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2005-06-16 第162回国会 参議院 総務委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年六月十六日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  六月十四日     辞任         補欠選任      前川 清成君     家西  悟君  六月十五日     辞任         補欠選任      家西  悟君     櫻井  充君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         木村  仁君     理 事                 世耕 弘成君                 森元 恒雄君                 山崎  力君                 伊藤 基隆君                 山根 隆治君     委 員                 荒井 広幸君                 景山俊太郎君                 椎名 一保君                 二之湯 智君                 長谷川憲正君                 山内 俊夫君                 吉村剛太郎君                 今泉  昭君                 櫻井  充君                 高橋 千秋君                 津田弥太郎君                 内藤 正光君                 藤本 祐司君                 水岡 俊一君                 弘友 和夫君                 山本  保君                 吉川 春子君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     麻生 太郎君    大臣政務官        総務大臣政務官  増原 義剛君        総務大臣政務官  山本  保君        財務大臣政務官  段本 幸男君    事務局側        常任委員会専門        員        高山 達郎君    政府参考人        総務省行政管理        局長       藤井 昭夫君        総務省行政評価        局長       田村 政志君        総務省自治行政        局長       武智 健二君        法務省矯正局長  横田 尤孝君        法務省入国管理        局長       三浦 正晴君        厚生労働大臣官        房審議官     松井 一實君        経済産業省製造        産業局次長    塚本  修君        国土交通大臣官        房審議官     和泉 洋人君        環境大臣官房審        議官       寺田 達志君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○行政手続法の一部を改正する法律案内閣提出  、衆議院送付)     ─────────────
  2. 木村仁

    委員長木村仁君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨十五日までに、前川清成君が委員辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。     ─────────────
  3. 木村仁

  4. 木村仁

    委員長木村仁君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 木村仁

    委員長木村仁君) 行政手続法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 藤本祐司

    藤本祐司君 おはようございます。民主党・新緑風会の藤本でございます。  今日は、この行政手続法の一部改正ですね、意見公募手続部分が追加された、その部分についての質問をさせていただきますが、意見公募手続というちょっと堅苦しい名前なんですが、いわゆるパブリックコメント、略すとパブコメなんかというふうに言っていると思うんですけれども、このパブリックコメントについての質問をする前に、この行政手続法全体にわたりまして、平成六年の十月一日から施行されているわけなんですけれども、その改正について、このパブコメ以外の部分でいろんな問題点とか指摘されている部分もあったかと思うんですが、具体的に法案をこれ、このパブコメ以外の部分で何か検討されたことはありましたでしょうか。これはイエスかノーかでまずお答えいただければと思います。
  7. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ノーです。
  8. 藤本祐司

    藤本祐司君 はい、分かりました。ありがとうございます。ごめんなさい。非常に分かりやすくて、ありがとうございます。  ただ、ここでアンケートを、平成十五年十一月の二十五日から十二月の九日の間に行政手続法の施行及び運用に関するアンケート調査というのをやられていて、東京商工会議所に対しての、一部の事業所、千ちょっとですか、千二十九の事業者アンケートをして、三百七十三事業者が回答しているこのアンケートがあるんですが、これを拝見してみますと、結構認識が薄いというような部分があるのかなというふうに思います。  例えば、行政指導について、行政指導を受けた経験があるかないかとか、その辺りについて質問をしているんですけれども、あると答えた方が三百七十三のうち七十、約二割弱あるんですね。行政指導に当たるものかどうか分からなかったことがあったというふうに答えているのが二十八。だから、七十のうちの二十八は、これが行政指導に当たるかどうか分からなかったというのが四〇%ぐらいあるんですよ。それとか、あと行政指導には強制力がないということ、つまり任意のもので、従わなくても不利益を受けることがないということを知らなかったというのは三百七十三のうちの二百五十四、つまり六八%ぐらい、結構知らないという答えがある。非常に認識が薄いということなんだろうと思うんですけれども。  こういうのが平成十五年の末の調査で出ておりまして、これもやはり改めていかなければいけないのかなというふうに思うんですけれども、具体的にこういうことに対して対処方法として、何かこのアンケートをやった後されているのか、あるいは今何か検討されているかどうかについてちょっとお答えいただければと思います。
  9. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今回の手続を、いろいろ今実態調査ということになっておりますけれども、今言われましたように、平成六年にこれをスタートさせておるんですけれども、確かに、行政機関とか業者間におけるいわゆる周知が不十分ではないかということについて問題点は確かにあるんだと、私どももそう認識しております。したがって、その点は、今言われましたように、考慮すべきではないかと言われれば考慮すべきだと思っております。  ただ、今回は、いわゆるパブリックコメントを付す、いわゆるということが、えらくというか、早くやれというお話が圧倒的な御意見だったものですから、とにかく早急に改正しなきゃいかぬところだけ手を着けたというのが率直なところでありますんで、命令等制定手続整備ということだけにしておりますんで、その他の件につきましては検討を行っていない。先ほどノーと申し上げましたけれども、これらにつきましては引き続き検討すべき課題、私どももそう認識いたしております。
  10. 藤本祐司

    藤本祐司君 こういう認識が甘いというか、認識されていないというところは、私も余り経験はないんですけれども、よく容疑者に対して黙秘権というのがありますよということで、不利になるようなことはしゃべらなくても結構ですみたいな話があって、それで取調べをやるということ、まあ容疑者になったことがないから実際には分かりませんけれども、そういう話を聞きますけれども、こういうのも、これは行政処分でありますよと、行政指導でありますよということをやはりうたって、これは強制力のあるものでもないですよということなんかもうやはりうたった上でやるということも、法制化とちょっと違いますけれども、法の整備とはちょっと違いますけれども、そういうこともやはり指導していくということも必要なのかなというふうには思っております。  それで、この行政手続法の、もう一つ理由があって、三十五条なんですけれども、これは現行法の三十五条でございますけれども、ここの部分については、三十五条の第二項で、「口頭でされた場合において、」というようなことがございます。要するに、行政指導口頭でなされた場合において、その相手方から前項規定する事項を記載した書面交付を求められたときは、つまり、口頭であってもいいよと、だけれども書面交付を求められたときはその書面交付しましょうよという、大ざっぱに言うと、そういう話なんだろうと思うんですけれども。  そもそも、これが行政指導だとか、そういうことが分かっていなかったら、これが重要性かどうか、重要なものかどうか分からないので書面交付を求めるということもまずないんじゃないかと、薄いんじゃないかと、その辺の認識がということと、やはり口頭でやるということは、いわゆる暗黙知ですから、記憶ですから、記憶というのは風化しますので、記録に残すという意味ではやはり書面交付というのを前提としてというか、原則として、軽微なものもあると思うので、その場合は口頭でもいいんですよという形にしていく方がベターなのかなというふうに私は思ったんですが、この三十五条を見たときに。それについてちょっと御見解をいただければと思います。
  11. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) 確かに、この書面交付規定については余り利用されていないんじゃないかというような実情は私ども認識しているところでございます。  ただ、二点あろうかと思っております。  一つは、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、やっぱりこの制度実施する側の行政機関側も受ける側の事業者側も十分この制度周知されていないということはまず一つの大きな原因かと思っています。  そういうこともありまして、実は先般、行政評価局から勧告を受けた後、まずは改善措置としましての事業許認可等を所管する各省庁側、これに対して通知をするとともに、所管する事業者団体にもこの制度周知を図るというようなことを要請しているところでありますとともに、私どもも直接、可能な限り事業者団体等にもこの制度周知を図るということをやっていく必要があると思っていまして、分かりやすいパンフレットとかあるいは講師の派遣とか、そういうようなことで周知を図っているところでございます。  二点目は、そもそも行政指導とは何かという議論がございます。  これは、実はこの行政手続法を最初に制定させたときも相当議論されたというふうに聞いておりまして、一番簡単なのは何か。電話の照会があったときに電話で答えるというようなのもやっぱり行政指導となり得ると。あるいは、何というか、某省のように業界団体人たち一つ会議室に集めて口頭でいろいろ説明すると、それは行政指導にあるというようなことから、あと、最近は多いんですが、いろいろ、許認可ではちょっときついということで、ガイドラインというような形で業界団体指導するというようなことも行政指導であるというようなところで、本当のところは、現実には行政指導というようなのが必要に応じてその都度やられてきているものですから、なかなか明確な基準というのが作りにくいというところがありまして、今もその状態は続いております。  ただ、いずれにしても、先生の御指摘のとおりでございまして、行政指導というものは不透明な形でやられるということが問題なんでありまして、それに対しては、現行手続法は、まずやっぱり事業者側に言わば選択権を与えていると。書面交付してくださいということであれば書面交付、義務付けること、義務付けが法律上、行政機関に課されているということで、少なくとも書面交付を重要なんだという認識事業者側が持っておられればこの制度は生きるというふうに考えておりまして、その意味でもまずやっぱりこの制度を、繰り返しになりますけれども行政機関側事業者側もやっぱり十分周知していただく、これがまず一番重要じゃないかと思って、専らそちらの方向に力を入れて取りあえずはやらさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
  12. 藤本祐司

    藤本祐司君 分かりました。まず、やはり周知徹底をして認識をしていただいた上で、交付を求める場合は交付をするということだと理解をいたしました。  行政手続法、いろいろ先ほど麻生大臣からお話がありましたとおり、今回はパブコメだと、ほかにも問題点があれば、今後、当然改正の余地はあるんだろうということでございます。  そして、じゃ、次の質問に移りたいと思います。  このパブリックコメント手続については既に閣議決定平成十一年、十一年ですね、から実際には行っていて、総務省の方でもその実施状況というのを毎年、大体一年にしてこのぐらい、非常に厚いものを各省庁に対して、多分、各省庁からは嫌われているだろうなというように思うわけなんですけれども、そういう調査をやられているんだろうと、やられているということを認識しておるわけで、非常に大変な御苦労だというふうに思いますが。  その中でちょっと一番直近のものだけを申し上げますと、閣議決定遵守状況というのを、やはりそこで調査アンケートをしているわけなんですが、それに対して、守られていないというか、適切性を欠いたものがあると、数件あるというふうに聞いております。  例えば、意見情報提出されたにもかかわらずそれが公表されていないというような事例とか、これ、今年、昨年度に関していえば、総務省さんゼロなんですけれども、全部これを拝見させていただきまして見たところなんですが、総務省さんはゼロなんですが、全体では三・四%の十七件あります。十七件というのは、五百一件ほどパブリックコメントをやったといううちの十七件ですので、三・四%になっています。そのほか、提出された意見情報等公表意思表示後になっている。今までの閣議決定では、ちょっと今回の改正では変わったんですけれども閣議決定では、先に意見提出部分を出して、それから後、意思表示をするということになっているんですが、それが順番が逆転している例というのが五百一件のうちの五十一件、約一割あったと。総務省はこれ、多分三件あったかなと、ちょっと見たところ三件あったかなというふうに思うんですが、六十一件中三件ですね、総務省関係では。  こういうものがあるわけなんですが、これの不適切な処置に対してどういう指導をされてきたのかということについてお聞きしたいと思います。
  13. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、藤本先生指摘のとおりに、閣議決定以後、こういうルールが決められているにもかかわらずやっとらぬじゃないかという例、いわゆるパブリックコメントは取ったけれども、その後のということをきちんとやっとらぬのではないかという実態調査、まあ実施状況調査というものを行っておるのは事実でありまして、余り好かれる仕事でないことも確かでありますけれども、私どもとして、これは出されていないではないかということに関しましては、どういう理由だということを個別に、約十数件になりますので、そんなむちゃくちゃ多いわけではございませんので、呼んでその事情を尋ねて、結果の公表が遅れている理由は何かと。その理由がしかるべき理由というのは大概ありませんので、そのとき、そのときでは速やかな処置をきちんと出せということを言って、私どもの方から言った結果で、それでもなおかつ抵抗して出さないという例はございません。きちんとそういったことはこれまでのところ実施状況調査に基づいてこちらから勧告、まあ勧告というほどでもありませんけれども、とにかくどうして出さないんだということを聞いて、それでもなおかつ拒んだという例はございませんので、一応今言われた点に関しましては、フォローは一応できておると思っております。
  14. 藤本祐司

