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2005-04-25 第162回国会 参議院 行政監視委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年四月二十五日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  四月四日     辞任         補欠選任      柳澤 光美君     蓮   舫君  四月十五日     辞任         補欠選任      津田弥太郎君     峰崎 直樹君  四月十八日     辞任         補欠選任      峰崎 直樹君     津田弥太郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山口那津男君     理 事                 荒井 広幸君                 後藤 博子君                 鶴保 庸介君                 岩本  司君                 浜田 昌良君                 松 あきら君     委 員                 愛知 治郎君                 加納 時男君                 狩野  安君                 山東 昭子君                 田中 直紀君                 橋本 聖子君                 藤野 公孝君                 水落 敏栄君                 吉田 博美君                 岡崎トミ子君                 鈴木  寛君                 千葉 景子君             ツルネン マルテイ君                 津田弥太郎君                 松岡  徹君                 蓮   舫君                 和田ひろ子君                 渡辺 秀央君                 浮島とも子君                 吉川 春子君                 近藤 正道君    国務大臣        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    村田 吉隆君    副大臣        総務大臣    今井  宏君        外務大臣    谷川 秀善君        厚生労働大臣  衛藤 晟一君        国土交通大臣  岩井 國臣君         ─────        会計検査院長   森下 伸昭君         ─────    事務局側        常任委員会専門        員        白石 勝美君    政府参考人        原子力安全委員        会事務局長    上原  哲君        公正取引委員会        事務総局総括審        議官       和泉澤 衞君        警察庁次長    吉村 博人君        警察庁長官官房        長        安藤 隆春君        総務省行政管理        局長       藤井 昭夫君        法務省刑事局長  大林  宏君        外務大臣官房外        務報道官     高島 肇久君        外務大臣官房参        事官       川田  司君        外務大臣官房国        際社会協力部長  神余 隆博君        財務省主計局次        長        勝 栄二郎君        文部科学大臣官        房審議官     板東久美子君        社会保険庁運営        部長       青柳 親房君        経済産業大臣官        房審議官     宮本 武史君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院次長    三代 真彰君        国土交通大臣官        房総合観光政策        審議官      鷲頭  誠君        国土交通省道路        局次長      増田 優一君    参考人        日本道路公団総        裁        近藤  剛君        独立行政法人国        際観光振興機構        理事長      中村  稔君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○行政監視行政評価及び行政に対する苦情に関  する調査  (行政機関における不祥事案等に関する件)     ─────────────
  2. 山口那津男

    委員長山口那津男君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政監視行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会政府参考人として、理事会協議のとおり、原子力安全委員会事務局長上原哲君外十五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山口那津男

    委員長山口那津男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 山口那津男

    委員長山口那津男君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政監視行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会日本道路公団総裁近藤剛君及び独立行政法人国際観光振興機構理事長中村稔君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山口那津男

    委員長山口那津男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 山口那津男

    委員長山口那津男君) 行政監視行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。  本日は、行政機関における不祥事案等に関する件について質疑を行うことといたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 藤野公孝

    藤野公孝君 自由民主党の藤野公孝でございます。  一時間、六十分の時間をちょうだいいたしまして、大きく分けて二つのジャンルにつきまして質問をさせていただきます。  一つは、高速道路を始めとする道路行政についてお伺いします、三十分ぐらい。その後、観光立国といいましょうか、国際観光振興政策についてお伺いしますが、冒頭、今日、岩井大臣もお見えですので、今日午前九時二十分ごろ、JR西日本福知山線脱線事故につきまして、これもう大変な大きな事故でございます。死者も、数字が間違っていたらもちろん訂正してほしいんですけれども、今うかがい知るところでは二十九名というような数字も伺っておりますし、それから負傷者に至っては二百数十人という数字もございます。  脱線事故という、今、安全が一番、まあ航空も始めいろんな、オール交通運輸大臣も総点検せよというさなかに、通勤時間帯にこういう事故が起こったということは本当に痛恨の極みであり、これは早急なる事故調査の解明、それから救急活動等をやっていただきたいと思うわけですけれども、まず現状につきまして御報告を願いたいと思います。
  8. 岩井國臣

    ○副大臣岩井國臣君) 本日午前九時二十分ごろ、JR福知山線尼崎駅、塚口駅の間の踏切におきまして宝塚駅発同志社前駅行きの快速列車自動車と接触し、脱線したと、これは事務当局はそう書いているんですが、カーブを曲がり切れなかったと。それが線路の方に原因があるのか、スピードの出し過ぎなのか、そこも全く分かっておりません。事故原因については現在のところよく分かっていないということでございます。誠に悲惨な大惨事でございまして、亡くなられました方に心からお悔やみ申し上げるとともに、けがをされました方、心からお見舞いを申し上げたいと存じます。  本日九時五十分、大臣を長といたします福知山線踏切事故対策本部国土交通省の中に設置いたしました。現在、先ほど十二時四十分の情報でございますが、三十一名の死亡、二百三十九名の負傷者ということで、死者はあるいはまだ増えるのかもしれないということで心を痛めておるところでございます。  今後、全力を挙げて情報収集に努めるとともに適切な対応を図っていかなければなりませんが、今日の対策本部におきまして大臣から指示がございました。大臣自ら現地へ赴くということでございますが、そのほかに、本省から二名、それから事故調査委員会から三名現地に派遣するということで、現在行っておられるところでございます。情報収集に努めておられるということでございます。そのほか、大臣から特に、被害者への対応にも万全を期するようにという指示がございました。遺憾なきよう取り計らっていかなければならないとしておるところでございます。
  9. 藤野公孝

    藤野公孝君 今お聞きになりましたように、私ももう聞きながらまたびっくりして、死者の数も増えておりますし、まだこれからも本当にこういう痛ましい被害者の数も増えていくと思うんですけれども、心から、亡くなった方には御冥福をお祈りし、また、二百三十九名と今おっしゃいましたけれども、負傷なさった方の一日も早い回復を祈るばかりでございますけれども。  最近、ちょっと鉄道の事故も、小さいところでは四国の方とか幾つかありましたけれども、ここまでの事故というのはなかなか最近はなかったように思うわけですが、この運転手さんは二十三歳でまだ十一か月の経験しかないような運転手さんだったとかいうようなことも、これからしっかり再発防止に向けて取り組んでいただきますようにお願いいたします。  最初、冒頭申しましたように、道路、特に高速道路中心に、ETCも含めて御質問させていただきます。  私は、道路公団民営化の時点から法案の審議にもかかわって、いろいろ賛成、反対、いろいろあって民営化ということで今取り組んでおられます。基本的に私は、政府国民に約束した九千三百四十二キロというものはきっちり、ハウツーはいろいろ知恵を出さなきゃいけないけれども、整備を進める必要があると思うし、いわゆる計画路線である一万一千五百二十キロも、いつまで掛かるかそれは分かりませんけれども、やっぱり夢を持たせるという意味推進していくべきだという立場から、なればこそ、効率的に整備していかなきゃいけないんだということで民営化というものを私は支持しつつ今日まで来ておりますが、改めて、今年十月、四公団民営化ということでやっておられて、もうあと半年でございます。今後のスケジュール等につきまして、今のところ支障なくいろいろやられているとは思うんですけれども、いろいろやっぱり困難な道もあると思いますが、今後のスケジュール等につきましてまず事務方の方から御説明願います。
  10. 増田優一

    政府参考人増田優一君) 道路関係公団民営化についてでございますが、昨年六月に成立いたしました民営化関係法に従いまして、本年十月に六つの新しい民営化会社独立行政法人日本高速道路保有債務返済機構設立できるよう、現在、四公団と連携して準備を進めております。  既に、民営化に先立ちまして、高速自動車国道料金引下げやあるいはまたコスト縮減等に十分取り組んできているところでございます。  まず、料金につきましては、ETC活用した割引制度によりまして平均一割以上の引下げを既に実現することといたしまして、各種割引を既に実施してきております。また、高速自動車国道事業費につきましては、規格の見直しなど、建設コストの徹底した縮減等によりまして有料道路事業費をほぼ半減、約二十兆円を約十兆五千億に縮減したところでございます。さらに、四公団管理コストにつきましては、平成十七年度予算において、平成十四年度予算に対しまして三割削減を既に達成したところでございます。  今後、五月中には会社設立委員を任命していただきまして設立委員会を開催するなど、具体的な作業を開始し、会社及び機構設立準備を本格化していきたいというふうに考えております。
  11. 藤野公孝

    藤野公孝君 政府の方でいろいろこれまでおぜん立てをして、そういうことで法律の整備等々も含めていろいろやってこられたわけでございますが、やっぱり民営化の主体になって現場を預かる公団本体がしっかり民営化に向けての意識改革も含めて取り組まれなきゃ、これは形だけのものになってしまうと思うわけですが、その辺の道路公団としての準備状況につきまして近藤総裁から御答弁願います。
  12. 近藤剛

    参考人近藤剛君) 道路公団におきます民営化準備状況についてのお尋ねでございます。  委員の御尽力もございまして、昨年の六月、民営化関連法成立をいたしまして、成立をいたしましてから、成立いたしましてから直ちに我々といたしましては組織の中に新会社移行推進委員会というものを設立をいたしました。鋭意民営化に向けての具体的な実務的な作業をそこでやらせているところでございます。  具体的に申し上げますと、公会計からいわゆる企業管理会計移行をする、大変大きなシステム上の問題もございます。それからまた、日本道路公団で申し上げますと、三社に分割をする、これまた大変な作業でございます。その人事の問題もある。それから、従来は国家公務員に準じた人事制度でございましたが、これからは民間並み人事制度評価方式も含めて変えていかなければいけない。これらすべて組織制度にも関連をいたしまして、大変なエネルギーと時間が必要でございます。そういうことで、移行推進委員会の中に今十七の分科会とかワーキンググループ、今申し上げました項目別作業グループをつくりまして、それぞれの担当役員も決めまして鋭意準備をしていると、こういう状況でございます。  ただ、これだけでは新会社移行できない。先ほど委員指摘されましたように、意識改革、これも大きな分野でございます。そういうことで、今の移行推進委員会以外に四つほどプロジェクトを立ち上げております。  一つが、先ほど申しました意識改革ですね。これはもう知識の吸収も含めた民営化研修全員参加型で現在進めていると。最後に、これから、サービス研修CS研修CSリーダー研修と我々呼んでおりますが、新会社になってサービスエリアパーキングエリア等業務の範囲内に入ってまいりますので、そういう意味でカスタマーサービスに向けてのリーダー研修もこれから始めるというようなことでございます。  それから、あわせまして、効率化合理化、この運動を引き続き強力に推進をしていかなければいけない、こういう課題がございます。先ほどお話ございましたように、民営化目的一つ効率化合理化ですから、ですから、それを実のある形にするためには業務改革運動をやらなきゃいかぬと、こういうことでございまして、昨年の二月からです、業務改革本部を立ち上げまして、これも細かいものも含めまして一つ一つ積み上げ作業を今やっている。これがまた意識改革にもつながるということで、相乗効果を私としては期待をしたいなと、そう思っているんです。  それから、もう一つ民営化前にやっておかなきゃいけないのが資産の縮小ですね。公会計から今度企業管理会計に入ります。委員承知のとおり、今年から減損会計強制適用になりますので、できるだけ収益を生まない資産は縮小しておかなければいけないということで、不要の資産中心として、不要な資産中心としてできるだけ資産規模を縮小する。このために、資産の整理のための本部、百二十人の専任体制で今進めております。これはもう昨年の十一月から本格的に始めております。  それから最後に、先ほど申しましたように、サービスエリアパーキングエリア等も含めた道路事業以外の、関連はいたしますが、道路事業から派生をする新規事業、これをこれから立ち上げていかなければいけないということで、取りあえず、サービスエリアパーキングエリア業務企画推進をする実行部隊、これを昨年十一月から設立をいたしまして、これは専任六十人体制で今作業をやっているということでございます。  いずれにいたしましても、これらを含めまして、あと委員指摘のとおり五か月強なんですよ、しっかりと準備をやっていきたいなと。間もなく、先ほど増田次長の方からお話ございましたように、設立委員会も設置の運びでございます。連動をしながら、設立委員会連動をしながら我々も実務的にしっかりと対応してまいりたい、そのように考えております。
  13. 藤野公孝

    藤野公孝君 近藤総裁は、皆さんも御承知のように、我々参議院の仲間からそうやって民営化の旗手として今行かれているわけでございますので、大いに私も期待しておるわけでございますが、幾ら中で意識改革等々、委員会等をたくさんつくってやりましても、やはり国、政府、しっかりやっぱりそれを応援する立場をきちっとやっていかないと、ただ一人で頑張れと言ってもこれはかわいそうな話だと思うわけです。  先般もトップを全部民間にするというような人事も出ました。私はそれも一つの大きな意識改革になると思います。この公団改革というのは、四十五年間で四十兆、これ増やさないでしっかりこれを返していく、その中で、さっき言いましたように、九千三百四十二を更に一万一千も含めて推進していくという実が上がってきませんと、何のための改革だったんだと、要らぬところに税金を、新直轄とかいって造っただけじゃないかということになったんでは、これは改革の、民営化の魂が消えてしまう話になると思います。  そういうことも含めまして、私は、安いコストで、今までと比べてですよ、コストで、使いやすい高速道路日本に張り巡らすと。中国等の、もう日本の三倍、四倍の高速道路をもう既に建設しているような中で、日本はまだまだ私は遅れていると思うわけでございます。そういう中で、この民営化に向けて、今言いました、政府もしっかりとその政策目標を掲げてこの民営化を助けてやるという立場が必要だと思うわけですけれども、国土交通省としてのその辺の御決意とか御見解をお願いいたします。
  14. 岩井國臣

    ○副大臣岩井國臣君) 再確認みたいなことになりますけれども、道路公団道路関係公団民営化目的でございますが、三つあります。一つは、四十兆円に上る有利子債務を確実に返済していくということと、それから、真に必要な道路会社自主性を尊重しつつ早期にできるだけ少ない国民負担の下で建設していくということと、それから三つ目に、民間ノウハウを大いに発揮して多様で弾力的な料金設定やあるいはサービスを提供していくと、こういうことかと思います。  それらを実現するために、じゃ具体的に、具体的に何をやるかということでございますが、大きなところ四つあるかと思っております。一つは、債務返済期限民営化後四十五年以内とすることを法定化する、これもう終わっておるわけでございますが。二番目に、厳格な、厳格でしかも客観的な事業評価を行うと、国民に分かりやすい形で行っていくということがあります。三つ目に、二十兆円と見込まれておりました高速自動車国道にかかわる有料道路事業費を約十・五兆円にほぼ半減するという、そういう目標を掲げております。それから四番目でございますが、真に必要な道路につきましては、御案内のとおり、有料道路方式と新直轄方式二つに分けまして、それらを適切に組み合わせ、全体のネットワークを形成していくと、こういうことにいたしておるわけであります。それからまた、民営化会社には、先ほど総裁おっしゃいましたけれども、弾力的な料金設定サービスエリアパーキングエリアなどの関連事業道路事業でないいろんな事業にそのノウハウを、民間としてのノウハウを大いに発揮するというようなことがあろうかと思います。  今後、会社及び機構設立準備を本格化していくことにしておるわけでございますが、とにかく民営化目的を間違いなく実現できるように取り組んでいきたいと思います。そういう覚悟でございます。  先般、公団民営化に向けました準備を円滑に進めていくという観点から、民営化会社会長等予定者就任予定者を内定ですけれども決めさせていただいた。四月八日に北側大臣とそれらの方々との懇談が行われたわけでございますが、その際、大臣から二つの事項のお話をさせていただきました。  一つは、民営化会社機構への移行が円滑に行えるよう設立準備から積極的に参画してほしい、みんなと一緒に考えてほしいということでございます。二番目に、公団民営化目的の実現に向けまして、経営の最高責任者としてのリーダーシップや、これまでの民間会社での経験を生かしていただいて、ともかく民間ノウハウを存分に発揮してほしいというこの二点を要望されました。そのように多分なっていくものと期待をしております。  いずれにいたしましても、まずは本年十月に六つの新しい民営会社独立行政法人日本高速道路保有債務返済機構設立できますように、四公団と連携いたしまして、また会社機構トップ方々にも設立業務に参画していただきながら、とにかく一緒になって準備を進めてまいりたい、一体になって準備を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
  15. 藤野公孝

