○丸谷
委員 公明党の丸谷佳織でございます。
私も、八月十六日に貝殻島付近で起きましたカニかご
漁船第三十一吉進丸が銃撃、拿捕された
事件について、時間いっぱいを使って
質問をさせていただきたいと思います。重なる
質問もあるかもしれませんけれ
ども、どうぞ御答弁のほど、よろしくお願い申し上げます。
八月十六日にこの
事件が起きましてから、公明党としましては、
地元の根室市議あるいは道議
会議員が現地入りをしまして、すぐ情報収集あるいは対応に当たってまいりました。私自身も八月二十一日に現地に入りまして、お通夜に参列をするとともに、根室市あるいは根室支庁、そして漁組の皆様、
関係者の皆様からお話をお
伺いいたしまして、今私
たちが政治の場で何をするべきなのか、この点につきまして対応をとってきたところでございます。
また、八月二十四日にはロシア大使館に参りまして、ガルージン臨時大使に
申し入れを行うとともに、札幌の総領事にも
申し入れを行ってまいりました。その
内容としましては、坂下船長初め乗組員全員の早期帰国、また現状維持のままの
船舶の返還、そして事実解明をした上、謝罪、損害賠償、そして再発防止に努めるとともに、根本であります
領土問題の解決を急ぐべきであるというような
申し入れをしてまいりました。
こういったことに対しまして、ガルージン臨時大使と直接お話をさせていただいたわけでございますけれ
ども、ロシア側の態度としましては、新聞等にも報道をされておりますけれ
ども、ロシア側からは、哀悼の念を示すとともに、ロシア側の
領海に侵入をし密漁をしたのである、ロシア側の
領海に侵入をし密漁をした以上避けられない行動がこの威嚇射撃であったという
趣旨の発言があり、盛田さんが亡くなったこと
自体は非常に残念なことであるけれ
ども、原因は
日本側の密漁にあるといった発言がございました。
こういったロシア側の態度に対しては、私
どもは当然納得できるものは何一つございません。
まず一つ目に、ロシア
領海を侵犯したといった発言につきましては、
北方四島がロシア
領土であることを
前提にした議論である以上、私
どもとしては認められる発言ではございません。
また、威嚇射撃に至る前にいろいろな手を尽くしたけれ
ども威嚇射撃をするに至ったという
説明も認めることができません。といいますのは、無線、信号弾等で警告をしたというふうにロシア側は言っておりますけれ
ども、これはロシア側のみの情報でございます。実際にはこの第三十一吉進丸が無線を切っていたというような報道もけさはされておりましたし、あるいは、早朝の深い霧の中で信号弾を見ることができなかったという見方もございます。このロシア側の情報を丸のみにするわけにはいきません。
また、威嚇射撃ということに関しては、
我が国にとっては、丸腰の
漁船に行われた過剰な実力行使であるといった
判断がある以上、ロシア側の情報を丸のみにし、また謝罪もないままに事が進められていくということは決してあってはなりませんし、その上に立っても、
日本側として、しっかりと主体的にまた積極的に事実解明をする必要があることは当然でございます。
その点につきましてまず
質問をさせていただきたいと思いますけれ
ども、けさの報道にもございました、九月の七日までに船長は起訴をされて、残りの二人には週末にも処分が決まり、裁判に参加せず早期釈放の見通しであるというような報道もございました。船長も含めて早期に乗組員の帰国を求めるところでございますけれ
ども、この見通しとともに、同時に、事実解明をするに当たって、GPSを搭載していたと思われる吉進丸の現状維持のままの
船舶の返還というのを強く求めていく必要があるというふうに
考えていますが、この
交渉にはどのような態度で臨んでいらっしゃるのか、どういった
交渉をされているのか、この点についてまずお
伺いをさせていただきます。