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2006-05-30 第164回国会 参議院 外交防衛委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年五月三十日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月二十三日     辞任         補欠選任      紙  智子君     緒方 靖夫君  五月二十四日     辞任         補欠選任      白  眞勲君     喜納 昌吉君  五月二十五日     辞任         補欠選任      喜納 昌吉君     白  眞勲君  五月二十九日     辞任         補欠選任      今泉  昭君     喜納 昌吉君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         舛添 要一君     理 事                 浅野 勝人君                 山本 一太君                 榛葉賀津也君                 柳田  稔君     委 員                 愛知 治郎君                 岡田 直樹君                 金田 勝年君                 川口 順子君                 小泉 昭男君                 櫻井  新君                 福島啓史郎君                 浅尾慶一郎君                 犬塚 直史君                 喜納 昌吉君                 佐藤 道夫君                 遠山 清彦君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     麻生 太郎君        国務大臣        (防衛庁長官)  額賀福志郎君    副大臣        防衛庁長官   木村 太郎君        外務大臣    金田 勝年君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        愛知 治郎君        外務大臣政務官  遠山 清彦君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        内閣府政策統括        官        東  良信君        防衛庁防衛参事        官        小島 康壽君        防衛庁長官官房        長        西川 徹矢君        防衛庁防衛局長  大古 和雄君        防衛庁運用局長  山崎信之郎君        防衛施設庁長官  北原 巖男君        外務大臣官房審        議官       鶴岡 公二君        外務大臣官房参        事官       梅田 邦夫君        外務大臣官房参        事官       伊藤 秀樹君        外務大臣官房国        際社会協力部長  神余 隆博君        外務省北米局長  河相 周夫君        外務省経済局長  石川  薫君        外務省領事局長  谷崎 泰明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (アジア協力対話ACD)第五回外相会合出  席等に関する件)  (日中関係に関する件)  (在日米軍再編問題に関する件)  (防衛庁の省昇格問題に関する件)  (第四回太平洋・島サミット経済協力に関す  る件) ○腐敗の防止に関する国際連合条約の締結につい  て承認を求めるの件(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 舛添要一

    委員長舛添要一君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二十三日、紙智子君が委員辞任され、その補欠として緒方靖夫君が選任されました。  また、昨二十九日、今泉昭君が委員辞任され、その補欠として喜納昌吉君が選任されました。     ─────────────
  3. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官東良信君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  まず、外務大臣から報告を聴取いたします。麻生外務大臣
  6. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 私は、五月二十三日から二十四日までの間、アジア協力対話アジア・コーポレーション・ダイアログ、通称ACD第五回外相会議出席等のため、カタールドーハを訪問し、二十五日に帰国をいたしました。  ACD第五回外相会議では、今後のACDでの地域協力の推進の在り方につき意見交換を行い、協力基本原則を盛り込んだドーハ宣言を採択しております。  また、この機会に、カタールタミーム皇太子を表敬するとともに、韓国中国、ロシア、ブルネイ及びモンゴル外相会談を行い、イラク外相電話会談を行っております。  このうち、日韓外相会議におきましては、大局的な見地から対話交流を促進し、未来志向日韓関係を構築するために努力していくことで一致をしました。また、排他的経済水域境界画定交渉日程合意し、誠実に交渉していくことで意見一致をいたしております。さらに、北朝鮮の核問題、拉致問題について日韓で連携していくことを確認をしております。  日中外相会談におきましては、これを契機日中関係改善流れができつつあると認識をいたしました。  中国側靖国問題を引き続き日中間政治的障害としつつも、双方は、日中関係世界で最も重要な二国間関係一つであり、経済科学技術文化青少年、政党、議会、安全保障等分野における交流を一層深めていくことが両国国民共通利益であるとの認識一致をしました。  さらに、日ロ外相会談におきましては、今後の日ロ間の外交日程を確認するとともに、G8サミットでの北朝鮮の拉致問題及びイランの核問題をしかるべく取り上げるよう、働き掛けました。  日本ブルネイ外相会談においては、二国間EPA経済連携協定交渉立ち上げ合意しました。  日本モンゴル外相会談では、モンゴル建国八百周年を契機に、二国間交流を更に緊密化させていく方向で話合いを行いました。  日本イラク外相会談におきましては、私より、イラク政府の発足に祝意を表しております。  今回の出張では、以上のように、アジアや中東など様々な国との間で有益な意見交換ができました。なかんずく、韓国中国との間では長時間にわたり率直な議論を行うことができ、大変有意義な出張であったと考えております。  以上です。
  7. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 岡田直樹

    岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。  インドネシアの地震がまた大変なことでございまして、外務省防衛庁の皆様には大変御苦労さまでございますが、十分な支援活動が行われるように御努力お願いしたいと思います。  今日は、ただいま御報告がありました一連の外相会談のうち、中国李肇星外交部長とお会いになっての麻生大臣の御認識というものをお伺いしたいと思います。  日本外務大臣中国外交部長会談するのはほぼ一年ぶりだと思いますが、この間にも小泉総理靖国神社にお参りをされたわけでありまして、にもかかわらず今の時期にこの会談が再開をされたと。中国側に何らかの変化が見られたんでしょうか。この御報告では、これを契機日中関係改善流れができつつあると認識しましたというお話でありましたけれども麻生大臣がこの中国側変化をどういうふうにごらんになったか。この会談の意義や成果について、まずお伺いをしたいと思います。
  9. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘のように、日中間におきまして外相会合というのは、これはAPECとかASEANプラス3等々で中国日本韓国と席が並んでおりますんで、話を全然していないというわけじゃないんであって、隣にいてちょこちょこ英語もできますんでそこそこ会談ができていることはもう全く問題ないんですが、いわゆるバイで正式にというのは昨年の十月以来だと思いますんで、約一年という、一年弱ということになろうと存じます。少なくともこれまでの会談と違って、とげとげしくぎすぎすしたものでなかったことは確かです。  日中間では、世界で最も重要な二国関係一つとして重視する、また経済科学技術等々、安全保障、あらゆる分野交流を一層深めていくことで一致しておりますし、特に、高校生二百人の青少年交流、この間お世話になりましたけれども、既に二百人、ショートステイが終わって帰国しておりますが、今度は中国側で、それを自国の方でやりたいということを向こうが言っておりましたんで、来年の国交正常化三十五周年に向けた文化交流重要性についても議論をいたしております。  また、東シナ海の資源開発問題などにつきましても、協力の海にするとの共通認識を再確認して、これ、不測事態が起きる可能性もなきにしもあらずですので、局長級会議をこれ早急に開くようにして、不測事態対応する等のメカニズムの設置というものの必要性についても一致をいたしております。  また、かれこれ一年間、日中安保対話を開いておりませんので、これを年内早期に実施するということもあれをいたしております。  先ほど申し上げましたように、日中外相会談は昨年の五月以来だと思いますんで、その意味におきましては約一年ぶりということになろうと思いますが、どうして変わったのかと言われれば、今年三月三十一日、日中友好団体との会談会合のときに、胡錦濤主席の述べた演説というのがございます。抜粋ですけれども、何回か読ませてもらいましたけれども、あの中に答えがあると存じます。  何となくこっちに対して靖国の話ばかりが日本のマスコミによっては一部しか報道されておりませんけれども、全体の三分の二ぐらいは、日中は和すれば双方利益をもたらし、争えば双方利益を損なうこととなる、日中の友好協力関係発展は、両国国民の根本的な利益に合致し、アジア及び世界の平和、安定、発展にも重要な貢献をする等々、これ、ざあっと書いてありますんで、この文章を引用して、少なくともこういった話をおたくの一番偉いのが言うとるわけだから、少なくとも日中関係については、少なくとも外務大臣レベルにおいては、上は話が合わないと言ったってこっちは別に会わない必要はないんであって、少なくともカタールドーハまで来なきゃ会えないなんというのはおかしいんじゃないかと。こっちはいつでも会うと言うておるんですから、少しお互いにもっと近くで会ったらどうですという話をして、げらげら笑いながらにこにこ、お互い時間も無駄だし、金も掛かるし、もうちょっと近くでやったらどうというような調子で話ができるようなところまでは行けたと思っておりますんで、前向きな見方になりつつあるのかなと思っております。  以上です。
  10. 岡田直樹

