○小
斉平敏文君 自由民主党の小斉平でございます。
ちょうど一週間前の新聞に、「
漁業、水資源消滅の危機」という見出しで国連がまとめましたミレニアム
生態系評価、この記事が載っておりました。その中で、
生態系の中でも
漁業資源と水資源、この危機が最も深刻であると。漁獲量は一九八〇年代をピークとして、その後は漁猟
技術が向上したにもかかわらず減少しておるという
内容でありました。
マイワシやカタクチイワシあるいはサバ等、これは豊漁と全く取れないときというこの周期があるわけでありまして、二十世紀以前は、一九八〇年物すごく取れた、二十世紀に入ってから、一九三〇年、そして一九八〇年と五十年周期で大体最も取れるとき、取れないときというのがマイワシの場合、こう来ているんですね。もう現実に
我が国でもこのマイワシは六十三年、昭和六十三年に四百五十万トンも取れていた。それが
平成四年には二百二十四万トンまで減った。今は幾らかというと、五万トンしか取れない。恐らくこの周期説からいきますと二〇三〇年までは今の状態が、取れない状態が続くと。
二〇三〇年に、じゃ五十年周期でいったときに二〇三〇年に取れるかというと、なかなかそれはそのように簡単に復活するのであろうかという疑問を持たざるを得ないんです。先ほども申し上げましたけれども、漁船の装備、これが年々近代化されております。近代化されておる、当然漁獲量も増えなくちゃならないのが普通の考えなんですけれども、逆にどんどん装備は良くなるけれども漁獲量は減る。もうこういうのは、このことだけをとらえますと
水産資源は正に危機的
状況にあると、このように言わざるを得ないと私は思います。
私どもはこの国連のミレニアム評価をしっかり受け止めて、
水産資源の持続的利用というものを広く国際社会に訴えていかなければならないと、このように思います。そこで、政府はWTOやFTA、あるいはIQ制度の堅持の立場においても、こういう交渉の立場においても、
漁業資源が危機的
状況にあるという前提に立って
我が国の立場を粘り強く訴え続けていただきたいと、このように思う次第であります。
さて、本日は一昨年
発生をいたしました
コイヘルペス等の
対応として、
水産資源保護法及び
持続的養殖生産確保法の一部
改正についての審議となっておりますけれども、その前に、いわゆるBRICs、いわゆるブラジル、ロシア、インド、中国、ここのBRICsと言われるこれらの各国のいわゆる経済
発展によって原油の高騰が続いておりまして、このことが
水産業界においても大変厳しい局面に直面をいたしておるということから、まずその問題から
質問をさせていただきたいと思います。
これまでにも指摘をいたしましたように、IUU
漁業の横行とか
輸入水産物の増加、あるいは
漁業資源の減少等々によって、
我が国の
漁業は魚価の低迷なども含めて依然として大変深刻な
状況にあります。さらに、この
状況に更に追い打ちを掛けるように燃油の高騰、これが続いておるわけであります。例年でありますとカツオ漁、これが本格化して屋久島の沖から小笠原の沖、小笠原辺りまで大体移動して操業する時期であります。ところが、今年は海水温が上がらない。しかも、ですからカツオの動きが的確に読めないという
状況にあります。
その
原因の一つとして燃油の高騰、このことによって思い切った調査操業ができないと、このことが挙げられます。調査操業をやりたくても漁獲がなければ正にその漁船の死活問題、これにつながるということで操業ができないというのが現状であります。そのために、安全策として南西諸島の浮き魚礁、ここに宮崎やら高知やらの船が、三重県の船とか漁船がそこに行って集中して操業をいたしておりますけれども、当然一そう当たりの漁獲量というのは非常に下がってきております。
なおかつ、一番カツオの売れ筋というのは、スーパーやら料理店で売れるというのは三キロから四キロの間のカツオなんです。ところが、それよりはるかに小さな小型のカツオ、あるいは極端に大きなカツオというものに、物すごく型にばらつきがあって、一番売れ筋が取れないんですよ。ですから、当然値段がどんどん下がっておる。ましてや一番売れ筋のその三キロから四キロまでの価格までも下がっておる。そのような大変な
状況であります。
もう間もなく本格操業が始まるわけでありますけれども、昨年初めに全漁連の渡し、A重油の渡しが一リットル三十五円だったんです。これが一年間で十円上昇し、更に四月の十一日から五円値上がりして五十円になっているんです、五十円。五十円ということは、一航海大体五日から六日なんです、五日から六日。これで一航海で二十五から三十キロリットル大体A重油を消費します。そうすると、一か月五航海やったとすると、月に二百万も負担が増えているという
状況なんです。
また、このマグロ、マグロの漁船においても、今までは海外のいわゆる補給基地、基地で燃料を補給をしていた。補給をしてそこで乗組員も休養を取っておった。ところが、燃油が高騰したことから、いわゆる基地に帰る燃料代もったいないということで、洋上補給をやり始めたんです。そうすると、結局乗組員の休養が取れない。非常に労働条件が悪化しておるという
事態も出てきておるわけであります。
魚価は販売や
加工業者などの競りによって左右をされておって、ガソリンや電力のようにいわゆる燃油を商品に転嫁することはできないわけなんですね。ですから、
水産業者はこの燃油の高騰分というものを自分で負担せざるを得ないと。負担し切れない経営者は船を休むか漁を休むか、あるいは経営から撤退するか、やめたと言うかどちらかなんです。
我が国では以前にもオイルショックのときに原油の高騰を経験をいたしております。その際は緊急融資ということで乗り切っておりますけれども、しかし現状では、浜の
皆さんに聞くと、もう融資なんかとてもじゃないと。もう借りる体質がない、ただでも借りる体質がないというのが本当の浜の
皆さんの声なんです。
当然、全漁連の価格、A重油の価格といわゆる一般商系の価格、これは大変な開きがあります。これはいろんな事情があります。しかしながら、やっぱり全漁連もここのところは
努力をして値段を下げる、一般商系に一円でも近づける
努力をすることは当然でありますけれども、政府は政府としてやっぱりこの窮状を救うために思い切った価格
対策を取る必要があると、このように思います。
そこで、境港という
我が国有数の漁港を抱えておられ、しかも
水産業にも大変造詣の深い鳥取県選出の
常田副
大臣にこの価格
対策についてお考えをお聞きをいたしたいと思います。