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2005-10-27 第163回国会 参議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年十月二十七日(木曜日)    午前九時一分開会     ─────────────    委員の異動  十月二十七日     辞任         補欠選任      中曽根弘文君     狩野  安君      山崎 正昭君     岸  信夫君      喜納 昌吉君     藤末 健三君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         工藤堅太郎君     理 事                 市川 一朗君                 木俣 佳丈君                 芝  博一君     委 員                 秋元  司君                 小野 清子君                 狩野  安君                 岸  信夫君                 鴻池 祥肇君                 佐藤 泰三君                 竹山  裕君                 西銘順志郎君                 藤末 健三君                 藤原 正司君                 松井 孝治君                 柳澤 光美君                 風間  昶君                 白浜 一良君                 近藤 正道君                 黒岩 宇洋君    国務大臣        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    村田 吉隆君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       荻野  徹君        内閣男女共同        参画局長     名取はにわ君        警察庁生活安全        局長       竹花  豊君        法務省刑事局長  大林  宏君        法務省入国管理        局長       三浦 正晴君        厚生労働省雇用        均等・児童家庭        局長       北井久美子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○風俗営業等規制及び業務適正化等に関する  法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する  法律案早期成立に関する請願(第一七八号外  七件) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣に関する件     ─────────────
  2. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  風俗営業等規制及び業務適正化等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官荻野徹君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 風俗営業等規制及び業務適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 松井孝治

    松井孝治君 おはようございます。民主党松井孝治でございます。  今回の風営法改正について、私ども民主党も基本的に改正趣旨には賛成でございます。しかしながら、やはり最近の、特に歓楽街中心としたいろんな治安の悪化あるいは風紀の乱れ、そういったことと非常に密接に関連した問題でございまして、法案として趣旨には賛成ですが、やはり質疑を通じて明確にさせていただきたい点多々ございますので、今日はそういう観点から御質問をさせていただきたいと思います。  私もこういう具体的な事業実態をよく承知しているわけではありませんけれども、今回の規制強化対象になっている性風俗関連特殊営業というものの実態、これ政府参考人からで結構なんですけれども、例えばデリヘルというんですか、デリバリーヘルス、それの具体的な営業実態がどうなっていて、それがどれぐらい今存在をしているのか、日本国内に。その辺り、少し一般の方にも分かるように、どういう業態で、そしてどれぐらい全国に今現在存在しているというふうに思われるのか、そこの事実関係を御説明いただきたいと思います。
  6. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) お答えをいたします。  デリバリーヘルスを始めとする性風俗関連業者につきましては、私ども平成十六年末現在、届出を受けているものにつきましてお答えいたしますと、店舗型の性風俗特殊営業、これは店を構えてそこで性的サービスを行うといった形態でございます。いわゆるファッションヘルスといったようなものでございますが、これが一万六百三十件ございます。また、無店舗型の性風俗特殊営業、これは店を構えずに、言わば派遣型のファッションヘルスというものでございますけれども、これが届出を受けたものだけで二万四千三百八十六件ございます。  ただ、これらばかりが性風俗関連業者として営業しているわけではなくて、私ども届けるべきところを無届け営業しているものが多々あろうというふうに思いますけれども、その数を把握いたしますのはなかなか困難だというところでございます。
  7. 松井孝治

    松井孝治君 今、無届けのものがたくさんあるんではないかというふうにおっしゃいました。例えばスポーツ新聞とか夕刊紙などを見ますと、真ん中辺りのページ見るとたくさんそういう宣伝が出ていますね。ああいうものをチェックすれば、大体どれぐらいが届出をされていてどれぐらいが無届けだということが分かるんじゃないかと思うんですが、そういうことは日々警察庁として行われているんでしょうか。
  8. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) スポーツ新聞や雑誌にデリバリーヘルス広告等がよく掲載をされております。時にサンプル調査警察庁としてもやっておりますけれども、大方約半数が無届け業者によるということが、大体そんな状況にございます。そうしますと、届出業者の倍ぐらいの数があるというふうにも推定はできるのでありますけれども、正確な数字はなかなか分からないということでございます。
  9. 松井孝治

    松井孝治君 サンプル調査してみたら半分ぐらい無届けだったと。今の性風俗営業で、局長の御答弁ですと三万七千とかそれぐらいの届出があるわけですから、もしそれが、半分という数字サンプルでも、大体のものだとしても、三万数千無届けのものがあるということですね。で、まあそれは届け出てもそのまま廃業していたり転業していたりして実際その届出事業者がどれだけ存在するのか分からないから、一般的にそれが倍になるかどうか分かりませんけれども、ただ言えることは、相当数、相当、大臣ですね、委員長、これは無届け営業があるということになるわけですね。  じゃ、具体的に警察の方で摘発件数ですね、これ無届け営業のものもあるし、いろんなこういうところでの事案があるわけですが、摘発件数というのはどれぐらい直近年度でいうとあるものですか。
  10. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 性風俗関連特殊営業におきます摘発罪名というのは、この風俗営業法違反売春防止法違反でございます。  平成十六年中、こうした風営法違反検挙されました件数は八百十六件、検挙人員は千三百九人でございます。また、その態様といたしましては、禁止区域営業、それから年少者使用あるいは客引きといったものでございます。  また、同年中におきます売春防止法違反検挙されました性風俗関連特殊営業に係るものにつきましては二千十一件、検挙人員は千十二人を数えておるものでございます。そのうち性風俗、あっ、失礼いたしました、この売春防止法につきましては、申し訳ございません、売春防止法違反全体は今二千十一件、千十二人でございますが、そのうち性風俗関連特殊営業を営む者が検挙された件数は七百五十五件、検挙人員は二百三十三人でございます。
  11. 松井孝治

    松井孝治君 先ほどおっしゃったように、届出をされているのが四万近くある。そのうちどれぐらい本当に業者として残っているか分からないけれども、まあ四万件あって、仮にそれが半分ぐらい実際営業していても、現実営業していたとしても、二万件近い業者があって、それと同じぐらいの数が宣伝をしていて無届けでやっていると。それに対して実際の摘発は、今おっしゃったような何百件とかですね。その程度なんですね。  ですから、今回の風営法改正をして規制強化をするというのは私は結構なことだと思うんですが、幾ら規制強化したって、これ、これ大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、二万件、三万件というようなものがあって、それと同じぐらいの無届け業者があって三百件しか摘発できてないと。これ規制強化したって、もうただでさえも今全国警察官方々は人手が足りない、そういう状況の中で、これ規制強化で本当にその実効が上がるんでしょうか。その体制が、今だって本当だったらもっと摘発できるのに、もうごく一部しか摘発できてない。これ、規制強化、この法案を実際強化をしたって、それを取締り体制が付いていかないんじゃないですか。
  12. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 二つ問題点が、委員が御指摘になさいましたようにあると思います。  風営法目的にかんがみて、善良な風俗等の維持のためにそうした違法な状態というものを放置できないわけでございますから、そういう今言った法の目的を実現するために我々は不断法律整備をしていかなければいけないということでありまして、これは風営法あるいは刑法を含めまして全般的に我々は善良な風俗等を維持するためにいろいろ不断の見直しを行っているということが第一点。  それから二つは、実際に今委員からも御指摘なさいましたように、今度取締りの方をこれをどうするかという、強化しなければいけないということでございまして、今検挙件数が少ないじゃないかと。これは営業実態をつぶさに見て取り締まっていくというのはなかなか大変でございますけれども、国会にもお願いをいたしまして、我々も地域警察官増員等を始めとして警察官体制も、人員の増強も図らしていただきたいということをこれまでもつとに予算のたびにお願いしているわけでございます。
  13. 松井孝治

    松井孝治君 おっしゃるとおりで、そこは我々も人員増というのは、これは与野党を問わず警察官人員増というのはこれはしっかりやっていかなければいけない。特に最近、公務員についていろんな議論がありますけれども、しかしここの部分だけはしっかりやっていかなければいけないんじゃないかと思っています。  それで、今局長の御答弁の中で売春摘発の話がございました。それで、売春防止法違反摘発件数の内訳で必ずしも、性風俗関連業者以外のものがあるというお話でございましたけれども、これは風営法対象外ということで、恐らく刑法事犯としての取締りだと思うんですけれども、具体的にどういうものなんでしょうか。
  14. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 先ほど御答弁申し上げましたのは性風俗関連特殊営業に係る売春防止法違反事件でございますけれども風俗営業法対象としておりますのは、他にいわゆる接待飲食等営業キャバレー等といったようないわゆる風俗営業というものもございます。そうした風俗営業を営む者によるものが二百六十五件八十四人検挙をいたしておりますし、飲食店営業等を営む者につきましても八十九件五十七人ございますが、その他こうした風営法風俗営業に、そうした営業にかかわらない者が九百二件六百三十八人ございます。  このその他という、によるものというものの検挙については、職業上はほとんど無職としてカウントされているわけでございますけれども、その内容は、売春クラブを経営する暴力団でございましたり、あるいはアルバイトとして街頭で売春を誘引するピンクチラシを配布している者、あるいは電柱に貼付したりする者、さらには自ら売春をする目的で客を勧誘したり付きまとったりした者というものが含まれております。
  15. 松井孝治

    松井孝治君 そういうその他、要するに特殊風俗営業とかそういうものではない、その他のものの方が逆に言うと暴力団との関係とか、より簡単に言えば悪質なものが多いという話もありますけれども、そこの事実認識はどうですか。
  16. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) どちらが悪質かということではないと思いますけれども、いずれ、風俗営業というものを仮装するというやり方もあれば、それとは別途の形で、売春クラブという形で巧妙に宣伝をしていくというものもございまして、いずれにも暴力団関与をしておりまして、両方とも非常に悪質な事犯だと私どもは考えております。
  17. 松井孝治

    松井孝治君 そうすると、今おっしゃったその他に分類されるようなもの、特に売春クラブであるとか、非常に暴力団関与が深いというふうに世間では言われていますが、そういったものに対する規制強化というのは今回の法案対象なんでしょうか。
  18. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) そうした売春そのもの目的とする業というのは風俗営業法対象ではございませんで、そもそも売春そのもの売春防止法禁止をされております犯罪行為でございますので、そうしたものについては今回の風営法改正対象にはなってはおりません。
  19. 松井孝治

    松井孝治君 今回の対象ではないということは、そういったものについては規制あるいは取締り強化というものはされるんでしょうか、されないんでしょうか。
  20. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) そもそも売春法売春自体が違法な行為でございますので、我々の今回の法改正をお願いするその目的は、そうした性を売り物にするというか、性を営業対象とするという、そういう業であります性風俗関連特殊営業、これを規制してその規制状態を変えていくということで、その性風俗関連特殊営業の場が売春が行われたりあるいはわいせつ物頒布とか公然わいせつが行われる蓋然性が非常に高いという、そういうことに着目して、届出制で全体的に見えるような形にしていこうということでございまして、そもそも売春という行為自体は、これはそれそのもの取締りの、違法でございますので、今回の法律改正法律規制対象では、改正をする目的ではございません。
  21. 松井孝治

    松井孝治君 私が申し上げたいことは、今回の法律趣旨は我々賛成なんです、もっと強化してもいいと思っているぐらい。ただし、それは言ってみれば行政法規であって、本来の刑法上許されない犯罪行為というのはもっとより社会的に言うと強い規制を掛けなければいけないところを結局ざるにしておいて、ここだけ強化したって、真ん中部分にどんどんどんどん逃げ込んでいくだけじゃないですかと。  だから、そこの核心部分も、例えば法律の事項ではないかもしれないけれども警察官増員をしていったときにそこにきちんとメスを入れ込むような努力を、この法律対象ではないことは分かりましたけれども、今の大臣の御答弁でも、そこをしっかり取り組んでいただかなければ、もっともっと悪質化して、地下に潜って、より暴力団が絡んだ、より密接にその事業者自身が、それは特殊風俗営業性風俗営業暴力団が絡んでいるものも多いでしょうけれども、より地下に潜ってしまうんじゃないか。そこをきちんと摘発する姿勢があるかどうかということをお伺いしたいんですが、大臣、いかがですか。
  22. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) そういう行為がもう即違法なことでございますので、我々も、要するに売春クラブ等売春営業とするようなそういうやり方につきましてはもっともっと我々が捜査取締り強化を図らなきゃいけないという御指摘はごもっともでございますけれども法律自体、新たにその営業許可制にしたり、そういう届出にしたりというそういう対象物ではない。そのもの即もうとにかく違反行為になるということでございまして、我々が捜査体制強化して、そういう違法行為が行われるということに対しましては、なお一層努力をして検挙に努めなければいけないということかと思います。
  23. 松井孝治

