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2005-10-25 第163回国会 参議院 総務委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年十月二十五日(火曜日)    午後一時三十一分開会     ─────────────    委員異動  十月二十日     辞任         補欠選任      中川 雅治君     南野知惠子君      山本 順三君     尾辻 秀久君  十月二十四日     辞任         補欠選任      尾辻 秀久君     荻原 健司君      南野知惠子君     関口 昌一君  十月二十五日     辞任         補欠選任      矢野 哲朗君    北川イッセイ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         木村  仁君     理 事                 世耕 弘成君                 森元 恒雄君                 山崎  力君                 高嶋 良充君                 内藤 正光君     委 員                 荻原 健司君                 景山俊太郎君                北川イッセイ君                 椎名 一保君                 関口 昌一君                 二之湯 智君                 山内 俊夫君                 吉村剛太郎君                 伊藤 基隆君                 高橋 千秋君                 那谷屋正義君                 平田 健二君                 藤本 祐司君                 蓮   舫君                 弘友 和夫君                 山本  保君                 吉川 春子君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     麻生 太郎君    大臣政務官        総務大臣政務官  山本  保君    政府特別補佐人        人事院総裁    佐藤 壮郎君    事務局側        常任委員会専門        員        高山 達郎君    政府参考人        金融庁総務企画        局審議官     細溝 清史君        総務省情報通信        政策局長     竹田 義行君        総務省総合通信        基盤局長     須田 和博君        総務省政策統括        官        清水 英雄君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    中谷比呂樹君    参考人        日本放送協会理        事        中川 潤一君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○電波法及び放送法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○一般職職員給与に関する法律等の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付) ○特別職職員給与に関する法律等の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付) ○国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 木村仁

    委員長木村仁君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、山本順三君及び中川雅治君が委員辞任され、その補欠として荻原健司君及び関口昌一君が選任されました。     ─────────────
  3. 木村仁

    委員長木村仁君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  電波法及び放送法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会金融庁総務企画局審議官細溝清史君、総務省情報通信政策局長竹田義行君、総務省総合通信基盤局長須田和博君、総務省政策統括官清水英雄君及び厚生労働省社会援護局障害保健福祉部長中谷比呂樹君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 木村仁

    委員長木村仁君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 木村仁

    委員長木村仁君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  電波法及び放送法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会日本放送協会理事中川潤一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 木村仁

    委員長木村仁君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 木村仁

    委員長木村仁君) 電波法及び放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生総務大臣
  8. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 電波法及び放送法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  現在、総務省では、有限かつ希少な電波を、大胆かつ迅速に、成長が期待される無線ビジネスに開放する電波開放戦略を積極的に推進しております。この戦略の一層の推進を図るため、電波有効利用の観点から、電波利用料の負担の在り方を見直して電波経済的価値にかかわる諸要素を勘案した料額を定めるとともに、国民携帯電話などの無線システムを、いつでもどこでも利用できる環境を積極的に整備等することが有用であります。あわせて、最近の放送事業をめぐる対内投資の増大など、社会経済情勢の変化に的確に対応するため、国民生活に不可欠な情報提供手段として重要な役割を担っている地上放送につきまして、外資規制実効性を確保していくことが重要な課題となっております。これらが、今般、この法律提案をいたした理由であります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、免許人などが無線局ごとに納めなければならない電波利用料について、無線局の区分けに応じ、使用する電波周波数帯及び周波数の幅、設置場所等に従い細分して定めることとし、料額表の改定を行います。あわせて、広範囲地域において同一の者が開設する無線局に専ら使用させることを目的とした広域専用電波を使用する免許人は、毎年、その周波数の幅などを勘案して算定される電波利用料を納めなければならないといたしております。  第二に、電波利用料の使途として、電波のより能率的な利用に資する技術に関する研究開発に要する費用例示として追加いたします。また、携帯電話などの無線通信利用できない地域において必要最小空中線電力を用いてこれらの無線通信利用できるようにするための伝送路設備整備補助金に要する費用につきましても、新たに例示として追加することといたしております。  第三に、外国人等議決権一定割合以上を占める法人又は団体が、地上放送の業務を行おうとする者の議決権一定割合以上を占めていることを、放送局免許欠格事由とするものであります。また、これに伴い、株主名簿等への記載などの拒否、議決権の制限に関する規定などを整備することといたしております。  以上のほか、所要の規定整備を行うこととしております。  なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して三か月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。  以上が、この法律案提案理由及び概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いを申し上げます。
  9. 木村仁

    委員長木村仁君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 世耕弘成

    ○世耕弘成君 自由民主党の世耕弘成でございます。  今年に入ってから、ライブドアによるニッポン放送買収提案ですとかがかなり紙面をにぎわしてきたわけでございますが、ここへ参りまして、またこれ、インターネット関連企業である楽天という会社TBSに対して経営統合提案を行っているというような事態が今盛んに報道をされているわけでございます。この楽天TBS、これは正にインターネット業界の雄とそしてテレビ局のしにせ、この二つの経営統合という議論になるわけでございますけれども、この放送業界ICT業界、これ正に両方とも麻生大臣が所管をされている分野ということになるわけですが、この双方を所管される大臣として、まず、今回の楽天TBSの問題についてどのようにお考えになっているかをお伺いをしたいと思います。
  11. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 放送デジタル化通信ブロードバンド化という状況進展をいたしておりますので、放送業界といわゆる通信業界というものの間で連携とか協力といったような関係進展していくのは、これは当然、自然の流れだと考えております。  御指摘のような個別の案件じゃなかなかコメントを、賛成するべきではないと思っておりますが、一般論として申し上げれば、少なくとも放送通信それぞれの得意分野というのがありますので、そういったものを生かして利便性のいい高いサービスにするということは、これは視聴者にとりまして、利用者にとりまして、まあこれはいろいろ便利ないいことなんで、そういった意味では、利用者の具体的なニーズというのはどういうところにあるかというのを考える、考え出すか、それでまた、その見付け出した需要に対してどうこたえていくかということなんだと思いますので、それぞれの企業がお互いに、何でしょうかね、いいところを伸ばし合って切磋琢磨していくというのは、これはICT産業、また放送業界、全体の利益に資するものだと、基本的にはそう思っております。
  12. 世耕弘成

    ○世耕弘成君 私も、正に通信業界で働いてきた者として、またこの通信放送両方のいろんな制度面技術面、勉強してきた者として、当然これ、デジタル化が進んでいけば、別にもう放送通信というのは技術的な区別というのは完全になくなってくるわけです。さらに、これIPというものへ乗っかってしまえば、もうほとんど、全く同じプラットホームの上で扱える情報になっていくだろうことで、当然技術的に考えた場合、通信放送というのはもう融合していくんだろうなというふうに思っております。  しかし、一方で、このリアルの、そういう理屈ではなくて、現実にこのビジネスの問題として、なかなか、通信放送融合した姿というのが私にはなかなか見えてこないというふうに思っております。例えば、前のライブドアニッポン放送の場合も、堀江さんはいろんな提案をしましたけれども、ああなるほどそんなに便利になるのかというような提案はなかなかなかったような気がします。  今回、楽天の方がTBSに持ち掛けている提案、断片的に報道をされていますけれども、それを聞いていても、何かポイントを統一するとか、あるいは何かTBS番組で使った小道具をネットオークションにかけるとか、何かロケ地を巡る旅行ツアートラベル会社が企画するとか、何となくまだ、通信放送融合の核心に触れるようなサービスとか姿とか、当然消費者立場から見たら便利だな、例えばもうTBSの全番組ネットでビデオ・オン・デマンドで流すとか、そういうところまで来ていない、ビジネスモデルが明確に描けていないんじゃないかという気がしているんですけれども、この辺、麻生大臣はどのようにお考えになっているでしょうか。
  13. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘がありましたように、今回のに限らず、融合と言われながらもなかなか具体的なコンテンツというものは、私どもも正直なところ言って、なるほどこういうのはというのはなかなか見えてこないのが正直なところですけれども、個別な案件につきましてはちょっとコメントは控えさせていただきたいと思いますが、民放キー局というのがありますんで、それをインターネットへ対して積極的なコンテンツを提供するというのは一つの、今言われたことの一つなんだと思いますが、情報通信審議会でしたかで答申が出た中でも、地上デジタル放送インターネットによる再送信というのもよく言われたところでもありますんで、いろいろまだ試行錯誤の段階かなという感じが私もしておりますんで、そういった意味ではいろいろやっていくと。  これは教育やら何やらいろんな分野可能性があることは確かだと思いますんで、まだ技術的なものも、ちょっと上がりと下りとスピードが違ったりいろいろしますんでなかなか難しいところもあろうかと思いますけれども、私どもとしては、そういった分野に関して今いろいろまだどうかといいつつも疑心暗鬼なところが両方であって、なかなかそこまでは行っていないかなというのが率直な実感であります。
  14. 世耕弘成

    ○世耕弘成君 なかなか、ですから、放送通信融合と言葉で言うのは簡単ですけれども、まだ現実ビジネスにするにはいろんな障害があるんだなということを痛感しております。  例えば、ユーセンという会社が今ギャオという、これ光ファイバーを使って映画を配信する、番組を配信する会社をつくっていますけれども、これもなかなか結局は、加入者が増えても、どうしてもコンテンツテレビ局映画会社から買ってくるコストが高くてなかなかビジネスとして成り立っていないという話も聞いておりますし、またやっぱりこれハリウッドが典型なんですけれどもコンテンツを持っている側から見れば、何か一つ会社ともう運命共同体になって、そこでしか流せないというよりはできる限り自分で抱えておいてなるべくいろんなチャンネルで流した方がいい。  現に、ハリウッド通信会社と提携をしている映画会社というのは全くないわけでございまして、その辺含めて、今地上波の再送信がまだ制度的に整理されておりませんし、あるいは著作権の問題とかそういったところを、いろいろ周辺をこれからクリアにしていかなきゃいけないんではないかなというふうに感じているわけでございます。  さて、この楽天TBS経営統合なんですけれども、これがもし成立した場合には、これ楽天というのは、御存じのように三木谷さんが正にマンションの一室で奥さんと二人で始めて、そしてここまで大きく育った大変なベンチャービジネスであるわけですけれども、この楽天TBSがもし経営統合をしますと、実は単純にシミュレーションしてみれば大株主は三木谷さんと奥さんという個人株主になるわけでございます。これ、地方のローカル局にはそういうケースは多々あるかと思います。あるいは、新聞世界では、若干、大手の新聞でもあるファミリーが持っているというケースもあるわけですけれども、いわゆるこのキー局と言われる大変な影響力、今回の選挙でもテレビ影響力というのは証明されたと思っていますけれども、そういうところの大株主個人になるということについては総務省としてどういうふうにお考えなのかということをお伺いをしてみたいと思います。
  15. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ちょっと仮定の話でなかなかお答えしにくいところではありますけれども、仮にキー局とはいえ、特定の大株主が登場したからといって、それがいわゆるマスメディア集中排除法等々の電波法等関係法令というものに抵触しない限りは、総務省として関知するところではありません。これはもう基本的にははっきりいたしております。  今後とも、一般市場特定の人がその株を買ったからといって、それをどうのこうのという立場にはないんだと思っております。  ただ、証券とか金融会社ということになってきますと、これは例のグループ企業としてそういうのが出てくると別のところでインサイダー取引に関する話とかなんとかかんとかいうことで、これは何というか、証券取引法なんだと思いますが、そういったものの処置の範囲の問題が出てくる可能性はあると思いますけれども、少なくとも総務省としてという感じには、ただ株主が、大株主が一人出たからといって特に問題があるわけではございません。
  16. 世耕弘成

    ○世耕弘成君 ここは明確に御見解をいただいたと思いますが、個人株主ということには特段問題を感じていないということで。  今ちょっと、次の質問を少し先取りされてしまいましたが、となりますと、今度、楽天に関してはもう一つ問題が指摘されているのが、楽天グループの中にはこれ証券金融を扱う会社があるわけでございまして、今、ある程度そこはルールが必要だとおっしゃいましたけれども、どういう形でルールがあれば問題ないとお考えになっているのか、お伺いをしたいと思います。これは清水統括官からでも結構でございます。
  17. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) グループ企業内で証券金融を扱う企業が存在するという場合に、そのグループというのがどういう形で、また例えば経営統合の問題とかいうのがどういう形でと具体的な話にならないと、実は電波法放送法上の問題があるのかという議論にはならないと思いますが、一般論的に申し上げますと、放送局免許を受けて放送番組継続的提供をする場合には、その免許の際には、当然これ再免も含めて財政的基盤というのを見るわけでございます。  したがいまして、先ほど大臣の方からありました証券取引法の話とは別に、電波法上の世界で言うと、再免時においてちゃんと財政的基礎が損なわれない状態になっているか否かは、これはそのグループ形態がどんな形か、申し訳ありません、お話の中の話なのでコメントはしかねますが、その分野における電波法上の再免時の判断というのはございます。
  18. 世耕弘成

    ○世耕弘成君 なるほど、今ちょっとおっしゃりにくそうですけれども、要するに金融、これは郵政民営化議論でも言われたわけですけれども、いわゆる金融サービスのところから何らかのファイアウオールが立っていないと駄目だという理解でよろしいんでしょうか。
  19. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 総務省サイド電波法世界では、ファイアウオールの問題ではなくて、企業グループ、単純に言えば放送局の株式をどう持ち、そことどう密接に関連していて、例えばもう一つ一緒にやっている、同じ会社で二つやって、一方の事業が危なくなって放送事業も危なくなるような状態になる場合には、もう一方の財政的基盤を見させていただかないとどうしようもないと。  これは、統合あるいは経営形態の様々な形によって差がありますので、ちょっとコメントは具体的には申し上げかねるところでございます。  以上でございます。
  20. 世耕弘成

    ○世耕弘成君 それでは、総務省コメントできないということでございますけれども、これ、金融庁の方はどういうふうにお考えでしょうか。
  21. 細溝清史

    政府参考人細溝清史君) 証券会社ないし金融業を扱う者という意味では、銀行業法とか貸金業法とかいろんな法律がございます。  今の個別の事案につきまして仮定の御質問にお答えするというわけにはいきませんが、制度上申し上げますと、証券会社なら証券会社には主要株主規制があります。銀行には銀行にまた主要株主規制がございます。それぞれに、銀行におきましては子会社を持つ際の規制がございます。証券会社子会社を持つ規制はございませんが。  そういった形で、各、金融といいましてもいろんな業種ごとに個別のそういった、上、親会社、下、子会社に対する規制があったり、規制のレベルが違ったりということで、そこは適切に対応してまいる所存でございます。
  22. 世耕弘成

    ○世耕弘成君 ちょっと、よく分かったような分からないような感じなんですが、なかなか今進行中の話ですから、これ以上余りお伺いしないようにします。  それではまた、今、電波法の方の話に移ってまいりたいと思いますが、今、携帯電話の新たな電波の再配分が行われております。具体的には、一・七五ギガヘルツ帯と二ギガヘルツ帯での再配分議論が行われているわけですが、その辺の今、現状免許申請が行われて順調に進んでいるとは思うんですが、現状はどうなっているかをお伺いをいたしたいと思います。
  23. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 携帯電話につきましては、現在八百メガヘルツ帯、一・五ギガヘルツ帯及び二ギガヘルツ帯周波数を使用しているところでございますが、先生御指摘のように、今回更に一・七ギガヘルツ帯及び二ギガヘルツ帯の追加の帯域を割り当てることといたしまして、この周波数割当てに関する指針を去る八月十一日に策定したところでございます。  この指針におきましては、免許に当たっての基本的な考え方を始めといたしまして、申請の際の手続や審査のための具体的な基準などについて定めているところでございますが、この指針に基づきまして、八月二十二日から九月三十日までの間、新規参入希望者から携帯電話基地局開設計画の認定の申請を受け付けまして、一・七ギガヘルツ帯につきましては二社から、二ギガヘルツ帯につきましては一社から申請があったところでございます。  総務省といたしましては、今後、関係法令及び開設指針にのっとりまして審査を行い、さらに、電波監理審議会に諮問した上で、年内にも周波数を割り当てる事業者を決定することといたしております。
  24. 世耕弘成

    ○世耕弘成君 この一・七ギガ、二ギガの今度、次にもいろんな商品が出てきています。例えば、WiMAXなんという新しい技術ももう既に出てきており、間もなくサービスが始められるという話も聞いていますが、それに加えて、例えばこれからブロードバンド地域ブロードバンドを進めていく中ではいわゆるワイヤレスアクセスなんというニーズも出てきますし、あるいはもっと新しい形のワイヤレスを使ったブロードバンド、あるいは、今第三世代携帯電話ですが、第四世代携帯電話という議論もこれから出てくると思いますが、そういうどんどんどんどん増えてくる新しいこの通信向け需要増に関しては、周波数割当て等をどのようにこれから対応されていく予定なんでしょうか。
  25. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 今後のワイヤレスブロードバンドの発展あるいはその他ワイヤレス技術進展に伴いまして新しい無線関係サービス技術が登場してまいりますけれども、そのために周波数の大幅な需要増が想定されるということは委員指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、これに対応するため、周波数再編を行いまして、必要な周波数資源の確保を行うことが必要と考えているところでございます。  具体的には、総務省といたしましては、周波数再編方針をお示しいたしまして、その促進のため、電波利用状況に関する調査の実施、これは現実に割り当てられている、割り当てられております電波がどのように使われているかということを調査し、さらに、電波の迅速な再配分を可能とするための給付金制度、昨年の国会でお認めいただきましたこの給付金制度を用いまして、既存無線局の立ち退きを進めているところでございます。また、今回御審議いただいております電波利用料制度の見直しによりまして、周波数の一層の有効利用が進むことも考えておりますので、こういったことから周波数再編が促進されることを期待しているところでございます。  我々といたしましては、このような取組を通じまして、今後とも必要な周波数を十分確保できるように取り組んでまいりたいと思っております。
  26. 世耕弘成

    ○世耕弘成君 大体、今でも、新しい技術が出てきてそこに具体的に電波が割り当てられるまで大体二、三年掛かっているんですね。やっぱり非常に技術の足が速くなってきていますから、その辺、もう少し早く決めていけるような体制が必要なんじゃないかなというふうに思っているわけですが。さらに、私ちょっといつも疑問に思うのは、これどんどん今ブロードバンドワイヤレスが入ってくる、そうするとその上はインターネットプロトコル情報が流れていく、そうなると逆に何でもできますよね。今は、テレビテレビ周波数、それこそタクシー無線タクシー無線周波数、全部細かく品目を決めて割り当てているわけですが、これIPになってしまえば、例えばその上で一応ワイヤレスLANだということで免許を取っていても、テレビ放送を流すこともできれば、タクシー無線を流すこともできれば、電話をすることもできればということになっていくと思うんですが、この辺のIPを使えば何でもできるというこの技術進展状況と今のその免許の用途制限の関係というのは、今後どういう形で整理をされていくんでしょうか。
  27. 須田和博