    岡田直樹君 麻生大臣のキャラクターでこの会談が、対話が再開されたことをまず歓迎をしたいと思うんですけれども、今朝の自民党の外交部会でも佐々江局長が、中国側変化が見えたと、こういうふうに言われて、その後で議員の方から、本当に変化をしたのか、首脳会談はまだじゃないかと、こういうふうに質問をされて佐々江局長は、変化の兆しぐらいだと、こういうふうに言い直す場面もありました。依然として靖国参拝については政治的障害であると文句を付けながらも、少し関係を修繕して実利を得たいと、こういうのが中国側のもくろみではないかと思います。  今の小泉胡錦濤会談、これが実現をする見通し、私は小泉政権のうちにできればよし、できなくてもよしと、こんなふうに思っておるわけでありますが、この見通しについて大臣のお考えを伺いたいと思います。
  11. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 両首脳間の会合をこちらから申し込んだわけではありませんので、この問題についていつごろどうのという答えを今ここに申し上げられる資料を持っておりません。少なくともその前にもう一回どこか近くで日中外相会談はやっておいた方がいいんじゃないのかなと思って、投げ掛けてみようとは思っておりますけれども、何となく今、まあこれが第一歩というところかとは思いますんで、一年ぶりの話ですから、これから後、どうでしょう、六月に日米が行われる予定ですから、それが行われた後、続いてすぐサミットになりますんで、それ以降かな、できてもそんなものだと思っておりますが、時間的なタイミングはちょっとどうなるか、今のこの段階で確たることを申し上げれるような段取りにはなっておりません。
  12. 岡田直樹

    岡田直樹君 今朝の部会佐々江局長はこの問題について、日中首脳会談日本側から頭を下げてお願いをするという筋合いのものではない、こういうふうにかなりお役人としてははっきりした口調でおっしゃいました。大臣も同じようなお考えだと思いますし、私もそのことを支持したいと思いますが、この点について重ねて大臣のお考えを伺います。
  13. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この話はこっちはいつでもオープンということをずっと申し上げておりますので、それ以上でもありませんし、それ以下でもない。結果として、是非会ってくださいというような種類の話ではないと思います。
  14. 岡田直樹

    岡田直樹君 前回の外務大臣外交部長バイの正式な会談というのは、先ほどお話のありました去年の五月、町村大臣李部長と京都で会談をした。そのときはあの例の反日暴動の直後でありまして、町村大臣から謝罪賠償を要求したのに対して李部長は取り付く島もなかったというような記憶がございます。  今回、久々外交部長外務大臣お会いになって、そこでこの事件について何らかの言及をなさいましたか。
  15. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今回の会談で、過日のあの暴動に関する賠償等々の話を直接してはおりません。
  16. 岡田直樹

    岡田直樹君 先日、四月の二十日だったと思いますが、この委員会で私は、日本人というのは過去のことを忘れっぽいけれども、この件に関してはしつこいぐらいにどうか繰り返し言及お願いしたいと、こんなふうに御質問しまして、大臣からも、これは中国に対してはっきりと物申すことのできる外交のカードと考えておると、こういう趣旨の御答弁をいただきました。  今回は久々会談でありますし、その冒頭になかなか一年前のその謝罪賠償というものを求めるということはちょっと雰囲気的にも難しかったのかなと思いますけれども、今後とも折に触れて、時効の中断ではありませんけれども、折に触れて言うことが大事であると思いますので、どうかこの点についてお願いをしたいと思います。  この会談の一日置いて二十五日でしょうか、中国外交部劉建超という報道局長スポークスマン麻生大臣について、麻生外務大臣は我々が中日関係中国側からですから、中日関係改善発展する上で協力すべき重要な同僚であると、重要な同僚であると、こういう論評をしたわけでありますが、この点についてどんなふうに受け止めておられるか、お尋ねをしたいと思います。  この劉というスポークスマンは、去年の十一月、靖国神社に絡めて麻生大臣のことを歴史に正しく向き合う勇気がないと、こういうふうにけなしていたのと同じ人物なんでありまして、何か風向きが急に変わったというか、いきなり持ち上げられてちょっと薄気味悪いなという気もするんでありますけれども、この辺り大臣はどのように御認識でありましょうか。
  17. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ちょっと、その人が何と言われたかという、そのテレビを見ておりませんので何とも答えようがありませんけど、同僚と言われて、ちょっと何となく、言葉というのはなかなか危ないんで、何をもって同僚としているのか、よう分かりかねますけれども。  いずれにしても、胡錦濤という人の使ったこのせりふを引用して、この中で日本側との関係を修復したいという旨のメッセージがあの中に使われておりましたんで、それを私どもが引用したところが、何でしたっけ、今、何の同僚……
  18. 岡田直樹

    岡田直樹君 重要な同僚
  19. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 重要な同僚、重要な同僚と言った背景背景かなと思いますけど。  ああ、これですか。ちょっと今初めて読みました。多分そんなところ、そんなところだと思います。
  20. 岡田直樹

    岡田直樹君 昨日、質問の御通告をしたときに、外務省の方からこの報道官のコメントについてペーパーもいただいたんですけれども、今、麻生大臣がおっしゃったように、その同僚という言葉に私ちょっと引っ掛かりがありまして、これ外務省スポークスマン隣国の、しかも重要な国の外務大臣に対して使う言葉かなというふうに思うんであります。日本新聞の中にはパートナーというふうにきれいに訳した新聞もありましたけれども、このトンシーというこの同事、事を同じゅうするというか、どう考えても日本語で言うと同僚という程度の軽い言葉のように思うわけであります。ポスト小泉の一角で次の日本指導者たらんとする麻生大臣に対して、この劉何がしという人はまだ四十そこそこの、日本でいうと課長クラスの人かなと思うわけでありますけれども、これは外交上の儀礼にももとるし、中国で言う長幼の序にももとるんじゃないかなと思います。  これは、麻生大臣というよりも外務省の方にちょっと、こういう言葉使いというのはおかしいんじゃないかということをお尋ねしたいと思いますが、梅田参事官、いかがでしょうか。
  21. 梅田邦夫

    政府参考人梅田邦夫君) ちょっと私、中国語専門家ではございませんので、この同僚という漢字を使って中国語でどういうニュアンスを有しているのかというのを改めて確認させていただきたいと思いますが、仮に日本語と同じような意味で使っているんだとすれば、それはやはり失礼な言葉だと思います。
  22. 岡田直樹

    岡田直樹君 ついでに申し上げますと、その李外交部長という人も本来、麻生大臣と対等に会談をする相手かなというふうに常々私は思ってまいりました。  中国の場合、胡錦濤主席がいて、温家宝総理がいて、唐家センという国務委員もおり、そして李外交部長ということになるわけでありますけれども中国には部長という人が相当たくさんいるようでありますし、国家の序列で百番以内かと昨日お聞きをしたらちょっと即答はされなかったような、そういうクラスではないかなと思います。国のシステムが違うから一概には比較ができないわけでありますけれども小泉総理に次ぐ地位にある麻生外務大臣カウンターパートが本当に李部長でいいのかなと、こういうようなことをちょっと、日中外相会談といいながらどうも一枚格下の相手と付き合わされているような、そんな気がしてならないわけであります。大臣はお気持ちが広いからこんなことは気になさらないかもしれませんけれども、この辺りのことについても一度御検討をいただけたらいいんじゃないかと思います。  いろいろと水を差すようなことというか、余計なことも申しました。二十分の質問時間はあっという間に過ぎてしまうわけでありますけれども、今回の会談をきっかけにして、そしてこれを前向きにとらえながらも、中国側の介入を許さずに、また日本側原則を曲げずに、しかし日中関係改善をしていくと、大変難しいお仕事でありますけれども大臣の御決意というものをもう一度お伺いいたしたいと思います。
  23. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には日本中国というのは、大化の改新にさかのぼって一千五百年以上の長きにわたって国として成立しておりますんで、ヨーロッパの数百年の歴史とはまた大分違うものがあろうと存じます。しかし、その長きの間にわたって、十三世紀の侵略にも耐えて、日本という国は自主独立を維持し続けた数少ない、中国周辺国の中にあってはそういったものをやってのけた数少ない独立国なんだと存じます。  したがいまして、私どもとしては、これは隣国ですから、これはいろいろ、体制が変わってみたり何となく政治情勢が変わってみたりするのはこれは避けて通れないところですが、しかし隣国である以上はそこそこうまく付き合っていくというのはこれは避けられないところでもありますので、引っ越すわけにいかぬもんですから、それであれば、しかるべく対応というものをやりながら、私ども自国の国益というものを考えてやってきちんと対応していかねばならぬと思います。最も難しいところだと思いますけれども、今後とも、岡田先生の御指摘、大事なところだと思っておりますんで、基本を外さないようにして対応してまいりたいと存じます。
  24. 岡田直樹

