふうに、もし同じ答弁を農水大臣が繰り返したならばそう思ってしまうんですよ。やはり私は、そこは総計予算主義という大原則があるわけですから、私は、農水大臣の所管であるところのこの特別会計、この予算書の書き方、計上の仕方、決算書の計上の仕方、私は率先して改めるべきだと思うんですが、農水大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
  120. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 私のところの所管の特別会計でございます。そういう中で、予算、決算の処理は、もちろん分かりやすくといいましょうか、きちっとやらなければいけないことは言うまでもないわけでございます。と同時に、事務の簡素化というメリットもあるわけでございますので、これはあくまでも財政法、会計法に基づいた補償法によってやっている措置でございますので、法律違反ではないという前提でやらせていただいているということでございます。  いずれにいたしましても、政府としてこういう措置をとっているわけでありますが、どちらがいいかといえばどちらも、内藤委員のおっしゃっていることも分からないではございませんけれども、事務の簡素化ということに対しても大いにメリットがあるというふうに考えておりますので、これについては、私の立場から、いただいて使わせていただく立場からいえば、こちらの方が事務の簡素化という観点からよりいいのかなというのが私の立場の率直な見解でございます。
  121. 内藤正光

    ○内藤正光君 私は何も、事務の効率化、簡素化、これは何も否定しちゃいないんですね。決して否定しちゃいないんです。ただ、少なくとも金の流れ、たとえ互いに帳消しし得る関係にあったとしてもそれをそれぞれすべての出と入りを明記しましょう、それによって予算、金の流れを明確に国会議員あるいは国民に伝えましょう、こういう原則なんですよ。  ですから、私は、事務の効率化は効率化としてちゃんと今までどおりやっていただいたとして、やはり予算計上の在り方、決算計上の在り方ぐらいは私は見直し行っていくべきだと思うんです。これはもう大臣の一声が必要なんです、一番これ所管しているわけですから。もう一度、改めてお答えいただきたいと思います。
  122. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) お気持ちはよく分かります。分かりやすくというこの当委員会の御趣旨を、決算をきちっとチェックしていただいている。補償法の根拠法といいましょうか、補償法はあくまでも特別会計のお金の流れに関するものでございますから、財政法、会計法というものに基づいていなければいけないということで、有権解釈者であります財務大臣の御指摘があれば我々としても考えなければいけないというふうに考えております。  私の立場からは、使わせていただく立場でございますので、きちっとやることはもう大前提でございますが、簡素化ということには大変魅力を感じざるを得ないというのが率直なところでございます。
  123. 内藤正光

    ○内藤正光君 じゃ、その大本であります財務大臣にちょっと改めてお尋ねしたいと思いますが、同じ質問なんですが、やはり今回の特別会計の見直しというのは、金の流れをちゃんと分かりやすく示すこと、そして国会の審議をしてもらうようにしやすくすることであるならば、こんなぱっと見ると、ゼロ円の保険料収入に対して保険金支払が数十億円なんというものを残しておくことは問題だと思います。
  124. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど、この総計予算主義で御答弁を申し上げたときに、具体的に歳出と歳入はどういうものにしていくか、それは法律上、あるいは事務上の扱いで変わってくることがあると、ちょっと後ろの方に遠慮しながら付け加えて御答弁申し上げたんですが。  普通、総計予算主義で相殺なんかしないで出と入りをきちっとせよというときに例に挙げられるものは、国が自ら公共事業をやる場合に負担金を地方公共団体からそれぞれいただいて公共事業をやっていくような場合があります。その場合に、地方からいただいている負担金を言わば差っ引いて、国が掛かったものはこれだけですというんでは金の流れがはっきりしませんねということがあって、この十四条で定めているような総計予算主義を取っているわけですね。  しかし、この今問題にされている、先ほどから中川大臣の御答弁でございますけれども、もちろん事務の効率化ということもございます。それで、そこは相殺するということが認められているわけでございます。したがって、金の流れを明らかにすると申しても、正に国の立場からすると、金の流れというのは、先ほど中川さんが、大臣が御答弁になったようなことになっているわけでございまして、必ずしもこの十四条で言っている金の流れの全貌を明らかにせよと要求していることと、私は少し、何というんでしょうか、フェーズが違うんじゃないかなというふうに思います。  やや感覚的な答弁でございますが、決して農林水産大臣のやっておられる処理が違法なものでも何でもございませんし、この十四条の精神に反するものでもないと私は思います。
  125. 内藤正光

    ○内藤正光君 こういう、でも、答弁をされるとまた言いたくなるんですよね。  そうすると、この保険の適正性が分からないんですよ、この保険が保険としてちゃんと機能しているのかどうか、こんなことを放置しておくと。見直しできないんじゃないですか。大体、どこの世の中にも、ゼロ円の保険料収入でお金をくれる保険会社いませんよ。私はこれは見直すべきだと思いますよ。  何も実態を変えろと言っているわけじゃないです。計上の在り方を見直したらいかがですかと。補助金も含めて、じゃ一体幾ら保険料収入としてあるんですかと。相殺された分をちゃんと元に戻して保険料収入として計上する、そして支出分もしっかりと計上する。何も、私はこの点においては減らせだとかなくせだとか、何にも言ってないんですよ。  ただ単に、この保険の適正性というか健全性をチェックするにも、こういう計上のされ方をされたんじゃ何にも分からない。見にくい、分かりにくい。だから、私は、事務の効率化という観点ではお金の流れは今まででいいと思うんです。しかしながら、金の流れを示す、この予算計上の在り方は、改革と言うからには私はこれぐらい見直してもいいんじゃないかなと思うんですが。  そこで、ちょっと中馬大臣、済みません、所管の大臣ということですべての特別会計の見直しにこれから関与されていくということになろうかと思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただけますか。
  126. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 今、そのゼロで保険金が高く支払われるというのはおかしいという、そういう若干の疑念がある場合に、そのいろいろ会計上の問題はあろうかと思いますけれども、そうしたことも、今どれをどうしようということじゃなくて、そうしたものもあるいは明らかにすることの方が私は一つの今回の改革の趣旨に沿うかなという気をちょっと感覚的に持たせていただきました。
  127. 内藤正光

    ○内藤正光君 で、もう時間の関係もございますのでこの問題についてはそれ以上長く、これ以上長くはできないんですが、農水大臣、変わらないですね、考えは。少しは見直すとか、もう本当に農水省が自分が所管している勘定については率先して改革していくよという姿勢、お示しいただければと思うんですが、これを最後にしますが、いかがでしょう。これは別に財務大臣がどうのこうのというんじゃなくて、農水大臣自らの私は政治家としての行動が問われているんじゃないかなと思うんですが、最後にしますので、お答えください。
  128. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 予算書、決算書といったきちっとした国会あるいは国民その他に御報告する文書の問題と、それから私どもが所管している特別会計がきちっと運用され、きちっと情報が公開されているかという問題と、あえて二つに分けますならば、この特会を含めまして、確かに特会の方だけ見るとゼロ円で四十何億だけぽんと出ているというのはこれは何だろうなと、内藤委員のように非常に優秀で、そして勉強されている方から見るとそういうふうに発見できるわけでありますが、そういう意味で、特会については今までと同様あるいはそれ以上に各特会についてきちっと特会の方で、この当委員会での御審議の趣旨も踏まえまして、中身はこうなっているんだということをより分かりやすく公表できるように努力をさしていただきたいと、こういうふうに思います。
  129. 内藤正光

    ○内藤正光君 私の言わんとするところを踏まえた、これから具体的な改革作業が進んでいくかと思いますが、是非とも分かりやすくということを旨に、改革を各省におかれましては、特に農水省は具体的にこういう勘定を抱えているわけですから、見直し、進めていっていただきたいと思います。  で、もう農水大臣に対しては質問ありませんので、はい、私のあと残りの、三十分もありませんので御退席いただいて結構ですが。  続きまして、労働保険特会について主に厚生労働大臣にお尋ねをしていきたいというふうに思います。特に、雇用勘定について幾つかお尋ねをしたいと思っております。  改めて言うまでもございませんが、過去におきまして雇用勘定からは毎年多額の出資金が支出をされてきておりました。その残高はというと、平成十四年度決算で見ますと、出資残高は二兆一千八百七十億円に上っております。相当な額です。具体的にはどこへ出資しているのかといいますと、もうこれ決算書にちゃんと明記されておりますから、雇用・能力開発機構へはその大宗を占めているわけなんですが、二兆一千五百四十億円、そしてそのほか、日本障害者雇用促進協会には二百八十億円そして日本労働研究機構には四十五億円出資されてきた、合計が二兆一千八百七十億円となっているわけでございます。  しかし、改めて言うまでもございませんが、独法化に伴いこれをいろいろ清算をした。平成十五年度決算ではちょっと様相が変わってきている。残高が八千百九十億円に激減をしている。その差額は正に、累積欠損金とも言うべきものですが、一兆三千六百億円もあると。何で出資金が、二兆一千八百億円もあった出資金が独法化に伴い八千二百億円にまで毀損をしてしまったのか、その一兆三千億はどうしてしまったのか。今までちょっと明確な説明がどこにもなかったかと思いますが、その巨額な出資金になぜこんな巨額な毀損が生じてしまったのか、説明をいただけますでしょうか。
  130. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 今お話ありましたように、雇用・能力開発機構に二兆一千五百四十二億円、高齢・障害者雇用支援機構に二百八十三億円、労働政策研究・研修機構に四十六億円、合わせて二兆一千八百七十一億円出資してまいりました。それを、今お話ありましたように独法化に基づいて、独立行政法人会計基準や独立行政法人の個別法等に基づき、経年劣化等に伴う資産の減価償却や独立行政法人移行に際しての資産の時価評価を行いました。結果として、雇用・能力開発機構は出資金額は七千九百九十九億円、高齢・障害者雇用支援機構は百十五億円、労働政策研究・研修機構は四十三億円ということで、八千百五十七億円、一兆三千七百十四億円減じるという形で資産の時価評価に基づく減額、それから減価償却を行ったということでございます。
  131. 内藤正光

