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2005-10-27 第163回国会 参議院 総務委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年十月二十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十月二十五日     辞任         補欠選任      荻原 健司君     尾辻 秀久君      関口 昌一君     南野知惠子君  十月二十六日     選任          川口 順子君  同日     辞任         補欠選任     北川イッセイ君     矢野 哲朗君  十月二十七日     辞任         補欠選任      尾辻 秀久君     山本 順三君      南野知惠子君     荻原 健司君      矢野 哲朗君     関口 昌一君      弘友 和夫君     谷合 正明君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         木村  仁君     理 事                 世耕 弘成君                 森元 恒雄君                 山崎  力君                 高嶋 良充君                 内藤 正光君     委 員                 荻原 健司君                 景山俊太郎君                 川口 順子君                 椎名 一保君                 関口 昌一君                 二之湯 智君                 山内 俊夫君                 山本 順三君                 吉村剛太郎君                 伊藤 基隆君                 高橋 千秋君                 那谷屋正義君                 平田 健二君                 藤本 祐司君                 蓮   舫君                 谷合 正明君                 弘友 和夫君                 山本  保君                 吉川 春子君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     麻生 太郎君    大臣政務官        総務大臣政務官  山本  保君        外務大臣政務官  河井 克行君    政府特別補佐人        人事院総裁    佐藤 壮郎君    事務局側        常任委員会専門        員        高山 達郎君    政府参考人        人事院事務総局        総括審議官    出合  均君        人事院事務総局        人材局長     藤野 達夫君        人事院事務総局        給与局長     山野 岳義君        総務省人事・恩        給局長      戸谷 好秀君        外務大臣官房長  塩尻孝二郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○一般職職員給与に関する法律等の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付) ○特別職職員給与に関する法律等の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付) ○国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○行政制度公務員制度地方行財政選挙、消  防、情報通信及び郵政事業等に関する調査  (公務員制度改革に関する決議の件) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣に関する件     ─────────────
  2. 木村仁

    委員長木村仁君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、荻原健司君、関口昌一君及び北川イッセイ君が委員辞任され、その補欠として尾辻秀久君、南野知惠子君及び矢野哲朗君が選任されました。  また、昨日、一名欠員となっておりました本委員会委員として川口順子君が選任されました。     ─────────────
  3. 木村仁

    委員長木村仁君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案外二案の審査のため、本日の委員会人事院事務総局総括審議官出合均君、人事院事務総局人材局長藤野達夫君、人事院事務総局給与局長山野岳義君、総務省人事恩給局長戸谷好秀君及び外務大臣官房長塩尻孝二郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 木村仁

    委員長木村仁君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 木村仁

    委員長木村仁君) 一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  三案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 二之湯智

    二之湯智君 自由民主党の二之湯智でございます。  一般職給与法等の一部改正法案及び特別職給与法等の一部改正法案について質問をいたします。  このたびこれらの法案が提出された背景には、国家公務員制度改革等において地域における国家公務員給与の在り方の見直し指摘され、また一方では、骨太二〇〇五等において民間企業賃金体系改革に応じた公務員給与体系見直し指摘されております。さらに、国民からも、公務員給与勤務実績関係なく年功的に昇給すること等が問題視されております。こうした各方面からの指摘があって今回のような抜本的な改革案が提出されていると思うのであります。  ところで、日本国家公務員は、総人口に占める割合で見ると、他の先進諸国に比べて非常に少ない。しかも、高倍率の難しい試験を突破した優秀で質の高い、かつ、多少の不祥事が数年に一回あったといたしましても、倫理観が高く優れた人材が役所で働いていると思うのであります。にもかかわらず、経済界等から、公務員の数が多い、人件費が高いとの批判が常に出されておるのであります。公務員の受難の時代といってもいいかと思います。  そもそもなぜこのような批判公務員に対して最近とみに起こるのか、その理由は一体どこにあるのか、麻生大臣、どのようにお考えでしょうか。
  7. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 日本におけます国家公務員、いわゆる自衛隊員、裁判官含めまして、税金で飯食っているという人の比率は千分の三十五、フランスが千分の九十八、アメリカが七十、八十ぐらいだと思いますんで、先進諸国の中におきましては低いという御指摘は正しいと思います。倫理観につきましても、これはいろいろ比較はあろうかと思いますけれども、ちょっと他国批判をするのはいかがなものかと思いますが、私どもとしては、それらに、結構、他国に比べて決して低くないということに関しましては、倫理観につきましてもそのようなことだと思っております。  今回の一連の御批判の件につきましては、済みません、アメリカ、千分の八十でした、済みません。今回の件につきましては、いわゆる地方民間給与と比べて、この十年間、デフレーション等々で給与価格が下がっておりますんで、それに比較して公務員はという批判が多く出されたんだと思います。  ただ、国家公務員御存じのように退職金で、この五年間では退職金で八・四、給与で五%ぐらい下がっておりますんで、それなりの努力をしているんだと思いますが、いずれにいたしましても、国家公務員というのは国民負担によって賄われている職業でもありますので、民間給与実態にできるだけ合わせるべきなのではないかという等々の御意見が出されて、人事院にもその点をよく検討していただくように要請かたがたお願いをさせていただいたというのが背景です。
  8. 二之湯智

    二之湯智君 経済財政諮問会議においては、本年の秋までに総人件費改革基本方針を策定すること等により、公的部門全体の総人件費抑制に取り組むこととしており、国家公務員の総人件費を今後十年以内に対名目GDP比で半減するとしております。  それに対して、これはかなり大胆な数字であり、一部ではとても実現は不可能だというようなことも議論されているようでありますが、総務省といたしましては、今後更なる総人件費削減に向けてどのように取り組んでいくのか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。
  9. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御存じのように、小泉内閣になりました平成十三年度以降に、これまでの約四年半の間に十四万人の職員の非公務員化を行ってきたところでもあります。また、今回の人事院勧告を踏まえた改正案につきまして、これでまいりますと、財務省の試算で、国家公務員マイナス一千五百億、地方公共団体約六千億という人件費抑制につながるということは確かだと思いますし、公務員給与比較方法につきましても、いろいろ人事院要請をしたところでもあります。  また、今御指摘のありましたように、削減目標というのを、従来五年間で約五%ぐらいだったものを一〇%ということにしておりますんで、約倍ぐらいの形になろうと思いますんで、年間約千人ぐらいというのの純減ということになる目標に取り組むことにいたしておりますが、GDP比で半減させるというお話は、打ち出しとしては分かりやすくて、なかなかちょっと、おっという感じはありますけれどもGDP比が、GDPが今から十年間でどれだけ伸びるのか、また需要というものに関して、公務員に対する需要がどれだけ出てくるのかというのがはっきりしない限りは、純減ということに関してはなかなか目標を立てにくいというのが実態だろうと思いますんで、このGDP比に関して半減という話に関しましては、いま少し慎重に検討をされてしかるべきだと存じます。
  10. 二之湯智

    二之湯智君 日常決まり切った仕事をして大過なく毎日を過ごす公務員が年功序列によって比較的高い給料を取っているということは、よく働く職員から見たら極めて不公平だという感じを抱くのではないでしょうか。  今回、給与構造改革では、勤務実績給与への適切な反映を図るために、普通昇給特別昇給を統合し、勤務実績が適切に反映される昇給制度が導入されるようであります。そして、その前提となる勤務実績判定方式については、十七年中に試行的に着手すると、こういうことになっております。  ただ、現実、部下をしからない上司、あるいはいい子になろうとしている上司が非常に多いんじゃないかと。しかも、公務員の場合は民間と違ってチームワークで仕事をすることが多く、個人の実績を、仕事評価するということは非常に難しいんではないかと。したがって、人が人を評価するというのは極めて難しい仕事ではないかと思うわけであります。  一体どのような制度によって適切で公平な勤務評価を担保していくのか、有為な人材使命感を持って働けるような仕組みを構築することができるのか。具体的な仕組みをお聞かせいただきたいと、このように思います。
  11. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) 勤務成績に基づきます昇給は、現行給与法上の原則でございます。したがいまして、人事院といたしましては、これまでも特別昇給あるいは勤勉手当運用などに当たりまして成績主義の推進を図ってきたところでございます。  今回御提案いたしております新昇給制度における勤務成績判定仕組みは、そうした現行給与法趣旨を更に徹底するために、成績不良について客観的な基準を定めるなど、これまでの勤務成績判定基準改善を進めるということによりまして成績主義を一歩前進させるものでございます。人事院といたしましても、各府省における運用体制整備に向けた取組を支援していくことで、職場で円滑に改善措置実施されるよう努めていく所存でございます。  なお、御指摘のように、現在、政府全体で新たな人事評価制度検討されておりますので、これが実施に移される段階においては、昇給制度運用に必要な評価も新たな評価制度に基づいて行いたいというふうに考えているわけでございます。
  12. 二之湯智

    二之湯智君 今回、各地域民間賃金体系に見合ったいわゆる賃金体系を導入すると。これはこれでいいんですが、しかし地方へ行きますと、それでもなおかつ公務員給与は高い、これ高いという反対は安定しているということだと思いますけれどもね。特に、夏とか冬の公務員ボーナスが幾らもらったかと、手取りで幾らになるかとなりますと、地方中小企業経営者及び商店主はとてもそんなボーナスを我々は出せないと。したがって、ああいう数字は余り出してもらったらかえって迷惑だというような声が聞こえているほど地域は非常に厳しい状況であります。したがいまして、これからも公務員国民批判の対象にならないように、一生懸命国民のために働いてもらうと、そういうことをひとつ努めていただきたいと思うわけでございます。  ちょっと法案から離れるんでございますけれども、ちょっと選挙関係費用のことについて御質問をしたいと思います。  今年も夏、九月十一日に総選挙実施されたわけでございます。私はかねがね、国政選挙においても地方選挙においてもそうなんでございますけれども、特に国政選挙全額国費負担ということでございます。今年の総選挙も七百数十億掛かったようでございますけれども、各、全国投票所が開設されまして、そこでは市町村職員及び地域ボランティアの、特に御婦人の方のボランティアが多く働いて日本選挙実施され、投票終了後二、三時間でもう結果が分かるというぐらいすばらしい、ほとんどミスがないというのはこれは世界に誇っていいんではないかと、こう思うわけでございます。それには地域ボランティアがその下支えを支えておると、私はそのように思うわけでございます。  七時から八時までの投票時間になりましたから、投票の立会いに行くボランティアの方も六時ごろには投票所に行っていなきゃいかぬ、投票が終わった、八時ごろ終わるわけでございますけれども、九時ごろまで残務整理して帰っていかなきゃいかぬと、こういうことでございます。特に今年なんかは暑うございましたから、クーラーの利かない投票所でも一生懸命頑張って、特に投票率が高うございますから、投票に来る方が随分と並んで投票を待っておりますから、なかなかもうトイレにも立つことができないというぐらいの私は今回の忙しさではなかったのかと思うわけでございます。  ところで、よく言われるのは、投票所ボランティアとして参加される一般市民投票立会人とそこにいる公務員との手当の差が余りにも多いんではないかと、開きが大きいんではないかと。もちろん地方公務員は条例によって、規則によってその時間の手当が支給されているわけでございますけれども民間の方の手当と比べ極端に言えば十倍からも違うところもあるようでございまして、経費の節減という観点から見れば、若干公務員選挙費用に対する手当が多過ぎるんじゃないかと。いや、それは当然だといえば、民間の方がかえって低過ぎるんじゃないかと、こう思ったりもするわけでございます。  いつも私は、選挙が行われるたびに、あの一生懸命頑張っておられるボランティアの方が余りにも市町村職員の報酬と比べて低過ぎると、このように常々思っておるのでございますけれども、この辺の感想をお聞かせいただきたいと思います。
  13. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 全くごもっともだと思うんですが、国会議員選挙等執行経費基準に関する法律というのが御存じのようにありまして、これで基準額が決まっているんですね。したがって、それに合わせて払わにゃいかぬという法律になっておるわけです。  傍ら、ボランティアの方はなるべく、市としては特別な経費でもありますので、なるべく安く済ませようとすると、そこのところはこうなってきているというのが実態だと思っておりますので、これは各地に対して、一律これでやれともなかなかまた言いにくいところでもありますんですが、おっしゃるとおり、かなり差があるという話はこれはよく聞かれる話でもありますので、私ども、私というか、私自身は知らないわけではありません。  ただ、法律で決められているのと、片一方は安くしようというところがなかなか折り合いの付き合いにくいところかなという感じはいたしております。     ─────────────
  14. 木村仁

