運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2006-05-18 第164回国会 参議院 経済産業委員会、国土交通委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年五月十八日(木曜日)    午前九時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。    経済産業委員会     委員長         加納 時男君     理 事                北川イッセイ君                 佐藤 昭郎君                 松山 政司君                 若林 秀樹君                 渡辺 秀央君     委 員                 魚住 汎英君                 倉田 寛之君                 小林  温君                 林  芳正君                 松村 祥史君                 岩本  司君                 小林 正夫君                 藤末 健三君                 山根 隆治君                 浜田 昌良君                 田  英夫君                 鈴木 陽悦君    国土交通委員会     委員長         羽田雄一郎君     理 事                 伊達 忠一君                 脇  雅史君                 山下八洲夫君                 西田 実仁君     委 員                 市川 一朗君                 小池 正勝君                 末松 信介君                 田村 公平君                 中島 眞人君                 松村 龍二君                 加藤 敏幸君                 北澤 俊美君                 佐藤 雄平君                 田名部匡省君                 前田 武志君                 柳澤 光美君                 山本 香苗君                 小林美恵子君                 渕上 貞雄君    国務大臣        経済産業大臣   二階 俊博君        国土交通大臣   北側 一雄君    副大臣        国土交通大臣  江崎 鐵磨君        国土交通大臣  松村 龍二君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       小林  温君    事務局側        常任委員会専門        員        世木 義之君        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        経済産業大臣官        房商務流通審議        官        迎  陽一君        中小企業庁長官  望月 晴文君        国土交通省都市        ・地域整備局長  柴田 高博君        国土交通省住宅        局長       山本繁太郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○中心市街地における市街地整備改善及び商業  等の活性化一体的推進に関する法律の一部を  改正する等の法律案内閣提出衆議院送付) ○都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等  の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院送  付)     ─────────────    〔経済産業委員長加納時男委員長席に着く〕
  2. 加納時男

    委員長加納時男君) ただいまから経済産業委員会国土交通委員会連合審査会を開会いたします。  連合理事会協議により、経済産業委員長及び国土交通委員長が交代して連合審査会会議を主宰いたします。  中心市街地における市街地整備改善及び商業等活性化一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案及び都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  両案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 松山政司

    松山政司君 おはようございます。自由民主党松山政司でございます。  ただいま議題となりました両法案につきまして、早速でございますが御質問をさせていただきたいと存じます。  まちづくりでございますが、私もつい数年前まで、青年会議所活動などを通じて地元福岡を始め全国の様々なまちづくり活動に携わった経験がございますが、このまちづくりは多数の人の合意を得て進めていくという必要がありますので、大変難しい課題であるというふうに考えています。  平成十年に制定をされましたこのまちづくり三法ですが、全国中心市街地衰退傾向歯止めを掛けるという意味では大変大きな期待をされてスタートしたことと思います。  こうした取組にもかかわらずに、もう自動車、一家に一台という自動車化が進んだり、モータリゼーション進展公共施設郊外化あるいは大規模集客施設郊外への移転等々、この町の郊外化のスピードは一向に衰えたようには見えないわけでございます。シャッター通りというふうに、こんな言葉にも象徴されますように、各地中心市街地衰退が進んでおります。そんな意味では、この三法の見直しは、この事態に歯止めを掛けて中心市街地再生を進めるために大変重要な役割期待されているというふうに考えています。  私の地元福岡県でありますが、現在でも十三市三町と二十一の地域で、現行中心市街地活性化法に基づいて基本計画を作成して、前向きに大変活性化を目指して取り組んでいます。そんな中で、各地大型店出店かなりの勢いで進んでおります。例えば、平成十二年から十七年を見てみますと、何と百四十を超える大規模小売店舗届出があっております。昨年だけを見ても四十三店舗と百四十の約三割に当たる、急激に増えておるわけでございますが、人口六万人弱の直方という町では何と四万平米というかなり大型店が、決して人口が増えている町ではないんですけれども、そういう状況もございます。同じように、人口が減少している大牟田市というところでも、現在大型店がある中に、また加えて九州最大の大規模小売店舗ができるというような状況になっております。そういった意味では、大型店居住者に対して利便性を与えるというプラスの面がある一方で、地元に住む商店街方々が大変深刻に将来に不安を感じながら大きな問題になっているのも事実でございます。  この中心市街地立地することで多くの顧客を引き付けて活性化をするという一方、また逆に郊外立地することが空洞化をつくると、こういう両面があると思いますけれども、そこでお伺いをいたしたいと思いますが、この郊外大型店出店中心市街地衰退した大きな要因一つと思われますけれども、この要因はそれだけではないと私も考えます。それで、この中心市街地衰退してきた要因についてどういう御見解をお持ちであるかということ。加えて、平成十年、まちづくり法制定時に、今思いますと、そのときにこの立地規制も手当てする必要があったというふうにも感じるわけですが、この中心市街地現状を振り返って、どのように総括をされておられるかを、二階大臣北側大臣にそれぞれお伺いをさせていただきたく存じます。
  4. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 中心市街地衰退要因一つとして、郊外大型店出店もただいま御意見のとおりであります。しかし、これ以外にも、商店街方々消費者の間の感覚の上において、言いにくいことではありますが、多少ずれが生じているのではないかというふうなことも感じられるわけでありますが、いずれにしましても、様々な要因があることは松山議員がただいま御指摘のとおりであります。  中心市街地衰退が進む中で、現行まちづくり三法についても、各市町村計画について十分評価がなされないままに活性化につながる効果的な支援策を十分講じることができなかったなど、お互いに反省すべき点がたくさんあることは否定することができません。新しい制度では、これらの真剣な反省の上に立って中心市街地衰退から再生へ向けて方向を転換していく、地域方々の一層の奮起をお願いする、そうした仕組みを導入しており、私は、今度の新しい法律によって対応できる地域というのは、日本全国商店街の数からいたしますとごく限られた地域になることはやむを得ませんが、それでも商店街というものは、政府そして地方の公的な機関等が懸命にバックアップすると同時に、特に今度の法律では内閣総理大臣中心になって関係閣僚にも協力を呼び掛けるわけでありますから、相当の成果を上げることができる、また上げなくてはならないというふうに考えている次第であります。
  5. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 私も全国あちこちへ行かしていただいておりますが、全国地方都市中心市街地が非常に閑散とした状況にあるということを目の当たりにしてまいりました。  この要因につきましては様々あるかと思いますけれども、委員のおっしゃった大規模集客施設郊外立地をどんどんされているということも一つございますけれども、さらに、例えば役所だとかそれから病院だとか学校だとか、そうした公共公益施設までが郊外立地が進んでいる状況でございます。また、もう一つ大きな点を申し上げますと、私はこれが大変大きいと思うんですけれども、中心市街地居住人口が減少していると。やはり、町というのは人が住まないと活性化していかないと私は思います。そうした様々な要因があって中心市街地衰退傾向歯止めが掛かっていない状況でございます。  平成十年の際ももちろんこうした認識があったわけでございまして、特別用途地区多様化だとかそれから特定用途制限地域だとか準都市計画制度の創設等々、市町村が必要とする場合には大規模集客施設規制することができる、そうした制度は導入されたわけでございますけれども、効果が、実効が上がっていないというのが現状であると認識をしています。  なぜその実効が上がっていないのかと、その反省点でございますが、一つは、平成十年のこの改正というのはやはり商業振興ということが中心となっておったというふうに考えております。中心市街地を、もちろん商業振興も大事なわけでございますが、人が居住する生活空間、人が交流する生活空間というふうにとらえていくことがやはり大事なわけでございまして、図書館とか病院とか、そうした都市機能をやはり中心市街地に集積をしていく、また町中居住を促進をしていくと、こうした措置が必要であるというふうに思います。  また、今はモータリゼーション進展をしておりますので、一つの自治体で様々なまちづくりに関して計画を作ったとしても、隣の市で全く相反するまちづくり都市計画ができてしまいますと、これは効果が発揮いたしません。やはり、広域的な観点からの適正立地を図っていくという措置がやはり不十分であったというふうに考えております。  今回の法改正におきましては、こうした反省点にも立ちまして、中心市街地振興のための支援策の充実とともに、都市機能の適正な立地のための都市計画制度、具体的には、従来はこうした大規模集客施設につきましては、都市計画区域内でも九割では立地が可能であったわけでございますが、今回は原則と例外を転換いたしまして、むしろ九割、都市計画区域内の九割では原則立地ができないと、こういうふうな適正立地をしていくための都市計画制度をつくらしていただいたわけでございます。
  6. 松山政司

    松山政司君 ありがとうございました。  中心市街地衰退原因としては、郊外化のみならず様々な要因があり、また大変前向きに取り組んでいただいているということをお聞かせいただきまして、ありがとうございました。  確かに、それぞれの地域人たちが必死で頑張って何とか盛り上げているというところもございまして、私の地元の久留米でも、年間二百回を超えるイベントを必死でやりながら、二十万人という人を集めて、焼き鳥フェスタでありますとかあるいは屋台まつりとか、いろんなことを工夫して必死になって頑張っておりますので、この行政の配慮とともに、これから頑張っていただければと思うんですが。  他方で、少子高齢化人口減少が進む中で、今大臣もおっしゃっていただいたように、大型店舗ができ、また市役所が郊外に移転したり、町が拡散するということは、この現状では確かに不適切だと思いますし、放置し得ない重要な課題であると考えます。その都市拡散、今まではそういった状況でありましたが、今度は逆に都市機能を集約すると、いわゆるコンパクトシティーを目指すということは、これまでの都市政策の理念から考えると大きく転換をしていくのかなというふうにも受け止めるわけですけれども。  そこで、郊外の開発を抑制してコンパクトシティーを目指すということ、特に一つ市町村地域を超えた商圏、これを前提とした大型集客施設立地をコントロールする調整機能、この広域調整機能を発揮させることが必要だというふうに思います。この広域調整機能を含めて御説明をいただきたいということと、もう一点併せてお伺いをします。  このまちづくり三法を制定していただいて衰退が続いておるわけでありますけれども、今度はこの中心市街地活性化法において、総理本部長として中心市街地活性化本部が設置をされることになったわけでありますけれども、しかし、この中心市街地内における各種取組だけでは不十分であって、例えば農地の転用も含めた郊外土地利用規制等々、関係省庁がしっかり連携をして、本当の意味まちづくり三法と、まちづくりのための三法として運用していくことが極めて重要だというふうに思います。  この点についてどのように取り組んでいかれるのか、以上二点を、国土交通省の御見解をお伺いしたいと思います。
  7. 柴田高博

    政府参考人柴田高博君) まず、広域的な調整観点でございます。総論的には大臣御答弁いたしましたが、今回の都市計画改正では、広域的な都市構造やインフラに影響を与えます大規模集客施設につきましては、これまでは都市計画区域の中の九割ということで、広い範囲で立地可能であったわけでございますが、今回は原則を逆転いたしまして、いったん立地制限すると、その上で、立地しようとする場合には用途地域指定あるいは変更をする、あるいは新しい地区計画でもってその決定といった都市計画の手続を通じて地域判断を要することにいたしてございます。  この用途地域指定変更地区計画決定といった都市計画決定市町村が行うことになりますが、この決定に当たりましては、広域的な観点から都道府県知事協議、同意を要することとなってございます。  さらに、今回、法律改正をお願いいたしておりますのは、都道府県知事がその協議に当たりまして、周辺の関係市町村から意見聴取などの協力を求めることもできるということにいたしてございます。これらの措置によりまして、商圏が一市町村を超える大型店立地につきましても必要な広域調整が図られるという具合に考えてございます。  また、中心市街地活性化等につきましての連携でございますが、これは内閣総理大臣をヘッドといたします中心市街地活性化本部をつくって各省庁連携して協力して対応していくということがございます。これは、国土交通省社会資本整備に関する各種施策あるいは経済産業省商業支援のための各種施策支援というものを共同して、そのほかも連携してやっていくことが一つございます。  また、土地利用規制でございましても、都市計画区域の外につきましては、原則都市計画的な制限は加わらないわけでございますが、一部、市町村が決めます準都市計画区域では規制が利くことになってございますが、今回は、ただ、その運用は、農用地等の部分については準都市計画区域の対象としない運用とされておりまして適切な規制ができなかったわけでございますが、今回は、まず一つは、都道府県知事に準都市計画区域決定ができるということで、広域的な決定ができるということと、農林水産省とも連携をいたしまして、農用地域農地を含め土地利用整序又は環境の保全が必要な区域に広く指定できるというような形で、より効果が上がるような指定をしていきたいというようなことも考えているところでございまして、いずれにしましても、各省庁連携をして中心市街地活性化に取り組んでいきたいという具合に考えております。
  8. 松山政司

    松山政司君 ありがとうございました。終わります。
  9. 小池正勝

    小池正勝君 自由民主党小池正勝です。  もう時間もありませんので、端的に御質問をさせていただきます。  今回の法改正でございますが、これは先ほどもお話がございましたように、拡散型の都市構造というものを内向きに、中心地の、中心商店街のにぎわいというのを求めてベクトルを内向きに変えていこうということでございますから、正に時宜にかなったということだろうと思っております。都市要素中心地立地させようと、大変正に時宜にかなっておる。そこで、公共公益施設中心地立地させると、これは正に時宜にかなっているんですが、その公共公益施設ということではないことについてちょっと御質問したいと思っております。  と申しますのは、昨年、これは日本全国でそうでしたけれども、ダイエー閉店ということになりました。そうしますと、地方都市は正にダイエー核店舗であったことがありますから、地方都市というのが大変困ったという状況各地で起こったわけであります。  私、徳島でございますが、徳島市でもダイエーがありましたが、ダイエーが昨年十月に閉店をいたしました。大変困りました。よく大型店一般商店街対立すると言われますが、徳島はそんなことはありません。中心地立地したダイエーは、正にその周りにある商店街共存共栄、核的な店舗であるダイエーがあったればこそ、そこに来たお客さんが商店街にも寄ってくれるというんで、共存共栄でやってきました。にもかかわらず、一方的にダイエー閉店ということになりまして、大変ショックが大きいし、それでもって商店街に来るお客さんも一気に減ってしまって、ダイエー閉店したという影響は非常に大きかったと、これは徳島だけではないと思います。そんな中で、こういった事業者の一方的な閉店に対してやはり責任ある対応を求めていかなければならないんだと私は思っております。  そういう思いでこの法案を読ましてもらいますと、第六条に、事業者は国又は地方公共団体が実施する施策の実施に必要な協力をするよう努めなければならないという規定が入っております。これは正に大型店撤退のときの措置というのを想定しているんではないかと思うんですが、そうなのかどうかということと、もしそうであるとするならば、必要な協力というのは具体的にどんなことを想定しておられるのか、御答弁をお願いします。
  10. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 正にただいま御指摘のとおり、大型店というのは、例えばその中心部立地をする場合については集客の核となるというふうな役割を果たしておるわけでございますから、地域密着産業として是非まちづくり活動にもしっかりした機能を果たしていってもらうことが期待されるわけでございますけれども。  ただ、一方で、ダイエーの例ございましたけれども、企業の再建とかあるいはお店の売上げの状況とかで撤退がやむを得ないというふうなケースもあるわけでございます。こうした場合におきましても、やはり企業としての自らの社会的な責任の一環として、なるべく地元に迷惑を掛けない、あるいはそういったものを緩和するということが求められるわけでございます。  具体的に申し上げますれば、退店することがやむを得ない場合においても、なるべく事前に、急に撤退をするというふうなことではなく、前広にその情報の提供をすると。あるいは、出ていった後の施設に適切な別の店が出店をするようなこと、別のテナントを探すというふうなことについても協力をする。あるいは、そこで雇用をしていたパートの方とか地元方たちの再就職先を探すというふうなことについても極力協力をすると、こういったことが期待をされるわけでございまして、こういった退店のケースだけではございませんけれども、もちろん、店を続ける場合において地域集客活動協力するとか、そういったことも含めまして、大型店においてもしっかりと事業者責務を果たしていただきたいというふうなことでこうした責務規定も設けたわけでございまして、こうしたものに基づいて大型店まちづくりへの協力というふうなことを私どももしっかり促してまいりたいと、こういうふうに考えております。
  11. 小池正勝