    ○内藤正光君 経年劣化ですとか、具体的な、具体的というか、その理由はお述べいただいたわけなんですが、では具体的にちょっとお尋ねをしたいんですが、特にその出資金が多かった雇用・能力開発機構についてお尋ねしたいんですが、その毀損額は一兆三千五百億に上るわけなんです。この要因を明らかにしていただきたいと思います。できるだけ分類分けをして、それぞれの分類で幾ら欠損額が生じたのか、明らかにしていただきたいと思います。
  132. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 今申し上げました二兆一千六百億円が八千百億円に、すなわち一兆三千五百億円の内容でございますけれども、業務の実施により建物等の保有資産が経年劣化した、すなわち先ほど申し上げた減価償却六千百五十五億円でございます。独立行政法人移行に際して資産の時価評価を行い、三千五百八十七億円の減額でございます。また、勤労者福祉施設の譲渡、これは地方自治体を中心にしながら資産の売却を行いまして、それによる損が三千五百七十六億円、合わせて一兆三千五百億円という結果でございます。
  133. 内藤正光

    ○内藤正光君 私が知る限りでは、この一兆三千五百億もの毀損の要因内訳が明らかに今までされてこなかったんじゃないかと思っております。今回、そう言うと、いや、今まで聞かれなかったからだと言うかもしれない、私が聞いたから答えたんだと言うかもしれないんですが、私はそういう姿勢は余り良くないのかなというふうに思うんですよね。  やっぱり、これ独法化のときに余り議論にならなかったという国会側の問題もあるのかもしれませんが、やはりこれで、別に私は減価償却がこれだけ上ったから問題にするというつもりは全くないんですが、ただ、これだけもの出資金、一兆三千五百億もの出資金が毀損した、ならばこれしっかりと、その担当、所管をしている省庁は明示すべきじゃないのか、予算書に、説明責任を果たすという意味で。私はそういった姿勢が大事なのかと思うんですね。  これから特別会計の見直しを具体的に作業を行っていくわけなんですが、そういった、何というんですか、特別会計の見直しに際し、必要に応じて個々の説明を加えていくという対応が必要ではないかと思いますが、厚生労働大臣並びに財務大臣双方にそれぞれのお考えをお尋ねしたいと思います。
  134. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど相殺の件につきましては必ずしも内藤委員の意に沿わないような答弁をいたしましたけれども、やはり委員の問題意識、私どもも酌み取らなければならないことがございまして、なかなかもう膨大な、特会改革のやっぱりスタートになりましたのはもう幾つもあって、それぞれ必要な仕事をやっているのかもしれないけれども、出入りや何かが多くてなかなか目が届かないじゃないかというところに一つ特会改革を始めなきゃいかぬというそのスタートがあったと思うんですね。そうだといたしますと、その内容をどう整理していくかということと同時に、特別会計の内容を分かりやすく説明をしていく工夫というのは積み重ねなければいけないと思います。  既に国の財務諸表というものを作りまして、全体の一般会計や特別会計全体見渡せるような工夫をいろいろしてまいりましたけれども、そういうものを更に見た場合に、分かりやすくするにはどういう工夫があるかということは今後ともいろいろ御意見も聞きながら努力をしていきたいと思っております。
  135. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 後で局長の方から独法化なった後の公表の仕方、これはしっかり申し上げたいと思いますけれども、そうしますと、特殊法人の時代の経理処理の在り方という議論になるんだろうと。また、元々を言えば、この事業というものが、地方が勤労者福祉施設を建てたい、体育館建てたい、プールを建てたい、まだまだ中小企業等はそういうものの施設がない、民間の大企業は自分で福利厚生施設を持っていると、そういう時代の背景の中で各地域へ造ってきた。土地はそちらですよと、建物はこちらですよということで出資したまま、物を造ったまま。したがって、そのままの金額でずっと残っていたと。  しかし、現実は三十年間地域の皆さん方がプールの施設とか体育館施設ということで使ったと。これが文部関係でお建てになったら、きっと補助金であり、それで市がちゃんと減価償却しながら実態がはっきりしていたんだろうと思いますけど、特殊法人時代の経理のやり方が必ずしも、そのままどんどんどんどん出資金額積んだままで、この出資金額に基づく内容の劣化というんですか、そういうものをきちっとしていなかったということについては、こんなやり方をしていたのかなと私どもも改めて反省をしながら、そういうものも踏まえて、今回独法におきましてはしっかり皆さん方に開示をしながらやっていくという構成になっていると。ある意味では特殊法人時代の反省も含めて独法の法構成がされているのかなと、このように思っております。少しそのことについて御報告させます。
  136. 鈴木直和

    政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘のありました独立行政法人への出資金に係る毀損の問題でございますが、これは財務諸表、具体的に言いますと損益計算書の中で各独立行政法人ごとに承継損という形で明記をしているところでございます。  御指摘のように、その具体的な中身というところまでは表記はしておりませんが、それぞれの独立行政法人ごとに、そのときに特別の事情があればそれはそれでまた別途の形で国民に分かりやすい形で公表するという形で努力していきたいと考えております。
  137. 内藤正光

    ○内藤正光君 いずれにしましても、分かりやすさを旨として改革を、また見直しを進めていっていただきたいと思います。  続きまして、具体的に、私のしごと館について幾つか質問をさせていただきたいと思います。  私のしごと館というのは、平成十五年の十月に関西文化学術研究都市にオープンをしたものでございますね。まあその趣旨は分かるんですね。子供たちに職業観を培ってもらうために館にはいろいろな体験ゾーンがあっていろいろ体験をしてもらう。こういう仕事はこういうことをやるのかというのを、簡単な職業訓練とまでは言い切れないのかもしれませんが、大体職業に対するイメージを培ってもらう、そういう趣旨でつくられたんじゃないかなと思います。私は、その趣旨は趣旨として認めつつも、ただ実際、多くの識者が指摘しているように、これまた赤字の垂れ流しというふうに言われているわけでございます。  そこで、まず具体的な、客観的な事実から幾つかお尋ねをしたいんですが、この館の建設に掛かった総額、土地代及びその建物ですね、その内装も含めてで結構なんですが、それに分けて総額を教えていただけますでしょうか。
  138. 上村隆史

    政府参考人(上村隆史君) 委員指摘の私のしごと館の建設費の額でございますが、平成五年度から十年間にかけての総額でございますけれども、総額は五百八十一億円でございます。その内訳でございますが、土地の購入費が百五十億円、建物の建設・設備工事費、これが四百六億円、その他が二十五億円ということでございます。
  139. 内藤正光

    ○内藤正光君 次に、人件費を含めた年間の運営経費について項目ごとに明らかにしていただけますでしょうか。
  140. 上村隆史

    政府参考人(上村隆史君) 私のしごと館の人件費を含めた経費でございますが、十六年度の決算の数字で申し上げさせていただきたいと思いますが、総額は約十九億八千万円でございます。  そのうち、人件費を除く経費の総額は約十六億円でございまして、内訳は、管理維持費が、光熱水費ですとか通信運搬費ですとか消耗品費、そういった額ですが、管理維持費が約四億七千万円。それから、仕事と日常生活とのつながり、あるいは職場の実際、そういったことを紹介するしごと探索ゾーン、それから、約四十職種でございますけれども、その職業を体験してもらうしごと体験ゾーン、これがございますが、この運営に要する経費でございます展示・体験事業費が約七億八千万円。それから、約七百職種の職業につきまして体系的にその職業情報や適性検査を実施、あるいは職業相談の機会をつくる、そういった事業でございますライブラリー及び相談・援助事業費が約三億四千万円でございまして、その他が約一千万円ということでございます。  それから、人件費でございますが、人件費は約三億八千万円でございます。
  141. 内藤正光

    ○内藤正光君 平成十六年決算ベースでは、人件費を含めた年間総経費は二十億円近くだというふうに理解をいたしました。  では、それに対して収入の方はどうなっているかということなんですが、年間の利用者数はどれぐらいなのか、そして入館料収入収入は入館料だけじゃないとは思いますが、収入は一体どれぐらいなのか、お示しいただけますか。
  142. 上村隆史

    政府参考人(上村隆史君) まず、しごと館の利用状況でございますが、平成十七年度の来館者数は三十六万八千九百九十九人。利用者数、これは複数の事業を利用する方もございますんで、それが延べの人数になりますが、十七年度の利用者数は五十二万一千八百四十二人でございます。先ほど委員から御指摘ありましたように、十五年の十月から本格オープンですが、三月から仮オープン、六か月ほどしておりますが、その時点から集計いたしまして来館者数は昨年度末で百万人を超えたところでございます。  それから、しごと館の自己収入額でございますが、これも十六年度の決算の数字で申し上げますと約一億一千万円でございます。
  143. 内藤正光

