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2005-11-17 第163回国会 参議院 決算委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年十一月十七日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  十一月十日     辞任         補欠選任      荒井 正吾君     脇  雅史君      田浦  直君     保坂 三蔵君      山内 俊夫君     矢野 哲朗君      山下 英利君     国井 正幸君      山本 順三君     西銘順志郎君  十一月十一日     辞任         補欠選任      保坂 三蔵君     田浦  直君      矢野 哲朗君     山内 俊夫君      脇  雅史君     荒井 正吾君  十一月十六日     辞任         補欠選任      加藤 敏幸君     水岡 俊一君      佐藤 雄平君     鈴木  寛君      和田ひろ子君     松下 新平君  十一月十七日     辞任         補欠選任      神本美恵子君     岡崎トミ子君      遠山 清彦君     魚住裕一郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中島 眞人君     理 事                 国井 正幸君                 小池 正勝君                 武見 敬三君                 直嶋 正行君                 松井 孝治君                 山下 栄一君     委 員                 荒井 正吾君                 坂本由紀子君                 田浦  直君                 中原  爽君                 中村 博彦君                 西島 英利君                 野村 哲郎君                 森元 恒雄君                 尾立 源幸君                 岡崎トミ子君                 神本美恵子君                 鈴木  寛君                 谷  博之君                 那谷屋正義君                 藤末 健三君                 松下 新平君                 水岡 俊一君                 簗瀬  進君                 魚住裕一郎君                 西田 実仁君                 小林美恵子君                 又市 征治君    国務大臣        財務大臣     谷垣 禎一君        国務大臣     中馬 弘毅君    副大臣        内閣府副大臣   櫻田 義孝君        総務大臣    山崎  力君        財務大臣    赤羽 一嘉君        厚生労働大臣  中野  清君        農林水産大臣  三浦 一水君        国土交通大臣  江崎 鐵磨君         ─────        会計検査院長   森下 伸昭君         ─────    事務局側        常任委員会専門        員        和田  征君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官        兼行政改革推進        事務局公益法人        制度改革推進室        長        中藤  泉君        内閣官房内閣審        議官        兼行政改革推進        事務局特殊法人        等改革推進室長  橋口 典央君        総務省行政管理        局長       藤井 昭夫君        総務省行政評価        局長       福井 良次君        法務省矯正局長  小貫 芳信君        財務省主計局次        長        鈴木 正規君        文部科学大臣官        房長       玉井日出夫君        文部科学省高等        教育局長     石川  明君        文部科学省高等        教育局私学部長  金森 越哉君        農林水産大臣官        房長       白須 敏朗君        経済産業大臣官        房総括審議官   松永 和夫君        経済産業省製造        産業局次長    塚本  修君        中小企業庁次長  西村 雅夫君        国土交通大臣官        房長       春田  謙君        国土交通省都市        ・地域整備局長  柴田 高博君        環境大臣官房審        議官       桜井 康好君    説明員        会計検査院事務        総局第三局長   高山 丈二君        会計検査院事務        総局第四局長   千坂 正志君        会計検査院事務        総局第五局長   船渡 享向君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○国家財政経理及び国有財産管理に関する調  査  (平成十六年度決算検査報告に関する件)  (国が公益法人等補助金等を交付して設置造  成されている資金に関する会計検査の結果報告  に関する件)  (先行して設立された独立行政法人業務運営  等の状況に関する会計検査の結果報告に関する  件)     ─────────────
  2. 中島眞人

    委員長中島眞人君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日までに、山下英利君、山本順三君、加藤敏幸君、佐藤雄平君、和田ひろ子君及び遠山清彦君が委員辞任され、その補欠として国井正幸君、西銘順志郎君、水岡俊一君、鈴木寛君、松下新平君及び魚住裕一郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 中島眞人

    委員長中島眞人君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中島眞人

    委員長中島眞人君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事国井正幸君、小池正勝君及び武見敬三君を指名いたします。     ─────────────
  5. 中島眞人

    委員長中島眞人君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国家財政経理及び国有財産管理に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官行政改革推進事務局特殊法人等改革推進室長橋口典央君外十五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中島眞人

    委員長中島眞人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 中島眞人

    委員長中島眞人君) 国家財政経理及び国有財産管理に関する調査のうち、平成十六年度決算検査報告に関する件、国が公益法人等補助金等を交付して設置造成されている資金に関する会計検査の結果報告に関する件及び先行して設立された独立行政法人業務運営等状況に関する会計検査の結果報告に関する件を議題といたします。  まず、平成十六年度決算検査報告に関する件のうち、平成十六年度決算概要について、政府から説明を聴取いたします。谷垣財務大臣
  8. 谷垣禎一

    国務大臣谷垣禎一君) 平成十六年度の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、平成十六年度の一般会計決算につきましては、歳入決算額は八十八兆八千九百七十五億円余、歳出決算額は八十四兆八千九百六十七億円余であり、差引き四兆七億円余の剰余を生じました。  この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に平成十七年度の一般会計歳入に繰り入れております。  なお、平成十六年度における財政法第六条の純剰余金は一兆千九百七十二億円余となります。  以上の決算額予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額八十六兆八千七百八十七億円余に比べて二兆百八十八億円余の増加となります。この増加額には前年度剰余金受入れ予算額に比べて増加した額一兆七千百五十八億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は三千二十九億円余となります。  一方、歳出につきましては、予算額八十六兆八千七百八十七億円余に平成十五年度からの繰越額一兆六千六百三十五億円余を加えました歳出予算現額八十八兆五千四百二十二億円余に対し、支出済歳出額は八十四兆八千九百六十七億円余であり、その差額は三兆六千四百五十四億円余となります。このうち、平成十七年度への繰越額は二兆二千五百六十六億円余であり、不用額は一兆三千八百八十八億円余となっております。  なお、歳出のうち、予備費につきましては、その予算額は三千億円であり、その使用額は千百七億円余であります。  次に、平成十六年度の特別会計決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十一であり、これは平成十五年度に比べて一特別会計減少しております。これらの決算概要につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりでございます。  次に、平成十六年度の政府関係機関決算でありますが、その概要につきましては、政府関係機関機関別収入支出決算のとおりでございます。  以上が平成十六年度の決算概要であります。  なお、平成十六年度の予算執行につきましては、予算の効率的な使用経理の適正な運営に努めてきたところでありますが、なお会計検査院から三百八十六件の不当事項等について指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。  今後とも、予算執行に当たっては一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいるとともに、検査報告や国会での審議内容平成十八年度予算編成に適切に反映するよう努めてまいる所存であります。
  9. 中島眞人

    委員長中島眞人君) 次に、平成十六年度決算検査報告に関する件のうち、平成十六年度決算検査報告概要について並びに国が公益法人等補助金等を交付して設置造成されている資金に関する会計検査の結果報告に関する件及び先行して設立された独立行政法人業務運営等状況に関する会計検査の結果報告に関する件について、会計検査院から説明を聴取いたします。森下会計検査院長
  10. 森下伸昭

    会計検査院長森下伸昭君) 平成十六年度決算検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。  会計検査院は、平成十七年九月六日、内閣から平成十六年度歳入歳出決算の送付を受け、その検査を終えて、平成十六年度決算検査報告とともに、平成十七年十一月八日、内閣に回付いたしました。  平成十六年度の一般会計決算額は、歳入八十八兆八千九百七十五億余円、歳出八十四兆八千九百六十七億余円、各特別会計決算額合計額は、歳入四百十九兆三千四億余円、歳出三百七十六兆三百二十九億余円でありまして、会計検査院ではこれらの決算額を確認いたしました。  また、国税収納金整理資金は、収納済額五十五兆七千七百三十一億余円、歳入組入額四十七兆二千五百四十九億余円でありまして、会計検査院ではこれらの受払額検査完了いたしました。  政府関係機関平成十六年度の決算額の総計は、収入五兆六百六十三億余円、支出四兆五千六百二十九億余円でありまして、会計検査院ではこれらの決算額検査完了いたしました。  平成十六年度の歳入歳出等に関し、会計検査院は、国、政府関係機関、国の出資団体等検査対象機関について、書面検査及び実地検査実施いたしました。そして、検査の進行に伴い、関係者に対して七百余事項の質問を発しております。  検査の結果、検査報告に掲記した不当事項等について、その概要を御説明いたします。  まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項は、合計二百九十六件、九十七億五千二百五十七万余円であります。  このうち、収入に関するものは、五件、三十五億六千九百五十八万余円であります。  その内訳は、租税の徴収額が適正でなかったもの、保険料徴収額が適正でなかったもの、職員不正行為による損害が生じたものとなっております。  また、支出に関するものは、二百五十件、四十五億八千八百十一万余円であります。  その内訳は、会計経理が適正を欠いていたもの、工事に関し契約額が割高となっていたもの、物件に関し購入数量が過大となっていたもの、役務に関し委託費支払額が過大となっていたもの、保険給付金支給が適正でなかったものなどとなっております。  以上の収入支出に関するもののほか、保管資金等について、職員不正行為による損害が生じたものが、四十一件、十五億九千四百八十六万余円であります。  次に、平成十七年中におきまして、会計検査院法第三十四条又は第三十六条の規定により意見を表示し又は処置を要求いたしましたものは四件であります。  その内訳は、国立大学法人賃借物品等及び診療報酬債権に係る会計経理に関するもの、データ通信サービス契約に係るソフトウエア使用料のうちの利子相当額に関するもの、国民健康保険組合組合員の被保険者資格手続適正化に関するもの、沖縄の復帰に伴う国有林野に係る国有財産台帳整備に関するものとなっております。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項は五十九件であります。  その内訳は、日本人学校校舎等建設等に対する援助に関するもの、国立大学法人に帰属する承継財産数量及び価額に関するもの、保育所における保育士の配置に関するもの、生活保護費に係る負担金算定に関するもの、国民健康保険における退職被保険者の適用の適正化に関するもの、新山村振興等農林漁業特別対策事業等実施に関するもの、農業集落排水事業により整備した肥料化施設等利用に関するもの、滑走路に係る国有財産台帳価格改定等に関するもの、スポーツ振興投票に係る財務諸表の表示に関するもの、診療報酬債権に係る会計経理に関するものなどとなっております。  また、特に掲記を要すると認めた事項は五件であります。  その内訳は、中堅事業者に係る破綻金融機関等関連特別保険等利用が低調となっているため、制度の在り方について検討することが必要な事態に関するもの、地震災害時に防災拠点となる官庁施設耐震化対策が重点的、効率的に実施されていない事態に関するもの、電線共同溝整備事業実施における占用予定者の入溝が計画的になっていなかったり、管理が十分行われていなかったりなどしている事態に関するもの、中小企業高度化事業における不良債権が多額に上っていて、その解消を図るため、より一層の債権管理態勢整備することが必要な事態に関するもの、賃貸住宅建て替え事業において、事業着手後長期化していたり、事業着手までに長期間を要したりしている事態に関するものとなっております。  以上のほか、本院の検査業務のうち、特にその検査状況報告する必要があると認め、検査報告に掲記いたしましたものは二十件であります。  その内訳は、都道府県警察における捜査費及び活動旅費経理状況に関するもの、政府開発援助状況に関するもの、都道府県労働局会計経理状況に関するもの、社会保険オンラインシステムに係る契約金額算定方法等状況に関するもの、農業経営基盤強化措置特別会計における決算剰余金等状況に関するもの、牛肉等に係る関税収入特定財源とする肉用子牛等対策実施状況に関するもの、海岸事業における津波・高潮対策実施状況に関するもの、住宅金融公庫における延滞債権の実態及びその管理状況に関するもの、郵便局における資金保有及び受け払いの状況に関するもの、日本放送協会における放送受信料契約収納状況に関するものなどとなっております。  以上をもって概要説明を終わります。  会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係省庁などに対して適正な会計経理執行について努力を求めてまいりましたが、なおただいま申し述べましたような事例がありますので、関係省庁などにおいても更に特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。  引き続きまして、検査要請の結果報告書に関する概要説明を行います。  会計検査院は、平成十七年六月七日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告要請がありました、国が公益法人等補助金等を交付して設置造成させている資金等に関する事項及び独立行政法人業務運営等状況に関する事項の二件につきまして、所管府省、関係公益法人等及び関係独立行政法人対象検査を行い、十月二十五日、その結果の報告書を提出いたしました。その報告書概要を御説明いたします。  最初に、国が公益法人等補助金等を交付して設置造成させている資金等に関する会計検査の結果について御説明いたします。  検査要請内容は、一、資金設置保有状況、二、平成十二年度決算検査報告検査対象とした資金見直し状況、三、二以外のものも含めた各資金運営状況、四、資金制度見直し体制整備状況の四事項でございます。  本件検査におきましては、資金設置造成させるために補助金等を交付している国の機関内閣府ほか八省にわたっておりまして、これら九府省及び資金事業実施主体である公益法人等七十八法人、百三十八資金対象として、横断的に検査実施いたしました。  まず、一点目の資金設置保有状況について御説明いたします。  検査対象といたしました七十八法人、百三十八資金のうち、平成十六年度末現在で設置されている資金は七十法人、百十六資金あり、資金保有額は一兆五千四百九億余円、うち国庫補助金相当額一兆三千百二十六億余円となっております。資金数では、農林水産省及び経済産業省所管分で全体の七六%を占めており、また、資金設置後の経過年数では、二十年以上経過しているものが三二%を占めております。  次に、二点目の平成十二年度決算検査報告検査対象とした資金見直し状況について御説明いたします。  前回の十三年次に検査対象とした九十四資金についてフォローアップいたしましたところ、資金事業を終了したものが二十三資金余裕資金を国に返納したり、事業内容を変更したりするなど見直し措置を講じて資金事業を継続しているものが四十八資金、特に措置を講ずる必要はないとしてそのまま資金事業を継続しているものが二十三資金となっております。そして、これらの見直しの結果、合計で百九十五億余円が国に返納されております。  なお、平成十二年度決算検査報告において資金事業運営に関して検討すべき点があるとした二十七資金につきましては、いずれの資金も何らかの見直しが行われております。  次に、三点目の十三年次の検査対象資金以外のものも含めた各資金運営状況について御説明いたします。  十六年度末現在において設置されている百十六資金について検査いたしました結果、三十三資金において、資金事業運営上、検討すべき事態が見受けられました。これら三十三資金のうちには、十三年次に検査対象とした資金が二十五資金含まれており、さらに、この二十五資金の中には十二年度決算検査報告において検討すべき点があるとして取り上げたものも十二資金含まれております。  三十三資金事態内容でございますが、資金事業として継続していく必要性検討すべきもの、事業実績が継続的に少ない状況となっているもの、使用見込みのない資金保有しているもの、資金管理が適切でないものなど、資金事業内容実績資金保有量及び管理といった面から検討すべき事態が見受けられたものでございます。  なお、三十三資金のうち五資金については、本院の実地検査後に二十三億七千六百五十一万余円が国に返納されております。  次に、四点目の資金制度見直し体制整備状況について御説明いたします。  所管府省において、資金事業見直し時期を設定しているか、目的達成度を測るための基準を策定しているか、サンセット方式を導入しているか、余裕資金の国への返納規定を設けているかについて調査いたしましたところ、これらに対する所管府省の取組は必ずしも十分とは認められない状況であります。また、資金事業ディスクロージャー及び所管府省による審査検査状況についても調査いたしましたところ、透明性を確保する見地からは改善の余地がある状況となっております。  最後に、以上の検査の結果を踏まえた本院の所見でございます。  今回の検査において検討すべき事態が見受けられた三十三資金につきましては、資金制度運営する所管府省及び資金事業の直接の実施主体である法人において、早急に実効性のある見直しを行うとともに、所要措置を講ずる必要があると考えております。  また、百十六資金を含めて、今後の資金事業実施に当たっては、資金事業として実施することの必要性検討受益者のニーズに即した事業内容利用条件検討資金需要に対応した資金規模検討等を行い、必要に応じて資金事業の終了も含めた所要措置を積極的に講ずるほか、資金設置の趣旨に沿った資金管理に留意するとともに、定期的な見直し時期の設定や目的達成度を測るための基準策定等見直し体制整備し、さらに、より効果的なディスクロージャー審査検査による透明性の向上を図ることが重要と考えております。  本院といたしましては、本件百十六資金についての今後の具体的な見直し状況を含めて、この種資金運営状況について、引き続き検査していくこととしたいと考えております。  以上が、国が公益法人等補助金等を交付して設置造成させている資金等に関する会計検査の結果の概要でございます。  次に、独立行政法人業務運営等状況に関する会計検査の結果について御説明いたします。  検査要請内容は、検査対象とされた独立行政法人四十五法人の、一、組織運営状況、二、財務状況、三、業務実績状況、四、情報の公表状況の四事項でございます。  検査に当たりましては、要請された各事項について、各法人に共通する指標を用いるなど、横断的な観点から分析を行っております。  まず、一点目の組織運営状況について御説明いたします。  組織運営状況につきましては、法人による自主的な組織運営の仕組みが導入された中で、業務効率化等のための組織改編常勤職員の削減に伴う非常勤職員外部委託活用等は適宜行われていると思料されます。しかし、多くの法人においては、役職員報酬給与支給額等国家公務員に準拠したものとなっており、業績等給与への反映も限られております。  したがって、各法人においては、中期計画においてあらかじめ定められた人件費総額などに留意しつつ、一層、自主的かつ機動的な組織運営に努めることが望まれます。  次に、二点目の財務状況について御説明いたします。  財務状況につきましては、まず、自己収入運営費交付金算定上の取扱いにおいて、同種の自己収入であるのに、算定の際に自己収入を控除している法人がある一方、これを控除していない法人があるほか、控除している法人の中にも、算定の際に控除した額と実績額とが相当乖離している法人があり、法人によっては、結果的に法人運営に要する資金余裕が生じる場合があると考えられます。  したがって、運営費交付金算定に当たって、自己収入の控除の適否について自己収入の種類等を勘案して十分に検討するとともに、算定の際に控除した自己収入の額が実績額と相当乖離している場合などには、法人における自己収入増加に対する動機付けにも留意しつつ、適切な自己収入の額を設定するよう努めることが望まれます。  また、運営費交付金債務の収益化の方法として、大部分の法人は、業務のための支出額を限度として収益化を行う費用進行基準を採用しているため、法人が効率的な経営に努めても、運営費交付金債務の収益化による利益は計上されないほか、自己収入の全額を費用に充てる会計処理としている法人においては、自己収入からも利益は計上されず、財務諸表において法人の経営努力の成果が表示されない状況となっております。  したがって、各法人において、引き続き事務事業の効率的な執行に努めるとともに、会計処理に当たっては、運営費交付金債務の収益化の基準も念頭に置きながら、自己収入の性格に応じた適切な自己収入の処理方法をあらかじめ示すなど、法人経営の効率化の成果をより明確化する方策がないか、検討することが望まれます。  次に、三点目の業務実績状況について、まず、法人業務成果について業務類型別に御説明いたします。  試験研究法人におきましては、常勤正職員研究者が減少している一方、非常勤研究員等が増加しております。また、人件費の伸び率に比べて発表論文数の伸び率が低い法人や、発表論文数は顕著に伸びていても独創的な研究の成果である原著論文の比率が低くなっている法人があります。そして、論文総数に占める査読付論文及び原著論文の比率は平均で五割程度となっております。  したがって、これらの法人においては、研究者人件費の上昇に留意しつつ、研究の指導的立場にある常勤正職員研究者を最低限確保するとともに、高度な専門的能力を有する常勤任期付研究員、非常勤研究員を活用するなどして、研究成果の質を一層高めることに努めることが望まれます。  また、学校施設法人におきましては、一人当たりの教育・養成経費は多額に上っておりますが、就学希望者や入学者が定員を大きく下回っている法人、中途退学者の比率が高い法人法人の設立目的に必ずしも関係のない分野に就職する卒業者が多い法人が見受けられます。また、法人によっては、既に民間、国立大学法人等において同様の業務実施しているものもあります。  したがって、これらの法人においては、求められている業務成果の達成、教育・養成業務に要する経費の節減に引き続き努めるとともに、統廃合など組織の再編成に当たりましては、独立行政法人としての設立目的を念頭に置きつつ、社会的なニーズや同種学校の状況等を十分考慮して行うことが望まれます。  また、研修施設法人におきましては、独立行政法人移行前に比べて利用者は増加傾向を示しておりますものの、法人が重要な事業と位置付けて自ら主導して行う主催事業への参加者の割合が低い一方、主催事業以外では法人の目的に直接関係がないと思料される利用者が多い法人も見受けられます。  したがって、これらの法人においては、地方公共団体等が設置している同種施設に対するナショナルセンター等としての役割を果たすため、積極的に先導的、モデル的事業を実施し、そこから得た知見等を還元していくことが望まれます。  続きまして、業務実績状況のうち、各法人における業務運営の効率化の実績については、業務運営の効率化に関して定量的に定められた目標に対する実績値の算出方法が法人ごとに区々となっており、各法人の効率化の状況をそのまま比較することができない状況となっております。  したがって、業務運営の効率化に関して定量的に定められた目標の達成度について、法人間の比較が可能となるような方策を検討することが望まれます。  次に、四点目の情報の公表状況について御説明いたします。  情報の公表状況につきましては、法律等により公表することとされている情報について公表していない法人や、一般の国民に対する情報提供の上で役割の増大しているインターネット閲覧の利便性に工夫を要する法人が見受けられます。  したがって、業務透明性を一層高めるため、情報の公表を適切に行うとともに、より積極的で分かりやすい情報の公表に努めることが望まれます。  本院といたしましては、今回検査した独立行政法人状況については、検査結果も踏まえ、今後とも注視していくこととしたいと考えております。  以上が独立行政法人業務運営等状況に関する会計検査の結果の概要でございます。  これをもって報告書概要説明を終わります。
  11. 中島眞人

