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2005-10-25 第163回国会 参議院 内閣委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年十月二十五日(火曜日)    午後三時開会     ─────────────    委員氏名     委員長         高嶋 良充君     理 事         市川 一朗君     理 事         小野 清子君     理 事         岡崎トミ子君     理 事         森 ゆうこ君                 秋元  司君                 鴻池 祥肇君                 佐藤 泰三君                 竹山  裕君                 中曽根弘文君                 西銘順志郎君                 山崎 正昭君                 神本美恵子君                 工藤堅太郎君                 松井 孝治君                 円 より子君                 風間  昶君                 白浜 一良君                 近藤 正道君                 黒岩 宇洋君     ─────────────    委員長異動  九月二十六日高嶋良充委員長辞任につき、そ  の補欠として工藤堅太郎君を議院において委員  長に選任した。     ─────────────    委員異動  九月二十一日     辞任         補欠選任      小野 清子君     泉  信也君  九月二十二日     辞任         補欠選任      泉  信也君     小野 清子君  九月二十六日     辞任         補欠選任      岡崎トミ子君     芝  博一君      神本美恵子君     喜納 昌吉君      高嶋 良充君     木俣 佳丈君      円 より子君     柳澤 光美君      森 ゆうこ君     藤原 正司君  十月二十日     辞任         補欠選任      藤原 正司君     小林 正夫君  十月二十一日     辞任         補欠選任      小林 正夫君     藤原 正司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         工藤堅太郎君     理 事                 市川 一朗君                 木俣 佳丈君                 芝  博一君     委 員                 秋元  司君                 小野 清子君                 佐藤 泰三君                 竹山  裕君                 中曽根弘文君                 西銘順志郎君                 喜納 昌吉君                 藤原 正司君                 松井 孝治君                 柳澤 光美君                 風間  昶君                 白浜 一良君                 近藤 正道君                 黒岩 宇洋君    国務大臣        国務大臣        (内閣官房長官)        (内閣特命担        当大臣男女共        同参画))    細田 博之君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    村田 吉隆君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣科学技        術政策))    棚橋 泰文君    副大臣        内閣府副大臣   七条  明君        文部科学大臣  小島 敏男君        経済産業大臣  小此木八郎君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        西銘順志郎君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       猪俣 弘司君        内閣官房内閣参        事官       小川 新二君        内閣大臣官房        政府広報室長   谷口 隆司君        内閣府政策統括        官        浜野  潤君        内閣統計制度        改革検討室長   川崎  茂君        内閣規制改革        ・民間開放推進        室長       田中 孝文君        内閣府市場化テ        スト推進室長   河  幹夫君        内閣男女共同        参画局長     名取はにわ君        食品安全委員会        事務局長     齊藤  登君        内閣経済社会        総合研究所景気        統計部長     私市 光生君        警察庁長官官房        長        安藤 隆春君        警察庁生活安全        局長       竹花  豊君        警察庁刑事局長  縄田  修君        警察庁警備局長  小林 武仁君        総務省自治行政        局長       高部 正男君        外務大臣官房審        議官       齋木 昭隆君        文部科学省初等        中等教育局長   銭谷 眞美君        厚生労働大臣官        房審議官     松井 一實君        厚生労働省医政        局長       松谷有希雄君        国土交通大臣官        房審議官     和泉 洋人君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○国政調査に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○内閣重要政策及び警察等に関する調査  (治安確保及び少年犯罪の防止に関する件)  (統計制度改革及び世論調査等在り方に関  する件)  (我が国の宇宙開発施策に関する件)  (北朝鮮による日本人拉致問題に関する件)  (朝鮮半島出身民間徴用者等の問題に関する  件)  (米国産牛肉の輸入再開在り方に関する件) ○風俗営業等規制及び業務の適正化等に関する  法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆議  院送付)     ─────────────
  2. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  去る九月二十六日の本会議におきまして内閣委員長選任されました工藤堅太郎でございます。  本委員会は、内閣重要政策及び警察等国政の基本にかかわる諸問題を所管するものであり、委員長としてその責任の重大さを痛感しております。  委員会の運営に当たりましては、委員各位の御協力を賜りまして、公正かつ円満に行われるよう努めてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。(拍手)     ─────────────
  3. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 委員異動について御報告いたします。  去る九月二十六日、高嶋良充君、岡崎トミ子君、森ゆうこ君、円より子君及び神本美恵子君が委員辞任され、その補欠として木俣佳丈君、芝博一君、藤原正司君、柳澤光美君及び喜納昌吉君が選任されました。     ─────────────
  4. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事木俣佳丈君及び芝博一君を指名いたします。  なお、あと一名の理事につきましては、後日これを指名いたします。     ─────────────
  6. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、内閣重要政策及び警察等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  内閣重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官猪俣弘司君外十八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  10. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 内閣重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  11. 市川一朗

    市川一朗君 自由民主党の市川一朗でございます。今日は村田国家公安委員長お出ましいただいておりますので、御質問したいと思います。  私自身も予算委員会あるいはこの委員会でも度々委員長にはお尋ねしているわけでございますが、やはり私が申すまでもなく、国家とは何かという中の最重要課題一つ治安の維持、確保、これは国家責任の非常に重要な問題だと思っておりまして、それを行政責任の先頭に立って頑張っていただいております国家公安委員長始め警察関係皆さんには大いなる敬意を表する次第でございますけれども、しかし正直言いまして、今の日本治安情勢は十分確保しているであろうかという点でまいりますと、私は肯定できない面があるのではないかというふうに思っているわけでございます。やはり昔は日本は非常に治安が維持されている世界でも一番安心して住める国の代表と言われておったと思いますけれども、最近の状況を見ますともうどんどん悪くなる一方であるということで、私だけじゃなくて国民皆さんもそんな心境でいるのではないかなと思うわけでございます。  ところが、一応、政府といいますか警察庁からいただいた資料等を見ますと、例えば私の手元にありますのは平成十七年上半期犯罪情勢についてという資料でございますが、全刑法犯認知検挙状況として、二年連続で減少している認知件数は本年上半期は大幅に減少と、こういうふうになっておりまして、言わばこれだけ見る限りにおいては、非常に治安が良くなりつつあるというような統計数字のようにも見えるわけでございます。まさかそういった認識の下で今、委員長はおられるわけではないと私は思いますが、現在の日本治安状況について、委員長として、責任大臣としてどういう認識を持っておられて、そしてどういう取組方をしておられるのかお伺いしたいと思います。
  12. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 今、市川委員は、犯罪がどんどん増えていると思っておったら二年ぐらいは減少刑法犯認知件数で見る限り減っているということでございます。それは事実でございまして、平成十四年がピークだったわけでございますが、それを十五年、十六年は二年連続して刑法犯認知件数減少してまいりましたし、平成十七年の上半期で見ても前年の同期比で見る限り一二・九%刑法犯認知件数が減っている、犯罪が減っているということでございまして、一応は私ども犯罪発生は頭打ちになってきたなということは評価させていただきたいと思っておりますが、しかし昭和の四十年代、日本が世界一安全な国と言っていたそういうときと比べると、犯罪発生件数は当時は百四十万件ぐらい、百二十万件ぐらいですか、だと思いますが、これが今は二百数十万件ということでございますから、実に倍という状況でございますんで、依然として厳しい状況にあるということは私ども認識をしているわけでございます。  特に、昨年来マスコミ、テレビ等をにぎわしました振り込み詐欺等の悪質な詐欺事件、あるいは少年によります凶悪事件、あるいは外国人による犯罪ですよね、そういうものが多発しておりまして、我々はそうした犯罪を極力抑止することによりまして、国民治安に対する不安というものをできるだけ抑えていかなきゃいけないというふうに考えておりまして、十五年にも計画を作りまして、世界一安全な国に戻したいという気持ちで犯罪に強い社会の実現のための行動計画というのを作りましたし、それから、それを補完する形で、今度は本年六月に安全・安心まちづくり全国展開プランというものを作りまして、なお引き続き国民の安全、安心生活を求めたいという御要望に我々一丸となって努力していかなきゃいけないというふうに思っているわけで、そういう意味で、国家公安委員会としても警察を督励してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  13. 市川一朗

    市川一朗君 ただいまの国家公安委員長認識は、私個人としても大体共通する認識でございます。安心したというわけじゃございませんが、やっぱり今日本の国は、この一、二年の統計はどうであるかはともかくとして、先ほど昭和四十年代というお話がございましたが、正に昭和四十年代といいますとあのイザヤ・ベンダサンという方が「日本人ユダヤ人」という本を出したのが、たしか昭和四十五年だったと思いますが、私もあのころその本を読みましてカルチャーショックを受けたんですが、日本人は自由と水と安全はただでもらえると、ただだと思っているという話がございました。ちょうどその四十年代というのは、そういう意味では、外国人の人から見ても非常に安心して住める日本ということだったのかなと今思うわけでございます。  やはり、何といいましても、そういう世界一安全で安心して住める国と、安心して住める国というためには、最近、社会福祉問題、年金問題も含めまして医療問題その他すべて解決しなきゃならないもろもろの問題ございますから、一概には解決できない問題一杯ございますけれども、しかし、治安の面においてかつて世界一安心な国であったわけでございますので、是非そこに戻してもらいたいと思っているものでございます。  最近、先ほどもちょっとお話ございましたけれども、私が見て、一見本当に普通の人だと。事件が起きてみて隣近所の人に聞いてみても、とてもいい人でしたよとか、おとなしい人でしたよと。それがあの信じ難いような犯罪を起こすと。それでいろいろ分析されておるわけでございまして、ああいう事件の多発している状況を見ましても、なかなか問題はそう簡単ではないなと思うわけでございますけれども一つ、私、選挙区、宮城県でございますが、宮城県の警察方々お話をしたり上京したりしてみて、やっぱりちょっと気になることは、すべてを警察にお任せするというわけじゃないんですが、広い意味での、何といいますかね、警察力というんですかね、それが数の上でも十分満たされてないんじゃないかなというふうに思うわけです。  行政改革の中で、郵政の民営化でも公務員の数を減らすというのが一つの大きな目標になっておりますから、警察官もそういう意味では公務員の部類に入るわけでございますので、なかなか問題は複雑ではございますけれども、例えば宮城県の例で言いますと、私の手元資料ですと、十年前と比較しまして、刑法犯全体で一・三倍、それから殺人、強盗などの重要犯罪は一・六倍に増加しているわけです。  宮城の場合は、仙台市という都市が政令市になったりして都市的発展も遂げておるというところで特異な存在ではないかなと思うわけでございますが、そういった中で警察官の方は一生懸命頑張っておりますが、なかなか警察官を増やすといいますか、配置するのに十分余裕がないというようなお話を承っておりまして、いわゆる警察官一人当たり負担人口というので統計取ってみますと、宮城の場合は全国第五位だというようなところで、犯罪はどんどんどんどん増えていっているけれども警察官確保はなかなかできないといったような状況になっておるわけでございます。  その辺は、根底に難しい問題があるのはもちろん承知しておりますが、いわゆる警察官増員という問題について、地域間のバランスをどういうふうに取っておられるのか、少なくとも地域格差を生じさせないような配慮が必要なのではないかなと思うわけでございますが、その点につきまして、警察庁の御答弁をお願いしたいと思います。
  14. 安藤隆春

    政府参考人安藤隆春君) お答えいたします。  委員指摘のとおり、確かに宮城県の警察官一人当たり負担人口全国平均を大きく上回っておりまして、他県と比較して高い負担となっているのは事実でございます。一方、治安情勢全国的に見ますと、先ほどからお話があるように、まだ極めて厳しい状況にありまして、これは十年前と比較しますと、これは全国レベルですが、刑法犯認知件数は一・四倍、重要犯罪は二・一倍ということでございまして、宮城県も増えておりますが、それを上回るペースで全国的に増加していると。  こういう情勢にかんがみまして、今回の一万人増員構想というのは、特に現在深刻な問題となっております重要凶悪事件とか外国人組織犯罪あるいは街頭犯罪とか凶悪粗暴少年事件などの、そういう緊急に措置しなきゃいけないというそういう対策のために、まず各都道府県ごと増員数を決定するに当たって、これらの要素を重要な要素として判断するということを第一段階にしております。  しかしながら、もちろんそれだけで負担というものを均衡を図るということじゃなくて、やはり委員指摘のとおり、負担人口を含めまして、人口だけではないんですが、刑法犯認知件数とかあるいは交通事故発生件数、一一〇番受理件数など、これも十分検討をすべきものと認識しておりまして、可能な限り各種負担の不均衡是正に今後とも努力してまいりたいと思います。  いずれにしましても、増員数の決定に当たりましては、各県から治安実態負担度合い等についてよく聴取した上で総合的に判断してまいりたいと、こう思っております。
  15. 市川一朗

    市川一朗君 地元のことでございますので、なかなか言いにくい面もございますが、何か犯罪がよそよりも多く起きているような気もするんですよね。それが警察のせいだということを言う気は全くないわけでございますが、しかしやはり警察官に頼らなきゃならない部分が一杯あると。その割にはどうもうまく手が回っていないんじゃないかなという感じがしますので、若干宮城県警応援団という意味も含めまして、今官房長からの御答弁でしたが、やはり警察官配置に関しましては、そういう実態について地元選出国会議員心配しているという事実をお伝えしたいと思います。  それで、併せてお尋ねしますが、今全国市町村合併がいろいろ進んでおりますよね。いろんな形で今合併問題というのは進展しているわけでございますが、そういう市町村合併によって、例えば私の方の例で言いますと、十か町村が一市になったと、それから隣は一郡八町に隣の郡から一つ入れて九町で一市になったと。また宮城のことで恐縮ですが、今の例は宮城県の例でございまして、県の一番北の方ですね、岩手県との県境のところは今まで十か町村という郡があり、八町の郡があったのが、全部一つの市、一つの市になって十か町村、八か町村というところが今は二市しかなくなったというような状況で、もう様変わりを、劇的変化を今日本じゅうしているわけでございます。  こういった問題とその治安確保の問題、これはもちろん治安確保というと警察に頼らざるを得ない面がございますが、やっぱり町村長がいるといないとでは、役場の人も含めてきめ細かさという点で、安心、安全という点でいくと、いろいろ心配部分も出てくるんでございますが、警察としては治安確保の点から、そういう最近進んでおります、全国各地で進んでおります市町村合併等に対して、何かこういう考え方でやっているという指針みたいなもの、あるいは考え方みたいなものがありましたら、御答弁ただきたいと思います。
  16. 安藤隆春

    政府参考人安藤隆春君) お答えいたします。  最近、市町村合併というのは多くありますので、それが一つの契機として警察庁管轄区域というのをそれに対応しなきゃいけないという点が一つあるんですが、もう一つ治安情勢がやはり昔と比べて変化するということで、昔つくられた警察署配置といいますか、そういうものも現在の治安情勢に合わせて見直すという、市町村合併だけではありませんが、そういうことで現在多くの県で警察署統廃合が実施されたり、あるいは検討が行われているところでございます。  統廃合に際しましては、もちろんやはり住民の方の意見を尊重しながら進めるわけでありますが、もちろん地域治安確保といいますか、警察力が衰えるといいますか、そういうことであってはならないわけでありますので、その辺のところを非常に重要な判断基準といたしまして慎重に進めておるわけでありまして、統廃合当たりましては、特に効率的な人員配置が可能になって、夜、例えば初動体制とか夜間の宿直体制、そういうものが強化されて住民安心を与えると、こういう形で統廃合を進めておるわけでございます。確かに、統廃合の前に住民方々からいろんな心配の声を聞くということがございますが、それは、いろいろ強化しましたよということをいろいろ理解をしていただいて進めているわけでありまして、最近いろんなところでやりました例を取りましても、統廃合に比べて、住民の方は、パトカーをよく見掛けるようになり安心であるなどの意見が多く寄せられているところでございます。  そういうことで、この問題はそういう住民意見をよく聞きながら進めてまいりたいということで、各地実情、それぞれ各県によって実情は違いますが、そういう方針でやっていると承知しております。
  17. 市川一朗

    市川一朗君 いろいろな対応をしていただいていると確信いたしますが、これからもよろしくお願いしたいと思います。  それで、今日は余り時間がございませんので、いろいろな質問を予定しておりましたけれども少年犯罪の問題についてのみお尋ねしたいと思います。  最近、大変凶悪な少年犯罪が多発しているという私ども認識を持っているわけでございますが、その点、警察庁はどういう認識でございますか。
  18. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) お答え申し上げます。  最近の少年犯罪の現状について申し上げますと、平成十二年以降、刑法犯少年検挙人員がずっと増加の一途をたどっておりまして、ただ、昨年は全体的に犯罪抑止を強化をしたこともございまして、検挙人員が約十三万四千八百人ぐらいでございまして、前年に比べて六・六%の減少を見たところでございます。  ただ人口当たり検挙人員で見ますと、少年は成人の約七倍に上るわけでございますし、これは、戦後最悪でありました昭和五十年代後半に近い水準で推移をしているということでございます。  また、御指摘のように、最近でも十七歳の男子による大阪の寝屋川におきます小学校における教職員殺人事件ですとか、あるいは宮城でも、十四歳男子による宮城県における警察官殺人未遂事件もございましたが、このように少年による社会の耳目を集める重大な事件が続けて起こっているというのが止まらないという、そういう状況にあると思っておりまして、大変その状況に懸念をしておるところでございます。
  19. 市川一朗

    市川一朗君 それで、少年犯罪ということを想定したときに、犯罪が起きた場合は警察が中心になってその犯人を検挙すると、それからいろんなことを含めて、教育的な指導も含めて対応していくということで、そこは見えているわけでございますが、これはだれに聞けばいいのかなと思いながら質問しているわけでございますが、そういう少年犯罪が多発しないようにする手だてというのは、私にとってはそれが最も重要な問題点だと思っておりますけれども、それはいろんな立場で、家庭も含めて社会全体が対応しない限りは、少年犯罪の多発を防ぐということはなかなか難しい問題だということは十分承知の上でですが、しかし、やはり直接、犯罪が起きた場合に対応する責任者である警察として、そもそも少年犯罪が起きないようにするためにはどうしたらいいかといったようなことについて、どういう取組方をしておられますか。
  20. 竹花豊

    政府参考人竹花豊君) 最近の少年犯罪のこのような状況をもたらしているものは、幾つか要因があろうかと思います。少年自身の規範の低下、それをもたらす社会的な、少し様々な意味でのたがの緩みといったものもあるように思いますし、家庭、学校、地域社会少年犯罪を抑止する力が低下をしてきているのではないかということも指摘をされております。また、少年の身近に様々な少年の成長に有害な情報がインターネット等あるいは携帯電話等を通じてもたらされているという現状が格段に広がっていると、そういうことも指摘をされているところでございます。  そういう中で、警察といたしましても、少年が非行や犯罪に巻き込まれずに健全に育っていくように力になりたいというふうに考えておりまして、学校等とも連携いたしまして、学校教育の現場で非行や犯罪被害の防止のために子供たちに力を付ける、そういう力を付ける教育に力をかそうということで学校とも連携を強化をしているところでございます。  また、やはり少年の中には、そういう中でも過って犯罪を犯す場合もあるわけでございますが、それを、犯罪がたとえ小さな犯罪であってもそれを見過ごさないでしっかりとした対応をしていく、そしてそういう少年に対して立ち直りのための働き掛けを学校や地域の方たちと連携をいたしまして、警察としてもそういう取組を進めていくということが重要であるというふうに考えております。  最近、非行等の問題を抱えます個々の少年を支援するために、警察、学校、保護者を始めとする関係者から成る少年サポートチームというのをつくっておりまして、これが今全国に大きく広がっております。そういう中で、大人が子供たちを支えて健全に育てていくという取組を警察としても非常に大事な問題だと考えてそれを促していく、あるいはその中心になってやっていくということで努力をいたしておるところでございます。
  21. 市川一朗