    岡田直樹君 ありがとうございました。終わります。
  25. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 民主党・新緑風会の喜納昌吉です。  今日は、米軍再編問題で沖縄がクローズアップされている中、外交防衛委員会で時間をいただき、有り難く思っています。  まず初めに、米軍再編閣議決定について質問します。  政府は、正に今日、今ごろですか、米軍再編のいわゆる最終報告を受けて、政府の今後の取組について閣議決定しているところだと思います。そこで、閣議決定を前提として質問します。  海兵隊普天間航空基地の代わりに辺野古崎に建設されると合意された大型の新しい海兵隊航空基地についてですが、合意に見られるV字形滑走路建設場所についての具体的記述閣議決定最終案から削除されています。額賀長官、それはなぜでしょうか。
  26. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) お答えをいたします。  今度の閣議決定の中にV字形という名称は確かに入ってはおりませんけれども、その閣議決定の案文の中に、平成十八年五月一日に日米安全保障協議委員会において承認された案を基本として、政府沖縄県及び関係地方公共団体の立場を踏まえて、今後具体的な建設計画を作っていくというふうに書いてあるわけであります。  一方で、政府沖縄県、あるいはまた関係自治体との間においては、例えば名護市、宜野座村との間では、この千八百メートルのV字形滑走路を造るということで、絵も入れた中で合意文書を作っておりますので、政府案としては、こういうことを基本として今後地元協議をして、しっかりと対応を図ってまいりたいというふうに思っているわけでございます。  今後も、地元の県や市町村と誠意を持って協議をし、この閣議決定に基づく実行体制をつくり上げていくために最善の努力をしていきたいというふうに思っております。
  27. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 かつて、SACO合意を受けて閣議決定された際、辺野古沖での大型基地建設文書に明記されましたが、それが見事にとんざしたのに懲りて、いかにも責任を取りたがらない官僚らしく、今回は具体的記述をしなかったのではないですか。長官、お答えください。かつての従来案の、従来案を閣議決定したのに懲りて今回しなかったということはないですか。
  28. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 従来案のいわゆる辺野古沖案の、前の閣議決定は今度の閣議決定で廃止するというふうになっておりますので、それに代わるものとして、この2プラス2で合意をした政府案基本として今後の普天間飛行場の移設について地元協議をして、具体的な建設計画を図っていきたいというふうになっているわけでございます。
  29. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 それじゃ、懲りたところからの反省ではないんですね。  沖縄県側が、県側が提示している辺野古崎の陸地内に正方形に近いヘリポートを建設する案をおもんぱかったのならば、いっそのことV字形滑走路など余りにも大掛かりで金の掛かるばかばかしい計画を放棄して、海面を埋め立てず海の環境破壊を最小限にとどめる県の陸上案に歩み寄るべきではないか。長官、いかがでしょうか。
  30. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 例えば沖縄県の場合は、四月七日に防衛庁地元の、キャンプ・シュワブの地元の名護市及び宜野座村と合意書を結んで、現在の二本の滑走路を造り住民の上空を飛ばないという前提の下でこの合意文書を作ったわけでありますけれども、その際に沖縄県は、地元名護市、宜野座村の意向を尊重するというふうに言っているわけでございます。  そして、その上に立って五月一日の日米合意文書が形成されていったわけでございますけれども、その際に沖縄県知事からそのヘリポート建設の考え方が示されたわけでございますけれども沖縄県との確認書の中で、普天間の飛行場がキャンプ・シュワブに移転されるまでの間、その普天間基地の危険性をどういうふうに軽減をしていくかということについてはお互いに配慮していろいろと議論をしよう、それをお互い協議をしながら今度の県との確認書を作り上げたわけでございますから、沖縄県知事の言っているヘリポート建設の考え方も、我々は一つ沖縄県の立場として、意見として受け止めて、危険性の除去という形で我々は、今後のキャンプ・シュワブの具体的な建設計画をする上で意見として受け止めておくという形でこの問題に対処していきたいというふうに思います。
  31. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 稲嶺県知事が暫定ヘリポート建設案を政府に求めていく方針を表明したのは五月五日です。もし県が真剣にこの案を検討していたなら、日米政府が最終合意をした五月一日前に提案すべきだと思います。  沖縄県と政府は一見対立しているように見えますが、十一月の県知事選に向けて自公両党に有利な世論形成をするため出来レースをしているのではないかと勘ぐることも可能なんですが、長官、いわゆる出来レースではないですか。
  32. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは県と政府の間ですか。
  33. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 そうです。
  34. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) いや、それは、それは政府沖縄県との間では、それはもう、私が防衛庁長官に就任してからでも半年間、それはもう何十回となく電話をしたりお会いして意見交換をしておりますから、それぞれの立場というものは理解をしてこれていると思っております。  したがって、知事もよく言われておりますことは、安全保障の問題、それから防衛問題というのは国の専権事項である、したがって国がお決めになることはそれは理解できる、しかし県の立場もあると。その点についてはお互いに、それぞれ政治家でありますから、そこは理解をし合いながら、お互い日本安全保障全体に支障がないように、また沖縄県の負担が軽減できるようにどういう知恵を絞ったらいいのかということで、一定の合意書を作ったということでございます。
  35. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 私がなぜこのような質問をしたかといいますと、六月の末に日米首脳会談がありますよね。実際は、本当はV字形がないんじゃないですか。V字形は単なる、あと二兆円、三兆円日本がアメリカに払うための口実のために沖縄を利用しているような感じがするんですけどね。私は、県知事選のときに、今度の県知事選のときまでにこのV字形がうまくどういう形で消えていくのかを私は見ているんですけどね。  実際は長官V字形がないということを知っているんじゃないですか。
  36. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ちょっと質問の趣旨は、V字形がない。
  37. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 実際は、もう本当はね……
  38. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 喜納昌吉君、もう一度明確に質問してください。
  39. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 六月の末には日米首脳会談がありますよね。日本は今から、その二兆円、三兆円というお金を、またどういう形で国民を説得する理由を求めて今後くると思うんですね。そのためにこの沖縄V字形を、造りもしないV字形を出して、それと交換条件にするという考え方はないんですか。
  40. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、キャンプ・シュワブにV字形の滑走路を造るということのねらいは、今度の米軍再編に伴う基地の在り方を考えていったときのキーワードは抑止力の維持と負担の軽減であります。負担の軽減の象徴的なものが普天間飛行場の全面返還であります。全面返還を行うために普天間基地の持っている機能を本土が二つはこれを担います、基地の機能とか空中給油機の機能とか。ただ、ヘリポートの機能はキャンプ・シュワブに移転をすると。それを移転することによって初めて普天間の全面返還が行われ、そしてあの大市街地の中の住民に伴う不安とか危険性が除去されるということが最大のねらいであります。そのためにこのV字形の滑走路は造らなければならない。そのために我々は米側とも合意をし、地元の理解も得たと。今後、どの程度お金が掛かるかについてよく積算をしていきたい、具体的な建設計画を作っていきたいということであります。そういうことを前提にして米軍再編合意が行われたということでございます。
  41. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 分かりました。そのことがうまく、ただ県知事選に対するサプライズに使われるんではないかと懸念をしてますので。  在沖海兵隊八千人がグアム島に出ていくというのは一見好ましいことのように思われますが、しかし、海兵隊は絶えず出入りしており、固定した実体がないのです。幽霊のような存在である八千人が出ていくために六十億ドルを超える血税、大金を課されるのは許せません。  一体この八千人は何という部隊で、どこに常駐しているのか、詳しい説明を求めます。長官お願いします。
  42. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今の喜納委員の御指摘についての八千人でございますけれども合意文書の中にはこういうふうに書かれております。  移転する部隊は、第三海兵機動展開部隊の指揮部隊、第三海兵師団司令部、第三海兵後方群司令部、第一海兵航空団司令部及び第一二海兵連隊司令部を含むと、こういうふうに記載されているわけでございまして、今後、具体的にどの部隊が何人移転されるかについては、今後米国との間で具体的にその協議をし決めていきたいということでありますから、今の段階でしっかりとした形が見えているわけではありません。  また、米軍の実態がどういうふうになっているかということについて、まあ我々がああだこうだ言う立場ではないんでありますけれども、現在のところ、イラクに行っているとかフィリピンに行っているとか、そういう情報はあるけれども、そのために沖縄に何人いるかということについてしっかりとした数字、きちっとした数字を把握しているわけではありません。
  43. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 はっきりした数字ができてない。分かりました。  私が今月十八日に提出した質問主意書で在沖海兵隊駐留要員の数について質問したところ、二十六日付けの答弁書で米国から約一万八千名であると説明を受けているとの回答を得ました。そのうちの八千名が家族九千名とともにグアム島へ移転することになるという回答もありました。ならば、政府は自ら人数を確認しないで、米国から受けた説明を信じて負担軽減とか六十一億ドルのグアム島移転費用を負担することになると口にしているのか。これは問題だと思いますが、防衛庁長官、どうですか。
