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2005-10-27 第163回国会 参議院 厚生労働委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年十月二十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十月二十六日     辞任         補欠選任      白  眞勲君     下田 敦子君  十月二十七日     辞任         補欠選任      下田 敦子君     水岡 俊一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         岸  宏一君     理 事                 国井 正幸君                 武見 敬三君                 谷  博之君                 円 より子君                 遠山 清彦君     委 員                 坂本由紀子君                 清水嘉与子君                 田浦  直君                 中島 眞人君                 中原  爽君                 中村 博彦君                 西島 英利君                 水落 敏栄君                 朝日 俊弘君                 家西  悟君                 島田智哉子君                 津田弥太郎君                 辻  泰弘君                 水岡 俊一君                 森 ゆうこ君                 鰐淵 洋子君                 小池  晃君                 福島みずほ君    国務大臣        厚生労働大臣   尾辻 秀久君    副大臣        厚生労働大臣  西  博義君    事務局側        常任委員会専門        員        江口  勤君    政府参考人        内閣府大臣官房        審議官      松山 健士君        厚生労働省医政        局長       松谷有希雄君        厚生労働省健康        局長       中島 正治君        厚生労働省老健        局長       磯部 文雄君        厚生労働省保険        局長       水田 邦雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (医療制度改革に関する件) ○無年金在日外国人障害者高齢者の救済に関  する請願(第二二号) ○小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願  (第二三号外六件) ○障害者自立支援法案定率負担導入に関する請  願(第三四号) ○ホームレス対策予算確保に関する請願(第三五  号外一一件) ○業者婦人の健康を守る施策等に関する請願(第  四八号外四五件) ○年金制度を土台から壊す年金改悪法実施中止  、最低保障年金制度実現に関する請願(第一  三六号) ○最低保障年金制度創設に関する請願(第一三七  号) ○障害者生活権を侵害する障害者自立支援法の  制定反対に関する請願(第一三八号) ○男女雇用機会均等法改正に関する請願(第一六  三号) ○原爆被害への国家補償に関する請願(第一六九  号外六件) ○保育制度改善充実に関する請願(第一七〇  号) ○国民医療の拡充、建設国保組合の育成・強化に  関する請願(第二〇九号外四件) ○原爆被害国家補償に関する請願(第二二五号  ) ○年金医療等制度改革に関する請願(第二五  三号外二件) ○緊急の保育課題への対応と認可保育制度充実  に関する請願(第二七一号) ○原爆被害に対する国家補償に関する請願(第三  一三号外八件) ○人工内耳に関する請願(第三六九号) ○原爆被害への国家補償制度化に関する請願(  第三七一号)     ─────────────
  2. 岸宏一

    委員長岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、白眞勲君が委員辞任され、その補欠として下田敦子さんが選任されました。     ─────────────
  3. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長水田邦雄君外四名の政府参考人出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、医療制度改革に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 清水嘉与子

    ○清水嘉与子君 おはようございます。  本日は、短い時間でこの医療制度改革についての御質問をさせていただく時間をちょうだいしましたけれども、この厚生労働省がお出しになりました医療制度構造改革試案、もうたくさんの問題が提起されておりますので、また折を見ていろいろ質疑もしたいと思いますが、今日は本当に限られた時間でございますので、私、在院期間在院日数短縮するということに絞ってお話を伺いたいと思います。  OECD加盟国の中でも、日本人口当たりベッド数の多さ、そしてそのベッド入院している期間の長さというのは非常に日本はもう群を抜いていると言われてきました。二〇〇三年のデータを見ましても、日本が三十六・四、アメリカは六・五、イギリス七・六と、もう格段に差があるわけでございますけれども、しかしそうはいいましても、日本も、これはどちらかといえば診療報酬の点からなんですけれども、実際には在院期間がどんどん短くなってきているのが実態でございます。  この試案を拝見いたしますと、何か所かこの在院期間短縮するということが一杯出てきております。特に、医療費適正化に向けた総合的な対策推進医療費適正化という観点からこの在院期間短縮が取り上げられることに私ちょっと違和感も実はあるんですけれども、しかし、これを拝見しますと、各県にそれぞれ計画作らせて短くするんだというようなことが書いてございます。これ具体的にどういうふうにしてするんでしょうか。まず教えていただきたいと存じます。
  7. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) お答えいたします。  今回の私どもがお示しいたしました医療構造改革試案におきまして、平均在院日数について申し上げますと、国が示します全国目標の下で、各都道府県医療計画等整合性を図る形で医療費適正化計画、仮称でございますが、これを策定することとしてございます。あくまでも医療計画におけます取組というのが下敷きにありまして、その効果医療費適正化計画の方に反映させていただくと、こういう構成を取っているところでございます。  したがいまして、医療計画上の措置と併せてのお答えになりますけれども、具体的に申し上げますと、平均在院日数、二〇一五年におきまして全国平均、ただいま御紹介のありました三十六日と最短の長野県二十七日との差を半分に縮小すると、こういう全国目標を掲げまして、国といたしましてはこの実現に資するように、診療報酬体系見直し、あるいは必要な財政措置等を講ずることとしてございます。  一方、都道府県におきましては、これは医療計画においてでございますけれども在宅等でのみとり、あるいは地域連携クリティカルパス退院ケアカンファレンス推進、こういった地域におきます医療機能分化連携を進めると。それから、病床転換支援を行うということによって平均在院日数短縮を図ることとしてございます。特に、この病床転換支援につきましては、医療保険財源を投入するということを試案において提案させていただいております。
  8. 清水嘉与子

    ○清水嘉与子君 今、一番短い長野県を基準にして、そこに近づけるようにということでございます。いつも厚生労働省がお出しになる国際比較で見ると、さっき申し上げたように、日本は三十六・四、アメリカが六・五というふうに非常に格差があるわけでございますけれども長野県だってこれ平均して二十七・一、アメリカイギリスに比べたら全然長いんじゃないんでしょうか。これでいいんでしょうかということを逆に申し上げたいような気もするんですけれども。  しかし、外国の場合、ナーシングホームだとか長期療養病床が外されている。それから、精神病院は入っているんだというんですけれども精神病院病床がこんなに多いのは日本くらいなもので、全然ほかの国とは差が付いたんだと思うんですね。それをみんな込み込みにして、長いことを誇示するためにこういう数を使っているような気もしてならないんですけれども、もう少し本当に、掲げる目標としては例えば一般病床当たり比較をするとか、こういうふうに少し考えた方がいいんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
  9. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) 平均在院日数の取り方につきましては、様々御指摘もありますし、各国で取り方が違うということもありますし、それからそもそも医療介護ニーズに対してどういうふうにこたえていくかという、そういう考え方の違いということも表れてくるかと思います。  そういう意味で、詳細な分析はできないんで、大きな数値をつかむという意味で現在の数字をお示ししているわけでありますけれども、ただ、中身についてよく精査をするようにという御指摘と受け止めさせていただきたいと思います。
  10. 清水嘉与子

    ○清水嘉与子君 それで、先ほど、今でも在院期間がどんどん短くなってきているということを申しました。この短くなった医療現場で一体どんなことが起きているか、大臣、御存じでしょうか。最近、若い看護師がどんどん辞めてしまうって、私も全国を歩いてみるとそんなふうにみんな聞くものですから心配をしていたんですけれども日本看護協会が調べましたところ、昨年、新人で入った人が一年間のうちに九・三%辞めてしまうと、こういうデータが出ております。これは全部合わせてみると、もう看護学校百四十校分くらいだというんですね。  これ、何でこんなに辞めてしまうのかということなんですけれども在院期間短縮ということは、つまり重い人、重症の人が残って、残っているというのは当然のことですけれども、重くなる方が多いわけですよね。行われている医療のもう本当に複雑多岐にわたっているということで、学校で勉強してきた、学校ではそんなに、何といいましょうか、本当に患者さんのニードがどういうところにあるのか、患者さんを受け持ってどういうふうに看護をすればいいのかということを一生懸命勉強してきたわけですけれども、臨床へ来てみたら、そんなこと言っているゆとりがあるわけじゃなく、もう大変な思いをしているわけで、そういう中で、本当に自分が仕事しながら、医療過誤を本当に今日起こすんじゃないか、明日起こすんじゃないかということを心配しながら仕事をしている。とてもとても、リアリティーショックといいましょうか、大変な状況になっていて、とても続かないといって辞めてしまう人が多いというんですね。  これは別に新人だけでは実はないわけでして、現に、ベテランの看護師であっても、本当に今行われている医療現場での重症方々へのケア、必要なケアをするために、いろんな医療過誤の問題、今、医療過誤が、というか、ヒヤリ・ハット過誤まで起きないけれどもヒヤリ・ハットというのが今各現場から出てくるわけですが、その八〇%はやっぱり看護師にかかわる問題なんですよね。そういうことを考えますと、これはちょっとやはり問題じゃないかと。  さっき、日本ではベッド数が多くて、そこに入院している人が長いんだということを言いましたけれども、もう一つ特徴は、そこで働いている人がいかに少ないか、外国に比べていかに少ないかというのが一つのまた大きな特徴でもあるわけでして、こちらの方の改善をちっともしていかない。在院期間だけ短くしながら働く人を増やしていかない。これはやっぱり、こういう今の起きているような現状がもっと広がっていく原因にもなるんじゃないかということをやっぱり心配するわけでございます。  今、医療法基準入院患者三人に一人の看護師置きなさいというふうになっています。三対一、何かいつも三人に一人の看護師さんがいるみたいな錯覚を起こしちゃいますけれども、実はその人たちが三交代をしているわけですから、じゃどういう状況になっているのか。例えば四十床の病院にその三対一にいきますと十三人くらいいるわけですけれども、その人たちが三交代いたしますと、夜中はもう一人くらいになっちゃうんですね、一人。そうすると、その人たち夜中四十人を一人で見るなんてとんでもないことになります。二人で見ても二十人に一人は見なきゃいけない。  しかし、診療報酬の点では、診療報酬の面では、今二対一まで、そこまで置いたところにはそれなりの看護料を払ってくれるということになっているわけですけれども、二対一、二対一でじゃ十分なのかと。十分じゃないわけですね。二対一だと、四十床なら二十人要るわけですけれども、これでもやっと二人夜勤ぐらいですよね。二十人に一人という状況になっているわけです。  今、全国看護師たちからもう悲鳴上がってきて、これを何とかしてほしい、せめて今度の医療費改定で一・五対一ぐらいまでしてほしい。一・五対一っていったって、これどうなるのか。これ計算してみましても、少なくとも夜、夜というか、夜勤ですね、十人に一人ぐらいの看護師さんがいるようにしてほしい、そして、一・五にすれば何とかなると言うんですけれども、これだとて月八日の夜勤はとてもできないです。もう九日とか十日とか長くなります。  というようなことで、せめて十人に一人くらいの看護師を、少し我慢するからせめて一・五くらいにしてほしいという要望がございますけれども、これはいかがでしょうか。
  11. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 安全で質の高い医療を提供いたしますためには、適切な看護体制を整えることが重要でございます。これはもうお話しのとおりでございます。  そこで、従来より、平均在院日数も考慮いたしまして、お話しございましたように二対一看護あるいは二・五対一看護といった医療法上の配置基準を上回る看護体制診療報酬において評価をいたしているところでございます。看護職員配置につきましては、平均在院日数短縮化しておりますこと、また、医療機関における実際の看護職員配置が手厚くなってきております。  そういった実態を踏まえて、御指摘の点、今日もいろいろございましたけれども、そうしたことも含めまして、適正な評価の在り方については総合的に検討してまいらなければならないと考えておるところでございます。
  12. 清水嘉与子

