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2006-03-30 第164回国会 参議院 環境委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年三月三十日(木曜日)    午前十時三分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         福山 哲郎君     理 事                 関口 昌一君                 橋本 聖子君                 岡崎トミ子君                 鰐淵 洋子君     委 員                 大野つや子君                 狩野  安君                 西田 吉宏君                 真鍋 賢二君                 矢野 哲朗君                 足立 信也君                 大石 正光君                 小林  元君                 広野ただし君                 加藤 修一君                 草川 昭三君                 市田 忠義君                 荒井 広幸君                 田村 秀昭君    副大臣        環境大臣    江田 康幸君    大臣政務官        環境大臣政務官  竹下  亘君    事務局側        常任委員会専門        員        渋川 文隆君    政府参考人        人事院事務総局        総括審議官    出合  均君        総務大臣官房審        議官       田中 順一君        文部科学大臣官        房審議官     藤田 明博君        厚生労働大臣官        房技術総括審議        官        外口  崇君        環境省総合環境        政策局長     田村 義雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○独立行政法人国立環境研究所法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  独立行政法人国立環境研究所法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、人事院事務総局総括審議官出合均君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 独立行政法人国立環境研究所法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 大野つや子

    大野つや子君 おはようございます。自由民主党大野つや子でございます。  今回の法改正について質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  まず初めに、今回審議にかけられております独立行政法人国立環境研究所法の一部を改正する法律案は、独立行政法人通則法に基づき、国立環境研究所の五年間の中期目標期間が本年度で終了するため、研究所組織業務全般について見直した結果の一部として提出されたものと承知いたしております。  そこで、研究所役職員身分の非公務員化について質問を行う前に、まず今回の見直し作業全体からの視点として、過去五年間に研究所がどのような成果を上げられたのか、また、そうした業績を環境省としてどう評価しているのかについてお答えいただきたいと思います。
  6. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) お答え申し上げます。  国立環境研究所は、御承知のように、地球環境問題あるいは廃棄物問題を始めといたします今日の環境問題を解決し持続可能な社会を構築するために、環境行政との連携を図りながら、その基盤となる環境研究を総合的に推進していることにより質の高い成果を上げていると考えております。  最近の研究成果ということでございますが、例えば研究所で開発いたしました地球温暖化影響あるいは対策効果に関する予測モデル、これは我が国温暖化対策検討に活用されるとともに国際的にも認められました。例えばIPCC、これは気候変動に関する政府間パネルのレポートに活用されているという例を挙げることができようかと存じます。また、有害化学物質生体影響評価とか、あるいは循環型社会形成のための我が国におきます物質循環の分析とか、あるいは自動車からのディーゼル粒子の発生から大気放出までの過程の測定によります自動車排気ガス規制のための基礎データ提供等を行いまして成果を上げているところだと存じます。  環境省といたしましては、これらの成果は今日の環境行政ニーズに即して極めて重要な役割を果たしているものと高く評価をしているところでございまして、また、環境省独立行政法人委員会平成十七年度に行いました業務実績に関する四年間のこれは暫定的な総合評価でございますが、その中におきましてもSABCDの五段階のうちA評価になっておりますし、幅広い環境研究に学際的にかつ総合的に取り組む我が国唯一国設研究所として高い評価を得ていると考えておりますし、また、総合科学技術会議からも独立行政法人研究機関の中でトップクラスの評価を得ていると、そのように考えております。
  7. 大野つや子

    大野つや子君 ありがとうございます。  ただいま国立環境研究所が果たしてきた役割とその評価を伺ったわけでございますが、御説明のように、環境問題が多様化、複雑化している中で重要な役割を果たしてきておるということでございます。  実績も上がっている国立環境研究所をなぜ非公務員型の独立行政法人に移行させることとしたのか、その理由を政務官からお聞かせいただきたいと思います。
  8. 竹下亘

    大臣政務官竹下亘君) 御指摘いただきましたように、環境問題がますます多様化、複雑化している中で、国立環境研究所の果たしてきた役割使命というものは正に一層重要になっておるということは共通の認識でございます。  他方、独立行政法人制度全体におきましては、各法人中期目標期間の終了の都度、民間にできることは民間にといった構造改革基本理念の下に組織業務全般見直しを行うことと、こうなっております。その一環といたしまして、効率的な運営を確保する観点から、現在、独立行政法人役職員身分を非公務員化するという作業政府全体で進められているところでございます。  国立環境研究所につきましても、検討の当初は、先生が御指摘いただきましたように、例えば職員モラルに与える影響ですとか、大災害など緊急時に危険物が流れ出ないかどうか、そのときにどうするんだといったような緊急時の対応等への懸念も確かにありました。しかし、これらにつきましては必要な措置を講ずることによって対応が可能である。例えば、みなし公務員という規定を入れる、あるいは秘密漏えいを防ぐ、さらには緊急時には大臣がきちっと命令が、調査をしなさいという命令ができるような仕組みを取り入れることによって対応は可能であると考える次第でございます。  というより、むしろ非公務員型の独立行政法人に移行することによりまして、民間を含めた内外研究機関との研究あるいは人事交流というものがより一層促進されるといったようなことを通じまして研究所の効率的な運営が確保されるというメリットの方、これを積極的に評価をしていくことによりまして、今日御審議をいただいております法案にありますように、非公務員化することが適当であるという結論に至ったものでございます。御理解をよろしくお願いを申し上げます。
  9. 大野つや子

    大野つや子君 ありがとうございます。  もう一問、大臣政務官にお聞きいたしたいと思います。  環境研究は、環境行政推進していく上で必要となる科学的基盤となるものであり、環境行政と密接に連携を取って進めていくことが必要だと私も考えております。  一方、今回の見直しにより役職員が非公務員化され、国からの独立性が更に高まった結果、環境省政府の関与が薄くなり、研究成果環境行政ニーズから離れたものになってしまうのではないかというような懸念もされております。そうしたことにならないためにも、国立環境研究所研究は、より密接で機動性の高い連携行政とともに進めていくべきだと考えておりますが、この点、政務官のお考えはいかがでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
  10. 竹下亘

    大臣政務官竹下亘君) 御指摘いただきましたように、連携はこれからも更に密接にしていかなければならないと考えております。  国立環境研究所研究環境行政との連携につきましては、これまでも、環境大臣による中期目標の設定、この中期目標に基づいた研究所による中期計画の作成、そして、先ほど田村局長がお答えをいたしましたように、独立行政法人評価委員会による研究所業務実績評価、さらには研究所環境省の間での様々なレベルでの意見交換などを通じまして密接な連携をこれまでも確保してまいりました。その結果、国立環境研究所我が国環境行政の科学的、技術的基盤提供する機関として重要な役割を果たしてきておりますし、これからもその役割はますます重くなるという思いも一方で持っております。国立環境研究所が引き続き環境行政に貢献していくためには、例えば行政ニーズに応じて研究業務の一層の重点化を行うことが大きな課題であると、こう考えております。  環境省といたしましては、現在検討いたしております次の中期目標において適切な指示を出すことによりましてそうした重点化が可能になるものと、こう考えております。今後とも、このような連携を維持強化していくことによりまして、環境行政の技術的、科学的基盤をしっかりと固めていきたいと、このように考えております。
  11. 大野つや子

    大野つや子君 ありがとうございます。よろしくお願いをいたします。  国立環境研究所における今後の取組についてお伺いしたいと存じます。  各国における環境研究を見ても、民間を含めた内外研究機関との交流は大変活発になってきており、政策判断もその上に立って迅速に行わなければなりません。その中で、我が国唯一の公的な総合環境研究機関である国立環境研究所役割は現在にも増して重要になると考えております。  そこで、まず本年の四月から始まる新しい中期計画において、国立環境研究所はどのような取組を重点的に進めていくこととしているのかについて御説明いただきたいと思います。
  12. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 現在、国立環境研究所が作成しております、ただいま御質問次期中期計画でございますが、これにおきましては、環境研究を重点的に推進すべき分野として、これまでは六つの重点研究分野と二つの政策対応型調査研究、八つの項目を重点的に扱っておったわけでございますが、今後、この次期中期計画におきましては四つ重点研究プログラムにこれ絞り込みまして、具体的には、地球温暖化循環型社会、あるいは環境リスク、そしてアジア自然共生と、この四つに絞り込みまして、資源を集中させるなどいたしまして環境研究をより戦略的に推進して、今後とも我が国の中核的な環境研究機関といたしまして国内外環境政策に貢献することといたしているところでございます。  また、この今申し上げた四つ以外にも、予防的、予見的観点からの先導的、基盤的な調査研究であるとか、あるいは国立環境研究所のリーダーシップによります内外環境研究機関との連携協力推進、あるいは国内外環境情報の体系的な収集整備及びこれらを分かりやすく加工した情報提供、こうした業務を行うとともに、一方で徹底した業務運営効率化を図るということを中期計画に盛り込む予定でございまして、次期中期目標中期計画につきましては、これまで環境省独立行政法人評価委員会意見を聞くなどして検討を進めておるところでございまして、お話ございましたように四月一日から次期中期計画期間が始まることも踏まえまして、ただいま御審議いただいております国立環境研究所改正法案が成立次第、その結果を取りまとめ公表すると、このようなことにいたしております。
  13. 大野つや子

    大野つや子君 ありがとうございます。  次に、独立行政法人では、研究の質を向上させることのほかに業務効率化を図ることも重要な課題と認識しております。人件費削減など、今後も財政的に厳しい状況が想定されますので、それに対応する意味でも業務効率化は不可欠でございます。研究水準レベルを高める必要性は言うまでもなく、データ収集能力基礎研究の充実も図りながら業務効率化を図るというのは大変難しい課題だと思いますが、研究所では来年度以降どのように取り組んでいくのか、そのお考えをお聞かせください。
  14. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) お答え申し上げます。  国立環境研究所は、平成十三年の四月に独立行政法人化されて以来、業務運営効率化に努めてきているところでございますが、御指摘のとおり、厳しい財政状況の中で環境政策科学的基盤提供するというこの国環研役割を十分果たしていくためには、まず研究に切磋琢磨していくということはもちろんでございますが、それとともに業務効率化に今後ともやはり力を入れていかなければならないと認識しているところでございます。  このため、十八年四月から開始されます次期中期目標期間におきましても、例えば文書、会計処理あるいは施設の運用等業務におきまして効率化を進め、運営費交付金につきましても、人件費は五年間で五%以上、業務費のうち保守管理業務費光熱水費等一般管理費につきましては毎年度三%以上、研究業務を含むその他業務については毎年度一%以上、それぞれ削減を目指すこととしているところでございます。  このように、次期計画に基づきまして国環研におきましては様々な取組を進めていくことになりますけれども、環境省といたしましても、毎年行われております独立行政法人評価委員会における業務実績評価等を含めまして、その状況を見守りながらこの問題に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
  15. 大野つや子

