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2005-06-14 第162回国会 参議院 農林水産委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年六月十四日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中川 義雄君     理 事                 岩永 浩美君                 田中 直紀君                 羽田雄一郎君                 和田ひろ子君     委 員                 加治屋義人君                 岸  信夫君                 小泉 昭男君                 小斉平敏文君                 常田 享詳君                 野村 哲郎君                 松山 政司君                 小川 勝也君                 小川 敏夫君                 主濱  了君             ツルネン マルテイ君                 松下 新平君                 谷合 正明君                 福本 潤一君                 紙  智子君    国務大臣        農林水産大臣   島村 宜伸君    副大臣        農林水産大臣  常田 享詳君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       加治屋義人君    事務局側        常任委員会専門        員        高野 浩臣君    政府参考人        農林水産省消費        ・安全局長    中川  坦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○農林物資規格化及び品質表示適正化に関す  る法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付) ○農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促  進に関する法律の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 中川義雄

    委員長中川義雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林物資規格化及び品質表示適正化に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会農林水産省消費安全局長中川坦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中川義雄

    委員長中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 中川義雄

    委員長中川義雄君) 農林物資規格化及び品質表示適正化に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の羽田雄一郎でございます。  いわゆるJAS法JAS制度について質問をさせていただきたいと思います。  昭和二十五年に制定されて以来、何度となく改正されてきたこの法案でございますけれども、当時は飲食料品等品質が全般に低い時代において、まがいもの、粗悪品を排除して、そして品質向上を図るための一助を成してきたことがうかがえます。また、その当時から消費者商品選択一つの目安にしようと考えられていたと思いますけれども、JAS制度、この改正に当たって、JAS制度のこれまでの役割と、そしてこれからのJAS制度についてどのようにお考えを持っていられるかということを是非大臣の方からお答えいただければと思います。
  6. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) お答えいたします。  JAS制度につきましては、昭和二十五年に発足して以来、社会情勢変化に対応し、必要な見直しを行いつつ制度運営に努めてきたところであります。  このうち、JAS規格制度は、国が定めた品質基準を満たす飲食料品などにつきましてJASマークを付して販売することを認める仕組みでありまして、農林物資品質向上生産消費合理化などに寄与してきたところであります。  また、品質表示制度は、飲食料品原産地などの表示を義務付けるものでありまして、消費者の適切な商品選択に資する制度として重要な役割を果たしてきたところであります。  このようなJAS制度役割は、今後、ますます重要となると考えられることから、引き続き制度の適切な運営に努める所存であります。
  7. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 今、制度が重要になってくるというところで、具体的ななかなか、なぜ重要かと、そして将来に向けてどのような方向で方針を持っているかというところがちょっと、もう少し説明をしていただけるとよかったんじゃないかなと思っておりますけれども。  BSEの発生とか相次いだ不正表示事件とか、また輸入野菜における残留農薬問題、無登録の農薬問題など、JAS法を取り巻く状況大変変化をしております。そういう中で、食の安心、安全への対応が厳しく消費者の中からも問われているように思います。  そして、攻め農業大臣はよく攻め農業と、こういうことを言われて、世界に向けて輸入から輸出へということを考えていらっしゃると思いますし、私もこのことについては時を得た言葉だと思っております。それならば、まさしく安心、安全、誇りある農業をしっかりとこういう制度を守っていくことによって日本でもつくり上げていくという、そしてまた、この法律がそういうことに生かされなければいけないんじゃないかなということを感じておりまして、是非そういうところの答えをいただきたかったなと。まあ思ってらっしゃるとは思いますけれども、やはりこういう場で、大臣の発言というのが大きく左右してくると思いますので、今後そういう形でのお取組をいただければと思っております。  まだまだ、しかし消費者JASマークを認識し、これを基準にして買物をしているかといえば、なかなか、私の家内の買物を見てもJASマークなんというのは余り気にしてない、賞味期限ぐらいは気にしているのかなと思いますけれども、JASマークを気にしているかといえばそうでもないなということを感じておりまして、消費者及び製造業者等への普及促進についてお答えをいただければと思います。
  8. 常田享詳

    ○副大臣常田享詳君) JAS規格制度は、農林物資品質向上、今、委員指摘のとおり、品質向上消費者の合理的な選択を促すものでありまして、その意義、役割について普及啓発を行い、国民への浸透を図ることは極めて重要なことだというふうに考えております。  このため、地方公共団体独立行政法人農林水産消費技術センターなどの関係機関が連携をしながら、平成十六年度にはパンフレットを百二十六万部配布するとともに、各種講習会を延べ九十八回開催するなど、JAS規格制度についての普及啓発を積極的に行っているところであります。  今後とも、JAS規格制度について普及啓発を積極的に行っていくとともに、新たなJAS規格につきましては、その内容等について国民各層へアピールし、一層の浸透を図ってまいりたいと思っております。  このたび成立をさしていただきました食育基本法成立、これらの成立も踏まえて、このJAS規格制度普及等学校教育社会教育等々でしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
  9. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 新たな基本計画の中でも、消費者視点の施策への反映ということ、また消費者が、正しい理解に基づき、安心、安全な食品選択できるよう、農産物食品に関する正確な情報を提供していくとされております。この文言どおり、正に正確な情報消費者の立場で分かるような形に是非していっていただきたいと思っているところでございます。  今回のJAS法改正では、平成十二年の十二月、閣議決定された行政改革大綱の中でも、平成十七年までの間を目途にして様々な分野の行政改革を集中的・計画的に実施すると、小泉総理でいうならば、民間でできることは民間でという流れなんだと思いますけれども、登録認定機関民間にゆだねることというふうになっていくわけですけれども、登録認定機関民間にゆだねることによってそのメリットとそしてデメリットをどのように考えて、そしてまたデメリットをどう補完していくかということをお答えいただければと思います。
  10. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 今回の法改正ポイント一つは、今、先生御指摘ございましたように、登録認定機関位置付けを従来の行政代行機関から民間第三者機関に変更するということでございまして、これに伴いまして、三点ありますが、一つは、登録基準としてISOガイド65を用いるということを法律上きちっと明記をするということ、それから二点目としまして、これまでは認可制としておりました業務規程あるいは認定手数料届出制に変えるということ、それから三点目としまして、登録認定機関に対します業務改善命令あるいは登録基準への適合命令というものを創設をいたしまして、事後監視措置を充実していくということでございます。  こういう措置を通じまして、登録基準法定化によるその審査手続透明性が増すということが一つポイントでございます。  それから二つ目に、届出制への移行によりまして手数料の設定の自由度が拡大することなどが予想されます、見込まれます。これまで以上に民間法人能力の活用を通じた効率的な登録認定機関業務運営がなされることを期待しているわけでございます。  他方で、登録認定機関位置付けが純粋な公平中立民間機関というふうになるわけでありますが、そういたしますと、その業務公正性を確保していくことがやはりこれまで以上に大事になってくるというふうに思います。  そのために、登録認定機関に対します行政監督の一環としまして、一つ法律に基づき厳正な登録審査を行うと。これは先ほども申し上げましたが、もう一つ業務改善命令などの新設によりまして、事後チェックの形になりますけれども、消費者から信頼をされます制度運営に努めていくということでございます。
  11. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 今お伺いしていても、まだまだ浸透してないのか、不安の声の方が大きいように思っております。なかなか、自由度が増すことによって認定される値段が上がってくるんじゃないかとか、認定の費用がかさむんじゃないかとか、また業務改善命令ぐらいではなかなか、やり得みたいな形というものが透けて見えてきたりと、いろんな制度ありますけれども、これぐらいだったらやっちゃった方がいいなというようなことが多いんですよね。特に農業についてもそういうことが起こっているというような状況も見えておりますので、やはり監視そして監督体制信頼をしっかりと確保していくということが大切だと思っておりますし、また、やはり公平公正な形での、民間に委託するに当たっては公平公正というものを大切にしていかなければならないんじゃないかなということを感じているところでございます。  もう一つ、今回の改正において、外国認定機関登録基準についても見直しをされるということになっております。外国認定機関になろうとする場合、その国に日本JAS制度と同様の制度がなければならないというわけでありましたけれども、同等性要件廃止するということになっております。国内には厳しく、そして外国には優しくというような声も聞こえてくるわけですけれども、同等性要件廃止、これの意味するところは何か、お答えいただければと思います。
  12. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 同等性廃止ということから今回規制を緩めるんではないかという、そういう、これ確かに私どもも聞いておりますけれども、これ実態をよく御理解いただければ、むしろそうではなくて、きめ細かくきちっとしたチェックをするというのが今回の趣旨でございます。  従来は確かに、その国にJAS制度同等制度が存在しているということと、それから当該機関登録基準に適合しているということを一つ要件にしておりましたけれども、実際この制度がその国にもあるとなりますと登録審査書面によって行っていたというのが実態でございます。今回、そのことを変えまして、外国登録認定機関であっても、国際的に一般的な登録基準として用いられておりますISOガイド65に基づいて厳格な登録審査をするという、そういう方向に切り替えるわけでございます。したがいまして、従来の書面審査ではなくて、今回からは登録審査に当たっては実際に職員現地に行きましてそこでの登録審査あるいは監査を行うなどといった、そういう指導体制管理体制の強化をしていきたいと思います。もちろん、いったん登録を済ませば、後の、事後チェックにつきましてもやはり定期的に現地に行って調査をしていくということもやるつもりでございます。  こういうふうに、同等性廃止をいたしますけれども、きちっとした登録認定機関としての業務はむしろ従来以上に適正に行われるようにという、そういう措置を講じていくこととしております。
  13. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 現地にしっかりと職員を派遣して、そういう中で認定していくと、きめ細かくやっていくということでございます。  事後チェックの定期的なチェックをしていくと、定期的に事後チェックをしていくという中身をもう少し詳しく教えていただきたい。今考えている範囲で結構ですので、教えていただきたいと思いますし、やはり内外との差別をやっぱりなくしていくと、無差別であることが大切だと思いますし、公平公正であるというところをしっかりと担保できるようにしていかなければならないと思いますが、もう一度御答弁お願いします。
  14. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 実際に職員が行きます際、これは現実には、国の職員、それから独立行政法人消費技術センター職員、そのどちらかが行くということを考えております。  特にこの消費技術センター、これは日常からJASの様々な制度につきまして習熟した職員がおりますので、現地に行きましたら当然、その当該登録認定機関として登録をしているその機関が十分な能力があるかどうか、それは現実日本JAS制度について知識があるかどうかということを対面をして質問等チェックもいたしますし、また具体的な技術水準についても、機材、それから専門的な能力、そういうものがあるかということを現場でチェックをすると。  一つ例で申し上げましたが、こういうふうにきめ細かくそれぞれ確認をして、当該登録申請をしております認定機関適正性というものを確認をしていきたいというふうに思っております。
  15. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 定期的な事後チェックについて。
  16. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 失礼しました。  今申し上げたのは登録の際のチェックでありますし、それから、その後の定期的なチェックでございますが、当然、登録認定機関認定をした認定事業者というのがそこにあるわけですから、そういった日々のチェックの過程で認定事業者の様々な書面などを確認をして、そういう認定をしたかどうかという、そういった日常業務について適正に行われているかどうかということを確認をする予定でございます。
  17. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 次に、偽装表示についてでありますけれども、私はやはり、信頼性を高める意味でも、消費者に対する食の安心、安全を守るためにも、JASマークJAS制度において偽装について厳しく監視していく必要があると考えております。  そこで、偽装表示に対するチェック機関について現状をお答えいただきたいと思います。
  18. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 確かにおっしゃいますように、食品表示というのは消費者がその食品選択する際の言わば唯一の手掛かりになる情報になる、そういうものでありますから、JAS法におきましても事業者に対しまして名称なり原産地などの表示を義務付けておりますが、その義務付けた中身がきちっと正しく行われているということがやはり一番大事でございます。こういった品質表示基準制度平成十二年に発足をいたしました。  農林水産省では、その後、一つ食品表示一一〇番の設置、これは消費者方々から何か怪しいというふうなことがあればそこに電話を掛けていただくということでございますし、二つ目としまして食品表示ウオッチャーの委嘱ということで、年間約今四千人ぐらいの方がこのウオッチャー登録をしておられますけれども、こういった方が日ごろのお買物をされる際にやはり何かおかしなことがあったりすればそのことをいろいろとこちらに情報提供いただくという、そういう消費者の協力を得ながら監視活動もやってまいりました。  それからもう一つは、一昨年、平成十五年の七月から農林水産省の組織が新しく変わったわけですが、特に地方農政局地方農政事務所に約二千名の職員配置をしまして、この表示適正化などの監視指導を専ら行う職員としてそういうところに配置をしているわけでございます。年間三万五千件程度の小売の店頭などをチェックをしながら、こういった監視指導体制を行っております。  そこで、当然、不正が見付かれば、まずはJAS法に基づきまして指示をします。それから、そういった不正をした事業者名前公表します。指示公表いたします。これが最初のアクションでございます。それから、さらに、そういったものが指示公表したけれども直ってなければ、訂正され、是正されてなければ今度は命令を掛けますし、さらには罰則ということになるわけでありますが、こういった適正な措置を講じながら、食品表示がきちっと行われますように、適正化が図られるように、職員一同で今努力をしているところでございます。
  19. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 この地方農政局地方農政事務所、二千名、これは全国に散らばっているという、四十七都道府県ということでしょうか。  また、食品表示一一〇番、また食品表示ウオッチャー、これが四十七都道府県、均衡、まあ大都市も地方もありますから、そういう意味では少しバランスが崩れるのかもしれませんが、どういうような形でなっているのかということをまずお答えいただければと思います。
  20. 中川坦

