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鈴木陽悦君 本日締めくくりの
質問をさせていただきます
鈴木陽悦です。よろしくお願いいたします。
山根委員と少々重複する部分がございますが、今日は景気関連を含む三つの
質問をさせていただきたいと思います。
ちょっと古い話で恐縮なんですが、
大臣、今年の三月十五日のこの
委員会の一般
質問で、私、景気回復について
質問をさせていただきました。そうしましたら、
大臣は、
委員各位の地元が景気が良くなったと
委員会で聞かれるようになった時点で私は景気回復宣言をしたい、このようにおっしゃっていただきました。私の地元、秋田ではまだ景気がいいとは申せません。この
委員会でもまだ、そんな声はまだ聞こえてまいりません。
その後の動きなんですけれども、政府、日銀は八月九日、我が国の
経済が景気の踊り場から脱却したと宣言しました。直近の今月十二日の月例
経済報告でも、景気は緩やかに回復しているとしています。また、今月の十三日に出されました日銀の金融
経済月報でも、我が国の景気は回復を続けているとしていますし、地域
経済報告でも、足下の景気は、程度の差はあるものの、ほとんどの地域で回復の動きを示しているとしております。ところが、ついこの間の、十月の
内閣府の月例
経済報告では、その前の月、九月の
報告にはあった企業部門と家計部門がともに改善しという表現が消えてなくなりました。これは私の憶測なんですけれども、企業部門も家計部門も依然として格差が著しいという表れではないかと思いますし、都市部と地方の景況感に大きな開きがあることを物語っているというふうに痛感いたします。東北地方も表現上は一くくりで、緩やかに持ち直してきているとしていますが、
経済産業省の拡大
経済産業局長会の
報告では、新たに北東北三県と南東北三県に大きな格差が生じていると表現されました。
またちょっと別の話になりますが、厚生労働省の雇用者所得統計では、二〇〇〇年を一〇〇とした場合、今年、二〇〇五年は九四、こういう程度まで毎年減少していますし、
平成十七年版の国民生活白書によりますと貯金残高ゼロ世帯が急激に増えておりまして、全世帯に占める割合で二一・八%、特に二十代では四〇%近くに及んでいます。一九七〇年代から八〇年代が五%から七%台で推移したのと比較しますと、いかにこれが高くなってきたか分かります。
日本人、昔から貯金好きと言われてまいりましたけれども、こうした
日本人像からしますと、今や五世帯に一世帯が全く貯金保有していない、何か本来の
日本人の姿が消えていってしまった、そんな
報告がございます。
こうした背景には、企業のリストラとか公共事業の大幅な削減、正規雇用から非正規雇用への労働現場の変化が挙げられます。ちょっと細かい数字で申し訳ないんですが、正規雇用は九五年二月の三千七百六十二万人から去年が三千三百九十三万人へ、三百六十九万人減ったのに対しまして、非正規雇用は同じ期間に九百八十八万人から千五百四十七万人へと五百五十九万人増加しました。
今、大きく言いますと、働く皆さん、労働者の皆さんの三分の一は非正規雇用と言われています。非正規雇用、いわゆる派遣社員、パートタイマー、アルバイト、フリーター、こうした人たち、企業側にとっては非常に都合のいい労働力であります。
賃金は低めに抑えられる。ちょっと表現は悪いんですが、首は切りやすい。多少のことでも文句言わずに黙々と働く。こういった都合のいい労働力で、収入的には、頑張っても頑張っても二百万から三百万、この辺がやっとだということですね。これが実態だと思います。
最近こんな
事例をちょっと耳にしてショックを覚えました。ある大手企業のいわゆる人材派遣するセクションなんですが、人材派遣ですから、普通は人事部とか、人が付く部署が扱うんじゃないかと思っておりましたら、何とこれ、人材派遣、派遣社員を担当する部署が資材調達部門なんですね。もう人が人でなくなって、物として扱うような、こうした今はもう大手の企業では進んでいるという話を聞いて、私も何か空恐ろしいような気がいたしました。で、こんな中から働く皆さんに夢と希望を持てと言っても、これは無理な話であります。
希望格差社会という
言葉が去年から今年にかけて非常に流行いたしました。将来に夢と希望を持てる人と持てない、この格差がぐっと広がっている、こんな実態がどんどん進んでいる社会現象というのが紹介されたんですが。かつて現実逃避というのは、現実がきついからどこかに逃げよう、今から逃れたいというのが現実逃避だったんですが、この例えでいくと、将来に夢も希望も持てないから今の現実の仕事の方に何も考えないで黙々と打ち込んでいこう、こんな格差社会がどんどん進んでいるというのは、非常に痛々しいといいますか、私も切ない思いがいたします。今後、社会保険
関係の支出とか増税などが予想されていて、家計はますます苦しくなるでしょう。消費にも影響が懸念されます。
大変長々と申し述べましたが、これらの話をお聞きいただいた上で
中川大臣に伺ってまいりたいと思います。
大臣は、
経済財政諮問
会議の一員でございまして、
経済関係閣僚
会議のメンバーでもございます。私は東北、秋田の選挙区、
大臣は北海道選出、こうしたことから、バブル崩壊以降、景気回復を実感できずに
産業の空洞化や高い失業率に悩む地方の声が理解できる
大臣として、もう一回重ねて言いますが、地方の声が理解できる
大臣として、現在の
経済状況をどのようにとらえていらっしゃるか、さらに地方の
経済を支えていくためにはどう取り組んでいかれるのか、その辺の御所存伺いたいと思います。