    大野つや子君 ありがとうございます。業務効率化研究の質の低下を招かないようにしっかり取り組んでいただきたいと思います。  それでは、大臣にと思っておりましたが、緊急な御入院ということでございます。一日も早い御全快をお祈り申し上げ、副大臣質問をさせていただきたいと思います。  我が国環境研究全体について質問をいたしたいと思います。  一般的に、科学研究を効率的、効果的に推進していくためには、産業界大学研究機関、また国や地方公共団体研究機関との間、つまり産学官の間で十分な連携を取っていくことが今後ますます必要となってまいります。そのことは環境研究においても同様に重要な点だと考えますが、そうした点を踏まえまして、国立環境研究所における今後の研究の在り方、我が国における環境研究進め方などについて御見解をお聞かせください。
  16. 江田康幸

    ○副大臣江田康幸君) 先生の御質問にお答えする前に一言。  本日は、大変重要な御審議にもかかわらず、大臣緊急入院ということで大変先生方には御迷惑をお掛けしております。にもかかわらず、皆様方の、与野党の先生方の御了解、御理解をいただきまして御審議させていただいておりますので、一言御礼を申し上げます。ありがとうございます。  先生の御質問にお答えさせていただきます。  今後、ますます多様化、複雑化するこの環境問題の解決に向けて環境研究の更なる推進を図っていくためには、国環研国立環境研究所などの研究機関を含めまして、先生指摘のように産学官が十分に連携して戦略的な視野を持って取り組んでいくことが重要でございます。  国立環境研究所は、これまでも地球温暖化問題やスリーR、廃棄物処理問題など、様々な研究分野において我が国の中核的な研究機関としてその役割を果たしてまいりました。さらに、今回の非公務員化を契機としまして、民間企業大学との人事交流研究交流促進等研究実施体制自由度が高まるそのメリットを最大限に生かしまして、産学官連携による一層の研究促進に努めていくことが重要であるかと思います。  また、環境研究全体の今後の戦略的な進め方を明確にするために、今月末に、中央環境審議会におきまして環境研究環境技術開発推進戦略についての答申を取りまとめることになっておるところでございます。環境省としましても、この答申内容を踏まえて、競争的資金を活用した産学官一体となった環境研究の戦略的な展開を図ること等によって環境研究の一層の推進が図られるように努力してまいる所存でございます。
  17. 大野つや子

    大野つや子君 ありがとうございました。  これで質問を終わります。
  18. 足立信也

    足立信也君 民主党足立信也でございます。  本日は、たった一日しかないこの法案審議、私も大臣に対する質問を八問、昨日通告させていただきました。  先ほど簡単に委員長の方からお話がございましたけれども、やはり私としては多少腑に落ちない、多少じゃないですね、腑に落ちない面がございますので、確認いたしたいと思います。  まず、委員長質問という形になるかと思いますが、法案審議、一日の予定質疑から討論、そして採決と、これを大臣が欠席して、あさってから施行される予定だと。こういう形態は今まで前例があるんでしょうか。
  19. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 委員部調査を今している最中でございますが、日切れ法案日切れ法案ではないにかかわらず、委員会の当日に大臣入院をされて委員会が開かれたというか、こういった例は今まで、今のところ調査中でございますが、ないと聞いております。
  20. 足立信也

    足立信也君 前例はどうもないようだということでございます。  では、責任の問題について伺わしていただきます。  あさってから施行ということですが、大臣不在のまま副大臣が代わって答弁なさる。その内容あるいは表現によっては、人、人、それぞれ皆さん違うでしょうが、そのことに対して大臣がすべて責任を持つ。しかも、あさってから施行された後も、大臣答弁に基づいて国民は理解し、私たち理解をし、その事柄が得られないまま副大臣発言をそのまま大臣発言とみなしてやること自体、責任を全うしたと、あるいは全うしていると言えるんでしょうか。  例えば、我々同僚の参議院議員の田氏、御病気だと分かってはおりますが、本会議採決の際には必ず出席なさいます。歩行が困難な場合は代理人が記名採決しております。  責任問題として、前例のないことを今日やろうとしている。しかも、その日程の変更も提案されていない。大臣不在のところで討論をして、採決をしていいんですか。見解をお伺いさしていただきたい。
  21. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 足立信也君、今のは副大臣に対する質問でよろしいですか。
  22. 足立信也

    足立信也君 まずはそうです。
  23. 江田康幸

    ○副大臣江田康幸君) 先生指摘のとおり、国環研法、大変に重要な審議でございます。そこに、緊急入院でございますが、大臣不在の下で御審議をしていただく、その内容等について、質疑応答等について、大臣不在ではございますが、副大臣が全責任を持って政府として対応をしてまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
  24. 足立信也

    足立信也君 今、副大臣責任を持ってということをおっしゃったんですか、これが一点と、それからもう一点は、では、予定されている審議日程、これは変更する予定はないという、この点は委員長でしょうか。それとも、そこまですべて協議された、理事会協議された後ということでしょうか。
  25. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 足立委員、もう一度、申し訳ありません、お願いします。
  26. 足立信也

    足立信也君 一点は、今御発言で、副大臣責任を持つという発言されたようにお聞きしました。それはこの法案施行後、それも含めてという話なんでしょうか、それが一点。もう一点は、本日の審議日程先ほど討論、それから採決まで含めてということを申し上げましたが、その予定は変えないという前提でこの委員会が持たれているのかどうかを確認したいと、その点です。二点。
  27. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) この委員会採決に至るまでは理事会協議をして決定をさしていただきました。(発言する者あり)  委員の方々で不規則な発言をせずに、民主党からそのような協議がある場合には、民主党理事を通して委員長に述べていただきたいと思います。
  28. 江田康幸

    ○副大臣江田康幸君) 今、足立先生の御質問にお答えいたしますが、大臣等の緊急で不在する場合、大臣不在する場合におきましては副大臣をもってこれを代行するということでございますので、この責任を持つということでございます。
  29. 足立信也

    足立信也君 先ほど、一部分まだ答えがないかもしれません。それは施行後も含めてということですか。
  30. 江田康幸

    ○副大臣江田康幸君) そうでございます。
  31. 足立信也

    足立信也君 理事会決定されたこと、当然私たちの党からも理事出席しておりますし、私は理解いたしました。了解かどうかはまた別として、理解いたしました。  ですから、どうしても、私だけではなくて、他の委員大臣に直接聞きたいという事柄が昨日も通告されていると思いますが、本日もあるんではないかと思います。是非、この点に関して、足りないと、あるいは大臣に直接お聞きしたいということがあった場合の委員会開催について検討をよろしくお願いいたしたいと、まず。
  32. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 後刻理事会協議いたしたいと思います。
  33. 足立信也

    足立信也君 ちょっと質問の通告の内容からかなり割愛させていただきたい、そのように思います、時間の関係もございますので。  まず、大野委員からもありましたように、基本考え方ということでもう一度だけ言っておきます。  昭和四十九年に国立公害研究所、これは我が国唯一環境分野国設研究所である、それが平成十三年に独立行政法人国立環境研究所になったということですね。平成十五年八月の閣議決定で、国家公務員身分を有しない者が担う場合にどのような問題が生じるのかを具体的かつ明瞭に説明できない場合、特定独立行政法人以外の独立行政法人とすると。つまり、デメリットがないんだということがはっきり証明といいますか、対策をきちっと出されているという前提があれば非公務員型に移行するという閣議決定がなされているわけです。そして昨年六月、経済財政運営構造改革に関する基本方針二〇〇五、これでは独立行政法人を含む公的部門人件費を抑制、運営費交付金を見直すと、この流れで今回の法案が提出されていると、そう理解しております。  そして、衆議院では、会議録読みましたが、どうも大臣及び政府参考人答弁は、期待されるメリット、これをかなり強調されておりまして、人事交流促進により効率的な業務運営が進むということを積極的に評価すると、実態よりも更に期待して評価するという意味だと思いますが、期待感が一杯なんですね。  その中で、私は先ほど言いましたように、デメリットを払拭しなきゃこの非公務員化に変えるということは成り立たないわけで、環境研究所職員からの指摘、九項目デメリットと思われることが挙げられております。私はその資料を整理して、大体九項目に分けられるんだろうと思いました。それを今回はすべて質問通告してあるんですが、その部分は、重要なこと以外は割愛させていただきます。  まず、先ほどモラルの件がございました。モラルと同等に使命感というものがあります。使命感が低下するんではないかと。大臣は、幾つかの懸念に対して対応策が見付かったから移行するんだということを話しているわけですね。ところが、会議録を読みましても、あるいは法案内容を見ても、使命感が低下する懸念に対する対応策というのは具体的に一度も語られてないんですよ。この点については、その使命感というのは環境研究所使命ですね、環境政策の企画立案、各種基準の設定に当たって必要となる科学的基盤提供する、この使命感ですね。この点の対応策というのを具体的に教えてください。
  34. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) ただいま委員からお話ございましたように、国環研を今回非公務員型の組織に変える際に当たって、そのメリットデメリットを比較考量していったわけでございます。そして、デメリットにつきましては、先ほど政務官からも御答弁申し上げましたように、それらについては今回の規定の中にも講じる様々なことによってこれを解決できると。むしろ非公務員型のメリットを今おっしゃられたように積極的に評価して、そして変えるという結論に至ったわけでございますが、今の御質問使命感の低下ということが懸念されるということだと思います。  これに対する対策でございますが、まず環境問題自体が、もう御承知のとおり、ますますこれから多様化して複雑化していく中でございますので、この国立環境研究所国環研使命役割はますますこれからも一層重要になっていくんではないかと思います。それは組織公務員型から非公務員型に変わったということがあってもその重要性は変わることはないと、そのように考えております。  また、独立行政法人自体、もちろんこれからも独立行政法人であり続けるわけでございまして、独立行政法人は正に法律上、公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業を行う法人で、極めて公的性格が高い法人でございますから、引き続き、独立行政法人であります国立環境研究所というのはその意味でも高い公益性を有していると思います。  環境問題がますます重要になっていくこと、そして独立行政法人としてあり続けること、そしてこれまでもそうした研究所役割を自覚して、高い使命感を持って研究活動に従事してきた職員の方々も今後ともその使命感を維持し続けるものと、私どもはそう考えておりますし、また、国環研におきましては、今回の組織改正に当たりましても、職員への情報提供、あるいは何回にもわたる説明会、あるいは活発な議論等を通じまして本法案に御理解いただくよう努めておりまして、これによりまして、従来同様高い使命感を持って研究活動に従事していただけるのではないかと、そのように考えているところでございます。
  35. 足立信也

