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2006-04-18 第164回国会 参議院 外交防衛委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年四月十八日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月十四日     辞任         補欠選任      谷合 正明君     遠山 清彦君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         舛添 要一君     理 事                 浅野 勝人君                 山本 一太君                 榛葉賀津也君                 柳田  稔君                 高野 博師君     委 員                 愛知 治郎君                 岡田 直樹君                 金田 勝年君                 川口 順子君                 小泉 昭男君                 櫻井  新君                 福島啓史郎君                 浅尾慶一郎君                 犬塚 直史君                 今泉  昭君                 佐藤 道夫君                 白  眞勲君                 遠山 清彦君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     麻生 太郎君        国務大臣        (防衛庁長官)  額賀福志郎君    副大臣        防衛庁長官   木村 太郎君        外務大臣    金田 勝年君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        愛知 治郎君        外務大臣政務官  遠山 清彦君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      塩沢 文朗君        内閣原子力委        員会委員長    近藤 駿介君        消防庁国民保護        ・防災部長    小林 恭一君        外務大臣官房審        議官       長嶺 安政君        外務大臣官房参        事官       梅田 邦夫君        外務大臣官房参        事官       伊藤 秀樹君        外務省総合外交        政策局軍縮不拡        散・科学部長   中根  猛君        外務省経済協力        局長       佐藤 重和君        文部科学省科学        技術学術政策        局次長      下村 和生君        厚生労働省労働        基準局安全衛生        部長       小野  晃君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      安達 健祐君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院次長    寺坂 信昭君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院審議官   薦田 康久君    参考人        東京大学公共政        策大学院客員教        授        鈴木達治郎君        原子力発電環境        整備機構専務理        事        竹内 舜哉君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○原子力平和的利用に関する協力のための日本  国政府欧州原子力共同体との間の協定締結  について承認を求めるの件(内閣提出)     ─────────────
  2. 舛添要一

    委員長舛添要一君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十四日、谷合正明君が委員を辞任され、その補欠として遠山清彦君が選任されました。     ─────────────
  3. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 政府参考人出席要求に関する件及び参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  原子力平和的利用に関する協力のための日本国政府欧州原子力共同体との間の協定締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、政府参考人として、理事会協議のとおり、内閣大臣官房審議官塩沢文朗君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することとし、また、参考人として東京大学公共政策大学院客員教授鈴木達治郎君及び原子力発電環境整備機構専務理事竹内舜哉君出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 原子力平和的利用に関する協力のための日本国政府欧州原子力共同体との間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。  本件趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 浅野勝人

    浅野勝人君 我が国原子力政策核燃料サイクルを基本にしていますから、原子力発電で生じた使用済核燃料の再処理が不可欠となります。プルサーマル発電は再処理の過程で発生するプルトニウムウラン238を加工して燃料にしますから、これまでの再処理プラス加工が必要になります。  この協定はそのためのものと理解していますが、ユーラトム二十五か国のうち、どこの国にどんなスケジュール協力願いをするつもりですか。
  7. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 金田外務大臣、着席のまま御発言ください。
  8. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) 答弁申し上げます。  現在、ユーラトム加盟国のうち、イギリスフランス及びベルギーにおきましてプルサーマルに用いるMOX燃料加工を商業的に行っている施設が稼働していると承知しております。MOX燃料加工具体的スケジュールにつきましては、これらの施設を運営する企業日本企業との間での契約により決められるものでありまして、政府としてはその計画に関与するものではありません。  しかしながら、本件協定締結されてユーラトムとの間で長期的かつ安定的な予見性を持つ法的枠組みが確立されることによりまして、日本企業にとってもユーラトム加盟諸国とのMOX燃料加工を含む原子力関連取引を進める上で安定的な基盤ができることとなると、このように考えております。
  9. 浅野勝人

    浅野勝人君 普通、プルトニウムは八キログラムで核爆弾が一個できると言われています。日本イギリスフランスに委託したこれまでの再処理によって、単純に計算しますと三十七トン、プルトニウムヨーロッパで保管されている勘定になります。半端な数字じゃありません。しかもこれからどんどん増えていきます。テロ集団に盗まれたり軍事転用されたら大変なことになります。核セキュリティーには十分な対応が求められます。  協定では、IAEAの査察や移動の禁止、核防護など、一応制度上の担保が定められていますが、運用に当たっては相手国IAEAと相当細やかな協調体制が必要と思われますが、どのようにお考えでしょう。
  10. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) 正に委員指摘のとおりであります。これにつきましては、核物質等のテロリストへの流出あるいは軍事転用の防止といった重要性、これにかんがみまして、平和的利用確保IAEA及びユーラトムによるその保障措置、それから再移転の規制並びに核物質防護につきましてこの協定におきましても規定しているわけであります。  また、実際の運用におきまして適切に対処するために、この協定におきまして、協定に基づいて移転された核物質等の安全かつ効果的な管理に関します情報交換、それから在庫目録交換、そして協定の効果的な運用のための手続の作成といった点を定めますとともに、これは第十五条になりますが、これにおきまして本協定の下でのその協力を促進するための協議をすることも規定をしているわけであります。こうした対応を行いますことによりまして関係国との協調確保されると、このように考えているわけであります。  また、透明性確保するという観点からは、我が国が保有しておりますプルトニウムにつきましては、海外に所在するものも含めましてその保有量IAEA報告をいたし、かつこれを公表をしている次第であります。
  11. 浅野勝人

    浅野勝人君 金田大臣は先週、中国を公式訪問されました。外務大臣の特命を帯びてこの時期に行く必要があった理由と目的をお聞かせください。
  12. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) 日中関係というのは我が国にとりまして最も重要な二国関係一つであると、このように考えております。そして一方で、日中間につきましては経済あるいは人的往来といった面につきまして強固な基礎が存在していると、このように考えております。  しかしながら、先生がただいま御指摘されましたように、この日中関係というのはやはり相互理解といいますか、両国国民相互理解はいまだ十分とは言い難いという面があろうかと思います。お互いの心が離れつつあるといったような指摘も出ておる状況の中で、やはり中長期的な視点に立ちまして、観点に立ちまして、両国国民、特に次世代を担います青年の直接的な交流を推進していく、そして相手をしっかりと等身大に理解するということが必要ではないかというふうに考えるわけであります。  このような認識に立ちまして、その必要性に加えて、先般の国会を通過いたしました平成十八年度予算におきましても、外務省といたしましては、対前年比約六〇%増、合計三十一億円になりますが、対中国パブリックディプロマシー予算確保をいたしたわけであります。また、平成十七年度の補正予算におきましては、国際交流基金並びに日中友好会館に対しまして総額二十五億円を出資、拠出いたしております。そして、日中二十一世紀交流基金、計百億円になるんですけれども、この基金立ち上げた次第であります。  こうしたことを受けまして、私は、今般訪中いたしまして外交部文化部教育部そして共産主義青年団等中国側責任者と積極的な意見交換を実施してきた次第であります。  具体的に申し上げますが、一つには、日中二十一世紀交流基金立ち上げによります日中双方の高校生を中心とした交流事業の実施、そして二つ目には、本年秋に中国側が予定しております日本における中国文化事業の取り進め方につきまして、そして三つ目には、日中国交正常化三十五周年であります明年を日中文化スポーツ交流年といたしまして、特に中国における日本文化年事業を実施していくということ、これは明年ですね、そして四つ目には、中国教育テレビ局に対しまして「プロジェクトX」を始めといたします番組ソフトを提供いたしまして対日理解を促進することにしてもらいたいということ、そして五つ目には、中国における日本語教育に係ります協力の在り方につきまして幅広く建設的な議論を行ったという点であります。  以上、具体的に申し上げましたが、今回の訪中を通じまして我が国文化交流そして人的交流への取組につきまして強い意欲中国側に理解してもらい、両国国民交流促進をすることの重要性双方で確認するということができたという点につきましては、今後の日中関係の上で大きな意義があったのではないかと、このように考える次第であります。
  13. 浅野勝人

    浅野勝人君 李肇星外務大臣会談したと伝えられていますが、間違いありませんか。
  14. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) はい、御指摘のとおりでありまして、李肇星外交部長会談をすることをいたしました。それに先んじまして教育部部長文化部部長との意見交換もしたわけでありまして、先ほど申し上げました文化交流青少年交流の各ポイントをしっかりと説明もいたし、そして協議もしたということがあるわけであります。  そして、その後、外交部李肇星外交部長とも会談をいたしました。国民交流の増進は極めて肝要であると、李部長からもこれに対して、中国側も重視しているということで、教育部文化部との意見交換により達成されました内容について外交部としても支持、協力をしたいという発言があったわけであります。また、李部長の方から、胡錦濤国家主席日中友好七団体との会談の際に中国政府の当面の対日関係についての考え方を述べたいということで、その内容について改めて言及がありました。さらに、李部長の方からは、中国政府日本との関係を大変重視しているということで、子々孫々の協力を進めたい、日中両国共通利益を有しており、悠久の歴史がある、明年の日中国交正常化三十五周年をともに祝いたいという点の発言がありました。  この中で、私の方からは、胡錦濤主席発言に重ねて言及がありました点につきましては、基本的に私の方から次のように述べております。日中関係改善への基本的な意欲を示したものと胡錦濤主席発言は理解したいが、日中関係現状を見れば、いずれか一方の責任に帰されるものではないというふうに考えると。一つの問題が日中関係全体の発展を阻むには日中関係は余りにも重要である、このようなときこそ対話を通じて双方の知恵で問題を克服していくことが必要であるという旨を私どもの方からは、私からは述べております。  以上であります。
  15. 浅野勝人

