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2005-10-25 第163回国会 参議院 財政金融委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年十月二十五日(火曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  十月二十日     辞任         補欠選任      関口 昌一君     山下 英利君  十月二十一日     辞任         補欠選任      松村 祥史君     段本 幸男君  十月二十四日     辞任         補欠選任      段本 幸男君     小泉 顕雄君      池口 修次君     加藤 敏幸君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山本 孝史君     理 事                 田村耕太郎君                 中島 啓雄君                 山下 英利君                 櫻井  充君                 峰崎 直樹君     委 員                 柏村 武昭君                 片山虎之助君                 金田 勝年君                 小泉 顕雄君                 野上浩太郎君                 舛添 要一君                 溝手 顕正君                 若林 正俊君                 尾立 源幸君                 大久保 勉君                 大塚 耕平君                 加藤 敏幸君                 富岡由紀夫君                 平野 達男君                 広田  一君                 西田 実仁君                 山口那津男君                 大門実紀史君                 糸数 慶子君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        伊藤 達也君    副大臣        内閣府副大臣   七条  明君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        西銘順志郎君    事務局側        常任委員会専門        員        藤澤  進君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       中城 吉郎君        内閣官房内閣審        議官       楠  壽晴君        内閣官房内閣審        議官       細見  真君        公正取引委員会        事務総局審査局        長        松山 隆英君        警察庁長官官房        審議官      和田 康敬君        金融庁総務企画        局長       三國谷勝範君        金融庁検査局長  西原 政雄君        金融庁監督局長  佐藤 隆文君    参考人        日本郵政公社理        事        斎尾 親徳君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○銀行法等の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)     ─────────────
  2. 山本孝史

    委員長山本孝史君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、関口昌一君、段本幸男君及び池口修次君が委員辞任され、その補欠として小泉顕雄君、山下英利君及び加藤敏幸君が選任されました。     ─────────────
  3. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事山下英利君を指名いたします。     ─────────────
  5. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  銀行法等の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  銀行法等の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会参考人として日本郵政公社理事斎尾親徳君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  9. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 銀行法等の一部を改正する法律案議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。伊藤内閣特命担当大臣
  10. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) ただいま議題となりました銀行法等の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。  政府は、内外の金融情勢の変化に対応し、金融資本市場構造改革を促進する必要性を踏まえ、預金者等利便性向上等を図るため、本法案提出した次第であります。  以下、この法律案内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、銀行等代理店制度見直し、より幅広い形態での銀行代理業への参入を認めることにより、利用者金融サービスに対するアクセスを確保、向上させるとともに、金融機関が多様な販売チャネルを効率的に活用できるよう、預金の受入れ、資金の貸付け、為替取引等内容とする契約の締結の代理又は媒介を営業として行う銀行代理業制度を創設することとしております。  具体的には、一般事業者銀行代理業参入する際に課せられている出資規制兼業規制を撤廃する一方、銀行代理業の適正確実な遂行を確保するため、銀行代理業参入に当たっては許可制とするほか、兼業については個別承認制とするとともに、抱き合わせ販売情実融資禁止等利用者保護等のための措置を講ずることとしております。  第二に、銀行等経営効率化のため、子会社規制の緩和を行うほか、銀行等の適切な業務運営を確保するため、業務委託先への報告徴求や立入検査を可能とする等、所要措置を講ずることとしております。  以上がこの法律案提案理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  11. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  12. 山下英利

    山下英利君 自由民主党山下英利でございます。トップバッターとして質問に立たせていただきます。  何分にも自由民主党の持ち時間は非常に短うございますので、この銀行法の一部改正につきましては、焦点を絞って質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  私からは、今回のこの銀行法の一部改正につきましては、従来よりも更に広範囲金融サービスの提供によって利用者利便性向上させるという意味におきまして、この法案というのはやはり今の流れの中で必要不可避であると、そういうふうに私は思っているところでございます。しかし、中身につきまして、私自身も勉強不足というか、確認かたがた質問をさせていただかなきゃいけない部分というのがありまして、今日、質問に立たせていただいた次第であります。  その点というのは、私が御質問させていただくのは、今回の銀行代理店制度における委託契約委託という考え方についてであります。  この要綱を拝見いたしまして、今回の改正案では、いわゆる銀行代理業委託だけでなくて再委託も認めるというふうなことがうたってございます。まず冒頭、委託、再委託、これはどういうイメージでお考えになっていらっしゃるか、金融庁の方からお答えをいただきたいと思いますけれども、いいですか。
  13. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 今回の銀行法改正に当たりましては、参入に当たりまして許可制、あるいは兼業につきましても承認制といった形で、そういった制度的な仕組みをつくりました上で、委託につきましてはいわゆる代理でございまして、一義的に、いろいろなところが銀行から委託を受けて業務を行うと。再委託は、文字どおり、そこから更に、復代理と申しますが、委託を受けて行う業務形態を想定しているところでございます。
  14. 山下英利

    山下英利君 どうもありがとうございます。  現行の金融制度金融状況を見ますと、いわゆる銀行業務の中にいろんな業態商品、これも入ってきているところであります。典型的なものは、最近郵政の方も取扱いを始めましたけれども、いわゆる投資信託、それからいわゆる生命保険窓販等、各業法がありますけれども、いろんな金融組合せ商品等も出てきているところであります。  今回のこの委託という考え方の中に立って言うと、銀行商品及びそれ以外の証券生保商品のいわゆる委託、再委託、これについては、この銀行法という範疇だけに限られるんでしょうか、それとも、いわゆる先ほど言った金融商品の中に入っていればそれも委託に出せる、あるいは再委託できるというふうな考え方でよろしいんでしょうか。
  15. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 保険あるいは投信等につきましては、それぞれ保険業法あるいは証券取引法におきまして所要制度が整備されているところでございます。  再委託関係でございます。まず、保険募集につきましては、保険業法上、復代理は禁止されていると解されております。したがいまして、復代理という形ではなくて、直接保険募集委託を締結するという形を取ることになろうかと思われます。投資信託販売につきましても、証券取引法上、証券仲介者による証券仲介業務の再委託は認められておりませんので、行うとすれば直接委託を行うという形になろうかと思います。
  16. 山下英利

    山下英利君 そういたしますと、今回の銀行法改正というのは、あくまでも銀行通常預金、貸出し、こういった範疇に、あるいは為替取引という範疇にとどまってしまうということで、今の金融マーケットといいますか、銀行業務の中で全部をカバーするという形ではないわけであります。  したがって、銀行法だけでなくて、これは、いわゆる要するに証券取引法あるいは保険業法といったものも併せた、将来的なそういったいわゆる代理店制度の拡充というのもまた考えていくべきなのかどうか、この辺は議論をしていかなければいけないのではないかと思いますが、ただ、顧客ニーズに対応するという観点からいえば、これは広げていっていいのではないかと私個人的には思います。しかし一方では、管理監督という部分において複雑化するというところの難しさもあるというところではないかなと思っております。  この点について、今の金融コングロマリット化、あるいはいわゆる貯蓄から投資へという考え方の中で、これからのいわゆる代理店制度のそういった方向性について、担当大臣、どのようにお考えでいらっしゃいますか。
  17. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 委員からは、保険証券について再委託を認めるなど、販売チャネル多様化についてしっかり議論を進めていくべきではないかと、こうした視点から今御質問いただいたわけでありますけれども、私どもといたしましては、金融改革プログラムにおいて述べさせていただいているとおり、利用者利便向上を図る観点から、今回の銀行代理業制度を始め、金融商品サービス販売チャネル拡大に取り組んできたところでございます。今後とも、利用者保護を図りつつ、各業態における金融商品、そしてサービス販売チャネル拡大に努めてまいりたいと考えております。  なお、保険会社と直接契約関係のない再委託を認めることにつきましては、保険の特性上、複雑かつ多様な商品が多く、保険会社指導、教育などが不可欠である中で、利用者保護観点から慎重な検討が必要ではないかと考えているところでございます。  また、証券仲介業制度につきましても、所属証券会社注意義務やあるいは当局の監督実効性観点から、証券会社と直接契約関係のない再委託を認めることにつきましては、利用者保護観点から照らして慎重な検討が必要ではないかと認識をいたしております。
  18. 山下英利

    山下英利君 今の大臣の御説明、もっともであります。ますます複雑多様化すれば、それだけ管理監督も複雑になってまいりますし、その状況に対応した手段を講じていかなきゃいけないと、これはもっともな話であります。  しかし、現実に、今銀行が一番収益として求めているのは、通常の貸出しという、貸出しももちろんありますけれども、やはりこの投資信託とか金融商品顧客販売することによる手数料の収入、これをいかに拡大していくかというニーズがあるわけでありまして、特に投信の場合には、これは証券会社が要するにその運用委託していると、委託というか運用を任されているというだけでなくて、銀行本体がむしろファンドを組成して運用しているケースもあり、これはケース・バイ・ケースで対応しなきゃいけないという部分がありますので、今後の展開によっては、やはりここら辺を柔軟に対応していかないと、本来の銀行収益源というものをこの代理店制度が十分に賄っていけないというふうな部分も出てくるんではないかなと、そのように思っているところでありますので、そのような、今のようなコメントをさせていただいたところであります。  今日は、郵政民営化準備室にお越しをいただいておりますので、先般郵政民営化法案が通りまして、今回の代理店制度について、やはり同様に委託という問題についてこれは御質問をさせていただきたいと思います。  私からちょっとお聞きをしたいのは、簡易郵便局のことなんです。簡易郵便局というのは、従来郵政公社から委託を受けてそれで業務を行ってきたという形でありますけれども、これ民営化にしますと、今度各、民営化会社は分かれるわけですから、委託を受けて、それは再委託というスキームになろうかと思いますけれども、それで、そういった形で従来どおりの業務というのが継続できるんでしょうか。
  19. 細見真

    政府参考人細見真君) お答えいたします。  郵便窓口業務郵政事務郵便窓口業務につきましては、これは郵政窓口事務委託に関する法律におきまして、郵便局会社がまず郵便事業会社から委託を受け、それを簡易郵便局に出すという格好、再委託するという格好になります。それから、銀行業務、貯金の業務につきましては、これも郵便局会社委託を受けましてそれを再委託をすると、簡易郵便局に再委託するという格好になろうかと思います。  多分、委員の御関心は保険業務について一番おありかと思いますが、保険業務につきましては、ただいまの金融庁の方から御説明がありましたとおり、保険募集については再委託が認められていないということでございますので、他方、その他保険に関する業務事務についてはこれは再委託が認められているということ、例えば保険料収受とか保険金支払と、こういったことについては再委託ができると、こういうふうに整理をされているというふうに理解をしております。  したがいまして、簡易郵便局保険業務を継続する場合には、保険募集委託に係る契約につきましては郵便保険会社と直接に結ぶ、郵便局会社を通すということではなくて、郵便保険会社と直接結ばなければならないということでございますが、その他の業務、先ほど申し上げましたような保険料収受とかあるいは保険金支払等につきましては、郵便局株式会社郵便保険会社から委託を受けた上で、さらに簡易郵便局に再委託すると、こういうことができるというふうに理解をしております。こういうスキームによりまして、郵便局株式会社簡易郵便局を実質的に支援をしたり指示をしていくということは可能ではないかというふうに認識をしております。  なお、ただいま申し上げましたような手法につきましては、民間においても既に同様な事例があるのではないかというふうに聞いておるところでございます。
  20. 山下英利

    山下英利君 したがって、民間と同じイコールフッティングという状況になった場合には、今度は直接その委託契約を結ばなきゃいけない、保険部分についてはですね、そういう状況になってくると。  それは一つ横へ置いておきまして、そういった形で、その簡易郵便局自体がこれは郵政民営化の中でその委託契約を結ぶということであれば、お互い状況もよく分かっているわけですから委託契約というのは結びやすいんじゃないかなと、そう思いますけれども、今回、例えば銀行の部門についていえば、これは、郵政民営化するといろんなほかの銀行商品も取り扱えるようになって、それで業務範囲が広がりますよということが一つの答弁としても委員会大臣から聞かれていたところなんですけれども、この場合の簡易郵便局の要するに、その再委託先認定基準、まあ再委託先というよりもむしろ直接かもしれません。認定基準というのは、まあ簡易郵便局というのは、大体地方の言ってみれば兼業で、いろんな事業をやりながらそんな小体零細でやっているところがほとんどです。そういったところを代理店としての認定基準にきちんと入れられるのかどうかということについては、改めてこの委員会で私も今度は金融庁の方にお聞きをしたいんです。  この銀行代理店業務というものを、例えば一般の、民間金融機関簡易郵便局がその代理店契約を結びますよといったときに、事業者としての認定であるとかあるいは兼業に対する制限とか、今回法律で書かれておりますけれども、そういったものというのはどういうような判断基準でごらんになるんでしょうか。
  21. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 一般論として申し上げますと、制度論といたしましては、民営化後の簡易郵便局につきましてもこれは一般事業会社と同じような扱いになるわけでございます。ただ、簡易郵便局につきましては、一つ郵便局株式会社によりまして社会的信用があるものとして選任されることになること、それから現在滞りなく簡易保険契約業務を行っていること、こういったことを踏まえまして、保険業法の下においてもその保険募集等業務を適切に行うかどうかが判断されていくことになるものと考えております。
  22. 山下英利

    山下英利君 今の一般論説明、これはそれで結構なんですけれども、大事なことは、その地域におけるサービス、これが民営化した後で劣化することのないようにということは一つ基準でもありますし、むしろ劣化するというよりも、この銀行代理店制度によってほかの金融機関商品も取り扱って、いわゆる商売商売というか品ぞろえを増やして、むしろ営業活動が活発になるということは一つプラス要因だと私は受け止めております。  もちろん、簡易郵便局のあるところというのはそんなに大きな金融ニーズがあるとは思いません。しかし、全国津々浦々、やはりそういった金融ニーズについてより幅広いサービスが提供できるようになるということが、この銀行代理店制度、これは、イコールフッティングというのは、郵政の場合からもそうですけれども一般民間側から見ても、やはりイコールフッティングで更にビジネスチャンスを広げるという意味では必要だと思いますので、一般論はそれで結構でございますけれども、実質的な運用については金融庁並びに民営化準備室の方にも十分配慮をいただきたいというふうに申し上げまして、もう時間が来てしまいましたので、私の質問、終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  23. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 民主党・新緑風会の富岡由紀夫でございます。  今回の銀行法の一部改正に関して質問をさせていただきます。  まず、ちょっとお伺いしたいんですが、今回の改正代理店制度業務範囲見直し、いろんな諸規制見直しについてですが、まあ、金融業界、いろんな業界からは前からいろいろ要望があって、今回その要望に沿って見直しをしたということでございますが、私の感想で言いますと、今まで一生懸命要望していたんだけれども、駄目だ、駄目だと金融庁は頑として認めなかったということなんですが、今回、余りにも簡単に手のひらを返したように認められたということで、その辺のところが、要望していたのがまさかこんな一〇〇%以上認められるとは思っていなかったというような感想を私は持っているんですが、その辺の状況について伊藤金融担当大臣はどのように感想をお持ちなのか、まずお伺いしたいと思います。
  24. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 今まで関係者から要望が出ていたにもかかわらず、金融庁が積極的ではなかったと、それが突然にと、そういう御指摘でございますけれども、私どもといたしましては、銀行代理店制度見直して、そして幅広い方々がこの代理店制度参入をしていただくことによって、代理店の担い手というものを拡大をして利用者利便向上するとともに、金融機関の、銀行経営効率化に資するような重要な制度改正であるというふうに認識をいたしておりましたので、この制度改正をできるだけ早く国会法案として提出をさせていただき、御審議をしていただいて、成立をしていきたいと考えていたところでございます。  そうした観点からも、御承知のとおり、規制改革民間開放三か年計画閣議決定をされた計画の中にも記載をされておりましたし、その手当てを早期に行うことということになっておりましたので、それを踏まえて検討作業を進めさせていただいて、今国会提出をさせていただいたところでございます。
  25. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今よく、何というんですか、はっきりとよく理解できないところもあったんですが、要するに民間から要望があったということで、ちょっと今そういうお話があったんで、それに関連してちょっと質問させていただきますが、質問の順序変わりますが。  全国地方銀行協会の、何というんですか、中で、銀行代理店制度見直しという形で、金融審議会の方で整理、論点整理されて、それに対する意見書というのが地方銀行協会から出されております。その中で、今要望こたえるというふうなお話があったんですが、地方銀行協会は、要するに銀行銀行代理仲介業者を適切にコントロールする、ガバナンスをちゃんと利かせるという仕組み制度上担保する必要があるということを要望しているんですが、これについては法律上どのように手当てされているのか、具体的な条文、もしあれば教えていただきたいと思います。
  26. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) まず、銀行でございますが、代理店に、代理業者に対しまして十分にその適正な業務運営が行われるよう指導監督する、そういったことを法律に規定しているところでございます。  具体的には、今般提案しております法案の第五十二条の五十八というところでございまして、読み上げますと、「所属銀行は、銀行代理業者が営む銀行代理業に関し、内閣府令で定めるところにより、銀行代理業に係る業務指導その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない。」としているところでございます。さらに、今度は五十二条の五十九というところでございますけれども所属銀行は、代理業者顧客に加えた損害につきましてその損害を賠償する責任を負うといった規定をしているところでございます。
  27. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今ちょっと、今、五十二条の五十九ということで今出たんで、その続きを見ますと、銀行損害賠償の責任を負うということなんですが、その後に見ると、相当の注意をしている場合については云々と書いてあって、そのときには適用しないと、銀行損害の賠償を適用しないというふうにあるんですが、これは具体的にどういう場合は銀行損害賠償の責任を負わないのか教えて、具体的にお示しをいただきたいと思います。
  28. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) まず、五十二条の五十九の立て付けでございますけれども、これは民法第七百十五条の使用者責任の特則という、そういう位置付けかと思います。民法七百十五条の適用に当たりましては、例えばこの例でいきますと、銀行代理業者委託関係があるかないかということが争点になるケースが多いわけでございまして、今回につきましては、その点につきましてはその委託元の責任ということを、そこをきっちり規定したわけでございます。  続きまして、その使用責任の判例上免責の判断、そこの免責のところでございますが、ここのところにつきましては、事実上無過失責任に近い運用がなされていると言われております。したがいまして、実際に免責が認められる場合は限定されているものと考えております。
  29. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 無過失責任の今お話されましたけれども、今いろんな偽造・盗難通帳ですか、偽造キャッシュカードとか、そういったところで銀行の責任が問われるようになってきていると思うんですが、その辺との関係はどうなんでしょうか。代理店銀行本体もいろんなそういう責任を負うような形になってきているんですけれども、今回の代理店についてそういった無過失責任が主張できるのか、その辺のところの整理をちょっと教えていただきたいと思います。
  30. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 運用に当たりましていろんな判例等から類推しますと、その辺は無過失運用に近い運用が行われているという、そういうことを改めて申し上げたいと思います。  続きまして、偽造キャッシュカードということでございますけれども、こういった、今回の法案におきまして、委託銀行が、代理店顧客に加えた損害を賠償する責任を負うこととしておりますので、御指摘のようなキャッシュカードをめぐり代理店が過失により顧客損害を与え、損害賠償責任が認められるような場合につきましても、基本的には委託元の銀行が賠償する責任を負うことになるものと考えております。
  31. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ということは、銀行がほとんど一〇〇%責任を負うというふうに考えてよろしいんでしょうか。
  32. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) まず、二点申し上げたいと思います。  まず一点の損害賠償でございますが、そういった民法の特則という形で制定をしておりまして、その運用が極めて、これまでその事例が認められた例は、そういった前例から考えますと、極めて限定されているということが一点でございます。  続きまして、偽造カードの問題につきましては、それとはまた違う次元の問題かと思いますけれども、今回の偽造カードによる払戻し等につきましては、盗難あるいは偽造によりましていろいろな類型がございますが、例えば善意かつ無過失で、本人に重大な過失があることを銀行が証明した場合、そういった、これも相当限局された局面かと思いますが、そういった場合を除きますれば銀行が責任を負うケースが多いと思われます。
  33. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 よっぽどのことがない限り、銀行は責任を負うという理解だということでよろしいかと思います。  それと、続きまして質問なんですが、代理店での貸付業務についてお伺いしたいと思います。  今までのいろんな説明ですと、個人向けローンはオーケーですけれども事業向けの貸付けは駄目ですよというお話があるんですが、その辺のところがちょっと非常に基準があいまいなのかなというふうに思っております。個人向けローンはいいですよと、だけど事業者向けローンは駄目ですよという話なんですが、よくあるんですけれども、個人向けのアパートローンというのがあるんですが、これは代理店で貸付け、実行できるんでしょうか。
  34. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 御答弁、お願いをします。
  35. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) そういったアパートローンにつきましては基本的には個別の判断によるところもございますけれども、それが消費者が欲するような形、言わば定型的なような形でございますれば、それは事業融資というわけではございませんでして、認められるケースがあると思います。
  36. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 個別に判断するということですか。今の事業者向けじゃなくて個人の場合はいいということ、アパートローンは個人のローンであればいいというふうに考えてよろしいんでしょうか。
  37. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 最初から申し上げたいと思いますけれども、今回の法案では銀行代理業への参入許可制とする等の制度を仕組んでいるわけでございますけれども銀行業以外の他業の兼営が銀行代理業の適切かつ確実な運営に支障を及ぼすおそれがある場合には、銀行代理業と当該他業の兼営が認められないということになっております。  他業の兼営が支障を及ぼすおそれにつきましては、個別のケースごとに銀行代理業や他業の内容等を見て判断することになりますが、一般事業会社につきましては、通常銀行業以外の事業において、既に様々な取引関係、利害関係を有しているため、こうした者が事業向け貸付けの代理、媒介を行うことにつきましては、一般に利益相反等の弊害が生じるおそれが高いと考えられ、基本的には事業向け貸付けの代理、媒介は認められないものと考えているところでございます。  アパートローンの話でございますけれども一般事業者である銀行代理店による個人の賃貸アパート建設に対する貸付けにつきましては、これは個別に判断することとはなりますが、例えば個人が余資運用として賃貸アパートを建設する際の貸付け、こういった場合には事業向け貸付けと異なり、利益相反等の支障が生じるおそれが高いとは必ずしも言えず、取扱いが認められることが多いものと考えております。
  38. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今言ったようなアパートローンの基準が、余った余資を運用するだけだったらいいんですけれども、そこのもっと大規模に事業開発して相続対策を含めてやるケースもあるんですね。そういった場合の基準、どこからどこまでがよくて、どこからどこまでが駄目なのか、金額基準なのか戸数なのか、その辺のところがどういうふうに判断したらいいのか、どういうふうに、あるときは認められて、あるときは認められないのか、具体的なガイドラインというものを教えていただきたいと思います。
  39. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) いずれにいたしましても、事業向け融資につきましては、そういった事業者がそれぞれこれまで培ってきましたいろんな取引関係、こういったところによりまして利益相反の弊害が生じるおそれが高い、こういったことから一般的にはそういった貸付けの代理、媒介は認められないわけでございますが、小口定型的な貸付けにつきましては、これはそのようなおそれがございませんので、そういったものにつきましては認められるケースが多いということでございます。こういった具体的基準につきましては、今後更にいろいろ、政省令等あるいはガイドライン等でその辺を線引き等を進めていきたいと考えております。
  40. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 後で質問しようと思ったんですけど、今、政省令とかガイドラインというお話あったんですが、衆議院でも議論、議事録を見ますとされていたんですが、代理店の財産的要件とか人的構成要件とか、今言った、今の兼業規制の許認可の具体的要件はそういう政省令とかガイドラインでお示しするということなんですが、今我々が銀行法審査をしている正にこの財政金融委員会の中で今そういった金融庁のお考えになる具体的骨子を示していただかないと、まさしく私は今回の法案審査のそのものだというふうに思っているんですが、そういった骨子を何で示していただけないのか、教えていただきたいと思います。
  41. 西銘順志郎

    大臣政務官西銘順志郎君) お答えをいたします。  銀行代理業の許可に当たっての財産的基礎といたしましては、銀行代理業の適切な業務運営を確保する観点から、純資産を有することなどを求めることを検討いたしております。また、人的構成等といたしましては、銀行代理業を的確、公正、効率的に遂行するために必要な能力を有する者を配置し、かつ必要な体制整備を行っていること、銀行法上の処分歴がなく他法令の違反歴もないなど、十分な社会的信用を有する者であることなどを考えております。  兼業が認められる要件といたしましては、兼業内容が法令に抵触しないこと、兼業内容銀行代理店としての社会的信用を損なうおそれがないこと、兼業内容が利益相反取引や優越的地位の濫用といった弊害が生じる蓋然性の高いものでないことなどを求めることを検討いたしております。  本法案は平成十八年四月一日施行を予定しているところでございまして、こうした基準につきましては、それまでの間にパブリックコメントを行った上で、政省令やガイドラインにおいて対外的に示すとともに、個別の許可、承認に当たっては基準に従い適切に審査してまいりたいと考えております。
  42. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 いや、今質問したのは、そういった具体的基準が何でこの場でお示しいただけないのかということをお尋ねしたんです。その内容は衆議院の委員会の答弁でも同じ答弁をいただいているというふうに私も理解していますので、なぜそういったことが今回この委員会の中で事前にお示しいただけないのかと、その点についてお伺いしているんです。
  43. 山本孝史