    ○内藤正光君 入りが一億一千万であるところに対して出が二十億ということですね。二十倍近くの大変な支出があるわけですね。  まあその趣旨は分からぬでもないです、子供たちに仕事の意義を伝えるという。だから、私は、これは収入と出がとんとんになるような事業であるとは思ってはいないんです。にもかかわらず、それは認めつつも、余りにもこの二十倍の格差というのはどうにかならぬのかと思うんですよね。こんな赤字の垂れ流しを続けていたら、それこそ勤労者福祉施設の二の舞、それこそ一万消費税含めて五百円で売却しなきゃいけないという、そういう対象になりかねないですよ。  私は、運営方法の抜本的な見直し、それこそ、機構職員がここに二十数名いるとか、あとそのほかにも、いろいろな、経団連の力もおかりしながらいろいろな会社から、結構年配の方々が働きに来ている、給料も高いとか言うんですが、本当にそういう、それだけの人が必要なのかどうか。あるいは民間委託、一部民間委託ができないかとか、そういった抜本的な見直しが必要だし、そういう見直しを避けてたら、あと数年後にはもう一万五百円で払下げですよ、こんなのは。  そこでお尋ねしたいのは、この私のしごと館の運営改善に向けた今後の具体的な施策について何かもう既に検討したものがおありなのか。あればそれを具体的にお示しをいただきたいと思います。
  144. 上村隆史

    政府参考人(上村隆史君) しごと館につきましては、委員から御指摘のような話が、厳しい御意見等をいただいておるところでございます。運営に当たりましては、厳しい財政事情も踏まえまして、一層の経費の削減、それから自己収入の拡大を図る努力をしているところでございます。  一方、若年者、若者の雇用も大きな問題でございまして、若年者に対する職業意識の啓発の推進やその必要性も高まってきているところでございまして、事業内容の改善についても進める必要があるというふうには思っております。  そのため、しごと館のまず財政的な面につきましては、平成十八年度、今年度の予算でございますが、人件費を除く運営費交付金につきましては対前年度比一五%、約二億円ですが、その削減、それを行いまして約十二億円に、それから人件費につきましては、十六年度の決算の額三・八億円でございましたが、これから二割削減をして三億円にということで、今年度の予算につきましては一層の経費の削減に努めることとしたところでございます。  また、事業内容の改善を通じた来館者の増加や自己収入の拡大、これも不可欠でございますが、これにつきましても、利用者からの要望等を踏まえまして、約四十職種の職業体験事業のうち二十七職種につきまして、この四月から新たにレベルを二つに分けて提供するきめ細かな提供を行う。それから、現在は一日三回実施しております職業体験事業、これにつきましても繁忙期を中心に四回実施する、一回増やす、そういったことをすることを検討しているところでございます。  それから、この五月からでございますが、近隣のハローワークの職員が巡回をいたしまして、ここ、私のしごと館におきましても職業紹介あるいは職業相談を行うこととしたところでございます。  さらに、今年度から、この四月からですが、利用者の負担、これが過度にならないように配慮しながらではございますが、職業体験に係る体験料金の引上げ、それから駐車場料金の徴収を行うこととしたところでございます。  今後とも一層の経費の削減、自己収入の拡大に向けて取り組んでいきたいというふうに思っています。
  145. 内藤正光

    ○内藤正光君 いろいろお答えいただいたわけなんですが、どうも今の対応ではまだまだ焼け石に水なのかなという気がしてならないんですよね。  一方で、体験学習の回数を増やすというんですが、このいろいろな経費を見ていますと、正社員のほかにいろいろ説明員として雇っている人たち、その人たち人件費が高いようなんですね、かなり。何億円、四億円とかかなりあるんですね。回数を増やすということは、逆にこちらの方もまた増えちゃうわけなんですよね。だから、私はなかなか、これ駐車料金増やしたところで、また体験料のお金を増やしたところでどうにかなるという問題じゃないなとは思います。  ただ、これは本当に、私はここで具体的に、じゃ、どういうコストがカットできるのか、私もまだ現場をよく知っているわけじゃないんで軽々なことは言えませんが、これ例えば機構の職員二十数名に減らすということなんですが、二十数名本当に要るのか。そして、各企業からこれまた何十名も派遣をしていただいているというふうに聞きますが、若い人じゃなくて結構上の人だって聞きます。だから給料も一千万を超えている人たちが一杯来ている。本当にそういう人たちが有効に、その出身企業の何かノウハウを踏まえてこの館に、しごと館にフィードバックしてくれているのか。そういったものを徹底的に見直してコストの削減を進めていっていただきたい。  一方で、やはり有効利用というものも考えていかなきゃいけないと思いますが、そこで、大変お待たせいたしましたが、文部大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、文科省としては職業教育にかなり力を入れていると。私自身も、今の学校教育の最大の欠陥の一つは、小学校、中学校、高校と勉強してくるんですが、職業観、どの、小学校においても、また中学校においても、また高校においても養うことはできないんですよね。で、具体的な職業観を持たないまま、もう高校二年生か三年生ぐらいに大学を決める、あるいは大学じゃなくて何かほかの専門学校を決める。  医学部に決めるという人は医学部に進む人ですよ。お医者さんになろうとする人ですよ。じゃ、本当にその人がお医者さんってどういう仕事なのか分かっているかというと、これは一人一人の問題ですからすべて否定するわけではありませんが、たまたま偏差値が高かったから、本当はもっとほかのところへ行きたいんだけれども、先生が、いや、これだけの成績だったら、偏差値だったら医学部へ行けると。じゃ、そうか。その生徒も確固たるものを持っていなければ、じゃ医学部目指してみようかということになっちゃう。私はこれは大変な問題だと思うんです。  そこで、やはり学校教育において生徒一人一人が確固たる職業観を培えるようにやっぱり、力を入れていってもらっているとは思うんですが、文部省の立場からこのしごと館の有効活用ってできないものかというふうに考えているんです。  そこで、ただ、今あるものを使えないかと言っても、文科省にしてみればそんなの使い勝手が悪いよと言うかもしれませんので、私は、文科省あるいは各学校現場の声をしっかり踏まえて、厚生労働省としては、また機構としては、その体験プログラムを徹底的に見直す、本当に利用しやすいようなものに、また求められているものに見直すというようなことで、私はもっと有効活用の道を模索できるんではないかなというふうに思いますが。  そこで、厚生労働大臣そして文科大臣双方にお伺いしたいんですが、この私のしごと館をもっと有効利用、有効活用できるように双方が何らかの協力関係、連携関係を持てないものか、お尋ねしたいと思います。
  146. 小坂憲次

    国務大臣(小坂憲次君) 児童生徒に勤労観そして職業観を身に付けさせるためには、学校教育におきまして職業や進路にかかわる体験や職業に関する情報提供の機会を積極的に設けることが必要であろう、このことは重要であろうと思っておりますが、ただいま御指摘の私のしごと館、これにつきましては、様々な職業の体験機会の提供や仕事の内容や職業能力開発についての情報提供及び相談を行うなどの機能を有しているということでございますし、またそういった点からキャリア教育推進の意味で積極的な活用をすればそれなりの効果が上がるところだと、こういう認識を持っております。  このため、文部科学省といたしましては、平成十五年の開館当時に、その年の四月、各関係の都道府県教育委員会あるいは学校、そういったところに対して通知を発出いたしまして、またその後も本施設の活用促進に努めてきたところでございますけれども、例えば十五年の実績が、修学旅行及び総合学習の時間等を使いまして訪問しておりますが、入館者の中の割合といたしまして、そういった中学生、高校生の来館者が十五年で二十八万七千人、それが十六年で三十六万、また十七年度も三十六万八千と着実に伸びているわけでございます。  今後とも、私のしごと館につきましては厚生労働省と連携をしっかり図りまして、その活用促進につきまして更なる協議と努力を重ねてまいりたいと思っております。
  147. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 昨年の暮れ時点で有効求人倍率が一を超え、失業率も四・一%まで参りました。そして、特にお年寄りの雇用もおかげさまで四%台。  しかしながら、一方で若者の雇用は八・七%の失業率。この私のしごと館自体が考えられたころは一〇%ぐらいの時代であったんだろうと。したがって、若者に対する職業意識をどうしたらいいかと、こういう問題意識で多分お考えになったんだろうと、このように思っております。  企業側の若者を雇用する一つ意識、もう一つは本当に就職をする若者の職業意識、この二つのミスマッチからまだまだ雇用状況、若者は解消されていない。こういう問題にどう取り組むかという中で、厚生労働省と文科省、いろいろな場面で連携をしながらやらせていただいておるということは事実でございます。  この私のしごと館も二千六百六十八校が、約三十万、全国都道府県二千六百六十八校から来ていただいておりますので、逆に言うと、学生が主体に来てもらっているというのが現実の話だろうと。  ただ一方で、こうした方々から要望を聞きながら時代に合うようにどんどんどんどん変化していくとなると、また一方コストが掛かる。実際、収益事業と、要は収支バランスを取るという前提で造られなかったようでございますので、そういった意味では、委員が今御指摘いただいたように総経費が十億から二十億、一方で収入は一億から、これ頑張っても二億ですねということでございますので、そういった意味ではこれ、この間も知事さんも来ていただきました、京都、関西圏の財界の方もお見えになりましたけれども、こうした方々と本当に話合いをしながら、真にいいものかどうかということが一番問題だろうと。これ幾ら詰めても実は収益事業としては合わないと思います、私自身、委員も御指摘のように。したがって、本当にニーズに合ったものか、ニーズに合ったものにどう低コストで変えていけるか、またより改良していけるかというところが私どもの大きな課題だろうと思っております。  ただ、冒頭申し上げましたように、一方でやはり若者の職業観というものはまだ弱いことは事実でございます。高卒が今二十万人ぐらいでしょうか、それから専門学校に行かれる方が三十万人ぐらい、それから今委員が御指摘いただいたように大学に行かれる方は五十五万人、合わせて百十万人ぐらいのという状態の中で、何となく大学に行ってしまうと、そこに職業観というものがしっかり育っていないというところにもう少し着目しながら考えていかなければならないなと。  委員の御指摘いただいたことをしっかり踏まえながら、この私のしごと館自体の有効活用にもう一段と努力したいし、実は私もまだ見ていないものですから時間が空けば見たいと、このように思っております。
  148. 内藤正光

