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2006-05-12 第164回国会 参議院 行政改革に関する特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年五月十二日(金曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  五月十一日     辞任         補欠選任      加治屋義人君    北川イッセイ君      井上 哲士君     紙  智子君  五月十二日     辞任         補欠選任      和田ひろ子君     広田  一君      紙  智子君     大門実紀史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         尾辻 秀久君     理 事                 佐藤 昭郎君                 藤野 公孝君                 保坂 三蔵君                 小川 敏夫君                 大塚 耕平君                 直嶋 正行君                 風間  昶君     委 員                 大野つや子君                 川口 順子君                北川イッセイ君                 後藤 博子君                 関口 昌一君                 田浦  直君                 中川 雅治君                 二之湯 智君                 野村 哲郎君                 南野知惠子君                 浅尾慶一郎君                 加藤 敏幸君                 主濱  了君                 内藤 正光君                 広田  一君                 柳澤 光美君                 若林 秀樹君                 澤  雄二君                 浜田 昌良君                 山下 栄一君                 大門実紀史君                 近藤 正道君                 荒井 広幸君    国務大臣        総務大臣     竹中 平蔵君        財務大臣     谷垣 禎一君        経済産業大臣   二階 俊博君        国務大臣        (内閣官房長官) 安倍 晋三君        国務大臣     中馬 弘毅君    副大臣        内閣府副大臣   山口 泰明君        総務大臣    山崎  力君        財務大臣    赤羽 一嘉君        文部科学大臣  馳   浩君        国土交通大臣  松村 龍二君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官        兼行政改革推進        事務局特殊法人        等改革推進室長  大藤 俊行君        内閣官房内閣審        議官        兼行政改革推進        事務局公務員制        度等改革推進室        長        上田 紘士君        内閣官房内閣審        議官        兼行政改革推進        事務局公益法人        制度改革推進室        長        中藤  泉君        内閣規制改革        ・民間開放推進        室長       田中 孝文君        内閣府市場化テ        スト推進室長   河  幹夫君        総務省自治行政        局長       高部 正男君        総務省自治行政        局公務員部長   小笠原倫明君        財務大臣官房参        事官       林  信光君        財務省主計局次        長        松元  崇君        財務省理財局次        長        日野 康臣君        文部科学省初等        中等教育局長   銭谷 眞美君        厚生労働省職業        安定局長     鈴木 直和君        中小企業庁長官  望月 晴文君        国土交通省道路        局長       谷口 博昭君        国土交通省自動        車交通局長    宿利 正史君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○簡素で効率的な政府を実現するための行政改革  の推進に関する法律案内閣提出衆議院送付  ) ○一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○公益社団法人及び公益財団法人認定等に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及  び公益社団法人及び公益財団法人認定等に関  する法律施行に伴う関係法律整備等に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○競争導入による公共サービス改革に関する  法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 尾辻秀久

    委員長尾辻秀久君) ただいまから行政改革に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、井上哲士君及び加治屋義人君が委員辞任され、その補欠として紙智子君及び北川イッセイ君が選任されました。  また、本日、和田ひろ子君及び紙智子君が委員辞任され、その補欠として広田一君、大門実紀史君が選任されました。     ─────────────
  3. 尾辻秀久

    委員長尾辻秀久君) 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革推進に関する法律案一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案公益社団法人及び公益財団法人認定等に関する法律案一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人認定等に関する法律施行に伴う関係法律整備等に関する法律案及び競争導入による公共サービス改革に関する法律案、以上五案を一括して議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 柳澤光美

    柳澤光美君 民主党・新緑風会の柳澤光美でございます。  私は、民間のあらゆる産業業種が集まっていますUIゼンセン同盟の出身でございまして、実は私自身サービス業でありますスーパーで働いておりました。そんなこともありまして、私自身のその体験も踏まえて、あるいはその民間の視点と働く者の立場というところから、今日は市場化テスト法案中心質問させていただきたいというふうに思います。  参議院でもすばらしい参考人の方に来ていただいて質疑をやったんですが、衆議院の方の議事録等もずっと見させていただく中で、その衆議院参考人質疑で連合副事務局長逢見参考人が次のような問題提起をしています。私も非常に同じ考えで、ちょっと紹介させていただきますが、公共サービスはすべて官が行うというものとは考えない。国、地方公共団体公益法人NPO民間企業など、多様な提供主体によってニーズに応じた豊かなサービスが効率的に提供される必要があると。しかし、その前提には三つあると。一つは、良質な公共サービスの安定的な供給と確保がされなければならない。二つ目に、ユーザーである、つまり国民によるコントロールが担保されるための制度が必要だと。三つ目に、公共サービスに従事する者、これは官であっても民であっても、そこに働く者がその仕事に誇りが持てるような雇用労働条件の担保。以上三つ原則を最低維持すべきだろうという問題提起をされています。私もそのとおりだと思いますので、この三つ原則に基づいて、順番にちょっと質問をさせていただきたいと。  一つ目に、最初に、ユーザーである国民によるコントロールが担保される制度をきちんとするということが、今回の行革推進全体及び市場化テスト、すべて国民の目に見えるということが一番大事だろうというふうに思っています。そういう意味では、昨日の委員会でも質問がありましたが、衆議院基本理念について修正がなされました。「公共サービスによる利益を享受する国民立場に立って、」との文言が追加をされました。  私は、サービスというのはお客様のためにあるんだと、お客様にどう喜んでもらうかだと、それがすべてだというふうに教えられてずっと仕事をしてきました。それからすると、当然のことだというふうに思っています。この公共サービス国民そして住民のためにあるという考え方、その意味ではこの修正は私は大変評価をしておりますが、このことを中馬大臣の方ではどのように評価をされ、どのようにとらえられているか、率直な見解をお聞かせいただければと思います。
  5. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) 今、柳澤委員が冒頭に申し述べられました、これからの時代は公共サービスといえどもそれをお役人がやるのではなくて民間に任せていいことはどんどん任せたらいいじゃないかと。この今回の改革法案にはその趣旨が十分に入っていると思います。いい例が、国鉄はこれは大きな公共サービスだったはずですけれども、そのときにはともするとやはり乗せてやるという感覚でしたが、JRになりましたら乗ってもらうという感覚になるわけですね。委員がお勤めでございましたそうした流通関係でもそういうことが言えるんじゃないかと思います。  今回、そうしたことを踏まえまして、衆議院におきまして修正が付きました。これは、競争導入による公共サービス改革公共サービスによる利益を享受する国民立場に立って行うという旨の修正、これが明記されたわけでございます。  そういうことでございまして、公共サービス改革法案が、本院での御審議の結果、このような衆議院での修正を含めて可決されました暁には、修正の御趣旨を十分に踏まえまして、公共サービス改革基本方針とか、あるいは実施要領決定など、本法の実施の運用を行うに際しましては、公共サービス利用者であり受け手である国民皆様にとって、コストが安くなったけれどもサービスが悪くなったと、こういうことがならないように、限られた財源の中ではございますが、質の高い公共サービスが提供されるよう、国民各層意見を適切に踏まえた上で、私としましても全力で対応していく所存でございます。
  6. 柳澤光美

    柳澤光美君 前向きの御答弁をいただきました。このことを中心に、この後ちょっと質問をさせていただきたいというふうに思っております。  そういう意味でいきますと、その国民に見える、国民コントロールをするという中で、一つ第一歩目が私は事業仕分だというふうに思っています。実態をきちんとクリアにすると。その意味では、行革推進法の本体の方に、もう第二条の基本理念に、「政府及び地方公共団体事務及び事業透明性確保を図り、その必要性の有無及び実施主体の在り方について事務及び事業の内容及び性質に応じた分類、整理等仕分けを踏まえた検討を行った上で、」と明記をされました。この文言は、第十九条第三項の特別会計改革、第四十五条一項の総人件費改革、そして第六十五条の競争入札による公共サービス改革、これが市場化テスト法につながってくるわけですが、そこにも明記をされています。  そういう意味では、私は、今回の行革推進、特に市場化テストの場合には、この事務事業仕分というものが国民の目に見えるところで透明性確保を図った上で行われるということが最大前提だろうというふうに思っています。  そこでお伺いしたいんですが、市場化テスト前提になる独立行政法人とか特殊法人を含めて、国の各行政機関事務事業仕分はだれがいつどのように行うのか、そして透明性を図りという基本理念がどのように担保されているのか、具体的に御説明をいただきたいと思います。
  7. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) おっしゃるように、この法律にはかなり事業仕分前提でなければ進まないような一つ規定もはっきり入っております。  具体的には、官民競争入札対象とすべき業務廃止対象とすべき業務などまず仕分けることとしておりまして、この仕分は毎年度、公共サービス改革基本方針として毎年度やることになっております。民間から募集した提案等を踏まえまして、そして関係省庁間での協議、これを経ました後、監理委員会での十分な審議を経て、閣議決定によって行われると、こういう仕組みになっております。監理委員会には、その役割を的確に果たしていただく観点から、官民競争入札対象業務がしっかりと選定されるように是非とも積極的かつ能動的に御審議いただきたい、このように考えておる次第でございます。  このような手続を、国民皆様に対する情報開示、これも十分に留意しつつ行うことといたしておりまして、基本理念の第三条にのっとって、公共サービスによる利益を享受する国民立場に立って、国民のため、より良質かつ低廉な公共サービスの実現、こういう形にいたしております。  そういうことで、私としましても全力で取り組んでまいりたい、このように考えておりますが、今申し上げましたように、不断の見直しの結果、国や地方公共サービス、これを行う必要がないものは廃止する、ここまで決めていることは、これはかなり仕分前提でなければできないことでございますから、そうしたことも含めて、廃止までも至るような仕分をちゃんとやっていくことをここに明記いたしております。
  8. 柳澤光美

    柳澤光美君 済みません、ここにそちらからいただいた実施のいわゆる概要、実施プロセスが載っているんですが、事業仕分部分が入っていないんですね。最初民間事業者地方公共団体が要望すると。その前に公共サービスに関する情報の公表を踏まえ、官民競争入札対象とする業務等について要望と。この官民、いわゆる公共サービスに関する情報公開というのが私は前提事業仕分があるんだろうというふうに思っているんです。ここには監理委員会はタッチしていないですよね。
  9. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) タッチしていないというんじゃなくて、監理委員会はかなり強い権限を持たせていただいております。したがいまして、もちろん民間から提言されたりするものもありますが、役所がいろいろと審議した結果、これはそこに対象としないと決めた場合でも、監理委員会の方が、いや、それはおかしいじゃないかということでもう一度差し戻して、これを、その議を経て、また、先ほど言いましたように閣議決定まで持ち込むこともできるわけでございまして、そうした経緯の中も、これも国民といいましょうか、情報公開される形になっておりますから、そこで結果的に仕分情報公開的な透明性確保されると、このように考えております。
  10. 柳澤光美

    柳澤光美君 ただ、法文上で言えば、公共サービスに関する情報公開というのは各省庁が行うと。監理委員会がどこでタッチしてくるかといいますと、公共サービス改革基本法閣議決定をするときに、廃止対象とする業務選定官民競争入札民間競争入札対象業務選定、これも基本的には各省庁がやってくる。そのことを、いわゆるここに初めて官民競争入札等監理委員会によるチェックが入ってきます。それが終わった後、実施要項に行っても、実施要項を作成し、官民競争入札民間競争入札実施し、それを監理委員会チェックをする。質、価格でも最も優れたものを公共サービスの担い手として選定する、それを監理委員会チェックをする。基本的には作るのは各省庁の方で作られる。  私が言いたいのは、その仕分というのは、まず今やっている省庁事務あるいは事業がどうなっているのかというのをきちんと仕分けていく。それを第三者がきちんと見るというところに監理委員会がきちんと絡んでいかないと透明性が出ないんではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  11. 河幹夫

    政府参考人河幹夫君) 先生指摘部分は、公共サービス改革基本方針を定めるところに当たっての一連の作業の中で、どこで国民に対してその情報が開示されていくのか、そしてどこで監理委員会関係してくるのかという御質問かと思いますけれども、今御指摘のとおり、公共サービス改革基本方針等、第七条におきまして、基本方針を定める手順の中で、最初に、内閣総理大臣がいろいろな方々からの意見を聴取することが適切に行えるように関係行政機関情報提出を求めてそれを公表するということがこの一連手続の始めに書かれております。  そのことから言わば議論を開始しましょうというのは先生の御指摘のとおりでありまして、そこから一連手続の中で監理委員会関係し、議を経ていただくという形になるわけでありますが、そこから以降の手続につきましては今大臣が御答弁申し上げたとおりでございまして、最初情報公開のところで、各省がというよりも、この一連プロセスの中で意見がきちんと聴けるように内閣総理大臣各省から情報を集めて、具体的には内閣府でございますが、情報を集めて、それを公表したところからこの一連手続が動いていきますという形でこの法体系はできておりますので、情報開示監理委員会審議というのは言わば並行して動いていくということになっているものと理解しております。
  12. 柳澤光美

    柳澤光美君 私は、今回の行政改革というのは大変この後、日本全体を変えるぐらい大きな改革で、この法案がその骨格に入ってくる。私は、その一番抵抗が強いのは各省庁だというふうに思っているんです。ですから、過去の議論の中でも、規制改革民間開放推進会議等において、各省のお手盛りを回避するために、徹底した情報公開のための官業内部調査を含め、強い権限第三者機関に与えることが必要だという論議が非常に強くされてきました。  この法案ではそれがきちんと私は担保されていないと。もっと言いますと、平成十六年の五月十九日に経済財政諮問会議提出された規制改革民間開放推進会議主要検討事項では、落札者決定評価基準第三者機関策定する、また第三者機関民間人中心の言わば官業再生機構として官業の詳細な実態調査、査定と情報公開を担うものという議論中心にされてきました。  ところが、事実、法案になったときに、そのいわゆる第三者機関というのは私はこれは監理委員会だというふうに思っているんですが、そのせっかくつくった第三者機関である監理委員会権限が担保されていない、入口のところにきちんと絡んでいかないと駄目だというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。
  13. 河幹夫

    政府参考人河幹夫君) 先ほど大臣が御答弁申し上げたこととやや重複することをお許しいただきたいと思います。  監理委員会には、この法律で様々な権限が付与されております。一つは、先ほど御紹介させていただきました第七条で、基本方針策定というのは監理委員会の十分な審議を経るということでございまして、対象業務選定等に際しまして、まずは、正に出発のところで監理委員会の御審議をいただくということにさしていただいております。  また、実際にどういうサービスを要求するか、あるいは具体的に落札者決定するための評価を、基準をどうするか等々は実施要項で定めることにされておりますけども、その実施要項そのもの策定各省権限ということで、実施要項策定をする具体的なサービス基準を定めるに当たりましては監理委員会での議を経るということでございまして、いわば審議をしていただくということになっております。  なお、具体的なプロセスの段階で随所に監理委員会の議を経るということが書いてございますけども、それに加えまして、官民競争入札等実施する国の機関公共サービス実施する民間事業者に対して報告あるいは資料提出、あるいは国の機関に対して必要な勧告をするという規定も設けられているところでございます。  一つだけ付け加えさせていただきますと、先ほど御指摘のありました規制改革民間開放推進会議、今私どもその事務局も一緒に御審議させていただいておりますが、その中におきましても、今回の法案についてはこれまでの議論を踏まえた形で、いい形で法案提出させていただいたんではないかという御評価をいただいているというふうに自負しております。
  14. 柳澤光美