    小池正勝君 そこで、大型店撤退した後の話を今度はさせていただこうと思うんですが、大型店撤退した後、ぽっかり穴が空いてしまったということで人通りが激減した、これは徳島だけではないと思うんですが、とにかく迅速に後継店舗に来てもらうということがもう一番なわけですけれども、正に迅速に来てもらうために政策的な誘導というのをすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  12. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 御指摘のとおり、大型店撤退をしたと、そうして大きな店の施設が空いたままで残っているというふうなこと、ケースがあるわけでございますけれども、そうしたところに別の事業者がその施設を利用して速やかに開店をしていただくというふうなことが中心市街地活性化を考えるに当たっては期待をされるわけでございます。  今回、新しい法律の中では、こうしたケース中心に、中心市街地大型店が迅速に立地ができるようにするために大店立地法規制の緩和というふうなオプションを選択をするということが地域発意でできるようにしております。  具体的には、大規模小売店舗出店に際しましては、大店立地法規制上、都道府県への届出後八か月間は出店できないというふうなことになっておるわけでございますけれども、地域判断特例区域を設定いたしますと、こうした八か月という期間を置かずに出店をすることができるというふうな制度を設けました。地域発意によってこうした措置是非御活用をいただきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  13. 小池正勝

    小池正勝君 商店街の皆さんは今、大変な努力をしておられます。正に必死に努力していると思うんですよね。そのときに、商店街、もちろん活性化に向けてどこでも努力はしているんですが、その努力をするときに、各地域らしいもの、徳島であれば徳島らしい商店街として人がたくさん来てもらえるようにしようと、そんなことをみんなで知恵を絞って努力をしています。  例えば徳島の例を申し上げますと、徳島らしさって何だろうかというと、これもいろいろありますが、一般には徳島といえばすぐ思い出すのは阿波踊りと、こうなるわけですから、その阿波踊りを生かした商店街活性化をしようということで中心地商店街が立ち上がりまして、阿波踊りというのは八月の十二、十三、十四、十五、四日間しかありませんけれども、しかし、本番に向けてもうこのゴールデンウイークが終わると町中各地練習をしているんです。そこで、夜の商店街というのは、大変残念なことですけれども、人通りが少なくなってしまいます。シャッター街と、こういうふうにもやゆされているわけですが。そこで、それを逆手に取って、であれば、阿波踊り有名連練習会場としてアーケードを提供しようと、そこでやってくれと。そうすれば観光客も集まるし、人も集まるし、シャッターも上がるしということで、今やろうとしております。  こういった努力、もちろん夜遅くなりますから、商店主の方も夜遅くまで当然残って店をやるという格好になるわけですけれども、こういう努力をするんだけれども、一方で、そこは道路でございますから、市道でございますから、当然規制が掛かると。もちろん夜ですからほとんど人は少ないんだけれども、しかし一般の道路であることは間違いありませんから、当然その規制というのは掛かってまいります。  そんな中で、規制との調整をしながら、しかし徳島らしい商店街として汗をかこうと今一生懸命していますので、どうかそこは、政府一丸となって取り組んでいただくということの中で、もちろんできないものはできない、これはしようがない話ですけれども、できる限りの御支援というのをお願いして、徳島あるいは各地域の一生懸命必死になって努力しようとしている芽を摘まないでほしい、努力支援の手を差し伸べてほしいと思うんです。  そして、もう一つお願いしたいことは、今の中心商業地の予算というのは、よく中心商業地関連の予算という一覧表を見せてもらいますと、全部足し合わせると一兆円にもなります。しかしよく読んでみると、それは中心商業地でも使えるし、ほかのところでも使えるという予算なんですね。やはりそれでは具合が悪い。やはり、中心商業地の皆さん、とりわけ徳島のように一生懸命努力しているところは厚く厚く重点配分していただきたい。  このことを、この二点を、規制に対して手を差し伸べてほしいということと重点配分してほしい、この二点を是非大臣に御答弁をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  14. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 今、小池議員から、小池議員は、もう皆さんも御承知のとおり、徳島の市長もお務めになられ、建設省の役人としても御活躍されたわけですから、答弁もみんな承知をしておられるわけでありますが、私は、ただいまの御意見、非常に参考にさせていただきたいと思います。  阿波踊りというのは、今や日本人の心の中にあの真夏の徳島のパワーが焼き付かれております。そして、テレビを通じて各地にこれが放映されて、みんなあの勢いを、元気を少しずつ分け与えていただいている、こんな状況でありますが、最近は、聞くところによりますと、海外からも非常に御招待の声が多くて、海外にも随分御活躍をいただいているようでありますが、阿波踊りを活用して商店街活性化しよう、私は大賛成であります。そうしたことに対して経済産業省、改めて何かの面でお手伝いをさせていただきたいと思います。  また、これは議員も御承知かと思いますが、ロボットがまだこんなに盛んになっていないころに、徳島大学工学部の先輩たちといいますか、そういう関係者が御努力いただいて阿波踊りロボットというものを開発して、ロボットに浴衣を着せて踊るわけでありますが、これはもう申すまでもなく、二十四時間踊っても疲れを見せないわけでありまして、私は、なるほど徳島の意気込みというかパワーは大変なものだなというふうに思っておりますし、また、日ごろからも徳島の観光にお出掛けの人に対してはいつも有名連が、別の会場で料金を払えばみんなこの阿波踊りをいつでも見学することができると、こういうことをおやりになっておりますが、商店街がこうした問題に対して積極的にお取り組みになることに対しまして、道路の問題は北側大臣の範囲でありますが、私どもができ得ることに関して政府一体になって取り組んでいきたい。  今回は、度々申し上げておりますが、内閣総理大臣本部長として商店街の問題に取り組むというのは、これはある意味では開闢以来のことじゃないかと思います。しかし、内閣総理大臣本部長などというこのケースはいろんな場面にたくさんあるわけでありまして、この間も国会答弁を、総理の答弁を伺っておったら、自分は二分間しか出れないようなそういう本部を開いてもらっても何にもならないと、それよりももっと担当大臣がしっかりやってもらうことの方がいいんだというような御答弁をなさっておりましたが、私は、それはそれとして、内閣総理大臣市街地活性化本部の本部長に据えたということ、これは政府の責任において総合的に取り組んでいこうということでありますから、関係各省挙げて御協力申し上げられるようにいたしたい。  そして、徳島のその今の商店街がうまく入るかどうか、私は個々のことには調べをしておりませんが、今度私どもの省で、立派な元気のある日本の商店街七十七をピックアップして、そして一定のステージに乗せて、多くの皆さんから、よし、我々もあれに負けないようにしようと、あの程度のことならその次の年の七十七には我々も入れるだろうと、そういう奮起を促すことなども考えておりますので、また、お地元におきましても御協力をお願いしたいと思います。
  15. 小池正勝

    小池正勝君 終わります。
  16. 西田実仁

    ○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。おはようございます。  今日は、経済産業省大臣中心に御質問をさせていただきたいと思います。  今回のこの中活法の改正でございますけれども、郊外におきます大型店立地規制していくというそのこと自体が、即、中心市街地活性化していくということには当然ならないわけでございます。郊外への拡大、拡散規制して、そして中に持ってくるというその方向性は、今後の人口減少、また高齢社会、さらには環境や財政の問題、様々な政策目標からして、大変に、今もうなさねばならないと私も思っております。  しかし、経済産業省での小売店舗等に関する世論調査を見ても、やはり郊外に住んでいる人たちの快適さ、利便性を感じている郊外居住者というのはもちろん現状では非常に多い。そして、今後のまちづくりの在り方を問うたときには、まあはっきり言って、郊外でも中心市街地でもにぎわいのある場所、にぎわいをつくってくれればいいという。必ずしも、この目標とする政策の方向性と郊外に住む人たちの意識というものにはまだ現状ではギャップがある、しかし、そちらに持っていかなきゃいけないと、こういうことであります。  私は、そういう意味では、大臣に問わせていただきたいんですけれども、郊外への立地規制していく、そして一方では中心市街地活性化していく、今快適さを感じている郊外に住んでいる多くの住民の人たちが納得をしてこの政策に協力をしていただく、また取り組んでいくということを考えたときには、やはりかなりスピード感を持ってこの中心市街地活性化というものを進めていかないといけないのではないかというふうに思います。さもないと規制だけが目立ってしまって、中心市街地活性化していくというメリット、今でいえば、ある意味では規制をしていくことによって感じるデメリットを超える、上回るメリットというものをスピード感を持って実現をしていくという中心市街地活性化策というものが求められていると私は思います。  そこで、大臣に問わせていただきたいと思いますが、こうした政策目標を達成していくまでの期間をどういう程度想定されておられるのか、また、こうしたスピード感を持って中心市街地活性化していくということについての御認識、さらにそれに向けてのお取組、これをまずお聞きしたいと思います。
  17. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 中心市街地現状については、議員も御承知のとおり、一部には現在改善の傾向が見られておりますが、多くの地域では、御指摘のように、居住人口や売上げが減少するなど厳しい状況がありますので、活性化に対する課題解決については、ただいま西田議員から御指摘のとおり、正にスピード感を持って活性化対策に取り組まなくてはならないという御指摘はもっともなことであります。  それぞれの中心市街地活性化するまでの取組の期間につきましては、地域ごとにそれぞれこの状況や取り組む内容が異なるわけでありますから、これは地域別に一斉にスタートするように我々の方から強制をするのではなくて、地域の皆さんの取組次第でありますが、今御指摘にありましたように、待ったなしといいますか、本当に商店街の今日の衰退状況ということに関しては、地域全体、町全体が何となく元気を失っているような姿に対して対応を積極的にやっていかなくてはならないと思っております。  具体的な取組としまして、大型店の有するノウハウの活用や集客のためのイベントの開催など、これを大型店と協調してやっていけるようにしたいと思っております。  しかし、地方から聞こえてくる声の中には、大型店地域商店街との協調関係が十分なされていないような事例もたくさんありますし、商工会議所へ加わらないかと、いろんな会議に一緒にやらないかと言ったって会費すら払わないといって怒っておられる人たちもおるわけでありますが、これからは大型店地域が協調してやっていけるように、同時に、住宅や、さらに公共機関等整備などにおきましても対応を考えていかなくてはならないと思っております。  市町村が作成する基本計画におきまして、地域自らが、中心市街地活性化目標の達成までの期間と、その間の個々のスケジュール、これを定めていただくようにしたいと思っておりますが、経済産業省としましては、度々申し上げてまいりましたが、それぞれの局を総動員する、地方の局を総動員する、同時に、本省におきましても、じっと机に座って待っておるんではなくて、我々の側から出向いていってでも一緒に取組を考えていきたいと、このように思っておりますので、議員各位の御協力を特にお願いをしておきたいと思うものであります。
  18. 西田実仁

    ○西田実仁君 私は地元、埼玉でございますが、たまたま昨日、私が住んでいる所沢市の駅前の商店街の理事長と懇談する機会を得まして、正に今言われたように、大型店また地元商店街が協調してこの中心市街地を何とかしていこうという、そういう共有、共感をするというか、目標を追求していくという空気が出てきておりまして、条例によって大型店についても商店街にしっかりと加盟していくということも今も模索をしているというような話も聞きました。そういう意味では、少しずつ動き出してきているところもある。しかし、まだまだそうでないところも数多くあるというところで、今大臣がお述べいただきました諸施策を集中して、そしてスピード感を持ってこの中心市街地是非とも活性化していきたいと、こう思うわけであります。  具体的に、この中心市街地活性化法の中に盛り込まれていることで幾つか確認をさせていただきたいと思います。  今回は重点的に支援をしていくという、選択と集中ということが掲げられております。重点支援とする意欲的な自治体、意欲的な自治体に重点的に支援する、こういう仕組みです。  では、この意欲的な自治体というのは一体どういうものを想定しているのか。多分幾つかの指標、数値等もあろうかと思いますので、この意欲的な自治体の具体の内容につきまして御質問させていただきます。
  19. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 新しい中心市街地活性化法案では、市町村が作成された基本計画について内閣総理大臣による認定制度を設けると、そして認定を受けたものについて重点的に支援を行っていこうということで考えておるわけでございます。  しからば、実際にどういったものについて認定をしていくかということでございますけれども、これについては、例えば中心市街地居住人口についてどのように増やしていくのか、あるいは空き店舗をどのぐらい減少させるとか、あるいは通行量をどれぐらい増やしたい、明確なその数値目標を定めて取り組んでいただく。それからまた、取組につきましても、商業者だけではなくて開発に携わる方、あるいは地権者、NPO、地域の多様な関係者が町ぐるみで取り組むようなことになっておるのかどうか。それから、計画の中で実施していく事業につきましても、様々な取組がばらばらに単発で行われるというふうなことではなくて、トータルなプランとして相乗的な効果を生むように一体的にきちっとした計画的な取組になっているか。こういった点を総合的に勘案をいたしまして、いい計画、意欲的な実現可能性の効果の高い計画というものを認定をしていくということで考えておる次第でございます。
  20. 西田実仁

    ○西田実仁君 今、空き店舗の話もございました。空き店舗をどの程度減少させるかというのも、この意欲的の具体の内容にも入ってくるということであります。  そこで、このいわゆる空き店舗に新規参入者、空き店舗を新規参入者に貸していくというチャレンジショップ事業というのがあろうかと思います。このチャレンジショップ事業がどの程度全国で今活用されているのか。また、今回、スピード感を持って中心市街地活性化をしていくためには、こうした私は新規参入者に対するこのチャレンジショップというのはもっと強力に、ある意味では抜本的に改革をしていく必要があるんではないかというふうに思っておりますが、その点いかがでございましょうか。
  21. 望月晴文

