○松岡
委員 おはようございます。自民党の松岡でございますが、きょうはこのような機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
幾つか質問をさせていただきたいと思いますが、本日は、まず初めに、政策的なテーマといたしまして二つ質問をさせていただきまして、
総理の御答弁をお願いしたいと思います。
その二つのうちの
一つでございますが、これはもう
総理が施政方針演説でも特に強調されておられまして、前々から再三大変強い意欲も表明されておられます農産物の輸出を中心とする攻めの農政の問題についてでございます。
そしてもう
一つは、これもまた
総理がサミットにおいて大変主導的な
役割を果たしてこられました、そして特にエビアン・サミットにおきまして画期的な首脳宣言が出されました違法伐採の問題でございます。
最初に、攻めの農政の大きな柱であります農産物の輸出でございますが、私どもは、約二年くらい前から、自民党の有志議員で農産物等輸出促進議員連盟を結成しておりまして、これに富山の宮腰代議士が幹事長、また新潟の近藤代議士が事務局長、そしてまた徳島の後藤田代議士が事務局長代理、私が会長を仰せつかっておりまして、こういったスタッフで、多くの先
生方とともに、
農林水産省を初めといたします関係各省、それからジェトロ、農業団体を初めとします関係団体、一体となって積極的に取り組んで活動を行ってまいりました。
この私どもの取り組みの発端でございますが、今から二、三年前になりますけれども、アメリカで
日本の米がキロ千五百円で売れている、また台湾でもキロ九百円で売れている、そしてリンゴもイチゴも
日本よりもはるかに高く売れている、そういう話を聞きまして、早速調べてみますと、まさしく本当でありました。そして、改めて世界をよく見渡してみますと、今やまさに世界は
日本食ブーム真っ盛りであります。しかも、高級なものほど需要が高いという傾向にあります。これは驚きでございまして、輸入物との太刀打ちに追われておった、そういう目から見ますと、全く別のすごい世界、ある
意味では大変な可能性を持った宝の山の、新大陸の発見につながるかもしれない、私はそういう興奮じみた思いに駆られたわけでございます。
なるほど国内の需要だけに頼っておっては、人口も減ってまいりますし、また輸入物との競争もありますし、なかなか拡大をしていくことは困難でございます。それならば、今こそ海外に大きく羽ばたいて積極果敢な輸出戦略を強力に展開し、このときを逃さず
日本農業の一大発展を図るべきだと、強い思いを持って議員連盟を結成したというのが経過でございます。
そして、活動を重ねますうちに、
日本の農業、農産物は、私は、間違いなく一大輸出産業に発展することができる、また、それによって電化製品や輸送や販売など関連の業種も含めて大きな発展を遂げることができる、そういう強い確信を持つに至りました。この判断を裏づける事実関係でありますけれども、もう既に
総理はこのことはよく御承知でございますが、幾つか事例を挙げてみたいと思います。
欧米では、先ほど申しましたように、ニューヨーク、そしてまたロンドンでもキロ千五百円。まさに欧米の代表的な都市で、
日本の四倍高い値段で売れておる、こういう事実がございますし……(
小泉内閣総理大臣「何が」と呼ぶ)お米です、お米が。英国の野上大使やフランスの平林大使、こういった方々に聞きましても、ヨーロッパで、
日本のもので絶対売れるものが三つある。
一つは
日本食、そしてもう
一つは宮崎駿監督に代表されますアニメ、それからテレビゲーム、もう間違いなく売れると。
そういった中で、
日本食でございますけれども、これは高級なものほど求められる。逆に言えば、高級なものでないと売れない。リンゴ、果物もそうでございますが、とにかく大変な
日本食ブームであります。
日本の農産物は高級品として絶対売れる、あとはいかにこれをどう売り込むかという戦略が必要だ、こういうことであります。
また次に、アジアでございますが、これも先ほど言いましたように、台湾でお米がキロ九百円。それから、北京の百貨店では
日本のリンゴが一個千五百円から二千円。そしてまた食品につきましても、北海道産のクリームシチュー、それからカレーのこくまろ、晩餐館の焼き肉のたれ、こういったものが北京のデパートで実に
日本の二倍から三倍、こういった値段で売れておるわけでありまして、もはや北京や上海もそういう消費水準になっておると実感をしております。
またそれから肉にしましても、これは牛肉を初め
日本のおいしい肉というのは、肥育技術がすぐれていますから非常においしいものになるわけであります。官房
長官の島根牛もそうですけれども、飛騨牛もそうですけれども、一遍食べたら病みつきになるというか忘れられなくなる、そういったことを本当に頻繁に聞くようになりました。
例えば、タイの農業
大臣が
日本で松阪牛を食べた、こんなにおいしいものが世界にあるのか。また、鹿児島の知事が中国の要人にごちそうして、鹿児島和牛を食べさせた。全くタイの農業
大臣と同じ感想でありまして、これは中国で食べられるようにならないか、こういった話だったわけであります。それから先般、WTOのグローサー農業
委員会の議長が参られまして、我が党の、自民党本部でメロンを出しまして勧めましたら、感想を求めましたら、これは本当に相当の高級品で高く売れる、世界じゅうでこれは高く売れるはずだ、こういった感想でございました。
このような事実はもうまさに枚挙にいとまがない、そういう状況になっておりまして、まさしく
日本の農産物は、私は、車に例えればベンツかロールスロイスか、そういった超高級車だ、こういう実感を強くしております。
このように、この二、三年の活動を通じましての調査研究の結果、二十一世紀の
日本農業、農産物は、一大輸出産業、成長産業として間違いなく大飛躍、発展をすることができると私は確信を持っております。きょうの
質疑の模様をテレビやラジオで見たり聞いたりされておられる全国の農村や農家の、とりわけ若い担い手の皆様方が、きょう、
日本国の最高責任者であります
総理から農産物輸出への強い意欲と今後の方針をお示しいただきまして、そうか、自分
たちの将来には間違いなく明るい、これは確かな未来があるんだ、よし、自信を持って頑張ろう、こういう大きな勇気と希望を持っていただけること、そういったことを私はきょうは期待しておるわけであります。そしてまた、この輸出によりまして農村や農家が発展し潤えば、地方の商店街を初め地方の全体が大きく活性化につながる、そういう一大
事業だ、このように思っております。
そこで、農産物の輸出を二十一世紀における最重要な国家戦略の一環として強力に進める価値があると私は思いますし、ぜひ
総理からそのことについての基本的なお考えなり御方針を示していただきたいとお願いをいたします。