    ○内藤正光君 もう残り時間数十秒ですので、お願いをして私の質問を終えたいと思いますが、是非とも、まあ気持ちは分かりました。ただ、具体的に両省が連携をして、各学校現場あるいはまた周辺の方々の声に耳を傾けて、本当に望まれる施設、利活用しやすい施設へと変えていっていただくようお願いを申し上げまして、私の質問を終えたいと思います。  終わります。
  149. 吉川春子

    吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。  行革推進法案の第二十三条におきましては、特別会計の見直しとして、労災保険の規定による保険給付に係る事業及び雇用保険の失業給付に係る事業に限ることを基本とし、労災保険の労働福祉事業と雇用保険三事業については、これは廃止を含めて見直しを行うという大変な規定があります。個別の事業の中には確かに見直さなくてはならないものもあるかと思いますけれども、雇用三事業、労働福祉事業そのものを廃止するということは容認できません。  それで、配付資料をごらんいただきたいと思いますが、労災保険で行っている労働福祉事業は、不幸にも労災に遭った被災労働者の円滑な社会復帰として義肢、車いすの支給、遺族への支援として遺児に対する就学費用の支給、労災防止としてアスベスト対策、過労死防止、メンタルヘルス、また未払賃金の立替え事業等、現代社会の中で必然的に起きる労働災害の発生予防や、万一起きたときの援護などについて重要な仕事を行っています。  そこで、厚労大臣にお伺いしますが、厚労省にお伺いしますが、被災労働者遺児に対する就学援護について、この五年間の実績あるいは金額、分からなければ一年だけでもいいんですけど、お示しください。
  150. 青木豊

    政府参考人(青木豊君) 今御指摘になりました労災就学等援護費の支給実績でございますけれども、平成十二年度は一万二千七百二十七人に対しまして約二十八億円、平成十三年度には一万二千二百八十六人に対しまして約二十七億円、平成十四年度には一万一千九百五十八人に対しまして約二十八億円、平成十六年度には一万一千六百三十九人に対しまして約二十八億円となっておりまして、五年間で延べ六万四百四十七人に対しまして約百三十九億円となっております。
  151. 吉川春子

    吉川春子君 平成十五年の九月、最高裁は、労災補償法に基づく労災就学援護の支給は保険給付を補完するものである、また行政処分に当たるものと判示しました。これを受けて、労働省は通達を出しました。この通達は、就学援護費についても権利性を認めるというふうに理解してよろしいですか。
  152. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 今の御指摘は、平成十五年九月の最高裁判決、労災就学等援護費の不支給決定が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる旨、判示されたものでございます。  厚生労働省としては、この判決を受け、当面の間の措置として、労災就学等援護費については、その不支給決定だけでなく不支給変更決定も行政処分に当たること、行政不服審査法に基づく審査請求の対象となることを明らかにし、労災就学等援護費の不支給決定に係る審査請求の手続等を明らかにした通達を発出いたしました。
  153. 吉川春子

    吉川春子君 非常に明確に法的な性格付けがされて行政処分ということになったわけであります。  それからもう一つ、労災に係る事業で未払賃金立替払事業というものがありますけれども、これは中小零細の建設業、トラック運送業などが倒産した場合、労働者が賃金をもらえなくなるケースが多いんです。零細な業者が倒産すると、まず税金、公共料金、あるいは銀行の抵当権などが実行されて財産は残りません。労働者の賃金が確保できず未払になります。  こうした場合、賃金確保法が適用され、労働福祉事業の賃金立替払によって救済されています。この事業は中小零細業者、企業の労働者にとって正に命綱になっているわけです。住宅リフォームの大手リモテックスに関する事例について、まず簡単に報告してください。
  154. 青木豊

    政府参考人(青木豊君) 住宅リフォームの大手リモテックスのお話でございますが、これは平成十三年五月三十日の朝日新聞にも報じられたところでございますけれども、これは平成十二年六月に破産いたしました建設会社と請負契約を結ぶ手間請従事者であったということで、破産管財人からその未払代金が労働債権であるとの証明を受けました百七十人につきまして、当時支払業務を行っておりました労働福祉事業団が労働者性を認めまして、総額約一億七千万円の支払を行ったものでございます。
  155. 吉川春子

    吉川春子君 これは本当に労働者、家族の生活を救ったものなんですけれども、賃金の未払に充てた立替払の実績は実際どの程度行われていますか。五年間トータルの実績の数をお知らせいただけますか。
  156. 青木豊

    政府参考人(青木豊君) 五年間トータルの未払賃金立替払制度の実績でございますが、平成十二年度から平成十六年度までの五年間の合計といたしましては、支給者数二十八万八千六百七十五人、立替払額は約一千五百四十七億円となっております。
  157. 吉川春子

    吉川春子君 厚労大臣にお伺いいたしますけれども、本当にこの制度は、大工さんや運転手さん、中小零細のところから仕事を受けて働いている方々が、その中小零細のところが倒産してしまって、賃金、自分の働いた工賃が受け取れない、回収に行ったらもうその工場が閉まっていたと、そういうような職人さんたちにとってのセーフティーネットとなっているわけですね。正に生存を支えている、こういう制度なんです。  こうした未払賃金立替え制度、労働福祉事業でやっておりますけれども、こういうものを廃止するなどということはあり得ないことだと思いますが、大臣、いかがお考えですか。
  158. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 切り口といたしまして、徹底的な合理化、見直しを行わなきゃならぬということは事実でございますけれども、基本的に必要なものは必要である、これはもう同じ考え方でございます。  労働福祉事業は、被災労働者等の社会復帰の促進及び援護や労働災害の防止等のために極めて重要な役割を果たしております。しかし、その一方で、合理化、効率化を図る観点から、表現として「廃止を含めた見直しを」という表現を使いましたので全部廃止かと、こういう形で御指摘いただきますけれども、今個々の事業一つ一つ取り上げていただきましたけれども、そういった意味では、高い評価を得ているもの、一部御批判をいただいているもの、それをしっかり洗い直ししながらやってまいりたいと。そして一方で、費用負担は、これは税でなくて事業主の団体の参画を得て事業主が出していただいているわけですから、そういう団体の意見も聴きながら、どういう方向にこの事業をやっていくかということを進めてまいりたいと。  そういう意味では、「廃止」という表現が入っておりますので、それは廃止、中には廃止するものがあるという意味での表現というふうにお考えいただいたらいいだろうと、こう思っております。
  159. 吉川春子

    吉川春子君 時間の関係でこの二つだけ取り上げたんですけれども、非常に、お配りしました資料を見ていただきますと、労働福祉事業の、この黄色い方なんです、黄色と青の方なんですけれども、本当に重要な仕事をされております。そして、正に使用者責任で、使用者のいろいろな責任を果たさない上で労災ということは起こっているものが多いわけですから、使用者のその負担で行われているこの事業を是非とも必要なもの、今言ったようなものを含めて継続してほしいということを要求いたしまして、大臣の答弁もそういうことだったと思います。  さらに、雇用三事業、雇用保険の方に移りますけれども、資料をまた見ていただきたいと思います。これも厚労省の作った資料を、私、提出させていただいております。  雇用保険三事業とは、失業予防、雇用機会の増大、労働者の能力開発に資する対策であって、失業者が減る効果、こういうことをきちっとやればですね、雇用保険の給付を減らすことを目的とするものとされています。例えば、雇用安定事業として、若者の試行雇用を促進する試行雇用奨励金、中高年の再就職支援、能力開発事業としての技能検定の実施、雇用福祉事業として中小企業退職金、中退共の掛金に対する助成あるいはその雇用調整助成金等々があります。  具体的に伺いますけれども、高齢者や障害者を雇用する事業主を支援する特定求職者雇用助成金あるいは高齢者の雇用継続に取り組む事業主を支援する継続雇用定着促進助成金について、十七年度の実績について御報告いただきたいと思います。
  160. 鈴木直和

    政府参考人(鈴木直和君) 特定求職者雇用開発助成金と、それから継続雇用定着促進助成金の実績というお尋ねでございますが、まず特定求職者雇用開発助成金の支給実績につきましては、支給決定額及び支給決定件数を申し上げますと、平成十七年度、金額で約二百三十三億円、約八万件でございます。それから、もう一つの継続雇用定着促進助成金の支給実績につきましては、支給決定額それから支給決定件数が、それぞれ、平成十七年度で約四百四十三億円、約五万件でございます。
  161. 吉川春子

    吉川春子君 この事業は、重ねて伺いますけれども、どういう効果を上げていますか。金額は聞きましたけれども、実質的にどういう効果を上げていますか。
  162. 鈴木直和

    政府参考人(鈴木直和君) 今二つの助成金のお尋ねがございました。  特定求職者雇用開発助成金、これにつきましては、高齢者あるいは障害者など、就職に当たってなかなか難しい側面がある場合に、そうした方々をハローワーク等で、そういった紹介で雇う場合にそれを支援するという助成金でございます。具体的には、継続して雇用する労働者として雇い入れる場合に賃金相当額の一部の助成を行うというものでございます。  それから、継続雇用定着促進助成金、これは定年の引上げとかあるいは継続雇用制度導入を行った事業主、あるいはそれに伴って高年齢者の雇用割合が一定割合を超えたというような事業主にそういった高齢者雇用を促進する観点から一定の助成を行うものでございます。
  163. 吉川春子