    委員長中島眞人君) 以上で政府及び会計検査院からの説明聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  12. 荒井正吾

    荒井正吾君 自由民主党の荒井正吾でございますが、質問をさせていただきます。  本日は、財務大臣、また会計検査院長、昨年に引き続きまして決算及び決算検査の早期提出をしていただきまして、感謝申し上げます。閉会中でございますが、このような形で審査をして、次の予算編成決算のサイクルにつなげていきたいというふうに思います。  今、小さな政府が重要な国家目標でございます。小さな政府という意味はいろいろあろうかと思いますが、行政が事前チェック型から事後チェック型にするというのも小さな政府の大きなことだと思います。しかし、小さな政府の中でも、司法とか会計検査、事後チェックの機能はより重要になってきていると思うわけでございまして、事後チェックの機能を拡大して、全体として効率的で小さな政府を目指すというのが、またその役に立つというのが我が決算委員会の大きな役目じゃないかというふうに思っております。また、国及び地方政府予算執行の効率化のために会計検査活動をされるわけでございますが、その充実のためにはやっぱり国会の後ろ盾というのが必要であろうかと思います。会計検査予算執行と国会の連携というのも大事かと思います。  そのような意義が高まりつつある中で森下会計検査院長が来年の一月に定年の退官をされるわけでございます。長年会計検査院に御勤務されまして、退官に当たって所感を伺いたいと思います。今後の会計検査院への後輩に対する期待あるいは我々国会の決算審査に対する御意見なども含めて所感を伺えれば幸いでございます。
  13. 森下伸昭

    会計検査院長森下伸昭君) ただいま先生からお話がございましたように、国会における決算審査あるいは審議と、それから会計検査院における決算検査の成果は、これは相まって予算編成あるいは予算執行過程に反映されるべきことが大変大事なことだと思っております。  このような考えの下に立ちまして、当参議院決算委員会では予算編成の時期の前に当たる秋に決算審査を行うという試みを昨年なされ、そして今年もまた、閉会中ではございますが、このような形で開かれましたことには大変意義深いものがあるというふうに考えます。  私どもは、国会からの検査要請も受けつつ、そしてこのたびの会計検査院法の改正によって会計検査院の方からは必要と認めたときには検査報告を待たずとも随時の報告ができるという規定も設けられたわけでございます。ますます国会と会計検査院の関連が一層深まっていくというふうに考えております。これらの動きは非常に貴重なものでございまして、このような運営に努められました委員会の御関係の先生方には深く敬意を表する次第でございます。  このたび、先般の特別国会において会計検査院法の一部が改正されまして、検査院の権限が強化され、そして検査を受ける義務、応じなければならないという形で明文化されましたことは私どもにとっても大変有り難いことであり、責任はますます重くなったというふうに考えますが、それらにこたえるべくしっかりした検査をしていく必要があると思っております。  私、間もなく退官をいたしますが、会計検査院に奉職して以来四十年近く会計検査に携わってきておりますが、先輩、同僚、後輩とともに、やはり国民の期待にこたえられる会計検査がいかにあるべきかを考えながらやってきたつもりでございます。これからも、会計検査院は、やはり国会の期待それから国民の期待にこたえられるよう、やはり調査官の諸君は、調査官魂、不正不当は見逃さないという毅然とした態度を持って会計検査に今後とも取り組んでいっていただきたいというふうに思います。  退官に際してこのような発言の機会を与えていただきましたことを大変感謝いたしております。どうもありがとうございました。
  14. 荒井正吾

    荒井正吾君 森下院長が御退官されると。誠に寂しいことでございますが、今申されましたように、調査官魂を後輩が引き継ぎ、またそれに対して国会の決算審査が十分受けれるような体制を是非続けていけたらというふうに思いますし、またそのような動きを今後とも見守っていただき、時に応じて御叱正を賜ればというふうに思う次第でございます。本当にありがとうございました。  検査院の中で検査官が三人おられるわけでございますが、六十年近い検査院の歴史で、検査院出身が一人もおられないのは四十六年ぶりでございます。六十年近い歴史で三人のうち一人もおられない時期は、昭和二十二年から二十五年までの三年間と三十二年から三十四年までの二年間、合計五年間だけでございました。  検査院法の一条に、「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。」、しかし第四条は、「検査官は、両議院の同意を経て、内閣がこれを任命する。」と書いてあるわけでございます。検査院の独立性、とりわけ内閣からの独立性について、検査官の人事の国会同意というのは大変重要な手続であったかと思いますが、今回の検査官の新しい人事について当決算委員会が事実上関与できなかったのは遺憾だと思っております。また、新候補者に対する質疑も実行しようと思いましたが、それもできずに遺憾だと思っております。  今後、検査官の内閣任命に当たって、国会の同意についての対応の在り方は、決算委員会あるいは理事会でまた今後御議論を願いたいとお願いする次第でございます。  次に、決算検査の御報告の中でやはり注目したいと思いますのは個別具体的な御指摘じゃないかと思います。その中で、特記事項と特定事項が今回の検査報告概要にも十分なスペースを取って充実したものになっておるわけでございます。特記事項には制度や事業実施についての改善要請が含まれている。特定事項は、予算の効率化の観点から関心を持つべき事項、あるいは世間が関心を持っている事項について事情を明確にして議論に資するというような目的の違いがあるように聞いております。両者とも国会の決算審査のための重要なデータベースだというふうに思います。  今回の検査報告概要の中で特記事項は二百三ページに五件掲記されておりますが、一件が制度について、他の四件は事業実施についての内容かと思います。特記事項五件について、せっかくでございますので、その内容を御担当の局長から簡単に御説明を願いたいと存じます。
  15. 高山丈二

    説明員(高山丈二君) お答え申し上げます。  平成十六年度決算検査報告に掲記いたしました特記事項は、今先生のおっしゃいましたように五件ございます。  まず、私の方から御説明をいたします。  第一に、国土交通省が実施している防災拠点となる既存の官庁施設耐震化対策実施状況について検査いたしました。  その結果、大規模な地震による著しい災害が想定されている強化地域等において緊急度の高い施設の改修が優先されていない事態、また、改修を実施した施設において所要の耐震性能が確保されていない事態などが見受けられました。  本院としては、国土交通省において予算執行をより一層重点的、効率的に行うとともに、具体的な中長期計画を定め、強化地域等に所在する施設あるいは特に重要度が高い施設について管理官署と調整するなどして、耐震化対策が確実に推進されることを期待しているものでございます。  次に、国土交通省が実施しております電線共同溝整備事業実施状況について検査をいたしました。  その結果、整備計画の策定が工事竣工後であったりするなど適切でないもの、占用予定者の未入溝理由や今後の入溝予定の把握が十分でなく、入溝の要請が十分に行われていないなどの事態が見受けられたところでございます。  本院としては、電線共同溝の整備のための推進体制が充実されることを期待しているところでございます。  そして、独立行政法人都市再生機構が実施しております賃貸住宅建て替え事業について、これは地区ごとの基本方針等に沿って事業が進捗しているか、あるいは空き家住宅の補充停止以降予定どおり事業に着手しているかなどについて検査をいたしました。  その結果、事業着手後相当長期化しているものや、空き家住宅の補充停止の開始以降、長期間経過しても事業に着手していないものが見受けられ、このような状況が継続いたしますと、賃貸住宅建て替え事業の効果の発現が遅延するばかりではなく、間接経費、維持管理費等の経費負担が年々増加することになると認められたものでございます。  本院といたしましては、基本方針の作成、補充停止の開始時期の決定につきまして、当該地区及びその周辺の立地状況に応じた計画の再検討などを進めて、事業の促進が図られることを期待しているものでございます。  私からは以上でございます。
  16. 船渡享向

    説明員(船渡享向君) 私の方からは二件御紹介させていただきます。  一つは、電源開発促進対策特別会計における剰余金状況について調べた結果でございます。これは、同特別会計の電源立地勘定及び電源利用勘定における事業の進捗状況について検査いたしました。  その結果といたしまして、原子力発電施設等の立地の遅れなどから両勘定において多額の不用額が発生しておりまして、このため平成十六年度におけます剰余金は電源立地勘定で九百七十九億円、電源利用勘定で八百九十三億円に上っておりました。また、今後原子力発電施設等の立地が進展した場合に生じます財政需要に対応するために設けられました周辺地域整備資金に積み立てられた資金、これは十六年度末現在額で八百八十一億円でございますけれども、これにつきましても、使用の目途が立たない事態に至るものが生じれば剰余金と同様のものとなるおそれがある状況という状況について掲記させていただいたものでございます。  それから次に、中堅事業者に係る破綻金融機関等関連特別保険等利用が低調となっているため、制度の在り方について検討することが必要な事態についてについて調べた結果を御報告いたします。  この特別保険制度は、金融機関が破綻した場合に中堅事業者が取引いたしました新たな金融機関における中堅事業者の信用を補完するための中小企業金融公庫及び信用保証協会連合会による信用保証の制度でございまして、国が公庫に出資いたしまして七百二十億円の準備基金を、また、連合会に補助金を交付いたしまして八十億円の特別基金を創設させたものでございまして、今回それらの利用状況検査したものでございます。  その結果、公庫におけます保険引受額が極めて低調となっていることなどから、現在、その公庫及び連合会に設置されました両基金は、そのほとんどが使用されないままとなっている状況が見受けられたものでございます。  本院といたしましては、今後金融機関が破綻する可能性は極めて低くなっていること、それから、対象となる中堅事業者制度改正で従前より減少していることを踏まえまして、公庫及び連合会に設置されました両基金の縮小等を含めまして本制度の在り方について適切な対応がなされることを期待している旨を掲記したところでございます。  私の方からの御説明は以上でございます。
  17. 荒井正吾

    荒井正吾君 特記事項の五件の御説明の中で、最初の三件は事業官庁がしっかりせにゃいかぬということであろうかと思います。また、後ろから二番目の電源立地の剰余金も、事業執行部局がしっかりせにゃいかぬのが中心だというふうに思う面がございますが、最後の中堅事業者の破綻保険の事業の保険引受額が極めて低調であるとか、検査院所見において両基金の縮小等も含め本制度の在り方に適切な対応を図るよう検討することが必要という御指摘があるわけでございますが、これは予算査定に反映される可能性もあるんじゃないかというふうに拝察いたします。内閣予算編成における査定の結果を関心を持って見守っていきたいというふうに思うわけでございます。また、必要に応じて、国会の決算審査の俎上にものせていただきたいというふうに思います。  国会のフォローアップが大事だという観点から、この特記事項五件については、指摘に対する関係省庁の対応について当決算委員会関係省庁が文書による報告をするように委員会から要請していただくようにお願いを申し上げたいと思います。従来、特記事項はここに掲記されるだけで終わることが多かったわけでございますので、決算委員会のフォローというのがやはり大事じゃないかというふうに思いますので、是非御検討をお願い申し上げたいと思います。  次に、特定検査が二百三十七ページから二十件ございますが、その中で三件は、都道府県警察における捜査費関係都道府県労働局会計経理状況社会保険オンラインシステム契約金額の査定方法状況は、会計処理の適切性についての具体的な指摘でございます。会計処理については、やはり国会の審査を待たず直接直していただかないかぬというたぐいの事項であろうかと思います。今後、指摘のあった省庁改善策の履行状況会計検査院が注視していただくというものが基本的に大事じゃないかと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  その他の特定事項は十七件あるわけでございますが、そのうち三件について内容を簡単に御報告願いたいというふうに考えます。  二つは、特別会計決算剰余金状況報告がございます。農業経営基盤の強化に関する特別会計それから電源開発促進対策特別会計決算剰余金若しくは剰余金があるという御指摘があるわけでございます。これも予算に反映される可能性もひょっとしたらあるかもしれないという観点から、簡単に御報告をこの場でお願いできたらと思います。
  18. 千坂正志

    説明員(千坂正志君) 先生御質問の特定検査状況の三件のうち二件につきまして、私の方から御説明申し上げます。  まず一件目は、農業経営基盤強化措置特別会計執行状況等を検査しましたところ、農業改良資金及び就農支援資金の貸付実績が低調に推移していて、多額の決算剰余金が発生していました。また、農地保有合理化促進対策費補助金については、その支出額が伸びているものの、交付先の社団法人全国農地保有合理化協会において多額の資金が預金や中長期の債券として保有されている状況となっていました。  次に二件目でございますが、牛肉等に係る関税収入特定財源として肉用子牛等対策平成三年度から十六年度までに計一兆六千六百七十五億円を投じて実施されていることから、肉用子牛等対策について検査したものであります。  その結果、肉用子牛等対策の中心的な役割を担っている肉用子牛生産者補給金制度において、黒毛和種に対しての補給金の交付実績は計三十三億円にとどまっている一方で、乳用種に対する交付実績は三千三百八億円と、交付総額の約九〇%を占めている状況となっており、補給金の交付状況の違いが顕著であります。  本院といたしましては、黒毛和種に係る生産者積立金の積立額を見直すなど、補給金制度の運用方法を検討し、補給金の効果がより高められることを期待しております。  私からは以上でございます。
  19. 船渡享向

    説明員(船渡享向君) 大変失礼いたしました。  先ほど電源特会につきまして御報告いたしましたものは本来ここで御報告すべき特定事項でございまして、先ほど特記事項の方で御報告すべき事項についてここで御報告させていただきたいと思いますが、どうも本当に失礼いたしました。  特記事項といたしましては、中小企業高度化事業における不良債権が多額に上っていて、その解消を図るため、より一層の債権管理態勢整備することが必要な事態についてということについて掲記したものでございます。  これは、中小企業向け融資制度でございます独立行政法人中小企業基盤整備機構の高度化事業におきまして、現在、延滞債権等の不良債権増加する傾向にございますところから、高度化事業につきまして検査したところでございます。その結果、中小企業者に対して融資する都道府県におきまして貸付先の状況把握が十分に行われていなかったり、抵当権の実行等の回収措置がとられていなかったりしているのに対しまして、機構における管理が必ずしも十分なものとはなっていなかったという状況でございます。  本院といたしましては、機構におきまして全国九か所に設けた支部を活用し、都道府県に対しよりきめ細かな支援や助言ができるようにするとともに、債権管理に関する準則の内容等の周知を図るなどして、不良債権管理、回収が適切に行われることが図られていくこと、それから都道府県におきましても適切な管理、回収を行うことができる体制の充実が図られることを期待している旨を掲記したものでございます。
  20. 荒井正吾

    荒井正吾君 特定事項全体は、また同僚議員の質問の際に是非御参考にしていただけるように思います。  しかし、この三件については、運用の改善で済むのか、剰余金とか補給金の制度の査定の対象になるのか、財務省でよく予算編成で御判断願いまして、改善の指導も含めて査定の内容にしていただけたらというふうにお願いする次第でございます。  また、この三点の特定事項については、私からは、措置関係省庁の結果について、あるいは査定の結果について文書で当委員会報告願えたら次の審議にも資するんじゃないかと考える次第でございますので、理事会で御検討の方よろしくお取り計らい願えたらというふうに思います。  次に、百五条の調査要請について二件、先ほど御詳細な報告をいただきました。  公益法人等に補助金を交付して設置造成させる資金等会計検査についてでございますが、対象法人がたくさんに上りますし、今ここですぐに分析というわけにもいかない面があろうかと思います。百五条の検査会計検査院に国会が調査要請して今返事をいただいたものでございますので、検査対象になった官庁はまだ国会へ事情を報告する機会を得ていないわけでございますので、これも関係省庁から、この百五条調査対象になった点につき、当委員会の審議に資するために措置状況報告を文書でするように委員会からお願いしていただけたらというふうにお願いしたいと思います。  さらに、もう一つの百五条要請でございますが、独立行政法人業務運営検査でございますが、これも非常に先行独立法人、多岐にわたって検査をしていただきました。最近総務省が独立行政法人評価について発表されました。その後の独立行政法人業務運営の評価をされたわけでございます。  対象としてはややダブる面もあろうかと思いますが、最近の報告でございますので、今後の当委員会の審議に資する資料が含まれているんじゃないかというふうに推察をいたしますので、総務省からその内容を簡単に御説明していただければ幸いでございます。
  21. 福井良次

    政府参考人(福井良次君) お答え申し上げます。  総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会におきましては、平成十七年度末に中期目標期間が終了する法人のうち、昨年前倒しで見直しの結論を得ましたものを除いた二十四法人につきまして見直し検討を行いました。そして、去る十四日に勧告の方向性を取りまとめまして、各主務大臣に通知したところでございます。  具体的に申し上げますと、まず、事務事業の一体的実施により二十四法人を二十法人に整理統合すべきこと、それから、二十四法人のうち公務員型の二十三法人につきまして職員の身分を見直しました結果、十九法人職員数にして約三千七百人を非公務員化すべきことのほか、個別の事務事業につきましても、廃止、重点化等による合理化を指摘しているところでございます。  以上でございます。
  22. 荒井正吾