    浅野勝人君 北朝鮮にちょっと触れておきたいと思いますけれども北朝鮮財政制度は二重構造になっています。財務省二つある。一つは国家の財政を担当するまともな役所ですが、もう一つ金正日個人の懐へ入る資金管理する役所です。平壌で三十九号と呼ばれる建物がその役所です。金正日は言わば第二財務省資金を思いのままに朝鮮労働党や軍の幹部に配って忠誠心をつないでいます。  バンコ・デルタ・アジア銀行北朝鮮の麻薬や偽造した米ドル札のマネーロンダリングに関与したのがばれてアメリカ金融機関取引を停止し、マカオ政庁口座を凍結したことは既に公表されています。同じような疑惑がアジア地域大手銀行にもささやかれているという情報がこのところしきりです。アメリカによる金融締め付け北朝鮮を追い詰めており、六か国協議の行方とも絡んで米中北三国が微妙な綱引きをする主要な、主な争点になっているという見方が専らです。これらの資金が第二財務省の財源になっているわけですから、もし大手銀行北朝鮮系口座が凍結されるといった新たな事態が発生したら、北朝鮮にとってはバンコ・デルタ・アジアとは比べ物にならない打撃になるものと見られます。  これらの事柄は人ごとではありません。かつては日本からの献金がかなりのウエートを占めていたという経緯がありますから、外為管理日本に立ち寄る北朝鮮船舶の監視を一層強めて、北への不明瞭な送金をゼロにする必要があります。  外務省にはかなり情報が集まっていると思われますが、ここで本当のことをしゃべるわけにもいかないでしょうから、副大臣、差し障りのない感想をお聞かせください。
  16. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) ただいまの浅野先生からの御高説賜りましたし、これに対しましては外務省としても参考にさせていただきたいと、このように考えております。
  17. 浅野勝人

    浅野勝人君 いや、それ以上の答弁はありません。  気分の良くなったところで終わります。
  18. 犬塚直史

    犬塚直史君 民主党・新緑風会の犬塚直史です。  まずは、お手元の資料ごらんになってください。これ、最新版平成十八年三月に出された原子力白書からそのまま取ってきた資料であります。  ごらんになるとよく分かるんですけれども核燃料物質移動量平成十六年度だけを見ても、とても日本の国内だけで考えが収まるような話ではないと。天然ウランの輸入に始まってその廃棄物処理に至るまで、この件に関しては、もうあらゆる国とのかかわりが出てくるということはもう一目瞭然であります。  特に、先ほどお話もありましたこの左側の丸の上の「実用発電炉」、いわゆる軽水炉と言われている原子力発電所から出てくる使用済み燃料、これは二〇一〇年には一千四百トン毎年毎年出てくると言われているんですが、これが今、現在のところ、英仏中心に委託をして再処理をしていると。先ほどお話がありましたが、プルトニウム現状のところ、この真ん中の「再処理施設」というところなんですけど、海外にあるものが三十七トン、そして、ここから先が更に問題の例の高レベル核廃棄物、これをどのように処分をしていくかということが今正に最も注目されるところだと思うんですけれども。  まず、外務大臣に伺いたいんですけれども、まず今回の協定日本国ユーラトムとの間の協定ということになっております。相手側ヨーロッパのユーとアトムのトムを合わせたユーラトムと、我が国は一国であると。相手方は二十五か国が既に原子力安全保障原子力の安全、平和利用についてのある程度の基盤が持っていると、我が国は一国としてこことやっていかなければいけないというような状況にあって、先日、IAEAエルバラダイ氏が提案をされた核燃料サイクルマルチラテラル・アプローチ、いわゆるMNAと言われている、全世界規模でこの件をどういうふうにやっていこうかという、そういう提案なんですけれども、このMNAに対して我が外務省がいまいち積極的な姿勢というか対応をしていないんですが、その辺の外務大臣のまずは御見解を伺います。
  19. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 日本としては、核不拡散体制のいわゆる維持強化というのは、これはもう当然喫緊の課題であるのは当たり前の話なんで、そう思っておりますが、こうした議論に向けてこれ積極的に参加をしてきたことも事実ですし、いろんな意味で国際協調も進めております。  エルバラダイ事務局長が提唱いたしました通称MNAと言われております核燃料サイクルへのマルチラテラル・アプローチというものにつきましては、これ、御存じのように、IAEAにおいては公の議論はいまだなされたことはありません。  そこで、日本としては、この構想が国際的な核不拡散体制というものをいわゆる強化するのに本当に貢献するのかという点が一点。また、いわゆる核不拡散条約通称NPTと言われる条約がありますが、これの義務を誠実に履行して、かつ高い透明性というものを維持して、そして国際社会信頼も得ているという、原子力平和利用を行っている国、例えば日本のようなところですが、こういった国の原子力活動平和利用に関する原子力活動というものを不必要に制限するということはないのかという点については、これは十分な議論がなされないと、少なくとも日本としてはその議論がなされた上でないとイエスともノーともなかなか言いにくいということなんだと思っております。  それで、いわゆるアメリカが提唱しておりますのはもう一つあろうと思いますが、国際原子力エネルギーパートナーシップでしたっけ、この点につきましても、これはアメリカ原子力というものの発電、特に主に発電なんですが、発電世界的に発展拡大するということを許容すると。これによってガソリンの消費量が減るとか、石油のSOx、NOx、CO2が減るとか、いろんな目的はいろいろあるとは思いますけれども、少なくともこういったものを許容しつつ、かつNPT体制の礎というものを、不拡散というものの体制を維持するというようなことに対して、いろいろやっていくんだということを言っていることに関しましても同じような目的なんだとは思いますんで、それは、私ども、基本的には、構想が具体化していくに当たりまして、私どもとしてもその面につきましても議論に積極的に参加していきたいとは思っておりますが、結果として、まともに透明性を持って平和利用している国々にとってそれが逆な制限になるというのでは本末転倒になるのではないかというところが一番危惧をされている点で、この点につきましては更なる議論が深まることを期待しているというのが外務省というか日本の立場と御理解いただければと存じます。
  20. 犬塚直史

    犬塚直史君 今のお話で、NPT体制には日本が引き続き大きな貢献をしていくと、そうしたことをやりつつ、その多国間の信頼できる枠組みづくりに向けては日本議論参加をし、貢献していくんだというような趣旨だと理解いたしました。  この件について、実は、原子力委員会のワーキンググループの中で議論が行われておりまして、その中で、今日は、実は参考人でこちらに来ていただいたんですが、東京大学鈴木達治郎先生に来ていただいたんですが、特にこの先生、お願いしましたのは、この議論の中で、アジア版ユーラトムアジアでもこういう多国間の枠組みをつくるべきではないかというような議論に積極的に原子力委員会発言をされておられましたので、今日、その辺のところを、少しマルチラテラルな枠組みでこの方向性、どういうふうに持っていくかと、どんな日本貢献があるかということについて簡潔に御意見いただきたいと思います。
  21. 鈴木達治郎