    市川一朗君 村田委員長、通告はしていないんですけれども、私、今は少年犯罪の多発の問題について、やっぱりもっと地域ぐるみで取り組む必要があるんじゃないかと。  つまり、事件が起きてからの問題の前に、事件が起きそうなところを予防的に措置する、そういう仕組みというのを何か社会としてつくる必要があるんじゃないかなというふうに思っておりまして、もしそういうものをつくるとすれば、それが第一義的に警察の役割であるかどうかということは必ずしも私も整理されていない部分があります、だれが中心になってやればいいのかと。しかし、少なくとも警察は関係ないという立場ではないと思うんですが、そういったような問題について、少年犯罪の問題は犯罪が起きた場合の検挙というようないわゆる犯罪処理という立場だけではなくて、そもそも犯罪が起きないように、非常に難しい問題はあると思いますよ、プライバシーの問題とか人権の保護とかという問題はあると思いますが、しかし何かいろんな意味でもっと予防措置があってもいいんじゃないかなというふうに思っている一人なんでございます。  ここは政治家同士の意見ということで、余り長くされると持ち時間ございませんので、一、二分で結構ですから、大臣としてのその辺に対する率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  22. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 今、生安局長もお答えをいたしましたけれども警察もいろいろな、少年たちの生活指導をするとか補導をするとか、あるいは学校と協力したり、そういういろんなマンパワーの協力を要請できるような仕組みもございますけれども、私は、一番大事なのは家庭であるかというふうに思うんですね。  それで、親の世代が、子供たちがすくすくと立派に育ってもらうことが本当に、親の世代としても親としても本当に願っていることなんだと。君たちの将来が本当に親として大切に思っているんだというメッセージを子供たちに親としてしっかり送るということが必要なんだろうというふうに思うんですね。ただしかり飛ばしているというんじゃなくて、やっぱり子供たちの将来を願って立派な大人に成長してもらいたいというメッセージを親あるいは地域の人たちが送り続ける、これが私は今の社会において少し不足しているかなというふうに思っているところがございますので、そういうことをやらなきゃいけないなというふうに思っている次第でございます。
  23. 市川一朗

    市川一朗君 突然の質問をいたしましたけれども、大変参考になる御発言をいただきましてありがとうございました。  若干早いと思いますけれども、ちょうどいい時間でございますので、これで私は終わりたいと思います。
  24. 白浜一良

    白浜一良君 今日は三十分いただいておりますので、警察問題は後でやりますから、済みませんが大臣、しばらく。  今日は、ちょっと地味なんですけれども、大事なこれは項目なんで二点だけ質問したいと、このように思います。  それは、一つ統計制度の問題でございます。もう一つは世論調査の問題。  いずれにいたしましても、統計を取るということは将来の政策の方向付けをするという観点からも大変これは大事なことでございます。しかし、これ調べましたら、根拠法は、統計法というのは昭和二十二年らしいんです、統計報告調整法というのは昭和二十七年。もう五十年以上前でございますし、あとはもう全部政省令でされているということで、大事な統計がばらばらだということでございますが、内容的な重要性ということから考えれば、いわゆる国際的なそういう統計の調整ということもございましょう、それから政府としての一体性ということもございましょう。  そういう面で、大変この統計制度も大事だということで、平成十八年度に向けた内閣府本府の重点施策、八つの新たな課題と三つの重要課題と、こういうふうに挙げていらっしゃいますが、その八つの新たな課題の中に、統計を抜本的に見直すと、そういう意味で多分明記をされていると思うわけでございますが、今、この専門家会議ですか、統計制度改革検討委員会でいろいろ来年六月に向けて協議をされているということでございますが、少なくともこういう根拠法が大変、五十年以上前の法律に準拠していると。時代状況は大きく違います。そういう意味から、法改正に具体的に結び付くような結論を当然出すべきじゃないかと、こういうふうに思うわけでございますが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  25. 川崎茂

    政府参考人(川崎茂君) お答え申し上げます。  今日、経済社会を取り巻く我が国の環境、目まぐるしく変化しております中で、我が国の統計は時代の変化ですとか新たなニーズへの対応が求められておる大変重要な局面でございます。  本年の六月に経済社会統計整備推進委員会、これは私ども第一次委員会と申しておりますが、こちらの報告にございますとおり、今後の統計整備に当たりましては、個別の統計とそれからそれを支えます法制度の両面から改善を図っていくことが必要であるということで指摘をいただいておりまして、これを基本方針の二〇〇五にも、これを踏まえまして基本方針二〇〇五にも関係の取組を盛り込んだところでございます。  これを受けまして、本年の九月に内閣府の統計制度改革検討委員会におきまして統計法制度の抜本的見直しにつきまして検討に着手したところでございます。この委員会は、第一次の委員会と同様に、委員長を吉川洋経済財政諮問会議議員にお務めいただいておるところでございます。この委員会の方で、第一次の委員会が提言されました加工統計を含みます統計体系の整備、あるいは政府部内におきます司令塔機能の強化といったことを中心に議論が行われているところでございます。  委員の御指摘ただきましたとおり、この委員会が来年の六月を目途に取りまとめます予定の報告に、その後の法改正も念頭に置きました具体的な結論が盛り込まれますように、事務局といたしましてしっかりと委員会のサポートに努めてまいりたいと考えております。
  26. 白浜一良

    白浜一良君 るる説明されましたが、結論、最後のだけでいいんですわ、私が聞きたいのは。だからしっかり、時代も違います、これだけ国際的な時代ですから、しっかりした法改正をしていただきたいと、このことを指摘しておきたいと思います。  それから、もう一つ関連して、今も申し上げましたが、提言の中で司令塔ということをおっしゃっている。これは大変大事なんですけれども、まず組織の形態においてどういうことをお考えになっているか。今協議の最中だと思いますが、方向性としてですよ、それをまず聞きたいと思います。
  27. 川崎茂

    政府参考人(川崎茂君) お答え申し上げます。  第一次委員会の方では、本年六月に取りまとめました報告におきまして、司令塔の有すべき機能といたしまして八つほど例示を挙げまして、それを担う組織の在り方、またその機能の間の連携の在り方といったものを論じております。これを踏まえまして今後更に検討していくべきということでございます。  これらの機能の連携によりまして、バーチャルな司令塔の在り方、あるいは組織統合によるリアルな司令塔の在り方といった二つの考え方がございまして、これを現在検討ただいておるところでございます。
  28. 白浜一良

    白浜一良君 もう少し具体的にちょっと言うてほしいんやけど、総務省とか内閣府が統計的には中心なんでしょう、多分、各省庁もやられているけれどもね。その場合、今各省庁でも行われている統計作業を全部洗い直して、それを一体性というか全体を方向付けるような、そういう組織形態を考えているということですか。
  29. 川崎茂

    政府参考人(川崎茂君) 現在の委員会検討では、一次委員会の報告を踏まえまして、先ほど申し上げましたような機能間の連携によるバーチャルなもの、あるいは組織の統合によるリアルなものというその二つの可能性を視野に入れまして御検討をいただくこととなっております。
  30. 白浜一良

    白浜一良君 まあそのぐらいにしておきますわ、協議の最中なんで。是非とも、こういう有機的な、一体性のある、それぞれが違う統計項目でも重層的にそういう効果が発揮できるような、そういう体系を考えていただきたいと、このことだけを要望しておきたいと思います。  それからもう一つ、世論調査。これも政府も種々されているわけでございますが、先日、これは私も新聞報道で聞いたんですが、内閣府で行われた食育に関する調査、それともう一つ地域再生に関する調査。この二つの調査をされたんですが、調査に不適切なデータ収集、いわゆる捏造問題があったと、こういうふうに報道されておりますが、この件はどういうことなんでしょうか。
  31. 谷口隆司

    政府参考人(谷口隆司君) お答えを申し上げます。  ただいま委員が御指摘されましたとおり、私どもが実施をいたしました二つの調査、テーマといたしましては御指摘のとおりでございますが、食育に関する世論調査、それから地域再生に関する世論調査、これにつきまして一部調査員による不適切な処理が行われたということが判明をいたしているところでございます。  誠に遺憾なことでございまして、再発の防止策、これにつきまして、現在、受託をいたしますすべての調査機関に対しまして今後往復はがきによる一〇〇%の監査を求める、また、各調査受託機関が自ら行います監査、これの実施状況について当方としても監査を行うといったことによりまして、このような不適切な処理の再発の防止に努めていくというふうに考えておるところでございます。
  32. 白浜一良

    白浜一良君 往復はがきによるチェックもええんやけれども一つ私聞いた話では、世論調査する場合に回収率の目標が七割だと。普通、選挙とかいろんな世論調査がございますけれども、大体回収率はそんなに高くないですよね。それでも全体的な傾向性はちゃんと取られている。  そういう意味からいいまして、かつて委員会等で七割が目標だと、こうおっしゃっているわけでございますが、そういう自身にちょっと無理があるんじゃないかと、こういうふうにはお考えになっていませんか。
  33. 谷口隆司

    政府参考人(谷口隆司君) お答えをいたします。  委員指摘の回収率の点でございますが、これにつきましては定まった学説というものはないわけでございますが、一般に、学識者におきましても七〇%以上が望ましいというふうにされておるところでございまして、これを踏まえまして、私ども内閣府が実施する世論調査におきましても七〇%以上の回収率を、これは義務ではございませんで、目標あるいは目安というふうにしているところでございます。実際の内閣府が実施をいたしました世論調査の最近数年間の回収率の傾向、実績を見てみますと、平均して七〇%程度の回収率が得られているということでございます。  しかしながら、委員指摘のように、今後も調査環境の悪化が見込まれるところでございますので、よりこの調査に対して協力の得られるような、そういう世論調査在り方につきましては引き続き検討してまいりたいと、このように考えております。
  34. 白浜一良

    白浜一良君 あなたはそうおっしゃったけれども、必ずしもそうじゃないんですよ。平成十七年度の調査でも五一%、五一・七%の回収率の調査もあるんですよ。  だから、私が言っているのは、いわゆる統計学上のそういう考え方ってあるんでしょう。そういう意味で七割が正しいかどうかということを検討した方がいいということを言っているわけですよ。  選挙の世論調査だって、あれもっと低いですよ、あれ、電話で一方的にやっている調査で。そうでしょう。お役所で七割と決めるから、もう勝手に作ってぱっと報告したりする人が出ているんですよ、この捏造事件。それがすべてとは言いませんよ、言いませんけれども、かつてこれ答弁してはるけれども、今は今のそういう統計学上のやっぱり考え方ってあるんでしょう。そういうものに基づいて適切な判断をした方がいいということを私は申し上げているんですよ。  それから、もう一点この世論調査で聞きたいのは、できるだけ正しい調査で安いコストでって、これは当たり前の話でございまして、そういう意味でいうと、これ、ちょっとデータいただきましたけれども、ほとんど委託先が二社ですね、調査されているのは。これはどういうことなんですか。もうほとんど二社ですよ、これ。
  35. 谷口隆司

    政府参考人(谷口隆司君) 世論調査を実施いたします場合、私ども、一般競争入札によりまして実施の調査機関を決定をしているところでございます。  世論調査でございますから、具体的な実施の条件と申しますか仕様があるわけでございまして、それを示した上で、そういう仕様で実施をすることが可能であるという事業者が入札に参加をするわけでございますが、その上で、入札でございますので、価格競争によりまして低価格で価格の提示をした調査機関が落札をするということで、結果といたしまして、ただいま申し上げましたような調査の実施の能力、それから価格として幾らを提示するかというような競争を経まして、結果といたしまして、二つの今委員指摘のような事業者が世論調査の実施に現在当たっているということでございます。  ただ、あくまで一般競争入札ということでございまして、入札について参加する事業者を限定しているということでは全くございませんで、今、先ほど申し上げましたような条件を満たす、そういう全国的な世論調査の実施の可能な調査機関がこの入札に参加をするということでございます。  それから、あわせまして、先ほど委員から御指摘の回収率の点でございまして、御指摘のように五〇%というようなケースがございました。これは、冒頭委員が御指摘をされました今回の不適切な処理、これをいたした世論調査について、この不適切な処理がありましたその回答分、それから、別途確認をいたしたんでございますが、不適切な処理が行われたかどうかの確認ができないものも念のために除外をするというような再集計の作業をいたしまして、その結果として回収率が五〇%となったというような件が、冒頭に御指摘のありました二件についてあったということでございます。  いずれにいたしましても、御指摘のとおり、調査環境の悪化が今後も見込まれるところでございますので、私ども、より協力が得られる、そういう世論調査在り方につきまして引き続きよく検討してまいりたいと、このように考えております。
  36. 白浜一良

    白浜一良君 回収率には統計学上の根拠があればいいということを私は言っているわけなんですよ。そういう一方的に決めるからいろいろトラブルが起こると、もっと全体を把握すべきだという意味で私は言ったわけでございまして。  それから、今、一般競争入札でやっているとおっしゃっています。それは確かに形の上ではそうかも分かりません。しかし、平成十四年から今日まで四十一件あって、この二社が二十件と十九件。二件だけですよ、対象が、この二社じゃなくてやっているのは。これ自身が不思議。  二社しかなかったら、競争しているいうたって、中でちょっと話し合ったら、相手、二社だったら、話し合ったらもう終わりなんです、こんなものは。それも証拠に、あなた、私は問題点を指摘しているだけですよ。こういうことがなぜ起こるのかと思うんです。  これ、十六年の調査と十七年の調査、対象が一万人の調査をされている、この二社が。これ、言ってもいいのかな、社団法人中央調査社と社団法人新情報センターですか、この二社がほとんど独占しているというのは。それで、十六年にこの新情報センターというところがやっている一万人を対象とした調査、これの落札額ですが、二千三百八十八万七千五百円。それで、今年行われた国民生活に関する世論調査、これはもう一方の中央調査社が落札されていると。これ、対象は同じ一万人、これが二千三百八十八万七千五百円。何でこれ、ぴったりこんな合うような、違う会社なんですよ、これ。  こういうことを常識的に、普通、本当に競争入札、何の前提もなしにやって、違う会社がぴたっと同じようなこんな、これ信じろというのは無理ですよ。もし公正にやられているとしても、こういう不思議な符合がなぜあるのかということ、このぐらい説明してもらわなあかん。
  37. 谷口隆司

    政府参考人(谷口隆司君) 先ほど答弁を申し上げましたように、多くが今委員指摘調査機関なわけでございますが、そのほかの調査機関が落札をしたというケースも最近の事例の中に含まれております。  一般競争入札でいたしておりますので、繰り返しで恐縮でございますが、その場合の要件といたしましては、調査の実施能力、それに加えまして、価格面でそれだけの全国的な調査を実施することが可能であるというふうに言えるかどうかというような面、それらを各事業者、調査機関が入札に参加するかどうかに当たって、一般的に申し上げますと検討しているというものと思われます。  いずれにいたしましても、一般競争入札という下で、ただいま申し上げました条件、それから価格面について、安い価格で実施できますというふうに提示をしてきた、入札をしたその事業者が落札をしているという結果として、冒頭、委員指摘のような結果になっていると、こういうふうに理解をしておるところでございます。
  38. 白浜一良

    白浜一良君 あなたの立場で公正にやったと言わざるを得ないのは、それはもうよう分かりますけれども、普通、競争入札、一般競争入札やったら、こんな見事に一致なんかしません。  だから本当に、これ地味な部門やから、これだれも注目していないから余り目立ってはいないけれども、普通、国の予算を使ってやる事業として考えたら、もう少し今の時代はシビアになるべきですよ。  もう一つ言うておきましたら、平成十六年だから去年、この二社が、いろいろやっていますけれども、三千人を対象とした調査をされている、この二社が。それぞれ九百七十六万五千円、ぴたっと一緒と。こういうことは、同じ十六年の調査ですよ、これ。普通、十分競争していたらもっと違う値段が起こってくるいうのが私は普通だと思います。  だから、国民の税金をやっぱり無駄遣いしちゃいかぬという、そういう面で国民の監視の目が厳しい中で、どっちかというと地味な部門ですけれども、大事な作業をされてるんで、しっかりそういう意識を持って、過去に不正があったと私は言いませんけれども、より慎重な対応をしていただきたいと、このことを申し上げておきたいと思います。  それじゃ、世論調査統計制度の方は結構でございます。  次に、時間なくなってきました、犯罪被害者等の基本計画につきまして、本年中にこれを、計画をおまとめになるということでございますが、中身につきましてちょっと何点か確認したいと思うんです。  一つは、被害者等が公営住宅に優先的に入居できるように措置が講じられると、こういう検討したらどうかということになっていまして、公営住宅というのはそういう面では大変役割が大きいと、いろんなそういう施策的に対応する力があるというふうに私は思うわけでございますが、一応本年中にまとめてそれから考えるということなんですが、できるだけ事例があれば早く対応すべきじゃないかというように思うわけでございますが、この点はどうなっていますか。
  39. 和泉洋人

    政府参考人(和泉洋人君) 公営住宅は、委員指摘のように、真に住宅に困窮する低額所得者に対しまして国と公共団体が協力しまして低廉な家賃で住宅を供給する制度でございます。このようなこの住宅制度の性格を踏まえまして、社会経済情勢が大きく変化する中で急速に増加、多様化する社会的な弱者につきまして、居住の安定を図っていくことは重要な課題であると認識しております。  御指摘犯罪被害者の居住の安定確保につきましては、犯罪被害者等基本計画案骨子におきまして、犯罪被害者等が事件現場になった自宅に住めないなどの事情がある場合には、管理主体の判断で公営住宅に優先入居ができることを明確にするよう検討し、平成十七年度中にも所要の措置を講ずることとされております。  犯罪被害者基本計画につきましては、本年十二月の閣議決定を目標に検討が進められておりますが、国土交通省としましては、御指摘のようにできるだけ早期に施策を実施できるようにしたいと考えております。このため、現在、優先入居の対象となる犯罪被害者等の範囲、その認定方法などを内容としますガイドラインの策定作業を警察庁等の関係府省と連絡しながら進めているところでございまして、骨子で方向は示されておるわけでございますので、基本計画の閣議決定を待つことなく、なるべく早期に各公共団体に通知することにより、犯罪被害者等に係る優先入居の適切な実施が図られるように努めてまいりたいと考えております。
  40. 白浜一良