    荒井正吾君 総務省の方の御指摘は大変具体的な内容にもわたっていると思います。会計検査院報告は当院に対する報告でございますので、併せて、これも、関係省庁措置状況について来年の国会で審議に資するためのしかるべき時期までに文書による御報告要請していただくよう御検討願えたらと思う次第でございます。  今、総務省から行政評価・監視の一つを御紹介願いましたが、総務省は毎年二十件前後の行政評価報告をされているわけでございまして、これは内閣の中である程度行政監視をされるというシステムでございますが、内閣の外にある国会もその内容について注目をしていきたいというふうに思います。  最近ではいろんな報告がされておるわけでございます。その中で、国民生活に非常に密接した事項を取り上げられて、目に付く行政評価・監視がございました。十七年の十月七日に勧告のあった産業廃棄物対策に関する行政評価・監視あるいは根拠法のない共済に関する行政監視、それと国民年金業務を中心とした年金に関する行政評価・監視、これは十六年の十月の勧告でございますが、この三つについて内容を簡単に御説明願えたらと思います。今後の国会決算審査の材料にさせていただけたらと思う次第でございます。
  23. 福井良次

    政府参考人(福井良次君) お答え申し上げます。  まず産業廃棄物でございますが、最終処分場の残存容量が逼迫し、また不法投棄も依然として多発しているといった昨今の状況を踏まえまして、産業廃棄物の適正処理を推進するという観点から、その管理の手段といたしましての委託契約制度あるいは管理制度の運用状況、そして最終処分場の確保状況等を調査いたしまして、それに基づきまして、まず事業者に対しまして委託契約管理制度の法定遵守事項を周知啓発すること、それから立入検査マニュアル等を作成すること、それから最終処分場の残余年数が逼迫しております首都圏等の地域を中心としまして関係都道府県が協調して取り組むよう働き掛ける等の方策を環境省に対しまして勧告いたしました。  次に、根拠法のない共済でございますが、最近、実施事業者の急増などに伴いましてトラブル相談の増加あるいは種々の消費者保護上の問題が指摘されておりますが、他方、所管する行政庁がないという状況もございましたので、その実態につきまして詳細に調査いたしました結果、まず募集方法等の適正性の確保、それから正確な財務情報の開示、責任準備金の適正な積立て等を金融庁に対して通知いたしました。  それから、年金に関する行政評価・監視でございますが、社会保険庁の国民年金業務の問題点、特に国民年金の未加入問題でありますとか未納問題についての社会的な課題もございましたので、これらを踏まえまして、国民年金制度の安定的な運営を確保するという観点から、適用業務実施状況保険料徴収業務実施状況等について調査をいたしました。  この調査結果に基づきまして、まず一点目は、住基ネットシステムを活用することによりまして国民年金未加入者を把握すること、また年金受給権者の現況届を廃止すること、二点目は、保険料納付率の年度別の目標値を設定すること等未納対策の推進について、それから三点目は、社会保険事務局の定員配置につきまして業務量に応じた均衡の取れたものとなるようといった点につきまして厚生労働省に対して勧告をしたものでございます。  以上でございます。
  24. 荒井正吾

    荒井正吾君 今三つを、分かりやすいケースを取り上げて御紹介願ったわけでございますが、産廃に対する評価は、住民、産廃、非常に生活に密接した活動でございますのでそのような取上げ方をして、これは現場市町村において、都道府県などにおいて法令遵守による徹底ということが勧告されておるわけでございますが、三つ目の年金の受給者のシステムの改善については、これはシステムをうまく組み合わせれば国家の経費が減じると、効率的になるという一つの例だと思うわけでございます。  このような例がいろいろ発掘されて、省庁の縦割りじゃなしにいいシステムの構築をネットワークでするような御指摘があったように思いますが、このような省庁をまたがる改善策についてどのような体制で実施されるものかということは少々難しい面があろうかと思います。今後の検討課題として、同僚議員始め関係者の取上げを期待するものでございます。  締めくくりの御質問を一つさせていただきたいと思いますが、会計検査院法も改正されまして会計検査への期待が増大している中でございますが、会計検査は私は、十手捕り縄で仕事をするというばかりじゃなしに、会計検査の大きな仕事は、道具はたいまつじゃないかなというふうに思うわけでございます。たいまつを持って見えないところを照らして、ここにどぶがあるぞ、溝があるぞ、直したらどうかというような世間に暗いところを知らしめすというのがまず第一の大きな仕事じゃないか。  会計検査院の方は、十手捕り縄持っているから皆怖がって逃げやせぬかと。いや、ちゃんと見てくれと、見て分かれば我々も改善するという官庁も、関係者も多いんじゃないかというふうに思うわけでございます。事情を明らかにしてそれを分析するという大きな役目が会計検査に、会計検査院にあると思います。予算執行改善する大きな出発点じゃないかというふうに思うわけでございます。  そのような観点で、かつて、平成九年でしたか、会計検査院の改正の中で、検査の観点として、正確性、合規性以外に経済性、効率性、有効性という観点が入ったわけでございますが、これらの会計検査の手法というのは割と難しい面があろうかと思います。会計検査の手法の開発というのもこれから会計検査院に課された課題じゃないかというふうに思います。  もう一つは、国家の財政で大きな比重を占める地方政府予算執行の効率性ということでございます。  英国のサッチャー改革は、地方行政の改革を率先してサッチャー政権がやったことにより、大きな改革ができたという実績がございます。我が国において地方政府予算執行の改革というのは少々手が付かないところがあるんじゃないかというふうに拝見いたします。地方公共団体の予算執行状況に大きな光を当てる、静かなたいまつを当てるというようなことは、今後更に必要じゃないかというふうに思うわけでございます。  来年の秋に提出される百五条調査は地方公共団体を調査対象にしておるものでございますので、十手捕り縄で地方団体へ行くんじゃなしに、静かなたいまつを持って一緒に光の当たらないところを見て改善しようという、静かだけれども力強い会計検査を実行していただきたいというふうに思うわけでございます。  非常に大きな期待が寄せられている会計検査院の今後の御奮闘を御期待したいというふうに思うわけでございます。  財務大臣が来ておられまして、先ほど決算の御報告がございました。改めて決算の早期提出について感謝を申し上げます。また、財務省では、独自の予算執行調査ということで、やはりチェックをして予算編成に資するという活動を最近力を入れてされておって、敬意を表する次第でございます。決算審査の結果がだんだん予算に反映されている実績が積み上がってきているように思います。  財務省の中、各府省の中、内閣の中、また国会も関与して予算執行の効率性に、それは具体的にしていくと、見せ掛けじゃなしに具体的な指摘をして効率する、何の副作用も出ない改善というのは工夫によって随分あるんじゃないかと思います。財務大臣のその辺での御活躍も期待するわけでございますが、決算委員会の今後の審査内容をよくお酌み取りいただいて、良い予算を編成していただきたい、財政再建をしていただきたいというふうにお願いする次第でございますが、締めくくりとして財務大臣の御所感を伺って、質問を終わりたいと思います。
  25. 谷垣禎一

    国務大臣谷垣禎一君) 今、荒井委員からもお話がございましたが、参議院が決算重視の流れをつくっていただきまして、そして私どももそれは非常に大事なことだと、できるだけ決算を早く国会で御審議をいただこうということでやってまいりました。  今年も、十六年度決算検査報告では指摘金額が昨年を上回る九百三十六億円ということで、多くの不当事項等指摘をいただいたのは誠に遺憾でございますが、今、荒井委員がおっしゃいましたように、こういういろんな御議論を、少しでも予算の質を向上させて、そしてまた予算執行もきちっとやっていくということにつなげていきたいと思っております。  先ほど会計検査院との御議論の中で、幾つかの指摘事項について今後予算上どうするのか財務省もよく検討せよというお話がございましたが、私どももそのようなつもりでこれから予算編成に臨んでいきたいと思っております。今後とも決算の御審議それから会計検査院指摘事項等々をできるだけ予算の中に反映させていきますように、そして予算の質を向上させられますように、私どもも努力をいたしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
  26. 荒井正吾

    荒井正吾君 ありがとうございました。  終わります。     ─────────────
  27. 中島眞人

    委員長中島眞人君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、神本美恵子君が委員辞任され、その補欠として岡崎トミ子君が選任されました。     ─────────────
  28. 尾立源幸

    ○尾立源幸君 民主党・新緑風会の尾立源幸でございます。  本日は、当委員会が前回の国会で提出をさせていただきました百五条検査要請に対する会計検査院報告について主に質疑をさせていただきたいと思います。  まず冒頭に、谷垣財務大臣には、先ほどもございましたように、いろいろと決算委員会等々での質疑を予算に生かしていただいておりますことを感謝申し上げたいと思います。また、中馬行革担当大臣、新しくおなりになられたわけでございますが、是非大阪の代表として、お金に厳しい浪速の是非知恵を発揮していただきたいと思います。  それでは、早速でございますが、今日は二つ大きな項目がございます。一つは補助金等が財源となっている基金について、もう一つは独立行政法人業務運営等についてと、この二つの大きなテーマから質疑をさせていただきます。  早速でございますが、皆様のお手元に配付しております資料をごらんいただきたいと思います。  これは会計検査院の方からいただいた資料をまとめたものでございますけれども、この資料のまず一ページでございます。少しまず残念なことから御報告しなければいけませんが、これは、平成十二年度決算検査報告で問題が指摘された二十七資金のうち約半分の十二資金というものが、相変わらず今回も、平成十六年度末のこの検査で問題が指摘されております。  一番から十二番まで約半数近くということでございますが、真ん中辺りに「平成十二年度決算検査報告」という欄がございます。ここで会計検査院指摘がございまして、その次の欄に「検査報告後の対応」ということで、各省庁がこういうことをして改善をしていくんだということがここに書いてございます。そして、次の欄が「今回の指摘」ということで、これが十六年度末の指摘でございます。そして、最後の欄が、それぞれの基金、団体が持っております資金量が、上段が十二年度末、下段が十六年度末ということで、ごらんいただければ分かるんですが、例えば二番の農水省所轄の機構においてはほとんど資金保有額が変わっていない、にもかかわらず一向にこの利用実績等々が上がっていない、改善がなされていないということがこの表からお分かりになると思います。  そこで質問でございますが、なぜ四年間もこの問題が解決されないまま放置されているのか、その理由について、また、今後の対応につきまして農水省、経産省に、特に目立っております農水省、経産省にお聞きをしたいと思います。
  29. 白須敏朗

    政府参考人(白須敏朗君) ただいま委員からの御指摘ございました、平成十二年度に指摘を受けまして今回も指摘を受けた資金農林水産関係で、ただいまお話ございましたとおり五つの資金があるわけでございます。その理由は、ここに、委員の御配付のところに記載されておるわけでございますが、大半は、事業実績が少ないというのが大半の理由になっておるわけでございます。  これらの資金につきましては、私どもも、十二年の指摘を受けまして、平成十三年度以降、資金の有効活用を図るということで、新たな対策の創設でございますとか、あるいは広報活動の強化といったようなことで事業の見直しを鋭意図ってまいっているわけでございます。  その結果、この五つの資金のうち二つの資金につきましては事業の実施が相当程度促進をされまして、資金の残高につきましては平成十二年度に比べまして相当急激に減少しておる資金もあるわけでございますが、ただ、御指摘のとおり、その他の三資金につきましては、事業のやはり周知徹底が十分ではなかったというふうなこと、あるいはまた、補助の要件といたしまして、特に果実関係の補助事業につきましては、でき過ぎた場合に市場隔離でございますとか、あるいは調整保管を行うというふうなことになっておるわけでございますが、そういったことが、生産調整などの結果、そういう果実の需給の不均衡が発生しなかったといったようなことで事業の実績が十分上がらなかったというものもあるわけでございまして、そういったことで引き続き御指摘をいただいたというふうに考えているわけでございます。  こういった資金につきましては、会計検査院指摘を私ども真摯に受け止めますとともに、農政を取り巻く環境の変化でございますとか、あるいは厳しい財政状況といったようなものを踏まえまして、事業の内容あるいは必要性の検証というものはしっかり行ってまいりたいというふうに考えております。  具体的に申し上げますと、先ほどお話ございました食品流通の構造改善対策の債務保証事業基金につきましては、本年七月に流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律が制定されたわけでございますが、その支援策の一つといたしまして本資金も位置付けられているわけでございます。これによりまして本資金の活用を積極的に図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。  また、さらに、果実関係の生産出荷安定基金協会関係資金につきましては、当面の一般会計からの繰入れの是非も含めまして検討をいたしますとともに、あわせまして、新たな果樹対策につきましての検討もこの三月に基本方針も打ち出したところでございますので、そういったことも踏まえまして、資金の在り方を含めて見直しを図ってまいりたい。  また、でん粉の工場の再編対策資金につきましては、資金管理が不適切といったような御指摘を受けているわけでございますので、その指摘を踏まえました資金管理適正化という点でしっかりと指導しているところでございます。
  30. 松永和夫

    政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。  経済産業省所管の公益法人資金でございますけれども、平成十二年度の決算報告におきまして八資金指摘を受けました。その後、私ども真摯な見直しを行いまして、その結果、二資金につきましては廃止の上、国庫補助相当額を国庫に返納いたしまして、残りの六資金につきましては条件の緩和等、利用促進を図るための措置、あるいは広報活動を行ってまいりました。  しかしながら、ただいま御指摘のとおり、十六年度決算におきまして、当該六資金につきまして、そのうちの四資金につきましては事業実績が少ない、あるいは二資金につきましては事業財源の減少への対応が必要と、こういう御指摘をいただいたところでございます。  私どもは、この御指摘を真摯に受け止めまして、資金の在り方、資金の要否を含め、しっかりと見直しを進めまして、速やかに見直し作業に着手したいと考えております。  具体的には、事業実績が少ないと指摘されました四資金につきましては、資金の借入れにつき保証を行う事業でございますけれども、PR手法の具体的な見直し、あるいは制度改善等、制度の在り方を検討してまいりたいと考えております。  また、資金財源の減少への対応が必要だとされた資金でございますけれども、これは市場金利の低下で運用益が減少して事業規模を縮小せざるを得ない状況にあるということを踏まえまして、事業の重点化、効率化を進める等、制度の在り方をきちんと検討してまいりたいというふうに考えております。
  31. 尾立源幸

    ○尾立源幸君 農林水産省の所轄の公益法人については、十二年度で指摘された十六法人のうち十一法人、これを国に資金を返還したりして、残り五ということでございますけれども、一方、経済産業省の方、これは八資金のうち六資金がまだ手付かずでございます。なぜ同じような指摘を繰り返さなければならないのか。今回、参議院というところで我々任期も六年いただいておりますので、これはまず引き続きしっかり追っ掛けていきたいと思います。  そして、もう一つ大事なことは、会計検査院検査にも百七十日人の労力が使われております。これも税金でございます。きちっとしっかりこれ真摯に受け止めていただいて、今の説明では真摯に受け止めていただいているとは思えません、引き続き私、フォローアップをしていきますので、しっかり対応していただきたいと思います。  次に、独立行政法人業務運営検査についてお話をさせていただきたいと思います。  資料の二ページを見ていただきたいのでございますけれども、御承知のとおり、独立行政法人になりまして、運営費交付金ということで、独立行政法人が弾力的な財務運営ができるようにという配慮でこの運営費交付金というものが創設されたわけでございますけれども、ただ、ここでちょっとやっぱり疑問に思うことが多々あるわけでございます。二ページ目の資料でございます。  それは、運営費交付金算定をする際に、いろいろな要求の仕方がございます。大きく分けますと二つございます。一つは、運営費交付金を要求するときに、各独立行政法人が自前の収入を持っております。その自己収入を差し引いて残りの足らない分を運営費交付金ということで要求するパターンと、もう一つは、自己収入を差し引かないで運営費交付金を要求している法人、この大きく分けて二種類があるということでございます。そもそもなぜこの二種類があるかということも私は疑問なんですけれども、まずその二種類があると。さらにその中には、ここに表を見ていただくと分かるんですけれども、算定方法で、自己収入を控除する方法の中にも三通りのやり方がある。さらに、自己収入を控除しない方法でも二通りのやり方があると。計五通りの交付金の要求の仕方があるということをまず大臣、行革大臣、御理解をいただきたいと思います。  その中で、特に自己収入を差し引いていない、私からいえばもらい過ぎじゃないのかと思うわけでございますが、この法人を調べてみましたところ、すべてそれらは試験研究法人でございました。  資料の三ページを見ていただきたいわけでございますが、自己収入を控除している主な試験研究法人と控除額という表が上段の方にございます。消防研究所から始まり、食品総合研究所、これは主なでございますからこれ以外にもたくさんあるわけでございますけれども、この独立行政法人の、試験研究法人自己収入の中身を見てみますと、財産賃貸収入、事業収入、知的所有権収入、その他雑益という具合にいろいろあるわけでございますけれども、大体この四年間で平均いたしますと、少ないところで、合計欄を見ていただきたいんですが、六百万ぐらいから、多いところでは三十億まであると、こんなふうになっておるわけです。これは、自己収入を基本的には差し引いて、これは差し引いて予算を、運営費交付金をいただいておるわけですから、まあ比較的これは問題ないかなと思っております。  下の方です、問題なのは。この自己収入を控除していない法人と主な自己収入を見ていただきたいんですけれども、自己収入内訳、一番右の欄、同じなんですね。ほとんど知的所有権収入、雑益、事業収入、このほかにでももっとたくさん実は収入があるわけですけれども、比較の観点からこの同じものだけを取り上げてみました。すると、四年間で、少ないところは交通安全環境研究所で三百万、多いところは三億七千三百万、土木研究所でございます。このように自己収入を上げているわけでございます。  それでは、ここでお聞きしたいんですが、この土木研究所から北海道開発土木まで、これは国交省担当、七つはそうでございます。それと、最後が環境省でございますが、なぜ主務官庁はこのような運営費交付金算定方法を認めたのか、お聞きをしたいと思います。
  32. 春田謙

    政府参考人(春田謙君) 国土交通省の関係の七法人関係につきまして御説明を申し上げたいと思います。  御指摘の七法人運営費の交付金でございますけれども、算定方式には明記されているわけではございませんが、実際の取扱いといたしましては、毎年度の自己収入を想定をできる法人につきましては、これを差し引いた形で運営交付金の算定を行ってきたところでございますが、今、表の下の方でいわゆるそういう差引きをしていない法人がございます。これは、自己収入をあらかじめ想定することが難しいという法人といたしまして、各年度ごとに差し引くことを行っていないということでございます。  具体的には、この差引きを行っております土木研究所から港湾空港技術研究所までの四法人でございますが、あらかじめ一定額の収入を見込んだ上で、各年度において自己収入を差し引いて運営費交付金の額を算定した上で要求を行っている。  一方、下の電子航法研究所、それから北海道開発土木研究所、それから建築研究所、ちょうど上から二つ目のところでございますが、この三法人につきましては、自己収入があらかじめ見込めないこと、あるいは額が少額であるといった理由から、当該年度においては差し引かずに、最終的には中期計画の最終事業年度終了時に精算する方法を取っているというところでございます。  このように取扱いの差があるところではございますけれども、いずれの場合におきましても自己収入額については中期計画終了事業年度終了後に精算をするということにしてございまして、自己収入分が余剰として生じることがないよう適切に会計処理することとしているところでございます。
  33. 桜井康好