    藤野公孝君 いろいろとそうやってこの十月の民営化に向けまして準備をされているということで、国民は注目をしております。これが形だけの、名ばかりの民営化じゃないかとかいろいろ言わせないためにも、しっかりと評価国民のみんなが評価するような形に全力を挙げて持っていって、関係者のまた御努力をお願いしたいと、こう思うわけでございます。  つきましては、その高速道路利用につきまして、私は海外で生活した経験もあるんですが、日本高速道路料金はもう本当に高過ぎると、こう思う。その証左として、日本道路交通における高速道路利用は相対的に言って低いというふうに聞いております。この辺の利用促進を図る観点からも、先ほどちょっと次長の方からもお話が、御答弁がありましたが、一割、運賃そのものについての引下げ、さらに今後のいろんな割引というようなものについても実験的ないろんなこともなさっておるというふうに伺っておるわけですけど、やはり利用促進を図るためには、この効率化合理化、利便の増進ということで、今後高速道路をもっと使ってもらえるようにする必要があると思うんですが、ETCという新しい、相当普及してきましたけれども、これはその割引制度の普及あるいは利用促進渋滞の緩和といったいろんな面で相当効果があると私は思っておるわけでございますけれども。  これらのETC活用等も含めまして、料金割引をもう少し進められないかという点と、それからさらに、インターチェンジがないとこれ高速道路には乗れないわけですが、最近いろいろ伺っておりますと、サービスエリアをうまく使って既存道路からサービスエリアを通って高速道路へ入れるようになると特別に造る費用が軽減されて非常に便利になるというような、スマートインターチェンジというような名前なんだという話も伺っておりますが、その辺の利用促進、それからETC活用料金の低下ということについての対応がどうなっているか、御説明願います。
  16. 増田優一

    政府参考人増田優一君) 先生御指摘のように、高速道路有効活用を図ることは、一般道路渋滞対策沿道環境対策、併せまして二酸化炭素排出量削減等大変政策的要請にこたえるものとして重要だと認識しておりまして、今後は新規建設を図るとともに、既存高速道路をより使いやすく有効活用するということが大変大事であるというふうに考えております。  我が国高速道路利用状況を見ますと、欧米諸国は大体自動車交通量のうち二割から三割が高速道路活用しているわけでありますが、我が国の場合にはまだ一三%程度にすぎないということで、もっともっと既存高速道路有効活用が必要だというふうに認識しております。  そのためには、三つ必要な対策がございまして、一つは、先ほどもありましたより使いやすい料金、多様で弾力的な料金設定というものを進めていくということで、これは既に一割以上の引下げを実施したところでございます。二つ目は、不連続区間、ミッシングリンクと言っていますが、できるだけネットワークを早くつくっていくということが大事だということでございます。それから三つ目は、インターチェンジを最適配置をする、アクセスをもっと容易にするということでございまして、実は我が国インターチェンジ間隔は約十キロということでございまして、欧米は大体四、五キロに一か所ということでございます。したがいまして、ETC活用したより簡便なインターチェンジスマートインターチェンジというものを是非活用してもっとインターチェンジを増やして有効活用しようということで、平成十六年度よりサービスエリアパーキングエリアに接続するスマートインターの社会実験というものを行っておりまして、現在までに全国二十四か所で社会実験をしております。  そういうことで有効利用促進を図ってまいりたいということで考えております。
  17. 藤野公孝

    藤野公孝君 いろんな今後その利用促進につきまして進めてもらいたいというのは非常に期待するところですが、褒めてあげようと思って質問を準備したんですけれども、そうばっかりも言っておられないなと思うのは、ETCにつきまして、この四月の一日にいろいろ別納カードのトラブル等あったそうですけれども、いろいろこのETCに関するトラブルがETCそのものへの、何というかな、不信感というか、ひょっとしたらバーが開かないんじゃないかなんというようなことになると、突っ込んでいって気持ちが悪いなということにもなりまして、これは、いやいやあれは大したことないんですなんというようなことで済まされない問題だと私は思うし、私自身もあれ以降ひょっとして開かなかったらどうしようなんて変な気持ちになるんですが、その辺につきまして公団の方から、いろいろ安全対策取っておられると思うんで、しっかりその辺のPRを、PRというか説明をしていただきたいと、国民に対してしていただきたいと思います。
  18. 近藤剛

    参考人近藤剛君) ETCの特にトラブルについてのお尋ねでございます。  委員指摘の四月一日には大変なトラブルが発生をいたしまして、多くのお客様に御迷惑をお掛けいたしました。私どもといたしましては、深く反省をしているところでございます。  トラブルの原因は、御理解いただきたいと存じますが、二つ実はございました。  一つは、今年の三月三十一日にいわゆる別納割引制度というものを廃止をいたしたわけでございますが、その廃止されたカードを間違って使ってしまわれたお客様が予想以上に多かったということでございます。これは、実は別納組合等を通じまして随分と周知徹底を図ったつもりだということでございましたが、しかし、結果として周知徹底が行われていなかったということは事実でございます。この点、道路管理のプロ集団として我々は深く反省をしなければいけない、そのように考えております。  それからもう一つが、制度廃止に伴いまして利用停止カードデータ、我々ネガデータと呼んでおりますが、その配信をサーバーの容量を超えて一部やってしまった箇所があったようでございます。これはまた、我々道路管理のプロとして、システム管理にも責任を持っている組織として十分に反省が必要だろうと思っております。  これらにつきまして今具体的に対応を講じさせるとともに、将来に向けてシステムの更なる向上に向けての具体的な検討を、国土交通省はもちろんでございますが、関連する自動車メーカーさん、あるいは機器のメーカーさん等も含めてしっかりと対応をしていかなければいけないということで、実務的にもそのような作業を始めさせていただいております。  システムに伴うトラブルはもう四月一日の夕刻には解消をできたということで、それ以降問題は起こっておりませんが、これから、先ほどお話ございましたように、新会社として自主的なある程度の料金設定の権限を持つということであるとすれば、今後もこのようなことは起こり得るわけでございます。しっかりした対応が必要だろうと思います。  それと同時に、お客様にもこれから安全面でかなり御協力をいただかなければいけないのかなと思っていることが一つございます。それはETCレーンにおける減速でございます。お客様によりましては、ETCレーン、かなりのスピードで通っても大丈夫だろうということでございます。確かに設計的にはそのようにできているようでございますが、しかし、あそこは狭い空間でございます。また、料金所は徐行が必要な区間でもございます。そういう意味で、我々といたしましては、二十キロに減速していただきたいと、そのようにお願いをしているところでございますが、これからも警察の皆様方とも協力をしてこの点の徹底を図っていきたいなと、そのように存じております。
  19. 藤野公孝

    藤野公孝君 確かに減速ということをしていかないと、冷やっとすることも実は、余り私も減速が足りなくて冷やっとしたこともありましたが、ぱっと開いてくれて何度か助かっているんですけれども。そういう利用者、ドライバーの方のモラル、あわせて、やはり国民に周知徹底ということも更に、どっちがいい悪いという問題じゃないわけでございますので、しっかりとその辺は取り組んでいただきたいと思います。  道路関係のことで最後に私、岩井大臣にお尋ねしたいんですけれども、今、日本の物流体系ネットワークの中で、港あるいは空港、場合によっては鉄道の駅、それと高速道路、例えば十分間、十五分間でアクセスできるそのエリアを拡大するというような方針も国土交通省もやっておられて、外国なんかから見たらみんなその観点でやっているわけですね。  単に高速道路高速道路、鉄道は鉄道、空港は空港というようなことじゃなくてやっているわけで、そこの一体性を持たせてやるということ、大変私、重要なことだと思っておりまして、今後なおその辺のネットワークということで、日本の国際競争力の維持向上ということにも大いに、高速道路だけではもちろんございませんけれども、地域高規格とか含めていろいろあると思いますけれども、その辺の政策を進めてもらいたいと思うことと同時に、もう一つ、私は、かつて五全総をやっておりましたとき、第五次全国総合開発計画に携わったときにちょうど阪神・淡路大震災がありまして、日本の国がいかに、今と、また地震とかという意味だけではなくて、本当に国土の形状、地政学的にも非常にもろいものがあって、やはりリダンダンシーといいますか、必ず複数のそういう機能を持っておかないと真っ二つに分断されてしまう、機能が、何というんですかね、背骨が折れると言ってもいいでしょうけれども、そういうような非常に脆弱なものを持っているんだなということをつくづく感じ、あの五全総というのは正にリダンダンシーを確保するための私は一つの国土計画であったように思うわけですけれども、その意味からも第二東名というものについて私は大変な関心を持っておるわけでございます。  さっきの物流ネットワークとも関連するわけですけれども、このネットワーク併せ、第二東名の建設、私は完全にこれは推進すべきものと考えておりますけれども、併せて御答弁願いたいと思います。
  20. 岩井國臣

    ○副大臣岩井國臣君) まずリダンダンシーの話からさせていただきますけれども、御案内のとおり、阪神・淡路大震災のときにそのことが問題になりました。先般の新潟中越地震のときには、郡山の方からの高速道路が使えましたので、物流、まあ大分いろいろ問題はありましたけれども、致命的な問題にならなかったということだと思います。  そういうことで、全国を見回したときに、迂回路が取れない、もしその路線がやられたら迂回路が取れないというところが多々ありますので、やはりいざ災害ということを考えて十分対応していかないといかぬ、リダンダンシーということを十分考えて道路のネットワークの構築をやらなければいけないということで今進めております。  それから、物流の話でございますが、物流の問題というのは我が国の国際競争力を強化する上での極めて重要なことではないか。グローバルな時代でございますから、国際競争力ということにどうしても力を入れていかないと、国として力を入れていかなければならない。その際に物流の問題は大変大事だと思います。  コストが、日本の場合には物流コストが高いと、こう言われておりまして、いろいろその問題がございます。港湾、空港と物流拠点、それと道路、鉄道、そのネットワークと一体的に整備するということが極めて重要でございますが、例えば、今先生もちょっとおっしゃったと思いますけれども、拠点的な空港、港湾、それから高速道路インターチェンジ、こうありますね、その間がちょっと遠過ぎるというか、欧米ですと十分以内で大体行けるというのが八、九割あるわけでありますが、我が国では、平成十六年度の資料でございますけれども約六割ですね、ということで大変低い水準にあります。  そういうことでございますから、今後、拠点的な空港とかあるいは港湾に対しまして十分以内で道路アクセスができる、道路アクセス率と、こう呼んでいるんでございますけれども、それを何とか一日も早く欧米並みに引き上げていきたいと。それ急にはいかないんですけれども、そういう方向で努力をしていかなければならないというふうに考えております。  もう一つ問題あります。それは、コンテナが大型化してきております。現在、我が国高速道路は設計荷重二十五トンでやっておるわけ、トレーラーですね、コンテナのトレーラー、二十五トンでやっておるわけですけれども、国際標準は何と四十四トンでございまして、大型のコンテナを我が高速道路で運べないという問題があります。これをどうするかということは大変大きな問題でございまして、全部を国際標準四十四トンでやるというわけにいきませんけれども、重要な物流拠点と港湾あるいは空港とどのように結んでいくのか。内陸部の物流拠点と、そこは少なくとも四十四トンでやらなければならないとか、そんなことを今いろいろと検討しておりまして、そういうコンテナの態様につきましてもやはり国際的な水準に持っていかないといかぬのではないか、これ大きな課題ではないかというふうに考えておるところでございます。
  21. 藤野公孝

    藤野公孝君 高速道路の社会的なインフラとしての必要性、効用というものは、本当に今公共事業云々というようなことでかなり軽視されている面ありますけれども、本当に私は重要なことだと思います。ちょっと時間の関係で質問はしませんでしたけれども、高速道路がどんどん整備されることは、環境面でも、一般道路等の混雑緩和も含めまして、環境面でも大きな効果があります。物流面でもそうです。  それから、第二東名のことについてはちょっと、もう包括的にそうだよということかと思って聞いておりましたけれども、ああいう第二東名もお金は掛かりますけれども、いかにコストを安くして造っていくかというようなリダンダンシーの面、それから物流体系の面で必ずこれは将来の我々の子、孫の時代に評価される事業だと、こういうふうに思っておりますので、今後ともまたしっかりとそれに取り組んでいただきたいということで、道路行政関係の質問は終わります。  公団の総裁の御退席お願いします。
  22. 山口那津男

    委員長山口那津男君) どうぞ、御退席いただいて結構でございます。
  23. 藤野公孝

    藤野公孝君 冒頭申し上げましたように、もう時間が少し、配分があれですけれども、いわゆる観光立国、国際観光行政について御質問いたします。  私も観光についてはいろいろ地方を見て回ったりしておるわけでございますけれども、今地方が活性化する、元気になる一つの大きなばねとして、契機として、観光、人に来てもらう、交流を増やしていく、こういう意識を持って町づくりに取り組んでおられる地域が数多くございまして、観光業者がやっているのが従来の観光でございましたけれども、今は首長さん始めNPO、NGOを含めまして町ぐるみで町を活性化し、元気を出し、住んで良し訪れて良しといいましょうか、住んでいる人が誇りを持って住めるような町にしていく、若者がそこで本当にこの町に生まれて良かったという町にしたいと、そういう意識を持って主体的に参加するような、それを含めて観光、町づくり観光行政という幅ができてきたことに対して、大変私は、今後この観光の行政が量、質ともに充実してくれることを願っている者の一人でございますけれども、かつて戦後は、お金がない、外貨がないということで、金持ちの外人に日本に来てもらってお金を落としてもらう外貨獲得の時代もございましたけれども、今はインバウンドと。その意味も、そういうお金を落としてもらうという意味ではなくて、本当に日本をよく見てもらって、それから地域にも、いろいろ地方にも行ってもらって京都や富士山という、フジヤマ、ゲイシャの観光ではなくて、地域をよく見てもらうと、理解を深めてもらうと、それから地域のそういう活性化にも一緒になって取り組もうという、こういう姿勢でございます。  その辺の今状況の認識の中で、実はこの三月の二十五日から愛知万博が開かれておりますが、千五百万人の入場を予定、期待をしておるという中で、ついこの間は十万人を超えたようですけれども、ずっと六万人ぐらいしか入らないと、八万人計算で来たのにちょっと少ないなとかいろんな新聞、テレビ等で報道はなされておりますけれども、現在までの愛知万博への来訪状況と、この千五百万人のうちの約一割ぐらいが外人であってほしいといったような目標に対しまして、その現在の受入れ状況あるいは実績等につきまして、どちらでしょうか、外務省の方から、お願いいたします。
  24. 宮本武史

    政府参考人(宮本武史君) お答え申し上げます。  まず、愛知万博の来訪状況でございますが、先生御指摘のとおり、開幕当初は苦戦をしておりました。初日に雪が降りますとか、翌日はまた雨がありますとか寒いとかいうことがございまして、正直申し上げて、当初我々が想定したよりは低い水準で推移したことは事実でございます。  ただ、これも先生御指摘のとおり、ごく最近になりましてかなり上昇ムードでございます。一番新しい週、第四週目と我々は数えておりますけれども、四月十五日から四月二十一日までの第四週目では平均八万一千人でございますし、その後、四月二十三日、おとといでございますが、土曜日には十一万二千人ということで史上最高を記録してございます。これに加えまして、前売り券の販売がこれも相当好調だということも考え合わせますと、我々、決して楽観視はしておりませんけれども、悲観をするという状況にはないというふうに認識をしてございます。  それから、その結果、半年後に千五百万人を達成したいと私ども思っておるわけでございますが、その約一割、百五十万人を海外からおいでいただきたいと思っているわけでございます。この海外から百五十万人おいでいただくために必要なのは、まず海外で万博のことをよく知っていただいて引っ張ってくるという誘致誘客の側面と、それから実際においでいただいた方に万博は本当に良かったねという受入れ体制の面と二つあろうかと思います。  まず、誘致誘客の方でございますが、海外でこれまでに六十五回の説明会をプレス向けあるいは旅行代理店向けに行っております。それから、テレビ、新聞等で小泉総理にも御出演をいただきまして、相当の露出度を海外でやっておるわけでございますが、それ以外にも、私ども、博覧会協会と一緒となって新聞、雑誌、テレビ等に相当記事を出していただいているところでございます。  それから、実際においでいただいた後でございますけれども、会場内における英語での各種の御案内のほか、ホームページに関しましては七か国語、コールセンター、いわゆるいろんな質問の受付をするセンターでございますが、ここでは四か国語の対応を行っておりますし、各パビリオンのスタッフに関しましても、外国語の堪能なスタッフを積極的に採用しているところでございます。  こういったことを通じまして、千五百万人と同時にその一割の百五十万人というのを何とか達成したいと思っているところでございます。よろしくお願いいたします。
  25. 藤野公孝

    藤野公孝君 百五十万人に向けて努力はいただきたいわけでございますけれども、これは国土交通省の方にちょっと伺いますけれども、ビジット・ジャパン・キャンペーンというのを相当なお金を使って、三十数億だったかと思いますけれども、ずっと、日本にいらっしゃいという、ようこそジャパンというのをやっておりますけれども、去年の来訪外客数が幾らなのか。それで、今年は愛知万博がありますからね、百五十万人をそのまま穏当とするほど甘い推計はしてないと思いますけれども、今年はどういうような数字をねらっているのかとかというようなことについて、そのビジット・ジャパン・キャンペーンの事業そのものですね、これも予算の効率的な、効果的なマーケットのそれぞれの特色に合わしたようなことをきちっとやらぬと、やりましたやりましたで、現実に増えてなきゃ評価されないもう厳しい時代になっていると思いますので、その人数をただ何人ですとお答えになるだけじゃなくて、こういうことをしてこういうその効率的な予算の執行、マーケティングをやって、それで結果的に、十分不十分は別にして、こういう数字が出ていますというような説明ができればしてほしいと思いますが。
  26. 鷲頭誠