    政府参考人(望月晴文君) 先生御指摘のチャレンジショップ事業につきましては、商店街に新たに出店しようとする商業者を育成したり、空き店舗対策全体に生かしたり、商店街地域特産展などの特色を出すとかいう目的で広く支援策を講じてまいりました。具体的には、空き店舗を活用した場合に、店舗の改装費、家賃、効果の検証などに関する委員会開催経費などにつきまして補助を行ってきておりまして、ここ三年間で具体的には四十四地域におけるこういった事業について支援をいたしております。  過去の支援を見ますと、例えば山口県の防府市などで行われているチャレンジショップ事業では、五店舗中四店舗が独立開業をしたなどという実績も上がっておりまして、これはこの山口県に限らず、各地でそういう成果は上がっているというふうに認識しているところでございます。  今回のまちづくり三法の見直しを踏まえまして、中心市街地につきましては更に充実したチャレンジショップ支援を実施してまいりたいと考えているところでございまして、例えば本年度に拡充いたします戦略的中心市街地商業活性化支援事業の中におけるチャレンジショップ支援では、商業活性化アドバイザー派遣制度という制度が、アドバイザーを派遣する制度がございますけれども、これとチャレンジショップ支援連携をして、図って、施策を図ってまいりたいと思っております。  チャレンジショップにて行います商業活動に専門家の適切なアドバイズが加味されまして、経営が早期に軌道に乗り、それが町の活性化にしっかりと寄与する支援とするというようなことなど、制度効果運用を更に徹底をしてまいりたいと思っておりますし、今後とも商店街の空き店舗商業オフィスを有効活用し、様々な人材が商業活動やコミュニティー活動を積極的に行えるように支援策について常に検討してまいりたいと思っている所存でございます。
  22. 西田実仁

    ○西田実仁君 これまで、選択と集中という今回の中心市街地活性化法でございますが、これまで計画してきた中心市街地活性化関連の投資は、これ今回新しく中心市街地活性化法の中ではどういう扱いになるんでしょうか。これまでのは全部凍結になってしまうんでしょうか。それとも、また新たな中心市街地活性化法の枠組みの中で、またそこで選択をされれば集中的に投資をされるということなんでしょうか。
  23. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 現行法の下で全国多数の市町村におきまして基本計画というふうなものが作られておるわけでございます。これにつきましては、新しい法律の下におきまして、例えば現行法の下で定められております信用保険法の特例でございますとか債務保証等の支援策については適切な経過措置を設けておるわけでございます。それから、今現在の基本計画に基づいて市町村やあるいは民間で講じられている独自の取組については、法改正によって何かそれが妨げられるというふうなことではございません。一方で、現行法で策定された基本計画そのままでは国の支援というのを新たに受けるということはできないわけでございまして、先ほど申し上げましたように、そのためには新しく国の認定というのを受ける必要があるわけでございます。  したがいまして、今の基本計画というもの、これについて、その実施状況ですとか効果ですとか見直していただいて、さらに、認定の要件に合致するような数値目標を含めるとか、あるいは事業全体の取組体制を見直す、あるいは事業の中身を見直すというふうなことで、新法下にふさわしい基本計画というのを各地域ごとに、今のをベースにもう一回お考えいただいて、是非ともいい計画をその認定に向けて出していただきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  24. 西田実仁

    ○西田実仁君 できる限りスムーズに、滑らかに移行できるようにお願いしたいと思います。  最後に、今回の都計法並びに中活法のクロスする部分といたしましては、準工業地域におけます大型集客施設の扱いだと思います。三大都市圏と地方ではその要件が異なってくるというふうに理解しております。そこで、国交省に確認の御質問をさせていただきたいと思います。  ここで言うところのいわゆる三大都市圏というものはどういう地域を想定をしておられるんでしょうか。様々、法律に基づくものがあろうと思いますので、今の段階で想定している三大都市圏の範囲をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
  25. 柴田高博

    政府参考人柴田高博君) 三大都市圏の範囲についてでございますが、これは中心市街地活性化を図るための基本方針の中で明らかにしていきたいと、定めたいという具合に考えてございます。  それで、想定される範囲といたしまして、経済活動等の状況から見て一体としての大都市圏が形成されていること、また都市計画制度その他法令上の都市圏の取扱いを踏まえますと、例えば首都圏整備法に基づきます既成市街地及び近郊整備地帯、近畿圏整備法に基づく既成都市区域及び近郊整備区域、中部圏整備法に基づく都市整備区域といったような範囲が考えられると考えております。
  26. 西田実仁

    ○西田実仁君 済みません。今のお話ですと、三大都市圏は首都圏整備法に基づくということになりますと、埼玉では熊谷市と深谷市というのはこの範囲のちょうどずれるところでもございます。当然、線を引けばどこかでそういうことは生じてくるとは思いますけれども、その辺もその運用の面で滑らかにいくようにお願いをして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  27. 加納時男