    白浜一良君 適切に、迅速にお願いを申し上げたいと思います。  それから、これも平成十五年に私、本委員会で質問したことがあるんですけれども犯罪被害者の親族、特に三親等の場合は、被害者に対する給付金制度がございますね、これが適用がされないことになっているんですが、いろんな事例があるので、戸籍上はつながっているけれども実際もう大変な被害者だというケースもあるので、これ柔軟な対応できるようにということで、平成十五年の委員会でも私がお願い申し上げたんですが、その後、大臣どうなっていますか。
  41. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 私は実は犯罪被害者等基本法の担当もしておりまして、今この時点でも第九回目の検討会を今開催しているところで、私もちょっと抜けてまいりましたけれども。  今御指摘なさいました重傷病給付金の支給に関しましてのいろんな条件がございまして、これについてもいろんな御要望が出てまいりまして、八月にまとめられた骨子の中でも、警察庁において、犯罪被害給付制度における重傷病給付金の支給範囲及び親族間犯罪の被害に係る支給について、現状よりも拡大する必要があることを前提に必要な調査を行い、一年以内を目途に結論を出し、その結論に従った施策を実施するということでございまして、今先生が御指摘なさいますような今のケースでは、要するに特別の場合に三分の一とかそういう支給になっておりますけれども、とにかく親族間のいろんな犯罪が、DVとかあるいは児童虐待とか、いろんなケースが多発しているという昨今の現状にかんがみて、これについても、今申しましたような骨子の内容に沿って、できるだけ早いうちに緩和措置を講ずるべく努力をしたいというふうに考えているところでございます。
  42. 白浜一良

    白浜一良君 しっかりお願いしたいと思います。  もう時間がないので、いろいろ質問していましたけれども、申し訳ございません。  あと、これやりますわ。  個人情報保護法が施行されてから捜査拒否があるという、これ一部報道されていまして、この間も横浜で高校生がスピードを上げた自動車に突っ込まれて二名亡くなられて、数人けがをされて入院されたと。それで、警察が捜査行ったら、一つの病院だけ拒否されたということが報道されてたんですが、元々、個人情報保護法が制定されても、そういう必要上の警察の捜査を拒否できないというのが当たり前だと思うんですが、これはどうなっていますか。
  43. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) 警察といたしましては、刑事訴訟法百九十七条二項によりまして、捜査に必要がある場合に照会をさせていただいております。これにつきまして回答することにつきましては、これは義務であるというふうに理解されておるというふうに考えております。
  44. 松谷有希雄

    政府参考人松谷有希雄君) 厚生労働省が作成をいたしました医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインにおきましては、個人情報保護法上、第三者提供の制限の例外でございます法令に基づく場合などに該当し、本人の同意なく回答できる場合として、刑事訴訟法に基づく令状による捜査や捜査に必要な取調べなどを例示しているところでございます。  しかしながら、医療機関では警察からの照会への対応に苦慮している事例も見受けられるので、厚生労働省といたしましては、既に公表してございますガイドラインに関するQアンドAの中で具体的事例として追加することで、警察からの照会に対して医療機関が混乱することなく適切に協力できるよう周知してまいりたいと考えております。  以上です。
  45. 白浜一良

    白浜一良君 これ、二十日にほんまはこの委員会行われる予定で、今の答弁もらう予定やったんやけれども、その日にこれ、捜査協力が発表されて翌日の新聞に載っておるわけや。何か不思議なもの感じたけれどもね。まあそれはええわ。  もうホームページに書き込みはされたの、もう既に。
  46. 松谷有希雄

    政府参考人松谷有希雄君) 今調整中でございまして、間もなく載せる予定にしてございます。
  47. 白浜一良

    白浜一良君 二日遅れで質問するんやからもうちょっと、二日ちゃうわ、一週間遅れてやるんやからもうちょっと、いつから書き込みますいうぐらい答え持ってこなあかんわ、それは。  それから、これなんで言うかというと、捜査拒否に遭ったのは、十七年の四月から六月まで三か月で五百件あったと。医療機関が約二百件、自治体関係が百件あったと、こういうことなんですが、これ自治体の方はどうなっていますか。
  48. 高部正男

    政府参考人(高部正男君) 委員御案内のとおり、地方公共団体の場合にはそれぞれの団体の個人情報保護条例といったもので対処しているところでございまして、私ども承知している範囲では、多くの条例において、法令に定めがある場合などについては外部に情報が提供できるというふうに定められているというふうに承知しているところでございます。  御指摘ございました事例については具体的に承知しておりませんが、またいろいろお話があれば、どのような対応ができるか検討してまいりたいと考えているところであります。
  49. 白浜一良

    白浜一良君 だから、もう最後、大臣、私申し上げておきますけれども、病院の方はいろいろ原則、マニュアルで出していらっしゃるんですが、ただし、個人的に訴えられたら損害賠償ありますよとか紛らわしい表示されているんですよ。だから病院がしり込みしてしまうと。自治体の場合は条例でということになっているから、それもやっぱり、条例きちっと、そういうこと、警察の捜査を前提に出してですね、そういう条例作りされていたらええんやけれども、やっぱり二の足踏んでいるところも多分あるんでしょう。  ですから、これ大臣、それぞれ総務大臣とも厚生労働大臣とも、こういう場合は適切にお話合いしていただいて、こういう問題が起こらないように対応していただきたいと。最後に御答弁ただいて、質問を終わります。
  50. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) この個人情報保護法の施行にかかわるいろんな問題点がいろいろなところで出てきているわけで、私も記者会見で申し上げたことあるんですが、警察の捜査上の問題とかいろんなこと、あるいはマスコミの方も問題にしていますね。  私がもう一つ担当している防災の方でも、災害時要援護者についての情報をあらかじめちょうだいできればもうちょっと早めの避難とかあるいは的確な避難誘導というものができるということも考えられるわけなんで、警察あるいはいろんなところでかかわり合い持つんで、情報を交換して、この保護法の施行後どういう問題が具体的に出て、本来ならば国民のためになるべき法律がかえって障害になってマイナスになっている点があれば、みんなでより良くしていくということもやっぱり必要ではないかというふうに思っておりますので、警察だけではなくていろんなところでそうした弊害についてはいろんなデータというか情報を集めているのではないかと思いますが、国家公安委員会警察に対しましても、情報を集めてどういう問題があるかということは浮き彫りにしていかなきゃいけないというふうに考えているわけでございます。
  51. 白浜一良

    白浜一良君 はい、ありがとうございました。
  52. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 民主党・新緑風会の木俣佳丈でございます。  今日は内閣委員会一般質疑ということでございまして、私が五十分、その後、同僚の喜納議員が五十分ということでございますので、お手合わせのほど、よろしくお願いしたいと思います。  まず、二つに分けて、一つは宇宙開発のことを冒頭だけさせていただき、その後、北朝鮮問題、外交問題、靖国問題ということで、大きく分けて二つ御質問をしたいと思います。  まず、本年は、二〇〇五年は自民党結党五十周年ということでございますが、同時にロケット開発も五十周年ということでございまして、どちらが発展したのかなというような気持ちもあるわけでございますけれども、そういう中で、我が国誇るHⅡAロケット並びにその他のいろんなロケットがございます。もう少し目を横にやりますと、中国でも先般も有人ロケットが第二回目打ち上げられたと。こういうことを見ながら、我が国国民としては、本当にこのロケットの開発というのは一体中国の方が上なのか日本の方が上なのか、そんな思いを持ちながらおるわけでございます。  私もHⅡAロケットについては、大体経費も八十五億で上がるということとか、そしてまた三段ロケットでありながら二つの人工衛星を発射できるというこういった、種子島でも私も拝見しながら、世界一の技術であるということは誇るべきところだと思っております。  しかしながら、商売ということでいいますと、これからJAXAから三菱重工さんにHⅡAロケット、三菱重工さんも小牧の工場で造っているのかなと、私の仲間が造っているわけでございますけれども、移管をしながら宇宙開発活動を更に進化させるということではございますけれどもただ、いっときロケットの受注が総額で二千億を超えたなんという時期も実はございました。ところが、このロケットの失敗が二回続いたおかげでこれが水の泡に帰してしまって、これ二千億というと大変な受注の額でございまして、大変残念だなと私も見ておったわけでございます。  まずこの辺で切って、一番初めに、これからJAXAからHⅡAロケットの移転を受けて民間会社が開発する商業宇宙開発、大変大きなビジネスだと思っておりますけれども政府はどのような支援をされる予定であるか、文科の副大臣からですかね、お願いします。
  53. 小島敏男

    ○副大臣(小島敏男君) ありがとうございます。  今お話がありましたように、宇宙開発というのは非常に重要な分野であるということは木俣委員お話しになったとおりでございます。  そこで、商業的なペースで進めることができるかできないかということなんですが、私は、今月十二日から十六日までユネスコの総会に行ってまいりました。そして、空いている時間に、実はヨーロッパのEADS社のレ・ミューロ工場を訪問したわけでありますけれども、この工場というのは、やっぱりヨーロッパの中で民間で上げている工場であります。そこで、どういう形で民間ができるんだろうかという話をしたところ、大体年間六基上げるというんですね。年間六基のロケットを上げるということになれば幾らかペースに合うということなんですけれども日本の現状は、今年辺りも二基という形であって、日本で民間でペイできる、いわゆる商業ペースに乗るにはどのぐらいかといいますと、年間三基上げなきゃ駄目だというんですね。  そういうことで、政府としてはそういう計画に基づいて進めているわけでありますけれども、今委員おっしゃったように、やはり民間にするためにはいろんな課題があります。技術移転等の課題もありますので、そういうことを乗り越えて、日本でも年間三基を上げられるような、そんなことをするために文科省としても支援をしていきたいというふうに考えております。
  54. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 ありがとうございました。  この打ち上げを三基はしなければというのは今私も初めて伺って、もう一基は少なくともしなければこれ採算ベースに合わないということがはっきりしたわけでございますが。  その際に、この打ち上げサービスに、実は日本だけ消費税が掛かるということが判明いたしておりまして、例えば約百億の打ち上げ費用が掛かるわけですが、これに五%の消費税、つまりは五億円上乗せをしなければならないというのが日本だけですね、先進国では日本だけプラス五億円と、これは大きいと思うんですよね。いうのが掛かっているということが判明しました。これが一点。  それから二点目は、例えば人工衛星などを荷揚げをする際にも、ここでも五%消費税が掛かると。これは実は保税措置もございまして、後に還付されるということも伺いました。ただ、人工衛星といっても、実はロケットより高い人工衛星って一杯ございます。例えば、今までで最大のものだと一千億というものがあったというふうに伺っておりますけれども、一千億としますと何と五十億いったんお金を預けなきゃいけないというような状況で、幾ら何でも、これはこういった、一点、消費税の話、二点目のこの人工衛星などの荷揚げのところでも上がる。  この辺は何とかしなければ今言われた採算ベースはほど遠いと、こういうふうに思うわけでございますが、これは経済産業大臣から御答弁を、積極的な御答弁をお願いしたいと思いますが。
  55. 小此木八郎

    ○副大臣小此木八郎君) まずは、我が党に対する五十年のことに触れていただきまして、ありがとうございました。  また、委員指摘されましたように、欧米では、この衛星輸送サービスに対する付加価値税、消費税とおっしゃいました、このサービス、これはサービスの発生自体が国外、すなわち宇宙であるということでありまして、免税措置の適用を受けているというのがございます。  我が国におきましても、HⅡAロケット、この民間移管により民間事業者による衛星輸送サービスが開始されるということも踏まえて、本年九月に産構審、これは産業構造審議会航空機宇宙産業分科会宇宙産業委員会と、こういうところにおきまして衛星輸送サービスに関する消費税についての議論が行われました。この取扱いについて、今後、実際の衛星輸送サービス契約を踏まえた取扱いの整理というものが必要となる旨の提言をしていただいたところでありまして、我が省といたしましては、今後、衛星輸送サービスにかかわる消費税の取扱いについて、これも国際的な競争条件がイコールフッティングになるように、こういうことが重要であるというふうに私は、そういう観点を持っておりますので、この実際の契約内容を踏まえつつ、税務当局と検討することが必要だなというふうに思っています。
  56. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 検討することが必要というよりも、とにかくロケット開発五十年で何とかここまで来たということでございますので、積極的なもう少し御意見、御意見というか、踏み込んだ発言をいただきたいと思いますけれども、何としてもこれを排除したいと、免除したいという。
  57. 小此木八郎

    ○副大臣小此木八郎君) 今申し上げましたように、やっぱり国際的な競争というものが非常に重要であるということを考えたときに、イコールフッティングという言葉を用いましたけれども、私はその点で積極姿勢を見せたつもりでありますので、これはやっぱり、ただ検討なしに何でもかんでもいけるものではありませんので、気持ちとしては委員と同じ気持ちで検討してまいりたいというふうに思います。
  58. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 ありがとうございました。  今日、棚橋大臣にもお越しいただいておりますけれども、来ていただいた理由は、日本、後れる宇宙開発と、これは産経新聞さんの十月十九日の新聞でございますけれども、やはり統合政策が不可欠なのに統合されてないと。つまりは、今文科省の方に、JAXA始めとして宇宙開発機構について担当されている。それから経産省の方が、今言われた産構審の宇宙開発部会というものがあって、そこでも討議されていると。更に言うと、全体の総合科学技会議というのは当然ながら棚橋大臣の傘下にあるということでございまして、ばらばらで、非常に、私が質問をするのにも、だれに言ったらいいんですかと、ここから始まるわけなんですね。  これ実は、私も非常に気にしている原子力政策、これも正に同じような状況で、内閣の中には原子力委員会がある、そして文科省、そして経済産業省と、こういうふうに分かれて、どこに何を質問したらいいのか分からないということでございまして、これを機会に是非、原子力もそうなんですが、この宇宙開発、非常に大事だと思いますので、棚橋大臣のリーダーシップをいただきたいと思うんですが、ひとつ御意見お願いします。
  59. 棚橋泰文

    国務大臣(棚橋泰文君) 木俣先生にお答えをいたします。  まずもって、宇宙開発に関して先生が大変有り難い今御質問、というとちょっと答弁としては失礼になるかもしれませんが、非常に、本当に正に私がお答えすると釈迦に説法になりますけれども、熱意ある御質問をいただきまして、科学技術政策担当大臣としても、大変、先生のような方に御理解をいただけることは本当に有り難いと思っております。  今、先生のお話にありましたように、それぞれ文部科学省あるいは経済産業省として所管している部分もありますが、科学技術政策の観点から各省横断的に、総理をトップにした総合科学技会議が全体を見ていくと、そしてその中でその科学技術政策の大きな柱の一つである宇宙開発あるいは宇宙に関係する部分、これを総合的に見ていくべきではないかということは全くおっしゃるとおりだと思っております。御指摘の御趣旨も踏まえた上で更に努力をしてまいりたいと思います。  なお、もう先生重々御承知だとは思いますが、昨年の九月に、総合科学技会議の下にございます、特にこの分野を中心として議論する宇宙開発利用専門調査会、ここで我が国における宇宙開発利用の基本戦略、これを策定して関係大臣にも意見具申をしておりますが、今いただきました視点をきちんと踏まえた上で更に努力をしてまいりたいと思っております。
  60. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 それじゃロケット関係の方はどうぞ。  それでは、ただいまから拉致の関係ということで、外交関係へ移りたいと思いますが、内閣府におかれましては拉致の問題、統括的に担当をいただいております。官房長官があと十五分ほど参りますので、ちょっと質疑が前後するかと思いますが、その辺り御容赦いただきたいと思います。  まず一番初めに、外務省の今日は齋木審議官に来ていただいておりますけれども、十月五日の参議院予算委員会での答弁がございましたように、基本的にはまだ生存者で、帰ってきてない拉致認定者については生存をしている、こういう前提で当然いるんだと、早期帰国のために交渉していくんだということであるということを再確認をしたいと思います。皆さん生きているという前提であるということを再度いただきたいと思います。
  61. 齋木昭隆

    政府参考人(齋木昭隆君) お尋ねの件に関しまして、御指摘のとおり、別の委員会で私御答弁申し上げたとおりでございますけれども政府の認定した拉致の被害者の方々に関する情報提供、北朝鮮側から去年の十一月の実務者協議の際に、調査の結果ということで私どもの方に提供があったわけでございますけれども、我々は、そのとき以来一貫して、先方の説明の内容については全く納得ができない内容であるということで、北朝鮮側に対しても新たな説明の要求をずっとし続けてきているわけでございます。  いずれにしましても、我々として納得のいく説明がない以上、拉致された方々は全員まだ生存していらっしゃるということで、全員の早期帰国に向けて引き続き努力を重ねてまいる所存でございます。
  62. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 続きまして、国家公安委員長並びに、本来であれば警察庁長官、漆間さんに伺いたいと思っておりますけれども、警備局長の方からお答えいただきたいと思いますが。  まず、北朝鮮は拉致したのは十三人だけと、このように主張を繰り返しておるわけでございますね。ところが、日本政府は、現在十六人を認定している。つまりは、曽我ミヨシさん、曽我さんのお母さん、それから久米裕さん、田中実さん、この三名が北朝鮮が拉致を認めていない政府認定被害者であるということは、これはもう委員長も、大臣もよく分かっていらっしゃると思いますが、この三名を認定した根拠は、それでは日本政府はどうして認定したのかということと、それから、北朝鮮がこれ認めていないわけでありますけれども日本の持つ証拠を開示しているのか、開示して説明をしているのかどうか、この辺りを委員長からいただければと思います。
  63. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 警察によりまして北朝鮮による拉致容疑事案として認定しているのは、その条件としては、北朝鮮の国家的意思が推認される形で本人の意思に反して北朝鮮に連れていかれた者と、こういう三条件、これをキーポイントとしているわけでございまして、警察のこれまでの捜査によりまして、日本側としては十一件十六人と判断しているわけでありまして、北朝鮮側とは三人の、今委員がおっしゃるように三人の差があるわけでございまして、それは曽我ミヨシさんと久米裕さんと田中実さん、田中実さんは今年になって認定した者でございますけれども。こういう三人につきましても、日中実務者協議の場や外務省を通じまして北朝鮮側に通知していると、こういうふうに考えております。  それから、特に久米裕さんの事案でございますが、主犯格でございます金世鎬について、平成十五年一月に逮捕状を取りましてICPOを通じて国際手配をしているわけでございまして、かつまた、外務省を通じて北朝鮮に対して身柄の引渡しを要求していると、こういうことでございます。
  64. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 今十六人の話は分かりましたけれども、北朝鮮は今十三人と、こう言っているわけですね。これをとにかく説得をどのようにしているのかと、どういう証拠を見せてどのように言っているのかという点がちょっと不明だと思いますが。
  65. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 具体的にその内容を申し上げるのは適当ではないことは、しかしながら、私どもとしては、いろいろな状況を話しながら、日朝実務者協議の場等を通じまして、あるいは外務省を通じまして、容疑事案であるということを北朝鮮に繰り返し通告していると、こういうことでございます。
  66. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 これは本当に国家的な大変な犯罪で、我が国の主権のまさしく侵害、最高の侵害であると私は思っているんですね。それを三人こちらが認めているのを認めさせられないというのは、非常に残念というよりも、国家として情けないと、こういうふうに思っておりますので、是非、更に積極的に大臣中心に認めさせていただきたいと強くお願いをしたいと思います。  私が二年半前に、平成十四年の四月の十八日に、実は外交防衛委員会で、当時、警察庁長官、現在の漆間長官が警備局長でいらっしゃいました。そのときに御答弁ただいたわけで、これは小泉総理大臣の訪朝前でございますが、拉致、認定以外の拉致の可能性の排除できない可能性のある事案というのはいろいろつかんでいると、つまり認定の、そのときは八件十一人でしたでしょうか、それ以上のものはつかんでいるんだと、これを答弁ただきまして、ここから更に踏み込んだ討議又は交渉というものがあったのかなと思っている次第でございます。  それから今言われましたように増えて現在は十六人ということになっておりますけれども、その他、例えば日本政府としては、平成十四年十月、日朝国交正常化交渉で、当時の政府認定以外の小住健蔵さん、田中実さん、松本京子さんの三人について北朝鮮に調査を求めたと。今大臣からお話ありましたように、その後、本年四月、田中実さんが追加認定をされたと。二人はまだ残っているということであります。  さらには、救う会は、政府認定以外に八名の拉致被害者、ここでは名前を読み上げましょう。寺越昭二さん、寺越外雄さん、寺越武志さん、福留貴美子さん、小住健蔵さん、加藤久美子さん、古川了子さん、この八名を拉致被害者と救う会は認定しており、更に言うと特定失踪者問題調査会では四百人以上の、拉致の可能性が排除できない事案も含めて百人以上の拉致被害者がいると判断しているわけでございますが、現在十六人しか認定をしていない状況でございますけれども、その政府認定以外に拉致被害者がいることは間違いないと考えますけれども、どのように考えにおなりになりますか。
  67. 小林武仁

