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武見敬三君 この
議論をするときには、本当に財政論的な
議論が先行している。財政論というのは、やっぱり
経済価値を中心に置いた政策論なんですよ。だけど、やっぱり
厚生労働省で
議論をされるときには、
経済価値というものだけじゃなくて、やはり健康価値というものにひとつ新たに
立脚をした政策論をきちんとやっていただきたいんですよ。
我が国も、二十一世紀、こうやった成熟化した社会に入ってきますと、
国民の健康に対する関心が着実に高まっていることは御存じのとおりだし、その根底には、
国民の間で健康価値を重視する傾向がより強く高まっているというふうに私は
考えるべきだと思います。
したがって、
経済価値に対峙して健康価値というものをいかに認識をして、行政としてもそれに
立脚した政策を組み立てていくかという、そういう哲学を私は
厚生労働省として堂々と持っていただきたい。そのために、財政論的な
観点からいろいろ加えられる圧力というものに迎合したような形で
国民に
説明しちゃいますと、真に健康価値を守ろうとするその
説明というものが逆にゆがめられてしまうんです。そこはもう十分に注意をしていただきたいというふうに思うものであります。
そして、そのほか私、質問したいことたくさんあるんですけれ
ども、
厚生労働省が各地方にいろんな組織持っていますね。それで、社会
保険庁な
ども、
年金は、これはこれから外局その他の方式で改めて組織をつくって受皿にすると。それから、
政府管掌健康
保険は、これは改めて一公法人で各都道府県に支部を設けて新しい組織をつくると。しかし、社会
保険庁はそのほかにもいろいろな分掌事務等で仕事やったんですよ。
医療監視なんかもその一つですよね。そしてまた、ほかに高度先進
医療等について、これを申請する窓口業務も社会
保険庁の各地方組織が今までやってきているんですよ。
そのほかにもいろんな役割、機能がこういった地方組織の中に組み込まれている。これらをどのようにして再編するのかという問題が、社会
保険庁の事実上の解体に伴ってしっかりとその機能の確保をすることも含めて検討されておかなきゃならないわけです。
この点について、例えば
医療監視なんかも、社会
保険庁という役所はとにかく威張り腐った封建的な、権威主義的なところで、
医療監視、これはやるべきことはきちんとやれというのは私も当然そう思いますよ。だけど、あたかも全くの罪人扱いで、それで極めてそういう人権を無視したようないろんなそういう
医療監視を今までやってきて、中には自殺しちゃったようなお医者さんだっているんですよ。そういうような封建主義的、権威主義的なそういう体質はしっかりと改めていただいて、そして地方組織を改めて再編するときにはもっと健全な形でこういった組織機能というものを再確立していただきたいと思っておるんでありますが、この点についてはどうお
考えですか。