○泉(健)
分科員 京都三区、泉
健太です。
私自身はこれまで、当選以前から災害ボランティア、各地に参加をしてまいりました。阪神大震災あるいは京都で起こりましたナホトカ号の重油流出事故、そしてまた、当選以後についても新潟水害や新潟の地震、こういったものの視察を続けてまいりました。そういった中で、きょうは、いろいろな災害を議員の立場から見て、そしてまた、
国会全体がこういった災害にどう対応していくのかということについてお伺いをしたいということで質問させていただきたいというふうに思います。
まだ議員になる前ですけれども、やはり議員になる前にいろいろなボランティア
活動をしていますと、その中で一つの疑問があったんですね。では、果たして、災害時には議員というのはどんな作業、どんな役割を果たしているんだろうかと。特に、もちろん議会で議論が始まればそれはするだろうけれども、緊急時、特に発生直後を含めて、議員というものはどんな仕事をしているんだろうということは、随分といろいろな災害の現場で感じたことでもありました。
少しおくれた時間の中で防災服を着て対策本部に来られる方もおられるでしょうし、地元の集落でいろいろな情報を聞いて回っている方、あるいは現場で作業をされている方、いろいろおられるかと思いますが、そういったものを議員になってからもう一回調査をしてみますと、全くこれは、立場や権限というものが対策本部に位置づけられたものではないということがわかってきたわけなんですね。
これは、全国五万人を超えます地方議員の皆様、あるいは我々
国会議員も同様でして、災害においては、実は、立法府、議員の役割というものは非常にあいまいもことした存在になっているということがわかってまいりました。これではいけないと。
時には、私も新潟の現場にもお伺いしましたけれども、中にはですけれども、例えば、うちの地元のところに支援物資を回してほしいということを強硬に発言をされる方や、あるいは地元の要望を先に聞いてほしいとか、そういったむちゃを言う方もおられました。あるいは、対策本部が本当に大変な業務の中で、すべての議員が一生懸命、情報収集だという名のもとに電話をかけてきて、あれはどうなっているんだ、これはどうなっているんだということを個人的に聞いてしまう状況に今陥っておりまして、全国の災害現場でこういったトラブルというか、非常にその位置づけがはっきりしないところで問題が起こっているという現状があります。
きょうは官房
長官にお越しをいただいておりますけれども、この
内閣の中で、特に危機管理ということを、やはり企画立案を含めて対応される官房
長官ですので、ぜひお伺いをしたいというふうに思いまして、きょうお越しをいただきました。
実は、河野議長が、昨年の九月にG8の下院議長
会議というものがありまして、アメリカの方に渡られています。その中で、河野議長自身が発言をされているんですけれども、阪神大震災のときにおいて議員がどういう役割をしたのかということを述べています。議員は行政と国民の間にあって、国民が一番困っていることは何か、そして、一番緊急度が高いことは何か、どの地域で何が起こっているのかということについて、被災者から意見を聞いて行政に指示を出す、あるいは行政に伝えるという役割を果たしたと言っているんですね。
でも、一方で、これは少し飾った言い方でして、こういうことも言っているんです。地方議会が機能することはなかった、実際上は災害救助法を適用して、行
政府が主体となって災害対策に当たったのであるということなんですね。実際にはやはり、議会が開かれない限りにおいては、議会というものはなかなか機能をしない、議員というものが位置づけがないということになるわけです。
同じく阪神大震災のときに、与党の災害対策
委員会の一員でありました兵庫県選出の高見裕一さんという
国会議員がおられました。この方が「官邸応答せよ」という著書でもお話をされていますけれども、当時、被災地で実際に被災をして、議長や
防衛庁長官や厚生
大臣に次々と被災地からの情報を、まさに寝起きの状態で、どんどん電話をかけて伝えた。こういった医薬品が足りない、病院に行って、その薬の名前をじかに厚生
大臣に言う。あるいは、ここの地区で何人生き埋めになっている、とにかく情報だけは送るから、あとは
防衛庁なり警察、消防、何とかしてくれ。とにかくその生き埋めの情報を百四十人近く、もう電話の電源がなくなるまで情報を送り続けた。しかし、残念ながら、こういった情報は、基本的にはイレギュラーなルートの情報でしかないという扱いになってしまうのが現状なわけなんです。
先ほどは、地方議会の議員の皆さんのそういった苦悩というものをお話ししましたが、
国会議員においても、幾ら現場にいて、幾らいい情報を持っていても、これが現在ではなかなか災害対策本部の中には有効な情報として位置づけられていないという現状があります。
そういったことで、私は、災害の多い昨年でしたので、本当に悲しい思い、大変な思いをしてきたわけですけれども、自然災害も含めた緊急事態の中で、もちろん緊急事態法制も与党、野党で議論されているわけですけれども、行
政府ではなくして、この立法府、
国会に求められる役割というのは何なのか。特に、災害の企画立案をされている官房
長官に、行
政府のまとめ役として、立法府に対してはどんな役割を望むのかについてお話をお伺いしたいと思います。