    松井孝治君 私がお伺いしたかったのは、一番最後の大臣の御答弁部分なんですね。要するに、この法律枠組みというのは分かっています。分かっていますけれども、言ってみればそういう地下に潜って、本当は売春行為そのものというのは、これは刑事罰で罰しなければいけない、行政法規よりももっと強い規制を掛けなければいけない部分が、もしそれ、ざるという状況になっているんであれば、さっきのその千件とかそういう数字がどれぐらいの世の中における売春実態と比較してきちんと取締りできているのかというと、非常にお寒い限りですし、それぐらいの認識で、売春防止法ざる法ざる法と言われて長いわけですが、しかしそこに絡んで、売春だけじゃなくて、覚せい剤、麻薬の取引が行われていたり、あるいはもっと重大犯罪がそこに潜んでいるということがよく言われるわけですし、この後お伺いする人身取引とも密接に絡んでいるわけですから、そこは仮に売春行為自体はこの法律対象ではないにしても、国家公安委員長としてはしっかり取り組んでいただきたい。  それはそういうことだと思いますので、次の話題に移りたいと思いますけれども、今回の風営法改正の幾つかの趣旨の中に、今私が申し上げた性風俗営業規制強化、あるいは立ちふさがりとかそういう集客の規制というものはあると思うんですが、それと並んで人身取引防止のための規定の整備というのが今回の法律の一つの趣旨だと思うんですね。  それで、今日は厚労省あるいは内閣府、内閣官房からも政府参考人が御出席をいただいていますけれども、結局のところ、この性風俗営業に関連して人身取引被害者になっている特に女性の方ですね、女性だけじゃなくて、児童であるとかあるいは男性も含めてそういう被害者がいると思うんですけれども、そういう人身取引被害者保護をどうしていくかというのは非常に重要な問題だと思います。  で、こういう規制強化することによって、ある意味ではその人身取引被害者がどこまで潜在的に潜んでいるのかを、それをあぶり出すという効果はもちろんあると思うんですが、現実には、これから規制強化されていかれるとは思いますが、しかし、やっぱり警察摘発できる件数というのは限られてくる。恐らく、内偵を重ねて事実関係をつかんだ上で摘発ということになるわけでしょうから。そうなってくると、やっぱりこういう特に性風俗営業などに、あるいはさっき申し上げたような売春クラブとか、より悪質なものに巻き込まれている人身取引被害者からどうやって保護の訴えを引き出してくるかということが非常に大事になると思うんです。  それで、委員皆さん方にも御紹介をしたいと思いますが、人身取引被害者保護の流れというのは、最終的にはシェルターと言われるようなところで一時預かって、その間に、例えば本国にお帰りいただくような支援をするという枠組みで、そこは、今日は厚生労働省からも政府参考人お見えでございますが、基本的には婦人相談所というのが大きな役割を担っているというふうに考えています。  ただ私も、人身取引被害者保護ということで、こういうパンフレットですね、これヘルプというこのチラシを、これ空港とかあるいは歓楽街にいろんな、警察も協力されてこういうのをまかれていて、被害に巻き込まれている、被害に遭っている方々保護を求めていただくように、これもいろんな言語で、こういうふうにここに連絡してくださいという、こういうものを配っておられるというふうに伺っています。企画は警察庁が企画されていて、こういうこと自体は地道な御努力だと思います。  ところが、どこに通報するかということを書いてあるんですが、警察入国管理局というのは、これ一一〇番とか入国管理局のそれぞれの番号が、大臣今裏見ていただいていますが書いてあります。で、一番下にNGOが書いてあるわけですが、そもそもこういう被害者のお立場に立ってみると、警察に行って、御本人も含めてそれは当然在留許可なんか取っておられないわけですし、警察とか入国管理局に行くというのは非常に心理的なバリアが高いわけですね。  そうすると、ここの三番目にもあったNGO人身取引女性相談センター、実際にはこういう名前かどうか分かりませんけれども、有名なNGO方々が活動されていて、そこが駆け込みホットラインというのを持っておられる。でも、正にこういうパンフレットでいろんな言語を用意されていますけれども、いろんな外国籍方々ですから、言葉の問題で通訳をちゃんと用意できるかどうか。  あるいは、警察とか入国管理局がここに書いてあるというのは、恐らく今の行政組織の中で、二十四時間三百六十五日、こういう方々は助けを求めておられるわけですから、それを行政機関として受皿になれるのは私も警察入国管理局しかないんじゃないかとは思いますよ、二十四時間三百六十五日きちんと対応できるというのは。  だけれども、さっき、やっぱりこういう人身取引被害者、さっきの性風俗摘発違法行為摘発が少ないということもそうですが、人身取引被害者も具体的に保護に至っている事例というのは物すごく少ないんですね。年間何十件とかいうレベルなんですね。これはもうどう考えても、例えば新宿歌舞伎町辺りだけでも、どう考えても恐らくもっと多くの方々が巻き込まれているだろうと思うんだけれども、実際には保護に至っていない。それはやっぱり、例えばこういうところで受入れ体制がきちっとできてない。  とにかく、例えばNGOだったらNGO、ここ、電話を私もしてみましたけど、午前十時から夕方ぐらいまでしかつながらないんですね。それはそうですよ、NGOで善意で活動されているわけですから。そんなの二十四時間体制なんかできるわけないですよね。  だから、こういうところをもっと、私は、国家権力と離れたこういうNGOを、どんどん活動してもらうのは結構だと思うんですが、これを例えば使うために、その通訳代通訳を、例えば中国語であるとか、英語であるとか、スペイン語であるとか、各国語主要言語通訳を整えるだけでも大変なお金です。それから、これは普通の電話番号ですけれども、例えばフリーダイヤルにするんだったらもっとお金掛かります。  それから、本当にこういうNGOがもう少し受付時間を長くすると、夜中に実際いろんな、それこそ性風俗関係に巻き込まれて嫌なことだってあるでしょう。そういうときにきちんとホットラインとして機能するためには、もっと夜中まで含めて電話が開設できるような体制を整える、そういったことに私は少なくとももう少し国が支援をしなきゃいかぬと思うんですが。  これは大臣、聞いておいていただきたいんですけれども、どなたに聞くのがいいのかな、これはまあ、実際、人身取引被害者保護を実務として行っておられるのは厚生労働省さんが婦人相談所中心としてやっておられると思うんですが、例えばこういうNGO、駆け込み寺的に電話相談を受ける、どうしたらいいか。それは、場合によってはこれは警察に行かないとそんなもの駄目ですよということもあるかもしれないし、そういうことだったら入国管理局に行ってくださいとか、場合によっては婦人相談所で御相談に乗りますということを含めて、どういうことか分からないけれども、とにかく人身取引被害に遭っておられる方々ホットラインNGOが提供していますが、ここをきちんと、NGOの正にそういう相談センターみたいなところを行政としてバックアップする担当部署というのは、厚生労働省にお伺いしますが、厚生労働省でしょうか。
  24. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) ちょっとその前に。いいですか。その前に一つだけ。
  25. 松井孝治

    松井孝治君 じゃ、大臣どうぞ。
  26. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 今委員が、松井委員がおっしゃっていることなんですが、行政側の対応といたしましても、要するに、今まではこういう人身取引に巻き込まれた方々を不法入国者として、犯罪人としてむしろとらえるという、そういうとらえ方でおったのが、そうではなくて被害者としてとらえるということでありまして、警察あるいは入国管理の、ここに電話が書いてありますけれども、そういう担当官が、そういう人身取引被害者に対しまして、これが犯罪人じゃなくて今度は保護すべき被害者であるという認識を持ってもらうようにするということで、駆け込みをしやすくしてもらうということをもっと徹底しなければいけないというふうに考えておりまして、その前提で、あとスムーズに外国語云々どうかという話になってくると思います。行政側としても、そういう対応の意識の変化があってそういう体制をつくりつつあるんだということは私から申し述べさせていただきたいと思います。
  27. 松井孝治

    松井孝治君 それは結構なことだと思うんです。是非そういう認識全国警察組織の末端まで浸透させていただきたいと思います。  ただ、やっぱり関係者の方々に聞きますと、警察にはなかなかそうはいっても電話しにくいという方々が多いというふうに聞くんですね。そのときに、いや、警察でもあるいは入国管理局でもないところで、NGOで、あなたの場合はここに相談した方がいいんじゃないかというような窓口、これをできれば民間で持った方が私もいいと思います。だけど、その民間の方々はとっても大変な運営状況なんですね、金銭的なもの一つを取ってみても。そういうものを国としてバックアップしていく。婦人相談所のような実務の問題ではなくて、まず最初に、ホットラインを運営するようなNGO方々通訳経費であるとかいろんな運営経費をバックアップする仕組みというのは国全体としてだれが責任を持っているのか。それは厚生労働省が具体的なそういう事務を行っておられるんでしょうか。
  28. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) 厚生労働省の今の保護に関する援助の仕組みを御説明申し上げたいと思うのでございますが、今委員からお話がございましたように、厚生労働省といたしましては、人身取引被害者を、警察摘発なりあるいは御自身が交番に駆け込まれるなり、あるいはいろんなところに関係者が御相談になるといったようないろんなきっかけを契機として、人身取引被害者の方が分かった場合に婦人相談所を通じてその保護をするという仕組みになっております。そして、全国の都道府県にあります婦人相談所が自ら一時保護いたしますし、それだけではなくて、平成十七年度からは、婦人相談所から民間シェルターなどへも一時保護委託をできる制度を作りまして、今年度からは民間シェルターにおきましても一時保護、委託によりまして一時保護をしていただいている実績がございます。  国といたしましては、その一時保護に対応する経費を民間シェルターに援助をしているところでございます。また、あわせて、通訳の雇い上げ費であるとかあるいは移送費も予算計上しておりまして、こうした経費につきましても民間シェルターで活用ができるものとなっております。  厚生労働省の今の婦人保護事業の仕組みとしては、こうした形によりまして民間シェルターへの予算援助をやっているところでございます。
  29. 松井孝治

    松井孝治君 じゃ、ついでに聞きますけれども、どれぐらい直近年度でシェルターで一時保護されているんですか。
  30. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) これまで保護を求めてこられた被害者婦人相談所において保護をした人数は百七名ということでございますが、そのうち、この一時保護委託は今年度から始まった事業でございまして、その実績は二十四人となっております。
  31. 松井孝治

    松井孝治君 まあ氷山の一角なんですね。それやられているということは結構なことですし、もっと力を入れていただきたいと思いますが、要は、潜在的にそこまで、一時保護まで至る前で、泣き寝入りというと言葉は悪いですけれども、いろんな事情があってそこまで救いの手を差し伸べてくださいというふうな通報ができていない状況なんで、そこをまずとにかく連絡をしてもらって、どういう体制でどこにお預かりをしてどうやってスムーズに本国に帰ってもらうか、そこをやっぱり支援するというのは、これは日本が国としてやっぱり人権という意味できっちり担保をしなければいけないと思っているんです。  そういう意味で、私は、これはすごく大事なパンフレットですし、警察庁が企画されて、ここに連絡してください、ここをもっと充実させなければいけない。さっき大臣がおっしゃった、警察の中でも、警察電話したら何かいきなり踏み込まれて逮捕されてしまって大変な目になるということではなくて、被害者として扱いをされる、それは結構なことですし、もっと進めていただきたいと思うんですが、やっぱりこの三つ、警察入国管理局、そしてNGOと書いてあるわけですね。これ警察が企画されたパンフレットなんですね。ここの下に、企画、警察庁と書いてあります。だけど、この三番目のNGO人身取引女性相談センター電話をしても、例えば、それはもうしようがないですよ、NGOで一生懸命頑張っておられる、これは善意の団体ですよ。だけれども、朝十時からお電話を下さいということになるわけですね、テープが流れていて。だから、夜間とか早朝というのは当然対応できないんですよ。  だから、こういうところの、まず最初に被害者方々が何とかしてください、こういう状況になっているんですというところのホットライン整備するときの三本柱のこの三番目にだれが支援をしておられるんですかと、こういう方々が善意でやっておられることに甘えているんですかと。何らかの、通訳費の支援とおっしゃいましたけど、恐らく厚生労働省がされている通訳費の支援というのは、民間シェルターでの一時保護とかそういったものの通訳費の補助だと思うんですね。そうじゃなくて、私が申し上げているのは、このパンフレットの③って書いてあるNGO人身取引女性相談センター、こういったところに対する支援厚生労働省は任務として今やっておられるかどうか。別に私、これは責めているわけじゃなくて、事実関係だけをお伺いしたいんですが、それは厚生労働省がやっておられる事業ですか。
  32. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) NGO電話開設に対する直接支援は、今厚生労働省では行っておりません。
  33. 松井孝治

    松井孝治君 それでは、DV問題などについては内閣府の男女共同参画局の方で取りまとめをしておられるというふうに伺っているんですが、内閣府は例えば今申し上げたようなセンターに対する支援事業というのは行っておられますか。
  34. 名取はにわ

    政府参考人名取はにわ君) 内閣府では、女性に対する暴力についての方向につきまして取りまとめをしておりますけれども、今の人身取引被害者に関する相談についての、電話相談についての財政的支援は行っておりません。
  35. 松井孝治

    松井孝治君 内閣官房からもお見えいただいていますが、じゃ、内閣官房関係閣僚会議を開催されたり省庁横断的な対応をしておられるというふうに伺っておるんですが、具体的にこのNGOに対する支援などは行っておられますか。
  36. 荻野徹

    政府参考人荻野徹君) 内閣官房といたしまして、人身取引対策が人道上の観点からも早急に対応すべきものだということで、ただいまお話、御紹介ありましたように、関係省庁連絡会議を開催いたしまして人身取引対策行動計画を策定をしておるわけでございますが、そういった中で、被害者保護の中でNGOの果たしておられる役割が大変重要であるということで、行動計画を策定するに際しましても、また行動計画策定後も、定期的にNGO方々との意見交換を行っております。  内閣官房自体として財政支援等の個別行政事務を担当するということはできないわけでありますけれども、いずれにしましても人身取引被害者の適切な保護支援ということでNGO方々の存在は非常に重要であるということでございますので、今後とも、どのような形で協力できるかということにつきまして、関係省庁とともにNGO方々と意見交換をしてまいりたいと考えております。
  37. 松井孝治

    松井孝治君 お分かりいただいたと思うんですが、大臣、結局こういうふうに警察庁が企画されてこの一つの柱になっているけれども、ここに対する例えば財政的な支援を少しでもしてあげたらいいんじゃないかというようなことは皆さん個人で、今日お並びの役所の方々とお話をしていても、皆さんそういう思いはあるんですが、結局何もできていないんですね、今の状況だと。内閣官房が言ってみればお話をされたりはしているようですが、それ以上例えばこういうところに通訳費の補助を出すといっても、恐らく所管上これは明確に規定されていないんですね。  だから、これはやっぱり政治のリーダーシップで、いや、内閣官房がそういう具体的な予算とか補助事業を持てないと、まあ私もそうかなと思いますよ。そうだとしたら、DVのときに内閣府が、男女共同参画局の方が取りまとめやられているように、例えば内閣府でそこはこういう予算措置を窓口になってされてこのNGOに対してしかるべき国としての支援をするとか、あるいはその後のいろんな具体的な一時保護の事務などは厚生労働省、特に婦人相談所における事業と密接に関連しているわけですから、むしろそれだったら厚生労働省の方でそこのNGOに対する支援まで含めてやってしまう方が効率的だということだったら、私は厚生労働省が各省庁にまたがるような調整事務を一部担われるというのも一つの考え方だと思うんですよ。  いずれにしても、今の状況内閣府も内閣官房厚生労働省もそれぞれに努力はされていることは私は認めますけれども、もちろん警察庁もやられていると思いますけれども、こういうNGOに対する支援を、何かお互い、ポテンヒットじゃないけれども、だれもが大事だとは思っているけれども、役所の任務上明確に位置付けられていないものですからだれもやっていないと。  これは、やはり今日は、国家公安委員長でいらっしゃいますけれども国務大臣としても大臣の方で、やっぱり早い段階でだれがこういうNGOに対する支援をやるのかという分担を関係閣僚とも御相談をいただいて決めていただくと。それで、できるだけ早くこういったところに対して、僕は、ここはやっぱり①とか②、要するに警察とか入国管理局と違いますから、余り国家権力が行き過ぎない方がいいと思いますよ。中身はやっぱりNGOに運営は任せた方がいいけれども、最低限の通訳費であるとか運営の補助はやっぱり国のどこかの部署が責任を持つ、その責任部署を決めるというところは、これ大臣、これはもう政治家として何とか汗を流していただけませんでしょうか。
  38. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) こうした人身取引に関しまして、ここに書いてございますNGOの活動が大変重要であるということは私も否定するわけではありませんけれども、むしろ松井委員に御理解をいただきたいと思いますのは、政府といたしまして、人権の重大なる侵害でありますこの人身取引というものに対しまして、政府がむしろ中心になってそういう人身侵害行為であります人身取引というものを、そういう被害者を救い出す中心の活動を我々がするんだという、そういうむしろ決意を持っておって、警察もあるいは法務省の方もそうした被害者を救い出したいと、そういうふうに現在我々は思って、認識をして、このNGOの団体とも協力し合い、あるいは各国の大使館とも連絡をし合いまして、何とかそうした被害者の根絶を図りたいという、そういう気持ちを持っているわけです。  既に平成十五年の十二月から、各国大使館あるいはこういうNGO、NPOの団体とコンタクトを取りまして、頻々といろんな連絡協議を重ねまして、こうした人身取引被害をなくしていきたいと。被害者皆さん方には、警察こそが、あるいは法務省こそがそういう皆さん方を助けますよと、そういうメッセージを我々は今一生懸命努力して発したいというふうにむしろ考えているわけでございます。  一方において、こういうNGO皆さん方の活動も大変重要でございますんで、我々も可能であればそうした機関に対しましても支援も続けていきたいというふうに考えているわけでございます。
  39. 松井孝治