    藤本祐司君 これも非常に大変な憎まれ役を演じられているんだろうなというふうに思うんですけれども、これ毎年必ず何件かあるということはまだまだ徹底がされていなかったと。こういう意味で、今回、法制度化することによって、ある意味逃れられないといいますか、そういう強制力が働いてくるのかなというふうに思っているところであります。  この状況調査の中でちょっと質問なんですけれども、五百一件ほどパブリックコメントをやったと、そのうち全く要するに無修正、要するに修正をしなかったという件数が約一八%、九十件ほど、五百件の、あっ、ごめんなさい、修正ありが九十件ですね、です。残りが要するに修正はしていないということになるんだと思うんですが。ただ、パブリックコメントゼロという回答が百六十九件ほどありますので、ゼロの場合は恐らく、想定ですけれども修正しないまま出しているんじゃないかなというふうに想定をすると、こういう計算でいいのかどうかをちょっと確認したいんですが。  五百一件総トータルがあって、九十件は修正あり、百六十九件はパブリックコメント自体がゼロだったと、コメント自体がゼロだったということで、パブリックコメントをもらったけれども修正をしないでそのまま出したというのが残りの二百四十二件になるというふうに思うんですが、これでよろしいんでしょうか、ちょっとこれは確認でございますけれども
  15. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) 御指摘のとおりであると思うんですが、ただ御理解いただきたいのは、その五百一件のパブコメ出された政省令案の中には、中には非常に軽微なものとか、余り国民の関心のないものも多数含まれて得るというふうに私ども理解しているというふうなことでございます。
  16. 藤本祐司

    藤本祐司君 大ざっぱに言うと、じゃ約二百四十二件というか、それが二百四十件なのかはちょっと多少の上下はあると思うんですけれども、五百件のうちの二百四十件程度が修正パブリックコメントをもらっても修正をしなかったということで、約半数ぐらいは結果としては修正なしであったと。パブリックコメントゼロということを含めると、やはりここで書いてあります修正ありが一八%ですので、八割ぐらいは結果としては修正なしだったという理解になろうかというふうに思います。出しても結局、八割は修正をしなかったということになると、相当の事務量の割にはなかなか、事務量といわゆるコストパフォーマンスという点で、相当事務量大きいかなというような印象は若干持つのかな、持てるかなというふうには思っています。  それでは、次の質問に移りますが、ちょっと一つ一つ条文でお聞かせいただきたいんですが、まず三十九条でございます。  三十九条は意見公募手続そのものでございますが、ここで第一項のところで、広く一般意見を求めなければならないということを書いてありますが、この一般というのがどういう意味なのか。例えば、外国政府が入ってくるのか、あるいは国とか自治体からの意見というのも一般の中に含めるのか、あるいは一般でいわゆる個人になるのか、あるいは業界団体とか、いろいろあろうかと思うんですが、この一般意味をちょっと教えてください。
  17. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) 一般という言葉法律的にはよく使うんですが、むしろ逆説的に申し上げますと、特定利害関係者とか特定の資格のあるものとか、そういうものを全く限定していないということでございます。それと、国民という場合も、これもよく使われるんですが、基本的に、外国の方であろうが日本人であろうが、あるいは法人であろうが、あるいは自然人たる個人であろうが、そういうことを一切問わないと、そういう趣旨で考えております。
  18. 藤本祐司

    藤本祐司君 そうすると、逆にちょっと心配事がありまして、パブリックコメントを求めるといったときに、その利害関係者あるいは何か利益団体みたいなのがまとめて組織票的にどおんと出してしまうという、もちろんこのパブリックコメントも最終的には多数決で決めるものではないので、九〇%はこうだ、賛成、単純に言うと、賛成反対で言うと賛成だけれども、一〇%反対だから賛成がいいんだということのものではないということは理解をしていますけれども。中には、九割も反対じゃないかとか、九割も賛成じゃないかということを主張されるような場合も出てくるんじゃないかと。むしろ、こういうのというのは、もちろん特定するものではないといいながらも、氏名とかあるいは団体名団体なんかに所属しているんであれば団体名とか、何かそういう意見提出者要件というのを付けるということも一つ方法論としては、考え方としてはあるんじゃないかなというふうに思うんです。それを全く無視するということではなくて、やっぱりそういう考え方もあるんじゃないかなというふうには思うんですけれども、この辺については今回何の規定を設けていないということについての御意見を、御見解をいただきたいと思うんですけれども
  19. 増原義剛

    大臣政務官増原義剛君) ただいまの御指摘、ごもっともな点もあろうかと思います。  ただ、私どもは、広く意見をいただくというところに大きなウエートがあるわけでございまして、仮にそういった、例えば氏名とか団体名とか、こういうものを尋ねるという場合、これは、その出された意見趣旨をもう少し詳しく知りたいというときなんかは非常に私どもにとっては便利な点もあるんでございますが、逆に氏名とか団体名を出しますと意見を出す方が萎縮をされてしまうということもあるもんですから、いろいろ我々考えましたけれども、やはり広く一般から御意見をいただくというところに力点を置いて、そういう要件を定めないというふうにしたような次第でございます。
  20. 藤本祐司

    藤本祐司君 それは、恐らく今までの閣議決定から数年間たってやられてみて、それほど大きな支障がないという判断だったんじゃないかなと思うんですけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
  21. 増原義剛

    大臣政務官増原義剛君) 委員指摘のとおりでございます。
  22. 藤本祐司

    藤本祐司君 それではちょっと、公表情報具体性についてちょっとお聞きしたいんですが、まずちょっと三十九条の第一項、これについての条文、この条文ですね、申し訳ないですけれども読んでいただけますでしょうか。
  23. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) まず、見出しとして「意見公募手続」、「第三十九条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般意見を求めなければならない。」。  以上でございます。
  24. 藤本祐司

    藤本祐司君 ここで「関連する資料」という言葉が出てきているわけなんですが、もうこれ「関連する資料」と一くくりになっております。そして、第二項を読んでいただくと、申し訳ないんで私が読みますが、「前項規定により公示する命令等の案は、」、「命令等の案は、具体的かつ明確な内容のものであって、」云々とあるわけで、これ主語が「命令等の案」になっているんですね、第二項に、続いて言うと。  そうすると、「関連する資料」というのは、第一項で「関連する資料」と一まとめになっていて、第二項の主語は「命令等の案」ですか、「命令等の案は、」というのが主語になっていて、それが具体的かつ明確な内容のものであるということになっているんですが、その一方で閣議決定された内容というのは相当この辺の資料については具体的に挙げているんだろうというふうに思っておりまして、その資料閣議決定で、可能な限り次に挙げた資料公表するという、その次に挙げた資料というのは具体的にどういうような内容で示されていたか、お示しくださいませ。
  25. 増原義剛

    大臣政務官増原義剛君) 委員の御指摘でございますが、これまでの閣議決定のものは国民の権利義務にかかわる規制につきまして主としてそれを定めております。したがいまして、いわゆる「案等」のほかに「公表資料」としまして、具体的に①から③まで、①は「当該案等を作成した趣旨・目的・背景」といったようなもの、あるいは②で「当該案等に関連する資料」として「(根拠法令」云々と、いろいろございます。  このたび私ども、この意見公募手続につきましては、その規制等だけではなくて、もっと範囲を広げて、広く国民一般意見をお聴きするという制度にしようということで今法制化をお願いしているような次第でございます。  そういう意味で、この三十九条第二項にもございますけれども、「命令等の」、いろいろございまして、「当該命令等を定める根拠となる法令の条項が明示された」云々ございますように、かつては、かつての案でいきますと、「案等」の文とその「公表資料」というところを見ていただきますと、「公表資料」の閣議決定の②のところには「根拠法令、当該規制の設定」云々とかありますように、よりちょっと入り交じっております。  したがいまして、全体のそのパブコメをお願いする範囲を広げたこと、この中にはいろいろございます。例えば、情報開示請求があった場合における審査基準なども、いろいろこれまでの実態や、あるいは判例等もいろいろ勘案してそれを定める、これも当然パブコメに掛けるわけでございますけれども、これまでの概念だけでは十分でないところもありますし、一方で強化する点もあるということでございます。  したがって、かつての文でいいますと、「公表資料」というところに入っていたもの、この中では、例えば「趣旨・目的・背景」がございますけれども、これははっきり言えば、もう既に第九十三条一項でもって「当該命令等の案」となっております。むしろ、そちらの方にこれは入り込むべき話でございまして、関連資料というよりも、そもそもの本体の方に入るべき案だというふうに私ども理解したりしております。  そういう意味で、これまでの「案等」と「公表資料」との文をちょっと整理をして、これまでの実績から整理をしましてきちんとしたものを作りたいということでもって、法律上、まあいわゆる法律用語ということになるんでございますが、幅広く取れるような形にさせていただきたいということでやったような次第でございます。  いずれにしましても、我々運用指針というものを作るつもりでおりますので、そこで今申し上げたことをより詳細にきちんとさせていただきたいというふうに考えております。
  26. 藤本祐司