    ○清水嘉与子君 大臣のお言葉ですけれども、総合的に考えなきゃいけないということなんですけれども、具体的にやっぱり来年の改革のときにその事情を少しでも前進しなければ、やっぱりやっていけない現状がもう来ているんだと思うんですね。その辺を是非改善をしていただきたいと、大臣、もう一言言っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
  13. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 平成十六年七月現在で、一般病棟入院基本料を裁定いたしております医療機関のうちで既に一割以上では、先ほど言っておられました現行の基準でいう一・五対一よりも手厚い看護職員配置が行われておるところであります。そういう実態もあるということを改めて申し上げました。当然、来年の医療制度改革の中で、私どもとしてはこうした実態も踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えております。
  14. 清水嘉与子

    ○清水嘉与子君 ありがとうございます。  先ほど来、三対一とか二対一とか二・五対一とか、これは本当に分かりにくいんですよね。病院に入られた患者さんからしても、一体この病院看護って十分なのか十分でないのか、二・五対一ならいつもいるのかというようなふうにとても分かりにくいと思いますので、この辺も是非、夜間にはちゃんと十人に一人の看護師がいて、あなたのお守りしますよというような、きちんとした分かりやすい表示ができるように、是非これも工夫していただきたいというふうに思っております。実は、十人に一人なんて言っても、本当言うと十人に一人でもとてもできない現状がたくさんあるということもお知りおきいただきたいと存じます。  ところで、その在院期間短縮することによって、それいいことばかり、患者にとっていいことばかりなのかどうかということを一つお伺いしたいわけです。  アメリカ在院期間がさっき言っているように大変短い。私も先日、アメリカ心臓移植をした男の方からお話を聞きましたら、とにかく移植してから五日目にもう退院だというんですね。とても日本では考えられないことなんですけれども、しかし、退院するといっても、これ社会復帰できるわけじゃありませんで、病院の前の、まあ、どこかホテルに移って、そこから通ってくるような医療をやっているわけですよね。で、日本の皆保険制度、一体どこまで見てくれるのかという問題でございます。  ここに川渕孝一さんが書かれた「日本医療が危ない」という本があるんですけれども、この中に面白い例が書いてありました。大腿骨頚部骨折入院して、人工骨頭置換手術を行った百十四例の方、これ四つ病院に入っていらっしゃるんですけれども、その四つ病院でどういう違いがあるのか調べたというんですね。そうしましたら、在院期間が、平均してですけれども、九十二日から二十日まであったと。これだけ差がある。それから、医療費についても、三十一万三千五百八十九点から十二万三千七百十八点、ここまで差がある。そして、歩行のレベル回復をしたかしないかというのを見ますと、二七%のレベルアップをしたところから、四七%レベルダウン、前より悪くなったというところまであった。レベルダウンしたところ、その病院を見ますと、確かに一番在院期間が短く、そして医療費も安かったというんですね。だけど、これで本当に患者にとっていいのかという問題提起だと思います。  私は、在院期間短縮が本当にどこまでできるのか。まあ、これから厚生労働省は各県にお任せして、短く、短くとおっしゃると思いますけれども、一体どこまで本当に患者の立場から立ったときにそれができるのかということを、やっぱりもうちょっと、このごろEBM、一生懸命おっしゃっているわけですので、科学的なデータに基づいて検証していただきたいというふうに実は思っているわけでございます。  私も、こういうことはやっぱり看護がやるべきじゃないかということで看護職方々に言うんですけれども、なかなかこれは医師とのかかわりもあって、医師と一緒にやらなきゃできないということを盛んに訴えられるんですね。ですから、これはどこか地域を限ってでもいいですし、地域在宅医療なんか非常によくやっているようなところと提携しながら、本当にどこまでで退院させられて、そしてそれをどうやって受け止めて治療をすることが患者にとって本当に幸せなのか、そして医療費の点からでもそれがいいのかというようなことをやはりもうちょっと具体的に調べていただきたいというふうに思うんですけれども、こういうアイデア、いかがでしょうか。
  15. 松谷有希雄

    政府参考人松谷有希雄君) 御提案申し上げております来年の医療制度改革の中で医療計画制度見直しも入れてございます。その中では、地域医療機能分化連携推進して、地域において入院から在宅まで切れ目のない医療流れの構築を図ることによりまして、患者さんの生活の質の向上を図り、また総治療期間を短くすることを基本的な考え方として、脳卒中、がん、小児救急医療などの主要な事業ごと医療連携体制を構築することとしているところでございます。  こうした取組によりまして、退院後も必要な医療切れ目なく受けられる体制が整備されていくというふうに考えておりますが、この医療連携推進していく手法として、病院内だけではなくて、地域医療機関がそれぞれ連携をする地域連携クリティカルパス、まあ、地域連携パスとも言うべきものの導入推進していくという考えでおりますけれども、この地域連携パスは、急性期病院から回復期病院を経て在宅まで診療計画をすべての医療機関で共有をして、また内容といたしましても、診療ガイドライン等に基づいて施設ごと診療内容達成目標等診療計画として明示をするものでございまして、インフォームド・コンセントの充実診療標準化透明化向上、そして、先生指摘根拠に基づく医療EBMと言っておりますが、その実施などの効果も期待できるというふうに考えております。  さらに、根拠に基づく医療EBMにつきましては、厚生労働科学研究費によりまして、その考え方を踏まえた診療ガイドライン作成支援するとともに、これらのガイドラインを含めまして質の高い最新の医学情報データベースとして整備して、医師向け、患者向けにインターネットを通じて情報を提供する事業を行っているところでもございます。  入院期間は、医師がそれぞれの患者さんの病態に応じて適切に判断すべきものであることはもちろんでございますが、今申し上げましたような根拠に基づく医療EBMに基づく診療ガイドラインがその判断の一助となるというふうに考えておりまして、今後もその作成支援して、更なる普及に向けて、作成手法研究等も進めつつ充実を図っていきたいと考えております。
  16. 清水嘉与子

    ○清水嘉与子君 ありがとうございます。  私も診療ガイドラインというのを幾つか見せていただきましたけれども、それがやはり医療機関の中だけでなくて、それがやはり在宅というか、患者さんを中心に考えれば、病院から地域に、そして社会復帰できるようなところまでずっとこう流れていかないといけないわけです。そちらの方がちょっとまだ抜けているんじゃないかという気がしてなりません。  それから、在院期間短くすれば当然のことながら医療ニーズの高い方々地域にどんどん出ていらっしゃるわけですので、今までも随分、病診連携の話でありますとか、かかりつけ医の話でありますとかいろいろ出てまいりましたけれども、実際にそれが進んでいないというのがとっても残念なことでして、そういう中でまた歯科医の方、あるいは薬剤師方々みんな、かかりつけ医歯科医かかりつけ薬剤師、そして看護師も、訪問看護ステーションなんというのも出てきたわけですので、本当にそれをもうちょっと活性化できるように、ちっとも私は看護師が、ほとんどが日本の場合には、病院とか診療所とかそういう医療機関の中で働いている姿というのは、やっぱりちょっとこれからは違うんじゃないかと思うんですね。この少子高齢社会の中で、もっと在宅で過ごしたい、あるいは最後をやっぱり在宅で送りたいというような方々がたくさん出てくるわけですから、それに対してやっぱり備えがなければ、ただただ出なさいと言ったんでは、今行われているように病院たらい回しにされてしまうという結果になりかねないんじゃないかというふうに思うんですね。  最後に、時間もありませんけれども、特に訪問看護ステーションがどうしてこう伸びていかないのか、もうちょっと増やす方法、今度の計画の中でございましたら教えていただきたいと存じます。
  17. 松谷有希雄

    政府参考人松谷有希雄君) 先生指摘のとおり、病院から在宅患者さんの流れができますと、居宅あるいはそれに準ずるところで医療を必要とする患者さんが増えることになろうかと存じます。  そのための一つの手段として訪問看護がございます。お年寄りだけに限らず、重病の方等につきましても訪問看護ができるように、まあ俗に訪問看護ステーションというものができてございまして、制度ができて以来、相当に整備は進んできてはおりますけれども、まだまだこれから進めていかなければならないというふうに思っております。これは介護、医療両面の施策が必要でございますが、来年の改革の中ではこれらの面も含めて検討していきたいと考えております。
  18. 清水嘉与子

    ○清水嘉与子君 ありがとうございました。終わります。     ─────────────
  19. 岸宏一

    委員長岸宏一君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、下田敦子さんが委員辞任され、その補欠として水岡俊一君が選任されました。     ─────────────
  20. 中原爽