  44. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 我々が米国と交渉の過程で、米国側の返事は沖縄の海兵隊は一万八千人であるということを言っていることは間違いありません。それは委員のおっしゃるとおりであります。その中で、我々の要求で、沖縄の負担を軽減するために海兵隊の移転を要求しておったわけでありますけれども、最終的に海兵隊を八千人、家族を九千人グアムに移転するという回答があったわけであります。  これから、これは沖縄の軽減負担になることにつながっていきますので、我々は、それを一定の応分の負担をしながら、できるだけ早期に移転を成就したいと思っておりますので、具体的にどういう支援体制をつくるかについては、当然人数もしっかりと把握をし、そして、どういう住宅とか庁舎とか、そういう形で建設を応援するということにしておりますので、そういうものは具体的に実際に幾つどういうふうに造ればいいのかということはこれから精細に協議をしてまとめていく、そしてお金が幾ら掛かるかということを考えていくということでありますから、これから、この閣議決定もされたし、その上でしっかりと米国と協議をし、間違いがないように、しかもなおかつできるだけ日本の負担が少なくなるように努力をしたいというふうに思います。
  45. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 協議をすることは非常に大事だと思いますけど、政府は米側の言い分に従うだけではなく、調査員若しくは調査団を派遣して米側の主張が正しいのか正しくないのかを確認する作業はやりましたか。
  46. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) もちろん、これから米国と本格的な交渉をし、実際に仕事を行っていく上に当たっては、現地に派遣をしてしっかりと調査をし、そして合理的な体制、積算をつくっていかなければならないというふうに思っております。
  47. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 今までまだやってなかったということですか。
  48. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 一回事前に、その現場はどういうふうになっているのかということで、審議官クラス、事務レベルで行ったことはあります。
  49. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 まだ一回。
  50. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 概要について、概要の説明をいただいたということで、その上で合意文書の形成の一助にしたわけでありますけれども、これからは具体的に実際の建設計画等々を作っていくことですから、これからはしっかりとした形で現場を見てくる必要があるということであります。
  51. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 審議官クラス、レベルと言わず、一回と言わずに、国民のこれだけ財政逼迫する中でそれだけのお金を出すものです。もっと真剣に取り組む必要があるんじゃないかと私は思いますね。是非、今後しっかりやってもらうように、よろしくお願いします。  閣議決定最終案には、グアム島移転費や基地地元への振興資金の額などが盛り込まれていません。防衛庁策定の米軍再編関連の特措法にも盛り込まれていないと報じられてます。このことは、沖縄施政権返還時にあった日本側の資金負担に関する密約のような不正な密約取引が日米間で再び繰り返される可能性を浮き彫りにします。長官、この点で明快な見解をいただきたい。
  52. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 密約がある……。
  53. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 かつての西山太吉の密約問題と同じようにね。今回の一種の、基地地元の人の振興資金の額などが盛り込まれてないということ、それからグアム移転費が盛り込まれてないことですね、閣議決定最終案には。
  54. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 閣議決定の中に具体的な金額は盛り込まれておるわけではありませんけれども日米合意の中にはグアム移転経費としての大枠としてこれくらい掛かるだろうということが、百二・七億ドルという枠組みがつくられておりまして、その中で日本側の分担とアメリカ側の分担が書かれているわけでございます。これも、日本側の場合はいずれも上限でありまして、これから具体的な建設計画を作っていく過程でこれは効率化を図り合理化を図っていくという形になって、その中で初めて具体的な金額というものが提示されていくことになるわけでございます。すべて、今密約云々と言われておりますけれども、すべてオープンな形で議論をしてきておりますし、そういうものは一切ありません。
  55. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 そのように誤解が生じぬようにして事を運んでもらいたいと思っています。  沖縄返還時には法的根拠のない日本側の負担があったことがその後米国の公文書で明らかになりました。外務省防衛庁が作成した在日米軍の兵力態勢の再編という資料にはグアム移転経費の内訳が示されていますが、この資料の積算根拠は何ですか。沖縄返還時のような密約を繰り返されてはいけないので質問しますが、長官、もう一度。
  56. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今おっしゃったようにグアム、それはグアム移転の問題のお話ですか。
  57. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 はい、はい。
  58. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今おっしゃったように、グアム移転の経費については今言いましたように大枠百二・七億ドルでそれぞれの分担が書かれておりまして、これから具体的な建設計画を作り、積算を積み上げてまいりたいということでございまして、全くそういう密約的な話はありません。全部これは、お金のことでありますから、全部オープンできっちりとした形で国民の前にもお示しをして御理解を得る努力をしなければならないというふうに思っております。
  59. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 防衛庁の守屋事務次官は早々と米軍再編のための日本側負担の経費を八年間で二兆円と公言してきました。重要な政府間交渉、つまり対米資金交渉をする上で手のうちを、金庫の中を明らかにするとは交渉技術の全くない愚かで稚拙なやり方だと思っています。  長官、あなたは守屋次官の発言をどう受け止めますか。
  60. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) この前、守屋次官の発言につきましてはこの当委員会において御報告を申し上げたとおりなのでございます。  改めて簡単に申し上げますと、私から守屋次官に直接確かめましたところ、講演における守屋次官の二兆円という数字を挙げての発言は、グアム移転経費に関連をして、既に負担している経費に加え、再編に伴う新たな経費も負担することになるので、日本の負担は十分に大きいことを強く主張して交渉を進めていきたいといういきさつを、これまでの専門的な知見を踏まえて分かりやすく話したものであるというふうに私が確認をしたところでございます。
  61. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 まあ非常に弁解にも聞こえるんですけど。  あなたは上司なのに部下である次官の管理ができないということはないですか。つまり、あなたのにらみが利いていないという思いがあるんですけど、どうですか、長官の。
  62. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 守屋発言とは関係なく、私が責任者として今度のグアム移転の経費はきっちりと合理的な積算根拠に基づいて予算づくりをしていきたいと思うし、国内の米軍基地に伴う様々なこと、例えば普天間飛行場をキャンプ・シュワブに移す計画等々についてもこれから具体的に建設計画を県や地元と相談をしながら作っていくわけでございますから、そういう中ですべて合理的に明らかに透明性を持った形で進めていきたいということでございますから、それは私を信頼していただければ大丈夫だと思います。
  63. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 私が思うには、信頼していますけどね、私が思うには、今後米軍再編が実施過程に入ったら、米軍と守屋次官のような官僚との間で話がどんどん進められて、長官は単なる飾り物のような存在になるのではないかと大いに懸念されますが、長官、いかがでしょう。
  64. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 例えばこのグアム移転の問題についての経費も、これは昨年の秋の2プラス2の中間報告以来、半年間、事務レベルで議論をしてきましたけれども、決して解決の糸口をつかむことはできませんでした。  そういう中で、例えば、私は、外務大臣、そして財務大臣、官房長官沖縄担当大臣関係閣僚の皆さん方と相談をしながら、こういう方向で、こういう形で行こうと。そういう中で、アメリカ側の責任者であるラムズフェルド長官と話をしてその方向付けをしたということから見ても、それはちゃんと我々は政治家として、政治家の立場で、しっかりとこの日本の安全、それからこの地域の安定、それからこの日本の国の負担の軽減をどうしていくかと、そういうことを考えながら判断をさせていただいたということは是非分かっていただきたいというふうに思います。
  65. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 是非主体性を持って頑張ってほしいと思います。  私がこのように心配するのは、こんなふうでは、仮に防衛省ができた場合、勢い付く制服組に対し、一体だれがシビリアンコントロールのにらみを利かせることができるのかという危惧があるからです。制服組が突っ走ったら、長官、あなたは止める自信がありますか。真剣に答えてください。
  66. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 戦後六十年、日本の民主主義というのは私はしっかりと定着し、そして安全保障、防衛問題についてもきっちりとシビリアンコントロールがなされていて、国民の皆さん方もそこは信頼をしてくれているのではないのかというふうに思っておりますので、むしろ我々は国会の立場で、お互いに自信を持って、そういうことをむしろ主体性を持ってアピールしていったらいいんじゃないでしょうか。
  67. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 まあ国民の信頼は分かりますけど、今後米軍再編というのが非常にちょっとつかみにくい部分がありますから。  現在、普天間基地所属の軍用機が弾薬を積み込む場合、米軍の規定により弾薬庫がある嘉手納基地まで行って積み込んでいます。普天間の基地機能が辺野古などに移された場合、その新しい代替基地に弾薬庫も設置するつもりですか。長官、明らかにしてください。
  68. 大古和雄