    藤本祐司君 今の説明ですと、その第二項のいわゆる「命令等の案は、具体的かつ明確な内容のもの」というものの中に今まで閣議決定で示してきたような資料とか根拠法令とか、そういうものは全部そこの中に含めているから、あとは関連資料ということで、要するに前と全然後退していないんだと。後退というのは、具体性について、具体性は若干後退しているんだけれども中身は後退していないんだという御説明なのかなと思いますけれども、やはりこういうのは関連資料、恐らく各省庁対応が違って、ちゃんと出すところとそうでないところが出てくるんじゃないかという懸念があるんですよね。  だから、その辺はやはりちょっと運営指針、運用指針とか、その辺りできちっともう少し具体的な中身というのを、まあ最低限こういうことぐらいは出してくださいよと、背景であるとか目的だとかその環境の変化だとか、そういったところはきちっと出して、あるいはデータとして出せるものがあれば出すということが必要なのかなというふうには思っております。  実際に出したくても、資料がなかったら、そこをまた一から自分で調べるのかというと、やっぱりそこで出さなくなっちゃいますからね。そういうところは何か、何らかの指針を示していただければというふうに思っています。  同じ三十九条で次の質問ですが、意見提出期間がこれ三十日以上となっていますけれども、この三十日以上の根拠をお示しいただければと思います。
  27. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 改正案におきまして、いわゆる三十日以上というのを原則としておるんですが、現行閣議決定の文につきましても約一か月程度ということにしてあると記憶しますけれども、通常これぐらいの期間があれば、まあ意見提出等々については十分ではないかと、準備ができるのではないかということと、これまでやってまいりましたのでそれなりのそこそこ実績もあっておりますので、そういった意味では、行政運営に特に支障が生じているというふうでもないし、これじゃ絶対短過ぎるとか、これじゃ長過ぎるとかいうようなことでもないようなんだと思っておりますので、大体現行どおりほぼ三十日というようにさせていただいたというのが背景です。
  28. 藤本祐司

    藤本祐司君 それで、やはり先ほどの実施状況の、募集期間調査によりますと、一番多いのが、一番多いのがというのか、まず二十八日未満というので、そうですね、大体四割ぐらいになるんでしょうかね。で、二十八日以上五十六日未満というのが二百七十件、五百一件のうちの二百七十件で五三・九%、五四%と非常に高い数値になっている。つまり、二十八日から五十六日、これ週で切っていますので、このときは、五十六日以内ですね、というのが一番多いということだということになっていると思いますが、それが三十日で適当かという根拠には多分ならないんじゃないかなというふうに私は思うんですね。そこの部分が、二十八日、五十六日が圧倒的に多いので、これ二十八から三十日が多いのか、あるいは三十日以上の部分が多いのか、全然これ調査はされていない。だから、科学的な根拠はほとんどなくて、印象的で感覚的に、まあ三十日ぐらいありゃ大丈夫だろうなというようなものでの設定にしかなっていないんじゃないかなというふうに思うんですね。これが例えば七日以内には何件、七日から十四日で何件といって一週間ごとに区切って調査をやっているわけではなくて、トータルで二十八日以内とか、五十六日から二十八日以内で出しているものなので、本当に三十が妥当なのかというのについては若干疑問があるんですね。  例えば、これも公示の方法としてはインターネットで出しますよということになっていますが、インターネットで出しますよということになると、当然インターネットを見てからパブリックコメント提出すると。先ほどの関連資料とも関係してくるんですが、関連資料が非常に十分であればその場である程度書けるかもしれないけれども、それが十分でないとなれば当然それを調べなければならない。あるいは自分で調べられなかったらば役所に問い合わせをしなければならないかもしれない。そうしたときに三十日というのはあっという間に過ぎてしまうんじゃないかなというふうに私は思うんですけれども。  実際、これに、実績に合わせてって麻生大臣がおっしゃいましたけれども、実績に合わせて必ずしもその統計が取れているわけではないんで、そこのところについて、私はもうちょっと長くしておいて、例えば六十日という形にして、どうしても緊急性があるとか、急いでやらなきゃならないというようなものについては、その理由を付して三十日にするとか、そういうようなこともあってもいいのかなというふうに思ったんですけれども、これについて検討の過程でどういう議論があったのか、ちょっと教えていただければと思います。
  29. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘の話で、実施状況を見ますと、いわゆる意見提出期間と、また御提出のありました意見の件数の相関関係というのは、私どもの調べた範囲ではそんなにはないのではないか。多ければいいというわけでもありませんし。  それで、私どもで実態に照らしてみても、やっぱり国民の関心の高いやつはもう短期間でばっと集まる。これはもう正直なところです。長ければいいかというとそうでもないんで、関心の高いものはもうほとんど前半にぐらいぼっと集中して出てまいりますんで、そういった意味ではかなり、三十日があればかなりな有用な意見は御提出をいただけるのではないか。先ほど言われましたようにゼロなんというのも幾つもあるんですが、そういった意味では、三十日というのはかなり適当なんじゃないかなというのが私どもの正直な実感です。  ただ、いずれにいたしましても、多けりゃいいというものでもありませんし、また今後ともいろんな意味でこういったものに関して、パブリックコメントというもの自体に関しての関心が広まってくると、今までより多い人が参加してくれるということに仮になったとした場合には、そういった状況になったとしたら、その段階でもう一回、このパブリックコメントなんというものの機会を扱える人の方が今の状況では少ないし、知っている人の数の絶対量も相対的には少ないと思うんですね。  そういった意味では、もっと増えてきた段階においては、その状況においてもう一回考え直さねばならぬというほど私どももたくさんいただければ大変、それはそれなりにその段階でもう一回考えねばならぬとは思いますけれども、今の段階で申し上げれば、三十日ぐらいが適当ではないかというように御理解いただければと存じます。
  30. 藤本祐司

    藤本祐司君 私も、三十日が駄目で六十日がいいという根拠はほとんどありません。  恐らく、要するに、根拠がないというのはそういうデータ自体が取れてないからだと思うんですけれども、常識的に考えれば、一年やればたくさん集まるかというとそういうものでもなくて、麻生大臣おっしゃるように、関心の高いものは最初にぐっと伸びて、もうずっと減って、もうあと、ほとんどゼロという状況になるのが普通だろうと思うんですけれども、今回この実施状況アンケートをしているときはそういうデータの取り方をしていないので、できれば今後、これ法制化をしても、もうあとは知らぬ顔よということではなくて、こういう調査をやられていくんだろうと思うんですけれども、やる場合には期間を設定をした期間、何日設定しましたかという回答だけではなくて、何日の間に何件ぐらい来て、例えば七日以内で何件、十四日以内で何件というのをちょっと取っておくと大体どの辺にピークが来るかというのが分かるんじゃないか。今回は、今まではそういう取り方をしていないので、多分その辺が相関があるかないかも不確かだと思います。特に、その百六十九件というのが回答がゼロというのが、関心がないからゼロなのか、短いからゼロなのか、これも全く分からないわけですよ。  単純に言うと、二十八日未満というのを合計すると百六十件ぐらいになりまして、意見提出がゼロが百六十九件なんで、ここがちょっと一致してしまうんですけど、まあ多分一致してもそんな相関ではないかもしれないんですが、その辺の相関関係が分かるような調査をやられると、今後改正をするとか見直しをするときには非常にいいんじゃないかと。私も長年シンクタンクにいたので、ついそういうことを考えてしまうわけなんですけれども、分析できるような調査をやった方がよりベターだなという思いがあるものですから、ちょっとその辺りは今後の御検討ということでお願いを申し上げたいというふうに思っています。  続いて、三十九条に──あっ、どうぞ。
  31. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) 確かに、やっぱりせっかく意見公募手続をやられるんですから、やっぱり国民の皆様からたくさんの意見をいただくというのは大事なことだろうと思っております。そのためには、本当はやっぱりそういう制度がある、コメント手続をやるというようなPRとか、あるいは先生も御指摘になったように、分かりやすい資料を作っていくとか、そういうようなものと併せてやるのがやっぱり一番重要かと思っております。  加えて、先生指摘の、むしろ実施状況調査の中で、本当に制度を改善するための分析ができるような調査をしろという御趣旨だろうと思いますので、そこは私ども検討してまいりたいと思っております。
  32. 藤本祐司

    藤本祐司君 是非よろしくお願いいたします。  同じ三十九条関係なんですが、三十九条関係というか適用除外の件なんですけど、三十九条でもいろいろ適用除外があるんですが、その前にこの行政手続法全体、この第六章というのが今回のパブリックコメント部分なんですが、この六章全部を適用除外するという項目について第三条と第四条にあるんですが、その中の一つちょっと気になるのは、国と地方、そして地方と地方間の関係については、今回は国民一般の利害に関係してこないと、権利義務に関係してこないということで全体の適用除外になっている構造になっているんだと、ちょっと御説明をいただきまして、事前に、分かったんですけれども、その中で、一つだけちょっと気になるのは、国と地方、あるいは地方間、あるいは地方と地方ですね、に関係する部分について第四条第四項第六号で規定されているんですけれども、地方のことをやはり意見を聴かないと、国がすべてを上から強制してコントロールすることになってしまうので、この辺りについて、私としてはやはり地方の意見というのも、これと別なんですけど、今回のパブコメとは、聴くような機会を持つべきじゃないかなというふうに思っていたところ、ところですね、総務省さんの方でもちょっとその辺りについては検討に入っているということをお伺いしたものですから、ちょっとそこについてのコメントをいただければと思います。  今、多分検討の真っ最中なんで最終結論は出ていないんだろうと思いますけれども、地方の意見を聴くということに対しては別に制度を考えたらどうかというようなことも検討されているやに聞いておりますので、ちょっとそこについて教えていただければと思います。
  33. 武智健二

    政府参考人武智健二君) ただいまの御指摘の件は地方制度調査会における検討についてだと思われますが、その点の検討状況について御説明を申し上げます。  まず、地方公共団体に関する国の制度や施策の実施、これを行うに当たりましては、当事者である地方公共団体意見を反映させることは極めて重要だというふうに考えているところでございまして、これまでも様々な場でいわゆる地方六団体意見が開陳されまして、国の制度等に反映されてきたところであります。そして、これを更に充実させる方策ということで、現在、第二十八次地方制度調査会でありますが、ここにおきまして審議が行われているところであります。  具体的に申し上げますと、地方制度調査会の専門小委員会におきまして、地方議長の連合組織、いわゆる地方六団体のことでありますが、これからの意見申出の機会を確保するため、地方公共団体に対し新たに事務又は負担を義務付けると認められる法令案を作成しようとするときは、その案の作成を担任する大臣が、あらかじめ関連する資料を添えて、その旨を関係連合組織に通知する制度等について現在審議をしているところでございます。  まだ小委員会の議論でございますし、この地方公共団体意見の反映方策につきまして現時点において具体的な結論が得られているものではございませんけれども、同調査会におきまして引き続き審議が進められるものというふうに考えているところでございます。
  34. 藤本祐司

    藤本祐司君 昨年からの三位一体の改革についても地方六団体の御意見を聴くということでやっていますので、これは続けていただきたいんですが、これ、今、小委員会何回開いて、いつぐらいまでに結論を出すということになっているんでしょうか。目安として来年なのか今年なのかという。
  35. 武智健二

    政府参考人武智健二君) 先般、六月十日に第二十三回の専門小委員会が開催をされました。この二十八次地方制度調査会は来年二月までが任期となっておりますので、それまでに必要な答申をまとめるということになろうかと思います。まだ具体的な時期までは決まっているものではございません。
  36. 藤本祐司