    松井孝治君 いや、委員長支援を続けるって、今支援何しているんですか、じゃこのNGOに対して。具体的に言ってくださいよ。
  40. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) やっぱり、金銭的な支援は私は今御説明のとおりかというふうに思いますけれども、互いに今の制度の枠組みを利用しながら連絡をして、そして被害者の救済というものが一番完全になるようにみんなで協議をしてやっているということではないかというふうに思います。
  41. 松井孝治

    松井孝治君 大臣、まあ改造も近いらしいですから、大臣がどれだけ任期がおありでということもあろうかもしれませんが、これ本当に、例えばさっきの人身取引保護の実績でいうと、東京都って何人だと思われます。これ累積ですよ、ここ一月とかじゃないですよ。東京都で人身取引被害者保護って何人、八人ですよ。これ全然保護できていないんですよ。保護に至っていないんですよ。  だから、それはもちろん警察努力していただきたいし、入管も努力していただきたい。その趣旨大臣答弁はもちろん結構なんです。だけれども、そうだけじゃなくて、よりNGOとか、被害者の立場に立って駆け込みやすいところに対してしっかりと応援をしてあげたらどうですかと。それをさっき大臣に聞いていただきましたけれども、どこの役所も実はやっていないんです、そういうところに対する。  いや、それは、例えば内閣官房はお会いになっていると、意見交換されているとおっしゃっていますけれども、そこに対して通訳費用を出すとか、多少のことを、別に何億円と補助をする必要はないんですよ。もっとささやかなことであっても支援をしてあげるというその担当部署もないから、それをお役所の政府参考人方々でうちがやりますというのはなかなか答えられないでしょうから、それは大臣、きちんと関係省庁に働き掛けて、やっぱり今日内閣委員会に、風営法のこの問題と密接に関連して、風営法自身の今回の法改正目的の中にも、人身取引というものをなくしていく、その被害者保護するということにつなげていくというのも一つの大きな趣旨なんですから、それは是非、厚生労働大臣であったり、あるいは内閣官房内閣府と御協議をいただいて、大臣の権限でどこまでができるのか分かりませんけれども、是非それは政治家として御尽力いただけないでしょうか、このNGO支援に対して。
  42. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 今日も新聞に載っておりましたけれども刑法人身取引罪が初めて適用ということで、長野県で一件、インドネシアの被害者が救い出される、そういうことになったようでございます。刑法人身取引罪の改正といいますかね、そういう規定が設けられた初めての例だそうでありますけれども、我々は、今、松井委員がおっしゃるように、こうしたことはできるだけ、可能な限り政府一丸となって人身取引というようなことは、犯罪はなくしたいという気持ちでございますので、今後、政府としてできることはしなければいけないと私は考えております。
  43. 松井孝治

    松井孝治君 もう是非それはお願いいたします。  内閣官房、今各省庁の連絡会議、関係閣僚の連絡会議も主宰されているわけですが、内閣官房としても、例えば今私が申し上げたようなNGO相談センターに対する支援みたいなものを、今お話を伺っている限りにおいては各省とも担っているところがないわけで、こういう具体的な事業の実施ってそんな大きな事業じゃないと思うんですよ。これを、しかるべく関係省庁の連絡会議なりでどこが担うかということを今後御協議いただくおつもりはございますか。
  44. 荻野徹

    政府参考人荻野徹君) 御案内のとおり、被害者からの相談等の個別の施策につきましては各省庁がそれぞれ責任を担っていただきますが、その上で内閣官房において適切に総合調整を行うというのが現在の仕組みでございます。それを前提として、そういった相談対応の在り方等につきまして責任部局を明確にすべきであるという御指摘かと存じます。  これにつきましては、引き続き関係省庁連絡会議の枠組み中心に、関係省庁がそれぞれ適切な対策を講じるということが基本かとは考えますが、要は行政がその機能を、行政の機能が有効に発揮させられるということが大切でございますので、この行動計画の施策が効果的に推進されるように、その施策の進捗状況等につきましてきちんと検証をいたしまして、時々の情勢に応じて行動計画自体の見直しといったことも行っていく必要があるというふうに考えております。
  45. 松井孝治

    松井孝治君 荻野事官、もちろんそれはそうなんですが、だけれども、要するに、非常に大事な国としての責任があるにもかかわらず、それは各省がどこも所管省庁が決まっていないということを決めるのも、自らが担うかどうかは別ですよ、それは内閣官房の仕事だと思うんですが、それについてどう思われますか。
  46. 荻野徹

    政府参考人荻野徹君) 行動計画を策定をしたわけでございますけれども、行動計画を策定いたしました一つの重要な意義は、先ほど大臣からも御答弁ありましたように、人身取引被害者保護対象であるということで明確に位置付けたということでございます。  そういったことに基づきまして、例えば警察における取扱いを含めていろいろな施策がある方向性を持って進められるようになったということでございますし、また、被害者の方へのシェルターの提供ということにつきましても都道府県の婦人相談所中心にやっていただくということもまた明確に位置付けたということでございまして、政府一体と申し上げますが、関係省庁がどのような役割分担をして仕事を進めていくかといったこともその時点ではある程度明確にできたと、それによって一定の施策が進んだということであろうかと思います。  そういった意味で、その行動計画で関係省庁の役割分担につきましていろいろ議論をして方向性を出したということには一定の意義があったと考えるところでございます。それを前提にいたしまして、そういった役割分担の在り方等について実態に即してより効果的なものがあるというようなことがあれば、それもその行動計画の見直しといったような過程の中でやはり関係省庁でよく議論をしていくということになろうかと思います。
  47. 松井孝治

    松井孝治君 非常に分かりにくいんですけれども、私には大体分かりましたけれども、一般の方々はなかなか議事録読んでも分からないんです。  要は、行動計画の見直しのプロセスにおいて、例えばこういうNGO相談センターに対する支援のようなものをどこの役所が担うかということについて、それは行動計画の見直しの一環として決定していくということですね。
  48. 荻野徹

    政府参考人荻野徹君) 当然、そのようなことも論点として上がってくるんだろうと思います。
  49. 松井孝治

    松井孝治君 大臣、よろしく、御自身のリーダーシップあるいは引継ぎによって、この問題、非常に大事な問題ですからよろしく御努力いただくようにお願いをしておきたいと思います。  それで、ちょっと本論に戻ります、風営法に。風営法規制対象で実は最近特に関西で問題になっているものが、無料紹介所というのがあるんですよ。  無料紹介所、私も前を、例えば京都でも木屋町という町があって、そこに何軒かあるんですけれども、前を通ったことがあるんですけれども、何で無料でそれが商売として成立するかって私も不思議だと思ったんですが、全部バックマージン取るらしいんですね。そこに行くと、いろんな性風俗特殊営業とかそういうもののチラシが置いてあったりして、割引券が置いてあったりして、それでお店に行ってそのお客さんが使うと、それがきちんと認識されてその無料紹介所にバックマージンが送られるということで営業が成り立っているらしいんですが、これは近所の方々からいうと物すごく嫌な施設なんですね、迷惑施設なんです。何とかしたいということがあるんですが、今回、性風俗営業規制強化されましたが、この無料紹介所は対象になっていないんです。  で、時間が少し過ぎてしまいましたので多少はしょって私の方から申し上げますが、大阪で、大阪府条例で、実はごく数日前にこの条例が成立して、これを規制対象にしたんです、いわゆる上乗せではなくて横出し規制だと思いますけれども。これ局長で結構なんですが、この大阪府の条例は風営法の観点からいうと問題なんですか、それとも許容できるんですか。
  50. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 御指摘の条例につきましては、風俗営業法その他の法令に抵触しないように大阪府において十分な検討を加えられて制定されたものだと承知をいたしております。
  51. 松井孝治

    松井孝治君 抵触しないということは今分かりました。ですから、それは風営法の規定に照らして問題ではないということはまず言えるわけですね。ちょっと確認を。
  52. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) そのように考えております。
  53. 松井孝治

    松井孝治君 それは分かりましたが、それは、だから自治体の判断によってそういうものを規制対象にされることは警察庁としては問題ないということなわけですが、より進んで、こういう無料紹介所、無料案内所というんですか、について風営法規制対象にどうしてなさらなかったんですか。
  54. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 今回の風俗営業法改正の一つの重点といたしまして、性風俗産業、性風俗営業者の広告宣伝活動の規制がございます。この広告宣伝活動、雑誌等に宣伝をいたしましたりビラ等を配布いたしましたり様々な形態があるわけでございますけれども、そうした活動の在り方を、新しく罰則を設けるなどの措置を講じまして厳しくいたしております。そういう広告宣伝活動の規制を通じて、先生御指摘の無料案内所等の活動がかなり抑制をされるのではないかというふうに考えておりまして、そういう形でこうした広告宣伝活動について抑止をしていこうというのが今回の法改正の内容でございます。
  55. 松井孝治

    松井孝治君 なるほど、分かりました。  そうすると、具体的に確認したいんですが、無料案内所においてそういうチラシがあったり、あるいは場合によっては掲示板があって、そこで性風俗営業者の広告がなされている。チラシは広告そのものですね。あるいはそういう、どこどこのお店でどういうサービスが提供されているような案内があると。それについては、例えば広告制限区域でそういったことを行っている、こういうものが多いわけですが、今度直罰化されるんですね、それが。  そうすると、少なくとも性風俗営業者に関するそういう広告が、チラシとかあるいは宣伝ができないということになると、基本的には無料案内所というものは、性風俗営業に関する限り、少なくともそれは広告制限区域においては成立し得なくなる、全部摘発対象になるわけですから、直罰化されるわけですから。そういう理解でよろしいんですね。
  56. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 今回の風俗営業法で直接的に罰則を掛ける対象となりますのは、そうした性風俗営業を行っている者でございます。しかしながら、この無料案内所を設置をしている者については、この風俗営業者の行為について加功したということが認められれば、その共犯として罰則の対象となるというふうに考えておりまして、そういうふうになりますことから、委員指摘のように、性風俗関連業者の違法な広告宣伝活動はかなり抑止できることになるというふうに考えております。
  57. 松井孝治

    松井孝治君 そうだとすると、僕は、もしそれが徹底されるなら、風営法対象にするよりも、より強力な規制ができると思うんですよ。問題は、それを見逃さないで、きちっと、今私が申し上げたような定義の無料案内所はきちんと徹底的に摘発するという姿勢でこれは取り組んでいただければ、はっきり言って広告制限区域においてそういう無料案内所なんというものは営業し得なくなると私は思うんですが、大臣、後ろで聞いていただくのはいいんですが、大臣、もう少なくとも広告制限区域において性風俗営業者のチラシを配ったり案内をする、そういう無料案内所はこの法律によって、今局長の御答弁でいうとそれはおかしなことですから、もう違法行為ですから、それは直罰化されているわけですから、もうこれは徹底的に摘発して存在し得ないように、そこまでしていただける政治的なリーダーシップを発揮していただけますね。
  58. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 今、もちろん無届け性風俗関連特殊営業者が広告を、こうした案内所にそういう広告を出すということはまずいけませんよね。
  59. 松井孝治

    松井孝治君 当然ですよ。
  60. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) そう。  それからもう一つは、要するに営業禁止区域でもってそういうこともすることもできないということでございますので、今回の条例から吸い上げて風営法によって直罰化するわけでございまして、そういう意味では、かなりの効果が期待されると今局長が御答弁申し上げたとおりでございます。
  61. 松井孝治

    松井孝治君 そうすると、局長、ちょっと正確に、これは恐らく全国警察方々摘発するときの、国会答弁ですからきちんとした基準になると思うので、そういう無料案内所のどういう行為が、どういう地域におけるどういう行為が違法であるのか、それは摘発されるのか、もう一回、ちょっと議事録に残しておきたいので、御説明だけいただけますか。
  62. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) それでは、少し長くなりますけれども説明をさせていただきます。  風俗案内所そのもの風営法規制対象とはなっておりませんが、風俗案内所は、風俗営業性風俗関連特殊営業について広告宣伝を行う場所を提供する業態でありますので、風営法により広告宣伝規制を受けることとなります。  例えば、風俗案内所の多くは性風俗関連特殊営業の広告制限区域等に所在いたしますが、これらの営業を営む者が広告制限区域等にある風俗案内所にパネルを掲示したり、ビラ、チラシを頒布用に置いておくことは風営法禁止される広告宣伝の方法に当たります。この結果、性風俗関連特殊営業を営む者に対する行政処分を行うことはできるが、風俗案内所に対する行政処分はできないところでございます。  しかしながら、今回の改正により、広告制限区域等にある風俗案内所にパネルを掲示したり、ビラ、チラシを頒布用に置いたりした者に対する罰則が設けられるので、広告制限区域等であることを知りながら広告宣伝の場所を提供した風俗案内所も共犯、幇助犯として処罰される場合が多いかと思いますけれども、処罰することができます。  さらに、今回の改正で、無届け性風俗関連特殊営業を営む者による広告宣伝を全面的に禁止するので、無届けであることを知りながら広告宣伝の場所を提供した場合も共犯として処罰することができます。また、無許可の風俗営業営業禁止区域等における店舗性風俗特殊営業について違法営業であることを知りながら広告宣伝を行う場所を提供している風俗案内所については、無許可営業禁止区域等営業の幇助犯が成立いたします。  このように、風営法は直接風俗案内所を規制はしておりませんけれども改正法を的確に運用することにより風俗案内所の取締りを相当強化することができると考えておりますので、違法な広告宣伝を排除することにより風俗環境の浄化に努めてまいりたいと考えております。
  63. 松井孝治

    松井孝治君 あえて長くなったけれども正確な答弁をいただいたと思います。  今の違法な事例が幾つか出されましたけれども、これを徹底して取り締まっていただければ、私は基本的に無料案内所というものは成立し得なくなると思いますので、まだ全国でいうと、私の地元の京都で五か所なんですね。これ、きちんと見れば全部摘発できると思いますから、違法行為は厳正に取締りをしていただきたい、そのことをお願いしておきたいと思いますが、大臣、そのことはよろしいですね。
  64. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) いかがわしいそういう形態の無料広告案内所が静ひつな町中に林立するという事態は誠に好ましくない事態でございますので、取締りの面でも努力をいたしたいというふうに、させたいと考えております。
  65. 松井孝治

    松井孝治君 是非よろしくお願いしたいと思います。  時間が残りが少なくなってまいりましたが、この風営法枠組み全体について少し御質問をさせていただきたいと思います。  委員の皆様方にも前回の趣旨説明のときに資料が配られていると思うんですが、風営法対象業種というのは非常に幅広くあるわけでありまして、今回主として話題になっているような性風俗関連特殊営業というものもありますし、それ以外の一般的な風俗営業というのも存在するわけですね。それで、例えば一般的な風俗営業としてはカフェであるとか、いわゆるクラブのようなもの、そして例えばゲームセンターのようなものが存在しているわけですね。じゃ、どういうものがゲームセンターなのかとか、そもそもの風俗営業規制対象がちゃんとバランスが取れたものになっているかどうかということは、この際、一度検証しておく必要があるんじゃないかと思うんです。  それで、具体的に、例えばゲームセンターといいますけれども、このゲームセンターのゲームの定義ってどういうことですか、局長
  66. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) ゲームの定義というのはございませんけれども風俗営業法第二条第一項八号に、スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるものを備える店舗その他これに類する云々というものをゲームセンター等といたしまして、規制をする対象となっているところでございます。
  67. 松井孝治