    政府参考人(大古和雄君) 御質問の点について、細部については今後とも更に日米間で協議いたしますので、その点について現時点で明確にお答えすることは困難でございます。
  69. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 まあ主体性を発揮するからそうしてくれぬかと思っていますけどね。  普天間代替基地に将来隣接する軍港を建設する計画はありますか。長官、お答えください。
  70. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ありません。
  71. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 ない。
  72. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 軍港ですね。
  73. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 はい。
  74. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ありません。
  75. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 本当にないですか。
  76. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 桟橋を造るのはヘリとか等の給油、何というのかな、燃料補給用の桟橋を造るわけであります。
  77. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 あれのその下の海面は五十メーターぐらいあるんですけれどもね、そこの桟橋の下、これの設計図を出すことできます。
  78. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 設計……
  79. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 そこには、設計、この何というのかな、そこにはトンネルがあるんですけれどもね、これを出すことはできますか、防衛庁で、米軍の。
  80. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 喜納昌吉君、ちょっと質問意味が不明ですので。
  81. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 この桟橋の下にはトンネルがあるんですけれどもね。
  82. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ある、知らない。
  83. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 あっ、知らない。  本当に知らないんですか。
  84. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 喜納昌吉君、質問をまとめてください。
  85. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 はい、分かりました。  いやいや、知らないと聞き、分かりました。  次に、日米軍事同盟に関して質問します。  米軍再編日米同盟は新たな段階に入ったとされています。小泉首相は、世界の中の日米同盟という言葉を盛んに使ってきました。額賀長官、新たな段階とは具体的にどんな段階ですか、説明してください。
  86. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 例えば、米軍再編とか自衛隊の改革、防衛庁の改革等々についても、従来型の脅威から、テロだとかミサイルだとか、新しい脅威にどう対応するかということが一つのねらいであります。したがって、そういうテロ対策だとか弾道ミサイル防衛だとか、そういうことについて日米同盟関係の協調、協力関係を強めることによって我が国の安全保障と防衛とそれからこの地域の安定に備えていこうというのは、新しい段階の日米同盟関係の在り方になっているというふうに思っているわけであります。  一方で、世界の中の日米同盟という次元においては、例えば今日、インドネシアの地震に、ジャワの地震について先遣隊二十名を派遣をし、これから第一次、第二次の医療部隊を派遣をして、そういう世界の災害対策支援とか、様々な分野で平和協力活動を展開をしていく。例えば、スマトラにおいては日米の間で協力体制がしかれた、そういうことが一つの参考になっていくものでございます。
  87. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 だれが首相や政府日米同盟を世界にまで広げてほしいと頼んだのか、長官答えてください。    〔委員長退席、理事浅野勝人君着席〕
  88. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) だれが頼んだということではなくて、我が国が主体的に自衛隊を活用する場合には、これは人道的な復興支援だとか、これはイラクの場合、あるいはテロ撲滅のためにアフガンに対してテロ特措法によってこの自衛隊の活用がなされているということでございます。これは国会の承認を受けてシビリアンコントロールを受けて、自衛隊が法律に基づいて、この地域の安定あるいはまた住民の不安解消のために汗をかいている、この地域の安定は日本の平和と安定に結び付くと、そういう考え方で自衛隊の活用が我々の考え方で、我々の主体的な国会の判断で出されているということだと思います。
  89. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 我々の主体、国会で決めたことと言っているんですけれども、どうも私が見る限り、官僚によってうまく誘導されているんではないかという感がしてしようがないんですね。まあ、その背後にアメリカの方がイニシアチブを取っているという感がしてしまうんですね。日本でそれを望んでいるのは守旧派、特に戦場に行かないで済む自衛隊幹部、それに戦争でもうかる軍産複合体辺りだと私は思っているんです。それと、世界の中の日米同盟を一番望んでいるのは米国政府やペンタゴンではないでしょうかね。そうして、米国の軍産複合体が一番私はそのことを望んでいるような感じがします。ここでも日本は米国の言いなりになったわけのような感じがしますけれども長官、よろしくお願いします。
  90. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 米国の言いなりになっていることはありません。日本日本の主権に基づいて、また日本の国民の理解を得た国益に基づいて自衛隊を動かしているわけでございます。  例えば、イラクに送ったとしても、ほかの多国籍軍と同じように治安活動をしているわけではありません。それは自衛隊ができる範囲として人道復興支援に限るといって送り込んでいるわけでありますから、我々は我々の考え方で我々のできる範囲で世界の平和協力活動に従事している、汗をかかせていただいているということでございます。
  91. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 続いて、武器輸出三原則に関する質問をします。  自民党の久間総務会長は、今月初めワシントンで武器輸出三原則緩和の必要性言及しました。その際、日米関係を深化させるため、政府政府、軍対軍、産業界同士の関係強化が必要との認識も示しました。明らかに久間さんは、日米間の軍産複合体、二国の関係強化を奨励しています。  軍産複合体が政府に圧力を掛け、絶えず新しい武器を製造し、古い武器を消費するため戦争を求めている、これが米国の姿だと思っています。そんな米国に日本の産業界を近付けようというのですか。長官の所属している自民党の幹部がそう言っているんですけれども長官、よろしくお願いします。
  92. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 久間先生の言葉でどういうことを言っているのかということを現実的にしっかりと把握しているわけではないんでありますけれども日米関係においては、もう既に防衛整備面においては米国製装備品の輸入とかあるいはライセンス生産だとか共同技術研究だとか共同開発等々を行っているわけであります。これらの日米関係の装備、技術協力というものは、両国にとって相互運用性だとか研究開発コストを下げるとかリスクの低減をすることができるとか、そういう意味で非常に大事なことであるし、武器輸出三原則の枠組みの中で防衛産業の交流が行われているというふうに理解すべきだと思っております。
  93. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 私が聞きたいのは、あなたは日米間の軍産複合体の関係強化を必要だと考えますか。
  94. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 日米の……
  95. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 軍産複合体の関係強化を願いますかと。
  96. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 例えば、弾道ミサイル防衛について、これは日本お互いに共同研究をし、そして共同開発をし、それは日本の国民を守るため、日本の国家の安全を図るためにそういうお互いにその弾道ミサイル防衛体制をしっかりとしていこうということであります。それを支えるのは言ってみれば防衛産業であり、技術であります。そういう技術の向上、技術交流をし、そしてお互い日米の、同盟関係にある日米が共同運用していくことが、それは日本安全保障にとってプラスであるから、それは強化していくことは正しいというふうに思います。
  97. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 長官、戦争が防衛産業を支えているということを考えたことないですか。
  98. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 戦争が支えるということは、その防衛産業が、そのそれぞれの国の考え方にもよるでしょう。しかし、日本の国は、日本の国は日本の自衛力、日本の自衛力を保つために一定の防衛装備というものを確保しなければならない。自らもその装備を持つ能力を維持していかなければならない。あるいは効率的に、あるいは有効にしていくために輸入をしたり、あるいはまた技術を維持していくためにライセンス生産をしたり、技術開発をしたり、そういう一定の防衛産業のレベルを維持していくことは日本安全保障にとって不可欠であるというふうに思っております。
  99. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 私が懸念していることは、まあ日本という言葉をよく使いますから、防衛長官一つの防衛哲学を、どういう防衛哲学を持っておられるか聞きたかったんですね。私は、日本が米国のように軍産複合体の影響で戦争をせざるを得なくなるような事態を招くことを良しとするのかをちょっと僕は質問したかったんですね。    〔理事浅野勝人君退席、委員長着席〕  私は、軍産複合体の台頭を抑えるブレーキのような役割を果たす機関や組織がないと危険ではないかと思っているんですね。そのような制御装置をつくる考えはありますか。
  100. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 最大の抑制力というのは憲法であります、法治国家でありますから。我々は憲法に基づいて日常の生活も、憲法そして憲法に基づく法律によって秩序ある生活をし、自由を謳歌しているわけであります。そして、そういう自由とか平和を守るために一定の自衛力を持たなければならない。そのためには自衛力をどういうふうに使うかということについて憲法の枠内できっちりと規制されているわけであります。
  101. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 憲法が最大なる制御装置となることを願ってやみません。  それならば、武器輸出三原則は既にミサイル防衛、MD兵器の関連部品の対米輸出などが容認されたため、ざる法になりつつあります。このような重大な問題を軍需産業界の意思を代弁する政府長官の意思だけで簡単に決めてもらっては困ります。これは国民投票物だと思いますが、長官、今後、軽はずみな原則緩和を止めるように注意してほしいと思っています。久間さんにもくぎを刺してくれませんか。
  102. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 久間さんの……
  103. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 久間さんが、久間さんのその言動に少しぐらいくぎを刺すぐらいの主体性を持ってくれませんか。
  104. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今の日本の置かれた立場というのは、武器輸出三原則というものは生きているわけでございます。ただ、時代の変化、それから技術の進展、そういう中で日本の新たな防衛をどういうふうに維持していくかというときに、例えば弾道ミサイル防衛を行うときに、その技術開発をしていかなければならない。それは日本一国だけで技術開発をしていくことは膨大なお金が掛かる。そのときに同盟国のアメリカと技術研究、技術開発をする。そういう成果が上がったときに、これは武器輸出三原則の例外措置として、お互いにその技術を共有し合ったり、あるいは生産コストを下げていくために一定の交流が図られるということは日本の安全にとってプラスであるということから、そういう例外措置が認められたものであると思っておりますし、もちろん厳格な、あるいは何か条件が付いておりまして、それをただ、どこの国にも販売できるとか輸出できるとか、そういうことは避けましょうとか、そういう一定の規定の下にそういう技術交流とか生産のやり取りがあるということを例外措置として認めたものと思っております。  少なくとも、同盟国の間でありますから、一定の枠組みの中でそういうことがなされることは、日本にとって、日本の防衛体制を維持していく上で私は許されていいのではないかと思っております。
  105. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 技術面よりも憲法の主体性を私は優先してほしい気持ちがあるんですけれども、やっぱり原則緩和というのは非常に危険なものを含んでいるということを長官、よく心にしておいてください。  次は、防衛庁の省への昇格について質問します。  自民党は五月下旬、防衛庁を省に昇格させる法案を了承しました。問題多い防衛施設庁を来年廃止し、その機能を括弧付きの防衛省に統合することも盛り込まれています。  額賀長官、なぜ昇格させる必要があるのか、理由を説明してください。
  106. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) なぜ防衛省昇格を急ぐのかということですか。
  107. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 はい。
  108. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今の、これは委員も御承知のとおり、自衛隊の活動というのは物すごく広範囲になっております。それは、災害派遣もあるしテロ対策の派遣もあります。それから、国内においても災害時や様々の国民の要求に応じていろいろ活動をします。もちろん、自衛隊の本来任務というのは国の安全をいかに確保するかということでございます。そういう役割がどんどんどんどん拡大をし、しかもなおかつ内外ともに大きな評価を得ている、そういう防衛庁の在り方について、やっぱり諸外国と比較した場合に、まあ防衛庁、エージェンシーでいいのか、諸外国はほとんど省であると。そういうことを考えてみた場合も、諸外国並みに形をつくってあげると同時に、主務大臣を置いていろいろと法律を作ろうとしたり、予算を作ろうとしたり、あるいは様々の危機が起こったときに防衛大臣としての考え方で閣議に意見を申し述べることができたり、そういう主体性を持って様々な行動ができるようにしていくことが大事なのではないか。  そういうことについて、これまで、戦後六十年の間に様々な意見がありましたけれども、特に平成九年のときに、行革審議のときに政治の場で決着しなさいという考え方があったわけでありますが、十年たって、最近ようやく国会の場でも議論がなされ、国民の間でも省昇格・移行について理解が深まってきて、そしてこの法案提出の動きが出ているということを私は非常に喜ばしいことであるというふうに思っております。  どうぞ是非、御協力をいただければ有り難いというふうに思っております。
  109. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 協力したい気持ちもありますけれども、自衛隊の国際的な任務は、米軍再編による自衛隊と米軍の一体化が深まるとともに、際限なく広がりつつあるように受け止められています。市民や有権者は懸念しています。自衛隊の役割を憲法の規定との関連で明確にしてから庁を省にする必要があるのか否かを考えるべきではないか。長官、どう思います。
  110. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 憲法の何ですか。
  111. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 何というんですかね、憲法の規定との関連で明確にしてから。
  112. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 防衛庁の存在というのは憲法の……
  113. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 いや、自衛隊とのですね、自衛隊と、自衛隊と憲法との規定を明確にしてから。
  114. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 喜納昌吉君、もう一度質問してください。
  115. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 自衛隊の国際的な任務は、米軍再編による自衛隊と米軍の一体化が深まるとともに、際限なく広がりつつあるように受け止められ、言わば憲法の拡大解釈がされているんではないかという懸念があるんですね。市民や有権者は懸念しています、その意味でね。自衛隊の役割を憲法の規定との関連で明確にしてから庁を省にする必要があるのか否かを考えるべきではないか、長官
  116. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは防衛庁の、自衛隊の役割というのは、憲法に基づく自衛権の、自衛権という憲法の下につくられて、そして活動をされているわけですから、これは憲法の枠内でしっかりとなされている。それが対外的な活動が展開してもそういう枠組みの中でつくられているというふうに私は理解しております。
  117. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 分かりました。  有権者、市民の間には、防衛省ではなく防災省にすべきだという意見が広範にあります。輝かしい憲法九条を頂く日本が、非軍事、非核の平和地域創設を国際社会に働き掛けつつ、天変地変が起きればそこに飛んでいって被災者を助ける防災省を設けるとすれば国際社会から大歓迎されると思います。国際世論の全面的な支持を得るほど強力な防衛はあり得ないと私は思っています。  長官防衛庁を防災省にする考えはありますか。
  118. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) まあ、そうですね、防衛庁・自衛隊の一番の最大の任務というのは、何か日本の周辺にいろんなことが起こったりとか日本が攻撃を受けられたときとか、そういうときに国民の生命、財産を守って、この安全を確保することが第一番ですね。そのほかに災害のこともやります、確かに。と同時に、国際平和協力活動等も行うわけであります。そういう意味で、まあ戦後長年、防衛庁として親しんできたわけでありますから、少なくとも防災省というよりは防衛庁の方がなじむんじゃないでしょうか、防衛省、防衛省の方が。
  119. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 いや、ずっと防衛長官の、防衛庁の政策見ると防災省がいいんではないかと思ってね、国際貢献でもね、私、そう思ってしまうんですよね。だから、ずっと長い伝統にはなじみがあると思いますけど、やっぱりある程度は新しくしていくという考え方でした方が僕は国際の世論も受けるんではないかという感じがするんですけれどもね。  長官、話を別の方に移します。  長官、あなたは今年初め、防衛施設庁による官製談合事件を受けて、いち早く施設庁の解体を打ち出しました。あの手っ取り早さは何だったのでしょうか、理由を聞かせてください。
  120. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 時間が過ぎておりますので、答弁を簡潔にお願いいたします。
  121. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 防衛施設庁を、何でしたっけ。
  122. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 解体したこと。
  123. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 防衛施設庁を解体しましたのは、要するに防衛庁、防衛施設庁の体質が古くて、非常に閉鎖的で、そして人事交流もなかったし、それから八年前の例の装備本部の、調本、調本事件の、事件があったときのことも教訓も入れないで、こういう事件を起こしたということについて、やっぱりきちっと根本的に解体をして出直した方がいいということで解体をさせることにしたわけでございます。
  124. 舛添要一

