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2005-08-03 第162回国会 参議院 郵政民営化に関する特別委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年八月三日(水曜日)    午前十一時開会     ─────────────    委員の異動  八月二日     辞任         補欠選任      岡田  広君     田中 直紀君      片山虎之助君     愛知 治郎君      長谷川憲正君     小林  温君      舛添 要一君     秋元  司君      高橋 千秋君     尾立 源幸君      草川 昭三君     山本 香苗君      谷合 正明君     西田 実仁君      吉川 春子君     大門実紀史君  八月三日     辞任         補欠選任      大久保 勉君     若林 秀樹君      大門実紀史君     井上 哲士君      近藤 正道君     又市 征治君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         陣内 孝雄君     理 事                 市川 一朗君                 世耕 弘成君                 山崎  力君                 伊藤 基隆君                 平野 達男君                 山下洲夫君                 弘友 和夫君     委 員                 愛知 治郎君                 秋元  司君                 有村 治子君                 岩城 光英君                 小野 清子君                 小池 正勝君                 小泉 昭男君                 小林  温君                 関口 昌一君                 田中 直紀君                 藤野 公孝君                 山下 英利君                 山本 順三君                 尾立 源幸君                 大塚 耕平君                 岡崎トミ子君                 齋藤  勁君                 櫻井  充君                 峰崎 直樹君                 山根 隆治君                 若林 秀樹君                 渡辺 秀央君                 西田 実仁君                 山口那津男君                 山本 香苗君                 井上 哲士君                 大門実紀史君                 又市 征治君    衆議院議員        修正案提出者   柳澤 伯夫君        修正案提出者   山崎  拓君        修正案提出者   桝屋 敬悟君    国務大臣        総務大臣     麻生 太郎君        財務大臣     谷垣 禎一君        厚生労働大臣   尾辻 秀久君        国務大臣        (内閣官房長官) 細田 博之君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        伊藤 達也君        国務大臣     竹中 平蔵君    副大臣        内閣府副大臣   西川 公也君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  阪田 雅裕君        公正取引委員会        委員長      竹島 一彦君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君        常任委員会専門        員        高山 達郎君    政府参考人        内閣官房郵政民        営化準備室長   渡辺 好明君        内閣官房内閣審        議官       中城 吉郎君        内閣官房内閣審        議官       竹内  洋君        内閣官房内閣審        議官       伊東 敏朗君        内閣官房内閣審        議官       篠田 政利君        内閣大臣官房        参事官      岩崎 達哉君        内閣大臣官房        政府広報室長   林  幹雄君        金融庁監督局長  佐藤 隆文君        総務省郵政行政        局長       鈴木 康雄君        社会保険庁次長  小林 和弘君        国土交通大臣官        房審議官     和泉 洋人君    参考人        日本郵政公社総        裁        生田 正治君        日本郵政公社理        事        山下  泉君        日本郵政公社理        事        岡田 克行君        日本郵政公社理        事        間瀬 朝久君        日本郵政公社理        事        斎尾 親徳君        日本郵政公社金        融総本部簡易保        険事業本部長   元女 久光君     ─────────────   本日の会議に付した案件郵政民営化法案内閣提出衆議院送付) ○日本郵政株式会社法案内閣提出衆議院送付  ) ○郵便事業株式会社法案内閣提出衆議院送付  ) ○郵便局株式会社法案内閣提出衆議院送付) ○独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理機構  法案内閣提出衆議院送付) ○郵政民営化法等施行に伴う関係法律整備等  に関する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) ただいまから郵政民営化に関する特別委員会を開会いたします。  郵政民営化法案日本郵政株式会社法案郵便事業株式会社法案郵便局株式会社法案独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理機構法案及び郵政民営化法等施行に伴う関係法律整備等に関する法律案、以上六案を一括して議題といたします。  本日は、金融中心とした郵政事業についての集中審議を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 田中直紀

    田中直紀君 自由民主党の田中直紀でございます。具体的に法案について提案をしていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。郵政民営化推進本部構成メンバーでございます。  今、政治の最大の課題は少子高齢化対策あるいは年金問題と言われておるところでございまして、しかしこの郵政事業におきましても、厚生労働大臣あるいは法務大臣参議院から大臣になっていただいているわけでありますが、やはり郵政にも非常に関係があるんではないかと、こういうふうに思っております。  職員二十七万人が、公務員一般会社の社員になると、こういうことになりますと、共済年金から厚生年金に替わるということがございますし、四分の一の公務員をこの二十七万人が占めるわけであります。すぐ対策どうするかと、こういう問題が出てきておりますし、また、御存じのとおり、過疎地方々年金を受け取る、将来受け取れるかどうか、こんな心配もされておるわけでありますし、また事業ということになりますと、医療あるいは介護の事業をこれからどうするんだということが当然かかわってくるわけであります。あるいは、労働権の問題、そしてまた福祉定期貯金の問題もございます。  法務省は、特別送達事業というのをやっておりますが、これから刑事裁判員制度がスタートをする、これ、法務省郵便のそういう面では大変なお客さんになってくるんじゃないかという期待もあるわけでありますから、当然このメンバーに加えるべきではないかと。  今日は厚生労働大臣あるいは法務大臣お忙しいようでありますから、竹中大臣にお伺いしたいと思います。  経過は結構でありますから、この考え方に賛同していただけるか、あるいは法案の中に竹中大臣の考えでちょっと加えれば実現できるよと、こういうことであれば、積極的なお話をいただければ有り難いと思う次第ですが、よろしくお願いします。
  4. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) お答えをさせていただきます。  田中委員指摘のとおり、この郵政民営化、非常に幅広いものでございます。郵便、物流、金融、そしてそこに多くの方々が働いていらっしゃる。したがいまして、郵政民営化推進するためには、民営化推進に関します総合調整等事務を行う組織として郵政民営化推進本部を設ける必要があるというふうに我々は考えております。そのことを民営化法の第九条から十一条まで定めております。  そこで、この郵政民営化推進本部でございますけれども、これは内閣総理大臣本部長としまして、郵政民営化担当大臣などの副本部長を置きますほか、委員指摘厚生労働大臣法務大臣を含めたすべての国務大臣をもって本部員とすることとしております。十三条—十五条にそのことを書いてございます。  したがいまして、今直接お話のありました厚生労働大臣法務大臣につきましても、本部員としまして、その所管する分野について郵政民営化推進するために種々御尽力を得られるものというふうに思っております。そのような構成に既になっているということでございます。
  5. 田中直紀

    田中直紀君 レジュメでは国土交通大臣までと、こういうようなことが準備ところから出てきておりましたので、その辺は訂正をしていただければと思います。  これ、郵政民営化関連法ということでインターネットで出しますとこういう資料が出てくるわけでありますけれども、その中には限定されておると、こういうことが出ておりますし、実を言いますと、ちょっと追加で申し訳ございませんが、衆議院法案修正されましたですね。しかし、残念ながら、国民が見るいわゆるこの法案の概要ということでありますと何の修正もされていないということがございまして、一体それは、修正しておきながら、一般国民に出すインターネットは何ら修正されていないということは大変困ったものであるなという。  竹中大臣、チェックされていますか。
  6. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 大変大事な御指摘をいただいたと思っております。  その恐らく今の国土交通大臣まで云々というのは、これは副本部長ということでございますのでそういう規定になっていると思うんですが、いずれにしましても、修正しました点は、これはまあ私のところに回ってくる紙にはきちっと修正されておりましたんで、ホームページそのものを私自身はちょっとチェックをしておりませんのですが、直ちに確認をさせまして必要な措置をとります。
  7. 田中直紀

    田中直紀君 じゃ、これでいくと、民営化推進、監視というところも三年ごととなっていますが、検証を行うほか云々と、こうなっているんですね、まあいろいろ議論になっていますが。検証というのは見直しにしますよと、こういうふうなことで議論はしているわけでありますが、残念ながら公表されているのは、せっかく衆議院修正をしておきながら、修正しておらないと。こういうことは大変残念なことではないかと思います。  次に、国会の、まあ報告関与についてのことであります。  官から民へというスローガンということで、まあこの本会議、本会議委員会、相当お話が出ているわけでありますが、この準備期間あるいは移行期間の中で、国民代表する国会には報告をするという項目になっておりますね。これは条文が二項目ありまして、三年ごとあるいは承継の計画等ありますが、私は、衆議院であれだけ与党皆さん方同僚法案に対して心配をされておるということで反対欠席棄権をされたんではないかと思うんですが、私はこの際、やはり重要な郵政民営化委員会あるいは経営委員会委員任命、あるいは任命人事案件ですね、それから公社からの承継計画、あるいは公社自体廃止時期、これはシステムとの関係がありますが、これから時期を決めると、こういうことになっておりますので、是非、私は当然国会承認が必要ではないかと思っております。  せっかく官から民へということでありますが、民の意向を反映するのは国会でありますし、竹中大臣も、内閣の一員でありますが、バッジを付けられておる国民代表でありますから、是非その検討をしていただいて、国会関与というものをしっかりと付けていただきたいと要望するところでありますが、いかがですか。
  8. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 委員から具体的に、経営委員等委員任命、そして承継計画公社廃止時期、そういうことについて国会関与をもう少し考えるべきではないかという具体的なお尋ねがございましたので、少し丁寧に御説明をさせていただきたいんですが。  まず、委員任命でございますが、これ、従来、JR、NTTなどの民営化会社の役員、これについても同様な問題もあったわけでございますが、これは商法の規定に従いまして株主総会選任によるというふうにされております。その適正な選任を確保するための主務大臣認可を、これ、JR、NTTしてきたわけでございますが、が、それを越えて国会承認が必要ということにはなっていなかったと承知をしております。この経営委員会委員もこの民営化会社の取締役でございまして、そして主務大臣認可によって適正な選任が確保されるものと考えておりますので今回のような措置にさせていただいた。  承継計画等々、ちょっと長くなるといけませんのでもうはしょらせていただきますが、そのような形で過去の例等々を参考にさせていただいた。ただし、重要なこと、三年ごと見直し、それと、主務大臣実施計画認可について意見を述べたときは、これについては、郵政民営化推進本部はその内容国会報告するというふうにさせていただいているところでございます。
  9. 柳澤伯夫

    衆議院議員柳澤伯夫君) 今のところ田中委員の御指摘の点は、要するに政府与党合意政府原案には盛り込まれました。したがって、私ども与党側も非常にここのところは慎重に議論をした点でございます。  なぜ国会承認人事ではなくて、人事は任せるけれども、その意見について報告を求めるかということをまあはかりに掛けたわけでございますが、委員選任そのもの国会承認に係らしめてもうほとんど白紙委任になっちゃうのがいいのか、委員は任せておいてその結果について国会がチェックするのがいいか、どっちがいいかと、これを考えたわけでございまして、こういう結論に至ったということでございます。
  10. 田中直紀

    田中直紀君 民営化プロセスというのは十二年間にわたるわけでありますから、その間この民営化国会関与するというのは、報告だけを受けるというのは、これは偏っているといいますか、あくまでも官から民へ、民の意見を反映するのは国会でありますから、私はこれは、この法案国会承認を何らかの形で入れなければ民の意見が生かされないというのを非常に危惧しておるところなんです。  それからもう一つ、竹中大臣、我々同僚衆議院で五十一名、反対あるいは棄権欠席をしましたが、私も見ていますが、この法案に、四分社化が良くないんではないかとか、そういう面ではしっかりとした国のサービス公社の形でやっていった方がいいと、あるいは離島、過疎地を守らなきゃいかぬ、いろいろ心配をされておるわけでありますし、拙速に民営化する必要はないんではないかということで欠席された方もいらっしゃいますが、同僚として、その方々とよくちょっと話ししておられますか。
  11. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 時間の制約もございますので、どこまでいろいろ幅広くお話をさせていただいているかという問題はございますけれども、私も参議院の仲間等々もおりますので、そういう方々中心に、私のできる範囲でのお話合いをさせていただいているところでございます。  委員指摘のように、やっぱりいろいろと御心配があるというのは、もうそのとおりだと思うんですね。その点我々も問題意識を共有して、そういう心配が起こらないように、懸念がないようにしっかりとした手当てをしているつもりで私たちはおりますので、その点は是非とも引き続きよく説明する努力をしていきたいと思っております。
  12. 田中直紀

    田中直紀君 努力をしていただきたいと思いますが、同僚議員がこういう形になっておりますから、私は、この法案の中に国会承認事項というものをしっかり織り込むことによって、我々の関与、そしてまた議員としての役割が果たせるということですから、私はポイントとしては、国会承認をこの法案に、十二年間にわたるわけでありますから、入れていくことによって私は相当納得が得られるんじゃないかと、最大限の努力をしていただければと思う次第でございます。  次に参りますが、今回の郵政公社法等十三の法律廃止をされ、あるいはまた百五十八の法律の改正が実施をされるということでありまして、郵政事業方々、二十七万人の方々事業をやっておられるわけでありますが、非常にすそ野の広い我が国を支える大きな産業であるわけでありますが。  しかし、総務大臣にお伺いしますが、この法案によっていわゆる官と民の境界線がどうなっているんだと。自分は官になるのか民になるのか、いや、郵便局は民になるのか官になるのか、いろいろな、幅広いところでいろいろと疑問が出てきておるわけでありまして、そういう意味では、事業の官と民の境界線、あるいは人、物あるいはお金の、まあお金には色は付いていませんが、どっちが官、どっちが民になるのかと、こういうことをしっかり総務大臣はデータとしてすぐ出せますか。
  13. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ごもっともな御質問だと思いますが、いわゆる郵政公社というものに勤めているのは、常勤職員二十六万二千であります。ゆうメイト等々のパートと言われる者が十一万七千、合計三十七万九千、これが丸めてよく三十八万と言われる数字の内容であります。  その中で、民営化後におきます三事業の官と民との、田中先生から見て境界線はどうなるのかというところが一番の問題なところなんだと思いますが、基本的には現在三つの事業を行っておりますんで、いわゆる日本郵政公社のそれぞれの機能を引き継ぐところでありますんで、株式会社で引き継ぐ形になっておりますことから、いわゆる銀行業とか簡易保険業とか郵便事業等々の株式会社で行うという点におきましては、これは民という、民がやる事業というように考えていただかぬと、株式会社ということになると。  ただ、難しいのは、民営化されます前に預金された分を、ところを取り扱う部分はどうするのかというところになりますと、これは独立行政法人、別でやることになりますんで、これは官という形になろうかと存じますし、また、その他みなし公務員とかみなし免許、いろいろ出てきますけれども、これは基本的には職員自体があくまでも公務員ではないということになろうと存じます。
  14. 田中直紀

    田中直紀君 民営化というのは、規制緩和と一緒に、これは手段なんですね。目的ではないんです。何か民営化をする目的というような感じで話がされていますが、この手段が、いかに人、物、お金が効率的に活用できるかというのが、これが手段最大の眼目なんであって、それが、そのベースがはっきり、今みなし公務員あるいはみなし免許郵便認証司と、こうありますが、あなたは官なんです、民なんですとか分からなければ、この法案が通っても、何が生かされるか、そこが分からなければ仕事が身が入らないと、こういうふうになってしまいますから、この法案を通したらこの郵便局は存続するのか存続しないのか、あるいはお金がどちらにどういうふうに行くのかと、こういうことがはっきりしなければ、私は、今すぐに法案が成立してもなかなか効果が出ないんじゃないかなと危惧しておるところでございます。  お手元に特殊法人民営化評価と、こういうことで、私も、これは経済同友会の本の中にあるわけで、私も新潟の経済同友会メンバーでありますので本は見ているわけでありますが、その中に、確かに民営化こそ日本を変えるということで、我々の先輩の経済者の、経済同友会皆さん方が、北城恪太郎さん始め、これで八十五ページなんですがね。  結局、特殊法人民営化を一番今までに頑張ってやったのはどこかといったら、JR西日本だと、こういうことなんですね。これが代表者なんですよ。この経済界皆さん方が、今、竹中先生の本も私読ませていただいておりますが、大体この線に乗っているんですね。残念ながら、JR西日本というのは、利益を追求をすることにおいては、まあその線路まで、マンションの奥にあった線路を、手前に線路を敷いて、それで時間を短縮する。その上にダイヤを少し縮めて、で、私鉄と競争したんでしょうけれども、そういう社会的な責任というものが、残念ながら利便追求の影、いわゆる民営化の光と影ということで現れているんですね。  ですから、そういう面で、私は、社会的な責任というものをこの民営化の中にいかに位置付けられるかということがこの法案の、多くの皆さん方から理解され、そして信頼を得られる法案になるんじゃないかというふうに思うわけでありますが、この痛ましい凄惨な事件において、大臣民営化との関係でどう思われますか。
  15. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今、田中委員が御指摘のとおり、本当にこれだけ大きな改革をするに当たりまして、もちろん国民利便、大事でありますけれども、同時にその社会的な責任、公共的な面というのを本当にしっかりと手当てをしないと、これ、改革そのものが評価されないし、何よりもやはり国民皆さんの理解がもう絶対に得られないというふうに思います。  そういう点では、すべてのものにはある意味で光と影があるわけでございますから、その光の部分をしっかりと伸ばす。しかし、その影が生じないようにいろんな手当てをしていく。場合によってはしっかりとした規制も含めた仕組みを課していくということが、これはもう絶対に必要であるというふうに我々も考えております。  今回の場合、特に郵政郵便という、これはもう世界の国々で認められたユニバーサルなサービスの義務があるわけでございますから、これはしっかりと守っていただく。同時に、日本の場合は金融という大きな役割を担っているわけでございます。難しいのは、金融というのはなかなかそういった公的な介入になじまないというところが大変難しいところで、我々も知恵を絞って制度設計をしたつもりでございますけれども、詳細はもう申し上げませんけれども、郵便とか郵便局については社会的な責任を担っているのでこれは特殊会社にすると。金融部分民有民営にするけれども、それでも長期の契約とか、場合によっては基金を使うとか、しっかりと手当てをすると、そのようにさせていただいております。  委員、申し訳ございません、先ほど御指摘をいただきましたホームページの件でございますが、今調べさせまして、もう先生の御指摘のとおりでございまして、修正後のもの、先生方にお配りする紙についてはきちっと修正をしておりますのですが、ホームページについてはそのようになっていなかったということで、大変申し訳ございません。直ちに修正をいたします。
  16. 田中直紀

    田中直紀君 今年に入りまして、JRの西日本の事故が起こりました。残念な思いでありますが、光の方はまた、いろいろ頑張ってくれている方々がおりますからお話ししたいと思いますが。  平成十六年九月の十日、今の話の続きでありますが、民営化を進める上で五つの基本原則というものを決めております。で、これに従ってずうっと民営化のこの法案が仕上げられてきたんだと思うんですけれども、その五原則の中に活性化原則、整合性原則利便原則、資源活用原則、配慮原則と、こうあるんですが、残念ながらこの民営化の基本方針というのは、このJRの西日本が百点満点が得られるような前提のものなんですね。  今、必要だと、いろいろ配慮するんだという郵便局の問題もちょっと述べられましたけれども、この前提がやはり残念ながら見直しをしなければいけない、社会的な責任、企業のですね。その問題をやはり原点に戻って私は一度考えていただかないと、この方針の下にどんどんどんどん進んでいくということになると、やはり一体社会に対して安定したものが得られるのかということになろうと思いますが、追加することはございませんか。
  17. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 委員のその正に公的な、社会的な安定性を重視した対応が必要であるというのは、これはもう全く私自身、先生のおっしゃるとおりだというふうに思います。この基本原則というのはその意味では、これはまあ私自身が提唱させていただいたものでありますけれども、今委員がおっしゃったような思いを踏まえて提唱させていただいております。  これ、例えば整合性の原則というのがありますけれども、整合性の原則というのは、これは正に金融改革も財政改革もする、しかし安心と安全のための改革というのもこの中にあるわけでございますので、そういったものとやはり整合的でなければいけない。したがって、自由にするところは思いっ切り自由にするけれども、守るべきところはちゃんと守って、場合によってはむしろ枠をしっかりとはめると、そのような思いでこの基本原則を立てております。  配慮の原則の中にもそのような思いが込められておりますので、是非この基本原則そのものが、今委員がおっしゃったような考え方と一致した線上にあるというふうに御理解を賜れればと存じます。
  18. 田中直紀

    田中直紀君 私の時間もちょっと少なくなりましたのでちょっと飛ばしまして、中央省庁等の改革基本法の改正の問題なんでありますが、実を言いますと、平成十一年の三月と十一月に参議院の交通・情報通信委員会、私も委員だったんです。で、野田大臣も答弁いたしました。八代大臣もしっかりと答弁をしています。公社化で行くようになりましたと、民営化等は見直しをいたしませんと。なかなか、私が質問したわけではありませんが、なかなか踏み込んだしっかりした大臣の答弁を私はこの耳にしておりますが。  しかし、最近の話としては、例え話で大変恐縮でありますけれども、いや、禁煙しましたよと言いましたら、いや、たばこ吸ってるんじゃないのと言ったら、いや、今度たばこ吸うまで禁煙だったんだと、こういう話があるんですが、それと同じなんですよね。公社化いたしませんよと、しかし公社化するまでは公社化しないんだと、こういう、公社化というか民営化ですね、公社で行くんですよと。民営化しませんよと、もう大臣まで堂々と胸を張って、民営化しませんよと、こう言っておきながら、今の解釈は、民営化するまでは民営化しないんだというのは、なかなか国では通用しない議論であろうかと思います。  私は、そういう面で、参議院委員会委員責任ある立場として、しっかりやはり改正をすると、前提をまず取らなければ、これはなかなか後で禍根を残すんではないか。時間がないというようなことを考えておられるのかもしれませんが、総務大臣もそれに沿って答弁されておるようでありますが、私は、是非委員長、やはり参議院委員会議論した問題でありますから、時間がありましたらでありますが、野田大臣あるいは八代大臣、当時の大臣を、しっかりとその真意を聞かしていただいて、そして委員会に参加した者も納得をさせてもらう、こういうことで、参議院委員会での発言でありますから、是非実現をして、そしていきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
  19. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) 後ほど理事会で協議させていただきます。
  20. 田中直紀

    田中直紀君 総務大臣、何か御発言ありますか。
  21. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 正直に申し上げて、この点については、この原案が出されるまでの間に、これは田中先生、随分中で意見が割れたんです。直すべきというのと直さなくても法律的にはええという話と、これは実は物すごく議論が起きて、結果的にこういう形になったんですけれども、まあ中でいろいろ意見が分かれたことはもう事実です。  その意味で、今おっしゃる点、いろいろ、先ほどの禁煙の話はなかなかいい例えだなと思って私もちょっと感心して聞いていたんですけれども、余り感心し過ぎてもいかぬのであれですけれども、今おっしゃる意味は踏まえておかねば、おいて今後対応していかねばならぬところが出てこようかとは思っております。
  22. 田中直紀

    田中直紀君 じゃ、若干、いや本当に真剣にそういう面ではこの問題について、特に参議院委員会でしっかりと大臣が発言あって、そして我々もそういうふうに重く受け止めてきたところでありますので、よく検討をしていただきたいと思います。  先ほど郵便局の問題がございますが、新潟県の中越地震、こういうパンフレットがございまして、総務大臣見ていただいていますか。  自衛隊員の皆さん方と一緒に郵便局員の方々も献身的にこの地震の対策をしていただきまして、通帳を持ち出せなかった十万人の被災者がおりまして、避難民がいて、山古志の皆さん方二千二百人もその場で避難されたわけですから通帳なんかは全然持ってこられませんでしたけれども、郵便局に行けば緊急でお金を出していただいたり、こういう一生懸命やっていただいた姿があるわけでありますし、これを見ますと、まあそう簡単に民営化、民間の企業がこれだけのことができるのかなと。よく聞きましたら、民間の宅配の方々は、山奥まで持っていけないので郵便局にお願いしてお金払って持っていってもらうと、こういう姿になっちゃったんですね。  ちょっとこれは、民間の人たちはちょっと届け出せないから控え目にして、どうしても預かっている物は郵便局にお願いして、個人で払ったか会社で払ったか分かりませんが、それで山奥まで代わりに、民間の代わりに郵便局が届けているというような、そんな姿もあるわけでありますから、そう簡単に民間でできるとは私は思わないわけでありますし、無理だと思います。  で、最後に、先ほどの、民営化しない、公社化でいきますよといって、特定郵便局方々が、じゃもうこれから四年間一生懸命頑張ろう、あるいは十年二十年、自分は郵便事業として頑張っていかなきゃいかぬということで、自分が担保になって一億なり八千万なりで局舎を改修、改築しているんですね。郵便局皆さん方も、新潟は長野ですから、長野の八十二銀行からお金を借りて、それで自分が担保になってそれで改修をしておるということでありますから、先ほどの話のように、やはり公社化でいくんだと、四年間頑張るんだと、そしてまた将来十年二十年やっていこうと。  今、ダイエーがどんどんどんどん地方の店舗を撤退していますが、そんな事態になって、いや、一億掛けた、八千万掛けたというのを、これ法律になったら、裁判でもしなきゃ返ってこないんでしょうかねと、こういうことでありますが。  是非、その信頼性を上げるためにも法律の中に、やはりそういうちょっとちぐはぐな前提が出てきた中にあって、皆さん方、大変負債を抱えてしまうんじゃないかと、投資をしたものについて、そういう心配もあるようでありますから、その辺、公社とは話をしているということでありますけれども、やはりこの法案をやるんであれば、そういう皆さん方が、熱心に長年やってきた方々が借金をしょい込むようなことはないようにしていただければと思いますが、いかがですか。
  23. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この指摘は、衆議院でも出なかったのが不思議だなと私、正直思っていました。四代前郵便局やっていましたんで、四代前。正式なものができたんでなくなったんだそうですが、そのときの書類というのが、私ども百年史を作りましたときにちょうどその書類が出ていましたんで、それで物すごく印象があるんであれですけれども。  今のお話は誠にごもっともなお話なんですが、今の契約状況、今のですよ、郵政公社によりましては期間一年間ということで、毎年契約することになっているんですが、六か月前に予告をしない限りは自動的に延長というルールになっております。したがいまして、今、新会社においても、今御指摘のような借入れした新しい造った局舎などの新ネットワークにつきましても、これは基本的には維持をするという方向でやっていただけるものだと思っておりますし、事実、その話もいたしております。  もう一点、先ほどの山古志の話が出ましたけど、私もあのとき山古志に行ったとき、たまたま郵便配達の人がそこに入ってきていろいろ話をされたわけですね。早い話が、いきなり入ってきて、今から郵便を配りますから皆さんって言ってアナウンスが鳴ったから、どうやって配るのかなと思って、たまたま現場に居合わしたもんですから見に行って見ておりましたら、渡辺さんって言って、渡辺秀央のあの顔をぱっと分かるわけなんです、郵便配達の方が。で、ばっと言うんですよ。いや、たまたま目立つ顔がそこにあったからそう言っただけの例なんですけれども。で、ばっと配っていって、新潟県ですし、田中さんって、どんどんどんどん配っていかれますんで。そういった形では、事実、これがじゃほかの宅配の方にできるかというと、できないんです。基本的にはできないんです。  だから、私どもはこういうものは基本的に、今、長野県を例に引けば、長野県では新聞配達も二千何世帯は郵便配達で新聞配達をやっておられるというような実態もありますんで、私どもはこういった実態を知っておりますんで、基本的にはその種のものは基本的に維持されていきますし、きちんとして守っていかれるもんだと思っております。
  24. 田中直紀