    足立信也君 私は具体的な対応策と言ったんで、期待していますとか、そのまま継続していただけるんではないかと、そういうことを期待して質問したわけではないですね。  具体的なことをちょっと、ちょっとだけ挙げさせていただきますと、特定機能病院とかは、理念を掲げること、そしてそれを訪れる方、職員の必ず目に付くところに掲示すること、そしてそれを復唱するといいますか、そういうことを具体的に言われている。これは一つの例として挙げさせていただきます。  ただ、具体的な対応策を挙げてくださいという質問に対して、具体的な対応策は私はなかったと今思います。でも、次に行きます。  二番目は、争議権行使による業務の停滞の懸念。これは飛ばします。  次に、身分保障。解雇された場合は解雇後に裁判を行わないと雇用が確保されない、そういう問題があります。これも飛ばします。  私、国立大学に勤めておりましたので、独立行政法人、国立大学法人になって一番問題になっている点です。労働基準法が適用になる。労働保険料、雇用保険料、この十八年度の見積りはいかがですか。
  36. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 十八年度国立環境研究所に対します運営費交付金の算定の中におきまして、今御質問の、雇用保険料事業主負担分として約二千六百万円、また労働災害保険料事業主負担分として約一千百万円を計上しているところでございます。
  37. 足立信也

    足立信也君 人数の関係あります。大学なんかですと何万という形になってきますので。  要は、運営費交付金を減額していくことが、先ほど答弁にもありました、今後の方針だと。さらに、雇用保険料、労災保険料を払わなければいけない。そしてまた、研究費はきっちり確保するんだと、そうおっしゃっています。となると、減っていくのは人件費ということなんですね。  そこで問題なのは、人件費が減っていくということは、非常勤、あるいは期間付任用、あるいは嘱託、そういった非正規雇用への、最近話題になっておりますけど、非正規雇用へできるだけ移行していきたいのか、あるいは、そのおそれは非常に強いんじゃないかと私は思いますけれども、その方向性しかなかなか浮かばないんではないかと思いますが、この点はいかがでしょう。
  38. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 申し上げましたように、運営費交付金の算定におきまして人件費を計上する際に、御質問のありました雇用保険料事業主負担分、そして労働災害保険料事業主負担分も当然考慮されておりますし、そういうことをきちっと別途計算してその中に含めますので、これが入ったからといって給与の分が減るというものではないと思います。  ただ、いずれにいたしましても、こういう状況の中できちっと運営費交付金を確保していく、そして必要な額はきちっと確保していくというのは私どもの役目でもあります。そのように考えておりますが、一方、今お話があった、常勤から非常勤等の方に移行がどうしても懸念されるというお話でございますけれども、現在、国立環境研究所で作成中の就業規則の、まだ作成中でございますが、この案におきましては、例えば服務規律違反に対する懲戒処分とか、あるいは通常認められております様々な解雇の事由、こういうものについては規定をしておりますけれども、いわゆる正規職員を非正規職員に移行させるような取扱い、そういった規定は設けないと聞いておりますし、何か意に反して正規職員を非正規職員にするようなことはないと、そのように考えております。
  39. 足立信也

    足立信也君 私、国立大学の講師だったとき、九年間ですけど、それと今国立大学法人になってからの意見を聞きますと、任期付雇用が増えている、そして成果を求められる。当然といえば当然なんですが。研究所あるいは教育機関にとって大事なものというのは、人が人を育てるということなんですね。私は、教育研究という使命がありました。それ以上に大きな使命は、私は外科医ですから臨床面をきちんとやるんだという三つの使命があったわけです。忙殺されて、私自身の反省としては、学生と接する時間が非常に持てなかった、これではいい学生を育てられないなと今反省の気持ちがあるんです。人間教育としてできなかった。研究者を育てることの大切な一つとして、若手の研究者を自分が育てていくことにより研究者として更に一段高いところに行くんだということなんですね。これが任期付雇用あるいは非正規雇用、成果を求められる、ゆとりはない、これは教育研究に対して大変な荒廃を招くと思っています。  私、国立大学の講師だったと言いましたが、年間の研究費、年間ですよ、四十万ですよ。それが国立大学法人になって二十万ですよ。これで研究を全部、教育も含めて賄えと。学生の面倒をどうやって見ていったらいいのかと、研究費は関係ないですけど、ゆとりがないんですね。この点を強く、私は、この日本が研究教育面で頑張っていかないと立ち行かないだろうと思っていますから、その点、先ほど申し上げましたように、民間のように非正規雇用が進んでいく、その事態は何としても避けないと難しいんではないかなと思います。  先ほど触れましたことの中で、能力主義、成果主義などの競争原理が大分、大幅に入ってくるんではないか、そのように思います。当然そうなると思います。  そこで、資料一をごらんください。カラーで、カラーコピーは大変だから困るって前回、大石議員ありましたが、高いカラーコピーです。これ、何だと思いますか。私もこれ見たときに、あれ何だってこう聞いたんですけど、実は風車なんです、ダリウス・サボニウス型という。この前小林議員がこの点について説明されていました。真ん中にあるドラムのようなのが、これがサボニウス型です。これが非常に風速が弱いときでも始動、回り始めるんですね。そして、外側にあるダリウス型で回転を維持するんです。外側にあるのは、これはプロペラ型しているんですね。直径五・三メートルです。カラーで撮ったのは、下の方の旗を見てほしいんですね。これ、つくば市の市旗、国旗、校旗、たなびいていますね。これ、十分間、風車は全然回ってないんですよ。  なぜ私これ出したかというと、これ成果主義のことを言いたいんですが、国立環境研究所から一番近い小学校なんです。その中間に私の家があるんです、関係ないですけど。これ日曜日撮ってきたんですけど、そのことなんですけど、成果主義に結び付けて、これは、環境省が指定した補助事業を十個選んだわけで、そのうちの一つなんですね、一億八千万の補助。そして、この前の小林議員の質問に対して局長は、国は補助事業としてこれだったら採択しても大丈夫であると判断して採択したと、そして風力発電設備の能力が実際に設置された風力発電設備能力と異なっていた、環境省は非常に問題であると考えている。  具体的に何が問題だというふうにとらえているんですか、その点をちょっと詳しく説明していただきたい。
  40. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 今御指摘にございましたように、このつくば市の事業は、環境と経済の好循環のまちモデル事業、まほろば事業と言っておりますが、この主として環境省が十六年度に選定した、今御指摘ありましたように十か所、そのうちの一つの事業でございます。平成十六年度から三か年でこのつくば市の小中学校五十二校に小型風力発電設備を設置するというのを核とする事業でございます。  ただ、つくば市の小型風力発電につきましては、昨年七月の設置以降、騒音など機器の不具合の問題が発生したわけでございますが、加えて、昨年末にはそもそも、今御質問にございましたが、発電量の試算に問題があるというような地元報道等もございまして、本年一月につくば市等から詳しく聴取をいたしました。この二酸化炭素削減量の試算の基となりましたつくば市が委託先の早稲田大学に委託したつくば市小中学校風力発電導入基本計画、ここで見込まれておりました風力発電設備の能力と実際に設置された風力発電設備の能力が異なるものでありますので、このままでは当初見込みの発電量は得られないということについて、私ども環境省としても確認をしたものでございます。  私ども、問題があると申し上げました。それはやはり、いずれにいたしましても、国の補助により設置した施設でございます。その目的たる機能を発揮していないということは極めて問題があると考えておりまして、現在、つくば市には早急に改善策を検討するように今申し入れているところでございます。  環境省としては、引き続きつくば市とよく相談をいたしまして、今後の対応考えてまいりたいと考えております。
  41. 足立信也

    足立信也君 そこも確かに問題なんですね、出発点はそこです。私の問題のとらえ方が違うんですね。それはこれから言いますが、確認、もう一回言っておきます。  これ、地上に近い国旗がたなびいていますね。これ、十メーターぐらい高さあるでしょうか。桜、結構大きなソメイヨシノの上に出ています。これは十メーターはあるでしょうね。十分間、旗はたなびきながらも風車は回らないということです、この写真はですね。  そこで私が問題に思っているのは、この設置に当たって設置検討委員会というのがつくられたんですね。ところが、これはつくば市です、ですから余り詳しくは触れません、委員長も選任されておらず、一度も委員会も開かれていない。これはつくば市の問題だと思います。  先ほど局長が言われましたように、基本計画にある能力と実際に設置された風力発電設備の能力が異なっていたと。簡単に言いますが、別物だったということなんですね。その内容なんですけど、基本計画に出されているのは、この前小林議員もおっしゃいました、直径十五メートルの風車なんです。どこにもないんです、そんなもの。そして、設置されているのは、先ほど言いましたが、直径五・三メートルの風車なんです。風の関係とかいう大臣からの答弁もありましたが、これ、旗はたなびいていると分かりますように、この基本計画のいいところは微風でも回転をするという売り文句なんですね。そして、先ほど言いましたどこにもない十五メートルの風車、つまり架空の風車なんです。それを計算している。それが報告書になっている。でも、実際に設置された風車は別物なんですね。架空のものを机上で計算して出して報告している。  ちょっと意味合い違うかもしれませんが、私、捏造だと思うんです。構造設計の偽造と似てませんか。私の問題点のとらえ方はここなんですね。これが成果主義の一つの弊害の現われじゃないかと思うんです。  もう一つ。非公務員化して独法になった場合に兼業できるんですね。この報告書を書いた方、そういう風車を開発、販売までなるんですかね、会社を設立してますよね。そういうことが、奨励していくんでしょうね、きっと、兼業を。そうすると、そこでも成果を求めなきゃいけない。  今、以前の国立大学は、まあ私立大学、ここは私立大学ですから、私立大学もそうですけれども、ベンチャー企業の立ち上げ数というのが物すごく評価の対象になっているんですね。恐らくは、立ち上げることに対して周りは非常に押したんでしょう。立ち上げたら成果出さなきゃいけないですね。そのことがこういう架空の風車の机上の計算だけの報告書になっているんじゃないですか。この点が私は問題。研究とかあるいは教育もそうですが、そういうものに携わる人間にとって、この捏造するんだ、まあ韓国の教授の話もございますけれども、こういう事態が実は一番の問題だと私はとらえているんですね。  この点についてはこの環境委員会の中でいろいろ議論しても先へは行かないと思いますから、私の問題点のとらえ方はそこだということをお伝えしておきたいと思います。これで六個目ぐらいまで行きました。  次の懸念は、採用の公平性が確保されるか。これは独法の基準で採用はできるわけです。少ない常勤で非常勤の方を非常に多く採用している。採用基準は自由に作れる。今までは博士を持っているか国家公務員の試験に合格した人しか採用してないですね。それが、採用基準自由に定められる。縁故採用あるのかなあと。このことは感想だけ述べて飛ばします。  それで、もう一つ。もっと大事なことは、人事交流、これを大臣政府参考人もこの点がメリットなんだと、この人事交流が活発になるんだと、これを強調されるんですよ。私はそこが一番疑問に思っているんです。  ここで大臣発言ちょっと確認しておきたいんですが、衆議院環境委員会大臣は、職員となって、つまり常勤という形の実績はこの五年間ないと答弁されている。この意味がよく分からないんです。これは、出向という形が多いんでしょうが、実際に交流という形で採用された人は五年間、つまり独法になってからいないという意味なんでしょうか。確認をお願いします。
  42. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 多岐にわたる御質問でございましたが、まず、採用の公平性……
  43. 足立信也

