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2006-03-22 第164回国会 参議院 環境委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年三月二十二日(水曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         福山 哲郎君     理 事                 関口 昌一君                 橋本 聖子君                 岡崎トミ子君                 鰐淵 洋子君     委 員                 大野つや子君                 狩野  安君                 西田 吉宏君                 真鍋 賢二君                 足立 信也君                 大石 正光君                 小林  元君                 広野ただし君                 加藤 修一君                 草川 昭三君                 市田 忠義君                 荒井 広幸君                 田村 秀昭君    国務大臣        環境大臣     小池百合子君    大臣政務官        環境大臣政務官  竹下  亘君    事務局側        常任委員会専門        員        渋川 文隆君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       安藤 友裕君        内閣沖縄振興        局長       藤岡 文七君        警察庁刑事局長  縄田  修君        総務大臣官房長  森   清君        総務大臣官房総        括審議官     荒木 慶司君        総務大臣官房審        議官       久元 喜造君        財務省主計局次        長        鈴木 正規君        財務省主計局法        規課長      向井 治紀君        経済産業大臣官        房審議官     西川 泰藏君        経済産業省製造        産業局次長    塚本  修君        環境大臣官房長  西尾 哲茂君        環境大臣官房審        議官       寺田 達志君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    由田 秀人君        環境省総合環境        政策局長     田村 義雄君        環境省総合環境        政策局環境保健        部長       滝澤秀次郎君        環境省地球環境        局長       小林  光君        環境省水・大気        環境局長     竹本 和彦君        環境省自然環境        局長       南川 秀樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○平成十八年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付)、平成十八年度特別会計予算内閣提出  、衆議院送付)、平成十八年度政府関係機関予  算(内閣提出衆議院送付)について  (総務省所管公害等調整委員会)及び環境省  所管)     ─────────────
  2. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  去る十六日、予算委員会から、本日一日間、平成十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管について審査委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。     ─────────────
  3. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官安藤友裕君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 予算説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 関口昌一

    関口昌一君 おはようございます。自由民主党関口昌一です。  もう限られた時間ですので、早速質問に入らせていただきます。  小池大臣所信表明のときに、環境を良くすることが経済を発展させて、経済活性化環境を改善する社会づくりを目指すということをおっしゃっておられました。こうしたアプローチが極めて重要であるということは私も全く同感であります。例えば、我が国自動車産業海外企業に比べて低公害車開発、こうしたものに取り組んでいる。これがまた産業全体としての競争力を高めているという実態、こうしたことは環境に取り組むことが我が国経済活性化につながっていくと実感しておる次第であります。  環境省では、こうした社会づくりを進めていくため、これまでも製品製造、消費、それから廃棄、リサイクルの各段階環境への負荷を少なくするような様々な対策を講じて、供給面での対策を強化されておられます。最近では、こうした環境への負荷の少ない製品ハイブリッドカーなどを政府が積極的に購入するという需要面でも対策も強化されておられます。  しかし、あえてもう一つ言えば、製品生産過程に着目した対策だけではなく、生産を始める前の設備投資決定段階から環境への配慮を取り組んでいく必要が重要であると思っております。最近、こうした考え方は社会的責任投資SRIと言われるものと同じ流れかと思いますが、こうしたSRI流れをどのように受け止められておられるのか、環境大臣の見解をお伺いいたします。
  7. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 御指摘のように、環境を良くすることによって経済を回し、また経済がそれによって良くなることによってまた環境が良くなるといった環境経済の好循環のシステムをつくるということは極めて重要なことでございます。  また、昨今、企業におけます環境配慮取組であるとか地域社会への貢献など、企業社会的責任CSRが問われているところでございます。また、こうした企業社会的な取組を積極的に考慮しまして、投資家投資の可否の判断を行う社会的責任投資、御指摘SRIでございますが、これも注目を集めているところでございます。こういった社会的責任投資企業環境保全などの社会的な取組金融面から積極的に評価して経済グリーン化を図ろうという、こういった仕組みでございます。  ちなみに、我が国個人金融資産でございますが、約一千四百兆円に上ると言われているわけでございまして、このパワーを環境保全面にも配慮しながら活用していくということは、環境保全にしっかりと取り組んでいる企業への支持を集めるということだけでなくて、国民に対しても環境保全という中長期的な視野で適切な投資の選択肢を提供するという意味で、環境経済の好循環の実現に向けた極めて有効な手法、そういったチャネルをつくるということになるのではないかと考えております。  そこで、環境省といたしましても、以前にもCSRについての有識者の方々から御提言をまとめていただいたこともございますが、それを更に進めていくという観点から議論と検討を行うということで、今月、環境金融に関する懇談会を設置したばかりでございます。この懇談会において、企業社会的責任投資ということを中心として、金融市場においても企業環境保全などの社会的取組が積極的に評価されるために必要な仕組みやその推進の方策について検討していきたいと考えております。  往々にして環境のことを一生懸命取り組んでおられる方々余り金融にお詳しくない方がいらっしゃったりする。逆に、金融にお詳しい方は環境に対しての意識というのがどこまで行っているかは分からない。であるならば、環境金融ということの両方を併せ持ってどのような形で推し進めることができるのか、そんなことをこの懇談会で話し合っていただこうと考えております。
  8. 関口昌一

    関口昌一君 是非、生産を始める前の設備投資決定段階から環境への配慮というのは大変重要であると思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。  次に、環境省はいろいろな施策の基本的な方向の一つとして、環境問題の原因となっている事業活動や、またライフスタイルの在り方を変えていくことが重要視されております。しかし、そのためには全国各地の工場や事業所、そしてすべての国民、また一人一人の取組が変わっていくことが必要であるということが重要でありまして、これを実現することはなかなか大変であるかと思います。  環境省においては様々な法律を制定し、新しいルール策定することでこうした事業者、また国民などの各主体取組を変えていくとともに、例えば大臣が昨年非常に先頭で頑張ってこられましたクールビズのような新しいアイデアをどんどん打ち出されていると思いますが、一方、こうした取組と並行して全国各地パートナーシップオフィスという拠点の整備を進められていると伺っております。政府全体で地方分権が進められて、また国と地方役割分担も新しいものに変わっていく必要がある中で、クールビズなどと比べてこのパートナーシップオフィス国民認知度というのは極めて低いものであるかと考えます。  ついては、環境省全国展開を進められているパートナーシップオフィスについて、どのようなねらいの中でこの取組が行われ、そしてこれまで各地でどのような事業が進められているか、今後更にどのような事業を進めていくのか、簡潔に説明をお願いしたいと思います。簡潔にお願いします。
  9. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) お答え申し上げます。  地球温暖化対策やあるいは循環型社会の形成などに取り組んでいく、このためには、ただいま先生からも御指摘ありましたように、行政あるいは企業事業者あるいはNPO学校、様々な主体が各地域で連携する、パートナーシップを組んでいくということが極めて重要であると考えておりまして、そこで各地域におきましてこれらのパートナーシップによる取組推進を図るために、平成十六年度からでございますが、地方環境パートナーシップオフィスの設置を進めているところでございまして、既に平成十七年度までに北海道、東北、中部、近畿、中国と五地域に設置しました。さらに十八年度には四国、九州に設置する予定にいたしております。  この地方環境パートナーシップオフィスでは、これまで各地域において正に様々な主体関係者をつなぎ、その参加によりますパートナーシップでの取組を促進する事業を行っているところでございまして、具体的な事例ということでございますが、例えば環境省重点施策あるいは国際環境協力在り方、こうしたことについてそれぞれ議論する意見交換会を開催をしたり、あるいは環境教育温暖化対策をテーマとしたセミナーとか研修会実施などを行っているところでございます。  今後の事業ということでございますけれども、現在、国連持続可能な開発のための教育の十年が既に始まっておりますし、あるいは今お答え申し上げました企業社会的責任CSR、これらの取組におきましても、やはり学校地域住民企業、様々な関係者が言わばパートナーシップを組んでいくことが重要となっておりますので、地方環境パートナーシップオフィスといたしまして、今後これらの課題に取り組んでいる正に地域NGO事業企業などと協力をいたしまして、モデル的な取組とか先進的な事例ども地域に普及していく、そのことによって取組を各地域に広げていく、そういうような事業を展開していきたいと考えております。
  10. 関口昌一

    関口昌一君 今、ただいま説明のあったパートナーシップオフィス全国展開、このほかに個別の家庭を対象に小まめな節電やごみの減量化取組推進する我が家環境大臣、すなわち我が家小池百合子とでも申しましょうか、そういう事業を進められていると聞いております。多くの家庭参加を得て一定の効果を上げていると聞いておりますが、これまでに具体的にどのような成果があり、今後これを更に広げていくためにどのような取組を考えられているのか、お伺いいたします。
  11. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) お答え申し上げます。  持続可能な社会の構築ということのために、やはり国民一人一人が環境問題を自らの問題としてとらえる、そして環境保全活動に取り組むことが不可欠であると考えておりますので、その基礎となる環境教育推進が重要であると認識しておりまして、平成十七年度からでございますが、インターネット等を通じまして家庭における環境保全活動を支援します今御指摘我が家環境大臣事業を開始をいたしておりまして、企業NPO等、全体を含めまして既に八十二万世帯という参加を得ております。  また、地方イベント等を通じまして大勢の人々にエコライフを体験していただくといったことなど様々な成果を上げているところでございまして、今後の取組でございますが、現在それぞれの家庭におきますエコライフ取組レポート我が家ではこういうふうなことをした、こういうふうなことをしたと、こういう取組レポートを今募集中でございまして、優秀作品には環境大臣表彰あるいはその取組を紹介をしたり、あるいは今行っておりますインターネットホームページの内容をもう少し充実を図っていくということによって更に多くの家庭参加するよう働き掛けまして、家庭における環境保全活動推進に努めてまいりたいと、このように考えております。
  12. 関口昌一

    関口昌一君 しっかり今後とも取り組んでいただきたいと思っております。  次に、鳥獣被害保護の問題について質問をしたいと思います。  近年、シカイノシシ、猿といった鳥獣により多くの地域において深刻な農林水産業被害が発生しております。また、その一方で、依然として絶滅の危機に瀕しております、また我々の人間の手によって保護しなければならないという種も存在しております。このうち、鳥獣による農林水産業被害について、その原因として近年、鳥獣生態分布が拡大しているということが報じられております。  環境省において、鳥獣生態分布の状況と、その変化の原因についてどのような認識をお持ちでおりますか。また、有害鳥獣管理を効果的に実施農林水産業被害を防ぐためにどのような対策を講じられておられるか。特に島根の方はシカイノシシ被害が多いということでありますので、竹下政務官にお伺いいたします。
  13. 竹下亘

    大臣政務官竹下亘君) 島根のことを心配していただきまして、ありがとうございます。  確かにシカイノシシが増えております。一方で、環境省実施しました自然環境保全基礎調査の結果から見ますと、クマ生息分布地域的には縮小しておるという傾向が出ております。一方で、御指摘いただきましたように、シカイノシシは拡大しておるという傾向が明らかに見られます。また、鳥類につきましても、ウズラのように分布を縮小している種も見られる一方で、カワウのように、これは広い範囲で活動しますが、大幅に分布が拡大している種も存在しております。  その生息分布が拡大している原因といたしましては、一つは農山村における耕作放棄地が増加をしていること、過疎化による人間活動の低下が見られること、また東北地方などにおける積雪量長期的減少傾向など幾つかの社会的あるいは気象的な要因が重なっていると、このように指摘をされております。  このように生息分布を拡大し農作物に被害を与えている鳥獣への対策といたしまして、鳥獣保護法に基づき、都道府県知事等の許可を得て被害防止のための捕獲を行うことが可能となっております。また、地域において著しく増加しております鳥獣については、同法に基づきまして都道府県知事特定鳥獣保護管理計画策定をいたしまして、適正な生息数に向け計画的に捕獲できるということになっております。  環境省では、特定計画策定計画に基づく対策実施を行う都道府県を支援するため、技術マニュアルの作成や研修実施などを行っております。加えて、平成十八年度からは、県域を越えて移動するシカクマなどの鳥獣につきまして、広域で保護管理するために必要な調査等実施する予定でございます。さらに、現行の狩猟規則を見直しまして、狩猟を活用した鳥獣の適切な保護管理を更に進めるために、鳥獣保護法改正案を今国会に提出をさせていただいておるところでございます。
  14. 関口昌一

    関口昌一君 竹下政務官地元大変被害を受けているということで熱のこもった答弁でありますが、しっかり取り組んでいただきたいと思っております。  私も、この後トキ保護増殖のための対策もちょっとお聞きしたいと思ったんですが、何かございましたら。それで、今後の取組ですね、絶滅の種というトキでありますが、この保護増殖のためにどのような対策を取られて今後取り組んでいかれるか。もうこれ簡潔に御答弁いただければと思います。
  15. 竹下亘

    大臣政務官竹下亘君) トキは今現在八十羽を飼育をいたしております。中国から譲り受けた個体を増やしてきました。このトキ野生復帰させるために、平成十六年度から十八年度にかけて野生順化施設を建設中でございまして、併せて人の手をかりない自然繁殖を試みております。昨年までに二組のつがいが成功をいたしております。また、野生復帰に向けた試験放鳥を近い将来に行うことを計画をしておりまして、放鳥されたトキ野生で安定的に存続できるように、地元住民関係機関と連携してビオトープなどトキえさ場など生息環境整備を進めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
  16. 関口昌一

    関口昌一君 トキ保護増殖、是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  いろいろ環境対策というのは本当に今後重要になってくるかと思いますが、小池大臣先頭に頑張っていただき、また私どもも一生懸命取り組んでまいりますことをお誓い申し上げて、質問に代えさせていただきます。  ありがとうございました。
  17. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。  今日は、環境省契約行為についてまずお伺いしたいと思います。  政府は、公共調達適正化に向けた取組について、平成十八年二月二十四日、関係省庁連絡会議の通達の中で一般競争方式の拡大と随意契約緊急点検も指示しております。また、民主党特殊法人天下り契約関係調査中ですが、衆議院予算委員会に出された資料から明確な傾向が出ております。一つは、随意契約余りにも多いということ、天下り団体が様々な業務を受注していることであります。  そこで、環境省経済関係がある法人国家公務員の再就職者が在籍する団体、いわゆる天下り法人ですね、この天下り法人環境省業務を請け負って、あるいは受託している法人について、金額の多い順に上位三法人天下り人数も含めて御報告をいただきたいと思います。
  18. 西尾哲茂

    政府参考人西尾哲茂君) 環境省退職者役員に就任している団体人数の多い方からの御報告ということでございますが、私ども関係では、社団法人海外環境協力センター日本環境協会日本環境整備教育センターというような団体人数の多い団体でございます。
  19. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 その三団体平成十六年度の全契約額に占める割合、六・五一%となっておりますけれども環境省との経済関係がある法人環境省出身天下り団体法人数と、それから再就職をしたその総人数についてお答えいただきたいと思います。
  20. 西尾哲茂

    政府参考人西尾哲茂君) 環境省退職者理事に就任している環境省所管公益法人の全体の人数は、十六年度で把握している限りにおきましては二十二団体で、これは非常勤も含めましてだと思いますが、四十七人でございます。  それから、契約割合ということでございます。先ほど、先ほどの三……
  21. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 済みません、ごめんなさい。それはこれから質問します。
  22. 西尾哲茂

    政府参考人西尾哲茂君) はい、そうですか、はい、分かりました。
  23. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 この総契約額幾らで、環境省請負委託金額に占める割合は何%でしょうか。
  24. 西尾哲茂

    政府参考人西尾哲茂君) 四十二億八千六百万円余りでございまして、それで、今、分母でございますけれども、実はここで議論しておりますのは調査費などの委託請負ということでございます。ですから、これは環境省予算公共事業などは全部入札、ほとんど入札しておりますから、それの七%ぐらいでございますが、それを分母といたしましたところの、今申し上げました二十二団体契約額が十六年度で占める割合は二二%余りでございます。
  25. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 つまり、全体が百八十九億の中で四十二億八千幾らというような大変なもので、二二%の割合にもなっているということで、いわゆる天下り団体契約をしているのが大変多いというのが分かるわけなんですが。  この資料を見ますと、天下り団体との契約はすべて随意契約になっております。私たちいただいたものでも一〇〇%と言ってもいいくらいなんですね。つまり、この契約環境省OBのいる法人でしか仕事ができないということになるのかどうか、これが小さな政府実態なのかというふうに思いますが、防衛施設庁の官製談合よりひどいのじゃないかというふうに私は思うんですね。  事業請負委託の配分が人数も含めて天下り先と癒着をしているのではないかというふうにも勘ぐってしまうわけなんですけれども大臣はこの事実をどのように受け止めておいででしょうか。
  26. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 随意契約が多いということでございますが、委員も御承知のとおり、まず会計法で定められている随意契約ルールがございます。また、契約に係る予定価格が少額である場合については随意契約ができるということになっております。  環境省ではこの規定にのっとって契約を行ってきておりまして、昨年の四月から、随意契約についてはそれぞれの理由など、ホームページでも公表させていただいております。  また、政府全体では、公共調達適正化に向けた取組の一環といたしまして、現在、この随意契約適正化のための緊急点検を行っているところであります。その結果を踏まえて、必要に応じて随意契約の見直しを行うと、このように考えているところでございます。
  27. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 別な観点からも伺っておきたいんですが、自然環境部だけで一番多い財団法人自然環境研究センター国立公園協会、これだけで、例えば最近の契約を受注している割合で見ますと、二〇〇二年が五六%、二〇〇三年が四三%、二〇〇四年が三五%であります。  これらの団体天下りは、環境省以外の官庁も入れますと六人。この実態大臣は把握しておいででしょうか。
  28. 西尾哲茂