    委員長山本孝史君) きちんと答弁ください。
  44. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 他業が銀行代理業に支障を及ぼすおそれにつきましては、あくまで申請者ごとにそれぞれの兼業内容、内部管理体制等個別の状況を見て判断する必要がございます。したがいまして、法律においてその基準を一律に明記することは困難でございますが、私どもとしては、このような取扱いにつきまして運用考え方を対外的にきちんと示しまして、適切な運用を行ってまいりたいと考えております。
  45. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 何でそれを、適切な運用内容をお示しいただけないのかと。この法案審査しているときに事前にお示しいただかないと、それがいいものか悪いものか判断できないんだと思うんですが、どうしてそれがお示しいただけないのか。ほかの法案でもそうなんですけれども、今回読んでいてつくづくそういうふうに思ったので、改めてお伺いしております。
  46. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 一つには、こういった申請というものは、個々の申請者によりまして、それぞれいろいろな内部管理体制等あるいは個別の違い等がございますので、それを法案において一律に示すということは、これは困難であることは御理解いただきたいと思いますが、私どもとしましては、これまで御説明しておるような内容、こういったものを基本的な考えとしつつ、なおかつ、こういった御審議あるいは政省令等の段階でパブリックコメント、こういったものにも付しましながら適切な運用基準を定めてまいりたいと考えております。
  47. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 いや、全然議論がかみ合わないんですが、具体的に法律に書けないことはそういったものに落とすという話なんですが、その落とす事前の内容をお示しいただけない理由は何なのかということをお尋ねしているんですが。
  48. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) いずれにいたしましても、まず参入に当たりましては、社会的な信用あるいは人的構成、財産的基礎あるいは兼業のおそれ、こういったものを基本的な考え方としてお示ししているところでございます。また、兼業につきましては、それが法令に違反しないかどうか、あるいは社会的な信用の問題等々も考慮しているところでございます。  こういったことにつきましては、私どもとしても、これまでも国会答弁におきまして御説明しているところでございますが、なお実行に当たりましては、いろいろいただきました御意見、更にはパブリックコメント等を踏まえまして適切なものにしていきたいと考えているところでございます。
  49. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 いや、よくお答えいただいてないと思うんですけれども、なぜ政省令とかガイドラインの骨子がこの法案と一緒にお示しいただけないのかと、その理由です。それをお答えいただきたいんです。伊藤金融担当大臣、どういうふうに御認識されていらっしゃいますか。
  50. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 私どもといたしましては、できる限り私どもとしての現在の考え方をお示しをさせていただいて、そしてこの審議を通じていろいろな御指摘があろうかと思います。そうした指摘を踏まえて、今後の基準についての具体的なものについて政省令やガイドラインを示させていただいて、そしてパブリックコメントに付して、パブリックコメントで寄せられた意見というものを踏まえながら政省令あるいはガイドラインというものを策定していきたいというふうに考えているところでございます。  今提供できるできる限りの私どもとしての考え方を誠心誠意御説明をさせていただきながら、審議をお願いをさせていただきたいというふうに思っております。
  51. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 私が思うに、そういったガイドラインとか政省令というのはもう多分できていると思うんですが、それを一緒に出して、今言ったように国会審議を反映させてそういうふうにやるというふうなお話だったんですが、反映させるのであれば、この法案と一緒に出して、その中でそれが骨子がいいかどうか判断して修正してやれば私はいいんだと思うんですね、この中での議論とか。あと、その後パブリックコメントにも付して、それを加味して修正すればいいんですが、それをやらないというのは、私は、単にお役人の方がそういったものを出して修正するのが嫌なのかというふうに私は勘ぐっちゃうんですが、別に直されたっていいじゃないですか。  そういった、いろんなガイドラインとかそういうのを出してみんなで議論して、正しいものは正しい、ここはもう少しこうした方がいいよということをこの委員会の中で議論するのが本当の法案審議じゃないかと私は思うんですが、それはパブリックコメントというか、言っていますけれども、我々はパブリックの代表者ですから、それの意見を反映させるのがなぜできないのかということを是非伊藤担当大臣認識していただいて、今後のこの委員会審議というか、法案審議に私は反映させていただきたい、していただきたいというふうに思うんですが、どうでしょうか。
  52. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 政省令やあるいはガイドラインが既にあって、それを何か委員会審議に隠して、それで御審議をお願いしているということではございません。  私どもとしての基本的な考え方をこの審議を通じて誠心誠意御説明をさせていただいて、そして国会審議を踏まえた上で政省令あるいはガイドラインを作成をさせていただいて、パブリックコメントに付させていただき、そしてその意見を踏まえて政省令、ガイドラインというものを策定をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  53. 山本孝史

    委員長山本孝史君) ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕
  54. 山本孝史

    委員長山本孝史君) それじゃ、速記を起こしてください。
  55. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 参入時の許可につきまして、一つ法律としては人的構成の問題、それから二点目は財産的基礎、三点目は他業の兼営の問題ということで基本的な考え方をお示ししているところでございます。  これに対しまして、この具体化でございますが、この人的構成に照らしての部分につきましては、一つは、銀行代理店業務を的確、公正、効率的に遂行するために必要な知識経験を有する者を配置し、かつ必要な体制整備を行っていること、預金、為替を扱う場合には、委託銀行による各種研修履歴等を有する者が配置されるとともに、委託銀行との間でオンラインの整備がなされていること、貸付けを扱う場合には、金融機関における数年間の勤務経験等を有する者が配置されるとともに、委託銀行によって十分な審査体制が構築されていること、こういったことでございます。さらに、銀行法上の処分歴がなく他法令の違反歴もないことなど、十分に社会的信用を有する者であること、こういったものを内閣府令において規定することを考えているところでございます。  続きまして、財産的基礎でございますが、純資産を有することと考えておりまして、これは数百万円程度と考えておりまして、これを内閣府令において規定する方向でございます。又はガイドラインでございます。失礼いたしました。  次に、他業の兼営の問題でございますが、基準としては、これも御答弁申し上げている、過去に申し上げておりますが、一つ事業内容が法令に抵触しないこと、二点目は兼業内容銀行代理店としての社会的信用を損なうおそれがないこと、三点目は兼業の収支の見込みが良好なものであること、四点目は兼業内容が利益相反的取引や優越的地位の濫用といった弊害が生じる蓋然性が高いものでないこと、五点目としては、兼業銀行代理店業務との間において顧客情報の適切な取扱い、利益相反防止に関する内部管理体制が整備されていること、こういったことを内閣府令等において規定する方向で考えております。
  56. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 内閣府令とかガイドラインというのは今の内容と同程度のものしか出ないんですか。それ以上、もっと具体的に出るんじゃないんですか。
  57. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 基本的には今のような考え方を踏まえまして、更に実務的検討あるいはパブリックコメント、こういったものを踏まえて最終的な形にしていきたいと考えております。
  58. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今言ったように、そういった内容を、骨子、あらあらでも結構なんですけれども、その法案というか、ガイドラインというか、政省令の、何というんですか、たたき台みたいなものを、そういったものをなぜこの場に法案と一緒に出していただけないのか。そのことをもう再三我々は要求しているんですが、それについて伊藤金融担当大臣、お答えいただきたいと思うんですが、どうですか、出していただけるようにしていただけませんでしょうか。
  59. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 今、総企局長の方から基本的な考え方について御説明をさせていただいて、これを基本としてその実務的な検討あるいは国会の御審議、パブリックコメントから寄せられた御意見というものを踏まえて政省令、ガイドラインというものを策定をしていきたいというふうに思っております。今御説明をさせていただいた内容につきましては、これ今までも説明をさせていただいているところでございますけれども──それを文章で今出すということはできますか。はい、今文章でお示しをさせていただくことができればと思います。
  60. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今後の問題として、やはり同じようなことが多分あると思うんで、法案審議のときには必ず一緒に、その骨子だけでもいいですから、たたき台でもいいですから、是非付けて一緒にいただきたいと思います。  その上で、パブリックコメントに付す、付すと言っていれば何か万能のように聞こえるんですが、パブリックコメントといったって、我々がまさしくそのパブリックの代表者ですから、我々の意見を聞く前にそのパブリックコメントを聞く内容をお示しいただくのが私は筋だというふうに思っているんですが、我々より先に違う人に出すというのはよく訳が分かんないと。何のために我々がいるのかという存在意義にもかかわってきますから、是非その辺のところをこれ今後改めていただきたいというふうに思います。我々はただ内容も分かんないのに賛成か反対かしているだけで、何かばかみたいに思われるので、是非その辺をしっかりと出していただきたいというふうに思います。
  61. 山本孝史

    委員長山本孝史君) ちょっと速記止めてください。    〔速記中止〕
  62. 山本孝史

    委員長山本孝史君) じゃ、速記を起こしてください。
  63. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ちょっと逆の聞き方をしますと、こういった法案審議するときに政省令やガイドラインを出さないことのメリットというか理由、どうして出さないのか、出さないと何がいいのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
  64. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 法案提出をさせていただくに当たって、私どもとして可能な限り、御説明をできる私どもとしての考え方については、この当委員会を通じて誠心誠意御説明をさせていただいているところでございます。  先ほど来、そのパブリックコメントを付すということはその国会審議の形骸化が起きるんではないかと、そういう観点からの御指摘がございましたが、そんなことはございませんで、私どもはこの審議というものを非常に大切にして、そしてそれを踏まえた上で政省令やガイドラインの具体的な策定に当たっていきたいというふうに思っております。  したがって、この法案につきましても、先ほど来局長からもお話をさせていただいておりますように、業務を遂行していく能力として求められる基本的な考え方でありますとか、あるいは財産的基礎に対する考え方でありますとか、あるいは兼業における業務に、代理店業務に対する支障のおそれについての基本的な考え方、そのことについて御説明をさせていただいておりますので、それが先ほど来御指摘いただいておりますあらあらの基本的な枠組みとして、今後の政省令あるいはガイドラインの策定のたたき台になるということで御理解をいただくことができればというふうに思います。
  65. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 いや、お尋ねしたことに答えていただいてないんですが、出さないことが何がいいのか、出さないことのメリット、教えていただきたいと思いますが。
  66. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 出さないわけではなくて、私どもとして可能な限り誠心誠意御説明をさせていただいているところでございます。
  67. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 いや、出そうと思っているけれども出せないということですか、可能な限りということは。出そうという御意思はあるというふうに考えてよろしいんでしょうか。
  68. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 基本的な考え方について、詳細な点は詰める点はあろうかというふうに思いますが、基本的な許認可に当たっての基準について、そのたたき台となる部分については、私どもとして審議を通じて誠心誠意御説明をさせていただいているところでございます。
  69. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 ということは、出していただけるというふうに考えてよろしいんですか。
  70. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) それを今まで重ねて御説明をさせていただいているところでございます。
  71. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 今のですべてだとおっしゃっているんです。
  72. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 いや、ということは、こっちからいろいろ探って質問しないと、そのガイドラインの骨子というか中身が出てこないということになりますよね。我々が質問しないで漏れたところは全然そのまま、何というか、ノーチェックで法案が成立してしまうということになりますから、そんなことで本当によろしいんですか。  法案の中身を我々がチェック、十分隅から隅までチェックできないまま法案が成立してしまう、本当にそれでよろしいというふうに伊藤金融担当大臣はお考えですか。
  73. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 私も立法府に籍を置く者でございますので、衆議院の審議の段階においても、この参議院においても、私どもとしてできる限り丁寧に御説明をさせていただいているところでございます。
  74. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 もう時間がないんで次の問題行きますけれども、是非十分法案が、我々が存在意義が発揮できるように、その法案のガイドライン、法案の下に落ちる政省令とかガイドラインの中身を、骨子を是非出していただきたいと思います。そうしないと審議漏れが起きますからね、我々が、全部質問できればいいけれども、そんな人いませんから。全部出していただいて、ここおかしいんじゃないか、ここはどうなんだということをチェックできないと、これは国民の皆さんに結局は最後ツケが回っていくことになりますから、変な法案が成立してしまうということになりますから、そこはしっかりと肝に銘じて是非出していただくようにしていただきたいというふうに思います。  ちょっと次の質問に入りますが、諸外国の銀行代理店制度というか仲介業務、これはアメリカの一部を除いて当局の許認可が不要であると、出資規制等々もないというふうに伺っておりますが、そういう理解でよろしいんでしょうか。
  75. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 御指摘のとおりでございます。欧米主要国におきましては、日本の銀行代理業に相当する業務が幅広く認められておりまして、参入に当たって基本的には当局の許認可は不要である例が多いと承知をしております。  御指摘のように、例外といたしまして、例えばアメリカにおきましては、一つ銀行からアウトソースされた業務を取り扱う銀行サービス会社、これが実質的に銀行の支店と判断されて許可が必要になる場合、あるいはアメリカには送金業者というのがございますが、これにつきましては州により免許制を取っている場合があるものと承知しております。
  76. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 基本的には、全体的にはどうなんですか。多い、ある方が多いんですか。それとも許認可がない方が多い、多いんですか。
  77. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 一般的には許認可が不要である例が多いと承知をしております。
  78. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 なぜ諸外国は許認可が不要なんでしょうか。その理由伊藤金融担当大臣、どのようにお考えいただきますか。
  79. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) この許認可が不要であったとしても、例えばアメリカの例におきましては、銀行委託するに当たって、委託先についてのデューデリジェンスを行うとともに、銀行のデューデリジェンス体制について当局が検査・監督を行うこととしているほか、イギリスにおきましても、銀行委託先管理監督することとされ、委託計画につきましては前もって監督当局であるFSAに報告しなければならないとされているなど、代理店の適格性を確保するための措置が講じられているものと承知をいたしております。
  80. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 日本はなぜそのようにしないんですか。日本は何で許認可制で、兼業規制なんかは許認可のままなんですか。そういった諸外国と同じようになぜできないんでしょうか。
  81. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) これは今回の場合には一般事業者も含めて幅広く銀行代理店業に参入をしていただくと、その参入をするに当たって代理店業務の健全性かつ的確な業務運営を確保していくと、利用者の保護というものを確保していく、そのためにしっかりとしたチェックができる枠組みというものを設けると、こうした観点から参入時におきましては許可制というものを、そして参入後、新規のものについては個別の承認制というものを導入をさせていただいたということでございます。
  82. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今の説明ですと、諸外国はそういったことでなくて、事後の監督とかいろんな、デューデリのいろんなことでフォローするということなんですが、何で日本は許可制であり、そういった認可制を取っているのか、その違いを教えていただきたいと思います。なぜ諸外国にできて日本はできないのか。
  83. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 銀行代理業への参入につきましては、許認可が不要とするか、あるいは必要とするか、それは双方が考えられるところでございますが、今回新たに幅広い一般事業者銀行代理業への参加を認めるに当たりましては、いろいろな方々から兼業代理業に支障を及ぼすおそれについて指摘があったところでございます。  こうした指摘を踏まえまして、今回の法案におきましては、銀行の健全性確保や利用者保護観点から、一つ業務遂行能力、二つ目は社会的信用、三つ目は銀行業以外の他業の兼営が代理業に支障を及ぼすおそれなどをチェックする必要がありますことから、許可制を導入することとしたものでございます。
  84. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 済みません、その海外は、諸外国は何もないのに、何で日本だけそういった理由許可制を取っているのか。諸外国ができて日本にできない理由伊藤金融担当大臣、お答えいただきたいと思うんですが。
  85. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 明確に御答弁ください。
  86. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) これはいろいろな方法があろうかと思います。規制緩和を行うことによって、そのことが利用者利便上問題が生じる、あるいは銀行の適切な運営上支障が生じる、そうしたおそれがないように慎重に許可制というものを導入をして、そしてしっかりとしたチェックができる枠組みというものを今回制度設計をさせていただいたということでございます。  この法案提出するに至るその議論の中でも、一般事業者まで拡大をして規制緩和を行うに当たっては、やはりチェック体制というものをしっかり構築していかなければいけない、そうした議論というものがございました。そうしたことを踏まえて今回の制度設計をさせていただいたということでございます。
  87. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 お答えいただいていないんですが、何で諸外国ができて日本ができないのか、その違い。今、必要性は分かりましたけれども、諸外国はなぜそれをやらないで済んでいるのか、その違いを説明していただきたい。説明になってないと思うんで、説明をもう一度お願いしたいと思います。
  88. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) できないということではなくて、慎重に利用者保護上のチェック体制というものを今回の制度設計に当たって構築をさせていただいたということでございます。
  89. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 何で諸外国は慎重にやらないのに、日本だけ慎重にやるんですか。
  90. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) この点については、規制緩和を行って幅広い方々に代理業、銀行代理業参入をしていただくに当たって、しっかりとしたチェック体制というものを構築していく必要があると、これは利用者保護上重要ではないか、こうした御議論というものを踏まえて私どもとして慎重な制度設計をさせていただいたということでございます。
  91. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 海外はどうなんですか。海外はそういった心配要らないというふうに判断しているんでしょうか、海外の当局は。
  92. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 海外につきましても、先ほどアメリカやイギリスの例を示さしていただいたように、業務の適切性、そして代理業者の適格性というものを確保するための必要な措置というものを講じているわけであります。  それぞれの制度については多少の違いがあろうかというふうに思いますけれども、私どもとしてその利用者保護上の観点から今回のような枠組みというものを設計をさせていただいたということでございます。
  93. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 今、伊藤金融担当大臣のお答えは、三國谷さんのお答えを聞いていないというふうに理解せざるを得ないんですけれども、海外はそういうことをやっていないというふうに今三國谷さんはおっしゃったんですよ。なぜ日本だけそういった許認可をやっているんですか。今三國谷さん、ほとんどやってない、許認可ないと言ったんだから。で、何で日本はやっているのかということです。伊藤金融担当大臣にお答えしていただきたいと思います。  何で海外は許認可をやっていないのに日本だけ許認可をやるのか、日本だけ慎重にやるのか、消費者保護を日本だけ一生懸命考えてやるのか、その違いを教えてください。海外でできて日本でできない理由をお答えいただきたいというふうなことです。
  94. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 三國谷局長からも御答弁させていただいて、海外の状況についてはお話をさせていただきました。そしてさらに、海外についての各代理店業務の適格性を図るための措置について私から説明をさせていただいたところでございます。  それぞれの制度設計は国によって違うところはございますが、先ほど来お話をさせていただいているように、私どもとして、利用者保護観点から、より慎重な制度設計をさせていただくために今回の参入制等の枠組みというものを設計をさせていただいたということでございます。
  95. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  96. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 速記を起こしてください。
  97. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) お答え申し上げます。  欧米主要国におきまして、先ほど申し上げたとおり、許認可ということにつきましては不要である場合がございますが、そういった場合でも、ここまで私がお答えしたところでございます、しかしながら、そういった場合でございましても、例えばアメリカにおきましては、銀行委託に当たり委託先についてのデューデリジェンスを行うとともに、銀行のデューデリジェンス体制について当局が検査・監督を行うこととしている、あるいはイギリスでは、銀行委託先管理監督することとされ、委託計画については前もって監督当局であるFSAに報告しなければならないこととされていると、こういったいろいろな代理店の適格性を担保するための措置が講じられております。ここにつきましては大臣が申し上げたとおりでございます。  日本の場合でございますが、いろんな両論がある中で、いろいろな御意見を踏まえまして、私どもはこの問題、銀行代理業をこういった形で拡大するに当たりまして、利用者保護等観点から許可制というものを導入させていただいたということでございます。
  98. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 全然、全く答えが、答えていただいてないと。  要するに、今言ったような検査とか管理監督をして、アメリカ、諸外国はそれで済んでいるのに、何で日本だけそれで済まないのかと、事前の許可制、許認可制が必要になってくるのかと。その違いを質問しているのにお答えいただけないということでございます。お答えいただけないというんであれば、また機会を改めて是非お答えいただきたいと思います。  アメリカに、諸外国にできてなぜ日本にできないのか、何で日本だけいろいろな意見を取り入れて顧客保護に、観点から許可制を取っているのか。その点がもしお答えできないというんであれば、また後日お答えいただけるということで御答弁をいただきたいと思います。
  99. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 日本につきましては、代理店のやはり歴史というものが諸外国に比べてまだ浅いものがあると。したがって、私どもとしては慎重に制度設計をさせていただいて、そして利用者保護観点から規制緩和を実現をし、利用者利便向上させていくと、そうした視点の中で今回の制度設計をさせていただいたということでございます。
  100. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 まあ、日本はまだ未熟だからということですか、まだ。そういうことですね。分かりました。  次に、ちょっと質問させていただきます。事業向け、さっきありましたけれども事業向け融資の例外規制も、例外があるというふうに規定されているんですが、御説明も、いろんな委員会の中でも答弁でもあったと思うんですが、代理店事業向け融資の例外ケースというのは具体的にどういった場合が認められるのか、お答えいただきたいと思います。
  101. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 一般事業会社につきましても、個々の申請者ごとに、事業向け貸付けの性質、顧客情報の適正な取扱いや利益相反防止等に関します内部管理体制等に留意して判断することとなりますため、そういったことがすべてそろっている場合、例えば、業績が良好で社会的信用が高く、銀行代理店経営した場合の顧客情報の適正な取扱いや利益相反防止等に関する内部管理体制等も十分に構築されている場合、こういった会社につきましては、事業向け貸付けであっても取扱いを認められるケースがあろうかと考えております。
  102. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 よく利益相反行為の弊害が生じるおそれがない場合ということなんですが、それは具体的にはどういうことを想定しているんですか、よく分からないんですが。
  103. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) あくまでもその想定のケースでございますが、例えば一つの小売業者なりが、情報の不正乱用とか、あるいは利害関係から生じる利益相反、こういったことがない程度に内部管理体制が十分に構築されている、あるいは人的体制が整っている、そういった場合に事業向け貸付けも認められるケースもあろうかと思います。
  104. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 これは衆議院の答弁の中で郵便局の取扱い、郵便局窓口会社の取扱いについてお答えいただいていると思うんですが、郵便局の場合は認められると、事業性ローン、貸付けが認められるという御答弁いただいているんですが、それでよろしいんでしょうか。
  105. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 郵便局につきましても、制度論といたしましては一般事業会社でございまして、新たに事業向け貸付けの媒介業務を扱おうとする場合には、兼業内容が当該貸付けの媒介業務に支障を及ぼすおそれなどの要件について具体的に判断する必要がございます。  その際、郵便局株式会社につきましては、一つは特殊会社として総務大臣監督を受けること、二つ目は従来から預金、為替などの銀行業務に相当する業務を行ってきていること、三点目はそれに伴います社会的信用、四点目は審査体制や内部管理体制の状況、こういったことを総合的に勘案いたしまして、問題がなければ認められるものと考えております。
  106. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 一般事業者に対しては、利益相反行為の弊害がない本当に例外的な場合にのみ事業向け融資が、貸付けができるというふうになっているんですが、極めて限定的な扱いになっているんですが、郵便局も同じ基準でそれは認められるということでよろしいんですか。
  107. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 郵便局につきましても、制度上は一般事業会社として同じ取扱いでございます。当局の監督等によりまして適正に銀行代理店業務が行われると認められる場合には、業務範囲拡大の要件を満たすということでございます。
  108. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 郵政の話になりましたので、郵政代理店の話で質問させていただきたいと思いますが、これ郵政公社さんにお答えいただきたいんですが、郵便貯金銀行が今度郵便窓口会社に代理委託をして、そのとき代理委託手数料というのを払うことになると思うんですが、その代理委託手数料の決定方法というのは、どういうふうに、どういう過程で決定されるのか、お答えいただきたいと思います。
  109. 斎尾親徳

    参考人斎尾親徳君) 先日成立いたしました郵政民営化法では、郵便貯金銀行は安定的な代理店契約によりまして窓口業務銀行代理店委託することとなっております。今後、政府により策定されます基本計画、そしてこれを受けて日本郵政株式会社により策定されます実施計画が主務大臣の認可を受ける中で安定的な代理店契約に関する審査が行われ、その中で、新会社の経営陣の判断によって委託に際しての手数料も決定されるものと考えております。  日本郵政公社としましては、今後、郵政民営化法に基づき実施計画検討が行われる中で、データの提供など十分な御協力をしてまいりたいというふうに思っています。
  110. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 委託手数料の決定の前に、委託契約というのはどういう契約に具体的になるのか教えていただきたいんです。一括で郵便貯金銀行と郵便窓口会社が契約することになると思うんですが、その店舗、取扱店舗、取扱郵便局、これは一個一個検討になるのか、それとも全部、契約した場合、代理委託契約した場合はすべての、二万四千幾つかの郵便局がすべて委託契約代理店契約を結ぶことになるのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
  111. 斎尾親徳

    参考人斎尾親徳君) 先ほど申し上げましたように、実施計画の中で具体的に決められていくことだと思いますけれども、私の考えるところ、安定的な代理店契約ということでございますから、一括して契約をするということになるんじゃなかろうかというふうに思っています。
  112. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 一括して、赤字店舗も取扱量の認めないところもすべて一括で契約するということが本当に許されるんでしょうか。
  113. 斎尾親徳

    参考人斎尾親徳君) これも先ほど申し上げましたようにこれからの検討ということになろうと思いますけれども、そういうことも可能だというふうに思っています。
  114. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 平成十七年でしたっけ、今度、十七年か、じゃなくて、二〇一七年ですか、民間に全部株式を放出して郵便貯金銀行民間会社になったときに、私は多分株主がそんなの認めないと思いますよ。一般民間会社の常識からいって、赤字店舗、取扱いのですね、郵便貯金の金融サービスまで、取扱いのないところに代理委託するということは当然認められるわけないと思いますね。というのは、会社に損失を与えるわけですから、委託手数料払ったって、そこで赤字であれば。そういうことになりますよね。会社に損害を与える、背任行為にも私はなると思うんですが、そういう認識でよろしいでしょうか。
  115. 斎尾親徳