    田中直紀君 じゃ、終わります。どうも。
  25. 秋元司

    秋元司君 自由民主党の秋元司でございます。  まず、若手の新人の私にこのような場で質問の機会をいただきましたことを、改めて感謝、御礼を申し上げるところであります。  まあ本当、郵政民営化法案、いろんな形で賛否両論、議論が飛んでいるようでありますが、マスコミではどうしても賛成か反対派とか、そんなことばかりが連日言われておりまして、それが政局だと、こんな話ばかりであります。  やはり参議院というのはしっかり中身を議論する、これが良識の府であるという立場から、私は、今世間でいろいろと言われていますけども、賛成も反対もなく白紙の状態で今日は質問をさしていただきたいと思いますので、是非ともよろしくお願いしたい、そのように思うところであります。  それで、昨日、我が党の片山幹事長が小泉総理に対しまして、今我が党でもありましょうし、又は今、特定郵便局を含めた各郵便局皆さんが非常に懸念をされている問題点というものを整理されて答弁された、そのことに対しましては総理は丁寧に御説明された、そのことに対しては大変敬意を表するものでありますけれども、我々が一番懸念をいたしているのはやっぱり中身でございますから、総理が昨日答弁されたことが本当に担保されて、それが十年後、二十年後しっかりとした郵政事業というのが国民利便性と又は国民の生活の安定のために直結するか、そのことについて今日は質問をさせていただきたい、そのように思う次第であります。  実は、先般、竹中大臣とは、我々同期会の中で郵政民営化は、問題、議論しようじゃないかということの中でお越しいただいてお話合いをする機会があったわけでありますけど、ちょっと私が時間が足りなかったもので、冒頭私の思いだけを伝えさせていただいて退席させていただいたときに申し上げたところでもありますけれども、やっぱり私はこの民営化イコール改革、この言葉の裏には当然今よりも良くなる、そして当然国民にとっては利便性が高まっていく、これが私は基本であると思う中に、世の中の人は、郵政民営化について賛成という人は、今よりサービスはもっと良くなるんだな、強いて言えば、今はがきは五十円。そしてまた、それぞれの手紙等は最低八十円から行くものが、ひょっとすればこれは料金が下がるかもしれないし、今ある金融サービスというのがもっともっと国民にとって利用しやすい形でいろんな商品が広がり、ひいては今よりももっと良くなるというのは、自分たちに対してお金を預けたらいい配当が、高い配当が返ってくるか、若しくは様々な手数料というのが安くなるかもしれない、そういった期待が込めた形の中での賛成論というのが私はあるんじゃないかと思いますし、ましてや反対のという、言われる立場の人にとってはやっぱり今から、今は公社のまんまである、公社でありますけれども、これが本当に今後、今よりサービスが悪くなる、それはまあ言ってみれば郵便局の数も減ってしまうし、なおかつこの郵政事業が行っている金融サービスというのが今より使い勝手が悪くなるんじゃないかな、そういった懸念がある中で今こういう賛否両論があると思うわけであります。  そういった点からですね、含めまして、もうこの民営化委員会では七十時間近く、弱の議論がなされているようでありますからいろんな話が出尽くしていると思いますけれども、あえて今日はこの郵便ネットワークの維持ということについて質問をさせていただきたいと思うわけでありますが、この郵便局、これは、私が言う郵便局というのは、窓口業務、そしてまたこの郵便事業とそして金融サービス、簡保、郵貯を含めた金融サービスありますけれども、これは本当に民営化された後でもなくならないかどうか、竹中大臣、お伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  26. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 秋元委員が御指摘のように、改革というのはやっぱり良くするんだと、もうそこがやっぱり原点だと思います。ただ、郵政の場合、私自身の思いをより正確に申し上げますと、やっぱり今のままではだんだん悪くなっていくと。だから、今改革することによってその悪くなるのを食い止めて、その上で更に良くする、やっぱりそういうことであろうかというふうに思っております。  委員指摘の問い掛けというのは、まあ恐らく一番国民が聞きたいところだと思うんですね。まず郵便局がきっちりと維持されて、その上で今と同じような安心した良いサービス金融を含めて提供されるんですかと、もうそれに、正にその原点だと思うんですが、これは、郵便局の設置に関しましては、これはもう郵便局というのは全国津々浦々に張り巡らされた、まあこれは水道のようなライフラインにも匹敵するようなものだと我々は思っております。  したがって、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置するということを法律上義務付けるわけでございます。さらに、省令における具体的な設置基準として、特に過疎地について、法施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすることを規定する、さらには過疎地以外のところも含めて、都市も中間部も含めてでありますけれども、しっかりとした設置基準を作ると、利用者の利便を本位に考えたしっかりと設置基準を作るということを考えているところでございます。そこで、まず局はしっかりと設置して、昨日の総理の答弁にもありましたように、この郵便局のネットワークはしっかりと維持するという考えを持っております。  また、この上で、じゃどういうサービスが提供されるか。郵便の窓口業務というのはこれは法律で義務付けられているわけでございますから、委員の御懸念は金融サービスがちゃんと提供されるのかということなわけでございますけれども、これも郵便貯金銀行、その郵便保険会社に対してみなし免許を出す。みなし免許というのは、昨日までやっていた仕事をすぐにできるように、改めて申請とかしなくても免許を出すという意味でありますから、正に切れ目なくできるように免許を出す。そのための条件としては、切れ目なくですから、これは店舗を持っていない、独自の店舗を持たないわけですから、しっかりと長期の委託契約、代理店契約、募集人の、募集の委託契約、そういうものを持っているということを条件にする。それを条件にしてそのみなし免許を出すわけでありますから、その意味では移行期間を十分にカバーする長期の委託契約は存在をするということになります。  その後についても、これは当然委託する側、受託する側のインセンティブを考えますと、このサービス、当然ニーズがあるから今までもやってきたわけでございますから、こういうものは続くというふうに我々は考えますけれども、それでも万が一にも過疎地の一部の郵便局でそうしたサービスが困難になる場合には、さあ、そこで社会貢献基金、地域貢献基金、基金が使えるような制度を作っているわけでございます。  さらに、これは政府与党の合意をしっかりと踏まえまして、移行期終了後の株式の持ち合いを認めることによって、正に一体的経営、この局を維持しながら、そこで一体的なサービスが提供できるような経営を可能にするという仕組みを、さらに今回衆議院における修正も踏まえましてしっかりと確保したわけでございます。  こうした仕組みによって、郵便局がしっかりと設置されて、その上で貯金、保険のサービスの提供が確保される。そして、引き続き国民に対してより良いサービスを提供して、さらに経営の自由度を持って新たなサービスをしていくわけでございますから、更により良いサービスが提供されていく。そのような仕組みを考えているところでございます。
  27. 秋元司

    秋元司君 今の答弁、私も受け止めさせていただきまして、その話は再三再四、総理も大臣もおっしゃっていたことでございまして、やっぱり私はそれが本当に現実化されて、そしてそれが実行されるのであれば非常に懸念はしないわけでありますけれども、やっぱり私はこの今郵便局の置かれている実態、これを、後でこれは赤字局については触れさせていただきますけれども、現実問題としてこの郵便局、この郵便局のネットワーク、これを維持するためには現在の郵政郵便事業、そしてこの金融事業、これが一体となって初めてこの何とか損益を守っている、赤字にならないように守っている。強いて言えば、その金融サービスというのはこの郵貯、簡保がしっかりとした形でやっている、それがあるからこそ私は今の事業が成り立っていると思うわけでありますけれども、今おっしゃられた金融、その当然代理店業務でその金融業をちゃんと窓口にやらせるという話もありますけれども、じゃ、なぜこの金融サービスそのものを義務化されないのかというのをちょっと疑問に思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。
  28. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) その点も大変基本的な重要な問題であろうかと思います。この金融というのは、実はやはり何といっても信用が一番重要な商売であろうかと思います。その信用が重要なその金融の分野に国が何らかの形で関与する、すなわち義務付けるということは、その義務を果たせるような仕組みをきちっと用意してあげる、義務が果たせないようになると困るから、何らかの経営の縛りも国が掛けるということで、やはり国が関与するということを同時に意味します。義務だけがあって国が関与しないということはこれはないわけでございますから、国が関与するということを意味する。そうすると、金融、信用を背景としたそういうその金融の本来の業務をやっぱり果たせなくなるのではないか。したがって、金融に関してはそういった義務を課さない。現実に民間の金融機関にはそういう義務は課されていないわけで、民間と同じような形で、義務を持たない形で自由に経営をしていただくということが私はどうしても必要になってくるというふうに思っております。  同時に、これはその意味では義務は課さないわけでございますが、実態として今の郵政における金融サービス国民にとって大変重要であるということは我々は非常に重く受け止めているわけです。したがって、先ほど申し上げましたように、義務は、金融を提供しなさいという義務を銀行に課さないけれども、これは郵便局として地域での貢献で金融が必要になる場合は、それが現実に行われるような実効性のある仕組みをつくった。その分かりやすい例が基金なわけでございます。かつ、その基金の提供する場、基金のお金を使うような場合は、これは地域貢献の計画を作る。その計画を作るに当たりましては、計画を作るに当たっては地域の有識者の意見を聞きなさいということを、これは郵便局会社には義務付けるわけです。  そこで、法律の、直接金融に義務は課さないけれども、できるだけいろんな形で、そういうその原則に反しない形で、しかし、これ有識者の意見を聞いてくださいということはしっかり義務付けて、これは法律で義務付けております。  その上で、その計画を主務大臣認可するというようなプロセスも経まして、しっかりとした責任を果たしていけるような、正に先ほど申し上げましたような実効性のある仕組みをつくっているところでございます。
  29. 秋元司

    秋元司君 その今触れられた基金の件につきまして、これは本当はちょっとじっくり話をしたいわけでありますけれども、私の限られた時間がございますからこの話はさておきまして、大臣に一点ちょっとお伺いしたいのが、この今郵政事業を行っている郵貯、簡保、このサービスですね、今現在のこの内容、これは今国民にとって役立っていると思われるか思われないか。もう一つは、今後もこれは必要であると思うか思われないか。この点、ちょっとお伺いしたいと思います。
  30. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) これ、役立っているかどうかということに関しましては、これはもう大変役立っているということだと思います。  私は今東京に住んでおりますが、小さいころから地方都市で育ちました。私の特に義理の母等々は徳島の山間部におりまして、そこでやはり郵便局の地元のまあ世話係といいますか、まあちょっと正式な名前は忘れましたけれども、そういういろんな形での協賛の役等々も担っていたものでございまして、その意味で、やはり金融サービスだけではなくて地域に溶け込んだ、やはり非常に大きなコミュニティーのセンターとしての役割も私は果たしているというふうに思っております。このやはり金融役割というのはしっかりと私は担っていっていただきたいんだというふうに思っております。  しかし、先ほど、郵政の問題はやはりこのままでは今のようなサービスを続けられなくなることにあるというふうに申し上げましたですけれども、これは金融の状況が変わり、またEメール等々で通信、情報の状況が変わり、今のような形を続けていくことが大変困難になりつつあるということは、これは公社総裁もこの場で何度も答弁をしておられるところだと思うんです。だからこそ、そういった機能が重要であるからこそ、この機能を実態的に続けられるような仕組みを今我々はつくっていかなければいけないということだと思っております。その郵政、郵貯、簡保が果たしてきた役割というのが、郵貯、簡保という形ではなくなりますけれども、民営化された後で、しかし、しっかりと機能として続けられるように、そのような制度設計を考えております。
  31. 秋元司

    秋元司君 まあ恐らく、今の大臣の答弁にありました、正に郵貯、簡保、これは今国民皆さん、聞けば、みんな役立っているという回答があると思うんですね。しかし、いまいち分からないのがこの郵貯、簡保、今大臣がおっしゃったように、形を変えた形で、形を変えていかなくちゃいけない。というのは、今のままだと危ないから、将来に向けては形を変わる必要、可能性がある。そこが多くの国民皆さんが懸念している点だと思っているんです。どういう形になっていくのか、見えない点だと思うんです。私自身も全く分かりません。  その中で、大臣自身が今回、この民営化された後の郵貯会社、保険会社、どういった会社をつくることをイメージされていらっしゃるのか、もう時間がないので端的にお願いしたいと思います。
  32. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今の郵貯、簡保というのは、全国に張り巡らされた郵便局のネットワーク、二万四千余りのネットワークを活用しまして、正に地域密着型で、地域に根差した顧客本位のビジネスモデルを展開しているというふうに思います。これが国民が求めていることでもあると思いますし、実際、これは郵政の強みであるわけであります。  郵政民営化された後、どのようになっていくかということに関しましては、この経営戦略上も、私は、その地域密着型、その個人金融本位のやり方をしっかりと私は維持していくと、これは経営判断によって間違いなくそうなっていくし、そういうようなことを担保するような長期の契約とかも、委託契約等とかもこれは義務付けを行っているわけでございます。全国の郵便局ネットワークを活用して、そして場合によっては私は地域金融機関と提携するようなことも出てくると思いますし、地域密着型の業務を銀行は展開していくと思います。  また、保険会社の方でございますけれども、これまで簡易生命保険事業において培ってきた少額保険商品に関するノウハウがございます。これを生かした生命保険の提供に強みがあるわけでございますから、将来的にもこの分野が郵便保険会社の経営上の重要な根幹になるというふうに思っております。  そういう形で、その民営化された当初は同じ業務の範囲から、公社と同じ業務の範囲から始まって徐々に経営の自由度を持っていただく、民間の方のイコールフッティングも考慮しながら段階的にその自由度を取っていっていただきたい、しっかりとそこは拡大をしていっていただきたいと思っております。
  33. 秋元司

    秋元司君 分かりました。  それで、ちなみに、ちょっと余り時間がないんで政府参考人にお伺いしたいんですが、この郵貯、郵貯会社で結構でございます、これが民営化された後、当然民営化された後ですからしっかりとした、もうけがあれば税収も取る、そして、ひいては銀行となるわけでありますから、預金保険機構に預け入れもする、そういうふうな形になると思うんですけれども、想定の数字、どれぐらいになっていらっしゃいますか。
  34. 西川公也

    ○副大臣(西川公也君) 今、税負担と預金保険機構に納める額、お尋ねになりました。  昨年の十一月に行いました骨格経営試算によりますと、民営化会社が新規業務等行わない場合の初年度、つまり二〇〇七年度でありますけれども、このときの税負担額として総額で約四千九百億円。内訳は、法人税等が約三千百億、それから消費税、印紙税及び固定資産税等が約千七百億円と見込まれております。  それから、預金保険機構の方でありますが、郵便貯金銀行が預金保険機構に支払う預金保険料でありますけれども、これも一定の前提に基づいて試算をいたしました。初年度において約四百億円が見込まれております。
  35. 秋元司

    秋元司君 まあ、トータルでそれだけの、今現在、推定でありましょうけれども、それだけの新しい民間会社になった場合にはコストというのが発生するというのがある中で、私は一番懸念するのは、これが消費者、ひいては国民へのコストという意味で転嫁にならないのか、それが大きな心配でありますけれども、まあ民間、これは最終的には経営者の判断と言われればそれまでなんですが、実際問題、この郵貯、簡保を含めてでありますけれども、国民にとっての利用コスト、どれぐらい上がるのか、もしかしたら実は下がるんですよと言うのか、その辺、答えていただければ有り難いと思いますけれども、大臣、いいですか。
  36. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) これは難しいお問い掛けであろうかと思います。  例えば、預金保険料ですね、まあ税でも結構ですけれども、これは実は公社としては負担をしておりませんと、民営化されたら負担をいたしますということですけれども、これは実は、その意味では公社の時点でも国民には同じような負担が掛かっているというふうにこれはやはり考えなければいけないんだと思うんですね。  例えば、預金保険料を払っておりませんが、預金保険を払わないけれども政府が保証していると。政府が保証しているということは、万が一にも何か債務、偶発債務が顕在化しましたときは、それは国民の負担になるわけでありますから、その意味ではそれを確率に転換して計算したのが預金保険料でありますので、そこは決して私は新たに掛かる負担というふうに考えてはいけないのだというふうに思うんですね。  むしろ、やはり民営化のメリットというのは、そういった表面上、税金を払っていただかなければいけない、それも、預金保険料も今までは政府保証だったけれども払っていただかなければいけないという問題はありますけれども、そういう問題を超えて自由な経営をしていただいて、ダイナミックな経営をしていただくことによって、それを上回る利益を上げることが可能であるし、これは利益が上がるということは採算性の試算でも示しているわけでありますし、それによって国民利便も高まる。そういうメリットの方がこれは当然はるかに大きいというふうに考えて、税金を払った後でも利益がこれだけ上がるということを採算性の試算で示しているわけでございますので、むしろ、そのトータルとしては、民営化によってメリットが大きくもたらされるんだということをその試算全体で是非お読み取りをいただければというふうに存じます。
  37. 秋元司

    秋元司君 実は、その部分がなかなかそうは思えないという点が多々ありまして、最終的には国民側に利用者コストというのが、負担が来るんじゃないかという懸念。そしてもう一つは、やっぱり今ずっと流れていた話を総合しますと、やっぱり私はひょっとすれば、この民間金融機関というものが、やはり商売ですから、民間金融機関、やっぱり自分たちのもうけのためにある程度はしょらなくちゃいけない部分はある。  そうなりますと、どうしても不採算地域、そこからの撤退ということをしていかなければ、この民間金融機関としての在り方というのが多分問われる形に逆になってくるんじゃないかなという懸念もあるわけでありますので、どうしてもこのことが、金融サービスというのが本当に郵便局に残るのか残らないのかということが非常に懸念する材料の一つだと思っています。  何か大臣、ありますか。今、手を挙げられたんで。
  38. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) いや、たまたま手を挙げてたら。  秋元さんね、商売をされたことがある方じゃないと理解していただけないところなんですが、基本的には郵便貯金会社、銀行にとって支店に掛かるコストはゼロですよね。だって支店持ってないんだから、本店経費しか掛からないわけですよ。だから、支店維持費はゼロよ。これが会社ですから。支店網、二万四千六百七十八の支店網は、それは郵便配達というか、窓口の方が持つわけだから自分はゼロ、その人たちがそれを持ってくれさえすれば。  そこに、簡易保険が入った、まあ簡易保険と言わないでしょうけど、保険に入った、貯金が百五十万円来ましたというときの手数料収入を、そこからうちの方は、郵便貯金銀行はそこに払うわけだから、それは百万円払ってコストを払うだけのことだから、そこに人件費が掛かるわけでもない、何でもないでしょうが。だから、銀行にとっちゃ全然損ないんですよ、そこのところは。  だけど、だから、それは十三万八千円とかなんとかって話で、今までだって払っているのは郵便貯金銀行が払っているとかというと、それは分けりゃいいだけのことでしょうが。  だから、その分は、全国どこでもやれますというメリットはでかいよ。だって、ほかの銀行じゃできないんだから。だからおたくでという話になるんであって、私どもは、これのメリットはいろんな人に結構、私、そっちの方が商売でしたから、聞いてみましたよ。それはもう二万四千ってあなたと言って、みんな絶句するぐらいなものですよ。仮に、新聞配達が二万四千ですからね、全国で。二万四千か所が全部新聞配達と。郵便配達とほぼ同じ数なんですよ。全社ですよ、一社じゃありませんから。  だから、そういった面でいきますと、今なくなるかと言われたら、これはちょっと正直言って、おまえ、そんなこと言うけどうそだろ、うそじゃないかとか言われるとこれは水掛け論になりますんで、岩手県とか私の筑豊なんてかなり山村へき地を抱えているところにとっては深刻なんですよ、この話は。だから、私らの方は都会と違って私らもっと深刻でして、それは結構こっちにとっちゃまともな話ですから、まともに響きますから、結構歩きましたよ、私の方も。  その上で、これと思って私は、考えてみりゃそこのところが行き着くところかなと思ってこの法案に、私どもとしてもやれるという自信があって提案させていただいたというのが背景なものですから、これをちょっと分けていただくと、四つに分けたらどうじゃないかとか言われるけれども、農協だって四つに分かれていますからね。  それで、話ですから、いろんな話と考え方で、いろいろ、この間でも歩いたとき、いや、幾らでも出ますよ、それは。だけど、そういったような話を考えたって、今だって局舎料だって何だってみんなちゃんとお払いはしているわけでしょう、あれは。だから、そういった意味では、是非そこのところを考えていただければよろしいのではないかと感じとして思っております。
  39. 秋元司

    秋元司君 いや、イレギュラーで済みませんでした、大臣、熱弁振るっていただきまして。残り時間がもうわずかになりましたから、もうそれについてひとつ実はお答えしたいことたくさんあるんですけども、次に移らせていただいて。  今、大臣がおっしゃった、両大臣がおっしゃったようなことも当然念頭にあるんです。ただ、今ちょっと後ろからぽろぽろ声が聞こえてきましたけど、やっぱり委託手数料の問題もまだクリアされていない。いろんなことがまだ、当然、経営者の自由度があるということの中で、また経営者責任ということもありますから、今の段階じゃまだ何もないということの中で、いろんな懸念と心配があるということをまず念頭に入れていただきたいし、麻生大臣が、何というんですか、郵政民営化された後の社長やれば、ひょっとしたらすごい会社になるかもしれないと思いますけども、だれが最初になるか分からないという懸念の中にいろんな心配があるということも御理解いただきたい、そのように思うわけであります。  もう本当に時間がなくなりましたのでちょっと飛ばしますけども、四分社化されます、このままだと。私が一番懸念しているのは、この四分社化された後、やっぱり分社化された後のコストというのが非常に高いんじゃないかな。そういった中で、先ほど出ています基金の問題、この基金があれば何とか救えるんだという話もありますけども、果たして本当にそうなるのかということをもっともっと細かく分析すれば、難しいんじゃないかという専門家の意見もあったり、又は基金じゃなくて、最終的に足りなくなるからどっかの段階でこのユニバーサル維持を目的のために新しく税金も投下しなきゃならないんじゃないかな、そんなことも言われるわけであります。  これは、そこへ来て、十年後、先の話でありますから、実際はだれも分からないわけでありますけども、常識的に考えれば、一つの家族四人が住んでいるとすれば、四人世帯が一緒に住んでいれば生活コスト掛からないわけでありますけども、ばらばら別居すれば、その分ばらばらなコストが掛かるわけだから、どっとコストが増えてくるというのは今私の頭でも考えられる案でございますので、そういった中で、やはりこれからの効率性云々を考えた場合は三事業一体というのがどうしても私はぬぐい切れない。  この郵政事業の中では、三事業一体、これをすることによって低コストをし、そしてまた、ひょっとすれば、もっともっと、今もいろんな方が、民間のいろんなアイデアが来ればもうかる商売なのかもしれないけれども、じゃ、もうかった利益というのはどうなるのかと。これは株主のものじゃない。私は、郵政事業というのは基本的にはこれは国民のためのものであって、もうかる分だったら国民に還元すればいい。その分利用率も低い。これが私は郵政事業の本来の在り方じゃないかと思うわけでありまして、今日はこういう質問立たせていただいたわけでありますけれども。  いよいよ結論を言う時間でありますが、基本的にはやっぱりこの中期、今これ、今されている議論というのは、バックデータというのが、将来先のいろんな形分からない中でのバックデータでの議論であると思いますから、やはり私は、中期計画の、今、四年計画ですか、今は二年目ですかね、こういうものをしっかり見定めた上でやっぱりこれに取り組んでいくのが本来の筋じゃないかなという思いがいたしております。  まあ、いずれにしましても、いろんな大臣皆さんが総理も含めて国会答弁でしっかりとしたことを言ってもらっていることには大変敬意を表しますけれども、先ほど同僚田中委員の方から言われていましたように、大臣答弁というのは本当に担保になるのかなというのもいささか疑問に思う者の一人でありますから、是非そういったことも含めてしっかりやっていただきたいし、最後に、皆さん大臣いらっしゃいますから、これだけお願いしたいんです。  今、参議院まだ審議中であります。ですから、総理が、マスコミに聞きますと、倒閣、この郵政民営化法案については倒閣運動だとか解散だとか、そんな話をしておりますけれども、私は、この郵政問題でそんな解散とか言う話じゃないと、私はそんな思いありますから、是非とも大臣皆さん、このことを念頭に置いていただいて最後までの審議をやっていただきたいと思いますし、十年後、皆さんの中から総理出るかもしれませんから、そんなこともあって、郵政民営化をしっかりいくよう心からお願い申し上げまして、最後に締めの質問とさせていただきたいと思います。  以上です。
  40. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時二分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  41. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) ただいまから郵政民営化に関する特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、郵政民営化法案外五案を一括して議題とし、金融中心とした郵政事業についての集中審議を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  42. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。  当委員会ではこれで三回目の質問に立たせていただきますが、まず冒頭に、本当に長い間、衆議院から参議院にかけて議論をしておりますが、私もこの参議院での議論をずっと聞かせていただき、私自身も自分の問題意識に基づいて議論をさせていただいておりますが、まあ正直言って、この四年間の自分の議員生活の中で、最もきちっと自分自身議論を続けてきているなというふうに感じております。  また、竹中大臣におかれては、見解の相違やら立場の違いはありますが、なかなか、本当にずっと答弁に立たれて、そのタフさは見習わなくてはいけないなと、そう思っております。考え方は若干違うところもございますので、まあその辺を今日はまた少しでも、なぜ竹中さんのおっしゃることが私は分からないのか、あるいは私たちの申し上げていることが竹中さんは分からないのかということについて、疑問点を解消させていただきたいというふうに思います。  今日は公取にもおいでいただいておりますが、委員長、所用があるというふうにも承っておりますので、最初に公正取引委員会にお伺いをしたいと思いますが、以前も質問をさせていただきましたが、やはり今回のこの民営化法案が仮に可決をされて、政府のおっしゃるとおりになっていくとすると、これは移行期間中も移行期間後もやはり独禁法の九条に抵触する可能性が高いと、しかも、それは形式的に抵触するということではなくて、実質的に抵触する可能性が高いというふうに私は思っておりますが、この点についての公取の公式見解を改めて確認させていただきたいと思います。
  43. 竹島一彦

    政府特別補佐人(竹島一彦君) 御配慮いただきまして、ありがとうございます。  移行期間中も移行期間後も、独禁法の九条を含めた独禁法の適用は何ら変わらないと思っております。  それで、実質的にはというお話ございましたが、私どもも実質的に考えていかなきゃいけないと。具体的には、九条が禁止しておりますのは、三つのタイプを挙げて、大変大きな企業グループというものが国民経済に及ぼす影響、裏返して言うと公正で自由な競争環境というものが阻害されるということになりますので、資本関係なんかを通じた強固な企業グループの存在というものを禁止していると。言い換えると、事業支配力の過度の集中というものを禁止しているわけでございます。  そのうちの一つの類型として、金融機関が入っているような企業グループが今回も問題になるわけでございますが、端的に申し上げますと、その企業グループで持ち株会社とか子会社を通じて実質子会社というものがどうなるかということがポイントになるわけでございまして、私どもは、実質子会社は、二五%以下の議決権保有にとどまる限り実質子会社ではないということにさせていただいているわけでございます。したがって、郵便貯金銀行ないしは保険会社の株を持ち株会社ないしは郵便局会社が合わせて二五%超は持たないということであれば、これは九条の問題は発生してこないと。  したがって、移行期間中といえどもどんどんと貸付け等を積極的におやりになって、相対的に見て都市銀行と何ら変わりのない、実質を伴っているではないかという段階になった場合には、それで、一方で半分以上株を持っていると、議決権を持っているということになりますと、これは独禁法九条の問題が生じてくるということでございまして、これは移行期間中も移行期間後も、その点では同じでございます。したがって、その事業の展開と議決権保有の状態というものを両方見ていただいて、経営者ないしは関係方々には御判断をいただきたいというふうに思っております。
  44. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 実質的にはという表現が何度かあったんですが、やはりこの移行後も、例えばグループ企業というのはただでさえ分社化されて重立ったものが四つあるわけですし、それから、ひょっとすると関連企業もできてくるかもしれないわけで、子会社同士のクロスシェアホールディングなども考えると、その実質的という意味、これを公取には厳格に考えて運用していっていただかないと、表面上二五%以下に抑えていても、まさしく実質的に二五%以上という事態は十分に発生することが考えられますので、公取委員長にはもう一個だけお伺いして退席をしていただいて、もし委員長がお許しいただければ、それで結構なんですが、クロスシェアホールディングまで考えた上での実質基準として運用していかれるお考えがあるかどうかを承りたいと思います。
  45. 竹島一彦