  29. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 大臣です、大臣大臣ですよ、大臣大臣です。
  30. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 人数について五人か六人かということについては、それぞれ人事異動どもございますけれども、その点について人数をお聞きであるならば、担当の官房長からお答えさせていただきます。
  31. 西尾哲茂

    政府参考人西尾哲茂君) 年次によりまして若干の出入りがございますのでちょっと正確な人数は調べさせていただきますが、環境省出身その他関係省庁からの出身者が常勤、非常勤含めまして数名、役員として就任しているということはそのとおりかと思います。
  32. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 これ一番多いところで挙げて、簡単に調べられるのに調べていただけなかったんですよね。どうして調べていただけなかったのかなという疑問がわきますけれども。この随意契約について、先ほど小池大臣会計法上守っているというふうにおっしゃっていましたけれども、本当にその法人しかできなかったのかどうか疑問のものが多いです。  財務省にお伺いします。随意契約が認められる条件はどのようなものか、また心すべきことは何か、おっしゃっていただきたいと思います。
  33. 鈴木正規

    政府参考人(鈴木正規君) 会計法の規定によりますと、随意契約によるための要件は、契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付すことができない場合、競争に付すことが不利と認められる場合には随意契約によることとされておりまして、また、契約に係る予定価格が少額である場合も、そういう場合も一定随意契約が認められるということになっております。  こうした判断につきましては、予算の執行を行う各省庁の責任において行うことということになっておりますが、当然のことながら、会計法の趣旨に沿って御判断いただくということになろうかと思います。  先ほど委員又は大臣からもお話がありましたように、現在、連絡会議におきまして、公共調達適正化に向けた取組ということで随意契約緊急点検、見直しを行っておりますが、その中におきましても、例えば仕様書、作業マニュアルの作成等により競争が可能であると考えられる業務については、単に業務に精通していることのみをもって契約の性質又は目的が競争を許さないというふうに考えては、該当するということは適切ではないというようなことや、あるいは事務事業の大半を再委託先に実施するような場合、随意契約の相手方が当該事務事業実施する能力が十分でないと考えられるような場合については、これも適切ではないということが例示されておりますので、こうした趣旨を考えながら、各省庁におかれまして見直し、そして点検を行っていただくということになろうかと思います。
  34. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 この自然再生事業基礎調査、こんな分厚いもの、十五年と十六年ありますけど、こんなふうに調査されているんですが。この基本調査財団法人国立公園協会に請け負わせているわけなんですが、二〇〇二年、二千四百九十九万円で契約されておりますが、他の団体にこの仕様書を見てもらいまして、環境省所管の他の公益法人なんですけれども、これはできるかできないか、この業務はできるという回答でした。しかも、もっと低価格でできるということでございました。  会計法の第二十九条の三第四項にあります業務の執行可能な機関は他になく競争を許さないという根拠は薄くなりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
  35. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) 御指摘の自然再生事業の十四年度、十五年度の請負契約でございます。  これにつきましては、財団法人国立公園協会が、一つには生物再生について豊富な知見を有しておること、また二つ目には自然公園に係る整備事業について深い経験と専門性を有しているということで、私どもとして期待する成果を上げる能力を有した唯一の団体だということで随意契約を行ったものであります。
  36. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 あくまでもそうして正当性を主張されるということが、私も予想しておりましたけれども、矛盾があると思いますね。  それでは、この契約について、一昨年、二〇〇四年十一月九日、これは新聞各社にも報道されましたが、厳重注意を受けたこの内容はどんなものでしたでしょうか。
  37. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) これにつきましては、再委任の契約が行われております。これにつきまして、国立公園協会がそういったことを行う場合には事前に契約書等に明記するということが必要でございます。これに従いまして、再委任等の手続を行ったことについては誠に遺憾であるということで、文書をもって厳重注意をしたところでございます。
  38. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 つまり、再委託をしたことについて環境省報告がなかったということで、契約は悪くないけれども報告をしなかったのは駄目だよというのがこの厳重注意になっているわけなんですが、再委託の事実は認めておられるわけですね。
  39. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) 一部を再委託したことは事実でございます。
  40. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 どこの法人幾ら委託したんでしょうか。
  41. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) お答えいたします。  その段階では、私の知る範囲では、千九百十五万円を国立協会から自然再生関係の、フォーラムと通称申しておりますけれども、そこに再委託をいたしております。
  42. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 つまり、再委託ができるというのであれば、もうそこに直接やってもいいようなものですし、他の法人でも可能なはずなんですね。  さきの関係省庁連絡会議の通知の中で、随意契約について、随意契約緊急点検、この中の(1)②にありますのは、随意契約の相手方が再委託、外注等を含む、これを行っている随意契約について、契約の性質又は目的が競争を許さない場合として随意契約によることとした理由と不整合がある事態となっていないか、これは再確認しなさいということなんですが、このことは正に今のこのことを言っているのではないかというふうに思うんです。外注したことで、第三者に行わせることが不可能という理屈は破綻してしまうだろうと思います。  この問題を正視せずに、報告を怠った理由での厳重注意というのは、随意契約したことの自らの責任をはぐらかすものではないかというふうに思いますが、その点に関して御認識はいかがですか。
  43. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) 私どもとしましては、どうしてもそこに頼むことが適切であって、他ではなかなかその成果が期待できないということで委託をしたわけでございます。  したがいまして、この調査につきましても、その内容によって、自然再生の基本調査につきましても、内容によって委託先を当然変えておるわけでございます。したがいまして、私ども、国立協会につきましては、これについての役目は十五年度で終わったということでありまして、内容によってどこであることが最も望ましいか、そういったことを十分に判断しているところでございます。
  44. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 やっぱり認識が足りないと思うんです、再委託ですから。ここで駄目だったらもう一つのフォーラムという。だったら、始めからフォーラムにやった方がもしかしたら本当に効率が良かったかもしれません。  それは本当に問題だというふうに思いますが、見積りにも問題があるんですね。同じ自然再生事業基本調査業務で、二〇〇四年度、二千三百九十四万円の予定価格調書を見ますと、中型の電算機使用料は一時間当たり三万九千五百円ですよ。びっくりするような額ですよね。小型の電算機が一時間当たり四千八百円。これで両方合わせまして二百六十九時間で四百二十五万八千円と見積もっているわけなんですが、これ、前年度も前々年度もこれはないわけなんですよ。同じような業務にもかかわらず、この年だけ見積りに入ったということなんですけれども、大変不可解であります。私の手元には四年分の仕様書がありますけれども、まだ矛盾が多く見られます。  たった一つ契約書でこういうような状況になっているんですが、随意契約をする場合、当該法人との間で価格、どのように決定していっているんでしょうか。
  45. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) まず、御指摘の二〇〇四年度でございます。十六年度でございますけれども、この年は新しくできました自然環境共生技術協会というところに委託をいたしておるわけでございます。  これにつきましては、私どもとしても、この団体が非常に幅広い技術力とデータの収集、分析に優れておるということで委託をしたわけでございまして、その際にも、当然ながら、やっていただくその資料の分析含めて、価格についても妥当なものであるというふうに判断してお願いしたところでございます。  なお、この協会でございます。巷間天下りとか言われますけれども、これは環境省だけじゃなくて国交省、農水省などもOBも一部理事におりますけれども、すべて無給でございまして、全くその部分はボランティアということも御承知おきいただきたいと思います。
  46. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 価格決定の仕方は、今このことだけではなくて、どのように随意契約をしているのかという全体の問題としてお聞きしたかったわけです。つまり、本当は予定価格を決めて、金額を提示して、低いものについてこれだったらいいという、そういうもので低ければ契約をするという、そういう形ではないかと思いますけれども、実際の応札額ですけれども、これについても極めて高いですね。  環境省の行う随意契約金額の高いものから上位五十位までの予定価格の落札率は幾らでしょうか。
  47. 西尾哲茂

    政府参考人西尾哲茂君) 随意契約額における上位五十事業全体の落札率、十六年度でございますが、九八%弱でございます。
  48. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 大変な、九八%弱、これ大変高い率だというふうに思います。  予決令九十九条の六に、随意契約によろうとするときは、なるべく二人以上から見積書を徴さなければならないというふうにありますけれども、私ども調査では見積書を取っていない契約が多いというふうに聞いているんですね。この見積書の聴取は徹底されておりますか。
  49. 西尾哲茂

    政府参考人西尾哲茂君) 極力それぞれの各担当部局において見積書の聴取をするようにさせておるところでございます。
  50. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 こういうことを明らかにしていただきたいというふうに私たちは何度も会計課に資料ども請求いたしましたけれども、きちんと出たためしがありません。一つ肝心なものは抜けていたり、あるいは今回のように数字を出さなかったり、契約書も出さない、こういう状況です。国民や納税者に対して説明責任があるわけですけれども、それを果たさずして行財政改革というふうに言うんでしょうか。  私どもが、環境省が一部出されました随意契約予定価格契約額資料は、なぜか十八しかありませんけれども、これを仮に、そちらが計算されないというので、計算してみましたところ、随意契約の平均落札率は九七・八六%でございました。期せずしてこれは防衛施設庁の談合落札率と全く同じ。平均落札率、防衛施設庁は九七・八六、全く同じ数字で、変わりがありません。  予定価格の設定は、相手から見積もって取っていたり、およそ幾らぐらいと示唆しない限り、こんな僅差は生じないというふうに思うんですが、大臣は就任されまして二年半でありますけれども、こういう状況を黙認してきたんでしょうか。
  51. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) それぞれの契約は適切に行われているものと思います。
  52. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 先ほども、一人に対してどのぐらいなのかな、一億円までは行かないけれども団体数と人数とその金額から割り出しますと、大変な契約額になっているわけですね。これをやっぱりどう是正するのかというのは大変大切だというふうに思いますし、随意契約のあいまいな点について二度とないように、これからも総点検をしていただきたいと思いますし、公正、透明であるということが契約の上で大変肝心なのではないかと思います。真剣に大臣、取り組んでいただきたいというふうに思います。大臣、そんな姿勢ですと、やはり国民の皆さんたちがこれから例えば増税なんか絶対反対だというふうに思いますし、納税者の方々の理解は得られないというふうに思います。  それで、ここで、小泉総理大臣も十八年三月十七日、先週の金曜日の参議院の予算委員会、浅尾慶一郎君の質問にも答えまして、この再委託の問題について是非洗い出してほしい、天下り財団法人社団法人というこの業務、この問題に関して本当に疑問が持たれるようなことがあったらばということで、調査してみますということでございました。是非その決意を込めて大臣のお言葉をお聞きしておきたいと思います。
  53. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 契約の問題につきましては、やはり目的が最も効率的に、そして透明的に確保でき、そしてその目的が達せられるということが必要だと考えております。  天下りの問題につきましては、公務員の在り方全体から見直していかなければ、その部分だけ取り上げていくというのは難しいのではないかということからも、今公務員の今後の天下りの問題については総合的に検討が進められていると、このように承知をしているところでございます。  いずれにしましても、国民から受けた大いなる信頼とそして責任をこれからも適切に全うできるようにしてまいりたいと考えております。
  54. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。  そのほかに、環境省随意契約を行ったということで、市民団体から批判が上がっているものがございます。今年一月に発行しました雑誌「ソトコト」、付録は十万部と環境省への納品五千部を契約した平成十七年度化学物質の内分泌攪乱作用に関する冊子作成業務、千百五万五十円の契約についてお伺いしたいと思いますが、これは特定の雑誌に付録の作成を補助した形になっておりますけれども、なぜ随意契約にしたのか、その理由についてお伺いしたいと思います。
  55. 滝澤秀次郎

    政府参考人滝澤秀次郎君) 御指摘の小冊子の作成でございますが、化学物質の内分泌攪乱作用に関する情報提供と、それからリスクコミュニケーションの推進という一環で行ったものでございます。  情報提供の推進に当たりましては、情報を伝えたい対象者のできるだけ多くに情報を届けるということが重要だと考えております。情報提供の手段として販売数の多い一般市販雑誌を活用することが有効かつ効率的であるとも考えております。このため、雑誌に付録する小冊子という媒体を採用したわけでございます。  雑誌社の選定に当たりましては、作成された小冊子が幅広く一般市民の手元に届くことを条件とし、雑誌の内容や発行部数、これまでの環境分野での情報提供の実績等を考慮いたしました。
  56. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 十万部の雑誌を出しているところで、二十代、三十代、そういう若い人たちをターゲットにした雑誌はほかになかったのかなというふうに思うわけなんですけれども、この雑誌にはロハスという登録商標が取られております。特定の営利企業の商標であります。しかし、仕様書にはコンテンツとしてロハス、化学物質の内分泌攪乱作用問題に基づき考える新たな生活スタイルの提言とありますが、企業が使っているネーミングですよね、だれもが認めるものではないというものでありまして、内閣府にお尋ねしましたところ、特定企業の登録商標を使った広報は通常はあり得ない、こういうふうに明確に答えました。  なぜ、特定の企業の商標を環境省が推奨するような随意契約をしたのか。他社との比較というのはどのようにしたのかが問われるだろうと思いますけれども、この点についていかがでしょうか。
  57. 滝澤秀次郎

    政府参考人滝澤秀次郎君) ロハスでございますが、健康と環境の面を中心とした持続可能性を重視した生活スタイルというような概念かと思います。  現在、私どもの省、環境省関係でございますが、第三次の環境基本計画案についてもこのロハスという記載も出てまいります。自然との触れ合いを大切にし、物質的な豊かさも精神的な豊かさをも求める人々の志向を反映した一般名称というふうに我々は認識しております。化学物質の内分泌攪乱作用問題においても、一人一人の個人が生活の中で環境配慮した行動を取ることが重要でありまして、ロハスの発想は化学物質の内分泌攪乱作用物質問題への対応を考慮する上でも参考になるものと考えたわけでございます。
  58. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 「ソトコト」という雑誌、民間の出版社の出版物ですね、この出版社と商社などが商標権を持っている。これはもう新聞などでも指摘がされておりましたけれども、ロハスという名前の関連商品を売り出したいという戦略を持っているんですね。一々読みませんけれども、それが創出、拡大、充実を目指すというふうになって、一つの商品なわけなんですね。こういうものに随意契約を行うというのは、そこに補助金を出したということになるわけですから、やはり納税者に説明が付かないんじゃないかというふうに思うんです。  「ロハス的環境ホルモン学」として、これが「ソトコト」の別冊に入っているものでありますけれども、ここには環境省のマークが付いている、ロゴが付いている、「チビコト」というふうになって付いているわけなんですけれども、これは中身について環境省は監修をされたんでしょうか。
  59. 滝澤秀次郎

    政府参考人滝澤秀次郎君) 御指摘の小冊子に掲載されました記事の関係でございますが、その中にございますコラムでありますとか対談といった直接執筆者やあるいは対談本人が紹介されている記事につきましては、その内容は執筆者あるいは対談者本人の意見そのものでございまして、環境省が特にあえて検討を加えるという性質のものではないと考えております。  ただ、そのほかの記事につきましては雑誌編集者が執筆、編集したものでございますが、私ども環境省からも情報を提供するなど協力を行ってきておりまして、その内容については環境省の見解と異なるものではないと考えております。
  60. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 やっぱり環境ホルモンの問題についてやるということであれば、環境省が伝えたい中身そのものでなければ税金を出しては私はいけないというふうに思うんですよね。  中身にも問題がございました。中身の問題については、いずれ今日じゃないときに触れていきたいというふうに思いますけれども環境省のマークが付いてあたかも環境省が出版したかのイメージ、五千部に関してはそういうふうなことを思う人がいるわけなんですけれども、出版するものを推奨しているならいいわけなんですけれども、そうじゃないと、その中身についても別に監修もしていないということであれば大変問題だなというふうに思うんですが。  もう一つ、ここの「ソトコト」の編集長、雑誌の編集長は、正にこのリスクコミュニケーションの推進検討会のメンバーなわけですね。このメンバーのところにお金を出しているということ。ですから、そのものの客観性がどうなのかということについても問われるだろうというふうに思います。やはりこういうものは非常に透明性を私は求められるものではないかというふうに思いますので、是非疑問が持たれないようにしていただきたいというふうに思います。  本当にロハスだったら、私は環境ホルモンは使わない、このぐらい明快に言うものでなければいけませんけれども、そういうことを明快におっしゃってないものなんですよね。指摘をしておきたいというふうに思っております。内容についてはまた別途触れていきたいというふうに思っておりますけれども、是非こういう一営利企業に対して会計基準や法律に関係なしで税金が投入されることがないようにしていただきたいということをお願いをしておきます。  次に、泡瀬干潟について質問をしたいと思いますが、まず前提として、沿岸生態系における藻場の重要性に関する国の認識、対策、これをお伺いしたいと思いますけれども、時間が迫ってきておりますので、まずは日本の重要湿地五百とは何か、なぜ泡瀬干潟が日本の重要湿地の一つに選ばれているのかをお伺いしておきたいと思います。
  61. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) 端的にお答えいたします。  重要湿地五百でございます。これは二〇〇一年の十二月に選定をいたしました。背景としましては、我が国での干潟、湿原等の湿地の減少、劣化が進んでいる。また、ラムサール条約の第七回の締約国会議におきまして、近い将来登録湿地を倍増しようと、そういった決議があったことを受けまして、生物の生息地として規模の大きな湿地あるいは希少種が生息する湿地などを選んだということでございます。  その中で、この泡瀬干潟が選ばれた理由でございます。これにつきましては、まず、泡瀬干潟を含む中城湾の浅い海域につきましてまとまった規模の海草藻場の分布がある、またシギ、チドリなどの渡来が多い、そして希少な野生生物、例えばトカゲハゼなどの分布があると、そういったことから専門家の意見も踏まえた上で優良湿地として選んだものでございます。
  62. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 大変豊かな湿地であるということについて今お答えいただいたと思いますが、この中城湾港の泡瀬地区の埋立事業というのが行われるわけですね。この重要な干潟の重要な藻場が失われてしまう、このことについて大変心配なわけですけれども、そのために事業者環境影響評価の中で埋立予定地内の海草を移植して代償措置を図るというふうに約束をしたわけなんです。それに対して、県知事の意見で、海草の移植については移植先で海草の生息、生育が可能であることを確認した上で行うことという条件が付きました。事業者環境保全措置を講じることとしたわけですけれども、藻場については環境影響評価で次のように書かれておりまして、埋立てによって消失する藻場、そのうちリュウキュウアマモ、ボウバアマモ、これは大型海草類でありますけれども、これを用いて、埋立て計画地の東側の現況においてこれが本当に生育被度が五〇%未満の状況で移植できるかどうか、また、藻場生態系の保全に努めることができるかどうか、これ大変重要だというふうに思うんですけれども、熱帯性海草の大規模な移植及びその管理につきましては、不確実性を伴うために実施に当たっては専門家の指導、助言を受けて慎重に行うこととすると、このようになっているわけです。  そこで、お伺いしますけれども、これまでは機械化の移植と手植えの移植とが行われておりますけれども、移植後の状況はどのようになっておりますでしょうか。機械化移植と手植え移植のリュウキュウアマモとボウバアマモの被度、これは移植時と比べてどのようになっているか、内閣府にお伺いしたいと思います。
  63. 藤岡文七