    政府参考人小林武仁君) お答え申し上げます。  警察は北朝鮮による日本人拉致容疑事件の全容解明のため必要な捜査を最大限行ってきたところでありますが、拉致容疑事件は、現在まで、委員指摘のように十一件十六名と判断しております。これら事案以外にも北朝鮮による拉致の可能性の排除できない事案があると見られることから、なお鋭意捜査を継続しているところであります。  このほか、警察としては、北朝鮮による拉致事案ではないかとする告訴、告発がなされたものにつきまして、これを受理し、所要の捜査を推進しているところであります。また、拉致の可能性が否定できないものとしてなされた多くの届出、相談があるわけでございますが、これらに対しても、御家族や関係者の御心情に配意しつつ、所要の捜査、調査を行っているところであります。
  68. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 ありがとうございました。  本当に警察皆さん、もう二十年以上前から、国民もほとんど知らない、政治も動かない、そういう中でいろんな活動を続けていただいているその蓄積が現在の外交につながっていると、私、心から敬意を表したいと思っておる次第でございます。  ただ、今おっしゃいましたように、十六人以外にも相当いるだろうと、これは三けたになるぐらいいらっしゃると、このようにお考えなのかどうか。イエスかノーかぐらいでお答えいただければと思います。
  69. 小林武仁

    政府参考人小林武仁君) 警察はこれまで十一件十六名と判断しておるところでありますが、このほかの拉致の可能性を排除できない事案につきましても事案の究明に全力を挙げているものであります。  ただ、これに、そのほかの事案について言及をすることにつきましては、事案の究明に当たり予断を与えることとなるため、答弁を差し控えさせていただきたいと、こう思っているところであります。
  70. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 やむを得ない部分もありますけれども、より積極的な御答弁をいただきたいというふうに強く願います。  なぜならば、例えば一つ挙げます。先ほど申し述べました小住さんですね。小住健蔵さんについては、これは一九八五年、二十年前に警察庁がこのような「見破られた北朝鮮工作員」という、こういうパンフレットをわざわざ作っていただいて、要は、スパイというのは何か、何が悪いのか、そしてこの被害というのはどういったことか、かなり詳しく国民に開示をしたわけなんですね。ただ、残念ながらいまだもってこの小住さんは認定をされていない。二十年間されていないんです。  更に言えば、小住さんについては、このパンフレットを読みますと、成り済まして旅券を取った工作員朴某を指名手配しているし、これ国際指名手配なのかどうか、ちょっとそれも含めて後でお答えいただきたいんですが、指名手配しているし、警察庁が作った資料の中でも、北朝鮮に送り出された拉致の可能性も否定することはできないと書いてあるんです。二十年間ですよ。これについてはなぜ認定しないか、お答えください。
  71. 小林武仁

    政府参考人小林武仁君) ただいま委員指摘の方は昭和三十年代から所在不明になっている方でありまして、昭和五十年代に我が国に浸透しました北朝鮮工作員により、その工作活動を容易にするために成り代わられた人物であります。  こうした事実が明らかになったのは、昭和六十年のいわゆる西新井事件というものがございますが、これで当該北朝鮮工作員の補助工作員だった者が警視庁に検挙されたことによるものであります。先ほど大臣からもお答えしましたが、本件につきましては、北朝鮮の国家的意思というものが推認されることは、委員指摘のように明らかでございます。  ただし、これまで明らかになった諸般の事実を総合的に勘案してみますと、御指摘の方が本人の意思に反して北朝鮮に連れて行かれたものと判断するということまで警察としては至っていないと、こういうことで認定を今できない、こういうことであります。
  72. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 それは、私それおかしいなと思うんですよね。かなり当時の新聞報道もこうして載せて、これ警察庁資料でございますから、載せていらっしゃいますし、更に言えばパスポート、そして運転免許証、これはまさしく朴某が要するに使ったわけでございまして、これはかなり、ただ消えてしまった、その消えてしまったのを知ってこれを作ったというのは、これはもう言うまでもなく、正に釈迦に説法というのはこういうことだと思いますけれども警察の方ではこういうのを作ってまで、分からないならこういうのを作らなければいい話であって、かなりこれは拉致の可能性が高いということで、このスパイ関係のこの資料を二十年前に、二十年前に作られるというのは大変な勇気があったと思いますよ。しかし、それを押して作られたわけだもんですから、これは政治的配慮もあるかと思いますので、大臣の方から是非、小住さんのこの認定について更に積極的な態度で御検討ただく決意をちょっといただきたいと思います。いや、大臣大臣にやはり答えて、局長ではなく。はい、どうぞ。
  73. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) いや、私どもは常に事案の究明に一生懸命努力するように警察警察庁を督励しているところでございます。
  74. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 今の御答弁は非常にこう、確かに警察、いや、部下を信じるのはそれは大臣の務めかもしれませんけれども、やはり更に、もうこれだけパンフレットも作って、二十年間探しに探しまくっているような事案について認定がまだというのはいかにも、いや、そうではないと、イエスかノーかをはっきりさせてほしいということなんですよ。そうでないならそうでないということである、しかしそうであるなら早くこれは認定するというのが当然の責務だと私は考えますが、どうでしょうか。
  75. 小林武仁

    政府参考人小林武仁君) 先ほども御答弁申し上げましたように、御指摘の小住健蔵さんでありますが、昭和三十年代から所在不明でございます。  その当時も、先ほど申しました補助工作員の検挙等ございましたので様々な捜査を行っているわけでありますが、また関係者の事情聴取等もやっておるわけでありますが、先ほど答弁申し上げましたように、本人の意思に反して北朝鮮に連れていかれたこの二つの要件、これはどうしても認定できないということでございまして、誠に残念でありますが、そういうことであります。
  76. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 本人の意思に反してが分からないと。しかし、本人の意思に反してといったって、それ以上に、パスポートやら免許証を作って、作り替えさせられていることを見れば、いや、本人をつかまえて本人に聞くわけじゃございませんので、明らかにこれは大きな力が働き、国家ぐるみの犯罪の中に巻き込まれている。いや、これは、だから私が作ったんではなくて警察庁がお作りになったパンフレットを私、持っているわけでございますので、それは本人の意思に反してに決まっているんじゃないでしょうかね。ちょっとそれは納得できませんが、いかがですか。
  77. 小林武仁

    政府参考人小林武仁君) 委員指摘のように、北朝鮮に送り出された可能性というものはあると思うんですね。しかしながら、それが本人の、先ほど来申し上げておりますように、意思とか北朝鮮へということがやっぱり不明なんでございます。御理解賜りたいと思います。
  78. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 そうしますと、その本人が見付からないと、好きで北朝鮮に行ったのかどうか、これはなかなかこれ言い切れないと。  だけれども、私は、いやそれは一般論で警備局長がそういうことをおっしゃるのは分かります。ただ、一般論だったらこれ作らないと思うんです、私は。要は、小住さんという名前も挙げて、あるAさんがということでやるはずなんですね。基本的にはそれは人権問題に私はなると思いますね。もし本人が好きで、好きでというか好んで、意思で北朝鮮に行ったら、こんな資料は私は警察は作らないと思いますね。それほどやぼな組織ではないと私は思いたい。だから、やはりそれは質問続行してもお答えしていただけないと思う、可能性がありますので、まだ続きますので、また後日お願いしたいと思います。  次のところへ行きますが、去る十月の十一日に、救う会が拉致被害者と認定している福留貴美子さんについて、民事裁判、民事訴訟で、警視庁公安一課の中村警視が拉致被害とは考えていないというふうに証言をされた。この理由はその裁判の中でも明らかにされましたように、今言われたようなことかもしれませんけれども、いったんは帰国をしているし、逃げる機会は幾らでもあったんだと、こういうような理由で拉致ではないんだ、ないだろうということを言われているわけでございますが。  簡単に考えますと、向こうで結婚をさせられて子供がいて、子供を殺すぞと、まあちょっと言葉が悪いかもしれませんが、子供をあやめるぞというようなことを向こう、当局から言われて、帰ってこなければ分かっているなと、おまえの御主人もどんな目に遭うか分からないよと言われれば、これは人の子でございますので、当然それは帰る。これは当然だと思いますし、そこにその本人の意思を読むということは、今の、まあ先ほどの小住さんの話も含めて、言葉が過ぎるかもしれませんが、ちょっとナンセンスではないかと私は強く考えたわけでございます。  拉致かどうかのその判断というのは、あくまでも連れていかれるときのその強制性というものがやはり重要であってと考えますけれども、この辺もいかがでございましょうか。
  79. 小林武仁

    政府参考人小林武仁君) 東京地裁における民事訴訟ですね、警視庁の公安一課の警視が証言したという内容ですが、御指摘のような証言が行われたことについては承知しております。  ただし、現在、東京都等が係争中の民事訴訟における証言でございまして、何分、係争中でございますので詳細なコメントはその分は差し控えさせていただきたいと思いますが、本事案につきましては、当時の関係者から事情聴取を行うなど所要の捜査を鋭意進めてまいりました。しかしながら、これまでの捜査におきまして、御指摘の女性が北朝鮮により拉致されたことを示す材料の入手には至っておりません。
  80. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 次の質問でございますが、田中実さんでございます。これは認定された方でありますが、この実行犯二人が現在も日本国内に潜伏しているということが大体分かっております。  現在、兵庫県警が捜査中でございますけれども、漆間さんが平成十四年に、有本恵子さん拉致事件の容疑者、八尾恵、これについて私の質問に、時効は成立をしていないという見解を示されました。同じ立場に立てば、この田中さん実行犯についても時効は成立していないと見るべきでございますが、警備局長の御認識をお願いします。
  81. 小林武仁

    政府参考人小林武仁君) この国外移送目的拐取罪、刑法第二百二十六条でありますが、これについては判例、学説等もまちまちでありまして、これは状態犯と解する説と継続犯と解する二説があることは承知しております。  一般論を申し上げれば、北朝鮮による拉致容疑事案につきまして、時効成立の可能性の有無について明らかにするためには、まず当該拉致の態様、それからその後の被疑者及び被害者の状態、状況、これを具体的に解明する必要があろうかと思います。  警察としては、しかしながら、北朝鮮による拉致容疑事案の全容解明につきましては、向けましては、いまだ時効が完成していないものとして捜査を現在進めているところであります。
  82. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 今、最後におっしゃったように、時効は完了していないということで確認したいと思います。  官房長官に来ていただきましたので、本来こちらから入る予定でございましたが、後先を逆にしまして官房長官に御質問したいと思います。  今、拉致関係の質問をさせていただいておりますが、北朝鮮は、横田めぐみさんら八人の拉致被害者について死亡と一方的に通告してきて、その死亡の証拠ということで、まあ言ってみると、でたらめな、遺骨も違っていたと、そしてまた二つの遺骨が一緒に入っていたような骨つぼを用意をしたというようなことで、大変な私は憤慨をしているわけでございます。  先ほども外務省の方にも答えていただいたわけでございますけれども、基本的には、この拉致の被害者、不明者ですね、生還していないその方々については当然生存を前提に、生存しているということを前提に帰国実現を要求するべきであると思いますが、その確認をまずしたいと思います。
  83. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 日朝の交渉におきましても、この十人、そしてこれに加えまして非常に疑いの濃い者はそれぞれ名前を出しながら先方に伝達して調査するように要請しておるわけでございますが、いずれも、これが先方の言うように例えば八名死亡、二人未入国というようなことを前提とせずに、すべて生存しておられるという前提で交渉をしておりますし、最近ジェンキンスさんが著された本もいろいろ読めば、極めて厳しい監視、その他、隠ぺい等の環境の中で拉致被害者がずっと苦労しておられたことが書いてありますけれども、そのようなことを推測すれば、当然いずれかにおかれて生存しておられるという前提で交渉をしております。
  84. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 内閣を代表して、大変力強い御発言をいただいて本当に心から感謝申し上げます。今とにかく生存を前提に、とにかく帰国実現を要求するべきだということでございます。  それで、今までいろいろ細かな話もしてきましたけれども警察が頑張っていただいておるにもかかわらず、なかなかできないところがある。これはもう外交と内政とを一体化した国家の一大事であるということにもかんがみ、先ほど来から私、国家公安委員長にもしつこく、この捜査等々ももう更に深く迅速にしていただくように、官房長官からも是非決意のほどをひとつまたいただきたいと思います。内閣として、この解決を全力を傾けてやっていくんだというところをひとついただきたいと思います。
  85. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 拉致問題について、この幹事会等で各省、当然警察庁も入っております、関係の公安当局ですね、情報関係の部局も入っておりますが、そういったところでおよそ疑わしい者はできるだけ調べ上げるように、これはしたがって特定失踪者と言われる非常に数多くの調査もあるわけですから、これもおろそかにすることなく一人一人調べ上げて、疑わしき者はフォローするという体制を指示しておるところでございます。  ただ先ほど来の答弁にもありましたように、いわゆる犯罪を形成するかどうかという点は、加害者あるいはその犯罪を実行した者が特定されないとなかなかそこが難しいという警察の論理はあるわけでございますが、ただ、先方の言わば国策で我が日本人同胞を拉致するという組織的な言わば行為でございますので、あらゆる可能性がある前提で疑わしき者は徹底的に調べるという体制を取っておるところでございます。
  86. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 今お話がありましたように、なかなか犯罪として形作ることが難しいということでございましたが、ただ、昨年の十二月の二十四日、ちょうどクリスマスの日でございますが、北朝鮮に対して、一つ、生存者の帰国、一つ政府未認定者を含む安否不明者の真相究明、一つ、実行犯の引渡し、これは三名がおります、この三点を求めて、迅速かつ誠意ある対応をしない場合には厳しい対応を取らざるを得ないと、この制裁を予告したお話を、発言を官房長官がされております。それに先立ちまして、両院で制裁すべきだという国会の決議もされております。  十二月でございますので、もう一年がこれたとうとしているわけでございますけれども、やはり私は、国として制裁発動ということと、例えば十一月にまた開催される予定であります六者協議、この対話と圧力、これは双方同時並行でもおかしくないと。佐々江局長が今日はおいでになりませんけれども、そういうことを局長もおっしゃったとマスコミ報道でも私も聞いております。ですから、やはりこれもう、今もう時期ではないのかなと。やはり時期というより、もう一年もたってしまっているということも考えると、速やかな制裁の発動を私は要望したいと思いますが、官房長官、いかがでございましょうか。
  87. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 昨年以来、非常に月日がたっておることは事実でございます。私としても大変残念でありまして、遺憾に思うわけでございますが、御存じのように六か国協議を通じて、またこれまでは六か国協議の場では、自分は担当じゃない、知らないというようなことで常に逃げてきたわけですが、前回の協議においては、日本のこの問題、日朝の協議については今後政府として検討するという反応がございまして、また内々の反応ではまだそれが完全にその気がないとは言い切れない状況でございますから、やはりこの問題というのは、進展するためには相互に話し合って、ひとつ一歩一歩前進することは必要でございますので、やや忍耐強いわけでございますけれども、忍耐も、堪忍袋の緒が切れたとおっしゃる方も本当に多くて私も残念でございますが、もうしばらく、この日朝協議の再開を是非果たしたいと、このために努力しておることを申し上げたいと思います。
  88. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 これは官房長官がとにかく一年前に言われたことでありますし、それからさらに先ほど答弁の中でありましたように、やはりどんな過酷な中で一人一人が置かれているか分からないと、こういうことを考えますと、やはり一刻も早く制裁の発動というのが望まれる、私はもうこれは間違いないことだと思います。  それから、その制裁発動をして効果があるのかどうかとよく言われますけれども、効果があるから発動するんでしょうか。私はそうではないと思うんです。やはり国の意思として、これは例えばアメリカであれば私は交戦状態になると思っております。しかし、日本はマイルドな国であり、そういった戦争をしないということになっておりますので控えているだけでありまして、私は有事か無事かということで考えたら、これはもう完全なる有事であると、日本の我が国の有事であると、こういうふうに思うんですね。ならば、やはりせめて経済的な制裁等は即発動をしていくというのがやはり国威発揚というか、国の威信を懸けたものだと私は強く思っております。  更に言えば、十月五日の予算委員会の中でも、この発動に対しての主務大臣ということで、中川経済産業大臣と財務大臣が主務大臣ということでこれお答えいただいているんでしょうか。その中で、中川大臣もやはり制裁は発動すべきであるということを明言されているわけでございまして、暮れを待たず、やはりもう速やかに、そしてまたどういう条件であれば制裁を発動するのか。ずっとこの一年、話合いを待ちましょうという状況だったと思うんです。だけれども、話し合っても分かる相手じゃないことははっきりしたわけなんですね。六者協議で核の放棄、やりますやります言いながら、翌日には、まずは軽水炉プラントをくれなきゃエネルギーが干上がっちゃう、そっちが先だと、そんなばかげた話をする国相手に話をするというのは私は全くおかしな話だと思います。  ですから是非、再度申し上げたいと思いますけれども、生存者の帰国、それから未認定者も含む安否不明者の真相究明、実行犯の引渡し、三つとも何もされていないんです。一番簡単なのは官房長官、これは実行犯の引渡しじゃないでしょうか。三人の実行犯の引渡しは、これはすぐにでも私はできると思います。これはすぐできるんじゃないですか、どうでしょうか。
  89. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) その点は交渉におきまして常に強く要請しておることでございます。したがって、先方がその気になれば当然できるということだと思っております。
  90. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 今おっしゃいましたように、先方がその気になればということは、先方はその気になっていないんですね。  これは、私はその気になればというよりもう、もうこれで、例えばいつまでに要は実行犯の引渡しがなければもう制裁発動をする。どうでしょうか。例えば次の六か国協議の中で、もしこの引渡しを話し合って突っぱねることがあったら、これはもう許すことができぬと。これは非常に一番簡単だと思うんです。生存も確認しているし、だれだという特定もされています。あとはもう北朝鮮が、じゃ渡しましょうと言ったら、これでもう終わる話なんですね。これはもう是非強く言っていただきたいと思うんですが、再度御答弁ただきたいと思います。
  91. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 六か国協議の様子をごらんになっていただくと非常によくお分かりのように、この問題でも、いったん会議をやった後、次に六か国協議をやるまでに大変な時間が掛かったわけでございます。  先方の意思決定、決断というものがもう極めて遅いと。しかも、その間、自分たちは核兵器を開発を完了したようなことを対外的に言って、そして、しかしながら核兵器自体はこれは日本にとっても大きな問題ですから、これについても粘り強く交渉をしておるわけで、かつその場においても日朝交渉の可能性を、ようやくまた再開をほのめかすに至ったわけでございますから、粘り強く説得をする。  そして、日本にはこのような制裁の手段が整備されていることも先方は承知いたしておりますし、これは制裁の手段であったわけではありませんが、万景峰号を始め船舶についても、あるいはその船舶検査のしたものの輸入その他の問題についても大きな影響があるということも、向こうは分かっておるわけでございます。したがって、絶えず対話と圧力をもうしばらく継続するということが今の方針でございます。  間もなくこの対話が再開されなければならない国際環境にあると、六か国協議との関係で言えば、私どもはそのように考えておりますし、それがまたいたずらな引き延ばしをしていくようなことになる場合には、やはりおっしゃるようなことをいよいよ決断しなきゃならない環境が整備されると。我々も、もう耐え難きを耐えながら忍耐強く交渉しておることを御理解いただきたいと思います。
  92. 木俣佳丈