    委員長舛添要一君) よろしいですか。質疑時間が終了しております。
  125. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 どうもありがとうございました。また、この次よろしくお願いします。
  126. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 政府は本日、日米合意を実施するための閣議決定を行ったとのことですけれども閣議決定は2プラス2の発表文書とロードマップにある再編案全体の実施を決定したものなんでしょうか。その中には除いた事案というのはあるんでしょうか。
  127. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 日米の最終合意案の政府案基本として、基本としてこの閣議決定というものが作られております。
  128. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 それでは、五月一日のロードマップ及び共同発表の中で合意したけれども閣議決定は除いたというものはあるんですか。
  129. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 除いたものはありません。
  130. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 その閣議決定を見ますと、再編関連措置については、最終取りまとめに示された実施時期を踏まえつつ、着実に実施していくものとすると、そういう表現があります。そうだとすると、その閣議決定関係自治体合意の問題、これをどう扱うことになるんですか。
  131. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 沖縄県や名護市を始め、関係地方公共団体閣議決定の前に協議をして閣議決定をするということのそれぞれの確認書とか合意文書があるわけでありますけれども、逐次、我々は名護市とか沖縄県と、それはもう何遍も何遍も綿密に協議を重ねてきた結果、この閣議決定の案文を作らせていただいたということであります。今後も、引き続いて関係自治体協議を続けていく中で、しっかりと理解を得、実行体制をつくっていきたいというふうに思っております。
  132. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 私の質問は、大臣、要するに、そういう協議が行われたことは存じております。しかし、この閣議決定の中にある着実に実施していくというその中身についての合意関係自治体との間に得られているのかということです。
  133. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 基本的な考え方が書かれているわけであります。そして具体的な、例えばその普天間移設の具体的な建設計画とかあるいは地域振興とかいうことについては、今後更に協議を続けていく中で解決を図りたいということがこの閣議、案文の中に書かれているわけでございます。
  134. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 今後更に協議を続けていく、解決されていないということは、つまり関係自治体との間では、これは自明のことですけれども合意が現時点ではないということですよね。
  135. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 例えば、名護市との間では基本合意書というものがあります。沖縄県でも基本確認書というものがあります。その考え方に基づいて閣議決定がなされております。そして、その上に立って具体的な計画、設定をこれからしていくということでございます。
  136. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 座間市もある、相模原市もある、鹿屋市もある、神奈川県もある、その他、その他関係があります。それらすべてと合意が得られているのかと伺っているんですよ。
  137. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 政府案を示し、地元の市町村長さん、各県の人たち、知事さんたち、一定の理解を得ているものと思っておりますので、今後具体的な計画を立てていくという形で土俵にのって、これから真剣に具体的にそういう実行計画を作っていくということでございます。
  138. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 大臣が答弁されたことはやはり重大だと思います。つまり、これから協議を続けて解決していかなければならない、することがある、そういうことですよね。ということは、合意なしに閣議決定を行ったということになるんですよ。私は、これは一つ重大な問題だと思います。  それから、更にもう一つ私、伺いたいのは、五月一日の取りまとめ、最終取りまとめ文書なんですけれども、その中には、その共同発表には、閣僚は日本政府による地元との調整を認識し、再編案が現実可能であることを確認したという、そういう文書が書かれております。これは閣議決定とは違って対米関係における文書なわけですけれども、ここで実現可能だと断定しているその具体的な根拠は何ですか。
  139. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、例えば普天間の問題でいえば、四月七日に名護市、宜野座村との基本合意書というのを交わしております。それから、五月十一日には沖縄県との基本確認書というものも交わしているわけでございます。そういうことを踏まえて今度の閣議決定が行われたわけでございます。そして、閣議決定の中では、具体的な建設計画等々については、今後も関係市町村、関係市町村長とよく協議して早急に計画を作るということをうたっているわけでありますから、そういう意味で、お互いにそういう共通の認識を持っているというふうに思っているわけであります。
  140. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 私がお伺いしたのは、アメリカとの関係でどうしてそういう判断の文書を書いたのかという、そういう質問なんです。  まあしかし、それについては、沖縄については触れられました。しかし、それも合意があったとは私は思えませんけれども、しかし移転等々この案件というのは全国に散らばっているわけで、その合意文書の発表の後ますます大きな問題になってきているわけで、私はここにこう書かれた根拠というのはないと思います。英語で言うと、主語はザ・ミニスターズとなっております。つまり複数の閣僚と。その中にあなたも含まれるわけですよ。  なぜこんなことが書けるのか、根拠は何なのか、端的にお答えください。
  141. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) もちろん、米軍再編の、これを実行に移していくためには地元協力がなければならないわけでありますから、これはもうずっと地元と、いろいろと経過説明をしたり、そして地元の要望を聞いたりし、理解を得る努力を重ねてきているわけであります。そういう中で、まあ我々も地元との一定の感触を得ているわけでありますし、そして日米との間でも五月一日の合意文書を作らせていただいたわけでございますから、そういう最終合意の中身を今度は地元にもよく説明をし、そして地元の理解を得ながら具体的な実施計画を作っていくということについて我々は真剣に地元協議機関をつくりながらやっていくということの意思表示をしているわけであります。
  142. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 一定の感触で、それからまた今後説明して理解を得ていきたいという希望的観測でこういう文書が作られたということを今大臣述べられたわけですけれども、これは改めて大変な驚きだと思います。  結局、この米軍再編の問題は、私は、国民に隠してずっと協議をしてきた、そして内容が明らかになった後は誠心誠意だけを繰り返し、そして説明すると、今も説明されると繰り返しているわけですけれども、そういう内容ですよ。そして、さらにその後反対が多くなった。その中で改めて今日閣議決定が行われたと。私は、これこそ主権在民という、主権者は国民だ、住民だということを無視した、問答無用というそういうやり方ではないかと、そのことを指摘しておきたいと思います。  次に、ミサイル防衛の問題についてお伺いしたいと思います。  ロードマップには、米軍が日本国内にPAC3を展開することが初めて書き込まれました。長い間米軍が地対空ミサイルを日本に配備したことはなかったと思いますけれども、米軍の地上ミサイルの日本への配備はいつ以来のことになりますか。
  143. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) お答えします。  在日米軍基地にペトリオットのような地対空ミサイルが配備されていたかどうかについては、すべて承知しているわけではありません。返還前の沖縄において、米軍基地にナイキ、ホーク等の地対空ミサイルが配備されていたということは承知しております。これは返還前でありますから、在日米軍とは言わないということであります。
  144. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 いずれにしても、六〇年代以来の配備ということになる。  それでは、既存の米軍施設・区域に展開され、可能な限り早い時期に運用を可能とするとあるわけですけれども、これは米軍施設を防衛するために展開するものですか。
  145. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは違います。米軍のPAC3については、いずれの在日米軍施設・区域に展開するかを含め、その具体的な配備、運用の在り方については今これから調整をしていくことになっているわけであります。  PAC3は特に重要拠点を防御するため、状況に応じて最適な場所に機動的に展開するシステムになっているわけであります。したがって、特定の在日米軍施設とか区域に仮に配備されたとしても、我が国を防衛することにつながっていくし、その施設・区域を防護するために用いられることに限定されるわけではないということです。
  146. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 米空軍基地に設置するものだと思われるわけですが、その基地は三沢、横田、嘉手納とあるわけですが、配備されるのはどこになりますか。
  147. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今、先ほど言いましたように、PAC3についてはどこの米軍施設に展開するかまだ決まってないわけでありまして、具体的な運用、配備については今後調整をしていくということになっております。
  148. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 再編案の実施が進めば、横田の米空軍司令部はミサイル防衛の中枢になるわけですけれども、その過程でここを防衛することの重要性が増せば、横田への配備ということは検討することはあり得ますか。
  149. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今言ったように、今後どういうふうにするかを米国との間で調整をしていくことになっておりますので、今の段階で言えません。
  150. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 それでは、ちょっと聞き方を変えましょう。  米軍PAC3の展開地を検討する際に、どういう条件が重要視されるんですか。
  151. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) そういうことも含めてこれから配備、運用を考えていくということでございます。
  152. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 しかし、私は非常に抽象的に聞いているんですよ。だって、どういう条件が最重要視されるのかという、そういうことというのはもう基本中のことで、別に具体的な答弁を求めているわけじゃないわけですよ。  通告しているわけですからお答えください。紙出してください。
  153. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今おっしゃるように、どういうところに配備していくことが一番いいのか、しかもPAC3の場合は移動可能でもあるわけでありますから、そういうことを総合的に考えて配備していかなければならない、運用のことも考えながら配備していかなければならない、そういうことでありますから、それはこれからのことです。
  154. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 ロードマップでは、Xバンド・レーダーは二〇〇六年夏までに運用可能となるとされているわけです。もうすぐのことですよ。レーダーが運用可能になれば技術的にはPAC3が使えるようになるんですか。
  155. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 我が国の弾道ミサイル防衛システムの整備は、今我が国の防護を行うイージスBMDシステムと特定地域の防護を行うペトリオットPAC3の多層段階で対応するという形になっているわけであります。  PAC3については、本年度末に最初の一個高射隊が配備されることとなっておりますが、当面のBMDシステムの整備計画ではその完成は平成二十二年度末となるという形になっております。その意味で、我が国に展開可能な米軍のPAC3が存在すれば、我が国の防衛にも役に立つものと思っております。
  156. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 最後の一言です。  この問題というのは、これまで関係自治体や住民に対しても全く説明されてこなかったんですよ。私がここで聞いてもきちっとしたお答えがない。しかし、アメリカとの間では綿密な形で協議を進めている。やはりこれは最初に述べたこの米軍再編全体の住民無視の問題につながると、そのことを指摘して、質問を終わります。
  157. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 麻生外務大臣におかれては、沖縄での太平洋・島サミットへの諸準備、大変御苦労さまでございました。  太平洋・島サミット小泉総理は、同サミットの参加国の十二か国と二地域に対する支援策として二〇〇五年度から八年度の三年間に総額四百五十億円規模の政府開発援助を拠出すると表明なさっていますが、その支援の中身について簡潔に御説明ください。
  158. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この支援は四つの重点項目を中心に実施させていただきたいと思っております。  まず、経済成長。これは主に情報通信インフラ、それから水産基盤の整備などがその主たるものだと思っております。  二番目は、持続可能な開発ということに眼目を置いております。内容は、廃棄物の処理、これ極めて今問題になりつつありまして、廃棄物の処理、それから地球温暖化に対する取組等々がこの中に入ります。これ、水のかさが一メーター上がりますとなくなっちゃう国が出るということになりますんで、これ結構深刻な話であります。  三つ目が、良い統治でありまして、これは行政官が基本的に全く欠落しておる、若しくは能力が極めて問題がある等々ということなんだと思いますが、いわゆる政策アドバイザーの派遣などなど、いわゆる良い統治ができるように人材育成、派遣等々であります。  四番目は、安全確保ということにいたしておりますが、これは自然災害、今ジャワの話ばっかりがよく新聞に出ていますけれども、ほぼ同じ時期、一日遅れてトンガでマグニチュード六・七、サモアで同じくマグニチュード六・五の地震が起きております。これは不思議と新聞に出ませんけれども、こっちも極めて大きく、三千キロメートル離れております。パプアニューギニア、トンガ、六・二と六・七、トンガで六・七、パプアニューギニアで六・二出ております。そういった意味で、自然災害等々、こういった四つの重点課題を中心にしてやらせていただきたいと。  加えて、向こう三年間で約千人ぐらいの青少年交流というのをやりたいということで、こういったものは島国の方、島嶼諸国の方からの要望に応じてこのような形をプランさせていただいております。
  159. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 島サミット首脳宣言の一項に、日本の支援状況を検証する合同委員会を設置するとありますが、合同委員会を置くことになった理由及びその構成メンバーについて簡潔に御説明ください。
  160. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) 今回の太平洋・島サミット首脳宣言によりまして、我が国とPIF、パシフィック・アイランズ・フォーラムの十四か国、二地域の諸国との間の新たな協力の枠組みであります沖縄パートナーシップが合意されたわけであります。そして、その合意を今後きめ細かく着実にフォローアップしていくことが必要であるという観点から合同委員会を設置することにしたわけであります。  合同委員会は、日本政府そしてPIFの前議長、それから現議長、そして次期議長及び事務局、その高級実務者から構成されるということで、年一回開催をする予定であります。
  161. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 内閣府にお伺いいたします。  SACO最終報告に基づいて普天間飛行場の代替施設を名護市辺野古沖合に建設するという当初案に関連して、政府がこの間、沖縄北部振興策として実施してきた主な事業とその予算総額、並びにそれによる地元経済への波及効果についてどのように評価なさっておられるのか、簡潔に御説明ください。
  162. 東良信