    委員長加納時男君) 西田実仁君の質問が終わりました。    〔委員長退席、国土交通委員長羽田雄一郎君着席〕
  28. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 おはようございます。民主党・新緑風会の柳澤光美でございます。  今回の中心市街地活性化法都市計画法の改正でございますが、この法案には私も個人的に大変関心を持っておりまして、皆様の御配慮で質問の機会をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。しかも、連合審査会質問させていただくことになりまして、大変緊張もいたしております。また、二階経済産業大臣、あるいは北側国土交通大臣には初めて質問させていただくことになります。どうぞよろしくお願いしたいと思います。  まず、今回の法改正に当たっての基本的な認識についてお伺いをしたいと思います。  今回の改正は、少子高齢化進展人口減少社会など環境の変化に対して、一言で言えば、アクセルとブレーキを駆使して真のまちづくりを行うということが目的だろうというふうに思っています。アクセルというのは、言うまでもなく、中心市街地活性化法であり、ブレーキが都市計画法と言うことができるのではないかと思います。  そこで、改めてお伺いしたいと思いますが、今回の法改正に踏み切るきっかけとなった一番の要因はどこにあるのか、そして、なぜ今なのかということを両大臣に教えていただければと思います。
  29. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 柳澤議員のただいまの御質問でございますが、誠に今回の改正の一番のポイントをつかれているものであります。  まちづくり三法の制定の後も中心市街地は、一部の正に例外を除いて、全体的には厳しい経営の状況が続いておったことは議員も御承知のとおりであります。中心市街地は、地域社会の、また経済・文化活動の拠点でもありますし、言わば地域を代表する顔でもあるわけであります。この顔が元気を失っておるような状況になってまいりましたこと、これはその地域にお住まいの人たちも、またその地域で御商売をやっておられる方々はもちろんのこと、関係者の間でこれを何とかしなければならないということで大きな声となり、やがてそれは国全体として取り組む必要があるのではないかと、それぞれの地域再生に向けてその声は大きなうねりとなってまいりました。  また、ただいまも御質問にありましたように、少子高齢化人口減少社会が進展する中で、人々の焦りというか、これ大変な状況を迎えたということで、都市の無秩序な拡散傾向から地域住民が町中に住んで生活や活動をしていけるようなまちづくりへ方向転換をする必要があるのではないか、ただいまの御質問の一番のポイントであろうと思いますが、私どもは正にその方向転換を決意をしたところであります。  こうしたことから、このたび、中心市街地活性化法改正を行うとともに、中心市街地に人や機能を呼び戻し、正ににぎわいを回復していくための制度を導入すること、これを考えたわけであります。  しかし、私は、この法律を皆さんのおかげで仮に成立をさせていただいたとしても、この法律にのみ頼っておるだけでは、私は、全国商店街活性化には決してそんな安易なことでつながるものではない、これからはあらゆる政府施策を駆使して、是非商店街に明るい元気な声が聞こえてくるように、若者たちも定着できるように、そうした商店街活性化に向けて、これをきっかけに私ども更に積極的に取り組んでまいりたい。  したがいまして、先ほども申し上げましたように、これから、ただいま全国の立派な活躍をしていただいているにぎやかな商店街中心に、成功事例もあるわけでありますから、これを網羅してまた皆さんにごらんに入れて御批判をいただき御協力をいただきたいと、このように考えておる次第であります。
  30. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 今、二階大臣の方から中心市街地活性化という観点からお話ございましたので、私の方からは、都市機能適正立地という観点から今回の趣旨についてお話をさせていただきたいと思います。  昨年から我が国はいよいよ人口減少社会に突入をいたしました。これから、長い間、持続的に人口減少が続いていくことはもう間違いありません。また、本格的な高齢社会というのもこれからやってまいります。団塊世代がいよいよ定年退職時代に入ってくると、本格的な高齢社会の到来はまさしくこれからでございます。そういう人口構造の面からも大きな転換点にあるのが今だというふうに、まず、考えております。  さらに、これからの時代は、エネルギー対策にせよ、環境重視、更には景観重視、環境とか景観とかそうしたものが重視されるまちづくりにしていかねばならないと思います。また、そうしたものの優先順位が非常に高くなっている時代になっているのではないかというふうに考えております。  さらに、財政面でも制約があります。都市がどんどん拡張していくということは、道路も造らないといけない、様々な社会資本を造っていかないといけない、更には維持管理が必要だというふうになるわけですね。しかし、財政面で、これからのこういう人口減少社会の中でやはり限られた予算を有効に使っていくという観点からは、むしろ考え方を大きく転換して、既存ストック、既存ストックも相当蓄積をしてきたわけでございますので、むしろこれからは、新たに開発をしていく、そういうところもありますけれども、むしろ中心は既存のストックをいかに有効活用していくか、リニューアルをしていくかということに重点を置くべきではないか。  こうした考え方に立ってまちづくりということを考えたときに、やはり都市がどんどんどんどん拡張していくということではなくて、むしろ中心部に人も住み、そこで生活もありお仕事もあり交流もあると、そうしたまちづくりを志向していくべきではないか。特に高齢者の方々から見ますと、もう車に過度に依存するような社会であってはならないわけでございまして、やっぱり歩いて暮らせるまちづくり、自分の生活空間の中に必要なものが、病院にしても様々な文化施設にしても教育施設にしてもそろっていると、一応そろっていると、そうしたまちづくりをこれからは志向していく必要があるという観点からは、都市機能の様々な立地について適正立地をしていく、そうしたまちづくりを志向していくべき、そういう観点から都市計画法の今回見直しをさせていただいた次第でございます。
  31. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 連合審査というのは、二人の大臣にお答えいただくともう十分も過ぎてしまって、この後どういうふうに質問を進めようかなというふうに今ちょっと迷っておるんですが。  一つは、今回の法案が出てきた経緯の中で、その作成あるいは提出がどちらかというと国土交通省中心になっている。むしろ、経済産業省の方は規制緩和や地方分権も踏まえてむしろ規制関係には異論もあったと聞いております。その意味では、ブレーキの都市計画法が先にあって、後からアクセルの市街地活性化法が出てきているという印象がぬぐえない部分があります。  ですから、今週初めの日経の社説にも載りましたけど、そこに、今回の三法改正は駅前などに土地を持つ商店主や地権者が推進の原動力になったとされる、市役所などの公共施設郊外移転で町の空洞化に拍車を掛けた自治体が大型小売店に責任転嫁をする形でこれを後押ししたという記事がございましたが、これに対して反論がございましたら御答弁いただきたいと思います。
  32. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) それでは、ブレーキ役の私の方から答弁をさしていただきますが、私は、その日経の社説、読ませていただきましたけれども、率直に申し上げて、よく理解していただいてないなというふうに思っておるのが率直な感想です。  今私が申し上げた、時代の大きな変化の中に、今、我が国社会があって、まちづくりの考え方も大きく転換をしていかないといけない、そういう時代に今いるということをまず認識をしていただく必要がある。  それから、商業調整をしようとしているのではありません。あくまで都市機能立地について規制をしていくわけでございます。それは何も大規模店舗、大手のスーパーだけをねらい撃ちにしているわけじゃありません。市役所だとか病院だとか学校だとかそういう公共公益施設について、郊外にどんどん移っていくと、それで本当にいいんですかと、そうじゃないんじゃないでしょうかと。  これからの時代を考えたら、やはりそうした公共公益施設についても中心市街地若しくはその周辺にきちんと立地されていくような、そうしたまちづくりをした方がこれからの世代にとっても大切なのではないでしょうか、そういう観点から私どもは今回の都市計画法について提出をさせていただいたところでございまして、是非御理解をお願いしたいと思っておるところでございます。
  33. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 もちろんそういう答弁になるだろうなというふうに思っておったんですが。  ただ、私は、今回、やはり中心市街地活性化が先にあって、これは商業施設だけではなくていろんな施策が必要だと。それをやってみて、その結果としてやはり郊外のショッピングセンターに少し規制を掛けなきゃいけないという段取りがなしに、一遍に出てきたということにちょっと疑問を感じているところがあります。  それからもう一つは、平成十年にこの三法を施行後、国はこれまで中心市街地活性化支援するために関係八省庁合計で毎年一兆円規模支援措置をしてきたと聞いております。それにもかかわらず、全国各地中心市街地空洞化歯止めが掛からない、衰退が依然として続いている。平成十六年度の総務省の行政評価でも完全に落第点が付けられた。その多額の補助金を使いながらなぜ効果が出なかったのか、この辺の私は検証が足りてないというふうに思います。  もう一つは、私も今年の二月にまちづくりに関する補助金等に関する質問主意書を出さしていただきました。まちづくり三法施行後にどの程度の補助金が使われてきたのか、また、予算立てをしたけれども恐らく使わなかったのが出るはずだと、とすれば、そのいわゆる不用額がどの程度あったのかということを聞かしていただきました。  しかし、答弁書には、補助金等について取りまとめた既存の資料が存在せず、新たに取りまとめるためには膨大な作業を必要とすることなどから答えることは困難であるという回答でした。省庁によっては、もちろん中心市街地だけに使っているんではないと、交じっているからというのもありました。結局は、その後少し各省庁から一部もらったんですが、結論として言えば、全体像が全く分からないということが分かっただけの質問主意書になりました。  一体幾ら使われてどういった効果があったのか、これをきちんと検証しなければ、補助金の単なるばらまき、無駄遣いと批判されても私は仕方ないだろうと。この後、法案が通った後の取組に関しても、この辺がきちんとなっていなければ次のステップが踏めないというふうに考えております。  そういう意味では、これまで使ってきた補助金等について、その効果があったのかなかったのか、ばらまきによる無駄遣いはなかったのか、なぜきちんとした事後チェックが行われなかったのか、これまでの補助金等の在り方についてそれぞれどのように総括をされているか、明確な御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  34. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 関係予算につきましては、これは省庁によって、一般的な制度があって中心市街地にも使える予算というふうなものと、それから、中心市街地活性化のために、それだけに使えるような予算と、各種、いろいろ制度、予算措置があるわけでございます。  ただ、そういう中で私ども経済産業省では、中心市街地活性化のための補助金というふうなものを設けて、これ、交付をしてきたわけでございますけれども、具体的にその補助金を交付した四十一市町村につきまして、実際それがどういうふうな効果があったかというふうな調査をしたことがございます。その場合においては、他の地域に比べてこうした補助事業を実施したところについては、小売の販売額の増加が見られる、あるいはその販売減少幅が縮小をしたというふうな一定の効果が上げられているというふうに判断をしておるわけでございます。  ただ、一方で、先生の御指摘は、そういった措置を、個々の事業の実施をしてきたけれども、中心市街地の本格的な活性化というのが見られたという地域が非常に少ないのではないかというふうなことだろうと思うんですけれども、この点については、やはり私どもの反省といたしましては、商業活性化への支援だけではなかなか中心市街地活性化という問題は解決を見ることができない、やはり町中居住を推進するとかあるいは都市機能市街地に集約する、こうしたまちづくり全体についての一体的な取組の中で、それと併せて商業活性化についても支援をしていくと、こういうふうなことでなければいけないというふうなことだろうと思っております。  そういった反省を踏まえまして、今回、一体的な取組支援するような中心市街地活性化法改正を御提案している次第でございます。
  35. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 できるだけ簡潔に御答弁をいただきたいなというふうに思っているんですが、民間でいえば、十年も毎年一兆円も掛けて成果が上がらなければ倒産ですよね。  私は行革特の方でも質問をさしていただいたんですが、この辺は本当にチェックを掛けないと税金の無駄遣いになってしまうというふうに本音で思っています。この後の委員会等でも是非この後のフォローをしていただきたいと思いますが、真剣に個別の項目を、市場化テスト法案でいえば、事業仕分と事務仕分をやるぐらい細かく分析を掛けるということが必要だろうという問題提起をしておきたいと思います。  で、本当に八省庁が交じっている。しかも、類似の交付金等も多いと思うんですね。今回はばらまきはしないと、選択と集中による重点的な支援を行うと。とすれば、地方自治体における基本計画の認定件数も私はそう簡単に増えないと思っています。その中で経済産業省の今年の予算は増えています。  恐らく予算ですから、もしその辺が絞り込んで、たくさん来たらということで組んでいるかもしれませんが、逆に言えば余る、不用額が増えるということがあるというふうに思うんですが、その辺に関して、不用額は私はきちんと出すべきだというふうに思っておりますが、二階大臣、どのようにお考えでしょうか。
  36. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 予算が余れば、当然そうした手続を取ることはもう御指摘のとおりでありますが、私ども、相当、今回の新しい法制定の後に積極的に対応していこうということで、地方の出先の経済産業局も併せていろんな取組について準備の対策を練っておるところでありますから、予算が余るというふうなそんな結果になるようなことはないと、私は少なくともそう信じております。
  37. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 信じたいと思います。  ただ、行革特の中でも、官と民の一番の違いは、官の場合には、予算意識で、ある予算を使い切る。民の場合には、どれだけ残して、経費削減をして、どれだけ利益を出していくかと。とすれば、市場化テストでいえば、官民競争入札をしたら全部民が勝つだろうというような議論にもなっています。  そういう意味では、今回の取組というのは、市町村から上がってくるのを厳選していくわけですから、もうこういう事業をやるからということで予算付けをしているのではなくて、上がってきたのをきちんと厳選をしてやっていくということであれば、予算と実績に乖離が出てくる。むしろ、本当に全部が上がってきて足りなければ補正予算を組むということになると思いますんで、その辺は是非きちんと管理をしていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。  実は、平成十年にまちづくり三法が作られてからなかなか進まない。その問題に関して、衆議院あるいは参議院の質疑の中でも、経済産業大臣及び国土交通大臣もそれぞれの立場でお答えをされています。私もその見解にほぼ一緒でございますので、その質問を繰り返したいというふうには思いませんので。  ただ、一つの大きな原因に、関係する省庁連携が弱かった、特に中心となる経済産業省国土交通省連携をもっと密にしなければいけないだろうと。活性化本部ができますが、基本的には、私は、経済産業省国土交通省が今まで以上の連携をして強いリーダーシップを取っていただきたいということを一つお願いをしておきたいと思います。  そんな中で、私は一番いいなあというふうに思っているのは、二階経済産業大臣が、経済産業省の職員について、現場を知り現場を指導することが大切だと、机上論じゃ駄目だと。実際に商店街等に職員を派遣して現場の指導や相談に当たらせたいというお話をされておりまして、私も、本当に議員になってみて官僚の皆様の頭の良さというのはもうしみじみ感じておりまして、法案を作ったり計画を立てられるのは、もうつつきようがないほどきちんとできるんですが、机上論と実際の動きというのは大きなギャップが出てきます。  そういう意味では、是非二階大臣に、具体的にはどんな形でやるのか、どの程度送り込むのかということもひっくるめてお話をいただければというふうに思います。
  38. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) ただいまの議員が御指摘になられましたとおり、私は、再三いろんな場所でそう述べてきております。それは、経済産業省の職員の奮起を促すために私が先行してそういう考えを述べておるわけでありますが、必ずやらせますから、期待をしておっていただきたいと思います。  私は、今朝もウズベキスタンという国の副首相が参りまして、時間がありませんので相当早くからお目に掛かっていろいろな話合いをしてきたんですが、率直に申し上げまして、そうした国は歴史的な経過がありますから、やはり商売ということに関してはそう上手ではありません。大きな商売は上手であるかもしれませんが、小さいといいますか、土産物を販売するとか、それぞれの地域の、国の得意とする製品を日本の市場で販売するというのは、私が見ておっても、これはなかなかまだまだ上手でないなという感じがいたします。  同時に、お耳に達しておると思いますが、私ども、発展途上国の皆様に希望を抱くと同時に、WTOの交渉の円滑化ということも考えて、発展途上国の皆さんがお作りになった品物を今、日本の有名な空港で、北側大臣のところの御協力をいただいて展示販売をさしていただいております。そして、先般、経済産業省の一階の片隅でこの展示会をやらせていただきましたところ、二十七の発展途上国の大使がおいでになりまして大変喜んでおられるんですが、もう一つやっぱり商売ということになると、この方々に私たちが御協力を申し上げなくてはならぬことがたくさんあるなということを感じてまいりました。  同じように、商店街の皆様とも、これだけ複雑に、また目まぐるしく展開するこの世の中にあって、商店街が毎日毎日同じような考えで対応しているのではこれは世間の流れに付いていけないわけでありまして、あわせて、それを指導するという立場にある経済産業省、私は余り好きな言葉ではありませんが、経済産業省の職員も、今申し上げました発展途上国の皆様と同じとは言いませんが、商売をやったことがないんです。小物一つ売ってきたことはないんです。そういう人たちが、高いところから指導するなどという役人用語を使っておるだけで、私は、商店街活性化にリードオフマンの役割を果たすことはできない。  したがって、私どもの職員も、この際、心を入れ替えて商店街活性化に向かって対応していく、そのためにしっかり頑張っていただきたいという私の希望を伝えておるわけでありまして、必ずやります。
  39. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 本当に力強い御答弁、ありがとうございます。私も、この後はもう机上論ではないと、しかも事例は多岐にわたりますから、本当にその辺、入り込まなければいけないだろうと。  あわせて、国土交通省はどうですか。一緒にタッグを組んで、職員の皆さん何人か僕は入ってみるというのも必要ではないかなと。町中居住の問題もありますし、市街地整備の問題もありますし、その辺、北側大臣、ちょっとお伺いしたいと思います。
  40. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 国土交通省というのは、まさしく現場官庁でございます。霞が関にいるのはごく一部でございまして、道路から河川から港湾から空港から、すべてこれもう出先で全部担当しているわけでございます。  そういう意味で、元々国土交通省というのは、そういう出先機関の方々が、地域の県、市はもちろんでございますけれども、地元方々連携を取ってやってきたというふうに思いますが、今回この法案を契機といたしまして、まちづくりを更に進めていくわけでございますので、しっかりと経産省の方々とよく連携を取らしていただいて、現場の市町村方々ともよく連携を取ってやらしていただきたいというふうに考えております。
  41. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 ありがとうございます。  是非、強力な連携、そして経済産業省国土交通省の強いリーダーシップがなければなかなか進まないだろうということで、是非お願いをしたいと思います。  それから、二階大臣の方で、衆議院の連合審査会で、連休明けには百程度の成功事例を公表すると。昨日、事務局にお伺いしたら、今集約中だというお話もお伺いしました。是非これを分析をして、その良さの拡大を図るということは大変大事なことだろうというふうに思っております。  ただ一方で、六百以上出て成功例が百出たとしても残りは全部失敗例なわけですから、少し失敗例もきちんと私は整理されたらどうだろうと。むしろ失敗例も公表するぐらいのことをしていかないと駄目なんではないかなというふうに思いますが、二階大臣いかがでしょう。
  42. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 全国に一万八千ぐらいの商店街が存在しておるわけでありますが、これらの商店街の皆さんはそれなりにみんなで努力をしているわけでありますが、その成功事例をお示しすることによって、一度見に行ってこようかと、あるいは資料を取り寄せてみようと、あるいは経済産業省へ問い合わせてみようというふうなことでみんなが取り組んでいただく。例えば、そういう成功事例といいますか、成功している商店街なんかへ参りますと、必ずお祭りには鉢巻きを締めてはっぴを着て、町じゅうがお祭りになる場合に、その先頭に立ってリードしておるのがこの商店街の皆様である例があるわけであります。  また、各地で今、創意工夫が起こってまいりました。先般も、空き店舗に対して、高等学校の生徒の皆さんに空き店舗を貸して、そしてその人たちの創意工夫によって商売ごっこといいますか、商売のまねをやってみるわけでありますが、学校の教科としてそれを取り入れて取り組もうということでありますが、相当注目をされてにぎわいを生じておるようでありますから、そうしたことなども一例でありますが。  また、ある地域では、例えばお正月を迎える、除夜の鐘が鳴った、そこからもう一度、シャッター街という悪名高きそれぞれの地域商店街の皆さんが奮起して、お正月の到来と同時に店を開けて、そしてお宮参り等にお出掛けになるような人たちがびっくりして、その商店街で初商いということがだんだんやっていく。そうすると、来年もやってくれ、来年もやろう、その次もやろうということで、だんだんそれが定着してくるわけであります。  浅草の商店街の皆さんが、みんなで集まってこの浅草をどう守っていくかということに随分御苦心をいただき御苦労いただいていることなども我々は聞き及んでおりますが、やはりそうしたことなどについて、国が改めて商店の皆さんと手を携えて町の活性化、町の顔をつくると、こういう意味で取り組んでいきたいと思っております。
  43. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 確かに失敗事例を公表というのはかなり抵抗があるだろうというふうに思うんですが、ただ、貴重な税金を使ってやるわけですから、今回は選択と集中をきちんとやる、とすれば失敗は許されないですよというぐらいの私は強さが必要だろうというふうに思っております。  ただ、大臣がおっしゃられるように、まずはその良さを拡大したい、この方式も、私は良さの拡大がベンチマーキングされて広がっていくということが大変大事だろうというふうに思っております。  それには、今回内閣にいわゆる活性化本部が設置されます。で、そこに情報が一元化されて一元的に管理されるようになるだろうと、恐らく経済産業省あるいは事務局の方が中心になってくると思うんですが、ただ、現場にはなかなか情報を伝えるというのは難しい部分があるだろうというふうに思っています。  そういう意味では、成功事例の提供とか相談を一括して受ける窓口というのをもう一度明確に、どこにあってどこへ行けば分かると、あるいは今回いろんないわゆる支援策、補助金もひっくるめてできたんですが、それもそこへ行けば、これは一々経済産業省国土交通省に行かなくてもできるというようなものができないかというふうに考えておるんですが、二階大臣の方でその辺お考えがあればお答えいただければと思います。
  44. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) これは、御承知のように、各省が協力し合って内閣総理大臣本部長とする下で対応するものでありますから、一応内閣府の中で一元的に指揮命令ができるようにするわけでありますが、大宗は経済産業省の責任でありますから、私どもの側で積極的に対応してまいりたいと思っております。  なお、先ほど、経済産業省と国交省との間でよく連携をするようにというお話がございました。北側大臣から御答弁なさったところでありますが、私どもの方も、特に商売、商業ということでは、北側大臣のお地元は堺市でありまして、歴史的に日本の商業の発祥の地でもありますから、我々はそうしたことをよく頭に入れて北側大臣の方と連携を密にして取り組んでまいりますので、どうぞ御安心をいただきたいと思います。
  45. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 是非、効率的にまちづくり全国商店街等で良さの拡大をして進む、で、経費の方も非常に無駄遣いがないようにきちんとなるという意味では、八省庁連携及び経済産業省そして国土交通省中心となっての、窓口の一本化もひっくるめて、対応をお願いしたいと思います。  実は私は、二年前、比例で初当選させてもらいましたので、全国津々浦々歩きました。本当に全国市街地を見るその中で、シャッター街等を見ると、本当にこれは何とかしなければいけないなというふうに私も率直に感じています。あるいは、ロードサイドに多くの店舗が乱立して看板がずらずらと並んでしまっている、あるいは車で行くと急に田んぼの中に大きなショッピングセンターが忽然と現れる。そういう意味では、都市計画に基づいて、無秩序にならないように、あるいは少子高齢化人口減少社会等々、今後のためには十分、変えていかなければいけないんだということは認識をさしていただいております。ただ、郊外の大型小売店舗出店規制するだけでうまくいくだろうかという懸念は持っています。結果は商業規制だけに終わってしまうんではないか。  いまだに一部には、中心市街地、とりわけ商店街衰退の原因のすべてを郊外出店した大型スーパーの責任であると大変短絡的な図式で説明しようとされる方もいます。もちろん、大型店に私は全く責任がないというふうに言うつもりはございません。ただ、中心市街地衰退の原因は、衆参ずっと議論されてきましたように、地権者の関心度の問題、商店街の熱意の問題、個人商店の後継者問題、あるいは地方自治体のバックアップ体制の問題、消費者ニーズの変化の問題、住民の意識の問題、多くの要因が複雑に絡まった結果だろうというふうにとらえております。また、住宅が郊外化した、公共施設病院、学校などもみんな郊外へ移転した、農地の転用の問題もある。単に郊外大型店出店を止めるだけで、また、やる気のない商店主の保護であったり、失礼な言い方になりますが、無関心な地権者の放置であっては私はならないだろうというふうに思っています。  ですから、ちょうど昭和五十年代の初めに、駅前やいわゆる中心市街地へスーパーが出店しようとしたときには大変な反対運動が起きました。商店街のすぐ近くにスーパーが出店したら個人の商店は商売できなくなると。それが現在は、むしろ退店をどう規制するか、あるいは市街地に戻ってほしいと、全く逆の動きが出ている。時代の変化というのはすごいなというふうにしみじみ感じているんですが。  どちらにしても、中心市街地というのは、やっぱり地価も高く家賃も高い、地権者が複数いて、その調整にも時間が掛かる、道路事情も良くない、しかもモータリゼーション進展、あるいは核家族、共働きと、いわゆるライフスタイルが全部変わっていく。そういう意味では、売手市場から買手市場という、お客様のニーズに対応していく、お客様がどういった消費行動を取るんだと、あるいはお客様にとって何が便利なんだということを追求してくると、結果として大型スーパーが郊外出店することはなるべくしてなったろうというふうに感じています。  今回規制を掛けるわけですが、この大型店出店規制においてどの程度効果があるんだろうと私は思っているんですが、その辺、率直に見解をお聞かせいただければというふうに思います。できましたら大臣にお願いできますか、時間がないんで。
  46. 柴田高博