    政府参考人(桜井康好君) 御指摘の国立環境研究所でございますけれども、この研究所におきましては、環境分析に必要となります化学物質の濃度を正確に測るための標準試料というものを作製をいたしております。この標準試料を民間の分析機関等に実費で分譲をいたしております。この分譲に伴います収入はこの標準試料の作製するための費用に充てておるということでございまして、利益というものではないのではないかというふうに考えております。  なお、その国立環境研究所におきまして、こういう利益となることを想定しないもののほかに、生じた利益を積立金として中期計画の終了時に国庫に納付する、例えば賃貸収入などはそういった形で中期計画の終了時に国庫納付ということを想定をしておるものでございます。  こうしたことから、これまで自己収入を差し引くということをせずに、運営費交付金算定を行ってきたところでございます。
  34. 尾立源幸

    ○尾立源幸君 国交省の御説明にはちょっと納得しかねるところがあります。というのも、まず、例えば建築研究所なんというのは、平均すると二千数百万から三千万の、これ毎年同じもう収入があるわけでございますし、また前年度の実績というのも、もう皆さんお分かりのはずです。なのに、全く予想できないとか、そういうことでは私は済まされないと思いますし、もう一つ、先ほどの説明が何か最近お考えになったんじゃないかなと思われるのは、実は、このやり取りをしている中でグレーのところをちょっと見ていただきたいんですけれども、これが実際に予算査定時に自己収入として差し引いているというふうに国交省自らがおっしゃっているんですね。最終年に精算をするというようなことは言っておられません。ということで、もう食い違っているわけです、話が。  それで、その経緯を申し上げますと、まず国交省さんの方の説明では、この予算運営費交付金の査定時に国交省自らがこの自己収入をしんしゃくをして運営費交付金を決定しているという説明がまず最初にございました。その次におっしゃったのが、独立行政法人が自らこの自己収入を引いて運営費交付金を要求してきているという、こういう説明があって、それで、今、三番目の説明になります。このように、この問題に対して説明が二転三転しておるわけです。私は、今まで余り注意をされていなかったんじゃないかと、このように思ってならないわけでございます。  特に、土木研究所と海上技術研究所を見ていただきたいんですけれども、グレーの方が一応自分の方で自己申告でこれは引いているよと言っている部分なんですけれども、十六年度を見てください。一億三千万のこれは自己収入自己収入が一億三千万あります。自分たちが見積もっているというのは三百五十万なんですよ。これだけでも、いかにこれがいい加減かと。全く足りないですよね、自己収入の金額には。  海上技術研究所、どうですか。四千六百万。何とたったの三十万、自己収入というふうに自己申告されているわけです。これは水増しじゃないんですか。しっかり、これはまた今後も、来年もあると思います、チェックをさせていただきたいと思います。  それで、八法人、まあこの問題の八法人なわけでございますが、年間で七億四千万の自己収入、トータルであるわけですね。先ほど申し上げましたように、中にはまじめに自己収入をきちっと運営費交付金を要求する際に引いている法人もある。一方、この八法人はそれを隠している。ちゃんとやっていない。こういう不公平が生じているわけですよ。余分に税金が、まあ一時的とはいえ、後で精算するとはいえ、投入されていると、こういう事実は明らかだと思います。  そして、もう一つ申し上げたいのは、先ほど最終年で精算をするというふうにおっしゃいました。平成十八年度、これからまた新しく中期計画が始まるわけでございますけれども、このときには、必ずもう自己収入を控除して中期計画をしっかりと立てていただく、このように私は皆様にお願いをしたいわけですけれども、この八法人の主務官庁の財務省の財務大臣、またそれぞれの、国交省、環境省、次回の中期計画にはどのように反映させるのかをお聞きをしたいと思います。
  35. 春田謙

    政府参考人(春田謙君) お答え申し上げます。  先ほど先生の御指摘でいわゆる控除された自己収入という欄で書かれたものと、実際に収入として計上されているものとの比較の御指摘がございました。実は、私どももこの中期計画を立てる段階におきまして、いわゆるどれぐらいの収入が見込めるかという見込みを立てまして、その見込まれたものにつきましては毎年の運営交付金の方から控除する形で対応した四法人のケースと、それからそういうその予定された自己収入を計上していなかった三法人のことを申し上げたところでございますが、私ども、今後の新しい中期計画なりに向けましての取組につきましては、既にこういう実績の数字もございますので、こういった実績なども踏まえましてどういう自己収入を見込むのか、こういったところにつきまして改善できることがないか検討してまいりたいというふうに考えております。
  36. 桜井康好

    政府参考人(桜井康好君) 次期の中期計画見直しを現在始めておるところでございますが、御指摘を踏まえまして必要な見直しを行っていきたいというふうに考えております。
  37. 谷垣禎一

    国務大臣谷垣禎一君) 今、国土交通省と環境省の方からそれぞれ御答弁がございましたけれども、私ども財務省は、それぞれの独立行政法人が新しい中期計画を作る、策定して認可申請を行ってくるわけですが、そのときに主務官庁から協議を受けることになっておりまして、そのときに業務内容やあるいは今御議論の運営費交付金算定方式の見直しが適切に行われているかどうかということを審査することになるわけでございます。  それで、今までは、予算編成のときに議論しておりましたのは、先ほど御答弁がありましたけれども、自己収入が見込めるところはそれを控除してやってくれと、それから見込めないところは、それは後から、何というんでしょうか、積立金を設けまして中期計画の終了時に精算するというようなやり方でやってきたわけですが、今御答弁がありましたように、各主務省庁において会計検査院指摘も受けて見直しを行っているということと承知しておりますので、それでまた協議を受けましたときに私どももきちっと議論をしてまいりたいと思っております。
  38. 尾立源幸

    ○尾立源幸君 是非しっかりやっていただきたいと思います。  やはり問題なのは、このようにいろんなパターンがあり過ぎるんじゃないかなと思うんですね。これは、お聞きすると、独立行政法人の自主性、独自性を重んじるためにこんないろんなやり方があるというふうに説明を受けるんですけれども、後の、これから質問いたします業務運営効率化のその算定式でも、本当に百十三法人あるわけですから百十三通りあると言ってもいいぐらいたくさんあるわけでございます。これでは横の比較やその法人の時系列の比較ができない。中には、これから後で述べますが、業務効率化の算定式を毎年変えるような法人もあるわけでございます。これは正に実態を見えなくさせるような、そんな思考ではないかと私は思います。  ですから、御承知のとおり、企業会計などというのは、こんな複雑な企業会計をある意味で一つのやり方でやっておるわけでございます。基本は一つにして、あと少しバリエーションを付けるというのは分かりますけれども、最初からばらばらなやり方というのは余りにも私はずさんなんじゃないかなと、このように思いますので、この点もまた総務省さんを始め皆さんで検討していただきたい、私も知恵を出させていただきたいと思います。  それでは、今話題に申し上げました業務運営効率化の実績値の算出についてという項目に移らせていただきたいと思います。  今度は資料の四ページ目を見てください。これもどうでしょうか、私、ア、イ、ウと書いてあります。何をもって効率化したかという、その効率化の実績値の算出モデルでございますが、まず大きく分けて三つございます。運営費交付金を充当して行う業務だけをある意味で効率化の対象としている法人。その中でもまた三つあるんですね、この算出方式が。さらに、イは、一般管理費を効率化の対象としている法人、これは(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)と四つございます。さらに、ウ、その他の数値を効率化の対象としている法人ということで、これはこの上のアにもイにも当てはまらない、それぞれ独自のまた算式でございます。  今回、会計検査院の方でも、この実績値の算出方法が法人間で異なるという、こういう指摘がなされておるわけでございますが、実際、会計検査院にはお聞きしたいわけでございますが、実績値の算出方法が法人間でこのように異なる場合、どのような不都合、問題が生じるのか、御説明をいただきたいと思います。
  39. 船渡享向

    説明員(船渡享向君) 今先生御指摘のように、業務運営の効率化に関しまして、実績値の算出方法につきまして各法人間で違いが見受けられる状況がございました。  各法人におけます業務運営の効率化の実績につきましては、現状では今申し上げましたとおり、その実績値の算出方法が法人ごとに区々となっておりまして、そのまま数値を比較することができない状況となっておりますことから、法人間の比較が可能となるような方策を検討することによりまして、例えばそれを評価する評価委員会によりまして、どのような効率化が図られているか、等質に見られることを可能にすることと併せまして、それから独立行政法人間におけます業務効率化に対しますインセンティブが働くということが期待される状況になってございますが、現状ではなかなかそういう状況にはなっていないということでございます。
  40. 尾立源幸

    ○尾立源幸君 それともう一つお聞きしたいんですけれども、会計検査院報告書によりますと、中期目標期間中一%あるいは二%の効率化を行うということを目標にしている二十三法人のうち十法人が毎年度の効率化の実績値を算出していない。つまり、五年後にどっとこの数値を算出するというような方法を取っております。  私は、やっぱりこれ毎年ですね、五年分の一年でございますから、この一年でどれだけ効率化できたかということをきちっと算出して今後の運営に参考にするべきだと思いますが、会計検査院のお考えをお聞かせください。
  41. 船渡享向

    説明員(船渡享向君) ただいま先生の御指摘のように、法人の中にはそのような毎年度の実績値を出していないものがございます。これは中期目標期間中での目標値は定められているものの年度ごとには目標値が定められていないなどのためでございますけれども、このような場合でも、毎年度の実績値を把握するなどして中期目標の達成に向けて業務の効率化を進めることが望ましいというふうに考えております。
  42. 尾立源幸

    ○尾立源幸君 総務大臣にお聞きしたいと思いますが、イギリスではこの自治体の行政サービス、あとエージェンシーもそうなんですけれども、横文字で恐縮ですが、EFQMエクセレンスモデルという民間企業と同じようなベンチマーク指標を使って業務の効率化を図っております。  私、今回この報告書を読みまして、少なくとも各法人業務の達成状況について評価基準を統一化をして業務の効率化の状況を一覧にして発表するぐらい、そして競争原理を働かせる。ある法人は頑張っているぞ、ある法人は頑張っていない、こういうことがしっかり分かるようにすべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
  43. 山崎力

    ○副大臣(山崎力君) お答え申し上げます。  今御指摘の件でございますけれども、今までの議論の中でも御承知のとおり、非常にこの独立行政法人というのが一律ではないと、いろいろな方面で仕事をしているということは、そしていろいろな面で違ったやり方をしているというふうなことが明らかになったわけでございますが、その中でイギリスの例を取られたわけでございますけれども、これは、イギリスの場合は自治体という組織でこれはもうやる仕事というのはほぼ、何というんでしょうか、決まっていると言っては失礼かもしれませんが、どこの自治体もやるべき仕事はやるべき仕事として分かりやすくあるという特質がございます。  そういった意味で、それぞれの業務の達成状況に対する評価というのも非常にしやすいというふうに私どもは感じるわけでございますけれども、そうなってきますと、やはり独立行政法人の場合、元々の目的とか業務内容がこれだけ違っている部門がございますと、それぞれやはりまずやっていただかなければいけないことは、それぞれの法人の責任者、長がそれぞれの判断の下で、特性に応じて最もいいやり方で業務の効率にまず取り組んでもらっているんではないかと、そのように思っているわけでございます。  ということで、結論的に言えば、今の状況において一律の取扱いはちょっと難しいのではないかというふうに思っております。  ただ、さはさりながらということでございますけれども、御指摘の効率化に関してのことでございますけれども、その取組状況を分かりやすく公表したり、あるいはそういうふうな比べれるような形でのことが重要だということは、当然御指摘のとおりでございますんで、私どもの、当省の政策評価・独立行政法人評価委員会というところにおきまして、そのような視点からの各府省の評価委員会の評価結果について二次評価というものを行いまして、必要に応じて意見を述べてきているという状況でございます。  そういった中で、どのようなこれから視点があるか、その委員会の方とも相談しつつ検討していきたいという状況にございます。
  44. 尾立源幸

    ○尾立源幸君 副大臣、よく聞いていただきたいんですけれども、私が申し上げたいのは、申し上げたのは自治体だけではございません。独立行政法人のモデルとなったエージェンシー、これについてもEFQMエクセレンスモデルという、こういう効率化の測定方法を取っているということなんで、勘違いしないでくださいね。自治体じゃなくて独立行政法人の方もできるんだということを私は申し上げているんです。よく研究してください。  それでは、最後に中馬大臣にお聞きしたいと思いますが、今回、行革事務局において、独立行政法人に関する有識者会議、これは積極的な提言、この会議によって行っていただいていると思いますけれども、その中で指摘事項として独立行政法人職員の非公務員化とそして法人の統廃合というもの、これを力点を置かれて小泉内閣が積極的に取り組んでいらっしゃると聞いておりますが、それではこの独立行政法人の非公務員化によってどのぐらいの財政歳出削減効果があるのか、お聞かせ願いたいと思います。  これで質問を終わらせていただきます。
  45. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) このたびの改造内閣で行政改革担当大臣に拝命いたしました衆議院の中馬弘毅でございます。こうして閉会中にもかかわりませず熱心に御議論いただいておりますこの決算委員の皆様に心から敬意を表する次第でございます。  今のお聞きのことでございますけれども、独立行政法人につきましては、独立行政法人通則法に基づきまして、中期目標期間終了時において主務大臣が組織及び業務全般にわたる厳格な見直しを行うこととされております。  御承知のとおり、本年には中期目標期間が終了する二十四法人、これは情報通信研究機構とか国立美術館、博物館、こういった、二十四ございますけれども、これにつきまして、ほとんどのところが非公務員化ないしは統合をいたしております。  その効果といいましょうか、効果でございますけれども、この法人、非公務員化することによりまして、もうお話にもありましたように、民間と大学等がいろいろと共同研究をしたり自由な立場でやることができます。それによった一つの人事交流とか研究成果のより深度が深まるといったようなこと、それから国家公務員法上の様々な制約がなくなりますから、これによっての柔軟な勤務形態が導入できる、こういったことによりまして効率的な運営のメリットが出てくるわけでございまして、それによりまして、今のところ金額が幾ら減るかということとは別に、そうした効果が出てくるんじゃないかと思います。それに我々も期待をしているわけでございまして、まだ今のところその金額が幾ら減るかといったことは到底推計できることでもございませんし、しかし先ほど言いましたような形でそれぞれが効率化を上げる、と同時にまたそのメリットも、収入として入ってくるケースもあるわけでございますから、そうしたことを総合的に、ただ給料部分が幾ら減るといったようなことではなくて、この大きな効果がサービスも含めて出てくるものだと私どもは確信して、そのように指導しているところでございます。
  46. 藤末健三

    ○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末健三でございます。  私は、今回、文部科学省の大学行政につきまして質問を申し上げたいと思います。  ポイントは二つございます。一つは、文部科学省が国立大学法人及び私立大学に関しまして局長通知に基づく過剰な管理をしているんではないかということがあります。そしてまた同時に、国立大学法人に多数の理事を送り込み、不要な管理を行っているというのが一つ。そして二つ目は、今、酒田短期大学、そして萩国際大学といった私立大学の経営の破綻が問題になっていますけれども、文部科学省の方々なされている仕事は何かと申しますと、指導と助言ということをなさっていまして、一番大事な大学の情報開示というものについて非常に後手後手に回っているんではないかと、その二点を指摘させていただきたいと思います。  まず、お手元に資料を配らさせていただいていますが、ごらんになっていただけますでしょうか。私が調べたデータでございますが、今八十九の国立大学法人がございます。そこにどれだけの文部科学省の方が理事として行かれているかということを調べますと、何と六十四名です、六十四名。そのうち、文部科学省でございますが、文部省、科学省の方々が合併していますが、ほとんど六十三名が文部省に入省された方、科技庁の方は一名ということです。文部省ばっかり。そして、次に大事なこと、半分、約半数が財務担当なんですよね、財務担当です。文部科学省が国立大学法人に出している運営交付金、一兆二千三百億円ございます。これだけの税金を差配している文部科学省が、その税金の受取先である国立大学法人に三十名近くの財務担当理事を送り込んでいる。非常におかしな、もう天下りです、完全に。  私はこの理事の派遣をやめるべきだと思うんですが、まず文部省、いかがお考えでしょうか。文部科学省、お願いします。
  47. 玉井日出夫

    政府参考人玉井日出夫君) お答えを申し上げます。  この今、国立大学の数、八十七でございますが、そこに理事だけで全部で四百五名、先生のお作りになった数字にございます四百五名、そのうちで文部科学省出身者は、常勤が六十二名、非常勤二名でございます。  具体的な理事の担当業務は、多くは総務、労務、財務等の言わば管理業務が常勤六十名でございまして、その他、学生支援だとかあるいは入試、社会連携、学術政策などが常勤二名、非常勤二名となっているわけでございます。  そこで、国立大学におけます理事の任命でございますけれども、これは学長自らが、その判断によりまして大学の教育研究や運営に高い識見を有する者を幅広い分野から選考し、任命を行っているわけでございまして、そういう意味で具体的には、副学長あるいは学部長あるいは事務局長などのほかに、経済界や私学関係者、高度な専門職業人など幅広い分野から行っているわけでございます。  したがって、文部科学省出身者も含まれているわけでございますが、それはそれで大学の教育研究等への、あるいは運営についてのその手腕を買われたものと理解をしているわけでございまして、文部科学省出身者につきましては、学長からの要請に基づいて私どもも適材適所の観点から御推薦を申し上げているわけでございます。  今後とも、そういう専門的な能力を生かすという事柄の要請には適切におこたえをしていく必要があろうと、かように思っております。
  48. 藤末健三

    ○藤末健三君 何のために国立大学法人になったかということをもう一回考えてください。    〔委員長退席、理事国井正幸君着席〕  少なくとも、一兆二千億円ものお金を差配している役所が自ら襟を正さなきゃおかしいじゃないですか。自分がお金を出しているところに人を送り込んでいるとしか思えません。是非やめてください、それはもう、理事を送り込むことは。おかしいです、はっきり申し上げて。  私、きちんと行かれた理事の経歴調べています。国立大学法人となった大学、企業会計を使う。財務担当者の中で企業会計の経験がある人はだれもいませんよ、文部省の方が送り込んでいる人で。交付金を集めるために送り込まれたとしか思えないじゃないですか、これは。当然、大学、おっしゃっていますよね、大学の自主的な判断で送り込んでいるんだと。大学側は、税金が欲しいから、交付金が欲しいから、企業会計の経験もない文部科学省の人を呼んでいるんじゃないんですか。  中馬大臣、どう思われますか。行革担当大臣としてのお考えをお聞かせください。そしてまた、将来の首相候補であられる谷垣大臣にも是非私見をお聞かせください。おかしいです、これは。
  49. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) いや、御承知のとおり、大学の自治というのは非常に、それぞれの学長以下その方々も、そのプライドといいましょうか矜持を持っております。  しかし、学校運営上の問題について、まだ独立行政法人になったからといって、すぐそれが交代できるものでもないでしょうから、もちろんその気持ちはおありでしょうけれども、従来の方々がまだ引き続きその任に当たっておられることもこれは事実だと思いますし、またそういうことも含めて、これはやはり大学の自主的な判断で、何といいましょうか、任命されますのも学長でございますから、こういうことをひとつ、その方々にも精神的にはお願いを申し上げるとしましても、命令をこちらがするわけじゃございませんので、ひとつそのことを御理解ください。
  50. 谷垣禎一