    委員長木村仁君) 委員異動について御報告いたします。  本日、尾辻秀久君、南野知惠子君及び矢野哲朗君が委員辞任され、その補欠として山本順三君、荻原健司君及び関口昌一君が選任されました。     ─────────────
  15. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。  提案されました一般職職員給与法案、いわゆる給与法にかかわる諸課題について、総務省並び人事院お尋ねをしたいというふうに思います。  まず、給与構造改革にかかわる勧告報告等についてでありますけれども、何といっても今年の報告の目玉というのは、言うまでもなく地域給与見直しではないかというふうに思うわけでありますが、俸給表水準の四・八%の引下げ、さらには、関係労働者の不満を積み残したまま、ごり押しに近い形での地域手当新設による地域給与見直しは、一体何を目的として行われたものなのか、人事院総裁見解をお伺いいたします。
  16. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 御承知のように、現在の給与水準というのは全国平均水準を決めているわけでございます。東京のような民間給与の高い地域については調整手当という形で調整をしておりますけれども民間賃金の低い地域についてはいわゆるマイナス調査しておりません。したがいまして、地域の住民の方々からは、その地域で働いている公務員給与は我々の給与より高いんではないかという批判が非常に強うございます。  したがいまして、そういう国民の御批判にこたえるために、いったん給与水準そのものを四・八%下げて、その上で民間賃金の高い地域については地域手当という形で調整させていただくと、そういう御提案をしたわけでございます。
  17. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 そうすると、今の形で地域給与の導入が行われると、疲弊している地域経済に大きな影響を与え、今でも拡大しつつある中央と地域の格差を更に加速させかねないとの懸念が募るばかりでありますけれども、また、大都市部地域手当で補てんされるけれども地方在勤公務員水準が引き下げられることになるということで、国家公務員のみならず、この影響を受けざるを得ない地方公共団体にとっても、いわゆる人材確保等に支障を来す事態も生まれるのではないかというふうに思うわけであります。  人勧制度を尊重される立場でいらっしゃることは承知の上で、国家公務員使用者側であり、あるいはかつ地方公務員制度を所管される大臣はどのようにこのことを認識されているのか、お尋ねをいたします。
  18. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、那谷屋先生指摘のありましたように、民間給与に合わせて、国家公務員給与が高いと言われている地方において引き下げるということになりますと、それが地域経済に与える影響がゼロかといえば、ゼロではないと思います。ある程度の影響は必ずあるものだと、私どももそう思っております。  これ、国家公務員給与というものをいわゆる民間企業にある程度合わせるべきだと、先ほど人事院総裁からのお話のような手法を用いれば今申し上げたようなことになるんだと思いますが、従来からのいろいろな御指摘にこたえるものでもありますので、それを実際、まあ現給保障措置というのをやっていかにゃいかぬと思いますので、ある程度、激変緩和措置みたいなものは当然なこととして必要だろうと思っております。  また、従来の調整手当に比べてきめ細かくやってまいりますので、そういった意味では、どおんという感じにはならないということも十分配慮をしておりますと同時に、やっぱり仕事が従来と同じで給料だけが下がるというのは、これはいわゆるモチベーション、労働意欲をどおんと下げる、士気を下げるということになるということも考えておかねばならぬと思いますので、これは、おっしゃるようにいろいろな問題を十分に考えなければならぬところだと思いますが、今御指摘のありましたところも踏まえて対応していかねばならぬものだと思っております。
  19. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 是非、何分にも働く者の士気というものは本当に大事だというふうに思いますので、是非今の大臣の言葉に沿って今後も検討をお願いしたいというふうに思います。  給与法にかかわってもっと幾つも質問をさせていただきたいんですが、時間が今日は限られておりますので、次に、勤務実績反映給与構造見直しについてお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。  私としては、先ほどもありましたけれども、今の様々な公務員に対する不信等々を含めましても、能力実績反映した人事給与制度見直しや過度に年功的な給与カーブの是正というのは行うべきだというふうに考えているところであります。しかし、それを行うためには、能力実績公正性透明性そして納得性のある形で評価するシステム等整備が不可欠ではないかというふうに思うわけであります。ところが、国家公務員にも、現在は勤務評定制度しかございません。勤評制度というのは、評定基準も結果も明らかにされない極めて一方的なものになっているわけであります。  現在、総務省人事恩給局を中心に評価制度試行の準備が進められていると伺っておりますが、機能不全実証済みのこの勤務評定制度改善手法の明確な否定に基づく新たな評価制度整備に向けた試行というふうに、今回の改定がそういうふうに理解をしていいものかどうか、見解をお願いいたします。
  20. 戸谷好秀

    政府参考人戸谷好秀君) お答えいたします。  先生ただいまお話しございましたように、現在の勤務評定につきまして、端的に言って、何をどういうふうにすると良い評価が得られるということがよく分からないとか、評定者と被評定者のコミュニケーションの機会というのが設けられていないと、したがって被評定者納得性が高まらないなどという問題点をいただいております。結果として、先生おっしゃいましたように、勤務評定の結果を人事管理に活用しにくい代わりに試験区分あるいは採用年次というものが幅を利かすというような問題があるというふうに言われております。  私どもとしては、このような問題点についていろいろ勉強もし、各省、各関係者意見を伺いながら、現在新たな人事評価システムというものを構築してまいりたいということで作業をしているところでございます。
  21. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 今回の法案の中で、勤務実績反映給与制度見直しについては、関係者との協議が十分調っていないのにもかかわらず、見切り発車的に実施に踏み切ったというふうにも聞いています。特に、今回新たに導入される昇給制度などは、恣意的に運用されたら個々人で大変な差が付き、いわゆる職場で混乱を招くことになるというふうに思います。  近々、課長級以上については運用が始まるということでありますけれども一般職員勤務成績判定にかかわる改善措置の活用については、判定基準の中身を含め、組合など関係者と十分に話し合い、納得を得てから実施すべきだというふうに考えますが、見解をお願いします。
  22. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) 今回の措置でございますけれども、今回の措置は、職員昇給はその者の勤務成績に応じて行うという現行法趣旨を更に徹底するため、これまでの勤務成績判定基準改善等を進めるものでございます。御指摘のように、公務員給与職員の最も重要な勤務条件であることから、その改定に当たりましては、職員団体と十分な意見交換を行っていく必要があるところというふうに考えております。  今回の給与制度見直しに当たりましても、昨年十一月、本年三月及び本年五月に見直しのたたき台や素案を各府省職員団体に提示いたしまして、関係する職員団体からそれに対する意見、要望等をきめ細かく聴取いたしまして、見直し等に対しまして理解をいただいてきたところでございます。本院、地方を合わせまして二百回以上の会見を行ってきたところでございます。人事院といたしましては、そうした議論を通じまして、まずは管理職層から先行して実施するというところに、したところでございます。  新たな昇給制度実施に当たりましては、勤務成績判定に係る改善措置を今後も詰める必要がございますので、今後、各府省職員団体意見交換しながら、具体的な成案を得ていく所存でございます。
  23. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 是非、職場で混乱が起こらないように、職場で混乱が起こるということは正に国民の皆様に御迷惑を掛けるということになるというふうに思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。  それから、今回の標準以下の、標準以下、四号俸昇給の、以下の昇給ゼロや二号俸昇給の人たちだけでなくて、六号俸や八号俸の人をどう選別するかということも大変な話ではないかというふうに思うわけでありますが、いずれにしても、これは評価制度とセットの話ではないかというふうに考えるところでありますが、見解をお願いいたします。
  24. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) 現在、評価制度につきましては、総務省人事院職員団体で協議をしているところでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、今回の昇給制度現行法趣旨を徹底させるという趣旨でございまして、そういう意味では、新たな評価制度ができるまでの暫定的な措置として行うわけでございます。  もちろん、今具体的な評価基準につきましては詰めているところでございますけれども関係者と十分協議して、十分御理解を得るべく努力しながら具体的な成案を得ていきたいというふうに考えております。
  25. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 是非慎重にお願いをしたいというふうに思います。  評価制度をどのように設計するかは極めて重要な問題だというふうに思います。民間において能力実績評価を行うときには、先ほど申し上げました公正性透明性納得性を担保するために、評価基準や結果が公開され、かつ苦情処理制度整備も常識となっています。要は、労使間の十分な協議が評価制度をうまく機能させるポイントになっているということであります。公務においても、当然これらのことが評価制度の中に組み込まれるべきだというふうに考えますが、見解をお願いいたします。  まず、人事院お尋ねをし、次に総務省、お願いいたします。
  26. 出合均

    政府参考人出合均君) 御指摘のとおり、民間企業の人事考課制度におきましては、透明性納得性を担保するために自己評価とか自己申告を実施する、あるいは評価者と被評価者の間で十分な面談を行う、評価結果のフィードバックを行う、さらには苦情処理システムを整備する、こういうような様々な取組がなされております。  公務におきましても、能力実績に基づく人事管理の土台としまして、実効性のある人事評価制度整備していくためには、やはり公務の特性にも十分配慮をしながら、客観的で公正性透明性の高い仕組みとしていく必要があると考えております。  人事院は、このような考え方に立ちまして、本年の給与勧告時の報告人事評価制度整備に当たって留意点を提示しております。その中で、一つは、職員の自己啓発や人材育成に活用する観点からも、評価結果を職員本人に開示をしていく方向性で検討する。さらに、職員の苦情につきましては、評価プロセスにおける対応を第一としながらも、職員の苦情に対処する仕組み整備する、こういうようなことが重要である旨、報告の中でお示ししておるところでございます。  これらを踏まえまして、関係者と十分協議をしながら実効性のある人事評価制度を構築してまいりたい、こういうふうに考えております。
  27. 戸谷好秀

    政府参考人戸谷好秀君) やや繰り返しになって恐縮でございますが、私どもで過去に行いました、総務庁時代に行いました人事評価研究会というものがございまして、その検討の結果の中でも、新たな人事評価につきまして、評価システムの公平性、客観性、透明性を確保するとともに、その納得性を高めることができるような仕組み整備することによりシステムへの信頼感の向上を図ること。透明性納得性の向上を図る仕組みについては、各省庁の業務の特性等を踏まえ、必要に応じ個別の仕組みを弾力的、段階的に導入していくことを可能とすべきであること等の結果をいただいております。  これらの趣旨等を踏まえつつ、私ども、公務の世界の実情に即したもので、実際に定着し機能するものをつくり上げていくため、各府省の人事当局や職員団体等と十分に議論、意見交換等を行いながら検討してまいりたいというふうに考えております。
  28. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 評価結果が公開をするというふうなことになったときに混乱を来すという、そういう各省庁の人事当局の意見に押され、ややもすると総務省人事恩給局は、少数でも声の大きい方に流されがちではないかとの評価も聞こえてくるわけであります。  ただし、試行期間といえども原則をあいまいにすることは許されないわけでありまして、評価にかかわる基準、結果の公開、そして労働組合が参加する各府省レベルで設置される苦情処理制度整備は一体であるというふうに思うわけでありますが、改めて総務大臣見解お尋ねいたします。
  29. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今のは基本的に、基本的には私どもとして新しい試行を、新しい試みをやりますので、いろいろ紆余曲折、もっとこうすればいい、ああすればいいという話は、当然初めてのことをやるところもありますので出てくるところだとは存じますけれども、今言われましたように、公明性とか説得性とか納得性とかいろんなところを考えましたときに、団体交渉等々を含めて、人事・恩給局はもちろんのこと、各府省でもいろいろ、初めての試みですから、きっといろいろ、組合との交渉をやったことのない方の方が多いんですからいろいろ試行錯誤があることだとは思いますけれども、当然のことだと思っております。  私ども総務省といたしましても、今度新しくなった自治労は岡部というのになっていると思いますし、その前が丸山という人だったと思いますが、私ども、今年になって何回しましたか、いろいろそういったことで直接の交渉をさせていただいたりしておりますので、ほかのところもそういった、何となく机を隔てての話でなくて、きちんとした話合いができるような人間関係をつくり上げていかぬとこの種の問題はなかなか前に進まない、妙にかみ合わないものだと思いますので、おっしゃる意味合いよく踏まえて対応してまいりたいと存じます。
  30. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 この際、しっかりと確認をさしていただきたいというふうに思いますけれども評価というものは上から一方的に押し付けて行うものではないということであるというふうに思います。この前提には、働く者や組合の理解と協力がなくしては行えないという労使間の信頼関係によって積み上げられてきたこれまでの真理があるわけであります。  当面、管理職層が対象となる新たな評価制度試行されようとしています。ただし、一般職員の試行に当たっては、理解と納得のないときには結論を急ぐものではないとの大原則の厳守が約束される必要があるというふうに思うわけでありますが、人事院総裁並びに総務省の方にお尋ねをしたいと思います。
  31. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 私どもといたしましても、もう従来から新しい評価制度の導入に当たりましては、十分な試行と、それから職員の理解と納得が不可欠であるということを繰り返し申し上げております。  今回試行が始まろうとしている評価制度につきましても、職員の理解と納得が得られるよう、私どもといたしましても人事院の立場からしっかりと見極めていきたいというふうに思っております。
  32. 戸谷好秀