    政府参考人柴田高博君) 今、委員指摘のように、大型店制限しただけで中心市街地活性できるのかということについては、今いろいろとおっしゃっていただいておりますけれども、そういうことは非常に重要だと思っております。だから、政府といたしましても、都市計画法の改正によって、大規模集客施設等、都市の構造に大きな影響を与えるものについて原則立地規制するということと併せまして、中心市街地活性化法に基づきまして、中心部にいろんなにぎわい施設だとか大店舗等が戻ってくるような仕組み、あるいはそれに対する支援というものも用意さしていただいているわけでございます。  また、中心市街地において一番問題で非常に重要なものは、そこにおられます地権者、住民の皆さんの取組が、意欲がないんじゃないかということもよく言われておりまして、そのとおりだろうと思います。商店主で御自身は郊外に住んでおられて、もう商店街、自分の商店はシャッターを下ろされているという方もおられるということもあるわけでございまして、それをまた人に、新しい商店を参入される方に貸すかといったら貸すというようなこともされないという、もうエゴがあるんじゃないかともよく言われているところでございます。  これらにつきまして問題があるわけでございまして、中心市街地活性化法、今回の法律の中では、中心市街地活性化協議会というものを法律でもって制定いたしまして、そこで地権者の皆さん等も含めて幅広くその協議会の構成員となっていただきまして、実際、自分らの町をどうしていくかということを真剣に話し合っていただきたいと。ということで、国の制度も変えますけれども、地方も住民も一体となって中心市街地活性化のために真剣に取り組んでいく必要があるんではないかという具合に思っております。
  47. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 分かりました。何回答弁いただいてもよく分かりません。  一つ、今、小売販売額というのは急激に落っこってきているんですね。大きいところも、商店街もそうですが、すべて落っこっていると。特に、今、商業というのは、むしろテレビショッピングによる電話で簡単に注文ができる、あるいはインターネットのネット販売でパソコンでも携帯電話でも注文ができる。そういう意味でいきますと、商業施設で人を呼ぼうということはかなり、むしろお客様のニーズにどうこたえるかということを真剣に考えなければいけないときだろうというふうに私は思っています。  そんな中で、今回の議論の中に利用者というかお客様の立場というのが非常に私は観点が弱いと。利用者はもう郊外に住んでいますし、郊外に住みたいという、これからも住みたいという人たちが七割を超えるぐらいのデータも出ています。あるいは、平成十七年の五月に内閣府が実施した小売店舗等に関する世論調査でも、四、五年前と比較して買物が便利になったと感じる割合が七三%に、いわゆるショッピングセンターが郊外に出る中で出てきている。  実は、市場化テスト法案の中で、衆議院で基本理念の中に公共サービスを享受する国民の立場に立ってという文言を加えるという修正が図られました。私は、今回のこの市街地活性化の中に、利用者あるいは地域住民の意見とか意思というのをどう反映させようというふうに思われているのか、その辺の見解をちょっとお伺いしたいと思います。できれば大臣にお願いしたいんですけどね。
  48. 柴田高博

    政府参考人柴田高博君) 消費者の声を聞くというのは非常に重要なことだと思います。郊外部に町が展開してしまって、そこに大規模集客施設等が出てきて大変便利な地域が生まれていることも事実でございます。  しかしながら、問題としましては、大臣の方からお答えいたしましたけれども、今後、超少子高齢化が進んでいく中、人口が減っていく中で、果たしてこれがそのままずっと続いていくのかどうかという問題もあるわけです。  例えば、大規模ニュータウン等ができまして非常に活気にあふれた地域であったところが、現在、何十年かたってみたら、子供たちが出ていってお年寄りばっかりが残った大規模ニュータウンになってしまって、そしてまたお店等も撤退しているということで、非常に困っているニュータウン等もあるというような事情もあるということもございます。現在はいいんですけれども、将来的に本当にいいのかどうかという問題もあろうかと思います。  また、それはさておいて、今回の改正では、大規模集客施設につきましては、都市計画の手続、立地する場合に原則規制を掛けますので、都市計画の手続を通じて判断することにいたしてございまして、地域判断が反映した形での立地ということにすることにいたしてございます。  そして、この都市計画の手続、一方的にやるわけではございませんで、必要に応じまして公聴会、消費者意見ももちろん参加されるわけでございますが、開催されるほか、都市計画の案の公告縦覧によりまして、消費者でもございます地域住民がこれに対し意見書を提出することができます。こういうことで、第三者機関でございます都市計画審議会という議を経て、公正中立的な場でございますが、都市計画決定等をすることとされてございます。  さらに、消費者の声ということでございますが、都市計画審議会におきまして、今回議論になってございます大規模集客施設、大店等の立地に関する審議を行う場合には、消費者の視点が反映される委員構成とすべき旨を地方公共団体に徹底していきたいという具合に考えてございます。  これらによりまして、大規模店舗立地判断に当たっては消費者の声も適切に反映されるんではないかという具合に考えております。
  49. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 入ってないとは言ってないんです。ただ、本当は条文、いわゆる市場化テスト法案と同じぐらい、いわゆる利用者である、地域住民である国民の立場に立ってということをどこかに組み込んでいただきたいなというぐらいに私は率直に思っていまして、二階大臣、この私の意見に関してはどう思われますか。
  50. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 私も時間があるときには、東京都内の商店街などを少し歩いてみたり、あるいはまた、大きなテレビ会社が急に移転をされた、その地域はほとんど空洞化してしまった、そういう地域がどのような変化をもたらしておるか、あるいはまたそこに住む人たちの商店に対する期待、あるいはまたスーパー等に対するそれぞれ期待感があるわけでありますが、そこらとの間のうまく連携が取れておるかというふうなことを頭に入れて歩いてみることがありますが、やはり何といっても、先ほど来国交省からも御答弁のありましたとおり、今回は地域委員会をつくって、その地域住民の皆さんにどうこたえていくかということが一番の重要な点でありますので、それぞれの地域に住む代表的な皆さんの御意見を伺って案を立てていくというのは当然のことでありますから、商店街の皆さんにおかれてはそういう御努力を今後ともやはり続けていかなくてはならない。そのニーズにどうこたえていくかということ、そこがミスマッチであったのでは始まらないわけであります。  そしてまた、議員もその道のベテランでございますが、大手のスーパーマーケット等は大変な研究調査等をなさっておりまして、それらに対してやはり見習っていくべきことはたくさんあります。私はあるときイトーヨーカ堂さんの幹部に、地方の県あるいは市町村等が東京へ出てきて商売をやってどうだろうかということを聞きましたら、それはやめた方がいいと。専門家の我々がやったってなかなか商売というのはそううまくいかないんだ、そんなに御希望があるなら店舗の一部をごく限られた期間貸してあげますから、そこで一遍商売をやってみたらどういうことかということがよくお分かりになるんではないかと言われて、実験をさしていただいたこともありますが、本当に商売というのは、イトーヨーカ堂さんの幹部がおっしゃったように難しいものだということをしみじみ思っております。  しかし、そのことと、地域社会一緒になって立ち上がっていくということに関して、今度の法律改正等がきっかけとなって、あるいはまた内閣総理大臣が先頭に立って旗振りすることが地方にどのように元気を付けていくかということなどでありますが、これはやはり、我々は後ろ向きに考えるんではなくて前向きにチャレンジをしてみたいというふうに思っております。
  51. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 ありがとうございます。  確かに、どちらにしても、これ机上論で作ってお仕着せでいろいろなことをやっても、地域に住まわれている利用者あるいは地域住民の方が認めて集まってこなければ何をやっても駄目だというふうに思っているんです。  ですから、判断は、本当に売手市場のときには売る方がいろいろ計画立てられるんですが、買手市場になると買う方がすべての評価と判断を下すということを頭に置いて作っていかないといけないだろうというふうに思っておりますから、利用者あるいは地域住民、そういう意味でいくと、私は、法案なのか通るときの附帯決議になるのかは別として、本当に市場化テスト法案で基本理念を修正したと同じぐらい、それを利用する国民の立場に立ってということを強めていただければなということをお願いをしておきたいと思います。  何点か私の方に来ている要請に対して二点ほどちょっとお伺いしたいと思うんですが、これは簡単にお答えいただきたいと思います。  既にある郊外大型店というのは、法案が施行後は既存不適格建築物ということになります。とすれば、用途変更を行わなければいけないのか、いや、そのまま残したとしたら改装とか改造というのは基本的に障害はないのか、簡単にお答えできますか。イエスかノーで結構です。
  52. 山本繁太郎

    政府参考人山本繁太郎君) 建築基準法におきましては、法律改正とかあるいは用途地域に関する都市計画が新たに決定されましたり変更されましたりした場合に、その時点で現に存在しております建築物は、お話にありましたように、いわゆる既存不適格建築物ということで取り扱われます。将来、増改築をする時点で新しい法律の基準に適法化するというのがまず原則でございます。ただし、用途の規制は土地についての非常に制限内容が厳しいという観点から、一定の範囲内で増改築することが認められております。  具体的には、用途規制について既存不適格となった建築物につきまして、その既存不適格となった時点の床面積の一・二倍までの増築などについては可能でございます。それから、大規模修繕とかあるいは模様替えなどはすべて許容されております。
  53. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 ありがとうございます。  もう一点、今回、法が施行されると、まず都市計画法があって、その後大店舗法が入ってくる。また、何十年か、もう三十年も前になりますけれども、それがまたいろんな引き延ばしで三年も五年も十年も掛かってしまうということはないというふうに思いますが、その辺の確認をちょっとさしてください。
  54. 柴田高博

    政府参考人柴田高博君) ただいまの御質問は、都市計画の手続に時間が掛かってしまうのではないかという御懸念だと思いますが、確かに今回は、都市計画法の改正によりまして立地原則を百八十度転換をいたしまして、これまで立地できていたところについて原則的に立地規制をすると、その代わりに、立地をしようとした場合には都市計画の手続でもってそこで判断をしようと、地域判断をしようという具合にいたしてございます。そういう意味で、これが適切に運用されるためには地域判断都市計画が機動的に決定あるいは変更されることが重要でございまして、むやみやたらと引き延ばされるというようなことがあってはいけないと思っております。  今回、都市計画法の中で、大規模集客施設等を開発したいというような一定の開発事業者に対しまして都市計画の提案権をお認めする、拡大してお認めするということにいたしてございまして、この都市計画提案が行われた場合には、地方公共団体は提案を踏まえた都市計画決定変更を行うかどうか遅滞なく判断することが法律上義務付けられております。  そういう意味で、御懸念のように立地判断が引き延ばされることはないものと考えておりますし、また政府としましても、その辺できるだけ速やかにできるように徹底はしていきたいという具合に考えてございます。
  55. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 どちらにしても、透明性を持ってきちんとやっていただくということで今の答弁を確認させていただくと同時に、できるだけスピーディーに進めるようにお願いをしておきたいと思います。  質問をたくさん張り切って用意し過ぎまして、済みません、通告してありますが半分ぐらい吹っ飛んじゃいますが。  最後に一つ、一方で、ちょっと私、今回いろんな資料を読ませていただいた中で、中心市街地活性化では、そこの地権者の問題というのが非常に大きいというふうに感じています。ですから、産業構造審議会あるいは中小企業政策審議会の報告等でも、地権者にかかわる問題で店舗、用地が活用されていない例として、例えば愛知県の刈谷市とか千葉県の木更津市が挙げられています。  例えば、刈谷市ですと、地権者の意識が低く、商業者の努力が足りないと、市街地は壊滅状態だと。あるいは、木更津市に関しては、地権者が更なる景気回復を待って土地の有効活用を図ってこなかった、そのために市街地の諸機能が失われて、商店街衰退したと。  あるいは、全国中心市街地の現場を実際に歩かれている日本政策投資銀行の藻谷さんもこの辺のところは随分問題提起をされていまして、十分把握されているというふうに思うんですが。従来からの賃貸料に固執する、はっきり言います、地主さんも多い、あるいは借り手のない空き家をそのまま放置していても困らない、それだけゆとりもあるということだと思うんですが。店舗、用地の未利用と賃料の高止まりが続く。あるいは、空き店舗による町の魅力低下が客離れの、減少になっている。ところが、後継者不足、更なる空き店舗という悪循環が起きる。とすれば、土地の所有権を放すとか店を貸すとかという流動化をしていかなきゃいけない。でも、実際は土地の所有権を手放すことには非常に抵抗が強い。所有と組織的な利用の分離という理解が大変不足しているだろうというふうに思っています。  そういう意味では、これに対して恐らく、インセンティブを与えたり、私、場合によってはペナルティーも必要になってくるだろうと。そうしないと本当の中心市街地活性化ができないだろうというふうに思っておりますが、その辺に関して是非二階大臣の考え方等──事務局ですか、時間がないんで、御答弁をいただければと思います。
  56. 望月晴文

    政府参考人(望月晴文君) 今、先生御指摘の地権者と中心市街地活性化の問題というのは、ある意味では非常に大きな問題だということは私どもも強い認識を持っているところでございます。  したがいまして、今回の法律上の様々な仕組み、例えば中心になっておりますのは、中心市街地活性化事業の司令塔として活性化協議会を地域でつくるということになっておりますけれども、そこにも、町の構成主体の参画を得る仕組みの中で地権者というものもとりわけ重要な構成員としてなっていただくことを期待をしているわけでございますし、具体的な小売商業者が取り組む事業につきましても、積極的に地権者の協力を得て取組経済産業大臣としても認定するような仕組みも考えておりますし、また詳細は今申し上げませんけれども、税制上のインセンティブみたいなものも用意をいたしまして、地権者の協力を得ながら、商店街における地権者の協力という問題がある意味では一つのキーになるということを十分認識をした施策体系にしているわけでございます。
  57. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 分かりました。  どちらにしてもいろんな方法があると思います。いわゆる改装をした場合には少し補助を加えるという方法もあるでしょうし、あるいは相続税、売るとなったらその相続税を見てあげるということもあるだろうというふうに思います。あるいは、住民や地元企業まちづくりの公益法人だとかまちづくり基金に対して拠出金とか寄附金をやったら税が掛からないというようなこともあるでしょう。そんなことも是非する中できちんとやってもらって、それでも駄目だったら多少のペナルティーも掛けるというぐらいのことをしないと、今回のまちづくりというのはかなり大変な作業だというふうに思っておりますので、よろしくお願いをして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  58. 山根隆治

    ○山根隆治君 今、柳澤委員がいろいろな角度から御質問がございまして、論議聞かせていただきました。私も、この市街地活性化法都市計画法の改正についてのどうしても哲学というものがどうもよく分からない、その適格性について疑問がございます。したがいまして、今日のこの私の質疑を通じまして是非とも私を口説いていただきたい、そんな思いで質問に実は立たせていただいているわけであります。  と申しますのも、なぜ、基本的な疑問でありますが、なぜ今、中心市街地をそれでは活性化しなくてはいけないのか、その点について率直な考え、今までも衆議院でも御論議がありましたし、それにお答えになっていらっしゃいますけれども、今日のこの委員会での議論を踏まえて、両大臣から基本的な哲学について感じるところ、新たな視点から御答弁願います。
  59. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 哲学というほどのものが語れるわけではありませんが、議員も経済産業委員会等でもいろいろお考えをお述べをいただいておりますので、私は大変いつも重要な視点を御指摘いただいていると思っております。  中心市街地地域住民が社会、経済、さらに文化活動を展開していく上での大きな拠点であるわけでありますが、周辺の地域を含めて、地域全体の発展にとって極めて重要な役割を担っている存在であることは申すまでもありません。  そこで、今日、急速な少子高齢化あるいは人口減少社会を迎えるという中で、都市機能が無秩序に郊外に広がること、これには一応の歯止めを掛ける必要がある、高齢者の方でも住みやすいまちづくりを推進していくために中心市街地にある既存の住民の生活基盤や都市機能を有効に活用することが重要なことであるのではないか、このような観点から中心市街地再生を図るに非常に重要な政策課題だということを判断して今回の法改正をお願いしておるところであります。
  60. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 二点申し上げたいと思いますが、まず一点は、やはり中心市街地というのはその地方地方のまさしく顔でございます。その中心市街地には歴史があり、文化があり、神社仏閣またあったり、また歴史的な由緒ある建物とか人物とかがかつていたとか、あるとか、そういうふうな非常にその地域地域にとってはまさしく顔となる町が中心市街地だと思うんですね。ここをやはりにぎわいのある、魅力のある町にしていくということは、これはこれからのまちづくりということを考えたときに非常に大事なポイントであると私は考えております。  もう一点申し上げますと、これは今も二階大臣の方からおっしゃっていただきましたが、今、人口減少時代に突入、本格的な高齢社会がいよいよやってくるという人口構造の大きな変化、転換点に今来ているわけでございます。かつて、我が国社会、歴史の中で経験したことがないような転換点にいる。そういう中にあって、環境面での制約もありますし、財政面からの制約もありますし、これからのまちづくりというのは、やはり都市機能がどんどんどんどん拡散をしていくというふうなまちづくりではなくて、都市機能がやはり集積されていく、コンパクトシティー、歩いて暮らせるまちづくりと我々は言っているわけでございますが、居住空間の中に必要な機能が備わっている、やっぱりそういうまちづくりをこれからは志向していく必要があるというふうに考えて今回の法律案を提出をさせていただいた次第でございます。
  61. 山根隆治