    藤本祐司君 適用除外についてなんですけれども、今、国と地方、地方との関係というのは分かりましたけれども、別の制度で担保していこうということだと思いますが。  この適用除外についてもそうなんですけれども、実は、その次の四十条の関係で、今、意見公募手続の特例というのが出されている。これもそうなんですが、もう一つついでに、ついでというか付け加えて言いますと、四十一条関係で「必要に応じ、」というのが、項目があるわけなんですけれども、四十一条ね、必要に応じて当該意見公募手続実施について周知するように努めるという、これ、特別に周知するというのがあるんですけれども、こういうところは各省庁にお任せをして判断をしていただくということで理解をしてよろしいんでしょうか。いろんな妥当性がどうなのかというのは総務省がチェックされるのか、あるいはもう、これは各省庁判断でいいということで考えられているのか、そこについてお聞きしたいと思います。
  37. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今おっしゃるとおりに、適用除外に該当するか否かにつきましては、これは各省庁に基本的にやっていただくということになろうと存じます。  ただ、今御指摘がありましたように、第三十九条の第四項だったかな、に、今御指摘のあったとおり、意見公募手続の適用除外とした場合にはといって、これ原則ずっと書いてありますんで、原則としてその理由を示さないかぬということに義務付けをいたしておりますんで、こういうことによって、いわゆる隠しているんじゃないかとかいう意味のことができないように、高い、ガラス張り、透明性というものを確保することによって判断を公正なものにしたいと思っております。  なお、いわゆる、何、この省庁は非常にそういうことはやるけど、こっちの省はそうでもないとか、大体、大臣の性格とか役人の性格もいろいろありますんで、差は出てくることは、ある程度、十分、人間のやることですから、あるとは思いますけれども総務省としては、その実施状態を、第一問のときにお答え申し上げましたように、やっぱり実施状況を把握して、その上で、そういったことはよく、ほら比べてごらんと、こっちはこんなことまでというようなことは、実施状況に応じて私どもの方から介入することになりますんで、いろんな意味で、おたくでもちゃんとしてくださいと、この省庁はこんなやってるのを、同じような質問でこっちはこれでしょうがというようなことは、比較はできる立場におりますんで、そこのところはきちんとさせていただきたいと存じます。
  38. 藤本祐司

    藤本祐司君 多分、ほかの省庁を見ながら、自分たちは、ああ、ここはこうした方がいいのかなということになるんだろうなということは期待するところでございます。  続いて、次の質問なんですが、四十三条の結果の公示についてであります。  この結果の公示等については、当該命令等の公布と同時期に、そのいろんな意見パブリックコメントで出された意見についての取りまとめたものも提示するということになっているんですけれども一つお聞きしたい、二つですね、についてお聞きしたいのは、「同時期」って書いてあるんですけれども、この同時期というのは、本当に同時期って、全く一斉にということは不可能なんだろうと思うんですね。意見をもらいまして、それを結果として取りまとめましたよと。それで、それを反映して、命令等に反映しましたよというのが、これ全く同じ時期というのは、なかなか正直言うと困難じゃないかなというふうに思うんですけれども。  そういう意味で、この同時期というのはどのぐらいの幅を考えていらっしゃるのかということと、もう一つ、ちょっとこれは昨日、済みません、通告していなかったんですけれども、もし答えられたら教えていただきたいんですが、この同時期というのは閣議決定のときと違っています。閣議決定のときは、パブリックコメントを集めて、それをもらって、その結果というのをまず公表した後に命令を制定するという、タイムラグを意図的に生じているわけなんですね。これ、同時期ではなかったんですけれども。  そういうことで、わざわざ期間を設けていたんですけれども、そこと今回変わって、全く同時期というのは、ここはもう大きく変わったところなんですが、その変えた理由、要するに、今までだとうまくなかったということなんだろうと思うんですけれども、その辺の何か問題点というのがあって変えたんだと、その理由を教えていただければと思います。
  39. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) 第一点は、同時期という言葉趣旨でございますが、これは特段定量的な、何日以内とか、そういうような基準というものが考えられるものではないかと思っていて、一般的に、ほぼ、ほぼじゃなくて、全く公布の時期と、せいぜい、事務的に若干の遅延がある場合とか若干先立つ場合とか、そういったものは許容されるということだと思いますが、基本的に同時とそんなに違わないというふうに御理解いただければと思います。  それから、閣議決定法律制度とのその順番、順番というか、期間を置くことをやめた理由ということでございますが、これもむしろ、前もって公示、結果を公示した後、閣議決定、政令等を定めるという、そういう手続法律上義務付けることの意味が果たしてどれほどあるかということを検討をいたしまして、結局、別に、考慮した上で反映されればいいわけですから、それともう一つは、国民の方々にどういう理由で反映したか反映されなかったかということを分かっていただけるということさえ確保できればいいということで、基本的に、まだ、前もって決めるということの必要性はそれほど高くないと。  一方、むしろ、できるだけ全体のやっぱり策定手続期間というものを圧縮するという方が事務負担という観点からはいいわけでございますので、できればそういう期間というものは縮めて、同時期にさしていただいて、全体、この制度が、趣旨に沿って、しかも行政機関の運営にもそんなに大きな支障が生じないというような形で制度設計できればという、言わばそういうバランス感覚と言ってよろしいでしょうか、そういう物の考え方からこういう制度にしているというところでございます。
  40. 藤本祐司

    藤本祐司君 ちょっとよく分からなかったんですけれども。  要するに、タイムラグというか期間を設けることにそれほどの意味がないというのは分かるんですけれども、じゃ、同時期であるという意味がよく分からないんですけれどもね。同時期でというのを、わざわざ同時期というふうに示しているということは、同時期であることの方がはるかにいいんだという結論があるから同時期というふうに言っているんじゃないかなというふうにしか思えないんですけれども。わざわざ同時期と言っているということは、期間を置くと何か問題があったんじゃないのかなと、あるいは、同時期であることが大きなメリットがあるから同時期ってわざわざ言っているんじゃないかなと思うんですけれども。  ちょっとそこの辺り、もう一度御説明いただけますか。
  41. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) 説明が分かりにくくて恐縮でございます。  申し上げようとしたのは、今先生タイムラグとおっしゃったですが、実際には、結果を考慮して整理した段階で、大体、案ができている場合、案というか最終的な決定文ができている場合が結構あるわけでございまして、それを、時間を置くということであれば、その期間だけわざわざその決定を遅らせるということをこの制度が義務付けるということになりかねないということであると、全体の政省令等の決定の期間が、その分、余分に見込んで進めるということになるということであれば、元々、恐縮ですが、この政省令等の策定手続というのは、それなりに、マンパワーだけじゃなしに時間を要するわけでございますので、その分、先立ってその準備をしなければいけないというふうな、いろいろな面でやっぱり行政運営上ちょっと負担を掛け過ぎることもあるなということで、できれば簡素化できる期間というものは省略したいという趣旨でございます。
  42. 藤本祐司

    藤本祐司君 要するに、同時期ということは、こういう意見をもらいましたよと、それを考慮してこういう命令を出しますよということを一緒にやるわけなので、意見を出しても、それを、理由は示すとしても、結果としては要するに有無を言わさずこうしますよということにしかならないわけですよね。一回、これ一往復しかしていないわけですので、例えばこういう意見が大勢を占めていますと、だからこういう意見をやるんですけれどもどうですかという手続は途中には一切入らないわけなので、もう有無を言わさず、こうしますよ、意見を考慮してこうしますよということにしかなってないんですが、ちょっとここのところは考え方もあるかもしれないですけれども、私なんかパブリックコメントって考えると、パブリックコメントを出して、それが何件来るか分からないですけれども、それを集めてこういう意見があったと、で、こういうふうにしたいと思うんだけれどもというのが本来は入ればいいんだけれども、なかなか期間が一杯掛かってしまうと問題だということで、そこは短くするということはあるんですけれども、ちょっとこのパブリックコメント意味というか趣旨というのが、同時期になっちゃうと本当に有無を言わさずぽんと出てしまうのかなという感じがして、逆に言うと、省庁側からすれば、パブリックコメントをやったということで、もうそれでよしとするという形になってしまうんじゃないかという懸念がちょっとあるんですけれども、それについてはどうお考えでしょうか。
  43. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) 確かに、御指摘のように、この手続は、意見を踏まえて決定するんだというようなプロセスから考えると、意見を聴いてその上で決定したという、そういう、そのために必要な期間というものを確保しておくということは、それは一つ考え方だろうと思っております。  ただ、これは繰り返しになるところは省略しますが、加えて、私どもは、やっぱりこの制度の力点は、反映させるということも重要ですが、それ以上にそういう透明性を確保すると。どういう意見があって、どういう考え方でもってこういう最終的な決定文になったかというところの透明性を図って、むしろそれを国民の目で、一般が見られるようにするというところを極めて重要視しております。  その意味から考えますと、最終的な決定文とその意見とそれに対する行政機関側理由、こういったものは一体的にむしろ同時期に出した方が国民理解されやすいというところもあるということも指摘させていただきたいと思います。
  44. 藤本祐司

    藤本祐司君 これ、意見公募手続実施されたにもかかわらず制定されない、要するに、したけれども定めないということにした場合は、題名とか公示日を公示して、これはしないことにしましたということだけでこれ終わっちゃうんですよね。命令を定めない理由というのはどこにも出さない。そして、あとは、これもう一つは、命令等制定することを決定するには至っていないんだけれども今保留状態になっているということについても、一切これ、どこにも示す理由、必要性もないわけなんですよ。  ですから、そういうことを考えると、パブリックコメントを出した側からすると、そういうことが日常、当たり前のように行われてしまうというのは、パブリックコメントを出す意味もなくなっちゃってくるということがあるんだろうなと思います。  これ、各省庁から多分評判が悪いんだろうと思うんですけれども、そういう意味を含めて、いろんな省庁からいろんなことを言ってくるとだんだんだんだんそういう形だけのものになっていってしまうような気がしてならなくて、そこのところをきちっとしていかないとパブリックコメントをやる意味というのがどんどんどんどん薄れていってしまうと。  むしろパブリックコメントの、私はこれ直観的に考えたのは、パブリックコメントをやっているということが例えば答弁逃れの便法になってしまうんじゃないかなというような気もするんですね。例えば政令、それこそ法律というのは政省令の委任事項を設けているようなケースなんかたくさんあるわけなんですけれども、それについての説明を求めたときに、いやいや、パブリックコメントをやっている最中ですからとか、パブリックコメントをやって皆さんの意見をもらってからやるつもりですと、今は答えられませんみたいな、そういう答弁逃れにも使われる可能性もあるので、このパブリックコメントって相当気を付けないといけないかなというふうには逆に思っているんですけれども、その辺りについてはどういうお考えをお持ちになっていますでしょうか。
  45. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは藤本先生、国会審議を充実させるという観点からいったら今のような話で、いわゆる個別の法案等々について政省令にかかわる、簡単に言えば委任しているという規定につきまして、その内容とか趣旨とかいうので可能な限り国会に説明すべきなのは当然なんだと思いますので、その上で、その法律案について国会で審議をとか、判断を仰ぐべきものと考えておりますので、私どもとしては、これを国会答弁を逃れる口実に使わせるというようなことは、それはそういう手合いないとは言いませんよ、私どもも、これは。そういうことをやるやつはいないなんて言うほど、それほどみんなまともな人ばっかりとも思ったことはありませんけれども、ないやつは、それは私どもの方としてきちんと対応せにゃいかぬところなんだと思いますので、これは少なくともいろんな、今まではもうやみの間すうっと政省令ができたところを少なくとも開けようとしているわけなんであって、それが開けられたくないと思っている人が一杯いることは確かでしょうけれども、基本的には開けさせる方向でいろんなことをやっているということでありまして、今言われたような事例というものが数多く今後出てくるのであれば、その段階でまた考えなきゃいかぬということになるんだと思います。
  46. 藤本祐司