    政府参考人戸谷好秀君) 私ども今年度、本府省を対象に試行に着手することとしております。この試行後、その結果を私ども丹念に検証し、それを踏まえた改善というものを加えると。その上で、順次、若年層、出先機関、専門職種等へと対象を拡大していくという考えでございます。その拡大に際しましては、それぞれにふさわしい評価のシステムをつくり上げると、こういう視点から議論を積み上げていきたいというふうに考えております。  いずれにしても、関係者間で十分な意思疎通を図りながら検討を進めることが重要であると認識しておりまして、各府省等との連携の下、職員団体ともまた十分な意見交換を行いながら検討してまいりたいというふうに考えております。
  33. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 ありがとうございます。  ところで、能力評価実績評価に基づいて任用や給与が決まるということになれば、現在のように入口の試験だけで幾ら頑張っても超えられない昇進格差が付くということなど、キャリアが特別待遇されることがあってはならないというふうに考えるわけでありますが、この延長線上にある問題としてとらえるならば、専門スタッフ職俸給表の新設が今回ありますけれども、どうも腑に落ちないところであります。ライン職に就けないキャリア職員の救済目的ではないかとの指摘も出されております。  このような小手先の見直しではなく、試験制度見直しを含むキャリア制度存廃の是非こそが問われるべきではないかというふうに考えるわけでありますが、見解をお願いしたいと思います。
  34. 藤野達夫

    政府参考人藤野達夫君) ただいま御指摘ございましたキャリア制度というのは、各府省において試験の区分ごとに年功的な昇進システムが運用上取られているという長年の慣行から生じているものでございます。  これにつきましては、Ⅰ種採用職員に御指摘のような誤った特権意識を与えるとか、あるいはⅡ種、Ⅲ種等の採用職員に不公平感を生じさせているといった指摘がなされていることは私どももよく承知しております。厳正な評価に基づいた能力本位の人事管理をより徹底することによって是正していくことが重要だと考えております。  こうした中で、現在、Ⅱ種、Ⅲ種の職員につきまして、その幹部登用を推進するために、意欲と能力のある優秀な者を早期に選抜して、研修あるいは留学等によって幹部登用に向けて計画的育成等を図ることとしているところでありまして、引き続き、Ⅱ、Ⅲ種採用職員の幹部登用への推進には意を払ってまいりたいと思っております。  いずれにしましても、行政の複雑、高度化、あるいは国際化ということが見られる中で様々な課題に対応するためには、有為の人材を公務の場に確保することが重要と考えておりまして、引き続き、試験制度の在り方も含めた今後の幹部要員の採用、選抜、育成の在り方について必要な検討を行っていきたいと考えております。
  35. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 今やられようとしている評価制度が成功するかどうかというのも、今の問題大きな問題だというふうに思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  それから、本府省手当が今回設置をされるということでありますが、その目的は人材確保だというふうに言われています。この程度の所得上乗せ策でこれが可能なのかどうかというのは実は疑問であります。かえって出先で働いている職員にいたずらな差別感を植え付けるだけに終わってしまうのではないかという危惧も覚えるわけであります。  本当に優秀な職員を本省庁にリクルートしたいならば、日付が変わっても灯りがついていることが常態化しているかのような、およそ常軌を逸している超勤縮減に本腰を入れるなど、人間らしい働き方が保障できる勤務実態の抜本的改善にこそ踏み込む必要があるというふうに思います。  本丸となるべき超勤縮減に向けた方策について、総務省の決意をお願いいたします。
  36. 戸谷好秀

    政府参考人戸谷好秀君) 超過勤務の縮減につきましては、お話しございましたように、公務能率の維持、職員の健康の保持、人材の確保、いろいろな面から重要な課題として認識いたしております。  政府としては、一昨年九月に各府省の官房長から成る人事管理運営協議会におきまして、国家公務員の労働時間短縮対策、これの見直しを行っております。その主要なものとしては、幹部職員によるコスト意識を持った適切な勤務時間管理等を図る等の観点を新たに盛り込んだところでございます。  改正後の対策に基づきまして、本年もポスター、あるいは、課長補佐級以上の方々につきましては、こういう趣旨を記しましたパンフレットを作りまして八万部ほど配付をいたしております。あるいは、関係者への講演会、各省でそれぞれ、各人事課、秘書課の庁内放送等を行ってきております。  私どもとしては、なおこの趣旨の徹底というものを図ってまいりたいというふうに考えております。
  37. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 管理職手当の性格を有する特別調整額と本府省手当制度趣旨が異なるというふうに思うんですが、本府省課長補佐の特別調整額を廃止して本府省手当を創設するのは不合理ではないかというふうに考えますが、見解お尋ねいたします。
  38. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) 本府省の課長補佐に対する特別調整額でございますが、これは平成四年に創設されたわけでございますけれども、その創設した趣旨でございますけれども、これは、複雑、高度化する本府省業務の中で長時間かつ不規則な勤務形態を強いられるなどの特殊性、困難性があるという理由で設けられたものでございます。一方、御案内のように、本府省の課長補佐につきましては、課長等の上司の指揮命令を受けて業務を遂行しておりますので、時間外の勤務については超過勤務手当が支給されているところでございます。したがいまして、一応特別調整額という範疇に整理はいたしましたけれども、本府省の管理職に適用される特別調整額、管理職手当とはやや性格を、元々性格をやや異にするものでございました。  で、今回の給与構造改革では、御指摘のように、本府省における職務の特殊性、困難性に配意するとともに、近年、各府省におきまして地方から有能な人材を本府省へ確保することが困難になっているという事情をかんがみまして、既にそういった趣旨から設けられております本府省課長補佐、これと均衡を図る観点から、その趣旨を係長、係員に拡大した、それを本府省手当としてくくったというところでございます。
  39. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 なかなか、ちょっと合点がいかない部分もありますけれども、時間の方もありますので。  次に、昨日もクエスチョンタイムで総理と前原代表の方でもやり取りをさせていただいたところでありますが、いわゆる民でできることは民で、あるいは地方でできることは地方でというふうなことに対して、残念ながら小泉総理から明快なそのビジョンがなかなか見えないまんまの形でいるわけですが、そんな中で、いわゆる麻生大臣は、公務労働の可能性をそれこそ皮膚感覚のレベルで正当に評価していただける、小泉政権では希有の存在として重きを発揮しておられるというふうに私自身評価をさせていただいているところであります。  公共サービスを担う労働者としての公務員、とりわけ地方公務員は最前線で暮らしに接することができる。それゆえに、自分たちの仕事の仕方を、市民同士が信頼関係を持てるように、また自分たちの暮らしをあきらめたり、どう生きたらいいかという存在不安におののく方々も希望が持てるような社会づくりへとシフトするための挑戦を始めた多くの公務員がいることもよくお分かりだというふうに思うわけであります。  行政は、新たな住民ニーズ等に的確に対応していかなくてはならないものであり、財政の論理だけで数値目標をつくって公務員の定員を減らせばいいという議論ではないというふうに考えますが、総務大臣見解をお伺いいたします。
  40. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) おっしゃるとおりに、小さな政府というのは、じゃ一人が一番いいのかと、小さきゃ小さいほどええのかというところは極めて、何となく疑念を抱かせるところだと思いますんで、小さいという政府は一つの手段であって、目的は行政コストの削減だと思っております。  したがって、何となく言葉の単語が少し不足しておられる方がおられますものですから、何となく表現は、常に何となく話はぽんぽんと飛ぶんですけれども、基本的には行政コストを下げるというのが小さな政府の主たる目的であります。行政コストが下がるということは、いわゆる税金が安くなり得るということを意味しておりますので、そういった意味では住民のサービスということに一番資するための一手段だと思います。  傍ら、ちょっと先生の年齢が分からぬので、幾つだか、今、浦安というところはえらく有名なところになっておりますが、私らが子供のときには、浦安というところはまあこの辺で最も貧しい漁村と、千葉の方だったら皆知っておられると存じます。潮干狩りしかほとんどなかったと思いますね。この世代、この世代なんて言うと具合悪いんですが、そういうものなんです。ところが、そこに御存じのようにぶわんとでき上がって、今、御存じのような、浦安というのは巨大な市になっておりますけれども、あそこは漁村のままのどおりの役人の数で対応ができたかといえば、絶対できなかったと存じます。したがって、急激に人口が増えていったというところには、これはいわゆる公務員というものの絶対数が不足したというところはもう事実であります。  よく例に引きます埼玉県ですけれども、埼玉県は急激に人口が増えたところの一つですが、それに合わせて公務員の数、なかんずく地方公務員の警察官の数は増やすことを怠りました。結果として、警察官一人で五百五十人の県民を持っているはずですが、あそこは七百六十人から九十人ぐらいだったと思いますが、結果として、犯罪発生率日本一は埼玉県という誠に不名誉なことになった。これはどう考えたって警察官の絶対量が不足しておるのではないかということで、この四年半の間にかなり増やして六百台まで今なっていると思いますが。  そういった必要なところはやっぱり増やさないかぬという点を考えないで、ただただ減らせばいいというのはいかがなものかというんで、その仕事の内容を考えて、やらなくてもいい仕事はやめればいいし、やらないかぬ仕事はどうしたって増やすのが当然と、私ども、私どもというと定義が難しいんで、私はそう思っております。
  41. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 是非、その決意、私も全く同感でございますので、よろしくお願いしたいと思います。  ちなみに私は四十八でありまして、浦安といいますと、ディズニーランドができたという、いやいや、そういうふうなところぐらいしか分かりませんけれども、ああ、そうでございますか。  次に、公務員給与水準と労働基本権問題についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。  公務員給与水準の問題もいろいろなところで議論をされています。先ほども質問ありました。いずれも財政の論理優先の立場から出てきているものであり、下げればいいという論調が目立っております。  しかし、さきにも触れたように、公務員にはどのような仕事をさせるのか、そのためにはどのような水準給与を払うのかという本筋の議論がともすると忘れられてしまっているという部分があるんではないかということが大変残念であります。  このような極めて粗雑な立論の震源地が経済財政諮問会議あるいは財政審であることは周知の事実であります。年金についても、ついせんだって財政審が、ためにする議論を展開するに及んでいましたけれども、もう本当に開いた口がふさがらないというふうに思うわけであります。  先週の財政審において、校長経験者の年金額が事務次官経験者を上回るとの趣旨の事務方報告がなされたということでありますが、年金保険料の支払期間が事務次官経験者より一般的に校長経験者の方が長く、払い込んだ掛金総額も多くなることから当然生まれる結果であり、年金原理からすれば何ら問題ないことは明らかであるにもかかわらず、このことについては答弁を求めるものではございませんけれども公務員制度に対する財政審等の独断専行をいさめるためにも、大臣総務省の更なる御奮闘をお願いしておきたいというふうに思います。  公務員における給与水準の妥当性を問う場は、公務員に労働基本権を保障し、労使対等の交渉で賃金、労働条件を決定する仕組み整備することなくして本来の整合性は保ち得ないことは、麻生大臣だからこそ真正面で受け止めていただけると確信するところであります。  ILOも再三にわたって、人勧制度は代償措置としては不十分であり、公務員に労働基本権を付与すべきだとの勧告を行っております。労働基本権制約政策を見直し、団体交渉によって賃金、労働条件を決定する、いわゆる世界標準の制度整備に踏み出すべきではないかというふうに考えるところでありますが、総務大臣の決意をお伺いしたいと思います。
  42. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 公務員と、いわゆる職員団体との団体交渉に限らず、いろんな形で意見交換を行うというのは大変大事なところだと思っております。  今年になりましてから、私の場合は六回させていただいたんだと思いますけれども、そういった形で会見を実施するのは大事だと思いますんで、いろいろ御意見が出されているところですけれども、今やっぱり労働基本権の代替措置としての、代償措置としての人事院制度というものが出されて、それなりに国民の理解を得てここまでそこそこ経過したんだと思いますね、六十年近くにわたりまして。  そういった意味で、この制度というものを、これ全然見直して、労働三権、スト権除いて、締結権だ交渉権だ、その他だけでもいいではないか等々、これはいろいろ意見が、今でもいろいろなされているところではありますけれども、ただ、これが私どもとか組合というものをそこそこ分かっている方の間では結構よく出るところでありますけれども、広く、人事院制度というのは五十年以上の長きにわたって定着をしているような感じもいたしますんで、これを今すぐ変えるということに関してはもう少し慎重な議論がないといかぬのかなという感じが私なりの率直な実感であります。
  43. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 昨今の公務員の定員数あるいは賃金の在り方について様々な国民批判があるというふうなことの中で、それに、やっぱり解決していく大きな一つの手段が今の基本権というものがあるんだろうというふうに思うわけであります。  公務員給与水準について、政府がさきの人勧取扱いの閣議決定の際に、官民比較方法見直し人事院要請をしているわけであります。これは公務員給与が高いということを前提とした議論だというふうに思われるわけですけれども総務大臣としては、現在の公務員給与水準はずばり適切だとお考えになっているかどうか、総務大臣お尋ねしたいと思います。
  44. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 公務員給与というものに関して主に批判が出てきたのは地方の部分に関して多く出てきたと、私は最初の経緯はそういうように思っているんですが。  那谷屋先生は横浜でしたっけね。横浜ですとあれですけれども、大きな企業というもののある地域、同じ十万の町でも、大企業のあるところと全然ないところというと、その地域比較するものがなかなかありません。東京の場合は逆に大企業が多いものですから、公務員給与はその大企業に比べて安いということになりまして、非常にバランスが取りにくいというところで、何に比べて高いかと言われると、地方の方が不況の感があったものですから、その地方の不況感に比べて地方公務員、なかんずく中央官庁から出向しているのは高いではないかという御批判が出てきたんだと、私どもの分析はそういたしております。  したがいまして、その面だけ見れば高いんだと思いますけれども地方にあってはそれだけ物価も安くなるではないか等々の御意見もそれなりに当たっているとは思いますけれども、別居する確率は極めて高くなる、学校の関係やら何やらで。そうすると、その間、行き来する経費等々を考えますとそう一概にも言えぬのではないかなどなど、いろいろ両方の意見を伺うということになりますと、やっぱりこれは人事院というところで双方の意見を聞いてこれまで収めてきていただいているんであって、私の感じとしてはそう一概に高いとは言い得ないのではないか、私の感想をと言われればそうお答え申し上げます。
  45. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 是非、そういう多方面にわたって検討をしていただくことが大事だというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  同じ質問ですが、人事院総裁は現在の公務員給与水準についてどのように考えていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
  46. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 公務員給与について何をもって適当か適当でないかという、そういう判断するのは非常に難しいと思います。ただ、御承知のように、私どもは、公務員給与水準民間企業従業員の給与水準と均衡させるということを基本に改定勧告を行っているわけでございます。  それで、公務と民間給与比較する場合には、類似職種で同じような仕事の仕方をしている者同士を比較するということが原則でございまして、人事院では、職種、役職段階、勤務地域等の給与決定要素を同じくする者同士を精密に比較している、これはいわゆるラスパイレスの比較でございますが、この方法は、例えば経済状況の変化あるいは労働市場の変化等を公務員給与の中に反映させることもできるわけでございまして、現在の選択肢の中では最良の方法であり、したがいまして、それによって決まる国家公務員給与水準というのは適切なものであるというふうに思っております。
  47. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 今の総裁意見におおむね私も賛成したいというふうに思いますが、もう時間がないので、もう質問が余りできなくなってしまいましたけれども公務員に労働基本権が回復されたとしても、人事院類似の専門的な人事行政機関の必要性はなくなるものではないというふうに思います。また、あるべき公務員制度を展望するならば、給与人事院、年金は財務省、退職金総務省というような三者分立体制ではなく、これらを総体的にとらえて議論すべきであり、また国家公務員の総人件費を一元的に管理できる機構整備も待たれているところではないかというふうに思うわけであります。しかしながら、この検討に立ち至ったとき、政治力学に翻弄されがちな今の人事院で本当に栄光ある地位を占められるのか、余計なお世話ではありますが、心配せざるを得ないところであります。  人事院がまず優先すべきは、憲法上保障されているにもかかわらず、労働基本権が制約されている公務員の意思、利益保護等の代弁であるはずであります。これすら担えなくて、本番を迎える公務員制度改革の荒波に立ち向かえるはずがございません。人事院よ、人事行政の専門機関としてしっかりしておくれと切なる願い、エールを送りまして、質問を終わりにしたいと思います。  ありがとうございました。
  48. 蓮舫