    政府参考人(藤岡文七君) お答え申し上げます。  お尋ねの中城湾港の泡瀬地区埋立事業でございますが、これは正に沖縄市と県が国際交流拠点の形成を目指して計画いたしました沖縄振興上非常に重要なプロジェクトでございます。お尋ねの海草の移植実験でございますけれども、正にその移植実験につきましては、おっしゃいました機械移植及び手植え移植、その二つの方法により平成十年から行っているところでございます。  機械移植実験でございますが、平成十七年度の環境保全・創造検討委員会におきまして、広域的な移植に対する適用性、台風時における減耗の抑制効果について一定の知見が得られたという段階の評価を受けてございます。  一方、手植え移植実験につきましては、平成十四年度の環境監視・検討委員会におきまして適用性が高いとの評価を受けました。これを受けまして手植え移植事業を行っておるわけでございますが、これにつきましては、平成十七年度の環境保全・創造検討委員会におきまして、今のところ藻場生態系は維持されていると考えられており、今後もモニタリングを継続することが重要ということの評価が出されたところでございます。  以上でございます。
  64. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 数字についておっしゃいませんでしたけれども、機械化移植の場合には、移植域全体の生育被度は平均三八・三%だったものが四・五%に下がってますし、手植え移植の場合には、平均三〇%だったものが一〇%というふうに下がっているわけであります。  この環境影響評価書では、移植先の海草藻場に関する環境基準というのは、移植時と比較して海草の生育被度が高くなっており、藻場に多くの生物が出現していることとされておりますが、この基準に基づいて判断すれば、海草の移植は失敗しているのではないかと思いますが、内閣府、いかがでしょうか。
  65. 藤岡文七

    政府参考人(藤岡文七君) お尋ねの生育被度につきましては、平成十五年二月の移植直後は、平均で、これは手植え移植を行ったものでございますが、約三〇%でありましたものが、平成十七年の三月には約一〇%に減少いたしました。一方、生育面積でございますが、約、当初百平方メートルであったものが約二倍の二百平方メートルに増加しているということでございます。  これに対する評価でございますが、生育被度に関しましては、周辺の自然藻場におきましても同様の減耗が見られるということでございまして、被度の減少は自然藻場の変動の範囲内であるという評価をいただいております。  また、移植先におきまして、それまで存在しなかった海草が移植によって定着しているということもございます。また、その生息地を広げている、先ほど申し上げましたように広げておるという事実もございますから、委員会におきまして先ほど申し上げましたように一定の評価を受けているというふうに認識いたしております。
  66. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 生息地が広がっているというふうに今おっしゃっておりますけれども、この移植時と比較して、海草の生育被度というのは高くなっており、藻場に多くの生物が出現していること、これが環境基準ですよ。広くなるということは関係ないんです。環境基準というのは、被度がどうであるかということですね、どのぐらい密集しているかということですよね。ですから、どうなんでしょうか、この環境基準というのを変えたんでしょうか。
  67. 藤岡文七

    政府参考人(藤岡文七君) お答え申し上げます。  私どもといたしましては、正に環境保全・創造検討委員会等の場におきまして、先ほど申し上げましたように、これは専門家の方々から、適用性が高い、今のところ藻場生態系を維持されていると考えられており、今後モニタリングを継続することが重要という御評価をいただいておるところでございます。今後も、工事区域及びその近傍で密生した海草が存在すれば、手植え方法を現在のところは主に移植を実施することといたしております。  以上でございます。
  68. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 失礼しました。監視基準でございました。間違えました。  この移植の目的なんですけれども、大型の海草、リュウキュウアマモとボウバアマモですね、このことに関して、移植して藻場全体の保全に努めるということになっているわけですけれども、これらの海草はしっかり根付いているのかどうか、改めてお伺いしておきます。
  69. 藤岡文七

    政府参考人(藤岡文七君) 現在、委員会の方でもモニタリングしていただいておりますが、現在の段階ではまだモニタリングをしておるという段階でございます。
  70. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 やはりこの二つが大変重要だということについて、このことは始まっておりますので、是非その監視基準を変えないで、しっかりとこの問題に関しては根付いているかどうかについて見ていただきたいなというふうに思います。  それで、環境大臣にお伺いしておきたいんですけれども、国の直轄事業で行われます公有水面の埋立事業については、環境影響評価法、公有水面埋立法とともに環境大臣が意見を述べることとされておりません。国が行う埋立事業に対して環境省が意見を述べられない仕組みはおかしいのではないかと思いますが、政治家としての小池百合子大臣にお伺いしますが、環境省が動けない仕組みというのはおかしいんじゃないでしょうか。環境省が動けるように是非そういう仕組みをつくるべきではないかと私は思いますけれども、この点に関していかがですか。
  71. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 仕組みについてのお尋ねでございます。  まず、環境大臣勧告ということにつきましては、設置法の第五条第二項に基づいて、環境の保全に関しての基本的な政策を推進するために特に必要があると認められるときには、関係行政機関の長に対して環境保全に関する基本的な政策に関する重要事項について報告という旨が書いてあるわけでございます。  一方、泡瀬地区の埋立事業でございますけれども、おっしゃるとおり、環境大臣としての意見を述べる機会というのは、環境影響評価法そして公有水面埋立法の観点から意見を述べる機会はございません。しかし、環境省においては、先ほど来からの御質問の中でございますように、海草の移植、保全などに関して、内閣府に対してこれまで二度の口頭申入れを行ってきたところでございます。  先ほど内閣府の方からも御答弁がございましたけれども、現時点ではこの埋立事業に対して勧告権を発動するということは考えておりませんけれども事業者がモニタリングなどを実施しているところでございまして、まずは事業者の対応を注意深く見守りつつ、また適切に対応していくということが肝心かと思っております。
  72. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 是非、この日本の重要湿地五百にも入っている泡瀬干潟というものが消滅することがないように、これからもしっかりと環境省としては積極的に発言をしていただきたいと思います。  続きまして、アスベストの問題について、三月二十日月曜日から、石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく認定申請の受付が始まりましたが、二月十日から二十日にかけて行われたパブリックコメントでは、労災申請との連携に関する意見が十件ありました。私もこの委員会質問のときにも指摘をさせていただきましたけれども、救済制度の受付機関と労災補償制度の実施機関との連携、これが大変重要であります。二十日から二十二日にかけて全国労働安全衛生センター連絡会議が行いましたアスベスト健康被害ホットラインでも、新法救済給付の手続をするつもりだった相談を含めて、話を聞いて時効救済又は労災申請が可能であることが分かってそちらの手続のアドバイスもした者が多かったということを伺っておりますが、申請者がどっちの機関に行きましても、両方の制度について丁寧に情報提供を受けて全員が最も適した対応を受けられるようにしなくてはならないと思います。  そこで、労基署でも、環境再生保全機構が環境事務所でもパンフレットを置くなどしているようでありますけれども、是非とも被害者の方が受付にいらっしゃった場合には丁寧な説明をしていただきたい、パンフレットだけではなく、そのように現場に徹底すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  73. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 三月二十日の受付スタートの当日、私も再生保全機構の方に参りまして、実際にお問い合わせの電話に答えるという形で、受付嬢とは言えませんけれども、受付の現場に立ち会ってまいりました。私が受けた電話も、これはきちんと調べなければ分かりませんけれども、どちらかといえば労災に当たる方ではないかなというふうに思った次第でございます。  いずれにいたしましても、健康被害が生じている方々、不安に思っておられる方々にまずは適切に救済できるような形に持っていきたいと思っております。  例えば、今御質問ございましたけれども、保健所には労災補償制度、それから特別遺族給付金に関する資料の備付け、そして窓口に来られた住民に対しては、労災補償制度の対象となる可能性のある場合にこの労災補償制度についても積極的な情報提供をし、また一方で、労働基準監督署においては救済給付の申請の手続であるとか申請様式などを備え付けまして、救済給付の制度について、たとえ石綿の暴露の原因が労働災害によるかどうか明らかでないような場合にもきっちりと紹介をしてまいりたいと思っております。いわゆるたらい回しということにならないようにしっかり連携を図っていきたいと、このように考えております。
  74. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 そうですね、それこそもう始まったばかりでありますし、利用者の皆さんたちも本当に不安な毎日を送っておられますし、これから更に被害者が増えていくということであります。十年から六十年という潜伏期間を経て、本当に一体自分は中皮腫なのかあるいは肺がんなのか、また中には石綿肺ということで、今は指定疾病になっておりませんので大変不安を抱いているわけですけれども、いろんなことがこのパブリックコメントに対して、わずか十一日間の受付の間に意見が寄せられておりました。今申し上げました指定疾病の在り方、追加の認定の在り方、それから救済の水準について本当に多くの意見が寄せられたと思いますので、速やかに検討をされることをお願いをしておきます。  パブリックコメントに関しては、一言お願いします。
  75. 滝澤秀次郎

    政府参考人滝澤秀次郎君) 二月十日から十日間にわたりましてパブリックコメントを実施いたしました。七十四の団体あるいは個人から多くの意見を寄せていただいたところでございます。これらの意見を踏まえまして、二回にわたり中央環境審議会の石綿健康被害救済小委員会で御議論をいただきまして、この意見のすべてを一覧とした資料提出いたしまして意見の内容を紹介し、十分な御審議をいただいたわけでございます。  そうした結果、御承知のように、今回の答申は二疾患、肺がんと中皮腫ということで、そのほかの疾患については十分フォローしていこうという意見が付記されてるわけでございまして、パブリックコメントに寄せられた意見については審議会での御審議で十分御審議をいただいたというふうに理解しております。
  76. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 これからもたくさんの要望が寄せられると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  農薬飛散リスクの調査について、目的と実績と今後の見通しについてお伺いしておきたいと思います。
  77. 竹本和彦

    政府参考人(竹本和彦君) 御指摘のございました調査の件でございますが、街路樹や公園の花卉類の管理のために市街地におきまして散布された農薬の飛散リスクの評価や管理手法の開発を行うために、本年度から五か年計画実施をしているところでございまして、現在は、本年度につきましては地方公共団体に対しましてアンケート調査実施しておりまして、防除実態の把握に努めております。  今後は、今年度実施をいたしましたこの調査結果を踏まえまして、モデル的に公園等でのモニタリング調査実施するなど、暴露実態を把握した上で適切なリスク評価、管理手法の開発を目指しまして、調査をこれからも進めていくこととしております。
  78. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 細かい問題については次の機会に、農薬飛散リスクの問題については質問をしていきたいと思います。  最後に一つ、ちょっと時間をいただきまして、小林さん、済みません。実は今日は、海草の問題、泡瀬干潟の問題について、ずっとNGOあるいは専門家の皆さんたちが監視委員会の役割としていろいろと果たされてきたことがございます。今日は傍聴席にもおいででございますけれども、是非そのNGOとか専門家の声、こういうものをきっちりと事業に反映させているのかどうなのか、これちょっとやっぱり最終的に、最後、今お聞きして、是非ともその意見を聞かなかったために失われた藻場ということにならないようにしていきたいので、NGOの皆さん、NPOの皆さん、あるいはこうして監視委員会として専門家としての意見、そういうものをしっかり生かしていただきたいと思うんですね。実は、生かされないために、委員会もこれではもう駄目だということでお辞めになった方もいらっしゃいますので、その市民の声をどう聞いていくのか、そしてNPO、NGOの声をどう聞いていくのか、これを最後にお聞きしておきたいと思います。
  79. 南川秀樹

    政府参考人(南川秀樹君) 海草の移植でございますけれども、まだまだ確立まで時間を要することでございます。まだとても日本では確立されたと言えない状況にございまして、これから私ども、多くの専門家の方々、これはNGOかあるいは地方公共団体とか問わず、できるだけ多くの方の意見を踏まえて海草の保全あるいは移植についてしっかりした知見を蓄えていきたいと考えております。
  80. 岡崎トミ子

    岡崎トミ子君 よろしくお願いします。ありがとうございました。
  81. 小林元

    小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。  既に御承知かと思いますが、茨城県の神栖市におきまして有機砒素化合物による環境汚染というものがございまして、健康被害もあったわけでございます。三年前の平成十五年三月に筑波大のお医者さんから、住民の手足がしびれているというようなことで、飲用水に問題があるんではないか、井戸水検査をしてほしいというのが最初のスタートでございました。その井戸水検査をしたところ、自然界には存在しない毒ガスの原料であるジフェニルアルシン酸の四百五十倍というような砒素が検出をされました。自然界にはない、この有機砒素というのはないわけでございます。神栖市には旧陸軍の神之池航空隊というのがございました。また、内閣の中央航空研究所というものがございました。それに関連して投棄されたのではないかと思われますが、その三月後に、平成十五年六月に健康被害に係る対策要綱、閣議了解がされました。大変スピーディーな対応があったというふうに評価をしております。  そういう経過の中で、健康被害があると思われる方の健康診断といいますか、治療というようなものが始まっておりますし、しかも、汚染原因というものは必ずしも、旧軍のものだろうというふうには思われましたけれども、特定しないままにそのような救済緊急措置というものができたわけでございます。その後、十七年、二年後に汚染メカニズム調査というようなことで、汚染メカニズムの解明調査ということでボーリング調査をしたり、あるいは水の、井戸水の検査をしたりということがあったわけでございますが、そのような中で原因物質らしきコンクリートの塊が見付かったというような経過というふうに聞いておりますけれども、そのメカニズム解明調査で掘り出したものの処理というんですか、これからどうするのかというようなことについてお尋ねをしたいと思います。
  82. 滝澤秀次郎

    政府参考人滝澤秀次郎君) お話にございましたように、健康被害が出ました地域の九十メーターほどの部分にコンクリートの塊らしきものがあるということで、ちょうど一年ちょっと前になりますが、そういった発見がございまして、その後約半年掛けまして、それがどういう状態であるのか、あるいはその有機砒素による汚染がどの程度かということをまとめまして、昨年の六月に一応報告書の形で提出させていただいております。  目下、汚れております、周りの土壌も汚染されておりますし、それからコンクリートの塊そのもの、これもう百トン近くのものでございますが、それをどのように処理するかということでございます。  この二月に入りまして住民にその処理の仕方等々、安全に処理できるというやり方を説明させていただき、今月の十三日から十六日でございますが、確認試験ということで、実際に処理できるセンターで実物を処理して、実際に無害化できるというようなことを、十六日は住民公開の下に確認試験もさせていただいております。  今後、この夏以降、本格的にこの汚染土壌、汚染コンクリートの処理をしていきたいということで、更に地元の住民の御理解を得ながら対応していきたいと考えております。
  83. 小林元

    小林元君 その無害化処理ですが、焼却をすれば無害化できるだろうというお話であると思いますけれども、砒素そのものは無機だろうと有機だろうと毒性があるということですよね。ですから、焼却によって無機化するイコール無害化というふうにはちょっと理解し難いんですが、そこら辺はいかがなものでしょうか。
  84. 滝澤秀次郎

