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鈴木寛君 おっしゃるとおりで、ゼロ歳児のところは非常にいいわけです、これは引き続き、スウェーデンに次いでということなんですが。
ただ、
田中先生たちの研究でも、この年齢階級の、正に一歳から四歳での死亡率が高いのは、正に今
局長がおっしゃった我が国のNICUというのは、これ新生児の集中治療管理室でありますが、これの整備が確かにいいんです、によって死亡時期が少し乳幼児にずれ込むからではないかと
考えられたが、様々な修正を、もし仮にこのことが一部正しいとして、いろいろな修正を掛けてみてもこの年齢階級、要するに一歳から四歳の年齢階級の死亡率が先進十三か国に比べ高い値であることは間違いない事実でありますということでありますから、今の
お話は全くおっしゃるとおりなんですが、しかしそれも踏まえても、やはり一歳から四歳のところに何らかの問題があるということを、これは本当にここにお集まりのすべての
皆さんと日本じゅうで
考えていく必要があるのではないかということで、今日問題提起をさせていただいているわけでございます。
それで、この
調査の主査でございます
田中哲郎
部長も、やはりいろいろ、つらつら
考えてみますと、この問題、私、一年間ぐらいいろんな
関係者と
意見交換をさせていただいているんですけれども、やはり
一つは一歳から四歳の乳幼児を持つ家庭での事故予防対策といいますか、事故予防教育というのが不十分だというのが
一つあると思われます。
例えば、これ五歳からになりますと幼稚園とか学校とかへ行き始めますから、それからいろいろな事故の発生を見てみますと、休日とか自宅でいるときに、例えばたばこの誤飲とかそういうようなこともあって、いろいろなことを見てみますと、病院とか学校とかの管理下にあるところはこれは世界的に見てもかなり高水準にあると。で、家庭においていろいろな事故が起こっているということが
一つですね。
それからもう
一つは、それは要するに発生をいかに下げていくかという問題。それから、いったん事故なり救急救命が必要な状態になったときの、今度は小児救急体制の受入れ側にこれやはり問題があると。救える命が救えていないと。恐らく、大きく言うとこの二つぐらいの要因といいますか背景があるんだろうと。この両方を並行してやっていかなければいけないんではないかなというふうに私も思うわけでありますが。
まず、正に事故予防。これは
行政だけでもできません。病院だけでもできません。世の中全体でやっていく、こういう話になろうかと思いますけれども。正に一歳から四歳までの亡くなる死因の、亡くなる理由のトップはこれ不慮の事故であります。三十三名の中で七・六名が不慮の事故で亡くなっておられると。もちろんこれも
改善がなされてはおりますけれども、ほかの国も
改善がなされておりまして、しかしこれはゼロになるまで
改善を続けなければいけない問題であります。
これはまた別の
調査でございますけれども、同じチームがやっている別の
調査でございますが、今度は不慮の事故だけ見ますと、不慮の事故だけ見ますとゼロ歳児も先進十四か国中三番目に悪いんですね。これまたスウェーデンは十万人当たりゼロ歳児の不慮の事故は二・二名なんですよ。日本は十八・三名なんですよ。ですから、ゼロ歳児の不慮の事故だけ取りますと、日本はスウェーデンの八倍亡くなっていると、こういう。それから、先進国の平均に比べても一・七倍なんですね。それから、今問題としております一歳から四歳児のところも、先進十四か国中五番目に悪いんですね。これもイギリスなんかが一番いいわけですが、イギリスに比べても二・六倍ということでございまして、やはりこの不慮の事故を家庭ないし社会、世の中全体でもっともっと目配りをしていくということをきちっとやっていかなければいけないということは私は言えるんではないかなと思います。
それで、済みません、数字がいろいろ並んで申し訳ありませんが、イメージを
皆様方に共有していただくためにもう少しお付き合いをいただければと思いますが、今事故防止対策をやっている家庭の割合が、例えば一・六か月のお子さんの家庭で四・二%、三歳児だと一・八、それから事故防止対策を
実施している市町村の割合が、例えば三か月健診時点でいうと三二・六ということです。
この本当に
田中チームは物すごくいろんないい研究
活動をしていまして、今年の五月に発表されました「子どもの事故予防のための市町村
活動マニュアルの開発に関する研究」というところで、こうした子供の転落とか誤飲、誤って何かを飲んでしまう事故防止について、八八%の市町村で何らかの指導は行われているけれども、その市町村の自己
評価として、きちっと十分に行われていると、要するに健診時の指導が十分に充実していると
考える市町村はわずかに一・五%、五〇%が指導力不足だと自分で自己
評価をされているわけであります。
一方、保育所に通っている保護者の
皆様方も、事故が起こってしまった方にアンケートをしますと、やっぱり七三%は防げたと。そういう
意味でやはりきちっと、家族がどういうときに事故が起こるのか、あるいは事故を起こさないためにどういうことを気を付けたらいいのかということについての情報、あるいはそれの教育といったことをやはりきちっとやるということが必要ではないかと。ちなみに、北九州でこれをおやりになったところ、やはり事故発生率が五・四%ぐらい減っているという事実もあります。
是非、こうした保護者への小児の不慮の事故防止指導ということを
徹底、充実をさせていただきたいというふうに思うわけでございますが、この点について厚生省、どういうふうな取組をされていて、そして更に今後それを強化していく御予定があるか、お聞かせをいただきたいと思います。