    ○中原爽君 自由民主党の中原でございます。  早速ですが、今お手元に配付資料をお配りしております。四枚ございまして右下に番号が振ってあります。一番ですが、左の上をごらんいただくと(参考)となっておりまして、これは、厚労省の方で医療制度構造改革試案、お出しになりました二十一ページをそのままコピーしてきました。上の段のところは、経済財政諮問会議が提案されております名目GDPの成長率に人口動態のものを掛けたというものでありまして、これで医療費を抑制すると。それに従いまして厚労省の方で仮に計算をされたという表になっております。  それから、下半分のところは、アイウエオがありますが、エのところで保険免責制の創設。これは厚労省でお考えになっている部分かとは思いますけれども、それの内容が表の方に出ておりまして、外来一回受診千円と五百円の例示がございます。それでマイナスの三・二兆円とか、そういう計算が成り立つと、計算で出てきたという資料になっているわけであります。この二つのことについてお尋ねをしようと思います。  配付資料の二の方でありますけれども、二番目の配付資料でありますが、これが、GDPというのは名目と実質と両方あるわけでありまして、そのうち実質のGDPが計算式が変わりました。以前というのは、去年までは、去年の暮れまでは、実質の計算式は、一九九五年を基準年度に取りまして、それからこの実質の計算を毎年やってきたわけですけれども、もう十年もたっているということでありまして、こういう一九九五年を固定基準年度にしたという方式は今採用されなくなりました。アメリカイギリスもカナダも、こういう方式じゃなくて、毎年、前年度を基準にしてこの実質のGDPを計算するという方式で、これは連鎖方式でありますけれども、そういう方式に変えたわけであります。日本も昨年の十一月ごろからこれを採用すると。一九九五年の基準年度は廃止すると、こういうことになっております。  それで、この上の数字が並んでおりますところは、これは内閣府でお出しになった国民経済計算の中から私が打ち変えたものでございます。したがって、実質のGDP、右側の方は数字を現在の方式に改めて作ってみました。ごらんいただきますと、左が名目で右が実質であります。一番下の二〇〇四年を見ていただくと、名目が五百五兆円、実質の方が五百三十二兆円。それからさかのぼって見ていただきますと、いずれも実質のデータの方が数値としては大きいわけであります。したがって、この名目を実質で割りますと、これが一より大きいか少ないかということになるわけですが、これ少なければその経済はデフレであるということになるわけです。  これ見ていただくと、全部デフレの状況が続いているということが分かります。そうすると、先ほどの、諮問会議で計算式をお作りになっているわけですが、名目GDPの成長率、これを使って医療費総枠を抑制しようということをおやりになるわけなんですが、どうして名目を使うのか。GDPというのは実質もあるわけですから、実質を使うべきなのか、名目を使うべきなのかということは、私はちょっと疑問に思うんですね。どっちのデータの方が有利なのか。有利と言うとおかしいんですけれども、数字が違ってくるはずですから。ここのところはどうなっているんだということをまずお聞きしたい。これが一つ。  それから、次の三ページ、三番でございますけれども、ちょっとごらんいただきたいと思うんですが、三番の一番上のところ、数字の1でマクロ指数の提案ということがございます。で、計算式があります。給付の伸び率イコール名目のGDPがあって、全人口の、前年度の人口で六十五歳以上の増加率を割ると。ただし、ここには掛ける二分の一というのが付いているわけなんです。  ここには括弧の注ということが書いてありまして、その注のところは、社会保障給付費八十四兆円、二〇〇二年の実質の実績であると。このうち約半分を占める年金四十四兆円は、マクロ経済スライドの導入で名目GDPの伸び率に給付が抑制されているため、ここで残りの給付費を対象とする意味で二分の一にしたと。要するに、二分の一掛ける。全体で八十四兆円あるんだけれども、その半分の四十四兆円が年金だと。年金はこの前大騒ぎをしてマクロ経済スライドを掛けたと、こういうことになっているわけですね。  マクロ経済のスライドで出てくる数字というのはGDPそのものですから、それを掛けたから、だからそこの年金だけはGDPがもう既に掛かっているというわけですよ。だから、八十四兆円の半分の四十四兆円は差っ引くということで二分の一を掛けると、こう説明してあるわけです。これは四月二十七日の説明なんです、諮問会議で。出典は財政諮問会議の四月二十七日の有識者議員が提出した資料であり、明らかに二分の一ということはここでうたってある。  ところが、先ほどの資料の一でごらんいただいたように、厚労省で計算されたのはこの二分の一が掛かっていないんです。どっかで二分の一が消えちゃったということになるんですね。それ大きいですよ。年金を加算するのか、年金を差っ引いて計算するのかで数値が違ってくるわけだから。じゃどうして二分の一、四月は二分の一だった、十月になったら二分の一なくなっちゃっている、これはどういうことだということになります。  資料の三ページをごらんいただきたいんですが、これが十月の四日にお出しになった経済財政諮問会議の配付資料、十七年の十月四日、医療制度改革について牛尾さん方の四人の連名で、これはもう経済財政諮問会議のメンバーの方でありますけれども、お出しになった別紙の1というやつですね。  これ横にしてごらんいただきますと、注の1、注の2、注の4というのがあるんですね、注の3、注の4があります。それで、注の4をごらんいただくと、高齢化修正GDPの伸び率イコール名目のGDPの成長率プラス六十五歳以上の人口の増加数を全人口の増加数、前年度で割ったと、こういうことになって、二分の一はくっ付いてないと、ここには。どこへ行っちゃったのということですけれども、その下のところに説明書きがあるんですね。平成十七年四月二十七日諮問会議では、社会保障給付費全体に適用すべき高齢化修正GDPを提案したと。これと整合的な医療給付費に係る高齢化修正GDPは上記のようになる。何の説明だか分からない、これは。二分の一をどうしたということが書いてない。  恐らく、二分の一の計算式はやめたと。それで、上の二分の一を取った計算式にするという意味でこの注の4が書いてあるんだろうというふうに想像できるわけですね。そうしか読み取れない。それじゃなきゃ何でこんなものを入れるか。これと整合的な医療給付費に係る高齢化GDP、上記のようになる、で、二分の一は取れてる、こういうことになっているんですね。どうしてこうなるのか説明してほしい。  もう一度申し上げますと、経済財政諮問会議は最初、四月の時点で、年金分の四十四兆円、これを差っ引くという意味で二分の一を掛けた。そのことについては、九月の九日の日に、これは本間さん、諮問会議の委員である本間教授が某所で講演をなさっているんですね。  そのときにどういうふうにおっしゃっているかということなんでありますけれども、いろいろ発言をされているわけなんですね。某経済保障関係の業界誌十月三日号に出ております。本間教授が都内の健康保険組合の役員を対象として講演をなさったと。そこに、四月二十七日には新しいマクロ指数を提案している高齢化修正GDPというもので、これは社会保障給付費の伸び率を名目GDPの成長率に全人口に占める高齢者割合の伸び率、パーセントを二分の一だけカウントしたものだと、こういうふうに講演でおっしゃっているんですね。  だから、九月の時点までは二分の一残っていた。ところが、十月四日になったら、先ほどの配付資料の3のように、二分の一は消えちゃったということなんですね。このことを説明していただきたい。  すなわち、何で名目のGDPをお使いになって実質をお使いにならないのか、これが一点。それと、二分の一が消えてしまったのはどういうわけだと、これをお尋ねしたいと。
  21. 松山健士

    政府参考人(松山健士君) ただいま御質問の点でございますけれども、経済財政諮問会議の有識者議員、高齢化修正GDPという考え方を御指摘のとおり提唱をされております。  まず初めに、実質GDPではなく名目GDPを用いる理由という点につきまして御説明をいたしますけれども、高齢化修正GDPを用いておりますその趣旨でありますけれども、これは医療費について申し上げますけれども医療費であれば、医療費を負担することが可能かどうかの尺度としてその所得の伸びをまず考えると。それに高齢化の進展度合い、これが当然医療費の伸びを高めるということで、その高齢化の進展度を加えて考えるという考え方でございます。そして、その所得の伸びの具体的な数値としまして、先生指摘のとおり、実質GDPではなしに名目GDPを用いていると。  その最大の理由は、医療について考えますと、医療給付費というのは通常、名目のものとしてとらえられる、表されるということでございまして、例えば千円の医療給付が行われると、これは現在の価値で千円ということでございますので、この名目の数値である医療給付費を持続的に負担していくことが可能かを測る尺度としての所得、これは実質GDPではなしに名目GDPを用いると。そういう考え方を取っておるわけでございます。  それから第二の点でございますけれども、諮問会議の民間議員が四月に使われました高齢化修正GDPのその式とそれから十月に提案されたときの式が異なるという点でございます。  この点でございますけれども、本年四月に民間議員が提案をいたしました高齢化修正GDPは、対象が社会保障給付費全体を対象としております。すなわち、八十数兆円の社会保障給付費全体を対象とするときに、その全体の半分を占める年金、四十数兆円でございますけれども先生指摘のとおり、これにつきましては既にさきの改革で給付の伸びが名目GDP並みの範囲に収まると、そういう見通しを持っておるわけでございます。  そして、残りの半分、これは医療ですとか介護その他でございますけれども、これは大体四十兆円程度というふうになるわけですけれども、これにつきましては名目GDPの伸びに高齢化の進展度を上乗せして考える必要があるというふうに考えておるわけでございます。  そのように考えますと、社会保障給付全体として見ると、その伸びは名目GDP伸び率に高齢化の進展度の二分の一を加えるということになろうかと思います。  少し例示をさせていただきますと、例えば医療関係、医療、介護その他につきまして、これは四十兆円というふうに簡単に仮定いたしますと、これが一%増加すると、高齢化の要因で一%増加するといたしますと、これは四千億円の増加となると。ところが、これは社会保障給付費全体、八十兆に対してどれだけ増加をしているかということになりますと〇・五%ということで、伸び率は二分の一になるというふうになるわけでございまして、両者は整合的であるというふうに考えております。  以上でございます。
  22. 中原爽

    ○中原爽君 お答えいただきましたけれども、結局、医療費の算定は名目GDPで計算した方がいいんだと、計算するというか出した方がいいと、一言で言ってしまえばそういうふうなお答えだと思うんですよ、最初の質問については。でも、名目のGDPというのは何の修正もしないでその年の、その一年間の時価を、日本の国内の経済が生み出した付加価値の総数を言っているわけですよね。ですから、それが医療費は名目でやった方がいいんだという正式な答えにはならない。やはり実質のGDPで、物価指数で調整をしたという方が私は正確だと申し上げているわけです。これが一つ。  それからもう一点は、四十四兆円の年金を差っ引くか差っ引かないかの話になるんですけれども、差っ引いた、四月に差っ引いた式で二分の一を掛けたのは間違いなんですよ、結局は。それじゃなきゃ、この資料の中に出てくる四ページの、配付資料の四ページで棒グラフがありますよ。これ医療給付費の見通しになっているわけですね。これは年金も加えた八十四兆円で計算しているんでしょう、これ。だから、四月で二分の一を掛けたら間違いだというふうに私は申し上げている。  あと残り時間何分もありませんので、今度は厚労省の方にお願いしたいと思うんですが、先ほど一番の配付資料でお話ししましたように、医療制度改革試案の中で、厚生省マターのお話かどうか分かりませんけれども、保険の免責制度の創設をおやりになるということで、外来一回千円あるいは五百円で計算をされたと。機械的計算の方法で計算したというふうに表現なっておりますけれども、それで、千円免責ということだとマイナスの三・二兆円が出てくると、こういうような表になっているわけですが、概略、どういうことで三・二兆円がその免責にかかわって出てくるのか、概略だけで結構ですから、どんなことで計算しましたという本当の大まかなことをお答えいただきたい。  それから、先週も質問がございましたけれども、この免責制度というのが、現在の健康保険法の被用者の七割給付、すなわち三割負担と、そういう制度になっているわけですが、この免責が現在の保険制度医療制度との整合性が図られているのかどうか、このことについてもう一度確かめたいと。  この二点、お願いいたします。
  23. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) お答えいたします。  まず、保険免責制を仮に導入した場合、機械的試算の根拠ということでお尋ねでございます。  これは、仮に外来受診一回千円といたしますと、現行制度におきましても自己負担は三割でございますので、実質の負担増は七百円と、受診一回につき七百円と、こうなります。三割負担だけじゃなくて一割、二割の方もおられますので、それらを考えますと、平均的に見ますと外来受診一回当たり八百円の負担増になるものと計算されます。この額に受診日数の総数を乗じたものが、これが自己負担の増額の総額でございます。これが現時点でいいますと約一・五兆円、医療費の約五%の規模と推定されるわけでありまして、この五%程度の影響があると、これを基に試算を行っているところでございます。  もう一つの要素といたしましては、一般に患者負担が増加をいたしますと医療費の水準が縮減すると、こういうことは経験的に知られておりますので、この効果を見込んだ結果といたしまして、この参考でお示しした、二〇一五年度に三・二兆円、二〇二五年に四兆円の給付削減効果があると、このように計算をしたところでございます。一回当たり五百円という場合につきましては今申し上げたものの半分強の財政影響があると、このように推計をしているところでございます。  それからもう一つ、免責制についてどう、現在の健康保険法の規定との関係、整合性についてどのように説明するのかということでございますけれども、正に私ども平成十四年の健保法改正附則で、「将来にわたり百分の七十を維持するものとする。」という規定があることはもう承知をしてございます。私ども、こういった趣旨を踏まえて十分かつ慎重な議論が必要であると、このように考えてございます。
  24. 中原爽