    参考人鈴木達治郎君) ありがとうございます。  私のポイントは、今の御質問に対して三点あります。まず第一にアジア版ユーラトム可能性とその意義について、二番目が最近の、今の多国間アプローチに対する考え方、三番目にその中での日本の役割ということであります。  まず第一に、アジア版ユーラトムなんですが、いわゆるアジアトムと言われている構想は、十年以上前からいろいろ検討されてきたんですけれども、残念ながら実現しておりません。これは、ユーラトムと違って、アジア各国のいろんな開発段階の差とか思惑の違いとかいうのがありまして、現実には実現していないんですが、ただ、議論の中で共通のニーズが出てきております。使用済燃料廃棄物関係の貯蔵や処分、あるいは研究開発必要性、それから原子力安全性に対する協力と、こういったことを議論することによって、アジア各国の中での信頼性醸成が高まるということがありまして、このような議論は引き続き続けていくのがいいんではないかというのが私の意見であります。  二番目に、最近の多国間構想、今お話がありましたですけれどもポイントになるのは、やはり兵器、核兵器に転用可能な核物質、高濃縮ウランプルトニウム管理、それから在庫量の削減、それからそれにつながる濃縮処理技術あるいは施設規制強化と、この二つになるかと思います。  マルチラテラル・アプローチIAEAエルバラダイ事務総長の個人的な提案ではありますが、専門家報告書が出ておりまして、この中でいろいろなオプションが検討されております。  それから、アメリカの先ほどの御紹介ありましたGNEPですが、これはアメリカ独自の提案ではありますけれども、やはり濃縮処理施設規制を強めていくということであります。  一方で、この核物質管理、それから使用済燃料管理、こういったことについてこれからは、基本的には共通するものとして、IAEA提案アメリカのいろんなほかの提案共通するところは、国際的に管理していこうということであります。これは、確かに先ほどの外務大臣の御説明ありましたように、日本がこれまで進めてきた日本核燃料サイクル制限を与えるということはいけないんですけれども、これからは一国だけで核燃料サイクルを進めていくというのではなくて、多国間で核燃料サイクルを進めていこうという方向に行くんではないか。そういった中で、日本非核保有国で唯一の核燃料サイクルを持つ国として責任があると私は思います。  これまでやってきた、日本が実行してきた核不拡散に関する徹底した遵守の精神及び透明性向上策、それから保障措置関連計量管理技術開発、こういった面で日本世界のリーダーであるというふうに私は感じておりますので、こういった点を更に世界に進めていく役割を日本は持っているんではないか、そういう点からマルチラテラル・アプローチアメリカ構想について積極的に貢献していくことができるんではないかというふうに思っております。  以上でございます。
  22. 犬塚直史

    犬塚直史君 ありがとうございました。  原子力委員会の理事はもうお辞めになっているんで個人的な意見として伺ったんですが、やはり多国間でやっていくに当たって一番今大きなネックになっているのは、やはり高レベル核廃棄物をどういう形でこれ処分していくかということだと思うんですね。  この件に関して、もう一度、今日は竹内専務理事、原子力発電環境整備機構の竹内専務理事に来ていただいていますんで、その辺のことも含めて今日お話を伺いたいと思っているんですが、その前に、原子力委員会の方から、この高レベル核廃棄物について、人間が数十万年これ監視しなきゃいけないというものを一体どのようにやっていくかという、その原理原則のところをまず伺いたいと思います。
  23. 近藤駿介

    政府参考人(近藤駿介君) お答えいたします。  高レベル放射性廃棄物につきましては、地上で三十年ないし五十年間冷却した後、地層処分、すなわち地下三百メートルより深い地層中に処分することが我が国を含む各国が共通して実現しようとしている処分方策です。  で、地下深部では地下水の動きが極めて緩慢、そして酸素が少ないということで、金属鉱床や化石などが非常に長期にわたって安定に存在し続けております。で、地層処分というのはこの深部地下が有するこのような物質を閉じこめて動きにくくする、こうした機能を活用する方策であります。  で、火山活動とか地震、断層活動などが活発な日本でそんなところがあるかということがあるんですけれども、これも地層に残された様々な履歴をたどることでもって今後十万年程度の期間にわたってこうした天然現象が重大な影響を及ぼさないような地質学的に安定な地域を選ぶことは可能であると分かってきております。  また、長い期間のうちには、土地が隆起するとか沈降するとか侵食されるとか気候変動があるとか、そういうこともまたこの地下の様子を変えるかということでございますが、これにつきましては、その規模を予測することによりましてこれらの変動が処分場の性能に余り悪影響を与えない、そういう十分深いところにこの処分場を設置することによって影響を軽減できるというふうに考えられております。  また、高レベル放射性廃棄物自体も、地下水にさらされても放射性物質が溶け出しにくいガラス固化体にしておりますし、その周りに鉛のオーバーパック、そして粘土、そういった緩衝材というものを、これまあ総称して人工バリアと呼んでおりますが、こういうものを設けて地下水との接触を断つと。そしてさらに、万が一、地下水が汚染されたとしましても、地層の深さで放射性物質が人間界に現れる前の時間を十分長くする、こういう人工バリアと天然バリアの組合わせ、これ多重バリアと言っていますけども、こうした方法によって、監視活動が終わった後でも十分人間界におけるそのリスクというものが小さくなるような処分が可能ということを考えておりまして、これが高レベル放射性廃棄物処分世界共通考え方でございます。
  24. 犬塚直史

    犬塚直史君 数十万年とか場合によっては百万年とかいうレベルの話をしているわけですから、当然のことながら今の人類が持っている科学的知見ではいかんともし難いというこの時間の超長期スパンの中でできる限りのことをやるということだと思うんですけども、そのできる限りのことをやるというその立場に対して、去年五月ですか、国連で発表された米国、憂慮する科学者集団、これ通告してあるんですけど、六ケ所村の再処理監視に対して非常に幾つか憂慮する点を指摘をしているんですが、この点に関して、まずどんな点を指摘されたのか、それに対してどういうふうに答えることができるのか、御説明ください。
  25. 近藤駿介

    政府参考人(近藤駿介君) 憂慮する科学者同盟の関係者は、六ケ所再処理工場の試験操業が開始されますと我が国が所有するプルトニウム量が増加して、NPT体制強化貢献するという我が国の公約に懸念を生じせしめるということを言っております。  しかしながら、我が国は核兵器不拡散条約NPTを遵守し、我が国原子力研究開発活動を国際原子力機関、IAEA保障措置の下に置いてきております。また、六ケ所再処理工場につきましては、国際的な枠組みによって大型の再処理施設に適用するべき保障措置手法の検討を行いまして、その成果、合意に基づきましてIAEAによる保障措置の適用を受けております。  その上で、核拡散にかかわる懸念を国内外に生じせしめないためには、原子力の活動を平和利用に限定するという公約の遵守に真摯に取り組んでいることについての国内外の理解を得ることが重要との観点から、原子力委員会は、利用目的のないプルトニウムを持たないとの原則を示して、我が国プルトニウム管理状況を文科省、経済産業省から報告を受けて、毎年これを公表してきております。  さらに、六ケ所工場の操業に当たりましては、これによりまして国内にプルトニウムを所有することになる電気事業者がプルトニウムを分離する前にその利用計画を明らかにすることが、より一層の透明性の向上に資するとの考え方を我々は示したところでございまして、それに対して電気事業者等は、これを踏まえて本年一月にプルトニウム利用計画を公表したところでございます。  こうした活動を併せ考えれば、六ケ所再処理工場の試験運転の開始がNPT体制強化貢献するという我が国の公約に懸念を生じせしめるという指摘は当たらないと考えています。  また、憂慮する科学者同盟の関係者は、六ケ所工場が核兵器保有国以外の国が初めて行う商業規模の再処理工場であるため、その試験運転の開始が、北朝鮮やイランといった国の核開発活動の中止を求めている国際社会の努力に水を差すのではないかとしております。しかし、国際社会がこれらの国に求めているのはNPT条約の遵守であるということを考えれば、この非難もまた当たらないというふうに考えております。  原子力委員会といたしましては、昨年閣議決定いただいた原子力政策大綱を踏まえて、今後とも、外交的努力を含む様々な活動を通じて、こうして培われてまいりました我が国原子力平和利用政策にかかわる国際理解、国際社会の理解と信頼の維持向上に努めてまいる所存でございます。
  26. 犬塚直史

    犬塚直史君 そうした御説明が、本当に有権者にしっかりと胸にすとんと落ちる理解をしてもらえるかどうかというところが最大のかぎだと思うんですけれども。  日本外務省関係の人たちが非常に努力をされて、例えばNPTの会議においては、二十一世紀のための二十一の措置ですとか、非常に評価が高い努力を今までしてこられたと。しかし一方では、国内では、非常にこの核の平和利用に対する、何というんでしょうか、疑念というんでしょうか、あるいは地域によっては非常に大きな対立にまでなっていると。実は私の地元がそうなんですけれども。  ここで、一つ新聞記事があるんですけれども、二〇〇五年七月十四日の毎日新聞によりますと、長崎県の新上五島町、これ長崎市から西に海上を百キロほど行った五島列島の一番北の島なんですけれども、では、高レベル核廃棄物最終処分場に応募するだけで年間二億一千万円、概要調査地区に選ばれれば計七十億円の交付金があり、処分場が立地した場合は年二百億円を超える交付金や固定資産税が見込まれるという報道があるんですけれども、まず、これは事実でしょうか。経済産業省、お願いします。
  27. 安達健祐