    柳澤光美君 そんなことを私は聞いているんじゃないんです。だから、私は冒頭言いましたように、実施プロセスの中で、改革基本方針を決めるとき、実施要項を決めるとき、選定をするとき、これは監理委員会がきちんと絡むようになっていますよと。ただ、事業仕分という一番元のところ、元のところに監理委員会がきちんと絡むという規定がないんですね。  実は五月九日の参考人質疑で、十五の自治体、九県六市を実際に事業仕分実施された「構想日本」の加藤代表参考人で来られて、大変参考になる御意見をいただきました。そこで言われているのは、国の事業仕分最大の意義というのは、国の仕事そもそもの必要性を問うことであると。ですから、市場化テスト三位一体改革といった実施主体論議をするための大前提だと。それがなければ仕分をしなければならない。ですから、それを実際にやっている人たちにやらせてしまうと気付かないと、自分のことは分かんなくなってしまう、だから第三者機関が、特に民間とか違うところから入ってきてやるんだと。  ですから、「構想日本」の仕分は、事業説明は県でやるとすればそこの都道府県職員がやります。しかし、それに対してだれがチェックをするかというと、事業評価は、住民、ほかの自治体の議員、職員経営者経営団体職員研究者NPO職員など、多くの第三者が行っています。それをオープンの場でやりますと。ですから、その中で自分は必要だと思っていた、職員の人が思っていたことが、いや実際やってみると必要ではないんじゃないかということがそこから明らかになってくるんですね。  実は、その中の資料をちょっと一部お手元に配らしていただきました。市場化テストに真ん中で入っていく前に、個々事業仕分をどうするかというのが一番大きな問題になるんです。そうすると、行政個々サービス事業を徹底的に仕分する。そうすると、一番大事なのは、市場化テストにするのか、あるいは三位一体改革地方に譲るんではなくて、現在行っている事業で不必要なものが出てくる、要らないものが出る、あるいはこれは官がやるんではなくて完全に民間にそっくりやってもらう、これは税金を一切使わないで。ですから、不要なものが出てくる、この仕分入口になきゃいけないんですね。  ところが、この実施プロセスで言えば、改革基本方針閣議決定のときに、廃止対象とする業務選定ってあるんですが、これは監理委員会が絡まないで各省庁の中でやった中から出てきてしまう。じゃ、自分で、自分のところでこの仕事は要らない、思ったとしても、私はなかなか言えないのが人間ですし、人情だというふうに思うんですね。そうすると、この仕分のところに第三者機関を絡める。なぜそんなお話をするかというと、加藤代表の話の中で資料一杯出してもらったんですが、市町村では一三%、都道府県で一〇%の廃止する不要なものと税金を使わずに完全に民間に任せるものが出てくると。これを見てもその事業仕分というのがどれだけ大事かと。  しかも、大事なことは、そこで働いている職員の皆さんもいろんなそこから気付きが出てくる。そこでみんなで変えようという流れが出てくる。そういう意味では、私は、監理委員会をこの仕分のところに入れるということを何としても入れなければいけないんではないかなというふうに強く感じているんですが、中馬大臣、いかがでしょう。
  15. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) 先ほど説明しましたように、まず第一義的に、この仕事は要らないんじゃないかとか、これは民間から募集した提案ということにさせていただいておりますが、これ民間からというのは、ただ一市井の個人であってももちろん結構でございますし、あるいはNPO的な団体であっても結構ですし、またちゃんと政府の方がひとつ設けております規制改革のいろんな推進会議とかこういったところから提言される、今回の場合でもそうですね、刑務所といいましょうか、そういったものから、ハローワークから、これは役所から出てきたものじゃありません。そうした民間の方々の御提言の上で、これを役所にぶつけるとなかなか抵抗があっていることも現在の状況でございますが、そうしたことで、一義的には民間からの募集した提言を踏まえまして、各省庁がそれをいろいろと議論した結果、そこに監理委員会審議を経るわけでございまして、そしてまた、先ほど言いましたように、そこで役所の方が若干抵抗的なことでそれを否決するような形にしましても、これを再度監理委員会の方が、いや、それはおかしいじゃないかということをここでやるわけですから、今おっしゃいましたような事業仕分的なことはむしろ民間の第一義的なところに相当私は大きなウエートが出て、そこで判断されるものだと、このように認識していただいた方がいいんじゃないかと思います。
  16. 柳澤光美

    柳澤光美君 それは、中馬大臣、無理ですよ。なぜかといえば、じゃ、官の人たちがどういう仕事をやっているかと。どれが不要かまで全く民間事業者だとか地方公共団体チェックする、そんなことができるわけないんです。だって、その情報、じゃ、どこから出てくるんですか。  とすれば、私は、衆議院審議でも大臣の方から、この監理委員会は本当に、先ほど「構想日本」の方にあったように、有識者も入れる、経営者のサイドも入れる、あるいは住民も入れる、労働組合の代表も入った方がいいじゃないかと、十三名の多様な人たちに入ってもらうんだと。せっかくつくった監理委員会が、このままでいけば、年に一回の改革基本方針閣議決定の前のいわゆるそこのチェックのところに掛かってくるだけになるんです。私は、どんなに非常勤、本当は常勤になればいいんでしょうが、何人か私は常勤者を置くべきだと思っているんですが、まあ非常勤でもいいです、でも月に二回、三回、定例的に各省庁に来てもらって事業説明を受けると、そこでそのいわゆる監理委員会が入って、これは不要じゃないかというやり取りをする。なぜかというと、私は、河室長にも、河室長、せっかく行革推進室の室長になられても、法案で担保しておいて、力のある監理委員会をきちんと使わないと、各省庁が抵抗出たときに跳ね返せないんですよ。私は絶対できないと思っているんです。  とすれば、むしろ監理委員会、こんなすばらしい監理委員会、この後とってもすばらしいメンバーを選んでいただきたいんですが、その人たちを使わない手はないというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。
  17. 山口泰明

    ○副大臣(山口泰明君) 議員の御指摘のとおりで、この監理委員会のメンバーというのは本当に幅広くいろんな方たちからいただくわけでございまして、そして当初は当然もう週一回なり二回なりこの監理委員会が開かれると、こう認識をしております。
  18. 柳澤光美

    柳澤光美君 山口副大臣から前向きな御答弁をいただいて大変うれしく思っています。  本当は、私は今日、安倍官房長官にも来ていただいて、ただ衆議院とかち合って来れなかったんですが、内閣府が本当にその力を持つ、で、内閣府にこういう監理委員会をつくる。あるいは、食の安全のときも私、内閣委員会質問させていただいたんですが、せっかく食品基本法を作って、で、食品安全委員会をつくっても、そこが本当に省庁を超えてきちんと統制できるという枠を内閣府が持たなきゃいけない。内閣府にあるその監理委員会がきちんと力を持つし、その担当大臣である中馬大臣が各省庁のわがままを許さないというときにその監理委員会を、使うという言葉は非常に語弊があるんですが、それがいわゆる国民の目なわけですから、だれも逆らえないという意味で、今、山口大臣が言われた監理委員会を本当に週、月二回でも三回でも開いて、その事業仕分、不要のものを引っ張り出すということもひっくるめてやっていただけるかどうか、大臣から御答弁いただけますか。
  19. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) 私の気持ちと一緒のことを今そうして具体的におっしゃっていただきました。  本当に今、その監理委員会事務局的な役割は、これもちろん事務局つくりますけれども、それは内閣府の私ども担当大臣が担っているわけでございますから、そこを現在でもやっておりますような形で、かなり各省庁をたたきながら一つの結果を出さしていく、その役割をしっかりと果たさせていく所存でございます。
  20. 柳澤光美

    柳澤光美君 済みません、事務局じゃなくて監理委員会をきちんとやりますというのはよろしいんですね。やっていただけますね、はい。  それに踏み込んでお答えをちょっといただいたんですが、その中で今回、監理委員会の中に専門委員会が付きます。ここも大変大きな力を発揮していただくことになるだろうというふうに思います。これはもうできるだけ優秀な方を入れて、監理委員会のメンバーの下支えをやると。で、そのもう一個一つの下支えが私はその事務局だと思っています。  で、河室長の下に今推進室がつくられていますが、ここを、今現在、去年の四月一日にスタートをして、中央省庁地方公共団体、それと民間等から十二名でスタートをされたというふうに聞いていますが、その後増員も掛けるというふうに言われていますが、今その体制はどんな状況になっていますか。
  21. 河幹夫

    政府参考人河幹夫君) 逐次拡充を図っていただきまして、三月末で十七人のメンバーで仕事をさしていただいておりますが、今現在も、この法案が成立させていただければ、今委員がおっしゃったようなことの準備作業が、先ほど副大臣が御答弁申し上げたとおり、かなり多くの作業が入ってくると。事務局もその下支えといいましょうか事務をやらしていただくということでございますので、今の体制の倍に近い体制をつくらしていただきたいということで、大臣、副大臣にも御尽力をいただいているところでございます。
  22. 柳澤光美

    柳澤光美君 本当は官房長官がいらしたら官房長官の言質も取りたいなというふうに思っているんですけど、これ、担当の中馬大臣がいるから大丈夫だというふうに思っておりますが。  本当に内閣府、あるいは特別の委員会をいわゆる省庁を超えたところに置くと。ここの人材というのは私はとても大事だというふうに思っているんです。ですから、監理委員会民間から非常勤で入れますけど、そこの事務局の体制であっても、今回、地方だけでは、逆に言うと、私は中央の出向の人が来て、自分省庁のことだけうまく立ち回って戻っていくというのをむしろ避けるべきだというふうに思ってますし、特定の省庁チェックをするときには全く違う省庁から来た人が行くようにしなければいけないだろうなと。そういう意味では、民間も今回入れている。だから、民間の公募も、公認会計士等もっと幅広く優秀なのをやる、優秀な人をお願いする。  でも、それ以上に、確かに人件費の削減をやっているんですが、その中で配置異動のこともある。とすれば、本当は省庁を超えて、今度はそこにその行革、日本の根幹を直していく事務局をつくる、これもあり得ると思うんですが、そこの事務局になってやってみないかというのを公務員の皆さんに公募を掛けると。それで、面談をして、本当に優秀な人が来て、その人たちがプライドを持って、ただ省庁を、言ってもきちんと国の方針なんだということが切り込めるというぐらいのことが私は大事だろうと。  本当は安倍官房長官に今後の在り方の中でお願いしたいと思ったんですが、来ていただけないんでまた何かの機会に、内閣委員会等であれしますけれども、中馬大臣の方から、これからも必要なところには、新たに採用するんじゃなくて中から集めてくる、集めてくると言ったら失礼ですけど、公募をしてくるという方法もありますんで、その辺も是非御決意を。
  23. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) 現在でも例の公務員の減量、五年五%、これは各省庁と今非常に切迫した折衝をやっておりますが、この場合でも、内閣府の事務局というのは非常に、同じ省庁立場を超えて、その対象のところと本当に真剣に協議をしていただいております。そして、どうしてもそれが成り立たない場合といいましょうか協議が調わない場合は、私も出向きましてその担当の大臣大臣折衝でその物事を決める、その手はずまでやっているわけでございまして、そういうことを含めて、この市場化テストにおいても同じように事務局体制がしっかりとした省庁の枠を超えた形の権限でもってやらしていただく、そのことを私もお約束さしていただきます。
  24. 柳澤光美

    柳澤光美君 ありがとうございます。  是非、五%減らす問題とは全く違うわけで、ほかから持ってくるんではなくて中で配置異動、そこに公募制を入れるということなんで、是非お願いしたいと。  そんなこともありまして、是非、推進室河室長には今後本当に踏ん張っていただきたいと思いますんで、是非決意を一言御答弁いただけますか。
  25. 河幹夫

    政府参考人河幹夫君) 公務員の場合は、人事というのは任命に基づきますので先のことは申し上げられませんが、仮にその一端を担わせていただくことになりますれば、今先生がおっしゃっていただいたことを踏まえて精力的に仕事をさせていただきたいというふうに思っております。
  26. 柳澤光美

    柳澤光美君 ありがとうございます。  本当は勧告権のことも踏み込みたいと思ったんですが、もう中馬大臣の方から本当に腹をくくって、勧告権も飾りではなくていつでも抜くという確認も取れましたから、時間がもう過ぎてしまったんで次にちょっと進めたいと思いますが、ただ、私の方では、冒頭に言いました三つ原則の中の国民の、いわゆるユーザーの、いわゆる国民の目の見える、コントロールできるという入口のところで監理委員会をきちんと対応していただけるというお答えをいただいたんで、是非そのことを期待したいというふうに思っております。  それから二つ目なんですが、公共サービスに従事している者が、これは官であれ民であれNPOであれ何であれ、そこに働く者が誇りを持てるという雇用労働条件の担保というのが私も大事だろうと、それだけ公共サービスというのは大事な仕事なんだと。  その中で、ちょっと違った切り口で問題提起をしたいと思うんですが、先ほどお渡しした「構想日本」の仕分の中で、一番大事なのは、私が言いました一番上にある不要あるいは民間税金を使わないで任せる、これがもう即歳出縮減につながる。それからもう一つ、この左端に点々になっている事務の効率化というのも進むんですね。コストでも無駄なコストが掛かったらここで削ると、あるいはサービスでも今すぐでもできるサービスだったら即始める。実は、市場化テストというのは手段であって目的ではないんです。市場化テストの前に変えれることは即でも変えていく。民間から見ると、行政の弱いところというのはそのスピード感だというふうに思っています。  ただ、私がその後ろのページにちょっと付けさせていただいたんですが、昨年は私、厚生労働委員会に所属しておりまして、実は今日委員長席にお座りの尾辻さんが厚生労働大臣でございまして、三月で、通常国会の初めての質問のときにハローワークの勤務時間について問題提起をさせていただきました。  通常、九時に開けて五時に閉めるんですが、まあそれだけしか開いていないというのももちろんあるんですが、お昼休みが十一時から一時とか、あるいは一時から、十二時までで相談業務やめてしまう、あるいは夕方四時にはもう相談業務やめてしまう。これはおかしいじゃないかと。これだけ失業者があふれてと、これを見直さなければ駄目でしょうと。それは国民のニーズだし、それに合わせたサービスができなければ意味がないという問題提起をしました。  当時の尾辻大臣の方から、これはもうやはり政治主導でやるということで方針を出していただきまして、実はそこのお手元に、その結果報告を私の方に十一月にいただいたんですが、実は受付時間は紹介が十一時までしかできないとか、夕方四時までしかしないというのは全部のハローワークで四月十一日までには実施されるようになりました。  それから、昼休みも初めてシフト制という説明をさせてもらいました。僕ら、スーパーというか流通業というのはみんなシフトを組んで勤務していますから、できないはずはないということで、そのことも答申の中に入って、シフトをしいていただいて、五月の十六日までには昼休みも交代で休憩を取って相談業務ができるというふうになりました。  それから、時間も五時ではなくて七時まで延ばす、あるいは土曜日も開けるというのも順次今進んできています。これは私は、最初は確かに私の方にも、せっかくみんなでゆっくり取れていた昼休みが取れないとか、あるいは時間延長したって相談者が来ないじゃないかとか、いろんな声があったんですが、でもそれが順調に動き出している。  今日、厚生労働省の方来られていると思うんですが、大変私は、現場の皆さんも大変な協力をしていただいた、そんな中で今どんな状況になっているか、あるいは大きな問題とか課題があったのかどうか、その辺も含めてちょっと御答弁いただけますか。
  27. 鈴木直和

    政府参考人(鈴木直和君) ハローワークのサービスの提供の拡大、その内容は今御指摘のあったとおりでございます。  ただ、その後の状況を申し上げますと、平日夜間開庁それから土曜日の開庁、これにつきましては、平日夜間の対応が百六十九か所、それから土曜日の開庁が百五十七か所ということで、この時点よりも増えております。  それから、その成果としては、この時点よりも大分利用者も増えてきております。今年の三月時点で見ますと、ハローワークへの平日夜間とそれから土曜開庁での来所者が三月で三十一万、それから職員による相談件数が七万一千件。年度をトータルしますと、来所者は約二百三十八万四千人、職員による職業相談件数は五十五万六千件ということになっております。  また、加えまして、今年度からは職業紹介以外の窓口業務、これにつきましても昼休み時間帯における対応ができるようにサービスの拡大を行っております。  それから、問題はなかったのかというお話でございますが、当初、シフト制によって対応するということで、職員数が限られている中で対応するということもありまして、最初の発足時には種々苦労がありましたけれども、職員間での混乱といったことはなかったというふうに考えております。
  28. 柳澤光美

    柳澤光美君 ありがとうございます。  順調にスタートをして、私はこれが民間の視点だというふうに感じるんです。硬直した勤務体制でやっていきますと、それでやっていると、それが当たり前になってしまう。  ただ、いわゆるユーザー国民利用者、私で言えばお客様という視点に合わせてみると、すぐにでも変えれる大きな変化が取れる。公務員の皆さんも、いろいろあっても時代が変わってきて、ここで行革推進をやっていく。だったら、市場化テストより、今でも変えていこうじゃないかという思いになっていただくとてもいいチャンスだろうと。  厚生労働省の方は、鈴木局長の方からも、今いろんなところに広げていただいている。ほかの省庁でも私はあり得ると思うんです。その辺のところを是非大臣の方でもまたフォローしていただきたいというふうに思いますが、一言、分かったという御答弁いただけますか。
  29. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) 今も言いましたように、今回のこの行政改革そのものがそうした視点で動かすことになっておりますし、ちゃんとこれはやらせていただきます。
  30. 柳澤光美

