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2005-09-26 第163回国会 参議院 本会議 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十七年九月二十六日(月曜日) 午後二時三十一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第二号
平成
十七年九月二十六日 午後二時三十分
開議
第一
国務大臣
の
演説
に関する件
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件 一、
常任委員長辞任
の件 一、
常任委員長
の
選挙
以下
議事日程
のとおり ─────・─────
扇千景
1
○
議長
(
扇千景
君) これより
会議
を開きます。 この際、
常任委員長
の
辞任
についてお諮りいたします。
内閣委員長高嶋良充
君、
財政金融委員長浅尾慶一郎
君、
国土交通委員長田名部匡省
君、
環境委員長郡司彰
君、
国家基本政策委員長北澤俊美
君、
懲罰委員長山下
八
洲夫君
から、それぞれ
常任委員長
を
辞任
いたしたいとの申出がございました。 いずれも許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
扇千景
2
○
議長
(
扇千景
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、いずれも許可することに決しました。 ─────・─────
扇千景
3
○
議長
(
扇千景
君) この際、欠員となりました
常任委員長
の
選挙
を行います。 つきましては、
常任委員長
の
選挙
は、その手続を省略し、いずれも
議長
において指名することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
扇千景
4
○
議長
(
扇千景
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、
議長
は、
内閣委員長
に
工藤堅太郎
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
財政金融委員長
に
山本孝史
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
国土交通委員長
に
羽田雄一郎
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
環境委員長
に
福山哲郎
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
国家基本政策委員長
に
今泉昭
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
懲罰委員長
に
朝日俊弘
君を指名いたします。 〔
拍手
〕 ─────・─────
扇千景
5
○
議長
(
扇千景
君)
日程
第一
国務大臣
の
演説
に関する件
内閣総理大臣
から所信について
発言
を求められております。これより
発言
を許します。
小泉内閣総理大臣
。 〔
内閣総理大臣小泉純一郎
君登壇、
拍手
〕
小泉純一郎
6
○
内閣総理大臣
(
小泉純一郎
君) このたびの総
選挙
の結果を受け、三たび
内閣総理大臣
の重責を担うことになりました。
改革
なくして成長なし、
民間
にできることは
民間
に、
地方
にできることは
地方
にとの
方針
の下、
自由民主党
及び
公明党
による
連立政権
の安定した
基盤
に立って、引き続き
構造改革
を断行する覚悟であります。 私は就任以来、
我が国
の再生と発展に向け、
金融
、税制、規制、
歳出
にわたる広範囲な
構造改革
を進めてまいりました。この結果、
日本経済
は、
不良債権
の
処理目標
を実現し、
政府
の
財政出動
に頼ることなく、
民間主導
の
景気回復
への道を歩み始めました。
改革
の芽が様々な
分野
で大きな木に育ちつつある現在、
改革
を止めてはなりません。
改革
を進めていく際、
基本
的な
方針
は支持されるのに、個別の
具体論
に入ると、
既得権益
の壁にぶつかり根強い
反対
に直面します。この
総論賛成
、
各論反対
の典型で、最も抵抗の大きい
分野
として長年だれも手を付けようとしなかったのが
郵政民営化
であります。
公務員
を減らしなさい、
行財政改革
を断行しなさい、
民間
にできることは
民間
に、この
基本方針
には多くの人々が賛成するのに、なぜ、
郵政事業
だけは
公務員
でなければできないのか、
民間人
に任せられないのでしょうか。 さきの
国会
において、
郵政民営化関連法案
は否決されました。このため、私は、本当に
国民
は
民営化
は必要ないと判断しているのか、直接その
意思
を確認したいと思い、衆議院を解散しました。
郵政民営化
は、正に行政、
財政
、
経済
、
金融
などあらゆる
分野
の
構造改革
につながる
改革
の本丸と確信するからであります。
郵政民営化
の是非が問われたこのたびの総
選挙
において、これに賛成する
自由民主党
及び
公明党
は、多くの
国民
の信任をいただきました。私は、この民意を大きな支えとして、改めて
郵政民営化関連法案
を提出し、
国民
を代表する
国会
で御審議いただき、成立を期す決意であります。
郵政事業
は、二十六万人の常勤の
国家公務員
を擁しています。
国民
の安全と安心をつかさどる全国の警察官が二十五万人、陸海空すべての
自衛官
は二十四万人、そして霞が関と全
世界
百数十か国の
在外公館
に勤務している
外務省職員
に至っては六千人にも及びません。今後も
公務員
が
郵政事業
を運営する必要があるのでしょうか。
郵政事業
を
民営化
すれば、
創意工夫
と知恵により、多様でより良い商品やサービスが展開されると思います。
国民
の大切な
資産
を
民間向け資金
として活用することは、
経済
の
活性化
につながります。従来免除されていた
法人税等
の支払や株式の売却などにより、
財政再建
にも貢献します。
郵政民営化
は、簡素で効率的な