    政府参考人(安達健祐君) お答え申し上げます。  高レベル放射性廃棄物の最終処分事業の着実な推進は原子力発電を利用していく上で極めて重要と考えてございます。本事業につきましては、現在、処分候補地の選定を進めていくことが課題となってございまして、今後、段階的に文献調査、概要調査、精密調査を経て最終処分施設建設地を選定することになってございます。  最終処分事業を進めるに当たりましては、このような調査を行う地域において、関係住民との共生関係を築き、あわせて地域の自立的な発展、関係住民の生活水準の向上や地域の活性化を図ることが極めて重要と考えてございます。このため、国は、調査を行う地域の振興に資するため、初期段階から電源三法交付金制度に基づく電源立地地域対策交付金の交付を行うこととしてございます。  具体的には、委員指摘のように、その交付金は、文献調査段階では年間二億一千万円を、概要調査段階では総額七十億円、各年二十億円を上限として所在市町村等に交付することとなってございます。また、精密調査段階以降の交付金については今後制度化を進めることとしておりまして、現時点においては報道にあるような交付金は決定してございません。  一方、固定資産税についても、将来実際に運用される施設状況によるものとなってございます。  今のところ応募に至った地域はございませんが、関心を有する複数の地域から様々な問い合わせが寄せられてきてございます。国としては、原子力発電環境整備機構、電力会社等とともに最終処分地に係る情報提供に努め、処分事業について御理解をいただき、一つでも多くの自治体に応募をいただけるよう最大限の努力を積み重ねてまいりたいと考えてございます。
  28. 犬塚直史

    犬塚直史君 今、応募するだけで年間二億一千万円、概要調査に選ばれれば合計七十億円と、そこまではそのとおりのようですが、処分場が立地した場合は年二百億円を超える交付金や固定資産税が見込まれるという報道、これについては事実ではないような今御答弁ですけれども、その辺はいかがでしょうか。
  29. 安達健祐

    政府参考人(安達健祐君) 今御説明したように、精密調査段階以降の交付金についてはまだ制度化がされてございませんので、現時点において報道にあるような交付金は決定してございません。  また、固定資産税についても、将来実際に建設される施設状況によりますので、具体的な額については今申し上げることはできないと考えてございます。
  30. 犬塚直史

    犬塚直史君 これは、地元の人たちがどういうふうに取るかという大きな問題なんですね。新聞報道が年二百億円を超える交付金や固定資産税が毎年毎年見込まれると書いてしまえば、これは、地元の人たちはもうやっぱりそういう認識になるわけなんですけどね。  これ、資料を見ますと、建設期間を通じて三百億円、あるいは雇用だけでも年二千百名ですか、そういう、パンフレットの中に記載があるんですが、その辺をもう少し詳しく教えてもらえますか。
  31. 安達健祐

    政府参考人(安達健祐君) お答え申し上げます。  最終処分施設の立地地域への経済効果でございますが、文献・概要調査に伴う経済効果は年に約一・八億円という試算がございます。それから、建設、操業に伴う経済効果につきましては、地元発注額等につきましては年に百二十三億円、生産誘発効果については二百七十五億円、それから雇用誘発効果については年二千二百人という試算結果がございます。
  32. 犬塚直史

    犬塚直史君 雇用誘発効果が年に二千百名ということですか。
  33. 安達健祐

    政府参考人(安達健祐君) 年に二千二百人でございます。
  34. 犬塚直史

    犬塚直史君 今、この新上五島町で、仕事がない、市町村合併の後に町の運営をどうしようか、公共事業も合併した当時から比べると約十分の一に減っていると。そういう自治体にありまして、こういう話、総合すれば年に二百億円を超える交付金、固定資産税が見込まれるという記事も、これは満更全く根拠のないことではないと、むしろもう少し大きな効果があるかもしれないというような今パンフレットの内容なんですけど。  こういうことを、金額だけで提示をするのではない、やっぱり全体の大きな、核の平和利用あるいは核の燃料サイクル事業の中でどうやって説明をしていくかということは非常に大きな話だと思うんですね。ところが、どうもそこのところがうまくいっていない。  特に、私の聞いたところでは、地元の町議やNPOの役員ら計二十九名で青森県の六ケ所村を訪れ、再処理施設を視察をしたと。一人費用は七千円で、交通費や宿泊代はNUMOの方で負担したということなんですけど、これは事実でしょうか。
  35. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) お答えいたします。  私ども、地域の自主性を最大限に尊重するという立場から、調査区域につきましては広く全国の市町村から公募という形で求めております。したがいまして、全国のどこでありましても、住民の方々のお問い合わせあるいは要望にありましたら、私どもの事業概要を御説明するとともに、必要に応じて近くの原子力施設、あるいはまた青森県六ケ所村に実際に行っていただいて実際現状を見ていただくと、こういった活動も積極的に行っているところでございます。  しかしながら、どこでどなたがどのように御検討していただくかにつきましては、こういった個別のお話につきましては私どもの方からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  なお、私ども透明性という観点から情報公開規程というのを設けておりまして、第三者の学識経験者による委員会の御指導を得ながら、できるだけ透明性のある公平な手続をやろうということで、その運用についても適正な運用を図っているわけでございます。その委員会の答申といたしまして、個人情報、あるいはまた第三者情報、あるいはまた応募をいただくまでの各地域での個別の地点の状況につきましては公開を見合わさせていただくと、これは時限的なものでございますけれども、そういった答申が出されておりまして、これは私どものホームページでも明確に記載させていただいているところでございます。  以上でございます。
  36. 犬塚直史

    犬塚直史君 いや、別に個人情報を出してくれと言ったんじゃないんですよ。今お伺いしたのは、二十九名で青森県の六ケ所村を訪れて、費用は一人七千円で、そして交通費や宿泊代はNUMOが負担したと言われているんですけど、これは事実か事実でないか、これをお答えください。
  37. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) お答えいたします。  私ども、全国どこの地域の方々であれ、六ケ所村を視察していただく場合には、宿泊費、日当、こういったものを私どもの費用で負担させていただきます。ただ、個別の方々の飲食代等々の関係します……
  38. 犬塚直史

    犬塚直史君 飲食代はいいです。
  39. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) はい。そういったもの七千円というのを別途いただいているわけで、これは個人として御負担いただいております。
  40. 犬塚直史

    犬塚直史君 これ、地元でこういう費用一人七千円、交通費、宿泊代、NUMOが出した、二十九名が行ったかどうかという事実関係だけですけどね、この事実関係を確認をしたところ、それについては答えられないという、と答えがあったということを聞いてるんですけど、それは事実ですか。
  41. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) 個別のどの地域のどなたが行かれたかということにつきましては……
  42. 犬塚直史

    犬塚直史君 いや、そうじゃない。そういう事実があったかどうか。
  43. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) ちょっとお答えを私どもからは控えさせていただいているところでございます。
  44. 犬塚直史

    犬塚直史君 今の質問の意味は、個別の人の名前だとか、あるいはその人がいつどういう経緯で行ったかだとか、そういう話ではなくて、ただ単に地元の町議やNPOの役員たちが二十九名がこういう形で六ケ所村の訪問をしたのかどうかと、ついてはNUMOの方でそれを補助したのかどうかと、その事実を確認しても、個人情報を聞いてるんじゃないですよ、その事実を確認しても、NUMOはそれは答えられないと言ったというんですけど、それは事実ですか。
  45. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) 先ほどもちょっとお話しいたしましたように、応募に至るまでの個別の地域でのいろんな具体的なお話につきましては公開を見合わせていただいておりますので、その観点で私どもの方からは御説明をできないということで、お許しいただきたいと思います。
  46. 犬塚直史

    犬塚直史君 個別の地域についての話じゃないんですよね。個別の地域じゃなく、その個別の地域の住民の人たちが、こういう不透明なやり方は一体どうなってるんだろうかと。賛成派もいるんですよ、反対派もいるんですよ。その人たちが、じゃ二十九人の人たちが一体六ケ所村に行ったのか行かないのか、NUMOはそれを補助したのかどうか、事実だけを確認しても答えなかったんですか。イエスかノーでお答えください。
  47. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) 私どもの方からは御説明は、申し訳ございませんけれどもさせていただけませんので、お許しいただきたいと思います。
  48. 犬塚直史

    犬塚直史君 どうしてかということなんですけどね、先ほど来、前置きになってしまったんですが、地元の人たちの理解が得られない限りは多国間の協力なんて言ってもこれ絵にかいたもちになってしまうんですよ。この核燃料サイクル事業の一番今問題になっているのは、この高レベル核廃棄物を一体どうやって皆さんの理解を得て何とかサイクルに回るようにしていこうかという一番肝の部分ですね。  もう一度伺いますね。こういうことに対してNUMOは、住民が問い合わせをしてきたときに、今ここであったと、事実があったと言いますけど、委員会であったということを地元の人たちに対してどうして言わないんですか。
  49. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) 私どもは、あくまで正式応募をいただきましてからは情報公開という形を行いますけれども、応募に至るまでの非常に内々のいろんな地元とのお話合い、あるいは地元への御説明、個別の方々のいろんな視察、こういったものにつきましてはお答えさせていただくのを控えております。
  50. 犬塚直史