    ○中原爽君 終わります。ありがとうございました。
  25. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。限られた時間ですので、早速質問に入りたいと思います。  今日は、本題に入ります前に一つだけどうしても大臣のお考えをお尋ねしておきたいということで、冒頭にお願いをいたします。  一昨日、ハンセン病補償の問題で東京地裁で二つの判決が同時に出されました。もう新聞で御存じのとおりであります。詳しい中身は省略をしますが、ハンセン病補償法に基づいて補償金を申請をしている、しかし厚生労働省が不支給ということで、その取消しをしてほしいと、こういう訴訟であります。  二つの判決が随分結論が違うということもあってマスコミでいろいろ問題が指摘されているんですが、ただ、いずれの判決も、立法の趣旨は国の強制隔離政策に基づく関与による被害者に対して幅広く救済しようとするものであるということは認めている。戦前に日本の統治下で設置された療養所を法律の適用対象に含めることは是認をしているわけであります。ただ、どうも告示の解釈が違うようだということも指摘されております。  そこで、この際、大臣是非御決断をいただきたいと思うんですが、方法は二つあると思います。一つは、台湾の場合の判決に従って告示の対象に韓国の小鹿島病院も含むという判断をするのか。それとも、そうでなければ、告示そのものの内容を変更をして、台湾も韓国の例も両方含むように変えるのか。どちらかの対応を是非決断いただきたいと、こう思います。この点について大臣のお考えをお聞かせください。  なお、この問題は国会の責任も多々あるというふうに思っています。場合によっては私たちも、更に国会という立場でこの問題についてどう解決をしていくのか検討する必要があるという問題意識は持ちながら、しかし是非大臣に御判断をいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
  26. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今お話しいただいた件でございますが、一昨日、東京地裁で判決が言い渡された二件の訴訟でございます。いずれも、戦前、日本が韓国、台湾に設置いたしましたハンセン病療養所の元入所者の方々が、ハンセン病補償金の支給請求を棄却をいたしました厚生労働大臣の処分の取消しを求めておられたものでございます。  そして、今お話しいただきましたように、今回の判決では、韓国のハンセン病療養所であります小鹿島更生園の元入所者の皆さんが原告でございます訴訟につきましては、海外の療養所が当然には補償の対象となるものではないとして国の勝訴になりましたけれども、台湾の療養所であります楽生院に係る訴訟については国の敗訴という結果になりまして、同様の争点であるにもかかわらず、全く司法判断が分かれたところでございます。  そこでまず、訴訟でございますので、この訴訟についてどう対応するかということがございます。このことにつきましては、判決の内容も更に検討しなきゃいかぬと思っておりますし、関係省庁とも協議をした上で対応は決定をしなければなりません。対応を協議いたしますことにいたします。
  27. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 この場での即答は避けられたわけですが、こういう二つの判決が出たときに、やはり行政としてぎりぎり何ができるかということは是非お考えいただきたいというふうに思いますし、また、残される課題があるとすれば、国会の場でいろいろ検討すべきであろうというふうに、そういう問題意識を持っているということを併せて申し上げて、大臣の方、厚生労働省としても検討をお願い申し上げたいと思います。  それでは次に、本題に入ります。  医療制度構造改革試案について、このように早速集中的な審議を設けていただいたこと、委員長に感謝を申し上げながら、今日のところは幾つか骨格的なところでお尋ねをしていきたいというふうに思っています。  その中身に入る前に、まだ私どうも、この一週間いろいろこの医療制度構造改革試案というものを繰り返し繰り返し目を通してみたんですが、いま一つ腑に落ちない点があるんです。  といいますのは、目次をごらんいただくと分かると思うんですが、大きな一番に基本的な考え方を書いてあって、大きな二番に試みの案、「試案」というふうに書いてある。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴと課題が整理してあって、Ⅵ番のところに施行時期についてまとめてある。だからここで試案は終わるのかなと思ったら、最後のところに「総括 医療費適正化方策について」と、こう出てくる。これがよく分からない。厚生労働省として医療制度構造改革試案というふうにまとめられたものは、そうするとこの施行時期までなのかなと。総括というのは一体何なんだろうということがどうも腑に落ちないんです。  見てみると、その総括の中には各方面からいろいろ提案がございましたという書きぶりになっている。何かこの試案最後のところで盲腸のようにくっ付いているというか、虫垂のようにくっ付いているような感じがしてなりません。言い方を換えれば、この総括のところで示されている中身も含めて厚生労働省は提案しているのかどうか、ちょっとこの構成についてもう一遍お尋ねしたいと思います。どうですか。
  28. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今回の試案におきましては、生活習慣病対策でありますとか長期入院対策等の中長期的対策を講じますとともに、高齢者患者負担を見直すなど短期的方策を組み合わせることにより、医療費適正化し、医療保険制度を持続可能なものとするということで大きくは御提案申し上げておるところでございます。  今お話しになりましたこの総括というふうに述べております各方面からの提案でございますけれども、このうちの①の前期、後期とも高齢者患者負担を二割とする案につきましては、高齢者患者負担を後期高齢者一割、前期高齢者二割へと見直す本案に対する、先にこれを言っておりますので、私どもの本案の中での提案でそう言っておりますので、別案としてこれを併記しておるということでございます。ここの部分はそういう意味であります。別案として述べておりますということを今申し上げたところであります。  一方で、②にございます保険免責制の創設でございますとか、診療報酬の伸びの抑制につきましては、これは経済財政諮問会議等から御提案があったものでございまして、この試案を出させていただきましたときに申し上げた、国民の皆様方の御議論いただくそのたたき台として試案として出しましたということを申し上げた正にたたき台でございますから、国民の皆様方の御議論に供するために、各方面からの提案も含めてここで述べておるわけでございます。  ただ、そういうふうにして各方面からの御提案でありますけれども、その際の財政的な試算というのは私どもなりに計算をいたしまして、併せてお示しはいたしております。
  29. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 分かりにくいんですよね。私は、むしろもう、厚生労働省としての提案と、参考としてこういう提案もあったというふうにくっ付けた方がいい。総括というと何か全部をまとめてこうですというふうに読めちゃうんですよね。だから、ここはちょっと誤解というか理解をしにくい提案の仕方になっているということをあえて指摘しておかなければいけません。私は、そこのところは注意深く読み分けながら今後の議論をしていきたいと思っています。これが第一点。  それから第二点は、医療制度構造改革と銘打っているわけですから、そうすると、それはただ単に、健康保険で負担と給付がどうなるかという話、言わば金目の話だけじゃなくて、あるいは中医協を中心に進められている診療報酬の改定の話だけではなくて、医療の質というか中身というか、これをどう改善していくのかということが大事だということを先日も申し上げました。お答えをいただいたんですけれども、どうも答えぶりが医療計画でどうのこうのという制度の説明に終始していたんで、もう一度お尋ねします。  次の国会に提案をしようとしている医療制度構造改革というのは、医療制度全体の抜本的な改革、それは単に財政問題にとどまらず、医療の質の問題を含めて、あるいはより良質で効率的な医療提供体制の確立ということも含めて求められていたはずだと私は思う。  考えてみると、今、安心の医療とか、安全の医療とか、納得の医療とか、こういうふうに言われるわけですけれども、おかしな話ですよね。医療を、不安の解消を求めて医療を求めていくのに、逆に医療から不安をもたらされるという、これ実に情けない話なわけで、このお金の問題と同時に、質の中身の改善をどう図っていくかというのはやっぱり非常に大事だと思う。そこが見えない限り、またただ単なるお金のやり取りというかやりくりの話に終わってしまう。これではいけないと思うんですが、この点もう一度大臣お答えいただけませんか。
  30. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今御指摘いただいたことは私も全くそのとおりだというふうに思っております。  十月二十四日の朝、月曜日だったと思いますけれども、経済財政諮問会議と、それから社会保障を一体的に見直す有識者会議、懇談会と言っていますが、有識者懇と言っております、この両者の意見交換会がございました。私どものこの試案もその際に御説明を申し上げ、その両者の間の御意見の交換、御議論もあったわけでございます。  私に最後に、私は聞いております立場でありましたけれども、何かあるかというふうに言われましたので、強調して申し上げたのも今のことでございました。私どもは、まず国民の皆さんに質の高いより良い医療を提供をさせていただく大きな任務を負っておる、まずそのことがある。そして、質の高い医療を提供して、そのことが医療の効率化を生み、そして医療費の抑制につながる、これが一番望ましい形だと思っておりますということを強調をいたしました。正にマクロからかミクロからかという議論にもなるわけでございますが、私どもの哲学はそうでありますということを申し上げたように強調をいたしたところでございます。  したがいまして、今先生も御指摘になっておられるように、今度の医療制度改革が金の話から始まって金の話に終わるといったような理解をされたら、これは国民の皆様方には決していずれにしても御理解いただけないと私も思っておりますし、そういうふうな理解のあることを大変心配いたしておりますので、そうではないんだということは、これは絶えずまずそこから話をして御説明をしなきゃいけないというふうに思っておりますということは、もう先生の今のお話のとおりだということを申し上げたところであります。  そして、今度の試案の中にもそういうことを述べてはおるつもりでございますが、具体的にどう述べておるということは今日のところお答えは申し上げませんけれども、まず先生の大きなお立場でのお話でございましたから、私も以上のお答えにさせていただきたいと存じます。
  31. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 今日はちょっと細部にわたることはあえて避けますので、是非大臣の方でもきちんと国民の皆さんに、あるいは患者さんに、こういうふうに医療が変わるんですよ、変えなきゃいけないと、だから、そのためにこういう法律を変えて、こういう制度をつくって、皆さんのお手元にこういう質の良い医療を提供したいと思っているというものをきちんと説明できるようにならないといけないというふうに思います。  改めて私は、今医療の問題を考えるときに、キーワードとして安心とか安全とかいう言葉が使われること、実に情けないことだと思うんですね。本来であれば不安を少しでも和らげるための医療でなきゃいかぬし、生命の危険を言わば良くするための医療でなきゃいかぬのに、医療がかえって不安を生んでいる、医療がかえって危険を増やしているということは実に情けないことだと思う。是非、そういう観点をくれぐれも強調しておきたいと思います。  さてそこで、そのこととも絡んで三番目の問題、改革の基本方針のところでこんなふうに書いてあるんですね。制度の持続可能性を維持するため、医療費適正化実現し、医療費を国民が負担可能な範囲に抑制すると、こう書いてある。その次に、言わばそれを具体化するためにということの幾つかの中の一つとして、医療費適正化の方策として、公的医療給付費の伸びを直接的に抑制する短期的な方策があると、こう書いてある。  私は、つい読み間違った、短絡的というふうに読み間違った。まさしく短絡的な発想ではないのか。確かに、国民の公的負担を余りに過大にならないようにするということは必要だけれども、国民の公的負担を抑制すればするほど、患者さんの私の負担、私的負担、患者自己負担はいや応なしに増えるんですよ。だから、直接的に給付費の伸びを抑制するといった途端にどんどん患者の負担、私的負担は増えていく。こんなことで本当に公的医療保険なのかと言いたくなるわけです。この改革の基本方針のところで私まずつまずいちゃったんですが、この点どう説明しますか。
  32. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 私どもがこのたび御提案申し上げておりますのは、今お話しのように、制度の持続可能性を維持するため、医療費適正化実現し、医療費を国民が負担可能な範囲に抑えるということを言っておるわけでございます。そして、その進め方として、中長期的な方策と短期的な方策を組み合わさなきゃいけない。そして、どちらかというと、当然中長期的な方策を重点的に進めながら短期的な政策も、方策も取りますということを言っておるわけでございます。  そこで、その中長期的な方策と短期的な方策というのを二つ並べて書いておりますので、この短期的な方策だけをお読みいただくと、今、先生のおっしゃったようなことになりますし、またそういうふうに御理解いただいたのかなというふうに思いますけれども、どうぞお願い申し上げたいことは、繰り返し申し上げますけれども、中長期的な方策を取る、そしてこれをもう重点的に取る、それと組み合わせて短期的な方策、その短期的な方策として、今、先生がお述べになったようなことを私どもとしても述べておるという、こういうふうな御理解をいただきますようにお願いを申し上げるところでございます。
  33. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 その点は分かりました。どうも短期的なところに目が行き過ぎちゃったのかもしれませんが、ただ、従来の経過からすると、ややもすればそこだけで終わっていたという嫌な思いがあるものですから、くれぐれもそういうことのないようにお願いをしたいというふうに思います。  じゃ、そういうことの一つの方法というか、として提案されているんだろうと思いますが、先ほども清水委員から御指摘がありましたけれども都道府県医療費適正化計画を策定、実行すると、国はそのための参酌標準を示すと、こう書いてあるんですね。これきちっと説明を聞けば理解できるのかもしれませんが、さらっと読むと、何だ、これ都道府県に丸投げかと。一体、都道府県にどれだけの、医療に関してですね、どれだけの権限と財源があるのかと。ほとんど今、国レベルで持っているんじゃないのかと。それを都道府県に丸投げして、さあ、都道府県ごとに医療費適正化計画を作ってくださいよ、で、やってくださいよと。で、国はその参酌標準をつくりますと。これでは余りにも無責任ではないのか。一体国は何をしようとしているのか、都道府県にどういう権限と財源を与えようとしているのか、ここのところ言わないと、都道府県の知事会だってうんと言いませんよ。今まで、何か早速昨日にもそんな御意見が出たというふうに伺っていますけれども、当たり前ですよ。  だから、ここはひとつ知事の皆さんともきちんと意見交換をしていただいて、これだけの権限と財源を与えるからよろしくお願いしますとやんなきゃいけない。ところがどうも、さらっと読んでいると、国は直接何をしようかというところがよく見えない。ひとつそこは、どういう中身を考えているのか、そして国としては何をしようとしているのか、改めて御説明をいただきたいと思います。  あわせて、さっき関連して局長の方から御答弁があったんですけれども、できればそこも説明してほしいんですが、国は医療保険財源を活用して病床転換に対する支援をする、これがどうもよく分かんないんですね。何か病床転換奨励金でも出すのかなと思ったりするんですが、ちょっとこの辺の説明も併せていただければ有り難い。
  34. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) 今回の試案におきまして、私ども都道府県医療費適正化計画ということを一つの柱にしているわけでございますけれども、やはりこれは、我が国の医療費に極めて大きな地域差があると。この地域差をもたらしている非効率を取り除く措置、これを講じていくためにはやはり地域の視点が必要であるということで都道府県適正化計画をお願いしているわけでありますけれども、中身につきましては、私ども正にこれは、国と都道府県の共同作業、共同責任による取組が必要であると考えてございます。  具体的に都道府県がどのようにかかわっているかということでございますけれども、権限を持っているかということでありますけれども、現在でも病院の開設許可権限を持っておられる、医療計画の策定、それから国保に対する指導監督権限と、こういう権限を持っておられる都道府県にこの計画を策定してもらうということを考えているわけでありますけれども、それに対しまして国は、先ほど御指摘ありました参酌標準を設定するということのほかに、この目的実現のために、診療報酬体系見直し、これによる支援を行う、それから必要な財政措置を行うと、こういうことを通じて都道府県や関係者の取組支援することとしてございます。  この関係で、先ほど試案の中にも書かせていただいておりますけれども医療保険財源による病床転換、形はやはり支援金という形になろうかと思います。具体的にはこれからでございますけれども平均在院日数短縮に伴って余ってくる病床についてはそういった転換措置を、支援策を講じていくということも必要になるだろうということでございます。  それから、都道府県に対する権限という意味で、新たな権限という意味では、計画、まあ一期五年と考えておりますけれども、三年程度を過ぎたところで診療報酬体系、これは全国診療報酬体系に関する意見具申というものを認めていこうということ、それから、五年たってその達成状況を見ながら、必要に応じて、特例的な診療報酬設定の申出を行う権限と、これを国は真摯に受け止めると、こういう新しい権限につきましても設けているところでございます。  いずれにしましても、都道府県の御理解得られないと進まないということでございます。知事会を始めとする地方自治体関係者と意見交換を既に始めているところでございまして、引き続き十分に関係者と協議を重ねていきたいと、このように考えてございます。
  35. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 是非、知事の皆さんとの率直な意見交換を是非お願いしたいと思います。  私は、必ずしも全部国でやれと言っているつもりではない。むしろ、これからの役割として都道府県の役割は大きいというふうに思っている。しかし、そのためにはそれなりの前提条件をつくらなければいけないというふうに思います。あえて申し上げれば、その際にはどうしても人材も要るのではないかなという気がしています。念頭に置いていただければと思います。  さて次に、どうも何度読んでも分からないところが政府管掌健康保険の再編成の部分なんです。お読みになった方もあると思いますけれども、大きく分けて三つのポイントで書いてあるんですね。  今の政管健保、国、オールジャパンで中小零細の企業を中心に政府管掌健康保険というのがある。これを、第一番は、全国単位の公法人、公の法人を設立してこれを保険者とするというのが一つ書いてある。これ、全国単位の公法人。二つ目が、財政運営は都道府県単位を基本とする、都道府県ごとに保険料を設定する、こういうふうに書いてある。三つ目に、保険料の徴収は新たに設立される公的年金の運営主体で実施する。こういうふうに三つ書いてある。  この三つがどういうふうになるのか、どうしてもイメージできないんです、私。全国単位の公法人、都道府県単位の運営、徴収は公的年金の運営主体。これ多分、社会保険庁の在り方を、そのものを見直そうということでいろいろ検討されている中で出てくる運営主体なんだろうと思うんですけれども、このところをちょっと分かりやすく説明していただけませんか。
  36. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) お答えいたします。  まず、この政府管掌健康保険につきまして、一点目、御指摘のとおり、全国単位の公法人を保険者として設立するということを申し上げております。これは、事業運営の効率性等勘案しまして、全体共通事務も多いわけでありますんで、全体は一つの公法人で運営するということを考えているわけであります。  ただ、今回の試案考え方といたしまして、地域医療費水準に見合った保険料水準を設定する。このことによって保険者機能を発揮するきっかけにしようということを考えてございますんで、保険料につきましては都道府県別の保険料率の設定を行うということにしておりますけれども、当然ながら、基本的にはまず全国一本の保険料率があって、それを所得と年齢、構造調整、これをやった上で、残る部分、すなわち地域の実情に照らして地域差がある部分については保険料率にも差が出てくると、こういった都道府県別の保険料率の設定を行うこととしてございます。これによりまして、各県における、それぞれ地域におきます努力がそれぞれの保険料に反映されると、こういう仕組みをビルトインしようということでございます。  それから、徴収についてでございますけれども、これは御存じのとおり、政府管掌健康保険適用事業所と厚生年金の適用事業所は重なっております。したがいまして、事務の効率性、あるいは事業所サイドの負担の軽減ということを図るというために、制度への加入あるいは保険料の徴収と、ここにつきましては公的年金の運営主体において併せて行っていただこうと、このように考えております。したがいまして、お金の流れとしては、公的年金の運営主体から健康保険の保険料の交付をこの新しい法人が受けると、こういう流れになろうかと思います。  言ってみますと、保険者としての機能のうち、適用と徴収については年金の運営主体、それからそれ以外の、主として給付の部分につきましては新しい保険者が分有すると、分けて持つと、こういう格好になろうかと思います。
  37. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 ちょっと私の理解が間違っていたのかもしれないんですが、社会保険庁の在り方についての有識者会議でいろいろ議論をされていて、社会保険庁は、どういう形になるかも含めてだけれども年金と政管健保と分けて、年金業務をやるというふうに私は理解していたんですけれどもね。だから、何か今の御説明だと、適用とか徴収は対象が重なるから引き続き社会保険庁が、どういう形になるか、新たな形になってもそこでやってもらうということで有識者会議もオーケーしているんですか、これ。
  38. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) 社会保険庁の在り方見直しに関する懇談会でも、この方向性というのはお認めいただいていると考えてございます。
  39. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 ちょっと改めて、じゃ、私の方も有識者会議の結論などを含めて検討してみたいと思います。やや今までの理解と違う点があるので今後の課題としておきたいと思います。  じゃ、あと残された時間で、新しい高齢者医療制度の創設の問題について何点かお尋ねをします。  今提案されている新しい高齢者医療制度、現在の老人保健制度を廃止をして新しい高齢者のための制度をつくるということになっているんですが、まず最初にお尋ねしたいのは、前期と後期と二段階に分けたことの考え方がどうもまだ腑に落ちない。六十五歳から七十四歳を前期とする、七十五歳以上を後期とすると、こういうふうに二段階に分けているんですね。私は、基本的には高齢になればなるほど年齢ではなかなか輪切りにできないと。何か随分若い元気な人もおれば、早くから随分老けちゃう人もいると。だから、輪切りにはできなくて、こう横切りにしかできないと私は思っているんですよ。  ところが、何か今度は六十五から七十四でぽんと切って、七十五のところでまた切って、二段階にして新しい高齢者医療制度を制度設計するというのが、どうも最初のスタートがすとんと落ちないですね。しかも、以前にもお尋ねしたことがあると思いますが、七十五歳以上というと女性が圧倒的に多くなるんですよ。六割から七割近くになるんですね。だって、男性の平均寿命、七十七、八ですから。七十五歳以上といったら二、三年使うかどうかでしょう、まあ言ったら、平均で言えば。  これ、変な制度をつくるなと思っているんですけれども、まず、何でその制度設計を二段階に分けて設計したのかという点について御説明ください。
  40. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) お答えいたします。  まず、高齢者のまず位置付けでございますけれども、六十五歳以上の方につきまして高齢者という区分にいたしておるところであります。これは、一人当たりの医療費が高い、あるいは国保、被用者保険の制度間の偏在が大きい、それから年金につきましても老齢年金が六十五歳、こういったことからまず六十五歳というところで仕切りを設けたわけでございます。  さらに、ここにどうしてもう一つ七十五歳という仕切りを設けたのかということでございますけれども、当然ながら、心身の特性から考えまして、七十五歳以上の方、入院医療の方が外来より上回るとか、あるいは老年医学の立場からも、専門審議会におきまして、七十五歳というところで老年医学上も区分するのが適当という御意見もいただきました。それから、就業の状況。働いている方も極めて少ないということで七十五歳以上。それからもう一つは、現在の老人保健制度、段階的ではございますけれども、七十五歳に適用年齢が定められているというような点、これらを合わせまして七十五歳のところは後期高齢者ということで独立させて、高齢者自身の保険料、それから現役世代からの支援金、それから公費と、こういう組合せで負担関係が明確になるような、そういう姿を描こうということでございます。  それに対しまして、前期高齢者、六十五歳以上七十五歳未満でありますけれども、これらの方々はまだ働いている方も随分多いわけであります。お元気な方も大変多いということでございますので、それぞれ国保、被用者保険に所属をしながら、ただ、年齢によりまして年齢構造がゆがんでおりますので、その不均衡は是正をしようと、財政調整で不均衡を是正しようと、こういった考え方で前期高齢者に関する財政調整の仕組みを設けていこうということでございます。  それから、七十五歳以上、平均年齢で見ますと残りわずかじゃないかとおっしゃいましたけれども、お一人お一人が長く生きられる方もおられるわけでありまして、そういう方々にふさわしい診療報酬の在り方、こういったものも併せて考えていきたいということを考えているわけでございます。  それから、一点ちょっと付け加えさせていただきます。先ほど社会保険庁の在り方見直しでどう言っているかということがございましたけれども、これにつきましては、正に適用徴収事務については、事務の効率性、事業所の負担軽減及び強制性を帯びた公権力を行使するという事務の性格から、公的年金の運営主体において併せて実施することが適切であると、このように五月三十一日の最終取りまとめで記載されているところでございます。
  41. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 今の御説明ではちょっと、なるほど分かったというふうにはならないんですが、というのは、これ保険でしょう、公的、高齢者を対象とした医療保険ですよね。  そうすると、今例えば六十五歳から、前期の方はまだ働いている元気な方も多いしとおっしゃった。七十五から確かにさすがに働いてない人も多くて、病気の人も多いと。そういう部分だけ集めた保険というのは物すごく財政的にはきつくなるんですよね。だから、むしろ逆の考え方があってしかるべきで、若い人も含めて全部、高齢で働けなくなって病気持ちになった人もまとめた方が保険としてはむしろよく機能するんじゃないかという、原理的に言うと。だから、ちょっと原理的なところでちょっと納得できないので、宿題にしておきます。  次に、もう一つ宿題があるんです。二年半前、当時、坂口厚生労働大臣のときに、四月一日だったんでよく覚えているんですけれども、エープリルフールじゃないよと言って覚えているんですけれども、当時、坂口厚生労働大臣は、この新しい高齢者医療制度について、国保の範疇でお願いするとか、この保険は国保の中の一部としてそこに入ってくださいというような説明をされていたんですね。それでさっぱり私分からなくなっちゃって、ここは、このところの議論は実は生煮えに終わってしまったんです。  今日はその議論をもう一遍蒸し返すつもりはありませんけれども、新しくつくろうとしている高齢者医療保険制度と国保との関係がどうなるのか。私は独立した高齢者医療保険制度というふうに理解をしているんですけれども、当時のやり取りでいくと、何か国保の中にとか、範疇の中でとかいう議論があったものだから、ちょっと混乱しているんですよ。  改めて、今回提案されている新しい高齢者のための医療保険制度はどういう制度設計になっていて、そのときに国保との関係はどうなるのかという点について説明ください。
  42. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) お答えいたします。  私ども試案の中におきまして、保険者の再編統合の部分、これは平成十五年三月の医療制度改革の基本方針、閣議決定されました改革の基本方針に即してそれを具体化しているものでございまして、その閣議決定をお読みいただければ分かりますとおり、七十五歳以上の高齢者につきましては独立した保険制度とすると、独立した制度とすると、こういった方針が固められておりまして、それに即して私ども今回その肉付けを行ったということでございます。
  43. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 そうすると、国保の中でとか一部でととかいう話ではなくて、多分七十五まではそれぞれの医療保険に入っている方が継続されるんだろうと思うけれども、七十五以上は独立した高齢者医療保険に入るというふうに理解していいんですね。
  44. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) そのとおりでございます。
  45. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 じゃ、最後にちょっと一問だけ大臣に。  さっき年齢で輪切りにするのをやめようじゃないかという話をしました。実は介護保険でも、六十五歳というところで切りますと、いやもっと早くから認知症になる人だっているじゃないかと、どうするんだという話が必ず、年齢で切ると必ず出てくるんですね。だから、人は年齢では切れない、切るとすれば斜め切りしかできないと私は思う。  そういう点について、今回新たにまた、また年齢で輪切りにする制度をつくるというのは、後でまた何年かたってから後悔するんじゃないかと思うんですけれども大臣、この点についてどういうお考えがあるか聞かしていただいて、終わります。
  46. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 確かに、高齢になりますと、先生の表現で言いますと、輪切りでそれぞれの皆さんがきれいに割れるものではないというのはそのとおりだと思います。ですから、斜めに切るのが一番それぞれの状況に応じてということも分かりますが、ただ、制度をつくりますときに、じゃ制度を斜めに切ってつくれるかというと、これはまた極めて難しくなるものですから、やはり制度をつくろうとすると、先生の表現で言うと、輪切りにせざるを得ないというところは申し上げざるを得ないところでございます。  ただ、輪切りにするときに六十五で、私どもは六十五、七十五というところで今線を引きましたけれども、それについての御議論もいろいろあろうかとは思いますが、こうしたことも私どもとしてはたたき台として御提案申し上げておるところでございますから、いろいろ御議論もいただきたいと思いますし、私どもの考えておりますことはまた御説明を今後ともさせていただきたいと存じます。
  47. 朝日俊弘