    政府特別補佐人(竹島一彦君) 親会社が直接というだけではなくて、子会社、要するに過半数、議決権の過半数を所有されている子会社を通じた議決権の保有も含めて、その企業結合関係が九条に抵触するかどうかを判断していくということでございます。
  46. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 それでは、委員長のお許しがあれば、委員長、公取委員長は結構です。
  47. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) どうぞ退席結構です。
  48. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 さて、連日与野党の各委員の御議論を拝聴していると、いや本当に参考になる話が多々あるわけですが、一昨日ですか、鶴保議員竹中大臣議論のときに、公私と官民の議論が出てまいりまして、これはなかなか意味のある議論だったと思います。  私、今日、お手元にこういう公私と官民というポンチ絵を作らしていただきましたが、(資料提示)私自身も、地元やら東京でも、この手の講演をさしていただくときに、まさしくこの絵を使ってまして、公私というのは対象分野の問題であって、官民というのはその担い手の問題であると。竹中さんもここはきちっと定義しておられました。全く認識は一致しております。この絵で申し上げますと、この左側の対象分野、対象領域としては私に入っているところなんだけれども、担い手として官がやっているところがあって、ここがやや日本は肥大化し過ぎているんではないかと、したがってそこを民営化していく必要があるんだと、こういう御説明であったかと思いますが、基本的な問題認識がこれでいいかどうかをまず確認さしていただきたいと思います。
  49. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 委員指摘のとおりでございまして、対象分野、財・サービスの性格と申し上げてもよいと思いますが、それとそれを提供する主体、担い手とはやっぱり分けて考えなければいけないということでございます。  この図、今拝見いたしましたけれども、むしろこの公と民、失礼、公と私の境と官と民のこの境が、むしろ線がこういうふうに逆にならなきゃいけないんだろうというふうに思っております。むしろ、今までは官が公的なことを独占をしてきたと、場合によっては私の分野にも踏み入れてきたと、そういうことではないかと認識をしております。
  50. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 私も、基本的には、十年ぐらい前までは全くその認識で一致してたんですね。おっしゃるように、このむしろ官と民の境界線が公と私の境界線より上に来るぐらいですね、そういうものだろうということで、机の上での議論としてはいつも私もそういう議論を展開してきたんです。  ところが、昨今、例えば私企業といえども、私企業だから何をしてもいいというわけではなくなってきておりますし、それから官といえども本当にその公の分野だけの仕事に特化した官というのはあるのかというと、極めて少なくなってきている。市場化テストという言葉が最近はやっていますけれども、例えば、今仕事をしてくださっている院の職員皆さんも例外じゃなくて、院の職員皆さんだって、守秘義務を課して民間企業に院の事務を委託することだってできるわけですね。  事ほどさように、この公と私、官と民というのは境界線があいまいになってきていると。したがって、この左の絵の官と民の境界線のバーを上に上げるとかそういう単純な話ではなくて、私は、最近はこの右側のように、どんな分野でも公的な側面と私的な側面が両方入っていて、それを一体、官と民のどちらに担わせたらいいのかという判断基準が非常に難しくなってきていると。その真っ最中に今この問題が出てきているわけですね、郵政民営化の。  そこで、まず基本認識として、私は、もう純粋に私的なもの、純粋に公なもの、つまり、純粋公共財とか純粋私的財というのはもうもはやこの世にないというふうに思っているんですね。空気ですら、今、日本の空気を勝手に使うとブラジルの人が怒ったり、そういう時代に入っているわけですから。そうすると、たまたまこれは右側の絵の斜線をごらんのような位置に引いてありますけれども、本当はこの対角線に引くぐらいのそういう状況にあるわけですね。  そういたしますと、この公私のウエートの違いによって、官と民、どちらの担い手、あるいは官と民の中間ぐらいの担い手、どういう人たちがどの分野を担うべきかという判断基準について竹中大臣はどのようにお考えになっていますか。
  51. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今の委員の御指摘、私はもう全くそのとおりだと思います。私は、先ほどちょっと簡略化して、ウエートを変えていかなきゃいけないと。  大きな方向としては私が先ほど申し上げたような方向だと思うんですが、正に今、大塚委員が御指摘のように、実は公と私の概念が、非常に境界がはっきりしないと言えることがもうたくさんあると思います。これはもう身近なところでも、教育一つ取ってもそうなわけでございます。教育というのは公共財だとみんな認めるかもしれない。しかし、なぜ東京大学、早稲田大学、慶応大学、そういったところのいわゆる偏差値の高いところ皆さん目指すかというと、そこで卒業して自分が高い給料をもらいたいからだというインセンティブ、間違いなくありますから、これは私的財としての意味も持っているわけでございますから、これは公的な財、純粋に公的な財、純粋に私的な財というのは実は気が付いてみるとほとんどない、そういうことであろうかと思っております。  しかもまた、官民の区別も非常にあいまいになっていると思います。昨今の非常に注目されている概念としてソーシャルアントレプレナーという言葉があるというふうに承知をしておりますが、これは正に、アントレプレナー、私的なマインドを持っている、しかし、公共的なことに仕事をなして、それが今実は大変注目を集めて分野も拡大しているわけでございます。  その意味で、こういうふうに斜めに切るのか、いわゆる、何といいますか、ぼかすのかというのはともかくとして、そういう状況にあるというふうに私も考えております。  じゃ、そうすると、そこの、じゃ担い手をどのような基準で分けていったらよいのかという、そういう御質問だと思うんですけれども、必ずしもそこは明快に分類概念として確立したものはないということであろうかと思います。一般に公共的な財というのは非排除性等とかそういうものがあるわけでございますから、それの性質に応じてやっぱり考えていかざるを得ないのではないかというふうに思っております。  例えば、今回の郵政民営化におきましても、これは特殊会社一般の商法に分けておりますが、特殊会社三社ありますけれども、その特殊会社の中でも公的な性格、ウエートが違っております。これは郵便事業会社に比べて郵便局会社の方がより私的な活動範囲を持っていただきたいと思っておりますので、実はそういうことも、まあ一般化して申し上げるのは難しいわけでございますが、今回も今御指摘のような問題意識を受けて、例えば認可制にするか届出制にするのかと、そういうことも踏まえて、我々なりにきめ細かく、他の事例も参考にさせていただきながら、その認可制、これは認可制、これは許可制というような制度をつくったつもりでございます。  大塚委員の非常に大きな問い掛けに対してこういう基準があるということは明確には申し上げられなくて申し訳ございませんが、ここはやはりこういう形に今なっていると、大塚委員の絵のような形になっているということを踏まえて、じゃ、この個別の公的なサービス、個別の私的なサービスをどのように位置付けていくのか。これは恐らく、しかし、歴史的にも社会的にもそういう背景もあって違ってくるんだと思いますので、そこは個別に議論をしなければいけないということだと思っております。
  52. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 非常に基準が難しいというのは全く同感でして、さりながら、一つ一つの事業や政策については、何らかのこの基準なり、国民への説明材料を用意して御納得をいただかなくてはいけないわけでありまして、例えばリクルート社、リクルート社は職業紹介やっています。職業紹介というのはこれは立派な公的使命を持った仕事でありますが、リクルート社は民間企業としてそれをやっている。恐らく、厚生労働省の雇用安定事業か何かの補助金とかを御利用しておられるかもしれませんが、そのように、だれでも利用できる公的な制度を機会均等の下で利用しながら、しかし民間企業でやれる。これはできるだけ、まさしく民に任していけばいいと思うんですね。  ところが、今回の郵政民営化というのは、様々な義務を言わば民営化される郵政公社に課すわけですので、私は、この判断基準というのは今後も変わっていくと思いますが、この非常にこの公と私、官と民があいまいとなっている今日的状況の下で、一つの判断基準というのは、仮に民にやってもらうにしても、その民に対して機会均等ではない何らかの義務を課さなくてはならないものというのは、恐らくより官のウエートの高い組織でやるべきものだろうと、個人的にはそう思っているんです。だから、実は郵政公社というのは、これが十年二十年、今のままでいいかどうかは分かりませんが、非常に今日的な状況の下においては、二年前にもいろんな議論があったと思いますが、なかなか絶妙の選択をしたなというふうに私自身は評価しています。  だから、これを民だとおっしゃって、民営化といいながら様々な義務を課し、その一方では、昨日は、今日は柳澤先生おられませんけれども、今後は消費税の減免も考えるとかですね、逆に何かほかの民間企業では与えられないような恩典を付けたりですね、そういうことをしなければならない組織というのは恐らく民営化にはなじまない組織なんだろうなと、こう思っているわけであります。  この判断基準は、まさしく公共政策とかそういう分野でこれから、それこそ本当の有識者を交えて考えていかなければいけない分野なんですが、私は今日、竹中大臣と、一時間時間をいただいていますので、その一時間の中で、竹中大臣の主張で私たちが理解できない点を大きくは二つ指摘したいわけでありますが、その一点目がこの点であります。  義務付けをしなければならない、その代わりに恩典も上げなければならない、こういう組織は民間企業じゃないんですね、一言で言って。これは、先々は知りません、先々は分かりませんが、今この状況において、そういうものを民営化と称して、また民間企業と国民に説明することは甚だ無理がある。これはどうですかってお伺いしても、もう、もう夢に見るぐらいに答弁聞いていますんで、取りあえず答弁は結構でありますが。  その公的な役割という意味で、昨日、おとといですか、竹中大臣は重要な答弁をされたと思うんですが、金融排除は起こり得るというか、起きるというふうに御答弁されたのは御記憶にありますよね。一応、金融排除は起こり得るという御認識でいいかどうかということをもう一度確認答弁をしていただければ助かります。
  53. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 私は、金融排除というのは現状の日本において深刻な問題として存在しているということは思いませんが、これは世界の動向、そして今後予想されるようなフロンティアが広がって、ともすれば所得格差等々が拡大しやすいような時代背景の中では、政府としても十分に注意をして見ていかなければいけない問題であると、そういう問題意識を持っております。
  54. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 金融排除を起こさないようにその国の金融システムを構築するというのは、多分公的な役割であって、それを目的とするならば、金融排除が起こり得るような、その可能性があるような選択をすべきではない。したがって、この視点から申し上げても、実は郵政公社という現在の組織形態と役割というのはなかなか……(発言する者あり)優れたものだというふうに後ろからも声が飛びましたが、私もそう思います。  さて、そこはしょせん結論の出ない話ですから、いや、竹中さんがここで、なるほどそうだったかって言って法案撤回してくれれば言うことないですけれども、そうもいきませんでしょうから、しからば、それはそれとして、やはり、前も申し上げましたけれども、この法案が何を目的としているのかということに照らして、内容が適切なものであれば、これもまた我々として納得をする余地もあるわけでありますが、改めてお伺いしますが、民間部門から公的部門、より細かく申し上げれば、家計や企業から政府部門、広い意味での政府部門にお金が流れるウエートを小さくすることも改革の大きな目的だということでよろしいですね。私はそれが一番だと思っているんですが、多分、大臣はほかにもあるとおっしゃるでしょうから、それもあるということでよろしいですね。
  55. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 郵政民営化がもたらすメリットの中で非常に大きなものの一つとして、今委員がおっしゃったようなことを位置付けて、そういうことが実現できるような制度設計をしなければいけない。また、それを心掛けたつもりでございます。
  56. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 そういたしますと、お手元に今ごらんいただいた紙と別の紙に「資金の流れの変化」というのと、「改革後、資金の官のシェアは低下」という裏表の紙があるんですが、矢印で書いたチャートの載っているやつですね、これは実は、六月一日の経済財政諮問会議で配付されたレポートの内容なんですね。そして、この複雑にチャートがかいてあるこの表の絵を総括して、裏側に「改革後、資金の官のシェアは低下」と、こう書いてあるんです。二〇〇三年には例えば家計資産に占める官のシェアは二六、それが二〇一七年には五になる。民間負債全体で見ると一九から六になるとかですね。ここが、実はそのレポートの本体も昨日いただいて改めて読みましたけれども、まさしく今ごらんいただいたこの大きな表の方の結論がこのレポートの冒頭に要約として書いてあるんですね。まあ、これはこれで事実なんですが。  そこで、是非皆様方には裏っ側の複雑なチャートの方をごらんいただきたいんですが、なぜその家計と企業の金融における官のウエートが下がるかというと、これは一つは郵貯、簡保が、これが民営化されると、郵貯、簡保が民で、官ではなくて民になるから下がるということが一つ入っているわけですね。何か言われてみればそのとおりなんだけれども、何かどこかごまかされているような気もするんですが、私は、ただそこはまさしく禅問答の世界ですから、あえて問いませんが。  竹中大臣にお伺いしますが、この中央と地方政府、真ん中にある箱が二〇〇三年には幾ら調達をしていて、二〇一七年には幾ら調達をすることになるというふうにこの絵の中ではなっているか御存じですか。これ数字、皆さん足していただければ分かります。この中央と地方政府の箱に入ってきている矢印に付いている数字ですね。その数字、括弧内の数字が二〇〇三年で、外っ側の数字が二〇一七年なんですよ。暗算してもらうのもなんですから申し上げますと、いいですか、何かこの改革をやると資金の官のシェアは低下するといってこういう数字を出しながら、同じレポートの中のチャートには、中央・地方政府が二〇〇三年には六百十兆円調達しているものが二〇一七年には千三十兆円になるって書いてあるんですよ。どこがその民間部門から公的部門に流れる資金の量を減らすということになっているんですか。それについてお答えください。
  57. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) まず、今お示しになられた資料は、これは慶応大学の跡田教授と高橋氏がまとめられた、これは政府のものではなくて、いわゆる御専門家としての論文でございます。  これ、どのようにやっているかといいますと、今のそれぞれの主体が持っているバランスシートですね、それが今後二〇一七年度にはどのようなバランスシートになっているだろうかということを推計いたしまして、推計の手法についてはいろいろ御意見があるかもしれませんが、そのバランスシートの差額をもって、その間、ネットでこれだけ資金が移動するということを示しているわけでございます。  これはもう言うまでもありませんが、これは財政赤字という大変大きな深刻な問題を私たち抱えております。これ、どういうふうにしてこの数字が出てくるかというと、「改革と展望」のシナリオに沿ってしっかりとプライマリーバランスを回復させる。そして、その後は、日本二十一世紀ビジョンのワーキンググループで示されたような、これまた非常に厳しい財政再建を続けて、その上でどういうようなバランスシートになるかということを示している。  しかし、それでも、今委員お示しになられたように、政府部門の資金調達というのは増え続けます。これはそうです。資金調達、バランスシートで借金を返さない限り、つまり赤字を続けている限りはこれは膨らみ続けると。今もう三十兆のオーダーでございますから、これがもう十年続いたら、プライマリーバランスをいかに回復していこうとも、金利の発生分も考えると、非常に大きなこれは公的部門の資金調達になるということでございます。我々は今努力をしてこういう形になるということを示しているわけです。これ官から民への努力をしなければ、プライマリーバランスの回復の努力をしなければ、もっと大変な数字がこれ出てくるということが一つございます。  その上で、もう一方で、これは企業の調達もございますけれども、これ、この間、非常にざっくりとした数字を、私の頭に入っているざっくりとした数字を申し上げたんですが、要するにこれからもお金を供給し続けるのは家計しかございません。家計の要するにネットのそのアセットが、この試算では、非常にざっくりした数字ですけれども、大体五百兆円増えるということだと思っております。その五百兆円が何らかの形でだれかに使われていく。  これが正に、昨日も少し、櫻井委員でしたか、御議論いただきましたが、貯蓄・投資バランス、平野委員も御議論いただいたかもしれません。その中で、五百兆のうち大体百兆が企業に行くと。これも官から民へという非常に大きな改革を続けて、それで、今ようやく民間部門、私は法人部門は最終調整局面に来ていると思いますが、資金の取り手から、資金の、今資金の出し手になっているわけですが、何とか資金の取り手に変わって、それで百兆ぐらい。しかし、財政赤字減らしてはいってもまだ四百兆円ぐらい、大変ざっくりした数字ですけれども、増えていくということになっていくわけでございます。これはもっともっと改革をしなければいけないということであろうかと思います。  この跡田論文の趣旨は、そういう形で今のような努力を続けていくならば部分的に、これは家計の運用から見ると、企業の調達から見ると、明らかにこれは官のウエートが減ります。しかし、それでも財政赤字は、これ急には減らせませんから、努力を続けてもまだ財政の資金需要はこれだけ大きい。それに対してはしっかりとやはり引き続き対応しなければいけない。跡田論文の一つの、まあ幾つかの結論があると思いますが、官から民への流れはその家計の資産運用等々では出てくる、しかし財政の需要というのは極めて大きいので、資金需要が極めて大きいので、これについては、よりしっかりとやっていかなければいけない、そのようなペーパーも結論になっていたと存じます。
  58. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 御説明としては分かるんですが、つまり竹中大臣の主張と我々の主張の違いは何かというと、我々は、この中央・地方政府に流れる資金の量を減らすことにどのぐらい寄与する案なのかということを問いているわけですね。それについては説明がないわけですよ。  つまり、今大臣もおっしゃいましたけれども、もしこの郵政民営化をやらなかったらここがもっと膨らむというんだったら、やらなかった場合にはこれだけになるけれども、やった場合にはこれだけで済むという御説明をいただかないと分からないというのが一点と、それから再三、竹中大臣はGDPがこの十年間で一・五倍になるというふうに言っておられますが、今申し上げた二〇〇三年の六百十兆が二〇一七年には千三十兆になると、こっちは一・七倍ですよ。GDPの伸びよりでかいですよ。竹中大臣が常日ごろ、ずっと私と論争させていただいていますが、長期金利がGDPより低いんだったらこんなに膨れるはずないですよね。  その問題は今日やっているとすぐ時間がなくなっちゃいますからやめますけれども、この結果ですね、結局、日本全体のこの絵の中におけるマネーフローにおける官の部門の資金調達のウエートは、二〇〇三年には七三・五%だったものが二〇一七年には七五・八%に増えるという、この絵をもって郵政民営化は是だというふうにこのペーパーも書いているんです。  論文、論文とおっしゃいますけれども、確かに試算のところは書いてないからよく分かりませんけれども、細かいことは。一応どういうことを前提に、「改革と展望」を前提にしたとかということは書いてありますけれども、まとめのペーパーは小泉改革礼賛のペーパーになっているわけですね、これは。それはそれでいいです。学者の方も立場を明確にするというのは私は大切なことだと思います。後でころころ変えないでいただきたいなと思いますけど。  問題は、さらにこのチャートというのは、実は矢印が、欠けている矢印もあるんですね。民間金融機関や中央・地方政府から特殊法人や政策金融に入る矢印がないんですね。例えば、中央・地方政府から直接特殊法人に入る矢印はないんですよ、これは。  私が申し上げたいのは、幾らこれ私が持論を申し述べても、大臣はこの資料は跡田先生と今郵政民営化準備室にいる高橋洋一さんが書いた個人的なペーパーであるというふうにおっしゃるでしょうから、事の是非は問いませんけども、例えばこのペーパーとこの数字をもって、官の資金のシェアは下がるというこの裏の大きな表だけをクローズアップしたり、あるいは表のチャートで特定の矢印を除いて絵をかいているというのは、これは選択的情報開示というやつなんですね。これは極めて困る。  竹中大臣には私も当初すごく期待してたんですよ、本当に、前も申し上げましたように。本を一杯持っていますから。この間、与党先生から今度の委員会のときに、ひもで縛って捨てるぞって言えって言われたんですけど、そんなことしません。ちゃんとまだ本箱にありますけど。何といいますか、やっぱり学者としてのプライドもおありでしょうから、事実は事実として持論と違う数字も情報もきちっと総理に説明してほしいし、総理が間違っている認識を持っているんだったら正していただくのが我々が竹中さんに期待した役割だったんですね。そういう意味では、正直申し上げて、期待外れだったと、こういうふうに思っております。ただ、冒頭申し上げましたように、竹中さんがこんなにタフな人だったとは知らなかったですから、その点は見習いたいと思います。  さて、以上のように改革目的、とりわけ私たちが重要だと思っている改革目的に照らしてもいささかこの今回の案は難があると。ただ、これは今日御指摘申し上げたいと言った二点のうちのもう一点ではないです。これはまあ一点目の話の延長みたいなもんですけども。  さて、ここで言っていることと出ている資料が違うじゃないかといって本当は委員会止めたいんですけども、これは経済財政諮問会議に出た私的な資料だといってずうっと答弁されるでしょうから、そういうやぼなことはいたしませんが。  次に……(発言する者あり)コメント、コメントを聞きたいという御意見があるので、是非よろしくお願いします。
  59. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 選択的情報開示とおっしゃいましたですけれども、これ矢印がなぜないのかというのは、これはちょっと私、今すぐには分かりませんですけれども、私は、この問題を、官から民への金の流れを実現するためには思い切った財政改革が必要であると、郵政民営化だけで物事が解決するわけではないと、だから入口も出口も中間もやりますと私は一貫して申し上げているつもりでございます。  そのことは、これ、総理もやっぱり同じような思いでそのことをやっておられるわけですし、ただこれは、非常に大きなこれからの改革をやるに当たって、小さな政府をつくっていく、人口が減る中で小さな政府をつくっていくんだと、その入口として郵政改革というのはやっぱり避けて通れないんだと。  委員はおっしゃいますけれども、私たちは、財政の赤字がいかに深刻で、それをいかにコントロールしていくことが難しいかということは、これは財務大臣も含めて、もう事あるごとに申し上げている。  一方で、しかし、もし郵政改革をやらなければ、さっき選択的情報だとおっしゃいましたけれども、家計資産の中身は依然として四分の一、官のお金のままにとどまるわけです。だから、そこは、入口として変えた場合にここは変わります、そして財政改革をやった場合にはこのように変わりますと。これ、やっぱり大きな改革ですから、一つの打ち出の小づちのようなものがあるわけではございませんから、そこは私は非常にきちっと真摯に御説明を申し上げているつもりでございますので、本は捨てないでいただきたいと思います。
  60. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 まあ、本は捨てませんけど。  ちょっとここにバーチャルな空間を想像してほしいんですけど、家計のお金、入口、出口とあって、今は家計のお金は民です。入口は官です。出口も官です。今度は、家計のお金は変わりません、民です。入口は民になります、出口は官ということは。この組織のずうたいだけは官から民になりますけれども、お金は民から官に流れるんです。だから、そこは最初に申し上げました公私と官民の非常に組合せの難しさを抱えているこの今日において、今申し上げましたような矛盾というか、非常に解釈の難しい結果を招く改革をこの優先順位で選択するのは間違っているということを申し上げたいと思います。  さて、今日は尾辻大臣にもおいでいただいておりますが、昨日、櫻井委員が手数料の問題を、銀行手数料の問題を取り上げられましたけれども、これから、この委員会でも議論されておりますように、本当に政府案が通っちゃうと竹中さんも金融排除が起きるかもしれないと言っておられるわけですから、例えば年金の受取とか困る方も出るかもしれないと。いろいろ考えると、私は、この社会保障給付の受取にかかわる金融手数料みたいなものは極力免除をしていくのが適当ではないかと思っているんですが、現状、その社会保障給付の金融機関手数料等がどのようになっているかということについて、ちょっと御説明いただきたいと思います。
  61. 尾辻秀久

    国務大臣(尾辻秀久君) 手数料でありますが、保険料を支払おうとするときと、それから年金など給付を受けようとするときと両方の窓口での話があろうかというふうに思います。  まず、支払の方でございますけれども、国民年金の被保険者が郵便局の口座を指定して国民年金保険料を納付する場合の手数料については、これは社会保険庁が日本郵政公社に支払を行っております。被保険者が支払っている部分はゼロでございます。この一件当たりの手数料は十円五十銭なんでありますけれども、これは郵政公社に限らず、他の金融機関も全く同額になっております。  それから、今度は給付を受けようという場合のことでございますけれども、これは年金郵便局の口座に振り込む手数料につきましては、社会保険庁も年金受給者本人も全く負担はしてないところでございます。  それから、昨日お答え申し上げました、どうしても現金でもらいたいという、口座使いたくないという方おられるわけで、これは郵便局に限り、今御本人に現金でお渡ししておりますけれども、この際も一切の手数料をいただいておるということではございません。
  62. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今、社会保険庁が負担しているという話もありましたが、社会保険庁の事務経費は、谷垣大臣の御聖断により今もって保険料で賄われているわけですから、実は社会保険庁が持っているというより、これも最終的には保険者が持っているのとほとんど同じことでありますし、私が心配しているのは、これから仮にこの政府案が通って、本当に郵政公社が民間銀行として貯金銀行がやっていく折にはどのように手数料収入を増やすかということをいろいろ考えて、場合によっては、またひょっとすると金融界の談合体質がまた出て手数料を何となく上げていくとか、あるいは手数料として取れないんだったら別の形で、社会保障給付の受給者から何らかの形で負担をしてもらえないかというようないろんなことを考える、これが民間企業ですから。だから、是非、厚生労働大臣におかれてはこの辺について目配りをしていっていただきたいということをお願い申し上げますので、一言コメントをいただきたいと思います。
  63. 尾辻秀久

    国務大臣(尾辻秀久君) 昨日も申し上げましたけれども、年金受給をしておられる皆さん方に負担が掛かるというのは、私どもとしては全く好ましくないと思っておりますから、今お話しの方向であくまでも私どもは努力を続けてまいります。
  64. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 さて、今、例えば給付金を口座に振り込んでもらってそれを出すということになるとATMを使うことになるわけですが、郵政公社のATMというのは、私も余り郵便局行かないんですが、時々行ってびっくりするのは、今やもうほとんどの銀行のカードと提携しているってだあっと張ってありますよね。  そこで、改めて確認をさしていただきたいんですが、郵政公社がATMの取扱金融機関として提携している民間金融機関の数と、どのぐらいのボリュームを実際に提携金融機関のお金として下ろされたり預け入れられたりしているのかについて、概要で結構ですので、お伺いしたいと思います。
  65. 斎尾親徳

    参考人斎尾親徳君) 公社と民間金融機関のATM提携につきましては、平成十一年の一月から開始をしまして順次拡大をしてまいりましたけれども、平成十七年の八月の一日現在で一千八百四十八の金融機関との間でサービス実施しております。  また、十六年度におけます民間金融機関のカードによる郵便局ATMの御利用額でありますけれども、預入が三兆一千五百六十三億円、それから払戻しが二兆九千九百三億円となっております。一方、郵便貯金のカードの利用者による民間ATMの利用状況でありますけれども、預入が二千五百六十三億円、払戻しが一兆三千七百五十八億円となっております。
  66. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 これ、実は大変なもう事実上の相互乗り入れが行われているわけでありまして、そこで竹中大臣にお伺いしたいんですが、これ、民営化を仮にされた後は、今のは既に都銀とか市中銀行のカードを持っている人じゃないと使えないわけですよね。今後は、例えば貯金銀行が代理店としてUFJやみずほの代理店もやるとなると、そこで、じゃ、お金を預け入れに来た人に、貯金銀行の貯金にしますか、あるいは提携先にしますかという、そういうことを窓口の人が行うことが起こり得るということですよね。
  67. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) これはちょっと、今のは先の仮定の話だということだと思いますが、もしも郵便局で複数の金融機関の金融商品を販売することになる場合にと。その場合には、これは当然のことながら消費者の選択肢を増すためにそういうことをやっているんでございましょうから、消費者のニーズに合わせていろんなものが売られるということになるんだと思います。
  68. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 財政金融委員会では時々議論になる話題がありまして、ベストプラクティスといいますか、最良執行義務といいますか、これは実際は、株の取引とかやるときにお客さんの注文をなるべくいい値段で取引するということの義務なんですが、例えば貯金銀行がいろんな銀行と提携してどの預金でも取り扱えるようになったときに、お客さんに、貯金銀行の窓口の人、窓口会社のカウンターの人は、どの預金を勧めるというのはどういうふうに判断するんですか。
  69. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) これは、銀行代理店として服さなければいけないルールがあると思います。その銀行代理店としてのルール、これは金融庁でいろいろこれから省令等々、内閣府令ですか、いろいろお考えになるわけでございますけれども、その中でも議論されると思います。
  70. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いやいや、一番いいものを勧めないとお客さんにうそをつくことになりますから、定額貯金がある間は定額貯金が一番いいんですよ。定額貯金はやめるんですか、今度、貯金銀行は。
  71. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) ちょっと私、今言いそびれましたけれども、これは金融商品販売法が適用されるわけでありますので、そのルールにのっとっていただくというのが基本的な考えだと思います。  定額貯金をやめるんですかということですが、これは委託契約が当然──定額貯金ですか、郵便貯金の預金じゃなくて定額貯金を……
  72. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 郵便貯金です、半年複利の。
  73. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 郵便貯金、つまり定額貯金という特定の商品をやるかどうかという御質問でしょうか。
  74. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 一番有利なこれを、貯金銀行……
  75. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 済みません。それは、どういう金融商品を販売するかというのは、これは正に戦略でございますから、私がこの貯金はいい悪いということはちょっと申し上げられません。
  76. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いやいや、私が申し上げたかったのは、イコールフッティングだとおっしゃるならば、貯金銀行だけにとりわけ有利な商品を認可するということがあってはおかしいんではないかという、抽象的にお伺いすれば、そういうことですよ。それについてはどうですか。
  77. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 定額貯金に匹敵するような商品は、今民間でもあるというふうに承知をしております。そこの分野だけ、これは銀行法が適用されますので、その中で、銀行法にのっとって新しい、銀行法に定められた形での新商品の提供というのが行われていくことになる。  もちろんその場合に、移行期間に関しましては、これはイコールフッティングが満たされているかどうかということを民営化委員会がチェックをいたしますし、さらにそういった十分なノウハウがあるかどうかということを金融庁がチェックをいたしますし、郵政民営化全体の流れから考えて適切かどうかということを総務大臣がチェックをいたしますけれども、基本的にはこれは銀行法の中でその商品が提供されていくわけでございますから、今の銀行行政の中でそれは認めるべきものは認められていく、商品についてはそういうことだと思います。
  78. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今日は極力、通告どおりの流れでやらさせていただきたいんですが、順番は多少入れ替わっていますけれども。ちょっと一問だけATMに関連して、必ずしも通告していない話をお伺いしますが、準備室でもよろしいですけれども。  この窓口に置かれるATMは四社のうちのどの所有物になるんですか。どこの会社の所有物になるんですか、このATMは。
  79. 竹内洋

    政府参考人(竹内洋君) お尋ねでございます。  現在は、ATMの提供は言うまでもなく公社の業務として実施されているわけでございますけれども、今後のATMがどこに所有するかとか、そういうことにつきましては、百六十条、郵政民営化法の第百六十条第一項にございますように、承継会社等の目的及び業務に照らしまして、公社の財産その他の業務等を各承継会社等に適切に承継させることにより、承継会社等の業務が適切に遂行されるものであるととの規定に従いまして承継会社等に適切に承継されると。その場合には、具体的な承継方法等につきましては、経営委員会が策定する承継実施計画に定められ、その中で決めるとなっておるところでございます。
  80. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今の審議官の答弁、まあある意味で手続はそのとおりなんでございます。これは承継計画の中で定めるわけですが、我々が想定、基本的に骨格経営試算の中で想定しておりますのは、窓口会社に帰属するという形で骨格経営試算の中では想定をして試算をさせていただいております。
  81. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 これは窓口会社のものだと今おっしゃいました。
  82. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 骨格経営試算。
  83. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 そうすると、いいですか。私、三回目だと申し上げました、質問。一回目の質問のときにお伺いした例のシステム検討会議の資料の中ですね、基本的にはあそこで書いてある問題事項はすべて解決していますというふうに、あの場でですね、基本的にはですよ、そういうふうに御答弁いただいて、とりわけ懸案になっていた五十五項目について今資料をいただいています、私はまだ十分ではないと思っておりますが。  その五十五項目以外にも、これ、この間も指摘したんですけれども、窓口会社のATMを郵便貯金会社の直営店の帰属とした場合には、銀行法施行規則第八条第三項を守れない、補助簿作成等ができない、このことは六月までに決まってないとできないと書いてあったんですが、この間は、これも含めて基本的に対応できていると言っていたじゃないですか。今、何も決まってないじゃないですか。ちょっと答弁を、委員長、前の答弁と今の答弁のずれを修正していただくためにちょっと止めてください。(発言する者あり)いやいや、じゃもう一回、じゃもう一回、分かりました。じゃ、理事がそうおっしゃるなら、もう一回聞かせてください。何も決まってないじゃないですか。(発言する者あり)
  84. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) 止めてください。    〔速記中止〕
  85. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
  86. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) お答えを申し上げます。  ATMに関しましては、その帰属はこれは承継計画で決まるということを申し上げているつもりでございます。ただし、我々の試算において、骨格経営試算においては、これはどこかに帰属させないと試算ができませんので、これは郵便局会社に置くという形での試算を行っているところでございます。  そうした点を踏まえて、先般申し上げたのは、公社との間で、準備室との間で今そのシステムについて鋭意いろんな協議をしておりまして、そうした点も含めて、特段現時点で遅れている支障がないというふうに私は聞いているということを申し上げたわけでございます。
  87. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 準備室は今の答弁でいいんですか。まあ、それは大臣がそうおっしゃっているんだから、ですからそうでしょうね。じゃ、一言で。いいですか悪いですか。
  88. 中城吉郎

    政府参考人(中城吉郎君) お答えを申し上げます。  大臣が言われたとおり、骨格経営試算の試算についてのやり方については、大臣が御答弁されたとおりでございます。  それで、先日、五十五項目につきまして、報告書についての対応状況のところで、このATMの設置場所についての集計方法につきましては、公社の方の判断といたしまして、法令により定められないことが明らかになったことから、公社内部で取り得る選択肢等について勉強中であるという整理になっているということでございます。
  89. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いやいや、だから、そうすると、皆さんが去年十一月に出した報告書は政府に抵抗するためにうそを書いていたということになるんですよ。十七年六月までにどこに帰属するかが決まっていないとできないと言っていたんだけれども、今の話は、公社でこれから検討すると言っているわけで、決まっているわけではないわけですよ。  ほかにもあるんです。この五十五項目について報告書をまた作って出していただいたことは、これは大変有り難いと思います。ただ、例えば今日の通告してある質問とも関係があるんですが、この間から再三問題にしています資産、負債をどのようにブッキングして継承していくかというこの基準がはっきりしていないと、民間企業として、そもそも会社法にのっとって定款に継承する財産を書けないじゃないですかということを再三僕は聞いているわけですね。  これはやはり五十五項目の中に、承継資産の資産評価額算定方法が決まっていないとやはり対応できませんと書いてあったのに対して、一回目に出てきた報告では、この間、二回目の質問でお配りしたやつですね、法案国会審議により大枠については明らかとなっていると書いてあったんです。これでは何が明らかになっているか分からないから説明してくれと言って、今回出てきた資料には、大変有り難いことに私に対する答弁を引用していただいて、公社から民営化になる際には評価委員会が評価をするというふうに決まっているのでこれは決まっているんだと書いてあるんですね。  ところが、その評価委員会が評価するというのは、この間から、済みません、ここは私も譲れないところなんで、後ろで大きなやじを飛ばしていましたけれども、民営化法の第百六十三条、承継資産の継承については、評価委員その他評価に関し必要な事項はこれから政令で定めると書いてあるんですよ。何にも決まってないですよね。これは、ここでは決まっていると書いてあるけれども、決まっていないことが一杯あって、今は代表例を二個申し上げただけです。ATMの帰属は決まっていない、評価方法も決まっていない。一杯あるんです、ほかにも。  生田総裁にお伺いしますが、経営者として、現時点で、政府案が仮に可決された場合、予定どおり政府案に書いてあるとおりに民営化することに関して経営者として不安はないですか。
  90. 生田正治