    柳澤光美君 ありがとうございます。よろしくお願いします。  その中で、ただ、公務員の皆さんが自分勝手に何かできるかというと、公務員の皆さんというのはやっぱり法規制等もあって、縛りの中でしかできない、言われたことをきちんとやる。自由裁量の部分が私は非常に弱いというふうに思っています。  とすれば、今後、民間競争していく。とすれば、今度は、政府あるいは行革の進め方の中でも、公平に競争するんであれば、そういう縛りになっているのを少し外してあげる、切ってあげる。で、自分たちが、自分たちからの主体的に変える。今あった窓口業務もそうですし、これは中央だけじゃなくて、特に地方自治体関係は大きな広がりになってくると思うんですが、それを是非、規制の枠を外してあげる、裁量権の拡大を図ってあげる。そこに働く人たちが、プラン・ドゥー・シーって僕らは流通では言うんですが、自分で計画をして、やってみて、見てチェックをするというようなローテーションの中にはまり込むような、モラールを上げて、何か、公務員だというとすべてレッテルが張られる。ここは僕は、私は行き過ぎだというふうに思っています。ちゃんと理解すればきちんとやれる。とすれば、そのことを中馬大臣の方で、そんなことも是非進めていただきたいというお願いに対して御答弁がいただければなと。
  31. 山口泰明

    ○副大臣(山口泰明君) 委員の御指摘、正にそのとおりだと思うんでございますが、官民競札の導入に当たりましては、公共サービスに従事する者がその仕事に誇りを持てること、これはもう官も民も御指摘のとおりで、極めて私、重要だと思っております。  この法案は、官民競争入札実施に当たり、官側も対象公共サービスの質の維持向上、そして経費の削減を図る、この観点から自ら業務の改善を行うことを織り込んで、入札に参加することを想定した制度になっております。このような業務の改善につきましては現行の法令の範囲内で行うことができるものであると考えておりますけれども、官民競争入札に当たっては、官も自ら業務の改善を行うことを盛り込んで、積極的に参加していただきたいと考えております。  本法案に基づく官民競争入札実施状況を踏まえつつ、必要があれば業務の改善を更に進めるための方策を検討することといたしたいと思います。
  32. 柳澤光美

    柳澤光美君 本当に前向きな御答弁、ありがとうございます。  そういう意味では、官民競争入札をするんだということを方針で出すんであれば、公平な土壌をどこまでつくっていくかと。そんな中では、いただいた資料をいろいろ読ませていただいたんですが、例えばインディアナポリスで公用車のメンテナンスを官民競争入札で官の方が取っているんですね、民よりも。これは、一つは官に業務改善の期間を三年間上げているんですよ、民に負けないようにやってみろと。これはそちらからいただいた、推進室からいただいた資料の中にあるんですが。私、このことも一つ大事なんだろうなというふうに思うんです。  ですから、官が行うから問題ではなくて、競争がなかったからなかなか進まなかったわけで、行革推進法ができて、市場化テスト法案になる。とすれば、そういう形の期間をちょっと設けてあげる。何でもやみくもにですね、僕は小泉改革、小泉さんの改革のその恫喝的なところがとっても私は嫌なんですが、去年、実は独立行政法人の雇用年金基金と健保のあの五年間で廃止しますという本会議質疑をやって、私、委員会質問で立ったんですが、本来、私、税金の無駄遣い大嫌いですから賛成の法案なんですが、全部五年間で売っ払うという法なんですね。もう病院から何から。この辺が私は本当に小泉改革最大の欠点だと。そんなことをするからとっても無駄遣いが逆に出てしまうと。まあそんなことを言うつもりはないんですが、今回のことももうちょっとその辺段取りを踏むということも是非大事にしていただきたいと思うんですが、大臣御答弁、いいですよ、どちらでも。
  33. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) 今副大臣も答弁しましたように、やはり官側の方にかなり競争対象としての意欲を持たす必要もこれはあると思います。ただ効率が悪いからもう官はやめてしまえと、民間に移すと、そうしますとこれはもう官の方々も本当に失業してしまうわけでございますから。そうじゃなくて、極力現在持てる力を、眠っている力を生かしてもらう、生かさせていただくことも今回のこの目的でございましょう。そうしますと、やはり官も努力をして民と同様に競争して、そしてインディアナポリスの例じゃございませんが、これが官がまた復活した形でそのサービスも含めた対象協議の中で入って、まあ競争入札をしたとしてもそちらに選ばれるという形、これ私は本当の、本来あるべき姿だと思っています。そういうことも含めて今回のことを進めさせていただく所存でございます。
  34. 柳澤光美

    柳澤光美君 ありがとうございます。  実は、ただ一言私は公務員の皆さんにも言いたいと思っているんですが、とすれば、やはり民間に負けない努力を、言われたからではなくて自分からやるということも是非大事にしていただきたいと。そうでなけりゃ、このまま入ったら全部官は負けますよね。全滅だと思います。そうじゃないという気概を是非見せてほしいということも、ここでだれかに質問しないで私の思いをちょっと訴えておきたいなと。  ただ一方で、じゃ民がすべていいかというと、民の欠点もたくさんあります。例えば、私は公共サービスをやるという民間がなったときに、税金だとか社会保険料を使ってやるわけですから、国民税金を、受託する民間企業というのは少なくとも労働関係法令はきちんと遵守している、あるいは社会保険の加入もきちんとされている、障害者雇用もきちんとしている、次世代育成支援の計画等もきちんとされているというモデル的な企業ということでなければ私はいけないだろうと。恐らくその基準の中に入ってきますが、この辺も是非きちんと担保していただきたいというふうに思っておりますが。
  35. 山口泰明

    ○副大臣(山口泰明君) お答えいたします。  官民競争入札入札の参加資格は、公共サービスの適切かつ確実な実施確保するために必要かつ最小限のものとしなければならないということが法案九条の三項に書かれておるのは委員も御承知のことと思います。  官民競争入札の参加資格は、個々公共サービスの具体的な内容に応じまして、公共サービスの所管省庁が案を作成し、もう何度も言われています監理委員会審議を経て、手続を経て実施要項として決定をされる、これは法案九条でございます。  官民競争入札におきまして、落札者となった民間事業者に対する、ここがポイントだと思うんですが、労働関係法令や社会保険の加入等の法令の遵守については、一義的にはそれぞれの関係法令に従って適切に処理されるべき問題であると考えております。  したがいまして、それらを入札参加資格権に含めることについては、公共サービス改革法案手続に従って慎重に検討が必要だと考えております。
  36. 柳澤光美

    柳澤光美君 ありがとうございます。  なぜ私がここまで強く言ったかというと、入ってくるところできちんとチェックを掛けてほしいというのは、実は去年、厚生労働委員会で私、介護保険法の改正で三回質問に立ちました。ほとんど働いている人の労働条件が議論になっていなかったんです。  介護の場合には、最初から民間、それから社会協議会とかいわゆる公益法人、もう全部入ってきてスタートをしました。ところが、実態を見ますと、民間の中のホームヘルパーさんの労働条件というのは劣悪なんですね。これは、厚生労働省の労働基準局からの通達も出していただいて、皆さんびっくりされるでしょうが、実は奥様方を中心に、これから何か仕事が、なるときにということでホームヘルパーという、いわゆるヘルパーの資格を取得された方が二百万を超えるんです。でも、実際働いている方は二十万弱なんです。一割弱も行っていないんです。ということは、本当に使い放題みたいになりますから、全部登録をしておいて、登録型で、電話一本で利用者宅に行かせてそのまま帰すと。交通費も出さない、労働時間の管理も何もない。だから、もう完全に法違反なんですね。  という実態が、これ、介護は公共サービスですからね。ということは、私、非常に懸念をしていまして、それを入口のところできちんとすると同時に、その後も、まあ内部の査察も全部やると言っていますけど、もう一回その辺もきちんとしていくということをお願いをしておきたいと。別に答弁は求めません。恐らく法案上もなっていますから、その辺のところもきちんとしていただきたいというふうに思っています。  それからもう一つ、官と民の違いは、官の場合にはプラスアルファが乗っかっているんです。昨年、私、雇用促進法で質問に立たせていただいて、日本の障害者雇用ですね、障害者雇用促進法で、非常に良くないんです。特にバブルがはじけて、まあ正規社員でさえ首切られているときですから、もう障害者の雇用はめちゃめちゃになっていると。一・八に何とかしよう、それをもっと上げようと。なぜかといえば、障害者自立支援法の担保が雇用促進法なんですね。障害者が働けるという環境をつくってなければ、自立支援法は生きてこないわけです。  その中でも、実は民間は一・八%なんですが、法定雇用率が、中央省庁とそれから地方も二・一%の高い目標を立てているんです。なぜかといったら、やはりそこがきちんと障害者を採用していかなきゃいけないんじゃないかと。ところが、これ官民競争入札になってくると、片方は一・八で、片方は二・一というような事例が出てくる。これももう時間がなくなったが、本当はそんなことも見直していかなければいけないということが出てきます。  あるいはもう一つは、民間の企業というのは今非常に派遣だとか請負という労働力を使っているんですね。その労働力を使って公共事業を受ける、これは許されるんですか。許されるかどうか、ちょっと聞かせてもらえませんか。
  37. 河幹夫

    政府参考人河幹夫君) 公共サービスを言わば落札された民間事業者が、どのような形で、その落札した要求水準、あるいはそこでお約束いただいたことをきちんとやるという前提の下に、そこの労働者の方たちがどのような形態であるかということまでは必ずしも申し上げてないわけでありますけれども、基本的にはそれが、今おっしゃったような事例も含めまして、そこで約束いただいたものがきちんと実行できるという体制になっているかどうかということが極めて大事であろうというふうに思います。  したがって、事業によりましては、今おっしゃいました例えば派遣労働者の問題、あるいはある部分の請負、再委託になるんでしょうか、の問題について、これは好ましくないんではないかというような議論も言わば実施要項の段階で行われるべきものだというふうに考えており、一律にそれは駄目だとか、一律にいいということではないかと思います。個別事業ごとに、事業の特性によって具体的に、先ほどのような監理委員会の場における議論も経て実施要項で定められるべきものというふうに考えております。  ただ、一つだけ言わせていただければ、これは今の先生の御指摘の点のもうちょっと大きな話になるかと思いますが、全部丸ごと再委託という、まあ言わば丸投げみたいなことはこの法律では不適切だということを衆議院の場でも申し上げさせていただいておりまして、それは基本方針あるいは実施要項の段階で一律にお断りしようというふうにあらかじめ考えております。
  38. 柳澤光美

    柳澤光美君 恐らく守秘義務の問題もかかわってきますから、いろんな、ただ私が言いたかったのは、民間というのは利益を出すために、一番大きなコストが人件費になりますから、そこに全部はまってくるということがあると。そうすると、本当に、派遣だろうが請負だろうが、もちろんパート化もそうなんですけど、非常に安いところへ持ってくる。だけど、公共サービスというのは人手じゃないと思っているんです。人材なんです。経験を積んで育成をしていかなきゃいけないんです。だから、ホームヘルパーが実は今困っているのは、何でそんだけいるかと。いや、勤めてもみんな一か月もたたないうちに辞めちゃうんですよ。一回辞めた人はもう二度と戻ってこないです、資格は持ってるけど。だから育たないんですよ。  僕は、公共サービスというところで働く皆さんというのは、やっぱり知識と技術がきちんと積み重なっていく部分が非常に多いだろうということがありますから、そういうことも踏まえてきちっとした管理をしていかないとならないと。ですから、官民競争入札というのは言葉で言うのは大変簡単なんですが、大変難しいことだというふうに私の方では思っています。そんなことは、ただ今回の法案も、すべての法案がやってみなきゃ分かんない、やってみなきゃ分かんないというふうになっているのが非常に残念なんですが、そういう骨格の部分だけはきちんと、基本の部分だけは押さえていかなければいけないだろう。  それ以上に、私は、バブルがはじけてから日本経営者の皆さんがどうしても利益追求型に走ってしまった、その典型がライブドアだったというふうに思うんですが、決して日本の企業は利益のためあるいは株主のため、株価を上げて時価総額のためにあるんでは私はないと思っているんです。基本的にはお客様のためにある。そして、従業員のためにもある。そして、お取引先との関係もきちんと大事にしていく。それから、地域のネットワークの中にも企業はある。そして、国のためにもある。ましてや、公共サービスをやる企業というのは、そういうステークホルダーをきちんと押さえてやれるような企業をきちんと入れていかないと、ただサービスのレベルがいいと、でもそれは一方で働く人がめちゃめちゃになっているというんではなくて、そのバランスをどう見ていくかというのを是非今後も大事にしていただきたいなというふうに思っております。  実はあと、良質な公共サービスの安定的な供給と確保という三項目めが残っていたんですが、時間になってしまいました。ただ、私が言いたかったのは、一番大きかったのは実は監理委員会の位置付けだったんです。で、事業仕分のところにきちんとここが入って、「構想日本」の加藤代表はこういうふうに言いました。それは膨大な作業になります、でも国は、戦後初めて、六十年ぶりに大掃除するんじゃないかと、そのくらいのことをしなくてどうするんだと。私はそのとおりだと。一回そこをきちんと洗わないと、今回の推進法、特に市場化テスト法案は生きてこないというふうに思っております。  二分ほど時間余りましたが、以上で質問を終わります。  ありがとうございました。
  39. 二之湯智

    二之湯智君 自由民主党の二之湯智でございます。  私は、基礎的自治体である京都市会議員の出身でございまして、今日その後になさいます北川イッセイ先生も大阪の府会、二人とも地方の視点といいますか、そういう形から今日の質問をさせていただきたいと思うわけでございます。  今回の法案の目的は、国、地方に大変な借金があるわけでございまして、そしてまた、二〇一〇年初頭にはプライマリーバランスを黒字にしなきゃいかぬという、国にとっては非常に喫緊な課題があるわけでございますから、国、地方も歳出削減をし、更に一層この構造改革を進めて、できるだけ民にあるいは地方に、こういうことで一生懸命進める、こういうことが目的であろうかと、このように思うわけでございます。  そこで、今回の行政改革、簡素で効率的な政府と、こういうことを目指して、政策金融だとかあるいは独立行政法人、特別会計あるいは総人件費、国家資産債務、あるいは公務員制度公共サービスなどを見直すと、こういうことになっておるんでございますけれども、せんだってもこの参議院での参考人質疑の中で、それぞれの参考人の方々は、これは、簡素で効率的な政府というのはあくまで手段であって、目的は別にあるんだと、こういうことで、私たちもそのように思うわけでございます。  なかなかこの姿が具体的に見えてまいりませんから、地方では、せんだってから委員質問の中で、いわゆる政府系金融機関廃止になって統合されると、今までそこを使っておった中小企業者とかあるいは零細企業、また国民生活金融公庫なんかは特に環衛の方々が非常に重宝しておったわけでございまして、そういうことで一体どうなるんだろうかと、こういうことでございますし、さらに、商工中金が完全に民営化されれば長期の非常に低利の有利な融資が受けられなくなるんじゃないかというような、そういう非常に地方では不安な気持ちがあるわけでございます。  そこで、まず今回、簡素で効率的な政府によって、どういう国をつくっていこうとされておるのか、将来のことをどう考えておられるのか、ひとつ国民に詳しく御説明をお願いしたいと思います。
  40. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) 先ほどからもお話がありました。日本のこの大きな一つの転機といいましょうか、六十年経過した中で大きく転換していこうというのが今回のこの行革推進法に象徴的に表れていると思います。  戦後の焼け野が原の中で、立ち直るためにはやはり、家計にも国家にも地域にもお金もなかった、それを集めて中央に集中的に、中央集権的に物事を進めてきた、そしてすべてのことをいろいろな法律で決めたり、あるいは規制を掛けた中でこれを効率良く進めてきたのが戦後の日本の姿でございました。  その効率さといいましょうか、それによりまして、日本は欧米を追い抜いてアメリカに次ぐ世界第二の経済大国にまで押し上がったわけでございますが、しかし、それも一つの大きな転機が来ました。バブルがはじけた形の中で、あるいはまた人口がこれから減少してまいります。そのように、かなり官に頼った形で物事を進めておったのがもう限界に来て、このまま続けますと、もう何といいましょうか、官を養うだけで税金が大変なものになっていく。しかも借金を大きくしています。これをどうかしなければならないというのが今回のこの大きな典型であると思います。  その一つとしまして、これは非常に財政が苦しくなったから人減らしをするわけでも何でもないんです。そうしたお役人のお仕事というのはもうそうした役割は終わりましたから、本当に企画とか立案とか、あるいは本当に必要なセーフティーネットだとか、あるいは守らなければいけない基準をはっきりと決める、そういったことに徹しまして、あとそれを実施する、公共サービスも含めて実施するのは民間の方でもNPOの方でももちろんみんないいわけですから、そしてそれをしっかりとした形で公共サービスですよという形の位置付けを、監督するのはもちろん役人でございますけれども、そういう役割に徹しますと、非常に簡素で効率的な政府に結果的になっていくわけです。  そのための手段をここに具体的に提示しているのが今回のこのいろいろな、市場化テストとか、あるいは公益法人のあのようにもう各々の主務官庁から外してしまうとか、こういったことにつながっているわけでございます。  ただ、そのときにひとつ皆様方、国民の方々にも御理解願いたいのは、今までともすると、政府に何か頼っておればまあ安心だ、そういう形を結果的にやっておりました。ですから、何か物事が起こると、学校が悪いんだ、教育委員会が悪いんだ、あるいは補助金をくれないから物事ができないんだ、交付税が少なくなったから自分の町はやっていけないんだ、そういった非常に責任を他に転嫁する形をともすると取りがちでございました。  しかし、これからはそうした自立した形で、自分も規制が外れて自分が自由にやれる代わりに、しかし責任もちゃんと持っていく、そのような社会にこれからなっていくわけでございまして、それを目指しているわけでございまして、そういうことをして新たな次の本当の意味での真の民主主義、真の自由主義を謳歌しながら日本が次の第二の発展期に入っていく、それを私たちは願いたいと、このように思っている次第でございます。
  41. 二之湯智