    政府参考人滝澤秀次郎君) この問題につきましては、国環研の森田先生始め数多くの専門家に、もう三年近くなりますけれども、逐一その対応について専門的な御判断、御検討をいただきながら方針を決めてきておりまして、今回の、今申し上げた地元の処理センターでもって確認試験、まだ試験の段階でございますけれども、理論どおり無害化ができるかということで実際やってみたわけでございまして、その結果については私どもまだこういうことだったというふうに報告を受けておりませんけれども、無害化といいましょうか、健康に影響のない形で処理が進むというふうに、御検討の結果を踏まえての対応でございますので、私どもはそういうことになるんではないかと考えております。
  85. 小林元

    小林元君 汚染土壌あるいはコンクリートの塊が二千百トンにもなるわけでございまして、これが無害化するかしないかというのは大問題ですし、その汚染土壌というか大量のものをどういうふうに処分するのかということも無害化と大変深い関係にありますので、十分調査といいますか検討をしていただきたいなというふうに思っております。  それから、健康被害でございますが、その当時、五百四十七名がいろいろ健康診査をするというようなことで、医療手帳を交付された方が百三十五名に上ったわけでございますが、現在いい方向に行っているのかどうか、お分かりでしたらばお話をいただきたい。
  86. 滝澤秀次郎

    政府参考人滝澤秀次郎君) お話のように、汚染された井戸を使っていたという方に髪の毛でありますとかつめをお持ちいただいて、その中に含まれているかいないか等々調べまして、お話がございましたように百三十五名の方に医療手帳が交付されております。これは平成十五年の六月六日の閣議了解に基づきました緊急措置事業ということで対応してきておりまして、医療費等を手当てするというものでございます。また、健康被害が実際臨床的に現れた方々に対しても更に協力金というような形で給付もされておりますし、今後ともしっかりとフォローアップしていきたいと考えております。  ただ、こういう健康被害がなぜ起きるかというようなことの、これは国際的に余り知られていない案件でございまして、こういったことにつきましても調査研究班、いろんな各論ごとに六班形成しております。社会支援等も含めた形での様々な調査研究班を構成しておりまして、そういう基礎的な解明ということも忘れずにやっていきたいと考えております。
  87. 小林元

    小林元君 あと、その汚染源の塊といいますか、汚染土壌を掘り出したということは大変良かったと思うんですけれども、実は私が質問するから新聞ということはほかに言っていませんけれども、読売新聞と地元の茨城新聞に、たまたま、あれから三年というようなことで砒素の記事が出ておりました。その中ちょっと読ませていただいたんですが、読んでいるかどうか分かりませんが、掘り出した、ボーリング調査あるいは掘削によって地下水脈が大分乱れたんではないかというような指摘をする先生もおりまして心配になってきたんですが、いわゆる地下水のモニタリングの状況で、掘削前、掘削後どういう状況なのか、お分かりでしたらば教えていただきたいと思います。
  88. 滝澤秀次郎

    政府参考人滝澤秀次郎君) ここ二年半近く地下水のモニタリングについては継続して調査を進めてきております。お話のように、昨年の夏に全体的に濃度が減少する傾向が一時的に見られた時期がございますが、その後、余りまた変わっていないという状況であるとも承知しております。  このメカニズム、汚染メカニズムといいましょうか、実態、その後どうかということは引き続きモニタリングをしていく必要があると考えられますし、それから様々な学者の先生方がお話にありましたような御意見があるということも承知しております。私どもの検討会の中にも地下水脈の専門の教授にも入っていただいておりますし、そうした一般から御指摘いただいている御意見も踏まえて、この専門家会議も含めて、モニタリングということをしっかり継続していきたいと思っております。
  89. 小林元

    小林元君 モニタリング等につきましてしっかりと今後とも継続していただきたいと思います。  そこで、その掘削しましたコンクリートの塊でございますけれども、そういうことがありまして、実は昨年のメカニズム解明調査の結果が、中間報告ですか、出たときのコメントにちょっと気になるところがございまして、この塊、これは平成五年に投棄された可能性が極めて高いと。塊からは毒ガス成分は全く検出されなかったため、毒ガスではなくジフェニルアルシン酸そのものがコンクリートに混ぜられて投入された可能性が極めて高いと。このコメントは、何か、ジフェニルアルシン酸はあるんですけれども毒ガス成分ではないというように聞こえる、見えるんですよね。しかし、やっぱりこれは毒ガスの原料ですから毒ガスと無関係ではないだろうと、これも推測で分かりません。が、ちょっとここのコメントは言い過ぎたのかなと、書き過ぎたのかなと。  したがって、住民の方はこれに反応しまして、これでは国の最終責任がどうなんだろうか、旧軍ですね、ということが心配になりまして、不法投棄されたようなので、その不法投棄について容疑者不明のまま告発をするというような方式というんでしょうか、告発をしたというようなふうに聞いておりますが、その辺につきまして、警察庁の方で来られておるようですが、いかがでしょうか。
  90. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) お答え申し上げます。  お尋ねの事案につきましては、御指摘のとおり、昨年八月三十日、茨城県警察において関係者から殺人未遂及び業務上過失傷害に係る告訴を受理いたしております。現在、茨城県警察におきまして、事案の解明に向けまして関係者からの事情聴取、押収品の精査等、鋭意捜査を推進中でございます。詳細につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
  91. 小林元

    小林元君 刑事局長さん、結構でございます。ありがとうございました。  なかなか難しいんでしょうけれども、やはり住民の方も心配はしているんですよね、不法投棄者に全責任があるのか、国に責任があるのか、今後の、例えばなかなか見付からないと、補償をだれがするんだろうかとか。やっぱりこれは、アスベストの問題ではないんですけれども、当面は救済措置ということでここまで来ました、五年間の時限ということになっておりますが、その後どうするのかとかいろいろ心配しているわけでございますが、最終的な責任ということになれば当然、当然というのは言い方が、とにかく原因者が見付からないという、特定できないという状況に非常に地元住民も焦っているわけでございます。  環境省としてどういうふうにその辺考えておるのか。
  92. 滝澤秀次郎

    政府参考人滝澤秀次郎君) 先ほど中間報告の中の表現を引用されたわけでございますが、このコンクリートの塊だけに特化いたしますと、その中に平成五年、六年に製造されたコーヒー缶が混入されていたり、かなり、近年何者かによって投入された可能性が高いという調査結果の表現が出てまいります。  ただ、おっしゃいますように、そのジフェニルアルシン酸そのものがなぜ存在したのか、旧軍以外の何か利用法があったのか、あるいは民間の企業とか工場でそういうものが製造されていたのかと、いろいろ様々な基礎的な情報を検討もいたしました。たくさん、大量のものが、そういうものが製造されたというような記録も特にないというようなお話も議論をしていただきました。したがって、情況証拠的には旧軍毒ガスの原料であるジフェニルアルシン酸という可能性はもちろん否定できる状況にございませんし、その可能性が高いと、そう評価される先生方もいらっしゃいます。  ただ、繰り返しになりますが、五、六年にどうもそういう逆の情況証拠もございまして、そのような報告の結果になったわけでございます。  二点目御指摘の、そういう責任が明らかになった場合、その汚染の原因が旧軍由来と明らかに判明した場合の、じゃ、国がちゃんと補償するんだろうなというようなお話もあったかと思いますが、この点につきましては、その旧軍の行為全般に関しまして国家賠償を求めている方々との均衡の問題などもございまして、政府全体としてその補償の方針、在り方について検討されるべきものというふうに私ども認識しておりまして、今の時点で何か方針めいたコメントはなかなかできない状況でございます。
  93. 小林元

    小林元君 真犯人が特定できないという状況が続いておりますから、それはそれとして了としますけれども、やはり最終的にはきちんと原因者を探して、そこに補償を求めるということにしなければならないと。住民の方も環境大臣に直々にお訴えをしたいというような意向もあるようでございますが、どうかその節には住民のお話も聞いてあげてほしいなというふうに要望したいと思います。  何かございましたらコメントをいただければと思いますが。
  94. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) この問題につきましては、今経過について、また現時点での課題について今やり取りがあったところだと思います。国としてしっかり取り組むべきということだと思っております。また、有機砒素化合物に対しての調査研究であるとか証拠、それから病態の解明を図って、住民の皆様方が抱いておられる健康不安の解消にはしっかり努めてまいりたいと考えております。
  95. 小林元

    小林元君 最初に話しましたように、スタートダッシュはすばらしく良かったわけでございます。最後までいい、いいといいますか、結論がしっかり出るようによろしくお願いをしたいと思います。  次に、私の地元の問題で続いてお願いをしたいと思います。  大変残念なことなんでございますけれども、つくば市が平成十八年に環境省のモデル事業として市内の全小中学校に設置をしようとした発電用の小型風車二十三基でございます、これは三か年計画でございますので、まあ約三分の一ということになりますけれども、昨年の七月から四か月間で、期待された発電量が六万キロというのに対しまして、たった百三・五キロワット、つまり六百分の一しか発電をしていないと。つまり、ほとんど回っていなかったと、いろいろ経過がございますけれども。  この名前は、環境省環境経済の好循環まちづくりモデル事業と、大変立派な名前なんでございますが、その事業の大変中身は私はいいと思うんですけれども事業内容について御説明をいただきたいと思います。
  96. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) お答え申し上げます。  つくば市の事業でございますが、今先生おっしゃられましたように環境経済の好循環のまちモデル事業、いわゆるまほろば事業と言っておりますが、このうちの一つといたしまして、これはそれぞれの地域発の創意工夫を活用して環境のまちモデルをつくっていくと、こういう事業でございますが、環境省平成十六年度に十地域を選定いたしております。そのうちの一つがつくば市でございました。  この事業は、今もう既に御説明ございました、十六年度から三か年計画ということでございまして、つくば市のすべての小中学校五十二校に小型風力発電設備七十五基を設置すると。そして、小中学校で使用する電気の約十分の一を、それに相当する二酸化炭素の削減を図ると。そして、あわせて、その発電相当額を地域通貨の原資といたしまして、地域環境保全活動に役立てながら地域経済にも資することとするものでございまして、平成十六年度事業といたしましては、先生もおっしゃられましたように、市内小中学校十九校に、今、小型風力発電設備二十三基が設置されているという事業でございます。
  97. 小林元

    小林元君 ところが、いろいろ基本調査、基本計画調査というんですか、これを早稲田大学の工学部にお願いをしたというようなことでございますけれども、その内容によりますと、六十万キロ発電できるというのは、十五メートルの風車だとそれができると。ところが、現実に設置されたものは直径が五・三メーターの風車、三分の一というようなことで、どこでどうなったのかは分かりませんけれども、選定委員会等々も市の方で開かれたようでございますけれども、その辺について、どのような契約で、早稲田大学がどういう責任があるのか分かりません、私は市役所と環境省からしか話を聞いておりませんのでどこがどうなのかということは分からないんですが、そういう問題が一つあるんじゃないかと。  それから、この風車を設置するについて、普通は風況調査というか現況調査というか、風がどこから吹く、どの程度吹いているのかと。ここにもつくばに勤務しておりました足立議員がおりますからよく分かっていると思うんですけれども。この十五メーター、失礼しました、さっき直径十五メーターと言いましたが、そうではなくて十五メーターの風ですね。十五メーターの風というのはこれは大変な風でございまして、おとといですか、昨日、それから金曜日にも吹きましたよね。電車が止まりました。あれが大体十六、七メーターだそうですね。平均風速、平均風速ですからね。瞬間風速ですと三十メーター超えるというような風でございまして、あんな風が毎日吹いているということはあり得ないことなんですよね。そういうことですが、それはそれとしまして、適地調査とか現況調査。  このPRをするという意味で小中学校に造るのは大変結構なことです。ただ、現実に回らない風車を設置してもこれは何にもならないわけでございますから、やはり適地とか風況がいいところとか。例えば平場に、ほとんど校庭に設置されているんですね。ところが、やっぱり風を少しでも利用するというんであれば、学校は四階建てとか五階建てになってますから屋上に造るというのが普通だと思うんですね。ただ、毎日毎日児童生徒が見えるところ、回っているのを見た方がいいだろうと、気持ちは分かりますが、お金を掛ければいいというものではないと思うんです。  それからもう一つは、これは十六年度の事業が昨年の七月に設置をされて運転に入ったわけでございます。つまり遅れていたんですね。そして十七年度の事業の申請もなかった。そういう中で、昨年から、市民団体からあれはおかしいんじゃないかということで、今度の議会でいろいろ議論になって、早稲田大学に損害賠償請求をしようと、告発をしようと、告訴をしようというようなことが決まったわけでございますが、その前に環境省としてどのような指導というか、あったのか。  ちょっと時間が足りないものですから、いろいろ三つほど申し上げましたけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
  98. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) お答え申し上げます。  多岐にわたる御質問でしたが、ポイントをお答え申し上げておきたいと思います。  まず、この事業環境省といたしましては、環境経済の好循環のまちモデル事業一つとして、その趣旨やあるいはその枠組み、基本的枠組みがこれだったら採択しても大丈夫であると、よいと考えまして、外部の有識者から成る選定委員会におきまして採択をいたしたものの十事業のうちの一つであるということでございます。  そして、今お話がありましたように、この小型風力発電につきましては、昨年の十一月ごろでございましたか、風車が回っていない等の報道がございまして、つくば市に私どもから確認をいたしましたところ、このときは実は騒音などの機器の不具合が発生して、その調整を行っていたということの回答を得ました。確かにそういう騒音の問題もあったようでございますが、以降、つくば市とは風車のその後の稼働状況がどうなっているかということをかなり連絡を密にしていたところでございましたが、昨年末に更にそれに加えて、そもそもその発電量の試算に問題があるとの地元報道がありまして、このため、本年一月でございますが、つくば市等から詳しく聴取をいたしましたところ、今委員も御指摘になりました二酸化炭素の削減量の試算の元となりましたつくば市が早稲田大学に対して委託いたしました基本計画、つくば市小中学校風力発電導入基本計画、ここにおきます風力発電設備の能力、その試算の元になった能力と実際に設置された風力発電設備の能力が異なるものであって、このままでは当初見込みの、正におっしゃられた六十万の、その発電量が得られないということについて私どもとしても確認をしたものでございます。  ただ、この事業、いずれにしろ国の補助により設置した事業でございますし、その施設がその目的たる機能を現在発揮していないわけでございますから非常に問題であると考えておりまして、つくば市には早急に改善策を講じるように、改善策をまず検討するように、今申し入れをしているところでございまして、私どもとしては、引き続きつくば市とよく相談をし、今後の対応を考えてまいりたいと、このように考えております。
  99. 小林元

    小林元君 先ほども言いましたように、市役所、早稲田大学、あるいは環境省関係そろってしっかりとやっていただくようにお願いをする次第でございます。  それで、時間がもうなくなってしまいましたけれども、風力・太陽光発電でございます。  先日、一月に委員派遣で京都へ行ってまいりました。京セラで太陽光発電の話を伺いました。日本では生産量は一番なんだけども、需要量といいますか設置量は残念ながらドイツに負けていると。環境先進国として作るのは上手なんだけども、実際に活用といいますか、自然エネルギーを取り入れるというような努力がいかがかなというふうに思うんでございますが。環境を商売にしていると言われると大変残念なんですけれども、その辺の状況、どういうことになっておりますか、簡単にお願いします。
  100. 小林光

    政府参考人小林光君) 現在の全世界での生産量、御指摘のとおり、若干年度が遅れておりますが、〇四年度でございますけれども、千百七十七メガワット能力でございます。その中で我が国生産量は六百二メガワットということで世界の一番ということでございます。直近の〇五、暦年のデータしかまだ出ておりませんが、これでも世界一ということで、生産量は御指摘のとおり一番でございます。  また、導入量でございますが、今まで一生懸命日本導入しておりましたので、累積の導入量ではなお日本が世界の一番ということで、一千百三十一メガワットということでございます。急追著しいドイツが七百九十四メガワットということでございますので、ドイツが二位と。  今御指摘になりましたお話、私も京セラ、一緒に行かさしていただきましたけれども、ありましたのは、単年度の導入量がドイツが上回ったと、こういうことでございます。導入についてはいろいろ補助もありましょうし、またお使いになる方々のいろんな御発想もあろうと思います。私ども、そういった悩みになること、技術的な相談等々を踏まえまして、更に大規模導入を進めていきたいというふうには考えてございますが、現状は御質問のとおりでございます。
  101. 小林元