    政府参考人須田和博君) IPの発展によりまして様々な情報一つ技術で送ることができるようになるというのはそのとおりだと思いますし、また、そうしたいわゆるIP化によりまして電気通信分野が多大な影響を受けているということもそのとおりだと思っております。  しかしながら、この無線のシステム、周波数利用ということに関して申し上げますと、具体的な使用形態の異なる無線局につきましてはどうしてもその混在を避けることによりまして混信発生の可能性を低下する必要があるとか、あるいは技術基準の異なる無線システムの混在を避けることによりまして周波数利用の効率性の向上とか、あるいは国際的な共通周波数割当てとの整合性の確保と、こういった無線に特有な事情がございまして、こういった観点から現在国際的にも無線の使い方につきましては用途が規定されており、これを受ける形で国内的にも用途を定めているものでございます。  したがいまして、こうしたIP化の時代の変化につきましては我々としましても十分認識しているつもりでございますけれども、それをもって直ちに無線に関します用途というものをなくすということは難しいのではないかと考えております。
  28. 世耕弘成

    ○世耕弘成君 ただ、IP化ということでどんどんどんどんこれ融合もこの分野でも進んでいくと思いますので、是非前向きに検討をお願いしたいと思います。  最後に一問だけ。今回のこの法改正で電波利用料を使って携帯電話鉄塔のための光ファイバーというのが整備できるようになりました。これ、せっかく光ファイバーを引いたんであれば、それ携帯の鉄塔だけに使っているのはもったいない。大体、そういう不感地域のところというのはもう非常にブロードバンドインターネットも後れているところが多いですから、そういうブロードバンドインターネット用のインフラとしてもこの光ファイバーを活用できるようにすべきだと考えますが、どうお考えでしょうか。
  29. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 今回、この電波利用料財源によりまして補助の対象と考えております伝送路は、あくまで携帯電話需要に相当する容量の回線をNTTなどの通信事業者の方から借りて整備するものでございます。したがいまして、このブロードバンドインターネットに必要な広帯域伝送容量分の回線までも電波利用料で補助するということは、この電波利用料の基本的な性格、無線局全体の受益という関係から見て難しいものがあるのではないだろうかと考えております。  しかしながら、例えばこの携帯電話の不感対策を契機としまして電気通信事業者が光ファイバーを整備した場合、携帯電話以外の伝送容量部分につきまして別途関係者の負担などによりましてルーラル地域におけるブロードバンド通信基盤として活用するということは十分あり得るのではないだろうかと考えております。
  30. 世耕弘成

    ○世耕弘成君 終わります。
  31. 内藤正光

    ○内藤正光君 民主党の内藤ですが、私は前半の四十五分をいただきまして質問をさせていただきたいと思います。  まず、冒頭申し上げたいんですが、どうも今回の電波法、民主党だけが反対の姿勢のようでございます。いろいろな、各党各会派から何でなんだと言われます。これはコップ半分の水をどのように評価するか、そこの問題ではないかなというふうに思います。私自身も個人的には思うところがないわけではありませんが、まだコップに半分しか水が入ってない、そして次回は是非賛成をさせていただきたい、そのためにも私がこれから申し上げることを是非踏まえて改革を進めていただきたい、そんな思いで質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず、先週の本会議質疑を踏まえて幾つか確認をさせていただきたい、質問をさせていただきたいと思います。  私は、麻生総務大臣にこう質問をいたしました。無線局ごとに課金するという仕組みを温存していては、電波料収入は増加の一途を続けてしまうんではないのか、こう質問したところ、麻生大臣は、電波利用料の使途、料額ともに法定されており、そして懸念には当たらないというふうにお答えになりました。しかし、その答弁、で、実際にこれまで使途も、また料額も増え続けているということを考えたときに、私は正直申し上げまして、率直に申し上げまして、的確な答弁にはなってないかと思っております。  そこで、まず総務省にお伺いしたいのは、使途は、使い道ですね、法律で一体どういうふうに法定されているんでしょうか、お尋ねします。
  32. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 電波利用料の使途でございますけれども電波法に具体的ないわゆる電波共益事務の内容としまして、例えば電子監視事務であるとか、あるいは例えば無線局のデータベースであるとか、あるいは技術試験事務であるとか、あるいはアナログ対策用の事務であるとかということを個別に法定しているものでございます。
  33. 内藤正光

    ○内藤正光君 つまり、電波法の百三条でしたか、そこに具体的に四項目書かれているわけですね。  ところが、電波利用料収入の使い道をいろいろ見てきますと、どうもこの四項目に書き込まれていないところもあるわけですね、遮へい対策ですとか。それは一体どういうことなんでしょうか。
  34. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 遮へい対策に関しましては、百三条の二の二項の本文の規定に、本文の規定によりまして、ちょっと済みません、二項の本文の規定で、「「電波利用料」とは、次に掲げる事務その他の電波の適正な利用の確保に関し総務大臣無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用」と。この中で読めるということを、この遮へい対策事業を導入する際に当たりまして関係のところとかなり話した結果、新たに条項を設ける必要なく、この規定で読めるということからここで読んでいるところでございますが、しかしそれ以降は、この電波利用料に関しまして、その使途もいろいろな使途が各方面から要望されてきているところでございますが、そうした使途を加えるに当たりましては、以降なるべく法律で個々具体的に書くようにしてきているところでございます。
  35. 内藤正光

    ○内藤正光君 先週の本会議で総務大臣は、使途についてはしっかりと法定されているというふうにおっしゃったわけなんですが、ところが、よく法令で、法律の中にあるように、「その他」というこの文言でもって、具体的な例示されているもの以外使い道があるということだとは思いますが、ところがこの「その他」の使い方がもう最近大分増えているんですよね。今では七十四億円、すべての電波料収入のおよそ一割強に相当するわけですね、「その他の」という言葉で読み取って使っているわけなんですが。  そこでちょっと確認なんですが、総務大臣は、法定されていると、使い道はしっかり法律で定められているとはおっしゃったんですが、そういった実際に法律の中に具体的に盛り込まれている、書き込まれているもの以外にも使えるんですね。確認なんですが。
  36. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 電波遮へい対策事業に関しましてはそうした導入の経緯等もございまして、そこで一般的なものとして十分読めるということからそれを用いまして事務を行っておりますけれども、それ以外のものにつきまして、もう既にかなり例示で具体的にその業務というのは規定されておりますので、それ以外にまた新たに何か設けるとする場合に、既存の規定から何でもかんでも読めるというようには私ども考えておりません。  したがいまして、そういったことから、今回の研究開発等につきましてもやはり法律上明記することが適切であるという判断の下に、具体的に法律上に明記しているものでございます。
  37. 内藤正光

    ○内藤正光君 ただ、この使い道を見てきますと、本当にもう「その他」の事務というのはいろいろあるんですが、その中でまた「その他」ということで、結構それがどうも四十億円も占めているんですね。その枠の中で結構わざわざ法改正しなくても使途を拡大できてしまうんじゃないかなという懸念も私は持っているんですが、そこもしっかり、あれですか、使い道を広げるときは国会に諮っていくということでよろしいんでしょうか。もうどんどんどんどん膨れ上がっていってしまうんじゃないかなというのが私の先週示した懸念なんですが、そういうことはないということをどういうふうに担保されるんでしょう。
  38. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 初めに、先生御指摘の「その他」でございますけれども、これは電波利用料の徴収その他の関係事務ということでございまして、具体的に、電波利用料を請求したり、あるいは徴収したりするという、そういう方たちの事務に関する費用でございまして、ここでは、それ以外の、いわゆる携帯電話の不感対策業務とかあるいは遮へい対策業務とか、こういったものをこの「その他」で読むというものではございません。  したがいまして、この使途というものがいたずらに拡大するというようなことは私ども考えていないわけでございますが、それは何よりも、このような形で、そもそも電波利用料料額につきましては定期的に三年に一度見直しを行うこととしております。その時点におきます費用を想定し、その時点におきます無線局の全体の伸びを想定し、必要な電波利用料額を決めていることとしておりますし、またそれを改正するに当たりましてはこのような形で委員会で御審議いただいているものでございますから、先生御懸念のようないたずらに費用が拡大していくというようなことはないだろうと思っております。
  39. 内藤正光

    ○内藤正光君 そこで、もうこの項目では最後にしたいとは思いますが、使途が法定されていると言いながらも、この法案の中の「その他」で読み込めるというのも事実として確認できたわけでございますし、やはり無線局単位で課金する構造が残る限り、無線局が増加すれば電波料収入は増加するというのはもう自明の理、実際にこの十数年間伸び続けてきたわけです。本会議で指摘したように、十二年間で八倍にも増加した、毎年十数%の勢いで伸びているんですね。今どきこれだけの勢いで伸びている予算なんてないんですよ、ですね。私はそこを指摘したんですが、でも、あえて大臣は、それでも大臣は、いやいやしっかり使途だとか料額は法定されているから大丈夫だと、懸念には当たらないと。私はちょっと質疑と答弁がかみ合ってなかったように思えるんですが、改めて、これはもう総務省からで結構なんですが、私のその懸念に対してどのようにお答えになるのか、もっと正確な答弁をお願いします。
  40. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども電波利用料額につきましては、三年を一期間として、その期間に必要と見込まれる電波利用共益費用を同期間内に見込まれる無線局で負担するものとして算出し、法律規定しているところでございます。  ただ、先生御指摘のように、携帯電話が非常に普及してきたと、そういうことから費用が全体に伸びているとか、あるいは携帯電話の普及に伴い携帯電話の負担が全体に大きくなっているのではないかとかというような御指摘がございますので、そうしたことも踏まえまして、今回、今無線局、一億の中で八千万が約携帯電話でございますけれども、今回の利用料額の見直しに当たりましては、携帯電話に関しましては個々の無線局を単位として数える料額を減らしまして、全体に広域に専用する周波数帯、これはどのくらいの帯域を使っているかを基にしまして、そこでもう一つ料額というのを設けてございます。  したがいまして、単純に無線局が増えるから全体の収入が増えるというような考え方を今回の見直しにおきましても若干修正しているところでございますので、そういったことも含めまして、全体に無線局が増えれば電波利用料財源がいたずらに拡大していくということにはならないだろうと思っております。
  41. 内藤正光

    ○内藤正光君 確かに五百四十円が四百二十円に減額されたとは言うものの、結局数字を、見掛け上の数字を変えただけで、総額としては余り変わっていないんですよね。だから、これについはまた後から議論をしたいと思いますが。  では、以下、この電波利用料制度の問題点について議論をさせていただきたいんですが、これもまたさきの本会議で指摘されたように、この制度をつくり上げ、創設されたのは平成五年、あれから十二年たっている。当時の目的は、やはり何といっても電波の安定的な利用環境の確保だった。ところが、この十数年間、電波の逼迫度合いがどんどんどんどん悪化していって、やはりその行政の主眼は有効利用の促進というものになった。もう根本的に変わったわけです。安定的な利用環境の確保から効率的利用の促進というふうに根本的に変わった。にもかかわらず、制度の発想、仕組みが十数年前のままであるところ、そこに根本的な問題が潜んでいるんですね。  そこで、ちょっとさかのぼってお尋ねしたいんですが、平成五年に創設されたわけなんですが、その前に、電波政策懇談会の報告でいろいろな問題が指摘されました。ちょっと読み上げます。これ本当に昨日の夜見付けたんで、事前に言ってないんですが、読み上げますので結構です。  その中でどういう電波行政上の課題があるのかというと、有限な資源である周波数逼迫への対応、そして電波利用基盤の整備への対応、あるいはまた電波有効利用技術等の技術開発への対応、行政事務の増大への対応、電波利用環境悪化への対応、国際化への対応等々、いろいろ電波行政上の課題はあると指摘をされた。七つか八つぐらい指摘をされた。  ところが、最終的に法律で定められた使途はその中の二つだけなんです。具体的に申し上げますと、行政事務の増大への対応、それに対する具体的な施策は無線局データベースの整備、そしてもう一つ電波利用環境悪化への対応、これの具体的な施策としては電波監視施設の整備ということになります。  いろいろ電波行政上の課題が指摘されながらも、この二つに当初限定をした理由というのは何かございますでしょうか。
  42. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 何かございますでしょうかというのは、ただいま委員が読んでいただきましたそうした理由から、平成五年四月に電波利用料制度を初めて導入するに当たりましては、電波監視それから総合無線局管理ファイルの作成、管理と、いわゆる総合無線局監理システムの整備・運用でございますけれども、これと、その他としまして無線局全体の受益を直接の目的として行う事務ということで規定したものでございますが、これはその当時におきまして、このような形で電波共益費用として見るべきものはこれだけが当時あったと考えているわけでございます。  しかしながら、それ以降、具体的にこの電波世界というのも技術の変化に伴いまして様々に環境等も変化してきておりますので、したがいまして、それ以降、そうした電波を取り巻く環境の変化を踏まえまして、これは電波共益費用として見るのは適切だと思われるような、例えば平成八年六月に技術試験事務を追加いたしました。また、平成十一年五月には電波遮へい対策事務を追加し、平成十七年七月にはいわゆるアナ・アナ変換のための特定周波数変更対策業務を追加し、そして昨年ですね、特定周波数の終了対策業務ということで、具体的な電波の再配分のための給付金を支給できるような制度を設けているというものでございます。
  43. 内藤正光

    ○内藤正光君 局長は環境の変化があったとおっしゃいましたが、だから、環境の変化があったからこそこの十数年間にわたって使途を拡大し続けてきたわけですね。どのように環境の変化が進んできたというふうに認識されているのか、改めてお伺いをいたします。
  44. 須田和博

    政府参考人須田和博君) そうした環境の変化あるいは需要の変化、あるいはいろんな行政事務の新しいニーズとか、こういったものはなかなか一言で申し上げるのは難しいかとは思いますけれども電波利用料制度を導入して以降、ちょうどこの時期辺りから携帯電話というものが急速に伸び出してきまして、現在ではもうだれでもが携帯電話を使うと。一種のユニバーサルアクセスとしての手段になりつつあろうかと思いますけれども、そういうような電波利用が急速に普及しまして、だれでもが電波を使うというそういう環境になる中で、電波を取り巻く、例えば混信の問題ですとか、あるいは電波自体が非常に足りなくなってきているとか、といった様々な新しいこの行政ニーズというのが生じてきているのだと思っております。
  45. 内藤正光

    ○内藤正光君 ということは、一言で言えば、環境というのはすなわち電波を取り巻くこの逼迫状況が悪化の一途をたどってきているということに尽きるだろうと思います。そういうのは私もまた総務省も共有認識として持っているわけなんですが、そこで、その上でちょっとお尋ねしたいんですが、これは先ほどの繰り返しになります。  この制度の創設当時の目的は、電波の安定的利用の確保ということで、手段として実際には無線局データベースを整備されたり、あるいはまた不法の無線局を見付け出そうと努力をされたり、そういう施策を打ってこられたんだろうと思います。これらの施策というのは、どれも皆共通に、全免許人共通の利益なわけですね。だから、行政経費を頭割り、均等割するという、共益費用として均等割をする、これは極めて合理性のあることだと思います。ところが、この間、電波の逼迫状況がどんどんどんどん悪化をしてしまった、ですね。先ほどの繰り返しになりますが、十数年前と比べて、もう環境も変わったし、また電波行政の主眼も大きく変わってきたわけなんです。  で、そこで一つ一つ確認をさしていただきたいんですが、当然今回の法改正というのはさきの電波有効利用政策研究会の最終報告を受けての改正になろうかと思いますが、そこでこういう報告があるんですね。手数料的な性格と使用料的な性格を併せ持つものとして調和統合を図ることが適当であるというふうにうたい上げている。そして、使用料的なものには電波の経済価値を勘案した算定方法を算入することが適当とうたい上げている。しかし、今回の改正案の中身をよく見てみますと、総務省さんは、電波経済的価値を勘案したとはおっしゃるんですが、正確には、ちょっと一見しただけだとなかなか分からないんですが、電波経済的価値に係る諸要素を勘案した、ちょっとここが大きくというか、言葉の上で違うし、微妙にニュアンスも変わってくるんだろうと思います。というふうになると。  一言で言えば、今回の改正案というのは、徹頭徹尾管理費用という枠の中での改正なんですよね。手直しなんですよね。その最終報告がうたい上げているように、手数料、今までの手数料的な性格のものばかりじゃなくて、もう一方で使用料的なものを持ってきて、そしてそれらを合わせるようにして調和を図れと言っているんです。ところが、今回の法案の中身は、あくまで総務省の行政手数料という枠の中で微修正をしただけなんです、ですよね。  そこで、ちょっとお尋ねしたいんですが、この報告書の指摘と法案の中身、私からすればかなり乖離があるように思うんですが、その乖離をどのように説明なさいますでしょうか。
  46. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 今回の見直しにおきまして経済的価値を勘案するということを入れておりますので、従来と比べますとこの料額の算定の考え方というのは確かに先生御指摘のように変わってきております。  しかしながら、電波利用料そのものにつきましては、私ども発足の当初から、あくまで無線局全体の受益を目的とする行政事務の費用を賄うために徴収する広義の手数料ということで位置付けてきているところでございまして、今回このような形で料額算定に当たりまして経済的価値を勘案するとしても、この電波利用料の広義の手数料としての性格は変わっていないというふうに考えているものでございます。
  47. 内藤正光

    ○内藤正光君 つまり、あくまで手数料という発想は堅持すると。ところが、今回の法律の目的は電波利用有効利用の促進なんですよね。十数年前と、何度も繰り返しになるんですが、大きく環境も変わっているし目的も変わっているんですよ、ですよね。  ということは、逼迫状況にある中、どういうことが起こるか。やっぱり電波利用をめぐって多数の参加者がその利用を主張し合うわけですよ。ぶつかり合いになるわけですよ。そういった中、どうやって、どうしてこの手数料という枠組みの中でそういった利害関係が調整できるのか、私には分からないんですが、もし今回の改正でもって十分有効利用の促進が図れるとおっしゃるのであれば、そこをちょっと説明していただけますか。
  48. 須田和博

    政府参考人須田和博君) このような形で経済的価値を勘案いたしますので、それによりまして従来よりもずっと料額が高くなる無線局というのは当然出てまいりますし、また従来と比べると安くなるという無線局も当然出てまいります。  しかしながら、このようにすることが結果的には電波有効利用に役立つということもあり、昨年の当委員会におきましても、電波経済的価値を勘案すべきということで附帯決議をいただいているものと私ども理解しております。  そういう中で、こうした料額が上がる方もいれば下がる方もいるわけですけれども、そうした方たちに十分な理解と納得を得なければいけませんものですから、我々といたしましては、二年間にかけまして、こうした関係者に御参加いただきまして、こうした料額の見直しをせざるを得ないという趣旨も十分御説明し、また、その見直しが十分合理的で納得いただけるものになるよう、二年間にかけて議論して今回のような案を作成したものでございます。
  49. 内藤正光