    二之湯智君 どうもありがとうございます。  次に、公務員の削減問題、これに入りたいと思います。  国も地方も厳しい財政状況の中で、特に地方公務員の人件費比率が非常に高いわけでございまして、当然、地方の歳出を削減するというのは人件費を切り込んでくると、これはよく分かるわけでございます。  公務員の削減では、中央省庁においては五年間で五%、地方自治体においては四・六%、こういうことを目標にしておりまして、既に総務省の方では平成十七年の四月一日から二十二年四月一日までの集中改革プランによって、都道府県は四・六%、政令市は九・三%、合計で五・三%削減するという目標を取りまとめられておるわけでございます。  しかし、先ほどからの質問もありますように、またずっと今日までの委員会質問もありますように、いわゆる事業仕分というんですが、いわゆる本来ならば一つ一つ事業について官がやるべきか民がやるべきか、あるいは官にしても国がすべきかあるいは市町村がすべきかと、こういう国、地方仕事をはっきりさせてから国の公務員の削減、地方の公務員の削減という数値を、目標を立てた方がいいんではないかと、このような考えを持つわけでございます。  特に、都道府県とかあるいは政令市とか大きな規模の町ですとそれだけの目標が達成できるんですが、もうほとんどもうタオルを絞り切ってこれ以上絞る余地がないという小さな自治体にとっては、こういう四・六%という削減目標もなかなか大変であろうと、このように思うわけでございますけれども、政府が目標とされます地方自治体の四・六%の削減ということで、本当に十分な住民に対する行政サービスが提供することができるのかどうかということを私は大変懸念をしておるわけでございますけれども、この点について考えをお聞かせいただきたいと思います。
  42. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど二之湯委員がおっしゃいましたように簡素で効率的な政府、これは重要ですけど、やっぱりそれは手段である、もう仰せのとおりだと思います。そうすることによって国民の負担をできるだけ少なくしながら、しかし必要な行政サービスをしっかりと効率よく行っていくということがやはり我々に課された責務であると思います。公務員総数に対して、公務員に対して非常に厳しい国民の目がある中で、これはしっかりと削減していかなければいけないという方向性はやはり重要であろうと思います。  そうした観点から、過去五年間で四・六%の純減実績がある、それを上回るようにしてくれということを要請しておりましたが、現時点で集中改革プランを作っていただいていまして、そして定員管理の数値目標を作ってくれというふうにお願いをしておりますけれども、それを提出した自治体について見ますと、五年間で純減率六・二%を達成したいという姿になっております。これ、東京、大阪など大きいところがまだ未公表でありますのでこの数字は変わりますけれども、それにしても大変真摯な取組をいただいているというふうに思っております。  一方で、このような取組は、必要な行政サービスの低下を招かないように当然配慮していかなければいけません。事務事業全般にわたる総点検、組織の見直し等を進めながら、それぞれこれを進めていただく必要があると考えております。そのような形で、私たちも必要な助言等、必要な場合は是非行っていきたいと考えております。
  43. 二之湯智

    二之湯智君 地方へ行けば、もう本当にこのごろ県庁所在地以外は元気がございませんですね。ナンバーツーの町というのはほとんどもう活気がないというか、死んだような町というような感じがするんですね。特に、地方へ行くと、一番大きな企業、団体というのは市役所か役場なんですね。私の出身の京都市でも、京都府でも、一番大きな企業は京都市役所なんです。次に京都府庁、次に京都大学。つまり、公務員が地方経済を支えているという、ある意味では一面、そういう側面があるわけですね。  明治三十二年に京都が東京に遷都されまして、非常に寂れたということがよく言われております。まあ火の消えたような町になったという。そこに京都大学が誘致されまして、随分多くの、当時帝国大学ですから勅任官ですね、相当給料の高い学校の先生方とか事務員とか家族が京都に来て京都経済に大いに貢献したということが、私、何か司馬遼太郎さんの本を読んでそれをちょっと覚えておるんですが。それぐらい地方公共団体の役場の職員さん、それで役場の職員がそこそこの給料を取っていますから使うということが地方の消費を非常に下支えしていると、こういうことを私は思うわけでございますけども、もう最近のように、公務員を減らせ、そして公務員の給料もカットしろと、こうなりますと、なかなか地方はそれに代わる企業もございませんから大変な状態でございます。  私、勝ち組、負け組という言葉は余り好きではないんですが、地方の格差というのはやっぱり実感として私たちも地方に出張してよく分かるんですね。せんだっても、私ども地元で京都府の知事選挙ございまして、私も谷垣大臣の地元の丹後なんかへ行きますと、本当にもう三十年前と変わらないという、そんな雰囲気の町なんですね。いや、これは大臣の責任じゃありませんよ。  綾部市というところへ行きました。綾部市というのはかつてグンゼ産業が大変盛んでございまして、最盛期には女工さんが七千人からいらっしゃったというような町ですけれども、日本の産業構造の変化でグンゼもほとんどもう従業員いらっしゃいません。  そこで最もそのメーンストリートであります西町商店街というところを、私、二時半ごろいたんですが、その商店街は区画整理事業で国も府もお金を入れて、そしてまた商店も高度化資金借りて非常にきれいな商店街ですけれども、だれも歩いてないんですよ。いや、これはもうどうなったんだろうというような感じがするわけでございますですね。  だから、なかなかこの地方の活性化を図るというのは簡単にいかないんじゃないかと。昨日も大規模小売店舗、大店法が、地方に、郊外に出ることを規制するような法律も通りましたけれども、それぐらいのことではとてもとても中心市街地の活性化とか商店街の活性化はできないんじゃないかと私は思うんですが。  ところで、谷垣大臣は、いろいろなところで、きずなというキーワードによって、家庭のきずな、地域のきずなを大切にして、そして地方おこしをするんだ、地域社会を復活して日本の社会に活力を付けるんだというようなことをいろいろなところでおっしゃっておりますけれども、私はひとつここで、谷垣大臣がきずなによる地域社会の活性化ということをよくおっしゃっておりますけれども、どういう手だてで地方を活性化していくんだというようなことをひとつお聞かせをいただきたいと思うんです。
  44. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 今、二之湯委員から、私、また二之湯先生にとっても地元でございますけれども、綾部市の中心市街地、西町商店街ですね、例を取られてお話しになりまして、誠に身につまされる思いで聞いていたんです。  確かに、今、二之湯委員がおっしゃいますように、あの西町商店街というのは、綾部市、これ今、人口四万ぐらいですかね、の中心市街地で、かつてはもう非常に寂れていたのを、いろいろな施策をうまく使って商店街は誠にきれいになりました。きれいになりましたけれども、やはり町全体のエネルギーをもう少し出しませんと、商店街はきれいになったけれども、なかなか、じゃそれが活性化につながってくるかというと、必ずしもそうは言えないと。  そこで、先ほど来のお話のように、今まで推し進めてまいりました簡素で効率的な政府、そして改革なくして成長なしということでやってまいりましたけれども、実は私、この間、タウンミーティングに出ましたら、ある若い方が非常にこれだと思うことをおっしゃいました。それは、経済財政諮問会議の吉川先生が、今の日本の財政は日本丸の底に穴が空いたようなものであるから、その穴を何とかふさがなければ日本丸は沈没してしまうという話を一生懸命やっておられたんですね。そしたら若い方が手を挙げられまして、なるほど日本丸沈んじゃいけないと、危ない状況にあるのはよく分かったと、それで穴をふさいでほしいと。だけど、もっと知りたいのは、この日本丸はどっちへ向かっているんですかという質問だったんですね。  私、それこそ今我々がやっております改革のポイントをついた言葉で、先ほども改革は目的でないという議論がございましたけれども、私は正にそこをはっきりさせなければ元気が出てこない、そういうふうに思うわけでございます。  大きく言いますと、そうやって簡素で効率的な政府をつくることによって出てきた余力を民間の活力につながなければならないということだと思いますが、今まで官が果たしてきた役割というのは確かにございます。京都において役所、公務員が経済振興に果たしてきた役割というのは確かに私はあったと思います。綾部においても多分そういうところがあったと思います。  それを、私、きずなということを言っておりますのは、要するにそうやって官から民へ行った、じゃ民だと、公共には関係ないと、おれの利益を求めて邁進するんだというようなことではとても地域発展もあるいは家庭のきずなもあり得ないと。要するに、家庭だって自分一人のことを考えていたら家庭は維持できないんで、配偶者のことも考えなければいけないし、子供のことも考えて仕事をしなきゃいけないだろうと。それぞれのお仕事だってそうだと思うんです。やっぱり綾部で御商売をなさっている方だって、自分だけがもうかりゃいいわけじゃなくて、少しでもいい仕事をして、いい商品を仕入れて、それを消費者に提供すればお客さんも喜んでくださると、そういうきずなの気持ちが根本になければ弱肉強食になってしまうと。  私は、そういうことで、やっぱり民間におられる方々、役人とか我々政治家だけじゃなくて、民間仕事をしておられる方々も、そういう意味自分たちの地域社会を担うんだ、公を担うんだという気持ちがなければなかなかうまくいかないと、こういうことを申し上げているわけです。  じゃ、先ほどの綾部に戻って、何をやるかというと、実は簡単ではございません。まちづくり三法だけでなかなか解決できるとも思いません。先ほどからお話しのように、あの町は、あそこは昔からの養蚕地帯の中心でございました。それから、丹後はその養蚕を本にして和装を、ちりめんを織って大いに栄えていた。そのちりめんが、和装が衰退してしまったから、あそこはもう本当に、三十年一日のごとくとおっしゃったけど、そういうふうになっているわけですね。ですから、産業構造の変化にも十分まだ、それに代わるものは何かというのも必ずしもできていないところがあると。  綾部の市長さん、なかなか工夫をされる方でして、一生懸命、今あそこには委員もおっしゃったグンゼとか幾つか優秀な企業もございます。それから工業団地もございます。そういうものを何か連携させるような技術、科学技術を発展させるような仕組みができないかといろいろ今知恵を絞っておられる。  私は、要するに、それぞれの地域地域で自分たちの町、地域の良いところは何なんだろうかと、それを少しでもみんなで発展させていくにはどうしたらいいのかと。そういう知恵を出さないと、今までのやはり均衡ある発展というわけにはなかなかいけない。それをやって、支えてきた財政力も今は必ずしもないわけですから、そうやってそれぞれの地域が自分たちの良いところは何なんだろうか、それを更に発展させるためには何をしたらいいのか、こういうぎりぎり知恵を絞るということがなければ、なかなか地方の明日は開いていけないと、こんな気持ちでおります。  私自身の知恵も限られておりますけれども、また二之湯委員と御一緒になってそういうところを打開していきたいと、こんなふうに思っております。
  45. 二之湯智

    二之湯智君 大臣に京都府知事に対するような質問をいたしまして、誠に申し訳ございません。綾部市を例に取って地方の格差是正の問題を質問した、そういう趣旨だけはよく分かっていただきたいと思うわけでございます。  私も、地方議会に十七年間在職しておりまして、公務員の給与の高さというものについては実感いたしております。特に、政令市におりましたから、この政令市の職員のラスパイレス指数が非常に高いということは常々批判の対象になっておったわけでございます。  一つ例を言いますと、平成の十一年から十三年まで、私、京都市会議長をしておりましたけれども、私の公用車の運転手さんは京都の市会議長よりも手取り額は多いと、こういうこともございますし、極端な例は、私の知り合いの不動産の事務員さんが私の方へ来られまして、京都市は源泉徴収票を改ざんするんですかと、こういうことですね。それはどういうことですかと言いますと、私たちが新築のマンションに入ってもらう方の仲介しておるんですが、今度京都市の市バスの運転手さんに入ってもらったんですけれども、徴収票を下さいと言いましたら、多分千三百万か四百万の徴収票を持ってこられた、源泉徴収票。これはおかしいんじゃないかと。これは、ちょっと京都市が書き間違っているというか、改ざんしているんじゃないかと、こういうことですね。  いや、私はもうその当時からそういう実態を知っておりましたから、いや、これは事実ですよと、これは事実なんですと。もう運転手さんで定年間際になったら大体千三百万から四百万の年収というのは、これはもうほとんどといいますか、相当の方がもうそういう年収になっておりますよと。へえと言う、こういう驚きがございまして、その後いろいろな新聞等で政令市の市バスの運転手さんが年収一千万以上だと、こういうことになりました。そしてこれ、最後のとどめは中馬大臣の地元の大阪市の職員厚遇問題が出てまいりまして、もう今や地方公務員は本当に攻撃の対象になっておるわけでございます。  しかし、この公務員も元々給料が高いわけではなかったわけでございます。私のおふくろ、私の父親は戦前は京都府の職員、そして戦後はずっと教職していまして、母親はいつも公務員だけにはなるなと。もう公務員は給料は安いし、生活が大変だから、あんた公務員にだけはならんといてなと、こういうことでございました。  それで、もう一つ面白い話がある。私、いとこおりまして、二人兄弟でした。そして、そのおばが言うには、うちの子供二人は、弟ができ悪いから学校の先生になりやと言うたんです。お兄ちゃんは頭がええから民間会社へ行けと。ところが、その後二十年ぐらい経過しますと非常に公務員の給与が良くなって、親戚が集まって家で給料の話は一切タブーやと、もうお兄ちゃんが非常に肩身が狭い思いするから給料の話はしんときと、こうなったんですね。学校の校長先生の給料と、それはまあ校長になりましたから、民間の中小企業ですね、規模としては中小企業の部長クラスのもう一・五倍ぐらいの差があるということです。だから、非常に公務員の給与が高くなった。  しかし、これも、何も公務員が闘争して高い給料を獲得したわけじゃございませんですね。国では人事院勧告により、地方では人事委員会が毎年毎年給与改定をそれぞれの知事、市長に勧告して、そしてそれを全面的に尊重しますと言うた結果が今日の地方公務員の給料に、高さになったわけでございます。  ここへ来てようやく、もうこれでは大変だということで、国の方も地方の公務員の削減ということに取り組んでまいったわけでございますが、この際、やはりもう地方の経済の実態に合わせた給与体系というものを当然公務員に私は求められるんじゃないかと、抜本的な見直しをこの際考えるべきだと思いますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
  46. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 今、京都、そして大阪も含めて、大変重要な事例を挙げていただいてありがとうございます。実は、私事ですが、私の母も和歌山県庁に勤めていたことがございまして、昔からいろんな話を聞かされておりました。  委員指摘のように、本当に今、給与構造の抜本的な見直しをいろんな国民の声を受けて進めることが本当に重要だと思っております。  三月二十七日に地方公務員の給与のあり方に関する研究会というものの報告が取りまとめられております。そこで述べられております重要なことが幾つかあるんですが、従来、この給与は国家公務員に準ずるというふうになっていたわけですけれども、この考え方を改めまして、地域の民間給与を重視をする方向で刷新すると、これは非常に大きな重要な方向転換であると思っております。また、民間給与の調査対象となる企業を拡大する、より規模の小さいところまで拡大して、人事委員会の機能を強化すると、そういう大変重要な提言をいただいているところでございます。これを踏まえまして、地域の民間給与により的確な反映に向けて、順次必要な助言等々、制度の整備に取り組んでまいりたいというふうに総務大臣としては思っております。  さらに、特殊勤務手当の問題等々もございます。こうした問題、諸手当の適正化につきまして、昨年三月に地方公共団体に通知をいたしましたいわゆる新地方行革指針におきまして、これは総合的な見直しを行いまして、その各団体の集中改革プランに位置付けて取り組むよう要請をしているところでございます。今、その取りまとめをしておりまして、それに基づきまして、しっかりとしたフォローアップを行いながら適正化を強力に推進してまいりたいというふうに思っております。
  47. 二之湯智

