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鉢呂委員 今、
大臣からお話があったわけでありますが、昨年この
委員会等でもお話をされている決意といいますか、あるいは実際のやっておる中身と相反するような形で今回こういう社長交代劇というのがドラスチックに行われたわけであります。
そこで、いろいろやはり我々としても考えなければならない。前回は、経営の
改善命令というところまで踏み出すべきでないだろうかというお話もさせていただいたんですが、きょうは、
一つは、やはり今回の法
改正が本当に安全を貫き通してそれを実効性のあるものにしていくという法案になっておるのかどうか、それが一点。
同時に、
行政の検査
体制というのがこれまでも言われてきました。前回もお話ししましたが、
大臣と私は同期でありますが、この十六年間の国政で私にとって一番印象的なのは、やはり大蔵政務次官をやっていたときの住専のああいう不祥事といいますか、金融
行政が護送船団方式になっておった、いわゆる
行政の執行ということに対して、指導監督という形なんですが、きちんとした監督というのがなされておらなかったということで、金融庁を別途置きました。
それとまた、私もかかわらせていただきましたBSEの、いわゆる食品の安全についても、これは厚生労働省と農水省のいわゆる
行政の執行が適切でなかったと。やはりこれをきちっと第三者的に管理監督をし、そしてその評価をして次の政策に映させるということの大切さというものを身にしみて、そういう意味では今は過渡期であろうと。
今回の
航空行政についても、安全
委員会が昨年の八月ごろに中間答申ということで出しました。
しかし、その後、
国土交通行政の、住宅に関して、まさに住宅の
安全性を
チェックする
機関が、民間の検査
機関というものをきちんと
チェックできないでいるということも明らかになったわけでありますから、私は、そういう面で、
国土交通省のあらゆるこういう
チェック、管理監督をするその
機能というものをどういったふうに見直しして本当に実効の上がるものにしていくのか、ここがやはり問われておるという
観点で、きょうは具体の例を私の方から示しますので、
大臣の方で、やはり政治家が大きい意味で
現状を変えていくということの必要性があるなと。
私もこれまで勉強する中で、
事務当局、お役人の
皆さんは、やはり既存のところがありますから、
改善の努力はされておると思いますが、本当にそれが実効上がるものになっておるのかどうかの、そこのところの大英断というのが、必ずしも、この間の
日本の官僚
制度の経験からいっても、なかなかそこが出し得ないというところを、やはり思い切って今、政治の、我が
委員会で変えていく段階にあるのではないか、こういうふうに思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
そこで、先ほども三日月
委員からもお話ありましたが、最近の大型機、これはもちろん
航空機でありますが、大型機の
航空事故等の
発生件数、これはもう既にホームページにも出ておるんですが、この四年間、平成十五年の一月から今年の二月までのデータを見ましても、
航空事故というのは、これは客室
乗務員に、機内でいわゆる揺れが激しくて骨折の
事故が起きたとかいうのをいうんだそうですが、これはこの四年間、平成十五年三件、五件、一件、一件という形になっています。そして重大インシデント、重大な
事故の兆候と言われるようなものが七件、五件、八件、ことしはまだゼロということであります。
ところが、イレギュラーの運航ということで、これがこの四年間で二百一件、二百十八件、そして昨年が二百五十五件。この一月、二月で五十九件。ことしに入っても、先ほど調べてみましたら、一月で二十七件、二月で三十二件。この二月三十二件というのは、この四年間でも一番多いものと同数の件数であります。
そういう面では、イレギュラーの運航ですから、この中身を見ましても、例えば徳之島空港で鹿児島行きのJALが燃料漏れで欠航したとか、あるいはエンジンをかけるための駆動ワイヤが摩耗してかからずに欠航したとか、あるいはこれも、宮崎発羽田行きが、三月五日ですが、油漏れで欠航するとか、その他、部品のふぐあいというようなものが多々あるわけであります。
私も勉強させていただいたのですが、アメリカの損保会社のハインリッヒさんという方が、六十年前です、大
事故が起きる前には必ず二十九件の小さな
事故が起きる、そしてその前にさらに小さな
トラブルが三百件起きると。ですから、小さな
トラブルといってもこれは大変重大なことなんだということを六十年前に言って、これが
一つの原則になって、一昨日の全日空の副社長さんも同じようなことをお話ししておりました。ですから、小さな毎日毎日の努力、
トラブルを
一つも出さないんだという努力が大切なんだというような話をされておったわけであります。
私は、このイレギュラー運航の約二百件以上、だんだん増加をしております、この中身を見ますと、先ほど言ったように非常に
整備不良、もちろん機械ですから突発的に計器が不良になるとか、いわゆる脚が閉じないとかいうのはあるんでしょうが、非常に
整備不良に伴うようなものが出てきておるというふうに思うわけであります。
大臣、
ヒューマンエラーということがよく言われますが、
整備不良に伴うようなこういった、小さなと言っちゃおかしいんですが、
整備不良によって引き返すというのが非常に多いような感じで私は見ておるんですが、
大臣の感想をお聞かせいただきたいと思います。