    政府参考人中川坦君) まず、二千名の職員配置でありますけれども、地方農政局もありますけれども、主として各都道府県に置かれております農政事務所の方に重点的な配置をしておりますし、それから、いわゆる農業生産地よりも消費地の方にやや比重を置いた職員適正配置というものを今心掛けているところでございます。  それから、食品表示ウオッチャー、これ、正直申し上げ、済みません、今、各県の方々の数はちょっと手元にございませんけれども、主には消費地の方で多い、そういう表示配置といいますか、登録、指名の状態になってございます。そういった方々の、例えば具体的な数字で申し上げますと、例えば、先ほど食品表示一一〇番というのがあると申し上げましたが、平成十六年度では年間一万五千件余りのこういった連絡、通報がございました。これ、それぞれについて、その情報をいただいた中身が本当にそうかどうかというふうなことを今度は農政事務所等職員が実際にチェックをしているわけでございます。
  21. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 次の質問までお答えを半分いただいているような形なんですが、偽装表示発覚件数先ほど言われたのは、食品表示一一〇番で通報されたのが一万五千件ぐらいあって、それが適正かどうかというのを調べられているということですけれども、偽装表示発覚件数、近年どれぐらい増えてきているのかとか、昨年はどれぐらいあったという話と、あと傾向、どういうところからそういうものが出やすくなっているのか。また、発覚後の流れ、先ほど指示名前公表命令罰則という中身について、特に罰則のことについてお答えいただければと思います。
  22. 中川坦

    政府参考人中川坦君) まず、指示公表を行った件数で申し上げます。これは国がやる場合とそれから都道府県知事名前で行う場合がございます。国が行う場合といいますのは、事業者の方のその事業の区域が二つ都道府県以上にまたがっている、そういう広域の事業者の場合は国が直接指示公表を行いますが、十六年度で見まして、四十八事業者に対してこういった指示公表を行っております。その内訳は、生鮮食品表示に問題があった、そういう事業者が三十三、それから加工食品事業者が十八でございます。これ足しますと五十一になりますが、三業者生鮮食品加工食品両方で違反があったということでございます。そのほかに都道府県でも同じような指示公表が行われておりますけれども、国が四十八に対しまして、都道府県平成十六年度は三十六件の指示公表が行われております。  年々の推移でありますけれども、年によりかなり振れがありますが、多い場合は百二十件程度、それから少ない場合は六十件弱でありますが、ならしてみますと大体百件弱のところで毎年指示公表が行われていると。これは、今申し上げたのは、国が行うものと県が行うものとの両方で申し上げております。ですから、各年度で見ますと多少の振れがありますけれども、百件弱程度指示公表を行っているわけでございます。  それから、中身でありますが、かつては米についての指示公表がかなり、米の表示についての指示公表が多くありました。最近では米の関係は比較的減少傾向になっておりますけれども、そのほかに水産物ですとかあるいは農産物といったふうに、余り一般的な傾向ということまで見て取れませんけれども、そういった不正に対しての指示公表を行っているというところでございます。
  23. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 その命令罰則の部分と、あと罰則中身ですね。
  24. 中川坦

    政府参考人中川坦君) こういった指示公表を行った事業者が更に指示公表に従わない場合には次に命令を掛けることになりますが、これまで命令を行った事例は二件だけでございます。さらに、その先には法律では罰則というものが準備をされております。個人であれば一年以下の懲役又は百万円以下の罰金、それから法人であれば一億円ということでありますが、この罰則まで適用された事例はこれまでにはございません。
  25. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 今お聞きすると、罰則まではないと。命令段階指示名前公表段階でほぼそういうものがなくなるというか、改善されると。そして、命令になると二件で、罰則になれば一件もないという中で、一年、百万円、法人になると一億円ですか、の中で十分だというふうに見て取れるわけですけれども、今のところそういう形で罰則まではいっていないということでございますのでいいのかなとも思いますが、今後やはりそういう意味では厳格にしっかりとしていく必要も出てくるんではないかなというふうに感じております。  我々民主党としては、実は衆議院においては修正案というものを出させていただきました。加工食品原料原産地表示の拡大ということを目的にしたものですけれども、今回のJAS法改正案では、流通JAS規格の導入と公益法人改革に対応した登録認定機関制度改善を柱とするものであり、消費者の食の安心、安全へのニーズに対応するにはまだまだ不十分であると言わざるを得ないわけでありまして、我々としては少しでもそれを、消費者視点に立っていきたいという中で、原則として国内製造又は加工された加工食品にあっては主要な原料又は材料の原産地、そして輸入については原産国を明記するべきだと考えておりますけれども、そのことについてお答えいただければと思います。
  26. 加治屋義人

    大臣政務官加治屋義人君) 消費者選択の幅を広げる義務付け対象品目を拡大することが求められ、必要だということはよく理解をいたしております。また一方では、なかなか困難な事実もあることも承知をいたしております。いわゆる加工食品は多くの原材料から製造されて、また原料の産地も変動する場合があることなどの特性を持っておりますので、すべての加工食品に一律に原料原産地表示を義務付けることはなかなか困難であると、そういうふうに考えております。  したがいまして、昨年九月の加工食品の対象品目の選定に当たりましては、原料素材の産地の違いによる品質の違いが製品の品質に大きな影響を与えると考えられる加工食品として、加工度が低くて生鮮食品に近い二十食品群を横断的に対象としたところでございます。  今後とも、引き続きまして、製造並びに流通の実態消費者の関心等を踏まえまして努力をしてまいりたいと、そういうふうに思います。
  27. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 我々民主党としては、まあ原則というような形を取るのがいいのかなと。なかなか難しい部分もありますから、原則としてはそういうものをしっかり表示していくということぐらいまでは法律の中でしっかりと明記していくべきではないかなというふうに考えているところでございます。  やはり我々民主党としては、消費者視点、立場に立って政策をしっかり我々が打っていくということ、それが結果的に日本農業を守り、そして育て、生産者の最終的には利益につながっていくんだと私は思っております。また、ひいては、世界に安心、安全な食料を供給すると。よく、先ほども言いましたように、島村大臣が言われているように、攻め農業にこのことがつながっていくんではないかというふうに思っているところでございます。  このことを申し上げて、同僚のツルネンマルテイ議員に質問者を交代させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
  28. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 民主党のツルネンマルテイです。  私の方から、このいわゆるJAS法の一部を改正する法律案について、主に有機農業の観点から質問させていただきます。なぜならば、有機農業推進のツルネンですから。  今までのこの法案の審議の中では、衆議院の方でも、そして先週からこの参議院の方でも、この有機農業に関する部分についても幾つかの委員からも質問も既にありました。そして、登録認定機関に関しては先ほどから羽田委員の方からもありました。ある意味では、そういうほかの委員たちの質問と繰り返しになる部分もあります。しかし、できるだけ違った観点から質問をさせていただきたい。しかし、同じ質問になった場合でも、それにもやはり、こういう重要な、私から見ればこれは非常に重要な法律ですから、意味があると私は思っています。つまり、多くの委員がその問題を指摘して、そして答弁を求めていることでは、それは本当に消費者にとって、あるいは関係者のいろんな関係に、有機農業でいえば、有機農業関係者にとっては本当に重要なものであるという意味では、繰り返しは、答弁の中でも繰り返しもあっても私はそれも構わないと思っています。  民主党はこの法案に一応賛成の立場になっています。しかし、これは決して積極的な賛成ではありません。先ほど羽田委員も言いましたように、衆議院の方では修正案も出しました。まあそれは否決されましたが。しかし、その後も私たちは、せめて附帯決議の方では、例えば私から見れば、この有機農業に関することを何か政府にお願いするということをやっぱり附帯決議に残すということでもあります。私も、理事ではありませんけれども、民主党の方では、その附帯決議の作成についても理事たちとも相談しながらそれを作りました。それは結果として最終案はどういうふうに、各党の調整の中でどうなっているかまだ私は見ていませんけれども、それは通ったことを祈っています。  もう一つは、私たちは、例えば有機農業の観点から見れば、多くの関係者の方から、例えばこういうことを修正してほしい、あるいはこういうことを附帯決議に盛り込んでほしいというのを、私だけではなくて、恐らく与党と野党の議員たちの方にはいろんな形でそういう要望が入ってきたと思います。しかし、私たち国会議員の一つ役割というのは、そういう声の代弁者であると同時に、やはり私たちはフィルター、フィルターの役もあります。多く、余りにもたくさんいろんな附帯決議の要望が入ると、それを全部入れるのは無理ですから、私たちはやっぱり本当に関係者あるいは日本農業にとって何が一番いいかということを考えながら、附帯決議を一緒に与党、野党で作る必要があるかと思います。  この改正の主な内容、これももう何回も繰り返されていますけれども、内容の一つは、登録認定機関位置付けをこれまでの行政代行機関から民間機関へと変更することでありますけれども、その改正は有機農業にとって何を意味しているかについて更に確認する必要があると思っています。JAS法改正のほかの部分ももちろん重要ではあります。しかし、この今回の改正の影響は有機農業にとっても極めて大きいものであります。  御存じのように、JAS法の中には今までも、あるいは今回の改正でも有機農業という言葉自体が直接どこにも書いてありません。有機農業の将来を考える上では、もしかすると、書いてない方がよいかもしれません。その訳についても後で指摘したいと思います。有機農業を詳しく知らない一般の国民なら、JAS法が有機農業にとって関係のない法律であると思われているかもしれません。もしそうだとすれば、これは極めて残念なことであります。  では、JAS法では有機農業がどのような形で出てくるか、少しおさらいしたいと思います。  さっきもありましたけれども、平成十一年、混乱した有機食品表示を統一的な表示制度にするためJAS法改正され、有機農産物及び有機農産加工食品について有機JAS規格や検査・認証制度が設けられました。その改正に当たっては有機農業関係者が強く反対しました。しかし、その後、やむを得なく有機JAS制度に従って有機農業を続けてきました。しかし、新たに有機農業を始める農家が相変わらず極めて少ない。その理由には、例えば生産者にとって有機農業へ転換することのメリットが少なく負担が多いという認識があります。決してそうではないんですけれども、そう思い込んでいる人はたくさんいます。認定手数料が高い、確かにそうです。そして、認定手続が非常に複雑であります。  国内の有機農業が伸びない中では、有機食品の需要が拡大すれば、当然そのニーズにこたえるためには有機食品輸入が増えることになります。今回の改正もその方向を更に促進すると言われています、あるいは懸念されています。もちろん、JAS制度のような農産物の安全のチェックが必要です。JAS法律全体にも元々そのような意味も含まれています。改正が何回も行われている理由の一つは、やはり消費者の食の安全を高めるところにはあります。  しかし、JAS法は特定の農法を推進する法律ではありません。したがって、有機農業を推進する法律でもありません。有機農業に関して言えば、有機農業推進の法律はまだ日本には存在していません。しかし、有機農業推進の法律の必要性が国民の間でも既に認められています。そして、国会議員の中でも、御存じのように、昨年の秋に創立された超党派の有機農業推進議員連盟に既に百三十七名の議員が入っています。その動きも有機農業推進の必要性の表れであると私は思っています。  しかし、それは本日の私の問題の主なテーマではありませんから、それに今それ以上触れませんが、今日は私は問題にしたいのは、今回の改正によって有機農業に対するチェックが更に厳しくなるという懸念です。厳しくする必要が本当にあるかどうかについても後で質問したいんですが、その前にはJAS法における有機農業位置付けについて質問します。  まず、JAS法は有機農業とどのように関連しているかについてちょっと整理してみたいと思います。  最初には、中川局長に質問させていただきますが、この法案の第十九条の十には「指定農林物資」という言葉がありますが、これはどういうことを意味しているか、簡単に説明いただきたい。
  29. 中川坦