    ○内藤正光君 やはり、行政手数料という枠組みで説明するのはやはり無理があるんですよね。で、おっしゃるように、今回の共益費用、行政手数料高くなった、だから有効利用を促進するんだ、そういう機能がしっかりあるんだ、備わったんだということをおっしゃるわけなんですが、となると、逆に考えますと、この行政手数料が単に共益費用としての域を超えて高くなり過ぎちゃっているんじゃないんですか、逆に言うと。  ということは、行政手数料ってそういうものじゃないですよね。じゃ、それを超える高くなり過ぎた分というのは、すべての免許人が納得できるような形でもっと透明性を高め、合理性を高める、しっかりと経済的価値を勘案したものにしていかないと私は納得得られないと思いますよ。いつまでも行政手数料という枠の中で見直しを続けていったんじゃ何にも変わらない。そう思いませんか。
  50. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 具体的に、今回このような形で料額をいろいろ見直しているわけでございますけれども、当然、従来より相当高くなる無線局もございます。では、そういうふうな方たちが今後どのような行動を取るかといいますと、やはりこれは研究会の中での議論でございますけれども、そのような形で料額が高くなるのであれば、どうしても周波数利用自体をもっと効率的にせざるを得ないと、帯域を、利用帯域を減らしていくとか、そういうことを考えていかなければいけないという意見も出されております。  したがいまして、まずこのような形で、見直しで十分有効利用ということは果たせると思いますし、また、今回の電波利用料というものをそのような形で見直すべきだというようなことを正にこの委員会でいただいたものですから、電波利用料のこういうふうな枠組みの中でこのような見直しを行っているものでございます。  なお、使用料という概念でございますけれども、使用料というのは、通常、公物のような物に対する使用という概念が通常でございますけれども電波をそのような形で物に対する使用ということで直ちにとらえられるのかというのがそもそも電波利用料発足のときからの議論でございますので、そういったことも含めまして、この性格は引き続き広義の手数料ということで位置付けているものでございます。
  51. 内藤正光

    ○内藤正光君 じゃ、この行政手数料、すべての方々が、免許人が納得していただくものでなければならない。では、果たして本当そうなっているのかというのを一つ二つの具体例を挙げて質問させていただきたいと思いますが。  今回、総務省周波数だとか地域だとか、そういったものを勘案して料額を決めた。そしてあと、共有的な、共益費用的なもの、決めた。a群、b群と分けてあるわけです。で、a群の徴収額は二百億円だったと思いますね。そして、その二百億円のまず最初の第一歩、割り振りの仕方なんですが、ですね、やっぱりこの逼迫帯というのはゼロから六ギガヘルツ帯ですね。そして、まずこの二百億円をどうやって割り振るかなんですが、そのゼロから三ギガ、三ギガから六ギガというふうにちょうど二等分して割り振るんですが、ですね、この割り振り方がどうも私、理解できないんですね。  どうしてか。こういうふうに書いてあるんですね。ゼロから三ギガヘルツ帯の中間値は一・五ギガ、三から六ギガヘルツ帯の中間値は四・五ギガ。一・五と四・五、この逆数比例が三対一になるから、ゼロから三ギガヘルツ帯にはまず百五十億円を徴収する、そして三から六ギガヘルツ帯利用者からは五十億円を徴収するというふうに言っているんです。  ちなみに、私は、理学部の物理学科、それも素粒子物理を専攻してきたんですが、大学院等でも、私、ちょっとこれ理解できないんです。その周波数の逆数比例が何を意味するのか。ちょっと、納得できるようにちょっと説明していただけますでしょうか。
  52. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 周波数帯につきましては、その逼迫状況の観点から、利用実態を踏まえ、先生御指摘のように、六ギガヘルツ帯で逼迫帯域と非逼迫帯域に区分しているものでございます。  さらに、この六ギガヘルツ帯以下の逼迫帯域についても、周波数帯を、逼迫状況の観点から、周波数の特性、現在及び今後の利用動向などを勘案して三ギガヘルツで二つに区分しているものでございます。この場合、UHF帯以下と低マイクロ波帯の経済的価値の比率の算定に当たりましては、それぞれの周波数帯の中心周波数に着目したところでございます。その上で、高い周波数ほど利用が難しくなり、経済的価値が低くなることを勘案して経済的価値の比率を三対一としたものでございます。
  53. 内藤正光

    ○内藤正光君 つまり、たまたまここに使いやすい数字があったから使っただけということにしか聞こえないんですが、その周波数の逆数を取って、その比率が三対一だから二百億円の徴収の仕方を三対一に分ける、つまりゼロから三ギガヘルツ帯利用者から百五十億、三ギガから六ギガヘルツ帯利用者からは五十億を徴収するというのは、ちょっと私は、極めて論理性を欠いた、もう初めから数字ありきの、何というんですかね、決め方に思えてならないんですが、これ論理性があるんでしょうか。ちょっとそこを、そこだけなんです、私が聞いているのは。
  54. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 繰り返しになりますけれども、このような高い周波数帯ほど経済的価値が低くなっていくだろうということから、この比率を周波数の、中心周波数の比を用いまして三対一としたところでございます。  これはあくまで一つ考え方だと思いますし、またいろんな考え方があるかもしれませんけれども、いずれにしても、このような何らかの形でたくさんの種類のある無線局の方々に負担していただくと、これを皆様の意見を踏まえながら整理してきた結果、このような形が最も好ましいだろうということで判断しているものでございます。これが絶対的な価値として正しいのかどうかと言われると、その点は私もちょっとお答えしにくいわけですけれども、十分合理的な妥当性はあるものだろうと思っております。
  55. 内藤正光

    ○内藤正光君 もっともらしい計算式を出しているんですが、これを、たとえゼロから六を二ギガヘルツ帯で分けても同じ結果が起こるんですよね。むしろ、利用しやすさからするとゼロから二ギガヘルツ帯だと思うんですが、そこの中間値は一、二から六ギガヘルツ帯の中間値は三、一と三が中間値、その逆数を取ったら三対一になるんですね、ですね。何か私はここに、全くそこの合理性というか論理性を見付けることはできないんです。つまり、こんな決め方じゃ、絶対免許人の理解を得られないということを私は申し上げたいんです。  そして、もう一つちょっと質問したいんですが、今回、ちょっと携帯電話を例に取ると分かりやすいので、それを示しながら質問したいと思うんですが、今回、この固定分を五百四十円から四百二十円に下げたとおっしゃいます。そして、この四百二十円掛けるおよそ大体一億ですか、一億の免許人、の数だけ集まるとは思うんですが、その使途としてどういうものがあるかというと、電波監視であったりアナログ周波数対策ということが挙げられるというふうに聞いております。  そこで、特に電波監視についてお伺いしたいんです、電波監視。電波監視というのは、違法な電波を使っている人はいないかということを監視する、ゼロから六ギガがその対象であるならば、ゼロから六ギガ、絶えずこうやって監視をする、そういう業務だとは思いますが、ところが携帯電話が使っている電波というのは二百六十六メガヘルツなんですね。ゼロから六ギガヘルツ帯のおよそ五%に満たない。利用者が増えようが減ろうが、この二百六十六メガヘルツって変わらないんです。つまり、不法電波の監視をするというのは、利用者が幾ら増えようが二百六十六メガヘルツ帯のみなんです、ですね。  ところが、この分の電波料収入は、利用者が増加していくと収入がどんどんどんどん上がっちゃうんですよ。受けている便益は全く変わらないのに、何で利用者の増加に伴ってこの部分の収入がどんどんどんどん一方的に上がっていくのか。これも私は矛盾の一つではないかと思いますが、いかがお考えになりますでしょう。
  56. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 例えば、電波監視事務につきまして、それが個々の無線局の負担額と電波監視事務そのものとが直ちに比例するというようなことを考えているわけではございませんで、電波監視事務につきましては、基本的には無線局に応じた形で負担していただくということにしているものでございます。
  57. 内藤正光

    ○内藤正光君 でも、この制度の導入当初の目的はやはりこの負担と受益の公平性を守ると、そしてこの十数年後の今日もなおそれは守らなきゃいけないというふうに一応おっしゃっているわけでして、私はこのゆがみというのはもう早期に是正していかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。  ただ、ちょっと時間もあと残りは十分となってしまいましたので、もう一つの問題点、指摘をさしていただきたいというふうに思います。  使途の拡大、今回幾つかありましたね。一つ携帯電話の不感対策業務に何十億か新たに掛けようと、三十億だったでしょうか、という内容が盛り込まれております。  そこで、ちょっと私、昨日の夜、面白い資料をちょっと見付けたんですね。例えば、電波遮へい対策事業というのはどこから出ているか、お金が。電波遮へい対策ですね。これ、電波利用料から支出されているんです。一方、移動通信用鉄塔整備事業、つまり過疎地に電波が届かないからということでこれを建てる。これはどこから出ているか。電波利用料じゃないですね。一般会計で手当てされているんです。これをやっぱり指摘した人が過去にいるんです。そうしたら、どういうふうに答えているのか。  平成十一年のこの参議院の交通・情報通信委員会質問した人がいるんですが、こういうふうに答えているんです。電波遮へい対策は、サービスを供給する供給者のサービスの確保という観点から行われている、だから電波利用料から出してもいい。一方、移動通信鉄塔整備事業というのはこういうふうに言っているんです。過疎地の人々が利用できないという地域間格差の是正を目的として行われ、無線局免許人の利益を目的とするものとは言えない、だから電波利用料収入を充てるのはふさわしくないというふうにおっしゃっているんです。これは、一部分の過疎地対策だから一般会計で手当てするもんだとおっしゃっているわけです。  ところが、今回の携帯電話の不感対策業務って一体何ですか。過疎地対策ですよ、電波が届かない、ですね。それを今回、電波利用料から手当てしようとするわけなんですが、答弁、矛盾しませんか。
  58. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 今回、携帯電話等に関します不感対策業務を電波利用料の対象として考えておりますのは、このような地域におきまして、携帯電話が通じないところにすべて携帯電話を通じさせようとしますと、一つ考え方としましては、大出力の無線局を設けまして、そこで非常に強い出力で一定の周波数を確保して行うということが考えられます。しかし、これは非常に周波数効率的には無駄がございます。  したがいまして、通常の携帯電話のような形で比較的小出力の形で電波を発射することが周波数の効率的なことは好ましいわけでございますけれども、そうなりますと、当該不感地域までどのようにその情報を伝播するかということが非常に大きな問題になりますし、通常この伝送路回線部分というのはかなり負担が大きく、負担といいますか、コストが大きく掛かることになります。  そういった観点から、今回このような形で、この伝送路部分につきまして支援することによりまして、全体として効率的な使用、効率的な電波の使用を前提とした上で、不感対策といいますか、どなたでも携帯電話利用できるような環境ができるだろうと考えているものでございます。  さらに、この携帯電話、そうした例えば過疎地等におきまして、あるいは現在携帯電話が使うことのできない地域におきましてこのような形で携帯電話利用できるということになりますと、例えば東京に住んでいる方が夏休みに両親のいる実家に帰りますと、そこは元々携帯電話は使えなかったのが、このような形でやる、設けることによりまして、東京にいる方も帰省したときにはそこで使えるようになるとか。逆に、今まで使えなかったところで使えるようになることによって携帯電話を購入しましたと、じゃ、その方は東京へ出てきたときに、また東京でもいろいろ携帯電話を使いながらできるとか。  そういった意味で、やっぱり携帯電話はどこでも使えるということが基本でございますので、そういった意味でこのような形で不感対策をすること自体がその無線局全体の、無線局人の方の全体の受益につながるであろうと、こういうふうな考え方から今回このような不感対策業務を入れさせていただいているものでございます。
  59. 内藤正光

    ○内藤正光君 私は何も、その不感対策、お金使っちゃいけないと言っているわけじゃないんです。附帯決議にも、創設時の附帯決議にもこう書いてあるんですよ。電波行政経費の負担を免許者・利用者に安易に転嫁することなく、一般財源による十分な電波行政予算の確保に一層努力することと。だから、一般財源で確保するのは何なのか、電波利用料から支出するのは何なのか、しっかりと明確に区分を付けなさい、安易にお金が膨らむから、電波利用料収入が膨らむからそこから使っちゃえということをやめましょうということを附帯決議でも言われているわけです。  そして、実際にこの委員会質疑で明確に総務省からそういう答弁が出ているわけです。不感対策には電波利用料は使うのはふさわしくない、一般財源から行うべきだとおっしゃっているわけです。私は、その答弁と今回の法案のずれとを問題にしているだけなんです。  いかがですか、ちょっと短めにお願いします。
  60. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 申し訳ありません。その議事録というのが、私、今手元にありませんけれども、多分そのときのお答えは、伝送路設備に対する助成ということではなく、一般的に鉄塔を整備すると、そういう事業を前提として申し上げたのではないかと思います。
  61. 内藤正光

    ○内藤正光君 伝送路だろうが何だろうが、結局は不感対策ですよ、今回のは。答弁では、不感対策にはやっぱり一般会計で対処すべきだとおっしゃっているんです。私は、そこのちょっとずれを指摘しているんです。
  62. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 繰り返しになりますけれども、今回、この携帯電話不感対策地域電波利用料財源の対象とすることにした一つ理由といいますのは、正にこの伝送路設備、つまり有線で使うような伝送路を整備することを支援することによりまして、その無線局の効率的な使用ができるだろうと。それは、同時に、世の中でこういうふうな地域、正にデジタルディバイド的なものとしてもう少し行政として対応すべきだというような世の中からの要望に対してこたえたいというものと、この点を背景としまして、また伝送路設備に対する支援ということに着目しまして、この電波利用料財源を使うこととしているものでございます。
  63. 内藤正光

    ○内藤正光君 もう時間がなくなってしまいましたが、ちょっと最後に総務大臣にお考えをお尋ねしたいんですが、方向性だけでも結構です。  今回の法案と過去の答弁とのずれはそれだけじゃないんです。研究開発、今回新たな使途に加わっているんですが、これも実は創設時に否定されているんです。研究開発というのはやはり一般財源で見ていきましょうと言っているんです。それを、そういった答弁を全く、大臣の答弁ですよ、全くそごにして今回法改正を行ってしまった。数々の問題があるわけなんです。  最後に、まとめのちょっと質問をさせていただきたいんですが、これまでるる指摘をさせていただいたように、電波利用料制度には数々の問題なり矛盾があるわけなんです。電波行政の目的は大きく変わった。安定的利用環境の確保から、そして今や効率的利用の推進へと変わった。ところが、言ってしまえば、特定財源を手放したくない総務省はあくまで共益費用、行政手数料という枠の中で単なる手直しに終始しようとする。問題の根本はそこにあるわけなんですよね。  こんなことを続けていては、効率的利用の促進はもとより、免許人の負担と受益の公平性ですとか、電波利用料の収入のもう拡大だとか、あるいはまたそれと表裏一体の使途の拡大というのは何一つ解決されることはないと思います。  そこで、総務大臣にお尋ねしたいんですが、電波利用料制度、もう今回ですべて解決できたんだとおっしゃるのか、あるいは、いやいやまだ単にここは一歩踏み出しただけで、まだ更なる改革に向けて頑張っていくんだというお気持ちなのか、その方向性、決意だけでもお聞かせいただけますか。
  64. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 電波というのはどんどん進歩するんだと思っていますよ、基本的には。始まったときに比べましたら、全くもう目的も技術も進歩しましたので、すごく変わったんだと思うんですね。そういった意味では、今後とも電波有効利用ということを積極的に考えていかにゃいかぬという立場にありますので、電波利用の在り方については今後とも研究を進めていく必要があろうと存じます。
  65. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 民主党の藤本でございます。  冒頭、麻生大臣に一言おわびを申し上げないといけないんですが、先週のNHKの木曜日の審議の際に、もう少しですから御辛抱くださいというふうに申し上げたんですが、また登場してしまいまして、あのときの話がうそになってしまいましたけれども、まあ是非とも、今日また質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。  今日、日本放送協会の中川理事にもお越しをいただきました。先週の木曜日、NHKの審議をさしていただいたわけなんですが、そのときに質問ができなかったから今日おいでいただいたということではなくて、本日の議題の電波法関係で少しお聞きしたいことがございまして、まず来ていただいたということでございます。どうもありがとうございます。  木曜日のNHKの審議をやりましてつくづく感じたことなんですけれども、NHKの再生、NHKは新生というふうに言っていらっしゃいますが、その一つの手段としては、ああいう形でNHKに関する審議内容がやはりテレビを通じてノーカットで、あのときは録画だったんですけれども、映し出されるということは非常に意味があることなのかなというふうには実は私は思っておりました。  あのときは録画で、夜中ですので、十一時五十分スタートで、私の場合一時半ぐらいだったものですからね、サッカーとかF1じゃあるまいし余り見る方もいらっしゃらないんじゃないかなというふうには思っていたんですが、その中でもやはり見てくださった方が結構いました。その方々からちょっといろいろ話を聞いたんですけれども、せっかくだから、こういうのはやっぱりあんな夜中のほとんど人が見ないであろう時間帯じゃなくて、もっといい時間帯に放映した方が、むしろNHKが今こういう大きな問題がある中でもっとみんなにアピールできるんじゃないかというようなお話があったんですけれども電波割当てに関しましては、テレビで五つ、ラジオで三つの波、波というか波を持っていらっしゃるわけなんですが、保有していらっしゃるんですが、それに関してはやはりもっと新規参入を図れるんじゃないかとか、あるいは民業圧迫になるんじゃないかというようないろんな御意見というのがあるんじゃないかなというふうに思います。  その中で、総合テレビ、一チャンネルですね、いわゆる、ではなくても、ああいうような場合、教育テレビあるいは衛星第一とかを使いながらもう少し時間帯を、放映する時間帯を考えられるんじゃないかなというふうに思うんですが、信頼を回復する上でああいうテレビというのを、テレビを使うというのはおかしいですけれども、NHKさんですから、それをもっといい時間帯で、みんなが見れるような時間帯でアピールしていくというような考え方もできるのかなというふうに思うんですが、ちょっとその五つのテレビの波を持っていらっしゃるということも含めまして、その辺りについての今後の考え方というのをお聞きしたいと思うんですが、これに関しては番組編成の問題ですので、余り突っ込んで聞きませんので、一応お考えだけ冒頭でお聞かせいただきたいと思います。お願いします。
  66. 中川潤一