    ○朝日俊弘君 終わります。
  48. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。  時間が短いので、早速質問に入らせていただきます。    〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕  まず一問目は、もう何人もの当委員会委員方々から質問あった件でございますが、保険免責制度についてでございます。  これは、一定額まで患者さん全額自己負担をしていただいて、残りの額に三割負担、二割負担と掛けていく制度だというふうに理解をしておりますけれども患者御本人の実質負担率が現行の三割、二割、一割から上がってしまうわけでございまして、例えば免責額が千円の場合に医療費が一万円掛かったといたしますと、最初の千円は全額自己負担になりまして、残りの九千円部分が三割負担になると。これが二千七百円でございますから、合計三千七百円。現行と比べますと、ほぼ四割負担に近い形になってしまうわけでございます。  先日、私もメンバーでございます与党の社会保障政策協議会の場でもこれには一致して反対をしようということになっているわけでございまして、まず最初の質問、大臣にお聞きをいたしますけれども厚生労働省としてこういう制度の導入に基本的に反対のお立場なのか。それとも、例えばフランスがこの免責額を一ユーロ、これ約百三十八円という非常に低い額ではございますけれども、そういった、今言われているのは千円、五百円でありますけれども、仮にもっと額を抑えて導入するということについては容認する余地があるとお考えなのか、現時点でのお考えを聞かせていただきたいと思います。
  49. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 一言で言いますと、申し上げておりますとおりに、経済財政諮問会議でありますとか、その他のところもありますけれども、こうした御提案がございましたので、私どもとしては、そうした御提案もありますから是非御議論くださいということで、先ほど総括というところに入れるかどうかというお話がありまして、私もついこれ同じようなことを、正直に言いますと思いながらお聞きしておったんでありますが、それはそれといたしまして、後ろの方に参考として置いておるということでございますので、私どもが今の御質問にお答えするとすると、御議論くださいということで書いてあるものでございます。    〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕  私どもは、これについて特にいいとか悪いとか思っているわけじゃございませんということでございます。
  50. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 現時点ではなかなかはっきりおっしゃれないのかもしれませんけれども是非与党内の議論、それから野党の先生方の御意見等も勘案をして、また何よりも国民の声をしっかりお聞きになってこれからまた検討していただきたいと思います。  続きまして、レセプトの電子化の問題についてお聞きをしたいというふうに思います。  私、これたしか以前、決算委員会の場におきまして、レセプトが電子化されていないがために、様々な不適切な過剰な医療費の請求などが行われているということを指摘したことがあるわけでございますが、それからもう既に二、三年たつわけでございますけれども現状でレセプトの電子化というのはどこまで進んでいるのか、まず政府参考人にお伺いしたいと思います。
  51. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) レセプト電算処理システムの普及率についてのお尋ねでございますけれども平成十七年九月、本年九月末現在で、病院レセプト全体のうちの二一・五%となってございます。平成十三年には〇・三%、平成十五年には二%であったことを踏まえますと、着実に増えてはきておりますけれども、なお更なる努力が必要と考えております。
  52. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 ここ決算委員会ではありませんので詳しくは申し上げませんけれども、二割ではこれ非常に少ないわけでございます。  そこで、副大臣にお伺いしますけれども、レセプトの電子的提供体制の整備について今後どのように取り組まれるのか。特に私が関心ありますのは、もうこの段階に来ましたら、医療費適正化でほかの分野では相当厳しく数値目標付けてやっているわけですから、厚生労働省として具体的な政策目標、また場合によっては達成期限なども設けてこのレセプトの電子化をしていかなければ、私、いまだに紙でレセプトを何十万枚も刷って、それを人間の手でチェックをして、私が以前調べたときにびっくりしたのは、ある組合が自腹を切ってアルバイトの大学生を数十人雇ってレセプトの再チェックをさせたら、それだけで一年間二億円浮いたという雑誌の記事も見たことあるわけでございますが、そろそろこういうことはやめた方がいいんではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  53. 西博義