    藤本祐司君 先ほどもちょっと質問の中に、パブリックコメントをやったけれども制定しない場合は、その制定しない理由は特に示さないわけなんですけれども、出している側から、パブリックコメント出している側から見たら、何でこれ制定されなかったのかというところは非常に興味があるところなんで、関心のあるところで、それが正に政治に対する透明性の確保になっていくんじゃないかなというふうに思うんですが、制定しないということを定めた場合には、その理由と、その提出された意見はこういう意見はありましたよということはやっぱり公表すべきだというふうに思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。  今のこの法律の中では、実施したけれどもパブコメ実施したけれども命令等を定めないというようにした場合は、その旨、その旨というのは要するに制定しませんよということと、命令の題名、どの部分についてどういう命令等についてはしなかったということは明らかにするためだけのことをこの四十三条四項で規定しているわけなんですよね。何で制定しなかったかというところは一切規定していないんですが、そこをやっぱりきちっと説明しないと、国民のせっかく出してくださった方々は納得しないんじゃないかと思うんですけれども、そこについて、その規定についてお考えをいただければと思いますが。
  47. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、ちょっと多分こういう意味なんだと思いますが、あらかじめ示した案をバツと、駄目といって撤回をする、やめるということに関しては、異なる案を出して、異なる案を出して改めて広く一般から意見を集める手続を行う必要が生じるというような場合などということを考えてこの四十三条四項の括弧書きということになったんだと思いますが、少なくともその前に出した分については廃案と、やめますといって出し直しますということをするときにこういったことができることが、そういうこともあり得ますから、パブリックコメントにも圧倒的にバツということになったときにはもう一回出し直すということも十分に考えられるところだと思いますので、そういったところを考慮してこの括弧書きになったと理解をいたしておりますが。
  48. 藤本祐司

    藤本祐司君 実は、これについてもうちょっと突っ込みたかったんですけれども、時間がなくなりましたものですから、ちょっと、最後にちょっとコメントをして終わりにしたいと思いますけれども。  先ほど来、一番最初の方でお話を、質問をしたとおり、結局、修正なしというのが八割ぐらいなんですよ。これは期間の問題があるのか、どういう理由があるかというところは分からないんですが、回答ゼロだったからということも含めてなんですけれども修正なしが八割あるとなると、これだけのことをやって八割は何の修正もなし、そのまま出してしまうということになると、相当なボリュームというか、事務量が多い中で、これだけのことを法制化するということの意味というのがよく分からない。これだけパブリックコメントをやっても、有無を言わせず、最終的にぽんと決めてしまうということについて、単なるガス抜きになってしまう部分というのもあるんじゃないかなという懸念はあります。  ただ、ただ、これはやらないより一度やってみないと分からないという部分が一杯ありまして、ある意味、進化論で考えると、やってみて変える、やってみてやめるということも十分あり得ることだと思いますので、これは、例えば情報公開法なんか四年で見直ししましょうという、今回、見直し規定ないんですけれども、その辺のことを是非調査をして、先ほど申しましたように、科学的根拠を示せるようにして見直しをしていくということも是非御検討をいただくというか、それを是非お願いをしたいというふうに思います。  それと、あと、やはり我々にとって情報、この問題というのは、国民といわゆる官庁とかの情報格差をなくすという意味合いから非常に大きいことだと思いますので、その意味では情報公開法ももっともっと徹底をしてやると。あるいは、四年で、ここで改正をしなければいけなかったんですけれども、いろんな問題点がありながら情報公開法は改正案が出てきてないわけなんですけれども、この辺りについての情報公開法の徹底とか不備な点というのも改めていくということで情報格差をなくすという、全体としてなくしていくという方向で御検討いただきたいというふうに思います。  これで私の質問は終わりました。
  49. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 最初のところでも答弁申し上げましたように、今回はノーですと。最初、イエスかノーかで答えろという御質問だったのでそう答えたと記憶しますが、今回は、今言われたように、このパブリックコメントというものにえらく話が集中しておりましたので、今回これに絞ってやらせていただいたというのが背景であります。  今おっしゃったように、いろんな御指摘のありますところは今後出てくることは十分に考えられますし、今のようなICTの技術がこれだけ進んでくるともっと話が早くなるのかもしれませんし、大体先のことは余り予想できないと私はもう前から、十年先のことは人間に予測なんかできぬと、そう思っていますので。ちょうど十年前に野茂がメジャーリーグに出たんですが、今メジャーリーグで十四人の日本人がプレーしておりますけれども、これ予想したやつ一人もおりませんから。そういった意味では、私は十年先のことは基本的に予測ができないものだと、私は基本的に自分でそう思っておりますので。この種の話も、技術が進歩して、まさか2ちゃんねるなんてものが出てくることを想像した人はあの段階では一人もいませんから。そういった意味では、私どもはこういったものを不断に見直すというのは大変大事なことだと思いますので、今御指摘のあったように、こういったようなことを、もっとこういう点もというのであれば、その段階で当然のこととして検討させていただきます。
  50. 弘友和夫

    弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。  この行政手続法平成五年に成立して六年から施行されているわけですけれども、私もこれが出たときに衆議院の内閣委員会質問をさせていただいて、非常に思い出の深い法律なんですが。  これは、それまで何十年来の悲願というか、日本の行政が非常に不公正、不透明だと、その典型的なのが世界に悪名の高い行政指導だと、これはもう世界共通語になっているような。基準も何も明らかに、例えば許認可の申請をすると机の一番下に置かれて、いつこれがあれされるか分からない。基準も、何でそれが不許可になったのかとか、そういう基準もはっきりしない。こういう不公正、不透明な行政についてきちっとした基準を設けようということで、非常に期待をされた画期的な私は法律だというふうに思っているわけですけれども、以来、十一、二年たってみて、大臣は、この行政手続法運用に当たって総括的な御所見を賜りたいというふうに思っております。
  51. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今御指摘になりましたように、平成五年十一月に公布、明けて六年の十月かな、に施行になったと思いますので、ほぼ十年というものがたって、おっしゃるようないろいろな不備とか、また不公正、不透明といったような御指摘の数多くあってきた中でもありましたので、この行政指導等々、いろいろ含めて政省令の内容につきましてより広く理解をということで、この行政手続法という法律ができたんだと思いますが。この十年掛けて、比較対照の問題ではありますけれども、昔に比べたら随分定着をしてきたのではないかと思っておりますので、さらにICT等技術が発達をしておりますので、インターネット等々、また行政手続もすべてオンライン化ということになっておりますので、そういった意味では、今後更にこういったものが進んでいければなと思っております。
  52. 弘友和夫

    弘友和夫君 今回のこの改正は、その中でまだ今までやっておられなかった行政立法手続についてパブコメ等導入していこうということなんですけれども、全体的に、昨年の十二月に、この手続法の施行及び運用についての行政評価局が管理局に対してかなり厳しい、同じ省ではありますけれども、厳しい勧告を行っているわけですね。それを簡単に、どういう勧告をされたのか、そしてまた、それを受けて管理局としてはどういう対応をされたのかというのをお答えいただきたいと思います。
  53. 田村政志

    政府参考人田村政志君) ただいま御指摘の評価・監視におきまして、行政手続法を所管しております行政管理局の取組について調査勧告をしている点、三点についてまず御説明申し上げます。  第一に、審査基準、標準処理期間、処分基準の設定、具体化等を推進するための具体的な点検、見直しの実施方法等を示していない等、各府省に対する支援が不十分であることから、審査基準等の設定、具体化等を推進するための見直し方法、観点の提示を行うよう勧告しております。それから第二に、手続法の施行状況についての調査実施しておるわけでございますが、この調査要領に審査基準等の設定に係る基準が明記されていないなど施行状況調査内容が不十分であるということで、施行状況調査の的確な実施を図ることを勧告しております。第三に、手続法事業者等にどの程度周知されているのかなどの調査を行っておらず、事業者などに対する効果的な周知方策の検討に必要なデータを把握していないといったような状況から、行政手続法の効果的な周知方策を検討し、継続的な周知に努めることを勧告しております。なお、そのほかにパブコメ、あるいは行政指導の運用の適正化等についても勧告をしております。  以上でございます。
  54. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) お答えいたします。  行政評価局から行政管理局に対して御指摘いただいたことは今御説明のあったとおりでございますが、要は、管理局自らが、例えば調査票の設計を変えるとか、そういう自らできるものもございますし、もう一つは各省なり事業者等に対して周知徹底するという、そういう二つの勧告改善措置があったというふうに理解しております。  そこで、今申し上げたとおり、自らできるものについては直ちに私ども改善したところでございますが、むしろ各省庁に対する指導周知というものも極めて重要な部分がございますので、これにつきましては、平成十七年の一月十四日付けでまず局長名で改善措置内容徹底するよう各省に指導するとともに、同日、担当者に集まっていただいて、その改善措置趣旨徹底説明して図ったとか、あるいは、やはりこの制度というのは末端の職員とか実際の許認可等を受ける担当者、そういった方々に知っていただく必要があるわけでございまして、研修なんかの必要性も非常に高いわけですが、そういった研修を催される場合は、私どもの担当官も積極的に対応するというような形で対応してきているところでございます。  今後も、この制度周知というのは物すごく重要なことだと思っていますので、パンフレットなんかも作っていきたいんですが、そのパンフレットの作り方にしても、本当に事業者等が抱えておられる問題、それからこの制度の分かりやすい説明とか、そういうものに心掛けながら周知徹底を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
  55. 弘友和夫