    小林元君 環境省としても、大臣直々にソーラー大作戦というようなことで展開をしようと張り切っておられるようではあります。もちろんこれは石油特会ですか、の事業で、経済産業省と環境省とそれぞれ分担をしながら新エネルギーといいますか代替エネルギーといいますか、自然エネルギーの利用というようなことで頑張っていこうというのが計画になっているわけでございます。  今の話を聞きますと、年々、生産も順調だし需要も伸びているというようなことですから、太陽光あるいは風力発電についてもまあ心配がないのかもしれませんが、両方ですね、一つはソーラー大作戦についてと、簡潔で結構でございます。  それからもう一つ、目標を達成、風力発電、現在の、二〇一〇年には三百万キロ、風力がですか、太陽光が四百八十二万キロというようなことで立てておるようでございますが、それらについて達成に向けての、これは意識改革も含めて、エネルギー量としてはそれほど大きくはないと思うんですけれども、やっぱり国民の意識改革をする上では非常に大事なことだろうというふうに受けております。  日本では風力というよりは水力、水車の利用というのは非常に盛んだったわけでございます。これは地勢上そうなっているんでしょうが、ヨーロッパはオランダの風車というように世界的に有名でございまして、やはり風力の利用というのは進んでいたんだろうと。ただ、電気が導入されてどこも、どちらも駄目になったわけでございますが、ヨーロッパでは風力が相当導入が進んでいる、あるいは技術も先ほどあったようなつくばのような問題はなくて、発電機そのものもEU諸国の製品が大変よろしいというふうなことで導入されていると。この辺についても頑張ってもらいたいなと思うんですが、その辺についてお答えをいただきたいと思います。
  102. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 大変な御支援の御質問だと受け止めてまいりたいと思います。  太陽光発電とか風力発電、言うまでもなくエネルギー消費に伴う二酸化炭素を排出しないクリーンな、リニューアブルなエネルギーでございます。また、太陽光は太陽が差すところであるならばそれは可能であるということでございますし、また風も、強く吹くところと吹かないところとありますでしょうけれども、いずれにしても、自然のエネルギー資源であるということでございまして、脱温暖化の地域づくりと地域経済の振興の観点、それからエネルギー自給率の向上にも資するものだと考えております。  目標達成計画でございますが、この導入を、こういった太陽光発電や風力発電の導入を促進することとされておりまして、二〇一〇年度におきまして、太陽光発電については四百八十万キロワット、風力発電については三百万キロワットの導入を見込んでいるところでございます。しからば今どのぐらいの導入かと申し上げますと、太陽光が百十三万キロワット、風力発電が九十三万キロワットということでございまして、更なる導入拡大策が必要ということでございます。  そこで、ソーラー大作戦と名付けまして、再生可能なエネルギーを例えば地域的で集中的に導入して地域として共同で利用していくという、こういったモデル事業、それから地方自治体におけます率先的な設備導入の支援を行っていこうという形でこのソーラー大作戦を進めてまいりたいと考えております。  また、風力発電につきましては、家庭用の小型風力発電というのも最近いろんな優れ物が出てきておりまして、これらを地域ぐるみで導入する取組に対して設置費用を補助するといったような形でこの目標達成計画の導入見込み量が達成できるようにしっかりと取組をしてまいりたいと考えております。  先ほどのつくばのは残念な例でございますけれども、風力発電にしても太陽光発電にしても、それ設置しているというのが見えるということはこれはある意味でプラスの材料ではないのかなと思っておりますし、またそれを広く進めていくことによって更なる技術革新につながっていくとか、やはり我が国として京都議定書の目標を達成するという大きな観点からも、こういった自然、再生可能なエネルギーということに力を入れていくというのは当然の姿ではないのかと考えておりますので、今後ともよろしく御支援くださいませ。
  103. 小林元

    小林元君 あと、質問の通告をしてございます。石油特会の話が出たものですから、石油特会について、グリーン化といいますか、そういう中で石油税が石油石炭税になったというふうに思っておりますが、その辺の経緯についてもお伺いし、また環境税導入、二か年連続要求しましたが残念な結果に終わってしまいましたけれども、いずれ環境税が出てくるというようなこともあって石油特会での環境省分というものが先行したのかなと。これは私の勝手な推量でありますけれども、その辺についても今後時間がございましたらいろいろ議論をさせていただきたいなと。  以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
  104. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時四十五分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  105. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) ただいまから環境委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  106. 草川昭三

    ○草川昭三君 公明党の草川でございます。  まず最初に、環境省の本年度の主要施策の第一に、京都議定書の削減約束の達成に向け地球温暖化対策に取り組むことが表明を過日もされました。  その中で、環境税については、平成二十年から京都議定書の第一約束期間が始まることを踏まえ、既存の税制との関係などを考慮を払いながら早急に検討を進めたいと言われているわけですが、それを念頭に置いて具体的なスケジュールをどのように考えておみえになるのか、お伺いをしたいと思います。
  107. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) お答え申し上げます。  京都議定書の目標を達成し、地球温暖化を防ぐためには、やはりあらゆる政策手法を総動員し、国民皆が参加したすそ野の広い取組を進めていくことが必要であると考えておりまして、環境省といたしましては、国民全体が温暖化対策参加していく経済社会仕組みとして、それぞれの排出量に応じて公平な形で負担を求める環境税、これやはり有効な政策手法であると考えているところでございます。環境税はまた中長期的にも現在の国民のライフスタイルや社会経済システムを脱温暖化へと転換する推進力になると考えているところでございます。  環境省では、御承知のように、平成十七年度及び十八年度税制改正の議論におきまして、二度にわたって環境税の具体案を公表しまして、そしてその導入を要望し、政府・与党において検討を重ねてきたところでございまして、これまでのところは導入するとの結論は得られていないわけでございますが、環境税への理解は着実に歩を進めていると受け止めているところでございまして、今御指摘の今後のスケジュールについてのお尋ねでございますが、地球温暖化対策に関連する全体の議論の進展状況を見極めながら、一方で政府・与党におきまして歳出歳入一体改革の議論が今進んでおります。その中心はやはり税制改革の議論が併せて進んでいるわけでございますから、その状況あるいは十九年度の税制改正のスケジュール、こうしたスケジュールを踏まえながら、引き続き国民の皆様方あるいは関係方面の御理解が得られるよう最大限の努力を払いながら、今ございましたように、京都議定書の第一約束期間が始まるまで正にあと二年という状況でございますので、切迫感を持って対応してまいりたいと考えております。
  108. 草川昭三

    ○草川昭三君 じゃ、第二問の方に移りますが、アジアを中心とする環境協力を含む地球環境保全対策推進を図るということで、今回の予算に約二百二十三億四千万円が計上をされているわけです。地球温暖化対策を進めるに当たっては、これまた先ほどの話ではありませんが、中長期的な工程管理というんですか、工程スケジュールが必要だと考えますが、役所としての具体的な見解をこの際お聞かせいただきたいと思います。
  109. 小林光

    政府参考人小林光君) 御指摘のとおり、この気候変動対策を進めていく上では長期的な展望というのが必要だというふうに考えてございます。  気候変動枠組条約の究極目的でございます自然の生態系あるいは人類に悪影響を及ぼさない水準で温室効果ガスの濃度を安定させるということのためには、世界の排出量を少なくても半分以下にする必要があるというようなことが言われて、専門家から指摘をされているというようなこともございます。  そうしたような状況を踏まえまして、昨年四月に閣議決定をされました京都議定書目標達成計画におきましては、六%の削減約束の達成ということのみならず、今申し上げましたような地球規模での長期的、継続的な排出削減を我が国地球温暖化対策の目指す方向として掲げ、そしてその中で、例えば次期の枠組み、国際的な枠組みづくりについてリーダーシップを発揮するとか、あるいは国内におきましては、地域の構造、都市構造あるいは社会経済システムといったようなものを見直して中長期的な大幅な排出削減が図れる、そういったような世の中に変えていこうというような方向がなされているわけでございます。  さらに、それを受けまして、二〇五〇年といったようなターゲットの年を決めまして、環境省としてももう少し突っ込んだ、何というか、対策といいますか、の検討を始めたところでございます。  そうした中長期的な展望の下で今御指摘ありましたような予算につきましても進めているところでございます。具体的に申し上げますと、再生可能エネルギーを地域ぐるみで導入するソーラー大作戦とか、あるいは温暖化対策技術の実用化に向けた技術開発、あるいは地域、都市づくりといったようなことも盛り込んでいるわけでございまして、中長期的な視点が必要と、御指摘を受けまして、そういった下で国際的な枠組みづくり、そして国内対策に邁進してまいりたいというふうに考えております。
  110. 草川昭三

    ○草川昭三君 今、局長の答弁ですが、中長期の目標を決めながら進行をしていくというお話でございますけれども、それは結構ですが、二百二十三億というのは今日の規模からいっても言葉に裏打ちをされるような予算とはとても私は思っておりません。そういう意味では、今後ともこれだけの大きな展望をどう達成するかについては相当頑張っていかなければいけないということを注文を特に付けさしていただきたいと思うわけであります。  それで、地球規模の温暖化対策を進めていく上で、京都議定書のクリーン開発メカニズム、CDMというんですか、これは先進国の優れた温暖化対策技術が途上国の方に移転をされるということによって途上国の持続可能な開発が進められていく、こればかりではなくて、先進国はこのCDMプロジェクトによって発行されるクレジットを京都議定書の約束達成に活用をする、先進国と開発途上国の双方が利益を得る、正にウイン・ウインというんですか、それに対するアプローチであり、非常に効果的な手段ではないかと思います。  我が国の中においても、既に電力あるいはガス等の基礎エネルギー関係、あるいはその他のメーカー、商社などの民間業者もCDMを積極的に活用するようにスタートをしているようであります。  二〇〇四年には、これは最近ですが、政府金融機関も加わり、多くの関係者が出資をした日本温暖化ガス削減基金、ファンドができておるわけでありますし、及び民間企業という形ではありますが、日本カーボンファイナンスという会社が設立をされているわけでありますが、着実にこのCDMというのは進んでいると思いますけれども、これは非常に重要な進展だと思います。こういうところで集めたお金が開発国の方にも、風力発電だとかガスタービンだとか、いろいろな資源の再利用のためにも使われていくと思うので、これは非常に大きな問題点だと私は思っております。  我が国のみならず地球規模の温暖化対策推進を担う環境省は、このような民間業者によるCDMプロジェクト実施取組を更にバックアップをすることが必要だと思うんですが、具体的なお考えがあるならば、これは大臣からお答え願いたいと思います。
  111. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 御指摘のクリーン開発メカニズム、CDMでございますけれども、民間事業者が有している優れた温暖化の対策技術を活用して途上国で費用対効果に優れた排出削減プロジェクトを行うというもので、正にウイン・ウインの構造、先進国の削減目標達成にとっても、途上国のサステイナブルな開発にとっても非常に重要な取組であるということは御指摘のとおりでございます。  そのために環境省としてどうするのかという御質問でございますが、御指摘ありましたような民間事業者によりますCDMの活用を関係府省と連携しながら推進していこうということで、まず実施可能性調査、フィージビリティースタディーを通じましてプロジェクトを発掘したりその形成をするための支援を行う。それから、途上国の中央政府地方政府、そしてまた民間事業者に対して具体的なプロジェクトの実施に係る研修などを行って人材育成を行うこと、それを支援するということ。それから、CDMで得られます認定削減量などをそれぞれの所有者の口座ごとに登録する帳簿など、基盤整備をするということなどを、これらのことを既に実施をしてきたところでございます。  これに加えまして、平成十八年度からは、この民間事業者が途上国で行いますCDMのプロジェクトなどから発行される認定削減量などを政府として調達をするために、口座簿などを法律的に整備しなければなりません。そういったことを背景に、今国会に地球温暖化対策推進法等の改正法案を提出させていただいているところでございます。また、このCDMによります削減量などの調達に必要な経費といたしまして平成十八年度予算に計上をさせていただいております。  また、今後ですけれども環境省として、このプロジェクトの発掘、形成支援の引き続きの実施ということはもちろんでございますけれども、来年度からこのCDMによります削減量などの取得事業政府として新たに開始する際には、削減量などの取得、仲介を行う民間事業者を活用するといったような形で民間事業者との連携を一層強めてまいりたいと思います。いずれにいたしましても、政府としてカウントできるようにしていくためにも、民間事業者を更に活用していくということを考えているということを申し述べておきます。
  112. 草川昭三

    ○草川昭三君 是非これは進めていただきたいんですが、今、一方では例の行政改革の問題でいろいろと金融機関、政府金融機関の統合等が言われておるわけですが、このファンドの中には、国際協力銀行だとか政策投資銀行の出資というのがこのファンドの中にあるんですよ。これが将来一本の形で答申をされ、今度の法律の中に書き込まれていくことになると思うんですが、政府のかかわり、特に政策融資というものがどうなっていくかということについて私、大変心配をしておるわけですが、これはまた別の機会に、次の法案の中でも取り上げて議論をしたいと思っております。  次に移ります。廃棄物リサイクル対策については、いわゆるスリーRという問題について取り組むということで、経費が約七十三億八千万円が計上されております。  ごみの減量や国際的なリサイクルの在り方について、スリーRイニシアチブ高級事務レベル会合が過日も開催をされたようでございますが、その進行あるいは経過について説明をしていただきたいと思うわけであります。七十三億八千万円も、いささか私は、今日の流れからいえば、大変大きな問題に取り組む今年度の予算としては私は貧弱だと思うんですが、そのことも含めまして、現状について、どのような会議が行われ、どういう議論があったのかお答え願いたいと思います。
  113. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) スリーRイニシアチブ高級事務レベル会合は、昨年四月に開催されました閣僚会合のフォローアップとして開催されたものでありまして、二十か国とそれから欧州委員会、七つの国際機関から約百二十名の方が参加されました。  会合におきましては、スリーRの推進について参加国、国際機関の間で活発な議論がなされております。具体的に申し上げますと、まず、各国におけますスリーRの取組の進展につきましてそれぞれから報告がなされております。また、国際的な資源循環の移動についても活発な意見交換がなされました。また、我が国は、アジアにおけますスリーR推進のための国際会議の開催を提案をいたしまして、各国において歓迎されたところであります。  さらに、二〇〇六年の、今年でありますが、G8議長国はロシアであります。それから、二〇〇七年のG8議長国はドイツでありますが、それぞれがスリーRイニシアチブを取り上げる意向を示されまして、日本がG8議長国になります二〇〇八年に向けまして、スリーRイニシアチブのG8プロセスにおける位置付けが明確になったものと認識をいたしております。
  114. 草川昭三

    ○草川昭三君 今のこの会議で、これは私まだ報道によればという言い方をしますけれども、中古品と偽った廃家電製品などの不正な輸出入を防止をするガイドラインの必要性というんですか、有用性がスリーR高級事務レベル会合で指摘をされたと言われておりますが、その間の経緯を説明願いたいと思います。
  115. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 再生利用や再生産された製品の国際的な流通に対する障壁を低減することは、スリーRイニシアチブにおける課題の一つであります。  ただし、こうした製品が途上国に向けて輸出されることに対しまして、途上国側には、これらの製品が短期間で廃棄物になり、その適正な処理に必要な能力や設備がそれぞれの途上国の国内に備わっていない、それから再生利用品と偽った廃棄物の偽装貿易が増加するという懸念もありまして、こういう環境汚染への懸念があるというようなことが途上国側から指摘をされているわけであります。  この課題につきましてもスリーRイニシアチブ高級事務レベル会合におきましても議論がなされておりまして、当面の取組として、中古家電製品の判断基準などに関します技術的、実践的なガイドラインの整備が適切であるとの指摘がこの会合の中であったところであります。ただし、ガイドラインを作成することにつきまして、それからそういう中身に関しまして各国の間でこの会議で合意があったわけではございません。  なお、環境省としましては、アジアにおけます有害廃棄物の不法輸出入防止の観点から、ガイドラインの作成を念頭に、各国におけます中古電気・電子機器の定義や取扱いにつきまして情報収集を行っているところであります。
  116. 草川昭三

    ○草川昭三君 今、有害廃棄物の定義というお話がありましたが、非常に重要な問題だと思うんです。  私、過日の実は参議院の本会議でも代表質問の中に一項目入れさしていただいたわけでございますが、二〇一一年ですか、アナ・アナ転換がいずれにしてもあるわけですよね。そうすると、アナログのテレビというのはいずれは見ることができなくなる、チューナーを購入して対応するということも進行しておるわけですが、いずれにしても日本国内に一億台以上あるテレビの廃棄物をどのように処理をするのかということについては経済産業省の方も余り考えていないようなんですね。それですから、これはもう、必ずしもこれは有害とは言えませんけれども、そういう取扱いも含めたいわゆるガイドラインというものを是非今から準備をしておく必要があるのかなと、こういう感じを持っておるものであります。  それで、この有害廃棄物の国際間の移動、輸出の場合もあるでしょうし不当に移転をする場合もあるわけですが、一九八九年の国連環境計画の中で決められましたバーゼル条約というのがあり、このバーゼル条約によって規制を受けるということでありますが、先ほどの答弁にもありましたように、有害廃棄物の定義については各国まちまちのような対応だというふうに聞いておりますが、この有害廃棄物の定義を日本だけではなくて周辺諸国は少なくとも共有をすべきだと私は思っておるんですが、見解をお伺いしたいと思います。
  117. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) バーゼル条約におきまして、締約国は、バーゼル条約上の有害廃棄物以外に国内法で独自に有害廃棄物を定めることができることとされております。その場合、その情報を条約事務局を通じまして他の締約国に通報することによりまして条約上の有害廃棄物と同様に輸出入管理の対象となることとなっております。  しかし、バーゼル条約上の有害廃棄物の定義につきまして、例えば家電製品など一部の品目では各国の間で解釈が異なる場合もございます。それから、各国の定義に関する通報も行われないような場合もありますことから、規制対象物の理解が各国の間で異なり、国際間で問題が引き起こされることも出てくるわけであります。  我が国としましては、有害廃棄物の不法輸出入防止に関しますアジアネットワークというもので関係者と話を進めておりますが、各国の関係制度に関する情報共有を進めているわけであります。各国におきまして、有害廃棄物の解釈等に関する情報をアジア各国で共有していくことによりましてこの有害廃棄物の輸出入の適正化に努めてまいりたいと、このように考えております。
  118. 草川昭三