    足立信也君 最後の点。
  44. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 最後の点だけでよろしゅうございますか。はい、分かりました。  人事交流の件でございますが、大臣はそのように衆議院答弁をいたしております。その意味は、人事交流という場合に、確かに幅広く人事交流という概念はあると思います。例えば、国立環境研究所……
  45. 足立信也

    足立信也君 違います、内容が。  発言でこの五年間常勤という形の実績はないと、それはどういう意味なのかと、そこだけです。
  46. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 国立環境研究所においては相互にその身分、要するに国立環境研究所民間の企業に行く、民間の企業の方が身分を変えて国環研へ行くという、そういう相互に純粋な意味での、狭い意味での人事交流というものはないと、そういう意味でございます。
  47. 足立信也

    足立信也君 それは独法になってからだということだと思いますが、一つ一つ聞いていきますよ。  これは、じゃ、そこへ行って働こうかという意欲の問題にかかわりますからね。懸念ということで、一番心配なのは年金、退職金制度。実際に異動する当事者にとって不利益じゃないのかということを一つ一つ確認したいと思います。  まず、これは出向者が四十三人、そのうち環境省からは三十八人、これは十八年度、間違いないと思いますね。国家公務員独立行政法人環境研究所に出向、二年以内がほとんどですけど、この際は、年金はまあそうでしょうが、退職金は環境研究所にいる間は通算されるんですか。そのまま上積みされて継続されていくんですか。
  48. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 通算をされることになっております。
  49. 足立信也

    足立信也君 国家公務員は通算されるんですね。  十七年度ですか、共同研究というのを非常に多くやられていて、これは評価が高いと思いますね。地方の環境研究所、これは地方自治体が設置母体ですね、地方公務員です。これとの共同研究が六十三もある。民間研究所と十一あるんですね。  じゃ、地方公務員独立行政法人環境研究所に行ってまた帰る、この際の、独立行政法人にいる間の年金と退職金の通算はあるんですか。
  50. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 年金につきましては、地方公務員等共済組合法によりまして出向していた期間についても通算できるよう措置されておりますが、退職金においては、それぞれの地方公共団体の退職金の手当条例によって異なるかと思います。その期間を通算できるとする規定を設けている地方公共団体であれば通算できるということでございます。
  51. 足立信也

    足立信也君 その数まで詰めたいですけれども、多分無理でしょうから。原則的にはできるところもある程度だと思うんです。原則的にはないんだと思うんです、通算は。地方公務員は通算できないんですよ。  じゃ、以前非常に交流が活発であった国立大学、国立大学法人ですね、今は、国立大学法人からこの環境研究所、独法になった環境研究所に出向した、二、三年やると、この場合は年金、退職金は通算されるんですか。
  52. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 年金につきましては、御承知のように国立大学法人国家公務員共済組合法の適用を受けますので、これは年金の期間に含めることができますが、退職手当につきましては、それぞれの国立大学法人の規定におきまして通算規定があれば通算できるということでございます。
  53. 足立信也

    足立信也君 通算規定があればと。ほとんどないんですね。  次は、これ独法、別の独法、それから民間企業、併せて聞きます。これは独立した企業体ですからね。  独法から、あるいは民間から国環研国立環境研究所に来た場合は、当然これは年金も別ですし退職金も別で通算はされませんね。
  54. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) そのとおりです。
  55. 足立信也

    足立信也君 というように、出向の中でも国家公務員、特に環境省が四十三人中三十八人、ほかも官僚の方ですね、この方々が異動するときだけ退職金は全部通算されるんですね。  ところが、地方公務員や国立大学法人や独法、民間は全部切れるんですね。できるところもあると、それは確かです、そのとおりです。切れるんですね。評価委員会の中でも、これじゃ退職金が三分の一ぐらいになってしまうという意見が出ていますね。そういうところに自ら進んで二年間あるいは五年間行きますか。人事交流がこれから活発になるんだと。それ普通の感覚ではないと思います。実際、五年間、独法になって、ないって言っているんじゃないですか。さらに、非公務員化になって、それぞれが独立して、ほかの独法から移ろうとしたら、あるいは国立大学から移ろうとしたら一回切れる。退職金もですね、年金の通算も切れる。そしてまた、独法に行って、また帰るときにはまた切れる。これで進んで行きますか。どう予想されますか、お答えください。
  56. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) ただいまそれぞれケースに分けて御質問がございましたように、独立行政法人あるいは民間企業が一番典型的な場合だと思いますが、民間企業等との人事交流におきましては年金あるいは退職金の通算ができないと、相手側がそういう規定を持っていない場合にはできないと、それはそのとおりでございます。従来から人事交流促進のために問題となり得る点があったということは事実だと存じます。  それは、非公務員化することによってそれが直ちに改善するということではございませんけれども、人事交流の相手方において、国環研人事交流の相手方との間に調整をすることによって、そして相手方に規定を整備することを含めまして、必要に応じて調整しながら今後改善されていくことを私どもとしては期待をしているところでございます。
  57. 足立信也

    足立信也君 具体的な対応策ができない限りは、つまりデメリットと思われることが払拭できなければ移行できないんではないんですか、非公務員化に。そういうところからスタートしたんではないんですか。  それと、非公務員化にすることによって解決できるんではないって今はっきり言われましたが、逆なんですよ。非公務員化にすることによって悪くなるんですね。例えば、先ほど言いました六十三の共同研究をしている地方公務員との間ですね、これ公務員であれば通算できるはずなんですね。当然そうですよね。公務員じゃないから通算できなくなっちゃうんですね。だったら来ませんよ。どうして人事交流が進むんですか。よく考えてくださいよ。だれもそんなこと選びませんよ。  これ以上は言ってもしようがないと思いますので、そういう問題提起をしておきます。  次に、資料二です。  大臣が、業務に必要な予算については効率的、効果的に活用していくと、そう答弁されております。これが契約です。国の機関は一般競争入札が原則なんですけれども、例えば工事・製造の場合は五百万円までは指名競争入札、二百五十万円までは随意契約と、そういうふうに国の施設の場合は許されている。これは独法化後、国立環境研究所はそれぞれ約倍額までそれを、その基準、幅を上げたんですね。これ説明いたします。  本来、国であれば、一番上の段です、一般競争入札であるはずのところが指名競争入札へ独法として変えた。つまり、物品購入等でいえば三百万円というところ、指名からいうと上限を、一千万円以下まで上限上げたんですね。上げました。役務にしてもそう、工事・製造にしてもそうです。ところが、指名競争入札の範囲を上げたのに、指名競争はゼロですよ、平成十六年、随意契約が百四十六ですよ。  もう一つ。じゃ、指名競争入札も幅があります。その幅を独法化されて随意契約へ広げようということで、物品購入等でいえば百六十万円超から五百万円以下まで上げた。同じように役務、工事・製造も上げたんですね。全部随意契約です、四百十四、これ十六年度ですね。この金額に該当するものをすべてと言っているわけじゃなくて、基準を変えたことに該当するもので実際どうなったかという数値です、上の二段は。指名競争がゼロだということですね。  この二点鎖線以下はこれちょっと別の感覚で、同じ平成十六年度で、じゃ本来一般競争であるべき一千万円を超える物品購入、役務、工事・製造の一般競争の入札の数、合わせて十六です。ところが、本来一般競争であるべきところを随意契約が八十なんですね。こういう実態なんです。  そもそも、今法案において、目的として当然国立環境研究所使命を果たしながらも効率的、効果的にやっていくんだと、独法にした目的もそうであった。さらに、非公務員化にすることによって更にそれをもっと高めていこうということだと思います。例えば、一般競争入札であるべき一千万円を超える契約の八割以上が随意契約だと、これは効率的になっていると言えますか。
  58. 江田康幸

    ○副大臣江田康幸君) 今御指摘の件でございますが、国立環境研究所におきまして指名競争入札ができる額の基準を国の基準よりも高く設定しましたのは、平成十三年の独立行政法人化に伴いまして業務量の増大が予想されたために、限られた人員でその処理を効率的に行う必要があったからだと聞いております。  先生指摘の、随意契約が多いのは御指摘のとおりでございますが、これは研究所という性格から見ると、この最先端の研究機器の購入とか調査分析、システム開発といった専門性を要求されるような内容の契約が多くて、必然的に随意契約とならざるを得ないケースが多い、こういう事情によるものでございます。  一般的に、契約につきましては可能な限りやはり競争入札を行うべきであるということは当然でございますので、研究所取組状況を見ながら、我が環境省としましても、先生の御指摘を踏まえつつ検討をしてまいりたいと思います。ただ、研究所には先ほども述べたような事情もございますので、随意契約の件数だけを見て直ちにその是非を論じることはできないということだけは御了解いただきたいと思います。
  59. 足立信也

    足立信也君 数だけで是非を論じられないと、私もそう思います。ですから、私もこの資料、届いて整理したのは昨日でしたので間に合いませんでした。是非、この内容をお示しいただきたい。その点の確約を得たいと思いますが、いかがでしょう。
  60. 江田康幸

    ○副大臣江田康幸君) 努力いたします。
  61. 足立信也

    足立信也君 努力いたしますよりも、やはり理事会協議していただくとか、これは出すべき問題である。一般的に考えて、効率化しようというのは、先ほど時間の短縮を効率化というふうにおっしゃいましたが、やはり税金の無駄遣いを省くことが大事なんであって、一般的に考えて、一般競争入札から随意契約にするということは、それは無駄遣いがされているんじゃないかなと私ども国民としては考えるわけでございますから、それは明らかにしてほしいと思います。
  62. 江田康幸

