○千葉景子君 今のお話ですと、この新聞報道等がほぼ
実情を誤りなく示しているのではないかというふうに思います。まあ、一生懸命といっても、もうあとそんなに時間はないわけでして、本当にこれがちゃんとスタートできるんだろうか、こういうことを本当に懸念せざるを得ません。
実は、この法案の成立までというのは、今
大臣がおっしゃいましたように、大変な難産でございました。私も一緒に審議をした者とし、この審議の経過をちょっと振り返って整理をさせていただきましたんですけれ
ども、まず
法律が、政府案が閣議
決定されましたのが、これは二〇〇二年です、二〇〇二年の三月ですね。それで、国会に直ちに
提出をされまして、衆議院の
委員会から議論が始まったということです。これが二〇〇二年ですよね。それで、その後審議が百五十四通常国会で行われて、そこでの、衆議院では十六時間四十分の審議がなされた。それで、また今度はそれが引き続いて継続になって、百五十五臨時国会、ここでまた十五時間以上の審議がなされて、このときは、衆議院の方は欧州視察等もされて、この法案の、本当にいい法案にしようという議論がされた。これが参議院に、百五十五臨時国会の終わりに参議院に送られまして、その百五十五臨時国会、それから百五十六通常国会へと審議が移り、参議院でも大変長い審議時間、参考人の御意見を聴き、そして連合審査を重ね、そして、まあ私
ども民主党はこれには反対の姿勢でございました。こういうやり方ではなくて、従来の精神医療をもっと充実させるということによって対応すべきだという、こういう姿勢は持っておりましたけれ
ども、しっかりとこの審議に臨み、そしてできるだけの納得いくものをつくっていこうということで対応させていただきました。
ただ、残念ながら、これは最終的には、参議院の場で審議が打切りの動議という形で打ち切られて、そして採決に至るということになったわけですね。これについては当時の
委員長も大変御苦労をなさったと、もう本当私も心痛く思ったりはするんですけれ
ども、本当にそういう経過を経て、大変これは重い内容を持った法案としてスタートをしようとしている。
これだけ長い時間を掛けて議論をし、そしてそのためには、当然、この医療施設の充実といいますか、準備が必要だということもそのときから当然予測をされてきたわけです。にもかかわらず、ここへ来て、結果的には、周辺の賛成が得られないとかそういうことで医療施設の準備ができないというのは一体どういうことなんだろうかと。全く先の本当に見通しとか、それからそれに対する、本当に一生懸命に対応しようという、本当にそういうことがあったんだろうか。何かそのときの社会
状況の中で、いや、これそういう医療施設を造って、心神喪失者、そしてそういう人の犯罪というものに対して、やっぱり何かしないと社会からの非常に批判が高まるということで何か行われてしまったのではないだろうかとも、結果的には懸念せざるを得ない。
これ、こういう中でどうするんですか。このままじゃ大変無
責任だと思うんですね。一体、その今準備というか、懸命にやっておられるとはいいながらも、これからもうあと限られた時間で一体どうされるのか。何にも準備ないままにスタートするのか、いや、そうじゃないのか。その辺については多分、厚生労働
大臣とも今いろんな御調整なりあるいはお話をされておられる、当然のことだというふうに思いますけれ
ども、一体これどう対処されるおつもりなのか。
今頑張っておりますと、これだけじゃもうとても間に合いませんし、そんな無
責任なやり方では、私たちはちょっともう本当に今後の審議、特にこの国会では、一方では刑事施設に関しての法案が審議をされる。一方ではそういう形で刑事施設の処遇によって犯罪を防止し、そして社会への新しい復帰を促していこう。片方では心神喪失という、そういう精神的な
状況にある人については、この医療の中で犯罪に及ぶなどということを抑止して、そして社会復帰を果たしていこうと。まあ、ある
意味では両方がやっぱりきちっと相まってこそ
目的を達成するという
部分もあるわけですので、そういうことを
考えますと、この成り行きというのは非常に影響が大きいというふうに思うんですが、
大臣としてはどういうふうに対処をすべきだというふうにお
考えでおられるのか、御見解をお聞かせいただきたいと思います。