○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
まず初めに、
JAS法に関する
質問の前に、牛肉のトレーサビリティー法に関する
質問をさせていただきたいと思います。
先月、滋賀県におきまして、近江牛の
生産履歴偽装事件が明るみになりました。本来、近江牛(静岡県産)と表記すべきところを、純粋に近江牛とだけ表記しているために滋賀県で長く飼育していたように見せ掛けたという、つまり
生産履歴を改ざんしたものであります。北海道で起きました耳標偽装事件に続きまして牛肉トレーサビリティー法に違反する事件が起きました。
この滋賀県の事件を受けまして、滋賀県内のすべての肉牛農家を
対象にした調査が行われました。百二十八戸の肉牛農家のうち六割以上で何らかの形で牛の飼育履歴の登録漏れが見付かったとのことです。調査した一万八千八百七十二頭のうち、出生、死亡、移動
状況の未報告が九百八件、耳標の未装着が、片方しか耳標をしていないという牛を含めると千五百九十五頭にも上ったそうであります。これは本当に、一割近い数でありますので多い数だと思っております。
牛の登録、変更などのデータを扱う福島県の家畜改良センターでは、一日約三万頭のデータが送られてくると。しかしながら、ファクスなどによる登録ミスは一割にも及ぶときがあると。事務
作業が追い付かないという声も上がっております。こうしたミスは故意でないにしても、システムの不備あるいはそのシステムの盲点といった
状況に目を付けて
生産履歴を改ざんするような、あるいは耳標を取り替えるというようなケースが今回そして北海道でも起きたんだと私は理解をしております。
問題は、そのトレーサビリティー法の
信頼性をこれ以上損なわないために早急にこのシステムや耳標構造の
見直しが必要であると思っております。牛肉の輸入再開の議論が行われている最中なだけに、私は、国内の体制をしっかりとしたものにすべきだということをまず訴えたいと思います。
まずは、その
実態を把握するために、北海道、滋賀県以外でも、ほかの県でも全肉牛農家を
対象にした、全頭検査とはいかないまでも、サンプリング調査など一斉点検をするなど、肉牛管理の徹底を図ることが必要だと
考えておりますが、前回もその耳標事件のことで
大臣に
質問させていただきましたので、今回も
大臣のまずその見解を伺いたいと思います。