    政府参考人鷲頭誠君) お答え申し上げます。  ビジット・ジャパン・キャンペーンの効果といいますか、二〇〇四年につきましては六百十四万人が来ておりまして、その前の年が五百二十万人ですから、八十万人、九十万人近く増えたわけでございます。今年は、先ほどお話ございましたとおり、愛知万博あるいは中部国際空港の開港などもございますので、七百万人にしようというのが目標でございます。  それで、六百十四万人をその各国別に内訳見てみますと、そのビジット・ジャパン・キャンペーンの重点国につきましては平均で一九%ぐらいの伸びになっておりますが、それ以外の国からは一二%程度と、こういうことでございますんで、ビジット・ジャパン・キャンペーンの効果というのがそれなりに出ているというふうに私ども考えております。  それで、更にそのビジット・ジャパン・キャンペーンを集中化、重点化して効果的なものにしていくということで、私ども、毎年度終了後、各事業について客観的な評価というものを実施することとしております。  この評価といいますのは、事前の企画が適切かというそのプロセス、それからその事業計画どおりの結果が出せたかどうかというそのアウトプット、それから事業が最終的に外国人旅行者の誘致や外国人の日本に対するイメージの変化につながったかどうかというそのアウトカム、あるいは事業として国が行うべき必要性があったかどうかという妥当性、こんな視点で百点満点にしてそれぞれ事業ごとにその評価をしております。  それによりますと、その十五年度事業について、例えば東北地方の自治体が連携をいたしまして祭りをテーマに海外からの観光関係者を招請しまして、旅行の商談会や視察などを組み合わせて実施した事業というのがございまして、この事業、東北へのそのツアー商品増加に具体的につながりまして、結果として八千名以上の訪日客をもたらしたと、こういうような効果が出ているものもございますし、あるいは中国の高所得者層をターゲットにいたしまして、北海道スキーのブランド化をねらって、テレビ、新聞、ホームページなどで集中キャンペーンを実施しました結果、北海道を取り上げたテレビ番組が再放映を含め十二回放映されたとか、あるいは三百万部発行の新聞に北海道特集記事が掲載されるといったように、北海道の観光地としての認知度が大きく上昇したとか、そういうようなプロジェクトについて客観的な評価をして、効果のあるものに重点化をしていくということでやっていきたいというふうに考えております。
  27. 藤野公孝

    藤野公孝君 本当に観光というのは、何というか、地道な現場的な努力の積み重ねも必要、こういうふうに認識しておるわけでございますが、実際に海外に事務所を置かれて日夜そういう訪日のための準備あるいはプロモーションをやっておられる国際観光振興機構の方の理事長にちょっと伺いたいんですけれども、最近、さきの道路公団じゃないですけれども、いわゆる役所の、第二役所みたいな組織から本当に民間手法いろいろ思い切って取り入れて、御自身自身民間の方でございますから、その辺を、改革を大きく大なたを振るわれてやられているお話も伺っておりますが、JNTOの訪日促進事業改革についての取組についてお伺いいたします。
  28. 中村稔

    参考人中村稔君) お答え申し上げます。  JNTO、国際観光振興機構予算が三十億円、職員数が百五十人といった程度の規模の組織でございますけれども、海外に観光宣伝事務所ということで十三の事務所を持っておりまして、日本政府観光局として海外からの訪日ツアーの開発造成、広報活動といったことを行っております。  御指摘のように、私、去年の四月に民間からJNTOに参りまして、ちょうど一年たったところでございますけれども、JNTOの運営に当たりましては、一つ組織目標を明確化すると、それから二つ目に私どもが成果物としているサービス、これを最大にすると、それから三つ目に効率的な組織運営をすると、それから四番目に公的な機関として透明性を確保すると、この四つを要諦として組織の活性化と訪日促進の実現に努力しているところでございます。  目標の明確化といたしましては、昨年、全役職員にアンケートを行いまして、今年の初めにJNTOのビジョンとミッションというものを作成いたしました。ビジョンはインバウンドツーリズムの振興を通じて観光立国の実現を目指すということにいたしました。ミッション、私どもの使命ですけれども、これは、ビジット・ジャパン・キャンペーンに貢献して、二〇一〇年までに訪日外国人旅行数を一千万人実現させるということにいたしました。さらに、ビジット・ジャパン・キャンペーンに貢献するために、JNTOの中にプロジェクトチームをつくりまして、VJCに対する具体的な事業提案を行うとともに、重点市場である中国に上海事務所を開設するなど、体制の強化も努めております。  また、訪日外国人の一千万人という目標の実現に最も重要な訪日ツアーの開発造成につきましては、海外事務所を中心にしておりますけれども、従来の単発的なアプローチではなく、多様な事業を効果的に組み合わせたプログラム事業方式というふうに呼んでおりますけれども、それに重点的にするなどしまして、例としましては韓国からの沖縄ハネムーンツアーとか、オーストラリアからのスキーツアーなどのヒット商品を生み出して、目標を大きく上回る総客数の実現を図ることができました。  今後とも、国内外の事業パートナーと協力しながら訪日促進事業の強化に努めていきたいというふうに考えております。  サービスの最大化、これは量と質と両方あるわけですけれども、これにつきましては、観光業界や地方公共団体の事業パートナーに対しまして、満足度調査、CS調査というものを今行っております。この結果を見まして、サービスの充実、それから効率的な組織運営のための業務改善につなげていきたいというふうに考えております。  これらのJNTOの事業内容、改革の進展状況につきましては、透明性の確保を図るためにホームページ等を通じまして積極的に情報公開をしていくという方針でございます。  以上です。
  29. 藤野公孝

    藤野公孝君 大分時間も短くなってきたので、ちょっとまだ幾つか質問をしたいので、答弁は簡便にお願いいたします。  今国土交通省あるいはJNTO、頑張っておるわけですけれども、もっと広く政府全体ということでこれは取り組む観光立国政策であるというふうに思うわけで、その趣旨からまず外務省にお尋ねいたしますけれども、外務省、在外公館、本省もそうですけれども、やはりこの観光立国に向けて大いに取り組んでいただきたいし、また取り組んでいただいていると思うわけでございますけれども、その相互理解、訪日旅行促進という観点からの外務省としての取組を御説明願いたい。できるだけ簡便にお願いいたします。
  30. 川田司

    政府参考人(川田司君) 外務省在外公館では、諸外国の対日理解を促進するために我が国の様々な情報の広報に努めております。具体的には、講演会を開催したり、テレビや新聞のメディアを通じた広報、それからホームページの立ち上げ、あるいは広報誌等の印刷物の資料の配布といったことを行っております。  また、在外公館では様々な文化交流事業を行っているわけでございますけれども、このような日本の文化の紹介というものも我が国に対する理解を深めるためにつながっているものというふうに考えております。  特に、観光誘致の観点からはビジット・ジャパン・キャンペーンの重点市場におきまして、在外公館の長、大使、総領事が正に会長となりまして、ビジット・ジャパン・キャンペーン現地推進会というのを立ち上げております。この推進会を通じて、先ほどJNTOさんからもお話がありましたけれども、そういった関係者との連携協力を図っているところでございます。  さらには、様々な、先ほど申し上げましたインターネット、それから広報資料があるんですけれども、こういう中において、正に観光関係のトピック、話題を積極的に取り上げておりまして、そういった観点から外国人観光客の誘致に積極的に努めているところでございます。
  31. 藤野公孝

    藤野公孝君 こういう話がございます。中国の若い、小学生だと思いますけれども、中学生かもしれませんが、日本を見て中国へ帰って、お父さん、お母さん、あなた方は間違っている、日本はあなた方が言った、私に教えたような国じゃなかったというようなことを、まあこういうことだけですべてを決め付けるつもりはないですけれども、そういう本当に子供が生の目で日本を見て、言ってきたことと違うよと、聞いてきたことと違うよと言ったのを文章にして、また日本に感想文の形で送られたのを私は見たことがございます。事ほどさように、実際に見てもらうということは大変、若い人に見てもらうということは大変重要なことであります。  その意味からも、若年交流、特に学校交流促進ということで、学校の受入れ体制、姉妹校、いろいろシステムはございますが、この学校交流促進に国はもっと積極的に、今のような話もございます、外交ルートも重要ですけれども、今のような話も大変重要だと私は心得ておりますが、その辺の文部科学省の取組について御説明願います。
  32. 板東久美子

    政府参考人板東久美子君) ただいま先生の方から御指摘いただきましたように、子供たちのレベルから、若年の段階から交流を進めていくということは、相互に真の理解をしていく、あるいは子供たちの国際性を高めていくという上で非常に有意義であるというふうに考えているところでございます。  実態の点でございますけれども、文部科学省が平成十五年度に実施をいたしました高等学校等における国際交流等の状況調査の結果によりますと、外国の学校と姉妹校提携を行っている学校につきましては、平成十五年五月一日現在で、小中高等学校合わせて二千八百八十二校となっております。このうち、中国や韓国などアジア諸国との交流を図っている学校は二七%、七百八十八校ということでございます。  また、十四年度に六千四百六十四人の外国人を日本の高等学校に留学等によって受け入れております。その中で、アジア諸国からは三二%に当たる二千七十六人を受け入れております。  文部科学省といたしましては、こういった姉妹校提携など国際交流活動に関する優れた取組につきまして更に情報収集、普及などを積極的に行いまして、学校間交流の促進を図っていきたいと思っております。  また、現在、国際教育の在り方や推進方策につきまして、国際教育推進検討会というものを設けまして具体案の検討を行っているところでございますけれども、この中でも国際交流活動の実践のための方策について検討しているというところでございます。  今後とも、関係省庁とも連携を図りながら外国の学校や生徒との交流活動の支援に努めてまいりたいと思っております。
  33. 藤野公孝

    藤野公孝君 もう時間もなくなった。最後の質問になりますけれども、今、委員各位も御承知のように、中国反日デモ等々で大変な、大使館、領事館も被害を受けましたし、いろんな日系企業も被害を受けております。ここで賠償、弁償しろだとか謝れとか、いろんな今あるわけでございますけれども、長期的にやっぱり日中はしっかりと交流を進めていかなきゃいかぬ。経済交流も含めやっていかなきゃいかぬという気持ちは双方が維持しているわけでございます。  私は、観光の面でこれまでも、前の国家旅游局長の、観光大臣ですけれども、国家旅游局長の何光イさん、この人も大変日中の交流に、促進に御尽力なさいました。最近お辞めになって、新しい邵局長、まだお会いしていませんけれども、何か御就任になったそうでございますけれども、そういう人事の交代も含めまして、今言いましたような、大変今、日中間というのはささくれ立っているわけでございまして、逆に日本からのツアーの取りやめも、そんなところ危なくて行けないよといったような取りやめの機運も、実際の取りやめ、キャンセルもあるわけでございます。中国側にはもう断固この日本企業、在住企業とか大使館とか、企業ばっかりでなくて、この日本人の旅行者に対しましても、しっかりとその辺の日本人の旅行の安全については守ってもらうということを体制を強化してもらいますし、この新しい指導者が、指導者といいましょうか、国家の観光局のトップも替わられたことですし、もう一回この観光交流の面で、その辺もしっかりと申すべきことは申し、それからお互いが協力していくといったような、禍を転じて福となすといったようなことで、更に未来志向といいましょうか、対策対応を深めていってもらいたいと思うわけでございます。  中国からの訪日促進、向こうから来てもらう数も増えませんと一千万人なんてもうとってもおぼつかないと私は思っておりますし、その意味でもこの観光政策、中国との関係でしっかりと手綱を、もう一回ふんどしのひもを締め直してもらう必要があるんじゃないかということと、あと、そのために、どんどん観光の目的が広がっておりますから、観光基本法というのがありますけれども、もう四十年前でございます。この辺のところもしっかりと国家の基本である法律も見直すぐらいの覚悟で、出直し出発も含めましてその決意のほどをお聞かせいただきまして私の質問を終わりたいと思うんですが、よろしくお願いいたします。
  34. 岩井國臣

    ○副大臣岩井國臣君) 国際観光というのは、経済的な側面だけではなくて、もちろんそれもあるんですけれども、それだけではなくて、国際的な相互信頼、相互理解、友好親善、それに大変役立つということだと思います。    〔委員長退席、理事松あきら君着席〕  そういう意味で、アウトバウンドの方もそうですけれども、インバウンド、とにかく国際観光に日本として今後大いに力を入れていかなければならない、先生おっしゃるとおりでございます。特に中国につきましては、相手方の人口もちろん多いわけですし、歴史的に大変密接な関係、文化的にも関係があるわけでありますので、重点国の一つに当然なっております。  ビザの問題につきましては、愛知万博の間は全国土漏れなくと、ビザなしということでやりたいということでございますが、中国側から、いや、愛知万博のときだけじゃなくて、もうオールウェーズにずっと恒常的にそういうふうにやってもらえないかという、ちょっと意見の合わないところ、基本的な問題かも分かりませんけれども、今外交ルートを通じてやっておりますが、外務省とも十分連携を取りながら、私といたしましては、積極的に対応していきたい、一日も早いとにかく結論を出さなければならないというふうに考えております。  いずれにいたしましても、観光立国宣言、総理がされたわけでありますので、国土交通省といたしまして、全省挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
  35. 藤野公孝