    政府参考人(東良信君) お答え申し上げます。  SACO最終報告以降、北部振興事業を行っているわけでございますが、これは沖縄県の全体の均衡ある発展を目指して雇用機会の創出や定住条件の整備等に資する事業を行っているところでございます。  総額は平成十二年度から平成十七年度まででございますが約四百三億円、これは国費ベースでございます。それで、その結果といたしまして、情報通信関連事業への就職等により千人以上の雇用を創出しておりますし、また、北部県域、これは全体で十二万五千人程度でございますが、その中でも約三千三百人の人口の増加があるというような効果を上げているというふうに理解をしております。
  163. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 内閣府の東政策統括官は、先日、小池沖縄担当大臣の指示を受けて米軍再編に伴う沖縄の振興策を検討するため沖縄を訪問し、稲嶺沖縄県知事や島袋名護市長らにお会いになったと報じられておりますが、その際に、地元からどんな要請があり、それに対して政府はどのように対応なさるおつもりなんですか。
  164. 東良信

    政府参考人(東良信君) 私、沖縄県を訪問いたしましたのは、五月十一日に防衛庁長官が大変御努力をいただきまして合意ができたということと、それから、その際、県の方が跡地利用等々についての御要望もおっしゃったということでございますので、沖縄振興を所管する内閣府の立場として沖縄県の考え方を把握するために伺ったものでございます。  具体的に言いますと、沖縄県としては、やはりこの米軍再編問題について政府と誠意を持って建設的に協議を行ってまいりますということを言っておられました。それから、跡地利用や雇用対策につきましては様々な課題がある、沖縄の将来のためにじっくり取り組んで一緒にやっていきましょうというお話でございましたし、名護市におかれましては、やはり県と同じでございますけれども政府と誠意を持って建設的に協力をしてやっていきたい、協議をよくしてやっていきたいということと、それから、現在行われている北部振興等を従前どおり実施してほしいということを切実に訴えていただいたと、こういうことでございます。  以上でございます。
  165. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 県が具体的に、そんな今おっしゃるような抽象的なことばかり言って、具体的な問題提起というのは全くなかったわけですか。
  166. 東良信