    吉川春子君 障害者とか高齢者とかあるいは若者とか、非常に雇用状況が困難に置かれている人たちに対して様々な支援をする、あるいはそういう人たちを雇用している事業者に対して賃金の一部負担をするというような地道な仕事をされていると思うんですね。確かに雇用福祉何とかかんとかで箱物一杯造って世論の非難を浴びた事業もたくさんあったし、金額も相当あったわけなんですけれども、そういうものの批判と、それから、そういうものはもうきちっとやっていかなきゃならないということを私も当然思いますけれども、同時に、非常にその雇用三事業というのは雇用を確保する上で大切な仕事をやってきているわけなんですね。そして、育児・介護休業支援等の事業も行っているわけです。  とりわけ、今こういう厳しい雇用情勢の中で、雇用三事業の中のきめの細かい事業というのは、拡充されこそすれ廃止の対象になどはとてもならないというふうに思います。その点について、厚生労働大臣、いかがお考えでしょうか。
  164. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) まず、雇用の認識でございますけれども、先ほど申し上げましたように、失業率が四・一まで回復をいたしてまいりました。有効求人倍率も一を超すようになったと。しかしながら、今御指摘いただいた、特に女性の雇用の問題、それから非正規雇用の問題、また若者の雇用の問題、これはいろいろな問題を抱えております。  ハローワークである全国一つのネットにした、そういう意味ではセーフティーネットの部分。しかし、今申し上げたような、二階建てと言ったらいいだろうと思います、女性に着目してマザーズハローワークをやる。また、これから育児休業の問題、もう少し議論が深まってまいるだろうと思います。そういったときに、できるだけの助成をしながら、そして多くの若者が働き、そして女性も社会にもう少し出ていただく、また我々の世代も六十五から場合によっては七十まで働くと、こういう社会につくり変えていかなけりゃなりません。  そういった意味では、雇用保険三事業が果たすべき役割というのは非常に大きなものがある。そして、その支出というものについては、企業が理解をしてもらって三・五%を掛けてもらってこの事業が成り立っているというのが実態でございます。  一方で、御指摘いただいたように少し使い方で荒い部分がある、また場合によっては後の時点から見れば不要だったんじゃないかと、こういう御批判をいただいていることも事実でございます。したがって、これはもう同じことでございまして、廃止するものはありますよと、しかしながら、これはしっかりやらなきゃなりませんよと、こういう今全体の振り分けをさせていただいております。そして、真に必要な事業をしっかりやってまいりたい。  今、全体的には去年の予算より一二・七減らしました。したがって、今三・五を掛けていただいておりますけれども、場合によっては、たまれば少しその掛け率は下がってくるというような構成になるだろうと、このように思っております。
  165. 吉川春子

    吉川春子君 女性に対する支援のためにも雇用三事業をもっともっと充実させていきたいと、こういう御答弁であったかと思います。無駄遣いで許し難い点は許し難い点、そこはもうきっちり廃止するなり改めるということをやりつつ、本当に必要な雇用三事業あるいは労働福祉事業、これは是非守って拡充していくということをしていただきたいと思います。  それから、厚労大臣、雇用保険の本体の国庫負担を減らしていく、ゼロにすると、こういう問題も重要だと思います。私は、諸外国に比べて失業給付の額は少ないし期間も短いと思います。この国庫負担をゼロにするなどということは絶対あってはならないと思いますが、その点はいかがでしょうか。
  166. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 失業者自体が減ってまいりましたから、今失業給付を受けている人たちは四割ぐらい削減をされてきたことは事実でございます。  しかし、一方、国際的に見てみますと、まずこうした制度、日本と同じような制度を持っているのがドイツと日本、労使で掛けてそこへ国が負担をするという形でやってきているのが日本とドイツ。一方で、英仏等の諸外国におきましては失業扶助制度というのは持っておりまして、これは言われるとおり、長期間にわたる場合に失業、まあ事実上の失業給付を国が全額負担をしておるというのが実態でございます。そういった意味では、諸外国を見ていたときに、アメリカを除きまして、失業給付に対して国が関与してないという国はないと思っております。  一方で、今申し上げたように多少失業者の数が少なくなってきたことは事実でございますので、労使話合いをしながら、政治と労使が一緒に話をしながら、どのようにしていくかということはしっかり考えてみたいと思いますけれども、国が全く出さないという判断は私自身いたしていないというところでございます。
  167. 吉川春子

    吉川春子君 最後に、時間がなくなりました、財務大臣、お伺いしますけれども、日本経団連が社会保障制度の一体改革と称して雇用三事業と雇用福祉事業の縮小を求めています。今度の法案はそのかねてからの財界の要求に沿ったものではないかと私は思っております。  これは、今もお話ありましたように、全額企業負担で行われている事業なわけで、これを廃止という、あるいは縮小ということは、予算の節減よりは企業の負担の軽減というところにウエートが置かれているのではないか。しかし、今言いましたように、そういうことはあっては絶対ならないんであって、やはり企業の社会的責任の部分として守るべき事業をきちっと守っていただきたいと思いますが、最後に財務大臣の答弁をお伺いします。
  168. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 雇用保険三事業ですか、それとも国庫負担の、雇用保険三事業の。
  169. 吉川春子

    吉川春子君 三事業と福祉事業の。
  170. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) これは財政制度等審議会におきましても建言をいただいておりまして、雇用保険三事業については、これは保険料財源を使って安易な事業を行っているんではないかという批判がありまして、そこのところにはやはりきちっとメスを入れて、雇用保険三事業についてそれぞれの事業の廃止も含めた見直しということが提言されております。これは、塩川大臣のときにやはり、母屋でおかゆを食べているけれども離れですき焼きだという観点からも、やはり事務事業の見直しはきちっと進めていかなければならないということだろうと思っております。  それから、雇用保険国庫負担につきましては、これも財政制度審議会で御指摘がございまして、雇用保険制度の根幹である失業等給付が労使の共同連帯責任による保険制度である、こういうことを踏まえて国庫負担の在り方も含め見直しを検討すべきだということで、それが今度の今御議論をいただいている法案でも廃止を含めて検討するということになっておりますので、今後、厚生労働省等々ともよく議論をしてまいりたいと思っております。
  171. 吉川春子

    吉川春子君 時間が来ましたので、終わります。時間が来ましたので終わりますが、くれぐれも廃止することのないように財務大臣にお願いしておきます。
  172. 又市征治

    又市征治君 社民党の又市です。  去る四月二十四日の決算委員会で私は、随意契約の廃止などは行革を言うんなら初歩中の初歩だ、行革法案のどこに入っているのかと安倍官房長官にお尋ねをしたところ、これは後ほどお答えさせていただきたいということでそのままになっておりますので、改めて安倍長官、国民から見れば随意契約であるとかあるいは天下りの改革などというのは行革の初歩中の初歩だと思いますけれども、法案にこれらの改革を追加をなさる考えはおありかどうか、お伺いしたいと思います。
  173. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) いわゆる天下り、官製談合や随意契約の問題に対する厳しい批判があることは真摯に受け止めなければならないと、このように認識をいたしております。  官製談合については、官製談合をより効果的に防止をするため、与党において現行の入札談合等関与行為防止法の改正案について検討が行われ、発注機関職員に対する刑罰の導入、入札談合等関与行為の範囲の拡大等を内容とする法案が今、国会に提出をされているところでございます。  また、天下り問題への対応については、本行政改革推進法案第六十三条におきまして、退職管理の適正化についてできるだけ早期にその具体化のための必要な措置を講ずると規定しているところであり、総理からも指示があったことから総合的に検討を進めてまいりたいと、こう考えております。  さらに、随意契約の点検、見直しについては法案には規定しておりませんが、これまでも閣僚懇談会や国会答弁において総理の御指示があったように、随意契約は真にやむを得ないものに限るべき点について各大臣自らが積極的に取り組み、国民の理解が得られるよう、公共調達の適正化に政府を挙げて全力で取り組んでいく必要があるというふうに考えております。  このため、先日、五月十一日も、公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議を開催し、現時点における各府省ごとの緊急点検の件数、金額等について報告させるとともに、うみを出すべきはしっかりとうみを出し、襟を正すべきは襟を正していくよう、より一層徹底した見直しを行うよう、改めて指示をしたところでございます。
  174. 又市征治

    又市征治君 しっかりそれらは取り組んでいただきますが、いずれにしても、天下り問題にしましても随契問題にしても公共調達にしても、ずっと去年来から、いや、もっと前から言われてきた問題で、これらの改革がこの法案に入っていないというのは、どう考えてもこれは羊頭狗肉の批判は免れないんではないか、このことだけ申し上げておきたいと思います。  長官、何かこの後の御都合あるようですから、お引き取りいただいて結構です。  さて、中馬大臣にお伺いしてまいりますが、前回、私は国家公務員五%削減案の支出削減効果をお尋ねをいたしました。大臣は、人件費八兆六千億円の五%だと答弁をされたわけですが、行政機関や自衛官等の人件費は五兆四千四百億円でありまして、数字が合いません。この中には、税金ではなく郵政事業事業収入支払われている郵政公社職員の人件費であるとか公務員型独法の費用などが含まれて、三兆一千三百億入っているわけですね。  これ、実際、財政支出としては減るわけではないのになぜここにカウントされているのか、こう聞いたわけでありまして、五兆四千四百億円に訂正をされるべきじゃありませんか。
  175. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) まず、前回のときに、少しせかされましたので、少し誤解があるといいましょうか、私の方で言葉足らずがあったと思いますので、その点は正確に申し上げさせていただきますと、八・六兆円という中には郵政民営化、郵政が入っておりますから、これはもう五年後には除かれます。  したがいまして、実際は郵政を除きますと六・二兆円でございますが、その六・二兆円の五%が減るという意味ではなくて、一応それに相当する、その減らす人員に相当した人件費は減るであろうということを申し上げたので、それはもちろん、年齢の高い人が一挙に独法化されたり、あるいはまた若い人が採用されなかったり、そうしたいろんなケースがありますから、それがイコールでないことはもう御理解いただけるかと思います。ともあれ、そうした縮減効果も十分に見込まれるという意味でお答えしたわけでございます。  ところで、今お話がありました郵政民営化、これがカウントするのはおかしいじゃないかということでございますが、これは政府の規模の縮減の代表的な例でありまして、また、郵政民営化の実現によって郵政公社の職員は国家公務員ではなくなりまして公的部門から民間部門へ移行することから、総人件費改革の一環として行われる改革と位置付けることはこれは可能だと思います。  それからまた、非公務員型独立行政法人化は総人件費改革におけるこれはもう重要な切り口でございまして、独立行政法人化は経営の自主性を生かして国民へのサービスの効率化や質を一層効率化させるものでございますから、加えて、非公務員型独立行政法人になれば、これは民間委託の推進等によりまして、より民間に準じた経営努力が可能とすることでありまして、これも総体的にこれに含めさせていただいているわけです。
  176. 又市征治