    犬塚直史君 私は地元に行って、そして賛成派の方とも反対派の方とも会ってじっくり話を聞いてまいりました。両方とも話はよく分かりました。両方とも、地域の安全で経済的にも発展をして、子供たちが島から出ていかないようなそういう地域を望んでいることは共通しているんですよ。しかし、こういう不透明なやり方で誘致を進めようというこの方針自体が今大きなネックになっているんです。  いいですか。賛成派も反対派も疑心暗鬼になってしまうんですよ。一体だれが二十九名行ってきたのか、一体お金は幾ら掛かったのか。東京往復で、これ離島に行きますと大体十万掛かるんですよ。チケットの取り方等々にもよりますけれども、それぐらいのお金が掛かる。それを個人負担が七千円で行くということは、もう少しみんなにオープンにして、情報を公開をして、これこれこういう趣旨でいつからいつまで行きます、ついては反対派でも賛成派でもどうぞ皆さんいらしてくださいと、そういう手続を踏んでこれは行かれたんですか。
  51. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) 私どもは公募制というのを取っておりまして、私どもが地元に申し入れて手を挙げていただくという形ではございませんで、あくまで地元が自主的に御判断いただくと。そのためにお問い合わせとかいろいろな視察の要望があれば、私ども積極的にお手伝いいたします。ただ、あくまで地元が自主的に御判断されるという点でございますので、そういった観点から、地元の意思を最大限尊重すると。こういったことから、応募いただくまでの間はお答えを差し控えさせていただいているわけでございます。
  52. 犬塚直史

    犬塚直史君 もちろん地元の判断を最大限優先するというお話はよく分かるんです。そのとおりなんです。しかし、地元が判断をするためにこそ六ケ所村に行ったんじゃないんですか。地元が判断をする材料が十分に持っていない、皆さんが知識を持ってしっかりと判断をするためにこそ六ケ所村に行ったわけでありますから、むしろ判断をする材料をみんなに与えるべきであって、それを事前のところで地元の判断に任してしまうというその方針自体、私は転換すべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。
  53. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) やはり原子力あるいは高レベル処分事業につきましては、原子力施設あるいはまた青森県の六ケ所村を見ていただくということは非常に有効だと考えております。その上で積極的に私どもも見ていただきたいと考えております。ただ、どこのどなたがいつごろどこへ行ってどうしたかということにつきましては、そういったことにつながるようなお答えは差し控えさせていただくと。ただ、積極的に行っていただくことについては私ども積極的にこれを支援すると、交通費あるいは宿泊費を出させていただくと、こういった建前で進めているわけでございます。
  54. 犬塚直史

    犬塚直史君 それでは、この核燃料サイクルの理解を深めるために全国の皆さんに青森に来ていただくという趣旨でおやりになっていると。  それでは、全国で今まで何か所の自治体の人たちにNUMOに来てもらったか、それをお答えください。
  55. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) 数について申し上げるわけにまいりませんけれどもかなりの数の自治体の方々が青森県六ケ所村を視察したり、あるいは原子力発電所を見ていただいたり、こういったことを今までにも行っております。    〔委員長退席、理事浅野勝人君着席〕
  56. 犬塚直史

    犬塚直史君 国民の税金を使って、そしてNUMOが何とかこれ啓蒙するために来てもらうと、別に悪いことでも何でもないじゃないですか。個人情報を出してくれと言っているわけでも何でもないじゃないですか。全国の幾つの自治体の人たちが今まで視察をしたのかということをどうして言えないんですか。言ってください。
  57. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) 個別の地域にいろいろかかわる問題ですので、応募まではお答えを差し控えさせていただいているわけでございます。  私どもは費用はあくまで私どもの費用としてお出ししているわけでございまして、税金ではございません。
  58. 犬塚直史

    犬塚直史君 どうして個人情報にかかわらない視察団体の数を言えないのか、地域の数を言えないのか、もう一度お答えください。
  59. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) 個人情報と同じように、地域情報につきましてはいろいろデリケートな検討中の課題のものがございますので、個人と同じように地域につきましてもやはりそれを控えさせていただく、こういった趣旨でございます。
  60. 犬塚直史

    犬塚直史君 非常にデリケートだからこそ私はこうして問題にして取り上げているわけなんです。  現場の状況をよく御存じのはずなんですね。隠せば隠すほどこういうものはデリケートになって、疑心暗鬼になって、痛くもない腹を探られるようになってしまうんですよ。  どうして数も言えないんですか。もう一回お答えください。
  61. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) 同じことの繰り返しになるかもしれませんが、数となりますと、じゃだれがという形に必ずつながってまいりますし、いつということになります。そういったこともありますので、具体的な例はお答えは控えさせていただいております。
  62. 犬塚直史

    犬塚直史君 どうして数を言うとだれがということにつながってくるんですかね。その辺ちょっと御説明ください。
  63. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) それは、数を言うと必ずそれはそういうふうにだれでも、マスコミの方々、いろいろ問い合わせが来ると思います。  したがいまして、数につきましても、私ども、特に私どもの口からお答えいたしません。ただ、地元の方々がマスコミの方々に言われるのは、別に私どもはそれをお止めすることはございません。
  64. 犬塚直史

    犬塚直史君 これはもう通産省及び外務大臣にもよく聞いていただきたいんですが、地元で大変なんですよ。  やっぱり公明正大に、これだけ大事な数十万年規模の話ですから、その出だしのところをいかに透明性を持ってやっていくかということ自体が今大きく問われているんだと思います。  委員長、この全国の自治体の一覧表及びこのNUMOの補助によって青森県六ケ所村、訪ねた数及びその一覧、この提出を求めます。
  65. 浅野勝人

    ○理事(浅野勝人君) ただいまの件につきましては、後刻理事会においてその取扱いを協議いたしたいと存じます。
  66. 犬塚直史

    犬塚直史君 また、広く国民の理解を得るために高レベル核廃棄物のPRをしていると思うんですが、この今PR費をどういうところに使ってどんな形で行っているのか、御説明ください。
  67. 竹内舜哉

    参考人竹内舜哉君) 私どもは、全国の新聞、テレビあるいはまた地方新聞、こういったものでこういった処分事業の必要性、それから今公募をしておりますこと、こういったことを広く訴え掛けております。  このほか、私どもは、各地域におきまして座談会という形で各地域の有識者の方々と懇談いたしまして、その意見を取り入れながら、また、その結果につきましても、その地方紙に掲載する形で各地域の方々に広く目に留まるような形で活動をしているわけでございます。  また、全国の市町村、都道府県に対しましては、私ども広報誌を通じまして、年に四回こういった形での活動をやっているということを広くお伝えしているところでございます。
  68. 浅野勝人

    ○理事(浅野勝人君) 犬塚君、タイムアップです。
  69. 犬塚直史

    犬塚直史君 時間参りました。これで終わります。
  70. 高野博師

    ○高野博師君 この法案については賛成でございます。  二、三、中国の問題とイランの問題についてお伺いしたいと思います。  まず最初に、中国との関係ですが、東シナ海の航行禁止措置について事実関係をお伺いしたいと思いますが、平湖ガス田の拡張工事のために三月一日から九月末まで中国の作業船を除く船舶に同ガス田付近海域の立入りを禁止を公示していたと、これはウエブサイトに載っていたということであります。  今朝のこれは共同のニュースによりますと、中国側はこれは中間線を越えていたのは誤りであったという修正の説明をしたという報道がされていますが、いずれにしても事実関係を確認したいと思います。
  71. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) まず、後半の部分ですが、昨日深夜、中国外交部の方から我が方の中国大使館に対して、中国交通部海事局が発出いたしました航行通告については、作業範囲に関して技術的な誤りがあったという旨の説明があっております。説明に基づく修正後の、修正された後の作業範囲は中間線の中国側水域となります。  それから、三月一日からの件を御質問でしたけれども、経緯につきましては、三月二十八日に水産庁から外務省に対して航行通告の発出に関する連絡がありました。同日以後、中国海事局のカウンターパートに対しまして、海上保安庁から中国海事局に対して事実関係の確認を行っております。その結果、中国海事局よりいったん作業は行わないとの連絡がありました。その後、四月の七日になって、中国海事局より海保庁、海上保安庁に対して、当該作業は現在中止はしているが期限内であればいつでも再開するとの連絡がありました。十一日にその旨海保の方から、海上保安庁の方から外務省に連絡がありました。  これを受けまして、外務省としては関係省庁と協議の上、二日後の四月十三日、作業の詳細について情報提供を求める訓令を中国大使館、いわゆる日本中国大使館に対して発出をし、翌日の十四日に同大使館より中国外交部に対して申入れを行い、以後数度にわたり北京及び東京において申入れを行ったというのがこれまでの経緯であります。
  72. 高野博師

