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萩生田委員 おはようございます。
自由民主党の
萩生田光一です。本日の
審議の
トップバッターということで、順次進めてまいりたいと思います。
今、
竹中大臣また
橋本会長から十八年度の
NHK予算の
あり方についてお話がありました。
私は、今
NHKが、ある意味では
国民の
信頼を失い、再建の途上にあるわけですけれども、この一連の不祥事の源というのはどこにあったのか。
NHKが
公共放送としての使命を忘れ、ある意味では
民間と肩を並べるかのような
経営をした、そういうことの枝葉でのいろいろな問題が結果としてさまざまな事件を招いてきたんじゃないかなというふうに考えているんです。すなわち、
民間の
経営感覚というのはこれからの
NHKを考えたときに必要なことでありますけれども、同時に、
NHKはやはりもっとひたむきに
公共放送に徹するべきではないか、こう感じている一人でございます。
今、
大臣の私的諮問
機関の中で、
NHKの
あり方、いろいろな議論をされています。かつては民営化なんということは考えられなかったんですけれども、今ではそういうことも視野に入れる、こういうお話も出ておりますけれども、私は、それよりも、やはり
NHKが一日も早く
視聴者・
国民の
信頼を
回復して本当の役目を果たすこと、今いみじくも
橋本会長が、
NHKでなくてはできない
放送をしていくんだという、こんな決意も述べられましたけれども、そのことにぜひ期待をしたいというふうに思います。
そこで、ちょうど二年前にも
NHK予算の
質疑をしたときに、当時の会長が、未収率、未納率の改善のために一軒一軒歩いてでも回収をするんだという決意を述べましたけれども、その後、そういう姿勢が残念でありますけれども
国民には映らないんです。私は、たとえパフォーマンスだという批判をされてでも、役員や
職員が一斉に休日返上で
受信料をお払いいただけないそういった加入者の方たちの家を一軒一軒回ってでも、
NHKの
あり方というのをきちんと
説明するべきじゃないかなというふうに思っていまして、そういった意味では、
経営姿勢が相変わらず問われるところがあるということをあえて指摘しておきたいというふうに思います。
私は、
NHK自身が
経営感覚を磨くこと、あるいはバランスシートに常に敏感になること、こういったことはぜひ必要なことだというふうに思いますけれども、だからといって、一方で、
民間と同じような視聴率の至上主義に走ったり、あるいはコスト第一主義に走るようなことがあれば、
公共放送としての使命を見失うことになるんではないか、そのことを危惧しております。
たとえ不採算であっても、
国民に有益な映像、
情報を提供すること、大手資本や政治力に左右されない公平な
放送に徹すること、
公共放送としての
役割をもう一度しっかりととらえて、
NHKのあるべき姿をしっかりと示してもらうことが
平成十八年度必要なことだということをまず冒頭申し上げておきたいというふうに思います。
そこで、幾つかの点についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
まず初めに、何度か視察をさせていただきました
NHKの
放送技術研究所についてお伺いをします。
放送法の第九条に基づきまして、もう七十五年の歴史のある研究所、この間、我が国の
放送技術の
発展に寄与してきたことは
評価をしたいと思います。
大臣もよく研究マネジメントという言葉をお使いになりますけれども、技術革新というのは、一カ所に専門家を集めて同じ価値観のもとにひたすら前へ進むんじゃなくて、いろいろな価値観の人たちが同じ目標に向かって研究をし、その
成果物を国の
評価として世に出すというのがある意味では研究のあるべき姿だと思いますから、そういった意味では、
NHKの技研の
あり方というのは私は否定をしません。
否定をしませんけれども、視察に行っていろいろ見せてもらったり
説明を聞きますけれども、確かに大事な研究だし、確かに大事な視点なんだけれども、率直に申し上げて、国の
関係機関でも同じような研究をしている、あるいは
民間はもっと進んだ部分で技術革新に走っている、こういうある意味ではかぶった研究というのがたくさんあるんじゃないか。
NHK技研の役目はもし研究のきっかけづくりでいいんだとすれば、その後のことは
民間に任せるべきであって、最後まで研究を貫く、たとえ不採算であっても研究を貫くその
必要性がこの九条にはあるのかというと、私は疑問に感じるところでございます。
具体的には、例えば、ハイビジョン
放送、プラズマディスプレー、デジタル
放送やFM多重
放送、話速の変換等を実績として
NHKはおっしゃっていますけれども、残念ですけれども、世の中に出たときには、これは
NHKの研究の
成果だとユーザーの皆さんが理解しているものというのはほとんどないんじゃないですかね。それはメーカーの
成果物であって、
NHKの
成果ではないというふうに思うんです。
私は、こういった研究の
内容を含めて、
民間とのかぶり、競合についてはどうやって今後整理をしていく必要があるのか、あるいは国の
関係研究機関との連携はどう図っていくのか、
民間がやるべき研究を
NHKがずっとやらなきゃならないというこの必要があるのかどうか、
基本的なお考えを聞きたいというふうに思います。
また同時に、所管をする
総務省としては、
NHK技研の存在あるいは研究
内容についてはどのような位置づけをし、どのような
評価をしているのか、
総務省側の御
意見も聞きたいと思います。