    参考人(生田正治君) お答えします。  基本的には、公社の間にやっている業務が主体となって、それでスタートしていきますから、突如舞台が変わるほど違う仕事にはならない。その仕事をスムーズにやれるかどうかの一番の要諦は、経営のツールとしてのシステム問題だと思うんです。それは今先生おっしゃったいろんな、ATMどこ置くとか、その他の技術的な問題ありますけれども、一番の中心はシステムだろうと思います。システムに関しては、六月末までに要件凍結をさせていただければ、テストラン六か月も入れて、暫定対応であればですよ、政府のセーフガードを張っていただくということの前提で間に合わせますと私は申し上げたんです。  答弁でも申し上げているように、今正に御審議いただいているように、まだ決まっていない。だけれども、これも御答弁申し上げたように、八月の中旬ぐらいをめどに要件凍結ができるような状態にさえしていただければ、もうベンダーともどんどん予習で、勉強していますから、何とかテストランの期間を調整することによって最初に想定した暫定対応の整備はできるというふうに今確信しておりますので、それを軸にいたしまして、あとは、もちろん私は全部専門のことを分かっているわけじゃありませんけれども、だけれども十分指揮を執りまして、皆の努力で間に合わすことは可能であると、このように考えております。
  91. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 私の持ち時間はあと六分ぐらいですから、多少、本当にこれは率直な意見を言わせていただきますけれども、日本は本当に戦後、職務に精励するスーパーサラリーマン、これは官僚も含めてですね、そういう人たちによって支えられて今日まで発展してきたと思います、私も。生田総裁も恐らくその一員、あるいは筆頭としてやってこられたと思うんですが、何で日本が今こう変なふうになってしまったか。  これは、スーパーサラリーマンの人たちは、ある時期までは、たとえ上司に疎まれてもできないことはできないと言うという、そういう言わば職業人としてのプライドなりそういうものがあったと思うんですね。ある時期から、ああ、日本はこのまま成長していくなと思った時期から、ちょうど私たちが社会人になったころですよ、スーパーサラリーマンの一部はスーパーイエスマンになっていったんですね。そのスーパーイエスマンが増え過ぎちゃったことが、日本がこれだけの潜在的な力を持っていながら民も官もどうもおかしくなってきている原因の一つではないかというふうに私は思っているんです、個人的にですよ、これは。このスーパーイエスマンが度が過ぎるとスーパーデストロイヤーになっちゃう。そうならないことを祈っていますが、もうとやかくは申し上げませんが、私は、生田総裁と間瀬理事、今日おいでいただいていますのでお伺いします。  来年の九月には、仮にこの民営化法案が通った場合には、法案に書いてあるとおりシステムを移行できるかどうかを、しかも生田総裁の御答弁で、二〇〇七年、平成十九年の四月だったものが、三月移行だったものがお正月に前倒しになりました。是非経営者として、これはこのままじゃ多分無理だなと思ったら、正直に来年の九月にはできないというふうに言っていただかないと、現場の人は困るんですよ。現場の人だけじゃなくて、一番困るのは国民ですからね。そのことを生田総裁と間瀬理事に、正直にそのとききちっと自分の認識を申し述べるということをお約束していただきたいので、一言ずつ御答弁いただきたいと思います。
  92. 生田正治

    参考人(生田正治君) まず、できないことはできないと常に申し上げているんです。だから、去年の九月の頭で、総理の方から七年四月に四社分社化による民営化を絶対やってほしいという御要請を受けたけれども、私は最後までできないものはできないと。これは政治問題じゃなくて経営の問題でできませんと。それで加藤委員会で暫定対応で今日にとどまっているので、できないものをできると言うことは決してありません。で、来年の九月にできないものはできないと言う、当たり前だと思います。六か月延長できるかできないかは、それは工事期間が延びたことを意味しているんじゃなくて、ぴしっと七年四月にできることを前提に努力をしていって、今想定できない問題が起こったときに緊急対応で六か月延ばせるという措置だと私は理解していたんで、全軍はそれで指揮執っているわけです。  だから、その前提で来年の九月までにきっちりした見通しを立てて、これで想定できないような事故が起こらないだろうというめどを、確信を持ったら七年四月にやりますし、やっぱり危ないと思ったら、これは周りの、周辺の皆様に御迷惑を掛けることですから、当然のこととして延長をお願いするつもりでおります。
  93. 間瀬朝久

    参考人(間瀬朝久君) お答えします。  一応、今回の流れでいくと、やはり大変な作業であることは間違いがございません。ですから、公社全体でプロジェクト管理を徹底すると、ベンダーと徹底的にやって管理をしっかりしていくつもりでございます。その結果、九月の段階でどうしても、駄目だという判断をした場合には、やはり私どもとしてもしっかり、その時点では判断をきちっとしたいというふうに思っております。
  94. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 来年の臨時国会、状況がどうなっているか分かりませんが、本当にこれは大きな変化ですから、是非財政金融委員会においでいただいて、状況についてはお聞かせいただきたいというふうに思います。(発言する者あり)まあ、そういうお声もあります。  最後に一問ですが、竹中大臣にお伺いしますが、これは旧勘定の権利義務関係は、旧勘定の顧客の権利義務関係は基本的に変わらないと、この民営化されても変わらないという理解でよろしいですか。
  95. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 顧客の権利義務とおっしゃいましたんで、預金をしておられる方、保険に入っておられる方、そういう方々と今まで結んだその保険契約、預金契約、その権利関係は変わらないというふうに御理解いただいてよいと思います。
  96. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 もうこの発言でやめますけれども、実は新銀行に移管される通常貯金は預金保険料を払うとおっしゃっていましたね。そして、旧勘定に残る定期性貯金の見合いの特別預金についてはその保険料を持ち株会社に回す。で、簡保の分は、保護機構に払う保険料は受益者に還付すると言っていますけれども、この旧勘定に残る特別預金とそれから、ごめんなさい、定期性預金と簡保については、これは確かに契約者から見たら、権利義務関係あるいは経済的効果は変わらないんですけれども、通常貯金の預入者は、それまで預金保険料は預入者として間接的に負担することも一切なかったわけですが、新銀行に移管されると間接的に負担することになるわけですよ、経費として。何らかの形で、例えばもらえるティッシュペーパーの数が減るとかですね、そういうサービスの低下によって負担させられるわけですよ。  だから、本当はここをじっくり議論したいんですが、まあまず、まだ来週も議論できるかもしれませんので残しておきますが、権利義務関係は通常貯金の預入者に関しては変わっちゃうんですよね。変わっちゃうんです。これは、だから大変大きな問題なので、次回の楽しみに残さしていただきます。  これで質問を終わらしていただきます。
  97. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 一昨日、私、国会質問させていただきまして、つくづく頭が悪いなと、本当に、自分で自分を本当につくづく。と同時に、やや耳が聞こえにくくなったのかなと。竹中大臣やあるいは財務大臣などのお話しなさっていることがなかなかうまく自分が十分そしゃくできないままに来たんですけれども、さすがに議事録を読むと、あっ、こういうことをおっしゃっていたんだということで、これは是非再び追及していかなきゃいかぬなということをつくづく思ったわけです。  今日は、税に絡んだ問題も含めて、三点実はお伺いしたいと思っておるわけです。  まず、最初の問題です。  昨日、追加責任準備金のイコールフッティングの問題を論議をいたしました。そのことについて、簡易保険は、竹中大臣ですね、民間生保とは違った積立方式で責任準備金を保守的に積んでいると、追加責任準備金が八兆四千億円ある、これは簡易保険の現契約者のものであり、したがって旧勘定に、契約が移って新旧合同運用がされても、この部分は区分経理がなされ、しっかり管理をしていくと。  この点は、そうおっしゃったということは間違いありませんよね。
  98. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 管理会計でと申しますか、内部でそういうことになるというふうに申し上げました。
  99. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 さて、この八兆四千億というお金は無税で積んだわけです。これは民間の生保ですと、これは有税で積まなきゃいけないということですね。これ、契約者のものであるとはいいながらも、この四〇%を、僕は、法人税として本来払うとすれば、これは国の負担で積んでいるんではないか。  私は、昨日、やや挑発的に申し上げたんですけれども、追加責任準備金のうち税金部分、すなわち三兆数千億円ですけれども、これは民営化と言うんであったら、税金部分は国に返還しなきゃおかしいんじゃないか、こういう質問をしたわけです。そのとき、谷垣大臣はこういうふうに答弁されているんです。  ちょっと正確に読んでみますよ、議事録を。私も最近、いただけるものなら何でも持っていく男だと思われているかもしれませんがと、やや、本当に財務大臣の気持ちはよく分かるんですけれどもね。全く今、竹中大臣がおっしゃったと同じ御答弁でございまして、無税で、確かに新会社に行くときは無税で継承をしていただくと、そしてその代わりにですよ、ここから先なんですよ、使ったときに繰延べでやると、こういう形で、以降は民間とイコールフッティングと、こういうことでございます。  そう発言されたこと、再度確認したいと思いますが、間違いございませんか。
  100. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) そのとおりです。
  101. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 そうすると、私と谷垣大臣は認識が非常に共通していると思うんですよ。(発言する者あり)今こちらの方でありました、私は入口の段階でこれは取りなさいと。谷垣大臣は、いや、取り崩していった段階で、これは有税で取り崩していけばいいんだと。何だかこれ、昔の金融負債を取り崩すときに有税で積むか無税で積むかという、何かそんなのに似てきたような感じがするんですが、そのことはちょっと余談において。  要するに、これで、遅いか早いかは別にしても、要するに私は国庫返還は民営化の時点で行うべきだと、谷垣大臣は使ったときにやると言っていると。そういう国庫返還のタイミングが違うだけだと、こういうふうに、今のお話聞いていると私そう思いますね。  そこで、竹中大臣ね、谷垣大臣がおっしゃった追加責任準備金の課税の繰延べ、これ、どのぐらい一体課税が繰延べされるんでしょうかね。何か、もしお考えありますですか。
  102. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) これは、正に損金、取り崩されたときに損金算入されるわけでございますから、その取崩しの様態等々によってそこは違ってくるのだというふうに思います。  大変申し訳ありません、取り崩されたときに益金算入されるということでございますので、その取崩しのタイミング等々によって期間に関しては違ってくるということだと思います。
  103. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 まあ、後ろに忠実な秘書官がおられるから助かって、今も危うく言葉じりをこれは言わなきゃいけないかなと思ったんですが。  そこで、そうすると、竹中大臣も益金算入だということになってくると、当然それ、益金ですから法人税率掛かってくるということですよね。そうすると、私は何年間、これぐらい見ますかというときに、おおよそ、毎年、公社の方でこれはもう確認できると思うんですが、どのぐらい取り崩しているかというと、四千億円取るんですね、責任準備金から取り崩していると。そうすると、八兆円あるという、あるということは、約二十年間、これは実はそのずっと毎年毎年取り崩せる。そうしたら、この二十年間はほかの生命保険会社にはない実は無税で積み上がったものが存在をして、それは二十年、約二十年たってそれを取り崩せない限りイコールフッティングにならない。  そうすると、二十年間は、おおよそですよ、これはおおよそ二十年間はその取り崩すまでの間は実はこれは民間とのイコールフッティングにならない、こういうことを実は明確に示したんじゃないんですか。竹中大臣、どう思われますか。
  104. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 要するに、積立金の税制上の特別措置を認めることは民間とのイコールフッティング上問題ではないかと、そういうお問い掛けだと思いますけれども、これは民間の生命保険会社におきましては、税務会計上、この追加責任準備金というのはこれは有税で積み立てなければいけない、これは峰崎委員がおっしゃっているとおり。公社はこれは、公社はこれは非課税法人でございますから、結果的に日本郵政公社法に基づいてこれを無税で積み立ててきたということに当然相なります。  郵政民営化によりまして公社が新たに民間の会社と同様の課税体系にこれは移行するわけですから、非課税からここに移行する時点において、これが追加責任準備金等が有税償却された場合、正に入口でですね、峰崎委員がおっしゃるように入口で処理するということになった、もしもそうなった場合は、これは公社において積み上げられました同準備金等のストックに対して課税が行われて、そして郵便保険会社のある種負担能力を超える巨額の税負担を一時に発生させるということにこれはなってしまうわけでございます。  また、これは旧勘定につきましては、これはあくまでこれは非課税であることを前提に商品設計が今まではなされてきたわけでございます。これに一時に課税が行われますと、旧契約の契約者への将来の保険金等の支払に支障を生じかねないわけでございます。  したがいまして、今般の税制上の措置というのは、これは簡保の旧勘定の正にこれは円滑な民間法人への、民間への円滑な移行、承継を図るための措置でございます。単なる非課税措置ではなくて、将来保険金等の支払時にこの該当準備金を取り崩す際には課税されるという、これは課税繰延べの措置であるということ。そして、郵便保険会社民営化後の新契約に関して追加責任準備金等を積み立てる場合、これ新会社がやる場合はこれ有税になるわけでございますから、この意味では、イコールフッティング上これは問題があるということではないと思っております。
  105. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 何だか聞いていてむちゃくちゃなことを言っていると思うんですよ。しゃべっていて、そう思われませんでしたか。私、聞いていて、要するにこの旧債権のいわゆる所属するところのこの追加責任準備金については旧勘定に属すると、こうおっしゃったんですね。それで区分経理するということもおっしゃっているんです。これは後でまた繰り返しますけれどもね。  そうすると、そこから、その部分に関しては、これを取り崩すということは、あなたの最初におっしゃっていたことからいえば、これは旧勘定に属する、昔契約者の人たちに属するものだから、これについては課税するということはとてもできませんよと、こういうふうに言わなきゃいけないのに、いや、それは、今おっしゃったことは、今度は益金に算入しますということだった。そうすると、どういうことかというと、これを取り崩すときには、今度は利益処分だから今度は課税をしますと。そうすると、この課税をするということになると、過去、その公社時代に積み立てていた、簡保に入っていた人たちの権利はここで税金として処理されちゃう。そのことを両方、何か、どっちなんですかと言いたくなる。  最後の辺りは、最後の辺りはどうおっしゃったかというと、これは課税繰延べだと言って、これ財務大臣と符節が合ったんです、ここでは。しかし、最初に言っていることとは全然違っているんです。そうすると、早いか遅いかの差だけであって、このイコールフッティングにするというのは、二十年間この課税繰延べがずっとなくなっていくまでの間、それは竹中大臣、官民のいわゆるイコールフッティングはその間は実は存在しないということなんです。官民のイコールフッティングが完全になるというのは、旧勘定の中の追加責任準備金がなくなるまではこれ実はイコールフッティングにならないということなんです。  そうすると、いいですか、ここが重要な点なんですよ。この追加責任準備金八兆四千億、現時点である。これについての過去の無税で積んだ部分、すなわち税収、本来ならば法人税で入っていなきゃいかぬ三兆数千億は、私は現時点でこれは国庫に返すべきだと。こういうふうな修正を加えないと、あなた方の今おっしゃった点は一貫性がないと私は思うんですよ。  確かに、円滑なとか、要するに、いきなりその分、三兆数千億円を取られたら大変だとか、それは大変かもしれない。しかし、それは内部に今留保している、蓄積しているわけですから、本来ならばこれは、民間生保であれば課税をして、なおかつそれを積み立てている。それを無税で積み立てているわけですね、今は。その中の税収部分だけは、これはやがて利益処分としてやるんであれば、その利益処分としてやる根拠がそういうことで認めるんであれば、実は私は、今の段階で、移行する段階でやらなければイコールフッティングにならない。この点は大変重要な問題ですから、ひとつ結論をきちんと出していただきたいと思います。
  106. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 峰崎委員の御指摘というのは、これは今、責任準備金を対象にお話をしてくださっておられますけれども、要はこれ公社というのはあくまで今までこれは非課税であったわけですね。で、非課税のときにいろんな形で資本蓄積、資産蓄積、資産形成を行っております。それを今度引き継いで、それが初期値になるわけでありますから、その初期値がそういう形で、今まで税金を払っていない形で、準備金であれいろんな資産であれ、そういうことを引き継ぐ以上は、やっぱりイコールフッティングではないのではないかと、突き詰めれば私はそのような議論であろうかと思います。  これはしかし、今まで非課税だったその公社を民間に移行させるわけですから、これは経過期間を置きながらどこかでそういうことをこれは享受していかないと、いつまでたっても公的なものは公的なものになるというふうな問題にこれはなってしまうのではないのでしょうか。  つまり、極端にちょっと申し上げますと、今まで無税でやってきたことで資産形成したものについては、この無税で資産形成したものを、これを引き継いでいるんであるから、民間から比べて有利ではないかと、私は究極的にはそのような議論になってしまうのだと思います。  しかし、これは要するに、ここから、今まで、正にこれ円滑に、今まで公社であったものを円滑に民間にしていくためには、それはそこで、どこかで初期値を設定してやらなければいけないわけですから、これはまあ、この今までここで蓄積したものは所与のものとして、しかしここからは民間と同じルールでやっていただきましょうと、そのような方法しか私は方法としてはないのだと思います。  委員が言われましたように、そのとき一時に将来のものを先取りをしてやってしまえという考え方もないわけではないと思います。しかし、そうすると、私が先ほど申し上げたように非常に大きなそこで負担、ショックが起きる。ショックをなくすということが正に円滑な民営化の一つの私は目的だと思いますので、そこはやはり今私が申し上げたようなやり方が現実的なやり方なのではないかというふうに存じます。
  107. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 一番大切な、民営化は何のためにやるんですか、イコールフッティングにするんですよということをおっしゃっているんでしょう。問題はやはり官民の、私は必ずしも今やるべきでないと思っているけれども、民間に移行するときにイコールフッティングにしようとしている。そうすると、これを二十年ぐらい掛かって追加責任準備金がなくなるまでずっとそれはなだらかにやっていくんですというのが今のおっしゃることでしょう。なだらかにやっていく間、この民間の生保会社との間のイコールフッティングは事実上壊れてしまうじゃないですか。駄目ですよ、これ、このまま私、審議するわけにいきません。  今の問題点は、イコールフッティングを優先させなきゃいけないのに、なだらかに行く、すなわち、要するに漸進的に行くということだけが、あなた目標になっているじゃないですか。そんな論理が一貫しないことないんじゃないですか。  私はその点、イコールフッティングが初期値の段階で確保されなければ私はスタートすべきではない、このことを主張して、それが確認されないと論議しようがないと思いますよ。
  108. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) これは、例えば民間の一部の方でそういうことを御主張しておられる方も私はあるんだと思います。これは、全部今、今準備金という形で今着目して、それに特化してお話をしておられますが、これは準備金にとどまらずより広い問題を含んでいるわけですね。  つまり、旧勘定を持っていると。旧勘定というのは、これは政府保証が付いて集めたものであり、そこから得られる、預金であれ保険であれ、そこから得られる利益、収益というものは、これは広い意味での民営化された郵政全体に帰属するわけですね。これは、そうすると、政府保証が付いたものに対して、例えばそこから得られた利益を維持し続けることは民間のイコールフッティングではないのではないか。実は、ここでいろいろ御紹介いただいている多分アメリカの考え方も、だからその間は新しいことを何も認めるなというふうな私は主張なのだと思います。  しかし、それは、だからこそ私たちはそれに対してその移行期間というものを設けて、これは、保険の場合は少し長いですけれども、貯金の場合は十年ですから、その十年でその貯金、政府保証の付いた特典のある貯金はゼロになりますから、その間については移行期間として、民間と、民営化するけれども、この十年間は何らかの形で規制をさせていただくという形を設けているわけです。  だから、新商品を出す場合にも、これは民間とのイコールフッティングに関して問題ないか、競争条件どうかということをきっちりとチェックをさせていただく。その十年の間にそのいわゆる旧勘定が実質的にゼロになって、そして、まあ保険は残ります、保険は残りますが、小さくなって、そういうものが実態的に大きな影響を及ぼさなくなって、そこで本当の完全な民営化が成り立つという考え方でございますので、そこは繰り返し言いますが、その間については正にイコールフッティングでは、イコールフッティングには限界があるということで、その様々な規制を設けて、そして民営化委員会でそれをチェックしていくという仕組みをつくっているわけでございます。
  109. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 私はやっぱり分からないですね。  つまり、今の段階でもう認識できているんですよ。八兆四千億円の追加責任準備金が無税で積まれたと。これはやがては取り崩すときに税が入ってくるよと。そうしたら、それは、やがては税として払わなきゃいけないものが入っているとすれば、現時点でやらなければ、それはイコールフッティングにはならない。この十年間だらだらと、もしかしたらそこで税が入ってくるのかもしれません。しかし、まだ依然としてそこは有利なその追加責任準備金を持っているという前提で、実はこのALM管理も行われていくわけですよ。  ですから、私はこのイコールフッティングが、もう二年後の民営化をするんでしょう、民営化する段階で、もうその段階できちっと出さないと、後で述べます承継する財産の問題も資産評価の問題も含めてきちっとそこでやらなきゃいけないんだから、そのいわゆる課税繰延べをなぜ認めるのかということなんですよ。もういわゆる民間に行くんであれば、その課税繰延べをこの時点でもうはっきりと、課税繰延べはこの時点で終わります、その分は民間と同じようにその四〇%の法人税収はその段階でいただきますと、そこからスタートするのがこれは正常なスタートじゃないですか。私はもうこれ以上もう答弁を求めてもしようがないとすれば、その点、財務大臣、どう思われますか。
  110. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) これは竹中大臣が御答弁されたのと同じことになりますが、やっぱり過去にわたって膨大なものを積み立ててきておりますから、これを一挙にやるとなったらこれは大変一遍にばっと課税することになるわけですね。  それともう一つは、やはりこれは、これも、これも……(発言する者あり)ちょっとお待ちください。これも竹中さんがお答えになったことですけれども、旧勘定のものは、元々これは非課税であることを前提として商品設計をされていたということがやはりございます。ですから、これも、じゃだからといって一時に課税してしまえば、旧契約の契約者の将来不安というものを惹起しかねない、そういうことからこういう、民間に移行するときにはこういう措置をとるのは、私はしかるべき措置だと、こういうふうに考えます。  それから、先ほど申し上げましたように、これは繰延べ、単なる非課税ではなく繰延べでございますから、それからもちろんこれから積み立てるものは当然そのときに税をいただくということでありますから、そういう意味では特段問題が、委員のおっしゃるように問題があるとは私は考えておりません。
  111. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 もうこの問題でもうほとんど終わってしまいそうなので困っちゃっているんですが、大臣、これは元々公社の時代には簡保の人たちに対しては非課税でずっと積んできて、約束ですよね。そうしたら、話を一貫させるんであれば、この部分をこの部分で区分経理して、このいわゆる追加責任準備金も新勘定の方には一切もう出しませんというふうにすれば、もうこれはそれで完結するんですよ。ところが、そうじゃなくて、一緒になって損も得も全部それは新会社で移行しますよと言っている。そして、課税繰延べですよと言っている。そうすると、簡保の、旧簡保に入っていた旧債権の人たちは、新会社に移行して一緒にやられて、自分のものは確かに入ってくるかもしれないけれども、ひょっとするとこの追加責任準備金は配当として終わるときに自分に戻ってくるかもしれない、新会社に移行させなければ。そういう可能性もあるし、もしかしたらそれ以上に損が出るかもしれない。そこのところが現時点で法人税分の受取分をきちっとやって、新勘定で一緒にALM管理やった方が私は合理的だというふうに思って言っているんですよ。  どうもそこの二つの言っていらっしゃるところが私は矛盾していることを言っているんじゃないかと思うんですよ。旧勘定のものですからこれは無税で積みました、しかしやがてこれは新しい会社へ行ったら課税繰延べです。しかし、課税繰延べということで旧勘定の人たちに今まで説明してきましたか。そこのところは一貫しないし、二人でそろって、違うことをおっしゃっているのかなと思ったら同じことだと、課税繰延べでやがてこれは取っていくんですよと。これはやっぱりそもそものスタートの時点で取らないと、それは私はイコールフッティングにならない。この点は私は無理があると思いますよ。
  112. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 要するに、これは言わばこの官の会社と民の会社、異質なものに切り替えていく段階でそのスイッチングをいかになだらかにやっていくかという、私はそういう問題なんだと思います。  これは要するに、ですから、まずこれは、ずっとこれ保険会社というのは続いていくところですから、一時に何兆円というような巨額な額を出すというのは、これは現実には不可能でございます。その中で、しかしこれを再保険に出して、そしてその中できっちりと旧勘定の皆さん方の利益も守りながらそして民営化を果たしていくというそのプロセスでありますので、それはどういう形で線引きをして、どこでスイッチをしていくのが一番現実的なのかという、私はこれはもう現実的な、何が一番現実的かという、そういう問題なのだと思います。  もちろんこれは、だから郵政民営化をもうするなということであるならばこれはこれで一つの考え方でございますが、我々はこれは幾つかの理由で民営化をしなければいけない。そのときに、今言いましたように、旧勘定を抱えながら、そして民間とのイコールフッティングを考えながらいかに民間の中に溶け込んでいくかと、その一つのスキームを提案させていただいているわけです。
  113. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 駄目ですね。なだらかにするために、つまり一気にお金を、現金を国庫に納入することは大変だと、それは大変かもしれない。それならば蓄積していったらどうですか。これは損を認定して、会計上、十年なら十年で積んだっていいですよ。三兆数千億円のかつての無税分をそれ毎年毎年引き当てていって、そして国庫に入っていったらいいじゃないですか。それに、税に利子、それ利子付けるかどうかは別にして。  問題は、そういうことが損金、いやいや、益金としてこれからは課税、取り崩せば課税になりますよということを認定しているわけですから、その点は、じゃ現段階において、益金を今日時点できちんと清算をして民間としてスタートしたらどうですか、そうでなければイコールフッティングというものを犠牲になるじゃないですかと言っているんですよ。イコールフッティングは、あなた方は、いわゆる簡保であれ郵貯であれ、これを民間会社にしてイコールフッティングしますと言っているんでしょう。しているんですよね。なるんですよ。そうしたら、そのいわゆる移行期において初発の段階からそれが可能であるし、またやらなきゃいけないし、いきなり税金をぽんと出すとなるのが大変であるならば、それは徐々に積立てなりなんなりして払ったらいいじゃないですか。できますよ、それは。何言っているんですか、それは。そんなことでは駄目だ。
  114. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) イコールフッティングを私たちは十年間掛けて実現したいというふうに考えているわけです。これはすべて、その時点で全部清算的なことを清算してしまって、それですぐ何でもできるようにその分そうすると、これは郵便保険会社から見ると、これは何でもすりゃすぐできるようにしろということになります。それはそれで一つのやり方かもしれませんけれども、それは非常にこの大きな組織のバランスシートを調整していくという観点からすると現実的ではないし、論理的に峰崎委員がおっしゃっておられることは私は理解をいたしますけれども、現実問題として、これを時間を掛けてやっぱり吸収していくしかない。  それで、イコールフッティングのことを大変気に掛けておられますが、だからイコールフッティングは十年掛けて実現していくわけです。最初は公社と同じ業務範囲からやっていただいて、そして次第に経営の自由度を持っていっていただくわけですから、これはもうその間の時間をいかにしっかりと使って、そしてソフトランディングしていくかと、そういう問題であろうかと思っております。
  115. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 私は、今の答弁を聞いて納得できません。これはまた質問を引き続き、これは留保してもらわなきゃいかぬと思います。  質問をまた引き続き留保したいと思いますが、要するに、今の段階で、これは税制上の問題、過去の税制上の問題であって、新しく簡易保険会社がこれから責任準備金を積み立てるときは恐らく民間と同じ積立てで行くんだと思うんですよ、新商品は。だから、もう現時点において、これからは清算会計に入っていくんでしょう、このいわゆるあれは。フェードアウトすると言ったじゃないですか、旧債権は。そうすると、旧債権の問題についてもフェードアウトしていくのであれば、この問題においての認識を今の段階でやっておかないと、このイコールフッティングの邪魔になっているものは私はやはり除去しておかなきゃいかぬ、これは私の意見です。  さて、もう時間がないので、もう一点、どうしても重要な点をお尋ねしたい。  昨日、郵便保険会社、今の郵政を五つに分社化して、間の手数料は消費税を減免してくれということでした。竹中大臣は、その減免についてできるだけ努力したい、ちょっと私、正確なのを持っていませんが。それは今でも変わりございませんか。ちょっと、事前に言っていなかったから悪いけれども。
  116. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 昨日、柳澤議員が党の税調等々で議論するという意見の御表明がございました。私の答弁は、与党において議論が行われるということであるから、政府としてもしっかりとそれを見守っていきたい、それは政府与党一体でありますからしっかりと気持ちを合わせてやっていきたいと、そのような趣旨で御答弁をさせていただいたつもりでございます。
  117. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 私は、これ、財務大臣意見、その件、実は昨日私聞いていて、財務大臣の答弁なかったんですよ。財務大臣、これ、よろしいですか、これ。
  118. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 私の考えは度々御答弁も申し上げておりますけれども、やはり財・サービスの対価というものからは、それを支払っているものが官であろうと民であろうと消費税をいただくというのが消費税のつくり方でございます。  それで、これで民営化していきます場合に、窓口会社というものが、数はこれからどれぐらいあるか分かりませんけれども、一般会社と契約をするということもあり得るだろうと思うんですが、そのとき、片一方だけ非課税というのは、私はイコールフッティングの上から、フッティングという考え方からそれは問題があるというふうに考えております。ただ、昨日、柳澤さんが御答弁になりましたのも聞いておりまして、なかなかそこに難しい問題があることも事実だと思っております。  つまり、何かといいますと、消費税というのはなかなかよく考えられた仕組みでございますが、やっぱり非課税というものが入る、金融が非課税であるというところにこの問題の、つまり仕入れ税額控除ができなくなっているという難しさがあるわけでございまして、そこに確かに悩ましい問題があるということは私も承知いたしております。
  119. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 私はあの答弁聞いたときに、即座に私は、やっぱり財務大臣がおっしゃったように、郵政公社の中の企業同士の間は無税ですよと、手数料は。今おっしゃったように、民間がこの委託手数料を払うときは有税ですよと。また、これまたイコールフッティングが失われるんですよ。  直ちに、竹中大臣ね、そうなると、今一番大切なイコールフッティング、官民を同一の競争の下に置かなきゃいかぬという、そこのところをきちっとやはり指摘をしなきゃ、それはやっぱりまずいですよ。それを、いや、しっかり見守っていきたいなんという、何か応援するような私受け止め方をしたんですよ、昨日。正確にまだ議事録を読んでいないから分からないですけれどもね。  確かに金融はなかなか難しい。今ヨーロッパでも全部非課税になっていますから、難しいと思うけれども、しかし、ここで穴が空き始めるとずっと穴が空きますよ、これ。  NTTどうします。NTTも、私は、嫌々ながらいわゆる持ち株会社をつくって、東西会社つくった、ドコモをつくった、いろいろやった。全部、あの取引全部無課税にしてください、一千億円あるんじゃない、世耕さん。もっと大きいかもしれないよ。それぐらいの実は穴が空き始めたら、ああうちも、じゃ私もといって、必ずこの税というのは一つの穴が空き始めたらずっと横に広がるんですよ。なぜそのことを直ちに指摘しないのか。あなたが経済財政政策を担当しているときに、どうもそこら辺は、きちっとやらなきゃいけないところが、いや、それは是非私どもも検討したい、それは検討したいだから、賛成しているかどうかというのは、価値判断入っていないかどうか分からぬけれども、直ちにそれには問題があるということを指摘しなきゃいけないんじゃないですか。  その意味で、昨日の発言を聞いていて、おっしゃっている、総裁がおっしゃっている意味でのことは分かるんですけれども、今、日本の消費税というのは何が優れているかと。要するに、多段階にわたってこれは税の漏れが少ないという意味において非常に大きな成果を持っているんじゃないですか。さあ、この取引は無税ですよ、この取引は割引ですよ、こんなものがどんどん広がり始めたら、それは財務大臣、とても日本の財政もたなくなると私は思っている。これは別に消費税を今引き上げろとかなんとかって言っているんじゃなくて、所得税の漏れがどんどん大きくなっているがゆえにこの税が私は重要だというふうに思っているんです。  そのことを指摘しないと、もう年末の税制改正になったら、もう消費税、これ郵政の取引は、かつての郵政の取引は非課税だ、消費税は取らないと、こんなばかな話になったら私は大問題だということだけは指摘しておきたいと思います。  もう時間がありませんので、最後に、実は本当は、一番最後に皆さんの、あの表、今日配っていないのかな。たしか配っていると思います。  実は、竹中大臣、私たちがこのいわゆる責任準備金というものを算定するときに、生命保険会社がやっていると同じように予定利率、これが逆ざやで今成立していない。簡保はある程度、追加責任準備金でもってその利率を定めている、総務省令で。しかし、今の時点で、先ほど大塚議員が言ったように、要するに実勢利率でもって時価会計をしなきゃいけないんじゃないですかと。というのは、これもう時間がないから今日これ以上、難しいのでなかなか説明しづらいんですが、竹中大臣、あなたは旧債権も含めてこれはゴーイングコンサーンだと一度おっしゃった。議事録を読んでみると、いや、旧債権はフェードアウトするんですと言っている。どっちなんですか。  と同時に、フェードアウトするんであれば、一度ここは清算会計、すなわち実勢の利率でもって将来これは本当に足りるんだろうか足りないんだろうかということの計算をしてみるべきじゃないですか。私ども民主党がやった結果は、十兆円近く二%の金利で回すと今よりも足りなくなりますよ、こういう計算持っている。そのことを言えば、あなたは最後は必ず、いや、それは継承委員会というところで評価をしてもらいますからと言うんですが、現時点でこれを認識してその数字を出さなければ、私たちは簡易保険が安心して民営化できるかどうか分からない、こういう疑念をずっと持ち続けているわけですよ。  その点について、今日はもう時間がありませんから、もし答弁があるなら聞いて、また機会があれば、私はこの問題は非常に重要な問題だと思いますから、簡易保険の民営化をめぐって本当に大変重要な問題だと思いますので、その点についての答弁を短くお願いいたしたいと思います。
  120. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 短く申し上げます。  このゴーイングコンサーン云々ですけれども、旧簡易生命保険契約というのは機構に継承されて、民営化前の条件で存続して、そして機構が将来にわたって存続してその債務を履行するわけでありますから、承継時に清算を前提に議論をするというものではないと、その意味で私は申し上げているわけでございます。  それと、要するに時価評価というのは、もっと具体的に言いますと、現在の足下の金利で、運用利回りで割り引いて時価評価をすべきということを恐らく一貫して主張しておられるんだと思うんですが、その場合に、その保険、いわゆる生命保険数理ではいわゆる三利源の問題がありますから、死差益、そして費差益をどう考えるかと、これをやはり考えなければいけませんので、足下の金利だけでということではこれはないのだろうというふうに思っております。  これは会計の基準の問題もありますので、今のやり方というのは、簡保のやり方というのは、その意味では時価に準じたやり方になっているというふうに私は理解をしております。
  121. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 いろいろまだ反論したいことがありますが、また別の機会にします。  終わります。
  122. 尾立源幸

