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2006-04-20 第164回国会 参議院 経済産業委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年四月二十日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         加納 時男君     理 事                北川イッセイ君                 佐藤 昭郎君                 松山 政司君                 若林 秀樹君                 渡辺 秀央君     委 員                 魚住 汎英君                 小林  温君                 林  芳正君                 保坂 三蔵君                 松村 祥史君                 岩本  司君                 小林 正夫君                 直嶋 正行君                 藤末 健三君                 山根 隆治君                 浜田 昌良君                 松 あきら君                 田  英夫君                 鈴木 陽悦君    国務大臣        経済産業大臣   二階 俊博君    副大臣        経済産業大臣  松 あきら君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       小林  温君    事務局側        常任委員会専門        員        世木 義之君    政府参考人        外務大臣官房参        事官       辻   優君        文部科学大臣官        房審議官     布村 幸彦君        経済産業大臣官        房総括審議官   松永 和夫君        経済産業大臣官        房審議官     深野 弘行君        経済産業省産業        技術環境局長   肥塚 雅博君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       高原 一郎君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      安達 健祐君        環境省地球環境        局長       小林  光君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○独立行政法人エネルギー産業技術総合開発  機構法及び石油及びエネルギー需給構造高度化  対策特別会計法の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     ─────────────
  2. 加納時男

  3. 加納時男

    委員長加納時男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 加納時男

    委員長加納時男君) 独立行政法人エネルギー産業技術総合開発機構法及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 おはようございます。  今日の審議があります二法案、これ、略してNEDO法石特法と言わしていただきますけれども、この二法案を見るときに、前回の委員会で御審議いただいたものづくり三法であるとか、これからかかってくるでありましょうまちづくり法、こういうものに比べると、国民にとってはちょっと分かりにくい法案ではなかろうかと思います。地球温暖化防止というかなり幅の広い、将来の話でありますし、また現場海外ということもありまして、自分たちの生活にどんな関係があるんだろうという思いであると思います。  それに、我々国会議員にとりましても、私のように少し向こう岸が見えている人間にとりましてはというよりも、むしろ藤末委員松村委員のような若い方にとりましてはこれ大変大事な、将来の地球を我々の子供や孫にしっかり引き渡せるかという意味で大変大事な法案でありますから、この重要性を少し認識しながら今日の審議を行いたいと思います。  まず、私は基本的に、今回、経済環境の両立ということで経済産業省環境省が連携してこの法律を出してきた。そして、これは環境委員会の方で今後また質疑が行われます地球温暖化対策推進法、温対法と相まって手を携えてやると。経済産業省がこのNEDO法石特法を改正して地球温暖化防止に対して取り組むという姿勢を見せていただいた、これは極めて私は評価したい、このように思います。  この上に立って、まず二階大臣に伺いたいわけでございますが、大臣提案理由説明にもしっかり書かれておりますけれども、この二法案によって行いますCDM、クリーン・ディベロプメント・メカニズム、これ一つ取り上げましても、海外でこういった温暖化ガス防止のための様々な対策を行う、それに対して国民の貴重な税金を投入していく、今年は十八年度予算として五十六億円両省で要求しておられますけれども、将来はこれ、後ほど伺いますが、一千億単位で国民税金を投入していく。これはやはり、大臣もおっしゃっておられましたように、国内温暖化対策を最大限行っていく。温暖化ガス防止の六%目標に、マイナス六%に対して、今のところ六・五%は国内対策でやっていく、一・六%はCDMでやる、あるいは京都メカニズムでやる、こういうことでございますが、国内温暖化対策を目一杯行って、なおかつ足らざるところをこれで補うという前提でございます。  そこで、昨年の四月に京都議定書目標達成計画というのを政府が決めた。これを目達計画と言わしていただきますけれども、これで日本政府そして我々国会も一丸となって国内対策に万全を尽くすということで目達計画を作った。この目達計画の進捗といいますか進み具合、これは自民党の中の経済調査会におきましても地球環境特別委員会をつくりまして、先週から順次各省からヒアリングを行ってきているんですけれども、なかなかにして難しい。  そこで、今日は大臣に、この今日の二法の前提となります国内対策について、目達計画をしっかり遂行していく、現在のこの取組状況と、これを二〇〇八年から一二年までの第一約束期間にしっかり必ず達成するんだというその御決意を冒頭伺いたいと思います。
  6. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 佐藤議員におかれましては常に与党自民党環境政策を先頭に立ってリードしていただいておりまして、その御活躍に心から敬意を表しながらただいまの御質問を承っておりました。  環境問題でありますが、私も、環境問題、得意とするところではありませんが、先般、縁がありまして環境大臣臨時代理というのを二週間ばかり務めてまいりまして、環境省へも行ってまいりました。環境省からも毎日のようにレクチャーにお見えになったりして、環境経済産業政策、どう組み合わせていくかということを考えれば、小泉総理の私を指名した意味がだんだんと分かってきたわけであります。  まず、この地球温暖化防止のための京都議定書の発効を踏まえて、我が国がその約束達成に最大限の努力をするということは、京都議定書と銘打って、世界じゅうに京都京都という名前が環境を語る場合には必ずくっ付いて歩いておるわけでありますから、その責任上からも模範的なこの解答を世界にお示ししなければならないと、こう思っておるところであります。  京都議定書目標達成計画においては、国内での取組基本であることは申すまでもありません。他国で削減された温室効果ガスを活用するいわゆる京都メカニズムは、国内での取組に最大限努力しても、なお生ずる不足分に対応するということでありますから、まずは国内対策全力を注ぐことが基本であることを改めて申し上げておきたいと思います。  経済産業省としましては、国内対策として省エネルギー対策に取り組んでおります。  具体的には、改正省エネ法に基づく事業者に対する省エネ措置の強化あるいは高効率給湯器などの省エネ設備導入支援などであります。さらに、最近は、太陽光発電風力発電等の新エネルギー開発導入、また波を利用した波力、それから海の温度差を活用した新しい発電技術につきましても関係者の間で相当研究が進んでおるようでありますが、一方で省エネをしながら新エネルギー開発等にどんどんと取り組んでいくことが大事だと思っております。  そこで、私は、国民皆さん理解がなくては何もできない時代であります。特に、この環境問題等におきましては企業の皆さん協力も必要であることは申すまでもありませんが、まずバックグラウンドであります国民全体のやはり理解がなくてならない。そこで、この新エネルギーといういわゆる次世代エネルギーについて、小さいときからそういうことに慣れ親しんでもらう。また、年配の方も含めて、今まで子供のころからほとんど気が付かなかったような分野に、例えばバイオエタノールの問題もその一つでありますが、そうした新エネがどんどんどんどん開発されていく。それをやはり国民皆さんに目で見ていただく、知っていただくというために、何か、仮称でありますが次世代エネルギーパークというふうなものができないかどうか、今検討しておるところでありますが、一、二の市でこのことに熱心に取り組もうとしている地域がありますので、実験的に私は二か所か三か所ばかりこういうことをやってみたらどうかなと、こう思っているんです。  そして、先般も機会がありまして原子力発電所現場などを三か所ばかり訪問をしてまいりましたが、私が伺ったときに、ひょっと見ますと、ここにエネルギーパークがあるんですといって聞きますが、エネルギーを活用したといいますか、エネルギーのその元である原子力がそこに存在しているその近所にできた公園でありますからエネルギーパークとこう呼んでおるわけでありますが、新エネルギーのまだ片りんも見えていない。しかし、せっかくそれだけのものがあるわけですから、それに追加して考えてはどうかということを、この間、市町村長皆さんが上京したときにお立ち寄りいただきましたので私から申し上げたんですが、そんなことなども、地道なことですが、一つ一つやりながら環境問題に対する御理解を深めていきたい。そして、省エネ、新エネ、この両対策を始め、代替フロン対策、そして何よりもクリーンエネルギーと言われておる原子力推進など、国内対策に引き続き万全を期してまいりたいと思っております。
  7. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 大臣目達計画、絶対達成するんだという御決意は述べられませんでしたが、しっかり取り組んでいくということで、定性的ないろんな動きから、そろそろ目達期間約束期間まであと二年と迫った段階でございますので、経済産業省としても所管する分野に対して見通しをお付けになられて、足らざる部分をどういうふうにして達成していかれるかということをひとつ検討いただきたいということを申し上げたいと思います。  次に、原子力について伺いたいんですけれども、CDM対象プロジェクトというのはなかなかにして複雑な手続で決まっておりまして、気候変動枠組条約事務局CDM理事会というのがあって、そこに国際環境族というんですかね、これ言い方悪いですけど、その高級官僚なり、そういう分野の人が集まって対象プロジェクトを決めていく。  私は、今、二階大臣がおっしゃられましたように、クリーンエネルギーとして原子力、これは非常に大事です。我が国国内対策の最大のツールというのはこの原子力なんですね。原発が近年長期停止したことによるCO2に対する影響力というのは四・九%という数字が経産省から出ております。我々があらゆる対策を講じて減らそうとしているのが六・五ですけれども、原発が長期停止しただけで四・九の影響を与える。この原子力というのは非常に大事なんですね。ところが、これがCDM対象プロジェクトに入っておらない。ここら辺について、私は、日本として働き掛けて、これは対象にすべきだと思いますが、現在の事務局状況、そして日本側のこれに対する動き、よろしくお願いしたいと思います。
  8. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 今先生お話のように、京都議定書の実施を定めましたマラケシュ合意で、原子力発電CDMプロジェクトから得られるクレジットについては京都議定書目標達成に使用することを差し控えるということで決まっておりますんで、今先生お話CDM理事会でもいかんともならないというのが今の状況でございます。  それで、ただ、いずれにいたしましても、今のお話のように、原子力推進というのはエネルギー安全保障あるいは温室効果ガスの削減に非常に貢献するということで、昨年五月のIEAの閣僚理事会でそういう意味での共通の認識が得られていますし、それから昨年七月のG8のサミットでも原子力技術開発に努めるということの合意が得られております。  これからも国際的な検討の場において常に問題提起をする、それから将来枠組み議論の際にもこれを念頭に置いて、原子力安全確保と核不拡散の遵守ということが前提でありますけれども、原子力発電プロジェクトから生ずるクレジット目標達成に使用できるように、幅広い検討を促すように最大限努力していきたいというふうに考えております。
  9. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 マラケシュ合意で除外されたから何ともならないという現状では、お話を伺ったんですが、これはやっぱり第二約束期間に対して、今京都議定書の三条九項に基づく将来の枠組み見直しが、検討が始まりますよね。積極的にひとつ、成否を握っているんだという覚悟で、(発言する者あり)イニシアチブ、これは、今日環境省も来ていただいているし外務省も来ていただいている、政府全体として取り組む大事なポイントでございますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、これも大臣から述べていただきました新エネルギー、この分野もいろいろヒアリング等を行っておりますけれども、なかなかにして難しい。RPS法というのがありますね。リニューアブル・ポートフォリオ・スタンダードというのがRPSの略でございますが、このRPS法を軸にある意味エネルギーの様々な事業展開が図られておるのは事実でございますが、この法律が今見直しに入っております。  現在の新エネ目標というのは二〇一〇年で一・三五%まで持っていくということであります。この目標、数値の確実に達成できるかというのも実は難しい。このために、RPS法目標を少し、在り方といいますか、バンキングの在り方も含めて少し見直すべきではないかという意見もございますし、将来はこの新エネ目標を更に上げていくとするならば、このRPS法見直しというのが極めて大事になってくる、こう思いますが、この点について、いかがでしょうか。
  10. 高原一郎

    政府参考人高原一郎君) お答えを申し上げます。  RPS法、御指摘のとおり、平成十五年の四月に施行されて、現在、三年間ちょうどたったところでございます。附則の五条で三年たったところで見直しをということで、現在、総合資源エネルギー調査会の新エネルギー部会の中にRPS法評価委員会を、小委員会をつくりまして今検討を行っているところでございまして、昨年十一月より審議をしていただいておりましたけれども、ちょうど報告書の素案がまとまって、これから、一昨日からでございます、パブリックコメントに付しているというところでございます。  これまでの小委員会議論におきましては、義務者たる電気事業者努力によりまして現在のところ義務量超過達成していると。これを二〇一〇年度の百二十二億キロワットアワー、今御指摘のとおり一・三五%でございますけれども、これを引き上げるという方向議論が取りまとめられております。  今後でございますけれども、このパブリックコメントの終了後におきましては、これを、報告書を小委員会として取りまとめて、更に新エネルギー部会の方で議論をしていただくという予定になっております。  二〇一〇年度の目標でございます一・三五%の達成でございますけれども、最近やはり、今申し上げたように、超過達成をしてきておりますので、相当だんだん厳しくはなってきております。したがいまして、引き続き官民を挙げた一層の努力というのがこの一・三五%の達成のためには必要だというふうに考えておりますけれども、我々といたしましても一生懸命努力をしていきたいというふうに思っております。  また、法律では四年ごとに八年間の義務量を定めるということになっておりまして、具体的には、今年度、十八年度中に二〇一四年度に向けた義務量を定めることになっておりますけれども、委員指摘の新エネルギー必要性ということを十分踏まえながら決定をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  11. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 この一・三五%を超えた更に次の目標というのは御検討でございますか。EU等に比べますと、この一・三五というのは非常に低いですよね、新エネルギー分野としては。その辺はいかがですか。
  12. 高原一郎

    政府参考人高原一郎君) 検討自体は、まだ数字検討はこれからということ、先ほど申し上げたとおり今年度中でございますけれども、実はヨーロッパなどと比較しますと、再生エネルギー定義とかがいろいろ違うものでございますから、そこは数字の単純な比較はできないと思いますけれども、いずれにしても、委員指摘のとおり、新エネルギー重要性大臣からも御答弁がございましたけれども、そういうことを十分踏まえて検討していきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  13. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 この新エネルギー定義そのものも、例えば小水力については極めて限定的な定義日本のはなっているわけでして、これは電力事業者等関係あるいは電力安定性ということを考えられて、あるいはこのRPS法の、負荷をできるだけ少なくしたいという意図もあったかもしれませんけれどもね。いろんなことを考えられてここに決まっておるんです。これもひとつ含めて見直していただきたいなと、こんなふうに思います。  次に、バイオマスエネルギーについての経済産業省取組状況について伺いたいんですけれども、状況についてはそこそこで結構なんですけど、私が考えますに、やはり例えばバイオエタノール自動車用燃料についての導入、これ、バイオマスニッポンによりますと、これ五十万キロリットルですね。ですから、今大体ガソリン全体が六千万か七千万キロリッターですから、これの一%程度を目標バイオエタノール燃料をやられておると。  これは私も様々な分野方々お話を聞きますと、石油業界自動車業界需要者側にとってはこれはメリットが余りないんですね、これ。全然ないと言っていいですね。ですから、経済産業省としては、供給者側のいろんな手だてというのは農林水産省でありますとか様々なほかの役所が行えるとしても、需要者側に対するインセンティブを与える点についてはひとつ、バイオマス燃料についてのひとつ政策を展開していただきたいと思うので、そこら辺を少し中心に回答をいただけたらと思います。
  14. 高原一郎

    政府参考人高原一郎君) お答えを申し上げます。  いずれにせよ、バイオマスエネルギーの利用というのは、現時点では確かにコストが高いといったような問題点ございますけれども、エネルギー自給率の向上や、また何よりも地球温暖化対策に資するということで、これは全力を挙げて進めさしていただいているところでございます。  バイオマスエネルギー導入するためにはいろいろな、事業化調査から実証実験ですとか、あるいは実際の事業化に至るまで、いろいろな段階がございますけれども、その段階に応じてきめ細やかにメニューを作りまして、今支援をさせていただいているところでございます。  また、特に御指摘バイオエタノールにつきましては、これもやはり決め手の一つでございまして、温暖化対策の観点から非常に有効だということで導入促進を図っているというところでございます。  他方、我が国におけるバイオマス資源というのは広く薄く分布していることもありまして、海外からの輸入、特にブラジルでございますけれども、等の輸入につきましても検討いたしておりますし、それからまた地産地消的な取組につきましては、例えば沖縄等地域幾つかいろんな事業が行われておりますので、これもまた積極的に応援するということでございまして、私どもとしては積極的にこれを応援するということで、大臣指揮下、一生懸命やっておるところでございます。
  15. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) ただいま部長から御説明を申し上げたとおりでありますが、バイオマス、特にこのエタノールの件につきましては小泉総理ブラジルの大統領との間で前々から話合いがなされており、その後、フルランという担当大臣と私との間でちょうど三回お目に掛かっていろいろなお話をしておりますが、ブラジル側は大変熱心であります。しかし、同時に、私たちの側としても、省エネ、そして先ほど申し上げました新エネルギー開発ということを考えればこれも極めて大事な問題でありますので、真剣な取組を行ってまいりたいと。  今議員が御指摘のように、このエタノール導入するに当たっては幾つかの大きな問題がございます。ガソリンスタンドの問題一つ取り上げてみましても、全国のガソリンスタンド関係方々は、今でさえ大変御承知のような事情で経営の苦しいときに、新たにそういうものを、そのために装置を導入しなければならないということは大変頭の痛いことである、しかし、それであっても、国がそういう方向で思い切って取り組むということであれば、我々としてもいろんな条件を整備していただければ協力すると、こういう正式の回答をいただいておりますし、また、石油業界にしましても、石油業界現状等を見れば、当然この新エネルギーという方向経済産業省努力されることは理解できるので、できる限りの協力をしようと、こういうことでございます。  そこで、ブラジルだけではなくて、我が国、今部長も申し上げましたように、沖縄に、議員も御承知のとおりにバイオ燃料となるものが生産されておるわけでありますから、これを活用して、実験的に沖縄に、例えば宮古島、伊江島等に特区のような感じで対応を考えてはどうかという総理からの御指示もありまして、今案を作っておるところであります。  このエタノール自動車を走らせる、そしてガソリンの給油と同じようにエタノールを活用することがどうすればスムースにいくかというふうな問題、そして、やはり日本の多くの人たちエタノール自動車沖縄で走っておるんだということを見ていただくことが、新エネルギーへのみんななじみといいますか、一歩を踏み出していくのに好都合ではないかと思っておりますので、早急にこれらの対策を講じたいというふうに思っておる次第であります。
  16. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 大臣の方から大変前向きな御回答をいただきましたが、是非ひとつお願いしたいと思います。  バイオマスニッポンバイオマスタウンの目標というのを、三百市町村、これ二〇一〇年目標で立てているんですけれども、これ三年掛けてずっと、今の伊江村も一つでございますが、市町村に声掛けし、やってきているんですが、まだ四十四市町村しかこれ実は計画が立ち上がってこない。市町村合併等いろいろな問題もありましたけれども、こういう問題こそひとつ、地方の活性化に大いに役立つわけでございますので、引き続き、このバイオマスエタノールだけでなしに、エネルギー燃料としてのやはりバイオマスニッポン推進について経済産業省の強力なひとつ推進をお願いしたいと思います。  もう一つ環境省に今日は来ていただいておりますけれども、今経済産業省の方から経済産業省が所管する分野についての目達計画状況について伺ったわけでございますが、我が国全体としまして六・五%という削減目標に対して、様々な分野、各省に所管する分野をまとめて事務局としてやっていただいておるわけですが、この見通しについて伺いたいと思います。
  17. 小林光

