○加藤修一君 よろしくお願いしたいと思います。
それでは次に、難分解性の溶存有機物の変動ということで、これは、先ほど
霞ケ浦を取り上げた委員がおりますけれども、私も
霞ケ浦のなかなか
水質汚濁が変化ないと、そういうことに非常に心配しているわけでありまして、
霞ケ浦に流入する
河川水は水量もいわゆる溶存有機物の量も秋から冬にかけては極端に少なくなると、こういうふうに言われておりまして、このため、冬から春先にかけて
河川由来の溶存有機物の負荷は年間を通して最も低くなると。
それはどういうことかといいますと、冬には難分解性の溶存有機物が増えたのは
河川由来のものではないということになると。それで注目されているのはやはり下水
処理水であると。
霞ケ浦には下水
処理水が直接
流れ込んでいるわけでありますけれども、そのデータを見てまいりますと、冬季には、
河川から流入する水量を百とした場合、下水
処理水分は十から二十に相当すると。その難分解性の溶存有機物の濃度は下水
処理水の方が
河川より高いと。量と質の両面から見ても、これは、下水
処理水についても、これは非常に高いということになりますので無視はできないということだと思うんですね。しかも、これが増えるということは極めて重要な話で、例えば
霞ケ浦からはそれは取水して上水に使っているわけでありますけれども、この難分解性有機物は上水
処理過程で生成されるいわゆる発がん性の物質でありますトリハロメタンなどの
原因物質になっているわけでありますから、
湖沼で水道水源になっている場合はやはりその水道水についても健康上のリスクが増大していると、そういうふうに
考えることができるんではないかなと、そう思います。
ですから、こういった面についても、やはり私は
環境省は独自の
研究機関、独立行政法人でありますけれども国環研を持っているわけでありますので、そういうところでそういった
研究が行われていると思うんですけれども、さらにこういった面についていかに
湖沼の汚染の
メカニズム、そういった面について、こういった難分解性の溶存有機物、こういった面についても更に私は
研究を深めていくべきではないかなと、そう思います。そういったことが最終的には
霞ケ浦のなかなか浄化されないという
原因を大きくつかむことにもなるんではないかなと、そんなふうに思いますので、強く要望をしておきたいと思います。
それから、
霞ケ浦全域でトレンド
モニタリングをやっているわけでありますけれども、陸域から湖、その推移帯、これはエコトーンというふうに、湖岸帯というふうに言われておりますけれども、エコトーン、これはトレンド
モニタリングの中には対象になっていないというふうに私は聞いております。私は対象に入れるべきだと思っておりますけれども、この湖岸帯といいますかエコトーンの関係については最近の学術的な知見では極めて重要であると。
何が重要かというと、やはり生物活動と物質循環のかなめであると、かつ人間活動の
影響を受けやすい場であるとみなされているわけでありますけれども、湖全体の生物群集の変化や物質循環の把握のためにはこのエコトーンについてやはり
モニタリングをしていく必要があるんではないかと。その辺のところが非常に浄化に対して大きな
影響を与えると、プラスの
効果になるということでありますから、そこをいかに
保全するかということが極めて重要である。そのためにもやはり
モニタリングをやっていくことが極めて重要でないかなと、そう思います。
そういった
研究成果を生かして、最終的に
法律の
見直しの関係におきましてもその知見を十分生かせるような形で将来的には
法改正をしていくべきでなかろうかな、そんなふうに思いますので、是非よろしく、そういった面についてもお願いを申し上げたいと思います。
それで、今エコトーンの話をしたわけでありますけれども、ファイトテクノロジー、今回の
法律の中でもいわゆる
植生、
植物をいかに
効果的に使うかということで、
ヨシ林というか、
ヨシとかアシとかと言われるやつですね、そういったものを積極的に使っていこうという話になっておりますけれども、ファイトレメディエーションあるいはファイトテクノロジーを使ったそういう
環境の修復、
植物を利用したという意味でありますけれども、甲子園のツタ、それも大気の浄化に貢献しているとか、あるいは
琵琶湖の水もそういったもので浄化に貢献しているというふうに言われているわけで、従来、アメリカなんかでも土壌汚染の関係で全国的には二十一万七千か所の汚染サイトがあると言われておりまして、それを従来の物理化学的な
方法で仮に
処理したとすると二十二兆円を超えると。膨大な金額が、資金が必要であるというふうに言われているわけでありますけれども、こういうファイトテクノロジーを使うことによってそれほど多くの費用が掛からないというふうに、そういった経済効率性の面からも言われておりますし、あるいは生態系をいかに活用するか、すなわち自然の持っている仕組みを最大限に引っ張り出すような形で
環境保全に貢献させ得るかという極めて私は重要なテクノロジーではないかなと、そんなふうに
考えておりますけれども、
質問が飛んでしまいましたけれども、この辺について
環境大臣の御見解をお願いしたいと思います。