    尾立源幸君 民主党・新緑風会の尾立源幸でございます。二度目の質問に立たせていただきます。  今回は、私も委員会の一員として地方視察、そしてまた公聴会にも参加をしてまいりました。そういったことも含めて質問を、三十分でございますが、させていただきたいと思います。  今日は大きく三つに分けてお話を聞きたいんですけれども、時間がある限りということで、まず社会・地域貢献基金の問題、それと先ほども議論がありました資金の流れの問題、そしてもう一つが見えざる国民負担についてということでございます。  それで、この三点に入る前に、麻生大臣にまず、済みませんが、今朝になって通告をさせていただきました国際ボランティア預金による支援制度について、ちょっとこれをお聞きしたいと思います。  こうやって民営化法案の審議をしている最中にも多くのNGO団体等から問い合わせがございまして、是非この点をただしてほしいということでございますので、質問をさせていただきたいと思います。  この国際ボランティア預金、現在あるわけでございますが、これに絡んで、実は平成十七年度から、ODAのNGO補助金交付について、実は原則六十五歳以上の方がこのボランティアに参加されるともうその補助をしないよと、こういう外務省の方から通達があるわけでございますけれども、その点も含めて、まず郵政公社が行っていらっしゃるこのボランティア預金支援制度、これを民営化後も引き続き制度として残していただけるのかということを一点、もう一つは、年齢制限をもし残される場合には、加えないとか加えるのか、この点についてお答えを簡潔にお願いいたします。
  123. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今御質問のありました国際ボランティア貯金という件につきましては、これは民営化法案においては廃止されることになっておりますのはもう御存じのとおりですが、これは御存じのように、民間の金融機関においても、いわゆる法律がなくても、現実問題として経営の判断によって同じようなサービスができるということになった、実施することは可能であるということになっておる理由がその背景の一つです。  これまでもかなりな方々がこの国際ボランティア貯金というものに参加をして預金をしていただいたおかげでこの種の事業ができ上がってきたということでもありますので、これは今日、直接公社に聞かれた方がよろしいんだと思いますが、お見えじゃありませんので、公社に言われても、それは、そのときの経営者はおれじゃない、二年後の経営者に聞けと多分いうのが正直な答えなんだと思いますが、少なくともこの種のものは他の民間金融機関でもできるようになっておりますので、これまでの実績もこれありでありますので、引き続きこの国際ボランティア貯金サービスというのは実施されるものだろうと正直なところ思っております。  それから、今、対象事業者について六十五歳、お話があっておりましたけれども、年齢によるいわゆる制限というものはないというように聞いております。
  124. 尾立源幸

    尾立源幸君 ありがとうございます。是非この制度を引き続き残していただくように努力をしていただきたいと思います。  それでは、社会・地域貢献基金について、また持ち株会社の株式売却益の取扱いについて、竹中大臣中心に質問をさせていただきたいと思います。  私も民間でずっと仕事をしておりましたもので、民営化のメリットと、最初に民間で会社ができるときはもうすべて民営化されているわけでございまして、そのときはやはり業務の効率化ということ、これは一番の念頭にございます。そして、今公社におかれましても、業務改善ということでJPS運動ですか、これを取り入れられて効率化に努めていらっしゃる。私もこの現場を見てまいりました。一方、それをやりながら、もう一つ大事なことは、不採算部門を切り捨てるということが、なるべく不採算部門を少なくしていくということが、これ民間の当たり前の行動原理でございます。これは異論が多分ないと思います。  そこで、今回の民営化法案、もう重々議論があるとは承知しておりますけれども、実はこの効率化の部分と不採算部門を残すということ、この相反するものを両方一遍に民間会社として残すということになっておりますけれども、この相反するものを残すことについてどのように竹中大臣はお考えでしょうか。
  125. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 御指摘のように、民営化、民間のダイナミックな経営を取り入れてほしいということの内容の主たる部分は、大変厳しいガバナンスの下で、効率化できるところはうんと効率化をして、そして顧客ニーズを重視しながら、住民に本当にいいサービスを提供していっていただきたい、それが正に民営化のメリットであろうかと思います。その意味では民営化のメリットというのは、今のようなメリットをもたらすことができるような経営の自由度を持つことであるということに私はなるのだと思います。  一方で、しかし、社会的に要請されております一種の公共性、社会的な役割というものが存在をしております。そこで、実は一つの手法として考えられて、また世界でもいろんな形で存在しているのが、今回御提案しているような郵便郵便局に関して言うような特殊会社であろうかと思います。特殊会社というのは、これはもうNTTしかり、当初のJRしかりでございますけれども、民営化のメリットを発揮してください、しかし公共的な役割はこの範囲でしっかりと枠組みを決めて果たしてください、それを両立させてくださいと、やはりそういう枠組みなのだと思います。両立のさせ方、いろいろあろうかと思いますけれども、私は正に今、日本郵政に求められているのはその両立であろうかと思います。  大変環境が厳しくなる中で、郵便金融も厳しい、その中でできるだけ民間のメリットを発揮をしていただきたい。しかし、要請されている社会的な役割があるから、それは法律できちっと担保して、必要な組織の枠組みもつくって、それでその社会的な機能を果たしていこうと、ある種その象徴がこの委員指摘の基金であろうかと思いますが。私は、ここはやはり、これはある種制約になるわけですけれども、会社から見ると制約にもなりますが、その中で、しかし効率的な経営、自由度のある経営をしていただきたいと思っております。
  126. 尾立源幸

    尾立源幸君 この社会・地域貢献基金という新しい仕組みを民営化会社にある意味で無理やり組み込むことで、何とかそのネットワークを維持するということをやられるわけでございますけれども、その仕組みはよく分かりますが、まずそういう意味では、本当の民営化のメリットというのは竹中大臣が最初目指していらっしゃるような方向ではないんではないかと、このように私はとらえております。  そこでお聞きしたいんですけれども、この社会貢献基金を積み立てる際に、これは有税でしょうか、無税でしょうか。当然、郵貯会社、保険会社、これの株式を売却してその売却益を積み立てていくわけですが、これにまあ配当もあると聞いておりますが、これは有税でしょうか、無税でしょうか。
  127. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 税の措置に関するお尋ねなのでそのことだけお答えさせていただきますが、この基金への積立てに関しましては非課税という特例措置は講じておりません。これは、持ち株会社の利益の一部を内部留保として自らの会社の中に積み立てるということ、これは他の民間企業とのイコールフッティングに反することとなると、考え方によるものでございまして、ここは非課税にはしておりません。  なお、持ち株会社郵便事業会社及び郵便局株式会社に交付する資金については、これは寄附金の額に含まれないように、すなわち損金算入することを認めるように、そのような措置を講じているところであります。
  128. 尾立源幸

    尾立源幸君 社会・地域貢献基金のこの使い道というのは、今おっしゃったように過疎地郵便局の維持ということと、もう一つは社会福祉目的の第三種、四種の郵便の維持ということでございますでしょうけれども、これは現在、これを単体で取り出せばそれぞれが赤字になっておるということでございます。  ですから、民間でやると、これは真っ先に整理の、統合の、効率化の対象となってくる部分なわけですけれども、それを今現在でも国がやる代わりに、郵政公社の中で得た利益の中で何とかやりくりをしているわけですよね。ある意味で国が政策的にこれをやりなさいということでやっていただいているものだと私は思います。そして、これが民間会社になったときには、当然それをやめたいというインセンティブが働くわけですよね。それならば、そこを何とかしてやってもらわなきゃいけないんでしたら、本来、国が政策的に税金を投入してこの事業は私はやるべきだと思うんですね、思います。  そこで、なぜそれなのに株式の売却益に対してまず税金を取っていって、四割ですよね、四割取っていって、残りのだけでやらせようとするのか。売却益に課税をすべきじゃないと私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
  129. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 委員問題意識といいますか御指摘は、一番最初に委員が言われたところからすべて来ているのだと思います。  これは今も、これは郵便というのはユニバーサルサービスの義務を負っております。ユニバーサルサービスの義務、これも非効率なところでもやりなさいという義務を負っているわけですね、一律にですね、これは郵便に関してでございますけれども。そういうことを行えるようにするために、多くの国でいわゆるリザーブエリアというようなのを設けている。実は、郵政はその中で今の様々な地域貢献、社会貢献を行っております。今の郵政は、今の郵政のその投下資本から上がるところの利益でもってそういった義務を果たしている仕組みになっているわけでございます。  今回は、そういったものについて、よりそれを明確化する形で、これも投下するわけですけれども、基金という形でそれを非常に分かりやすい形で取り出して、それをしっかりとした安全資産等々に投下して、そこでの利益でそうしたことをやってくださいという、そういう仕組みになっているわけですので、その意味では、今までもこの組織の中の利益でやってきましたと、今回もこの組織の中の利益でやっていただきます、しかし今回はそれを特別に基金として取り出して分かりやすくしますと、そのような仕組みだと私は理解をしております。  今回これは民間会社になるわけでございますので、その意味では、私はさっき、内部留保として自ら社内にというふうに申し上げたわけですけれども、そういうものでございますので、ここは通常のイコールフッティングという観点から課税をさせていただくというのが一応の結論になっております。  この制度設計の段階では、これまたいろんな議論政府の中でございました。そうした中で尾立委員のような御意見も当然あったし、それは理解できる点もあるわけでございますが、制度の全体設計の中で今のような形になっているわけでございます。
  130. 尾立源幸

    尾立源幸君 有税か無税かというところ議論分かれていると思います。まず無税でやるべきじゃないかというのが私の意見でございます。それはもう少し後の質問で絡んできますので、ここではこれ以上お話ししませんが。  もう一点教えていただきたいのは、今回、郵貯銀行、また郵貯保険会社、この株式を売却すると、試算でございますが、一応四兆円の売却益があるというふうに聞いております。その四〇%が税金でございますので、一兆六千億ですか、これが国庫に入るという勘定になりますが、もう一つ売却益が出てくるのがございます。これは、持ち株会社の方でございますが、これはどのぐらい見込んでいらっしゃるんですか。
  131. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 御承知のように、持ち株会社の株式のうち、常時三分の一以上を政府が持たなきゃいけないということでございますから、三分の二は売却できるということに相なります。  この売却額がどうなるかというのは、これは現時点において正確なことを申し上げるのは当然のことながら困難でございます。これは資産の切り分け、株式市場の動向、会社の業績、そして投資評価に絡んでまいりますので正確ではないんですが、その子会社たる四事業会社の企業価値の合計が持ち株会社の企業価値になると、これはまあ、理屈の上ではそういうことになるわけでございます。  で、国庫に入るとなると、その三分の二の売却収入ということになりますが、骨格経営試算におきます四事業会社の資本の額の合計、これ実は七・五兆円になります。その三分の二を単純に計算しますと、少なくとも五兆円程度というふうな数字は出てまいります。  しかし、これはあくまでそうした意味では簿価でございまして、骨格経営試算で示されている簿価でございますので、実際には種々の、先ほど申し上げた種々の要因によって決まってくるということに相なります。
  132. 尾立源幸

    尾立源幸君 これはちょっと通告しておりませんので、竹中大臣にお答えをいただければと思うんですけれども。  いずれにしても、この貯金会社、保険会社の株式を売却すると、想定でございますが一兆六千億税金が入ると。そして、この持ち株会社の方を売却すると、今五兆が売却益。これは、そのものストレートにもう入るわけですよね、五兆。とすると、六・六兆の巨額の資金が国庫に入ることになります。これ実はだれからお金が来るかというと、国民からですよね。国民に買っていただくわけですよね。  私は、当然この法案は否決されると思っておりますけれども、万が一これ通ったときに、この六・六兆が、前のNTT株を売却したときのように、産業特別投資会計ですか、こっちに流されて、無駄な公共工事や、また天下り先の確保とかに使われるのではないかと、こんな心配もしておるわけでございますけれども、竹中大臣、これに対してはどんなふうにお考えですか。
  133. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) これは、財務大臣にお答えいただく方がよいのかもしれませんが、ちょっと私、先ほどあの一・六兆円という数字がよく分からなかったんでございますが、これは法人税のことを言っておられるんでございましたら売却益に掛かる部分でございますので、簿価を超える部分ということで計算をしなければいけないのだと思っております。  で、この持ち株会社の方につきましては、これは国債整理特会の方に入るということがこれは決められておりますので、しっかりと財政の健全化に資するというような形に相なってまいります。
  134. 尾立源幸

    尾立源幸君 これまで見事に株式が上場できたという前提でお話をしてまいりましたわけでございますけれども、本当にスムーズに今言ったシナリオが実現できるのかという、こういうことも考えておかなければいけません。  竹中大臣は、先ほどの大塚委員お話しされたことに関連しますが、スーパーオプティミストというか楽観主義者でいらっしゃるようですが、私はどちらかというと非常に職業柄保守的でございまして、果たしてこんなにうまくみんな上場できるのかなと、こんな不安も持っておるわけでございます。  そこで確認をさせていただきますが、この郵貯銀行、また保険会社、例えば東証とかそういうところに上場されてキャピタルゲインを得られるのか、それとも未公開のままどこかに売られるのか、この辺はどんなお考えなんでしょうか。
  135. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) その株式の処分、売却の仕方にはもちろんいろんなやり方があるわけでございますが、これだけ大量の株、大きな額でございますので、これは当然、ここは企業努力をしていただいて上場していただくということを想定しております。
  136. 尾立源幸

    尾立源幸君 済みません、それともう一点、いつそれをおやりになる予定なんですか。
  137. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) まあこれは、委員は会計のプロでいらっしゃいますから御承知だと思いますが、これはなかなか今の時点で申し上げられるものではないと思っております。  これはしかし、段階的に株式を処分をしていくということを決めております。段階的に十年掛けて何回かにやっていくわけでございますから、当初のやはりそれなりの年次の中でしっかりと上場していただいて、そして売却を開始をしていただかなければいけないと思っておりますので、ここは経営者に是非しっかりと頑張っていただきたいと思っております。
  138. 尾立源幸

    尾立源幸君 完全売却という方向で、いったんは処分ということでやられるということでございますけれども、ちょっとこれまでの民営化をしていった例を拾ってみました。  NTT、最高売出し価格二百五十五万、昨日の終わり値四十九万七千円。そして、JR各社に至っては、七社に分割されましたけれども、そのうち三社が上場していると。辛うじて利益を売出し価格より出しているのはJR東海だけと、これも十年掛かって今そういう状況でございます。(発言する者あり)それで、十八年ですね、済みません、失礼しました、十八年。  私、疑い深い性格なんですけれども、この郵貯銀行や保険会社、持ち株会社、これを国民に売って、その後下がってしまうこともあるわけでございますよね。そしたら、結局、国民の財産を右から左、つまり民から官へ株式の売却益という形で持っていっただけになるんじゃないですか。そんな私は疑念を抱かざるを得ません。  すべてのこれまでの民営化をしていった会社が売出し価格よりもある意味で順調に値が上がっていく場合は、これは国民にとってもプラスになるわけですが、結局、国民の持っているお財布から、株式を買ってくださいということで買って、高いときに売却益を全部国庫に持っていく、又は売却価格を国庫に持っていく。その株を持った国民は、最終的には損を、含み損なりキャピタルロスを出してしまう。こういうふうに私は今までの過去の実例を見て思いますが、どうでしょうか。
  139. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) まあ株価でありますから、上がる場合もあれば下がる場合もあると、もう当然そういうことなんだと思います。  今までの例は、大きなところはやはりそのバブル期を挟んでおりましたので、そこでの評価というのがなかなか難しいものがあるのだと思います。これ、私自身大変、決して楽観主義者ではないつもりでございますけれども、今、毎年、毎年二兆円から四兆円ぐらいの日本の市場というのは日本株のオファーリングがあると聞いております。二兆円から四兆円、平均三兆円と考えると十年で三十兆円のマーケット。三十兆円のマーケットのところに先ほど、約、まあこれ銀行と保険で骨格経営試算で三・九兆円ぐらいですか、の簿価のものが売り出されるということでありますので、もちろんこれは大変な努力をしなければいけませんですけれども、とんでもない、消化できないというような額ではないというふうにマクロ的な背景から私は考えているところでございます。  そして、これは、国債は国民共通のこれ負債でございますので、これはまあそういうことも考え合わせますと、私はこれをしっかり国から民に持っていただくと。国が持っているということも、これは結局国民が持っているということと同じでございますから、その意味ではしっかりと良い、正に民間のガバナンスを発揮していただいて良い経営体にしていただいて、そして株式市場の中でも評価をされるものになっていっていただきたいと思っています。
  140. 尾立源幸

    尾立源幸君 もう一点、上場できない場合もあるかもしれないというお話もしましたけれども、もう一つは上場に手を掛けたんだけれども、始まったんだけれども、うまく最後まで売却、処分、至らなかったということも、これはいろいろあるわけでございますから、正に、そういうことも想定できると思います。  そうした場合に、正に今回の仕組みの中で一番大事な社会・地域貢献基金が、一兆円というのは確実にやってもらうと、二兆円まで積立て可能ということなわけですが、この目標に達しない場合はどうされるんですか。政府保証か何かが付くんですか。
  141. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) まず、本当にうまくいくのかという御心配尾立委員にいただいておりますけれども、これは大変困難な難しい道のりであると思います。しかし、そうであるからこそ十年間の移行期間を決めて、その間、郵政民営化推進本部が存在します。そして、郵政民営化委員会が存在します。そして、そこが三年ごとにしっかりとその状況についてのレビュー、見直しを行います。郵政民営化担当大臣というのは、私は今、初代ですけれども、この十年間必置でございまして、そのことを政府として全体しっかりと、十年間ですよ、見ていくという仕組みにしているわけでございます。そこの中でしっかりとした必要な見直しは行っていくということに相なります。  今の委員のその御質問に関しては、これはまあ、そういう今申し上げたような枠組みの中でこれは必要な措置を常に講じていくわけでございますので、いろんな問題が生じるわけでありますけれども、適宜対応していくということになろうかと思います。  私どもは、今申し上げたようなしっかりとした形での簿価、資本を持った形で議論がスタートいたしますし、株式の売却益はどのぐらいになるかもちろん分かりませんですけれども、簿価として三・九兆円のものを、株式を売り出して、そこから一兆円積み立てるわけでございますから、その積立ては十分に可能であるというふうに考えております。  また、配当も入るわけです。配当の合計額についてもこれは、配当の合計額についても、今数字を確認いたしますけれども、その株式売却額に匹敵するぐらいの額がありますので、そういう点も踏まえまして、その一兆円積み立てることが難しくなるということは想定をしておりません。
  142. 尾立源幸

    尾立源幸君 やっぱり楽観主義者だなと思いますけれども、だからこそ私が最初に申し上げましたように、皆さん、ネットワークが維持されないと困る困るという、これ、国民の声としてずっとやってきているわけですよね。聞いてきていらっしゃる。この社会・地域貢献基金がないと困るんだ。だったら、一兆円、二兆円積み上がるまで無税でやればいいじゃないですか。そこから、その先は、どうぞどうぞ取っていってくださいと、こういう考え方もあるんじゃないですか。
  143. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) この一兆円積むに当たっては、一定の規律ある配当の下で、規律ある配当の下で、したがって配当とその内部留保して積み立てるというバランスに十分注意をしながらしっかりと積み立てられるようになっていくと、そういう仕組みをこれは法律の中でもつくっております。  したがって、その間について特別に税をなくせという御指摘かと思いますが、これについては民間とのイコールフッティングからそのような立場は取っておりませんが、いずれにしても、売却益がある、配当収入がある、そして、先ほど申し上げませんでしたけれども、預金保険料相当額の交付金が持ち株会社には郵便貯金銀行から入ります。これ、ピーク、一番大きいときは六千億円相当でございますので、そういうことも踏まえますれば、一兆円の積立てというのは移行期間の間に十分に可能であろうというふうに考えております。
  144. 尾立源幸

    尾立源幸君 持ち株会社なわけでございますから別に民間とイコールフッティングにこだわることないんじゃないですか、何か事業をやっているわけではないわけですから。それよりも基金の確立の方が大事なわけじゃないですか。何も持ち株会社にイコールフッティングがそんなに求められるとは私は思わないんですね。まずその点は申し上げたいと思います。  それではもう一点、民営化後の資金の流れについてということでございますが、これは谷垣大臣にまずお聞きしたいと思います。  谷垣大臣にはいつも正直に正面から答えていただいておりまして、本当に敬意を表したいところでございますが、前回、七月の二十日の質疑において、資金の流れのことでございますが、谷垣大臣は、現実にはこれだけ国債があるので、民営化後の郵貯銀行や保険会社にも、ほかの民間の金融機関と同じようにある程度はやはり引き受けていただかざるを得ない状況は私はあると思いますと、そういうふうにお答えになっていただきました。  先ほどの大塚委員もそうでございます、そのとおりだと思います。あの図を見ても、その私は流れは変えられないんじゃないかというふうに思っております。そして、これは民営化後の郵貯銀行や保険会社は引き続き国債、国債を買うという理解を私はしたんですけれども、それでよろしいでしょうか。
  145. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 買うというのは、これはあくまで民営化になりました会社の経営者の判断でございますから、それが前提でございます。  それで、現在は、平成十九年度までは財投債という名の国債を引き受けていただいている、それから、過渡期は、旧勘定については安全資産で運用するようにとか、ある程度国債を買うということも義務付けるような形になっているわけですが、完全民営化した後は経営判断でございます。  ただ、今、六十年ルールの下で国債を発行しておりますから、これからできるだけ国債発行は少なくしていきたいわけでございますが、十数年後もまだ相当大量の国債を発行し続けざるを得ない状況はそんなに簡単に一朝一夕で変えられるわけではございませんので、現実の見通しとしては、ある程度そのときの金融マーケットの実勢を考えてみますと、ある程度引き受けていただくという姿は、それは残らざるを得ないだろうというふうに思っております。
  146. 尾立源幸

    尾立源幸君 今、谷垣大臣にいただいた答弁と、竹中大臣がおっしゃって、常々おっしゃっています、民営化によって資金の流れは官から民へ移っていくと、その結果、国民の貴重な貯蓄が経済のよりダイナミックな発展のために源泉として有効に使われるんだという御説明とは、私はちょっと違和感を持って聞いておるんですけれども、その点、一体どっちが本当なのか、ちょっと竹中大臣、ああごめんなさい、谷垣大臣
  147. 谷垣禎一

    国務大臣(谷垣禎一君) 竹中大臣とそう違うことを申し上げているわけではありませんで、やはり全体のマクロ経済の金の流れ、こういうものを考えていかなければならないのは事実でございます。  そのために、やはり小さくて効率的な政府をつくって、大量に国債を発行しないように、資金の最大の取り手が国であるというような状況を改める努力もなきゃいけませんし、それから、民間が貯蓄過剰になっておりますそういう状態を改めるためには、いろいろ規制緩和、そのほか民間の活性化というものも考えていかなきゃならないわけでございますが、そういう中で、今まで特に財投、資金運用部への全額預託義務というような形で民から官へ金を流す大きなパイプでありましたもの、これは大きな功績も発揮しましたけれども、形も改めて、全体で民から官へ流れていくような仕組みをつくろうと、こういうことで、官から民へ流れていくその仕組みをつくろうと、こういうことだと理解しております。
  148. 尾立源幸

    尾立源幸君 ありがとうございました。  見えざる国民負担についてはまた別の機会があればと思います。  ありがとうございます。
  149. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) ちょっと一点、よろしゅうございますか。ちょっと済みません。申し訳ありません。  先ほど預金保険料の交付額六千億円と申し上げましたが、これは一定想定内での十年間の合計でございますので、きっちりと申し上げたいと思います。失礼しました。
  150. 櫻井充

    ○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。  今日は、前回どうも議論がかみ合わなかった、まず最初に中央省庁改革基本法三十三条の解釈について、まずこの点について議論をさせていただきたいと思います。  冒頭、官房長官から御答弁いただきたいと思います。よろしくお願いします。
  151. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 私の方で取りまとめましたので、答弁させていただきます。  七月二十五日のこの特別委員会におきまして、私が、櫻井委員の御質問に対しまして、法の名前は省略しますが、三十三条一項各号の規定の理念が日本郵政公社法に盛り込まれている旨答弁申し上げました。中央省庁等改革基本法三十三条一項各号の規定は、郵政事業について国営の新たな公社を設立するために必要な措置を講ずる際の方針として規定されているものでありまして、日本郵政公社法等関係法律でそれら方針がすべて実現され現在に至っているという意味において、同項各号の規定の理念は日本郵政公社法等、これは労働関係法等も含めますが、関係法律に盛り込まれているという趣旨でありまして、同項各号の規定が現在においても効力を有しているという趣旨ではありません。  したがって、理念という言葉と条文という言葉がやや混同されてやり取りがありましたが、この条文という意味では、しっかりとそういう趣旨であるということを申し上げたいと思います。  これまで繰り返し御答弁申し上げておりますが、その三十三条一項各号の規定日本郵政公社が発足したことによってその法規範としての役割を終えていることから、中央省庁等改革基本法を改正することなく郵政民営化関連法案を提出し、日本郵政公社法等関係法律に盛り込まれた事項の改廃を国会にお諮りすることは問題ないと考えております。
  152. 櫻井充