    ○副大臣江田康幸君) 先生指摘のこの内容につきましては、国環研の方と協議いたしまして進めて、開示できるようにしたいと思っております。
  63. 足立信也

    足立信也君 そろそろ時間ですので、あとは質問というよりも、本日はスタートが小池環境大臣緊急入院ということでこういう事態になってしまいました。一日も早い回復を私自身もお祈りしておきたいと思います。  もう一つは、独法になって、あれだけ日本で唯一の国設であった環境研究所で、内部の研究者から理事あるいは管理職に登用が一名しかないという事態で、管理業務部門がほとんどが中央官庁からの出向で、最大で二年ぐらいの程度でどんどん替わっていると。これで、国あるいは世界の将来を見通した環境政策のための立案という基準を作る、そういった使命が本当に果たせるのかなと。これは非常に疑問に思います。  国立環境研究所社会使命業務の性質、そういうものを考慮しながら、やっぱり私としては、これは国としてきちんと、日本の誇るナショナルインスティチュートとしてやるべきだと私は強く思っております。海外から人事交流研究にいらっしゃる方も、ナショナルインスティチュートだと思って来たら、公務員でもなく、これ本当に国立なのか、働いている人は官と言えるのか、大臣命令権限もない独立行政法人で、しかも公務員でもない、ナショナルインスティチュートだと思ってやってきた、そういう事態になってしまうんではないかと、名前はそのままですからね。そのことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  64. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 足立信也君の冒頭の質問にお答えいたします。  政務次官時代に、大臣欠席の中で政務次官が代わりに答弁をして、委員会が開かれ、採決された例は二、三あるということでございます。  お答えをさせていただきました。
  65. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  まず、私は最初に、独立行政法人通則法の関係でありますけれども、今回、特定独立行政法人から独立行政法人になるということでありますけれども、これ、特定が外れる、削除されるという意味で、これ、背景が変わったとか、役割の点も含めて何らかの変化があったからこういう措置になっていると思いますけれども、確認をさせていただきたいと思いますが、その辺についてはどうお考えでしょうか。
  66. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) もう委員御承知のように、環境問題がますます多様化、複雑化していく中で、国環研使命役割は一層重要になっていると思っておりますから、何か役割が変わったとかいうような背景はございませんし、重要になっていると考えております。  ただ、他方、この独立行政法人制度におきまして、それぞれ各法人中期目標期間の終了、今回はこれ三月末でございますが、その終了の都度、やはり民間にできることは民間にといった構造改革基本理念の下に組織あるいは業務全般見直しを行うことになっているわけでございまして、その一環として、効率的な運営を確保するという観点から、現在、独立行政法人役職員身分の非公務員化、これは国環研だけではございませんけれども、非公務員化政府全体で進められているところでございまして、国立環境研究所におきましても、民間を含めた内外研究機関との研究人事交流、こういった一層の促進等を通じまして研究所の効率的な運営を確保する観点から、今回、特定独立行政法人以外の独立行政法人、つまり非公務員化を移行を図るということとしたものでございます。
  67. 加藤修一

    ○加藤修一君 確認ですけど、通則法には、その業務の停滞が国民生活又は社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすものと認められるので特定独立行政法人になっていたということなんですけれども、この辺が解消されたからという話になりますか。どういうふうに理解したらよろしいですか、ここは。
  68. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 特定独立行政法人からこのたび非公務員化するということですから、その規定からは外れますが、独立行政法人そのものではあり続けるわけでございますから、先ほど来申し上げているような独立行政法人としての公益性というものは依然として維持しているわけでございます。
  69. 加藤修一

    ○加藤修一君 さきの小池大臣の所信表明の関係でありますけど、その中で環境立国という言葉を、四文字を使っているわけなんですけれども、環境立国を目指す上では非常に国環研役割というのは大きいと思うんですね。国立環境研究所のパンフレットを眺めまして、非常に多くの施設があると、日本の環境政策推進に大きな力になっているなと、そういった意味では関係者の皆さんに敬意を心から表したいと思っておりますが。  高度の知的な集積がある、知的財産権はどうなっているか、あるいは守るための仕組みがあるか。あるいは、これは最近、先ほど足立委員からも若干話がありましたが、ソウル大学の事件でありますが、ES幹細胞の研究上の不正あるいは剽窃、盗み取るという話になりますが、あるいは捏造、そういった多数の論文の発表や研究成果、これは一般論の話でありますけれども、そういう研究成果の売り込みへ狂奔する、あるいは研究上の猛烈な競争心のゆえに研究上の倫理性の問題が浮かび上がってくるわけでありますけれども、やはり適正な研究管理が必要であると考えておりまして。  そこで、環境大臣質問でありますが、リサーチラボノート、そういうものがあるわけなんですけれども、江田大臣研究者の経験もあり工学博士号を持っているということでありますので、リサーチラボノートというのは極めて重要な意味を持っているということについては御理解いただいていると思いますが、研究者等が実験データやアイデア等を随時記録し第三者による確認を取る体制にしたものでありまして、発明がいつだれによって生まれたかを証明するためのノートであるというふうに私も理解しております。そういった意味では、第一点としては知的財産権をめぐる発明者の特定、第二点としては共同研究者などによる成果の配分、あるいは第三点としては特許などの資産管理にも用いられるというのがこういう実験ノートであると思っております。  海外の研究所研究して、帰国の際に実験ノートは全部置いていけというふうに言われるのが常でありますので、独立行政法人の全体の中でも余り意識していないように私はとらえておりまして、政府系の研究機関においても、この仕組みでありますけれども、個々の研究員がしっかりと常備するべきであると思っておりまして、国立環境研究所業務方法書ですか、それを見ましたが、ございません。それから、二、三のほかの独立行政法人業務方法書を見ましたが、そういうことについて書いてあるのはなかったように思います。そういった意味では、これ、環境省としては、あるいは国環研としてはどういうふうにこの辺のことを考えているか。そういうことを明確に記したものがあるかどうか、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。副大臣お願いします。
  70. 江田康幸

    ○副大臣江田康幸君) まず、発明などの知的財産権のための記述管理、論文盗用、実験履歴保管などの現在の体制につきましてでございますが、国立環境研究所では、研究者が研究所内の研究活動において行った職務発明につきましては、研究所の職務発明規程に基づきまして職務発明審査会を開催して、職務発明の内容などについて厳正に審査しているところでございます。  また、論文の盗用などの不正行為につきましては、研究所内の研究推進委員会で審査を行うほか、論文の公表に当たっては所属長が更なる審査を行っているところでありまして、これらにより研究における不正データ捏造等は抑止されているものと私も理解しております。しかしながら、万が一不正が生じた場合の調査や処分の手続等につきましては、これまで定められていなかったことから、二月二十八日に総合科学技術会議において取りまとめられた研究上の不正に関する適切な対応についての意見具申等を踏まえて、夏ごろをめどにこれらの規定を設けることとしたいと思っております。  実験の履歴管理等につきましては、特に遺伝子組み換えに関する実験について、研究所の組み換えDNA実験安全規則に基づいて実験の内容を記録し、五年間保管することを義務付けております。そのほかの実験につきましては一律的な管理は行っておりませんが、必要に応じて各研究室等の所属長がこの管理をしているところでございます。  もう一つあったかと思うんですが、この実験履歴の保管などを業務方法書などに明示しているかということの御質問だったと思いますが、この業務方法書におきましては、知的財産の管理、論文盗用などの研究の不正対策、実験履歴の保管などの在り方については記載はしておりません。  この知的財産の管理につきましては研究所内の職務発明規程で対応しておりまして、研究の不正対策につきましては、今後、今年の夏をめどに別途規定を設けることとしております。その上で、業務方法書に記載することが必要か否かにつきましては、環境省独立行政法人評価委員会意見も聞いた上で検討してまいりたいと思っております。
  71. 加藤修一

    ○加藤修一君 技術総合会議だったでしょうか、そこでやるという話ですから、あえて聞く話ではないかもしれませんが、文部科学省、それから厚生労働省、それぞれ所管の研究所があるわけでありますけれども、この辺について、業務方法書などの関係についても是非その辺について御見解を示していただきたいと思います。
  72. 藤田明博

    政府参考人(藤田明博君) 御説明を申し上げます。  先ほど委員からお話ございましたように、リサーチラボノートにつきましては、知的財産権の保護、それから研究不正の防止等々の観点からその重要な役割を果たし得るということでございまして、文部科学省として、研究ノートによる研究管理の積極的な導入について傘下の研究機関等に働き掛けをしてきているところでございます。  すべての研究機関の実情を現時点で把握をしているわけではございませんけれども、例えば理化学研究所におきましては研究ノートの論文発表後五年間の保存を義務付ける規定を設けておりますほか、山口大学におきましては文具メーカーと協力して自ら研究ノートを開発をして教職員の利用を進めているなど、様々な機関において研究ノートの利用が進められつつあるという状況にございます。研究ノートの導入の奨励につきましては知的財産推進計画二〇〇五にも記載がされておりますし、また先ほど環境大臣からお話ございましたように、この二月の総合科学技術会議意見具申の中でも指摘をされているところでございます。  今後、引き続き、研究ノートの活用につきまして大学及び研究機関に周知を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  73. 加藤修一

