○長島
委員 これでまた総務省の
局長の反論を聞くと、延々と恐らく平行線になるんじゃないのか、こう思いますので。
ただ、今、
銭谷局長、標準法と三点セットだというお話がありました。確かにそうなのかもしれませんが、地方交付税法二十条の二、ここに「
関係行政
機関の勧告」という規定がありますね。地方公共団体が法律またはこれに基づく政令により義務づけられた規模と内容とを備えることを怠っている場合、
関係行政
機関が是正の勧告をすることができる、それでも自治体が従わない場合は、地方交付税の全額もしくは一部を減額することができる、こういう対抗
措置もあるわけですから、そういうことをトータルに考えると、仮に国庫負担金が廃止をされても、
文部科学省が警鐘を鳴らしているような方向には一直線にはならぬだろうと私は思っているわけです。
それと同時に、これは東京大学の神野直彦教授のコメントなんですが、毎日
新聞の昨年の十二月二十日の朝刊に載っておりましたが、義務
教育費国庫負担金自体にも問題があるんだと。それはどういうことかというと、貧困な自治体にも行政水準を保障する財政調整機能がないんだ、したがって、裕福な自治体も貧困な自治体も一律に
教員給与の半額を負担させられてしまうために、財政力の弱い自治体にとっては非常に不当な負担を強いられる制度なんだと。
これもまた恐らく水かけ論になるので、ここでやめて、本題に入りたいと思いますけれども、私は、
前回以来、常に
一つのテーマで申し上げておきたいと思っているのは、
文部科学省として、国庫負担金にしがみつくのではなくて、その国庫負担金が地方分権の流れの中で廃止されたとしても、存在意義が発揮できるようなそういう方策、つまりは新しい国と地方との
教育をめぐる役割分担についてぜひ模索をしていただきたい。
そういう
意味では、多少我田引水かもわかりませんが、私たち民主党が今提出の準備をしております義務
教育環境の整備に係る財源の確保に関する
法律案、これを、ぜひ
大臣参照していただければありがたいなと思っているんです。
少しかいつまんで申し上げますと、現行の国庫負担金二・五兆円、これと同規模のまず
教育目的の一括交付金というものを地方に渡します。そして、これは
教職員の給与にかかわらず、教材費から研究開発費から外部委託費から、いろいろな、全部地方が自由にこの中から
教育財源として使っていける。そしてその上で、今申し上げた民主党が準備している財源確保に関する
法律案、これは私から言わせるとスーパー標準法ともいうべきものだと思うんですけれども、しっかりと地方に財源の確保を義務づけていく。義務づける以上、財源確保の
状況について、ちゃんとどう使われているかということを地方公共団体に公表義務を課して、そして国による事後評価をしっかりやっていく。これなら地方の自由度は高まっていく、そして同時に、義務
教育の根幹は国が責任を持つという公約を果たすことができるんじゃないだろうか、こういうふうに思うんですね。
こういう中での
文部科学省の役割というのは極めてはっきりしています。それはどういうことかというと、
教育の現場によりよい環境あるいはノウハウといったものを提供するいわばサポートセンターのような、そういう役割を
文部科学省がこれで発揮できると思うんですね。
つまりは、この前提としては、まず、これは
大臣もいろいろなところでおっしゃっておられますけれども、
教育現場の実態を把握しなきゃいけない。だから、全国の
学力実態
調査をしよう。こういうものを定期的に実施していく、そしてデータを公表する。そして、さまざまな施策の事後評価、週五日制になりました、そのことの効果はどうだったんだろうか、そういう事後評価をしっかりやる。
そして、プラス、さっきサポートセンターということを申し上げましたけれども、全国でいろいろな
先生方が頑張っている。そういうよりよい教授法、教え方、あるいは
学校運営のノウハウ、こういったものを、国際的な事例を研究したり、あるいは全国のいろいろなところで頑張っているそういう事例を研究したりして、
文部科学省が吸い上げてくる。そして、その中でベストプラクティスであるようなもの、その実例やノウハウというものを、例えばインターネットあるいはいろいろな手段を使って全国にあまねく展開をしていく、普遍化をしていく、例えば、こういう役割を
文部科学省が担っていくことができるんじゃないだろうか。
これは後で、
学力調査の結果についての場面でもう一回改めて触れていきたいというふうに思いますが、本題に行きたいと思います。
学力低下現象、これは先ほどから何度か
委員がお触れになっておられますけれども、今回の試験結果、テスト結果というのは、
文部科学省にとっても
国民にとってもかなりショッキングなものであったと思います。
まず最初に、今回のこの二つの
学力テスト、どんな特徴を持ったテストだったのか、どんな
学力をはかろうとしたテストだったのか。時間がないので簡潔にお示しをいただければと思います。