    参考人中川潤一君) お答えいたします。  先週、この参議院の総務委員会でNHKの決算を御審議いただきまして、私どもとしても、非常に昨年来、NHKのことが話題になっておりまして、特に今後の公共放送の在り方に関する御審議ということで、非常に視聴者国民の方々の御関心も高いだろうということで、まず、このことをノーカットで放送したいというふうにまず考えました。  審議時間は三時間を超えるということでございまして、参議院の場合はどうしてもお昼のニュースに一部掛かってしまうということで、そうしますと、お昼のニュースのところは放送できないと。これも、今総合放送のことを申し上げていますが、できないということで、それからまた、衆議院は翌日ございましたけれども、今度衆議院の方も実は本会議の終了時刻がまだ決まっておりませんで、その段階では、それで総務委員会の開始時間がまだ未定ということで、これも少し時間的な問題があるということで、いずれにしましても、参議院、衆議院とも当日の夜の十一時五十分からノーカットで終わりまで放送しました。総合テレビとラジオ第一放送でいたしました。  これ、総合放送とラジオ第一放送というのは、御承知のように極めて基幹的な放送サービスの波でございますので、やはりNHKは、国政の場というのは非常に重要な場でございまして、国民の皆様にも、何といいますか、知る権利にこたえるということでも重要なので、できるだけ総合放送でするという、こういう原則を立てておりますので、そういうことで、一応五波はございますけれども、衛星放送などはまだごらんになっていない方も相当数いらっしゃいますので、やはり地上波の総合放送でするという基本に基づいてさせていただいたと、こういうことでございます。
  67. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 まあ大体基本的な考え方は分かりましたが、あれ大体どのぐらいの視聴率なんでしょうか。もし分かれば教えてください。
  68. 中川潤一

    参考人中川潤一君) 申し上げます。  参議院の方が、関東と関西に分かれておりますが、二十日の日は関東が〇・八%、関西が一・三%でございます。それから、翌日の衆議院でございますが、これは関東が一・七%、関西が一・六%、これは金曜日の深夜は大体視聴率が木曜日までより上がりますので、そういったことかなというふうに思っております。
  69. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 分かりました。この問題についてちょっとずっとやるわけにいきませんので、次の質問に行きたいと思いますが、本題に入りまして、外資規制の問題についてお聞きしたいと思います。  総務省から我々民主党に対しまして、外資規制の法案の説明をいただいたときに、そのきっかけ、この外資規制導入のきっかけというのが、やはりライブドア騒動を経験した民放なりあるいは政党、与党から、外資による間接規制、間接出資に対して規制を掛けた方がいいんじゃないかというような申入れがあったという御説明があったんですけれども、上場によって資金調達を容易にするというメリットを受けつつ、外資からの支配は受けたくないというので政府規制をお願いするというような考え方なのかなというふうには思うんですが、本来権力を監視するはずの言論報道機関が政権与党、あるいは総務省政府とある意味非常に密接な関係といいますか、癒着するといいますか、そういう関係があるからなのかなというような思いがあるんですけれどもね。  まず、この経緯として、民放からあるいは自民党さんの方から、いつ何回ぐらいどういうような形でこの間接規制についての申入れがあったのかということをお聞きしたいと思います。
  70. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この法案については、自由民主党から二月の二十三日、放送に対する外資規制について所要の間接出資規制制度を設ける法案を速やかに国会に提出するよう最大限努力することとの申入れがありました。
  71. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 これは、民放さんの方からはあったんでしょうか。民放連といいますか、いろんな、あるいは各民間放送
  72. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 本法律については、こういう外資規制について法律を出すときに民放の御意見を伺いますが、申入れという形で、こういう法案を作るべしという申入れがあったのは自由民主党からでございます。
  73. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 私どもの党へのちょっと最初の説明のときには、民放さんの方からいろんな意見があったので、それを踏まえましてこの外資規制を検討したというような話があったんですが、その説明ではないんですね。ちょっと、どちらが正しいのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
  74. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 申入れ書というような形の正式の申入れというものがありましたのは自民党でございます。
  75. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ということは、民放、民間放送局からは文書でということではなくて口頭でも、特にそういう、あの問題があったときに何とかしてほしいというような話はなかったというふうに解釈していいんですか。
  76. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 当時、ちょっとまだ政策統括官で放送を担当しておりませんでしたので、具体的な状況についてはちょっと私の経験としては申し上げるわけにいきませんが、口頭ではそういうようなお話も担当の部局とはあったやに聞いております。
  77. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ただ、今回の法案を作成、策定するに当たっては、自民党の方から申入れがあったものを受けて作ったものを、民放連なり民間放送事業者にこんな感じでどうかというようなやり取りというのはやっていらっしゃるということでいいでしょうか。
  78. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 少し長くなりますけれども、今回の外資規制につきましては、これは昭和二十五年の放送法のときからありまして、そのときからいろいろとその外資の問題については絶えず見直しをやってきたという形で、例えば昭和三十三年のときですか、数字を三分の一未満から五分の一未満に変えるとか、あるいは外資に関する法律という法律があって、外資一般の規制をやっていたときがありましたから、そういうようなときには、外国性排除なくなっちゃったんで、じゃ放送法でそのときに改正をして名義書換を拒否する制度を作るとか、こういうふうに随時やってきているような状況でございました。  その中で、今回、確かに外国法人については従前とは違ういわゆるMSCBというような新しい資金調達方式で、言わば今までの直接支配の形でなくて、結果的に間接出資みたいな形でいろいろと及ぶケース考えられたり、あるいは急激な変化、こういうやり方は電波法制定時にはちょっと想定しておりませんでしたので、じゃどうかなということで当時不断に見ておったようなところでございます。  その中で、今回の間接出資規制の導入というかかる法案についても、やはり大臣の方からもきちっと泥縄式にならないように検討を行えという指示をいただいておりまして、その中で、二月のニッポン放送の買収事案のときですか、その時点でもマスメディアとかホームページを通じて寄せられた国民の声もそうですし、審議会ですとかあるいは経済界、放送事業者の意見も踏まえて本法案を作成したという、こういう経緯になっております。
  79. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 この外資規制の導入の情報通信政策局さんからの資料といいますか説明資料のときに、幾つかの理由が挙げられていまして、その中でアメリカ、フランス等諸外国においても間接出資規制を導入するという、導入していますというのがあるんですが、こういう状況が分かっていて、今までに何度か改定をしてきた、改正をしてきた中で、外国法人による間接出資規制について検討をなさったことはあったんでしょうか。
  80. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) そのころの資料すべてチェックしておるわけではございませんけれども、当時余り国内において具体的な間接規制の事例等みたいなケースは余り想定されておらなかったので、ここは済みません、確認してのお話では申し上げませんが、その時点では直接投資のところに基づいた放送法の改正については、その時点では申し上げておらなかったのではなかろうかと推測しております。
  81. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 その当時は推定、想定していなかったと言っておりますけれども、いろいろ海外からメディア王と言われている方々がいろんな形で日本のテレビ局放送局をターゲットにしてという事件、事件と言っちゃあれですけれども、そういう行動があったのは御存じだと思いますが、そういう段階でも、特にこの間接規制についてはそのときも余り検討はされていない、あるいは想定されなかったということなんでしょうか。
  82. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) ただいまマードック、テレビ朝日の関係のときのお話がございました。そのときには確かに両者で、外国のある方とそれから国内のある日本法人ですかね、両方で五〇パー、五〇パーで出して一つの日本法人をつくって、その日本法人がテレビ朝日の大株主であったところを買収するというような形で経緯があったように承知しております。  そのとき内部的には確かに、このやり方だと本来の外資規制議論についてやはり実効的にどうなんだろうという議論が内部でされたことは確かでございます。ただし、そうこうしておりますうちに、これたしか六月にあった後に十一月に株主間で紛糾が起きまして、三月の時点で朝日新聞が買収をする形になって、四月一日に買取りを終了しておりまして、言わばそのときでそこで決着が付いておりましたので、内部的には議論はいたしましたが、法案提出というところには至らなかったというふうに承知しております。
  83. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 そういう、何かがそういう問題が起きて初めてということなんだろうと思いますけれども、多少そういう想定がされることについては前もってやっぱりやっていかないとならないのかなというふうには思ってはおります。  その説明資料の中で理由を四点ほど挙げていらっしゃるんですね。皆さんも御承知のとおりだと思いますが、簡単に読み上げますと、まず一点目として、この放送局、この地上放送は、国民的財産である公共の電波を使用するものであり、その有限希少性が強いと。二点目としましては、政治、文化、社会等に大きな影響力を有する言論報道機関として重要な役割を担うと。地上放送は、災害情報等を始めとする国民生活に不可欠な情報を提供すると。四番目に、アメリカ、フランス等諸外国においても間接出資規制を導入しているという説明がありましたけれども、一応、この今回の導入の理由というのは、この四点でもうすべて説明が終わっているということで理解してよろしいんでしょうか。何か付け加えることがあれば御説明いただきたいと思いますが、お願いします。
  84. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 基本的にこの四点がポイントだと承知しております。
  85. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 まず、その一点目の国民的財産である公共の電波を使用するものであり、その有限希少性が強いということについてちょっとお聞きしたいと思うんですが、これは、ある意味そのとおりだなというふうに思うところなんですが、であれば、先ほど冒頭で申し上げましたNHK、日本放送協会さんにはテレビでいえば五つ、五波が割り当てられているわけなんですが、NHKは元々、全国あまねくいろんな情報が行き渡るようにしましょうと、その補完的な機能としてある意味衛星第一放送がありますよという理解をしておったんですけれども、総合放送は全国今どのぐらいまでカバー率、カバーをされていて、衛星第一なんかと合わせるともうほとんど全国あまねく情報が行き渡るような状態だというふうには思うんですが、いかがなんでしょうか、NHK。中川理事、お願いします。
  86. 中川潤一

    参考人中川潤一君) お答え申し上げます。  総合テレビ、いわゆる教育テレビもそうでございますが、地上波につきましては大体私ども電波でカバーしているのは九七・五%だというふうに思っております。  しかしながら、その二・五%でございますが、これは電波ではなかなかカバーし切れないところがいわゆるケーブルテレビで、NHK共聴というのも含めましてカバーしておりまして、あと若干残りが、これは平成二年度から三年度にかけまして当時の郵政省がおやりになりました調査、実態調査で、全国七万世帯が不満足な画質で受信していると、こういう結果が出ておりますので、その辺のカバーだと思いますが、衛星放送につきましてはこれはもう全国すべて衛星一、二ともカバーしています。
  87. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 その電波というのが有限であり希少性が高いということであるんですが、よく議論がありますが、NHK五波保有していて、もっともっと新規参入の方に回せないかというような議論があろうかと思うんですけれども、そういう意味では、民業を圧迫している部分というのがあるんじゃないかという議論はあるんだろうと思います。  それについて麻生大臣、どういう御見解がありますでしょうか。民業圧迫になっているんじゃないかという、五波を持っていて、NHKは五つの波を持っていて、むしろ新規参入を妨げる状況になっているんじゃないかと、それに対して民業圧迫になるんじゃないかというような意見はあるんだろうと思いますけれども、それに対しての御意見をいただければと思います。
  88. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) NHKというのは基本的に放送法に基づいて幾つかの、何て言うの、義務を負わされているところがありますでしょう。とにかくあまねく全国にやらにゃいかぬとか、郵便の話と似たような、ユニバーサルサービスという意味においては同じようなものなんだと思いますけれども。とにかく広告料によらないわけですから、内容等々についてはいいものを放送しなくちゃいかぬとか、海外の放送技術、これはどう考えても、日本の場合の放送技術というのは圧倒的に優れておりますから、それで情報発信を海外にやっていかにゃいかぬというようなことをいろいろ負わされておる、特別な使命というようなことを負わされているんだと思いますんで、そういった意味において各種のメディアを、短波を含めていろいろ、短波放送を含めていろいろメディアを保有しているところなんだと思いますけれども。  そういった社会的使命というのは今後とも私は非常に重要なものだと思っておりますんで、公共放送として私はこういったものは大事なものだと思っているんですが、一般的な、一般論でいえば、これは、将来にわたってこれは永久に固定されているものだというわけではないと思っておりますんで、いろんな意味で環境の変化とか視聴者ニーズというのも変わってくるかもしれませんから、そういった意味においては見直しは行っていくことは必要だろうとは思っております。
  89. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 なかなか言いにくいと思いますが、中川理事についてはどう思われますでしょうか。衛星第一と総合テレビ、総合放送で、ほとんどもう全国あまねく情報が行き渡っている中で衛星第二というものがあったり、ちょっとエンターテインメントをかなりやっているんじゃないかと、そう民間と余り変わらないことをやっているんじゃないかというような話もあるんだろうと思いますけれども、その中で民業圧迫ということに対しては理事はどのようにお考えになっていますでしょうか。
  90. 中川潤一

    参考人中川潤一君) まず、地上波の総合テレビは文字どおり総合放送でございまして、これは様々なジャンルのものをバランス良くやるという、そういう決まりになっております。それから、教育テレビは教育放送、ある種の専門放送でございますが、そういうものをやると。それから、今お尋ねのものは衛星放送かと思いますが、衛星一は衛星系による放送の普及に資するためその特性を生かして行う総合放送ということになっておりますし、それから衛星二は難視聴を目的とする放送ということで、先ほど申し上げました特に七万世帯余も含めて全部カバーしてやるということで、衛星二につきましては、地上波の総合テレビ、教育テレビ、この番組の中から特に選びまして、その編成全体でいえば六〇%ぐらいを衛星第二テレビで、第二放送放送し、再放送していると。再放送といいますか、もう同じものを放送していると。こういう形を取っておりますので、それぞれの波の役割は果たしているのかなというふうに私ども考えております。  ですから、特段このことによって民放さんの、何か波を持つことによって大きな競合関係が起こっているということではなくて、むしろ戦後の二元体制の中でやはりそれぞれの役割を果たしながら番組の内容と質において競争的な関係にあるというふうに理解しております。
  91. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 民放さんの方からは、結構その辺の民業圧迫になっているんじゃないかというような意見はあるんだろうなというふうには私は承知をしておるんですけれども、それぞれの特色を出しているんだということなんだろうと思います。これは、先ほど麻生大臣がおっしゃったように、今後はこういうことも総合的に見直されていくんだろうというふうに思いますが。  先ほどの外資規制のところの三番目に、災害情報等を始めとする国民生活に不可欠な情報を提供するということ、このためにやはり外資規制をしなきゃいけないんだというような話があるんですが、正にその災害情報とか緊急的な情報というのがNHKが占める大きな役割なんだろうなと思っています。  この間の木曜日のNHKの審議に際しても、しきりにこの災害情報とか、こういう非常に重要な情報を迅速かつ正確に送ることがNHKの役割だということを強調されていたかと思いますし、先週の木曜日の審議ですか、その前の日の水曜日、茨城県沖で地震があって、八時四十四分ですか、あったときに、私もまだ国会、議員会館の中で次の質問考えていたんですけれどもね、そのとき、一番最初、真っ先にやったのは、やっぱりNHKつけるんですよ。NHKでどうなっているのかなといってつけるんで、そこのところはやはりかなり信頼性の高い部分なのかなというふうには思うんですけれども。  この件については、当然といえば当然なんですが、緊急災害情報こそが、これこそがNHKが全国へ迅速に正確な情報を伝えるべき情報だというふうに私は思っておりますが、この辺について、今まではきちっとその辺実績があって、これからも間違いないんだということを、NHKさん、中川理事、自信を持って説明、宣言できますでしょうか。
  92. 中川潤一

    参考人中川潤一君) これまでもやってきたつもりでおりますし、これからも公共放送の使命を果たしていきたいというふうに思います。
  93. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 このように、NHK、日本放送協会さんは、この全国あまねく情報を、こういう災害情報というか、かなり信頼性が高い状況で送られているんだろうと思いますが、であれば、むしろこの間接出資規制のところで、外資規制のところで民放、地上放送にはその理由を付けていますけれども、災害情報等を始めとする国民生活に不可欠な情報を提供するというのと外資規制理由というのが、どうしてその辺が関係あるのかなと。むしろ、NHKでそれだけ信頼性が高いものを全国あまねく、いろんなもう様々な地域に送ることができるという状況の中で、また国民の大半が恐らくそういう地震があったりするとまずNHKをつけるという状況の中で、ここのところの理由で、外資規制のところの理由でこの三番目の理由を持ってくる理由が余りないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、それについては麻生大臣、どうお考えなさるんでしょうかね。  外資系、外資が入ると、民放、民間放送局、外資が入った放送局は間違った情報を流すということではないんだろうと思いますけれども、そういう危険性が生まれるんじゃないかという懸念があって言われているのか、ちょっとその辺の意味が私よく分からないものですから、御説明いただきたいと思います。
  94. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 説明資料のところを若干補足をさせていただきますと、先生御指摘のように災害情報とその外国性資本のお話しの点がございますが、やはりその放送自身が言論報道機関を含めて大きな社会的影響力を持つものという形になっております。  そういう意味で、外資規制を普通の無線局よりも厳しくやっているところでございまして、今御指摘のように、もし外資になったら本当に災害情報をやるのかやらないのかという点について見ると、これは実際やってみないと分からないところもありますが、やはりその国内資本による法人であった場合の方がより国内的なものに関心が深いのであろうかという点は推測されるところではなかろうかと思います。
  95. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には、藤本先生、この放送関係についてはほかの国も大体二〇%という国も大体なっておると記憶するんですね、イギリス以外は大体、イギリス除けば、フランス、イタリア、ドイツ、皆そうだと思うんですが、お互いさま、やっぱり自国の電波というのはかなり有限希少ということにもなりましょうし、これ、意図的に特定な国が特定な目的を持って特定な団体の買収というのをやられる可能性を常に考えておくというのは、ある程度私どもとしては国民を守る立場からいえば当然なんだと思いますけれども。  これを悪用しようと思ったらいろいろやり方ありますから、そういったことも考えて、いろんなことを考えて多分ほかの国は皆やっておられるんだと思いますし、私どもの方はその点、今までで外資が日本の放送を買うなどというようなことを余り想定する必要がないぐらい、作ったとき以来余り考えたこともありませんでしたし、日本全体で、昭和二十五年、この法律を作ったときは、電波に限らず、放送に限らず、すべての企業の外資の保有率は約一%ぐらいですから。  そういった意味では時代が随分変わったんだと思いますけれども、中でもこの電波の場合はいろんなことを考えざるを得なかったというのが多分ほかの国の例なんだと思いますので、私どもも今まで余りそういうことを考えてこずに、先ほどマードックの話が出ていましたけれども、あのときでも何となくそこそこ収まっちゃったもんだから何となくこうという感じなんだと思いますね。私は多分、そこのとき担当しておりませんので分かりませんけれども、多分そうだったから、何となくのど元過ぎたら熱さ忘れてというような感じだっただろうと想像します。
  96. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ちょっと理由についてまた後ほど質問させていただきますが、中川理事いらっしゃるので、中川理事に対しては最後の質問にさせていただきまして、それでまたちょっと具体的な外資規制のことをお聞きします。  小泉総理は、民間にできることは民間にといって郵政公社の民営化、これを強硬に進めたわけなんですが、道路公団も十月一日から民営化をしたということです。このNHK自体もそのときに民営化した方がいいんじゃないかというような声がいろんな方面から上がってきたんだろうと思います。そして、それが昨年からの一連の不祥事に輪を掛けて、それがもっともっとそれが増幅してNHK民営化議論というのがどんどん激しくなってきたんだろうというふうに思うんですが、麻生大臣中川理事、お二人に順番にお聞きしたいと思うんですが、NHKの民営化というのを、これ民間に任せることは民間にという一般論の問題と個別論の話があると思うんですけれども麻生大臣には、一般論そして個別論に関しまして少し御意見をいただければと思います。
  97. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 日本の場合の放送の体系というのは、公共放送と民放という二元体制でずっとやってきたんだと思うんですね。基本的には、昭和三年の全国一律になったあのとき以来そうなんだと思いますけれども。  その中で、公共部門を賄っておるNHKについては、先ほど言われましたように、あまねく全国にいかなきゃいかぬとか、放送番組を豊かなもので提供しなくちゃ駄目だとか、放送技術研究開発はきちんとやらにゃいかぬと、いろんなことを、さらに海外に対する発信というのをきちんとしたものを体系付けて、こういったものをやらせる。それを、NHKが民営化されたときにこれをやる義務はなくなりますから、ユニバーサルサービスを課しているわけですから、そんな余り利益になりそうもないようなことはやらないと当然民放だったら言えることになりますので、そういった意味においては、国民全体のメリットを考えたときにどうかなという点は、これは常に考えておかなきゃいかぬので、経営形態としてそういったものを持っていくことによって、今、日本の国民にとって不利益かといえば、私はそうではないのではないのかなと思っております。  また、ほかの国をさっき、今例に引きましたけれども、イギリス、韓国、フランス、ドイツ、イタリア、いずれも公共放送があったものを民営化に完全にしたという例を私は知りませんので、そういった意味では、何となく同じような問題を各国抱えておられるのかというような感じが、私自身は率直な感じはそういうところです。
  98. 中川潤一