    ○高野博師君 これは国際法上、中国の禁止海域の設定というのは問題ないんでしょうか、中間線を越えていないにしても。ここはどうでしょうか。
  73. 浅野勝人

    ○理事(浅野勝人君) 答弁はどなた。外務大臣
  74. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この中に関しまして、中間線というのがもめているところでありますけれども、この境界画定というものにつきましては、中間線により画定をすべきだという日本の立場と、いわゆる修正後の中国の、いわゆる航行通告の作業範囲は中間線の中国側に位置することになります。したがって、中間線の中国側、西側にありますので、いわゆる妥当なというところになろうかと思いますけれども、通常こういう地域におきましては、他国の権利、この際は日本の権利ということになりますが、そういった権利又はそういったものに対していわゆる配慮を払うという必要が通常は行われるというように御理解いただければと存じます。
  75. 高野博師

    ○高野博師君 これは、国連海洋法上は中間線の向こう側、中国側であっても公海でありますから、これは沿岸国の同意を得てそれを設定するということになっていると私は理解しておりますし、それからIMOの規定によれば通報の義務というのがあるわけですから、それが何にもなく一方的にウェブサイトに載せただけというのは、これは大変問題があるんだろうと思いますが、そこはいかがでしょうか。
  76. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘のありましたように、国連海洋法条約第五十六条の二項というのには、沿岸国は、排他的経済水域においてこの条約に基づいて自国の権利を行使し及び自国の義務を履行するに当たっては他の国、この場合我々になりますが、日本の権利及び義務に妥当な配慮を払うものとし、この条約と両立するように行動するというように定められております。したがいまして、この種の話は通常他国、この場合は日本ということになりますが、日本に対してそのような考慮を払ってしかるべきということになろうと存じます。
  77. 高野博師

    ○高野博師君 まあいずれにしましても、三月の六日、七日と中国、北京でガス田開発をめぐっての協議がされたわけですから、そこに何にも中国側から出されなかったというのは、大変これは信義に反する問題があるなという感じがいたします。こういう国際法に違反するような行為があった場合には厳重に抗議をしていただきたいなと思っております。  そこで、これはまた別の話ですが、対中国の無償援助、無償資金協力の話ですが、報道によりますと、政府は無償援助を打ち切るという方針を固めたというようなことが出ておりますが、これまで中国に対して無償援助というのは総額でどのぐらい供与をしてきたんでしょうか。
  78. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) 対中国の無償資金協力は昭和五十五年度から開始されております。現在、平成十七年度末までの累積総額は約千四百七十二億円となっております。これらの無償資金協力は、中国経済社会開発及び日中関係強化のためには大きく貢献したものと考えております。
  79. 高野博師

    ○高野博師君 そこで、中国の一人当たりGDPは今年は千七百ドルだという発表がされておりますが、我が国が無償資金供与をする基準というのは世銀の融資指針を参考にしているということでありまして、これは千四百ドル以下ということだと思いますが、中国は当然この基準からいうともう既に超えているということになりますので、当然無償援助資金というのはもう卒業して供与しないという決定をしてしかるべしと思いますが、ここはいかがでしょうか。
  80. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今お話のあっておりました対中無償ということに関しましては、これまで日本の国益に合致するよう総合的に判断するということで、現時点におきましては環境、いわゆる日本に影響いたします環境と感染症等々、日本中国両国国民にとりまして直面する共通の課題を解決に資する分野、そして日中双方のいわゆる相互理解交流の増進に資する分野に絞り込んで実施するということといたしております。  この方向というか方針につきましては、中国経済発展の状況等々、今御指摘のありましたとおりですが、日本の国益というものを考えながら、今後とも私どもとしては対応していきたいと思っております。  ちなみに、今世界銀行の融資ガイドラインというのでいきます分類一及び二に当たりまして、いきますと、いわゆるガイドラインにおける中国一人当たりのGNI、二〇〇四年は千二百ドルということになっておりますが、中国は、中国の国家統計局は千七百と、今、高野先生指摘のとおり発表を御自分の方でされておられるというのが事実と存じます。
  81. 高野博師

    ○高野博師君 中国は外貨準備高も日本を抜いて世界一だと、それから中国自身が途上国に対して相当な援助をやっているというような事実にかんがみれば、もう既に日本が無償援助をやるということではないんではないか。円借款については二〇〇八年までという方針がありますんでそれはいいと思うんですが、もう無償援助については供与打切りということがあっても全く問題がないんだろうと。環境問題とか感染症とか日本が影響を受けるという点はありますが、それは別な形での技術協力なりをできるんではないかというふうに思います。ここは特に追及するわけでありませんので、いずれにしても日本が持っているきちんとした基準に沿った援助をしてもらいたいなというふうに思います。  時間がありませんので、もう一つだけ。  イランの核開発について、国連の安保理でいろんな審議をされると思いますが、イランとは今度局長級の協議をするということで、日本側としてはイランの濃縮活動停止を求めると。それがなければアザデガン油田の共同開発も影響を受けるだろうというような立場で協議をされると言われておりますが、イランの核開発は駄目だと、しかしインドはよしという。これは平和利用だということでのアメリカ対応。しかし、アメリカ国内にもイランに対してもやっぱり武力攻撃をするんではないかというような観測が相当あると、こういう報道もされておりまして、ブッシュ大統領は武力行使は最後の手段だと、こう言っておりますが、イラクの場合もこれも同じようなことを言っていたと思います。  そこで、本当のところのねらいは何だと。そこはもう推測の域を出ないんでありますが、アフガニスタン、イラク、イランと、この三つの国の地政学上の重要性というのを考えたときに、単なる核開発だけではなくていろんな背景があるのかなというふうに思います。  アフガンの場合はテロ対策、九・一一以降のテロ対策という名目でタリバン政権を倒したと。しかし、実際に成果が上がっているのかといいますと、アルカーイダ、オサマ・ビンラディンも健在だと。それからテロリストの逮捕もよく分からない、それからアフガン自身の麻薬の生産もこれも増大していると、軍閥が割拠していると。  これはちょっと話が違いますが、パキスタン側はテロの最前線に立ってやっている、戦っていると。しかし、その背景には、テロとの戦いで経済援助がもらえる、したがって余り本気でやらない方が経済的にはいいんだと、そういう観測もされているような事情もありますが、もう一方のイラク、これもサダム・フセインが大量破壊兵器を持っているからということで攻撃をしたと、しかし、後でこれは間違いだったということ。しかし、現実は、民主化のプロセスにありますが、内戦に近い状況にある、テロもやまない、本格政権もまだできていない。こういう中で、イランに対してもしそういうふうにアメリカ対応すれば戦線が拡大するわけです。本当にそういうことができるのかと。まあ難しいだろうとは思いますが、やりかねないところがある。  そこで、アメリカは民主化を中東も含めて世界に拡大すると言っている。しかし一方で、反米政権は武力をもってでも倒す、テロ支援国家もこれも倒していこうと。こういうことの中で、アフガン、イラク、イランというのは地政学上非常に重要な意味を持っている。石油資源も、アフガンの場合は近くにカスピ海沿岸の石油埋蔵量がある、パイプラインを引けばこれは相当有利に働くと。本当のねらいは、これはアメリカでも言われておりますが、今後十年、数十年の中東の支配と石油の確保だというようなことも言われております。  まあそうは思いたくありませんし、そこは大臣が明言できるとは思いませんが、これだけ膨大な犠牲を払っても、危険を冒してもこのイランの問題について対応していくということは、これは別のねらいがあるのかなと思わざるを得ないわけです。そこはどういうふうに見ておられるか、発言できる範囲内で結構ですから、大臣の所感をお伺いしたいと思います。
  82. 浅野勝人

    ○理事(浅野勝人君) 麻生大臣、簡単にお答えください。
  83. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 米国の真意というものを、今、高野先生指摘がありましたように、つまびらかに私の方でこうであろうということを断言することはできません。  ただ、例の三月末でしたか、に出しました国家安全保障戦略というのを発表しておりますが、これが一番だと思いますんで、少なくともテロとの戦いに関してこれに勝利することと、いわゆる民主化を進めるということで、アメリカ国民にとって長期的な安定を図るというのをアメリカ政府の主たる目的ということにしております。  したがって、日本として、少なくともテロというものは何も中近東に限らず、こっちもオウム真理教で五千人からのテロを食らっていた経験があるんですから、そういった意味ではテロというのは深刻な話であります。したがって、こういったテロというものに関しましては、私どももきちんとそれに一緒に戦っていくというのは大事なところ、また少なくとも民主化が進められるということもいいことだと思っております。ただ、なかなか根付くというのに関しましては、それはそんな簡単な話ではないんであって、歴史が数百年しかないところと一千数百年あるところ、数千年あるところ、それぞれの長い歴史がありますので、そういった国々に急にこれがベストという話が簡単にその国民に納得させ得るかといえば、なかなかさようなわけにはいかないのではないかというところなんだと思っております。  少なくとも、このアフガニスタン、イラン、イラクというのは全部国境を接しておりますから、三国とも、その国境を接している国々ですから当然通行はあるであろうし、いろんな形で、私ども中近東とかかなり遠いように感じますけれども、アフガニスタンが近くというんであれば、それはみんなつながっておりますという点も考えて、私どもここらのところをどういう具合な形になるか、結果をちょっと予測はいたしかねますけれども、今言われたようなところはよく理解した上で対応しないと話を間違えるのではないか、私も同じように危惧をするものであります。
  84. 高野博師