    政府参考人中川坦君) お尋ねのJAS法の第十九条の十の指定農林物資の定義でございますけれども、一つは、生産の方法についての基準を内容とするJAS規格が定められている農林物資と、そういう物資であって、その二つ目の条件としまして、そのJAS規格において定められている名称が、JAS規格とは異なる方法によって生産された農林物資についても用いられていることから、一般消費者を混乱させるおそれがあるため、JASマークを付した場合にのみその名称の使用を認める農林物資として政令で指定されたものという、これが法律上の、少し省略いたしましたけれども、主要な点は今申し上げたとおりでございます。
  30. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 今言われましたように、現在はその政令で指定されているということがありましたけれども、この政令で指定されている指定農林物資の中に今何が入っていますか。
  31. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 端的に申し上げますと、政令そのものにはそういう名称は、具体的なものは書かれておりませんけれども、端的に言いますと、有機農産物とそれから有機農産物加工食品がこれに該当いたします。
  32. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 私もそのとおりだと思っています。  ここから、この登録認定機関役割について更に質問を続けたいと思います。  有機農産物等についてのこの名称表示を行うためのプロセスがありますね。その流れ、プロセスについて、これもやはり簡単にちょっと説明していただきたい。
  33. 中川坦

    政府参考人中川坦君) JAS法の規定によりますと、有機農産物やその加工食品につきましては、有機JAS規格による格付を受けたものでなければ、有機の農産物ですとかあるいはオーガニック何々といったような、そういう名称表示を行うことができません。  こういう名称規制が法律上規定をされているということでございまして、このために、具体的に、それでは生産者の方が自ら作られた有機農産物に有機という名称を付けて販売をしたいと、そういうふうにお考えになったとしますと、まずは農林水産大臣により登録をされました登録認定機関から、この生産者の方が生産行程管理者として認定を受けるということがまず必要でございます。  で、その生産行程管理者として認定を受けたそういった生産者の方が、自ら作られたその生産物につきまして、有機JAS規格に従って、そういった有機JAS規格で定められた生産の方法に即して生産されたかどうかということを御自分で、自らそれを確認をして、そしてその規格に適合している場合には有機JASのマークをその生産物に付けまして、そして販売をすることができると、そういう場合に有機という名称も付すことができるということでございます。
  34. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 今の答弁にもありましたように、その流れの中ではこの登録認定機関の重要性が、役割が非常に大きいものであります。そして、初めにも触れましたように、この登録認定機関制度改善のねらいの一つは、登録認定機関位置付けをこれまでの行政代行機関から民間機関へと変更することにあるとさっきも言いましたように、つまり今回の改正では公益法人に対する行政の関与の在り方を直すことになります。  まあ今の全体の流れでは、官から民へという流れの一つだと私も思っていますけれども、ここで私は、この関与の在り方、つまり関与というのは、行政の関与というのは完全になくなるということではないんですね、在り方だけ変わります。変わりませんから、その代わりには国の監視監督、まあ監督は以前よりもかえって強くなるというおそれがあります。これも関係者たちがよく指摘されている問題であります。  例えば、さっきも羽田委員の方からもありましたけれども、業務改善命令とか認定機関としての評価の取消しなども、ひょっとしたら以前よりも増えるという可能性があります。  いずれにしても、この登録認定機関役割がますます重要になることは間違いない。その責任も非常に大きくなります。  その中で、次にもやはり中川局長に聞きますけれども、今回の改正によってこの認定機関になるための条件はどのように変わったのか、これも答弁が何回もありますけれども、繰り返しこれもちょっと説明いただきたいと思います。
  35. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 登録認定機関位置付けが、従来の行政代行型から純粋な民間第三者機関へと変更することにいたしましたけれども、その際の具体的な登録認定機関登録要件登録基準でありますが、これを従来は農林水産省の告示でそういった要件登録基準というものが定められておりました。これを今回の法律改正によりまして、国際標準化機構が定めた製品認証機関に対する一般要求事項、いわゆるISOガイド65を採用するというふうに法律の中にそういうことをきちっと規定をしたということが一つポイントでございます。  また、もう一つポイントとしまして、登録認定機関業務公正性を確保するために、認定の対象となる事業者からの影響力、そういった対象となる事業者から登録認定機関に対しますその影響力を極力排除するために、一定の要件、すなわち必要な人的要件として支配要件というものを法律の中に定めたわけでございます。  こういう二つの規定が、今回登録認定機関位置付けを変えることに伴って法律措置した中身でございます。
  36. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 そうですね。この二つの変更というか条件は一番大きな問題にもなっている。いわゆるそのISOガイド65と、そして今も答弁にありましたように、登録申請者が被認定業者に支配されないようにということ、これもこう話を聞くと、当然といえば当然な成り行きですけれども、日本でもいろんなところはこの国際的な基準に合わせていこうということ、あるいはもちろん中立の立場を考えると当然といえば当然、しかし、これをなかなか現場の人たちはそう思っていないということもまた事実です。  私も、今はここには日本農業新聞、五月十一日の記事が、非常に大きく載っていた記事がありますけれども、この中でやはり有機農業はこれからどうなるかという、この法律案に対して現場の不安の声がたくさん書いてあります。その認証機関がつぶれるんじゃないかということとか、あるいは輸入品が一段と増えるのではないかとかということ、本当にISOガイド65は自分たちはそれの条件を満たして今度申請することができるかどうか、こういう不安が非常にここにたくさん書いてありますし、あるいは私たち議員もこういうのを現場の方から、いろんな形でこういう声が私たちの耳にも入っていることは、これは事実です。  そこでは、私は島村大臣にお聞きしたいんですが、このISOガイド65を採用した意味、主な理由というのは、大臣の立場から考えるとどういう答弁になるんでしょうか。お願いします。
  37. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) お答え申し上げます。  今回の法改正では、公益法人改革を推進する観点から、行政による裁量の余地のない形で登録認定機関登録されるよう登録基準法律に明記することとしたわけでありまして、このことはただいま中川局長からも御説明したとおりであります。  この登録基準につきましては、認証の取消しやあるいは認証事業者に対する監査など、認証機関に求められる事項を包括的に定めた基準でありまして、既に欧米の有機農産物などの認証機関登録基準としても用いられているところでありますいわゆるISOガイド65を採用することが適当と考えたところでありまして、今の御質問にはそのようにお答えすべきだと思います。
  38. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 さっきから私も言っているように、表面的に考えれば、一般的に考えれば当然は当然ですけれども、そうすると、ここまで条件を大きく変えたということによっては、裏には今までの制度ではやっぱり何か問題があったんじゃないかということ。これはちょっと後の質問のところで指摘したいと思いますけれども。    〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕  この国際的な基準に合わせるというようなことは、やっぱり日本ではまだ多くの関係者が慣れていないということも一つあると思いますけれども、これをこれから是非行政の方からも関係者にもっと説明して、そして今度、実際には今度新しい法律が施行されたら、具体的にはこれで大丈夫ということは納得できるようにやっぱり私たちは指導しなければならないということもあると思います。  そこで次に、私は中川局長にお聞きしたいんですけれども、関連していますけれども、登録申請者と、さっきから言われたように被認定事業者との間について、さっきも触れましたけれども、十七の二の第二号のハには次のようなことが書いてあります。登録申請者の代表権を有する役員が被認定事業者の役員又は職員であることが今度は認められないということは、まあその趣旨であります。そしてそこにさらには、過去二年、まあ二年さかのぼって認めないということもあります。ここは特に関係者の間では、なぜここには、過去二年までこういう厳しい条件を付けるかということも一つありますけれども、この理由を、こういう厳しい条件が付いたという理由をもう一回答弁お願いします。
  39. 中川坦

    政府参考人中川坦君) こういった支配要件についてでございますけれども、今回、先ほども申し上げましたが、登録認定機関位置付け民間機関というふうに従来の行政代行型から変わるということになります。純粋の民間機関でありますから、当然その業務は適正公正に行われなければなりません。そういったことを確保する、担保するための一つとして支配要件を今回規定をしたわけでございます。  従来から、この支配要件というのはこれまでの制度にもありました。それから、端的に申しまして、今までの仕組みでも特段問題があったわけではありません。けれども、今回改めて登録認定機関位置付けが純粋の民間機関になるということを踏まえまして、その業務の一層の公正性を確保するために人的要件というものを今回、より詳しく規定したわけでございます。  今、ツルネン先生が引用されましたように、代表権を有する役員が被認定事業者の役職員であってはならないと、しかも過去二年間そういうことであってはならないというふうになるわけでありまして、ここの部分は従来なかったことでありまして、よりそういう面ではこのルールが厳しくなったわけでございます。そういう面もありますけれども、考え方、思想におきましては、より民間機関になった登録認定機関日常業務を適正に行われるように、それを担保するための措置としてこういうものを規定したということでございます。
  40. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 ここでそれをもうちょっと詳しく具体的な例を是非出していただきたいんですけれども、今言われたように、中立性のためにとか、代表権を有する役員が有機農業関係でいえば生産行程管理者の役員であることはこれからは認めないということ、二年前にさかのぼって。しかし、今までは少なくともそういうケースもあったはずですが、今現在あるんですね。それをもし分かったら、どのくらいこの全体の登録認定機関の中では同じ人が役員になっているということは、もしどうしてもこれははっきりした数字がなければ、少なくともあるということは事実です。  そうすると、今までなぜそれは認められていたのか、あるいは、これは非常に大切な問題ですけれども、それによって何か実際に問題が起きているんですか、起きていたんですか、今までは、役員が両方に同じ人が入っているということで。これについてちょっとお願いします。
  41. 中川坦