    松井孝治君 風営法対象になるかならないかというのは、当該事業者にとっては非常に大きな影響のあることですね。  それで、風営法だけ見てもよく分からないので御協力をいただいて、解釈運用基準というのがあって、これはいわゆる通達ですね、を拝見をしたわけです。そうすると、テレビゲーム機というものの定義があって、勝敗を争うことを目的とする遊技をさせる機能を有するもの又は遊技の結果が数字、文字その他の記号によりブラウン管、液晶等の表示装置上に表示される機能を有するものに限るものとし、射幸心をそそるおそれがある遊技の用に供されないことが明らかであるものを除くと、こう書いてあるわけですね。  具体的にあえてちょっとこれお伺いしますが、今の定義でいうと、ダーツ機はこのテレビゲーム機に当たるんですか。
  68. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 御指摘のダーツは最近ゲームセンターやバーなどの飲食店に設置されているいわゆるデジタルダーツと言われるもので、遊技の結果、点数が直ちにデジタル表示されるものを委員は御指摘のものではないかと思います。これにつきましては、遊技機としてこの二条第一項八号の遊技設備に当たるものと解釈をいたしております。
  69. 松井孝治

    松井孝治君 当たるというふうに明確におっしゃいました。ダーツ機はゲームに当たると。したがって、ダーツ機を置いているようなところは、恐らくある一定のダーツ機をバーで置いていると、これはゲームセンターに当たってしまうということなんですね。それから、だからピンボールなんかも当然そうなんですね、あれ、バーに時々ありますね。  それから、もっと言うと、ボウリング場に点数表示されますね、ボウリング場、最近の、画面に表示されます。大臣行かれているかどうか分からない、昔みたいに鉛筆で書かないです、最近。ボウリング場、テレビ液晶とかブラウン管で点数が表示される。あのボウリング場の点数表示されるの、これゲーム機に当たるんですか。
  70. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 風営法の施行規則第三条第四号にその旨の規定がございまして、「人の身体の力を表示する遊技の用に供するものその他射幸心をそそるおそれがある遊技の用に供されないことが明らかであるものを除く。」という文言がございまして、ボウリングは元来スポーツでございまして、このように射幸心をそそるおそれがある遊技の用に供されないことが明らかであるものとして、この遊技設備には当たらないと解釈いたしております。
  71. 松井孝治

    松井孝治君 あえて細かいことを聞いているんですがね。そうすると、ボウリングはスポーツだから射幸心をそそらない、ダーツはスポーツじゃないから、射幸心をそそるからあれは対象になると、そういう判断をされているんですね。  ビリヤードというものがあって、昔、風営法対象だったんです、あのビリヤード場は。でも、これは今の定義に当たると、これはテレビゲーム機ではないですからちょっと違いますけれども、これは恐らく射幸心をそんなにそそらない、スポーツだという理解で、たしか議員立法だったと思いますけれども、もちろん政府も賛成をされてこれは対象に外したんです。  要するに、風俗営業というのは、もっと言うと、パチンコ屋さんが風俗営業だというのはほとんど皆さん大体の常識だと思うんですが、そうなんですが、雀荘ってありますね、マージャン屋さん。あれは別に店が何か景品を出しているわけじゃないですね。ただ、その場でマージャンというゲームをやっておられて、まあマージャン屋さんから見ればあれもスポーツの一種だというような解釈を最近される方もいらっしゃるようですが、しかしやっぱり恐らく警察庁からいうと、事前に聞いた限りではやっぱり射幸心をあおる性格が現実の社会風俗上は高いということでまだ外せないと。  結局、これ何を風俗営業として何を風俗営業としないかという最後ぎりぎりいくと、さっきの話でダーツはスポーツじゃないけれどもボウリングはスポーツだということで、そこで除かれているんですが、非常に境界線があいまいなんですね。例えば、ビリヤード場をこの風営法対象から除くというのも議員立法でしか行えなかった。これについて私が聞きたいのは、警察庁として、そういう業種の中で例えばどれだけのかけ事が行われているのか、射幸心をあおるような実態があるのかとか、そこで具体的なやっぱり適正化を要するような、例えば犯罪行為とか犯罪行為の温床になるようなものがどこまでその場所とかその事業において行われているのかというようなきちんと分析をして見直しをされているっていうんなら、私はこれは理解します。  具体的に、風営法対象業種、こういう今回、風営法改正をされたわけですが、従来の風営法でいうと、もうこれはいいんじゃないか、あるいはここを加えるべきじゃないかと、そういうことをきちんと有識者の意見も聞いて、きちんとその事業の実態あるいは犯罪につながっているかどうかという情報を踏まえて総合的に評価をされたんですか。
  72. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 風俗営業はこれまでも様々な何度も改正を繰り返してきているわけでございますけれども、例えば性風俗特殊営業につきましても、無店舗型のものが加わりましたのは平成十年のことでございます。そうした風俗の紊乱にかかわる社会的事象について、警察庁としてはそれなりに調査をし、とらえてこれまで改正に結び付けてきたところでございます。  今後もそういう形で社会実態、これはもう様々な雑誌等が発行されておりますし、私ども警察相談業務もございます。様々な形でそのような賭博的な事象につきましても把握することが可能でございますので、そこら辺を鋭敏に把握をして対処をしてまいりたいと考えております。
  73. 松井孝治

    松井孝治君 じゃ、例えば伺いますが、マージャン屋さん、雀荘というのがありますけれども、これはいまだに風俗営業として規制対象にしなければいけない、そういう判断をされているということですね。
  74. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) そのように判断しております。
  75. 松井孝治

    松井孝治君 そうであるとしたらば、それは雀荘においてどれぐらいの射幸心をあおるような行為が行われているかというのはきちんと調査されているんですか。
  76. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 全面的な調査というわけではありませんが、行政上の立入りを実施をいたしておりますし、深夜営業等の違反で、風俗営業法違反検挙した事例も多うございます。そのような形で、あるいはそこでの賭博行為検挙した事例もございます。そのような形で、なおマージャンにつきましては風俗営業対象として規制対象に残すべきだというふうに考えております。
  77. 松井孝治

    松井孝治君 通告していませんので、分からなければ結構ですが、じゃ、雀荘のその立入りとか検挙件数とか、具体的にありますか。
  78. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) これ、行政処分の件数を、今手元にございますけれども行政処分をいたしております総件数平成十六年中、二百八十二件でございます。その結果、許可を取り消したものが四十二ございますし、営業停止処分にしたものが四件、その他指示処分にしたものが二百三十六件と、このような内訳になっております。
  79. 松井孝治

    松井孝治君 分かりました。  私は、今それを外せと言っているわけではないんですけれども、そういうふうに具体的に立入り事例がどれぐらいあるか、あるいはほかのいわゆるナイトクラブとかああいう、ディスコでしょうか、そういったものが本当にどこまでの社会的なやっぱり、適正化の対象事業としてどういう実態があるのかということはできれば、もう今時間がありませんからこの質疑では個別には取り上げませんけれども、明らかにしていただいて、風営法対象業種の中では何か低照度での喫茶みたいなものもまだ入っていて、ほとんども営業実態全国で何件かしかないようなものもまだ残っているわけですね。  そこはやっぱり見直して、むしろさっきのお話だと、もう無料案内所などは広告規制あるいは共犯でもうどんどん摘発していくんだということですからそれはそれで結構ですが、新しい、モグラたたきのような事例が出てくるわけですから、一般的な風俗営業性風俗営業はまた違うと思いますけれども、しかしそこの見直しもきちんとやっていただきたいし、実態調査もある意味では適正化、健全化されようという御努力をされているんであれば不断に行っていただきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。  それで、ちょっとさっきのお話の中で、やや傍論ですが、気になったんで伺いますが、さっきでいうと、ダーツ、ダーツはゲーム機に当たる。そうすると、さっきの話ですが、例えば酒場なんかでダーツ機を置いているところって結構最近増えていますよね。あるいは、昔だったらピンボールマシンみたいなものを隅に置いている。これを何でも、じゃ風俗営業として規制対象にするのかどうか。これもバランスが問われる問題だと思いますが、そこは何か具体的な基準があるんですか。
  80. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 私ども、このデジタルダーツ機が遊技設備であるといたしましても、それを設置しておりますところがすべてゲームセンターとして風俗営業法の許可が必要であるというふうには考えておりませんで、客の遊技の用に供される部分の床面積の割合をとらえまして、営業所全体のフロアの客の用に供される部分の床面積の一〇%を超えない範囲でこうしたデジタルダーツ等の遊技設備が置かれている場合には、風俗営業の許可を要さない扱いといたしております。  したがいまして、委員指摘のように、デジタルダーツを設置しているバーなどの飲食店はこういう場合に当たる場合が多かろうと思いますけれども風俗営業の許可を受ける必要がない場合がほとんどであるというふうに認識しております。
  81. 松井孝治

    松井孝治君 それを聞いて多少安心をしましたけれども、そこら辺の実態は、今回通達ですから、基本的にはこの通達がどなたの名前で出されているのか分かりませんけれども、普通、通達であればそれは局長かその以下のレベルで出されている。その辺りはある程度私は自治体に、あるいは自治体警察に運用をゆだねた方が、一〇%といって、ダーツの場合、あれはどういうふうに床面積としてカウントされるのか分かりませんけれども、狭い店で一台ダーツを置いていたら、それは場合によってはお店の面積でいうと一割超えるなんということはしょっちゅうあると思いますよ。恐らく、ダーツというのは壁に掛けるわけですから、そことこうやって投げるところの間が全部その面積というふうに解釈されるんであるとしたらね。だから、そんなことまで国が決めるというよりは、それは自治体警察にある程度運用はゆだねた方が私はいいと思いますけれども。  いずれにしても、この風営法全体について言うと、そもそも何を規制対象にするかというのは不断の私は見直しが必要だと思いますので、そこの見直しの努力をしっかりしていただきたい。  それから、それとともに、最初に私が大臣にお伺いしたことでありますが、幾ら規制強化していても、警察官方々がその強化した規制で実際に内偵をしたりしていかないと、なかなか犯罪の摘発ってできないわけですね。そうすると、新宿なんかの歓楽街だったら本当にもうお店もどんどんどんどん替わっているというふうに言われますから、ここを本当にどうやってしっかり規制をしていくか、そこを摘発をしていくかということは、人員の増強とかあるいは、単に人員を増強するだけじゃなくて、この法律の規定もありますが、いかに地域の方々の協力を要請していくか。そこも含めて、やっぱり運用が非常に大事だと思うんです。  警察官のこういう風俗営業に対する規制、あるいはその背後にあるより凶悪な犯罪の防止あるいは摘発に向けての大臣の、最後、御決意を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
  82. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) この風営法対象とする業種というのは非常に、委員が本日の質疑でお話しになられたようにどんどんどんどん替わってまいります。それともう一つは、社会の通念がいろいろ変わってくる。許容度も変わってきたり、それは厳しくなったり緩くなったりいろいろするわけでございますが、そういう観点もございまして、我々は、正に地域の皆さん方と、警察だけではなくて、地域の皆さん方の御協力あるいは地方公共団体の皆さん方行政指導、そのベースを成す条例の制定の動き等もすべて絡み合うことだと思いますが、善良なる風俗を、あるいは青少年の健全な育成という観点からしても、我々は、この風営法の運用を中心に図りながら、社会の治安あるいは安全を守るためになお一層努力してまいりたいというふうに考えております。  どうもありがとうございました。
  83. 松井孝治

    松井孝治君 ありがとうございました。終わります。     ─────────────
  84. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、中曽根弘文君及び山崎正昭君が委員を辞任され、その補欠として狩野安君及び岸信夫君が選任されました。     ─────────────
  85. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 質疑を続けます。
  86. 風間昶

    ○風間昶君 公明党の風間ですけれども風俗営業法は過去において何回か改正されてきておりますけれども、率直な感じですけれども、ある意味では葛藤の歴史だったのかなと。つまり、表現とか行動の自由を一方では求めつつ、一方では犯罪ということが極めて密接にリンクする業種であるだけに規制強化していかなければならないという意味で、その規制をするということと人間の自由というものとのある意味ではそういう葛藤の歴史だったのかなという感じがするんですけれども。  そういうことで、権力が介入した方がいいのか、むしろ、そうではなくて本来持っているこの人の自由を道徳の範囲内でやっていった方がいいのかという、そのジレンマと言うとおかしいですけれども、そのバランスですね、それをどういうふうにしていったらいいのかという、これは古今東西通じて世界の、ローマ時代からも含めてあったことだと思いますけれども、今回の改正に当たりまして、そういう権力を介入していった方がいいのかそうではないのかということのバランスをどういうふうにこの法案改正に当たって臨まれようとしているのか、国家公安委員長にお伺いしたいというふうに思いますけれども
  87. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 風間委員の御質問は大変難しいことにかかわるものでございますが、まず一つは、営業の自由という問題と、こちらからの公序良俗を守るためにどれだけ規制できるかということにまずぶつかります。  それから、人間個人個人のいろいろな欲望との兼ね合いという問題も、それをどうやって公権力がそこに介入できるかというそういう問題にもかかわる問題でございまして、大変、規制と自由という問題がぶつかり合う問題でございまして大変お答えは難しいと思いますが、この風営法法律の第一条に書いてございますように、善良なる風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為防止するためと、こういうことでございまして、これは不断に国民の御意見をちょうだいしながら、私どもは今法律目的を達成するために見直しを行い、改正を行いまして、いったんそういうような風俗が乱される場合には、あるいは公益が乱される場合には、我々は警察権力をもちまして取り締まるということになっていかざるを得ないというふうに思っております。  これは、常に見直しが必要な分野であるなというふうに考えておるわけでございます。
  88. 風間昶