    ○櫻井充君 改めてお伺いいたしますが、そうすると、条文、よく分かんないんですが、条文自体は効力を失っているということで、そういう理解でよろしいんでしょうか。
  153. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) この条文、条項自体は、新しい郵政公社法とそれから関連する労働関係の八号がございますが、関係の法改正によって実現をされ、それによって使命を終えたと、こういうことでございます。
  154. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、ちょっとここは大事なことなんですけど、その三十三条のところは、条文、僕はよく分かんないんですよ、要するに。  普通は法律って、じゃ、一般論からちょっとお伺いしたいと思いますけど、一般法律というのは条文がありますよね、当たり前のことだと思います。例えば、日本郵政公社法なら日本郵政公社法というのがあります。この法律は、特殊法人ですから特別な法律が必要であって、法律が作られています。そうすると、その条文というものそのもの自体にまず効力が当たり前ですけどあって、そしてそこの考え方に基づいて今度は日本郵政公社が運営されているということになりますから、一般的な法律は、こういうような一般的な法律の条文は、条文そのものが効力があると。そして、しかも考え方はそれに従っていくということでよろしいんでしょうか。
  155. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 普通の法令ですね、特に権利義務を創設する規定を有するような法令においては、その条文が存在する限り、そのような権利や義務や法律的効果を有すると私も考えております。  ただ、これは行政改革のための基本法でありますから、当時、国会で大議論をいただきまして、省庁再編やら、あるいはこの郵政の問題を含めて、このような方針で臨むぞという言わば宣言のための基本法であります。その宣言のための基本法でありますから、そのとおりに実現したものもあり、そのとおり実現しなかったものも、今から見ると、平成十年を振り返ってみますと、条文、例えば省の名前が違っておったり、省の所管のものが少し、もう変えたとか、そういうこともあるわけですが、この条項につきましても、この考え方に基づいて議論国会での御議論をいただいて公社法が成立し、関係労働法が八号に従って成立した段階で、宣言的にこういう行革をやるんだという法令の使命はこれで達成されたと、こう思っております。
  156. 櫻井充

    ○櫻井充君 要するに、要するに今のをもう一度まとめますと、日本郵政公社法の条文は、当たり前ですけれども、これは効力があると。ところが、中央省庁改革基本法の三十三条のところは、これは言わば時限立法であると。つまり、そういう解釈ですよね。つまり、これが、例えば公社なら今効力がなくなっているということは、ある種時限立法と考えないとちょっと話は合わないのかなと。もし、それでいいのかどうか、そこをちょっと確認しておきたいんですが、時限立法で、立法というか、それは例えば民営化、この郵政民営化法案の中にも平成何年までというふうに文言区切っているものがあります。ですから、これは何年何月までということではありませんが、例えば日本郵政公社法が成立したときなのか、日本郵政公社法が施行されたときなのかよく分かりませんけど、そこのところまでの言わば時限立法と同じ扱いだという考えでよろしいんですか。
  157. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 時限立法といいますと、何か何年何月何日までというふうに見えますけれども、そういうことではなくて、この基本法の方向に沿って民営化していない郵政公社、現に、現にあるわけでございますが、それを法案として提出し、そして国会で御審議をいただいて成立し、それが実効あるものになったときにこの条文は役割を終えたと。同じく労働関係法もそうであり、この条文もそうであると、こういうふうに考えております。
  158. 櫻井充

    ○櫻井充君 済みません。要するに、じゃ今のは、今のは、結局、今公社として動き始めていますから、そうすると少なくとももう現時点においては、現時点においてはその効力がなくなっているということで、それでよろしいんですか。一応御答弁いただきます。
  159. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) そのように考えておりまして、ただ、この法、条文の考え方は今の公社法と今の労働関係法の中に生きておると。今回お願いしているのは、それを更に改革して民営化をお願いしていると、こういうことでございます。
  160. 櫻井充

    ○櫻井充君 そうすると、まあ六法全書に載っているものを見れば、我々はまだその条文も実際は効力があるんじゃないかなと、そう思ってしまうわけですよ。それはそういうものですよね、六法全書開いたら載っているわけです。  でも、今のお話ですと、結果的にはもう役割終えているということは削除しても構わないと、そういう考え方に立っちゃうわけなんですか。
  161. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 平成十年の、橋本内閣だと思いますが、この行革法は非常に広範な省庁再編やら新しい考え方を盛り込んでおりまして、普通は各個別の法律を直せば足りる、設置法を直そうとかいろんなことをやれば足りるということで法律ができない場合もあるんでございますが、特に重要なこの行政改革であるから、これを基本法という形で国会にお諮りして、それで基本方針を国会でも御承認いただこうと、こういう趣旨で法案が審議され、それが通過したものでありまして、したがってこれは基本法として着々とその後その方針に従って一つ一つの行革が実現してきたもの、あるいはその後変わっていったものが時代の変遷とともにあると、こういうふうにお考えいただきたいと思いますが、この条文をそれじゃ基本からやめてしまえというだけの法律かといえば、これは行革の基本法としての一つの当時の考え方で法律となっておりますので廃止をする必要はないと、こう思っております。
  162. 櫻井充

    ○櫻井充君 まあ廃止をする必要がなくても、これはここから大事なことなんですけど、廃止をする必要性がなくても、ここの、同項各号の規定は現在において効力を発揮していないということは、条文そのものが、別に条文そのものがもう全く文章として意味を成していないということになるわけですよね。それはそれでいいんですか。
  163. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) しかし、この条文があったために郵政公社法というものを、膨大な法律を作り、民営化でない公社としての組織をつくり上げ、その法案をお諮りし、その労働の在り方がこうであるということが実現したのでありますから、この条文は極めて重要な条文であったことは事実でございます。  しかし、その重要さと、それで実現したことによる使命がそこで終了したということ、そしてそれによって新たに出てきた公社なり今の労働関係法なり、あるいは新しい組織が今後どのように改革し、統合し、民営化すべきかという問題は、新たな問題として今、次々に国会でも御議論をいただいていると、こういうことでございます。
  164. 櫻井充

    ○櫻井充君 ちょっと済みません。これ頭の中の整理のためにお伺いしているんですが、要するに、条文のところの、条文自体のもう効力はないんですね。現在はもうないんですね。現在は条文の効力はないんですね。まず、それだけ、じゃ、はっきりしておきましょう。どうですか。
  165. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 役割を終えておると、したがってそれを言い換えれば、この条文自身に現在の意味があるかと言われれば、それは役割を終了しておるということでございます。
  166. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや、要するに、官房長官の、官房長官の御答弁で、同項各号の規定が現在においても効力を有している趣旨ではないということの私は確認をしているところです。いいでしょうか。  ですから、ここは、条文は、条文はもうこの効力は有していない、条文はですね、条文は効力を、現在はです。つまりは、何回も申し上げますが、公社法ができ上がったと、そこで役割が終わったから条文は現時点においては全く効力を有していないということでよろしいんですね。
  167. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) まあ、厳密に言うと、多少いろんな表現はあると思いますが、効力は有していないと言っていいと思います。つまり、この条文の目的は達成されて終了をしたと。しかし、それは非常に意味のある条文であったわけでございます。正にこの線に沿って実現をしておるわけでございますから、はい。
  168. 櫻井充

    ○櫻井充君 もう一度確認させていただきますが、そうすると、達成したとか達成しないというのはどこで判断するんですか。つまりは、公社法が成立した、これからまたいろんな議論が出てきますからここは一つ一つ詰めておかないといけないことだと思うんですが、公社法が成立した時点なんでしょうか、それとも公社法が施行された時点で役割を終えたということになるんでしょうか。
  169. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 通常考えますと、新たなこの条項に基づく新しい公社なり新しい労働規定が発効したとき、すなわち、法案でいえば、法律が成立して両院の議決を得てそれが実行に移された、実施されたときだと考えております。
  170. 櫻井充

    ○櫻井充君 それで、まあ分かりました。  要するに、まとめますと、まとめますと、一般的な法律、例えば日本郵政公社法の場合には各条各項に、条文に効力があると。そして、ところが、基本法は発効された時点で役割を終えているので、条文、条文というものはもう今や効力を有していないということですね。そして、考え方は日本郵政公社法の中に盛り込まれているという整理、それが政府の考え方でしょうか。
  171. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) そのとおりでございます。  ほかにも、この条文の中にございますのでよく御存じのように、食糧庁を農林水産省に置くというような条文がありますね。これについても、その後の国会の御議論で食糧庁は必要ないじゃないかということで改革が行われておりますが、条文はそのままになっておりますし、公正取引委員会は総務省に置くと言われておりましたが、総務省に置くのもどうもよくないぞと、いろんな御議論ありましたけど、そこで内閣に置くことにしたというような変化がございますが、これも条文をいじっておりません。
  172. 櫻井充

    ○櫻井充君 私は、私の解釈をまず申し上げておきますが、日本郵政公社というのは特殊法人ですから、特別な法律をまず作らなければいけないと。ですから、特別な法律を、ここに書いてあるような、「設立するために必要な措置を講ずるものとする。」とありますが、これはどういうことかというと、その法律そのもの自体をまず設立しなければ郵政公社ができ上がらないから、法律を作りなさいということなんですね。一般的な基本法というのは個別法の上にありますから、この考え方も、この条文も本来は効力があって、そしてその下に個別法が出てくるというのが、これは私の考え方です。  ちょっと大臣大臣、官房長官、いいでしょうか。ここは極めて大事なところです。ですが、官房長官の御答弁は若干違っていたと、私の、今のは私の解釈で、政府の解釈とそこが違っています。  そこで、一つお伺いしたいんですが、日本郵政公社法の第一条、「目的」がございます。日本郵政公社は、中央省庁等改革基本法三十三条第一項に規定する国営の新たな公社としてと書いてございます。条文がここに引かれています。条文がここに引かれていて、先ほど郵政公社法の条文は効力があると、そのように御答弁いただきました。ということは、ここに書かれている、三十三条一項と書いてあるわけですから、これも当然のことながら効力を有する、条文が生きていかなければおかしな話になります。
  173. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 基本法は行革の基本方針、組織の在り方を全般的に定めておるわけですから、方針を定めておるわけですから、それに基づいて出てきております法律公社法でございますので、当然、この基本的な方針に従ってこの公社をつくるという法案国会でも御審議いただいたのは当然のことでございます。  しかし、この法律が審議を受けて、そして両院を通って、そして公布、施行された瞬間にこの三十三条の目的は終了するわけでございますから、そのことを申しておるわけでございます。
  174. 櫻井充

    ○櫻井充君 駄目です、駄目です。  いいでしょうか、私が申し上げたのは、法律の条文は生きていますねということを何回も確認しました。郵政公社法の条文は、今、効力があると、一条一条効力があるとおっしゃった。ですから、ここに書いてある、三十三条一項に規定しと書いてあるんです。つまりは、ここの条文も効力があるんですよ。ここの条文も効力があることになります。そうなってくると、先ほどの三十三条の条文の効力がないという御答弁は全く違うことになると思いますが、いかがですか。
  175. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) そこは、効力という言葉をお使いになる、あるいは前回も理念という言葉をお使いになるわけですが、厳密に申しますと、この条文に基づいてこの郵政公社をつくったわけでございますから、基づいてつくるということは事実でございます。そして、元の法律が現行法として全然ないのかというと、これはあるんでございます、もちろん。これは抹消しておりませんからね、現行法でございます。しかし、この三十三条一項は目的を達成して、この役割を終了したと、こういうふうに考えておるということでございます。
  176. 櫻井充

    ○櫻井充君 答弁になっていない、なっていない。答弁になっていないよ、なっていない。それから、効力という言葉は僕が使ったんじゃない。これはここに、こっちに使ったんだ。全然違いますよ。(発言する者あり)
  177. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) ちょっと止めてください。    〔速記中止〕
  178. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
  179. 阪田雅裕

    政府特別補佐人(阪田雅裕君) 今、官房長官がおっしゃっている効力がないというのは、法規範としてその役割を終えているという意味で、もちろん法律の形として形式的にこれが残っていないかというと、廃止という手続を取っていないわけですから、形としては残っているということでありますが、効力はないということであります。我々はよく実効性喪失と言っておりますが、例えば司法制度改革の基本法、それから地方分権の推進基本法、いずれもそういうこと。  それで、委員は基本法と個別法だというふうにとらえておられるというふうに受け止めましたけれども、これはちょっと適用する場面が違う。こっちの基本法というのは、改革、中央省庁の再編をする、あるいは郵政公社をつくる、定員を削減するというような省庁改革を行うという行為を縛る規範であり、それから各省の組織法というのは、委員おっしゃっている個別法、これはこういう組織で行政をやっていくという組織のありようを決めている。そういう意味での個別組織法の基本法に相当するものは国家行政組織法あるいは内閣府設置法であろうと、あるいは内閣法であるというふうに思っております。  今御指摘の、郵政公社法第一条に、目的規定の中に中央省庁改革基本法を引いておるではないかということでありますけれども、これは日本郵政公社法を御審議いただくとき、これを御提案申し上げるときには正にこの中央省庁等改革基本法三十三条が機能しておりましたわけですから、正にこの精神にのっとって、この考え方、この方針に基づいてこの日本郵政公社法ほか関連の法案を御提案申し上げているんだと、つくるのだということを明らかにする趣旨で書いたものであります。その後、特に中央省庁等改革基本法が廃止されたということではないものですから、このまま今こういう形の規定を維持しているということであります。今回、これを併せてもちろん廃止をするという御提案を申し上げているということであります。
  180. 櫻井充

    ○櫻井充君 私が先ほどお伺いしたのは、条文、条文は効力があると、そういうふうにおっしゃったから、だから私は、ここの三十三条一項というところが引いてあって、この条文も生きていますねということを何回も確認しています。今のは答弁になっておりませんので、これ以上今日は審議できません。
  181. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) 速記止めてください。    〔速記中止〕
  182. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
  183. 櫻井充

    ○櫻井充君 それでは、官房長官にお伺いいたしますが、官房長官が先ほど御答弁されました、日本郵政公社法の条文には効力があると。そういう、その日本郵政公社法に関して条文に効力があるというふうに御答弁されました。その意味はどういう意味なんでしょうか。
  184. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) ちょっとそういう表現ではなかったかと思いますが、郵政公社法において基本法を引いているということは事実でございますね。つまり、この条文に従って郵政公社法は国会に提出され、審議を受けたわけでございますから。そしてかつ、そのことについては、この郵政公社法の答弁に関して細かく申しませんが、小泉総理の答弁、片山総務大臣の答弁、そして内閣法制局長官の答弁でもはっきりと、三十三条については政府としてはこのように考えておりますと、同じ、今私が、繰り返しませんが、述べております。  それから、行革基本法は全部死んでいるのかというと、そうじゃございませんで、例えば十分の一に公務員を減らすとか、まだまだ動いている条文がたくさんあります。しかし、目的を達成して、この公社の条文のように公社法が堂々とできて、四年後にできて、そして立派に動いている、この公社としてですね。そして、その労働関係法も動いている法律もあると。そういう意味では、現行法でございますが、その条文についてはそこで役割を終えているのであって、その条項が今も何かを制約しているというわけではないと、こういうことでございます。
  185. 櫻井充

    ○櫻井充君 先ほど御答弁いただいたときに私はきちんと何回も申し上げました、日本郵政公社法の条文は効力がございますねと。そのときに、そのときに官房長官はそうだとおっしゃいました。ですから、私が申し上げたい、お伺いしたいのは、その条文に効力があると、先ほどおっしゃったその条文に効力があるという意味はどういう意味なのか、そのことでございます。
  186. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) じゃ逆に、御質問になったのは、一条にですね、基本法と書いてあるが、これはどうなんじゃと、そのお話ですね。それ以外は全部公社法は今生きて、現に公社総裁がおられて組織が動いているんですから、当然有効ですわな。
  187. 櫻井充

    ○櫻井充君 条文全部の話です。
  188. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 条文全部とは。
  189. 櫻井充

    ○櫻井充君 先ほどの。
  190. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 三十三条のことですか。
  191. 櫻井充

    ○櫻井充君 いや違います。じゃ、もう一度繰り返しますが……
  192. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) いや、この公社法の条文は生きておりますよ。今現に公社は動いているんですから。それは、それは当然、それは生きておるわけですよ。ただ、一条で引いておるのは、その根拠となる、今回の公社化するに当たって、その平成十四年の、公社化するに当たっての基になる基本法を引いておるということでございます。
  193. 櫻井充

    ○櫻井充君 三十三条が、その効力があるかないかというのは、それは別な判断なんです。我々は効力があると主張しているわけであって、効力がないとおっしゃっているのは、それは政府関係者だけ。ですから、そういうことを申し上げたいのではありません。法律の条文の解釈を私はお伺いしているんです。  つまりは、ここに、先ほど条文に効力があるとおっしゃったんですから、目的ところのこの条文も当然効力がなければおかしいんじゃないですかと、私はそのことについて、そのことをお伺いしているんです。
  194. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 私が効力があると言った中身は、この日本郵政公社は中央省庁等改革基本法第三十三条一項に規定する国営の新たな公社としてという、そのことを言っておるわけでございますから、それは当然効力があるというわけでございます。
  195. 櫻井充

    ○櫻井充君 条文に効力があるんですよ。条文に先ほど効力があると、そうおっしゃっているじゃないですか。条文に効力があるということは、ここに一つ一つの意味があって、三十三条一項の規定規定に、一項に規定すると書いてあるわけですから、これも当然、これは条文として効力があるということになりますよね。
  196. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) 基本法の方針に基づいてこの法案を提出し、法律として案を作った、それを国会で御審議いただいたという意味でございますので、その基礎となる、考え方の基礎、考え方の基礎がこの基本法であるという意味でございますので、これが実現をしたんでございますから、三十三条一項に基づいて。そこからは違うのかもしれませんよ、そのおっしゃることはどうもそこからが違うとおっしゃっていますが、これに基づいて堂々とこの三十三条に規定しているのは全部実現したんでございますから、そこで役割を終えたと言っておるわけでございます。
  197. 櫻井充

    ○櫻井充君 ここは極めて大事なところでして、要するに、ここは民営化しないということを含んでいるわけですから、そのことを取消しをしないで出してきているこの法律が我々は法律違反じゃないのかと思っているから何回も聞いているわけですね。  ここのところは、もう一度申し上げますが、先ほど、日本郵政公社法に対して条文は、条文はですよ、条文は効力があるというふうにおっしゃっているわけです。条文に効力があるとおっしゃっておきながら、今になって三十三条の一項は役割を終えたということはおかしいんじゃないですか。ここの、要するに、我々が例えば法律を読むときに、じゃどうするのかといえば、法律を読むときには、三十三条一項に規定すると書いてあるから、当然三十三条一項を見ることになります。そして、そこに三十三条一項のものが全部書かれていますから、そのものを見て、なるほどこういう考え方の中で法律が成り立っているんだということになりますから、当然その条文を見て、そしてその条文を引いて、そして行くわけですから、当然のことながら、ここに条文が引かれているんですから、条文そのもの自体が、そのもの自体が効力がなければおかしいんじゃないですか。
  198. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) この郵政公社法というものが中央省庁等改革基本法の規定に基づいてしっかりと法案化されているかどうか、そのことが一番問題でありますから、この基になる法律を誠実に忠実に法律として作っているかどうかということがこの一条の基づきのことで、内容でございまして、そのことによってこの三十三条は役割を終えた、つまり完全にこれを日本郵政公社法あるいは関連労働法規において実現した段階で目的は達成したと、こういうことを何遍も申し上げているわけでございます。
  199. 櫻井充

    ○櫻井充君 何回も申し上げますが、これは、先ほどから条文は、条文は効力があるっておっしゃっているんですよ。だから、条文に効力があるんだったら、三十三条一項に、ここに書いてある条文だって効力があるんじゃないですか。だから、だからそういうふうに申し上げているんですよ。
  200. 細田博之

    国務大臣(細田博之君) いや、正に公社法が現在このように運営されているという意味では目的を達成していますね。
  201. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  202. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) 速記を、速記を起こしてください。
  203. 櫻井充

    ○櫻井充君 留保させていただきたいと思います。
  204. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) ちょっとお待ちください、答弁いいですか。
  205. 櫻井充

    ○櫻井充君 要らないです。要らないです。もう言いましたから。
  206. 西田実仁

    西田仁君 公明党の西田実仁でございます。どうかよろしくお願いいたします。  私はまず始めに、今日は四点ほど大きくお聞きしたいと思っておりますが、一番目は民営化委員会の位置付けにつきまして竹中大臣中心にお伺いしたいと思っております。その趣旨は、だれが最終的にこの民営化責任を取っていくのかということに尽きるんだろうというふうに思います。  実は私、今回二回目の質問をさせていただくわけでございますけれども、前回私の方で竹中大臣に御質問させていただいたときに、特にこの民営化後の郵貯あるいは簡保のこの新事業展開、貸付け等の拡大等につきまして質問をさせていただきました。その際、竹中大臣から民営化委員会の位置付けについてこのような御答弁をいただきました。「行政の判断が有識者の中立的、専門的意見を踏まえたものになるようにこの民営化委員会というのが設置されるわけでございます。」と、こういうふうに御答弁いただきました。これが民営化委員会の位置付けだと思います。  さらに、質問させていただいたときには、この民営化委員会意見を述べるに当たりましては、立法府の意見を聴取するということは制度的には義務付けられておりませんけれども、民営化委員会意見を集約するに当たりまして、各委員は判断するに当たって勘案すべき様々な事情を勘案する。当然その中には、国民代表から成る立法府における御意見を始め国民各層の様々な意見を踏まえてと、このような御答弁をなさったわけでございます。  私は、率直にこの御答弁をお聞きしまして思ったことは、民営化後の運営を、専門的、中立的な意見を踏まえたというものを行政の判断にゆだねる、もっと言えば官にゆだねていくという考え方にならないのかどうか、今回の郵政民営化のそもそものねらいが官から民へというキャッチフレーズに表れているとすれば、民営化委員会の踏まえた民営化の姿ということについて、すべて官にゆだねることになってしまうんではないかと、これでは官から民へという目的も達成できないんではないか、このような心配もするわけでございますけれども、まず、この民営化委員会の位置付け、また立法府のそこへのかかわりということにつきまして、概括的にお話を賜りたいと思います。
  207. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 郵政民営化、大変大きな改革でございますので、それぞれがそれぞれの責任を果たしながらしっかりとこれを実現していくということが必要でございます。経営者は当然経営者としての責任を果たしていただかなければならないわけでありますけれども、制度設計、そして必要な場合はそれを微修正していくというようなその責任は、やはりその制度の枠組みをつくるということでございますから、これは広い意味での政府の中にあくまでもあるわけでございます。  そうした中で、郵政民営化委員会というのは、これは今、私の過日の答弁お読みいただきましたけれども、行政の判断が有識者の中立的、専門的意見を踏まえたものになるよう設立されるもので、もうそのとおりでございます。  具体的に何をやるかといいますと、主務大臣が新たな業務等々を認可する際に意見を述べること、これ重要な役割でございます。さらには、三年ごとにこの郵政民営化の進捗状況について総合的な見直しを行いまして、その結果に基づき本部長意見を述べると、大変重要な役割が付与されております。  これは、正に郵政民営化法上、国は、この法に定める民営化の基本理念にのっとって、郵政民営化に関する施策を確実かつ円滑に実施する責務を有する、国はそういう責務を有する、国の責務というのがこの法律の中に明記をされております。  この委員会は、国の機関として設けられます。また、民営化推進するためのこの推進本部の下で、その下で活動するということになります。そうした観点から、この郵政民営化が基本理念、方向に即して活動を行うという、その枠組みがきっちりとはめられているわけでございます。  それともう一つ重要な点は、三年ごと意見見直しに当たっての意見を述べるわけでございますけれども、その内容国会報告するという仕組みをきちんとつくっております。これも前回の西田委員に対する御答弁の中で申し上げましたけれども、国民代表から成る立法府における御議論を始め国民各層の様々な意見を専門家の立場から言っていただくことになるということ、そして専門的な知見を生かして意見を述べるというような仕組みでございます。  今申し上げましたように、広い意味で国として責任を負っている、それを推進本部、そして民営化委員会、それぞれがしっかりとした役割を果たしていく、そして国会報告もする、その過程で国会の御意見もしっかりと聞かせていただくと、そのような仕組みにしております。
  208. 西田実仁

    西田仁君 最近、この政府税制調査会から出されました今後の税制に関する論点整理がございまして、これまあ大変話題になったわけでございますが、最終的にはもちろんこの税というものは政治が決めていくということになろうかと思いますけれども、整理にすぎないにもかかわらず、今度サラリーマン増税だみたいな、キャッチフレーズ的にですね、非常にそれが独り歩きしていると、こういうふうに、そういう嫌いがあると思います。この政府税調につきましては、必ずしも私は全面的にそう思っているわけじゃございませんけれども、一般国民の間では、この政府税調の役割が結果的に財務省の言いなりになっているんではないかというふうに見る方も、批判的に見る方もいらっしゃると。  これは、今回の郵政民営化に関しまして、民営化委員会がそのように国民にもしとらえられてしまっては、これはやはり信頼が欠けてしまうということを大変に懸念しております。まあ、この政府に関する委員会あるいは諮問会議等いろいろございますけれども、それに対する信頼度ということだと思いますが、この民営化、大変に重要に、これだけ立法府におきまして議論をされている、こういうことを踏まえますと、この民営化委員会は大変に重要な役割を果たしている、そして、そこに立法府がやっぱりより多くかかわっていくということが私は責任として大事だと思います。  ところで、そこの郵政民営化法案、先ほど国会報告しなければならないという郵政民営化法案の第十一条第二項を御紹介いただきました。ここにおきましては、「郵政民営化委員会が第十九条第一項第一号又は第百六十一条第五項の規定による意見を述べたときは、その内容国会報告しなければならない。」というふうに記されているわけでありますが、この第十九条第一項というのは大変に幅広うございまして、具体的に、三年ごとに経営状況の見直しをして報告をすると、総合的に検証すると、あるいは進捗状況を総合的に検証して報告すると、こういうことになっているわけでございますけれども、具体的に、では国会に何を、どういう項目を報告するのか、またその項目をだれが一体決定するのかということについて、現時点でもしお分かりのことがあれば教えていただきたいと思います。
  209. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今委員は第十九条を御紹介いただきました。第二節に、その郵政民営化委員会を設置して、所掌事務は何であるかということを幅広く述べているわけでございますが、そこで何をやるかということに関しては、これ第一項に次のように書いてございます。「三年ごとに、承継会社の経営状況及び国際金融市場の動向その他内外の社会経済情勢の変化を勘案しつつ、郵政民営化の進捗状況について総合的な見直しを行い、その結果に基づき、本部長意見を述べること。」というふうにさせていただいております。  我々の思いは、これ是非総合的にやっていただきたいということでございます。幅広く見ていただきたいということでございます。幅広くというふうに書くと、今度はじゃ具体的に何か見えにくいなと、分かりにくいというような御批判もあろうかもしれませんが、今ここに書いてございますように、経営の状況もあるし、マーケット、世界の金融の市場、常識もありますし、それと、その他の経済状況もありますから、そういうことを見越して、そういうことを踏まえて進捗状況について是非見ていただきたいというふうに思っております。  それに関連して、大変重要なことがもう一点ございまして、それは、政府与党合意の中で、三年ごと見直しの中に、これは特に具体的に記述する形で、この見直しの対象には必ず設置基準に基づく郵便局の設置状況を入れる。これは、要するに、郵便局が本当に設置されるのか、多くの方が御心配だから、それを必ず入れる。また、基金の活用等による金融・保険サービスの提供状況も含める。やはり金融サービスがちゃんとなされているのか、これについても大変御関心がございますから、それでその状況を含めるということを特に政府与党合意の中で特記しておりますので、こうしたことについては必ず含めると。  かつ、その時々に合わせて、今申し上げたような総合的な立場で幅広く是非意見を述べていただきたい。そして、それを遅滞なく国会に御報告をいただきたいというふうに思っております。
  210. 西田実仁

    西田仁君 この国会報告が義務付けられている、今おっしゃったとおりでございまして、第十九条第一項第一号又は第百六十一条第五項の規定ということになるわけでございますが、同じこの第十九条第一項第二号におきましてはいわゆる通知の受理、あるいは意見の陳述事項も併せて第二項に記されているわけでございますけれども、こうした民営化委員会に付与されました権限につきまして、今申し上げた、通知の受理して、必要があれば意見を述べるというのが通知の受理という意味だというふうに理解しております。また、意見の陳述は、必ず意見を述べなければならない事項であるということだと思いますが。  こうした通知の受理や意見の陳述ということについて、民営化委員会にはその意見を述べる権限というものが付与されているわけでございますけれども、この民営化委員会に付与されている権限を行使した場合のチェックにつきましては、これは国会はどのようにかかわってくるんでしょう、立法府はどういうふうにかかわっていくんでしょうか。
  211. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) お尋ねは、民営化委員会の権限についてのチェックということであろうかと思います。  この民営化委員会、経営の自由度を拡大してもらいたい、しかし民間とのイコールフッティングに注意しなければいけない、その両面のバランスを取りながら進められますよう、また、行政の判断が有識者の中立的、専門的意見を踏まえたものになるように設置をされるわけでございます。  大変重要な役割を果たすだけに、そこのプロセスをできるだけ透明化して、委員心配のように、そのチェックのやはり仕組みが必要だろうというふうに我々も考えております。  この郵政民営化委員会が、三年ごと見直しに当たっての意見又はもう一つ、承継計画主務大臣認可するに当たってもこれ意見を述べるわけでございますけれども、これは国会報告をして、そこの中身について国会に御報告する形で明らかにするということも一つのチェック機能であろうかというふうに思います。  また、民営化委、さらにその民営化委員会に関しましては、民営化委員会は、この法律に、規定により意見を述べたときは、遅滞なく、その内容を公表しなければならないというふうに定めておりまして、民営化委員会の活動がオープンになるように、そのような定めもこの同条の第二項で定めているところでございます。
  212. 西田実仁

    西田仁君 さらに、この郵政民営化法案の第二十五条におきましては、民営化委員会は、郵便貯金銀行及び郵便保険会社代表者に対して、資料の提出あるいは意見の表明、説明、その他必要な協力を求めることができると、こういうできる規定がされているわけでございますが、これは既に一応もう民営化された形になっている、移行期間といえどもですね、なっている郵便貯金銀行あるいは郵便保険会社は、こうした必要な協力を求められたときに、断るということができるんでありましょうか。断った場合の罰則はありますでしょうか。
  213. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 郵政民営化法の御指摘のように二十五条におきまして、民営化委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときには、郵便貯金銀行及び郵便保険会社代表者に対して、資料の提出、意見の表明、説明、その他必要な協力を求めることができるというふうに規定をしております。これは、当然のことながら、いろんなことをある程度調査して意見を言わなきゃいけないわけですから、その意味で資料の提出等々協力は不可欠なわけでございます。  この協力について、罰則で担保するという措置はとっていないんでございますけれども、公社承継する各会社は、郵政民営化に関する施策が確実かつ円滑に実施されるよう必要な取組を行う責務を有しているところでございます。これは、民営化法の第三条にその責務を有するというふうに規定されている。そうしたことから、この貯金銀行、保険会社代表者は、協力を拒む合理的な理由がない限り郵政民営化委員会の必要な協力を行うというふうに考えられます。  さらに、もう少し踏み込んで申し上げますと、仮にその合理的な理由がないにもかかわらず郵便貯金銀行の代表者がこの必要な協力を拒否する場合には、これは郵政民営化法の規定に違反することになるわけでございます。  銀行法の第二十七条、保険会社については保険業法の百三十二条で、銀行、保険会社が法令等に違反したときには、内閣総理大臣は当該銀行や保険会社に対して業務の停止等の処分をすることができる旨を規定している。で、民営化委員会郵政民営化推進本部に状況を報告し、処分の発動等必要な措置をとることを要請することになる。  これは、要するに銀行と保険会社でありますから、ちゃんと、民営化法でちゃんと法律を守れというふうに書いているのに、協力しなかった、法律を守らなかった場合は、これは明らかにコンプライアンスに違反したことになります。そうした観点から、銀行法、保険業法に基づいて、政府はしかるべき対応を取ることができるというふうに考えております。
  214. 西田実仁