    二之湯智君 そういう地方公務員の給与については、能力給とか成果主義を導入していこうと、こういうことは論議されておるようでございます。働いても働かなくても一日過ぎれば同じような給料をもらえるという、そういうことでは私はよくないと、このように思うわけでございます。  ところが、なかなか人間の評価というのは難しいんですね。企画立案なんかさしたらさっぱりだけれども、いったん表へ出て用地交渉なんかしたらすごくうまいこと土地をまとめてくるとか、特に京阪神でしたら難しい運動団体との交渉は立ち所に解決してくるとか、そういう能力のある人も随分いるわけですね。  だから、人間の能力というのは非常に多種多様といいますか、これをもってあいつは優秀だとか優秀でないということは、なかなかはっきりと評価しにくいわけでございまして、そういうことで、この公務員の働きぶりあるいは仕事の成果を評価するという制度は、これはなかなか難しいと、このように思うんですが、評価制度の具体的な案があればそれも教えていただきたいなと、このように思います。
  48. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 委員指摘のとおり、成果主義、業績主義を取り入れていくということは、これはもう本当に重要なことだと思います。不可欠であると思います。しかし、それをどのように測るか。しかも、これは民間企業利益を上げることを目的とした民間企業ではなくて、公務という非常に多面的な評価が求められているものだと思います。そこにおける公正で客観的な評価というのはどのように行ったらよいのか。それによってまた働いている方々から評価システムに対する信頼性を得なければ、これはうまくワークいたしません。そういうシステムをつくっていくことが今大変重要であると思っております。  地道な積み重ねしかないわけでございますけれども、国もそういう観点から今いろんな試行、試しの、試みの実験的な取組を行っております。一部の団体においては先進的な取組を行っているところもございますので、こうした先進事例の情報提供を行うとかアドバイザーを派遣するなど、そうした評価制度がうまく円滑に導入できるように我々としては支援をしていく必要があると、そのように思っております。
  49. 二之湯智

    二之湯智君 幾つかの質問を用意してきたんですが、全部しておりますといけませんので、ちょっとはしょって、ちょっと一つだけ言いたいことをひとつ。  これ、先ほどからの市場化テスト、いわゆる公共サービスを民に開放するというようなこの一連の流れの中なんですが、平成十五年九月から地方においても、公施設の管理を外郭団体とかあるいは第三セクターから民間の方にもそういう管理ができると、このように法が変わったわけでございまして、各都道府県あるいは全国の市町村でそういう制度を取り入れているところは非常に多いんですね。  ところが、これがなかなか、一見うまくいっておるようで実際は地方自治体の経費削減にそれほど貢献してないと。名前は、指定管理者制度導入されて、いかにも地方の削減がなりましたと、このように言われておりますけれども、実際はそれほどではないと。  と申しますのは、せんだってから公益法人改革の中で、公益法人のいわゆる事業の発注の仕方と同じで、どうも地方も、指定管理者制度導入したけれども、この仕事は非常に公共性の高い仕事でございますから従来どおりのそういう管理者に任さないとこれは駄目ですと言うて、余りおいしい仕事は指定管理者制度にならないんですね。ならないんです。  それともう一つは、もしなったとしても、そこで働いている職員、例えば大都市でいえば駐車場公社というのは大きいですね。恐らく大阪市でも駐車場公社だけでも何千人というプロパー職員を抱えていると思うんですよ。もしそれが、民間の業者が大阪の市営の駐車場を全部管理してしまったと。この場合、あぶれたその駐車場公社の職員はどうなるんだと、こういう問題も出てまいりますし、同じ指定管理者でも、第三セクターの管理指定制度以前からずっとやってきて、そういう指定制度ができてからまた同じ大阪の例えば駐車場公社が取ると。  赤字が出た場合、今までだったら、こういう制度がある前は市が補てんしていた、赤字を。ところが、この制度ができた以降は自分たち自身で赤字の補てんを考えなさいと。こういう非常にまた難しい厄介な問題が最近出てきているようでございます。こういうことを大臣、御存じでございますか。  あるいはまた、指定管理者制度をもう少し、何か言い訳、言い訳、地方公共団体は何か、これは公の責任が多うございますので、これは外へ出せません、そんなことを言いましたらなかなかこの制度がうまく機能しないんじゃないかと、このようなことを思うわけでございます。
  50. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 非常にちょっと幅広い今御指摘と御質問だったと思います。  いわゆる指定管理者制度についてまず最初の御指摘は、対象事業とかを含めて余り進んでいないのではないかという御指摘であったと思います。これに関しましては、やはり公正で透明な手続等をしっかりとやっていただくということかと思います。そして、かつ、進んでいるかどうかの判断として、それがきちっとしかるべき民間企業に開放されているかということだと思います。  これ、十六年の六月時点で千五百五十施設、指定管理者を指定したものについて中身をちょっと見てみますと、公共的な団体が三四・六%、そして株式会社、有限会社が一一%、NPO法人が三%、これ、まあもう少しこの制度をしっかりと運用した後で評価することも必要だと思いますが、そうした中で、民間企業等々が幅広く、NPO等々もしっかり入ってくるような、そういう運用を是非していかなければいけないと思っております。  二点目おっしゃった点で赤字の問題があったと思います。これもなかなか難しい問題ですけれども、公の施設の管理に関して、その責任に応じて必要な費用負担をする必要があるわけでございますけれども、その管理費用の負担につきましては、インセンティブが働くようにということ、その視点を踏まえて協定によって適切に定めていかなければいけないというふうに思います。また、事前の事業計画書に沿った管理を安定して行う能力を有しているかどうかという、そういうチェックですね、そこをやはりしっかりと行って努力を求めていくということではないかと思います。  最後に、雇用の問題をおっしゃいました。雇用の問題につきましては、使用者でありますこの当該財団法人等の責任においてやはり基本的には対応すべきものでございますけれども、当該法人が地方公共団体によって設立されている場合には、設立者としての地方公共団体は円滑な運営にやはり配慮すべきものであるというふうに考えております。新しい事業に別に参入するとか、それとか、職員、一部あっせんするとか、そういうやはりきめ細かな配慮は当然必要になってくるというふうに思います。
  51. 二之湯智

    二之湯智君 改革に向けていろんな制度を国も考えておられるようでございますけれども、これが実質改革に向けて機能するようにやはり国の方も地方自治体もしっかりと私はしなければ、仏作って魂入れずと、こういうことになるんじゃないかと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
  52. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 今、京都の二之湯委員地方の目線で質問されました。引き続きまして、今度は私、大阪でございます。やはり同じように地方の目線で質問をさせていただきたいというふうに思います。  その前に、今回のこの行政改革推進法案でございますが、この法案、小泉内閣が構造改革ということで日本改革をしようということで、先般は郵政の民営化、あるいはまた道路公団の民営化というようなことでこの改革を進めてこられたわけでありまして、ただ、日本の構造改革を、日本を変えていくという意味ではまだ緒に就いたところじゃないかなというような思いがするわけです。  しかし、小泉総理がこの九月の任期で退任するとかいうような話がございます。そうなった場合に、この今まで進めてきた改革路線がまた元に戻ってしまうというようなことになったら非常に残念だと。何としてもこの日本改革していく、せっかく小泉内閣で進めてきたこういう改革路線を続けなければいけない、そういうような思いで、私自身も、この行政改革推進法案というのはそういう路線を一つの既定の路線にしていくんだという思いで出されたんじゃないかなというような思いがしておるわけでございまして、私自身もそういう思いで、これしっかりと通していかないかぬなというような思いがいたしております。  そこらの点について安倍官房長官の認識をひとつ聞かせていただきたいなというふうに思いますんで、よろしくお願いします。
  53. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 五年前に小泉政権が誕生いたしまして、改革なくして成長なしというスローガンを掲げたわけでございます。  当時は銀行の不良債権も積み上がっておりました。景気の状況も厳しい状況があったわけでございまして、そして累積債務もこれはまた山ほど積み上がっている。そういう中におきまして思い切った構造改革に取り組んだ結果、銀行の不良債権問題は正常化し、解決をいたしました。そして、景気も自律的な回復をしたわけでございまして、また、その中で、例えば歳出の改革も思い切ってやってまいりました。公共事業にしても四割削減をしてきた。これは、例えば景気がなかなか厳しい中では考えられなかったことをあえて思い切って実行し、そして成果が出てきているということではないか。この方向は決して間違っていない方向ということは我々も確信をしているところでございます。  日本はその中で人口減少社会に突入したわけでございまして、さらに少子高齢化は加速をしていく中において、いかに国民の負担を増大させないか、五年後、十年後、二十年後に、日本が力強い、そして世界から尊敬される国として存在することができるかどうか。そのためには、行政改革をしっかりとやり遂げていく、簡素で効率的な政府をつくっていくというのは私たちの喫緊の課題でございます。  その中で、資金の流れ、仕事の流れ、人と組織の改革を総合的に取り上げ、政策金融改革、特別会計の改革、資産・債務改革、総人件費改革などの基本的な方針を定めた本法案を国会に提出をしたところであります。  本法案に取り込んだ改革事項の実現にはある程度の期間が必要となることから、まずはその全体像や各重点分野の基本的な改革の方針、推進方策等を行政改革推進法案という形でお示しをして、国民の代表たる国会の意思を問うものでございます。正にこの法案提出をしたということは、国内外に私たちはしっかりと改革を進めていくという強い意思をお示しをしたものだと、このように思うわけでございます。  そういう意味で、しっかりと今後も改革を続けていく、この意思をしっかりと示し、また実行していくことを担保するためにも、この法案は是非とも御審議の上、成立をさしていただきたいと、このように思う次第でございます。
  54. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 安倍官房長官の熱意あふれる決意を聞かしていただきまして、本当にありがとうございます。  この行政改革推進法案の中で、先ほど来も問題になっております国家公務員の削減計画、五年で五%の純減と、こういうことになっております。私は、この中身のことなかなか分かりにくいんですけれども、しかし私が今まで大阪府議会で仕事をさしていただき、またいろんな勉強をさしていただく中で、私自身感覚として、五年で五%、ちょっとぬるいん違うかというような思いがしてならないんですが、中馬大臣はどういうようにお考えでしょうか。
  55. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) もうこうしたかなり民間にもそれぞれの力が出てきましたし、官に頼らずに自分たちでやらしていただいた方がはるかに効率がいい、そうした問題、あるいは国際的な競争力の問題、そしてまた人口減少が始まっております。そうすることから、従来どおりの国家公務員あるいはまた地方公務員の数では、これはもう到底日本の財政はもたないということになってきて、今回のこの公務員改革になっておるわけでございますが。  ともかく、このことにつきましては民間においてもかなり激しいリストラをやっております。これはもちろん、今おっしゃったように五年で五%どころか、このバブルはじけてからもう三割減らしたとか二割減らしたといったところも出てきております。  そういうことからいいますと、これは今言いました、生ぬるいということの話もあるのかもしれませんが、そうした状況の中で、これは実現可能なということも含めまして、経済財政諮問会議におきまして議論を踏まえまして、当面、実現可能な範囲の国家公務員の削減、純減目標ですね、これを掲げたところでございます。  これはそういうことで取りあえずの五年間でございますが、その後にまたこれは加速するかもしれません。ともかく五年間で五%で終わりということじゃございませんので、その後の改革につなげる意味におきまして、このまずは実現可能な五年の五%という純減を目標とさしていただいております。
  56. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 非常に私、生ぬるいんじゃないかということを申し上げましたけれども、一例として、これが一概にそのまま数字に当てはまっていくということじゃないと思いますが、一般職員ですね、国家公務員の。もちろん郵政は除きます。除いて、この五十五歳以上、五年間で六十を迎える、定年を迎える職員の数というのが四万四千六百人おるんです、四万四千六百人。この一般行政の職で、行政機関で三十三万二千人ですから、これの五%、五年間でいうと一万七千人ですよね。だから、定年で迎える人が四万四千六百人で一万七千人の削減、しかもこれから民営化どんどんどんどん進めていこうと言うておる中で、ちょっとこれは生ぬるいんじゃないかなと。これは、自衛官の問題とか、いろいろそのほかの絡みがあります。ですけれども、自衛官は自衛官で特別の定年みたいなものがありますから、これはこれで問題なくクリアできるんじゃないかなというふうに思っておるわけですけれども。  そういうことで、私、ここでは問題提起だけしておきたいと思います。五%以上の純減と、こういうことですから、しっかりと意識を持ってやっていただかなければいけないんじゃないかなと思います。  この五%の数字が出てきたその背景というか、そういうようなものを考えますと、これはやっぱり国の組織、これが各省庁ばらばらなんですよね。それぞれで人事計画を立てているわけですよ。ですから、それを集約していくというような形で、皆それぞれ自分省庁を防衛しますから、これがなかなかうまくいかないという面があるんじゃないかなというように思います。それで一番その最低限の数字ということになったんじゃないかなと思うんです。  私は、安倍官房長官にちょっとお願いする、するというか、お聞かせいただきたいんですけれども、変なこと言いよるというように思われるかもしれませんが、国の組織というのはなぜ各省庁別々に採用をやっておるんですか。これ、一括で採用して各省庁に配属をする。第一、五%削減といいますけれども、これは一体どこで集約をしていくのか。各省庁にお願いをしてやってもらうということでは、これ話にならぬと思うんですね。  ですから、本当に根本的に考えて、これはもう官庁できて百年以上の歴史があるわけですから一遍に変わらないと思いますけれども、しかし、一括採用とか、ある程度一括人事管理ができるとか、そういうようなシステムもこれから考えていかなければいけないんじゃないかというような思いがします。    〔委員長退席、理事佐藤昭郎君着席〕  それと、人事交流、最近、各省庁の人事交流言われていますけれども、これが一体どんなシステムで人事交流やっているのか皆目分からぬのですね。それぞれの人事担当者がこういう人おりませんかいうて各省庁に問い合わせをするとか、そんな話を聞くわけですけれども、そんなことでは本当の人事交流できないんです。  ですから、そこらのことのシステムを変えていくという、こういうこともこの行政改革の中で今後しっかり考えていかないかぬ問題だというように私は思うんですが、安倍官房長官、いかがですか。
  57. 安倍晋三

