○五島
委員 民主党の五島でございます。
環境委員会に
出席するのは四年ぶりということで大変久しぶりでございますが、今
アスベストの問題が大変大きな問題になってきております。今ごろになって閣僚
会議を開いてばたばたしておられますが、これは大変大きな問題、今長浜議員から水俣病の問題について御指摘ございましたけれども、水俣病を超えるような大きな大きな
被害あるいは
課題になりかねない問題でございます。
そこで、時間が余りございませんので、
大臣にお伺いするわけですが、その前に私
自身の見解を述べながら、
質問をさせていただきたいと思います。
今、クボタにおける
アスベスト問題を初めとして、今年になりまして大きな問題になりました。この事件というのは、
アスベスト問題のほんの取っかかりであることは明らかです。
日本におきましては、一九五〇年ぐらいから
アスベストが戦後
輸入され出しました。そして、
日本が
アスベストの
輸入がピークに達するのは、一九七〇年から九〇年でございます。そして、
アスベストの被曝によって肺
がんあるいは中皮腫などといった
被害が出てくるのは大体三十年から四十年ぐらいと言われています。子供の場合は少し早いと言われておりますが、三十年から四十年ぐらい。
そうしますと、現在
被害者として出ておられる多くの
方々の問題というのは、一九七〇年以前の
段階で、
日本が
アスベストを利用するピークになる前にその
作業で暴露された
方々が今問題になっています。そして今後、この
アスベストの
日本への
輸入が大量にふえてくる過程の中において、労災、公害、さまざまな
状況で
被害がウナギ登りにふえてくるだろうと予測されています。
これは、衆議院の
調査局
環境調査室がきのうお配りいただいた資料を見ますと、なぜか知らぬけれども早稲田大学の村山さんのデータだけが載っておりますが、この村山さんのデータはかなり抑制された書き方でございますが、二〇〇〇年から二〇三九年の四十年間で、中皮腫だけで十万三千人ぐらいと予測をされております。この数字はかなり低目に見積もった数字だろうと私は思っております。また、中皮腫に対する肺
がんの発生は最低でも二倍、これはほぼ学者の間において間違いのない数字だろうというように思っています。そうしますと、どう少な目に見ても、向こう三十五年の間に三十万、四十万という
被害者が出てくる可能性がございます。
そうしたものを今さらどうこうできないかもわかりません。現在既に暴露された
労働者あるいは
住民の問題、この問題についてどのように補償、
救済をしていくのか、あるいは医学的管理をしていくのかという問題、今日大きな問題として
存在します。
もう
一つ忘れてはならない大きな大きな問題がございます。
日本に入った
アスベストというのは、そこで使い切りになったわけではありません。約一千万トンの
アスベストが
日本に入りました。そして、この
アスベストはほとんどが、
建材に九割以上が使われてまいりました。現在、そういう形で
アスベストが使われている製品の量はどれぐらいあったか。これは、四千三百四十一万九千二百八十二トンというのが
アスベスト協会の発表。そして、それの
建物へ利用された総面積はどれぐらいあるか。四十億平方メーターに及ぶところで現在この
アスベスト製材が使われています。
これらの製品は、いずれ廃棄されなければなりません。このときにもし
対策を誤るならば、過去において、九〇年、九四年ぐらいまでに暴露されて、これから心配を抱えて暮らしていかれる
国民に加えて、今後、これが何年間にわたって
解体あるいは処理される方で、
一つ間違えると今度は公害としての
被害が起こってまいります。それをどのように防止するかということに今
環境省は第一義的な
責任を持っておられる、そう考えて間違いないだろうというふうに思います。
今出ている
被害者に対しての、例えば工場周辺の
人たち、御家族にそういう
作業着を持って帰って家庭内で暴露された
人たちの問題、こうした問題に対して、旧労働省、あるいは旧厚生省、そして
環境省、それぞれの
責任はあります。しかし、現在出ている
人たちのこの暴露の問題は、公害というにしては余りにもクラシックな、いわゆる工場内の不
経済が余りにもひどい
状態の結果、工場の塀を越えて、その周辺に広がったというクラシックな公害の例です。しかし、これからの問題は、そうではなくて、既にここまでたくさん使われている
アスベスト製材をどのように処理をするのか、この問題が最大の
課題として
環境衛生の中では問われるだろうというふうに思っています。
また、後ほど具体的にお伺いしてまいりますが、今、
関係閣僚会議で議論をされている
内容をお伺いしていますと、何か、中皮腫にかかった人の
救済の問題、あるいはこれからのそういう医療費や補償に対するお金をどうするかという問題、全体像から見ると非常に歪曲された、小さなところでしか議論されていないように思います。
環境大臣として、今私が言った今後の問題として、閣僚
会議の中でどのように御主張なさっているのか、お伺いしたいと思います。