    政府参考人中川坦君) まず、具体的な数字でありますけれども、既に登録認定機関となっている機関で、今回新たに法律改正によって盛り込まれるそういった支配要件からすると問題が生じる登録認定機関の全体数は私ども承知をしておりませんが、幾つかの例としまして、業界の団体、例えば食品産業の中のいろんな業界の団体がこの登録認定機関になっている場合がございます。その場合には、それぞれの食品メーカーの社長さんなどがその登録認定機関の理事長なり会長をされているという例がありまして、こういった形は、今度の新しい仕組みではこれは認められなくなるわけでございます。そういう各業界の団体として私ども今把握している中では、四つ程度このままでは今回適合しないという例がございます。既にこういった団体におきましては、新たな組織をつくることによって新しい法律に適合するような、そういうもう取組もされております。  ですから、幾つかの私ども承知しておる例としては、今申し上げたように四つの例であります。さらに、全体百近くあります登録認定機関のそれぞれについてどういう問題があるかどうかまで全体数は把握をいたしておりません。  ただ、繰り返しになりますけれども、このねらい、今回こういうことを規定するねらいでありますが、それはやはり、より適切な業務が行われるようにということでこういった規定を盛り込むこととしたわけでありまして、これは何もこのJAS法の世界だけではなくて、JISの世界などほかの類似の認証機関あるいは認定機関の言わば横並び、横断的な規定ということになっております。
  42. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 つまり、繰り返しになりますが、今まではそういう問題が実際に、例えばその四つあるいはそれ以上の場合は具体的には中立性が保っていなかったとか、そういう具体的な問題が起きていますか、今までは。
  43. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 具体的な例として、様々な事件あるいは事故あるいは不適切な例があったという、そういう具体的なものは私ども承知はしておりません。
  44. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 つまり、今そういう、まあそういう人たちから見れば、今までもうまくいっていたんだから、なぜそれを今は、まあその考え方としては中立性を保つためにというのは分かりますけれども、自分たちはまじめにやってきたということで、これは私の意見というよりも、そういう現場の声がやっぱりこれに対してもあるということですね。  ここでは、今度は八番目の質問になりますけれども、副大臣の方に質問したいと思いますけれども、この登録外国認定機関登録に関する同等性要件廃止の理由について、これもさっきも質問ありましたけれども、やはり私の方からもそれにも答弁求めます。お願いします。
  45. 常田享詳

    ○副大臣常田享詳君) 現行制度では、外国登録認定機関については、その国にJAS制度同等制度が存在し、かつ当該機関JAS法に基づく登録基準に適合していることを要求しております。  しかしながら、外国登録認定機関であっても、今後は、先ほども出ましたけれども、国際的に認証機関登録基準として用いられているISOガイド65に基づき厳格な登録審査を行うこととしておりますから、その同等性要件は不要と判断をしたところであります。  なお、これに伴い、当省職員等が直接現地に出向いて登録審査や監査を行うなど指導監督体制を充実することとしており、その業務公正性の確保に努めてまいりたいと考えております。
  46. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 この質問に対する衆議院の審議の記録も読みますと、これにもやっぱり大きな疑問がありますよ。本当にその外国まで十分に行って、そこでそれを把握できるかどうかということはやっぱり大きな疑問になっているんですけれども、これは実際には問題が起こらないように、ある意味で私たちは期待するしかありませんけれども、本当にできるかどうかは大きな疑問になっています。これは議員の中でも、あるいは現場の人たちの声でもあります。これはいわゆる規制緩和の一つでありますね。  これで、もう一つの、今度は島村大臣の方にお聞きしたいんですけれども、この規制緩和によっては輸入品が一段と増加することはほぼ間違いないんですね。そうすると、そのことによっては食料自給率が今の非常に低い水準から更に低下するというおそれも必ず出てきます。  こういう心配の声には、大臣としてはどのような答弁できますか。お願いします。
  47. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 外国認定機関登録につきましては、これまでは制度同等性を認めていることを前提として、言わば登録審査に当たっては書類審査を基本としてきたところでありますが、ただいまも副大臣から御説明いたしましたように、今後は国内認定機関と同様に、直接農林水産省などの職員が出向いて現地審査を行い、登録後も定期的に現地調査を行うこととしておるわけであります。  この点について、現実にそういうことが全きを期せるのかどうか、私からも確認したところですが、そのような体制を言わば今組んでおるところであるという報告を受けているわけでありまして、私は、言わばそういう問題を起こさない言わば結果につないでくれるものと期待をしているところであります。  このように、新制度外国認定機関に対し我が国としての登録審査及び指導監督体制を充実強化するものでありまして、したがって、このことによって外国認定機関が増え、輸入品が増加したり食料自給率の低下につながることはないと、そう考えております。
  48. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 その輸入品が増えるということは、今どう考えていても、今までは登録認定機関に、今の制度の中でその同等性があったときにはなれなかったところも、国もあるんですから、だからそういう国も増えるはずですね、今、新しい制度の中で認定機関に。そうすると、今と、新しいところからもやはりその制度の下では農産物輸入されるようになることは、私から見れば、あるいはいろんな人たちの意見を聞くと、これはほぼ間違いない。そうすると、結果としてはこれは外国に対して緩和になっている、これ強化ではなくて。そして、日本の中にはもっと厳しくなる。だから、これはこれから何年かたってから、恐らくやっぱりそうだったということになると心配しています。  次に、中川局長にお聞きしますけれども、この登録外国認定機関に対する、これもさっきも質問ありましたけれども、行政による事後チェックをどのように担保していくのか。そういう答弁も、記録に残るためにもう一回お願いします。
  49. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 登録後の監督の具体的なやり方についてのお尋ねだというふうに思います。  農林水産省におきましては、これは国内登録認定機関と全く今度は同じような扱いを外国登録認定機関にもしていこうというのが基本的な考え方でございます。したがいまして、農林水産省職員あるいは独立行政法人消費技術センター職員、いずれも具体的な専門知識を持っている職員が今度は外国に実際にその現地に出向きまして、一つは、ISOガイド65というのは今回の登録基準でありますから、そのISO65が要求している様々な事項に、事柄にきちっとその当該登録認定機関が適合しているかどうかということを現場でチェックをいたしますし、また業務規程がございます。業務規程によってその組織なり人員の配置というものが決められていますけれども、その業務規程に従った配置がなされているかどうかというようなこともチェックをいたします。  また、実際に認定に関します業務実施体制についても、その現場に行って自らその職員チェックをするということで、きめ細かいチェック、これは年に一回程度はやりたいというふうに思っております。そういうものを外国まで出向いてきちっとチェックをするということが具体的なやり方でございます。  もちろん、この監査によって不適切な点があった場合には、業務改善ですとか、あるいは登録基準のためのこれは適合を相手方、登録認定機関に対して請求をしていくというふうなことを当然行います。  こういったきめ細かなチェックを行うことによって誤りがないようにしていきたいと思っております。
  50. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 質問には通告しませんでしたけれども、具体的には日本の方から向こうに出向いて年に一回チェックする、もちろんそのとき言葉の問題も当然出てきます。いろんな国からは入ってきますし、そのとき、具体的にはその条件は日本と同じと言われていますけれども、そのチェックする職員の権限というのは、もし向こうが、いや私たちは、それを拒否するときはどうなるんですか。そういう権限はどこまであるんですか。ちょっとお願いします。
  51. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 当然、具体的に指摘をした事柄に対してそれのとおり従わないということになりますと、それはその登録を取り消すということができるようになっております。  それから、先ほど言葉の問題もありましたけれども、これは日本語で説明をしていただく、あるいは、もちろんその方が日本語をしゃべられない場合は通訳をきちっと先方に用意をしていただくということで、日本語でもって仕事ができる、確認ができるということを要求する予定でございます。
  52. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 これもこれからある意味で新しい制度でありますから、非常に大きな問題が当然いろんなところで出てくると思いますけれども、そのときは、場合によっては改正とか、これを見直すということも出てくると思いますけれども。  そこで、この登録外国認定機関からちょっと離れて、再び一般的に登録認定機関とこの認定製造業者、これは有機農業の場合は生産行程管理者ですけれども、の間で、権限が今、登録認定機関には非常に強くなりますから、そうした問題について本当に民間ベースで適切にその処理ができるかどうかということは、これもやはり今まで一生懸命やっている認定機関の方ではそういう心配が、懸念がある。さっきの新聞の記事でもそういう問題も出てきましたから、民間ベースでは、本当に法律にも詳しい、いろんな規制に詳しい人がないとなかなかできない。だから、この民間ベースでは大丈夫かということについての答弁をお願いします。
  53. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 先ほどから何度か申し上げておりますが、新たに登録認定機関位置付け民間機関になるわけでありますから、認定事業者認定するという行為も言わば純粋の民間機関としての行為になります。したがって、その認定をしたことに伴います責任もまたその登録認定機関が負うということになるわけでございまして、この登録認定機関とその認定を受けた事業者との間の関係というのは民間の当事者の問題として解決をしていかなければならないというところが現行の仕組みとは違うわけですね。現在は行政の代行機関として登録認定機関認定をしているということですから、そういう位置付けは変わります。  こういった新しい位置付けの下での制度の運用が適正に行われますように、この認定機関製造業者などのその認定を行う際の基準というものは、やはりこれからも農林水産省の告示の中で、認定の技術的基準という形でその一定の水準、基準を定めるようにしておりますし、また、その登録認定機関が、今度は認定事業者が不適切なことを行いますと、認定そのものを取り消すという権限が、登録認定機関が持つことになりますけれども、その際の認定の取消しの基準、そういった考え方についても農林水産省の省令で具体的に示していくことといたしております。  こういう基準なりをきちっと農林水産省の告示あるいは省令の中で定めることによって、登録認定機関が統一的な基準の下に制度の運用ができるようにという、そういう担保はしていきたいというふうに思っております。
  54. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 そういう基準を設けるということは一つもちろん必要ということは私も認めますけれども、これに関連して、更にそれをもうちょっと詳しく説明していただきたいのは、副大臣の方から、私の十二番目の質問では、この基準があったとしても、やはり今までの登録認定機関の中では、こういう取消しを適切に実行するためにはどうしても必要な証拠の収集とか手抜かりのない手続といった、ある意味で高いリスク管理能力がどうしても必要になるということで、そして今は大半の登録認定機関の中には、さっきもちょっと触れましたようにそういう弁護士とかそういう専門家がいないということは、その基準があっても本当にこれを適切に行うことできるか、あるいは財政的、人的にもいろんな困難が生じるんじゃないかなということで、そこで私は、例えば農林水産省の方には消費技術センターがありますね、その役割はある意味チェック役割がありますけれども、例えば登録認定機関がこういう困ったときは、問題が起きるときは相談を受けたい、技術センターの方から、そういう相談も、基準があるとしてもこういう、そういうアドバイスとか相談というのも可能になるんですか、もし求めたら。
  55. 常田享詳