    ○風間昶君 そういう意味では、なかなか難しい部分が含まれながら、今後もずっと状況に応じて一貫して青少年の健全育成という観点からどうしていくかということが問題になろうかと思うんですけれども。  具体的にいわゆるピンクチラシやビラについて伺いたいと思うんですけれども、これも宣伝媒体としては非常に営業の自由の保障が及ぶ部分もあるわけでありますし、表現の自由の部分もあると思いますけれども、一方では、このプライバシー権の概念が発達してきまして個人情報保護法といった新しい立法もなされたわけでありますけれども、そういう流れの中で青少年の健全育成が国民的な認識になっているということで、実際にそのピンクビラやチラシについて過去、言わばどんなような規制が行われてきたのか。  つまり、配布物、配布物の内容、配布場所の範囲といったことを簡単に述べていただいて、今回どのようにしていくのかということをちょっとお話を伺いたいと思うんですけれども
  89. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) お答えいたします。  性風俗に関する広告宣伝規制は、平成十年の風俗営業法改正までは、その営業につき清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならないという抽象的な規定にとどまっていたところでございます。ところが、こうした広告宣伝が非常に行き過ぎたような状況になってきたことを踏まえまして、平成十年の改正で具体的に広告制限区域等において広告物を表示したり、ビラを頒布する方法による広告宣伝禁止いたしまして、その実効性を確保しようとしたところでございます。  しかしながら、このような具体的な禁止規定を置きましても、これに違反した者に対する罰則規定がございませんでしたために、違反した業者に対して指示処分ができるという、そういうところにとどまっていたこともございまして、十分な抑止効果が得られなかったところでございます。そこで、今回の改正では、広告宣伝の方法の規制に違反した者に対する罰則を新設をいたしまして、業者に対しては指示処分を経ずに営業停止処分を科すこともできるようにいたしましたので、ビラ等の頒布につきまして抑止効果が十分期待できるものと考えております。  なお、従来、広告制限区域等以外の地域にあり、かつ十八歳未満の者が居住していない住居については、ビラ等を配り又は差し入れることが許されておりました。しかし、今回の改正では、人の住居にビラ等を配り又は差し入れることを全面的に禁止することとしており、現状のこうした広告宣伝の行き過ぎた状況を改善するために規制の範囲をこの点で拡大しているものでございます。
  90. 風間昶

    ○風間昶君 いわゆる風俗関連産業が犯罪組織の資金源になるということも一方では十分あり得ることで、そのことによっての摘発件数もあるわけでありますけれども警察当局としては、そうしたことも踏まえて違法業者を徹底的に取り締まるというのが今回の強化方針に沿った法案改正というふうに理解していいんでしょうか。
  91. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 今回の風営法改正は、ビラ等の頒布を抑止する効果を高めるため罰則を設けたものでありますので、この改正を機に更に一層取締り強化して悪質な業者の追放を目指したいと考えております。
  92. 風間昶

    ○風間昶君 だけれども、どの業者が悪徳業者でどの業者が要するにそうでないのかということを見分けるというか、見極めが非常に難しいわけで、そういう意味で今回、届け済証を店舗に常置して、そしてそれを要求があれば見せなきゃならないというふうにしたんだと思いますけれども、繁華街のビルオーナーについては、このことに関しては業者が違法であろうが違法でなかろうが家賃収入が入ればオーケーする可能性が、共謀していくという可能性がないわけではないと私は思うんです。  ですから、具体的な事例があるかどうか検証しなきゃなりませんけれども、こうしたことを防いでいくという観点からすると、風俗業者届け済証の見せる義務を負うというんでなくて、むしろ貸しビル業者風俗営業者の賃貸契約に当たって貸しビル業者届け済証を確認を義務付けるといったことは、私はそこまで踏み込んでいかないとなかなか難しいんでないかなという気がするんですけれども、どうでしょうか。
  93. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 今回の改正では、公安委員会性風俗関連特殊営業を営もうとする者から届出書の提出があったときには届出があった旨を記載した書面、これを提出した者に交付することにいたしたところでございます。  現状は、届出の有無を確認する手段が貸しビル業者の側にもございません。したがって、無届けとは知らずに店舗を貸す例も見られるところであり、いざ警察から指摘をされて、さてどうしようかということで非常にお困りになる業者もいると承知をいたしております。この状況を改善するため、貸しビル業者等の関係者の求めに応じて届出のあった旨を記載した書面を提示させることとしたところでございます。今回の改正を受けまして、貸しビル業者や不動産業者の団体等に確認を励行するように協力を要請をいたしまして、違法営業者の排除を図る所存でございます。  なお、店舗性風俗特殊営業営業禁止区域等であることを知りながら店舗を貸し出すような悪質な貸しビル業者や管理者につきましては、現行法の下でも禁止区域等営業の幇助犯として検挙をいたしているところでございますので、今後も更に厳正に取り締まっていく所存でございます。  また、改正法の施行後もこうした取締り、あるいは私どもの協力要請等の様々な努力をするわけでございますけれども改正法の施行後も確認がなされずに違法営業者に店舗を貸すような貸しビル業者が後を絶たないような状況が続きますれば、これは更なる対策についても検討してまいらなければならないと考えておりますが、当面、この改正法を生かして貸しビルオーナーの協力を求めるとともに、悪質な業者を取り締まるという形で対処してまいりたいと考えております。
  94. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  当然、ですから、幇助でなくて、むしろ積極的にやるというような事例が出てくれば踏み込まざるを得ないことも視野に入れるという理解でさせていただきます。  問題は、繁華街のあちこちに無料案内所あるいは情報ボックスというのが、ビラやチラシの配置している場所がありますけれども、マンションの集合ポストなんかに軒並み投函すれば当然これは違法業者として証拠残るわけですけれども、案内所であれば捜査の情報を得てビラやチラシの撤去をするなどの対策を取りやすいわけでありますけれども、そういった情報ボックス。あるいは、もう一つは、新聞とか雑誌などの広告掲載業者についても、私はこの届け済証の確認を、最初は努力義務でも課すべきではないかというふうに思うんですけれども、この情報ボックス、それから一般の新聞、雑誌の広告掲載業者、この点についてはいかがでしょうか。
  95. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) まず、雑誌社、広告代理店の問題についてお答えいたしますけれども、従来、こういうところにつきましては性風俗関連特殊営業を営む者の届出の有無を確認する手段がないという問題があったために、今回の改正届出のあった旨を記載した書面を業者の側に提出する義務を課したものでありますけれども、無届け性風俗関連特殊営業を営む者の広告宣伝については、今回の改正で罰則が新設されたことを受けまして、取締り強化することに加えまして、新聞社や雑誌社や広告宣伝業者の団体等に広告主の届出の有無の確認を励行するよう協力を要請いたしまして、違法広告の排除を図る所存でございます。  先ほどの貸しビルオーナーの点でも同様でございますけれども、今回の改正におきましてはそうした努力を自主的に促すという方向で、恐らく相当の効果的な対応が可能になろうかと考えております。まず、そこを私どもとしては追求をいたしたいと思います。  ただ、改正法の施行後も確認がなされず、違法業者の広告が蔓延する状況が続けば、御指摘のような義務付けの必要についても、まあこれは何らかの新しい対応というものを検討するということも、先ほどの貸しビルオーナーと同じように考えることが必要になるかもしれませんけれども、現時点での私どもの考えとしては、今申し上げたような形でかなりの改善の効果が期待できるのではないかというふうに考えておるところでございます。    〔委員長退席、理事木俣佳丈君着席〕  それから、委員指摘の情報ボックス、これは恐らく風俗案内所のことであろうかと思います。これはファッションヘルスデリバリーヘルスの広告制限区域等に所在するものが大半でございますので、案内所の中でこれらの営業に関する広告物を表示したりビラ等を頒布することは罰則をもって禁止をされますので、そうした点も併せて一定の抑止効果があるというふうに考えているところでございます。
  96. 風間昶

    ○風間昶君 今回の法案の中に少年補導員に関する規定の整備で、少年補導委員の方が風俗営業店の営業所などに立ち入ることができるということになっていくわけですけれども、ちょっといろんな言葉がはんらんして、私、分からないんですけど、ちょっと簡単に何が違うのか教えてもらいたいんですけど、少年補導員、少年指導委員、学校補導員、結構あるんですね、いろんなのが。これ、いや、質問の通告してないんですけれども、ちょっと整理しておく必要があると思うんですけれども、教えていただけますかね。
  97. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 御指摘の少年指導委員は、この法律の三十八条に基づきまして、風俗営業等に関し少年を補導し、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為防止するなどの活動を行うものとして法律上の根拠を有している方たちでございまして、約六千三百人の方々にこの役割を担っていただいているところでございます。  他方、御指摘の少年補導員と申しますのは、これは警察本部長が委嘱をいたしますものでございまして、街頭補導、これは風俗営業等に関しないものも含めて、様々な地域での街頭活動、少年の保護、あるいは少年の相談といった、あるいは地域社会の啓発活動といったものを行われている方々でございまして、これは約五万二千人ほどお願いをいたしているところでございます。  御指摘の学校補導員というのは私ちょっと承知をいたしませんけれども、あと、私ども少年警察協助員というものも一つございます。これは、暴走族集団等の非行集団を解体、補導するために、非行集団に加入している少年についてその集団から離脱させる、あるいは再非行を防止するための指導、相談を行うというものでございまして、これも警察本部長が委嘱をいたしているものでございまして、約七百名を委嘱をしているものでございます。  いずれ、こういう形で様々な民間の方々に少年の健全育成に御参加をいただく仕組みとして、ボランティアの方々に御協力をいただいているというものでございます。    〔理事木俣佳丈君退席、委員長着席〕
  98. 風間昶

    ○風間昶君 今のような形で、青少年の非行防止の観点から青少年の教育や人格育成について様々な民間の方々が御支援いただいて今日に至っているということなんですけれども、ちょっと特異的な特定非営利活動法人で日本ガーディアン・エンジェルスという日本本部があって、全国六千名ぐらいいらっしゃるようなんですけれども、護身術だとか救急・応急活動を積極的に習得されるなどの特異な存在の方々もいらっしゃるみたいですけれども。  いずれにしても、この少年指導委員やあるいはそういった様々な諸団体との連携を、具体的に情報をある程度共有していくことが極めて肝要かというふうに思いますけれども警察庁がお願いする形なのかどうか分かりませんけれども、どういうふうに連携をしていったらいいのか。協議会とか何かもあるんでしょうけれども、ちょっと具体的に、今回の法改正で更に進めていく上での観点から、連携をどのように取るかということを教えていただけますかね。
  99. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) いろんな団体が青少年の健全な育成のためにありまして、私もたくさんあり過ぎるんじゃないかと、児童委員なんていうのもありますしね、一杯あるんですが、私もいろいろ議論した挙げ句、政治家ならよく分かるんですけれども、いろんな後援会組織をつくるときに、彼が入っていたらおれは入らねえとか言うやつもおりますしですね。やっぱりいろんなのがたくさんあって、そうした一つの目的に向かって協力をしていただくというのがいいのかなと、私も自ら結論付けた次第でございますけれども。  ガーディアン・エンジェルスですが、繁華街を中心にしまして、青少年の非行、犯罪防止のパトロールとか、応急救護とか環境美化活動、まあ落書きを除去したり、そういうこともおやりになっているようで、この活動、ガーディアン・エンジェルスは、私はまだ防災も担当しておりますが、この意味でも大変な活躍をしていただきまして、赤いジャンバーで出てくるんですけれども。  本当にこうしたNPO法人の活動が、地域住民が安全で安心して暮らせる社会を取り戻すために大変警察の防犯活動等と御協力いただければ大変有り難いというふうに思っているわけでございまして、警察庁でも生安局長の、何といいますか、研究会がございまして、風俗行政研究会というので、この中を見ますと十七年、平成十七年一月に風俗行政の在り方に関する提言というのをまとめておるんですが、この中に事細かく風俗環境の浄化、少年の健全育成に関するボランティアとの連携の事例というので一杯書いてありまして、そうしたボランティア団体との協力関係を常に仰ぎながら、協力を仰ぎながら、安全、安心な社会のための実現のために警察努力しているということだし、それから地域住民がそういう活動を参加していただくことによって、また自ら今の社会の状態といいますか、青少年の実態というものを認識することによって、またそうした活動が増殖していくという、広がっていくという効果も期待できるんじゃないかというふうに思います。  私どもも、今の家庭の状況を見ながら、自分の子供が夜何時に帰ってきても、どこへ行っていようが全く無関心という親が非常に増えておりまして、そういう親の、何というか、考え方というものも今の青少年の決して好ましくない行動に影響を及ぼしているというふうに考えるときに、地域の皆さん方がこうした活動に自ら御参加をしていただいているという事情は大変有り難く思っておりますし、今後ともあらゆる局面で連携を取りながら御活動を、あるいは御協力を願いたいというふうに考えている次第でございます。
  100. 風間昶

    ○風間昶君 分かりました。  最後に、人身売買の撲滅に関連して、先ほども同僚委員の方から人身売買の被害者保護が重要であるという指摘があったわけでありますけれども被害者からの要望として、加害者の処罰と、もう一つは加害者の方による被害者への損害回復という観点から犯罪収益分配制度を導入していこうという考え方を持っていらっしゃる方々は多いわけでありますけれども、この法律が導入された場合、今の風営法とは関係ないですけれども、直接的には関係ないですけれども、海外から連れてこられた外国人労働者の、労働者というか外国人被害者ですね、ごめんなさい、外国人被害者の方がそのような法律を使いやすくするように整備していくことも必要であるというふうに思います。  そこで、今日法務省の方にもおいでになっていただいておりますけれども、現在進めている被害者に対する被害回復制度、これについて、まずは外国人の被害者も利用可能な制度かどうかということを一点伺いたいと思います。  その上で、利用する場合に、我が国への滞在へのビザの発給とか、あるいは現実的にその給付金を受け取るまでの住まいを含めた生活支援をどのように考えておられるのか伺いたいんですけれども、よろしくお願いします。
  101. 大林宏

    政府参考人(大林宏君) 委員指摘のとおり、法務省におきましては、犯人から財産犯等の犯罪収益を剥奪し、これを当該事件の被害者等の財産的被害の回復に充てるための法整備について検討を進めております。  この制度により支給されることとなる被害回復給付金の支給を申請することができる者は、当該犯罪収益の没収追徴の理由とされた詐欺、窃盗、出資法違反といった財産犯等の犯罪行為や、これと一連の犯行として行われた財産犯等の犯罪行為により被害を被った者であって、当該犯罪行為により財産を失った者とされているところでございまして、外国人であることの一事をもって本制度の対象としない仕組みとすることは想定しておりません。
  102. 三浦正晴

    政府参考人(三浦正晴君) ただいま委員から被害回復の関係で在留の問題の御質問がございましたので、付け加えて御答弁申し上げます。  入管法におきましては、在留特別許可という許可を法務大臣が付与することができるという制度がございます。これは、正規の在留資格を有していない外国人であっても我が国に合法的に滞在を認めるべき特別な必要性があるというようなケースについて法務大臣の裁量で認めるということができると、こういう制度でございます。特に、従来から人身取引被害に遭われた方につきましてはこの制度を積極的に活用しておるところでございまして、本年の通常国会におきましては、その特別許可を付与する場合の例示といたしまして、法律人身取引被害者ということも明記をする改正をしたわけでございます。  したがいまして、もし人身取引被害者ということが認定されれば、そのことのみをもって、原則として、仮にオーバーステイのような状態になっている外国人でありましても、法務大臣が正規の在留の資格を付与いたしまして、それとともに一定期間日本に合法的に在留ができると、こういう期間の設定をいたします。  今御質問の被害の回復給付金の制度というものは現在まだ検討中であるというふうに私承知しておりまして、どういう手続等になるのかは承知していないわけでございますけれども、そのようなケースでございますと、その滞在期間中に手続ができればそれを利用することも可能であろうかなというふうに思うわけでございます。  また、今後制度の設計等が進んでいきますれば、私どもそれも踏まえて在留期間等の絡みのことも検討、考量したいというふうに思っております。
  103. 風間昶