    ○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫でございます。  今、那谷屋委員から佐藤総裁質問がありまして、国家公務員給料の高いか低いか、それは最良の方法で行っているという御答弁がございました。最良の方法はともかく、じゃ、その対象となる国家公務員給料の高い低いを比較する民間企業の規模なんですけれども、この四十年間、企業規模百人以上、事業所規模五十人以上と変わっていないということに、私は甚だ現状を把握しているのかどうなのかという疑問を感じております。  例えば、終身雇用や年功序列に代わる成果主義、年俸主義を取り入れている企業は対象外ですとか、あるいは、人事を合理化しまして、そして企業の中の立場をフラット化して、部長でももう三十人以上の部下がいない方とか、課長でも十人以上の部下がいない方という企業も出てきていますが、ここも対象外と。あるいは、ITやベンチャーに代表されるように、少人数だからこそ成果を出される企業というのも対象外。働く方の三割にも上る非正社員の方も対象外。  四十年前の基準では、もう今の企業の在り方、働き方というのを民間を代表して如実に表していないんではないかと思いますが、この部分、率直にどうお考えになられますか。
  49. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 今御指摘のように企業規模、百人以上の企業規模というのは、昭和三十九年以来その大枠は変えてないわけでございます。それから、先ほど申し上げましたラスパイレス方式による比較というのも、これは昭和三十五年以来、これも大枠は変えておりません。ただ、人事院といたしましては、毎年民間の企業の変化というものを調査いたしまして、例えば人事とか雇用形態とか等、そのラスパイレスの比較の方法の中に取り入れられるように見直しはしておりました。  ただ、先ほど申しましたように、その大枠自体は変わってないわけでございますので、この際、ラスパイレス方式あるいは企業規模等を含めて全体的な検証というのは必要ではないかということで、近々、専門家による研究会を設置いたしまして、いろいろな面から現在の官民比較方法というものを検証、検討していただきたいというふうに思っております。
  50. 蓮舫

    ○蓮舫君 佐藤総裁におかれましては、最近メディアにおいて国家公務員試験のⅠ種、Ⅱ種を取り払うべきだと、一本化すべきだという非常に前向きな姿勢、考え方をお示しになられておられますので、どうぞこの対象企業規模の見直しにおいても積極的な改革を行っていただきたいとお願い申し上げます。  続いて、地域手当を今回新設するということでございますが、この地域手当、人口五万人以上の市の民間事業所の賃金指数を算出とあります。ここは企業規模百人以上、事業所規模五十人以上ではなくて、企業規模十人以上すべからくすべてを対象にしていると。  そこで、お伺いしますが、対象労働者はどういった方ですか、対象労働者。地域手当を新設するときの、民間の事業所の賃金を決めるときの、どういう労働者を対象に。
  51. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 地域手当を設定する場合の基礎データといたしましては、いわゆる賃金センサス、厚生労働省の賃金構造基本統計調査のデータを使っております。
  52. 蓮舫

    ○蓮舫君 対象労働者を聞いているんです。
  53. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) これは民間事業者に雇用されているパートを除く十五歳以上の男子労働者について、人事院としてはそのデータの中から取り入れて、そのデータを使って人口五万人以上の都市の格差を見ているということでございます。
  54. 蓮舫

    ○蓮舫君 十五歳以上の男子労働者を対象にしている。二点お伺いします。  国家公務員のⅢ種試験を受けられるのは高校卒業以上の資格でございます。十八歳以上にすべきではないか。もう一つは、なぜ女性労働者を外しているんですか。
  55. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) まず、なぜ十五歳以上の男子労働者を対象にしたかということでございますけれども、これは労働力人口の定義に従ったものでございまして、そもそもこの地域手当の基礎資料として使う目的は、地域間の民間賃金の相対的な違いを見るわけでございまして、決してそれを直接公務員給与水準反映されるということではございませんので、国家公務員が十八歳以上であるということと、この十五歳以上の労働者のデータを使ったということは矛盾はしないというふうに思います。
  56. 蓮舫

    ○蓮舫君 いや、女性労働者をどうして外しているんですか。端的にお答えください。
  57. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 女性労働者の場合は、この賃金センサスのデータを解析してみますと、例えば男子労働者に比べましてはるかに低い水準にございます。特に、男子労働者の場合は年齢に従って賃金が上がってまいりますけれども、女性労働者の場合は年齢にかかわらず低い状況があるということでございます。  例えば、五十歳代で比較してみますと、女性労働者は男性労働者の約半分の給料であるということで、したがいまして、地域ごとの民間給与実態というものにこれを反映させた場合、男女の比率、男女労働者の比率というものが大変大きく利いてくる、それを避けるために男子労働者だけを比較の対象のデータに取ったわけでございます。
  58. 蓮舫

    ○蓮舫君 女性労働者の賃金が低いから、数が少ないから、だから十五歳以上の男子労働者のみを対象にしている。一方で、ラスパイレス方式で非常に厳密な、正確な民間企業給与を調べておられる同じ人事院の発言とはとても思えませんし、国家公務員には女性も当然おります。現実の地場賃金を正確に反映して、そして地域手当を新設すべきと私は考えています。是非、次回からはここには女性労働者も入れるべきと御進言申し上げます。  続きまして、今回の公務員一般職給与法の改正なんですけれども、同じ公務員でも外務公務員の在勤手当は人勧の対象外ということに大変大きな疑問を感じます。  外務省にお伺いします。世界百八十九か所の在外公館に勤める公務員の在勤諸手当、総額幾らでしょうか。
  59. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) お答え申し上げます。  在外に勤務する職員給与、総額でございますけれども、四百七十二億円というふうになっております。
  60. 蓮舫

    ○蓮舫君 外務公務員の在外諸手当、総額で四百七十二億円ですか。私、いただいた資料では二百五十七億円と聞いておりますけれども、今年度で。増えているのはどうしてですか。
  61. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) お答え申し上げます。  今委員が御指摘いただきました二百五十六億円でございますけれども、これは在勤諸手当ということでございます。これに加えまして、俸給、期末手当等ということで二百十五億円が追加されて、合計で四百七十二億円ということでございます。
  62. 蓮舫