    国務大臣谷垣禎一君) 私は、大学行政について云々する学識というか素養がございませんけれども、最近、独立大学法人になってから大学の理事者の方とお話を伺いますと、できるだけ人材を大学の中だけではなくて多様なところから求めて、大学を活性化していこうという工夫も随分意欲を持っておられるように思っておりまして、こういう財務とか総務の担当の方もそういう意味で多様な人材を求めて、活性化していくようにしていただくのが必要だと思います。  ただ、具体的なこの人事に関しては、私はちょっと論評する素材、素養がございません。
  51. 藤末健三

    ○藤末健三君 いや、是非、谷垣大臣が本当にそういう立場になられたらこういうことは禁止してください。なぜかと申しますと、税金を使っているんですよ。税金をばらまいて、そして税金を欲しがる方々のところにポストをつくっているという構図、全く天下りじゃないですか。それも財務担当者です、半分は。今、大学に求められる財務担当者は、国の運営交付金を持ってこれる人ではなく、企業会計などを分かり、きちんと財務会計ができる人だと私は思いますので、文部省さん、文部省さんじゃないですね、文部科学省さんもきちんと正していただきたい、これは。──質問じゃありません。これはいいです。次に行きます。  次にございますのは、もう一つ変な例をお持ちしました。  国立大学法人中期計画というのがございます、六年計画が。その中期計画で、この資料で見ていただきますと、四ページ目見てください。京都大学の中期計画ございます。平成二十一年度、これは、四ページ目です、のこれは学科ごとの、研究科ごとの学生の数です。これは六年後の学生の数、一人単位まで出さなきゃいけないという状況。  一方、三ページ目見てください。収支計画、お金に関しては六年間どんぶり勘定になっていると。これはどういうことか。自分たちが管理したい学生数、恐らくいろんな大学の人数、管理したいんでしょう。ところが、お金についてはがっぷりどんぶり勘定で使いたいように使うというような考えが透けて見えると思うんですが、私が文部科学省さんにお聞きしたいのは一点だけです。  どういう法的根拠でこういう中期計画のフォーマットを作ったかというのを教えてください。法的根拠は何ですか。
  52. 石川明

    政府参考人(石川明君) 中期目標、中期計画の項目についてのお尋ねでございますけれども、この項目、内容につきましては、国立大学法人法案に係る国会審議の状況等も踏まえまして、文部科学省の方から示しました案を基に……
  53. 藤末健三

    ○藤末健三君 法的根拠を聞いています。
  54. 石川明

    政府参考人(石川明君) はい。  そういった意味では、国立大学法人法案の審議の中においてこのような方向を取ってきているということでございます。
  55. 藤末健三

    ○藤末健三君 審議の中というのは何ですか、それは。国立大学法人法の第三十条の二項に定めているんですよ。その中に学生数という言葉は一切ありません。どこでその学生数を一人単位まで出さなきゃいけないかと決まっているかといいますと、ここにあります。文部科学省高等教育企画課長、課長名の事務連絡で人数を指定する。そして、収支は六年間どんぶり勘定となっている。何ですか、これは。お願いします。
  56. 石川明

    政府参考人(石川明君) 今、通知の紹介がございました。実際のその項目の具体的な、更に具体的な中身につきましては、ただいま御紹介ありましたように、文部科学省が作りました原案を基に、法人化前の国立大学協会に設置されました委員会等とも御相談、御検討いただいた上で記載事項等を各大学に通知しておるところでございまして、それぞれの収容定員というのは運営費交付金予算にもかかわるものでございますので、これをきちっと書いていただくという方針でやっているところでございます。
  57. 藤末健三

    ○藤末健三君 もう議論はしません、はっきり申し上げて、時間がないんで。本当にちゃんと考えてくださいよ。国民の皆さん見ていますよ、これ。何で課長名で、通達で、事務連絡ですよね、事務連絡で六年後の学生数一人までを、一人一人までの人数を数え、出さなきゃいけないかって、あり得ないですよ。学生の数は社会のニーズで決まるんですよ。社会がどういう学生が、どういう能力を持った人間を欲しいかに合わせて、大学が市場原理に基づいて変えるべきです。文部科学省さんが変えるものじゃ、決めるものじゃないです。はっきり申し上げます。これは、課長の事務連絡は変えてください、お願いです。これで終わり。本当にお願いします。  本当に文部科学省さんのいろんな行政を見ていますと思うのは、法律に基づかないことをいろいろなされています。例えば学生指導要領、ゆとりの教育。問題になった途端に、いや、あれは一番最低レベルの内容を決めているんですよと。ゆとりの教育が問題になり、実際の教育レベルが落ちた。途端に、いや、あれは最低レベルを決めたものであって、各自治体、各教育委員会で勝手に上乗せできるんですよということをおっしゃる。きちんと法律に基づく行政を文部科学省さんにお願いします。特に教育行政ですね。  次に、私立大学の方ですね、移らさせていただきたいと思います。  私立大学で、冒頭で申し上げましたが、酒田短期大学や萩国際大学といった大学の経営の破綻が問題となっています。恐らく大学の経営破綻とともに問題なものは何かと申しますと、やはり学生の方々をどう救済するかという話になります。で、実際に文部科学省さん頑張っていただきまして私立学校法というものを改正されて、四十七条にありますように財産目録、貸借対照表などなどの報告書を作成すると、そして利害関係者から請求があった場合には閲覧に供しなければならないと書いています。  ところが、調べてみますと、何と入学金を支払った学生しかこういう情報は閲覧できません。自分が、今、受験料を支払い受験をしようとする学生、自分が受ける学校が本当に大丈夫かどうかというのを調べられない状況になっています。なぜそういうことになるかということについてお答えいただけますでしょうか。文部科学省さん、お願いします。
  58. 金森越哉

    政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  学校法人の財産目録などの閲覧についてでございますけれども、学校法人収入の大部分を学生生徒納付金に依存しておりまして、在学者や保護者など関係者の理解と支持を得ることが特に重要でありますことから、他の公共的法人の例も踏まえまして、昨年の私立学校法の改正におきましては、財産目録等の閲覧対象者を「当該学校法人設置する私立学校に在学する者その他の利害関係人」としているところでございます。  この利害関係人の範囲につきましては、法律上例示されております在学者を始め、学校法人との間で法律上の権利義務関係を有する者がこれに該当するわけでございまして、当該学校法人設置する私立学校を希望する者につきましては、入学を希望する意思が明確に確認できる場合には利害関係人に該当すると考えているところでございます。
  59. 藤末健三

    ○藤末健三君 受験をして、入学金を払わなければ情報が閲覧できないというのは甚だおかしい話じゃないですか。学生の保護をどう考えているんですか。受験をしたい、この学校を受けよう、受験料を払いました。その時点で学校に行こうという選択肢を持っているわけじゃないですか。学生の保護を考えているんですか、本当に。教えてください。
  60. 金森越哉

    政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  ただいま私立学校法の規定を御紹介申し上げましたけれども、この財務情報の閲覧に関する私立学校法の規定は、設置する学校の種類や数、規模など、学校法人の多様な実態を踏まえつつ、法律によりすべての学校法人に共通に義務付けるべき言わば最低限の内容規定したものでございます。  したがいまして、各学校法人におきましては、法律に規定する内容に加え、設置する学校の規模などそれぞれの実情に応じ、例えば学内広報やインターネットなどの活用など、より積極的に財務情報を公開することが期待されているところでございまして、私ども文部科学省といたしましても、この財務情報の公開につきましては、各学校法人に対してより積極的な対応を今後とも指導してまいりたいと考えているところでございます。
  61. 藤末健三

    ○藤末健三君 申し訳ございませんけれども、指導とか助言はやめてください。  設置法上、四条のことをおっしゃっているんでしょう。設置法上だけの根拠で指導、助言をし続けているんですよ、文部科学省さん。法律に基づいてやってください。私立学校法四十七条の解釈をきちっとつくるだけでいいんですよ、それは。何で指導、助言になるんですか、いや本当に。答えてください。
  62. 金森越哉

    政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  学校法人は、公益性の高い法人として在学者や保護者など関係者の理解と協力を得ますためにも積極的に情報を公開し、説明責任を果たしていくことは極めて重要であると考えております。私ども、各種会議などにおきまして、各学校法人に対して積極的な情報公開を促します際には、仮に学生数や財務状況を公開しなかった場合には、例えば不正確な情報が独り歩きをいたしましたり、また学校法人運営透明性に疑念を抱かれるおそれもございまして、そういうことにならないためにも、各学校法人が積極的な情報公開に努めることが重要であると申し上げているところでございます。  閲覧対象者につきまして、私立学校法は、「当該学校法人設置する私立学校に在学する者その他の利害関係人」と定めておりますが、これは先ほど申しましたように、設置する学校の種類や数、規模など、学校法人の多様な実態を踏まえ、すべての学校法人に共通に義務付けるべき情報公開の言わば最低限の内容規定したものでございます。  文部科学省といたしましては、受験生の大学、学部などの選択に資する観点からも、参考となる情報を広く提供することが重要であると考えておりまして、利害関係人に当たる者に限らず広く情報を公開するよう引き続き各学校法人に対し促してまいりたいと考えているところでございます。
  63. 藤末健三

    ○藤末健三君 長い御返答をいただいていますけれども、簡単に言うと、私立大学の経営情報を公開することによって経営を健全化するということは考えないと。学生に、学生の方々に判断していただけばいいじゃないですか、情報をきちんと公開して。  言っていること、全然矛盾しています。私立学校法で財務状況を閲覧できるようにしようという話がございますが、これは会計士付いていないんですよ、義務付けされていませんよ。例えば、破綻した酒田短期大学などのケースを見ていると、経営が悪いところは情報を公開しない、公開しないようにするわけですよ。それを皆さんに、そういう大学にも、いやお任せしますと、最低基準を決めていますと言っていますけれども、そのような破綻大学が出ないように強制すべきじゃないですか。答えてください。
  64. 金森越哉

    政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  大学による情報の積極的な公開につきましては、学校教育法や大学設置基準などにおきましても、例えば、「大学は、当該大学における教育研究活動等の状況について、刊行物への掲載その他広く周知を図ることができる方法によつて、積極的に情報を提供するものとする。」と規定されているところでございまして、各大学におきましては、インターネットのホームページの活用や広報誌などの刊行物への掲載など、情報提供の様々な工夫や取組が進められているところでございます。  文部科学省におきましても、平成十七年三月に高等教育局長通知を出しまして、教育研究活動の状況に関する情報として教育内容、方法や、学生の卒業後の進路、受験者数、合格者数、入学者数などの入学者選抜に関する情報など例示いたしまして、これらについて各大学の積極的な提供を要請しているところでございます。
  65. 藤末健三

    ○藤末健三君 私が申し上げていますのは、破綻。普通だったらいいんですよ。御存じですか。きちんと経営している、情報公開しているやつは九八%あるんです、データを拝見すると。残り二%で経営が悪化しているところがちゃんと情報公開しなきゃまずいということを申し上げているんですよ。その担保は全くありません、今。  先ほど、五月の、経営困難な学校法人への対応方針というものを出されていますけれども、この中で情報の開示、学生に対する情報の開示という概念よりも、破綻した場合に学校を、学生さんが学校を移れるようにしましょうという話ばっかり書いてあるんですよ。  はっきり申し上げます。情報開示による経営改善をちゃんとさせるようにしてください。どうですか。イエスかノーかで答えてください、これは。
  66. 金森越哉

    政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  近年、少子化の影響もございまして、私立学校をめぐる経営環境、御指摘のように大変厳しい状況にあるわけでございます。私どもでは今年の五月、そういった少子化などによる学校の経営困難問題への対応といたしまして、「経営困難な学校法人への対応方針について」、今御紹介をいただきましたようなものを取りまとめたところでございます。この対応方針では、私学の自主性の尊重と、それから学生の就学機会の確保ということを基本といたしまして、学校法人が経営困難に陥らないための事前の指導、助言の在り方や、また仮に経営困難に陥った場合の対応方策などについて、現時点における考え方を取りまとめたものでございます。  御指摘のように、大学における情報の積極的な公開については大変大事なことであると私ども思っておりまして、いろいろな機会に……
  67. 藤末健三

    ○藤末健三君 イエスかノーかで答えてください。
  68. 金森越哉

    政府参考人(金森越哉君) 各大学が積極的な情報公開に取り組んでいくよう促しているところでございます。
  69. 藤末健三

    ○藤末健三君 イエスかノーかで答えてください。
  70. 金森越哉

    政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  各学校法人が積極的な情報公開に取り組んでいくことは大変大事なことであると考えております。
  71. 藤末健三

    ○藤末健三君 イエスかノーか。やるかやらないか答えてください、情報開示を進めるかどうか。イエスかノーかです。
  72. 金森越哉

    政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  今申し上げましたように、各学校法人にとりまして情報公開を行っていくということは大変大事なことでございますので、私ども今後とも、所管の学校法人財務状況などの公開につきましては、実施状況調査を行い、その結果を公表し各学校法人にフィードバックするなどして、様々な工夫やまた一層の取組を促進してまいりたいと考えております。
  73. 藤末健三

    ○藤末健三君 揚げ足を取るようなことを申し上げてちょっと済みませんけれども、先ほど財務状況などを検査してフィードバックをするとおっしゃいましたよね、一つ。そしてまた、この五月に出された「経営困難な学校法人への対応方針について」の八ページ目に、破綻しそうな学校法人については、清算手続、自主解散等の選択も含めた検討を指導、助言することもあり得ると書いてあるんですよ。よろしいですか。  今申し上げた検査をし、フィードバックを掛ける、そして大学法人が解散する、清算するといったことに対する、こういう重要なことに対する指導、助言をどの法律の根拠に基づいてなされているか、教えてください。
  74. 金森越哉

    政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  法律上の根拠ということについてのお尋ねでございますが、文部科学省設置法第四条に文部科学省の任務といたしまして、「文部科学省は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。」という規定がございまして、その第二十九号に、「文部科学大臣が所轄庁である学校法人についての認可及び認定並びにその経営に関する指導及び助言に関すること。」というのが規定されておりまして、この「経営に関する指導及び助言に関すること。」という文部科学省設置法の規定に基づいて指導を行っているところでございます。
  75. 藤末健三

    ○藤末健三君 これ以上文部科学省さんに申し上げてもどうしようもないんで申し上げませんが、文部科学省の方々がおっしゃるように、文部科学大臣所管庁である学校法人について、基本的に日本全部の学校について、認可及び認定並びにその経営に関する指導及び助言をやれるということだけをもって多くの大学などに経営関与をしているという現状、私立大学が破綻するときの解散、清算について、こんな大きな話について個別法に基づかず設置法だけで対応しようとしている状況、私は国会議員として許すべきじゃないと思っています、私は。行政の暴走です、はっきり申し上げます。きちんと法律に基づいた行政をやってください。  国立大学法人もそうです。各国立大学法人が自由になりましたとおっしゃっています。結果として何が起きているか。局長通達、先ほど申し上げませんでしたけれども、局長通達、課長の事務連絡、そのレベルでいろんな縛りを掛けているんですよ。課長の事務連絡で六年後の学生数の一人までを出すように指示する、こういう行政が許されるんですか。  是非、国会議員の本当に同士として聞いていただきたいです。このような行政が設置法だけに基づき野放しになっている状況を止めなきゃいけないと私は思います。国立大学法人しかり。国立大学法人の自主性に任せます、私立学校の自主性に任せますと。責任は取らない、そして関与だけはする。関与の根拠は何か、設置法四条ですよ、それしかない。このような状況を必ず正さなければ日本の教育行政はおかしくなると思います。  最後に申し上げます。ゴーマン・レポートという世界の大学をランキングするレポートがあります。教育、研究、社会への貢献などを分析し、レポートを、評価をしている。日本の大学で一番上にあるのは東京大学です。百一番目です、ランキング。百一番目ですよ。  文部科学省さんがなさらなきゃいけないことは、設置法四条に基づき私立大学、国立大学法人の監督、助言をすることじゃありません。皆さんがなさっていただかなきゃいけないことは、この国のため、国力のために大学の国際競争力を増すことですよ。まずそれが一つ。  そして次に重要なことは、大学の方々がきちんと公平な環境で動ける環境整備。少なくとも自ら襟を正し、理事を各国立大学法人に送り込むようなことは自主規制でやめるべきです、これは。疑われます、必ず。そうしなければ日本の大学の競争力は戻りませんよ。百一番目ですよ、はっきり言って。  このような文部科学省の行政、法律に基づかない、設置法四条に基づく、大学に、学校に対する指導、助言を是非やめていただきたいということと、もう一つ、最後に繰り返しますが、国立大学法人、年間一兆二千三百億円税金を使っています。その税金を配る文部科学省が財務担当の理事を三十人近くも国立大学法人に送り込むということを禁止していただきたい。  以上をもちまして、藤末の質問を終わらさせていただきます。どうもありがとうございました。
  76. 西田実仁

