○円より子君
大臣、詳しい御説明ありがとうございました。
結局、
皆さんが誤解していらっしゃるのは、二十年以降のところの、例えば
平成五十年に離婚したとします。そうすると、二十年からの三十年間の婚姻期間の半分は自動的にもうもらえるんですが、二十年に離婚したら、そこの部分は全然ないということですから、今までどおり、夫との合意ができればいいけれども、調停なり何なりで合意ができなかったらもらえないよということなんですが、もうそこで今までの分がもらえるんだわと思っていらっしゃる方が多いんですね。その誤解のところをしっかり、やっぱりそこの部分を割ときちんと言わないと
皆さんお分かりにならないと。もちろんおっしゃるとおり、そういうことで離婚が増えないように私も願うものでございます。
それでは次に、産婦人科医不足と助産師の
関係についてお話を聞きたいんですが、午前中に西島先生の方からも、福島県県立病院で産婦人科医が帝王切開ミスのことで一年以上たってから医師法二十一条によって逮捕されたという
事件のお話がございました。亡くなられた方には大変気の毒だと思っておりますけれども、とにかくこうした医療
事故を防ぐことが急務だと思いますが、西島先生からのお話にもありましたように、大変な激務で、一人でハイリスクのお産に臨んでいらっしゃるというようなことがこういう
事故につながっているのではないかと思っておりまして、この逮捕を受けて実は産婦人科医になる人が減るんじゃないかという懸念もあります。そうしますと、私たち女性の側からしますと、ますますそんな産科医離れが進んでは安心して子供を産むことができなくなります。
そこで、実は私ずっとミッドワイフの会というのを助産師さんたちと何年も前から勉強会を続けておりまして、助産院とか自宅で産めるお産というのが、もちろんこのごろ病院でもいい形のお産がだんだん出てきてるんですが、そういう助産所や自宅で産めるような方向に持っていきたいなと思っておりまして。紀子様の御懐妊、大変おめでたいことで国民みんなが喜んでおりますが、実は今の皇太子殿下がお生まれになるときに、それまでは皇居内の、病院ではなく、自宅出産みたいな形でずっと皇室ではお産みになっていたのが、美智子様が初めて宮内庁病院でお産みになって、そのころから、GHQが、もちろん助産婦さんの、昔お産婆さんといったそういう制度を不
衛生だなんて言って変えたところから病院出産がだんだん増えてきたんですが、特に皇太子殿下がお生まれになった辺りから急激に実は病院出産が増えたという
状況がありまして、私たちは、やっぱり皇室を
皆さんとても愛してらして、皇室にあやかっていろいろやりたいということがそういうところにまで現れるんだと思ったんでございますが。私も二十年ほど前に子供を産んだときに、お医者さんや何かにしかられて、下のコンクリートで、こんなところで子供落ちたらどうしようとかすごく心配しながら、すぐに抱かせてもらえなかったしというようなことがございまして。
そのミッドワイフの会というところで勉強会を始めてから、前にこの
厚生労働委員会で助産師さんたちを呼んでお産の問題について
質疑をしたことが、私はたまたまそこへ振替で来させていただいたんですが。そのときに助産師さんからこんな話、ビデオみたいなものを見せていただきまして、赤ちゃんは生まれてすぐにどんなふうな
状況になるかというのを見て、ほかのビデオも見たんですけれども、じっと赤ちゃんがお母さんを見詰めて、おなかの上に乗せると、お母さんも赤ちゃんを見詰めて、覚せい水準と言うらしいんですけれども、そういう
状況になるととても赤ちゃんがいとおしくていとおしくてしようがないと。暗いところで、おうちで産んで、羊水が付いたままの温かい赤ちゃんをお母さんはそのまま抱かせてもらえる。産湯をつかったりいろんなことをしてから、もうおくるみにくるまれて、はい、あなたの赤ちゃんですよというのと全然違う。暗いところでお父さんも赤ちゃんに声掛けると、赤ちゃんがお父さんの方を振り向くとか、そういう感動的な出産シーンを私幾つも見せていただいて、ああ、私も病院じゃなくそういうところで産めばよかったと、もう後の祭りなんですけれども。
そのとき、それでも子供を産むというのはとてもすばらしいことで、感動的で、私もお産の後で、ああ、二人目、三人目、もっと産みたいわと思ったようなことがありまして、お産というのはやっぱり女性にとって大変大事な体験だと思うんですけれども、そのいい体験をすれば虐待なんということもなくなるというふうにも言われておりますし、親子
関係が大変いい形で愛着が生まれていくと私は思うんですね。
そのお産のときに、ですから私はずっと、病院出産も大事だけれども、そこの出産の
状況をどんどん、今日も清水嘉与子先生もいらっしゃいますが、変えていってくださっていることは十分分かっているんですが、助産所で産みたいというお母さんも増えてきている。そういう人たちのためにも、私は、それから産婦人科医の医療
事故を減らすためにも、是非助産師さんにもう少し出産を任せてはどうかと思っているんです。正常な出産にまで医師が立ち会う必要は病院でもないと思いますし。
しかし、今、助産師の少ないところがございまして、助産師の定数
配置といいますか、実は医療
事故は助産師さんのいないところで多く起こっているというデータもございまして、
厚生労働省が医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方に関する
検討会で、一か月に三十件以上のお産を扱う
施設でも助産師が一人もいない
施設が百十七か所あることが明らかになったと書かれておりますけれども。
そうした助産師が一人もいない
施設で医療
事故が起きている確率も高い中で、何とか助産師の活用をするためには、看護師とか保健師は定数
配置が決められているんですが、これが大変あいまいなんですね。全く助産師の場合は何件以上出産があるところでは何人
配置すべしというものがないんです。こうしたことをきちんと定数
配置をなさり、そして業務の
拡大も、もちろんそれは訓練と教育も含めてということですが、助産師さんの業務の
拡大もして、お母さんたちが本当に安心、安全、満足のいくお産ができるような形に、そして選択肢があるようにすべきだと私考えているんですが、いかがでしょうか。