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長安分科員 今、響
プロジェクト等の話もございました。
平成十八年には一個のタグの値段を五円に下げるという計画をされているわけであります。
私、昨年、この
分科会でお話しさせていただく
機会に恵まれました。また、リテールテックという展示会にも行ってまいりました。その場で感じたことは、率直に申し上げまして、
日本の今までの経済
政策はどうであったか。
特に、アメリカを見たときに、
IT革命という大きな革命が行われました。この
IT革命は、単に
ITベンチャーがみずからのノウハウだけで立ち上がってきただけではないと私は思っています。やはり、アメリカが国策として
IT産業を育てるんだということに力を注がれた結果、この
IT革命で、アメリカの双子の赤字を乗り越えられるだけの産業を興して、また、経済発展があったんだと思っております。
片や、
日本はどうであったか。
IT革命というものを、政治家が、確かにあの当時、テレビでアイテー革命なんという言い方がされて、あたかも振興するというようなことが言われましたけれども、実際、
日本の経済界において
IT企業が多く育ったかというと、確かに昨今話題になっていますライブドアのような企業は育ちましたけれども、そもそもの基幹であるようなところに関してはほとんどがアメリカだというのが現状ではないでしょうか。例えば、
大臣がパソコンを使われると、パソコンの中身の部品というのはほとんどアメリカです。インテルであったりマイクロソフトに、どんどんどんどん、パソコンを買うたびにお金がチャリンチャリンと落ちていく仕組みになってしまっているわけです。
一方で、ICタグというのを私、見させていただいて、また将来性を考えてみると、これは間違いなく化ける産業だ、
日本の経済自体をはっきり言って根本から変えてしまう、世界の経済自体も変えてしまうようなものだと思います。
そういった中にあって、いかに
日本が世界のリーダーとなっていけるかというのが、もしかしたら、通商産業省から経産省に変わって、この経産省にとって一番大きな、
プロジェクトという言い方が正しいのかわかりませんけれども、転換期になるのではないかと私は感じているわけであります。
この新しい
技術が世の中に普及するかどうかに関しまして、私は三つの重要なポイントがあると考えております。
これは、今
大臣からも響
プロジェクトというお話がございましたけれども、まず、
コストの問題であります。つまり、一つずつのタグが幾らよくても、幾ら高付加価値を有していても、高ければユーザーサイドは使えない、割が合わないということになってしまうわけであります。私、これを一つ目の課題だ、ポイントだと思っております。
第二は、この
技術を、利便性の向上あるいは
コストの
削減といったものにいかに結びつけるか。ソフトウエアといいますか、仕組みと申し上げた方がわかりやすいかもしれませんけれども、RFIDの分野でいいますと、例えば在庫の管理をする、また、顧客がみずからレジでチェックアウトできるセルフレジのようなものに使える。また、このICタグが商品についていることによって、ICタグを経由して消費者に情報を提供するというようなことも可能になってくるかと思います。これが第二のポイントだと思います。
第三のポイントは、こういった
技術あるいは
サービスがあって、消費者がこれを使いたい、使って満足したというものであることが重要なポイントであると私は思っております。現実にはさまざまな
技術であったり
サービスが世の中に生まれてきていますけれども、消費者に受け入れられないということで、毎日
幾つもの
技術が消えていっているというのが現状です。
そういう中にあって、このRFIDをいち早くユーザーに試してもらって、またユーザーの方々が何を求めているのかということをしっかりとノウハウを蓄積していかなければならないと私は考えております。実際、先ほども申し上げましたが、世界ナンバーワンの小売でありますウォルマートなどは、もうICタグを張りつけて商品を納入させているわけです。当然、日々もう今この時間もノウハウは蓄積されていっているわけです。このRFID
業界におきまして、ウォルマートはそういったところでその蓄積を生かして大きなオピニオンリーダーとなっていっているというのが現状であります。
一方で
日本を見たときに、例えば
日本の大手の電器、家電メーカーでありますソニーであったり松下も、ウォルマートに言われるからタグを張り始めたわけです。松下なんかの社員の方に聞きますと、ウォルマートに言われたから張るというのははっきり言って恥ずかしい話だ、本来であれば我々から張り始めてウォルマートに提案すべきではなかったのかというような声もあるぐらいです。
きょうは時間も限られておりますので、今述べた
技術、また仕組み、顧客満足度という
意味でのマーケティング、この三つの観点から、我が国の現状をどのように認識して、またどのような戦略で今後巻き返していこうとお考えなのか、御意見を伺いたいと思います。