    ○高野博師君 時間ですので、終わります。
  85. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 この協定関連いたしまして、日本の余剰プルトニウム政策についてお伺いいたします。  政府は、九〇年代以降、必要な量以上のプルトニウムは持たないことを原則として日本政府代表はIAEA総会でも繰り返し演説してまいりました。これは国際舞台で日本政府の原則とか公約とか受け取られてきたと思いますけれども、その点、間違いないかどうか、まず確認いたします。
  86. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今御指摘のありましたように、日本という国は現に平和目的に限ってプルトニウムを利用していることにつきましては、国内外の理解というものと信頼の向上を図るということは、これは極めて重要だと思っております。このために、原子力政策大綱に示しておりますとおり、利用目的のないプルトニウムは持たないということの原則を堅持しておりまして、この点につきましては政府等において変更というようなものは、その立場に変更はございません。  利用目的のないプルトニウムを持たないという原則を維持することによって、日本が保有するプルトニウムの量に変動が仮に生じたといたしましても、必要な量以上のプルトニウムになることはないというように考えております。
  87. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 今大臣から、その原則は変わらないと、そしてその原則というのは利用目的を持たないプルトニウムは持たないという、そういう御答弁があったと思います。  実際、今、日本で見ても、プルサーマル計画大きく推進しております。そして、六ケ所村の再処理工場が本格稼働すれば、原子力委員会の見積りでも年間五トンのプルトニウムが回収されるということになる等々で、そしてまた外国にも三十七トン余りのプルトニウムがあると。そうすると、玄海三号機が一年間に消費する量というのは〇・四トンということになりますので、これから結局プルトニウムがどんどんどんどん増えてくるということになります。そうすると、今大臣は利用目的をはっきりさせた上でのプルトニウムとおっしゃられましたけれども、そのことを含めてもどんどんどんどん増えてくる。  そうすると、今原則とおっしゃられたこと、それは結局守れないことになるんじゃありませんか。
  88. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 日本がいわゆる非核三原則というものを維持して原子力というものの利用に関しては平和目的に限るということを基本としておりますのは、これは累次のIAEA総会でもこれはきちんと明示をいたしております。  日本平和利用原子力平和利用というものはこれは一貫しておるんですが、IAEAにおきましても日本の代表の方から余剰プルトニウムについての言及というのは毎年きちんと行ってきているというわけではございません。  ただ、日本という国が原子力平和利用目的に限って利用していることにつきましては、いろいろ原子力の白書とか原子力政策の大綱とかなどにきちんと記載をしておりまして、これらに関して情報発信をきちんとしておるところでありまして、海外からそれに関して特に懸念が表明されているというようなことはございません。
  89. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私も、ずっとIAEAの総会での日本政府代表の演説を見ました、あるいは原子力委員会リサイクル専門部会の報告書、あるいは原子力大綱、あるいは長期計画、すべての文書を見てまいりましたけれども、結局九一年以降ずっと言っているのは、余剰プルトニウムを持たないという非常に明快な立場なんです。  ところが、二〇〇三年ごろになると、今大臣が言われたように、利用目的のないプルトニウム、すなわち余剰プルトニウムを持たないという形になってくるんですね。要するに、利用目的のないプルトニウムを持たないということと、余剰プルトニウムを持たないと以前言ってきたことは明らかにずれがある。ずれはありませんか。
  90. 塩沢文朗

    政府参考人塩沢文朗君) 先生今御指摘になりました余剰プルトニウムと利用目的のないプルトニウムというのは同趣旨であるというふうに考えております。  本件につきましては、先般閣議決定をされました原子力政策大綱の議論におきましても、原子力委員会新計画策定会議において、利用目的のないプルトニウムという表現で我が国の原則を示すのが適当であるということで、こういった表現になっておるものでございます。
  91. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 やはりプルトニウムはどんどん増えてくる、そうすると余剰プルトニウムではその表現が間に合わないと、したがって利用目的のないプルトニウムというふうに言い換えたと。私は、これは明らかに日本政府の立場を変更したと。外に向かっては原則は一貫していると言う、今ここでも大臣はそうおっしゃられたけれども、そういうことだと思うんですね。  そうすると、じゃ利用目的は何か。そのことを考えてみると、やはりその点では非常に私はあいまいな話だなと思うんですよね。例えば原子力委員会の決定、二〇〇三年八月に基づいて、透明性を向上させる観点からその目的、利用目的、この明示を求めました。その表現はどうなっているかというと、立地地域の皆様から信頼回復に努めることを基本に東京電力の原子力発電を三ないし四基造る、こう表記されていることが目的の明記とされているんですよ。  大臣、これで、こういう程度の表現で目的を明示したと言えるんですか。
  92. 塩沢文朗

    政府参考人塩沢文朗君) まず、我が国プルトニウムにおきましては、先ほど外務大臣からも御説明ありましたように、IAEA保障措置の下で厳格に管理をされて平和利用に係る国際的担保がなされているものでございます。さらに、今先生から御指摘のありましたように、我が国としては原子力政策大綱で利用目的のないプルトニウムを持たないという原則を示して、プルトニウム在庫に関する情報管理と公開の充実を図ってきておるところでございます。  こうした考えの下で、我が国独自の措置として、原子力委員会は電気事業者等に対してプルトニウム利用の計画の公表を求め、透明性向上の観点から利用目的の妥当性について確認をしているところでございます。  今先生から正に御指摘のありました東京電力の公告が三基から四基という記載の話がございましたけれども、これにつきましても原子力委員会の方でよくお話を聞きまして、東京電力の説明を踏まえると、東京電力株式会社を含む電気事業者により明らかにされた平成十七年度及び十八年度に回収されるプルトニウムの利用目的は、現時点の状況を適切に示しており、我が国におけるプルトニウムの利用の透明性の向上の観点から妥当なものと考えますというふうに判断をしておるわけでございます。
  93. 浅野勝人

    ○理事(浅野勝人君) 緒方靖夫君、あと一問です。
  94. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 答弁になっていませんね。    〔理事浅野勝人君退席、委員長着席〕  大臣にお伺いしますけれども、やはり東京電力が三ないし四基の設置、このことを表明しただけでそれが利用目的にかなうことになるのかどうか。  更に言えば、原子力委員会がこの一月に提出した利用計画については、まあ一月二十四日に確認作業を行っているわけですけれども、電気事業者からの利用計画として、引用しますけれども、「次年度以降、取組の進捗に応じて利用目的内容をより詳細なものにしていくことを期待します。」と、そう書かれているだけなんですよ。そうすると、そういうことで利用目的というふうになる。  正に、大臣、こういう程度のことで利用目的というふうにしてプルトニウムを持っていくとなったら、どんどんどんどんそれは増えていくだけになるんじゃありませんか。大臣
  95. 塩沢文朗

    政府参考人塩沢文朗君) 先生が今御指摘になられたこととやや重複いたしますけれども、今年の利用目的の確認におきましても、各電気事業者において今プルサーマルの実施に向けて進められている準備活動について、十分な説明を伺っております。その上で、これも先生から御指摘がございましたように、透明性確保する観点から、その進捗に従って順次利用内容内容をより詳細なものとして示すということで、今後計画が進捗すればより詳細な利用目的の公表がなされると我々は期待をしております。
  96. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 最後です。一言だけ。  政府は、余剰プルトニウムを持たないというそういう立場から、利用目的のないプルトニウムを持たないという、そういうふうに変えたと、私はそう思います。これは正に詭弁だと思います。そういった点で、国際公約を薄める、あるいは更に言えば投げ捨てていくということは、核不拡散に対する日本の立場を弱めると、そういうことになるということを指摘して、質問を終わります。
  97. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 ただいま議題となっています日本欧州原子力共同体との原子力協定締結は、我が国原子力政策の在り方に深くかかわる問題であるだけに、十分な審議を行うべきだと考えます。  そこで、まず外務省にお伺いします。  本協定締結は、日本と欧州の原子力関連貿易の発展にどのように結び付くのですか、簡潔に御説明ください。
  98. 中根猛

    政府参考人(中根猛君) この日ユーラトム協定締結によりまして、平和的利用確保した上で、我が国ユーラトム加盟各国との間の原子力分野における協力を実施するための長期的かつ安定的な予見性を持つ法的な枠組みが整備されることになります。  ユーラトムの域内全体では、現在約百五十基もの原子力発電所が稼働するなど、大規模な原子力活動が行われております。こうした大規模な原子力活動を行っているユーラトムとの間でこのような協定締結されることによりまして、日本ユーラトム加盟諸国との間の原子力関連品目などの移転にかかわる手続の円滑化に資することが期待されますし、日本企業にとってユーラトム加盟諸国との取引を進める上で安定的な基盤ができることになります。
  99. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 経済産業省にお伺いします。  プルトニウムウランの混合酸化物燃料、いわゆるMOX燃料について、我が国がこの間フランスやベルギー等から輸入した量を教えてください。  また、輸入したMOX燃料は国内でどのように利用されてきたのか、簡潔に御説明ください。
  100. 舛添要一

