○吉井
委員 公務員が
民間会社に
交流派遣で行った場合の話で、さっき言いましたように、公の責任ということでは、
国家公務員法上の服務規律だとか、信用失墜行為の禁止だとか守秘義務だとか、それから懲戒処分の要件等、
公務員法上の規定で縛られている面がこれまでもあったんですよ。
民間の人の場合は、退職しておったわけですが、今度、部長だ、課長だという肩書つきで来ることができるわけです。例えば、セールスエンジニアをやっていた技術屋さんが部長待遇という肩書を持っていたとして、この人がどこかの
役所の企画の部門に仮に入ったとして、直接今までの技術開発の
仕事とは違いましたということにしても、御本人の意図とは別に、その人が名刺交換で、○○
会社のセールスエンジニアで部長待遇であったという名刺も持っているわけですから、今度は
法律上それは別に悪いわけじゃないですから、お渡しをするというのは、
企業の立場からすれば、
企業利益を追求する上でプラスになるという問題が出てくるわけです。
ですから、全体の奉仕者ということと営利追求の
企業としての社員の
関係というのをあいまいにしたままでは、癒着の問題とか、そして九九年の審議のときには問題になった
公正性とか国民の皆さんからの信頼の問題というのは、私は、このやり方ではとてもじゃないが実現できないというふうに思います。
大臣に伺っておきますが、国民の感覚からすると、
一つだけ例を挙げますと、商船三井から外務省に
交流採用で、これは
民間企業から国の
機関に採用として職員が派遣されているわけですが、
派遣先は外務省本省じゃなくて在パナマ
日本大使館なんですね。しかも、任期二年務めると交代の人が商船三井から派遣されてくるわけですね。さっきは連続はないという話ですが、三回続いているんです。やっている
仕事というのは、パナマの経済情勢の分析、パナマ運河及び運河両端の港湾を中心とした国際港湾に係る
調査分析ということなんですね。
ほかに希望する
会社がなかったのでこういう結果になったというのが外務省の
説明なんですが、それは表向きの話なんですね。
実態は、
企業の方からこの部署なら職員を派遣できますよという話があって、それではということで
官庁の方がその
仕事内容を
人事院に知らせ、こういうふうになったわけです。
御存じのように、商船三井というのは、世界をまたにかけて海上輸送、旅客輸送を展開している
会社ですね。パナマにも現地事務所を持っています。当然ながら、その現地事務所には
日本から社員が派遣されて
仕事をしているんです。
官民交流法は
交流元の
業務に従事することは禁止されているんですが、やっている
仕事は、先ほど言ったように、パナマの経済情勢の分析、パナマ運河を中心とした国際港湾に関する
調査分析で、要するに、商船三井の現地事務所がやっている
業務と重なっているわけですよ。極端なことを言うと、商船三井の職員一人を国費で派遣しているようなものと
考えることもできるような話なんです。
こういう事例が現在の
官民交流の中にはほかにもあるわけですが、そういう状況のもとで、今度は
企業の地位についていたままで
交流採用を可能にしようという、これで
公務の
公正性を
確保することができるのか、国民の信頼を得られることになるのか。ここは
大臣にしっかりお答えをいただきたいと思います。