○長島
委員 アメリカとの関係は、今
外務大臣がおっしゃったことは
一つあると思いますが、
日本はやはり、同時に中国や
韓国とも協調していかなければならない、そういう
立場にあって、強硬策一辺倒では、これは国際協調というのは成り立たないというのは私もよく
理解をしているところですが。
特に
韓国は、盧武鉉大統領が昨年訪米した際に、北が核を持ちたくなるような、そういう思いも
理解できないことはないんだというような、そんな
発言をして
国際社会のひんしゅくを買ったことがありました。その辺について、
外務大臣、具体的に、今申し上げた、デッドラインというかどうかは別にして、
日本の深刻な核に対する認識、それから
アメリカの認識そして
韓国の認識を合わせていく、こういう
努力をされているんだと思いますけれ
ども、二十六日にもう一回、TCOGといいますか、
日米韓三国の
局長級でしたか、
会議をされることになると思いますので、ぜひその辺のところは足並みを
韓国がそろえていけるような、ある意味でリードを
日本はぜひしていただきたい、こういうふうに思います。
私は、そういう中で、やはり
北朝鮮の
核開発は絶対許さない、そして
日本列島を射程におさめているノドンは直ちに撤廃すべきだ、全廃すべきだということは、
日本の外交手段として、外交当局として粘り強くこれからも訴えていただきたい、こう思います。
そして、
最初の、私の冒頭の疑問にまた戻ってくるんですけれ
ども、そういう
日本の
意思はわかった、そして
日本はそういうことを
国際社会に向かっても、あるいは
北朝鮮に向かっても、あるいは国内の世論に向かっても働きかけを強く続けていくんだ。しかし、それはやはり、何か
圧力、まさに
対話と
圧力という外交の基本指針に戻ってくるわけですけれ
ども、つまり、逆に言うとあめとむちといいますか、こういう
部分も十分にきかせながらやっていかないと、これまで二年半、ある意味では
北朝鮮の
核開発というのはまさに放置されてきてしまった、そのことを繰り返すことになりかねないと私は思うんです。
あめについてはかなりはっきりしていると思うんです。
アメリカ側は、CVID、つまり
北朝鮮が
核開発を完全にやめれば
体制の保証はしようと言っている。それから、恐らく日韓を
中心としてでしょうけれ
ども、本格的な経済支援もやると言っている。これは
日朝平壌宣言にも詳細に書かれているとおりだと思うんです。しかし、それを
北朝鮮が、言ってみれば選択しやすい状況をつくるといいますか、あるいは選択せざるを得ないような状況をつくっていくというときに、やはり私は
経済制裁、つまり目に見える
圧力のカードというものが外交
交渉の中では非常に重要だというふうに思っているんですね。
日本単独の
経済制裁については、先ほど自民党の
委員の方も詳細に自民党の
シミュレーションチームの
報告書に基づいてお述べになりましたから、私の方からは重複を避けようとは思っておりますけれ
ども、結論的に言えば、
日本単独でも
効果がないことはない。もちろん、これは
アメリカ側の高官も言っていますけれ
ども、
経済制裁というのは国際協調がないと、どこか抜け穴があるときかないんだよというのは全くそのとおりかもしれませんけれ
ども、しかしこれは
効果がないわけじゃないんだ。
私は、
経済制裁は、どうやってやるかということも重要だと思いますけれ
ども、
経済制裁は何を目的にやるか、どういうことを目的に
経済制裁をやるかということの方がさらに重要なんだろうと思うんですね。
拉致問題で、私たちは
経済制裁を直ちにしろという
立場であることは揺るぎのない事実ではありますけれ
ども、なかなかこれが
国際社会で、そのために
経済制裁を単独で
発動する、だからみんなも
協力してくれと言われても、なかなか
国際社会の支持が得られにくいのは私も承知しております。また、特に中国や
韓国の
理解が得られにくいことも承知しております。それから、六
者協議という枠組みが曲がりなりにもある中で、
日本がその枠組みをぶち壊すわけにはいかないという
政府のお
立場も私は
理解しているつもりだと思います。
それからもう
一つは、これは極めて外交戦略上の理由ですけれ
ども、仮に
安保理に行ったときに、
経済制裁となったときに、
日本はもうやっちゃったから、そのときになって
経済制裁のカードが使えない。これもまた間抜けな話だろう、私はこう思いますので、そういう意味では
経済制裁のカードを温存しておきたいという
政府の
立場も
理解した上で伺いたいと思っています。
ですから、
制裁カードというのは、極めて有効なタイミングで、しっかりした目的に基づいて切らなきゃならない、こういうふうに思っています。それは何を根拠にやるのか、そして何を目的にやるのか、これを私は今日ここではっきりさせておきたいと思うんですね。
私は、根拠は、
日朝平壌宣言の不履行、これで十分だと思っているんです。
制裁の目的は、
拉致、核、
ミサイルの包括的な
解決。この二つをパッケージにする必要があるんですけれ
ども、どうもこの間、先ほど
外務大臣も御答弁されておられましたけれ
ども、
日朝平壌宣言の使い方が今の
日本政府は少し甘いのじゃないかな、こう思うんですね。
先ほど、まさに外交上の足がかりなんだと。つまり、別の
委員会で
小泉総理は、この
日朝平壌宣言、特に今回二月十日の
北朝鮮の
外務省声明によって、特に第四項、「朝鮮半島の核問題の包括的な
解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。」というこの第四項に明白に違反をしていると私は思うんですね。それは違反している
部分もあるということは、総理初めお認めになっておられる。しかし、破棄すればいいというものじゃないんだ、ベンチマークとして一応とっておいて、その平壌宣言に立ち戻ってくるようにしむけるんだと。
こういうことは外交のあり方としては私は確かに
理解できるんですが、もう少し平壌宣言、せっかく
小泉総理が直談判でとってきた
金正日総書記の
署名入りの公式宣言ですから、今回の二月十日の
北朝鮮の
核保有公式宣言を受けて、六者のチャンネルというものは
北朝鮮に残された
国際社会とのかかわりを持てる、
対話をできる唯一のチャンネルなんだということをはっきり認識させた上で、もしこれが失敗に終わったら
安保理に付託されることになるんだということを明確にして、そしてもしちゃんと我々の
準備したレールに乗ってきて、乗ってきたとすれば
話し合いを受け入れたとして、そして
核開発をやめれば先ほど言ったあめ、あめはしっかりと保証するということで、そういうことを
北朝鮮が選択せざるを得ないような
経済制裁のやり方というものは、
外務大臣として
考えておられないんでしょうか。お伺いしたいと思います。