    ○副大臣常田享詳君) 登録認定機関につきましては、登録基準として新たにISOガイド65を法律に明記している、このことについては先ほども御説明したところでありますが、現行制度下においても登録認定機関業務規程審査ISOガイド65を参考といたしております。また、新たに生じる事務は認定の取消し業務などの限られた事務であることから、今回の改正によって過重な負担になるものではないというふうに考えております。  登録認定機関の円滑かつ適正な業務執行については、農林水産省が、今、委員指摘独立行政法人農林水産消費技術センター等に対しまして、特に独立行政法人農林水産消費技術センターについては事前に十分説明をし、納得もしていただいているところでありまして、それらの機関を通じて更に説明会やパンフレットの配布などを積極的に実施、支援をしていきたいというふうに考えております。  ただ、私も委員と同様に、そういった説明会やパンフレットを行う、配布するという従来やってきたことだけでは十分ではないと思っております。やはり日常的な相談にきめ細かく、今まで以上にきめ細かく相談に乗っていくということが最も大切なことではないのかなというふうに思っております。
  56. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 さっきの中川局長の答弁の中には基準を作るということがありましたが、私の十三番目の質問の中では、取消し要件は、例えばもっと詳しくその基準の中に具体的には何が入るかということで、全国一律の制度というのを、その基準はそれを意味しているか、もうちょっとこう全体的な制度が取消し要件としてはこれは必要ではないかと思いますけれども、そういうことはその一律の制度までもその基準の中に入っているんでしょうか。
  57. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 具体的には省令で規定をすることでございますから、これから更に細部は詰めていくことにしておりますけれども、ある程度私どもが持っている考え方を申し上げれば、例えば認定を受けるための技術的基準というのは、既にこれは告示で定めることとしております。その基準に適合しなくなった場合、しかもそれを改善をするようにと、こういうふうにこちらから言っても、それはもうその見込みがない、改善の見込みがないというふうな場合が一つの例でございましょうし、また、故意又は重大な過失によって格付などに係ります関係法令の規定に違反をしたような場合、これも明らかにそういう当該機関として資格がないなということは明らかだと思います。  こういった具体的な例を省令の中に規定をしていきたいというふうに思います。
  58. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 そういうふうな省令やら基準はやっぱりこれからどうしても、そしてそれを説明するその責任もやっぱり農林水産省の方にはあると思いますね。すべてをただ民間に任すということだけでは、これは当然うまくいかないと思います。  ここでは、ちょっと関連していますけれども、島村大臣の方には、衆議院の本会議の質疑の中では、うちの議員の一人が、この民間登録認定機関への農林水産省OBの天下りはあるのかないのかという質問があった、私も記録を読んでいますから。で、その記録の答弁の中には次のような、私から見ればちょっとあいまいな答弁があった。それをもうちょっと確認したいということであります。  答弁の中にはこういうことが書いてあります。農林水産省としては、農林水産省OBの登録認定機関への再就職について、国家公務員法や閣議決定などにより決められたルールに基づいて適切に対処してまいります。特に、この適切にというのは、総理大臣もいろんなところで適切に判断します、適切に判断しますと言っていますからその中身は明らかになっていますけれども、ここでは大臣の方では、この適切に対処するというのは、具体的にはOBの採用があるかどうかということをちょっと答弁お願いします。
  59. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 委員御承知のように、国家公務員法がございまして、例えば、職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に言わば在職していた人事院規則で定める国の機関又は特定独立行政法人との密接な関係にあるものに就くことを承諾し又は就いてはならない。要は、自分が役所にあってそういう職務に従事していた方は、ある一定期間、言わばその関係のところに就職することを禁じているわけですね。こういう制約を受ける中で、それらを過ぎた後において、なおその方の言わば特殊技能とか知識とか見識全体の評価の上で民間企業がこの人を求めた場合、これは必ずしも天下りということには当たらないというのが恐らく国家公務員法の規定の中に盛り込まれている内容だろうと考えております。  そういう意味で、言わば登録認定機関農林水産省OBを雇用するのは、あくまで農林水産省における関連行政にいろいろ携わって、経験やあるいは飲食料品あるいは林産物の製造などに関する知見が評価された場合であると我々は考えているわけであります。    〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕  そこで、農林水産省といたしましては、農林水産OBの登録認定機関への再就職につきましては、冒頭申し上げましたように、あくまで国家公務員法や閣議決定などにより定められたルールに基づいて適切に言わば対処すると、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
  60. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 その決まったルールに基づいて適切に判断するということですね。実際にはあり得るということになるんですね。  しかし、その場合は、これも通告していませんけれども、当然メリットとデメリットは、その登録認定機関にとって、あるいは周りのほかのものにあると思いますけれども、今考えているところで、もし一つでもいいから、これはメリット、これはやっぱりちょっと問題、デメリットにあり得る、あるいは周りの方から、そういうことはちょっと考えますか。
  61. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) やはり、こういうそれぞれ専門的な分野に携わるということですから、一般の民間人で知り得ないような専門的な言わば勉強をし、特に優れた能力を買われて初めて官僚になれていると私はいつも官僚に高い評価をしている人間の一人なんですが、問題は、その役所の持っている、官庁の持っている公的な権限、こういうものに何かかかずらわってその利権を結び付ける橋渡しをすると、こういうことになったときは、これは完全にデメリットだと思いますし、また許されない行為なんだろうと思います。  また、その一方では、御自分が長年の経験の中で専門的に研究し学んだ事々の知識あるいは人脈その他について、例えば学者とのつながり等々の言わば個人的な財産とでも言うんでしょうか、そういう人的交流というのはその人自身の能力にプラスする言わば力になるだろうと、こう思いますね。この辺はメリットと言えるんではないかと思います。  いずれにいたしましても、私は、役所との利権の橋渡しをするとか、頼まれもしない人材を抱き合わせでたくさん連れ込むというようなことは許されないと思っているわけでありまして、この登録認定機関への就職につきましても、それらについてはかなり厳しい制約がありまして、現実に今、この数字の上で見ますと、言わば全体で三百六十八人中二十六人、七%の数字でございますから、そんなにひどい結果にはつながっていないんだなと、そう判断するところであります。
  62. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 そのメリットの方に、私もそれを認めます。つまり、その専門的な知識を生かすということは、確かにこれはメリットといえばメリットですね。  デメリットの方にはもう一つ大きいのがあるのではないかと私は考えています。  つまり、そのOBが入っている登録認定機関とそうじゃない機関のある意味でバランスというか、あくまでもそっちは知識が豊富で、こっちはそれに何というかな、負けるというか、つぶれるというまではなくても、そういう意味で、知識を使い過ぎると、ほかのもっと弱い立場のところの認定機関はやっぱりそれをうらやむというか、そこで問題が起こる。もちろん、同じところで同じようにやっていないんですけれども、こういう比較する場合のメリットは考えられないんですか。
  63. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 最近は天下りということに対して大変厳しい社会の批判あるいは政界においても御批判の声が多いわけでありますけれども、私は本来的に性善説に立つせいもございますし、また同時に、私、大変就職難な時期に大学を出まして、もうどうやって就職したらいいのかという途方に暮れるような環境にいたわけですが、その際、もし私が言わば学業成績優秀で非常に勉強の成果を修めていたら、私も官僚を目指したと思うんですね。  問題は、並優れて優秀だったからこそ官僚の世界を目指し、またその世界に入れて、しかも厳しい競争に勝ってある立場を築く、そして自分の人生の経験をそこにぶつけている人がまだ六十歳にも至らない若い、場合によっては五十歳そこそこで役所を辞して、その先が閉ざされるということが果たして好ましいことなのかどうか。民間企業においても人材を常に求めているし、最近は特に、言わば永久就職でなくて途中から採用するケースが非常に増えているわけでありますから、殊更にこれからはこういう優れた人材が求められる時代が来るんだろうと思います。  そういう意味では、私は、問題は、言わば雇用の経過ももちろんありますし、その後のいろんなその人自身の行動も当然厳しく律せられなきゃいけませんが、しかし、その能力を生かして新しい人生の分野を切り開くということはむしろ歓迎すべきことなんだろうと、こんなふうに考えているわけであります。
  64. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 今も大臣指摘したように、私たちから見れば、天下りということ、OBが民間の企業に入るということには風当たりが非常に強いということで、もう一つは、やっぱりみんな心配しているのは、そこで変なしがらみ、官と民のしがらみが出てくるということ。だから、そのためには、やっぱりこれは大きな問題になっているんですけれども、本当にこれもルールに基づいてやらなければならないということですから、絶対駄目ということ、私も詳しく分かりませんけれども言えない立場にあります。  そこから先へ行きます。  中川局長に質問させていただきます。  この登録認定機関が新しい方に移動するための移動のときはスムーズにいくためには、やはり何らかの配慮が必要と考えますし、私たちは提案している附帯決議の方にもそれを盛り込んでいると思いますけれども。  つまり、具体的に言えば、今の登録認定機関の中では、登録の有効期間が今年の八月からだんだん、この新しい法律は三月一日から施行するのでありますから、そこまで、その以前には有効期間が切れるということですね。新しい申請は九月一日からできるんですけれども、それでも新しい法律の下で仕事できるのは三月一日からですね、このギャップ、この間の半年、場合によっては半年あるというのは、これを今古いやり方で申請して、そしてまたすぐ新しくするという、いろんなここでは問題がありますから、この問題に配慮をどういうふうに考えていますか。
  65. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 確かにそういう、今、先生が例を挙げられたような登録認定機関の五年が経過をして、ちょうど今年の九月から来年の三月にかけてその期間が終了するという方、幾つかいらっしゃるのは私も承知をしております。  その際に何か特別の配慮というふうにおっしゃるわけですけれども、現行の制度の中ではやはり五年という決まりがあるわけでございまして、その期間が過ぎたからといってそのまま何か延長するというふうなことは、これは法律の仕組みとしてなかなか認められないものだというふうに思っております。  その際、何か具体的なそれでは支障が生じるかということでありますけれども、一つは、この登録認定機関認定を受けた事業者の方、生産者の方や食品産業の方、この方々は現行の制度では特段期限がございません。有効期限がありません。新しい制度、来年の三月一日から新しい制度になりますと、そこから先は一定の期限、三年間という経過措置は設けることになっておりますから、実質的に認定を受けている事業者方々に何か問題が生じるということは私どもないというふうに思っております。  ただ、登録認定機関の方は、これは確かに有効な期間が切れますので、新たに認定をしようとするとそれはできないということになります。その間が最長半年、短い場合は数か月ということになるわけでありますが、これはその間を特例的に旧来の制度でそこを認めるとしましても、すぐに新しい仕組みが来年の三月一日から施行されるわけでありますので、そこについて特別の措置を設けることというのは、私どもは適当ではないというふうに思います。  確かに、先生おっしゃるように、一種空白の期間ができるわけでありますけれども、そのことのために特別の措置を講じるということは、私どもはそれは適切ではないと。また現に、繰り返しになりますけれども、個々の事業者方々にとってみると、これまでと同じように三年間の経過措置の期間中はJASのマークを貼付して実際に生産をし、出荷ができるということでございますので、その面でも実質的な支障がないのではないかというふうに思っております。
  66. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 これも現場の声では、やはり幾つかのそういう登録認定機関が期限切れますから、その問題は確かに出てきますから、何とかそれをうまく乗り越えるためにはやはり指導も必要じゃないかと思います。  そこで次には、有機農業の現場からの声がさっきから、私は、いろんな声があります。  一つは、JAS法の運用改善の要望点は、例えば三つくらいはよく出されます。この三つの要望というのは、問題を今度この新しい法律ではこれは改善できるか、解消されているのかどうかということについて、その三つの点は、例えば手間が掛かるということは指摘されているんですね、認証を受けるためには。あるいは認証のコストが極めて高い。そして、さっきから何回も指摘しているように、恐らく輸入農産物が増える。この三つの点については今回の改正案では解消されるかどうか、これも中川局長の方から。
  67. 加治屋義人