    参考人中川潤一君) 民営化という御指摘でございますけれども、日本の場合、御承知のように公共放送の在り方というのは、一方でその財源であります受信料制度と深く結び付きまして、その財源等を含めまして公共放送の在り方というのは議論されてきたというふうに考えております。  それで、NHKは、確かに現在財政的なところでいいますと、先週いろいろ御審議いただきましたように大変厳しい状態に置かれているというところから民営化の議論というのは出てきているというふうに承知しておりますけれども、したがいまして、日本の場合は、やはり民営化がいいかどうかという話は、やはり公共放送があった方がいいかなかった方がいいかと、極論すればそういった議論になるのではないかと。  したがいまして、相当日本の放送制度、これまでの放送制度を根本的に変革を迫るものになろうというふうに考えますので、この辺りは慎重に御議論いただきたいというふうに思っております。
  99. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 ちょっとたくさん質問があるので、この辺でこの話は終わりにさせていただきまして、中川理事、質問終了でございます。どうもありがとうございました。  それで、外資規制の計算方法についてちょっとお聞きしたいんですが、説明のときには、日本法人があって、外国法人が放送事業者に直接出資している分と間接出資している分があって、それを足して五分の一以上にならないようにということなんですが、ちょっとお手元にお配りをした資料で、資料といいますか、計算の仕方についてちょっと教えていただきたいんですが。  まず、株主総会での議決権についてお聞きしたいんですが、外資規制の問題点と書いてある、右下に一と書いてあるこれでちょっとお聞きしたいと思いますが、左側で見ますと、左の外国法人六一%、日本法人三九%と。急にこういう六〇%以上ということはなかなか現実的にはないのかもしれないんですが、計算上成り立つことでちょっとお聞きしたいんですけれどもね。こういう計算でいいのかということをお聞きしたいんですが、いわゆる外国法人が放送局の六一%を保有したとした場合に、国内法人は三九%になるわけですね。つまり、国内法人では三九%の議決権を持つことになって、この状態では当然、簡単に分かりますが、外資の規制外資規制に抵触する、違反になるということになります。  ただ、その場合、先ほど来御説明いただいたとおり、株主名簿への記載を拒否することができて、その外国法人の有する株式のうち四一・〇一%の失念株として処理した場合に、議決権は残りは一九・九九%になるわけです。その外国法人の株主名簿への記載拒否により一九・九九%の議決権になった場合に、一見すると外資規制に抵触しないかのように見えるんですが、実際には、株主総会開かれましたと、そういうときには、この下の、右下の計算のように、結局三三・八九%の議決を持つ形になってしまうんじゃないかなというふうに思うんですね。  実際に、今の日本のテレビ局で、日テレさんが一九・九九%です。いわゆる外資保有割合として株主名簿に記載されているのは一九・九九で、TBSさんも一九・九九で、CX、フジテレビが一四・四八、テレ朝八・〇八、テレビ東京六・五六なんですが、日テレ、日本テレビTBS一九・九九というのは、もしかしたらこれは二〇%以上持っているかもしれない、ですけれども、それを株主名簿から記載を外しているのでこうなっているかもしれないという、理論上こういうことに、起こり得ると思うんですが、この計算方法で正しいのかどうかと。  正しいとなれば、外国法人は三分の一以上の議決権を確保することになって、特別決議の拒否権を持てることになるんじゃないかなと思うんですが、これはどう解釈したらよろしいんでしょうか。
  100. 木村仁

    委員長木村仁君) あとちょっと、藤本祐司君、もう中川参考人はいいんですか。
  101. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 はい、もう結構です。
  102. 木村仁

    委員長木村仁君) じゃ、どうぞ。
  103. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 議決権の計算の考え方なんですけれども、現在の規律によりますと、外資比率は、外国人等が名義人となっている、名義人になっていないと駄目ですね、名義人となっている株式に係る議決権数を算定の基礎となる総議決権数で割る、算定の基礎となる総議決権数で割るという形になっております。  その場合で、従前、外資比率の計算のときに当たって、発行済みの株主総数の議決権から所有形態によって議決権を有しないとされる株式を引いているわけです。ですから、例えば百株、ここでいったら百株あったほかに、このほかにも例えば自社保有の株式だとか、自社保有、持っている株式だとか、あるいは例のライブドア事件のときでいいますと相互保有株式、フジテレビがニッポン持っていてニッポンがフジテレビを持っている、相互保有の場合はこれ議決権が消えちゃいますから、結果的に議決権がないという形で、その株式は実は引いております。  問題は、その所有形態によってという、外国人が持っている株式を名義書換に来たときに、名義書換をいたしませんと、おたく名義書換すると二〇%超えますから名義書換をいたしませんと、こう断った株式については、従前はある意味で、それを議決権の総数にその都度計算しちゃいますと非常に持っている人が日本人に、失礼、日本人が外人に例えば直前に売った売らないとか、そのもろもろで数字ががたがた変わってしまいますもので、ある意味でその法的安定性確保することが難しくなったり、事務手続上も問題もありますので、実際、現在の時点でも直接の場合でも、書換えを拒否、書換えを認めなかったものもトータルの算定件数に入れております。  したがって、そういう意味では、ここでいう下が、この右下の絵で一九・九九プラス三九で割っておりますが、ここが実は六一足す三九の一〇〇で割って一九・九になると、こういう形になっております。
  104. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 分かりました。ありがとうございます。  それでは、ちょっと裏をめくっていただきまして、三つのケース、これはちょっと時間がありませんのでぽんぽんぽんと行かせていただきますが、一番左のケース一ですね。このケース一の右側は、当然二二%ですのでこれはもう違反になるのはもう明らかなんですが、左のケースの場合は、外国法人が日本法人の株を八〇%持っていて日本法人が放送事業者二二%持っていると、これ、計算だとこれ一七・六、八〇%掛ける二二%、一七・六%になるので、これは間接出資規制、要するに引っ掛からないということになるんだろうと思うんですけれどもね。  ただ、よくよく考えると、外国法人が日本法人を八割も持っていると、相当これはもう支配されているのと同じなんじゃないかなと思うんですけれども、こういうような場合はどう解釈したらよろしいんでしょうか。
  105. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 先生御指摘のとおりでございまして、実は、ここはまた省令での議論の中で今先生の御指摘の点を踏まえる必要があると思っております。五〇%を超えていたならば、八〇であっても一〇〇でも実質一緒なんですね。したがって、その場合は五〇を超えた場合は、その掛け算のときに百分の百掛ける下の百分の二十二で、二二とみなすのが現実に一番合っておりますので、そういう場合は二二で駄目だという形にすべきではなかろうかと思って今内部的には検討しているところでございます。
  106. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 要するに、もう外国法人と日本法人を一体のものだというふうに解釈するということなんだろうと思います。  省令でという、法律の中で、法案の中でも省令で定める云々と書いてあるので、そこのところがNTTのいわゆる施行規則に合わせるのか、そこもまた少し考え直さなきゃいけないのかというのは検討の余地はかなりあるんじゃないかなというふうには思っておるんですが。  このケース二、ちょっと時間ありませんのでぽんぽん行きますと、ケース二も右側の場合は外国法人が日本法人の八〇で三〇で、八、三、二十四だから二四%で、簡単に間接出資規制というのが分かるんですが、左の場合、今度は孫会社子会社じゃなくて孫会社になったときに、これどのように解釈すればいいのかなというふうに思うんですが、これ外国法人と放送事業者の間に日本法人が二つ以上入ると間接出資規制の計算対象にならないのかなと。電波法第五条第四項三号の規定を読むとそう読めるんですけれども、このような場合はどういう解釈をすればいいんでしょうか。
  107. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) この点につきましても実はいろんな考え方があるんですが、アメリカのケース等によりますと、やはりさかのぼれるところはさかのぼっていく。要するに、この前の日本法人の八〇のその前が外国一〇〇になっていると、これはこの日本法人①というのは実はその外国法人と一緒ですねと。したがって、これが一〇〇だったら、ここ一〇〇持ってたら、この一〇〇持っていられる①が日本法人八〇を持っていても実際一〇〇持っていると同様、八〇以上のものは前の考え方からいうと五〇超していれば一〇〇と同様ですから、一〇〇持っていてここに三〇を掛けるから三〇パーの形になって、これは外資の対象になるという形になります。  先生御指摘のように、そのNTTのケースの場合には、実は現実的に一〇パー云々とかいうところに超えているような大株主等もなくて、まず大口のところで割合比較的に外れておりますもので、実はそこのところについては定めはございません。しかし、諸外国ではそういうさかのぼり、あるいは分散のケースや何かについても間接投資の場合には計算の中に入れているというケースが基本的な考え方になっておると承知しております。
  108. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 アメリカ、フランスの間接出資規制では、それは多分、外国法人が国内法人の五〇%以上を持っているものはこれ一体としてみなしているということになるんだろうという御説明だと思いますが、この辺が全部結局省令で定めるということで明確になっていないものですから、で、ちょっとお聞きしたかったんですが。  このケース三もまた同様なんですが、やはり外国法人が日本法人をたくさん持っていると。その日本法人が放送局に対して一〇%未満、例えばここでいうと九%しか持っていないとなると、実はこれ全部カウントされないことになるんですね。でも、要するに一〇%未満、以下ですか、だとカウントされないことになりますので、それは見なくなる。だけれども、これは実質的には日本法人を三つ四つ持ってくると二〇%超えるということもあるんですけれども、これもやはりどういう解釈をするのかというのはこの法律からでは、法案からだと読み取れないので、御説明いただきたいと思います。
  109. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 先生御指摘のとおり、この上の今の考え方からいって、日本法人一、二、三は九〇%持っていますからここは一〇〇と考えて、一〇〇持っているという考え方に立つわけです。その下に九、九、九ですから、現在の時点ではNTTのケースですと一〇%を超えているものに対象にして計算をしております。  そういうやり方にすると、九、九、九で現実はゼロになってしまうんですが、これはどうも、どう見ても明らかに下を支配するためにこう九、九、九とわざと分散をしているとしたならば、それはその法に対する間接出資の潜脱といいますか、ある意味では脱法的に支配しようとするものになってまいりますので、ここのところも規定を設けて、こういう脱法的な行為は足してしまえと、九、九、九を足して二七ではないかと。こういうふうにして現実的な実効的な、外資支配の禁止の実効性を高くするようにというふうにしてはどうかと現在考えているところでございます。
  110. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 こういう、私が考え付いただけでこのぐらいのケースがあって、多分もしかしたらもっと一杯あるのかもしれないんで、私分からないんですけれども、これ算数の問題なんですけれども、結局、こういうのが省令で定めるという形になってくると、本当にこの法律実効性というのがよく読み取れないということがあるものですからちょっとお聞きしたんですが、これ省令でやるのがいいのか。多分、私は法案の中にこういうものを入れ込んだ方がいいのかなというふうには思っておったわけなんですけれども、まあそれでちょっとお聞きしました。  あと残りもう一分しかございませんので、結論ちょっとお話しさせていただき、最後に麻生大臣に総括的にお聞きしたいと思っていますけれども。  私は、この外資規制に関しては本当にいろんな問題があるんだろうというふうには思っています。歴史もあるんだろうと思っていますし、外国でいうと、イギリスは二〇〇三年にむしろ撤廃をしているという状況の中で、本当に海外でそれをやっているのを見習っていいのかどうか。各国の状況がいろいろある違いの中で、本当に海外がやっているからやるということではないんだろうなというふうには思っていますし、先ほどNHKも、私も、災害情報とか的確な情報を出すんだったらやっぱり民営化しない方が私はいいと思ってはいるんですけれども、その中で、この外資の問題というのは、先ほど来いろいろ話を聞いていますと、うちの子に限ってはという昔何かドラマか何かあったと思うんですけれども、国内の要するに内資、国内の法人であればそういう問題を起こさないけれども外国のものだと何か問題を起こすかのように聞こえてならないんです。  電波は公共のもので有限希少性があるからということは物すごいよく分かるんですけれども、いろんな文化的、社会的な影響力放送地上放送はありますよとか、あるいは災害情報を流さなきゃいけませんよとか、フランス……
  111. 木村仁

    委員長木村仁君) 結論をお急ぎください。
  112. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 はい。  ということの、海外がこうだからということにはならないのかなというふうに思うんですけれども、最終的にちょっと総合的な御見解を麻生大臣の方からお聞きできればと思います。
  113. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘は藤本先生ありましたように、放送とか電波とかいうのは、これはいろいろ議論がずっとなされてきたとおりの経過もありますので、私はこれについては各国が規制をいろいろされるというのはよく分かるところだと思っているんです。  ただ、傍ら、外資が例えばセメント会社の株を買うとか、鉄の株とか、いろいろその他産業というのは物づくり含めていろいろありますが、その会社の株を買うということは、私はその企業がいわゆる成長性がある、収益性が高いということを見込むから買うんであって、収益性のない企業は買いませんから。そういった意味では、私は買われるという株は間違いなくその企業は見込みのある企業と、基本的にはそう考えるべきだと思っております。したがって、外国からの投資若しくはそういった関連の株の買いというのはあるということはすばらしいことです、全然ない国は一杯ありますから。そういった意味では私どもはある。それが一点。  もう一点は、経営をしている側を、株主は経営者を選ぶ権利はあると思いますけれども、株を何十%か持つことによって支配権を持ちますから。しかし、経営者側が株主を選べるかと言われると、私はこれはなかなか、上場している以上はなかなか難しいと考えるのが当然なんであって、もし経営者として株主を選びたいなら上場はしないことです。私は基本的にそう思っております。
  114. 弘友和夫

    弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。  まず、この電波法関係でございますけれども、今回の法改正におきましては、電波経済的価値を勘案した新たな料額算定方法を導入することと、こうなっているわけでございますが、これに、この法改正に至った背景、それから新たな算定方法の導入はどのような効果が見込まれるのか。それからまた、これが電波有効利用を促進することになるのか。また、先ほど来論議がございます携帯電話事業者の負担が大きいんじゃないかと。今回の改正では、今までは八二・三%、八二・三%、今回は七六・六と、少しこれを負担を軽くしたみたいですけれども、総額的には金額的には大きくなっているというようなことで、まあ不公平であると先ほど来議論になっておりますが、新たな算定方法の導入はこうした解消に役立つことになるのか。  まとめて、簡単で結構ですので、答弁をお願いします。
  115. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 今回の法改正で新たな料額算定方法を導入することとなったことにつきましての背景とその効果につきましてまず述べさせていただきたいと、お答えさせていただきたいと思います。  まず、背景でございますけれども、昨今、携帯電話や無線LANサービスなどを中心とする電波利用の拡大によりまして電波の逼迫が進んでおります。こうしたことから、電波有効利用が一層重要な政策課題となっているところでございます。また、昨年の本委員会での附帯決議におきましても、「電波経済的価値を反映することも含め電波利用料の新たな算定方法等その在り方について早急に結論を得ること。」が求められたところでございます。  こうしたことを背景といたしまして、今回の見直しにおきましては、電波利用料額の算定方法につきまして、電波の逼迫の程度、使用帯域幅、地域性など電波経済的価値に係る要素等を勘案するとともに、携帯電話につきましては、無線局によらず、使用する電波周波数帯域の幅に応じて負担していただく、こういった算定方式も一部導入したところでございます。この見直しによりまして電波有効利用インセンティブが働くようになることで、電波の一層の有効利用が促進され、また負担の公平性が確保されることになるものと考えております。  具体的に、ではどのような効果が具体的にあるかという点につきまして、例えばこの周波数帯域を幅広く使いますマイクロ中継局とかあるいは人工衛星局、今回、料額としてはかなり大幅に引上げになったわけでございますけれども、こうした引上げによりまして使用する周波数帯域幅を必要最小限に抑えるインセンティブが働くと考えられます。  また、御指摘携帯電話につきましては、今回、無線局によらず、使用する電波周波数帯域の幅に応じて負担いただくという方法を入れたとともに、あわせまして、この従来からの無線局数に応じて負担いただく電波利用料の部分を五百四十円から四百二十円に値下げしているところでございます。この点も踏まえまして、携帯電話につきましては、今後無線局数が増えることによる電波利用料の負担増がこれまでよりも少なく抑えられ、一層高密度の電波利用というものが期待されると思っております。
  116. 弘友和夫