    参考人斎尾親徳君) いろいろな考え方があると思いますけれども、その安定的な代理店契約ということの解釈によるというふうに思っています。いろいろと考え方はあると思います。
  116. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 その安定的な代理契約政府は希望、期待しているだけですよね。それを判断するのは完全に民営化なった郵便貯金株式会社が株主の投資の下でやっていくわけですから、株主がそんなの駄目よと言うことが多分当然のことながら想定されるんですが、そういった場合は安定的な代理店契約政府が幾ら期待したって、会社に損害を与えることになるわけですから、株主が反対すればできなくなる。そういう認識でよろしいですか。
  117. 斎尾親徳

    参考人斎尾親徳君) これも新しい経営陣のお考えによるものというふうに思っています。
  118. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 いやいや、これは株主が判断することですから。一般論で是非お答えいただきたいと思うんですが、一般論として、株主が駄目よと言ったことに対してできるんですか、会社が赤字のところに代理店契約を結ぶことはできるんですか。そういうふうに政府考えているんですか。
  119. 斎尾親徳

    参考人斎尾親徳君) 何度も申し上げますけれども、そういうことも含めて新しい経営陣がこれからお考えになることだというふうに思っています。
  120. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 いや、ちょっと済みません。事前に通告しておりまして、お答えいただけるというふうに伺って、私、今質問しているんですが、そういうあいまいな答弁じゃなくて、一般論でもいいですから、もしかしたら個人的なお考えでもいいですから、当然そういうことになるというふうに理解できませんか。そういうことでよろしいんですよね。確認だけしていただきたいんですが。
  121. 斎尾親徳

    参考人斎尾親徳君) 一般論で申し上げますと、やはり株主の御意向なども尊重されるべきだというふうに思っております。
  122. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 株主の、そうですね、意向でそうなると思います。  ちょっと通告していたんですが、今の要するに代理店契約を結んで郵便貯金銀行がちゃんと赤字とならない店舗はどのぐらいあるのかということを私は調べておきたいなと思いまして、今日質問通告しているんですが。  要は、相当の郵便貯金、金融、郵便貯金の取扱量がないと、代理委託すると赤字になっちゃうんですよね。代理委託をするということはその代理委託手数料を払うわけですから、相当の手数料を払わないと代理委託してくれません。ということは、相当の手数料に見合うだけの収益を上げている郵便局しか私は代理店契約が結ばれないんじゃないかというふうに考えております。  そこで、具体的に今の郵便局の中で、それぞれの、郵便窓口の取り扱っているそれぞれの郵便局ごとの郵便貯金金額別の分布、あと郵便貯金の利ざや、調達コストと運用コストの利ざや、あと郵便窓口会社の取扱手数料、為替手数料の別の、店舗別の分布、郵便窓口会社の郵便貯金の収益別分布、これらについてお答えいただきたいというふうに思っております。
  123. 斎尾親徳

    参考人斎尾親徳君) 収益の分布ということでまず申し上げますと、二通りの方法で郵便局別の損益を計算しておりまして、まず全体損益方式ということで申し上げます。  これは、公社の年度決算全体の収益費用を郵便局の人員、それから業務取扱量に応じまして、各郵便局に配分して計算を行う方式でございますけれども、これによりますと、十五年度決算に基づき算出をしたところ、黒字局が一万九千四百八局、全体の九六%ございまして、このうち例えば黒字が百万円未満の局が百十局、それから百万から一千万のところが一千三十八局、一千万から一億のところが九千六百八局、一億から十億のところが八千六百四十局、十億以上のところが十二局となっております。  逆に、赤字の局でございますけれども、八百三十九局ございまして、このうち赤字が一億を超えるところが八局、一億から一千万のところが百七十八局、一千万から百万のところが五百六十一局、それから百万からゼロのところが九十二局というふうになっております。  そして、もう一つの方式で算出をしております。これは収支相償方式という方式でありますけれども、費用の範囲を郵便局の活動に直接かかわる人件費、それから物件費等の業務運営費に限定しまして、その費用に見合った収益を配分して、全体としては収支ゼロの前提の下で計算を行う方式でございますが、これによりますと、黒字局が九千百十一局、それからこのうち黒字が百万未満のものが六百三十四局、百から一千万のところが四千三百十局、一千万から一億が四千百五十一局、一億から十億の局が七局となっております。  一方、赤字の局が一万一千百三十六局ございまして、このうち赤字が一億円を超えるところが六十七局、一億から一千万のところが三千百六十三局、一千万から百万のところが七千二百二十七局、百万からゼロのところが六百七十九局となっております。  なお、十六年度の利ざやの状況でありますけれども、全体で見ますと、資金運用利回り一・四二%、資金調達コスト〇・七〇%、利差が〇・七二%となっているところでございます。  それから、役務取引等の収益ということで見てみますと、百万未満の収益のところが五千四百二局、百万から二百万のところが四千一局、二百万から三百万のところが三千五百九十二局、三百万以上のところが七千二百五十二局となっているところでございます。
  124. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 済みません。是非後でちょっと文書で資料いただきたいと思うんですが、今聞いた中で、いろんな切り口がありますけれども、ある切り口だと八百三十九局が現在で赤字と。で、もう一個の切り方だと一万一千百三十六局が赤字ということでございます。ということは、一万局以上が赤字なわけですよね。  で、今後、民営化された郵便貯金株式会社が民間の機関として赤字業務をするために代理店委託契約結ぶとは私は到底考えられないと思うんですよね。赤字を覚悟で安定的契約政府が希望するからといって民間会社が契約を結んだら、その会社に損害を与えることになります。地域貢献基金、社会貢献基金、一兆円、二兆円、これは郵便貯金銀行には入りません。郵便窓口会社には入りますけれども、郵便貯金銀行には入らない仕組みになっていますよね。郵便貯金銀行の株主が赤字を覚悟で代理店契約を結ぶことが、今言ったように一万局以上あるというところが本当に私は考えられないと思うんですが、これについて、御感想でいいですけれども伊藤金融担当大臣はどう思いますか。この郵便貯金銀行が赤字を覚悟で代理委託契約をするのかどうか。  要するに、過疎地域でも赤字局でも郵便貯金サービス金融サービスがちゃんと維持されるのかどうか、私は非常に疑問だというふうに思っているんですが、改めて伊藤金融担当大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  125. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) この問題につきましては、郵政民営化の特別委員会でもさんざん議論になったところでございます。現在の郵便局というのはもう巨大かつ稠密なネットワークを持っており、長年このネットワークというものを利用して業務展開をしてきた。郵貯がこの点に競争上の優位性というものを見いだしてビジネスモデルを構築しようとすることは当然考えられることと承知をいたしております。  金融機関がどのようなビジネスモデルを構築するか、これは基本的には経営者の判断にゆだねるものでございますが、郵便貯金銀行が郵便局ネットワークを活用してこれまでと同様の業務展開を行おうとすることは、少なくともこれまで郵貯の健全性の観点から問題があったとは認められないことから、基本的には問題ないものと考えております。
  126. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 認識がちょっと非常に私は懸け離れているなと思います。さっき言ったように、これは株主が、民間会社になりますと株主がその決定権を持つわけですよね。経営者が判断するんだって、株主の意向をやっぱり重視しないといけないんです。株主は慈善事業ではないのに、赤字の郵便局に代理契約を結ぶ、これは到底想定できないと私は思っております。経営者であれば特別背任の訴えをされる可能性も非常に高いと私は思っております。  そういったことをるる考えますと、やはり私も郵政特別委員会でもこの内容質問しましたけれども、過疎地域、赤字郵便局については金融サービス、郵便貯金銀行代理委託契約は結ばれないと、私は改めて今日の今の報告を聞いて、赤字局がこんな一万局以上あるということを聞いて改めて認識を確信いたしました。  ちょっと時間もないんで、最後に質問をさせていただいて、終わります。  今、ある特定のファンドが問題になっております。ただ単に運用するためにやっているんじゃなくて、経営にも声を出すファンドがございます。村上ファンドとは言いませんけれども、どこかのファンドがあります。このファンドは非常に市場にも影響力も与えて、そのファンドが投資したところの株が急に上がると。非常に市場を攪乱させている事実があります。ある意味では少数株主は損害を被っている、被害に遭うケースもあります。これらに対して規制指導をするおつもりはないのか、これがまず一つ。  あともう一つは、大量保有報告書の特例がこれは認められておりますが、本来のこの法案の設立趣旨からいうと、これは単に運用するだけであって、その事務手続の繁忙を軽減するために三か月というその猶予を与えているわけでございまして、そうじゃなくて、経営に声を出して関与するようなこのファンドというのは明らかにこの法案の特例の設立趣旨からして反すると私は思うんですが、この特例の見直しをするつもりはないのか、この二点について伊藤金融担当大臣にお伺いしたいと思います。
  127. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 一般論としてお答えをさせていただきたいと思いますが、委員投資ファンドについて規制というのを、どういう観点規制ということをおっしゃっておられるのか、ちょっと私、十分今のお話の中で理解することができなかった点がありますが、投資ファンドにおきましても、今ある法令を遵守をして、その中で適切な投資をしていただきたいというふうに思っております。  それから、大量保有報告書の問題でございます。  この特例制度の問題については、当委員会一般質疑でも取り上げられて、御質問がございました。この点につきましては、現在、金融審議会の第一部会の下に公開買い付け制度のワーキンググループを設置をさせていただいて、大量保有報告書の在り方、特例報告制度の在り方も含めて幅広く御議論をいただいているところでございます。  私どもといたしましては、こうしたワーキンググループの御議論金融審議会の御議論国会の御審議や様々な議論というものを踏まえて、そして必要に応じて適切な対応というものをしていきたいと考えております。
  128. 富岡由紀夫

    富岡由紀夫君 是非、この法案の抜け穴を使った、違法に近いようなこういったファンドは是非改めて規制というか指導というか、そういったことを心掛けていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
  129. 大久保勉

    ○大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉です。  銀行法の一部を改正する法律案に関しましては、参議院本会議に続きまして二回目になります。本会議の質問の回答を踏まえまして、もっと内容を深掘りした質問をさしてもらいます。  伊藤大臣一つお願いがあるんです。非常に質問に窮して適切な対応をするという、この適切なというのはなるべく、できたら全く使わないでください。そうしませんと、おかしいんじゃないかと、いやこれ適切に判断すると言いましたら、何のために審議をしているか分かりません。是非よろしくお願いします。いかがでしょうか。
  130. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 委員の御指摘は受け止めたいというふうに思いますが、ただ、どうしても適切に対応しなければいけないということは、これ金融行政上必要なことでありますので、そうした必要性に応じて適切にという言葉を使用しましたときはお許しを賜りたいというふうに思います。
  131. 大久保勉

    ○大久保勉君 分かりました。適切な金融行政というのは裁量行政ということになりますから、こういうことがないように、透明な金融行政をお願いしたく思います。  では、まず第一点、銀行代理制度が解禁されまして、多種多様な営業形態が可能になります。このことは非常に消費者の利便性観点からいいことだと思っておりますが、そういった制度に乗じて悪いことをする、詐欺をするようなやからが出てくる可能性があると思います。ここに対して私は本会議で質問をしましたところ、いやこれはいろんな看板を作りましてちゃんとした真正な代理人であるということで見分けが付くとか、若しくは罰則があるというお答えをいただきました。  ところが、今回、代理人自身がいわゆる外交をすると、預金を集めるために訪問するとか電話をすると、こういった場合、看板というのは必要ありませんし、また元々詐欺をやろうという人は罰せられることを承知で見付からないでしょうというためにやりますから、やはりこういった混乱が起こらないように事前に消費者に対していろんな通知をする、若しくは公告をすることが必要であります。このことに対して伊藤大臣の御見解、伺いたく思います。
  132. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 委員が御指摘をされましたように、規制緩和を行うことによって様々な方々が銀行代理業参入をしていくことができるわけであります。そうしたことによって利用者保護上問題が生じるんではないかという委員の御指摘でございましたし、私も本会議で答弁をさせていただきましたように、そのために標章の掲示など誤認防止のための措置を義務付ける、あるいは銀行代理業への参入許可制として、許可要件として人的構成に照らして銀行代理業務を的確、公正、効率的に遂行できる能力があることを求め、さらに無許可で代理業を営むことへの罰則規定をするなど、例えば預金詐欺が発生したり不適切な者が銀行代理業を営むことがないように十分な措置を講じているところでございますし、今委員からもいろいろ御指摘がございましたが、今回の制度を十分周知徹底をしていくための努力もしていかなければならないというふうに思います。
  133. 大久保勉

    ○大久保勉君 私が質問したのは、いわゆる正規の代理人じゃなくて虚偽の代理人ですから、いろんな許認可制度があったとしましてもそれは無理ですから、何らかの形の対応が必要であると、このことを指摘したいと思います。  続きまして、こういったいわゆる詐欺を防止するための一つ制度としましては、いわゆる外務員制度とか、例えば不動産売買に関しましては宅建制度がありますし、証券会社に関しては証券外務員制度と、明らかに資格があると。こういう制度がありましたら一般消費者も誤認する必要がないと。どうして銀行に関して銀行外務員制度を設けないのか、設けない理由を教えてください。
  134. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 資格制度等は、これは制度的に十分な知識、経験のある者が選定される一つ仕組みとして委員が御指摘をされた制度があろうかというふうに思います。今回の改正案におきましては、法律上、銀行代理業者への参入許可制として、許可条件として、人的構成等に照らして、銀行代理業を的確、公正かつ効率的に遂行できる能力を有し、かつ十分な社会的信用を有する者であることを求めているわけであります。  具体的には、個々の構成員について、業務内容に応じて委託銀行による研修や、あるいは金融機関の勤務経験など、適切な業務遂行が確保できる知識、経験を求めることとしており、こうしたことによって、許認可の手続の中で制度上、制度的に十分な知識、経験のある者が選定される仕組みになっていると考えているところでございます。
  135. 大久保勉

    ○大久保勉君 そういうことでしたら、どうして証券外務員制度が必要なんでしょう。つまり、証券業を代理した場合に証券外務員資格が必要ですよね。そこと矛盾しないでしょうか。また、保険に関してもしかりなんです。つまり、銀行だけどうして特別なんですか。
  136. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 保険募集人や、今委員から御指摘がございました証券外務員の資格制度、資格試験というものは、これは各業法上の登録要件になっておらず、あくまでそれぞれの業界団体により自主的に実施をされているものであります。むしろ、こうした資格試験は、保険会社証券会社保険募集人やあるいは証券外務員を雇用しあるいは委託を行う際に十分な知識を有する者を選定する手段として実施されているものと考えております。  今回の改正においては、銀行代理業参入許可制とし、そして業務内容に応じて委託銀行による研修や金融機関の勤務経験など、適切な業務遂行が確保できる知識、経験を求めることといたしておりまして、許可手続の中で制度的に十分に知識、経験のある者が選定されているものと考えております。
  137. 大久保勉

    ○大久保勉君 非常に無責任ですね。つまり、証券業に関しては証券業協会がちゃんとした資格制度を自主的につくっている、ところが銀行に関しては全銀協はつくってないと、だからそれはもう全銀協の問題であると、こういうことですか。大臣としては、じゃ全銀協に対してこうした方が望ましいという意見を表明することはしないんですか。
  138. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) やはりこの問題のポイントは、制度的に十分に知識、経験のある者が選定される仕組みというものが構築されるかどうかということでございます。そういう意味からいたしますと、先ほどその許可制についていろいろ議論がございましたが、今回の場合には、参入については許可制というものを導入をして、そして許可条件として業務遂行をすることができる能力を有し、かつ十分な社会的信用を有する者であることを求めているわけでございます。  そして、具体的には、先ほど来答弁をさせていただいておりますように、業務内容に応じて委託銀行による研修やあるいは金融機関の勤務経験など、適切な業務遂行が確保できる知識、経験を求めていることといたしておりますので、そうした観点からいたしますと、許可手続の中で制度的に十分に知識、経験のある者が選定される仕組みになっていると私どもとして考えているところでございます。
  139. 大久保勉

    ○大久保勉君 分かりました。つまり、十分な知識、経験がある人しかこの業務をやらないと、そういう理解でよろしいですね。
  140. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) これは業務内容に応じてということでございます。その中で十分な知識、経験のある者が選定をされていく、そういう制度設計として考えさせていただいたところでございます。
  141. 大久保勉

    ○大久保勉君 ということは、困りましたね。流通業で、会社としてその許可をもらいましたと。で、たまたま今日採用された人はそういう預金業務を扱うことができないんですね。つまり、その人は、つまり組織としては十分かもしれませんが、実際扱う人も十分な経験が必要なはずですよね。ですから、経験がない人に対しては代理業をやらせることができないという認識ですね。
  142. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 的確に遂行できる内部管理体制というものをしっかり見ていくということでございますし、先ほどもこれは重ねて答弁をさせていただきましたが、その業務内容に応じて委託元の銀行による研修というものもございますし、また代理業をされる事業者において適切な内部管理体制というものをしいていただくということも重要なことだというふうに思います。
  143. 大久保勉

    ○大久保勉君 ということは、銀行研修を受けていない人がいわゆる外交はできないということだと判断します。これはもう平行線になりますが、非常に問題がありますから、是非、ちゃんとした研修ができるのか、そのことを制度として適切に運営してください。  では、続きまして、新しく代理店ができます。全国津々浦々できるということに関しまして、代理店検査の組織と要員は十分か。これは恐らくは金融庁だけではなくて地方財務局自身が適切な組織、要員を持っているかと、十分な人が足りるかと、こういった問題になります。このことに関して、伊藤大臣の御意見若しくは御所見をお伺いします。
  144. 西原政雄

    政府参考人(西原政雄君) 済みません。  ただいま銀行代理店業、これに対する検査の体制はどうかというお話でございました。この銀行代理店業務、これに対する当局の検査につきましては、まずは銀行本体、これに対する検査の中で対応するというのが基本だというふうに思っております。すなわち、銀行代理店に対する指導等を行う立場、これが銀行にあるわけでございますので、銀行がしっかりとその代理店についてそういった指導監督を行っているかということをチェックするというのが基本になろうかと思います。しかしながら、必要に応じて、当然のことながら、銀行代理店自身にも行為規制の遵守状況、これを点検に検査に入るということも考えておるわけでございます。  そこで、初年度となる十八年度でございますが、今委員御指摘のとおり、この代理店の直接検査ということになりますと、地方の財務局、これが主体となってやるということになろうかと思いますが、この財務局におきまして十名の体制の増員要求、これをやらせていただいております。こういった要員の下で、一方では、金融庁といたしましては、本体については金融庁自身も検査をやりますし、それから財務局自身も本体の検査も行います。それと併せて、財務局における代理店の検査、こういったことをうまく組合せをいたしまして、これで限られた人員の中で最大限の効果を発揮するように検査をやっていきたい、こういうふうに考えております。
  145. 大久保勉

    ○大久保勉君 続きまして、地方財務局による金融検査に関して質問なんです。  よく金融機関と話をすることがあります。ヒアリングということで地域金融機関に確認しましたところ、特に一般論としまして、検査官は非常に質のむらがあると。金融庁さんは金融の専門家としてスペシャリストがいるんですけれども、たまたま税関の職員であった人若しくは国税の職員であった人が来て、金融のイロハが分かっていないから平行線で、いろんな質問をして多大な労力が掛かってしまうと。非常に、クレームですね。ところが、文句を言うわけには、なかなか言いづらいと、こういった制度上の問題があります。  やはりこれはいわゆる地方財務局における専門家をいかに育てていくかと、こういうことが重要だと私は思っているんです。その意味で、金融庁は地方財務局の人事に関していろんな権限がございますか。
  146. 西原政雄

    政府参考人(西原政雄君) 今、人事というお話でしたのであれですが、財務局の職員に対する人事、これは検査関係部局もそうですが、それ以外も含めて、財務局の職員全体についての人事権というのは財務局長にございます。しかしながら、いわゆる我々検査という関係でいいますと、金融庁から専門の検査官が出向するという形で財務局に行くケースもありますし、逆に、財務局の検査を経験した人が今度は金融庁に出向してくると、こういった人事の交流というような形も行っております。  そういうような形で、やはり人事育成の観点も含めて相互交流といいますか、そういうような形で人事を行わせていただいております。
  147. 大久保勉

    ○大久保勉君 先ほど、厳密に言いましたら、財務局に関しては財務局長、これは財務省の下部機関ということで、つまり金融庁は人事権がないと。ですから、研修を要請してもなかなかできないというケースもあり得るし、また、ある人が不適格な検査官であってもそれを更迭することはできないと、こういうおそれはありますか。若しくは、実際こういうことは発生しておりますでしょうか。
  148. 西原政雄

    政府参考人(西原政雄君) 今の点につきましては、我々もやはり全員、全員といいますか検査官すべてについて少しでもレベルアップを図っていくと、これは非常に大事な問題だと思っておりまして、実は、今指摘がありました研修、これにつきましても、本庁、金融庁の方で基礎研修あるいは中堅者実務研修、あるいはもっと高等なレベルでの高等実務研修、こういったものをやっておりますが、これにも財務局から検査官にどしどし来てもらってそれを経験させる。  そういうこととか、あるいは先ほどの人事交流の関係、あるいは、実は検査をする際に我々、検査班を私ども金融庁が主担でもって検査を、銀行に行く場合があるんですが、その場合にその地域の財務局のメンバーに二、三人入ってもらう。あるいは、逆に今度は財務局の人たちが主担で検査をやる際に当庁の方から二、三人出掛けていって検査を一緒にやらせていただく、そうすることによって質の向上を図ると同時に目線を合わせていくと。  こういうような今努力をしておりまして、少しでもそういうレベルアップにつなげていきたいというふうに考えております。
  149. 大久保勉

    ○大久保勉君 金融庁さん若しくは財務局さんの努力は認めます。  ところが、もっと簡単にするためには、やはり財務局を金融と財務に分けまして、より金融庁が責任を持つと、責任のある検査をすべきだと思います。このことは、いわゆる金融市場の効率化、さらには日本の金融の競争力につながると思います。是非検討していただきたい提案です。  伊藤大臣、もし御意見がございましたら。
  150. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) これ、本会議においても私からも谷垣大臣からもお答えをさせていただいて、一連の行政改革の中で今の財務局というものを活用しながらしっかりとした検査というものを行っていかなければいけないということでございます。  現在の仕組みにおきまして、財務局の業務状況につきましても、金融庁長官は財務局長に対してその業務内容に問題があればそれをただしていくという権限を有しておりますので、先ほど言われたおそれというものを私どもが把握することがあれば適切な対応を、ここは使わさせていただきたいと思うんですけれども、取らさせていただきたいと考えております。
  151. 大久保勉

    ○大久保勉君 是非、伊藤大臣のリーダーシップまた谷垣大臣のリーダーシップを期待しております。  より実務的に、じゃ一つのアイデアを私が御提案します。例えば金融機関に検査をした場合、もし十人のチームでしたら、いわゆる双方向の意思疎通が必要だと思うんです。じゃ、もちろん金融庁は、この金融機関がいい悪い、いろんな指摘をします。それに対して金融機関は、いや言い分があると、もしかしたら検査官の質がおかしいから説明しても分かってくれないと、いろんな不満があると思うんです。ですから、その場合は、じゃ、もし十人編成の検査官でしたら、この検査官を十点満点で採点すると。そこに対しては相対評価でして、相対評価で採点すると。そのことで、いつもこの検査官は不適切ということになりましたら人事、更迭すると。そのことが全体の検査官の質を高めることになります。  こういった制度をつくることに対して、私は提案したいんですが、金融庁さんの御意見を聞きたく思います。
  152. 西原政雄

    政府参考人(西原政雄君) 私どもも、やはり一人一人の質を高めていくという、これは非常に大事なことだというふうに思っております。それと同時に、やはり金融検査をする際に、これを適正、的確に行っていく、検査自身しっかりとやっていかなきゃいけないと。  そういう観点から、実は私ども検査モニターの制度と、こういうものを持っておりまして、これはどういうことかと申しますと、具体的に若干申し上げますと、例えば検査をやっている際に、その検査班とは違う、例えば検査局のバックオフィスの幹部がそこにお伺いする、あるいは財務局の幹部がお伺いして、今の検査がどうでしょうかという評価を伺うと、こういうことをやっております。その際に、検査官の態度ですとか言動ですとか、そういったことについても併せてお聞きするというような検査モニターの制度を設けております。  これは実際に検査中に行って出向いていく、これはオンサイト検査モニターという具合に称しておりますけれども、このほかにオフサイト検査モニターというのもございまして、すなわち電子メールですとかいろんな形でこの検査についての問題点あるいは意見、これを述べていただくと、こういう制度も設けてございます。  今おっしゃった評定の関係ということで若干申し上げますと、このオフサイト検査モニターの制度を実は若干この七月に改めまして、といいますか追加いたしまして、アンケート方式によるそういう検査に対しての状況を評価していただくというようなものも設けてございます。  そこは四段階の評価を設けまして、三十項目あるんですが、そういったことで十分なちゃんとした対応ができているかどうかも含め、今おっしゃられました、例えば知識の点、これにつきましてもやはり項目の中に入ってございまして、検査官の知識が十分だったかどうかと、こういったことも相手から評価をしてアンケートで答えていただくというような方式も取りまして、そういった中でいろいろ指摘された点については、事実関係をよく調べた上で検査官の指導あるいは検査の改善、こういったことにつなげていくというようなことを考えております。  今後とも、積極的にこのモニターの制度を利用していきたいというふうに考えております。
  153. 大久保勉