    ○蓮舫君 外務公務員は約三千二百人おられますから、そうすると、大体一人年間で一千五百万円近くの在勤手当が非課税で支給をされているということになります。  勤務に対する報酬であれば、給料や期末手当と同じように私は課税すべきと考えておりますが、在勤手当は勤務に対する報酬ですか、それとも経費ですか。
  63. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) お答え申し上げます。  ちなみに、在外公館の職員というのは三千二百七十五人おります。  それで、先ほどお話ししましたとおり、在外に勤務する職員給与というのは二本立てになっております。在勤基本諸手当、これについては経費ということでございますので、これは税が掛かっておらないというのは御指摘のとおりでございます。他方、俸給、期末手当等でございますけれども、これは同様に、国内に勤務する職員と同様に課税がされているという状況でございます。
  64. 蓮舫

    ○蓮舫君 在外公館の名称、位置並びに在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律第五条では、在勤手当は衣食住等の経費に充当するため支給と、確かに経費とあります。ただ、その額においては、在外職員がその体面を維持し、物価や為替などを勘案するとあります。体面を維持とは何でしょう。
  65. 河井克行

    大臣政務官(河井克行君) 体面とは、名誉であり面目であり、私は誇り、気概、そういうふうに解釈をさせていただいております。国語辞典を調べてみたんです。一番に見えとか体裁とありました。私はそれではいけない、日本国の外務省の職員の皆さんは二番目の意味で仕事をしていただいているに違いないと私は確信をいたしております。  全世界には百八十九の在外公館がありまして、国益を担うため、政治、経済、文化広報、一生懸命仕事をしていただいています。私も延べ五十二か国、政務官として出張いたしましたけれども、アフリカの奥地で、そして中近東の砂漠の中で必死な思いで仕事をしていただいている。是非その点を委員にも御理解をいただければ幸いと存じます。
  66. 蓮舫

    ○蓮舫君 御自身の経験も踏まえて詳しい答弁ありがとうございます。短くて結構でございます。  体面を維持とは、辞書を調べるとやはり世間に対する見えでございます。世間に対する見えでその金額の額を決めている、(発言する者あり)はい、ありがとうございます、世耕さん。外交で発揮すべきは見えではなくて私は能力だと考えております。  例えばアメリカで十一級の公務員ならば、五十万の基本手当、三十五万の住居手当、十万円の配偶者手当、最高七万二千円の子女教育手当、特殊語学手当一万六千円、大体月百四万円。中国で同じならば月百六十万円。この額が本当に正しいのかどうなのか、その部分を私はお伺いしたいと思っておりますが、この在勤手当、資料を皆様方にお配りをしております。  私に説明に来られた在外公館課の方は、この経費である四百七十二億円にもわたる在勤手当が適当かどうかをどういうふうに御判断しているのですかとお伺いをしましたら、省内九十人ぐらいの職員で、世界百八十九か所の在外公館、約三千二百人の外務公務員に支給されている在勤手当を適当かシーリングに合わせて検討を行っていると。でも省内で定例会議は開いたことがないので議事録はございません、会議録はございません、適当かの検討基準はたくさんあるので御提示できない、まとめていないという御説明でございました。  自分たちがもらう手当を在外公館の長が外務省本省に出して、外務省の省内で審議をして適当と決めて出している。人勧による一般公務員給料は非常に極めて公開で、こうやって国会で審議をしておられますけれども、外務省の在勤手当に関するその適当かの途中経過が極めて不透明だと私は考えておりますけれども、外務省にお伺いします。密室で在勤手当は毎年決められているんでしょうか。
  67. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) 在勤基本手当の支給水準でございますけれども、これは、各在外公館の所在地における物価、為替相場あるいは諸外国外交官あるいは民間企業給与水準、さらには毎年の財政状況等を総合的に勘案して決定されております。  在外勤務手当、これは密室というお言葉がございましたけれども、我々、政府予算案に盛り込まさせていただいた上で、国会で御審議をいただいております。それから、在勤基本手当の金額等については在外公館名称位置法に盛り込まれておりまして、関連の委員会で御審議いただいているということでございます。
  68. 蓮舫

    ○蓮舫君 各委員の皆様方にお配りを申しましたが、この外務公務員に支給をされる在勤手当の額が妥当かどうか、適当かどうか、物価、為替等の事情を勘案する外人審という、外務省人事審議会がございますが、これは去年一年間で何回開催されましたか。
  69. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) 外務人事審議会は毎月一回開催されております。したがいまして、十二回開催されております。
  70. 蓮舫

    ○蓮舫君 私にいただいた資料は三回分しかございませんが、これはどうしてでしょうか。
  71. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) お手元にお渡し申し上げているのは三回分だと思います。他方、回数につきましては、先ほど申しましたとおり、昨年十二回やっております。
  72. 蓮舫

    ○蓮舫君 今お伺いしたのは、なぜ私には三回分の資料しかお示しいただけなかったのですか。
  73. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) 外務人事審議会の記録でございますけれども、外務人事審議会、給与の話だけではなくて人事案件あるいは人事にかかわる諸問題について議論をさせていただいております。そういう中で、できるだけ我々も審議の内容をお示ししたいということでやっている次第でございます。
  74. 蓮舫

    ○蓮舫君 いや、できるだけじゃなくて、やっていただきたいんですが。  私にお示しいただいた三回分のこの審議の議事録なんですけれども、つまり在外勤務手当に関する議論はこの三回分だけで行われて、ほかの九回では行われていないということでしょうか。
  75. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) 必ずしも三回だけということではございません。そのほかの会合でも給与にかかわる議論、行われております。
  76. 蓮舫

    ○蓮舫君 なぜその資料はいただけなかったんでしょうか。
  77. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) 誠に恐縮でございますけれども委員の方から多数、資料要求がございまして、取りあえず主なものを提出させていただいたということだと思います。
  78. 蓮舫

    ○蓮舫君 いや、多数ではないですよ、わずか五、六項目だったと思うんですが。電話で御対応いただいた外務省の担当の方は、今随分と鈴木宗男代議士からいろいろと出されていて、そちらで忙しくてデータに時間が掛かるとおっしゃっていました。是非、国会審議の方を優先させていただきたいと思うんです。よろしくお願いいたします。  今おっしゃっていた非常に公開で透明で在外勤務手当の額が適当かどうかを御判断されているとるる言われておられましたけれども平成十六年の三月、川口外務大臣が、外人審の審議をホームページなどで公開していくとの姿勢を答弁しました。新しく委員に加わられた川口元外務大臣におかれては非常に心外だと思いますけれども、まだホームページで公開されていないんですね。  この一年七か月間、なぜ公開されていないんですか。当時の大臣の姿勢は無視してもいいということでしょうか。
  79. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) 今委員指摘のとおり、川口当時外務大臣が衆議院の外務委員会あるいは参議院の外交防衛委員会で、在勤手当に関する基礎資料となる各種データを外務省のホームページに公開していくというお考えを示されておられます。これを踏まえまして、外務省としては平成十六年度以降、在勤手当に関する基本的なデータ、例えば在外職員給与体系あるいは在勤手当予算の内訳、在勤手当予算の推移等、在勤手当に関する基本的な参考資料をホームページ上に公開しております。  先ほど来から御指摘のございます外務人事審議会の議事録の公開につきましては、今回、委員の方から資料要求をいただきましたので、在勤手当に関する議事の要旨ということで提出させていただきました。  先ほど申し上げたこと、繰り返しになりますけれども、外務人事審議会では人事にかかわる議題等も含まれているということで、その内容をすべて公開するということはできないというふうに考えておりますけれども、在勤手当に関する審議の概要につきましては、ホームページで公開することも含め対応していきたいというふうに考えております。
  80. 蓮舫

    ○蓮舫君 外務省からお出しいただいた三回にわたる、全部で四時間半の審議、五人の委員が外人審で在勤手当が適当かどうかを議論されておられますが、審議内容はA4で七枚と。この中には、物価、為替の変化を勘案する議論は一行もないんですけれども、一体何をもって在勤手当の額が適当かどうかを決めているんでしょうか。
  81. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) 今お手元にお配りさせていただいていますものは、外務人事審議会の審議の概要ということでございます。確かに、その外務人事審議会の中で為替の問題、物価の問題も細かく議論されているということでございます。  先ほどお話し申し上げましたとおり、お答え申し上げましたとおり、在勤基本手当については、その支給水準については、各国、各在外公館の所在地における物価、為替、あるいはそのほかの外交官がどういう給与を持っているかとか、あるいは民間の企業の給与水準等を総合的に勘案して議論し、国会に予算要求ということで提出させていただいているということでございます。
  82. 蓮舫

    ○蓮舫君 いや、私が申し上げているのは、外人審の審議の中で、公開して私にお示しいただいて、今委員皆様方にお配りさせていただいた中で、物価、為替について議論が行われていないんですが、なぜですかと伺っているんです。
  83. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) 繰り返しになりますけれども、外務人事審議会の中でも議論されておりますし、例えば、簡単ではございますけれども、ページで三というふうに付いている紙の中ほどに為替あるいは物価にかかわる記述があります。
  84. 蓮舫

    ○蓮舫君 この一行で、この一行の審議を審議と呼んで適当と判断する御意見と認めて、そして四百億円を超える在勤手当を決めているんでしょうか。
  85. 塩尻孝二郎

    政府参考人塩尻孝二郎君) この議事録というのは、あくまでも概要ということでございまして、その意見をまとめたものがここに載っているということで御理解をいただきたいと思います。
  86. 蓮舫

    ○蓮舫君 前川口外務大臣も国会で御答弁をされておられますし、概要だけというのは、聞きようによっては自分たちに都合のいいところだけを公開するというように聞こえますので、全容を公開すべきだと考えております。特に、税金を財源としている在勤手当でございますから、その額が適当かどうかを御判断する審議議事録内容は公開すべきではないですか。
  87. 河井克行

    大臣政務官(河井克行君) ありがとうございます。  川口大臣、括弧当時ですけれども、昨年の三月の衆議院の外務委員会におきましておっしゃっていただきましたのは、外務省のホームページ上で公開すると御答弁いただきましたのは、在勤手当の基礎資料となる各種データでありまして、これ先生ごらんいただければ、これだけもうあるんですね、ホームページには。それで、それに加えまして、今の議論の外人審の議事録の公開につきましても、これから、先ほど官房長が答弁しましたとおり、ホームページで公開します。これはお約束をさせていただきます。  ただし、やっぱり人事のことがかかわっていますから、個々の職員の懲罰とか、そういった事柄について、やっぱり名誉もありますのでそこを削除したりとか、いろんな作業がありますので、もう少しお待ちいただければ有り難いと存じます。
  88. 蓮舫

    ○蓮舫君 非常に前向きな御答弁ありがとうございます。是非、迅速な対応をいただけるように。  あと、前大臣に対して括弧大臣という言い方は、是非、余り適当ではないのではないかと。特に委員で御同席されておられますので。  最後に総務大臣にお伺いをいたします。  公務員改革というのは、私は、すべからく総人件費を何%削減するとか、額が高いか低いかという議論だけではなくて、その仕事内容が適当かどうか、仕事の結果というのが正しかったかどうか、評価の在り方という根本的な議論をしなければいけないと考えておりますが、一方で国民の間から公務員だけ優遇されているという批判があることも受けて、恐らく内閣では重要施策として公務員制度改革国家公務員あるいは地方公務員給料改革というものも掲げられていると思いますが、ここにおいて私は在勤手当だけ例外というわけにはいかないと考えております。在勤手当大臣は対象にすべきだとお考えでしょうか、改革の。
  89. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 外交官を含めまして、国家公務員のいわゆる給与については、今御審議をしていただいている法案に定められているところですが、この在勤手当につきましては法律で、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律というので決まっておるわけですから、私にどうですかと言われても、これ私の所管する法律ではありませんので、それに対する感想を求められても何ともお答えようのしようがありません。
  90. 蓮舫