    ○加藤修一君 手元に国環研のパンフレットがありますけれども、そのパンフレットを読んでいきますと、遺伝子工学実験棟があったりあるいはナノ粒子健康影響実験施設もあります。それぞれの実験施設においては、安全管理規程あるいはガイドライン等々含めて恐らくあると思っておりますが、特に遺伝子工学実験棟、ある意味ではバイオ施設の関係になると思いますが、私、先日、予算委員会で、重篤な症状に陥るエボラウイルス、そういったウイルス熱の関係で、新興感染症あるいはバイオセーフティーレベル、そのレベル対応する施設を取り上げたわけでありますけれども、これは危機管理の一つに当然なるわけでございますが、国民の生命、健康を守るという意味では国環研の中にあるこういった当該施設の関係についても当然注意を要するわけでありますけれども、配付資料を出しておりますのでお手元に行っていると思いますが、特にP4施設の整備、これを進めていく必要があるわけなんですけれども、ただ国民の生命、健康を守るための危機管理も極めて大切に考えていかなければいけない。政府答弁は、今後より一層積極的な展開が必要ではないか、そういう印象を私は深くしましたが、率直に言いますと政府はまだまだ対応は残念な状態でないかなという、そういう印象を強くしたわけであります。  この感染症等が国内で発生したときに病原体等からいかに防御するか。すなわち、国内で発生した場合、国民の健康、生命を守るためには初動段階の機敏な行動が極めて重要であるというふうに考えなければいけないわけでありまして、そういったことを考えてまいりますと、検疫とか患者の隔離、すなわちP4レベル施設を使って未知の感染症ウイルスの分離、ウイルスの正体を暴くこと、さらに抗ウイルス剤やワクチンの開発などを行うためにはP4施設が必要不可欠であると、そんなふうに考えてございます。  また、この国立環境研究所の中にもそういったたぐいの施設があるかもしれませんが、いずれにいたしましても、やはりバイオ施設の安全管理、あるいは仮にバイオハザードが起こった場合にどういうふうに対処しなければいけないかということについても、これは研究所としてはやはりしっかりとした対応をしていかなければいけないというふうに考えております。  それで、遺伝子工学実験棟もバイオ施設に相当するかもしれませんが、私の理解では、バイオ施設というのは、すなわち、いわゆる病原体を含む微生物を取り扱う実験研究、二番目としては動物実験を行ったりする、あるいは三番目としては遺伝子組み換え実験を行う施設、こういった内容になると理解しておりますが、こういう施設がなければ危機管理体制が不備になるわけでありますし、これらの施設の安全の保障があってこそ初めて国民の安全が保障されると、そういうふうな理解も当然成り立つわけなんですね。  それで、質問でありますけれども、政府にこういうバイオ施設の登録、それぞれの所管の方ではどのぐらいあるかということの質問になるわけでありますけれども、これは環境省あるいは厚生労働省、文部科学省はどのように掌握しておりますか。この辺についてお示しをしていただきたいと思います。
  74. 江田康幸

    ○副大臣江田康幸君) まず環境省からでございますが、登録ということは所管のバイオ実験施設などに関する実態把握ができているかということかと思いますが、国立環境研究所におきましては、バイオ実験施設は、研究所で定めた動物実験倫理指針の対象となる施設としまして、動物実験棟一、動物実験棟二、ラジオアイソトープ遺伝子工学実験棟、研究本館三棟、化学物質管理区域、ナノ粒子健康影響実験棟、環境試料タイムカプセル棟の七か所存在しております。  国立水俣病総合研究センターにおきましては、同様の施設としまして三棟の動物実験棟及びラジオアイソトープ棟がございます。  以上でございます。
  75. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 厚生労働省所管の直轄試験研究機関及び国立がんセンター等のナショナルセンターにおいてBSLレベル3の施設を有しているのは国立感染症研究所及び国立がんセンターであり、国立感染症研究所では村山庁舎にBSLレベル4の施設を有しております。  また、動物実験施設につきましては、国立医薬品食品衛生研究所、国立保健医療科学院、国立感染症研究所、国立がんセンター等のナショナルセンターのすべてにおいて保有しているところでございます。
  76. 藤田明博

    政府参考人(藤田明博君) 御説明申し上げます。  文部科学省におきましては、テロの未然防止に関する行動計画、これ十六年十二月に決定されたものでございますが、これに基づきまして昨年の六月に大学及び当省所管の研究機関、千三百六十七機関に対しまして病原性微生物等の保有状況等の調査を行ったところでございます。この調査によりますと、大学及び当省所管の研究機関のうち、機関レベルで百六十二機関、学部、研究所等の単位では三百二十七施設が病原性微生物等を保有をしているというふうな調査結果になっております。  以上でございます。
  77. 加藤修一

    ○加藤修一君 今の結果は直接に所管している部分ということだと思うんですけれども、大学機関等もそうなんですけれども、それ以外のP1、P2、P3の施設については全部これフォローしているわけじゃないと私は思います。それはある意味では法律がないから登録していないということにも当然、まあ登録という言葉自体がもうどこにもないわけでありますから当然の話だと私は思います。  それで、このバイオ施設関係の主要先進国の関係について調べてまいりますと、バイオ施設にかかわる規制法というのはまずないというふうに認識せざるを得ないなというふうに思いました。そういった意味では、それは日本がないという話ですね。先進主要国は、大体このバイオ施設の関係についての規制法はあると。恐らく日本ぐらいしかこういう、規制法はないんでないかなという、そういう認識を私はしておりまして。ただ、今国会では感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案、これが審議の対象になる予定になっておりまして、この法改正は極めて私は重要な法律の中身になっているなと。ただ、私の理解では、対象はテロ対策基本でありまして、毒素を含めた病原体であると、あるいは所持等の規制に範囲が特定されているように思えると、そういったことでありますので、まだまだ十全に対応をしているものではないんではないかなという、そういう理解であります。  それで、誠に恐縮でありますけれども、確認でありますが、政府におけます規制に絡んでのものとして、例えばバイオ施設、例えばP1とかP2の関係ですね、この届出制度あるいは届書の記録、届出の情報の公開というそういった仕組み、それは私は特にないと考えておりますけれども、この辺についての見解といいますか、私が確認するという話になってしまいますね。それから、P3とP4に関する施設建設とその操業をする場合の認可制度、あるいはその施設にかかわって事前に環境事前評価書の作成を、提出しなければいけない、あるいはそれに先んじてその評価書についての公聴会の開催とか、あるいはバイオ施設に事故があったときにそれに対してやはり停止命令をするとか、あるいは罰則の関係ですね、これもないだろうと私は想定しておりまして、そこの確認を是非厚生労働省にしたいと思いますが、どうでしょうか。
  78. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 御指摘のとおり、P1、P2レベルの届出制度でありますとかP3、P4レベルの許可制度とか、公聴会の開催でしたか、とか、停止命令とか、そういったことについての制度というのは現状制度化されてないというふうに認識しております。
  79. 加藤修一

    ○加藤修一君 それじゃ、バイオ施設の査察の関係とか、あるいは企業秘密があってなかなかそれは公開できないという情報も当然企業の民間研究所についてはあるわけでありますけれども、その企業秘密の限定的な在り方を考えなければいけないとか、あるいは安全性に関するバイオセーフティー委員会の設置義務などについても当然これは私はないと理解しておりますけれども、これについても確認をさせていただきたいと思います。厚生労働省にお聞きします。
  80. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 御指摘のバイオセーフティー委員会につきましては、現在、個別の機関が独自に設けたものとして、例えば国立感染症研究所の内部の規程でございますとか、国立がんセンターでありますればバイオ・ケモハザード実験安全管理委員会ですとか、そういった個別の施設がそれぞれ作成しているものはございますけれども、全体的な制度として設けられたものはないと承知しております。
  81. 加藤修一

    ○加藤修一君 それは個別の研究所の自主的な考え方によって規程を作って設置しているという話でありまして、いわゆる法律で義務化させるとか、そういった観点はないというふうに私は理解しておりますけれども、どうですか。
  82. 外口崇

    政府参考人外口崇君) 御指摘のとおりでございます。  なお、今国会に提出しております感染症法の改正案においては、生物テロに使用されるおそれのある病原体等の所持等を規制する制度を創設いたしまして、その適正な管理体制を確立することとしており、この中で、病原体等の使用施設への立入検査あるいは感染症発生予防規程の作成、病原体等取扱主任者の選任等について規定をしようとしているところでございます。
  83. 加藤修一

    ○加藤修一君 その場合の法改正の関係は、病原体等ということで、等の中には毒素しか入っていないわけですよね。ですから、遺伝子組み換え関係の施設については対象になっていないという私の理解なんです。  ですから、そういう遺伝子組み換えの関係も含めて、もっと広い範囲でそういうものについてはやっていくべきだと私は考えておりまして、やはり私はこのバイオ施設等の関係についてしっかりと規制法というものを作っていくべきであると、こういうふうに考えておりますが、その辺についての御見解をお示しをしていただきたいと思いますが。
  84. 外口崇

    政府参考人外口崇君) バイオ施設の安全性の管理につきましては、これはもとより国民の健康管理、安全のために必要だということもございますし、それから実際に研究する研究者自身の安全管理ということもございます。また、どういった研究をしているかということが安全面も含めて国民の皆様に理解していただくことが研究に対しての理解ということにもつながると思いまして、大変重要だと思っております。  先ほども申し上げましたように、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案を提出しておりまして、その中で病原体等の管理体制の確立を図っていく考え方であります。  また、遺伝子組み換えの方は別の法律での規定もございますけれども、更なる、先生指摘の施設レベルの規制につきましては、私どもの方ではまず、現在提出しております病原体等の新たな管理体制のこの施行状況というものを踏まえることが必要と考えておりますので、まずはこの新しい法律の円滑かつ着実な施行をしていきたいと考えております。
  85. 加藤修一

    ○加藤修一君 もう時間がございませんので、一言で終わります。  WHOの二〇〇四年の病原体実験施設安全対策必携、これは第三版でありますけれども、そういう国際的な基準が当然ございますので、これにのっとった形で十分法制化を含めて検討していただきたいことを最後に申し上げて、質問を終わります。
  86. 市田忠義

    ○市田忠義君 国立環境研究所というのは日本の環境政策科学的基盤を支えている中核的機関であります。その役割使命はますます重要になってきているというふうに思います。  そこで今日は、限られた十分という時間ですので端的に、今回の法改正メリット、有意性として強調されている幾つかの点についてお聞きしたいと思います。  非公務員化することで民間を含めたより活発な人事交流が行われ、研究所の水準を更に向上させるということが言われていますが、民間との人事交流独立行政法人に移行後は可能になっていたはずであります。先ほど足立委員とのやり取りでも、衆議院質疑でも、民間との人事交流は五年間の実績はゼロだったという話であります。  私、研究者の方から直接お伺いいたしました。民間との人事交流実績がない理由は、そもそも環境分野研究というのは非営利の部分が特に強く、営利を目的とした企業の研究となじまない。そういう根本的な国立環境研究所の性格を無視してもし強引に人事交流促進するならば、それはメリットじゃなくて、逆に国立環境研究所が行っている研究をゆがめるおそれがあるということを私は指摘しておきたいと思うんです。  もう一つ今回の法改正メリットとして、柔軟な採用制度による優秀かつ多様な人材の確保を図ると、こういうことが挙げられていますが、既に独立行政法人に移行後、柔軟な採用制度としての流動研究員、いわゆる非常勤職員という雇用形態が導入されています。  そこでお尋ねいたしますが、研究者全体の人数と、その中に占める流動研究員の数、割合について、年度ごとにお述べください。
  87. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) お答え申し上げます。  国立環境研究所におきます常勤の研究職員と今御指摘がありました非常勤の流動研究員合わせた研究職員全体の人数でございます。各年度末の数字でございますが、平成十三年度二百四十名、十四年度二百八十四名、十五年度三百二十五名、十六年度三百三十九名と推移をしております。  また、御質問のありました流動研究員の人数及び研究職員全体に占める割合でございますが、平成十三年度は四十七人でございますので一九・六%、十四年度は八十四名でございますので二九・六%、十五年度は百十九人で三六・六%、十六年度は百三十人で三八・三%という推移をしております。
  88. 市田忠義