    大臣政務官加治屋義人君) 先生おっしゃるとおり、現場からそのようなことについて声が上がっていることは私ども承知をいたしております。  このたびのJAS法改正は、流通JAS規格の新設、登録認定機関位置付けの変更など、消費者の合理的な商品選択に資すること、あるいは公益法人改革を推進することを目的といたしております。  一方、お話しの三点についてでございますけれども、作成書類は必要最小限のものに限定して求めております。二点目の認定手数料につきましては、実費に基づいて算出されているものでございます。また、第三点の外国産有機農産物の格付数量が増加しているではないかと、このことにつきましては、外国において加工されるサトウキビ等の原材料の増加によるものでございまして、このことについては御理解をいただきたいと思っております。  今般の改正によりまして、有機農業の振興に支障が生ずることがないように、適切な制度運用を行うよう努めてまいりたいと思っております。
  68. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 もちろん、私も、あるいは現場の人たちもそう期待しているし、望んでいますけれども。例えば、この中の二つ目に、認証のコストが高いということ。これは今の答弁にも、それは下がるということはまずちょっと考えられないね。だから、少なくとも、これは解消する、もっと安くなるという見通しは余りない、現場の推定というか、声がありますね。これも実際にはスタートしないとどうなるか分かりませんけれども。  ここで、ちょっとテーマを変えて、一番最初に少し触れましたけれども、島村大臣にお聞きしたいんですけれども、これも現場の声、あるいは私たちは有機農業推進議員連盟の中でもこういうことが指摘一つの案としてそういう声もあります。  つまり、有機農業推進法を早急に制定して、有機農産物についてはJAS法の指定農林物資から除外して、外して、そして有機農業推進法による新たな認定制度に移動すべきではないかという案も、これから私たちもこの有機農業推進法をこれから議連の中でも作りますけれども、その中には完全にこれを盛り込むというか、そういうことに対して、個人的な見解でもいいですけれども、それは可能かどうかということ。まだ法律はできていませんけれどもね。
  69. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 有機農業の的確な振興を図るためには、表示適正化を図るとともに、有機農業についての普及啓発を含め、各般の振興施策を講じていくことが重要であると、こう考えております。  ツルネン先生、大変な御活躍で有機農業に対する認識、急速に深まってきておりますが、やはりそういうことを入念にこれからもいろいろな活動を通じて知らしめていくということが非常に肝要なんだろうと思っておりまして、その意味では同じ考えに立っております。また、有機農産物の検査・認証制度につきましては特に消費者の誤解あるいは混乱を避けることが重要であることから、JAS法によりまして表示適正化を図ってきたものであります。  今後とも、本制度の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいりたいと、そう考えております。
  70. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 もちろん、これもまだ一つの考え方である。ほかの国では、私たちの勉強会の中では、そういうふうに一つ法律の中にこの認証制度も入っているという例もあるんですけれども、これもどのくらい可能かどうかはもちろんこれから力を合わせて勉強することになりますけれども。私は、一番最初に触れたというのは、この有機農業という言葉がこの法律の中に一つもありませんから、もし仮に存在すれば法律改正は全く必要ではなく、政令とかその規格制度というのを変えることでそれは可能ですね。でも、これは本当に有機農業にとってはどっちがいいか、これはいろんな専門家の意見も聴きながら、農林水産省の意見も聴きながらこれから勉強したいと思っています。  それで、十八番目の私の質問に入らせていただきます。  政務官の方にお聞きしたいんですけれども、有機農産物に対する消費者理解を促進するためにどのような対策、支援を講じる方針なのか。  ちょっとそれを先にちょっと説明させていただきますが、これは「有機農産物マーケティング要覧二〇〇四」の中のアンケートがあります。そのアンケート、その調査を見ると、有機JASマークを見たことがある消費者は、見たことがある消費者は七割、七〇%くらいがあるんです。しかし、その内容まで把握している消費者はわずか三〇%しかない。つまり、有機JASマークは何を意味しているかということを知っている人はわずか三〇%しかないというデータが出ています。  この有機という言葉そのものは意味が、いろんな意味があるんですから、これは一つの問題がありますね。例えば減農薬とか減化学肥料とか、こういうことだったらもう言葉で分かりますけれども、有機という言葉では、これは農薬を使ってない、化学肥料を使ってないということがその言葉で分からないんですから、やはりこれをもっと私たちはPRというか、この概念が余りにもまだ徹底されてないということ、その周知の必要性があると思いますけれども、これについて答弁を求めます。
  71. 加治屋義人

    大臣政務官加治屋義人君) 有機農産物がより普及をするためには多くの消費者に正しく理解をしていただくことが最も大切なことだと、そういうふうに思っております。  このためにも、有機農産物の検査・認証制度につきましては、平成十二年度の制度導入当時から普及啓発に積極的に取り組んでおりまして、一つには、消費者理解を促進するためのシンポジウムの開催、あるいは生産者を対象とした実地講習会の開催、育児・料理関係情報誌を利用した広報活動、また、地方農政事務所職員などによる日常的な制度の啓発、表示の実施状況調査を通して表示適正化に努めているところでもございます。  今後とも、こうした各般の施策、支援を講ずることによりまして、有機農産物の普及と消費者理解の促進に、先ほど常田大臣申し上げましたけれども、気配りのできるそういう努力をこれから努めてまいりたいと思っております。
  72. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 その努力というのは本当に必要です。わずか三〇%の人しか今意味が分からないということで、これは農林水産省の責任だけではないと思います。例えば、私たちは、マスコミでも、仮に例えばNHKの方でももっとこれを協力してPRすればもっと多くの人は、食の安全にかかわっている一つの問題でありますから、その三割が一日も早く六、七割に増えるようにやっぱり私たちは力を合わせてやらなければならないということ。意味が分からなかったらやはりそれを選ぶということもできないということになります。  次の質問は、今までの附帯決議の実行されたかどうかについて質問したい。  平成十一年五月の改正のときは、この参議院の委員会では、附帯決議では、幾つかのこの有機農業に対する附帯決議がありました。その中の一つの例としては、この三番目に入っているというのをちょっと読ませていただきます。そうすると、この附帯決議は今までどのように実行されていたかどうか、是非これの答弁をお願いしたいと思いますけれども、こういうふうに書いてあります。「有機食品の検査・認証制度の導入に当たっては、有機農家の負担に十分配慮するとともに、その意見の反映に努めること。」という附帯決議です。これは今までどういうふうに実行されていたんでしょうか、中川局長。
  73. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 有機食品の検査・認証制度の導入に当たりまして、登録認定機関が有機を実践しておられる農家を認定する際の基準、これは先ほども言いましたけれども、認定の技術的基準というものを定めたわけであります。  その認定の技術的基準を定めるに当たりましては、当然パブリックコメントを行いました。そのパブリックコメントの中に、その当初の案では法人だけがそういう認定を受けられるというふうにしてあったわけですけれども、いただいた御意見の中には個人でも認めてほしいというのがありました。これは個人であっても認定が受けられるように実際その後改めましたし、また、認定を得るまでに必要な実務経験年数というのも、原案では五年ということで意見を求めたわけでありますが、もう少し短くということでございましたので、これは、三年まで引き下げて、短縮をしたわけであります。こういうふうに、パブリックコメントを行いまして、有機農家の方々からいただいた意見も可能な限り登録認定基準の中に反映をしたところでございます。  それから、それ以外にも、有機JAS制度をめぐります様々なQアンドAを作ったり、それから、認定をこれから受けたいという人のために、これは毎年多い場合には一年間に八か所ぐらいでやっておりますけれども、そういったこれから有機の認定を取りたいという農業者の方、生産者の方を対象にした現地での実地の講習会なども開きまして、そこで実際に認定を受けるために必要な手続ですとか、あるいは認定取得後の、生産記録を残していかなきゃいけませんけれども、そういった生産記録を作る場合のノウハウなど、必要な有機のJAS制度についての知見、知識をいろいろと獲得してもらうためのそういった仕組みもこれまで努力をしてきたところでありまして、こういったものを通じて、有機農家の方、有機を実践しておられる方々の負担を軽減するようにこれまでも努力をしてきております。
  74. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 そういうふうにいろんなことは言われましたけれども、有機農家の負担に十分な配慮をする、本当にその負担が、これに、こういう方法によって軽くなったかと、なかなか言えないですね。だから、これは私はやっぱり、十分には実行されて、生かされていないと言わざるを得ませんと、私は、あるいは多くの人がそう思っていると思います。  私に与えられた時間はあと六分くらいになります。ちょうどあと二つ質問で、終わりに近づいています。少しこの法案から、この有機JAS規格見直しについてちょっと二つだけ質問させていただきます。  最初は、今も、やはり関連しますけれども、中川局長の方には、今までは有機農業の専門家とか、彼らの意見をいろんな形で聞いたんですけれども、これからは、この見直しのときも、やはり当然だと思いますけれども、例えば具体的にはこの有機農業の専門家の意見をどのように見直しの方に反映されているか、ちょっと答弁をお願いします。
  75. 中川坦

    政府参考人中川坦君) これまでのJAS規格見直しの過程でどう反映したかという御質問でよろしゅうございますか。  有機JASの規格につきましても、ほかの規格と同じように五年に一度は見直すということでこれまで運用をしてまいりました。一昨年に、この有機のすべての生産行程管理者の方、現在では四千人を超えておりますけれども、一昨年、当時生産行程管理者として認定を受けておられた方全員、それからまた、すべての登録認定機関あるいは生産者団体、こういった方々にアンケートを実施をいたしまして、そのいただいた意見も踏まえながら、昨年の九月からこの有機の規格につきまして見直しのための検討会あるいはJAS調査会の専門部会において検討を行ってきております。  その中で、様々な代表者の方や学識経験者の方々にも委員として参画をしていただいたわけでありますけれども、こういった委員方々の議論も踏まえ、それからさらにまた、これまでのアンケートでいただいた意見も踏まえて、昨年の十二月にこのJAS規格見直しの案を策定をしたところであります。  まだ、これは成案、最終的なものにはなっておりませんけれども、この見直しの作業の過程で、例えば有機農家の方々からの要望が強かった、こういう資材を使いたいと、今は認められていないけれどもこういうものも使えるように認めてもらいたいという御意見の中には、石灰硫黄合剤ですとか消石灰など、そういったものを使えるようにしてほしいというふうな御要望がありましたし、また、有機農業で使用ができます種苗の規定の中に、種苗というそういうものの中に経過期間を設けてほしいというふうなこと、御要望もありました。また、苗を育てる土として山土なども使えるようにしてほしいという御要望もありました。こういった様々な御意見につきましては、有機農業の専門家の方々の意見として反映、そういうふうなものを取り込んで新たにこの規格の見直し案を今作ったわけでございまして、できるだけこういった実際に実践をしておられる方々、それから専門家の方々の意見は可能な限り取り込んでいきたいという基本的な考え方でおります。
  76. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 今後とも是非、やっぱり彼らは一番よく分かっていますから、その声を十分に聞いて反映すること。  最後になりますけれども、その見直し案の中には、さっき言われたように私も、非常にいいものもありますけれども、ちょっとこっけいというか、おかしなところも幾つかあります。最後にその一つの例を、ちょっと皮肉っぽいことになるかもしれませんけれども、ちょっと出します。  今のこの有機JAS規格の中では、こういう言葉が書いてあります。「生産された有機農産物が農薬、洗浄剤、消毒剤その他の薬剤により汚染されないように管理されていること。」、つまり汚染されるおそれがあるというふうに、ある意味でこの言葉から認めているんですね。これを今度は、新しい案では、農薬とか他の薬剤と接触しないように管理されるようにということ。  つまり、今までは農薬は汚染物である。しかし、これはどういう意味か、いや、これはやっぱり直さなければならないということで、それはやはり汚染物質でないんだから、これは今度は新しい案では薬剤と接触しないようにという、ちょっと言うと逆の方向に動いているんじゃないかなと、まあこれはもう答弁がなくてもいいと思いますけれども、こういう見直しもあります。  最後の一分だけはありますけれども、これは大臣には、この有機農業促進、私も有機農業推進のツルネンですから、大臣の方からもそのことに対して、推進に対する決意を一分くらいでお願いします。これは突然ですけれども、お願いします。
  77. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 有機農業推進に大変な情熱を燃やすツルネン議員の御努力に深く敬意を表しますし、私も、あなたのような純粋、誠実に懸命な御努力をいただいているその研究については、これからも注意深く伺い、かつ我々の行政の中に生かせるものは生かしたいと、そう考えるところであります。
  78. ツルネンマルテイ