    弘友和夫君 同じ省の中で勧告をされ、今度、局長同士が替わったら今度反対の立場になるわけですけれども、まず、勧告そのものは、私はそのとおりだというふうに思うんですよ。ただ、それを受けて、じゃどうするのかというのは、なかなか今の御答弁を聞いても、周知徹底だとかいうことで、なかなかこれは進まない。  私は、根本的には、大臣、この行政手続法に、大臣総務大臣の権限というのがきちっと明記されていないんじゃないかなと。例えば、個人情報保護法では、「総務大臣は、」「行政機関の長に対し、」云々あって、「資料提出及び説明を求めることができる。」と、こうある。また、「総務大臣は、」「行政機関の長に対し、行政機関における個人情報の取扱いに関し意見を述べることができる。」というきちっとした権限が明記をされているわけですね。この行政手続法にはその権限というのがはっきりされていないと。  やっぱり、これは一番、各省庁の大変な中で、各省がそれぞれの考え方でやっている中でやるわけですから非常に難しい部分はあると思うんですけれども、やっぱりこの権限を、だからこそ権限が、総務大臣の権限が明記されていないと非常に管理局としてもやりにくい部分があるんじゃないかなというふうに私は考えるわけですけれども、その権限を、まあこれは立法の部分と思いますけれども、与える必要があるんじゃないかというふうに考えますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  56. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 総務大臣という建制上二番目の、第一番ということは、法務省を超えて今一番になった役所になっておるんですが、行政手続法の統一的な運用を一般的に確保するということに当たりましては、何というのかしら、立場上、立場からいきますと、これは正直申し上げて、特段な規定を設けなくてもかなりな部分、施行状況の調査というのを行えることになっていますので、ちゃんとやってくださいと、そうしなけりゃ公表ですよということだけでかなりなものができる。  最近では、地方に対しては、各地方でいろいろな、特殊手当等々を含めてあった件に関しましても、あれ公表するかしないかえらい騒ぎでしたけれども、あれ、大阪市含め全部公表しました。公表した結果、今大阪市で何が行われているか御存じのとおりだと思いますが、一斉に市民のあれが出たと。同じことで、役所に対しましてもちょっと待てということがかなり言えるんで、余り権限持たせますと、私みたいに品のいい、おとなしいやつがやっている間はいいですけれども、そうじゃなくなるとこれはかなり乱暴なことになってくる可能性もありますんで、控え目な、私のように控え目な性格のある程度のところで止めておいた方がよろしいんじゃないかなと、自分で売り込むのもなんですけれども、そんなふうに思っておりますので。  ただ、これは全然威令が徹しないということになってきた段階ではもう一回考えにゃいかぬことになるのかもしれませんけれども、今のところ特段に不都合が起きているという感じではいたしませんし、私ども、行政評価の紙を各大臣にわたって、おたくはこれですということをかなりお渡しした場合は、大体、予算の執行状況等々を含めまして評価の部分に関しましても、これまでも大体翌年、私どもがお渡しした分に関してはほとんど修正が出されて翌年、予算で上がってくるところまではなりつつあると思っておりますんで、今言われた点は検討はせにゃいかぬ問題だと思いますけれども、今すぐこれを法令ですぐ書き込めというような話ではないのではないかという感じがいたしております。
  57. 弘友和夫

    弘友和夫君 謙虚な大臣の御答弁でございましたけれども。  ただ、じゃ現行法の第三十五条第二項に、行政指導口頭でした場合には、相手方から書面交付を求められたときは、支障がない限り、これを交付しなければならないという規定があるわけですね。これは今まで十一年の間に、じゃ書面交付、これを活用されたのは何件かと聞きましたら、わずか六件だという。  このアンケート調査によると、まず、この制度を知らなかったというのが七六・七%、それからまた、現行法三十二条第一項に、行政指導に携わる者は、行政指導内容をあくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるというふうに規定されているわけです。だから、それをまた知らなかったというのが六八・一%いらっしゃるわけですね。  だから、知らなかったということは余りそれだけニーズがないのかなという考えも一方ではあるかもしれませんけれども、私は、この今までの行政指導はこの十一年どれだけ行われたかといえば、それはもう何万、何十万、相当行われていると思うんですよ。それを書面交付を求めたというのはわずか六件というのは、それは周知徹底してやらないといけないんですけれども、根本的に何かやっぱり業界としては行政に遠慮をするというか、そういう部分があるんじゃないかなと。  だから、評価局が各省庁に対して、業界団体に対する説明会等の機会を活用した事業者等への継続的な周知実施することという勧告をしているわけですけれども、だけど、各省庁はなるべくそういうことは裁量行政的にやっていきたいというものがあるわけですから、総務省として各省庁周知徹底をするというんじゃなくて、私はそれを、行政指導等を受けるその省庁から業界団体周知徹底をさせるというのはなかなかしたがらないと思うわけですね。  だから、むしろ総務省が直接そういうのを受ける業界団体にこれを周知徹底するべきだというふうに考えますけれども、いかがですか。
  58. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) 全く御指摘のとおりだと思っております。私どももできるだけ機会をつくって、むしろ経済団体等から事業者団体にも直接制度を知っていただくということをやっていきたいと思います。  ただ、決してやっぱり事業所管官庁を通じての指導というものも軽視できないとは思っておりますが、やっぱり正に先生指摘のとおりでありまして、この法律が有効に活用するためには、やっぱり行政機関側の職員の意識改革みたいなものも必要かと思っております。  その上で、事業者とのある意味での信頼関係の中でこういう制度が活用されていくことになろうかと思いますので、いずれにしても行政機関に対する周知徹底と、あと事業者に対する周知徹底、これは正に極めて重要だと思っていますので、取り組んでいきたいと考えているところでございます。
  59. 弘友和夫

    弘友和夫君 是非、直接そういう周知徹底、府庁、省庁に任せるのではなくてやっていただきたい。それで、何と今までずっと続いてきたそのあれ、何かここでそういうのを求めると、役所からまた別なことでやられるんじゃないかみたいな気持ちがやっぱりあるわけですから、それはきちんとした権利として、そういう公正な、また透明な行政を進めていく上においてもそういう関係をやはりつくっていただきたいというふうに思っております。  時間が余りございませんけれども、今回の改正パブコメを導入すると。これは、今まででもパブコメというのは閣議決定事項としてあったわけですけれども、今回はこれを国民の権利又は義務に直接かかわるものへのということで対象も拡大しておりますし、それをまた法制化をするということで一定の評価をするわけですけれども、また、今まで閣議決定のやつは強制力というのはなかったのかもしれませんけれども、二〇〇二年に意見公募した三百九十九件のうち、実際に内容修正したものは五十八件だと。公募を怠ったものの例も六件あったという報道もあるわけですけれども、これ、今までのパブコメ閣議決定事項を今回、法制化することによって、何がどう変わると思われるのか。  それから、これはさっきからも論議あっておりましたけれどもパブコメしましたよと、だからそういう一応意見を聴きましたよみたいな、それで責任逃れみたいなことが生じないとも限りませんし、だからそういう意見があったことに対して分類をして、こういう意見、大体分類ができると思うんですよね。例えば、請願陳情の扱いについても、こういう大体意見が百何十件あるとか、こういう分類して、これに対してはこう答えましたよというきちっとしたチェックが必要なんじゃないかなというように考えますけれども、併せてお答えいただきたいと思います。
  60. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) まず、閣議決定法制化したことの意義ということでございますが、これ単に従来のような規制中心の政省令等から広く権利義務にかかわるものに広げたということだけではなしに、やはり第一点は、従来の閣議決定ベースのものであったものがはっきりとした法律上の義務として行政機関に課されているということは、その重みは極めて重いかと思っております。  加えて、これは付随的な話ではあるんですが、法制化に伴って当然その用語の定義とかその制度の詰めのようなものをきっちりとやるということで、従来はある程度運用、各省庁の運用に任されていた部分法律によって明確になっていくというようなこともあろうかと思っております。  加えて、一般原則というものも今回作らさせていただいているんですが、こういう一般原則をすることによって、本来、結構、政省令等が濫用的に使われていたんじゃないかというような懸念にもこたえるということにしたというところが大きいところかと思っております。  それから第二点目は、運用状況のチェックということでございますが、これは正にこの制度の根幹に当たるところかと思って重要ではございますが、ただ、今回は別に第三者機関とかそういうものを設けておりませんが、むしろ、国民一般に実際の運用状況をさらすというところで、言わばそういう国民一般からのチェックというものを確保しようとしているところにあるわけでございまして、その意味で、先ほどの質疑でも貴重な御意見いただいておりますが、やっぱり意見公募手続をやった結果についての公表の仕方、これをやっぱり分かりやすく漏れなくとか、あるいは総務省がやることとしております施行状況調査ですね、こういったものもやっぱり端的で明確で分かりやすくするということで、やっぱり国民にまず知ってもらうと、よく理解してもらうということが極めて重要かと思っております。また、それがこの制度の普及にもつながるのかなというようなふうにも考えておりますので、そこら辺りは今後、一生懸命充実して対応していかなきゃいかぬというふうに考えているところでございます。
  61. 弘友和夫

    弘友和夫君 最後に大臣に、この地方公共団体の件ですけれども、これ条例化している、パブコメ制度を条例化しているというのはもう都道府県はないんですね。市町村で少しある。本当にごくわずか、条例化しているのは。ということで、これは地方自治、地方自治というか、地方分権で指導しにくいみたいな話があるかもしれませんけれども、先ほどの大臣の御答弁ではかなり明記、権限を明記しないでもそこら辺は言えるんだというお話でございましたけれども、これは条例化というのを指導していった方がいいんじゃないかなというふうに思いますが、最後にお聞きして、終わりたいと思います。
  62. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 弘友先生指摘のとおりなんですが、既に条例化はしておりませんけれども要綱等々できちんと対応しているというところが結構ありますんで、そういった意味では、京都とか神戸とか、これは条例でしているところもありますし、中核市でも横須賀とか旭川とか鹿児島とかいうところもあるんですけれども、基本として、私どもとしては、条例、規則、要綱、いろんな表現あろうと、段階があろうとは思いますけれども、私どもとしては、段階としてきちんと、パブリックコメントというものをきちんとしてもらうというところから始めさせないかぬと思っておりますんで、私どもとしては、今の段階では努力義務規定というように一応置かしていただいておりますけれども、ある程度、何が何だか全然分かっておらぬところも正直言って地方、二千幾つの中ではありますんで、そういった中では、今後これをきちんとすることによって、法令化することによって段階を少し追っていかないかぬところかなと思っております。  地方としても、これは多分流れとしてそういった方向になりますし、特に町村合併をすればするだけこういったものの必要性は更に大きくなると思っておりますんで、御要望というか、御指摘の点を踏まえてやってまいりたいと存じます。
  63. 吉川春子

    ○吉川春子君 共産党の吉川です。  まず、総務大臣、お伺いいたしますが、行政手続法改正意見公募を行う対象に行政立法を加えたことは前進です。しかし、行政計画などについて今後の検討課題とされ、今回は含まれないなどの不十分な点もあると思います。また、意見公募の除外規定が設けられている点について言えば、妥当なものもある反面、問題と思われるものもあります。  私は、三十九条四項四号の除外規定に関連して、審議会について伺います。  まず、三者構成、公労使の審議会については本法の適用除外としている理由は何でしょうか。
  64. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘のありました改正案第三十九条第四項第四号で適用除外となっておりますものにつきましては、いわゆる例えば中労委とかそういったようなものに関しましては個々に既に法律がありまして、いわゆる第三者構成の審議会というものの審議を得るということに規定がされております政省令のことをこの今三十九何とかというんで適用除外したということなんですが、この策定するに当たりましては、これは利害が対立いたします使用者側と労働者側との中労委等々のように、利害の対立するところの間の調整をするというところの議論というものを事前にある程度きちんとやらなきゃ駄目ですよということが法律で義務付けられておりますんで、このような個々の法律というものはやっぱりきちんと私どもも踏まえてやらぬと、それについてパブリックコメントわあわあわあというと、それどなたか御指摘のありましたように、組織的にわあっとかというようなことになると非常に具合の悪いことになり得るであろうとも思いましたので、労働政策審議会等々いろいろございますけれども、そういったものを含めて、私どもとしては、これはちょっと対象の除外すべきものではないかというのが判断の背景であります。
  65. 吉川春子