    ○風間昶君 一定条件の外国人被害者だったらオーケーだと。  ビザの発給や生活支援については、じゃ今後検討ということで理解していいんでしょうか。
  104. 三浦正晴

    政府参考人(三浦正晴君) 大変失礼しました。一点、お答えをちょっと失念いたしましたが、最後の、被害者の方の我が国における支援関係でございますけれども、これもやはり人身取引被害者の方につきましては、直接は入管の所管ではございませんけれども、我々といたしましても、婦人相談所でございますとか、本人の本国の在日の領事館でございますとか、あとは民間NGOの各団体で被害者保護に当たられているところがかなりございますので、そういうところと連携をいたしまして保護をお願いしているという実情でございます。
  105. 風間昶

    ○風間昶君 終わります。
  106. 近藤正道

    ○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。  今回の風営法改正趣旨人身取引対策とそして風俗環境の整備と、この二つ目的だというふうに理解をしておりまして、方向としては賛成をしたい、こういうふうに思っております。とりわけ、私は人身取引対策という観点でこの改正がどの程度の射程といいましょうか、貢献をするのかと、そういう観点で関心を持っておるわけでありますが、そういう意味で考えますとまだまだカバーし切れていないところがたくさんあるなと、そういう思いがいたします。  そういう観点で以下何点か質問したいというふうに思いますが、最初に、昨年の四月に政府は人身取引に関する関係省庁連絡会議、これを内閣の中に設置をいたしました。しかし、私は、今ほど言った人身取引という観点、それと風俗環境の整備という観点を見たときに、この人身取引の観点というものをよりやっぱり前面に出していろんな対策を考えるべきだと、こういうふうに思っておりまして、そういう意味で考えたときに、この関係省庁連絡会議、それなりの部署の方が入っておられますけれども人身取引という観点から見ますと少し欠けているところがあるんではないか。例えば、法務省の人権擁護局長だとか、あるいは先ほどそこにおられました内閣府の男女共同参画局長さん辺りは当然入ってしかるべきなんではないか。  どうしてこの二人が入っていないんだろうかと、こういうふうに思いますんでお聞かせをいただきたいということと、それと、今言ったお二人の方がいない中で、果たして人身取引の対策、対応というものが省庁間の谷間の中に埋もれるんではなくて、しっかりとすき間なくやれる体制になっているんだろうか。この二点をお聞かせをいただきたいと、こういうふうに思います。
  107. 荻野徹

    政府参考人荻野徹君) 人身取引は重大な人権侵害でありまして、人道的観点からも政府を挙げて、しかも迅速に対応する必要がございます。  そこで、昨年になりますけれども内閣官房中心になりまして、人身取引対策に特に関係の深い省庁、人身取引防止、撲滅また被害者保護につきまして直接の行政上のツールを持っている省庁を中心といたしまして関係省庁連絡会議を設置いたしました。その場で、官房長官も来ていただきまして直接御指示をいただきまして、早急に包括的、総合的な人身取引対策行動計画を策定したところでございます。その上で、この行動計画につきましては、総理を主宰者とし全閣僚構成とする犯罪対策閣僚会議で報告されることとなりまして、そこでの施策は政府全体で取り組むべきものとして確認をされたところでございます。  また、例えば教育問題等を含む政府全体、教育問題を含む、あるいは男女共同参画局における広報啓発等を含む関係省庁全体の、この関係省庁連絡会議参加省庁のみならず政府全体の施策を総合的に取りまとめた対策となっております。引き続き、内閣の重要課題として内閣官房の総合調整の下で全省庁で政府一体となって取り組むと、そういう姿勢でございます。  また、被害者保護支援等が省庁間の谷間に沈んでしまうのではないかという御懸念でございますけれども、行動計画は、基本的な理念といたしまして人身取引被害者保護対象であると明確に位置付けました。その上で、人身取引被害者保護のため、各都道府県に設置されております婦人相談所を活用するといったことも明記したところでありまして、各都道府県において大変熱心に取り組んでいただいているということでございまして、こういった保護される方の人数も大変増えているということでございます。このような現状を踏まえますと、現状は婦人相談所中心として関係機関が密接に協力して被害者保護に努めているということでございまして、御懸念には及ばないのではないかというふうに考えております。
  108. 近藤正道

    ○近藤正道君 大変網羅的に御答弁されて、内閣全体で取り組んでいると、問題ないと、こういうふうなことでございますが、しかし人身取引被害者のほとんどは女性ということでありまして、そういうことであれば、やっぱり法務省の人権擁護局長そして男女共同参画局長の参加というのは私は欠かせないと思うんですが、なぜこの二つのポジション入ってないんですか、入れるべきなんじゃないですか。
  109. 荻野徹

    政府参考人荻野徹君) 繰り返しになりますけれども、やはり迅速に対策を取りまとめると、また人身取引防止、撲滅、被害者保護ということで、取締り関係でありますとか、あるいはまた取締りに必要な法整備でありますとか、あるいは具体的に保護をしていただく都道府県の婦人相談所の役割でありますとか、そういったことを行動計画に取りまとめたわけでございますが、そういった個別の施策に関係の深い省庁が連絡会議には直接参加をしていただきました。  ただ、これも繰り返しになりますけれども、行動計画の内容自体、この連絡会議参加省庁のことだけがあるということではございませんで、行動計画策定の過程では、男女共同参画局でありますとか法務省でありますとか、関係省庁と非常に、十分に協議をしておりまして、それぞれの役所でやることができる、あるいはやるべき施策については幅広く盛り込んでおりますし、また、こういった行動計画でそれぞれの役所の役割分担を明確にするといったことで策定をしたわけでございまして、たまたま現在のこの連絡会議のメンバーになっておりませんけれども、実際の具体的な取組の方策であります行動計画につきましては、十分にそういったことも盛り込まれているということであります。
  110. 近藤正道

    ○近藤正道君 次に、人身取引の予算面についてお尋ねをしたいというふうに思いますが、この人身取引対策行動計画に記載のあります厚労省の民間シェルター等への一時保護のための予算が本年度一千万、私は少額、余り少なくて驚いたんですが、確かに先ほど来のお話で、自治体、都道府県の婦人相談所、ここでやっていると。そして、そこから民間シェルターに委託すると委託費が出ていると。その上での一千万でありますので、それなりに皆さんは検討されているのかなというふうに思うんですが、しかし、世界から人身取引の監視国とついこの間まで言われた日本が、我が国がこういう問題で年間、オールジャパンで一千万というのは余りにも私は少額なんではないか。  先ほどもNGOに対する、NGOのシェルター、一時保護所に対して、もっと女性支援をすべきではないかと、こういうふうな話がるるございました。私は本当にもっともな話だというふうに思うんですが、そういうNGOに対する支援がほとんど行われていない、そういう中で、全日本で、日本全体で年間一千万、これが人身取引、一時保護に対する予算の全額だというのはいささか、驚く以外にないわけでありまして、これもう少し何とかならないんでしょうか。
  111. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) お答えを申し上げます。  今御指摘人身取引被害者の民間シェルター等への一時保護委託の経費、一千万ということでございますが、現在のところ、今年度から一時保護委託制度を始めましたので、上半期の実績でございますが、民間シェルター等に一時保護を委託をした実績が二十四名となっております。その実績から見ますと、本年度の予算におきましては、一千万円というのは二百二十人程度の保護が可能な予算額となっておりますので、賄えるのではないかと思っているところでございます。  ただ、仮に一時保護委託の予算を超えるような要請が出てくるような状況になりましても、私どもの婦人保護事業費、これは全体で八億円ほど用意しておりますが、この八億円の中で対応することが可能となっております。
  112. 近藤正道

    ○近藤正道君 先ほど来の論議で、この婦人相談所の一時避難所、あるいはNGOの一時避難所、ここに駆け込む人というのはまだまだ氷山の一角ではないかと、こういうふうな指摘もありました。そういう話はたくさん聞きます。是非、そういう実態ということを前提に置きながら、そういうものに対して政府はやっぱり万般の対応を取って十分な予算措置をもってこれに臨んでいるんだと、そういうことはやっぱり分かるようなメッセージを是非出していただきたい。そのためにも、やっぱり一千万などということではなくて、だれが見ても、ああさすがやっぱり監視国を脱却した日本は、我が国はこのことについて積極的に取り込んでいるんだという、そういう程度の常識的な予算措置を是非講じていただきたい、こういうふうに思います。  それと関連の話でありますが、人身取引被害者の一時避難、受皿は婦人相談所であると、こういうことでございますけれども、これはこの間何度も議論されたことでありますが、婦人相談所は元々売春防止法のためにつくられたものでありまして、今現在はDVの被害者とその他様々な女性被害者がみんなここに言わば押し寄せていると、ある意味ではここはパンクしそうだという、こういう話を私はいろんなところで聞くわけでございます。そしてまた、予算措置としてもあるいは通訳の対応にしても十分でないと。  是非、婦人相談所にすべてをゆだねるんではなくて、人も物もあるいは財政的な支出も十分に備えた、文字どおり二十四時間の対応の専門の保護支援センター、これをやっぱりつくるべきではないか。これは日本弁護士連合会等、あるいはいろんなところからも繰り返し要望が出されているわけでございますけれども、なかなかそれが実現しない。官房長官も過日、当分は婦人相談所で対応するんだと、こういうことをおっしゃっておられましたけれども、是非、この人身取引の撲滅の先進国を目指すということであるならば、せめて調査費ぐらいをきちっと盛り込んで、今は婦人相談所でいくとしても、近い将来、専門の保護支援センターを国が責任を持って政治の責任できちっと行うと、こういう姿勢をしっかりとやっぱり打ち出すべきでは私はないのだろうかと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
  113. 荻野徹

    政府参考人荻野徹君) 先ほど来いろいろ御答弁がございますように、婦人相談所におきまして、これまで保護を求めてきた方々、百七名の方々について取りこぼしなく保護していただいているところでございます。こういったその都道府県の婦人相談所とは別に被害者保護のセンターを設置するというお考えでございますが、現状では各県の婦人相談所とも非常に有効に機能をしているということでございます。  現在、この都道府県において大変熱心に取り組んでいただいている業務につきまして、その一定部分を国の機関に引き上げるということがいいのか、あるいは現在の体制についてより徹底し充実を図っていった方がいいのかといった点につきましては、なお考慮を要する点があろうかと思いまして、当面は現在の状況を見守りたいというふうに考えております。
  114. 近藤正道

    ○近藤正道君 皆さんどういうふうな御調査をされているのか分かりませんが、都道府県の婦人相談所、良好に機能しておるということでございますが、私などいろんな人から話を聞くと、みんなやっぱりこの都道府県の婦人相談所、みんな頑張っているけれども、DVの問題でもう手一杯で、これ大変な状況だということを言っているんですがね。どういう調査をされているんですか。  その婦人相談所の、適切、有効に機能していますというふうに皆さんは断言されるんですが、ちょっとそこを聞かせてください。
  115. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) 私どもでは、これまでのところ、婦人相談所保護を求めてこられた人身取引被害者について百七名全員をこぼすことなく保護をさせていただいているというところでございます。  その実績が一つございますのと、それから、被害者方々も一部の地域に集中するのではなく、かなり全国の各都道府県にわたって保護がなされております。現在まででも十七県にわたっております。全国婦人相談所、一時保護所の充足率は、ならしてみますと大体半分ぐらい、五割ぐらいの充足率でございまして、必ずしもすべての婦人相談所、一時保護所の状態が、パンクしているという認識には立っておらないところでございます。  しかし、先生御指摘のとおり、この保護に万が一遺漏があってはなりませんので、本年度からは民間シェルター等への一時保護委託も始めたわけでございまして、私どもしては、そういう現行の婦人保護事業の仕組みの中で、できるだけ早く、迅速にこの保護をするという観点から、従来の仕組みを使って精一杯の努力をさせていただいているという認識でございます。
  116. 近藤正道

    ○近藤正道君 人身取引被害者の医療を受ける権利のことについてお尋ねをしたいというふうに思いますが、搾取と、言わば、いわゆる抑圧という、そういう中で心身ともに傷付いていると、こういう人がすべてでございます。そして、ほとんどオーバーステイでありますんで、国民健康保険等の加入の前提もないということの中で問題が表面化をいたしますと、取りあえず医療的な対応というものが求められているわけでありますが、このことについては、受診を拒否されるだとか、あるいは今の医療費の助成制度、援助制度が十分でない、あるいはない、そういう問題によく出くわすわけでありますが。  この人身取引被害者の医療を受ける権利だとか制度、そして医療費の援助体制、どうなっているんでしょうか。課題についてお聞かせをいただきたい。
  117. 北井久美子

    政府参考人北井久美子君) 婦人相談所保護いたしました人身取引被害者についての医療的支援についてお答えを申し上げたいと思いますが、一時保護されました人身取引被害者が医療的支援を必要とする場合には、まず婦人相談所に置かれております医師の診療を受けることができます。  それで、さらに外部の医療機関での診察等が必要な場合は、状況に応じまして、無料低額診療事業を行う医療機関を始めとする周辺の病院など利用可能な諸機関、諸制度について婦人相談所が情報提供を行うことといたしております。  さらに、本年三月の、人身取引被害者の行動計画の策定を踏まえまして、厚生労働省から地方自治体に対しまして、その人身取引被害者についても、無料低額の診療を積極的に行うように関係の医療機関等に対して自治体の方から周知、指導をお願いしたいという趣旨の要請の通知も出したところでございます。  それでもさらに、確かに、こういう施設が近くにないとか、実際に診療が、他の制度が利用できない場合もございますので、厚生労働省といたしましては、十八年度の概算要求におきまして、一時保護対象経費に医療費を盛り込んだ要求をしているところでございます。
  118. 近藤正道

    ○近藤正道君 平成十年度の法改正の中で、人身取引関係規定が盛り込まれました。これは、風俗営業を営む者が接客従業者に対する拘束的行為などを行うことの禁止と、それを防止するために必要な措置の実施を義務付けたものであります。いわゆるパスポート等を取り上げて動けないようにすると、こういうことをさせないように、こういうものでございます。  違反した者につきましては営業禁止等の行政処分ということになるわけでありますが、しかし、この間、つまりこの改正が行われた平成十年から最近まで、拘束的行為を許さない、違反者に対しては行政処分を科すると、こういう処分がゼロであるということを知りました。一方で、拘束的行為がないというんなら分かりますけれども、拘束的な行為が多発しているというのは公然たる事実であると。にもかかわらず、この行政処分が全く発動をされていないのはなぜなのか、お尋ねをしたいと思います。
  119. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 委員指摘のとおり、同規定を適用して行政処分を行った運用実績はこの間ございません。これは、種々の事情から被害事実を申告しない者が多かったということもございますが、ただ、そのような実態を把握した場合であっても、不法就労助長罪等の別の刑罰法規が適用されて、それを基に行政処分を行うという例が多うございまして、そういうことの結果、本規定を適用する必要がなかったという状況がございます。  今回の改正では、就労してからの拘束的行為の態様により規制するのではなくて、そもそも人身取引被害者がそのような営業で稼働させられること自体防止するという観点から規定を設けたものでございまして、今、拘束的行為というものについても、この規定によりましてかなり改善し得るのではないかというふうに考えております。
  120. 近藤正道