    ○大久保勉君 検査モニター制度に関しては非常に優れた制度だと私も思いますし、やはり形式だけでなくて内容のあるモニター制度にして相対的に検査し合うと、その中で精度を高めていき、銀行はよりいい経営をすると、また検査官の質は高まっていくと、このことで日本の金融制度若しくは金融システムがより強固になると、このことを期待しております。頑張ってください。  では、続きまして、MアンドA関連の質問になります。  最近、MアンドAが非常に増えておりまして、銀行自身が敵対的買収に関与するということも出てきました。また、インサイダー情報に接すると。  ここで参考人に対して質問なんですが、インサイダー情報に関する規制は、銀行員と証券マン、違いがありますか。また、利益相反とか守秘義務の問題に関しまして銀行員と証券マンの間に違いがありますか。多分、証取法の関係ですから違いはないと私思っておりますが、一応、念のために確認いたします。
  154. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) インサイダー取引につきましては、それが銀行であるとか証券会社であるかによって差異はないと承知しております。
  155. 大久保勉

    ○大久保勉君 分かりました。  証券会社に関しては、どうしてもインサイダーに関して極めて厳しい管理システム若しくはいわゆるコンプライアンスシステムがあります。ところが、銀行はそういったことに関してルーズな場合もあるのかなという気もしまして質問いたしました。  例えば一例を申し上げますと、最近こういった、インターネットとか若しくは新聞記事にたまたま出た例です。これは他意はありませんで、たまたま見付けたということで、三井住友銀行の前頭取、特別顧問の西川氏がTBSの企業価値評価特別委員会委員をしていること及び非常勤監査役を務めている。一方で、敵対的買収を仕掛ける可能性がある楽天に対して、三井住友銀行がTOB資金やその他の株式取得資金を供給することを行おうとしております。  健全な銀行経営観点から問題があるんじゃないかと私は思いますし、金融庁は、西川前頭取の利益相反若しくは守秘義務問題、若しくはインサイダー規制との関連でどういう御所見でしょうか、質問いたします。
  156. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) これは一般論でお答えをさせていただきたいと思いますが、特定の者が買収企業側と被買収企業側双方の経営に関与するに当たっては、その利益相反の問題や守秘義務、そしてインサイダー取引をしない、こうした観点から問題が生じないよう関係当事者において適切な対応がなされるものと考えております。
  157. 大久保勉

    ○大久保勉君 人の問題ですから、会社でしたら、いわゆるチャイニーズ・ウオールとかファイアウオールとか、そういう障壁を立てることによって情報を遮断することができます。ところが、同一の人間でしたら、いや今は買収者側に立っているんだ、今は被買収者側に立っていると、こういうことはできないですから明らかにおかしいんですね。もしこれを海外の新聞、例えばウォール・ストリート・ジャーナルとか若しくはファイナンシャル・タイムズが報道した場合は、日本って何て野蛮な国だと、まだ投資銀行業務分かっていないんじゃないかと、こういう批判が来るおそれがありますから、是非、いわゆる銀行経営者には、利益相反若しくはインサイダー規制、こういったものは証券会社の幹部と同じようにありますよと、こういう強いメッセージを送ることが必要であると思います。このことを約束してもらえますか。伊藤大臣、お願いします。
  158. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) これは、先ほども答弁をさせていただきましたように、利益相反その他、問題が生じないように、基本的に関係当事者において適切な対応が検討されるべきものと考えております。
  159. 大久保勉

    ○大久保勉君 続きまして、組織の問題です。先ほどは個人、経営者の問題でした。今度は組織の問題です。  この銀行は被買収企業のメーンバンクであります。つまり、TBSのメーンバンクであり、かつ今度はその銀行が買収者に融資をしているということなんです。同じ銀行が両方に利益相反していると、これは非常に大きな問題だと思います。ここに関して、こういうことが銀行業務だったら可能なんでしょうか。伊藤大臣、お願いします。
  160. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 一般論としてこの点についてもお答えをさせていただきたいと思いますが、被買収企業のメーンバンクが敵対的買収企業に対して株式取得資金を融資する、こうしたことに当たっては、銀行業務の適切な運営に対する疑念を招くことがないよう、金融機関において当該被買収企業の非公開情報の厳格な管理等の体制を整備することが重要であると考えております。
  161. 大久保勉

    ○大久保勉君 そういうことでしたら、銀行検査でもちゃんと指摘し、若しくは検査マニュアルなんかでこういったことは文書でうたっているんでしょうか。これは政府参考人
  162. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) とりあえず監督指針の方でございますけれども、私ども、日ごろ監督いたします際の留意点というのをあらかじめ定め、公開しておるわけでございますが、その中で、顧客の情報の管理ということは重要な留意点ということで記述をいたしております。コンプライアンス等を含めまして、この顧客情報の厳格な管理というのは重要なポイントであろうかと思います。
  163. 大久保勉

    ○大久保勉君 この指摘に関しては、非常に、難しいという面もあると思います。といいますのは、そもそも敵対的買収というのが日本にはそれほど多くなかったと。ここのところ急激に増えてきましたから、恐らくは、銀行員がインサイダー情報に接することに対して、またどういうふうにしたらいいかということに関しては余り教育されていないし、また経験もないということですから、インサイダー事件が起こる前にいろんな指針を出して警告するということが私は重要だと思います。  また、企業買収業務に対する融資、これは投資銀行部門の柱としまして収益性も高いですし、このことは銀行として決して悪い商売じゃない。むしろ、適切なルールに基づきましたら伸ばしていくべき業務かもしれません。ですから、ちゃんとしたルールを金融庁が率先してつくっていくことが私は重要だと思っております。ですからこういったことを御指摘しました。  続きまして、銀行が敵対的買収に対しまして融資をするということに対して、融資上のリスクに関して質問いたします。  こういったものが増えまして、どんどん無担保で融資をしていくといった場合には、非常に敵対的買収というのはリスクが高いと思います。失敗した場合には、ある経営者が無一文になっても買収を成功するというような発言があるぐらい、非常にリスクが高いんじゃないかと思います。そういったところにお金を出している銀行というのは不良債権をつくるということになります。ですから、どういうふうなリスクがあり、どういうふうなリスク管理が必要か、このことに関して金融庁質問いたします。
  164. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 一般論としてお答えをさせていただきたいと思いますが、敵対的買収を行おうとする企業に買収資金を融資するといった場合には、例えば、当該企業の財務状況、そして買収に係る目的あるいはその計画、さらには買収後の事業計画の蓋然性、実現の蓋然性、そして返済財源の見込みといったことについて、例えば当該買収が不調に終わった場合も想定して慎重な審査を行うということが重要だと思いますし、また、特定のグループに対する与信の集中の防止ということはいずれにせよ必要でございます。さらに、当該買収案件に資金拠出を行うことによるレピュテーショナルリスクといったことも勘案して判断を行っていくことが妥当だというふうに思っております。  金融庁といたしましては、銀行が敵対的買収企業に買収資金を供給するということにつきまして、今申し上げましたような観点から、適切なリスク管理体制が構築されているか否か、これが極めて重要だというふうに思っておりまして、検査・監督を通じてこういった点もチェックしていく必要があろうかと思っております。
  165. 大久保勉

    ○大久保勉君 リスク管理の観点から、無担保でしたらリスクがあるということで、買収先の株式を担保にもらうとか、若しくは経営者から当該企業の株式をもらうと、で、担保に供するということでしたらリスクヘッジになりませんから、こういったことのないように指導、検査、お願いいたします。  続きまして、よくあるケースは、買収企業が一般運転資金名目で資金を借りて、その後にメディア等で企業買収資金であったということが判明した場合に、金融機関はどのようなことをする必要がありますか。このことに関して、金融庁参考人でも構いませんから、質問いたします。
  166. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 一般運転資金の名目で買収資金が供給されるといったケースについてでございますが、運転資金は、御案内のとおり、例えば企業が商品代金等の決済において立替えをすることで事業運営をやっていくということで、経常的に発生する売り掛け債権といったもの等の裏付けのある短期資金、一方で、企業買収のための投融資資金というのは、被買収企業の事業計画の妥当性等に基づく事業投資のリターンに依存する長期資金ということでございます。  一般論でございますけれども、私どもの検査・監督におきましては、金融機関審査・管理体制の適切な整備ということが重要な着眼点になっておりまして、資金使途が的確に把握されているかどうかといった点を含めまして確認を行っているところでございます。  仮に、債務者の業務状況、資金管理の状況といったものについての把握が不十分であるという場合には、与信業務についての内部管理体制に問題があるということになるわけでございますので、検査・監督を通じて実態の把握に努め、もし問題があれば適切な対応を取るということになろうかと思います。
  167. 大久保勉

    ○大久保勉君 もし一般運転資金の名目で貸出しをして、後で買収資金というのが分かりましたら、いったん、貸し出した資金をいったん回収すべきじゃないんでしょうか。それで、新たに審査をして貸出しをするかしないかを決めると、これが筋ですけれども、どう思われますか。
  168. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 大変具体的な取引の対応に関することでございます。  そういった具体的な問題が認識されたときの具体的な対応ぶりについて、特定の手法のみを当局が推奨をするということはいかがかと思いますけれども、いずれにせよ大事なことは、運転資金という名目であったけれども、それが企業買収のための資金であったということが判明した場合には、その企業買収資金であるということに即したリスクの把握、それに伴うリスク管理というものが速やかに行われるということが重要だと思います。
  169. 大久保勉

    ○大久保勉君 もう一つ抜けている点があります。もし買収資金と分かりましたら、インサイダー情報に関連していますから、関係者をすべてインサイダー登録して、だれがこの情報を知っているか知っていないか、ちゃんとしたチャイニーズ・ウオールを付ける必要があります。こういったことに関して証券会社はする必要があります。銀行は同じようにする必要がありますか。
  170. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) インサイダー取引というものに関しては、その取引にかかわった人間の所属あるいはどういう金融機関に属しているかということに依存せずに、だれでも適用になるということでございます。銀行の組織の中にいらっしゃる方でも、先ほど大臣からも御答弁ございましたけれども、組織としての情報管理、チャイニーズ・ウオールの設置といったことが極めて重要なわけで、そういった中で的確な情報遮断、利益相反が実現しないような的確な情報遮断というものをやっていくことが重要だと思います。
  171. 大久保勉

    ○大久保勉君 じゃ、それに関連しまして、もし銀行証券関係なくチャイニーズ・ウオールをつくることが重要であると、でしたら銀行検査におきましてそういった検査は行われていますか。証券の場合は証券取引等監視委員会が入りまして具体的に見ていると。じゃ、過去に証券等監視委員会銀行検査を行った事例というのはどのくらいあるんでしょうか。これは、できましたら、証券だったら何件と、銀行だったら何件と、つまり違いが分かるような形で是非例示してもらえたら次の議論ができると思います。
  172. 西原政雄

    政府参考人(西原政雄君) 十六検査事務年度、昨年の七月から今年の六月までの検査事務年度ですが、金融庁の検査局で主要行の全十一行に対して通年・専担検査という形で検査を実施しておりますので、十一行すべてに対して金融検査局が検査いたしておりますが、監視委員会の方は主要行十一行中五行に対して検査を実施していると、こういう状況にございます。登録金融機関としての検査という形になると思います。
  173. 大久保勉

    ○大久保勉君 登録金融機関としての検査ということで、もう少し詳しく知りたい。  もしこの五行のうち、実際に監視しておりますのは株式の売買部門であって、いわゆる投資銀行部門を検査してないというケースも多いと思います。この辺りは、投資銀行部門若しくは融資部門に対する検査は何件ありましたですか、五件中。
  174. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 通告してあるの。通告、通告している。
  175. 大久保勉

    ○大久保勉君 通告してあります。
  176. 西原政雄

    政府参考人(西原政雄君) 済みません。監視委員会のちょっと事務局長がおられないものですから、私代わって答弁させていただきますが。  監視委員会の方は、登録金融機関証券取引法の六十五条の二に基づいて行う業務に関して、不公正な取引の防止上その取得した顧客投資判断に影響を及ぼす重要な情報等がしっかりと管理ができているかどうかと、そういった点について検証を行っていると。情報に関してはそういうようなチェックを行っているということのようでございます。
  177. 大久保勉

    ○大久保勉君 ということは、いや、昨日通告しておりましたから、こういった回答しかもらえないということは、事実上は融資部門に関して検査していないというふうに理解します。もし違う返しがありましたら答弁ください。
  178. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) これは監視委員会とそれから私ども金融庁の検査で実は役割分担をいたしておりまして、監視委員会の検査につきましては、今検査局長が答弁をさせていただいたように、登録金融機関が証取法の六十五条の二に基づき行う業務に関して、不公正な取引の防止上その取得した顧客投資判断に影響を及ぼす重要な情報等の管理が十分に行われている状況にあるか等について検証を行っております。  他方、証取法六十五条の二に基づき行う業務以外の銀行の情報遮断につきましては、一般的な顧客情報の保護の観点から金融庁検査局において検証を行っているところでございます。
  179. 大久保勉

    ○大久保勉君 証取法六十五条の二がどういう意味かというのが分かりませんので、時間がありませんのでここはもう省略しまして、後で議論しましょう。  是非、これからやるべきことは、つまりインサイダー取引におきましては銀行業も証券業も違いはないと。ですから、銀行業に対しましても、証券業と同じ程度にインサイダー規制、チャイニーズ情報遮断、利益相反、こういったことをきっちりやっていく必要があるんじゃないかと私は思います。これからはMアンドA、特に敵対的買収が増えていくことが予想されますので、金融行政もやはり状況に応じた金融検査の優先順位を付けていくべきだと思います。是非しっかり検査をお願いしたいと思います。  続きまして、最後の質問になります。  敵対的買収策のためのファイナンス、いわゆるポイズンピル等の発行によりまして株式が希薄化することがございます。このことに関しまして、一般投資家の観点からは、非常に価値が下がりますので困った問題だという指摘もございます。ここに関しまして、非常に抽象的ですが、金融庁のこの問題に対する御認識、又は防止法に関して御所見を伺いまして、私の最後の質問といたします。
  180. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) いわゆるライツプラン型の買収防衛策の導入、発動につきましては、一つには当該企業の株主、既存株主の利益を害しかねないとの指摘がある一方で、一方、適正な方法で行われれば、強圧的な買収提案や企業価値を損なうような買収提案を排除する経済合理的なものとなり得るとの指摘もあると承知をしております。  このライツプラン型の買収防衛策のうち、例えば新株予約権の第三者割当てにつきましては、株主平等原則等に反しないか等の観点から、商法上特に優位な価格による新株予約権の発行につきまして株主総会の特別決議を経ることが求められております。また、著しく不公正な方法による新株予約権の発行は差止め事由となり得ると承知をしております。  基本的にはこうした規定に沿って法的な解決が図られることになるものと理解をしておりますが、金融庁といたしましては、証券市場の信頼性を確保するために、市場の公正性、透明性が確保されること、投資家、株主の権利が十分に保護されることが重要であると認識しております。  現在、金融審議会第一部会の下に公開買い付け制度等のワーキンググループを設置いたしまして、公開買い付け制度などにつきまして討議、検討を行っていただいているところでございます。  金融庁といたしましては、商法を所管する法務省等とも十分な連携を取りながら、投資家や株主の権利保護に資する制度の構築に努めてまいりたいと考えております。
  181. 大久保勉

    ○大久保勉君 ありがとうございました。これで私の質問を終わります。
  182. 広田一

    ○広田一君 どうも、民主党・新緑風会の広田一でございます。  横の連携が悪くて質問が重複する部分がございますけれども、気にせず、通告に従い質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  今回の銀行代理制度見直しの意義につきましては、これまで代理店設置に際し、銀行の一〇〇%子会社などに限定したり専業義務を課すなど、銀行の支店とほぼ同一視した規制を行ってまいりました。このたび、これらの規制を廃止し、緩和することによりまして、製販分離を実現し、銀行経営効率化金融サービス利用者利便性向上を目的としております。私は、今回の法改正の方向は賛成しつつも、先ほど来議論がございましたように、公的規制緩和の視点に立てば、三歩進んで二歩下がるというふうな印象を持つわけでございます。  その一番の理由は、参入のハードルが届出から許可に上がったことでございまして、私は、規制改革の原則といいますのは、参入のハードルは低くして参加と競争というものを促して事後チェックはきちっと行う、こういうことだろうというふうに思いますけれども、そこで伊藤大臣考え規制、特に今回の場合は参入規制に関する原則について、まずお伺いをしたいと思います。
  183. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 三歩進んで二歩下がるという御評価でございましたけれども、私といたしましては、規制改革あるいは参入規制に対する基本的な考え方につきましては金融改革プログラムの中で述べさせていただいているというふうに思っております。  この中で、私ども金融行政としての基本的な姿勢といたしまして、金融行政は市場規律を補完する審判の役割に徹していく、そしてそのためにも現行の規制というものを総点検をして、そして不必要な規制というものを撤廃するとともに、金融行政の行動規範、つまりコード・オブ・コンダクトを確立すること、そしてその一方で利用者が不測な損害を被ることがないように必要な利用者保護ルールの整備と徹底を図っていく、こうした考え方を示しているところでございます。  規制改革に関しましては、こうした私どもの基本姿勢を踏まえつつ、多様で良質な金融商品サービスの提供に向けた制度設計をしていく観点から、必要な規制緩和を進めるとともに、金融実態に即した利用者保護ルール等の整備徹底を図っていくことが重要であると考えております。  いずれにいたしましても、私ども金融庁といたしましては、規制改革の推進も含めて、金融プログラムの諸施策を着実に実施することを通じて、金融商品サービス利用者の満足度が高くて、そして国際的にも高い評価が得られて地域経済にも貢献できるような金融システムを官の主導ではなくて民の力で実現を目指してまいりたいと考えております。
  184. 広田一

    ○広田一君 大臣、そういうことを踏まえまして、具体的に参入規制を行う場合の原則、私は先ほど、できる限り参入する場合はハードルを下げるべきだというふうに思っておりますけれども、先ほどの御答弁を踏まえて、参入をする場合の規制についての原則を改めて伊藤大臣、分かりやすく御説明をしていただければと思います。
  185. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 参入規制の原則でございますけれども、これも重ねての答弁になってしまうかもしれませんが、委員が御指摘のように、参入規制というものを、できるだけハードルを下げることによって利用者の方々が様々な多様で良質な金融サービスというものが活用できるような、そういう環境整備というものをしっかりやっていかなければいけないというふうに考えております。しかし一方で、そのことによって利用者が不測の損害というものを被ることがないように、利用者保護観点からのやはり対応というものもしっかりやっていかなければいけない、そのための制度設計ということについても十分留意をして考えていかなければいけないというふうに思っております。  いずれにしましても、このバランスというものをしっかり取りながら、利用者の満足度の高くて、そして地域経済にも貢献できるような活力ある金融システムというものを構築をしていきたいというふうに考えております。
  186. 広田一

    ○広田一君 参入規制につきましては、利用者保護、ハードルは低くすべきだろうと思うけれども利用者保護をきちっと考えていく、そういうバランスを取っていかなければいけないというふうな御答弁でございました。伊藤大臣は本音では、これは、今回の許可はちょっと厳し過ぎるんじゃないかなというふうに思っているんじゃないかなというふうに私は思うんですけれども、まあ大臣としての御答弁ではこういうふうな形になるのかなというふうに理解をしたいというふうに思います。  そうした中で、今回の改正によりまして、銀行代理店業を行おうとする場合、銀行本体金融庁、実際は地方財務局のダブルチェックというものを受けることになります。私のような素人が考えましても、金融庁が目指す機動的な代理店の設置や多様な顧客ニーズへの迅速な対応というものを考えれば、このダブルチェック、先ほどの議論では慎重な対応というふうなお言葉もございましたけれども、こういう許可をすることによって足かせになる危険性があるのではないかなというふうに思いますので、この点をまず踏まえていただいた上で、そして今回、金融庁が示した許可要件、つまり、的確、公正、効率に遂行できる能力、社会的信用、財産的基礎、他業兼営により支障を及ぼさないことは、具体的な基準はまた後で議論したいと思いますけれども、その考え方は至極当然だろうというふうに思います。  そして、これらの要件というものは、私も銀行の方に問い合わせをし、確認をいたしましたけれども銀行本体代理業に業務委託する場合は、当然銀行本体としても担保しなければ、自らの看板を代理店に託すわけでございますので、それができないということは当然看板を託すこともできないということにつながるわけでございます。よって、金融庁が届出制から許可制へと規制強化する場合、今回してしまったんですけれども銀行本体のみでは銀行代理業者を決めることは困難であると、業を始めることは不適切であるということを客観的に証明する必要と責任があると思いますけれども、御所見をお伺いをいたします。
  187. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) これまでの制度の下において銀行代理店につきましては、先ほど委員からも御紹介がございましたが、支店と同視できる程度に業務遂行能力でありますとかあるいは社会的信用を有するものとして銀行の一〇〇%子会社等であることを求めて、更に兼業を禁止するなど厳しい規制を課していることを踏まえて、参入の手続については届出で足りるとしてきたところでございます。    〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕  これに対して、今回は幅広い一般事業者の方々の銀行代理業への参入を認めていくと。こうした認めるに当たっては、規制改革をするに当たっては、やはり銀行の健全性の確保や利用者保護観点から業務遂行能力、社会的信用銀行業以外の他業の兼営が代理業に支障を及ぼすおそれ等をチェックする必要があることから、参入時の許可制を導入することといたしたところでございます。  委員が御指摘をされましたように、銀行代理店銀行代理店を選定する際には、代理行為の効果はこれは銀行本体に帰属することになりますし、また銀行本体代理業務により顧客に生じた損害について直接賠償をする義務を負うことになりますので、例えば業務遂行を適切にできないおそれのある者などはあらかじめ排除することが期待をされるわけであります。  しかしながら、銀行代理店はやはり決済、貸付けなどの業務をすることから、適切な業務運営がなされない場合には決済システムに問題が生じたり、あるいは利用者保護上の問題が生じるおそれがございます。こうした銀行の特殊性にかんがみまして、銀行審査にすべてをゆだねるのではなくて当局としてチェックを行うことといたしたところでございます。
  188. 広田一

    ○広田一君 そうしますと、決済システム等にもしものことがあればいけないということでひとつ許可というふうなことになったという理由なんですけれども、そう考えますと、当初金融庁が目指していらっしゃった機動的な代理店の設置とかということについては、やはり幾らかこれが足かせになっても、許可を、許可制度とすることによって足かせになっても仕方がないというふうにお考えになっているんでしょうか。
  189. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 私どもといたしましては、今回の規制緩和を進めていくに当たって様々な議論をさせていただいたところでございます。  先ほど来答弁をさせていただいておりますように、やはり幅広くこの銀行代理業に、代理店参入をしていただくと、そうした場合に利用者保護観点からしっかりとしたチェックをしていく仕組みが必要であるという御議論も非常に強く出されました。そうしたことを踏まえて今回の制度設計をさせていただいたところでございますが、今回のやはり規制改革に当たっては、そのスピードあるいは機動力ということも重視をして今回の規制緩和をさしていただいたところがございますので、審査等に当たってはそうした観点から迅速に、適切に審査が行えるよう最大限の努力をしていきたいというふうに思っております。
  190. 広田一

    ○広田一君 私が確認したいことは、もちろん先ほど来の御答弁のように利用者保護とか、そしてまた許可の審査等については迅速に対応するというふうなことは分かるんですけれども制度そのものが届出が許可になることによって、当初考えておった機動的な設置や顧客ニーズへの迅速な対応ということが一定制限されても、守るべきものとしてほかにやっぱりあるわけですから、ここは足かせになっても仕方がないと、だから許可にしたんだと、こういった理解でよろしいんでしょうか。
  191. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) これは、私どもとすると、委員からするとその足かせという御指摘でございますけれども利用者の保護の観点からより慎重な制度設計をさせていただいた、私どもとして利用者利便向上と、そして一方で利用者保護、この両方のバランスを取りながら今回の提案をさせていただいているということでございます。
  192. 広田一

    ○広田一君 それと、私は、先ほどの質問の中でやはりその銀行本体のみのチェックでは十分ではないというふうな趣旨の御答弁があったんですけれども、先ほどの富岡委員との中で海外の事例等の御紹介がございました。    〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕  これ、つまり海外の場合は、銀行本体によって的確、公正、効率な遂行ができると、このことが担保されているというふうに判断をして、海外はあのような許可までの厳しい規制は掛けていないというふうに思うんですが、そう考えますと、やはり今の銀行本体のチェックだけでは不十分である、なかなか業をそのまま素直に認めるわけにはいかないというふうな御認識、背景があるのかどうか、この背景があるかどうかのちょっと確認をさせていただきたいと思います。
  193. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) いずれにしても、それぞれ各国においてこの代理店制度の歴史が異なるわけでございますけれども、海外におきましてはそういった許可等につきましては比較的、一般的にそれを不要とする例があるということは承知しているわけでございます。  しかしながら、先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、日本はこれまでほとんど支店設置形態等の代理店しか認めてこなかった。今回、初めてそういった実質上一〇〇%子会社以外のものにも認めるということに当たりまして、一方で利用者利便利用者保護、双方のバランスを考えながら許可制とすることにさしていただいているものでございます。
  194. 広田一