    ○吉川春子君 厚労省、お見えだと思います。最賃法の二十六条で設置されております最賃審議会を例に伺います。  最低賃金制は、賃金の低廉な労働者について賃金の最低保障を行う制度です。そして、最低賃金は労働者の生計費を考慮して決められなければならないわけです。厚労省監修の最賃法のコンメンタール、これなんですけれども、労働者の生計費とは労働者の生活のために必要な費用をいうが、最賃決定の基準として労働者の生計費が考慮されるべきことは、最賃制が労働者の生活の安定を第一の目的にしているから当然だと。この場合、憲法二十五条、労基法一条の精神を尊重されるべきことは言うまでもないとしているわけですけれども、まず端的に、月額に換算した最低賃金の金額をお示しいただきたいと思います。
  66. 松井一實

    政府参考人松井一實君) お答えいたします。  平成十六年度の最賃の全国の加重平均額で申しますと、時間当たりが六百六十五円になっております。月給でどれくらいになるかということをやるためには、これを月額に戻しますために、一日八時間といたしまして月二十二日働くということで、これを掛け合わせますと十一万七千四十円と、こういった額になります。
  67. 吉川春子

    ○吉川春子君 この金額では到底一か月生活できないと思います。  新日本婦人の会のアンケート調査によりますと、更に地域最賃を下回る賃金しか受け取っていないパート労働者が北海道、青森、秋田、埼玉、東京、愛知、大阪など全国におります。また、埼玉県労連のパート募集賃金の調査でも七百から八百円未満が三一%、八百円から九百円未満が四三・七%という実態で、賃金が最賃に張り付いているということが明らかです。  地域別最賃の全国平均が六百六十五円、これでは一か月働いても十万円程度しかならない、今御答弁がありました金額です。生活を支えることは到底できません。しかも、埼玉、私、埼玉に住んでいますが、パート労働者の募集広告によりますと、最賃以下の時給で募集されている例があります。  総じて、女性パート労働者の賃金は低いわけですが、そこで厚労省にお伺いいたしますが、一般男子労働者の一時間当たりの所定内給与を一〇〇とすると、パートタイムの女性労働者の所定内給与は何%になるでしょうか。
  68. 松井一實

    政府参考人松井一實君) 今お尋ねの件は、所定内給与だけで申しますと、パートタイム労働者、時間当たりで千九百九十九円、それに九百四円という対応関係にありまして、そのほか賞与なども少し加味いたしますと、二千五百五円対九百三十七円、すなわち一〇〇に比べて三七・四という状況であります。
  69. 吉川春子

    ○吉川春子君 つまり、普通の正規労働者男性が一〇〇もらうとすると、その三七%しか女性のパート労働者は受け取っていないということになります。  日本の最賃は非常に低いんですけれども、これをアメリカ、フランス、イギリス等の先進国と購買力平価で比較していただくと、どういう数字になりますでしょうか。
  70. 松井一實

    政府参考人松井一實君) アメリカ、イギリス、フランス、この三国で比較いたしますと、日本の賃金六百六十四円に対しまして、アメリカ、円換算で六百八十円、イギリス九百十六円、フランス千五十八円と、こういった数字になると思います。
  71. 吉川春子

    ○吉川春子君 いろいろ前提として数字を伺っておりますけれども、OECDの調査でも、日本の労働者の賃金は、最賃は先進国中で最も低いわけです。今言われましたように、イギリスは日本の一・四倍、フランスが一・六倍というふうになっております。  今やパートタイム労働者が一千二百万人を超えて、フリーターも四百万人います。最低賃金がパートタイム労働者などの賃金に大きな影響を与えています。昨年の中央最賃審議会は、現行水準の維持を基本として引上げの額の目安は示さないことが適当として、三年連続据置きを答申しました。本当にこれは安い賃金で働いている方々にとっては厳しい結果です。地域最賃はゼロから一、二円の引上げにとどまっております。  なぜこういうふうになるのか。中央最賃審議会の構成にも私は問題があると考えています。賃金が低廉な労働者と最賃法は定めていますけれども、その代表がその審議会の中にいるんだろうか、こういう問題をもう一点だけ数字で伺いたいと思います。  同審議会の労働委員の出身労働組合と、それぞれの労働組合がパート労働者をどの程度組織しているのか、その数値をお示しいただきたいと思います。
  72. 松井一實

    政府参考人松井一實君) 現在、審議会の労働側の委員の方六名おられるわけですけれども、それぞれの組合、所属の組合員に対するパート労働者の割合、これ見てまいりますと、割合の高いところでは約三〇%、二九・五%と、それから二一%等と、それから低いところでは〇・〇一と、こういうふうになっておりまして、これ個別に申し上げた方がよろしいですか。  一つ、一番高いところは、日本サービス・流通労働組合連合というところございまして、これが二九・五二%であります。その次に、UIゼンセン同盟、ここが二一・四三%と。その次、日本食品関連産業労働組合総連合会、これが一・五九%と。あとは、〇・一八がJAMであり、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会と。それから、一番低いのが、〇・〇一でありますけれども、日本基幹産業労働組合連合会と、こういう状況でございます。
  73. 吉川春子

    ○吉川春子君 要するに、パート労働者を組織している労働組合の代表が中央最賃を決めるメンバーに入っていないと、こういうことです。  それで、そのパート労働者を〇・一とか〇・〇一%しか組織していない労働組合の代表が最賃審議会でパートや低賃金の労働者の利益を反映できるとは私は思えません。  厚労省の最低賃金制度のあり方に関する研究会報告、〇五年の三月三十一日は、パートタイム労働者等の割合が高まるとともに、パートタイム労働者層と一般労働者層の賃金格差が拡大する傾向にある。このような状況からも、最賃制度は、低賃金労働者層の安全網としてその真価を発揮すべき重要な時期にあると指摘しています。また、組織率が著しく低いパートタイム労働者にとっては、最賃制度の役割はますます重要だとしています。  こういうことを踏まえた上で、ほとんど組織していない労働組合の代表が六人のうち四人もいますけれども、実際のパート労働者を組織している労働組合の代表は審議委員に加えるべきだということを私は要求したいと思います。  それで、時間がないので続けて申し上げますけれども、全労連が中央最賃審議会の委員として推薦した全国一般労働組合中央執行委員長、ここはパート労働者を四五%組織しています。また、全国生協労働組合連合会副委員長、この生協労連は六九%のパート労働者を組織していますけれども、こういうところから、こういうところの委員が二名推薦されたんだけれども、これは排除されてしまいました。  どうしてこんなにパート労働者をたくさん組織している、率でですね、こういう代表者が排除されたのか、その理由について、厚労省、おかしいと思いませんか。
  74. 松井一實

    政府参考人松井一實君) 最低賃金審議会の労働者を代表する委員あるいは使用者を代表する委員の任命につきましては、最賃法では二十九条に根拠があり、また、それを受けて政令三条がございまして、ここで、労働者を代表する委員、これは関係労働組合にその推薦を求めて、それを踏まえた上で選任するというふうになっております。したがって、まず推薦を受けた上でという手続を経た上で、かつ、最終的に任命をする場合には、それぞれの代表がふさわしいかどうかということを種々の要素を総合的に勘案して、さしていただいておりますので、その結果、こういった状況があろうかと思っております。  なお、それぞれ代表されている組合のパート労働者の方の割合、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、少ないところもあるし多いところもあるということで、すべてが一律に反映しなければならないということにはならないんじゃないかなというふうには思っております。
  75. 吉川春子

    ○吉川春子君 パート労働者の実態を反映させるということは、審議会にですね、必要だと、それはそういうふうにお考えですか。一言でいいです。
  76. 松井一實

    政府参考人松井一實君) 今申しましたように、実情を見て、それに適応した制度運用をしていくということは極めて重要なことではないかなと思っております。
  77. 吉川春子

    ○吉川春子君 〇・〇一%とか〇・一%しかパート労働者を組織していない労働組合の代表は入れられると。同じく推薦受けても、六割とか五割近く推薦している委員委員としては排除されると。これは大変おかしいので、労働省として、私は厳しく指摘して反省を促しておきます。次からはこういうことがないようにしていただきたいと思います。  時間もありませんので、最後に総務大臣、最賃について、こういう形で一応適用排除ということになっているんですけれども、これは官報にも公示されます。この手続はパートタイム労働者を始め広範な労働者に影響を与えるわけで、やっぱり意見公告、公募を行うに当たり、広く国民意見を求めることが行政運営の公正の確保、透明性の向上につながるのではないかということを、一般論としてですね、特定の審議会ということではなくて、一般論として最後に伺って、質問を終わりたいと思います。
  78. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 一般論というとなかなか難しい答弁でしてね。これで言われると、普通この種の、先ほど申し上げましたとおりに、なかなかこれパブリックコメントと言われるものには適さないもんなんじゃないのかと。なぜなら、そこには別に、利害調整の協定、あっ、調停ということを目的とした法律があるわけなんで、そこのところの内容意見を個別にパブリックコメントに付すというのが一般論として適当かなということに関しては少々疑問があるなというのが率直な実感なんで、私どもとしては。  ただ、パートが増えてくる中で、組織労働者率というのが減ってきておりますことは確かなんです。これは組合も同じですし、教職員含めて皆組合の組織加入率というのはかなりなものまで昔とは違った形になってきております部分意見をどうやって取り上げるかという点は、ひとつ考えねばならぬ点だとは思っております。
  79. 吉川春子

    ○吉川春子君 終わります、時間なので。
  80. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  今回の改正賛成をいたしますが、この法律は、現状では、政省令、処分などの行政立法に対して一般国民の権利を守るためというよりは、まだまだ事業者へのサービスないし苦情対策に限られているように見受けられる、そういう面があります。一般国民の権利確立にもっと役立つように改善を求めながら質問をいたします。  なお、今日はえらい欲張ってたくさんの答弁者をお願いしたんですが、是非、簡潔明瞭にひとつ答弁をお願いを冒頭しておきたいと思います。  まず、パブコメを募集したにもかかわらず、その結果を公表しないまま行政手続を終えてしまったというケースが幾つかあります。昨年十二月に総務省が発表した行政手続法に関する報告書によると、平成十四年度で十七件、うち十三件が国土交通省だったわけですが、なぜこのような結果になったのか、またその改善策はどういうふうに取られたのか、伺いたいと思います。
  81. 和泉洋人