    ○市田忠義君 今お話がありましたように、〇四年度で見ますと、非常勤の職員が全体の四割近くを占めている。また、任期付研究員も年々増えています。非常勤や任期付の研究者の人たちは大変苦労しながら研究されているわけですが、不安定雇用がずっと続くんじゃないか、研究者も使い捨ての時代のようだという声を上げておられます。こういう形でいくと、優秀な人材を確保するどころか、今おられる優秀な人材も生かせなくなるんじゃないか。  行政改革の基本方針で今後五年間で人件費五%削減という目標とか全体の歳出削減が迫られているという下で柔軟な採用制度というのは、結局、この研究所役割、任務について真剣に考えるという立場じゃなくて、いかに安く使える雇用形態の研究者を増やすかということにつながっていく危険性があると私は考えますが、副大臣の認識はいかがでしょうか。
  89. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 私ども、今回の法改正によりまして、この国環研におきましては、国家公務員法等にとらわれない、より自由度の高い業務組織運営が確保されることになると、このように御説明をしてまいりました。  そして、今具体的に、例えば柔軟な採用制度の話とか、あるいは民間との人事交流等の話があったわけでございますけれども、研究所においては、確かにおっしゃるように、これまでも人事交流自体は制度上可能ではございました。また、非常勤の職員の点についての指摘もおっしゃるとおりでございますけれども、実際に非常勤職員あるいは今お話あった任期付研究員等に係る実際の様々な制約がございます。任期付研究員でありましたら五年以内とか、あるいは人事交流でも三年以内とか、あるいは人事院の認可を要するとか、様々な制約があるわけでございます。そういうことから、これからは非公務員化することによりまして、法改正後は研究所自らの判断でより自由な運営が可能となると。そういう意味人事交流促進も図られていくし、採用の弾力化も図られていくと、そのように考えております。
  90. 市田忠義

    ○市田忠義君 任期の更新などは、研究者にとって当面の問題としては悪いことではないと思うんです。しかし、常勤者とは根本的に違うわけです。やっぱり身分が安定してこそ長期的かつ公益的な視点で地道な研究も安心して取り組めるというのが研究者の皆さんの実際の声であります。  もう一つ、地道な研究基盤研究を脅かす大事な問題が、中期目標で定められている受託収入の確保の問題であります。  これについては、こういう受託収入の確保ということが研究所本来の業務に支障を来すようなことがあってはならないと、そういう問題点を指摘する声が出されています。短期に成果の出ないものなど、環境分野研究の重要性を考えるならば、自己収入について、その獲得のためにきゅうきゅうとするような目標を設定すべきではないと私は考えます。そもそも、国家研究機関役割から考えるならば、運営交付金の削減など一律の目標に縛られることなく、国が必要な研究費用、運営費用は確保すべきだというふうに思うんですが、この点については副大臣、いかがですか。  大臣おられなかったら副大臣お答えくださいよ。
  91. 江田康幸

    ○副大臣江田康幸君) 今回の非公務員化も契機に、更に研究交流等が大きく進んで、そして国立環境研究所自体としましても競争的資金をふんだんに使いながら研究が進んでいくものと推察されますが、やはりその基盤はしっかりとした安定な基盤が必要でございまして、そのような意味先生指摘のように運営費交付金等の確保は重要なことであると思っております。
  92. 市田忠義

    ○市田忠義君 私たちは元々、研究所が国立から独立行政法人に移行するときも反対をいたしました。そのときの懸念が、この間、実際に明らかになってきているというふうに思います。  これも実際に研究者の声を私聞いてきましたが、この五年間を振り返れば、事務作業だけが以前より増えて多忙になったと。その第一の要因は、具体的数値目標を立てて事業を行う、裏を返せば継続性のある基盤研究がおろそかになる、これが独法と旧国研との大きな違いだと、こういう声でした。  現在の研究所は、人員が不足している下で膨大な研究業務に取り組んで、ぎりぎりで頑張っておられます。目の前にある問題への取組は精一杯で、例えば神栖の毒ガスやアスベスト問題など、急な課題対応できる余裕がないという声も出されております。  私は、こういう実際の現場で頑張っておられる研究者の声に耳を傾けるべきだと思うんですが、副大臣、いかがでしょう。
  93. 江田康幸

    ○副大臣江田康幸君) 先生指摘のように、御指摘されたような研究、非常に重要な研究基盤的な研究というのは今後も大変重要だと思います。
  94. 市田忠義

    ○市田忠義君 もう時間がなくなりましたので終わりますが、私は、小さな政府という掛け声の下に一律に非公務員化との結論だけを押し付けて、そもそも効率で測れないものを測ろうとする、これは、この五年間の矛盾を更に拡大して深くするものにほかならないというふうに思います。成果に追われ、今データの出せる人を求めるという、そういう傾向がある、これでは日本の次代を担う研究者が育たないのではないかと、そういう深刻な懸念も出されております。  私は、今回の法改正というのは、現在そして将来にわたって国立環境研究所に求められている役割とは全く逆行した方向であるということを指摘して、時間になりましたので質問を終わります。
  95. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 大臣の早い御全快をお祈りします。  専ら政府委員の皆さんにお尋ねをさせていただきたいと思います。  市田委員からもお話がありましたけれども、私、この間、付け焼き刃で済みませんが、初めて国環研に行ってまいりましたので、その意味では、付け焼き刃ですから、あるいは当を得ていないことも多くあるかもしれません。だからこそここで議論をさせていただきたいと、またいろいろと提案をさせていただきたいと思うんです。  まず、先ほどもございました人事交流ですね、共同研究なども非常によくやっているということを聞いてきました。  そこで、国環研が、一つ、大学から受け入れている、民間企業から受け入れている、それから、グリーン購入ではっきりしたんですが地方自治団体の意識が非常に弱いんですね、地方公共団体から受け入れていると、研究者をですね。こういう受入れは、大学民間地方公共団体でどのようになっているのか。  それから逆に、この国環研で、市田先生からもあったように、非常に基礎的なことをやりながら、今度社会に、利益を追求する民間ではあるけれども、あるいは大学とか自治体というのがありますが、そこにもまた必要だと、こういう声もあると思うんですね。どのように国環研から今度は巣立っていったというのですかね、あるいは社会全体に貢献しに出向いていったか。この辺の実態、数字で教えてください。
  96. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 平成十三年度から十六年度実績の数字でお答えいたしたいと存じます。  受入れということでございますが、大学からは九名、民間企業から五名、地方公共団体から一名の研究者を採用をいたしております。  また、私どもの国環研の常勤研究職員の退職後の就業先、逆に出て行く方でございますが、大学に十二名、民間企業一名ということでございます。  また、今共同研究お話ございました。共同研究としてやっている場合に向こうから来る、送り出し元でございますが、大学から三十二名、民間企業から六十二名、地方公共団体が二名という数字でございます。
  97. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 簡単に言えば、必要に応じて今までできているってことなんですよ、人事交流というのは。ですから、あえて今度の中に、人事交流を進めるために、更に加速させるためにという気持ちは分かりますけれども、実際にやれるんですね。  ただ、これで私着目しますのは、共同研究などで人の受入れというのはやっていませんけれども、共同でいろんな活動をしたり研究したりということで地方自治団体ともやっているんですが、実際上、やっぱり地方公共団体と関連が弱いですね。視察に来ているという人は非常にいるようですけれども。やっぱりこういったところもグリーン購入でひとつ明らかになって、もっとみんなで意識を、そして取組を、実態を付けていこうと。環境に対する地方自治団体、もっと具体的な行動をしましょうと、こういったことは必要なんですが、この辺の数字から見ても少しそんなところが見えるなと、こんな感じがいたします。  ここで、官尊民卑、民卑であってはならないんです。官が尊くて民間が官より劣ると、こんな風潮であってはならないし、それは間違っています。官尊民卑ではあってはならないんですが、これ、非公務員にするということについて関連してお尋ねするんですが、一言で確認します。非独立行政法人、この場合は国環研ですけれども、これはその職員は官なんですか民なんですか、改めてお尋ねします。
  98. 出合均

    政府参考人出合均君) お答えいたします。  今回の法律案により、独立行政法人国立環境研究所独立行政法人通則法に規定いたします特定独立行政法人からその他の独立行政法人となります。したがいまして、同法は特定独立行政法人に限り国家公務員ということになっておりますので、国立環境研究所職員国家公務員公務員ではなくなります。今後は民間の労働法制が適用になるということでございます。
  99. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 これは持って回らざるを得ないような理由なんですね。これは民間人ということでしょう。そこの民間人と言いづらいところは何があるかといったら、独立行政法人国立環境研究所なんですよ。この国立ということが、後ほどお話ししますけれども、非常に重い意味を持つんです。これぐらい小泉総理の数減らしの数合わせ、公務員という名だけが減りゃそれでいいっていう、本当によく表したものだなと、こういうふうに思っているんです。  そこで、人事院にお尋ねします。  恐らく人事院は関係ないと言うんですよね、独法になってから。枠外だって、こうおっしゃるかもしれません。給料はこれで何か安くなるとか安くならないとかということを人事院は把握しているんですか。そこをお尋ねします。
  100. 出合均