    ○蓮舫君 昭和五十八年、内閣委員会で、当時の総理府の人事局の方が在勤手当に関する質問には答弁をしています。当時の総理府人事局は今の総務省です。私は、在勤手当あるいは国家公務員給与体系の整合性を取るという部分では総務省の所管だと思っております。あるいは公務員改革を掲げる小泉内閣の一員として麻生大臣はどのようにお考えでしょうかと伺っております。
  91. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 私の個人的見解を求められておられるということでしょうか。
  92. 蓮舫

    ○蓮舫君 大臣としてです。
  93. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 検討に値するかしないか、検討さしていただきます。
  94. 木村仁

    委員長木村仁君) 時間です。
  95. 蓮舫

    ○蓮舫君 時間になりました。次回からは、その検討の結果からお伺いさせてください。  ありがとうございました。
  96. 高嶋良充

    ○高嶋良充君 給与法に関連して、公務員制度改革にかかわる二つの課題について総務大臣質問をいたします。  まず第一は、先ほどからも議論になっております労働基本権問題についてであります。  今回の人勧で給与構造改革に関する勧告が行われているわけでありますけれども、その内容は、先ほどの質問のとおり、地域給与格差を設けるということ、もう一つは能力実績を重視をした給与制度を導入すると、こういうことであります。  ただ、この二つの見直し職員の労働条件に大きな影響を与えるということはもう御承知のとおりでございまして、私はやっぱり労使関係制度整備されていない現状でやるのはいかがなものかと。もう一つは、今回の勧告の過程で職員団体納得が得られていないという問題もあるわけでございまして、この給与構造改革については多くの問題点があるということはもう指摘されてきたとおりであります。  とりわけ大臣にお願いしておきたいのは、この実施に当たっては是非慎重に行っていただきたいということと、もう一点は、職員団体の理解と納得が得られるように更に努力をいただくということをまず冒頭に要請をしておきたいというふうに思っています。  私は、このような民間と同様の地域給与評価制度を導入するということであれば、民間並みのやっぱり労使交渉というものが必要なんではないか。さらには、この間の質問でもさしていただきましたけれども経済財政諮問会議等で財政事情を考慮した給与勧告を行うべきであるとか、あるいは生首が飛ぶような人員削減問題等々も出てくるような事態にもなりかねないという状況ですから、そういうものを勘案すると、労働基本権問題の解決が喫緊の課題になっているというのは、もう衆目の一致するところだというふうに思うんですね。だから、自民党の行政改革推進本部においても、労働基本権問題、検討していこうと、そういうことを決められたというふうに思っているわけでありますけれども。  そこで大臣に伺いますが、労働基本権の付与問題について、これを検討していくに当たって、当然のことでありますけれども、当事者の一方であります職員団体との話合い、重視をいただけるというふうに思いますが、その見解をお伺いしたいと思います。
  97. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは昨年の十二月に閣議決定をされました「今後の行政改革の方針」というものの中におきまして、公務員制度改革の今後の取組について、制度設計等々を、これは関係者間の調整を更に進めることとして、労働基本権問題のこの話が幅広く行われるというものと考えております。  ただ、これはもう先生の場合はもうよく御存じのとおり、これは労働基本権の話につきましては、これは公務員の場合につきましては、その特殊性からいきまして、これはある程度の制約は免れぬということはもう御存じのとおりなんで、ただ一方、公務員といえども勤労者という立場に立ちますと、これは労働基本権というものの制約に見合うということをある程度勘案しなきゃいかぬところで出てきたのが人事院という代替措置ということなんだと思いますけれども。  今言われましたように、随分、昔と少し変わってきているような社会情勢にあることは確かだと、私自身もそう思っております。何となく組合と言ったらストライキの代表みたいなイメージの昭和二十年代、三十年代と、今、昭和でいえば八十年代ということなんでしょうけれども、今の時代とは大分時代背景も変わってきているということも確かだと思いますんで、いろんな意味で昔みたいにとげとげしいような関係ではなくなっておるというのがこの二、三十年感じているところではあります。  ただ、今おっしゃいましたように、これを直ちに労働三権、いわゆる締結権、交渉権、スト権等々の労働三権を直ちにというような雰囲気かというと、なかなかそこまではまだ醸成されてないような感じもいたしますんで、直ちに今これを、労働三権を与えるかということに関しましては、もう少し議論が必要なのではないかという感じが率直な実感であります。
  98. 高嶋良充

    ○高嶋良充君 小泉総理が小さな政府を目指して改革を続けると、こうずっと言い続けておられるわけですけれども、今日は小さな政府論の是非について議論をしたいとは思っていないんですけれども、しかし、経済財政諮問会議や小泉総理等が議論されている小さな政府というのは、総人件費削減として議論されているというふうに思っているんですね。  しかし、これはやっぱり大きな問題があるんではないかというふうに私は言わざるを得ないというふうに思っております。この一律削減であるとか純減目標を設定をする前に、まず公務の事務や事業をどうしていくのか、あるいは国民に対する行政サービスというものをどのようにしていくのか。当然この人員が削減をされるということは、国民サービスが低下をするということと同時に、コスト削減をしてその事業をやらないということになれば、国民の皆さん方は民間の方のサービスを受けなければならない。これは基本的には、税金は別だけれども国民負担という別の、民間のサービスを受ける分の国民負担が増えると、こういうことになるわけですから、やっぱりこの小さな政府イコール総人件費削減という問題は、そういう観点から言っていくと国民的な議論というものが重要になってきているのではないかなというふうに思っておるわけです。  そこで、総務大臣にお願いをしたいんですけれども公務員人件費削減問題というのは、今も申し上げましたように、どのような国をつくっていくのか、どのような公共サービスを提供していくのか、そういう国民的な課題だと。そういう意味では、財政的な事情だけでやるのではなくて、先ほどから言っています公務員制度の問題や地方分権や社会保障改革というものをトータルにとらえて、国民的な議論を巻き起こしていく必要があるんではないかと。国会もそのためにはやっぱり特別委員会ぐらいは設置をしたいなとは思っておるわけですけれども、私は野党の方ですから与党とも御相談をしたいと思っているんですが、そういうことも含めて、国民的議論を保障していくというような方向性について見解を伺っておきたいと思います。
  99. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今おっしゃられております前半の部分の背景の点につきましては異論ございません。誠に見識として正しいと思っております。  基本的に、高嶋先生御存じのように、今、公務員給与の話がよく出ましたが、これは財政諮問会議でも出た話ではありますけれども、景気が悪いのは公務員のせいかと、財政が赤字なのは公務員のせいかと言われると、車の売上げが減ったから工場の作業人員を減らして販売人員をどうのこうのするという話と、行政の中で、法人収支が赤字に伴って、法人税の減収に伴う財政収支の赤は公務員の責任かという点は、当然考えてしかるべきではないかという御意見は諮問会議の中でも出されたところであります。見識としては正しいと思いました。  そういう状況から考えますと、やっぱりこの際、どういう政府がということをおっしゃいましたように、小さな政府ということによって行政コストが下がる、行政コストを下げる一手段として人員ということになっていると思いますが、行政コストを下げるのは人員だけではなく、ほかにいろいろな要素が一杯あることははっきりしておりまして、何となく行政コストの人件費だけたたいて、何だか役人バッシングやって気持ちよがっているというのは誠に一面的過ぎると、私自身はそう思っております。  もっといろいろなことを考えられる、全部が全部見えているわけではもちろん私自身もありません。しかし、そういったところを考えて、どうした形の政府が、どうした形の国が一番いいのかという点に関しては、これはもっと広く国民的議論を出されて、どういう国って理想の国があるわけではちょっとないと思いますんで、どういう国づくり、どこまでが役人が関与するところ、これまでは役人じゃなくて民間の責任でやるべきところ等々の区分というのをきちんとするという議論というものが必要であるということに関しましては、私も全く賛成であります。
  100. 高嶋良充

    ○高嶋良充君 終わります。
  101. 吉川春子

    ○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。  まず、総務大臣にお伺いいたしますが、人事院制度は憲法二十八条の労働三権の制約の代償措置として設けられたことは言うまでもありません。人事院創設の際の国家公務員法一部改正案の提案理由説明で、政府は次のように言っています。不偏不党、いかなる勢力の制肘も受けることなく、国家公務員の福祉と利益との保護機関としての機能を果たすために十分な権限が与えられるとともに、人事院にあとう限りの独立性が確保されることを必要欠くことのできない要件とする。これは昭和二十三年十一月十一日議事録です。  したがって、人事院は、法的にも内閣の所管の下に置くとされて、内閣の指揮命令は受けないというふうになっております。政府から独立するということは人事院の命だと私は思っております。  そこで、大臣平成十六年六月四日の閣議決定で、人事院においては、地域における給与、官民格差を踏まえて、地域における公務員国家公務員給与の在り方についての検討を行い、早急に具体的措置を取りまとめるように要請すると閣議決定しているんですけれども、これは人事院の独立性を侵すおそれがあるのではないか。御見解いかがですか。
  102. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この点につきましては、これはもう実にいろいろ、この種のことの余り分かっておられぬ民間議員に対して、できませんということを何回も御説明を申し上げて、ここに掛かるまで、要請させていただく以上にこれは是非言やいいじゃないかという話ではないのですと、人事院というものはというそもそものお話からさせていただいて、ここに至るまでそれなりに配慮をさせていただき、総裁もお見えいただき、人事院勧告というものの重さというものにつきまして率直なお話を申し上げ、昭和五十七年、人事院勧告を無視して一年繰り延ばしたときにどういう事態になったかということを、昭和五十七年の歴史を御存じない方は、その種の話が、ということに関しましても御説明申し上げ、いろんな経緯があって、最終的にある程度要請をさせていただくという、お願いをさせていただくという形になったんであって、命令をしたというような具合に感じていただく、少なくとも人事院総裁の方は政府から命令されたとは思っておられないと、その程度の時間は長く掛けて、一年以上掛けてこれやらせていただいておりますんで、十分な話合いはかなりされた上で納得ずくでしていただいたと、私どもはそう思っております。
  103. 吉川春子

    ○吉川春子君 私は、我が党は人事院制度についてはちょっと意見はあるんですけれども、この人事院創設の趣旨からいって、人事院の独立性を侵すような要請を内閣としてしてほしくない、これは私の見解ですが、人事院総裁、お伺いいたします。  今年の九月二十七日の経済財政諮問会議出席して、公務員人件費削減を求める民間議員ペーパーに対して、早急に検討を開始したい、来年度の人事院勧告から反映させるという点については、これは議論の進み具合次第だが、今の時点でこれをお約束することはなかなか難しいなどと発言していますけれども、私はこれは見識を疑います。  経済財政諮問会議で、やっぱり人事院の中立性という立場を十分踏まえた上で御発言いただきたい。その点はどうですか。
  104. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 諮問会議での私の発言につきましては、決して諮問会議の目的、人事院公務員給与を下げるという目的に同意したものでは決してございません。  ただ、先ほど来申し上げていますように、現在の官民比較の方法については、現時点でそろそろ全体的に見直す必要があるというのはかねてから私ども問題意識として持っておりました。そして、研究会についても、設置をする旨、今回の勧告に伴う報告書においても言及したところでございます。  したがいまして、そういう研究会を設置する予定があるということを御説明した上で、諮問会議要請につきましてはそこで検討させていただくというふうにお答えしたわけでございます。
  105. 吉川春子