    政府参考人和泉洋人君) 御指摘のとおり、十七件のうち十三件が国土交通省関係の、特に建築基準法の関係のものでございました。  事情でございますが、平成十四年度が建築基準法の大幅な改正に伴う経過措置の最終年度に当たるとともに、シックハウス規制の導入やハートビル法、省エネ法の改正等が同時に行われ、詳細な技術基準の整備作業が集中したことが原因であると思っておりますが、事情はともあれ、こういったことが生じたことは誠に遺憾と認識しております。  御指摘の十三件のうち、四件については意見がなく、二件については既にホームページで公表手続を終えておりますが、残りについても速やかに公表を行いたいと考えております。  今後、このようなことのないようにしっかりと努めてまいりたいと、こう考えております。
  82. 又市征治

    ○又市征治君 次に、自動車リサイクル法は一般消費者も関心が非常に強い問題でもあります。これに関するパブコメは、募集期間をたった十一日しか取らなかったわけですが、意見は五十三件も寄せられた、しかし全く未公表です。経済産業省及び環境省に今後の対策についてお伺いをします。
  83. 塚本修

    政府参考人塚本修君) 今先生指摘のように、自動車リサイクル法の政省令の策定に当たりましては、国民の多様な御意見を伺うべく、審議会等で十分な審議会を行うとともに四回のパブリックコメント実施してきたところでございます。しかしながら、そのうち一件だけ、一回のパブリックコメントの結果が未公表になっておりました。これは、担当者がやっぱりパブリックコメント手続に十分熟知していなかったということで、公表を行ったということでございまして、今後こういう事態が生ずることのないように、既に省内全職員に対しましてパブリックコメント手続を遵守するよう周知徹底したところでございます。  今後とも引き続き、政策立案に当たりましては国民の皆様の御意見の反映に努めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
  84. 寺田達志

    政府参考人寺田達志君) 事実関係につきましては、ただいま共管の経済産業省の方から御答弁のあったとおりでございます。  環境省といたしましても、今後このような事態が二度と起こらないようにということで、省内全部につきまして法令担当の官房総務課の方から通知をし、注意しているところでございます。誠に申し訳ないことだと思っております。
  85. 又市征治

    ○又市征治君 これの応募者を見ますと、この後の三回を含めて、延べ四百二十件中三百十件が事業者や自治体ではなくて個人やNPOであったそうですが、一般国民の関心の高さが分かりますね。それだけに、結果を国民にきちっと返すべきだ、こういうことだと思います。  ところで、一般人の応募という点では、パブコメの募集期間の問題がそういう点では問題になるんだろうと思うんです。同じ総務省調査では、全五百六件のうち二百十七件、四三%が二十八日未満であった。中でも期間の短かった比率が高いのは金融庁で九三%、財務省八八%、文部科学省で八三%、こういうふうに公表されています。  これでは意見を出せない人もいるということから、今回、法文化して三十日以上と厳格にされたんだと思うんですが、改正後、これをどのように守っていこうとされるのか、代表して財務省からお答えをいただきたいと思います。
  86. 段本幸男

    大臣政務官段本幸男君) パブリックコメントにつきましては、委員指摘のように、十四年度、財務省の方は八七・五%、大変高い数字で、遺憾だと思っております。  これは、言い訳させていただければ、施行期日が決まっていて、その間に関係者の意見を聴き、また公布、周知、準備期間を取る、こんなふうな中でどうしてもそういうふうな格好になったんだと思いますが、しかしこれをやはり改善していくことが大事ということで、その後、財務省の方でもこれに努めておりまして、ちなみに十五年度は七七%、十六年度は二五%に改善している、これが当然、法の施行後きちっと守れるように我々もやっていきたいというふうに考えております。
  87. 又市征治

    ○又市征治君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、総務大臣にお伺いしますが、官庁の情報から遠い個人やあるいは小規模な市民団体というのは、やっぱり期間が短いとどうしても応募の権利が実際には行使できない、大規模な業界団体だけの声になってしまいがちと、こういう傾向がやっぱりあると思うんですね。掛ける案は最終案でなくてもよいし、選択肢を示すのでもよいというふうにされているのですから、各省は例外規定を濫用せずに、三十日の十分、前から意見公募というのは私はやっぱり開始をすべきではないかと、こう思うんですけれども。  今回のこの三十日以上という改正を、先ほどからありましたように、幾つか不十分な点あります、どのようにそういう意味ではしっかり守ってもらおうとされていくのか、それがまず第一点と、もう一つは、大規模あるいは重要な問題については、やはり五十日とか六十日といった、より十分な公募期間を設けるように各省庁に、むしろ総務省総務大臣としては呼び掛けていかれるべきではないかという意見もあるんですが、この点についてはどうお考えですか。
  88. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 先ほど藤本先生のところからの御質問のときにお答えを申し上げたと存じますが、三十日以上ということにしておりますので、三十日以上を超える、まあ六十日になるということを妨げるものでは全くないということは、もう法文を読んでいただければそのとおりになっておると思っております。  一般的に申し上げて、これ、物によりますけれども、えらく複雑なものやら分量の多いものやら一杯ありますので、検討に時間が掛かるということなどありますので、これはもう相当の、相応の時間を掛けるのが望ましいというふうに考えております。ただ、内容がいろいろありますので、形式的に一律に六十日と、全部六十日ということで決めちゃうのはいかがなものかということを思っておりますので、各省庁に対しては、案件を見ながらそれに合うようなものを、適当な時間というものがどの程度かというのはなかなか私どもの分かる範疇ではありませんので、やっぱり意見の募集期間の確保というものは十分に取るようにということは私どもの方から各省に申し伝えねばならぬと思っております。
  89. 又市征治

    ○又市征治君 是非、そういう意味で、三十日以上といったら三十日にしてしまうという傾向がやっぱり役所の中にありますから、やっぱり以上が付いていることの意味、あるいは大規模な問題であるとか重要問題というのは今大臣がお答えいただいたような立場でまた努力もお願いをしていきたいと、こう思います。  次に、行政側の恣意的な扱いだとして悪名が高いんですけれども行政指導について。  この法律で、行政指導は命令ではないので、その旨を明示し、要求があれば書面交付しなければならないというふうに定められております。ところが、総務省調査によると、事業者側がそのことを知らずに行政指導に従っていたとか、あるいは行政側との関係が悪くなっては困ると思って書面を要求できなかったという例が多数報告されている。商工会議所であるとか中小企業団体であるとか行政書士会などから、書面交付を請求すれば不利益な扱いをされるんでないか、こういうことがあって、不安感があって実はしなかったと、こういうのが幾つも総務省の調べで出てきているわけですね。また、この行政側の方にも、行政指導を行いながら、その係官が、担当者が書面交付制度を知らないという、こんなことも国の機関では三件、自治体で十二件ありましたという報告がなされている。これらに対して、二つのことを申し上げましたが、これらに対してどのように改善策取られるおつもりですか。
  90. 藤井昭夫

    政府参考人藤井昭夫君) これも繰り返し御答弁申し上げているところでございますが、制度は、せっかくつくっても、やっぱりまず存在を知られて内容を知られなければ全く意味がないわけでございまして、とりわけこの制度については若干地味なこともありましてなかなか知られてないところはあるんですが、それにつきましても、あるいは私どもとしては、行政機関側それから事業者側、これに対しては積極的にPR、普及を努めていきたいと考えております。
  91. 又市征治

    ○又市征治君 そこで、最後の質問になりますが、この法律の第三条で適用除外がありますけれども、その八号で刑務所、拘置所、留置場等において、収容の目的を達成するためにする処分及び行政指導は除外と、こうされているわけです。しかしながら、悪名高き名古屋刑務所の事件に見られるように、巨大な密室と言える刑務所などの中では懲戒や指導等々を名目にして人権無視の懲罰行為が行われてきた、これが大変問題になったわけです。  また、法第三条の十号では、外国人の出入国、難民認定等についてもこの行政手続法の適用除外とされております。このため関係者は、本人、家族、あるいは弁護士などを含めて、強制退去処分とか難民認定の却下などのたびごとにその理由期間の問題で人権上の不利益を受けている、大変大きく問題になっています。  最近の刑事施設法や入管法で幾らかは改善を、あったように思いますけれども、やっぱり人の身体の自由を縛る、権力による密室の行為だからこそ、法務省は行政手続法の精神を踏まえて、本人の訴えや処分理由の明示、あるいは文書による開示をより徹底すべきではないか、このように考えますけれども、その点の改善策についてお伺いをしたいと思います。
  92. 横田尤孝

    政府参考人横田尤孝君) お答え申し上げます。  刑務所等におきましては、規律及び秩序の維持のために被収容者に対して懲罰を科するなどの不利益処分を科することが、科すことができるものとする必要がございますが、こうした不利益処分を科す場合に、行刑、行政運営における公正の確保の観点から一定の手続を保障する必要があるということは御指摘のとおりだと考えております。  そのため、委員御案内と思いますが、今国会で、いわゆる監獄法の改正と言われておりますけれども、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律というものが成立いたしました。その中では、例えば懲罰を科すに当たりましては書面で懲罰の原因となる事実の要旨を通知し、三名以上の職員に対する弁解の機会を付与しなければならないといたしますとともに、懲罰の執行に当たりましては懲罰の内容及び原因として認定した事実の要旨を告知することとするなどいたしまして、刑務所等における処分等の特殊性を踏まえ、一定の手続保障を図っているところでございます。  以上でございます。
  93. 三浦正晴

    政府参考人三浦正晴君) お答え申し上げます。  外国人の出入国に関する処分等につきましては、一般国民に対する通常の処分等を対象とする行政手続法を適用することは同法の意図するところではないということから、同法はこれらの手続の適用を除外しているものと承知しておるところでございますけれども、これらの外国人の出入国等に関する処分などにつきましては、在留資格を取り消す場合の聴聞の手続など入管法で独自の手続が定められておりますし、中には特別審理官におけます口頭審理について処分の相手方に対して証人尋問を認めるというようなことでございますとか、行政手続法よりも厳格な手続が定められているものもございます。  また、入管法で規定されていない手続につきましても、例えば標準処理期間を設定いたしましたり、不許可処分の理由を付記したりするなど公正の確保と透明性の向上を図っておるところでございまして、行政処分を受ける方の利益を保護するため適正な運用に努めているところでございます。
  94. 又市征治

    ○又市征治君 私も申し上げたのは、これを除外したからけしからぬと言っているんじゃなくて、こうした行政手続の精神を踏まえていろいろと努力をしてほしいと、こう申し上げているわけです。  先般も、我が党の福島党首が質問をいたしましたけれども、入管で現実に日本人の配偶者がいるのに何か月もずっとそれが拘置されたままというのはたくさんあるというのがこの間明らかになりました。  そういう意味で法務省は、私は、法務省が一番法を守らなきゃいかぬ、権利を守らにゃいかぬのに、一番人権感覚がない、こういう実は批判を受けているということについて、もっとやっぱり謙虚にそこらの努力をしてほしい。たまたまこれは行政手続法の問題で絡めて申し上げましたけれども、そのことの努力を更に求めて、今日の質問は終わりたいと思います。
  95. 木村仁

    委員長木村仁君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  行政手続法の一部を改正する法律案賛成の方の挙手をお願いします。    〔賛成者挙手〕
  96. 木村仁

    委員長木村仁君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 木村仁

    委員長木村仁君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十六分散会