    西田仁君 この民営化委員会、今はちょっと細かい話もお聞きしましたけれども、大変に重要な役割で、しかもその中には有識者が重要な役割ということになるわけですが、この有識者というのはほかにも登場するわけでありまして、同じく一回目の質問で麻生総務大臣にお答えいただきました中に、この社会・地域貢献基金、ここの計画策定におきます有識者の役割、これは、大臣はこう述べられました。「識見のある有識者というものをえらく尊重していることになっておりますが、それを人選するに当たっては当然その地元に詳しい特定郵便局を含めて郵便局方々がいろいろ有識者の人選をされて」云々と、こういうふうにおっしゃっておられたわけであります。    〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕  この郵便局株式会社法案第六条第二項におきましては、この地域貢献事業実施計画に関する有識者の意見尊重ということで定めております「地域貢献業務に関し優れた識見を有する者」ということの意味として、中身として、大臣はやはり当然その地域の地元に詳しい特定郵便局長あるいは郵便局方々ということを明示されておられると、例えばということですけれども、というふうに理解しておりました。  先ほど政府税調の話をあえて挙げさしていただきましたけれども、国民の厳しい視線というものを踏まえた上で、この意見が尊重される、大変重要な役割を果たす、地域・社会貢献基金の計画策定で大変重要な役割を果たす有識者に、もちろんその特定郵便局長とか郵便局だけの方で構成されるとは私ももちろん思っていないわけでありますけれども、この地域・社会貢献基金が大変重要であるということにかんがみれば、広い、幅広い国民方々がそこにやはり信頼をしていくということが大事だろうと思っているわけでございまして、決して郵政関係者の意見だけがすごく強くなってしまうということが、もちろんそんなこと意図していないと思いますけれども、念のために確認で大臣にお聞きします。
  215. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) あの七月十九日の委員会先生の方から先ほど読まれた、読まれたとおりのことを答弁をいたしておるんですが、「地元に詳しい特定郵便局を含め」という、書きました、申し上げましたのは、これはやっぱり、ちょっと正直済みません、選挙区がどこだか知りませんけれども、私どものような選挙区でいきますと、大体特定郵便局というのはその地元じゃもうめちゃ知名士、大体三代目とかなんとかの人が一杯おられまして、そういった方々ところに皆相談に行くぐらい、方が大勢いらっしゃいますものですから、特定郵便局長を入れるということになりますと、また話はえらく込み入ることになるんだと思いますし、変な、先ほど疑われるようなことはよろしくないという御指摘もありましたので、そのようなことを、特定郵便局長を入れるとかなんとかいうことを言っていること、意味しているわけではありません。  ただ、当然のこととして、これはその公社がどういうことをしているかというのに、もう退職された方々含めまして、そういった方々が一番詳しいということもまた事実でもあろうと思いますので、最優先をされるというわけではありませんけれども、そういった特定郵便局とか郵便局に詳しい方々という方の御意見というのは、もう田舎に行けば行くほど自動的に、有識者というのはそういった方々、避けて通れないぐらいの方々が多いと、私どもはそう理解をいたしておりますので、そういった方々意見は当然のこととして尊重させていただくことになろうと存じます。
  216. 西田実仁

    西田仁君 私もそれはもう全く同感でございます。ちなみに、私、埼玉でございまして。  要するに、この信頼性を確保するという意味合いであえて申し上げさせていただいたわけでございますが、この民営化委員会の議事録等につきましては衆議院特別委員会でも我が党の石井衆議院議員からも質問させていただいておりますが、この地域・社会貢献基金に意見を具申する、有識者の方々意見交換という多分仕組みになっていると思いますが、この意見交換の中身を、透明性をいかに担保するかということはやはり重要なのかなという気もします。  昨年の十月六日、竹中大臣の中で、制度設計の策定プロセス、手続が透明であることという、透明性の原則というのを三つの原則のうちの一つに、今回の郵政民営化制度設計に当たっておっしゃっているわけでありまして、この地域・社会貢献基金の計画策定に当たって地域の有識者の方々から意見をお聞きしてそれを尊重すべきという、あえて尊重と書いてあるわけで、大変に重い御意見をいただくわけでございまして、それを地域住民の方々にも幅広く知っていただく、あるいは納得していただくということのためにも透明性を担保する必要があるんじゃないか。いろんなやり方があると思いますけれども、竹中大臣はその点についてどういうお考えをお持ちでしょうか。
  217. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 私どもが掲げました法案作成に当たっての三つの指針の中の透明性というのを御紹介してくださいまして大変ありがとうございます。これは大変もちろん我々にとって重要なことだというふうに思っております。  御指摘のように、有識者の意見を聞くという、それを尊重するということを法律上義務付けているわけでありますので、法律上尊重を義務付けていると、これは大変重い規定であるというふうに私も思っております。  地域貢献業務計画というのを作るわけですけれども、その業務計画の案の作成段階においては、これは様々な有識者、いろんな方が考えられると思いますけれども、地域の実情は様々でありますので、どういう形で意見聴取をするかと、その具体的な方法については、地域貢献業務とそして各地域におけるその必要性を最も熟知をしております郵便局会社の判断にまずはゆだねるのが適切であろうというふうに思います。  その上で、更に申し上げれば、郵便局の提供するサービスに対するその地域のニーズとか、その有識者がどのぐらいお忙しいか、時間を取っていただけるか、様々でありましょう、地域の事情もあると思いますので、意見聴取の方法についてもいろいろな場合を考えなきゃいけないんだと思います。  まず、透明性の確保のために議事録を公開するというようなことも一つの方法だというふうに思いますが、一方で、自由な意見交換、本音の意見交換をしていただくためにはどういうやり方が良いのか、これはケース・バイ・ケースという面もあろうかと思うんですね。そういうことも含めて、郵便局単位のきめの細かい地域のニーズが判断できるような形で地域の有識者等から意見聴取がやっぱり適切に行われて、本当の意味で本音がちゃんと吸い上げられる、そしてできるだけそれを透明に公開していくと、そういうことが必要だろうというふうに思っております。  そのために、総務大臣が地域貢献業務計画を認可する際に所要の書類を提出させまして、地域の有識者等からの意見聴取の方法等についても、これは本当にちゃんと適切に行われているかということも審査をした上で適切性を担保するというような仕組みを考えているところでございます。
  218. 西田実仁

    西田仁君 次に、二つ目の論点で生田総裁にお聞きしたいと思います。生田総裁がかねがねおっしゃっているいい民営化ということについてお聞きしたいと思います。  総裁は、この委員会でも何度か、もし民営化するのであればいい民営化でなければならないと、こう言われております。そして、いい民営化とは一体何かというと、総裁のお言葉をおかりすれば、公社が掲げる三つの経営ビジョンがより良く達成できること、こういうふうに言われておられます。  この三つの経営ビジョンは、私も読ませていただきましたけれども、私なりに要約すれば、三つの向上ということではないかというふうに理解をいたしました。すなわち、利便性の向上であり、採算性の向上であり、さらに、働く方々の意欲の向上、この三つの経営ビジョンということを達成、より良く達成できる民営化であれば、それがいい民営化であると、こういうふうにおっしゃっているんではないかと承知しております。  この御発言をお聞きして、三つ、目的が経営ビジョンとしてございますけれども、この三つのビジョンは決してそれぞれが独立して存在しているものではないんだろうというふうに思っているわけでありまして、これはホームページにも総裁のメッセージで載っておられますけれども、真っ向サービスに象徴されるやはりこの利便性の向上というものなくして、二番目の採算性の向上とかあるいは働く方々の意欲の向上もないというつながりになってくるのかなというふうに理解しているんですけれども、私の理解は間違っていますでしょうか。総裁、お聞きします。
  219. 生田正治

    参考人(生田正治君) 今先生がもうほとんど私の思いを代弁していただいたんで、加えることないわけでありますけれども、昨年の春以来、民営化の話が出るたびに、私は、例えば公社法の改正か民営化かと、民営化するのであればより良い民営化と。  それは、公社が掲げている三つの経営ビジョン、真っ向サービスで全国の国民、お客様の利便性の向上、それから赤字構造の郵便も何とか黒字にして、まとめて経営基盤を強化すると、それから三番目に、働く職員に将来展望と働きがいをと、これでやっているわけでありますが、御指摘のように、中長期的視点に立ってうまく経営すれば、この三つのビジョンは完全に連動、連鎖するものであります。  他方、率直に言いまして、短期的視野でうっかり経営いたしますと、マイナスに、お互いに二律、三律背反してマイナスになるということでございまして、私ども公社としては、これを何とか中長期的視点でいい連鎖になるように、いい連動になるように、今、鋭意努力中ということでございます。  仮の話で非常に極端なことを申し上げれば、コストのことを一〇〇%忘れてお客様の利便性だけを図れば、これは経営の基盤にひょっとするとひびが入ってくるわけで、その結果として従業員に対しても十分報いることができないと、こういうマイナスの連鎖も、短期的な視野で経営を間違えるとあり得るわけでありまして、また短期的な視野で事業の利益、そういったものだけ、資本の論理だけを追求いたしますと、お客様の利便性が損なわれるし、従業員もきちんと遇せないと、こうなるわけでございます。  そこで、私どもが考えてやっておりますのは、社会貢献とか福祉、これはもう当然別格として、非常に皆が誇りを持って今一生懸命やらしていただいているわけでありますが、それは別格といたしまして、その他については、中長期的な視野で、適切なコスト意識を持ちながら、真っ向サービスでもうとにかくお客様のニーズを先取りしながら喜んでいただくように最善を尽くすと、これをもう第一にしております。先生指摘のとおりです。そしてその結果、お客様の御信頼を何とか得まして、それで御愛顧いただくと。そうすると、お仕事をちょうだいするわけですから、事業も成長し、健全化する。これは正に連動してくるわけでございまして、そうした経営計画、経営者が何考えているのかといった経営計画というものあるいは戦略というものを職員に十分説明いたしまして理解してもらうと。これによりまして、職員たちも将来こういうふうになっていくんだということが読めるわけで、働きがいが出ると、こういう望ましいプラスの連動、連鎖を何とかしたいと、こう思っているわけであります。  最後に一言付け加えますと、公社、一期四年、アクションプランのフェーズ1、フェーズ2、十八年の三月までありますが、通じてかなりいい連動ができると思います。少なくとも、フェーズ1、いい連動しました。フェーズ2のこれからの二年もいい連動はすると思います。これを中長期的に実現していくためには、繰り返し申し述べているように、制度上大きな制約があると。したがいまして、閉塞感が出てくるので、私どもの気持ちとしてはできるだけ早くプラスの連動、ウイン・ウイン・ウインといった中長期的ないい連動が可能な経営ができるように、是非ひとつ制度改革を御検討いただきたいと、こう思っております。
  220. 西田実仁

    西田仁君 この真っ向サービスということに象徴される利便性の向上がやはりなければ、なかなかその採算はもちろん良くならないし、当然、働く方の意欲の向上というものももたらされないだろうと、こういうお話だと思います。  この利便性を向上させるということは、すなわちお客様にとってこれまでにないサービスをいかに提供していくのかということになるわけでありまして、それには経営の自由度がやはり必要であると、こう総裁は強調されておられるわけであります。すなわち、民間企業と互角に競争できる、この制度的自由の確保というものが不可欠になってくることからすれば、これはやはり抜本的な公社法を改正するかあるいは民営化しかないと、こういう結論に帰結してくるということもまたよく理解されるわけであります。  ここで具体的にお聞きしたいと思いますけれども、民間の金融機関が新しい金融商品並びにサービスを提供する場合と、郵政公社が新しい金融商品を扱う場合にいかほどの違いがあるのか、そのアイデアがあってから実際に発売できるまで、またそれがどのぐらいの時間の違いというものがあるのか、これにつきまして金融庁並びに総務省でしょうか、お聞きしたいと思います。
  221. 伊藤達也

    国務大臣伊藤達也君) まず、民間の金融機関、民間の銀行の場合について御説明をさせていただきたいと思いますが、民間の銀行につきましては、業務の健全かつ適切な運営を確保する等の観点から、銀行法第十条において業務範囲及びその資産の運用の範囲について定められているほか、様々な監督上の規制が設けられているところであります。  このような銀行法令の枠組みの中で、民間銀行がどのような新しい金融サービスの提供を行うか、またその資産というものをどのように運用していくか、このことについては、基本的には各銀行の経営判断にゆだねられていると認識をいたしております。
  222. 鈴木康雄

    政府参考人(鈴木康雄君) 日本郵政公社が行いますサービスにつきましては、日本郵政公社法第十九条等によりまして個々に定められておりますので、当該業務についての具体的な商品あるいはサービスにつきましては、その業務を規律する郵便貯金法、その他個々の法律の範囲内で提供が可能になっております。すなわち、新たな商品、サービスの提供については法改正が必要になるということでございます。  また、今、金融担当伊藤大臣の方からお話ございました運用について申し上げますと、運用につきましても、郵便貯金、簡易保険につきましては、運用対象がすべて公社法の中で、公社法四十一条及び四十五条で規定されておりますので、新たな運用対象を入れる場合、失礼、それぞれの資金の運用対象とする場合には法律改正が必要となります。もちろん、法律の範囲内で政省令あるいは公社の業務方法書によって定められているものもございますので、そういった場合には、政省令の改正あるいは業務方法書の変更の認可その他で行うこともできます。基本的な部分は法改正によるということでございます。  以上でございます。
  223. 西田実仁

    西田仁君 具体的に、この間、東京中央郵便局を拝見させていただきましたけれども、そのときにも、この十月から窓口で投信が発売されるということで、今ちょうど工事中というところを見させていただきました。  この郵便局で窓販される民間の投資信託、これにつきましては、実際に検討を公社内で始められてから、この十月、いよいよ販売、発売ということになるわけでありますけれども、大体どのぐらいの時間を要したんでしょうか。
  224. 鈴木康雄

    政府参考人(鈴木康雄君) お答え申し上げます。  公社内でということになるんですが、後ほど、一昨年の四月から公社が発足いたしましたが、その以前から検討いたしておりましたが、内々の検討を経まして、証券市場活性化関係閣僚等による会合というのが一昨年の五月ございました。その中で、郵便局ネットワークを活用した民間投資信託の窓口販売について、その年度中に検討すべきものということを決められたわけでございます。また、それを受けまして、六月に、着実に実施、検討するということで、言わば法律化の準備をしろということが政府として決定されました。  その翌年の常会ではございませんで、十六年の十一月に開かれました百六十一臨時国会に改正法案を提出いたしまして、十二月に成立をさせていただき、この六月に特例法が施行されているということでございまして、今、公社の方ではこの十月をめどに発売の準備をしていると聞いております。  以上でございます。
  225. 西田実仁

    西田仁君 そうすると、二年半ぐらいということに計算すればなろうかと思います。  先日、地方公聴会に岩手の方に私も行かせていただきまして、ひとつ総裁に現場で働く方の声をお届けしてみたいと思います。なぜならば、先ほどの三つの経営ビジョンのうちの三番目というか、順番はないんでしょうけれども、重要な点として、働く意欲の向上ということがございましたので、現場の総務主任の方が民営化になると働く意欲がなくなるというふうに言っていまして、そのことを是非、せっかくの機会で、国税を使って地方に行かせていただいたその生の声をお伝えしておいた方がいいと思いますので。  これは、多分この方は、総務主任の方は、窓口会社の社員になるんじゃないかと自分のことを思っていらっしゃいます。今度、委託料をもらってやることになると。そうなると、多分、人の仕事をやるということで、責任感がどの程度、私も含めてですが、持っていけるのか大変に不安であると。こういうふうに考えていくと、気持ちが、今までは地域の皆さんのためにというふうに思っていたけれども、もう自分のためというふうになってしまうような感じもしますと、こういう率直な、現場の総務主任の方がおっしゃっておりまして、これは大変貴重な、働く現場の方々に、一生懸命やっていらっしゃる方が今のこの議論の中でそういう不安というか懸念をされているということは、やはり率直に総裁にお伝えし、また、感想と言ってはなんですが、お聞きできればと思います。
  226. 生田正治

    参考人(生田正治君) お話、ありがとうございます。地方のみならず、中央も含めまして、全職員、今こういう状況ですから、しっかりした私ども説明責任果たせませんので、不安を持っているんだろうと思って、私は胸を痛めております。  職員が自分たちの将来、配置、労働条件など、どうなるんだろうなという不安を持つのは当然でございまして、早く説明できるような状態になりたいと思うんです。特定郵便局の総務主任もその一人だと思うんでありますけれども、その一人の今のお話に限って言いますと、考えようによってはいい兆しなのかも分からないと、私は実はその話を聞いて直観いたしました。  それは一般論として言いますと、各職員とも今のところは、やっている仕事ありますよね。職域とか業務内容というのは、スタートのときはおおよそで言えばほとんど変わらないわけなんで、この事情を話せれば、もし民営化が決まれば、話せばまず第一の不安は解けるんじゃないのかなということと、意識の問題として、今は二十六万人分のうちの一人なんですよ。非常に小さくなるんですね。それがもし民営化になるとして分社化になるとすると、ずっと小さな単位のうちの一人になるから、もう少し分かりやすくなるんですね。  それから、業務は、今独立採算制ではやってはいますけれども、三事業の業務区分というものも今もちろんあるんですよ。だけれども、それは何となく頭の中で、今のところは混合するというか、混ざり合っているんだけれども、これがもし分社化になるとすれば、それはきちっと区分ができてきて、自分は例えば二十六万分の一ではなくて十万分の一で、もう少し存在がはっきりするし、どの仕事をするのかというのがはっきりしてくるんじゃないのかなと。もちろん二、三人局とか四、五人局、複数でやる、複数の仕事をやるところありますけれども、そこもはっきりしたルールが適用されて、やはり業務区分がはっきりするんだろうなと。    〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕  これによりまして、結局、職員一人一人の意識というものは、そういったことが全部、説明が行き渡り出したら帰属性がはっきりしてくる。帰属性がはっきりしてくる。それから、専門性がしたがって増えるということになりまして、そして今、正に本人が言っているように、自分の帰属する組織のためにやらなきゃならないからお客様の方を余り向けないということは、やっぱり自分の帰属先に物すごく今心配して、責任を持とうとしているわけですね。その責任感というものが逆にエネルギーになって、その帰属した会社を良くするためにはそれこそ真っ向サービスで、お客様のため、地域のために全力を尽くすべきなんだということは必ず分かってくるんだろうと思うんで、今のその不安というものは多分、もし民営化になるとすれば、近い将来、将来展望に向けてのエネルギーになるんだろうなと思います。  いずれにしましても、職員の不安を解消さすのは私の責任なので、何とか最善を尽くしていきたいと思っています。
  227. 西田実仁

    西田仁君 ありがとうございました。  時間も限られておりまして、三つ目のテーマに移らせていただきたいと思います。私、前回もお聞きしたテーマでございますが、お金の流れについてということでお聞きしたいと思います。  これは、私もずっとこの特別委員会委員をさせていただいて、一番端に座ってずっと座り続けているわけでありますけれども、いろんな議論が重ねられてまいりました、お金の流れということについてですね。その中で、どうしても非常に気になっている表現がございまして、是非これは、賛成派の方も、また反対派の方にもある意味、まあ参考人の方も含めまして共通している文言でございまして、それをちょっとお話をさせていただきたいと思います。  これは私が質問させていただいたときも、竹中大臣から、まあ別に言葉じりをとらえるわけじゃないんですが、官から民へお金を流すと、こういうふうな表現をされたこともありました。また、民営化反対される方も、お金を民間に流すのは無理だと、こういうような表現を取られる方もいらっしゃいまして、私はこの官から民へお金を流すとか流さないとかという表現に非常に気に掛かるわけでございます。  言葉じりをとらえているようで恐縮です。ほかの表現の仕方ももちろんされているので、これだけをとらえて云々というのは申し訳ない限りですけれども、私はやはり、官から民へお金を流すという発想の根っこにあるところが、そもそも今回の郵政民営化の精神というか基本と異なるんではないかというふうに思っている。そこで別にそんな拍手をいただくことでもないんですけれども。  これは、要するに新しいこの金融機関に国民の資金を集めて、それを何かこう、あたかも民間に流していくというのは、ある意味では間接金融の発想であり、私は官の思想だというふうに思えるわけでございます。この郵政民営化したからといって、これはもう大臣も何度もおっしゃっていますけれども、何か自動的に、黙っていて官から民へお金がこう何か流れていくということにはならないわけであります。  実際に、私は実際の事実だけを申し上げたいと思いますが、これは元利保証が当然今までありますので、九七年以降のこの金融不安の中で資金は官に流れていったと言われたわけであります。しかし、金融不安が取りあえず去って、ペイオフも解禁に無事なりました。今、利用者が、ある意味では投資家として有利な運用先を自分で選択していくと、こういう時代に入っていることはもう間違いないわけです。もちろん、その一方で、金融弱者への配慮、あるいは金融排除のテーマもいろいろ出されました。これはもちろん考えなきゃいけませんけれども、一方で国民が自らのお金を投資していくという時代に入ってきたということも、これまた事実でありまして、これは、そういう意味では有利な投資先であれば、それが国債であろうと、あるいは投資信託であろうと株式であろうと、官民を問わず流れていくと。  ですから、水がやはり低きに流れてお金は高きに流れるという、収益性がある方に流れていくという、これはごく自然なことだというふうに私も理解しているわけでございまして、そういう意味では、これから重要なのは、やはり国民が投資家というのは、ちょっとかぎ括弧付きの投資家というふうにあえて言わせていただきますけれども、投資家としての意思が自由に、意思決定が自由にできる、投資の方向先を自らが決定できると、そういう仕組みに変えていく必要があると、そういう制度的な拘束を外していくことが必要になってくると。そこにこそやはり今回の郵政民営化の本質があるだろうというふうに私自身は理解しておりますし、民に流すという発想は、一言で言えば何か官尊民卑みたいな、何か、いうようなイメージにも取られてしまいまして、ちょっと私はそこの言葉が、言葉じりではないんですが、あえて確認のために大臣に、今私が申し上げたことについての理解について、お言葉があればお聞かせいただきます。
  228. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) いや、これは西田委員、正に私、確かに気が付くと官から民にお金を流すというふうに私自身言ったと思いますし、別の言い方をしたこともあるかもしれませんが、そういう説明の仕方をしてきたことが多かったと思います。そして、今改めて問われれば、そういう言い方は、やっぱり必ずしも意を尽くしていないと、場合によっては非常に誤解も招くと、その今の委員の御指摘は大変重く受け止めなければいけないなというふうに思いました。  要するに、私ども、お金の流れというのをマクロ的にとらえて、そのお金の流れが変わることによって経済が活性化していくと、そういう、実際「改革と展望」等々ではそういうチャートもかかなければいけないわけですので、ついついそういう発想になるわけでありますけれども、政策の議論を進めるに当たっては、常にそういうことだけが前面に出てはやっぱりこれは誤るなというふうに思います。大変重要な御指摘をいただいたというふうに思います。  むしろ申し上げたいのは、何といいますか、自由な、私たちは、やっぱりしっかりと皆さん国民皆さんお金をできるだけ稼いでそれを将来いろんな形で使いたいと、いい形で使いたいと、そういった自由な消費と投資の言わば選択主体といいますか、自由な選択主体を大切にすると、そういう環境をつくっていくと、もうやっぱり正確に言えばそういうことなんだと思います。結果的に、より自由な選択主体がたくさん増えて、より一人一人の自由度も増えていく、それが改革に求められていることであろうというふうに思います。是非、そういうことがもっとしっかりと分かるような説明に私自身も心掛けたいと思います。  これは、大変大きなお金を集めている今の郵政が、その制度的な縛りがあって一定の投資行動しか取れないと。しかし、それをより、今申し上げた自由な投資選択の主体になっていっていただく。そのためにはイコールフッティングも必要だし、民営化が必要だろうと。これはやっぱり一つ大きな問題だと思います。それによって事後的に、結果的にお金の流れが少しずつ少しずつ変わっていくと、これが大事なんだということを申し上げなければいけないと思います。  また、今回、郵便局は、郵便局会社は、窓口では幅広いいろんな商品を売っていただく。で、それが大変な集客力を持っていますから、そこに来る、郵便局に来る国民皆さんが、この国民皆さん御自身が投資家、広い意味での、委員がおっしゃる広い意味での投資家でいらっしゃいますから、それに合わせた今回、今までは定額貯金が中心だったと、しかし今回、投信もしっかりとしたウエートを持っていくだろうと。さらに、民営化されてその商品の幅を増やしていただいて自由な選択主体として活躍していただく、郵便局の窓口がそのような非常に有効な場を提供する、そのようなイメージを持っておりまして、それを是非実現していきたいと思っております。  委員の御指摘はしっかりと受け止めたいと思います。
  229. 西田実仁

    西田仁君 つまり、この民に流すということよりも、むしろやはり私は、この郵政民営化されて、いろんな制度的な束縛から解き放たれた郵便貯金銀行なり郵便保険会社が民間の資金需要を開拓する努力をやっぱりしていかなければ、これは黙っていてお金が流れるということは絶対あり得ないわけでありまして、そこはやはり民営化すればすべてがそこに、民に何か流れるとかそういうことではなくて、あくまでもやはりその資金需要を開拓していくということがなければ私はいけないと思っていますし、当然のことながら、新しい経営者の方はその努力をされるんだろうというふうに思います。  時間もちょっとなくなってまいりました。最後、いろいろ飛ばしまして、この日本二十一世紀ビジョンについてあえて触れさせていただきたいと思います。  竹中大臣は、郵政民営化された後の社会のイメージということで、先般御質問を受けて、「豊かな公・小さな官」という、そういうキャッチフレーズを、あるいは社会のイメージを言われました。私も議員になる前は雑誌の編集者をしておりましたので、この「豊かな公・小さな官」というキャッチフレーズは、もうすぐタイトルにも飛び付きたくなるようなものだというふうに思います。思いますけれども、余りにも良過ぎてちょっと中身がよく分からないというのが正直言ってあるわけでございますが。  私はここで、先ほど大塚議員も御指摘されておりましたけれども、ちょっと違う角度というか、担い手が官と民で、こう言われている、それはそれとして、公共事業ということと公益事業ということについてちょっと触れさせていただきたいと思います。  公共事業というのは、決して建設、土木ということを言っている意味ではなくて、官が、まあ官業でサービスを、公的サービスを提供していくと。公益事業というのは、電力とかガスとかに表れているように、担い手は民間企業だけども、必ずしも利益最優先であってはならないという分野でもあります。そして、公的なサービスを提供していくと、こういうことでございますが。  この豊かな公、まあ小さな官は大体何となく分かるわけですけれども、豊かな公というのは、この日本二十一世紀ビジョンの中でも、要するに公的サービスを担う人が増えていくという、多様性がいろいろあるということを簡単に言えば言っているわけですね。  この「豊かな公・小さな官」が郵政民営化とどう結び付くのかということが大きなテーマとしてお聞きしたいことですが、時間も限られていますのであえて申し上げますと、私は、この豊かな公、豊かなというもしフレーズを使うんであれば、民間に担ってもらって、今まで公的なところが、主体がやっていたものが、民間が担うことによってより良くサービスが、より、官業がやっているよりももっとサービスが良くなると、単に担い手が増えるということではなくて。民が担うんですけれども、官がやっていたときよりはもっとサービスが良くなるというところが、私は、この二十一世紀ビジョンの「豊かな公・小さな官」というところにはまだ余り深く触れられていないし、そして郵政民営化ということとこの豊かな公ということを考えるときには、やはりその視点が大事であろうと。民営化されてやはり、簡単に言えば、ありていに言えば、サービスがより良くなると、担い手が変わることによってより良くなるということが是非とも重要ではないか。そして、それこそが豊かな公の本当の意味ではないかというふうに思うわけでありますけれども、最後に大臣のコメントをお聞きしたいと思います。
  230. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 今、その豊かな公の中身について、今、西田委員が、単に量だけではなくて質まで含めた、正に本当に良いサービスだという御指摘ございましたが、二十一世紀ビジョンに集まられた専門家の皆様方でも正にそのような議論がなされたというふうに私は聞いております。  現実に、JR等々、NTT等々、やはりそういった意味では官から、その意味では豊かな公、民だけれども豊かな公を担う主体になってきて、そのサービスの向上というのは非常に広く国民からも私は評価をされているのだと思います。  郵政というのは正に、これまでの民営化以上に、国民からその意味での潜在的な期待が私はあると思っておりますので、「豊かな公・小さな官」の象徴として、そのいいものを是非実現していただけるように私どもも期待をしております。
  231. 西田実仁

    西田仁君 ありがとうございました。
  232. 井上哲士

    井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  私たちは、今回の郵政民営化の本当のねらいが日本とアメリカの金融業界の利益のためだということを指摘をしてまいりました。金融業界といいますと、銀行とは限りません。  今日は西川副大臣に来ていただいておりますけれども、あなたはサラ金などの上限金利をなくすというのが持論で、そして金融サービス制度を検討する会という自民党の議員連盟の事務局長をされております。全国貸金業協会連合会と協力するという関係にあるわけでありますが、大臣、副大臣は今回の郵政民営化法案の正に担当副大臣なわけでありますが、郵政民営化に関してサラ金業界の経営や利益にかかわるような発言、動きをされておりませんか。
  233. 西川公也