    ○ツルネンマルテイ君 終わります。
  79. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  最初にJAS法についてです。  それで、今回の法改正で新たに流通情報JAS規格が制定されることになりますけれども、大臣は本会議の質疑で、この生産情報公開JASとそれから流通JASの一体化について、消費者商品選択の際に生産と流通に関する情報を入手できる仕組みについても今後鋭意検討してまいりたいというふうにお答えになりました。トレーサビリティーJASの制定に積極的姿勢を示されているわけです。  現在、青果物、それから鶏卵、貝類のトレーサビリティーガイドラインが示されているんですけれども、今後どのような品目でこの規格制定を考えておられるのか、まずお聞きします。
  80. 中川坦

    政府参考人中川坦君) まず、今回導入をいたしますのは流通JASでありますが、流通過程において付加価値が高まるような、あるいは特別の先進的な技術に基づいて管理された、そういうものについて新たにJAS規格を定めようとするものでございます。それから、生産情報公表JASとしましては、既に牛肉や豚肉について規格が定められております。こういった生産とそれから流通を併せた新たなJAS規格というものについてどうかという御質問だと思います。  これにつきましては、大臣も鋭意検討ということで既にお答えをしておりますけれども、それじゃ具体的にどうかとなりますと、これは消費者やあるいは事業者方々の要望を聞きまして、品目ごとの流通実態を踏まえて個別にその規格、ニーズがあるところに設定をしていくということが必要でございますので、具体的に何か特別のものを今心に持っている、念頭にあるわけではございません。それはやはり関係者の方々の意見をよく承って、そして必要なものからそういうことが可能かどうかということを検討していきたいというふうに考えております。
  81. 紙智子

    ○紙智子君 これから鋭意そういうものについて検討していくということかと思います。  それで、関連して、牛肉のトレーサビリティー法について質問いたします。  私たち、法律の制定当時から、外国産の牛肉にも、これ、トレーサビリティーは義務付けるべきじゃないかというふうに主張してまいりました。農水省は、牛肉はBSEの発生国からは輸入しないと。未発生国の牛肉にトレーサビリティーを義務付ける必要はないし、未発生国に義務付ければ、これは国際協定に抵触するので、外国産牛肉への義務付けはできないということを答弁をされていました。二〇〇三年の五月でしたけど、私、この当委員会質問したときにそういうお答えをされていたわけです。  ところが、現在農水省は、このBSE発生国からは輸入しないというこの姿勢を覆して、食品安全委員会に対してアメリカ、カナダというBSEの発生国からの輸入再開を諮問しているわけです。発生国からの輸入を認めるという諮問をする以上、やはりこの外国産牛肉については、無条件でトレーサビリティー法の対象から除外するということになりますと、法律制定当時の外国産の牛肉を適用除外する理由が成り立たないことになるんじゃないかと、これ、大臣、いかがでしょうか。
  82. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 牛肉トレーサビリティー法は、国内におけるBSE蔓延防止の基礎となるとともに、消費者情報提供を行うことを目的としておるわけでありまして、それ自体が牛肉の安全性を直接保証する措置ではありません。したがいまして、トレーサビリティーを外国産牛肉に義務付けることは、国際協定に抵触するおそれがありまして、慎重な検討が必要であると私どもは考えております。  なお、言わばBSE発生国から牛肉を輸入しないという、従前それらの考えがあったことは承知をいたしておりますが、その後、言わばいろいろな国々からそういうような状態が、新たな状況が発生をいたしました。しかし、さはさりながら、やっぱり我々は、あくまで科学的知見に基づく食の安全、安心というものを大前提に、言わば国民の食を確保するというまた義務を負っているわけでありますので、それらについての判断が基本的に変わったにいたしましても、やみくもにただよしとするという方針ではなくて、言わば食品安全委員会、正に専門家の機関にかけて科学的にいろいろ検討を行う、また一方では、消費者の御意向等も十分聴いて、これらについての対応を今模索しているのが現状であります。
  83. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと今の答弁ではなかなか理解できないといいますか、私、お聞きしたのは、最初、二〇〇三年に質問したときに、やはり発生国からは入れないから必要がないんだというふうに言っていたことが、今変える形になってきているわけですけど、そうすると、やっぱり最初に適用除外にすると言っていたこと自身の建前といいますか、そこがやっぱり違うんじゃないかと、成り立たないんじゃないかということを質問したわけです。  その間いろいろな状況がありましたという話なんですけれども、そこがいま一つよく分からないと思うんですけれども、ちょっともう一回きちっと説明をしていただきたいんですけれども。
  84. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 要は、例えばアメリカを例に取ると分かりやすいのですが、我が国の約三〇%前後の輸入の対象になっている国と、こう申すべきかもしれませんが、この国が実は二〇〇三年の時点ではBSEが発生しておらなかった。したがって、そういうものを予定していないという答弁の中には先を予見する言わば判断が欠けていたかもしれませんが、現実にそういう問題が起きましても、我々はあくまでその安全、安心のための全頭検査等を実際に断行して、その結果、数多くの牛の検査を行ったことによりまして、言わば安全性が確保できると判断する大体の目安を作って現在御検討いただいているということでございまして、これらも決していい加減な検査をしているわけではございませんし、検討については慎重の上にも慎重と、国際的にはむしろ厳しい批判が飛んでくるくらい、我々はあくまで慎重に誠実にこれらに当たっているわけでございますので、事情の変化があったことは認めますけれども、御理解をいただきたいところであります。
  85. 紙智子

    ○紙智子君 外国から入ってくる肉でもって、日本の例えば加工場なんかも六割がそれで占めているという中で、国内ではトレーサビリティーということでやっているわけだけども、やっぱり輸入しているものに対してもやるべきじゃないかということで、そのことでやり取りがあって、それで、いや、未発生国なんだと言っていたわけだけども、発生している国から入れるということになったら、当然これまた検討すべきじゃないかというふうに私は思うんですよ。  それで、日本への輸入のプログラムでいいますと、輸入できる牛肉は生後二十か月齢以下というわけですけれども、アメリカではトレーサビリティーシステムはないと。出生証明があって月齢が分かるのはせいぜい一%以下しかないわけです。肝心のこの月齢判定ということでいいますと、群れ単位で推定するかあるいは肉質で判断するという極めてあいまいなものなわけですね。私たちはこういう条件の中で輸入再開は許されないというふうに思っているわけですけども、もしこれ、諮問どおりに輸入再開ということになりますと、いつどこで生まれたのかも分からない牛肉が店頭に並ぶことになると思うんですよ。これで安心、安全が確保できるとはとても言えないと。外国産の牛肉は対象外という規定は、これやっぱり早急に見直すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  86. 中川坦

    政府参考人中川坦君) まず、今回、アメリカ、カナダからの輸入につきまして、その条件を食品安全委員会に諮問しておりますけれども、その基本的な考え方は、今回輸入をされる牛肉の安全性が国内で流通しているものと同等かどうかということを食品安全委員会に聴いて、そこのところをチェックをしていただこうと思っているわけでありまして、決して輸入再開して入ってくる牛肉が、そのリスクが高まる、それを容認するというふうな考え方を持っているわけではありません。  したがいまして、将来、食品安全委員会の答申が得られて輸入再開されたといたしますと、その条件の下で入ってくる牛肉のリスクというものは何ら日本国内のものより高まってはならないと。そこはきちっと担保をしていきたいというふうに思っております。  それから、その際の条件でありますけれども、二十か月以下の牛から取られたといいますか、牛に由来するものあるいは特定危険部位を全部の月齢のものから取るといった、そういう付加的な条件を付けてありますけれども、この二十か月をどう判別するかという、そこのところにつきましては、アメリカではおっしゃるようにトレーサビリティーシステム、個体識別制度はまだ完成しておりませんから、その中で、国としてはそうですけれども、生産記録を持っている農場もあります。したがって、それがあるところではその生産記録によって二十か月以下ということを確認をする。これは先生、一%とおっしゃいましたけれども、現状では一割近くあるんではないかと思っておりますし、このことは現場で努力をすれば更にその情報は整備をされていくというふうに思います。  それから、そうでない場合に成熟度でもって二十か月を判断する、この方法も今回諮問の中に一つの条件として、二十か月判別をする条件として情報提供いたしておりますが、これも、くどいようですけれども、日本の専門家六人の方々にその妥当性について検討をいただいて二月の八日に報告もいただいております。それに従って十分その信頼のできる方法として、私どもとしては一つの条件として入れてはどうかというふうに考えているところでございます。
  87. 紙智子

    ○紙智子君 今の話を聞いていますと、結局輸入牛肉に対してもそういうトレーサビリティーのシステムは必要ないということなんでしょうか。
  88. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 必要であるないというか、それを相手国に義務付け要求をしていくとなりますと、それはトレーサビリティーシステムというのは直接安全を確保するものではなくて、万一そういった疾病、病気が発生したときに、どこの農場由来のものかというふうな、そういう防疫対応をするための仕組みというのがこの制度そのもののねらいでありまして、したがって、そういうものを、つまり安全確保のために必要な最小限度のものではないものを相手国に要求をするとなると、SPS協定上それは過剰な要求だというふうに、そういった点でWTO上争われることになると。また、その争われた場合にはSPS協定に照らすと、それは過剰な要求だというふうに判断されるおそれがあるので慎重に検討をしたいということでございます。
  89. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっとこの問題ばっかりやっていると、まだ全然納得していないんですけれども、時間が過ぎてしまうので、いずれ二十七日に再度そういう機会があると思いますからやりたいと思います。  それで、次に米国産のジャガイモの輸入解禁問題について質問をしたいと思うんです。  それで、植物防疫法で現在は輸入禁止されています米国産の生のジャガイモが加工用に限って来春にも輸入が解禁されるということが報道されていて、産地では未発生の病害虫の侵入の危険性が増すと危険感を強めています。それで米国の側はどのような検疫条件を提示しているのか、それから輸入解禁の手続の進行状況がどうなっているかということを、まず詳しくお話ししてほしいと思います。
  90. 中川坦

    政府参考人中川坦君) これまでアメリカにはジャガイモのがん腫病あるいはジャガイモシストセンチュウが発生をしているという記録がございます。こういうことから、生鮮ジャガイモの輸入はこれまでも植物防疫法により禁止をしてきたわけでありますが、昨年の八月に米国からポテトチップス用のジャガイモに限定をして輸入解禁の具体的な提案がありました。  現在、その病害虫が我が国に入らないようにと、侵入防止をするという観点からこの具体的な提案があったことからそれを今検討しているところでございます。その際に、この具体的なアメリカ側の提案の中身をということでございますが、端境期にポテトチップス用のジャガイモを日本に加工工場へ直接コンテナのような形で密封をしてその工場に直接搬入をすると。また、その際には米国ではジャガイモのがん腫病、あるいはジャガイモシストセンチュウの発生のない州において生産されたものに限定をするし、そこに付着をしている土などはブラッシングをして落とすというようなこと、あるいは先ほどもちょっと言いましたが、そのコンテナによる密封というふうなことで、他に汚染をしないようなそういう配慮を行うと、こういった幾つかの具体的な条件を付して提案があったわけでございます。これを、まだ結論は出ておりませんが、こういった提案に対して技術的な検討を今行っているというところでございます。
  91. 紙智子