    ○近藤正道君 しかし、ある意味ではざる法がそのまままた今回残っているわけでありまして、この辺の議論というのは一体どういうふうに行われていたのかなと。  なかなかその立証が難しくて発動ができないんなら、むしろこれを削除して、より実効性のある規制の仕方に変えればいいわけでありまして、全く私はこの辺のところ理解に苦しむんですが、もう一度お尋ねをします。
  121. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 御指摘の点はございますけれども、やはり拘束的行為禁止をするという法規範というものは大変重要な規範であるというふうに思っておりまして、これを風俗営業法上、現時点でこの規定をカットをするということについては現下の情勢からは好ましくないものと判断をしておりまして、ただ、拘束的行為を防ぐ上では、様々な観点から法規制の在り方あるいは取締りの在り方あるいは保護の在り方等が検討をされておりますので、その一環を受けて、風俗営業法に新たな規定を設けて、こうした拘束的行為を少なくするという規定を更に加えるという形で対処をしたいというふうに考えたものでございます。
  122. 近藤正道

    ○近藤正道君 他の方法で抑制するというのは分かりますけれども、せっかく残しているんなら、前の経験をよく反省、総括をして、この規定がちゃんと実効あるような、そういう運用方法等をやっぱり考えるべきが筋なんじゃないでしょうか。しかも、行政処分ですので、私は、皆さんのいろいろな解釈、立証責任をより軽減した形で、刑罰ではありませんから、行政処分なんですから、より発動しやすいような方向で何が足りないのか検討すべきなんではないでしょうか。いかがでしょうか。
  123. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 御指摘の点、十分私どもも検討をしてまいりたいと存じますけれども、いずれ、こうした拘束的行為についていろんな手法が残されているということは重要なことであると考えておりまして、私ども、この規定のまた今後の適用のありようについても検討してまいりたいと考えます。
  124. 近藤正道

    ○近藤正道君 是非よろしくお願いします。  今回の改正で、接客従業者の生年月日、国籍、在留資格、期間等の確認義務等が課せられました。そして、それをきちっと保管をする、こういうことも確立をいたしました。非常にいいことだというふうに思っております。  そこで、お尋ねをしたいのは、この確認事項を証する文書、これは政令にゆだねられるわけでございますが、どんなものを想定されているかということが一つ。  もう一つ、これは通告はしておりませんけれども、今回の改正で従業者名簿の不備、不実記載、この法定刑を引き上げるという内容になっておりまして、今プライバシーの保護だとか、あるいは個人情報の保護と非常にうるさくなってきているわけでありますが、一方で、こういう風俗営業にかかわる従業員の名前を積極的に記載をして分かるようにしろということを一方で今回の改正で打ち出していますよね。  このプライバシーとか、あるいは個人情報保護とのかかわりで皆さんは基本的にどういう考え方に立っておられるのか、ちょっと基本的な考え方聞かせていただけますか。
  125. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) まず、内閣府令で書類を定めることとしておりますけれども、その書類といたしましては、例えば外国人につきましてはパスポート、外国人登録証明書等を定めることを検討しておりますし、日本人につきましては住民票の写し、運転免許証等を定めることを検討しているところでございます。  また、先ほどの従業員の名簿の備付けということにつきましては、やはりこうした業が人身取引等の被害をもたらしているかなりの部分を占めていることもあって、その中の従業者にそうした人身取引被害者が含まれ得るという、そういう状況をどうやって打破するかという点で考えますと、こうした従業者の個人情報ではありますけれども、こうしたものを整理をして備え付けさせておくということがその抑止に非常に効果的であるというふうに考えております。  もちろん、こうした名簿が他の目的で流出することはあってならないことでありますけれども、基本的にはこれは警察を含めまして権限のある者の求めに応じてもちろん使用されるものであるはずでございますので、そこは業者の側もそれ以外にさほどの大きな利益があるとは思いませんけれども、いずれそうした個人情報が漏れないような形で私どももできる限りのことはいたしたいというふうに思います。
  126. 近藤正道

    ○近藤正道君 最後の質問でありますが、いずれにいたしましても、この改正と、そして刑法人身取引罪が新設されたこと、あるいは入管法の規制改正されたこと、従来から見ますと人身取引規制が大幅に強化されたことは評価をしたいというふうに思っています。  しかし、規制で取り締まっても、この性を商品化をして買うという、こういう需要が一方であるうちはなかなか業者はまた別の方法を考えると。先ほど、モグラたたきというそういう指摘をする方もおられましたけれども、ここのイタチごっこというのはなかなか直らないのかな。そういうふうに考えますと、やっぱり買う側、買春の側の規制だとか対応についても、やっぱりきっちりとやっていかなければならないというふうに思っています。  我が国は売春防止法、買う方が処罰をされない。しかし、児童とかポルノ等については買う方についても処罰の対象になる。しかも、国外犯の規定も最近設けられた。しかし、我が国の場合はまだまだ外国へ行って買春をするというケースが時々新聞にも出てまいります。数年前も中国の広東省で大量の買春事件が発覚をいたしまして非常に今恥ずかしい思いをしたわけでありますが、是非買う側の意識を変える。というのは、まあ買春文化ということをよく言う人がいますが、ここを正面から見据えてここをやっぱり撲滅させる、そういうことをやっぱりやらなければ私はならないんではないかというふうに思っています。  そういう一環として、例えば古くから議論はある、売春防止法の買う側を処罰しろという議論もあるというふうに思いますけれども、私は是非、この人身取引というのは女性の人権に対する最大の侵害行為でありますので、買う側の意識を変える、この買春文化を変えるために抜本的な取組を是非私はしていただきたいというふうに思いますが、内閣官房として、この点についてどういうふうな決意あるいは姿勢で臨まれるのか、お聞かせをいただきたい。
  127. 荻野徹

    政府参考人荻野徹君) お答えいたします。  人身取引対策行動計画にもありますとおり、売春による搾取は人身取引被害者を含め女性の尊厳を傷付け、人権を侵害するものでございます。  そこで、政府といたしましては、行動計画の中に売買春防止対策を掲げまして、一つは売買春事犯取締りでありまして取締りの徹底を図るということでございますが、それと併せまして、学校教育、家庭教育等における取組といった項目も設けまして、人間尊重を基盤として売買春防止のための啓発を含む各種の施策を学校教育、家庭教育等を通じて実施することとする等、関係省庁連携して取り組んでまいるというふうにしておるところでございます。
  128. 近藤正道

    ○近藤正道君 大臣、何か最後所見ありますか、今の買春文化の撲滅という点でですね。
  129. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) まあこれは不断に啓発活動をやっていくということに尽きると、こういうふうに思いますが、そういう意味で今回の法改正も、一番そうした売春行為が行われやすい関連する業態においての規制強化するということも、今先生がおっしゃるような行為を少なくしていくに一助になるかというふうに考えております。  いずれにしましても、大変歴史の古い行為でございますので、常に不断に我々はそうした売春が特に女性の人権を侵害する行為だということで啓発をし、一罰百戒で臨みたいと。特に、そうした売春営業としたり、あるいは助長するような行為というものを毅然として取り締まっていく態度が必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
  130. 近藤正道