    政府参考人小林光君) お答え申し上げます。  もう既に、今、国内政策の重要な点についていろいろ点検の御質問をちょうだいしたわけでございます。全体を通してはどうかと、こういうことでございます。  マイナス六%の目標に対して、私ども三本柱というふうに言っておりまして、これから御審議をいただいていくことになります、例えば一・六%相当分の京都メカニズムの活用、あるいは吸収源の確保の三・九を除きました排出削減について言いますと、九〇年比マイナス〇・五%の目標ということに相なるわけでございますが、これに対しまして、現状、一番最新の速報値では二〇〇四年度七・四%の増加ということでございます。八%弱をこれから削っていかなければいけないということで大変厳しい、排出削減について言いますと、今までの努力が問われるわけでありますし、これからの努力もまた求められると、こういう状況だというふうに考えてございます。特に運輸、そして民生、家庭、こういったようなところの対策を更に強めて、各省連携の下、頑張ってまいりたいというふうに考えております。
  18. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 次に、CDMプロジェクトの、このNEDO法の改正によって運用される京都メカニズムの実際の部分について御質問したいと思うんですけれども、私、これ、NEDO法の改正、そして温対法の改正で何回かヒアリングさせていただいていて、どうも分かりにくいんですな、いろいろ勉強させていただきましたけれども。この環境省の作った資料によりましても、CDMプロジェクトが、プロジェクトの計画を相手国政府、相手国内において企業同士が合意してスタートしていくわけでございますが、これからCDMの理事会におきます承認等、ずっとステップを追っていきますと、最終的に各国保有口座までに移転されるまでに、クレジットが、十ステップもある。非常に分かりにくいし、その間に何回も審査が入ってくる。  そして、やはりプロジェクトのフィージビリティーというのを民間企業が途上国において組み合わせていく場合に、ベネフィット、どれだけベネフィットが上がるかという点についても非常に重要な関心を持つわけですが、今のこのクレジットの単価、これ各国際機関や各国政府が予測しておるんですけれども、二〇一〇年という目標を取りましても、一ドルから十ドル、あるいはもうちょっと、三十三ドルという評価もありますけれども、幾らでこれが、結果削減したCO2の原単位が引き取られるかというベネフィットの面についても非常に幅があるんですね。  こういう状況の中で、民間企業がCDMを実際行っていくというインセンティブというのがしっかり持てるだろうかと。もっと使いやすくする、せっかくここまでなさるわけでございますから、今までのNEDOのいろいろな調査等の経験も踏まえて、このCDMプロジェクトの実施の流れを簡略化して、普通の企業が手を挙げていける、こういったものにしていく努力が必要ではないかと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
  19. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 今お話しのとおり、クレジット価格の安定のためにはそのクレジットの供給の増加というのが必要でございまして、それから我が国の企業も海外事業展開の新たなチャンスということで積極的に取り組んでいるというふうに考えておりますので、CDMについての審査あるいは手続について問題点を解決していかなきゃいかぬというふうに思っています。  CDMについては、今御指摘のとおり、二点あると思っています。一つは、CDM理事会での審査について、事務局の体制が不十分なこともあって時間が掛かる、手続が複雑だという批判があるというふうに思います。それからもう一点は、登録されたプロジェクトがフロンとかメタン等が中心でありまして、省エネルギープロジェクトが進んでいないという問題もあるんだろうというふうに思っています。  こういう問題に対しまして、私ども、他国と協力して積極的に取り組んでいるつもりでございまして、その結果、昨年末の締約国会議でCDMの手続、審査の迅速化というような様々な改善がなされているというふうに考えております。  具体的には、まず一つは、事務局の人員の増強、審査チームの設立。これはCDM理事会の中にいろんなチームを、下部組織の問題も含めてでございますけれども、我が国の提案で審査の簡素化、迅速化というのが少し進んだんじゃないかというふうに思っています。それからもう一つは、その簡素化、迅速化を進めるために、方法論の審査プロジェクトが省略できる小規模CDMの範囲の見直しというのも非常に大事だというふうに思っていまして、これも開始することが決まっております。さらに、我が国が主導するCDMの将来イニシアチブによる省エネCDMの方法論の開発ということを通じて省エネCDMがより広く認められるようになっていくということも必要だというふうに思っています。  ただ、まだ宿題になっている、残っているところもございますので、CDMが一層使いやすくなって供給が増えていくようにという環境整備に努力していきたいというふうに考えております。
  20. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 手探りの状況でやはり進んでいかざるを得ない。余りたくさんこれが出てきても困るなというところもあるのかなと一瞬ちょっと思ったりもいたしますけれども、非常にこれは大事なシステムでございますので、日本が世界をリードしていくというひとつ意気込みでこれに取り組んでいただきたいと思います。  この点に関して、もう一つは、このCDMで削減されたクレジットの取扱いなんですけれども、先般、ある民間企業の社長さんの方、大変経営努力して省エネに取り組んで、CO2温暖化の目標に向けて努力している企業でございますが、この企業は、自分の企業が発展していくに従って一九九〇年のベースラインから自分のところで排出するCO2の量が上がっていかざるを得ない、四%の、企業が成長するまでは何とか自己の努力でやっていけるんだけれども、四%を超えて生産量が増えていくたびにCO2が増えていく、これは自分たちの企業内ではどうしても賄えないから、海外で自らその企業がCDMを行って、その増加するCO2排出量に見合う分を海外で削減するといった自分たちの企業の自らの努力で削減されるという動きがありました。  この際のしかし削減されたクレジットというのは、政府は無償で引き受けたいということで、有償じゃないんですね。これは要するに、目達計画の中の、経団連が中心になっている自主行動計画の中で自分たちがやるといったやつに対しては有償ではないと。しかし、それ以外に、一・六%の中に含まれるであろう、例えば商社等が海外において自分たちの排出するCO2と関係なくCDMでCO2を削減する場合は、今のようにNEDOがこれを買い受けて、それを国が最終的には買うという、有償になると。  どうもここの取扱いが不明朗ではないか、不明朗というのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、不明確であって、逆に言うと、民間企業が自分たち努力で足らざるところを海外において削減しようとするときの努力に水を差すのではないかという感じがするわけでございますが、こういった有償無償のクレジットの取扱いの基準等についてはどう考えておられますか。
  21. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 今先生お話しのとおり、我が国の産業界は環境自主行動計画を策定していろんな取組を行っています。自主行動計画の目標達成には、今先生お話がありましたように、生産が増えたり活動が増えたりするということ、いろいろあろうかと思いますけれども、国内での排出削減をまず優先するということが基本になっておりまして、産業界は省エネの設備投資でございますとか生産工程の改善に全力で取り組んでいると思います。その目標値に向かって最大限の努力をしておられるんだと思います。ただ、産業界で、万一の場合に備えて京都メカニズムの活用を考えておきたい、検討しているというふうに聞いております。  今自主行動計画に参加しておられる三十二業種の中で、そういういろんな場合に備えて京都メカニズムの活用を含めて対応を検討すると言っておられるのは十一業種ございます。産業界が自らの目標国内でのいろんな取組前提として、万一の場合に備えてということでありますけれども、クレジットの取得をするということでございますので、自主行動計画の目標達成のために調達したクレジットというのは無償で国に移転するというお考えだというふうに承知しております。  今回のNEDOによる、政府の予算措置によるクレジットの調達というのは、産業界の自主行動計画による対応も含めまして、国民各界各層が国内対策に最大限取り組んでもなお目標達成に不足する差分への対応として予算手当てをしているというふうに考えております。
  22. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 現状の御説明は分かりましたけれども、これは是非ひとつ検討していただきたい。これが非常に、温暖化ガス削減というのは非常に大事なものであると思えば、そういったところの民間の自主的努力についても有償で引き取るということも私は可能性としてはやはり検討していくべきじゃないかと思います。これは検討していただきたいと思います。  次に、外務省来ていただいていると思うんですが、このCDM、途上国においてプロジェクトを形成する場合にODAの対象にならないということなんですね。しかし、私は、これは我が国基本的な立場、国益という面から考えても非常に大事な分野でございますし、ODAの対象にこれ含めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  23. 辻優

    政府参考人(辻優君) お答え申し上げます。  今先生お話ございましたCDMでございますけれども、先ほど来お話ございますように、先進国等におきます排出削減約束を遵守する上でも重要でございますと同時に、途上国におきます持続可能な開発に資する技術、それから資金の移転をもたらすという意味においても大変利益のあるものだと思っております。  具体的に、途上国につきましては、CDMにつきまして、ODAを活用したCDM事業推進できるようにと我が国は大変努力してきておりまして、気候変動の交渉におきましてもODAプロジェクトCDMとして登録することは可能とされております。もちろん、例えば既存のODAの流用であってはならないとか、そういう条件はございますけれども、ODAをCDMに活用することは可能となっております。  ただ、現在のところ、まだODAを活用したCDMですということでCDM理事会に実際に審査を申請した案件はございませんので、実際の審査過程においてどういう判断がされていくかということについては若干不透明なところがございます。また、そういうものを活用する上でも、途上国の行政能力の向上、そういう面も重要な今後の課題となっていくと思いますので、我が国としましては引き続きODAをCDMに実際に有効に活用できるように国際的な努力を継続していきたいと、こう考えております。  以上でございます。
  24. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 そうすると、確認ですけれども、CDM理事会事務局の中ではODAの対象CDMプロジェクトを含めることについては了解が得られていると、しかし実際の玉が出てないと、これはEUも含めて。そういうことですね。
  25. 辻優

    政府参考人(辻優君) おっしゃるとおりでございます。ODAをCDMに活用することはできます。他方で、実際の案件は今出ておりません。  我が国は今一件、途上国政府と案件を交渉中でございますけれども、途上国政府と案件が合意ができました場合には実際にCDM理事会に申請を出すということで現在作業を行っているところでございます。  以上でございます。
  26. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 最後の課題について伺いたいと思うんですけれども。  これ、いろんな各部会等でも議論になるんですけれども、やはり我が国がここまで国費を投入し、これお聞きしようと思ったんですけど、大体一億トン、二千万トンで五年間で一億トン、十ドルとすれば一千億という巨費を投入してこういうことをやっていく。しかし、この努力が気候変動の将来にとって有効な一石になり得るんだろうかという疑問がやはり国民の一部、また産業界の一部にはあるわけです。  ポスト京都、二〇五〇年問題とも言われますけれども、こういった問題を考えるときに、アメリカや豪州が入らない先進国だけの削減の努力、この限界感というのも感じられると思うんですが、今、第一約束期間についての枠組みの次のポスト京都枠組みづくりが始まろうとしておりますが、そこら辺の動き、またそれに対する我が国努力について、これは経済産業省と外務省、両方に伺いたいと思います。
  27. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 今先生お話しのとおりで、京都議定書で削減義務を負う先進国による排出量は、一九九〇年は世界の四五%でございましたけれども、二〇〇〇年には三三%になり、さらに二〇五〇年には二割に減少するという予測がございます。  他方、中国、インドなどの主要排出国については急速な経済発展で二酸化炭素の排出量が急増しておりまして、二〇五〇年にはこれらの排出国からの排出がむしろ世界の六割を占めるという見通しになっておりまして、このように、議定書に参加してない米、豪あるいは中国、インドといった主要排出国による排出抑制なくしては気候変動問題の解決はないということだろうというふうに思っておりまして、国連で、先ごろの締約国会議、COPMOPで米国も途上国も参加して長期的な協力に関する対話が始まっておりますけれども、あらゆる場を通じてすべての主要排出国による取組必要性というのを主張していきたいというふうに考えております。
  28. 加納時男

    委員長加納時男君) この問題は外務省にも関係しますので、外務省大臣官房参事官辻優君。
  29. 辻優

    政府参考人(辻優君) お答え申し上げます。  ただいま経産省の担当局長から御説明ございましたけれども、そういう状況にございまして、二〇一二年以降どういう形で新しい枠組みを、一三年以降でございますか、つくるかということにつきましては、昨年のモントリオール合意におきまして一応対話を行っていくということ、それにはアメリカ、中国、インドといった国も含めて対話を行っていくことが合意をされたことでございます。  したがいまして、我が国としましては、二〇一三年以降につきましては、すべての国がその能力に応じて参加をしていくということをいかに確保するかということ、そして実効ある枠組みをどうやってつくっていくかということにつきまして、そういう合意、対話の場等におきまして引き続き各国に働き掛けていくということをさしていただきたいと思っています。
  30. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 特に外務省に対して、今も積極的にという話ありましたけど、これは、ブッシュ大統領が京都に来られましたよね。金閣寺見て非常に感激したと。あの首脳会談で京都議定書は全然出なかったという話も聞いております。アメリカをどうやって引き込むかというのがポイントですね。それから中国。やはりこの問題が私は日本外交の大きな旗印になり得る。安全保障、安保理の改革についてもあのような結果でございます。しかし、これに代わるものと言うては語弊がありますけれども、大きな旗印になる。本当に積極的に米国、中国、取り込んでいく。それをしないと、一千億という国費を投入する意味国民には分かりにくい。これは事実でございます。  最後に、大臣でございますが、非常に政府全体として取り組まなきゃいけないわけでございますが、環境分野だけのネットワークでは限界がありますね、これやはり。したがって、やはり経済界挙げたネットワーク、それについて、海外とのネットワーク、中国、米国、特にお持ちの大臣におかれて、将来枠組みにアメリカや中国の途上国も入れていくというこの枠組みづくりについて大臣の決心を伺って、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
  31. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 大変御熱心な、しかもまたポイントをついた御質問をちょうだいして、力強く思っております。  地球規模での温室効果ガスの排出を削減するということは、これ我々の悲願であるわけでありますが、主要排出国、先ほど局長からも答弁申し上げましたが、アメリカ、中国、インド、更に私はブラジルも加わっていただく必要があると思うんです。これは数字もあるんですが、細かいことですから省略いたしますが。  地球儀を想定していただいても、アメリカ、そしてブラジル、それに中国、インド、こういうだけでもう大変大きな国が並んでおるわけですが、そこが環境問題に対してもう一つ熱心さを欠いておると。こういう状況の中で我々だけが頑張っておるようなことでは、これは地球温暖化という大きなテーマにはとても解決策を見いだすことができない。  そこで、私も、先般といいますか、今月の六日、アメリカの当時のポートマン通商代表に対してWTOの話で電話会談を行ったわけでありますが、ちょっと申し上げておきたいことがある、それは、私は今環境大臣も兼務しておる、だからといって言うわけではないが、この環境問題にアメリカがもっと主導的立場を発揮されなければこの解決はできないのではないか、ですから、今日改めてこの場で、もうちょうど一時間ばかり電話で話をした後でありますから、今日はこの問題に対して直ちに回答をということは私は言わないが、友人の立場で、さらにアメリカを尊敬している立場から、このことに対してアメリカが行動を起こすべきときではないかということを申し上げておきたいと。  ちょうど明日の朝七時から、これは日本時間でございますが、このポートマンと改めて話合いをすることになっておりますので、私は改めて、今度予算担当の局長として更に重要な立場に立たれるようでありますから、私は大統領の側近としてこの問題はやっぱり避けて通れない大きなテーマであるということを改めて申し上げたいと思いますし、先般はブラジルの外務大臣にもこのことを申し上げました。そして、近くインドの商工大臣が来日します。その後、シン首相も来日することになっております。私は、そういう際に、いかなる立場であっても、日本でお目に掛かった人は必ずこのことをやっぱり相手国に話をして、日本へ行ったらこの話でもう持ち切りだと、日本に対してはこの環境問題を語らなければ、その後の大事な交渉は進まないというぐらい熱意を込めてやっぱりやるべきだと思っておるんです。  私が素人だから言えるのかもしれませんが、環境問題に対してもっともっと自信を持って、そして我々はやっぱり使命感を持ってやらなきゃいけないと思うんです。そして、国民税金を多額に注ぐわけでありますから、そのことにおいてもやはり国際社会で日本がアピールするチャンスでもあるわけですから、しっかり頑張っていかなくてはならないと思っております。  そして、ブラジル等に対しましては、エタノールの問題を日本に話し掛けてくるときには、これは環境にいいんだと、こう言うわけですね。だから、ちょっと待ちなさいよと、環境というものを売り物にエタノールを言うならば、環境問題に対してブラジルはもっと積極的に対応すべきではないかということを私は申し上げておるわけですが、議員の皆様と相協力してこうした問題に対して、私たちは、後世に残す大事な課題だということを考えて対応してまいりたいと思います。
  32. 佐藤昭郎

    佐藤昭郎君 終わります。
  33. 加納時男

    委員長加納時男君) 佐藤昭郎君の質問は終わりました。
  34. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 おはようございます。民主党の直嶋でございます。  今も佐藤議員大臣始め議論があったわけですが、私も最初に重要な問題について幾つ大臣の御所見をお伺いしたいと思います。その後、少し技術的な問題もお聞きしたいというふうに思っていますので、よろしくお願いします。  今も議論ございましたが、この京都議定書の第一約束期間でありますが、九〇年に比べての増減ということになるんですけれども、数年前に我が国では原発が一時停止するということになりまして、特にエネルギー起源のCO2対策ということでいいますと、大幅に増大をしているというのが実態であります。今日議論しますこのいわゆる京都メカニズムと元々立てている国内計画との関係について、さっき大臣は答弁の中で国内計画の削減が基本であると、こういうふうにお答えになりました。そういう意味では、基本的な考え方はもうしっかりお持ちだということでありますが。  実は、例えば産業界の対策を見ますと、経団連中心にした、さっき三十二業種というお話がありましたが、自主削減計画は全体の八割ぐらい占めていると、こういう実態でもありますし、中央環境審議会におけるこれらのフォローアップの状況を見ますと、かなりの業種で目標どおりいっている部分はあるんですが、実は日本の産業界でいうと、最大のやはりエネルギー消費は鉄鋼産業でありまして、その鉄鋼が全体の四割以上を占めていると。それに続いて電気事業といいますか、こういったところが主な消費産業なんですが。  これらについて見ると、まあ簡単に言うと三角印が付いていまして、必ずしも目標どおりにいってないんだけど、このコメントがなかなか、何といいますか、上手なコメントが入っていまして、目標どおりいってないんだけど目標達成に向けてまだ可能性はあると、こういうような言い方でありまして、じゃ実際のところどうなんだというと、なかなかこれは微妙な表現で、ひょっとしたら苦しいのかなと、こういうふうにも思うわけでありますが。  こういったことで言いますと、やはり基本的にこの削減計画をしっかりやってもらうということが重要になると思うんですが、ちょっと、所管の産業界のことも含めて、国内目標について大臣の御所見をお伺いしたいと思うんですが。
  35. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 京都議定書目標達成計画は、直嶋議員も御承知のとおり、追加対策による一二%の削減、そして国内における排出抑制対策により六・五%の削減が目標として掲げられておるわけであります。  そこで、産業界について、産業界のことに大変お詳しい直嶋議員から今御提言がありましたが、私どもも、これこそ政府が幾ら頑張っても産業界の協力がなければこの問題の解決には至らないわけでありますから、機会あるごとに産業界の皆さんにもこれから積極的に協力を呼び掛けてまいりたいと思っておるわけであります。  経済産業省としては、目標の実現に向けて、国内対策を中心に引き続き全力を傾注してまいりたいと思っております。  そして、環境問題というのは、単に消極的な意味で公害を防ぐというだけではなくて、我が国として世界に環境問題で相当の地位を占めるようになってきておるわけでありますから、そうした意味で、省エネの問題あるいは新しいエネルギー開発、これは日本が、将来にわたってすべての国民が幸せに生きていくためにはこのエネルギー問題を解決しなければ前に進むことができないわけでありますから、我々は、省エネ、新エネ、この両対策相まって国民皆さんの御理解をいただきながら進んでいく、そうした中で、一番環境問題に関係の深い産業界には特に強く協力を要請してまいりたいというふうに考えております。
  36. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 経済活動を維持しながら対策をしていくということですから、これは両立させなければいけないということで経済産業省としてもなかなかハッパの掛け方が難しいのかもしれませんが、ただ、やはり全体的な計画見ますと、ここの今申し上げたような産業界の協力の部分が大きな要素になってくるというふうに思いますので、是非お願いしたいというふうに思います。  それからもう一点、先ほども議論ございました、この京都メカニズムに一千億ぐらい掛かるんじゃないかと、こういうお話もありましたし、既に我が国政府としては森林対策等含めて、年間、CO2対策費を予算上集計しますと、約一兆円ぐらいお金を掛けて対策をしてきているわけであります。これが取りあえず第一約束期間ということでありますから、二〇一三年以降どうなるかということも、この第一約束期間の実施する内容にも、あるいは先が見えない中でやるということになると気合も入らないと思うんですが、昨年から議論が始まったということなんですが、この点について、特に基本的なところを御所見を伺いたいと思うんです。  さっき、大臣お答えの中で、当然これは世界全体でやっていかなきゃいかぬから、中国だとかインド、もちろんアメリカ、こういった国々が参加すると。ですから、アメリカは参加してもらって、途上国のそういう大どころはきちっと参加するような仕組みにしなければいけないと、そういう思いも含めてお話がございました。  私はそれは非常に大事なことだと思うんですが、もう一つ申し上げますと、今のこの京都議定書の第一約束期間で取り決めた仕組み、要するに、各国にそういう削減目標を決めて、今議論している排出権取引も含めた中で、こういうメカニズムでやっていくのか、あるいは次の新しい参加者も含めて、一からもう一回目標を立てて別のやり方でやっていくのかと。これも、例えばこれからの排出権取引なんかの定着具合にも相当影響が出てくるというふうに私なんか思っているんですけれども、こういうやり方も含めてちょっとお答えを、お考えのところをお聞かせいただければというふうに思います。
  37. 小林温