    木俣佳丈君 もう一問だけよろしいですか。  もう一問だけお願いしたいと思いますが、今言われました交渉ということで考えると、先般の靖国訪問、小泉総理の、というのはかなり決定的なダメージになるんではないかと私は危惧しているわけでございます。  先般も、私も内々上海に行きましたときに、上海の市政府関係者は何と言っているかというと、もうあんなことで日中関係、大事な日中関係がぼろぼろになることはもう勘弁してくれと。向こうが勘弁してくれということを言っているんですよね。  年率八%の成長で、一千万の毎年増える雇用を吸収していかなければならない。そのためには外資の導入、特に日本の企業の導入がどうしても必要。ところが、例えば大企業はまだましかもしれません。しかし、中小・中堅企業はどうなっているかというと、小泉さんが靖国に行った途端にその話が消えてしまう。もっと言えば、親日的な中国の首脳部は、結局、反日的な、反日本政府的なものに凌駕されて、要は良識的な判断ができなくなる。これが現在の日中関係だと私は思って、非常に残念だと思っております。  私は信仰的にもクリスチャンでございます。ですから、靖国神社には行きません。いや、行ってもお参りはいたしません。しかし、それ以上に、やはりA級戦犯として東条英機以下ここに合祀されているのを、私人として一国の総理大臣が行き、そしてまた、私は、我々の総理大臣が他国に非難をされるなんということは見たくもありません。  だから、そういった意味で、私は、とにかく国立墓地をやはり造りながら、そこに各国首脳が来たときに、第二次世界大戦のような、又は戦争というようなばかなことはもうやめましょう、一緒にお参りをする、頭を下げていく、こういうのが私は大事だと思います。  これは公明党さん、今日お二人ともいらっしゃいませんけれども、公明党さんとも全く同じ思いでございまして、やはり、今回の予算で調査費ぐらいは国立墓地に対してやはり付ける予定はございませんか。これで質問を終わりますけれども、ひとつお答えください。
  93. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 木俣議員のお気持ちはよく理解できるわけでございますし、また本日は、前原代表も公にこの追悼施設、検討しろということを言われたように伺っております。  現在、いろいろなことにつきまして検討をしておる段階でございます。特に、総理にも状況はよく、公明党さんの要請とか、その他国会における様子もよく上げて協議をしておりますが、現段階ではなお検討中でありまして、調査費を予算要求していないことは事実でございますが、予算の実際の決定までの間にどうするか、これをまた判断してまいりたいと思っております。
  94. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 新緑風会の喜納昌吉と申します。  私は、今回初めて内閣委員会出席し、質問する機会を得ました。よろしくお願いします。  まず、国家公安委員長に伺います。  今年九月、沖縄県警に対テロ特殊部隊、SATが新設され、これで全国八都道府県に配置されました。沖縄配置は優先順位が高いように思われますが、沖縄県警へのSAT配置のねらいは何ですか、国家公安委員長、具体的に説明してください。
  95. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) SATでございますけれども、これはハイジャック等の重大テロ事件とか銃器を使用した凶悪事件に際しまして事態の鎮圧とか被疑者の検挙に当たるという、こういうことを目的として平成八年につくられたものでございまして、警視庁と大阪府警等七都道府県警察に編成されたわけでございますが、今年沖縄に設置をした、編成をいたしたわけでございますが、この理由は、沖縄は、今申し上げた七都道府県から、七都道府県にはSATがいるわけでございますが、非常に遠隔地であるということで、沖縄の重大事案に対する対処能力を高めるという観点から設置した、編成したということでございます。
  96. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 ただ地理的条件だという感じですか。
  97. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) そうです。
  98. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 分かりました。  じゃ、二つ目。警察庁は、先月、国際協力推進要綱を打ち出しました。アジア諸国での交番制度導入支援などがうたわれています。これまで日本の支援によってアジアの何か国に交番制度が導入されたのか、またアジア以外の世界の何か国に同じく導入されたのか、国家委員長、お願いします。
  99. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 同じく九月に警察の国際協力推進要綱というものを制定したわけでございますけれども、私もアジアを主とする周辺諸国に対しまして、そうした、一つはこの近隣諸国との関係でそういう協力をするということが、私個人として考えても、これまでも警察犯罪捜査という面からも人間関係ができて非常に警察の捜査能力を上げるということもありましたし、こういう国際協力、警察の国際協力の指針といいますか、これを整理するということは大変いいことだというふうに思っていたわけでございます。    〔委員長退席、理事木俣佳丈君着席〕  したがいまして、警察庁としても国際協力の基本方針を定めたわけでございます。  これまでも、アジア諸国からは研修生を受け入れると、あるいはこちらから専門家を派遣するということで積極的に支援を行ってきたわけでございますけれども昭和五十六年からシンガポールに対しまして交番制度の導入を支援した、こういう実例がございます。平成七年以降には、シンガポールと共同してアジア諸国を主たる対象に交番制度に関する研修を実施したと。それから、平成十三年度以降には、インドネシアに対して交番制度を含む包括的な知識、技術の移転を推進しているというところでございます。  交番制度というのは、コミュニティーポリスということを特色とする我が国の警察制度のやり方の伝播という意味で大変シンボリックな制度の移転だと、こういうふうに思っておるわけでございまして、先ほども申しましたように、アジア諸国への警察の協力というのは、地域犯罪対処能力の向上というこういうことだけではなくて、我が国との関係でも治安回復に大きに寄与すると。引き続き、交番制度の普及とかあるいは科学技術の活用、鑑識ですよね、そうした技術を提供するというようなことについても今後とも積極的にやっていきたいと、こういうふうに考えております。
  100. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 ちょっと、考えるに当たって、今、米軍再編が行われていますよね。米軍再編とその国家協力推進要綱というのはどこかで関連していますか。
  101. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) いや、これは全く相互の関連はございませんで、純粋に我が国が先ほど申しましたような観点から基本方針、警察の国際的な支援あるいは協力関係についての基本方針を定めたと、こういうことでございます。
  102. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 次に、今回の風俗法改正の主眼の一つ日本も絡む国際的な人身売買の取締りですが、正にアジア諸国の警察など政府当局との連携が不可欠です。この面ではうまくいっていますか。公安委員長のお考えを聞かせてください。
  103. 木俣佳丈

    理事木俣佳丈君) どなた。
  104. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 公安委員長、公安委員長。  風俗営法との、この人身売買等に関連してちょっと聞きたいんですが。
  105. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) ちょっとよく聞こえなかったものですから、もう一度お願いします。
  106. 木俣佳丈

    理事木俣佳丈君) じゃ、再度、喜納君、再度質問してください。
  107. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 今回の風俗法改正の主眼の一つ日本も絡む国際的な人身売買の取締りですが、正にアジア諸国の警察など政府当局との連携が不可欠だと私は思っているんですね。この面ではうまくいっていますかということ。
  108. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) 風営法の改正でございますけれども委員が今御指摘をしていただいたように、人身売買ですね、これについて、そうした事態に対処するため、そういう犯罪が起こらないようにするための改正でもあるわけでございますけれども、私は、先ほどのような国際協力の指針を定めたということでございますが、ああいう協力をすることによって、先ほど申し上げましたように、警察の相互の、各国の、アジア諸国を主として人間関係もできるし、そういう意味では、犯罪捜査あるいは情報のやり取りという意味でも人間関係ができればやりやすくなるというふうに考えておりますので、直接目的としておるわけじゃございませんけれども、間接的には私はああいう警察の相互の協力をやっていくということが、ひいてはそうした問題にもいい効果があるのではないかというふうに思っております。
  109. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 分かりました。  警察庁調査などによると、全国にある国の出先機関の二割が最近一年間に暴力団や右翼などから不当に金銭などを要求される行政対象暴力が起きていることが分かりました。八百三十一機関が要求を受けたことがあり、うち五十一機関が要求に応じたということです。国家公安委員長、要求の種類やそれに応じた具体的ケース、説明してください。
  110. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) 委員指摘のとおり、本年八月に行政機関に対するアンケート調査を実施いたしました。最近一年間に不当要求を受けたもの五百九十四機関のうち五十一機関、九%がその要求に応じたということでございます。こういった状況を見ますと、私どもとしても非常に残念でありまして、依然として暴力団等の反社会勢力が行政機関に対して不当な要求を行っているという実態が明らかになったわけでございます。  こういう実態を踏まえまして、私どもといたしましては、地方自治体に対しましては、このような不当要求に組織的に対応してこれに屈するということがないようにということで、組織全体で対応してもらうということで、コンプライアンス条例あるいは要綱等の制定をお願いしておりまして、私どもと連携を取ってやるということにしておりますし、国の行政機関に対しましても、関係省庁の連絡会議等もやりましていろんな対策を取っていっているところでございます。
  111. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 みかじめ料も含まれていますか。
  112. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) 行政機関に対する要求と申しますのは、一番多いのは、いろいろな物品を購入してくれ、あるいは賛助金を要求する、あるいは機関紙等の購入要求と、そういう形のものが非常に多うございます。  みかじめという形は、これは風俗営業店などに対して暴力団が縄張を持っている中で要求するものでありまして、若干趣が違うものと認識をいたしております。
  113. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 若干違うというのはどういうところが違うんでしょうか。
  114. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) みかじめと申しますのは、暴力団が自分のシマといいますか縄張の中で、それを、その中でいろいろな行われる活動に対してそこからいわゆるお金を取ると、特に風俗店、飲食店等から取るということでありまして、行政対象暴力と申しますのは、いわゆるえせ右翼とかえせ同和というようなそういう団体、あるいは暴力団等が行政機関にいろんな不当要求をして、先ほど私申し上げましたような主にそういった三点、いろんな物品の購入要求とかそういったものをして、それに応じて金銭を取るといいますか、そういうことでございます。
  115. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 縄張というものは、その概念外して、ある程度、恐喝とかあるいは政治的癒着とかはどうですか。
  116. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) 政治、確かにいろいろな事件の関係で行政機関に対していろいろな要求をする。例えば、入札に対して、あるいはいろいろな許認可の関係等で要求をしてまいるということがございます。  そういった中には、その背景として先ほど私が申し上げました反社会的な勢力もありますし、いろいろな情報の段階、あるいは事件の関係等で様々な情報があるといいますか、委員指摘のようなこともないわけじゃないというふうに承知をいたしております。
  117. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 既得権を守るために、どうしても選挙のためにそういう関係がつながっていることはありませんか。
  118. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) 選挙のためと申されますと、なかなかちょっと判断しかねるところでございます。選挙に絡んでそういった行為があったというふうな事例はちょっと私ども認識はいたしておりません。
  119. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 政府行政対象暴力に対しどのような手を打ったのか、説明願います。国家公安委員長、もう一度。
  120. 木俣佳丈

    理事木俣佳丈君) だれを指名ですか。
  121. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 国家公安委員長。どのような対策を。
  122. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) 御答弁申し上げます。  先ほどちょっと先走ってお話をしたかもしれません。自治体に対しましてはいろんな条例、要綱等も作りまして、いわゆる個人対個人じゃなしに組織として対応できるということをお願いしてございますし、国の行政機関につきましては、これは十五年以来、行政対象暴力に対する関係省庁連絡会議というのを催しておりまして、各省庁からおいでいただいて諸般の諸対策につきまして打合せをいたしております。厳正に対応していただくようにということで、意思疎通をして対応いたしております。    〔理事木俣佳丈君退席、委員長着席〕
  123. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 じっくりお願いします。  今年七月以降、海上自衛官七人、航空自衛官一人、陸上自衛官一人が大麻取締法違反や覚せい剤取締法違反で逮捕、起訴されました。海上自衛隊の場合は、警務隊ではなく神奈川県警が最初に摘発しました。海自の調査は甘かったと言わざるを得ません。国家公安委員長警察と警務隊との連携、協力関係はどうなっていますか。
  124. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) 御指摘のとおり、今年に入りまして各警察で自衛隊員何名か大麻等で検挙いたしております。警務隊の関係につきましては、もとより緊密な連携をもって対応いたしております。逮捕いたしますと、その情報等を交換をいたしますし、あるいは薬物の鑑定の問題とか、あるいは留置の問題、あるいは捜索の場合に若干助力をいただくとか、そういうふうなことで連携をして対応いたしております。
  125. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 今年元日以降、今日までに麻薬や覚せい剤取締法違反で摘発された警務官及び自衛官の数を教えてください。また、警察官や自衛官がそのような違法行為に走る理由や原因をどう分析していますか。国家公安委員長
  126. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) 検挙の状況でございますけれども、神奈川県警察において海上自衛隊員六名を検挙いたしております。それから、本年一月には大阪府警察において陸上自衛官を一名、八月に愛知県警察において陸上自衛官を覚せい剤取締法違反等で逮捕をいたしております。逮捕をした者は八名というふうに認識をいたしております。  どのように考えるかということでございますけれども、これ正に防衛庁の方で十分関係者からもお話を聞かれて、分析をした上で対応されることと思いますが、私どものいろんな経験の中でいえば、若干興味本位にちょっとやってみたとか、それでどうしても止まらなくなってしまったとか、そういうケースが間々ございます。
  127. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 どうしても身内というのは守りたいという意識が働きますので、特に今回神奈川県警が逮捕するまでに、余り海自ではしっかり調査されていなかったというものがあらわになったと思うんですね。そうであるならば、今後内部調査に関しては徹底した方針を打ち出していくということはありますか。内部調査に関して、公安委員長、どうですか。
  128. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) 内部的にいろいろな、どういう原因があったかどうか等につきまして、これ防衛庁の方でいろいろな関係者等に聴取をしていただいて分析されるものだろうと思っております。  私どもの立場としては、被疑者を取り調べた時点で、どういう経緯でこの大麻等を押収をしたのかという捜査の過程で聞くものでありまして、全体の対策等に資するような分析まで至らないというのが現状だろうと思います。
  129. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 今後、特別な、自衛隊、あれは空軍、陸軍、海軍というのは特別な仕事だし、危険な道具を持っていますからね、やはり覚せい剤なり麻薬なりというのは、非常にこれはまあ大変だと私は思うんですけれどもね。そのようなものの職種に就いている人たちを、やはり今後尿検査であるとか血液検査をある程度強制的にやっていくということはありますか。
  130. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) 捜査を行う立場として、その尿検査等を強制的に行うということはちょっと法令的に無理であろうと思います。一部報道で自衛隊の方でやられているということも聞きますが、私どもとしましては、あくまでも容疑性が十分ありまして、例えば注射痕があるとか、非常に表情等々あるいは言動等から、これは覚せい剤を使っておるんじゃないかとか、そういった状況があれば任意で採尿等を行って、それによって処断していくと、こういうことになろうかと思っております。
  131. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 分かりました。  また質問変わりますが、戦時中に徴用され、死亡した朝鮮半島出身者の遺骨問題について質問します。  昨年末の日韓首脳会議を受けて、この問題は初めて本格的な調査が行われ、八百六十八人分の遺骨の存在が明らかになり、韓国側に伝達されましたが、北朝鮮出身者の遺骨はどこに幾つあるのか判然としません。政府は今後徴用者の遺骨の調査をどう進めていくつもりなのか、官房長官、お答えください。
  132. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 昨年十二月の日韓首脳会談におきまして、韓国の盧武鉉大統領から本件に関しまして協力の要請があり、本年六月の首脳会談におきまして小泉総理から、人道的観点からできる限り誠実に対応してまいりたいということを説明したわけでございます。  この考え方に基づきまして、本年五月、九月、二回にわたりまして東京で実務者レベルの日韓協議を開催し、また国内における実態調査も実施して一定の進捗が見られたわけでございます。今後とも韓国側と協議を重ねまして、早急に進展を図るべく努めてまいりたいと思います。  本年五月に開催した第一回協議を受けまして、様々な日本の、我が国の民間企業、地方公共団体、宗教団体に対しまして情報提供依頼を行ったところ、現在までに約八百五十柱強の遺骨に関する情報提供があったわけでございまして、このことも九月の第二回協議で韓国側に説明をしておるわけでございます。  今後ともできる限り努力をしたいということを表明しておりまして、なお次回の協議、審議官級でございますが、十一月中にソウルで行うということで韓国側と調整中であります。
  133. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 この問題は、日本政府日本企業の戦後の道義が鋭く問われていますので、よろしくお願いします。  食品安全委員会プリオン専門調査会は、今月四日、米国産の生後二十か月以下の牛の肉の安全性について、BSE病原体の汚染は非常に低いという評価で大筋合意しました。しかし、牛肉の安全性を確保するには、厚労省や農水省の責任です。政府は安全委員会の判断をお墨付きにすべきではなく、責任を持って安全性を確保すべきです。政府にその体制があるか。棚橋大臣、お答えください。
  134. 西銘順志郎