    委員長舛添要一君) どなたが答えますか。
  101. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 経済産業省。
  102. 安達健祐

    政府参考人(安達健祐君) 申し訳ございませんが、今手元にMOX燃料の輸入量、額については持ち合わせてございません。
  103. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 経済産業省にお願いします。  去る三月三十日、青森県六ケ所村の日本原燃使用済核燃料処理工場で、実際の使用済核燃料を操業と同じ工程で処理する試験、試運転、いわゆるアクティブ試験が開始されました。  この再処理工場は、プルトニウムウランを混合しMOX燃料に加工して、それを原発に使用するプルサーマル計画の柱となり、我が国核燃料サイクル政策の中核になると言われています。しかし、高度に汚染された施設の解体費用は、一説では一兆円以上と言われるだけでなく、周辺の放射能汚染等を心配する声も出ています。採算性や放射能汚染等の危惧について、どのように認識されていますか。
  104. 薦田康久

    政府参考人薦田康久君) まず、安全の方からお答えをいたします。  この青森の六ケ所に立地しております再処理施設に対しましては、国といたしまして、設計から建設、運転に至る各段階において原子炉等規制法に基づきまして厳格な規制を実施しているところでございます。この中で、放射性物質の閉じ込め、臨界防止といったような安全機能の妥当性や、あるいは平常時におきます従業員及び一般公衆の被曝につきましての評価を行うとともに、万が一、火災爆発や臨界事故が起こった際の安全性につきましても評価を行い安全性を確認したというところでございます。  保安院といたしましては、今後、地元におりますうちの職員が常時こういうものを監視しながらこの安全確保に万全を期していきたいと、かように考えているところでございます。
  105. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 いま一問、経済産業省にお願いします。  六ケ所村にあるような使用済核燃料処理工場を持っている国及び地域がほかにあるのかどうか、教えてください。また、将来、六ケ所村の再処理工場が本格的に稼働するようになれば、外国に対して再処理サービス及び廃棄物処分サービスを提供するようになるのかどうか、お考えをお聞かせください。
  106. 安達健祐

    政府参考人(安達健祐君) 現在どの国が使用済再処理工場を保有しているかという御質問でございますが、国際原子力機関、IAEAが二〇〇五年に発表した使用済燃料の再処理に関する現状と警告によりますれば、使用済核燃料処理工場の保有国はフランスイギリス、ロシア、インド、中国であると承知してございます。  次に、六ケ所再処理工場が外国向けに再処理サービスを提供する可能性はどうかという御質問でございますが、この事業主体でございます日本原燃は、我が国の電気事業者を中心とする出資者により設立された会社でございまして、同社の六ケ所再処理工場は、これら国内の電気事業者による原子力発電の結果生ずる使用済燃料を再処理することを前提にしてございます。  また、六ケ所再処理工場において再処理可能な使用済燃料は最大で年間約八百トンでございまして、我が国において一年間に発生する使用済燃料の合計千トンに及びません。したがいまして、六ケ所再処理工場は、外国向けに再処理サービスを提供したり、再処理した際に発生する廃棄物処分サービスを提供するということはないものと承知してございます。
  107. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛庁長官にお伺いします。  四月八日付け読売新聞夕刊は、政府が米軍再編の最終報告を着実に実施するため、再編によって基地負担が増す自治体に対して、米軍再編対策交付金、これは仮称でございますが、を創設する方針を決め、しかもこの交付金は基地建設の進捗状況に応じて段階的に地元に支払うなどの仕組みとし、反対運動などで事業が滞れば支払を凍結すると報じています。これは事実ですか。
  108. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 今の御質問でありますけれども、我々は地方自治体の皆さん方に対しましては、現在、日米協議、最後の詰めをしておりますので、その進捗状況については逐一御説明をしたり、あるいはまた各自治体から様々な質問をいただいておりますので、これも丁寧に文書でお答えをしております。その際に、今後、地元の要望とか地域のことについても併せて様々な要求、要望をいただいております。  そういう段階でございまして、具体的に、今後どうするかということについて具体的に我々が考えていることはありません。最終合意が経た後、ちゃんと政府考え方をまとめ、地元の皆さん方とも相談をしながらどういう対応をしていくかを考えてまいりたいというふうに思っております。
  109. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 今朝の沖縄の新聞は、普天間飛行場の移設先に予定されている名護市辺野古区の行政委員会政府に対し環境悪化などに伴う生活補償として一世帯当たり一億五千万円の補償額を要求することを確認したと報じていますけれども政府はこれに対してどう対応なさるおつもりですか。
  110. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) そういう話は新聞も読んでないし直接聞いたこともありません。だから、何ともお答えのしようがございません。
  111. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 移設先の地方公共団体と政府はこれまで、もし移設した場合に、例えば産業振興策とかあるいは振興費を特別に手当てするとかというような、そういった話合いをなさったことはありませんか。
  112. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 個別具体的にそういう話をしたことはありません。  我々は、日米との協議について御報告すると同時に、地元の皆さん方からいろんな要求がされたりしていることはあります。それはよく丁寧に我々も受け止めているわけでありまして、今後地元の皆さん方や地域の皆さん方がどういうふうに対応していくかをよく相談しながら考えていくべきものであると思っております。
  113. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 去る四月十三、十四日の両日、東京都内で、在日米軍再編に関する日米審議官協議が行われました。そこで具体的にどのようなことが合意されたのか、また継続協議事項としてどういうのがあるのか、簡潔に御説明ください。  また、最終報告の取りまとめをする次回の日米安保保障協議委員会、2プラス2の場はいつ開催される御予定でしょうか。
  114. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) まず、先般の十三、十四日に行われた日米の事務レベルの話合いである程度まとまりつつあることについて御報告をしたいと思っておりますが、一つは、グアムの移転経費ですね。米の海兵隊がグアムに移転することに伴う経費について、我々は、沖縄県民全体の負担削減のために資金的な支援対策を講じながらスピーディーにこの仕事をやってみようと思って協議をしているところでありますが、まだ決まっているわけではありません。鋭意今検討中であります。  それから、今話が……
  115. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 簡潔な答弁をお願いします。
  116. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 普天間の代替施設移行については地元の皆さん方の合意もあるので、これから最終合意の後、具体的な建設計画について考えていきたい。  それから、岩国の問題については、空中給油機KC130については岩国飛行場に移駐するけれども、実際の訓練等は鹿児島の鹿屋とか等々でローテーション的に考えてまいりたいというふうに思っております。それから、岩国の海兵隊のヘリコプターCH53D八機はグアムに移駐したいということで一定の合意をしております。  あるいはまた、訓練移転については、嘉手納とか岩国とか三沢の負担を軽くしていくために、私の地元の百里だとか小松だとか築城だとか新田原とか六基地において、分散をしていくことについて今協議をしているところである。  まあ、残された問題について御報告しますと、そういうところが大事なポイントだと思っております。
  117. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
  118. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  119. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 議題となっております原子力平和利用に関する協力のための日本国政府欧州原子力共同体との間の協定の批准について反対の討論をするものです。  第一に、本協定締結は、政府プルサーマル計画の推進のためのものであるからです。プルトニウム循環方式によるプルサーマル計画は、その過程一つ一つ技術的に未確立であり、解決されていない問題を多く抱えております。  日本共産党は、プルサーマル計画の中止と既存原発の総点検と計画的な縮小、二十一世紀にふさわしいエネルギー政策への転換を主張してきたところです。本協定は、英国、フランスに委託してきた使用済核燃料の再処理によって回収された大量のプルトニウムウランなどを欧州間で移転、MOX燃料に加工して、今後継続的に我が国に輸送するために締結するものであり、無謀なプルサーマル計画の一層の推進となるからであります。  第二に、原発という未確立の技術に頼った政府のエネルギー政策は、あらゆる面で行き詰まりを深め、重大な事故を続発しているように、とりわけ安全面での問題が大きくなっているからです。  昨年四月には、我が国使用済核燃料の委託を受けていた英国の再処理工場で大規模なプルトニウム漏えい事故が発覚し、また周辺の環境汚染に深刻な懸念の声が広がっております。日本国内でも繰り返し重大事故が発生しております。本協定による我が国プルサーマル推進は、事故による放射能汚染や環境汚染などを更に拡大していくことにつながると言わざるを得ません。  以上、反対理由を述べて、討論といたします。
  120. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  原子力平和的利用に関する協力のための日本国政府欧州原子力共同体との間の協定締結について承認を求めるの件に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  121. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十五分散会