    ○山根隆治君 そこが分からないんですね。  今、二階大臣の方で一言触れられた、高齢社会だからというふうな御発言がありました。そして、今、北側大臣の方から二つのことを言われた。つまり、地方の顔、それを大事にするために生かすんだ、それで今回の措置だと、そしてもう一点は、都市機能を集積する必要がある。これも恐らく、お言葉にはなかったけれども、高齢社会ということの背景を私は言われているんだろうというふうに思いますけれども、先ほど西田議員からも質問ございましたように、もう既に分散された都市機能というものは日本全国に広がっているわけですね。  それで、百歩譲ってお二人の大臣の言われていることが今正しいとして、そうしたら、こういうふうな現象を現出してしまった行政側の責任はだれが取るんですか、どこにあるんですか。
  62. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) これは、平成十年の時点でもまちづくり三法について改正しているわけですね。その時点での制度の見直しの反省点としては、一つは、商業振興策というものを、中心市街地の中の商業振興ということを重視してしまって、その中心市街地生活空間である、交流の場である、居住の場であると、そういうものをきちんと確保していかないと商業振興もできないわけでございまして、そういう面での、商業振興というところに少し偏りがあったのではないか、生活空間という面での位置付けが小さかったのではないかというふうに認識しています。  もう一点は、これだけ車社会が発展してきますと、一つの市で、様々ツールは与えられていて、まちづくり都市計画ができるわけですが、一つの市で一生懸命やったとしても、隣の市で全く野方図になっていれば効果が出てこないわけですね。  そういう意味で、広域的なまちづくり都市計画というものができるような制度をしっかり導入すべきであったなと、その辺の反省点がございます。今回、そういった反省点も踏まえて制度改正をお願いをしているところでございます。
  63. 山根隆治

    ○山根隆治君 では、それでやっぱり政府に責任があったと、国土交通省にも責任があったということをお認めいただいたということになると思うんですけれども。  政策の大転換、国策を変えるとき、間違っていたから変えるという、それを、ただ政策を文字で変えるのではなくて、それに伴う予算というものがあるわけですね、とてつもない予算がある。国費の無駄になってはいけないということが一つあるわけで、今回の改正についても、一年間に一兆円ぐらいの予算を費やす、それも、しかも何年かやるわけでありますけれども、私は、本当にそれで効果があるのかどうか、国民のニーズに合ったものなのかどうかというのがまだまだ掘り下げていない、時期尚早だというふうに思えて実はならないわけであります。  都市機能の分散化ということが実際に行われていて、私は、やはりそのこと自体を評価し、それを生かす施策というものがあってもしかるべきではなかったか、その後に検討する課題ではなかったのかというところが非常に大きな疑問なんですけど、この私の疑念に対して払拭していただきたいと思います。
  64. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) 国土交通省の側はどちらかというと、これまでは中心市街地活性化、もちろんこちらの方にも関心があるわけ、むしろ都市計画まちづくり、こういう観点で私どもは今考えているわけです。ですから、今回の改正も、どちらかというと国土交通省はブレーキの方、むしろ経産省の方はアクセルと、こういう役割分担をやらしていただいているわけでございますので、そういう点も是非御理解をお願いしたいと思うわけでございますが。  まず、予算の問題おっしゃいました。予算の問題については、積み上げていったらえらい規模になるんですが、例えば国土交通省の予算というのはまちづくり交付金なんかも入っているわけです、そのまま。これ、別に中心市街地のためだけに使うお金ではありません。国土交通省関係の予算というのはほとんどそうでございまして、すべての地域で使えるような予算について、ただ中心市街地にも使えるからということで全額を上げているだけのことでございまして、その総額を積み上げて非常に、何兆円だという話で、もちろん無駄はあってはならないわけでございまして、きちんと精査をして使っていかねばならないというふうに考えているところでございます。  それともう一点申し上げますと、これ以上都市拡散が続いていいのかということなんですね。
  65. 山根隆治

    ○山根隆治君 いけないんですかね。
  66. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) これ以上都市拡散を、今のままでは都市計画区域内の中の九割で大規模集客施設立地できるわけなんです、できるわけです、原則。ここを今回大きく転換をして、都市計画区域の中でも逆に立地ができるのはもう一割だけ、九割は原則立地ができないというふうに原則と例外を大きく転換をさせていただいたんです。  そういう意味では、これからは、これ以上の都市の拡大というのは、それは地域地域が決めれば別ですけれども、そうでない限りはできないというふうな考え方に変えさせていただいたわけでございます。
  67. 山根隆治

    ○山根隆治君 白いキャンバスに新たに絵をかくなら話は分かりますよ。しかし、もう既に拡散しているんですね。
  68. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) もっと拡散
  69. 山根隆治

    ○山根隆治君 いやいや、もっと拡散、もう人口がどんどんどんどん減少し始めていますね。そして、もう目一杯というかどうか、それは飽和状態かどうか分かりませんけれども、大型店というのはもう既に出店した状況ですよ。そこから更に顧客が増えるということはもうないですよね、人口増えないんですから。ですから、もう一通り終わってしまったところをまた新たにこっちに引き戻してということの不合理というものを感じませんかね。  私は、この総論で余り時間を費やしたくないと思っていたんですけれども、いろんなやはり勉強をさせていただければいただくほど、いろんなもう何かいら立ちというか、そういうものがすごくあるのであえてお尋ねするんですけれども、例えば、二階大臣が先ほど、高齢者が郊外に散って大変だからコンパクトな町があって市街地があって、そこでいろんな利便性というものが求められると、こういうふうなお話ですけれども、しかし、ここにおられる委員の方あるいは職員の方を含めて、これからは私は、予防医学ということもどんどん発展をしてまいりますし、寝たきりの状態が何年も続くということで天寿を全うするというのは非常に少なくなってくるんだろうと思うんですね。つまり、老いに至らず死に至る、死に至る、つまりあっという間に亡くなっちゃうという、そういう社会というか、国民の健康と死というものの迎え方というのは、私はそういうふうになってくるんだろうと思うんです。  そうすると、本当に動けなくなった状態で病院であるとかいろいろな施設に入るというふうなことになってくるわけだろうと思うんですね。私自身も、よく二〇〇七年問題と言われますけれども、厚生労働大臣と私、全く同じ年でございますけれども、団塊の世代の真っただ中であります。しかし、自分の明日のことは全く分かりませんけれども、私たちの世代の認識としては、そう長く伏せるというふうな考え方、要するに自分自身を予想する人は非常に少ないんですね。  そういうことで、今の高齢者の生活、そして死に至るまでの過程と、これからの人たちの健康と死というもののありようというのは、私は変わってくるんだと思うんですね。こういうことからしても、今の延長線上で高齢社会というものを考える、それの対応した都市づくりを考えるというのは間違いじゃないですか。
  70. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 全国商店街の動向などを見ておりますと、商店街が百あれば、衰退している姿というのはやっぱり百通りの原因があると思うんです。一通りの原因でこうなると、それじゃここに対策を講ずればすぐよみがえってくるというふうな、そういう単純なものではなくて、複合的な原因でそこに至っておると。こういうふうなことから、今回の改正をきっかけに全国商店街の皆さんにも奮起をしていただこうというのが我々のねらいであります。  そして、今議員もいろんな角度から御指摘をいただいておりますが、それじゃ、このままの姿で放置しておいていいのかということになりますと、私は、やはりこれはシャッター街商店街のみならず、その町の顔が涙を流しておるような状況では、私はやっぱり地域の、特に地方の経済の活性化にもつながらない。そういう意味で、商店街活性化は町全体が元気を取り戻す、そういう意味で重要な政策であろうというふうに考えておりますが、これはすべてやはり試行錯誤であります。やってみなければ分からぬところもあります。しかし、意外にやったことが成功する場合もある。したがって、今私どもは、七十七の成功事例というものをピックアップしようと思っておるのは、そういうことと自分たちの商店街とどうマッチするかというふうなことなどもお考えいただいて、ともに発展する方向を模索していこうということを考えておるところであります。
  71. 山根隆治

    ○山根隆治君 今のままでほっといていいのかということについての私の反論は、今の機能というもの、現にある機能をどう生かすかということに私は施策というのを集中すべきだろう。一度流した汗をまた戻すような愚かな行為につながりかねないような非常に問題点も、私は、今度の法改正の中、施策には私はあるんだろうと思うんですね。  これはちょっと例が悪いかも分かりませんけれども、私、埼玉県出身ですから申し上げると、例えば首都機能の移転の問題がずっとありましたね。いろいろな議論がありますけれども、私も、小泉総理に伺って、小泉内閣ではそういうことはしないということを明言されたということが実はございましたけど、これも私は、壮大な、機能の移転というのに問題がある。まあ、無駄と言いますとほかの地域の方が多いですからあれですけれども、申し訳ないですけれども、まあ私自身はそういうふうな思いがありますけれども。  そういうふうな、非常に今度の法改正に費やす時間、労力、予算というのは余りに膨大なもので、国費の無駄にならないかということは本当に心配で仕方がないと、こういう点だけちょっと御指摘させていただいて、これ総論でここ終わるわけにいきませんので、次の質問に移らせていただきたいというふうに思っております。  さて、今回の改正で、どこの地域を集中させていろんな施策というものをやっていこうと、全国的にどれぐらいの地域を想定をしておられるのか、そして、その予算というもの、これ私も一兆円というふうに申し上げましたけれども、今後どれぐらいの期間でどれぐらいの予算を費やして所期の目的を達成をされようとしているのか、その点についてお尋ねします。
  72. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) まず、どれぐらいの地域支援をしていくのかというお尋ねでございますけれども、中心市街地活性化法では内閣総理大臣の認定制度というのを設けまして、実効性のある効果的な基本計画に対して認定を行って重点的に支援を行うということにしておるわけでございます。そういう意味におきましては、むしろ全国市町村実効性の高い基本計画の案というのをできるだけ速やかに作っていただいて、一つでも多くの認定がなされるというふうなことを私どもとしては希望しておるわけでございます。したがいまして、現時点で幾つぐらいの数がというふうなことは、その具体的な見込みというのは申し上げるのは難しいわけですけれども、なるべく多くのものが認定できるようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。  それから、予算につきましては、これはその中心市街地活性化のみに使える予算というのは、例えば私どもの経済産業省で申し上げますれば、中心市街地活性化のための補助制度、六十億程度の予算があったりするわけでございますけれども、多くのものは必ずしもその中心市街地のみではなくてほかにも使えるけれども、今後、その認定を受けた計画について各省庁で重点的に支援をしていこうというふうなものになってまいるわけでございます。したがいまして、幾らの額というふうなことを申し上げることは難しいわけでございますけれども、大枠で申し上げますれば、いろいろなそのメニューが用意されているものというのはトータルでは非常に大きな額になるわけでございまして、こういったものをうまく活用して計画を作っていただくということを期待している次第でございます。
  73. 山根隆治

    ○山根隆治君 次に移ります。  今回の法改正で想定される、政令にゆだねる部分というのはどれぐらいございましょうか。
  74. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 中心市街地活性化法におきましては、全体の中で条の移動とかそういった形式的な改正はあるわけでございますけれども、今回新しく条文を直した部分で政令委任事項が創設された部分につきましては、全体で四項目でございます。  具体的に申し上げますれば、中心市街地活性化協議会を組織できる者の範囲を定める部分、あるいは住宅関係の補助制度に係る部分等ございまして、その政令事項は四項目ということでございます。
  75. 柴田高博

    政府参考人柴田高博君) 改正に伴いまして、都市計画法それから建築基準法で新規に政令に委任いたしました事項は、都市計画法で一項目、建築基準法で一項目という具合になってございます。  これの内容でございますが、今回、開発許可の対象とすべきものについて、これまでは医療施設だとか社会福祉施設だとか学校だとかというものを対象外にいたしてございましたが、それを対象とすることにいたしております。そういう意味で、その間、新たに開発対象にするんですけれども、市街化調整区域の中で周辺の地域において居住している者の利用に供するような建物等については開発許可の対象とし得るというようなことにする必要があるわけでございまして、そういったものについて政令において新たに定めておるといったようなものでございます。
  76. 山根隆治

    ○山根隆治君 日本は官僚国家だというふうに言われている要因というか具体的な局面たくさんございますけれども、一つは、閣法という形で、それぞれの役所の優秀な皆さんが法律を作って閣法で上げてきて、国会に提出して、多数をもってそれを可決して法律として作っていくことが一つあります。そして次には、それぞれの法律の中に政令にゆだねるという部分が非常に多い。しかも、このところますます政令にゆだねるというところが多くなってきているわけであります。こういう形で役人による国家支配というものが本当に末端にまでしみ込んできてしまっている、牛耳られてきている、こんなふうな思いが、これは私の思いであります。こういうものをやはり、国民の声が直接反映するような国づくりというものを私たちはしたいということで民主党頑張っているわけでありますけれども。  例えば、イギリスの議会が一番最初にやりましたけれども、こうした政令というものが本当に法の趣旨にのっとって出されているのかどうか、実態はどうなのかというものをチェックする機能というのが実はイギリスにはございます。同様にフランス、アメリカにも、若干違った形ですけれどもそういうシステムというのは議会の中にできている。  私は、これから我が国でもこういった議会の中でチェック機能を果たす必要があるだろうというふうに思っておりますから、これは国会法の改正等、立法府自身が行う問題でありますけれども、そう容易になかなか与野党の議席の差があるのでできることではありませんけれども、しかし私は暫定的な措置というものも行政府自らがとるべきではないか。  つまり、皆さんが法律を作るときにパブリックコメントを求めるという制度を導入をされて、今回の法改正でもそうしたものを使われているわけでありますけれども、これは私はやはり、政令、政省令がどのように行われて、そしてそれが実際の現場で国民の生活にどのような影響があって、そして支障が出てきているのかということを私は一定期間たったところで検証する必要がある。新たなパブリックコメントを求めるということが必要であろうと思うんですね。そして、それを公開して、議会にも報告をする。あるいは、そういうシステムがいろいろと法的にまだ可能でないとするならば、そういう措置というのを行政の内部でも私は行って、政令、省令というものが本当に現実に合っているのかどうか、改めるところは改めるという姿勢が今、行政にも求められているというふうに思うのでありますけれども、この点についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。  大きな問題でありますので、大臣になりましょうか、御見解お聞かせをいただきたいと思います。大臣からお願いをいたします。大臣からお願いいたします。──それじゃ、その前にどうぞ。
  77. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) ただいま御指摘の点でございますけれども、政令についてはきちっと見直しをしろと、あるいは制定に当たってパブリックコメントを求める等の工夫をすべきであるという点につきましては、まず、そもそも、法律規定せずに政令に規定したという趣旨は、それは行政で判断ができるということと同時に、法律改正手続を経ないでも世の中の変化に応じて変更ができるというところがあるわけでございますので、当然適宜に見直しをして機動的に適正化を図っていくべきものと思っております。  それからまた、中活法の関係の、先ほど申し上げました活性化協議会の組織をできる者の範囲のような政令を定めるにつきましては、事前に意見を求めるというふうな手続を踏んで適正を図りたいと、こういうふうに思っております。
  78. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) ただいま御答弁を申し上げたとおりでありますが、同時に、衆参両院の委員会等におきまして大変御熱心な御意見をちょうだいしておりますし、また、附帯決議等が付された場合に、それらの点を十分尊重してしっかりした対応をしてまいりたい。  事務的な対応につきまして、今、迎審議官から答弁したとおりであります。
  79. 山根隆治