    大臣政務官小林温君) 私がお答えをいたします。  先ほどの大臣の答弁の中にもございましたように、第一約束期間が終了する二〇一三年以降の国際的な枠組みについては、米国、中国あるいはインド、ブラジルといった主要な排出国が実効的な取組を行うものとすることが必要だというふうに認識をさせていただいております。  繰り返しになりますが、昨年開催された気候変動枠組条約の第十一回締約国会議では、すべての国が参加する対話の開始が合意をされました。この対話の場などを通じて、すべての主要排出国が参加をする国際交渉を早期に開始することを目指してまいります。  また、現行の京都議定書を補完するため、米国、中国、インドも参加するアジア太平洋パートナーシップ、APP、ここでも日本が主体的な役割を果たしていく、また技術協力を軸とする取組も積極的に推進していくということになっております。  いずれにいたしましても、それぞれのこうしたポスト京都枠組みの中で、日本が存在感を示し、そして主体的な役割を担っていくということがポスト京都の体制整備につながるものというふうに考えておりますし、排出権取引も含めた現行の今進んでおります枠組みについては、その進み具合も含めながら、あるいは対話に参加をしてくる各国の間で現行の取組の評価もさせていただきながら、このポスト京都の中に生かしていくことになるというふうに考えております。
  38. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 現段階ではそういうお答えなのかもしれませんが。  さっき大臣からも、とにかく日本へ来たら地球環境問題が話題になるんだと。したがって、地球環境問題というかCO2対策重要性といいますか、それはみんなでやらなきゃいけないんだと、こういうことをきちっと言うということは大事なんですが、よく、どんな世界でもそうですけど、総論賛成、各論反対というのが必ず出てくるわけですよ。ですから、もっと言えば、さっき原子力の話とかODAの話もありましたけれども、要するにやり方も含めてきちっと提案をしていかないと本当の意味日本がリーダーシップを取ったことにならないと思うんですよ。  CO2対策必要性というのはもう長年議論されてきて、恐らくそのことを否定する国といいますか、そのものを否定する国というのは私は余りないんじゃないかというふうに思うんです。そうすると、問題は、みんなが参加していかにコンセンサスをつくるためにどういうやり方をしたら効果が上がるのかと。本当は、日本がこういう面で役割を果たすためには、私はやっぱりそこまで含めて提案をしないと日本がリーダーシップを取ったことにならないというふうに思うんですが、是非その面での御努力をお願いしたいというふうに思いますし、もしそれに関して何か御見解をお持ちでしたらお伺いをしておきたいと思います。
  39. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 実は、今度中国との間で、省エネ環境問題で、これは少し継続的にやっていけるような大型のフォーラムに仕上げていきたい、一回目は日本でということで合意しまして、この五月の末に日本で開催することになりました。私は、その際、京都にも是非お越しを願いたいということを申し上げて、薄熙来商務部長京都においでになることになりました。私はその場でも、この京都議定書の由来、そして我々日本が目指すもの、そしてそれは中国にとっても大事なことであるし、日本にとっても大事なこと。黄砂の問題一つ考えても、あれは中国の黄砂だと言っておれる時代ではない。明日直ちに我々のところにもそれが飛んでくるような、こういう間柄にあるわけでありますから、こうした問題に対してもそれぞれの国が協力し合っていかなくてはならないわけであります。そういう意味で説得を続けていきたいと思っておりますが。  顧みれば、日本環境問題、公害問題というのはやっぱりそれなりの経過、歴史があったわけでありまして、そのことを乗り越えて、今や環境を語らない人はいなくなった。環境問題は政治の大きなテーマになっている。ここまで歩んできたわけでありますが、このことの成果、そして、今後、私たちは原油にばかり頼っておれないこういう状況の中で、お互いに成長を持続していくためには環境問題は極めて重要な、お互いに、大きく言えば人類の問題でもあるということで、私はあらゆる機会をとらえて積極的な外交、あるいはまた説得を続けていくべきだというふうに思っております。そして、環境に力を注ぐことが結果は国の利益につながるんだということをもっと鮮明に相手にアピールできるように考えるべきだと思っております。
  40. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ありがとうございました。  是非、またこれからの議論の中で、今の大臣の気持ちも含めて、きちっと方法論もつくって提案をしてリードしていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。  それから次に、森林吸収による排出削減について、今日は環境省来ていただいていますね。  ちょっとお伺いしたいんですが、我が国の九〇年比六%削減目標の中の三・九%分は森林により吸収するということになっています。森林というと何か森林があるだけでそういうふうに吸収する、まあ現実にするわけですから、もういいのかなと思うと実はそうじゃなくて、きちっと手入れをした森林でないといかぬと、こういうことになっているようでありまして、これは農水省の方で十か年計画をつくってやり始めたということなんですが、要するに、衆議院の議論でもちょっとあったんですけれども、財源がないと。あと五百二十万ヘクタールの整備が必要なんだけれども二千二百億円要ると。財源がないというような話があったんですが、まず環境省にお伺いしたいのは、森林吸収による三・九が未達になっちゃった場合、どういうことになるのか、御説明をしていただきたいと思うんです。
  41. 小林光

    政府参考人小林光君) お答え申し上げます。  今までも御議論ありましたとおり、大気中の二酸化炭素の濃度を増やさないということが温室効果対策としては非常に重要で、その中では二酸化炭素を吸う吸収源、これはもう非常に重要だということでございます。  御指摘のとおり、三・九%を我が国の森林の吸収量としてカウントしたいと、こういうことでございます。それに当たりますのは年間千三百万炭素トン、こういうことでございまして、これは京都議定書の運用の国際ルールの中で我が国の吸収量として計上することが認められている量でございます。  我が国の森林、実際には今御指摘のとおり大変たくさんございまして、放置されているもの、きちんと手入れされているもの、それらを全体見渡してみますと相当量の二酸化炭素を吸っていると推計されておりますけれども、御指摘のとおり、適切な森林経営活動が行われている部分についての吸収量ということが算定をされると、こういうことでございます。そういう意味で見ますと、これから適切な森林経営活動を行っていくということが非常に重要だということでございます。  これについて、それがうまく、未達の場合どうだろうかと、こういうことでございます。  御指摘の点、直接なかなかお答えすることは難しいわけでございますけれども、どんな、森林経営活動の対象となる森林区域について、その吸収量を実際に我が国の吸収量として計上し得るかということにつきましては、今後条約の事務局の下の専門家チームという方がいらっしゃって審査をして最終的に決定をされる。二〇〇八年—一二年の間の努力の結果でございますが、それを審査をして決められると、こういうことでございます。そういったような経緯を経て決まる量でございますので、現時点では、お尋ねではございますけれども、この事業費が例えば執行できない等々の場合どうなるのかということについてはなかなか申し上げられない状況でございます。  今時点では、きちんと森林経営活動をしていくということと、そして条約事務局あるいは専門家の理解を得るべく事前の説明を一生懸命行うと、こういうことで認められる吸収量を証明していく、そういった努力をすることが今一番大事じゃないかというふうに認識をしております。
  42. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 そういう意味では、何といいますか、森林整備計画も含めて、今の話を総合すると、理解活動もしっかりして認めてもらえるような努力もするというようなことになるんですかね。いや、衆議院での私も議事録をちょっと拝見したら、要するにあと二千二百億円ないと森林整備計画できないと、簡単に言うとこういう感じで、今日呼んでなくてこういうことを言っちゃいかぬですけど、当局の担当の方はお答えになっているので、これはいわゆる環境税みたいな話につながってくるんじゃないかということなんですが。  さっきちょっとお話ししたように、私もこの京都議定書対策予算というのを平成十六年、十七年、十八年、ちょっと確認しましたけど、十六年度は一兆二千五百億円ですね。十七年度が一兆一千四百億円、今年度は一兆をちょっと切っていますが、九千五百億円ぐらいです。結構巨額の予算を投入して対策やっていまして、もうちょっとやり方もいろいろ考えていかないと、負担ばかり求めるというのもどうかなというふうに思うんですが、環境税等についてもちょっと大臣の御所見も伺っておきたいと。  それから、今申し上げたこういう対策費なんかも、どういうふうに、税制と、見ていけばいいのかもできればお伺いしたいと思うんですけれども。
  43. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) この環境税の問題につきましては、私も就任早々その初日から質問に遭遇しているわけでありますが、当時はまだまだ日本経済も暗いトンネルの中から抜け切れたということが言い切れるかどうかというふうな微妙な状況の中にありました。したがって、今日のような経済情勢の中で、せっかく不況から脱出を願ってみんなが努力をしている最中に今経済界に新しい負担をするべきではないという考えを申し述べてまいりました。その後、政府の方針として、特に産業界と環境関係との間で十分調整を図りながら対応していこうと。環境税につきましては、昨年の四月に既に閣議で決定しております京都議定書目標達成計画において総合的な検討を進めていくべき課題だというような位置付けがされておるようであります。  そうしたこともよく認識しまして、経済産業省としては、既存の温暖化対策を総合的に評価することが先決でありますが、引き続き、環境や温暖化に関する政策在り方について、ただいま議員からも御指摘がありましたように、ただ予算だけ増やせばいい、あるいは税を取れるところから取って対策を考えればいいというふうな、そういう安易な方法ではなくて、やはりすべての国民がお互いの命にかかわることでありますから、究極は命のところまでいくわけでありますから、我々は環境経済の両立を目指して考えてまいりたいと。  先般、先ほど来申し上げましたように、環境大臣臨時代理の際に、環境省に赴きまして環境省の幹部といろんな対話をしたわけでありますが、ちょうどこの機会に経済産業省環境省は一体になってこの問題を解決するために具体的に協議をしようということを御提案してまいりました。私は今もその考えには変わりありませんので、このことを中心にして、今後、政府部内でも十分話合いをして、現実的に、しかも解決に向けて大きな足取りを一歩前に進むことができるようにいたしたいというふうに考えている次第であります。
  44. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 なかなか難しいお答えでしたが、今日はそれ以上伺うのはやめておきます。  ただ、私の意見をちょっと言わせていただくと、さっき大臣がおっしゃったように、経済の情勢もありますが、やはりそもそも、この対策にもちろんお金が掛かるんですけれども、やはりお金を掛ければいいというものではないと思いますし、やはりこれは国民の負担の上に立って行う事業でありますから、是非慎重な御判断をこの場で求めさせていただきたいというふうに思います。  それで、続きまして、さっき京都メカニズムといいますか、排出権取引と国内削減計画との関係について冒頭お話があったんですけれども、結局、しかし、産業界の自主努力の問題ももちろんありますし、なかなか、国民生活にもこれはかかわってくることでありますから、削減目標が本当に達成されていくのかどうかというのはなかなか難しい部分もあるんではないかというふうに思っています。  それで、結果的にやはり国内の削減目標達成できなければ、この京都メカニズムの部分、一・六%を拡大をして、一億を少し増やしてそれでカバーするとか、そういうことはやはり今トータルの計画の中ではお考えになっているのかどうか、これは環境省から先にお聞きした方がいいですかね。
  45. 小林光

    政府参考人小林光君) 既にもう二階大臣から御答弁のあったところでございますけれども、結論的には、私ども、国内対策精一杯やっていこうと、こういうふうに考えてございます。  この京都議定書目標達成計画におきましては、京都議定書目標達成する、そのための方策ということで、国内におきまして排出削減対策、そして吸収源対策、そういったことに国民各界各層が全部一生懸命努力をする、それでもなお足らない部分について京都メカニズムを活用するということで、政府が購入する部分一・六%にしようと、こういうことが計画として定まっているわけでございます。  そういうことでございますので、私ども、この京都議定書目標達成計画を一生懸命実行すると。三本柱というふうに申し上げておりましたけれども、こういった国内対策を一生懸命実施するということによりましてこの数字が増加することのないように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  46. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 実は、これは、平成十七年四月二十八日、京都議定書目標達成計画という、これは閣議決定の資料だと思うんですが、この中に実は京都メカニズムについて解説がありまして、ちょっと注意書きが最後に下の方に入っています。これはどういうふうになっているかというと、それぞれの対策は、現時点の各種対策の効果を踏まえた各ガスの排出量見通しを踏まえれば、その差、基準年総排出比一・六%となるが、これは京都メカニズムについてですね、各種対策・施策の効果、経済動向等により変動があり得ると、こういうふうにコメントされているんですが、私は若干の幅を見て今の計画というのは立てておられるのかなというふうに理解していたんですけれども、この点、しゃくし定規に絶対ということでは私はないんじゃないかと思うんですが、この点、どうなんでしょうか。
  47. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 私どもとしては国内対策をとにかく最大限実施していくというのがまず前提だというふうに思っていまして、最大限実施してもなおかつ不足する差分として今一・六%分を活用していくということで、とにかく国内対策に最大限努力するという立場でございます。
  48. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 今の時点で、その場合はこれでカバーします、じゃ、どれぐらいだとか二%とか、そんなことは言えないですよね。それはよく分かるんですが、私が言いたいのは、正に今おっしゃったように、この排出権取引ももちろん活用するわけですけれども、きちっとやはり国内対策をやっていく。さっきの大臣お答えにもございましたが、やはり環境対策きちっとやっていくことがこれは経済対策でもあるんだと、こういうお話があったんですが、やはりそのスタンスは是非きっちりしていただきたいなと。逆に言うと、閣議資料でこんなことを余り書いてほしくないなと。達成状況によっては一・六が一・四になるとか、そういうぐらいのことを書いてもらった方がいいのかなというふうに思っております。  それで、続きまして、クレジット取得制度についてお伺いしたいんですが、京都議定書そのものは九七年でしたかね、作成されましたのが。それで、その後、先ほどちょっと出ていましたマラケシュ合意だとか、いろいろあったんですが、議定書を受諾したのが二〇〇二年の六月だと思うんですね。そして、今二〇〇六年ですが、今ごろになってというか、言い方は良くないかもしれませんが、随分押し詰まってからこの排出権、クレジット取得の話が出てきたなと。もっと早く仕組みも含めて準備しておくべきじゃなかったのかなと思うんです。  それで、例えばEUの中で言うと、オランダなんかは、何かもう二〇〇〇年ぐらいから予算も九百億、日本円に換算して九百億ぐらいの予算を付けていろいろ準備をしている、目標日本と同じ一億トン購入したいと、こういうことをお聞きしているんですけれども、本当はもっと早くやるべきじゃなかったんでしょうか。正式に発効したのが去年だから、それから立ち上がったということなんですが、この点、率直な御答弁をいただければと思いますが。
  49. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 従来から、政府といたしましては、CDM・JI事業の実施可能性調査、フィージビリティースタディーでございますとか、それからCDMとかJI事業が行われる途上国の体制整備への支援といったようなことは、私ども、環境省、一緒にやってきております。それから、手続につきましても、先ほど申し上げましたように、国連が定めるCDMに関する手続、運用、省エネを中心にCDMがより使いやすくなるような提案といったようなことも他国と協調しながら提案をしてきております。それが制度改善や事務局体制の強化として実ってきているところもございます。  こういう中で、我が国企業も民間ベースで関連プロジェクトへの取組がかなり進めてきていると。既に日本政府の承認案件四十六件、三千七百二十四万トンということになってきてもおります。  今先生お話しのとおり、昨年二月に発効いたしましたので、四月の閣議決定で目標達成計画において、クレジット取得を、政府が取得するための制度を早急に構築するということで、予算措置を伴った制度として今回提案させていただいているということでございます。  これに沿いまして、速やかにクレジットの取得体制を整備すると同時に、もう一つクレジットの供給量の拡大あるいはCDM制度の改善といったようなことを積極的に進めて、京都議定書目標達成、一・六%の確実な調達のために努力していきたいというふうに考えております。
  50. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 実は、私がそういう質問をしたのは、これも、これは産構審の資料ですかね、専門部会の、専門委員会の資料だと思うんですが、結構せっぱ詰まった表現になっているんですよね、資料ちょっと拝見しますと。これ、去年の八月の資料なんですけれども、何かもう今動かないと遅れてしまうようなニュアンスで文章を書かれていまして、これは相当ぎりぎりまでどうも決断というか、さっきお話しされた予算のこともあって決断を下すのが長引いたのかなというふうにちょっと判断したものですから、本当はこの種のものというのは、やっぱり先の見えない中でどれだけやるかというのは難しい面もあるんですけれども、やはり早く準備した方がいいのではないか、有利なんじゃないかといいますか、やりやすいのではないかと、こういうふうに思うものですから、今ちょっとお伺いしたわけであります。  それで、次にこの問題についてお伺いしたいんですけれども、もう一点お伺いしたいんですが、さっきお話しになったように、企業もそれぞれこの排出権取得を認められているといいますか、認められているわけなんですが、個々の企業がこの京都メカニズムを独力で取得した場合にいろいろなケースがあると思うんですね。  一つは、さっきお話あった国内における自らの削減義務の達成にそれを使うということは可能です。それから二つ目は、日本政府に提供して売るということですね。それから三つ目としては、例えばほかの企業にこれを売ることも、日本の企業に売ることも可能ですね。それから四つ目は、外国の政府とか企業に売ると。これらはすべて自由にやれるということなんですかね。今申し上げた四つのうち一、二、三は日本の削減計画には貢献をすると、こういう理解でこの取引も自由にされると、こういう理解でよろしいんでしょうか。
  51. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 厳密に言いますと企業の御判断だろうというふうに思っております。NEDOがこれからクレジットを取得する際もその透明性の確保ということで原則公募にするということが適切だというふうに考えております。  ただ、今先生お話がありましたように、我が国企業は途上国の持続的可能な発展とか地球規模の温暖化防止に資する優れた省エネ技術を持っていると思いますし、それからこういう企業は、CDMとかJIプロジェクトを新しい海外事業展開のチャンスだというふうに積極的にとらえて、CDMとかJIプロジェクトの計画実施ですとかクレジットの取得に積極的に参加しているということだというふうに思っております。したがって、優れた技術を有する我が国企業がNEDOに対して競争力を持った提案をするということは十分可能といいますか、そういうことをむしろ期待したいというふうに考えております。  それから、これまでもやってきておりますけれども、我々としては、CDM・JIプロジェクト我が国企業のそういうプロジェクト開発なり展開ということを支援するために、今までも、さっき申し上げましたように、手続の改善とか審査の迅速化ということの環境整備について日本の企業ともよく話をしておりますし、それから加えまして、CDMプロジェクトなりJIプロジェクトに取り組もうとする我が国の企業に対するフィージビリティースタディーでございますとか、そういった支援は続けていきたいというふうに考えておりますし、それから相手国との関係での環境整備というようなことで私どもお役に立てることたくさんあるだろうというふうに思っていますので、そういう面での努力を最大限やっていきたいというふうに考えております。
  52. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 今お答えのように、いろいろそういう条件面だとか相手国との折衝のサポートとか、そういうことをやることによって、基本的には取引は自由なんだけれども日本の削減に貢献できるような形にしたいと、こういうことなんだと思うんですが。  さっきお話あった、ちょっと一点、これ事務的なというか技術的な話なんですが、そういう仕組みの見直しとか提案されているというお話ありましたよね。例えば省エネ技術を、まだこれは何か認められてないんですかね、日本の企業がやっている例えば省エネ技術をこのCDM対象にするというようなことはまだ認められていないというふうな話も聞いたんですけれども、こういうものの見直しというのは、タイミング的にはどういう感じであり得るんですか。例えば、年に一回とか半年に一回とか、いや、もういつでもいいんだと、どういう感じなんでしょうかね。
  53. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) CDM理事会という、十人の理事がおりまして、それでそれに代理がおります。日本からも代表が出ております。その場で、こういう技術の手法で省エネの装置が入れば、これは追加性があるということでクレジットに十分なり得るんだということが認められる、方法論が認められるというような手続はございます。それから、小規模でございますともう少し簡便な手続もございます。  私どもとしては、例えば鉄鋼なりセメントではこういう技術は非常に追加性があるんだということで、こういうやり方があればCDMとしての認められるというようなことにすべきであるという提案を積極的にいろんな産業分野でやっていくということを、もうCDM理事会があるたびにやってきております。さらに、それより大きな、さっき申しました締約国会議のような場所では、全体としての手続の簡素化の提案をするとか、小規模のところをもう少し拡大すべきであるとかという大きな枠組みを提案いたしまして、それでCDM理事会でそこを具体的に検討するようにというようなことを下ろしてもらうというようなことも併せてやりまして、常にCDM理事会にそういう意見を申し述べるというようなことを続けております。
  54. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ありがとうございました。  それで、ちょっとここから先は少しこの本件を外れるといいますか、まあ多少関連もあるのかもしれませんが、ちょっとお伺いしたいというふうに思います。  実は、今日の新聞なんかにも幾つか報道されていますが、民主党の前原衆議院議員が行革特別委員会政府に資料要求をさしていただきました。特にこれは随意契約について、全省庁の契約分を、五百万円以上の契約ということだったんですが、報告をというか、資料を出してほしいということでありました。これが昨日出てまいりまして、昨日の衆議院の行革特で議論されました。もう既に報道されていることでありますが、全省庁合わせますと、五百万円以上の契約で随意契約になっているものが五千五百十件、全体の契約件数が七千八百二十二件ですから、平均しますと五百万円以上のものでもう七〇%が随契になっていると、こういうことのようであります。  それで、経産省を見ますと、総件数百七十一件のうち百四十件ということで、パーセンテージで言うと八二%ということなんですが、思っていた以上に高額の発注で随意契約が高いということなんですが、まず、ちょっと事務的にこの数字について、私は今これ平成十六年度の数字を申し上げたんですが、もしこれで金額も含めて分かれば、経産省の分だけで結構です、教えていただけませんか。
  55. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) お答え申し上げます。  平成十六年度でございますけれども、経済産業省が一般会計の庁費で行いました契約は、今先生指摘のとおり百七十一件でございまして、そのうち百四十件、比率にしますと八二%が随意契約でございます。また、契約金額で見ますと、その総額は五十六億円でございまして、そのうち四十七億円、比率にいたしまして八三%が随意契約となっております。
  56. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 それで、本年分は、何か昨日ちょっと実はお聞きしたら、本年分というか、十七年度分については今もっと詳細に資料を作っていると、これは全省庁にそういう指示が出ていて今作業中であると、こういう話聞いたんですが、何かそれもそろそろまとまりそうだという話も聞いているんですけれど、まとまりましたらまた御報告いただきたいと思いますし、何か来月ぐらいにでもその数字が出るんじゃないかと思うんですが、ちょっとその辺も含めて御説明いただけますか。
  57. 松永和夫