    ○近藤正道君 終わります。
  131. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。  今回のこの風営法ですけれども、今までの度々行われる改正の歴史を見ても、そしてこの法文を見ても、いわゆる風俗、性風俗もそうなんですが、この実態とこの法律というものがやっぱり乖離している。なかなか法律が今の風俗の実態に追い付きづらいんだということを改めて実感しております。  これは問題指摘なんですけれども、今の法文に残るやはり用語、定義も分かりづらいですし、ある意味古めかしい。例えば、キャバレー、こういった単語は分からなくはないんですけれども、私の世代ですと、このカフェーとかなるともう何のことだかよく分からない。ナイトクラブと言って分かる先輩方もいると思いますけれども、私たちでしたらディスコだとか、最近で言うところのクラブ、こう言った方が通りがいいわけです。  そのほか、今日も話題になりましたけれども、一般の風俗営業のこの五号の低照度飲食店、これは法文じゃありませんけれども、低照度飲食店なんというものは我々ふだん到底使わないわけですよ。これから低照度飲食店に行こうやなんという言葉は大体我々使いませんね。これも全国で十七軒しかないと聞いているんで、これも法文に残しておく必要があるのか、一般の喫茶店に含めればいいんじゃないかと思うわけです。  この六号営業のこれ、区画席飲食店と言うんですか、これ私ちょっと不勉強で分からないんですけれども、その昔、多分、同伴喫茶とか言った、このことを指すんでしょうか。これも今全国に六店舗しかないと。こうなりますともう地域の名物ですよね、全国に六店しかないんですから。だから、こんなものを果たして残しておくのがいかがなものかということも感じております。  今日の議論にもありましたけれども、例えばゲームセンターの定義で、ボウリング場が射幸心をあおらないという、そういう警察庁の見解でしたけれども現実にはボウリング場でも一ピン幾らでかけている人、たくさんいますよ。だから、そういったこともあるので、非常に、この定義付けも含めてきっちりとした見直しを随時図っていただきたいと思いますし、この後の質問にもこの問題提起というものは関連してきますので、冒頭述べさせていただきます。  それでは、今回の改正について質問をいたしますけれども、様々な柱で改正がなされるわけですけれども、先ほど申し上げたこの業種という意味では、いわゆるデリバリーヘルス、無店舗性風俗関連特殊営業、これについてのある意味ねらい撃ちした規制強化だと、業種については、思うんですね。このデリバリーヘルス、これについてどんなものかまでは聞きませんけれども、この受付所に対して規制を掛ける、いわゆる受付所を届出させるという、こういった義務を新たに負わせるんですけれども、これによってどういう効果が生まれるのか、その点を御説明ください。あと、受付所というものはどういうものかについてもちょっと御説明いただけますでしょうか。
  132. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) お答え申し上げます。  デリバリーヘルスの受付所と申しますのは、客が立ち入り、客にサービス内容が説明されるなど、客の依頼を受ける場所として機能している事務所と、こういうふうに私ども考えております。この受付所は客が出入りをいたしますことなどから、店舗型のファッションヘルス営業所と区別が付かない実態もございます。そのために、善良の風俗と清浄な風俗環境を害しているというふうに私どもも考えているところでございます。  そこで、受付所については公安委員会届出をさせて把握をいたしまして、違法行為が行われた場合には取締りにより厳しく対処することといたすものでございます。加えて、警察職員が風営法の施行に必要な限度において受付所に立ち入ることができるようになりますので、違法行為防止にも効果があると思料いたしております。
  133. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 抑止に効果ということは、いわゆる新規参入に対してしづらくなると、そういうことですか。
  134. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 受付所は禁止区域等に設けることはできませんので、新規参入する者がこの受付所を設けることは非常に難しいというふうに思います。他方で、既に既得権を持って受付所を現にやっておられる方々については、その営業の内容を健全化をするということが期待できるというものでございます。
  135. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 私、ちょっと疑問に思うのは、デリバリーヘルス、名のとおり、性産業の出前ですよね。これに対してその受付所なるものがどれほど効果的なものなのかというのは、私もこれ経験がないんでちょっと分からないんですけれども、やっぱりイメージしますと、これ家とか近所のホテルに性風俗の方が出張して来てくれるわけですね。これが一つのデリヘルの魅力といいますか、今いる店舗型ではない存在価値だと思うわけですよ。それがわざわざ受付所まで行って、受付所というのはそう方々あるわけじゃないと思うんですね。新宿とかある程度限られた地域にわざわざ出掛けていって受付所に行くんだったら店舗型の店に行けばいいだけであって、何でデリヘルを頼まなきゃいけないのかと。  そう考えますと、受付所に対して規制掛けたからといって、私はいわゆる受付所のない今までの、従来のデリバリーヘルスというものが減らないんじゃないかと、そう思っているんですけれども、いかがでしょうか。
  136. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) お客のニーズは様々であるようでありまして、店舗型のファッションヘルスに行き、店内でサービスを受けることに抵抗感のある者が、しかしどんなサービスをしてくれる従業員が派遣されるか分からないといったような場合には、そうした受付所に行ってサービス嬢についての情報提供を受けるといったような、そういうことに活用するということで、やはり現にこれだけ受付所ができてきておるものと見ますと、ニーズがあるというふうに考えざるを得ないと思います。
  137. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 警察庁にお伺いしたところ、いわゆるデリバリーヘルス届出が今二万一千五百七十店あると聞いておりますけれども、それではその受付所のあるデリバリーヘルスというのは全国にどの程度あるのか。これ、警察庁の方が各都道府県警に要請して受付所の数を目で数えてきたと聞いておるんですが、どのくらいあるんですか、二万軒のうち。
  138. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 約七百でございます。
  139. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 やっぱり、全体二万軒のうち七百ですからね、そんなに多いわけじゃないわけですよ。私は、この届出義務を課したからといって、これだけわずか七年間でも急増しているデリバリーヘルスというものの新規参入が一体どのくらい減るのかということには、かなり疑問だと思っております。  加えて、更に進めていきますと、私はこの受付所による規制によって何が起こるかといいますと、先ほど局長おっしゃったように、これかなり禁止区域が広いですから、東京ですとまあ吉原ぐらいしか受付所出せないわけですよね。そうなると、事実上受付所で新規参入なんということはあり得ないわけですよ。どうなるかというと、受付所のない先ほど申し上げた従来のデリバリーヘルスに戻るか、ないしは、ここが一番肝心なんですけれども、先ほどおっしゃっていた、受付所があって、デリバリーヘルスというのは事実上今の店舗型とそんなに変わらない形なんだそうですね、警察庁に聞くと。要は、お客さんはデリバリーヘルスと気付かずに、新宿でこうやってある看板を見て入っていくと。そうすると、そこから言われるのは、お店じゃなくてどこかホテルを案内されるという。だから、完全な脱法行為なわけですよ、これは。今まではこれは許されてきた。要は、そのお店の中で営業を行わなければ、それこそ五十メートル先のホテルに案内してもこれはデリバリーヘルスとして届出が可能だったという。  結局は、今言った店舗型に近いものが、これが駄目だとなれば、結局私は無届け店舗型、いわゆるファッションヘルスに戻るんじゃないかと。要は、今の受付所のあるデリバリーヘルスは受付所のない元のデリバリーヘルスになるか、あとはもうしようがないから脱法行為ができないなら違法行為だと、そういう形でファッションヘルスをもう堂々と営むという、こういう形になっていくんじゃないかと思っているんですよ。そうなると、話を進めますと、私は今ある店舗型のファッションヘルスという、これ自体をきっちりと禁止区域で行っている営業をやめさせなければいけないという、ここが私肝心だと思っているんです。  それで、お聞きしますけれども全国店舗型、いわゆるファッションヘルスというのは届出されているお店が何軒あるでしょうか。
  140. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) お答えいたします。  全国で一千十三軒でございます。
  141. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 委員の皆様、この数字聞いてどう、感想はどんなもんでしょうね。全国ファッションヘルス千十三軒しかないんですね。ちなみに、ソープランドと言われるものが千三百軒あると。ソープランドよりファッションヘルスの方が少ない。これは町を歩いていて実感としてはかなり乖離していると思うんですよ。ソープランドというのは、私、新宿とか歩いてもそんなに目にすることないですね、かなり特殊な地域に限られているという意識があるんですけれども全国津々浦々このファッションヘルス、やっぱり見掛けるわけですよ。見掛けるわけです。それが千十三軒しかないというわけです。  だったら、年間にいわゆる今言った禁止区域外の営業、まあ無届け営業と言ってもいいんですけれども、こういったものは一年間にファッションヘルスでどのくらい今摘発しているんですか、警察としては。
  142. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) お答えいたします。  店舗型のファッションヘルスについては、最近三年間で毎年のように五百ないし六百軒の禁止区域営業等を検挙しているところでございます。
  143. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 いや、これも全国に千軒しかないのに毎年六百軒。六百軒も摘発されていることを考えますと、これ今日も議論にあって、事実上の届出しているところの倍あるんじゃないかというけれども、私なんて倍どころじゃなくて、ともすれば数倍、十倍ぐらいの無届けファッションヘルスがあるんじゃないかと思うわけですよ。これ、警察の方に無届けファッションヘルス幾つあるんですかと、それは答えられないわけですよ。それこそ統計上二千三百二十軒あるって言ったら、統計している場合じゃないですもんね、それは摘発しに行かなきゃいけないわけですから。  ただ、どのくらい警察がきっちりと無届けファッションヘルス摘発しているのかというのは、やはりこれは国民にとっても重要なことですのであえてお聞きしますけれども、この法案の作成に当たって、警察庁の方で新聞の広告を出しているファッションヘルスの無届け実態というものを調査したと聞いております。その調査によりますと、半分以上、ともすれば、ある新聞によれば七割、八割が無届けだったと。それを把握しているわけですね。その数だけでも多分百軒ぐらい無届けって把握しているわけですよ、ちょっとした簡単な調査で。  その今回無届けと認定したファッションヘルス店についてどのくらい摘発したんですか、数を教えてください。
  144. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) そのすべて広告宣伝に出た無届け営業者のうち何軒つぶしたかというお答えについてはちょっと私どももお答えしかねるところもございますけれども、例えばある週刊誌、これ十六年の十月に出た週刊誌につきまして調査をいたしましたところ、そこの広告のページに掲載された業者が百十四軒ございまして、そのうち届出の確認ができたのは三十三軒だったわけでございますが、ですから残りのものは届出が確認できなかったわけでございますけれども、このうち禁止区域営業の違反ということで検挙いたしましたのが三軒、それから一軒は廃業に追い込んでおります。  なかなか、すべての無届け営業者についてそれを調べて摘発するということは、体制上の問題もあり、なかなか厳しいところもあるわけでございますが、いずれもこういう広告宣伝を端緒にして、できる限りこうした禁止区域営業というものについての摘発に努めているところでございます。
  145. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 皆さん、お聞きいただけましたでしょうか。少なくとも新聞広告出していて届出がないということがはっきり分かったところが、ある新聞で、今局長おっしゃった八十一軒あるわけですよ。そのうち三軒しか摘発していないわけですね。そのほか五つほどの週刊誌、そのほかスポーツ新聞とか調べて、結局、今時点でもう二百軒は無届けということがもう把握しているわけですよ。  これ、比較するのがちょっと無理があるかもしれませんけど、殺人だとか強盗だとか、事件の端緒が見付かったら確実に捜査して摘発に行きますよね。当然ですよ。これは、今言ったように、あくまでも法律違反を犯している蓋然性のもうかなり確度の高いところが二百軒もありながら、結果的には三軒しか摘発していないわけですね。そういうことですよ。そうなりますと、これ、端緒もない、あまたとある全国のやっぱり無届けの可能性のある営業禁止区域で営業しているファッションヘルスについては、これはもうほとんど野放し状況に近いわけですよね。今局長おっしゃったけれども体制上無理だと。でも、これ他の事件とかでしたら、少なくとも事件の端緒がはっきりしていると、これはかなりもう犯罪に近いといったときに、体制上無理だから捜査しないなんてことはないわけでしょう。  そうなりますと、この風俗営業法規制掛けているにもかかわらず、実態上今の、私聞いたときは、確かに一軒にガサ入れをするのに二十人の捜査員も要るといえば、これは確かに難しいことは分かるんですけれども、しかしそれにしても余りにもひどい。  こんな状況で、これ大臣、聞いていてくださいね。大臣お答えいただきたいんだけれども、いいですか、とにかく、無届けファッションヘルスがすぐに二百軒あるということがつかめて、しかもそのうちでも摘発したのは三軒しかないんですよ。このような状況をどうやって改善していきますか。このような状況というか、今言った無届け営業禁止区域外のファッションヘルスというものはどうやって取り締まっていくんですか。いやいや、それ大臣、答えてくださいよ。
  146. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) これを端緒にして無届け営業あるいは禁止区域外営業ということで摘発することはあるわけでございますけれども、これはこうした性風俗営業をしているということを立証することが必要でございます。ここの広告宣伝に、ここでこういう宣伝をしたからといって直ちに営業しているということを証明したことにはなりませんので、これは単なる広告宣伝活動でありますので、ここに書かれたものについては、現場に行って、それがそうした性風俗営業、私ども規制対象となる営業行為を行っていることを立証することが必要でございます。その点は決して、広告があれば直ちに検挙できるというふうにお考えいただきますと、そこは少し違うということでございます。  したがって、一つ一つの、一軒一軒をやることについては相当の手数が掛かるということを御理解いただきたいと存じます。
  147. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) なかなか正直言いまして取締り難しいですね。やっぱり実態を究めなければ、突き詰めなければいけませんので、そういう意味で大変取締りも難しいんだろうというふうに御理解をいただきたいなというふうに思いますが、しかし、それを放置していていいというわけではございませんので、警察不断努力を、情報活動を含め不断努力をしなければいけないというふうに考えております。
  148. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 いや、これ本当によくイタチごっこって言われますけれども、新しい形態についても追い付くのがやっとなのに、今ある、少なくとも規制対象になっているところで、しかも今局長もおっしゃったように、ある程度端緒が分かっているところでさえ人的に捜査に行けないという状況ですよ。そのぐらいもう平気で違法営業をしているんですよね。そうしますと、かなり根本、抜本的な対策を練らないと、結局はもう放置状態になると。  これ私、一つの提案なんですけれども、やはり罰則が軽過ぎるんですよね。今回、罰金が百万から二百万に上がりましたけれども、この性風俗産業というのは物すごい莫大なる利益が得られると聞いております。だから、やった者勝ちなんですよ。だから、一人ぐらい店長が逮捕されようが何しようが、もうどんどんどんどん次に、閉めたらまたやっていくという。だから、この程度のことでは結局繰り返しですよ。到底取り締まれませんよ。今の局長大臣答弁聞いても、要するにもう無理だということに近いですよね。だから、やっぱり罰則をもっと強化するとか、こういった対策をこの先どうやって練っていくのか、どうお考えなのか、それちょっと大臣、お答えください、村田大臣
  149. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) やっぱり一番の問題は、こうした風俗を害するような業態が集積をすること。例えば歌舞伎町のように、まあ私どもの反省もございますけれども、とにかくとてつもなく集積、そうした同種の業態が固まってしまいますと、もうそこは手が付けられないような状態になってしまう。そういう反省の下に、我々は歌舞伎町の問題でも、そういう繁華街対策というものを、政府一丸として町を改造するんだということも考えに入れながら、再開発ですよね、そういうことをやっていかなきゃいけないということでございまして、そこまで手を付ける。  だから、早めに手を付けろということの黒岩議員の御指摘だと思いますが、そういう意味で私どもは、その集積をしたところを崩していくということを一方にやりながら、かつまた今回のように法律改正をさせていただきまして、そうしたことが頻々に行われることを規制するということ、そういうものを壊していくということに更に努力をしなければいけないと。無理だということを言っているわけじゃなくて、なおかつ努力をしなければいけないというふうに考えているわけであります。
  150. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 私、冒頭紹介しておきたかったんですけれども、昭和五十九年の改正以降、東京では今言ったファッションヘルス、まあソープランドもそうなんですけれども、吉原以外は出店できないんですよね。そうなんですよね。あと、調べましたところ、私の新潟県、そのほか兵庫県とか神奈川県、全国で十六府県で一切ファッションヘルスもソープランドも出せないんですよ。町を歩いているとあれだけありますから本当にその実感はないんですけれども、制度上は、それこそ兵庫の福原とか、何か雄琴だとか、あと神奈川の川崎堀之内とか、こういったところでも一切ソープランドもファッションヘルス法律上出せないんですよ。でも、そういう実感ないですよね、そこらじゅうで見掛けるわけですから。  だから、これは基本的には既得権のある営業店というのは今言った千十三しかないんですから、ほとんどあれですよ、無届け営業ですよ。この二十年間で新規営業がないなんてことはあり得ないわけですから。  それで、先ほどの人員増強といっても、二百軒の端緒のうち三軒しか摘発してないとなれば、それこそ各警察の生安の数を、人員を百倍にしなきゃいけないと、こんな無理なわけですよ。町じゅう警察官だらけになっちゃう。警察官増員は必要だけれども、どう考えても物理的に無理だと、そうなると、やっぱり予防しなきゃいけないわけですね。いざこれ違法行為行われたら、もう取り締まれないんですから、向こうも平気でやってくるんですから。だから、この点、もう重要なことですよ。とても手直し、手直し程度のことではもう無理だという、このことはちょっと指摘にとどめさしていただきますけれども、まあ大臣局長、これを機に、またしっかりとした対策を練っていただきたいと思っております。  さて、時間も迫ったんで、ひとつこれお聞きしたいんですけれども、今申し上げたファッションヘルスとか、まあソープランドもそうなんですが、今日も話題になりましたデリバリーヘルス、これは法文上すべて異性の客に対してだけ、異性の客に対してだけ規制が掛かっているんですよ、これ同性は含まれないんですね。これは何でなんですか、何で同性は含まれないんですか。
  151. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 確かに、風営法上異性によるものが規制対象となっておりますのは、実態上同性による接待等については現実の問題として大きな問題でないという、そういう実態に基づいているものでございます。
  152. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 今日、お手元に新聞のちょっと広告欄をお出しした、お手元に渡してあるんですけれども、これ急遽、昨日私の秘書に何紙かコンビニに買いに行かして、だれでも買える新聞ですよ。ちょっとはぐっただけでも、これオレンジでくくっておりますけれども、これニューハーフとかいろんな表現ですけれども、これ男性が男性に対するサービスなんですよ、これ一切風営法規制に掛からないんですよね。局長、大した問題になってないと言いながら、かなりの紙面を割いて、これ女性がじゃなくて男性が男性に対するサービスですよ、今日、まあ御婦人の委員もいるんであれなんですが。そうなりますと、これ、先ほど申し上げた低照度飲食店とか同伴喫茶とか、全国に六軒しかないとか十七軒ないのに比べれば、はるかにこの手の風俗営業というものがまかり通っているわけですね。  これ、平成十年の改正時にも議論になりました。同性を含めないのはなぜかといったら、局長と同じ答えでしたよ、今の局長と当時の局長が。余りないと、ほとんど見受けられないと言っているんですけれども。あれから七年たって、もう今のようにかなり性の多様化ということで、こういった同性に対するものがもうこれだけ出ているわけですよ。これに対して規制の網がなくて、先ほど申し上げた低照度飲食店にはあるわけですよ。これ、いかにも私は不合理だと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
  153. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 私もこんなにあるとは存じなかったわけでございますが、一つは異性との関係でそうしたことを売り物にするということになった場合に、被害者女性になる被害というものが出るということを、そういう実態が非常に招来する可能性が高いということで多分対象にしたんだろうと、こういうふうに思います。加害者と被害者という関係が異性同士の場合、特に女性被害者になる蓋然性が高いということを考えたのではないかなというふうに思います。  しかし、風営法の法の目的というのは、先ほど来何回も申し上げているような風俗という、そういうことでございますので、今局長が御答弁申し上げたように、それが善良な風俗を侵すというような実態になれば、そういうことが全体的に社会の通念としてそういうものはもう耐え難いということになれば、法律としても対象としなければ、規制対象としなければいけないことになるんだろうと、こういうふうに思います。  私もちらっと、さっきからずっと法文を読んでおりまして、店舗型についてはそういう規定があるんですわ。二条の六項の最後の方に、二条の六項の六号に規定がありまして、前項に掲げるもののほか、店舗を設けて営む性風俗に関する営業で、善良の風俗、清浄な風俗環境又は少年の健全な育成に与える影響が著しい営業として政令で定めるものと。政令はないんでございますけれども風営法の観点から申しまして、異性ということで、これは多分、私、私見でございますけれども女性被害者になる蓋然性が高いということで、これは禁止規制をしなきゃいけないという観点。それからもう一個は、もちろん善良な風俗等が害される場合ということでもって規定がありますので、私は、社会通念上、そういうことが善良な風俗を害するものとして耐え難いという程度になった場合には我々も考えなきゃいかぬ事態にあるんではないかなというふうに私は考えておるわけでございます。
  154. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 今大臣のおっしゃった、女性だって言いますけれども、ここをごらんになって分かるとおり、多分ニューハーフと言われる方はそれなりの手術を受けて、身体的にはともすれば男性よりははるかに力とかも強くない人たちもいるわけですよ。  平成十年、法改正された直後に、名前は申し上げられませんけれども、ある大変ヒットした日本の映画の主題歌を歌った男性歌手ですけれども、この方が男性のデリバリーヘルスを呼んで、そこで暴行事件を起こしたという、これ実は示談で済んだんで事件とは言えないかもしれませんけれども、そういうことも起きているわけですね。これはもう氷山の一角ですよ。  だから、そういうことを含めて、女性が云々だとかいうことじゃなく、それ、先ほど大臣おっしゃった六号の何とかなど、平成十年にもこれ議論されているんですよ。既にこんなことは議論されているんです。でもはっきりと、この一号や二号に異性というものを省けばいいわけですよ、単純に。  だから、これについては、もう時間ないんで最後にお聞きしますけれども、更に踏み込んで、もう速やかにこれ取り掛かるべきですよ。もうこれだけはんらんしているわけですから。だから、七年前も研究するって書いてあるんですけれども、まだ研究するんですか。もうかなり実態は進んでいるんですよ。研究している場合じゃないですよ、大臣。もうちょっと踏み込んで、これすぐに手を打つと、そこまでおっしゃっていただきたい。大臣、お願いいたします。
  155. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) それでは、研究するから進みまして、検討をさせていただきたいと思います。
  156. 黒岩宇洋

    ○黒岩宇洋君 終わります。
  157. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  158. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、喜納昌吉君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君が選任されました。     ─────────────
  159. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  風俗営業等規制及び業務適正化等に関する法律の一部を改正する法律案賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  160. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  161. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  162. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) これより請願の審査を行います。  第一七八号戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案早期成立に関する請願外七件を議題といたします。  本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧のとおりでございます。  これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることになりました。  以上のとおり決定することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  163. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ─────────────
  164. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  内閣の重要政策及び警察等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  165. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  167. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  168. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十分散会