○とかしき
分科員 ありがとうございました。
今、
大臣、御
説明いただきましたように、きょうはパネルもいろいろ持ってまいりまして、こちらの杉並中継所というところで、これは先ほど
大臣もお話しなさいましたが、燃えない
ごみを圧縮する処理施設なんです。ですから、東京都は、燃える
ごみ、燃えない
ごみというふうに集めてまいりまして、こちらの中に清掃車が集めてまいりまして、コンパクターというところにおろしまして、そこで圧縮をして、プラスチックとか、
あと化学物質を含んだ
ごみとかがたくさん入っておりまして、非常にかさが張る割には重量が軽いということで、そして効率よく運ぶためにということで圧力をかける。こんな簡単な施設で、火も使わないので問題ないだろうということで稼働をし始めたんですけれども、その日からぐあいの悪い人がたくさん出てきて、それを称して杉並病というふうに言っているわけです。
杉並病の主な症状は、写真が悪いんですけれども、これは女性の一応あごの写真なんですけれども、彼女はひげが生えてきたりとか、この杉並病は人によって全く症状が違いまして、その人の弱いところに出てくるわけです。この方はたまたまホルモン系が弱かったのであごにひげが生えてきたんですけれども、このほかには、皮膚に湿疹が出てきたりとか、呼吸困難になったり、引きつけを起こしたりとか、涙がとまらなくなったりとか、そんな症状が出てまいります。
そして、植物にも異状が出てまいりまして、こういう斑点がたくさん出てまいります。化学物質にたくさん暴露した場合によくこういう症状が見られるんですけれども、そういった形で植物にもよく異状が見られる、こんな状況になっております。
そして、先ほど
大臣、お話しいただきましたように、原因が、当初は硫化水素ではないかというふうに言われていたんですが、公害等調整
委員会の方で、硫化水素ではなくて複数の化学物質が関与していたのではないかというような形になっておりまして、グレーの裁定と言われております。そして、杉並区役所がその後モニタリング調査というのをいたしまして、大体二、三カ月に一回、その辺の空気を調査いたしまして発表しております。
私は、その調査結果を見ますと、全部
環境基準値以下の濃度の化学物質しか出ていないので、問題がないというふうな結果が出ておりました。しかし、やはりそれではちょっと納得できないということで、一日にどれぐらいの量の化学物質が出ているのかということで、濃度で比較するのではなくて、どれぐらいの量が出ているか、その量でまず見てみようということで、グラフに起こして実際計算してみたところ、実に物すごい量の化学物質が一日排出されているということがわかりました。一番多いときで、
平成十四年の六月の段階で、アセトアルデヒドという
一つの化学物質をとっただけでも、たった一日で、千七百人分の致死量という物すごい量の化学物質が出ているということです。アセトアルデヒドといいますのは、ホルムアルデヒドと似たような物質になりますけれども、シックハウスのような、たくさん吸いますとアレルギー症状を起こす化学物質というふうに言われております。
このアセトアルデヒドがなぜこのようにたくさん出てくるのかというのが非常に疑問で、その後、杉並区役所の方に私も議員時代に働きかけまして、原因を調べてほしいというふうに言いましたけれども、なかなかこれがわからない。そこで、先ほど言いました
ごみを圧縮する、燃えない
ごみに圧力をかける瞬間にガスが出てくる、アセトアルデヒドのようなガスがたくさん出てくるのであれば、
ごみを集めている清掃車、この段階でもう実は
ごみに圧力がかかるわけですから、もしかしたらその段階からも既にガスが発生しているのではないかということで、調査をしてほしいというふうに言いましたら、杉並区役所は重い腰を上げて調べてくれました。
その後、調べてもらった量がどれぐらい出ているのかということを、これもモニタリング調査の後ろの方でちょっとだけ今触れているんですけれども、それは、清掃車の車内からも実に物すごい量の化学物質がたくさん出ておりました。私、最初、アセトアルデヒドだけに着目しておりましたけれども、ほかの化学物質もたくさん出ておりまして、例えば、多いときに、まずベンゼンですと
環境基準の千四百三十三倍、トリクロロエチレンに至っては三百八十倍、トルエンは二十一・五倍、アセトアルデヒドは百四十倍と、非常に強い濃度の、濃い濃度の化学物質が清掃車の中からも出てきているということがわかりました。
ということは、
ごみを集めながら化学物質のガスをまき散らしている可能性が十分に
考えられるわけです。
ベンゼン、トリクロロエチレン、トルエン、アセトアルデヒド、これが人体に一体どんな影響があるのかと申しますと、例えば、ベンゼンですと強い発がん性物質、トリクロロエチレンですと
環境ホルモンのような影響があります。トルエンは中枢神経の障害とか、アセトアルデヒドは頭痛、目まい、シックハウスの症状ということになります。
具体的にどんなものに含まれているのかといいますと、例えば、ベンゼンですと塗料や医薬品、トリクロロエチレンは殺虫剤や洗浄剤、トルエンは接着剤や塗料、アセトアルデヒドはプラスチックということで、ふだん私
たちが
生活の中で何げなく使っているこういう化学物質を含んだものが
ごみの中に入ってしまいますと、これがガスとなって空気中にまき散らされている可能性が十分高いということがわかってきたわけです。
ということで、これ以上杉並区役所は、ここまでは何とかわかってきたんですけれども、この後の対処のしようがなくて、この段階で今とまっている状況なんですけれども、このような状況をお聞きになりまして、このように、燃えない
ごみを集めている清掃車の中からこういう有害な化学物質が町じゅうに今まき散らされているという
現状をちょっとお話しさせていただきましたけれども、このお話をお聞きになって、今後、どのような対応が必要だと
環境省はお
考えになるのか、お
考えをお聞かせください。