    藤野公孝君 ありがとうございました。
  36. 千葉景子

    ○千葉景子君 民主党・新緑風会の千葉景子でございます。  今日は、冒頭、先ほどお話がございましたが、関係の部署に私も来ていただいておりませんので質問をさせていただくということにはなりませんけれども、JR西日本の列車事故先ほどの御報告でお聞きいたしますと、三十一名の方が亡くなられている、そして二百四十名近い方が負傷をされているという大変な事故になっているようでございます。  亡くなられた方には本当に心から御冥福をお祈りするとともに、負傷された方、お見舞いをさせていただき、適切な本当に対応を是非私も願いたいというふうに思っておりますし、いずれきちっとした調査がなされまして、当委員会などにも御報告をいただいて、このようなことがなきように対応していかなければいけないというふうに思います。是非、これは今日は、私の思いといいますか、意見として冒頭述べさせていただきたいというふうに思っております。  さて、今日は、ここは行政監視委員会でございます。私どもがやはり行政をチェックをさせていただいて、そして誤りのない、適切な行政運営がされていくということ、これは多くの国民の皆さんから私どもも負託をされて、そしてこの委員会でいろいろな調査質疑をさせていただいているということでございます。  そうなりますと、私は、その基本として大変重要なものが国民行政あるいは様々な情報が適切にやはり伝わっているだろうか、それがないことにはチェックしようにも、あるいは様々な施策を検討しようにも、これはできない相談でございまして、そういう意味では、今日は私は、国民に対して情報がどういう形で、そしてきちっと的確に伝わっているかどうか、こんな辺りを幾つかの問題点を挙げながら検証させていただき、そして政府としての御対応もお聞かせをいただきたいというふうに思っているところでございます。  前半は、一つ、国連に関する情報、これがどのように私たちにそしてまた国民全体に伝達をされ、きちっと的確に伝わっているかと、こういう点についてお聞かせをいただきたいというふうに思っているところでございます。  それで、私は、これについて昨年十月に代表質問をさせていただきました。その際に小泉総理からも御答弁をいただきまして、私は、国連のホームページの日本語版と、こういうものをきちっと立ち上げて、そして国連の日本語による広報を充実させようと、こういう意見を述べさせていただいたところでございます。これに対して小泉総理は、国連の日本語による広報の重要性は認識をしており、東京に設置されている国連広報センターが行っているウェブサイト等の日本語による広報活動を支援しておりますと、こういう御回答でございました。  重要性を認識していただいているということは私も大変うれしく思いますが、さて、そう認識していただいて、国連広報センターを支援をしながら広報しているというだけで本当に大丈夫なんだろうか、それで十分に情報が伝わっているのだろうか、こういうことを改めてその後調べさせていただきましたら、やっぱりちょっと問題があるという感じがいたします。  今、日本も国際化をして、その中でいろんな諸活動が行われている。政府もその中で的確な外交を展開をしていただかなければならないわけでございます。また、ちょうど今、日本は国連の安全保障理事国入りということを目指して、総理以下非常に努力をなさっているというふうに承知をいたしております。  ただ、国連常任理事国入りということになりますれば、これは、政府がそれにしゃかりきになるというだけではなくして、やっぱり国民全体が本当に、国際社会の中で言わばリーダー的な国になっていくわけですから、それだけのやっぱり自覚をどれだけ本当に国民全体も持ち得ているのか。それから、国際社会が日本という国をどういうふうに見ているのか、あるいは国際社会の議論の中では日本がどのような視点で議論されているのか、こんなこともやっぱり十分に知っておきませんと、常任理事国に入った、しかし国民は全然違う方を向いて歩いているということにもなりかねませんし、そして、それが本当に日本政府の外交として的確なのかということを国民の側から検証したりチェックをさせていただいたりするという上でも、やっぱりその情報がどれだけきちっと私たちの手元にあるかということが大事なんだろうというふうに思っているわけでございます。  そんな私の視点ということを御理解をいただいて、お答えの際にはよろしくお願いをしたいというふうに思っております。  国連は公用語を持っておりまして、残念ながら日本語というのは国連の公用語ということにはなっておりません。それで、やはり常任理事国入りを目指すというあのドイツも、これもまた残念ながらというか、公用語、ドイツ語ですね、ではありません。両方同じような立場に置かれているわけでございます。聞くところによると、ドイツの方は常任理事国入りはもうほとんど当確かとか、日本は大分と批判が高まっていると、こういうことも言われておりまして、さてどうなるんだろうということでございますが。  そこで、ちょうど、ちょうどいい例といいましょうか、ドイツと日本で国連の情報等についてどういう対応を取っているのか、そして国民に対してその言わば自国語ですね、を使う国民に対してどのような形で情報を提供しているのかということを私もいろんな皆さんの御協力をいただきながら検索をいたしました。  何しろ、正直申し上げまして、私もそう英語は堪能ではありません。辞書を引き引き、そりゃ長文を読めと言えば読まないことはありませんけれども、そう簡単にいくものではありませんで、今日お座りの皆さんは多分もう、ぱっと見ればもうぱっと分かるという皆さんばかりかもしれませんし、小泉総理も留学の経験などもおありだということですので、かなりのものもぱっと見ればぱっと読んで、おお、これを外交に生かそうと、こういうことを考えておられるのかもしれませんけれども、私どもはそう簡単にいきません。多くの国民だってそうだというふうに思います。  さて、それで私も、さあどうやって国連の情報というのを検索したらいいのかということで、いろんな国連のウェブサイトからだんだんだんだん入っていってみたわけですけれども、今日、そこで、何だか訳の分からない資料が皆さんのお手元にも行っているかと思いますけれども、ごらんいただければというふうに思っております。  資料の一の一というのは、これは表紙で、一の二というのはそれを翻訳をしていただいたものでございますので。何しろドイツ語ですからこの一枚目見てもさっぱり分かりません。ドイツの方は逆に言えばぱっと分かるわけですね。これはどういうことかというと、国際連合ドイツ語翻訳サービスというシステムの言わば表紙の部分、表紙といいましょうか、項目でございます。ドイツ語ですと、こういう翻訳サービスというシステムでやっているドイツ語版の国連ホームページがありまして、そこでぱっとまずはこの項目のページが出てくる、こういうことでございます。  これを見て、じゃここを検索をしてみよう、こういう情報を得てみようといって入るとそこの項目の内容が出てくるということでございまして、例えばこのドイツ語の、まあ翻訳の方で私も見ないと分かりませんので大変恐縮ですけれども、新規掲載文書というようなところをクリックしてみますと、そこで今どんな新しい文書がこのホームページ上に載っているかというのが出てまいります。それが次の資料二の一というものにつながります。  この資料二の一がその新規掲載文書という、これも項目でございまして、全部これ、その表題が載っております。これもドイツ語ですので全然私も分かりません。一枚目、一ページ目の部分だけ、これも翻訳をしていただきましたところ、資料の二の二という、最後に付いているものですけれども、こういう形で文書が出てまいります。  これ見ると、二〇〇四年のノベンバーですから、これぐらい私も分かりますから、十五日から十九日の間に載せている文書ということになりますが、これ、最初のところは、二〇〇四年の十一月の十六日のものも、これが東ティモールに関する延長という問題ですけれども、もう、すぐこうやって、その日のうちぐらいということでしょうか、資料に載っていると、こういうことでございます。何だか私ばっかりあれしていて恐縮なんですけれども。    〔理事松あきら君退席、委員長着席〕  で、このリスト、こういうものは、私も探してみましたけれども、日本語の中、日本語としては探し当てることができませんでした。広報センター、日本ではそこが国連のいろんな情報を提供しているんですけれども、国連広報センターのホームページでもこういうような形で分かりやすい日本語で文書のリストが、そしてそれを検索できるようなものというのは出てまいりませんでしたけれども、それはそのとおりと受け止めてよろしいでしょうか、私の検索の仕方が悪いのでしょうか。そこはどうでしょうか。
  37. 高島肇久

    政府参考人(高島肇久君) 国連の広報につきまして、特にそうした文書の翻訳につきましての御質問、誠にありがとうございます。  国連広報センターの翻訳には外務省からも資金的な協力をしておりまして、現在、広報センターでやっているのは、実は、限られた部分ではございますけれども、国連の本部が出す広報資料を日本語に訳してできるだけたくさん情報を提供しようと努力はしております。例えば、このアナン事務総長の報告なども、三月の三十一日、出た段階で国連の本部の広報の資料を日本語に訳しまして、四月になってからでございましたけれども、翻訳が載っております。という具合に出ておるんですけれども、残念ながら、人手といい、それから資金的な面といい、まだ限られた部分でございますので、ドイツ語ほどたくさんは載っておりませんが、是非一度この国連広報センターの広報資料というところを御参照いただけますと、多少、ここまではないにしても、載っているということをお分かりいただけるかと思います。
  38. 千葉景子

    ○千葉景子君 はい、そうなんでございます。国連広報センターのホームページで多少の情報は載っていることは、それはもう確かなんですけれども、ほとんどがやっぱり項目といいましょうか、こういうことがあった、事実の経過とかですね、そういうことでございまして、なかなか、じゃ、その決議あるいは報告、そういうものの内容そのものがどういうものなのか、それ自体が知りたいということになりますと、これはなかなかもう日本語ではとても手に入らないということでございます。  今御説明をいただきましたので、ちょっとそこのところの対比をしてみたいと思うんですけれども、資料三という、これが大変今度の常任理事国入りなどにも大きな関係があるというふうに思われます、いわゆる国連のアナン事務総長の下につくられておりますハイレベル委員会、ここが国連改革の提案文書を作りました。国連改革のまあ言わば報告書ですね。それに関連する一連の資料なんでございますけれども、これは、資料三というのは、このアナンさんが指名した上級諮問委員会が国連を強化するための広範な変革を提案をしましたというニュースリリースでございます。資料四は、これが報告書、諮問委員長から報告書付きでアナン事務総長に上程をされたというときの言わば上書きのようなものですね、書簡なんですが。  これは即、先ほどの検索でやりますと、ドイツ語が出てまいります。それがその上書きの次に付いている資料五の一というのが本文の、その諮問委員会から出た本文のページ、最初の表紙、ページでございます。それで、その次がその日本語訳でございまして、資料六からが、これが今度は同じドイツ語版ということになりまして、これだけもう正に英語版とぴったり同じものがこうやってドイツ語版ですと出てまいります。これに関連して、その後の資料等も、これ英語版とドイツ語版というのがぴったり資料の九と十というのも符合いたします。  じゃ、この大変重要な国連ハイレベル委員会の国連改革について、じゃ、その国連広報センター、そして日本ではどの程度本当に知らされているんだろうかと思いまして、これも一生懸命探しまして、最後の資料十一というものでございます。これが、アナン国連事務総長がこの提言を歓迎したと、こういうプレスリリースをようやく見付けることができました。  これに、この国連ハイレベル委員会関連する文書は、私の、まあ私が探すんですから、ごく普通の人が探すことができる文書としてはこれが唯一だったんではないかなという感じがしております。誤りであれば、そしてもっといい、たくさんこう分かりやすいものがあるよと言っていただくなら、それはそれで結構なんでございますけれども、私の探した限りではこういうものでございました。  で、本文です。本文は、これはもう私はとても読んでおられません。これがその報告書の英語の版です、本文なんですね。で、ほとんどそんなに遅れた時期ではないと思います、検索したときがですね。これがそのドイツ語版です。全部同じです。ただ、全部出していったら私もたまらないので、ちょっと少しドイツ語版の方は薄めになっていますけれども、読める方にざっと見ていただいたところ、同じものだということで、結局これだけ、この本体の内容そのものも、ドイツですと一般の市民の人もだれでもが読むことができる、情報を得ることができるという、こういう実情がございます。  私もすべてドイツと同じにしろということではありませんけれども、こういうことは今の時代、やはりもう少し検討していただいてもいいんじゃないかなというふうに思います。やはり知らしむべしではありませんけれども、やっぱり母国語で情報がきちっと得られるというのは大事なことでして、国際語英語に堪能な人だけが分かりゃそれでいいんだという姿勢でもし政府の側がいられるんだとすれば、これはとんだことだというふうに思います。  やはり国会で議論する私たちだって、やっぱりできるだけ早く中身を知りたい。それには、さっき言ったように辞書を引き引きなんということをやっているというわけにもなかなかいかないわけですし、それから各省庁でも、皆さんが全員英語堪能かどうかは私もよく存じませんけれども、やっぱりそういうシステムがあって早く情報が得られれば、国際関係の中でも非常に有効な、それからいろんな外交関係を樹立することもできるだろうというふうに思いますし、それから司法に携わるとか、それから教育に携わる、あるいは学者の皆さんとかあるいはNGOの方とかビジネスマンとか国際社会の中で企業活動を行っている皆さんとか、今ややっぱり国際的な情報、それから国連での情報というのは大変重要な有効な私は情報だろうというふうに思います。  そういう意味で、このドイツとの比較を今日はさせていただきましたけれども、日本の広報センターで一定の範囲はカバーしていただいているとはいいながらも、このドイツのような一つのシステムを参考にしつつ、国連にも日本は相当の拠出をしているということもあるわけですので、その辺について前向きなというか、少しきちっとした検討を始めていただくということはできないものでしょうか。副大臣に御決意をお聞かせいただければと思います。
  39. 谷川秀善

    ○副大臣(谷川秀善君) ただいま千葉委員から御指摘がございましたこのドイツのいわゆる情報、ドイツ語で国連の情報を直ちに送るということは、我々も、これはドイツは、ドイツ語圏が四か国ございまして、それが何か費用を拠出をしながら、国連本部の近くにも、またドイツにもそういう体制を整えているようでございます。  ただいまおっしゃいましたように、国連のいろんな会議だとかいろんな決議だとかの情報が直ちに日本語に翻訳をされまして国民に伝わるということは、非常に私は理想的なことだし、必ず、これからは常任理事国入りにつきましてもいろいろ考えているわけでございますから、やるべきだというふうに思っております。  そういう意味で、今は東京の国連情報センターだとか外務省のホームページだとかである程度の概要だとかそういうものはカバーをさせていただいておりますけれども、十分であるとは思っておりません。そういう意味で、是非このドイツの例を参考にしながら検討を始めたいというふうに思っておりますので、千葉先生の御質問は非常に身にしみて感じております。私自身も身にしみて感じておりますので、是非そういう方向で検討すべきではなかろうか、事実検討いたしたいというふうに思っておるところでございます。
  40. 千葉景子

    ○千葉景子君 御決意を聞かせていただきまして、本当に私もよかったというふうに思っています。国際社会の中で日本が本当に信頼を得るということを考えましても、決して、一定の財政措置をすることは損なことでは決してないというふうに思います。  ちょっと副大臣もお触れになりました、私も事前に外務省等からお聞かせをいただいております、日本が国連広報センターに支援をしているのが、二〇〇四年で二十四・二万ドル、二千五百万ということなんですね。そのうち翻訳とかホームページに充てている額が八・四万ドル、ささやかで、八百五十万円程度になるかと思うんですけれども、そのような額のようでございます。  ドイツについてはどうなんだろうかと、これも聞かせていただきました。今、副大臣おっしゃったように、ドイツ語を公用語とする四か国で負担をして、先ほど示しましたこの国連通訳サービス、こういうものを立ち上げていると。ドイツ語翻訳サービスということですね。これを国連のところで運営をして、二〇〇三年のこれは数字のようですけれども、そこで使っている費用が百万ユーロということで、これも換算すると約一億三千万ぐらいということになるのでしょうか。これぐらいの財源でございますので、いろいろな無駄を省いて考えれば、やっぱりこの程度の拠出という、拠出といいますか財政措置をするということは決して私は無理なことでもないし無駄なことでもないというふうに思いますので、是非、副大臣も、今前向きに検討させていただきたいというお言葉でございましたので、財政当局にもまた私も後押しをさせていただきまして、このような情報国民にも共有できるようなそういうシステムを是非つくっていただきますよう、心からお願いをさせていただく次第でございます。  副大臣からそういうお言葉をいただきましたので、今日はその程度にこの問題はさせていただき、今後のまた推移を見させていただいたり、あるいは、どんなものをつくっていこうかというときにまたその状況など御報告をいただければ大変有り難いというふうに思っております。
  41. 谷川秀善

    ○副大臣(谷川秀善君) 千葉先生のおっしゃるとおりでございますので、我々としては、数字的に考えますと一億数千万が多いのか少ないのかという議論もあろうかと思いますけれども、そういう意味では、財政、財務当局の御理解をいただければ、準備態勢ができればそれほどびっくりするようなお金でもないというふうに私は思います。いろいろ、聞きましたらそういうことでございますので、是非皆さん方の、先生方の応援もいただきまして、是非、できましたらしっかり次の予算要求に向けて頑張ってまいりたいというふうに思っておりまして、態勢をどうするかというのは、これはちょっと、準備も相当必要かも分かりませんので、その辺のところはまたお知恵をおかりをいたしまして御相談をさしていただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
  42. 千葉景子

    ○千葉景子君 ありがとうございました。外務省にかかわることは以上でございますので、御退席いただいても結構でございます。  さて、今、国際関係にかかわる情報の問題についてお尋ねをさせていただきました。次に、今度は日本行政情報がいかに国民に知らされているかということでございます。  ちょうど今、情報公開法が見直しの時期になっております。この情報公開制度は、私もこの法律が成立を、できる際にいろいろな御議論をさせていただきましたし、そして多くの皆さんがこれで本当に日本行政に対する国民のチェック、そして市民がやっぱり主権者として自立性を持てる一つの大きな手掛かりができたということで、幾つか問題は残しながらも評価をしてきたものだというふうに思います。その残された問題等も含めまして、政府の方でもこれを見直すに当たってどういう問題点があるのかということを、検討会をつくられて、その検討会の報告がこういう分厚い資料で出されております。  私もこれを拝見をさせていただきまして、やはり、なるほどこういう点はこの検討会でも問題になったんだなあとか、検討会も意外と甘く見ているなあとかいろいろ思いましたけれども、今日はその中で何点か、特に、やっぱりこれを利用するのは一般市民の皆さんも多いわけですので、そんな中で疑問に思うところ、あるいはやっぱり本当に見直しが必要なのではないかと思われるようなところを指摘をさせていただきたいというふうにも思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  まず総括的なことですけれども、この検討会の報告が出されました、これに対する基本的なまず認識、受け止めての認識と、ここでいろいろな指摘がなされておりますが、それに対してどういう対応を今後取っていかれようとしているのか、法の、法案の見直し、改正みたいなものも当然一つの手法だとは思いますけれども、その辺についてはどんなふうに考えておられるのか、まず総括的なお答えをいただきたいというふうに思っております。
  43. 今井宏

    ○副大臣(今井宏君) 千葉委員さんにお答えを申し上げますが、千葉委員さんはこの情報公開法制定以前からこの問題に対しましてはかなり御熱心に、積極的にお取り組みをいただいておりまして、まずその御活躍に敬意を表するわけであります。  さて、法ができまして四年を目途に見直しをすると、こういうことになっているわけでございまして、今、検討会の全文を御認識いただいた上での御質問かと思うわけでございますので、制度運営の在り方全般につきまして有識者による専門的な検討をお願いさしていただいたのがお手元にございます報告書と、こういうことになるわけでございます。  この報告書でございますけれども、専門的な有識者の皆さんも積極的に、熱心に御議論をいただいた結果として報告をいただいたわけでございますので、政府といたしましても、この報告において指摘された必要な改善措置などにつきまして各府省に速やかに、そしてより実効性のある具体的措置を講じていけるように私どもも積極的な推進を図ってまいりたいと、基本的な認識でございます。
  44. 千葉景子