    ○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  今日は、時間に限りもございますので、一点だけお聞きしたいと思います。  今後、小さな政府を目指していくということで、国有財産の適正な管理そして処分というものが今後加速度を増していくということが想定されておるわけでございますが、本日は、その具体的な事例として、この千葉県千葉市若葉区にございます法務省の野外訓練施設、約六千六百坪ございますけれども、この野外訓練施設が閉鎖をされるということで、これに関しまして質問をさせていただきたいと思います。  この野外訓練施設、六千六百坪、野球場とテニスコートを所有している法務省の施設でございます。この十月末、十一月一日にこの施設に張り紙が張り出され、そして十一月末日をもって、すなわち今月末をもって使用できなくなるとの、この利用者の皆様へと題するお知らせが、ある意味唐突に張り出されたわけであります。  この施設は法務省職員の野外訓練施設であり、国有財産法上はいわゆる行政財産として位置付けられております。この行政財産というのは、国有財産法第十八条によれば、私権の設定はできないということになっております。そういう意味では、たとえこの当該施設が法務省の職員のみならず一般の利用者に供されていたとしても、その利用者らに施設の閉鎖に関して十分な理解を求める周知徹底の期間等は不要というふうに法的には考えるのかもしれません。唐突にお知らせ一枚で今月末までに閉鎖をすると、こういう通告のみで済ませようとしたとも考えられるわけであります。  確かに、法律上はそのように考えてもおかしくないのかもしれませんけれども、運用についてはもうちょっと慎重にすべきではないかという観点で御質問をさせていただきたいと思います。  なぜならば、この当該施設はそもそも昭和六十一年に開設をしましたけれども、法務省の職員の野外訓練施設という目的に合った利用というのは最初から、最初の年から年間で十日ぐらいしかなかった。そもそも記録がないわけでありますけれども、三百六十五日二十四時間で、住み込みで管理人を張り付けている割には年間でたった十日ぐらいしか利用する機会がない、そういう施設だったわけであります。ということもありまして、昭和六十一年開設したその半年後に既に一般の利用者への便を開いているわけでありまして、一般開放しております。  そういう意味でいきますと、そもそもこの施設を法務省が持つ必要があったのかということに大変疑問を思うわけでありますが、それはともかくとして、実際、こうした一般利用者の延べ人数は年間一万人を超えておりまして、平成十六年度。そのうち、一般利用者が一万人超ですが、法務省の職員利用者の延べ人数は七千人超。これはしかし、先ほど申し上げた野外訓練施設として利用したわけではありません。法務省の一般職員がレクリエーションとして利用している回数であります。人数であります。延べ人数であります。野外訓練の利用日数は平成十六、十七年度ともに一回もないと、こういうふうにお聞きしております。  こうしたこの野外訓練施設、管理人は一人しかおらないということでグラウンドの整備も行き届かず、何せ六千坪あるわけでありますので一人では到底管理できない。ということで、夏になるともう大変に草ぼうぼうになって、この野球場ないしはテニスコートを利用している一般の、職員ではない利用者の方々がボランティアで、雑草を刈り取るために夏の暑い日、週に一回は、特にこの野球場では、この野外訓練施設自体は法務省の東京矯正局の管轄だと聞いておりますが、この野球場では、登校拒否の子供たちや、また様々な家庭に問題を抱えたような子供たちを預かって、野球をすることによって青少年を育成していくというNPOがかなり存分に活用していたようでありますけれども、そうした親御さんたちがボランティアで雑草の草刈りにも駆り出されていた、こういう状態だったということであります。  こういう実態を踏まえまして、法務省に是非お聞きしたいと思いますけれども、こうした法的な位置付けは理解いたします。しかしながら、その運用についてもうちょっと、施設の閉鎖ということに関して言えば、慎重に、またソフトランディングを図るべきではなかったかと思いますが、法務省、いかがでございましょうか。
  77. 小貫芳信

    政府参考人(小貫芳信君) 御指摘の点につきましては、一般市民の利用状況等にかんがみますと、周知期間が短過ぎるではないか、唐突過ぎるではないかという御指摘、十分に理解できるところでございますので、その期間の延長等を含めまして、周知方法についても再度検討させていただきたいと、このように考えております。
  78. 西田実仁

    ○西田実仁君 そうすんなりお答えいただくと思っていなかったものですから、その次の質問を用意していたわけでありますけれども。  当初の説明でありますと、管理人さんが辞めたいと言っていたということで、八月に辞めたいという依願退職の希望があったので周知徹底する時間がなかったんだという御説明を昨日いただいたわけであります。それが理由だということでありましたので、実は私の方でも管理人の方にも取材をしたわけでございますけれども、周知期間が短かったということにつきましてはどのような理由を挙げられるんでしょうか。
  79. 小貫芳信

    政府参考人(小貫芳信君) 先生御指摘のとおり、これが訓練施設として稼働率が極めて低かったと、こういう事情をずっと抱えてまいりました。その折に、管理人が別の職に就かれると、こういう申出がありましたので、この機会に本来の運営の用途を廃止して一般財産に転換してはどうかと、こう考えた次第でございます。  ついては、その一か月につきましては、一般市民の方からの予約受付が一か月前と、こういうことでございましたので一か月という期間を限って掲示したと、こういう次第でございますが、いろいろ御指摘を受け、いろいろ情報を提供してみますと、このグラウンドの利用を前提にして練習に励んでおられるリトルリーグの皆さんもおられると、こういう事情も判明いたしましたので、先ほど申し上げましたとおり、周知方法あるいは周知期間も含めまして再度検討させていただいて早急にまた御報告申し上げたいと、このように考えている次第でございます。
  80. 西田実仁

    ○西田実仁君 この国有財産の適正な管理また処分ということにつきましては、もちろん、庁舎等公務員の方だけ、職員の方だけが使っているケースと、今のように利用頻度、有効活用を図るために一回一回ごとに使用の許可を与えて一般市民にも利用されている場合と、様々同じ国有財産といってもあるわけでございまして、そこはやはり、今後こうした適正な管理、処分を進めていくに当たりましては十分に慎重に行うべきであるというふうに思っておりますが。  今、十分な周知期間が取れなかった理由として管理人の依願退職というお話がありました。それを再三私も説明を承ってきたわけでありますが、しかし、よく聞いてみますと、管理人は自分は辞めたいなどとは言っていないというふうに言っておりまして、むしろ管理を続けたいと言い続けてきた、にもかかわらず、八月の時点で突然法務省の方々が来られて、もう来年の三月には閉める、こう言われて、いや、閉めなくてももっとこういうふうにやり方があるんじゃないか、様々な三つほど提案をした、しかしすべてそれは却下をされ、そしてもう閉めるんだから閉めるんだということで、いきなり周知期間もなく張り紙が張り出された、こういうようなことを御当人は言っておりまして、これはやはり、先ほど再検討するということでございましたけれども、もう一度、管理人さんの意向も踏まえて、また利用の実態も踏まえて、きちっと再調査をして対処すべきであると思いますが、再度答弁を求めます。
  81. 小貫芳信

    政府参考人(小貫芳信君) 御指摘の諸点を踏まえて再検討さしていただきたいと、このように考えております。
  82. 西田実仁

    ○西田実仁君 この国有財産法第八条におきましては、財務大臣に対しまして、行政財産を含めた国有財産の総括という規定がございまして、この総括の意味合いは、管理、処分における必要な調整という意味合いが規定されております。また、同法第十条には、財務大臣は、国有財産管理及び処分の適正を期するため必要な措置を求めることができると規定されているわけであります。  このたびの国有財産は、私が今取り上げたのはかなり特殊な施設だと思いますけれども、このように国有財産が一般の利用に供されているケースの場合、その利用の実態も踏まえて、十分な説明と周知期間を確保した上での適正な措置が求められると思われますけれども、財務大臣の御所見を伺いたいと思います。
  83. 谷垣禎一

    国務大臣谷垣禎一君) 国有財産も、国に支障のない場合は広く使っていただくということは私は結構なことだと思うんですね。それで、それはやはりまた廃止しなきゃならない場合もありますから、その場合には利用しておられる方に周知徹底の手続を取るということもこれあるべきことだと思います。  ただ、具体的な管理方法ということになりますと、今御議論のあったような事例について考えますと、やはり管理をしておられるそれぞれの部局において適正な手法を取っていただきたいと、こう思っております。
  84. 西田実仁

    ○西田実仁君 じゃ、私の持ち時間を、短いですけれども、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  85. 山下栄一

    山下栄一君 公明党の山下でございます。  国会法百五条の要請に基づく会計検査院検査報告、これは決算委員会としては初めてでございます。公益法人を中心とした基金に関する指摘、また独立行政法人に関する指摘、極めてタイムリーで重要な指摘をされておるということから、この検査を中心に質問をさせていただきたいというふうに思います。  今日は、財務大臣、また中馬新大臣、本当にありがとうございます。また、それぞれ財務総務、また内閣府の副大臣もありがとうございます。  先ほど尾立委員からもお話ございましたけれども、具体的に大事な指摘をされておりますのでちょっと紹介したいと思いますけれども。まず公益法人の方ですけれども、先ほどもちょっとお話ございましたけれども、具体的に言いますが、農水省、経産省の資金にかかわる問題点、様々あるわけですけれども、その中で農水省の食品流通構造改善対策債務保証事業基金、これ四・三億円のうち国庫補助が三・五億円と。この基金につきましては、平成三年から十年間、全く債務保証の実績がなかったと。債務保証事業基金なんだけれども、十年間一回も使われておらなかったということ、これは平成十二年に指摘されたわけでございます。これ法律に基づく基金の設置で、国民のためということで資金がつくられておるわけですけれども、十年間全然使われてこなかったと。その次、それが平成十三年に検査指摘したわけですけれども、今回また再度指摘対象になった基金でございます。その十三年の指摘後の四年間でもこれまた三件しか実績がないという、もうそういうことなわけです。  ところが、基金がありますので運用益が出てくると。その運用益が約一億円。全然実績がない事業基金なのに運用益が約一億円。そのうち七千万円が人件費を中心とした経費に充てておると。その後四年間でも二千二百万円の運用益があったけれども、そのほとんどが人件費などの経費で消えていると。したがって、これは何のためにあの基金つくっていたんだと。国民のためのはずの基金だったのに結局職員の利益につながっていったのではないかという、大変重たい指摘でございます。  また、これは総務省の行政評価局の民間法人を中心とした補助金の、これは行政のスリム化という観点から実施してきておるわけですけれども、この補助金の見直しですけれども、特に民間法人、公益法人も入っているわけですけど、この民間法人を中心とした補助金というのが約年間二・三兆円あると。地方自治体への補助金は約二十兆円あると。民間法人等へは二・三兆と。非常にたくさんの補助金が使われているわけで、この補助金の見直しも大事な財政構造改革の観点だというふうに思うわけですけれども。  そういう観点もあって、十六年末から三十補助金について公益法人、それからまた独立行政法人も入っていたのでしょうか。独立行政法人は入っていませんね、公益法人、学校法人、社会福祉法人も入っていますけれども、それを調べたわけですけれども、これは総務省の仕事ですが。その中には、例えば省エネ診断事業、これ経産省の財団の公益法人の事業ですけれども、省エネ診断事業ということで補助金渡しているけれども、しかし、もう民間でこういう診断事業どんどん進んでいて、民間の方が使いやすいということから、これも実績がほとんどないという、そういうことが指摘されております。  また、補助金の使い方も非適正だという指摘を評価局がやっているわけですけど、例えば実施していない講演の講師料の謝金に支出しているとか、雇用していない臨時職員給与費に支出しているとか、でたらめな補助金の出し方しているという、そういうことが指摘されておるわけです。  こんなことを考えましたときに、特に公益法人などのスタートのときには各省庁しっかりと検査して許認可やるわけですけど、実際、仕事が始まりますと、なかなか行き届かないと、様々な監督がですね、そういう実態なのではないかというふうに感じました。  そういう意味で、まず財務大臣に、この補助金改革の視点から、特に公益法人、なかなか厳しい検査結果が、省庁横断的な結果として会計検査院指摘、そして先ほど申し上げました行政評価局による評価・監視の指摘が具体的にされておるので、これについてはやはり予算に反映さしていくべきであるというふうに私は思いますけれども、いかがでしょうか。
  86. 谷垣禎一

    国務大臣谷垣禎一君) 今、山下委員が御指摘になった公益法人に対する補助金等については、これは官と民の役割分担という観点、それから行政のスリム化の観点と、こういう点から整理合理化というものを推進しなければならない、そういう分野だと思っておりまして、平成十四年三月に閣議決定をした公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画というのがございますが、それに基づいて、補助金もいろんなタイプのものがございますけれども、第三者分配型の補助金とか、あるいは補助金依存型公益法人、それから役員報酬に対する助成というようなものについて見直しとか廃止等、こういうことをやってきたわけでございますが、今回、山下先生が御指摘になったような会計検査院検査報告、多額の資金が滞留しているとかいうようないろんな事例を挙げて見直しが求められるというような御指摘もいただきました。  それから、総務省の方でもこれに対する評価があったわけでございますので、私どもは、これからの予算編成等々の中で、先ほど申し上げた官民の役割分担、それから限られた財政資金の効率的な使用、それから更に言えば行政の説明責任とか透明性の向上という観点からこういった御指摘に正面からこたえられるように努めていきたいと思っております。
  87. 山下栄一

    山下栄一君 それで、検査院が指摘した公益法人等に基金を積んで事業者等に融資をしたり、債務保証をしたり、利子の補給をしたりという政策金融的な手法を使った補助金を中心とする基金があるわけです。これが百十三基金があるわけですけれども、ほとんどの省庁でやっておりますが、その百十三資金のうち法律に基づかないものが百三ということがこの検査院の指摘で明らかになっておるわけですけれども。これは法律に基づかないし、実際、融資をやったり債務保証をやっても金融検査は、私は、金融庁の金融検査政府系金融機関は全部入っておりますけれども、もちろん民間にも入っておりますが、そういう観点からの専門家のリスク管理のできない体制なのではないかというふうに思うわけです。やっていることは政策金融やっているんだけれども、そういうリスク管理というのは体制的には厳しいような実態があると。こういうことについては、もう基本的に見直す方向で考えたらどうかというふうに思います。  先ほど申し上げましたように、ほとんど実施されていない例もありますし、人件費に運用益が流用されていたとかいう様々な問題もあると同時に、法律に基づかない形で政策金融がされているということ、それも専門家の管理体制もないという。これは、政府系金融機関そのものが今抜本的に見直されようとしている中で、これは基本的に事業の見直し等というレベルじゃなくて、基金を積んで公益法人でこういう政策金融をやるということ自身がもう今使命を終えようとしているのではないかというふうにも感じるわけですけれども、ちょっと財務大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  88. 谷垣禎一

    国務大臣谷垣禎一君) 今おっしゃったような公益法人で政策金融と極めて類似の施策を行っている例、これ全部役割を終えたかどうかというのは、私は中にも必要なものはあるんだろうと思っておりますが、ただ、政策金融の見直しが求められているのと同じような事情がここにもあると考えなきゃいけないんだろうと思います。  ですから、これも官から民への流れあるいは財政資金の効率的な運用という観点から徹底的に見直していく必要があるのではないかと思っておりまして、来年度予算の編成に当たりましてもそのような視点から私どもはきちっと精査をしていきたいと考えております。
  89. 山下栄一

    山下栄一君 法律に基づかないだけに、非常に、どれだけ例えば不良債権があるのか、回収できていないものがあるのかいうふうなことも含めて非常に不明朗、不透明なのではないかというふうに感じております。  内閣府副大臣にお聞きしたいと思いますけれども、今、政策金融改革ということで政府系金融機関の方針が今月末にまとまると思うんですけれども、と同時に、独立行政法人、公益法人を使った政策金融の在り方についても検討すべきだということが民間の議員からも諮問会議で言われておりますし、また竹中大臣等もおっしゃっておるわけですが、この独法また公益法人による政策金融についてのどのような基本方針でいくのかという、これも示す必要があると思うわけですけれども、その基本方針をどのように作っていくのか、いつごろ作るのかということと同時に、今回の会計検査院指摘を生かしたそういう基本方針の作り方をしていただきたいと、このように考えますけれども、いかがでしょうか。
  90. 櫻田義孝

    ○副大臣(櫻田義孝君) お答えさせていただきます。  政策金融八機関以外の特殊法人等の融資事業につきましては、百六十三の特殊法人及び認可法人対象に、平成十三年の十二月の閣議決定した特殊法人等整理合理化計画において大幅な整理合理化が図られ、本計画に基づき改革が実施されていると承知しているところでございます。  また、その計画で残された課題として、経済財政諮問会議においては検討することとされておりました政策金融八機関につきましては、今月末までに経済財政諮問会議にあるべき姿の実現に関する基本方針を取りまとめるということになっております。また、政策金融八機関以外の独立行政法人公益法人等につきましても、同様の金融業務についても見直し実施すべきという考え方が経済財政諮問会議の有識者議員から示されているところでございます。  政策金融改革のあるべき姿の基本方針の取りまとめに当たりまして、今後この問題にどのように取り組んでいくかというものをしっかりと検討していきたいと思っております。
  91. 山下栄一

    山下栄一君 今、後半部分で私の質問に答えていただいたんですけれどもね。今月中には八機関の方針が出てくると思いますけれども、竹中大臣は、来春までにはこの独法とか公益法人にかかわる政策金融についても基本方針を作成するべきだというふうな御意見を出されておりますけれども、それも踏まえて作っていただきたいとは思いますけれども、私が申し上げたのは、この今回の検査院の指摘ですね、様々な重要な御指摘をすべての資金を精査して具体的に指摘されておりますので、これを是非ともやっぱり生かす形で基本方針を作るべきだということを申し上げたわけで、その点、ちょっと答弁願いたいと思います。
  92. 櫻田義孝

    ○副大臣(櫻田義孝君) それらも、御指摘の件につきましても、それらをしっかりと踏まえた形取りましてやっていきたいと思っております。
  93. 山下栄一

    山下栄一君 中馬大臣にちょっとお聞きしたいんですけど、公益法人制度の抜本改革に向けまして、来年度、法律を提出する運びというふうにお聞きしておるわけでございますけれども、この公益法人の抜本的な制度設計を考えるときに、私は、聞くところによると、それは内閣府で一元化して、公益性について第三者機関で判定をするというふうなことを中心にした法改正というふうに聞いておるんですけどね。  この様々な公益法人の公益性が認められた後の事業について、例えば時代に合わなくなったり、また国から補助金を出しても適正に使われなかったりするという実例が現在今あるわけで、そういう意味で、今申し上げたこの行政評価局のせっかくの検査、それからまた会計検査院の今回の基金にかかわる、これも公益法人等が入っておりますので、そういう指摘などを参考にして、体制づくりを、制度設計を是非とも考えていただきたいと、このことを申し上げたいと思いますけれども、御答弁をお願いします。
  94. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 今までいろいろ各委員の方々が御指摘いただきましたように、公益法人には大変にいろんな問題が内包いたしております。そういうことで、この公益法人制度の抜本的改革につきまして、所要の法律案を来年度通常国会、これに提出することになっております。  現行の公益法人、二万七千ほどあるといいますけれども、こういったものをそれぞれ精査しながら、同時に、今までのような許可主義ではなくて、それぞれもう簡単に法人格が取れますよと、しかし公益性のものにつきましては、また別途、一つの、第三者機関といいましょうか、こういったものが認定した形のものにしていくということでございます。  そういうときに、今おっしゃいましたこの内部のことでございますが、こうして御指摘いただいた、いわゆる国の会計そのものじゃございませんけれども、しかし、そうした御指摘がまたここに反映されるような形という制度設計、山下委員がおっしゃいましたような形はこれ是非とも作っていかなければいけないと思いますし、それをその第三者機関がしっかりとその新しく認定した、自分たちの責任でもありますから、これを監督して私たちの税金が有効に使われるようにしていかなければいけない、そのようなことで今後の制度設計に取り組んでまいりたいと思っております。
  95. 山下栄一