    ○吉川春子君 やはり、その独立性というものは人事院の命ですから、その辺はもう十分にそういう立場で発言をし、行動していただきたいと思います。  時間の関係で次に行きますが、地場賃金という概念を今回給与法、人勧で導入されました。民間賃金が平均より低い地域公務員給与が地場企業の賃金より高くなっているなどとして、民間賃金の最も低い北海道・東北ブロックを基準にして、全国一律の俸給表を四・八%下げました。  これは、地場賃金などという概念は法律のどこにも規定してないですよね。そして、法律の規定にないものをなぜ急に取り入れたんですか。地場賃金との格差がこれだけあるというんだったらば、なぜ今まで全然是正しなかったんですか。
  106. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) まず、法律上の根拠でございますけれども、これにつきましては、御案内のように、国公法二十八条で、一般社会、社会一般の情勢に適応するようにという情勢適応の原則があるわけでございます。私どもは、この規定に基づきまして、民間準拠を基本としつつ、公務の特殊性を考慮して具体的な勧告を行っておるわけでございます。  地場賃金の問題でございますけれども、この問題につきましては、既に平成十三年勧告においていろいろ問題があるということを問題提起いたしまして、そしてその後、研究会等をつくりまして具体的な内容を詰めてきて、昨年時の勧告報告でこれを報告したところでございます。  従来からも、地場賃金との調整というのは最高一二%、三%から一二%の調整手当で行ってきたわけでございますが、それでは収まり切れなくなったという現実があるものですから、その制度をより充実させたというのが今回の趣旨でございます。
  107. 吉川春子

    ○吉川春子君 地場賃金という言葉は法律にないですよね。一言だけ。
  108. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) ありません。
  109. 吉川春子

    ○吉川春子君 それで、公務員給与を四・八%も一気に引き下げるということは物すごい不利益ですよね。そういう不利益をやれるというんであれば、やっぱりさっきのその人事院の創設の趣旨説明と相反するわけですから、法律に明記すべきじゃないんですか、少なくともやれるというんだったらば。その点はどうですか。
  110. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) 私どもでは、国公法二十八条の社会一般の情勢に適応するという概念の中にはそれぞれの地場の給与反映させるということも当然含まれておると考えておりますから、地場賃金の変動に応じて給与水準を上下するということは、当然その二十八条の趣旨に沿ってできるものと考えております。
  111. 吉川春子

    ○吉川春子君 今まで二十八条に基づいて一%か何%か上下はしてきたわけですよね。下げたことはほとんどないんだけれども、上げてきましたよね。今度は四・八%一律に下げると。新たに地場賃金などという概念を導入してやってきたわけです。今までと違うことを、全く違うことを今年やったわけでしょう。しかも、それは公務員労働者に対して物すごい不利益を強いることですよ。そういうことがやれるんだったらば、法律に少なくとも明記しておかないと。法律に今規定がないとおっしゃった、地場賃金という概念は。そういうことでやるというのはとんでもないことだと思うんですよ。  そして、公務員の賃金を更に引き下げるために非正規雇用の社員、派遣社員まで官民比較の対象に含めるということまで財界等は要求していますけれども、こういう方向にもう人事院は進むんですか。
  112. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 人事院が基本としているのはラスパイレス方式による官民の比較でございまして、これはあくまでも対象は正規社員かつ類似職種、同じような仕事の仕方をしている者同士を比較するというのは、私どもの官民比較の場合の大原則でございます。  一方で、非正規社員と言われる者の中には短期雇用を前提に時給制が多い、あるいは諸手当の支給割合が低いなど、雇用形態、賃金形態が常勤職員とは明確に異なっているわけでございまして、公務との比較対照とするのは困難だというふうに思っております。
  113. 吉川春子

    ○吉川春子君 ちょっと語尾が聞き取れなかったんですけれども比較対照にするということは適切でないと、このようにおっしゃったんですか。
  114. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 困難であるというふうに申し上げました。
  115. 吉川春子

    ○吉川春子君 時間が迫られておりまして、公務員の数と公務員人件費の国際比較について質問をしたいと思います。  麻生大臣が繰り返し日本国家公務員というのは諸外国と比べて多くはないんだということをおっしゃっておりまして、(発言する者あり)公務員全体ね。それで、それをパネルにしたのがこれです。(資料提示)そして、これが棒グラフの点ですけれども日本はイギリス、フランス、アメリカ、ドイツに比べても一番公務員の数は人口千人当たりで少ないという点と、折れ線グラフは人件費GDP比ですね、これも日本の場合は一番低いと。このことはもう明らかであって、日本公務員の数が多いからもっと減らさなきゃならないんだということにはならないということは大臣もおっしゃっています。  本当は答弁伺いたいところですが、時間がないので、ちょっと、そのもう一つ先ですね。国の総人件費の推移をもう一つのグラフでお示ししたんですけれども。(資料提示)  これは総人件費が二〇〇〇年度から二〇〇五年までどの程度削減してきたかというのが全体のグラフです。そして、一番下の青いところ、これが防衛庁なんですね、自衛隊員なんですね。ほかの公務員人件費は劇的に減ってきています。特に中央省庁改革法ができた後もう本当に半減というぐらい減ってきているんですが、その中で自衛隊員だけは全然減ってない、横並びなんですね。  これは私は非常に政府の方針から言ってもおかしいんじゃないかと思いますが、なぜ自衛隊員だけは全く減らないで横並びで来ているのか、その点についてお伺いします。  総務大臣、御見解ありますか。
  116. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) まず最初にお断りをしておきますが、自衛隊の定員につきましては、これはいわゆる総定員法の適用除外になっているという、法律になっておることだけはまず頭に入れておいていただかねばならないところで、これは防衛庁設置法で決まっておりますんで、それが一点。  それからもう一点は、やっぱりいわゆる自衛隊というもののこれ考え方なんだと思いますけれども、今までが低過ぎたか、若しくは国際環境がかなりな勢いで変わってきて、防衛庁として、自衛隊員として、国として増強を、若しくは定員のまま置いておくという必要性があったからという政治判断だったと存じます。
  117. 吉川春子

    ○吉川春子君 私は、大臣も一部おっしゃっていますけれども国家公務員国民のサービスとの関係で必要なところは増やさなきゃならないと。それは、例えば学校の先生であるとか労働基準監督官であるとか、あるいは法務省の職員であるとか、いろいろなところを、本当に国民はもっともっと増やしてほしいと思うようなところは物すごく切り刻んできておりまして、悲鳴が上がっていると。その質問は繰り返しこの場でもさせていただきましたけれども。  一方、私は自衛隊員は減らしていいと思っています。ゼロにしろと言っているんじゃありませんよ、減らしていいと思っているんです。明日からゼロにしろというのは私たちの考えではないんですけれども、しかしこれを見ると余りにもひどいじゃないかと。公務員全体としては予算も人員もこれだけ減って国民の暮らしに物すごい影響が及んでいるのにもかかわらず、そしてもっともっと公務員は減らせと、総人件費は減らせと、こう言っている中で、これは余りにもおかしいじゃないかと、そういうことを指摘して、私は時間になりましたので質問を終わりたいと思います。
  118. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  最近、社会経済の冷静な把握を抜きに、国会内外でセンセーショナルに公務員の賃金を一割、二割削れ、公務員バッシングが非常に大きな声で騒がれている。私に言わせていただけば、誤った改革競争がなされていることについて大変危惧するものであります。こうした動きが先輩議員たちの年金から現職議員の歳費まで及んでおりますけれども、議員は別としても、民間と公務を含めた六千万人の勤労者とその家族、また人勧に連動する福祉の諸手当を受けている人々にまでこれは及んでくるわけでありまして、喜んでいるのは一握りの企業経営者だけじゃないのか、このように思うわけです。  そこで、まず人事院にお伺いをしますが、元来、人事院勧告民間企業との比較、後追い調整という仕組みでありますね。ところが今回、あの勧告は、先ほど来から出ていますように、地域給への切替えということにかこつけていますけれども、実際は民間準拠という仕組みを逸脱をしたと。政府がこの秋にも出すといういわゆる総人件費抑制方針を先取りしたんではないのか。あしき政治主導、実は総理の諮問会議などに座を占める大企業経営者に屈したんではないのかと、多くの人々がそう言っている。私もそのように思う。このように、今私は労働基本権剥奪の代償機能としての人勧制度が揺さぶられているんではないのかと、こう思います。  そこで、まず総論としてお伺いしますが、人事院のこうした労働基本権代償措置としての、言い換えれば、中立公正、独立した給与勧告機能というものをどう守っていくおつもりなのか、この点の決意を含めてお伺いしたいと思います。
  119. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) まず申し上げておきたいのは、今回の勧告の内容は、決して諮問会議の内容を先取りした、あるいは圧力を受けたということは決してございませんで、例えば地域給与見直しにつきましては、既に平成十三年度から私ども問題意識を持っておりまして、研究会を立ち上げる等して検討してまいった経緯がございます。  それから、四・八%の俸給表の下げが従来の官民比較のやり方と違っているのではないかという御指摘でございましたけれども、これにつきましても、私どもが取った方法は、全国の各ブロックごとに、私ども民間調査の、ラスパイレス方式による民間調査の結果を使ってブロックごとに民間賃金水準を出し、その結果が最も低いブロックが四・八%であったので、四・八%の給与の引下げということを勧告させていただいたわけで、決して従来の方法を逸脱しているとは私ども思っておりません。  それから、人事院の独立、中立性を守るべきというお話、これは私どもも肝に銘じてその役割の重要性を認識しておる次第でございまして、今後とも中立、第三者機関あるいは基本権制約の代償機関としての任務はしっかりと果たしていきたいと思っております。
  120. 又市征治

    ○又市征治君 それは議論になりますからこれ以上言いませんが、是非しっかりと守っていく立場で頑張っていただきたいと思います。  よく国民批判という言葉をよく言われるんですけれども、実際、大多数を占める勤労者、何も公務員の賃下げを望んでいるというわけじゃ私はないと思うんですね、論理的に言うと。自分がリストラされたり派遣だ契約だという、そういう地位に落とされたり、あるいは税金を取られている。こういう中で、どうも騒がれるのは一部の、ごく一部の厚遇公務員あるいは高級官僚の天下り問題など、こういったことが宣伝をされると、公務員だけが高い給料をもらっているんじゃないのかと、こういう格好で疑問を持ち、そういう点に比較するならば、おれは低過ぎるじゃないかという、こういう思いをお持ちになっているんだと思うんですね。ここのところをやっぱりしっかり着目しておくべきだと。もっとやはり公務員の賃金の実態ということについて、これはやっぱり人事院も、あるいは全公務員を所管をする総務省としても、こうした正確なことはできるだけ国民に理解がされるように是非努力もしてもらいたいと、こう思うんです。  そこで、人勧の隠れた機能というか、影響力といいますか、夏の人勧を過ぎてもまだ賃金決定がされていない中小企業、あるいは人勧連動で福祉の諸手当を受けている人々など、かなり広範に人勧というのは影響を及ぼしていますね。さらには、翌年の民間賃金にも影響する。これは過去の歴史見れば一発で分かる。特にマイナス勧告であれば、経営者側は喜んで前年度の人勧を引用するわけですよ。こういう中で、人事院が今年の民間準拠から逸脱した、私はそう思うんですが、来年度以降、一律四・八%の引下げと。こんなものは全体のトータルを出すべきなのに、ブロック別になんてこんなばかな話はないと思うんですが、こうした点について言うならば、経営者側は理屈抜きに次のサイクルにこれは利用させていただくということになるんだろうと思うんです。  このように、人事院政府経営者の思惑を私は先取りをしたと、こう思うんですが、そういう格好で社会全体の賃金サイクルに負の役割を果たす、この点については私は明らかだと思うんですが、それはやむを得ないんだと、こういうふうに総裁お考えですか。
  121. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 公務員給与、先ほど来お話ししているように、民間準拠で決めているわけでございまして、今御指摘があったように、逆にこれが民間の企業に影響する、あるいは地方経済に影響する、これ私ども決して否定いたしません。十分にあり得ることだと思います。  ただ、私ども勧告を行う際に、そういう影響、特に地方経済に及ぼす悪影響について考慮して勧告の内容を決めるということは、私どもとしてはできかねるというふうに思います。地域経済については、やはり政府全体で施策をお考えになって対処をされるのが本来の在り方ではないかというふうに思っております。
  122. 又市征治