    ○草川昭三君 この問題は後でまた問題提起がありますが、例えば後の質問のペットボトルの中にも実はこれは日中間の間で非常に対立した問題もあるわけで、またそこでも議論をさせていただきたいと思います。  じゃ、次に移ります。  平成六年の十二月に第一次環境基本計画が作られました。その後五年間の経緯を経て第二次の計画策定され、今年の三月にいよいよ第三次の計画ということになり、また後日の委員会でも議論になるわけであります。  この第一次の環境基本計画では、環境政策の長期的な目標として循環型社会、共生社会などが掲げられました。さらに、国際的な取組も必要だということで目標にうたわれたわけでございますが、これまでの実績についてどのように評価をしておみえになるのか、お答え願いたいと思います。
  119. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) お答え申し上げます。  環境基本計画に基づきます取組の進捗状況につきましては、これは毎年でございますが、中央環境審議会によって点検という作業を行っております。それに基づきまして、これは十六年の十二月でございます、少しまとめてフォローアップの総括がございます。そこをちょっと引用させていただきますと、第一次環境基本計画、これは今先生御指摘ありましたように循環、共生、参加、国際的取組と、この四つを言わばキーワードといいますか、長期的な目標としてそれを掲げて環境政策を理念的に導いてきたという点については大きく評価されているところでございます。  なお、第二次環境基本計画においてはそれらを今度は戦略的プログラム、十一の具体的なプログラムに落としてそれを展開し、実際の個別具体的な施策推進を図ったということでございます。  ただ一方で、例えば現実におきましても、我が国の温室効果ガス排出量、依然として目標をはるかに上回った数字でおりますし、循環型社会の形成に関しましても廃棄物の発生抑制が十分に進んでいないというようなことで、対策を上回る速度で一方で環境問題が深刻化しているということが指摘をされておりまして、またそれぞれの施策相互間のつながりが不十分なこととか、国民に訴え掛ける力が弱いといったこともこのフォローアップの総括の中で取りまとめられておりますので、こうしたことを踏まえまして、今御質問にございましたように、今日の環境問題の態様の変化とか内外の社会経済の変化等に対応する上で、今新たな、第三次になりますが、環境基本計画策定のための検討が開始され、現在大詰めの策定作業中でございまして、三月末には中央環境審議会の答申をいただこうと、そのような予定になっているということでございます。
  120. 草川昭三

    ○草川昭三君 それで、この第三次を目前にしておるわけですが、第二次から三次に移ることをちょっと思い出すんですが、環境省が発足をしたのが十三年です。その前年には第二次環境基本計画が決定されているわけです。環境行政の新たな一つの前進の飛躍の時期であったと言ってもいいと思うんですが、第二次の計画におけるあらゆる場面への環境配慮の織り込みという主張は果たして達成をしたと言い切っていいのかどうか、お答え願いたいと思います。
  121. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 第二次の環境基本計画におきまして、あらゆる場面への環境配慮の織り込みという言葉が確かに何度も出てくるし、一つの大きな柱でございました。  その後の状況ということでございますが、その後、具体的には、例えば家庭学校地域、職場、あらゆる場におきます、これは環境教育という場面におきまして、環境教育環境保全活動推進ということで環境教育法というものが施行されておりますし、あるいは特定事業者環境報告書の作成や公表を義務付けます環境配慮促進法も制定されましたし、あるいは多くの府省、もちろん環境省もそうでございますが、環境配慮の方針、各行政レベルにおいてもそういうものが策定されているというような進展が見られたところでございます。  しかしながら、一方で、それぞれの各主体が取るべき具体的な行動が必ずしも明確ではないと、国民に訴え掛ける力が弱いというようなことも先ほど申し上げたようにフォローアップの総括の中でも言われておりますので、これらの指摘を踏まえまして、今後とも引き続きあらゆる場面における環境配慮の織り込みということを目指しまして施策、活動を促進させていきたいと存じております。
  122. 草川昭三

    ○草川昭三君 時間が過ぎていきますので、予定した質問を二つほど飛ばします。  循環資源の輸出が今問題になっているということをちょっと触れたわけですが、国際的なトラブルの発生や国内のリサイクル体制への悪影響など、循環資源の国際流通の現状とこれに伴う問題点というのは、先ほどたまたまペットボトルの話をしましたが、どういうところに問題があるのか、お伺いをしたいと思います。
  123. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 循環資源の国際的な移動の現状としましては、世界全体での国際的な移動が行われました有害廃棄物の量は、平成五年から平成十三年までの八年間で約千六百万トンの、約五倍に増えております。それから、我が国からの循環資源の輸出量を見ましても、平成六年から平成十六年までの十年間で一千九百万トンと、十年間で約九倍にそれぞれ増加をしております。  このような循環資源の国際的な移動の急増に伴います問題点としましては、まず、受入先となります途上国等におきまして廃棄物となった場合に十分な処理能力がなくて循環資源に含まれる有害物質などによります環境汚染の発生が、件があるという点、それから中古品とのいわゆる偽装などによりまして有害廃棄物等の不法な輸出入が増加するおそれがあるということ、それから循環資源の急激な国外流出によります我が国国内の廃棄物リサイクルシステムの維持強化への支障の懸念もあるというふうなことなどが考えられるところであります。
  124. 草川昭三

    ○草川昭三君 今日は絞って中国との関係で、本当は私、古紙の問題、古い新聞紙の問題取り上げたいと思っていたんですが、これは段ボールの生産にも関係するんですが、今日はプラスチックに絞ります。  中国のプラスチックの生産量は日本の生産をオーバーしているんですね。超えたと言われております。正確な数字はなかなかつかめないんですが、例えば一九九〇年には二百三十万程度と専門家は言っていますが、十年後の二〇〇〇年になりますと四・八倍の千八十万トンに急増したという報告があります。中国としては、原材料の不足に非常に悩んでおりまして、日本からのペットボトルのくずの再生産資源については非常に欲しいわけですね。ところが、さきに触れたように、日本から輸出をされました廃プラスチックに家庭ごみと言われる生活系の廃棄物が混入されたということで、中国が日本からの廃プラスチックの輸入を禁止したという事例がございました。多分、これは少し前の話でございますから、本委員会でも問題になったかも分かりません。この点について日中間の協議が行われてきたわけでございますが、禁輸措置が解除されたというふうに、うまく円満に話が付いたというように外務省筋から私はちょっと聞いたんですが、そのことは事実なのか、その間、環境省として御存じの点があるならば御報告願いたいと思います。
  125. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 我が国企業中国・青島に輸出しましたプラスチックくずの中に中国国内法の基準に違反するものが混入していた事案を契機としまして、中国政府平成十六年五月、日本からのプラスチックくずにつきまして暫定的な輸入停止の措置を講じました。このため、我が国としましては、輸入停止の早期解除を求めまして中国側と協議を行いました。  その結果、我が国が廃棄物処理法改正によります無確認輸出の罰則の強化や、中国国内基準の国内業者への周知等の再発防止策を講じたところ、平成十七年九月二十日に輸入停止措置が解除されました。現在は、両国政府間の制度の情報交換に努めるほか、中国国内制度の事業者への周知を行いまして、引き続き再発防止策を講じているところであります。
  126. 草川昭三

    ○草川昭三君 これは本来、経済産業省と議論をしなければいけないことだと思うんですが、日本のこのプラスチック系の再生産の処理能力というのは三十万トンだそうです、約。ところが、実際はその回収業者が集めている能力は二十一万トンをちょっと超えている程度だそうですから、絶対量としては非常に不足ぎみなんですね。だから、古紙回収というんですか、廃棄物処理業者の一応の仕事になるわけでありますけれども、これは今後どういうふうになっていくのか。  これは、相当力を入れるというんですか、日本の国策としても真剣な対応を立てませんと、廃棄物処理ということのジャンルに入れて済むのかどうかという問題もあると思うんです。事実、中国の方も、先ほどの御答弁にもありますように原材料が非常に不足をしている、日本の資源が欲しいというようなことで、いろんなトラブルがあったわけですけれども一応、今日の日中間の間においては非常にスムースに解決ができたのではないだろうか、こういうように思うわけであります。  それで、容器包装リサイクル法では容器包装廃棄物の輸出に関する規定がないと言われております。これは専門でないから私は分かりませんけれども、一応、輸出に関する規定がないと。法的な罰則を科することもできないと言われているわけですが、今回提案される、次のこの委員会でも議論になるわけですが、予定される改正案ではこの点についてはどのような措置が講じられているのかどうか、少し先走った質問になりますけれども、お伺いをしておきたいと思います。
  127. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 近年、使用済みペットボトルを始めとします容器包装廃棄物の海外への輸出は急増しておりますことから、このままでは我が国におけます容器包装廃棄物のリサイクル制度を安定的に維持することが困難となりかねないのではないかというふうに認識をいたしております。  このため、今回の改正によりまして、容器包装リサイクル法に基づき定められます基本方針に、分別収集された容器包装廃棄物の再商品化のための円滑な引渡し、その他の適正な処理に関する事項を加えることとさしていただいております。  この改正によりまして、市町村による容器包装廃棄物の指定法人などへの円滑な引渡しを促進するという国の方針を明らかにすることによりまして、国内における再商品化がしっかりと行われるよう努めてまいりたいと考えております。
  128. 草川昭三

    ○草川昭三君 私が実は注文を付けたいのは、今のような答弁でしっかりとそれぞれの組織に廃棄物を処理してもらいたいというルートが確立しますよということなんですが、輸出の面について一体抑制をしていくのか、絶対量が日本の国内でも足りないということをちょっと今指摘をしたわけですが、輸出は必ずしも抑制をする方針、方向で行くのかどうか、改めてお伺いをしたいと思います。
  129. 竹下亘

    大臣政務官竹下亘君) 廃棄物の輸出に関しましては、二つの側面で問題があるというふうに考えております。  一つは、使用済みペットボトル等が受け入れてくれる国の国内法等の基準を満たさない、先ほどお話しになりました中国にペットボトルを輸出しようとしたときのケースですが、これが環境問題だけではなくて通商問題あるいは外交上の問題を引き起こす危険性をはらんでおるということで、バーゼル条約上の問題は当然のことではございますが、輸出先の国の国内法上の問題に十分留意をした上でやっていかなければならないという問題点があります。  それからもう一つは、最近、御指摘のように海外へのペットボトル等の輸出が急増していますから、国内のリサイクル体制、今ようやくリサイクルの体制を整えつつあるわけですが、御指摘いただきましたように原材料がないという問題も出てきております。このまま推移いたしますと、国内の一生懸命進めております再商品化事業者が大幅に減少するという事態も心配されます。  我が国のリサイクル体制を将来にわたって安定的に維持していくことが困難な状況になるんじゃないかなという心配もあるわけでございまして、こうした事態を回避するために、今回の法改正に、中に書かしていただきました。市町村による容器包装廃棄物の指定法人等への円滑な引渡しを促進すると、これをはっきり国の方針として明らかにすることによりまして、国内に、まず国内において再商品化がスムーズにしっかり行われるようにしていかなければならない、していきたいという思いをここに盛り込んだところでございます。
  130. 草川昭三

    ○草川昭三君 是非それをもう一歩また進めて、分別というんですか、そこを、最終消費者がどのようにごみ捨てをするかということまで微に入り細に入りの指導が必要ではないだろうかと、こう思うんです。  なぜそういうことを言うかといいますと、実はこの前、東南アジアでASEANの首脳会談が開かれたときに、中国側から我が国の総理に、ペットボトルについてふたを外してもらいたいと。それから、ペットボトルの肩にいろんな商品公告が付いておるわけですが、あれを外して純粋のペットボトルを中国に持ってくるならばウエルカムですよ、しかしそうでないものをごちゃ混ぜにして輸出をされたら困るよという話が、中国側から日本の総理に物を言うというような準備ができておったという話を私は聞いたんです、漏れ承ったんですが。結論的に首脳会談は開かれませんでしたから、向こう側の注文はなかったように思いますが。  要するに、再生をする場合に細かい配慮は私は日本国内でもまちまちだと思うんです。私は愛知県の名古屋の出身なんですが、名古屋のペットボトルの捨てる場合には、全部肩からボディーに付いておるマークを全部破って別に袋に詰めないと回収をしてくれません。ところが、東京の場合は、今のままそのまま栓まで付けても、例えば会館の回収なんかでもそのままやっていただけるわけですが、それはどこかで手を加えないと将来はやっていけないような気がしますので、これも細かいようでございますけれども、非常にこのサイクルの問題について重要な点だと思うので、この際ちょっと申し上げておきたいと思うんです。  時間が来ましたので最後になりますが、資源循環型の社会の形成を前提にする場合に、生産から廃棄、さらに再生利用までを考えていく場合に、日本という国の枠だけでは語れない時代に入ったことは事実であります。資源循環の国際化が進んでいる中、産構審の小委員会で資源の国際循環在り方について議論をされておるというように聞いていますが、環境省としてこの問題にどのように取り組んでいかれるのか質問をしまして私の質問を終わりたいと、こういうように思います。
  131. 竹下亘

    大臣政務官竹下亘君) 御指摘をいただきましたように、今非常に大事な課題でありますので、懸命に取り組んでおるところでございます。  今年二月の中間報告では、循環資源の国際的な移動に当たっては環境汚染の防止というのがまずこれ大前提でありますが、その上で、途上国を含めてまず国内で適正処理ができ得るという見通しがあること、不正輸出入を防止する取組を充実強化していくという方向がしっかりしていること、その上で輸出入の円滑化の検討を行うことなどについて中間報告で御提言をいただいたところでございまして、これを受けまして環境省といたしまして、各国の国内で適正な資源循環を確保していくためのベトナム等アジア地域での途上国でのスリーR推進取組の支援を行っていく予定でありますし、国内循環を補完し循環資源の適正な国際移動を確保するために、不正な輸出入を防止する国際的なガイドライン作りというものもやっていかなければならないと、こう考えておる次第でございます。  今後もこうした取組を一層推進をいたしまして、将来的に東アジア地域全体で循環資源の目標像を示した東アジア循環型社会ビジョンの構築、共有を図っていきたいと考えているところでございます。
  132. 草川昭三

    ○草川昭三君 以上で終わります。
  133. 市田忠義

    ○市田忠義君 今日は産業廃棄物の再生利用の問題についてお尋ねします。  実は、ここに持ってまいりました、これは、三重県が県のリサイクル製品に認定しているフェロシルトという製品であります。大阪に本社がある石原産業という会社がチタン鉱石から塗料とか顔料などに使用される酸化チタンを製造する際に発生する廃硫酸の再利用化を図って開発した製品、これであります。  これは、埋め戻し用土木資材として周辺の府県に出荷されたわけですけれども、最初に確認したいのは、このフェロシルトの当初の埋設状況について、府県ごとに何か所、総合計で何万トンか、数字だけ端的にお答えください。
  134. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) お答えいたします。  岐阜県が十三か所、愛知県が十三か所、三重県が八か所、それから京都府が一か所ということで、合計三十五か所というふうに承知いたしております。  それから、埋設量でありますが、全体で七十三万八千トンというふうに聞いております。
  135. 市田忠義

    ○市田忠義君 地域も大変広大ですし、量もかなりのものなんですが、この中で六価クロムと弗素のどちらかが土壌環境基準を超えている箇所数について、箇所数だけお答えください。
  136. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) フェロシルトの埋設地三十五か所のうち、環境基準を超過している埋設地は二十六か所であると聞いております。
  137. 市田忠義

    ○市田忠義君 どうしてそのリサイクル商品からこんな発がん性の有害物質が検出されるのかと。  もう一つ見ていただきたいのは、こちらはアイアンクレーというやつであります。これが産業廃棄物であります。どちらも同じ石原産業の三重県の四日市工場で、違うパイプを通すだけで全く違うものとして製造された。  そこで環境省にお聞きしたいんですが、この産業廃棄物、これを処理するには幾ら掛かりますか。
  138. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 地域や最終処分場によって異なるとは考えられますが、三重県では八千円から一万円程度で最終処分されているというふうに聞いております。
  139. 市田忠義

    ○市田忠義君 じゃ、最初に出したリサイクル製品、こちらですね、これは幾らで販売していましたか。
  140. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 石原産業から、その子会社であります石原テクノに一トン当たり八十円で売却され、更に一トン当たり百五十円で埋め戻し用の資材として売却されたと各県から聞いております。
  141. 市田忠義

    ○市田忠義君 お配りした資料を見ていただきたいんですけれども、石原産業四日市工場のフェロシルトの製造とアイアンクレーの排出記録の三か月分を抽出したものであります。  環境省にお聞きしますが、Aの表とBの表を見比べていただいて、Bの表の四日間、印を付けておきましたが、ここだけアイアンクレーの投棄量が多いわけですが、どうしてだか分かるかということと、次に、Cの表の十六日以降、四月の十六日以降、これフェロシルトの生産がゼロで、アイアンクレーの投棄量一気に増えています。その理由御存じでしょうか。
  142. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) まず、Bの表におきましては、数値の傾向としまして、いわゆる投棄アイアンクレーの量がこの間にのみ増えており、フェロシルトの量がこの間のみ減っているということでありますから、何らかの操作によりこのような事実関係になったというふうに推定されます。  それから、表Cの方でありますが、フェロシルト、先ほどの御指摘のゼロということでありますが、すべてゼロになっておるところは投棄の方のアイアンクレーの方で最終処分の方に回っているものと推定されます。
  143. 市田忠義

