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杉浦国務大臣 それは事実でございます。
ただ、私は、行刑改革
会議の案に基づいて事務局の方から三つの
分野が名指しされまして、それについてまず資料を出せと言ってこられたわけであります。三つの
分野というのは、行刑関連
施設とハローワーク、厚生労働省、それから
社会保険庁の事務でございます。
それに対して、きょう記者会見で発表いたしましたが、
法務省としても
検討をいたしまして、行刑
施設、
刑務所、
少年院、
拘置所等でありますが、今年度までに民間へのアウトソーシング、突然の御指名なのでちょっと今手元に資料がございませんが、回答いたしました。総人件費改革として、行刑関連
施設の業務を民間にゆだねるための方策につきまして
検討の要請があった。後ほど申しますが、私が不満なのは、なぜこの要請、とりあえず行刑
施設とハローワークと社保庁なのか、極めて不満でありますが、要請がありましたので
検討いたしました。
法務省におきましては、行刑関連
施設のうち、総務系の事務、受付とかそういうものですが、それから自動車運転、庁舎の警備、外回りの警備ですね、などの非権力的業務を中心に、どの
程度まで民間委託の拡大が可能であるかを個別具体的に
検討しました。その結果、
平成二十二年度までの五年間で、現在六百十七ポストの民間委託数、六百十七、民間に委託しておりますが、それを七百十九ふやしまして、千三百三十六ポストにまで拡大することが可能であると試算されましたので、その結果を、きのうですが、行政改革推進事務局に提出したところでございます。この
検討のとおり民間委託が拡大された場合の民間委託率は、行刑
施設だけで七・六%になります。それを提出いたしました。
これ以外に、向こう五年間に、新設が決まっております美祢、山口県ですが、この
社会復帰促進センターと、それから島根であさひ
社会復帰促進センターは、ここは構造改革特区法に基づく委託範囲を拡大するということと、PFI手法によって民間のノウハウを活用する、
施設の建設、運営をやりまして、二つの
施設、二年後に完成いたしますが、これを合わせた
職員必要数六百二十七人のうち二百九十人分の業務を民間にゆだねることが可能だ、こういうふうになっております。その旨を事務局に申し上げたところでございます。
公権力の行使を伴う業務でPFI事業に委託するものは、
施設の警備ですとか、職業訓練ですとか、領置物の保管とか収容監視、信書の検査の補助とか健康診断、こういったところで、権力性の弱い部分をこの二つの
施設については特区法等で移譲いたします。権力性が強く委託になじまない業務、実力行使、戒具の使用ほか、権利制限、懲罰の賦課ほか、
受刑者の
処遇、仮出獄の申請とか刑務
作業を行わせるとか、この部分はこの二つの
刑務所も移譲しておりません。民間委託しておりません。
ほかの
刑務所においては、今申し上げたPFI事業の特区で委託可能となる業務、これも委託できません。この二つの
刑務所は、
施設の設計の段階からこれが実行可能となるようにきちっと設計をいたしておりますし、それから、中に入れる
受刑者も改善の可能性の高い初犯その他の人たちを収容することになっておりまして、これだけの、約半分を民間委託しても、公権力の行使はきちっとできるようになっておるから、できるということでございます。
行刑
施設の民間委託については、事務局の要望どおりきちっとやってまいりますというふうに報告させていただいております。ですから、行刑
施設について
努力が足りないんじゃないかという御指摘は当たらないと思います。
私が不満なのは、なぜハローワークや
社会保険庁、ハローワークについては、人によってはあれは全部委託してもいいじゃないかと言う方もいらっしゃいます。現に民間に人材派遣……(発言する者あり)いやいや、そういう
意見もあります。それから、社保庁については解体しろという
意見もあるぐらいで、今度全くやり直して特別な組織を立ち上げますけれ
ども、そういう
国民の批判の高い、しかも相当合理化できるだろうと思われるものと並べて、なぜ
刑事施設が取り上げられて、これだけがですよ、
法務省の中でも、
法務局でもない、取り上げられたのは非常に不満であります。
中馬
大臣とも、公権力の行使を伴う業務については委託できないよということは合意に達しています。それ以外の総務系のこと、非権力的業務についてはどんどん民営化する。むしろ
法務省は模範的に民間委託をやってきたんです、この部分については、
刑務所等。だから、
先生のように言われると、非常にそういうことは残念で、申し上げたくなるわけです。
過剰収容の事情を実際に見ていただきたい。私はもう十カ所以上
刑務所を見ました。大変な
状況です。働いている人も四週七休、八休のところが七日しか休めないという
状況で、過重な業務に従事しているわけで、私は、こんなことをされると
職員の
士気にかかわると。なぜこんなねらい打ちで、その二つと並べてこれについて指摘されたのか、理解に苦しむところでございます。