    ○広田一君 そうすれば、切り口を変えてちょっとお聞きしたいんですけれども、私は必ずしも横並びである必要はないというふうに考えるんですが、証券とか信託業務等は登録で構わないというふうに聞いておりますし、またもし事故や問題が発生したら、先ほど伊藤大臣の方からも御紹介がございましたように、委託元の銀行に賠償、損害賠償が請求できる仕組みもございます。さらに、金融庁、また地方財務局の方自身が銀行代理店に直接検査に入るという仕組みもあるわけでございます。  そういった様々なチェックというものをしつつも、やはり今回は利用者保護観点に立って許可制度というものは避けて通れないというふうにお考えになったというふうな理解でよろしいんでしょうか。
  195. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) まさしく利用者利便と御指摘のように利用者保護両方の中で、両方の兼ね合いの中で、今回は許可制ということで提案を申し上げている次第でございます。
  196. 広田一

    ○広田一君 それは先ほど答弁いただいたんですけれども、ほかの証券とか信託業務、これは登録でも構わないということも紹介しましたし、銀行本体への損害賠償請求もできると、そういうふうなもろもろのチェック、仕組みを構えているわけですよね。そこを利用者保護というふうな観点からではなしに、こういうものもあるけれども、それ以上に許可が必要だというふうな、もう少し具体的な御説明をいただきたいと思います。
  197. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 銀行業の代理でございますので、一つには決済、それからもう一つには貸付けなどを業務とするものでございます。これらが適切な業務運営がなされない場合には、決済システムに問題が生じたり、利用者保護上問題を生じるおそれもございます。こうした銀行業務の特殊性にかんがみまして、当局としてチェックを行う許可制とさせていただいているものでございます。
  198. 広田一

    ○広田一君 済みません、しつこいようですけれども、そういったものを担保するためには、許可というものはこれは必要不可欠な規制であるというふうな理解でよろしいんでしょうか。  私は、先ほど来、参入した後の様々なチェックであるとか、ほかの類似業種等の形態、そして富岡委員が指摘したような海外の事例等で考えた場合に、必ずしも許可というところにこだわる必要の必然性というものが私自身腹にすとんと入ってこないので、利用者保護ということだけ言われても、けれど、ほかに様々なチェックシステムがあるんじゃないかと、そこで十分担保できるんじゃないかと。ましてや、銀行本体が、繰り返しになりますけれども、自分の看板を預ける以上、そんないい加減なところには任すことはできないということは、皆様方自身もこの法律を作るときに、各銀行に問い合わせたときも、そのことは多分明言はされているんだろうというふうに思います。にもかかわらず、この点がどうして必要なのかということを、もう繰り返し聞きませんので、ここで是非、腹にすとんと入る御答弁をいただければと思います。
  199. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 一つには、決済、貸付けに係る業務でございまして、被害を極力未然に防止するということが必要でございます。また、社会的信用ということにつきましても、私どもとして必要な審査をさしていただくということでございます。そういった意味で、許可制にさしていただいているところでございます。
  200. 広田一

    ○広田一君 それでは、次にその許可要件の中身についてお伺いをいたします。  ここでは、三つの要件と言われているうち、銀行代理業を遂行するために必要な財産的基礎を有することについてお伺いをしたいと思います。  具体的には、これは数百万円の純資産を予定しているというふうに聞いておるんですが、金融審議会の論点整理を踏まえれば、銀行代理業委託元の金融商品サービス販売するものですから高い財産的基礎は必要としないこと、また一口に銀行代理業といっても、過疎地における小規模なライフラインバンキングから国際業務を行う大規模な代理店まで幅広く金融庁の方としても想定をされていると思います。  つまり、業務の性格上、規模の大小の幅から、この数百万の純資産というだけでは具体的なイメージがわきませんので、この銀行代理業に求められる財産的基礎とは何なのか、具体的な金額も含めて御説明をいただければと思います。
  201. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 銀行代理店でございますが、これは預金、貸付け、為替業務代理、媒介を通じまして、信用秩序や決済システムの一翼を担うものでございます。他の経済主体に大きな影響を与えるものでございますから、今回の改正では、代理店の適切な業務運営を確保する観点に立って最低限必要な財産的基礎を求めることにしているものでございます。  ただし、銀行代理店が行った行為の効果は委託銀行に帰属いたします。それから、代理店自体は預金、債務等を行うことにはなりません。したがいまして、銀行代理店につきましては、銀行の免許付与に当たって求められるような高度な財産的基礎までは求める必要はないと考えているところでございます。  以上のことから、財産的基礎につきましては、個々のケースによって差を設けることなく、共通の基準として純資産数百万円程度を有することなどとすることを考えているところでございます。この具体的な金額につきましては、現段階では数百万円ということでまたこれから更にいろいろな、これはまた数百万円ということで、またいろいろな実務等とも相談しながらこの数字につきましては定めてまいりたいと考えております。
  202. 広田一

    ○広田一君 私が次にしたい質問を先にしていただいたんですけれども、まずこの数百万の純資産、これも多分具体的な数字というものは想定されているんじゃないかというふうに思いますので、是非この委員会の場で御紹介をしていただきたいと思いますので、この数百万の純資産とは一体幾らなのか、お伺いしたいと思います。
  203. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) この数百万円という程度というのは相当具体化している水準ではないかと思っておるわけでございますが、一つには、参考となる事例では、例えば貸金業などであれば五百万円という例があるわけでございますが、そういったことを参考にしながら必要最小限の数値を定めてまいりたいと考えているところでございます。
  204. 広田一

    ○広田一君 局長の個人的な御見解でも結構なんで、局長自身は大体幾らぐらいが妥当な線だというふうに思われているのか、お伺いします。
  205. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 私ども、やはりこの問題につきましては、実務的にいろいろな方々とも御相談しながら最終的なものは定めていきたいと思っているわけでございます。  例えば個人の場合でございますと、保証人という場合もあるでございましょうし、それから個人の場合の住宅ローン等につきましてはそれを実質的に配慮しなくてはいけないとか、やはりいろいろな個々のケースがあろうかと思います。そういったものに、やはり実務的なものを勘案しながらこの水準を定めていきたいと考えているわけでございまして、繰り返しになりますが、決して、例えば銀行でございますと、本体でございますと自己資本比率規制とかそういった別の観点の要請があるわけでございますが、代理業はそういった、自分が預金債務を負うわけではないということで、あくまでも必要最小限の、最低限必要な財産的基礎ということで考えている次第でございます。
  206. 広田一

    ○広田一君 私は、三百万だから少ないとか八百万だから多過ぎるというふうな、そういう議論をしたいんじゃなく、今回許可要件として、こういう銀行代理業を行うためには必要な財産的基礎を有していなきゃいけないというしっかりとした許可要件として皆さん示されているわけでございますので、やはりその具体的な金額はもちろん想定された上でこのような許可要件は当然つくっていらっしゃるだろうというふうな観点からの質問をさせていただいております。そういった意味で、大変具体的な数字が出ないということは残念でございます。  それと同時に、もう一点確認をしたいんですけれども、共通の基準というふうな言い方をされました。これは、例えば過疎地における小規模なライフラインバンキングも、大規模な国際業務を行うような代理店も同じような金額であるというふうな理解でよろしいんでしょうか。
  207. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) はい、さようでございます。
  208. 広田一

    ○広田一君 それでは、それを踏まえてお伺いしたいんですが、様々な業態とか規模が考えられる銀行代理店の財産的基礎が一律でならなければならない理由は、一体何でしょうか。
  209. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) この銀行代理店と申しますのは、例えば銀行本体でございますと、銀行本体がどの程度リスクを抱えているか等によりましてその要求される水準が、財産的基礎が異なってくるわけでございますけれども、これはあくまでも代理店の適切な業務運営を確保する観点からの最低限必要な財産的基礎、逆にこれが債務超過であるようなところであってはこれは業務運営に支障が生ずるということでございまして、その意味で必要最低限の財産的基礎ということでございます。  そういったもので、いろんな事例を見ますと、例えばほかの制度では五百万円といったような事例もございます。そういった意味での必要な財産的基礎ということで、その性格から申しますと、こういった代理業者につきましては一律同じような考え方が適用されているのではないかということでございます。
  210. 広田一

    ○広田一君 これを踏まえて、先ほどの、代理店を今回改正する一つ理由として、機動的な代理店の設置というふうなことがあります。  特に私のような高知県の出身の人間からいいますと、是非過疎地域におけるライフラインバンキングといったものがまた改めて出店していただきたいというふうな希望を持っているわけでございますけれども、私のような素人感覚で大変申し訳ないんですが、そういうふうな代理店と、まさしく大手小売業等が進出して大規模に行うような代理店と、これがなぜ同じ財産的基礎、金額で許可要件となってしまうのか。むしろ、一律であれば逆に不平等感が出てくるんじゃないかなというふうに素朴に思ってしまうんですが、その点を少し分かりやすく御説明をしていただければと思います。
  211. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 財産的基礎につきましては、まあ一種のミニマムスタンダードと申しますか、必要最小、まあ営業保証というよりも、こういった代理業を行うに当たりまして、それこそ参加者としての適格性を審査をする意味でのまさしく必要最小限な財産的基礎と、こういうような考え方でございます。
  212. 広田一

    ○広田一君 そういうふうに、必要最小限というふうな、最小限というふうなお言葉を使われたら、これ、じゃ明確に具体的な数字を挙げてもらえなければそれから先のちょっと議論ができませんので、繰り返し、また元の質問に戻ってしまうんですけれども、最低限といったら一体何百万なのかということをお答えいただきたいと思います。
  213. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 他の事例で五百万というのはございます。したがって、そういったものを参考にして考えていきたいということでございます。
  214. 広田一

    ○広田一君 だんだんと見えてきまして、五百万円前後かなというふうな感じではございますけれども、それでは次に移らさせていただきたいと思います。  先ほど少し触れましたけれども、今回の規制緩和によって過疎地、中山間地域の銀行代理店の出店というものが促進されるか否かについてお伺いしたいと思います。  私が今回の改正で期待するのは、郵政民営化法案のときも論議となりましたけれども、また金融審議会での論点整理でも指摘されましたが、過疎地、中山間地域における金融過疎が解消若しくは改善されるかどうかであります。金融庁は今回の改正により銀行代理店は今より二百増えて五百ぐらいになるというふうに予想しておりますけれども、そういった中で過疎地、中山間地域への出店というものが促進されるかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。
  215. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 広田先生の選挙区も高知ですけれども、私、すぐ隣の徳島でございますから、過疎地だとか中山間地域が非常に多いところである。先生もそういう意味で心配をされているんではないかと思いますけれども。  今回の改正に当たりましては、金融機関は、幅広くこれは一般事業者代理として活用できることが可能になると。その意味で、従来の、今までの銀行代理店は一〇〇%子会社と限定されていたために、事実上、銀行自らが設立することが必要であったと。これが今度改正されることによりまして、例えば地元の小売業者だとかあるいは宅建業者などによるカウンターを設けるといったところで新たな代理店を置くことが可能になるために代理店を柔軟に設立することが、可能性が広がるということになろうと思います。    〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕  そうなってまいりますと、代理店制度を活用することによって、例えば御指摘今ありました過疎地へとか中山間地域を含めて既存の支店網の維持が難しい地域、あるいはこれまで支店を設置していなかったような地域に対しても金融サービスのアクセスが拡大をする、可能になっていくために選択肢が広がっていくというふうに考えていただければいいんじゃないかと思っております。
  216. 広田一

    ○広田一君 先ほど副大臣の方から可能性が広がる、選択肢が多くなるというふうな御答弁がございました。実際、この十年間で金融機関の店舗といいますのは一五・八%、六千七百七十六減っております。この二年でも千二百以上減っているわけでございまして、こういった代理店を含めた店舗というものが、可能性が広がるというふうなお話でしたけれども、二百程度でとどまってしまうことによってこの店舗数の減少といったものに歯止めを掛けれるかどうか。その点の御認識はどのようなふうに持っていらっしゃるでしょうか。
  217. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 確かに今先生が言われるような、支店があったものが支店でなくて代理店になってしまうんじゃないかと、あるいはもう支店を閉鎖してしまうんじゃないかというふうな御心配だと思うんでありますけれども、これは今回の制度改正とは別の問題として、経営判断により金融機関の支店の統廃合が行われる中で、過疎地域あるいは中山間地域の支店などの閉鎖が全く行われないというようなことにはならないかもしれませんけれども、今回の制度改正自身は、むしろ代理店制度の活用により山間部などにおける金融サービスのアクセスを改善をし、先ほど申し上げた選択肢を大きく広げるのであって、金融機関向上、強化をすることで地域経済に対してより影響が及ぶことを期待している、いわゆる地域経済が発展していくことを期待している、そのために選択肢を増やしていくというふうに考えていただければと思っております
  218. 広田一

    ○広田一君 私も、七条副大臣が言っているように、本当にこのことによって地域経済活性化したりということを非常に期待をしているわけでございます。思いは同じなわけでございますけれども、実際問題のことを考えたときに、こういった過疎地、中山間地域の代理店出店というのは、メガバンクさんというよりは地域金融機関が主体になるだろうというふうに予測をされます。  私も地銀さんに取材したところ、現在の経営環境を考えて心ならずとも今地域の支店を閉鎖をしていると。こういった中で新たに代理店を出すということは、逆に慎重に考えていかなければならないということであります。その理由といたしましては、過疎地の小規模の代理店とはいえ、人員が最低でも三名は確保しなければならないのではないか。また、銀行本体代理店に対して、先ほども少し議論がありましたけれども情実融資であるとか抱き合わせ販売の禁止、分別管理の徹底、こういったものを図るためにはそれ相当の人的、経営的資源を投入しなければならないと。そういったことを考えると、正直なところ採算ベースに乗るかどうか分からないというのが本音だろうというふうに思います。  こういったことは多分金融庁の皆さんだったら既に、とっくの昔に把握をされているんだろうというふうに思うわけでございますけれども郵政民営化法案が通った今、過疎地の最低限の金融サービスというのは民間が担っていかなければならないわけでございますので、金融庁としてどういうふうに取り組んでいかれるのか。特に、同じ過疎地域を抱える七条副大臣に期待するところは大でありますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
  219. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 再三お答えがダブってしまうことになると思いますけれども、これはもう金融システムの中でサービス向上させる、あるいはそのアクセスを改善して選択肢を増やしていくということが最大の地域の活性化につながっていくことはもう間違いがありませんし、金融機関向上、強化をすることで地域に活性化をもたらしていく、良い影響を及ぼすことを先ほども申し上げたように期待をすると。そういうふうな形でこの銀行法改正をしていかなければならないと、こういうふうに考えておるところでございます。
  220. 広田一

    ○広田一君 七条副大臣、期待をするというのは、ツールを用意して、あとはやっぱり民間の創意工夫でやっていただきたいというふうな思いからで期待というお言葉を使われたんだろうというふうに思いますけれども、ただ私たちのふるさとはそういうふうな、逆に言えば余裕のないところまで来ているんじゃないかなというふうな認識があります。  まさしく、過疎地の最低限の金融サービスを維持するというのは政策的に誘導していくべき大きな課題ではないかな、政策課題でないかなというふうに私自身は認識しておりますし、七条副大臣も本音の部分では私と同じ思いだろうというふうに思いますので、是非ともこういった過疎地の最低限の金融サービスを維持するような仕組みづくり、政策誘導といったものを自分がつくっていくんだというふうな思いで取り組んでいただきたいと思いますけれども、繰り返しの答弁ということでなしに、少し踏み込んだ御決意を御披露していただければなと思います。
  221. 七条明

    ○副大臣(七条明君) 今、広田先生おっしゃられている気持ちは、私も同じような地域に住んでいる者で、よく感じておるところでございますし、地域が今、不良債権処理が終わったといえども、まだ地域金融機関の不良債権、特に引き当てが今やっと積まれたところで、不良債権のオフバランス化というのはこれからまだまだ厳しいものがある。そういう中にあって、地域、特に過疎地だとかあるいはこれからの中山間地域にとっては厳しさがあろうかと考えておりますから、今先生が言われたことも踏まえて、十分私たちも地域の中で勉強し、金融庁の中でも勉強してまいりたいと考えておるところでございます。
  222. 広田一

    ○広田一君 是非ともよろしくお願いいたします。  次に、顧客情報の管理、保護についてお伺いをいたします。  元々、銀行業と商業が分離されていた背景の一つといたしましては、他の業者との競争上の不平等の問題を引き起こしかねない顧客情報が流用される可能性があるからだろうというふうな指摘がございます。今回の改正によりまして、同一人物が銀行分野と商業分野を同時に担当することが考えられます。顧客情報を明確に分けることは難しいのではないかなというふうな議論があるわけでございますけれども、この点に関しまして、金融庁の方は顧客情報の適切な扱いとして、顧客の同意なく顧客に関する情報を他の業務に流用することを禁止していますが、この禁止規定を一体どのような仕組みで担保されるのか、お伺いしたいと思います。
  223. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 御指摘のとおり、銀行代理店銀行法及び個人情報保護法上、預金、貸付けなどの銀行代理業で得ました情報を適切に取り扱う義務を負い、取得した顧客情報につきましては顧客の同意がない限り他業に流用することが禁止されることになります。  この規制における具体的な同意取得の方法につきましては、今後更に実務的に検討してまいりたいと思いますが、いずれにいたしましても、銀行代理店委託銀行に対する指導監督あるいは立入検査を通じまして、この規制実効性を担保してまいりたいと考えております。
  224. 広田一

    ○広田一君 今御紹介をしていただいた手法以外に、例えば後から検証可能なような書面を取っていくということも考えられているんでしょうか。
  225. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) その辺につきましては、今後実務的にいろいろな方々の御意見も伺いながら、実効的な方法を定めていきたいと考えております。
  226. 広田一

    ○広田一君 そういった実効性のある事柄を進めるというわけですけれども、逆にちょっとお聞きしたいんですけれども、どこまでの厳格性が要求されているのかということであります。逆に、顧客からの同意を取らなければ、一つ代理店で複数の業務をしている場合、何が一体できなくなってしまうのか、どう想定されているのか、お伺いしたいと思います。
  227. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) いずれにしても、この同意取得の方法につきましては、今のような事例につきましてもどのように対応するか、今後実務的にいろいろ検討してまいりたいと考えております。  私どもといたしましては、銀行代理店自らの管理、それから委託銀行の管理、更には指導監督や立入検査、こういったことを通じてこの規制実効性を担保していくということが必要だと考えております。
  228. 広田一

    ○広田一君 局長、ですから実効性を担保することによって、逆に同意を取らなければ、一つ代理店で複数の業務、いろんなことが想定されて、そこをやっぱりウエルカムでやっていこうというふうにこれから考えている場合なんですけれども、逆に何ができなくなるのか。これはちょっと素朴な疑問として出てくると思うんですけれども、同意を取らなければ一体何ができなくなってくるのか。ちょっと具体例を出してお示しを願えれば非常に分かりやすいと思います。
  229. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 例えば、そういったところにおきまして、一方で預金あるいは貸付業務を行いながら一方で保険販売をしているといった場合に、その銀行等で得ました情報、これを明らかに利用しながら保険の方で使うといったようなことは、これは同意が得られない限りは禁止されるということになろうと思います。
  230. 広田一

    ○広田一君 また、個人情報保護法との関係につきましてお伺いしたいと思います。  先ほど、根拠法のない任意共済の規制に伴う保険業法改正のときにも御質問させていただいたんですけれども、四月施行されました個人情報保護法では、民間事業者の個人情報の取扱いに関しまして必要最小限のルールを定めて、事業者がその分野の実情に合わせて自律的に取り組むということを重視しているわけでありますけれども、この自律性と銀行法が今回予定しているような顧客情報の保護との関係をあえて明文化するわけを御説明をいただきたいと思います。  あわせて、今回銀行法の第十二条に、第二項に条文上明示されたわけでございますけれども、残る証取法についても次回の改正のときに明文化する予定であると理解してもいいのか、お伺いいたします。    〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕
  231. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 今般の改正案におきましては、銀行及び銀行代理業者によります顧客情報の適切な取扱い、これを銀行及び銀行代理業者の健全かつ適切な運営を確保するための措置の例示として銀行法に明示的に規定しているものでございます。  続きまして、証券業務でございますが、これにつきましては、本年四月の個人情報保護法の全面施行に合わせまして、証券会社証券仲介業者によります個人顧客情報の適切な取扱いを確保すべく、これは証券取引法第四十三条に基づく内閣府令等におきまして個人顧客情報の取扱いに関する規定を新たに設けたところでございます。証券取引法の体系上は内閣府令等における規定の新設により既に個人顧客情報の管理につきまして実効性が確保されているところではございますが、更に法律に例示規定を設ける必要があるかどうかにつきましては検討を行ってまいりたいと考えております。
  232. 広田一

    ○広田一君 また検討ということでございますけれども、これまでの流れを見ると、ほかの一部改正に伴ってこの顧客情報等に関する規定というものは明文化をしていくというふうな流れでございますので、そういった流れであるという理解でよろしいでしょうか。非常に技術的な話なんで、ここのやり取りについては、局長、さらっと御答弁いただければ有り難いと思います。
  233. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) しっかりと検討してまいりたいと思います。
  234. 広田一

    ○広田一君 よろしく御検討をお願いしたいと思います。  それでは、ちょっと時間も迫ってまいりましたけれども。  次に、今回の銀行代理店制度の変更といったものが私たちの貯蓄の在り方にどのような影響を及ぼすのか、この点についてお聞きをしたいと思います。特に、金融のワンストップサービスの実現というものが期待されているわけでございますけれども、貯蓄から投資へというものを推進されております伊藤大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
  235. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 私どもといたしましてはこれまでも、銀行等による投資信託販売でありますとか、あるいは銀行等による証券仲介業務の解禁といった制度改正を行っておりまして、金融商品サービス販売チャネル拡大に取り組んできたところでございますので、今回の改正もその一環として位置付けられるものであると認識をいたしているところでございます。こうした取組によりまして利用者利便向上し、国民に多様で良質な金融商品サービスの選択肢が提供されるようになることで貯蓄から投資への流れも加速されるものと認識をいたしているところでございます。
  236. 広田一

    ○広田一君 それでは最後の質問になるんですけれども、先ほど大臣が答弁されておりましたように、金融庁が進めていらっしゃる貯蓄から投資へというものは間接金融と直接金融との関係お話だろうというふうに思いますが、内閣府の国民経済計算から算出されます家計貯蓄率であるとか総務省の家計調査報告書から計算される黒字率というところでの貯蓄は、預貯金から有価証券保険まで含めたものであるというふうに理解をしているわけでございます。そういった意味で、その家計貯蓄率が今現在低下しているということがいろんな意味議論をされているわけでございますけれども、その現状につきまして、まさしく貯蓄に関係の深い、金融全般を所管をいたしております伊藤大臣としての、どのような問題意識をお持ちになって対応されるおつもりなのかお伺いをしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  237. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 今の御質問はマクロ経済の観点もあろうかと思いますので私からの答弁が適切かどうか分かりませんが、一般論として申し上げれば、日本は人類史上経験したことがないスピードで少子高齢化社会に突入をしていく、そうした中で我が国の家計貯蓄率というのは長期的に低下する傾向にあるのではないかと考えております。貯蓄率の低下が我が国経済に与える影響につきましては、これは多岐にわたるものだと考えておりますが、とりわけ金融分野につきましては国民一人一人がその保有する資産をより効率的に活用していく、そうしたニーズが高まるのではないかというふうに考えているところでございます。  こうした認識の下で、金融改革プログラムの中に掲げられておりますように、金融商品サービス利用者が良質で多様な金融商品サービスの選択肢に手軽にアクセスできることが将来の金融システムの在り方として望ましいものであると考えておりますので、今回の銀行代理店制度見直しもこうした趣旨に合致したものであるのではないかと考えております。
  238. 広田一

    ○広田一君 どうもありがとうございました。
  239. 櫻井充

    ○櫻井充君 最後に、民主党の最後に、前の質問をされた議員とダブらないで、別な角度から質問をさせていただきたいと思います。  今回の改正の中で、銀行業務に係る禁止行為というのが盛り込まれました。これは代理店業務と全く関係のないことでして、これが第十三条の三に盛り込まれているわけです。で、我々、こういう銀行法等の一部を改正する法律案と、これ、金融庁からのレク用のペーパーいただきましたけれども、この中に一切触れられてないんですね。つまり、代理店業務のことに関しては随分るる述べられたけれど、これは銀行業本体の改正であって、代理店業務とは全く関係ないことなわけですよ。そういったその改正をなぜこの時期に行わなければいけないのか、まずそれについて御説明いただけますでしょうか。
  240. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 現行の銀行法におきまして、銀行業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認められますときには行政処分等を行うこととされており、今回規定をした禁止行為につきましても監督上の必要な措置を講じることは可能となっております。  今回の改正で御指摘の第十三条の三をあえて新設をさせていただきましたのは、銀行代理業制度法律上、正面から位置付け、そして銀行代理業に係る禁止行為を具体的に明記することとしたことを受けまして、銀行本体につきましてもこれまでの監督行政上の経験を踏まえ、同様に典型的な禁止行為を明記することといたしたところでございます。
  241. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうしますと、監督をしていて、その典型的な例を挙げられたと。例えば、顧客に対して虚偽のことを告げる行為であるとか、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認させるおそれのあることを告げる行為であるとか、つまりは、こういう行為が比較的多くなされていたということでよろしいんでしょうか。
  242. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 私どもが経験をしてきたものと、それから想定したもの、その中で典型的な禁止行為というものを明記をさせていただいたということでございます。
  243. 櫻井充