    ○市田忠義君 実は、Bの表の四日間というのは三重県の立入検査の日を含んだ数日間なんです。Cの表は、昨年環境省が工場視察を行った直後であります。すなわち、二〇〇三年三月から二〇〇五年四月の製造中止までの間は、いわゆるリサイクル商品と偽っていたフェロシルト、これに四日市工場全体の廃液を石原産業は混入していた。もう驚くべきことであります。  表Aがフェロシルトに廃液を混入していた通常時の生産とアイアンクレーの排出の量です。これはリサイクル商品と言われているフェロシルトが、産業廃棄物が少なくてフェロシルトが多いと。ところが、廃液が混入をされていた。そして、先ほど示したBの表の県の立入検査時には、パイプをつなぎ換えて申請どおりの工程で行ったためにフェロシルトの量が減って逆にアイアンクレーの量がぐんと増えていると。  もうこれを見れば明らかなんですけれども、本来ならアイアンクレーになる量を低く抑えて、残りはすべてリサイクル商品と偽って販売した。申請どおりの工程による製造は、製造を始めてからたった五か月間であります。これで数十億円の産廃の処理費用を浮かして、もう自分のところさえもうかれば環境はどうなっても知ったことかと、ひどい反社会的行為ですが。  経済産業省にお聞きしますが、これを受け止めてどのように対処してこられましたでしょうか。簡潔に。
  144. 塚本修

    政府参考人(塚本修君) お答え申し上げます。  今先生御指摘の石原産業製造しておりましたフェロシルトにつきまして、本来廃棄されるべき廃液等を混入してフェロシルトを製造していたことと、それからまた、三重県や岐阜県に会社として提出したフェロシルトのサンプルが故意に違うものにすり替えられていたということで、企業の信頼を失墜させる行為がなされていたということで、経済産業省として誠に遺憾だというふうに認識しております。  このため、この問題が当省として認識しました以降、昨年の十一月七日に、この行為を行った石原産業に対しましては、特に関係自治体及び警察の指示に従いまして、原因究明に協力するとともに再発防止に万全を期すように文書で要請を行っていると。それから、ちなみに関係のこの日本酸化チタン工業会あてにも同様な要請文を発出しております。  以上でございます。
  145. 市田忠義

    ○市田忠義君 経済産業省は重大な問題ととらえてそういう指導も行われたわけですが、私は、石原産業に重大な責任がある、これはもう論をまたないと思うんですけれども。  環境省にお聞きしたいと思うんですけれども、三重県の責任について環境省はどうお考えか。大臣はどういうふうに認識しておられるでしょうか。
  146. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 最初に御指摘ありましたように、この撤去については、原因者であって、そして措置命令を受けた石原産業が責任を持って速やかに履行すべきものであるということは、これは言うまでもないことだと思います。一方で、フェロシルトの搬入が可能な最終処分場の確保が十分になされていないということも撤去の遅れということにもつながっているというのも、それもそうだろうと、このように思います。  それから、関係自治体でございますけれども、措置命令を発しているわけでございますけれども、今、命令を履行させるために、石原産業に対して最終処分場の確保ということで厳しく指導しているというところでございます。  よって、今後とも、環境省として関係自治体に対し必要な指導、助言を行ってまいると、このスタンスでございます。
  147. 市田忠義

    ○市田忠義君 三重県にも問題があったと考えるかと聞いたわけですが、今、事実上問題があったというふうに言われたと受け止めたいと思います。  三重県の検討委員会では、立入調査による実地確認、品質管理のための定期的なチェック、リサイクル製品の安全確保のための提言を行っているわけですが、先ほどの表Bで明らかなように、事前に連絡をして立入調査してもこれは効果はないと、そのときだけごまかすわけですから、本当の検査にはならないわけですね。  ですから、私提起したいのは、環境省として、多くの県で確立されている再生利用の認定制度について、それぞれの県が改めてその認定制度どおりになっているか総点検を行うように促すべきだと思うんですが、環境省としてそういうことをおやりになる気持ちがあるのかどうか、端的にお答えください。
  148. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) まず、全国的な視点でのリサイクルの推進策としましては、再生利用認定制度とか広域処理認定制度を設けておりまして、これらを活用してリサイクルの推進を図っているところであります。  地域的なリサイクルにつきましては、各自治体におきましてそれぞれリサイクルの認定制度を創設して、その地域の需給バランスにかんがみまして各々の地域の実情に応じたことをやられております。これにつきまして全国で指揮を執っていくということはどうもなじまないのではないかと思っております。各県に……
  149. 市田忠義

    ○市田忠義君 分かりました。  要するに、それぞれの自治体に任せるという御答弁ですが、私、企業性善説の立場では駄目だということが今度の件で非常にはっきりしたというふうに思うんですね。どうしても公のチェックが必要で、この再生利用を推進している国がその安全性の確保に万全を期すためにやっぱり最低限必要な点を押さえるというのは、もちろん地方自治体が責任持つんだけれども、そのとおりやられているかどうかきちんと総点検しなさいと促すことぐらいは、これは別に県の自主性を損なうことでも何でもないと。まるで環境省として他人事のようなとらえ方というのは私まずいと思うんですね。  そこで、別の角度から聞きたいと思います。  環境省としてこの問題について初めて知ったのはたしか住民団体から要望があったときだと聞いていますが、それは何年何月でしたか。
  150. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 環境省としまして、平成十七年二月七日に最初の要望を愛知県住民から受けております。
  151. 市田忠義

    ○市田忠義君 環境省はその後の同じ年の四月十三日に石原産業四日市工場を視察していますが、どういう角度で調査されましたですか。簡潔にお答えください。
  152. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 御指摘のとおり、十七年四月十三日に石原産業四日市工場の視察に参りまして、フェロシルトの製造過程等の確認を行いました。また、翌十四日に岐阜県の土岐市、それから瑞浪市及び愛知県瀬戸市の現地視察を行いまして埋立状況を確認いたしました。
  153. 市田忠義

    ○市田忠義君 昨年二月に要望を受けた際に酸化チタンの廃棄物を原材料としているということは環境省も認識しておられたわけですから、四月十三日に工場視察した際にどうして廃棄物と見抜けなかったのかと。原材料に有害性のあるものを含んでいるんだから、廃棄物でないかどうかの視点が求められていたと思うんですけれども、こういう重大な問題について、把握したのも随分遅いし、現地調査に行った時期も遅いと。先ほど示したように、石原産業調査を行った直後からフェロシルトの製造を中止しているわけですね。さらに、翌四月十四日、埋立現地を環境省は視察していますが、地元の方から要望を受けた際に廃棄物云々のやり取りもあったわけですから、産業廃棄物ではないかとの角度で検討するというのが当然だと思うんですが、そういう角度で調査されましたか。その辺はいかがですか。
  154. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) まず、外形的に売却されているというものでありますので、そのような推定があるわけですが、当然に、その後明らかになっておりますように、各県におきまして産業廃棄物としてしっかりと措置命令を掛けておるわけでありますから、その間この産業廃棄物であるというふうな認識に至る過程にあったというふうに承知をいたしております。
  155. 市田忠義

    ○市田忠義君 それは後のことなんですよ。その当時は放射性物質が含まれているかどうかという調査しかやってないんですよ。その問題について責任回避したら駄目だと思うんですよ。私は、環境省はこの間廃棄物該当性の判断について「行政処分の指針について」という文書を繰り返し判断基準示しているけれども、結局自らが正確な判断ができなかったということは非常にはっきりしたと思うんです。  それで、何か所かの埋設現場からは有害性の高い特別管理廃棄物の基準を上回る極めて高い濃度の六価クロムが検出されていますが、撤去が大変遅れています。岐阜県は不法投棄を告発しており、知事も違法状態であり一刻も早く撤去をと述べている。埋設地が水田に近いところでは、周辺に住んでいる方たちが、梅雨どきまで長引けば水田などに汚水が流れて有害物質を含んだフェロシルトが拡散する、石原産業に撤去を急がせてほしいと大変な心配をされていますし、国の特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオが生息している蛇ケ洞川というのが愛知県の瀬戸市にあるわけですけれども、その流域にもフェロシルトが埋設をされています。瀬戸サンショウウオを愛する会の人たちは、昨年だけでも数回大雨で川にフェロシルトが流出して真っ赤に濁って、皮膚呼吸のオオサンショウウオが死滅しないかと大変心配されておると。  当事者だけに任しておいてはずるずると引き延ばしをされるわけですから、私は国として、環境省が自らの責任として、一刻も早い撤去のために石原産業や三重県に働き掛けるということが当然だと思うんですが、その点についていかがでしょうか。現にやっておられるのか、今後やる決意があるのか。
  156. 由田秀人

    政府参考人由田秀人君) 先ほど大臣も申し上げましたように、フェロシルトの撤去につきましては、原因者であり措置命令を受けております石原産業が責任を持って速やかに撤去をすべきものというふうに認識をしております。  この問題に、国がまず県の方にしっかりやっていただくということに関しては必要に応じて助言していくわけでありますが、直接的に国の方で企業に対して言うとかいうふうなことになりますと、現在のこの廃掃法の制度が法定受託事務というふうなことでありますから、まずはこの自治体の方でしっかりやっていただくということでないといけないと、このように思っております。
  157. 市田忠義

    ○市田忠義君 大臣も同じ認識ですか。企業と自治体任せで、環境省としては物を言うつもりは全くないと。国の判断ミスや事態の掌握が遅れて、調査に行ったけれども産業廃棄物かどうかということについてきちんとした判断も下さず、遅れているわけですから。私、先ほどから言っているように、石原産業が一番悪い、三重県や関係の自治体にも責任があると。しかし、少なくともこれだけ大事件になっているんだから、早く撤去させるようにきちんとやりなさいということを環境省で言うのは当たり前じゃないですか。どうして言わないんですか。大臣、どうですか。簡潔にお願いします。
  158. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 環境省としてもこれまでしっかりと対応してきたと、このように考えております。また、地方環境事務所というのをつくらせていただいておりますけれども関係自治体との連絡調整会議ども行わせていただいているところでございます。  先生も御指摘のように、今回、リサイクルという名前をかりて自治体の審査を欺くような事例ということでございまして、これについては誠に遺憾であることについては、もうほかに言葉はございません。  しかし、今後、このようなリサイクルの名をかりて廃棄物の不適正な処理が行われるということになりますと、非常にリサイクルそのものに対しての信頼感にも影響が出てくるわけでございます。よって、リサイクル製品の性状などについては一層慎重な審査が行われるべきものと、このように考えているところでございます。
  159. 市田忠義

    ○市田忠義君 環境省には何の責任もないと、恐るべき答弁がされたということを確認しておきたいと思います。  最後に、もう一問だけ聞いて終わります。  今回の事件は、全くの産業廃棄物をリサイクル商品だと偽って堂々と流出さして、しかも三重県がそれを認定することによってお墨付きを与えて被害を拡散したと。言わば廃棄物の定義の在り方や今後のリサイクル制度の在り方などについて重大な全国的問題を私は提起しているというふうに思います。リサイクルは当然推進していかなければならない、これは当然のことですが、放射性物質や有害な重金属を含むものをリサイクル製品として認めると、このこと自身に私は大きな問題があるというふうに思います。  現状では有害物質を含んだ廃棄物の資源化は原則廃止すべきだと、禁止すべきだというふうに思いますが、大臣はどういう認識でしょうか。
  160. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 循環型社会構築ということについては、リサイクルの推進は極めて重要であるということは何度も申し上げているとおりでございます。また、今回の問題、石原産業という原因者でございますけれども、これはまさしく社会的責任というCSR観点からしますと、大いに欠如していると言わざるを得ないと思います。そしてまた、今御質問ございましたように、このリサイクルの名をかりてということでございますけれども、正にそういうことのないように、廃棄物の不適正な処理が行われることのないように、リサイクル製品の性状などについては一層慎重な審査を行っていきたいと、このように考えております。
  161. 市田忠義

    ○市田忠義君 質問にお答えにならなかったわけですけれども、現状では有害物質を含んだ廃棄物の資源化は原則禁止しないと、幾らでも網の目をくぐって悪いことがやられるよということを言っているわけで、リサイクルの推進には我々も賛成なんですよ。賛成なんだけれども、放射性物質や有害な重金属を含むようなものをリサイクル製品として認めるということはやめたらどうかということを言ったことに対しては明確なお答えはありませんでしたが、改めて大臣、もう一度、そういうつもりはもう全くないのか。
  162. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 例えば何が有害であるとか、医療の関係であるとか、これまでも廃棄物処理法に準じた形で適正なリサイクルが行われてきたものと考えております。よって、それに不適切なものについてはしっかりと取締りということはこれまでも続けてきましたし、今後とも法律に従って対応してまいりたいと考えております。
  163. 市田忠義

    ○市田忠義君 私は、環境省として事件を重く受け止めて、石原産業関係の県だけの責任だというふうに見ないで、やっぱり環境に責任を持つ省として、再びこういうことが起こらないように、廃棄物の定義の在り方、徹底、安全性が確保されたリサイクル制度のための指針作りなど真剣に取り組むことが不可欠だということを指摘して、質問を終わります。
  164. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 新党日本の荒井でございます。大臣始め皆様には御苦労さまです。  今回も前回に続きまして、国も地方も、特に今回、地方のグリーン購入を促進するためなど、これは非常に広い意味もあります、などのパーチェシング、いわゆる購買カードシステムの導入について、私の提言でありますが、これらについて質問そして提言、御意見をいただきたいと、このように思います。  野球で日本が勝ったわけです。本当に世界一になったということで明るい気持ちになっております。では、グリーン購入という視点におきましては、環境に優しい、そうしたものの購入については各国はどのような、例えばアメリカ、ドイツなどを含めまして、各国はどのような取組になっているか、事例を紹介をしていただきたいと思います。
  165. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) お答えを申し上げます。  各国の事例ということでございますが、グリーン購入に関しましては、一九九二年の地球サミットで合意されたアジェンダ21におきまして、これは一般的な話でございますけれども政府調達政策におけます環境配慮を向上させることの重要性がはっきりと明示されております。これをきっかけに各国の取組も始まりまして、諸外国の取組といたしましては、今お話があったドイツあるいはスイス、デンマーク、ノルウェーそしてアメリカ等におきまして、環境保全に関する法律あるいはガイドラインによる対応も含めまして、欧米を始めとする多くの国でグリーン購入が推進されているものと承知をいたしております。  例えばドイツでございますけれども循環経済法で、公共の義務という中で環境配慮製品の使用を検討することが義務付けられておりまして、連邦政府では連邦環境庁が主体となり推進、また州レベルにおきましても独自のルールを定めグリーン購入の推進に取り組んでおりますし、最近の動向といたしましては、韓国におきましても二〇〇五年七月から施行されているところでございます。アメリカにおきましても、これは州レベルでございますけれども、ニューヨーク州等において活発なグリーン購入が進められていると、そのように承知をいたしております。
  166. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 比較をしてみると、野球でしたら一点差でも勝ちは勝ちと、こういうことになりますが、感想で結構ですけれども、各国の事例をごらんになって、日本の国としての取組はどの辺の位置ですか。
  167. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 第何番目に位置するとか、そういうふうなことは言えませんけれども、率直に申し上げて、日本のグリーン購入レベル、国としてのレベルは相当上の方であろうかと、そのように考えております。
  168. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 私もそのように認識しているんですが、我々の前に道はない、我々の後に道はできると、こういう気持ちで取り組んでいくだけに非常に難しいところだと思うんです。  さて、国レベルという先ほどのお話もあって、州などの取組も若干の事例はありましたけれども、国といった場合にはいわゆる政府というところが非常に重くあるんですが、実は地方自治団体もあれば、NPOもあれば、そしていわゆる事業者あるいは企業、こういったところも当然あるわけですから、それらの総合として、果たして我々が未来の世代、我々の子孫の世代に環境を介して我々がつながっていくわけですから、重大な使命を持っていると考えれば、やはりどの位置に位置するかということではなくて、環境を保全するためのグリーン購入というものを国を挙げて、一人一人の国民含めて対応していく必要があるということが言えるんだと思うんです。  そこで、改めて前回に引き続きお尋ねをいたしますが、地方自治団体、合併は進んでおりますが、実際に地方自治団体のこうしたグリーン購入の問題というのは幾つかあるわけです。非常に高いので手が付かない、まだまだ高いんです、四五%。まだグリーン購入という意識が足りないんですねというのが三七%。そして、各課ごとにいろいろな物品を調達、購買いたしますので、一括購入できないために非常に不利益でなかなか手が回らないんだと。そして、ここ二、三年追加して環境省が聞いているんですが、そうした人手、こうした労力を充てることが大変であるということで、今申し上げました数字はこれは町村の数字なんです。都道府県になるとかなりここはしっかりしているわけなんですね。しかし、その町村も、積極的に推進するべきだと、意義はよく分かります、八二%と、こうなっているわけです。  改めてこうしたことの調査を踏まえて、総務省としてどのような推進方法を考えているのか。なかなか、この間一週間たって、検討してくださいとお願いして、連絡会議もあるんですから、ここで総務省に聞きたいところなんですが、まず環境省に、改めてどのような推進方策を考えているのか、まず環境省からお願いしたいと思います。
  169. 田村義雄