    政府参考人出合均君) 現在でも給与につきましては人事院勧告の対象外に既になっております。したがいまして、今回の法律案によって給与費がどうなるということはございませんで、そこのところは法人の判断ということになります。
  101. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 では、環境省にお尋ねしますが、何か給料ベースで今回変わるんでしょうか。
  102. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 給与につきましては、今回の非公務員化が直ちに給与総額の変動につながるとか、そういうものではないわけでございますけれども、非公務員型の法人の場合は、今もございましたように、給与の基準を決める際の考慮事項として、公務員型である特定独立行政法人のように多岐にわたる要素がございません。法律上定められておりませんので、より柔軟に給与を決定することができるようになると、そのように考えております。
  103. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 要は、変わらないということなんです。もう交付税、交付金でやっていますから、あと共同研究で入ってきたものの財源でやっているんで変わらないということなんですよ。  副大臣政務官、私はここで、こんな視点から考えると国民の利益ってどこにあるのかな。何か郵政のときの三十万人職員減れば税金が下がると思っていたら今度は消費税上がる、ペテンじゃないですか荒井さんと言われますよ。公務員を減らすと、少なくとも給料などは下がって税金は下がると思うのが普通なんです。そう思わせているのが小泉スピンポリティクス、アメリカではスピンポリティクスと言います、くせ玉政治。いわゆる、うそは言わないが思い込ませて支持率を上げているということなんです。  それじゃ、日中韓関係、小泉さんで非常に悪くなりました。ところが、日中韓でこの国環研が中心になって大臣会合を始めやっていると思いますが、この三か国、中国、韓国、日本の三か国環境大臣会議はやっていますが、いつからやっていますか、そしてどんな成果が上がっているんですか。これについて改めてお尋ねします。
  104. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 日中韓の三か国環境大臣会合でございますが、一九九九年以来でございます。毎年一回開催をしておりまして、北東アジア地域の環境問題、あるいは地球規模での環境問題の解決に貢献するために環境政策についての意見交換を行っておりまして、共同のプロジェクト等も実施しているところでございます。  また、国環研お話ございました。国環研におきましても中国や韓国との研究交流を行っておりまして、日中韓三か国環境研究機関会合において緊密な連携を図っておりまして、例えば中国との間では黄砂飛来ルートの解明に関する共同研究など十二件、韓国との間では五件の共同研究を実施しているなど、多くの共同研究研究交流を進めているところでございます。
  105. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そういうところに国環研が、私伺ったときにも理事長が、今韓国から帰ってきましたと言うんです。それぐらい実は、交流をしているというだけじゃなくて、お互いに循環型社会というのは国をまたぐわけです、当然。それらについてもう既に、もう本当に真摯に汗を流しながら知恵を絞り実態を解明し、それに対する今度予測をし、そしてどのように対応するかと、これをやっている。  しかも、国環研に行きますと、これなるほどなと思いましたけれども、研究者の二%程度が実は社会科学系です。経済学者とかそういった方々がいらっしゃるんですよ、行政関係で。これはどういうことか。やっぱり人間の考え方や行動、こういったものについての解決するために社会システム全般まで提言をしなけりゃできないというのがこの国環研の一つの大きな特徴なんです。  ですから、そういう意味において、これは後で総務省にお尋ねしますからよく総務省も聞いててもらいたいんですが、このようにやっているわけですよね。そのときに、このようにおっしゃいます。国立というものがあるから私たちは非常に責任をしょっているし、使命感もある。官尊民卑言うんじゃありませんよ。同時に、向こうも国立ということであり、信頼を持ち、官尊民卑言うのではありません、信頼を持ちながら一緒に国民のために、三国関係のために大いに貢献しようじゃないかってやっていると言うんですよ。これが非常に大きな価値なんじゃないでしょうかね。  総務省にお尋ねします。  行政監視あるいは行政評価という意味ではそれぞれの役所が一義的にこれは分析しますが、総合的にも、まあまたぐところは総務省がやるということで一応振り分けはしてますが、総務省は行政の方の評価をする場合に、今回のこうした問題、一律にとにかく非公務員にしてしまえばいいという通則法でやっていく、こういうことについて何の問題意識も持たなかったんですか、総務省。
  106. 田中順一

    政府参考人(田中順一君) 今回の御審議いただいている法案につきましては、平成十七年度末に中期目標の期間が終了する法人につきまして全体見直しておるわけでございます。見直しの仕組みにつきましては、ちょっといろいろ複雑ではございますけれども、各省庁の評価委員会を中心に見直していただくとともに、今御指摘のように総務省に置かれております評価委員会、こちらの方で言わば二次評価をいたしまして、また政府におきます行政改革推進本部での議論も踏まえた見直し結果、それに基づく法案の措置であるということでございますので、言わば全政府的な観点から見直したということでございます。  職員身分につきましては、ちょっと恐縮でございますけれども、まずもって私どもの立場から申し上げたいのは、独立行政法人というのが、その制度の創設に伴います行政機関からの円滑な移行等の事情を考えまして公務員型というものは設けてはございますけれども、基本的には国とは別の法人格を有する法人でございますので、私どもとしましては、その身分は原則非公務員基本であるというふうに考えておりまして、今回見直しに当たりましても、全体見直しの中で格別に公務員でないと駄目だというふうな理由が付かないものにつきましては非公務員化をしたということでございます。
  107. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 理屈は付けますけれども、先ほど言いましたように、その実態やこれからの展望において国立環境研究所という意味でのその役割ということは、非常に海外からも、お互いその意見交換や解決策を模索するためにも有意義であるんですね。そのときに名前だけが、官尊民卑を言うわけでは全くありませんけれども、民間になればいいんだというのは本当に小泉内閣、そして小泉政治の本当にこれ名は体を表す的な話だと思うんです。どんな国民に利益があるのかというのは全く分からない。給料安くなって税金が下がるという話でも全くないんですよ。何なのかなということでございます。  そこで、もう一つお尋ねしますね。  こういうことを日韓中の関係が悪いのにもう一生懸命やって去年決めているわけです、去年決めている。その決めている中に、グリーン購入の促進のための連携ということで、例の、委員会でも議論になっていますが、例のあのマークですね、そうしたマークの統一化を図ろうという研究今やっているんですよ、調整しているんです。こんなこと、すばらしいじゃないですか。先生方質問意見に一杯ありましたけど、実態はそうやって進んできているんです。そういうものを私たちはしょっているんだということが初めてやっぱり皆さんの誇りになり、そして自信になり、給料ではない、頑張って私は皆さんのために働くんだ、だから自分も研さんしようってなるんだと思うんですよ。どうぞ自信を持ってやってもらいたい。一時的な小泉総理のトップダウンで物事決めれば格好いい、そんなものではない。必ずやっぱり下から積み上げて、いいものはいい、悪いものは悪い、それぞれのケースに合わせて議論をしていくという時代が必ず来るんで、頑張ってそういう点はやっていただきたいというふうに思います。  いろいろ申し上げたいことありますが、次回に譲りまして、反対を申し上げさしていただいて、終わります。
  108. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  109. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 速記を起こしてください。  他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  110. 足立信也

    足立信也君 私は、民主党・新緑風会を代表して、独立行政法人国立環境研究所法の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論をさせていただきます。  平成十五年八月、国家公務員身分を有しない者が担う場合にどのような問題が生じるのかを具体的かつ明確に説明できない場合、特定独立行政法人を非公務員型の独立行政法人とすることが閣議決定されました。そして、十七年六月、経済財政運営構造改革に関する基本方針二〇〇五により、独立行政法人人件費抑制、運営費交付金見直しが示されました。本法案は、その流れの中で、国立環境研究所職員を非公務員化する法案です。  独立行政法人国立環境研究所は、環境政策の企画立案、各種基準の設定に当たって必要となる科学的基盤提供することが使命です。その使命を効率的、効果的に果たしていくためにはどのような事業形態に位置付けていくべきかを検討することが独立行政法人改革であると思います。  非公務員化することのメリット人事交流の活性化であり、デメリットに対しては対応策が見つかったと、そのように答弁されますが、本日の審議でも明らかなように、国立研究所から独立行政法人へ移行した後、随意契約件数が増加し、かえって税金の無駄遣いが増加したのではないか。運営費交付金削減が目標であったのに、雇用保険料、労災保険料を負担し、研究費、人件費を確保すれば、非採算性である環境研究所においてはむしろ経費は増加するのではないか。逆に、人件費削減しようとすれば、非常勤、期間付任用、嘱託等の非正規雇用への移行が進むおそれがあり、不安定な雇用が安定的に進められるべき研究に支障を来すのではないか。さらに、競争的研究資金の獲得に奔走すれば、能力主義、成果主義の大幅導入の可能性があり、研究の質の低下を招きはしないか。  以上のような懸念に対する明確な解決策は示されませんでした。のみならず、メリットであるとされた人事交流においても、年金制度及び退職金制度において、環境研究所と地方自治体、国立大学法人、独法、民間との間の異動は当事者にとっては不利益なシステムであり、インセンティブは働かないと思われます。  政府の掲げる公務員削減を実現するための数合わせ的な非公務員化には意味はなく、かえって国民の利益を損ないかねません。研究者の使命感が低下することや、これまでの研究成果が流出するなど、国内における環境に対する研究が衰退してしまうのではないかと危惧されます。事業の性格に応じて組織の在り方や職員身分を定めるという基本的な観点が欠落しているためであると思われ、むしろ環境を大切にする我が国日本の国立研究所であった方が、海外との交流も進み、公務員間の方が流動性が高いのではないでしょうか。  国の関与等を強化して、国の機関として国民の監視下に置くべきであることを提案し、反対討論を終わります。
  111. 市田忠義

    ○市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人国立環境研究所法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。  反対する第一の理由は、国立環境研究所職員の非公務員化が、小さくて効率的な政府づくりのための行政機能のスリム化、効率化を理由にした国民の健康や安全に対する国の責任放棄にほかならないからであります。  国立環境研究所は、大気汚染、水質汚濁、地球温暖化防止等、国民が健康で安全に暮らしていくことに直結する研究調査等に携わっています。これらの業務は極めて高い公平性、中立性が求められ、企業からの独立性が保たれる公務員が行うべきものであります。同研究所は、現在だけでなく将来の国民の健康、生活環境、地球環境に大変な悪影響を及ぼす重要な研究を担っています。環境問題が多様化、複雑化し、国民の健康と安全を守る国立環境研究所使命役割が一層重要になっている下で、その職員を非公務員化することは全くの逆行だと言わざるを得ません。  反対する第二の理由は、役職員の非公務員化研究者の不安定雇用の増加と成果主義を加速させ、大事な基礎的研究の後退を招くおそれがあるからです。  同研究所は、直面した課題に取り組むとともに、環境に係る多様な専門分野に関する基礎的研究に取り組む我が国で唯一の研究所です。これらの研究は、短期の市場原理によらない長期的かつ公益的な視点が求められています。今、非常勤研究員が全体の四割を占め、短期に成果の出る研究に忙殺されるなど、不安定雇用と成果主義の弊害については、独立行政法人に移行後の五年間で既に明らかになっています。非公務員化されれば、この間明らかになっている問題が更に深刻化し、ひいては高度な研究者集団の安定的維持が困難になるおそれがあります。これでは環境政策を通じて世界に貢献するどころか、今後の我が国環境分野研究の後退と環境政策の水準低下を引き起こす重大な懸念があるからであります。  以上を述べて、反対討論といたします。
  112. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  独立行政法人国立環境研究所法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  113. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(発言する者あり)  不規則発言はおやめください。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十三分散会