    ○櫻井充君 この中で、経験されているものの中で比較的多かったものはどの条文に盛り込まれているんですか。
  244. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 第三号におきまして、貸付者としての優越的地位を利用して銀行その他の関係者との取引を行うことを条件に貸付けを行う行為を禁止しているというのがございます。当該行為は、銀行などによる優越的地位の濫用の典型的な例として定められたものでございますが、例えば、過去におきまして問題となりました歩積み両建て預金、あるいはもう一つ公正取引委員会が実施したアンケート調査にも銀行の関連会社等との取引の強要といったことがございますので、こういった事例を踏まえ規定しているものでございます。
  245. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、それだったらこういう書き方はおかしいんじゃないんですか。要するに、その今のお話であったとすれば、地位的な立場の優位性を利用してというような文言をこの中に書き加えるわけであって、これは一般的な、虚偽のことを告げる行為とかそういうことであってですよ、これ、局長、多分答弁が違っていて、私がその次に質問することの今は多分答弁要旨を述べられたんだと思いますけどね。そうではないんです。そうではなくて、これは一般的な行為であって、こういうようなことを例文として引かれてくるんであるとすれば、このようなことが日常行われたということですかと、その確認でございます。  もう一つ申し上げれば、要するに四のところで、ほかに内閣府令で定める行為ということで、別に政省令で落とすものもあるわけですよ。わざわざ法律で書いてくるものと、省令等に落としてくるものとに差が出るはずですから、そのことに関して、なぜここの部分だけは条文として盛り込んだのかについて御答弁いただきたいと思っております。
  246. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) ここに掲げてありますのは、一つは想定、一つは経験に基づきまして、一号から三号までは典型的な事例、典型的なケースを掲げさせているものでございます。  代理店の方にも記してございますけれども、虚偽のことを告げる行為、これは他の金融関係法令の例に照らしましても一般的に禁止すべきものであると考えられたためでございます。  第二号におきましては、不確実な事項について断定的な判断を提供し、又は確実であると誤認させるおそれのあることを告げる行為、これを禁止しております。これも、当該行為が虚偽のことを告げる行為と同様、一般的に禁止すべきものであると考えられるためでございます。  第三号につきましては、先ほど申し上げましたように、そういった過去の経験等を踏まえ規定したものでございます。  次に、四号の内閣府令でございますが、これにおきまして、銀行の禁止行為として、顧客の保護に欠けるおそれがあるものとして内閣府令で定める行為を挙げておりますが、これにおきましては、一号、二号に規定されているような虚偽説明に類する行為、あるいは同条三号に規定されているような優越的地位の濫用に該当する行為などを規定することを検討しているところでございます。
  247. 櫻井充

    ○櫻井充君 答えになっていないですよ。要するに、こちらは、どれが経験を踏まえて作られたもので、どれが想定なのかということをお伺いしているだけで、そんなだらだらだらだら条文を読まれなくて結構ですよ。  だから、どの条文、条文長々とまた読まれると困るんで、どの項目は経験を踏まえて、どの項目は想定されたのか、それについて御答弁いただけますか。
  248. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 第十三条の三の一号と二号は想定でございます。で、第三号につきましては、銀行が優越的地位を利用がない場合には除外するということをこの括弧書きで想定しておりますが、優越的地位といった問題につきましては、先ほど申し上げましたような事例、これに基づきまして、経験等を踏まえまして規定させていただいているものでございます。
  249. 櫻井充

    ○櫻井充君 私は、今お話しされたそこの優越的地位の濫用みたいなところが極めて問題であって、そのことを本来きちんと書くべきだと思っているんですね。  そうすると、この条文は、第三号のところにその優越的地位の濫用みたいな文言は全く盛り込まれていないわけですよ。この条文から今局長が答弁されたような内容理解しろといっても、私は無理だと思いますよ。今おっしゃっているようなことをそのまま文言にされた方がよほど分かりやすいんじゃないですか。
  250. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 私どもといたしましては、いろいろなそれぞれの他の法令等に照らしまして、できるだけ平易に書こうということで努めているところでございます。  なお、その分かりにくい点につきましても、私どもといたしましては、それは今後、内閣府令等におきましてその辺をきっちりと定めてまいりたいと考えております。
  251. 櫻井充

    ○櫻井充君 これが平易に書かれているとはとても思えないわけですよ。要するに、当該銀行又は当該銀行の特定関係者その他当該銀行内閣府令で定める密接な関係を有する者の営む業務に係る取引を行うことを条件としてとか、どうしてこれが平易に書かれているんですか。  要するに、要するに今の商慣行の中で問題になっているのは、貸手と借り手の立場の差が余りにひど過ぎるわけですよ。ですから、顧客顧客の保護だということをおっしゃるんであれば、もう少し立場の、優越的地位の立場の濫用みたいなところをもう少し具体的に盛り込まれたらいいんじゃないですか。その方がよほどこういうことはするなということをきちんと書けるんじゃないですか。
  252. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 優越的地位ということにつきましては、これが一律にこの優越的地位というのを明確に規定するということにつきましてはいろいろな態様がございますので、これにつきましては、更に内閣府令等におきましてその具体的な類型等について定めていきたいと考えているところでございます。
  253. 櫻井充

    ○櫻井充君 時間がないので仕方がないんですが、もう少し具体的に書けないんだろうかと。  それから、業務範囲のところで、たしか五十二条の四十二ですが、五十二条の四十二を見てくると、まずこういうことができますとかいろいろ書いてあるんです。これは、業務範囲というのは何かというと、代理店業務代理店業、代理店を営むことができた人が、じゃほかのことを、仕事がやれるようになるかというと、ここのことに関していうと、全部内閣総理大臣からの認可を得ないと、許可を得ないとやれないわけですが、ここの条文、五十二条の四十二のところを読ませていただくと、極めて分かりにくいわけですよ。  だから、まず代理店を営むことができる人たちが、じゃほかのことをやりたいと、仕事をしたいと、じゃこの場合はこういう許可が必要ですよと、流れさえ書いてくれれば物すごく分かりやすいのに、めちゃくちゃ分かりにくく書いてあるんですね、これ。ですから、こういう部分に関してであっても、もう少し条文の書き方何とかならないんですか。
  254. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 私ども、この条文につきましては、他業の兼営につきまして承認制を導入している最近の他法令の例を参考として規定させて、こういう具合に書かせていただいているものでございます。  なお、御指摘のとおり、法令の表現はできる限り分かりやすいことが望ましいということは、これはそのとおりかと思います。今後とも、御指摘等を踏まえまして、法案の作成に当たりましてはできる限り平易な表現とするよう私どもは努めてまいりたいと思います。
  255. 櫻井充

    ○櫻井充君 まあできればそうしていただきたいと思いますし、今までどおりがこうだったからそれに倣ってやるということになると、いつまでたっても分かりにくいものは分かりにくいんです。  じゃ、もう一点、別な観点から。今、横並びでというお話が出ました。であれば、例えば、この銀行業務にかかわる禁止行為というのがほかの金融業を営んでいる方々に対してきちんと法律が整備されているかというと、必ずしもそうでないんですね。  ですから、今回こういう改正案を出されてくるのであるとすれば、一緒に併せてそういった法律の整備もしなければいけなかったんじゃないかなと思いますが、この点についていかがですか。
  256. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 法案でございますので、それぞれの体系の中で規定されているところもございますので、また商品性も違いますので、それぞれの条文につきましては、必要に応じまして、それぞれの法律検討が行われた場合にはそれぞれまた検討されていくことかと思います。
  257. 櫻井充

    ○櫻井充君 禁止行為に関していうと、これは銀行法を全部、例えば長信銀とかこういうやつに関していうと、全部この条文を引いているんです、引用されています。  ところが、じゃ例えば保険業法はどうかとか、僕は説明で、これは保険業法はここで担保されていますと言われてその条文を読みましたが、ここの不確実な事項について断定的判断を提供しとか、こういうことに関しては記載されておりません。  ですから、説明の資料すら私は違っているんじゃないかなと思うんですね。ましてや、貸金業の規制法の中には、このここに書いてある第十三条の三の二号にかかわるようなことは、これ書かれていないわけですよ。そうすると、同じ金融というものを、金融商品を取り扱っている方々が、ある方は禁止行為があって、ある方は禁止行為がないということ自体おかしな話だと思うんですね。ここの整合性が取れていないこと自体、今回の法律提案の私は不備じゃないかなと思いますけれども大臣、いかがですか。
  258. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) まず、保険業法のところでありますが、断定的判断の提供等につきましては、保険業法第三百条第一項第二号に規定をされているものと承知をいたしておりますし、また貸金業規制法におきましても、同法第十三条第二項におきまして、貸金業者は、貸付け又は貸付けの契約に係る債権の管理若しくは取立ての業務を行うに当たり、偽りその他不正又は著しく不当な手段を用いてはならない旨規定しているものと承知をいたしております。
  259. 櫻井充

    ○櫻井充君 それで、大臣、これは虚偽説明のところの、この銀行法で言う十三条の三の一号に関しては、今の貸金業に関してはそのとおりなんです。ところが、要するに、その断定的判断の提供等については法律は整備されていないと、これは金融庁の方から私も説明を受けているんですね。  要するに、例えばどういうことかというと、あなたの収入であれば、あなたの収入であれば間違いなくこのぐらいの額なら返せますからと、例えばこういう説明をすると、これは私はその不確実な事項について断定的判断を提供したことになるんだろうと思うんです。特に、今ノンバンクがどんどん大きくなってきていますから、こういう説明をしていること自体が問題なんですから、その意味では、銀行法改正をされるんであれば、こういった貸金業法改正も併せて行うべきではないか。特に、ここは罰則規定まで設けているぐらい特別な禁止行為としてやってきているんですから、ほかのところとある種横並びにならないとおかしな話だと私は思うんですけれどもね、いかがでしょうか。
  260. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 一つには、貸金業法におきましては相手の資力に応じた貸付けをする必要があると、そういった制度との関係もあろうかと思いますが、ただ一方で、断定的判断の提供という点につきましては、貸金業規制法につきましてそこのところが明確な規定がないところは御指摘のとおりでございます。なお、こういった点につきましては、現在、貸金業懇談会等においていろいろな勉強もしておりますけれども、こういった問題も含めて私どもも勉強してまいりたいと考えております。
  261. 櫻井充

    ○櫻井充君 是非よろしくお願いしたいと思います。  いろんな法律があって、先ほど法律の書き方だけは横並びで書きましたと言っていますが、実質伴ってこないと困るわけですよ。中身のところが特に問題であって、何回も申し上げますが、特にノンバンクがどんどん広がってきていて、ある種被害も広がっているところもあるわけですから、このことについてきちんと、きちんと整備していただければ有り難いと、そう思います。  余談になるんですけれども、この不確実な事項について断定的判断を提供しと、国会の答弁はまるでこういう状況にあるんじゃないかなと。この間の郵政民営化審議をしていて、GDPが何年後には一・五倍になりますとか、こんなでたらめですよね。伊藤大臣、我々、私はそう感じているんですよ、今回これ読んで。  そうすると、これ銀行関係者だけに課すものではなくて、やはり大臣も、こういうようなことをちゃんと国会法か何かに定めて罰則規定でも付けないと、きちんとした答弁されないんじゃないだろうかと。ここでもその大臣は不良債権の処理をすればどんどんどんどん貸出しが進むんですよっておっしゃっていましたよ、そこで。だけれども全然増えていませんからね。やはり、そういう不確実なことの事項について断定的判断を提供することを銀行業者始め金融関係者にやるんであれば、まず自ら襟を正すべきじゃないかなと、私はそう思いますが、いかがですか。
  262. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 今御指摘がありました点は、もう竹中大臣ともう委員が何度となく御議論をされたことでございます。特に不良債権と貸出しの問題について、これは私ここでも答弁をさせていただいていると思いますけれども、これは、不良債権処理を始めとした構造改革全体を進めることによって日本の経済を活性化をしていく、銀行については資金仲介機能というものを強化をして、そのことが貸出しの向上につながっていく、そうした視点からも金融改革をしっかりやっていかなければいけない。  特に正常先債権につきましては、私が金融行政を竹中大臣とともに担当させていただいたときには、これはもう総貸出しで五・〇%ポイントマイナスでありましたが、これが今年の三月期におきましては〇・六%ポイントプラスという、そうした下げ止まりの兆候というものも見えてきたところでありますので、これはもう委員とも何度も御議論させていただいているように、地域密着型金融の機能強化、こうしたことに更に取り組んでいくと、そのための改革を促進するために金融行政としてしっかり取り組んでいかなければいけない。  委員の御質問に対しては、できる限り私どもとしてもう誠意ある誤解のない答弁に努めていかなければいけないと、委員の御質問を受けて今決意を新たにしたところでございます。
  263. 櫻井充

    ○櫻井充君 是非よろしくお願いしたいと思います。  でも本当に大事なことでしてね。あのときは、いや、これは別に伊藤大臣に言ってもしようがないことですけれども、要するに、GDPの数字は過去十年間ほとんど増えていないわけですよ。それを持ってきて、急にいきなり一・五倍になりますと言われて。郵便物は確かに少しずつ減っているわけですよ。今度はその数字を持ってきて、こうやって減るんですと言われたら、それは、その後半の方はよく分かるんですよ。そうでないものに対してああいうふうに言われたりとか、それから過疎地にネットワークがあったらこれは仕事上強いですよとか、そういうことまで言われるわけですよ。そして、そのほかのことは何と言っているかというと、経営者の判断ですと言うんですね。  だから、やはり答弁の内容自体がきちんとしていただかないと、これは別に伊藤大臣に言ってもしようがないことですけれども、ただ、いろんな方と質問をしていても、どうも役所からの答弁を聞いていると今のようなことが起こってきていて、そこのところに我々はおかしいんじゃないかと、割と水掛け論みたいなところになって、そこで本当であれば今のようなデータをきちんと示されて、郵便物がこのぐらい減っているから、だから今後減っていくんだということを言われれば、これは納得するわけですよ。ですから、できればきちんとした理論に裏打ちされたような答弁をしていただければ有り難いなと、そう思います。これは感想です。  それから、今回のところでこの銀行法上は再委託を認めております。そうすると、多分我々は、うがった見方かもしれませんが、郵政民営化に伴って出されてきた法案だと思っているところがありますから、ですから簡易郵便局の場合には郵便局本体から委託しているので結果的に再委託ということで丸く収まるんだろうと思うんですけれども保険業法そのもの自体は再委託の行為を認めておりません。そうすると、なぜ銀行法上は認めて、それから保険業法上は再委託がこれは認められないんでしょうか。
  264. 七条明

    ○副大臣(七条明君) これは私の方からお答えさせていただきますけれども、先ほど少しこれ山下先生からのお話もあったときに大臣からお答えしておりましたが、保険業法においては適切な募集を行わせるためには保険会社から募集人への直接の教育、指導が不可欠であることから、保険会社のコントロールが利きづらい復代理は禁止をする、これは保険業法の第二条第十九項の中でそう解釈されると思っておるところでございますし、これに対しまして銀行法の五十二条の三十六でございますけれども銀行業においては許可制を導入することによって銀行代理店代理業者に関して厳格な参入規制を設けるとともに、銀行代理店代理業者を直接に当局の監督対象としたと、そういうような再委任を解禁することとした、復代理を禁止をするというようなことをしたということでございます。
  265. 櫻井充

    ○櫻井充君 よく分からなかったんですけれども、要するに、じゃ例えばほかの国々はどうなっているんでしょうか。ほかの国々は保険はやはり同じように再委託というものを認めていないのかどうか、その辺について御説明いただけますか。
  266. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 欧米の主要国におきましては日本の銀行代理業に相当する業務が一部の事例を除きまして再委託も含めて幅広く認められておりまして、参入に当たりまして従来から申し上げておりますとおり許認可も一般的には不要であるというぐあいに承知しております。
  267. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません。それは、私がお伺いしたいのは保険の方でございます。保険業法の方でこれは、再委託はほかの国々でも認められていないのかどうか、その点について御答弁いただけますか。
  268. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) これ、詳細につきまして必ずしも承知しているわけではございませんが、ドイツには復代理店制度があるようでございますが、イギリス、フランスとオーストラリアには現在そういった制度があるということは確認できておりません。
  269. 櫻井充

    ○櫻井充君 つまりこれは、ここの部分はもう一度ちゃんと整理していただかなきゃいけないと思っているんですね。つまり、ある種、金融商品、同じ金融商品と言っていいのかもしれませんが、銀行はそれは可能であって、保険はやはり駄目なんですと。先ほどその御説明の中で、例えば商品説明が大変だからとかいう話になりますが、でもそれは別に委託された先の人が同じように教育を受けていれば全く問題ないことであって、それがその再委託を妨げる条件には全くならないんだろうと思うんですね。  もう一つは、今後その簡易保険のこと、簡易保険という商品になるのかどうか分かりませんが、あの会社自体が郵便局ネットワークを使っていくということになってくれば、再委託を認めてやった方がきちんとした形になるんだろうと思うんですね。それこそもう一つは、整合性を取るという観点からいえば、銀行法上は再委託は認められて、そして保険業法そのもの自体で再委託を認めないということ自体は私は整合性が取れないんじゃないかなと思うんですけれども大臣、いかがでございましょうか。
  270. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) ここはやはり様々な議論があるところではないかというふうに思います。  保険会社と直接契約関係のない再委託を認めることにつきましては、やはり保険の特性上、複雑かつ多様な商品が多うございますし、保険会社指導、教育などが不可欠であると、これは委員も御認識をされているところでございますので、コントロールの利きづらい復代理というものはそうした観点から禁止をされておるところでございます。銀行代理業について認められているのは先ほど副大臣からも答弁をさせていただいたとおりでございます。
  271. 櫻井充

    ○櫻井充君 しかしですよ、これ郵便局ネットワーク使う場合に、じゃ今後どうなるかというと、簡易保険簡易郵便局と直接委託することになるわけですよ。その直接委託をすることになろうが、郵便局本体とやって、そして、そこのところから委託業務でこういうことなんだと指導することと私は何ら変わらないんじゃないのかなと、そう思うんですね。  ですから、そこのところだけそう取り上げてこられて、しかも、それだけ本当に面倒くさい商品であったとすれば、逆に言えば、そこの禁止行為の中でもう少し具体的に禁止行為を、先ほどの不確実な事項について断定的な、これ条文の中には入っていないわけですよ。それと読めるような文章があったとしても、この手のものは全然入っていないんですね。  逆に言えば、僕からすれば、銀行法業務に関する禁止行為の方がより厳しく書いてあって、保険業法の方の禁止行為の方が甘く私は見えるわけです、何となく漠然と書かれていてですね。それだけその商品の取扱いが大変なものであったとすれば、もう少しそこら辺のところだってきちんとしていただかないと整合性は取れないんじゃないのかなと、そう思っています。  今ここで議論しても十分なところでないのは、要するに、海外の事例について、まあ通告したのが昨日ですから、ちょっと調べていただいた上で改めてこの点について議論はさせていただきたいと、そう思います。  それから、もう一点私が個人的に気になっているのは守秘義務の問題でして、我々医者はいろんな部分で守秘義務を課せられております。財産とか生命とかというのは憲法で同じように規定されてくることを考えてくると、財産を取り扱ってくる人たちも、何らかの形でもう少し厳しく守秘義務が課せられても私は個人的にはいいんじゃないのかなと考えているんですけれども、その点について大臣どうお考えでございましょうか。
  272. 七条明

    ○副大臣(七条明君) これは私の方からお答えさせていただきますが、今、守秘義務についてでございますけれども銀行は、現行の個人情報保護法及び銀行法により、個人情報の管理について従業員に対して必要かつ適切な監督を行うことが義務付けられている。  その具体的な内容として、金融庁より告示をした金融分野における個人情報保護に関するガイドラインにおいて、従業者である銀行員との関係で、その退職後まで含まれた守秘義務に関する契約等を結ぶことが求められている。そして、したがって、銀行がその従業者と退職後の守秘義務に関する契約を結んでいなかったことにより、当該従業者が退職後に個人顧客に関する情報を漏えいした場合には、個人情報保護法及び銀行法違反として銀行側が行政処分の対象となり得ると考えているところでございます。
  273. 櫻井充

    ○櫻井充君 その守秘義務のことに関して言うと、例えばこれ、刑法は明治四十年に定められた中に秘密漏示というのがありまして、その百三十四条の中にどういう人が今挙げられているかというと、医者は挙げられているんですが、驚くべきことに医薬品販売業者までこの中に挙がっているんですね。医薬品販売業者に守秘義務を課すぐらいであったとすれば、実際はこれに歯科医師も入っていないし、看護師も入っていないんですよ、助産婦さんは、助産師は入っていますけれども。あとは弁護士さん、弁護人など、公証人が入っていますが、むしろ、例えば公認会計士法の中には守秘義務が課せられているようですけれども、むしろ、こういった中のところに公認会計士であるとか税理士さんであるとか、あとは金融関係者というのは僕は入ってきてもいいんじゃないかと。特に申し上げれば、医薬品販売業者がこの中に入っているぐらいでしたら、よほどその方が重要なんではないかと。  つまりは、この法律自体が古いものですから、全体をもう一度改めて見直していかないといけないと。これは法務委員会でのマターにはなると思いますが、でも、改めてここの部分での議論も、こういった財政金融委員会での議論が基になってくるところがあると思っているので、是非検討いただきたい。  最後になりますが、今回の法文を見ていて大事な条文であると私は思っているんです、禁止条項に関して言ってもですね。そこら辺の整合性がすべて取れていなかったりとか様々な問題があるので、改めて御検討いただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  274. 西田実仁

    ○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  今般のこの銀行法等の一部を改正するこの法案につきましては、利用者利便性向上させると、これに大変大きな役割を果たすという一方で、同時に、先ほど来からお話ございますとおり、この利用者保護、安全性ということにつきましても十分な配慮をよりまたこれまで以上に尽くしていかなければならないと、私もそのように思うわけでございます。  その点から、最近起きた事件でちょっと気になることを二つほどまず御質問させていただきたいと思います。先般、UFJ銀行のATM盗撮、ATM機に小型カメラが設置されていたと、こういう事件がございまして、この事案に関しまして、今、関係する者が検挙されていると報道されているわけでございますけれども、まず警察庁の方にその概要につきましてお尋ねしたいと思います。
  275. 和田康敬

    政府参考人(和田康敬君) お尋ねの件につきましては、今年の十月の十三日に都内のUFJ銀行のATMコーナー付近で不審者がいるということで一一〇番通報がございまして、これについて警察官が現場に行きましてその男性を職務質問したところ、カッターナイフを持っておったということで銃刀法違反で逮捕いたしております。あと、所持品等を見てまいりますと、その男が受信装置を所持をしておったということでございまして、その以前の九月にUFJ銀行の麻布支店管内の出張所のATMコーナーに小型カメラがあったと、この事案と関連があるのではないかということで、その関連性について現在捜査をしておるところでございます。
  276. 西田実仁

    ○西田実仁君 今捜査中ということですけれども、仮にこのATM機に小型カメラ、こうした盗撮カメラが設置されていて暗証番号やあるいはカードに関する、刻印されている様々な情報を盗み取ろうとしていたということに仮になった場合、現行法上ではどういう処罰の対象になり得るんでしょうか。
  277. 和田康敬

    政府参考人(和田康敬君) 現在私どもで把握している事実から申し上げますと、現在のところ、今逮捕している男、銃刀法でございますが、行為としては、不法にそういうATMのコーナーに入ったという建造物侵入の罪に当たるのではないかと。その他の罪につきましては、ちょっとその以外の、いわゆる盗んだ情報の内容程度によって、他の刑法における、刑法に支払用カードの電磁的記録情報の取得罪というのがございますが、ただ、ここで言うその情報というものが支払用カードをいわゆる偽造してできるほどの情報だということになっておりますので、それほどの情報を取得したかどうかということについてまだ解明ができておりませんので、現時点では建造物侵入罪ということに問擬されるのではないかというふうに考えております。
  278. 西田実仁