    山下栄一君 検査院のもう一つの方の独法の方の検査ですけれども、これはもう大変重要な、冒頭申し上げましたようにタイムリーな指摘をされております。  というのは、四十五法人検査されたわけですけど、全部これは今年、今年度中期目標終わる、そういう独立行政法人。この五年間、この各独立行政法人は本当に国民のために仕事をしたのかという、そういうことが問われるのはこの中期目標終了時点だというふうに思うわけです。  今回の総務省の勧告で、評価委員会独立行政法人評価委員会の勧告の中で統合も提案されておりますし、非公務員化も提案されているわけですけど、今回、横断的に四十五法人をずっと見て、この検査院が指摘したこと、これ見ましたら、本当に独立行政法人制度というのは前に向かっているのか、特殊法人から独立行政法人化したり、また国直轄から独立行政法人にしたものもあるわけですけども、それが本当に業務の効率的運営も含めて、国民のサービスも含めて、貢献しておるのかという疑問を抱かせるような指摘が私はたくさんあったというふうに思っております。    〔理事国井正幸君退席、委員長着席〕  例えばこの運営交付金について、四十五法人ですけど、過去四年間で一千七百億円超、これほとんど、そんなに減っていないということが指摘されております。個別の指摘もありますけど、要するに省庁横断的に四十五法人見たときにということなんですけど、施設整備補助金等については過去四年間で明らかに増加傾向になっておると。また、無利子貸付金、これは償還時に国から同額の補助金が交付される、これ過去二年間で著しく増加していると。こういう、これだけ見ますと、どうしてこれが業務の効率化になっているんだという。常勤役員数は変わらず、特殊法人のときよりも、ときよりもというよりも、天下りが非常に多いとか約七割を占めているという指摘もございました。  また、先ほどの自己収入を控除するとかしないとか、会計基準は一体どうなっているんだというふうな問題点も指摘されております。役職員報酬給与支給額はほとんど国家公務員に準拠していると、業績等給与への反映も限られていると、もうこういう指摘がずっと続いておるわけですね、今回の検査院の指摘。  そして、特に学校施設法人、何々大学校等では、生徒募集も、なかなか生徒も来ない、そしてせっかく卒業さしても全然違う目的の、航空大学校であっても全然違うところに就職したりしているというようなことも指摘されておりまして、こういうふうなことを考えましたときに、横断的にこの五年間一体何なのだということを今回の会計検査院指摘しておるのではないかというふうに思うわけです。  したがって、終了時、今当たっておりますので、存続させるにしても、次の五年間、非常に問われると思うんですね。この検査院の指摘を無駄にしないような改革、効率化の取組、私は大事やというように思うわけですけれども、このことについての、これは総務省に、山崎副大臣に是非お答えいただきたいというふうに思うんですけど、これは通則法を所管している総務省として、こういう非常に大きな問題点について、もう個別の法人というよりも、独立行政法人制度が通則法どおりに進んでいないのではないかという意味のことを私申し上げたわけですけど、通則法の見直しも含めてこの検査院の指摘をどのようにとらえておられるかということをお聞きしたいと思います。
  96. 山崎力

    ○副大臣(山崎力君) 御答弁申し上げます。  通則法にのっとって、この立法趣旨その他から見て、この五年間、独立行政法人、それがその法律の趣旨どおりに動いているかどうかというような御指摘、お考えだろうというふうに受け止められたわけでございます。  そこまで全体的なことで役所としてこうだというような結論を今出している状況では、残念ながらといいますか、時期的にございませんものですから、御期待のお答え、なかなかしかねる部分ございますけれども、少なくても今回の検査院の報告に対して、それぞれの各法人、ポイントをつかれているわけでございますので、これを踏まえてとにかく一層の適切な業務運営をしなきゃならぬと、こういうふうな気持ちになっているだろうというふうに思っておりまして、それが今の時点ではもちろん適当なことではないのかなというふうに思っております。  それ以上のことになりますと、これ以上余り言ってはいけないのかもしれませんけれども、それぞれの独立行政法人に対する所管の官庁のそれぞれの考え方もあるでございましょうし、そういったものを踏まえた上で、それこそ今回の独法化が本当に国家国民のためによかったのかどうかというようなことは、今回の会計検査院報告の中身というものをもう一回精査した上で、それぞれがそれぞれのつかさつかさで検討した上で時期的に明らかになっていくものというふうに現段階では承知しているところでございます。
  97. 山下栄一

    山下栄一君 全く省庁で実質の責任、監督責任があるわけですから、そうなっていくんでしょうけどね、検査院の指摘の重要性というのは横断的に評価しているということだと思うんですわ。  総務省のお仕事は、評価委員会で、この各省庁の評価委員会、評価ですね、大臣が行った評価についてフォローするべきとことか、より個別に事業の見直し等も指摘されております、今回も。それぞれの各法人についての指摘は確かにあるんですけど、この制度全体についてどうだったのかというふうな観点からの横断的な評価というのは、私は今回の検査院の指摘は貴重な指摘だというふうに思うんです。  これはどこがやるんだと、通則法どおりにちゃんと、の精神が生かされているのかというようなことについては行うところはないんですね、行革担当大臣のとこかなとも思うんですけど。であるならば中馬大臣にお伺いし、お答えしていただきたいと思うんですけども、そうでもないのかなというふうにも感じるんですけどね。したがって、通則法を所管する総務省でちょっと考えてもらわないかぬのかなということでちょっとお聞きしたわけです。  例えば、この情報公開もそうなんですけど、この独立行政法人制度の大きな柱は事後チェックだと思うんですね。それは、情報公開が積極的にされないとこれは余り使命果たせないと。ところが、今回の指摘で分かるように、要するに法律で求めている、例えば通則法、そして情報公開法、求めている情報すら公表していない法人もあると指摘されておりますし、これ法律違反ですよね。  そしてまた、インターネットの公表についてはそんなに進んでいないと。インターネットの公表なんか、これ時代性ですから、情報公開が生命だと言っている独立行政法人についてはもう積極的にやらないかぬと思うんですけど、それすら準備していないという、非常にこの公表に対して後ろ向きの姿勢があるんではないかということを検査院は指摘しているわけで、こうなってくると、本来の独法制度って一体何なんだと。必要があって設置されているわけですけれども、本当に使命果たされておるのかということを、大量に中期目標の終了時を迎える現時点が極めて私、大事だと思いますので、個別の整理統合とか非公務員化の指摘も大事だと思います、総務省のお仕事として。しかしやっぱり、これからは増えてくるかも分かりませんし、これから中期目標を終了する法人がどんどん出てくるわけで、今回のこの五十幾つ、中期目標終了時点に合わせて是非ともこの辺の点検を私は、今日はまた副大臣いらっしゃいますので、これ、やる必要があるんではないかということを感じましたので、お答え願うと同時に、中馬大臣にも一言、もしございましたらお答えいただければと思います。
  98. 中馬弘毅

    国務大臣(中馬弘毅君) 今、こうして国民的な要請で、これまでのいろいろなお役所仕事を独立行政法人その他民間の方に移したり、これをもう精力的にやっているわけでございます。この独立行政法人そのものも、今、山下委員指摘なさったように、それが一つの目的ではなくて、私は、今後民間なり、あるいはまた統合したり、その過渡的なものだと私は認識をいたしております。ともあれ、こうしたことも、それを進めるいろいろの委員会等もかなり民間の有識者の方々が入って、それぞれの部署部署で責任を持って今一生懸命やっていただいております。  こういったことが、今度の大きな選挙の結果もそうですけれども、国民の期待といいましょうか、これが一つの改革という、またお役所仕事を民間にということに対しましての大きな一つの要望になってきているわけですから、こういったことが情報公開をして、国民の方々のこのチェックを、そこから入ってくる。これが、逆に言えばチェック機能というのが、もちろん事後的なチェックでしょうけれども、これはかなり国民の一つの批判にさらされた形の中になってくる。それはもうマスコミ等も含めて、また我々も国会の中でこのことを指摘していくことによって、これが大きく今までの行政の在り方が変わってくるんじゃないか、私はそのように思っています。また、そのような形での、制度設計と先ほどおっしゃいましたようなことも含めて制度を作っていかなければいけない、これが私たちの行政改革担当ということではなくて、国会そのものの私は務めだと思っていますので、よろしくお願いしておきます。
  99. 山下栄一

    山下栄一君 どうも、終わります。ありがとうございました。
  100. 小林美恵子

    小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  今日、私は、百五条に基づきまして、会計検査院検査されました公益法人にかかわりまして、特に財団法人民間都市開発推進機構の土地取得譲渡問題について質問をさせていただきます。  民都機構のこの事業は、政府の総合経済対策の下でバブル経済の崩壊に伴う地価の下落と不動産取引の停滞を打開するとし、一九九四年三月から始まったとあります。そこで、国交省にお聞きしますけれども、今年三月末で土地の取得事業はもう終了していますけれども、この取得は二百二十七件、一兆四百六十五億円、譲渡は九七年度から二〇〇四年度までで百二十八件、五千五百七億円、二〇〇四年度末の保有は九十九件、五千六百七十億円で、この数値、間違いないでしょうか。
  101. 柴田高博

    政府参考人(柴田高博君) 民都関係のお尋ねでございますが、御指摘のとおりでございますが、土地取得譲渡業務というのは、民間都市開発事業の用に供される見込みの低未利用地を先行的に取得いたしまして十年以内に事業施行者に譲渡する仕組みでございます。平成五年度に制度がスタートいたしまして、本年三月、十六年度をもちまして新規の用地の取得というのは終了いたしました。これまで、今おっしゃいましたが、取得した土地は二百二十七件、取得金額の合計は一兆四百六十五億円でございます。一方、平成十六年度までに譲渡を完了した土地は百二十八件、譲渡金額の合計は五千五百七億円でございます。  以上でございます。
  102. 小林美恵子

    小林美恵子君 二〇〇四年度末の保有は九十九件、五千六百七十億円、これも確認していいですか。
  103. 柴田高博

    政府参考人(柴田高博君) 平成十六年度末時点で保有している土地は九十九件、五千六百七十億円でございます。
  104. 小林美恵子

    小林美恵子君 では、財務大臣に確認をさせていただきます。この民都機構に対しまして国から財政援助が行われていると思いますけれども、いずれもちょっと私は二〇〇三年度末の金額で申し上げますけれども、合っているかどうか確認させていただきたいと思います。  民都機構の民間金融機関からの借入金に対する利子補給金交付が九十五億円、事務管理運営費のための費用について、無利子貸付けで残高が一千九十七億円、取得した見込み地の企画立案、調整の支援業務、事業促進支援基金に対しての一般会計からの交付で九十億円、さらに、それ以外に、民都さんに対しまして登記にかかわる登録免許税、不動産取得税の優遇税制があると思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
  105. 谷垣禎一

    国務大臣谷垣禎一君) 今おっしゃった数字は正しい数字でございます。
  106. 小林美恵子

    小林美恵子君 私が今申し上げました数字といいますのは、取得をしまして、民都さんが、そして相手先にまた譲渡する際に付加される、譲渡価格に加算されるものではない、丸々国が財政援助を行っているということを申し上げておきたいと思います。  それで、次に国交省さんにお聞きしますが、ではどういう企業から取得をされているかということでございますけれども、資本金が十億円を超える企業からの取得は全体の何割を占めるでしょうか。
  107. 柴田高博

    政府参考人(柴田高博君) 譲渡企業、用地を取得した企業の資本金の関係でございますが、資本金、これまで民都機構が土地を取得した相手方につきまして、資本金が十億円を超える企業は全体の七四%となっております。また、一方で、一億円未満、以下の企業も一一%あるわけでございまして、全体の二〇%は資本金五億円以上の企業というような形になってございます。
  108. 小林美恵子

    小林美恵子君 七四%、十億円を超えるというお話でございました。  国交省さん、お答えいただきたい以外のことも随分お答えいただいておりますので、その点よろしくお願いします。時間がありませんので。  それで、ここでちょっと資料をお配りしていただきたいというふうに思います。    〔資料配付〕
  109. 小林美恵子

    小林美恵子君 大臣にはもう届きましたので、おっつけ行くかと思いますが。その資料に基づいて少し説明をさせていただきたいというふうに思います。  今、国交省さんにお答えをいただきました、それを資本金別に示しましたのがお手元にお配りしました資料の円グラフでございます。それで、十億円以下の場合は二六%、十億円超百億円以下というのは一八%、百億円超一千億円以下が四二%、そして一千億円超というのは一四%ございまして、この一千億円を超える中には四千億円台の資本金の企業もございます。それで、十億円を超えるところは七四%ということになるんですけれども。  もう一つ、二枚目の資料をごらんください。この二枚目の資料は、民都機構がホームページで二〇〇五年度九月末時点での土地の保有一覧を公表されています。その資料と、それから会社四季報から作成したものでございますけれども、これをごらんいただきましたらお分かりいただけるかと思いますけれども、上場企業名、さらに資本金、土地面積を列挙させていただきました。民都機構さんの取得相手先企業はこの表でも、上からいきますと、新日本製鐵、みずほ信託銀行、丸紅、伊藤忠商事、住友商事、神戸製鋼、それから長谷工、住友不動産、ずっと言っていますと時間がなくなりますので。  とにかく、三十八社で、その土地は九十五ヘクタール、私、関西でございますけれども、どうも甲子園球場の九十五個分だそうでございますけれども。それで、保有土地全体は百六十二ヘクタールですので、大体こういう超大手企業の土地を民都さんが五九%いわゆる取得をして、今保有しているという状況でございます。  そこで、国交副大臣にちょっとお聞きしたいと思いますけれども、こうして見ますと、やっぱり民都機構さんの土地取得譲渡事業といいますのはやっぱり超大手企業向けの支援事業だというふうに言わざるを得ないと思いますけれども、その点は真摯にお認めになられるでしょうか。
  110. 江崎鐵磨

    ○副大臣(江崎鐵磨君) 小林委員のお尋ねにつきまして、民都機構の土地取得譲渡業務は、土地市場が低迷する中、民間事業者の意欲が低下し、遊休化している将来の優良な都市開発事業の適地で事業化の見込みが高いものを先行的に確保し、民間都市開発事業の促進を図ることを目的として、平成五年度、これ土地の流動がなかなか厳しいとき、ちょうど私、国会議員になったのが平成五年で、よく当時の建設省もいろいろ悩んでおられるときの対策であります。  民都機構が取得する土地については、売主企業の資本金とは関係なく、原則五百平米以上の土地で、当該土地が優良な民間都市開発事業の適地で将来の事業化の見込みが高いかどうかという点を中心に審査して取得する制度となったわけであります。  したがって、この制度の評価は、制度の目的である優良な民間都市開発がどれだけなされ、そして経済効果があったかという観点から評価するものであって、これまで既に百六十の民間プロジェクトが立ち上がっていることから、優良な民間都市開発事業の促進及び経済対策として一定の効果があったものと考えておる次第であります。
  111. 小林美恵子

    小林美恵子君 私は今、副大臣に事業の評価についてお聞きをしたわけではないんです。結局、結果として超大手企業向けの事業になったんではないですかということを真摯にお認めいただいたらどうでしょうかと質問をさせていただいたわけでございます。それ、なかなかそういうふうなお話でございませんでしたけれども。  しかし、大体、先ほどもいわゆる土地の取得する際の要件に五百平米というのがありました。大体、それだけの土地をお持ちのところというのはかなりの大手企業でないと持っていないということですよね。つまりは、大手企業向けの支援のための仕組みになっているというのは言わざるを得ないというふうに私は思います。  それで、随分それで活用されてきてとおっしゃっておられましたけれども、元々はバブル崩壊後の塩漬け土地を流動化させるため、財界の求めに応じてつくられた制度ですよね、これはね。その土地保有税も固定資産税なども負担は肩代わりをして、大企業にやっぱり巨額の事業資金を無利子で提供する、結局、巨大なもうけを保証する、そのためのものです。民都機構さんのを見ましたらびっくりしました。トップは経団連の会長が就任されていて、省庁の役人の皆さんもずらりと並んでいると。正に、政府が支援をして、財界主導のための、財界のための事業だというふうに言わざるを得ないと私は思います。それで、そこはもうちょっと、強く指摘しておきたいと思います。  それで、この事業の問題は、取得した土地を今後譲渡はスムーズにいくかどうかということが大変な重要な問題だと思います。これで、会計検査院にお聞きしたいと思いますが、検査院さんが民都機構さんの保有土地について検査されまして、その取得相手先の経営破綻の状況からくる買戻しが不能となった件数、その損失額、また譲渡損失の発生する可能性がある件数は幾らで、今後譲渡件数が増大していきますので、懸念されることを御報告していただけますでしょうか。
  112. 森下伸昭

    会計検査院長森下伸昭君) お答え申し上げます。  財団法人民間都市開発推進機構が実施しております民間都市開発事業のうち、土地取得譲渡業務実施状況を見てみますと、機構が十五年度末までに取得した二百二十二件の土地のうち百四十八件については事業に着手しております。そして、このうち百二十件については既に完了しています。  このことからいたしますと、この事業は一定の成果を収めているというふうに認められるわけでございますけれども、一方、着手していない七十四件のうちには、土地の売主が経営破綻をしたり、あるいは更生手続等を行っているものなど九件ございます。このうち、簿価による買戻し請求権を放棄した上で時価による評価減を行ったものは三件ありまして、その評価減の合計額は百十八億円となっております。  残り六件につきましては、今後仮に簿価による土地の買戻しが履行されない場合には、機構は当該土地を第三者に時価で譲渡せざるを得なくなります。その場合、簿価に対して地価が下落しているような場合には機構に譲渡損失が発生することが見込まれる、そういったことが懸念されるということでございます。
  113. 小林美恵子

    小林美恵子君 今、検査院長さんが報告していただきましたけれども、その点につきまして国交省にお聞きしたいと思います。  それで、今、検査院長さんが報告されましたいわゆる買戻し不能の企業といいますか、私の調べでいきますと、アサヒ開発で六十八億円、大阪吹田のファーストエクスプレスは評価損プラス・マイナス・ゼロで、大阪貝塚のテザックが十四億円で九十二億円、そしてこのほかに再生支援となった九州産交バス会社の三十六億円で、合計おっしゃった百十八億円というふうに見ますけれども、どうでしょうか。
  114. 柴田高博

    政府参考人(柴田高博君) 今、評価減のお話をいただいておりますが、ちょっと評価減について現状、資料をちょっと用意いたしておりませんので、そこについてはちょっとお答えができない状況にございます。
  115. 小林美恵子

    小林美恵子君 私は、昨日通告をしておりまして、会計検査院さんが御指摘をされました、九件ございましたけれども、金額までいいですけれども、その企業名はどうかということで通告はしておりました。改めてお聞きしますけれども、通告していたにもかかわらず答えることができないんでしょうか。  今の質問と重ねまして、もう一つ聞きたいと思います。  会計検査院長さんが、譲渡損失が発生する可能性がある、おそれがあるというお話がありましたけれども、そういう企業というのも、例えば、そごう、佐藤工業、巽住宅、日本長銀、新潟鉄工だというふうに私の調べではそう思いますけれども、その辺は国交省、どうでしょうか。
  116. 柴田高博

    政府参考人(柴田高博君) 会計検査院の方でA社、B社、I社まで出てございますが、それぞれにつきましての企業名については今委員指摘の企業ということになってございます。  それから、先ほどお話しされました評価減のアサヒ都市開発と九州産交についてはそのとおりであるというふうに考えております。そのとおりでございます。
  117. 小林美恵子