    弘友和夫君 それで、この電波利用料を使って今アナ・アナ変換業務というのが行われております。  これ、通告をしておりませんけれども大臣、今、二〇一一年七月からこのアナログのテレビはもう見られませんよとシールを張って売っているわけですね。で、二〇一一年というと、今、あと五年ちょっとなんですよ、五年半ぐらいですか。大体まあテレビは十年以上使えるんですけれども、今実際売られているそういうテレビ、五年で使えなくなりますよと、全く。そしてまた、膨大な全国のいろいろなテレビ、全く使えなくなるわけですから。これ、循環型社会の観点からこれ果たしてどうするんだろうと。使えないものを、五年で使えなくなるものを売っているわけですから。これについてちょっとやはり問題が起きるんじゃないかなというふうに危惧しているんですけれども大臣、いかがでございますか。
  117. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘のように、弘友先生、確かにその事実だけは確かです。  ただ、今ありますアナログテレビでもこういうチューナーというのをくっ付けますと、それで今のでも見られるというチューナーがありますんで、そのチューナーを付けさえすればそれは見られることになります。まずそれが対策として。  で、五年間の間に、多分私は今でも、これが五年後は駄目になると知っていてそのテレビを買っている方のかなりの部分というのは、高いという現実があります。いわゆる変換ができているテレビの方が高いという今の現実、目先の値段がありますので、高齢者の方、おれは五年後生きている可能性がないかもしらぬと思えば買いませんから。だから、そういった意味では使えないと分かっていても買う。これはこの間地元で聞かされた話ですから、先生、五年後生きているわしは保証がないから買わぬと、正しいと思いました。で、そのときはどうしてくれるんだと言うから、チューナーがありますと言ったら、そのチューナーは幾らかと言うから、五年たったらもっと安うなっとるから今のうち聞かぬ方がええと、そうそのとき答えた記憶があるんですが。  そういった意味で、基本的には確かにおっしゃるように、今のその現実だけを見れば御指摘のとおりです。
  118. 弘友和夫

    弘友和夫君 五年でなくなるから、いろいろ考え方はありますけれども、そういう点も考慮して是非いただきたいなというふうに思います。  それで、この変換業務で、今その実施機関として、社団法人電波産業会に実施機関として指定しているわけですね。これ総務省では、今千八百億のうち幾らでしたか、七百何十億もう実際工事は進んでいるわけですけれども、この中で総務省も、全国の三十地域、受信対策センターについて調査した結果、合計二千三百七十五万二千九百九十円の過払いの事実がある、あったという指摘をしております。  そしてまた、会計検査院も、低減できたアンテナ等の材料費積算額は二億一千七百七十万円、平成十四年中、十五年度でこれだけ無駄に使っていますよと。で、これ、またもう一つは転活用を図るなどの検討の対象となる放送機器費三十一億二千六十四万円、これはまあ、これ完璧に違法というか無駄だということじゃないけれども指摘を三十一億についてしているわけです。新聞報道等によりましたら、もう十億円無駄遣いじゃないかとかいうような報道もある。  これは、指定機関とするときに既に電波監理審議会での質疑応答の中で電波監理審議会委員から、例えば、この社団法人電波産業会の業務が公正かつ効率的に運営できると判断した理由は何なのかと、そうしたら、今までそういうこともやっていますし、本来業務も公正かつ効率的に行えると。それからまた、実際の変更工事において競争原理が働く仕組みになっているのかということに対しても、放送側の工事においては競争入札を原則とする、一般家庭側についても実勢価格をきめ細かく調査してその平均単価を上限に給付決定すると、心配要りませんよと。で、事後的な監督はどうなっているのかという、業務規程の制定、変更は総務大臣の認可事項であり、これにより業務の適正性をチェックすると。こういうように実際に指定機関とするときに指摘をされておったんですね。で、総務省は、これ別に大丈夫だという答弁だったわけです。  現実問題として、総務省自身も指摘する事実が出てきた、会計検査院もこの指摘をされているという。  で、この仕組みを見ましたら、送信対策、受信対策があって、送信の方は放送事業者がやります、受信の方は工事統括者にしますと言いますけれども、要するにこの社団法人そのものが、企業が、まあ常勤の理事は総務省から行かれておりますけれども、あと企業がずうっとメンバーでいるわけですね。要するに、発注する方も企業一つの団体であり、発注される方も、それを仕事をするのも同じような、同じ企業が受注するわけですよ。そして、そこに一つだけしか指定をしていないという。  元々、大体今は指定法人というのはもう廃止しようという方向にあるわけですよ。一つだけしか指定していなくて、そこから、例えば受信の方なんかは全く競争入札等ありませんよ。工事統括者というのが、各地域ずっと決めて、そこからそれぞれ仕事をしているわけですから。入札とかやられてないわけですよ。で、送信の方は入札しているかどうかあれですけれども、要するに発注するところと受ける方が大体一緒のダブったものであれば、そういう競争原理なんか働くはずがないんじゃないかなというふうに考えますけれども、時間がありませんので余り細かいことはお聞きしませんけれども、実際、これは高いんじゃないかとか、いろいろ議論があります。そういうことについてお答えいただきたいと思います。
  119. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 先生御指摘のとおり、会計検査院の方からの、十六年九月のときに積算が、アンテナが一〇%割引でやっているけど三〇%ぐらい割引が実勢じゃないかというようなお話もありまして、やはりその単価、材料費を引き下げるというような形で、関係の工事統括者も含めての協議をしたり、また過払いの点も先生御指摘のとおりでございまして、これ、一回行ったときに幾らというやつを、アポなしで行ったときは幾ら、アポありで行ったときは幾らと、こう細かくこう単価を分けておりまして、実際上、その報告がいろいろミスもあったりしまして過払いがございました。  これは国庫にまたそのときに返していただいておりますけれども、先生御指摘の、やはりその電監審のときの議論も踏まえながら私どもも対応してまいったんですが、現実的にこのような状況が出ておりますもので、過払いの場合は十七年四月に、またそれから、ああ失礼、社団法人関係の見積り等につきましても、随時そのときに必要な行政指導を行うとともに、それから実際上、その内部的にもっとよくチェックができるような体制、この辺を電波産業会に対して指導したところでございます。  なお、指定公共法人に電波産業会がなったのは、これ公募したときに実は手を挙げてきたのはこの一社のみでございまして、ある意味では、実際上の工事だとかその辺のノウハウだとかいろんなところをそれぞれの手を挙げられる方が検討したのではなかろうかと思っております。
  120. 弘友和夫

    弘友和夫君 手を挙げたのはここだけだったということですけれども、まず、まあそう言われると、これは平成七年の五月十五日にできているんです。で、同じ六月十六日、電波法規定による電波有効利用促進センターとして郵政大臣が指定をしている。  要するに、そういう業務が、電波の混信だとか有効利用とかいろいろやっぱりそういう仕事があるわけで、それを発注するというか、そのためにその一か月ぐらい前に、こういうものはみんなが集まってつくったのが、私は具体的にその促進センターでどういう仕事するかあれですけれども、一か月後、それつくって一か月後に指定をされた。ここにもいろいろ問題が私はあるんじゃないかとは思うんですけれども、そして、それにまた今回はこれを指定しているわけですよ。  要するに、全部が集まっているわけですから、ほかの小さいところが手を挙げたって、そんなところに仕事が来るはずがない、全部日本のほとんどのそういう仕事をするところが集まってつくっているわけですからね。だから、それはそれとして、入札なり何かをきちっとできるようなシステムにしていかないと。  これは私考えるのは、公団の橋梁の談合とか、いろいろ大変言われていますよ。だから、あれだって分割して地域ごとに仕事が来るようにしたために指摘されたわけでしょう。それと私はどこがこれ違うんだと。地域ごとにずっと指定、あれなんか入札しているけれども、これは入札もなしで地域ごとにこれできるわけですから、もっと問題じゃないかなというふうに思うんですけれども、まあ時間がございませんので細かくは言いませんから、是非今後こういうことをきちっと対応していただきたいというふうに考えるわけでございます。  それからもう一つは、これも先ほど来問題になっております電波利用料というのは、無線局全体の受益を目的とした事務の財源、今回追加されるのは携帯電話等の不感対策業務と。これは全体のこの使途として言えるのかどうかということが一つあります。  それについて、じゃ、ちょっと一言。
  121. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 先ほどもお答えさせていただきました点でございますけれども携帯電話等の不感対策業務につきまして、これが無線局全体の受益と言えるのかどうかというお尋ねでございますが、これにつきましては、私ども、今回のこの携帯電話の不感対策業務でございますけれども、これは電波不感地域までの情報伝搬を有線伝送路で行うことによりまして不要な周波数利用が避けられ周波数有効利用につながること、また、利用可能地域が拡大することにより、当該地域以外の携帯電話利用者利便性も向上することといったこれらの本事業の性格、効果にかんがみまして、この事業電波の適正な利用の確保に関して無線局全体の受益を目的として行われるものであると判断したものでございます。
  122. 弘友和夫

    弘友和夫君 デジタルディバイドの解消という面で意義があるというお話でございますけれども。  先ほど、その中で、その他の業務という中で、トンネル等の電波遮へい対策事業というのが行われていると。さっき、ちょっと答弁が私違っているんじゃないかと思うんですよ。遮へい対策事業はその他の業務に入らないという答弁をさっきされたと思うんですけれども、私は遮へい対策事業はその他の事業ということで入っているんじゃないかなというふうに思いますが、それは後で結構ですので答弁していただきたいんですが。  だから、トンネル等の電波遮へい対策事業というのは、いわゆる通信ですね、通信。同じように、今問題となっているのは、その電波の遮へい空間といたしましては、地下街での災害時、地下街でのいろいろな災害時にラジオ放送、今度放送ですよ。この受信というのの重要性が高まっているわけで、これは実際にFMチューナー付きの第三世代携帯電話、これが売り出されました。それからテレビのやつも売り出されますよね。  だから、そういう緊急時、災害時、地下街で放送通信じゃなくて放送が聞ける、ラジオやテレビを聞いたり見たりできる対策を講じる必要があるんじゃないかと、このように思いますけれども、今は要するにその地下街をつくったところがやりなさいと、こうなっているわけです。東京の八重洲だとか、横浜ですか川崎か、その三か所ぐらい。これはやはりトンネル等の遮へい対策と同じように、これは今から私、地下街全国相当あって、水につかったり地震になったり、もういろいろ問題、地下街のこれは緊急時の対策というのは問題になるわけです。これに対して総務省でも今検討されて、地下街等の電波遮蔽空間における地上放送の普及の在り方に関する調査研究会取りまとめでも指摘というか検討はされているようでありますけれども。  この電波利用財源、さっきから電波利用財源を使うのは問題だみたいな話がありますので、それを使うのか使わないのかは別としましても、とにかく私は早急にこういう災害対応の観点から、移動系地上放送メディアの地下空間内受信、これについてやるべきじゃないかというふうに考えますけれども大臣のお考えをお伺いします。
  123. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘のとおり、今いわゆるワンセグメンテーション、通称ワンセグと言うんですけれども、そういった形で地下で映るのをぱっと携帯端末で見られるような、移動用通信というのを見られるのは東京の八重洲の地下街と川崎とたしか広島と、三つだけだったと記憶しますので、先生のところの小倉も駄目、博多も駄目です。  そういった意味で、重要な公共地下街というのは通称七十五か所と言われるんですけれども、その七十五か所のうちで今可能な、現在で可能なのは三か所ということになっておりますので、これは地下街で、あの博多の駅前で洪水で死んだというのが大分前にありましたけれども、御存じのとおりに、あんなところにどこに川があるんだと思いましたけれども、あふれてどっと博多の駅前で水没ということになったというあの話やら何やら、これは携帯端末向けの地上デジタルテレビ放送という通称ワンセグ辺りがきちんと見られるようなものにするように、これはいろんな形で今後そういったものができたはいいけれども遮断されているためにできないということになりますと、これはちょっと問題だという御指摘のとおりなんで、私どもとしては、これはこの種のようなものが見えるようにこれはいろいろな意味で今後取り組んでいかないかぬところだと思っておりますので。  今いろいろ言われておりますけれども、新しくラジオから今度テレビに変わってきますので、今見えます例の三か所もこれはテレビになりますとまた別の話ですから、そういった意味では、予算やら何やらいろんなものをこれ地域等を含めて検討していかねばならぬ。これは災害対策用としては結構大きな救済、アラーム、アラームというか警報装置としては大きなものだと思っております。
  124. 弘友和夫

    弘友和夫君 是非ともこの大きな、今大臣言われたように、今災害が大変な状況になっている。安全、安心の町づくりという観点でも早急にこれは予算としていろんな形で上げていただいて、七十五か所ですか、重要なところ、これを緊急時にFMもテレビも聞けるような、そういうふうに対策を講じていただきたいというふうに考えます。  それから、今度は放送局外資規制関係でございますけれども、これもいろいろ論議ありましたので簡単に。  間接出資規制の対象、それをどこまでさかのぼっていくのかという。例えば放送事業者の親会社の出資先までではなくて、更にその親会社、また親会社といった具合にさかのぼってこれは対象となるのかどうかという。実際に放送事業者が、間接出資している外国の企業の外国人の株の所有状況、これ実態をどんなようにして調べるのかなと。それを親会社の親会社とか、この対象を広げれば広げるほどこの外資の状況を調べるというのは大変な労力を費やすことになる。上場してなければもう調べようがないという。これをだから決めても、違反の有無というのをどう、実効性をどう取るかというのが大きな問題だと思うんですけれども、実際、この間のあれでもチェックできてなかったわけですから、問題となったのも。  株式の状況について政府はどのようにチェックをするつもりなのか、お答えいただきたいと思います。
  125. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 先生御指摘のとおり、この間接出資の状況放送事業者が把握する方法はなかなか厳しいところがございます。義務付けになっておりませんもので、基本的にどうするのかという形になりますと、外国人等株主に対する議決割合を一定以上の割合、これは大口だけを考えていきますから、例えば一〇%以上を持っている株主の方に、あなたのところの外国人株主の議決割合はいかがなものでしょうかと書面、あるいは電子メールでもこれはよろしいかと思いますが、そういう形で問い合わせて把握するというのが一番基本的な考え方だろうと思います。  先生御指摘のとおり、大口の場合で放送事業者の株主が、上場しておればいわゆる大量保有報告書によりまして五%を超える株式の取得の情報は公示されることになりますので、上場されていればそういう把握の仕方はございます。ただ、それだけではやはり不十分ですので、書面若しくはメールにより問い合わせという形になるわけでございます。  先生御心配のように、本当にちゃんと回答が返ってくるのかという点になるわけなんですが、仮に外国人株主が、株主が外国の比率を、外資の比率を報告しなくなりますと、これは下手をしますと免許欠格事由に該当するおそれが出てきますので、そうすると、免許が取り消されて企業価値低下になりますから、基本的にはやっぱりそこはみんな親切ではなくて、本当に答えが来るものだろうと思います。  ただし、万が一それでも出てこないケースの場合にはどうするのかというのがございまして、これ、この後にも検討しなきゃいかぬのですが、照会に応じなかった場合は、最悪のケース考えると一〇〇%外資だという形にして、それで計算をして、その株式の、これについては名義書換を拒否するとか、そんな形にしませんと、その不誠実な回答、若しくはミスによるものもあるかもしれませんが、そういう回答が出てこない場合の対策も十分考えなければいけないものだと思っております。
  126. 弘友和夫

    弘友和夫君 意図的にやるものはそういう厳しくですけれども、実際に問い合わせても、その先の先とかいっていたら実際分からない部分だって出てくるんじゃないかと思うんですよね。だから、そこら辺はやはり放送事業者と、よく意見も聞いて、実効性の伴うような形に、仕組みにしていただきたいというふうに考えます。  それで、同じ言論機関でも、新聞については日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社及び有限会社の株式及び持分の譲渡の制限等に関する法律と、こういう長い法律があるんだけれども、定款をもって、株式譲受人を、その株式会社事業関係のある者に限るということができると。また、関係なくなった場合は、その株式、事業関係のある者に譲渡しなければならないという旨を併せて定めることができるという法律がございますね。  これは、あくまでも株式譲渡の規定というのは言論の自由の確保だということになっているわけですけれども、この放送の方にもやっぱり公共性とか言論機関の自律性ということは同じだと思うんですけれども新聞と同じように法規制をすることがいいのか悪いのか別として、についての大臣のお考え。  それからまた、平成六年までは株式譲渡については取締役会の承認を要する旨があったんですけれども、それを予備免許の条件としていた。これを平成六年、これをなくしたわけです。何でこれをなくしたのか。  それから、そういうことで放送の公共性が保たれるようにすべきじゃないかというふうに考えておりますけれども、最後に大臣のお考えをお伺いしたいと思います。  以上です。
  127. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今言われましたように、これは昭和二十六年のいわゆる株式譲渡制限等に関する第一条というのがあるんですが、定款をもって、株式の譲受人を、その株式会社事業関係ある者に限ることができるという、これは新聞社が買収できないようになっておるというルールなんですけれども、これと同じようなものを放送業者に適用するかしないかというお話なんだという具合に思っていますけれども、これはある程度、これ基本的には民放ですから、敵対的な買収に対してはその企業は自分で自主防衛するのが大体それが当たり前の話なんで、政府に頼らないかぬ方がおかしい、基本的にはまずそういうものだと思っております。  そこで、少なくとも放送というものは、これは健全ないわゆる民主主義の発達というもの、先ほど藤本先生も言っておられましたように、ああいった基本的なところへ貢献していくというのは大事なところだと思いますし、またこの国の文化とかそういったものをいろんなことを考えて普及させるとか向上させるとかいうようなもの、また先ほど何回か出てきます災害等々の公共性等々を考えまして高い公共性が求められているんで、そういった意味では、基本的にはそういったことを旨としてやっていかないかぬのでしょうが、傍ら、デジタル化等々でやたらいろいろ技術の発達に伴って金も掛かりますものですから、そういった意味では資金需要を賄うためには株式上場等々をいろいろ考えられるというのと、やっぱりいろいろあるんだと思いますが、いわゆるキー局と言われるもの、一部、昔は十局、今は一社株式上場をやめましたんで九社になっていると思いますが、そういった意味では、株式の譲渡制限というのを大多数のローカル局においては基本的に、基本的にはそういったことできないようになっております。  そこで、基本的には、どういう選択をするかというのは基本的にはその民間業者に、放送事業者に任されているところなんだと思いますが、今の段階でそういったことを考え放送法やら何やらにおいて新しくやるかと、その規制をやるかと言われれば、私どものところでは今一応、現行、今あります電波法とか放送法によって一応番組規制は限られておりますし、また五年ごとに再免許というのがありますので、経営状況も確認をしておりますので、合併とか分割に伴って総務大臣の許可とかいうのが必要になるので、私は今の段階で直ちにそういった新聞社と同じような、もうそれ以外売れないとか買えないとかいうようなことを直ちにやるという意向にはございません。
  128. 木村仁