    政府参考人(東良信君) 全く、抽象的といいますか、具体的な項目についてのお話とか振興策とか、そういうことの言葉も出なかったということでございます。  以上でございます。
  167. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛庁長官にお伺いします。  先ほどの同僚議員の御質問に対して、長官は、四月十一日に沖縄県との基本合意に基づいて今回の閣議決定をしたという趣旨のお話がございました。しかし、私などから見ますと、今回の閣議決定沖縄県側の要望とは随分ずれがあるように思いますね。  どういうことかといいますと、県側が表明していることは、県としては、普天間飛行場移設問題は政府案が前提となって閣議決定するのではなくて、県の普天間飛行場の危険性を除去する陸上へリポートを造るというのを基礎にして閣議決定していただきたいという趣旨のことだということを言っているわけなんです。その点からしますと、今回のこの閣議決定というのはどうもおかしいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  168. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 沖縄県との基本合意書の中で、政府案基本として、政府案基本として普天間基地の危険性の除去、環境や安全性、それから実行可能性等々について留意しながら具体的な建設計画考えるというふうに閣議決定の中にはあります。  政府案というのはどういうことかというと、日米合意書に基づくものが原点でございます。そういう、今、大田委員がおっしゃるようなことについては、危険性の除去とか、そういう文言の中で沖縄県の意見としてそれは議論をさせていただきますという形で我々も配慮させていただいているということでございます。
  169. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 先ほど東統括官からお話がございましたように、県としては一九九九年の十二月の閣議決定、北部振興策の問題についての閣議決定の堅持ということを非常に強く要望しているわけですが、今回それを廃止するということになっているわけですね。なぜ廃止するんですか。
  170. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、そもそも閣議決定の中心議題というのは普天間飛行場辺野古沖合に移転をするということでございます。その辺野古沖合移転に代えて、今度は普天間の全面返還を早期に実現するためにキャンプ・シュワブに移転をするということでございます。したがって、閣議決定の中心の議題は変わることになるわけでございます。  北部振興策ということも、基本的には普天間飛行場の移転に関連した形で沖縄の振興策を考えようということであったと思います。我々は、沖縄の振興策について、同じようにこれは沖縄県や関係町村長とよく協議をして考えてまいりましょうというふうに思っております。  私は、もうちょっと大きく新たな発展構想を考えるべきなんじゃないかというふうに思っております。基地のあるところは基地のあるところらしくめり張りを付けて考えてあげたいし、あるいはまた、沖縄県は沖縄県全体としてやっぱり自立的な経済を建設をしていくためにはどうしたらいいのかというような大きな発想で考えていかないといけないんじゃないかと、そういうことを考えようじゃないかということをこの閣議決定の案文には意向が反映をしております。だから、北部振興策にとらわれてどうのこうのではなくて、沖縄の振興策については一生懸命協議をしていきたいという気持ちであります。
  171. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 北部振興策以前に決定されたのは年間百億円を十年間出す計画で、実際にもう六百億ですか、出ているわけですね。それが廃止されるわけですね。そして、今おっしゃるように、長官はそれ以上の振興策をお考えということですか。
  172. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) いや、私は、北部振興策を全部廃止すると言っていません。十八年度は既に予算化されております。そして、十九年度についてはこれから考えていけばいいことであります。  もう北部振興策が進行して、あと何年ですか、五年あるわけで、半分できたわけですね。その過程でどういうふうになっているのか、実態がですね。もう終わったものがあるのか、更に継続していかなければならないのか、更に新たな問題が出てくるのか、そういうことも含めて、私は北部振興策をゼロにするという考え方は持っていません。  ただ、そういうことをやっぱりきちっとよく精査して、本当に、基地を受け入れる名護市、あるいは基地を持っている地域にとって何が必要なのと、あるいはまた、沖縄県全体ではどういうふうにすれば県全体の発展が望めるのかということをもう一回新たな発想で考えてみたらどうなのという思いもあります。だから、北部振興策は十一年の閣議決定をゼロにしたからこれもゼロでありますという考え方を取っているわけではありません。
  173. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 先日の本委員会において同僚議員が、ロードマップを実施した場合に一体沖縄の基地はどれくらい減るかという質問がありまして、長官はそれに対して、ほぼ、現在、在日米軍専用施設の七五%までが沖縄に集中しているけれども、ロードマップの実施によって大体在日米軍専用施設の七〇%くらいまでになるだろうというお話でした。  ところが、先日の衆議院の委員会で同じような質問が出ましたところ、わずか〇・八%しか減らないと、現在の七四・六%から七三・八%になるだけだという御答弁がございましたけれども、これまで長官はしきりに今回の再編によって沖縄の米軍基地がいかにも大幅に減るかのような印象を与える御答弁がございましたけれども、実態はロードマップが実施されたとしても七三・八%が残るということが先日の外務委員会ですか、衆議院で答弁が出ているわけなんです。  沖縄では自衛隊が混成団から旅団に格上げされるわけなんですね。人数が増えるわけなんですね。そういう格好で本当に軍事基地が減るのかという問題は、もっと正確に県民にも理解していただくようにしないとなかなか協力を得にくいと思いますが、その点どうお考えでしょうか。
  174. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 時間が過ぎておりますので、額賀防衛庁長官、簡潔に答弁して終わってください。
  175. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、大田委員、ロードマップだけの場合と、それからそれ以外のもの、その他事案がありますね。神奈川県のことだとか、それからキャンプ瑞慶覧のことだとか、不確定な要素ですね。そういうロードマップだけの問題にした場合は七四%でありますが、そのほかのことを加味してやると七〇%になると、不確定な要因を除いてやると、という話をしたんであって、食い違いがあるというふうに思っておりません。後でよく説明に行かせます。
  176. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。
  177. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  178. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 腐敗の防止に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生外務大臣
  179. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ただいま議題となりました腐敗の防止に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この条約は、平成十五年十月にニューヨークで開催された国際連合総会において採択されたものであります。  この条約は、腐敗行為を防止し、及びこれと戦うため、公務員に係る贈収賄、公務員による財産の横領等一定の行為の犯罪化、犯罪収益の没収、財産の返還等に関する国際協力等につき規定するものであります。  我が国がこの条約を締結することは、腐敗行為に効果的に対処するための国際的な取組に寄与するとの見地から有意義であると考えております。  よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。  何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いを申し上げます。
  180. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十七分散会