    ○千葉景子君 今後、具体的に運用等で変えてそこを是正していくのか、あるいは政省令等を検討していくのか、あるいはやっぱりここだけは法案を見直していかなければいけないというふうに考えていくのか、その辺まとめていかれるというふうに思いますので、それに私どももいろんな意見をまた申し述べてまいりたいというふうに思います。  少し具体的な問題点、面白いもんだなあということも含めまして指摘をさせていただきたいというふうに思っております。  まず第一に、開示、不開示の範囲ですね、これ、法で定められてはおるんですけれども、具体例になりますと非常に面白いというか、なかなか統一されないものだなということがございます。  その中で、個人に関する情報の開示に関してでございますけれども、これももう全部挙げていたら切りがないわけで、その中で分かりやすい例を挙げさせていただきたいと思います。それは、公務員の氏名の取扱いということがございます。やっぱり責任を持って仕事をしていただいているわけですので、何かのときにどういう範囲でそこの仕事に携わっている方の名前が出てくるのかなと。これはこの資料にもその具体例が載せられておりますけれども、これはかなり省庁によって運用実態が異なります。  例えば、ここに記載されているとおりですのでちょっと読みますけれども、課長以上の職員の名前が出てくるのが公安調査庁。課長補佐以上の職員が出てくるのが警察庁。係長相当職以上の職員の名前が出てくるのが法務省、財務省、外務省、文科省、農水省。それから行(二)職員を除く常勤職員という形で出てくるのが経済産業省。常勤職員といって、まあ全部というか、常勤職員ということでは全部出てくるのが内閣府、厚労省、国土交通省、環境省。全職員というのが、まあ監督官庁だからでしょうかね、総務省と。こういう扱いでございまして、かなりその範囲にばらつきがあるということになります。  これはたまたま公務員の氏名ということで、ちょっと分かりやすいので挙げさせていただきましたけれども、こういう開示すべきか開示すべきでないかという範囲がそういう意味では非常にばらつきもある、運用がかなり違いがある。こういう点などは具体的にはどういう形で今後是正をするというか、こういう。で、この報告書でも、検討会の報告書でもやっぱりこういうことは統一するようなことをしなければいけないという指摘もされているわけですね。こういう点などはどういう今後形で対応されていくおつもりでしょうか。
  45. 藤井昭夫

    政府参考人(藤井昭夫君) 今先生御指摘のとおり、各府省、やはり公務員の公表される氏名の取扱いがばらばらであるというようなのは余りにもやっぱり不合理であるというようなのが検討会の御判断でございまして、改善措置として、原則的にはやっぱり公開するという方向で統一した取扱いをすべきだと、こういう御指摘をいただいております。  私どもとしても、もう既に事務的に各省庁と連絡会議なんかを設けまして、その取扱いの方針を取りまとめるという方向で検討を着手しているところでございますが、いずれにしても、基準と申しますか方針といいますか、やっぱり政府全体として適用されるような方針というものを設けまして、それに基づいて各府省が統一した対応をしていただくと。基本的には、統一するといったって、開示範囲が狭まる方向ではやっぱりこれは趣旨がおかしいものですから、やっぱり基本的には公開すると、特段の事情がない限りは公開すると、そういう方向での方針というようなものを作ろうというふうに考えているところでございます。
  46. 千葉景子

    ○千葉景子君 是非、この指摘をきちっと受け止めて改善をしていくということをしていただくようにお願いをしたいと思いますが。  さらに、これはやっぱり情報を得たい方にとっては最も、やっぱりスピードといいましょうかね、忘れたころに情報出てきても余り意味がないわけでございます。  この情報公開についての請求の手続の期間ですね。これは申し立ててから基本的には三か月と、延長してもう三か月、あるいは特例として、それでも駄目なものについてはもっと長くという法的には一応ランクがあるわけですけれども、それ自体は、何とかそれをできるだけクリアしようという方向にはあるようでございます、努力の跡は見える。ただ、問題なのは、これで公開がされなくて、不服が申し立てられて、委員会に諮問される、審査会に諮問されるまでの期間が非常に長いんですね。  これは規定がありません。制限規定がないものですから、適切な期間内にということなんでしょうけれども、この諮問までの期間が六か月以上を要しているのが約四割、半分近くが半年以上審査会へ諮問しないで、何だか内部でごちゃごちゃごちゃごちゃ何か、何やっているんだかよく分からないんですけれども、調べているということなんですね。  これは、何でそんな諮問までの時間が長いのかということなんですけれども、その理由がいろいろでして、ほとんどそれぞれの省庁で理由が統一されています、何か統一版ができているんじゃないかと思うんですけれども。内閣官房などですと、それはそれぞれの部署にもよると思いますが、所掌する事務が繁忙を極めたため、全部これなんですね、ほとんどが。かと思えば、防衛庁、これは性格上そうかなと思いますが、すべて、ほとんどが慎重な検討を要するからと、こういうことでございます。担当部署の業務が忙しくて繁忙だったとか、担当者が交代して引継ぎができなかったとか、こういうのはもう理由にもなりませんけれども、いずれにしても、やはり申立てがなされて、やっぱりこれを審査会というところで、本当に適切なのか、やっぱり開示する方がいいのかと、これをチェックをするわけですから、そこへ出すのに部内で何か時間稼ぎみたいなことをやっぱりやっておるということ自体が非常に、やっぱり情報をできるだけ出したくない、消極的な姿勢が表れているんではないかというふうに思います。  そういう意味では、この手続に要する期間、ですから場合によっては、請求をする、三か月では駄目だ、開示までに時間が掛かるので延長して六か月にする、やっぱり出せなかった、で、不服を申し立てる、そうしたらば、延々と六か月以上も放置されているということで、それこそ一年以上請求してから何しろ結論が出るまで掛かるようなものが結構あるということです。これじゃ、情報公開という制度自体の意味をほとんど没却してしまうということになりますので、この辺りのやっぱり時間的な問題、どういうふうに今後検討され、あるいはそれに対して是正をされていくおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
  47. 藤井昭夫

    政府参考人(藤井昭夫君) 確かに、御指摘のとおり、実態を見てみますと、実は四割というのは、不服申立てを受けてから諮問、答申を経て裁決されるまでの全体の期間が四割なんですが、それにしても、各省庁が不服申立てを受けてから諮問まで一年超のものがやっぱり二割ぐらいいたということでございます。  その原因といたしましては、各府省も実際いろいろ忙しいとか、あるいは改めて調査しなきゃいかぬことがあったとか、そういうようなやむを得ない場合もあろうかと思いますが、安易とは言いませんが、やっぱり慎重過ぎた部分があろうかと思っております。当然、制度の趣旨からいきますと、不服申立てを受けたらば速やかに諮問すべきものというようなのは、これは法律、制度をつくったときからのそういう趣旨なんでございますが、ただ現実には、裁判も同じでございますけれども、審査会での諮問の期間も含めますと、ある程度やっぱり諮問する際には準備段階というのも重要なことは事実でございます。  例えば、争点を整理するとか、必要な調査をしておくとかいうことであれば全体として簡素化されるということで、それらをもろもろ考えた上、基本的にはやっぱり、漫然とやっているものについてはある程度きちっとした目標期限のようなものを指示してやらせるということと、あるいは、非常に複雑な案件の上に特段の事情があってある程度調査しなければいけないものはどういう場合なのかというような例外を設けるというのが一点。そういうふうにしてやっぱり期限の点で全般的に指導を推進するということが一点と。  それともう一つは、やっぱり進行管理が非常に重要だと思っております。特に各省庁も、各省庁の言わば総合的な情報公開の取りまとめセクションというようなのは整備されてきておりますので、そういったところで、全体、案件が今どういう状況にあるかというようなのを把握しておいて、遅れている場合はそこから指導してもらうということ、それが第二点目。  それと、この問題はやっぱり透明性を確保しておくという、遅延の状況の透明性を確保するということがやっぱり制度的な担保としても重要かということで、一つは、不服申立てをしている方々が今自分の案件はどういう状況になっているのかということに問い合わせがあった場合はそれに対して回答をさせるということと、あと、やはり問題のあるものは一年に一回ぐらいは、別に制裁的公表というわけではないんですけれども、やっぱり国民の前に明らかにするというような形で、きちんとした諮問期間を、漫然と延びるということはないようにしようというようなことで、これも各省に対してそういう措置を要請するというような形で推進していこうと思っているところでございます。
  48. 千葉景子

    ○千葉景子君 是非これは実行していただきたいというふうに思います。  何か今、更に申し上げるのも何かあれですけれども、例えば事例として、内閣府に対する報償費の支出負担行為に関する文書ということで公開請求がなされた例、これは市民の皆さんが請求をしたという例でございますけれども、これが二〇〇一年の四月に公開請求がされて、そして不開示決定がされ、不服申立てがされて、諮問までに一年一か月を要して、そして諮問通知書が送付され、意見書が提出され、口頭意見陳述がされ、十三回の審議がされて、公開すべき旨の答申書が送付されて、そして公開決定がされたと。これで、二〇〇一年の四月二日に公開請求がされて、公開決定がされたのが二年七か月経過をした二〇〇三年の十一月十四日と、こういう例もございます。  確かにこれは結構長い例だといえばそれまでですけれども、もうここまでくると、何かほとんど公開したもしないも変わらなかったというようなことにもなりかねませんので、今お話がございましたように、きちっとしたやはり幾つかの、スピーディーに、そして適切に公開、速やかに公開されるべきチェックポイントを整理をいただいて、そして運用をしていただくように、私は、この諮問までの時間というのは法的に、少なくとも何か月以内というような形での法的なやはり基準というのが必要なんじゃないかなという、私は率直にそんな気もしておりますので、そういうことも御検討の中に入れていただきながら対応いただきたいというふうに思っております。  それから次に、これもやはり、請求するに当たって、法律作るときにもいろいろ議論になりました手数料等の問題でございます。  これは、一つは、請求の文書の一文書の単位というのが一体何かということによっても違ってまいります。例えば一つの計算書類、一種類の計算書類みたいな形のときに、同じ性格のものであれば何年分のものも一つにして数えて出してくるところもあれば、同じ性格の文書でも一年ごとに一文書として出してくる役所もあると。そうすると、何年か分すると、一つの方はそれで一文書、手数料も安い。他方は、何年かすると、二年分だと二つの文書、三年なら三つの文書と倍々ゲームになっていくと、こういうこともございます。これもどうも取扱いがいま一つはっきりしない。  しかし、これは金目にかかわるわけですから、大変請求する側にとっては大きな問題でございますし、それから、やはり今は情報の管理、それから情報の提示も紙というばかりではありません。ディスクなどでの開示ということもあり得るわけですが、これのやっぱり費用の違いというんでしょうか、基準というのがなかなか統一をされない。何か紙でもらうよりもディスクの方が安い場合もあれば、いやいや、それをまた紙で出した方が安いみたいなときもあったり、これもやっぱりかなりばらつきがあるし、それから負担も大きいということでございます。  ここも、情報を得るに当たっては、本来やっぱり情報というのが国民のものであるという点を、基本を考えれば、でき得る限り安く、そして費用を掛けずにやっぱり情報を得られるというのが国民としての本来は権利だというふうに思うんですね。  そういう意味で、この費用の点について問題点、そしてそれに対する対処、どんなふうに考えておられるか、お聞かせください。
  49. 藤井昭夫

    政府参考人(藤井昭夫君) 今二点ほど御質問あったかと思います。  一つは、請求の単位ということでございますが、これは多分御存じだと思いますけれども、情報公開法を作るとき、一部先行の条例の方、決裁単位で計算していたというようなことで、何か領収書も一つの意思決定ということで、領収書五十枚だったら五十の文書という請求というような取扱いがなされていたということが批判されて、一応情報公開法では行政文書単位ということになっていまして、一件の行政文書であれば、例えば今の、領収書が何枚集まっていようがそれは一つの単位ということにしたんですが、加えて、情報公開法の現行の趣旨は、一つ行政文書だけじゃなしに、むしろファイル化されていて一まとまりの取扱いをしているという場合は、それは一件の請求対象文書であるということで広げたところでございます。  それに加えて、今御指摘のような、例えば会計か何かであれば、同じ会議費なら会議費で毎年毎年それを整理している場合は、数年単位でその会議費のファイルという、そういう管理の仕方もあろうかと思いますが、それが逆に、今のような経理の関係はそういう整理の仕方をするんですが、原局はむしろ、例えば今の会議費も、審議会を開催するというような一つの実体行政をやっていまして、審査会の言わば開催というようなことをメーンに資料管理をするということになりますと、やっぱりどうしても文書の管理というものは、やっぱり原局あるいは担当課の仕事の仕方によって整理しているというところを避けられないところがあるものですから、そこはそれでいいですよというような制度のつくり方になっていて、問題は、その辺りを請求者の方々にうまく説明してなかったのではないかというようなところがございまして、そこで、今回の検討会の改善措置も、むしろ請求段階でそういうまとまりの考え方の説明を十分するということと、改めて、必ずしも、必ずしもと申しますか、現行の情報公開法は行政文書だけじゃなしに、一まとまりの行政文書であればそれは一件として勘定するんだという趣旨を徹底しろというような御指摘をいただいているところでございますので、そういう形で各省を指導していく必要があると思っております。  それから二点目は、手数料の算定の問題でございます。  確かに紙の場合は一枚二十円ということになっておりまして、また電子データの場合は〇・五メガバイトで四百二十円という形になっております。  これは、結論から申し上げますと、四百二十円ですから、紙の場合、二十一枚未満の場合は確かに紙の方が安くなります。それで、二十一枚以上の、A4判ですけれども、A4判で大体二十一枚以上になるとむしろ電子データの方が安くなります。〇・五メガバイトはA4判でどのぐらいの換算になるのかというのは、これはいろんな計算の仕方がありますけれども、大体百六十枚、百枚から百六十枚ぐらい〇・五メガバイトで出されるということになりますので、結論から申しますと、やっぱり大量な情報を請求しようとされている方々は、現在の手数料の積算では電子データでやった方が安くなるということになります。  ただ、〇・五メガバイト、四百二十円の積算を見てみますと、法律制定当時のフロッピーディスクなんかの単価を基に積算しております。何か、一枚二百円ぐらいで積算しているようでございます。現状は相当安くなっているはずでございますので、そういうような単価の動向とか、あるいは手間の方も、やっぱり情報公開制定当初と違って今は相当慣れてきているという面もあろうかと思います。  そういうようなもろもろの状況の変化を踏まえて、この来年度の予算要求にかけて手数料を見直すというようなことを今着手しようとしているところでございます。
  50. 千葉景子

    ○千葉景子君 是非、これは請求する側も、どのくらい費用が掛かるんだということはかなり懐にも関係する、それから、本当に負担になっていくということになりますので、むしろ積極的に、こういうときは紙の方が安くなる、これぐらいの量だったらディスクの方が安いというようなことも情報として本当に分かりやすく知らせていくというようなことも必要だというふうに思いますので、この手数料について、利用する側が安心して、それから廉価で情報を得ることができるような方向に向けたいろんな基準を作っていただきたいというふうに思っています。  もう時間になりますので最後にしたいというふうに思いますが、この情報公開制度、そしてその文書が適切に、先ほどもありましたようにスピーディーに開示をされていくためには、それをどう管理、そしてまた保存をしておくかということが大事なわけです。  これは、今そういうことはないと思われます、ちょうど情報公開制度が、あの法律が施行されるそのころ、よく分かりません、どういう意味があったのか分かりませんけれども、各行政機関で大量に文書廃棄がされたというデータがあるんですね。それが何を意味するかというのは私も申し上げません。ただ要らないものを処分したというだけかもしれませんし、二重になっていたのを、それから古いものを処分したということかも分かりませんから申し上げませんけれども、ただ、ちょうどその時期にぴったりと合うように大量の文書が廃棄をされたということが指摘をされてもおります。  その後、そんなことはないと思いますが、やっぱり情報がどういう状態で保存されているのかということがはっきりすれば、請求する側も、例えば不存在と言われて、いや、そんなはずはない、あるはずだと疑問を感ずるということも随分少なくなってくるでしょうし、無駄な請求をするなどということにもなりませんし、それから提供する側も、きちっと管理をされ、保存をされていれば、情報を提供するに当たっても、何か後から文句言われるような、手間暇が掛かって段取りが悪いというふうなことにもならないということだというふうに思います。  今度の検討会のこの報告でも、文書管理システムの必要性ということが指摘をされております。これ、情報公開制度をつくるときにも私も大分指摘をさせていただきましたが、残念ながら文書管理のための法律というのはございません。私はやっぱりこれだけ情報を適切に管理をする、そして運営するのだとすれば、それの基礎となる文書管理のための法律、そして例えばその管理をチェックする、まあ何ていうんでしょうね、責任者の設置とか、そういうことがやっぱり必要なのではないかというふうに考えておりますが、この検討会の指摘と私の今申し上げました意見を併せまして、文書管理についてどのように受け止めておられるのかお答えをいただきまして、今日は終わらせていただきたいというふうに思います。
  51. 藤井昭夫