    ○紙智子君 今、具体的な提案があったというふうにお答えになった中身、土はブラッシングで落として密閉してコンテナでという話なんですけれども、これはこれまでも余り変わらないんじゃないかと思うんですね。これまでもアメリカからは再三この解禁の要求が出されてきて、最初八四年だったと思いますけれども、それでこれが、農水省はこれまでの提案に対しては拒否してきたと思うんですね。  で、二〇〇二年の六月に当委員会で同様の条件で、つまり米国で生鮮のジャガイモをコンテナに詰めて封印をして日本の加工工場に直接搬入するという条件で輸入解禁の要請があって、このとき農水省は、輸入前に国内で消毒措置等のリスク管理を取っているわけじゃないと。それから、アメリカの主張ではちゃんとした検疫措置、病害虫の侵入防止措置が取られていないということで、あなた方の主張は採用できませんという回答をしているというように答えられたんですね。それがここに来て大きく変わったのはなぜなのかなということで、ちょっとこれ大臣にお聞きしたいと思うんですけれども。
  92. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) ポテトチップス用生ジャガイモの輸入解禁につきましては、これまでも米国側から要請がありましたけれども、従来は具体的な検疫条件が示されず、当方で具体的な言わば検討ができなかったという経緯があります。こうした中、米国側からは昨年八月に具体的な検疫条件が今度は示されましたために科学的、技術的な検討に着手したところであります。  いずれにいたしましても、リスクがあるものは我が国に輸入しないという基本的な方針には何ら変更はありませんので、申し添えたいと思います。
  93. 紙智子

    ○紙智子君 今回、米側が具体的な提案を示したのは、日本ポテトチップス協会ですね、これが加工用の生のバレイショを期間、数量、方法を限定して輸入可能とする構造改革特区の申請をしていると。それに対して農水省は一度否定、拒否したわけですよね。そうしながらもこの特区推進本部に再検討を要請されて、輸出国と、輸出側と連携して具体的な病害虫の侵入防止策を提案していただければこの構造改革特区要望にかかわらずその内容について検討すると回答したのがきっかけになっているんじゃないでしょうかね。科学的、技術問題というふうに言うわけだけれども、結局この規制緩和の要求に押されて農水省が輸入解禁に向けて道を付けたということになるんじゃないでしょうか。違いますかね。
  94. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 特区の要求として出ていたのは事実でありますけれども、こういった植物防疫、あるいは動物検疫といったものはその特区のような形でそこだけ認める、あるいはそれが良ければそれを全国に広めるといった性質になじまないものですので、特区での要求というものにはこたえられないということを我々として申し上げたわけであります。  で、その特区ということではなくて、こうすればシストセンチュウのリスクはなくなるはずだと、そういう具体的な条件を付して今回アメリカ側から提案があったわけですから、そういった具体的な提案に対して我々も専門的な見地から検討を行うということは当然必要なことだというふうに思っております。  ただ、申し上げますけれども、今、大臣からお答えがありましたように、リスクを高めるような形で認めるとか、そういった方向性を持って検討しているわけではございません。あくまでもこの当該病気が日本に入るリスクがあるかないか、その観点から検討をしているということでございます。
  95. 紙智子

    ○紙智子君 心配をするのは、このアメリカには現在日本国内では未発生のパソタイプの、まあ寄生型というんでしょうかね、ジャガイモのシストセンチュウの発生が確認されていると。このシストセンチュウはジャガイモを枯死させて密度が高ければもう半作以下という、本当に面積で見ても半分ぐらいしか取れないというような事態になってしまうと。もし我が国の侵入を許せば根絶は不可能と言われていて、ジャガイモ生産が大打撃を受けるというのは目に見えているわけですね。  北海道では、七二年にRo1というんですか、パソタイプのジャガイモシストセンチュウが侵入して大変な苦労を強いられていると。既に多発地帯になっている後志管内ではこのジャガイモをほかの作物に切り替えるというようなこともしなきゃならなくなったと。  ジャガイモの主要産地である十勝管内というのは、種芋の生産でも全国の四五%のシェアを持っているわけです。この種芋の生産ができなくなるということになったら大変だということで、道内ではこの発生地域で徹底した封じ込め対策、それから抵抗性の品種の開発普及ということで努力して、産地を守るための必死の取組をしているわけです。そこに新たなパソタイプのシストセンチュウが入ってくると、現在やっている抵抗性品種というのは使えないということになるわけですね。そうすると、やっぱり産地への打撃というのは本当に計り知れないということで侵入の機会をやっぱり与えてはならないというふうに思うわけです。  そこでなんですけれども、アメリカが提示した条件で一〇〇%侵入ないというふうに言えるんでしょうか。
  96. 中川坦

    政府参考人中川坦君) まだその点につき、その点といいますか、今回の具体的な提案に対します検討を行っている途中でございます。そういった一〇〇%云々といった結論についてはまだ得られておりませんので、その点についてのお答えは控えさせていただきたいと思います。
  97. 紙智子

    ○紙智子君 今、途中ということなんですけれども、本当に慎重に見ていかなきゃいけないことだというふうに思っています。  それで、農水省自身が二〇〇三年の八月に日本ポテトチップス協会の要請に対して回答をしているわけですけれども、その中で言っている答えは、特にバレイショに甚大な被害を与える細菌、それから糸状菌などの中には、土壌中に三十年以上潜伏するものや他の野菜類にも被害を及ぼすものもあると。このため、海外から我が国に未発生の病害虫が侵入した場合に、一つは、バレイショのみならず他の野菜に対しても甚大な被害を与えるおそれがあること、根絶が困難なこと等々を生じるということがあると。したがってということで、一つ生産国の植物防疫機関との技術的な検討を踏まえた輸出国側の圃場の検査、生産物の検査等の植物検疫措置と、それから二つ目に、我が国への輸入時における隔離検疫に代わる迅速な病害虫の検査技術、三つ目に、輸送方法や加工施設の要件や、加工工程ですね、排水・残渣処理における病害虫の分散防止技術などを検討して適切な病害虫の侵入防止技術を確立する必要があるというふうに言いつつ、しかしながら、これらの技術確立は極めて困難であるため、本提案を採用した場合には我が国の未発生病害虫が侵入するおそれが高いことから本要請の採用は不適当ということで回答して、言わば病害虫を一切持ち込まないような技術確立は困難ということもそこで言っているわけです。  病害虫の侵入の可能性が否定できない方法での輸入解禁というのは私はやっぱり断固認めるべきでないというふうに思っているんですけれども、この点、最後にちょっとお答えいただきたいと思います。
  98. 中川坦

    政府参考人中川坦君) 先ほども申し上げましたが、リスクが高まるようなことをするつもりはありません。  具体的に、科学的、専門的な見地からそれぞれの今回提案のあった中身についてチェックをし、また現地を視察をする、あるいは現地の調査をするというふうなことも考えております。十分考え得る万全の点検をした上で、そして最終的な判断をしたいというふうに思っております。  繰り返しますけれども、リスクを高めるのではなくて、そういった様々なリスクが予想されるのであれば、そのリスクの程度を評価をし、それに適切な対応をして、それが本当にうまく対応してリスクを高めることにならないか、そういうチェックをすることが大事でありまして、その上で結論を得たいというふうに思っております。
  99. 中川義雄

    委員長中川義雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  農林物資規格化及び品質表示適正化に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  100. 中川義雄

    委員長中川義雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、羽田君から発言を求められておりますので、これを許します。羽田雄一郎君。
  101. 羽田雄一郎

    羽田雄一郎君 私は、ただいま可決されました農林物資規格化及び品質表示適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     農林物資規格化及び品質表示適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、国民から信頼されるJAS制度を構築するため、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。  一 新たな制度への円滑な移行が図られるよう、製造、加工等関係事業者消費者に対し、「流通の方法についての基準」を内容とするJAS規格の制定や登録認定機関制度改善など、制度の十分な普及啓発に取り組むこと。また、Ⅰ種格付制度廃止に当たっては、既存の制度利用者に支障を来たすことのないよう十分配意すること。  二 JASマーク商品選択の手段として消費者に積極的に利用されるよう、規格内容の浸透に努めるとともにマークの在り方を検討すること。  三 JAS規格の制定・見直しや個別品目の品質表示基準における名称規制等の検討に当たっては、消費者及び業界関係者の意見を十分聴取し、製造・流通・消費実態等に的確に対応するよう配慮すること。  四 登録認定機関が行う検査・認定信頼性及び公正性を確保するため、登録後の登録基準への適合命令及び業務改善命令等の措置を適時適切に発動すること。また、登録外国認定機関については、現地調査を実施するなど適正な審査監督を行うこと。  五 有機に係る登録認定機関登録に当たっては、新たな登録基準について十分な周知徹底を行うとともに、生産農家の実態を踏まえ、有機農業の振興に支障が生ずることのないよう適切に運用すること。また、有機農業が環境保全機能を有し循環型社会の基盤を形成する持続的な農法であることや有機食品輸入が増加傾向にあることにかんがみ、国内の有機JAS認証取得の向上及び有機農業振興に向けた必要な支援措置を講ずること。  六 消費者の立場に立ったわかりやすい食品表示を実現するため、製造・流通の実態消費者の関心等を踏まえ、加工食品原料原産地表示の義務付け対象範囲の拡大を検討するなど、食品表示基準の適切な見直しを行うこと。また、外食に対する消費者信頼が確保されるよう、外食における原料原産地等の表示の在り方を速やかに検討すること。  七 食品の適正な表示を確保するため、食品表示の科学的な検証技術の確立及び活用を図るとともに、消費者の協力を得つつ日常的な監視を充実させるなど、食品表示監視指導体制の整備に努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  102. 中川義雄

    委員長中川義雄君) ただいま羽田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  103. 中川義雄

    委員長中川義雄君) 全会一致と認めます。よって、羽田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、島村農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。島村農林水産大臣
  104. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) ただいまは法律を可決いただきまして、ありがとうございました。  附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後、最善の努力をいたしてまいりたいと存じます。  ありがとうございます。
  105. 中川義雄

    委員長中川義雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 中川義雄

    委員長中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  107. 中川義雄

    委員長中川義雄君) 農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。島村農林水産大臣
  108. 島村宜伸

    国務大臣島村宜伸君) 農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  農林水産省は、これまで、グリーンツーリズムの振興のための条件整備等を通じて、都市と農山漁村の交流の促進を図ってきたところでありますが、今般、公益法人改革の一環として、農林漁業体験民宿業者登録制度について指定法人制度廃止するための措置を講ずることといたしました。また、あわせて、農林漁業体験民宿業者登録制度のより一層の活用を図り、農林漁業体験民宿を安心して利用できるようにするため、登録の対象となる農林漁業体験民宿業者の範囲や農林漁業体験民宿業者登録基準についても改善を図ることとし、この法律案提出することとした次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、登録の対象範囲の見直しであります。登録の対象となる農林漁業体験民宿業者の範囲について、農林漁業者又はその組織する団体以外の者が、農林漁業体験活動に必要なサービスを提供する場合にも拡大することとしております。  第二に、農林漁業体験民宿業者登録基準見直しであります。農林漁業体験民宿業者は、利用者に生じた事故に対応する保険に加入している場合等に限り、登録を受けることができることとしております。  第三に、農林漁業体験民宿業者登録を行う登録実施機関について、指定法人制度から登録制度へ移行することであります。登録実施機関登録を申請した者が資格要件に適合しているときは、国は登録しなければならないこととする等、所要の規定を整備することとしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  109. 中川義雄

    委員長中川義雄君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十二分散会