    ○西田実仁君 捜査の進展に伴いまして様々な法的な措置につきましても更に検討をいただきたいと思いますけれども、より、まず、金融庁にお聞きしたいのは、このATM機に盗撮カメラが設置されているのではないかという疑義は以前からかなり指摘をされていました。柳田さんの本の中にも既にそうした指摘もございましたし、私も直接被害者の方から、生年月日等ではない暗証番号にもかかわらず一発で当てられているのはおかしいじゃないかという、そういう被害者の方からのお声も何度もお聞きしているわけでございます。  さらに、十月十四日、金融庁さんが発表されました偽造キャッシュカード問題に関する実態調査を見ましても、この被害に遭った「暗証番号の状況」というところの調査の中で、暗証番号を生年月日にしていて被害に遭ったという人は二四%ほどいるわけです。それ以外にも、電話番号とかあるいは住所、あるいは車両番号、こうしたことによる、それを暗証番号にしたことによって偽造された、あるいは盗難されてそれを引き落とされたということになっているわけでありますが、その同じ状況の中で、実は「その他」という項目がありまして、これは暗証番号を生年月日にしていた方よりもはるかに多く三四%、三人に一人は「その他」という形でこの分類がされているわけであります。  つまり、この「その他」の中には、恐らく暗証番号に、暗証番号として生年月日やあるいは住所等比較的類推されやすいものではないものを利用していた、使っていたにもかかわらず被害に遭ったという方が相当分含まれているんではないかというふうに推測できるわけであります。  この今回の事件を契機に、事件かどうかまだ捜査中ですけれども金融庁としては今一斉点検をしていると、こういうATM機につきまして一斉点検をしているというふうに報道されております。  過去、今申し上げたような二つのこと、かなり前からATM機に盗撮カメラが設置されているんではないかという疑義がかなり広範に言われていた、またこの実態調査を見ても、その他の比率が非常に高くて、その中にはもしかしたらそうしたことによる暗証番号の盗み撮りということがあったかもしれないというようなことがあるにもかかわらず、この一斉点検ということが今回初めて行われたのかどうか不明でありますけれども、ちょっとそうした実態調査がやや後れているのではないか、このように思うわけでありますけれども、いかがでございましょうか。
  279. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) ATMにおける暗証番号の盗撮の問題でございますが、御指摘いただきましたような手口につきましては、金融庁といたしましても従来からその危険性を認識しておったところでございます。偽造・盗難キャッシュカード問題に関する議論を踏まえまして、関係団体、それから金融機関に対しまして、金融機関が管理する領域内ののぞき見、盗撮の完全排除を含めまして、システムセキュリティー対策について複数回にわたってこれまで要請をいたしておるところでございます。  これらの要請を受けまして、各金融機関、それなりの対応をしていると思いますけれども、例えば、幾つかの金融機関においてはATMに現金を装てんするとき、あるいはATMコーナーの清掃をするときに盗撮カメラが装着されていないかといった点検、確認を行っているというふうに承知をいたしております。これらの取組の結果、隠しカメラなどが発見された場合には当局に対して報告がなされるというふうに思います。  また、金融業界全体といたしましても、金融情報システムセンター、いわゆるFISCと呼んでいますけれども、これが作成する金融機関等コンピューターシステムの安全対策基準というものがございまして、この中でこれまでもATMコーナーの防犯措置が規定されていたところでございますけれども、最近の議論を踏まえまして、御指摘の手口に対するものも含めまして、システムセキュリティー対策全般の記述の見直し作業を現在行っておるところでございます。  それから、私どもで現在やっております一斉点検、実態調査についてでございます。既に一部の金融機関においては日常的な確認、点検を行っているというふうに承知いたしておりますけれども、今回の事件を受けまして改めて各金融機関に対してATMとその周辺の確認、点検を行いまして、その結果を報告するよう要請を行ったところでございます。  このうち、主要行等につきましては、確認、点検作業の途中経過についてヒアリングを行うことができまして、先週末、二十一日金曜日の時点でATMコーナーにおいて異状は発見されていない旨報告がございました。
  280. 西田実仁

    ○西田実仁君 私の選挙区である埼玉も、また東京も、首都圏にかなりこうした事件、こうしたというのは偽造キャッシュカードとか盗難キャッシュカードは大変に多くございまして、今回、こうしたATM機にカメラが設置されていたというのはかなり預金者の方々にとっては衝撃でもあります。そういう意味でもこの一斉点検、徹底していただきまして、これはもう全金融機関に、信金、信組、また郵政公社も含めまして、しっかりとした点検を行い、また対応していただきたいと、このように思います。  続いてもう一つでございますけれども、これも偽造キャッシュカード、また盗難キャッシュカードにかかわることでございまして、全銀協がこのカード改定試案というものを出しました。改定約款というものを出したわけであります。これについて確認であります。  この偽造あるいは盗難キャッシュカードの補償に関しまして、補償しない場合というものとして重大な過失又は過失となり得るケースを、申合せによってこれはもう既に公表されているわけであります。その申合せの中身につきまして、金融機関から生年月日等類推されやすい番号を個別的にまた具体的に複数回にわたって働き掛けをされたにもかかわらずそれを変更しなかった、それで被害に遭ってしまったという場合はこの過失に当たり得ると、こういう申合せになっているわけであります。  しかしながら、これは確認でございますけれども、一部報道におきまして、こうした働き掛け、金融機関からの働き掛けが必ずしもこの申合せとはややニュアンスの異なるような、単にポスター等で呼び掛けをすればそれはもう既に働き掛けをしたことになるんだというような報道が一部にございまして、やや預金者の方々に誤解を生んで、また被害者の方々からも本当のところはどうなんだというような問い合わせも来ておりまして、一応確認のために、金融庁サイドといたしましてはこの働き掛けの中身について確認をさせていただきたいと思います。
  281. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) ただいま御指摘いただきましたように、全国銀行協会におきまして、偽造・盗難カード預金者保護法の成立を踏まえまして、カード規定試案の改正を行い、去る十月六日に公表を行ったところでございます。この公表と同時に、全銀協におきましては偽造・盗難キャッシュカードに関する預金者保護の申合せということを併せて公表いたしております。  この申合せの中で、カード規定試案の改正に基づき、各々の約款を改正するに当たっては、暗証番号を生年月日等の類推されやすいものとしていたことを過失の一要素として認定するには預金者に個別的、具体的、複数回にわたる働き掛けを行うことが前提となるというふうに明記をしておるところでございまして、その旨を全銀協の会員各行及び他の金融関係団体に対して周知をしているというふうに承知をいたしております。  各金融機関におきましては、このカード規定試案あるいは申合せの内容を踏まえて、今後、被害者に対して適切な対応が行われるというふうに認識をいたしております。
  282. 西田実仁

    ○西田実仁君 さて、この銀行法等の一部改正案について、今回のこの法改正の位置付けでございますけれども金融改革プログラムの中でのこの今回の法改正の位置付け、特に金融のワンストップサービスという点から、その視点から位置付けを大臣に御確認させていただきたいと思います。
  283. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 金融改革プログラムにおける位置付けということでございますが、金融改革プログラムにおきまして、今回の法改正については銀行等代理店制度見直しは多様で良質な金融商品サービスの提供に向けた制度設計をする観点から、金融商品サービス販売チャネル拡大を促すための施策として位置付けられているところでございます。  私どもといたしましては、今回の法改正によりまして、顧客金融サービスに対するアクセスが確保、向上されるとともに、金融機関が多様な販売チャネルというものを効率的に活用できるようになること、このことを期待をいたしているところでございます。
  284. 西田実仁

    ○西田実仁君 そうした利便性向上とともに、当然のことながら、ワンストップサービス銀行の窓口でいろんなサービスが受けられるということ以上に、恐らく銀行代理店という形でこれから販売チャネルが増えていくわけですから、銀行代理店において、必ずしもそれは銀行の子会社ではないわけですから、一般事業者も含めた銀行代理店においていろんなサービスが、金融の総合サービスが受けられると、こういうワンストップサービス化というのが大きな利点であろうというふうに思います。  とすれば、一方で、やはりそうした利便性の一方で、いろんな金融トラブルというものもこれから起きてくる可能性は非常にあるわけで、金融のワンストップサービス化を図る一方で、やはり金融トラブルの紛争解決機関もやはり一本化していくと、こういうことが、していくことが利用者にとっては分かりやすく、また様々なトラブルを未然に防ぐことにもつながるんではないか、このように思っておるわけであります。  その意味で、一つは、まず金融庁が始めましたこの金融サービス利用者相談室、これホームページでも拝見をしまして、いわゆる交通整理をする機関、機能だというふうに理解しておりますけれども、この金融サービス利用者相談室はどういう法的な位置付けがあるんでしょうか。
  285. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 金融庁利用者相談室につきましては、金融庁組織規則を根拠として設置されているものでございます。
  286. 西田実仁

    ○西田実仁君 結局、私の問題意識としては、今申し上げたとおり、紛争を解決するための機関は一本化して、しかも無料で中立というのが一番イギリスのようにベストではないかというふうに思っておるわけであります。  ここの金融サービス利用者相談室は、事前にいろいろと電話で相談することが前提のようでありますけれども、ウエブ上でも相談が受け付けられるというふうになっておりますが、結局、各金融機関業界団体に附属している自主規制機関、ここにその案内をする、導くと、こういうことで、司法というものには入り込まないと、行政の立場では入れないんだということが多分前提となってそういう道案内に徹しておられるんだろうというふうには思うわけでありますが、しかしながら、利用者からしますとこうした業界団体による自主規制機関にそもそもどういう法的根拠があるのかよく分からないし、また裁判外紛争機関としてこうした自主規制機関が機能として持てるのかどうかということも不明なわけであります。  私は、この金融サービス利用者相談室というものがもうちょっと利用者にとってトラブル解決のためのワンストップサービスをもっと提供できるようなやり方が、工夫があり得ないのかというふうに思うわけでありますが、まず大臣からお聞きしたいのは、利点である金融のワンストップサービス化がどんどんこれから進んでいく、そのための法整備、今回しているわけですけれども、一方で、この紛争を解決するための機関を一つ、一本化していく、表裏一体ではないかというふうに思うわけでありますけれども、これについてはまず大臣、いかがでございましょうか。
  287. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 金融サービス利用者相談室につきましては、これは金融改革プログラムの中でも位置付けて、そして行政において一元的に相談やあるいは御意見というものを伺う、そうした窓口として、先ほどございましたように設置法の中で位置付けて、この七月にスタートでございましたね、七月にスタートさせていただいたところでございます。  さらに、この機能をより強化をして紛争を解決をしていく、そうした機能も視野に入れながら考えていくべきではないかと、こういう御指摘でございますけれども、今それぞれ委員からも御紹介がございましたように、自主規制規則を発揮をする機関というものがございます。こうした機関との連携強化を図りながら様々なトラブルというものをしっかり解決していけるようにしていかなければいけないというふうに思っておりますし、今後の機能強化の在り方につきましては利用者相談室の今後の状況というものを注視をしながら検討をしていきたいというふうに思っておりますが、まずそれぞれの自主規制機能の機能強化をしっかり図っていくことが重要ではないかというふうに思っております。
  288. 西田実仁

    ○西田実仁君 たしか金融審議会だったか、もう二〇〇〇年の段階でこの議論が始まっていて、もう既に五年たっていると思っておりまして、そういう意味では、利便性を高める一方でやはり安全性を担保しなきゃいけないということが、常にバランスを取らなきゃいけないことからするともうちょっとスピードアップして、こっちの金融のワンストップサービス化がどんどんスピードアップしつつあると思いますけれども、一方で紛争解決のワンストップサービス化ということについてもスピードアップを是非していただきたいと思うわけであります。  具体的にお聞きしたいと思いますが、この金融サービス利用者相談室から各種の業界団体に相談に行きますね、こちらへ行った方がいいですよと案内をされて行きます。そこでどういうふうにさたを、さたというか解決ができたのかということを、例えばその利用者金融相談室の方に、このサービス利用者相談室の方に戻すことはあるんでしょうか、返信することはあるんでしょうか。
  289. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 相談室に寄せられました場合に、御指摘のとおり、金融相談室の方からこれはいろんな業界団体へいろいろな通知をしているところでございます。回付された質問、相談、意見等につきましては、これは私どもは、一つには企画立案、検査・監督において、各課室において案件に応じて適切に判断しているところでございます。  各団体に参りましたものにつきましては、その先のところにつきまして一つ一つフォローすることは、私ども行政権でもありますし、民間取引への行政介入といった問題もございますが、私どもとしてはそういった先々におきまして適切な対応が図られていくように今後とも適切に対応していきたいと思います。
  290. 西田実仁

    ○西田実仁君 そこをやっぱり、一応案内をしたわけですから、各種の自主規制機関、業界にぶら下がっているところで相談をしてどうなったのかということをやっぱり一度戻してもらうというようなことも、そこでどう対応されてきたかということを確認をするということも金融庁としては必要なんではないでしょうか。
  291. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 私ども一つ一つの案件につきまして、それをまたてんまつにつきまして相談室に報告を求めるということまでは想定していないわけでございますが、現在、私どもといたしましては、金融トラブル連絡調整協議会というのをこしらえまして、非常に幅広い団体と一緒に金融トラブルにつきまして連絡調整を行っているわけでございます。こういったところで今後とも連携を密にしてまいりたいと考えております。
  292. 西田実仁

    ○西田実仁君 もう一方で、金融のトラブルに関する紛争解決とともに、やはりこれはもうちょっと底辺というか、土壌の部分としてはやはり金融経済教育というのが大変大事であるというふうに思うわけであります。  先般、日銀の方にもお聞きしましたけれども、これはいろんなところが、日銀の中にある事務局の金融広報委員会も行っておりますし、内閣府も行っておりますし、金融庁としても金融経済教育懇談会というのを先般中間論点としても整理をされておられまして、いろんな機関が行っていると思いますし、いろんなシンポジウムも行われていることもよく承知しておりますが、これ、もうちょっと効率的に、また政府全体として、ある意味で予算も限られている中でやるわけですから、いろんなところがいろんなことをやるのもいいんですけれども、もうちょっと効率的に戦略的にやっていった方がいいんではないかと。  非常にこれは大事な、利用者に対する、やはり最後は賢明にならなきゃいけないのは利用者の方ですので、金融経済教育に関して、今後、そうしたこの中間論点も踏まえてもう少し効率的なやり方もあるんじゃないかと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
  293. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 今委員から金融経済教育の重要性、そしてこれを進めていくに当たって効率的、戦略的にという御指摘をいただきまして、全くそのとおりだというふうに思っております。  そうした問題意識から、各分野において活躍をされている方々に、私の私的懇談会として金融経済教育の懇談会、今委員から御紹介をいただきましたが、設置をさせていただいて、精力的な御議論をいただいて、そして六月三十日に論点整理を取りまとめていただいて、特に金融庁として直ちに実施すべき七つの事項について御提言をいただいたところでございます。  金融庁といたしましては、委員から御指摘がございましたように、政府関係機関やあるいは金融関係団体との連携を通じて、論点整理の中でいただいた御提言も含めて、金融経済教育の一層の推進、充実が図られるよう、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
  294. 西田実仁

    ○西田実仁君 終わります。
  295. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門でございます。  我が党は、この間、金融庁が出された法案には賛成をしてきておりましたけれども、この法案も何とか賛成したいと思って精査、検討をいたしましたけれども、賛成には至りませんで、反対というふうにさせていただきたいというふうに思います。  その理由は、今日もいろいろ質問がありましたけれども、この四年半、私はここでずっと座っていろんなことを見てまいりましたけれども、不良債権処理の最終処理が進むと同時に、収益向上というのも各金融機関の目標に掲げられたわけでございます。その中で何が起きたかといいますと、職員のリストラと金融機関の店舗の統廃合ということが一方で起きて、銀行がどんどんどんどん店舗を縮小していくと、これは急速に進みました。一方で、収益向上ということでは手数料収入を増やそうという方向に切り替えて、これは金融庁も奨励をされてこられました。その中で金融商品をどんどん販売していこうということになってきているわけですけれども、今、そういう中で金融被害というのが相当この数年で増えている状況でございます。  で、これは保険銀行も同じでございまして、この前この委員会で取り上げました明治安田生命はあの後、大問題になりましたですね。これは、この点では金融庁が毅然と対応されたということを敬意を表しておきたいと、私も取り上げさせていただいたんで言っておきたいと思いますけれども。  そういう中で、今回の改正意味なんですけれども銀行は店舗をどんどん縮小してきていると、しかし手数料収入を上げたいと、こういう代理店制度銀行の求めといいますか、銀行の意図としては代理店制度販売をしていきたいと、こういう流れにあるということもしっかり見る必要があるというふうに思います。  今でさえその金融被害が増大している中で、先ほども代理店の許可云々で日本はまだまだ後れているというような話がありましたけれども、私は、もちろんその日本はまだ訴訟社会になっておりませんから、いろんな点で、そういう点では意識が後れているかも分かりませんが、問題は何が後れているかといいますと、金融消費者保護法、この整備が諸外国に比べて後れているわけです。私もこれが先に提案されて通った後でしたら今回の代理店制度も賛成あり得るかなというふうに思いますが、順番が違うと、外国に比べて順番が違うと。  利便性という話がありましたけれども、私はまず利用者保護があっての利便性で、チャネルの拡大ということにあるべきだという点で、ですから規制緩和一般に、何でも反対いたしませんけれども、よく見なければいけないと。何でも規制緩和賛成で、規制緩和に反対したら何かこう守旧派みたいな、物を何か言いづらいと。そうではなくて、ちゃんと利用者保護とかそういうものがあっての規制緩和だという点を考えますと、私は時期尚早といいますか、順番が逆だと。諸外国でやっているような、先進国でやっているような利用者保護制度をまずきちっと整備すべきだと、それからの提案であるべきであろうという点で反対ということでございます。この点についてはもう質問、いろんな懸念は出されましたので、改めて触れる気はありません。  そこで、今日は、今現在の金融被害の現状と金融庁の対応について質問したいと思います。  金融被害が増えているというのは、お手元に資料をお配りいたしましたけれども、これは国民生活センターの資料ですけれども、九八年からすると、もう相当何倍にもなって、六倍以上ですかね、増えております。二〇〇四年が少し減っているのは、これは実はサラ金関係が減っているだけで一般金融機関としてはもう横ばい状態、今年は更に増えるんじゃないかというふうに見られておりますので、一般金融機関の苦情というのは減っていないということ、むしろ相当増えているということでございます。  で、例えば、その中でもこれから社会問題になると思われます変額個人年金について簡単に対応を聞きたいと思いますけれども、変額個人年金というのは名前のとおりですけれども、年金の給付額が運用次第で変動するというものです。これはまあ、契約者個人の責任で選択して投資信託等で運用するもので、元本割れもあり得るというふうな商品でございます。  従来、個人年金というと、定額制が当たり前だったわけですね、老後の安定ということで。ところが、九九年から金融庁がこの変額年金の販売を許可し、売出しが始まって急速に伸びておりますね。で、〇一年度は六万一千件ぐらいであったのが、〇四年度でもう四十二万件になっていると、四年間で七倍も増えています。金額も二〇〇四年度で五兆八千億円の契約金額になっておると。年金制度の不安を背景にこれだけ伸びているんだと思います。  こういう、皆さんが年金に不安を持っているということ、そういう背景で伸びているにもかかわらず、この問題での苦情もいろいろ増えておりまして、国民生活センターの調べでは、二〇〇二年に比べたらもう四、五倍の苦情件数が増えております。  内容は悪質なものがかなり多いということで、生活センターの方で事例を出してもらいましたけれども、要するに元本保証かと思っていたらそうではなかったと、年金原資保証という独特の言い方があるんですけれども、それを元本保証と思い込んでしまったとか、定期預金が満期になる直前に銀行員が訪問してきてこの個人年金勧められたとか、五年間運用したいと言ったのに二十年のこの変額年金を勧められてよく分からないまま契約されたと。この非常に複雑な保険ですから、説明責任がどこまで果たされたかとかいろいろトラブルになる問題が生じているということでございます。  問題は、銀行で窓販していますので、銀行の信用がこう背景にあって安心して入っちゃうというケースが増えて今問題になっているんだと、特に問題になっていると思います。  実は、この変額年金については、当初から危険性を指摘する声が強くありました。銀行の窓口販売のときは、特に二〇〇二年の金融審議会の中で議論がされています。委員の中で強く窓口販売やめるべきだというふうに主張された、意見を出された方がおられます。高橋委員という方ですけれども、この方はある雑誌でこのように述べておられます。二〇〇二年のことですけれども、二月ごろワーキンググループの会合が開かれ、そこで金融庁の案が示されて、四月から個人変額年金を解禁するということが分かったと。そこで、私はこんなリスクの高い商品を今の法制度の下で解禁すべきではないと申し上げたけれども、例によって御意見として拝聴しておきますということで終わってしまって解禁になったというふうに述べておられます。  私は、これは特に変額保険、変額と付くのは非常に問題になっていますね、今でも。そういう点からいくと、非常に慎重に当たられるべきだったと。ここで解禁をされて、今実際に被害がじわじわと広がっていると。これは今後確実に私は被害広がると思います。  この金融庁は、この時点で委員の強い反対があったにもかかわらず、窓口、銀行の窓販を解禁されたということは、私は金融庁自身が責任を問われる事態に間もなくなってくると思いますが、どういうふうにとらえておられますか。
  296. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 保険商品販売に関しましては、国民のニーズに合った多様な商品をしっかりとした販売チャネルを通じて説明責任を果たした上で販売されるということが重要であろうかと思います。そういう中で多様な商品が供給されるということは、国民のニーズにこたえるという面もあろうかと思います。  それで、この個人変額年金の販売に関しまして、利用者保護観点から私どもで今取っております方策について、まず御説明させていただきたいと思います。  まず、製造元でございます保険会社についてでございますが、保険募集人が保険契約の重要な事項を説明するための適切な措置を講じるということが保険業法に基づいて保険会社に求められております。特に、変額保険販売につきましては、資産の運用実績により将来における保険金等の額が不確実であることを説明すべきと、説明する措置のほか、投資リスクに関する事項を記載した書面を交付するということのための措置、これを講じることが必要ということでございまして、これは保険業法施行規則で定めてございます。また、これに加えまして、顧客の知識、経験及び財産の状況を踏まえた重要事項の顧客への説明等を確保するための措置と、これを社内規則で定めるといったことも求めております。  次に、銀行窓販の銀行というのは保険募集人に当たるわけですけれども保険募集人につきましても具体的な規定を定めておりまして、保険募集に関して保険契約契約条項のうち重要事項を告知する義務というものを負うということでございまして、特に銀行等が変額個人年金保険販売する際には一定の説明義務を負っているということを定めてございます。一定の説明義務と申しますのは、この変額個人年金の場合には、融資を受けて保険料に充てた場合に、元本割れをすると返済が困難になる可能性があるということを書面によって説明を行うという必要でございます。これらの法令で規定された保険募集上の措置の遵守に係る監督上の着眼点につきましては、私ども監督指針で定めておって明らかにしておるところでございます。こういった点を踏まえて、検査監督上の対応で利用者保護を図っていきたいということでございます。  それから、こうした現行法令に基づく対応に加えまして、保険商品多様化、複雑化あるいは販売チャネル多様化に対応いたしまして顧客に適切な説明がなされることも必要ということで、そうした観点から、保険商品販売勧誘のあり方に関する検討チームというのを立ち上げてございまして、ここで、顧客理解を高め、そのニーズに合致した保険商品を購入できるようにするための情報提供の在り方というものをどういうふうに工夫できるかということで、活発な議論をやって中間論点整理ということを進め、こういったことに基づいて顧客への説明責任の履行というものがより内容の濃いものになるように努力していきたいというふうに思っております。
  297. 大門実紀史

    大門実紀史君 言われたことは全部承知の上で質問しております。  つまり、それでも増えているということ。内閣府が、クーリングオフについては後から意見を言うとか、後手後手で対策になっているわけですね。もちろん、後手後手でも被害が起きないようにいろいろ工夫はしてもらいたいわけですが、今回の法案との関連でいきますと、私は、いろいろ整備、今回もいろいろ担保していますとおっしゃいますけれども、すべて後手なんですね。何か起きてから手を打つと、被害者保護といいますか、利用者保護と。このスタイルを変えるべきだと。特にこの被害が増えちゃっているわけですからね。増えてなければ言いませんけれども一つの典型として申し上げました。  つまり、私言いたいのは、金融庁がこの法律提案する、いろいろ規制緩和を提案するときの姿勢の問題でございまして、まず万全に、万全に、例えばパンフレットなんかも、いまだあれですよ、これは十月改訂の東京三菱の変額年金のパンフですけれども、パンフレットのほんの、ほんの、これだれも見ないですよね。こんな小さなところにクーリングオフの問題とか元本割れなんて、こんなのだれも見ないでしょう、こんなの。これだけいいこと書いてあって、これだけですよね。こういうことがやられているわけですね。いいことばかりで、うんと言っちゃうということになっているわけですね。こういうものをまず、ならないような、ならないような先に手を打ってからこういうものを解禁されるべきだったというふうに申し上げたいと思います。  もう一つは、金融被害で、先ほど櫻井さんからも少しありましたが、優越的地位の問題でも大変な問題が今起きております。これは、今回の代理店制度の導入の中で更に拡大するんではないかというふうに私は思います。この優越的地位を利用した、濫用した金融デリバティブ商品販売という問題がもうちらほら新聞でも報道され始めましたけれども、大変な問題になりつつあります。これはどういうことかというと、銀行が融資先に融資の継続をにおわせるとか、もし、うんと言わなきゃ融資止めてしまうような、こういうものを背景として中小企業の社長さんなどに非常に複雑な仕組み金融デリバティブ商品を売るという問題ですね。  この問題では、三井住友銀行の問題が私どもにもいろいろ情報が入っておりますけれども公正取引委員会審査に入っているということをお聞きしております。事案の概要について、答えられる範囲で結構ですから、答えていただけますか。
  298. 松山隆英

    政府参考人(松山隆英君) 先生御指摘の三井住友銀行に対しての件でございますが、不公正な取引方法、優越的地位の濫用に該当する疑いがあるということで現在審査を行ってきているところでございます。  個別具体的な事案でございますので、現在審査中のものでございますので具体的な詳細についてはお答えを控えさせていただきたいと思いますが、一般論で申し上げまして、銀行等金融機関が自行の取引上の地位を相手方に優越しているということを利用して不当に金融商品等の購入を余儀なくさせるということがございますと、これは優越的地位の濫用、独占禁止法の不公正な取引方法に該当するおそれがございますので、そういう事実が認められましたら厳正に対処してまいりたいと、かように考えております。
  299. 大門実紀史

    大門実紀史君 私どもの独自調査では、現在は立入りじゃなく任意の審査の段階だというふうに思います。  その言われた不公平な取引というのは優越的地位の濫用の話でございまして、三井住友の取引先に、先ほど申し上げましたように、融資先に金融デリバティブ商品を融資の条件と絡めてといいますか、そういう販売が組織的にやられた疑いがあると。特に法人事業部ですね、法人事業部がノルマを持ってそういう販売をやったという疑いでございまして、これは提訴する企業が今後増えるかも分からないというようなふうに私どもはつかんでおります。  これは、当該支店は三井住友の大阪の豊中の法人事業部だと思いますけれども、いかがですか。
  300. 松山隆英