    大臣政務官西銘順志郎君) お答えをいたします。  米国産牛肉等に関するリスク評価につきましては、本年五月に厚生労働省及び農林水産省から諮問を受け、プリオン専門調査会においてこれまで九回にわたって精力的な審議が行われているところでございます。  昨日、第三十三回のプリオン専門調査会では、米国産牛肉等のリスク評価に関しまして、国産牛肉等のリスクの差は非常に小さいとする内容のたたき台修正三次案が座長から提出され、その全般にわたり審議が行われたと承知をいたしております。昨日は結論部分につきまして慎重な意見も出ましたことから、次回も引き続き結論部分について審議が行われることになっております。  いずれにいたしましても、国民の健康の保護を最優先に、プリオン専門調査会において引き続き中立公正な立場から科学的な議論が尽くされることが重要であるというふうに考えております。
  135. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 本当に科学的に調査してほしいという思いがあります。日本は特に外交面では八方ふさがりと今言われています。やはりアメリカに対しても毅然とした態度を持つことが、私は日本の食の安全保障に関しても軍事的安全保障に関しても私はつくれると思っていますので、この辺は妥協なしにやってほしいなと思っています。  今回の委員会の判断は、米国の強い圧力に耐えられなくなった政府の譲歩政策が作用したからという見方もあるようですけれども、ブッシュ米大統領の来日が十一月に予定されていますが、それに備えたお土産として輸入再開の方向性を打ち出したのではないかという疑問視する声もあります。  棚橋大臣、見解を聞かせてください。
  136. 西銘順志郎

    大臣政務官西銘順志郎君) 食品安全基本法におきましては、食品の安全性の確保は、国民の健康の保護が最も重要であるという観点から必要な措置を講じなければならないとされているところでございます。その施策の策定に当たり実施する食品健康影響評価は、その時点において到達されている水準の科学的知見に基づいて客観的かつ中立公正に行われなければならないとされておるところでございます。米国産牛肉等に関するリスク評価につきましても、こうした基本的考えに基づいて現在プリオン専門調査会において精力的に審議をしていただいており、引き続き議論を尽くしていただけるものと信頼をいたしております。
  137. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 それから、次の質問に移ります。  日米政府間の沖縄返還協定上の密約を暴いた西山太吉元毎日新聞記者を政府と司法当局は機密漏えいで罰しました。西山氏は外務省高官の偽証などで名誉を傷付けられたとして、国を相手取って損害賠償訴訟を起こしています。だれが見ても、当時の政府が密約という国家犯罪を機密の漏えいにすり替えたのは明確です。なのに、政府、特に外務省は密約の存在をそれが暴かれた一九七二年から三十三年たった今も否定しています。  日本外交が力を持たないのはこのような外交上のうそがあるからではないですか。うそを内外の人々が見抜いているからではないですか。官房長官、いかがですか。よろしくお願いします。
  138. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) あの事件というのは非常に、もう大分昔になるわけでございますけれども、非常に大きな衝撃をもたらしたわけでございます。しかし、あのときには、女性外務事務官をいろんなことで誘惑をしたりしながら情報を取ったということで極めて社会的にも問題になり、それに対する報道側の反省もあって、いろいろ社会的問題になったわけでございますが、私は、そのことと今の、あれですか、外交なり情報の問題とは直接の関係はもはやないのではないかと。  それから、情報を厳しく、漏えい等、国家機密あるいは交渉の問題を漏らすようなことについては非常に厳しい体制になっておりますし、この点は問題はないものと思いますが、絶えず情報という問題は、諸外国もいろんな諜報機関もばっこしておると言われておりますし、報道に限らずしっかりとした情報管理体制を取りながら外交を進めてまいることは当然必要だと考えております。
  139. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 その米側から出された文書では、ほとんどだれが見ても、客観的に見ても、機密の情報があったような感じがするんですけど。外務省が密約の存在についてうそをつき続けているような感じがするんですね、私は。このような主張を続けることを公務員倫理に反すると心を痛めたことはないんですか、官房長官。
  140. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 公務員倫理として、すべての衝に当たる公務員がきっちりと、公務によって得られた情報、特に個人情報であったり外交上、軍事上等の機密情報を外に漏らしたりして日本の国益を損なうことのないようにするということは当然のことであります。したがって、そのような場合があれば当然しっかりと対応をしなければならないと思っております。長い目でずっと二十年、三十年で見ますと、よく報道されておりますが、外国のそういう機密情報機関が日本側からいろいろ情報を取ったと、それから、それを捕まえようと思ったらもう高飛びして本国に帰ったと、最近もそんな例をちょっと見ましたけれども、そういう例もあるわけでございまして、これ十分公務員の規律としてもしっかりとした管理体制を取るべきことは当然だと思っております。
  141. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 ちょっと、ちょっと質問が逆に取られたような感じがするんですけど。  まあ百歩も千歩も譲って、仮に密約がなかったとするならば、聞こえますか、理解していますよね。百歩も千歩も譲って、密約がなかったとするならば、この判決の中でね、密約がなかったとするならば、政府はなぜ存在しないはずの密約をすっぱ抜いた西山氏を起訴し、機密漏えいで有罪に持ち込めるのでしょうかという、僕に疑問があるんですよ、非常に、単純な。ここには大きな矛盾が私は出ている感じがするんですね。官房長官、政府の見解を明確に示してください。機密はないのになぜ機密漏えいで逮捕できるのか。信じられないです、こんな。
  142. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) ちょっとこの点については事前通告ございませんで、またかつ、もう非常に昔の事件でありますが、最近、その後どうなったのかということも私もはっきりとは承知しておりません。  ただ、あの事件政府責任逃れのためにいろいろやったかのようにはおっしゃらないでいただきたいんで、あの事件は非常に報道上の道徳の問題としても非常に問題になったわけでございますし、また、深い当時の事情が何かがあったのかなかったのか私も承知しておりませんので、もしまた別途御質問になりたいということがあれば、これは外務省が最も適当であると思うんですが、御質問をいただきたいと思います。
  143. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 誘惑罪というのはあるんですか、刑法には。公安委員長、よろしくお願いします。誘惑罪というのはあるんですか。つまり女性を誘惑したということで。
  144. 縄田修

    政府参考人(縄田修君) 誘拐とかそういう条文があろうかと思いますが、唆すという意味でいえば、まあいろんな労働関係で、あおり、唆しの罪とか、そういった部分、特別法で一部あろうかとは存じますが、少し念頭されるものがすぐ思い当たらないところでございます。
  145. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 この西山太吉さんのことを追い掛けていきますと、一体どういう罪状で逮捕し、有罪になったのかが分からない、つかめないですね。そうすると、機密漏えいという、機密がなければどうして、機密がないのになぜ機密漏えいで起訴されて、そこに刑が確定するのか、そこが分からないです、僕は。だから、非常に分からないから、それを教えてほしいと言っているんですね。
  146. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) せっかくの御質問ですから調べて、当時の外務省の記録等でまたお伝えしたいと思います。その後、裁判も行われていると思いますしね。ただ、あのときの事件をまあ私が記憶で申せば、外務省の幹部の秘書であった方から公電あるいは政府の方針、これらを多数コピーを取らせたりして情報を取ったと、機密文書について漏えいさせたと、その漏えいさせたことの原因が、先ほど誘惑と言われましたけれども、いろいろな目的を持ってそういう外務事務官をだまして、そして情報を取ったということが問われたと、罪に問われたと私は承知しておりますが、ただ、余り正確でないことを申し上げるといけませんから、よく調べて外務省から御連絡するように、当時どういう罪で起訴されたのか、あるいはそれが結末がどうなったのであるかということも含めてよく説明をするように依頼しますので、よろしくお願いします。
  147. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 なぜ私がそれを追及するかといいますと、この公文書からちょっと出た最後の文章なんですけどね、ちょっと読みますから。そこにずっと日本の司法もつかまって答えを出せないのかなという、日米同盟の限界を感じる文があるんですね。そのことを問いただしたくてこのことを追及してますけどね。ちょっと読みます。  報道機関がこの問題を本格追及し始めたら、補償問題の密約の存在を否定し続けるという日本の姿勢と同じ立場を取ることはできなくなるかもしれないと言っているんですね。しかし、密約を認めることを回避するために最善を尽くすと、回避するために。結論として我々は、返還協定では秘密合意は存在しないが、協定条項の交渉では非公式合意もあり得る、とのロジャーズ国務長官の、当時のロジャーズ国務長官の公聴会での発言に従うよう努力するというんですね。あなたは、日本ではこの問題について公式発言するのは避けるべきだという、日本の当時の官僚に言っているんですね。  だから、そのことがずっとくぎを刺されてそのことを避けているのか私は質問しているんですけどね、是非この辺を次しっかり調べて、もう一回、私、再度質問しますので、よろしくお願いします。  来年度に改定される予定の男女共同参画基本計画に、女性の力を発揮させるための基本的概念であるジェンダーという言葉を今後も使い続けるか否かで対立があります。自民党の担当組織は極めて保守的で、ジェンダーという言葉を使うべきではないとの主張です。ジェンダー論は、性差を否定し、結婚や家庭をマイナスイメージでとらえ、文化破壊を招きかねないという趣旨の反対意見を打ち出しています。  政府は、自民党が主張するように、世界的に定着しているジェンダーという言葉を使うのをやめる方針なのか、今後も使っていくのか、官房長官、お答えをいただきたい。
  148. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 男女共同参画基本計画につきましては、本年七月二十五日に男女共同参画会議から内閣総理大臣に対して改定の答申が行われたわけでございます。そして、引き続き男女共同参画基本計画に関する専門調査会においていろいろ調査を行っておるわけでございます。  特に今問題となっておりますのは、ジェンダーという言葉についてでございまして、元はといえば、かみ砕いて言うと、この世には男性と女性しかいないんですが、日本社会あるいは世界じゅうにおいて社会的に女性がハンディキャップを負っているケースも非常に多くて、その地位を女性が男性と同等に高める方向でこの社会を変えていかなきゃならないと。就職一つ取りましても、あるいは出産、育児のハンディキャップを乗り越えるための諸措置につきましても、やはり男性と女性の違いについては認識しながら、しかし様々な労働、雇用、社会的存在としてのこのハンディキャップを解消していくと。いろんな言い方はあると思いますが、それが基本思想であって、それをジェンダーという視点で解決しろと。  英語で言えば、性ということですが、これ、セックスという意味よりはジェンダーという言葉がいいということで国際的にも採用されているわけですが、残念ながら日本でジェンダーという言葉が全く定着してないものですから、セックスという意味、これが男女の性という意味としては使われるんですが、それよりはやはり国際的に使われているジェンダーがいいだろうということでこれまで使ってきているわけです。その訳としては、社会的、文化的に形成された性別と、これを認識しながら、かつ不当な差別等を解消するという意味で使われているわけであります。  しかし、御指摘のように、今出されている様々な疑問点は、このことをとらえて、むしろ男女は同じなんだから、どこか旅行へ行ったとき、修学旅行でも同じ部屋に寝かせたらいいじゃないかとか、更衣室を共通にしたらいいじゃないかとか、あるいは性教育を過激にやってもっと認識をさせたらいいじゃないかという間違った教育の方向に進んでいるんじゃないのかと、そのための根拠になっているんじゃないかという批判があるわけですね。  ところが、これも大きな誤解でありまして、そのようなことを推進しているんじゃないんです。男女性差、あるいはそこで羞恥心とか性に関するモラルとか、そういうものはしっかりと取った上で、社会的に見た差別ですね。日本は出産と同時に辞める女性が七割にも上っているわけです。そして、さて育児が一段落したから戻ろうかといえば、パートタイムしかないんです。そういう非常に、特別な才能と技術を持った人は別でございますが、非常にそこに社会的差別があって、アジア諸国から見ても非常に差があるし、ヨーロッパ等の諸国から見ても差があると。  これを解消していかなきゃいけない、あるいは役所の採用、会社の採用、学者、そういったところで、社会をリードするような面でも女性をもっと登用しなきゃならない、そういう認識、女性を登用しなきゃならない、採用したり登用しなきゃならないと、そういう問題認識を正しく持って書いているつもりなんでございますが、誤解もありますので、これは、誤解を解くためにはこのジェンダーという言葉をどう考えたらいいだろうか、あるいは、社会的、文化的に形成された性別といっても何言っているかよく分からないんで、もっといい言葉がないだろうかというようなことを専門調査会でも検討しておりますので、国際的にそういったことは今や誤解なく使われておるんでございますが、日本においてはまだまだ誤解が発生していることをもってやめたらどうかという議論もありますので、これは誤解に基づく扱いでございますので、誤解を解きながら正しい方向に行かないと、正に少子化、あるいは未婚化、晩婚化というもう大きな問題が社会的にも発生していますし、女性の社会的な活躍も非常に諸外国にとって劣っているのを是正することができないんじゃないかと、こういう問題認識で取り組んでいる次第でございます。
  149. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 であるならば、まだそのジェンダーという名前を使わないということではないということですよね。まだ検討中ということですよね。  女性が専門職や国会議員などに進出している度合いを示すジェンダー・エンパワーメント指数、GEMで日本は四十三位という統計があります。この点から、まずジェンダーの持つ意味は大きいと思います。  国連人口基金、UNFPAは、今月十二日に、世界の貧困を減らすため、ジェンダーの不平等を克服して、貧困被害が集中する女性の地位向上のため投資が必要という趣旨を盛り込んだ世界人口白書を発表しました。つまり、ジェンダーの公正さということをうたっています。このように、国連もジェンダーの言葉を使っています。  古い時代に生まれ、今日では時代にそぐわなくなっている良妻賢母、まあ使い方が合えばいいんですけれども、良妻賢母論を踏まえたかに見えるジェンダー用語反対の自民党の考え方を今後しっかり教えて、世界への一つの、何というんですかね、国際協調という理念の下に整合性を求めていく考え方を是非つくってほしいという考えがあります。  それから、まあこれは私個人としての考え方なんですけれども、もしジェンダーという、女性の男女共同参画基本計画を本当に真剣に考えるならば、参議院は男性は全部やめにして女性だけにさせるという案もいいんではないでしょうかね、衆議院は男性に任せて。この辺の意見をちょっと聞きたいんですけれども
  150. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) それは一つの御提案として承ります。
  151. 喜納昌吉

    喜納昌吉君 とにかく、まあやっぱり楽しい世界をつくった方がいいと思いますよ、私は日本は非常に可能性のある国と思っていますから。東洋の、何というのかな、知性を高めに高めて、高みにまで持ってきて、西洋のマテリアリズムというのか、技術を高みにまで持ってきているこの民族は、私は唯一この地球の、疲弊した地球を唯一立て直す、再生できる民族ではないかと思っているんですね。だから、その辺で民族主義を使ってくださるならばいいなと思っているんですよね。だから、何というんですか、国益を人類益に整合性を合わせて、それから愛国心を人類愛に高めていくぐらいの、私は自民党の民族主義が深化してほしいなと思っています。よろしくお願いします。  もうちょっと、あと一つ、どうしよう、どうしましょう、これは、(発言する者あり)分かりました。ちょっと三つぐらい続きますので。  どうもありがとうございました。また勉強してきますので、よろしく。
  152. 近藤正道

    近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。  今年は戦後六十年ということでございまして、戦後、日本が置き去りにしてきた様々な問題について解決を図っていかなければならない、そのリーダーシップを是非内閣官房長官に果たしていただきたいという立場で、二つ最初にお聞きしたいというふうに思っています。  一つは、第二次世界大戦終了までに日本の企業に徴用された、そして終戦までに死亡した徴用朝鮮人の遺骨問題、先ほど喜納先生が御質問をされましたが、このことをお聞きしたいというふうに思っています。もう一つは、同じく日本の企業に徴用し、雇用され賃金の支払を受ける、そういう立場にありながら、終戦で急遽朝鮮半島に帰っていかなければならないということで、未払金を残したまま帰らざるを得なかった徴用朝鮮人の未払賃金、これはその後供託されておりますが、この二つについて質問をしたいと、こういうふうに思っています。  最初の徴用朝鮮人の遺骨の問題、遺骨の問題で今日二度も質問をして大変恐縮でございますが、このことにつきましては今ほど質問がございましたので、ちょっとはしょってお聞きをしたいというふうに思っています。  これは盧武鉉大統領からの要請もありまして、今、日韓実務者で解決のために努力をしていると、そして今ほどの御答弁だと八百五十柱の遺骨が収集をされてきていると、こういうふうにお伺いをいたしましたが、これ、企業と、あるいは自治体に対して今政府調査依頼をしているということでありますが、どうも地方自治体等の議会でいろいろ議論をした経過を見ますと、それぞれの自治体が必ずしも真剣にこの問題を受け取っていないと、単なる情報提供依頼程度にしかとらえていない、したがって八百五十柱程度しか発見できない、実はそういう意見が非常に強い。  これは、徴用された朝鮮の人たちの人数からいきますと、少なくとも五千ぐらいはこれは収集できて当然ではないかという声が非常にありまして、是非、この戦後六十年という節目、もっときちっと調査依頼を企業あるいは自治体等に行うということが必要ではないか。それが小泉総理が精一杯頑張るという約束の正にあかしになるんではないかというふうに思っておりまして、是非、この一、二年がやっぱり勝負でありますので、法律の制定も含めた積極的な取組が必要なんではないかと、こういうふうに思うわけでございますが、官房長官の御答弁をお願いしたいと思います。
  153. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 朝鮮半島出身の旧民間徴用者の遺骨につきましては、日韓首脳会談でも問題提起があり、これに最大限の努力をするということを約束しておるわけでございます。  今後とも最大限の努力を傾注してまいりたいと思いますが、これまでのところ、企業、企業で徴用して現在なお存在する企業というのもありますので、そういった企業、あるいは地方公共団体、それから宗教団体、宗教団体というのはお寺なども含めまして情報を取ると。御存じのように、祐天寺というところは、これは民間の徴用者でないですけれども、軍人軍属の方の遺骨が非常に多く納骨されているということなんでございますが、そういったお寺その他こういったところに対しても、宗教団体についても情報提供依頼という形で依頼を行っております。  八百五十柱強が今情報が寄せられているんでございますが、更にその実態調査を行っていくほか、実地調査も行ってみたいと。つまり、そういうところには更にほかにもある可能性もありますし、それから地域的にこういった方々が固まって生活しておられた可能性も非常に大きいわけですね。特定の企業等に徴用されて働いておられたということもございますので、この遺骨の返還に向けて各省庁連携を取りながら最大限の努力をしてまいりたいと思いますし、次回協議も、これまでの報告をすると同時に向こう側からも何か情報があるかどうか、こういう企業の関係者がいるとかですね、そういうような相互の情報交換もして、更にこの調査の実を上げてまいりたいと、こう考えております。
  154. 近藤正道