    政府参考人松永和夫君) お答え申し上げます。  十七年度の数字でございますけれども、当省の同じように一般会計の五百万円超でございますが、随意契約の件数でいいますと全体の七一%、金額で申し上げますと七六%ということでございまして、十六年度に比較しますと、競争的な入札の方式を増やす努力をしておりまして、数字としては下がっていると、こういう結果になっております。  最終的にまとまりましたら、改めて御報告をしたいと考えております。
  58. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 それで、大臣にちょっとお伺いしたいんですが、基本的にたしか三百万以上でしたか、会計法上は一般競争入札ということになっていると思うんですが、今も答弁の中で比率が少し改善されたんで努力していると、こういう話があったんですが、私はちょっと本質的に違うんじゃないかなというふうに思うんです。やはりこの問題をきっちりしていかないと、これから行政の在り方も含めていろいろ見直していく、新しい在り方を、システムをつくっていくということになると、やはりここは避けて通れない問題じゃないかなと思うんですが、特にこの随意契約について大臣の御所見をお伺いしておきたいと思うんです。
  59. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 随意契約の問題につきましては、先般の閣議におきまして、総理及び官房長官から、随意契約の数を減らしていくそういう努力をすべきだということで、既にそうした方針が示されておりますので、私ども経済産業省としても、もう一度一から見直すぐらいの気持ちを持って徹底的に、一般競争入札が可能なものはどれかと。どうしても特殊な技術等においてこの会社以外に適当な会社がないというふうな例もあるようでありますが、私は、そうしたものをもう一度見直して、正に李下に冠を正さずで、何か随意契約というと、役所がこのことで特に国民皆さんに御迷惑を掛けるようなことでもなされておるのではないか、そういうことが内在しているのではないかという疑問を持たれるということは、せっかくまじめに毎日行政に取り組んでおる者として耐え難いことであると同時に、国民皆さんから見れば、数多くの入札がほとんどが随意契約でなされておるというのは、これは御意見のとおりであります。私もそう思います。そこで、今徹底的に洗い直しをやろうと思っております。  昨日来、総理も御答弁をされておりますとおり、私どもとしても、どうしても随意契約にしなければならないというものに限って随意契約で、ほとんどは一般競争入札で行うのは当然であります。  ただ、これはまた議員皆さんにも御理解をいただきたいと思うんですが、入札を急いで執行を急ぐという場合に、今の入札制度でありますと長い一定の期間、もう四十日ぐらい掛かると、こういうことなんですね。そうすると、現場からスピード、速さを要求される仕事の場合に、一日も早く執行したいということに関して、この点は少し改めて考え直してみてもいいのではないかと思っております。これは、我々の側に考えがまとまれば、また議員の皆様にもお示しをして御理解をいただく、また御意見をいただく、そういう中で改善をしていきたいと思っております。
  60. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 やはり一般競争入札が原則、ルールで、随意契約は例外だと、こういうスタンスで事に臨まなきゃいけないんじゃないかというふうに思いますので、改めてそういう姿勢で是非御努力をお願いしたいというふうに思います。  それから、実は、もう一点、これは各省庁の所管する公益法人への随意契約というのが、これも実は衆議院の審議の中で提出していただいたものがございます。これ、全体でいいますと二万一千件以上ありまして、金額は五千四百億円、こういうふうになってますが、この中の経済産業省の部分でいいますと、六百七十件で一千三十九億円、これだけ所管の公益法人にやはりこれも随意契約で発注されていると。実は、この公益法人が更にどこかへ再発注しています。同じ注文もらったものを外部に発注されている。これが実は今言った六百七十件のうち百四十九件あって、金額も百二十一億円あると、こういう資料を実はいただいています。  一方で、今、ホームページ見ますと、かなり情報公開されていまして、これは多分財務省等とのいろんな扱いの政府内での協議があったんだと思うんですが、それぞれの省庁の随意契約の内容についてホームページで公開されています。毎月毎月公開されていますが、ちょっと今日は持ってこなかったんですけれども、私の事務所でちょっと集めましたら、これは一千百件ぐらいあるんですね、経済産業省だけで。  だから、さっき、実は五百万円以上だと本省発注分で百四十件だと、こういう話だったんですが、これは金額の規模は別にしてなってるんでしょうから増えるのかもしれませんが、所管の公益法人には六百七十件随意契約で発注されている。それから、ホームページ見ると全部で一千百件ぐらいあると。データが、基準がばらばらですから、ここで数字の違いを別に埋めるつもりはないんですけれど、特にそういう中でいうと、再発注をされているものが結構多いと。  それで、今回のNEDOへの発注もその中でいうと実は二件でありますがございまして、私どもへの報告いただいたのは二件という報告をいただいていますが、ホームページで三件あるんですけども、これは一件何で違うのかというのはここでは言いませんが、実はその二件がまた発注されているわけです、外部へ。  それで、そういう形で見ていきますと、その委託先はじゃどうなってるんだというと、大体十六社、研究所とか協会が、NEDOの場合ですと。今の二件の話とは別に、過去のデータで調べてみると十六社ありまして、その十六社それぞれ大体売上げの三分の二以上がNEDOに対する売上げになっています。その再委託先の企業の売上げのうちNEDOの占める比率が三分の二です。実は、そこに経済産業省からの天下りのOBの方が三十人強、十六社で、トータルしますと三十人強いらっしゃる。だから、特に公益法人の問題と、随意契約があって、再委託があって、それでその先に天下りOBの方がいらっしゃると、どうもこういう構図が見えてきます。  これ、防衛施設庁の官製談合なんかでも発注事業との関係が言われたんですが、私は、さっきの一般競争入札と随意契約の話だけではなくて、やはり所管公益法人とのこういう関係見直していかぬと、これどこまでこういうふうに続くのかなというのはちょっとよく分からないんですけれども、やはりこれもきちっとチェックをしていただいて、仕組みを見直していかないと、なかなかこれ止めるだけでは多分難しい問題も出てくるんじゃないかと思いますが、仕組みを変えることが必要じゃないかなと思っているんですけど、これも含めてちょっと大臣の御所見をお伺いしたいんですけど。
  61. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 昨日も他の委員会でただいまのような問題が随分熱心に御討議されたわけでありますが、私ども、この際、今、直嶋議員が御指摘になりましたような、随意契約とそして公益法人の問題、あるいはそのまた公益法人から再発注をされている問題、そしてそれが天下りにつながっておると、こういう御指摘でありますが、一々すべてがそういうことになっておるとは私は思いませんが、そういうことがあちこちに散見されると、こういう御指摘であろうと思います。  そこで、基本は一般競争入札で行うべきであると、これはもう極めて当然でありますから、そういう方向でこれからしっかり指導してまいりたいと思いますが、今御指摘のような問題につきまして、私どもも、省の中でも組織としてどう対応するかということを、今回のこの国会における議論を通じて反省すべきところは反省し、出直すところは出直すということで対応してまいりたいと思っております。
  62. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ありがとうございました。  私は、今大臣からもお答えありましたが、例えばよく言われる公務員の皆さんの早期退職勧奨制度とか、やはり人事制度を含めて見直していかないといけないと、こう思っています。ただ、そういう制度も含めて見直してからきれいにするというのじゃ、これもまたなかなか時間が掛かるのかなと、これも事実でありますので、やはりどこかで思い切った手を打って見直しをしていくということにしていかないと、私たちもよくこういう問題取り上げて政府を攻撃しますが、決してこれは、非難すればいい、非難のために、非難するためにやっているわけじゃなくて、やはり今の仕組みを、システムを変えていかないと駄目なんですよということを野党の立場で強く申し上げさしていただいているということであります。  この種の話、また決算委員会とか、行政改革特別委員会も参議院に設置されましたので、引き続き議論さしていただきたいというふうに思ってますが、いずれにしても大変財政の問題も含めて重要な時期にありますので、是非、二階大臣始めとする幹部の皆さんのリーダーシップを御期待申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。  ありがとうございました。
  63. 加納時男

    委員長加納時男君) 直嶋正行君の質問は終わりました。  午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時四十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  64. 加納時男

    委員長加納時男君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。  この際、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  独立行政法人エネルギー産業技術総合開発機構法及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会文部科学大臣官房審議官布村幸彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 加納時男

    委員長加納時男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  66. 加納時男

    委員長加納時男君) 休憩前に引き続き、独立行政法人エネルギー産業技術総合開発機構法及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  67. 山根隆治

    ○山根隆治君 衆議院の質疑が終わって、そして、今日午前中、お二方の質問を聞かせていただきまして、かなり用意していたものは重複した部分もございましたけれども、なるべく重複避けましてお尋ねしたいと思います。  我が党の理事の方からこのNEDO法に対する質疑について私が担当するということを聞かされましたときから、一体、この環境問題というものは、地球環境という私たちの認識というのはどこから来たんだろうかということを漠然と法案の資料や説明を受ける以前に考えてきました。  いろいろな考え方、見方があるかと思うんですけれども、私は、一部の天才的な人であれば、それはもう有史以来、何千年あるいは何億年前の人類もあるいは地球というものを意識して地球環境をあるいは考えたかも分かりませんけれども、しかし、今の時代ということで考えてみますと、地球そのものをやはり人類共通の惑星という認識で意識し始めたのは、私はやはり、広島に原爆が投下されて、そしてそこから世界連邦の発想が出てきて地球というものを考えるようになった、世界の平和というものを考えるようになったこと、あるいはまたスプートニクが宇宙に飛んで、そしてガガーリンが地球は青かったと、そういうふうな話がありました。そういうところからだんだん地球というものを私たち共通の掛け替えのない世界だというふうな認識が出てきたんだろうというふうに私自身は思っているわけであります。そして、地球環境ということをそれぞれがみんな考え始めた、政治的に考えるというところまで至ったという気がいたしているわけであります。  そうした視点から京都の議定書ということを考えてみると、様々な感慨が浮かぶわけでもございますけれども、大臣はこの京都議定書に対する歴史的な評価というものをどのようにお持ちなのか、お尋ねをまずいたしておきたいと思います。
  68. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 京都議定書、一九九七年でございますが、京都で開催されました気候変動枠組条約の第三回締結会議、COP3で採択され、十年近くに及ぶ制度の内容に関する検討を経て、昨年二月、京都議定書が発効したことは議員も御承知のとおりであります。  十年というのはあっという間に過ぎ去ったような感じでありますが、ようやく環境問題が舞台にのったといいますか、いろんな偏見もあり、理解が十分行き届いていない面もあったことは確かでありますが、今日、環境問題について多くの皆さんの御理解をいただいて、今この問題について国を挙げて取り組んでおると、こういう状況であろうと思います。  そして、先進国に対して温室効果ガスの具体的な削減目標を設定し、これに取り組むというのが議定書の主な点であります。  しかし、このように議定書では一応のことを取り決めておるわけでありますが、これに参加されない国、また参加しようとしない国、また低開発国というゆえをもってこれに加わっていない国などがあるわけでありますが、私は、京都議定書に加えて、先ほど来ずっと御意見のありますアメリカ、中国、インド、正に超大国であります。さらに、先般から、先ほども申し上げましたが、ブラジルのように大きな国土を有し、その国土の中でバイオエタノール開発し、国の発展の基礎にしようと。したがって、それを他国に売り込む場合に必ず環境問題ということを表に掲げてお話をなさるわけでありますから、それならば、この地球温暖化の問題について、京都議定書に対してもっと深い御理解を示していただくことも大事でないかということを申し上げておるわけでございますが。  いずれにしましても、ようやくここまで進んできた。私は、人によってはまだこんなところかという御指摘もあろうと思いますが、私はよくぞここまで進んできたと、こういう思いをいたしております。その中から、あらゆる障害を乗り越えて、国民理解の下に、正に政党政派を超えて超党派で取り組んでいくべき課題であるというふうに考えておる次第であります。
  69. 山根隆治

    ○山根隆治君 ありがとうございました。  一九七二年にローマ・クラブから「成長の限界」が出されて、非常に衝撃的な本でございました。当時、私も直ちに求めて読んだものでありますけれども、結論は非常に分かりやすく明快なものでございました。成長のスピードを止めてでもやはりこの地球環境を守らなくてはいけないというふうな結論でありました。しかし、書かれている内容というのは、実はノーベル賞クラスの学者の先生方が書かれたものでありますから、かなり綿密にいろんな計算をして作られたものでございました。ただし、それも数年経ずして科学的にはどうなのかというふうな疑問もまた別の学者から、名のある学者からも指摘されたり批判もされたりいたしましたけれども、いずれにいたしましても衝撃的な本でございました。そこから私は地球環境というものはかなり意識が高まったというふうに認識を実はしておりました。  その後、ローマ・クラブでは、実は「限界を超えて 生きるための選択」、これは一九九二年であります。そして、さらにその先に「成長の限界 人類の選択」というもの、これ二〇〇四年に発表をいたしているわけでありまして、依然として世界の環境問題、人類の将来というものに警鐘を鳴らし続けているということで、かなり内外の評価というものもこのローマ・クラブに対しては今でもあるんだろうというふうに思っております。  実は、私の今事務所に来て仕事を手伝ってもらっている学生にこの問題を少しお話もしましたら、実は今学校で、教科書で環境問題の勉強をしているということで、ちょっとそれ昨日読んでみたんですけれども、環境問題というものが具体的に取り上げられるようになったのは一九三〇年代だと、その教科書にはそう書いてあったわけでございまして、相当以前から警鐘を鳴らす方もおられて、すばらしい方々、先駆者もおったんだなというふうな認識を持たせていただいたということが実はございました。  それはさておきまして、現状問題点について具体的にお尋ねをいたしておきたいと思います。  まず、数値目標達成した後の地球環境というものはどのようになってくるのかということについて実はお尋ねをいたしておきたいと思います。  政府間パネル、IPCC第三次評価報告書では、二一〇〇年には一九九〇年と比較して一・四度から五・八度気温が上昇して、水位は最大で八十八センチ上昇して、異常気象が増加すると、こういうふうな予測がされているわけでございまして、こうした危機意識の中で京都議定書というところに発展してきたわけでありますけれども、この議定書の数値目標達成されたとすると、どう地球環境に好影響を与えるのか、あるいはほかの表現でも結構でございますけれども、どのような影響が出てくるのか、効果が出てくるのかについて、これは参考人でしょうか、御答弁をお願いいたします。
  70. 小林温

    大臣政務官小林温君) お答えいたします。  京都議定書によりますと、今委員御言及のとおり、削減目標達成された場合、排出削減義務を負う先進国からのエネルギー起源の二酸化炭素の排出量は、二〇一〇年には二酸化炭素換算で九十三億トンになり、一九九〇年の世界全体の排出量二百十六億トンと比べて二%削減されることとなっています。一方で、途上国及び削減義務のない国からの排出量については二〇一〇年には二百十億トンになり、一九九〇年の百十八億トンから八〇%近く増加すると予測をされています。この結果、世界全体では一九九〇年比で四〇%以上増加し、三百三億トンになるというふうに見られております。  こうした数字を見ますと、地球規模で温室効果ガスの排出を削減するためには、主要排出国である米国や中国、インドなどの削減努力が必要であり、次期枠組みにおいてはこれら主要排出国が実効的な取組を行うようなものとすることが必要であるというふうに考えております。
  71. 山根隆治

    ○山根隆治君 西暦二〇一三年以降について、どのように世界的にしていくのかということについてはこれから国際会議等を開いて決められていくということでございます。  この環境問題というのが二〇一三年にどうなっていくかというのは分かりませんけれども、しかし、いずれにいたしましても、この問題から目をつぶって世界の発展ということはあり得ないわけでございます。しかも、私たちの、これはもう三十年、五十年単位じゃなく、何百年、何千年単位でも考えなくてはいけないということでございますから、当然私たちの後世にも伝えていかなくてはいけない。具体的には、自分の子や孫にもいろいろな環境問題の認識というのを高めていかなくてはならないんだろうと思うんです。その際に、今の地球の将来というのはどうなるのかというのを、数字的なものよりも、具体的に私は子供たちにイメージさせる必要があるんだろうと思うんです。  例えば、世界的にどうなるのかということについては、植物、生物では、地球の全森林面積の三分の一で何らかの変化が起きるということが言われているところであります。また、あるいは食料の面でも、熱帯、亜熱帯では生産量が大幅に低下をして、最貧地域の飢餓の危険が非常に増大するということが言われている。あるいはまた、健康被害についても、マラリアの潜在的な流行地域では患者数が八千万人くらい、八千万件ぐらい増加するというふうなことも言われているということが実は具体的なイメージとして予測がされております。  日本ではどんなことが起きるかということで見ますと、例えば沿岸域におきましては、六十五センチの海面の上昇で日本全国の砂浜海岸の八割以上が浸食されるということに試算が出ております。あるいはまた、平均満潮位以下の土地、人口、資産の安全確保のため、堤防のかさ上げ等に十一兆円が必要だということも言われているわけでございまして、こうした問題というのを私は子供たちにしっかり伝えていくということが必要であると思うんですけれども、環境問題に対して文科省の方では、小中学生の時代から、時期からどのような教育というものを施されているのか、あるいはこれから更に加えて政策を取ろうとしているのか、お尋ねをいたします。
  72. 布村幸彦