    委員長木村仁君) 簡単にお願いします。
  129. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 平成六年の通達の関係ですが、先ほどの、これを予備免許のとき付しておりましたが、やはりその放送事業者から、資金調達だとか人材確保だとか、あるいはやっぱり多くの意見の、国民の意見の経営への反映だとか、利益を国民に還元するというメリットがあるから、自らの経営判断によって行いたいという声の方が強うございまして、是非その復活という声も余り出ておりません、そんな状況でございますので、予備免の点についてはこのままにしておいてはと考えております。
  130. 吉川春子

    ○吉川春子君 共産党の吉川春子です。  昨年十月二十三日の中越地震からちょうど一年たちました。現地では九千人を超える方々が自宅の再建がいまだならず、田畑の修復も実現しないまま二年目の冬を迎えようとしています。  中越地震では災害時における放送はどのような役割を果たしたのか、今後も懸念される大規模地震の発生に対して、災害と情報伝達の在り方、災害と放送について伺います。  大地震の発生直後は着のみ着のままで逃げ出して、しかし今、実際何が起こっているのか、余震はどうなんだろう、災害の規模や範囲はどうなのか、こういう実態を知るすべもなく、恐怖と不安の中で気持ちも動転すると思います。防災白書によると、都道府県と市町村が防災行政無線で結ばれて、市町村はそれらの情報を住民に伝えます。避難情報、人的被害発生防止など、大変重要なものです。  総務省からいただいた資料によると、新潟県防災行政無線衛星系が、地震直後、小千谷市、山古志村など十九市町村との間で連絡ができなかった、復旧までに七、八時間以上、二十四時間ストップしたところもあります。なぜこうした事態が起きてしまったのでしょうか、伺います。
  131. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今御指摘のありました中越地震においては、防災行政無線のうち、県と十九の市町村の間で一時衛星通信が使えなくなった、事実であります。おおむね翌日までに復旧をいたしておりますが、通信が途絶した十九市町村のうち十七団体につきましては非常用電源というものを備えておりましたが、発電機の容量不足、未接続等々の理由によってうまく作動をしなかった。残りの二団体につきましては非常用電源を設置していなかったというのが事実だと思っております。  したがいまして、容量不足とか未接続等々の理由によりうまく作動をしなかったという背景に関しましては、これはどう考えても非常用電源装置に対します市の職員の認識の薄さとか、また操作に習熟していなかったとか、いろんなことが考えられると思っております。  そこで、こういった事態を踏まえまして、四日後の二十六日に非常用電源の整備、いわゆる再点検、また設置場所の再検討というようなことを都道府県に対して文書で通達をしたところであります。そして、今年の八月にすべての公共団体に非常用通信確保のためのガイドマニュアルというのを配付しておりまして、無線設備の停電、耐震対策のための指針を出したところですけれども、いわゆる電源の元が地震でそのまま倒れたというような例もありますので、そういったところで、全部が全部完璧とはいかないかもしれませんけれども、私どもとしてはそういったような助言というものを今後とも働き掛けてまいりたいと思っております。
  132. 吉川春子

    ○吉川春子君 二問続けて御答弁いただきました。  やっぱり電源が接続されてなかったとか、あるいは職員が非常に扱いに慣れていなかったとか、今答弁がありましたが、そういう原因で連絡が取れませんでした。それで、在京民放ラジオ八社が災害とラジオに関する調査を行いまして、それによると、中越地震発生後、被災者が最初に情報を得たメディアが、ラジオが七一・六%、最も多かった、次いでテレビが一五・六で、防災無線はゼロだったと新潟日報が報じております。  そういう、今いろいろな手は打ったという御答弁でしたけれども一つ大臣、無線の自家発電の設置状況について今お話がありましたけれども電波関係審査基準によりますと、(ア)のところに、無線設備は、停電等によって商業用電源が断となった場合及び災害時においてもその機能を十分に確保できるものであることというふうに書いてありまして、非常に分かりにくいんですね。  だから、これは自家発電装置を取り付けよと、こういう意味だというふうに聞きましたので、そのことを明言して、そしてそれを分かりやすいものにして自治体に徹底してほしい。これ、新潟県だけじゃなくて全国に。その点はいかがでしょうか。
  133. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 現実問題として金掛かるんです。ここが一番の問題だと思っております。  吉川先生、これは自分の実体験ですけれども会社に入ってすぐ、病院の、私ども病院やって、経営しておりましたので、病院の建て替えやるときに、手術の最中に電気が止まったらどうすると。これはアメリカ帰り、イギリス帰りならだれでも考えることなんですが、そう言って、非常用のいわゆる電源装置を絶対病院に設置すべきだということを、当時、アメリカ帰りのばか息子がそう言ったわけです。それに対して生産部は挙げて反対、断固必要ないと、過去五十年間停電など起きたことがない。事実、それ以後三十何年たちますが、いまだかつて使われたことは一回もありません。会社側というのはそういうものです。  したがいまして、これ設置するのは私も全然正しいと思います。要は経費との問題なんだと思いますので、やっぱり地震の起きる可能性の高いところというところは、やっぱり静岡県含め、耐震の設備がほぼ一〇〇%行き渡っております県は、多分静岡県が一番だと思いますが、県によってかなり格差が違うことも事実です。また、九州のように石炭の出るところは基本的に地震がありませんから、地震があったら石炭会社がみんなつぶれちゃいますので、地震がないところでは、やっぱり地震なんかないに決まっているんだからと思っていますから、基本的にはこういったものに関してはどうしても感性が鈍くなっておるというのも事実だと思いますが、やっぱり基本的にはこれは経費との関係なんだと思いますが、いずれにいたしましても人命にかかわる話でもありますので、こういったようなことは、例を挙げるまでもなく、大変必要なものだということに関しては今後とも指導は徹底していかねばならぬものと思っております。
  134. 吉川春子

    ○吉川春子君 事務局に伺いますが、この資料、電波法関係審査基準をいただいたときに、これの(ア)で、今私が読み上げました文章で義務付けていると、こういう御説明でしたが、今大臣の御答弁では、義務付けてないけれども徹底するよというお話でした。義務付けてはいないんですか。
  135. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 大臣の御答弁と必ずしもそごを来しているとは思っておりませんけれども、ここの規定のシのその他のところの(ア)で、無線設備は、停電等によって商用電源が断となった場合及び災害時においてもその機能を十分に確保できるものであることというふうな趣旨で、明確にかなり、かなり明確に書いていると私どもは思っております。
  136. 吉川春子

    ○吉川春子君 大臣が徹底するよと言ってくださったので、それはもうそれで了解しました。  つまり、これが義務付けている規定だとすれば、もっと明確に自家発電装置を備えよというふうに書き直した方がいいんじゃないかという質問なんです。  もう一度、どうですか。
  137. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 大臣から徹底した指導をするようにというふうなことでもございますので、その点につきましては検討させていただきたいと思います。
  138. 吉川春子

    ○吉川春子君 文章を書き直すということに受け止めていいですね。
  139. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 書き直すことも含めて検討させていただきたいと思います。
  140. 吉川春子

    ○吉川春子君 防災無線とともに身近な情報が欲しい被災者の要望にこたえて、現地のFMゆきぐに、FMながおかのコミュニティー放送が被災住民に必要な情報を提供し続けて、大変大きな役割を果たしてきました。  被災地の南魚沼市にあるFMゆきぐにでは、山本安幸取締役放送局長は、被災者の方々から、ラジオが気持ちを落ち着かせてくれた、カーラジオから流れてくる情報でどれだけ安心したかなど、放送に対する感謝が多数寄せられていると言っています。一方、放送局も、スタッフが自宅が全壊、半壊の被害を受けています。そういう中で、ヘルメットを着用したまま、二十四時間の放送を被害者と同じ思いで、被害者の目線で必要な情報を提供しました。放送局がその地域や地理、地名、生活習慣などを熟知しているからこそ、避難場所がどこに設置されたか、あるいは営業できるお店がどこにあるか、迂回道路がどの地域を通るか、だれだれさんが行方不明と通報があれば情報提供を呼び掛ける、こういうふうに一対一で向き合ってきたと報告しています。  こうした役割を果たしたコミュニティー放送について、大臣としては評価されていると思いますが、いかがですか。
  141. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、FMながおかの話がありましたけど、FMゆきぐにというのもあのときたしかあったと記憶しますが、いわゆる地域放送局というものは、新潟中越大地震で地方自治体が開局をいたしました臨時災害放送局にスタッフとかいわゆる無線設備とかいろんなものを、番組制作含めまして、全面的なサポートというのをやってもらったということのお話なんだと思いますが、総務省としても、こういったところには手間暇掛けず迅速に許認可を出して、無線局免許というものをすぐ出せということで付与をさせていただいたところだと思いますけれども。  こういったコミュニティー放送の特徴というのは、その声がいつも聞く声なんですよね。これがすごく大事なところなんだと思って、その地域にいる人は皆それ、その人の声を聞いて、ああ、何とかさんという感じで知っている、その声の人が言うというところが、やっぱり気持ちに対して説得力というか、何となくいやされるというところが非常に大きなところだと思っておりますんで、災害に対しては非常にアフターケアというか、そういったトラウマというか、いろんなものに対して非常に大きな役割を果たしたものだと私どもも評価をいたしております。
  142. 吉川春子

    ○吉川春子君 このFMゆきぐにでは、停電になったけれども、バッテリーや自家発電の備えがあって、大変な苦労をしながら燃料を確保して放送を継続したと。FMながおかは、幸いにも停電からは免れましたけれども、二十ワットの出力で、情報が多くの被災者に届かないと判断して、今大臣からも一部お話がありましたけれども、全国コミュニティ放送協会の副会長でもある脇屋代表取締役は即市長に掛け合い、放送法三条五項に基づく臨時災害放送申請して、二十六日から五十ワット出力に増力して大きな役割を果たしてきました。  この施行規則一条の二号は、被災時の放送を認めているのみで、問題は経費負担なんですね、お金が掛かるんですね。自治体は別途相談と、長岡市との間でそういうふうになっているんですけれども、コミュニティー放送局の場合、自治体に対して不眠不休で働いて、後になって設備設置の実費も補償なしでは、協力が今後の問題としては大変困難になると思うんです。  災害放送の当事者からは経費負担について要望が来ていると思いますが、いかがですか。
  143. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 今先生御指摘のFMながおかの場合には、昼間は無線の市のつくった災害局として機能して、夜は今度は自分で番組を流しているというふうに、放送時間すべてではなくて、二十四時間をこう分けながらやっていたようなところがございますんですが、FMながおかのそのときに要した経費負担につきましては、長岡市とは協定の中で別途協議となっておりまして、最終的に私ども二百七十万円ぐらいが支払われたというふうには聞いております。ただし、その金額がそれで足りるか足りないかというところにつきましては、私らとして、総務省として状況を把握しておりません。  で、FMながおか、それから先ほどのゆきぐにの方からも、お話としては、是非その自治体との協定の費用負担の在り方について何か国の方で指導してもらえないかとか、あるいは、金銭的な補償についても国には要望したいけど国からの補償は制度的にもちょっと困難かなというような認識でございますというお話として承ってはおりますが、何か要望書の形というような形ではいただいてはございません。
  144. 吉川春子

    ○吉川春子君 放送法六条の二で災害時の義務付けがされておりまして、災害の場合の放送事業者は災害発生予防、災害軽減のための役立つ放送をしなければならないとなっています。放送法三条二で、放送事業者の定義の中にはコミュニティー放送も入ります。実際、今回の地震でも重要な役割を果たしているわけです。  今、お話がありましたように、今回の場合は六七%程度を市が負担したようですけれども、多額の持ち出しになっておりまして、これには人件費は含まれていないんですね。それから、CMによる営業活動で成り立つ局なんですけれども、この期間は不謹慎であり、CMは流せない、営業活動もできない、こういう実情にあるわけですけれども、国が是非こういうコミュニティー放送に対して一定の負担をするような補償制度の確立の検討が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  145. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 先ほどの災害情報提供関係というところは、確かに自治体と相互協定をやりながら体制をつくっているわけなんでございますけれども、やはりコミュニティー放送を運営、非常災害のときがあったにしても、そのときにその設備を地方自治体に使ってもらう、そのために人にやってもらうというところに対する費用負担の形であって、それが多分先ほどのお話の三分の二という形になったものだろうと思いますけれども。  コミュニティー放送そのものの運営に係る負担というやり方は、これ国から放送事業者に対する支援ということは放送法も予定していないところでございます。国が放送しろよと言ってお支払をしているのは、いわゆるNHKの国際放送、国際命令放送ですね、そこの部分のところはございますが、やはり放送事業者というところもございますので、国からの交付金の対象、あるいは何かその支援というところもありますが、もう私どもは現在ではテレトピアの、一定の地域内における開局時の低利融資というような形での支援をしているところでございますが、今後、先ほどのお話等についてはまた関係したコミュニティー放送からお話は承ってみたいと思います。
  146. 吉川春子

    ○吉川春子君 今、制度がないわけなんですね、大臣。  麻生大臣に最後、もう時間が来てしまいましたので伺いたいと思うんですけれども、やっぱりこういうミニコミというかコミュニティー放送、FM放送が非常に果たす役割は大きいわけです。NHKとか大きなところから大きなニュースももちろん必要なんですね。でも、やっぱり本当に身近な人たち、被災者にとって必要な情報を流したという意味で非常に、さっき大臣もおっしゃったように評価されている。こういうところがいざというときにそういう役割を果たせるためには、いろいろ法律的にクリアすべき課題はあろうとは思うんですけれども、一定の法律の、災害時の放送の義務付けもあるという立場から、何らかの補償の制度を検討していただきたいと。そして、こういうところがいざというときにゆきぐに、FMゆきぐにのように役割を果たせるようにできる経済的基礎ですね、制度、そういうものを是非検討していただきたいと思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  147. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、基本的には国が直接やるのは難しいと思うんですね。したがいまして、これは地方公共団体との間できちんとしたものがある程度できたのを後から国が何とかという方法以外ちょっと思い付かないと思いますので、ちょっと今まで考えたことありませんので、今初めて御提案をいただきましたので、今ぱっと言われたところではそれぐらいしか思い付かないところですけれども
  148. 吉川春子

    ○吉川春子君 長岡市と協定を結んでいるんですけれども費用負担はしないという協定を結んでいるんですね。それで、別途協議するという形で欄外のところにあるんです。是非、どういう形であっても、そういう形で、大臣が検討すると言ってくださったので大変期待をいたしまして、是非検討して役に立つ放送が更にできますように要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
  149. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  この法案については賛成でございますが、今後の対策について二、三お伺いをしておきたいと思います。  この改正案の最大のねらいは電波利用料の大幅値上げにあるわけでありまして、その背景は地上デジタルテレビへの膨大な投資、こういうことでしょう。ところが、値上げの理由めいたものとしては電波利用料の使途を拡大をするという大義名分が掲げられておりますので、その点で伺いたいと思います。  使途拡大の中身として、総務省、事前にお配りいただいたこの法律改正案の概要を見ますと、冒頭にデジタルディバイド対策と書かれているのですけれども、具体的には研究開発の追加と携帯電話等不感対策の二つだけ、こんなことですね。つまり、総務省考え方は携帯電話等不感対策イコール、デジタルディバイド対策のすべてのようにここではうかがえます。  しかし、私はこれはちょっと問題ではないのか、こう思うんです。というのは、このデジタルディバイドというのはもっと広範囲意味、つまり障害者、高齢者などのいわゆるデジタル弱者がデジタル化に伴って、ややこしい機械の操作ができない、あるいは見づらいといった点から始まって、デジタル媒体で提供される様々な情報利用方法が分からない、知らない、あるいは料金体系がますます複雑になっているが、より安い料金で利用する方法がこれまた分からないなどなど、こういう点で若者だとかあるいはデジタルに熟練した人たちに比べたら社会生活で不利益を被るようになるというのが正しい意味ではないのか、こんなふうに思うので、大臣、それこそ横文字に一番強い方ですが、この点でこのデジタルディバイドということについてどのようにお考えですか。
  150. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には、デジタルがディバイドされているんですから、情報格差というように通常は訳すんだと存じます。その中で、今これだけ携帯電話が普及した中にあって、過疎地において携帯電話が通じない。昔は水洗がないから嫁の来手がないという話がありましたけれども、デジタルが通じないから嫁の来手がないと。よく最近若者が言う話の冗談の一つです。分からぬことはない。FOMAはともかくmovaも通じないというような話を聞かされるとかなり深刻だなと、それは正直そう思います。  そういったのが基本的に今回の中で出てきておりますけれども、おっしゃるとおりに、いわゆるキーボードがたたけない等々の方は世の中には国会議員含めて一杯いらっしゃるのは事実ですから、そういった中にあって、私どもから見てそういった方々が情報で落ちるという、格差が付くということになってきているのは現象面としては事実だと思いますが、ただ、技術的なことを申し上げると、今ではいわゆる身体障害者、心身障害者含めて、要介護者と言われるような方々が健常者と同じようにパーソナルコンピューターというものの恐ろしい技術の進歩のおかげで、目だけでずっと追えるとか音声で入るとか、技術の進歩はすさまじいことになっております。  そういった障害者だけで会社やっているところもあるのが事実ですので、そういったのを見ますときに、一概になかなかおっしゃるようなこと、よく事実として分かりますけれども、問題点としてはやっぱりまだ入らない、これが通じない、オプティカルファイバー、光ファイバーが通じない、無線も通じないというところを何とか解消することがやっぱり今の現状面としては一番優先されるかなという感じがいたしております。
  151. 又市征治

    ○又市征治君 そこで、デジタルディバイドの人たちをその意味では抱えるというべきか、対応されておる厚生労働省にもちょっと来てもらいましたが、今申し上げた意味で、高齢者であるとか障害者のための電話だとかパソコンの利用については、聴覚障害者や視覚障害者向けの改良であるとか、また独り暮らし対策といった福祉サービスとして自治体などが取り組んできているんだと思うんですね。  事前の問い合わせちょっといたしましたが、障害者向けは四項目だと、こういうお答えでありますが、高齢者向けはないということでありました。この四項目、少し要約して紹介をしてください。あわせて、その財源はどういうふうになっているのかもお聞かせいただきたいと思います。
  152. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) 御答弁申し上げます。  厚生労働省では、障害者の日常生活上の便宜を図ることを目的といたしまして、日常生活用具給付等事業といたしまして、福祉電話あるいは聴覚障害者用の通信機器、これの給付、貸与、これを行っているところでございます。  具体的に申し上げますと、体の不自由な方が息を吹き掛けただけでダイヤル操作をできる、こういうものですとか、あるいは耳が聞こえない方が文字や画像、こういうもので情報通信ができるような聴覚障害者用の通信装置、こういうものを給付あるいは貸与させていただいているところでございます。  その事業総額でございますけれども、この日常生活用具給付等事業といたしまして、国、国庫ベースでいえば約二十一億円、これは地方自治体と折半をしておりますので、事業費の総枠といたしましては約四十二億円の事業費総枠となっているわけでございます。
  153. 又市征治