    国務大臣(安倍晋三君) 公務員の採用についてでございますが、この採用の仕方を一括して省庁の壁をなくした方がいいではないか、そういう御意見もあります。これはそれぞれメリット、デメリットがあるんだろうと。有為な人材を集めていくという観点、あるいは人事管理をしていくという観点、両方から見て、これはやはりいろいろな検討をしなければならないんだろうと、このように思います。  役所に入りたいという人は、こういう仕事をしたいといって特定の役所に行くわけでありまして、どこに行くのか分からないということで果たしてそれぞれの役所が有為な人材を集めることができるかどうかという、まあデメリットだけを申し上げますとそういう点もありますし、膨大な数の人たちを、一体そういう人事管理が一つのこのセンターでできるかどうかというものもあります。  他方、そういういろいろな、この時代の変化とともにいろいろな可能性を常に探っていくというのは、これは大切なことではないかと、このように思うわけでありまして、公務部門への有為な人材確保のために中途採用の拡大などの採用方法の多様化に取り組むとともに、各省庁間の緊密な連携の強化と広い視野に立った人材の養成の観点から省庁間の人事交流を推進をしているところでありまして、これはかなり進んでいるのではないかと、このように思います。川口先生がこれは外務大臣のときに経産省から局長さんが来た、かつてはちょっと考えられないこともしっかりと実行しているわけであります。  常に何がこれは必要かという観点から、硬直的な考えはせずに、先生の御指摘も常に念頭に置きながらこれは改革の方向を探っていかなければならないと、このように思っております。  ただ、公務員全体のこの削減、純減が生ぬるいのではないかという御指摘もございましたが、他方、治安の確保の要員はもっとちゃんとやらなければならないという厳しい国民からの要求もございまして、やはりこの治安確保のための人員は増やしていくと、そういう中で何とか純減はしなければならないというところも是非とも御理解をいただきたいと、このように思います。
  58. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 今官房長官からお話ございました。メリット、デメリットはある、なるほどそのとおりだと思います。しかし、今後のそういういろんな国家公務員あるいは地方公務員のこの人事の管理の在り方、採用の在り方、人事交流その他そういうようなことを考える、そういうようなプロジェクトをしっかりとつくっていただくというようなこともひとつ要望しておきたいと、こういうように思います。  それから、地方公務員の削減計画ですが、四・六%の削減目標と、こういうようなことになっております。しかし、いかがでしょうか、これは地方自治の本旨からいって国から四・六という目標を差し上げることがいいのかどうか。はっきり申し上げて大阪府、私がおりました大阪府は過去五年間で九・七%の削減をやっています。本当に、いろいろな差はありますけれども、やっているところはもっとやっているんです。一生懸命やっているんです。ですから、四・六なんて目標を渡したら、ああそうか、それでいいのかと、必ず、国は四・六、しかし私のところはこれだけやっていますよというような、それで満足してしまうというようなことがあるんですよ。ですから、地方自治の本旨からいってこれはいいんだろうかという疑問を持っているんですが、竹中大臣、いかがでしょうか。
  59. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 北川委員にお答えを申し上げます。  私も漏れ承っておりますけれども、北川委員が大阪で、大阪府の職員、一般行政職で二割ぐらいですかね、を大変大幅に削減されるそのイニシアチブを取られたと。大変な御努力であったというふうに思います。  二点是非申し上げなければいけないと思うんですが、これはもうまず第一に、これは言うまでもなく地方自治の話でありますから、自治体で責任を持って決めていただく、国がどうこう申し上げることでは本来ない、これはもう第一のポイントであろうかと思います。  我々としましては、過去五年間で地方自治体全体で四・六%の純減を行っております。これは国をはるかに上回っております。そういう点を踏まえて、それを更に加速してほしいと、それを加速してほしいということを要請しているという点でございます。目標はそれぞれにしっかりとお決めをいただきたい。御承知のように、今、集中改革プランの中でおまとめいただいた段階では、更にそれを超えて六・二%を五年間で純減達成したいということを地方自治体としては計画としてお示しをいただいております。東京と大阪が入っておりませんので、これまあ少し数字は動くかもしれません。その意味では、決して画一的なことを求めるものでもございませんし、これだけやればよいということでもない。そこはしっかりと自治体において正に自主性を発揮していただきたい。そして、画一的な取組ではなく、正に地方の実情に応じた前向きのしっかりしたお取り組みをいただきたいというふうに考えております。
  60. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 それともう一つ地方分権ということが随分やかましく言われています。先般も地方制度調査会で道州制についての答申が出ました。道州制をやることが適当であると、こういうふうな答申をいただいたわけです。この答申あるなし関係なしに、地方分権ということがどんどんしっかり進んでいるということは間違いないと思うんですね。ということは、仕事がどんどん地方に行くわけです、地方にね。  そうした場合に、その仕事をしておった国家公務員は一体どうなるのかということになってくるわけです。今はぼちぼちやっていますから、それは別に配属するとかいろいろやりくりしてはると思うんですけれども、しかし道州制なんてドラスチックなことをばさっとやった場合に、これは、国と地方との壁が、仕事だけではなしに、人の分でも、職員、公務員の部分でもなくなってくると思うんですね。ここらのところを検討する余地はないのかなと。  国家公務員と地方公務員の在り方、非常に難しい問題ですけれども、これも今のような形できっちり分けておく必要があるのかどうかというような疑問もあるわけですが、ここらのところ、将来の展望ということになりますけれども、竹中大臣、いかがですか。
  61. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 一部、中馬大臣にお答えいただかなければいけない点もあろうかと思いますが、総務大臣としては、これは当然のことながら、国と地方の役割、そして仕事の分担をしっかりと見直す中で、当然のことながら、それぞれ、例えば国から地方仕事が移っていく、それに合わせて国の方の定員管理をしっかりと行っていくということは、これはもう当然しっかりとやりたいというふうに思います。  また、国のいわゆる国家公務員の三分の二は実は地方にいらっしゃいます。それで、その中で、よく例としていろんないわゆる支分部局が出されますけれども、その仕事を今見直すということを中馬大臣の下で大なたを振るって今やっていただいております。  そうしたことで、今度、地方との役割分担、また各省を超えた人の正にめり張りの利いた配置ということは、これは当然考えていかなければいけません。そういうことを正に視野に置いてやっておりますので、今後、具体的な数字の詰めも含めて姿を是非内閣全体として明らかにしていって、明確にめり張りを付けてまいりたいというふうに思います。
  62. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) 今総務大臣からもお話ありましたように、地方分権でここは出していく、あるいは今回の一つの総人件費改革の中で、各支分部局の中でこれ地方に移すべしといったようなかなり明確な形の交渉を今行っているものもあります。そうしたときに、これを移したらいいじゃないかということはもちろん言えるわけでございますが、ただ、これはやはりあくまで職員と移籍先双方の意向が合致する場合、これでなければもちろん駄目でございましょうし、しかしそれの場合におきましても、関係者への情報提供等の措置、これは私どもも積極的にやってまいりたいと思いますが、これを強制することまではできないかと思っています。そして、今言いましたように、事務事業が国から地方へ移る場合には、人材の移籍につきましても御指摘のような適切な協議がされるべきものと、このように考えております。    〔理事佐藤昭郎君退席、委員長着席〕  しかし、地方自治の観点からも、この国家公務員と地方公務員との壁、これはこれまで一つの枠組みができ上がっておりますから、組合の制度もございますから、かなり難しい問題であることは現実でございますし、慎重な議論が必要だと思っています。  しかし、いずれにしても、今後の課題としては、国から地方への流れが自由になる、あるいはまた、そして人事交流を行えるということも私は必要だと思いますし、それにとどまらずに、アメリカのように民間とも比較的自由に交流ができる、そこまでも含めたことは将来のテーマではあろうかと思いますが、今のところ、これをすぐ制度化することは難しいかと思います。
  63. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 国家公務員から地方へ行くという本人の意思を確認せないかぬとか、当然なんです。しかし、だから制度を変えないかぬのと違いますかということを言うてるわけで、これは今現在、それは急にできるものじゃないですけれども、しかし、国、地方のそういう役割分担をきっちりする段階で国の仕事がどっと地方へ来るわけですよ。そうした場合に、一々個人の意思を確認してやるのかというような問題があるわけで、そういう意味で、今からそういうことを考えておかなければいけないんじゃないですかということを問題提起しておるわけでございまして、よろしくお願いします。  ちょっと時間がなくなってきましたので、最後に大事な問題で。  地方公務員の、十六年に一般職の任期付職員というのが発足しました。実はこの制度、各首長さん非常に期待しておったんです。しかし、非常に使いにくいと、こういうようなことを言われています。  一つは、今現在、都道府県では随分使っているようですが、市町村では余り使われていない。どの程度使われているのかということも知りたいんですが、要は、首長さんが言われるのは、特異な経験を持った人とか知識を持った人とか、そういうことも大事ですけれども、しかし、地方としては、例えばごみの収集業務とか、あるいは保育園の保育士さんとか、あるいは病院の看護婦さんとか、そういうような人たちをこの短期任用、期限付の一般職の職員に採用できないやろかということなんです。  これは、保育園にしても病院にしてもごみの問題にしても、全部一生懸命民営化やっています。民営化やっているんです。ところが、どうしてもできない、なかなか進まないということがあるんです。これはもう労使の関係があったりいろんな長い歴史があってなかなか一遍に民営化というわけにいかぬと。かといって、その人たちを正規の職員で雇えないですよ、雇ったらずっと終身雇用みたいになりますから。ですから、その間、短期で本当の正規の職員として雇うことができないか。  ぶっちゃけて言いまして、これ一遍調べられたらいいですけれども、地方公務員法二十二条、アルバイトの採用というのがあるんですね。これでずっと繰り返し長年雇っているというのはあるんですよ、実際に。これは完全に法違反です。ですから、これは正規の職員にしなければいけないんですよね。けれども、そういうことをしたら市の人事が非常に硬直化してしまう、定員が増えてしまう、こういうような非常にジレンマがあって首長さんが非常に困っておられるということがあるんです。  何とかこの期限付の一般職の任用、こういうものをそういうような職員を採用する場合にできるような形にしていただけないやろかということが首長さんの願いであるということをしっかりと一度肝に銘じていただきたいな、また当局においても一遍その実態を調査していただきたいなと、こういうふうな思いがいたしておりますが、竹中大臣、いかがでしょうか。
  64. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 委員指摘地方公務員の任期付採用でございますけれども、これについては正に地方公共団体からの要望がございまして、それ等を踏まえて、平成十六年に改正をされております。地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律、これを採用しまして、二点、特に大きな点がございました。任期付採用を拡大すること。そして、任期付短時間勤務職員制度を創設すること。正に、いろいろ働きやすくかつ効率的な人事ができるようにということで制度ができたと承知をしております。我々としては、今この制度の普及をちょうど図っているところでございます。十六年でありますので、今もう少しやはり様子を見て、その普及をまずは積極的な活用してくださいということをお願いしている段階でございます。  今、しかし、委員からいろいろちょっと不都合が出てきているぞと、よく実態を見てくれというお話がございましたので、私自身もここはよく勉強してみたいというふうに思います。まずは、しっかりと定着、これをさせたいと、しっかりと使ってくださいということを普及させると同時に、どのような問題があるのかということを少し将来に備えてよく勉強をしたいというふうに考えております。
  65. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 ここに、これ地方公務員月報というのがあるんです。ここで、神奈川県の一般職のこの任期付制度についてというので向こうの市町村の課長さんが書いておられます。これ見ますと、新たな任期付職員については、要件が限定的過ぎて非常に活用しにくいということをきっちり書いておられますから、またひとつ見ておいていただきたいなというふうに思います。  最後に、中馬大臣に今回の行政改革推進法、これは通ったらもうそれで終わりだということじゃないと思う。また、次から次に新たな改革を進めていかなければいけない、そういうことだろうと思いますが、そこらのところの決意を聞かせていただきたいと思います。
  66. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) もちろん、御指摘のとおり、これは改革の方針を決定するだけじゃなくて、決定した方針を着実に実行していくことが重要でございます。そのために、この改革を総合的かつ集中的に推進するために内閣行政改革推進本部を置いて、これは総理が本部長です、そして全閣僚を構成員とするものでございまして、この本部が総合調整機能等を適切に発揮することになります。そして、政治のリーダーシップの下で改革を強力に推進することができる、このように考えております。  法案成立は改革の第一歩でございまして、今後法案に示された方針に従って着実に改革を進めていく、これのためには全閣僚が一致団結して対応していく必要がありまして、自らもこれに力を尽くしていく所存でございます。
  67. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 よろしくお願いします。  どうもありがとうございました。終わります。
  68. 風間昶

    ○風間昶君 公明党の風間でございます。一時間ばかりでありますが、よろしくお願い申し上げます。  まず、政府系の新政策金融機関について、今まで公庫が担ってきた中小企業に対する貸出し機能をきちんと機能させる必要があるというふうに思いますので、先般の本会議でも質問させていただきまして、総理からは、借り手側の視点に立って零細企業の資金調達の機能を新しい金融機関に残すという御答弁がありました。  問題は、じゃどんなふうにその事業を継承させていくのかということが大事でありまして、枠組みや手法が問題になるわけですけれども、新しい金融機関を設立することを法律明記するのか、施行令に入れるのか、あるいは新金融機関の定款に目的として入れるのか、どういうふうに方法を考えておられるのか、まず伺いたいと思います。
  69. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) このたびの改革の中のこの政策金融改革でございますが、新政策金融機関に中小零細企業の資金調達、これを支援する機能を担わせることにつきましては、行政改革の重要方針、これで明記をいたしておりまして、内閣として閣議決定したものであるから、政府としての方針でございます。  この点につきましては、現在のこの御審議いただいています法案におきましても、その第四条第一号におきまして、新政策金融機関国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援する機能、これを担う旨を規定をしておりまして、本法案は、改革基本方針、基本的な方針、推進方策等をお示しし、国会の意思を問うものでありまして、本法案の成立によりまして、本法案に盛り込んだ方針等が国民の信を得て、円滑かつ確実に実施されることということになると考えております。  そして、委員お尋ねのこの新政策金融機関の設置法案等の規定ぶりでございますけれども、これは、この法案が成立しまして、それに基づきまして詳細な制度設計を行っていきます。そのときに、現時点でその規定ぶりがどのようになるか、ちょっとまだ、これからの制度設計のことでございますから、ここで具体的に御答弁申し上げるのは少し難しゅうございますが、行政改革推進法の中で新政策金融機関が中小零細企業の資金調達を支援する機能を担うことが明記されていることにのっとりまして、新政策金融機関の設置法案や関連の規定策定することになると、このように考えております。
  70. 風間昶

    ○風間昶君 規定ぶりは現在困難だということでありますけれども、大臣としてはどういうふうにしていったらいいとお思いですか、じゃ。
  71. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) それも含めて制度設計の中で、これはいろいろ、定款に入れるとかいろんな方法があろうかと思います。それを今ここで私はこうしたいということもちょっと言いかねると思います。
  72. 風間昶

    ○風間昶君 済みません、意地悪な質問だったかもしれません。  商工中金についてですが、新しいまたこれも会社の業務の範囲は、従来のように中小企業を対象とする融資にきちっと限定すべきではないかというふうに思いますけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。商工中金です。──二階大臣じゃないでしょうか。違うのかな。違うかな、どうかな、分からないな。
  73. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 商工中金に対する中小企業者の皆さんの期待というものは今日まで大変なものを感ずるものでありますが、それだけに、これからのこの民営化、完全民営化に移行していくに際して政府としてもきちっとした対応をしていかなくてはならない。  今、中馬担当大臣から御答弁になられたように、これから制度設計に入っていくわけでありますが、私は、その際にも、本当に苦しいときに商工中金が支えてくれた、そして今日大きく成長することができた、当時は中小企業であって倒産しそうであったが、今はおかげで大企業の仲間入りをすることができた、こういう企業のまあ言わば美談のようなお話があちらこちらでお聞かせをいただくわけでありまして、そうした商工中金が今日まで果たしてきた機能というものをしっかり維持するということを考えておかなくてはならないと思っております。  その上で、私どもは、中小企業に対する金融機能は維持されるべきということは既に行政改革推進法案で御承知のとおり明記されておるわけでありますが、あわせて、衆議院におきましても、先般の行革特の審議におきまして、全会一致でもって、中小企業の金融に対してその機能を守れという附帯決議をちょうだいをいたしております。  それらの点をよく勘案して、先ほど御答弁にありましたとおり、詳細な制度設計におきまして中小企業の皆さんの期待にこたえていきたい、このように考えておる次第であります。
  74. 風間昶

    ○風間昶君 そうしますと、普通の都市銀行と同じように、大企業に貸して、もうからない、リスクの大きい中小企業には貸さないという方向性で定款を書き換えるということがないというふうにしたいと思うんですけれども、いやいや、それは、したいと思うというか、私がやるわけじゃないですけれども、そういうことを未然に防ぐためには法律案にやっぱりきちっと盛り込む必要があるんでないかというふうに思いますけれども、これはどうでしょうか。
  75. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) この時期におきまして、的を得たといえば的を得た大変大事な御指摘でありますが、しかし、微妙な時期でもあります。お気持ちを体して、我々これから中馬大臣を始め関係閣僚とも折衝してまいりたい。気持ちは同じでございます。
  76. 風間昶

    ○風間昶君 与党質問だからということではなくて、国民の目線に立って大臣がリーダーシップを取っていただけますよう、心からお願いをする次第でございます。  そのときに、新政策金融機関の目的として、中小企業のセーフティーネットをきちっとやっぱり確実にするということが大事でありますから、リスクに耐え得るだけの資本の充実をどう持ってくるかと、資本金をどう持ってくるかという、どこから持ってくるかということが物すごく大事になってくると思います。そして、新しい会社の当面の自己資本率はどういうふうに考えていったらいいのか、お聞かせいただければ有り難いと思いますが。
  77. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 御指摘になられたように、商工中金が中小企業向けの金融機能を果たすためには必要な自己資本比率を確保するということは重要な課題であります。こうしたことから、先ほども申し上げましたが、行政改革推進法案でも、中小企業に対する金融機能の根幹が維持されることとなるよう必要な措置を講ずるものとする、このように明記されておるわけであります。  今後の論点整理におきましても、これからの詳細制度設計についての方向性というのはだんだん明らかになりつつあるわけでございますが、これから、今お尋ねのようなことが実行できるように、完全民営化を迎えるに当たって中小企業の皆さんの不安感をぬぐい去ることができるような結果を求めたいというふうに考えておるわけでございますが、今日の当委員会における議員各位の一層のお力添えをお願いをするものであります。
  78. 風間昶

    ○風間昶君 ありがとうございます。  今大臣から、完全民営化された後の在り方についても、先ほどもまた衆議院議論の中で、民営化後の商工中金の収益構造に関して、公明党が、現在四千億ある政府出資をすべて株式化した場合には配当金の負担が大きくなるから、この点についても指摘させていただいたときに、二階大臣は、完全民営化の後も中小企業のための金融機関として機能を発揮できるよう財政基盤の確保に取り組んでいきたいというふうにお答えになりましたのは御存じのとおりでございます。  じゃ、その四千億の一部を利益準備金に振り向けるというふうにとらえていいんでしょうか。
  79. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 今後、詳細な制度設計を行う上において、私としては、そうした議員各位の御提言を踏まえて私どもとしての積極的な要望をさせていただきたいというふうに考えておるわけでありますが、今私がここで具体的に方向性を申し上げるということは、だんだんと自らを縛ると同時に、制度設計を円満な形で決着を付けるということには多少距離が出てまいりますので、そこは慎重に対応したいと思いますが、お気持ちはよく理解をいたしております。
  80. 風間昶