    政府参考人(藤井昭夫君) 文書管理の問題というのは、御案内のように、今、国家公務員ですと三十三万人いるんですが、その三十三万人の職員一人一人が日々やらなきゃいけないことでございます。なかなかそういう一人一人の意識みたいなもの、これに懸かっているというところと、あと、これは従来言われてきたのは、非常に面倒なものですからどうしても手を抜きがちになるというような問題があろうかと思います。  そういうこともございまして、今、なかなか、一つ教育研修等で徹底するということも重要なんでございますが、それだけじゃなしに、むしろシステム的に、今非常に文書管理システムというのは発展しておりますので、そういうシステム的に整備するということで自動的に文書管理もライフサイクル管理できますし、あと、現在も行政文書管理ファイル簿というものがシステム上作られれば、それはそのまま国民にオープンになって、それを手掛かりに解析できるという、そういうシステムになっているんですが、そういったものはまだまだ、実はやっているところなんですが、未成熟であるというところで、それの改善をやろうというような御指摘をいただいているところで、これは正に御指摘のとおりだと思っていますので、今たまたまIT絡みで最適化計画というものを推進しているんですが、その中でやっぱり文書管理というものを大々的に一つの分野として取り組んでいかなければいけないと考えているところでございます。  そのほかに、法律制定する必要があるかどうかとか体制整備する必要があるかということでございますが、法律の面については、現状も情報公開法の、一応政令で定める基準を要件とした行政文書の管理に関する定めというのは各省作ることになっておりまして、問題は、法律にするということはその内容の問題なのか、あるいはそれプラス何かの法的な効果みたいなものを課すかどうかという議論かと思いますけど、それはまたそれで別途検討が必要だろうと思っております。  また、体制の方も、なかなかこの様々な情報一つのセクションが全体を管理するというその情報のコンテンツですね、コンテンツみたいなものまで管理するということになると、今まで成功したという話は余り聞いておりません。むしろ、紙とか情報という媒体、そういったものを管理するということであれば、先ほど申し上げました、むしろシステムの問題として整備する方がよほど効率的、効果的というふうに考えておりまして、むしろ今のところシステム整備のところを重点的にやるべきではないかというような御指摘と受け止めて、その方向でやりたいと思っているところでございます。
  52. 千葉景子

    ○千葉景子君 終わります。  ありがとうございました。
  53. 山口那津男

    委員長山口那津男君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  54. 山口那津男

    委員長山口那津男君) 速記を起こしてください。
  55. 松あきら

    ○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  本日、私のふるさとでもあります宝塚発福知山線で脱線事故が起きました。もう思ってもいないほどの大事故であったということであります。亡くなられた皆様、そして被害を受けられた皆様に心からのお悔やみと、そしてお見舞いを申し上げます。  それでは、質問に入らせていただきます。  社会保険庁の幹部の汚職事件で摘発をされました情報機器会社カワグチ技研から職員が接待や金品を受けた問題で、元課長補佐ら二人を懲戒免職にするなど計七十五人の職員を処分する方針を決めたということであります。中央省庁が不祥事をめぐってこれほどの規模で職員を処分するのは異例という報道がされております。難航した処分ほぼ終了ということでありまして、社保庁、職員七十五人の処分を決めたところで、組織解体議論まで発展しました一連の不祥事に対する処分はほぼ終了するというわけであります。  しかし、まあ出てくるわくるわと、こんなに次から次へと出てきて、もうエアロビ大会、綱引き大会、コンサート、こんなのも架空の計上をしておりまして、実際は何もやっていなかったとか、挙げたら切りがないわけでございますけれども、社保庁の多くの職員がやはり特定業者と癒着して、出版の話もありましたけれども、いわゆる公金を還流させて分配させていた等々があります。そして、何でこうやって遅れたかと申しますと、利害関係者を広く認める国家公務員倫理審査会と狭くしたい社保庁側との調整に時間が掛かった上に、一部職員が接待などの事実関係を認めなかったために、実際の処分は難航したと。四月の定期人事異動の大半が凍結されるという異例の事態になったと。もう本当に悲しい限りでございます。  この行政監視委員会ができまして、ODAの問題から始まりまして、当時の厚生省あるいは大蔵省等々の不祥事もこの委員会で扱いました。ただすべきはきちんとただした。けれども、私は多くの国民の皆様に、みんながみんなこういう悪いことしているんじゃありませんよと、大半のほとんどの方は一生懸命まじめに公務員の皆様も働いてくださっている、一部の方がこうした問題を起こすと全員が何かこういうことを起こしているように思われますけれども、そうではありませんというふうに今までは説明をしてまいりました。けれども、今回のこの社保庁に限っては、まあ社保庁総ぐるみとは言いませんけれども、何かもう本当にそういう言い訳も利かないというような状況であります。非常に残念な限りでございます。  そこで、このような社会保険庁をめぐる様々な問題が指摘される中、昨年五月の麻生総務大臣の異例の指示を受けまして、総務省では急遽、年金に関する行政評価・監視を行い、昨年十月と十二月、それぞれ、厚生労働省本省等の調査に基づく第一次勧告、社会保険事務局等の調査に基づく第二次勧告を出しております。  第一次勧告では、住基ネットを活用した第一号未加入者の把握、年金受給権者の現況届等の廃止、保険料納付率等について中期目標を達成するための年度別の目標値の設定、業務量に応じた社会保険事務局等の定員配置の見直しなどを勧告いたしております。また、第二次勧告では、職権適用に係る全国統一的な手続を定めた上で、第一号被保険者への届出勧奨に応じないすべての者に対する職権適用の実施、口座振替の勧奨の推進、強制徴収手続を行う対象者の拡大、被保険者に対する窓口サービスの改善、人事交流の拡大などを勧告いたしております。  これらの勧告の実施状況について、まずお伺いしたいと思います。
  56. 青柳親房

    政府参考人(青柳親房君) 冒頭、議員から社会保険庁の不祥事につきまして大変厳しい御指摘いただきました。冒頭、大変に御迷惑をお掛けしたことをまずはおわびを申し上げたいと存じます。  その上で、お尋ねいただきました総務省の行政評価・監視の勧告事項に対する実施状況についてお答えを申し上げます。  昨年の十月及び十二月に総務省から年金に関する行政評価・監視の勧告事項をちょうだいいたしました。これらについては、そのほとんどの、多くのものを既に昨年九月に緊急対応プログラムという形で取りまとめて、現在その実施を進めているところでございます。  もうちょっと具体的に申し上げれば、今議員の方から御例示のございました第一次勧告で盛り込まれております住基ネットシステムを活用した年金受給権者の生存確認につきましては、平成十八年度の実施に向けまして、現在、このシステムを開発中でございます。また、国民年金保険料の納付率につきまして年度別目標を立てるようにという勧告につきましては、アクションプログラムというものを私ども作成をさせていただいておりますが、その一環といたしまして昨年十月にこれを策定いたしまして、その進捗管理を現在しながらこれの推進を図っているところでございます。また、強制徴収につきましても御例示がございましたが、平成十六年度は平成十五年度の約三倍に当たります三万人に対しましてこの強制徴収手続を実施をいたしましたが、本年度、平成十七年度はこれを更に十万人程度に拡大をして実施をしたいというふうに考えております。  また、二次勧告の関係で窓口サービスの改善という御例示もございました。これは、混雑が非常に著しいような社会保険事務所につきましてはその相談窓口を増設するほか、例えばファクスによる年金相談の受付等も本年四月から開始をしております。また、込み具合というものを、一週間前の状況ではございますが、どの時間帯にどのくらい込んでいるかということを各事務局ごとのホームページに掲載をいたしまして、お示しをするというようなサービスも開始をさせていただきました。  また、組織の問題にかかわってまいりますが、業務量に応じた適切な人員配置、これにつきましても昨年業務調査というのを体系的に行わさせていただきまして、この結果に基づきまして今年度から三か年の計画で人員配置の見直しを行うということを取り組ませていただいております。また、これと併せて人事交流の拡大という点でも、本年四月の人事異動におきまして、本庁と地方社会保険事務局との間の広域的な人事異動あるいは地方社会保険事務局間の人事異動を拡大させていただいたところでございます。
  57. 松あきら

    ○松あきら君 いろいろ教えていただきましたけれども、社保庁は、四月一日、平成十五年以降に計二十七件、約六万七千七百人分、総額約三百八十億円に上る年金の給付ミス、これが判明したとする最終調査報告書を公表しております。未払いが何と四万五千四百人分で約二百八十九億円、過払いが約二万二千三百人分で約九十一億円ということでございます。何でこんなミスが起こるんでしょうね。老後の生活を支える年金に給付ミスがあってはならないんです。  例えば、未払いはもちろんですよ、もらえないというのはとんでもないんですけれども、過払いだって結局は返せって言われるわけですから、お返ししなきゃならない。私はこれはおかしいと思うんですよ。間違って払った方には返せなんと言ったらいかぬと私は思っているんですね。当然でございます。やっぱりこれは老後の生活設計が狂ってしまいますから、こういうこともしっかりと検討していただきたい。  原因と今後の防止対策について、今のことも含めてどのようにお考えか、お伺いします。
  58. 青柳親房

    政府参考人(青柳親房君) 年金の過払いあるいは未払いという件につきましては、多くの年金受給者の皆様に大変に御迷惑をお掛けしたということで、大変遺憾であり、おわびを申し上げなければならないというふうに考えております。  これらの原因は何かというお尋ねでございましたが、私どもは一昨年の十二月から総点検作業という形でこれらの原因究明等を行ってまいりました。こうしてこれを四月一日に結果として公表させていただいたところでございます。  少しその中身を申し上げますと、まず二十七の事象のうち十五事象がプログラム誤りということでございました。これにつきましては、基本設計書という形でこのプログラムをまずは作り始めるわけでありますが、この策定に際しましての指示を的確に行うためにシステムに、既存のシステムにどういう影響が生じるかといったような影響範囲の確認あるいは検証作業を行うわけでございますが、その際にこのすべてを確認し切れなかった、その結果として必要とされますシステム開発の仕様の内容を漏らしてしまったり、あるいは誤るというような状況を引き起こしていたことが最大の原因かと存じます。  その背景には、若干言い訳めいたことになるかもしれませんが、従来二年前後で定期的に人事異動が行われておりまして、システムの分野、特に制度の内容とシステムの関連を把握している専門的な人材が計画的に育成できなかったということ、あるいは法律や政省令など制度面での仕様の確定を待たなければこのシステムの開発仕様というのが確定できないわけでございますが、その決定が遅れて十分な検討や開発の期間が確保されなかったこと等がこうしたシステム誤りの原因かと存じます。  また、事務処理誤りが二十七事象のうち八事象ございました。これは頻繁で大幅な制度改正によりまして事務処理内容が大変複雑化しておりますし、またその内容の周知徹底期間が非常に短くて、制度内容と事務処理の関連性についての理解不足が生じまして、関連する情報源を漏れなく収録、確認すべきところが、誤認されてしまったというようなことが原因として考えられます。  その他、受給者からの届出漏れによる四事象等については、この制度等の徹底が十分図られなかったことが一つ原因かと思っております。  再発防止策ということでのお尋ねがございました。  制度の改正によりますシステムの開発の影響範囲を洗い出す方法を少し改善をしなければなりませんし、何よりもこのシステムの開発委託を行います場合に、その指示は具体的に文書できちんと指示をするようにということを徹底しなければならないというふうに考えております。  また、システム開発におきます人数やスキルの不足の解消のためには、システムの最適化計画を今後作っていきます中で専門家の確保や養成等の抜本的な体制整備が必要になってこようかというふうにも考えております。また、当面すぐできますことという意味では、事務処理のマニュアルの充実や改善、あるいは職員研修の充実を図りますとともに、機械化になじむものは可能な限りシステムに取り込んでいくというような措置で対応してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、最も大事なことは、システムの管理体制、いわゆるITガバナンスというものをきちんと強化して再発の防止を図ることであると認識をしております。
  59. 松あきら

    ○松あきら君 システムの開発には文書で徹底しなければいけないとおっしゃいましたけれども、そんなの当たり前のことだというふうに思っておりますけれども、今までそれはされていなかったということであると思います。  そうしますと、先ほどシステム開発、アクションプログラムというふうなお話ありましたけれども、今度こそは大丈夫なんでしょうねという思いでございます。もう今度しくじったら大変なことになると、それだけはよくお分かりだと思いますけれども、よろしくお願いいたします。  社保庁のオンラインシステムについてお伺いをいたします。  社保庁のオンラインシステムは昭和四十二年度に運用が開始されまして、コンピューターの調達やあるいはソフトウエアの開発、一貫してNTTデータやあるいは日立製作所が受注をいたしております。その後の運用もNTTデータなどが随意契約で請け負っておりまして、昨年度は約千百億円が年金保険料などから支出されたということでございます。  官公庁のコンピューターシステムにつきましては、その開発、保守、運用等に毎年多額の税金が投入をされておりまして、その妥当性を検証するために、政府は、平成十五年七月、全省庁に刷新可能性調査の実施を指示をいたしております。社会保険オンラインシステムの刷新可能性調査ではどのようなことが明らかになり、それに対してどのような措置をとられるおつもりなのでしょうか、お伺いをいたします。
  60. 青柳親房

    政府参考人(青柳親房君) レガシーシステムに対します刷新可能性調査、私どもの社会保険庁におきましては、本年の三月末にこの調査報告書を公表させていただきました。報告書では大きく三つの点について検討がされ、報告がされておるわけでございます。  その第一は、業務改善案、どのような形で業務を改善していくかということが明らかになっております。  具体的には、手作業で処理をしております様々な作業を自動化をするということ、拡大をするということ、そして外部委託化を進める、あるいは集約化を進めることによって事務の効率化合理化を図っていくと。さらに、様々な知識についてナレッジマネジメントを構築いたしまして、職員研修の充実等により業務品質という観点からこれを改善、向上を図ること。さらに、コールセンターの機能充実やインターネットの利便性の向上によりまして国民サービスの向上を図ると。これがまずは業務改善案の内容でございます。  さらに、この報告の中核を成しますシステムの刷新案といたしましては、現行のシステム形態を維持しつつハードウエアの集約を図る漸進型と、システムを全面構築、再構築する全面再構築型、さらに、これらの中間的な刷新案としての部分再構築型の三案の改善案が示されております。  このうち、仮に全面構築型を採用した場合には、現行の年間の運用費用と比較いたしましておよそ五百二十億円の削減が見込まれることとされておりますが、一方、この案の実現に際しましては、初期投資といたしまして一千八百四十億円と、七年間このシステムの構築期間に時間を要するという点で障壁が高いのではないかということが報告書における評価の一端でございます。  それから、報告書の中では、あわせて、ただいま申し上げました初期投資額のほかに、データ通信サービス契約、これはNTTとの間の契約でございますが、この契約解除金、いわゆる残債と呼ばれるものでございますが、その支払が必要であり、現時点でこの残債を試算をいたしますとおよそ二千十億円程度となっていることへの留意が必要であるというふうに指摘をされております。  さらに、この報告書の中では、現在、社会保険庁がこのシステムのノウハウを必要とする業務について、全面的に外部委託業者に頼らざるを得ないという点で管理監督機能が十分働いている状態とは言えないということから、ITガバナンスの強化という提言をいただいたところでございます。  私ども、この調査結果を踏まえまして、本年度、十七年度末までに業務・システムの将来像を見据えた最適化計画を策定いたしまして、十分な安全性、信頼性を確保した上で、競争性や効率性が高まるような見直しによりまして経費の削減が行うことができるように、十八年度以降これを順次実施してまいりたいと考えております。
  61. 松あきら

    ○松あきら君 何か、伺っているとお金が掛かることばっかりなんでね、本当にそれ、そういうふうにしなければこうならないのかしらと。NTTデータに、何ですって、残債で二千十億円も払わなきゃいけない、だそうですけれども、これも随意契約で請け負っているわけでございますよね。  そこで、その随意契約の問題についてちょっとお伺いするんですけれども、申し上げるまでもなく、国の契約方式といたしましては、一般競争入札、指名競争入札、随意契約、三種類あるわけでございますけれども、あくまでも原則は一般競争入札であり、指名競争入札は例外、随意契約は例外そのまたその例外であるわけでございます。社保庁では例外中の例外でありますこの随意契約を安易に多用して税金あるいは保険料の無駄遣いを続けてまいりました。これはもう申し上げなきゃいけないというふうに思います。そして、これは会計検査でしばしば指摘をされておりますように、社会保険庁に限ったことではないという残念なこともあります。  随意契約の今後の見直しあるいはチェック体制について、財務省及び社会保険庁の対応、お伺いしたいと存じます。
  62. 勝栄二郎