    ○又市征治君 私がお聞きをした四項目で二十一億ではなくて、これは聞いてみますと、特殊寝台であるとか移動用リフトなどの給付事業を含めてでしょう、これは。
  154. 中谷比呂樹

    政府参考人中谷比呂樹君) さようでございます。
  155. 又市征治

    ○又市征治君 そうすると、今申し上げたような四項目のこうした障害向けについていえば極めて微々たるもので、あなたがおっしゃるように四十二億になりますなんてとんでもない話で、数億行くか行かないか、こういう中身だと思うんです。もっと中身をそういう意味ではもっと進めてもらいたい、こういう思いで聞いているわけでありまして、そういう対応を自治体ともども努力をしてもらいたい、こう思っております。  次に、今回の使途拡大は不感対策で、有線伝送路、いわゆる光ファイバーの設置ということですが、これ以外具体的には挙げられておりません。もう一つの使途拡大の項目とされる研究開発電波の効率的利用だけで、今厚生労働省から紹介されたようなデジタル弱者のための対策というのはないわけですね。これ以外に従来の施策で何かあるのかどうか、これがまず一つ。  今回の携帯電話不感対策も大切ですけれども、それはある程度供給側の必要から商業ベースでカバーされ得る、私はそう思いますね。しかし、デジタル弱者へのサービスというのは営利企業ではできないことでもありますから、公的サービスとして保障される必要があるんじゃないのか。これは直ちに総務省管轄で何かやれとかということではなくて、政府トータルとしてそういうことも、今厚生労働省から一端が紹介ありましたけれども、もっとそういうことがやられるべきではないのかというふうに思いますが、その点についてお聞かせ願います。
  156. 須田和博

    政府参考人須田和博君) 今回の電波法の改正の御審議に当たりまして、電波利用料財源の使途の拡大としましては、御指摘のような電話等の不感対策業務と併せまして、電波資源の拡大のための研究開発というのを設けているわけでございます。前者につきましてはデジタルディバイド対策の一環と位置付けることが可能だと思いますけれども、後者の研究開発につきましては、これは基本的には周波数の逼迫状況を解消しまして移動通信等の新たな周波数需要に的確に対応することを目的としているものでございますから、この研究開発の中でデジタルディバイド対策、先生御指摘のような高齢者の方だとか体の不自由な方のためにこのような新しい情報通信機器が使えるようにするということ、こういった研究開発を行うことはなかなか難しい面があるんではないだろうかと考えております。  しかしながら、私ども総務省といたしましても、こうした情報通信の利便というのを広くだれでもが享受できるようにするということが非常に大切なことだと考えております。そのため、デジタルディバイト対策のための研究開発というのは、これは電波利用料とは別でございますけれども、これまでも一般財源を用いまして様々な開発とかあるいはサービスの提供に対しての支援を行っているところでございます。  例えば、そうした一環としまして、障害者向け情報通信サービスの開発提供の支援というスキームがございますけれども、平成十六年度としましては全体で八つほどございますけれども、例えばリアルタイムの字幕配信役務の提供、これを支援するとか、あるいは携帯電話を活用したモバイル会話補助サービスシステムの開発、これを支援するとか、こういったことをいろいろな形で支援しているところでございます。
  157. 又市征治

    ○又市征治君 繰り返しになるようですけれども、先ほど冒頭に大臣にお伺いをしたように、デジタルディバイドという言葉は、本来、地域ではなくて、デジタル化に付いていけない、あるいは所得が低いためデジタル情報にアクセスできない人たちがいる、そういうことにどうしていくかということの意味考えなきゃならぬのだと思うんです。社会全体がデジタル化をされればされるほど、デジタル機器によって情報を得たりあるいは発信するのが当たり前という風潮になってまいりますけれども、逆に、アナログ情報というか、紙ベースの広報手段というか、あるいは、卑近な例でいえば街角の公衆電話が撤去されていくなどということが起こってくるわけで、それだけにデジタル化に乗れないで以前あったアナログ的な情報すら奪われていく、生活に必要な情報から遮断される人たちの権利をだれがどのように保障していくのかということが問われてまいります。  ここに公共の役割、政府がデジタルディバイドの解消を掲げる意味が私はやっぱり一方であるんだろうと、こういうふうに思うわけで、したがって、今幾つかお答えございましたが、先ほどの厚生労働省じゃありませんけれども、せいぜい年間で数億、自治体などを含めてあったとしてもその程度ということでありますが、今回携帯不感対策しか予定してないわけですけれども、今後もっと、そういう意味では様々な機器の開発の問題を含めてもっと使途をデジタル弱者対策にも拡大をいただく、こういう方向に向かって御努力をいただきたいと思いますが、大臣、これはいかがでしょうか。
  158. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には今御指摘のありましたように、デジタルディバイドというのは不感対策だけじゃないじゃないかと、おっしゃるとおりだと存じます。  基本的に申し上げて、そういった方々に余り疎外感を与えないようにいかにするかというのは結構大事なところだと存じますけれども、私どもも今、しかし逆にICTの技術が進歩したおかげで、少なくとも、そうですね、要介護者が自宅を出て飛行機に乗るまで介護を必要としないで飛行機に乗れるようにしよう、国土交通省の道路局ですら考える。すらと言うとえらくばかにしているようで恐縮ですけれども、最初にこれに目を付けたのは道路局ですから、そういった意味では、道路がしゃべるようにするなどというのは郵政省が考えたわけでも何でもない、これは道路局が考えたんですから。  事実、そういった実験は、トロンという技術を使って今そういった形になってきておりますので、視聴覚障害者であっても全部携帯だけで黄色の線をたどれるようにするというようなものはもう既に始まっておりますので、そういったようなもので、デジタルのおかげで結構いろいろな意味で普及して楽になっている部分も一杯あるということも是非御記憶をいただき、私どもとしては今言われた点について十分配慮してまいりたいと存じます。
  159. 又市征治

    ○又市征治君 それじゃ次に、先ほども出ましたが、この秋からテレビ受信機にこのテレビは二〇一一年からは映りませんよというシールを張っているわけですね。しかし、テレビの地上デジタル化事業は、放送事業者に巨額の費用を出させるだけではなくて、視聴者に新しい受像機を買わせる、大変負担を掛けるということになるわけで、一方では、そのまま放置しておけばテレビメーカーに莫大な利益をもたらすということにこれはなるわけでありますね。  とりわけ、先ほどから私申し上げてきたような低所得者の人々、私、非常にあちこちでこの問題大変重視をして申し上げるんですが、今や勤労世帯の中の一八%、六軒から五軒に一軒が生活保護基準以下になるようなこうした世帯が生まれているわけですね、格差拡大が生まれてきて。こういう人々が、言ってみれば、このテレビまだ見れるのに、まだ見れるのに、言ってみれば、これデジタル化になって二〇〇一年から駄目ですと、こうなって正に身銭を切らされる。身銭を切らされるという点でいうならば、正にデジタルディバイドですよ、これ。  そういうことになってしまうわけで、そういう意味でやはりここのところの対策を一体どうしていくのかという点で、二〇一一年でもうすっかり打切りなのか、あるいは先ほども大臣がお答えになりましたけれども、もっと、そういうチューナーを安くもっとさせるようにしながら、そして安価に今のものに取り付けられるようにするとかという方法もあるでしょう。テレビ全体をやはりもっと抑えていくという努力もあるんだろうと思いますが、もう一方で、しかし、もう少しこのアナログ放送中止、これが二〇〇一年で、二〇〇一年でもう一切終わりなのか、もう少し長くやれないのかという声もあるんです。ごめんなさい、一一年ね、二〇一一年。ということを、もう少し延ばせないのかというのもこれ現実にある声なんですよね。  だから、そういう点を含めて、ここらのところは総合的に対策をどのようにお考えになっているのかお聞かせいただきたいと思います。
  160. 清水英雄

    政府参考人清水英雄君) 先生御指摘のように、二〇一一年におけるデジタル放送と同時にアナログの停波という点は、確かに高齢者、低所得者を含めていろいろな方がおられる中できめ細かい対応が必要だと思っております。  いわゆるその地上デジタルの推進全国組織という商工会議所会頭をトップにした組織もございますが、やはりその中でもその議論がございまして、まずデジタル放送受信機を、今大型だけになっているのを、これはなるべく十インチ台も含めた小型のものにとか、あるいはセットトップボックス、そういうようなものについての低廉化のお話、そういうようなところがあったり、そのほか、余りにも機能が複雑になり過ぎますもので、ちょっとその機能別でその次のページに進むボタンを押してくださいと言われても、データ放送をやっていて困りますから、赤いボタンを押せば分かるというふうに赤いボタンにリモコンを変えるとか、そういうようなこと等も実は提言されているところでございます。  ただ、先生御指摘のとおり、確かにテレビが映らなくなるんですが、とはいえ、そのテレビをやはり基本的には買い換えていただくのが本来の形かなと思っておりますんですが、なるべくそれを安くなりますように各メーカー等についても督促をしてまいりたいと思っております。だんだんだんだん、発売当時は百万円とか言われていましたが、今一インチ一万円を切りまして、これは個別のところじゃないんですが、量販店クラスになりますと、十九インチで十万円を切るケースもだんだん出てきてまいりますので、そういうところに強く期待したいと思いますが、どうしてもデジタルの良さは大きな画面できれいに映るとか、そういうところがありまして、できたらその辺りを御堪能いただければ大変有り難いかと思っております。
  161. 又市征治

    ○又市征治君 初めから私はディバイドの問題を申し上げてきたわけで、そういう点では低所得の皆さん、あるいは本当に余りデジタルなんかおれ関係ないと、関係ないのに二〇一一年からお年寄りの方がいきなりそういうふうに切り替えられると、見れなくなってしまうと。だから、こういう人々に対するきめ細かな対策というか、あるいは場合によると、それは厚生労働省なんかを含めて、高齢者福祉対策という問題も含めて考えていく、あるいは自治体にも協力いただいていくということなどを含めてやっていかないと、何であろうと二〇一一年来たら終わりなんですと、しようがない、新しいものを買ってください、くださいと言うだけじゃ私はいけないんじゃないのかと。  その点をしっかりと対応していただくように要請を申し上げて、今日の質問を終わりたいと思います。
  162. 木村仁

    委員長木村仁君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  163. 木村仁

    委員長木村仁君) 委員異動について御報告いたします。  本日、矢野哲朗君が委員辞任され、その補欠として北川イッセイ君が選任されました。     ─────────────
  164. 木村仁

    委員長木村仁君) これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  165. 蓮舫

    ○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫でございます。  私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました電波法及び放送法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場より討論を行います。  以下、反対の理由を申し上げます。  まず、電波利用料の見直しについてですが、本法案では、電波利用料の算定に当たっては電波の出力や逼迫の程度などを勘案するとしています。しかし、これまでと同様に、総務省が恣意的に電波利用料を決定できる仕組みが温存されています。本法案では、電波利用料経済的価値が反映されていないという問題について根本的解決策が打ち出されておらず、小手先の見直しに終始しています。  また、本法案では、電波資源拡大のための研究開発などにも電波利用料を使用できるようにするとしています。しかし、電波資源拡大のための研究資金が有効に使われているか否か、外部評価機関である評価会によるチェックは総務省中心のお手盛りとなるおそれがあります。  このように、本法案の仕組みでは、電波利用料について、徴収する金額とその使い道の両方総務省のお手盛りで決定されてしまう可能性があります。  次に、放送局に対する外資の間接出資規制についてですが、放送局が言論報道機関としての役割を果たしていることなどを考えると、放送局に対する外資の間接出資について一定の規制を掛けることは必要であると考えます。  しかし、この点については、十分な議論が行われずに拙速に法案が提出されたという問題があります。さきの通常国会において外資の間接出資規制に関する法案は、ライブドアが外国企業から資金調達をしてニッポン放送の株式を大量に取得したことが明らかになってからわずかな期間で提出されました。  法案の作成過程においては、インターネット通信など通信放送融合が急速に進展する中で、放送局のみを外資規制の対象とすることで十分であるのか、今後デジタル化に伴って多額の設備投資が必要となることを考えたとき、今回の規制によって放送各社の資金調達にどのような影響が出るかなど多くの課題について検討しなければならなかったはずです。しかし、総務省はこうした点について十分な議論を行うことなく法案を提出したのです。  このように様々な問題点を抱えた電波法及び放送法の一部を改正する法律案に反対することを最後に申し上げ、討論を終わります。  以上です。
  166. 木村仁

    委員長木村仁君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  電波法及び放送法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  167. 木村仁

    委員長木村仁君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、内藤君から発言を求められておりますので、これを許します。内藤正光君。
  168. 内藤正光

    ○内藤正光君 私は、ただいま可決されました電波法及び放送法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出をいたします。  案文を朗読いたします。     電波法及び放送法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。  一、無線局免許人の拠出による特定財源としての電波利用料の性格にかんがみ、その使途の透明性・客観性を確保し、受益と負担の関係の明確化に努めること。併せて、電波利用共益事務の効率化に努めること。また、今回見直した電波有効利用に対する効果を検証し、その結果を速やかに明らかにすること。  二、電波利用料制度については、平成五年の創設時以降、電波利用をめぐる環境が今なお大幅に変化していることを踏まえ、電波有効利用をさらに促進するため、検討を行うこと。また、電波割当ての在り方について公正性・透明性確保の観点から、今後も一層の検討を行っていくこと。  三、国等が使用する無線局電波利用料負担の在り方については、可及的速やかに結論を得て、その使用する電波の一層の有効利用を促すとともに、情報公開に努めること。  四、電波利用の使途拡大においては、国民生活に不可欠のものとなっている携帯電話について、一般財源及び電波利用料財源を活用し、不感地域を早期に解消するほか、高齢者、障害者などの「デジタル・ディバイド」解消に努めること。  五、放送事業者の経営の変化等により、視聴者に不利益が生じたり、放送の公共性が損なわれたりすることがないよう配慮すること。また、通信放送融合デジタル化など放送をめぐる環境の大きな変化に適切に対応するため、新しい時代にふさわしい放送制度の在り方について、国民視聴者の意見を聴取し、幅広く検討を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  169. 木村仁

    委員長木村仁君) ただいま内藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  170. 木村仁

    委員長木村仁君) 全会一致と認めます。よって、内藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、麻生総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生総務大臣
  171. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたく存じます。
  172. 木村仁

    委員長木村仁君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  173. 木村仁

    委員長木村仁君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  174. 木村仁

    委員長木村仁君) 一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。麻生総務大臣
  175. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明させていただきます。  まず、一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案について御説明をさせていただきます。  本年八月十五日、一般職職員給与改定に関する人事院勧告が提出されました。政府として、その内容を検討した結果、勧告どおり平成十七年度の給与改定を行うとともに、平成十八年度から給与構造の抜本的な改革を実施することが適当であると認め、一般職職員給与に関する法律等について改正を行うものであります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、すべての俸給表のすべての俸給月額を改定することとしております。また、俸給表の級構成及び号俸構成を改めることなどといたしております。  第二に、扶養手当について、配偶者に係る支給月額を一万三千円に引き下げることとしております。  第三に、勤勉手当の支給割合を年間〇・〇五か月分、期末特別手当の支給割合を年間〇・〇五か月分それぞれ引き上げることなどといたしております。  第四に、職員の昇給は、人事院規則で定める日に、同日前一年間の勤務成績に応じて行うものとし、その期間の全部を良好な成績で勤務した職員の昇給号俸数を四号俸とすることとしております。  第五に、新たに地域手当を設け、当該地域における民間の賃金水準を基礎とし、当該地域における物価などを考慮して定める地域に在勤する職員等に対し、俸給、俸給の特別調整額及び扶養手当の月額の合計額に、地域手当の級地に応じて定める割合を乗じて得た額を支給することなどといたしております。  第六に、初任給調整手当及び非常勤の委員などに支給する手当を人事院勧告どおり改定するとともに、暫定筑波研究学園都市移転手当を廃止することとしております。  このほか、任期付研究員法及び任期付職員法について必要な改正を行うとともに、施行期日、その法律の施行に関し必要な経過措置などについて規定することといたしております。  引き続きまして、特別職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案について御説明を申し上げます。  この法律案は、特別職職員給与について、一般職職員給与改定に併せて、必要な改正を行うものであります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、内閣総理大臣等の特別職職員の俸給月額及び期末手当について、一般職職員給与改定に準じた措置を行うことといたしております。  第二に、地域手当を新設するとともに調整手当を廃止することとしております。  第三に、常勤の委員などに支給する日額手当の限度額について、内閣総理大臣等の給与改定に準じて引き下げることとしております。  第四に、二千五年日本国際博覧会政府代表の俸給月額を、内閣総理大臣等の給与改定に準じて引き下げることとしております。  第五に、特別職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置対象の審議会などの常勤委員の俸給月額について、内閣総理大臣等の給与改定に準じて引き下げることとしております。  このほか、施行期日、この法律の施行に関し必要な経過措置について規定することとしております。  引き続きまして、国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  この法律案は、国家公務員制度改革における国家公務員退職手当制度の改革の必要性や国家公務員の給与構造の改革の状況などにかんがみ、職員の在職期間中の公務への貢献度をより的確に反映させるため、中期勤続者の退職手当の支給率を改定するとともに、一定期間の職務の内容に応じた調整の仕組みを創設するため、国家公務員退職手当法について必要な改正を行うものであります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、退職した者に対する退職手当の額は、退職手当の基本額に、退職手当の調整額を加えて得た額とすることとしております。  第二に、退職した者に対する退職手当の基本額は、退職の日におけるその者の俸給月額に、その者の退職理由ごとに、それぞれその者の勤続期間に応じて定める支給率を乗じて得た額とするとともに、中期勤続者に係る支給率を引き上げることとしております。  第三に、退職した者の在職期間中にその者の俸給月額が減額されたことがある場合について、退職手当の基本額の計算方法の特例を設けることとしております。  第四に、退職した者に対する退職手当の調整額は、その者の在職期間の各月ごとに、当該各月においてその者が属していた職員の区分に応じて定める調整月額のうち、その額が最も多いものから順に六十か月分の調整月額を合計した額とすることといたしております。  このほか、施行期日、またこの法律の施行に関し必要な経過措置について規定するとともに、関係法律について必要な規定整備を行うこととしております。  以上が、これらの法律案提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いを申し上げます。
  176. 木村仁

    委員長木村仁君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。  三案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十四分散会