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仁比聡平君 全国で百件から百五十件ということですから、実際上はこれ大
企業に限られるということになるのではないかと思うんですね。現に3PL事業に進出をしている
企業のほとんどは、今日も同僚議員からの
質疑にありましたけれども、ほとんどは大
企業かその関連会社だという
状況にあっています。
一方で、中小の運送会社の皆さんがその生き残りのために3PL事業への進出、これは模索をしておられるわけですが、伺いますと、大前提となるのは
荷主の方がおられなきゃこれはどうにもならないわけで、この
荷主からの荷の取り合いの競争が極めて熾烈ですし、一方で、
在庫管理の情報システムを構築するというためには多大な投資が必要でリスクが大きい。ですから、中小にとっては参入に大きな困難があるというふうに言われています。
これ、「
日本の
物流事業」という業界誌なんですけれども、これの二〇〇四年度版の表題を見ますと、淘汰と再編時代の勝ち組はだれだというふうになっているわけです。主な
物流業の事業者数と従業員数、中小
企業の割合を見てみますと、トラックの運送事業に関して約五万八千社、百十七万人ですけれども、その中で中小
企業の割合は九九・九%。倉庫業で見ますと約五千社、十万人のうち中小
企業は九〇・八%というふうになっています。
私は、この中小
企業の皆さんが
日本の、
我が国の
物流業の言わば主役、主人公と言っておかしくないと思うんです。この
物流産業の健全な
発展と雇用の安定始めとして
日本経済の健全な
発展を考えるに当たって、この中小
企業の皆さんの経営の安定を図るということは国政を進める上で本当に大きな
課題だと思います。
その
観点から、中小
企業が九九・九%を占めているトラック運送業に関する対策についてお尋ねをしたいと思うんですが、全
日本トラック協会が昨年十二月九日に開催した経営危機突破総決起大会というのがありますが、この決議の中ではこういうふうに言っています。昨今のトラック運送業界を取り巻く
経営環境は、運賃低迷に加え、環境、安全規制の
強化によるコスト上昇、さらには軽油価格の急騰など三重苦にあえいでおり、その事業経営は危機的な
状況にある、こういうふうに言うんですね。
全国で五万三千人の関連
産業を組織をしている全
日本建設交運一般労働組合、略称建交労といいますけれども、この建交労中央労使協議会が実施をした二〇〇五年トラック運輸取引動向アンケート調査、あるいは
東京のトラック運送事業協同組合連合会が三月に発表した調査でも、両方に共通をしているのは、例えば、いまだ運賃の低落傾向が続いており、
荷主からの不公正な取引の強要なども多く、中小トラック運送事業者を取り巻く環境は非常に厳しく先行きも暗いと、これがトラック協会連合会の調査ですけれども、一方で、運賃交渉では
荷主が主導権を持っているものが六五%で圧倒的に多い。回答された二割の事業者の方々が
説明もなしに一方的な運賃カットを受けたとか、あるいは三分の一に及ぶ事業者が関係ない商品やサービスの押し付け、協力金や賛助金などの強要を受けたというふうに回答をしておられるわけです。
そこで、独占禁止法に基づく特定
荷主が物品の運送又は委託する場合の特定の不公正な取引方法の
指定、いわゆる特殊
指定、それとトラック運送業への下請法の適用というのが昨年四月から実施をされましたけれども、その効果はいまだ緒に就いたばかりというのがこの調査に表れているのではないかと思います。
所管官庁との連携が当然必要だと思うんですが、
国土交通省として
荷主や元請運送事業者に対して、この独禁法の特殊
指定と下請法の適用、この周知徹底についてどのようにしておられるのか、そして文書をこれまで出していたのか、お尋ねをいたします。