    小林美恵子君 要するに、企業は私の調べどおりであるということでございますよね。なぜ私がそういうことをお聞きしたかといいますと、要するに今名前を挙げた企業もそれなりのネームバリューがあって、大手の企業でございます。そういうところでも買戻しが不能となる、譲渡損失の、民都に対して、おそれがあるというふうに、買戻しの不能が現にあり、それからこれからもあるということがあるわけでございますから、大変この問題は今後重大な問題だというふうに言わざるを得ないと思います。  それで、そこで私は財務大臣にお聞きをしたいというふうに思います。  この会計検査院長が先ほど報告されて、国交省がその企業名も言ってお認めになられましたけれども、その点に関しまして、既に買戻しの不能になり、損失が起こり、そしてまた譲渡損失の発生の可能性があり、今後そのおそれがあると。こういう会計検査院長さんの指摘に対しまして、大臣はどういうふうに御認識されておられるか。それともう一つは、仮におそれが現実になった場合、決して税金投入で国民に負担を強いるということはないでしょうか。その点を確認させていただきたいと思います。
  118. 谷垣禎一

    国務大臣谷垣禎一君) 今御議論の事業につきましては、平成十六年度末で事業自体は終了しておりますので、その関係では新たなリスクはもう発生しないということですが、既に取得した土地にかかわる新たな損失の発生リスクということになるわけですね。  それについては、今のところ財務の安定性は維持しているというふうに思っておりますが、今後とも、事業構想の見直しとか、そういった対応策はやはり的確に講じていかなきゃいけないんだろうと思います。それとともに、業務運営の合理化とか経費の節減というのも併せてやっていかなければいけないんだろうと思いますが、こういうことは国土交通省の監督の下で適正に運営を行っていただかなければならないと思います。  我々としても、今後のそういった運営を注視していきたいと思っております。
  119. 小林美恵子

    小林美恵子君 今の財務大臣の御答弁でいきますと、いわゆるおそれがあるようなことがないようにということを前提にされて、要するに国民の負担となる税金の投入は、そういうことがないようにということで御認識されているということで理解してよろしいでしょうか。
  120. 谷垣禎一

    国務大臣谷垣禎一君) 財務基盤の一層の強化、堅実化を図っていただいて、国民負担が生ずるようなことのないように運営していただかなきゃいかぬと思います。
  121. 小林美恵子

    小林美恵子君 ありがとうございます。  ただ、私は最後に申し上げたいというふうに思いますけれども、政府はこの間、歳出の削減そしてまた無駄をなくすと随分おっしゃっておられます。それ自身は重要なことでございますが、どの方向に向けてそれを実行していくかということはすごく大事なことだと思います。  それで、そもそもこの民間都市開発推進機構の土地取得それから譲渡開発事業といいますのは、結局、大手の企業の土地を民都機構が買い取って、そのために国が支援をする。それ自体は、もう既に国民の税金が使われているわけですから、こういうこと自体、本当に無駄遣いだというふうに言わざるを得ないと思います。それで、よく官から民へ官から民へと言いますけれども、自らの土地の管理など超大手の企業が自らする、その民であるその方が自らする、これが今本当に必要なことだということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  122. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  今日は、決算の本体及び決算報告概要と百五条による報告、二本が報告をされましたけれども、前者の方は今後一年掛けてじっくりと審議をしていくということになりますから、今日はその一端、とりわけ後者に関連のある資金、積立金の問題を一つ質問して、あと後者、つまり国が公益法人に造成させている資金の問題について質問をしてまいりたいと、こう思います。  冒頭、谷垣大臣にお伺いをいたしますけれども、年間純計二百五兆円の特別会計が、多くは官僚によって私物化され既得権益化されている、年度を越えてまで囲い込まれているではないか、あるいは、これをやめて資産を国民に還元をする、また、透明化して、そして国会審議などで監視できる形に改革すべきだと、こんなことを私はこの三年間、一貫して指摘をし主張もしてまいりました。  具体的には、金額とともに特別会計や勘定の本数も減らして、そして一般会計へ再統合することも必要だというふうに申し上げてまいりましたけれども、去る九日報道された財務省の検討というものについても、そういう意味では大変注目をしたいと思いますし、その結果については非常に関心を持って見守ってまいりたいと、こう思っております。  とりわけ、この特別会計の繰越金、剰余金、積立金、資金などの名前による余剰資金の囲い込みはもう改善されたのかということが今日お聞きをしたい点でありまして、今日、資料お配りをさせていただきました。とりわけ、この特別会計については、我が党はこれまでもこの積立金、資金というものを一般会計に吸収すべきではないかということを強く主張してきたわけでありますが。  そこで、見てみますと、財務所管の財政融資資金特会、外為特会のこの二つについて、これまでも私、指摘をしてきましたが、事業の回転に必要だという資金とは別枠の、巨額のやっぱり積立金を持っている。今日お配りした資料のように、平成十六年度末でいえば財政融資十八兆七千七百億円余り、外為では十三兆四千億円余り、こういう格好で別枠で持っている、こういうことになっているわけです。これを囲い込みやめて取り崩せば、例えば十年間毎年三兆二千億円が一般会計に戻ってくると、こういう勘定になる。こういうことなわけで、なぜこの資金とは別枠でこういう積立金を持っているのかと、ここをメス入れるべきだということを私、一貫して言ってきたんですね。大臣ともこれやり合ってきました。  今回の財務省案ではこの二つ、おひざ元のこの問題については手を付けておられないようですけれども、むしろ財政改革と言うならばこれは率先垂範してやられるべきではないのかと、こう思うんですが、大臣の見解を伺いたいと思います。
  123. 谷垣禎一

    国務大臣谷垣禎一君) 今、特別会計につきましては、又市委員がおっしゃったように見直しを進めておりまして、委員の今までと随分この委員会でもやり合いましたけれども、少しでも御関心にこたえられればと思っております。  ただ、今お挙げになった財政融資資金特別会計と外国為替ですね、これについてはちょっと私、事情が違うと思っておりまして、財政融資資金特別会計は、これはその制度の性格として一般会計からの繰入れをしない独立採算で、要するに国債で調達した資金を利ざやを取らずに長期で貸し付けるということが仕事なわけですね。そういう貸付けあるいは借入、満期構成についてはできるだけ財投債の発行年限と各財投機関に対する貸付期間の間でミスマッチが起こらないようにする必要がありますが、やっぱりそれはミスマッチはある程度避け得ない面がどうしてもあるわけです。それで、そうしますと、金利変動がその場合の財務の健全性に大きな影響を与える可能性がございまして、そのため、収支がプラスになった際は将来の金利変動に備えてこれを金利変動準備金として積み立てて財務の健全化を図って安定した業務遂行にしていくと。  現在は調達金利が低いですから、そういう意味でたまってくるわけです。毎年、率直に申しまして、三兆円程度の単年度利益が続きまして、積立金も一定の規模となっておりますが、これ、いつまでもこういう状況が続くとは思えませんので、将来の予想はなかなか難しゅうございますが、仮に金利が相当高くなった場合に現在と逆の状況が起こるということは十分考えておかなきゃいかぬと思うんです。  そこで、平成十五年十二月に財政審で、一体どこまで積み立てておけばいいかという議論をしていただきまして、財政融資資金が金利変動に対して財務の健全性を維持するためには総資産の千分の百までの金利準備変動金が必要だという指摘をいただいているところでございまして、利益が生じた場合にはこれを準備金として積み立てていこうと。現在はそれが千分の五十五まで積み立てている状況でございます。したがいまして、今すぐじゃ全部吐き出せというわけにはなかなかいかないということが今の財政融資の方でございます。  それから、外国為替の方では外為特会はやっぱり為替介入必要なときにはするぞという姿勢を私どもは取っております。それで、そのときの介入する原資である保有外貨資産を、安全であること、それから、そのときすぐ使える流動性というように配慮しながら運用を行っているわけですが、こういう中で、特会運営の、この特会がもう持続できないんじゃないかとか、特会の収支がもう健全じゃないじゃないかというような疑念を抱かれるような状況が仮に生ずるようなことになれば、好ましくない為替変動が生ずるんじゃないかということを我々は危惧しておりまして、これもやはり先ほどと同じような金利変動、調達金利との差額というものがございますので、ある程度やはり健全性を維持していくということが必要だというふうに考えているわけでございます。  最後の方はちょっとはしょりました。
  124. 又市征治

    ○又市征治君 いやいや、大臣ね、だから、私、今日資料を配ったんですよ。この資料を見てくださいよ。  つまり資金として、私、これ資金を言っているんじゃないんですよ。積立金残高があるではないですか、資金とは別にあるじゃないですか。資金の分は今あなたがおっしゃった、この点はそれなりきに、この額で適切かどうかというのは、私もそれは必要性認めております。問題なのは、積立金というものが別にあるではないですか。ここのところが問題じゃないのかということを私申し上げているので、今日ここのところをとことん議論をするつもりじゃありませんから、これはこの後随分出てきますから、今日は御指摘だけ、指摘申し上げて、今の段階での大臣の意見を聞いたので。  しかし、やはりこうした形で二つの、こういう余剰資金を持っている、二つに分かれている、なぜ分かれているのかと。問題は、こんな格好で、財政投融資だって三百七十兆円からあるわけでありまして、それ以外に十八兆七千億あるじゃないですかと、こう申し上げている。ここのところにメスを入れるべきじゃないかということを言っているので、この後のこれからの決算議論の中で更にこの点についてはまた明確なお答えをいただきたい。今日はここのところがメーンじゃありませんから、その点だけ申し上げておきたいと思います。  そこで、このような特別会計資金だとか積立金という形での囲い込みが実は各省の補助金によって百を超す公益法人にまで広がっていると。保有額は一兆五千四百十億円に上っているというのが今日の会計検査院報告なわけですね。私は資金残高百億円以上のものを拾い出してみましたけれども、十六法人、二十二資金で一兆三千二百十億円にも上るわけで、それぞれ補助金目的に即して年度間の需要の変動なども考慮して蓄積され、また消費されているという、こういう建前をみんな言うんですけれども、今回検査院が検討すべき事項として指定しただけのものでも二十六法人、三十三資金があるわけですね。  その中から今日はもう特徴的な点だけ幾つか伺ってまいりますが、まず厚労省の関係ですけれども、お配りをした二枚目の資料を見ていただければ一番頭に載っけておりますけれども、単独で保有額最大の資金というのは厚生労働所管の高年齢者雇用開発協会の緊急雇用対策特別基金、こんなわけです。今、三千二百四十七億円の資金残高が積み上がっていて、検査院の指摘は、事業実績から見て資金規模検討が必要だ。つまり、業務メニューが縮小したのに残高が多過ぎると、こういうことなんですね。  私は以前、この特別交付金、これとは全く別の緊急雇用対策特別交付金というのがある。この方については、この雇用情勢を考えればもっと延長して、労働者の範囲や対象となる労働内容も、例えば建設、不動産の労働経験者を活用した小規模雑居ビルの火災予防、違反建築の点検など多様に拡大すべきだということも指摘をし、その点も取り入れてもらいました。十六年度でこれがもう廃止する格好になったんですが、私はこのことについては大変問題だ、反対だ、こう申し上げてきたんですが、その方ではなくて、今日は基金の方のこの見通しの問題を伺いたいと思うんです。  まあこれ、以前にやくざなどの不正な事業主に渡ってしまったという例もあって、大変ひんしゅくを買った。だから、やたらに支出を甘くすることはこれはもちろんのこと問題なんですけれども、私は、やはり自治体の直接雇用ではなくて協会が事業主に支払うという、こういう形で果たして本当に失業対策に、あるいは雇用への足掛かりになるのかどうか。今後どのように実施していこうとしているのか。幾つかは打ち切った、あとは残っているのは十九年までと、こう言っているんですが、その見通しについてまずお伺いしたい。
  125. 中野清

    ○副大臣(中野清君) 又市議員の御質問にお答えしたいと思います。  今お話しございました緊急雇用創出特別基金でございますが、不良債権処理の影響による離職者の発生や地域の雇用情勢の悪化に対応した事業を実施することによりまして、国民に対する安心感を与えることを目的としていることは御承知のとおりでございます。
  126. 又市征治

    ○又市征治君 今後の見通しだけ言ってください。今後の見通しですよ。説明するの要らない。
  127. 中野清

    ○副大臣(中野清君) そうですか。分かりました。  今お話しのとおり、具体的には、今この雇用再生集中支援事業と、それからサービス分野において創業した企業に対してリストラ等で非自発的な離職者を雇い入れた者に対する助成を実施する地域雇用受皿事業を実施しているわけでございますが、これらの事業については、いろいろと御意見がございますけれども、基金の効果的活用のための見通しを行っていくことが重要であると考えておるわけでございます。  そのために、今例えば地域雇用受皿事業につきましては、平成十七年度より、この法人だけを対象としたものを個人の事業の開設にも入れるとか、三人以上の雇用が二人以上とかというような支給要件を見直しまして地域創業助成金とするとともに、雇用の機会が少ない地域においても雇用創造に自発的に取り組む市町村に支援するところの地域提案型雇用創造促進事業を新たに実施する等の見直しを行っているところでございます。  ですから、厚生労働省といたしましては、こうした見直しによりまして本基金による事業が雇用のセーフティーネットとしての機能を十分に発揮するよう配慮するとともに、今後とも必要に応じて見直しを行い、基金の効果的な、効率的な活用を図るように努力してまいりたいと思います。
  128. 又市征治

    ○又市征治君 聞いたことを端的に是非お答えいただきたいですな、これ。全然、その制度説明なんというのは分かった上で聞いているんですから。  三枚目に、この基金のメニュー六種類、年度別実績をお示しをしましたけれども、一番多かったのが平成十三年度でも、これはここの数字載っていませんが五万六千人、しかもそのときの件数が四万件ですから、一件当たりわずか一・四人という効率の悪さで、他の年も大同小異なんですよ。メニューの一番最後に登場した早期再就職者支援、これのみは労働者個人に支給していますから、このメニューだけで実績が一年で七万件から八万件で、金額も同じ年度の他の五つのメニュー合計の四倍から五倍になっている。見ていただいたとおりです。やはり問題の多い間接支援よりも自治体による直接雇用である交付金形式の方が効果的だったんではないのかと、このように思うんです。  また、そもそも協会に三千億、ピーク時は五千九百六十億という資金を蓄えさせる必要が大体そもそもあったのかと、こういうことが言えると思うんですよ。労働者の雇用の拡大よりもこの協会の存続の方が目的になっているんではないかと、こう疑いたくなる、そういう実は状況があるわけです。  この点についてどうですか、端的にお答えください。金余らしてばっかりいる。
  129. 中野清

    ○副大臣(中野清君) 雇用対策の基本は、国や公共団体によるところの就業機会を創出して失業者を直接吸収することを目的とした事業を実施することではなくて、基本は民間企業による雇用を促進することが中心であると考えておるわけでございます。  今、協会の存続が目的じゃないかというお話でございましたけれども、この高齢者雇用開発協会につきましては、尾辻大臣の当時の指示によりまして、厚生労働省出身の常勤役員は既に平成十七年五月末で退任をさしております。それでまた、基金事業は平成十九年度までの届け出られた対象者の支援が終了するまで実施をしておりまして、事業終了後は、今委員がお話しのとおり、協会を速やかに解散することになっておりまして、そういう御懸念についてはないということを存じております。
  130. 又市征治

    ○又市征治君 この表を見てもらって、今日はそこまで言いませんけれども、一番頭のAの緊急雇用創出特別奨励金なんかでも、見てくださいよ、随分と金余らして、それで最後は返済、返還。それで政府は言うときは、これだけ雇用を拡大します、こういう事業もやりますと。全然こんなにたくさん余らかしてですよ、ここらのところはもうちょっと反省してもらわないかぬ。  雇用創出をやっぱり公的なチャンネルで行うという事業自体をもっと活性化させなきゃならぬと思うんです。しかし、そのためには、閉鎖的に特定の公益法人資金でやるとか基金として滞留させるんではなくて、自治体を活用するなり、あるいはさっき申し上げたような特別交付金方式というものを復活させるなり、労働保険特別会計に積み立てられた資金の恩恵がより直接に労働者の手元に届くように改善をすべきだ、この点は御指摘だけしておきたいと思うんです。  時間が余りありませんが、農水省の関係、一つお伺いしておきます。  農水省所管の海外漁業協力財団の貸付資金であります。  これも資料の二枚目に、上に載っけたと思いますが、この財団及び資金は、平成十二年と十四年の検査報告でも、二十年近く貸付け実績ゼロ、人件費に回しているという問題が指摘をされてまいりました。今回の検査指摘も、資金が滞留しているとされておるわけですね。確かに、保有額九百十七億円のうち五百十八億円が使われていません。ところが、実績を見ると、トップの一社、水産会社ですが、これに百二十三億円、貸出し残高三百九十九億円ですから、これの三一%を貸し出しておりまして、二位以下は一けた少ないんですね。言わば独占的利用になっているわけです。  漁業者が全体として苦しい中で、これで一体全体有効な資金運用というふうに言えるのかどうか、また、零細な漁業者には役に立つのかどうか。この際、会計検査院指摘を受けて、組織そのものをやっぱり大幅に見直すべきじゃないのか。今、厚労省副大臣は、いや、組織の問題はそんなことはありませんと、こう言いましたが、ここの組織は役員十四名中八名が役所からの天下り、常勤四名のうち三名までが役所からの天下りの常勤、職員四十四名、こんな格好になっておって、実態、体を成していないじゃないか、こう思うんですよ。その点を根本的にやっぱり見直すべきじゃないのか、こう思うので、農水副大臣からお答えをいただきたいと思います。
  131. 三浦一水

    ○副大臣(三浦一水君) 御指摘の点につきましては、その使用残額が十六年末には五百十八億と、そのとおりの状況になっております。これは、実績等から見まして資金が滞留しているものと御指摘を受けたところでございます。  そういう状況でございますが、海外の漁場を確保するという点におきまして、事業全体の中におきましては、漁業合弁企業を設立するための資金貸付け、あるいは漁船の建造、取得に必要な資金の貸付け等、全般にわたって中小も含めて行ってきているところでございます。その点は御理解を賜りたいというふうに思うところでございます。
  132. 又市征治

    ○又市征治君 今日は二つの問題を取り上げさせていただきましたが、やはりそれぞれ言い分はあるでしょう。しかし、こんな形で残高が残っておって滞留しておる、こういう問題をもっと率直に見ていく。行革大臣、そこらのところはあなたのところでもきちっと見てもらわなきゃいかぬ、総務省もしっかり見てもらわなきゃいかぬ。もっとお互いにそのことをやっていただいて、大本を財務大臣がしっかり見ていただくということが大事なんだろうと思う。  時間が参りましたから終わりますが、この農水省の法人にやらせている資金は、さっき同僚議員からも出ましたが、三十三法人、六十一資金で八千五百億円余り、会計検査院指摘の半分以上ですよ。そういう問題を持っている。経済産業省も十八法人、二十八資金で一千六百二十二億円、こういう状況になっている。  そういう意味では、資料の二枚目に載せましたけれども、果実やガソリンスタンド向けなど個々の事業は、本当に国民の食料又は農業者を守るために必要な事業もありますけれども、必要以上の多額の国費を天下り公益法人に滞留をさせて利息を稼がせるような、こんなばかげたやり方というのは抜本的に見直してもらいたい。  このことを強く申し上げ、検査院の報告を機会に襟を正していただくように強く申し上げて、私の今日の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  133. 中島眞人

    委員長中島眞人君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時四十分散会