    ○副大臣(西川公也君) 郵便貯金銀行の将来のビジネスモデル、これは新経営陣が構築をしていくものだと、こう思います。  そういう中にあって、私が一政治家として一般論を申し上げれば、郵政民営化後の業務展開の中で新たな一つの可能性だと、こう思っています。それはどういうことかというと、法令を遵守して健全な業を営む、こういう消費者金融業の皆さんが活用できる時代が来るかもしれないと、こういうことは一般論として言及しております。  今先生が言われますサラ金というのは、私、お付き合いございませんので、どこを指して言っているか分かりません。そして、私の発言は消費者金融業界の利益を図ることを意図していると、こういうことではありません。  以上です。
  234. 井上哲士

    井上哲士君 サラ金業界などの月刊誌であります「消費者信用」の二〇〇五年四月号を、私、今、手に持っておりますが、この中で副大臣はこういうふうに発言をされております。  「私は、郵政改革も担当しているわけだが、民営化した郵貯がいつまでも国債を購入しているわけにはいかない。貸金業者に貸付資金を供給する卸金融で、郵貯の資金を運用することも検討してしかるべきだと思う。」と、「そうすれば、中堅・中小の貸金業者は、大手のように銀行の傘下に入らずとも経営を安定化できると思う。中小の業者を守っていく視点も必要だと思う。」と、こういう発言をされておりますけれども、私は特定業界の利益を正に念頭に置いたものだと思いますが、こういう発言は担当副大臣としてまずいと思われませんか。
  235. 西川公也

    ○副大臣(西川公也君) 一政治家として、新しいビジネスモデル、どう展開されるか分かりませんが、三十五兆円のリスクマネーの中にこれも一つの検討の課題に上がるかもしれないと、そういう意味合いで申し上げております。
  236. 井上哲士

    井上哲士君 郵政法案が審議をされている正に真っ最中に登場をされて、そして私は郵政担当の副大臣だということをこの中で言われているんです。  それで、副大臣は、この全金連の政治団体である全国貸金業政治連盟というのがありますけれども、ここにパーティー券を買ってもらっております。私、調べますと、二〇〇二年、二〇〇三年に少なくともそれぞれ二十万円買ってもらっているんですね。  じゃ、そのサラ金業界がどういうことを言っているのかと。ホームページもいろいろ見てみました。あるサラ金のホームページはこういうこと書いているんです。郵政民営化で公的な郵便貯金がなくなれば金融民営化が進む、そして個人を対象とした融資の部分は消費者金融業界が担うことになる、さらにサラ金・貸金業界が銀行や郵便局に代わって経済を支える立場になると、こんなことまで書いておるので非常にびっくりいたしました。  私は、こういう業界から事実上の献金を受ける、そして貸金業者のために郵貯資金から資金を回すように検討してしかるべきと、ここまで発言をされております。  そこで、竹中大臣、お聞きしますけれども、郵政民営化の担当副大臣として、こういう発言というのは私は資格が問われると思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
  237. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 郵政民営化が実現したとして、そしてどのような分野を展開していくかと、これはもちろん経営の判断によるわけでございますが、我々は骨格経営試算等々で、その百四十兆円の資産のうちの四分の一ぐらいを信用リスクビジネスに入っていっていただくということを想定をしております。  そういう中で今後いろんな議論がなされていくわけでございますので、そうした一つの可能性として御議論をされたものというふうに承知をしております。
  238. 井上哲士

    井上哲士君 こういう可能性があるんだということも認められました。  この間、官から民への資金の流れ、先ほどもありましたけれども、その流れがこういうサラ金業界にも流れていくなどということは、およそ国民皆さんは想像もしていなかったことだと思うんですね。  今、銀行がどんどんどんどんサラ金に資金を回しております。それだけじゃなくて、大手のサラ金が銀行と提携をして大もうけを上げているということが大変問題になっているわけですね。一方で、自己破産の申立てというのは大体二十万以上で高止まりをしております。多重債務者の負債というのは非常に今社会問題化をしていると。官から民へという名の下に、こういう事態に拍車を掛けるようなことを私は、担当副大臣が検討をしてしかるべきだと、こういう発言をされること自身が資格が問われる問題だということを指摘をしておきます。  その上で、もう一人その資格が問われるという問題について追及をしなくてはなりません。今日は、修正案の提案者である山崎衆議院議員に来ていただいております。  日本歯科医師政治連盟から三千万円の献金を受けながら政治資金収支報告書に記載せずに、政治資金規正法違反で問われたけれども不起訴になった、この問題で、東京第二検察審査会は起訴相当の議決を行いました。議決書を私、読みましたけれども、幹事長という立場で迂回献金の手法を用いており、政治資金規正法の趣旨を没却する重大な違法があると言わざるを得ないと、厳しいものであります。  起訴相当の議決というのは非常に重いものでありまして、平成十五年は全国で年間総数千九百三十七に対して六件しかありません。平成十三年でいいますと、千八百九十件に対して一件しかない、〇・〇五%であります。非常に重大な重みのある議決がされたわけであります。  議決書の中では、平成十三年十一月三十日ころ、山崎議員代表を務める自民党福岡県第二選挙区支部又は自らの資金管理団体である拓政会が三千万円の寄附を受けたと、こうしております。山崎議員は昨日の当委員会では起訴相当のいわれはないと、こういう答弁をされました。  そこで、具体的に聞きたいと思うんですが、ここで献金を受けたとされている十一月三十日に日歯連の臼田会長とお会いになった、このこと自体はお認めになりますか。
  239. 山崎拓

    衆議院議員山崎拓君) そのようなことはございません。
  240. 井上哲士

    井上哲士君 これね、あなたね、供述に基づいているんですね。  私は、平成十三年十一月三十日前後の山崎さんや臼田会長の行動も調べてみました。臼田会長の動きというのは、日歯連の会報、日歯広報というのに出ているんです。これ見ますと、平成十三年の十一月三十日金曜日十五時、自民党山崎幹事長へ署名簿提出と、あなたと会ったことをちゃんと書いてあるんです。思い出しましたか。それでも違うと言われますか。
  241. 山崎拓

    衆議院議員山崎拓君) ただいまの御質問は、三千万の献金を受けたかという御質問だと聞きましたので、そのようなことはないと申し上げたわけでございます。陳情があったことは事実だと思います。
  242. 井上哲士

    井上哲士君 私は十一月三十日に会ったのかと、そういう事実を聞きました。  議決書によれば、今、十一月三十日に会ったことは認められました。山崎議員自身が供述をされた内容として、自民党幹事長室で、健康保険法改正案反対のために陳情に来ていた日歯連会長から自民党に対する献金として紙袋に入った現金五千万円をもらったと、こういうふうに言われたとされております。  この点、日歯広報と日時などは一致をするわけですけれども、そこで聞きますけれども、この五千万というのはだれが渡して、だれが受け取ったんでしょうか。(発言する者あり)
  243. 山崎拓

    衆議院議員山崎拓君) 自民党に対する寄附でございます。私が幹事長室でいったんお預かりをいたしまして、その後において事務局に渡しました。そのような恒例になっております。各団体からの我が党に対する寄附に関しまして、私若しくは経理局長が受け取る、まあ何と申しますか、習わしと言ったらおかしいんですけども、そういうことがございまして、それは事務局に、その後において手渡すことでございます、手渡したわけでございます。
  244. 井上哲士

    井上哲士君 今、郵政関係ないというような声も飛びましたけども、山崎議員はこの供述の中で、この五千万についてロッカーに一か月弱置いたままにしていたと、こういうふうに述べているわけですね。五千万のお金をロッカーに一か月間置いていたと。こういう人たちに百万とか三百万以下の今の零細な貯蓄のことが本当に分かるんだろうかと、こういうことを国民皆さん、やはり疑念に思っているわけですよ。正に、国民の常識から懸け離れたところでこの法案が出されてきているんじゃないかと、こういうことを思っているわけです。だから私は聞いているんです。  そのままにしておいたと言われましたけども、そしてその五千万円は今事務局に手渡したというふうに言われました。これ、自民党の事務局に渡したと、そういうことでよろしいんでしょうか。
  245. 山崎拓

    衆議院議員山崎拓君) 金銭感覚についておっしゃいましたが、私個人といたしましては、庶民的な金銭感覚を持っていると考えております。  ただ、幹事長といたしましては、これは御党におかれましても膨大な政治資金を扱っておられますけれども、我が党も庶民感覚から申しますと膨大な政治資金を扱っておりまして、その中には政党助成金等々ございますんですけれども、その責任者を幹事長が務めているわけでございます。でございますから、五千万円を庶民感覚からして瑣末なお金、小さいお金だと考えたことは一度もございません。  それから、何とおっしゃいましたかね。
  246. 井上哲士

    井上哲士君 事務局というのは自民党の事務局ですか。
  247. 山崎拓

    衆議院議員山崎拓君) 自民党の事務局でございます。
  248. 井上哲士

    井上哲士君 ロッカーに、自分の部屋のロッカーに一か月間、五千万円を紙袋に入れたまま放置していたというのが庶民感覚と懸け離れているんじゃないかと私は申し上げておりまして、私では、部屋にそういうお金があったら私は不安で寝れないと思います。  この証言によりますと、十一月三十日から一か月後に処理をしたということになりますと、一か月後に国民政治協会に入金したということになります。当時の入金を全部見ましたけれども、そうなりますと、平成十三年の十二月の二十五日に日歯連から国政協に出されたというものしかありません。  お手元に資料を配っておりますけれども、これはその日付で国政協から日歯連に出されました五千万円の領収書であり、規正法に基づいて日歯連から総務省に出されたものであります。  注目すべきは、この右肩にある三つの番号、八一一、八一五、八一六という番号でありますけれども、この番号が何かということを関係者に聞きますと、日歯連の出納簿の備考欄に献金をした相手の議員が記してあると。その出金の番号を示すものだということを私たちは聞きました。  今回の検察審査会の議決書は、私たちが聞いた内容と一致をしております。検察の証拠で取られている日歯連の現金出納簿を見た上で、そこには、日歯連の平成十三年度会計現金出納簿によると、平成十三年十一月三十日に山崎拓衆議三千万、自見庄三郎衆議一千万、木村義雄衆議一千万と記載されており、上記被疑者らあてに分けて献金をしたのは明らかと考えられるとしております。  つまり、日歯連の現金出納簿に三人あての献金だということが明記してあって、それがこの三人の番号と一致をするということなわけですね。ですから、検審の議決は自民党に対する献金でなかったことは明白であるというふうに指摘をしておりますけれども、それでも三千万を受け取ってないと、こういうふうに主張されますか。
  249. 山崎拓

    衆議院議員山崎拓君) 受け取っておりません。今のような推理は曲解であると存じます。  私は、四千万の寄附を日歯から当時受け取ったことも事実でございますし、しばらく、幹事長室に来ていただければ分かるんでございますけれども、このところちょっと幹事長室、模様替えしておりますので前のとおりではございませんが、前にはお金を預かるロッカーがございまして、そのロッカーに事務局の者が、事務局といってもいろいろおりますから、お金を扱う事務局と、それから私の身の回りのことを、幹事長の身の回りのことをする事務局とおられまして、その事務局の方がロッカーに入れられたと記憶いたしております。
  250. 井上哲士

    井上哲士君 この議決書では、日歯連の内田会計責任者のことも出ておりますけれども、日歯連会長の指示により、被疑者山崎あて三千万円、同自見あて一千万、同木村あて一千万を支出したけれども、同時期に上記被疑者らの資金管理団体などから領収書が送られてこず、後に自民党に献金していないにもかかわらず合計額が同じ領収書が国政協から送られてきたと、こういうふうに述べているんです。正に迂回献金そのものだと私は思うんですね。このことを正に庶民の感覚で断じたというのが今回の議決書なんです。あの起訴相当という議決を私は重く受け止めるべきだと思いますけれども、山崎議員、どうでしょうか。
  251. 山崎拓

    衆議院議員山崎拓君) 私、何度も申し上げておりますとおり、起訴相当とされるいわれはないということを申し上げてまいりましたわけでございます。  検察当局、捜査当局におかれまして不起訴と御判断なさったわけでございます。また改めて捜査当局の御判断があるものと考えております。
  252. 井上哲士

    井上哲士君 この議決書は、先ほどの五千万を一か月間ロッカーに入れていたということについても、庶民感覚から見てこれは考えられないということを言っているわけであります。先ほど言いましたように、そういう大金をロッカーに一か月入れても平気ということで、本当に今庶民の零細な預金である、そういう郵貯に預けられた貯金のことが分かるんだろうかと。これが今国民から向けられていることだと思うんですね。  自民党は、武部幹事長が調査をして迂回献金がないということを言われました。総理もそういう答弁をされました。しかし、今回のこの議決で、これに対して厳しいことが言われ、正に虚偽答弁であるということは私は明白だと思います。そして、山崎さん自身は修正案の提案者。ですから、原案の提案者も修正案の提案者も、そしてまあ恫喝でこの法案を通そうとしている自民党の幹事長もすべてかかわった重大問題でありますから、私は、郵政法案を前にこの問題を徹底解明するということが正に国会に課せられた責務でありますし、山崎さん自身が自ら真相を明らかにすべきだと思います。  そして、そういう人たちによって推し進められようとしているこの法案は廃案しかないということを申し上げまして、質問を終わります。
  253. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  今日は金融関係集中審議ということでありますが、若干前回積み残した問題、二問ばかりお伺いをしておきたいと思います。  一つは、郵政公社の側にお聞きをいたしますけれども、郵便物の逓送輸送、すなわち郵便局間の輸送などは元は郵便局自身が行っていたわけですね。それが公社化によってリストラで外部委託をされて、例えばバス会社が路線バスに載せて運ぶということなどあったんですけれども、受ける郵便物が多くなってそのバス会社が逓送部門を新設をして、トラックを導入した会社がありますね。このうち、郵便専用車を使っているのが百十七社あるようですけれども、この間、競争入札の導入及び運賃引下げ要請によって、十五年、十六年の二か年で公社は二百十二億円削減した、こういうふうに言われています。ところが、現場に聞きますと、決して入札導入の成果だけではなくて、この入札が嫌なら三〇%引き下げろ、引下げに応じろ、こういう形で強引な下請泣かせがやられている、こういう話も聞くわけです。  正に私は、そういう意味で営利企業、民営化の先取りやられているんじゃないのかと、こう思うんですが、こういう下請泣かせでコストダウンだけを図っていてこの輸送の品質、つまり郵便ですから信書の秘密や安全が守られるのか、また従業員も生活に不安を持っているわけですが、この点について、郵政公社の心構えについてまずお伺いします。
  254. 岡田克行

    参考人岡田克行君) お答え申し上げます。  郵便局相互間の郵便物運送につきましては、委託契約により実施しているものでございますけれども、その運送コストの削減、それから手続の透明性を確保するため、競争入札を基本として市場価格を見いだしております。  とりわけ、郵便運送の委託費の七割を占めておりますトラック運送につきましては、公社化後に、先生ただいま御指摘のとおり、競争入札をこれ段階的に実は導入しておりまして、そこで得られました競争入札の効果を他の路線にも反映するという形で運賃の引下げを行ってまいりました。これによりまして、郵便物の運送の価格は市場価格の水準に至っているものではないかというふうに、こう認識しております。  運送の品質についてでございますけれども、運送委託契約書におきまして安全それから正確、迅速な運送を確保しておりまして、あわせて、今後も安定した業務運行のため、各運送事業者の業務の執行状況、経営の状況について、郵政公社として注視してまいりたいと考えております。
  255. 又市征治

    ○又市征治君 私が言っている趣旨は十分お分かりの上でのお答えだと思いますが、本当にこうした業者泣かせや、それでも郵政公社としての使命といいますかね、そういったことの信書の秘密や安全、ここらのところがおろそかにされることがないように御留意いただきたいということをまず申し上げておきます。  もう一つ、大変お忙しいのに厚生労働大臣においでいただきました。雇用問題であります。  郵政民営化に伴って、雇用に十分に配慮すると。こういうことで、昨日も実は山下委員の質問に対して総理も答弁をされているわけであります。しかし、昨日の山下委員の話、また私もダブるわけですが、国鉄のときに、一人たりとも路頭に迷わせませんと、こう言って当時の中曽根元総理が言明をされたのに、現実は一千四十七名の解雇者を出したわけですね。  そこで大臣にお伺いをするんですが、あなたもこの郵政民営化後について何度か答弁をされてまいりましたけれども、まず民営化の犠牲になったあしき先例、この国鉄労働者の一千四十七名の解雇問題が解決されないままでは、郵政職員だれ一人まともに、十分に配慮するんだと言われても、民営化されていくならばリストラやられるとみんな思い込んでいる。当然ですよ。そのときに、少なくともILOの度重なる勧告を受けて、そういう意味では、早急に関係者の協議を詰めて政治的、人道的に解決を図れと、こう言っているわけですね、ILOは。このことについてもろに解決されないでおいて、さあ、十分に配慮すると言われてもだれも信じない。  この点について、まず先に、この国鉄問題についてはどのように解決を図るおつもりなのか、どうされていくつもりなのか、明確な御答弁をいただきたいと思います。
  256. 尾辻秀久

    国務大臣(尾辻秀久君) ただいまの件でございますけれども、政府といたしましては、長年の経緯がある話でございまして、その間に万般の対策を講じているところでございます。そうした経緯がございますので、今何か新しい措置を講じるべきと言われましても、それは大変難しいというふうに考えております。  ただ、ILOの話もございますので、厚生労働省といたしましては、関係者の動向を見守りながら、国土交通省とも連携して事態の推移を注視してまいりたいと存じております。
  257. 又市征治

    ○又市征治君 大臣、今、私、前段に申し上げましたように、そしてまた尾辻大臣自身が大変人権問題やあるいは人道問題に非常に鋭い感覚の持ち主でございますから、まして、これ時効問題がもう間もなく来るんですね、国鉄問題は、十分御承知だと思いますが。そういう点を含めて、これは本題でございませんが、精力的に取り組んでいただいて、ただ単に今すぐというのは難しいなんて言ったら、もう時効来てしまうと。それは、それこそ、全く今のこの郵政公社の問題でも民営化に対する雇用の不安そのものは一つも解消されないということになりますから、是非その点について、それこそあなたの言葉をかりるならば、万般の努力をお願いしたい。そういうことを是非よろしくお願いいたします。話は、いや、返事は要りません。是非御努力いただきたいと思います。  そこで、本題に入りますけれども、まず前回の宿題でありまして、小規模郵便局の赤字、黒字の見込みについてですけれども、正に金融ユニバーサルサービスに直接影響する問題です。  先日、竹中大臣がこれ答弁していただけなかったんでありますけれども、昨日、事務方からメモが届きました。簡単に言うとこういう回答なわけですね。  三つあります。  まず、郵便局における金融サービス提供については云々とあって、移行後もしっかりと提供される、こう書いてあります。二つ目に、私は個々の小規模、特に過疎地の無集配特定局について聞いたわけですけどね、回答は会社一本でしか答えられておりませんで、郵便局会社は多様な業務を展開することでとあるわけですが、これは例のコンビニなどなどのことでしょうけれども、収益力を強化し経営を成り立たせる、これが二つ目の答えですね。そして三つ目には、郵便局別の収支については、民営化後の郵便局別の予測は更に困難であるため、試算は行っていないとおっしゃっているわけで、事実上ゼロ回答でございまして。  そういうわけですから、改めて竹中大臣に一つ一つお伺いをしてまいりますけれども、まずここで言っている金融サービスの提供というのが、金融ユニバーサルサービスとは書かれておりませんけれども、同じだろうという私は認識するんですが、同じか違うのかというのが一つ。つまり、すべての局において郵貯、簡保を始めとする庶民の日常生活のための口座の出し入れ等ができるのかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。
  258. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) 金融サービスについてはユニバーサルサービス義務を法律で課すということはこれはしておりません。これは、金融の性格、国の信用、関与を排除しなければいけないという性格を考慮して、そのような義務付けはしておりませんが、一方で、今郵政が果たしておられる金融サービス、特に地方の金融サービスが大変重要であるということを重く受け止めまして、実効性のある仕組みをつくらせていただいたつもりでございます。  もうその詳細は以前も申し上げたので申し上げませんが、結果的に私たちはそれによって、今正に委員はすべての局でとおっしゃいましたが、今でもすべての局でやっているわけではございません。しかし、今行われているものにつきましては、これはみなし免許で、出すときの条件として、正に速やかに円滑に移行しなきゃいけないわけでございます。切れ目なくサービスを続けることでございますので、そういう委託、一括した委託契約が結ばれるでございましょうし、実態的にしっかりとしたサービスが行われる制度にしたというつもりでおります。  また、これについては、衆議院における修正におきまして、郵便局会社が営むことができる業務のうち、この銀行業及び生命保険業の代理店業務、これは具体的に法律上明記するという修正もしていただきました。また、これは今日も議論になりました三年ごと見直しでありますけども、その見直しの中には、これは政府与党合意を踏まえまして局の設置がきちっと行われているか、そしてそこで金融サービスがしっかり行われているかということもそのレビューの対象に含める、しっかりと見直しをするということにしておりますので、そうした点も含めまして実効性のある対応が取られているというふうに思っております。
  259. 又市征治

    ○又市征治君 この点は、昨日の総理が、片山自民党幹事長に対する答弁でも、提供されるよう努力を続けていきたい、こういう答弁だったと思いますが、極めてあいまいですね。今大臣がおっしゃったように、義務付けはしてないと、こういうわけでして。  私、こんなふうに言われますと、衆議院でこの審議が始まったときに、大臣の答弁は、そのときの政治家の政治的信条を述べたものにすぎないんじゃないのかと、こう言って、大臣がそうおっしゃって物議を醸した。つまり、大臣の答弁というのは信用しなくていいんですよ、こうあなた方の方がもうおっしゃったことを意味するわけですね。だから、総理答弁であろうと、あるいはいろんな見直しだとかなんとかいろいろとやってまいりますよと、こうおっしゃっても、法律本文に提供するこの義務を明記されない限り、単にリップサービスであって信用できない、こう申し上げざるを私は得ないわけでありまして、この点だけ指摘をしておきたいと思います。  そこで二つ目に、過疎地でコンビニ等を展開してもうかる局は少ないという批判はさんざんこの委員会で出てまいりました。無集配特定局約一万五千五百局、あるいはあなた方が赤字になるだろうと、こうおっしゃっておる二千の局のうち、このコンビニ等の新たな業務は無理だろうという局というのは一体幾つぐらいあるわけですか。
  260. 中城吉郎

    政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。  郵便局会社というのは、どのような新規業務に進出するかというのはすぐれて経営判断にかかわる問題でございますけれども、郵便局会社というのは、それぞれの経営資源の特性を生かして、物品販売業など様々な事業分野において地域のニーズに応じた様々な新規事業を展開するという潜在力を持っているというふうには認識しているところでございます。  私どもの準備室が作成した採算性に関する試算では、郵便局という拠点を利用した新規事業の可能性の一つとして、物品販売とか住宅リフォームとか、そういったものの仲介といったものについて試算しておりまして、こうしたものについては販売額二億円という規模を想定したこともございます。ただ、これらの事業につきましては、集客と販売スペースの確保が見込まれる普通局千三百局を対象に試算したものでございます。  お尋ねの、小規模な郵便局において普通局並みのそうした規模の物品販売というものは可能では、なかなか難しいというふうに思っておりますけれども、各郵便局というのは、小規模な郵便局も含めて、会社の経営判断や郵便局の現場での創意工夫を生かして、例えばレターセットのような文具の販売とか、より小規模な形式での物品販売、それからその他地域のニーズに応じた様々な商品サービスの提供というものを行っていくということは可能性があるというふうに考えております。
  261. 又市征治

    ○又市征治君 要するに、何か長々とおしゃべりになったけれども、私が聞いたのは、二千局のうち、こういう業務が無理だろうという局はどのぐらいですかと。何にも答えになっていないじゃないですか。つまり、簡単には出せないということでしょう。だから、正に空理空論だ、バラ色だけ広報で振りまいている、こうみんな指摘しているんじゃないですか。  先に進みますが、郵便局会社一本として経営が成り立つと、こうおっしゃるわけで、それなら、将来ともに個別の郵便局の赤字、黒字は問わない。つまり、コンビニ等がやれなくても赤字の局だからといってその局をつぶすことは考えていない、ネットワーク全体が価値なんだから、それでは個別の局の収支評価はしない、そういう約束だというふうに考えていいんですか。これは大臣からお答えください。
  262. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) まず、局の設置に関しては、これは収支の問題というよりは、これは法律で設置を義務付けているわけです。あまねく全国で利用できることを旨として、これは法律で義務付ける。そして、省令、省令も広い意味での法律でございますから、過疎地については、現に存する、法施行の際、現に存するネットワークを維持することを旨とすると。そしてさらには、利用者の利便とかそういったことも含めた設置基準をその省令でしっかりと書くわけでございますから、それに基づいて維持がなされるということでございます。  結果的に、今お尋ねになりましたのは、そこは法律でしっかりと設置するわけですけれども、その際のネットワークの価値がどのように維持されるのか、あるのかという、そういう点でございますけれども、これはそのような形で設置されておる、設置基準に基づいて設置されたものに関しては、これは他に類を見ないようなネットワーク価値を持っているわけでございます。そして、このネットワーク価値を活用する形で郵便貯金銀行ですね、そして保険会社等々がそのネットワーク価値を更に活用する。そして、そうしたことを、ネットワーク価値を活用することによって実際に郵便局会社にもそれなりの手数料といいますか、収支が保証されるであろうということを私たちは骨格経営試算で確認をしているわけでございます。  もちろん、これは、その中でしっかりとした経営努力はしていただかなければいけませんですけれども、そのネットワーク価値をより高めるような形での運営をお願いしたいというふうに思っております。
  263. 又市征治

    ○又市征治君 もう一度聞きますが、つまり、法律郵便局を維持することを義務付けていますよということですね。そして、全国津々浦々のネットワークがこの会社のビジネスモデルだ、最大の、これが最大のメリットだと、こうおっしゃるわけで、とすると、赤字局をつぶすような個別局の収支評価は必要ないわけですよね。そこのところをもう一度。
  264. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) いや、赤字局をつぶすといいますか、これは法律で設置することをもう既に義務付けているわけでございますから、その中で、それを活用して更にしっかりと銀行においても保険においてもビジネスをしていただく、このネットワーク価値を更に維持し、高めるような形でのビジネスをお願いするということでございます。我々の骨格経営試算では、そういうことも含めて、しっかりと成り立つということを確認しているわけです。先ほど又市委員はどのぐらいの局でコンビニができないのかというお尋ねがございましたが、我々、コンビニがそんなにたくさんでできるとは思っておりません。だから、普通局千三百でやっているわけです。  ただ、ドイツ等々の例で見ますと、ドイツの場合は郵便局のうち七割の店が何らかの形で物販販売を行っているというような、これは公社、先方のドイチェ・ポストが発表しているものではございませんが、様々な情報から我々はそのように理解をしております。  したがって、まあ七割程度は何らかの物品販売、先ほど審議官がレターセット等々、いろんなものがあるだろうと。三千の種類を置くようなそういうコンビニをイメージせずとも、その地域にふさわしい、過疎地なら過疎地にふさわしい物販販売の在り方というのはあるわけでございますから、そういうことをしっかりと考えていっていただくということでございます。(発言する者あり)
  265. 又市征治

    ○又市征治君 今横から出ていますけれども、私も言いたいんですが、本当に政府広報そのものがやっぱりそうすると誇大宣伝じゃありませんか、大臣。あなた自身がやられた、ね、まるですべての、紙芝居までこさえられて、あちこち全国どこへでもみんなできるような宣伝を振りまいた誇大宣伝、こう申し上げざるを得ないわけです。  で、先に進みますけれども、大臣、そこでこの一兆円の基金、まあ二兆円まで積み増そうと、こうおっしゃっているわけですが、この額は一体どこから出てきたんでしょうか。つまり、株の売却益三・九兆円の方から出されたのか、それとも今問題にしているこの赤字局約二千だと、こうおっしゃっているわけですが、これに掛けるところの六百万円、平均六百万円、それに利回り一・八%を見たという御説明なんですが、この方から出されてきたのか。この一兆円の根拠をもう一度お聞かせください。
  266. 竹中平蔵

    国務大臣竹中平蔵君) この社会・地域貢献基金の一兆円という額については、過疎地域等におけます金融サービス等の提供及びこの社会福祉の増進に寄与する第三種・第四種郵便物の提供のために最大限必要となる額として見積もった百八十億円、これもう内訳、今申し上げませんが、その百八十億円を基金の運用益によって賄えるように設定したと、これが基本的な考え方でございます。  運用益によって賄うということでございますけれども、過去の利回り等を参照して、これは堅めの保守的な試算でありますが、一・八%の利回り、現実にはもう少し高くなる可能性、私はあると思っておりますが、それに基づいてこの一兆円という金額を算定を、この額を運用益によって確保するためには堅めに見積もることによって基金の規模は一兆円が必要であると、そのように考えたわけでございます。
  267. 又市征治

    ○又市征治君 まあ、終わりにいたしますが、時間参りましたから。  そこまで出しているなら当然、モデル試算として、小規模局で郵便事業の収支が幾ら、貯金と保険の受託手数料が幾ら、不足分として基金から受け取る額が幾らと出せるはずじゃないですか。バラ色の部分だけは出して都合の悪い試算は隠しているしか私は思えないわけですよ。まるで大本営発表と同じように思える。  私はなぜ小規模局の金融サービスを問題にするかといえば、やはり三事業は一体だからこそお金や人員の融通を含めて経営していけるわけであって、過疎地で貯金や保険の額が少ない局について、郵便局会社が幾ら望んでも、民営化した銀行、保険会社はやっぱり委託手数料契約の対象から外していく、将来的には、そうなるでしょう。現在、二万四千七百の局は国営だから存在するのであって、民営化になればネットワーク価値よりも収益性が優先されて、これリストラされることはもう必定だと私は思うんです。だから、銀行や農協や信金がこの十年間で約二〇%も支店を撤退をさせてきている、こういう現実があるじゃありませんか。郵便局だけ法律で維持しようとしても、銀行や簡保が民営会社となって金融ユニバーサルサービスを切り捨てたら、郵便局会社の縮小経営というのは当然のことだろうと思うんですね。ネットワーク価値で存続というのは全く私はすり替えだと言わざるを得ないと思うんです。  その意味で、郵政事業はやっぱり一体であって、それに適合した経営形態としては公社で経営の自由度を拡大していくことしかあり得ないんではないか。このことを改めて強調して、今日の質問を終わりにしたいと思います。  ありがとうございました。
  268. 陣内孝雄

    委員長陣内孝雄君) 六案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時二十九分散会