    ○風間昶君 気持ちのやり取りやっているわけじゃないんで。  そうすると、もうちょっと、済みません、踏み込んでお聞きしますけれども、中小企業金融対策に対して積極的な役割を担うということをやっぱり制度的に担保すべき、あるいは明確にすべきだというふうに私は思うんです。気持ちだけじゃこれは通じないわけでございまして、アクションとしての、是非、大臣としての、お願い申し上げたいと思いますけれども。
  81. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 私もこの点につきまして、もう数え切れないほどの回数の答弁を繰り返してまいりました。答弁を読み返してみますと、かなり踏み込んだ答弁もしてきておるわけであります。それは、私どもは、やはり中小企業を担当する役所として、中小企業の皆さんの立場に立って当然のことであります。しかし、いよいよこの法案が成立した後に具体的な制度設計に入っていかなくてはならないわけでありますから、ここで結論めいたことを私が言い切るということはいかがかと思います。  しかし、気持ちといっても、全くの情緒的なことだけを言っているんではなくて、中小企業のためにやるんだという決意を持って答弁に臨んでおると、これは理解していただきたいと思います。
  82. 風間昶

    ○風間昶君 少し気持ちが大きくなってきたわけでありますけれども。  それでは、政策投資銀行についてもやはり同じようなことが考えられるわけでありますが、衆議院における附帯決議で、完全民営化後も、地域経済活性化の貢献を含めて、出融資一体で中長期資金を供給できるよう、また、その信頼性等を活かし、財政基盤や移行期の制度的措置等の円滑かつ多様な資金調達基盤を確立するよう措置することとされています。  この多様な資金調達基盤というのはどんなものを考えたらいいのか、教えていただきたいと思います。
  83. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) これも、今までの御議論の中にあるように詳細な制度設計はこれからなんですが、しかし今委員が附帯決議をお読み上げになりましたように、政投銀が、やはりなるほど政投銀というのは役に立つと言われた一番の特色は、出資と融資を組み合わせて長期のリスクマネーを提供してきたということにあるんだと思うんですね。したがいまして、完全民営化後にはやはりその特色が生かされないといけないということじゃないかと私どもは考えております。  したがいまして、そのための資金調達ができるような体制を整えていくということでありますけれども、詳細な制度設計に向けた論点整理というのが今年の三月三十一日に出ておりますが、その中で言及されてありますのが、そういう資金運用の在り方と適合させながら、どのように安定的、効率的かつ多様な資金調達基盤を確立するのか、債券や他機関からの借入による調達のほか、預金によるホールセールの調達を行っていくのかと、こういうふうに整理をされておりまして、これを踏まえて、先ほど申し上げたような、ここの特色が生きるような制度設計をきちっとやっていきたいと、このように考えております。
  84. 風間昶

    ○風間昶君 今の大臣の御答弁は民営化後の話でありますけれども、二十年度から始まって民営化に至る移行期をどうするかということも、また一つは大事な問題でありますから、この移行期間中に民間金融機関と協調して事業再生あるいは地域再生などの部分にどういう形で、資金手当てといいましょうか資金供給、あるいは今お話のあった中長期的な投融資の資金供給といったことも含めて、移行期における手当てをどのように考えていったらいいでしょうか。
  85. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 移行期におきましても、基本的な心構えは今おっしゃった出資、融資を組み合わせた長期的なリスクマネーを提供していく体制がどうつくれるかということでございますけれども、移行期においては、まず、これは先ほどの商工中金等々の議論とも同じでありますけれども、それを支える安定的な自己資本というものをどうつくっていくかということもきちっと詰めていかなきゃならないことでございますし、それから、やはりこれも論点整理の中に出ているわけでありますが、安定した資金調達体制へ移行していくためには、政府保証とか財融借入等、これを移行期においてどう位置付けていくかというような点があろうかと思っております。  その辺りを議論をきちっと整理したいと思っております。
  86. 風間昶

    ○風間昶君 もう一点、公営企業金融公庫が廃止されますけれども、その際、公営企業が新たに資金調達の方法として用いるべき債券発行とか流通市場の整備について政投銀行を担わせたらどうかとちらっと思っているんですけれども、これについてはどうでしょうか。
  87. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 公営公庫が廃止された後の地方自治体の資金調達の在り方、これはむしろ竹中大臣から御答弁をいただいた方がいいかもしれませんが、これは正に政投銀を今どう使ったらいいのか、それにどうかましていくのかという御議論でございますが、完全民営化した後の政投銀は、やはりそれぞれの貸付先のリスク等々を、これを自主的に判断して、そして融資をするかどうか、あるいは先ほどのような出資と融資を組み合わせるかとか、いろんなことありますが、融資をするかどうかを決めていくわけでございますから、それは新しくできたところのまたそのような判断によるというふうに申し上げざるを得ないんだろうと。信用リスク、借り手の信用リスク等をよく見極めながらやっていくということが基本だと思うんですね。  それから、これは竹中大臣に御答弁をいただいた方がいいと思いますが、じゃ、どういうふうに自治体が資金調達をしていくかというのは、基本はそれぞれの自治体が判断をされるということだろうと思います。その辺もまた、実はまだ私も御答弁できる準備が十分なくて、今後の詳細な制度設計の中でよく詰めていきたいということでございます。
  88. 風間昶

    ○風間昶君 はい、分かりました。  政府系金融機関をやっていますと時間がなくなりますから、特別会計の中で自賠責特別会計について若干伺いたいと思います。  御案内のように、自動車事故の被害者の保護を図る目的で、再保険制度の運用などを行う目的で設置されたわけでありますけれども、再保険制度平成十四年度で廃止になりました。当時、一兆円を超える余剰金があって、その使途についても大きな議論になりましたけれども、それがどんなふうに使われたのか、また再保険廃止後、自賠責特会の運用益についてはどのように使われて今いるのか、この二点。これまで自賠責が果たしてきた役割を評価した上で、国土交通大臣に伺いたいと思いますけれども。
  89. 松村龍二

    ○副大臣(松村龍二君) お答えいたします。  自賠責制度は、昭和二十年代の自動車保有台数の増大とそれに伴う交通事故の急速な増加を背景に、強制保険という制度とともに自動車交通事故による損害の基本補償を確保するという仕組みを確立することにより、昭和三十年に創立されました。当時約百五十万台でありました自動車保有台数は今や八千万台に上り、自動車は我が国の経済社会、国民生活に不可欠なものになっておりますが、近年では死傷者数が年間百二十万人に上り、車社会における国民の安全、安心を確保することが極めて重要な国家的課題であります。  こういった課題に対しまして、車社会の発展と交通事故被害の拡大に応じまして、保険金支払額が四千万円まで現在引き上げられております。そのほか、交通事故被害者の損害賠償の充実強化を図るとともに、重度後遺障害者に対する介護料支給といった被害者救済の面からも制度拡充を行ってまいりました。  このように、自賠責制度は、交通事故被害者の基本補償を確保するというセーフティーネットの中核として国民生活に定着し、大きな役割を果たしてきたものでありますし、交通事故被害者救済としての役割は今後も一層重要になるものと考えております。  なお、再保険制度廃止されて、平成十四年において自賠責特別会計で一兆円を超える余剰金があったと、どのように使われているかということでございますが、正確に申しますと、その際、累積運用益でありますお金は一兆九千四百億円ございました。  これにつきましては、ユーザーによる保険料負担の軽減、被害者保護増進対策や自動車事故発生防止対策といった被害者救済事業実施を二本柱として活用することが自動車損害賠償保障法等において位置付けられたわけであります。具体的には、二十分の十一に当たる約一兆七百億円を自動車ユーザーの保険料負担の軽減に充てまして、また二十分の九に当たる約八千七百億円の被害者救済対策等に充てることとされたわけであります。  二十分の十一に当たる一兆七百億円につきましては、平成十四年度から平成十九年度までの六年間に期間を限定した上で、自賠責保険契約に対しまして保険料等充当交付金として段階的にユーザーに還元してきたところであります。平成十七年度末までに約七千三百億円を交付し、保険料負担を軽減してまいっております。  一方、二十分の九に当たる約八千七百億円につきましては、その運用益を活用して被害者救済対策を推進しておりまして、その規模は毎年度約百六十億円程度となっております。
  90. 風間昶

    ○風間昶君 今副大臣がお話しのこの自動車事故対策機構が運営している重度交通事故障害による方々の療護センターは国内四か所に設置されて運営されているんですけれども、この運用益を一律に一般会計に納付させるということにもしなれば、この療護センターの運営はできなくなるわけでありまして、機構としてもこのセンターの実際の運営を民間に委託するなど努力しているし、手厚い看護が、非常にある意味では医療と看護ということで手厚い看護が期待されているところから、入所待ちの患者さんも全国に、本当に重度後遺障害が残ってある意味では意識がない遷延性意識障害の患者さんも結構いらっしゃって、待っていらっしゃる方が多いわけであります。  そういう意味で、もう少し今の副大臣のお話から伺いますと、この療護センターに振り向けられている運用益は私は極めて少ないなというふうに思うわけであります。この被害者の救済を始めとして車のユーザーの目線でもうちょっときちっと運用益の使途拡大を図るべきだと思いますが、どうでしょうか。
  91. 松村龍二

    ○副大臣(松村龍二君) お答えいたします。  ただいま風間議員からお話のありましたとおり、自賠特会におきまして、例えば交通事故により脳を損傷し、いわゆる植物状態であります遷延性意識障害になった被害者のため、全国四か所に療護センターという施設を設置運営しておりまして、その専門的な治療や介護により家族と意思疎通ができるまで回復された方が数多くおられます。  千葉療護センター五十床、東北療護センター三十床、岡山療護センター五十床、また、平成十三年には中部療護センター五十床、これが今御指摘のありましたとおり直営から委託といった工夫をし、また新たな治療を必要とする方に入っていただくというような工夫をしておるところでございます。  また、自賠特会におきましては、他人による介護が必要な重度後遺障害が残った被害者に介護料を支給したり、親が交通事故により死亡して生活が困窮する遺児に生活資金の無利子貸付けを行ったり、被害者と保険会社との間で生じた自賠責保険金支払のトラブルを解決する紛争処理機関を直営したりといった各種事業を行っているところでございます。  国土交通省といたしましては、先ほど先生の御指摘ありました点については絶えず工夫を重ねているところでありまして、自動車ユーザーが負担した運用益であるからこそ、車社会の犠牲者である交通事故の被害者、そして二次被害に苦しむ被害者家族の生きる力となり、あるいは心の支えとなるための事業推進されるために使われるべきだと考えておりまして、これらの事業が効果的に行われている限り、自動車ユーザーの納得は必ず得られるものと確信しているところでございます。
  92. 風間昶

    ○風間昶君 そういう意味で、この自賠責特会そのものを廃止して民間に任せてもよいんではないかという議論があったやにも聞きますから、是非、この被害者保護を拡充するべき方針と、さらにユーザーの目線に立った対策をきちっと立てていただきたいというふうに思います。  次に、道路特定財源について若干伺いたいと思います。  これも無駄な公共事業の典型として、毎年冬になるとというか年度末になると工事が増えるという、国民の中にはもう道路工事、全般的に悪、無駄遣いという誤解を持っていらっしゃる方も多いと思うんですが、確かに、この道路整備の水準は上がってきていますが、しかしそうはいってもまだまだ終わったわけじゃなくて、東北や私の北海道では地域への欠かすことのできないインフラとして整備してもらわなきゃならない路線がたくさんあるわけです。  そういう中で、この道路整備特定財源の役割というのは極めてもうはっきりしているわけでありまして、この特定財源の税収が歳出を大幅に上回ることが見込まれると、これを一般財源に繰り入れろという意見が当然起こっているわけでありますけれども、このことについて国土交通省としてどのように対処をしていくつもりか、お伺いしたいと思います。
  93. 松村龍二

    ○副大臣(松村龍二君) お答えいたします。  道路特定財源制度につきましては、私も地方の議員でございますので、大変な関心を持っておるわけでございます。  この制度は、私から申し上げるまでもなく、受益者負担の考え方に基づきまして、燃料の消費、自動車の取得及び保有に着目して自動車利用者に道路整備費の負担を求めているものであります。昭和二十八年に臨時措置法が制定されまして、揮発油税収入額に相当する金額を道路整備に充てることとされたことに始まりまして、以来、道路投資の伸びに対応し、軽油引取税、自動車取得税、自動車重量税等の創設、税率の引上げによって充実が図られて現在に至っております。  現在、道路整備に対する国民のニーズにつきましては、防災・減災対策、道路交通の円滑化、国際競争力強化、日常生活に必要な移動の確保、地球温暖化対策などの喫緊の課題への対応等も含めまして全国的に高いものがあり、これらの要求にこたえるため、道路特定財源を活用して着実に道路整備を進めておるところでございます。  今後の課題でございますが、元々道路特定財源は道路の整備とその安定的な財源の確保のために創設されたものでありまして、先ほどお答えしましたとおり、受益者負担の考え方に基づき、自動車利用者の方々に利用に応じて道路整備のための財源を負担していただいている制度であります。そのような意味におきまして、見直しの具体案の取りまとめに当たっては、納税者の理解が得られるようしっかりと知恵を出していかなくてはならないと考えております。  いずれにいたしましても、道路特定財源につきましては行革推進法案第二十条第三項におきまして、一般財源化を図ることを前提とし、平成十九年度以降の歳出及び歳入の在り方に関する検討と併せて、納税者の理解を得つつ、具体的な改正の案を作成するものとするとされたところでありまして、この法案に沿って関係各方面と連携して見直しを進めてまいりたいと考えております。
  94. 風間昶

    ○風間昶君 さっきの谷垣財務大臣のお話にありました、どっちの方向に行っているのかちょっと今の答弁で分からないです。そんな印象を受けました。どっちなんですか。
  95. 松村龍二

    ○副大臣(松村龍二君) お答え申し上げます。  ただいまお答えしたとおりでございまして、道路が必要であって計画的に進める、その道路は緊縮といいましょうか、十分に国民の財政の立場に立ったものとしてやらなければならないという考えと、この法案が一般財源化ということ、また国民の理解を、納税者の理解を得ながらと、こういうことでございますので、そのような方向をよく踏まえまして、今年、歳入歳出の全体の動きの中で検討するということでございますので、そのように進めてまいりたいと考えております。
  96. 風間昶

    ○風間昶君 余りよく伝わってきづらい部分がありましたけれども、次に移ります。  日本郵政公社では、三年前の一月からトヨタ生産方式というのを郵便事業に応用するためトヨタさんの社員が越谷の郵便局に駐在して調査研究しまして、越谷の郵便局では、この窓口の郵便物の分類徹底など個々の作業が改善した、あるいは運送便や収集便の設定時間の見直しなどによって作業が平準化した、あるいは表やグラフを使うことによって郵便部門における生産性が二〇%以上向上したという報告があるようです。知っていましたか。
  97. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと突然のお尋ねでございますが、いわゆるJPSと言われるものだと思います。ちょっと突然のお尋ねなので数はよく記憶をしておりませんが、最初限られた範囲でそれを行いまして、越谷がその典型、それを今かなり広げてやっているというふうに承知をしております。
  98. 風間昶

    ○風間昶君 大臣に聞くつもりではなかったんですけど、知ってたかどうかだけちょっと聞いたんで、済みません。  要は、行政部門においても、こういう特に現業部門では日本郵政公社の行った方式が非常に私は参考になると思うんです。したがって、政府全体としてもこの行政の効率化を高めるためのやっぱり具体的な手法の一つとして検討すべきではないかと思いますが、その点についてお伺いしたいと思います。
  99. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) 簡素で効率的な政府を目指した諸改革をこの法案で、いや法案以外にもいろいろと進めているわけでございます。それは、総人件費改革であったり、あるいは市場化テストであったり、政府系金融機関のああした統合であったり、そうするわけですが、それとは別に、今お話がありましたような日常的な業務についてもこれを見直していく、効率化を図っていく、これは私も必要であると思っています。  そうすることによって、行政に要する経費を抑制して国民負担の上昇を抑えるということが重要でございますが、こうした観点から、政府としましても各府庁、府省の官房長から構成される行政効率化関係省庁連絡会議、これを設置いたしまして、既にこれまで電子政府関係の効率化あるいは公用車の効率化、それから公共事業のコスト削減、こういったものに取り組んでおります。数字は一々挙げませんが、十八年度予算でも三百三十二億円累積で、これは公用車とか、今言いました電子政府関係、アウトソーシング、出張旅費の効率化、こういったものまで含めて三百三十二億円が節減できたということにいたしております。  ともかく、今後とも、政府全体としまして簡素で効率的な政府を実現するために着実に取組を進めていくことが重要であると、このように考えております。
  100. 風間昶