    政府参考人(布村幸彦君) 義務教育段階における環境教育についてお答えいたします。  環境教育の推進を図るため、学校のカリキュラムの基準となります学習指導要領におきまして、社会科、理科などの各教科におきまして環境エネルギーに関する内容の充実を図っているところでございます。  具体的に、小学校の理科では、自然環境を大切にする心や、より良い環境をつくろうとする態度の育成、また、中学校におきましては、地球環境について、酸性雨や地球温暖化の問題を取り上げて、生徒が調べ、追求する学習を取り上げるよう記述しているところでございます。また、各教科の学習と相まって、総合的な学習の時間におきまして、環境問題につきまして教科横断的に総合的に学習を深める、また体験的な活動も取り入れた取組を行っているところでございます。  それらに加えまして、文部科学省におきまして、国連の持続可能な開発のための教育の十年ということを踏まえながら環境教育を進めていくことが重要な課題と認識しておりまして、環境教育推進グリーンプランという名称で、優れた実践の促進、あるいは情報提供、そして教員の研修、NPOの方々の活用などの取組を総合的に進めているところでございます。また、子供たちの自然体験活動の充実も図り、さらに学校施設の面では、エコスクールパイロットモデル事業という形で、環境に配慮した学校の施設を環境教育にも生かすという取組を行っているところでございます。  御指摘のありましたように、今後とも引き続き学校における環境教育の一層の充実につながるよう努力を重ねてまいりたいと考えております。
  73. 山根隆治

    ○山根隆治君 今は先生の口頭による教育、あるいは教科書、文字による教育であろうというふうに思うんですけども、私はその中に是非映像による教育というものを加えていただきたいと思うんです。  実は、先般、我が党の同僚議員の家西議員が、民主党の埼玉県連でパーティーがありまして、それが終わってからエイズについての勉強会というか講演をされまして、映像を使っての講演でございましたんで、非常に私も胸に来るものがございました。そういうことでは、例えば子供の喫煙、禁煙させる、禁煙といいますか、喫煙ということについても、これはやはり映像で見せるとその被害の恐ろしさというものを実感できるでありましょうし、そうしたことでのやっぱり映像の活用というのは是非学校教育の中に取り入れるべきだというふうに思います。  したがいまして、環境の問題につきましても私はしっかりと取り組んでいただいて、子供に将来の日本、将来の地球というものを映像から考えさせるということが必要だと思うんですけれども、こうした取組というのはなされる予定があるか、あるいは今現在ないとすると、これから取り組まれるかどうか、それらについてお尋ねをしておきます。
  74. 布村幸彦

    政府参考人(布村幸彦君) 今御指摘いただきました課題につきましては十分対応してまいりたいと思っております。  各学校で幅広い環境教育を取り組む際にも、先ほど触れさせていただきました体験的な活動ということで、本物の自然に触れながら、あるいは環境を実感しながらということを進めておりますが、なかなか、諸外国の部分につきましては、実際そういう各国のデータでありますとか映像というものをできるだけ活用して、各学校で子供たちの心に届くような環境教育ができるよう、その努力をより促してまいりたいと思います。
  75. 山根隆治

    ○山根隆治君 是非お願いをしておきたいと思います。  次に、途上国排出量の予測とその対策について経済産業省の方でお尋ねをさせていただきたいと思います。  二酸化炭素の国別の排出量というのは、二〇〇二年の資料で、先進国の主なものとして書かれているものがここに私の手にございます。皆さんも当然、政府委員方々もそうした資料はお持ちだろうと思うんですけれども、この京都の議定書の枠に入らないところの発展途上国の今後の排出量の現状と将来の予測、影響、それらについて改めてこの際お尋ねをいたしておきます。
  76. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 途上国のエネルギー起源の二酸化炭素排出量でございますけれども、一九九〇年で六十五億トンでございますけれども、それから一一四%増加しまして、二〇一〇年には百三十九億トンになるというふうに予想がございます。世界全体の排出量、さっき政務官から申し上げました三百二億トンのうち、四六%を占めるという予測がございます。  ちょっと今のとベースが異なるんでございますけれども、別の資料によりますと、二〇二五年には途上国の排出量に占めるウエートは五一%、二〇五〇年になると六一%になるという見通しがございます。  一方で、京都議定書で削減義務を負う先進国の排出量が世界全体に占める割合は、一九九〇年には四五%ございましたけれども、二〇一〇年には三分の一以下になると。二〇二五年になると二四%、二〇五〇年には二〇%になっていくという見通しでございます。  したがいまして、京都議定書の次期枠組みについては、これら途上国を含む主要排出国の実効的な取組というのが必要だろうというふうに考えております。既にこれも議論がございましたけれども、先般の締約国会議で、米国、主要途上国を含むすべての参加国が参加する対話が開始されてございますけれども、楽観は許せませんけれども、この対話の場などを通じまして、すべての主要排出国が参加する国際交渉を早く始めるということを目指したいというふうに思っております。  それから、さらに、京都議定書を補完するものとしてのアジア太平洋パートナーシップといったような場を活用しまして、技術協力を軸とするような取組を進めていくということを考えています。  それから、さらに、ここで御審議いただいております京都メカニズムを通じたCDMのような活動を進めていくということも重要かというふうに考えております。
  77. 山根隆治

    ○山根隆治君 この問題の第二問としてお尋ねしようと思っていたことを先に御答弁いただきましたんで、それはそれで結構でございますけれども。  視点を変えましてお尋ねいたしますと、実は十七年度の環境白書の中では、今後二〇一〇年にも開発途上国の排出量が先進国を上回る見込みだということで、環境省の統計、予測の方がこれかなりテンポが速いんではないかというふうな予測をしておるんですけど、この辺の整合性といいましょうか、特に、国内だけの問題ではなく、外国との様々な国際会議での交渉事にもあるわけで、その辺、政府として数値的なものについてはやはり統一した見通しなりを持っていかないとなかなか交渉もうまくいかないような場面も出てきたりするのではないかということでちょっと心配なので、その辺は、いろいろなそうした将来見通しというのは、各省庁間、政府間で調整はされているんでしょうか。
  78. 加納時男

    委員長加納時男君) 両方から答えてもらいます。  まず最初に環境省小林地球環境局長、その後、経済産業省から答えてもらいます。
  79. 小林光

    政府参考人小林光君) 環境省でございます。  御指摘の部分でございますが、環境白書でございます。これは、私ども環境省の国立環境研究所の方でいろいろ計算させていただいたもので、若干そういう意味で途上国の排出量の増加のスピードというものを少し多く見積もっているという御指摘かと思います。  私ども、環境を守る立場で多少心配が過ぎるのかもしれませんけれども、こういったような認識を持っているということでございますが、いずれにいたしましても、最新の数字でこれはみんな見直していきたい、直していきたいというふうに考えておりますので、十分各省の調整さしていただきたいというふうに存じております。
  80. 加納時男

    委員長加納時男君) 今の回答でいいかと思いますが、経済産業省、補足ありますか。──どうぞ。
  81. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 一言だけ付け加えさしていただきますが、環境省ともよく長期見通しについても調整をしていきたいというふうに思います。  ただ、先ほど申し上げましたように、冒頭申し上げました数字はアメリカのDOEの数字を申し上げまして、それから次に申し上げました数字は俗にRITEと言っております研究所の長期見通しでございます。  経済見通しなり、いろんな見通しで変わってくるんでございますけれども、ただ、トレンドとして三割とか二割とかという数字であるということについては、ほぼ同じような見通しになっているというふうに思います。
  82. 山根隆治

    ○山根隆治君 やはり、私、環境省の方が、日本で作られた予測ということではそちらの方を優先するべきだと思うんです。あとは権威付けの問題だと思いますので、是非、環境問題については、かなり考え過ぎだというふうなことはなくて、むしろそっちの方が当たっている場合もかなり多いので、その辺のところをちょっと整合性をこれから保って是非国際会議には臨んでいただきたいということをこの際要望させていただきたいというふうに思います。  さて、続きまして、アメリカのこの京都の議定書の離脱と復帰の可能性についてお尋ねをいたしておきたいと思います。  ブッシュ大統領が就任早々の二〇〇一年三月末には京都の議定書からの離脱ということを表明をされて、非常にショックを受けた方々も多かったと思うんですけれども、この真意と背景というものはどのようなものがあったというふうに御認識しておられるか、松副大臣にお尋ねをしておきたいと思います。
  83. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 先生よく御存じのように、アメリカは世界の約四分の一、二三%の排出国であります。本当の意味の真意というところは分かりませんけれども、一応、自国経済への悪影響と途上国の削減義務への不参加ということを理由にして自分たちはこの議定書から離脱を表明したと。こんな理由でしたら正直言ってどの国だって言えることでありまして、我が国だって言いたいわというところが多いと思います。ですから、私、個人的にも憤慨をしているところでございますが、残念ながら、ブッシュ政権のこれまでの対応を見る限り、現時点で京都議定書に復帰する見通しは立っていないというのが現状であると思っております。  我が国といたしましては、米国に対して、締約国会議など、様々な場を活用して京都議定書に対する我が国の考え方を伝えて京都議定書への参加を促しているところでございますけれども、先ほど肥塚局長からもちょっと申し上げましたように、全排出国が参加をして将来について対話をするというこの会議が、残念ながらこれは今後の交渉に直接結び付くものではないですけれども、そういうふうにしていきたいとの思いで五月にボンで一回目が開かれます。  これも私は大きな第一歩ではないかなというふうに思っておりますし、先ほど、午前中の質疑の中で、二階大臣から、アメリカのポートマンUSTR代表と電話会議を行ったということで、京都議定書への参加を促したというふうに、大臣からもそういうお話ございましたように、ともかく引き続き我が国努力をしてまいる所存でございます。
  84. 山根隆治

    ○山根隆治君 是非、松大臣に頑張っていただきたい。私、野党ではありますけれども、やはり華やいだ人が激しい言葉できつく外国に、アメリカに対して物を言うということはかなりやっぱり違うと思うんですね。アメリカもライス国務長官もかなりな方でございますけれども、言うことはかなりきついことを言っていますんで、日本のライスというふうに表現していいかどうか分かりませんけども、是非、あらゆる場で積極的な御発言、怒りのお気持ちも是非ぶつけていただきたいというふうに思います。  ただ、アメリカも、それもブッシュ大統領はそういうふうな政策を取っておりますけども、最近の動きは変わっていますし、あるいはまたアメリカでも各州によって様々な動きが独自に実はあるわけでございまして、例えばニュージャージー州であるとか、あるいはニューハンプシャーといったところは積極的に州としての取組というものを行っているわけでありますし、また前大統領のクリントン大統領も、現政権をこの環境問題について批判をする、京都議定書に戻れというような演説をされたりしているということがありまして、必ずしもアメリカのすべての、多くの国民の声としてこうした京都の議定書離脱というものがあったのではないということでございますので、いろいろな折に、先ほど来大臣お話、御発言、午前中の質疑でも答弁ございましたけれども、やはり日本に物を申すとき、何かの交渉事のときにはすべて環境問題を抜きにしては進まないというムードを是非つくっていただきたいということをお願いをいたしたいと思いますけれども、こうしたアメリカのいろいろな動きに対しての御認識について何か特別な御感想があれば聞かせてください。
  85. 小林光

    政府参考人小林光君) お答え申し上げます。  政府全体、また外務省を先頭にこういった米国への働き掛け等々してございます。今、副大臣の方から答弁申し上げましたように、成果が生まれているわけではございませんけれども、今委員指摘のとおり、その後新しい動きも出てきております。  連邦政府でいいますと、ビンガマン・ドメニチ決議というのを、これ二〇〇五年の六月の決議でございますけれども、強制力のある制限とインセンティブをもたらす包括的かつ効果的な国家計画を制定すべきという決議が上院で行われてございます。そのほかいろんな決議案等々が提出をされておりまして、超党派でこういった温暖化対策を進めていこうという動きも出てきてございます。  それから、州レベルにおきましても、東部の諸州、そして西部の方でもカリフォルニア州始めまして、排出量取引をする、あるいは排ガス規制をする、こういったような新しい動きも進んできておりまして、決してアメリカの動きが、今御指摘のとおり、京都議定書には参加はいただいておりませんけれども、温室効果ガス削減について決して後ろ向きではない方向が見えてきているのではないか、楽観的かもしれませんがそう存じているところでございます。
  86. 加納時男

    委員長加納時男君) あと、よろしゅうございますか。じゃ、済みません、二階経済産業大臣、お願いします。
  87. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 先ほどもお答えの際に申し上げたんですが、アメリカのポートマンという、ごく最近までUSTRの代表をやっておりました有力者でありますが、明日朝から電話会談をする予定になっておりますので、この委員会での御質疑の様子等をしっかりとお伝えして、いずれ改めて環境問題で話し合う場をつくろうということを提案しておきたいと思っております。
  88. 山根隆治

    ○山根隆治君 是非お願いをしておきたいと思います。  アメリカもいろいろな政治的な国内状況、原油価格の高騰のこともありましたし、あるいはハリケーンの影響等もあって、やはり必ずしもブッシュ大統領の当初考えていたような空気というものは世論上形成されないという状況もありますので、是非それぞれのお立場の中でアメリカにもいろいろなメッセージというのもどんどんどんどん送り続けていただきたいということを、これ改めてお願いを申し上げておきたいと思います。  さて、それでは、日本の置かれている状況ということについては先ほど来いろいろな御議論が既に出ているわけでございますけれども、クレジットの取得による直接的な経費、これは実際いろいろな計算があると思いますけれども、どのぐらい掛かっていくか、今年度の予算もございましょうし、過去のもの、そしてこれからのもの、予算的な推移、これをどのようにとらえられているか、お尋ねします。
  89. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 目標達成計画に沿いましてクレジットを取得するための予算といたしまして、十八年度予算におきまして百二十二億円を限度額とする国庫債務負担行為を計上しております。  それから、費用対効果を考えた場合に一定の前払が必要になるというようなこともございますので、各国とも前払を可能とするような仕組みを設けておりますけれども、我が国も、百二十二億円の内数として、十八年度中にも前払に対応するための五十四億円を措置していると。これは環境省経済産業省に計上しております。  二〇〇五年のクレジット価格に関します世界銀行ですとか民間調査機関の調査結果によりますと、大体五・六三ドルとか五・九ドルとかいう価格が出ております。クレジット単価を五・九ドルと仮定いたしますと、百二十二億円は約千八百万トンに相当するということでございます。  議定書目標達成計画の一・六%ということになりますと一億トン分のクレジットを取得するということになりますけれども、先ほどの五・九ドルという昨年の価格を使いますと七百億円、それから世界銀行で二〇一〇年時点の予測がございますけれども、十一・四ドルという予測でございますが、これを使いますと千五百億円という試算になります。  いずれにいたしましても、十九年度以降も財政負担に配慮しながら、必要な量のクレジットを取得できるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
  90. 山根隆治

    ○山根隆治君 京都メカニズムクレジットの取得ということでございますけれども、政府によるクレジットの取得にはいろいろな方法が実はあったかと思うんですね。一つには、政府による直接調達ということがあったかと思います。CDM・JIプロジェクトの入札制度等の活用ということでございます。あるいは今、先ほど来お話ございましたように、外部機関への委託ということでNEDOの方にこの法案のように委託をしていくというものがございます。そして、もう一つは、他国や民間企業等も出資する基金への一部出資ということも考えられたわけでございますけれども、今回、外部機関への委託ということに、選んだ理由というものはどのようなことになりましょうか。
  91. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) NEDOは、従来から新エネルギーとか省エネルギーに関する技術開発でございますとか海外への省エネルギープロジェクトの技術協力を行うということで、と同時にCDMとかJIの可能性調査、フィージビリティースタディーでございますとか途上国の京都メカニズムの実施体制の支援、他国に行ってCDMのマニュアルを作る、現地語でマニュアルを作るというようなことをやってきております。既に日本政府が承認しております四十六件のうち十四件がそういうNEDOがお手伝いをしてきた案件ということでございます。NEDOは、こういう事業を通じまして、京都メカニズムでございますとか省エネルギーに関する知見を有する人材が十分育成されてきているというふうに考えておりますし、海外のネットワークも築いてきているというふうに思っております。  クレジットの取得に際しましては、やっぱりいろんな意味のリスクがございまして、事業ができるかどうか、技術的な問題、それから制度的な問題というようなことがございまして、そういう意味で、政策の企画立案を担当する経済産業省環境省が自ら実施するよりも、そういう専門的知見を有するNEDOに委託した方が効率的ではないかというふうに考えたのが理由でございます。  それで、今お話がございました、世銀等のファンドを使ったり、金融機関というものもございます。ただ、私ども、政府クレジットを取得するに際しては、もちろん財政負担に配慮しながら必要な量のクレジットを確実に確保するということが一つでございますけれども、もう一点、地球規模での温暖化防止、あるいは途上国の持続可能な発展への貢献という視点が必要だと思っていますし、それからもう一つ付け加えさしていただきたいのは、政府によるクレジット取得というのは我が国の優れたいろんな省エネ技術を持つ我が国企業の海外展開に資することにもなると。そういうCDMとかJIの事業を通じまして我が国企業の技術を使っての海外展開ということになるというふうに考えておりまして、したがって外部の基金にお金を出してということではなくて、こうした考えを踏まえまして独自の取得制度を構築した方がいいというふうに考えたということでございます。
  92. 山根隆治

    ○山根隆治君 NEDO、すばらしい組織だというふうな御発言でございますけれども、NEDOのいろいろな歴史もあったかと思います。今、陣容というのは、これからいろいろな事業を、この法案が成立いたしますと様々な負担というのが掛かってくるんですけれども、全体の陣容というのはどのようになってますか。
  93. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) NEDO全体の常勤職員は十八年四月時点で千五十名おります。エネルギー関係に携わっておりますのは大ざっぱに言って二百人弱ということだと思います。  それで、今のこれからのクレジットの取得体制をどうするかということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、既に新エネルギーとか省エネルギー技術開発でございますとか技術開発協力をしてきておりますし、それからCDM・JI事業事業可能性調査をやったり、それから京都メカニズムの相手国の制度支援、さっき申し上げましたCDMの制度を相手国にきちんと説明したりマニュアルを作ったりという作業をしているチームが既におります。これは大ざっぱに言いますと大体十人ぐらいいるんじゃないかというふうに思いますけれども。それで、NEDOがこのクレジット取得事業を行うに当たりまして、そういう意味では、率直に申し上げますけれども、新エネルギーとか省エネルギーに対する技術とかプロジェクトの知識は十分にあると思っております。  それから、制度面につきましても、実際申請をしたり、さっき申し上げましたように十数件携わっておりますので、相当の知識があると思っています。ただ、必要に応じまして財務面を含めたプロジェクト審査の専門家といった面を補強して万全の体制を築く必要があるんじゃないかというふうに思っています。したがいまして、従来からフィージビリティースタディーでございますとか相手国に対する支援をやってきたチームと合わせまして大体二十名ぐらいになるんじゃないかというふうに考えております。  ただ、独立行政法人でございますので、いろんなルールがございます。これは閣議決定も含めてでございますけれども、事業費は五%、十五年から十九年の中期目標の中で効率化する、それから人件費につきましても、昨年十二月の閣議決定を受けまして、五年間で五%、これはNEDOの場合は中期計画の期間が十九年度までなものですから、五分の二ということで二%でございますけれども、その削減義務が掛かっております。  私どもは、こういう業務を追加するに際しても効率化の中で対応しなきゃいかぬというふうに考えておりまして、今申し上げましたような事業費あるいは一般管理費、人件費の効率化というものも当然のことでございますけれども枠の中でやるということで、これによって全体としてのNEDOが大きく肥大化しないということは、そういうことでやりたいというふうに考えております。
  94. 山根隆治