    政府参考人田村義雄君) 御指摘ございましたように、特にグリーン購入については、町村レベルのところの低い数字というのが極めて問題であろうかと思っております。その一つの大きな理由として、今お挙げになりましたように、組織としてのグリーン購入に対する意識が低い等が挙げられる、あるいは価格が高いというようなことが挙げられているわけでございます。  環境省といたしましては、地方自治体におけるグリーン購入に対する意識の向上等を目的といたしまして、来年度からグリーン購入のガイドラインの作成を行うことといたしているところでございます。それもできるだけ、各地域の特性あるいはそれぞれ各自治体のグリーン購入に対する取組レベルも違っておりますから、そこら辺も十分、それに応じたきめ細かなガイドラインを作成し、グリーン購入の取組を更に推進してまいりたいと思いますし、併せて研修やセミナーも活発にこれからも進めてまいりたいと、そのように思っております。
  170. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 ということでございますが、総務省にお尋ねいたしますけれども、前回の質問の関連となる、今のに関連して、そして今、前回の質問に関連するんですが、交付税を措置していますか。いわゆる地方自治団体に対して国が、自主的な努力ではありますけれども、それらのすべての自治体に対して、今お話がありましたこんな物品を調達したらよかろうと、そういう計画を含めてガイドラインを作成するなどの交付税措置はしているんでしょうか。総務省にお尋ねいたします。
  171. 荒木慶司

    政府参考人(荒木慶司君) お答えいたします。  ただいま委員の御質問にございます環境関係経費の中の環境物品調達方針策定費等につきまして、これは都道府県分、市町村分、それぞれにつきまして、企画振興費の中で、他の環境行政経費と合わせましての包括的な積算になっておりますが、それぞれ、都道府県の場合に、これは標準団体ですから人口百七十万程度の規模の団体の場合で、ほかの経費と合わせまして約二千三百万円程度、市町村分ですと、これは十万規模の団体が標準団体になりますが、これも広範な環境保全対策経費合わせまして、項目としてこの環境物品調達方針策定等が一項目立っておりますが、全体合わせまして四千九百万余りを措置いたしているところでございます。
  172. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 我々、三位一体という小泉改革の言葉に非常に踊らされているんです。実はこのようにいわゆるグリーン調達法の中では、これ第十条になります、「調達の推進を図るための方針を作成するよう努めるものとする。」、努力で、これは義務ではありませんから。しかし、このように十条に書いてあるということですから、先ほど言いましたようになかなか手が届いていないということでございまして、約三割に満たないんです、この策定しているところは、町村で三割なんです。  ところが、今お話が出ましたように、四千万からのお金が行っているわけです。行っていますが、それは一般会計ですから、これはどのようにでも使ってもいいという意味も含んでいる交付税なんです。ですから、そういったところを一つ一つきちんきちんと詰めていかないと、実は国もそして地方もまだまだ無駄があり、もっと検討していくべきもの、特にこの一点を見ても地方にあるということなんです。ですから、地方が国ということを、パートナーでありながら国を責め立てればそれで地方が良くなるということは全くない、地方こそ意識改革というものを進めていく必要があるということを私は強調しなければならないゆえんであります。  意識が少ないからこそこのようなお金が実は使われていない、一般の必要なところの、好意的に言えば別な経費に充てられているのでしょう。しかし、それもぐるぐる回って必要なものに返ってきているのかもしれません、この環境に対して。ですから一概には言えませんが、ここはやっぱり厳しく考えていく必要が私はあるということを言わざるを得ないんです。  そこで、こういうことになっていきますと、地方、特に我々、コミュニティーの復権をしていかなければ強くなれないというのが私たちの考え方です。草の根保守という言葉も使っていますけれども、そのような観点で一人一人やコミュニティーが強くならなければ、これは国の力として先ほどの王ジャパンのようなわけにはなかなかいかないであろうと、このように思うんです。  そこで大臣、先日私、グリーン購入高いから、安くするためには、国と地方と会計のシステムを電子化に単に置き換えるだけじゃなくてカードを、決済カード、購入カードというのを入れることによって不正が防止できる、透明性が図れる。そして、アウトソーシングしますから事後監視的なところに役所が行くんです。もうほとんど外のところが、いわゆるクレジット会社が代行しますから、二重チェックをしていくということになる。そしてそこに、今総務省がやっているというのは、出納長と収入役を廃止して副知事、副市町村長に一元化するという、こういうこともやっている。それから、地方税等の納入等のものも、今度は住民にはクレジットカードで納めてもいいということができるようになる。  こういう改革のときに合わせて今グリーンに対する意識を図り、そして、物品が高い、一括購入してできない、各課ごとの調達だから難しい、そこのボトルネックを取るためには、例えばアメリカ、イギリス、中国以外、これはもうほとんどやっているわけです、常任理事国では。そして、いわゆるサミット国ではほとんどが導入している、やり方は幾つかありますけれども、いわゆるクレジットカードによる、あるいはデビットカードによるグリーン購入、そういうもののお金に回すためにも行財政改革、その一環として、コストを削減して人、余力を生むこのパーチェシングカード導入ということは意義があるのではないかということで、前回と今回、そして私の提言書、委員の先生方にもお手元に配付をさしていただいておりますが、提言をさせていただいておりますが、今日のこのやり取りも聞かれて、大臣としてどのように御感想なり、また行動を取られるおつもりか、お尋ねをしたいと思います。
  173. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 先週に、前回に引き続いての御質問、やり取りを伺ってまいりました。また、本日もこの提言書、ちゃんと一枚の紙、裏表使ってくださっていることにまず敬意を表したいと存じます。  その上で、カードシステムの導入についてどうかと、いかがかということでございますが、中央政府にせよ、それから地方自治体にせよ、簡素で効率的な行政を実現するためには会計事務の合理化などは重要な課題であるということについては共有いたします。そして、このため、政府において政府調達における契約や支払の電子化、決済の簡素化などには既に取り組んでいるところでございます。また、御提案のありますカードシステムでございますけれども、こうした政府取組と関連して、会計事務の合理化の有効な手段として提起されていると聞いております。  いずれにしましても、会計法上の論点であるとか、あとはセキュリティーの確保、こういった技術的な点などを検討して、そしてまた関係省庁とともにこの会計事務の合理化に努力をしていくべきと、このように考えております。
  174. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 大臣、ありがとうございます。  残りあと十五、六分、是非聞いていただきたいんです。これは、二〇〇五年の九月二十一日付けで出ています、日本銀行業務局が出しています「国庫金事務電子化の現状と課題」ということで、実は、政府のみならず幅広い国庫金、これは日銀の中に当座預金口座を持つわけでございますけれども、そのお金の流れ、こういったものを検証して電子化でやっていきましょうと、こういうことを一方でやっているんです。今一方でやっている。  そして、もう一方でやっているのは、総務省中心に、今度は地方自治団体の電子化、これも一方でやっています。もちろん国でもやっているわけです。その中でどういうものがあるかといいますと、この間もお話を申し上げましたけれども平成十六年に業務・システム最適化計画ということを実は始まっているんです。これは、私が申し上げているような問題意識を共有いたしておりますので、既に官邸で、総理の下で、そして大臣始め各省庁意識を持っていただいて、物品調達、物品管理、謝金・諸手当、補助金及び旅費のそれぞれの業務、システムの最適化計画、一番安くて合理的だと、こういったものについて考えましょうということで出ているんです。  これはサービスに行く手前と考えていただいたらいいわけで、バックオフィス、事務的なものを専ら考えてこれは考慮しているというふうにも考えられます。もちろん、納税者の方からの今度はお金を入れるということについての検討なども別には行われているわけでございますけれども、こういったことで、この間もお話をいたしましたけど、平成十六年九月に、これは各省庁情報化統合責任者、CIO連絡会議で決定をいたしておりまして、これについて二〇〇三年ですか、二〇〇三年、平成十五年七月十七日に決定されている考えに基づいて、今これについて経済産業省が中心となってやっているわけです。これのやっている中身では、最適化実施内容というものがありまして、調達・契約手続の合理化などで電子モール、言ってみればインターネット上でお店屋さんに参加をしていただいて、その中でこの鉛筆一本がどのお店が安いかって一回で分かるようにする、そことの契約ができるようにする。そして、その物品が届く、そして支払ができると、こういったことをやっていきましょうということで、少額物品調達の合理化ということでやっているんです。これ二〇〇〇年から始まろうということで実証実験もやっているわけです、既に。  そこで、経済産業省さんにお尋ねしたいんです。このシステムは、国が中心になって新たなシステムを作ろうとしているのか、それとも私が言っていますように、アメリカを始め各国で既に民間の持っているそうした調達システムにアウトソーシングして、そしてカードで購入していけるようなシステム、それと類似しているのか違うのか、この二点をお聞かせください。  今度のこの計画でやっているものは、自前で独自システムを立てるんですか、それとも海外で既に実績があるようなキャッシュカードによる調達システムのようなものをやるんですか。もしこれちょっと御担当の方が今日いらっしゃらなければ次回でも結構ですし、私が答えを申し上げますけれども、そこをお答えください。
  175. 西川泰藏

    政府参考人(西川泰藏君) お答え申し上げます。  委員指摘の物品調達あるいは物品管理、私どもは官房五業務というふうに呼んでおりますけれども、その官房五業務に関しましては、最適化計画策定の過程で、特に物品調達の、そこの業務の最適化について各省と一緒になって検討をいたしているところでございます。この五業務の最適化計画につきまして、私ども経済産業省が主担当ということでございます。  その結果、御指摘のとおり、パソコンの上で物品とかあるいは価格の一覧を表示して職員が最も安い物品を選択できるようにするいわゆる電子モール、それを導入することで、非常に時間が掛かっております見積り、特に相見積りの、そこの業務の短縮化を図りたいというのが一つと、もう一つは、業者への発注から支払までの手続を全部オンラインで処理できるように、物品調達に係る情報を電子的に管理すると。また、支払の情報に関しましても、官庁会計事務データ通信システムというのがあるんでございますが、そことつなぐことで自動的に送信すると。そういったことを通じて事務の合理化を徹底的に追求した情報システムを新たにつくりたいと、つくろうということが情報化統括責任者(CIO)連絡会議、ここで決まったわけでございます。  ということで、物品調達業務につきましては、支払までを、相見積りのところだけではなくて支払まで一括して処理することを可能とするような、そういった先進的な情報システムを構築しようということが決まったわけでございますので、委員指摘のそのパーチェシングカードが提供し得る非常に有用な機能があるわけでございますが、そういった機能も私どもがこれから構築しようと考えております情報システムで包含できているのではなかろうかというふうに考えているところでございます。
  176. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 私は、いわゆるクレジットやデビットによる購買カードというもので調達をしなさいと、これがすべてであるということを言っているのでありません。  あえて提言を申し上げているということは、今の検討でも分かるように、独自システムを立てるんです。独自システムを立てる。こういうシステムのいわゆる開放性も重要でありますし、それが民間に対しても有益な場合があります。ほとんど各国でこのパーチェシングを入れるときに、大体五年から十年前に入れているところも多いんで、それ以上の有益なシステムになるかもしれません、国民益として。しかし、そのときに、パーチェシングカードというものを最初から排除して検討に入ったのか、パーチェシングカードというものとの比較考量の中で現行のようなシステムの実証実験まで来ているのか。二つの制度の長所など、あるいはコストなどを含めて検討したという経緯がありますか、お尋ねします、経産省。
  177. 西川泰藏

    政府参考人(西川泰藏君) こういったシステムの計画を立てる段階でどういう業務を対象として効率化を図るのかと、そういった観点に立って、いろんな可能性を総合的に判断して現在の計画を作ったというふうに承知いたしております。
  178. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 皆さん、我々は全くその比較考量の材料さえないんです。そして、実際には役所が決めましたんで、そして役所のそれぞれの会計のシステムを知っている人たちが、いわゆるそういうプロセスマップといいますか、そういったものを知っています。そこをチェックしていくんですね。  ですから、私が提案として申し上げたいことは、パーチェシングカードを実証実験やられたらどうですか。ある一つ省庁で一回やってみたらどうでしょう。そして、地方では特区でやられたらどうですか。そして、それによって向き不向きや様々な、最終的には国民益になってフロントサービスに出ていく、そういったところについてどちらが有益か。私は、そういうことが、参議院が行政監視委員会を持っておりますけれども、決算ということを持っております、皮肉にも今日は予算です、こういったところをもう一回改めて考えていきませんと、机上の上でこれをやっているということなんです。  これについて、大臣には是非、是非閣内でもこの話をしていただきたいと思いますし、経産省もこの話をもう一回CIO連絡会議でも出していただきたいんです。  それはなぜか。私も客観的ではありません、ある程度思い入れがあるかもしれません。同時に、すべての知識を持っているからではないんです。すべてアメリカがいいわけでもないし悪いわけでもありませんが、アメリカはいわゆるGAO、日本で言う会計検査院です、GAOの報告書で明確に記入されているのが幾つかあるんです。かなりの評価ができるということをこれうたってるんです。もう公の資料です、これ。各国でそうして評価ができると言っているものについて、それを机上ですり合わせてそれがいいんだと言っている、説得力がないということを申し上げたいんです。説得力を持たしていただく以外ない、比較考量する以外にないんじゃないでしょうか。  そこで私は申し上げたいんですけれども、財務省さん、そして総務省さん、残念ですけれども、今回の質問を聞くに当たり物品購入の総額を出してくれと申し上げたら、出てこないんです。財務省もつかんでない、総務省もつかんでない。そもそもどれぐらいの、どういう手続で、どんな商品が買われているのか実態が分からないままに、システムを組んでいると言われて、はい、そうですかと言うわけにはこれはいかないのではないんじゃないでしょうか。立ち止まる勇気が私は必要だと思う。数十億掛けるんでしょう、このシステムに、新たに。  郵政で一つの話を申しますと、郵政の場合はこれは購買力平価で見なけりゃならないところあるんですが、非常に一時高かったときがあるんです。それは区分機という、あの郵便番号で区分していきますけれども、当初そういったものは、日本国内でコンペティションはしましたけれども、限られた会社での競争なので世界に売るだけの力がなかったんです。コストダウンを図れなかった、結局高い調達に原因があった、これも一つなんです。  オープンシステムで既にやっているシステムを信頼性をきちんとして、セキュリティーもしっかりして、そして我が国のいわゆる購買調達システムのどこに当てはまり、どこに当てはまらないか。もっと言えば、日本の会計の仕方の思想全体を変えなけりゃできないのか、それがむしろ国民益になるのではないか、単なるやっていることを電子に置き換えるというんではない、会計の思想を変えるということがすごく重要なことじゃないかと、こういうことを私は申し上げたいんです。  そこでお尋ねしたいわけですが、現行の法制度で、これは、いわゆる規制改革委員会含めて要望事項が民間開放どんどん言っている割に、世界でも民間開放してないような郵便を民間開放して、世界でもほとんどやっていない。そして、こうしたことを検証して、実証実験をやってくれという声にもこたえようとしていない。こういうことはもう出てるんです、民間から、検証してくれと。いかがなものなんでしょうかね、ここら辺。  そこでお尋ねしますけれども、現行法で結構ですよ、現行法で結構ですが、今は、会計を最後にする人はその人は支出負担行為を行う、これは担当官で決まっているんです。しかし、それを分任支出負担行為という形で行う権限、支払を行う権限、公金を管理する権限、物品の購入・保管に関する権限など、所要の権限についてパーチェシングカードなどでそれを職員に持たせて委任させる、委任させるということは現行法上問題がありますか、いかがでしょう。財務省、総務省、この二つの省お願いします。職員に支出負担行為、分任支出負担行為担当官、これに任ずるということはできますか、できませんか。
  179. 向井治紀

    政府参考人(向井治紀君) お答え申し上げます。  現行法令上、そういう会計事務の委任につきましてはカードを持つ職員に委任することも法令上は可能でございます。
  180. 久元喜造

    政府参考人(久元喜造君) 地方公共団体の財務会計制度についてでございますが、支出負担行為の権限等を職員に委任することは現行地方自治法上も可能でありまして、具体的な詳細な委任の手続につきましてはそれぞれの地方公共団体の財務規則によって定められることになります。
  181. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 十八年一月十七日の内閣府規制改革・民間開放推進資料、これまとめていただきました。これではむしろそういったものの問題点の方が多いかのような書き方をして、できないと言っているんです。制度上はある程度できるんです、これは。ですから、もう既に先にありでシステムが走ってしまっているので受け付けられないとも言えなくはないのではないかと、このように思います。  また、大臣につきまして、どうぞグリーン購入をするためにも、そうしたコストをダウンして呼び水になって、そして一本一本が、あるいはグリーンの商品が市場でも安くなって一般の方が買う、それがまたみんなが買うから、それが正に日本が王ジャパンのように世界からたたえられるような、そしてこれからの子供たちの未来に環境を残してやることにつながるということだと思いますので、是非大臣にはそのような意識を持っていただいて御対応をいただきたいと思いますが、最後に、いただけませんと言うと怖いので、感想を言っていただいて、行政監視委員会にあとは譲りたいと思います。
  182. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) グリーン購入、官民を挙げて進めてまいりたいと考えております。どういうグリーン購入にすべきかということについては、それぞれ地方によって、例えば森林がたくさんある県などはそちらの方面のものなど、それぞれによって違うと思っておりますので、本日も御提言いただいておりますパーチェシングカードなども含めまして、グリーン購入がよりやりやすく、かつ有効に広がること、これを進めてまいりたいと考えております。
  183. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 終わります。
  184. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 以上をもちまして、平成十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  185. 福山哲郎

    委員長福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十七分散会