    ○又市征治君 私は、トータルの水準を出すべきだと言っておるのであって、そのことをブロック別だとか何かというそういう格好でやっていくことが、結果として、全体的には、そういうさっき出た、地場という言葉が出ましたけれども、そういう点でいうならば、みんな負の役割しか果たさない、このことははっきりしているわけです。それはあなた方は専門家だから一番よく分かっているはずなんです。  時間がありませんから、次に進みますが。  企業経営者を代表するあるいは代理する諮問会議の人たちは、国税庁や厚生労働省の調査では民間水準を四百五十万円だ、公務員はもっと下げろと、こう言っているわけですが、これは私は正しくないと思うが、この点について後でお伺いします。  私は、人事院の民調というのは、規模といい、歴史の試練を経てきた、そういう意味では精密かつ的確という意味でも正確なものだというふうに思いますけれども、厚生労働省や国税庁の調査は目的も違うし、そういう意味で横に並べる性格の数字ではないと思いますけれども、どこがなぜ違うか、類似職種という点、規模及び労働者の身分の違いなど含めて、簡潔にひとつ説明をいただきたい。
  123. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) 厚生労働省と国税庁の調査につきましては、広く民間企業の賃金実態を明らかにするというのを目的にしております。それに対しまして、私どもでは、官民比較のために公務と類似した職種について民間給与実態調査しておるわけでございます。  具体的には、厚生労働省の調査、賃金センサスには短期間雇用されています非正規職員が含まれております。それから、国税庁の調査には勤務時間の少ないパートタイム労働者が含まれております。その点が大きな違いでございますが、さらに、両調査ともに公務と類似の職種ではない生産労働者、いわゆるブルーカラーの方々でございますとか、あるいはいろいろな小売業の販売員等の様々な公務にない種類の従業員が含まれておりますので、その結果、私ども調査と大きく食い違うわけでございます。
  124. 又市征治

    ○又市征治君 せっかくですから、この厚生労働省のデータとの違いを解くためにもう一点伺っておきたいと思うんですが。  すべての、これは私はとりわけ女性の勤労者に是非聞いておいていただきたいというふうに思うんですけれども、実は公務員民間労働者との大きな違いは男女間の賃金差別、これがありますね。大変大きなものがある。民間では圧倒的に男女の賃金差別が今も強く残ると思うんですが、この点についてもう少しこの厚生労働省の資料などと比較をして説明をしてくれますか。
  125. 山野岳義

    政府参考人山野岳義君) 賃金センサスの中で公務と同様の職種でございます製造業の管理、事務、技術、いわゆるデスクワークをしている方々でございますが、それの従業員の企業規模百人以上の十五年度年間給与でございますが、男性が六百四十八万円、女性が三百七十一万円ということで、女性の賃金水準は男性の約五七%でございます。一方、公務でございますけれども、公務の場合には、男性が六百四十一万円、女性が五百十五万円で、女性の賃金水準は男性の約八〇%でございます。  民間企業における男女別の賃金水準差が大きいのは、やはり公務の女性職員と比べまして、平均年齢の問題もございますが、民間の女子社員では上位の役職に就いておられる方が少ないことが影響しているのではないかと推測されるところでございます。
  126. 又市征治

    ○又市征治君 お聞きのとおりで、つまりは厚生労働省などのトータルでいえば四百五十一万七千円と、こういう平均が出てくる。人事院比較対照でいえば六百二十一万と出てくる。しかし、その中身をよくよく見て比較対照すると、ほぼ、これは厚生労働省の調べた数字人事院が調べた数字も対象職種でいうとほぼ同じだと、これは当たり前のことなんですが、出てくる。非常にひどいのはやっぱり男女の賃金格差だと。五七%、こういう格好になっている。  したがって、ここへ下げろということであるならば、もっと極端に言えば民間並みに公務員も男女差別をしなさいよと。まさかこんなばかなことを言う人はいるわけじゃないんだろうけれども。しかし、だけれども本音はそこにあって、下げなさい、下げなさいという話になっている。だから、さっき申し上げたように、もっとこういうのをしっかりと国民の人に分かるように努力をしてもらわないと、公務員は高い、高い、高いと、こう言われている。そういう点ではあなた方も御苦労なさるわけで、しっかりと宣伝もしてもらいたい。  厚生労働省のデータは、確かに非正規労働者の多い国民全体の賃金を反映して低く出ているわけでありまして、ただ、公務員とほぼ同職種の製造業、事務職等では人事院調査と今申し上げたようにほぼ同じだと。そうすると、この比較方法、これそのものはこれからも守っていく、ずっと長年にわたって積み重ねてきて、そういう意味では労働基本権の代償措置でもある、一定の規模がある、こういう立場でこれを踏襲されてきたんですが、このことは守っていくおつもりですね。
  127. 佐藤壮郎

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 今までの官民比較方法の中で、私どもは原則として守りたいというふうに思っておりますのは、まず対象として正規社員であるということ、それから同種の職種で同じような仕事内容の従業員と公務員とを比較すると、この二つのことは今後とも守っていきたいというふうに思っております。
  128. 又市征治

    ○又市征治君 時間が参りましたから、本当はまだ評価制度の問題等々幾つかお伺いしたいと思ったんですが、これは、今日はこれでやめますけれども。  是非、先ほども申し上げましたように、人事院は時々、時々聞こえている声は、様々な攻撃がありましてという話は聞こえる。人事院に攻撃なんかあるわけないんだ。いろんな話はそれはあるでしょう、出るでしょう。しかし、人事院はやはり労働基本権の代償措置であり、公平中立、独立した機関として、しっかりとやっぱり政府や国会に対して勧告をする、この機能をやっぱり果たしていく。その機能が果たされなければ、そういう意味では、麻生大臣おっしゃったように、それは果たされていることを前提の上で、労働基本権問題はちょっとそこはというふうに大臣がおっしゃったわけですが、そこが揺らいでくるならば、はっきりもう自ら労働基本権はお返しいただいて、もう人事院は少し調査機関だけで残りますということになってしまうと思う。そうならないように、逆の意味で、しっかりとその使命を果たしていただくことを改めて申し上げて、今日の質問を終わりたいと思います。
  129. 木村仁

    委員長木村仁君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  130. 木村仁

    委員長木村仁君) 委員異動について御報告いたします。  本日、弘友和夫君が委員辞任され、その補欠として谷合正明君が選任されました。     ─────────────
  131. 木村仁

    委員長木村仁君) これより三案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  132. 吉川春子

    ○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案及び国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。  反対理由の第一は、本法案は、人事院小泉内閣の総人件費削減という政策方針に追随して公務員の大幅賃下げ勧告を行った結果であるからです。  人事院は、公務員の労働基本権制約の代償措置として設置された機関です。政府は、人事院創設の際に、あとう限りの独立性が確保されることを必要欠くことのできない要件とすると述べ、国家公務員法でその独立性を保障しています。正に政府からの独立は人事院の命と言うべきものです。  第二の反対理由は、一般職給与法一部改正案で、給与構造改革と称して、労働基本権制約のまま国家公務員の俸給水準を平均四・八%、最高七%の大幅引下げを行っているからです。公務員労働者の生活と人生設計に重大な打撃を与えることは必至であり、断じて認めることはできません。また、調整手当を廃止して新たに地域手当を導入したことも大問題です。  公務員の俸給水準の引下げは、民間企業の賃金の更なる引下げ圧力となるなど賃金引下げの悪循環を招き、地域経済を始め日本経済を冷え込ませることは明らかです。また、給与削減分を四月にさかのぼって、期末手当から減額することは、不利益不遡及の原則を覆すもので、認めるわけにはいきません。  次に、国家公務員退職手当法一部改正案についてです。  反対の理由は、退職金を大幅削減するとともに、格差を拡大しているからです。退職手当法改正は、俸給水準を四・八%引き下げる一般職給与法の改正によって大幅減額となるばかりか、新たに調整額という制度を新設することによって退職金の格差を一層拡大することになるものであり、容認できません。  以上の点を指摘して、反対討論を終わります。
  133. 又市征治

    ○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、一般職給与に関する法律等の一部を改正する法律案外二案に対し、反対する立場から討論を行います。  日本経団連は、四月十九日の提言で、行政サービスそのものが国の高コストにつながる要因であり民間活力の発揮を阻害する要因だとしてやり玉に上げ、必要最小限、最少の費用にまで引き下げるよう求めています。これは、戦後日本国憲法の下で確立された国民一人一人の幸福追求権や生存権を保障するための公共サービスの提供、そしてそれを保障する全体の奉仕者としての民主的公務員像を解体し、財界の利益に奉仕する財界の官吏へと再編しようとするものであります。  その背景にあるのが、福祉、教育、雇用保障などの公的サービスを徹底的に削って、大企業の競争力強化とそれを海外で展開する軍事力にもっと国の財政を投入せよという要求です。その意味で、公務員問題は正に平和憲法の根幹を成す国民福祉と密接不可分の課題となっています。  今、国民の間には、小泉リストラ政治の犠牲となって職を失ったり、低賃金、無権利状態に落とされた人たちの不満が渦巻いています。今、小泉内閣と諮問会議等によってなされている意図的な公務員バッシングは、こうした国民の痛みに対する不満を転嫁するためのスケープゴート政策にほかなりません。  しかし、公務員削減あるいは給与削減は、民間の社会福祉や教育分野の労働者の首切り、賃下げ、労働強化にも連動し、国民への社会的公共サービスの量や質の低下にもつながります。公務員の定員、給与を政争の具として取り扱おうとすることは断じて許されません。  この点で、今年の人事院勧告は、今年度分の給与改定に関しては民間同種の労働者の相場に準拠する原則をほぼ守りましたが、他方で、来年度以降、一律四・八%という大幅引下げを打ち出すなど、この十一月にも予想される政府諮問会議の方針、あしき政治主導を先取りし、官民含めた労働者の賃下げ競争にくみする内容であり、これを法制化することは認められないものです。  必要な改革とは、定員や給与削減を自己目的化することではなく、社会的公共サービスの維持と天下りの禁止、特権的なキャリア制度見直し公務員の労働基本権確立、政官業の癒着構造の打破など、原点に立ち返った民主的で透明な公務員制度への改革であるはずです。特に、ILOから強く勧告されている労働基本権の制約はそのままに、一方的に労働条件を改悪することは大きな問題です。社会の二極分化、格差拡大が広がっているからこそセーフティーネットの必要性はむしろ高まっており、社会的公共サービスの質の維持、充実のための国民利用者と公務員労働者の共闘、連帯が問われています。  社民党は、民主的で透明な公務員制度への改革を目指して全力で奮闘していく決意を述べ、反対討論といたします。
  134. 木村仁

    委員長木村仁君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手をお願いします。    〔賛成者挙手〕
  135. 木村仁

    委員長木村仁君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、特別職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  136. 木村仁

    委員長木村仁君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  137. 木村仁

    委員長木村仁君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 木村仁

    委員長木村仁君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  139. 木村仁

    委員長木村仁君) 行政制度公務員制度地方行財政選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。  高嶋君から発言を求められておりますので、これを許します。高嶋良充君。
  140. 高嶋良充

    ○高嶋良充君 私は、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による公務員制度改革に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     公務員制度改革に関する決議(案)   政府は、公務員制度改革が喫緊の課題となっていることにかんがみ、次の事項について配慮すべきである。  一、公務員制度改革検討するにあたっては、労働基本権の在り方も含め、職員団体等の意見を十分聴取し、理解を得るよう最大限努力すること。  二、公務員人件費の規模の見直し検討するにあたっては、財政的見地のみならず、地方分権の推進や少子高齢化の進展などの情勢変化に対応した国・地方の公共サービスの適切な役割分担、公務労働の適切な配置について広く国民的議論を行うよう努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  141. 木村仁

    委員長木村仁君) ただいまの高嶋君提出の決議案の採決を行います。  本決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  142. 木村仁

    委員長木村仁君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、麻生総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生総務大臣
  143. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ただいまの決議につきましては、その御趣旨に沿い、努力してまいりたく存じます。     ─────────────
  144. 木村仁

    委員長木村仁君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度公務員制度地方行財政選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 木村仁

    委員長木村仁君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 木村仁

    委員長木村仁君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  147. 木村仁

    委員長木村仁君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  148. 木村仁

    委員長木村仁君) 異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十二分散会