政府
の実現を加速するものであります。
国民
の間には、
民営化
によって
過疎地
の
郵便局
がなくなるのではないか、
郵便局
で貯金や保険を扱わなくなるのではないかという不安が存在するのも承知しております。
国民
の貴重な
資産
である
郵便局
のネットワークを維持し、
国民
の利便に支障が生じないようにいたします。
資金
の入口の
郵政民営化
だけでなく、出口の
政府系金融機関
の
改革
に取り組んでまいります。
地方
にできることは
地方
にという
方針
の下、四兆円程度の
補助金改革
、三兆円
規模
を目指した
税源移譲
、
地方交付税
の見直しの三位一体の
改革
について、
地方
の
意見
を真摯に受け止め、来年度までに確実に実現いたします。
小泉内閣発足
以来、
公共事業費
を約四割削減するなど、既に十兆円に上る
歳出改革
を断行しました。二〇一〇年代初頭には、政策的な支出を新たな借金に頼らずにその年度の
税収等
で賄えるよう、
財政構造改革
に
全力
で取り組みます。
国家公務員
の
給与
に関し、都会と
地方
それぞれで
民間
の
給与実態
に合わせるなど
給与体系
を見直すとともに、
国家公務員
の定員の
純減目標
を設定し、総
人件費
の削減を実行します。 私は、このような
構造改革
を断行し、
政府
の
規模
を大胆に縮減してまいります。
少子高齢化
が進む
我が国
は、本格的な
人口減少社会
を目前に控えており、子や孫の世代に
負担
を先送りすることなく、
国民
一人一人が豊かな
生活
を送ることができる活力ある
社会
を構築していかなければなりません。
年金
、医療、介護を柱とする
社会保障制度
は、
国民生活
を支える
基盤
です。
国民
の将来に対する不安を解消していくためには、適正な給付と
負担
で持続可能な
制度
とすることが
政治
の
責任
であると考えます。とりわけ
年金制度
は、長期的な視野に立って
改革
を進める必要があり、与野党が胸襟を開いて協議を行い、
意見
の相違を埋める努力をすることが不可欠です。 先日の台風などの
災害
や
米国南部
でのハリケーンにより
被害
に遭われた方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。
被災者
が一日も早く安心した
生活
を送れるよう、国内の
被災地
の復旧と
復興
に万全を期すとともに、
建築物
の
耐震化
を促進するなど
災害
に強い
国づくり
を進めてまいります。 今後
被害
の拡大が懸念されるアスベスト問題に対処するため、
被害者救済対策
やアスベストの早期かつ安全な除去などに
政府
を挙げて取り組んでまいります。
我が国
の安全と繁栄には、
世界
の平和と安定が欠かせません。
日米同盟
と
国際協調
を外交の
基本
として、
国際社会
の
責任
ある一員としての役割を積極的に果たしてまいります。
国際社会
は今、
途上国
の開発や貧困の克服、
地球環境
の保全、
大量破壊兵器
の
拡散防止
など、かつては想像もできなかったような複雑かつ困難な課題に直面しています。 私は、先日の
国連総会
で、山積する諸問題に対し効果的に機能する
国連
が必要であることを訴えました。同じ考えを持つ
各国
の
理解
と
協力
を得ながら、
安全保障理事会
の
改革
など
国連
の強化に向けて
全力
を尽くします。
テロ
との闘いは終わっていません。
テロ対策特別措置法
の期限の延長を図るなど、
国際社会
と
協力
して
テロ
の
防止
、根絶に取り組みます。
イラク
では、
国民
が自らの手で平和な
民主国家
を建設中であり、
我が国
の
資金援助
と
自衛隊
による
人道復興支援活動
は、住民からの高い評価を受けています。今後の
自衛隊
の
活動
については、
イラク国民
の要望や
国際情勢
を踏まえつつ、現地の状況をよく見極めた上で判断してまいります。 中国や韓国を始めとする
近隣諸国
とは、幅広い
分野
における
協力
を強化し、
相互理解
と信頼に基づいた
未来志向
の
友好関係
を構築してまいります。北朝鮮との間では、拉致、核、ミサイルの問題を包括的に解決して
国交正常化
を目指します。
原油価格
の高騰は、
世界有数
の
輸入国
たる
我が国
はもとより、
東南アジア諸国
などに大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
我が国
は、いち早く備蓄している
石油
を放出するなど
国際社会
に貢献しておりますが、再び
石油危機
が起こることのないよう、引き続き
各国
と緊密に
協力
してまいります。 二国間の
経済連携
を積極的に進めるとともに、WTO新
ラウンド交渉
の
最終合意
に向けて精力的に取り組みます。
政治
は
国民
全体のものであり、一部の
既得権益
を守るものであってはなりません。今まで
郵政民営化
は暴論ではないかとの指摘もありましたが、総
選挙
の結果、
国民
は正論であるとの審判を下したと思います。 私は、
国民
の声を厳粛に受け止め、
責任
を持って
郵政民営化
を実現してまいります。痛みを恐れず、
既得権益
の壁にひるまず、過去の慣例にとらわれず、
国民
の
協力
の下、一身を投げ出し、
内閣総理大臣
の職責を果たすべく、
全力
を尽くしてまいります。
改革
なくして明日はありません。
国民
の支持なくして
改革
は実行できません。
改革
の原動力は
国民
一人一人であり、
改革
が成功するか否かは、
国民
の強い
意思
と
政治家
の断固たる
行動力
に懸かっています。
日本社会
には、新しい時代に挑戦する意欲とやればできるという自信が芽生えています。
改革
を止めることなく、勇気と情熱を持って、
日本
の明るい
未来
を築こうではありませんか。
国民
並びに
議員各位
の御
協力
を心からお願い申し上げます。(
拍手
)
扇千景
7
○
議長
(
扇千景
君) ただいまの
演説
に対する質疑は
次会
に譲りたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
扇千景
8
○
議長
(
扇千景
君) 御
異議
ないと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十四分散会