    ○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。  医療費適正化が来年にかけての大きな課題になっておりますが、この医療の事務システムの改良といいますか、電子化というのは大変大事な課題だというふうに思っております。  現状につきましては、先ほど局長から話がありましたように、まだ二〇%強というところでございますが、ようやくそこまで、ある意味では短期間のうちに立ち上がったというところで、今回、更にこれを普及するに当たって幾つかの障害が実はございまして、まずシステムですね、それぞれのハード、ソフト面で納入業者のシステムが若干違っているという面がございまして、この問題が一つの問題点となっております。同時に、それを変更するための経費の負担がそれぞれ掛かるということですね。そこが問題になっておりますので、今年度中に私どもの方で、導入するときに必要な共通の変換プログラム、これを開発するということにしたいと思っております。  これによりまして変換が可能になりますと、急速に今度は病院の方でシステムを導入するという動きが高まってくるんではないかというふうに期待をしております。同時に、この医療制度構造改革試案の中でも、レセプトが医療機関等から審査支払機関を経て保険者に至るまで一貫してペーパーレスを目指すということをはっきりさせたいと思っております。病院については電子的手法によるレセプト提出を標準とするということを盛り込んだところでありまして、これらの具体的な方策を早急に整備してレセプト提出の電子化をこれから大きく進展させていきたいというふうに思っております。  来年を期して新しい流れをつくっていきたいというふうに思っているところでございます。
  54. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 是非、対応方、よろしくお願いいたします。  次に、医療費適正化に関連をいたしまして、先ほど朝日委員の方からもございましたけれども都道府県実施主体となりまして医療費適正化計画というものを作っていく制度の導入厚生労働省は今回の試案で提案をしております。私も、朝日先生と同じように、都道府県がどういう権限を持ってこれをやるかということに非常に関心がございまして、報道によりますと、今月二十四日の厚生労働省都道府県の代表の懇談会では、例えば都道府県側から様々な注文があったということなんですが、診療報酬の加算制度などへの権限を持たせてほしいとか、あるいは、都道府県がそれぞれ作る政策目標の達成に協力的な医療機関と消極的な医療機関とをどうやって、あめとむちとまでは言いませんけれども、やはりインセンティブがなければ、都道府県も政策目標を立てても、現場医療機関の協力がなければこれできないことは明確なわけでございます。  そこで、先ほど朝日委員への御答弁で、私の当初したい質問の幾つか答え書かれていましたので一点だけ絞ってお聞きをしたいと思いますが、要は、各都道府県の中にある医療機関が、公的なもの、民間のもの含めてですけれども、それぞれの都道府県医療費適正化計画を作ったときに、その目標に協力的なところと、まあ非協力とは言いませんけれども、消極的なところに対してどのような権限を持って都道府県へ臨むのか、臨むべきと厚生労働省としてお考えなのか、その点だけ大臣、もしお答えできれば。あるいは局長でも結構ですが。
  55. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 実績をどういうふうに評価するかということでございますけれども、政策目標実施状況を踏まえた都道府県それから医療保険者の費用負担の特例でありますとか特例的な診療報酬の設定など、そうした措置は考えておりまして、こうした措置を講じながら、それぞれ、今申し上げておる都道府県や関係者による政策目標実現を促進したいということを考えておるところでございます。
  56. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 ややちょっと抽象的でございましたけれども、これから検討されるんだと思いますが、先ほど局長の方からは、一期五年の計画の三年目ぐらいにこの診療報酬のところに対して意見具申とか申入れができるというようなお話がありましたので、それ以外のツール、インセンティブも是非考えていっていただきたいと思います。  次の質問ですけれども大臣適正化計画の柱の中に、糖尿病患者・予備群の減少を約十年間で二五%減少させるということが盛り込まれております。それから、平均在院日数短縮化などの目標達成の実現も書かれているわけでございますが、とりわけマスコミの皆さんも、これ本当に、糖尿病患者・予備群の減少を十年間で二五%というこの目標はちょっと大ぶろしきなんじゃないかと。そもそもどういう根拠があってこういう割合を出しているのか。しかも、これが崩れると今回の厚生労働省試案のこの医療費抑制計画のかなり大きな部分が狂うことになるわけでございまして、単刀直入に、大臣はどれぐらいの自信を持って、この実現可能性についてですね、試案を出されたのか、お聞きしたいと思います。
  57. 岸宏一