    ○山根隆治君 迎審議官の方からの御答弁で、少し私の質問とそごを来しているところがありました。それは、事前に政令定めるときにパブリックコメント等で措置をするということのお話がございました。  それも大事でありますけれども、私が申し上げているのは、事後について、それが実際に国民生活にどのような影響を与えて、いろいろな支障というものが出ないのかということを求める必要があるだろうということでお伺いしたので、パブリックコメントについても、システムとして事後に、政令を発した後にパブリックコメントを求めていくということの必要性を訴えたということを改めて申し上げますけれども、私はその際に大事なのは、やはり一部の情報だけを流すのではなくて、議会に対しては、あるいは関係諸団体等に対してもやはり率直に私は、その情報、求めた後の情報というものを開示する必要があるんだろうと思うんです。  ただ、パブリックコメントをやって、いろんな支障が出ているのも確かであります。組織的にあえて同じような意見を集中砲火的に役所にぶつけるというふうなことも、実は見ればそれ分かるわけでありますから、それも実際には、世の中というのはこういうことが実は、支障もパブコメにもあるんだということが明らかになって、それも構わないわけですから、そういうことも含めて情報公開する必要がある、そして議会にもその意見を求める、そういう姿勢が大事だということを申し上げているわけで、この点について改めて御答弁を求めて、私の質問を終わります。
  80. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 事前のパブリックコメントのみならず、事後にきちっとそれを検証をするということで、これにつきましては政策評価というふうな形できちっと見直すというふうなことに努めております。また、それに際しまして、当然情報公開という点についてもきちっと努力をしていって、その上で、そういったものに基づいてきちっと評価を受けるということが重要であるというふうに認識しております。
  81. 小林美恵子

    小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  今日は、中心市街地活性化問題で質問させていただきます。  政府はこれまで、まちづくり三法を一体として活用すれば、大型店立地調整を含むまちづくりに支障はないと説明をされてきました。ところが、大型店郊外にどんどん立地をして中心市街地が寂れる。先ほど来の二階大臣の御答弁からも、その件に関して、現行まちづくり三法の支援策が十分ではない、このことを否定はできないんだというふうに御答弁がございました。正にこれまでの政府まちづくりのその施策がやっぱり問題だったと言わざるを得ないと思います。  ところが、今回の改正案は、都市計画法案郊外での大型店立地を一定規制強化する一方で、中心市街地活性化法案では選択と集中の名の下に大店立地特例区域を導入をして、大型店届出もなしに出店できるという、逆に中心市街地大型店出店ラッシュが起こり得る。これで小売商店も住民もみんなが本当に望むまちづくりの発展ができるのかと私は思うんですね。  そこで、経済産業省にお聞きしますけれども、この大店立地特例区域といいますのは大店立地特区の全国展開だと思います。では、これまでの特区について経産省はどのように評価されているのでしょうか、簡潔にお答えいただけますか。
  82. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 特区制度についての評価ということでございますけれども、構造改革特区法に基づきまして大店立地法の手続簡素化の特例措置が既に導入されておるわけでございます。  それで、五つの市においてこういうものが設定をされまして、これについての評価でございますけれども、五つのケースにおきましては、大型店の退店跡地へ後継店が速やかに出店されるようになった、あるいは既存の大型店の増床が速やかに実現されたというふうなことでございまして、地域方々伺いましても、にぎわいの回復に寄与したというふうな歓迎する意見が多く寄せられております。また、大型店の側からも、時間、コストの節約につながったというふうな声がある一方、周辺の生活環境への弊害が発生したというふうな御意見は特に生じておりませんで、特例制度の活用として一定の成果が得られたというふうなものであると認識しております。
  83. 小林美恵子

    小林美恵子君 いいことしかおっしゃっていただけないんですけど、私は少し確認をさせていただきたいと思います。  この特区は、大型店の新設・変更届の際の八か月の実施制限、関係者からの意見聴取意見表明手続、勧告、公表手続などを適用除外するものだと私は理解をしております。  そこで、今御答弁をいただきました特区のいわゆる評価の点についてでございますけれども、私が持っておりますこの評価の報告書を見ますと、全国展開した場合、大型店出店に伴う周辺生活環境の悪化を周辺住民が納得できないものと思われるとか、また、こういうことがあります。現時点では弊害の発生は確認できなかったが、全国展開した場合、既存店の跡地でない場所に店舗出店する場合や、既存店の跡地であっても、長期間放置され大型店が存在しないことが周辺住民にとって通常となった場合などには弊害が発生する疑念は残るとあります。これは事実ですよね。確認です。
  84. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 今引用になられたものにつきましては、特区制度全国展開、一律的に全国的な制度として展開をした場合に、ことについては、必ずしも、そのまま全国一律の制度としてそういうものを設けることについては問題があるという点についての指摘を行ったものであるというふうに理解をしておりますけれども。
  85. 小林美恵子

    小林美恵子君 私は、そういう疑念を抱いたまま、それで全国展開するというのは余りにも無責任ではないかというふうに思うんです。  今回の改正案では、大店立地法での例えば騒音や廃棄物、環境の問題とか、交通や駐車場の問題での是正が担保されている条件をも骨抜きにして、届出もなしに出店できるとなると、私は一体住民の意見はどう反映されるのかと思うんですけど、この点はいかがなんでしょうか。
  86. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) この特例区域の設定自体については、地域住民の参加の手続を踏まえた上で指定をするというふうなものとしておるわけでございます。  具体的に申しますと、特例区域の案を策定した場合には、例えば地元の商工会議所ですとかあるいは地域住民の方々意見を提出することができるというふうなことになっておりますし、また、案作成前の段階におきましても公聴会や説明会を開催することができるというふうなことになっておりまして、実際に、法律上は必要な場合に開催ができるというふうな規定でございますけれども、構造改革特例区域制度を設定した例を見ますれば、五つの都市すべてで事前の説明会なんかも開催がされておるわけでございます。  こうした手続によりまして、特例区域指定するか否か、あるいはその区域の範囲をどうするかということについては、地域の関係者の意見を十分踏まえて、適切な判断をしていくことが可能になるのではないかというふうに考えておるところでございます。
  87. 小林美恵子

    小林美恵子君 今の御説明でいきますと、つまり区域を設定する際にいわゆるそういう場が設けられるということでございますけれども、例えばその大型店に対してどういう意見を出せるかという点については、私は担保がされていないというふうに思うんです。  そこで、私は二階大臣にお伺いしたいと思いますけれども、何よりも、第一種の大型店に関しては何せ届出も不必要にこの法案はなっております。これでは住民にとっては意見表明もできない。大型店がどんと出店してきて、小売の商店や住民の生活環境を脅かされることが予想されても黙っていなくちゃいけないと。私、こうした点が本当に改正というふうに言えるのかと思うんですけど、大臣はいかがなんですか。
  88. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 大型店周辺の生活環境の保持ということは、これはもう極めて重要なことは当然のことであります。  今回の改正においても、周辺生活環境への弊害を防止するという観点から、特例区域指定に際しては、市町村地域住民の意向を十分に反映することができるように、地域住民からの御意見聴取するなどの手続を定めております。また、当該区域内の大型店に対し周辺生活環境への配慮を促す規定を設けたところであります。  いずれにしましても、第一種特例区域指定地域が自らの判断で行うものであり、国が一律に強制するものではありません。このため、各地域中心市街地活性化と周辺生活環境の保持の両面を十分判断した上で本制度を活用していただけるものと考えております。
  89. 小林美恵子

    小林美恵子君 では、しっかり本当に住民の意見が反映されるということが約束されるわけですか。
  90. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 特に今、お隣の北側大臣の方でいろんな道路建設、河川の修理等を行う場合でも地域住民の意見を聞くあるいはまた了解を得るということは当然行われておるわけでありますが、私ども、少なくとも中心市街地に大きな店舗が進出してくるというときに、地域住民の理解、協力なくしてそういうものが進出できるわけがありませんし、必ず地域住民の皆さんの御同意をいただいて進出するということについては今改めてお約束はできると思います。
  91. 小林美恵子

    小林美恵子君 では、私、北側大臣にお聞きをしたいと思いますけれども、そもそもまちづくりといいますのは、例えばハードの面でありますとか箱物とか、大型店がどんと来て発展すれば町が発展するというものではないというふうに私は思うんです。やっぱり多様な商店や商店街があって子供やお年寄りも歩いて気軽に買物に行ける、そこでまた地域のコミュニティーができて歴史と文化もやっぱり継承されていく、それこそ大型店商店街も住民も共存共栄ができる、息づくまちづくりというのが本当に大切な視点だというふうに思うんですけど、この点、北側大臣はいかがでしょうか。
  92. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) それぞれの市街地地域では特性があります。それは、今委員のおっしゃったように、歴史とか文化とか自然環境とか景観とか、そうしたものに根付いたやはりまちづくりを進めていくということがすごく大事であると私も思います。  その大型店の話に関して申し上げますと、郊外の方に大型店ができていく、また、どんどんそれが生まれては消え、生まれては消えという形で郊外の方にどんどん広がっていくということよりも、私はやはり市街地の中に既成の商店街方々共存共栄する形で、また住民の方々意見もよく反映させながら、市街地の中でそういう大型店ができるという方がいいんじゃないのかと私は思っているんです。  市街地の中というのは、単にこの大店立地法だけの規制ではありません。様々な、景観法だとか景観計画だとか、もう様々、都心に来れば来るほど、市街地に来れば来るほど、そういう意味では、そこには多くの人たちが仮に住んでいるということであるならば、様々な規制があるわけでございまして、今、二階大臣がおっしゃったように、私は、地元方々との連携協力なしにその大型店が持続的に発展していくことはできないというふうに私も思います。そういう意味では、やっぱり住民の方々地域方々とよく連携を取るというのが大切であると思います。
  93. 小林美恵子

    小林美恵子君 まちづくりには要するに共存共栄が重要だというふうな御答弁だったと思うんですけれども、そもそもその共存共栄のルールといいますか、その点でいきますと、大店立地法十三条の需給調整の禁止の条項で、自治体が大型店に対する独自の規制を行うことが禁止をされました。やっぱり私たちはこれが大問題だと思います。  共存共栄のいわゆる手法といいますか、それというのは、まちづくりにみんなが参加できる重要なネットワークだと思うんですね。これをそのままにしておいて、大型店出店届出もなくできるようにするというのは、私は更なる規制緩和の何物でもないと思うんです。  それで、前回、大型店郊外に誘導して、それで市街地が寂れ、今回は逆に裏返しで、そういう大型店市街地にどんどん出店できるような仕組みをつくる。これが本当に町が繁栄できるのかなと思うんですけど、ここで二階大臣にお聞きをしたいんですけど、弊害がもし起きればどうするのですか、大臣
  94. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 弊害と申しましても、これ様々な問題があろうと思いますから、悪影響があった場合につきましては、我々はケース・バイ・ケースで対応したいと思っておりますが、地域が、周辺生活の環境を保持するという観点、これは自らの判断特例区域を廃止又は変更できる仕組みとなっておるわけでありますし、何よりもまず特例区域指定に当たって、周辺生活環境に著しい悪影響が生じることのないようにしっかりと検討、判断していくことが特に重要でありまして、地域による適切な判断がなされることを期待しているわけであります。
  95. 小林美恵子

    小林美恵子君 弊害が起これば特例を廃止をすることもあるという答弁でございました。  私、せっかくまちづくり三法見直しといいながら、大型店商店街も住民も合意をしてまちづくりを進める共存共栄のルールが今回の改正案にもやっぱり担保されていないと思います。合意したまちづくりを進めるには、共存共栄、住民や消費者意見が本当に反映されて、都道府県の知事の調整地域に根差した需給調整ができるいわゆる小売商業調整特別措置法、この活用しかないということを指摘をして、質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  96. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上です。  九八年に市街地活性化させるためのまちづくり三法が制定をされました。中心市街地現状をどのように認識されているのか、また、まちづくり三法は中心市街地活性化にどのような効果があったのか、具体的な事例があればお示し願いたいと思います。
  97. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) お答えをいたします。  全国中心市街地につきましては、一部の例外を除き、全体として大変厳しい状況にあることは議員も御承知のとおりであります。その後の経済状況が厳しかったこと、これも大きな要素であろうと思いますが、各地域取組も今から思えば必ずしも十分でなかった面もあるのではないかと指摘せざるを得ないのであります。こうした中で、国の支援策を有効に活用し、当該中心市街地のにぎわいが回復したものも、中には効果が出ているものもあるわけでございます。  ただいま御質問のように、具体的な例があればということでありますれば、例えば青森市では、公共施設商業施設市街地に集約するといった取組を自治体及び地権者、商業者という幅広い関係者が実施することにより駅前の歩行者通行量が四年間で約四割増加したという実績があります。  中心市街地活性化成功事例はまだまだほかにもございますが、我々はそういうことを是非期待をしたいと思っておるわけでありますが、中心市街地活性化のためには地域方々の町ぐるみのやはり意欲的な取組が一番大事なことではないかと思っております。一つでも多くこのような事例が、成功事例ができ上がることを期待し、中心市街地活性化に関係者の皆さんの一層の奮起をお願いをしてまいりたいと思っております。
  98. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 では、まちづくり三法はどのように評価されるんでしょうか。
  99. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 今までの三法につきましての評価でございますけれども、私どもも、関係する審議会で多数御議論をいただいたところで、その中でいろいろな御指摘も受けたところでございます。  具体的に申し上げますれば、従来、市町村が作成する基本計画について適切な評価をする仕組みが整えられていなかったと。あるいは、まちづくり観点商業に偏って、公共施設の移転ですとか居住者郊外の移転、いわゆる町の郊外化への対応というふうなことについての措置が不十分であったと。あるいは、活性化の事業につきましても、商業関係の取組とそれからその他の関係者との連携が必ずしも十分ではなくて町全体としての取組につながっていなかったと。こういうふうなことで、従来の制度についていろいろ課題があるというふうな指摘をいただいておるところでございます。  こういった点を踏まえまして、今回提出しております中心市街地活性化法案では、こうした点を十分踏まえまして抜本的な見直しを行って提案をさせていただいておる次第でございます。
  100. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 法制定後も中心市街地衰退は必ずしも歯止めが掛からない状況にあるのではないかと思うんですが、その理由についてどのようにお考えでしょうか。
  101. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 法制定後の衰退歯止めが掛からなかったという点につきましては、やはり、まずその背景として経済の状況が必ずしも良くなかったと、そういう中でその小売業の販売額なんかもずっと、毎年、前年を下回るというふうな、環境が非常に厳しかったというふうなことがございます。  さらに、その上に、先ほど申し上げた点ともダブりますけれども、郊外の開発、そういった郊外居住者の増加、あるいは町の郊外化というふうなものが進展をしていっていたと。あるいは、中心市街地商業におきましても顧客の方々のニーズに十分対応できるようなものになっていなかったと、そうしたこともあって中心市街地のコミュニティーとしての魅力が低下をしていったと。さらには、郊外に大規模集客施設立地をしてきたというふうなこともございます。こうした要因が複合的に関連をしてきたというふうに考えております。
  102. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 中心市街地活性化まちづくり三法がありますが、これらは都市部におけるまちづくりと思われます。しかし、各市町村は過疎化の進行に悩まされていると思いますが、このような過疎地の市町村活性化についてはどのようにお考えでしょうか。
  103. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 中心市街地活性化法の対象として考えておりますのは、必ずしもこういった、ある程度の、一定規模以上の都市というふうなことで限定的に考えておるわけではございませんで、都市規模にかかわらず、あるいは地方の中小の都市におかれましても、そこの中心市街地をどうやって活性化していくのかという点について知恵を絞っていただきまして、計画をしっかりした、きちっと目標を掲げかつ町ぐるみで取り組む、それからその様々な取組が一体的に推進をするといった要件を満たした計画を作っていただければ、これはその認定の対象ともなるわけでございます。したがいまして、中小都市方々におかれましても、是非そうした計画を作って支援を受けるようにしていただきたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。
  104. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 まちづくり三法制定以降、中心市街地活性化のためにはこれまで都市計画法はどのように改定されたのでしょうか。また、その効果をどのように認識されているのか。さらに、今回、都市計画法を改正する趣旨は何でしょうか。
  105. 柴田高博