    政府参考人(松山隆英君) ちょっと恐縮でございますが、現在審査中の事案でございますので、個別具体的な内容につきましてはお答えを控えさせていただきたいと思います。
  301. 大門実紀史

    大門実紀史君 聞いてみただけでございます。私も中身はこれ以上言いません。こちらも情報をつかんでおりますので、それに見合った公取の厳正な審査をお願いしたいし、それを注視していきたいと思います。  一般論としてお聞きいたします。金融庁に聞きます。  この問題は、実はほかの銀行でも法人事業部が、みずほでも実は問題になっております。みずほの場合は為替スワップ。普通はこれは金利スワップのデリバティブを売るのが多いんですけれども、為替スワップまではめ込んで売っていると。しかも、それは複雑ですから、中小企業の社長さんたちほとんど、私たちでも理解できないような商品仕組みですよね。こんなものをぼんぼん、いいですよと。しかも、買ってくれないと次の融資はみたいなことをにおわせてやっていると。  みずほでも問題になっておりますけれども、問題点は二つありまして、一つは優越的地位の濫用という問題ですね。もう一つ金融商品説明責任という問題があります。  さっき言ったようにデリバティブ、分かりにくいですね。これは具体的にどうなるかと。時間がないんでこちらで申し上げますと、優越的地位の濫用と公取が入って認定された場合独禁法違反になると、その場合金融行政上も行政処分を受けると、こういうことになるわけですね。つまり、金融行政、銀行法の世界では摘発するということができないと。やっちゃいけないということは書いてある、先ほどの十三条もありますけれども、つまり公取が摘発しないと行政処分にならないと、こういう関係になっているわけですけれども、つまり、ふだん金融行政としてこういうことを防ぐ手だてがないのが今の現状だと思います。  そういう中で、具体的に私は、三井住友、これからどうなるかといいますと、既にそうなっておりますけれども銀行側は何を根拠に公取と戦うかといいますと、契約書に本人がサインをしていると、本人承知の上だと。もう一つは、これは金融検査マニュアルの中で求めておりますけれども、そういう金融デリバティブを販売するときは銀行側は意思確認をしなさいというのが検査マニュアルに入っておりますね。ですから、銀行側は意思確認記録というのを取っております。意思確認記録。金融デリバティブ商品販売した相手に意思確認をしたと。この二つだけがこういう銀行の、何といいますかね、事実根拠になって、本人の承諾を得てますと、濫用ではありませんと、こういう戦い方をするんだというふうに思います。  そういう点で、そういう書類が一体どんなものかということで、契約書については判こ押したということはありますけれども、特に銀行の意思確認記録というのが本当にそれだけの証拠価値を持つものかということで金融庁の検査局の方に聞きたいんですけれども、これは、検査の際に意思確認記録というのは、あるかどうかはチェックされるそうですけれども、中身まで、つまり相手方に金融デリバティブの中身も含めて説明責任をちゃんと果たしたかとか適合性の原則とか、そういうことまで確認を検査のときされているんでしょうか。
  302. 西原政雄

    政府参考人(西原政雄君) デリバティブ商品、これの販売に当たってどういうような点について検査ではチェックをしているのかと、こういうお尋ねでございます。  この点については、私どもも非常に利用者保護観点から大変重要な問題だという具合に認識しておりまして、本年度の検査基本方針、これにおきましても、まず第一の最重点課題としまして、利用者保護の対応が十分できているかどうか、これを検査でチェックをするということを項目として挙げております。  そうした中で、このデリバティブ商品を含めまして、多様な商品について、その販売に当たっては、まずその有する様々なリスク、これをきちんとした形で理解をしていただいた上で取引ができているかどうか、こういった点について相手方にしっかりとした説明責任が果たされているか、これが一つの重点的な検証ポイントになるわけでございます。  それで、今お話しのデリバティブ商品の場合でございますが、この点についてのチェックポイントの一つは、やはりデリバティブ商品のリスクを相手側が十分に管理できる能力あるいは体力を持っている顧客販売しているかどうか、これが望ましいわけですが、そうじゃない場合、すなわち取引経験が浅い顧客、これに対してこのデリバティブ商品販売するといった場合には、その商品内容やリスクについて具体的に分かりやすい形で解説した書面を交付して説明しているかどうか。例えば例示等も入れてそういうものが説明されているかどうか。その例示の中には、例えば最良のシナリオだけではなくて最悪のシナリオ、こういったものも想定した最大損失額と、こういったものも含めて、そういう例示も含めた分かりやすい形で説明をしているかどうか、こういったこともチェックポイントに挙げてございます。それから、必要に応じては、その説明を受けた旨の確認、これを行っているかどうか。こういった角度から検証をさせていただいているというのが実態でございます。
  303. 大門実紀史

    大門実紀史君 今局長言われたのは非常に重要な答弁だと思うんです。私、検査局に聞きましたら、実際にはそういうこと、そこまでできませんと。意思確認記録があるかないかどうかで、なければ、なぜないんですかという程度で、その中身まで、そういうチェックポイントまでやることは、抽出ですけどね、抽出検査といえどそこまでできないんですというふうに、現場の方といいますか、おっしゃっていましたので、局長さんが今そう言われたのは非常に重要でね。そういうこと含めて、それをこの意思確認記録でやってもらうと、なかなかふだんいい加減なことはできなくなりますのでね。今、局長答弁どおりに実際には現場でやられてない様子がうかがえますので、徹底してもらいたいというふうにお願いしたいと思います。非常にいい答弁をしていただきました。  公正取引委員会に申し上げたいんですけれども、今局長さんはああ言われましたけれども、現場では実際にはそんなふうにまだ行われてない、これから徹底されると思いますけれども、そういう状況です。したがって、三井住友なり、またほかのところも入られるかも分かりませんけど、銀行側が証拠として挙げる意思確認記録というのは、検査のチェックポイントを踏まえているかどうかも分からないものだというのを是非踏まえて審査続けていただきたいんです。銀行側が根拠にするのは契約書とそれしかございませんので、そんなものがいかにいい加減なものかということを、公取の方は金融の専門家がなかなかたくさんいらっしゃらないということでしたので、今日の質疑を参考にして、意思確認記録などで銀行の言い分は成り立つという簡単な判断をしないで、きちっとした調査をしていただきたいというふうに思います。  一言お願いいたします。
  304. 松山隆英

    政府参考人(松山隆英君) 先生御指摘のとおり、私ども銀行側の説明だけではなしに、当然、実際の融資を受けている企業の実態を踏まえさせていただいて判断をさせていただきたいと思います。
  305. 大門実紀史

    大門実紀史君 今の実態がこういうものですから、代理店制度そのものを反対しているわけじゃありませんけれども、この実態を、いろんなことが行われていると、収益向上の名の下にですね。収益向上しちゃいけないとは言いませんよ。やり方が、もうければいいと。もう少し申し上げておきますと、銀行の法人事業部なんかの現場は大変です。もうモラルの低下甚だしいです。とにかく数字を上げてこいということで無理な勧誘を相当やっております。この辺も検査のときにきちっとただしていただかないと金融被害はなくならないと。  ですから、この法案は時期尚早だということを重ねて申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。
  306. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 無所属の糸数です。よろしくお願いいたします。  今回のこの銀行法改正の中で、銀行代理店制度見直しについて様々な論点がございますが、私は地域金融及び利用者の視点から御質問させていただきます。  まず、地域金融の視点から参ります。  今回のこの銀行代理店制度見直しについて、金融機関の問題ではなく、地域金融の問題として考えた場合、若干の懸念がございます。例えば沖縄の場合、離島も多く郵便貯金のシェアも極めて低いところですから、今まで金融機関の窓口がなかったへき地のようなところに新たに代理店ができるというのであれば、それはそれとして歓迎すべきなのですが、実際には、既存の店舗の合理化策として代理店が使われることになるのではないか、そういう懸念がぬぐえません。今までの支店が代理店となってしまった結果、今まで取り扱っていた融資ができなくなってしまいましたということになってしまわないかと、しやしまいかと心配いたしておりますが、いかがでしょうか。  金融庁は、利用者にとって、販売チャンネルの拡大によって山間地を含めた金融サービスへのアクセスの拡大というメリットがあると先ほども説明がございましたが、今まで店舗がなくATMしかなかったところ、あるいはそのATMすらなかったところに代理店が設置されて利用者のアクセスが拡大する、そういうことが現実にあり得るのでしょうか。もしあるとすれば、どのようなビジネスモデルが可能となるのか。金融担当大臣の御説明をお伺いいたします。
  307. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 今回の銀行法改正におきましては、金融機関に対して幅広く一般事業者代理店として活用することを認めることによりまして、利用者金融サービスへのアクセスを拡大すると、こうした観点から行うものでございます。  本改正におきまして、例えば地元の小売業者やあるいは宅建業者などに、カウンターを設けるといった形で、低コストで新たな代理店を設置することが可能となるわけでありますし、このように今回の代理店制度を活用することによって、今まで支店では採算の取れないような地域、あるいは支店を設置することが困難であった地域、こうした地域を含めて金融サービスへのアクセスを改善する選択肢が広がるものと考えております。
  308. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 実際問題として、沖縄県内には五百四十五店という店舗網がありますが、民間金融機関の合理化の流れの中で、十年前に比べまして一割減少しているというのが実態であります。代理店が県内に増えるということであれば、代理店が増えた分その店舗数は減ってしまうことになるのではないかというふうにも思います。これは個別金融機関の問題ではなく、地域金融のネットワークの問題としてパフォーマンスが低下してしまうのではないかというふうに懸念して伺いました。  次に、金融機関が従来の店舗中心のネットワークから代理業も活用したネットワークに転換していきますと、代理業には機能、それから業務の制約、特に融資機能の制約がありますから、地域の資金需要に十分こたえられなくなるといったケースも出てくるのではないかと懸念されるわけです。沖縄の場合には、そもそも都市銀行が一行しかないわけですが、例えばそのある都市銀行が従来の支店を代理店に切り替えるということになれば、その都市銀行の地域に対する融資機能は低下することになると思います。そうなると、結局は都市銀行はその地域の資金を吸い上げるだけの存在になってしまいます。沖縄では、県外からの資金調達力といいましょうか、これが低いという問題点を民間金融機関は抱えていますが、そういった問題が全国に展開されることになりかねません。  そのようなことも懸念されるわけですが、金融庁が実際に今進められようとしている地域密着型金融、その中で代理制度がどのような役割を果たし得るのか、その点をお伺いいたします。
  309. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 今回の銀行代理店制度見直しは、幅広く一般事業者代理業への参入を認めることによりまして、金融ネットワークの機能の向上を目指すものでございます。  地域密着型金融との関係でございますが、金融庁といたしましては、二〇〇五年三月に公表いたしました地域密着型金融の機能強化に関する新アクションプログラムにおきまして、中小・地域金融機関に対し、地域の特性や利用者ニーズ等を踏まえた選択と集中を通じましてビジネスモデルを鮮明にし、自己責任と健全な競争の下、地域密着型金融の一層の推進を図るよう要請しているところでございます。  こうした取組を通じまして、今回の制度改正も活用しながら中小地域金融機関の機能強化が図られることにより、地域における金融機能が向上することを期待しているものでございます。
  310. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、利用者の視点からお伺いしたいと思います。  今回の法案は、販売チャンネルを多様化し、顧客利便向上を図るために、銀行代理店制度見直して、銀行代理店の担い手を拡大することに主眼があるとされますが、そもそもこの銀行代理店はこれまでの銀行の店舗戦略の中でどのように利用されてきたと金融庁は評価されているのでしょうか。また、利用者の側から見ても、現在の銀行代理店は、銀行の店舗と比較して、外観上の違いや取り扱う金融商品、そして業務内容など、その具体的な違いは見られるのでしょうか、お伺いいたします。
  311. 佐藤隆文

    政府参考人(佐藤隆文君) 現行の銀行代理店制度でございますけれども、この下におけます銀行代理店は、銀行の一〇〇%子会社等に限定される、また兼業規制されているということでございまして、現在のところ、その利用は限定的となっております。典型的なケースといたしましては、例えば銀行のOBが個人代理店となりまして、支店では採算の取れない山間地帯で預金、為替、消費者ローンを中心とした業務を行っているといったケースがあろうかと思います。  それから、現行の銀行代理店銀行の支店との外観上の差等についてのお尋ねでございますけれども、現行の銀行代理店は、まず外観につきましては、代理業務を委任する銀行の名称、代理店であることを示す文字、それと当該代理店の名称を店頭に掲示するということが求められておりますけれども、それ以外には、施設等の外観について代理店銀行本体の店舗を区別するための措置というのは求められておりません。また、専業義務が課されていることなどから、銀行の店舗との具体的な外観上の違いというのは必ずしも明確ではないというふうに思います。  それから、現在の銀行代理店業務内容でございますけれども、現行規制上、銀行の固有業務である預金・貸出し業務、そして為替業務に関する代理業務のほか、債務保証や両替などの一部の付随業務に関する代理業務といったものに限定されておりますので、すべての銀行業務を行うことができる銀行の店舗と比較しますと、業務範囲が相対的に限定されているという違いがあろうかと思います。
  312. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今回のこの改正については、新聞紙上では例えばスーパーやコンビニなどの銀行代理店への参入をも認めるものとして話題になっていますが、代理店参入には、本人確認やリスク商品説明責任に加えて、カウンターの設置など相当な設備が要求されることになります。特にコンビニなど、カウンターを設置すればその分だけ売場面積が狭まることになりますし、コストと採算を比較考量すると実際の参入は難しいとも見られています。  金融庁はこれまで、銀行代理店として地元の百貨店あるいはホテル、宅建業者、不動産業者などの新規参入を想定していると答弁していらっしゃいますが、町の身近なコンビニやスーパーなどからの銀行代理店参入は現実的にあり得ると考えていらっしゃるのでしょうか、お伺いいたします。
  313. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 今回の改正によりまして、幅広い一般事業者銀行代理業への参入が認められますと、既存の顧客基盤を有効に活用できるなど、現在行っている事業銀行代理業の間で相乗効果を十分に生み出すことができる、そういった者が代理業に参入してくるものと考えられます。  こうした観点に立ちますと、コンビニやスーパーなどが銀行代理店となり、既存の顧客に対して例えば預金や為替に関する代理・媒介サービスを提供するようなことはあり得るものと考えております。
  314. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 今回の改正によって、一つ代理店銀行証券保険の三つの代理店を兼ねることも可能になりましたが、この結果、様々な金融商品顧客ニーズに応じて提供することで利用者利便性向上する一方、投資信託や変額保険など様々なリスク商品代理店が提供することが可能となることで、利用者保護の視点がますます重要な課題となってくるというふうに考えます。  利用者保護については、各代理店制度を所管する銀行法証券取引法保険業法などで規定されていますが、今後は代理店のワンストップショッピング化を展望して横断的な法整備が早急に求められると思います。伊藤金融担当大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  315. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 利用者保護のために横断的な法整備が早急に求められるのではないかと、こうした御視点もあろうかというふうに思いますけれども、私ども金融庁といたしましても、利用者投資家の立場に立って金融サービスの横断的なルールの整備を進めていくことは極めて重要であると考えております。  こうした認識の下、金融改革プログラムにおきましては、金融実態に対応した利用者保護ルール等を整備するため、金融商品サービスに関する全体的、統一的な取引ルールの策定等に取り組むことといたしているところでございまして、現在、投資サービス法の制定に向けて金融審議会第一部会において精力的な検討を進めていただいているところでございます。  金融庁といたしましては、今後ともこうした取組を積み重ねることによりまして、利用者投資家保護ルールの整備を着実に進めていきたいと考えております。
  316. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 次に、まず地方の視点から幾つかお伺いしたいと思います。  大手銀行と地域金融機関との間で大きな体力差がある中で、銀行代理店を一気に一般事業会社にまで解禁することは、地方銀行の中でも懸念があると言われています。従来から規制緩和を要望してきた地方銀行も、銀行代理店を利用する場合の更なる規制緩和にとどまらず、一気に一般事業会社にまで解禁することは想定外であったとも言われています。銀行銀行代理店を利用する場合の使い勝手を良くするための規制緩和にとどまらず、一気に一般事業会社にまで銀行代理店制度拡大する理由はどこにあるのでしょうか、お伺いいたします。
  317. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 従来より都銀、地銀、信金業界等からは、顧客ニーズに対応した柔軟で機動的な店舗展開を可能とする観点から、一〇〇%出資規制を撤廃し、代理店業務範囲拡大するよう要望が出されてきております。また、信金業界からは、信用金庫が他の信用金庫などの民間金融機関代理することを可能にする改正要望が出されてきております。  今回の改正は、こうした要望も踏まえ、利用者保護にも十分配慮しながら、一般事業者代理業への参入により販売チャネル拡大し、国民の金融サービスへのアクセスを確保、向上させる観点から行うものでございます。是非とも必要な改正であると考えているところでございます。
  318. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 新聞報道によりますと、銀行代理店制度見直しによって、大手銀行は、全国展開する流通業者や自動車販売会社、ドラッグチェーンなどと提携して金融商品の販路を一気に拡大する計画があるとされています。この結果、これまで地域金融機関顧客であった小口取引先に大手銀行代理店参入して、これまで以上に小口取引先の獲得競争が激化することが予想されます。また、委託先である代理店も大手銀行と提携した方がイメージアップにつながると考えるのが自然だと思いますが、いずれにしましても、今回の規制緩和は地域金融機関よりも大手銀行にとって大きなメリットがある改革と言えるのではないでしょうか。この点について伊藤金融担当大臣の御所見をお伺いいたします。
  319. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 今回の改正によりまして、金融サービスへのアクセス拡大を通じて利用者たる国民の利便性向上に役立つと同時に、すべての金融機関にとりまして、新たな顧客層の掘り起こし、新規開拓や店舗展開の効率化を図るための有用なツールになるものと考えております。  特に、地域の金融機関は、今後とも地元の顧客と密接なネットワークを構築、強化していくと見込まれ、こうしたネットワークは引き続き地域金融機関にとって経営上の強みになると考えられますが、今回の改正によりまして、地域金融機関代理店を活用して従来の支店網以外に販売チャネル拡大をし、新たな顧客層を掘り起こすことも可能になると考えております。  さらに、今回の改正では、信用金庫については銀行やあるいは他の信用金庫の代理店になることが可能となります。これによりまして、現在、信用金庫では取り扱っていない商品サービスを既存顧客に提供することが可能となり、また新たな金融商品の開発負担の軽減、手数料収入の増大などが期待できるのではないかと考えているところでございます。  以上のように、今回の改正は大手銀行だけではなく地域の金融機関にとってもメリットをもたらし得るものだと考えております。
  320. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 伊藤金融担当大臣は、その新しい銀行代理店制度によって地域金融機関の業績が悪化するとは必ずしも考えていないと繰り返し答弁していらっしゃいますが、小口取引先の獲得競争の激化によって地域金融機関の業績悪化は免れないと懸念する声も強いわけですが、業績が悪化しないとする根拠はどこにあるのか、お伺いしたいと思います。
  321. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 先ほども三國谷局長からも答弁をさせていただきましたが、私どもといたしましては、先般公表いたしました地域密着型金融の機能強化に関する新しいアクションプログラムにおきまして、地域金融機関に対しては、地域の特性や利用者ニーズ等を踏まえた選択と集中を通じてビジネスモデルを鮮明にして、自己責任と健全な競争の下、地域密着型金融の一層の推進を図るよう要請をいたしているところでございます。  こうした要請も踏まえまして、繰り返しの答弁になりますが、地域の金融機関は今後とも地元の顧客と密接なネットワークを構築、強化していくものと見込まれ、このようなネットワークは引き続き地域金融機関にとって経営上の強みになると考えております。  こうしたことから、新しい銀行代理店制度により大手銀行代理店を通じて大規模に地方に進出をし、その結果、地域金融機関営業内容が大きく悪化することになるとは必ずしも考えておらず、むしろ今回の改正によりまして地域金融機関代理店を活用して従来の支店網以外に販売チャネルというものを拡大をして、新たな顧客層を掘り起こすことも可能になると考えております。
  322. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 伊藤大臣のその御答弁、先ほどから新しい銀行代理店制度によって新しい販売チャンネルとそれから新規顧客層への掘り起こしに可能性があるというふうにおっしゃっていらっしゃいます。また、信用金庫は今回の改正で他の銀行代理店になることが認められて、新しい商品サービスの提供が可能となり、都銀への顧客流出を食い止めることができるというふうに予想されるとおっしゃっていらっしゃいますが、しかし地域金融機関へのビジョンは必ずしも明確ではないように思います。  そこでまたお伺いいたしますが、この銀行代理店一般事業者への解禁によって、大きな銀行代理店が小さな銀行をコントロールするような事態も懸念されています。例えば、大手の流通業者が中小の地域金融機関代理店となった場合、代理店である大手の流通業者の経営戦略が委託元の中小の地域金融機関銀行への経営を左右する事態が生じることも考えられます。このようにして、これはしっぽである代理店が胴体である銀行を振り回すような事態が生じかねないような今回の法案ではどのような措置が講じられ、また金融庁としてどのような検査・監督を行うことを予定しているのか、お伺いいたします。
  323. 三國谷勝範

    政府参考人三國谷勝範君) 今回の改正におきましては、まず、銀行代理店に対して業務指導その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならないこととされております。これに加えまして、銀行関係者に有利な条件で取引を行うことを禁止する、これはアームズ・レングス・ルールと言いますが、この対象に銀行代理店を加える。それから、代理店が自らを利するため銀行に不利な条件で貸付けを行ういわゆる情実融資、これを禁止するなど、銀行の健全性確保のための措置を講じることとしております。  銀行本体及び代理店に対します当局の検査・監督を通じましてこうした措置実効性を担保し、御懸念のような事態を回避してまいりたいと考えております。
  324. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 最後に、沖縄の地域金融機関とそれから代理店制度の関連について再度御確認をしたいと思います。  沖縄県内融資の約三割を沖縄開発金融公庫が、そして約六割を地銀やそれから信金、農協などが担っております。地域金融機関に大きく依存した金融構造になっておりますが、こうした中で、公的資金が注入されている琉球銀行は、経営健全化のために店舗内のATMを削減する一方でコンビニATMを拡大するなど、様々な経営効率化のために努力を行っているところですが、そこで今回のこの銀行代理店制度を利用した新しい店舗戦略が沖縄の地域金融機関、ひいてはその地域金融機関に大きく依存した沖縄経済にとってどのようなメリットが期待できるのか、伊藤金融担当大臣の御見解をお伺いいたします。
  325. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) 今回の改正によりまして、もう重ねてになりますけれども、地域金融機関はその代理店というものを活用して、そして従来の支店網以外に販売チャネル拡大をして新たな顧客を掘り起こしていくことができる、新規開拓を可能にすることができると考えているところでございます。特に、これまで支店を設置することが難しかった地域につきましても低コストで代理店の設置が可能となり、金融サービスへのアクセスを維持拡大することが可能になると考えております。  このような代理店制度を活用して、経営上の有用なツールとして活用することによって、地域の金融機能が向上することで沖縄経済に対しても良い影響が及ぶことを期待をいたしているところでございます。
  326. 糸数慶子

    ○糸数慶子君 終わります。
  327. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  銀行法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  328. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、櫻井君から発言を求められておりますので、これを許可します。櫻井充君。
  329. 櫻井充

    ○櫻井充君 私は、ただいま可決されました銀行法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各会派並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     銀行法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。  一 銀行代理業者参入許可制兼業承認制については、可能な限りその要件を明確化し、透明性の高い仕組みを構築するとともに、代理業者による抱き合わせ販売情実融資等の懸念を払拭すべく、代理業者はもとより委託銀行への監督指導を徹底すること。  一 代理業者が得た情報を顧客の同意なく兼業先で流用することがないよう、顧客情報の適正な取扱いを徹底させるとともに、委託銀行及び代理業者に対する監督指導によってその実効性を確保すること。  一 出資規制、専業規制が撤廃されることにより、一つ代理業者が複数の金融機関代理行為を行うことや多様な金融商品を取り扱うことが可能となることから、顧客への正確かつ十分な情報提供が行われるよう、万全を期すること。  一 代理業者が唯一の地域金融の担い手になるという事態をも想定し、その参入許可、兼業承認の審査に当たっては、顧客サービス顧客保護の充実という観点から十分かつ迅速に行えるよう適切な措置を講ずること。  一 代理業者への参入許可、兼業承認、立入検査などの実務を担う地方財務局等がその行政機能を発揮できるよう、組織、要員等につき、特段の努力を払うこと。  一 今回の改正により、金融サービス販売部門を一般に開放する制度改革が完了し、競争原理の環境が整うことから、引き続き、顧客情報や資産保護の観点を踏まえつつ、幅広い金融サービスを対象とした利用者保護のための横断的な法制・ルールの整備を急ぐこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  330. 山本孝史

    委員長山本孝史君) ただいま櫻井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  331. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 全会一致と認めます。よって、櫻井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、伊藤内閣特命担当大臣から発言を求められておりますので、これを許可します。伊藤大臣
  332. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意をしてまいりたいと存じます。
  333. 山本孝史

    委員長山本孝史君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  334. 山本孝史

    委員長山本孝史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十一分散会