    政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。  国が行います調達の際の契約方式につきましては、御指摘のとおり一般競争入札が原則でございます。特定の場合には、一定の場合には随意契約も認められているということでございます。  また、先生おっしゃいましたように、会計検査院の検査報告等につきまして、随意契約についてもろもろの問題点が指摘されております。例えば入札公告等が行われないため透明性が低いとか、特段理由もなく少額の調達に分割して随意契約としている例があるとか、随意契約によるものが大半を占める委託契約におきましては、更に再委託、再々委託が繰り返され、効率性が損なわれているというような点が指摘されているところでございます。  財務省といたしましては、随意契約の見直しを図るため、本年二月に主計局長名で各省庁に通知を行いまして、以下の点について方策を講じるよう要請いたしました。  まず第一に、随意契約の公表の対象、これは非常に重要ですけれども、を大幅に拡大すること、二番目は、各省庁の内部監査において随意契約について重点的に監査を実施すること、特に、不適切な契約の分割により随意契約としていないかどうか、これを重点的にチェックすること、そして三番目につきまして、委託契約につきまして再委託を原則承認制とするということによりまして、委託契約の効率性確保に努めることをいたしております。  今後とも随意契約の見直しにより、随意契約の透明性、効率性を確保してまいりたいと存じています。
  63. 青柳親房

    政府参考人(青柳親房君) 社会保険庁におきます物品等の調達に当たりまして、競争性あるいは透明性の確保、さらには調達コスト削減と、こういった観点で私ども取り組んでまいりたいというふうに考えております。  具体的には、まず、昨年の八月以降は、会計法令上随意契約ができる場合であっても可能な限り競争入札又は企画競争に付するということを原則として打ち立てました。  さらに、本庁で調達します案件は、昨年の十月に本庁に社会保険庁調達委員会というのを設置いたしまして、長官以下この調達委員会のメンバーになりまして、調達の必要性、数量あるいは契約方法等を個別に審査をいたしております。地方庁におきましても、本年の四月に契約審査会というものを設置いたしまして、同様に調達の必要性、数量、契約方法等を審査しております。  また、本年一月分の契約から、五百万円以上の随意契約につきましては、事前に厚生労働大臣に御報告を申し上げることとしております。また、百万円以上の随意契約についても、本年三月に社会保険庁随意契約審査委員会というのを設けまして、ここで事後審査を明確にするとともに、その結果をホームページで公表いたします。  また、本年一月に本庁に監査指導室を設置いたしまして、内部監査の強化を図るということで努めている次第でございます。
  64. 松あきら

    ○松あきら君 財務省、勝局長、もう結構……
  65. 山口那津男

    委員長山口那津男君) 御退席いただいて結構でございます。
  66. 松あきら

    ○松あきら君 御退席、結構でございます。ありがとうございました。  今財務省からも厳しくチェックをする旨のいろいろお話を伺わせていただきまして、社保庁も審査委員会あるいは内部監査のそういったシステムを設けるということでございますので、これはやはり、先ほどお話出ましたように、透明性が低い、再委託などが行われるということで、是非随意委託はなるべく少なくしてほしいという要望を申し上げておきます。  それでは、市場化テストモデル事業についてお伺いをさせていただきます。  本年度におきまして、行政業務民間に開放する市場化テストのモデル事業が、ハローワーク、社会保険庁関連など八事業で行われるということであります。実は昨年十一月に百以上の提案がありましたけれども、行政側の反発で大幅に縮小されて八つになったというところでございますけれども、一応八事業で行われるということでございます。社保庁関連では、国民年金保険の徴収事業、厚生年金保険などへの加入促進事業、年金電話相談事業などが行われるということであります。  本来の市場化テストというのは官民競争入札であるわけでございまして、官の側も参加してこそ本当の競争になると思いますけれども、今回は官の側は参加していないというふうに聞いております。どうなってるのというふうに私は思っているわけでございますけれども。この辺りの事情も含めまして、本年度に行われる社会保険庁の市場化テストモデル事業の内容と特徴、今まで行ってきた民間委託の状況と、それとの違いはどうなのか、お伺いをいたします。
  67. 青柳親房

    政府参考人(青柳親房君) まず、モデル事業の内容についてでございますが、今回三種類のモデル事業を実施するということで、先ほど委員からも御紹介ございました。  第一のグループは、五か所を予定しておりますが、その社会保険事務所を対象といたしまして、未適用の事業所の、これ厚生年金や政府管掌健康保険、未適用の事業所の把握業務、それから加入の勧奨業務というものを包括的に委託する事業でございます。  それから第二の事業が、やはり五か所の社会保険事務所を対象としておりますが、国民年金の保険料について電話による納付督励から戸別訪問による納付督励、さらには保険料の納付委託を包括的に委託する収納業務事業。  それから三つ目は、二か所の年金電話相談センターを対象と考えておりますが、電話による年金相談や、電話による各種の通知等への対応を行う相談業務、これらを内容として考えております。  これについて、官民で競争するという趣旨に照らして今回のやり方はいかがかと、こういうお尋ねもございました。この点につきましては、現行の、実は入札の諸手続は官が民から調達をするということを念頭に置いておりますので、必ずしも官と民の間の競争は実は想定されておりません。この点は、規制改革民間開放推進会議の第一次答申におきましても、こうした官民間の競争入札を実施するための入札諸手続を規定する法令等について特例措置を設けることが今後検討が必要であるという御認識でありました。  しかしながら、私ども、こういった市場化テストの趣旨をなるべく生かしたいということで、このモデル事業の実施に当たりましては、近隣の社会保険事務所等の業務実績と比較をするというようなことで、コスト面を含めました効率性に関する実績評価をきちんと行いまして、実質的に官民間の競争が確保できるように配慮してまいりたいと考えております。  また、これまでの民間委託との違いについてのお尋ねが最後にございました。この点については、あえて整理を申し上げますと、一点は極力包括的に事業を実施すると。すなわち、それぞれの事業をばらばらにして、言わば官の手足として民間に仕事をしていただくのではなくて包括的に事業をやっていただくということを念頭に置いたこと、それからただいま申し上げました、他の社会保険事務所との間で、事業実績の件数のみならず事業の質についてもきちんとした比較評価を行うことと、この二点を行っていくという点において、従来の民間委託とは相違するものと考えております。
  68. 松あきら

    ○松あきら君 まあ、いろいろと努力をして変わろうという決意は伺いました。けれども、いろいろ器を替えても人数を減らしても、それだけでは改革にはなりません。どうか失われた信頼を回復するためにも、職員一人一人の意識、顧客である国民の側に向いたものとなりまして、国民のニーズに的確にこたえるものとなっていただきたいということを申し上げて、社保庁、これで終わります。  ちょっと、全然問題は変わるんですけれども、最後に妊婦バッジについて、厚生労働省、来ていらっしゃいますか。──はい、お伺いしたいと思っております。  私、さきの予算の委嘱審査で妊婦バッジの質問をさせていただきました。これはどうしてかといいますと、今少子化でございますので、一人でも多くの方に子供さんを産み育てていただきたいという思いあります。けれども今、女性は大体専業主婦の方はだんだん少なくなってきまして、働きながら子供を育てるという方が増えてきております。そうしますと、例えば満員電車に乗って通勤しなければいけない。今七か月ぐらいでも、御存じだと思いますけれども、お医者様の指導で余りおなかの赤ちゃん大きくすると出産大変なので、たくさん食べなさいとか、太ったらいけない、いけないというか、余り太るようにしむけないんですね。ですから、例えば七か月ぐらいでも、はたからは分からない方がいるんです。ましてや、一番しんどい、つらい妊娠初期の方、外から見ていると妊娠していらっしゃるのかどうか分からない。  そこで、今各自治体とかNPOが妊婦バッジというのをそれぞれ作って、差し上げて、これは実は千代田区で母子手帳、これ一冊母子手帳配付のときにくれるんですけれども、これでも、こんなかわいい妊婦バッジがこの中に入っているんですね。私が申し上げたいのは、それぞればらばらの妊婦バッジを付けていても、どれが妊婦バッジか分からないと、もうそういうメールとかたくさんいただいているんですよ。だから、一つ大体基準、規格みたいのがあると、それを電車にシールで張っていただくとか、電車で妊婦バッジを付けていらっしゃる方には席を替わってあげてくださいという放送もしていただける。  実はこれ、京都では国交省でやってくださっているそうで、京都のマークを張って、また放送もしてくださっているんですけれども、できれば全国統一のがあれば、全国的に同じマークであれば、それも、こういうマークを付けた方にはどうぞ譲ってあげてくださいと、こう申し上げられるそうなんですね。けれども、私はこれ質問しましたら、何で官がそういうことを強制しなきゃいけないのかと、これはみんな民でやるべきことでしょうというお答えいただいたんですよ。  そうじゃないんです。私は、双葉マークありますでしょう、自動車の。あれ勝手に双葉マーク作って張りなさいと言ったら、どれが双葉マークか全然分からないですよ、初心者マークね。ですから、別にあれは罰則がありますから、罰則を作らなくていいんですよ、そういうことは。付けたくない方は付けなくてもいい。けれども、統一マークがあれば、その認知度が広がればどれだけたくさんの方が助かるかという声をたくさんいただいているので、その辺の認識が非常に違うと。何か、松あきらは公明党の考えと違う、勝手にこういうことをおっしゃっているんだという、おっしゃったある審議官がいらっしゃるそうでございますけれども、正に私どもの党はこれを進めたいと思っておりますので、ちょっとそれに対して御意見をお伺いいたします。
  69. 衛藤晟一

    ○副大臣(衛藤晟一君) ただいま先生御指摘のとおり、この母子健康手帳交付時に妊婦バッジを配付いたしております京都のような実態もありますし、また個人や民間団体がバッジやステッカーを配付しているというような活動もございます。  そういう中で、ばらばらな状態でございますけれども、そういう中で、まあそこのところをどういう具合に統一すべきなのかどうかということについても今検討中でございまして、今後、各々関係者の御意見もお聞きしながら、その在り方について検討を始めたいという具合に思っているところでございます。
  70. 松あきら

    ○松あきら君 では、前向きに統一バッジを検討していただくというお答えで、今そういうお答えをいただいたと思いますので、是非よろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
  71. 吉川春子

    ○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。  今日、JR福知山線の脱線事故が発生いたしまして、報道では現在死者四十三名、負傷者二百三十九名と報道されています。事故に巻き込まれた方々の一刻も早い救出を求めます。そして、犠牲となられました方々に御冥福とお見舞いを申し上げたいと思います。  私は、今日は警察のいわゆる裏金問題について質問をいたします。  会計検査院が、平成十五年度決算報告によると、北海道北見方面本部に対する会計検査院の実地検査の際に、警察は虚偽の領収書による説明を行い、その後の説明のために資料が偽造されていたことは会計経理の適正性の心理形成を阻害するものであり、極めて憂慮すべき事態である。このように、組織的偽造の情報による説明が行われた場合には会計検査は有効に機能し得ないことになると、このように指摘をしております。公文書偽造などの犯罪性が強いと言えます。会計検査院法三十三条は、検察庁へ通告をしなくてはならないというふうになっておりますが、会計検査院は通告をしておりません。通告すべきだと思いますが、どうしてしないんですか。
  72. 森下伸昭

    会計検査院長(森下伸昭君) お答えをいたします。  会計検査院の本来の使命は、会計経理を監督し、その適正を期し、かつ是正を図るということにあります。捜査機関のように、担当者の刑事責任を追及するというものが主眼ではございません。  会計検査院法三十三条の検察庁への通告は、「会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたとき」とされており、この本件の北見の場合につきましては、偽造という事実はありますが、検査の過程で本院の検査権限の範囲では通告の事実を明確に認定することは困難な事案でございます。したがいまして、本件の捜査は現時点では捜査当局にゆだねることが妥当であろうというふうに考えている次第です。  なお、平成十五年度決算検査報告におきまして事実を具体的かつ詳細に記述しておりますことから、その記述内容は会計検査院法三十三条の立法趣旨であります捜査の端緒の提供ということにはなっているものというふうに考えているところでございます。
  73. 吉川春子

    ○吉川春子君 法務省にお伺いいたします。  今、会計検査院は、これは会計検査院法三十三条の捜査の端緒になるものだというふうに言いましたけれども、これは検察に対する三十三条に基づく報告だと、通告だというふうに受け止められるんでしょうか。
  74. 大林宏

    政府参考人(大林宏君) 会計検査院法三十三条による通告につきましては、会計検査院において判断されるべき事柄であろうと思います。今の決算の検査報告につきましては、各地方検察庁に配付されているものでございまして、検察において捜査に必要とあらばその端緒となり得るものだと、そういうふうに考えております。
  75. 吉川春子

    ○吉川春子君 まあ、ニュースでも何でも捜査の端緒にはなり得るわけですけれども、三十三条に基づく検察への通告と、知らせたということになるかどうか、その点だけイエス、ノーで答えてください。
  76. 大林宏

    政府参考人(大林宏君) それは、今申し上げたとおり、会計検査院において通告だというふうに御判断なさるかどうかであって、そういう判断でなければ、私どもとしてはそれは法に言う通告ではないというふうに言わざるを得ないと思います。
  77. 吉川春子

    ○吉川春子君 警察に伺います。  この問題について、当時の漆間次長が厳正に対処すると答弁されました。北見方面部の偽造領収書事件に対して警察は捜査を行っておりますか。──次長に。次長に、次長にお答えお願いします。
  78. 吉村博人

    政府参考人(吉村博人君) お答え申し上げます。  北見方面本部警備課の会計検査院をめぐる事案につきましては、これまで北海道警として調査、捜査を遂げてきたところでございます。  調査につきましては、昨年の十二月十七日付けでしかるべく処分を出したところでございますし、また関係者から事情聴取を行うなど、必要な捜査を、現在、北海道警察で行っているとの報告を受けております。
  79. 吉川春子

    ○吉川春子君 ちょっと時間の関係で先へ進みますけれども、警察も刑事事件としての扱いをやるかどうか分からない。会計検査院は三十三条に基づいて検察庁に通告はしない。検察庁は、これは当然ですけれども、三十三条とは認めないということになりますと、もうどこもこの問題について刑事責任を問うように積極的に動くところがないわけですよ。そうすると、出番は国会だと思います。  私は、国会法百五条に基づいてこの当委員会、国会に資料を提出するように求めたいと思います。委員長、お願いいたします。
  80. 山口那津男

    委員長山口那津男君) 後刻理事会で協議いたします。
  81. 吉川春子

    ○吉川春子君 福岡県警の裏帳簿疑惑について質問を行います。  平成十六年十二月十六日付けの福岡県警本部調査報告によりますと、本部会計課が毎月の捜査費の一部を基本経費として保留し、捜査本部に対する激励又は慰労、本部長室経費に使用していたということです。今回、この全額返還するといたしました基本経費というのは、警察の会計経理の帳簿の正式な費用項目にあるんでしょうか。
  82. 吉村博人

    政府参考人(吉村博人君) 正式な名称としては承知をしておりません。
  83. 吉川春子

    ○吉川春子君 要するに、基本経費というのは裏金なんですね。  それでは、どういう方法でこの裏金、基本経費はつくられ、何を財源にしたものでしょうか。また、どういうものに記録されているのでしょうか。お伺いいたします。
  84. 吉村博人

    政府参考人(吉村博人君) これまでの福岡県警における調査によりますと、福岡県警の会計課が、県警本部の会計課が毎月、捜査費、これは国費でございますが、それと県費の捜査報償費を交付するに際しまして、銃器対策課等の警察本部の十四所属から当該捜査費あるいは捜査報償費の一部を留保をしていたものでありまして、今委員お話のとおり、激励費あるいは部外懇親会経費あるいは本部長室経費で使用されていたものであります。  この基本経費につきましては、平成十二年度末をもってすべて取りやめたというふうに承知をしております。
  85. 吉川春子

    ○吉川春子君 要するに、予算から一部裏金、予算を財源として裏金をつくられたわけですけれども、これはどういうものに記録されているんですか。裏帳簿があるんですか。
  86. 吉村博人

    政府参考人(吉村博人君) 福岡県警の調査によりますと、基本経費の執行状況を裏付ける出納帳等の有無について確認を行いましたところ、このうち会計課次席の職にあった三名及び総務課長の職にあった三名につきましては、当時は手控えの出納帳等に出納状況を記録していたと述べておりますものの、いずれも離任後に処分をしたと述べているところでございます。
  87. 吉川春子