    政府参考人柴田高博君) まちづくり三法が制定されました平成十年でございますが、これまでの大規模商業施設立地についての考え方について、都市計画でも対応していこうということで都市計画法の改正をいたしました。  その中の一つが、大規模集客施設立地しようとした場合に、地方公共団体市町村において、ここに立地していただくのは不適切であるといったところについては、都市計画といたしまして、既存の用途地区の上に特別用途地区というものを設定していただくと。その特別用途地区につきましては、それまでもあったんですけれども、内容について多様化をいたしまして、大規模集客施設というものに限定して、そこで立地ができないというようなこと、そういうことを一つやったということがございます。  それから、平成十四年に、それからもう一つは、白地地域等の中で、都市計画の線引きされていない白地地域でございますが、そういう中で大規模集客施設立地を抑えたいといった場合には、特定用途制限地域という新しい地域都市計画でもって指定をし、そこでは立地できないようにするということ。それは十二年改正でございます。それから、十四年改正では、都市計画区域の外にいろんな大規模集客施設立地してきたということもございましたので、市町村が準都市計画区域というものを制定し、そこで特別用途制限地域を張れば、そこで立地規制ができるということの政策をやって、失礼しました、十二年改正でそういうことをやってまいりました。  しかしながら、都市計画制度原則立地が可能であると、そこに一部制限を掛けるというようなことでございましたがために、なかなか一つ市町村が厳しい措置をやっても周辺の市町村がそれをやらなかった場合に効果が生まれなかったというようなこと、要するに広域的な調整が図れなかったということもございまして、なかなかこれらの制度を活用する例が少なかったと、実態的に少なかったと、余り活用されなかったということがございます。  そういう意味で、今回は原則を逆転して、原則立地が不可能、できないと、立地をしようとする場合には都市計画の手続でもって、地域の住民の意向、地域判断を入れて立地をしていこうという具合に、また広域的な調整ができるような形で制度改正をしようとするものでございます。
  106. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 中心市街地は、商業業務それから居住等の都市機能が集積をしているばかりではなく、やはり長い歴史の中で伝統文化財産を有しています。このため、中心市街地再生させるためには、多くの人々が来訪するような人的交流の場、それから商業活性化など環境整備が必要でありまして、そのためにはやはり快適な町並みの整備や歴史的、文化的建造物の保護など地域の魅力ある良好な都市景観をやはり形成していくことが最も重要なことではないかと思いますが、どのように取り組んでいかれようとしているのでございましょうか。
  107. 望月晴文

    政府参考人(望月晴文君) 中心市街地に人を呼び込むためには、消費者ニーズを満たすような魅力的なテナントの整備に加えまして、子供から高齢者までのあらゆる人々が安心して楽しみながら買物ができるような商店街の環境を整備するということが大変重要だと考えております。  具体的には、高齢者の方々などが安全に買物ができるよう段差をなくしたバリアフリー型のカラー舗装の整備だとか、商店街での犯罪を防ぎ安心して買物ができる環境を整備するための防犯カメラの設置であるとか、あるいは買物途中の高齢者の方々が気軽に休める休憩所や買物の間子供を預けることができる託児施設の設置などの、その商店街の本来の機能を深めていくものに加えまして、先生御指摘のような歴史とか文化とか、昔ながらの町並みを生かした建物の外観整備ということもまた魅力的な中心市街地を形成するためには大変必要なことだと思っております。  そういった観点から、私どもといたしましては、こういった魅力的な商店街整備に取り組む商店街に対しまして、戦略中心市街地商業活性化支援事業というような予算をもちまして、精一杯支援をしているところでございます。
  108. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 中心市街地衰退の原因には、大規模集客施設郊外出店のみならず、病院や市役所、学校などの公共公益施設がやはり郊外立地したことも挙げられます。  提出法案では、大規模集客施設郊外出店に対する規制が設けられ、地方公共団体施設郊外立地にも都市計画手続が必要とありますが、中心市街地活性化には郊外立地規制だけでなく、既に郊外に移転をした施設町中に戻すということも必要ではないかと思うんでありますが、特に地方公共団体の役所だとか公立病院に対しては町中に戻るような働き掛けをすべきだと思うんでありますが、その見解はいかがでございましょうか。
  109. 迎陽一

    政府参考人迎陽一君) 中心市街地衰退した要因一つに、今御指摘のございましたように、病院ですとかあるいは学校ですとかあるいは市役所といった、人が常時出入りをする、集まる施設というふうなものが、昔は町中にあったわけでございますけれども、広い場所を求めると、あるいは住んでいる方が郊外に多くなるというふうな中で、そういったものも郊外立地をするというふうなことが結構全国で見られまして、これも中心市街地への来外者が減少するというふうなことの一つ要因になってきたというふうに考えております。  こういったものについて、できる限り、例えば戻すというふうなことができればいいわけでございますけれども、必ずしも簡単ではない。なければ、例えば郊外に大きな病院ができても分院みたいなものをその中心部につくるとかいろんな工夫もあろうかと思います。これは是非そういう都市機能中心部への集約というのをひとつ考えていくことが、その中心部のにぎわいの回復を考える場合には重要であるというふうに考えております。
  110. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 終わります。
  111. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 ラストバッターの無所属の鈴木陽悦でございます。  各委員から地域の事情もいろいろと飛び出しておりますが、私も東北は秋田県の出身でございます。地域活性化を最大のテーマに取り組んでおりますので、今回のまちづくり法案のこの改正は、地方の将来の町の姿を左右する大変重要なものと位置付けております。  これまでの動きを見ますと、規制から緩和、そして今回、ブレーキ、アクセルという言葉を使っていますが、再び規制へということになるわけですが、七年前のまちづくり三法から短期間での法改正になります。この間、全国の、あえて言いますが、旧中心市街地衰退傾向には歯止めが掛かりません。そして、にぎわいが消えました。深刻な事態の地域が後を絶ちません。しかし一方では、ニュータウンとかショッピングモールなどの郊外型、これは新たなにぎわいのゾーンとして消費者の皆さんの人気を得ているのも事実でございますし、ニュータウンといいながらも十年とか二十年の歴史を重ねてきた箇所も多くあります。  そこで、今回の改正が利用する消費者側からどのようにとらえられているのか、データを配付させていただきました。  去年七月に行った内閣府の小売店舗における世論調査の内容から、ちょっと皆さんごらんいただきたいと思いますが、それによりますと、今後の町の在り方では、「中心部のにぎわいを維持・取りもどす」、これが平均で三三・四%、最も多い一方で、「郊外部を中心に開発や発展させるべき」というのが一四・三%、さらに、「今のままでよい」、これが二六・三%となっています。この数字を見る限りでは、中心部のにぎわいを切望する声が圧倒的に多いとは言えません。今のままというのが比較的高い数字になっております。  これを地域で見ますと、「今のままでよい」、東京都区部では四三・三%に達している反面、私の出身の東北の方は一六・八%、地域によってかなりばらつきが見られます。このデータを見るだけでもそれぞれの地域事情、北側大臣何回もおっしゃっていますが、大きな違いがございます。今回の法改正全国一律では済まされない複雑な内容であるということがよく分かります。  そこで、今回の法改正でうたわれますこの地域住民にとってのまちづくりというのは一体何なのか、果たして何か、それから中心市街地活性化、時代のニーズを満足させる都市計画、そしてこれを推進する地方自治体の一体となった取組が求められるわけなんですが、このデータが示す、現状に満足できていない地方都市活性化策、これについての国土交通省の考えを伺いたいと思いますんで、お願いいたします。
  112. 柴田高博

    政府参考人柴田高博君) 今データのお話しいただきまして、御配付されておりますデータ、内閣府の調査のように、中心部のにぎわいを取り戻すべきだという回答が全体の三分の一おられます。確かに郊外部に中心を発展させるべきという方も一四%ほどおられるわけで、そのほかおられるわけでございますが、このデータ、圧倒的ではないかもしれませんけれども、やはり多くの方々の支持を受けているということは事実だろうと思います。  それからもう一つ、内閣府の地域再生に関する特別世論調査というのも、昨年の七月に内閣府がやったものがございます。世論調査がございます。その中で、住んでいる地域が元気になるために期待する施策ということを聞いたわけでございますが、一番が「安心して住み続けるための防犯、防災対策」、二番が「多様な世代が共に暮らせるための福祉、医療の充実」、三番目に「商店街活性化対策や、まちなかの居住環境の向上などの中心市街地活性化」というのが挙げられてございます。という意味で、非常に多くの市民の皆様も町中活性化ということに期待をされているということも事実だろうという具合に考えてございます。  これからのまちづくりに当たりましては、都市活性化する観点からも、今後の人口減少、超高齢化社会を迎えて、中長期的にまちづくりをどうしていくかということをやっぱりここの場で、現時点で考えていく必要があるのではないだろうかと考えております。都市の既存ストックを有効活用したコンパクトなまちづくりを推進することが必要であるという具合に考えております。  ニュータウン等で新しい団地等ができて、そこで大規模集客施設等があって非常に便利だというような地域ももちろんございます。しかし、一方で、かなり、それがもう四十年ぐらい前にできたニュータウン等で、現状は、子供たちが出て行ってしまって、お年寄りだけが残されて、非常に高齢化が進んでいるというニュータウンなんかもあるわけでございまして、我が国の都市、あるいは我が国社会を先取りするような地域等もございまして、そういうところでは大規模店舗等もいなくなったりして、大変不便になっているという地域もあることも事実でございます。そういう意味で、現段階ではやはり長中期的な観点から考えていく必要があるだろうと思っております。  また、その拠点をどこにするかということでございますが、地域によっては郊外に新たなにぎわいが形成されていたり、形成されつつも、ところもあるということも、そこを新たなまちづくりの拠点とする場合もあるかもしれませんが、通常は、これまでの公共交通ネットワークの中心、拠点として整備されまして、既存の都市ストックが確保されており、地域の核としての歴史、文化を有している、その中心市街地まちづくりの拠点とすることが望ましいんではないだろうかという具合に考えてございます。  以上でございます。
  113. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 今、中長期というお話が出ましたので、次はその中長期について伺いたいんですが、平成の合併もようやく一段落というところで、新たな枠組みの中で中心市街地を形成していかなきゃいけないという地区もあると思います。例に出ましたコンパクトシティーとしてにぎわいを取り戻しました青森市、これも実にスタートから十七年の歳月を費やしての成功ということで、商業者、それから行政、市民の皆さん、正に一丸となって取り組んできた成功だと思います、成果だと思います。  そこで、今回の法改正によりまして、町の、今局長からお話出ましたけれども、中長期にわたる将来の姿、五十年先、百年先の町の姿というのを見据えた政策というのが絶対に必要だと思いますので、国交省としての中長期ビジョン、これをどうお考えなのか、大臣伺います。
  114. 北側一雄

    国務大臣北側一雄君) おっしゃっているとおり、まちづくりというのは十年、二十年単位もう当たり前、更に五十年、百年単位で展望を持ってまちづくりをしていく必要があるというふうに思います。  先ほど来申し上げておりますが、一つは、やはり人口減少社会、超高齢社会の到来、この人口構造の大きな変化ということをよく念頭に置いて、それにふさわしいまちづくりをやはり志向していく必要があると思います。これが非常に一つ大事な、ビジョンとして大事なこと。そういう意味で、既存ストックを有効に活用し、都市機能はできるだけ集積して、コンパクトなまちづくりをやっていくべきだと思います。  二点目に、やはりますますこれから先、経済を始めといたしましてグローバル化が更に進んでいくと思います。都市間競争がもっと激化してくると思うんですね。そういう意味で、各都市、これは全国すべての都市とは申しませんが、都市のやはり魅力というものを高めていかないといけない。それは、経済的な効率性の問題のこともあれば、さらには安全、安心面ということもあるかもしれません。やはり都市間競争に勝ち残っていけれるような、そうしたまちづくりをしていかねばならないというふうに思います。  さらに、三点目に、私は、これからやはりソフトな要素が非常に重視される時代なんだと思うんですね。それは、歴史とか文化はもちろんでございますけれども、環境、景観等々、そうしたことが非常に価値観として優先順位が高くなっている。やっぱりそういうことを重視したまちづくりを志向すべきであると思います。  最後にもう一点だけ申し上げますと、まちづくりというのは、大体、お上がやって成功した例はないんじゃないかというふうに私は思うんですね。やっぱりそこにお住まいの住民の方々、そして地権者の方々、そして商業者の方々、そういう方々の主体的な取組というのがまずあって、創意工夫があって、そこを官が、自治体が、国がしっかりとサポートをしていくというような体制のところが、全国あちこちで成功している例で共通している私は事柄じゃないかと思っております。そういう意味で、まちづくりのやっぱり手法として、これは、これも当たり前のことかもしれませんが、住民参加と、住民参画ということが非常に大事なんだろうというふうに思っております。
  115. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 ありがとうございました。  様々な特性を生かしたまちづくり、その中に是非、政策にも夢づくりという言葉を、住民の皆さんが夢をしっかり持てるような、そうした政策を生かしていただきたい、それをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  116. 羽田雄一郎

    委員長羽田雄一郎君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了いたします。  これにて散会いたします。    午後零時一分散会