    又市征治君 私は、だから国家公務員のと言ったんで、それを、オーバーカウントでしょう。いかにもたくさん減らしますよと国民に宣伝したいんでしょうけれども、前回冒頭に、コンビニでも薬が買えるようになったのは規制改革の成果だと小泉さんがデマ宣伝を千葉へ行ってやられたと、こうここで指摘をしたんですが、それと同様のひどい誇大宣伝ですよ、これ。八兆六千億の五%というその枠でおっしゃっているんですから。意味は違うでしょう。  そこで、そんなこと言っているとまた時間なくなりますから、それじゃ地方公務員の問題についてお聞きします。  四・六%の削減ですが、これは政府が自治体に一律に強要するものなのかどうか、簡潔にお答えください。それからもう一つ、地方公務員の削減対象には看護師であるとか保育士なども含みますか。この二点について簡潔にお答えください。
  177. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) これは地方自治体でございますから、国がそれを命令して強制することはもちろんできるわけじゃございません。ここの法律におきましても、国の一つの大きな目標でございますので、地方におきましても、地方自治体におきましても、四・六%、過去の実績でございますが、それ相当の厳格な管理をして、これを四・六%以上減らしてほしいという要請をしておる次第でございます。  地方公務員の純減を進めるに当たりましては、個々の地方公共団体に対しまして画一的な取組を求めるものではありません。また、強制するものでもなく、各団体においてそれぞれ住民ニーズを踏まえた自主的な取組が行われるべきものと考えております。現実に今各自治体の方にお願いをしておりますが、総務省で取りまとめておりますが、これでは、各県や市町村が出してきた数字はもうはるかに五%を、まあ出してきているところでございますが、超えているようでもございます。  それから、今おっしゃいました看護師、保育士、介護士、これももちろん、十七年四月一日現在の地方公務員総数三百四万人、地方公共団体ですね、これには地方公務員であります看護師、保育士、介護士を含むわけでございます。
  178. 又市征治

    又市征治君 前段の方は、つまり地方への要請であって、国による自治体へのペナルティーなどは法律上許されないということで、これは確認をしておきますが。  そこで、今あった問題について川崎大臣にお伺いをしたいと思うんです。  この公務員の削減の中には、今お話がありましたように、現実には看護師など医療の現場、保育士や介護など公的及びこれに準ずる民間の福祉サービスの現場にももう及んでくるわけですね。  お配りをした資料を見ていただきたいと思いますけれども、一番右端であります。これ、OECDのヘルスデータによると、百床当たりの看護職員数の国際比較では、アメリカ二百三十人、イギリス百二十九人、ドイツ百二人に対して日本は四十二・八人。驚くべき少なさ、アメリカの五分の一、イギリスの三分の一、こういう格好になっているわけです。これがどういう状態を今現実に生み出しているかということについて若干申し上げてみたいと思うんです。  富山県内の自治体立であるとか済生会あるいは逓信、健保など十四の公立病院の職員組合で構成をする富山県医療というのがありますが、ここが二〇〇一年と二〇〇四年の連続調査を行っております。空恐ろしい実態を浮き彫りに実はしているわけです。ヒヤリ・ハット、冷やっとした、はっとした、こういう調査がやられております。  二〇〇一年の調査では、回答者三千四百五十人のうち看護師が七割、あと臨床検査技師や薬剤師などですけれども、何らかの医療ミスの経験がありという職員が何と八六%です。その原因として、医師の指示が不明確だったとか個人の不注意というのが四割程度ありますけれども、最大の原因は、仕事量が多く忙し過ぎるが七〇%、不適正な人員配置が五六%を占めています。二〇〇四年の調査では、医療ミスに当たるアクシデントレポートを書いたことがある職員が一九%、ヒヤリ・ハットに当たるインシデントレポートを書いたことがある職員が六〇%、合わせて七九%と、大変な高さです。  そこで、医療行政の最高責任者である川崎大臣にお聞きをするんですが、欧米先進国との比較は先ほど出しました。言うに及ばず、医療現場はこうした慢性的な人員不足で、全国的にもこれは同じであります。言わば医療事故がいつ起きてもおかしくないという、こういう状況に置かれているという現状です。とすれば、病院における看護師等のスタッフは、増員こそあれ、削減はあってはならないんじゃないですか。これをまだ減らしますというふうに今度の行革法案では担当大臣がおっしゃっているんですが、医療の責任者として明確にお答えください。
  179. 川崎二郎

    国務大臣(川崎二郎君) 資料でお示しいただきましたけれども、ベッド数が極めて日本は多い、平均在院日数が極めて長い、ここが大きな課題として今医療制度改革に取り組んでいるところでございますので、併せて御理解賜りますようお願い申し上げます。  医療安全を確保する上で正に重要な課題でございます平成十八年度診療報酬改定では、急性期入院医療における手厚い看護体制等の評価を行わせていただきました。小児救急医療のような一般的な民間の医療機関のみでは十分に提供されることが困難で、かつ住民に必要な医療については、これまで公立病院を始めとする公的性格を有する医療機関が主としてその提供の役割を担ってきたところであり、引き続き地域において一定の役割を担っていただくものと考えております。今後、それを担う医療機能に応じ、良質な医療を提供するために必要な看護職員の配置が望まれると、このように考えております。  一方で、今般の医療制度改革においては、民間で十分担えることができる医療はできる限り民間にゆだねることを基本的な考えとし、これまで公的医療機関が担ってきた役割を民間の医療法人にも積極的に担っていただくよう仕組みを盛り込みました。このような趣旨を踏まえ、今後とも良質かつ効率的な医療提供体制の構築に向け、公的医療機関と民間の医療機関の適切な役割分担、これが促進されていくことと考えております。  こうした取組を進める中で、公的医療機関の役割が縮小することに伴って、公務員としての看護師数が減少するということもあり得ると、このように考えております。
  180. 又市征治

    又市征治君 これが一体全体、医療問題の最高責任者がおっしゃる意見か、こう言いたくなります。  現に、欧米諸国と比べてこれだけの差があるじゃないか。まして、今から四十年前に人事院が判定を出して、医療現場は少なくとも夜勤というのは複数で月八日以内にしなさいと、こう言っているのが、依然として今、公的病院といえども日本じゅうどんな格好になっていますか。九回以上になっていますよ。そういう状況だから、私が申し上げているのは、そういう点で、単に官とか民とか問わずに、病院の実態がこういう状態だ、人の命や健康を何だと思っているのか、こう申し上げているわけで、やはりきちっと、そういう意味では単に民間と行き来の問題を言っているんじゃありません。トータルとしてこれは出ているんじゃありませんか。公的病院の問題がここで比較されているんじゃないでしょう。そのことをしっかり認識してもらいたい、このことを強く申し上げておきたいと思います。  次に、中馬さんにもう幾つかお聞きをいたします。  市場化テスト法案で、公務員の民間移籍後の復帰について、衆議院でも我が党の議員が幾つか質問いたしましたが、疑念が解消されてません。  官民競争入札の結果、民間企業が受注をして、元々従事していた公務員がそこの仕事がなくなると、公的部門ではなくなる。したがって、その受注した民間のその現場へ行って仕事をやってほしい、企業に移籍をしてもらいたい、上からそう言われた。その経験を生かせと、こう言われた。そうした格好で移籍をして、その業務の契約期間中にその企業が倒産をした場合、あるいは、その企業へ行ったけども、全く無関係な仕事にその会社へ行ってみたら配転をされたという場合、あるいは会社はその人間が気に食わないから解雇をするということもあり得るかもしれない、こういったケースが起こり得るわけです、当然のこととして。契約期間中といえども、倒産することは起こり得る。配転も起こり得る。  これまでの中馬大臣の答弁でいうと、そういう場合は中途採用の選考を受けさせた上でこの公務員の身分を戻すこともできるという、何かえらい中途半端であいまいなわけですね。元々この人は、だけれども、その業務のために公務員として従事をしてきて、今度はそこへ行きなさいと、こう言われた。会社の都合で解雇であるとか配転あるいは倒産、こういう場合に選考ではなくて、もう無条件に戻すというのが当たり前じゃありませんか。そのことは法律に明記されてますか。この点について明確にお答えください。
  181. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 前回にもこのことははっきり申し上げたつもりでございますが、何といいましょうか、市場化テストで民間事業者が落札した場合、この業務に従事していた公務員の処遇につきましては、配置転換と新規採用の抑制によりまして対応することが基本でございます。他方、本人の同意、これも自主的にでございますが、無理やりに行かしたわけじゃありません、本人の同意がありまして、落札業者が希望する場合には、公務員を退職して落札業者の下で業務に従事すること、これももちろん当然ありましょう。  その落札業者の下で勤務した元公務員には、公務への復帰は当然に保障されておりません、もう向こうに移るわけでございますから。ただし、元公務員が再び公務員に採用される場合、これは選考試験を受けていただくわけでございますが、選考採用された場合には、ただ、公共サービス改革法三十一条に基づきまして、退職手当の計算上、退職前の在職期間と再採用後の在職期間を通算する特例措置が適用される、こういう特例措置でということで認めております。  ただ、採用試験を原則とする国家公務員につきましても、一定の要件を満たす場合には選考採用を行うことがこれはもう可能でございますが、そこで公務員を退職し落札事業者の下で業務に従事した者につきまして、任命権者である各府省の大臣等が選考採用の条件に合致するか否かを個別具体的に判断した上で再び国家公務員として採用することはもちろん可能でございます。  本法案に関しましては、先月十九日の衆議院特別委員会におきまして、落札事業者の希望と本人の同意を前提に公務員を退職し落札事業者の下で業務に従事することになった者が、公務への復帰を希望する場合には、各大臣等任命権者は、その者の退職前の公務員としての勤務経験と落札事業者における勤務経験とを勘案し、公務への復帰希望について十分配慮すること、こうした附帯決議が付けられましたから、十分には配慮いたしますけれども、やはりはっきりとした形で、この選考採用という試験を受けた形でのことでございます。  今おっしゃりました趣旨は十分に尊重してまいりたいと考えておりますが、これはそういうことを自動的にこちらにまた引き取るということではございません。
  182. 又市征治