    ○山根隆治君 職員の方、千五十人ということですけれども、中央官庁から来られた方多いかと思うんです。その省庁別の人員というのは分かりますか。
  95. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) ちょっと若干古い数字で概数で申し訳ございませんが、千人で実は民間企業から来ておられる方が三百名弱おられます。それから、官庁からは八十名強、ちょっと概数で申し訳ございませんが、おります。現時点でそういうことでございます。現時点といいますか、これは三月の概数でございます。
  96. 山根隆治

    ○山根隆治君 三百八十名の今数字いただいたんですが、全部で千五十名職員がいらっしゃるわけですね。あとはどんなような内訳なんですか。
  97. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 基本的にはプロパー職員ですが、それ以外に申し上げますと、若干出向者ございますが、産業技術総合研究所でございますとか電力中央研究所でございますとか、そういう研究機関から出向してきておられる方がそれ以外におられます。あとはプロパーの職員でございます。  これは、基本的にNEDOは技術開発プロジェクトを実施するということでございますので、かなりドクタークラスの方を採ったり、そういうプロジェクト管理、それから公募制の審査をやっておりますので、そういう専門家を、最近の採用におきましてはそういう人たちを重点的に採用してきております。
  98. 山根隆治

    ○山根隆治君 役員の方は、いわゆる天下った方は何人いらっしゃるんでしょうか。何人中何人でしょうか。
  99. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 役員の中の退職公務員は全体で十名の中の五名でございます。
  100. 山根隆治

    ○山根隆治君 五名の方の出身官庁はどこですか。
  101. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 経済産業省でございます。
  102. 山根隆治

    ○山根隆治君 全部経済産業省でしょうか。
  103. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) はい、さようでございます。
  104. 山根隆治

    ○山根隆治君 急なちょっと御質問だったので数字的なことで申し訳ないなという思いもありますけれども。  なぜ伺ったかといいますと、先ほど直嶋議員質疑の中で、やはり国民の厳しい目がある中で、先ほどこのNEDOでも十二件ほど、随契ですか、の話でいろんな御指摘がございました。私、そのことを伺うつもりなかったんですけれども、千五十人の中の役員五名というふうなこと、あるいは官庁出身者八十名ということで、数字の多い少ないということではなく、やはりその内容が問題であるわけでございますから、この辺のところは国民の批判を受けないように是非しっかりとした体制にしておく必要があるということはもう御指摘をさせていただきたいと思うんです。  例えば、役員の方がやはりこれはもう週のうち一日か二日しか来ないとかというふうなことであったりしたり、あるいは法外な退職金があるとかというふうなことになると、これも非常に大きな問題になったり、国民の厳しい批判にさらされるわけですから、是非この辺のところは重々御留意をいただきたいというふうに思います。今日は法案の中身についてお尋ねいたしますので、この程度にこの点については収めさせていただきたいというふうに思います。  さらに、クレジットの購入の経費の負担割合なんですけれども、これは石油特会ということで今法案の中に書いてございますけれども、経産省の一般会計や環境省の一般会計にも振り分けたということで承知をいたしているわけでございますけれども、そのような認識でよろしいんでしょうか、事実関係クレジット購入経費の負担割合です。
  105. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) さようでございます。経済産業省計上分が先ほど申し上げました五十四億でございますけれども、石特会計が二十四億、一般会計が四億、環境省分二十六億のうち石特会計二十二、一般会計四億ということでございます。
  106. 山根隆治

    ○山根隆治君 それでは、続きましてクレジット購入経費の算出の根拠でございますけれども、先ほど来、百二十二億円の国庫債務負担行為ということで組んでおられるということでございますけれども、これは二〇〇八年から二〇一二年までの期間の購入を目指す、一億トンの購入量やクレジットの市場価格というものを踏まえてのものなのかどうか、その辺のところを含めてお尋ねいたします。
  107. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 先ほど申し上げましたように、昨年度の価格が五・九ドル、それから世銀の二〇一〇年の調査でございますと十一・四ドルというような予測がございまして、そういうことを念頭に置きながら制度設計はしたつもりでございます。  ただ、将来の価格につきましては多分需給によるところが非常に多うございまして、我々としては価格の安定化を図るために供給を拡大させていくということにも努力していかなきゃいかぬというふうに考えておりまして、そういう意味ではCDMのフィージビリティースタディーに関する支援でございますとか相手国との話合いにおける環境整備、それからCDMのルールを改善していくというようなことで、世界全体としてのCDMの供給量を測るということも非常に重要だろうというふうに考えております。
  108. 山根隆治

    ○山根隆治君 クレジットの価格高騰ということも予想されるわけでありますけれども、その場合の追加の措置、財源が必要な場合にはどのようにされるんでしょうか。
  109. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 十九年度以降でございますけれども、財政状況の中で適切な額を私どもとしてお願いしていきたいというふうに考えております。
  110. 山根隆治

    ○山根隆治君 我が国、非常に優れた省エネの技術等がございます。それを活用をしていくということで、優れたやっぱりエネルギー環境技術をこうした京都議定書の遂行というところで諸外国への我が国環境技術の啓蒙ということも十分できるチャンスが多々あるわけでありますけれども、こうした視点での我が国のPRといいましょうか、我が国の技術立国としてのPRというものもその時々非常に必要性があるかと思います。この点についてはどのようにお考えでしょう。
  111. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 先ほど申し上げましたように、従来からNEDOで途上国への省エネ技術協力というのをやってきておりまして、その際にクレジットを得ているものもございますけれども、そういうエネルギーの、環境エネルギーの技術協力をどんどん進めていきたいというふうに考えております。  それから、アジア太平洋パートナーシップという枠組みができておりますので、ここでセクターごとに鉄でございますとかセメントでございますとか、いろんなグループが出てきております。その中で鉄とセメントのワーキンググループでございますけれども、議長を日本が務めております。そういう機会も使ってできるだけ技術の移転というのが進んでいけばいいなというふうに考えています。  それから、さっき申し上げましたようにCDMとJIというものを、これは我が国企業の中では海外展開の一つのチャンスだというふうに考えておられる企業もございますので、そういった企業のお手伝いができればというふうに考えております。
  112. 山根隆治

    ○山根隆治君 是非こうした機会を使ってこの環境問題のみならず、やっぱり産業ということからの広い視点でのPRということも是非協力してあげて、民間に対して協力していただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。  さて、先ほど来の御答弁で、温室効果ガス、一九九〇年比での六%の削減目標というものに対するいろんな取組というのが御答弁の中でございました。これ、大臣、相当なこれはもう自信をお持ちだと、政府として、というふうな理解をしてよろしいんでしょうか。
  113. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 私どもとしては必ず期待にこたえるということで頑張ってまいりたいと思います。
  114. 山根隆治

    ○山根隆治君 是非頑張っていただきたいというふうに思います。それは御答弁として承っておきたいと思います。  プロジェクトの計画から排出権の獲得まで国連のCDMの理事会の承認が必要であるということで、その手続も相当程度掛かるのではないかということも言われているわけです。これについては、現状でどの程度の年数が掛かってくるというふうに御認識になっていらっしゃるのかどうか。人によってはやはり三年から五年掛かるということを言う方もおられます。そうなったらもう時間的にタイムリミットというふうなことにもなるわけですから、一般的にはこの辺のところについての御認識はいかがでしょうか。
  115. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 先ほど申し上げましたように、CDM理事会で、事務局体制が不十分なこともあって、非常に時間が掛かるんじゃないか、あるいは複雑だという御議論がございました。  今の先生お話の中で二つあろうかと思います。  一つは、今のいろんなCDMに関するルール、ルールといいますか、今までに決まっている中で遅れている部分があったかと思います。ただ、この点につきましては、昨年末の締約国会議で理事会の下のワーキンググループをつくる、それから事務局体制を強化するということをやりましたので、結構進んでいくんではないかというふうに思います。ちょっと私、三年というのはあれでありまして、去年の年末から今年にかけまして二けたであった承認件数が百数十、かなり伸びてきておりますので、そこは迅速化が少し進んでいるのかと。  ただ、もう一つ実は問題がございまして、今の登録されているプロジェクトは、やっぱりフロンとかメタンとかという削減がよく見えるやつはちゃんとルールができていると。ただ、鉄鋼ですとか、発電も含めてですけれども、通常の投資とどこが違うんだという議論をされるものもございまして、そういう意味では、そういうものにつきましてはむしろルールといいますか、そういう方法論を認めさせていくということを通じて認めさせていかないと、それは今先生お話のように何年ということにもなりかねないところがございまして、そういうものについてはむしろプロジェクトを認めるといいますか、そこの省エネなんかを幅広く認めていくような仕掛けといいますか、ルールの方を改善していくという働き掛けを強めていきたいというふうに考えております。
  116. 山根隆治

    ○山根隆治君 時間も迫ってまいりました。ちょっと先を急がせていただきたいと思います。  CO2を発生しないエネルギーということでは、国内外でだれしもが浮かべるのはやっぱり原子力発電ということだろうというふうに思っているところでございます。  この原子力発電、今我が国電力量の三分の一は原子力発電によって賄われているわけでございますけれども、このクリーンなやっぱりエネルギー原子力発電ということについて、これから我が国は少子化ということに向かってはおりますけれども、経済の発展というものもまだまだ目指さなくてはいけない。そういうことからして、エネルギー量の確保ということでは、原子力発電の占める比率というものは今三分の一をこれから超えていかざるを得ないだろうというふうに思うんですけど、政府の現在の計画では、聞くところによりますと、やっぱり四割ぐらいというところまで伺っているところでございますけれども、この見通し、そして最終的に原子力発電の比率というものをどの程度に持っていこうとされておられるのか、御答弁いただきたいと思います。
  117. 安達健祐

    政府参考人安達健祐君) 委員指摘のとおり、京都議定書目標達成計画目標達成するためには、発電過程で二酸化炭素を排出せず、供給安定性にも優れました原子力発電推進が極めて重要と認識してございます。  近年の原子力発電所の立地の状況につきましては、昨年一月に浜岡原子力発電所五号機、十二月に東通原子力発電所一号機、今年三月に志賀原子力発電所二号機がそれぞれ新たに営業運転を開始しております。これによりまして、五十五基の原子力発電所が現在稼働しているということでございます。また、泊発電所三号機、島根発電所三号機の二基が現在建設中でございまして、原子力立地は着実に推進、進展していると考えてございます。  経済産業省といたしましても、現在検討中の新・国家エネルギー戦略でも原子力発電を大きな柱の一つと位置付ける予定でございます。その中で、原子力発電は発電量の三割か四割程度か又はそれ以上という明確な目標とその実現に向けた取組を取りまとめたいと考えております。  今後とも、原子力発電の着実な推進全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。
  118. 山根隆治

    ○山根隆治君 今、四割という、あるいは四割を超えるというふうなお話ございましたけれども、時間の設定的にはいつごろをめどとして考えているんでしょうか。経済発展等を考えた上ではどの程度のことを考えていますか。
  119. 安達健祐

    政府参考人安達健祐君) お答え申し上げます。  今、三割から四割又はそれ以上と言いましたのは、二〇三〇年ごろ我が国の商業用発電所はリプレースの時期になってまいります。そういうときにもこの目標をちゃんと達成したいというのが今の我々の考え方でございます。
  120. 山根隆治

    ○山根隆治君 それには国民理解も必要でありますし、そして政府のやはり支援対策というものは私は必要なんだろうと思います。  例えば、一つ、二〇〇二年や二〇〇三年度における温室効果ガスの排出量が増えたというのは、原子力発電の長期停止というのが実はあったということがあるわけでございまして、その辺の不安定な要因というものもあるわけでございますけれども、私はこうした際にもそれらが安定的に供給されるように政府の全面的なやはりバックアップというのが必要だろうというふうに思うわけであります。  原子力発電への投資が確保されるための投資環境というものも整備をするという決意というものが是非ないと非常に安定したものにならないわけでございますけれども、この辺のところについて様々な研究、検討がなされていると思いますけれども、安定供給、それのフォローアップということについての考え方を改めて聞かせてください。
  121. 安達健祐

    政府参考人安達健祐君) お答え申し上げます。  原子力発電推進に当たりましては、安全の確保を大前提といたしまして、核燃料サイクルも含む原子力推進に努めなきゃいけないと考えてございます。  このために、電力自由化の進展や需要の伸びが伸び悩む中での新増設を実現すること、二〇三〇年前後に想定される既設炉の大規模代替需要に備えた技術、人材の厚みの確保、軽水炉技術を前提とした核燃料サイクルの早期確立、放射性廃棄物対策の着実な推進、半永久的に自国産エネルギー源の確保を可能といたします高速増殖炉サイクルの実現、原子力発電の発展と核不拡散の両立に向けた国際的枠組みの構築など、多様な課題に対して今後戦略的に取り組んでいきたいと考えてございます。
  122. 山根隆治

    ○山根隆治君 新エネルギーへの取組ということでは、今一番メジャーなのは、燃料電池それからまた太陽光発電というのが二つの大きな夢のあるプロジェクトだろうと思っておりますけれども、この現状、民間企業でも相当、先日も、私、ホンダの方に行きまして燃料電池の車、試乗させていただきまして、非常に感動したところもございましたけれども、政府としての取組支援体制、これはいかがでありましょうか。時間もございませんので、太陽光発電も含めまして御答弁願います。
  123. 高原一郎

    政府参考人高原一郎君) お答え申し上げます。  まず、燃料電池でございますけれども、今委員指摘燃料電池車、自動車に加えまして、家庭用の定置用の燃料電池、あるいは、さらに最近は携帯用のノートパソコンだとか携帯電話にも用途が広がっていまして、いろんな用途の広がりを見せてございます。  ただ、依然として、まだその耐久性でございますとかあるいは経済性、非常にまだ高うございますので、これについて乗り越えるべき課題というのが大変多うございます。  経済産業省といたしましては、平成十八年度予算として三百四十億円ほど計上いたしまして、先ほどの例えば定置用の燃料電池でありましたらその製造コストを下げるための大規模な実証実験でございますとか、あるいは御指摘燃料電池自動車につきましては実走行ですとか水素ステーションといったものをどういうふうに置いていくかといったような大規模な研究をしておりますし、また基礎研究も、これは相当の、センターなどを設けまして実施を図っております。これは、多分国際的に見ても相当我が国は、油断はできませんけれども、進んでおるというふうに理解をいたしております。  それから、太陽光発電でございますけれども、太陽光発電につきましては、平成十六年度末で、平成五年度に比べまして実に四十七倍の総設備量でございます。百十三万キロワットへの拡大がなされております。ただ、これにつきましてもまだコストが高うございますので、研究開発を促進いたしまして更に太陽光発電の普及というのを本格的に図っていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  124. 山根隆治

    ○山根隆治君 民間で相当な設備投資をしているわけでございまして、こうした大きな日本の明日のクリーンなエネルギーというものについては、私は日本だけじゃなく世界に大きく貢献し得る研究だと思います、開発だと思いますけれども、やはり産官学、それぞれの場で協力し合って私はやっていかないと、民間だけにやっぱりゆだねるということではあってはならない。今、予算のお話、確かに国のやつがございましたけれども、まだまだ私はトータルには弱いというふうに気がいたしております。  政府の積極的な支援、そして大学等にも働き掛けて連携をして、是非有機的なかかわりの中で産官学で頑張っていただきたいというふうにも思っているわけですけれども、最後にその辺の決意、何か御所見あれば聞かせてください。
  125. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) ただいま議員指摘のように、産官学の協力、協調体制が必要である。しかも、それはもっと横の連絡といいますか縦の連絡といいますか、お互いにスピード感を持って対応していかなくてはならないと。せっかく時代の先端を行こうとしておるわけでありますから、今までのようなテンポではなくて、もっと協調して発展できるような方向を見定めたい。特に今科学技術振興等におきまして政府も思い切った対応をやろうとしておるときでありますだけに、我々も関係省庁とよく連絡を取って、特に経済産業省としては産業界との連絡は常に密であるはずでありますから、そしてさらに、学の方の御協力もいただきながら対応してまいりたいと思っております。  特に、先ほどからお述べをいただいております原子力等の問題につきまして、私も、原子力の問題で今焦点になっております例えば福井県とか、あるいは青森県、佐賀県、それぞれ現場に赴いてまいりましたが、やはり地元の知事及び市町村長さんたちは、国の政策であるから、国のエネルギー政策であるだけに我々は懸命にそれを支えようとしておる、私はその言葉を聞きながら、国の責任が改めて大きいということを痛感しました。  安全が原子力においては何よりも重要でありますからその点をしっかりやることと、今御指摘いただきました新エネルギー開発につきまして、併せて二正面で取り組んでいくと、こういう決意で頑張っていきたいと思っております。
  126. 加納時男