    委員長岸宏一君) じゃ、水田局長。その後、じゃ大臣からね。
  58. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) お答えいたします。  この糖尿病患者の予備群を二五%減少させるということでございますけれども、これにつきましてはロジックの上で二つございます。  一つは、こういった生活習慣病につきましては、肥満でありますとか高血糖、高血圧、高脂血と、こういった危険因子、リスクがあるわけであります。こういった生活習慣病対策を講じることによって、健診ないしその後の事後指導によって、こういった危険因子の保有者が一番、全部持っている方がどのくらい減るかというデータがございます。その上で、今度は、その危険因子が減ればそれが医療費にどういう影響が出てくるか。これは社会保険庁が実施した十年間のデータがございますので、それで医療費の影響が出てくるというそういった根拠に基づいて、それから様々諸外国データもございます、ただいま申し上げたのは我が国の中でのデータでございますけれども、大変少ないことは事実でありますけれども、そういったデータに基づいてこういった目標を立てているところでございます。これは事実関係でございます。
  59. 岸宏一

    委員長岸宏一君) いいですか、大臣の答弁はいいですか。いいですか。
  60. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 もう時間がないので最後の質問になると思いますけれども根拠に基づく、科学的根拠に基づく医療とよく訳されておりますけれどもEBM、これは別の訳では医療標準化と呼ばれているわけでありますが、簡単に申し上げれば、科学的根拠に基づいた医療というものを、標準的な医療というものを医療従事者とそれから患者側にも示すことによって適正な良質な医療を担保していこうという制度だと理解しておりますが、厚生労働省は現在このEBM診療ガイドラインは二十三しかまだ疾患の数としてはないわけでございまして、更に拡充をしていただきたいと思いますし、またもう一点、医療従事者だけにこのEBMをやるんではなくて、やはり患者側もこのEBMに基づいた標準的な診療ガイドラインというものに対するアクセスがないと日本医療は良くなっていかないというふうに思うわけでございまして、この患者側に、よりEBMのサービスを提供するという観点で拡充を図っていただきたいと思いますが、この点について簡潔に御答弁いただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  61. 松谷有希雄

    政府参考人松谷有希雄君) 委員指摘のとおり、EBMの普及というのは、医療を提供するお医者さんだけではなくて、患者さんの選択を支援して主体的に医療に参加する環境の整備という観点からも重要だというふうに考えております。  このため、今先生指摘のとおり、医療提供者向けには二十三疾患のガイドライン作成が終わったところでございますが、平成十七年度、今年度におきまして、七疾患について新たに作成中でございます。また、日本医療機能評価機構によるガイドラインデータベースとしてインターネットにより情報提供する事業におきましては、十一疾患について医療提供者向けといたしまして、また五疾患につきましては一般向けとして提供を行っておりまして、一般向けは新たに三疾患の提供を開始する準備を進めているところでございます。  今後も、一般向けのガイドラインにつきましても、その作成支援し、また更なる普及に向けて、作成手法研究等も進めながら充実を図っていきたいと考えております。
  62. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  前々回に続いて今日はホテルコストのことをお聞きしたいんですが、介護保険施設入所者の食費、居住費、十月から全額自己負担で負担増になって、しかも基準費用額を超える料金の徴収という事態が起こっています。要介護五、利用料四段階の場合、食費の基準は四万二千円、相部屋については一か月の居住費一万円が基準費用額というふうにされていますが、山口県のある施設では、相部屋の居住費が二万一千円、さらに食費は五万四千円、これまで五万六千四百円の負担が十一万五千円に、五万円以上上がっているんですね。それから、栃木県のある施設では、居住費一万五千円、食費は五万六千四百円。  このように基準費用額を上回る料金設定がされるのはなぜか、これは自由に決めていいのか、簡単にちょっと御説明ください。
  63. 磯部文雄

    政府参考人(磯部文雄君) 食費、居住費につきましては、将来的な保険料の上昇を抑え、また在宅との負担の公平ということから、御指摘のとおり十月一日から保険給付の対象外となりました。それに伴いまして、その個々の利用者の具体的な居住費、食費につきましては、当該施設における建設費用、光熱水費等や、あるいは近隣の類似施設の家賃等の平均的な水準などを勘案しつつ、具体的には各施設と利用者との契約によって定められるものでありますことから、負担能力のある方につきましてはこれまでよりも負担が増えるということがあると考えております。
  64. 小池晃

    ○小池晃君 これは、基準額どおりに徴収しても減収になる、利用者には負担増で。どうすればいいのかという事業者の声に対しては、取れるところから取ればいいんだというふうに厚労省は説明をされておるようです。  共産党の議員団として九月に実態調査を申し入れましたが、こういう契約料金がどのように、青天井みたいな実態が出てきているんじゃないかと心配しているんですが、この調査はされていますか。
  65. 磯部文雄

    政府参考人(磯部文雄君) 介護保険施設等におきます食費、居住費に関しまして、現在、介護保険施設あるいはショートステイ、通所サービス等の事業所を対象として調査を行っているところでございます。具体的には、要介護度別、利用者負担段階別に居住費、食費等の実態を抽出調査によって行っておりまして、現在データの集計中であり、まとまり次第できるだけ早急に公表したいと考えております。
  66. 小池晃

    ○小池晃君 そこで、今回の医療改革試案なんですが、療養病床入院する七十歳以上の高齢者について、介護施設と同様に食費、居住費の負担を見直すということが出されている。介護のときには、たしか施設と在宅の公平ということが理由だったと思うんですね。今回の療養病床で、在宅と施設の公平という議論は、これは成り立たないと思うんですが、食費、居住費導入する理由は何なんでしょうか。
  67. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) お答え申し上げます。  医療保険適用の療養病床と介護保険適用の療養病床、二つあるわけでありますけれども、両者ともに、主として長期にわたり療養を必要とする患者入院しているということでございまして、医療機能のほかに、日常生活上必要となる食事の提供など、住まいとしての機能を併せ持っているということは共通でございます。また、同じ病院におきまして介護保険適用の病床医療保険適用の病床、両方を持つ場合もあるということで、この両者の均衡、負担の均衡ということを図る観点から、低所得者には配慮を行いながら、食費及び居住費に係る負担の見直しということを提案させていただいているところでございます。
  68. 小池晃

    ○小池晃君 介護のときには在宅と施設の公平ってつないで、今度は介護と医療の公平というのでつないで、この公平というのでどんどんつないでいったら、どんどんどんどんその負担は重い方に行かざるを得ないと私は思うんです。  それから、すべての患者にこれ、負担を求めるということになるのか。今、百八十日以上の長期入院の場合のいろんな病状による配慮というのありますが、病状による除外というのは考えているんですか。
  69. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) 詳細はこれからでございますけれども、この入院時の食費、居住費の負担の見直しということを療養病床について行うことといたしました場合には、低所得者でありますとか、難病等で入院医療の必要性の高い患者につきましては、所得とか病状に応じた適切な配慮をすべきであると、このように考えてございます。
  70. 小池晃

    ○小池晃君 重ねて、こういう医療施設で居住費を徴収している国は世界にあるんでしょうか。
  71. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) 諸外国の事例についてのお尋ねでございますけれども医療施設、介護施設、それぞれの区分の仕方について各国違います。また、保険給付の範囲についても相違がございます。  そういうことを踏まえた上ででございますけれども、一般的に諸外国の介護系の施設、医療施設も含めて介護系の施設では、食費、居住費の自己負担が原則となっているところでございます。諸外国医療施設そのもの、介護系でないところがどうかという点につきましては、申し上げましたような相違点を含めて今後把握に努めていきたいと、このように考えております。
  72. 小池晃

    ○小池晃君 医療施設で居住費取っている国なんかないですよ、それは。  介護施設と同様に、先ほどの契約による青天井というような、そういう契約による料金の設定ということもこの医療の病棟では考えるんですか。
  73. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) 私どもの今回の提案におきましては、基本的に食事療養費の現在仕組みを導入しておりますけれども、それに即したものとして考えてございます。
  74. 小池晃

    ○小池晃君 だから、一定以上の所得の場合に、契約による料金の設定のようなことは、介護のような、介護施設で出ているような、そういう契約料金みたいなものはないんですか、あるんですか。
  75. 水田邦雄

    政府参考人水田邦雄君) 今回の試案におきましては、そういった給付から外すという概念ではございませんで、療養費という構成で対応したいと考えております。
  76. 小池晃