    又市征治君 全く納得できません。  さっき申し上げたように、そこで民間が落札をしたら官の側に仕事がなくなるわけでしょう。だから、仕事がなくなるから、おまえはそれじゃ、もう辞めてもらうしかないからそこへ行ってほしい。雇用保障のためにも、官の側は、その市役所なら市役所はそのことを要請をする。仕方なしに泣く泣くそこへ行かざるを得ない。その人間が、そこで倒産をしたらそれでもう終わりですと。これ全く首切り法案じゃないですか、これは。  だから、あなた方が言うように、この市場化テストの問題いうたら、イギリスの問題も勉強しましたと、いいふうに勉強しましたと。うそですよ、それは。イギリスでは、事業移管に際しての雇用者の権利はきちっと保障されていますよ。アメリカでも拒否権がちゃんと保障されている。正に市場化テストで雇用問題が発生をするおそれがあるから、それは制度化されなければいけないんじゃないですか。これじゃ首切り法案だと言うしかない。  これ、委員長、時間がありませんのでね、こんな答弁じゃ全く納得できません。こういう雇用の保障の問題について、これ是非とも政府の見解を出していただくように、委員長の権限でお願いを是非したいと思います。理事会でも御議論をいただきたいと思います。よろしゅうございますか。
  183. 尾辻秀久

    委員長尾辻秀久君) 理事会で協議をいたします。
  184. 又市征治

    又市征治君 いずれにいたしましても、もう時間が参りました。  こう今申し上げてきたように、そういう意味では、全く、この行政改革で、基本は国民の暮らしが豊かになり、あるいは少しでもそうした幸せがというか福祉が向上をするというために行政改革というのはやるんだと、こうおっしゃってきた。ところが、現実に、医療現場の問題について言うならば、正に人の命や健康が脅かされることがあっても、それも実は削減対象だと。片一方で自治体労働者のこうした雇用問題が起こっても、それは保障しない。本当にとんでもない法案だというふうに言わざるを得ません。  申し上げたいことたくさんありますが、今日はこの点最後に申し上げて、終わりたいと思います。
  185. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 国民新党・新党日本の会の荒井でございます。  昨日、鳥取に視察に、委員の先生方、委員長を団長に行ってまいりまして、改めて、あるいは、ああなるほどこういう視点、現実、これ見落としてたな、知らなかったなというものがありながら視察、また公聴人の皆さんの御意見を承ったわけです。  一つ事業、これを、一つ事業を、どのように予算が付いて、その予算が付いたものに携わる人件費は幾らなのか、また場合によってはその主体が、いわゆる特殊法人といいますか今度の独立法人と、こういう形態もあれば、県でやるものもあり、またそれから市町村に行くものもあると。そこでまた人員が派生するんだと、こういうことでございます。  片山知事のお話では、例えば農業改良普及関係の仕事の中で圃場整備でしょうか、三千万の例えば予算が付く、ところが実際に人件費で見ると五、六億円になっているんだと、こういうトータルコストで見てみないと実は改革というものの実を上げるわけにはいかない、実は上がらないんだと、こういう御指摘なんです。  そこで、長野の田中知事も、同じようにゼロベース予算ということで、最初からこのサービスないという前提で、初めからやってみましょうと。継続してやっているということでないと。これ福祉サービスもある意味で同じようにゼロから見直してみようというようなことでゼロベース予算というようなのを取組をしているわけです。  こうしたそれぞれの創意工夫、それぞれのまた地域に合ったやり方というのを見ますと、今回、前回資料の提出をお願いいたしましたけれども、各省庁の業務、この業務を洗いざらいお出しをいただきつつ、そうしたお金がどのように流れていくのか、そして国や県や市町村でどのような人件費、またいろんな形での予算関連というのも出てくるわけです。  こういったものを見せてもらわないと、なかなか言っていることはいいように聞こえるこの法案なんですが、先ほど来から御指摘がありますように、一つ一つの集合体、それ一つ一つを暴いていくといいますか、一つ一つを見ていきますと、ああそんなやり方じゃできないんだなということで、言っていることはいいんですが、今日の総理と小沢代表の話もそうなんですが、各論でいいことはやりましょうと言うんですが、その各論に今度総理が入っていかないんですよ。総論だけで議論をしてしまうというところに危うさがあるなと、こういうふうに思いますので、委員長に決算委員会等にもお働きをいただいて、理事の皆さんにも御協力をいただいている前回お願いしましたそうした各省庁、最終的に市町村に及ぶまでのこうした予算とか人員、こういったものの集約、今どの程度まで進んでいますか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
  186. 上田紘士

    政府参考人(上田紘士君) お答えいたします。  五月十一日の本委員会におきまして議員から御指摘のありました資料の提出につきましては、理事会のお取り計らいを承りまして、現在、これはしばらく前に衆議院の決算行政委員会に対して資料として提出されたものでございますが、中央省庁の事務事業の精査に関する予備的調査というものがございまして、これがそのものずばりかどうか分かりませんが、比較的先生の御指摘に近いものかということになったと聞いておりまして、これを所要の手続を経まして取りまとめ、このときにはいわゆる事業数等のアイテムカウントをしておりませんので、こういったカウント等をした上で、できるだけ早い機会に御提出をさせていただきたいと考えております。
  187. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 これにつきましては、理事の皆さん、そして委員長に大変に御配慮をいただいて、決算行政委員会の方とのやり取りをしていただいているとお聞かせいただいております。感謝をして、この採決が終わるまでに、私の方の要望も出しましたので、新たな視点を加えた取りまとめを是非お願いしたいと思います。  これは、民主党さんが去年の暮れにこれを予備的調査ということで御提出を求めているんです。大臣大臣方、こういうことをやっていただく作業というのがなかったというのがやっぱり透明性、説明責任という意味で非常に問題があったというふうに思いますので、そうした取組の一連の流れで私の資料も早々と出せていただけるような状況になっているということです。  さてそこで、片山さんがおっしゃるわけですが、透明性、そのプロセスにも透明性を発揮していけば、これは必ずそんな大なたを振るわなくても様々な改革はできるんだと、無駄や不正を排除できるんだと、そしてその情報公開が必要なんだと、こういったことを非常に言っていらっしゃるわけです。  コピー機のリース契約を複数年の競争入札にして成果を上げたと、こういったことでございますが、国ではまだまだだと、こういうような御指摘も一部ではあるんですが、実態はいかがでございましょうか。
  188. 松元崇

    政府参考人(松元崇君) お答えいたします。  リース契約等の複数年度にわたります契約につきましては、単年度での契約を繰り返すよりも、鳥取県で行われているという御指摘ございましたが、例えば五年といったリース期間について一括して入札を行った方が合理的かつ効率的な契約を行うことが可能という場合が多いのかなと考えられるところでございます。  このため、政府におきましては、平成十六年六月に策定されました行政効率化推進計画におきまして、各府省がコピー機、パソコン等のリース契約を行うことに合理性が認められる場合には、国庫債務負担行為による複数年度契約によることとしたところでございまして、また、かつ、一般競争入札による調達割合についても拡大するとしているところでございます。  また、予算面におきましては、概算要求に当たっても同計画を着実に推進することとされているところでございまして、今後とも同計画を着実に推進し、合理的で効率的な契約を行うよう努めていくことが重要と考えております。
  189. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 鳥取では二五%削減ではなくて七五%削減できたというんです。ですから、一つ一つの項目が見えて、そこでの人が見えて、お金の流れが見えてくると的確な手を打てるということだというふうに思うんです。ところが、今やっているのは、先ほど言いましたように、まあ早々と出せる状況は民主さんが十一月にそうした資料要求をされててそういったもののベースがあったと、それまではこれなかなか出し切れなかったと、こういうことです。  そういう中でずっとやってきて、これが出る、この法案が出るというのは本当に目的ではない。何遍も申し上げましたけど、簡素で効率的な政府というのはこれは手段でありまして、国民各位に非常に必要なサービスをだれでも公平にアプローチできる機会を提供するし、十分な質的サービスを受けられるようにするということを保障する、そうしたことであります。  ところが、その実際にやっているサービスの業務さえ把握していない。中央集権とはよく言われましたが、それぞれそれを集約できていないというところに最大の、私、問題があるわけですから、まずそれをやってからこの法案を出しても遅くなかったと。なぜこんなに急ぐのかなと。急がば回れもありますし、実効性を上げるためには、そういったものの、政令でとか後で検討というような、そういったプログラム法的なもの一杯多いわけですけど、そこらをきちんと見据えて国民に説明責任を果たしてからでなぜ遅いのかと、そういったことを疑問に思うわけです。  さらに、具体的なものでお尋ねをさせていただきたいと思います。  公聴人の方々に、昨日、四名の方に、うち三名の方にお尋ねをいたしましたら、公務員の数は多いと思いますかと言ったら、物によりますし、そうは思わないということで、本当に的確なんです。物によりますと言うんです。全くそのとおりです。これは一律です。この一律で、ある程度の自由度も認めるわけなんでしょうけど、こうやってがぼっと大上段に振りかざさないとできないというのもよく分かるんですが、一律の難しさというのは一杯あると思います。  例えば、これは長野県、鳥取県もやっているようです。ほかもやっているようですが、木製ガードレールが非常に従来のガードレールと同じような強度を保つわけです。しかも、地場の山を守ることになり、加工して、産業も興る、そして地元に、ふるさとにみんなが生活できる機会をつくる。そういったことで一石三鳥、四鳥にもなるんです。  このガードレール、木製ガードレール、農林省の了解といいますか、補助制度にこれしていただきました。この辺、農林省、どのようになっていますか。ちょっと実態を教えてください。
  190. 川村秀三郎