    委員長加納時男君) 山根隆治君の質疑は終わりました。
  127. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  本日はNEDO法、また石油特会法の改正法のその審議でございますが、その趣旨は、京都議定書に定められた京都メカニズムを実施するために同議定書に定める排出削減単位、クレジットですね、この取得業務を実施する機関、これをNEDOにすると、また、当該業務に必要な経費の一部を石油特会から支出する旨を規定すると、そういう趣旨であります。  そこで、まずこの議題の中心であります京都メカニズム、特にCDMと呼ばれますが、クリーン開発メカニズム、この位置付けについて大臣にお聞きしたいと思います。  既に午前中の議論にございましたように、我が国目標達成計画、閣議決定昨年四月いたしましたが、これでは、国内対策に対して京都メカニズムは補足的であると、こういうふうに書いてございます。さらに、今日、午前中にも議論ございましたように、第一義的には国内のその省エネ、新エネを進めるべきだというような議論がされております。しかし、それでは、この京都メカニズムの一・六%、年二千万トンという目標達成しなくてもいいのかというと、そうではないんじゃないかと私は考えております。  この京都メカニズム、先ほども、温暖化対策の広い観点から考えると、実は途上国が重要なんだという議論がございました。事実、先ほどの議論でも二〇一五年で五一%が途上国から排出されていると、こういう数字もございます。こういう中国、インド、またブラジルという国々と手を結んで省エネ我が国の進んだ省エネ技術、新エネ技術を普及させていく、そういう貢献していくと。そういう意味でこのCDM、また京都メカニズムは非常に意義がある事業だと思っております。  そういう観点から、是非大臣にお聞きしたいと思いますが、この我が国のこの目標削減量一・六%、年二千万トンというものについても着実に実施を図っていくことが必要と考えますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
  128. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 京都メカニズムの活用につきましては、国内での取組に最大限努力してなお生じる不足に対して対応しようとしていることは、議員も御承知のとおりでございます。  一方、京都メカニズムは、我が国のいわゆる民間事業者が有する優れた省エネルギーの技術等の海外への浸透を図る上で非常に重要であると認識をいたしております。  地球温暖化防止のための京都議定書の発効を踏まえ、我が国はその約束達成に向けて先導的な役割を果たしていかなくてはならない、最大限に努力をすることが重要であります。このため、京都議定書目標達成計画に基づき、京都メカニズムの本格的な活用に取り組んでまいりたいと思っております。
  129. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございます。大臣のその力強い御答弁いただきまして、この京都メカニズム我が国として世界の模範となるように取り組んでいきたいと思っております。  そこで、現時点での進捗状況、これを確認させていただきたいと思いますが、二〇〇六年三月時点で、CDMと共同実施プロジェクト、JIと言いますけれどもね、合わせて四十四プロジェクト我が国において承認されているとのことで、そういうことでございます。合計した排出削減予測量は何と三千六百三十万トンということであります。  そこで、経済産業省にお聞きしたいと思いますが、現時点で我が国が承認したCDM・JIプロジェクト合計この三千六百三十万トン、また別に国内だけから買う必要はないわけですから、海外のものも含めまして、どのような基準で今後、我が国が今後クレジットを買っていくのかと。そのクレジットを買い取る基準、これについてはどういうことでしょうか。
  130. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) まず、全体の話を一言だけ申し上げますと、この買取り制度の趣旨からしまして、CDM、他国で実際排出削減事業が行われて、その結果生じるクレジットであるということで、CDMとJIの事業、それから、具体的な環境対策と関連付けられた排出量取引の仕組み、GISを活用するという、大きく言いますとそういうクレジットをまず取得に努めたいというふうに考えております。  それで、今先生お話しの個別のクレジットでございますけれども、クレジット取引にやっぱりリスクがございまして、予定した排出削減量が達成できるか、あるいは事業の実施が着実に行われるかと。CDMで登録がされましても、実際のクレジットが発生するのは二〇〇八年から二〇一二年というようなこともございますので、相手国での制度運用が適切になされるかというリスクがございます。  したがいまして、NEDOがクレジットの相手方、契約の相手方を選定するに際しましては、透明性の確保の観点から原則公募をすると。で、今先生お話にありました、我が国が承認した事業も含めまして、確実かつ費用対効果を考えたクレジット取得ということで、排出削減事業の成否でございますとか、相手方の財務能力、提案されたクレジット価格というようなことについての評価を行って買うということだというふうに考えております。  ただ、もう一つ、三点目で申し上げますと、そういうリスクがございますんで、ある意味では、排出削減事業の種類でございますとか、実施される国を分散させて契約するというような配慮も要るかというふうに考えておりまして、そういう意味では、クレジット取得事業全体としてのリスクを低減させるというような配慮も要るんじゃないかというふうに考えております。
  131. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 分散させて買うとか、そういうリスクへの知恵も必要だと思います。大事な国費を投入するわけですから、我が国企業が先進的に取り組んでいるものもそれも、そういう応援するという観点も重要ですし、またプロジェクトのリスクという面も重要だと思いますし、いろんな観点を踏まえて適切にプロジェクト選定をしていただきたいと思います。  次に、予算額についてでありますが、今回百二十二億円の国庫債務負担行為が認められているわけでありますが、これはどう評価するかという点がありますけれども、同じ一億トンのクレジット目標としているオランダについては既に七百十億円も支出していると、そういうデータもございます。  そこで、経済産業省にお聞きしたいと思いますが、我が国の今般の百二十二億円の国庫債務負担行為の額は、目標取得クレジット一億トンに比較して、また国際的に見て十分な額と評価できるでしょうか。
  132. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 私の手元にある資料では、先生お話のとおりで、オランダは一億トンの目標量に対して既に支出した額が七百十億円、邦貨換算でございますけど、スペインは一億トンを目標にして二百八十億円、イタリアが六千万トンを目指して三十億円、そういったような支出が既に行われているようでございます。  私どもとしましては、先生の今のお話のように一・六%分、約一億トンというのを目指しているわけですけれども、価格は、二〇〇五年の民間機関あるいは世銀の調査という五・九ドルを前提にしますと七百億円、世銀の二〇一〇年の予測価格を使うと千五百億円というふうに想定されます。初年度の十八年度予算では、百二十二億円を限度とする国庫債務負担行為を計上しておりますけれども、今申し上げました二〇〇五年価格の五・九ドルを単価といたしますと約一千八百万トンのクレジットに相当するということでございます。  これを初年度といたしまして、十九年度以降についても、価格は需給動向、需給状況でも変わってくると思いますけれども、需給状況でございますとか毎年の財政状況等を踏まえて、一・六%、一億トンというのは確実かつ費用対効果を考えて取得できるように適切に対応したいというふうに考えております。
  133. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。  次に、CDMの内容について質問したいと思いますけれども、一般的な省エネルギーは国際的にはCDMになかなか認められないと、そういう事態が続いておりましたが、我が国の主導のフューチャーCDMと、こういう国際イニシアチブの積極的な取組で、最近では追加性という考え方が導入されて、国際的にも認められ出したと、そう聞いております。  そこで、経済産業省に質問しますが、省エネプロジェクトCDMとして国際的に認められる条件及び今後の拡充方策について、いかがでしょうか。
  134. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 今お話しのとおり、CDM理事会CDMとして承認されるためには通常の設備投資と異なるということを証明する必要がございまして、現在では供給されておりますクレジットの大半がこの説明が非常に容易な代替フロン破壊プロジェクトなどでございます。三月のある時点の統計ですと、CDMで登録済みのプロジェクトのうちの九割近くが非CO2だということでございます。  ただ、省エネプロジェクトが私ども非常に大事だというふうに考えておりまして、通常のコスト削減のための設備投資でないということを証明することが技術的に難しいという、今先生の御指摘のような課題がございました。そのために、各国と連携いたしまして省エネルギー分野CDMの促進を図るということで、国際的な活動をするCDMの将来委員会というものを各国に働き掛けて開催しておりまして、この活動を通じて国連のCDM理事会にルールの改善を不断に働き掛けているということでございます。  具体的に言いますと、例えば鉄鋼分野における廃熱とか排ガスの回収とか再利用とか、それからボイラーの効率を改善するとか、それからセメント業界におけるいろんな排出削減の努力がございますけれども、そういうものも一つ一つ挙げて提案をし、省エネCDMとして認めてもらうようにという働き掛けを行ってきています。そういうことで、こういうことに関心を持つ産業界ともよく相談をしながら、そういう働き掛けを強めていきたいと、進めていきたいというふうに考えています。  それからもう一つは、やはり途上国の政府あるいは民間企業に日本の優れた省エネ技術を活用したCDMプロジェクトを紹介していくと、そういう技術があるんだと、あるいは紹介するということも大事だと思っていまして、アジア太平洋パートナーシップのような場も活用をするのももちろんでございますが、それ以外にもいろんな国際フォーラムを開催するとかいったことを通じて日本の技術を紹介していくというようなことも進めていきたいというふうに考えております。
  135. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今、技術を紹介するという話もございましたが、非常に重要だと思っております。日本だけでなくて相手国も併せて省エネCDMを認めていこうと、そういう機運になっていくと。そういうことをしながら、今はまだ非省エネ関係が九割かもしれませんけれども、将来的には可能性があるのは省エネ関係が非常に多いと思っておりますので、是非その努力をお願いしたいと思っております。  次に、省エネCDM以外にも特別な扱いをされているものとして、午前中にも質問がございました原子力CDMがあるわけでありますが、これについてはマラケシュ合意で特別な扱いになったわけでございますが、そうなった背景というのはどういうことなのかと。また、その背景について、次の枠組みにおいてそういう背景を変えることは十分可能かどうなのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
  136. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) これが理由だというのはなかなか申し上げにくいところございますけれども、私ども、マラケシュ合意の交渉過程でも、原子力CDMが認められるようにと、あるいは温暖化対策としての原子力重要性ということを主張した国が数多くあったと思うんですけれども、やはりそうではないという意見が大宗を占めてマラケシュ合意に至ったということでございます。  ただ、私ども、午前中も申し上げましたけれども、IEAの理事会でございますとかG8のサミットとか、機会あるごとに原子力温室効果ガスの削減にも資するんだということの認識を共通に得るということを努力してきておりますし、それから次期枠組み、将来枠組み議論を行う際にも、もちろん核不拡散の遵守ということは大前提でございますけれども、原子力発電プロジェクトから生ずるクレジットが利用できるように、幅広い検討を促すように努力していきたいというふうに考えています。
  137. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非、午前中の議論でも、原子力技術についてはCO2の対策面では有望な技術でありますので、次期枠組みでは認められるように、また我が国としては原子力の高い技術を持っておりますので、いろんな国との協力、技術協力というのがあると思いますので、御検討をお願いしたいと思います。  一方、この法律は二〇一五年度までの時限立法になっているわけでありますが、それは、京都メカニズム、議定書があくまで二〇一三年までを対象としており、整理期間も入れてのことだと思います。しかし、我が国のすばらしい省エネ、新エネ技術を世界に広めていく意義、この意義は二〇一三年以降も不変だと思っております。  そこで、松副大臣にお聞きしたいと思っておりますが、この二〇一三年以降、CDMはどのような形態になっていくと考えられるのか。途上国の削減義務化とCDMの共同の道が私自身は望ましいと考えておりますが、副大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
  138. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 二〇一三年度以降の将来枠組みにつきましては、我が国としては、先進国だけでなく主要途上国、これは中国、インド、ブラジル、何と韓国、メキシコも入っているわけでございまして、ちょっとまあ、本当にびっくりします。こういう国が途上国なのかなと、こう思いますけれども、やはりこうした国も含めて世界全体で実効性のある取組が不可欠であるというふうに思っております。  他方、主要途上国での排出削減を効果的に進めるためには、先進国の技術による、企業による技術移転が極めて重要でございまして、CDMはこれを促す仕組みとして機能することが期待をされているわけでございます。したがって、二〇一三年度以降も途上国での排出削減のための技術移転に結び付く何らかの仕組みは引き続き必要と考えております。  ただし、排出削減の義務化に合意した先進国とそれ以外の国との区別を前提としての現在のCDM、この仕組みはやはりこれは見直していかなければいけないのではないかというふうに思っております。将来枠組みに関する国際的な議論を深めていく過程では、そのようなCDM見直しも含めて検討されるべきであると考えている所存でございます。
  139. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 見直しは必要だと思います、確かに。ただ、おっしゃったように、企業の活力を活用して省エネを全世界に広げていくと、この手法についてはうまく活用していただきたいなと思いますので、是非御検討をお願いしたいと思います。  次に、政府によるクレジット取得制度の実施機関としてNEDO、新エネルギー産業技術総合開発機構が予定されている点について何点か質問したいと思います。  まず、具体論に入ります前に、温暖化ガスクレジット、この価格がどういうふうにして決まるのか、この価格メカニズムについてまずお聞きしたいと思います。どのようにして決まるのか。また、現状及び二〇一〇年の見通しについて経済産業省からお聞きしたいと思います。
  140. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 二点申し上げたいと思います。  まず一点は、個別の価格がどう決まるかということでございますけれども、今クレジットは相対で取引をされておりますけれども、個別の価格は、もちろんそのときの基本的な需給で決まってくるわけですけれども、もう一つプロジェクトのリスクによっても動いてくるという、違うということでございまして、先ほど申し上げましたいろんな事業リスクがあるわけですけれども、そのリスクが高いプロジェクトから生成されるクレジットは安くて、リスクが低ければ高いと。  昨年、さっき申し上げました世銀の二〇〇五年の五・六三ドルというクレジットも、それは平均価格でございまして、幅で言いますと三ドルから七・一四ドルというような幅が出ておりまして、これはそういう個別案件ごとのリスクを反映しているというふうに考えております。  それで、今の御質問は、むしろ全体としての、市場全体としてのトレンドといいますか、価格の動きだろうと思います。さっき申し上げました二〇〇五年の価格は、世銀でございますとか民間調査機関で五・六三ドルあるいは五・九ドルという数字がございます。それから、二〇一〇年時点のクレジットの価格としては世銀の調査に十一・四ドルという予測がございます。  ただ、クレジットの将来価格は基本的にやっぱり需給で決まってくるんだろうというふうに考えています。これも民間機関の昨年時点の予測でございますけれども、供給予測が国連のCDM理事会で登録済み又は登録手続中のプロジェクト、あっ、これは済みません、これは今、最近時点ですけれども、プロジェクトから約八億五千五百万トンのクレジット発行が見込まれております。これに対しまして、昨年時点の需要見通しでございますと、六億九千万トンという見通しがございます。したがいまして、供給が上回っているように見えますけれども、先ほど申し上げましたように、操業状況で実際発行されるクレジット量が予定より少なくなったり、登録手続中のプロジェクトで実際登録されないというようなこともあろうかと思います。それから、最近で言いますと、ヨーロッパの取引価格に引っ張られているようなところもございます。  いずれにしろ、需給次第では世銀の予測を中長期的に上回る可能性というのも否定できないわけでございまして、そういう意味では、私どもも、クレジットを確実かつ費用対効果を考えて取得するためには、世界全体のクレジット供給量を拡大していくということが大事だと思っていまして、それは、我が国独自としてのフィージビリティースタディーでございますとか途上国の体制整備もさることながら、先ほど先生からお話ございました省エネを認めていく、これは途上国のためにもなり、地球全体としての排出ガスの削減にもつながる、CDMの供給にもつながるという、そういうような制度の改善と、それから先ほど議論ございました、CDMが認められるような手続を改善していくというようなことを通じまして供給拡大の努力をしていくということも非常に大事だろうと。それは、我が国だけではなくて、世界の需給にとって非常に大事だろうというふうに考えております。
  141. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。  世銀の見通しで三ドルから七・一四ドルという話もありましたが、それだけ幅があるということは、価格査定やリスク査定が困難だということを意味しているんだと思います。  そこで、続いて質問いたしますが、税金を投入して買い取るためには適正な価格で確実なものを買い取ることが必要だと思いますけれども、クレジット購入能力としてどのような能力が必要だとお考えでしょうか。
  142. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 今申し上げましたように、クレジット取引について、排出削減量を達成できるかと。これは、事業が着実に実施されるかと、あるいはその事業が行われる国の制度運用が適切になされるかと、広い意味でのカントリーリスクかもしれませんけれども。したがいまして、クレジットの取得に際しては、個々の排出削減事業について事業の成否を判断する際の一つは技術的な知見、それから途上国の体制整備に関する知見、あるいはこれはもう少し別の意味の技術になろうかと思いますけれども、クレジット量を具体的に評価する、この制度に慣れているというような専門知識が必要だろうというふうに思っております。  それから、これは先ほど申し上げましたように、こういう知識についてはNEDOはそれなりに養ってきていると思いますけれども、今のいろんな判断の中には財務的な評価というものも必要だろうというふうに思っています。  それからもう一つは、これも先ほど申し上げましたけれども、事業者や国を分散して契約するということで、クレジット事業全体としてのリスク低減を図るというようなことも必要だろうというふうに考えております。  いずれにしろ、個別の判断と併せて、全体としてのリスク管理、継続して全体のポートフォリオを管理していくという体制が必要だろうというふうに考えておりまして、そこを整理することが重要だろうというふうに思っております。
  143. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいま御答弁いただきましたように、技術的能力、途上国の体制整備を判断する能力、またこの京都メカニズムの制度自体をよく知っているかどうかという点、そしてそういういろんな総合的なポートフォリオができるかどうかと、そういう幅広い能力が必要なわけでありますが。  そこで、今回この法律においてはNEDOをそのクレジットの買取り手と指定をしたわけでありますけれども、NEDOにこのような能力があるかどうか。確かに技術開発をしてきたのは事実だと思います。それで、幾つ支援をしてきたと。しかし、さっき言った財務的な基盤の問題もあるでしょうし、また相手国の体制の問題もあると思います。そういう点を踏まえて、NEDOがこういう能力があると評価した根拠について御答弁いただきたいと思います。
  144. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) NEDOは従来から、新エネルギーでございますとか省エネルギー技術開発あるいは海外への省エネルギー技術協力ということでやってきております。こういうことを生かしまして、省エネの技術協力の過程でクレジットを得て、日本で最初に登録申請をした案件も実はNEDOがやった案件でございますけれども、こういう経験を生かしまして、事業のフィージビリティースタディーでございますとか途上国へのいろいろな支援ということをやってきております。  今、我が国が承認した案件、全体で四十六件ございますけれども、省エネモデル事業から三件あるいは事業の可能性調査から十件という、十数件がNEDOの事業から出てきているものでございます。NEDOはこういう事業を通じまして、クレジット取得に関する制度的な知識あるいは個別の技術というようなことについては十分育成されてきていると思います。それから、海外のネットワークも、いろんなやり取りの中で申請手続なんかも慣れてきていると思います。  ただ、率直に申し上げますと、こういう人材に加えまして、財務面を含めたプロジェクト審査の専門家というものを補強する必要はあるだろうというふうに考えております。  ただ、そういうネットワークを築いてきているということで、NEDOで実施させるのが効率的ではないかというふうに考えた次第でございます。
  145. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 分かりました。  そういう点から御判断されたということでありますけれども、今の答弁の中にもありましたように、第一号の承認がNEDOの案件であったと、十数件承認されているということでありますけれども、そうしますと、このNEDO自身は従来からこういうCDMまた共同実施支援事業として補助金を出したりしているわけですね。そういう事業の主体者であるNEDOと、今度クレジットの買取り者であるNEDOという二つの主体の関係はどうなるんだろうと思うわけであります。つまり、自分のやったものは優先的に買い取るというのは一応構わないのか、それとも独立性が求められるのか、その関係についてはどういうふうに整理されているでしょうか。
  146. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 今お話しのように、フィージビリティースタディーへの支援は行ってまいりました。ただ、今回新たに講じますNEDOのクレジット取得事業については透明性が重要だというふうに考えておりまして、原則公募をすると。クレジット発生の可能性、相手方の財務能力、提案されたクレジット価格等について厳正な審査を行うということが適切だというふうに考えておりまして、NEDOが支援をいたしましたプロジェクトからのクレジット取得についても、他の案件と同様に厳正な審査を行った上で、遜色のないものに限って採択するというのが適切だというふうに考えております。
  147. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非そこは厳正に、やっぱり何か自分のものだけが甘いという形にならないようにやっていただきたいと思います。  関連して経済産業省にお聞きしたいと思いますが、NEDOのプロジェクトも、うまくいっているやつがほとんどなんですけれども、たまにはうまくいかないやつもあるわけですね、途中で終わってしまう、途中で終わってしまうと。今回は、最初の段階でお金を、手付金を付けたりするわけですが、プロジェクトの途中段階クレジットが生じないことが判明した場合に、契約締結時等、それまでに相手に支払った費用は一応これは国費としてはどういう扱いになるんでしょうか。
  148. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) まず、前払制度でございますけれども、契約形態として前払が求められる場合がございます。それから、オランダなどの制度においても前払を可能とする制度を取っておりますので、私どもも取引対象とするプロジェクト内容に応じて一定払いの前払を可能とする制度にしておきたいというふうに考えております。  もちろん、まず事前として、前払の可否について、削減事業の成否でございますとか事業遂行能力とか信用力とかを審査して、前払にふさわしい優良な案件を対象とするということが前提といいますか、必要だろうというふうに考えております。  ただ、今先生お話のように、そうはいいましてもクレジット契約は長期の契約でありますので、過失、それから不可抗力もあろうかと思いますけれども、契約したクレジットが発生しないという事態が否定できないわけでございまして、そうした場合には前払した金額の返還、それは金銭での返還、それから代替クレジットによる一定割合の補てんを求めるということを考えるべきではないかということで検討したいというふうに思っております。  全体としましては、リスクを完全に回避することはなかなか難しいんだろうと思いますけれども、まず、今申し上げましたような事前の厳格な審査、それから更に加えまして、いろんな技術指導といったことも組み合わせ、それからリスクの分散といったことも組み合わせながら運用していきたいというふうに考えております。
  149. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 今、返還というお話ございましたが、返還されたお金は国庫納付されるんですか。
  150. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) NEDO事業全体が委託費でございますので、当然そうだろうと思います。
  151. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非、プロジェクトについてはリスクが生じると思いますので、適正な運用をですね。リスクはしようがないと思います。しようがないんだけれども、それをほったらかしではなくて、生じた場合にはちゃんと回収するということを明確にして運用していただければと思います。  次に、NEDOへの予算形態について質問したいと思います。  今回は八年以内の国庫債務負担行為という特例を作られているわけですが、これは目標年次がありますからこうなるわけでありますけれども、複数年度の予算支出であれば交付金という道もあったわけですね。  それでお聞きしたいと思いますが、今回の予算はNEDOへの交付金ではなくて、八年以内の国庫債務負担行為の委託費とした理由は何なんでしょうか。多頻度の中間払いによってもしプライスが下がるということがあるんであればこういう交付金という手段もあったかと思いますが、いかがでしょうか。
  152. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) この事業自身は、独立行政法人が自らの責任で自らの業務として実施するというよりは、国が行うべき事業を効率化を考えてNEDOにやらせると、委託事業としてやらせるということで委託費の考え方を取っております。  それから、今の中間的に前払を柔軟にやるという点につきましては、国庫債務負担行為という制度を取っておりますので前払ということで、そういう形態がどこまで契約形態として実際多いかはちょっと別にいたしまして、分割して前払をするというような柔軟な対応もできるというふうに考えております。
  153. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 主体が国だということで委託費だということで御答弁いただきました。  また、予算に関連して質問いたします。  今回、石特法を改正して京都メカニズムにこの石油石炭税を投入できることになったわけですが、その根拠となる条文に我が国エネルギーの利用に関する著しい制約を回避しつつと、こういう文章が入っているわけです。  そこで、小林務官にお聞きしたいと思いますが、特会法に今般加えられた「我が国エネルギーの利用に対する著しい制約」とは具体的にどのような制約を想定されておられるのか。また、あわせて、京都メカニズム対策費をこの石油及びエネルギー需給構造対策として石油特別会計から支出を充てることが適切と判断した理由はいかがでしょうか。
  154. 小林温