    ○小池晃君 以上の議論を踏まえて大臣にお聞きをしたいと思うんですが、介護施設で大変な負担増になっている実態があります。  私はファクスをいただきまして、ちょっと紹介したいんですけれども、十月一日に改悪介護保険のスタートする日の未明、老健センターに入所していた近所の人が、料金が高くなるため、利用料が高くなるため、二日前に退所をし自宅に帰ってきていましたが、病気が治らないことを苦にして、奥さんに気付かれずに、不自由な体を何とか自由が利く片手を使ってずりながら脱出し、すぐ近くの川へ投身自殺をするということがありました。こんな悲劇が起きなければいいがと心配していたところですが、まさか近所で起こるとは思ってもみませんでしたと。  正に介護保険の改悪で、居住費の徴収、それを心配して自分ではいずりながら投身自殺すると、こういうことが起こったというんですね。私、本当これ見てショック受けました。  これは是非議員の皆さんにもお聞きをいただきたいんですが、ここで決めた法律でそういうことが起こっているんですよ、現実、実態としてね。私は、今度のこういうやり方で、正にそれが更に広がる。しかも、これが医療という命にかかわる問題にこの居住費という負担がのし掛かってくる。私は、本当にこれでは金の切れ目が命の切れ目ということになりかねないというふうに思いますし、療養病床における食費、居住費の負担増というのは、これは断じて許されない、撤回するべきだというふうに思いますが、大臣いかがですか。
  77. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) これは、介護保険のときにも申し上げましたけれども、施設におられても自宅におられてもやはり食事は取られるわけでありますから、その食事を当然取る、家にいても取る、そうしたら、施設にいても取るその食事代を払っていただくというのは、これはやはり、先ほど公平というふうに申し上げておりましたけれども、正に公平ということで、そうしていただくことが必要なことだというふうに思って介護保険の仕組みも変えました。  そうしますと、先ほど局長よりお答え申し上げましたけれども医療保険適用の療養病床、それから介護保険適用の療養病床、これは主として長期にわたり療養を必要とする皆さんが入っておられる住まいであるという意味においてほとんど同じ機能を持っておるわけでございますから、そうした中で、またこれは公平という意味で併せて仕組みをつくるということは、これは当然のことだと思っておりまして、先ほどの公平、公平をつないでいけばというお話もありましたけれども、やはりそれは公平と公平はある意味イコールでつなぐべきだと思っておるところでございます。
  78. 小池晃

    ○小池晃君 食費については既に一部自己負担あるわけですよ。それから、ついの住みかじゃないでしょう、医療機関は。特別養護老人ホームだったら百歩譲ってそういう議論成り立つかもしれないけれども、自宅はちゃんと残して、そして療養病棟に入院している人、これが本当に多いと思うんですね。そういう意味では、その居住費、二重取りということになる。公平と公平つなげばと言うけど、そういう議論でつないでいったら、どんどんどんどん高い方へ、負担は高い方へ給付は低い方へとならざるを得ない。こういう議論は本当に、私は正に負担増の悪循環になっていくということを指摘したいというふうに思います。撤回を求めて、質問を終わります。
  79. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  二十五日、東京地裁でハンセン病補償金不支給決定取消し事件の判決が言い渡されました。判決内容は、韓国は棄却、台湾は認容となっております。しかしながら、いずれの判決も、立法趣旨は国の強制隔離政策に基づく関与によって被害を受けた者に対して幅広く救済しようとするものであるということは認めております。  つまり、いずれの判決も、日本の統治下で設置された療養所を法律の適用対象に含めることは是認しています。請求棄却した民事三部の判決も、補償法が外地の療養所を除外するものではないと、告示に規定することは補償法の委任の範囲を超えるものではないと言っております。判決の結論が分かれたのは、単に告示の中に入っていると見るか入っていないと見るか。立法の、法律の中に入っているという点では共通でした。  これは議員立法で、百名以上の議連のメンバーを中心にすべての政党で、二〇〇一年、議員立法で成立をしたものです。立法の怠慢だと新聞に書かれることは本当に心が痛みます。告示で変えられる、両方の判決を踏まえても、厚生労働省出している告示に付け加えればもうこれは解決をするわけです。  大臣、いかがでしょうか。今日、当事者の皆さんに大臣自ら会ってくださることに本当に感謝を申し上げます。尾辻大臣だからこそこれはできると。告示の中身に含めるとしてくだされば、高齢者の皆さん、生きている間に本当に救済が受けられます。いかがでしょうか。
  80. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 判決の内容にもお触れいただきましたけれども、そうしたことも詳細に検討をいたしたいというふうに思います。  また、お話しいただきましたように、議員立法でお作りいただいたものでございますから、立法の趣旨がどういうものであったか、これはまた改めて立法なさった方々の御趣旨というのを私どもも承るべきであろうというふうにも思いますし、私が申し上げておりますことは、当然関係省庁と協議もしなきゃなりません。そうした協議も踏まえて検討させてくださいということを申し上げておるところでございます。
  81. 福島みずほ

    福島みずほ君 この議連の会長である江田五月さんが地方裁判所に陳述書を出しております。立法者は私たち、まあ全国会議員というか、国会議員なわけですが、どなたもこれは除外するという気持ちで作られた方はいないと思います。私も議連のメンバーの一人でしたが、どの方も、この立法に携わった、あるいは賛成票を投じたすべての方は、これを除外するというつもりはないと、明確にこれは除外しなくちゃいけないという意思をお持ちの方は絶対にいらっしゃらなかったというふうに思います。これは厚生労働省の告示だけです。  私は、尾辻大臣是非この点は、例えば今日、大臣が告示を変えますと決断をされれば、あっという間に一秒で解決いたします。いかがでしょうか。
  82. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 今日、皆さんにお会いをいたします。そしてまた、お話もよくお聞きをしたいというふうに存じております。  そうしたことなど、先ほど来申し上げておりますように、訴訟にかかわる部分については特に関係省庁とも協議をしなきゃならないわけでございますので、そうしたもの、そうしたものといいますのは、お話も伺う、協議もするということで、私どものお答えをまた出させていただきたいと存じます。
  83. 福島みずほ

    福島みずほ君 私は、本当に尾辻大臣だからこそできるというふうに思っています。これは両方の裁判所も立法の範囲内だと言っているわけです。告示を、解釈をめぐる争い。すべての国会の立法者は、それはこの人たちは除外すべきだというふうに明確に思って立法したわけではない。二〇〇一年のときにみんなで力合わせ作って、物すごい莫大なお金が掛かるわけではないから救済をやりましょうということで、立法不作為を受けてみんなで作ったものです。  厚生労働省が告示をとにかく二つ付け加えるというふうにしてくだされば、民事三部の判決を前提としても当事者は救済ができる。これはもう速やかに是非御決断をしていただきたいというふうに切にお願いをいたします。よろしくお願いいたします。  次に、がん患者の皆さんたちと話をしておりますと、未承認薬を早急に使用できるようにしてほしいという要望があります。社民党は混合診療導入には否定的なのですが、ただ、要望が強い。そして、これはできるだけ早く保険内適用ができるように努力をしていただきたいと思います。  患者の皆さんの切実な要望に沿うため、未承認薬を早急に使用できるよう、どのような対応策を構築していらっしゃるでしょうか。
  84. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) これまで私も、がん患者の皆さんだとか家族の方々といろんな場面で話をさせていただいております。そして皆さん方の御要望を承ってまいりましたけれども、確かに国内未承認の抗がん剤の早期使用について強い御要望がございます。その患者の皆さん、御家族の皆さんのお気持ちは十分に理解をしておるつもりでございます。  その国内未承認の抗がん剤等につきましては、治験を活用して早期に患者が使用できるよう、本年一月に未承認薬使用問題検討会議を設置して検討を行ってきたところでございます。これまで患者団体などから要望がございました抗がん剤につきましては、この検討会においてすべて取り上げて御検討いただきまして、その結果、医療上の必要性が高いとの結論をいただいたものについては治験の実施につなげておるところでございます。  今後とも、国際的に標準治療薬として用いられております抗がん剤につきましては、患者団体などから新たな要望があれば、申し上げました検討会議において検討を行っていくということにいたしております。
  85. 福島みずほ

    福島みずほ君 未承認薬使用問題検討会議が検討している九つの薬についての取扱いはどのようになっていらっしゃるでしょうか。
  86. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) 検討会議におきましては、本年一月以降、五回にわたり開催をいたしておりまして、これまでに計九つの抗がん剤について関係企業に早期の治験開始等を要請したところでございます。  九つの抗がん剤のうち、結腸・直腸がんに用いますオキサリプラチンにつきましては、本年三月に承認をされまして、四月より保険診療で既に用いられておるところでございます。三つの抗がん剤につきましては、現在承認審査中又は企業が承認申請を準備中のものでございます。残りの四つの抗がん剤につきましては、現在治験中又は近々治験が開始されるものでございます。それから、さらに残りが一つございますけれども、この一つの抗がん剤につきましては、企業に対し治験実施に向けて検討を要請しているところでございます。
  87. 福島みずほ

    福島みずほ君 是非よろしくお願いします。  医療制度改革について、医療費の負担増は、格差拡大社会の中で中低所得者層の生活を破壊し、生存権を否定するものだと考えます。  昨日、全国市長会、全国町村会、国民健康保険中央会が厚生労働省医療制度構造改革試案について意見書を出しました。   試案において、医療保険制度の保険者については、都道府県単位を軸とした再編・統合を推進するとしているにもかかわらず、後期高齢者医療制度の運営主体を市町村とすることは、その方向性に逆行するものである。   国保と介護保険の両保険者として極めて厳しい財政運営を強いられている市町村が、後期高齢者医療制度の具体的な内容が明らかでなく、将来にわたる市町村への財政影響がはっきりしない制度の運営主体を担うことは到底容認できない。 厳しくこの試案について意見が述べられておりますが、これを受けてどうお考えでしょうか。
  88. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 尾辻大臣に申し上げます。  質問時間が迫っておりますから、簡潔な御答弁をお願いいたします。
  89. 尾辻秀久

    国務大臣尾辻秀久君) はい。  後期高齢者の独立した保険制度というのを私どもは御提案を申し上げました。どうしてもその後期高齢者の保険ということになりますと国保とダブるところが大きいわけでございますので、したがって、今、国保を市町村に保険者をお願いしておるということなどからも、この後期高齢者保険制度を市町村に保険者をお願いするのがいいというふうに私どもは考えてこのことを御提案申し上げておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても私どもは、再三申し上げておりますようにたたき台としてこのことを御提案を申し上げておりますので、是非国民の皆様方の大きな御議論をいただきまして、その御議論いただくことでまた私どももそのことを受け止めさせていただいて、最終的な答えをつくりたいと思っておりますので、御議論をよろしくお願いを申し上げます。
  90. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  91. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 次に、請願の審査を行います。  第二二号無年金在日外国人障害者高齢者の救済に関する請願外九十九件を議題といたします。  これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第一七〇号保育制度改善充実に関する請願、第二七一号緊急の保育課題への対応と認可保育制度充実に関する請願及び第三六九号人工内耳に関する請願はいずれも採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、その他の請願はいずれも保留とすることになりました。  以上のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 岸宏一

    委員長岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時六分散会