    政府参考人川村秀三郎君) お答え申し上げます。  木製ガードレールでございますけれども、これは私どもの所管しております森林・林業の関係で、正に木材の利用促進という面もありますし、またいろんなその環境的な側面もございます。  そういうことで、私どもの例えば森づくり交付金の中の一つ事業として取り組むことも可能でございますし、また、私どもがやっております林道事業の中でも、必要な箇所にはそういった木製のガードレールを付設するということも認めておるところでございます。
  191. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 国交省ではこれはまだなんですね。こういうふうに見えてくるわけです。地方から国を変えると我々は田中代表とともに言っているんですが、いいことはこうして認めてもらっている。  そうすると、これ実は高い調達なんですよ。木製ガードレールじゃない方が安いんです。どうこれ判断したらいいんでしょう。だから、この法案はすごく、まきをなたで割りますから、うんと見栄えはいいんですが、ささくれ立ってけがしちゃうと。そして、そのなたで魚をさばくような話までする。これできるわけないんですね。実は高い調達というのもあり得るんじゃないかと。片山知事さん、昨日参考人でそのとおりですと。一つ一つ事業やら項目を見ていくと、その精査していった積み重ねに、結果、様々な形が現れるわけでございます。  目的は、国民、地域住民の幸せであります。果たしてこういう形式の法律を出してどれだけ効果が上がるのか。今日の午後の質疑にもありましたけれども、かなり期待値を高く持たせるんです。だから、もうこれやれば税金が、税収を上げなくてもいいんじゃないかと、財務大臣、言っている人もいるぐらいなんですよ、これだけやれば消費税上げる必要ないんじゃないか、これだけ効果があればと。そういうふうに思い込ませてしまうというところに一つ大きな心配、私はあります。  その長野県でございますが、この補助金についての予算について長野県議会は否決をしたということでございます。私はこの知事がやろうとしたこと高く評価するんですが、議会は否決した。それぞれ意見はあっていいと思いますけれども、この場合、私が申し上げたいということは、高く付く場合もあるということです。長野県議会は全然別な理由で否決しているようでございますけれど。  人が多いとか、それから安ければいいということではない。グリーン調達です、これは竹中大臣、グリーン調達。自然に優しいものを買いましょうということで、国は義務です、地方は努力なんです、中馬大臣。交付金で、査定をしてすべての市町村圏に交付税で流しているんです、地方自治団体に検討しなさいというための計画を作るために。市町村は七八%、その予算使ってない。やってないんです。努力義務にもかかわらず、お金を交付金で、補助金じゃありません、交付金で流しながら、実はそれ使ってないんです。  ですから、やってませんから、地方はグリーン調達、紙一枚から鉛筆、コピー機、べらぼうな項目があります。それを買うと環境に、長期的に自然環境を守り人間の幸せにも行き着くという調達を、この国会の議員立法で作ったものです。国は努力義務ですから一〇〇%やっています。高く付いていますよ。しかし、市場ができれば安くなるという前提でやっているんです。しかし、地方がこれに、市場をつくる努力のお手伝い役を含めてなぜそれができませんかというこの質問に対してどう答えたか、どう答えたかと。高く付くので金がないからできません、それだけの要員を配置する余裕がありません、こういうことが返ってくるわけです。  竹中大臣、ことほどさように、実は言っていること具体的に見ますと、本当に理がある話一杯あるんですよ。地方も頑張っているけど、地方、私はまだまだ不十分だと思いますよ、そういう意味において。交付税の算定基準について新たなことをお考えになっているようですけれど、そういう実態も一方であるわけですよ。  ですから、安くなるという努力はしますけれども、高い調達、こういったこともあるんだということについて、竹中大臣、ちょっと御見解聞かせていただけますか。
  192. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) グリーン調達そのものについて、私ちょっとお答えする十分な材料を持っておりませんですけれども、基本的にはそういった別の、環境という別の政策判断、ないしは地域のものを調達して地域経済を振興するというのは、別の政策判断に基づいてそれらの措置がとられることは十分あるわけでございます。  例えば小泉内閣でも、公用車をすべて環境対策車にすると、いわゆる低公害車にすると。これは、当初は恐らくそのものについては高く付いたのだと思います。しかし、そうすることによって、社会全体について開発が進んでその低価格化が進み、環境問題に資すると、そういう一つの判断を行ったわけでございますから、そういう判断があるという委員指摘は私は正にそのとおりだと思います。  グリーン調達、グリーン購入についても、我々は環境省とともに働き掛けるべきものはしっかり働き掛けていくつもりでございます。
  193. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 農林省よくぞやっていただいているわけなんですが、田中長野知事もこれ頑張ってやっているわけですけれども、そうなりますと、次にその市場化テストというところに行きたいんです。  その市場化テストということでいくと、これいろんな課題を残しているなということでございますから、また次回の機会にもさせていただきますけれども、官民競争入札等監理委員会というのがまたできるんですね。これ民営化すれば、あるいは市場、いろんなことを外に出していけば小さな政府になるかというと、実はそうした監視委員会、事後チェックを含めまして、この場合は入札ですから事前もあるわけですが、そういったもので一方は膨らんでくるということあるんです。  これは、カリフォルニアの電力危機やノースポイントのいわゆる通信系あるいは新しいIT系も含めまして、それから倒産したところ一杯ありました、不正をやって。こういったところで、規制委員会みたいなものは非常にアメリカでも大きくなっているんです、あるいは事後監視委員会。事前にも今行っているんです。そういうものも一方であるんですよ。民営化して、まあ民営化というのはあれですが、規制緩和と言った方がいいでしょう、規制緩和をしていく。そして、民営化をしていくという手法は、非常に小さくてコストが安いかと思ったら逆であったということが、カリフォルニアの例やら一杯あるんです。  そういうものも考えると、今度この委員会、監視委員会というものの性格付けで私聞きたいところありますが、残すところわずかなんですけれども、官民、それから民だけでやる場合、この二つあるわけですね。この場合に、どういう能力があるから入札参加する資格がありますよと、そのように認めるんでしょうか。その会社の能力というのをどこに置くんでしょうか。  この辺について、大臣の方からお話しいただけるか、事務方の方で話しいただけますか。その能力があるというのはどういうふうに判断するんでしょうか。
  194. 河幹夫

    政府参考人(河幹夫君) まず、官民競争入札等監理委員会の性格でございますけれども、先生今御案内のとおりに、公共サービスに関しての不断の見直しを行って、それを入札等のシステムに乗せていくときに、何よりも第一に官民の間で公平な形での作業が進まなければいけないというのが基本原則であります。  それから、本日も何回も議論いただきましたとおり、透明性あるいは公正性を確保する上でこういう機関が必要であるということでございまして、有識者から成る第三者機関として内閣府に置くものでございまして、具体的に、正に今先生の御説明されたとおり、公共サービス改革事業をどういうものをやるか、あるいはそれをどのような形でやるかということについて議を経るという形での条文が設けられているわけでございます。  今先生の御質問のポイントであります、具体的には入札に参加する資格をどうやって決めるんだというときに、第一義的には、その仕事をそれぞれ負っていらっしゃいます今の各省長官、大臣の御判断に基づいて実施要項というものを定めるわけでありますけど、その際に、これできちんとした形で住民に対して、国民に対しての公共サービスが効率で質の良いものになるかどうかということがきちんと担保できるようにということで、今の入札参加資格等もここで御議論をいただくということになろうかと思います。
  195. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そのように、どういう会社を入れるかといっても、参加させるかといっても、これからだというのが多いわけです。これは、竹中さんが、財政再生諮問会議、そうだったんですけれど、結局もう五年同じ人やっているんですよ。しかも、規制緩和をした恩恵を受ける可能性の高いそういった方々が相変わらずそれを言っているんですね。  私は、これは間接インサイダーに当たるんじゃないかと言っている人もいるぐらい、五年間も委員が一緒になる。この新たな監理委員会等も、そこが何年も同じ人がやったりとか、そしてまた同時に、今言ったようにある程度これから決めるということの、うんと幅があり過ぎるんです。  行革大臣、こういったところも御検討いただく、私は考えていただく要素になってくるというふうに思いますので、また次回の質問に続いて御質問をさせていただきます。  ありがとうございました。
  196. 尾辻秀久

    委員長尾辻秀久君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後六時六分散会