    ○吉川春子君 まあ、月額にして四十万のお金ですから、ちょっとした家計ですよね。若い家族の家計、一か月の家計簿ぐらいですから、相当厳密なる帳簿がなければ、これはもう何年もやっているわけだから、こういうことはできないと思いまして、出納帳があったという今次長からの答弁がありました。  それで、資料をお配りしていますけれども、これは警察庁からいただいた資料で、福岡県警の交際費というものが当然本部長とか部長にあるわけですけれども、その執行状況と、それからいわゆる裏金についての一覧表ですが、九八、九九、二〇〇〇で見ますと、予算が十分に付いている。しかし、その予算もかなり使い余している。三五%、七四%、五五%ですから、予算が余っている。にもかかわらず裏金をつくって、わざわざ複雑な二重帳簿を作り、予算を執行、括弧付きの執行ですね、ということを行う。どういう意味があったんだろうかと。予算を使えばいいわけですよ、裏金なんて一々つくらなくて。にもかかわらずこういうことだったという表なんですけれども、この本部長の経費は、激励費は捜査報償費から支出できるものですね。福岡県の交際費の執行等についての通知では、本県職員に対するもの、二次会経費、ゴルフによる接待、交際などは認められていない。懇談会なども限定されている。こういう交際費では認められていないものに使われたのではありませんか。  裏金ですから、領収書も要らない、摘発されなければ何に使ってもいい。警察が返還するという基本経費の使途、その領収書など、証拠を示すものが一切ないわけですよね。不正に流用した警察が必要経費に充てたと弁解しているにすぎないもので、私は私的流用をしていないという何の証拠もないと思います。どうですか。
  88. 吉村博人

    政府参考人(吉村博人君) お尋ねの基本経費の使途についてでございますが、福岡県警で調査の結果、その約八割が捜査本部等への激励費及び慰労費に使われており、残りの約二割が部外懇親会費、来客用の新聞ですとか雑誌代、あるいは茶菓代、慶弔費等の本部長室経費に使用されていたことが明らかになっております。  この執行につきましては、当該基本経費を執行しておりました当時の総務課長等から使途先についての聴取をした上で、その使途先とされました、ただいま申し上げましたような捜査本部設置所属については、激励費が本当にそこに渡っていたのかどうかの事実確認、あるいは懇親会が行われたという場合には主催者等への確認等の調査で使途の確認を行ったものでございます。
  89. 吉川春子

    ○吉川春子君 私は、愛知県警の裏帳簿、昭和四十四年から五十一年度の帳簿を見せていただきました。これはさる方が所有していらっしゃるわけですね。この裏帳簿では、総務課、広報課、装備課など、各課から総務部長のところに上納されていました。裏金は、せんべつ、飲食、交際費、やみ手当、慶弔費等、私的流用があったということです。そして、生々しい朱肉の印も、それぞれ責任者の印も押されているというものなんです。  それで、私は最後次長にお伺いしますけれども、北海道警で原田宏二さんが、幹部の方が裏金づくりがあったという告発をして、最近本にも出されております。そしてまた、「わが罪はつねにわが前にあり」、そういう本も何十年か前ですけれども読んだ記憶があって、そういうときから警察官自身から告発がされているわけです。  今の次長も各県を転々と、転々とというか、幾つかの県の責任ある地位におられたわけなんですけれども、今、全国の、私の知る限りで二十五の警察がそういう内部告発等によってこの裏金の存在を認めていますが、会計検査院は一度も事前につかんだことがない。これはまあ引き続き当委員会でやりますけれども、本当に国民の警察に対する信頼を裏切るものであり、まじめに働いている現場の警察官の努力を踏みにじるものですね。  私は、今やこういう問題について、警察の幹部も含めてしっかりと調査をし、明らかにするものは明らかにすると、そういう姿勢が問われていると思いますが、次長はいかがお考えですか。
  90. 吉村博人

    政府参考人(吉村博人君) 今委員からお話があったわけでございますが、昨年の年初めから、北海道あるいは静岡、福岡等々で、予算の不適正執行問題が次々と勃発をしたのは事実でございます。  そこで、警察庁といたしましても、仰せのとおり、確かに警察活動を第一線できちんと進めていくにはこれは国民の信頼が第一であるということはもう紛れもない事実でございます。そのために、それぞれ御指摘があったそれぞれの事案について、どのような事実関係であったのかということを早急に解明をし、処分をすべきはし、あるいは返還すべきお金は返還をするということで、一つ一つ対応してまいったと同時に、今後の警察のいろいろな捜査費等の執行の在り方について改善すべき点はどのようなことなのかということについても子細に検討をして、一つの方向を打ち出してきたつもりでございます。  また、加えて、昨年の四月からは国家公安委員会規則で監査についても十分に内部監査を徹底をすべきであると私どもも考えておりましたし、そうすべきであるということで、昨年度からは警察庁で都道府県警察に対しましても厳しく監査を今進めているところでございまして、昨年度分の監査結果もおっつけまとまってこようかと思いますが、そういうことで一つ一つ打つべき手を打って国民の信頼を確保すべく私どもはやってまいりたいと考えております。
  91. 吉川春子

    ○吉川春子君 時間が来たので、また引き続き行います。  終わります。
  92. 近藤正道

    近藤正道君 社民党の近藤正道です。  JR西日本の大事故、亡くなられた方々の御冥福をお祈りすると同時に、事故に巻き込まれた方へのお見舞いを心から申し上げさせていただきたいというふうに思います。その上で質問に入ります。  最初に、地震と原発のことについてお尋ねをしたいというふうに思っています。  十年前の阪神・淡路の大震災以降、地震の専門家の間では、それまで地震活動、比較的穏やかだった時期がありましたけれども、阪神・淡路以降活動期に入ったと。大体五十年周期ぐらいで穏やかな活動と活発な活動が繰り返されているようでありますが、阪神・淡路以降活動期に入ったと、こういうふうに言われております。そのとおりに、本当に地震が頻発をしているというふうに思っておりまして、その地震の都度、国民の多くは言わば原発についての不安感をかき立てられていると、こういう状況にあるというふうに思っております。  そういう意味では、原発の安全性の中の言わば耐震性というものに注目が寄せられているわけでありますが、全国にたくさんある原発の中でも、とりわけ中部電力の浜岡原発、東海地震のプレート上にあるというふうに言われております浜岡原発についての耐震性が大変注目を浴びて、集めているところでありますが、先ごろ、浜岡原発の二号機につきまして、設計段階で耐震性性能の数値に改ざんがあったと、こういうようなことをおっしゃる、言わば内部告発的にこういうことをおっしゃる人が現れました。  その方は、最初、文書を公開をされておりまして、最近では、今月の十五日でしょうか、静岡県庁で記者会見までやられておりまして、この事実がインターネット上にも出ておりまして、一部の人たちが大変心配をしております。  そこで、東海地震を起こすプレート上、プレートの直下にある浜岡原発についてこういう内部告発があると、これについては中部電力についても一定のコメントを出しているようでありますが、やっぱり原発の安全を監視する直接の部署である保安院としては、このことについてどう受け止めておられるのかお聞きをしたいということと、やっぱりこの方から保安院が直接事情を聴くなどして必要な措置をとると、そして原発の安全性を監視する部署としての責任をやっぱり果たすべきではないかと、こういうふうに思えてならないわけでございますが、保安院の所感をお尋ねをしたいというふうに思います。
  93. 三代真彰

    政府参考人(三代真彰君) ただいま御質問のありました浜岡原発についてでございますけれども、つい今月、中部電力浜岡原子力発電所二号機の設計に携わった方が、浜岡原子力発電所二号機に関しまして、岩盤強度、それから核燃料の固有振動数、それから建屋の減衰をごまかしていることや地震時に制御棒の挿入が不可能になる可能性があると、原子力安全・保安院に対し内部告発したとの報道がありました。  指摘を受けております浜岡原子力発電所二号機でございますけれども、これは現在、炉心シュラウドの取替え工事などを行うために平成二十年の三月まで停止中であります。したがって、直ちに安全性の問題があるというふうには考えておりません。  今後、当該原子炉が起動するに先立ちまして実施されます工事計画の認可などの規制手続を通じて、国として厳正に安全性の確認を行うことになります。その際、今回の情報につきましても、必要に応じてこの方から追加的な情報を得るなどにより、その事実関係を確認しつつ、その安全性の確認をしてまいりたいと、このように考えてございます。
  94. 近藤正道

    近藤正道君 私は、内部告発があったらすべてそれに飛び付けというふうに申し上げているわけではありません。ただ、この方の告発文書を私も読みましたけれども、設計に具体的にかかわっておられる方でないとなかなか言い得ないようなコメントがありますし、何よりも言っておられることは、その浜岡原発二号機の耐震計算結果は地震に耐えられないものであったというふうなこと、あるいは直下型地震が起こる場合、核燃料の制御ができなくなると、こういう非常に深刻なことを申し上げておられます。  そしてまた、原発につきましては、かなり幾つかこの内部告発を契機に問題が非常に表面化をして大きくやっぱり事態が変わったということがこの間幾つかありましたんで、是非、今現在浜岡二号機は停止をされておりますけれども、必要な都度、やっぱり保安院がしっかりとこの方から直接事情聴取をして、そして安全性についての国民の不安にきちっとやっぱりこたえていただきたい。とにかく会って話を聞いていただきたい。このことは私は避けて通れないことだというふうに思っておりますが、今ほどの御答弁は会って話をちゃんと聞きますというふうに私は受け止めさせてもらっておりますが、そのことは必ずやっていただけますでしょうか。
  95. 三代真彰

    政府参考人(三代真彰君) 原子力施設の安全性の確保、これは非常に重要なことでございます。今回報道にありましたこの方の主張というものは、ある程度既に明らかになっているものというふうに我々理解しております。  保安院といたしましては、今後正確な事実と、それからそれを裏付ける証拠、これが重要であるというふうに認識しております。保安院といたしましては、必要に応じてこの方から追加的な情報を得るなどによって、その事実関係を確認していきたいと、安全確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
  96. 近藤正道

    近藤正道君 今、この国の原発の耐震設計は、大体三十年ほど前に指針が作られております。ところが、その後、新たな知見がいろいろ出てきて、そして先ほど申し上げましたように、地震が活動期に入ったということで、原発と地震の関係の議論がかなりかまびすしくなってきております。そういう中で、最も地震の危険、地震の直下にあるんではないかと言われております浜岡原発で、加速度六百ガルから一挙にこれが千ガルに引き上げられると、こういうふうに補強工事が行われると、こういう話も出てきております。  そういう中で、原子力安全委員会は二〇〇一年から原発の耐震指針の再検討作業に入っております。これは、当初三年ぐらいで結論を出すということになっておりましたけれども、三年を過ぎた以降、現在も一向にその結論を出す気配がないと。私は決して拙速でやれなんてことを言っていないわけでありますが、地震が活動期に入って本当に地震が頻発をしている中で、耐震指針の見直しをすると言ったきり全然結論が見えない、そういうことがまた逆な意味国民の不安をかき立てている、そこに浜岡原発の再見直しの話がこう浮上してきているわけでございます。  速やかにやっぱり見直しの、耐震指針の見直しの方向をやっぱり示すべきだと。なぜこんなに遅れているのか、いつごろ見直し作業は決着を図るのか、まあ今皆さん鋭意検討はされていることだろうというふうに思いますけれども、現状とその見通しについてお伺いをしたいというふうに思います。
  97. 上原哲

    政府参考人上原哲君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘のありました原子力安全委員会の耐震指針の見直しにつきましては、平成十三年七月以降、その検討を開始いたしてございまして、現在まで十七回の会合を開催いたしてございます。  それで、なぜそういう見直しに至ったかという経緯でございますが、常に新しい科学的知見を指針の中に取り入れていくことが原子力安全を守るという観点から非常に重要であるということでございまして、今、具体の検討状況につきましては、最近、平成十五年度の原子力安全白書等でも申し上げているとおりでございますが、確率論的な考え方をなるべく導入したらどうかというお考えが今その分科会の席上問題になってございまして、従来の決定論的なものに加えて確率論的なものをどう使うかという点でございます。それが第一点目でございまして、また施設を設計するに当たりましては基準となる地震動が必要なわけでございまして、その基準地震動の設定その他が今作業として現在鋭意検討されているところでございます。  そういう検討に当たりましては、御案内のとおり、単なる地震学の先生のみならず、地質学、地震工学、土木工学、建築学、原子炉安全工学、機械学といった多方面の専門家のお力添えを得ながらやっておりまして、先生御指摘のとおり、平成十三年からおおむね三年を目途にということから考えますと、遅れていることは御指摘のとおりでございます。それで、私どもといたしましても、できるだけ早く指針を見直したいと考えてございまして、鋭意努力をしているところでございますが、特に分科会の先生方におきましても鋭意その辺は努力したいということでございまして、非常に拙速にならぬ範囲で十分中身について詰めて、できるだけ早い時間にお示ししたいと考えてございます。  以上でございます。
  98. 近藤正道

    近藤正道君 二つ目は、公正取引委員会にお尋ねをいたしたいというふうに思っております。  昨年、新潟市で新潟市発注工事をめぐるいわゆる官製談合事件、これが発覚をいたしまして、百二十社ぐらいのところに公正取引委員会として勧告をいたしましたけれども、八十五社ほどがこれに応じないと。したがって、審判が今行われております。今、四回ぐらい行われております。  私は、やっぱりこの談合の本当の被害者は当該自治体、さらに税金を払っている市民だというふうに思っております。そういう意味で、市民にも非常に関心が高くて、この審判の場に何人か傍聴に行っているようでありますが、とにかく被審人、つまり審判を受けている業者が八十を超えておりまして、代理人を含めますと百人ぐらいが言わば審判官を取り囲むように、まあ言わば団体交渉をやっているような雰囲気で、全く何を争点で何をやっているのかがさっぱり分からない。  もっとスピーディーに効率的にこの審判が進められないのかと。例えば、こういう大量の事件については、現地新潟で審理を行うとか、あるいは審判官を増やすとか、あるいは集中審理を、今司法改革の中でも集中審理をやれというふうなことになっておりますので、集中で効率的に分割も含めてやると、そういうことができないだろうか。是非その辺のところはこういう談合事件、これは頻発しておりますので、そういう工夫をやっていただけないだろうかと。これは是非お聞きをしたいというふうに思っています。  それと、時間がありませんので。  やっぱり先ほども言いましたように、こういう談合の本当の被害者はやっぱり自治体そして市民ですよね。ですから、この新潟市ではこの審判の記録をできるだけ早く入手をしたい、そして一体どういう経過の中でこの談合が行われたのか、一体どこにそのだましの本質があったのか、こういうことを解明したいというふうに思っているんですが、なかなか公正取引委員会はその資料を利害関係人である新潟市にも出さない、出したとしても物すごく、先ほど情報公開に時間が掛かり過ぎるという話がありましたけれども、何か月もたたないと資料を市に出さない。これはやっぱりおかしいんではないか。  まあ司法改革の流れもありますし、被害者救済基本法という法律もありまして、本当の被害者にきちっと早い段階で情報をきちっと開示をしなきゃならぬという流れがありますんで、是非この辺のところは是正をして改善をしていただいて、効率的に審理が行われ、そしてそれが本当の被害者である新潟市あるいは新潟市民にちゃんと開示される、そういうシステムを一日も早く確立していただきたい、こういうふうに思っておりますが、所見をお伺いしたいと思います。
  99. 和泉澤衞

    政府参考人和泉澤衞君) お尋ねの新潟市発注工事の入札談合事件でございます。御案内のとおり、現在裁判類似の審判手続というのを行っているところでございます。御指摘のとおり、三事案ございまして、全体合計いたしますと百二十五名、百二十五社が被審人となっているところでございます。  いずれにしても、現在審判手続中ということでございますので、現時点においてその進行に関する個別具体の点については申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げますと、この当委員会の審判手続というのは、行政処分を行うに当たって、被審人に十分な弁明、防御の機会を与えるという性格もございまして、適正、慎重な審理ということを行う必要がございますので、相応の時間というのは、これは掛かること自体はやむを得ない点があろうかと思います。  しかしながら、公正取引委員会といたしましても、審判手続の迅速化を図っていく必要があるということについては従来から考えてございまして、例えば計画的な審理の促進、それから集中的な証拠調べ等によって審判の迅速化に努めているところでございます。今後とも、引き続きこうした対応に努めてまいりたいというふうに考えてございます。  また、お尋ねのございました独占禁止法の六十九条に基づく資料の閲覧、謄写の件でございます。時間の関係でちょっと途中は省略させていただきますけれども、結論から申し上げますと、御指摘のとおり新潟市は被害者たる立場というものにもございますので、これまで新潟市から損害賠償請求のために必要であるという申出もございまして、当委員会といたしましては、新潟市が法律上の利害関係人に当たるということで事件記録の閲覧、謄写に応じているところでございます。  もちろん、その記録の中には個人プライバシーあるいは事業者秘密などなど、少々配慮が必要な点がございまして、先ほど申し上げましたとおり、こうした点の有無、いわゆる秘匿情報の有無につきまして被審人らに問い合わせをするなどの所要の手続、検討というのを行う必要がございまして、ある程度の時間が要するという点は御理解をいただきたいと存じます。  ただ、私どもといたしましては、こうしたプライバシーや事業者秘密の取扱い、適切に取り扱うという留意はいたしますけれども、それとともに独禁法六十九条に基づく事件記録の閲覧、謄写の請求につきましては、できる限り早く対応するよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。
  100. 近藤正道

    近藤正道君 終わります。
  101. 山口那津男

    委員長山口那津男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時十二分散会