    近藤正道君 今ほど申し上げましたように、とりわけ自治体の場合には必ずしも真剣に取り組んでいない、そういうものが地方自治体における議会の論議を通じてかなり明らかになってきておりますので、是非積極的な取組を更にお願いをしたい、こういうふうに思います。  もう一つの問題でありますが、徴用された朝鮮人、終戦によって賃金の支払を受けないまま帰国をしたわけでございますが、その終戦直後、日本政府が通達を出して、未払賃金については供託をしなさいと、こういう通達を出した。これが今現在もその供託金が残っておりまして、日本銀行には一億六千七百七十万一千四百円、そして有価証券として四千七百三十五万五千六百円分、こういうものが日銀に今供託されていると、こういうふうに聞いております。  これ約二億円でありますが、現在のレートに物価指数で換算をしますとどのぐらいになるのか国立国会図書館にちょっと聞いてみたんでありますが、そうしたら、約八十二、三億円ぐらいになると、こういうことでございます。言い換えれば、戦前全く報酬を支払われないまま、今の金に直しますと八十二、三億円ぐらいの未払金を残したまま、朝鮮、韓国、ここの言わば労働者が帰国をしていったと、こういう状態でございます。  問題は、その金の今後の処理の問題でございますが、一、二年ほど前に政府は、現時点において特段の措置をとることは考えておらず、保管を継続すると、供託金の保管を継続すると、こういう答弁を質問主意書で行っているようでございます。しかし、この供託金は韓国、朝鮮労働者が働いたお金でありまして、そもそも日本政府が保管するべき性格のものではない。これは当面は供託という形を取っておりますけれども、いつまでもこれ保管を続けることはできないわけでございますが、今後どうされるつもりなのか。  今、韓国では戦時下の様々な問題を調査する委員会も立ち上がっているようでありますが、韓国と北朝鮮と今二つに分かれるようでありますが、約、金額として二億円、今の金に直すと八十数億円ぐらいになるんですが、このお金の今後の扱いをどうするのか、あるいは韓国や朝鮮等に対して、日銀にこういう金が今保管をされているという、こういう通告みたいなものを皆さんどういうふうにされているのかも併せて、この問題の今後の扱いについてお尋ねをしたいと、こういうふうに思います。
  155. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 実際の運用等については、また事務方からも御答弁申し上げます。  おっしゃるとおり、戦時において朝鮮からの労働者等に対して賃金が払われるべきところ、やはり終戦時の混乱が大きく影響したと思います。日本が負けたと、そして早くふるさとへ帰らなきゃならないということで、大量な方々が本国へ帰られたということがこの未払問題が生じた大きな原因ではないかと思っているわけでございますが、しかし企業側も未払金があるということで、当時にしては非常に大きなお金だと思いますが、現金、有価証券、合計で当時の金額でも二億円を超えるお金を供託をしているということも事実でございます。  そういった意味では、企業側もきちっとした対応を通達等によりまして、通達や政令も当時政府も出しておりまして、そのようなものはしっかりと返さなきゃいけない、そのために供託せよということで、企業も分かりましたというので特定の多分人の名前も記録はされておるんだと思いますが、供託をされておるわけでございます。  ただ、その後、なかなかそれが具体的な請求として出てこないということと、もう一つは、日韓協定によりまして、請求権の問題としてこの権利が解釈上は消滅したということになっております関係もあります。それから北の方の、北朝鮮側の方々もかなりおられたと思いますけれども、これは御存じのようなことで、全くまだ言わば正常な状態になっていないわけですから、この点を今後どういうふうに考えるかは正に日朝の交渉いかんになると思いますね。  したがって、政府として、これは当然返還されるべきものであるということで保留しておりますし、その間、いやもう時効なんだから国庫へ入れてしまえというようなことは決して取っておりません。これは払うべきものであるから別に取ってあるということでございますので、これは御党の福島みずほ議員も本年の初めあるいは昨年もそういうことをおっしゃって、政府答弁しておるわけでございますし、答弁書も、質問主意書に対する答弁も出しておるわけでございますが、先方からやはりそういう方々の問題について何か反応があるのかないのかということですね、これからも注視してまいりたいと思っております。  あと、どうですかね、特に補足があれば。
  156. 松井一實

    政府参考人松井一實君) ただいま官房長官の方からお答えさせていただいたことでほとんど尽きるわけでございまして、事務的に加えるところはございませんけれども、最終的な現段階での判断は、これまでの経過等もございますので、現時点においては引き続き保管ということでさせていただけないかなと。そういう意味では、今直ちに特段の措置を講ずるということはなかなか難しいと。  重ねて申し上げますと、被供託者にかかわる国籍別に書類等を整理しなきゃいけないというような手続が考えられるんですけれども、非常にたくさんございまして、これもなかなか困難を窮めるだろうというような事務手続上の問題もございますので、ただいまの官房長官の答えと併せて御判断いただければということでございます。
  157. 近藤正道

    近藤正道君 被供託者の識別等、非常に膨大な作業であるということは分からぬわけではございませんけれどもただ単にこのまま放置ということにはならぬだろうと。こういう問題がやっぱりあるんだということをきちっとやっぱり表に出して、北朝鮮の場合は今こういう状態ですのでなかなか大変だと思いますけれども、少なくとも韓国との間では、今さっきも言いましたように戦時下の様々な問題についての真相委員会等も立ち上がっておりますし、やっぱりこちらの方からも積極的にこの問題の扱い等々について話合いを私はすべきではないか。そういうことも是非検討していただきたいと、こういうふうに申し上げて、次の質問に移りたいと思っています。  次は、昨日答申原案が確定いたしました、これも先ほど来少し議論がありましたBSE問題でございます。  リスクの差は非常に小さいと、アメリカの牛と日本の国産の牛とのリスクの差は非常に小さいという、そういう答申が出まして、マスコミはこれを受けまして、もう十二月にはアメリカ産、カナダ産の牛肉の輸入が再開されるんだろうと、こういうふうにされているわけでございますが、そう簡単には私はいかないんだろうというふうに思っています。  この原案の結論は条件付でありまして、食肉及び内臓等に関してはアメリカの日本向け輸出プログラムがきちっと遵守される、守られる、これを条件にしているわけでございます。しかしながら、プリオンの専門調査会は、アメリカ国内における牛の管理の実態やBSE検査の実態を評価することまでは踏み込んだ判断をしていない。しかし、国民は正にそのことを、大変それを関心を持って見ているわけでございます。  正式な結論は、これから食品安全委員会が一般からの意見聴取、パブリックコメント、これを得た後に下すということでありますが、是非その際には、アメリカの屠畜の現場や牛の管理の実態、BSE対策の現状を踏まえ、食品安全委員会として問題点を具体的に指摘するぐらいのことは是非行っていただきたい。そうでないと国民はとても納得しないだろうというふうに思っています。  そのことに関する担当大臣の所見と、そしてまた、このパブリックコメントで、もし圧倒的に時期尚早だとかあるいは反対という、そういう意向が出てきたときに皆さんどうされるのか、併せてお尋ねをしたいと思います。
  158. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 私、担当する副大臣でございますから、大臣所用で来られませんので私の方から御答弁させていただきますが、まず、今アメリカの月齢判別の方式や、あるいはBSEの対策の実態についてのということでございますけれども、この問題につきましては、現在、食品安全委員会プリオン専門調査会において米国における牛の月齢判別の問題、あるいはBSE対策の実態も踏まえて、アメリカ産牛肉等のリスク評価が行われていることでございます。  いずれにいたしましても、プリオン専門調査会において、中立公正な立場で科学的見地に基づいた論議が精力的に行われているところでございまして、私の立場から今現在結論について予断を持ってお答えをすることは適切でないと、こういうふうに考えているところでございます。  また、パブリックコメントについてと、時期尚早というような声があるけれどもと、こういうようなことでございますけれども、これにつきましても昨日、二十四日付けでたたき台的な修正三次案が座長から提出をされ、そして結論部分を中心に審議が行われたと聞いておるところでございますが、これにつきましても、リスク評価案が取りまとめられた後の問題について予断を持ってお答えをすると、今から先にそれがあったという答えを持ってお答えをすることは適切じゃないと。そういう形で、先生にとっては御不満かもしれませんが、こういう答えをさせていただかなきゃならないということでございます。
  159. 近藤正道

    近藤正道君 不満な答弁でございます。  私は、もちろん、これからその答申原案を受けて食品安全委員会が更に議論を詰める、そういうプロセスになりますので、余り先走ったことを言うべきではないと、これはよく分かるんでございますが、今ほど申し上げましたように、やっぱり答申に際しては、アメリカの年齢判別の方法だとか、あるいは様々な飼育の実態等、事を踏まえた問題点の指摘ぐらいは併せてやっていただかないと、こういう問題はあるけれどもこれがきちっとされればこうですよみたいな、そういう問題点の指摘ぐらいはきちっとやっぱりやっていただかないとまずいんではないか、こういうことを申し上げているわけでございます。  いずれにいたしましても、ある条件付での答申でございますので、是非これについて、その条件についてよりきめ細かく皆さんとしても是非検討していただきたいと思うんですよ。  今日の新聞見ますと、条件付でリスクの差はないと、しかし、いろいろ月齢の判別の問題だとか危険部位の除去の問題について、そのことがきちっと守られていないと、そういう問題が出てきたときには輸入を中止するということも必要なんだということを言っております。これはどういうことなのか、少し詳しく説明いただきたいということと、こういうことを言うからには、やっぱり食品安全委員会としても、よりきめ細かく、こういうところがアメリカの場合問題なんだから、こういうことについてはきちっとやっぱり調べるべきだ、きちっとチェックすべきだと、そういう立ち入った指摘をしなければ、私は条件付の答申にならないと思うんですけれどもね。どんなものでしょうか。
  160. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 先生今御指摘のありました、中止をする必要があるというような内容のことを言っておられたわけでありますが、これ昨日、二十四日の第三十三回のプリオン専門調査会に提出されたたたき台修正第三次案の結論への附帯意見において、輸入禁止に踏み切ったとしても、管理措置の遵守が十分でない場合などにより人へのリスクを否定することができない重大な事態となれば、いったん輸入をストップすることも必要との記載があり、論議されていることは承知をしているところでございますが、今のようなことでございまして、次回も引き続き、このプリオン調査会において、御指摘の記載事項も含めて結論部分について審議が行われるものと私は聞いているところでございまして、次回の中でも、この話も含めて、今先生が御指摘部分も含めて論議されるものではないかというふうに考えているところでございます。
  161. 近藤正道

    近藤正道君 私は時期尚早ではないかというそういう立場で聞いているわけでありますが、民主、共産、社民、野党三党が衆議院に、輸入牛肉トレーサビリティー法案、これと牛海綿状脳症対策特別法の一部改正法案、これを提出をいたしました。これは、BSEの発生国やそのおそれのある国から牛肉を輸入する場合、国産牛と同等の検査や危険部位の除去証明、トレーサビリティー制度の整備等を義務付けて、これがない国には輸出国名や個体識別が不可能な牛肉であることを表示させるものだと、こういう今法案が出ているわけでございます。  まだ審議はされていないようでありますが、BSE問題がこれだけ問題になっている中でのアメリカ、カナダからの牛肉輸入、これを再開するということであれば、前提としてやっぱりこういう法律を私は作らないとまずいんではないか、正に今こういうところがないから野党三党が衆議院にこういう新法あるいは改正法案を出したんだろうというふうに思っております。  まあ、まだ審議もされていないものの評価について皆さんに聞くのはいささか気が引けるわけでございますが、やっぱりこういう法律をまずきちっと作って、それがまず先だと、その後にアメリカ、カナダの牛肉の輸入再開問題がきちっと議論されるべきだと、それが物事の筋ではないかと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
  162. 七条明

    ○副大臣(七条明君) まず、先ほど私、輸入禁止に踏み切ったと申し上げたかもしれませんけれども、これは輸入解禁に踏み切ったの誤りでございますので、訂正させていただきたいと思いますが。  それから、今、野党三党が提出をされた法案についてでございますけれども、これは先生方が法案を提出されたことは承知をいたしております。そして、輸入牛肉の安全性の確保については、これはリスク管理機関がリスク評価の成果に基づいて適切に措置を講じていることが重要であるということを一つ認識の中で今後国会において議論が行われるものと思っておりまして、これについてコメントをするというわけにはいかない。しかしながら、先生が今、先ほど申し上げておられたこの法案の内容に関して、私から内容に関して申し上げるならば、本法案の内容はリスク管理機関の措置が中心であり、所掌からは踏み出している部分もあるが、あえて感想を申し上げるならば、国際協定との整合性が図られていないおそれがあり、十分な論議を行う必要があるのではないかと、こういうふうに私の立場では言わざるを得ないところがございまして、まだ国会の審議が十分にされていない段階でございますので、この程度で御容赦を賜ればと思うところでございます。
  163. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 予定の時間が参りましたので、手短にお願いいたします。
  164. 近藤正道

    近藤正道君 はい、済みません。  この六月にアメリカで二頭目のBSEの牛が発見されました。世界の幾つかの国がこれを受けてアメリカからの牛肉の輸入を禁止をいたしました。今回の日本の方向は、私はそういう流れに逆行しているし、またこの間の、以前の委員会で私が例のリスク評価とリスク管理の峻別を指摘をして、プリオンの専門委員会のメンバーが日米牛肉交渉の議論に参加するなんというのはこれはやっぱりおかしいという指摘をしましたけれども、それ全く直っていない。是非ここはやっぱり再考していただきたい。そして、輸入の再開はやっぱり非常に早い、尚早だ、このことを申し上げて、質問を終わります。     ─────────────
  165. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) この際、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  内閣重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、政府参考人として内閣経済社会総合研究所景気統計部長私市光生君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  167. 黒岩宇洋

    黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。  もう遅くなってきましたけれども、最後ですので、ちょっと気合を入れて頑張りますので、お付き合いください。  政府参考人の再登録の方も本当に異議なしで御許可いただきまして、心から御礼申し上げます。  さて私は、今日はいわゆる世論調査政府の行います様々な調査についてこの後質問していこうと思っております。  国民の声を聞くということは大変大事なことでございますけれども、その手続に瑕疵がある場合、私は、ともすれば大変重大なゆゆしき事態に陥るというこの懸念を常に持っておりました。  一昨年だったでしょうか、道路交通法の改正案、この内閣委員会で議論いたしましたけれども、その際に、内閣府の世論調査では、自動二輪の高速でのオートバイの二人乗り、七七%は今のままでいい、すなわち改正に反対というこういった調査が出ていたにもかかわらず、警察庁の行いましたパブリックコメントでは九七%が改正に賛成、二・一%が改正しなくてもいいという、およそ逆というよりは、信じられないような数字が出た。これは後で調査しますと、自動二輪の愛好者の方々が徹底的に政府のパブコメに答えたという、こういったことが起こりますと、やはり一部の特定の人たちの意見が政策立案に反映し過ぎるという、こういった問題がございます。  加えて、今日白浜委員からの御指摘もありましたが、幾つかこの世論調査、大変国民の信頼を揺るぎかねない状況に今陥っているという、この観点で質問を進めたいと思っております。  さて、内閣府の調査というものは一体どういう種類があるのか、これはお答えいただかなくて結構です。私、お聞きしたところ、統計法に基づく統計調査という、これは消費者動向調査とか、こういった定期的なものですけれども、昨年でも八つですか、調査が行われていると。次に、これは内閣府設置法に基づく世論調査、これは内閣府の政府広報室がすべて担当し、各省庁からのいろいろな依頼も受けて行う、これが昨年度で十三件世論調査があったと聞いております。そして、この次に、これも意識調査とかアンケートと呼んでいるようですけれども、根拠法のない各部局、これは内閣府のみならずあらゆる省庁で国民の声を聞きたいというときに行う意識調査というもの、これ内閣府に限りますと、昨年度で二十数本の調査が行われていると。このように私はあえて分類して、この先の議論をしていきたいと思っております。  さて、この前、これも新聞報道されたんですけれども、学校の在り方について内閣府がアンケートを取りました。学校制度に関する保護者アンケート。ここで、保護者の皆さんで学校に対する満足する方が一三%、不満足者が四三%という数字が出た。これについて文科省がかみ付いたそうです。文科省の独自の世論調査では、満足した方が七〇%、そして不満足が二七%、全く逆なわけですね。  これで今日文科省お呼びしているんで、一つだけお聞かせください。この文科省の義務教育に関する意識調査調査方法、すべてじゃなくていいんです、これ保護者九千何百人に聞いているようなんですけれども、その保護者にいわゆるこの調査票が渡るまで、どういう経路で調査票が渡っているのか、この点にだけ手短にお答えください。
  168. 銭谷眞美

    政府参考人銭谷眞美君) お答えを申し上げます。  文部省が実施をいたしました義務教育に関する意識調査は、現在、中教審で義務教育改革について審議をしている、その検討資料とするために実施したものでございます。  保護者を対象とした調査でございますけれども、抽出方法は、調査対象、例えば保護者の場合でございますけれども、まず、全国で小学校十五校、中学校十校を全国の公立小学校のリストより無作為抽出によりまず調査対象校として決定をいたしました。その上で、原則調査対象校のすべての保護者、これが九千八百三十六名でございますが、これに対して調査を依頼をし、保護者は、担任から子供が調査票を預かってきまして、それを自宅で記入をした後、封筒にその結果を入れましてのり付けをして学校に提出をするというやり方を取りました。
  169. 黒岩宇洋