    ○風間昶君 具体的な手法を検討していただきたいと思うんですよね。三百三十二億円効率化に寄与したというふうになっています。これは、その今出されている行政改革推進法の一部であって、むしろ電子政府推進でかなり効率化した私は結果だというふうに思っていまして、従来の行政執行そのものを見直したものが対象になっているとは思えないんです。したがいまして、このトヨタ方式も含めて、郵政公社方式も含めて、もう少し知恵を出していくための具体的な手法を検討していただきたいということで質問させていただいたわけであります。  国もそうなんですけど、地方行政もより私は多くの改善余地があるというふうに思っていまして、これ伺ったところ、千葉の松戸市で教育情報センター構想というのがあって、市の、松戸市のデータベースサーバーを構築して、校内LANを整備して学校間をネットワークで結んでいて、第一段階で、情報を共有するだけじゃなくて学校の予算や備品の管理、あるいは遊休備品の有効利用を始め学籍簿や学校の徴収金、給食費とかですね、管理も行っていると。その次の段階で、学校給食や保健、あるいはお休みされる子供さんがいるわけでありますけど、その出欠の管理も含めて、最終的にはこの地域防災拠点としての学校整備、施設予約などのシステムを構築する方針だというふうに伺いました、松戸の教育情報センター構想というのが。  これなかなかすばらしいなと思っていまして、ただ、積極的に取り組んでいる市町村とそうでないところの格差がやっぱり結構あるようでございまして、特に本庁の業務と外局の業務とのリンケージができていないとなかなか大変なんで、まずは、こういったことも含めて地方公共団体に対して、地方公共団体そのものも行政効率化をしていくためのあるパッケージプランみたいなものを政府が出していく必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、まずはこの中央省庁のことで頭一杯、手一杯なのかどうか分かりませんけれども、そういうお考えはないですか。
  101. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 行政効率を高めるための工夫、基本的には正に自治でございますので地方自治体でしっかり取り組んでいただくということだと思います。しかし、千八百の自治体それぞれに大変御苦労なさっているということは事実だと思います。その意味では、良い事例を知りたいと皆さん思っておられる。そういう観点から、総務省におきましては、例えば民間委託の推進とか指定管理者制度の活用でありますとか組織マネジメント、人事管理等に関する事例のいわゆる行政地方行政改革の取組事例をまとめた行政改革事例集というのを昨年の十一月に作りまして、地方公共団体に周知をいたしました。  ちょっと今、御紹介今委員がくださった松戸がその中に入っているかどうか急いで確認をいたしますが、先生の地元の札幌の例もあるようでございます。市政の総合案内コールセンターの運営、それを外部委託したような例とかはその中に紹介されているようでございます。  我々としては、そういった言わば、何といいますか、ベストプラクティスといいますか、そういうことを広く紹介していくことは重要だと思っています。今集中改革プランのヒアリング等も行っておりますので、そういう意味での情報提供は積極的にやっておりますし、更にやっていきたいと考えております。
  102. 風間昶

    ○風間昶君 是非、積極的に啓蒙普及を図っていただきたいというふうに思います。  昨日ちょっと質問通告のときにコピー機とかパソコンなどの物品のリースについていろいろ議論させていただいたわけですけれども、当然リースも単年、短期、一年リース、三年リース、五年リースとあるわけでありますけれども、当然複数年度のリース契約の方が安く上がるわけでありまして、この物品のリースについて合理的な契約形態を進めていくことも、小さなことかもしれないけれども無駄の排除につながるというふうに私は思うんですけれども、これについての取組、それぞれ各省実は聞いたら、それぞれがやっていると。これはちょっと私はどこがつかんでいるんですかと聞いたら、どこもつかんでいない。  例えば電話あるいは電気料金、これも各省庁の独自性に任されておりまして、それはそうですわな、とは思ったものの、どのぐらい無駄を排除の効率化に資しているかということをだれもどこも分からないということを感じましたものですから、一回やっぱり全省庁でどういう契約状況になっているのかというのをチェックして洗い直しした方がいいような気がしてならないんです、行政改革行政改革と言っているなら。  その辺について、どうですか。チェックマン、財務大臣チェックマンですか。
  103. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 一応私が答弁することになっておりまして、いや、やっぱり全体の経費を削減していく、そして今の財政状況を改善していくというのは私の仕事でございますから、今委員がおっしゃったような御提言は真摯に受け止めなければいけないと思うんです。  それで、電話に関しましては、いろいろ国庫債務負担行為とかいろんな手法があるわけでございますけれども、当然、いろんなリース契約については単年度でやるよりも五年なら五年というようなことで一括してやった方が安くなるという、合理的な契約ができるだろうというのはもう多分間違いないんだろうと思うんですね。それで、行政効率化推進計画の中でもこれは主要な取組の一つとして挙げられておりまして、その中でコピーであるとかパソコンであるとか、そういったリース契約を行うことは合理性が認められる場合が多いんだろうと思うんですが、国庫債務負担行為でやってよろしいと、複数年度契約してよろしいと、そして概算要求でもそういうことは着実にその計画を進めろと、こういうことになっております。  それから、電話等に関しましては、これもそういう複数年度にわたる契約ができる、ちょっとここのところは答弁原稿に書いてないところでございますので私の記憶でございますが、これは各省の判断で何年度にもわたる契約を結んでよろしいと、こういうことに、単年度主義の例外といいますか、そういうふうになっているわけでございまして、今後その辺りが実態がどうなっているかということも少し私どももよく整理をしてみたいと思っております。
  104. 風間昶

    ○風間昶君 時間が掛かるかもしれませんけれども、やっぱりこういう小さなことも実は大事なことでございますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、公益法人改革について若干伺いたいと思います。  今回の公益法人改革で、いわゆる中間法人についてはなくなったと思いますけれども、NPO法人について残したのはどんな意図によるのか、教えていただきたいと思うんですけれども。
  105. 山口泰明

    ○副大臣(山口泰明君) お答えをいたします。  民法三十四条に基づく現行の公益法人制度は、明治二十九年に創設をされてから、その基本的部分は変更されずに今日に至っているのは委員御承知のとおりだと思います。  今回の公益法人制度改革は、主務官庁の裁量により縦割りの許可制を抜本的に改め、言わばはしの上げ下ろしまで主務官庁が関与することに伴う諸般の問題に対処するものであります。  特定非営利法人につきましては、認証という簡易な仕組みで法人の設立を可能とし、ボランティア活動等を支える制度といたしまして社会に定着してきているところであります。そこで、ボランティア活動等を盛んにするための基盤として引き続き見守り、はぐくむことが適当と判断をいたしまして、今回の対象とはしなかったわけでございます。
  106. 風間昶

    ○風間昶君 これは余り突っ込み過ぎるとまたあれですけれども、その見守るというのは、おおよそいろんな国民的な議論が沸き上がってくるまで見守るということなのか、政府側の方での一定程度何か判断をしたときまで見守るのかということはどうなんでしょうか。
  107. 山口泰明

    ○副大臣(山口泰明君) 今、現に認可法人も二万六千を数えております、定着しつつありますので、そういった意味で見守るということで。
  108. 風間昶

    ○風間昶君 ちょっと質問がぼけてしまいまして申し訳ありません。  今回の公益法人改革で、国民の多くの方々の目線は天下りと随意契約の問題なんですよね。これはもう国民の皆さん方から見て物すごい不信感で、そういうことがなくなるための公益法人改革なんだろうという極端なお考えをお持ちの方もいるわけです。  そういう意味で、直接、公益法人改革と天下りと随契の問題とは直接的にすぐさま、何というか、リンクできないんですけれども、天下りについては、いわゆる出す側もそうだし受け取る側もそうだけれども、迂回という言葉がいいのかどうか分かりませんが、どのようにやっぱり監視していくのかということも一つやらなきゃならない問題だと私は思います。  それからもう一つは、随意契約の問題で、随意契約を見直した後に、例えばコピー機なんかが不当な値引きをされるといった問題が生じないようにすべきだと思いますけれども、これはなかなか難しいかもしれませんけれども、この済みません、二点について、天下りの中での迂回をどういうふうにチェックしていくかということ、それから……(発言する者あり)対案ある。対案出している野党の皆さん方がやじを言っていますけれども、まあともかくとして。  もう一つは、不当値引きといったような問題が生じないようにするにはどうしたらいいかと。直接的にはこれは公益法人改革とつながった質問ではないんですけれども、教えてください。
  109. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) 天下りの問題と今回の公益法人改革とは全く別のものでございます。  ただ、お話がございますように、天下りの中の一つとして、公益法人を経由したり、そこに非常にたまってしまったりしていることも事実でございますから、これを今までの主務官庁から外してしまいます。御承知のとおり、今までは主務官庁ございまして、公益法人を認める場合に、かなり一般の方々がこれを、公益法人をつくろうとするならばいろんな手続が大変でしたし、またある程度基金を積まなければいけないといったこともございました。しかし逆に、役所がつくる場合はすぐできてそこにもう役所、官製の公益法人がどんどんできてくるといったような弊害があったこともこれは事実でございます。  ともかく、今回はそうした主務官庁から外れますから、そういう意味での直接の天下り先ということになることはございません。  したがいまして、天下りをなくすために公益法人改革したのではございませんが、副次的な意味で天下りをなくしていくといいますか、その意味での、迂回をしたり、そういう意味での直接官庁が自由になるような形の公益法人からはこれからは一つ外れてくるわけでございまして、そういう目的があること、そしてそれがまた副次的にこの天下りを防止することにもつながっていくことは、実際の効果としてあると思います。
  110. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 随契の見直しの後の問題でございますけれども、これは今、原則は一般競争入札であると、そして随契、随意契約は例外であるということで緊急点検、見直しをやっておりますので、またその結果が出ましたら御報告もしなければならないわけでございますが、その後、不当値引きというような問題が起こらないのかという問題を御指摘いただきまして、これ考えてみますと二つあるんじゃないかと思います。  一つは、言わば入札に参加する方の側の問題として、何というんでしょうか、ダンピングといいますか、十分な契約履行能力もないのに不当に低い価格で応札してくると、それで適切な履行が行われないおそれがあるというような事態が一つ想定されるわけでございます。これは今の仕組みの中でも予決令に基づきまして低入札価格調査を行って履行能力の有無をきちっと調査していくということに、確認するということになるんだろうと思います。  もう一つは、これは余り議論されないのかもしれませんが、発注者側が今度は優越的な地位を利用して不当に低い価格で発注するといったようなことも考えられないわけではないんだろうと思います。それで、これは公共調達の適正化に向けた取組についての中でも、随契から一般競争入札に体制を振り向けていく場合の一つの留意点として入札に関する情報を適切に公開していくということで、これを防いでいこうということになっておりますが、なおこういった、一応そういう仕組みでやっておりますが、そういった問題点についてもよくまた議論を詰めていきたいと思っております。
  111. 風間昶

    ○風間昶君 公務員総人件費の問題について伺いたいと思います。  先ほどから北川委員、また二之湯委員からもお話がありましたけれども、地方公共団体に要請する五年間の人員削減目標四・六%という数値がありますけれども、例えば教員の方に限って見ると、少子化による生徒数が減ってきますから教員については四・六%を上回る数値を要請するのか、あるいはほかの部署と横並びで四・六%とするのか、あるいは地方公共団体ごとに部署を定めて定員をどのぐらい削減するのかを任せて全体で四・六%に達するよう求めるのか。この辺の基本的な考え方を教えてくれませんか。これも詳細、検討中ですかね。
  112. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 具体的に申し上げます。  法律で言う第五十五条三項の部分に関するところですが、教職員としては、義務標準法及び高校標準法対象の教職員、今現在九十九万人約おります。その他の職員として、学校勤務の給食調理員や用務員等で約十一万人おります。これは五年間で自然減ということになりますと、教職員に関しては約二万二千四百人、これは児童生徒の減少に伴う自然減としてこれは確保いたします。  それに加えてのプラスアルファの部分としては、その他の職員の純減、つまり学校勤務の給食調理員や用務員等においてプラスアルファとして純減を図るということを、これを文部科学大臣とそれから財務大臣の方でも約束をしておるところでございます。
  113. 風間昶

    ○風間昶君 ちょっと聞いていることが違うんですね。  その四・六%のとらえ方を、例えば教員の場合だと、他の部署と横並びで四・六にするのか、あるいは地方公共団体ごとにその部署の定員をどのぐらい削減するのかということを地方公共団体に任せて全体で四・六%に達するように求めるのか、どういうふうな基本的な考え方なんですかということを聞いているんです。
  114. 中馬弘毅

    国務大臣中馬弘毅君) 国家公務員の場合ははっきりと、これは国家公務員ですから、これは我々政府が決めることができます。しかし、地方の場合には、そうした国全体のこれまた方針でもございますから、国と地方を合わせた形で減らしてください、削減に努力してくださいということで、それが四・六、過去の実績に基づいた形でこれは全体をひとつ目標として与えております。したがいまして、どの部署どの県は幾ら切れとか、そういう話じゃないんですね。  ただ、教員につきましては、これは国が一つ法律で縛っておりますから、そのためで、国のことは、この教員のことにつきましては、やはり純減の範囲内で少なくともそれは努力してくださいよと、純減を下回らない形で削減に努力してくださいという形の提示にさせていただいております。
  115. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  そこで、馳文部副大臣に伺いますが、教職員については一般の地方公共団体職員より給料高いと言われていますけれども、これなぜなのかということが一つ。それから、教職員の場合、私立の学校も多いわけでありますから、官民の給与比較というのは比較的容易だと思うんですけれども、大まかに官民の給与格差というのはどんなふうになっているのかというのをちょっと教えてくれますかね。
  116. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 教員給与が一般の公務員より高いというのはいろいろな経緯がございましたが、昭和四十九年に政府提出法案として成立させていただいた人材確保法によっているところであります。  それから、公私のいわゆる給与の官民格差は、一応民間の方は公立に準拠してというふうな考え方で給与が設定されているところであります。
  117. 風間昶

    ○風間昶君 ちょっとじゃ観点ずらして、今お話が、副大臣出されました人材確保法、これ、経済財政諮問会議では、この人材確保法の廃止も含めて検討されるというふうに承知していますけれども、一方では、我が国が先進諸国と互角に競争しながら成長していくというためには国際学力調査において世界トップレベルを目指す必要があるというふうに指摘があるわけでありますと、そういうふうに経済財政諮問会議でおっしゃっています。  教員の質をそうすると高めていかなきゃならないわけで、人材確保法を一方では廃止しなきゃならないという議論と世界トップレベル人材を輩出していくということの整合性についてはどんなふうに考えているのか。  それからあわせて、戦後、日本というのはやっぱり受験を含めて偏差値一辺倒の教育であったということが私は反省点としてあると思うんです。そうなりますと、質の高い教員をどういうふうに養成していくかというのは正にこの文部科学行政の中で骨子になる、政策の柱になると思うんですけれども、ここを伺って質問を終わりたいと思いますけれども。
  118. 馳浩

    ○副大臣(馳浩君) 人材確保法の役割は大きいと、これは私も考えておりますし、そういう認識を是非持っていただきたいと思いますし、世界の中でも非常に意味のある法案だと思っておりますが、しかしながら、一律に人材確保法に基づいて教員給与を上乗せしているという、こういう制度が良いのかという議論は、まさしく今回の提案にもありますように、人材確保法の廃止を含めた見直しの部分というところだと思います。  文部科学省としては、めり張りを付けて、真摯に頑張っている教員にはそれなりの対応をすべきであるし、その前提としてやはり教員の評価といったものもされていくべきではないかというふうに考えております。  それから、やっぱり質を考えると、養成段階と採用段階と研修段階と、それから、まさしく一般社会人からでも教育の現場に情熱を持って専門的な技術、能力のある人を採用する、こういった道を開く、こういう二つの考え方で、今のままの採用や、それから養成段階、それから研修、このままでよいのかと、もうちょっとやっぱり充実していかなければいけないのじゃないかという点と、これは学校の教育現場が社会、一般社会から閉鎖的な社会であってはならないであろうと。能力のある方は一般の社会人の方にも特別免許状を差し上げたり非常勤特別講師といった形として、やはり子供たちに刺激と意欲を、そして情熱を持ってもらえるような、そういうサポーターとしての教員の役割を高めていく必要があると考えております。  以上です。
  119. 風間昶

    ○風間昶君 ありがとうございました。  終わります。
  120. 尾辻秀久

    委員長尾辻秀久君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五分散会