    大臣政務官小林温君) 京都メカニズムの活用は、まず国民各界各層が最大限努力してもなおその約束達成に不足する分を、他国における温室効果ガス排出削減量など、いわゆるクレジットを取得するというものでございます。仮にこの不足分への対応としてクレジットを取得しない場合には、削減約束を達成するためにエネルギー利用あるいは産業活動に対して更に著しい制約を課すことになるわけでございます。  そういう意味におきまして、政府によるクレジットの取得というものは、このような制約を避け、環境経済の両立を目指すものであって、この趣旨がお尋ねの「我が国エネルギーの利用に対する著しい制約を回避しつつ」との改正条文案となっております。  なお、石特会計制度の趣旨は、環境配慮と経済成長の両立を可能とするエネルギー需給構造の構築を図ることでございます。クレジットの取得は、エネルギー利用に対する制約を避けるためのものであり、石特会計制度の趣旨に沿ったものだという判断をさせていただき、今回は必要な費用の一部を石特会計から歳出をさせていただくこととなっております。
  155. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ただいまの御答弁で、京都議定書達成しないことがエネルギー制約になるという御答弁だったわけでございますが、そういうふうなとらえ方をするんだなというふうに思っております。  続きまして、この京都議定書は二〇一二年までを目標としており、本年五月から、二〇一三年以降の在り方議論されるところであります。一三年以降のプロセスにおいて、議定書に参加していないアメリカを始め大消費国となる中国、インド、何らかの削減義務を負うことが期待されるわけでありますが、一方、我が国は、既に御議論ございましたように、二〇〇五年七月に発足したAPP、クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップの加盟国でもあり、こういう中国、インド、アメリカといった現時点で削減義務のない大消費国と連携が求められているわけであります。  そこで、二〇一三年からのプロセスを見通して、これらの国々との連携強化について副大臣決意のほどをお聞きしたいと思います。いかがでしょうか。
  156. 松あきら

    ○副大臣(松あきら君) 先生おっしゃるように、正にアメリカであり、中国であり、インドであり、ここは排出国、主要排出国ですけれども、一位、二位、五位でございます。こうした主要排出国の削減努力が必要なわけでございます。  これらの大排出国を含むアジア太平洋パートナーシップは、技術を軸とした協力を官民が一体となって進めて、地域で増大するエネルギー需要に対応することを目的としているわけでございます。今年一月の閣僚会合では、これは西野副大臣出席をさせていただきました。個別八分野についてタスクフォースが設置をされまして、既に参加六か国の政府とそれぞれの分野の民間企業が参加をしまして、具体的な活動について検討が始まっているところでございます。参加六か国で約五〇%排出しているわけですから、大変なものでございます。鉄鋼とセメントの分野につきましては、実は私どもの、当省の課長が議長をしております。こうした先端の環境エネルギー技術などを生かしまして、我が国協力をリードしているところでございます。今、実は十八日から二十一日までバークレーでこのアクションプランが議論されております、開かれているところでございます。  我が国といたしましては、京都議定書を補完する取組であるこのパートナーシップが有意義な取組として発展していきますように積極的に貢献をしてまいる所存でございます。
  157. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。  正にAPPはこの京都議定書を補完するというものだと思いますので、積極的にお願いしたいと思います。  もう時間となりましたので、最後に大臣にお聞きしたいと思いますが、昨年十二月に開かれました京都議定書締約国会合、COP11、またCOPMOP1の成果を我が国としてどう評価するのか、また今後どのようにして二〇一三年以降の枠組みにつなげていく御決意か、お聞きしたいと思います。
  158. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 気候変動枠組条約の第十一回の条約国会議におきまして長期的な協力についての約束がなされたことは、もう議員が御承知のとおりでございます。この対話の場をやはり大切にしてまいりたいと思っております。アメリカや主要途上国を含めてすべての条約締約国が参加し、将来の課題について対話することとなっております。地球規模で温室効果ガスの排出を削減するためには、主要排出国の削減努力が必要であります。この対話の場を通じ、またあらゆる国際会議、またバイの会談等を活用して、米国や中国を含むすべての国々に対して、特に主要排出国に対しましては国際交渉を早期に開始するということを目指しながら個々に当たっていく、それくらいの気構えが必要ではないかと思っております。
  159. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 終わります。
  160. 加納時男

    委員長加納時男君) 浜田昌良君の質問は終わりました。
  161. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 いわゆるその柔軟措置につきましては、るる皆さんの御議論を拝聴してまいりました。  そこで初めに、NEDOについて伺ってまいりたいと思います。重複する部分はお許しください。  政府によるクレジット取得をNEDOが一手に引き受けてやるわけなんですけれども、二〇〇五年三月の中央環境審議会の地球温暖化対策方向性に関する第二次答申によりますと、一つ目として政府による直接調達、二つ目として今回のような外部機関への委託、三つ目として他国や民間企業も出資参加する基金への一部出資を挙げているわけなんですが、今回のNEDOへの委託以外の方法は検討されてきたのかどうか、まずそれを伺って、また、多くのリスクが想定されているんであればNEDO以外にも複数の方法を講ずる必要はないのか、さらには、将来的にわたったその検討は加えているのか、この点から伺ってまいりたいと思います。
  162. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) まず、NEDOに委託する理由でございますけれども、NEDOは新エネルギーあるいは省エネルギーに関する技術開発でございますとか省エネ協力ということで実績がございます。それから、CDMあるいはJI事業についても、実際取得したケースもございますし、それからフィージビリティースタディーでございますとか体制整備の支援をしてきております。  したがいまして、NEDOは、こういう事業を通じまして専門的知見を有する人材がそこに育成されてきていると。それから、海外のネットワークでもそういう経験がございます。他国における、今先生お話しのように、いろんなリスクがございますけれども、そういうリスクを判断する、確かに財務的なところで補強する必要はございますけれども、いろんな知見を有する専門的能力があるというふうに考えておりまして、まず政府でございますけれども、これは環境省あるいは経済産業省という政策企画立案をやる省庁が自ら実施するよりは、こういう専門的な知見を有する独立行政法人に委託して行わせる方が効率的だというふうにまず考えております。  それから、外の金融機関あるいはファンドでございますけれども、政府クレジットを取得するに際して、一つはもちろん財政負担に配慮、適切に配慮しながら必要な量のクレジットを確保するということでございますけれども、もう一つは、我が国として地球規模での温暖化防止あるいは途上国の持続可能な開発への貢献ということが重要だと思っていますし、それからもう一つは、我が国の優れた省エネ技術を持つ企業が海外展開のチャンスというふうに考えておりますので、そういう活動がどんどん進んでいくということも期待すると、にも資するということだろうと思っております。  したがいまして、我々としては、単に外部の基金に、ファンドに出すと、出していくということではなくて、独自の取得制度を構築した方がいいんではないかと。  それから、今のリスクの点でございますが、リスクがありますので、やはり全体としてのポートフォリオを一貫して管理するということが必要ではないかというふうに考えております。  それで、この制度でございますけれども、二〇一三年度以降につきましては、将来枠組み議論を受けまして、先ほど副大臣からお話もございましたけれども、CDM制度全体がどうなるかというようなこともございますし、したがいまして必要に応じて見直していくということになります。したがいまして、第一約束期間においては、安定的、確実にクレジットを取得する体制として、今提案している体制がいいのではないかというふうに考えている次第でございます。
  163. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 午前中から何度も出てまいりましたが、再確認という意味で質問させていただきました。  さて、次に参りますが、二〇〇五年の京都議定書の締約国会合におきまして、CDM推進ということで具体的改善策が採択された中に、炭素隔離・貯留プロジェクト検討が挙げられております。この炭素隔離、新しい言葉ではないと思うんですが、諸外国、そして日本でのその実施状況をちょっと教えていただきたいと思います。
  164. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 炭素隔離あるいは貯留は、IPCC、気候変動に関する政府間パネルの特別報告書、これは昨年の九月の総会で採択された報告書でございますけれども、そこでも大気中温室効果ガス濃度の安定化における主要な対策一つだというふうに位置付けられております。我が国といたしましても、温暖化対策の重要な選択肢の一つだというふうに考えております。  で、このレポートの中にもございますけれども、現時点ではノルウェーでございますとかアルジェリアで、天然ガスの随伴二酸化炭素を地中帯水層に隔離するプロジェクトでございますとか、カナダで石油の増進回収を目的とする、二酸化炭素を油田に注入するというプロジェクトが商業ベースで実用化されております。これは技術的にいいますと、そういう天然ガスなり石油の増進回収というのは実用化のレベルに達しておりますけれども、燃焼後回収するとかですね、工業的に分離するというのは難しいようでございます。  我が国では、地球環境産業技術研究機構、RITEと言っておりますが、そこが主体となりまして、私どもの補助事業として二酸化炭素を地中帯水層に隔離する実証実験を行っています。既に一万トンの二酸化炭素を地中帯水層に圧入してモニタリング、これはどういうふうな影響があるかというようなこともございますので、モニタリングを継続しています。  先生お話しのとおり、私どもとしても、炭素隔離あるいは貯留プロジェクトの実用化に向けて研究開発を進めていきたいというふうに考えております。
  165. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 国内で行っている実証試験の場所というのは公表できるんでしょうか。
  166. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) ちょっと手元であれですけど、長岡で……
  167. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 岩野原。
  168. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) はい、岩野原でやっていると承知しております。
  169. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 次もこの炭素隔離・貯留プロジェクトをちょっと伺ってまいりたいと思うんですが、CDMとして貯留プロジェクト、認めるルールづくり状況について伺いたいと思います。あわせて、日本にとっての有効性と、課題がもしありましたら課題などもちょっと伺いたいと思います。
  170. 肥塚雅博

    政府参考人肥塚雅博君) 先ほど申し上げましたように、私どもとしては、IPCCの特別報告書にもあるように、地球温暖化対策の重要な選択肢の一つだというふうに考えています。その報告書では、世界じゅう、世界で二酸化炭素換算で約二兆トンの排出削減の可能性があるなんという推計もございます。  他方で、我が国の企業は世界に優れた二酸化炭素分離技術を持っております。したがいまして、CDMを活用してこういう優れた技術を途上国に展開して炭素隔離・貯留のCDMプロジェクトを促進するということは、地球温暖化防止に大きく貢献できると考えております。それから、先ほどから御議論がありますCDMプロジェクトの拡大という意味でも非常に意味があるというふうに考えております。  したがいまして、昨年末の締約国会議で我が国も積極的に働き掛けをいたしまして、炭素隔離・貯留プロジェクトを、先ほど申し上げましたCDMのいろんな供給拡大といいますか、制度、ルールづくりの一環として認めることについて検討を開始するということが決定されております。この決定を受けまして、私どもとしては、炭素隔離あるいは貯留プロジェクトCDMとして実施するに当たってのいろんな技術的な課題についての検討をするワークショップをパリで開催するということを検討しているところでございます。  こういう締約国会議の決定がございますので、炭素隔離なり貯留プロジェクトCDMとして認められるように、関係国とも協力しながら、国際的に積極的に働き掛けていきたいというふうに考えております。
  171. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 次の質問をします。  日本のCO2排出量の部門別では、やはり産業部門が最も多くて、民生部門、運輸部門、エネルギー転換部門と続いておりますけれども、伸び率からしますと産業部門ではなくて運輸・民生部門で、言わば直接的に生活にかかわるところだというふうに認識をしています。  私、去年の委員会でもそうですが、かねがね新エネルギー推進を機会あるごとに述べさせていただいておりますが、今正に積極的に推進すべきときではないかと思います。さきに出されました新・国家エネルギー戦略でも、石油依存度の引下げ課題で新エネルギー産業の確立を目指すとしておりまして、運輸部門での燃料電池開発導入など積極的な推進が掲げられていると思っております。また、アメリカ・ブッシュ大統領、今年一月の一般教書演説でも環境と調和した社会を表明するなどブッシュ大統領もこれを表明しまして、今、正に時代の要請ではないかと思われます。  そこで、新エネルギー、いろいろと今日も御議論出ましたけれども、積極的な推進導入についての所見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
  172. 高原一郎

    政府参考人高原一郎君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、新エネルギーエネルギーの安定供給あるいは地球温暖化対策という観点から非常に重要でございまして、官民を挙げてその開発導入に取り組むということにしておることでございます。  例えば、今、御例示ございましたけれども、水素社会の扉を開く燃料電池といったものにつきましては、先ほど幾つか例を申し上げましたけれども、自動車でございますとかその他について技術開発に万全を期すようにしておりますし、太陽光発電につきましては我が国の非常にこれは産業力が強いということで、世界で現在累積の設備量第一位でございますけれども、冠たる地位を築いておるわけでございます。また、このほか、新エネルギーの普及を進めていくには民間の新エネルギーに対する意識の高さと、例えば太陽光発電などが進みましたのは、そういうこともあったんだろうと思っております。  いずれにいたしましても、新エネルギー重要性ということを考えれば、これに安住することは許されないわけでございまして、更に民間、政府、産官学で一層の努力というのが必要だろうと思っております。  新エネルギーにつきまして、やはり共通の問題の一つはコストが高いということでございますので、例えば光発電につきましても太陽光発電につきましても、このコストを二〇一〇年、二〇二〇年、二〇三〇年といって段階的に革命的に下げていくという努力を続けたいと思っておりますし、またバイオマスのようなものにつきましても、我が国は決してこれは賦存量が高いわけではございませんけれども、輸入の可能性を探ったりとか、あるいは国産のバイオマス地産地消的な利用の仕方を推進をしていくといったようなことで取り組んでいきたいと思っております。  いずれにいたしましても、本年五月をめどに取りまとめ予定の新・国家エネルギー戦略の中でも新エネルギーというものをしっかりと位置付けて推進をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  173. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 この新エネルギーに関しては、風力、太陽光、いろいろと組み合わせて、それから、バイオマスを組み合わせ、青森県八戸市ではマイクログリッド、世界初の実験なども行われておりますので非常に期待をしたいと思う部分です。  これ、今、新エネにちょっと関係してお話ししますが、環境先進国として注目されているドイツは、日本よりはるかに高い二一%の温室効果ガスの削減目標を掲げまして、二〇〇三年で既に一八・五%を削減させています。この背景にはやっぱり、今お話に出ましたように、風力とか太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーの積極的な利用が挙げられると思います。また、建物の省エネ化でありますとか、リサイクルの徹底でありますとか、都市中心部への乗用車の乗り入れ規制など、大いに参考にすべき政策が見られると思います。  一方、太陽光は、今御紹介いただいたように日本が一位ですよね。風力ではドイツが一位、バイオマス日本とドイツとほぼ同じと。ともに新エネルギーに対する取組は進んでいると思うんですが、環境に対する国民意識の部分になりますと、ドイツがかなり高いんじゃないかなと思います。それは、チェルノブイリの原発事故、イタリア・ミラノのダイオキシンの放出事故など、近隣諸国の汚染事故にさらされた違いがあるからこうした意識がまた違うのかもしれませんが、やはり環境意識の違いが温室効果ガスの排出抑制の高さにつながるように思います。  そこで、大臣の御所見を、国民意識の高揚といいますか、環境に対する意識の高揚につきまして御所見を伺いたいと思います。
  174. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 地球環境や省エネルギーの問題につきまして、国民意識の向上が何よりも重要だという御指摘であろうと思います。  私ども、この地球温暖化問題を改めて考えてみますと、経済活動、社会活動の中で極めて重要な意味合いを持つ、あるいは国民生活全般に響くものでありますが、とりわけ私は、もし、我が国環境問題にお互いに合意をして取り組んでまいりましたその以前の状況を考えてみますと、恐らく公害問題によって国民の健康は侵され、企業と地域との対立が深まり、抜き差しならないような状況になったのではないかということを思いますときに、当時の環境庁を中心とする関係者皆さん努力というものに対して改めて私は敬意を表すべきだと思っておるわけであります。  したがって、今、国及び地方公共団体、そして事業者皆さん国民皆さんのすべての方々が主体的に、自分が主人公としてこの問題に取り組む必要が極めて重要だと思っております。議員も御承知のとおり、今の時代は何をするにも国民皆さん協力がなくてはなりませんが、とりわけこの環境問題につきましては、国民皆さんの積極的な御参加、賛同、心の底から協力、協調しようというお気持ちをちょうだいしなければ私は事は成功しないと思っております。  このため、環境省とも私たち協力をしながら、チーム・マイナス六%というスローガンの下に国民意識の向上に機会あるごとに取り組んでまいりたいと考えております。省エネルギー対策としては、夏と冬の省エネキャンペーンの実施等に取り組んでおるわけでありますが、今後とも地球温暖化対策省エネルギー対策における国民意識の向上に取り組んでまいりたいと思いますが、特にこの問題に関しては環境省が中心になって取り組まれるということが常識になっておりますが、私どもはその常識を破って、経済産業省がもっと前に出て、この問題に対して積極的な御協力環境省にも、また関係の活動家の皆さんにも私たちはその範を示していかなくてはならない。これは経済産業を担う私たちの役所の使命であろうと考えておるところであります。
  175. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 ありがとうございました。  余りいい例えじゃないんですけれども、かつてのオイルショックのときには国民はみんな節約、我慢しようというところで一体感を持ちましたけれども、今度の環境については、地球全体、地球人の一人として、そういう観点で国民皆さん一人一人が意識を高める。そして、経済産業省がリーダーシップを取るんであれば、やればできるという、こんなキャッチフレーズも是非何か掲げながらやっていくと、国民皆さんと一緒にこの環境に対する関心を持っていただいて、環境に対するいろんな施策が生きてくるんじゃないかと思います。  ありがとうございました。質問を終わります。
  176. 加納時男

    委員長加納時男君) 鈴木陽悦君の質問は終わりました。  他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  独立行政法人エネルギー産業技術総合開発機構法及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  177. 加納時男

    委員長加納時男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、若林秀樹君から発言を求められております。これを認めます。若林秀樹君。
  178. 若林秀樹

    ○若林秀樹君 私は、ただいま可決されました独立行政法人エネルギー産業技術総合開発機構法及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派並びに各派に属しない議員鈴木陽悦君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     独立行政法人エネルギー産業技術総合開発機構法及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   京都議定書に定められた温室効果ガス排出削減義務を確実に履行するため、政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 地球規模での効果的な温暖化対策を実現する観点から、京都議定書第一回締約国会合の合意等を踏まえ、米国や中国、インドを始めとした途上国の参加する共通の枠組みを構築し、温室効果ガスの排出抑制に取り組むよう、我が国は国際的なリーダーシップを発揮すること。  二 京都メカニズムの活用に当たっては、クレジット価格及び取得に付随するリスクを適切に評価し対応すること。  三 温室効果ガス排出削減のための国内対策を着実に進めることが原則であることを踏まえた上で、京都メカニズムを活用し、途上国を始め広く各国に我が国の優れた省エネルギー・新エネルギー技術の普及を図り、我が国産業の振興と世界規模での環境・資源対策に資するよう努めること。  四 京都議定書における我が国温室効果ガス削減目標達成に向け、また、原油価格高止まり等の現状を踏まえ、産業・民生・運輸部門における省エネルギー・新エネルギーの普及・開発を促進すること。    これらの施策を講じるに当たっては、必要な予算を十分に確保すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  179. 加納時男

    委員長加納時男君) ただいま若林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  180. 加納時男

    委員長加納時男君) 全会一致と認めます。よって、若林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、二階経済産業大臣から発言を求められております。これを認めます。二階経済産業大臣
  181. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
  182. 加納時男

    委員長加納時男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  183. 加納時男

    委員長加納時男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時一分散会