    黒岩宇洋君 重要なところは、学校を通して担任の教師が子供に調査票を渡して親に渡すんですね。  これで男女比見ますと、内閣府の調査ですと、保護者、男女もう約五〇%ずつなんです。これ文科省ですと、女性が九三%、男性が七%。やっぱりお宅でお母さんが書かれている例が多いんでしょうね。これで、やはり学校から来るわけですよ、学校教育に満足ですか不満足ですかと。これ不満足って書けますか。しかも、時は三月。三月ってどういう時期ですかね。そろそろ通知表出ますよ。これはとてもじゃないけど書けないですよ、本当に。  だから、もうこういう状況で行った調査と、内閣府についてはこれ無作為抽出でインターネット上で、そしてやり取りしていますから、私ははるかに中立性が保たれていると思っているんですが、こういうことで、各省益、省庁の何か目指すところによる結果が出る。私はこんなことに世論調査ないしは意識調査というのが使われる、これは大変問題だと思っているので、細田長官よく聞いておいてくださいね。最後に、この是正を細田長官に最後に聞きますので。  さて、駆け足でいきます。  先ほど白浜委員の方からもお話ありましたけれども、事もあろうか、政府ないしは日銀の世論調査で捏造、不正があったのではないかと、こういうことがあったんですね。これが先ほどの新情報センター。この社団法人の新情報センターが元々日銀のある調査で聞いたところ、実際には調査に答えていない人まで答えたことになっていると。これを受けて内閣府が慌てて調べたところ、食育に関する調査、そして地域再生に関する調査というところで不適切なデータ処理があった、こういうことが報道されたわけです。現実には、総務省でもこの同じ新情報センターが不適切なデータを処理していた、このことが分かったと。  これで、今日の白浜委員の議論では、要は、今、先ほど申し上げた内閣府の世論調査、これ十六年度、十七年度合わせて十九本ほどあるんですけれども、これがすべて二社で行われている。これは社団法人の新情報センターと社団法人の中央調査社なんですね。これは落札しただけでなくて、札を入れた法人もこの二年間でこの二社だけなんです。札すらほかは入れてないんですね。札すら入れてないんですよ。  じゃ、何でこの二社だけだというときに、先ほど室長答弁では二つございました。全国展開の調査ができなければいけない、そしてもう一つは、価格的に、要はこの内閣府のもくろんだ価格で収めることができるという、この二つだと二社しかなかったというんですが、これ一つは事実で、一つは事実誤認だと思います。  その全国調査ということでいいますと、私、全国世論調査協会というところに尋ねました。これ三十一社の登録があります。そのほか社団法人の日本マーケティングリサーチセンター、ここでは百三十社登録がございます。そして、そこに登録しているだけでなく、今まで多くの政府の世論調査でいわゆる民間もたくさんやっているわけですよ。全国調査やっているわけです。だから、全国調査できるところが今の社団法人二つなんてことは絶対にあり得ないんですよ。  となると、私は答えは一つしかないと思っています。要は、その価格、低価格でこの調査を実施できるところが実はこの社団法人しかない。これ、今までのいわゆる談合とかこういったことに対する議論と逆になってきましたよね。要するに、落札率が高くて高止まりだってことじゃないんですよ。本来、民間ならとてもできない価格でしか予定価格が入ってなくて、そしてそれを落とせるのは社団法人しかない。これは大変私はミステリアスなことだと思っているんですね。  で、私はあえて聞きたいんですけれども、世論調査の仕様書というのも取り寄せました。これ、とにかく全国無作為二百十地点から三千人、これ電話でも何でもないんですよ。調査票を置いてくるんでもないんです。対面調査で行って、そして私は、その調査を対象者に一々こちらから口頭で言って書き取るという。だから、調査票を置いてきただけでも駄目なんですよ。  ここにあります。例えば、調査員が質問を読み上げ、その回答を記録すること。又は、最低三回の訪問を行うこと。最後に御丁寧に書いてあるんですね、調査協力者へは謝礼として面接調査後粗品を渡すこと、このために必要な費用は受託者負担とすると。これ全国二百十か所で三千人に聞く、あっ、済みません、これで落札価格は大体一千万弱です。今日もお話ししました、九百七十六万五千円とか。これ一千万弱で三千人の人間にですよ、これ全部調査員が行くわけですよ。  こんなことでできるのかと思って、私、ある民間の調査会社にこれと同じ条件で見積書を出させました。そうしましたところ、その見積りでは千六百三十九万円、しかも回収率は五割だというんです。七割なんてあり得ないと。七割やろうと思ったら三回、五回、十回行くことになると、こんなものはとても民間では負えないという、こういう答えが返ってきたんですよ。  そこで、これは室長が答えることではないのかもしれませんけれども室長の御私見で結構ですけれども、何でこの社団法人はこんな安く、一千万弱でこの三千人サンプルの調査が請け負えるんでしょうか。
  170. 谷口隆司

    政府参考人(谷口隆司君) お答えいたします。  御指摘の両調査機関、法人は、従来からこの全国規模の世論調査の実施をしてきているところでございまして、これも御指摘があったとおりでございますが、一般競争入札におきましてお示しの価格を提示して落札をしてきているということでございます。  調査の実施に当たりましては、粗品をお渡しをするというような点などもありましたが、ごく廉価な粗品をお渡しをするというようなことをいたしております。  また、七百五十名、登録調査員、これも擁しているところでございまして、そういう世論調査を的確に実施するそういう実績を備えた機関として運営してきているわけでございます。  そういう点を踏まえ……
  171. 黒岩宇洋

    黒岩宇洋君 分かりました、結構です。  ですから、今まで政府の受託業務を受託している民間もたくさんあるわけですよ。ただ、この今申し上げた世論調査のこの一千万というところではとても無理だというわけですね。  私、これだけ安くできるこのなぞの答えのヒントはやはり今回の不正事件にあると思っているんですよ、不正事件。  この不正ということなんですけれども内閣府に聞きますと、要は元々、先ほど申し上げた調査対象者でもないんだけれども聞かれたという、こういう件が、これはひとつ、地域再生に関する調査ですと、要するに有効回答者に全員聞いたんですよね、もう一回。再度監査し直しましたね、監査。そうしたら、二十二件が自分は全然聞かれていないよと。三十八件がその人はサンプルでなかったと。簡単に言うと、そこの御主人に聞かなきゃいけないんですね、無作為抽出ですから。でも、いなかったもんだから、多分奥さんかなんかに答えさせちゃったということなんですよ。  これを政府広報室としては不正と認めるんですか、捏造として認めるんですか。それについてお答えください。
  172. 谷口隆司

    政府参考人(谷口隆司君) お答えいたします。  現在、当該調査機関におきまして、今先生がおっしゃいましたような監査、別の人間が調べまして、本当に回答を得たのかどうかの確認をしたわけでございますが、それは別の人間が確認をしたということでございまして、不正、不適切な調査の処理が行われたと……
  173. 黒岩宇洋

    黒岩宇洋君 不正かどうか、答えてください。不正じゃないんですか。
  174. 谷口隆司

    政府参考人(谷口隆司君) ということについて当該調査員に対する事情聴取を行いまして、それを踏まえました原因の分析を今いたしているところというような状況にございます。
  175. 黒岩宇洋

    黒岩宇洋君 違いますよ。  いいですか、調査を受けていないけれども、それに対して回答を得て、要するに調査票は架空のものを出したわけですから、これは捏造ですよ。  あっ、この後、またあれですか、これについての回答とか調査結果というのは、監査結果、また新たに出すんですか。そうなんですか。
  176. 谷口隆司

    政府参考人(谷口隆司君) ただいま申し上げましたのは、当該調査員と別の調査員が改めて確認したところ、先生がおっしゃいますように、回答していないとか、家族からの回答に替えているというような回答が得られたわけでございますが、そこで、問題となる当該調査員本人に事実であるのかどうかということの確認を始めとする事情聴取を行いまして、それを踏まえまして、何ゆえこういうことが起きたのかという原因の分析をするという作業に今、当たっているところでございます。
  177. 黒岩宇洋

    黒岩宇洋君 いや、今その分析しているとかいう話全然聞いていなかったんで、まあいいでしょう。じゃ、先に進みますよ。  それで、でも結果的に、これ今二十二件、三十八件とありますけれども、あと四百何十件は、要は電話したけれども出なかったところですよね。出なかったところのデータをごそっと抜かして、もう一回、地域再生については一回結果を発表したんだけれどもその五百を除いて、そして発表したわけじゃないですか。これで結果的には七〇%有効回答率から五〇%まで下がったんですね。  今まで七〇%にあんなに固執していたにもかかわらず、五百人が電話を掛けても未確認、これもおかしな話ですよ。未確認のまま、だって今までも執拗なまでに何度も訪問しているわけでしょう。五百人もの多い人間、たかだか二千人の有効回答数のうち四分の一に当たる五百人を未確認だといって乱暴にもその五百人をごそっと抜いて、そしてトータルでは有効回答率五割で出すと。今まであれだけ七割に仕様書でこれだけぎちぎちにやってきたところが、五割はもう除いて出すと。  これは統計学上、私はありだと思っているんです。結果的に、七〇%で出した結果公表されたものの結果と、その後五〇%に落としたものでは本当にわずかしか違っていませんよね。〇・何%、各質問すべてそうですよ。多分、広報室としても堂々と五〇%の回収率でも出したわけですよね。そうですよね。  そうしますと、ここが私ポイントだと思っているんですよ。結局、五割でもそんなに変わらないということは、今まで何度も何度もやっている新情報センター、この社団法人の人は知っていますよ。知っていますよ。だから、そうなると、これはもう推論でしかないんですけれども、それほど回収率を高めなくても、高めなくてもある程度のサンプルが集まれば、それをともすれば引き伸ばしても、報告したってさして数値は変わってこないわけですよ。私、こういうことでもない限り、民間の人と話をしても回収率七割で一千万弱では絶対できないという。  私はこの低コストでもできるヒントというのは、これ公共工事で例えば言葉は悪いですけれども、やはり手抜き作業だと、これはやっても水掛け論になるんで、私はこういうまず推論が今のところ働いているんです。  それで、でも、何でじゃこの新情報センターというのはこんなに割の合わないものでも受けるんだろうという、私も考えたんですよ。そうすると、その次のヒントがこれ統計調査。今回、消費者動向統計調査というものも、先ほど私が申し上げた統計法上の統計調査、これを新情報センターは請け負っていますね。今請け負っていますね。これ、額すごい高いんですよ。昨年度で二億三千万、今年で一億七千万ですね。これは、逆に言うと、私、物すごい額だと思っているんですね。わずか六千七百の対象者ですよ。先ほどの三千サンプルに比べれば掛ける二。これは毎月毎月といっても三か月に一遍しか訪問しませんね。あと、翌月、翌々月はそこに電話で調査するだけですよ。これどう考えても、先ほどの九百何十万円で三千サンプルやることに比べて、この二億三千万掛けてやる調査とすれば、私は大変高価なお金を発生さしている。  その証左に、これは、十六年度は新情報センターには随意契約でもうそのままこの仕事与えていますよね。で、今年になって、またお決まりの中央調査社と新情報センター二社が今度は入札に加わった。その瞬間に一億七千万円まで落ちましたね、落札価格が。そうですよ。予算計上は去年も今年も二億五千万、一緒です。昨年は二億三千何百万新情報センターに払った。今年は一億七千七百万円で済んでいるわけですよね。かなり圧縮できるということは、元々相当高い予算額を組んでいる。これはかなり、先ほどの申し上げた三千サンプルに対しての比較でいえば不合理だと思うんですが、いかがでしょうか。
  178. 谷口隆司

    政府参考人(谷口隆司君) お答えをいたします。  二点御指摘があったかと思いますが、最初の五割の回収率という点についてまず申し上げたいと思いますけれども、回収率について義務的なものはないわけでございますが、学識者の考察等を見ましても七割ということが望ましい水準として定められているところでございまして、この世論調査、公正にかつ科学的に国民の意識を、かつ全国民の縮図として正確に把握するという点から申しますと、できるだけ偏りがないサンプルを得たいということがございますので、そういう点で一般に言われております七割というものを目標、目安としているところでございます。  今回の不適切な処理に、調査によりまして、この不適切な処理が確実にあったとされるもの以外のもの、確認をしても、その記憶がもう回答者におかれて定かでないとかですね……
  179. 黒岩宇洋

    黒岩宇洋君 短くしてください。
  180. 谷口隆司

    政府参考人(谷口隆司君) 恐れ入ります。  というようなケースも念のために除きまして、したがってそれらを除きますと五割になったということで、これらを除きますと……
  181. 黒岩宇洋

    黒岩宇洋君 聞いているのは、不合理なところですよ、統計調査と世論調査との。
  182. 谷口隆司

    政府参考人(谷口隆司君) はい。  第一点目については、そのような七割という目安について考え方を持っております。  それから第二点目でございますけれども、私ども政府広報室として所管、担当いたしておりますのは世論調査でございまして、これにつきましては、この世論調査として求められる仕様、これを示しました上でできるだけ低価格で実施をしてもらうという趣旨で一般競争入札をいたしました結果、御指摘の二社が落札してきていると。ただ、それ以外の事業者について落札したことも最近においてもございます。
  183. 黒岩宇洋

    黒岩宇洋君 いや、済みません、ちょっと時間なくてね、これ詰め切れなくて、もうおかしなことだらけなんですよ。  で、この法人は、社団法人は、いわゆる役所からの天下り、四人いるわけですね。十五億の収入のうち十三億が国と地方自治体ですよ。その国と地方自治体の内訳もよく分かんないんだ。ホームページ見ますと、国からの補助金が九千万って出ているんですけれども、これ後で聞いたら、今の世論調査部分だけなんですね。私、統計調査とか、さっきの意識調査調べたら、私が調べただけでもやっぱり八億払っているんですよ。これもっと多いのかもしれない。  ホームページ上も、最初見たときに、国からの補助金千二百万って出ていたんですよ。別の資料だと九千万で、おかしいと思って秘書に調べさせようと思ったら、もう一回ホームページに当たったら、数字が変わっているんですね。慌てて内閣府からか指摘があって、ホームページが変わっているというんですよ。そのほか、さっきの日本世論調査協会に電話しようと思って電話したら、つながったのが実はこの社団法人につながるんですね。事務局一緒なんですよ。  そのほか、役員報酬も、私しっかり聞いたところ、月額これ会長に六十五万、ボーナスなし、ということは、七百八十万出しているというのに、もう収支報告書を見ると、役員報酬で四千八百万支出されているんですね。もう全く分からない。  これはもう、この後、先ほど調査結果が出たら再度、次の通常国会でもここら辺議論するとして、せっかく細田長官においでいただいたので。  細田長官、たまたま、本来、私、二十日に委員会質問をする予定だったんですけれども流れて、その日に細田長官は、世論調査でもともすれば公表を前提にしていないものがあるというそういう発言をなさって、慌ててその日、翌日、訂正されたと。これについては水掛け論になるんでどうなんだとは言いませんけれども、非常にこの発言一つ取っても世論調査に対する国民の信頼というものを損ねていると、私はそう思うんですよ。  今幾つかの事例を挙げた中で、やはり世論調査というのは国民の信頼あっての、それがあってこそこれは生きるわけですから、それについて、先ほどの文科省の調査の仕方だとか、そのほか各部局の意識調査の仕方に対してマニュアルが何にもないわけですよ。そして、世論調査をしても公表しなければいけないというものは、これは法的にも何もありません、統計調査だけです。これは統計法上ありますけれども先ほど内閣府設置法の世論調査ですら公表する義務がない。ましてや、先ほどの各部局については何にも規定されていないわけです。  ですから、私は、官房長官、これ内閣府の世論調査の担当大臣として、内閣府のみならず各政府のこういったいわゆる調査に対する一つのガイドラインというものを作るべきだと思うんですが、いかがでしょうか、お答えください。
  184. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 先ほど指摘の不祥事、これは確かに、どうも再調査をしたところ、実際にはその人にちゃんと聞いていないと。しかし、調査員が勝手に、知り合いなどが多かったようですが、聞いたことにして書いてしまったということで、それが後でたまたま再調査をしたら分かったと、そういうことがあったというので是正を求めたということがございます。本来の調査の目的からして当然あってはならないことであるというのが第一点でございます。  それからもう一つ、併せて申しますと、政府広報室が行っている世論調査はすべて公表しているわけですが、内閣府で行っている他の意識調査について確認してみましたところ、二年間で二件、部内の検討用の調査ということで公表していないものもあるわけでございます。  そして、おっしゃったように、そもそも調査とか、これに絡む入札、あるいはどこが請け負うかということは、その調査機関の信用度等も関係はあると思いますが、あくまでも公正に、かつ調査結果が正しく出なければなりません。  私どもも政党の選挙担当のときに世論調査で勝ちそうか負けそうかって頼んでも、本当に信憑性の悪い、実際の結果と全く違う調査機関もありますし、非常に確度の高いところもありますし、能力において相当差がある。やっぱりサンプルとか調査員の熱意とか、コストも掛けているのかもしれませんが、様々な問題があると思いますね。  ただ、いろいろ御指摘あった、この調査機関の問題点御指摘ただきましたので、今後とも十分検討してまいりたいと思います。
  185. 黒岩宇洋

    黒岩宇洋君 委員長、最後に。  前向きな御答弁、ありがとうございました。
  186. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 予定の時間が参っておりますので、手短にお願いします。
  187. 黒岩宇洋

    黒岩宇洋君 今、官房長官は不正をやっぱりあったということを認めているんですよ。  そうしますと、今、新情報センターは内閣府の措置要項だけで五か月間の指名停止ですけれども、本来ならばこれ、予算決算及び会計令、この七十一条によって二年間の一般競争入札の指名停止になるわけですから、その点もしっかりとお含みおきください。  どうもありがとうございました。
  188. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  189. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 次に、風俗営業等規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。村田国家公安委員会委員長
  190. 村田吉隆

    国務大臣村田吉隆君) ただいま議題となりました風俗営業等規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  最近、人身取引の防止が国際的な課題となっており、我が国においては、人身取引の被害者である外国人女性が、風俗営業や性風俗関連特殊営業において売春の強要等の搾取を受けている状況が見られるところであります。また、歓楽街を中心に、違法な性風俗関連特殊営業が蔓延し、風俗営業等において客引き行為が後を絶たない状況にあるほか、住宅街におけるピンクビラの配布、風俗営業の営業所に出入りする少年の存在等が大きな問題となっております。  このような実情にかんがみ、人身売買の罪等を風俗営業の許可の欠格事由に加え、接待飲食等営業及び店舗型性風俗特殊営業を営む者等に接客従業者の在留資格等の確認義務を課し、違法営業行為に対する罰則を強化するほか、少年指導委員の職務に関する規定その他所要の規定を整備する必要があります。  このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第であります。  次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。  第一は、風俗営業等に係る人身取引の防止のための規定の整備についてであります。  その一は、風俗営業の許可の欠格事由、店舗型性風俗特殊営業を営む者等の営業停止事由等に、人身売買の罪等を追加することとするものであります。  その二は、接待飲食等営業を営む風俗営業者、店舗型性風俗特殊営業を営む者等は、その営業に関し客に接する業務に従事する者の生年月日、国籍、在留資格、在留期間等を確認し、その確認の記録を保存しなければならないこととするものであります。  第二は、性風俗関連特殊営業に係る違法営業の排除のための規定の整備についてであります。  その一は、公安委員会は、性風俗関連特殊営業の届出書の提出があったときは、その旨を記載した書面を当該届出書を提出した者に交付することとし、性風俗関連特殊営業を営む者は、当該書面を営業所等に備え付けるとともに、関係者から請求があったときはこれを提示しなければならないこととするものであります。  その二は、客の依頼を受けて従業者を派遣し性的サービスを提供する無店舗型性風俗特殊営業を営もうとする者が受付所又は待機所を設ける場合には、届出書にその旨及び所在地を記載させることとするとともに、これらの場所を警察職員の立入りの対象とし、また、受付所を設けて営む当該営業のうち受付所における業務に係る部分は、店舗型性風俗特殊営業とみなして、営業禁止区域等の規定を適用することとするものであります。  第三は、風俗営業等に係る客引き等の規制の強化のための規定の整備についてであります。  その一は、風俗営業、店舗型性風俗特殊営業を営む者等が当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又は付きまとうことを禁止するものであります。  その二は、店舗型性風俗特殊営業又は無店舗型性風俗特殊営業の届出書を提出した者以外の者が、これらの営業を営む目的を持って、広告又は宣伝することを禁止するものであります。  その三は、性風俗関連特殊営業を営む者が、人の住居にビラ等の配布等を行い、又は広告制限区域等において広告物を表示する等の方法により広告又は宣伝を行った場合の罰則を設けることとするものであります。  第四は、少年指導委員に関する規定の整備についてであります。  少年指導委員の職務に関する規定を整備するとともに、公安委員会は、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、少年指導委員に風俗営業の営業所等に立ち入らせることができることとするものであります。  その他、性風俗関連特殊営業の禁止区域等営業や無届け営業を始めとした違法営業、違法行為に対する罰則を強化するほか、所要の規定の整備を行うこととしております。  なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日としております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願い申し上げます。
  191. 工藤堅太郎

    委員長工藤堅太郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時四十一分散会